六畳半のすごし方 TOP  >  キラキラ☆プリキュアアラモード >  第27話「アツ~いライブバトル!あおいVSミサキ!」

第27話「アツ~いライブバトル!あおいVSミサキ!」

○今週の出来事
①舞台の始まりと終わり

 ほとんどの人が忘れているかもしれないけど、あおいの本業はバンド。珍しく練習しています。休憩中にメガネ君が慌てて駆け込んできます。ブルーロックフェスに参加することが決まった。憧れた岬さんと同じステージ。

 前回のオブジェをみんなに見せるシエル。他のメンバーは丸いまま。シエルだけ特殊なのかと思いましたが、今回あおいが変化しているので、ゆかりとあきらは別途イベントがありそう。例によって長老は当てにならないので素直に夏休み明けを待つしかありません。どーせ箱物新商品の付属物でしょ?
 そこにあおいが意気揚々とやってきます。フェスと聞いてもピンとこないシエル。有名な野外ライブだとゆかりが説明。岬さんのバンドが今年のメインとあきらが補足。シエルは岬さん知らなさそう。本来は別のバンドが参加するはずでしたが解散したため繰り上げ当選したと話すあおい。過程はどうあれ岬さんと同じ舞台に立てることを心から喜びます。


 というわけで当日。お客さん達で大賑わい。一般参加者はキャンプなり宿泊施設を利用しますが、お嬢様のあおいにそんな許可がでるわけもなく専用車で送り迎え。運良く岬さんとバッタリ。めちゃくちゃ緊張するあおい。挨拶しようとすると岬さんはこちらのことを知ってくれています。実は今回推薦してくれたのは彼女。以前コンテストで審査したときに印象に残ったらしく、昔を思い出すと懐かしむ岬さん。若いバンドグループに当時の勢いや情熱が被ったようです。ところが空気が読めないあおいちゃん。憧れの岬さんを前にしてファン根性が勝り夢が叶ったと喜んでしまいます。今週のNGワード。サイン下さいと用意していたらしい色紙を渡します。「これがあなたの夢」。もう完全に評価ランクダウン。もっと気骨あるバンドかと思っていたのに拍子抜け。失望もあらわに立ち去っていきます。そんなことはつゆ知らずあおい達は有頂天。しかしその幸福感も長くは続きません。

 会場に来てまずスイーツを確認するいちかは流石このアニメの主人公。一方、ひまりはライブスケジュールを見て固まってしまいます。あおいと岬のライブがものの見事にバッティング。事前の話では岬さんの登場は2日目だったはず。特別に今日も歌うらしい。予期せぬライブバトル展開。どっちが盛り上がるかってのはあるよねとあきら。それを聞いたいちかは素直に頑張って盛り上げようと張り切ります。いっそスイーツ売ったらどうでしょうか。
 その頃、あおい達も事情を知って戸惑います。相手は今回のメインバンド。片やこちらは補欠当選。知名度、実力は雲泥の差。お客さん来てくれないんじゃ?と不安がるチームメイト。緊張した声であおいは自分たちは岬さんが認めてくれたバンドだと自分に言い聞かせます。

 開演。
 現実を知るあおい。閑散とした客の入り。しかもかなりの割合で身内。ひまりの遠慮がちなポーズ可愛い。もうこれ普段ライブしている例の広場の方がマシなんじゃね?というレベル。客の取り合いというか、取られ放題。どうやらほとんどは岬さんの方に行ってしまったようです。これが可愛い女子小学生のバンドなら別な意味で客が集まったんですがね~。
 棒立ちから何とか立ち直るとステージ再開。あー、これやばいわ~みたいな顔してるいちかが全てを物語っています。それでも歌い出すまではあおいは一縷の望みを捨ててはいません。歌さえ届けばみんなステージに来てくれる。歌い出しと同時に隣の会場にいた岬さん達もスタート。こちらは当然超満員。その熱気たるやこちらの比ではなく、瞬時にあおいは実力差を直感。実際この歌かっこいいよね。キャラソンか何かにカップリングされていたらこれ目的で買おうかと思ってたけどサントラに収録されていて手間が省けました。スローモーションがかかったように自分と周囲を認識するあおい。バトルものよくある演出。敵が圧倒的に強すぎて自分の動きが止まってる的な。この場合は自分の歌に集中できていないって意味もありそうですが。客も察したのか一人また一人と抜けていきます。それを見てしまういちかの視線が痛い。
 歌い終わると閑散とした客席からまばらな拍手が聞こえてきます。セミの鳴き声の方が大きい。キラパティのメンツはいちかを除いて拍手。いちかさん、君は察しが良すぎる。同じ頃、歌い終わった隣のステージから歓声が飛んできます。もうこれわざとこういうスケジュールにしたんじゃないかと疑うレベル。どうせみんな岬目当てなんだから知名度低い弱小バンドを噛ませにしとけ的な。ステージから逃げ出すように退場するあおい。
 ステージ裏で、完敗、見事にいつものお客さんばっかと力なく笑います。途中で何人か向こうに行っちゃったし。笑い話にしてダメージを緩和したいところですが隠しきれません。落ち込むことはない、と水嶌。ド新人が憧れの人と同じイベントに出られたんですよ、この夏最高の思い出じゃないですか。お前トドメ刺しに来ただろ。ライブをやる前ならそう思えたことも、終わった後では世界が変わっています。しかし彼の言葉に乗るしかない。元々格が違う。音楽は勝ち負けじゃない。そう無理やり納得させます。
 ここまで全部前振り。


②心の行き先

 夜も屋台などで人が引く気配はありません。あおいは重い足取りでキラパティへ。
 部屋の中から声が聞こえてきます。あおいが落ち込んでいるとみんなに話すいちか。シエルとひまりにはピンとこないようですが、ゆかりはいちかの言わんとすることを察します。岬側との盛り上がりと比べれば一目瞭然。そのためにもスイーツで元気づけたい。ちょうどそのタイミングで中に入るあおい。立ち聞きしていたと思わせないため空元気を出します。本当は落ち込みたいのに落ち込めない環境っていうのもそれはそれで辛そう。あ、ごめん、落ち込まさせてって言える人がどれだけいるのかは知りませんが。実際問題空元気を出し続けた方がいいのか、一端不貞腐れた方がいいのか、どうなんだろ。ちなみに私は寝れば何とかなる。時間が経つこと、事象から距離を置くことで冷静さを取り戻し現実対処能力を復旧させる。
 折角の空元気もいちか達の反応がバレバレ。ここでも揺るがないゆかりさんのポーカーフェイス。この人ギャンブル強そう。テーブルの上には食材。ジュースでグミを作るつもりだったと挙動不審に答えるいちか。あおいも一緒に加わります。

 ひまりの解説と共に調理。出来上がると鮮やかな色のグミが完成。
 試しにペコリンが食べると噛み切れない。あおいも口に入れるとやはり固い。ゼラチンが多かったようです。口にしたいちかは歯ごたえがあってこれはこれで好きと言います。ハードで美味しくてあおいちゃんらしい。今週のNGワードその2。彼女が同情ではなく本心からそう言っているのは表情から明らかですが、踏んだり蹴ったりなおあいには無責任な言葉にしか思えません。私らしいとは何だ。私達の音楽とは何だ。シエルもスイーツは自分らしく作ればいいと合いの手を入れます。
 「あたしらしいってどういうことだよ…
 涙を零しながらつぶやくあおい。満員のステージの隣で閑散とした客の前で歌うことか。固いグミを作ることか。
 「そんなの、ただの失敗だろ!
 キッチンを飛び出していきます。


 ライブ会場ではエリシオがキラキラル回収作業。ちょうどいい獲物を発見。
 がむしゃらに走りながら脳裏には自分達が発した負け犬の遠吠えが聞こえてきます。自分達の無力さを棚上げして合理化を図る負け犬根性。向上心のこの字もない。いつからエンジョイ勢になったんだ? 全部嘘っぱち。
 「なんだよ…これ! なんで!
 「なんで…こんなに苦しいんだよ……
 膝をついた彼女はもがき苦しみます。
 「教えてあげましょう」
 「それを嫉妬、というのです」
 あおいの心の隙間を突くエリシオ。彼女の動きを止めると、スイーツ作りでも友達に敵わないと精神攻撃。劣等感を煽ります。あおい陥落。


 あおいを追ったいちか達が現場に着くとエリシオとジェラートが立っています。
 エリシオの言葉に従ってステージへと向かうジェラート。プリキュアでは珍しい展開。爆発とともに会場にやってくるジェラート。闇堕ちしてプリキュアに変身できないのはそれ以前のシリーズでも今作のいちかでやりましたが、闇堕ちして暴走は初めてかも。MHの映画くらいかな。今作的にはジュリオやビブリーがそうであるように、ネガティブな感情、正確にはそのネガティブな感情に対して自制できないことが起因しています。敵の尖兵と成り果てたジェラートは会場に向かって発砲。そうはさせないとホイップ達が止めに入ります。
 怪人を出してさらにややこしい事態に。苦しみの元凶であるステージに向かって構えるジェラート。
 「あおちゃん!
 いちかが呼びかけます。ステージ壊したって意味ない。その場所が一番大事な場所でしょ? それを壊すなんてあおちゃんらしくない。あたしらしい。自分らしいって。ジェラートの手が止まります。この前も言いましたが、自分を自分だけで定義するのは意味がありません。自分が思っている自分って自分の全部じゃないですからね。大抵都合の良い自分だし。人に見えている自分っていうのが抜けがち。たとえそれが外向きのものでも、そういう態度を取っているのはやはりその人なのです。ゆかりがしおらしくしていても「それも作戦なの?」と疑ってしまうのもその態度がゆかりらしさとして映ってしまうから。要するに普段の行い。自分の普段の行動っていうのは思いのほか自分を規定してしまうものです。別にいちかは失敗したグミをあおいらしいと言ったのではありません。あおいという人物がどういう人なのかを評しただけです。もちろん、いちかが知っているあおいもまたあおいの全てでは無い。普段私はこの感想でも他の感想でも「自分はこういう人間で、こういう考え方をする」と書いていますが、実のところ「個性」や「らしさ」というものに対してはひどく懐疑的です。理由は単純で、人間はいい加減なものだからです。決まった、定まった本質などというものはない。「傾向」はあっても「原理」ではない。だから処世術でも本人のスキルでも環境でもその時の微妙なキッカケや偶然でも全く違う行動や意思表示をしてしまえる(選択の幅は有限だけど)。つまり「自分らしさ」などというものはその場、その時になんとなくそう思った程度のものでしかないと思っている。その積み重ね、連続が自己。そういう意味で自分がふらつくことはあるし、テキトーに選ぶことがある(その選択は「傾向」に左右される)。人間が曖昧であることを私は悪いことだとは思わない。その曖昧さがあるから人は変われるのだと思う。揺れる中で自分を選び取っていく。自分で自分を証明し続ける。そういうものだと思っている。
 「もっと歌を届けたい
 あおいもまた自分を選びます。ライオンのオブジェに変化。
 「好きも嫉妬もこの熱い気持ちは全部音楽にぶつけるしかないんだよ!
 変身が解けたあおいは自分の心を自らの意思で方向付けます。
 「自由と情熱をレッツ・ラ・まぜまぜ!

 変身完了と同時に敵を氷で足止め。あとはいつものとおりパルフェが氷の棺に閉じ込めて粉砕。
 敵を退けて元気に吠えるジェラート。吠える→ホエール。ほんとに思いつきだな。


 フェスは無事2日目。立ち直ったあおいを水嶌はそっと見守ります。
 ステージが終わった岬に声をかけるあおい。自作のスイーツを渡します。噛みごたえがあるクジラのグミ。
 「それが目指すあたしです
 次は負けない。昨日見たファンの顔はそこにはありません。笑顔に楽しみにしていると手を差し出す岬。あおいはその手に応えます。
 


③次回予告
 レポーターといいひまりに無茶振りするの好きすぎだろお前ら。


○トピック
 全てのオブジェを重ねると、あら素敵! トーテムポールに。


 今作の不思議パワーであるキラキラルはプリキュアのみならず敵にとってもエネルギー源。ではそのキラキラルとは何か。人の心。感情。ピカリオの無力感と嫉妬が、ビブリーの孤独が彼らをそうさせたようにあおいの苦しみも強い衝動となって彼女を動かす。ではその情動を奪ってしまえば? キラキラルを奪われたいちかはしかし自らその力を生み出します。プリキュアにおける感情の力は必要不可欠なものとして、そしてその人間にとって関わり深いものとして扱われています。

 感情に対するプリキュアの扱いが好きなのは、ネガティブな感情=悪とはしない点です。むしろそれは揺れるものとして描かれる。ハートキャッチは特にそうですが、人の心を示すプシュケーがピンクと黒に別れ、後者から生まれたレジーナが悪ではなかったこと実証したドキドキはより顕著です。
 そもそも感情を安易にラベリングすることに危うさがあります。野心と向上心が明確に色分けできないように、嫉妬と憧れも感情的にはおそらく地続きでしょう。エリシオはあおいの感情を「嫉妬」と名付けましたが、本当にそうであったかは微妙なところです。無力感、挫折感、羞恥、怒り、何かよくわからないモヤモヤしたもの、あおいが果たしてどこまで自分の感情を客観視できたのか。嫉妬と呼ぶか憧れと呼ぶか、野心と呼ぶか向上心と呼ぶかは解釈であり、それ自体は案外ニュートラルな情動かもしれない。それならば重要なのはその情動をどこに持っていくかであり、その行動の是非が問われる。結局のところ感情に名前が付けられるのも言動から推測しているだけです。嫉妬に狂って、というように。ピカリオは姉の自分への無理解に対する反発心がありましたが、ビブリーは孤独だっただけでそれ自体に攻撃的な要素はありません。あおいにしたってまだ言語化が難しい状態だったと言えるでしょう。つまり敵はそそのかしているのです。あなたにはこういう感情がある、と。ピカリオやビブリーはさらにアイテム(可視化)を与えられることでその気持ちをより強化している。敵が名(形)を付けてしまうことでそこに囚われてしまう。
 同じことはプリキュア側にも言えます。スイーツという形からあおいはこういう人だよ、と示す。これまでも本作はスイーツを作ることで自分の気持ちを伝えてきました。人の感情とは純粋に心から生まれているのか、形や名前、行動から生まれるのか。いずれにせよ、そういう曖昧なものなのだと私は思います。だからこそそれを自ら形にし方向付けられる人を尊敬する。自分が思う自分、他人が思う自分、それらを組合せたものが自己ならば、その舵取りをすることに意味がある。みんな同じ丸い球がシエルはペガサスに、あおいはライオンになったのも彼女達の意思が形になった結果なのかもしれません。元々はいちかが発案したアニマルスイーツ。彼女達は自ら選んでその形を取る。



[ 2017年08月13日 20:42 ] カテゴリ:キラキラ☆プリキュアアラモード | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL