六畳半のすごし方 TOP  >  キラキラ☆プリキュアアラモード >  第26話「夏だ!海だ!キラパティ漂流記!」

第26話「夏だ!海だ!キラパティ漂流記!」

○今週の出来事
①無人島で再会

 今週は海へお出かけ。自分がプロのパティシエだったことを忘れているんじゃないかという気がするシエル。出社は週に1回1時間みたいな重役出勤なのかもしれません。名義貸しみたいな。
 同じ頃、どこかの孤島で、ビブリーは泣いていました。


 浜辺でキラパティオープン。相変わらずの神出鬼没さ。っていうか不自然さ。この街の人はもうちょっと気にした方がいい。毎週怪人が出現している件とか。着いて早々いちかはキラキラルを使って浮き輪を作成。キラパティを浮かべます。なおさら怪しいだろ、この建物。水上コテージみたいでしょ?といちかは満足げ。今回は純粋に遊びに来たので商売するつもりはないようです。
 そんなわけで水着パートスタート。はい終了。水着とは何だっったのか。これ以降は上着を着るので露出が減ります。もうこれなら夏服で良かったよ! 全裸待機した俺に謝って!
 みんな遊び疲れて寝てしまいました。水上コテージはそのまま沖に流されていきます。


 気づけばどこかの島へ。人の気配がしません。よもや無人島? キラパティで移動すれば…浮き輪が破れていて移動不可。まあ、仮に破れて無くても無茶だとは思うけど。みんなで漕ぐ気か? こんなときこそパルフェ。伊達に空を飛べるわけではない。あ、ごめんお腹すいた。はー、つっかえ。だからお前は携帯食持ってろよ。なんだそのガバガバストマック。キラキラルでまた作れば…さっき使い切ってました。じゃあスイーツを作れば……食材の備蓄ゼロ。アレもない、コレもないの無い無い尽くし。詰んだ。
 しかしヘコタレないキラリン。自然の中には美味しい食材がある。無いなら探せばいいと提案。それしかなさそうです。
 とはいえ勝手がわからない。土地勘もなし。ノリノリのキラリンとは反対にいちか達はすぐにへばってしまいます。奥まで来たもののめぼしいものは見つかりません。本格的にマズイのでは?と心配になるあおい。するとキラリンが人の足跡を発見。希望が見えてきます。
 足跡を追っていくと崖に。足跡は崖を登っています。根性ありすぎだろ。言っとくけどプリキュアはアイカツと違って崖登らないからな? キラリンが斥候に出ます。空を飛べる妖精なら打ってつけ。……ペコリンの存在意義がさらに減った模様。キラリンが人間にも妖精にもなれるせいで割りを食ってしまいました。
 冒頭からテンション高めなキラリンは崖を登っていきます。この人、シエルとして登場したせいか、しっかり者のイメージがあるんですが、どうも妖精の姿になっていると好奇心旺盛でお調子者な傾向があります。おそらくそっちが素。
 人影発見。助けを求め寄っていきます。君、自分が妖精だってこと忘れてない? 呼ばれた人影、ビブリーが振り向くとお互いに驚きます。なんでこんなところに? 気まずそうなビブリー。気を取り直すとここで会ったが百年目とばかりにイルを構えます。
 「ノワール・フィリング!」
 沈黙。
 「ノワール・フィリング!」
 やはり沈黙。イルはウンともスンとも言いません。これにはキラリンも苦笑い。
 こうなったのはみんなあんたたちのせい!と逆ギレし始めます。プリキュアに負けてノワール様に会わせる顔がないと旅に出たビブリーはこの島に辿り着いたもののそこで船を失い、さらにイルも力を失って立ち往生したと語ります。自業自得じゃない?と困った顔で感想を漏らすキラリン。ぶっ飛ばれた勢いでここに来たのならいざしらず、自分でここに来たんじゃね~。一人感傷に浸るビブリー。どうやら寂しがり屋らしい。そんな姿を冷静に見つめるキラリン。いつも邪魔してくるビブリーですが、案外弱いところがある。しかしこちらの視線に気づくと立ち去っていきます。


 崖を登ったいちかがキラリンに声をかけます。早速足跡の主について尋ねますが、どう答えていいのか迷うキラリンは言葉を濁します。特に気にしなかったのか、いちかは自分たちがあるものを見つけたことを伝えます。
 いちかについて行くと洞窟が。さらに奥へと進みます。その間もキラリンの胸中にはビブリーのことが思い返されます。やはり伝えるべきだと考え直して口を開くと……目的の場所に着いてしまいます。一面にはつらら。ひまりが解説。スイーツ以外にも色々知識あるらしい。綺麗な氷。それならスイーツが作れる。かき氷。今ひとつピンとこないキラリン。
 百聞は一見にしかず。氷を持ち帰ってキッチンで調理。よくノコギリあったな。そして当然のように力仕事してるあおいちゃん。ほんとそういう役回…………あれ? 変身して技出せば氷調達できたんじゃね?
 ただのかき氷では芸がない。ここでもいちかは閃くとペンギンに模したスイーツを考案。味もバッチリ。キラリンはシエルの姿に。一口で戻るってえらい簡単だな。この子の空腹は空腹感なのか血糖値なのか、ただ気分的な問題なのか。ふとビブリーのことを思い出すシエル。寂しそうな彼女。今の自分には友達がいて安心できる。それなのに…。そう思ったシエルはいちかにビブリーのことを伝えます。彼女が泣いていたことも。
 ビブリーにかき氷作ってもいい? そう尋ねるシエル。ビブリーのこれまでの所業について長老は念を押します。けれどあの寂しい目を忘れることができない。彼女に元気になって欲しい。そう思うシエル。そう思うならそれでも良いと長老は引きます。高校生組も了承。こういうとき大人の会話ができて便利。いちかも賛成。


②心が叫びたがってるんだ
 再び崖。ビブリーは昔を思い出します。
 「あたしは独りぼっち。誰もあたしを愛してくれない…」
 心の叫びに引き寄せられたノワールは、彼女の心を(文字通り)掴みます。イルはノワールが与えたもの。ビブリーの心。愛しているよ、君だけを。そう言い残して消えるノワール。寂しがるビブリーにイルが話しかけます。それが彼女達の出会い。ジュリオの心がロッドに変化したのは彼の無力感(力への渇望)が転化したもの、イルはビブリーの孤独感が転化したもの。自らが求めるものへの執着が孤独感を深める。満たされない自己愛が自身の心を重くしていく。
 ビブリーの問いかけに答えないイル。さしずめ折れたロッドといったところでしょうか。ボロボロで綿毛が出ている。こうして見るとかなり直裁的と言えます。彼女達は自分の心を武器にして戦っているけど、負け続ければボロボロになっていく。イルが答えないのは彼女が答えられないことと同義。
 そこにシエルがかき氷を持ってやってきます。先の言葉からすると彼女が持ってきたのは彼女が作ったもの。キラキラ理論的には正しい。ビブリーのためにシエルが作ったスイーツ。それには特別な力がある。シエルは素直に伝えますが、ビブリーは頑な。バカにしているのね!と反発を強めます。一生懸命みんなで作ったと弁解。あ、それNGワード。
 「一生懸命? みんなで?」
 案の定ビブリーは憤慨。自分が独りぼっちで苦しんでいるときに、こいつはリア友と楽しくスイーツ作り。これではリア充が陰キャに情けをかけているようなもの。プライドを深く傷つけられたビブリーは涙を零しながら怨嗟の声をあげます。なかなか難しいですよね、ルサンチマンて。誰にだって、虐げられた人にだって、落伍者にだって、いじめられっ子にだってプライドはある。ただ、そのプライドが最後の拠り所になってしまっているのがさらに彼らの逃げ道を無くしている、あるいは逃げ道を無くした先がそれなのかもしれない。正直、そういう深く激しい衝動っていうのを経験したことがないのでわからないのだけど。私なら現実と折り合いがつく範囲でならいくらでもプライドなんて安売りするし、それができなかったらできなかったでそういうもんかと諦める。私は諦念や諦めという言葉を必ずしも悪い意味で使いません。それもまた心を守るための武器となり得るし、次に進むための原動力にもなる。この感想、共感したり共感しなかったりするんですが、こうやって対比することによって自分と他者の差、心理的機構の差を明確にする意味もあります。他者について知るということはとりもなおさず自分について知ることであり、そこから自分を使いこなす技術を会得するのがこの感想を書く一つの理由です。先週書いたように、こうした活動を14年以上もやっていると私自身の精神に大きな影響を与えているはずで、現実的な私の言動の裏にはこうした背景がある。この感想読んでる人は私の現実知らんでしょうが。まあ、特に不満はない生き方してますね。不満は他人にではなく、自分の腹の中で消化していくスタンス。

 とはまあ、自己完結できる人間もいればそうではない人間もいて、孤独を強めたビブリーの心に反応してイルは再び力を取り戻します。貪欲なそれはシエルが持っていたかき氷からキラキラルを吸い上げる。
 「許さない! 楽しそうな奴! 幸せな奴! 愛されてる奴! みんな!みんなーー!
 彼女の怨嗟は自分を守る言葉。強くイルを抱きしめる彼女の腕はよくそれを表しています。自分を守るために他人を傷つけずにはいられない。行き詰った自己愛。動け!と念じるようにイルを振り回すと力が戻ります。氷の鎧を纏った巨大イル。
 イルに命じてシエルを攻撃。逃げ回る彼女を見て笑ったビブリーはさらに追撃を命じます。しかしイルの制御は不安定。持ち主であるビブリーまで攻撃しはじめます。信じられないという表情でイルを見つめ返すビブリー。このアニメ、ここだけ見ると日曜の朝とは思えないほどの緊張感。プリキュアは瞬間的に吹っ切れる。自分のせいでこうなった?と自問。ぬいぐるみを使う場合、こういうシーンでは非常にわかりやすい。ビブリーとイルの会話は彼女自身の心の動きと連動しています。細かい話をするとハピネスの映画がわかりやすいんですが、自分の心が投影されたぬいぐるみとの対話は自分との対話でありつつも、いくらかの他者性(他者として認識するため愛情や思いやりの感情が働く)を含んでいます。だから、彼女がイルを気遣うのは、自分を気遣う(自己愛に落ち込む)と同時に彼女の優しさも表出しています。これは矛盾するというより、そういうものです。だからこういう人の扱いって面倒臭いよねってみんな直感的に理解する。投影が激しい人は確かに厄介なのですが、しかしそこに手がかりがあるとも言える。
 シエルはとっさにイルの攻撃からビブリーを庇います。無事なことを確認して安堵。その間にプリキュアが到着。変身済なのでシエル単独変身。パルフェを加えてタイトルコール。実は今回が初。

 プリキュアがビブリーを守る格好に。今回一般人がいないので被害者は彼女自身。
 耐えきれず叫ぶビブリー。
 「ノワール様は来ない。イルはもう……誰もあたしのそばにいてくれない」
 どうせ独りぼっち。涙で手を濡らします。暴走したイルがミサイルをばら撒くと、ビブリーの方へ。パルフェがまた庇うと、落ちた彼女を抱きとめます。苦しそうな表情でかき氷を一緒に食べたいと話すとビブリーの方が困惑。一人ぼっちじゃないと繰り返すように言うパルフェの表情はやはり苦しそう。弟を見捨てた形になった彼女は同じ轍を踏むわけにはいかない。
 「諦めないで、ビブリーも。ウイ?
 パルフェもこういう表情できるんだと感心。パルフェ観が変わるレベル。決して上からではなく、対等な相手として敬意を払う。そんな印象を受けるシーン。例のビー玉がペガサスを模したオブジェに変わります。箱型新商品の付属物でしょうか。復帰したパルフェはイルを浄化。

 元に戻ったイルに駆け寄るとビブリーは心配そうに声をかけます。拾い上げても答えは返ってきません。帽子の星も消えたまま。再びシエルがやってくるとかき氷を差し出します。皿を受け取るとキラキラルをイルに与えます。ありがとう、とでも言うと思った? ばっかみたい!と言い残すと逃げるように去っていきます。空の上で沈痛な表情を浮かべる彼女をシエルは知りません。ペガサスのオブジェがシエルに残されます。

 キラパティのキラキラルが溜まったので気球を作って帰還。
 かき氷を前に憂いた顔をしているシエルにいちかが話しかけます。ビブリーにかき氷食べてもらいたかった。でも、今度会ったときは、と諦めてはいません。その言葉にいちかは頷きます。


③次回予告
 相変わらずあおい回はスイーツ要素ぶっこむの難しそう。


○トピック
 水着シーンが少ない上にビブリーちゃんが水着にならない。やり直しを要求する。


 そんなわけでビブリーにフラグが立ちました。
 相変わらずキラキラらしい展開。つまり、ビブリーの事情をプリキュア側はよく知りません。言動からなんとなく寂しがっているのだろうと思える程度。それで十分っちゃ十分ですが。ビブリーの件がいちかではなくシエルが担当しているのは弟を踏まえてのこともあるでしょうが、彼女がプリキュア(パティシエ)としての仕事をするのにうってつけだからでもある。何度も書いているように、本作のスイーツ(キラキラル)とは私とあなたのスイーツ。気持ちがこもっていることが必要条件。そうして見たときに実はシエルはこれまでその条件に適合したスイーツを作っていません。初変身のときに作ったのは弟との合作で純粋な意味でのシエル作ではない。何よりあの話は弟→姉の働きかけ。
 そんなシエルがビブリーのためにかき氷を作りたいと話すはその一歩ということになる(原案がいちかで、みんなで作っているのでこれもシエル主導ではない)。特にシエルはいちか達からの働きかけもあって友達になっているので、彼女から率先して友達を作ろうとする態度はこの流れにも合致します。今回のエピソードはビブリーに重点が置かれた描写がされていますが、シエルがプリキュアとして、自立した個人として個人的な関係を築くエピソードにもなっていて、今後の展開に期待が膨らみます。

 余談ですがノワールの扱いが微妙になってきたというか、ビブリーの心からイルを作ったように、ビブリーがギリギリで耐えられているのもノワールのおかげで、この意味では弱者を利用しているんだけど救ってもいます。長期的には破綻することが確定しているけれど。要は闇の存在であるはずのイルが必要不可欠な存在になっている。ビブリーが自立してイルとバイバイ(卒業)という線もあり得るんですが、すでに見たことで言えばジュリオのロッドはパルフェのロッドとして再生しているので、この路線を踏む可能性もあります。敵幹部は元人間で首領が心の隙間を突いて利用した、というのはプリキュアでは珍しくない展開ですが、今作は怪我の功名な部分もあるのがこれまでと違うところ。人の心はナイフにも包丁にもなるということなのですが。その揺れもまた生きるための料金。できれば割引してもらいたいのだけど。


[ 2017年08月06日 14:57 ] カテゴリ:キラキラ☆プリキュアアラモード | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL