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第19話「天才パティシエ!キラ星シエル!」

○今週の出来事
①シエルのスイーツ

 苺坂を通り越して、苺山登山道までやってくるシエル嬢。
 人気がないことを確認しながら進みます。頂上付近まで行くと…妖精の姿に。
 お前かよ!?
 これは考えてなかった。公式アナウンスは知ってるからあっちの方は良いとしてOPの妖精は君だったのか。まあ、長老も人に化けていたし前例はある。じゃあジュリオは何なの?
 山の奥へと進みかつて妖精達が暮らしていた場所へ。しかし待ち受けていたのは廃墟となった里。呆然と佇むシエル。外国に修行に行っていた妖精というのはシエルだったようです。当然外国へ行っていた彼女は事情がわかりません。こういうポッと出の新キャラはある程度事情を知っていたりするんですが、本作は敵関連の情報はほとんど表に出てこないですね。


 八百屋の前で渋い顔で食材を吟味するいちか。周囲からは珍しがられます。いくつかある中から一つのメロンを選ぶと、突然金髪の女の子からいい目をしていると褒められます。何この人?と怪訝な視線を向けるも本人は気にせず店主にムッシュ、と呼びかけると次から次へと品を選んでいきます。それらは全て旬の食材。事前にリサーチしているのかその場で当てているのか、食材選びから入念に行っているようです。ようやく彼女がシエルだと気づきます。本人は隠す気がないようで「もうバレちゃった?」とニッコリ。
 すると人だかりができて取り囲まれますが、シエルは怯むどころか衆人に向けて店の告知。肝座ってるな。


 「ようこそキラ星シエル様」と街ぐるみでもシエルを歓迎。オープン初日には長蛇の列ができます。長過ぎて私だったら見た瞬間に帰るレベル。しかしいちか達は果敢にも列に並びます。どう考えてもこれ途中で品切れですって言われると思うんだけど。
 店内はキラパティのように装飾が施してありちょっと大人びた雰囲気。カウンター席へ案内されます。ボンジュール、と挨拶するシエル。なんかボアンヌみたいだな。胡散臭い外国人というか。まあ、日本人で言うところの「こんちわ」ってついつい言っちゃうみたいなもんなんでしょうけど。
 キラパティと違ってショーケースがない。この店はアシェットデセール専門。なにそれ? いちかの疑問にお皿に盛ったデザートだとひまりが答えます。シエルもスイーツは目でも楽しまいないとねと相づち。
 指を鳴らしてクッキングタイム。

 目の前で色鮮やかにスイーツを形作っていくシエルの技法にいちかは釘付け。パフォーマンスでも楽しませてくれます。魔法みたいと感嘆の声をあげるいちか。完成。やべぇ、どう食べていいのか迷うやつだ。あのクルって巻いた部分とかどうしていいのかわかんねぇ。だいたい、その辺に落ちてる花びらとか食べられるの? のの字にかけられたソースの使い方がわからない。皿汚れそう。魚を綺麗に食べるのと同じくらい私にはハードル高いんですけど。
 そんな視聴者の気持ちをヨソに「パルフェ!」とシエル。フランス語で完璧とゆかりが解説。もう隠す気ねーな、このアニメ。シエルのスイーツを見たいちかはキラキラしていると評します。その言葉に今度はシエルが一目置きます。キラキラルが直接見えているわけではないでしょうが、素養があると感じ取ったのかもしれません。
 見た目もさることながら味も抜群。ガレット、とゆかり。今回は専門用語が多く出てきます。そば粉使うスイーツもあるのね。乳脂肪を含むのがシャーベットで、含まないのがソルベ。さらには山椒も入っていて味も食感もどんどん変わって楽しいと大好評。至福の一時を味わいます。


②入門試験
 食べ終わったいちかはキラキラの遊園地みたいだとシエルのスイーツを評します。その言葉に笑顔を返すシエル。アーティストでありエンタテイナーでもある、それが彼女の目指す最高のパティシエ。そのフレーズを聞いたいちかは益々惚れ込むと突然立ち上がり弟子入りを頼みます。この申し出には流石のシエルも驚いたのか彼女の勢いに圧倒されます。マシンガンのように話し始めるいちかをあおいとひまりが制止。正気かよ!?と聞き返すもいちかは完全にシエルに夢中。再び頭を下げます。
 答えはノン。弟子は取らない主義と即答。弟子以前に君13歳でそこまで実務経験あるとは思えないけど。するといちかはジャンピング土下座を披露。雑巾がけでもなんでもするともはやなりふり構わず頭を下げます。他の客に迷惑だと思うぞ。あと日本人の悪い慣習だと思うんだけど、丁稚奉公的に雑用から始めるってのは生産性が悪いよ。
 変な子!と思わず吹き出すシエル。ほぼ初対面と言っていい自分と同世代の子がジャンピング土下座。変人以外に評しようがないわな。面白がったシエルはそこまで言うならスイーツで自分を表現してみてよとお題を出します。試験日は今度の定休日。まさかの展開にいちかは固まります。

 話しを聞いたペコリンは大チャンスと興奮。が、本人はケーキを前に腕組み。自分を表現……ケーキに自分の似顔絵を描いてみますが当然そういう意味じゃない。アニマルスイーツとかキラパティの装飾を使って雰囲気作りとかやっていることはシエルと大きく異るわけではないのですが、本人が意識してやっていることではないのでいざ改めて言われると途方に暮れてしまいます。これまで彼女(達)は思いつきでやってきただけで、明確なビジョンがあってそれに近づけようとしてきたわけではありません。基本アドリブ。そこがキラパティの良さでもあり柔軟さでもあったのですが、何かの「型」を見出そうとすると手が止まってしまいます。
 「プロに合格って思わせるスイーツじゃないとダメってことですよね」とひまりの一言がさらに追い打ちをかけます。言い出したのはいちかなので比較的周囲のメンツは冷静。あおいは呆れていますがゆかりは面白がります。肝心の本人はアイデンティティの問題に頭を抱えます。良いことを教えてあげましょう。バカは悩んじゃいけません。悩まないのがバカの正解です。


 今週のビブリーちゃん。不機嫌そうに行列を見下ろします。客の口から出た「天才パティシエ」のフレーズ。使えそう。


 定休日。目の下にくまを作ってやってくるいちか。あー、これダメだわ。
 来たものの入っていいのか迷います。そっと中を覗くと妖精がキウイの皮を剥いています。ペコリン?と逡巡したいちかは再び中を覗くと妖精の姿が見当たりません。その代わりシエルが声をかけてきます。いちかが来ることわかってて妖精に戻るのはやっぱアレですかね、このスリルが堪らない!的な。
 いちかを早速案内。キウイをテーマにした試作品を作っていたとシエル。いちかはいちかでペコリンの姿を探します。よもや目の前のシエルがそうだとは夢にも思いません。そんな考えも試作品を見てどっかに飛んでいってしまいます。テーブルには様々な試作品が並び、食べてみるとキウイを主役にしたものからアクセントにしたものまで色んな試みがなされていることに気づきます。いちかは喜んでパクパク食べるばかりですが、シエルは冷静に分析してメモをとります。食材の質を踏まえてどう調理するか、無限の可能性の中から
 「私は最高の一品を追求したいの!
 文字通り瞳を星のように煌めかせながら語ります。なるほど、彼女もスイーツバカか。
 今度はあなたの番、といちかに振ります。

 パティシエ服に着替えると指パッチン……できません。何回か試して鳴ります。どうもシエルを真似ているのか所々でポーズを取り入れるのですが慣れていない上に失敗を誘発させる原因に。シエルに不安な表情が浮かびます。
 その頃キラパティではいちかを心配。客もいないようなので野次馬に行こうとあおいが持ちかけます。

 スイーツ完成。いちごショートをメインに飾り付け。……何か汚い。何故これを作ろうと思った。素直にいちごショートで良かったんではないのか。やはり今回のいちかは自然体ではありません。無理に背伸びして、いい格好を見せようとして、真似て、結果駄作ができるというダメスパイラル。ビブリーとのバトルは勝ち越していますが、肝心のスイーツでは進展が見られません。
 冷静に観察するシエル。言葉少ないのがまた怖い。試食。
 「うん、全然ダメ
 バランスが壊滅的、特に(いちか肝いりの)ソースがすべて壊していると酷評。でも一つ一つの要素は悪くないとフォローが入ります。要するに今のいちかはチグハグ。何かを閃くとシエルはスイーツを作り始めます。
 「パルフェ! 名付けてロンドゥ・デ・ラパン、うさぎの戯れ
 いちかのショートケーキから着想を得たシエル流うさぎケーキ。今回完全にいちかはお株を奪われています。いちかのアニマルスイーツは見た目重視ですが、シエルのスイーツは味にもこだわって綿飴を使うなど工夫がされています。やっぱりキラキラだと関心するいちか。そんな彼女を見ながらシエルはいちかも作れるかなって思ったんだけどな…とこぼします。期待が外れて残念。弟子入りの件は断ります。当然の結果にいちかもこれ以上は無理を言いません。
 お茶を入れるためシエルが部屋を出ると、テーブルに並んだ自分と彼女のスイーツを見比べていちかは凹みます。今までは困難に直面しても閃きと直向きさで克服してきましたが、いざプロを目の前にするとその差は歴然。いくら本調子ではないとはいえ、基本的にいちかのスイーツは付け焼刃の域を出ません。ではこの路線を捨てるかと言えばそれでは主人公である意味がなくなる。子ども向けアニメとしても動物をモチーフとしたスイーツを提供するのが第一であり、食べ方にも作り方にも困るような画家が描いたようなスイーツを主役に据えるのは不適格。今回のエピソードはいちかの未熟さもさることながら、彼女の勇み足にも問題があります。要するに彼女がやっていることはキラパティを捨ててシエルに入門しようとしたわけで、これでは今までやってきたことすら全否定になりかねない。流言に惑わされない味を得ようと高みを目指すのは構いませんが、少し早まった感はあります。もう少し言えば今回彼女は形にこだわりすぎている。自分の形を出そうとして人の真似をして自滅。ありがちなミスですが、この点でいちかは器用ではあっても突出したタイプではありません。

 ふとシエルが使っていたメモ帳に目を留めます。細々と書かれたメモにいちかは関心。キラパティではこの役目はひまりがやっているので、機能的な役割分担をやれば決して届かないレベルではないと思うのですがそこまでやるかと言うとやらなさそう。それぞれの役割分担をはっきりさせて最高のチームを作ろう!ってより発起人のいちかを中心にスイーツのお店やろうってノリだし。もしシエルがライバル然としてお店対決をすることになったらそういう展開もありえたかもしれませんが、この流れだとそういうことはやらなさそうです。
 「スイーツでみんなを幸せにする!!」と強い語句で書かれているのを発見。それを読んだいちかは彼女もまた自分と同じ気持ちをもっていると知ります。天才パティシエは決して遠い存在ではない。そのことに励まされます。


③いちか、店に戻る
 ビブリー来店。いちかをスルーしてスイーツからキラキラル回収。
 いちかが出ていった後でシエルが戻ると灰色になったスイーツを発見。何が起きたのか理解。
 ビブリーを追いかけると案の定屋根の上に。ほんとに好きですね高いところ。イルを巨大化。対抗していちかも変身。髪がほどけるの超可愛い。これだけでこの変身は神だとわかる。あと尻こっちに向けるのも。

 プリキュアの姿を目撃したシエルはそれがプリキュアだと気づきます。ふむ、彼女の反応からするとすでにプリキュアであるという可能性は無いようです。例によって異次元の穴を作って脱出を図ろうとするビブリー。危うくシエルが巻き込まれそうに。間一髪回避できたものの気絶。お、妖精に戻らない。根性あるな。空気を読んで気絶した振りをしたのかもしれませんが。
 サシでの戦闘。パンチを回避するとその勢いのまま必殺技。流れるような動作がかっこいい。直撃。しかし踏みとどまったイルは腕から綿飴を伸ばすとホイップを捕縛。それを振り回すと店に叩きつけて固定。ここのシーンのホイップの太ももいいっすね。ビブリーは天才パティシエのキラキラルだけはあると勝ち誇ります。それはそれとして幹部が怪人に乗ってるって構図珍しくて面白いね。あと今回妙に顔芸を披露してくれますが、彼女の小憎らしさが出てていいと思います。普通にしてるとただの可愛い子になってしまいますからね。
 シエルさんのスイーツをそんなことに使わないで!と抗議するホイップ。みんなを幸せにするスイーツなんだから。なら、そのつまらない思いにやられろ、と容赦なくトドメを刺そうとすると援軍がやってきます。ジェラートとカスタードで散弾を撒き散らし、マカロンが捕縛を解きます。態勢を整えたら後は特大いちごケーキ。プリキュアの姿をもう一度見たシエルはしかしまた意識を失います。


 いちかが膝枕をして介抱していると目を覚まします。プリキュアが居なかったかと尋ねるシエルにいちかは慌てて誤魔化します。「ほんとうにいるんだ」と安心したように、嬉しそうにつぶやくシエル。妖精なので伝説のパティシエのことは知っていて当然。
 彼女が心配無さそうなことを確認したいちかは立ち上がると、今日のお礼を言います。言動が突発的で後先省みませんが要所要所で締めるところは締めるのが彼女。「でも私諦めませんから」。それだけ言い残すと去っていきます。そんな彼女の後ろ姿にシエルは微笑みを返します。
 いちかが店を出ていくとみんなが待っています。ここは一つの対比ですね。いちかはシエルの店に居座ることはできない。だって彼女にはすでに店があるから。とはいえまだ弟子入りを諦めていないのが彼女らしいとあおいもひまりも満足そうに頷きます。いつまでも下を見ない。それがいちかの良いところ。
 気を取り直してスイーツ作り再開。


④次回予告
 その着ぐるみまだあったのかよ。


○トピック
 スイーツの味、工夫、客の多さ、ブランド力すべてにおいて勝る正統ライバル登場。
 てっきり高飛車なキャラだと思っていましたが普通に良い人でした。


 一体何パルフェさんなのか私には測りかねますが、案外素直なキャラとポジジョンになりそうです。鳴り物入りで登場して強キャラ感だして、プリキュアでもあるんだぜ、みたいなのを予想していたんですがいざ蓋を開けてみれば妖精で海外で修行して戻ってきて、なのに里が廃墟になってて、伝説のパティシエの実在を目の当たりにした、とむしろ一般人に近いポジション。
 この点ではプリキュアであるいちか達の方が先輩で、全部が全部シエルが勝っているというわけではないようです。次回は早くもふたりの交流が描かれるようでバランスをとっていくようですね。

 上述したように今回はいちかの未熟さや挫折を知るエピソードになっていますが、裏を返せば彼女がプロ入りするのはまだ早いという合図でもあり、一旦シエルと距離を置いた形になります。無論いちかとしてはさらなる向上を目指すものの単純にシエルの真似をすれば良いという事ではないことが明示されています。
  そもそも本作におけるスイーツは人の気持ちを代弁するもの、伝えるものとしての触媒を兼ねており、単に「美味しいものを作りたい」というだけでは作中論理的には美味しくなりません。美味しく食べてもらいたい相手、その相手との繋がり、その時の自分の気持ちで味が決定すると言っても過言ではない(作中論理的には味を競う意味はない)のでいちかの弟子入りが上手くいくわけがありません。味を良くしたいから、で修行して良くなるなら結局は才能と努力が勝利するだけですからね。

 ただ、それとは別に前回も書きましたがスイーツ作りを趣味に留めておくのか、何かしら現実的な形(たとえばプロのパティシエ)になるのかは一つの大きな分岐です。作風的におそらく後者はとらないと思うんですが、ではどう彼女達を位置づけていくのか。実はシリーズでは前例がなくここが本作の未知数なところ。
 プロを目指す、夢を叶えるために努力する、といったテーマはこれまでもいくつかありましたが、今作のように組織化して一つの仕事にして、しかもそれを趣味の延長でやるっていうのは前例がない。マナが個人的に人助けしていつの間にかチーム化してたドキドキがそれに入らないでもないんですが、レジーナ父娘の関係がはっきりするにつれて愛とジコチューを巡る話に落ち着きました。要するに今作は明確な方針が無いのです。現時点でも敵は必要以上に自己主張してこないし作ったスイーツを悪用するだけ。敵が明確な論陣を張らないのはプリンセスもそうなんですが、あっちは主人公側に強烈なモチベーションがあったので放って置いても勝手に進んだんですが、キラキラはお店ごっこをしているだけでプロになりたいとか、チェーン展開したいとかそういう発展的ビジョンが無いので浮いています。これは魔法つかいからのスキームで、主人公が趣味(自分のこと)でしか動かないので物語全体での力学が働かないのです。人を助ける中で真実が見えてくるとか、人助けすると自分も傷つくとか、夢を叶えることの苦難とかそういうのが発生しない。極論すれば趣味なのでいつやめても構わない。スイーツ作りたいな~もっと上手くなりたいな~というだけですから。物語をとおして働きかける(要請される)マクロ的な力がないのがこのスキームの欠点で、これを何らかの形で補うのか、またいちか個人、キラパティチームとして強い動機が働くのか、といったことも今後の見所になります。

 あ、勘違いしないで欲しいのは別にこのスキームに欠陥があると言ってるのではなく、プリキュアシリーズとして新しい道を現在進行形で作ってるってことです。個人的な認識で言えばプリキュアは初代から続く大長編物語で、現在は第2部2章です。魔法つかいから第2部。この第2部は自由なプリキュアです。使命を与えられない、自分で作っていくプリキュア。一年遊んでもいいし、趣味に興じてもいい。世界を救わないから、人を助けないからといってそこに成長がないわけでも、愛がないわけでもないでしょう? 大体大人になるまでに世界救ったり人を助けたりする子どもがこの世に何人いるんだよ。子どもなら子どもらしく好きに遊んでいればいい。そこで得た知見は大人になったときに武器にも盾にも宝にもなる。出会いをとおして学んだみらいとリコのように。
 そういった感じで今のプリキュアは何かの真実を発見して深掘りしていくというより、これからどう学び展開されていくかという方向にシフトしています。スイーツをとおして何かを生み、作り出すいちか達。それがどんな形になるかはまだ時間を要します。


[ 2017年06月11日 16:09 ] カテゴリ:キラキラ☆プリキュアアラモード | TB(0) | CM(-)
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