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第9話「キラパティがあなたの恋、叶えます!」

○今週の出来事
①クッキーを探して

 冒頭でいちかが飛び出してくるのはデフォ演出らしい。
 放課後になったので全員集合。あきらの制服姿は初。早速キラパティをオープン。お菓子の在庫もよし。しかし客は来ず。閑古鳥が鳴きます。ならば…

 一方その頃、ポケモントレーナーぽい人が地図を片手に何かを探しています。偶然キラパティ発見。目当てのクッキーがあるかもしれないと駆けると勢い余って転倒。その間に店はなくなってしまいます。待ちくたびれて移動したらしい。っていうかデフォの立地が公園の奥とか人目につかなさすぎる。

 映画宣伝仕様OPその4。サクラ特集。階段でサクラを抱き留めているいちかのシーン好きです。私もあんな風に幼女を抱きたい……などと言うと12人のプリキュアにボコられる。この映画はそういうストーリーです。


 今度は公園で開店。突然現れるとか不審以外のなにものでもねぇ。とはいえ、移動できる店によって主人公がアクティブに話を進めることができるのは大きなメリット。彼女達は別に借金を返すわけでも、ノルマが与えられているわけでも、飢えている人を助けるわけでもないので、好きに作って好きにバラまくというコンセプトと合致しています。店と彼女達のセット感も出て自由度が高い。
 まずは店の味を知ってもらおうと公園で遊ぶ子ども達に試食を勧めます。園児では金持ってないだろ。親目当てか。おやつの時間以外に食べるのマズイのでは?と思っている間に用意したお菓子はすべて食い荒らされてしまいます。ゆかりさん子ども苦手そう。
 先生が止めに入ります。む、この雰囲気……やはり眼鏡っ娘!
 子ども達が迷惑をかけたと頭を下げます。まさかあそこまで勢いがあるとは思っていなかったいちかはほっと一息。そこに先ほどのトレーナーっぽい人。辰巳君、久しぶりと知ってる顔を見つけて声をかける先生。しかし辰巳はそそくさとその場から去ってしまいます。
 それはそれとして、場所がよくないので別の場所へ。
 道路の真ん中。ダメに決まっている。
 いちご山。遠すぎる。
 農場。どうしてここにした。
 難航。

 辰巳が商店街を通りかかるとキラパティ発見。その立地大丈夫なのか。なんか両サイド塞いでいるように見えるんだけど。
 似た店を何回も見かけた辰巳はチェーン店かと思います。店に入るといちか達がさっきのお兄さんですね、と呼びかけます。チェーン店っていうか同じ店。けどそこには突っ込まず本題であるクッキーを訪ねます。ところがクッキーのレパートリーは無い。シュークリームやマカロンが置いてあって定番のクッキーがないとかバランス悪いなこの店。
 「えっ…あっ…クッキー……
 返答に窮します。最初の客で最初から頓挫。
 無いと聞いてガックリと肩を落とす辰巳。みどりちゃんへの告白は無理とこぼします。告白と聞いてやる気を取り戻したいちかはスイーツを差し出します。最初は断っていた辰巳も目の前にある美味しそうなスイーツを見て我慢しきれず何皿も食べてしまいます。それ食い過ぎだろ。試食のレベルじゃねぇ。金払えよ? なお、このアニメに金銭の授受という概念はありません。
 腹も満たして満足げの辰巳。彼が笑顔になっていつかも喜びます。一歩引いたところからゆかりが告白の件を訪ねます。色々墓穴を掘ってしまったので素直に自供。みどりとは小学校の同級生。最近偶然町で再会。今も片思いは継続中。あらじゃあデートもしてないの?とゆかり。年齢的には辰巳の方が上のはずなんですが、お姉さんポジジョンであるゆかりの大人っぽさが出る場面。男なんて大人になっても心は少年。きっと辰巳も今までポケモンを集めていたのでしょう、スマホで。
 一緒に動物園に行ったことならある、ふたりで手をつないで、と辰巳。なん…だと!? 小学校の遠足で。大切な思い出だと語る辰巳。ボッチの彼が一人でパンダを見ているとみどりが話しかけて、持っていたクッキーを一緒に食べたエピソードを話します。
 その話を聞いたいちかはほっこり。あのときみたいな美味しいクッキーがあれば勇気を出して告白できるかもしれない。彼がクッキーを探し回っている理由はそれのようです。何でもかんでもスイーツに結びつける展開が本作。
 結局クッキーは見つからず終い。肩を落として帰ります。彼が出て行くといちかも肩を落とします。今日初めてのちゃんとしたお客さんだったのに…。なら作ればいいのだと頭を切り替えます。どんな形か味かもわからない。それでもとびきりのクッキーを作る。いつものいちか節。

 その頃街でいつものようにクッキー消失事件が発生。いつものようにいちか達は関知しません。


②クッキーがくれた勇気
 ひまりのスイーツノートに従ってクッキーを焼きます。お約束の失敗。焼くと広がるのでその分の隙間を作っておくべし。今度は上手に焼けました。そして閃き。クリームを作ります。それをクッキーに。なんでもクリーム塗っとけばいいって風潮。完成。

 辰巳は今日もクッキー探し。定職探した方がいいんじゃないですかね?
 するといちかが呼びかけます。どう考えてもそのスペースにそれは無理だろ、という配置のキラパティ。
 「えっ?」
 たぶん今回で一番リアルな反応。
 地図を見ながら店はないはずだけど…と不審がる辰巳にあきらが最近は移動できる店もあると答えます。いやどう見てもそういう仕様の店じゃねーだろ。その辺はあまり気にしてはいけない。スタッフとの約束。
 「そ、そうなの?」
 ちょろい。
 それはそれとして「これ!」とクッキーを見せるいちか。無かったら作ってくれるとか超融通が利く店です。希望に添うかどうかはわからないが心を込めて作ったと話すいちか。ひまりがサンプルを渡します。クリームが乗っている時点で回想のクッキーとは別物ですが、そもそも同じ物を欲しているわけではなく、あのときのような美味しいクッキーであればいいというのが希望。一口。
 「(素朴だけどなんだか懐かしい味がする)」
 料理番組にあちがちなモノローグ。心象風景が出たり、コスプレしたり、口からビーム出したりはまだしません。
 自分のためにわざわざクッキーを作ってくれた。ならあとは自分が頑張らなきゃいけない。いちか達の努力に背を押されます。お礼を言うと告白を決意。大成功。しかし本作はプリキュア。料理番組ならここで終わってもまだバトルが終わっていません。

 辰巳を襲う怪人。クッキーを奪われてしまいます。
 怪人が人気のないところに降りるとそこにいちか達。移動できる店よりもなによりもこの子達の移動方法が知りたい。変身。マカロンスタイル良いな~。
 先手は怪人。回避が遅れ態勢が崩れるカスタードですが自前でリカバーするとクリームビームで反撃。その隙にジェラートとホイップが共同して特大のクリーム弾。しかし敵も黙ってはいない。弾をはじくとそのままジェラートに躍りかかります。これをショコラとマカロンがフォロー。今回の戦闘はチーム戦してます。
 そんな中に入っていく辰巳。怪人がまだクッキーを持っていることを確認。
 邪魔をするな。怪人の言いぶりに、その言葉そっくりそのままお返しするわと啖呵を切るマカロン。なんだかんだ言って割とこの人もノリノリで店をやってくれているようです。人の恋路を邪魔する奴はクリームで窒息しろ。冷えた特大クリーム弾に封じられて飛んでいきます。
 怪人が盗んだクッキーはいつの間にか消えています。


 河川敷で辰巳を発見。辰巳はボロボロになった箱を見つめながらこれではプレゼントできないと諦めかけます。脳裏にはあのときの思い出。あのときみどりちゃんは僕に優しさを分けてくれた。僕は気持ちを貰ったんだ。今度は僕がみどりちゃんい気持ちを伝えなきゃ。見た目は冴えない人ですがガッツはあります。自ら立ち上がると駆け出します。ここはまさに近年のプリキュア的態度。一般人も自立的。元々プリキュアは万能ではないので他人の悩みを解決する能力は与えられていないのですが、口を挟む程度のことはします。本作においては口にスイーツを突っ込む。それ以上のことは本人の問題、というスタンスが見えます。しかしそれで終わってはシリーズ最新作の名が泣く。
 「まだまだあるかも、私達のキラパティならできること


③キラパティの本領
 園児を見送るみどり先生。
 彼女の元に辰巳が駆けつけます。伝えたいことがある。そう声を駆けられ距離を詰めるみどり。辰巳の内心に気づいててこれやってたら策士。クッキーに気づきます。焼きたてかと言えば結構時間が経っているような気がしますが。箱がボロボロ。誰かに渡すつもりだった? もうこれわかってて促してるだろ。
 尻込みする辰巳。再び箱に目を向けるといちか達の姿が映ります。ここで勇気を出さなければ。自分は勇気を貰ったのだ。キリッとした表情を浮かべると進み出ます。
 「みどりちゃん! これクッキー! 大好き!です」
 語順。
 「ありがとう。私も大好き」」
 「クッキー美味しいよね。私も大好き!」
 ヘタレにはまだこの返答で十分。そんな心の声が聞こえてくるのは気のせいか。
 頭を抱える辰巳。まあ、一歩前進したと思えばいいんじゃない? 影で見ていたいちか達はあきれ顔。ゆかりさん物足りなさそう。ほんとこの人だけリアクション違ってて面白い。
 そんなヘタレに場を提供してあげよう。キラパティオープン。

 何これ素敵!と素直に感心するみどり。タフだなぁ。驚いている辰巳にいちかは目配せ。彼女のこういうとこ魅力的。
 店の中に入るとそこは動物園をあしらった装飾。なるほどこれは素直に感心。このお店はキラキラルで装飾自由自在。スイーツだけでなく店もお客さんに合わせてコーディネートできる。加えて移動式ならどこでも出張可能。視聴者的にも遊びの幅が広がります。
 あきらが席へ案内。早速みどりが箱を開けます。中は割れたクッキー。しかしみどりは破片を取り出すとパズルのようにつなぎ合わせます。パンダクッキー。ここで初めて辰巳はいちか達が自分の話をちゃんと再現してくれたのだと気づきます。
 その辺の事情をみどりは知りませんが、あの頃を思い出すと遠足の話をします。2人でパンダを見て、クッキーを半分こにして食べた。彼女もちゃんと憶えていました。同窓会のように懐かしむふたり。みどりは一緒に食べようと再び辰巳にクッキーを渡します。一緒に味わいながら店の雰囲気も味わうふたり。温かくて優しくて。良いお店と出会えた。
 どうやらキラパティは二人の初デートの場になったようです。
 「おもてなし大成功!


④次回予告
 果たしてゆかりさんのキャラは崩れるのか。乞うご期待。


○トピック
 みどり先生を準レギュラーにしよう(熱望)


 これがデフォ展開になるかはわかりませんが本作のスタンス、近年のプリキュアのスタンスがよく表れていると思います。
 いちか達はスイーツとお店を使って創意工夫。お店屋さんごっこがメインである本作ならではの遊び心。スイーツも直接課題を解決する鍵になるのではなく、それを求める当事者の心に元気や勇気を与えるアイテム。そのためいちか達は必要以上に話に介入しませんが、さりとて投げっぱなしではなく場も提供。

 プリキュアをヒーローものとして見たときに、一つの課題があります。それは悪や不幸がなければ正義の味方であることを証明できないという課題です。ヒーローものに共通する課題ですね。要するに善と悪は共犯なのです。同じコインの表裏。善し悪しが比較や対比によってしか示せないとしても、悪や不幸を誰よりも必要としているのが正義の味方というのは何とも情けない。プリンセスは自分の課題(自分の成長)を中心とすることでその課題を脇に置きました。成長・発展への強い意思。それがプリキュアなのだと。だからプリンセスには弱者は存在しませんでした。さらに魔法つかいではヒーローであることを放棄しました。使命どころか自分の成長すらも意識しなかった。子どもが自然に成長していく姿が描かれました。この点で魔法つかいはシリーズで最も不幸と遠い物語だったかもしれません。

 この話何回してるんだと思われそうですが、プリキュアの面白さ、シリーズを通して見えてくる面白さがここにあります。プリキュアは変身ヒーロー。でもその中身は大きく変わっています。勧善懲悪的に敵をやっつけた物語もあれば、愛で救った物語もあれば、そこから脱した物語もあった。その一つ一つがプリキュアの軌跡で、試行錯誤です。正義の味方は悪(不幸)を必要としている。プリキュアもそうなのか? 違う。プリキュアは悪や不幸とは別に存在していられる。なぜならプリキュアは女の子の憧れだから。それを証明するように新たな試みと新たな物語が作られていく。そういう生きた物語だから面白い。
 スイーツを作る、という誰にでもできることを通して人生をよりハッピーにする。サプライズを贈る。好意や勇気の贈り物。受け取った人はまた別な人にその贈り物をしていけばいい。そのお手伝いをするのがプリキュア。ハピネスほど自己犠牲的ではない、プリンセスほど必死でもない、魔法つかいほど視野が狭いわけでもない。楽しんでみんなもハッピーになる。シリーズ最新作らしい提示だと思います。
 ま、そのおかげで変身する必要なくね?な感じになってきていますが、その辺も含めての試行錯誤ですね。変身というファンタジックな要素、抽象概念や人の悪や罪を相手にしながら地に足のついた物語を描くのがプリキュアで、それに好き好んで付き合うのがこの感想のスタンスです。


[ 2017年04月02日 14:39 ] カテゴリ:キラキラ☆プリキュアアラモード | TB(0) | CM(-)
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