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第48話「終わりなき混沌!デウスマストの世界!!」

○今週の出来事
①混沌なる世界

 様子を見るためベランダに出るとそこら中魔法つかいだらけ。
 これは夢なのか?とはーちゃんのほっぺたをつねるみらい。はーちゃんもお返し。モフルンは自分でつねります。どうやら夢ではないらしい。子どもの頃に一度だけその機会があったので夢の中でやったことがありますが起きませんでした。
 さらに通りに出てみるとナシマホウ界人も魔法界人と顔見知りの様子。ジュン達が勝木さん達を連れてやってきます。

 春映画CM。腕組んで仁王立ちするのやめてください。格好よすぎます。CGをガシガシ入れてくる感じですかね。

 ベニーギョが目を覚ますとそこは地球を見下ろす宇宙。前回魔方陣の一部になりましたが、記憶が曖昧なようです。しかし眼下の地球は黒く染まっていくのを見ると納得がいきます。終わりなき混沌の始まり。が、ふとあることに気付きます。

 黒い雲が周囲を囲んでいることに気付かないのか、ジュン達は遊びの話を始めます。自然に話に加わっている勝木さんとまゆみ。話を振られてみらい達の方がリアクションに困ります。すると壮太とゆうとがやってきて話に加わります。ジュン達から見てハロウィン以来の面識のはずですがこちらも完全に顔見知りの様子。口を開けたまま呆然とする三人。話について行けないというか話が見えない。
 彼女達を置いて話が盛り上がっていきます。魔法のことも勿論知っている。箒で競争しようとか言い出します。我に返ったみらいが魔法なのに驚かないの!?と切迫した声で聞くと逆に不審がられてしまいます。あ、お久しぶりです猫さん。
 それならと杖を取り出したみらいは猫にしゃべる魔法をかけます。ちゃんとペラペラしゃべります。やんややんやの拍手。普通に褒められてしまいました。「朝日奈さんやるわね!」。違う!そうじゃない!俺の知っている勝木さんはそんなこと言わない!!
 ヘリが飛んでいるのを見たジュンが競争しようとか言い出します。ヘリの絵を模写していたころが懐かしい。どうやらナシマホウ界人は魔法が使えないのはそのままのようです。そこに先生がやってくるとあぶない遊びはダメと注意。でもルールに従えばOK。
 みんなに違和感がないのが違和感。面識がほとんどないはずの人々が友達で魔法まで知られている。まさかこれが「混沌」なのかと思い当たります。そしてよく周囲を見渡してみれば不穏な雲が周囲を取り巻いています。
 ラパーパと同調しているのか、はーちゃんがその気配を感じ取ります。この状態は緊急避難というかラパーパによる最終防衛のようです。彼女達が次に行くべき場所は決まっています。箒に乗って移動。普通に見送る一同。


 あと一歩のところでそれ以上は進まない。不満そうな顔を浮かべるベニーギョ。オルーバが実体化。しかし様子が変。彼女らの背後に立つデウスマストがオルーバの口を借りて話しているのだと気付きます。この地を混沌に変えるべく力を放った。眷属とはその力が形を持った分身。子機みたいなものか。それ故に眷属が封印されれば本体である自分にも影響を及ぼす。本体の覚醒が遅かったのはそのため。全ての眷属の封印が解けると同時に覚醒。自己紹介ありがとうございます。解説役いないと思ってましたが自分で説明してくれました。
 あとは混沌に包み込むだけ……それに抗う者がいる。

 怪しい雲は魔法学校を包み込み始めます。色々とおかしな世界になってしまいましたがアイザック先生のボケは相変わらずの様子。お前何歳だよ。学校にみらい達が駆け込んできます。
 校長先生とリアンに会います。ここだけ見れば変わった様子はありませんが、やはり彼らの記憶も改竄されているようでみらい達の説明を聞くとそれとなく理解を示してくれます。冷静にリアクションを返すので見ている方が拍子抜けしてしまうのですが異常なのに異常と認識できないのが厄介なところ。こうなってしまえば彼らもほとんど使い物になりません。まあ、最初から戦力として見てないので良いんですけど。
 みらい達の記憶が連続しているのはリンクルストーンの加護。同時にこの状況をみんなが自然に受け入れているのもそのため。つまり……
 デウスマスト側も気付きます。マザー・ラパーパは今も存在している。しかしもはやかつての残滓といってもいい状態。ギリギリで耐えているにすぎず時間の問題。
 スマホンを通してラパーパの声をはーちゃんが伝えます。かつて何もかも秩序なく混ざり合う混沌の世界だけがあった。あるときそれは星々になり宇宙が始まった。そこまで話戻すんだ。でもその片隅で宇宙に生まれ変わらないまま残った混沌、それがデウスマスト。ちゃんと存在概念が説明されました。言ってしまえば彼もまたこの宇宙の別の姿、片割れといったところでしょうか。ここまでくるともはや概念に等しい。
 そうしてこの宇宙の星々を飲み込んでいるとあることに彼は気付きます。宇宙の誕生すら超える奇跡、無限の可能性を持つ生命の存在に。その生命、それを生む大地、それらを全て混ぜ合わせてただの巨大なエネルギーの塊にして混沌に返す力とする。それがデウスマストが地球を狙う理由。エントロピーとか色々言い方はあるんでしょうが、あまり重要ではありません。要するにこいつとはわかり合えない。それで十分。
 その相手をラパーパは太陽の中に押し込めた。しかしデウスマストはその太陽を飲み込んで戻ってきた。世界の全てを自分のものにするために。じゃあドンドン花やピーカンみらんの発育が悪かったのはこのためかとみらいは気付きます。ここでその話拾うのかよ。しかもそれで実感が湧いたのか絶対に許さない!と憤ります。話のスケールがデカイすぎるのでこっちの方が正しいリアクションと言えるかもしれません。意思を持った天災とでも思えばいい。
 力を失いつつも残った心で見守っていた。そう話すはーちゃん。この世界がごちゃ混ぜになっているのはデウスマストとラパーパの力が拮抗してできた間隙。混乱しないように記憶まで調整してくれるサービス付き。結局それ別物だがな。よくも俺の勝木さんをあんなにしてくれた。ラパーパさん、やっぱり守り神といっても神。人間のそういう細かいところにこだわってくれない。やはりこの問題は人間の問題。私達が私達であるために一肌脱がなくてはならない。
 ということまで考えてはないでしょうが、みらいがデウスマストを追い払おう!言います。けだし正解。その言葉の意味はこれから知ることになるのですが。

 みらいの言葉にはーちゃんは頷くも、陰った表情を浮かべます。
 「でも」。はーちゃんの言葉を引き継いで校長が答えます。世界は元には戻らないかもしれない。どういうこと?
 わかりやすく図で説明。神話まで遡れば一つだった世界も今ではそれぞれ独立した世界として存在しているのが魔法界とナシマホウ界。それがデウスマストの混沌の力で強引にくっつけられているのが現在の状態。ではもしこの元凶を取り除いたらどうなるか、二つの世界は反動で離ればなれになってしまう。それ自体世界の存続の危機ですが、間違いなく二つの世界はどこまでも引き離されてしまうと校長は断言します。カタツムリニアでも無理。はーちゃんも首肯します。
 なるほど、そうきましたか。こちらが予想したよりもさらに直球。理想郷を提示して猶予を与えるなんて生やさしい話ではなく、別離前提で戦わせる。鬼かよ、東堂いづみ。勝木さんは変わってしまいましたが東堂いづみは変わらない。この戦いは負けてはダメだし、勝っても別れる。これ自体はスマイルと似た展開ですがおそらく魔法つかいの射程はこれより長い。詳細は後述します。
 みらいとリコ、ふたりは同時に息を飲みます。


②この戦いは何のため
 いよいよ最後の猶予も終わりに近づいてきました。
 世界を覆い尽くす黒い雲。嵐の前の静けさ。はーちゃんが憶えている?と口を開きます。ジュン達とまゆみ達と一緒に見た夕日。とっても綺麗だったと静かに言います。みらいが言葉を継ぎます。
 「夕日が沈んだらみんなお家に帰る時間。でも新しい朝が、明日が来れば…
 「また会える。夕日が綺麗なのはそう信じているから…
 もし世界が終わるならその夕日は破滅の象徴として映るでしょう。血のように赤々と。その美しさは明日が来るという未来の先取り。意識されない確信がその姿を形作る。ここで小さな、しかし大きな転換を行っています。彼女達は世界をそのまま認識しているのではなく、自分の心の在り様で見ているのだと言っています。
 みんなの夕日を取り戻すため彼女達は前に進みます。

 子ども達が立ち向かっている後ろで大人が指を咥えて待っているわけにはいきません。世界がごちゃ混ぜになったのなら一つ楽がことがある。世界中のみんな校長を知っている! 逆転の発想。
 全世界に向けて校長が演説。我々には希望が残されている。伝説より生まれ、そして伝説を超え奇跡の光で世界を照らす者たち。必ず明日は来る。今はしばしの別れ。皆また会えることを信じて。人々は託します。いつか必ず世界は再び結ばれる。そう祈りを込めて与えられた魔法プリキュアに。

 世界が混沌に飲み込まれると同時に強く大きな光が発します。光の中心にいるのはみらい、リコ、はーちゃん、モフルン。彼女達の背後で世界は消えます。なんて潔い舞台設定。全ての設定・条件を明示して戦えない人達を完全に離脱させてしまう。残るのはプリキュアとラスボスのみ。彼女達が立っている世界は先ほどまでのごちゃ混ぜ世界でも、かつてのナシマホウ界でもない。真っ白な地図。そこに自由に書き込める権利を有するのは勝者のみ。
 「私達という命が残っている限り、全てが混沌に飲まれたことにならない
 S☆S理論を思い出します。懐かしい。概念存在と戦うのは久しぶりですが、この壮大感、卑小な存在である人間が命の代表として神の前に立てる。これがこの戦いの醍醐味でもあります。
 「あなたを追い払えばまだ世界は救える!
 本当に本作は徹底しています。「倒す」という言葉を使いません。それは裏返せばそこに含意される「悪」という存在もないということ。彼女達の戦いは殺すか殺されるかの戦いではありません。彼女達の生活を阻むお邪魔虫を払いのける。それ以上の意味はありません。これまでの(映画を含めた)戦いがそうであるように徹頭徹尾自分の目線でしか戦わない。その目線こそが最後の決め手になります。

 変身。力強く大地に立ちます。といっても相手は遥か頭上の宇宙。スケールが違いすぎる。デウスマストが手でバーンと地面を叩けばそれで終了しそうな勢いですが、そこは空気を読んで子機を無数に出します。ほとんどラパーパと同調しているのか自分が継いでいることを自覚するフェリーチェ。元々性能がミラクルとマジカルに比べても高いんですがより顕著に。予告から推測するに次回がみらいとリコの見せ場のようなので、今週ははーちゃんが先陣に立っています。つぼみとゆりの関係というか、戦闘適性としてははーちゃん(ラパーパ)が高いんだけど、プリキュア適性としてはみらいとリコが高いというか。最終的な判断はふたりが行う。それを裏付けるようにミラクルは言います。
 「本当はちょっぴり嬉しかった。二つの世界のみんながあんな風に仲良く笑顔でいられる世界。でも!
 「それはただ待ってて手に入れられるものじゃないわ
 「そう、自分たちの力でいつか……。そのために明日を必ず守ってみせます!


③星を継ぐ者
 デウスマストの力の奔流が地球と彼女達を包み込みます。
 ところがどっこい、飲み込まれて消えるどころか存在感を主張。混ざり合って一つになるなんてごめんこうむる。十把一絡げにすんな、こちとら一人一人違う。わかります。私は変身前はリコ派ですが、変身後はミラクル派。特にルビーミラクルが素晴らしい。トパーズも可愛い。ダイヤの正統派美少女感。映画のサファイアはセクシーでした。違いとか言いながら全部ミラクルの話しかしてないけど、そう理解してます。最終決戦なんだから真面目に書けよと言われそうですが、ごちゃ混ぜ拒否はプリキュアの伝統でもあるので特に補足することはありません。強いて言えば、やはり今回は最終決戦の前哨戦。個々の固有性を主張するところに軸が置かれています。要するにみらいとリコとはーちゃんが別れるという一番大事な問題は次回に持ち越し。これにて本番前の準備運動とルール説明は全て終了。
 ダイヤとエメラルドの精霊が口を開きます。リンクルストーンはラパーパが残した力。全ての生命への恵み。彼女達にラパーパの力を全て託します。


④次回予告
 自分が在ること。他人が居ること。明日が、明日も続くこと。


○トピック
 先週ようやくご登場頂いたデスマストさんですが、残念なお知らせがあります。もう要りません。


 話の都合上説明しなければならないことを全部出した途端不要に。とても潔い。いやーまさかここまで魔法つかいが直球でくるなんて、まさに期待したとおりです。この物語に敵なんて要らない。それを証明してくれる最終決戦です。話がちょっと飛躍していると思うので順を追って説明します。
 このデウスマストという存在はシリーズでは結構久しぶりのポジションで、初代・MH・S☆Sの頃にいた概念的存在です。絶望、虚無、混沌とかの概念が物理化したもの。従って人間から見ると意思を持っている天災と言えます。簡単に言えば理不尽や不条理です。突然出てきて今までの生活をぶちこわす。そういう災害的な敵です。当然話は通じないので和解できないし、する必要もありません。やるかやられるかしかない(概念なので完全に倒せないんですが)。
 例えばスマイルやプリンセスの敵も絶望なんですが、人間の内面的な問題がラスボスの形をとっているもので言わば内部からの敵です。デウスマストは外部からの敵。スマイルはお別れする覚悟が最後に問われたし、プリンセスは絶望を受け入れることが問われました。内部からの敵は感情的な問題なので妥協や克服する形になります。その他の和解している敵に関してはもはや人間かそれに類するもの(人間感情の一部)なのでこれも同じことが言えます。
 最近のプリキュアは対話可能なラスボスが多かったので、この辺を切替えて考える必要があります。実は内部からの敵というのはスケール的には小さいんです。気持ちの問題が答えになるので敵と対話して成長する個人的な話に落着く。これに対し概念的存在である外からの敵は世界そのものを作りかえようとする敵であり、対抗してプリキュア側にも世界を作りかえる権利が生じます。今回の舞台設定はまさにそれ。

 その権利をどう行使するのか。それが世界観です。
 世界観というのは「そういう設定」という意味ではなく、そのように世界を見るという意味です。一つの価値観に基づいて体系化して捉える。よく私が口にする根拠のない確信も広義には世界観のことを指しています。MHは己の魂を、S☆Sは生命観を拠り所としてボスを追い払いました。そのご褒美というか、昇華でMHであれば(元がクイーンでも魂を持った人間として生きた)ひかりは帰ってくるし、満と薫は命を与えられる。魂や生命は絶望や虚無に支配されないという断固とした意志です。
 しかし魔法つかいは一筋縄ではいきません。何故なら本作が提示するであろう世界観は分離(別離)を含んだものだからです。一緒がいいというのなら混沌を受け入れればいい。ごちゃ混ぜでみんな一つになるから。でもみらい達はそれを選ばなかった。なら、それなりの結末を彼女達は享受しなければなりません。ここが本作の肝です。デウスマストが要らないというのはこの選択をした時点で未来を先取りしているからです。問題になるのは天災を乗り越えることではなく、乗り越えた後。その後の生き方です。自分達は何を信じて生きるか、自分の見る世界の形はどんなものか。自分が選んだ道、世界(観)を実際に彼女達は歩かなくてはいけません。この意味で本作はMHやS☆Sよりも射程が長い。「世界が変わってしまっても自分が見る世界は変わらない」「世界が変わってしまっても私達は変わらない」そのことを証明する必要があるからです。これは前作プリンセスがその後として成長した姿をチラリと描いていますが、本作はこの部分により切り込んでいくのではないかと思っています。
 異なる人々が出会って一つの世界(観)が生まれる。その奇跡は彼女達にどんな恵みを与えるのか。乗り越えた先の姿を是非見たい。それはプリキュアシリーズをとおしてもほとんど描かれることのなかった「その先」の姿であり、女の子が友達と共に作り上げた世界が現実となる証明ともなるでしょう。
 ラスボスと戦う前にすでに締めの話やってますが、これで外したら超恥ずかしい。奇跡の魔法で元に戻しちゃえ、えい。で終わったらどう誤魔化そう。いずれにしても彼女達は自分で決断した世界で生きることを了承する。彼女達はもはや子どもではありません。自らの意思と決断で前に進む。その先があると信じて。


[ 2017年01月15日 23:21 ] カテゴリ:魔法つかいプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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