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コラム3「シャイニールミナスの役割」

 本当は毎週のトピックの一項目として考えていたのですが、膨大な量になってしまったのでコラムとして単体で記載します。シャイニールミナスが直接戦ってくれないことの不満から問題提起して答えを出しています。結論を言えば、「シャイニールミナスはポルンの発展型」というものです。ご興味があればお読み下さい。

○シャイニールミナスの役割
 シャイニールミナスの果たす役割を考えてみます。「ひかり」ではなく、戦闘における「シャイニールミナス」です。分かりきっていることを一々書いていきますので面倒だと思う方は下の⑤くらいから読めば問題ないと思います。それまでは個人的な纏めの意味合いもあって書いておりますのでご了承願いたい。あと、当然といえば当然ですが、劇中の設定とかを考慮して裏設定的な合理性を考えているわけではなくて、私の主観的な解釈であることをご理解下さい。私にとってシャイニールミナスはこういうキャラなんだ、という解釈です。

①現状確認
 まず、はじめにルミナスは戦闘において直接素手で戦うことはしません。正確に言えば攻撃を仕掛けることは必殺技を除いてありません。登場初期の時はまだ戦闘に慣れていないこととひかり自身の性格から消極的であったと考えていましたが現在でもそれは変わりませんし今後も変わらなさそうです。
 最初から別に戦わなくてもいいじゃん、と納得できれば楽なのですが少年漫画(アニメ)で培って(洗脳されて)しまった戦闘モノの常識がなかなか抜けずに疑問に思ってしまうのです。曰く「ルミナスの存在意義が無い」曰く「数合わせ」という疑問が。プリキュアが直接戦闘、ルミナスが支援というのは大まかにあるでしょうが、今ひとつルミナスが活躍していないように思えます。いわゆる「引立て役(ドラゴンボールで言えばヤムチャやべジータ)」のような主人公を立てるためのキャラではないので、ルミナスはルミナスで活躍してくれないと物足りないのです。
 しかしながら、プリキュアはプリキュアであって少年漫画ではありませんので先入観は捨てなければなりません。そこで原点回帰の意味も兼ねて、まずはプリキュアにおける戦闘というものを考えてみてその後にルミナスへ言及します。

②プリキュアの力は意志力により決定される
 「ふたりはプリキュア」において戦闘力を決定付ける第一要素は「意志力」です。諦めない、希望を持ち続ける意志が力となって必殺技を強くし、自らも金色に光ったりします。必殺技以外で敵を倒すことはありませんので必殺技が強ければプリキュアは強いと考えてよいでしょう。
 これは戦闘モノでありながら、少年向けではなく少女向け作品としては妥当な配慮です。作品も日常を根幹とするものであり、特訓・修行等はむしろ日常を阻害するものでしょう。現実的に力の無い子ども(視聴者)が敵(悪い大人)に勝つためには純粋な想いや未来性(将来性)が鍵となるわけです(これは少年向け作品でも同様)。

③絆の力
 意志力が直接的な力を引き出すものであれば、それを増幅させるものが「絆」です。これは単一主人公の作品ではあまり無いことで、主役がふたりいることの必然性を最大限に高めています。「手を繋ぐ」という行為は相手がいなければ絶対にできないことであり相手との絆・信頼関係が自分の気持ち(意志力)と同等以上に重要であることを意味します。
 もし、「ふたりはプリキュア」がその名のとおり、「なぎさとほのか(だけ)の物語」であれば、ふたりだけの意志と絆で全てを解決できるでしょう。しかし、それは本来の絆や信頼関係の形ではありません。絆や信頼は赤の他人同然だったなぎさとほのかが友達になったように、未知の世界、未知の人との交流を乗り越えて得られるものであり、(理想的には)自分以外の全ての者と結ぶことができるものです。すなわち、「絆」を大きな要素と考えれば「なぎさとほのか(だけ)の物語」であってはならないのです。


④ポルンとレインボーブレス
 一作目においてその「なぎさとほのか(だけ)の世界」を打ち破ったのがポルンでした。彼は直接戦う力を持っていませんが、自らの内に秘める力であるレンボーブレスをプリキュアへ授けました。レインボーブレスを付けたプリキュアはそれまでのふたりだけの力を超えた力を引き出すことができます。
 また、最終話においてポルンがプリキュアを好きだと明言した時に発揮した力は今までのブレスを大きく超える力であり、ポルンの意志力が最大限になったことと同時にプリキュアとの絆が最大限になったことを意味します。おそらく、ポルンが登場した(商品販売等の都合を除いた)物語上の意味はこれです。「なぎさとほのか(だけ)の物語」を脱却して、本当の意味で「なぎさとほのかの物語」になったと思います。なぎさとほのかを中心として物語が広がっています(最終話感想でも書きましたが、プリキュアが皆に「ありがとう」と言うのはとても印象的だった)。これにより、意志力と絆を最大限にまで増大・拡張させたプリキュアは勝利します。
 少々戦闘要素を離れてストーリー解釈にも触れましたが、このようにプリキュアでは直接戦っているプリキュアだけの力で勝敗を決するわけではなく、プリキュアに関わる(絆を結ぶ)者との関係も含めた形で決定されることが分かります。

⑤ひかり≒ポルン、シャイニールミナス≒レインボーブレス
 さて、いよいよルミナスについて言及したいところですが一拍おいて、ひかりとポルンの類似性について考えてみます。ひかりは「クイーンの命」が人間として具現化した存在であり、登場初期は虹の園について無知でした。また、気性は大人しく少々怖がりな面があります。結論を言えばポジション的にはポルンとほぼ同じ立場です。それ自体は非常に無力な存在で庇護者を必要とします。極端な言い方すればひかりが「プリキュア頑張れ~」と叫んでブレス飛ばしても良いくらいです。
 そんな冗談は置いておいて、ひかりがプリキュアを支援するための手段がシャイニールミナスへの変身です。プリキュアと協力することでスクリューよりも強力なルミナリオや単体支援技のアンクションが使えます。つまりはレインボーブレスとほぼ同じ役割です。そう考えるとこの時点でルミナスが直接戦わなくてもいい理由の半分は埋まります。勝敗の鍵が意志力と絆なんだから、ルミナスが戦えるかどうか?というのはあまり重要ではないのです。プリキュアと絆を結び希望を抱いて日常を守ろうとする意志があるかどうかが問われるわけです。
 ただし、ルミナスはポルンとちょっと違っていて物語上プリキュアと並列して位置づけられているように思われます。ひかりの特殊性や次の項⑥で書いていますがプリキュアがふたりでワンセットであるように、ルミナスはひかりとポルンでワンセットであると考えられます。つまりルミナスだけで見てもテーマ性や物語性が確保されています。おそらくプリキュアと絆を結んで力を発揮するというポルンの様な展開よりは、ルミナス自身がポルンや虹の園との絆、関係を深めることで力を発揮するように思えます。総じて言えば、プリキュアと同じ目的(日常を守りたい)で意志を重ね合わせるという感じかなと。いくらなんでもルミナスが「私はプリキュアが大好きです!」とは言わないでしょう。それなら「私は虹の園やそこに暮らす皆が好きです」と言いそうです


⑥ルミナスの共同意識
 参考にと思ってルミナスの戦闘シーン全部見返そうと5話から見たのですが、この初変身時に言ったポルンのセリフ「ふたりで力を合わせてプリキュラを助けるポポ」が一番の特徴かと思います。なぎさ(ほのか)はメップル(ミップル)とコンビではありますが、各々はほとんど同一体であり、プリキュアとして見ればブラックとホワイトのセットとして見ることができます。しかし、ルミナスはその存在の中にふたつの意思があります。ひかりとポルンです。だから、ひかりが固まって動けなくなってもポルンが力を発動したり、ポルンが怖がっている時はひかりが呼びかけています。プリキュアがブラックとホワイトの絆を結ぶように、ルミナスはひかりとポルンの絆がひとつの課題と思われます。MH8話で基本的な絆は結んでいますが、戦闘で阿吽の呼吸を見せるほどには成熟していません。このふたつ意思がひとつになった時にルミナスは本来の力を発揮すると思われます(ルルンとの関わりもありそうだけど、それは保留)。
 一年目のプリキュアがそうであったように、ふたつの意志がひとつになることがルミナスにも課されており、さらに言えばひかりはふたつどころか色々な人と絆や信頼を結んでいくのでしょう。

⑦ルミナスが戦わないもう半分の理由
 さて、ルミナス単独でもテーマ性や物語性は確保されているとは書きましたが、だからといってプリキュアとの兼ね合いが無いわけではありません。「わたしはシャイニールミナス」という番組では残念ながらないのです。「ふたりはプリキュア」としてのプリキュアとルミナスの関わりです。

 かなり乱暴な言い方かもしれませんが、ルミナスには「戦う力(能力)が無い」と言って良いのではないかと思います。「戦わない」っていうか「戦えない」。ルミナスが唯一サシで戦った11話が良い例で、エレキングには全く敵いませんでした。しかも始終恐怖していました。その後にプリキュアの助太刀に入ってあっという間に倒せたこともルミナスの戦闘力の低さを強調しています。先にも書いたようにルミナスは一作目ポルンの代役と考えてよいので強くなくてもプリキュアが戦えるので問題無いわけです。
 強くなくても良いとはいえ、それでも戦えた方が戦闘の見栄えもいいしルミナスの成長も分かりやすいはずです。それを敢えてやらない理由は何か?
 それはルミナスにしかできないこと、ルミナスだからできること、があるからです。プリキュアと同じことやったらそれこそルミナスの固有性は失われるでしょう。では、そのルミナスにしかできないこととは何なのか。
 ひとつは一作目ポルンと同じように、直接戦えなくても意志を重ねることで大きな力を使えることです(例:ルミナリオ)。弱い人はそのまま弱いのではなく、協力することで強い人をより強くすることができます。
 二つ目は、これも実はポルンと同じ要素を拡大したものなので一つ目の範疇に入ると言って良いかもしれませが、普段大人しい人でもイザという時に活躍することです。8話、28話のルミナスの防御シーンが印象的です(プリキュアバリアが実質上消滅しているので「防御できる」ルミナスはそれ自体特異である)。より能動的なシーンであれば15話です。この他にも細かくあるのですが、ルミナス(ひかり)の特徴として明確に守る人・モノがあると変身が能動的になります。単純というか分かりやすいというか、意識の持ち方がダイレクトなのでしょう。彼女は「何か(守るもの)のために」頑張れる人です。逆に「何か」がないと臆病になったりします。

 結果として、ルミナスはポルンの擬人化と言えます。人間的な人格、キャラになることで今までポルンが持っていた特徴をより分かりやすく表現したキャラであると思います。一作目のプリキュアでサブ的な扱いをしていたポルンの立場を二作目になってより主題に近づけて物語を描いています。ポルンをひかりと組ませるのはその意味で必然性が高く、とてもスムーズに引き継ぎを行っています(ポルンの立場は見た目上一作目と変わっておらず、ひかりが主軸になるように組み込まれている)。
 主役はプリキュアです。表舞台で活躍するでしょう。しかし、それを支える存在がルミナスであり、イザという時はプリキュアの限界を超えた力をもたらす鍵にもなれる存在です。ですから、プリキュアとは活躍の仕方も成長の軸も違うわけですね。主役じゃないことがむしろ彼女の意義を引き立てています。実際、そういう感じで今までの戦闘を見ると、結構頑張っていますルミナス。ちゃんと自分の持ち場で活躍しています。
 変身戦闘ヒロインモノのクセに直接戦わないし、戦わない理由も劇中では明確に説明されないので非常に分かりにくいのですが、戦える人だけが全てではないということでしょう。仕事や舞台やTVだって主役だけじゃなくて脇役やスタッフがいて成り立っているわけですしね。

⑧まとめ
 色々ごちゃごちゃ書いていますが、要点は2点。
1.勝敗の決定は意志と絆であるので戦闘能力は問われない。
2.力が無い者でも勝敗を決する戦いに参加可能。

 まっ、分かりやすく言うと、脇役も頑張ってるということですね(そんな纏めでいいのか・・・)。
 非常にプリキュアらしいと思います。みんな頑張っています。脇役の人にも「ありがとう」と言えるのがプリキュアの良いところです。戦闘が日常に影響を与えるのではなく、日常の要素が戦闘のスタイルに影響を与えてしまう作り方は流石です。
 今後もルミナスのルミナスらしい活躍に期待しています。
[ 2013年05月21日 20:29 ] カテゴリ:MaxHeart | TB(0) | CM(-)
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