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第27話「Let'sエンジョイ!魔法学校の夏休み!」

○今週の出来事
①魔法界バカンス

 闇の魔法一派が壊滅したことを校長も知りますが、しかし懸念は残る。リコ父も遺跡に封じられていたものとは別の存在だろうと相づちを打ちます。どうやら本番はこれからのようです。

 ……という大人の悩みを知らないみらいとリコはバカンスで魔法界にやってきます。
 開口一番、したり顔で引率役をアピールするリコですが即行身内から反撃を受けてあえなく撃沈。トランクには遊び道具が満載。この子はカッコつけから撃沈までがワンセット。もはや持ちネタですな。
 外泊許可はもらっているとみらい。次回予告からもそうですが数日滞在するようです。

 敵勢力変更に伴いOPも若干変更。


 実は実物のエメラルドを見るのが初めての校長。水晶さんが改めて解説。災厄と希望。普段はどっしり構えた態度の校長も今回は浮かない顔。

 広場に顔を出すといつになく魔法学校の生徒達でごったがえしています。見慣れない雰囲気にみらいもビックリ。リコによると生徒達主催で夏祭りをやるようで、今はその準備に取りかかっているようです。以前話したように魔法学校は常春なので暦上での、と付け加えます。場所によって季節が変わる世界なのに暦って関係あるのか?というツッコミはしちゃいけない。
 浮かれるはーちゃんに視線が集まります。生徒達の中で私服のはーちゃんは目立つ。ということで魔法で制服をちゃっちゃと作ってしまいます。相変わらずのインスタント魔法。これではフランソワさんも商売あがったり。
 人目に付く場所でやったもんだから逆に衆目を集めてしまいます。モフルンも。普段当たり前のように存在している彼女達ですが、一般的に見れば例外中の例外。人だかりに向かってジュンが声をかけると一目散に逃げていきます。

 人払いも済んだので改めて挨拶。モフルンは説明不要なので手間が省けますが、改めてはーちゃんの説明を……しても妖精が人の姿になるなんて聞いたことがないと本気にしてもらえません。しゃべるぬいぐるみがいてもそこは納得されないらしい。エメラルドやスマホンの話はしていないので普通の妖精だと思われているのかもしれない。こっちの世界の人から見るとリコ以外、ナシマホウ界人、ぬいぐるみ、妖精とキテレツなメンツ。

 一人で頭を抱える校長。災いは確実に近づいている。しかしその手がかりが掴めません。あの子達に託すしかないのでしょうか?と水晶さん。普通この手の厄介事はプリキュアが担当する(させる)んですが、本作は異なります。災厄に備えて校長が準備していたように、厄介事は大人がやるものだというごく当たり前のことを当たり前にやっています。リコ父もその一人。最初からプリキュアさんお願いしま~すという意識はありません。この辺は子どもに甘いのと表裏一体になっていて、保護者と被保護者の関係があればこそ大人の義務もあると考えて良いでしょう。だから闇の魔法一派にしても、校長から直接倒してくれと指示は出されていません。なりゆきで壊滅させた(酷い字面)だけで下駄を預けたわけではない。あくまで対策本部は校長室にあります。校長が責任感(と無力感)を持つのはそのためです。


 ……という大人の悩みを知らないみらい達は食堂へ。
 交通費とかの支払いも全部リコが出しているんだろうか。テレビの件もあるしこの子の財政どうなってるんだろ。リズ先生のクレジットカードの請求がヤバそう。
 食堂の中ではゴースト型の給仕達が働いています。ビュッフェ形式のようで食べ放題。早速山盛りにして食べ始めるみらい。魔法界なのに食べ物がナシマホウ界とあまり変わらないんですが、そこは文化的な浸透(あるいは元々似ている)のためと都合良く解釈した方が話が早そうです。しゃべるぬいぐるみに納得してるんだから、そこも納得しろよ?と言われたらですよねーとしか答えられません。っていうかモフルンの主食ってクッキーなのか? そっちの方が気になるんだけど。
 みんなよく食べるわね、と他人事のように言うリコですが、彼女もなかなかの大食らい。本人はお嬢様になりたいんだけど地が出過ぎて絶対にそうはなれないのが彼女のキャラで、それが嫌味無く受け入れられているのが彼女の良いところ。
 デザートを注文するとトッドさんが声をかけてきます。冷凍ミカンの人。食材の配達に来たようです。ピーカンみかんの育ちが悪く不足しているらしい。ピーカンって久々に聞いた気がする。感覚的にはカンカン照りみたいなイメージあるけど改めて調べると快晴で良いらしい。方言だと思ってたわ。
 262代続いているけどこんなのは初めてだと話すトッドさん。一体何世紀遡るんだよ、そこまで行くと神話の時代にならないか? いやそれ以上にそんだけ長期に安定供給できる作物ってすげーな。どんだけ環境の変化ないんだよ。空を見上げる校長。少しずつ、しかし確実に異変が起り始めている。

 勤労意欲はあまりないけど、替えもいないのでラブーさんが出勤。


②みらいの秘められた戦い
 宿泊場所は魔法学校の寮。序盤であまり説明されませんでしたが、ベッドの素材もそれっぽい仕様。

 杖の木の前でため息をつく校長。そこにみらいが顔を出します。
 ずーっと前にここで会いましたよね?とみらい。半年前程度ですが子どもにとっての半年は「ずっと」と形容できる時間感覚なのだろうと思われます。この木が好き。校長先生も? そう聞かれて古(いにしえ)の木の前では心が穏やかになると平静に語ります。すると突然みらいはありがとうございますとお礼を言います。どうやら校長を探してここに来たようです。
 「ずっと探していたのに。エメラルドをはーちゃんと私たちに…
 彼女に対する評価を少し見直さないといけません。というより本来のそれに戻すと言う方が彼女の場合適切なのかもしれませんが。みらいははしゃぎ回るイメージとは裏腹にしっかり見てもいる子で、自分達が自由に振る舞えていることが校長の取り計らいであることをキチンと理解しています。自分が置かれている状況が複雑であると気づくのは一つの見識です。
 心の内を吐き出すようにみらいは自分の決心を語り始めます。ずーっとみんなと一緒にいる。彼女の脳裏にははーちゃんとリコの姿。悲しいお別れはもうしたくない。ここでいうお別れは理不尽な別れのことを指しています。どうすることもできない、それに抗えない無力な自分。その小さな反抗としてみんなで笑顔でいるために魔法界に遊びに来たと彼女は瞳を輝かせながら言います。子どもが大人になりかけている瞬間、その自覚を持ち始める瞬間に立ち会った校長は呆気にとられます。みらいの言っていることは相変わらずどこかフワフワしているし、やっていることも子どもじみている。しかしそこには確かな意思があります。ずっと前の彼女には無かったもの。現実を受け入れつつもそれに対する反抗の意思。それこそが本当の意味での自我(と自立)の芽生えだと私は思います。そっちがその気なら、こっちにも用意がある。その気概、挑戦に人の意思を見る。そこに大人か子どもかの別は無い。不安を抱える校長に、太鼓判を押すようにみらいは大丈夫だと確言します。
 みらいとリコの関係で面白いのは彼女達が同時(一緒)では無いこと。リコはリコの文脈で成長していくし、みらいはみらいの文脈で成長する。リズの言葉を受けたリコが一歩先に進んで、そのリコの姿にみらいが続いたようにここではみらいが自分が置かれている環境を俯瞰して自分なりの方法論を唱え始めています。その変化は後述する校長にも関係するのですが、この抜きつ抜かれつの関係は拡張性を伴うので「閉じた関係」を脱する意味でも重要なファクターです。


③魔法とムホー
 ふたりの前にラブーが出現。
 マイペースな口調で自己紹介を始めます。口調はまったりしていますが内容は「消えてくんない?」と過激。結界を作りだして閉じ込めてしまいます。
 指パッチンでドンヨクバールを召喚。欲張る→貪欲に進化(?)。発音的にはドン・ヨクバールなのでドン(首領)を兼ねたダブルミーニングでしょうか。ムホーの力が生み出す魔物と説明。ああ、魔法に対する無法なのね。闇の魔法はいわばムホーのパチもの。本家本元はこっち。闇の魔法って外法感あるし、なるほど上手く繋げて上位感のある敵になりました。
 「ガッテーン!」


 駆けつけたリコとはーちゃんは結界の前で足止め。中では戦闘が始まっています。
 エメラルドの力を使って体当たりを試みるはーちゃん。彼女が伸ばした手をリコも掴むとふたりで頭突きをかまします。凄い絵面だな。

 背中にブドウ生やしたドンヨクバールに追われるみらいと校長。
 校長は備蓄切れ、みらいは相方がいないと変身出来ないので打つ手無しの絶体絶命。しかし背後の結界からリコとはーちゃんが頭を出します。結界をすり抜けて内部へ。三人で変身。バンクはツギハギ型で、番組タイトルは三人で名乗ります。フェリーチェの定位置そこかよ。ダイヤとエメラルド自己主張強ぇ。変身タイプが4つもあるから強引さがあるのは致し方ない。

 戦闘開始。見た目通り背中からミサイルを撃ってきます。先陣を切るフェリーチェ。流石のパワーでドンヨクバールを一蹴。しかし強化月間は期限切れ。放っていたミサイルが機雷の如くフェリーチェを取り囲んで爆発。プリキュアも同様。
 強敵の出現。ということでラブーさんに説明していただきます。デウスマスト。直訳で神柱。まんまだな。これも調べてそういえばそうなだーという話で、日本で神様って「柱」で数えるんだよね。天の彼方から永劫の渇きとともに降り立つ終わりなき混沌…となんか壮大に説明。スケールでけぇな。個人的にエメラルド(はーちゃん)も神的なヤツだと思ってるんで陣営対決としては釣り合いが取れる。あまねく生命に祝福…というのは調和的なイメージなので混沌と殴り合えそうです。
 災い判明。おめでとうございます、当選しました!みたいなノリでこの世界はデウスマストの目にとまったと話すラブー。デウスマスト到着までのお膳立てが彼の仕事。
 んな勝手な…と言いかけたマジカルの隣でミラクルは「決めたから」と決然と言い切ります。
 「あなたが何者だろうと関係ない。みんなで一緒にいるって決めたから。悲しい別れはもうしない
 もの凄い気迫を込めながらイケメンな感じで言ってますが尻餅付きながら言ってます。
 なるほど、このノリを貫くのね。「はーちゃん返して!」と同様に日常守りますベースの主張が根幹であることに変わりはない。変わるとすればそれを唱える彼女達の視座がより広く自我を持ったものになること。「はーちゃん」から「みんな」に拡張されている。この時点のみんなは4人が念頭にあると思いますが、拡張性はまだまだあります。
 自分にできることをやる!とミサイルに飛び込んで肉盾になるミラクル。いやいや、その情熱は認めるけどそうじゃないっていうか、っていうか固てぇなおい。ダイヤ(征服されざるもの)の面目躍如。神を恐れぬ砕けぬ意思。
 突っ走りすぎと仲間に諭されると今度は三人で立ち向かいます。
 誘導兵器を使う相手にはそれをそのままぶつけるのが礼儀。

 爆風の中から反撃が繰り出されると、それを校長がガード。熱い展開です。彼の魔力は底を打っているんですが意地を見せます。ドクロクシー戦は共闘というよりそれぞれ勝手に戦っていた状況でしたが、この点からも校長がみらいに感化される、つまり子ども達を対等な相手と認め始めています。
 フェリーチェも防御して、トドメは久々にプリキュアが担当。ここぞとばかりにモフルンが登場しているのもこの流れ的には自然。モフルンも欠かすことのできないメンバー。

 こちらを睨むミラクルに、怖い怖いとばかりに今日はやめとくと辞退するラブー。しかし次で終わりにしてあげるとひょうきんな態度とは裏腹に殺る気満々。


 改めて4人にお礼を言う校長。
 一仕事終えてお腹が空いたのかはーちゃんとリコのお腹の虫が鳴きます。あれだけ食っておいて小食と言い張るリコ。すかさずみらいとはーちゃんがからかいます。
 校長はエメラルドの力に思いを巡らせます。また忙しくなりそう。それならそれでできることをやる。目の前で楽しそうに笑う彼女達を前にそう教えられたと校長はつぶやきます。


 EDもマイナーチェンジ。俯瞰的だった映像がキャラ寄りに。マジカル中心っぽいようですがちょくちょく変わったりするんでしょうか。


④次回予告
 「またみてね」が脂のってきてる。


○トピック
 はーちゃん強化月間終了のお知らせ。
 エメラルドパワーだか何だか知らないけど、子ども向けアニメで大事なのは根性なんだよ!とみらい先輩が模範指導。


 どこか遠いところにラスボスが現れ始めるのと同時に、身近なところで自我の萌芽が現れ始める。
 主人公として見た時にみらいは自己主張が弱い(あまりしない)タイプで、普段は葛藤が多いリコの方が目立っていたんですがここに来て主人公の資質が芽生え始めます。はーちゃん導入教育が始まってから述べきたように、彼女達のポジジョンは大きく変わりつつあります。大人と子ども。この関係が本作のベースでした。みらい達は許された自由を満喫する。だから彼女達は子どもでいることを気にすることがなかったし、ワガママも大人に聞いてもらえました。大人も彼女達に過大な要求をしていません。言い方を変えれば、子どもは大人に甘えていたし、大人は子どもを対等な相手として見ていなかったのです。校長が一人で抱え込んでいるのはそういうことです。プリキュアであるみらい達をパートナーとは思っていない。
 その関係が変わってきています。子どもだった彼女達はいつの間にかそうであることから抜け出しつつある。自分達の力が及ばない、いつ壊れるかわからない脆い自由から自分達の手で作り上げる自由へと意識が変わりつつある。前回の感想で本作の魔法は人の意思を含むものだと言いましたが、その根幹がここに繋がってきます。自分の意思で世界を作り上げる。それは自立心を持つ誰もが規模の大小に関わらず願い、実現しようと戦うものです。その一歩をみらい達も歩み始めます。


[ 2016年08月07日 13:33 ] カテゴリ:魔法つかいプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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