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第26話「想いはみんな一緒!はーちゃんのクッキー」

○今週の出来事
①はーちゃん導入教育最終試験

 ヤモーの執拗な攻撃にミラクルとマジカルが傷つくのを見たはーちゃんは悲鳴をあげます。
 夢と知って一安心。しかしエメラルドを持っていることが災いしてふたりが酷い目に遭うのではないかと心配します。何事かを決心すると黙々と何かを綴ります。
 はーちゃんを呼ぶみらいの声。

 食卓に並ぶ料理の数々。今日はみらいとリコのお手製。味も申し分なし。さすが料理研究家のお母さまゆずりの腕前とみらい母はリコを褒めます。そういえばそういう設定でした。みらいが作った卵焼きに挑む父。幾分か緊張が見られます。信用してねーのか。焦げていてても美味しい。口調と表情から察するに。多分にリップサービスが入ってそう。はーちゃんも舌鼓。
 改めてリコが日頃の感謝と趣旨を説明。いつもありがとう。それを聞いたはーちゃんは神妙な顔で口を結びます。彼女の微妙な変化に首を傾げるモフルン。みらい・モフルンよりはーちゃん・モフルンの方がコンビ感あるよね。


 一人でお菓子作りに挑戦。案の定苦戦の連続。卵は思うように割れない、小麦粉はぶちまける始末。ところで粉塵爆発って知ってます?
 何事かと台所を見に来たふたりの行く手をモフルンが遮ります。一人で頑張るから手を出さないでくれとバリケード。モフルンが説明したようにはーちゃんは一切魔法を使うことなくクッキーを焼き上げます。
 早速一口。不安そうに訊ねるはーちゃんにふたりは美味しいと頷きます。後々の展開を見ると彼女らの演技力の高さが伺えます。躊躇いねーな。モフルンもサクサクだと食感を褒めます。でも、ふた口め誰もいかないんだけどね。好評をもらい胸をなで下ろすはーちゃん。改めて三人にありがとうの気持ちだと伝えます。その言葉に違和感を覚えるモフルン。さといな。

 最後の骨を握りしめるヤモー。不退転の決意を固めます。


②家出
 未明。静かに家を出るはーちゃん。
 なかなか降りてこないはーちゃんにふたりが声をかけます。どうやらモフルンの姿も見えない様子。屋根裏に上がってみるとビックリ、部屋は元の姿に。書き置きが残されています。「ありがとう。さようなら。ことは」。なにやらタダ事でない様子。

 人で賑わう商店街を歩くはーちゃん。家を出てみたものの行く当てはありません。その気になれば魔法で自活することもできるんだろうけど。お金よ出てこい! まさに錬金術。不安を歌って誤魔化します。
 景気付けに街にシャボン玉を生み出します。街の人々から歓声があがり気分も盛り上がります。しかし妙な視線を感じます。早速事案の発生でしょうか。振り返ると何者かの影。ヤモーではないかと疑うはーちゃん。
 急いで駆け出すと。人気の無い路地裏に。箒で飛んでまいてしまえばいい。ところがいくら呪文を唱えても箒はピクリとも浮き上がりません。普段なら光るスマホンも沈黙。電池切れでしょうか。どうも電池の消耗激しいらしいですし。
 その頃、みらいとリコは上空からはーちゃんの捜索。普段と違った彼女の様子を振り返ります。まるで今生の別れの挨拶のような。

 まごついているとついにはーちゃんに影が迫ります。思わず影を掴むと…案の定モフルンでした。
 公園のベンチに場所を移して、モフルンは家出するはーちゃんを目撃してそのまま付いていったと話します。どうして黙ってでていったのかと訊ねると、エメラルドを持っているせいでみんなに迷惑をかけてしまうと素直にはーちゃんは答えます。エメラルドが狙われるのは今に始まったことではないのですが、あの当時はエメラルドのついでにはーちゃんが付いてくるみたいなセット感だったのと、はーちゃん自身の精神年齢もそこまで高くなかったのでそうした周囲への影響云々は意識されていなかったのだろうと思います。視聴者的にも庇護対象でしたしね。こうして彼女の成長に合わせて、彼女の立場、考えが表面化していくのは良いことです。
 みらいとリコのとこにいちゃダメなんだと静かに語るはーちゃん。では、どこに行くのか? モフルンの問いに彼女は記憶を辿ります。例の花の海。しかし手がかりはゼロ。途方に暮れます。ついでにお腹も音を上げます
 魔法でサンドイッチを出そうとしますが無反応。しょんぼりしているからだ、とモフルン。メンタルに左右されるようです。モフルンに反論するものの周囲の家族連れの姿に自分の姿を重ねて見てしまうのも事実。彼女の様子にモフルンはどうしたのか?と訊ねます。ちなみにモフルンは帰ろうとは一言もいいません。
 それならと自分で作ったクッキーを広げるはーちゃん。途端にモフルンが何か告げようとしますが構わず口に入れると「しょっぱい!?」


③闇の魔法の最後
 うっかり砂糖と塩を入れ間違っていました。しかしならどうしてみんな美味しいと言ったのか。 
 疑問に答えが出る前にヤモーが現われます。いつもよりゲッソリしてて末期感漂ってます。最後の骨を自らに宿して怪獣化。
 変身する隙も与えずはーちゃんを自らの体内(牢屋)に捕獲。闇の魔法を浴びたスマホンは使用不可に。

 モフルンがみらいとリコの名を叫ぶと即行駆けつけてくれます。ある種の召喚魔法ですかね。
 ヤモーははーちゃんごとエメラルドを取り込むつもりです。もちろん看過できないのでバンクをはしょってダイヤに変身。
 怪獣を目の前にしてやや怯むプリキュア。相変わらずこのアニメはジャンルがよくわかりません。腐っても幹部。戦闘力はプリキュアを上回ります。最近割り切ったのかドロワーズが丸見えなんですがそれは良いみたいです。個人的にこの下着は富裕層の子女が履くものみたいなイメージあります。たぶん世界名作劇場とかのせい。…などと女の子の下着を凝視している間も戦闘は続き、はーちゃんは思わずふたりに逃げて!と叫びます。
 自罰感情に苛まれるはーちゃん。大人になってもこれが強い(強くなる)人もいれば、大人になるとあっさり忘れる人もいるのかもしれませんが、割と子どもの頃はこの自罰感情は出やすい気がします。自分は悪い子症候群とでもいうのか。経験の無さ、自信の無さ、信頼感の無さ(不確かさ)がその根本にあります。まあ、幼少期であれば自我の発達に際しての過渡的なものだし、大人であれば逆に未熟な自我の証明になるんですが。はーちゃんは当然前者で、つまるところこれは自分の居場所はどこか?ということです。当たり前の話ですが、真っ正面からこれを言う大人(親)はまずいません。安全な場所であれば慣れていく(不安が取れていく、気にしなくなる)ものだからです。ちなみにキングジコチューさんはレジーナにこの駆け引きを持ち出した毒親の見本です。この自罰感情が抜けないと常にどこか不安で、表面的な結びつきに拘泥し、愛情に対する代価を必ず要求する(される)と思うようになる傾向が強くなるようです。なんでわざわざこんな話しをしているのかというと、子どもにとっての自罰感情は結構重いのです。経験的に。そういう感情が強く持ち上がる時期がある。「自分せいで…」パターンは子ども向けに限らずよくあるシチュエーションなんですが、とりわけ子ども向けだと自我発達(自尊心の醸成)を含む意味合いもでてきます。はーちゃん、精神的には幼児ですしね。
 はーちゃんの告白に、どうして話してくれなかったのか!?と問うふたり。すると今度ははーちゃんがふたりだって言ってくれなかったと糾弾し始めます。
 仕事を思い出したヤモーがそれっぽく暴れます。プリキュアが話しているときは邪魔してはいけない不文律(話しを進めるために批判するのは可)があるので、空気を読みつつ時折いじわるします。

 傷つきながらもプリキュアは立ち上がります。自分達のために一生懸命作ってくれたのが嬉しかったとふたりは言います。本当に美味しかったと断言。はーちゃん加入以降やはりみらいとリコはポジション的に繰り上がっています。冒頭で見たように彼女達とその親で模範演技して、今度は彼女達が親役ではーちゃんに指導する。彼女達は子どもであり親でもある。元々本作のふたりはかなり幼いところから始まっているのですが、ここ最近は年齢相応の役と精神的経験値を与えられています。はーちゃんの成長は彼女達の成長であり、その逆も然り。
 はーちゃんのことが大好きだから。その言葉に以前自分がかけた魔法を思い出します。
 「(ずっと一緒にいられますように)」
 自分のことを好きになって欲しい。数ある人の願いの中でもこれはその最上級に位置する願いなのではないかと思います。その割りに直接これを願う人は少ないのですが。この世界の魔法は人の意思を変えることはできないようで、それははーちゃんの魔法とて同じ。でも言葉には力があります。
 「一緒だよ、ずっとず~っと一緒だよ!
 はーちゃんの魔法を反芻するように、みらい自身が唱えた魔法を反芻するようにミラクルは言います。マジカルも一人にはしないと誓います。はーちゃんが頷くとピンクトルマリンが反応。石の意味的には……いっぱいあります。上述したことの解消ですね。ここで石が再発動するということはMHでいうところのハーティエル的な位置付けになるんでしょうか。つまりリンクルストーンがはーちゃん(エメラルド)に再統合されるイメージ。今のはーちゃんは上述したように幼児なので、大人(完成)へと至ることが一つの目標になりそうです。みらいとリコとは別系統の文脈を持ったキャラなのはほぼ確定。
 トルマリンの力でスマホンが自由に。すると光の奔流が漏れ出ます。はーちゃん脱出&変身。

 トルマリンがフェリーチェの手の中に収まります。ヤモーの攻撃を石の力で防御。防御によく使われるムーンストーンと何が違うのかは微妙なところですが、ムーンストーンは物理的に防壁を発生させているのに対して、トルマリンは相殺でしょうか。呪いの解除にも使える的な。じゃあ、タンザナイトは? アレはたぶん反射特性を持っている。リフレクトさせたかったらムーンとタンザのコンボで、みたいな。まあ、どの石もせいぜい数回使って終わりそうですけど。だって殴った方が速いし強いし。
 フェリーチェに続けとばかりに、アクアマリンで身動きを止めます。ダメ押しとばかりにガーネットで地面から氷の腕を出して足止め。そういうのもアリなんだ。でも力づくで脱出するヤモーさん。でもやっぱりフェリーチェに瞬殺されます。これにてドクロクシー一派は完全壊滅。

 ヤモーの敗北を見たラブーは拍子抜け。どうやら彼の口ぶりからすると黒幕がいるらしい。む~、確かにラブーはラスボスって感じがしなかったけど、全貌がまだまだ見えてきません。
 「まぁ、所詮は魔法。この程度か」
 なん……だと!?


 手を取って家路につく親子を見つめるはーちゃん。
 彼女の手をみらいとリコが握ります。彼女にも一緒に帰る人と家があります。喜んだ彼女は先ほどまでとは打って変わってふたりに帰ろうと現金に笑いかけます。


④次回予告
 避暑地(常春)でバカンス。


○トピック
 ドクロクシーかかしはその後スタッフが田んぼにさしときました。


 はーちゃん導入教育編のラスト。
 みらいとリコのポジション変化と心情変化(24話)、関係性の再調整(25話)、そしてはーちゃん自身の精神的な安定(安心)感の醸成をもって基礎課程を修了。相変わらずプリキュアのOJTは完璧です。ここまでやればはーちゃんも自律的に動くことができるので、ラブー戦(本格的な新章)に入れます。

 ラブーのセリフが示唆的で、おそらく魔法の上位、魔法を否定する(魔法は万能ではない)存在として対峙することになるのだろうと思われます。闇の魔法は結局魔法なのでそんなん使い方(使い手)次第やろ、という論戦にしかならないので本番はこれから。その前振りとして今回再びクローズアップされたはーちゃんの「ずっと一緒にいられますように」は主人公側の主張を補強する点で追い風になります。この願い自体は魔法ではありません。魔法としての効力がない。しかし校長が語ったように「素直な言の葉はときに魔法となって人の心を動かす」ものなので本作の魔法は人の意思を叶えるもの、人の意思の表現、表出として多義的な意味を持ちます。パブリックコミットメントもまた魔法に含まれる。要するに純粋なパワー勝負ではなく、人の意思を持ってこれるので思想戦に持ち込める。そうなればしめたもの。勝ち筋が見える。それはそれとして、言葉は魔法であると同時に人を縛る呪いの力も持つんですが、この辺はさらりと流して都合の良い部分だけ援用しているというのはあまりつっこんじゃいけません。その辺は過去に散々やったし。はーちゃんの教育はそういうネガティブイメージを払拭する意味でもストーリーに適しています。

 本作における魔法は魔法としてそれ自体存在すること以上に、それを”唱える”ことにより大きな意味があります。それは願いであり行為であり期待であり対象があるということです。みらいが魔法を使えるのも、はーちゃんの言葉が彼女達の心に届くのもそのためです。例によって他者性がある、ということなんですが、はてさて、次なる敵はどんな相手なのか。彼女達に休む暇は無さそうです。


[ 2016年07月31日 18:04 ] カテゴリ:魔法つかいプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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