六畳半のすごし方 TOP  >  Go!プリンセスプリキュア >  第49話「決戦ディスピア!グランプリンセス誕生!」

第49話「決戦ディスピア!グランプリンセス誕生!」

○今週の出来事
①世界の終わり

 シャットとロックは自分の魂から作られた僕だったのにもかかわらず離反。しかし忠誠を誓い続けるクローズにディスピアは満足すると褒め称えます。恍惚の表情を浮かべるクローズをディスピアは取り込みます。
 この辺はこういう線引きらしい。なるほど丁度いい。離反組と違ってクローズは忠実な僕なので、彼自身の夢は何かって聞かれたらディスピア様のために生きる、となるので同じ救済方法は取れません。こいつを救済しようとするとディスピアを超悪者にして、クローズは被害者ってことにするのが一番てっとり早いんですが、じゃあディスピア救済しねーの?となるので、結局は責任転嫁の繰り返しにしかなりません。みんな悪かったね、ちゃんちゃん。この論法は「他者との戦い」である愛の救済では役立ちますが、「己との戦い」である本作とは馴染みません。昨日の俺を超えていく!っていう話しなので。ぶっちゃけクローズの処理が一番面倒臭そうだなーと思ってたんで、こうやってディスピアと一体化してもらった方が処理的にも理屈的にも楽です。なんか予告で復活してるし。おそらく彼がディスピアの後任になるのでしょう。これはこれで彼にとって本望かもしれません。希望だろうと絶望だろうと己の理想を貫くのが本作の在り方です。邪魔してきたら殴るだけ。
 在庫一斉処分。ストップとフリーズも茨に還元。茨の森自体がディスピアって感じですね。一般人と一緒に避難するシャット。いや、お前戦闘力あるんだから前線に出てろよ。
 そういうわけで巨大ラスボスの出現。


 「あいつ何なんだよ!?」
 驚愕と共に見上げる一般人。見るからにラスボス戦。プリキュアは進み出ると果敢に挑みます。ホープキングダム(ミニチュア)を連続使用して砲撃。スカーレットだけカナタの力借りてブーストしますが、結果は同じ。効きません。クローズの力を得たディスピアは、その力を使って反撃。

 気付けばディスピアの茨は世界中に広がり人々を絶望の檻に閉じ込めていきます。どこまで絶望を広げるのか。その疑問に答えるように、全ての夢が果てるまで、とディスピアは言います。
 何故自分が夢と希望の世界ホープキングダムに居たか。夢の在るところに必ず闇が生まれる。叶わぬ夢、失われた希望、挫折、後悔、それは全て絶望となる。その結果が茨の森であり自分。
 「そう、私は絶望そのもの
 ここでラスボスの立ち位置確定。ノイズと親戚でした。あっちは救済しましたが、こっちは遠慮なく倒します。本作ではただの概念悪。主人公達にとっては乗り越えるべき壁の一つにすぎません。とはいえ、絶望の権化であるディスピアの魂の一部だったシャット達が希望を見出しているので、コインの裏表ですね。

 一般人にも攻撃の手が伸びるとカナタが護衛につきます。ディスピアを倒せるのはグランプリンセスだけ。でも未だにプリキュアは覚醒していません。何が足りないというのか。シャムールの説明を聞いていた生徒達は、困惑と不安を浮かべます。らんこさんの夢は元から叶わないので、諦めて下さい。
 勝機が見えないままでも戦い続けるプリキュア。その姿に別な意味で困惑する生徒達。
 「夢を追ってきたから」
 本人に代わってゆいちゃんが答えます。この子は最終決戦のキーパーソン。この子がプリキュアの生き様語ってくれる。彼女達の戦いを見たゆうき君はよく見れば春野まんまだと漏らします。その言葉に頷くゆいちゃん。プリキュアであるか否かは関係ない。恐れも不安もなくいつも全力で進み続ける。パフ達も加わって最強技で挑みます。が、ダメ。
 変身は解け、絶望の扉に人々が囚われ、世界は茨で覆われます。


②グランプリンセス
 傷つき倒れるはるか達。深い沈黙。
 残った彼女達を始末しようと攻撃を再開。するとパフとアロマが真っ先に動きます。すっかり忘れていましたが、彼らも最終決戦の参加者。繰り返しますが今回は一般人参加型。根性見せます。
 それが呼び水になって生徒達も自らの足で立ち上がります。倒れたはるかの先に進むゆうき。ひとみ、ゆうこ、せいら、あやか、望月、白金、そこに居る人々みんなが進み出ます。敵は絶望の権化。みんなの絶望。ならこっちも全員が戦いましょう。ここには居るのはか弱い市民なんかじゃない。誇り高き戦士達。実質この最終決戦は彼女達の戦いです。プリキュアはほとんど何もしていない。クロロの手の中で目を覚ますロック。
 「友達が守ってくれた私達の夢。絶対に諦めない。何度檻に閉じ込められたって破ってみせる!

 ディスピアの攻撃を目の前にしても怯まないゆいちゃん。
 例によって光ると一人一人の中から鍵が出てきます。ロッドの欠片だと推測するカナタ。なるほどこう繋がるのね。もちろん、そんな説明がなくてもこれは彼女達の力です。一人一人が前に進むための、夢の扉を開くための鍵。
 「私の夢の力、受け取って!
 「なんだかわかんねぇけど、託すぞ! 春野!
 光の中で、はるか達は立ち上がる力を取り戻します。パフュームが満たされると扉へと続く架け橋を作り出します。もうこれ、ボスを倒すとかじゃなくて、ここがスタートラインなんだっていう明示ですね。どんなに苦しくても夢を諦めない。それは一生追い続けるもの。今再びそれを全ての人と分かち合う。
 走り出したはるか達が狙われると、カナタとシャムールが援護。みんなに背中を押されながら走り続けます。今度はシャットとロックが援護。クロロとロックは利害が一致したのか共闘。パフとアロマも参戦。みんなの応援ではるか達は進んでいきます。
 「夢を守るプリンセスから全ての夢を希望に導くプリンセスに
 「プリキュア……プリンセスエンゲージ!
 みんなの夢がグランプリンセスを開く鍵に。ここで次回に引くかと思ったら、そのままの勢いで倒します。
 「プリキュア! グランリベラシオン!
 ディスピアの鍵穴に鍵刺して決着。
 「ごきげんよう!


③次回予告
 終わりは次の始まりを準備する。


○トピック
 ゆいちゃん、もうグランプリンセス名乗っていいと思うわ。


 プリキュアが何もせずに最終決戦を終わらせるという斬新な展開。
 これは本作にとって、愛の限界に突き当たった本シリーズにとって新たな解答です。プリキュアがみんなを助けて幸せになるのではなく、プリキュアを応援して敵を打ち破るのでもなく、みんなが自分の夢を守るために、みんなが自分の幸せのために戦いラスボスを打ち倒す。ここにはもはやプリキュアか一般人かの区別はありません。全ての人が誇り高き夢の求道者。始まりは幼い夢を持ち続けた一人の少女から。その少女の生き様は周囲の人の心を動かし、多くの人の勇気を呼び起こします。
 はるかは正真正銘のプリンセスです。その夢を一生のものとし、あらゆる困難を試練へと変え自らを高めていく。その夢は魂の高潔さを示す。しかしそれはあくまで個人の話し。グランプリンセスとは、本来誰もが持っている夢とそれを実現するための勇気を呼び起こし導く存在。「春野、お前かっこよすぎだぜ」。このセリフに集約されます。作中の人物達も視聴者もはるかをかっこいいと思い、それに負けない自分でありたいと願う。最後の決め手は彼女達の強さではなく、それを見る私達の心。これを以てはるかのプリンセスはグランプリンセスへと昇華されます。
 個人としての完成と、関係性の中での役割。そのバランスをどのように保つか。愛を巡るこれまでの物語は後者に特化していましたが、本作は前者に特化し、人々を感化させることで全員一丸となって絶望を振り払います。この結末自体はシリーズの流れを汲む正統後継。でも実は本作はシリーズの中でも特異と言っていいほど作り方が違います。本作は一種の性善説に立っています。他者に対する憧れと尊敬。夢を追いかけるひたむきさ。他者を規範にし、自分の成すべきことをなす。嫉妬や不安はありません。人間関係ゲームを一切やらない。個々人の強さ、潔さが前提にあります。その意味では(ニーチェ的な意味でも単純な意味でも)超人的な人々の物語だと言えます。愛による物語は弱さに立脚し、夢による物語は強さに立脚している。これは善し悪しや優劣の問題ではありません。こうしたアプローチが取れることもまた人の可能性で、本シリーズはそれを追求し続ける物語。本当に素晴らしい。

 私は強さに寄り添いたいと持っているので、こういう盛っていくスタンスは大歓迎です。同情されるよりも認められたいし、同情するよりも称えたい。好奇心を面白さに変えていく。自分の限界を知ったとしても、それでも胸を張って自分の人生を面白くしていきたい。私の人生が面白いのは私が面白いから。そしてこの世界もまた面白いから。それを教えてくれるのは強き人達です。
[ 2016年01月24日 23:11 ] カテゴリ:Go!プリンセスプリキュア | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL