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第46話「美しい…!?さすらうシャットと雪の城!」

○今週の出来事
①雪のお城

 年末の大掃除。
 トワの年越しは例によって錦戸宅。すごいツケ貯まってそう。みなみは家族旅行。生のペンギンを見に行きます。きららは実家でのんびり。はるかは実家の手伝い。その手つきおばさん臭いぞ。そんな様子をトワは愛おしそうに見つめます。このとき何を思っていたかは、後半の彼女のセリフでいくらかわかります。
 帰る場所を失ったシャット。雪もチラついています。ダンボールを探した方がいいかもしれません。


 外に出ると辺り一面真っ白。見慣れぬ景色にトワは見入ります。するとはるかはもっと広いところに行こうと彼女の手を取って飛びだします。
 校庭に一番乗り。第一歩をどうぞ、ときららが促します。誰にもまだ荒らされていない雪を踏めるのっていいよね。全身で飛び込みたくなるときとかあるし。トワは自分の足跡を確かめると子どものように雪の上を歩き出します。
 あとは各々雪を使って創作タイム。お約束の雪だるま、雪兎、パフとアロマの彫像。ってアロマどうやって立ってんの!? これをさらりとやってのけるゆいちゃんただもんじゃねぇ。早速トワもチャレンジすることに。
 ほっこりしてるとはるかの顔に雪の弾が当たります。どうやらゆうき君達が雪合戦していたようです。お返しとばかりに投げ返しますが届きません。笑って去っていくゆうき君。命拾いしたな。3日もあればはるかなら魔球を取得できた。まあ、一番の失敗ははるかとフラグが立たなかったことですが。カナタがいる以上どうやっても影が薄い。
 気付くとトワが雪を集めて城を作ろうとしています。実家ならミニチュア(税込み定価11,664円)がありますがやはり物足りない。実家に帰れないトワを気遣って、はるか達も手伝います。この人数ならパフ達が入れる程度のものは実際作れそう。

 作業をしているとゆうき君達が声をかけてきたので、事情を話すと乗ってきます。なら、人が入れるくらいのものを作ろう。ここから話しがドンドン広がっていきます。
 男子は道を作って道具を搬入。はるかとみなみは女子寮のメンツに声をかけます。流石にホープキングダム城とは言えないので、アロマの証言を元にゆいちゃんがスケッチ。
 校庭には大勢の人が集まり、もはや学校行事レベル。そんな彼らを応援するためにパフ達は城を出して音楽を奏でます。在庫処分に協力。年越したらもうどうでもいいんですけどね。東堂いづみの鬼畜ぶりは存じております。
 生徒会メンバーで作戦会議。強度の補強が必要。そこで白金さんが廃材を利用しては?と提案。やべぇ、何か本格的になってきたぞ。学園をあげてのお祭りムード。とくれば声をかけなくても勝手に出てくるのがらんこ。この人、黙ってれば見た目可愛いし、可愛い格好してるとさらに可愛いのに口開いた途端残念になるな。
 さらには炊き出しまで始めます。相変わらずはるかが絡むと学園全体に話しが及ぶな。作業風景を撮影。らんこ嬢はどんだけドーナツ君に思い入れあるの。あと、そのビデオ後で私にダビングしてください。野郎のシーンは全部カットで。


 街で人々の注目を集めるシャット。ガリガリになってフラフラ。冬なのにいつもの格好だし、もう完全に「ママ何あれ?」「しっ、見ちゃいけません」的なアレ。自分の惨めさから逃げるように走り出します。

 ついにお城完成。
 「完璧じゃん」
 ほんとだよ。嘘だろ、おい。これもう重機必要なレベルだろ。あ、きらら操作できるか。
 自分1人ではこうはいかなかったとトワ。番組も残すところ数話。最終決戦前の纏めに入っています。今回ピックアップされているのはプリキュアの力ではなく、一般人の力。王国再建の前段と考えるとわかりやすい。お城は人々の手によって造られています。この物語における夢は神聖不可侵のミラクルパワー。その夢は誰の、どんな夢にも貴賤はない。

 一段落したので寮に戻ります。ずっと作業し通しだったので濡れて冷え冷え。手袋を忘れたトワは1人で引き返します。気取らない彼女の姿にすっかりノーブル学園の生徒だとみなみが言います。それは王女としてはどうなんだろうな。
 無事手袋を回収。改めてお城を見ていると足音が。シャット。普通に堂々と学園に入ってきてますが関係者だから仕方ない。普段と様子が違う。雪の城に気付くとこんなものまで自分を嘲笑うのかと八つ当たりで城を破壊。廃材で補強されているだけあってか、一部分の崩壊だけに留まってるのがすげー。
 ルサンチマンと化しているシャット。変身して迎え撃ちます。


②誰もが自分の足で
 現場にはるか達も到着して今年最後の名乗り。
 その名乗りにケチをつけるシャット。テンションが乱高下してて相手するの面倒くせー。
 美しいのは私のみ!と攻撃。フローラ達がジャンプで回避する中、スカーレットは背後の城を庇って1人防御態勢。フローラ達が援護に入ってシャットを城から引き離します。するとシャットは半獣人化。
 「まさか自分の絶望でパワーアップしたロマ!?」
 西さんの不幸でゲージが貯まるのに通じるものがあるな。

 一方、破壊された城を見たゆいちゃんは人知れず決意を浮かべます。何か考えがあるらしい。


 見るからに追い込まれているシャットに、逆にスカーレットの方が心配しはじめます。
 トワイライトとの出会いが自分の運命を狂わせた!と糾弾。確かにそのあたりがギャグポジションの始まりでしたね。結構ノリノリだったと思うんですけど、その辺は都合良く忘れているようです。
 八つ当たりビーム第2弾。膝をつくスカーレット。今更ですが、スカーレットのスカートって結構きわどい。
 自分を美しいとのたまうシャットに氷で作った鏡をプレゼント。そこに写っているのは醜い姿。シャット自身も強いショックを受けます。重ねるように八つ当たり、責任転嫁、美しくないとプリキュアは口々に突きつけます。厳しいアニメです。本作は自己研鑽がモットー。他人に八つ当たりしている暇があったら自分のレベルを上げろと言うでしょう。前回の感想でも触れたように敵と対話する必要がありません。ルサンチマンの類はシリーズで何度もやっていて、大抵は理解を示し同情するんですが、本作はそんな生やさしいことはしません。醜くみっともない姿を本人に自覚させる。本作における人間性の回復、活力は他者理解から生まれません。自分の心が発し、欲する理想、夢。自ら望み、自ら願う姿。それこそが生きる力となる。この意味で本作は徹頭徹尾、自分ありきのスタンスが貫かれています。
 勿論そんなマッチョなやり方は追い込まれている人には逆効果。ロックに見下され、クローズに見下され、ディスピア様に見捨てられ残るは自分のみ。信じられるのは自分だけ!と絶望を増大させたシャットは化け猫の姿に。シャットだけにキャット。完全にダジャレですね。
 ところが暴走しすぎて見境が無くなっているため戦闘どころではありません。呆然と見つめるスカーレットの横で、フローラは口を開きます。
 「助けよう
 このシーン、とても良い構図。フローラの目が写っていません。おそらく彼女は同情心からそう言っているのではありません。彼女の声は断定的で決然としている。彼の辛さを理解しているわけじゃない。悪だと断じているわけでもない。さりとてこのままで良いとも思っていない。彼は歯止めが利かなくなっている。とりあえずバケツで水ぶっかけよう。物理で体当たり。
 ボロボロになったシャットは人間の姿に戻ります。必殺技モロに当てて正気に戻す荒療治。本作のスタンス的にはこれが正しい。繰り返しますが本作は対話と理解のプロセスをこれまでやってきていません。そういう物語ではない。勝手にキレてる奴いるからビンタして正気に戻しただけ。このアニメにレッド出てたらたぶん無言ではっ倒されてる。
 スカーレットは傷ついたシャットに手を差し伸べます。その表情は凛としています。見下すでもなく、同情するでもなく。
 「トワイライトも孤独で人のことなど考えない人間でしたわ
 「気高く、尊く、麗しく、ただそれだけでよいと。でも…今のわたくしは違います
 「温かくて大切なものをたくさん頂きましたから
 「それを守るために強く優しくある姿、それが美しさだと今はそう思っています
 「変わりましょう、シャット。わたくしと一緒に
 彼女もシャットも同じ。ただスタート地点が違うだけ。しかしシャットは差し伸ばされた手を叩き返します。驚いた顔のスカーレット可愛い。立ち上がると帽子を拾って去っていきます。彼とてプライドはある。


 学園に戻ってきたものの城はどうしたものかと話していると、目の前にはほぼ修復されているお城が。今も生徒達が各々作業を続けています。
 絵とにらめっこしていたゆいちゃんははるか達の姿に気付くと声をかけます。
 「みんなが私達の夢を守ってくれているんだもん。このお城ぐらい自分達で守りたいじゃない」
 一般人最強は伊達じゃない。もう来るところまで来たって感じですね。自分で判断し自主的に動ける。壊されても、何度絶望に引きずり込まれても彼女達は自分の手で作り直すことができる。プリキュアと一般人の違いは持ち場の違い程度まで縮小しています。プリキュアは夢を守ればいい。その夢があれば彼らは自分の足で歩ける。
 「とても……とても美しいですわ

 ちょっと離れた所からその光景を見つめるシャット。
 シャムールがマフラーを差し出します。これ上手いわ。シャットはシャムールとの関係もありましたね。荒っぽく受け取りながらも律儀に首に巻いて立ち去っていきます。シャムールは優しい顔で見送ります。

 はるかが実家に戻ると家族が迎えます。早速店のお手伝い。
 みなみは家族一緒にペンギン観賞。
 きららは一家団欒。
 トワとカナタも一緒に錦戸宅で演奏。妖精達も一緒。
 年賀状を大量に書くはるか。どんだけ顔広いんだ。
 「みんな、よいお年を


③次回予告
 物語は最終章へ。


○トピック
 シャットをシリアスキャラに戻した手腕はお見事。これで最終決戦に出てきても笑われずに済みます。


 上述したようにプリンセスは敵と対話する必要がないのでバッサリ倒しても差し支えないんですが、それをやるにはシャットのキャラが立ちすぎている。割と真面目にシャットの処遇が気になっていたんですが、一個人として扱うようです。これによって方向性がより明確になり、他シリーズとも差別化されています。シャットはスマイル三幹部のような立ち位置にいますが、本作は同情や理解を示しません。その代り何をするかと言えば、対等な相手として(似た過ちを犯していた)トワは語りかけます。前作ハピネスは相手の背中を押すことで本人の自立を促していましたが、今作ではさらに一歩進めて一緒に並んで歩こうというわけです。この背景には、人にはそれぞれ夢があって、自分の力で実現することができるとするこれまでの積み重ねがあります。夢とはその人の誇りであり力。それを持つ人は等しく尊い。同情する必要など無いのです。何が正しくて、必要なことなのか。それは他ならぬ自分がよく知っている。人に教えられるまでもなく、自分で気付くことができる。相手に対して対等で公正であればそれで十分。なるほど、今年はこのアプローチでいくんだと納得。

 何度か言ってますが基本的にプリンセスはマッチョ思考です。敵味方問わず誰もが自立した個人であり、自分の過ちや醜さをしっかり受止めることができる。フローラがゆうき君にカッコ悪いと言ったのもそうですね。自立した人同士の対等な目線での理解、協力、研鑽、励まし、共同、共存が本作の特徴です。もはやここにはこれまであったような弱者への同情や共感はありません。敬意と信頼がコミュニケーションのベースとなっています。苦しみを分かち合い一緒に泣くことが必要な人、あるいはそれが必要な時があります。しかし慰めや同情だけが人の心を勇気づけるわけではありません。敬い称えることが必要なこともある。誰にだって誇りはある。負けず嫌いな人なら特に。本作はそういう人達ばっかりなんです。なら、その人達なりの生き様(戦い方)を見せてもらいましょう。
 これまでプリキュアは弱い人々の物語でした。弱さを抱え、不安に震え、迷い悩む人々。それはプリキュア自身もそうでした。だから彼女達はお互いに手を取り合い、慰め、励まし合って進んできました。そして彼女達は名実ともに強さと誇りを手にします。それが今のステージ。これはシリーズ的にはもう未知の領域です。毎年言ってるんですが、最終決戦がどうなるのか読めない。グランプリンセスの件もそうですが、この1年をどのように昇華するか。彼女達の強さ、優しさ、美しさはどんな花を咲かせるのでしょうか。


[ 2015年12月28日 12:44 ] カテゴリ:Go!プリンセスプリキュア | TB(0) | CM(-)
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