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TPP関連4冊

○TPP(米国の視点) トーマス カトウ パブリック・ブレイン
○米国の研究者が書いたTPPがよくわかる本 ジェフリー・J・ショット 日本経済新聞出版社
○TPPで日本は世界一の農業大国になる 浅川 芳裕 ベストセラーズ
○TPP亡国論 中野 剛志 集英社


TPP(米国の視点)米国の研究者が書いたTPPがよくわかる本TPPで日本は世界一の農業大国になるTPP亡国論 (集英社新書)


 なるほど、わからん。一つだけわかったことがあるとすれば、TPPで一番困るのは農家じゃなくて農協(農水省関係)なんだろうな、ってことくらい。
 こういう賛否両論あって仕組みもわからないものを調べるときは賛成派と反対派、さらには客観的な視点で書かれたものを読むのが良いと思います。特にTPPはアメリカの陰謀論なんかも出る始末で、そこまで言うならアメリカ側からの視点で書かれたものを読むのが手っ取り早い(今回読んだ本はあまり参考にならなかったけど)。

 結局TPPで日本が得をするのか損をするのかはよくわからないんだけど、何故か農業の話しに賛成派も反対派もやたらと言及するあたり、そこが色々問題抱えていることだけは見えてきます。ちなみに両視点から見ると、ホントそれぞれ都合のいい数字を使っていて、『TPP亡国論』では関税率の平均を使って日本はすでに低関税で開かれている!と主張しているのに対し、『TPPで日本は世界一の農業大国になる』では関税がかけられている品目数の割合を使って逆の主張を展開しています。
 はっきり言って農業云々はTPPの問題ではなく、国内の規制・統制の問題です。ちょっと前にバターが足りなくなったらしいんだけど、あれは輸入規制してるからで国の失策。食料自給率云々いっときながら、国内生産間に合わなくて輸入規制されてるせいで不足するとか食の安全保障ガバガバすぎるわ。

 TPP自体はP4協定(シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド)から端を発していて、そこにアメリカが乗って話しが大きくなったようです。そもそものアメリカの意図がよくわからないんだけどFTAの一種だったのかもしれません。貿易協定はすでにWTOがあるんですが、こっちは参加国が150を超えて利害調整が難しいのと、投資や著作権などをはじめとしたより包括的な協定を新たに結ぶことを目的としてFTAやTPPが発足しているようです。将来を見据えて新たなルールを策定することで円滑に、国同士の関係も強化していくのが骨子。
 アメリカ陰謀論というのは、TPP参加国のGDP割合で見るとほとんど日米FTAで、アメリカが他国を抱き込んで日本に売りつける作戦なのだ、という論理のようですが、いくらなんでもそれは被害妄想的だと言わざるを得ません。どんだけ日本美味しい市場なんだと。人口減ってるのに。協定に時間もかかるし、第一市場として一番大きいのはアメリカなんだから市場開放して一番割を食いそうなのもアメリカなわけで、アメリカ国内でも賛否出ている現状を見れば陰謀論は荒唐無稽。それよりも新興国のこれからの需要、将来的にはさらなる加盟国の増加による市場拡大、安全保障を含んだ関係強化といったものの方が美味しいと思うんだけどね。当然中国だって今は参加しなくても将来的にはまず参加するだろうし。金回りの良いところにみんな金を出すのは当然の話し。

 資本主義はとにかく新しい市場を作りだして拡大していくしかないので、自由化は自然な流れです。今世紀の半ばには人類の人口が減少に転じる予測もあるらしいので、少なくてもそこまではこの勢いなんじゃないでしょうか。それ以降はどうなるのかわかりませんけど。ある意味、面白い時代に立ち会えそうだな~という期待感もありますね。本の感想としては全然纏まらなかったのでこんな話しでお茶を濁しました。

[ 2015年10月12日 22:22 ] カテゴリ:本の感想 | TB(0) | CM(-)
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