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第14話「大好きのカタチ!春野ファミリーの夢!」

○今週の出来事
①はるかの家族

 会場設営。パフがまた転んではるかに当たると危うく花瓶をこぼしかけます。しかしはるかは上機嫌にパフの髪型をセット。えらくテンションが高い。
 明日はファミリーデー。1年生の家族を招いておもてなし。全寮制のようですから様子見に来るってわけですね。それはそれとして、花瓶まで前日に配置しなくてもいいと思うのですが。
 なお、入学から3ヶ月が経っているようです。これは番組が始まって3ヶ月ってことなんでしょうけど、作中で4月入学ならすでに6~7月頃で衣替えしてるんじゃないの?とかそういうツッコミはしてはいけない。この短期間でバレエ、テニス、洋裁、バイオリンのスキル、そして人脈を手に入れているはるかはマジで1年の筆頭はれるんじゃないかと思う。
 親のほかに妹が来ると知ってきららもゆいちゃんも意外な顔。本人が妹みたいなキャラなのに姉だったとは。写真を見せながら紹介。ももか。小学1年生。割と歳離れてるな。将来モデルになってそうな名前。お姉ちゃんっ子だったらしく、はるかも嬉しくて張り切っているようです。
 「ラブラブだよ!
 はい、前振りありがとうございます。


 OP。錦戸先生が追…さすがに部外者だからかいません。一応学校関係者縛りとかあるんですかね。それ以前にスペースがもうないんですが。トワイライトさんは仮面が外れました。個人的には仮面あった方がかっこよかったかな。


 当日。家族を見つけたはるかが声をかけると父親がダッシュして抱きついてきます。どんだけ子離れできてないんだよこのオヤジ。母親も1話と同じサッパリとした様子で学園生活を尋ねます。妹に声をかけると予想に反して反応が鈍い。
 「ふん」
 そっぽを向いてしまいます。
 不機嫌そうに学校を見回すと、この学校が嫌いだと言います。
 「ええ~~!?
 ほんとお約束を外さないね、君は。

 受付をしているみなみにはるかは家族を紹介。丁寧な応対に名門だけはあると感心する父。後々のももかの回想でもそうですがノーブル学園はエリート校と考えた方が妥当でしょう。はるかが短期間で様々なことを習得できるのは、むしろそれくらいできないと入れない学校なんだと思った方が良さそうです。テストとか妙に難しいし。
 みんな素敵な人達ばかり、と学校自慢を始めるはるかと対照的にももかの機嫌は悪くなっていきます。ここまで分かりやすいともう説明する必要もないんですが、要するにももかからすれば「大好きなお姉ちゃんを取った学校」という認識。「ごきげんよう」にもケチを付ける始末。坊主憎けりゃって奴ですね。
 妹の無礼をみなみに謝ります。姉がノーブル学園に入ったことを友達にも自慢していたほどで、会えるのを楽しみにしていたはずなのに……と親も不思議がります。

 気を取り直して学校案内を続けます。手入れしている花壇を披露。花壇の中で「咲いちゃった♪」とももかに語りかけるはるか。髪型とかそれっぽいんですが、頭の中もお花畑っぽい。一応鉄板ネタだったらしいのですがスルー。普通長男、長女は落着いているイメージがあるものなんですが、この溺愛ぶりを見るに冒頭のセリフどおり相当仲が良かったのでしょう。こうした背景があると彼女の人好きのする雰囲気も説得力が増します。

 会場でパーティの始まり。すると父親が会場中にどら焼きを配って歩きます。夜なべして大量に作ってきたらしい。どら焼きには「はるかをよろしくネ」と似顔絵入り。何この公開処刑。ただでさえ生徒会長のお気に入りとして名高いのに、さらにネタまで持ってくるとか完全に有名人だな。1年生の後半で生徒会選挙したら当選しそう。笑う藍原君。お付きのファン達はやっかみます。こういう細かい所作は面白いね。
 「おいしい~!」
 そんな中、実食したゆいちゃんが面白リアクション。らんこを呼んできましょうか?
 はるかの家は和菓子屋。どら焼きは大好評。はるかは注目の的。ももかは益々面白くない。
 
 お次ははるかお手製のクッキー。相変わらず父親は感激して泣き出します。この人、見る分には面白いけど、一緒に居ると疲れそうだな。妹にも振る舞おうと差し出しますが受け取ってくれません。さっそくきららがからかうと、結構ガチで落ち込んでいます。


②本当の気持ちは包みの中
 プレゼントの包み。きららが話しかけると咄嗟に隠します。
 はるかがモデルで有名人だと紹介。友達かと質問すると嬉しそうに首肯。ももかは冷めた顔で包みをバックの中に入れます。友達アピールは逆効果。ここでは自分が異邦人なのだと感じてしまうばかり。
 機嫌をとろうときららが髪型を褒めながらリボンを出すと距離を取ります。みなみがジュースを持ってくるとこれも拒否。当たって溢してしまいます。恐る恐る姉の方を見上げると叱責が返ってきます。
 自分のことは構わないが自分の大切な人への無礼は許さない。はるかの言動は前回もそうですが一貫しています。これは2つ意味合いがあって、一つは単純に他者を重んじている。錦戸先生もそうですが、尊敬している、尊重している相手に対する配慮があります。特にはるかの周囲には高い志を持った人が多いのでこの傾向は強い。日常パートではこの思考が支配的です。
 もう一つは、半分重なるんですが、彼女自身が夢を大事にしているので、その夢を持っている人への同胞感覚。一つ目と何が違うかと言うと、こっちは自己の延長、自説の拡大解釈としての意味合いです。極端な話し知らない人でも、その人が夢を持ってるなら彼女はその夢を守りたいと考えるでしょう。彼らを守ることははるか自身の思想、考えを守ることを意味します。例えば親友を守りたいと思う感情と、友達は大切にすべきだという考えが同期すれば一層献身的になるでしょう。戦闘パートではこの思考がでてきます。現状では前者の意識が強いんですが、思想的な積み重ねが増えてくると後者も強くなって最終的にバランスが取れてくるのがプリキュアのパターン。
 後者が何故必要になるかというと自律性が養われるからです。思想というと堅苦しいんですが、その実践方法を含めたものを私は哲学と呼んでいて、これが無い人間は腑抜けだと思ってます。別に無くても死にはしませんが、精神的な耐性がつくと思っていて、悪く言えば意固地になるんですが、それがあるからこそ人は苦しくても足を踏み出せるのだと思っています。頭を使って自主的に選び取っていく。こうした手続きを繰り返していくことで自己コントロール感、自己肯定感を強めチャレンジ精神や意欲、責任感を養い、不合理や理不尽をも受け入れる精神的耐性をつけて現実に向き合っていく。この循環プロセスが肝。なので、理想や目標はその都度変えて構わないと思っています。
 話しが盛大に逸れましたが、ただでさえ部外者感バリバリなのに、姉を怒らせてしまったももかは立つ瀬がありません。大嫌い!と走り出してしまいます。落ちた包みをはるかは拾います。


 バイオリンの演奏。すっかり心酔しているシャットはトワイライトを「美しい!」と褒め称えます。自分が見目麗しく優美な音色を奏でられるのは当たり前。そう自分で言い切れる精神力半端ねぇ。どんだけ自分大好きなんだよ。
 「何故ならわたくしは生まれながらのプリンセスなのだから」
 鍵が絶望を求めます。何それ、呪われているの?


 ももかを捜索。
 肩を落とすはるかにみなみが声をかけます。きららには残念かもしれませんがフォロー役は彼女がうってつけ。妹に嫌われるのがキツイ、と苦笑いするはるかに本当に嫌らわれているのだろうか?と問いかけます。ももかちゃんの気持ちが少し分かる。第三者としての説得力があります。
 兄が入学したときに寂しくて、でもその気持ちが上手く言えなくて。だからそれを覆い隠すためについ心にもないことを言ってしまう。でもそれは決して嫌いだからじゃない。言葉によるコミュニケーションは難しい。状況、感情、表情、声色などが複雑に絡み合う。だから言葉だけに意識を向けると取り違えることがある。個人的に面倒臭いと思うのが、同じ話しを繰り返す人。話しの順序や話し方まで真似られるほど同じ内容をしゃべる人がいるんですが、ああいうのはたぶん感情を吐露したいんだろうなぁと思います。大抵は不満か自慢ですからね。話しの内容そのものではなくそう思う自分を受容して欲しいのだと思いますが、面倒臭いので聞き流します。心の中で何回目だなとカウントしながら。

 浜辺で一人反省会のももか。プレゼントの包みをなくしたことに気付いて泣きっ面に蜂。
 いつの間にかパフが寄り添っています。きららが戻ろうと呼びかけるも首を横に振って、お姉ちゃんに嫌われたと泣きはじめます。少しテコを入れる必要がありそうです。きららは飛んでいるアロマに気付くと手を振ってももかを見つけたことを伝えます。
 出し抜けにママと滅多に会えないと切り出します。スーパーモデルで世界中を飛び回っている。今日も仕事で来られない。
 「寂しくないの?」
 「寂しくないわけないじゃん。家族なんだからさ
 素直に答えます。でもそれがママの夢だし邪魔したくない。っていうか応援してる。それはももかも同じ。姉の努力を間近で見ている。でも学校で楽しそうに笑っているお姉ちゃんを見たら、お姉ちゃんは寂しくないのかなって。そう、彼女が懸念していたのは、自分が姉を必要としているのに対して、姉が自分を必要としてくれているか?ということ。自分が居なくても問題ないなら、では自分の価値はあるのか。これは大人になっても抱く疑問です。
 自分も親も凄く寂しいのにお姉ちゃんは平気なのか、そう思ったら…。止めどなく流れ落ちる涙を拭きながらきららははるかが今日を楽しみにしていたことを話します。写真も見た。きっと寂しい気持ちは一緒。お互いが嫌っているわけではなく、気持ちを表に出すか出さないかの違いで、これを取り違えただけ。
 でもお土産をなくして戻れない。そこでようやくはるかは声をかけます。隣に立っているみなみの肩にアロマ。あまりにさりげないのできららが手を振ったシーンだけを見ると意図が読みづらいかもしれません。
 包みを持っているはるかにももかは抱きつきます。無事和解。親も駆けつけて合流。あっと言う間にデレたももかはお土産が手作りであること、夢が叶いますようにと願いを込めたことを熱っぽく語ります。


③春野ファミリーの夢
 トワイライトが現われます。鍵を使ってシャットを強化。それ、毎回やるんだ。
 春野一家の夢ははるかの夢が叶うこと。どんだけこの家族はるか好きなんだよ。どんだけはるか愛され体質なんだよ。雷さまの太鼓がどら焼きなゼツボーグ。なんだこのセンス。
 娘の夢が叶うのが夢なんて、これほどくだらない夢はないと笑うシャット。分かってるじゃないですか。今週の一番大事なところです。人の夢を願う夢があること。そう願ってくれる人がいること。
 きららが家族の愛情がわからないの!と文句をつけます。普通なら言い合いになるところですが…
 「みんな!
 「いきます!
 はるか強っ、はるか怖っ、はるか速っ! この主人公面白い。

 ゼツボーグの攻撃で包みがやぶけて中身のティアラが露出。それを大事そうに抱えたフローラはゼツボーグを蹴り一発で圧倒。思わぬ力にトワイライトも表情を変えます。
 「夢は自分の力で頑張って叶えるものだと思ってた
 「でも支えてくれる人がいるから頑張れる。応援してくれる家族がいるから私は夢を思いっきり追えるの!
 アロマにティアラを預けると、ゼツボーグにもう一撃。マーメイドとトゥインクルも加勢して武器を封殺。トルビヨンで動き止めて浄化。

 食い下がろうとするシャットをトワイライトが制止。無様で見苦しいのは嫌い。負け惜しみは見苦しい。興をそがれたと帰ります。


 学園に戻ると、バレエ部?なのかな、はるか達が舞いを披露。脇が大写しでラッキー!と思うより意外とイイ身体しててビックリです。体力や筋力いるだろうから当然なんでしょうけど。姉がティアラを付けていることにももかは気付きます。
 踊り終わってももかが大声で呼びかけるとはるかも大声で応えます。
 机の上には新たな写真とティアラが飾られます。


④次回予告
 アロマがシスコンなのも致し方なし。


○トピック
 次回予告のパフが全部持っていった回。2週連続で幼女を愛でられるよ、やったね!


 プリキュアにおいて絆は最重要キーワードです。しかしながら現実には親と離れて暮らす子どもがいるわけで、このケア(というか言い訳)をどうするか。子ども向け番組として向き合わなければならない問題です。シリーズ的にも何回か言及しています。離れていても相手を想っている、繋がっている。大体そう言い訳されます。
 ぶっちゃけ現実的にはそんなロマンチックなものではなく、単身赴任とかそうでしょうが、片方の親や兄弟が家に常駐していなければそれが当たり前、そういうもんだみたいな受止められ方をされると思います。割と冷静というか、子どもなりにそれで慣れてしまう。私の父親は登山が好きで幼い頃に山に出かけて次の日帰ってくるなんてことがちょくちょくあって、もしかしたら帰ってこないんじゃないかとちょっと不安になったことはあります。でもこれは不定期的だからで、定期的に、または長期的に不在の場合はそれに順応するだろうと思います(私もそのうちに不在に慣れた)。不測の事態や混乱、暴力、不干渉(ネグレクト)のような悪条件がなく、安定していれば大体問題ない。シングルマザー(ファーザー)が問題になりやすいのは環境が不安定になりがちだからで、祖父母などが家に居れば安定するんじゃないかな。生後何ヶ月までに、または何年までに必要なスキンシップが図られていることが重要で、それを守った上で離別しても安定していれば問題ないという話しを読んだ憶えはあります。……話しがまた盛大にズレた。別に育児の話しをしたいわけじゃない。

 話しを戻して、離別に関してプリキュアはこれまでフォローしてきたわけなんですが、本作ではもう一歩踏み込んで、あなたの夢を応援しているから離れても平気、むしろ離れないと夢を実現できないというスタンスを取っています。これはドキドキでマナが生徒会長スピーチコンテストに臨むために六花がとった行動と同じですね。ある程度の信頼関係がないとできないんですが、現状のプリキュアはその前提をクリアしている(シリーズの流れや積み重ねでクリアしてて、次のステップに入っている)ので、離別による不安や混乱はそれほど大きな問題として扱われていません。みなみ、きららもこの問題をクリアしていることが自然な流れで説明されています。
 今回のポイントは前回の続きとなりますが、はるかが他者からの応援を実感することにあります。彼女の夢は他者に承認されている。ゆいちゃん、カナタ、みなみ、きららがそうでした。ここでさらに家族が一丸となって娘を応援することで拡張・強化されています。娘の活躍が家族の夢になることは現実的にも珍しいことではありません。友達からの応援よりも家族の方が熱が入るでしょう。全寮制の学校へ入れて離れて暮らすのはそれだけ期待が大きいことでもある。家族の後出しがシナリオ的には順当な流れで、設定を上手く咀嚼しています。
 トワイライトは孤高の存在として対置されているので、はるかとの対比はより鮮明になっています。また、夢の共有は他者への感化が含意されているので、ももかが姉に憧れて自分もプリンセスを目指したい、ノーブル学園に入りたいと繋がっていくことも考えられます。もっとも、じゃあトワイライトは誰にも影響を与えないのかと言えば、そうでもなく前回のはるかやシャットに影響を与えているので、今後どのように深まっていくか興味深い対決です。


 ここまでの物語でプリンセスは、夢は自分だけで叶えるものではなく多くの人々の応援とバックアップを受けてそれを力にしていくこと、夢は共有できるものでみんなの幸せの種にもなることを示しつつあります。自分の夢を叶えることは当然自分の幸福に結びつきます。それが同時に他者の夢や幸せとも繋がっていることが見えてきました。
 前作ハピネスは人助けをしようとするあまり自分の幸せから遠のいてしまうジレンマが描かれました。本作は自分の夢を叶える中に他者の幸せが含まれていることを描きだそうとしています。これは善し悪しの話しではありません。このシリーズは様々なアプローチで現実の一部を映している。そこにはたくさんの示唆と教訓が含まれています。


[ 2015年05月03日 19:47 ] カテゴリ:Go!プリンセスプリキュア | TB(0) | CM(-)
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