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第5話「3人でGO!私たちプリンセスプリキュア!」

○今週の出来事
①モデルのお仕事を体験

 みなみと一緒にバレエレッスン。どうやら習慣化しているようです。はるかの動きはぎこちないものの最初の頃に比べれば断然上達しています。
 憎々しげに愚痴るアロマ。きららはその後鍵まで返してきたようです。やる気ナッシング。
 しかしみなみはきららの判断に理解を示します。仕事と学業を両立しているのにこれ以上を求めるは酷。みなみは生徒会長ですが、仕事を割り振ればリソースは確保できるでしょうからまだ楽。
 はるかは変身したきららがすごくステキだったと憧れます。大きな夢も持っているすごい人。これはこの子の良い部分で人柄を表わしています。天ノ川さんにプリキュアになって欲しいと興奮しながら話します。今回の話しはきららがメインですが、同時にはるかの人柄がよく出ているエピソードになっていて彼女の魅力なくして成立しません。

 OP。きらら籠絡。はるかさんマジぱねぇ。5話にして生徒会と現役モデルを手中に収めています。ところでクローズとフローラが激突するシーンで、ここ数週クローズのカットが暗く映っていたんですが元に戻ったようです。いわゆるポケモンフラッシュ対策かと思いますが、たまにこれは必要ないんじゃない?と思うことがあります。


 今日もきららは衣装のスケッチ。休み時間でも仕事熱心。そこに変なポーズで表れるはるか。きららはポーズには突っ込まず、挨拶の言い方にツッコミを入れます。指摘されたはるかは発声練習。可愛い。小動物的な可愛さがあるな。
 気を取り直すと、お願いがあると切り出します。
 もちろんプリキュアの件。常勤ではなく助っ人でもいいと妥協案を出します。
 「ダ~メ
 こっちも可愛い。先週はにべもない態度でしたがドーナツの件もあってかきららの態度は柔和。でもダメなものはダメ。はるかは分かりやすく残念がります。
 モデルに全力100%かけている。プリキュアやっている暇はない。食い下がろうとするはるかに百聞は一見にしかずときららは自分のスケジュールを体験してみない?と誘います。きらら的には現役モデルをやっている自負もあるでしょうから、プロ意識や仕事を見せたい欲求もあるでしょう。みなみもそうですが、距離が空きすぎると案外そういう欲求は満たせないものです。ある程度近くて、興味を持たれている方が自慢はしやすい。


 チャイムと同時にダッシュ。そそくさと学校を出るふたりをみなみとゆいちゃんが目で追います。このふたりはこのふたりで関わりがあると面白そう。

 バスを降りると今度は早歩き。歩きながらスケジュールを確認。レッスン、スポーツジム、撮影、インタビュー、オーディションとぎっしり。世界的デザイナーのボロロ・ボアンヌの審査があるそうです。
 始まる前からハードすぎると思わず足を止めてしまうはるかをきららは急かします。

 レッスン。
 ポーズが決まっているきららに見惚れていると、先生に促されてはるかも挑戦。案の定カクカク。ポーズもバレエ。腹を抱えて笑うきらら。とはいえポーズ自体はなかなか上手くバランスがとれているので習熟レベルは悪くありません。一見すると無能そうに見えるけど覚えたことはすぐに実行できるあたり彼女のポテンシャルは高い。
 続いて撮影。撮った写真をその場で確認。きららは自分からダメだし。可愛いと言うはるかに衣装が可愛く見えなければダメ、自分のポージングが悪かったと話します。中学生とはいえプロの目線。
 時間が取られたためジムはパスしてスタジオへダッシュ。次々と仕事をこなしていきます。

 クタクタになったはるかは公園のベンチに身を投げ出します。そんな彼女にドーナツの差し入れ。前回のお礼も兼ねているのでしょう。しばし休憩。
 ハードスケジュールを毎日こなしているきららにはるかは素直に感心します。ちょっとは分かった?と自慢気に話すきらら。自分は遊んでいるわけではないし仕事に本気なのだというニュアンス。
 「天ノ川さんがとってもモデルの仕事が好きだってよく分かった
 彼女はよく分かっています。普通の人なら「そうだね、これだけ忙しいならプリキュアはできないね」と言うところを、きららが一番知って欲しい、認めて欲しい点を口にしています。彼女は自分の都合を脇に置いてきららに心から感心している。
 そう言われて悪い気はしないきららは照れたように相好を崩すと、気持ちを悟られまいとしたのか急に話題を変えます。なんて分かりやすい子。この前聞きそびれたはるかの夢について。
 プリンセス!と聞いたきららは思わず聞き返します。プリンセスプリキュアにもうなっているのでは?
 本人的にはまだまだ未熟だと言います。
 それを聞いたきららもまだ自分も足りていないと答えます。彼女の視線の先にはスーパーモデルのステラ。彼女の母。子どもの頃から母に憧れた彼女がモデルを夢見たのは当然の成り行きでした。モデルの事務所に入り、ノーブル学園に入ったのもママの母校だったからと話します。六花と同じパターンですね。一般的に子どもはまず親(大人)に憧れます。男の子なら大きくて、力があってなんでもできるところに憧れるし、女の子なら美人で綺麗なお洋服をいくつも持っていることに憧れるでしょう。特に母と娘は父親と息子よりも密接な関係であることが多いようです。女児向けアニメで母親の影響を受けている子が登場することが多いように思いますが、おそらくその辺のニーズや実体験などがモデルになっていると考えられます。話し作りやすいしね。
 今回のボアンヌの件も母が関わったことがあるからで、きららは典型的な後追いタイプのようです。見本になっている親がトップモデルなので、それに追いつこうとしているのは凄いことですが。
 オーディションに気合が入っていると立ち上がるきらら。立ち上がるシーンの脚の書き込みが気合入ってますね。
 仁王立ちで絶対に受かると宣言。この子は確かにキラキラと輝いている。夢があって、そのために全力で進む彼女はその意味を知る者には眩しく見える。


②はるかという子の魅力
 オーディションに姿を見せるボアンヌ。この人はどうやら実在するデザイナー、カール・ラガーフェルドがモデルのようです。シャネルのデザイナーでもあるようで、猫と一緒にいる写真もあります。
 ボアンヌはきらめきを見せてもらう、とお題を出します。
 一巡目は全員アウト。きららでも足りないと言われてしまいます。やり直し。

 何が足りないのか…と焦るきらら。彼女の姿にトゥインクルの姿を重ねて見たはるかは星だと言って探し始めます。その言葉にきららも気付くと、はるかと同時にお目当ての品を見つけます。「にっ」と笑うきらら。はい死んだー。今視聴者の大半が落ちた。小悪魔系でありながら歳相応の可愛らしさとお茶目さをアピール。この黄色、ずるいわー。
 再チャレンジ。先ほどの衣装に星のブローチをアクセントにしてリボンをプラス。これにはボアンヌも一目置きます。

 オーディション結果は後日。帰りがけ、きららははるかにお礼を言います。絶対合格できる!と応援するはるかに、そんなに簡単じゃないと答えるきらら。でも全力100%は出せた。はるはるのおかげで120%かな、とこぼします。呆けるはるかは事の重要さに気付いていません。きららが言ったようにこのオーディションは彼女にとって負けられない一番でした。本気で挑んだはずです。でもその本気ですら届かなかった。はるかが気付かせてくれたから満足できる結果を残せた。プロの世界で生きる彼女にとってこの気づきは大きかったでしょう。自分だけの限界と、はるかとの可能性をこのとき意識したのだと思います。

 何かお礼をしたい。でもプリキュアにはなれないと釘を刺します。
 するとはるかは一生懸命な態度で今でもすごく仲間になって欲しいと思っている、でも夢にすべてを捧げる天ノ川さんの気持ちも分かった。そう言うと邪魔をしちゃってごめんなさいと頭を下げます。この子はプリキュアの主人公に相応しい素直さと優しさ、思い遣りを持っている。自分も真のプリンセスを目指して頑張ると豊富を語ります。
 「天ノ川さんは天ノ川さんの夢を掴んで! 私、応援してるから!
 はい落ちたー。きららちゃん落ちたー。

 その夜、きららはノートをめくりながら「まあ、これでよかったんだけどさ…」と一人つぶやきます。言葉とは裏腹に何か満たされない様子。


 アイデアが纏まらないのか紙を丸めてため息をつくきらら。当然のことながら彼女の周囲には人は居ません(彼女以外は友達と親しく話しているのがミソ)。
 校内を歩いているとはるかが声をかけます。この子、何が可愛いって声可愛いよね。幼いっていうか、ちょっと舌っ足らずなところがあるんだけど、それが妹分の雰囲気を出していて人懐っこく、憎めない感じがあります。
 彼女と会ったきららは顔をほころばせます。心なしか嬉しそう。はるかはきららが写った雑誌を買って可愛かったと駆け寄ってきます。これを見て分かるように彼女はもう完全にプリキュアのことは問題にしていなくて、きらら本人に興味を持って接しています。きららから見れば唯一裏表なく話しかけてくれる同級生と映っているはずです。
 話しに乗っかろうとした途端、みなみがはるかを呼びます。レッスンの時間。
 みなみに呼ばれたはるかはレッスンがあるからときららと別れます。これは……修羅場の予感!

 レッスン場から楽しげな声が聞こえてきます。甘えた声でみなみに師事するはるか。この子甘え上手だなぁ。
 一旦足を止めたきららは、表情を変えることなく再び歩き出します。

 夜。一向にアイデアは纏まりません。何か精彩を欠いたようにため息をつきます。


 寝不足であくびをしているとみなみが声をかけます。
 足を止めてオーディションの事を訪ねるみなみ。きららは足を止めずに返事はまだ来ていないと答えます。この二人は確かにこの距離感でしょうね。それで浮かない顔をしているのかと重ねて尋ねるみなみ。言葉どおりの意味のはずですが、きららは足を止めると突然こう切り出します。
 「はるはるってヘンな子だよね
 話しが見えないみなみに構わずきららは続けます。プリキュアにならないって言ったのに笑顔で分かったと頷いた。クラスのみんなはああじゃなかった。おそらく遊びや部活の勧誘などもあったでしょう。表面上は仕事が忙しいから仕方ないよね、とみんな答えたでしょうが内心は面白いはずもなく付き合いが悪いと思った人も少なくないはずです。それにきららが気付かないはずはありません。敢えてそれで遠ざけている感もあります。いずれにせよ一度頼みを断られてしまうとその次も気軽に声をかけるのは難しくなります。自然ときららは周囲から浮いた存在になることは見ての通り。それが普通です。あんな子ははじめて。こっちの調子がおかしくなると独り言のようにつぶやきます。
 それを聞いたみなみは思わず笑います。初めてみなみの方に向き直ったきららは尋ねます。その気持ちは分かる気がすると言葉少なに答えたみなみは、確かにあの子は変わっていると頷きます。彼女達は賢い。自分を、自分が置かれている状況を正しく理解している。だからこそ普通ではないことをするはるかに戸惑う。でも本当の理由はそこじゃない。自分を本当に必要としてくれる、自分を本当に見てくれる人にはじめて出会ったことに、です。
 「みなみんもね!
 つっけんどんに接しても物腰がまるで変わらないみなみも変わり者。きららなりの親しみのようです。


③3人が友達になった日
 未だに街をうろついているクローズは性懲りもなくゼツボーグを召喚。モノアイなのに眼鏡って意味ねーー!

 はるかとみなみは出動。それを目で追うきらら。

 変身して参上。

 部屋に戻ろうとしたところに白金さんが声をかけます。この人妙に存在感あるな。電話の呼び出し。相手はボアンヌ、とくれば内容はもちろん合格通知。ゆっくりと噛みしめるようにその言葉を飲み込むきらら。電話を切った途端走り出します。

 戦闘は思いのほか長期戦。ゼツボーグはチョークを使って空中に数式を投影するとそれが弾幕となって近づけません。一旦マーメイドが囮になってフローラが接近。その裏をついてマーメイドが奇襲をかけますがこれも読まれて迎撃されてしまいます。今回のプリキュアは序盤から割とテクニカルに戦っていますね。
 三人目はどうした?と尋ねるクローズに、あの人には大切な夢があるから来ないと正直に答えるフローラ。そりゃ好都合。戦闘継続。チョークを手放させる事に成功したものの今度は三角定規による攻撃。接近戦も強い。

 きららがアロマ達に声をかけます。何しに来た!と糾弾するようにアロマは叫びます。変身アイテムを貸してくれときららは頼みます。今更何をと言わんばかりにアイテムが入った箱を隠すアロマに、トップモデルになる夢は変わらないときららは言い切ります。しかし続けて彼女は断言します。
 「同じくらい大切なものができたの!
 「だから…あたしはプリキュアになる!
 この子は真っ直ぐで、強い子だ。

 キュアトゥインクルに変身。先週から何十回と見返しましたが、今は一周してフローラの変身が一番好きです。静と動のバランスがいいのと、なんといってもお辞儀と瞳が光るシーンはこの子が最もカッコイイ。気品と強さを兼ね備えた主人公だと思います。

 ゼツボーグをワンパンで地面に沈めます。
 気恥ずかしいのか、フローラとマーメイドに名前を確認するトゥインクル。この子もヘンなところで素直じゃない。
 お覚悟はよろしくて? 腰に手を当てて言うのかっけぇな。これ子ども真似しやすいよね。「お前の罪を数えろ」みたいな男の子のヒーローばりにかっこいい口上が言えるってキャッチーだと思う。
 トゥインクルがタイマンでゼツボーグを引きつけ、押し出すとフローラとマーメイドが殴ってまた返ってきます。
 「もどってきちゃった。しょうがないなぁ
 そこに八つ裂き光輪。プリキュアに「容赦」の文字はありません。

 まだまだ!と意気込むクローズを呼び止める声。これ以上無様な姿を見せるな。ディスピア。もろハマーン様の声です。この大物感。プリキュアは毎年いいところを持ってきますね。


 プリキュアにはならないと言っていたのに何故?と困惑するはるか。この表情がまた可愛いんだよな、この子。可愛い連発してますが、これ大事なことで、はるかが絵的にも話し的にも人間的にも可愛い(親しみやすく、一緒に居たい)と見る側に思わせられないと今回の話しは説得力を持ちません。1話からここまではるかの存在感、魅力が主導的に描かれているのは見事です。
 「受かった
 唐突に一言。
 「オーディション受かった
 繰り返します。えらい真顔です。声もどこか緊張している。まだ話しが見えないはるかに、なんか言いたくなっちゃったんだよねと顔を逸らしながら視線を向けてきます。なんのことはない、こういうときにどう伝えていいのかわからないようです。
 「どうしたの? 応援してくれるんでしょ? だったら一緒に喜んでよ
 恥ずかしそうに言います。世話のかかる子です。
 ようやく合点がいったはるかは思わず駆け寄るとおめでとう!ときららを抱きしめます。ほら、この子はちゃんと喜び方を知っている。照れた彼女はそっけなく「ありがと」と返します。
 プリキュアをこれからも手伝ってもいいと言います。それを聞いたはるかはパッと喜びますが、すぐにお仕事が…と気を揉みます。仕草が猛烈に可愛い。何回でも言います。はるか可愛い。
 「あたしの100%を200%にすればいいだけだよ
 はるはるとなら簡単に120%いけたんだし。本当にヘンなところで素直じゃないな、この子。
 よろしく、はるはる、みなみん、と握手を求めます。今まで黙っていたみなみがさっとそれに応えます。速ぇ。「みなみん」に鋭く反応するはるかにニックネームらしいと普通に受け入れるみなみ。この人度量でけぇ。はるかはずるいと言うと「みなみさん」と呼んでいいかと尋ねます。それなら自分も「はるか」と照れた様子のみなみ。おい、君らさっきから可愛すぎるんだが。
 好きに呼べばいいじゃん、友達なんだし、ときびすを返して歩き出すきらら。あ、今絶対照れたよね、その単語言いたくて狙ってましたよね?
 「みなみさん
 「はるか
 日曜朝からレベル高ぇな、おい。
 「えへへ…
 「きららちゃん!
 はるかはみなみと手を繋いだままきららに駆け寄ると彼女の手も握ります。
 「これからよろしくね!
 「うん!


④次回予告
 今度の妖精は猫。


○トピック
 はるかの天然落としテクニック。小悪魔も天使には敵わない。


 いやー、どうやって加入させるのかなって思ったら力技ですよ。その分頑張ればいいっていう。
 最近のプリキュアはホントに強ぇなって思います。パワフルで真っ直ぐでどんな困難をも克服していける、その力を女の子は持っているんだ!っていう気概をありありと感じます。

 例によってちょっとシリーズ的な話しをするんですが、夢をテーマにした話しは8年前のプリキュア5まで遡ります。これは言い換えれば自分の夢とプリキュアをどう両立させるか?という問いはプリキュア的には珍しくないことを意味します。この問いをもっと単純に言うと、自分の夢と友達、自分と友達をどう両立させるか?になります。
 この問いをどう両立させてきたかというと、誤解を恐れずに言えば自分を弱くすることで両立させてきました。プリキュアシリーズの元祖アイドルはプリキュア5のうららですが、この子は駆け出しの新人アイドルでそれほど力を持っていたわけではありません。友達と協力しながら場数を踏んでいました。えりかのファッション部は廃部寸前でしたし、やよいの漫画家志望にしても実力はそこそこでした。実力やモチベーションに弱いところがあって、友達の応援や協力がないと頑張れない(結果を出せない)ことの方が多かったのです。
 転換が起きたのが2年前のドキドキで、彼女達は個人でも十分に力を持っていて、その上で友達と協力してさらに実績をあげる関係でした。言うなればそれまでのプリキュアは個人では50くらいしか力が出せないけど友達と協力すると100出せる。ドキドキは個人ですでに100出せて、友達と協力すると200出せる。弱さを補うよりも長所をさらに伸ばすイメージ。

 これは別に旧シリーズを過小評価しているわけではなくて、夢に向かってみんなで頑張ろう、みんなと力を合わせれば一人よりももっと力を発揮できるという意味があったし、自分や友達が弱っているときに手を差し伸べてくれる人がいることを描く意味でも合理的でした。何よりもプリキュアの女の子はそこまで凄くなかったのです。日常を重視していたのでスーパーウーマンを必要としませんでした。日常の価値を尊ぶ、人間の内に潜む弱さや悪を受止めるといった内に向かう思想だったからです。
 ハピネス48話のトピックでさらっとおさらいしましたが、スマイルまではある意味充電していました。これは私の印象で言えば、プリキュアはそれだけ時間をかけて力を付けたんだと思ってます。ハピネスは一度世界を救うことまでしました。その上で自分の幸せを考えられる主人公を描いた。それを踏まえて登場するのが本作プリンセスプリキュアなわけです。はい、前置きが長くてすみません。
 こういう無茶苦茶な話しの繋げ方、文脈で見ることができるのがプリキュアの面白いところで、シリーズをとおして如何にこの物語が女の子の強さ、優しさ、幸せを探究してきたかを言いたいだけです。10年以上続いているシリーズですが、それは同じことを10回以上続けてきたわけではなく、シリーズを貫く内在論理があって、少しずつ前に進みながら女の子の可能性と強さを引き出してきたと思っています。
 …という解釈で私の話しは成り立っています。私がシリーズの歴史を話し始めたらそれはプリキュアが如何に経験値を蓄えてきたかと言っていると思って差し支えありません。この感想は他の感想と比べなくても特殊で独特なので戸惑う人もいるかもしませんが、諦めるか慣れて下さい。


 話しを戻してきららもはるかがいたおかげでオーディションに合格したのは間違いありませんが、きらら自身は一人でもおそらくそれなりに高みにいけるはずです。何より彼女は弱い人として描かれていません。クラスで孤立しているのも彼女は承知済みですし、別にネガティブにも描かれていない。きららは一人前のプロとしてキチンと仕事ができる女の子。その彼女が自らの選択で、仕事を犠牲にすることなく友達も選ぶところに近年のプリキュアの強い女の子像があります。
 もう一つ、今回のエピソードでとても面白かったのは友達のなり方です。
 要はきららがやったことって、仕事は忙しいけどはるかと一緒に居たいから今までの倍頑張る!!ってことです。これ、馬鹿げてるくらいに単純で無茶苦茶なことを言っているんですが、すごく面白いというか、感心しました。ああ、こういうのもありなんだなっていう。
 感想でも述べましたが、はるかは一緒にいて楽しい子、安心できる子、一緒に居たいと思える子として描かれています。妹のように可愛くて人懐っこくて甘えてくる。それでいてちゃんと相手を立てる。相手に共感し素直に好意を向けられる。彼女と一緒にいるとこれまで気付かなかった自分に気付かせてくれる。自分の可能性をさらに広げてくれる。そんな気持ちにさせてくれる子。
 そんな子が居たら絶対にほっとかない。仕事もキッチリやるがこの子と一緒にいる時間も絶対に作ってみせる! その意気込みがきららから伝わってきました。貪欲なほどポジティブ。仕事と友達どっちが大事かなんて言わない。両方大事なら両方取る。そのくらいやってみせる。そういう前向きさ、真っ直ぐさ、力強さがあって、なるほどこれがプリキュアの最新作なんだと実感しました。
 プリキュアをやらされるんじゃなく、プリキュアを選ぶ。大好きな友達がいたら自分からその手を掴む。欲張りでパワフル。疲れたらドーナツを食べて大好きな友達の笑顔と応援で元気満タン。友達と一緒ならさらに力が出るのはこれまでのシリーズでもそうでしたが、本作のソレはより能動的で挑戦的な意志を感じます。


 長くなりましたが、夢とプリキュア(友達)の両立について、本作がどんなスタンスを持っているかよくわかるエピソードでした。プリキュアはこう言っています。あなたが大好きな友達はあなたをキラキラと輝かせる力を持っている。そしてあなたにも大好きな友達をキラキラと輝かせる力がある。夢も友達も全力で好きになりなさい。そして全力で守りなさい。そのふたつがステキなプリンセスになるための鍵なのだと。


[ 2015年03月02日 00:50 ] カテゴリ:Go!プリンセスプリキュア | TB(0) | CM(-)
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