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第47話「ありがとう誠司!愛から生まれる力!」

○今週の出来事
①青と赤の星の狭間で

 ぴかりヶ丘神社から赤い星を見上げるブルーとミラージュは星から発せられる憎悪におののきます。
 対するレッドも青い星を見つめながらその終焉を導こうとします。彼の立つ赤い土地にはかつて文明があった形跡が。…するとこの星は元々レッドの直轄地で、文明が滅んでしまって、偉い神様から「お前なに管理してんだ。降格!」って怒られて「俺のキャリアが台無しだ!」と逆ギレしているんでしょうか。当然ブルーはヌクヌクと昇進。やっぱりブルーが悪い。

 「この世界にあるのは…絶望だけだ」
 あなたが絶望しているんですね、分かります。


 青と赤の星の間で余興が始まります。
 プリキュアでも珍しくなくなりつつある宇宙戦。
 戦闘開始。テレポートで回避。着地点を予測して射撃。誠司の戦闘センス高ぇ。作戦としては3人が陽動でラブリーが本命。プリンセスがマシンガンの要領で爆弾ボンバーを乱射。隕石を砕いて煙幕で視界を封じます。リボンのリーチを活かして遠隔から捕縛。と思ったら誠司は自分で回り出して強引にリボンをキャンセル。地味に面白い戦い。
 フォーチュンが正面から切り込みます。円の動き。そう言えば同門対決。フォーチュンは初めて誠司が道場に来たときのことを思い返します。「強くなりたい」。真っ直ぐな瞳を向ける彼の眼差し。それはめぐみを守りたかったからでは?
 すかさずレッドが横槍。でもプリキュアになっためぐみを守るどころか足手まとい。彼の無力感、挫折感をほじくり返します。
 フォーチュンが払いのけられると、すぐにプリンセスとハニーが彼の動きを止めます。プリンセスは誠司を労ります。あんたは凄い。めぐみが神様のことを好きになっても自分の想いが届かなくてもめぐみへの優しさを変えなかった。とても強い心を持っているとハニーも認めます。これはラブリーがミラージュに言ったことと同じですね。あなたには強い愛がある。
 3人の封じ技を以てしても彼を止めることはできません。ラブリーにバトンが渡ります。


②ふたりきりで話そう
 巨大な拳。
 一人ハートキャッチオーケストラの勢いで誠司に拳を下ろします。拳とバリアが相殺。ラブリーは誠司のクリスタル目がけて生身の拳を打ち込みます。そのままの勢いで赤い星へ落下。このアニメ、完全にノリが少年バトル漫画だな。

 意識を取り戻すラブリー。イノセントフォームは解除されています。
 遺跡のような所に立つレッドが声をかけます。やはりこの星に文明があったのは確か。
 誠司の意識はまだレッドが掌握しています。結晶は傷一つ付いていません。しかしラブリーは口をかたく閉じると揺るがぬ決意を瞳に宿します。倒すか倒されるか。行き着く先は絶望。それが愛の結末だと得々と語るレッド。
 意外にもラブリーは神の言葉を認めます。
 誠司の感情に触れたラブリーは、激しい炎のような感情、自分の知らない彼を初めて知ります。その上で彼を認めます。だからやっぱり壊すことなんてできない。
 「私がやるべきことは決めてきたんだ
 「ふたりだけでここまで来たのは誠司にこれ以上みんなを傷つけさせたくなかったから…それだけじゃない。これは私の我儘
 ラブプリブレスを回すとオーラが湧き出ます。
 「誰にも邪魔されずに二人っきりで誠司を話しをしたかったから!
 その手段は拳で。どんだけ肉体言語好きなんだよこのアニメ。

 拳と拳がぶつかります。これまで自分を受け入れてくれた彼に応えるために、今度は自分が彼を受け入れる。
 「私も誠司に伝えたい…大切なことがあるから!
 「遠慮はいらないよ誠司!
 神様の前で仲良くケンカしはじめるふたり。ラブリーカッコイイ。魅力的なほどに活き活きとしてる。
 戦いはプリキュアにおいてもはや忌避されることではありません。戦うこと、争うことも含めて両者の想いをぶつけ合う場になっています。フレッシュのピーチとイース然り、スイートの最終決戦然り。愛したい、愛されたい。そのズレが争いと悲劇を生む。だったら全部腹を割って話し合おう。言いたいことがあるなら言え、殴りたかったら殴れ。こっちも言い返すついでに殴り返す。私はそういうの嫌いじゃないです。私は暴力を否定しません。今のこの現代だって暴力の歴史から生まれています。時にそういうことが必要になる。そうやって変えてきたし、そうやって解決してきたし、そうやってうやむやにしてきた。戦いには色々な意味、段階、手段があって、自分の主張を表明するために、聞いて貰うためにそれが必要なときもある。権利の主張と獲得なんかはその最たるものですね。プリキュアの面白いところは戦いを否定することなく、その戦いを通じて新しい価値、変革、統合を生み出していく点です。人が人と争うことは避けられない。なら、そこからより良いものを取りだそう。それができるならきっとこの戦いには意味があるはずだ。あなたと戦えたことでこの価値が生まれたんだ、という転換がなされています。

 ラブリーは笑みを浮かべながら殴ります。誠司を信頼する言葉。
 その光景にレッドは戸惑います。彼女達が戦っているのは思惑どおり。なのに意図していることとは全く違っている。すかさずブルーが心の会話に入ってきます。やっぱり最終決戦でもこいつはイラっとするな。安全圏からしたり顔で解説とかどんだけ楽な仕事だよ。それはそれとして、レッドは悪役になりきれていないというか、どこか苦しさを感じさせる口調になっていますね。
 巨大な火球。それをラブリーはハニーと同様受けると、それに耐えきります。今のプリキュアは相手の愛に押し潰されない。それをキャッチして投げ返す。自分自身が弾丸となって突撃。誠司を抱き留めます。

 めぐみは自分が学んだことを誠司に伝えます。愛は好きになったりすることや助け合うことだけじゃない。一緒に学校に行くこと、一緒にご飯を食べること、一緒におしゃべりすること、一緒に生きることそのものが愛。そして誠司が今までずっとたくさんの愛をくれていたことも。
 「誠司、ありがとう。いっぱい…いっぱい…愛をありがとう
 「私…自分の願いを見つけたよ。私の願いはぴかりヶ丘でみんなと幸せに暮らすこと。友達と家族と、誠司と一緒に生きていくこと
 「もうその願いは叶ってるじゃないか
 誠司が応えます。自分の好きな子が幸せを見つけられたと知って正気を取り戻すってどんだけお前良い奴なんだよ。あなたは強い。あなたは凄い。そんな言葉なんかよりもずっと心に響く言葉が「あなたと一緒にいたい」というのはプリキュアシリーズがずっと繋いできたテーマとメッセージです。私がいて、あなたがいて、だから楽しいんだ、だから幸せなんだ。
 「俺も…お前とずっと一緒にいたい
 「私、ずーっと幸せだったの。だからこの幸せがこれからも続いたらいいなって思う。ううん。続けさせてみせる! それが私の夢なんだ
 「俺の夢も同じだ

 プリンセス達が降りてきます。みんな一緒なら何があっても楽しい。最高に幸せハピネス。
 「さぁ、こい!
 ちょっと待て、不意打ちかよ! その手があったか~。新年一発目のプリキュアがこんな笑いを持ってくるとは考えてもみなかった。自分から浄化されにいくとか潔よすぎんだろ。誠司マジ漢らしい。エフェクトでは爆発していますが、これ中身的にはミラージュと同じですよね。誠司大勝利! お前はよくやった。お前は報われて良い。全視聴者が祝福してる。このためにこの技(バンク)があったのだと思うくらいに見事な浄化でした。
 おかえり誠司。
 ただいまめぐみ。


③愛を見失った悲しい神様
 狼狽するレッドにブルーが答えます。ミラージュも加わって愛を説きます。
 あなたは最初からわかっていたはずだ、あなたの心にも大きな愛が…。だまれ! ブルーの声をかき消すレッドの叫び。愛は無力なのだ! なるほど、この物語にいるのはみんな心を痛めた人のようです。
 愛から勇気が優しさが希望が生まれる。愛は無敵だよ。そう話すラブリー。誠司の格好は戻らないらしい。ちゃっかり手を繋いでいます。
 神を前にして無敵の存在だと騙るのか。ラブリーはすぐさま否定すると自分一人では何もできない。みんなに支えられているから頑張れる。
 「それは神様だって同じなんじゃないかな?
 「みんな誰かと一緒に生きている。レッド…あなたも誰かを愛したことがあるんじゃないの?
 彼女にかつてのような弱さや不安定さはありません。彼女の瞳は相手を正面から見る。しかしその言葉が神の逆鱗に触れます。

 最後の戦いが始まります。


④次回予告
 あれ、なんか神様がまた女子中学生をたらしこもうとしているようにしか見えないんですが。
 キュアマーメイド紹介。ボケ担当でしょうか。ところで、そこのメガネのお嬢さん、プリキュアにならなくて?


○トピック
 女の子はいつだって強く、いつだって優しく、いつだって笑顔。


 とても長い道のりでした。どれくらい長かったかと言えば一度世界を救わなければならないほどに。
 プリキュアが人を助けたいという想いに取り憑かれたときに顕在化したのがめぐみです。これは人助け主人公の根本的な欠陥と課題、矛盾を示しています。人助けし続けて最後に残るのは主人公なんじゃないか。彼女に願望はないのか。彼女が傷つくことで傷つく人がいるんじゃないか。そのことに彼女は気付いているのか? そのために本作は一度世界を救わせて、めぐみに現実を突きつけ逃げ道を潰しました。彼女に残された道はただ一つ。自分の幸せを見つけること。

 結論から言えばしょうもないことなんです。プリキュアにとっての幸せとは何か? そんなことは初代ですでに答えが出ています。何気ない日常。そこに幸せがある。これを見失ってしまったとは言いませんが、人助け(救済)に重きを置いたことで主人公の意識が外に向かい、自分の居場所や幸せが疎かになる気配があったことは否めません。だからこそ、今一度他人だけじゃなく自分も含めて幸せとは何かを考える必要があったのだと思います。これを自ら選択し問い直す本シリーズの探究心に本当に感心します。

 この課題を克服することでプリキュア(女の子)は自分だけじゃない、人助けだけじゃない、みんなも自分も幸せになれる力があることを証明してみせます。…という言い方をすると超人ぽくなりますが、要するに健全な在り方を模索したんですね。自分の幸せも、人の幸せも大切にできる。さらに言えばその幸せはちゃんと繋がっているのだと。「一緒に」はプリキュアがずっと繋げてきたテーマです。私が幸せなのはあなたがいるから。あなたに私が必要だってことも知ってる。だから共に手を携えて歩るこう。

 神様達の勝手な我儘に引っかき回されながらも、女の子達はいつだって強く、いつだって優しく、いつだって笑ってきました。
 時に苦しくて泣いても、差し伸べてくれる手が彼女達を強く優しく笑顔にしてきました。
 誰だって一人じゃ弱い。誰だって誰かと一緒にいる。なら、みんなで愛の世界を創っちゃいましょう。ほら、神様なにしてんの、手伝って!
 女の子はいつだって全力。それがプリキュアの女の子像なんですね。

[ 2015年01月11日 19:15 ] カテゴリ:ハピネスチャージプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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