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第15話「あこがれの先輩は大親友!?」

○今週の出来事
①お誘い
 昼休み。バレーで遊ぶ女子。日常風景です。
 1年桃組。ひかりは独りで昼食を摂り終えたところ。窓の外の風景を眺めます。他の生徒は少人数のグループを作っていて、まだ彼女はどこにも溶け込んでいないようです。3話でひかりに声をかけてきた2人組の存在が気になるところですが、あまり進展しなかったかもしれませんね。別に仲が悪いというのではなく、上手く打ち解けられなかったのかも。
 教壇の方でフリーマーケットの話をしていた奈緒と美羽はひかりに気付いて「九条さん」と声をかけます。「多幡さん」「加賀山さん」と答えるひかり。一緒にお出かけです。

②若葉台
 若葉台までパンを買いにお出かけのなぎさ。ひかり達も若葉台です。このエンカウント率の高さ。果たしてほのかはこの緊急事態(なぎさとひかりの遭遇)に対処できるのか!?
 食いしん坊のなぎさはパンをつまみ食いしちゃダメメポよ、母っぽい口調で注意するメップル。あんたと一緒にしないで!と言うなぎさですが、似た者同士です。

 (6話の時のかな?)デパート前で待ち合わせるひかり。美羽可愛いな。流石ほのか系統。休日は何をしているの?と聞くふたり。律儀に敬語で話すひかり。同級生なんだから、と「ハイ」じゃなくて「ウン」でいいよと言う奈緒ですが、ついつい「ハイ」と言ってしまうひかり。可愛いです。可愛いです(2度繰り返さんでいい)。
 フリーマーケット会場。品々に黄色い声を出す奈緒と美羽。奈緒はかなりポジティブでアクティブです。ヤン様グッズに目を輝かす奈緒。レア物でも100円という破格のお値段。美羽はピラット・プットにご執心の様子。ダンディな人が好みなのでしょうか?渋めです。お互いにツッコミ合うふたり。なかなかのコンビです。ひかりもその様子を笑顔で見ます。それはそうと、商品であまり遊ばない方がいいと思います。

 若葉台市民図書館。ほのかの行きつけの図書館です。流石ほのか。出遅れません。館内で本を読んでいたほのかにミップルが声をかけてきます。オロオロするほのかが可愛い。服もなぎさ同様新バージョンになっています。ってこれはちょっと短めの雰囲気。良い季節が近づいてきました。
 館内を出て、ミップルに尋ねるほのか。ミップルもお勉強したいようです。シカルプを呼び出して勉強します。「頑張ってね」とほのか。このふたりも似た物同士のコンビです。

 話題は憧れの人のようで、奈緒は支倉君を支持します。久しぶりです支倉。個人的にはひどくマイペースな人というイメージがありますが、客観的には人気もののようです。藤P無き今、支倉にその主権があるのかもしれません。
 勿論、ひかりにも話を振る奈緒。思わず「え?」となるひかりに「見てるだけでドキドキしちゃうの」と自分の世界に入ったかのように説明する奈緒。ドキドキと聞いて前回のなぎさの事を思い浮かべたひかりは「なぎささん・・・」と呟きます。どうやら、それをひかりの憧れの人だと勘違いしたふたりはそのまま話を進めます。
 なぎさはやはり下級生の間でも人気の存在。奈緒も夢中のようです。それに対して、美羽はほのかに夢中の様子。頭脳明晰でありながら、優しい笑顔と称えます。怒ると怖いんですけどね。それが良いんですが。「このふたりがすっごく仲良しってところがまたたまらないのよね」「二人揃うと天下無敵」というふたり。そうか、たまらないのか。全校生徒公認の仲なのか。なぎさとほのかの掛け合いを真似る奈緒と美羽。なかなかどうして上手いものです。というか、なぎさのボケは全校生徒に知れ渡っているわけですか。
 またしてもお互いにツッコミ合うふたりですが、ひかりはそれを楽しそうで見ます。まだ、ふたりの中には入れない様子。傍観者です。
 そこに掛けられる声。

③1年生のふたりと3年生のふたり
 パンを抱えたなぎさがひかりに声をかけます。帰り道のようです。ふたりの会話を聞いていたひかりは思わず「なぎささんって凄いんですね」と言います。キョトンとするなぎさ。
 なぎさとひかりの会話をベンチの後ろから見る奈緒と美羽。不審に思ったなぎさはひかりに説明を求めます。自己紹介する多幡奈緒と加賀山美羽。テンションの高いふたりになぎさもタジタジです。普段はなぎさ視点でなぎさの奔放さを見ていますが、こうして客観的に見ると、年齢的な差を感じます。

 図書館の帰り道。空気を吸い込んで「気持ち良い~」と言うほのか。お兄さんドキドキです(アホだな)。ほのかはただのガリ勉なのではなく、アクティブな勉強家というか、ミップルの言うように天気の良い日は外に出ているようです。そのままフリーマーケット会場に足を運びます。流石ほのか嬢。なぎさレーダーに反応でもあったのでしょうか。

 ひかりの友好関係に驚く奈緒と美羽。ひかりがほのかとも知り合いだと聞いて仰天の声を上げます。なかなか姦しいふたりです。なぎさは、バスケットコート近くで休憩を取ろうと提案します。
 そこにバスケットボールが転がってきます。奈緒は興味あるようで、ボールを投げ返します。どうやらバスケットボールがしたいようで、なぎさの口真似をしてやる気をみせます。美羽もほのかを口真似してウンチクを語ります。室内でも出来るサッカーだかを念頭に作ったとか聞いた事がありますねバスケットボール。踊ったりと本当に愉快な人達です。なぎさもそのテンションの高さに脱帽です。っていうか、なぎさとほのかの漫才は全校生徒の笑いのネタになっているんじゃないかと心配です。
 奈緒はバスケ部らしく、選手としても腕前が期待されているそうな。奈緒と美羽は小学校からの付き合いのようで美羽がしみじみと話します。遊んでいた高校生と話しを付けた奈緒はなぎさを誘ってバスケをすることに。美羽はベンチ。ひかりの出番です。「え~!?」と声を出して戸惑うひかりがラブリー。美羽に押し出されます。ポシェットを預かろうか?と聞かれますが、流石に渡せないのでそのままです。
 客席に腰掛ける美羽。その隣に現れる人影。

④一致団結
 ゲーム開始。相手は男子高校生。対するのはバスケ経験があるものの1年生の奈緒。経験無しのなぎさ。経験どころかルールも知らなさそうなひかり。ゲームが成立するかも危うい布陣。
 案の定な展開。流石に分が悪すぎです。客席にいる美羽も敵わないか・・・と洩らします。と、隣から声が掛けられます。コートを見たままで美羽に話しかけるほのか。堂々とし過ぎです。というか、全くの他人なのに事情知りすぎです。後ろから見ていたのでしょうか。流石ほのか嬢です。変な時に臆することなく状況を察しています。
 全然お話にならないゲーム。高校生からもう終りにする?と言われます。バテバテのなぎさ達を見ていると何か大人気ない感じがします。あからさまに手を抜けとは言いませんが、やりようはあるだろうに。
 奈緒を見るなぎさ。奈緒はまだ諦めた表情はしていません。その目には闘志が残っています。

 続行を申し出るなぎさ。ここで終わっては奈緒が可哀想ですし、自分も何も出来ていません。もう少し頑張りたいところです。そこに「タ~イム」の声。いつの間にか監督になっています。その光景を上空から見るハーティエルのシークンとピュアン。ピュアンなんか可愛いな。
 いつの間にか仕切りだすほのか監督。バスケには精通していないので技術的な指導はできません。しかし、各人の能力や特徴を捉えたアドバイスをテキパキ出します。ひかりに対しても長所を捉えて積極的にシュートするようにいいます。円陣を組んで、手を合わせます。仲間を信じて、自分を信じて、貴女達ならきっと出切る。監督ですね。「凄い空気が変わった」と美羽。それ以前に、いきなり出てきたほのかを普通に受け入れている奈緒と美羽も凄いというか、ほのか嬢の有無を言わせぬオーラがそれを可能にしているのか、何にしても凄い指揮能力です。もっとも、この娘は選手としても絶対的な能力を発揮しそうですが。

 士気も上がり、俄然動きがよくなったチーム。高校生達もビックリです。瞬く間に1点返します。喜ぶチーム。客席にいる美羽は呆然と「凄い」と呟きます。それに「ねっ、なぎさって凄いでしょ」と我が事のように喜ぶほのか。なぎさに対する信頼と愛が満ち溢れています。しかし、美羽は「いえ、雪城先輩が」と続けます。キョトンと顔を見合わせるふたり。ほのかは笑顔で返します。反則的な笑みです。自然と調和と信頼を築き上げるほのか。勝利の女神か。流石は作品内において完璧超人の座に居る人物のことだけはあります。

 やる気を出す高校生。熱血スポーツマンです。「それ貸してください」と言いながら転ぶひかり。プリティです。キュアです。出遅れたひかりですが、運良くボールが転がってきます。「ひかり~シュート」と奈緒も美羽も名前で呼びます。ここで入れば3ポイントシュートです。なお、お笑い番組ならこのシュートを決めると5億点です。迫ってくる高校生に驚いたひかりは思わずボールを投げます。それは綺麗な放物線を描いて、ゴールへと吸い込まれます。呆然とする一同。時が止まったかのようです。奈緒と美羽は喜びながらひかりの手を握ります。会場からも拍手が起きます。その様子に笑顔の監督。選手ほど目立ちませんが、チームを支えた功労者です。高校生はただの咬ませ犬です。さよなら敗者。
 手を握る奈緒と美羽は「ひかり」と呼びます。自分が「九条さん」ではなく「ひかり」と呼ばれている事に気付いたひかり。一瞬呆然としますが、「嬉しいよ、とっても」と答えます。それはシュートを決めたことではなく、ふたりが自分を受け入れてくれたことを指します。何気ない、ありきたりな、特別でもない、何でもない出来事。でも、ひかりにとっては初めてで特別な出来事です。ひかりの手を握る奈緒と美羽。見ているこっちにもその暖かみが伝わるようです。

⑤純粋な心
 そんな淡く素敵な友情物語を見ていたシークンとピュアン。ピュアンは相変わらず感動しっぱなしです。そこにサーキュラスが現れます。辺り一帯が戦闘モードになります。眠り込む奈緒と美羽。サーキュラスに対し、大事なひかりの休みの日を邪魔しないで!となぎさ。保護者みたいです。
 ハーティエルとクイーンの関係を聞くサーキュラス。なぎさの態度があまりに露骨なのでバレてしまいます。ほのかにも「なぎさ焦りすぎ」と言われてしまいます。駆け引きには向きません。ハーティエルとクイーンの命を狙うサーキュラス。阻まねばなりません。変身です。ほのかミニスカートキターーーーー!カメラさん!もっとローアングルで!ほのか寄りでお願いします!

 サーキュラスが先手を打ちます。高速で放たれるパンチを高速で避けるプリキュア。特にホワイトは回りっぱなしです。ブラックが捕まえ、ホワイトが投げます。猛烈に回転するサーキュラスですがひらりと着地します。まだまだ余裕です。この人達には目を回すという現象が起きるのでしょうか?
 ブレイクタイム。いつものジャアクキング様に抗いやがって、の声にプリキュアはただみんなと仲良く暮らしたいだけよと答えます。しかし、サーキュラスは虹の園もいずれは闇に支配されるといつもの調子でいいます。いつもより、その言葉を重く受け止めたひかりは大声で「私は嫌です!」と叫びます。「この人達にもう会えないなんて嫌です!」その姿にポルンとホワイトは「ひかり・・・」と切実に見つめます。「ポルン!」と叫ぶひかり。この呼び掛け方カッコイイです。単品変身なのでスピーディですし、何より、呼びかけによって変身する流れはひかりとポルンの意思の疎通を意味し同化を意味します。つまりスカッと変身できるわけです、

 変身完了、と同時に凄まじい勢いと気迫で「ルミナーース!」と迫ってくるサーキュラス。ルミナスの眼前で伸ばされた腕が止まります。表情が恐怖で固まるルミナス。これは仕方がありません。あのサーキュラスの迫り方は鬼気迫るものがあります。もう、何ていうか、貞操の危機です。性犯罪者ですよ。深夜帯の番組でなくて良かったです。
 ルミナスの貞操を守った(?)プリキュア。
「何故そんなヤツに拘る!?そんな無力な存在に!」とサーキュラスは必死です。何か、貞操の危機とか書いたら、ルミナスにご執心なんだけど、当のルミナスは他の人に心が移っていて、それに嫉妬するストーカーみたいです。まあ、あながち間違いでもないような気がしてきましたが。
彼女らは・・・彼女らは無力ではありません」と弱々しく、しかしハッキリと答えるルミナス。
彼女らは、クラスで初めて私を誘ってくれました。私を喜ばせてくれた。私を幸せにしてくれた
彼女らは、決して無力じゃありません!
 最初はサーキュラスの気迫の前に弱々しかったルミナスですが、語り終える頃にはその表情も声も気迫を押し返すように強いものになっていきます。
 体勢を整えたサーキュラスは渾身の一撃を与えるために発射体勢に入ります。
この人達は私が守ってみせます!
 その言葉に応えるようにポルンも「力を合わせるポポー」と叫びます。こういう応答大好きです。パートナーがいることは、ただ戦力が物理的に増えるだけではありません。最も肝心なのは意思の共鳴(増幅)とそこから生み出される圧倒的なまでの力がどんな苦境をも切り開く活路にもなることです。
 バトンを手にし、虹色の力の奔流がプリキュアを包みます。通常の描写を省いていますが、逆にそれが勢いと力強さを強調させます。サーキュラスが放った渾身の一撃をルミナスの意思力が極限に達したルミナリオは歯牙にもかけぬほどの勢いで貫きます。42話と同じパターンです。他者を心から想う純粋な力を阻む事が出来るものはありません。このストレートさ。力強さ。カッコ良すぎ。

⑥エピローグ
 登校するなぎさとほのか。あの後、なぎさはパンを振舞ったそうなのですが、パン屋に行ったら売り切れていて母に怒られたようです。パンを食べているシーンで、なぎさを見るほのかと奈緒と美羽を見るひかりが印象的です。
 「プリキュアやってんのも楽じゃないよ」とこぼすなぎさ。ん、こういう使い方をするのは珍しいですね。通常、日常的な場面でプリキュアとは言わない人達なのですが。
 「ひかり~早く早く」と後ろの方から奈緒の声。振り返ってみると走って奈緒と美羽がやってきます。昨日のお礼を言うふたり。日直らしく早く登校しなければならないようです。丁寧に断って行くところがなかなか良く出来た娘達です。「またおごってくださ~い」と言う辺りは愛嬌です。「ありえない」とこぼすなぎさの横をひかりが通り過ぎます。走り方というか手の動きが面白いです。なぎさもほのかも走り方が違うのですが、そういう細かいところで個性出しているのも好きです。
 先を行く奈緒と美羽に呼ばれたひかりは先を行こうとします。ほのかは呼び止めて「良かったね」とだけいいます。なぎさも言わんとする事に気付いてうん、と頷きます。ひかりは満面の笑みを浮かべて「奈緒~美羽~」と呼びます。その言葉に顔を見合わせるなぎさとほのか。そして笑います。いつもの日常の始まり。ひかりにとって新たな日常の始まり。
 太陽の輝きに照らされた笑顔が眩しい。


○トピック
 だから、俺はプリキュアが好きなんだよ!
 最強格の一話。間違いなく、プリキュア全話とおしても屈指の一話。なんでなんだろう、友達ができる、ってだけの話なのに、この満ち溢れた幸福感と感動。つか、本当に涙出たんですけど。当たり前の話、普通の展開(ひかりと奈緒達の繋がり)なのに、それがここまで心地良く、力強く、綺麗に見せられるプリキュアに対して本当に見ていて良かったと思うと同時に、やっぱりやってくれたよ!という満足感。
 実はMaxHeartになってから、見ていて心の奥から力が湧き出る話ってのは無かったんですよ。MHの8話もその域には達していません。プリキュア全話見ても、そんなにあるわけじゃなくて1クールに一回あるかないかの話。むしろ少ないからこそその時の話は半端なく凄い。積み重ねの部分とテーマの見事な融合がそれを可能にします。だからこそ、待ちわびていた話でした。
 今回は本当に余分な部分がなくて、「友達ができる」ってだけの話です。テーマ自体に余計な伏線も難しい話もない。でも、その単純な話にこそ最大の力を発揮できるプリキュアは最高に熱い。
 私は話の構成が良い(巧い)話よりも、登場人物が切実に感じる想い―喜びや決意といったもの―が伝わる作品が好きです。そういう話を見た後に湧き出る力というか、「おしっ、俺も頑張れる!やれる!」ってなれる作品。プリキュア見てたら元気が出てきます。改めてこの作品の凄さを感じます。他の人にとっては巷に溢れる一作品なのかもしれませんが、個人的には特別の作品です。

①ピュアン編
 ピュアン編完結です。多分来週早々に感動しすぎて疲れたピュアンがチェアレクトに戻る描写が入るんじゃないかと思います。前にも書いたんですが、ハーティエルはこの順番で良いみたいです。
1.出現(登場のみで何もしない)
2.ハーティエル自身が自己紹介するとともにまずプリキュアをメインにする。
3.ひかりの印象に残る。
4.ひかりがその志を持つ

 個人的な解釈で、純粋=相手を想う気持ち。と考えていました。自分を投げ出してでも相手を守りたいとか応援したいとかの気持ちですね。ひかりがその志を持ったのは言うまでもないことです。
 ひかりがその志を持つに至る経緯として、受動的なひかりを奈緒と美羽が誘ってくれたというキッカケがありました。奈緒と美羽にとってはひかりを誘った理由に大きな意味は無いでしょう。同じクラスでちょっと控え目な女の子がいて、遊びに誘ってみたというところです。あの教室にひかりが居なければ声をかけることもなった程度のことです。要はひかりが特別視されていない事を意味します。誰々だから誘ったとか、何か嫌な感じだから誘わない、とかの対象ですらありません。奈緒と美羽にとってクラスメイトAとかそんな感じです。
 ですが、そういう含みがないからこそ、自然な遊びとして今回が映ります。取りとめの無い会話など特別な意味も行動もありません。ただ一緒にバスケットボールをして楽しんだだけです。たまたまひかりが活躍して、その勢いでひかりのことを苗字ではなく、名前で呼んだだけのことです。勿論、奈緒達の印象としては控え目なひかりが意外と凄いかも!?という印象に変わっていることもありますが、基本的にはそれでどうこう、という話ではありません。すいません、くどいですね。要するに、そんな普通の事でも、ひかりにとっては初めての体験であり、普通の友達、普通の遊び、普通の生活という虹の園の根幹に触れたことです。そしてそんな普通の人達をひかりは「この人達にもう会えないなんて嫌です!」と声を大にして受け入れる事ができました。素のままの自分を受け入れてくれた奈緒達に対しての答えです。同時にひかりは友達を介してこの虹の園という大きな世界との繋がりを持つ事ができます。(今まで、彼女の基盤は「タコカフェ」という小さい世界だった)
 なぎさとほのかは既にプリキュアとしての関わりや、年長者としての接し方が定着していますので、ひかりにとっての真の意味での「友達」とはなりにくいです。だから、奈緒や美羽のような同じクラスのちょっとテンションの高い普通の子達がひかりにとっては大きな意味を持つ事になります。

 「日常」「友達」というありきたりな存在をひかりという視点を通して初々しく、美しく描いた今回はプリキュアという作品の大きな主題を見事に表したものだと思います。素敵で純粋な彼女達に心から拍手を贈りたい。

②ひかりとほのか
 奈緒・美羽と友達になったひかりにほのかは「良かったね」と言います。何故か?それはひかりの身の上もさることながら、自身に重ねて考えたからだと思います。個人的な妄想入ります。
 一作目初期のほのかは独りでいることを孤独だと思っていませんでした。友達がいないと嘆くこともコンプレックスも抱えていませんでした。彼女は独りでも寂しくなかったからです。ですが、ほのかはなぎさという掛け替えの無い親友を得ることでそれまで彼女には無かった感情が芽生えたことでしょう。それは大切な人と一緒にいることの楽しさ、分かち合えることの喜びです。
 ひかりが気兼ねなく接することのできる友達を持ったことにほのかは自分と重ねて見たと思います。ひかりは普段アカネさんと一緒にいますが、そのせいもあって、同年代の友達と遊ぶことをしていません。それは普段から接しているほのかならすぐに気付く事です。そしてそのことを自覚せず、何とも思っていないひかりの心情についても同様に気付いていると思います。戦闘場面においてひかりが「この人達にもう会えないなんて嫌です!」と言った時にホワイトが反応したのはひかりの痛烈な想いを感じたからです。親友というものがいなかった頃の自分と同じひかりが、ついに自分の気持ちを吐露できるほどの人を見つけられた事に気付いたはずです。だからこそ彼女の「良かったね」は祝福の言葉です。おめでとう。貴女も大切な人を見つけることが出来た。自分が感じた喜びをきっと貴女も感じるでしょう、と。こと友人関係においては、ひかりとほのかは共通する部分が多いです。
 ほのか視点ならばそういう細かい描写も出来るのでしょうが、それをバッサリ切ってあの一言に留めたのは正解でしょう。細かすぎます。子ども向きじゃありません。素直に友達ができることは良いことなんだと感じられた方が良いです。ただ、ほのか萌えと言っている自分として、その辺の内面に関して上記のように思った次第です。


③友達
 ひかりに友達ができたとなれば、その比較として一作目8話を引き合いに出してみよう。久しぶりに8話を見る。うおっ!レベル高っ!何これ!?改めてみると凄まじいなこれ。画面見てるだけで泣けてくる。続いてMH15話。うわっ、ひかり可愛い!!
 とまあ、1時間堪能したところで、本筋へ入っていこう。他のサイトさんでも言われいていた事ですが、導入部(アバンタイトルの前)とラストは同じ構成なんですね。学校の日常風景から入ってラストの登校で締める。これは日常から物語が始まり日常に回帰していく事を意味する。って、今更な話ですけどね。
 さて、各個人の人物背景や心理についてはここでは触れず、内容や描写から何を表しているかということを考えてみます。

 8話と15話はどちらもプリキュアの根幹を成す話です。ただし、だいぶニュアンスが異なります。8話はファンブックで西尾ディレクターが語ったように、お互いの個性の違いを知った上で信頼を抱くというテーマがそこにあります。だから、内容も気持ちのすれ違いによるケンカから始まり、それを乗り越える気持ちを抱くというプロセスを辿ります。最後のシーンで差し出したほのかの手をなぎさが掴むのはそのお互いの垣根を越えた事を意味します。

 MH15話はどうかというと、基本的にそういうのが無いんですよ。葛藤とかワダカマリとか無い。ひかり自身友達がいないことに悩んでいた描写も一切無い。多分自覚も無い。じゃあ、それがドラマにならないかというと全然そうではない。年甲斐も無くボロ泣きしてしまうくらい胸を熱くする。その感動はどこから出てくるのか?
 それは何も引き換えにする事が無い純粋な友情が描かれているからです。「引き換え」というのは変な表現なのですが、8話で言うところの葛藤とかそういうやつです。8話の友情は乗り越えて結ばれたものですが、15話は乗り越えるべきものはありませんでした。しかし、それこそが普段私達が経験する「日常」であり「友達」との結びつき方です。何もありゃしないのです。ただ、同じクラスで一緒に遊びに行くとかそんなんです。劇的なドラマなんてありません。あるとすればそこから始まるのです。今回その当たり前の事を圧倒的な賞賛を持って肯定したのです。劇的なことをしなくても、友達を名前で呼べるし仲良くなれる。人との繋がりが心を豊かにすると見せました。それは人間賛歌であり、ありきたりな日常を祝福するものであります。
 現実社会を見れば、リストラだとか犯罪だとか環境問題だ国際関係がどうたらあってウンザリすることしばしばですが、だからこそ、プリキュアの純粋な人間性と希望は美しく我々を励ましてくれます。
 思いついてしまったので、流れ無視して書きますが、プリキュアは肯定する物語です。何かを捨てて何かを得るという作り方をしていません。いや、ドツクゾーン否定してるじゃん、と思うかもしれませんが、そもそもドツクゾーンはこの世界そのもの(ひるがえって我々の日常)を否定しているのです。めっちゃネガティブです。それをプリキュアは世界を根底(日常)から肯定し、ネガティブをぶっ飛ばすわけです(OP曲とかけている。別に笑うところではない)。何かを否定して生きるのではなく、肯定して生きることで幸せを呼び込むのです(笑う門には福来る)。薄っぺらい正義感とかじゃないんですよ、そう、これは愛ですよ!愛!

 話戻して、同じラストの風景である登校シーンについて、8話がふたりの強い信頼と友情を想起させ人間関係の肯定を描きますが、15話はそれと合わせて日常の肯定も描いています(どちらが内容的に優れているか、という話ではない)。それによってより広くオープンで明るい未来をイメージさせてくれます。ひかり達の関係はなぎさとほのかほどの繋がりの強さは無いかもしれません。でも、否定されるものでも軽んじられるものでもなく、ひかりが声を大にして言えるほどの大切なものです。ひかりがクイーンであることを除いても、日常をひいては世界を肯定するものだと思います。MaxHeartはOPからして世界規模ですしね。そんな広りを感じさせる一話でした。今後がさらに楽しみです。
[ 2013年05月21日 19:56 ] カテゴリ:MaxHeart | TB(0) | CM(-)
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