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第28話「胸がドキドキ!亜久里の夏休み!」

○今週の出来事
①森本エル

 朝から亜久里を先頭にランニング。六花さんはゾンビのように最後尾をついて行きます。その体勢でついて行けるって逆にすげー。毎朝10キロ走っているようです。弱音を吐く六花に亜久里が甘えたこと言うなと返します。プリキュア強化トレーニング。笑顔で今日は最終日と話すありすはすげー余裕ありそう。
 学校に着くと、木陰に隠れた少女の視線に気づきます。森本さん。亜久里と同級生。亜久里達の視線に気づいて恥ずかしそうに身を隠します。これは……百合展開の予感…!

 ゴール地点に辿りついた六花はすぐ地面に座り込みます。六花さんの二の腕たまらないっす。みんな息を乱している中でありすだけ深呼吸して平然としているのが流石というかなんというか。お腹空いたと言うマナを自宅で朝食をとろうと誘います。ところが亜久里がメニュー表を見せながらそんな暇はないと言います。トレーニングがギッチリ詰まっています。水泳もあるようです。よし、トランプ王国を救うため君達には頑張ってもらおう。
 夏祭りを楽しみにしていたマナは泣き崩れます。さすがにみんなからも不満の声があがります。出来うる限りの努力を…と言いかけて亜久里は倒れます。この子は余裕がない。森本さんが心配して叫びます。


 日陰で介抱。森本さんも付き添います。亜久里の友達かと尋ねられた彼女は同じクラスってだけ…とモジモジします。その反応を見たマナと六花は示し合わせてまず名前から尋ねます。森本エル。早速学校での亜久里の様子を訊きます。すると彼女は嬉しそうに亜久里のことを話し出します。
 とっても大人っぽくて、相手が上級生でも臆しない、かっこいい。普段からあんな感じらしい。納得するマナ達に、だからお姉さん達とも仲良しだと思うけど同じ歳の自分達には興味がないようだと語ります。人付き合いはそれなりにこなすが孤高な子、という位置づけのようです。早熟すぎるのもそれはそれで面倒なものです。周囲がガキに見えてしまうし、周囲も気取った奴と見る。精神年齢の高い・低いに関わらず理解者が得られるかどうかは重要です。孤独がどうのというより、話しが合う人がいるかどうかで生活のメリハリや彩りが変わります。
 亜久里のことを真剣に考えるエルに、マナは仲良くなりたいんだねと率直に言葉をかけます。お姉さんに任せない! 隣で六花が頭を抱えます。

 亜久里が目を覚まします。起きると同時に特訓を再開しようとします。六花、真琴、ありすが諭します。エルちゃんと一緒に夏祭りに行こうとマナが提案。花火大会、スーパースペシャルなスイーツもある。スイーツにつられる亜久里。相変わらずちょろい。エルも了承して夏祭り決定。それでも食い下がろうとする亜久里に友達と付き合うことも大切だとマナは言います。不安そうにこちらを見るエルの視線もあり亜久里は承諾します。約束を取り付けるとエルは嬉しそうに帰ります。よっぽど亜久里のことが好きなのでしょう。
 なぜですか? 亜久里は自分も友達と遊ぶことを否定しない、しかし今はそれより優先すべきことがあるはずだとマナに問いかけます。その問いに直接答えず、六花は学校で友達を作ろうとしないのはそれが理由かと聞き返します。図星。「昔の私もそうだった」真琴が会話を引き継ぎます。やべ、この子達頭いい。会話のスピードについていけねぇ。つまりマナ達はプリキュア特訓がどうのという話しでなく、亜久里という少女を知り、かつ彼女と友達になりたい子と縁結びしようと考えています。この問答は円亜久里を問う話し。今回のエピソードは亜久里のジコチューが焦点になっています。
 今でもトランプ王国のことは忘れていない、でもみんなと付き合うことで多くのことを学んだと真琴は話します。彼女らしい言葉です。正座したまま俯く亜久里。自分が言っていることは正しいはずなのに何故理解されないのか、彼女達は今の事態が分っていないのではないか、自分が間違っているとでも言うのか、と考えているのかもしれません。マナ達が何故友達との付き合いにこだわるのか、今の亜久里にそれを実感するのは難しいでしょう。彼女は力を求めている。孤独と引き替えに。それはそうと六花さんの脇が気になって仕方ありません。
 「亜久里ちゃん、友達っていいもんだよ
 不承不承頷きます。


 アジト。エースに苛立つリーヴァ。グーラは伸びるアイスを食べます。制限時間は5分。戦闘を引き延ばして解除させればこっちのものとリーヴァは閃きます。前回、エース抜きで負けたじゃん。


②スーパースペシャルなスイーツ
 夏祭り。前回の着物に引続き今回は浴衣。髪の長い六花は結い上げています。待ち合せ場所でエルと合流。亜久里の姿が見えません。
 出店を見ながら亜久里はスイーツを早く食べたいと目をキラキラさせます。マナ達が亜久里を見つけてやってきます。遅かったとしれっと言う亜久里に六花が文句を言います。むくれる六花さん可愛い。マナは早速亜久里の浴衣を褒めます。エルも同じく褒めますが亜久里に名字で呼ばれて少し哀しそうな表情を浮かべます。察したマナが目配せして名前で呼ぶように仕向けます。サインに気づいた亜久里はエルちゃん、と呼びます。君たち賢いな。
 亜久里が早速マナにスイーツの件を尋ねると、マナはまずはお祭りを尋ねようとはぐらかします。スイーツはただの口実です。

 エルの提案で金魚すくい。
 どうやら亜久里は金魚すくいを見るのが初めてのようです。基本的に今回の亜久里の立ち位置はお祭り初心者&友達の作り方紹介です。黒い出目金を取り逃がしてガッカリするエル。自称金魚すくい荒しのマナが腕前を披露。
 はい、ダメでした。
 続いてありす。「お嬢ちゃん、できるね」。おっさんもビビるありすの貫禄。去年の青い人ばりに金魚をすくっていきます。ところがランスが頭からずり落ちて全部ポシャってしまいます。水面に浮かぶランスがシュール。アイちゃんのお世話の時といい、ランスはこんな役回り。
 亜久里がチャレンジします。六花が水面に対し45度でえぐるようにすくう、と助言します。理論派です。頷いた亜久里は力一杯にポイを振るいます。肉体派です。勿論失敗。隣に居たエルと一緒に水を浴びてしまいます。失敗を笑います。

 射的。商品を倒しても下に落ちないとダメ。ぬか喜びに終わるエル。亜久里とエルのリアクションが同じになっているのは彼女達が仲良くなっている証拠ですね。
 射撃と言えば真琴。ライフルを横に構えます。いやいやそれ撃ちにくいだろ。自分のトランプを狙います。いやいやお前どんだけ自分好きなんだよ。狙いははずれて隣のモグラ人形にヒット。スパークルソードも牽制なので命中率はあまり期待できませんでした。人形を握りしめながらむくれます。
 「ただ狙うだけじゃだめよ、弾道を計算しないとね
 六花がメガネをかけて挑みます。ターゲットはカエルの人形。じっくりと時間をかけて目標を定めます。そんなに見つめられたら私が先に倒れてしまいそうです。肩に乗っているラケルが実は照準役で座標を六花に伝えている、とかだったら面白いんですが。マナがイタズラっ気を起こして六花の肩を叩きます。狙いがそれてモグラ人形に。
 亜久里が挑戦。心の中でエースショットと唱えて見事目標を落とします。こういう遊び心はいいですね。子どもが真似しそうです。

 みんなでかき氷。エルは先ほどゲットしたブローチを胸につけています。
 かき氷を味わうものの物足りなさを感じる亜久里。隣で抹茶かき氷を食べているエルに興味を持ちます。一口分けてもらうと「甘い小豆を(以下略)」。
 みんなで食べ合いっこしようとマナ。グッドアイデアですわ、と目を輝かせる亜久里。画面に映っていませんが六花も同様にガッツポーズをとっていると思います。食べ合いっこが始まります。これだよ、これ。ワイはこれが見たかったんや!
 最初の一口よりみんなからもらったかき氷の方が美味しいと言う亜久里。それはみんなで食べているから。「あたしの友達もそう言ってたんだ」。レジーナを思い出すマナ。彼女にとって世界を救うことはレジーナを救うことと同義。プリキュアは世界を救わない。救うべきは人の心。ではそれは如何にして? 何故人の心を救うことが世界を救うことに換えられるのか。このロジックは毎年その作品のテーマを主軸に構築されます。
 スーパースペシャルに美味しいスイーツというのは……亜久里の問いにマナは笑顔で答えます。


③友達になりたい
 少年の心につけ込んでジコチュー召喚。だから誰得なんだよ。
 「夏祭りだよ!全員解散~!」「宿題やったか~?」
 歯を磨けばいいんですね、分ります(私はこの世代ではないんだけど)。

 エルが居ては大っぴらに変身できません。マナは亜久里にアイコンタクト。亜久里がエルと一緒に避難。変身。

 階段を登って神社へ避難した亜久里はプリキュアが苦戦しているのを知ります。リーヴァとグーラが亜久里を発見。ジコチューが亜久里を攻撃。地面をえぐられて落ちそうになります。エルが腕を掴みます。プリキュアが応戦。
 エルは亜久里を助けようともがきます。友達になりたいと言うエル。「亜久里ちゃんは私を助けてくれた」。予期していなかったのでしょう、その言葉に亜久里は驚きます。
 癖毛を男子にからかわれたときに亜久里が助けてくれた。しかも髪を褒めてくれたのが決定的だったらしくエルは亜久里に好意を持ったようです。毅然と助けてくれて自分を認めてくれた人。これは確かにカッコイイ。六花やありすにとってのマナに相当するでしょう。亜久里への憧れ、恩、力になりたいという気持ちがエルを動かしています。
 まさかそんなに重く受け止めていたとは知らなかった亜久里はエルの言葉に感銘を受けます。何気ない一言が人を救うことがあるし、人を変えること、人の心に刻まれることがあります。勿論、その逆に人を傷つけることもある。ビリヤードの球のようにそれは複雑に、一度放たれたら最後勝手にぶつかり合っていく。今、亜久里は自分がやったことの結果を身をもって体験します。自分が人を変えうること、人が自分を大切に思ってくれること、それが自分を変えうること、何気ないことから人が愛を持ちうること。この物語の愛は相互形成によって成り立つ。世界を救う孤高の戦士は必要とされない。何故ならそこに愛が無いからだ。エルが亜久里を助ける、それは同時に彼女自身が自分の殻を破り自己が拡張されていくことでもある(六花やありすも同じです)。愛とは自己と他者を包括して成長させる。孤高のヒーローはジコチューと区別が付かない。
 無事亜久里を救出。プリキュアは捕縛されて身動きが取れなくなります。

 亜久里はエルに自分には秘密があること、その秘密を話すわけにはいかないが自分を信じて欲しいと話します。二つ返事でエルは信じると答えます。この手の非戦闘員は信じることが戦うことに相当します。
 目を閉じて待っていて欲しい。エースに変身。

 敵の罠にかかってエースも捕縛されてしまいます。あとは時間切れを待つだけ。人間どもからプシュケーを抜きまくってやる、と訊いたエースはエルの姿を思い浮かべます。自分を信じて待ってくれる人のために力を引き出すエース。オーラが出ます。なるほど、エースはこういう形で愛を自覚するのね。ジコチューをぶん殴ります。

 「これまで私は自分の思いでいっぱいでした
 「でも私のことを大切に思ってくれる人がすぐそばにいることに気づかされました。そしてそのことが私に愛と力を与えてくれることも
 ハート達は最初にそのことを教えてくれたのはエースだと答えます。お茶目に「してやられましたわ」とエースは笑います。
 エースショットでジコチューを仕留めます。


 エルのところに戻る亜久里。彼女の無事な姿を見たエルは涙を浮かべて安堵します。
 「(胸がキュンキュンする)」
 みんなで一緒に花火。この夜、亜久里は大切な友達を得ます。


④次回予告
 出番が少なかったシャルル回。ラケル爆発しろ。


○トピック
 特訓も大事だけど友達を作るのはもっと大事。プリキュアの基本かつ中核となるお話し。
 前回マナ達の輪に本格的に加わったので、そこからどのように亜久里が影響を受け変わっていくかと予想を立てていたら速攻やってくれました。流石プリキュア、論点外さない。

 亜久里は敗北の経験とジコチューへの脅威から力を求めています。ところがそれを求めるあまり身の丈を越えるオーバーワークを生んでいるし、周囲との距離も開いてしまう。愛を説く彼女が孤独になっているのは皮肉な話し。何故その力を欲するのか、またその力はどこから沸いて出てくるのかといえば、それは「愛」だというのが本作のスタンスです。
 この愛が相互作用によって形成されるというのがポイントで、これはどういうことかと言えば、人間関係における上下・優劣は意味が無いという話になります。っていうか私の持論としてそう思ってます。人が依存関係になるのは依存する人と依存される人のお互いのニーズが合致したときです。ニーズが合致する以上それは共生(互いに寄生している)関係になります。今回のエピソードで言えば、エルちゃんは亜久里に対して一見へりくだって弱い立場のように見えます。事実そうです。しかし彼女が亜久里と友達になりたい、そのために自分の限界を超えて行動に出たときに亜久里と繋がることができました。その時の彼女は亜久里から見て気高く強い姿に見えたでしょう。イーラと六花にしたって、六花の献身にイーラがアクションを返したからこそ彼女らの間に今までとは違う何かが生まれました。それは当事者である彼女達自身にも何かを残しています。相互形成による愛とは、当事者間の関係性であると同時に当事者の人格に何らかの影響を与えていくもの(つまるところ成長を伴うもの)で、そしてその愛は強者、弱者関係無しに生み出すことができるものです。強さが愛を生むのではなく、愛が強さを生む。あなたの愛が人を高める。これがプリキュアのロジック。
 だから力だけを追い求めることはプリキュアでは全く意味を持ちません。ジコチューとやっていることが同じになるからです。エルちゃんがその身をもって示したように、彼女の行動が亜久里(の心)を動かし、同時にエル自身の成長を生み出す。愛とは奉仕だけでなく自身の変化も伴うものです。それは時に大きな葛藤を生むこともあるでしょう。親しくない子に声をかけなければいけない、怖い状況の中で踏みとどまって力を振り絞らなくてはならない。愛を実践するには常に自分の殻を打ち破っていく態度が必要になります。それを為し得たときに人は強くなる。面倒臭いことを言えば、これは1回やればいいということでなく死ぬまで続きます。残念なことに死ぬまで続けたところで超人になるわけでもないのですが。その見返りとして、そうですね、きっと退屈しない人生にはなるんじゃないでしょうか。


[ 2013年08月11日 15:09 ] カテゴリ:ドキドキ!プリキュア | TB(0) | CM(-)
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