六畳半のすごし方 TOP  >  本の感想 >  ギャンブル依存症(岡田等)他1冊

ギャンブル依存症(岡田等)他1冊

○ギャンブル依存症 岡田等
○やめられない ギャンブル地獄からの生還 帚木蓬生

 バカにつける薬は無いと言うが、ギャンブル依存症につける薬も無いらしい。
 ギャンブル依存症というのは国際的に認められている病気で正式には病的賭博と言いますが、日本では字面が悪いのでギャンブル依存症が使われています。公的に認められた病気なので保険がききます。ただし有効的な治療薬は無いのであまり恩恵はないかもしれませんが。ギャンブルから強制的に距離を置くために入院、というときに便利。

 ギャンブル依存症で圧倒的に多い理由がパチンコ・パチスロですが、依存症になるまでの期間(ギャンブルを始めて借金で首が回らなくなるまでの期間)はおよそ10年弱。つまりギャンブル依存症というのは一気になるものではなくて、段々と進行していく生活習慣病みたいなものだと思えばいい。自然治癒しないそうです。薬物依存ではなく、行為依存なのでタチ悪いらしい。

 ということで、病気なので本人を説得したり説教しても意味がないので(本人に正常な判断力や意思など無い)、借金が分ったら精神科に連れていってグループカウンセリングをやっているGA(ギャンブラーズアノニマス)を紹介してもらいましょう。集団療法が効果的だそうです。
 なお、ギャンブル依存症が身内に居る場合、肝に銘じておくのは、
○説得・説教は無意味である。
 本人に正常な判断力や意思など無いと考える。意思の問題で解決できるなら借金などしない。
○借金は肩代わりしない。
 尻ぬぐいをすると結果的にギャンブル依存を深めるだけ。キチンと責任を取らせる。彼らは説教(苦痛)を逃れようと平気で嘘を吐くし、頭の中はギャンブルのことしかない。誓約書や約束一つで借金が帳消しになるのなら彼らはいくらでも頭を下げる。その場は本気でそう思えても、いずれギャンブルへの願望が勝つ。なお、下手に借金を払ってしまうと借入金の上限額が上がってしまうので次作られる借金は数倍に膨らむ危険がある。また、借金がいくらあるのかと問うても過少申告したり、受け取った金を着服することが多いので、本人に金銭管理をさせてはならない。彼らは親の香典すら盗むことを厭わない。
○おこづかい制にし、一日数百円だけ持たせる。
 残金を回収し次の日また渡すようにする。繰り返すが依存症者に金銭管理能力は無い。
○依存症は治らない(進行を中断させることは出来る)
○治療中にギャンブル依存からアルコール依存に移行することがあるので注意すること。
  依存症になりやすい人の傾向として、自己肯定感が低かったり、日常生活に満たされないものがあったり、うつ傾向を紛らわすため行っていることがある。根っこの部分を捉え解消、昇華を促すことも必要である。
○家族の心のケアも忘れずに。
 往々にして周囲の家族(特に配偶者)に心理的負担がかかっているので、場合によっては依存者は見捨てて家族を守りましょう。そのための支援グループとしてギャマノンがある。

 という感じで徹底した管理統制、毅然とした態度が大事だそうです。

 日本人は自己責任が好きなので、ギャンブル依存症をはじめとした各種依存症、病気は個人の責任と捉えられがちで、そのせいもあって公的、民間支援団体が非常に手薄なのが特徴です。いまだに精神科に対する偏見とか根強い。こうした病理は社会の構造が生み出す歪みや暗部と捉え、社会的にフォローしていくべきだという視点が必要になります。ま、あと数十年はかかると思いますけど。ギャンブル依存症の最大の温床であるパチンコ店にATMや託児所がある時点で終わってます、この国。破産、自殺、犯罪、精神病の温床を放置しているのが現状。ギャンブル依存症になる奴は意思が弱く、ダメな人間だ。ダメな人間だから依存症になる。Q.E.D. 証明終了。そんなノリ。なので、日本がそういう社会であることを把握して、上手いこと立ち回る方法を各自考えましょう。


ギャンブル依存症 (生活人新書)ギャンブル依存症 (生活人新書)
(2002/12)
田辺 等
やめられない ギャンブル地獄からの生還やめられない ギャンブル地獄からの生還
(2010/09/03)
帚木 蓬生

[ 2013年06月22日 12:31 ] カテゴリ:本の感想 | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL