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第18話「出現!さいごのロイヤルクリスタル!」

○今週の出来事
①僕の夢は女の子に囲まれた世界を創ること
 ソリティア。ノッポさんはみんなにお茶を振る舞います。ところで今までスルーしてましたが、ソリティアが当たり前のようにマナ達のたまり場になってるのはどういうわけなんだろうか。突然女子中学生の胸に触ったりストーキングしているノッポさん的にはウェルカムなのかもしれませんが。
 マナ達はどこか緊張した面持ち。マナ・ありす・六花の席順は珍しい気がします。ありすがノッポさんの正面に座る形になっているのは彼女の交渉力や冷静さを買ってのことでしょうか。
 お茶を一気に飲み込んでから質問タイム。アイちゃんやロイヤルクリスタルについて。婚約者というのは本当か。
 ノッポさんは答える前に真琴を伺います。そっぽ向く真琴。機嫌が悪い。ノッポさんはそれに構わず話し始めます。自分はトランプ王国の生き残り。ジョー岡田は世を忍ぶ仮の姿だそうですが絶対素が入ってると思います。ロイヤルクリスタルは見たことがあって、ここにあるものは本物だそうです。それを訊いて一安心するマナ達。
 アイちゃんについては「さあ?」。河原で拾っただけで詳細不明。ラケル達は疑います。日頃の行いが悪いので今ひとつ信用しきれません。
 自分とアンについて。これには真琴も聞き耳を立てます。将来を誓い合った仲。真琴は王女さまからそんな話しは訊いてない!と大声で抗議します。たぶん彼女的には王女の妹分のようなポジションなので自分が知らない王女の姿は想像できないし、したくないのではないかと思われます。お姉ちゃんを取らないで、というのに近いかも。君がアンに仕える前の話だと答えるノッポさん。馴れ馴れしく呼び捨てにするなと真琴は目の敵にします。
 話しを戻して、真面目な口調でノッポさんはクリスタルの説明を始めます。5つが揃ったとき奇跡の切り札が現われる。5人目ですかねー。例によって詳細は不明です。そもそも王国が健在だった当時もクリスタルはあっただろうに。それでもジコチューに負けたんですよね、というツッコミはしない方がいいでしょうか。
 レジーナに取られた分は後回しにするとして当面は最後のクリスタルだと話すありす。手がかりはありません。と思ったらノッポさんがしおりを渡します。「ジョー岡田と行く初夏の旅」。こ、こいつ、女子中学生と旅行する気だよ。清々しいまでにブレない。ワクワクしながらしおり作ってる光景思い浮かべると戦慄すら覚えます。
 しおりには汽車と菜の花畑の写真が添えられています。この風景が自分とアンの想い出の場所と似ていると話します。基本、クリスタルは王女にちなんだものなのであながち見当外れではありません。というか、クリスタルって王女の記憶ですね。5個揃うと王女復活しそう。アイちゃんは王女っぽいんですがどうなんでしょう。玩具の販促的に難しいか。アイちゃん→王女(少女形態)→プリキュア→(魔力枯渇で)アイちゃんへ戻る、のミラクル変身。…面倒くせぇ。
 例の青い鳥が飛んできます。見つけたのは彼だと説明するノッポさん。一応勝手に補足すると、骨董品などを扱っていたのはクリスタルや王女捜しを兼ねての行動かもしれません。時々どこかへ行くのもそのため、としておくと辻褄は合いそうですが、この人の場合素がどこまで入っているのか分らないので迷うところです。なんでマナ達に事情を最初から話さなかったかについては、きっとこの人のパターンです。女の子を口説くときは自分をミステリアスにしておく。こういう風に相手に解釈を委ねられる人って器用だと思います。人は大体自分に都合の良いように解釈したがるので。それはそうと、女子中学生にパイタッチした件について弁明しろ。

 マナは旅行に乗り気。お弁当を用意すると率先します。楽しみだと相の手を入れるありす。そんな二人に引っ張られるように六花も同意します。こういう新しい出来事や積極性が求められる場合はマナとありすが牽引役になっているのだと伺えます。真琴は食い入るようにしおりを見つめます。王女さまの最後の手がかり。


 アジト。代わる代わるクリスタルを品定めするイーラ達。レジーナは3人からクリスタルを奪うとこれは自分のものだと言います。「綺麗…」。元の碧い瞳。「この輝きは私のもの」。しかしクリスタルを見つめていると紅く染まります。やはり石に魅入られているような印象を持ちます。


②車窓からの風景
 夏服キター! でもなんか微妙にガード堅てぇ。真琴は一応お忍びなので帽子と眼鏡を着用。相変わらず六花さんは可愛い。
 駅に着くと、SLがやってきます。やー、これ線路沿いの家は外に洗濯物干せないわ。
 物珍しい汽車に感嘆の声をあげるありすと真琴。ノッポさんは無言で汽車を眺めます。
 のどかに田舎を走るSL。これはこれで風光明媚。絶対環境に悪いと思いますが。きっとPM2.5とかまき散らしてます。マナ達は車内から景色を楽しみます。お弁当タイム。桃まん弁当。蒸籠付き。嵩張っただろうに。ノッポさんは真琴にお茶を差し出しますが無下に断られます。「エースティー」のポスター。「自分のがありますから」。対抗意識を燃やす真琴。この子、面白い。
 六花はどうしたのかとありすに耳打ち。「複雑な乙女心ですわね」。ありすさん達観してらっしゃる。六花さん鈍すぎ。この前あなたが抱いたモノと同じ類ですよ。
 お弁当も食べ終わり、ノッポさんとアイちゃんは景色を楽しみます。その姿を見て微笑む4人。「って、楽しんでばかりじゃダメでしょ」。クリスタル探しに来たことを思い出します。アイちゃんは煙をピンクのハートに変えてしまいます。

 点検のため一時停車。マナはひたすら謝ります。運転手的にはなんのこっちゃ。

 旅にトラブルはつきもの、とノッポさんは慌てることなく散歩に行ってしまいます。マイペース。素性は分っても中身はよく分らない人だと六花。適切な評だと思います。アイちゃんはノッポさんの後を追います。マナもその後を付いて行きます。
 駅を出ると一面に広がる菜の花畑に出くわします。感嘆の声をあげる4人。早速しおりを取り出す六花はらしい感じがします。
 平和だった頃のトランプ王国に似ているそうです。

 駅から少し離れたところでノッポさんは腰を下ろします。マナが隣に座ります。始めて会った時から不思議な人だと思ったと話し始めるマナ。何を訊いてもはぐらかされたけど嫌な気持ちにはならなかった。それはきっとお兄さんがいつも自分達を導いてくれたからだと言います。買いかぶり過ぎだと笑うノッポさん。マナのこの解釈はとても大人な見方です。視野が広い。見方によってはただのストーカーなんですが、彼がキッカケを与えたのは事実です。結果論になるかもしれませんが、彼が最初からトランプ王国の話しやプリキュアになって救ってくれと頼んでいたら話しは少し違ったものになっただろうと思います。彼の依頼を訊くということは、これまでのシリーズのように大変なことが起きた(起きる)ので君たちが何とかしてくれ方式になるのでマナ達はその指揮下に入ることになります。大げさに言えば運命を決められてしまう。無論本作もそれに準じてはいますが、過去シリーズに比べてその印象が薄い。彼女達は適宜自分達で考え、決断してこれまでやってきました。王女捜しも真琴を手伝いたいから。プリキュアの使命は彼女達にとって副次的なものです。ノッポさんが敢えて道を示さなかったことでマナ達の自主性は損なわれずむしろ伸びたと言えます。それをしてマナは導いてくれたと言っている。捉え方によってはノッポさんのやり方は婉曲的でいやらしいやり方ですが、彼女達が自主性を持ちそれが継続できるのであれば彼のやり方は正しかったと言えます。
 クリスタルを見つけるまでに強くなったのは紛れもなく君達自身の力だとノッポさんはマナ達の貢献を認めます。

 菜の花畑の中に王女の姿を連想するノッポさん。「もう少しだ…」。小声でつぶやきます。彼は自分のエゴでマナ達を巻き込んだとも言えます。つまり、この世界は誰も彼もが自分のエゴで人を巻き込む世界です。しかしそれは悪いことなのか? そんな世界だからこそ素晴らしいと言えるものがあるのではないか。それを証明するのがプリキュアの物語です。

 マナは王女さまってどんな人なんですか?と尋ねます。恋人であるノッポさんの口から訊きたい。この時、彼女は彼の願いを背負いたいと思ったのかもしれません。彼の口から王女について訊くということは、彼の想いを受け止めるということです。それを訊いたら彼女は彼と共有し彼の願いを叶えたいとも思うでしょう。地味なところですが「ベースは個人的な繋がり」が堅持されています。これはプリキュアシリーズの伝統であり根幹です。世界を救うために戦わない。人を救って、ついでに世界も救う。
 ちょうどありすと六花もやってきます。


③なれそめ、やぶさめ
 トランプ王国の想い出。ちなみにBGMは7話で真琴の回想シーンで使われたものと同じです。これ、サントラで改めて聴くととても良い曲です。
 かるたを嗜むアン王女。なにこの出オチ感。いや、確かにそんな話ししてたけど、わざわざ回収しなくていいよ!
 「彼女はちょっとおてんばで、とても可愛らしい女性だったよ」
 あばたもえくぼって言葉は正しい。
 カン。彫刻を彫る王女。腹筋崩壊。彫刻が好きって、彫る方かよ!! いやだから回収しなくていいよ。王女さまがどんどん面白い人になってきたじゃん。
 「アンは好奇心旺盛で、あらゆる世界の文化に興味を示したんだ」
 仕事しろ。
 彫刻を彫ったものの物足りなさを感じるアン。これでどうです?とノッポさんが宝石を付けます。「とても素敵ね」。吹いたら負け、吹いたら負け。ノッポさんは王女に仕える戦士の一人だったそうです。
 一緒に馬でツーリング。やぶさめ。ドヤ顔を浮かべるノッポさん。サク、サク、サク。三連続ヒット。王女さま「ドヤ」。ノッポさんの立つ瀬がねぇ。
 SLで菜の花畑を駆けます。お花畑で追いかけっこ。
 「僕らが互いに惹かれ合うまでそれほど時を必要としなかった」
 変わり者同士相通ずるものがあったのでしょう。

 その後遠い辺境の警備につくことになったそうです。王女との関係がバレて左遷されたと解釈していいんでしょうか?
 離れて暮らすことに。そういうわけで彫刻を見て悲しそうな表情を浮かべていたという前回の話しに繋がるのだと思われます。茶化してばかりですが、この国的に王女と一介の騎士の恋愛ってどうなんでしょうね。プリキュアが王国を救って、それに絡む形でノッポさんが国の英雄扱いされれば王女と結婚できる可能性もありそうですが。あれ、ジコチューに侵略されたのってむしろ好都合だったんじゃね? さては、ジョナサン・クロンダイク謀ったな!
 王女からの手紙をロイヤルイエローと一緒に青い鳥が運びます。どんどん今までの話しで使われた小道具が回収されています。余計だったんじゃないかと思えるものがいくつもありますが。辺境という割りに近いように見えますが、きっと蜃気楼です。え、バラが枯れてない? ドライフラワーです。
 悪夢が訪れます。王都へ駆けるノッポさん。しかし着いた頃には城は崩壊し国民も全てジコチュー化。魔法の鏡を使ってノッポさんもこちらにやってきた、というわけです。

 誰も救えなかったのはキュアソードだけじゃない、僕もさ。と語るノッポさん。いつもの飄々とした態度と打って変わってシリアスムード。ありす達も深刻に受け止めます。これも女の子を口説くときのテクニックの一つでしょうか。ギャップを演出。自分の弱みは交渉材料として使える、これは覚えておくといいでしょう。え、なんでそんなに穿った見方するかって? 決まってんだろ、女子中学生と仲良くする自称婚約者なんて滅びれろ!
 あまり楽しい話しじゃなかったね、と謝るノッポさん。マナは訊いて良かったと答えます。彼女は背負う気だ。幸せの王子。
 ノッポさん駅に戻ろうと立ち上がります。「君もいいかな?」「必ずアンに会いに行こう」「はい」。木の陰で真琴は人知れず涙を溢します。王女を想う気持ちは同じ。


④どんな重さも受け止める
 SLを運転したいと子どもがだだをこねます。久しぶりのジコチュー君。レジーナが召喚します。SLと連結して暴走。

 菜の花畑を突っ切ってきます。通った後はペンペン草の一つも生えていません。変身。口上する間も遠ざかっていきます。シュールだな。
 レジーナと対峙。騎士の格好をしたノッポさんが助太刀。レジーナは自分に任せて、ジコチューを追えと指示します。前回一撃で(ガードしたのに)やられた人が言うセリフとは思えません。
 レジーナの攻撃を剣で防ぎます。「クリスタルを返して貰えるかな(ドヤァ)」

 暴走列車に取り付き、制止の声をあげるプリキュア。が、ジコチューは「俺はレールなんて型にははまらねぇー!」「何人たりとも俺を止めることなんてできやしねぇ!」と暴走を続けます。何人たりとも、と訊いて「俺の前は走らせねぇ!」を連想した人は30代です。勢いを増すジコチュー。プリキュアもしがみつくので精一杯。
 ハートはクラウチングスタートを決めます。そのアングルいいっスね。列車の前に降り立つと正面から受け止めます。
 お兄さんの思い出を、守るんだ!
 彼女は変わらない。幸せの王子であるからこそ彼女は彼女たりえる。であるなら、どこまでそれをやれるか。彼女の本質がどこまで実現可能なのかが問題になる。
 ソードが連結部を狙って射撃。彼女の攻撃は決定力は無いが小回りが効く。SLとの連結が解けたジコチューをハートが持ち上げて投げ飛ばします。あとはいつもどおりの手順で浄化。

 プシュケーがレジーナ達のもとに飛んできます。
 「どうする? まだ続けるかい?」
 絶対お前内心でビクビクしてただろ。今安心しただろ。白けたからやめとく、と変えるレジーナ。彼女も変わらない。無邪気さ、無垢さ、素直さ、そして我の強さ。


 汽車のプレートから最後のクリスタルが出現。今までクリスタルが登場するのは女の子達の成長と連動していましたが、今回のマナの姿を見る限り変化はないように思えます。マナの本当の試練はまだ来ていないと見るべきか、変わらないことこそ彼女の成長と見るか。
 これで全てのクリスタルが出そろいます。


⑤次回予告
 「あいつらボウリングが異常に上手いわ」(ロング版予告より)


○トピック
 ジョー岡田のドヤ顔祭り。5人目のプリキュアがレジーナなのか王女なのか割と本気で迷います。

 ということで、ノッポさんもまた幸せの王子に組み込まれていくという話し。このタイミングでノッポさん関連の話しが開示されることで、マナ達の自主性を損ねず彼の願いを幸せの王子たるマナが背負うこと、つまり「ノッポさんがマナ達に助けられる(助けを求める)」構図ではなく「マナが人を助けていく」構図の延長であることが示唆されています。マナの立ち位置は変わりません。彼女は勝手に背負い、勝手に一肌脱ぐ。

 これは大事なことなので明確にしておきますが、本作の世界は全ての人がジコチューです。マナも含めて全員ジコチュー。ジコチューとは純粋な願いだったり、エゴだったり、幼児性だったり、無垢さだったりする。いけしゃあしゃあとマナ達をプリキュアに勧誘したノッポさんに比べれば、独りで何とかしようとしたソードの方が見方によっては「良い人」でしょう。ところがプリキュアはそれを肯定しません。プリキュアは人が持つジコチューを共有し調整し互いの糧としていくことでより良い形を模索しています。少しずつ見えてきたのは、童話幸せの王子とマナの違い。幸せの王子は周囲に依存する形で自分を滅ぼしていきます(周囲の願いを聞き入れてそれに従うのは一種の依存です)。しかしマナは彼女を支える六花達とその都度協力して破綻しないように調整しています。少しずつ自分のキャパを広げながら、同時に友達を頼りながら処理能力を広げています。マナは周囲環境に依存的に見えて、周囲を変える存在になりつつあります(というかすでになっている)。見方を変えれば彼女のジコチューが人を変えている。
 こういうのを面白いと感じます。何度でも言いますが、私は人は狂っていると思っています。しかしその狂っていることが人の条件だとも思います。人の、誰かへの「ここが悪い。これを無くせればいいのに」という要求は不毛です。その悪い部分もその人を形作っている一部で、長所故の欠点であるからです。人は矛盾した生き物で、その矛盾を無くすのではなく矛盾を使いこなした方がいいと思ってます。プリキュアの物語の根幹はそこにあります。人の矛盾を否定しない。悪い部分を取っ払えば良いとは言わない。その悪い部分を抱えたまま、それを活かしていく(その両義性に気づきメリットを伸ばす)ことを目指しています。


 この世に存在する善とは人であり、この世に存在する悪とは人です。正義は勝つ。なるほど人(善)が人(悪)と殺し合うのは今に始まったことではないし、その戦いはこれからも続くでしょう。私は人の戦いを否定しません。だって人の身から出る錆だから。その戦い、せめぎ合いの中で人は学び、そして死んでいくのだと思っています。私はスイートが大好きなんですが、その理由の一つはあの物語がケンカを否定しなかったからです。響と奏、ハミィとセイレーン、ノイズとの最終決戦に至までケンカ(人と人の対立)を否定しませんでした。ケンカをなくせるとも言いませんでした。ケンカもコミュニケーションの一様として受け止めた。そう腹を括った物語でした。人のどうしようもない部分を認め諦めつつもそこから逃げなかった姿勢が大好きなのです。
 私は人類が進化しているとは思ってません。昔も今もやっていることは大して変わらない。結局自分で経験したことしか人は理解しません。きっと何千年も前から「最近の若い者は」なんて言ってきたはずです。それで構わない。生きている人がその生の中で学び、生を全うしていけばいい。そういうものだと思ってます。って言うと抽象的ですが、要は人は失敗しながら納得する行き方を模索していくもんだ、と思っているということです。これは人と人が争うことに留まらず自分の中にある善と悪の戦い、矛盾との葛藤も含みます。その過程で立ち直れなくなったり、死んだりするかもしれないし、時間切れ(寿命)になるかもしれませんけどね(突き放した言い方をするのは私の悪い癖なんですが、ある種の諦観に基づくものでもあります)。

[ 2013年06月02日 15:11 ] カテゴリ:ドキドキ!プリキュア | TB(0) | CM(-)
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