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第31話「ロイヤルクロックとキャンディの秘密!!」

○今週の出来事
①営業マン

 心地よく眠るキャンディ。みゆき達の必死そうな呼びかけが聞こえてきます。目を開けると目の前には傷ついたみゆき達が倒れています。

 という話しは後半に絡むとして、今は復活詐欺のお話し。
 例によってクイーンは復活せず、その代わり出てきた謎の置物(定価9,240円)に一同は困惑します。勝手に送りつけておいて後で金を払えと言われないかみんな心配しているのでしょう。

 気を取り直して本題。これ何? 凄いアイテム。どうやって使うの? きっと凄いアイテム。何が出来るの? とにかく凄いアイテム。そりゃ凄い。何しろ定価9,240円、まず値段が凄い。デフレ時代を恐れぬ強気設定。お求めやすい価格です、血のにじむような努力でお安くさせていただきました、などと口が裂けても言えない。キャンディの営業トークに命運がかかっています。
 「お腹空いたクル」
 もうダメかもしれない。プリキュア打ち切りの危機。

 みゆきはクッキーを一枚取り出します。半分こして食べようと言うキャンディ。いつもそうやって食べているのでしょう。みゆきもキャンディの言葉に同意を示します。しかし「でも」と言葉を続けます。それじゃ自分とキャンディしか食べられない。みんなで分けると言います。残念そうにみゆきを見るキャンディ。
 6等分されたクッキーを見て期待よりも失望を覚えるキャンディ。みんなで一緒に食べます。咀嚼長ぇ。空気を読んでれいか達はお互いにニッコリと食べます。ようやくキャンディはみゆきの言ったとおりだと納得します。連帯意識を高めるには同じ釜の飯を食うのが手っ取り早い、というわけでもないですが、知り合いとご飯を食べるときは安くてそこそこの店よりも、高くても美味しい店の方が良いです。会話が弾むし料理の話題でも盛り上がれる。これが不味い店だとテンションだだ下がりでこの店を選んだことを後悔しながら食べることになります。知り合いに紹介できる美味しい店は何軒かストックしておきたいものです。また、自分一人では行きにくくても、友達連れならば理由にもなります。…というのは大人の場合の話しですが、子どもの頃はお互いに違う味のうまい棒を買って半分ずつ食べるというのでも十分楽しいものです。
 一人よりみんなでハッピーって感じる方がウルトラハッピーになれるもんね、と話すみゆき。そろそろ番組も後半。メインテーマが深掘りされていく時期です。

 窓の外から飛行物体。みゆきの顔面に当たってずっこけます。カメラさん! 別アングル!
 ポップがそのアイテムが何か分かったと言います。キャンディでは営業にならないのでベテラン営業がやってきました。


 三幹部に黒い玉を見せるジョーカー。プレゼントだと言います。赤っぱなを闇の絵の具でコーティング。するとスーパーアカンベェを超えるハイパーアカンベェとなり制御も楽ちん、レインボーバーストも効かない。これを上回るものは存在しない。これこそが黒っぱな。どっかの妖精とは営業レベルが段違い。思わず欲しくなるトークです。
 少しはマシに戦えるでしょ?とトゲを含んだ物言いをするジョーカーに三幹部は腹を立てます。しかし、本当にそうですか?プリキュアに勝てない幹部など必要ないとピエーロ様はおっしゃっている。三幹部をあしらったデザインのトランプを消して見せます。何かとピエーロの名前を持ちだしていますが、まず間違いなくジョーカーの言葉です。以前からそうですが、ピエーロ・ジョーカーの関係は密接なのに比べて、三幹部は明らかに雇われ幹部の様相。さしずめ童話のハッピーエンド(彼らから見ればバッドエンド)に嫌気がさした彼らを甘い言葉で誘って引き入れたというところでしょうか。三幹部がある種の犠牲者であることは確定的ですが、物語の本質はやはりピエーロ・ジョーカーが握っている。プリキュアは毎年ラスボスの存在がなんであるかに物語のテーマが集約されます。
 ウルフルンに黒っぱなを渡します。


②ロイヤルクロック
 伝説のロイヤルクロックだと説明するポップ。ははー、と頭を下げるみゆき達。印籠かよ。
 このクロックがプリキュアにさらなるパワーを与えるそうです。その前に親御さんにさらなる出費を与えるわけですが。時計にしては針もなにもないと疑問を口にするみゆき。不良品でしょうか。どうやったら動くのか。ポップは任せるでゴザルと請け合うと、もしもーし、誰か居ませんか、とクロックに呼びかけ始めます。単三乾電池3個(別売り)で動くそうですよ。
 呆れていると、クイーンが出現します。もはや下っ端営業には任せられないとしびれを切らせたのでしょう。本人が出てきました。プリンセスフォームでおなじみの輪っかが2本頭の上に乗っています。
 ありがとう、とお礼を言うクイーン。ロイヤルクロックを通じて会話できるそうです。クロックの力を引き出すにはプリキュアとキャンディのさらなる力が必要だと語るクイーン。ああ、ここでキャンディが出てくるのね。プリンセスフォームの時にキャンディが必要とされなかったのでどうしたもんかと思ってたら、本命はこっちか。


 公園を襲撃するウルフルン。カウント6。
 気配を察知するクイーン。現場へ向かいます。クロックは自力飛行可能。さすが定価9,240円。クローバーボックスなんてバリアはれましたしね。

 現地到着。黒っぱなを紹介してショベルカーに憑依。物陰で様子を見るジョーカー。この人は最初から幹部を当てにしていない。当て馬に使うだけ。仕事は自分でやる。
 アカンベェとウルフルンが合体。ウルフルンの身体に負荷がかかります。目元に紋様が書き加えられます。強化型デザトリアンと同じ手法ですね。ハートキャッチの監督曰く、幹部と怪人を一緒にするとその分だけカット数を減らせるのだそうです。その方がシーンが纏まってスッキリする。というような話しを聞いたときはなるほど~と感心しました。プリキュア、妖精、怪人、幹部、と4者それぞれ描くのは確かにごちゃごちゃします。勿論、話しとしても怪人の強さをアピールできるし、負荷がかかっている幹部はそれだけ追い込まれている様子を描くこともできるので一石二鳥。

 ウルフルンと一体化したアカンベェは自由自在にその圧倒的な力を振るいます。流石クロック強化月間。まずは敵が強いことを見せる必要があります。大人の事情でいくらでも戦闘力に補正がかかる。クロックはまだ使えません。わざわざポップが理由を説明します。それを聞いたジョーカーは嬉しそうに姿を現します。キャンディを捕縛。ブラボー私、お疲れみなさん。語呂いいなぁ。
 怠け玉の中に閉じ込めたと言うジョーカー。怠け玉…いよいよピエーロが言っていた「怠惰」に関わるアイテムも出てきました。やっぱこの人が出てくると話し進むなー。玉の中でぐっすりと眠るキャンディ。


③すべてを怠惰な世界に
 見知らぬ場所に立つキャンディ。不安げにあたりを見回します。近くで楽しそうな声がします。そこに行ってみると妖精達が楽しく遊んでいます。キャンディに呼びかける妖精達。一緒に遊ぼう、とっても素敵でずっとここに居たくなる。

 苦戦を強いられるプリキュア。キャンディを助けなければ。それを聞いたジョーカーは異な事を、とプリキュアに怠け玉を見せながらキャンディは楽しい夢を満喫していると言います。
 「この怠け玉の中は我々が理想とするバッドエンドの世界そのもの。苦しいことはすべて忘れて、何も考えずずーっと食べて遊んで居られます。そんな夢の世界から戻って来たがるお馬鹿さんがいるはずないじゃありませんか」
 なるほど、そういう意味でのバッドエンドなのか。

 「キャンディは必ず帰ってくる!
 「誰だって楽な方がいい、難しいことは考えたくないし逃げたくなる。でも、本当に楽しく笑うためには踏ん張って頑張らなきゃいけない時だってあるの!
 「せやな、いっつもおもろいことばっかなわけないもん
 「でも、どんな時でもきっと逃げちゃ駄目だと思う
 「うん、どれほど大変でも自分の足で前に進んでいく
 「そうしないと本当の笑顔にはなれない
 「どんな時も全力でやるから、心から楽しいって思える。キャンディもきっとそう。だからキャンディはそんな世界には負けない!
 夏休みの宿題から逃げていた人達のセリフとは思えませんな。とりあえず夏休みのことは忘れて、24話の次の話しが今回だと思っておくとプリキュアのみなさんの名誉も保たれ、話しが分かりやすくなります。
 キャンディを再び呼びます。

 夢の中でキャンディは誰かの声が聞こえた気がします。しかし誘惑には勝てません。

 プリンセスフォーム。もうBGMが専用曲じゃない時点で駄目確定。なんでポップは寄ってきた。攻撃が弾かれて反動でみんなダメージを負います。ポップも。盾になろうとして間に合わなかったんでしょうか。

 夢の中でお腹が空くキャンディ。目の前にはお菓子の家。周りの木々には果物やお菓子が実っています。みんなで分けっこしようと言うと妖精達はたくさんあるから分けなくていい、お菓子の家はキャンディ一人で食べればいいと言葉が返ってきます。キャンディは喜ぶと一人で食べ始めます。しかしすぐに物足りない表情を浮かべます。一人でハッピーになるよりみんなでハッピーになった方がウルトラハッピーになれる。自分の大切な友達を思い出したキャンディはみんなのところに帰ると決意を込めて言います。嫌なことや辛いことは忘れて遊んでいて良いと甘言を弄する妖精達を振り切ってキャンディは現実に向き合おうとします。

 怠け玉から解放されます。ジョーカーは驚きつつも計画に支障なし、と強気の姿勢。キャンディの目の前には傷き倒れたプリキュアが横たわっています。現実に戻ったらこのザマだよ。これ結構酷い仕打ち。
 ハッピーはキャンディの姿を認めると「おかえり」と優しい言葉をかけます。笑顔でキャンディを迎え入れ優しく撫でようとして力尽きます。涙を目尻に溜めておののくキャンディ。受け入れがたい現実。次回予告から判断しても、ここまでの話しは前振り。言葉では綺麗事を言えてもじゃあ実際にやれるの?ということを見せなければならない。
 泣きじゃくるキャンディ。彼女の身体から異様なオーラが発します。みんなをいじめちゃ駄目!と叫ぶといよいよオーラは実体化。なんか不死鳥みたいなのが出てきたー!? 泣いて力解放ってのはお約束なので良いんだけど、何故に不死鳥? プリキュアがペガサスでキャンディはフェニックス? どういう組合わせ?
 ところでこの不死鳥、半年前に漂白された彼だったりして。苦しむ心から生み出され、また同時に笑顔の象徴ともなった彼が次の世代に力を貸すと考えるとなかなか味わい深い。太陽マンはこの布石だったんだよ! なっ、なん(略

 クロックが稼働します。ハイパーアカンベェが襲いかかるも黒いコーティングは剥がれてしまいます。元の赤っぱなに。勝機。
 「キャンディの想い受け取ったよ!
 「気合いだ! 気合いだ! 気合いだ! 気合いだ! 気合いだー!
 ああ、これいいなぁ。1話じゃギャグでしかなかったけど、今は違う。ヒーローの最後にして最強の力はこれだよね。玩具も武器も要らない。本当に必要なのはそれを使う者の心。その正しさと強さであるべきだ。
 「プリキュア! ハッピーシャワー!

 デコルが一つデコールに収まります。回収作業は再スタートかな。
 クイーンはキャンディを労います。友達を大切にする優しさ、これかもその想いを大切に育ててください。
 目を覚ますとみゆき達が自分を見つめています。自分もプリキュアと一緒、プリキュアの仲間だと気丈に語ります。「キャンディ、やはりそなたはメルヘンランドの…」。たぶん二人は本当の兄妹じゃない。だって似てないし。

 「めでたし、めでたしですか?」
 まだ帰ってませんでした。ジョーカーはみゆきを除く4人を怠け玉に閉じ込めます。


④次回予告
 5人の真ん中。ピンク。主人公の面目躍如となるか。


○トピック
 高額新商品販売強化月間。ストーリー的にはプリキュアの試練。

 番組も後半。少しずつ開示されてきました。この世界は苦しみと悲しみに満ちており、現実はままならない。というのが近年のプリキュアの大前提となっている現実認識です。それ以前のプリキュアにもそれが無かったわけではありませんが、物語のメッセージとして明確に取り入れられるようになったのはフレッシュからと言っていいです。敵が人間になったことを含めて「戦って勝つ」ことがハッピーエンドにならなくなりました。この苦しみにあえぐ罪深き人間の救済が如何にして成されるかに物語の焦点があります。

 前作スイートは苦しみ、悲しみ、誤解、憤りなどの生き辛さを抱えた人々の姿を描いた物語でした。敵は苦しみそのもの。現実(日常)は過酷であるという指摘がされています。それと比較するとスマイルはそうした現実から逃げよう、努力は虚しいと諦めることが対立軸としてあります。諦めることがバッドエンド。そのまんまな提示ですね。ウルフルン達が童話の世界でハッピーになれず結局この世界はバッドエンドなのだと言うのもその文脈に沿っています。この諦めや過酷さに対して、プリキュアは言葉どおり「気合い」を入れて立ち向かう。と話しを整理するととてもシンプルな対決軸であることが分かります。

 最近まで夏休みの宿題サボったり、遊び歩いていた中で「苦しみや悲しみから逃げたいだろ?」「いや、逃げちゃ駄目なんだ」と言い始めるのは些か唐突ではあるんですが、上述したような文脈で物語が動いていると考えると良いでしょう。プリキュアが突然本題に入って突っ走り始めるのはいつものことです。
 さてこの「気合い」で立ち向かうっていうのは、そう単純な話しではありません。さらわれたキャンディを助けるために危険を冒さざるをえないことを自覚したように、現実の過酷さ、それを感じる自分の恐怖と立ち向かわなければならないし、おそらく次回は安逸に逃げたい欲求との対決となるでしょう。それらも根性でどうにかできるでしょう。しかし本作が射程に入れているのは、少数の犠牲の上に成り立つハッピーは許されるのか?です。今回とても分かりやすい示唆がされています。クッキーを2人で分け合えばそれなりに満足できる。ところが6人で分けようとすると分け前は目に見えて減ります。もし仮に幸福の絶対量が決まっているとして、それが特定の者だけが手にするのだとしたら? 貰えなかった人はどうなるのか。それがウルフルン達が置かれている立場です。みゆきはクッキーを分け合うことを選びます。分け前が減るとしても一人占めするよりみんなで分かち合った方が幸せなのだと。

 本当にそうなんですか? 本当にそれができるんですか? ウルフルン達とも分け合えるんですか? 幸福が分け与えられるもので無かったとしても今まさに犠牲となっている人々に現実に向き合えと言うのか? 彼らともハッピーになるにはどうすればいいのか。みんながハッピーになれる物語はあり得るのか。
 その問いにこの物語は向き合う気満々です。現実を受け入れたスイートを引き継いで、スマイルはその道をみんなと手を携えて歩こうとしています。これだからプリキュアはやめられない。プリキュアはどれほど大変でも自分の足で前に進んでいく物語です。
 忘れずに言っておきますが、プリキュアは未就学児童向けアニメ。だからこそやるんですよね。
[ 2013年05月22日 21:32 ] カテゴリ:スマイルプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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