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第9話「うそ~!やよいちゃんが転校!?」

○今週の出来事
①エイプリルフール

 壮大な音楽に合わせてヒーローがモーニングコール。やよいは目を覚まします。女子中学生的にそれはありなんだろうか。オブジェの中でこれ一つだけ浮いています。絶対この子特撮オタだよ。ピースの似顔絵も飾られています。プリキュアになれてこの子が一番満足してそう。
 二度寝しようとしたところで母親からホットケーキと聞いてすぐに身を起こします。好物なのでしょうか。ワクワクしながらテーブルに向かうと目玉焼きとトーストが並んでいます。
 母親は茶目っ気に4月1日でしょ、と言います。エイプリルフール。嘘をついても良い日。ただし嘘って正直に言わないとね、と念押しする母。わかりやすい導入です。
 朝食を食べながらやよいはボーイフレンドが出来たと言います。ガールフレンドの間違いではないでしょうか。素直に驚く母になーんちゃって、と作戦成功。おあいこ、おあいこ、と手を叩きながら楽しがるやよい。味を占めたのか楽しい嘘を吐こうと考えます。この子は身内や親しくなった相手には自分を出せるのでしょう。自信がないと酷く不安になる反面、安心できると馴れ馴れしくなるタイプ。お調子者の気があります。

 映画宣伝仕様OP。今週で最後かな。あゆみ&フーちゃん版。映画オリジナルプリキュア見参。


 お絵かき。アカオーニはエイプリルフールだから鬼が桃太郎を倒す紙芝居を子どもに見せると言います。地味な活動だな。話しを聞いたウルフルンはやがて世界はバッドエンドになるから嘘ではなくなると言います。するとアカオーニは混乱。開き直って嘘で人間達を困らせると宣言します。

 登校すると下駄箱でみゆきと会います。やよいはみゆきを驚かせようと転校することになったと嘘を吐きます。なかなかの名演技。きっと自室でヒーローごっことかやっていたでしょうからその成果が現れているのでしょう。
 真に受けたみゆきとキャンディはビックリ仰天。大成功!と心の中で喝采するやよい。いつ転校するのかと尋ねるみゆきに、明日…とこれまた名演技で答えます。この黄色…恐ろしい子…!!
 面白~い♪と心の中で楽しがるやよい。ここで告白タイム。「はい、嘘でした♪」。……そして誰もいなくなった。小さな出来心、イタズラ心がこの後大変なことになっていきます。


②素直な人達に嘘を吐くとこうなります
 みゆきは駆け出すとあかねに転校の話しを伝えます。それを訊いたあかねもビックリ仰天。どうしよう!?と慌てるみゆきに自分達だけの秘密だと箝口令を出します。何故かと不思議がるみゆきに、自分も転校生だから気持ちが少しわかる、みゆきもそうだろ?と同意を求めます。そういえばこのふたりは転校生でした。これがなおやれいかならもう少し冷静な反応で終わったのかもしれませんが、人選が悪かったようです。
 ふたりに追いついたやよいはあかねに挨拶して早速みゆきに嘘だと言おうとすると、あかねも転校の話しを知っていることに驚きます。ふたりはやよいの気持ちを察してロクに話しも訊かずに自分らで納得してしまいます。察してくれるのはありがたいが、察しすぎるのも時に考え物です。やよいのリアクションが面白可愛い。
 先生もやってきてホームルームだと告げます。白状するタイミングを逸してしまいました。

 ホームルームが終わるとあかねとみゆきはなおとれいかに転校の事を伝えます。そっとやよいの方を見るとアンニュイな表情を浮かべています。それを見た4人は彼女が悲しんでいるのだろうと察します。本人の知らないところでややこしくなってきました。

 音楽の授業前にやよいはふたりに白状しようと声をかけます。すると今度はれいかとなおまでもが転校の話しを知っていてやよいは驚きます。遠慮せずに相談してくれれば良かったのに…と言うなおに、みゆきとあかねは仲良い子には言い出しづらいとフォローをはじめます。つい「うん」と相づちを打ってしまうやよい。さらに墓穴を掘りました。転校すると話してしまうとお別れを意識してしまうからできるだけ普通に過ごしたいのだとなおに説明するあかねとみゆき。「ねっ、やよいちゃん」「うん」。自分から棺桶に足突っ込みました。「ごめんね、やよいちゃんの気持ちも考えないで」「そんな、いいの」。自分で坊さん呼ぶレベル。「このままじゃ私ほんとの嘘吐きになっちゃう~」。心の声は誰にも届きません。

 授業が終わり、やよいはパクトに映った自分の顔を見ながら正直に言うしかないと自分に言い聞かせます。すると今度はプリキュアのことで悩んでいたの?と4人が気を利かせはじめます。れいかは神妙な声で、これまで5人で力を合わせて困難を乗り越えてきましたが…と話すとみゆき達もやよいが責任を感じているのだろうと気を回します。スイートもビックリなディスコミュニケション。どんどん誤解が膨らんでいきます。音響スタッフも気を利かせて感動的なBGMが流れはじめます。「やよいさんが抜けた分は私達が頑張りますから。たとえ離ればなれになっても私達の気持ちは一つです」。れいかはやよいを抱きしめます。みんなもそれに続いてやよいを抱きしめます。土下座して謝らないといけないレベル。


 昼食。いつもの東屋にやよいは来ません。れいかは提案があると言います。

 屋上でやよいは漫画を描きます。口で言う勇気がないので漫画に託そうと、ピースがみゆき達に謝っている漫画を描きます。何故にピース? おそらく謝る勇気が欲しくてプリキュア(ヒーロー)の力にすがっているのでしょう。実際にプリキュアの格好で謝っているのも、プリキュアは謝る勇気を持っているという示唆であると考えられます。プリキュアの力は想いを伝える力。謝るのもその一つの形です。
 しかし風が吹いて折角描いた漫画が飛んでいってしまいます。みゆきがやってきます。

 教室に案内されるやよい。あかねはパクトを開いて準備。
 やよいが教室に入ると同時に桜デコルを使って演出。クラスメイト達が拍手でお出迎え。黒板には「さよならやよいちゃんそしてありがとう」と描かれています。公開処刑開始。
 れいかの発案でお別れ会をすることに。花壇で育てた花を摘んでプレゼント。さらにはクラスのみんなから寄せ書きの色紙まで渡されます。転校しなきゃいけないかな、って思い始めるレベル。
 「泣かせてゴメン」かずや。お前は屋上に来い。
 「ケンカできなくて淋しくなるよ~」木村さとし。特撮オタ的なケンカ?
 「君の笑顔を一生忘れません」岡部かつとし。こいつはやよいに気があるかもしれない。
 やよいさんからもみなさんへメッセージをお願いしますと話しを振るれいか。頑張れ、とクラスのみんなから声援が送られます。逆にみんなは嘘に気付いていて自分を担いでいるんじゃないかと疑いたい誘惑にかられるレベル。もしここで嘘だったと言ったらみんなから失望され、怒られ、嫌われて自分とは誰も話してくれない、プリキュアも出来ないと自責の念にかられたやよいは涙を溢しはじめます。悲しいのだと勘違いしたみゆき達も別れを惜しみます。
 やよいはその場から逃げ出します。


③信頼に応える勇気
 倉庫脇で一人泣くやよいにみゆき達が声をかけます。余計に悲しい思いをさせてしまったと謝る4人。君達の優しさが逆に辛い。
 アカオーニはバッドエナジーを回収し始めます。みゆき達の前に現れるアカオーニ。やよいも涙を拭うと臨戦態勢。変身。
 校庭にあった地ならしをアカンベェ化。アカオーニはアカンベェにパンチと指示。防御態勢を取るプリキュアにフェイントをかけてキックをお見舞い。嘘をついてプリキュアに攻撃を仕掛けます。
 嘘を吐くアカオーニを口々に抗議するハッピー達。一人抗議に参加できないピース。耳が痛い。
 「嘘は最高オニ、そうだよなキュアピース?」と話しを振ります。そしてやよいが描いた漫画をみんなに見せます。何故嘘を吐いたことを謝る、騙された方が悪いと声高々に言うアカオーニにピースはやめて!と耳をふさぎます。しかし騙された仲間を笑ってやれ、という言葉には毅然と言い返します。
 話しが見えないビューティ達はピースに正直に話して欲しいと言います。正直に話したら嫌われてしまうと言い出せないピースに、ハッピーはたとえどんなことがあってもピースのこと大好きだよ、と声をかけます。転校してきた日に声をかけてくれたことを思い返しながらとても嬉しかったと伝えます。穏やかな表情。ここで正直に言わなければ彼女の信頼を裏切ることになります。
 転校は嘘だったとピースは謝ります。エイプリルフールと訊いて合点がいくハッピー達。真に受けるなとサニーに言われたハッピーはサニーだって同じだと返します。嘘だったと知ってビューティはそれが一番嬉しいと話します。その言葉にマーチも肯きます。ピースの予想に反して4人は快く彼女の告白を受け入れます。不安が解消されて泣き出すピース。

 空気を読んで静観していたアカオーニが終わったか? と声をかけます。
 「私、みんなからいっぱい優しさを貰った。その優しさが私に本当のことを言う勇気をくれた
 「私わかった。みんなを悲しませる嘘なんて絶対吐いちゃダメなんだって!
 アカオーニのフェイント攻撃を見抜いたピースはアカンベェを見事迎撃。嘘つき同士相手の戦法が読めるのでしょう。ピースサンダーで浄化。


 クラスのみんなにも謝ります。みゆきも自分が早とちりしてしまったとフォローします。ツッコミを入れるあかねにみゆきも反撃。みんなの反応もみゆき達同様安心したという雰囲気。やよいは半泣きになりながら嬉しいと喜びます。クラスの子達が集まってまた絵を描いてよ、と話しかけます。おそらく美化運動ポスターの一件で絵が上手だということは知られているのでしょう。色紙にもそうしたコメントがありました。これを通じて自分がクラスの人達にどう思われているのか分かったのなら、それはやよいにとって良い教訓と糧となるでしょう。
 あかねはみゆき達と口裏を合わせて、やよいの事が嫌いになったと言い始めます。真に受けるやよいの反応が面白い。なにこの可愛い小動物。「私もやよいさんのこと嫌いです」。微笑を浮かべながら言うれいかさんに恐ろしさを感じます。きっとこの子は笑顔で人の一番痛いと思っていることを言えるタイプ。息を吸って毒を吐く。共感を覚えます(職場でよく腹黒、毒吐きと言われる)。
 「な~んて嘘で~す
 「嘘ってことはその反対で、つまり大好きってことだよ


④次回予告
 父「働きたくないでござる、働きたくないでござる」


○トピック
 やよいちゃんのリコーダー舐めました!
 って私が言っても嘘だと誰も信じてくれなくて次の日から「ペロリスト」と白眼視されそうです。日曜日の朝からこんなどうしようもない感想を書いている人生が嘘であって欲しい。

 エイプリルフールに限らず、人を驚かせるのが好きで嘘を吐くとか、尊敬を集めたいがために虚栄をはる人は居ます。そういう人はいずれ狼少年的になって人から愛想つかれたり尊敬されなくなります。やよいが自責の念を強めていく姿は、嘘が段々一人歩きをしていった経験がある人には耳の痛い話しでしょう。夏休みの宿題や虫歯と同じように早めにやっておけば大したことはないのに、ずるずると引き延ばして自爆するのは自業自得とも言えます。
 日本でよく伝わっている狼少年は嘘を吐いた結果狼に食べられてしまいます(あるいは酷い目に遭う)。そこから嘘を吐いてはいけないという教訓が得られがちですが、原典では羊が食べられるのだそうです。で、その場合だと違う教訓が得られます。つまり嘘だろうと甘い判断をした結果村の財産である羊を失ってしまうのだとしたら、たとえ突拍子もないこと、嘘だと思えても最悪のケースを考えて常に備えておかねばならない、という教訓です。これはとある小説からの受け売りですが面白い解釈だと思います。
 今回のエピソードが嘘だと分かってチャンチャンで終わるならなんてこともない話しなのですが、プリキュアらしいと思うのは嘘を通じて友情や絆が再発見されていることです。イタズラ心で嘘を吐いたやよいの言葉をみゆき達は真剣に受け取っています。彼女達の姿は早合点しているので喜劇的に見えますが、もし転校が本当だったとしても同じことをしたはずです。みゆき達の思い遣り、クラスメイト達の結束、ピースに話す時のハッピーの態度、そしてやよいと今後も一緒に居られると知った時の喜び、彼女達の行動は嘘ではありません。今回の話しから教訓を得るとすれば「誠実であるべし」だと思います。みゆき達の誠実さはそのままやよいへの信頼や感謝を表わします。誠実に謝ったからこそみんなも嘘を受け入れることができる(元々やよいは人望があるのでしょう)。取り越し苦労だったとしてもその結果生まれるものもあります。きっとやよいは今まで以上にみゆき達や級友に親しみと思い遣りを感じることでしょう。また同時にみゆき達にとってもやよいの存在を改めることが出来たと思います。

 バッドなことが起きても、それがある種のチャンスやキッカケになって今まで見えていなかった事柄が浮き彫りになったり、ハッピーへと転じるエピソードはプリキュアでお馴染みです。「ピンチをチャンスに」はプリキュアの優れたバイタリティの証左でありますが無論渦中に居る人にとっては苦痛です。この苦痛の部分を誠実に描くことで物語の説得力が生まれます。プリキュアから感じる泥臭さ、青臭さはそこから発しています。心地よいだけ、楽しいだけ、幸せだけを描く物語は決して真の幸せの物語にはならない。悲しみを見ない振りをするのは幸せとは言えない、と言ったのは前作スイートでした。今作スマイルはどのように笑顔やハッピーを提示していくのか楽しみです。
[ 2013年05月22日 21:22 ] カテゴリ:スマイルプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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