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第37話「ワクワク!ハロウィンでみんな変身ニャ!」

○今週の出来事
①アコの使命感
 マイナーランドではリーダーの座を巡ってバスドラとバリトンが毎度恒例のケンカ。するとファルセットが彼らの自由を奪って一方的に自分がリーダーだと告げます。ノイズが彼を配下として選んだのか、元々ノイズを復活させようと企んでいたのかは分りませんが、もはやトリオとしての関係は崩れました。
 ふたりにノイズの力を与え異形化させます。もうほとんど化け物。バリトンは泣き崩れます。泣いちゃったじゃないかよ、と抗議するバスドラ。ケンカはするけどこういうときは温情的。子どものケンカみたいなもんか。口答えしたバスドラは突然風船のように膨らみ出します。完全にファルセットの支配下に置かれています。
 ファルセットが座っていた玉座の頭上に化石が埋め込まれた石版が現れます。ノイズが封じられた石版です。


 調べの館で音吉さんが説明。
 ノイズとは全宇宙の悲しみが集まって生み出された究極の悪。全ての美しい音楽を怨みメイジャーランドも人間界も音楽の無い世界にしようと企んでいる。以前メイジャーに現れた時に音吉さんが封じ込めました。つえぇぇ。プリキュアのご老人は最強ポジション。
 僅かに残った力で姿を消し、人を操って不幸のメロディを完成させてそのエネルギーで復活する気のようです。ハミィとフェアリートーンは焼き鳥や手羽先を食べながらその話し聴き入ります。緊張感無いっスね。音吉さんが作っていたパイプオルガンは聖なる音を持った対ノイズ兵器ということのようです。
 ということで、対立関係の図式を更新。メイジャー・人間界含めたプリキュアVSノイズとなります。話しの流れからもう音符を集めて幸福のメロディを奏でようという目的が忘れられていそうな感じですが、実際必要ありません。この手の収集物は敵に使われるためにあります。ここのポイントはノイズが悲しみの存在だということです。

 話しを聞いていたメフィストが声をかけます。彼はすでにメイジャーに戻っています。メフィストが今回の一件を謝罪すると音吉さんは悔いてもしょうがない、これからどうするかだと建設的な態度で彼を受け入れます。メフィストはメイジャーランドをノイズの脅威から命を賭けても守ると語気を強くして言い放ちます。おお、国王っぽい。隣に居たアフロディテは操られる前より国王らしくなったと笑います。父の威厳を保った表情を見てアコは微笑みます。この辺は映画も参照するとより分りやすいでしょう。彼女の父親に対する信頼(愛情とはまた別の問題)は回復しています。
 アコはパパ、と呼びかけます。するとメフィストはパパはもう大丈夫だよ、とさっきと打って変わったひょうきんな声で答えます。その様子にちょっと引くアコ。前言撤回、やっぱダメだわ。
 メフィストのメイジャーへ帰っておいでとの呼びかけをアコは断ります。メイジャーランドの姫だけどプリキュアでもある。引き留めようとするメフィストをアフロディテは止めます。心配しないで、と気丈なアコ。響達も私達がついていると彼女の肩を持ちます。メフィストは改まって響さん、奏さん、セイレーンさん、と呼びかけると土下座してこれまでのことを詫びて娘を託します。しきりに可愛いアコ、可愛い可愛いと連呼し続けます。実際可愛いのは判るが親ばかにもほどがある。アコは顔を真っ赤にします。響達は彼の頼みを引き受けます。メフィストが優しい父親だと再認識。
 本編と映画とで若干の差異はありますが、映画は36話と37話の間のエピソードに相当します。そこでアコは人間界に残ることを決意するのですが、流石にそこをまるまる本編で省くわけにはいかないでしょうからこういう形になっているようです。


 街に出るとハロウィンの飾り付けで商店街は盛り上がっています。響や奏は街の様子にウキウキします。しかしアコは感情を表に出しません。響は肉屋のおばちゃんの手伝いを申し出ます。奏も話しに乗って結局みんなで夕方までお手伝い。
 響は明日が楽しみだね、可愛いアコ♪と半分からかいながら話しかけます。しかしアコは冷静な態度でこんなことより音符集めの方が大事だと言います。彼女の責任感や使命感が見て取れる発言です。音符集めもすると付け足す響に素っ気ない態度を返します。
 アコはハロウィンに興味ないのかと訝る響。セイレーンは真面目なのだとフォローします。アコの表情は真剣で、それ故に余裕がない。


②お姫様
 ハロウィン当日。奏の家で着付け。ドレス姿のアコに響とセイレーンは目を輝かせます。正真正銘お姫様。奏!なによこれ!と抗議するアコ。アコがなんて呼ぶか気になっていたのですがプリキュア内ではみんな呼び捨てのようです。可愛い~♪と恍惚の表情を浮かべる奏。聞いちゃいねぇ。絶対自分の趣味でやってる。きっと響との間に娘が生まれたらこんな感じで着飾りたいとか思ってるはず。女の子同士じゃ子どもできないけどそんなの奏に関係ねぇ。
 仮装する気がないアコを「いいじゃない姫様」とセイレーンは誘います。頬を赤らめてアコは彼女を見ます。ナイス表情。東堂いづみ先生の黄色への並ならぬ情熱が伝わってきます。アコはセイレーンに姫様はやめてと頼みます。ハミィに促されたセイレーンが照れながら「行きましょうアコ」と呼びかけるとアコは「嫌っ」とむくれます。何しても可愛いな、この子。
 最近キャラが変わったかと思いましたが、本来の調子が戻ってきたようです。ちょっと背伸びした感じがいかにも子どもらしい。精神的に早熟なのでしょう。彼女の場合、環境が環境でしたが。

 街では仮装した人々で大賑わい。吸血鬼の格好をした奏太はアコを見て唖然とします。いつもと全然違うと見とれる奏太に、アコは恥ずかしさを隠すように無理矢理着せられたと癇癪を起こします。本物のお姫様みたいでしょう?というセイレーンに素直にうんと答える奏太。奏はアコの可愛らしさに驚いちゃったのね、とからかいます。敬語で受け答えするあたり図星なのでしょう。響も話しに乗って冷やかします。ちなみに言い忘れましたが、響は海賊の格好、奏はカボチャの魔女(?)、セイレーンはネコの格好です。メイジャー組は本職そのまんまじゃねーかよ。
 響がアコに話しかけるとアコは照れてその場を離れます。アコが可愛すぎて生きるのが辛い。アコの様子を見て響は可愛いと評します。奏も生意気な妹が出来た感じと印象を言います。妹と聞いてセイレーンも感慨深げにその言葉を呟きます。これまでのプリキュアでは同年代(中学生)同士の関係がメインだったのでこうした年齢差を感じさせる態度は新鮮です。視聴者的には自分と響達を重ねて妹を見る感じでも良いし、アコに重ねてお姉さんを見る感じでもいけそうです。

 人気の無いところに来ると、アコはスカートを少し持ち上げて意味分かんない…と呟きます。こんな事している場合じゃないでしょ、という気持ちもあるのでしょう。
 昨日のおばちゃんがアコを見つけてキャンディをお裾分します。アコが断ろうとすると笑顔になれるキャンディよと再び勧めます。笑顔?と聞き返すアコにおばちゃんは今日はそういう日、みんなで準備してみんなで笑顔になる、素敵じゃない。だからアコちゃんも笑って頂戴と語ります。響達が伝えるのではなく、普通の人、昨日お手伝いしたおばちゃんから語られるのは面白い。
 アコはキャンディを頬張ります。するとアコより小さい子ども達がお姫様を泣かせようとやってきます。あっけにとられていたアコはすぐにお化けなんて怖くない、といつもの小生意気な口調で言い返します。すると今度は王子様の格好をした子どもが姫に手を出させないとアコを庇います。王子の少年はアコの手を引いて逃げていきます。アコもまんざらではないのか微笑み返して身を任せます。
 アコを探していた響はアコが子ども達と遊んでいるのを見て安心します。響達からお人形さん扱いされるよりは、こっちの方が彼女にとって打ち解けやすいでしょう。


③4人の組曲
 アコは音符を見つけて立ち止まります。同時にファルセットと愉快な仲間達が現れます。バスドラとバリトンを見て変な仮装…と呟くアコ。ふたりは仮装じゃねーよ!と抗議します。特にバリトンは泣いています。なんかもう色々大変だなこの人達も。
 ファルセットはネガトーンを召喚。音波攻撃で街の人々を苦しめます。腕の中で嘆く少年を撫でて安心させようとしているアコの動きが細かい。子どものあやし方知っているようです。

 駆けつけた響にアコは響!と呼びかけます。4人同時変身。セイレーンさん、その予備動作いらないですよね?
 ついにスイートプリキュア変身バンクが完成。てっきり響達のようにアコも一時静止して布を巻き付けるシーンがあるのかと思っていましたがスルーされました。おのれ!東堂いづみ謀ったな!
 ドレミファソラシド♪と奏でて整列。ミューズの位置がメロディとリズムの間ですが、決してふたりの子どもではありません。念のため。
 「届け!4人の組曲! スイート!プリキュア!

 単身ミューズが速攻するも反撃にあいます。メロディ達も苦戦。ネガトーンが強化されているようです。
 ミューズはモジューレを構えてシリーを呼びます。ようやくシリーが日の目を浴びます。
 「シ、の音符のシャイニングメロディ!
 モジューレを吹くとミューズは分身。ネガトーンを囲みます。モジューレから光を飛すと分身達が反射してネガトーンを囲む五芒星を作り出します。
 「プリキュア・シャイニングサークル!
 結界を発生させてネガトーンを攻撃。要するに一人グランドフィナーレ。意外にもミューズは攻撃系キャラなのか。
 しかし結界は破壊されてしまいます。吹っ飛ばされて倒れるミューズを心配してメロディ達が駆け寄ります。ミューズは一人ででも倒す!と闘志をむき出しにします。
 それを聞いたメロディは悲しそうな瞳を浮かべ息を飲みます。メロディはミューズの頬を掴むとキャンディを咥えさせます。笑顔になれるキャンディ。穏やかな、優しい声で言います。
 「ミューズ、もう独りで頑張らなくていいんだよ。私達は4人いる。4人で一緒にみんなの笑顔を守ろう。そして一緒に笑おう
 幾多の経験が彼女の心を育んでいる。

 4人でクレッシェンドトーン召喚。特に何が変わるというわけではないのですがアンサンブルの名にクレッシェンドが付きます。必殺の一撃。が、ファルセットが不幸のメロディを奏でたことで技が相殺されてします。調べの館に居た音吉さんはこの歌がノイズの復活を早めると危惧します。
 それなら、と直接本体を攻撃。パッショナートハーモニーでファルセットの歌を止めます。隙をついてミューズの必殺技が発動。
 「おいでシリー!
 「シ、の音符のシャイニングメロディ!
 「プリキュア!スパークリングシャワー!
 大量に発生させたシャボン玉を音符に見立てて飛ばします。要するにレモネードフラッシュ。映画でも使われた技ですが、これが正式バンク。
 モジューレを手のひらの上に浮かべながら三拍子。子どもらしい可憐さと姫としての気品、威厳を漂わせて「フィナーレ!
 このスタッフどんだけ黄色好きなんだよ。でもそんなプリキュアが私は大好きです。

 前作のムーンライトもそうでしたが、新商品を使わず既存の玩具で遊べるのは好印象。ミューズ用のモジューレは発売されていますが基本的には従来品で代替可能。こういう遊びの幅を広げる提示の仕方は面白い。

 感心するメロディ達にミューズは大したことはない、と余裕ぶって答えます。ところがドドリーが本心を暴露。メロディの「おー」の声がツボに入った。頬を赤らめて抗議するミューズ。ドドリーを捕まえようと悪戦苦闘。あざとい流石黄色あざとい。この30分にどれだけの可愛さを詰込む気なんだ。
 まったく、世話の焼ける妹だこと、とメロディ達は暖かく見守ります。


 石版から化石は消失。物語は終盤へ。


④次回予告
 EDの映像は変わらず。映画が先行してミューズ追加バージョンをお披露目しています。
 その小鳥は……よもや。


○トピック
 お菓子をあげるからイタズラさせて下さい!!


 スイートが終わる前に私が社会的に終わりそうです。東堂いづみが悪いんだ!俺をたぶらかそうとするんだ! こんなの正気でいろって方が無理だよ!

 そんな葛藤を抱えながら本題。
 上述しましたが37話は映画の続きとして見ることが出来ます。映画の詳細についてはそちらを参照して頂くとして、今回のエピソードはプリキュア恒例のアフターフォローとなります。セイレーンがプリキュアに加入した後すぐに響達と絆を結ばせたように、アコも響達との絆を結ばせています。
 繰り返し何度か書いていますが、音符を集めて幸福のメロディを完成させることに意味はありません。プリキュアが云う幸せとは人が自ら創りだしていくもの、みんなで創り上げていくものです。ラスボスを倒して全部解決、みんな幸せになりました、なんてことにはなりません。幸福のメロディでみんな幸せになれるのなら苦労しません。また、それでラスボスを倒しても意味がありません。彼女達は彼女達なりの方法で幸せを獲得しなければいけませんし、その幸せこそがラスボスを倒す力になります。音符集めよりハロウィンを楽しむことが優先されているのはそのためです。自らの心に幸せの種がある。これは映画でも主張されています。
 ストーリーの流れとしては、アコの家族関係を回復させた上で響達との関係を築いています。これは家族が引き裂かれて孤独になってしまった少女の救済とも言えます。ノイズに立ち向かうために一人で気負って日常を蔑ろにしたのでは意味がない。ミューズの険しい表情、独りでいいという言葉にメロディが悲しむのはそのためです。人を幸せにしようとする人が怖い顔をして独りで居てはいけないのです。アコもまた幸せがどういうものかを知り、幸せにならなければならない。プリキュアとして戦うということはそういうことです。心の繋がりをメインテーマとしたスイートらしい展開です。


 さて、ラスボスを倒すと書きましたが、そうならなさそうです。予告でも分るように小鳥はノイズの幼体か何かなのでしょう。ノイズは悲しみの権化という扱いを受けており、それ自体悲壮感があります。前作のデューンのような憎悪ならまだしも、悲しみから生まれた暴力を悪と言っていいのかという問題がある。
 メイジャー対マイナーの対立関係からプリキュア対ノイズの関係に整理し直されているのは物語のテーマ拡張と見て良いでしょう。人を操って音楽を消そうとする。分りやすい悪者です。これによってメフィストやファルセット達は免罪符を持てるのですが、それが無くてもこの物語は人の罪や過ちが赦されています。また一緒に楽しく暮せばいいよ、で済む。実際セイレーンがそれをやっています。他者を傷つけて悲しませた者を赦さないというのなら、響と奏も赦されないでしょう。彼女達は結果として互いに了解し合ったから問題にならないのです。つまり対ノイズは罪の大小問題でしかありません。
 ということで、例年通りラスボスとの戦いは物語の本質を示す戦いになるのですが、この物語が何を示すのかは蓋を開けてみるまでわかりません。案外あっさりノイズを倒してしまうのかもしれません。そのときはまたテキトーに理屈をこねましょう(身も蓋もない)。
 プリキュアの最も大事なこと、この物語が1年をかけて、シリーズをかけて提示するのは人の生の価値。プリキュアは苦しみと弱さに喘ぎながらも強く生きんとする人々の物語です。
[ 2013年05月22日 19:31 ] カテゴリ:スイートプリキュア♪ | TB(0) | CM(-)
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