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第10話「ウッホッホー!響先生、幼稚園で大奮闘ニャ♪」

○今週の出来事
①音楽の先生

 ピアノの連弾。ふたりは息をピッタリ合わせて弾き終えます。練習は順調に進んで完成。ふたりの仲も深まり、新商品販促も一息ついたので奏はおつかれさま、と終わりを告げます。響も快く頷いてハイタッチ。案外あっさりしています。せっかくのデートだというのに。いつでもどこでも一緒に居るでしょうから場所を問わないんでしょうけど。

 夕食後、響は皿洗いをしながら父にピアノの練習をやめたことを話します。料理を作るのは苦手だけど片付けはやっているらしい。目的を達したので練習の必要がなくなったと話す響に父は突然ドイツ語で何かを言います。地デジの字幕でも「ドイツ後で話している」と出るだけなので綴りは分かりません。答えは番組終盤。
 父はこれまた突然言い出します。
 「パパと一緒に幼稚園の先生をやらないかい?」
 そういうことですか。番組開始1分で今回のテーマは分かりました。


 ということで奏にもお鉢が回り、付き合わせてごめん…とすまなさそうな顔をする響ですが奏はにこやか。隣には王子先輩。そういうことらしい。分かりやすい。っていうかこの子ちょろい。なんて尻の…いや、単純な子なんだろう。
 幼稚園で練習の様子を見た響と奏は口を開けたまま呆然とします。園児達は好き勝手歌っていて全く協調性がありません。発表会どころではない。ところが響の父は全く気にせず指揮をとります。
 見かねた響がストップをかけます。優しく呼びかける響に園児達は笑って聞く耳を持ちません。奏はビシっと叱るべきだと大声で呼びかけます。お姉さんらしいところです。が、「すごい顔」と笑われてしまいこれまた効果無し。何か言おうとした奏ですが、王子が見ていることに気づいて今度は優しく言い直します。チラチラ王子の方を向いて言うものだから「王子君のことが好きなんだ」とあっさり見抜かれてしまいます。なんて分かりやすい。しかしこれは誤解です。いくらカモフラージュのため王子ファンを装っているとはいえ、変に話しが広がると厄介。それはそうと王子先輩反応薄いなー。大人な反応なのか単に興味がないのか。
 ハミィが来ていることもバレて子ども達が群がります。響に馬になって、と玩具にする園児達。ええい、なんて羨ましい。私も幼稚園に戻りたい。王子先輩も奏も園児達の餌食になります。その様子を何も言わずに見届ける響パパ。「今怒って言うこと聞くと思うかい?」おっしゃるとおり。
 帰り道。疲れたー、と口を揃えて言うふたり。園児の元気っぷりは留まることをしりません。マジで遊ぶと身体が持ちません(ボランティアで幼稚園に行ったことがあるんだけど死にそうになった)。
 あと2週間もないのに今のような状況では絶対に無理だと落ち込むふたり。しかし王子は笑顔でみんなで力を合わせればなんとかなると言います。「そうですよね、王子先輩」奏は瞳を輝かせて同意。変わり身速ぇ。「奏単純…」。まあ、これくらい切り替えが早いとむしろ長所なのかもしれない。


②奏仕事しろ
 街で音符を探すセイレーン。危うく車に轢かれそうになったところを王子が助けます。よかったねクロちゃんとセイレーンを頬ずり。人のぬくもりを感じて有頂天になるセイレーン。「私寂しいんです」オーラが漂っているとおり愛情に飢えているようです。生まれてからこのかた抱っこされたことがにようです。うっとりしてしまいますが我に返って飛び退きます。元気な様子を見て王子は去っていきます。さわやか好青年です。モテるのもしかたない。奏は演技ですが。
 「なにしてるんだ」とバスドラ。声に抑揚がなくちょっと怖い。
 テキトーに言い訳してセイレーンは立ち去ります。「なんだあのザマは。付いていけん」とセイレーンの後ろ姿を見ながら吐き捨てるバスドラ。お笑い担当からポジション替えのようです。

 
 幼稚園の練習は今日も進歩がありません。響はなんでも言うことを聞くからちゃんと歌って、と取引を持ちかけます。マジで!?じゃあ……などと夢見ている内に男児がゴリラのマネをしてとリクエスト。ガッデム!
 ゴリラコール。響パパはいつものスマイルで様子見。娘の醜態を気にしないらしい。決心した響はゴリラのモノマネを始めます。こういうバカを素直に出来るのはある意味凄いことです。
 これには園児達も外で見ていたセイレーンも大笑い。響の熱演も虚しく園児達はアンコール。響パパが引き受けモノマネを始めます。子ども達もマネ始めます。ウッホッホーの声が揃います。これはこれでハーモニー。気をよくした響も再びやり始めます。誘われた奏は無理と遠慮。まあ、こういうのが出来る子ではないだろうなぁ。いつの間にか王子先輩もモノマネを始めています。地味にこの先輩は凄い人です。
 結局、あのままゴリラダンスが続いたようです。うなだれる響と奏。


 野球の試合。助っ人で入る響の制球は今ひとつ。ゴリラダンス疲れのようです。チームの青い髪の娘が気にかけます。1話でも出てきた子です。その時はサッカーをしていましたがこの子もフリーランスなんだろうか。響が困っているときはいつでも助けると言葉をかけます。これは奏のライバル出現です。

 今日も合わない歌声。響と奏は真剣な声でバラバラのままじゃ絶対つまらない想い出になると言います。俯く園児達。そうは言っても具体的にタイミングを取るのは難しそうです。
 アレ行こう、と何かを思いつく響。ゴリラの口まねをしながらピアノの伴奏に合わせて歌います。これなら子ども達も入りやすい。マネながら響はゴリラからだんだん人間になるよ、と声や動きを統一させていきます。すげぇ。こういう感性や情緒的なところから持って行くのは一種の才能に近い。私のような頭でっかちにはまず不可能。理性が受け付けないだろうし、仮にやろうとしても素の自分にそれをやれるだけのセンスがないから途方に暮れるだけ。子どもをあやしたり、すぐに馴染んで子どもと打ち解けられる人というのは居るし、見たこともあるが見る度に凄いと思う。
 園児達の様子を見ながらセイレーンは自分でも気づかずに彼らを応援しています。その姿を不満そうに見るバスドラ。完全にセイレーンを見限ったようです。


 園児達の練習は進んでいるものの、歌自体はまだまだ下手…とこぼすふたり。
 「誰の歌が下手だって」
 アコと奏太が後ろに居ます。このツーショット多い。奏太マジ勝ち組。アコの歌は下手らしい。それを言おうとした奏太をアコが遮ります。いつもクールな表情を崩さないアコもご立腹。余計なことを言うなと視線で伝えます。
 響はアコも歌が嫌いなんだ、と同意するように言うと「え?好きだよ」と答えが返ってきます。思いがけないことを言われた、というようなアコの表情。下手だからって歌が嫌いとは限らない、と言い残して去っていきます。下手の横好きとも言うしね。
 園児達もそうなのかと思う響と奏。得手不得手ということと、好き嫌いは必ずしも連動しない。ここで一つの示唆が与えられます。


③教えた人達に教えられて
 発表会は無事終了。響達も拍手を贈ります。
 園児達を褒めるふたり。ところが園児達はどこかすっきりしない様子。お歌お終いなの?と訪ねる園児。発表会は終わり練習の目的が達せられた今、歌を歌う理由はありません。しかし園児達からは歌いたいという声があがります。
 戸惑うふたりに微笑みながら王子はピアノを弾くと申し出ます。園児達を引き連れて歌の続き。王子先輩めっちゃ有能です。美形とか関係なしに優秀かつ人格者。勝てる気がしない。
 ドイツ語。「音楽に目的などいらない。音楽は楽しむものだよ」。響パパです。彼の意図はこれを彼女達に知って貰いたかったからでしょう。本当の先生は園児達でした。納得する響と奏。歌は好きなように歌いたいよう歌えば良い。響パパは園児達があんなに歌を好きになれたのは響達のおかげだと、ゴリラのマネをしながら労います。
 
 園児達が響のところにやってきてゴリラの人形を渡します。「ひびき」「かなで」と書いてあります。贈り物を貰ってお礼を返すふたり。

 セイレーンは人形に音符を認めます。同時に王子にも見つかります。またあの時のように抱いて貰えるのかと期待する反面、自分はマイナーランドの歌姫で人間達を不幸のどん底に陥れなければ…と葛藤。
 セイレーンが躊躇っている間にバスドラが現れ響と奏から人形を奪いネガトーン化させます。あ、出来たんだ。
 不幸のメロディで子どもと親達はダウン。そしてやっぱり大丈夫な響パパ。流石です。結局これ気の持ちようなんじゃないのか。

 軽やかにネガトーンを殴るプリキュア。が、取り込まれ捕まってしまいます。メロディは強引にこじ開けると脱出しリズムを救出。戦闘中にメロディとの触れ合いが出来て喜んだリズムはありがとうとお礼を言います。リズムの今週のノルマは達成です。
 ネガトーンは戦法を変えて丸くなって飛び込んできます。力押し。が、メロディも負けず力押し。リズムはタイミングを読んでネガトーンを同士討ちに持ち込みます。もはやこいつらは用済み。リズムのしたたかな計算が光ります。
 必殺技同時発動。並んでベルティエ召喚。一番気になるのはラストのポーズ。メロディの横でリズムは帰るのかと期待しましたがさすがにそれは自粛したのか一緒にフィナーレ。元気溌剌としたメロディとエレガントなリズムが対照的。爆発で耳を押さえるメロディの可愛さは破壊力絶大。

 勝手なことをしたバスドラを呼び止めるセイレーン。しかし返ってきた言葉は「お前はもうリーダーじゃない」
 
 園児達とゴリラのポーズでお別れします。奏も慣れたらしい。
 帰り道。響と奏はお互いを労います。「楽しかった」という奏に頷く響。響はふと何かに気づき、心にその思いを染みこませるように間を置きます。奏に訪ねられ「ううん、なんでも」と答えながらも響は笑いを堪えきれない様子。
 とても繊細で鮮やかで感情豊かなシーンです。素晴らしい。これをすらりと出来るこの作品は本当に素晴らしい。おそらく彼女は父の真意に気づいたのでしょう。下手だから嫌いになるわけでもない。音楽に理由はいらない。楽しむもの。そして今自分がしたいことに気づいたのだと思います。
 「奏、私ね今すっごくピアノが弾きたいの
 「うん、私も同じこと考えてた
 ふたりは手を繋いでピアノを弾きに行きます。

 月の明かりがふたりを照らします。音吉さんはいつものようにパイプオルガンを作っています。この人がここに居て、ふたりを見守っているのは安心感があります。彼女達の結びつきは他者に承認されている。ふたりが奏でる音楽がお互いの気持ちを示し合います。
 月を見上げるセイレーン。彼女の居場所は…。


④次回予告
 紫のフェアリートーンはなんて名前なんだろう。ドからシまですでに埋まっているんだよね。


○トピック
 番組開始10話にしてはじめてケンカらしいケンカをしなかった回。新商品も一通り出そろったし、ふたりの仲が元に戻ったので今回はその纏め。

 響パパは3話のときもそうだけど、音楽は楽しむものだという点で一貫しています。読んで字の如く音楽は本来それ自体を楽しむもの。手段が目的になり得る。「ハーモニーパワーを高めるため」という目的で始めたピアノの連弾は彼女達にとって共通の楽しみとなり、日常の営みの一部となります。彼女達はプリキュアのために仲良くなったわけではないし、プリキュアのために何かをするわけでもありません。仲良くなりたいから、楽しいから自主的にやっていく。わざわざこうしたエピソードを持ってくるのは丁寧ですね。
 また、逆に言えばプリキュアからでも日常へフィードバックすることが出来る証明でもあります。プリキュアがキッカケとなってふたりは繋がったしピアノの練習も始めています。プリキュアもまた日常の一部。これは近年のプリキュアでは顕著に出ている要素です。中学生の日常とプリキュアとしての活動の両面から成長と世界の豊かさを見出していく。


 響の音楽嫌いは父との苦しい想い出が結びついていることが原因と思われますが、今回のエピソードはその想い出を上書きする意味合いがあります。音楽を通して心地よい思い、新しい体験、好きなことを好きな人と出来る喜び、そうした想い出と感情が音楽と結びつく。音楽をやめたあの当時は苦しい思いだったでしょうが、今となっては誤解も解け父の計らいを受け入れ楽しめるようになりつつある。そうした感情の変化、苦しい想い出が美しい想い出に書き換わり得ることは物語の示唆として決して小さくないでしょう。同じ音楽でも見方、タイミング、結びついた記憶で評価は変わる。人間関係も同じです。全ては変化し流転する。過去の事実は変わらなくてもその印象は変わり得る。その心境の変化は自分を変えるキッカケにもなるし、さらには他者にも影響を与えうる。

 セイレーンはおそらくハミィと同郷人なのでマイナーランドの住人のように徹底してマイナー思考なのではないのでしょう。セイレーンの心境に変化が起こりつつあるのは本来の形に戻りつつあるという示唆でもありますが、現状彼女の立場は危うくそのためにバスドラ達とも不仲。かといってメイジャーにも戻れない。響と奏の次に彼女にスポットライトが当たり始めたのも納得がいきます。彼女は響奏よりもちょっと問題が難しい。次回のキュアミューズ登場と合わせて新展開ですね。

 何はともあれ、ドロンジョ様という仮名を使わずに済みそうで一安心。プリキュアに対してちょっとあんまりな呼び名だったので。
[ 2013年05月22日 19:17 ] カテゴリ:スイートプリキュア♪ | TB(0) | CM(-)
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