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第8話「チャララーン!セイレーンのニセ親友大作戦にゃ♪」

○今週の出来事
①密着取材

 柔道部。助っ人で入った響は部長と模擬試合。長い髪が仇となって一本取られてしまいます。「これ使って」と奏は髪留めを差し出します。調理するときに使ってそうです。響はお守りにする、と喜んで受け取ります。なんというラブラブぶり。響の匂いが染みついた髪留めゲットで奏大喜びです。
 正座しながらしたり顔でこれでハーモニーパワーも高まると独り言を言うハミィ。フェアリートーン達も一緒に正座しています。シュールな絵だな。道場の外で作戦を練るセイレーン。仲を引き裂きたいところですがすぐ仲直りしてしまう響と奏に手を焼きます。ケンカしているように見えるのはシチュエーション作りのためなのでなにやったって無駄です。シリーズ最高のバカップルですから。

 映画宣伝仕様OP。OP、中盤戦、終盤と密度が高い映像。相変わらず黄色チームはやりたい放題。えりかの泣き顔は印象強いシーンでした。顔芸担当の彼女の本当の素顔が描かれています。


 授業の宿題で「友達」の作文が出されます。浮かない顔をしていた響ですが先生の「親友」という言葉を聞いて奏の方を見ます。すると奏も同時に響の方を見つめます。とたんに微笑を浮かべるふたり。どんだけ仲いいんだよ。
 どういう物理法則が働いているのか分かりませんが奇抜な体勢で会話を盗み聞きしていたセイレーンはニセ親友大作戦を思いつきます。

 放課後、早速響に友達のことをなんて書くか訪ねる奏。当然私のことよね、という心の声が聞えてきそうです。ところが意に反して「スポーツでしょ」と答えが返ってきます。私じゃないの?と本音を漏らす奏。分かりやすい子です。「私のこと全然分かってないな~奏君」とからかうように言う響。「奏は友達っていうより親友」の言葉に奏は納得します。
 道場の前でお別れ。部活が終わったらスイーツ部に行くからよろしくと言う響にスイーツ製造マシーンじゃない、と返す奏。実際のところ、響のためならどんな労も厭わないと思います。「親友」という言葉を覚えたての子どもみたいに口にしながらじゃれ合うふたりが面白い。
 セイレーンが尾行しながらメモを取ります。器用だなぁ。
 
 髪留めをした響は部長を一本背負い。スポーツ万能という設定は伊達ではないようです。格闘技は見るのもするのも好きと言う響。変装したセイレーンがリサーチします。
 スイーツ部。ケーキの前で悩む響。奏は自分が作ったケーキを当てられたら食べて良いとお題を出します。番組が開始してまだ6分だというのにこのいちゃつきぶり。悩みに悩んだあげくイチゴクリームのケーキを指さします。外れ。自分が好きなケーキを選んだようです。
 下校。道ばたに捨てられた空き缶を見て憤慨。サクラ草が好き。セイレーンの情報収集は着々と進んでいます。途中犬に追いかけられます。情報も集まったので明日決行。それにしても鉛筆とメモ帳を持ちながら二足歩行で逃げる猫を見た犬の飼い主は心底驚いたことでしょう。


②セイレーンの罠
 翌朝、響の前に姿を表わす一人の少女。北条サクラと名乗ります。自分と同じ名字の子を見つけて興味がわく響。道を尋ねるサクラを響は案内します。セイレーンのキャラ作りうめぇ。
 道すがらサクラは事前リサーチを活用して話題を振ります。好みがピタリ一致する相手に響は喜びます。自然と会話も弾みます。サクラは自作自演までして好感度を上げまくります。
 タイミングを見計らって友達になって、とお願い。女優志望かと思うくらいの熱演。才能の無駄使い。セイレーンは普通にちゃんとやればどこでも上手くやれそうな気がする。快く引き受ける響に「まずは第一段階成功」と内心で呟きます。後ろ手に目薬。嘘泣きの定番小道具です。ナキサケーベのマークに似ているのは気のせいです。
 奏を認めて撤退するサクラ。ヒット&アウェイ。あくまでも狙いは響のようです。サクラの後ろ姿を見ながら今の子誰?と訪ねる奏。響の友好関係はきっちり把握しておかなければなりません。

 放課後、奏とテレビの話しをする響をサクラが掴んで引っ張っていきます。親友は自分一人だけでいて欲しいと無茶なことを言うサクラに響は自然体でサクラも親友、奏も親友でいいじゃないと答えます。たぶん響とセイレーンは似たところがあります。友達(他者との繋がり)に対して、響は少々ナイーブなところがありますが肯定的な信頼感を持っています。セイレーンは否定的な色が見えますがおそらく失望や不信感から来ているように見えます。それは満たされていないことの裏返しでもあります。
 一時撤退するサクラ。本格派の演技です。奏が響に訪ねると「モテル女はつらいですな~」とおちゃらけます。二股ですか。サクラは作戦を変更して強攻策に出ます。

 夜。電話に出る響…って、なんじゃその電話BOX。家の中になんでそんなゴツイのがあるんだ。相手は奏の声。突然親友打ち切りを言い出します。セイレーンの演技。声まで真似られるって便利です。人に化けられるなど高スペック。一方的に親友関係を打ち切ったあげく、友達もやめたいと言い出す奏に響も腹を立て始めます。自分のことを悪し様に言うと響はサクラはとっても良い子だと弁護します。思わぬ反応に一瞬動揺しますが、ひっかかったとばかりに一方的に話しを終わらせます。案の定響は奏に立腹。
 サクラはエレンに、セイレーンに姿を変えていきます。脳裏に響く響の言葉に足を止めるセイレーン。全てを映し出すように月明かりがセイレーンの姿を照らし続けます。


③攻略していたと思っていたら攻略されていた
 翌朝。奏はいつものように響に挨拶します。しかし返事が返ってきません。響は奏を無視するように歩き続けます。もう一度近づいて声をかけようとすると響は歩調を早めて逃れます。響は昨晩の電話の内容を話しながら奏と距離を取ります。何のことだか話しが見えない奏。電話のことを話されると破綻してしまうためサクラがふたりの間に割って入ります。健気な友達を装うサクラに響は胸打たれます。傍目にはかなり媚び媚びというか、何か下心でもあるんじゃないかと思える態度ですが根が優しい響はすっかりサクラの言うことを信じて優しい言葉をかけます。親友と言われて嬉しいと答えるサクラの瞳には涙が溢れています。サクラはそんな自分に驚きます。
 響は奏に髪留めを返すとサクラの手を引いて去っていきます。呆然とその場の残る奏。どう見ても痴情のもつれです。本当にありがとうございました。

 サクラは瞳を輝かせて「本当に親友できたー!」と喜びます。分かりやすい反応ですが間違い無く本心です。うっかり目的を見失うところでしたが初心に返ります。
 慌てて柔道部の部長が欠員が出たとやってきます。試合は今日。サクラが柔道やっていたことを思い出して響は頭を下げます。断りかけて響がガッカリする姿を見て思わず引き受けます。喜ぶ響に抱きつかれサクラは慣れない感覚に戸惑います。
 ふたりの様子を遠目に見る奏。突然の急変に彼女の心は…。


 試合が始まります。引き受けたものの柔道を知らないサクラはあっと言う間に床に叩きつけられます。その様子に呆然とする響達。

 人の居ない教室で独り髪留めをいじる奏。奏からすれば響に一方的に関係を打ち切られたようなものです。昨日まで親友と言い合っていた相手は違う子と仲良くなって見せつけられる始末。2話のときに感じていた響と同じような立場です。自分が軽んじられ、意思疎通すら満足にできない状況。しかし彼女の脳裏にこだまするのは響の「お守りにするから」の声。奏は動きます。
 無人の教室。ここにはもう孤独な少女は居ない。


 道場に駆けつける奏。試合は大将戦。響が戦っています。
 執拗に足払いをしてくる相手。明らかに痛めつけるのが目的。隙を突かれ技あり判定。立ち上がろうとしても足が痛みます。サクラは棄権しようと申し出ます。その言葉に不安の色を浮かべる響。
 「響はやりたいんだよね
 奏が代弁します。奏は響の顔を見ずに包帯を巻きながら卑劣な相手に響は負けたくないんだよね、と念を押すよう言います。うん、と素直に答える響。サクラが割って入ります。試合を辞退させるのが友達だと言うサクラに、奏は自分が知っている響はこのくらいで諦めたりしないし諦めたら後悔すると断言します。友達でもないあなたに何が分かる?と言うサクラの言葉に取り合わず、奏は響を見つめながら決めるのは響だと言います。
 「私、やるよ
 響は立ち上がります。足の痛みに頬と髪を引っ張って我慢。奏はお守りを渡します。響はお礼も詫びの言葉も言わずただ一言「ここで決めなきゃ女がすたる」とだけ返します。その返事に奏は頷きます。

 試合再開。足の痛みに体勢を崩しかけますが、奏の声に応えるように響は踏ん張って投げ返します。一本。
 「奏~痛いよ~
 子どものような泣き顔で言う響を奏達が取り囲みます。サクラは独り輪から外れて感動している自分に気づきます。「でも、あたしもこの二人みたいな親友が…」
 「やっぱり親友とはいいもんだニャ~」
 お前が言うか!と即ツッコミを入れるセイレーン。間違い無くハミィとの間になんかあったな。
 正体がバレそうになって逃げ出すサクラを奏と響は追います。「セイレーン!」と呼び止める響。彼女は全て嘘だと知り悲しみます。「サクラのことホントの親友だと思ったのに!」その言葉に息をのむセイレーン。響は自分が騙された憤りや奏との仲を引き裂こうとしたことより、友達を失ったことを嘆いています。バカみたい…と泣く響を奏は支えます。
 髪留めに音符があるのを発見するハミィ。同時にトリオが現れ指さします。セイレーンはネガトーンを召喚。


④武器(新商品)を持たない人は前座です
 セイレーンの卑劣な行為に憤る響と奏。相変わらず顔近い。

 足を痛めているメロディは動きが鈍ります。セイレーンは射撃技を放ってきます。そんなこともできるんだ。メロディを庇うリズム。どさくさに紛れて抱きつくリズムの抜け目の無さにもはや驚きもしません。
 リズムが任せて、と単独で引き受けます。セイレーンの射撃を弾くと流れ弾がネガトーンに当たって体勢を崩します。チャンス。メロディが決めます。ネガトーン何もしてねぇ。そしてふたりの友情も新商品アピールという目的の前には無力。名より実。

 体勢を崩して倒れたメロディはリズムに髪留めを返しながら謝ります。気負うでもなく、さりとてちょっと居心地が悪そうな感じのメロディ。セイレーンの策略とはいえ奏を一方的に冷たくしたのは苦しいところです。リズムは気にすることなく髪留めを受け取ります。

 作文を読む響。名は出しませんが奏の事を親友と呼びながら感謝の言葉を贈ります。優しさには感謝で、信頼には信頼で返す響は素直で優しい子です。
 奏が作文を読み上げます。
 「私の友達は、スイーツです
 「なにそれ!?
 机に突っ伏す響。めちゃ可愛い。流石奏さん。クラス中にバカップルぶりを披露するこのふたりは本物です。


⑤次回予告
 どっかの青い人を思い浮かべてしまう展開。新商品実戦配備!


○トピック
 バカップルぶりにさらに磨きがかかった響と奏の信頼が試される回。

 ふたりが築き上げてきた信頼が真っ直ぐに発揮。思い込みや勘違い、相手の反応にばかり気を取られて疑心暗鬼になっていたのはもはや過去のこと。二股をかけたあげく自分を見限ったように見えた響にそれでも向き合う奏の信頼感はハンパねぇ。これが正妻の余裕なのか…という冗談は置くとしても、奏の強い意思が良い意味で発揮されています。
 趣味が合う、優しい言葉をかけることでアプローチするセイレーンとは対照的に、奏は響の自主性を重んじています。響が何を考え何がしたいのか分かった上で彼女が力を出せるように助力しています。響に見直して貰いたいとかの下心なしに響を信じ力になろうとし、それを真っ直ぐに伝えた奏の意思は美しい。そこには自分の都合を押しつけるような独りよがりも、相手の反応を試すかのような疑心もありません。そんな奏に響がどれほど心安らぎ、勇気付けられたかは言うまでもないでしょう。その信頼に応えています。サクラの作戦が上手くいってふたりがバラバラになったように見えても、培った信頼が失われない限りその関係は失われないことが示されています。今まで響と奏は言葉や行動など分かりやすい形でお互いの信頼や仲の良さを測ってきましたが、ふたりで育んだ信頼は根深くふたりを繋ぐに至っています。

 噛ませ犬(猫)感が漂っているセイレーンですが、セイレーンのやり方をダメと言っていないところは地味に好感が持てます。今回セイレーンがやったことは好みを合わせて響が気に入るようにし、優しい言葉をかけるというものでした。また独占欲を示すことで響自身の重要感を刺激して興味を抱かせています(人は自分が頼りにされたり認められると嬉しく感じるものです)。大抵このパターンは深い信頼と対比されるところですが、響はサクラに親友としての情を感じていたんですね。セイレーンのやり方もありだし、話しや好み、好意を向けてくる相手が居るというのはやっぱり良いことなんです。実際親しくなりやすいのは趣味や考えが共通する相手です。響と奏が示しているのは信頼であり、相手への思い遣りであって矛盾するものではありません。趣味や考えが合う人との付き合いが長くなればそうした信頼に発展することは大いにあり得ます。現に罠にかけようとしていたセイレーン自身が響との関係を快いものだと感じ始めていました。


 響と奏の関係性とは独立して、セイレーンの話しもちょっと進行。彼女とハミィは元々友達のようでしたが今は疎遠になっている様子。設定上は去年まで歌姫だったのにハミィにその座を奪われたのが影響しているように思えますが、その辺はまだ本編では語られていません。彼女は友達に対して嫌悪しているわけではなく不信感があるように見えます。おそらくは失望や不満が裏返って八つ当たり気味になっているのだと思われます。彼女も友情や他者との繋がりを求める気持ちがあるし、それを理解する心も持っている。


 スイートの物語が人間の関係性に焦点を当てているのは明らかですが、それが物語全体の構造にも反映されています。メイジャーとマイナーは音楽の長調と短調から来ていると想像できます。ということはこの関係は善と悪のような対極的な関係ではなく、在り方の多様性を示している。長調だけでは音楽は不完全でしょう。長調と短調があって、それぞれに有効な使い方、使い時があって音楽という大きなものが表現される。人間関係も同じように相補性、互恵性、あるいは個人的な繋がりはなくとも社会的な繋がり、もっと言ってしまえば全くの無関係もまた関係性として存在します。そうしたものが混在しながらも社会は成り立っているし、人は日々を暮らし人生が紡がれている。それをこの物語はどう表現し、提示していくのか楽しみです。この物語もまた人の在り様を示してくれると信じています。
[ 2013年05月22日 19:17 ] カテゴリ:スイートプリキュア♪ | TB(0) | CM(-)
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