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第36話「みんなが主役!わたしたちのステージです!!」

○今週の出来事
①明堂学園祭

 いよいよ学園祭開催。校内には屋台がズラリと並び、生徒達の家族も来場。
 焼きそばを食べる三浦君や怪獣の着ぐるみと格闘するよしと君。相変わらずカンフーやっているようです。チラシを部員と一緒に見るさやかの姿も見られます。番君のプリキュア漫画もコスプレした女子生徒の売り子が手伝ってお客さんにお披露目。これなんて同人即売会? 評判は上々のようで男女問わず人が来ています。ついでに番君のお母さんも売り子やってたり。息子の漫画を理解しない親も面倒だけど理解しすぎる親も面倒かもしれない。
 写真同好会では展示された写真への賛辞の声があがります。それにうっとり満足なかなえ。西原君も見に来ています。彼は以前かなえとちょっと揉めたことがあったんですが、その後は悪くないようです。
 映画研究部も無事上映を行うことができました。園芸部のアヤは大泣き。その隣にいるあずさは微妙な表情。奥にいる女子生徒は引きぎみ。男子生徒は見入っています。…人を選ぶ映画のようです。
 ステージ会場の方では軽音楽部が準備を進めています。しかし彩と真由は舞台裏でガクガク震えています。
 ファッション部では最後の仕上げ。それぞれ時間に追われながら緊張した面持ち。つぼみは東奔西走。慌ただしい。ずっこけてしまいます。散らばった服を慌てて片付けるつぼみ。どう見てもパニック状態。それを見たえりかは緊張してるの?と声をかけます。つぼみの肩に腕を回しながら「ここまで来たらやるだけっしょ、緊張なんてするだけソンソン♪ ね?」とお気楽。前回の準備ではえりかの方が緊張していましたが、どうやらこの娘は本番には強いらしい。良い意味で腹を括れるタイプなのかも。

 つぼみ達のクラスの催し物は大正浪漫風の喫茶店。前回えりかの考案により可愛らしくアレンジされたエプロンを着けたつぼみが給仕します。やべぇ、可愛すぎる。ファッションショーの服より可愛いってどういうことなんだ。これで出ればいいんじゃないかな。私の「つぼみフォルダ」はさらに充実の一途。さりげにななみも似合っています。
 つぼみの前には両親達。早速流之介はシャッターを切ります。あとで売って下さい。顔を真っ赤にして驚くつぼみ。えりかも来ているとは知らなかったようです。店を休んで娘の晴れ舞台を見に来たと言います。そう言われて照れて頷くつぼみ。流之介は娘達の格好に興奮を隠せません。足下、胸、お尻をチェックしながら連続シャッター。もはや変態の領域。警察呼べ。写真は私が没収する。店内撮影はご遠慮下さいとえりかは変態親父を制します。

 いつきがクラスにやってきて午後のスケジュールが決まったと話します。プログラムを見せようとした矢先、教室の中に家族みんなが居ることに気づきます。厳太郞さんあんた理事長なのになにやってんだ。お父さんは初の登場。さつきに励まされたいつきは毒気を抜かれたように惚けます。ニヤニヤそれを見るつぼみとえりか。
 えりかはプログラムを見て驚きます。ファッション部が最後の催し物。つまりフィナーレ。改めて言ういつきにふたりは同時に絶叫。


②トラブル発生
 舞台会場にやってくるつぼみ達。つぼみは緊張でガタガタ震えています。例年は軽音楽部がトリを務めているようですが今回はファッション部になったようです。高等部(ももかやゆり)の都合か、厳太郎さんがいつきの晴れ舞台が最後に決まってるだろと言い出したのか真相は闇の中。
 テンションを上げて燃えるえりか。ある意味最高の舞台設定なわけでこれを活かさない手はありません。何が何でもファッションショーを成功させる!と意気込みます。いつきもえりかの手を掴んで最高のファッションショーにしたいと同意。…なにこのイケメン。えりかは不敵に笑って応えます。お前らこの番組をなんだと思ってる。……いや、まあ、こういう番組か。ふたりの熱気に煽られつぼみの瞳にも炎が宿ります。
 「あっ」と勢いを止めるえりか。軽音楽部が自分たちのせいで嫌な思いをしているんじゃないか?と気を回します。お、そこに気がつくとは。いつきも同様に考えていたようで今から話しをしてくると言います。行事全体に関わるプログラムなのでそう決まったんだからいいだろ、と言ってしまえばそれまでですが、感情的な問題をおろそかにすると後で揉めたり禍根を残す場合があるので根回しやフォローは大事です。世の中には自分の感情を差し挟まずに仕事を遂行するタイプの人(私はこれ)がいますが、それとは対照的に私情を挟みまくってやる人も居ます。どちらも一長一短ありますが、自分の視点だけで大きな仕事を進めようとするとギクシャクしたりします。
 いつきについて行くとえりか。一人遅れて燃えているつぼみも同行します。

 部室の前まで行くと中から大声で言い争う声が聞こえてきます。出来ないと言う彩と真由に「こうなったら…」と男子生徒。「やめてー」と悲鳴。これは日曜朝から放送できない展開か!? 急いでいつきは扉を開けて制止の声をあげます。
 土下座で「頼む!」。
 「ごめんなさい!」即お断り。
 シュールだなぁ。
 彩と真由は部室を出て行ってしまいます。呆気に取られるつぼみ達。男子生徒の「くそ!」という叫び声で我に返ります。バッドタイミングという部員に思わず謝るつぼみ。
 どうやらボーカルの彩と真由が歌えないと言い出したようです。今年はファッションショーにももかが来るので人が多く来るため怖じ気づいたと説明する男子部員達。確かにももかなら中等部以外に高等部、その他ファンも集まりそうです。
 えりかは申し訳なさそうにそのファッション部の部長だと名乗ります。ファッション部としてはグッドアイデアでしたが思わぬアクシデントが発生してしまいました。いつきはさらに今回ファッション部が演目の最後になったと教えます。色々とごめんなさいと謝るえりか。彼女の良いところは突っ走ってしまう素直さがそのまま人への思いやりにも出るところです。彼女は気が回りさえすれば素直で屈託のない明るさをみんなに振りまくことが出来る。
 男子部員は気を悪くしたそぶりもなく、見てくれる人は多い方が良いに決まっていると答えます。「見つけだして必ず連れ戻す。彩と真由がいなきゃ意味がねえ。俺達はあいつらとステージで魂を燃やしてぇんだ!」 青春だねぇ。

 軽音楽を後にして、つぼみは自分達も彩達を探そうと提案します。ふたりは頷きます。そうこなくては。

 今週はコブラージャさんの出番です。


③逃避
 彩と真由を再び説得する男子部員。ステージで待っていると伝えますが彼女達はまた去っていきます。様子を見るつぼみ達。一筋縄ではいかなさそうです。
 屋上にやってきた彩と真由の肩に手を置いてえりかは「本当にこのままでいいの? 後悔しない?」と投げかけます。
 えりかは屈託のない笑みを浮かべて、大丈夫一人じゃないと言います。その言葉につぼみはハッとして、嬉しそうな優しい表情を浮かべます。えりかの優しさと自分が必要とされ見られていると知る喜び。えりかがファッション部を引っ張り、みんながえりかを支えたことを彼女達は知っています。決して一人ではここまでたどり着けなかった。
 つぼみは彩と真由に話しかけます。自分ほステージに上がるのが怖い。でも、自分を信じて支えてくれる仲間がいるから大丈夫だといつきを見ながら言います。いつきも軽音楽のみんなもふたりのことを信じていると励まします。
 

 軽音楽の演奏が始まろうとしていますが、まだボーカルのふたりはステージに姿を現していません。諦めかけたせつな、えりかに押されて彩と真由がステージに姿を現します。音楽が始まります。お、この曲は、なるほどだからこのふたりなのね。
 楽しみにしている客席の人々。しかし大きな不安と緊張でふたりは「やっぱり無理ー!」

 会場が暗転。コブラージャが乱入。ひたすらうぜぇ。スナッキーきめぇ。
 かなえ「ひっこめー」。流石です。みんなの声を代弁してくれました。
 心の花が萎れている彩と真由を使ってデザトリアンを召還。会場が混乱と悲鳴に包み込まれます。そんなわけで、いつの間にかゆりも現場に到着。4人で変身。元々ブロッサム&マリン、サンシャイン、ムーンライトで独立しているのでごちゃ混ぜになって少し慌ただしい。変身するための尺が足りない分を本編に回せているので一長一短ですが、もう少しスマートにならんもんか。

 颯爽とマリンがデザトリアンを蹴り飛ばして屋外へ強制移動。デザトリアンは下手だと思われるのが怖いと叫びます。空中に現れる音符記号。爆発。これは少々厄介な仕掛け。爆発まで若干のラグがあるため回避は可能です。音符を踏み台にして接近するムーンライトに無数の音符がとりついて爆発。しかしサンシャインがすかさずガード。接近してムーンライトがキック。ブロッサムも追加で上空から拳を打ち込みます。
 歌いたいけど歌えないと嘆くデザトリアン。すでにボロボロです。プリキュアが4人、というか、ムーンライトがいるため戦力的には過剰なくらいです。彩と真由の心をと励ますプリキュア。しかし彼女達の心は頑なです。
 コブラージャがブレスレットの力を使って強化。強力な攻撃でプリキュアを翻弄します。ムーンライト以外は。高速移動でデザトリアンを攻撃。やっぱこの人の強さは歪みねぇ。もうそのままトドメさしていいんじゃないかな。
 コブラージャは心の花をさらに萎れさせて、力を引き出します。巨大なヘ音記号が空中に描画されます。プリキュアを囲むように落下。が、サンシャインの防御壁で破砕。浄化します。もはやダークブレスレットの存在意義がありません。


④いざ自由な形や色のつぼみを結んでみんな手と手花束を作ろう
 保健室で目を覚ます彩と真由。軽音楽部の面々とつぼみ達が付き添っています。校内放送でファッションショーの案内が流れます。男子部員は先ほどの騒ぎで軽音楽部の時間が無くなってしまったと事情を説明します。少々残念な顔をしつつもまた来年があるからいいさ、と潔い。この人達懐広いなぁ。
 ごめんなさい!と謝る彩と真由。一人じゃない、というのは裏返せば自分の失敗は他にも影響するということです。フォローされる反面フォローされたり、失敗が波及することがある。
 悔しそうに布団を握りしめる彼女達を見たえりかはあることを思いつきます。
 「いきなりですが演出プラン変更します!

 ファッションショーの会場。会場には多くのお客さん達が集まります。
 前回の約束どおりあずさの司会で進行。客席ではサイリウムを持った人々が歓声をあげます。…中学の文化祭のわりに小道具に予算かけてるなぁ。っていうかステージ自体凄いけど。
 軽音楽部の演奏。決意を固めてみんなの信頼に応えるべく再びステージに立つ彩と真由。歌い始めます。上手い。中学生のレベルじゃねぇ。みなさんお気づきだとは思いますが、このボーカルのふたりは池田彩と工藤真由です。つまりプリキュアの主題歌とEDテーマを歌っている本人です。キャラクター名も中の人も同名。粋なネタですね。ここで歌われている曲は「HEART GOES ON」という曲で現時点ではED曲とのカップリングでCDが発売されています。
 先ほどまでの不安や緊張の色を見せることなく生き生きと歌うふたり。その歌をBGMにして衣装に身を包んだつぼみが不安そうにステージを進みます。ファッション部と軽音楽部のコラボ。えりかの機転を利かせた演出です。えりかはつぼみの手を引いて前へと進み出ます。曲とストーリーがマッチしています。
 ボン!と舞台の仕掛けが爆発して紙吹雪が会場を舞います。この予算どっから出てるんだ。紙吹雪に目を奪われながらつぼみは笑顔を取り戻します。客席では両親達が娘達の晴れ舞台を応援。
 つぼみとえりかは変身するときのように背中を合わせてグルグル回転してポーズ。息のあった動き。えりかが突っ走って、つぼみが支えたファッション部。始まりのふたり。
 続々とファッション部のメンバーが花道を進みます。るみは姉のななみの姿を見ると目を輝かせて手を振ります。そして真打ち登場。ももか。会場の歓声は最高潮に。流石に現役モデルだけあってポーズを決めます。可愛い。そのももかと交代するように前に出るゆり。ももかの振った手に応えるようにゆりは視線を返します。いつきも登場。ゆりとツートップ。ふたりとも美人なのは間違いないんだけど、ハンサムと言う方が合っているかもしれない。いつきの家族が見守ります。厳太郎さん意外とノリノリです。
 会場の反応を舞台裏から確認したえりかとつぼみは楽しそうに喜びます。ハイタッチ。お色直しなのかえりかは衣装を着替えています。
 アスターの花言葉は「信じる心」

 ファッションショー第2弾。装いを新たにして部員達はステージに立ちます。つぼみは同じままです。この服は彼女の心境を映したものだからイメージを崩さなかったのかな。
 彩と真由と手を繋いだつぼみとえりかはさらにファッション部のメンバーとも手を繋いでみんなでジャンプ。限りない声援の中、えりかは涙ぐみます。つぼみもまた瞳に涙を浮かべます。相手を見なくてもこのふたりの心は同じです。長くもあっと言う間の日々。えりかに無理矢理誘われ、どうにかこうにか部員を集めて形を成したファッション部は、今大舞台の上に立っている。この声援はももかや軽音楽部によるものでもある。けど同時にそれらをファッション部は繋いでもいる。
 アンコール!の声援に包まれながらファッション部、軽音楽部、ゆりとももかのみんなはこの感動を分かち合います。


⑤次回予告
 新たなる試練。ついに新フォーム解禁か。


○トピック
 素晴らしい最終回でした。東堂いづみ先生の次回作にご期待下さい。ハートキャッチプリキュア!全36話完。…って話数的に打ち切りじゃねーか!(一人ボケツッコミ)

 前回に引き続き学園祭後編。待ちに待ったファッションショーのお披露目。ハートキャッチオールスターと言わんばかりにクラスメイトや両親達が集まってそれぞれの姿や繋がりを見せています。サブタイトルのとおりみんなが主役、ハートキャッチの名のとおりみんなを繋げることでさらに大きな花を咲かせています。1話から地道に咲かせてきた花達のその後の姿が今回の学園祭に凝縮されています。

 もし軽音楽部とのコラボを思いつかなかったら彩と真由は大きな挫折と悔いを残すことになったでしょう。その意味でえりかがやったことは本当に大きな意味を持ちます。彼女達にもう一度チャンスを提示した上に、ファッション部単独では出来なかったであろう大きな感動を起こせたからです。そう、部員同士だけでなく、さらに多く人々と繋がっていること、人を救うことが自分を救うことでもあるのだということがここで提示されています。
 えりかが言う「一人じゃない」は間違い無く彼女の経験と実感に根ざしているでしょう。えりかの言葉を聞いたときのつぼみの反応は29話で林君を庇ったつぼみの姿を見ていたえりかの姿と重なります。あのときえりかはつぼみの成長、強さを見たでしょう。そして今回つぼみはえりかに同様のことを思ったはずです。
 つぼみはえりかの存在によって変わるチャンスを得ました。しかしえりかもまたつぼみにその力や魅力を認められることによって救われてもいます。ファッション部がみんなに新しい体験と喜びを与えたように、みんなの喜びとファッション部の発展がえりかに仲間達と分かち合う喜びを与えています。人は人を救うことで自らも救われる存在です。他者に与えることで他者から与えられるものがある。人に信じて貰えるから勇気が沸く。他者の存在を意識することは引いては自分への自信と動機を肯定することにもなります。

 ファッション部を介してえりかを初め様々な人々はそれぞれに新しい体験、成長を見せてきましたが、そのファッション部と同様に他の部にもそうしたことがあって、その部同士が繋がることでみんなでより大きな可能性を提示しています。今回で言えばえりかの貢献度は大きいですが、その背後には様々な経験と人々の支えがありました。その過程を見逃してはいけません。

 ここで対人関係優先、人の繋がりは良いことだ、人を助けることは良いことだ、というような一般論や道徳を言うつもりは毛頭ありません。私がこの物語を見て、そこに見出すのは、人間の多様な形、良くも悪くも人は社会的な生き物であり一人では存在できないこと、他者の介在があって自己が変容していくものであるということです。人を導くのは人であり、人を成長させるのは人である。そこには苦しいことや傷ついてしまうこともある。時には人が重荷になって人を腐らせ壊し殺すこともある。それと表裏一体に喜びや感動もありうる。当たり前のことですね。その当たり前のことを実感して、自分の意思の中に刻み込んでいくことは容易ではありません。知らず知らずのうちに人は逃げるし忘れるし手前勝手なことをする。それでも忘れることなく時々で良いから他者への感謝と、その他者が自分にしてくれたことを自分が他者にすればいいのだと思います。そうすれば良き恩師が居たように、自分が良き恩師となりうる。それは自他共に可能性と幸せの環を広げることになる。


 人間関係に苦悩し、自分の弱さに嘆いていた人々は自分と他者に向き合い克服していくことで良い方向へと変わっています。つぼみやえりか、いつき、ゆり、クラスメイト達は学園祭でその成果の一端を見せています。みんな充実して笑顔を浮かべている。家族も笑顔で子ども達を見守っています。
 もう半端ないです。ある意味前作フレッシュプリキュアの最終回をこの時点でやっていると言っていいです。っていうか、ふたりから始まった物語がフレッシュ最終回まで来ているという点で6年分のプリキュアを総括しているとも言えます。ふたりが出会い、日々の生活の中で絆を深め合いながら成長していく。さらに新しい出会いと結びつきを生みながらみんなで幸せを作り、小さな幸せが繋がって今回のファッションショーに象徴される大きな幸せへと花開いています。GoGo!の主題歌に「いざ自由な形や色のつぼみを結んでみんな手と手花束を作ろう」という歌詞があるんですが、プリキュアの物語は常にこれを実現しようと進んでいます。プリキュアは長い時間をかけて意思を継ぎながら少しずつ作品そのものを成長させていっている物語なのだと本当に実感します。
 この上まだ残り十数話を残しているわけだからまたさらに昇華する気なのだろうと信じて疑いません。プリキュアはそれをやる。

 人はその弱さを知り認めながらも、それでも諦めることなく幸せを目指し信じて進む強さがあるのだと、そんな人間の姿を肯定するその意志に私は感動し自らもそう在りたいと思います。
[ 2013年05月22日 13:24 ] カテゴリ:ハートキャッチプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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