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第32話「イケメンさんと対決?そんなの聞いてないです~!!」

○今週の出来事
①ハートキャッチミラージュ

 大量のスナッキー達と戦うプリキュア。マント装備。どうやらここは地球ではないようです。地球外でも活動可能ってどんだけ万能なんだ。いくら倒しても次々と現れるスナッキー達にさしものプリキュアも息切れ気味。デューンの攻撃によって変身が解除されてしまいます。心の大樹は枯れ、地球もデューンの手中へと渡ってしまいます。
 というのは夢で、お婆ちゃんは「つぼみ…つぼみ…」とうなされています。つぼみが呼びかけて目を覚まします。つぼみを安心させるようにつぼみの顔を見たら忘れちゃったと平静を装うお婆ちゃん。私も現実を忘れてつぼみのことだけ考えていたいです。
 お婆ちゃんはつぼみの頭をなでながら、孫の成長を喜びます。しかしそれは何かを紛らわそうとするかのような陰りを感じさせる。


 植物園。つぼみ・えりか・いつきはコッペ様に背中を預けてその感触に酔いしれます。コッペ様の勝ち組度は異常。えりかに頬ずりされたい。
 3人の様子を見たお婆ちゃんはお疲れみたいと鋭い観察。いつきとえりかは前回のデザトリアン戦で苦戦したことを話します。力を付けたいと言うつぼみにお婆ちゃんは難色を示します。
 かつてキュアフラワーが使っていたハートキャッチミラージュ。それはプリキュアに無限の力を与えてくれる神秘のアイテム。新品小売価格9240円。…高っ! 強気設定。安売りでは神秘性が損なわれるということでしょうか。確かにこれは可愛い孫のためとはいえ二の足を踏みたくなるアイテムです。「お前達にはまだ早い…」と言う全国のお爺ちゃんお婆ちゃん続出です。子ども達も自分が成長したことをアピールする必要がありそうです。

 話しを番組に戻して、50年前に砂漠の王デューンと対決したと語り始めるお婆ちゃん。少年のような姿をしていたデューンですが回想シーンでは巨人。敵の力の前にキュアフラワーは変身が解けつつもミラージュの力を使って引き分けに持ち込み、自身は限界を超える力を使ったため変身能力を失ったらしい。
 あなた達の成長を見守りたい、諦めろと話すお婆ちゃん。孫達が大きなリスクを負うことを認めません。
 しかしつぼみはそんなのお婆ちゃんらしくない!諦めてはいけないといつも励ましてくれたのはお婆ちゃんだと言い返します。生意気言ったことを詫びつつも自分達は真剣だと言います。いつきとえりかも同意。可愛い子には旅をさせよでしょ、とえりか。個人的には手元に置いておきたいんですが。
 つぼみは真剣な表情でミラージュの入手方法を訪ねます。

 「プリキュアパレスよ」 ゆりが代わって答えます。力を失ったキュアフラワーはプリキュアの城プリキュアパレスにミラージュを収めたと言います。「そうですよね、薫子さん」 厳しい口調のゆり。おそらくお婆ちゃんの迷いに対して。
 ゆりは力を増している砂漠の使徒に対抗するためにも備えておいた方が良いと進言。前回の出来事が大きく影響しています。プリキュアとしては依然未熟ではあるものの、その精神力、可能性には認める点があると判っているのだと思います。ゆりはつぼみ達を保護者としてではなく、未熟な後輩として見ている。だからお婆ちゃんのような心配の仕方はしていません。
 どうでもいいことですが、この人は作画担当が変わってもあまり絵に変化がありません。敵キャラもあまり変化しないのですが同系列なのか…。描く頻度が少ないからデフォルメが少ないのか、ちょっと気になるところです。実は初の高校生プリキュアということでスタッフが異常にやる気を出している、とか。

 どこに行けば良い?と訪ねてくるえりか達を試練が待ち受けていると引き留めようとするお婆ちゃん。つぼみ達がこの試練に耐えられるかどうかもあるでしょうが、さらに激戦が予想される戦いを憂慮しているのだろうと思われます。どんと来い!と胸を叩いてむせるえりか。任せられねぇ。この子何してもツッコミどころ多いな。
 歯切れの悪いお婆ちゃんに、つぼみはもうちっちゃかったつぼみではないと言い切ります。まさに老婆心というと失礼なのかもしれませんが、お婆ちゃんがいくら心配して止めようとしても、結局は当事者であるつぼみ達が乗り越えなければならない問題です。案外自分のことでは覚悟がついても、子や孫には手心が入ってしまうものなのでしょうがここは託さなければなりません。

 ついに承知したお婆ちゃんは植物園の一角にある大空の樹(S☆Sを参照)…じゃなくて扉が埋め込まれた大木を案内します。
 つぼみはゆりにも一緒に来て見ていて欲しいと頼みます。
 扉を開ける鍵はポプリが持っています。例の種です。扉が開きます。中は神秘的な空間。転送装置によってプリキュアパレスへと移ります。
 一人残ったお婆ちゃんは、デューンが近づいてきているのを感知します。50年前にデューンを倒せなかったばかりにつぼみ達が戦うハメになってしまったと悔い止みます。これは彼女の責任ではありませんが、彼女もまた過去と運命に心を翻弄される人間です。


②プリキュアパレス
 深い霧。晴れて視界が開けると目の前に大きな城。プリキュアパレス。
 ゆりは3人に用意を、と変身を促します。試験管みたい。

 宝探しにレッツゴー!とマリン。のんきです。ブロッサムは橋の高さを怖がりますがマリンが背中を押して歩を進めさせます。心の大樹が頭上に現れます。
 あのときと同じだと言うゆり。大樹が試練を見守りに来たと話します。ムーンライトもまたこの試練を受けに来ましたがその際ダークプリキュアと戦い敗れたようです。ムーンライトもやっぱりマント使えるんだ。この時妖精いたの? 自力で使えますと言われればそれまでですが。
 ゆりは先陣を切ってパレスへと向かいます。自分が受けられなかった試練を後輩に託すゆりの胸中はいかばかりか。

 城の中も装飾が施され絢爛豪華。プリキュアや妖精の石像が置かれています。奥の間へと進めます。人の気配に気づくゆり。察知能力高ぇ。
 気配の正体は花咲薫子。
 先代のプリキュアとして試験管を勤めます。ルールは簡単、先代を倒すこと。何その少年漫画を地でいく展開。

 ミラージュを受け継ぐには強い心が必要、それを示しなさいと語る薫子。そう、お爺ちゃんお婆ちゃんにねだって買って貰うまで諦めない気持ち。9240円の壁は並大抵ではありません。いくら統計的に言って60代以上の人々が持つ金融資産が全人口にしめる資産の過半数以上といえど財布の紐は緩くはありません。しかし彼らの持つ多大な資金を市場に回さねば経済は回りません。ミラージュを買わせる。つまりそれは日本経済を潤し、現役世代の発展と次世代への(金融資産的)継承を促すことでもあるのです。ちなみにこの番組は女児向け玩具宣伝アニメです。
 薫子は自分も先代のプリキュアをやぶってミラージュを手に入れたと言います。ブロッサムはお婆ちゃんと戦えないと拒みます。薫子もつぼみと戦えないと同意。それ以前に変身できません。彼を代理とする、と言います。

 天井から舞い落ちる花びら。このパターン、この展開、奴しかいない。和服眼鏡!
 今回は白いコートに眼鏡無しバージョン。もはや格好にツッコミを入れるのはやめましょう。こいつの存在自体が出落ち。
 薫子の旦那さんである空さんのそっくりさん。彼の正体とは…しかしそんな疑問に答えず薫子は話しを進めます。砂漠の使徒との戦いは益々厳しくなる。覚悟がないならプリキュアをやめなさい!と厳しい口調で言います。
 ブロッサムは和服眼鏡を見据えると、密かにお慕いしていたと告白。しかし戦うことが試練なら必ず乗り越えて見せます!と決意を語ります。みつる君、がっかりすることはありません。たまたま惚れた相手が面食いで惚れっぽいだけです。悔やむなら己の顔を悔やんで下さい。俺が食いもんおごってやるよ、一緒に泣こうぜ。プリキュアシリーズにおいて「イケメンはモテる」という伝統は覆りません。


③プリキュアファイト! レディ・ゴー!
 ブロッサムが先制、攻撃をかわす和服眼鏡。マリンも加わって技を放ちますが当たりません。逆に2人とも同時に反撃を受けてしまいます。
 サンシャインが出ます。和服眼鏡は建物のブロックを抜き取って攻撃に使います。そういうの有りなんだ。バリアでガード。前方の守りは強いけどサイドが甘い、と評する薫子。バトルもののノリ全開です。案の定和服眼鏡がサンシャインの横に回り込んで攻撃を放ちます。まともに受けるサンシャイン。
 全く歯が立たないプリキュア。薫子はその様子を見て未熟過ぎる、試練を受けるのは早すぎたと独り言。
 シプレ達がプリキュアを応援します。マリンは頑張ってるっつーのと返しますが、ブロッサムは少し元気が出たと気持ちを落ち着けます。同意するマリン。立ち上がった3人は手を重ねて再び挑みます。
 放たれる三本の矢。
 ブロックの雨をかわし、飛び越えて和服眼鏡に正面から挑むブロッサム。攻撃をガードした和服眼鏡は反動で後退。そこにマリンが飛び込んでかかと落とし。致命打ではありませんが下でサンシャインが待ち受け打撃を入れます。反撃のブロック攻撃を先ほど同様にバリアでガード。脇を狙ってきた和服眼鏡を今度はブロッサムとマリンがカウンターを入れます。ガードされまたも致命打ではありませんが、先ほどよりも動きが良い。これには薫子とゆりも感嘆。

 前回編み出した合体技を放ちます。特訓、試練、金色に光る。女児向けアニメのキーワードじゃねぇ。
 直撃。…え!?直撃!? ハート型の跡があいて爆発する和服眼鏡。そのまま空中で浄化モード。シュール過ぎる。腹抱えて笑いました。この本人達もストーリーも真面目なんだけどギャグに見えるのって好きだわ。
 「成長したな」
 しゃべったーーー!?

 和服眼鏡はコッペ様の姿になります。ですよねー。
 どよよ~ん、と床に着地するコッペ様。いつもの何考えているか分からない顔です。謎のイケメンの正体はコッペ様でした。これはゆりも知らなかったようです。ブロッサムはがっかりモード。惚れた相手が女の子だったり、妖精だったり、ロクな恋愛じゃない。
 どうしてあんな姿に?と疑問のマリンにゆりが答えます。
 「薫子さんの最愛の人の姿で傍にいてあげたい。それはきっとコッペ様の優しさなのよ
 「妖精はパートナーの力になりたいと願うものだから
 ゆりは感動した瞳で薫子とコッペ様を見つめます。理想的な人間と妖精の姿に映ったのでしょう。

 部屋の隅で泣くブロッサムに、きっとまた良い出会いがあると慰めるマリン。どんな時にも一緒に居てくれる人、親友、それはえりかでした…という展開をえりかは狙っているに違いない。プリキュアシリーズにおいて「女の子の友情は男女恋愛に優先する」という伝統は覆りません。絶対遵守の掟!

 ポプリから種を受け取ったお婆ちゃんは、手を重ねてと3人とゆりに言います。手を重ねると種は光り、形が変わります。扉にそれを入れると、さらに奥へと道が続きます。
 プリキュアの像が居並ぶ奥の間。ちなみに像の数は見える範囲で15体。過去シリーズのプリキュア(でない人も含めた)の数と同じです。
 「新たなプリキュア達よ、よくぞ試練を乗り越えました」
 誰何の声。歴代プリキュアの意思が語りかけているとお婆ちゃん。心の大樹が語りかけているように見えますが、プリキュアの意思も大樹に総括しているのかな。
 「プリキュア達よ、世界の生きとし生けるもの達を、みんなの心の花を守って下さい」
 心の大樹から光が差して、ハートキャッチミラージュが現れます。

 「ひょっとしたらゆりさんもプリキュアになれるかもしれません
 「ミラージュは可能性を無限に高めるものって聞いて思ったんです
 「これを手に入れればゆりさんもまたプリキュアになれるんじゃないかって
 あまりにさりげないので聞き逃しそうになりますが、彼女達がゆりに一緒に来て欲しいと言った理由、頑張った理由がここにあります。彼女達は自分達が力を得るためだけでなく、ゆりにもその可能性が開けるよう思慮したのでした。可能性とは何か。それはもしかしたら突拍子もないことを信じて実行する勇気なのかもしれない。奇跡があるから神を信じるのではなく、信仰心から奇跡は起こる。

 お婆ちゃんはコッペ様に語りかけます。
 「50年前は私とあなただけだった。でも今は違う。大丈夫ね、みなが力を合わせればきっと


④次回予告
 ムーンライト見参!!


○トピック
 新商品をゲットしてパワーアップ。手に入れるためには不退転の意思と力がなければなりません。さあ、レッツお爺ちゃんとお婆ちゃんにおねだり。なお、類似品(MHのクイーンチェアレクト)にはご注意を。…自分で言うのもなんだけど、この感想色々酷いよね。

 先代のプリキュアである薫子さんからの伝承。親世代からの(意思の)継承は子どもの成長物語として重要な要素です。そこには大人の使命が何か、次世代へと残していくものとは何かを提示することが含まれています。子の世代は、あるいは親世代が残した負債を背負わなければなりません(薫子さんがデューンを倒し損ねたと悔いているのは、自身の負債を自覚しているわけです)。しかし次世代たるつぼみ達はそんなことに不平を漏らすことなく挑んでいく。
 プリキュアにおける最強最高位のキャラは(薫子さん以外にも)お婆ちゃんなのですが、その彼女が悔い止んでいるものがあるという描写は意外でした。しかしそうしたことで彼女の悲願、彼女ですら達成できなかったことがあると明確になりました。ある意味ゆりは薫子の映し身と言えるでしょう。ゆりは1人でプリキュアをやっており砂漠の使徒との戦いに負けています。本来ならそこで引退のはずです。しかしつぼみ達は未熟ながら3人でゆりの可能性を引きだそうとしている。
 元々プリキュアという作品において、1人でプリキュアをやるなんてのはあり得ません。友情と絆、人と人の関係、つまり人間の潜在能力と可能性の提示がこの作品の本質です。1人で勝てないのは当たり前です。1人で良いのならそれは敵の発想と変わらない。キュアフラワーやムーンライトが最強と謳われつつも完全な勝利を得られないのは当然です。だから親世代で達成できなかった負債を次世代であるつぼみ達が請け負う。その返済は砂漠の使徒を殲滅することではありません。人が孤独ではないこと、人と人との繋がりが多様な可能性を導き出すこと、一度失った花の輝きを再び取り戻すことです。
 お婆ちゃんの負債、ゆりの問題はつぼみ達に集約され拡大・拡張されます。世代を超えた克服と可能性として提示しうる。先代のプリキュアの存在、前任者の敗北がこの物語のテーマとメッセージを鮮明にしています。


 次回はついにムーンライト復活。変身シーン格好良すぎる!!
[ 2013年05月22日 13:22 ] カテゴリ:ハートキャッチプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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