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第11話「アチョー!!カンフーでパワーアップします!!」

○今週の出来事
①カンフーマスター

 河川敷の菜の花畑。つぼみは良かった~と喜びます。前回ダークプリキュアによって枯らされましたが、つぼみ達の世話の甲斐あって元気に花を咲かせています。良い臭い、と香りをかぐえりか。女の子が鼻を広げてる光景はどうかと思いますが、この子はそれでも人気が出ます。
 ダークプリキュアは強敵。今のままでは倒すのは無理だと話すつぼみ。えりかはふたりで力を合わせれば何とかなると返します。その答えに頷きながら何とかしなくちゃいけません、と硬い表情のつぼみ。楽観的なえりかとは対照的です。
 傍から「アチョー」と誰何の声。その方向に視線を向けると、兄弟らしき男の子がふたりで組み手をやっています。つぼみはその光景に関心を持ちますが、えりかは男子は兄弟揃ってくっだらないことやってるよね、と先に行ってしまいます。身も蓋もない。


 春はあけぼの…と枕草子を読みます。国語の授業。ちなみに当然のように枕草子と言いましたがネットで検索しています。古典はよくわかりません。
 授業中だというのに奇怪な動きをする男子が一名。朝つぼみ達が見かけた酒井まさと君です。抜け目がない鶴崎先生が代読を指名します。慌ててページを探すまさとにつぼみが助言します。が、先生に頭を教科書で叩かれてしまいます。先生はふと気づいてまさとを立たせます。履いている上履きがカンフーシューズです。マニアックだなぁ。いつ敵に襲われても大丈夫なように、と毅然と答えるまさと。日常生活においてそんな敵とはまず遭遇しません。また、いたとしてもカンフーシューズを履いているような変な人には接触しません。
 クラスから「よっ、カンフーマスター」と声が上がります。クスクスと笑い声。先生から好きなのは分かるがちゃんと上履きを履けと注意されます。

 休憩時間に履き替えるまさと。後ろの席のつぼみにページを教えて貰ったお礼を言います。つぼみがカンフー出来るんですか?と尋ねるとまさとは鼻を親指で拭く仕草をしながら拳法は一通りマスターしたと自慢気に言います。ちなみに私はプリキュアを一通りマスターしています(そこ張り合うとこじゃねぇ)。
 まさとの言葉に純粋に感心するつぼみ。ところが腹を抱えて笑うえりか。本当にカンフー出来るわけ無いじゃん、どうせカンフー映画のモノマネとかでしょ?と話しに加わります。身も蓋もねぇ。男の子の夢ぶちこわし。これだから女の子は怖い。そして流石えりか様。私も「プリキュア? 子ども向けアニメに何マジになってるの?キモイ」とえりかに言われたい。
 俺が本気でカンフーやったらどんな格闘技だって敵わないぜ!と自分の世界に入るまさと。中学生くらいの頃ってこういう自己中心的で視野が恐ろしく狭い時期がありますよね。ちなみに私がプリキュアの感想を本気で書くと自分で読むのが面倒になるくらい長くなります。
 何調子こいちゃって、と冷ややかなえりかとは対照的につぼみは熱が入りカンフー教えて下さいと頼みます。この子はまともに見えてちょっと変なところ(思い込みが激しい)があります。えりかは変な子のように見えて割とまともです。


②カンフー道場
 カンフーに行ってきます!アチョー!とえりか達にことわって教室を出て行くつぼみ。この子面白い子だなぁ。つぼみの気合いの入りようについて行けないえりか。えりかのテンションが高いときにはつぼみもついて行けないのですが、人って興味の有無によって温度差が激しいよね。

 チョークで書かれた輪の中に足を入れて動くつぼみ。ステップの練習。怪しげな踊りに見えます。ちなみにまさとは黄色のジャージ。ブルース・リーかよ。ジークンドーなのか。
 そこに弟のよしとがやってきます。つぼみに対して物怖じせず兄ちゃんの弟子は僕だけだ!と突っかかります。どうやら兄貴を独り占めしたいらしい。まさとにたしなめられ渋々納得します。
 つぼみがよしと君よろしくねと声をかけると、お前は二番弟子だから敬語を使え、自分のことはよしと先輩と呼べと注文をつけます。あくまで自分が一番兄に近いのだとヒエラルキーにこだわりたいようです。つぼみは嫌な顔一つせず承知します。この娘は一直線です。
 まさとからレクチャー。目で見るな心で感じろとお約束な指導。ヌンチャクを持って練習。初心者には危ないんじゃないかな、これ。
 つぼみの様子を隠れて見るえりか達。つぼみは案の定ヌンチャクを頭にぶつけます。つぼみの真意が分からないえりかにシプレは弱い自分を変えようと必死なんだと答えます。それでもえりかは納得しきれない様子。
 鶴!虎!蛇!と型を見せるまさと。それに倣ってつぼみも構えますが転びます。この子は運動音痴なので基本からやった方が良い。思わずつぼみ!と声を出してしまうえりか。見つかってしまいます。
 えりかはカンフーが出来るわけないだなんて言ってごめん、と素直にまさとに謝ります。この娘のこういうところは本当に美点だと思う。
お前は三番弟子、とよしとから言われます。成り行きで一緒に練習。

 夕方。練習が終わります。酒井兄弟が帰った後、えりかは弟は生意気だと言います。つぼみは兄のことを心から尊敬しているのだと答えます。この娘のこういうところは本当に美点だと思う。
 えりかはもも姉にあんな風に素直にできない、とつぶやきます。心の成長とともに尊敬に嫉妬や劣等感も抱くようになる。だからバランスをとらなければいけない。心の成長とともに己自身の力や自他の評価も成長させて行かねばならない。

 えりかはつぼみに何故カンフーを習う気になったのか尋ねます。本人から真意を聞きたいようです。
 「なんだか不安で…何かを身につけてもっと強くなりたいんです
つぼみは素直に答えます。
 「あたしが言うのも何だけどさ、つぼみ自分で思っているほどダメじゃないよ。あたし達どんどん息も心も合ってきてる。だからこれからもきっとなんとかなるって!
 「そう、ですね…
 つぼみは自信なく相づちを打ちます。息が合う、心が合う、というのはお互いの信頼や志、目線が同じになるということであって、今はちょっとそれが合っていない。


③理想と現実
 体育の授業。バレーボール。つぼみの反応が追いつきません。ドンマイ、ドンマイと声をかけるえりか。ちなみにドンマイはドントマインド、気にするなという意味です。これは素で知っています。どうでもいいことは知ってます。
 つぼみはまさとの言葉を思い出します。考えるな感じろ、目で見るのではなく心で感じろ。まさか明鏡止水を会得するのか!? 次、右狙うよ、と相手チームから小声が漏れますが気づいてなさそうです。来る!と感じるつぼみ。案の定一直線に顔面へ。この娘は顔面ヒット率が高いので眼鏡を外して正解です。人間すぐ変われるものではありません。

 隣で男子は柔道。まさとの相手は体つきの良い生徒。ビビるまさと。簡単に一本取られてしまいます。あっけない結果に相手は拍子抜けします。柔道だから…と言い訳すると次はカンフーでやってみろよ、どうせカンフーオタクなんだろ、と言われ何も言えなくなります。さらにつぼみの視線に気づきます。バツが悪い。

 放課後。つぼみはまさとに今日も練習すると話しかけるともうカンフーの練習はしないとの答えが返ってきます。いざ試合になると緊張して全然ダメなやつだってわかったろ、と逃げるように教室を出るまさと。へたれるの早ぇ。みっともなくったって、弱くたって好きなことはやろうぜ。私なんてプリキュアの感想7年目ですよ。他にやることないのかよ、日曜日半日以上潰して感想書いているって独身成人男性として問題大有りだろって自分でも思うね。思うけど、問題にならないけど。これはこれで結構役に立つ。役に立てる。この俺が本気でやっている以上、役に立たないわけがない。そうした自信と実行力、意志と覚悟が人に勇気とふてぶてしさと開き直りを与える。


 砂漠の使徒。スナッキーを打ち倒すクモジャキー。赤い道着を着て練習のようです。誰にも負ける気がしない、と自信満々。格下相手に連勝して自画自賛てどんだけ閾値低いんだこの人。サバーク博士に出撃を命じられます。道着を脱いでいつもの格好へ。敢えて突っ込みません。


 公園で先によしとは練習。まさとは練習は中止と言います。そこに先ほどの柔道の生徒が声をかけます。腰巾着なのかその生徒の鞄を持った眼鏡も一緒です。ジャイアンとスネ夫かお前らは。
 よしとは兄を小馬鹿にする言葉にいきり立ちますがまさとに制されます。スネ夫(仮)はよしとからヌンチャクを奪います。よしとは兄ちゃんが怒ったらどうなるのか分かっているのか!と兄への信頼を見せます。それを鼻で笑うジャイアン(仮)。ヌンチャクを返して欲しかったらカンフーなんて出来ませんって謝れ、と要求します。
 まさとは、ごめんなさい!カンフーなんて出来ません、だからどんな格闘技にも敵いません、と頭を下げます。ジャイアン(仮)は分かったら二度とデカイ口叩くなよ、とスネ夫(仮)に合図してヌンチャクを返します。いじめっ子のフォーマットのような態度でその場を去っていくふたり。
 なんでやっつけないんだよ!という弟の声に敵うわけがないよと力なく返すまさと。よしとは兄の手からヌンチャクを奪うと涙を浮かべて走り出してしまいます。

 そこにつぼみとえりかがやってきます。カンフーで自分に自信をつけたいと言います。えりかが弟君はまだ来てないの?と尋ねるともう来ないよ、と答えるまさと。半分苛立ちながら自分が弱いということがバレただけさ、と理由を話します。つぼみは何を言っているんですか!よしと君にとってまさと君は絶対にヒーローなんです!と言い切ります。つぼみはそのままよしとを探しに行きます。こういうときのこの娘の決断と反応は早い。えりかはついて行けていません。つぼみを追いかけます。
 
 神社で一人練習するよしと。そこにクモジャキーが現れます。なるほど、まさとじゃなくてよしとがターゲットなのね。デザトリアン化。


④理想を現実に
 なかなか見つかりません。えりかはカンフーの練習ならまたいつか出来ると楽観的に言うとつぼみはそれじゃダメなんだです!と強く言い返します。酒井君とよしと君は兄弟仲良しじゃなきゃダメなんです!と力強く言います。この問題はつぼみにとって、自分の特訓だけでなく兄弟の関係も視野に入っている。


 希望ヶ花稲荷神社。そこから声。シプレコフレが変身を促します。相変わらずテンポ早ぇ。
 よしとが封じられた水晶玉で遊ぶスナッキー達。やめなさい!と現れるプリキュア。雑魚相手に破竹の勢い。マリンはスピニングバードキック(某格闘ゲームの技名)や単独で爆発技を使います。マリンダイナマイト。やはりそんな名称か。単独だと火力が低いようです。
 立ちはだかるデザトリン。声に気づいてまさとは神社へ向かいます。

 まさとの目の前で怪物とプリキュアのバトル。怪物は兄ちゃんなんて嫌いだーと叫びます。マリンシュートをヌンチャクで弾くデザトリアン。戦闘力が高い。
 勝負にならんのー、見ていて退屈じゃ、と言うクモジャキー。お前さっきの特訓なんだったんだよ。
 まさとの姿にプリキュアもデザトリアンも気づきます。狙いをまさとに向けるデザトリアンにブロッサムはインパクトを放ちます。ブロッサムも使えるんだ。どちらかというとゴッドフィンガーを連想する動き。
 マリンもへい!こっちよデザトリアン!と注意をまさとから背けさせます。

 デザトリンはなおも兄ちゃんなんて大嫌いと言い続けます。あの怪物はよしとなのかと驚くまさとにシプレコフレは本物はあっち、と水晶玉を示します。水晶玉はスナッキーが持っています。
 プリキュアは苦戦。水晶玉を取り返せるのはまさとだけ。まさとは助けなくちゃ俺が!と震える自分に喝を入れます。しかし動けない。スナッキーは来いよ、と手でジェスチャー。デザトリアンはなおも兄ちゃんが力を出せば本当はあんな奴倒せるのにー!と叫び続けます。その言葉にまさとは葛藤します。
 本当も何もその場で力が出せん臆病者は最初から負けとるぜよ、と言うクモジャキーに「臆病者ではありません!」とブロッサムが答えます。
 まさとは意を決してスナッキーに挑みかかります。
 「自分は無理と思ってしまう弱さは誰にでもあります! 卑怯なやり方で兄弟の堅い絆を弄ぼうなんて私、堪忍袋の緒が切れました!
 まさとは水晶玉を取り戻します。スナッキー弱すぎ。

 ヌンチャクを構えるデザトリアン。厄介です。ブロッサムは瞼を閉じると精神集中。見えた! 水の一滴! ヌンチャクの一撃をかわしたブロッサムはダブルインパクトでデザトリアンを吹っ飛ばしフォルテウェイブで浄化します。
 クモジャキーは帰って稽古のやり直しじゃ!と撤退。嫌そうなスナッキー。やられるだけだからなぁ。

 目を覚ますよしと。夢のことを話します。兄の手の痣に気づくよしと。まさとは本気でやったら怪我くらいするさ、と軽く言います。兄の姿によしとは再び信頼を取り戻し師匠と呼びます。絆を取り戻しカンフーの稽古に向かうふたり。
 つぼみは兄弟の様子を見てあることに気づきます。
 「いくらカンフーを身につけても、負けない!って思う強い心がなければどんな敵も倒せないってこと
 えりかはつぼみの言葉に同意しながら、私もつぼみもダメじゃないダークプリキュアだってなんだって何とかなると答えます。

 心の種。また一歩心の大樹復活に近づきます。ジキタリスの花言葉は「熱い想い」
 アチョー!と言い出すつぼみ。蛇の構え!と怪しげな動きをします。えりかも虎の構えよ!ガオガオー!とノリノリ。
 なんて下らない遊び。是非とも私も混ぜて下さい。鶴の構え!コケコッコー!


⑤次回予告
 またみてねの画像がふたりで散歩に。ナイスチョイス。そして次回は眼鏡スペシャル!


○トピック
 プリキュアの特訓話。こうして世代を重ねながらブルース・リーが受け継がれていきます。私もブルース・リーの映画は直接見たことがなく、ネタやパロディで知っているクチです。


 「特訓」は男の子向け格闘作品ではお馴染みの要素ですが、プリキュアではフレッシュプリキュア(37話)から取り入れられた要素です。ですが結論から言うとプリキュアにおいては戦闘技術修得のための特訓に意味はありません。プリキュアは戦闘技術だとかの肉体的なアドバンテージで勝敗を決める格闘作品ではないからです。理由は大きく2つ。視聴者の女児に肉体的な強さを求めても無理がある。これからの成長としてどう志すかという精神的な強さの方が大事だから。
 では何のために特訓話をやっているかというと、これは問題意識への回答を出すためです。強敵が現れ今のままでは勝てない。自分は変わらなければならないと課題と解決に取り組むためにつぼみは自ら特訓を言い出します。彼女は自分の欠点を自分で直そうとする意識を持っているのでこうした発想は自然です。
 とはいえ、運動音痴なつぼみがちょっとやそっと特訓したところで大きくは変わりません。また仮にカンフーを覚えたところでそれを使う覚悟、勇気がなくては持ち腐れになります。酒井まさとはつぼみと対照的です。彼は技術を持っているかもしれないけど心が追いついていない。
 子どもの長所はそのひたむきさや一途さです。子ども向け番組ではそれを力とします。力の強い大人に子どもでも勝てる要素は、その心の正しさ、強さ、可能性です。つぼみは自分で自分を変えようとする意志、また敵の卑劣な行為にも臆せず立ち向かう勇気を持っています。この点において彼女はダメどころか強い。えりかがつぼみにダメじゃないというのはそのとおりです。ただし、これは変わらなくて良いという意味ではありません。変わるという意志を持っていることを前提にしてそのままで良いという意味。つぼみは自分の持っている強さにもっと自信を持って良いのです。彼女の強みはその心の強さです。
 まさとが恐怖に立ち向かわなければ弟の信頼を取り戻すことはできませんでした。彼はもしかしたらまだジャイアン(仮)に勝てないかもしれません。今後も心の強さを身につけていくことでただのカンフーオタクではなくなるでしょう。
 では、つぼみは何を身につけていかねばならないのか、それはえりかが言うようにふたりの関係の成熟、彼女の長所をさらに活かせる具体的な行動だろうと思われます。戦闘で勝てないから勝つために自分を変えていくのではどんどん日常から離れていってしまいます。日常生活に根ざして、自分の持てる力を伸ばし欠点を補い成長していけるように自分を変えていく方向で主人公達に自覚させています。プリキュアはこの辺ソツが無い。
 まだまだ彼女達は未熟。えりかにも明確なビジョンはありません。希望的観測を言っているだけです。真の友情にプリキュアに心の種にファッション部につぼみの自己改革。やることは多い。


 プリキュアは人間を肯定することを原動力にする作品です。つぼみの焦る気持ち。まさとの立ちすくんでしまう気持ち。それは構わないと言う。ただしそのまま放置してしまうとつぼみはよく分からない努力をし続けるだろうし、まさとはヘタレのままです。不安や恐怖を感じるのはどうしようもないけど、ずっとそのままでは彼自身も兄弟の関係もダメになってしまう。だから立ち向かわなくてはならないし、つぼみも何が大事なのかを知ることでより自分の力を発揮できるようになります。人の弱さを肯定しても、弱いままで居続けることや、過ちを続けるようなことはこの作品は肯定しません。
 つぼみがまさとに弟にとってあなたはヒーローなのだ!と示したり、えりかがつぼみの長所に気づいているなど、他者の承認によって自分の長所や役割が示されている点も面白いところです。人は他者の存在とその関係性によって示される。
[ 2013年05月22日 13:14 ] カテゴリ:ハートキャッチプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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