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第48話「最終決戦!キュアエンジェル誕生!!」

○今週の出来事
①プリキュアが起こした光

 ラビリンス。プリキュアとノーザが戦闘を繰り広げる中、国民達は黙々と決められたとおりに動いています。そんな中、一人の少女はプリキュアの方へと視線を向けます。

 化け物と化したノーザ。パッションも知らない姿です。大樹に大きな頭がくっついたアンバランスな体型。枝を触手のように伸ばして攻撃してきます。その攻撃をかいくぐりながらプリキュアは塔の一点に光りを認めます。その光がシフォンの光だと気づき希望と気力がさらに高まります。
 いつもの調子が出たピーチはラブサンシャインを手に溜めてノーザの触手を粉砕…って、ちょっと待て、いつの間にそんな技を。何その螺旋丸。8話でスティック取得後使っていませんでしたがこんな使い方があるとは。カッコイイ。

 プリキュアの放つ光に一部の国民達が気づきます。タルト、アズキーナはその光がプリキュアの放ったものだと気づいて急いで向かいます。プリキュアと聞いて先ほど見ていたテレビモニターの光景を思い返した国民達はプリキュアの方へと自ら足を進めていきます。
 クラインは予定外の行動を取り始めた国民達に手を焼きます。メビウスから直ちに修復しろと命じられます。

 ベリーもエスポワールシャワーを溜めて触手を粉砕。またも輝く光に国民達は見入ります。一人、また一人と光の方へと足を進めていく人々。その中には前回ドーナツを食べた少女も混ざっています。

 何かが狂い出し始めたラビリンス。シフォンの居る球体は不気味に火花を散らします。
 パインのヒーリングプレア。その光もまた人々の目を惹きつけていきます。

 予定外の行動を取る人々が増大したためかもはや制御がきかなくなったクラインは街に出て直接国民に戻れ、でなければ処罰すると呼びかけますが人々は誰一人耳を傾けることなくプリキュアの方へと向かっています。プリキュアがラビリンスを変えようとしているのか…クラインはそうつぶやきながらプリキュアが起こした光の方へと視線を向けます。


②メビウスの僕
 枝が再生していきます。細々と枝を切っても本体を倒さない限り決着が付きそうにありません。一気呵成に必殺技を集中させます。スティック&ハープを使って集中砲火。枝を次々と貫通しながら本体へと一直線。ノーザは口からビームを撃って迎撃。ちりぢりになった攻撃はプリキュアが気力を振り絞ると再びノーザへと向かい一つとなって直撃。ラビリンス中を照らす大きな光の柱が生まれます。

 倒れるノーザ。あれー!?もしかしてノーザさん弱い? ソレワターセより弱い? いやそんなことはなくて、例えば通常のソレワターセはラブサンシャインパンチ一撃で倒せるのが今のプリキュアのレベルなのだと勝手に解釈しておきます。プリキュアの戦闘力はテンションと演出と脚本の都合で変わります。
 プリキュアは大きく息を切らせながらも決着が付いたことに安堵しシフォンの元へ向かおうとします。

 「それは不可能です」
 クラインが「忠実なしもべ」と強調して自己紹介しながら現われます。龍人というべきか、人型の龍に姿を変えるクライン。運動性が高そうで厄介そうです。そのクラインに息を飲むプリキュア。
 力をため込むと一気に挑みかかってきます。見た目に反して異常なスピード。かろうじて受け身を取ったもののパッションは吹っ飛ばされてビルに激突。ベリーとパインも同様。跳躍したピーチの足を掴んで投げつけます。そこへニーキック。回避。また位置を戻して対峙しますがプリキュア側が一方的にダメージを受けています。クラインさん、事務職の割にバリバリの肉体派です。
 やる気満々のクラインに瀕死のノーザが合体すればより強力になると持ちかけます。まだ生きてました。承諾するクライン。お互いメビウス様のため、と異口同音に言いながら合体します。

 街から妖しい光が見えます。タルトは躓いた拍子にドーナツを落としてしまいます。それを拾う誰か。タルトはその人物を驚きの目で見ます。


 合体完了。どんだけゴツイ奴になったかと思えばスッキリ細身に羽と尻尾が生えた姿に。腹部にはソレワターセの目。
 戦闘再開。街に爆煙が走ります。超スピードで突撃。街が破壊され崩れた破片が少女の頭上に落ちてプリキュアが間一髪助けます。ヒーローっぽい。
 街や人々を配慮しないクライン(考えるのが面倒なのでこの呼称で)に憤るプリキュア。クラインは知ったことか、とエネルギー弾を撃ってきます。それを回避しながらピーチはパンチを打ち込みますが瞬間移動の如く回避され頭上から閃光。回避。パッションのキックも回避され反撃を受けます。休むことなくプリキュアは代わる代わる攻撃を仕掛けます。それにもクラインは素早く対応してパイン、ベリーを寄せ付けません。プリキュアがエネルギー弾をパンチで相殺するのは初代からの伝統です。
 地面に着地したピーチと肉弾戦。うっかりチャンネルを間違えたかな、と思うほど熾烈な戦闘。たまにプリキュアは(作画的にも演出的にも)リミッターを外します。しかしどんな場面に出くわそうと、殴り合うときのピーチの太もも柔らかそう、と注意を怠たらないのが視聴者としての正しい姿勢です。
 押し負けたピーチはしかし体勢をすぐ立て直すとラブサンシャインを打ちます。今回旧バージョンの技使いまくりです。格闘と絡めて出せるならスティックより即効性が高く臨機応変です。クラインもエネルギー弾を放って相殺。
 その隙を狙ってベリーとパインが必殺技を込めたパンチを両サイドから打ち込み(コンボ開始)→両手でガード→正面からパッション→尻尾でガード→右手のハープでハリケーン(必殺技使うたびに思うがハープの持ち方がカッコイイ)→ピーチがスティックでラブサンシャインフレッシュ→グランドフィナーレ。
 圧倒的な手数と連携による飽和攻撃。バンクから解放されたプリキュアはやることが半端ない。フレッシュは技の都合でバンク無しとか、派手なアクションはやらないかと思っていましたが、そんなのは気のせいでした。

 プリキュアの全力総攻撃を受けるもクラインはグランドフィナーレを粉砕。余波で吹き飛ばされたプリキュアをさらにエネルギー弾で追撃。
 「そんな…4人のハートを一つにした技が効かないなんて…
 「私たち全然完璧じゃない…
 「きっと出来るって信じてたのに…
 「精一杯頑張ったのに…
 「みんなでシフォンを助けて幸せゲットのはずだったのに…

 倒れたピーチは自分達を見送ったクローバータウンの人々の笑顔を思い出しながら、ごめんなさいと涙をこぼします。諦め。って早すぎる!


③みんなのハート
 「痛いの痛いの飛んでいけ~」ピーチの手を撫でながら魔法の呪文のように唱える少女。ピーチは危ないから逃げてと言いますが、少女はこの前知らないお姉ちゃんが助けてくれたと話します。倒れそうになったところをラブが助けたのでした。プリキュアも助けてくれた、だから今度は自分が助けると続けます。その言葉にピーチもベリーもパインもパッションも励まされます。周囲で見ていた大人達も何かに気づきます。

 クラインは国民はメビウス様のためだけに存在すればいい、全てはメビウス様のために、と歯がみします。
 「そいつは違う!
 倒れたプリキュアの前に現われる二人組。
 「俺たちもプリキュアに教わった。その子のように人を思いやる心こそが大切だと
 「そしてみんなで助け合っていけば笑顔になれる。幸せになれるってね

 その声と姿にパッションは驚きと喜びを表情に浮かべます。ウエスターとサウラー。デリートホールに飲み込まれたはずでしたがどうやら生きて戻ってきたようです。驚きの白さで! 感動的なシーンなのかもしれませんが、すみません、最初に浮かんだ言葉が「驚きの白さ」でした。綺麗になっとる!
 二人の姿にベリーも安堵します。タルトとアズキーナも付いてきたので合流。

 真実を知るために戻ってきたと言うウエスター。みんなも同じ思いだ、と視線を向けた先には大勢の国民達が集まってきます。
 「どうやら君達の戦う姿に気づかされたようだ。このラビリンスで何が起こっているのか、真実を知りたいとね
 「メビウスとはなんのか、なぜ我々は命令に従わねばならないのか
 「自分で考え、自分で行動し、自分で確かめる
 「それこそが俺たちみんなの本当の心、本当のハートだ!
 国民達はプリキュアのもとに集まります。呼応するようにシフォンが居る球体に爆発が起こっていきます。

 全て消去しようとクラインはエネルギー弾を撃ち込みます。それを防御壁を作って耐えるウエスターとサウラー。
 国民達は口々にメビウスの命令に従わない、プリキュアは自分達を助けてくれた、今度は自分達が助ける番だ、頑張れプリキュア!と自らの意思で立ち向かいプリキュアに声援を贈ります。胸にハートが宿っていきます。

 声援を受けながらプリキュアは立ち上がろうと奮い立ちます。しかしクラインの攻撃が防御を破ります。その時、少女のひときわ大きい「プリキュア-!」の声に反応してみんなのハートが一つになります。


④みんなが起こした奇跡
 眩い光の中、暖かさに気力を取り戻していくプリキュア。ピックルンが話しかけます。ラビリンスの人々の強い想いが奇跡を起こした。今度はプリキュアが奇跡を起こす番。もう一度ハートを一つに。
 「みんなのハートを一つに!
 「チェインジ!プリキュアビートアップ!
 
  プリキュアは新しい姿へと再生を果たします。
 「ホワイトハートはみんなの心!羽ばたけフレッシュ!キュアエンジェル!

 人々の熱烈な声援を受けるプリキュア。思えばヒーローとしては当たり前のこの姿をプリキュアで初めて見ました。ここまで来るのにどれほどの時間を要したか。
 これがプリキュアレジェンド伝説の戦士…と言うアズキーナにタルトは伝説にもない伝説を越えた奇跡のプリキュアや!と答えます。そのとおり。これはプリキュアの新しい1ページ。

 本当の最終決戦が始まります。


⑤次回予告
 オーロラエクスキューション!!(年代的にこちらの方なので。ヘル&ヘブンでも可)


○トピック
 プリキュア恒例のやり過ぎバトルと西南コンビ復活。そしてキュアエンジェルの登場で終盤に相応しいテンションの高さと物語の昇華。


 46話からの話が今回にて集約。タルト達が水面下で行ってきたことがプリキュアの影響で顕在化してラビリンス人達は自分の意思で行動すること、自分達が今まで置かれていた環境に疑問を持つようになります。そして今作のプリキュアが何故一般人に認知されているのか、その結果何を生み出したのかが明示されています。
 映画のエンジェルは視聴者の気持ちを受けてピーチが変身したものでしたが本編ではラビリンスの人々の応援が直接プリキュアへと集まって全員がエンジェル化しています。GoGo!の最終回は(意味合い的に)視聴者の応援が手紙となって逆転へと繋がったわけですが、フレッシュではそれを完全に物語の中に落とし込んでいます。

 プリキュアは前作までは基本的に一般人に知られず、その戦いもプリキュア達だけが知るものでした。それはプリキュアが日常を自分の意思で真面目に行動し仲間との絆を大切にする人物像を示していたからです。世界を救うヒーローなのではなく、一人の少女、一人の人間として大切なことを実践する者として描かれていました。成長物語であるため一般人に知られる必要がありませんでした。そのプリキュアが正義の味方であるヒーローになったことがこの物語にとってどのように作用しているか、それは女の子達が自分でプリキュアを選択することで実際に社会に出て活動し貢献するまでになったことを意味します。前作までの努力と仲間達との協力で将来を目指していた物語をさらに一歩進めた形になります。
 45話の旅立ちの時に両親に正体を明かしたことで彼女達は孤高のヒーローではなくなります。親達は娘達の意思を尊重し(街の人々も含めて)暖かく見送ります。プリキュアは一般人にとって謎の特別な人物ではなく、娘として街の子どもとして承認されます。ヒーローと個人の成長(社会貢献や自己実現)を両立させているわけですね。プリキュアの子ども達は社会に出て一定の活躍や役割を担うまでになりました。


 そのプリキュアがラビリンス人を感化させていきます(タルト達の貢献もありますが)。自分で考えず全てをメビウスに委ねてメビウスのために働く社会、それは悲しみや苦しみが無い社会ではありますが同時に喜びや楽しさも無い社会です。人間的な感情を抑制された人間が機械のように一つの目的(メビウスのため)だけに動く社会。しかしそこで暮らす人々はラブ達と同じように感情を持ち、優しさや個人の幸せを追求することができる人々です。
 ウエスターとサウラー、イースはラビリンス人が個性や感情、人間らしさを持つことを証明しています。イースが寿命を切られ一度死んで再生したように、ウエスターとサウラーも蘇っています。ここで何故助かったのかを考えるのはあまり意味がありません。ラビリンス人が自分で考えて自分の意思で動くことを始めたように、彼らはラビリンス人を代表(代弁)する形で登場しています。精神的には47話で転換を迎えているので思想的意味合いが強いプリキュアでは「心の復活=肉体の復活」と捉えて良いでしょう。プリキュアが都合良く奇跡を起こして助けていないのがポイントで、彼らは自ら立ち上がらなければなりませんでした。

 そのラビリンス人の成れの果てというべきなのがノーザとクラインです。自分のためではなくその思考も行動も完全にメビウスのために動いています。他者のためであってもそれは結局自分の感情や考えによってなされたものでそれは否定されるものではありません。自分があるから他者を尊いと思うのです。しかしノーザとクラインは誰かのために手足になるのではなく手足になるために自らを壊しています。イース・ウエスター・サウラーは人間の姿を留めていましたが、彼らは化け物へと姿を変えています。さらには合体などという自己を完全に捨て去るようなことを平然と行っています。もはや個人の尊厳などはどこにもありません。目的のための手段、歯車に自らなっただけです。人間であることを捨てています。ノーザ・クラインはプリキュア的に間違った存在です。個人の幸せどころか人間そのものの否定です。
 自己を暴走させたノーザに力を合わせたプリキュアは勝利します。しかし自己を合体させて全く別の存在になったクラインにプリキュアだけでは力が及ばない。自分の命をも厭わない敵に対して、プリキュアの切り札が今回のキュアエンジェルへの覚醒でした。

 みんなの力を合わせることで大きな力を出せるのがプリキュア。そのプリキュアに人々の応援が集まり、みんなの応援を受けてプリキュアはさらに大きな力を出します。ヒーローがみんなの声援を受けて大逆転するのはお約束ですが、これを思想的にやっているのが面白いところです。
 プリキュアの物語にとってプリキュアとは精一杯一生懸命真摯に日常をおくる人のことです。せつながプリキュアになったように、プリキュアとは誰もがなれるし、ラビリンス人にもその素質はあります。
 プリキュアだけが力を持っているのではなくみんなにもあって、誰でもプリキュアになれるのだからプリキュアの力とはみんなの力、みんなが持つ力(総合力とも、個人が潜在的に持っている力とも)と言えるでしょう。番組上プリキュアが主役なのでプリキュアが代表して戦うことになりますが、キュアエンジェルとはみんな、つまり人間そのものの力を示していることになります。だからこれは紛れもなくみんなが起こした奇跡でありみんなの力になります。
 「人間の否定VS人間の肯定」がこの対決の構図です。人間を捨て個人の価値を無視して一個の存在のために道具と化した(またそうすべきだと言う)ノーザ・クラインに対抗するのが、自己と他者の幸せを追求しようとするキュアエンジェルになるわけです。キュアエンジェルの勝敗は人間らしく生きようとする人々(要するに人類全部)の命運を決めることになります。終盤に相応しいスケールの拡大と集約です。メビウスに乗っ取られた世界をプリキュア(ラブ達)が奪還するのではなく、人類(キュアエンジェル)が自ら望んで取り戻すことがこの最終局面で打ち出されています。プリキュアの自己実現(個人の幸せを追求)としての側面と、ヒーロー(他者の幸せを追求)としての側面を両立させた見事な展開です。


 GoGo!において視聴者の応援を受けて活躍するヒーローにまでなったプリキュアですが、フレッシュはさらにそれを昇華させています。変身したり戦ったりしていますがこれらを日常に根ざした、日常を代表し代弁するものとして物語に組み込んでいるのがプリキュアの特徴であり、力強さです。人の心や人の力を信じた物語。たった"ふたり"から始まったこの物語はついに人々の前に立って人々を勇気づけ、その人々と共に人間の持つ可能性や力強さを示すようにまでなりました。この6年が繋がって一つの大きな長い物語になっている。しかも、これが最終回などではなく、まだ2話残っているあたりが凄い。果たしてプリキュアの物語はどこまで行くのか。ハートキャッチに何を繋ぐのか(またはリセットするのか)楽しみです。
[ 2013年05月22日 12:16 ] カテゴリ:フレッシュプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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