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第45話「4人はプリキュア! クリスマスイブの別れ!!」

○今週の出来事
①世界の終わりの始まり

 ラビリンス。クラインがなにやらキーボード操作をしている傍らにウエスター、サウラー、ノーザが居ます。シャボン玉のような膜に捕らえられたシフォンが必死にラブの名を叫びますがノーザは黒い草笛を吹いてインフィニティ化させてしまいます。どうやら一度インフィニティ化しても元には戻るようです。不幸ゲージがないからか? 今更ですが、不幸が溜まると赤ん坊であるシフォンがインフィニティ化するというのは、ロクな環境にいなければロクな育ち方をしないという比喩でしょうか。
 メビウスが玉座に姿を表します。ひざまずくノーザ達。メビウスは三人を褒めます。それに三人は「全てはメビウス様のために」と答えます。
 シフォンを球体の中に入れてクラインが準備完了の報告をします。今こそ自分の野望が叶い心が満たされていくと喜ぶメビウス。満たされる? 随分と内面的な言い回しです。即物的にこれで世界の支配者だははははっ、とかじゃないようです。この人未だ動機は謎です。
 無機物な世界ラビリンスにメビウスの笑い声が広がります。

 OPが終わってCMに行くときの提供画面の絵が変わってます。すぐに壁紙にしました。


 商店街はクリスマスムード。商店街の人々でツリーの飾り付けを行います。木に登ったソバ屋の兄ちゃんに下から指示を出す魚屋。それにお前もやれよと言う駄菓子屋のお婆ちゃんに魚屋は高いところはダメと照れながら素直に言います。
 ラブの母達も居ますが娘達が来ないことを不思議がります。毎年加わっているようです。

 ラブの部屋。涙をこぼしてタルトにシフォンを連れて行かれたことを謝るラブ。祈里、美希、せつなも力なくうなだれます。よくやったと言うタルトに一層辛い思いをする彼女達。シフォンを失い途方に暮れます。

 メビウスの指令の下、ついに全パラレルワールドの制圧が始まります。大きな揺れがラビリンスに広がります。都市の建物が移動していきついには巨大な、さながらバベルの塔のようなものが立ちます。その中から天向かってコードが伸び別世界へと侵略を開始します。
 各々のパラレルワールド上空から空間を破って現われたコードは地面に突き刺さると浸食して住人達をつぎつぎと襲っていきます。おもちゃの国もあるのはご愛敬。


 自分の頬を叩いて淀んだムードを一掃するラブ。悩んでも変わりません。次善策を考えなければいけません。その言葉に三人も頷きます。ところでせつなの体育座りが実にいい感じです。太ももやスカート的な意味で。
 タルトはいったんスウィーツ王国に戻ると言います。ならば自分達も行こうと話に乗る4人。すぐにアカルンを使って移動します。


 スウィーツ王国へ来ると様子が変です。荒廃したような灰色の暗い世界が視界に広がります。本当にスウィーツ王国なの?と迷いますが長老発見。
 ティラミス長老、と話しかけるタルト。そういえばそういう名前でした。本編では初めて呼ばれたかもしれません。一応設定だけは知っていましたが。呼んでもすぐに答えない長老。すると「我が名はティラミス、総統メビウス様がしもべ」と振り向きながら答えます。額には黒いクリスタル。一足遅かったようです。
 混乱するタルト達。すると草むらからアズキーナが飛び出してタルトにぶつかります。通常なら女の子の胸が顔に当たってラッキー♪なイベントですが、不思議生物(自称可愛い可愛い妖精さん)なので特にこれといって視聴者的に面白みはありません。
 アズキーナはいつもどおりの様子です。わけを話そうとするアズキーナの言葉をせつなの焦った声が遮ります。いつの間にか囲まれたようです。って、本当に囲まれてるよ大量の兵士に。せつなに感づかれず包囲するとはよく訓練された兵士達です。
 囲む兵士達の中に王様と女王がいます。タルトの父と母です。せつな曰くタルトは母似だそうですが、どの辺が母似なのかは分かりません。ちなみに父の名はワッフルだそうです。
 ラビリンスに管理されてしまったと涙目で訴えるアズキーナ。王様は兵にラブ達を捕らえよ、と命じます。しかし最上級便利アイテムのアカルンの前では包囲も無意味。クローバータウンに戻ります。


 アズキーナの話によると、怪物(コード)が現われて浸食されて住人達も襲われていきましたが、長老に助けられシルコ・アマの森の祠でやり過ごしていたようです。それを聞いたせつなはラビリンスが全パラレルワールド制圧を開始したことをみんなに言います。
 国や両親がラビリンスに管理されて泣くタルトを見て、ラブはみんなを助けにラビリンスへ行こう!と呼びかけます。シフォンを取り戻して世界を取り戻す。そのために敵地へ行く。王道です。
 ラブの言葉に祈里、美希も頷きます。しかしせつなは俯いたまま話に加わりません。自信が無いと言うせつな。ラビリンスはかつての故郷、ラビリンスに戻ればイースに戻るのではないかと不安がります。身を震わすせつな。そんな彼女に心配ないと手に手を重ねるラブ。震えが止まります。美希も同じように手を重ね一人じゃないと言います。祈里も手を重ね自分達がついていると続けます。みんなにお礼を言うせつな。
 せつながこの世界に居られるのは周囲の人々との関係があるからです。居場所、というのは本人と周囲の人々との合意、関係性によって生まれる。周囲とのしがらみがなければ渡り鳥のようにいつでもそこを離れられる。その代り引き留める人もいない。どこの国、街に所属する、その一員としての自覚を持つためには自己と他者双方の承認が入ります。ラビリンスに捨てられた彼女はこの世界に漂流しているのではなく、この世界に住んでいます。だからせつなが帰るべき場所はこの世界に他ならない。…んだけどどうなるかは最終回まで分かりませんね。それはそうと、せつなの太ももがいい感じです。ナイスアングル。
 感極まったタルトは今すぐにでもラビリンスへ行こう!と言いますがラブが止めます。両親達に内緒で行きたくないと言います。ラブの言葉に頷く三人。


②決戦前夜
 夕方。いつもの公園に両親、大輔達を呼び出します。ドーナツ屋で遠巻きにカオルちゃんも重大発表のようだと様子を見守ります。
 タルトにプリキュアの掟を破ると告げるラブ。タルトもかわへんわ、とラブ達の意思を尊重します。
 両親達の前で変身する4人。目の前に立つプリキュアの姿に驚いて声も出ない一同。大輔はマジかよ…とピーチを見つめます。
 自分達がプリキュアであったこと、ラビリンスと戦っていること、大事な友達を助けにいかなければいけないことを告げます。突然のことに訳が分からない母達。納得出来るわけがないと言う祈里母の肩に父は手を置いて怪物達の本拠地に乗り込むということなのか?と尋ねます。理解が早い。何故もっと早く話してくれなかったんだと言うラブ父に自分が悪かったと謝るタルト。これにも驚く一同。
 世界の危機が迫っている、必ず戻ってくると言って行こうとする娘達の手を掴んで引き留める母達。ラブとせつなの手を掴んで諦めるまで離さないと涙を浮かべて言う母に抗うことができず、変身を解いてその場に留まります。


 しかし着々とラビリンスのパラレルワールド制圧は進み、ついにこの世界にまで魔の手が伸びます。
 テレビの報道でラブ達の言葉が本当だと知るラブ父。いずれこの街にも及ぶ。何事か電話で話す母。テレビでは母とはぐれた子どもがママ、ママと泣いています。それから目を背ける母。おそらくこれから彼女達がすることになるのは、あの子どもを母と会わせないようにするための相談です。この状態を打開できるのはプリキュアだけです。この街に居る人ならみんな分かっていることです。娘達がそのプリキュアであると知った以上、引き留めることはこの状態を放置することと同義です。
 母に父が電話の件を尋ねるとレミさんの家で話し合うことになったと言います。それを聞いた父は腰を上げて支度をします。母はラブとせつなに家にいるよう言います。テレビを辛そうに見るラブの横顔を見た母は後ろ髪を引かれるような面持ちで部屋を出ます。

 レミさんの家(美希の家)で合同家族会議。今まで娘達のことを知っているようで知らなかったと嘆く祈里母。普通プリキュアだなんて思わないと美希母は言います。そりゃそうだ、と笑いながら頷く祈里父。剛胆な人です。奥さんにたしなめられます。プリキュアの写真やテレビでの映像を録画して収集していたら実は娘でした、なんてことになったら目も当てられません。
 娘達をどうするのか、それを話し合おうと促すラブ父。


 リンクルンを通じて話し合うラブと美希。美希と祈里は事前に話合ってこのまま行く方向で話しをまとめたようです。ラブもせつなと同じ結論を出していたようです。すっきりしない別れになりますが猶予の時間はありません。公園に集合。祈里はすでに向かっています。
 ラブとせつなは家に「お父さん お母さんへ ごめんなさい」と置き手紙を残します。

 親達、特に母達は反対を訴えています。その様子を盗み見ながら美希はごめん、と小声で謝ります。姉に声をかける和希。美希は内緒にしててとお願いをしますが、和希は最初から止めるつもりはなく、姉さんの味方だと了承します。彼にとってはむしろ姉がプリキュアなのは誇りであるかもしれません。完璧な姉はより完璧な姉だったと。頑張って、と姉を送り出します。

 道の途中、ラブはどうしても会っておきたい人が居ると足を止めます。せつなはそれが誰であるのか分かったらしくラブの突然の申し出を受け入れます。
 彩られたクリスマスツリー。その前に大輔が待ち受けます。近づいてくるラブにクリスマスツリーに顔を向けたまま「よう」と返事をする大輔。大輔の堅い表情に躊躇いながら言葉を出そうとするラブに、大輔はプリキュアだったんなら早く言えよ、と口火を切ります。ごめん、と謝るラブ。姉も知っていて自分は知らなかった大輔。またごめんと謝るラブ。ピーチにラブが好きだと言った自分がバカみたいだと言う大輔。それにもごめん、と謝るラブ。かっこ悪いと言う大輔に、そんなことないとラブは言います。ラブから見て大輔は強くて勇気があってカッコイイ少年です。ややもすればプリキュアという有利な立場で大輔の好意を知ってから動いていたラブとは大きな違いがあります。それを彼女は自覚しています。
 例の返事を言おうとするラブに、ちょっと待ったコール。返事は帰ってから聞くと遮る大輔。ラブが行く気であることを知っている大輔は待っているからと言います。カッコイイです。これが振られるために待つというオチだったら目も当てられません。
 ありがとう大輔、とお礼を言うラブ。雪が降ってきます。別れの言葉。
 「悪い奴らばばーんとやっつけてこいよ!
 「まっかせなさ~い!

 合同家族会議は難航。祈里父は子ども達の意思を尊重しようと言います。その言葉を反芻するラブ母。見守ってやることも親の役目なのではないかと言う祈里父。なんとなくだけど、こういう場合父側は子どもに任せる意見を言うのが多そうな気がする。子どもいないけど私もそう言うだろう。自分の人生は自分で決めるべきだ。死ぬのも生きるのも、そもそも死ぬのが決まっているからこそどう生きるかは自ら選ぶべきだ。その方が人生きっと面白い。それすら出来なかったら私達は何を選べるというのだ。
 美希母はそれでも反対しようとします。普段旅行に行ったり家事を娘に任せたりと放任っぽいですがこの人は娘ありきなんだと思う。依存というか、娘がいるからこそ自由に振る舞える。それに彼女は娘と二人暮らし。
 ラブ母は、感情を抑えた声で後悔だけはさせたくないと言います。その言葉に場の意思は決まります。


③しばしの別れ
 公園に着くラブ。みんな集合しています。心残りは両親に黙って来たこと。美希は帰ってきたらいっぱい怒られようと言います。
 行く決心を固めるラブ達を呼ぶ声。両親がいつの間にか集まっています。ラブ母はつかつかと歩み寄ってきます。険しい表情。ラブは蛇に睨まれたカエルのように怯みます。母は表情を緩めると
 「行きなさい。自分の信じる道を
 「お母さん…
 「だだし約束よ、必ず全員で帰ってくること。いい? みんな待ってるからね

 笑顔で娘達を送り出す母。
 そうだぞラブちゃん、と声がする方を見ると商店街のみんなが来ています。和希が呼びに行っていたんでしょうか。街のみんなの姿を見てラブは涙を浮かべ、母に抱きつきます。
 「ありがとう
 「どういたしまして
 娘の頭を撫でながら母は涙を浮かべて応えます。

 それを感動の面持ちで見つめる美希達。魚屋のおっちゃんが何故か一番泣いています。歳を取ると涙脆くなるよね。
 「世界を頼んだぞ、ラブ
 父は娘に託します。
 「はい

 最後の変身。戦うための、戻ってくるための変身。
 タルトに餞別を渡すカオルちゃん。

 「それじゃ行ってきます

 娘達に世界の未来を託して両親達は見送ります。


④次回予告
 最終決戦。終わりの始まり。


○トピック
 掟破りなプリキュアの…でも絶対に正しいお別れの挨拶。「ありがとう」と「行ってきます」
 変身はしたけど戦闘がない、両親にプリキュアだと正体を明かす、一般人も世界の危機を認識している、とシリーズでも初の出来事ですが、一番大事なのは、プリキュアである彼女達がみんなに見守られて最終決戦へと赴くこと。

 本当にこのシリーズが広く深く高く続いてきたと実感します。シリーズ最初の「ふたりはプリキュア」はなぎさとほのかが人知れず最終決戦に向かいました。今のプリキュアはみんなに世界を託され見守られて向かっています。
 ヒーローものとしては最終決戦前の別れは王道でベターでしょうが、プリキュアでは違う意味も持ちます。それはプリキュアという作品の中で、プリキュアであることが彼女達に意味と役割を与えていることです。ざっくばらんに言ってしまえばこの別れは遠くの学校に行くとか夢のために一時的に親元を離れるとか何とか大会に出場するとかと同義です。世界を守るという大きい話しではあるけど、プリキュアという役がそれを担っているだけで「自分の選んだ道」を「自分の意思」で「周囲に理解されて旅立っていく」成長物語の基本に則っています。

 作中の一般人にプリキュアの存在が知られることが、キチンと個人の成長として日常の中の一要素として意味を持つことに繋がっています。自分でプリキュアであることを選び、プリキュアとしての役目や意味を周囲の人々が知り、それが応援され希望となり社会に貢献することであると自他ともに認められている。シリーズで成長物語を続けていくとどうしても年齢のことや、プリキュアということが足かせになってしまいがちになるんだけど、GoGo!の最終回、世界に羽ばたいていく少女達の物語の後継として、フレッシュが人々に応援されて世界を救いに、大切な友達シフォンを助けに行く展開になっているのは見事な繋がりです。彼女達は広い世界に羽ばたいてそこで活躍していく。
 だからこれは後ろ髪を引かれるような別れではあっていけないし、「ごめん」と言って別れてはいけないのです。祝福されて、結果をたたき出して笑顔で戻ってこい「待っているぞ」という信頼した応援に「ありがとう、行ってきます」と応える別れでなくてはいけないのです。プリキュアのシリーズ的伝統をぶち破って、プリキュアの伝統である正しい成長の仕方、送り出し方をしている本作はやっぱりプリキュアだよな!!と拍手を贈りたい。


 この感想でフレッシュはGoGo!の後継と何度も書いていますが、それはフレッシュプリキュアがそういう物語として作られているという意味ではありません。私が勝手に言っているだけです。シリーズ6年、ずっと見てきて、その中でこの物語が順序を追って常に新しいアプローチで物語の本質を変えずに紡がれている、そう自然に思えるからそう言っています。毎年そのときにやっているプリキュアが一番好きなんじゃないかと思える。それはこの物語が常に歩みを止めることなく紡がれているからです。それがプリキュアだと思っている。このシリーズそのものが好きだし、どんどん好きになる。良い作品に出会えた。
 ということで、気づけばフレッシュも終わりが近い。本作がどう物語を紡いで私達に何を見せてくれるのか楽しみ。
[ 2013年05月22日 12:15 ] カテゴリ:フレッシュプリキュア! | TB(0) | CM(-)
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