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第47話「気持ちをひとつに!青いバラの奇跡!!」

○今週の出来事
①扉の向こうにあるもの

 石化され館長のコレクションとなってしまったプリキュア。館長はキュアローズガーデンへと向かいます。パルミエやのぞみ達の世界には暗雲が立ちこめる。プリキュアを助けるためエターナル本館の扉を開けようとするローズですが扉は固く閉ざされています。

 ローズガーデンの扉の前に居たドーナツ王達は怒濤の速さで飛んでいく館長を見ます。このままではフローラが危ないと先を急ぎます。
 一方、先に進んでいたココナッツ達。階段が際限ないかのように続いています。扉に入ったらすぐローズガーデンが有るというわけではないようです。それはそうとドーナツ王達は扉の前でなにをしていたのか気になります。モンブラン王が高齢のため休んでいたのかババロア女王が井戸端マシンガントークをしていたのか。不思議生物形態では階段を上るのが大変。こういうときは人間体の方が効率よさそうです。気配を感じるココナッツ。階下から怒濤の勢いで館長が飛んでいきます。階段の行き着いた先にはもう一つの扉、その先は正真正銘のキュアローズガーデンです。


 キュアローズガーデンは厚い雲で覆われ、一面に咲く薔薇は生気が失われ枯れつつあります。その中央に弱った身体で佇むフローラ。衰弱が著しい。静かな世界を壊す音。フローラはそれが誰によって生み出されているか気づきおののきます。
 突風と共に姿を現すエターナルの館長。


 扉の前で立ち尽くすローズとシロップ。そこにスーツ姿のブンビーが現れます。扉は館長が封印してしまったから簡単には開けられないと言います。プリキュアの様子を見に行くと前置きして、何もなかった壁に通路を開いて入って行ってしまいます。
 隠し扉の前に立ち、罠かと警戒するローズ。シロップはもしかしたら本当にプリキュア達のところにいけるかもしれないと言います。他に道はありません。

 フローラは館長に贈ったものはどうしたか訪ねます。捨てた、と躊躇いなく答える館長。その言葉にフローラは驚き、次いで悲しみと嘆きの表情を表します。いくら待ってもプリキュアは来ないと淡々とフローラを追い詰める館長。


②無限の可能性を持った花を咲かせましょう
 シロップは一度来ているためか道を案内し、コレクションを保管している部屋にたどり着きます。案の定石化したプリキュアが保管されています。プリキュアに呼びかけるローズとシロップ。しかし答えは返ってきません。

 プリキュアをコレクションにしたと話す館長。フローラもコレクションにすることでコレクションは完成すると言います。結局こいつの目的はフローラをコレクションにしてローズガーデンも自分のものにすることか。フローラの安否を気遣っていたように見えたのも、コレクションのためだったということかな。それとフローラが自分を認めなかったことに対する意趣返しもあるか。
 フローラが自分はまもなく消えてしまうのでプリキュアとここにある薔薇は・・・と抗弁しようとした矢先、館長は薔薇を散らします。関連してのぞみ達の世界の一部が破壊されます。後述しますが、ローズガーデンの薔薇と世界は繋がっています。フローラが消えてしまう理由は未だもって謎であり、その後ローズガーデンがどうなるかも不明です。後継者が居るんだろうか。
 嘆くフローラに価値のないものはいらん、と館長。価値のないものはない、すべてのものにかけがえのない命があると言うフローラ。自分を止める力も薔薇を守る力も、誰にもない、コレクションになれと答える館長。フローラは命の存在そのものを肯定しているので力や価値の優劣はありません。得てしてそれは力や価値の優劣を行う合理的な選別に晒され否定や蔑ろにされることがあります。
 館長に自分の想いが伝わらず、わかってもらえなかったことを理解するフローラ。自分やローズガーデンを支配しても本当の宝を得たことにはならないと毅然と答えます。贈ったものこそが本当の宝だったと言います。


 フローラが館長に贈った宝(種)を持つシロップ。ローズと一緒に涙ぐみながらプリキュアに訴えます。一緒にローズガーデンに行くと約束したのだから約束は守れと抗議と哀願が混ざった声をあげます。ローズは膝をついてどうすればみんなを助けることが出来るのかと力なく言います。後ろからそれを見るブンビー。
 メルポが突然手紙をシロップに渡します。プリキュアからの手紙です。開けると、光が輝き、蝶の形をした光が一帯を照らします。これはプリキュアからのメッセージでみんなの心は生きていると知るシロップ。心には大きな力があると言うシロップ。フローラに教わったと言います。
 
 キュアローズガーデンで美しく咲く薔薇を見る幼いシロップ。フローラは種を植えたときから毎日心を込めてお世話していたからだと言います。種にこそすべてが、無限の可能性が秘められている、その可能性を開くのは育てる心、心には力があると話すフローラ。
 それを聞いたシロップはもっともっと心を込めてたくさんの薔薇を世界中に育てると言います。命を運ぶことがあなたの仕事だと答えるフローラ。それを嬉しそうに受け入れるシロップ。薔薇の種を運んで世界中に命を届けると喜びます。
 シロップはフローラが館長に伝えたかったことを理解します。種をかざしながらシロップはプリキュアに語りかけます。

 「冷静でいながら実はとっても熱い気持ちを持っているかれんはすごく頼りになるロプ。これからも知性と勇気でみんなを支えて欲しいロプ
 種に青い輝きが灯ります。

 「こまちの書くお話はどんな登場人物にも暖かい想いが込められていたロプ。心安らぐお話、シロップはたくさん読みたいロプ
 種に緑の輝きが灯ります。

 「うらら、女優を目指して辛いときも悲しいときもみんなの前ではじける笑顔を絶やさないうららにシロップはいっつも励まされていたロプ
 種に黄色い輝きが灯ります。

 「シロップは知ってるロプ。りんは部活も家の手伝いも頑張ってその上仲間に気を配って夢に向かって情熱を持ち続ける素晴らしい人ロプ
 種に赤い輝きが灯ります。

 「のぞみ、すべての始まりはのぞみロプ。シロップを最初に信じてくれたのはのぞみロプ。希望を持ち続け諦めない気持ち、みんなを明るく照らすのぞみの笑顔がシロップは大好きロプ
 種に桜色の輝きが灯ると、宙に浮き種から芽が出ます。成長して青い薔薇の蕾は赤い色を帯びながら花を咲かせます。
 「シロップは、シロップはみんなと行きたいロプ。キュアローズガーデンへ一緒に行くロプー!

 完全な成長を遂げた赤と青の色を持った薔薇は光を放ち、プリキュアを蘇らせます。手紙に込められたプリキュアの想いに応えたシロップの想いが種を成長させ、花開いたその無限の可能性はプリキュアに力を与えます。
 背中から蝶の羽が伸びるプリキュア。シロップに声が聞こえたとお礼を言うドリーム達。プリキュアから手紙が届いたから、生まれて初めて手紙を貰って嬉しかったと答えるシロップ。そうか、手紙を運ぶことはあっても貰うことはなかったな。メルポとローズにお礼を言うドリーム。ローズは目尻に溜まった涙を指で拭きながら心配かけさせるんじゃないといつものローズらしく答えます。羽のことを訪ねるローズ。自分でもわからないドリーム。しかし力が溢れてくると言います。
 ローズ達の後ろにブンビーが立っていることに気づくドリーム。シロップが案内してくれたとフォローを入れます。
 ブンビーはプリキュアを見ているうちにひたむきさというか、この組織に欠けている何かを感じたと言います。「早く行きたまえ。ぐずぐずしているときではないだろう」
 羽をたたむと先に歩を進めるプリキュア。ブンビーは自分もついて行こうか?と声をかけます。そんなこと言わずに黙って見送れば二枚目なのに、そんなこと言うから三枚目になる。でもそれがブンビーなんだよなぁ。「ブンビーさん、ありがとう」と答えるドリーム。初めて名前で呼ばれたブンビーは驚きながらも早く行け、と促します。みんなの後を追って走るドリーム。


③プリキュアの力
 轟音響くローズガーデン。息も絶え絶えに横たわるフローラ。フローラが居た一帯は爆撃で薔薇が完全に散ってしまっています。威嚇射撃なのか直撃は与えていません。ココナッツが止めに入ります。余興が出来たのか、面白いと攻撃態勢を取る館長。
 プリキュアはシロップに乗ってローズガーデンへ向かいます。

 館長の攻撃にバリアを張って耐えるココナッツ。そんな能力あったのか。王冠の力でしょうか。しかし基本は戦闘力ゼロの不思議生物。すぐに耐えきれなくなり倒れてしまいます。ココナッツに逃げてと言うフローラ。たとえ敵わなくても引くわけにはいかない、最後まで希望を持つと答えるココナッツ。
 まだ階段を上っていた国王達を通り過ぎていくシロップ。プリキュアを乗せていると分かって先を急ぎます。加速度に耐えながらフローラココナッツの身を案じるドリーム。ココ達を爆撃が容赦なく襲います。

 ローズガーデンは見渡す限り荒廃した土地になってしまいます。上空に居た館長は遊びは終わりと巨大な弾を打ち出します。逃げる力もないココナッツ。ココは最後まで諦めてはいけないと言います。何かに気づくココナッツ。遠い向こうに輝く六つの光。希望の光。

 空を飛んだプリキュア達とローズを乗せたシロップ。ドリームはシューティングスターで弾を粉砕します。弾の爆発で生じた黒煙の中から姿を現すプリキュア。
 「フローラさん、私達来たよ
 「はい、待っていました

 「あなたは、みんなやキュアローズガーデンを傷つけた。絶対許さない。行くよ!
 「Yes!
 「許さないだと!? 貴様達になに…」
 次の瞬間風を切る音と衝撃とともに言葉を止めざるをえなくなる館長。ドリームが目にもとまらぬ速さで館長に肘打ちを決めます。台詞を言う暇すら与えない。プリキュアの力に驚愕する館長。ドリームは渾身の力で館長を殴り飛ばします。
 地上から一筋の炎が伸びると、上空にいたルージュがそれを脚でキャッチしてそのままストライクを打ち込みます。来たこれ、バンクなしの必殺技。巨大な火球に身を包まれて落下する館長を鎖が受け止めます。受け止められたことで火球が爆発。燃えたままの館長をレモネードが地面に叩きつけます。マジ容赦無い。落下点にアクアが数本の矢をひいて一斉に放ちます。同時発射ではなく、連続で絶え間なく何本も。仕上げに巨大なソーサーを地面に振り下ろすミント。キュアローズガーデンの大地が砕けます。やり過ぎ!
 プリキュアの力に感嘆の声をあげるココナッツ。うっかりやり過ぎじゃね?とか言ったらどうなるか保証はありません。


④館長の真の力
 地面から上空に飛ぶ館長。纏っていた鎧にはヒビが入りボロボロです。プリキュアの力を認めます。お約束通りに本来の力を見せなくては、と言います。

 弱ったフローラの傍に寄るシロップ。フローラの心を館長に伝えられなかったことを詫びます。フローラも危険な目にあわせてしまったことを謝ります。シロップの無事に安堵するフローラ。
 シロップは何故自分が記憶を失っているときに教えてくれなかったのだと訪ねます。答えようとするフローラを遮るように館長の絶叫が聞こえてきます。館長を包み込む闇。その力を感じ取っておののくプリキュア。

 本来の姿を現す館長。鳥がモチーフのようです。胸にはホシイナーの原型みたいなものがあります。
危険を感じたドリームはみんな逃げて!と叫びます。散開したプリキュアを追う館長。レモネードを打ち倒し、心配するルージュを次の瞬間には打ち倒し、反撃するアクアを倒し、防御のソーサーを張ったミントを防御壁ごと破壊して地面に叩きつけます。シューティングスターを受け止めた館長を後ろから攻撃するローズ。しかし瞬間移動で姿を消すとドリームとローズが同士討ちになり、そのまま館長はふたりとも地面に叩きつけます。形勢は逆転のさらに逆転。復活したプリキュアも真の力を出した館長の前では赤子同様。

 「キュアローズガーデン。またの名を命の庭。それを消すと薔薇が司っていた命が失われる
 キュアローズガーデンを無差別に爆撃する館長。それに連動してパルミエ、サンクルミエール学園、街、そして地球が死に絶えていきます。
 火の大地と化すキュアローズガーデン。館長はこれで世界のすべてが永遠に自分のものになったと満足します。価値のあるものは手元にコレクションとして残り、価値のないものは滅びることで。

 為す術もなくその光景を見つめるココナッツ、フローラ、シロップ。プリキュアとローズは傷つき大地に伏したまま。
 世界に君臨する館長。


⑤次回予告
 いよいよ最終回。


○トピック
 前回よりピンチになっているのが凄い。怒濤の最終決戦はプリキュア恒例のインフレと作内テーマの昇華が加速します。

 プリキュアの石化をどう解くのか、キーワードである「みんな一緒」は当然としてもそれをどう示せるのかが今回の最大の鍵。青い薔薇の力を持つローズが単身館長に挑みながらもプリキュアに呼びかけ続けるとか、ローズ自身の希望がプリキュアを照らすことで復活とか想像していましたが、そんなことではなく、やはり物語に直結した肯定的な復活劇でした。
 すっかり盲点を突かれました。プリキュアは相互理解の物語。どっちが上で下とかではなく対等の関係が人間関係の基礎に置かれています。最初に話しかける人が居たとしてもそれに答える人が居ればそれは対等性と相互性を生みます。45話では未来に悩むシロップを心の闇から救い出したのぞみですが、今回はシロップがのぞみ達を救い出します。それも8話の「シロップ、今度その夢を見たら手紙を頂戴」「私、シロップの夢の中に行って、こっちだよって手を引っ張ってあげる。そしたら暗闇から出られるでしょ?」「行けるよ。シロップが届けてくれたら、その想いにぜーったい応えるんだもん」というのぞみの言葉をそのままシロップが実行することで。
 アナコンディの想いにもフローラの想いにも誰の想いにも応えない館長に対して、シロップはこれまで一緒にのぞみ達と居た中でずっと見てきた彼女達の良さや心を捉えて本心を話します。のぞみがシロップに一緒にキュアローズガーデンへ行こうと呼びかけたようにシロップものぞみ達に一緒に行こうと呼びかけることでこの循環は完全な相互性と対等性を持つことになります。相手に応えながら先へ進もうとするこの意思こそがプリキュアの物語の清々しいところです。

 種はキッカケです。誰かと会った、何かあったに対してそれをどう発展させ繋げていくのか、それを成長させていくことで無限の可能性が秘められている。たまたま偶然に会った人が生涯の伴侶になるかもしれないし、親友になるかもしれないし、何かの行動が大きなことに繋がるかもしれないのは、それは自分達が自分達でそれをやっていったからです。その意味で、この世にあるものの価値とはそもそも無価値(ニュートラル)であるとも言えます。同時にすべてに価値がある。すべてがそれぞれの形で命を持ち、お互いに存在し合っている。可能性はあらゆるものに内在している。館長が言っている価値とは生み出された後、価値が確定した後のものを指しているに過ぎなく、自らが生み出し見いだしたものではありません。しかもコレクションとして固定してしまえばその価値は発展する機会もなく永遠に存在するだけのものとなります。可能性の無いもの、可能性の無い世界。行き詰まるところは今回館長が滅ぼし自分のものになったと満足した世界そのものです。

 誰の想いにも応えない(無視・否定し続ける)館長に対する、プリキュア側の肯定によって生み出される答えは、誰かの想いに応えることであり、何故それが力や希望や可能性を秘めているかと言えば、それが当事者達によって作られるからであると明確に答えたこの決戦は見事と言わざるを得ません。「私」だけでも「あなた」だけ頑張ってもダメで、「私もあなたも」一緒に居ることで力は芽吹く。これだからプリキュアのバトルは面白い。力と精神的な強さがキチンと平衡しています。プリキュアの真髄は否定や対決に有らず。肯定によって自分達で実証することにある。

 そしてまたプリキュア達の本質が肯定や行為にあるのなら、それは常に発揮され続けられているもので、それを率直に言えば誠実さだと思います。真っ直ぐな気持ち。素直な態度。助けてくれたり気遣ってくれたならそれに「ありがとう」と言えること。今までずっと戦い続けてきたブンビーに対して、名前でありがとうと言うのはその意味でとてもプリキュア的です。騙し不正を働きいがみ合っていたとしても、それを改め直してご飯を作ってきたので仲直りに一緒に食べようと相手に言われたときに「いままで悪いことをしていたじゃないか!」「嫌だ!」と言うんじゃなくて、「ありがとう」「一緒に食べよう」と言うのが誠実さだと思うしそれがプリキュアらしさだと思います。良い意味で過去にしがらみがない。現在の在り方を大切にする。


 最終決戦お馴染みの唐突設定追加であるキュアローズガーデンは命の庭という話も終盤に相応しいインフレ(物語の拡張)です。フローラが「すべてのものにかけがえのない価値が」と言ったときにS☆Sをすぐに連想しました。プリキュアは人間賛歌が根本にありますが、拡張されて生命そのもの(生命が宿っている世界全体)を肯定しています。人間関係をより多様にしたのが5であり、GoGo!はそれを発展させてそれらの総体となっています。連綿と続くプリキュアの心は、各シリーズ、各登場人物、なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ達によって育てられています。

 次回は待ちに待った最終回。育てられた種が花咲くとき。しかと見よ!
[ 2013年05月22日 10:22 ] カテゴリ:プリキュア5GoGo! | TB(0) | CM(-)
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