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第18話「みんなに届け!うららの歌声」

○今週の出来事
①夜の公園で

 夕焼けの空を飛ぶシロップ。風を切り、風を感じます。
 太陽が沈み闇へと変化していく中、公園でシロップはベンチに独りで腰掛けるうららを見つけます。声をかけようとして思わず動きを止めます。
 大粒の涙をこぼし続ける少女。


 昼食タイム。生徒達が食堂に並びます。さりげなく工藤さんと宮本さんがいたりします。増子さんらしき人もいます。
 楽しく元気に食べたドーナツの話をするうらら。独りで泣いていた面影は微塵にも見られません。そのドーナツ屋に今日行こうとノリノリなのぞみ。他の4人はいつもののぞみの態度に笑います。こまちが今日は新曲のレコーディングがあるけどどういう曲?と尋ねます。「と~っても素敵な歌です」
 歌と聞いて姿を現すババロア女王。他の生徒達が大勢いるのでりんが隠します。TPOを考えてくれないので大変です。その様子を見て笑ううらら達。平和な、いつもの賑やかな日常です。
 食堂で(ホットケーキで買収され)働くシロップことシロー。多分シロップ目当てに食堂に来る生徒もいるでしょうから、売り上げアップが見込めます。流石おタカさん、これを読んでの採用だとしたらあなどれません。シロップはうららが昨日の様子とは全然違うことをいぶかります。
 のぞみがこの前受けたオーデションの結果を尋ねます。おそらく4話のときのオーディションだと思われます。表情と声を少し落としてダメだったと答えるうらら。少々気を落としつつもうららを応援するのぞみ達。
 その様子を見て疑問を口に出すシロップ。「女優って、泣くほど辛い思いをしてでもなりたいもんなのか」


 エターナル。この曲は…「ぶぉぉ、とびっきり!」と元の歌のイメージを粉々に打ち砕く歌声で歌うネバタコスさん。ちょ、お前はじけすぎ。「は・じ・け・る!憧れ!レッツゴー!!」小気味よく踊ったりもします。これくらいはじけて歌えば多少の音痴や下手さも吹き飛ぶと思います。もしかしてネバタコスさん面白い人ですか。
 しかし近所迷惑には違いが無く、最初から不機嫌モードのアナコンディがネバタコスのヘッドホンを石化させます。メデューサか。振り返ったネバタコスに「何ですかそれは?」と冷静に尋ねます。どうやら奪ってきたようで、イカス音楽が聴けると言います。うららファンなのかお前は。
 我々が奪うのは厳選されたコレクションでありそのようなものではない、と答えるアナコンディ。前回の獅子舞もそうですが、エターナルにとって価値あるものはコレクションリストに載っているものだけで、それ以外には価値は認めていないようです。遊ぶならやることやってからにしろ、と言うアナコンディに怒りを覚えるネバタコスですが、アナコンディには逆らえず不機嫌に去っていきます。この職場は居ずらいなぁ。


②シロップの気持ち
 サンクルミエール学園。この学校も結構可愛い子多いな。またも工藤さんと宮本さんが映っています。ペンダントは?ブローチは?となにやら相談するのぞみ達。ブローチに決めたようです。
 正門で声をかけるシロップ。だしぬけにのぞみ達にうららのところに行ってやれと言います。うららが泣いていたことを伝えます。オーディションのことかと推測するのぞみ達。あまり驚いてはいません。どちらかというと想定内の反応です。のぞみ達の意外な反応に苛立ちを感じるシロップ。うららが辛い思いをしていることを知りながらのほほんと笑っているのかと言葉を荒げます。私達なりに考えていると答えるこまち。しかしシロップは納得できません。こういうときは傍に居て励ましてやるべきだ!と大声で言います。その剣幕にたじろぐのぞみ達。かれんはその前にやることがある、と落ち着いた声で答えます。その答えに埒があかないと考え、こんなに冷たいとは思わなかったとその場を去ります。

 ナッツハウス。相談にのってやれ、とココに言うシロップ。ココはシロップの話を話半分に聞きながらあっさりとした口調で答えながらうららのレコーディング会場の場所を記した地図を渡します。相談にのれと再度言うシロップですが、まともに取り合わずシロップが心配していたと伝えておく、といい加減に答えるココ。もはや頼むのは諦めて一人で行くシロップ。見送るココ。
 ナッツはまたシロップに嫌われるぞ、と言いますが、ココはそれでシロップが飛んでいけるなら構わないと答えます。大人な態度です。


 会場に到着するシロップ。しかし警備員が出入り口にいるので中に入るのは難しそうです。強行突破を試みますがダメです。今度はぬいぐるみに扮して進入。成功です。
 中で自由に動こうとしたら警備員に発見され逃げます。目の前のドアが開いて…お約束のとおり激突。もちろんドアを開けたのはうららです。「え?」なうらら。可愛い。

 レコーディング。スタジオの中で鷲雄さんと一緒に座るシロップ。新曲の録音を行ううらら。担当の人と歌い方について打ち合わせます。シロップはうららが泣いていた光景を思い返します。練習、打ち合わせ、協議、仕事としてやることは大変です。


③うららの気持ち
 ビルの屋上。青空が広がります。休憩時間にも鼻歌を歌ううらら。うららとちょっと距離を置いて柵に身体を預けるシロップは休憩時間なら休めとぶっきらぼうに言います。うららは風を感じます。髪の毛の動きが細かい。シロップは飛べるからこの風を感じているんだね、と言ううらら。
 太陽が雲で隠れます。シロップは仕事が大変ではないか?と聞きます。とっても楽しいと答えるうらら。「本当は辛いんじゃないのか?」「え?」シロップを見るうらら。シロップは言うのを躊躇いながら泣いていたことを言います。ハッと息を呑むうらら。「やーだ、見られちゃいました?」と笑って答えます。シロップはうららの方を向いて「笑うな!」と大声で叫びます。驚くうらら。視線を合わせながらマジで聞いているんだと言います。
 太陽にかかっていた雲は去りまた太陽の日差しが届きます。不器用ですが悩みがあるなら相談にのると言うシロップ。うららはシロップの隣に移動して、シロップが夢で見る花園のことを尋ねます。バラがたくさん咲いているけど手を伸ばしても届かない。だから自分の目で見たいんだね、と察するうらら。シロップは自分のことはいいから、お前のこと…と言葉を途中で切ります。うららは何か正しい、自分の信じる確たる何かを見る瞳でシロップを見ながら「私も同じだよ」と答えます。何かを取り出すうらら。
 手帳に入った女性の写真。舞台女優、春日野まりあ。自分の母親。おぼろげな記憶の中で見た母親の姿。観客を前に舞台の上で演技する女優。幼いうららはお母さんのような女優になる、と言います。
 うららが何故女優を目指しているのかを知るシロップ。

 幼い頃の記憶がなく、それを見つけるために目指す少年。
 幼い頃の記憶の中にある母親の姿を目指す少女。


④夢を叶えるために
 屋上の扉が開き出てくるネバタコス。ノリノリで勇気の扉を歌います。って聞こえねーよ!と石化したヘッドホンを床に叩きつけて捨てます。一人漫才か君は。腹が立つったらないぜ! こっちは腹がよじれそうです。

 むしゃくしゃしていると言うネバタコス。怪人体に変化。ホシイナーを貯水タンクに憑依させます。
 イカ墨弾を放つネバタコス。シロップはうららを庇います。倒れた拍子に不思議生物形態に戻ります。シロップを抱き起こすうらら。直撃を受けたわけではないので、転んだだけです。プリキュアの男子は不思議生物で軟弱なので取り扱いに注意が必要です。
 キュアレモネードに変身。

 上空にイカ墨弾をばら撒いて煙幕を作り出します。敵の姿が見えない状況で、水撃がレモネードを襲います。回避運動。シロップを抱いているので大きな動きができません。レモネードをかく乱しながらホシイナーと連携をとって攻撃。攻撃というより牽制に近く、わざと外して遊んでいます。シロップはパクトを持っていないと答えます。しかしネバタコスはどっちでもいいと答えます。すぐにパクトを持っていくのも癪だと言うネバタコス。憂さ晴らしのためにレモネードを狙います。まさに小悪党。
 目の前に現れたホシイナーから大量の水撃が放たれます。回避、ビルから飛び降りて地面に着地。しかし疲弊しているため体力が持ちません。落下してきたホシイナーの爆風を受けて倒れてしまいます。素敵アングル。これでスパッツが無ければなお良いシーンなのですが(最低です)。
 遊び足りなさそうなネバタコス。倒れたレモネードを心配するシロップ。一人では無理だと言います。無理だと思っちゃダメだよ、と弱弱しくも答えるレモネード。「諦めたら、そこから一歩も先へ進めなくなっちゃうから」圧倒的に不利な状況でも瞳にはまだ希望が宿っています。
 「私、見てみたいの
 「舞台の上でお母さんはすごく幸せそうに笑ってたの。あの舞台の上からなにが見えるのか、私も見てみたいって。そう思ったの
 「だから」立ち上がるレモネード「お母さんが立っていた、あの舞台に立つまでは、絶対に諦めない! そう決めたの!
 「だから泣くほど辛いときがあっても諦めないロプ?
 「シロップも一緒でしょ? キュアローズガーデンに行けば自分が誰か分かるかもしれない、シロップはそう信じて頑張ってるのよね?
 「ロプ・・・!
 「私達、ちょっと似ているね
 「ちょっと似てるロプ

 くだらないと断じて、攻撃するネバタコス。それを受け止めるレモネード。ネバタコスの攻撃を弾きます。このBGMは!
 「私には行きたい場所がある。そこにたどり着くまで倒れるわけにはいかないの!」映画で5人が未来を志向したときにかかったBGM「昨日の私を越えていく」がかかりながら、ネバタコスに特攻するレモネード。ネバタコスも足を増やして応戦します。ネバタコスからのびる無数の足を蹴り払い、俊敏な動きで交戦するレモネード。このシーンを文章で説明することは私にはできません。プリキュア標準の「ときどき凄いアクション」が発動しています。このアニメは今週から「はじけるレモンの香り キュアレモネード」という番組名に変わりましたといわれても納得してしまいそうです。
 一対一の戦闘で引けをとらないレモネード。ネバタコスはホシイナーを使ってレモネードを攻撃します。回避。2対1で分が悪い。

 「ちょっと待った!
 ちょっと待ったコール。のぞみの声です。声のした方、ビルの屋上に佇むプリキュア4人。って変身シーン無いの!! これ一番驚いた。変身シーン端折って登場。シリーズ初!
 正義のヒロインは高いところに現れます。一人ひとりめっちゃ強そうです。BGMは主題歌のアレンジバージョン。これ好きなんだよねー。
 「私達の大切な仲間を傷つけることは許さないんだから!
 遅ればせながら現れた仲間に安心するレモネード。
 「お待たせ♪
 「レモネードにはこれから大事な仕事があるの
 「邪魔はさせないわ!
 4人に構わずネバタコスはイカ墨弾をレモネードに向けて発射します。すげーいい動きしているな、この弾幕。防御の姿勢をとるレモネード。ミルキィローズが登場して弾幕を全て弾きます。カッコイイ。「憂さ晴らしに、そんなつまらないことに付き合うつもりはないわ!」つか、ローズのこと忘れてた。きっと美味しい登場シーンを狙って控えていたのだと思います。

 プリキュア5、ミルキィローズが集合して、戦闘再スタート。レモネードが無詠唱ではじける何かを出します。それなんだよ、やっべカッコよすぎる。映画のミントもそうだけど本来詠唱付きでやっている必殺技を無詠唱で瞬時的に出すのはカッコイイ。しかも力が微妙に限定されているというか、部分的に発動しているのが熱い。バンクによる必殺技の面白いところはこういう変則的なことをしたときのギャップの面白さもあります。
 並び立つプリキュアとミルキィローズ。レモネードが前に立ちます。
 「なんなんだ!?一体!? くだらねぇことでムキになりやがって!
 「くだらないことなんかじゃない! 私は歌やお芝居をとおしてみんなにつたえたいことがあるの!
 「はぁ?そんなことして何になるってんだ!?
 「私もお母さんみたいに皆を笑顔にしたい。そんな気持ちを込めて今日、私は歌うの。だから!邪魔をしないで!

 プリズムチェーンを回避して撤退するネバタコス。ホシイナーを破壊します。


⑤のぞみ達の気持ち
 うららに贈り物をするのぞみ。中にはブローチなどのアクセサリーが入っています。りんがデザイン。製作はみんな。
 うららのためにこれを作っていたのか、と知るシロップ。屈託のないのぞみ達の笑顔。くるみもパワーを込めたから絶対大丈夫!と言います。

 録音スタート。

⑥うららの歌
 「ツインテールの魔法」を歌ううらら。のぞみ達は聞き入ります。
 CDショップに並ぶうららのCD。CDを手にとって友達となにやら話す少女たち。うららのポスターもあります。それください! 金ならいくらでも出す。糸目はつけない。是非。CD十枚くらい買えばもらえますか?
 街頭でチラシ配り。新しいチームのユニフォームを着ています。うららのおじいさんも頑張ります。
 電車のホーム。電車の中の中吊り広告でもポスター満載。その電車どこで乗れますか? 乗るために行きます。
 屋外の大型テレビでもPR。アイドル衣装で歌ううらら。コンサート会場ではお客さんでひしめき合っています。のぞみ達、うららのお父さん、おじいちゃん、鷲雄さん、増子さん。


 夕方。橋の上。かつてうららがそこに居て、のぞみが歌手デビューを応援してくれた場所。
 目の前にいるのはシロップです。うららの方に歩きながら女優の方はどうなんだ?と尋ねます。苦笑しながらなかなか良い役がもらえないと答えるうらら。歌手は上手くいっているようですが、本来の夢にはまだまだ遠いようです。厳しくてもへこたれないうらら。
 のぞみ達の前では無理に笑わなくてもいいんじゃないか?とシロップは言います。のぞみ達ならうららの全てを受け止めてくれるでしょう。笑顔も泣き顔も悩みも弱さも。
 「ううん、私ね、みんなと居るときが一番自然になれるの」大人びた声。
 「みんなが私を笑顔で迎えてくれるから
 「だから落ち込むことがあっても、また頑張れるの
 人を想う気持ち。それは多様にある。必ずしも同じ形、同じ行為ではない。のぞみ達はうららの苦悩、辛さ、仕事の困難さ、しかしそれでもうららがその夢のために全力で頑張っていること、頑張りとおすであろうことを知っている。だからのぞみ達はいつでもうららが安心して、バカ騒ぎでき、心から楽しめるように迎える。うららの苦悩や悩みがわからないわけじゃない。のぞみ達はいつでも、どこでもうららが笑顔で頑張れることを一番に望んで応援している。辛いことがあってもまた頑張れる勇気と力を少しでも出してもらえるように。そのことをうららは知っている。
 行為とは、客観的には「~をした」「~をしなかった」という風にしか映らない。しかし、その行為の中、人と人との間に存在する関係、行為と人を繋いでいる関係の中にその人達の気持ちや絆や経験が存在している。その無形の存在は、人に力を与え得る。

 大きなため息をついて、踵を返して歩くシロップ。うららは追って下からシロップを覗き込みます。うららものぞみ達も凄いと思うシロップ。いや、ほんと、凄いよ、この娘ら。
 「頑張って行こうね、キュアローズガーデン」 その輪の中にシロップも入れる。
 ぶっきらぼうにうららに紙片を渡します。「シロップ乗車券」うららから目を逸らして落ち込むときがあれば使えと言います。空ではいい風が吹いています。
 人を想う気持ち。それは多様にある。必ずしも同じ形、同じ行為ではない。シロップにはシロップの想う気持ちがある。
 「ありがとう


⑦次回予告
 ぶっっ、吹いた。かれんのこの扱い。スタッフ自由過ぎ。しかしそれでもかれミル回。期待しています。またみてねのイラストをCDジャケットにすべき。


○トピック
 製作スタッフと、のぞみ達のその限りない愛情を受けるうららの話。話が熱いとかアクションが凄いとか、シロうらフラグ(うらのぞが一番です!)とか色々あるけれど、うららの話は真面目な話なので大好きです。今回の話をより堪能するには前作シリーズで少なくてもうららメインの話を見ておくことをお薦めします。

 プリキュアらしいとても肯定的で美しいお話。不器用で直球なシロップの優しさ、のぞみ達のうららを想う気持ち、それを理解しているうらら。辛いことがあっても、笑顔で前を向いて進んでいこうとするこの元気さと強さが素晴らしい。


 色々見所満載なのでなにから手をつけるか迷うところですが、まず今回のお話がうららとシロップを軸にしている点が見事です。
 これまで「のぞみとりん」「かれんとこまち」の話があった中で、うららがのぞみ達と組まずにシロップと組んでいます。うららはすでにのぞみ達と深い愛情と信頼を相互に結んでいます。特にうららの仕事に対しての態度について7人(ココナッツミルクも含む)は暖かく応援することで一致しています。うららがオーディションに落ちたことを知って、泣いていたことを知ってものぞみ達はうららを慰めようとはしません。それはシロップからすれば薄情にも見えます。何故辛い思いをしている仲間を前にしてお前らは何もしようとしないんだ!と。まずのぞみ達にうららが辛い思いをしていることを伝えて何とかしてもらおう、ココに頼んで何とかしてもらおうという彼の行為は彼の率直で素直な優しさが現れています。
 しかし結局うららの涙をじかに見たのはシロップであり、心配しているのはシロップです。シロップの気持ちは他の誰かの気持ちではありません。だから今回シロップは他の誰にも頼らずに直接うららに気持ちを伝えることが必要でした(ココがそれを了解してシロップに促しているのはプリキュア的な大人としての立場が出ています)。伝えたいと思うほどシロップはうららを心配していたのですから。「伝えたい」気持ちは「行為」によって自らが伝えなければなりません。屋上での直接的なシロップの言葉は不器用ですが、それだけにうららのことを真剣に思っていることがうららにわかったと思います。
 仕事で辛い思いをして悩むことがあります。それを思って心配するシロップがそんなうららにどう接して上手い言葉をかけられるのか苦労していることをうららはわかったはずです。プリキュアの物語の基本と本質は相互性と対等性です。悩んでいるうららを慰めるシロップ、と同時にどうしてよいのか悩みながら話しかけるシロップにうららが気持ちを伝えるという相互的な関係になっています。だから屋上での会話でうららは対等の口調になっています。
 相談や慰めは本質的な問題解決にはなりません。結局は自分で解決するしかないことです。だから、相談や慰めはその相手が自分を真剣に思っていることを知ることに意味があるのだろうと思います。あまり私は人の相談を受けないし、相談したこともないので想像でしかありませんが。独りではないこと、孤独ではないこと、お互いに苦労、辛さ、弱さを持っていること、相手が、自分が、自分を、相手をお互いに受け入れることに意味があるのだろうと思う。それは自己の世界を大きく広げ、視野を大きくすることを可能にするからです。誰もが辛さや苦痛を感じ、それに耐えています。
 他者の弱さを知ることは、同情することではなく人が苦しんで耐えているから自分も耐えようというのでもなく、自分や相手が辛さを味わっている中でも他者に笑顔を与えうること、耐えうることを相手に示せること、自分がそれを知ることによる可能性の拡大であると思う。
 シロップはうららが辛いことがあっても女優になりたい理由と強さを持っていることを知ります。
 うららはシロップの優しさと、彼がローズガーデンに行きたい理由を自分と重ねてより理解しています。

 そしてシロップは、薄情に見えたのぞみ達が心からうららを応援していること、彼女達がしたいのは慰めではなく、うららが笑顔で元気に居られる場所を作ることだと知ります。それをうららが知っていることも。
 シロップが感じたうららへの気持ちは彼が行為することでうららに伝わり、うららはそれに答えてシロップに返します。その上で、のぞみ達のうららへの愛情の在り方、シロップの優しさを両方肯定しています。気持ちは人によって形が変わり、多様にあり、どれが正しいかなど決める意味はありません。相互にその結びつきが成り立っているならそれでいいんです。


 それとうららの話で欠かせないのは夢の話。
 うららの一番の夢は女優になることですが、それと並んで歌手として歌うことも彼女は価値を置いています。この歌手としてのうららの夢はのぞみ達の応援があって実現したものでした。うららが歌と芝居をとおして気持ちを伝えたい、みんなを笑顔にしたいために歌うと自己実現の手段として肯定しています。今はまだ女優として未熟でも、それだけじゃない自己実現、夢を持ったのは彼女にとって本当の幸福であったかはまだわからないですが(これは結果論になる)、うららの可能性と夢をかなえるための手段が友達との出会いと関係によって広がっています。

 夢を持つということは、未来に希望を持つことを可能にします。なりたい姿、やりたいこと、未来に希望があるから今は辛くても頑張ることができます。希望がなくてどうやって頑張ることができるでしょうか。ただ生きるために、その日を生き、食べていくことしかできないなら、人間は他の動物と同じです。いや、まあ、動物なんだけど。幸か不幸か人間は考えること、悩むこと、幸せだと感じることができるようになっています。
 ここからプリキュアとは全く関係なくなるのですが、私は、では、人間が生きる意味とは何だ、何で生きられるのかと考えます。5の総括感想で「死」とか言い出しましたけど、私は常にってほど常でもないけど思うんです。死ぬのに何で生きられるのか、と。死を忘れているからか? 実感していないからか? その日を生きれば良くて先のことを考えることを放棄しているからか。比喩ではなく本当に死ぬ思いをして、それを抜いても辛く不自由な思いをするのに何故生きられるのか。どう生きていけばよいのか。夢があればいいのか。全ては終わるのに夢なんてあり得るのか。抱き続けられるのか。そう思うんです。
 いや、別に厭世観に浸っているわけでも、悲観しているわけでもなくて、普通に仕事して食べてますし、普通に生きられます。何か、こう、見つけたいんです。死を知りながらでも全ての夢が無くなり死しかないとしても、あと数瞬で死ぬとしても、それでも生きることを絶対的に信じ確信できる何かを。死を含んだ生を確信したい。それを悟りというのか回心というのか神の啓示というのか真理というのかは知りません。
 夢や理想などは所詮人が心に抱いた幻想です。確定事項ではない。保証されていない未来像、信念です。でも人はそれを持って生きることができる。現実の辛さに耐えて未来を信じることができます。そうであるなら、普遍的な、決して揺るぐことの無い生の実感と希望と意味を持ちえることができるだろう、と私は信じています。これも結局は保証されない曖昧さ、人の心が作り出す幻想なのだけど、それで構わない。

 っていうことをプリキュアを見ながら考えています。哲学書か宗教の本でも読めといわれそうですが、私に言わせれば所詮それらも手段の違いに過ぎません。本質的には同種のことを語っているだけです。話し方が違うに過ぎない。私は多分、この道筋が自分に合っていて自分で自覚できる方法なんだろうと思います。プリキュアだけじゃなくて他にも色々なものからも得ていますが。


 どうしようもなくプリキュアとは離れた話をしたところで、私はプリキュアからそういった様々なことを考え、得ることができます。プリキュアの物語が見せるこの相互性、行動力、自己の拡張性、未来への志向、希望、肯定感が大好きです。
 生きる中で辛さを感じても、私達はその中で幸福と豊かさを感じることができる。それを信じることができる。
[ 2013年05月22日 10:09 ] カテゴリ:プリキュア5GoGo! | TB(0) | CM(-)
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