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第45話「のぞみとココのクリスマスの誓い」

○今週の出来事
①叶えること、別れること

 ピンキーをキャッチ。通算54番目。そう55のピンキーが54まで集まりました。凄い。今までナイトメアは一個も取ってなかったのが凄い。思い起こせばブンビー、ガマオ、ハデーニャと現地で捕獲しておきながら持ち帰らずにコワイナー化させていたのは失策でした。55匹必要ということは1匹でも足りなければ無効なのですからとりあえず妨害するだけなら簡単な話しです。大体にして捕獲作戦は人海戦術が基本なんだからもっと人を回せばいいのに。やはりナイトメアもリストラと人件費削減で人手不足なのでしょうか。

 ピンキーを捕獲したのぞみとりん。気づくとこの場所は以前未来(みく)さんが結婚式をあげたところです。大きな木にはクリスマスの飾りが付けられています。雪が降って喜ぶのぞみ。ホワイトクリスマスになります。
 ちょっと離れたところに居るココナッツ。王国復活は目前です。しかしそれはこの世界に居られる時間が少しということを意味します。念願の夢が実現するにも関わらず表情を落とすココ。


 翌日。ナッツハウスの前で雪だるまを作る一同。夢がもう少しで実現できることを嬉しがるのぞみ。ここでさらりとミルクが新事実を言います。現職の王様は引退したのでココかナッツが王様にならなければなりません。ナッツはココを推薦します。ココはナッツを推薦します。言い争いが雪合戦に発展します。相手を褒めてんだか押し付けあってんだか。ミルクが仲裁に入ります。どちらがなっても国民は嬉しいと言います。今の言い争いを見ていると非常に不安になります。なお、王様は選挙で選ばれるそうです。…えらい民主的な王政だなぁ。
 王様って結構エライよね~とノーテンキなのぞみ。りんが一番エライのだとツッコミます。お気楽なのぞみは王様になってもこっちに来てと言いますが、ナッツが即無理だと返します。ストレートだな。そこに蹴りを打ち込むココ。言葉をやわらかくします。
 王子はまだしも王様となれば国に常駐しなければなりません。王国が復活すればココナッツのどちらかは王様になり、残った方も王国にいるのが正しい姿です。ココ達との別れを承知しているこまち。その言葉に驚くのぞみ。見ると他の三人も承知しています。気が早いまだ王国は蘇っていないと別れたくない気持ちを口にするココ。事の重大さが分かっていなかったのぞみも気づいてしまいます。夢の実現は別れを伴う。
 口では納得したかのような言葉を出すもそれを受け入れられないのぞみ。


 ビル。ハデーニャが失敗しこの部署にはガッカリだと言うカワリーノ。ブラッディは何故仮面を無理やり付けたのかと聞きます。昔は使わなかったのにカワリーノがデスパライアの側近になってから使い始めたようです。カワリーノの目的を問うブラッディ。お、こちらでも動き始めた。今までカワリーノは冷酷忠実な幹部だと思っていたけど案外黒幕なのか。デスパライア様のために働くこと以外に目的なんてあるんですか?と答えるカワリーノ。表情からは真意が読み取れません。
 んー、今まであまり気にしていなかったけど、カワリーノはのぞみのカウンターかもしれないなぁ。表向きカワリーノはデスパライアのために働いている、ということはデスパライアの夢のために動いているということになる。これはのぞみがココの夢のために動いていることと同じ構造。そのまま同じ構造なわけじゃないだろうから(でないとのぞみ側の正当性が引き立たない)、カワリーノはデスパライアを利用しているという持って行き方の方がしっくりくる。のぞみが夢実現のために仲間を集めて協力しているのに対して、カワリーノは使い捨てていることも対比構造としては分かりやすい。

 固唾を呑んで見守るブンビー。思わずブラッディを応援します。探り合いを止めてブラッディは出動します。残ったブンビーを見るカワリーノ。ギクりとするブンビー。カワリーノはブンビーに冷たく言い放ち消えます。追い詰められ居場所がなくなりつつあるブンビー。周囲に居る社員達に向かって「明日は我が身だぞ」と呼びかけても無反応。絶望した者に何を言っても無駄です。


②叶えること
 店のお手伝いをするのぞみ。元気なように見えますが、のぞみが無理していることに気づいているりん達。特にりんはのぞみを知るだけにのぞみがかなりショックを受けていることを悟ります。がむしゃらに一生懸命やってきたけどその結果別れることになるとは考えていなかったのぞみ。のぞみとココの出会いが元々の始まりです。ココと一番付き合いが長いのものぞみ。のぞみがショックを受けていることに同情する皆。しかし、気持ちは分かってもココナッツは王国に必要です。
 ココナッツは屋根の雪下ろし。ナッツはのぞみを心配してココに話しかけます。ココは大丈夫だと答えますが、ナッツはお前は良いのか?と付け加えます。ココものぞみと別れたくないと考えているならこの問題は両者が解決しなければならないことです。

 店番も終わり、ケーキを用意するココナッツミルク。乾杯の準備完了。のぞみが乾杯の音頭をとりますが、固まってしまいます。デコレーションされたケーキに書かれている「ありがとう」の文字。否応にも別れを連想してしまいます。何とか仕切りなおして乾杯。
 ケーキを美味しく食べるうらら。デコレーションを褒めるかれん。ミルクも嬉しそうです。食が進まないのぞみ。あとどれくらいココ達と居られるのか。全然関係ないですが、ケーキを膝の上に置いたときののぞみの膝がプリティだと思います。


 現れるブラッディ。不法侵入です。っていうか、元々どこに住んでいるのかとか分かっています。夜に奇襲かけるとかそういう卑怯なことは番組上出来ない決まりです。ヒーロー協定とかそういうのがあると思います。
 仮面をナッツハウスに取り付けます。相変わらずフィールド系の使い手です。逃げるのぞみ達。外に出るとコワイナーはナッツハウスの形をしたまま立ち上がります。こうなるとフィールド系の意味があまりありません。
 無数の手に捕まってしまうココナッツミルク。変身です。プリキュアの実力を認めるブラッディ。しかし弱点があると言います。

 怪人体になって攻撃を仕掛けるブラッディ。5人の柱つまりドリームを狙います。他の4人はコワイナーが受け持ちます。素早い動きでドリームを翻弄し、彼女に迷いがあることを指摘します。夢の実現とそれに伴う別れのことを言うブラッディ。夢が叶わなければ別れなくて済む、そう思っただろう?と問います。耐えられずブラッディを突き飛ばし攻撃を仕掛けるドリーム。本音を言い当てられこれ以上相手の言葉に耳を傾けたくないことを証明した動きです。承知しているブラッディは言葉を続けます。二律背反する気持ちに疲れ思考停止し全てを拒絶する、それが絶望。ドリームを振り払います。
 トドメを刺そうとするブラッディにコワイナーを振り切り攻撃する4人。
迷って当たり前でしょ!
立ち止まってもいいじゃないですか!
すぐに答えは出ないかもしれないけど!
私達はいつでもドリームの力になる!

 ブラッディはドリームが絶望し立ち上がることは無いと言います。ドリームを信じるナッツミルク。ドリームの傍に立つココ。顔を俯かせ、何も言わずドリームを見つめます。うお、ここ分かんね。このココの動きの意図に確信が持てない。多分、ココはドリームに任せたのだと思う。ココはのぞみの気持ちを知っているし彼自身がのぞみと別れたくないと思っている。だから夢を叶えるために立ち上がってくれとは言えない。それはのぞみとココの気持ちの半分を表すけど残り半分を無視する。その逆も同じ。一緒に居続けたいとは言えない。夢を無視してしまう。迷っているのぞみに「信じている」ということは無意味だ。何を信じれば良いんだということになる(だからアクアが言うように「力になる」ことしか出来ない)。ココ自身も迷っている。

 立ち上がるドリーム。この作品の主人公にして、シリーズの伝統的お約束である「アホの主人公」であり、同じく伝統である前進し続ける駆動力を持った主人公。高潔な意思の持ち主。どんな困難や不正にも毅然と立ち向かい抵抗する芯の強さを持つ。正義の心(この場合の正義とは、心の正しさ、真っ直ぐさ、純粋さ、素朴さ、愛情、信義を指す)を持ち続ける者。
 「私ココと約束したんだ、必ずパルミエ王国を蘇らせるって。きっとそれがココにとって一番善いことだと思う
 「私はココの夢を叶えたい。どんなことがあっても叶えてみせる!

 この昂進の意志、たまらんね。この意志そのものを感じるためにこの作品を見ている。この言葉では言い表せないほど意志力が溢れ出る人の強さや確信、駆動力、生命力が素晴らしい。
 人は迷うときがあるし、その時に歩む足を止めてしまう。二律背反する事柄、循環する思考、未来への不安、現状を維持したい気持ち。しかしどんなに止まっていたいと思っていても、答えを出すことをずっと保留していたいと思っていても、時間は過ぎていく。悩むのは猶予の時間だ。それには必ず終わりが来る。事象が終わってしまう前に答えを出さなければいけない。それは人が持つ自由の中から何かを選びとることを意味する(この選択は能動的になされることが条件)。自由の中から選択すること、それは人の自由意志を意味し、人に限りない充実と生命力を与える。その力の凄さ、精神の高揚、充実感、幸福、それを抱いている人の輝き具合を見たり感じたりすると活力がみなぎってくる。


 コワイナーを撃破しブラッディ撤退。
 カワリーノはデスパライアにドリームコレットが使用可能になるのは時間の問題だと報告します。なるほど漁夫の利を狙うわけか。


③別れること
 クリスマスパーティは終わり、坂本さんが向かえに来ます。別れの挨拶をするココにのぞみは元気なく答えます。夢を叶えることを決心しても、残った方の気持ちの整理はまだです。思わずのぞみの名前を呼ぶココ。どうしていいか分からず照れてしまいます。
 ナッツが気を利かせて家まで送っていけと送り出します。上着も渡します。気が利く男です。うらら達は坂本さんの車で送られていきます。全然関係ないですが、うららのオーバーニーが左右で長さが違う(ズレている)のはとても可愛いと思います。実は出てくるたんびに嬉しかったりします。

 一緒に帰るのぞみとココ。雪が降り道路に積もっています。ふとのぞみは誰も通っていない路地を見つけます。ふたり一緒に踏み出して足跡を付けます。雪が解けてしまえばこの足跡も消えてしまうと考えるのぞみ。ココは「問題です、雪が解けても残るものがあります、それは何でしょう?」と尋ねます。残るものそれは思い出。人の記憶。経験の蓄積。のぞみとの思い出は忘れないと言うココ。カッコイイなこの人。イケメンだからカッコイイなんてもんじゃなく、カッコイイからカッコイイと言わざるを得ない。そのセリフ貰っていいですか?

 路地を過ぎ、昨日見た結婚式会場に着きます。彩られたクリスマスツリー。のぞみはパルミエでもツリーに飾ればいいと言います。同意するココ。
 クリスマスツリーを見つめるふたり。緩やかに時間は過ぎます。のぞみが瞳に涙を浮かべていることに気づくココ。本人も気づいていなかったようです。彼女は本心からパルミエ復活を望んでいます。それに偽りは無い。同じく、ココと別れたくないことも偽りでは無い。
 ココはパルミエが素晴らしい国であったことを話します。それが無くなり独りになり希望を失った暗く辛い過去。彼はのぞみが助けてくれたんだと言います。のぞみの行動、のぞみの気持ち、のぞみがこれまでやってきたことを肯定するココ。のぞみの輝きに救われ助けられたことに感謝します。
 のぞみはココにずっと居て欲しいと素直に打ち明けます。ココも同じ気持ちだと言います。でも別れなければならないことはふたりとも知っています。ココは一緒に居る今を大切にしたいと言います。のぞみもココと一緒に居る時間が大好きだと答えます。


④次回予告
 いよいよ最終章。プリキュア的超展開の始まりです。


○トピック
 ふたりはキスしてない。そんなことは絶対に認めない!
 …とは本編の余韻をぶち壊にする、さもしく浅はかなクリスマスシーズンなのに日曜の朝から幼児向けアニメ見ている成人男性の叫び。


 とても素直なふたりのとても素直な相互理解。夢を叶えることが全て幸福と解決をもたらすかと言えばそうではなくて、叶えても、叶えるからこそ実現してしまう辛いこともある。そのことにのぞみは気づいてしまい迷ってしまう。けどココものぞみもそれに向き合って、お互いに辛さを知り、理解する。

 パルミエ復活の夢を叶えることと、ココ達と別れてしまうことを一緒くたにしないあたりはプリキュアらしい丁寧さです。他者の夢を叶えること、それはその他者にとって大切なことであると同時に自分の夢でもある。でも別れたくも無い。これは二律背反することですが、気持ちとしては別ものです。夢を叶えたいという気持ちも別れたく無いという気持ちも偽り無いものだからです。単に現実的な問題として同時に叶えられないだけです。
 だからどちらかの意思だけでもってどちらかを押しやってはいけないのです。それぞれに自分の解答を出さなければいけない。勿論出さなければいけない理由はないです。別に押しやってもいい。けど、自分の気持ちに向き合い、現実に向き合いそれでも選択していくことに、強さと素晴らしさがあると思う。どうせ選ぶならゼロかマイナスよりもプラスを選びたい。(受動的または思考停止したままだと基本的にゼロかマイナスになる)

 のぞみは夢を実現させることを決断します。これは正しく、高潔な意思です。これは彼女自身の(上述した意味の)正義に根ざしたものだからです。彼女は不正を決して許しません。パルミエを潰したナイトメアを許さないし、自分の正しいと思うことを信じている。常に彼女は自分の心に真っ直ぐです。ちなみに、何の根拠で「正しい」と言っているかというと、根拠はありません。私の直感です。のぞみの正義は正しいものだという直感と確信。自分の私利私欲(この場合はココと別れたくない)を捨てでも他者のために動こうとすること、その気持ちを尊いものだと思う。
 夢の実現と同じくのぞみはココと別れたくないという気持ちにも向き合います。悲しいものは悲しい、辛いものは辛い、一緒に居たいものは一緒に居たい。それをココに伝える。ココものぞみに感謝し、同じ気持ちであることを伝え、だからこそのぞみと居ることを大切にしようと言う。夢の実現と別離への不安。相反する自分の気持ちにそれぞれ向き合うこの素直さ。プリキュア的素直さが素敵です。そしてそういう迷う気持ち、猶予の時間を決して否定しないのもまた素敵です。迷って当たり前で立ち止まったっていいじゃないか!と言う。そのとおりです。迷いは不正や悪ではない。重要なのはその迷いに真摯に向き合い答えを出せるか。選択できるか。その意思の強さ、主体性を心の正しさとか強さとか言うと思う。その強さ、輝きは他者に善いものを与える。そしてそれがまた自分にも返ってくる。

 自分の弱さや誘惑に屈しそうになることがあってもそれに向き合って、自分の取るべき行動を選択し意志していく物語。えらい硬派で骨太な話し。恋愛しているようで恋愛にとどまらない人の可能性と強さを見せてもらいました。


 しかし、本当に続投するんだろうかと本気で思ってしまう。次期に続投するんだからココナッツミルクは居ると思うんだけど、思いっきりこのまま最終回を迎えそうな勢い。とはいえ、そういう続投するから別れを曖昧なままにしたまま話を続けるという妥協をしないあたりがプリキュアらしいところで硬派な所だと思います。別れても別れなくても、この彼女たちの決意や決断というのは全く霞む事はありません。選択を決断していくことは結果であると同時に未来への過程でもあるからです。それは蓄積し残っていくものです。
[ 2013年05月22日 09:54 ] カテゴリ:Yes!プリキュア5 | TB(0) | CM(-)
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