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第42話「りんとかれんのひそかな約束」

○今週の出来事
①クリスマスの準備

 クリスマスセールのためナッツハウスではピンキーを使ってチラシを大量に発行。印刷代がかからない優れ物です。
 皆で飾りつけ。うららは照明を使って商品の見栄えを良くします。撮影のときに照明の人が教えてくれたそうです。「輝いて見える」は何かの口説き文句に使えるでしょうか。とりあえず、うららはのぞみを見ているときが輝いて見える(口説き文句じゃねぇ)。
 こまちはメッセージカードに何か書きます。それを読むかれん。商品説明をまじえた詩のようです。こまちは恥ずかしさのあまり止めようとしますが、かれんは素直に感心します。
 やはり興味無さそうな上にクリスマスをよく知らないココナッツ。のぞみがクリスマスは乙女にとって大切で楽しくて真剣なものだと言います。そういうもんですか。クリスマスはクリスマスがくるまでが激戦で終わるとあっという間に胡散霧消するというイメージがあります。あと玩具は二束三文になる。
 うららが花を忘れていたことに気づきます。ということで、のぞみがりんとかれんを人選。お花屋のりんと温室を持っていて詳しいかれん。お花係決定。


 ビル。相変わらずハデーニャの肩を揉むブンビー。雑用どころかただのお付の人になっています。そんな哀愁の香りすら抜け切ってその他脇役Aくらいにまで成り果てているブンビーにハデーニャは目的も無いまま人の肩揉んでいていいのかと聞きます。うわ、言っちゃったよこの人。悪役のツッコミ的確だなぁ。このままでは黒い紙を渡されてしまうよ、と脅かすハデーニャ。ブンビーは「無い無い」と流しますが、思いっきり死相が出ていると思います。


②花屋
 花屋。りんとかれんが店に着くとちょうど母が子どもの向かいへ出るところでした。店番をりんに頼む母。こちらにも用事がりますが受けざるを得ません。りんはかれんに先に戻るよう言いますがかれんは手伝うと申し出ます。慣れていないと大変だから、と断ろうとするりんにかれんは対抗意識を燃やして時々みているからと意地を通そうとします。みているのとやるのとでは違うとこれまた対抗意識を燃やして答えるりん。このふたりは我を通そうとするので意見が反発すると大変です。我を通すという意味ではのぞみもそうですが、不思議とこちらは周りを納得させてしまう魅力があります。
 揉めているところで電話が鳴り受けるりん。的確にこなすりんを見て先ほどまでとは違い感心したようにりんを見るかれん。そこにお客さんがやってきます。りんは電話で応対できないのでお客さんは帰ろうとします。お客さんとりんを交互に見るかれん。可愛いな。かれんはお客さんに話しかけます。無事花を買って帰るお客さん。見送るりんとかれん。先ほど揉めていた途中だったのでまだ打ち解けておらず、お互いに気まずいようです。
 今度は子連れのお客さん。球根を部屋で育てようと言う母親にりんは言葉がでかかります。それより先にかれんが動いてその球根は室内よりも外で育てた方が良いとアドバイスします。かれんの横顔を見るりん。
 今度は小さい女の子。かれんが話しかけますが俯いてしまいます。緊張しているのか人見知りするのか。りんが膝を落として目線を合わせて話しかけます。おずおずと答える女の子。かれんはその様子に感心します。


 りんとかれんが遅いことに心配する皆。うららはこの前(8話)みたいにケンカしているのでは?と心配します。のぞみは心配無いと答えます。この娘の場合、その信頼している理由を尋ねても論理的に合点のいく答えは出なさそうです。しかし、彼女の信頼している理由と確度は信頼性が高いです。


③志を見つけようとする者達
 かれんも子ども相手には目線を合わせて応対します。わだかまりも無くなり、りんはかれんに手伝いのお礼を言います。かれんはりんが花屋が好きなことに感心します。的確な判断、応対の仕方、気持ちがこもっています。将来もああいう風に仕事しているのかと考えていたと話すかれん。
 りんは将来や仕事のことが上手く想像することができず分からないようです。やりたいことがまだ見つかっていない。頷いて答えるかれん。彼女も見つかっていません。意外に感じるりん。かれんは生徒会長で成績優秀、先ほどの手伝いにしても上出来です。何でも出来る人なのに何故迷うのかと聞きます。
 目の前の課題を処理することは出来ても、それが自分の将来の事になるのかどうか分からないかれん。能力が高いことと、将来の目的、夢を持てることとは別の問題です。能力が相対的に低いりんからすればかれんは何でも出来て何でも夢見ることが出来るように見えても、志向性を持つことは能力に依存しません。器用貧乏になってしまうことがある。
 かれんは夢を持って一生懸命に頑張っているこまちやうららに羨ましさを感じます。自分の心情を話すぎたのか照れて話を変えようとするかれんにりんも自分の事を話します。りんはフットサルや今の生活に充実を感じています。でものぞみを見ているとあることに気づきます。のぞみは人のために、皆の先頭に立って一生懸命頑張っている。夢を持つことは凄い力を人に与える。自分が夢を見つけることができるのか自信が無いりん。お互い似ています。りんとかれんはお互いに夢を見つけたら最初に言う約束をします。

 その様子を陰から見るブンビー。やりたいことなんて見つかるわけ無い君達に将来なんて無いんだからね、と独り言。今現在最も将来が無いどころか余命すら望みが無い人が言うセリフじゃありません。


④人の繋がり
 店番が終わり花を持って帰るかれんとりん。そこに現れるブンビー。人の肩を揉んで機嫌を取っている場合じゃなかったとようやく本来の目的を思い出します。「一体何のこと?」と返すかれん。当然の反応です。ブンビーは仮面をイチョウの葉につけます。変身です。
 戦闘開始。思わぬコワイナーの反撃に苦戦するプリキュア。ブンビーは自分の力をもってすれば枯葉にも絶大な力を与えることができる、君達も力が欲しいのではないか?と尋ねます。ふたりに夢と希望が無いことを知っているブンビー。息を呑むふたり。それは絶望だ、絶望の力が必要なのではないかと続けます。良い悪役セリフです。
 しかしこのふたりを舐めてはいけません。意地っ張り同士。夢は必ず見つかる!を立ち上がります。攻撃を仕掛けるもいとも簡単に止めるブンビー。今日は強いぞ。夢は幻想だと言うブンビーにのぞみやこまち、うららは見つけていると反論するプリキュア。さらにそれが叶わなければ幻でありその先は絶望だと返すブンビー。今日のブンビーは頑張っています。自分でも今日は強いと言います。ロウソクの燃え尽きる直前みたいなもんですかね。
 ふたりのトドメを刺そうとするブンビーにココナッツアタックが飛んできます。不意打ち専門です。現場に駆けつけるのぞみ達。変身です。三人なので同時変身でもちょっとだけ画面が広いです。

 ドリームはふたりから大事なことを教えてもらったと言います。相手のことを想う気持ち、それをちゃんと伝えること。ミントが言葉を継ぎ、りんが結婚式のとき作ったティアラのことを話します。アクアのそばに居たミルクは自分が病気のときに看病してくれたことを話します。人を想い遣り、人を笑顔に出来る力、それが夢で希望なんだというレモネードとドリーム。自分のやってきたことを思い出し立ち上がろうと力を込めるふたり。
 コワイナーにドリーム・レモネード・ミントが立ち向かいます。レモネード凄い動きしたな。しかし今日は強いブンビー。三人を阻みます。

 どれほど傷ついても、相手がどんなに強くても、意思の力で何とでもしてしまうのがプリキュアの基本理念。何故なら、意思を持ち燃やすことは人に活力と可能性をもたらすからだ。必殺技を放つルージュ。防御するコワイナーにアクアが追撃します。ダブル必殺技に打ち砕かれるコワイナー。ブンビーは帰って肩揉み。何て情けない逃げ口上。


 ふたりが持ってきた花はカトレア(紫の方)とシクラメン(ピンクの方)。花の種類が違うことに驚く皆ですが、ふたつの花を楽しめたら良いと思い選んだようです。皆を笑顔にしたかったと話すかれん。みんなその言葉に嬉しそうに応えます。
 お茶の準備のため奥に行く皆。かれんはりんに少しだけやりたいことに気づいたと話しかけます。りんも同じようです。皆のおかげで気づいたことに気づくふたり。


⑤次回予告
 ドリームライブの宣伝口調早いよ。


○トピック
 プリキュア的シナリオ総集編。
 今までやってきたことを思い出しながら今日の一歩、明日への一歩を踏み出していくこの物語はなんと前向きだろうか。

 前回夢を持つこまちとうららの話の後で、夢を持たないかれんとりんの話を持っていくることで、夢を持つ人達の輝きを見せながら、夢を持たない(見つけようとする)人達にも希望ある明日を提示。決して誰も否定しないし、夢を持っている人の苦悩や、持っていない人の苦悩を描きながらもそれでも前進していけるこの意志力は気持ち良い。

 夢を持っているこまちとうららが影響し合い、持たないかれんとりんも影響し合い、そして持っている人と持っていない人とでも影響し合う。それは夢を持つ・持たないことが問題なのではなく、常に人は他者との係わり合いの中でその出来事に影響される。夢を持つことが重要なのでも、夢を叶えることが重要なのでもない、その影響し合うことに人の可能性があることが最も重要。夢の在り方として、ドリーム達が語ったように他者に関係する何かがあることが夢であり希望となるという導き出し方はこの物語が今までやってきたことの上にある素敵な提示です。

 自己の成長も夢もその実現も動機も目的も人と人との関わり合いの中で発見し成就させていくことが一貫しています。ああ、もう、良いねこの志向性。日常に転がる何気ないこと、雑事、能力の高低、年齢の違い、夢の有り無し、それらを含めて皆が関係していく中に大切なものがあることを教えてくれます。



 日常や人の暮らしを洞察しそこから志向する物語、それは人が抱える普遍的な問題を浮き彫りにしてその解決に挑む物語であると言えます。
 この手の問題解決は物質的な解決ではない。物質的に解決できるなら悩むことは無いからです。出来る・出来ないがハッキリする。それをするための条件を洗い出し、可能かどうか判断すればいい。選択に悩む程度ならば普遍的な悩みにはならない。
 物質的ではないから精神的な問題というと語弊があるのだけど、その精神的な問題は大抵生きる意味や価値、幸福、自己実現の問題であることが多い。これらは物質的なことでは解決できないし、また誰も教えてはくれない。教えてくれてもそれを根っから信じない限りは疑念を挟む余地が残り、その疑念はくすぶり続ける。
 この問題の解決には自らの心に響き信じるだけの確信が必要。これは自分の体験や獲得した認知によってなされる。その手助けをするのが普遍的な問題を解決しようと挑む物語。こういうのはなかなか見つからないし、普通一般的にはあまり求められない物語(エンタメ的な物語の需要の方が多い)でもあるのでこれが週一回かつ年間で見ることが出来るというのは嬉しいです。それが4年続いているのだから凄いよなぁ。飽きずにそういう風に見続けられる自分に自分で感心する。
 この調子でシリーズが続く限りやって欲しいと思います。
[ 2013年05月22日 09:53 ] カテゴリ:Yes!プリキュア5 | TB(0) | CM(-)
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