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第38話「プリキュア5のシンデレラ物語」

○今週の出来事
①小説家ミルク

 みんなのたまり場ナッツハウス。こまちはシンデレラの絵本をミルクに渡します。懐かしがるりん達。のぞみが読んであげようか?と自薦します。「はぁあ?なんで読書が苦手なのぞみに読んでもらわなくちゃいけないミル」ととても素晴らしい表情で嘲笑うミルク。一撃必殺。最初の一撃で相手をぶちのめす。ジャブなど必要ありません。隣にいるココナッツの方が焦ります。さすがに腹を立てるのぞみですが、ミルクは読むために借りたのではない、小説を書くために借りたと言います。予想しなかった答えに驚く一同。こまちは知っているので笑顔で応えます。実はミルクはエリート候補(お世話役は日本でいう官僚に近い職種)であり勉強家なのでこちら側の世界の物語を書きたいようです。
 物語を書くのに何故絵本?と疑問のうらら。ミルクは内容を書き写すと言います。構成や文章表現が身につくとこまちが補足します。へー、そういうもんかねぇ。そういえば、この感想は本編の内容をほぼそのまま書いているのですが、確かに構成などはよく理解できますね。
 良い勉強になる、とかれん。ミルクの保護者というか、良き理解者です。


 ビル。ブラッディを呼ぶブンビー。それはたんなるポーズで幹部の椅子に座るブンビー。椅子の座り心地の良さを確かめます。ぴったりな座り心地に自分の方がこの椅子に似合うと周囲の社員に同意を求めます。無言。少々気後れしながら鏡を取り出しナイトメアで一番優秀なのは誰?と自分で問い、それはブンビーと自分で答えます。そのネタは白雪姫だと思いますが、それを置くにしてもとても寒くて痛い自演自作です。勿論周囲の社員は終始無言。ブンビーも自分で寒っ!と思ってしまいます。こんなはずでは…自分の思い描いていたサクセスストーリーとの乖離を感じるブンビー。この人の落ちぶれっぷりは見てらんない。


②シンデレラなプリキュア
 いつもお客が居ないナッツハウス。豆大福を頬張るのぞみ。おやつタイムです。ミルクは居ません。まだ書き写しているようです。
 器用に鉛筆を持ちながら書き写すミルク。ちゃんと日本語です。パルミエの言語や文字がどうなっているのかは分かりませんが、日本語の物語を自国語に翻訳してまた日本語で書くというのはかなり大変のような気がします。さすがエリート候補です。単に書き写すのに飽きたのでちょっと自分の創造を入れます。この辺はのぞみと同年代らしいところです。

 小高いというか絶壁みたいなところにあるお城。麓には城下町が広がります。ある家で働くシンデレラ(のぞみ)。意地悪なお母さん(継母。こまち)。ふたりのお姉さん(かれん、りん)がいました。
 のぞみはドジで掃除しているつもりが家具をゴミに変えてしまう始末。お姉さんのりんが掃除してもらわないと話が進まないと注意します。メタフィクションのノリです。シンデレラ頑張ってと優しいこまち。意地悪な継母になっていません。こっちの世界でもツッコミ役のりん。目を離した隙にまたドジをやるのぞみ。
 かれんが舞踏会の準備をしないといけないと話題を振ります。それを聞いたのぞみは楽しそうに夢を膨らませます。りんがのぞみは行けないと言います。お話上そうなっているから、と実も蓋も無い理由を言います。それでも行くとダダをこねるのぞみに、お話の決りは守らないと、と生徒会長なかれん。お土産を買ってくるからとこまち。この人達がやると意地悪な継母もお姉さんも普通に善人になってしまいます。疑わしい目つきで「舞踏会でお土産売っているの?」と鋭い疑問を口にするのぞみ。とにかくシンデレラの留守番は決定事項です。その話は終わり、と解散。のぞみはまたゴミを増やします。先が思いやられます。

 満月の夜。城の方では花火が打ち上がり舞踏会が始まります。それを見上げるしかないのぞみ。すると窓の外に人影。ホウキに乗った魔法使い(うらら)が不安定な飛行でのぞみのところに突っ込んできます。なぎさのところにはメップルが飛んできましたが、うららが飛んでくるなら大歓迎です。
 自己紹介するうらら。こちらでもまだ半人前なのでしょうか。のぞみを舞踏会に行けるようにすると言います。ドレスと靴を魔法で出します。呪文は「はじけろホイ」…何か魔女じゃない。桃太郎になるのぞみ。世界観というか国や文化が違います。ある意味グローバルな魔法使いです。気を取り直してもう一回。こんどはお姫様…ですがかぐや姫です。ちょっと惜しい。失敗を重ねながらついにドレスアップ。お、これは映画版の衣装ですね。ガラスの靴が輝いています。のぞみも満足の衣装です。うららが注意事項を説明します。12時には帰らないといけません。
 本来であればカボチャの馬車も出すところですが、時間の都合なのか割愛。

 ダンスパーティ会場にやってくるこまち達。こちらも映画版衣装です。映画の宣伝とか、東映アニメーションが必死でアピールしているとか言ってはいけません。しかし、それにしてもかれんの微妙なドレス姿が何とも。無理して可愛い服着なくてもマダム用の豪華なドレス着た方が良いんじゃないでしょうか。いえ、決してその、衣装と外見年齢が合ってないなどというわけじゃございませんです。これはこれで可愛い。
 のぞみは慣れない格好のため躓いてしまいます。手を差し伸べる王子様のココ。王子に心ときめくのぞみ。ココはのぞみをダンスに誘います。そういうストーリーらしいんだ、とこれまた実も蓋も無いナッツがこまちを誘います。スルーされているりんとかれんが何か可哀想です。私で良ければ踊りますよお嬢様方。ノーセンキューですかそうですか。楽しそうに踊るのぞみとこまち。
 残りもののかれんはココと踊っているのは誰?とお約束のセリフを言います。ツッコミを入れるりん。ストーリー上とかお話上とか、脚本を無視しおって。段取りで芝居してんじゃねーぞお前ら。このシナリオ書いているのミルクですが(中の人繋がり←無印・MHで志穂役をやっており、「段取りで芝居しないでくれる?」というセリフがあった←このシリーズも4年目に達しているので分からない人も居るだろうなぁ)。
 そこに現れるうらら。なんで魔法使いが来るんだ?とツッコミを入れるりん。いや、もう、何でも有りなんだろうけど、何でりんがうららを魔法使いだと分かるのかとツッコミたい。

 ダンスを続けるのぞみですが、スカートの裾を踏んづけてしまいうらら達のところに倒れこみます。おおー!!スカートが広がって…その様子に驚くナッツとこまち。ってカメラさん、それは違うでしょ。そこは衝撃的瞬間を取るプロ根性を見せるところでしょ。ちょっと撮影終わったら反省会するから来なさい。それはそうと、倒れ掛かるのぞみをすばやくうららが華麗に抱きとめたら違う意味で面白いと思った。いや、むしろ喜んで押し倒されるか。

 無様に倒れるシンデレラ。ミルクは何かにとり憑かれたように踊っては転び踊っては転びと書き続けます。ちょ、何かの陰湿ないじめですか。
 そこに入ってくるのぞみ。ミルクは慌てます。親切に差し入れを持ってくるのぞみ。りんが邪魔しちゃダメと注意します。何故かみんなやってきます。原稿を見られてはまずいと身体を使って隠すミルク。こまちは書き写しの原稿でも書きかけでは読まれたくない気持ちを察しますが、この場合ちょっと違う。


③シナリオの都合
 気分転換と店を出るミルク。しかしブンビーが現れます。ミルクから原稿を奪い面白いと言うブンビー。良からぬことを考えています。気配を感じ取るココナッツ。店のドアを開くと黒い空間が広がっています。
 お城の中に居るのぞみ達。いつの間にかドレスを着ています。のぞみの足にはガラスの靴。ココ達も王子様の衣装。そう、ここはシンデレラの世界。

 目の前で始まるダンスパーティ。ココは以前こまちの物語の中に入ったことを思い出します。親切に解説するナッツとこまち。肝心のミルクが見当たりません。噂をすればブンビー。ミルクを抱えてやってきます。仮面を放ちシャンデリアコワイナー召還。逃げるエキストラ。

 シンデレラの世界を恣意的に利用するブンビー。そんなことはさせません。変身です。そうか!これだ!このためか!別にシンデレラの世界を使う必然性はあまり無いと思うのですが、変身のためです。プリキュアの醍醐味の一つである多様な衣装を用いての変身。今回はドレス変身です。勿論個別バージョン。スタッフよく分かっています。空気読みすぎです。のぞみの可愛さ、りんの脇、ドレスというかアイドルのうらら、何か地味なこまち(すまん、褒める言葉が出てこなかった)、掛け声の強さに比して見た目が少女チックなかれん(褒めてます)。プリキュア5屈指の変身シーン。今週はこれだけでも満足できる。

 コワイナーの砲撃を回避するプリキュア。ミルクを救出しようとしますがブンビーも間抜けではないのでなかなか上手くいきません。コワイナーの攻撃を止めるアクア達ですが、床が滑って踏ん張りが利きません。柱の陰から様子を見るココナッツ。へたれとは言いませんが、情けなさ全開です。
 アクア達はそれでも何とかコワイナーを押し返します。倒れ込むコワイナーをよけるブンビー。反撃の糸口を見つけるプリキュア。ブンビーの隙を突いてドリームキック。ルージュの近接からのキックでミルクを奪還。
 遠慮なく攻撃するコワイナー。城が壊れそうです。パルミエ崩壊のときと同じように壊す気のブンビー。物語を壊そうとするブンビーにミントは制止の声をあげます。王子は城も国も失うのがこの物語なのだと主張しパイルを放つブンビー。しかし強化されたミントバリアにそんなものは効きません。
 ブンビーを蹴りの2連撃で払うレモネード。良い蹴りです。続いてアクアの張り手。ドリームとルージュのダブルキックでコワイナーの体勢を崩します。ブンビーの思い通りにはさせません。「というか、この話ハッピーエンドなんだから!」全くそのとおりです。シナリオ上そうなっています。そしてまたプリキュアの物語もハッピーエンドです。クリスタルシュートで粉砕。


④ガラスの靴
 元に戻るシンデレラ世界。ドレスの格好になるのぞみ達。12時の鐘が鳴ります。特に居続けても問題ない様に思えますが、急いで帰るのぞみ達。階段の途中でドジのスキルが発揮して史実どおりガラスの靴が脱げてしまうのぞみ。靴が光ってもとの世界に戻ります。

 舞踏会やドレスの余韻を楽しむのぞみ達。かれんはガラスの靴があることに気づきます。何故か靴まで戻ってきてしまいました。あ!と声をあげるのぞみ。このガラスの靴が履ければ王子様と結ばれる。いや、どこの王子様と結ばれるんだよ。っていうか、こちらの世界には関係ないんじゃ? ココを見て頬を赤らめるのぞみ。ココも頬を染めてのぞみを見返します。君達は見ている方が恥ずかしいな。
 ミルクが靴に飛び込みすっぽりと入ります。ジャストフット。ぴったりミル。いや、ぴったりの意味違くない?とツッコミを入れるりん。靴を履いているというか、収まっています。ミルク(が収まっているガラスの靴)を捕まえようとするのぞみですがミルクは器用に回避します。王子様と結ばれるとはしゃぐミルク。
 ミルクの原稿を読んだりんが声をかけます。ミルク「さん」と呼び方を変えたときは危険な兆候です。何故自分が意地悪なお姉さんの役なのだと聞くかれん。全くです。意地悪な継母が適役です(違う)。こまちもこれは書き写しではないとフォローできません。怒りのりんとかれんにシンデレラのお姉さんより怖いと言うミルク。全くです。このふたりを敵に回してはいけません。役的に美味しいうららは今度はシンデレラで書いてほしいと言います。のぞみは今は自分がシンデレラなのでガラスの靴を要求します。熾烈な女の恐ろしさを垣間見た気がします。


⑤次回予告
 次週はお休み。残念。次回はいよいよデスパライヤが登場。ココの美形モードはいらんから可愛い女の子を見せてください。


○トピック
 映画の宣伝だろうが段取り芝居だろうが、可愛い女の子はそれだけで正しくあり、正義であり、全てであり、絶対の法則であり、つまるところ「いいぞ、もっとやれ」なわけです。

 学芸会シーズンを意識してかミルクの物語でシンデレラをやるという逆転の発想。なるほど学年が違うのぞみ達に映画用衣装を着せて学芸会をやらせるにはちょうど良い。シリーズとして学芸会や学園祭をやっているのでそのノリだと思われます。

 どんどん落ちぶれていくブンビーさんが思い描くサクセスストーリーには約束された筋書きがないので必ずしも自分の思うようには行きませんし、自動的にシナリオが進むこともありません。その点ではシンデレラを演じるのぞみ達はシナリオ上ハッピーが約束されています。しかし現実の世界に戻ればガラスの靴はミルクが横取りと上手くは行かない。
 サクセスストーリーは物語の終わりが分かっているからサクセスストーリーです。成功することが分かっているからこの物語はサクセスだと言える。成功したから言える。しかし現在を生きる者には先が見えず未来は不透明。プリキュアを見る視聴者はこの物語がハッピーエンドだと分かっているけど、物語の主人公達はそれが分からない。
 ブンビーものぞみ達も物語の中では同じ立場です。未来は約束されていない。その約束されていない未来の物語を作っていかなければならない。そろそろ本当に佳境。のぞみ達が望む未来を作っていって欲しいですね。




 来週お休みなので、ちょこっと映画の話題でも。(ヒーローの在り方の話になってしまっていますが)
 基本的に私はヒーローが好きですが、一つ個人的にヒーローものでやって欲しくないことがあります。それはヒーローVSヒーローです。正確に言えば、主役キャラクター同士の争い。最近のもので具体的に言えばライダーやガンダムです。敵も味方も同じ主役キャラ(主役ブランド)。これはおかしいです。ヒーローキャラクター、つまりライダーやガンダムは存在そのものがヒーローなので敵になること自体が矛盾します。まあ、Gガンダムや龍騎はむしろヒーロー同士の対決を狙ったものなので一発ネタとしてはいいと思いますが、継続してヒーローVSヒーローをやられると何か納得できないものがあります。玩具販売とかスポンサーの都合だとは思いますが、ヒーローはヒーローであって、敵じゃない。敵は敵のキャラクターがあるべきだと思う。
 勿論、ヒーローものに偽者が登場するのはお約束です。ヒーローVS偽ヒーローは有り。これはヒーローを詐称しているためで、むしろ悪の卑劣さが引き立ちます。大抵の場合、最後には偽者であることがバレで倒されますからヒーローの質は揺るがない。敵も主役キャラクターだとヒーローとしての質がごちゃ混ぜになってしまって面白くないのです。敵にも主役キャラが登場し始めるとネタに詰まっていると思えてしまいます。(全部が全部つまらないわけではないです。私はGガンダムや龍騎が好きです。結局ストーリー次第なんですが、キャラによる陣営分けは分かりやすいし主役の特権的かっこ良さがあるので基本仕様は分けて欲しいと思っている)

 で、プリキュアの映画。偽者登場ですよ。最初はプリキュアVSプリキュアのキャッチコピーに眉をひそめましたが、CMで堂々と偽プリキュアと言ってしまっているのを聞いて安心感を覚えます。具体的には実際に見てみないと分かりませんが、鏡の世界なのでコピーであり、おそらくのぞみ達の負のイメージや絶望的な未来像の暗喩だと思われるので、そういう意味では克服すべき自己像という意味合いが考えられます。そういうのは個人的にOK。まあ、映画はお祭りなのでそんなに過敏になることもないんですけどね。5対5のチームバトルとか見たいですし。
 ヒーローはヒーローであって欲しい。ヒーローはデザインや意匠も含めてヒーローなんだから敵側にいちゃいけない。仮に偽者が現れたのなら、それを倒しヒーローの格と質を見せるのがヒーローです。
[ 2013年05月22日 09:51 ] カテゴリ:Yes!プリキュア5 | TB(0) | CM(-)
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