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第35話「ナッツの鍵とこまちの心」

○今週の出来事
①鍵

 不安そうなこまち。ナッツは海賊ハリケーンの原稿を黙々と読みます。息を呑むのぞみ達。もう少しカメラの角度が違えばのぞみのドリームな情景を見ることが出来そうなのでが巧みなカメラワークによって夢は夢のままです。ココがナッツハウスに帰ってきます。事情を説明するのぞみ達。ダメ出しを出されどうやら書き直しを7度もやっているようです。ナッツは編集部の人か。
 読了。皆固唾を呑んでナッツの言葉を待ちます。「面白かった」思わず聞き返してしまうこまち。ナッツは内容を褒めます。喜ぶみんな。どこかの偉い先生かあんたは。とはいえ、この面子で贔屓目無く読めるのはナッツだけなので身内の甘い採点よりは信頼性はあります。乾杯しようと準備を始めるのぞみ達。打ち上げです。
 ナッツは小説にもあった「鍵」を思い返し、自分の首に下げられた鍵を握り締めます。そういえば何の鍵だろうと思いつつも忘れていましたがこの鍵は何だ?

 OPの映像が新必殺技モーションに変わってますね。構える動作はカッコイイな。


 夜。ピンキーを休ませるナッツ。鍵を取り出して見るナッツ。ココが突然鍵を奪ってガキんちょのようにはしゃぎます。大人形態のときとはずいぶんなギャップ。使えない鍵ねぇ。しかしポイするとは酷いな。鍵を取り返し去っていくナッツの後姿に向かって昔のことにこだわっていてもはじまらないと言うココ。どうやらココは励まそうとしたようですが失敗に終わったようです。


 ビル。ハデーニャは欠勤のようです。ブンビーは無視してブラッディに話を振るカワリーノ。人の居ない椅子が動いてブラッディが姿を現します。31話の登場からようやく初めて口を開くブラッディ。以前カワリーノの上司だったようです。ブラッディを持ち上げるカワリーノ。相変わらず口が上手いですがブラッディにはお見通しです。ブラッディ出撃。底が知れないカワリーノ。相手にされないブンビー。可哀想になってきました。


②お買い物
 原稿をポストに投函するこまち。賞に入選するよう祈るのぞみ達。ナッツはしません。お願いして入選するほど世の中甘くないとクールです。その前に場の空気を読むことを覚えておかないと世の中の厳しさを別な意味で知ることになります。場にそぐわない言動は忌み嫌われ排除される。集団の暗黙の行動規制を逸脱した者はその集団から阻害されます。
 こまちは殊勝にも一つの作品を書き上げただけで満足していては作家になれないと気を引き締めます。新たな作品に取り掛かるこまち。

 こまちの話を聞いてやる気を出すうらら。明日TVのトーク番組に出るので衣装探しをします。衣装代もバカに出来なさそうです。買い物に付き合うと決定するのぞみ。うらら内心でガッツポーズです。こまちも本屋に行くのでみんなで買い物です。
 ホールのクラシック会場を待ち合わせ場所にして各々分散します。

 うららの服を選ぶりん。可愛らしい服をチョイスします。勝気なりんですが割りと少女チックなところがあります。対してかれんはシックな服をチョイスします。火花を散らすりんとかれん。好みの話を始めると水と油、いや水と火です。板ばさみになって曖昧にしか答えられないうらら。内心で人選誤ったと考えていると思います。こんなときにのぞみが居れば…さらに混沌なチョイスをしそうです。

 のぞみは一人迷子になっています。後ろから声をかけるサングラスの怪しい男。ココです。
 王子だったココはお忍びで城を出て色々と外を見ていたようです。真面目なイメージのココの意外な行動に驚くのぞみ。ココは世界の色んなものを自分の目で見たかったと言います。
 本屋で本を品定めするナッツ。読みたい本はたくさんあるようです。こまちに尋ねられココが本をよくくれたと話します。
 ナッツはコレットとピンキーの守護者なので城の外に出るわけには行かず、その代わりココが本をお土産に持ち帰っていたようです。今のナッツは無愛想だけど昔は楽しそうに笑っていたと話すココ。のぞみはその話を聞いてナッツの笑顔を見てみたいと思います。ナッツは自分は笑っちゃいけないと思い込んでいるように見えると言うのぞみ。鋭い娘だな。帽子をココに被せながらみんなで一緒に笑いたいと話すのぞみ。ココも同意します。しかしそれにしても傍目にはデートしているカップルです。


③罪悪
 先に待ち合わせ場所についてしまうナッツとこまち。待っているときの時間は長く感じますし、何となく気まずい雰囲気です。
 ナッツが何を見ているのか尋ねるこまち。ナッツは何気ない風景を意識して見ています。ふたりの会話に割ってはいる声。普段は気づかない大事なモノ。大事なモノは失って初めて気づく。人の最大の不幸は幸福に気づかないことだと言ったのはドストエフスキーだったか。

 アイキャッチ変更。チビキャラから等身大に。

 ナッツの鍵について「自分の対する戒めかね?」と尋ねるブラッディ。ナッツの鍵がパルミエ王国の門の鍵だと見抜きます。ようやく相手が何者かを確信するナッツ。答えるようにブラッディは仮面を見せます。名刺代わりに出すあたりが渋い。
 取り出した仮面をそのまま落とすブラッディ。あれ、すぐとなりにピアノがあるんですが…仮面はそのまま会場そのものを取り込みます。おお、フィールド系コワイナーとは。四方八方から手が伸びます。一種の結界。こういう使い方も有りなのか。
 電源が切れ異変に気づく他の面子。一瞬ですがかれんのふくれっ面とうららの何とも言えない表情が面白すぎます。「何か出た!」いや、異変が起きたのは分かるから。

 コレットを要求するブラッディに「渡さない」と答えるこまち。君に聞いてないとコワイナーに攻撃させます。ナッツがこまちを庇って緊急退避。人間体から謎生物形態に戻ってしまいます。なんと頼りがいの無い。しかしながら女の子自ら頑張ります番組のプリキュアは男性に依存も頼りもしません。こまち単独変身。ちなみにこまちも変身ポーズの予備動作がカッコイイので極力端折らないでいただけると嬉しいです。
 無数の手を相手にするミント。ブラッディは親切にもパルミエのその後を教えます。つまりパルミエの最後。石ころ残さず自分が消滅させたと言うブラッディ。あくまで淡々と語ります。仕事、与えられた役割はしっかりとこなさなくてはなりません。王子のナッツは国民を守れたのか? 老練で狡猾な相手です。さすがカワリーノの元上司。心理的にナッツを追い詰めていきます。コレットの守護者として責任感の強いナッツにとってその責任を果たせなかったことは十字架を背負うことになります。ミントの呼びかけが耳に入らないナッツ。

 異空間化して入れなくなっている会場。のぞみ達が揃います。迎え撃つようにコワイナーの手が伸びます。一斉変身。珍しく全員揃っての口上がありません。

 何故王国が滅びたのか尋ねるブラッディ。勿論分かっていて聞いています。自分が門を開けたからと自ら答えるナッツ。偽装ピンキーを使ったのはギリンマでありナッツは騙されたことになりますが、だからといってナッツ自身の罪の意識が消えるわけではありません。責任感が強ければそれに比例して失敗した時の罪悪(背任)感も大きくなります。自分が何かに束縛されることは行動する場合にも、その結果にも束縛されます。巧みにナッツの罪悪感をかきたてるブラッディ。奮闘するもコワイナーに捕まってしまうミント。
 さらに追い込む言葉をかけるブラッディ。ナッツのせいでパルミエは消滅し、さらに今度は関係ない世界と人々を巻き込んでいる。ナッツがこの世界で感じた良いと思うもの、この世界の人々との楽しく心地よい思い出が罪の意識に変わっていきます。えげつねぇなぁこの敵。


④あなたの夢を私は応援します
 コレットをしまっていた鞄を開けようとするナッツに叫ぶミント。夢を捨ててしまうつもりなの!?
 夢を諦めるなと言ったのはナッツです。小説を書くことに苦しみ挫折しかけていた彼女にそう言ったのはナッツです。ナッツの夢のためにミントは束縛を断ち切ります。
 迫る無数の手からナッツを守るミント。ミントバリアの本領発揮です。ナッツに強くコレットを守れと叫ぶミント。
 コレットを持つに相応しいのはナッツだと言うミント。重責は重荷です。それを感じなければとても楽ですが、それを感じるからこそ何としてでも果たさなければならず、また諦めたり挫折したりしない意志を持てます。苦しい責任感は同時に前進しようとする駆動力を持ちます。それは一旦置いておいて、ミントの脇が気になります。

 淡々とミントに対峙するブラッディ。攻撃に力を入れてバリアを破壊します。万策尽きるミントを助けるのは勿論仲間。間一髪のところで外壁を破って助けに現れます。
 仲間のため、それが君らの原動力か。プリキュアを分析するブラッディ。コワイナーで力を試します。必殺技のオンパレードで四方から迫る攻撃を相殺して粉砕。ブラッディ撤退。


⑤ある少女の出会い
 夕方、一人のナッツ。こまちは意を決してナッツハウスに入ります。こまちにお礼を言うナッツ。呑まれそうになったナッツを引き戻したのはこまちのおかげです。自分の未熟さをかみ締めるナッツ。こまちは何かを言いかけようとしますが、ナッツの顔が近くて言葉を出せません。勇気付けるつもりが逆にナッツに心配され注意されてしまいます。
 ナッツはこまちが作家になるまで何度でも書いた小説を読むし出来る限りのアドバイスをすると言います。気づくとこまちは目に涙を浮かべています。こまちの頬に手を触れながら見つめるナッツ。こまちは見つめ返します。

 ナッツの優しさと胸中を感じつつも何もすることが出来なかったと独白し綴るこまち。かれんが尋ねてきます。恥ずかしがって原稿を隠すも内容を話します。
「一人の女の子が心惹かれる相手に出会う物語」


⑥次回予告
 ついに完成版ED。本編ぶっちぎって軽く感動してしまいました。5人で動くの面白いなー。
 さらばガマオ。


○トピック
 ところでうららの服は決まったのでしょうか?
 決まっていないなら私が選びましょう。おっと、服を選ぶにはサイズが分からないと選べません。スリーサ…ごめんなさい、後生ですから警察は呼ばないでください。


 16話で凹んだこまちに夢を諦めるな!と励ましたナッツ。今回はこまちが凹んだナッツを勇気付けます。
 ナッツは真面目で融通が利かないのだけどとても責任感のある人物というのはこれまでにもちょっとずつ描かれてきましたが、今回でより明確に、そしてトドメを刺されそうになります。責任感が強ければ使命を果たそうと頑張りますし、それが果たされなければ重い責任と罪悪を感じます。のぞみがナッツに感じる笑ってはいけないという印象はナッツの自戒と責任感が現れているからだと思われます。自戒と罪悪感が募れば自分が適格の無い不適合者だと感じるようにもなります。自分はコレットの守護者として不適格なのだからコレットを持つことは出来ない。ブラッディさんえげつない手を使います。
 自己の罪悪感、挫折感は容易に払拭できません。だからこまちも凹んでしまったし、23,24話のように各自沈んでしまいます。立ち直ろうにもそもそも立ち直る足がかりがないのだからどうにもなりません。「俺はやれば出来る子なんだ」「本気を出せば何とかなる」というのは言い訳と願望です。出来ないし何ともならなかったことを知ってしまえば自分に自分を励ます材料がありません。責任感が強いほど開き直ることも難しくなる。

 では何を持って自分を立たせる足がかりとするか。プリキュアはそれを他者が与えます。自分で作れない足がかりを他者が作ります。要するに相手を赦し、励まします。コレットを守ることはのぞみ達の世界やのぞみ達を巻き込むことになりますが、のぞみ達はそれを厭いません。うららの衣装選びはうららの仕事ですが、彼女達は衣装選びに付き合います。のぞみの友達でいたいとりんは思うし、うららの友達でいたいとのぞみは思うし、こまちの作家希望をのぞみは承認するし、かれんの変身失敗をのぞみは責めない。挫折したこまちを励ましたのはナッツだし、バラバラになった仲間に声をかけたのはのぞみだし、のぞみのミスを許したのはりん達です。今回ナッツを助けたのはこまちで、こまちを助けたのは仲間達。
 そして、今回ナッツがこまちを救うだけではなく、ナッツもまたこまちを応援し助けていることがわかります。相互的で、お互いに弱みがあり、お互いに助けられる部分があります。こまちはナッツに助けられていると感じるのと同様、ナッツもこまちに助けられている。そしてそれらを助ける仲間達。彼女達は助けられもしますが、助けもします。
 最終的に立ち上がれるかどうかは当人の意思次第です。しかしそれを支え、声をかけることができる他者にできること、それを実践しているのがプリキュア5です。
 最初は登場人物の多さの割りに関係性の線は少なかった物語も、後半になり幾重もの線が引けるようになりました。ふたりの関係は一本の線ですが、三人なら三本、4人なら6本引けます。線だけではなく、レイヤーのように重なりも持ちます。ココの夢を応援するのはのぞみであり、のぞみの夢を応援するのはミルクです。誰が誰に依存しているわけではなく、誰もが独立しつつも誰かと関係を持ちお互いに関わり影響し合うようになっています。

 プリキュアは無印の頃から「人と人の関係」の物語だと思っています。それはなぎさとほのかが他人から友達になることを一から描いたこの作品に感じたことです(だから見続けた)。S☆Sでも人々の関係が、波紋が広がるように描かれています。本作でもより詳細に描かれています。その人と人との関係が自己に何を与え、他者に何を与え、そして人生にどのように影響していくのかが、この作品を見ていると感じることです。ブラックとホワイト、ブルームとイーグレットがどう見ても勝ち目の無い戦いにおいてなんで戦えて、勝ち得るのか、その理由の根本が「人と人の関係」から始まっています。(MHは自己肯定寄りですが)
 5もそれを蓄積していっているので昇華具合が楽しみです。最終回を見るために見ている、と言ってもいいです。この人と人の関係が何を可能とするのか、何をもって生きることを肯定できるのかその一点。この一点こそがプリキュアを見る理由(マジで)。そしてプリキュアを素晴らしい物語だと思う理由。


 こまちがナッツに惹かれていると自覚する話でもあったのですが、その辺の恋愛事情は割愛。私、恋愛は語れないです。プリキュアがそれをどうもって行くのかは気になりますね。
[ 2013年05月22日 09:50 ] カテゴリ:Yes!プリキュア5 | TB(0) | CM(-)
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