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コラム3「"ふたりは"プリキュア総括感想」

 この感想は「ふたりはプリキュア(以後1年目は「無印」と記載する)」から始まる2年目MaxHeartおよび3年目Splash☆Starを総括した感想です。


 S☆S単品の総括ではなく、3作品を総括する理由は私が無印第1話からずっとこのシリーズを見てきたからです。主人公が変わろうが何をしようが、この作品シリーズが描いてきたことは1本筋が通っており、その点に関して私が知る限りにおいて現状でこれに比肩する作品はありません。(あくまで主観的価値という意味です)
 では、その1本筋が通ったこととは何か。それは『人の生き方』そのものです。

 その『人の生き方』をどのようにしてプリキュアは描いたかというと、『真正面を向いて生きる』という一点に尽きます。これこそがプリキュアの本質であり、最も尊い原理です。
 プリキュアは時に大人が見ても満足できるほどの人間関係や心理描写を描いていますが、それは問題ではありません。真にこの作品が優れており、私に影響を及ぼしたのは前を向いて一生懸命生きるというその一本の芯です。どんなに複雑な物語や巧妙な物語でもそこに通っている芯がなければもろく瓦解します。

 "ふたり"から始まった物語は、友達を作ること、理解することの『相手を見る』『相手を理解する』ことを経験します。そして『相手に見られる』『相手に理解してもらう』行動をします。また非日常であるところの戦いにおいても『自分の居る場所』を再認識することにおいて経験し『自分の居る場所で』行動します。
 人間は閉じた孤独な存在ではなく、必ず他者がいて生活する場所があります。自分と外界との繋がり、繋がり方をこの作品は真正面から一生懸命に生きる(経験する、行動する)ことで自己の中に獲得していきます。と、同時にこのことは人と人(環境)との様相を現します。
 無印・MHは自己にスポットを当てた形で物語を描きました。生きているから生きる、という自己の本質まで突き詰めました。
 S☆Sは自己にではなく、その人と人との繋がりの様相を描きました。最もそのことを現しているのは満と薫です。満と薫は敵として生まれた存在です。しかし、大義には、この世界で生まれた生命です。世界という大きな中では生命と生命は繋がることができます(世界の中に同時に存在しているのだから当然です)。MHが宇宙という人が抗えないほど大きな存在に対して生命の力を提示したのに対し、S☆Sは生命すら存在しない無の存在に対して(宇宙やそこに存在する生命を含む)世界の力を提示しました。これは矛盾するものではなく、上位互換するものです。生命が世界に存在することは、世界と生命は切り離されたものではなく共存することを現します。

 大変にスケールが大きくなっていますが、基本はとても身近なことです。それは自分が生きている世界と自分は繋がっており、その繋がりそのものが生きることの証明と実在です。
 人と人は相互に作用し、影響し合います。繋がりが人に勇気や希望を与え、行動させます。そしてその繋がりの意味と、何と自分が繋がっているのかを真に理解したとき、この世界はとても大きく無数の生命が宿っていることを知ると同時に、それらが自分と共にあることを理解することになるでしょう(抽象的な意味ではなく、実際にそう実感することが人には出来る)。また、生命は未来への可能性を秘めています。その可能性も大きなものとなるでしょう。

 『真正面を向いて生きる』という一点を貫いた先に『人間賛歌』『生命賛歌』を実現した本シリーズは見事としか言いようがありません。前を向いて一生懸命生きている人はカッコイイのです。素晴らしく、肯定的で、暖かく、人に勇気を与えうるのです。『賛歌』とは正当性を主張するものではありません。それ自体が輝き照らすものです。人間賛歌、生命賛歌とは人間の可能性と生きる者達の輝きなのです。人はその輝きで他者を照らし、他者も輝くことで輝きが還って来ます。その輝きの総和こそ、人が持つ可能性と希望なのです。

 真正面を向いて、太陽を見上げて、愚かしいほどにも素直に、一生懸命生きることで個人に留まることなく生きる者達、世界そのものに希望、勇気、可能性を見出し、生きることを肯定した本作に心より感謝を申し上げます。
 三年間本当に様々なものを学ぶことができました。プリキュア繋がりで知り合いもできました。一緒に飲んだこともあります。遠方行くついでに観光して色んな物を見ることもできました。考え方も大分変わりました。それらは本当に私の糧となりました。

 ありがとう。そしてその感動を糧とし、生きていきます。
[ 2013年05月22日 09:28 ] カテゴリ:Splash☆Star | TB(0) | CM(-)
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