FC2ブログ
六畳半のすごし方 TOP  >  ヒーリングっど♥プリキュア >  最終回「おいでませ♥ヒーリングガーデン!」

最終回「おいでませ♥ヒーリングガーデン!」

○終わりなき戦い
①ヒーリングガーデン観光

 荷物を携えて家を出発するのどか。展望台へ行くとみんな集まっています。彼女達を迎える妖精組。これから彼女達が向かうのはヒーリングガーデン。

 自由落下。手洗い歓迎を受ける一同。そこは安全に配慮して無事着陸。
 絵本のような景色が広がっています。ラビリン達に案内されて中央部へ。先代プリキュアの像。確かにアスミに似ています。そこに姿を現す本人とラテ。
 作中でどのくらい時間が経っているのかわかりませんが、ラテは暫く見ないうちに空中浮遊程度はできるように成長。言語も進歩。しかし何故かラビリンのことは「すあま」と呼ぶ。どうしてそうなった。
 再会の余韻に浸ったところでテアティーヌ登場。今回のどか達が来られたのも彼女の計らいがあってのこと。元々体調が万全ではなかったので今も静養中。
 手土産を取り出す一同。両親が持たせてくれたと話すのどかに、アスミは別れのときの事を思い返します。音を立てて雪崩を打ったように出てきたのはすこやか饅頭。3人とも同じものを持ってきてしまいました。お前ら少しは調整しろよ。すこやか市どんだけ取り柄無いんだよ。ひなたは自分ちのパンケーキで良かったんじゃね? そんな彼女達に笑みを浮かべたテアティーヌはみんなに分けたいと答えます。


 ヒーリングガーデンツアー開始。
 のどか達の姿を見てヒーリングアニマルが集まってきます。最終決戦のときにも登場した戦闘員を筆頭に一般住人たちもプリキュアの姿をひと目見ようと集合。当然といえば当然、ここではプリキュアは有名人。顔を知っているトラとライオンの人に挨拶するちゆ。早速お土産を手渡します。いつの間にかすこや市名物が人間界名物に格上げ。海外に出店するときにそれが最初だとその商品名=一般固有名詞になったりするよね。

 続いてやってきたのは半人前(年少組)がいる区画。ラビリン達もここの住人。一応その中では年長組らしい。
 幼い妖精たちの姿に「可愛い」と口を揃えてほっこりする3人。喉を支えた小鳥を介抱すると流石プリキュアと感心されます。元々プリキュアはテアティーヌのパートナーだったので憧れの対象。そこにラビリン達からの話が加われば期待感は否が応でも高まる。ペギタンはちゆのこと神格化して話してそう。言ってるそばからちゆに謎のエフェクトが付いてる。
 ヒーリングアニマルは地球から直接生まれる。ラテだけは特別でテアティーヌの嫡子。というよりテアティーヌが特別。ヒーリングガーデンの統治者として役割持たされているってところか。そんな話をしているうちに我慢できなくなったペギタンがちゆにくっつき過ぎ!と嫉妬。こいつ仲間からの人望無さそう。


 怪しげな一画を見つけたのどかはラビリンに質問。
 ビョーゲンズ襲撃の爪痕。1年以上前の出来事なのにまだ癒えていません。心を痛めるラテを見たのどかは祈ります。
 その一画の中からサルのアニマルが文句を言いながら出てきます。サルロー。ラビリン達が異口同音に抗議。彼女達は正式な客人。失礼な発言は謹んで欲しい。悪びれるでもなく女王は人間に甘すぎると態度を変えないサルロー。この発言にラテも消沈。ラビリン達の抗議にもどこ吹く風。
 アスミが人間を嫌う理由を訊ねると「人間など最早ビョーゲンズと変わらんからだ」と一蹴。自然を破壊し動物の命を奪う。それが人間としての進化だとしても限度がある。ビョーゲンズの進化の果てがキングビョーゲン。自己の生存のためにその他の命を奪い支配する点では変わりません。そこは前回もキング自身が指摘し、のどかも了承しています。
 ヒーリングアニマルは人間も浄化していくべきなんだ、とタカ派なサルロー。人間とアニマルとの戦争ですか。いいと思うよ。プリキュア的にはそれもまた一つの方法。きっとのどかは戦う。彼の意見にそういう考えもあるのかと頷くアスミ。当然ラビリン達は反対。しかしのどかはキングに指摘されたと口にします。ビョーゲンズが表立っている間は団結できても、それを抑え込んだ後は人間とヒーリングアニマルとの間にも溝があることを知るのどか達。人間も結構やらかしている。動物病院を営んでいるひなたも事故にあった動物がいると心当たりがあります。
 「私たち人間も地球に酷いこと、してるんだよ
 ポツリとつぶやくのどか。
 私が知る限りでは「地球環境が~」言ってる人はそれで金儲けてるか、地球守ってる気になってるかのどっちかですけどね。人間が人間以外のものに対してポジションをとるとき、それは単に主観の問題でしかありません。人間の枠組みで地球を語ることにどれだけの意味があるのか。ちなみに人間が保護する動物は多くが大型で可愛い、あるいは目立つ動物だと指摘している論文があります。そんなもんです。強いて言えば人間にとって住心地の良い環境は汚染や荒廃した大地ではないので、ほどほど共存は可能でしょう。ただし大型で可愛いことが条件ですが。
 ちょっと暗い雰囲気になる一同。


 年少組の妖精達が手つかずのお土産を見つけると群がります。密かに広がる怪しい影。ラテ警報発令。


②ビョーゲンズ再び
 メガビョーゲン発生。しかも6体同時。さらには年少組が人質に。
 大人のヒーリングアニマルでも手に余る相手。スキャンすると本体は1体だけ。どういうことだ? 疑問に答えるようにビョーゲンの発生元を指差す妖精。「6個入りだからか…!?」。いやそんな真顔で言われても。
 ヒーリングガーデン最強戦力のアスミが到着。さらにのどか達も援軍に入ります。変身。最終回でもノルマ達成。

 まずは人命優先。あっさり手放して…くれるかと思いきや囮。隙きを突かれてフォンテーヌがどつかれます。取り付こうにも6体もいるので厄介。手をこまねいている間も人質はお手玉のようにキャッチボールされています。下手に救助しようとすると無防備を狙われる。
 なら本体だけを狙えばいい。先程のスキャン情報を伝えるライオン。アースの動きが突然悪くなると攻撃を食らってしまいます。一体どうしたことか。
 「あのすこやか饅頭を攻撃するなどわたくしにはとても……
 真面目にやってくんねぇかなぁ。最終回だから好きなことやってるな。

 数の暴力で取り付けない。アースは戦意喪失。その他ヒーリングアニマルは役に立たない。手詰まり。
 サルローがほれみたことかと言わんばかりに原因を指摘。人間がナノビョーゲンを持ち込んだと責任追及。まあ、それがビョーゲンの生存戦略なので。たぶん君らもヒーリングアニマル特有の謎ウイルス的なものついてると思うよ。責任を感じたプリキュアは意気消沈。検疫を行わなかったヒーリングガーデンサイドにも問題がある。ビョーゲンズの侵攻が教訓として活かされていない。責任者であるテアティーヌは責められるべきではないだろうか。
 が、そういう問題を棚上げするのは人の世もアニマルの世も変わらない。プリキュアを一方的に責めるサルロー。やる気か? 言っとくがのどかはプリキュア界でも最強クラスのメンタルで武闘派だからな? どっちかが絶滅するまで戦うことになるぞ?
 最終回なので与太話はここまでにして、真面目に話すならこのお説教は「喉元過ぎたからって熱さ忘れてんじゃねーぞ」論。ビョーゲン自体は滅んだわけではなく隙きを見つけては湧いてくる。戦いは終わらない。人間の不注意でリスクが上がってしまうかもしれない。とはいえ作中でビョーゲンがどのように繁殖(自生)しているのか人間の問題なのかっていう部分はほとんど触れられていないので、ここで強く追及するのは作中論的にちょっと逸脱します。この辺は時事ネタだからでしょうね。

 違う…。ラテが念じると光が。今年もPRタイム。
 普通に自己紹介を始めるキュアサマーさん。もしかしてみんなも……超反応で反撃すると何事もなかったかのようにプリキュアなの~?と聞いてきます。何この人、慣れすぎてない?色々と。しかし油断しすぎ。今度は直撃。
 人質は取り返したので反撃のチャンス。ビョーゲンを食い止め、健やかに生きられる世界を作る。決意を新たにするプリキュア。その様子を見つめるサルローにテアティーヌが話しかけます。自分もいざという時が来たら人間を浄化する覚悟がある。これも冷静に突っ込むとヒーリングガーデンも地球から派生したもので、地球そのものではありません。だから彼らが言う「正しさ」は彼らのもので地球の意見ではありません。地球を代弁するのみんな好きだよね。ビョーゲンも地球から生まれてるんだけど。だからのどかのスタンス好きなんだよね。御託はいい。生きるために戦う。あくまで彼女は自分の、人間の立場で語る。そのシンプルさ。自分を正当化するために自分じゃないものを持ち出す卑怯さ、セコさ、傲慢さってあるよね。この意味でヒーリングガーデンもきな臭いって世界観好きよ。
 サルローの意見に理解を示しつつも、人間に深く関わった者として、人間には未来を変える力もあると信じたい。そう答えるテアティーヌ。来年も頑張ってくれるよ、と次のプリキュアにも希望を託します。


 ラテがアースの顔を覆います。直視しなければ大丈夫理論。なるほど! いやその理屈はおかしい。なお、必殺技のバンクでは目隠ししない模様。ここで目隠ししてたら最高だった。


 PRの割には特にこれといって活躍しなかったサマーさん。
 よくわかんないまま来て、よくわかんないまま帰っていきます。


③新たな戦いの始まり
 テアティーヌに頭を下げる一同。お土産から感染拡大したのは事実。このままではすこやか市の風評被害にも発展してしまう。
 生きていればこういうこともあるわ。水に流してくれます。さりげに防疫体制の不備についても流しています。お互いのメンツを守る。これが大人の賢さ。伊達に首長やってない。ヒーリングガーデンの闇を感じますね。
 サルローに話しかけるのどか。私達がんばります。どうしたらいいとか今はわからないけど、それでも
 「私達にできる地球のお手当を考えていきます
 アスミも一緒に考えようと饅頭を差し出しながら歩み寄ります。静かに笑いながら饅頭を受け取るサルロー。

 みんなに見送られながらヒーリングガーデンを去ります。
 「これからもやることいっぱいだね
 「地球のお手当まだまだ続くもんね
 「生きている限り戦いは終わらないってことね
 「うん。でもそういうのも全部丸ごと、生きてくって感じ!


○トピック
 シリーズ17年目・15代目ヒーリングっど♥プリキュア閉幕。
 戦いの終わりは新たな戦いの始まり。本作らしい最終回でした。


 本作はちょうど新型コロナが世界中を脅かした年に放送された作品になります。途中2ヶ月ほど休止し総話数は45話と若干縮小、放送時期も例年は1月末終了のところを2月下旬に変更になっています。番組的には放送スケジュールが次のプリキュアにも影響することとなり、災厄の爪痕が残る作品になったとも言えます。病気をテーマにした物語がまさに病気に苦しめられる。そんな巡り合わせとなりました。
 思い返せば10年前の東日本大震災の時のスイートプリキュアは苦しみや悲しみがなくならないことがテーマでした。いつの時代も、いつまで経っても人間は何かに怯え、何かに耐え、何かと戦っているのかもしれません。
 そんな中にあってプリキュアは常に戦い続けてきました。理不尽との戦い。弱さとの戦い。悲しみとの戦い。病気との戦い。それらは全て人間が人間として生きていく上で避けられないものです。だからこそプリキュアは人間の在り方に対し向き合うことができるのだと思っています。子ども番組としての制限はあるものの、時にその枠を飛び越えるようなこともやってのける。ヒーリングのチャレンジはその一つに数えられます。


 本作は一つの節目になった作品だと思います。
 未曾有の大災害が起きた年に、悲しみに寄り添い共に在ろうとしたスイートは人間の弱さを救済する物語としては一つの集大成となりました。ラスボスを救っていますからね。それと同じように人間そのものを脅かす病気との戦いに対して徹底抗戦を唱えたヒーリングは戦うプリキュアとしての本分を全うしています。
 数年ぶりにエピローグで大人にならなかったのも節目を感じさせます。彼女達の戦いは今この瞬間から始まる。今この瞬間も戦っている。その現在進行形の中でこそ「生きてく」ことの意味が強調される。「生きてる」が「生きてく」に変わることの重さと強さ。生きることは戦うこと。この1年は奇しくもそれをよく現した1年になったと思います。
 こういう書き方をすると純粋なフィクションとしてではなく、現実を反映したメタ的・風刺的な感じがして少々窮屈な印象も持たれるかもしれません。ですがむしろ現実を前にしても押し負けない力強さがあることがプリキュアの魅力だろうと思います。ここ最近、魔法つかい~トゥインクルまでのプリキュアを戦う意味が薄れていると書きましたが、これらの作品もまた子どもの現実を描いた作品です。子どもの現実ってつまるところ無力さです。でもそれがイコール悲惨さや虚無にならないことは誰もが知っている。生きることは戦うことだと言っても四六時中臨戦態勢やってるわけじゃない。緩さ、小ずるさ、切実さ、それらが混ざり合った世界。そんな世界だからこそ私達はフィクションに現実を見て、学び、時に持ち帰るのです。


 この他、ヒーリングが大病を患った女の子を主人公にしたことは面白い試みだったと思います。子どもって病気しやすいですからね。そんな子でもプリキュアになれる。病気を体験したからこそ強くなれる。そんな主人公にしたことでこれまでにないストーリー、これまでにない主人公像を開拓しています。
 これも事あるごとに言っていますが「プリキュアとは何か」というのは「どんな子がプリキュアなのか」という問いと同義です。端的に言えば「女の子はみんなプリキュア」。でもそんなの曖昧すぎるでしょ?
 病弱な女の子でもプリキュアになれるの? そんな未来があるの? その問いに応えられなければ意味がない。病気という過去を背負った子なりの歩みを描かなければウソになる。そうやって一つ一つの(一人一人の女の子の)可能性を模索していくこともまたプリキュアの大きな使命だと思っています。
 プリキュアという物語を通じて1人の女の子が主役になり、勇気づけられ、強く、優しくなれる。それが繰り返されていく。だから次のプリキュアにもまた希望のバトンが渡せる。
 ヒーリングの戦いが終わり、次の戦いが始まる。プリキュアの戦いは終わらない。

 ってことでまた来週。

[ 2021年02月21日 17:29 ] カテゴリ:ヒーリングっど♥プリキュア | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL