カテゴリー [ プリキュア5GoGo! ]
- ・コラム4「プリキュアの変遷と継続性」
- ・コラム3「5年分のプリキュア総括感想」
- ・コラム2「サントラ2」
- ・最終話「未来へ!永遠不滅のプリキュア5!」
- ・第47話「気持ちをひとつに!青いバラの奇跡!!」
- ・第46話「絶体絶命!没収されたプリキュア5!」
- ・第45話「キュアローズガーデンの扉現る!」
- ・第44話「届け!みんなのプレゼント!」
- ・第43話「恐怖!エターナルの館長!」
- ・第42話「こまちの決意とアラビアンナイト」
- ・第41話「りんちゃんイケメンとデート!?」
- ・第40話「うららの歌声を取り戻せ!」
- ・第39話「モンブラン国王を救え!」
- ・第38話「二人の力!ドリーム&ローズ!!」
- ・映画 お菓子の国のハッピーバースデイ
- ・第37話「危ない!ファイブDEチャンス!(後編)」
- ・第36話「危ない!ファイブDEチャンス!(前編)」
- ・第35話「ブンビー衝撃発言!」
- ・第34話「涙のお別れ!クレープの告白」
- ・第33話「ハッスルうららとカレー屋さん」
- ・第32話「小さな小さな大冒険!」
- ・第31話「ミルキィローズ新たなる力!」
- ・コラム1「サントラ1とガンバランスdeダンス」
- ・第30話「王の力とナッツの悩み」
- ・第29話「高原でイケメンとテニス!?」
- ・第28話「ココのお嫁さん登場!?」
- ・第27話「りんちゃんVS大江戸妖怪!」
- ・第26話「プリキュア大都会に現る!」
- ・第25話「真夏の悪夢の二人組」
- ・第24話「プリキュア5新たなる力!」
コラム4「プリキュアの変遷と継続性」
この項では、シリーズを個別にさっくりと要点を纏めながら全体としての変遷と物語の継続性について書きます。GoGo!コラム7で述べたように、プリキュアはシリーズとして形を変えながらも物語の芯は変えずに日常を一生懸命に過ごしていく女の子達の成長と可能性を描いた物語です。
余談ですが各作品は主題歌のとおりの物語といっていいので歌詞を聴けばそのまんまだったりします。
○各作品解説
①ふたりはプリキュア
初代プリキュア。美墨なぎさと雪城ほのかの出会いから物語は始まります。両者の面識はほぼなくお互いの趣味や個性を受け入れながら友達になっていく課程が丁寧に描かれています。ふたり居なければ変身できないのは「ふたりは~」の特徴です。
本作は様々な意味で実験的な試みがなされており、戦う動機や作品がどこに行こうとするのかを一から作っている印象を受けます。多少の振幅はあるものの、なぎさとほのかの友情が日常の中で紡がれ幾多の困難を克服していく姿は一貫しています。
プリキュアに変身して戦う動機についても本作で概ね骨子が作られています。敵であるドツクゾーンと戦うことは日常と乖離しており、中学生の女の子が戦う理由はほとんどありません。この戦う動機について、プリキュアという作品がとったスタンス(なぎさとほのかの動機)は古典的なヒーローの「世界を守るために(積極的に)戦う」ではなく、「日常を守るために(消極的に)戦う」です。地球や世界のために戦わず、日常を邪魔しにやってくる敵を迎撃することに徹しています。また、プリキュアは物語上収集物が存在しますが、これも日常生活を妨げるほど熱心に集めることはありません。ごく普通に暮らす中学生の女の子達が、その日常を蔑ろにし脅かす敵に対して毅然と立ち向かうことがシリーズの基本的な動機として構築されています。
プリキュアは大儀や正義のために戦うヒロインではなく、自分達の日常を守るために戦っているに過ぎません。しかし本作を含めたシリーズを通してプリキュアは日常生活での成長や交流とその意味を見いだすことが物語の主軸であり、これを否定する敵との戦いが対決軸になっています。日常の中で一生懸命に頑張る人達の強さやその大切さの意味によって戦闘での昇華・カタルシスを作り出しています。
本作によってプリキュアは、日常の中で遭遇する困難や絶望といった負の力を希望や努力などの力によって克服していく物語として根底が築かれています。
②ふたりはプリキュアMaxHeart
前作の続編。クイーンの命である「九条ひかり」が登場します。基本的な路線は前作と同様であり、精神的に未発達のひかりが日常の中で成長していく姿が(特に前半で)描かれています。なぎさとほのかは三年生に進級しそれぞれ部長となって部を纏める姿が描かれています。
出生上純粋な人間であるかは不明ではあるものの、ひかりが元のクイーンとなって消えてしまうかどうかが物語上の大きな焦点です。おつかいもままならなかった彼女は、自分で友達を作り、なぎさとほのかにも劣らないほど強く優しい女の子として成長しています。
日常を大切にするプリキュアという作品が本作で下した結論は、生きることを徹底的に肯定することでした。最終決戦の絶望的な状況の中、なぎさとほのかの心を支えたのは家族や友達、そして日常の中で自分達が経験して乗り越えてきた幾多の困難とその中で紡いできた友情、つまり彼女達が生きてきた証です。存在そのものを賭けて彼女達は戦います。ひかりも自分の存在を消してクイーンとなるのではなく、自分がこの世界で生きて、だからこそ愛したこの世界のために生きるためにクイーンとなることを決意します。少々ややこしいですが、この選択、決意が重要で、ラストシーンの大どんでん返しは彼女達のこれまでの生活と日常を徹底的に肯定したものです。
本作では、日常の中で自ら選択的に行動し決断し生きること、生きることの強さと肯定がなされています。
また、本作および前作は主人公達が他者を許容・受容していくことで自己を成長させていく過程が描かれており、それぞれの立場や環境に立った個人の成長物語としても見ることが出来ます(勿論、自己と他者の物語としても十全に描かれている)。
③ふたりはプリキュアSplash☆Star
2代目プリキュア。前作までの主人公と世界観を一新して新たに日向咲と美翔舞が主人公になります。女の子向け作品で主人公を一新するのは珍しく、その辺もプリキュアが実験的作品であると思わせます。
本作では咲と舞は幼い頃に面識がありすんなり仲良くなります。友達を一から作っていく課程や心理的な葛藤は本作ではなりを潜めます。その代わり彼女達が住んでいる街や人達との関わりが多くなります。また、当初敵であった満と薫が仲間となり一緒に戦うことになります。
物語上本作は前作を前提とすることで進んでいます。つまり、一から友達を作ってまた同じようなことをするのではなく、最初からある程度仲が良く、戦う動機も踏襲してそこからどう発展、あるいは違ったアプローチをとることで構築されています。
日常を大事にすることは変らず、本作で重視したのは住んでいる街や人々との交流で、それは最終的に世界という大きな存在とそこで生きている生命とを一つに結びつけています。前作が生きることを肯定したとすれば、本作では人の生は勿論のこと、人々が住んでいる街、この世界全体を含んだ形で生命と呼んでそれを肯定しています。だからこそ最終決戦においても彼女達は力を失っても世界から力を貰い、世界が滅んでも彼女達は世界に働きかけることができます。生物と世界は同時に存在し得るからです。本作は前作までを継承・踏襲した上で拡張した物語になっています。
ある意味本作はプリキュアシリーズの試金石となった作品です。ストレートに言えば、前作に比べ関連商品の売り上げが下がり、映画も他作品との同時上映となりました。当初の計画では2年目が予定されていましたが、変更されています(鷲尾プロデューサーのインタビューでその記事がある)。商業上の成否が作品的な成否と比例しているかはここで問いません(3年連続で同じような商品を出し続けたのも要因としてあるでしょう)。しかしながら主人公の交代、満薫の参戦により事実上プリキュアがふたりだけで戦っていないなど本作は次の作品である「Yes!プリキュア5」への橋渡しとしても機能しています。
④Yes!プリキュア5
3代目プリキュア。本作で本格的にプリキュアは解体と再構築が図られています。まず、タイトルにあった「ふたりは」がなくなりました。プリキュアも5人で変身も単独でできます。しかし逆に言えば変ったのはそれくらいです。「ふたりは」がプリキュアの斬新で新しい試みであったと思いますが、シリーズとして続けばマンネリになります。同じような展開、同じような関係は避けられないでしょう。「ふたり」の有無や主人公の交代があっても「プリキュアらしさ」を再構築することができればプリキュアはより一層作品の広さと深さを持ち得ることが出来ます。そして現に持つことが出来ました。
「プリキュアとは何か?」を考え再構築した結果、この物語は結論を下します。それはプリキュアが日常を誠実に素直に一生懸命頑張る女の子達の物語であるということです。主人公である夢原のぞみは、ドジで運動音痴で勉強もあまりできません。しかし愛情と洞察力と意志力を持った少女であり、自ら心を開き友達を作り他者のために頑張ることができます。
友達を作ることは勿論、本作では「夢」をキーワードに目標を持ち努力していく姿が描かれています。また、その夢が他者と密接に関わっていて、他者のためにできること、他者が居たから頑張れて、他者のおかげで夢を持つことができることが示されています。
日常を主とした物語の中で、本作は一歩進めて夢の在り方、友達との関わりの中でお互いの成長と発見の可能性を提示しています。人間関係に最も特化した作品であるとも言えます。
⑤Yes!プリキュア5GoGo!
前作「Yes!プリキュア5」の続編。ミルキィローズこと「美々野くるみ」が登場します。そして本作はこれまでのプリキュアの総決算です。
手紙をキーワードに想いを伝えること、相手の想いに気付き受け取ることを繰り返しながら日常の中で友達を作り、様々な人々と関わり、夢に向かって努力し、輪を繋いでいった彼女達は小さい日常を守るのではなく、日常から大きく羽ばたいていく存在へと成長します。将来の姿である夢への努力と段階的な達成、パルミエ王国を含めた他世界との関わりと自己の開示によって、成長可能性の拡大と活動範囲の拡大、自他の関係拡大を見事に達成しています。
夢を持ちその努力をすることはとりもなおさず大人になっていくことです。芽はいつか蕾となって花開くように、日常を大切にしてきた彼女達はその日常を大きく広げ、自身と他者の可能性を高め、いつしか世界へと羽ばたいていくでしょう。子ども達にとって世界は広く隣町ですら未知の場所ですが、そこにはいろんな可能性があり、その可能性の中には自己をさらにより良くできる可能性もあります。その中へ踏み出していくことは大きな一歩となります。
本作・前作の映画ではミラクルライトを観客も使うことでプリキュアを応援することができます。子ども達の応援に「ありがとう」と答えるプリキュアの姿、最終決戦で手紙が降り注ぐ中で再び立ち上がる力を取り戻した彼女達は、まさに「みんなの応援が待ってる さあ 進もう 叫ぼう 一緒に」という主題歌を見事に表しています。
友達を作る、ということから始まったプリキュアの物語は自己と他者の結び付き、両者の関係による成長、日常と世界、人々の未来を肯定してついに夢を追いかけながら大きな世界へと羽ばたいていくまでになりました。みんなの応援がプリキュアを支え、プリキュアとして活躍した彼女達の物語が途絶えることなくその意志を紡ぎ続けてきたからこそ、本作の結末は迎えることが出来たと思います。
○終わりに
どの作品も単体で見ても完結した作品になっていますし、どの作品も魅力に溢れた作品であると思います。おそらく5年ずっと見続けた人や5作全てを見た人というのは少ないと思います。人によっては好き嫌いもあると思います。いくら物語の基本骨子が変らなくてもキャラクターや世界観は違いますから当然好みも出てきます。
私は幸いプリキュアの根幹である日常を一生懸命に過ごしていく女の子達の姿が一番好きな理由でした。本当に好きで毎週見て毎週長ったらしい感想書いて、感謝感激でその辺の気持ちはコラム7でも書きました。
プリキュアは、シリーズとして長続きして主人公達も何回か変っています。でもその中で「プリキュアらしさ」を受け継ぎ、同じことを繰り返すだけじゃなく色んなアプローチや発展をし続けてきたシリーズであると思います。毎年思いました、「去年あれだけやりきったんだからもうやること無いんじゃないか?」と。そんな不安を吹っ飛ばして見事に新しい物語、より成長していく物語を驚きと感嘆を交えながら毎年見ることが出来きました。
どんなときでも凛々しく、たくましく、力強く、可愛く、優しく、誠実で、素直で、笑顔が素敵なプリキュアの物語はこれからもずっと続いて、子ども達に、みんなに好きになって欲しいと思います。
余談ですが各作品は主題歌のとおりの物語といっていいので歌詞を聴けばそのまんまだったりします。
○各作品解説
①ふたりはプリキュア
初代プリキュア。美墨なぎさと雪城ほのかの出会いから物語は始まります。両者の面識はほぼなくお互いの趣味や個性を受け入れながら友達になっていく課程が丁寧に描かれています。ふたり居なければ変身できないのは「ふたりは~」の特徴です。
本作は様々な意味で実験的な試みがなされており、戦う動機や作品がどこに行こうとするのかを一から作っている印象を受けます。多少の振幅はあるものの、なぎさとほのかの友情が日常の中で紡がれ幾多の困難を克服していく姿は一貫しています。
プリキュアに変身して戦う動機についても本作で概ね骨子が作られています。敵であるドツクゾーンと戦うことは日常と乖離しており、中学生の女の子が戦う理由はほとんどありません。この戦う動機について、プリキュアという作品がとったスタンス(なぎさとほのかの動機)は古典的なヒーローの「世界を守るために(積極的に)戦う」ではなく、「日常を守るために(消極的に)戦う」です。地球や世界のために戦わず、日常を邪魔しにやってくる敵を迎撃することに徹しています。また、プリキュアは物語上収集物が存在しますが、これも日常生活を妨げるほど熱心に集めることはありません。ごく普通に暮らす中学生の女の子達が、その日常を蔑ろにし脅かす敵に対して毅然と立ち向かうことがシリーズの基本的な動機として構築されています。
プリキュアは大儀や正義のために戦うヒロインではなく、自分達の日常を守るために戦っているに過ぎません。しかし本作を含めたシリーズを通してプリキュアは日常生活での成長や交流とその意味を見いだすことが物語の主軸であり、これを否定する敵との戦いが対決軸になっています。日常の中で一生懸命に頑張る人達の強さやその大切さの意味によって戦闘での昇華・カタルシスを作り出しています。
本作によってプリキュアは、日常の中で遭遇する困難や絶望といった負の力を希望や努力などの力によって克服していく物語として根底が築かれています。
②ふたりはプリキュアMaxHeart
前作の続編。クイーンの命である「九条ひかり」が登場します。基本的な路線は前作と同様であり、精神的に未発達のひかりが日常の中で成長していく姿が(特に前半で)描かれています。なぎさとほのかは三年生に進級しそれぞれ部長となって部を纏める姿が描かれています。
出生上純粋な人間であるかは不明ではあるものの、ひかりが元のクイーンとなって消えてしまうかどうかが物語上の大きな焦点です。おつかいもままならなかった彼女は、自分で友達を作り、なぎさとほのかにも劣らないほど強く優しい女の子として成長しています。
日常を大切にするプリキュアという作品が本作で下した結論は、生きることを徹底的に肯定することでした。最終決戦の絶望的な状況の中、なぎさとほのかの心を支えたのは家族や友達、そして日常の中で自分達が経験して乗り越えてきた幾多の困難とその中で紡いできた友情、つまり彼女達が生きてきた証です。存在そのものを賭けて彼女達は戦います。ひかりも自分の存在を消してクイーンとなるのではなく、自分がこの世界で生きて、だからこそ愛したこの世界のために生きるためにクイーンとなることを決意します。少々ややこしいですが、この選択、決意が重要で、ラストシーンの大どんでん返しは彼女達のこれまでの生活と日常を徹底的に肯定したものです。
本作では、日常の中で自ら選択的に行動し決断し生きること、生きることの強さと肯定がなされています。
また、本作および前作は主人公達が他者を許容・受容していくことで自己を成長させていく過程が描かれており、それぞれの立場や環境に立った個人の成長物語としても見ることが出来ます(勿論、自己と他者の物語としても十全に描かれている)。
③ふたりはプリキュアSplash☆Star
2代目プリキュア。前作までの主人公と世界観を一新して新たに日向咲と美翔舞が主人公になります。女の子向け作品で主人公を一新するのは珍しく、その辺もプリキュアが実験的作品であると思わせます。
本作では咲と舞は幼い頃に面識がありすんなり仲良くなります。友達を一から作っていく課程や心理的な葛藤は本作ではなりを潜めます。その代わり彼女達が住んでいる街や人達との関わりが多くなります。また、当初敵であった満と薫が仲間となり一緒に戦うことになります。
物語上本作は前作を前提とすることで進んでいます。つまり、一から友達を作ってまた同じようなことをするのではなく、最初からある程度仲が良く、戦う動機も踏襲してそこからどう発展、あるいは違ったアプローチをとることで構築されています。
日常を大事にすることは変らず、本作で重視したのは住んでいる街や人々との交流で、それは最終的に世界という大きな存在とそこで生きている生命とを一つに結びつけています。前作が生きることを肯定したとすれば、本作では人の生は勿論のこと、人々が住んでいる街、この世界全体を含んだ形で生命と呼んでそれを肯定しています。だからこそ最終決戦においても彼女達は力を失っても世界から力を貰い、世界が滅んでも彼女達は世界に働きかけることができます。生物と世界は同時に存在し得るからです。本作は前作までを継承・踏襲した上で拡張した物語になっています。
ある意味本作はプリキュアシリーズの試金石となった作品です。ストレートに言えば、前作に比べ関連商品の売り上げが下がり、映画も他作品との同時上映となりました。当初の計画では2年目が予定されていましたが、変更されています(鷲尾プロデューサーのインタビューでその記事がある)。商業上の成否が作品的な成否と比例しているかはここで問いません(3年連続で同じような商品を出し続けたのも要因としてあるでしょう)。しかしながら主人公の交代、満薫の参戦により事実上プリキュアがふたりだけで戦っていないなど本作は次の作品である「Yes!プリキュア5」への橋渡しとしても機能しています。
④Yes!プリキュア5
3代目プリキュア。本作で本格的にプリキュアは解体と再構築が図られています。まず、タイトルにあった「ふたりは」がなくなりました。プリキュアも5人で変身も単独でできます。しかし逆に言えば変ったのはそれくらいです。「ふたりは」がプリキュアの斬新で新しい試みであったと思いますが、シリーズとして続けばマンネリになります。同じような展開、同じような関係は避けられないでしょう。「ふたり」の有無や主人公の交代があっても「プリキュアらしさ」を再構築することができればプリキュアはより一層作品の広さと深さを持ち得ることが出来ます。そして現に持つことが出来ました。
「プリキュアとは何か?」を考え再構築した結果、この物語は結論を下します。それはプリキュアが日常を誠実に素直に一生懸命頑張る女の子達の物語であるということです。主人公である夢原のぞみは、ドジで運動音痴で勉強もあまりできません。しかし愛情と洞察力と意志力を持った少女であり、自ら心を開き友達を作り他者のために頑張ることができます。
友達を作ることは勿論、本作では「夢」をキーワードに目標を持ち努力していく姿が描かれています。また、その夢が他者と密接に関わっていて、他者のためにできること、他者が居たから頑張れて、他者のおかげで夢を持つことができることが示されています。
日常を主とした物語の中で、本作は一歩進めて夢の在り方、友達との関わりの中でお互いの成長と発見の可能性を提示しています。人間関係に最も特化した作品であるとも言えます。
⑤Yes!プリキュア5GoGo!
前作「Yes!プリキュア5」の続編。ミルキィローズこと「美々野くるみ」が登場します。そして本作はこれまでのプリキュアの総決算です。
手紙をキーワードに想いを伝えること、相手の想いに気付き受け取ることを繰り返しながら日常の中で友達を作り、様々な人々と関わり、夢に向かって努力し、輪を繋いでいった彼女達は小さい日常を守るのではなく、日常から大きく羽ばたいていく存在へと成長します。将来の姿である夢への努力と段階的な達成、パルミエ王国を含めた他世界との関わりと自己の開示によって、成長可能性の拡大と活動範囲の拡大、自他の関係拡大を見事に達成しています。
夢を持ちその努力をすることはとりもなおさず大人になっていくことです。芽はいつか蕾となって花開くように、日常を大切にしてきた彼女達はその日常を大きく広げ、自身と他者の可能性を高め、いつしか世界へと羽ばたいていくでしょう。子ども達にとって世界は広く隣町ですら未知の場所ですが、そこにはいろんな可能性があり、その可能性の中には自己をさらにより良くできる可能性もあります。その中へ踏み出していくことは大きな一歩となります。
本作・前作の映画ではミラクルライトを観客も使うことでプリキュアを応援することができます。子ども達の応援に「ありがとう」と答えるプリキュアの姿、最終決戦で手紙が降り注ぐ中で再び立ち上がる力を取り戻した彼女達は、まさに「みんなの応援が待ってる さあ 進もう 叫ぼう 一緒に」という主題歌を見事に表しています。
友達を作る、ということから始まったプリキュアの物語は自己と他者の結び付き、両者の関係による成長、日常と世界、人々の未来を肯定してついに夢を追いかけながら大きな世界へと羽ばたいていくまでになりました。みんなの応援がプリキュアを支え、プリキュアとして活躍した彼女達の物語が途絶えることなくその意志を紡ぎ続けてきたからこそ、本作の結末は迎えることが出来たと思います。
○終わりに
どの作品も単体で見ても完結した作品になっていますし、どの作品も魅力に溢れた作品であると思います。おそらく5年ずっと見続けた人や5作全てを見た人というのは少ないと思います。人によっては好き嫌いもあると思います。いくら物語の基本骨子が変らなくてもキャラクターや世界観は違いますから当然好みも出てきます。
私は幸いプリキュアの根幹である日常を一生懸命に過ごしていく女の子達の姿が一番好きな理由でした。本当に好きで毎週見て毎週長ったらしい感想書いて、感謝感激でその辺の気持ちはコラム7でも書きました。
プリキュアは、シリーズとして長続きして主人公達も何回か変っています。でもその中で「プリキュアらしさ」を受け継ぎ、同じことを繰り返すだけじゃなく色んなアプローチや発展をし続けてきたシリーズであると思います。毎年思いました、「去年あれだけやりきったんだからもうやること無いんじゃないか?」と。そんな不安を吹っ飛ばして見事に新しい物語、より成長していく物語を驚きと感嘆を交えながら毎年見ることが出来きました。
どんなときでも凛々しく、たくましく、力強く、可愛く、優しく、誠実で、素直で、笑顔が素敵なプリキュアの物語はこれからもずっと続いて、子ども達に、みんなに好きになって欲しいと思います。
コラム3「5年分のプリキュア総括感想」
友達と自分を信じ如何なる困難にも屈することなく、優しさと真っ正直さで常に前へと進んでいくことを意志し続け、生きることを肯定する物語
「Yes!プリキュア5」の総括感想を書いたとき、「~GoGo!」の第1話感想を書いたときにプリキュアは上記の物語だと書きました。そしてそれが好きでその為にプリキュアを見ていると書きました。見終わった今、私の内に抱く思いはこの物語が私の思い描いていた以上に素晴らしい物語であったという気持ちです。「ふたりはプリキュア」から5作5年の月日を経ながらその真っ直ぐな意志を継承して作品を重ね成長し続けた物語を見られたことを喜びたいと思います。
私はプリキュアを、この美しく素敵な物語を自分の人生の糧として、理想として、決して忘れることのない素晴らしい体験として、自分の中に抱き続けていきたいと思います。それがプリキュアを見続けてきた私の感謝と感動の気持ちです。
プリキュアを普通に見ている方、たまたまお子さんと一緒に見ている方、まだよくプリキュアを知らない方は特に、いえ、そうでなくとも私の見方や感想の持ち方に戸惑われるかもしれません。プリキュアは女児向けアニメです。女の子が変身して戦う番組です。それを承知の上で私はここで、プリキュアに対して抱く感動と感謝を記します。
プリキュアの物語は現在(2009年1月末)までで大きくは3つ、個別には5作あります。
①「ふたりはプリキュア」「ふたりはプリキュアMaxHeart」
前者はなぎさとほのかの出会いと友情の物語。後者は2人にひかりが加わります。
②「ふたりはプリキュアSplash☆Star」
咲と舞、家族と級友達との物語。
③「Yes!プリキュア5」「Yes!プリキュア5GoGo!」
前者は夢を模索する5人の少女達の物語。後者は5人にくるみが加わります。
5つの物語は継続した世界であっても若干趣旨は違いますし、世界が異なれば関係性もありません。ですが、この5つの物語を見ていて気付くのは彼女達が常に誠実であることです。登場人物、世界が変ろうとも、そこに住むプリキュアである彼女達の心は変りません。ごく当たり前の日常をひたすらに一生懸命に生きている。友達を作り、友達を愛し、人の喜びと悲しみを分かち合い、その日常を守るために戦う。誠実に生きようとする人々を嘲笑う敵に対して毅然と立ち向かう強さを持った女の子達です。優しさ、真っ直ぐさ、朗らかさ、思いやり、弱さを受け入れる心の強さを彼女達は持っています。
彼女達の真摯さ、天真爛漫さ、屈託のない笑顔は見ていて心が晴れやかになります。肩肘張って意固地になることが不毛だと気付きます。前向きにさせてくれます。何よりも彼女達がそうだからです。小難しい理屈、小賢しい知恵なんていりません。彼女達は持ち前の明るさと前向きさと誠実さで日常の全て、生きている中で直面する問題を一生懸命に乗り越え、時に辛さや痛みを感じながらそれでも決して諦めることなく進み続けます。その姿を見ていたら弱音を吐いたり愚痴を言う気もなくなります。そんなことをしている暇があったら自分も頑張ろうと思える。そんな元気を与えてくれます。辛いことや苦しみから逃げたり出会わないようにするのではなく、それを受け入れてなお自分を発展させていく勇気を与えてくれます。
この5年間ずっと彼女達に励まされてきました。彼女達の苦楽を一緒に感じ、一緒に考えてきました。勿論、それは視聴者である私の一方的な感情移入や思い込みではあるのですが、その経験や体験は素晴しいものでした。決してこの労苦、5年間ずっと見続け感想を書いてきたことを後悔することはありません。この体験は私がプリキュアの物語と一緒に築きあげてきたものです。そこで得られた数々の感動や発見、教えられたこと、与えてもらったものは掛替えのない私の財産です。
彼女達の物語は常に未来に向かって開示された物語です。友達を作る。絆を深める。クラスメイトや家族達と過ごす。夢に向かって進む。一つ一つの物語は決して大きいとは言えない小さな物語です。しかし一つの物語は土となり養分となって次の物語へとその意匠を継ぎ、少しずつですが彼女達が示す未来へと進み続けていきました。MHからS☆Sへ、S☆Sから5へ、GoGo!はそれら全てを継いた物語として。友達を作ることから始まり日常を守っていた彼女達はついに自分の夢を叶えるために未来に向かって進み、小さな日常から出て様々な世界へと扉を開いて躍進していくまでになりました。プリキュアの物語は彼女達みんなの物語です。
多くの子ども達もプリキュアを応援し楽しんでいました。映画館やミュージカルショーでの子ども達の真剣な応援を覚えています。映画館でみんなの応援に「ありがとう」と答え、みんなの手紙で立ち上がるプリキュア達はみんなの想いに応えてくれました。プリキュアの物語がこんなにも続いて、成長できたのはみんなの応援があったからです。最初からプリキュアを見てきた人、途中から見始めた人、色んな人がプリキュアを応援して、その応援にプリキュアは真っ正面から応えました。決してみんなの応援を裏切らない。決してみんなの期待を裏切らない。一生懸命笑顔で頑張るプリキュアがみんな大好きで応援する。プリキュアの物語は応援するみんなとも一緒に紡いだ物語。みんなで創ったみんなの物語です。
彼女達の元気で明るく真剣な姿を毎週見られたこと、たくさんのいろんなものを与えてくれたことを感謝したい。彼女達の物語を身近に感じ、彼女達も私達と一緒に歩んでくれたことを喜びたい。
日常の中で失敗や後悔、反省はあります。怒ることも不満を持つこともあります。人を羨んで嫉妬することもあります。人を見下すこともあります。意固地になることもあります。わざと邪魔したくなるときもあります。そう思ったり、そうしたくなったり、それを行うことは無くなることはありません。私達はそういう風にできているし、そういう人もいるからです。
でも、私達はそんなことにめげることなく進み続けることだってできます。悪意や憎悪をまき散らすことを止め、善意と好意を抱くことができます。その善意や好意を人に贈ることもできるし、受け取ることもできます。生を受けた自分の運命を受け入れ、日々の出来事、体験を自分の糧としていくことができます。誠実さ、優しさ、前向きさ、それに気付く感受性を持つことがどんなに素晴しいことであるか、それが未来を約束することではないことであっても、それすら乗り越えようとする意志が人に希望や矜持を与えるのです。そしてそのように輝いている人は、他者にその高潔な精神、愛情の素晴らしさへの憧憬を感じさせ、その心を広めていくことができるのです。善意や好意、愛情を広めていくことができるのです。
誠実に生きることは素晴しい。人生を豊かな実りでいっぱいにしてくれる。
「Yes!プリキュア5」の総括感想を書いたとき、「~GoGo!」の第1話感想を書いたときにプリキュアは上記の物語だと書きました。そしてそれが好きでその為にプリキュアを見ていると書きました。見終わった今、私の内に抱く思いはこの物語が私の思い描いていた以上に素晴らしい物語であったという気持ちです。「ふたりはプリキュア」から5作5年の月日を経ながらその真っ直ぐな意志を継承して作品を重ね成長し続けた物語を見られたことを喜びたいと思います。
私はプリキュアを、この美しく素敵な物語を自分の人生の糧として、理想として、決して忘れることのない素晴らしい体験として、自分の中に抱き続けていきたいと思います。それがプリキュアを見続けてきた私の感謝と感動の気持ちです。
プリキュアを普通に見ている方、たまたまお子さんと一緒に見ている方、まだよくプリキュアを知らない方は特に、いえ、そうでなくとも私の見方や感想の持ち方に戸惑われるかもしれません。プリキュアは女児向けアニメです。女の子が変身して戦う番組です。それを承知の上で私はここで、プリキュアに対して抱く感動と感謝を記します。
プリキュアの物語は現在(2009年1月末)までで大きくは3つ、個別には5作あります。
①「ふたりはプリキュア」「ふたりはプリキュアMaxHeart」
前者はなぎさとほのかの出会いと友情の物語。後者は2人にひかりが加わります。
②「ふたりはプリキュアSplash☆Star」
咲と舞、家族と級友達との物語。
③「Yes!プリキュア5」「Yes!プリキュア5GoGo!」
前者は夢を模索する5人の少女達の物語。後者は5人にくるみが加わります。
5つの物語は継続した世界であっても若干趣旨は違いますし、世界が異なれば関係性もありません。ですが、この5つの物語を見ていて気付くのは彼女達が常に誠実であることです。登場人物、世界が変ろうとも、そこに住むプリキュアである彼女達の心は変りません。ごく当たり前の日常をひたすらに一生懸命に生きている。友達を作り、友達を愛し、人の喜びと悲しみを分かち合い、その日常を守るために戦う。誠実に生きようとする人々を嘲笑う敵に対して毅然と立ち向かう強さを持った女の子達です。優しさ、真っ直ぐさ、朗らかさ、思いやり、弱さを受け入れる心の強さを彼女達は持っています。
彼女達の真摯さ、天真爛漫さ、屈託のない笑顔は見ていて心が晴れやかになります。肩肘張って意固地になることが不毛だと気付きます。前向きにさせてくれます。何よりも彼女達がそうだからです。小難しい理屈、小賢しい知恵なんていりません。彼女達は持ち前の明るさと前向きさと誠実さで日常の全て、生きている中で直面する問題を一生懸命に乗り越え、時に辛さや痛みを感じながらそれでも決して諦めることなく進み続けます。その姿を見ていたら弱音を吐いたり愚痴を言う気もなくなります。そんなことをしている暇があったら自分も頑張ろうと思える。そんな元気を与えてくれます。辛いことや苦しみから逃げたり出会わないようにするのではなく、それを受け入れてなお自分を発展させていく勇気を与えてくれます。
この5年間ずっと彼女達に励まされてきました。彼女達の苦楽を一緒に感じ、一緒に考えてきました。勿論、それは視聴者である私の一方的な感情移入や思い込みではあるのですが、その経験や体験は素晴しいものでした。決してこの労苦、5年間ずっと見続け感想を書いてきたことを後悔することはありません。この体験は私がプリキュアの物語と一緒に築きあげてきたものです。そこで得られた数々の感動や発見、教えられたこと、与えてもらったものは掛替えのない私の財産です。
彼女達の物語は常に未来に向かって開示された物語です。友達を作る。絆を深める。クラスメイトや家族達と過ごす。夢に向かって進む。一つ一つの物語は決して大きいとは言えない小さな物語です。しかし一つの物語は土となり養分となって次の物語へとその意匠を継ぎ、少しずつですが彼女達が示す未来へと進み続けていきました。MHからS☆Sへ、S☆Sから5へ、GoGo!はそれら全てを継いた物語として。友達を作ることから始まり日常を守っていた彼女達はついに自分の夢を叶えるために未来に向かって進み、小さな日常から出て様々な世界へと扉を開いて躍進していくまでになりました。プリキュアの物語は彼女達みんなの物語です。
多くの子ども達もプリキュアを応援し楽しんでいました。映画館やミュージカルショーでの子ども達の真剣な応援を覚えています。映画館でみんなの応援に「ありがとう」と答え、みんなの手紙で立ち上がるプリキュア達はみんなの想いに応えてくれました。プリキュアの物語がこんなにも続いて、成長できたのはみんなの応援があったからです。最初からプリキュアを見てきた人、途中から見始めた人、色んな人がプリキュアを応援して、その応援にプリキュアは真っ正面から応えました。決してみんなの応援を裏切らない。決してみんなの期待を裏切らない。一生懸命笑顔で頑張るプリキュアがみんな大好きで応援する。プリキュアの物語は応援するみんなとも一緒に紡いだ物語。みんなで創ったみんなの物語です。
彼女達の元気で明るく真剣な姿を毎週見られたこと、たくさんのいろんなものを与えてくれたことを感謝したい。彼女達の物語を身近に感じ、彼女達も私達と一緒に歩んでくれたことを喜びたい。
日常の中で失敗や後悔、反省はあります。怒ることも不満を持つこともあります。人を羨んで嫉妬することもあります。人を見下すこともあります。意固地になることもあります。わざと邪魔したくなるときもあります。そう思ったり、そうしたくなったり、それを行うことは無くなることはありません。私達はそういう風にできているし、そういう人もいるからです。
でも、私達はそんなことにめげることなく進み続けることだってできます。悪意や憎悪をまき散らすことを止め、善意と好意を抱くことができます。その善意や好意を人に贈ることもできるし、受け取ることもできます。生を受けた自分の運命を受け入れ、日々の出来事、体験を自分の糧としていくことができます。誠実さ、優しさ、前向きさ、それに気付く感受性を持つことがどんなに素晴しいことであるか、それが未来を約束することではないことであっても、それすら乗り越えようとする意志が人に希望や矜持を与えるのです。そしてそのように輝いている人は、他者にその高潔な精神、愛情の素晴らしさへの憧憬を感じさせ、その心を広めていくことができるのです。善意や好意、愛情を広めていくことができるのです。
誠実に生きることは素晴しい。人生を豊かな実りでいっぱいにしてくれる。
コラム2「サントラ2」
○プリキュア・サウンド・フルーレ!!
タイトルのとおり、ジャケットイラストはフルーレを構えるプリキュア達とパレットを構えるローズの構図。
主に中盤~終盤に使用された曲を収録。個人的に待ちに待った曲である主題歌アレンジBGM「プリキュア5、フル・スロットルGOGO!Instrumental Version」がお気に入り。
終盤の曲のためエターナルや暗めの曲が多い中、浦島太郎やお化け話、かぐや姫のときに使われた曲もあって楽しい。そういえば専用の曲ですね。ついにBGMでも名前が出た「続けて読めばマスコミか!?」のドタバタした曲や「悩めるブンビー」なども本編でお馴染みの曲です。
ボーナストラックとして映画ちょ~短編主題歌(ラストでかかった曲)である「DANZEN!まかせて☆フルスロットルGoGo!!」が収録されています。予期していなかったのでサプライズです。歌詞カードの解説にも書いてありますが、5年間のプリキュアを締めくくる曲ですね。
「ふたりはプリキュア」からBGMを手がけていた佐藤氏はGoGo!をもってお別れになります。氏の曲はプリキュアの活躍や日常の楽しさ、切なさ、華々しさを心にすんなり染みこませてくれる曲で物語をより一層魅力的にしてきたと思います。本来ならBGMは物語を彩り引き立てるものであると思うのですが、氏の書いた曲はかっこよく美しいのでプリキュアBGMは可能な限り聴かせていただきました。一作品2CD+映画CDと結構大変な出費でしたが全て満足しております。曲を聴き心躍らせながら感想を書くことも多くあります。
佐藤氏の曲とお別れするのは正直残念で寂しく思うのですが、氏の今後の活躍に期待しております。
タイトルのとおり、ジャケットイラストはフルーレを構えるプリキュア達とパレットを構えるローズの構図。
主に中盤~終盤に使用された曲を収録。個人的に待ちに待った曲である主題歌アレンジBGM「プリキュア5、フル・スロットルGOGO!Instrumental Version」がお気に入り。
終盤の曲のためエターナルや暗めの曲が多い中、浦島太郎やお化け話、かぐや姫のときに使われた曲もあって楽しい。そういえば専用の曲ですね。ついにBGMでも名前が出た「続けて読めばマスコミか!?」のドタバタした曲や「悩めるブンビー」なども本編でお馴染みの曲です。
ボーナストラックとして映画ちょ~短編主題歌(ラストでかかった曲)である「DANZEN!まかせて☆フルスロットルGoGo!!」が収録されています。予期していなかったのでサプライズです。歌詞カードの解説にも書いてありますが、5年間のプリキュアを締めくくる曲ですね。
「ふたりはプリキュア」からBGMを手がけていた佐藤氏はGoGo!をもってお別れになります。氏の曲はプリキュアの活躍や日常の楽しさ、切なさ、華々しさを心にすんなり染みこませてくれる曲で物語をより一層魅力的にしてきたと思います。本来ならBGMは物語を彩り引き立てるものであると思うのですが、氏の書いた曲はかっこよく美しいのでプリキュアBGMは可能な限り聴かせていただきました。一作品2CD+映画CDと結構大変な出費でしたが全て満足しております。曲を聴き心躍らせながら感想を書くことも多くあります。
佐藤氏の曲とお別れするのは正直残念で寂しく思うのですが、氏の今後の活躍に期待しております。
最終話「未来へ!永遠不滅のプリキュア5!」
○未来への物語
①負けない嵐がこようとも
館長によって世界の命は動きが止まってしまいます。
満身創痍の状態でも立ち上がって雄叫びを上げるドリーム。気合いで立ち上がります。続く4人。プリキュアを見下ろしながら館長はもはや何も出来ることはないと告げます。力を合わせれば出来ないことはない!と館長に挑むプリキュア。まだ戦いは終わっていません。
プリキュアに衝撃波を放つ館長。それをミントが防御します。続いて、疾風のように連続で館長を攻撃するもノーガードですら全くダメージを与えられません。衝撃波を浴びた上にホシイナーの弾丸を受けて地に埋もれるプリキュア。
以前はわずかにもプリキュアの価値を認めた館長ですが、今となってはフローラが渡した種同様価値が無いと追撃を加えようとしたところにシロップが割って入ります。フローラは種を通して一粒の命の無限の可能性を知って欲しかったと話すシロップ。戯れ言だとシロップに衝撃波を加える館長。間一髪ココナッツが結界で守ります。種が衝撃で離れたところに飛ばされてしまいます。
美しくもないものに何の価値がある、と言い捨てる館長にナッツは種は育てることで美しい花を咲かせるしその実は人々の命を支えると答えます。花が咲いたら奪えばよい、実がついたら奪うと答える館長。奪うばかりでは何も生み出せないと反論するココ。生み出す必要はなく、奪ったものを永遠に留めればそれで良いと答える館長。愚か者が貴重な宝を壊さないように世界中から宝を奪いコレクションにしたと話します。
話しも終わり、ココ達を攻撃しようとする館長。
ローズが助太刀に入ります。しかしことごとく攻撃は館長の周囲に発生した防御力場によって阻まれ逆に圧力によって跳ね返されてしまいます。ミサイルのようにホシイナーを数個発射する館長。なかなか面白い機能です。迎撃するも全部は打ち返せず、ローズも地に落ちホシイナーの下敷きになってしまいます。
価値があるのは唯一フローラのみとフローラを上空に退避させ、キュアローズガーデンを完全に破壊しつくそうと強大な力を行使します。衝撃と風圧に吹き飛ばされるプリキュアとローズ。
そのときフローラと共にいたメルポの目から光が放たれます。動きを止める館長。
②みんなの応援が待ってる
メルポから数え切れないほどの手紙が吹き出します。桜吹雪のように舞い落ちる手紙。全て自分宛ての手紙であると気付くプリキュア。フローラが肯定します。
「世界中の生きとし生けるもの達強い想いが、プリキュアのもとに届いたのです」
世界が動きを止めて、命が動きを止めても、その想いが手紙となってプリキュアのもとに送られます。プリキュアへ託す想い、みんなの応援、ファンレター、視聴者の気持ち、きっと私の手紙もあります。
手紙のシャワーを受け、プリキュアとローズは完全に回復します。さきほど飛ばされた薔薇の種を見つけるドリーム。
価値の無いものをどうするつもりだ?と訪ねる館長。嘲笑っています。
「価値なんて分からない! でも! 大切な命だから!」
翼を広げ単身館長のもとへ飛ぶドリーム。
「私達は、この種に託された想いを受け取ったの。たくさんの想いがこの一粒の命に込められているの。この種を育てる気持ちがあればフローラさんはあなたを受け入れたのに!」
「こんな争いしなくて済んだのに!」
毅然と、しかし愁いを込めた瞳で館長を見つめるドリーム。
託された想いに応えようとすること、自分の気持ちを伝えようとすること、他者の存在を受け入れようとすること、何かを育もうとすること、それらの気持ちは世界や他者への働きかけ自ずとそこには共存や共生への道も開けます。
しかしその道を自ら閉ざした人は、自分の価値でしか物事を計れず、自分が理解されない怒りと苦しみを外部へと向けることがあります。
怒りを込めてドリームを攻撃する館長。間一髪ミントが防御します。ミントの万能シールド。
「私達の希望を消させはしない!」
ルージュも加わり、ミントのソーサーに赤い力が加わります。
「奪うことしか頭にないあなたには分からないだろうけど!」
レモネードが加わりさらに大きくなる輪。
「未来の輝き! 未来の美しさ!」
アクアが加わり4層の輪となります。
「一粒の種が持つ無限の可能性!」
ドリームが加わって5人の輪となります。
「どれも私達の大切な宝物なの!」
「あなたの勝手にはさせない!」
ローズが加わり6人、6層の輪となって館長の力を押し返します。
相殺された力は消滅し、プリキュアとローズが一斉に躍り出ます。攻撃を防いでいた防御壁を打ち破ります。ミサイルホシイナーをミント・アクア・ルージュ・レモネードが迎撃し、ドリームとローズが打ち込みます。
プリキュアとローズの力に驚愕しつつもはねのける館長。巨大なホシイナーで押しつぶそうとします。それをココナッツが防御。
「たとえ敵わなくても!」
「何度でも立ち向かうナツ!」
守られていたプリキュアとローズも意思は衰えず館長を見返します。
しかしそれも一時しのぎ。結界は破壊されてしまいます。無駄だと言う館長。
「無駄ではないドナ!」
ドナドナ波でホシイナーを押し返すドーナツ王。おお、凄い。ババロア女王達も一緒です。
くだらん、価値の無いものは全て消えてしまえ!とホシイナーを強化する館長。
王達が力を合わせてプリキュアとローズに力を与えます。
プリキュアのフルーレは赤い薔薇の力。
ローズの持っていたミルキィミラーはフルーレ同様の剣となり、青い薔薇の力を宿します。
「希望の赤い薔薇!」
「奇跡の青い薔薇!」
「伝説の力を今ひとつに!」
「プリキュア・ミルキィローズ・フローラル・エクスプロージョン!」
巨大な種が出現して突進します。ホシイナーを砕いた種は芽が出て、見る間に成長して館長へと伸びます。防御する館長に対して、蕾だった薔薇は花開き、巨大な女性となります。
驚く館長。女性は慈愛の眼差しで館長へ手を伸ばします。消そうとする館長を慈しむように抱きしめる女性。
「それこそがプリキュアと多くの人々の願いが育て上げ生み出した命の力なのです」
フローラが答えます。
「フローラ! あのとき私が種を受け取っていたら、私はキュアローズガーデンに受け入れられていたというのか!?」
館長の問いに無言で見つめ返すフローラ。
「私は、私は間違っておらん!」
間違っていなくとも、しかし正しくもない。
館長を抱いていた女性は力の奔流となって館長を包み込みます。抗う館長の肩に一粒の光。アナコンディが最期に流した涙です。優しい表情で館長を呼ぶアナコンディ。館長は薔薇が生み出した力の奔流の中に姿を消します。
プリキュアとローズ、みんなが生み出した薔薇はキュアローズガーデンを照らすと、薔薇の花が咲き、大地から芽が出てローズガーデンは再生していきます。そして世界は動き出していきます。
エターナルに保管されていたコレクションも封印が解かれ、宝や動物たちは元の世界へと戻ります。エターナルの建物は崩壊します。
③さあ、進もう叫ぼう、一緒に
再生され元の美しさを取り戻したキュアローズガーデン。
みんなにお礼を言うフローラ。
ミルクは薔薇の植木鉢に咲いた青い薔薇をフローラに返します。フローラは種を贈っただけで、育てたのはミルクであり、これからも育てて世界中に青い薔薇を咲かせて下さいと答えます。快諾するミルク。
のぞみに話しかけるフローラ。
「私の代わりにキュアローズガーデンを守ってくれませんか?」
ええ!?と驚くのぞみとみんな。
キュアローズガーデンを守ると言うことは、ここに居なければならないということです。のぞみと別れるなんて嫌だと言ううらら。流石です。最終回までうららはのぞみっ子でした。君の燦然と輝きはじけるのぞみさん大好きオーラが私は大好きです。
一大決心。人生の岐路。先生の夢は? みんなとの生活は?
「私、キュアローズガーデンをみんなに見せたい。だって、こんなに素敵な場所なんだもん。私達以外のたくさんの人たちにも見せてあげたいなぁ」
「それはキュアローズガーデンの扉を開放するということですね?」
満面の笑みで即答するのぞみ。
「はい」
「だから、私、みんなと一緒にい~っぱい!薔薇を育てて世界中をキュアローズガーデンにできたらいいな~って思ってるんだけど、ダメかな?」
「命を守るためにここに咲いているだけでなく、いろいろな世界にたくさん咲いて欲しいと私もそう思っていました。みなさんで命の薔薇を咲かせて下さい」
「はい」
のぞみ達の答えを聞いたと同時に光りだすフローラ。お別れのときが来たと言います。フローラの後継者は今決まりました。シロップはフローラに泣きついて行かないで欲しいと懇願します。フローラはシロップのことを大切に思ってくれる人が居る、あなたはもう一人ではないと諭します。のぞみ達への手紙をシロップに渡したのはのぞみ達と友達になって欲しいフローラの配慮だと話すココナッツ。
もし、記憶を失っていたシロップにフローラが過去を話していたとしたら今のような結果にはならなかったでしょう。過去は大切なものです。しかしそれ以上に今をどのように生き、どのように人々と過ごすかはもっと大切です。ゼロから作り上げたのぞみ達とシロップの関係は紛れもなく強く深い絆です。
キュアローズガーデン、シロップを見届けたフローラは再生のために一粒の種となります。自分の命の光は種となり新しい花を咲かせると言い残して消えるフローラ。のぞみは種を育てると約束をします。種をのぞみは受け取ります。
電話の鳴る音。新入りにお茶を入れろと命じながら電話を受け取るブンビー。仕事の話のようです。高層ビルの屋上にプレハブ。ブンビーカンパニー。
新入りが仕事をまだやっていなかったようです。ってこの新入りどこかで見たような。ブンビーに仕事を命じられるも、部下の尻ぬぐいをするのは上司の仕事でしょ、と不敵に答える新入り。カワリーノに似て生意気な・・・と苦い顔をするブンビー。しかし新入りを一人前に育て、ビックな会社にするという夢のためブンビーは今日も精一杯仕事です。
ココに手紙を書くのぞみ。ココはどこかを旅しているようです。
世界中を飛び回るシロップ。
りんとかれんはキュアローズガーデンの薔薇の世話をするためによく行くようです。パルミエの人たちをガイドするミルク。メルポはシロップが育てた薔薇だったらしく一緒に居たいためにあの姿になっていたそうです。
パルミエ王国はだいぶ復興し緑も増えました。ナッツが中心になって復興を進めています。こまちはパルミエで自分が書いたお話しを子ども達に読んでいます。うららは歌を歌っています。
しかしまだフローラの種は芽が出ません。種は夢と似ていると言うのぞみ。時間をかけてじっくり育てていけばいつか夢は叶って、薔薇も咲く。そう信じてみんな頑張っていると手紙に書くのぞみ。
ナッツハウスではみんな夢に向かいながら一緒に居ます。
命の気配を感じるナッツ達。
手紙を届けて貰おうと道を急ぐのぞみは近道を通ります。すると誰かとぶつかって倒れそうになったのぞみを抱きかかえる誰か。見知った顔と声。ココです。相変わらずだね、とのぞみに言うココ。のぞみも相変わらず突然と答えます。相変わらずラブコメです。
ココに手紙を手渡すのぞみ。ココはのぞみに命の光を感じたと言います。
ナッツハウスに来たのぞみは植木鉢に小さな芽が出たことを喜びます。のぞみの声を聞いて集まるみんな。ココの姿を見て挨拶します。ナッツとシロップ、ミルクも駆けつけて喜びます。
芽が出たなら次は・・・
ぜ~ったい素敵な花を咲かせるぞ~
けって~い!
みんなで築き、みんなで紡いできた物語はここで一端幕を閉じます。しかし彼女達の物語は私たちみんなの中で息づくことになるでしょう。夢の種はいつもそばにあります。
○トピック
のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、ミルク、ココ、ナッツ、シロップの物語の完結。
とってもプリキュアらしい素敵な最終回。
力を振り絞って戦うのぞみ達に最後に託された力はみんなの想い。物語の中だけではなくプリキュアを見ているみんな(視聴者)の応援と気持ちが実際にプリキュアに届き、プリキュアに力を与えてその応援にプリキュアは応えてくれます。「手紙」というキーワードと「種」というキーワードが合わさり、水が種に降り注ぐことで芽が出で成長していくようにみんなの手紙(応援)がプリキュアに降り注いで逆転への布石となります。メタな構造(プリキュアが物語の中だけで完結しているのではなく、視聴者がいることを前提として物語の中に取り入れられている)ではあるのですが、「みんなの応援が待ってる」の主題歌のとおり本当に見ているみんなの応援を受けて活躍する彼女達は視聴者と共にあるヒロインであると私達に応えてくれます。何度見てもあの手紙が届くシーンは嬉しくて感動します。
①最終決戦の意味
プリキュアが肯定したものは生命そのものでした。生命とは生死を繰り返しながら循環し、成長・繁栄することで多様な形や発展があり得ます。種はその可能性を示唆する原型として、実際に成長していくものとして、プリキュア達を表現するものとして登場しています。だから劇中で「種」といっても様々な意味が含有されており、種を育てる、種から芽が出ることは生命の価値、生命の成長を意味します。
館長は価値を定まった形でしか認めませんでした。種に価値を認めず、命の園であるローズガーデンを支配し生命の活動を止めてしまったことは彼の価値観からすれば正しいですが、そもそも彼が認めている価値は、生み出された価値であるはずなのにその経過を無視しており矛盾があります。
みんなの力で作り出した薔薇が女性の姿となったのは、フローラが言うとおり生命の力が可視化されたものです。命を産み育むというのは女性的な意味があります。母なる海、母なる大地というように女性とはしばしば命の源として一般的に認識されています。その生命の力に人格や形を与えるのであれば女性をイメージできるでしょうし、また優しさ、慈悲、寛容さといった表情を持つこともイメージできます。そして同時に生命は破壊の力も持ちます。他の命と共存して命を守り増やす反面、他の命を飲み込んでいきます。だから館長を包み込んだ女性はあれほど慈しむような表情を持ちながら圧倒的な力で館長を消滅させる力を持っています。実は最初、慈悲や優しさは良いとしても破壊の力はプリキュア的にどうだろう?と迷ったのですが、生命を純粋に肯定するのであれば、再生と破壊の両義性は生命の本質であり、これは絶対的に正しいものです。決して女児向けだからと綺麗事を並べるだけの見せ方や妥協をしていないことの表れです。
アナコンディの涙から彼女の姿が現れることも同様に妥協がありません。初めて見たときは何が何だか分からず、しかし直感的には納得できました。アナコンディも確かに部下に対して厳しく憎悪や嫉妬を向けて負の連鎖を作り出していましたが、その本心には館長への好意がありました。この好意が良い方向、適切な手段によって表現されればのぞみ達のような関係を築くことも不可能ではなかったでしょう。彼女の苦しみや怒り、不安はデスパライアなどと同種の人間的なものです。メインの視聴者である子ども達には「怖い女の人」と映っても大人から見れば「可哀想な女性」でした。彼女自身の数々の行為が非難されることであっても、彼女の苦しみは人間が持ちうるものであるし、その根底になっている好意それ自体は否定されるようなものではないはずです。
しかし、館長は他者を認めない不寛容さ(仮に認めたとしてもコレクションとして扱うので物としてしか見ない)、一元的な価値観による支配、常に成長を続けていくことにその価値がある命を否定しました。それは人間の否定でもあります。アナコンディが最善の方法を用いて信頼を築こうとしても、フローラがどんなに心を込めて意図をくみ取って貰おうとしても館長はそれらを全て拒否したでしょう。のぞみは他者の痛みや苦しみ、不安を抱く人の心に対して感じ取りその相手の弱さや良さを読み取ることが出来ますが、そもそもの始めから拒絶と暴力、略奪しか存在しない相手に対してはどうすることもできません。心がない相手の心は読めないし、こちらの心も分かってはもらえません。
最後の館長の問いにフローラが無言で答えたのも、正しくもあり間違ってもいるからだと思います。種を受け取る行為は受容を表しますが、その意味を館長は分かっていないからです。種を受け取ってそれを育てる価値を知らなければその種は芽を出すことはないでしょう。あのときフローラの浮かべていた表情は侮蔑にも哀れみにも見えます。本当の宝や豊かさに気付いてもらえなかった、気付こうとしなかった相手に対する視線だったと思います。ドリームが直訴したのも同種の悲しみと、理解されなかった故に起きた不要な争いに心を痛めたからです。
おそらく館長は前作のデスパライアのような”(心を持つ)敵”としてではなく、”(心を持たない)敵”としての位置づけなのだと思います。命や成長といったものを認めない存在。それらを肯定するプリキュアの対極。女性が発する力の中で、加えてアナコンディの姿が出てきたのは彼女の好意が肯定されうるものであったからです。何故ならその好意、他者への働きかけは生命が持つごく自然な発露だからです。アナコンディが館長を滅ぼしたい、一緒にあの世で暮らしたいというような意思の表れではありません。結果として館長を倒すことになったのは皮肉と言えますが、館長がアナコンディの好意を無視し続けていたことを考えれば、最後までエターナルは自滅の連鎖を作り出していたと言えます。
前作が老いへの不安、未来への不安を持った敵に対してプリキュアが未来を肯定していたように、今作では完成された価値、成長を止めた世界に対して育てることの尊さや価値の創造、生命の可能性を肯定した物語となっており、自分達の肯定や行為によって自分達で未来を切り開いていくプリキュアのスタンスが貫かれています。驚くべきはその貫き方が徹底しており、想像を上回るものだったことです。巨大な女性、アナコンディの登場はこれまで積み上げてきたプリキュアの思想からすれば必然とも言えますが、難解な部分でもあり非常に妥協のないものだと思います。
以上が最終決戦の対決によってなされたプリキュア側の(プリキュア的な)正しさの証明です。
②日常の中での意味
フローラからキュアローズガーデンの後継者として選ばれたのぞみの回答は、プリキュアの物語の根幹を示すものです。
AパートからCMを挟んでBパートまでの間、一体のぞみはなんと答えるだろうと考えていましたが、のぞみの答えは「私、キュアローズガーデンをみんなに見せたい」でした。
のぞみらしい、プリキュア5GoGo!を象徴する答えだと思います。のぞみは他者に対して常にオープンな態度で接します。キュアローズガーデンは命の庭として大切なものでしょうが、彼女はそれを閉じ込めて後生大事に育てるのではなく、みんなと一緒に在ることを望みます。それはのぞみの普段の行動そのものであるし、またそれがのぞみ達の物語の根幹です。他者に心を開き、みんなと一緒に在ろうとすること。みんなと一緒にみんなで育っていこうと彼女は答えます。
価値あるものはそのままの形で永遠に保管しなければ(生命達によって)破壊される可能性があると考えていた館長からすればそれは看過できないものです。もし仮に館長に正当性があるとすれば、生命は価値を生み出せると同時に破壊を持つものですから、破壊を嫌った館長のコレクションは正しいと言えます。ただし、それは生命の持つ両義性の内の半分にしか着目しなかったことを意味します。
価値あることにしか着目しなかった館長と、普段の生活の中で友達を作ったり、共有したりみんなで一緒に暮らしていくことをとおして価値を生み出していくのぞみ達の違いこそがプリキュアの物語が決して変身能力や超人的な力によって解決し敵に勝利するのではないことの表れでもあります。彼女達が敵に勝てるのは、その行動理念、思想、心と行為に意味や力があり、日常的にそれを積み重ねているからです。
プリキュアを見ている多くの女の子達は力が弱く、被保護者であり、また大人になったとしても現実的には超人的な力を持つことはほぼありません。じゃあ、その子達は何も出来ないのか、解決や成功できないのか、力がないのか、弱いままなのかと言えばそうじゃない。力を付けていくことができるし、何かを生み出していくことができるし、強くて頼れる友達を作ることができるし、自分がそう頼られる存在になることもできます。それは日常生活の中で、日々生活する中で人々と関わり合う中で成していくものです。プリキュアが日常生活を軸にして巨大な敵に打ち勝ち、夢や友達を育んでいくのは子ども達の写し身であるし子ども達への応援でもあります。
フローラが死を迎えてその意思がのぞみ達に受け継がれ、種としてまた世界の循環の中に還るのは私達の営みと同様です。生命とは、生をうけ、生を生み、全うする循環するものなので、最終的には死を迎えるとしてもその生命の連鎖こそが生命そのものであろうと思います。さりげに容赦なく「死」を描いている点は驚きですが、生命の循環を示す上では重要な点です。
世界(自分も他者も含んだ世界)に対して自分を開示して、世界から受け取っていく中で、様々なものと関わり様々なものを成長させ自分も成長していく、そうした一連の営み、生きることの一貫した肯定がプリキュアの素敵なところだと思います。のぞみ達は次代を担う者として、そしてのぞみ達以降の次代を育てる者として育っていくことになるでしょう。のぞみがりんの弟達に先生と呼ばれたように、彼女達はついに見守られる側から見守る側へも進んでいこうとしています。
③現実の中で強く、成長していくこと
映画のお菓子の国を見たときに、最終回はエターナルとの和解になるのではないかと思っていました。みんなが幸せになる。でも、その考えは最終回直前で変りました。
多様な価値や命を認めるのなら、プリキュアの推奨する「幸せ」を敵に無理強いするならそれは支配になります。そしてまた私達は人の心まで支配することはできません。心を植え付けることもできません。私達にできることは、他者を想い、他者に愛情を持って誠実に接することのみであり、その相手が心を開くかどうかはまた別の問題です。愛情を持って接しても必ず見返りがくるわけじゃない。でも、見返りがあるから愛情を注ぐわけではない。
相手に伝わらなかったとしても愛情を注ぐことを諦めたりやめたりする必要はありません。私達に出来ることには限界があり、だからこそ「私」と「あなた」両方が必要なんです。その両方があってこその絆や信頼です。「私」だけだったら支配だし「あなた」だけ頑張っても「私」が受け入れなければ届かない。
のぞみ達のように常に一生懸命誠実で愛情に溢れ他者に接し続けることが、私達の出来る最大限の努力だと思います。現実は厳しく自分の思うようにならない辛さを感じても、そんな現実を嘆いても、決して諦めることはありません。私達に出来ることは僅かですが、それでも報われることがあります。作り出せるものや生み出せるもの、見いだせるものがあります。それがどれほど難しいかは言うまでもないことなのですが、プリキュアはその中で頑張っています。一人ではなくみんなで。その姿を見ている私達は一人ではないはずです。私達が応援し、その応援に応えてくれるプリキュアの姿を知っているはずです。作り話だとしても、そう感じられることが私はとても大事だと思っています。キッカケはどうであれ、大切なことに気付いてそれを自分自身に取り入れていくことが大事だと思う。私にとってプリキュアはそういう大切なことをたくさん教えてくれた作品です。
同じ学校に通っていても友達ではなかった彼女達でしたが、少しずつ信頼を築きあげ、努力して、諦めずに進んできたことでついに学校やナッツハウス、パルミエ、ローズガーデンを越えてみんなが同じ大きな世界で共に過ごすまでになりました。自分達の居場所を作りそれを広げていくことで、自分の夢のために世界に生きるのではなく世界の中で自分の夢を叶えそれをみんなと分かち合いながら成長していく姿が本当に清々しく素敵です。GoGo!を締めくくるに相応しい見事な躍動感を持った最終回でした。
留まることなく常に進み続ける中で、より多く、より広く大切なものを生み出し続けるこの物語の意志は素晴らしい。
遅くなりましたが最後に
毎週楽しく、嬉しく、ワクワクしながら、感動しながらも太ももに目を向けつつ見てきました。プリキュアの優しくて力強い物語が大好きです。2年間多くのものを受け取ることが出来ました。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
ついでに、この感想に付き合って頂いた方々もありがとうございました。でもまだちょっと感想は書きます。5年分総括しなくっちゃね。
①負けない嵐がこようとも
館長によって世界の命は動きが止まってしまいます。
満身創痍の状態でも立ち上がって雄叫びを上げるドリーム。気合いで立ち上がります。続く4人。プリキュアを見下ろしながら館長はもはや何も出来ることはないと告げます。力を合わせれば出来ないことはない!と館長に挑むプリキュア。まだ戦いは終わっていません。
プリキュアに衝撃波を放つ館長。それをミントが防御します。続いて、疾風のように連続で館長を攻撃するもノーガードですら全くダメージを与えられません。衝撃波を浴びた上にホシイナーの弾丸を受けて地に埋もれるプリキュア。
以前はわずかにもプリキュアの価値を認めた館長ですが、今となってはフローラが渡した種同様価値が無いと追撃を加えようとしたところにシロップが割って入ります。フローラは種を通して一粒の命の無限の可能性を知って欲しかったと話すシロップ。戯れ言だとシロップに衝撃波を加える館長。間一髪ココナッツが結界で守ります。種が衝撃で離れたところに飛ばされてしまいます。
美しくもないものに何の価値がある、と言い捨てる館長にナッツは種は育てることで美しい花を咲かせるしその実は人々の命を支えると答えます。花が咲いたら奪えばよい、実がついたら奪うと答える館長。奪うばかりでは何も生み出せないと反論するココ。生み出す必要はなく、奪ったものを永遠に留めればそれで良いと答える館長。愚か者が貴重な宝を壊さないように世界中から宝を奪いコレクションにしたと話します。
話しも終わり、ココ達を攻撃しようとする館長。
ローズが助太刀に入ります。しかしことごとく攻撃は館長の周囲に発生した防御力場によって阻まれ逆に圧力によって跳ね返されてしまいます。ミサイルのようにホシイナーを数個発射する館長。なかなか面白い機能です。迎撃するも全部は打ち返せず、ローズも地に落ちホシイナーの下敷きになってしまいます。
価値があるのは唯一フローラのみとフローラを上空に退避させ、キュアローズガーデンを完全に破壊しつくそうと強大な力を行使します。衝撃と風圧に吹き飛ばされるプリキュアとローズ。
そのときフローラと共にいたメルポの目から光が放たれます。動きを止める館長。
②みんなの応援が待ってる
メルポから数え切れないほどの手紙が吹き出します。桜吹雪のように舞い落ちる手紙。全て自分宛ての手紙であると気付くプリキュア。フローラが肯定します。
「世界中の生きとし生けるもの達強い想いが、プリキュアのもとに届いたのです」
世界が動きを止めて、命が動きを止めても、その想いが手紙となってプリキュアのもとに送られます。プリキュアへ託す想い、みんなの応援、ファンレター、視聴者の気持ち、きっと私の手紙もあります。
手紙のシャワーを受け、プリキュアとローズは完全に回復します。さきほど飛ばされた薔薇の種を見つけるドリーム。
価値の無いものをどうするつもりだ?と訪ねる館長。嘲笑っています。
「価値なんて分からない! でも! 大切な命だから!」
翼を広げ単身館長のもとへ飛ぶドリーム。
「私達は、この種に託された想いを受け取ったの。たくさんの想いがこの一粒の命に込められているの。この種を育てる気持ちがあればフローラさんはあなたを受け入れたのに!」
「こんな争いしなくて済んだのに!」
毅然と、しかし愁いを込めた瞳で館長を見つめるドリーム。
託された想いに応えようとすること、自分の気持ちを伝えようとすること、他者の存在を受け入れようとすること、何かを育もうとすること、それらの気持ちは世界や他者への働きかけ自ずとそこには共存や共生への道も開けます。
しかしその道を自ら閉ざした人は、自分の価値でしか物事を計れず、自分が理解されない怒りと苦しみを外部へと向けることがあります。
怒りを込めてドリームを攻撃する館長。間一髪ミントが防御します。ミントの万能シールド。
「私達の希望を消させはしない!」
ルージュも加わり、ミントのソーサーに赤い力が加わります。
「奪うことしか頭にないあなたには分からないだろうけど!」
レモネードが加わりさらに大きくなる輪。
「未来の輝き! 未来の美しさ!」
アクアが加わり4層の輪となります。
「一粒の種が持つ無限の可能性!」
ドリームが加わって5人の輪となります。
「どれも私達の大切な宝物なの!」
「あなたの勝手にはさせない!」
ローズが加わり6人、6層の輪となって館長の力を押し返します。
相殺された力は消滅し、プリキュアとローズが一斉に躍り出ます。攻撃を防いでいた防御壁を打ち破ります。ミサイルホシイナーをミント・アクア・ルージュ・レモネードが迎撃し、ドリームとローズが打ち込みます。
プリキュアとローズの力に驚愕しつつもはねのける館長。巨大なホシイナーで押しつぶそうとします。それをココナッツが防御。
「たとえ敵わなくても!」
「何度でも立ち向かうナツ!」
守られていたプリキュアとローズも意思は衰えず館長を見返します。
しかしそれも一時しのぎ。結界は破壊されてしまいます。無駄だと言う館長。
「無駄ではないドナ!」
ドナドナ波でホシイナーを押し返すドーナツ王。おお、凄い。ババロア女王達も一緒です。
くだらん、価値の無いものは全て消えてしまえ!とホシイナーを強化する館長。
王達が力を合わせてプリキュアとローズに力を与えます。
プリキュアのフルーレは赤い薔薇の力。
ローズの持っていたミルキィミラーはフルーレ同様の剣となり、青い薔薇の力を宿します。
「希望の赤い薔薇!」
「奇跡の青い薔薇!」
「伝説の力を今ひとつに!」
「プリキュア・ミルキィローズ・フローラル・エクスプロージョン!」
巨大な種が出現して突進します。ホシイナーを砕いた種は芽が出て、見る間に成長して館長へと伸びます。防御する館長に対して、蕾だった薔薇は花開き、巨大な女性となります。
驚く館長。女性は慈愛の眼差しで館長へ手を伸ばします。消そうとする館長を慈しむように抱きしめる女性。
「それこそがプリキュアと多くの人々の願いが育て上げ生み出した命の力なのです」
フローラが答えます。
「フローラ! あのとき私が種を受け取っていたら、私はキュアローズガーデンに受け入れられていたというのか!?」
館長の問いに無言で見つめ返すフローラ。
「私は、私は間違っておらん!」
間違っていなくとも、しかし正しくもない。
館長を抱いていた女性は力の奔流となって館長を包み込みます。抗う館長の肩に一粒の光。アナコンディが最期に流した涙です。優しい表情で館長を呼ぶアナコンディ。館長は薔薇が生み出した力の奔流の中に姿を消します。
プリキュアとローズ、みんなが生み出した薔薇はキュアローズガーデンを照らすと、薔薇の花が咲き、大地から芽が出てローズガーデンは再生していきます。そして世界は動き出していきます。
エターナルに保管されていたコレクションも封印が解かれ、宝や動物たちは元の世界へと戻ります。エターナルの建物は崩壊します。
③さあ、進もう叫ぼう、一緒に
再生され元の美しさを取り戻したキュアローズガーデン。
みんなにお礼を言うフローラ。
ミルクは薔薇の植木鉢に咲いた青い薔薇をフローラに返します。フローラは種を贈っただけで、育てたのはミルクであり、これからも育てて世界中に青い薔薇を咲かせて下さいと答えます。快諾するミルク。
のぞみに話しかけるフローラ。
「私の代わりにキュアローズガーデンを守ってくれませんか?」
ええ!?と驚くのぞみとみんな。
キュアローズガーデンを守ると言うことは、ここに居なければならないということです。のぞみと別れるなんて嫌だと言ううらら。流石です。最終回までうららはのぞみっ子でした。君の燦然と輝きはじけるのぞみさん大好きオーラが私は大好きです。
一大決心。人生の岐路。先生の夢は? みんなとの生活は?
「私、キュアローズガーデンをみんなに見せたい。だって、こんなに素敵な場所なんだもん。私達以外のたくさんの人たちにも見せてあげたいなぁ」
「それはキュアローズガーデンの扉を開放するということですね?」
満面の笑みで即答するのぞみ。
「はい」
「だから、私、みんなと一緒にい~っぱい!薔薇を育てて世界中をキュアローズガーデンにできたらいいな~って思ってるんだけど、ダメかな?」
「命を守るためにここに咲いているだけでなく、いろいろな世界にたくさん咲いて欲しいと私もそう思っていました。みなさんで命の薔薇を咲かせて下さい」
「はい」
のぞみ達の答えを聞いたと同時に光りだすフローラ。お別れのときが来たと言います。フローラの後継者は今決まりました。シロップはフローラに泣きついて行かないで欲しいと懇願します。フローラはシロップのことを大切に思ってくれる人が居る、あなたはもう一人ではないと諭します。のぞみ達への手紙をシロップに渡したのはのぞみ達と友達になって欲しいフローラの配慮だと話すココナッツ。
もし、記憶を失っていたシロップにフローラが過去を話していたとしたら今のような結果にはならなかったでしょう。過去は大切なものです。しかしそれ以上に今をどのように生き、どのように人々と過ごすかはもっと大切です。ゼロから作り上げたのぞみ達とシロップの関係は紛れもなく強く深い絆です。
キュアローズガーデン、シロップを見届けたフローラは再生のために一粒の種となります。自分の命の光は種となり新しい花を咲かせると言い残して消えるフローラ。のぞみは種を育てると約束をします。種をのぞみは受け取ります。
電話の鳴る音。新入りにお茶を入れろと命じながら電話を受け取るブンビー。仕事の話のようです。高層ビルの屋上にプレハブ。ブンビーカンパニー。
新入りが仕事をまだやっていなかったようです。ってこの新入りどこかで見たような。ブンビーに仕事を命じられるも、部下の尻ぬぐいをするのは上司の仕事でしょ、と不敵に答える新入り。カワリーノに似て生意気な・・・と苦い顔をするブンビー。しかし新入りを一人前に育て、ビックな会社にするという夢のためブンビーは今日も精一杯仕事です。
ココに手紙を書くのぞみ。ココはどこかを旅しているようです。
世界中を飛び回るシロップ。
りんとかれんはキュアローズガーデンの薔薇の世話をするためによく行くようです。パルミエの人たちをガイドするミルク。メルポはシロップが育てた薔薇だったらしく一緒に居たいためにあの姿になっていたそうです。
パルミエ王国はだいぶ復興し緑も増えました。ナッツが中心になって復興を進めています。こまちはパルミエで自分が書いたお話しを子ども達に読んでいます。うららは歌を歌っています。
しかしまだフローラの種は芽が出ません。種は夢と似ていると言うのぞみ。時間をかけてじっくり育てていけばいつか夢は叶って、薔薇も咲く。そう信じてみんな頑張っていると手紙に書くのぞみ。
ナッツハウスではみんな夢に向かいながら一緒に居ます。
命の気配を感じるナッツ達。
手紙を届けて貰おうと道を急ぐのぞみは近道を通ります。すると誰かとぶつかって倒れそうになったのぞみを抱きかかえる誰か。見知った顔と声。ココです。相変わらずだね、とのぞみに言うココ。のぞみも相変わらず突然と答えます。相変わらずラブコメです。
ココに手紙を手渡すのぞみ。ココはのぞみに命の光を感じたと言います。
ナッツハウスに来たのぞみは植木鉢に小さな芽が出たことを喜びます。のぞみの声を聞いて集まるみんな。ココの姿を見て挨拶します。ナッツとシロップ、ミルクも駆けつけて喜びます。
芽が出たなら次は・・・
ぜ~ったい素敵な花を咲かせるぞ~
けって~い!
みんなで築き、みんなで紡いできた物語はここで一端幕を閉じます。しかし彼女達の物語は私たちみんなの中で息づくことになるでしょう。夢の種はいつもそばにあります。
○トピック
のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、ミルク、ココ、ナッツ、シロップの物語の完結。
とってもプリキュアらしい素敵な最終回。
力を振り絞って戦うのぞみ達に最後に託された力はみんなの想い。物語の中だけではなくプリキュアを見ているみんな(視聴者)の応援と気持ちが実際にプリキュアに届き、プリキュアに力を与えてその応援にプリキュアは応えてくれます。「手紙」というキーワードと「種」というキーワードが合わさり、水が種に降り注ぐことで芽が出で成長していくようにみんなの手紙(応援)がプリキュアに降り注いで逆転への布石となります。メタな構造(プリキュアが物語の中だけで完結しているのではなく、視聴者がいることを前提として物語の中に取り入れられている)ではあるのですが、「みんなの応援が待ってる」の主題歌のとおり本当に見ているみんなの応援を受けて活躍する彼女達は視聴者と共にあるヒロインであると私達に応えてくれます。何度見てもあの手紙が届くシーンは嬉しくて感動します。
①最終決戦の意味
プリキュアが肯定したものは生命そのものでした。生命とは生死を繰り返しながら循環し、成長・繁栄することで多様な形や発展があり得ます。種はその可能性を示唆する原型として、実際に成長していくものとして、プリキュア達を表現するものとして登場しています。だから劇中で「種」といっても様々な意味が含有されており、種を育てる、種から芽が出ることは生命の価値、生命の成長を意味します。
館長は価値を定まった形でしか認めませんでした。種に価値を認めず、命の園であるローズガーデンを支配し生命の活動を止めてしまったことは彼の価値観からすれば正しいですが、そもそも彼が認めている価値は、生み出された価値であるはずなのにその経過を無視しており矛盾があります。
みんなの力で作り出した薔薇が女性の姿となったのは、フローラが言うとおり生命の力が可視化されたものです。命を産み育むというのは女性的な意味があります。母なる海、母なる大地というように女性とはしばしば命の源として一般的に認識されています。その生命の力に人格や形を与えるのであれば女性をイメージできるでしょうし、また優しさ、慈悲、寛容さといった表情を持つこともイメージできます。そして同時に生命は破壊の力も持ちます。他の命と共存して命を守り増やす反面、他の命を飲み込んでいきます。だから館長を包み込んだ女性はあれほど慈しむような表情を持ちながら圧倒的な力で館長を消滅させる力を持っています。実は最初、慈悲や優しさは良いとしても破壊の力はプリキュア的にどうだろう?と迷ったのですが、生命を純粋に肯定するのであれば、再生と破壊の両義性は生命の本質であり、これは絶対的に正しいものです。決して女児向けだからと綺麗事を並べるだけの見せ方や妥協をしていないことの表れです。
アナコンディの涙から彼女の姿が現れることも同様に妥協がありません。初めて見たときは何が何だか分からず、しかし直感的には納得できました。アナコンディも確かに部下に対して厳しく憎悪や嫉妬を向けて負の連鎖を作り出していましたが、その本心には館長への好意がありました。この好意が良い方向、適切な手段によって表現されればのぞみ達のような関係を築くことも不可能ではなかったでしょう。彼女の苦しみや怒り、不安はデスパライアなどと同種の人間的なものです。メインの視聴者である子ども達には「怖い女の人」と映っても大人から見れば「可哀想な女性」でした。彼女自身の数々の行為が非難されることであっても、彼女の苦しみは人間が持ちうるものであるし、その根底になっている好意それ自体は否定されるようなものではないはずです。
しかし、館長は他者を認めない不寛容さ(仮に認めたとしてもコレクションとして扱うので物としてしか見ない)、一元的な価値観による支配、常に成長を続けていくことにその価値がある命を否定しました。それは人間の否定でもあります。アナコンディが最善の方法を用いて信頼を築こうとしても、フローラがどんなに心を込めて意図をくみ取って貰おうとしても館長はそれらを全て拒否したでしょう。のぞみは他者の痛みや苦しみ、不安を抱く人の心に対して感じ取りその相手の弱さや良さを読み取ることが出来ますが、そもそもの始めから拒絶と暴力、略奪しか存在しない相手に対してはどうすることもできません。心がない相手の心は読めないし、こちらの心も分かってはもらえません。
最後の館長の問いにフローラが無言で答えたのも、正しくもあり間違ってもいるからだと思います。種を受け取る行為は受容を表しますが、その意味を館長は分かっていないからです。種を受け取ってそれを育てる価値を知らなければその種は芽を出すことはないでしょう。あのときフローラの浮かべていた表情は侮蔑にも哀れみにも見えます。本当の宝や豊かさに気付いてもらえなかった、気付こうとしなかった相手に対する視線だったと思います。ドリームが直訴したのも同種の悲しみと、理解されなかった故に起きた不要な争いに心を痛めたからです。
おそらく館長は前作のデスパライアのような”(心を持つ)敵”としてではなく、”(心を持たない)敵”としての位置づけなのだと思います。命や成長といったものを認めない存在。それらを肯定するプリキュアの対極。女性が発する力の中で、加えてアナコンディの姿が出てきたのは彼女の好意が肯定されうるものであったからです。何故ならその好意、他者への働きかけは生命が持つごく自然な発露だからです。アナコンディが館長を滅ぼしたい、一緒にあの世で暮らしたいというような意思の表れではありません。結果として館長を倒すことになったのは皮肉と言えますが、館長がアナコンディの好意を無視し続けていたことを考えれば、最後までエターナルは自滅の連鎖を作り出していたと言えます。
前作が老いへの不安、未来への不安を持った敵に対してプリキュアが未来を肯定していたように、今作では完成された価値、成長を止めた世界に対して育てることの尊さや価値の創造、生命の可能性を肯定した物語となっており、自分達の肯定や行為によって自分達で未来を切り開いていくプリキュアのスタンスが貫かれています。驚くべきはその貫き方が徹底しており、想像を上回るものだったことです。巨大な女性、アナコンディの登場はこれまで積み上げてきたプリキュアの思想からすれば必然とも言えますが、難解な部分でもあり非常に妥協のないものだと思います。
以上が最終決戦の対決によってなされたプリキュア側の(プリキュア的な)正しさの証明です。
②日常の中での意味
フローラからキュアローズガーデンの後継者として選ばれたのぞみの回答は、プリキュアの物語の根幹を示すものです。
AパートからCMを挟んでBパートまでの間、一体のぞみはなんと答えるだろうと考えていましたが、のぞみの答えは「私、キュアローズガーデンをみんなに見せたい」でした。
のぞみらしい、プリキュア5GoGo!を象徴する答えだと思います。のぞみは他者に対して常にオープンな態度で接します。キュアローズガーデンは命の庭として大切なものでしょうが、彼女はそれを閉じ込めて後生大事に育てるのではなく、みんなと一緒に在ることを望みます。それはのぞみの普段の行動そのものであるし、またそれがのぞみ達の物語の根幹です。他者に心を開き、みんなと一緒に在ろうとすること。みんなと一緒にみんなで育っていこうと彼女は答えます。
価値あるものはそのままの形で永遠に保管しなければ(生命達によって)破壊される可能性があると考えていた館長からすればそれは看過できないものです。もし仮に館長に正当性があるとすれば、生命は価値を生み出せると同時に破壊を持つものですから、破壊を嫌った館長のコレクションは正しいと言えます。ただし、それは生命の持つ両義性の内の半分にしか着目しなかったことを意味します。
価値あることにしか着目しなかった館長と、普段の生活の中で友達を作ったり、共有したりみんなで一緒に暮らしていくことをとおして価値を生み出していくのぞみ達の違いこそがプリキュアの物語が決して変身能力や超人的な力によって解決し敵に勝利するのではないことの表れでもあります。彼女達が敵に勝てるのは、その行動理念、思想、心と行為に意味や力があり、日常的にそれを積み重ねているからです。
プリキュアを見ている多くの女の子達は力が弱く、被保護者であり、また大人になったとしても現実的には超人的な力を持つことはほぼありません。じゃあ、その子達は何も出来ないのか、解決や成功できないのか、力がないのか、弱いままなのかと言えばそうじゃない。力を付けていくことができるし、何かを生み出していくことができるし、強くて頼れる友達を作ることができるし、自分がそう頼られる存在になることもできます。それは日常生活の中で、日々生活する中で人々と関わり合う中で成していくものです。プリキュアが日常生活を軸にして巨大な敵に打ち勝ち、夢や友達を育んでいくのは子ども達の写し身であるし子ども達への応援でもあります。
フローラが死を迎えてその意思がのぞみ達に受け継がれ、種としてまた世界の循環の中に還るのは私達の営みと同様です。生命とは、生をうけ、生を生み、全うする循環するものなので、最終的には死を迎えるとしてもその生命の連鎖こそが生命そのものであろうと思います。さりげに容赦なく「死」を描いている点は驚きですが、生命の循環を示す上では重要な点です。
世界(自分も他者も含んだ世界)に対して自分を開示して、世界から受け取っていく中で、様々なものと関わり様々なものを成長させ自分も成長していく、そうした一連の営み、生きることの一貫した肯定がプリキュアの素敵なところだと思います。のぞみ達は次代を担う者として、そしてのぞみ達以降の次代を育てる者として育っていくことになるでしょう。のぞみがりんの弟達に先生と呼ばれたように、彼女達はついに見守られる側から見守る側へも進んでいこうとしています。
③現実の中で強く、成長していくこと
映画のお菓子の国を見たときに、最終回はエターナルとの和解になるのではないかと思っていました。みんなが幸せになる。でも、その考えは最終回直前で変りました。
多様な価値や命を認めるのなら、プリキュアの推奨する「幸せ」を敵に無理強いするならそれは支配になります。そしてまた私達は人の心まで支配することはできません。心を植え付けることもできません。私達にできることは、他者を想い、他者に愛情を持って誠実に接することのみであり、その相手が心を開くかどうかはまた別の問題です。愛情を持って接しても必ず見返りがくるわけじゃない。でも、見返りがあるから愛情を注ぐわけではない。
相手に伝わらなかったとしても愛情を注ぐことを諦めたりやめたりする必要はありません。私達に出来ることには限界があり、だからこそ「私」と「あなた」両方が必要なんです。その両方があってこその絆や信頼です。「私」だけだったら支配だし「あなた」だけ頑張っても「私」が受け入れなければ届かない。
のぞみ達のように常に一生懸命誠実で愛情に溢れ他者に接し続けることが、私達の出来る最大限の努力だと思います。現実は厳しく自分の思うようにならない辛さを感じても、そんな現実を嘆いても、決して諦めることはありません。私達に出来ることは僅かですが、それでも報われることがあります。作り出せるものや生み出せるもの、見いだせるものがあります。それがどれほど難しいかは言うまでもないことなのですが、プリキュアはその中で頑張っています。一人ではなくみんなで。その姿を見ている私達は一人ではないはずです。私達が応援し、その応援に応えてくれるプリキュアの姿を知っているはずです。作り話だとしても、そう感じられることが私はとても大事だと思っています。キッカケはどうであれ、大切なことに気付いてそれを自分自身に取り入れていくことが大事だと思う。私にとってプリキュアはそういう大切なことをたくさん教えてくれた作品です。
同じ学校に通っていても友達ではなかった彼女達でしたが、少しずつ信頼を築きあげ、努力して、諦めずに進んできたことでついに学校やナッツハウス、パルミエ、ローズガーデンを越えてみんなが同じ大きな世界で共に過ごすまでになりました。自分達の居場所を作りそれを広げていくことで、自分の夢のために世界に生きるのではなく世界の中で自分の夢を叶えそれをみんなと分かち合いながら成長していく姿が本当に清々しく素敵です。GoGo!を締めくくるに相応しい見事な躍動感を持った最終回でした。
留まることなく常に進み続ける中で、より多く、より広く大切なものを生み出し続けるこの物語の意志は素晴らしい。
遅くなりましたが最後に
毎週楽しく、嬉しく、ワクワクしながら、感動しながらも太ももに目を向けつつ見てきました。プリキュアの優しくて力強い物語が大好きです。2年間多くのものを受け取ることが出来ました。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
ついでに、この感想に付き合って頂いた方々もありがとうございました。でもまだちょっと感想は書きます。5年分総括しなくっちゃね。
第47話「気持ちをひとつに!青いバラの奇跡!!」
○今週の出来事
①扉の向こうにあるもの
石化され館長のコレクションとなってしまったプリキュア。館長はキュアローズガーデンへと向かいます。パルミエやのぞみ達の世界には暗雲が立ちこめる。プリキュアを助けるためエターナル本館の扉を開けようとするローズですが扉は固く閉ざされています。
ローズガーデンの扉の前に居たドーナツ王達は怒濤の速さで飛んでいく館長を見ます。このままではフローラが危ないと先を急ぎます。
一方、先に進んでいたココナッツ達。階段が際限ないかのように続いています。扉に入ったらすぐローズガーデンが有るというわけではないようです。それはそうとドーナツ王達は扉の前でなにをしていたのか気になります。モンブラン王が高齢のため休んでいたのかババロア女王が井戸端マシンガントークをしていたのか。不思議生物形態では階段を上るのが大変。こういうときは人間体の方が効率よさそうです。気配を感じるココナッツ。階下から怒濤の勢いで館長が飛んでいきます。階段の行き着いた先にはもう一つの扉、その先は正真正銘のキュアローズガーデンです。
キュアローズガーデンは厚い雲で覆われ、一面に咲く薔薇は生気が失われ枯れつつあります。その中央に弱った身体で佇むフローラ。衰弱が著しい。静かな世界を壊す音。フローラはそれが誰によって生み出されているか気づきおののきます。
突風と共に姿を現すエターナルの館長。
扉の前で立ち尽くすローズとシロップ。そこにスーツ姿のブンビーが現れます。扉は館長が封印してしまったから簡単には開けられないと言います。プリキュアの様子を見に行くと前置きして、何もなかった壁に通路を開いて入って行ってしまいます。
隠し扉の前に立ち、罠かと警戒するローズ。シロップはもしかしたら本当にプリキュア達のところにいけるかもしれないと言います。他に道はありません。
フローラは館長に贈ったものはどうしたか訪ねます。捨てた、と躊躇いなく答える館長。その言葉にフローラは驚き、次いで悲しみと嘆きの表情を表します。いくら待ってもプリキュアは来ないと淡々とフローラを追い詰める館長。
②無限の可能性を持った花を咲かせましょう
シロップは一度来ているためか道を案内し、コレクションを保管している部屋にたどり着きます。案の定石化したプリキュアが保管されています。プリキュアに呼びかけるローズとシロップ。しかし答えは返ってきません。
プリキュアをコレクションにしたと話す館長。フローラもコレクションにすることでコレクションは完成すると言います。結局こいつの目的はフローラをコレクションにしてローズガーデンも自分のものにすることか。フローラの安否を気遣っていたように見えたのも、コレクションのためだったということかな。それとフローラが自分を認めなかったことに対する意趣返しもあるか。
フローラが自分はまもなく消えてしまうのでプリキュアとここにある薔薇は・・・と抗弁しようとした矢先、館長は薔薇を散らします。関連してのぞみ達の世界の一部が破壊されます。後述しますが、ローズガーデンの薔薇と世界は繋がっています。フローラが消えてしまう理由は未だもって謎であり、その後ローズガーデンがどうなるかも不明です。後継者が居るんだろうか。
嘆くフローラに価値のないものはいらん、と館長。価値のないものはない、すべてのものにかけがえのない命があると言うフローラ。自分を止める力も薔薇を守る力も、誰にもない、コレクションになれと答える館長。フローラは命の存在そのものを肯定しているので力や価値の優劣はありません。得てしてそれは力や価値の優劣を行う合理的な選別に晒され否定や蔑ろにされることがあります。
館長に自分の想いが伝わらず、わかってもらえなかったことを理解するフローラ。自分やローズガーデンを支配しても本当の宝を得たことにはならないと毅然と答えます。贈ったものこそが本当の宝だったと言います。
フローラが館長に贈った宝(種)を持つシロップ。ローズと一緒に涙ぐみながらプリキュアに訴えます。一緒にローズガーデンに行くと約束したのだから約束は守れと抗議と哀願が混ざった声をあげます。ローズは膝をついてどうすればみんなを助けることが出来るのかと力なく言います。後ろからそれを見るブンビー。
メルポが突然手紙をシロップに渡します。プリキュアからの手紙です。開けると、光が輝き、蝶の形をした光が一帯を照らします。これはプリキュアからのメッセージでみんなの心は生きていると知るシロップ。心には大きな力があると言うシロップ。フローラに教わったと言います。
キュアローズガーデンで美しく咲く薔薇を見る幼いシロップ。フローラは種を植えたときから毎日心を込めてお世話していたからだと言います。種にこそすべてが、無限の可能性が秘められている、その可能性を開くのは育てる心、心には力があると話すフローラ。
それを聞いたシロップはもっともっと心を込めてたくさんの薔薇を世界中に育てると言います。命を運ぶことがあなたの仕事だと答えるフローラ。それを嬉しそうに受け入れるシロップ。薔薇の種を運んで世界中に命を届けると喜びます。
シロップはフローラが館長に伝えたかったことを理解します。種をかざしながらシロップはプリキュアに語りかけます。
「冷静でいながら実はとっても熱い気持ちを持っているかれんはすごく頼りになるロプ。これからも知性と勇気でみんなを支えて欲しいロプ」
種に青い輝きが灯ります。
「こまちの書くお話はどんな登場人物にも暖かい想いが込められていたロプ。心安らぐお話、シロップはたくさん読みたいロプ」
種に緑の輝きが灯ります。
「うらら、女優を目指して辛いときも悲しいときもみんなの前ではじける笑顔を絶やさないうららにシロップはいっつも励まされていたロプ」
種に黄色い輝きが灯ります。
「シロップは知ってるロプ。りんは部活も家の手伝いも頑張ってその上仲間に気を配って夢に向かって情熱を持ち続ける素晴らしい人ロプ」
種に赤い輝きが灯ります。
「のぞみ、すべての始まりはのぞみロプ。シロップを最初に信じてくれたのはのぞみロプ。希望を持ち続け諦めない気持ち、みんなを明るく照らすのぞみの笑顔がシロップは大好きロプ」
種に桜色の輝きが灯ると、宙に浮き種から芽が出ます。成長して青い薔薇の蕾は赤い色を帯びながら花を咲かせます。
「シロップは、シロップはみんなと行きたいロプ。キュアローズガーデンへ一緒に行くロプー!」
完全な成長を遂げた赤と青の色を持った薔薇は光を放ち、プリキュアを蘇らせます。手紙に込められたプリキュアの想いに応えたシロップの想いが種を成長させ、花開いたその無限の可能性はプリキュアに力を与えます。
背中から蝶の羽が伸びるプリキュア。シロップに声が聞こえたとお礼を言うドリーム達。プリキュアから手紙が届いたから、生まれて初めて手紙を貰って嬉しかったと答えるシロップ。そうか、手紙を運ぶことはあっても貰うことはなかったな。メルポとローズにお礼を言うドリーム。ローズは目尻に溜まった涙を指で拭きながら心配かけさせるんじゃないといつものローズらしく答えます。羽のことを訪ねるローズ。自分でもわからないドリーム。しかし力が溢れてくると言います。
ローズ達の後ろにブンビーが立っていることに気づくドリーム。シロップが案内してくれたとフォローを入れます。
ブンビーはプリキュアを見ているうちにひたむきさというか、この組織に欠けている何かを感じたと言います。「早く行きたまえ。ぐずぐずしているときではないだろう」
羽をたたむと先に歩を進めるプリキュア。ブンビーは自分もついて行こうか?と声をかけます。そんなこと言わずに黙って見送れば二枚目なのに、そんなこと言うから三枚目になる。でもそれがブンビーなんだよなぁ。「ブンビーさん、ありがとう」と答えるドリーム。初めて名前で呼ばれたブンビーは驚きながらも早く行け、と促します。みんなの後を追って走るドリーム。
③プリキュアの力
轟音響くローズガーデン。息も絶え絶えに横たわるフローラ。フローラが居た一帯は爆撃で薔薇が完全に散ってしまっています。威嚇射撃なのか直撃は与えていません。ココナッツが止めに入ります。余興が出来たのか、面白いと攻撃態勢を取る館長。
プリキュアはシロップに乗ってローズガーデンへ向かいます。
館長の攻撃にバリアを張って耐えるココナッツ。そんな能力あったのか。王冠の力でしょうか。しかし基本は戦闘力ゼロの不思議生物。すぐに耐えきれなくなり倒れてしまいます。ココナッツに逃げてと言うフローラ。たとえ敵わなくても引くわけにはいかない、最後まで希望を持つと答えるココナッツ。
まだ階段を上っていた国王達を通り過ぎていくシロップ。プリキュアを乗せていると分かって先を急ぎます。加速度に耐えながらフローラココナッツの身を案じるドリーム。ココ達を爆撃が容赦なく襲います。
ローズガーデンは見渡す限り荒廃した土地になってしまいます。上空に居た館長は遊びは終わりと巨大な弾を打ち出します。逃げる力もないココナッツ。ココは最後まで諦めてはいけないと言います。何かに気づくココナッツ。遠い向こうに輝く六つの光。希望の光。
空を飛んだプリキュア達とローズを乗せたシロップ。ドリームはシューティングスターで弾を粉砕します。弾の爆発で生じた黒煙の中から姿を現すプリキュア。
「フローラさん、私達来たよ」
「はい、待っていました」
「あなたは、みんなやキュアローズガーデンを傷つけた。絶対許さない。行くよ!」
「Yes!」
「許さないだと!? 貴様達になに…」
次の瞬間風を切る音と衝撃とともに言葉を止めざるをえなくなる館長。ドリームが目にもとまらぬ速さで館長に肘打ちを決めます。台詞を言う暇すら与えない。プリキュアの力に驚愕する館長。ドリームは渾身の力で館長を殴り飛ばします。
地上から一筋の炎が伸びると、上空にいたルージュがそれを脚でキャッチしてそのままストライクを打ち込みます。来たこれ、バンクなしの必殺技。巨大な火球に身を包まれて落下する館長を鎖が受け止めます。受け止められたことで火球が爆発。燃えたままの館長をレモネードが地面に叩きつけます。マジ容赦無い。落下点にアクアが数本の矢をひいて一斉に放ちます。同時発射ではなく、連続で絶え間なく何本も。仕上げに巨大なソーサーを地面に振り下ろすミント。キュアローズガーデンの大地が砕けます。やり過ぎ!
プリキュアの力に感嘆の声をあげるココナッツ。うっかりやり過ぎじゃね?とか言ったらどうなるか保証はありません。
④館長の真の力
地面から上空に飛ぶ館長。纏っていた鎧にはヒビが入りボロボロです。プリキュアの力を認めます。お約束通りに本来の力を見せなくては、と言います。
弱ったフローラの傍に寄るシロップ。フローラの心を館長に伝えられなかったことを詫びます。フローラも危険な目にあわせてしまったことを謝ります。シロップの無事に安堵するフローラ。
シロップは何故自分が記憶を失っているときに教えてくれなかったのだと訪ねます。答えようとするフローラを遮るように館長の絶叫が聞こえてきます。館長を包み込む闇。その力を感じ取っておののくプリキュア。
本来の姿を現す館長。鳥がモチーフのようです。胸にはホシイナーの原型みたいなものがあります。
危険を感じたドリームはみんな逃げて!と叫びます。散開したプリキュアを追う館長。レモネードを打ち倒し、心配するルージュを次の瞬間には打ち倒し、反撃するアクアを倒し、防御のソーサーを張ったミントを防御壁ごと破壊して地面に叩きつけます。シューティングスターを受け止めた館長を後ろから攻撃するローズ。しかし瞬間移動で姿を消すとドリームとローズが同士討ちになり、そのまま館長はふたりとも地面に叩きつけます。形勢は逆転のさらに逆転。復活したプリキュアも真の力を出した館長の前では赤子同様。
「キュアローズガーデン。またの名を命の庭。それを消すと薔薇が司っていた命が失われる」
キュアローズガーデンを無差別に爆撃する館長。それに連動してパルミエ、サンクルミエール学園、街、そして地球が死に絶えていきます。
火の大地と化すキュアローズガーデン。館長はこれで世界のすべてが永遠に自分のものになったと満足します。価値のあるものは手元にコレクションとして残り、価値のないものは滅びることで。
為す術もなくその光景を見つめるココナッツ、フローラ、シロップ。プリキュアとローズは傷つき大地に伏したまま。
世界に君臨する館長。
⑤次回予告
いよいよ最終回。
○トピック
前回よりピンチになっているのが凄い。怒濤の最終決戦はプリキュア恒例のインフレと作内テーマの昇華が加速します。
プリキュアの石化をどう解くのか、キーワードである「みんな一緒」は当然としてもそれをどう示せるのかが今回の最大の鍵。青い薔薇の力を持つローズが単身館長に挑みながらもプリキュアに呼びかけ続けるとか、ローズ自身の希望がプリキュアを照らすことで復活とか想像していましたが、そんなことではなく、やはり物語に直結した肯定的な復活劇でした。
すっかり盲点を突かれました。プリキュアは相互理解の物語。どっちが上で下とかではなく対等の関係が人間関係の基礎に置かれています。最初に話しかける人が居たとしてもそれに答える人が居ればそれは対等性と相互性を生みます。45話では未来に悩むシロップを心の闇から救い出したのぞみですが、今回はシロップがのぞみ達を救い出します。それも8話の「シロップ、今度その夢を見たら手紙を頂戴」「私、シロップの夢の中に行って、こっちだよって手を引っ張ってあげる。そしたら暗闇から出られるでしょ?」「行けるよ。シロップが届けてくれたら、その想いにぜーったい応えるんだもん」というのぞみの言葉をそのままシロップが実行することで。
アナコンディの想いにもフローラの想いにも誰の想いにも応えない館長に対して、シロップはこれまで一緒にのぞみ達と居た中でずっと見てきた彼女達の良さや心を捉えて本心を話します。のぞみがシロップに一緒にキュアローズガーデンへ行こうと呼びかけたようにシロップものぞみ達に一緒に行こうと呼びかけることでこの循環は完全な相互性と対等性を持つことになります。相手に応えながら先へ進もうとするこの意思こそがプリキュアの物語の清々しいところです。
種はキッカケです。誰かと会った、何かあったに対してそれをどう発展させ繋げていくのか、それを成長させていくことで無限の可能性が秘められている。たまたま偶然に会った人が生涯の伴侶になるかもしれないし、親友になるかもしれないし、何かの行動が大きなことに繋がるかもしれないのは、それは自分達が自分達でそれをやっていったからです。その意味で、この世にあるものの価値とはそもそも無価値(ニュートラル)であるとも言えます。同時にすべてに価値がある。すべてがそれぞれの形で命を持ち、お互いに存在し合っている。可能性はあらゆるものに内在している。館長が言っている価値とは生み出された後、価値が確定した後のものを指しているに過ぎなく、自らが生み出し見いだしたものではありません。しかもコレクションとして固定してしまえばその価値は発展する機会もなく永遠に存在するだけのものとなります。可能性の無いもの、可能性の無い世界。行き詰まるところは今回館長が滅ぼし自分のものになったと満足した世界そのものです。
誰の想いにも応えない(無視・否定し続ける)館長に対する、プリキュア側の肯定によって生み出される答えは、誰かの想いに応えることであり、何故それが力や希望や可能性を秘めているかと言えば、それが当事者達によって作られるからであると明確に答えたこの決戦は見事と言わざるを得ません。「私」だけでも「あなた」だけ頑張ってもダメで、「私もあなたも」一緒に居ることで力は芽吹く。これだからプリキュアのバトルは面白い。力と精神的な強さがキチンと平衡しています。プリキュアの真髄は否定や対決に有らず。肯定によって自分達で実証することにある。
そしてまたプリキュア達の本質が肯定や行為にあるのなら、それは常に発揮され続けられているもので、それを率直に言えば誠実さだと思います。真っ直ぐな気持ち。素直な態度。助けてくれたり気遣ってくれたならそれに「ありがとう」と言えること。今までずっと戦い続けてきたブンビーに対して、名前でありがとうと言うのはその意味でとてもプリキュア的です。騙し不正を働きいがみ合っていたとしても、それを改め直してご飯を作ってきたので仲直りに一緒に食べようと相手に言われたときに「いままで悪いことをしていたじゃないか!」「嫌だ!」と言うんじゃなくて、「ありがとう」「一緒に食べよう」と言うのが誠実さだと思うしそれがプリキュアらしさだと思います。良い意味で過去にしがらみがない。現在の在り方を大切にする。
最終決戦お馴染みの唐突設定追加であるキュアローズガーデンは命の庭という話も終盤に相応しいインフレ(物語の拡張)です。フローラが「すべてのものにかけがえのない価値が」と言ったときにS☆Sをすぐに連想しました。プリキュアは人間賛歌が根本にありますが、拡張されて生命そのもの(生命が宿っている世界全体)を肯定しています。人間関係をより多様にしたのが5であり、GoGo!はそれを発展させてそれらの総体となっています。連綿と続くプリキュアの心は、各シリーズ、各登場人物、なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ達によって育てられています。
次回は待ちに待った最終回。育てられた種が花咲くとき。しかと見よ!
①扉の向こうにあるもの
石化され館長のコレクションとなってしまったプリキュア。館長はキュアローズガーデンへと向かいます。パルミエやのぞみ達の世界には暗雲が立ちこめる。プリキュアを助けるためエターナル本館の扉を開けようとするローズですが扉は固く閉ざされています。
ローズガーデンの扉の前に居たドーナツ王達は怒濤の速さで飛んでいく館長を見ます。このままではフローラが危ないと先を急ぎます。
一方、先に進んでいたココナッツ達。階段が際限ないかのように続いています。扉に入ったらすぐローズガーデンが有るというわけではないようです。それはそうとドーナツ王達は扉の前でなにをしていたのか気になります。モンブラン王が高齢のため休んでいたのかババロア女王が井戸端マシンガントークをしていたのか。不思議生物形態では階段を上るのが大変。こういうときは人間体の方が効率よさそうです。気配を感じるココナッツ。階下から怒濤の勢いで館長が飛んでいきます。階段の行き着いた先にはもう一つの扉、その先は正真正銘のキュアローズガーデンです。
キュアローズガーデンは厚い雲で覆われ、一面に咲く薔薇は生気が失われ枯れつつあります。その中央に弱った身体で佇むフローラ。衰弱が著しい。静かな世界を壊す音。フローラはそれが誰によって生み出されているか気づきおののきます。
突風と共に姿を現すエターナルの館長。
扉の前で立ち尽くすローズとシロップ。そこにスーツ姿のブンビーが現れます。扉は館長が封印してしまったから簡単には開けられないと言います。プリキュアの様子を見に行くと前置きして、何もなかった壁に通路を開いて入って行ってしまいます。
隠し扉の前に立ち、罠かと警戒するローズ。シロップはもしかしたら本当にプリキュア達のところにいけるかもしれないと言います。他に道はありません。
フローラは館長に贈ったものはどうしたか訪ねます。捨てた、と躊躇いなく答える館長。その言葉にフローラは驚き、次いで悲しみと嘆きの表情を表します。いくら待ってもプリキュアは来ないと淡々とフローラを追い詰める館長。
②無限の可能性を持った花を咲かせましょう
シロップは一度来ているためか道を案内し、コレクションを保管している部屋にたどり着きます。案の定石化したプリキュアが保管されています。プリキュアに呼びかけるローズとシロップ。しかし答えは返ってきません。
プリキュアをコレクションにしたと話す館長。フローラもコレクションにすることでコレクションは完成すると言います。結局こいつの目的はフローラをコレクションにしてローズガーデンも自分のものにすることか。フローラの安否を気遣っていたように見えたのも、コレクションのためだったということかな。それとフローラが自分を認めなかったことに対する意趣返しもあるか。
フローラが自分はまもなく消えてしまうのでプリキュアとここにある薔薇は・・・と抗弁しようとした矢先、館長は薔薇を散らします。関連してのぞみ達の世界の一部が破壊されます。後述しますが、ローズガーデンの薔薇と世界は繋がっています。フローラが消えてしまう理由は未だもって謎であり、その後ローズガーデンがどうなるかも不明です。後継者が居るんだろうか。
嘆くフローラに価値のないものはいらん、と館長。価値のないものはない、すべてのものにかけがえのない命があると言うフローラ。自分を止める力も薔薇を守る力も、誰にもない、コレクションになれと答える館長。フローラは命の存在そのものを肯定しているので力や価値の優劣はありません。得てしてそれは力や価値の優劣を行う合理的な選別に晒され否定や蔑ろにされることがあります。
館長に自分の想いが伝わらず、わかってもらえなかったことを理解するフローラ。自分やローズガーデンを支配しても本当の宝を得たことにはならないと毅然と答えます。贈ったものこそが本当の宝だったと言います。
フローラが館長に贈った宝(種)を持つシロップ。ローズと一緒に涙ぐみながらプリキュアに訴えます。一緒にローズガーデンに行くと約束したのだから約束は守れと抗議と哀願が混ざった声をあげます。ローズは膝をついてどうすればみんなを助けることが出来るのかと力なく言います。後ろからそれを見るブンビー。
メルポが突然手紙をシロップに渡します。プリキュアからの手紙です。開けると、光が輝き、蝶の形をした光が一帯を照らします。これはプリキュアからのメッセージでみんなの心は生きていると知るシロップ。心には大きな力があると言うシロップ。フローラに教わったと言います。
キュアローズガーデンで美しく咲く薔薇を見る幼いシロップ。フローラは種を植えたときから毎日心を込めてお世話していたからだと言います。種にこそすべてが、無限の可能性が秘められている、その可能性を開くのは育てる心、心には力があると話すフローラ。
それを聞いたシロップはもっともっと心を込めてたくさんの薔薇を世界中に育てると言います。命を運ぶことがあなたの仕事だと答えるフローラ。それを嬉しそうに受け入れるシロップ。薔薇の種を運んで世界中に命を届けると喜びます。
シロップはフローラが館長に伝えたかったことを理解します。種をかざしながらシロップはプリキュアに語りかけます。
「冷静でいながら実はとっても熱い気持ちを持っているかれんはすごく頼りになるロプ。これからも知性と勇気でみんなを支えて欲しいロプ」
種に青い輝きが灯ります。
「こまちの書くお話はどんな登場人物にも暖かい想いが込められていたロプ。心安らぐお話、シロップはたくさん読みたいロプ」
種に緑の輝きが灯ります。
「うらら、女優を目指して辛いときも悲しいときもみんなの前ではじける笑顔を絶やさないうららにシロップはいっつも励まされていたロプ」
種に黄色い輝きが灯ります。
「シロップは知ってるロプ。りんは部活も家の手伝いも頑張ってその上仲間に気を配って夢に向かって情熱を持ち続ける素晴らしい人ロプ」
種に赤い輝きが灯ります。
「のぞみ、すべての始まりはのぞみロプ。シロップを最初に信じてくれたのはのぞみロプ。希望を持ち続け諦めない気持ち、みんなを明るく照らすのぞみの笑顔がシロップは大好きロプ」
種に桜色の輝きが灯ると、宙に浮き種から芽が出ます。成長して青い薔薇の蕾は赤い色を帯びながら花を咲かせます。
「シロップは、シロップはみんなと行きたいロプ。キュアローズガーデンへ一緒に行くロプー!」
完全な成長を遂げた赤と青の色を持った薔薇は光を放ち、プリキュアを蘇らせます。手紙に込められたプリキュアの想いに応えたシロップの想いが種を成長させ、花開いたその無限の可能性はプリキュアに力を与えます。
背中から蝶の羽が伸びるプリキュア。シロップに声が聞こえたとお礼を言うドリーム達。プリキュアから手紙が届いたから、生まれて初めて手紙を貰って嬉しかったと答えるシロップ。そうか、手紙を運ぶことはあっても貰うことはなかったな。メルポとローズにお礼を言うドリーム。ローズは目尻に溜まった涙を指で拭きながら心配かけさせるんじゃないといつものローズらしく答えます。羽のことを訪ねるローズ。自分でもわからないドリーム。しかし力が溢れてくると言います。
ローズ達の後ろにブンビーが立っていることに気づくドリーム。シロップが案内してくれたとフォローを入れます。
ブンビーはプリキュアを見ているうちにひたむきさというか、この組織に欠けている何かを感じたと言います。「早く行きたまえ。ぐずぐずしているときではないだろう」
羽をたたむと先に歩を進めるプリキュア。ブンビーは自分もついて行こうか?と声をかけます。そんなこと言わずに黙って見送れば二枚目なのに、そんなこと言うから三枚目になる。でもそれがブンビーなんだよなぁ。「ブンビーさん、ありがとう」と答えるドリーム。初めて名前で呼ばれたブンビーは驚きながらも早く行け、と促します。みんなの後を追って走るドリーム。
③プリキュアの力
轟音響くローズガーデン。息も絶え絶えに横たわるフローラ。フローラが居た一帯は爆撃で薔薇が完全に散ってしまっています。威嚇射撃なのか直撃は与えていません。ココナッツが止めに入ります。余興が出来たのか、面白いと攻撃態勢を取る館長。
プリキュアはシロップに乗ってローズガーデンへ向かいます。
館長の攻撃にバリアを張って耐えるココナッツ。そんな能力あったのか。王冠の力でしょうか。しかし基本は戦闘力ゼロの不思議生物。すぐに耐えきれなくなり倒れてしまいます。ココナッツに逃げてと言うフローラ。たとえ敵わなくても引くわけにはいかない、最後まで希望を持つと答えるココナッツ。
まだ階段を上っていた国王達を通り過ぎていくシロップ。プリキュアを乗せていると分かって先を急ぎます。加速度に耐えながらフローラココナッツの身を案じるドリーム。ココ達を爆撃が容赦なく襲います。
ローズガーデンは見渡す限り荒廃した土地になってしまいます。上空に居た館長は遊びは終わりと巨大な弾を打ち出します。逃げる力もないココナッツ。ココは最後まで諦めてはいけないと言います。何かに気づくココナッツ。遠い向こうに輝く六つの光。希望の光。
空を飛んだプリキュア達とローズを乗せたシロップ。ドリームはシューティングスターで弾を粉砕します。弾の爆発で生じた黒煙の中から姿を現すプリキュア。
「フローラさん、私達来たよ」
「はい、待っていました」
「あなたは、みんなやキュアローズガーデンを傷つけた。絶対許さない。行くよ!」
「Yes!」
「許さないだと!? 貴様達になに…」
次の瞬間風を切る音と衝撃とともに言葉を止めざるをえなくなる館長。ドリームが目にもとまらぬ速さで館長に肘打ちを決めます。台詞を言う暇すら与えない。プリキュアの力に驚愕する館長。ドリームは渾身の力で館長を殴り飛ばします。
地上から一筋の炎が伸びると、上空にいたルージュがそれを脚でキャッチしてそのままストライクを打ち込みます。来たこれ、バンクなしの必殺技。巨大な火球に身を包まれて落下する館長を鎖が受け止めます。受け止められたことで火球が爆発。燃えたままの館長をレモネードが地面に叩きつけます。マジ容赦無い。落下点にアクアが数本の矢をひいて一斉に放ちます。同時発射ではなく、連続で絶え間なく何本も。仕上げに巨大なソーサーを地面に振り下ろすミント。キュアローズガーデンの大地が砕けます。やり過ぎ!
プリキュアの力に感嘆の声をあげるココナッツ。うっかりやり過ぎじゃね?とか言ったらどうなるか保証はありません。
④館長の真の力
地面から上空に飛ぶ館長。纏っていた鎧にはヒビが入りボロボロです。プリキュアの力を認めます。お約束通りに本来の力を見せなくては、と言います。
弱ったフローラの傍に寄るシロップ。フローラの心を館長に伝えられなかったことを詫びます。フローラも危険な目にあわせてしまったことを謝ります。シロップの無事に安堵するフローラ。
シロップは何故自分が記憶を失っているときに教えてくれなかったのだと訪ねます。答えようとするフローラを遮るように館長の絶叫が聞こえてきます。館長を包み込む闇。その力を感じ取っておののくプリキュア。
本来の姿を現す館長。鳥がモチーフのようです。胸にはホシイナーの原型みたいなものがあります。
危険を感じたドリームはみんな逃げて!と叫びます。散開したプリキュアを追う館長。レモネードを打ち倒し、心配するルージュを次の瞬間には打ち倒し、反撃するアクアを倒し、防御のソーサーを張ったミントを防御壁ごと破壊して地面に叩きつけます。シューティングスターを受け止めた館長を後ろから攻撃するローズ。しかし瞬間移動で姿を消すとドリームとローズが同士討ちになり、そのまま館長はふたりとも地面に叩きつけます。形勢は逆転のさらに逆転。復活したプリキュアも真の力を出した館長の前では赤子同様。
「キュアローズガーデン。またの名を命の庭。それを消すと薔薇が司っていた命が失われる」
キュアローズガーデンを無差別に爆撃する館長。それに連動してパルミエ、サンクルミエール学園、街、そして地球が死に絶えていきます。
火の大地と化すキュアローズガーデン。館長はこれで世界のすべてが永遠に自分のものになったと満足します。価値のあるものは手元にコレクションとして残り、価値のないものは滅びることで。
為す術もなくその光景を見つめるココナッツ、フローラ、シロップ。プリキュアとローズは傷つき大地に伏したまま。
世界に君臨する館長。
⑤次回予告
いよいよ最終回。
○トピック
前回よりピンチになっているのが凄い。怒濤の最終決戦はプリキュア恒例のインフレと作内テーマの昇華が加速します。
プリキュアの石化をどう解くのか、キーワードである「みんな一緒」は当然としてもそれをどう示せるのかが今回の最大の鍵。青い薔薇の力を持つローズが単身館長に挑みながらもプリキュアに呼びかけ続けるとか、ローズ自身の希望がプリキュアを照らすことで復活とか想像していましたが、そんなことではなく、やはり物語に直結した肯定的な復活劇でした。
すっかり盲点を突かれました。プリキュアは相互理解の物語。どっちが上で下とかではなく対等の関係が人間関係の基礎に置かれています。最初に話しかける人が居たとしてもそれに答える人が居ればそれは対等性と相互性を生みます。45話では未来に悩むシロップを心の闇から救い出したのぞみですが、今回はシロップがのぞみ達を救い出します。それも8話の「シロップ、今度その夢を見たら手紙を頂戴」「私、シロップの夢の中に行って、こっちだよって手を引っ張ってあげる。そしたら暗闇から出られるでしょ?」「行けるよ。シロップが届けてくれたら、その想いにぜーったい応えるんだもん」というのぞみの言葉をそのままシロップが実行することで。
アナコンディの想いにもフローラの想いにも誰の想いにも応えない館長に対して、シロップはこれまで一緒にのぞみ達と居た中でずっと見てきた彼女達の良さや心を捉えて本心を話します。のぞみがシロップに一緒にキュアローズガーデンへ行こうと呼びかけたようにシロップものぞみ達に一緒に行こうと呼びかけることでこの循環は完全な相互性と対等性を持つことになります。相手に応えながら先へ進もうとするこの意思こそがプリキュアの物語の清々しいところです。
種はキッカケです。誰かと会った、何かあったに対してそれをどう発展させ繋げていくのか、それを成長させていくことで無限の可能性が秘められている。たまたま偶然に会った人が生涯の伴侶になるかもしれないし、親友になるかもしれないし、何かの行動が大きなことに繋がるかもしれないのは、それは自分達が自分達でそれをやっていったからです。その意味で、この世にあるものの価値とはそもそも無価値(ニュートラル)であるとも言えます。同時にすべてに価値がある。すべてがそれぞれの形で命を持ち、お互いに存在し合っている。可能性はあらゆるものに内在している。館長が言っている価値とは生み出された後、価値が確定した後のものを指しているに過ぎなく、自らが生み出し見いだしたものではありません。しかもコレクションとして固定してしまえばその価値は発展する機会もなく永遠に存在するだけのものとなります。可能性の無いもの、可能性の無い世界。行き詰まるところは今回館長が滅ぼし自分のものになったと満足した世界そのものです。
誰の想いにも応えない(無視・否定し続ける)館長に対する、プリキュア側の肯定によって生み出される答えは、誰かの想いに応えることであり、何故それが力や希望や可能性を秘めているかと言えば、それが当事者達によって作られるからであると明確に答えたこの決戦は見事と言わざるを得ません。「私」だけでも「あなた」だけ頑張ってもダメで、「私もあなたも」一緒に居ることで力は芽吹く。これだからプリキュアのバトルは面白い。力と精神的な強さがキチンと平衡しています。プリキュアの真髄は否定や対決に有らず。肯定によって自分達で実証することにある。
そしてまたプリキュア達の本質が肯定や行為にあるのなら、それは常に発揮され続けられているもので、それを率直に言えば誠実さだと思います。真っ直ぐな気持ち。素直な態度。助けてくれたり気遣ってくれたならそれに「ありがとう」と言えること。今までずっと戦い続けてきたブンビーに対して、名前でありがとうと言うのはその意味でとてもプリキュア的です。騙し不正を働きいがみ合っていたとしても、それを改め直してご飯を作ってきたので仲直りに一緒に食べようと相手に言われたときに「いままで悪いことをしていたじゃないか!」「嫌だ!」と言うんじゃなくて、「ありがとう」「一緒に食べよう」と言うのが誠実さだと思うしそれがプリキュアらしさだと思います。良い意味で過去にしがらみがない。現在の在り方を大切にする。
最終決戦お馴染みの唐突設定追加であるキュアローズガーデンは命の庭という話も終盤に相応しいインフレ(物語の拡張)です。フローラが「すべてのものにかけがえのない価値が」と言ったときにS☆Sをすぐに連想しました。プリキュアは人間賛歌が根本にありますが、拡張されて生命そのもの(生命が宿っている世界全体)を肯定しています。人間関係をより多様にしたのが5であり、GoGo!はそれを発展させてそれらの総体となっています。連綿と続くプリキュアの心は、各シリーズ、各登場人物、なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ達によって育てられています。
次回は待ちに待った最終回。育てられた種が花咲くとき。しかと見よ!
第46話「絶体絶命!没収されたプリキュア5!」
○今週の出来事
①対決!アナコンディ
開かれたキュアローズガーデンへの扉。しかし目の前にはアナコンディ。ホシイナーを召喚します。龍型の稲妻ホシイナー。これは珍しい、2回目の登場です。毎回異なる種が出るのかと思いきや、プリキュアにはこれが有効なのか。確かに強力なホシイナーではあります。変身。おそらく最後の変身です。
ローズは自らアナコンディとの一騎打ちを引き受けます。紫対決。24話、31話と何かと縁のある相手です。ある意味性格がキツイ者同士。
ホシイナーに一斉に飛びかかるプリキュア。ルージュとレモネードが先制。反撃を受けたところで残った三人がホシイナーを投げ飛ばします。
背後でホシイナーが倒れる中、微動だにすることなく立つアナコンディ。今回は本気モード。格子(蛇の鱗)状の文様が全身を包み込んで戦闘形態に変化。スタイリッシュで格闘戦主体のように見えます。
高速で挑みかかってくるアナコンディにローズも応えます。キュアローズガーデンへの扉を前にして戦いが始まります。
公園のベンチで職を探すブンビー。一気に緊張感消滅。この人出るだけで笑ってしまいます。求人誌をゴミ箱に捨てて今後を考えます。エターナルはまだ諦め切れていないようです。と目の前にムカーディアがバタっと倒れます。あ、生きてたんだ。
満身創痍のムカーディア。エクスプロージョンの攻撃(とアナコンディの罠)を途中で脱したようです。ブンビーに館長のもとへ連れて行ってくれと懇願します。最初は気が進まなかったものの、館長へ直談判すればまだ望みもあると考えるブンビー。
戦闘継続中。ドリームとルージュで突貫。電撃で反撃したホシイナーはふたりに追撃を加えようとします。それを防ぐ三人。しかし尻尾でカウンター。以前も戦っているとはいえ、この相手はメタルブリザードで倒せただけで未だに厄介な相手です。
ローズの攻撃を軽々とした身のこなしでかわすアナコンディ。実力の差は明白。ローズの戦意に感嘆します。自分ならとっくに諦めていると言います。私は諦めが悪いのよ!と答えるローズ。全くそのとおりです。
守る価値もない者のために必死になっているんだろう、と嘲笑うアナコンディの言葉をココナッツへの侮辱と受け取ったローズは回し蹴りを放ちますが、それも余裕で見切られてしまいます。蛇のように柔らかいな。それにしてもローズの脚は綺麗だと思います。ときどきスパッツが見えないときがあって、そういうときは一段と良いですね(この見切りには自信がある)。
カウンターで一撃。防御したもののローズはそのまま地に伏してしまいます。ローズを見下ろしながら自分たちは似ているかもしれないと話すアナコンディ。
「あなたはパルミエ王国のために、私は館長のために」
館長と自分の距離を感じて、表情が沈みます。
「誰かのためじゃない。私は自分のために立ち向かっているのよ。みんなが大切に思っているものを踏みにじる、あなたたちのやり方が許せないから!」
立ち上がるローズ。
誰かのために、というのを還元してしまえば、それを選択・行動している責任は自分にあります。しかし認識上の行動原理として「~のために」というのは非常に魅力的です。自己犠牲的な美徳があるしそれに酔うこともできます。また言い訳としても用いることが可能です。強制されてそれに服従することは精神的に苦痛を伴いますが、自分が自ら相手に服従し奉仕していると思えば苦痛は和らぎむしろ快楽すら感じることがあります。これは一種の(認識上の)麻薬です。何かのために動いている人はそのため盲目的であり、非難や指摘に対しても自分に直接当てないからです。非難や指摘は自分が信じているものへの冒涜として映り、それに奉仕している自分の正当性を揺るがすものであるからより一層非難や指摘を排除してそれまで以上に自分の行動を堅持することがあります。例によって話が本編から離れました。
「私の想いを誰にも邪魔させないわ・・・」
他者のための行動は自己のための行動でありますが、自己の思惑が目的化すればそれはエゴになります。
②館長の答え
館長にすべてを報告するムカーディア。手紙を見せます。
手紙を受け取った館長はそれがフローラからのものであると知ります。アナコンディを裏切り者とした上で自分を取り立てて欲しいと言うムカーディア。
「おまえなど要らぬ」
褒美の代わりにムカーディアの存在を消す館長。それを部屋の外で鍵穴から見ていたブンビーはこっそり逃げ出します。
手紙の封を切ると中には種。何の意図で?
ローズに力を与えるナッツ。しかし危険です。BGMが効かないことを確定させています。メタルブリザードを放つローズ。アナコンディはそれに耐えるどころか相殺した上にすぐに反撃に転じます。戦闘形態アナコンディ>メタルブリザード>アナコンディ>ブリザード。
跳躍すると稲妻を走らせながらキック。命中と同時に稲妻がふくれあがりローズはまたも地に伏してしまいます。稲妻キックとは粋な。力もさることながら体術が伴っているため手がつけられない。
ホシイナーに手こずるプリキュア。空中でしかも機動性が高い相手に不向きです。アクアはシロップに助力を願います。
空を疾走するシロップに跨るアクア。この人は動物に乗っていると戦闘力が格段に上がったように見えるから困る。実際強いと思いますが。ホシイナーの攻撃をかわしながらアナコンディへと向かうシロップ。アナコンディが迎撃のため幾本もの蛇を放ちます。タイミングを読んで通常形態に戻るシロップ。プリキュアも飛び出します。シロップを追っていたホシイナーに蛇が絡みお互いに食い合います。
落下して立て直したホシイナーにプリキュアが一斉射撃。ストライク、チェーン、ソーサー、アローとシューティングスターが合わさってホシイナーを粉砕します。
プリキュアの逆転劇に少々焦るアナコンディ。ローズも立ち直り、形勢としてはプリキュアが有利になります。対峙する両者。アナコンディは髪の毛を蛇に変え臨戦態勢。
しかしそのとき館長が動きます。辺り一帯に謎の力場が作用。巻き込まれるメルポ。普段存在感がないメルポですがキュアローズガーデンと関係していることは間違い無いのでさりげに重要なような気がします。
力場が収まるとプリキュア達の姿が消えています。
気づくとそこはエターナル。館長が目の前に居ます。
近づくアナコンディに館長は手紙を見せます。申し開きをしようとするアナコンディ。
手紙を見たシロップはそれがフローラから直接渡されたものだと思い出します。卵からかえるシロップ。って卵からか。手の中で生まれたばかりのシロップを優しく見るフローラ。フローラのもとでシロップはすくすくと育ちます。大切なものは決して手放してはいけない、大事なものほどすぐになくしてしまいやすいとシロップに教えるフローラ。
シロップの記憶が戻ったことを喜ぶドリーム。シロップは手紙を奪ったのがアナコンディであることも思い出します。
疑問に思うミント。館長への手紙ならわざわざ奪う必要はありません。アクアも同意します。
アナコンディに理由を問う館長。アナコンディは述懐しながら自分がこれまであらゆる手段を使ってコレクションを集めてきたと言います。しかし館長は満足せず、フローラのことばかりで自分の努力に振り向こうともしなかった。館長にフローラだけは会わせたくなかったと声を大きくして訴えるアナコンディ。
その言葉に、さきほどの戦いでアナコンディが言っていた言葉を思い出すローズ。アナコンディの想いを知ったプリキュア達は静観します。
自分が隠していたことをすべて白日のもとに晒し、怯えたように館長を直視できず立つアナコンディに館長は口を開きます。
「アナコンディよ、伝説の戦士プリキュアを我がコレクションに加えたい」
大きな負担がかかる、と抗弁しようとするアナコンディをじっと微動だにすることなく見返す館長。その目はアナコンディではなくプリキュアを見ています。わかりましたと答えるアナコンディ。
プリキュアに向き直って突進します。蛇の髪が展開。怖ぇぇ。反撃に出ようとしたルージュを石化させるアナコンディ。待ったなしで瞬時に発動、そして完了。特殊能力としては最悪な部類です。しかし本人にはかなり負担を強いる様子。アナコンディが躊躇ったのも頷けます。館長の望みを自分の命を捨ててでも叶えると言うアナコンディ。
駆けつけたレモネードも同様に石化。ミントとアクアも同時に石化。これ反則だな。息を切らし、片膝までつくアナコンディ。消耗が著しい。
ローズが肘打ちを決めます。直撃を受け地面を這うようにして勢いを殺すアナコンディを見てローズは異変に気づきます。余裕のないアナコンディはローズを無視するとドリームに飛びかかり石化させます。
キュアローズガーデンの扉の前では、プリキュア達を心配するココナッツを抑え、ローズガーデンへと連れて行く国王達。
館長の前に引き渡される5体の像。アナコンディは疲労のあまり倒れてしまいます。呆然と見るローズ。満足した館長は石化したプリキュアをエターナルの建物の中に転送します。
倒れながらも館長を見るアナコンディ。その表情は役目を果たし満足げです。しかし館長はアナコンディを見向きもせずフローラに会おうと椅子から立ち翼を広げます。
自分の気持ちをわかってくれない館長に、アナコンディは力尽くでも止めようと接近しますが、寸前で止まり館長に触れることすらも出来ず消されます。鎧がアナコンディの涙を弾きます。アナコンディに一瞥もくれない館長。
こんな価値の無いものなど、と手紙と中に入っていた種を捨てる館長。キュアローズガーデンへと飛び立ちます。
建物の中からその様子を見て驚愕するブンビー。
アナコンディですら消してしまう館長が求めるものは?
フローラが贈った種の意味は?
一人残されたローズは何が出来るのか。
次回へ続く。
③次回予告
舞台はキュアローズガーデンへ。プリキュアがスーパー化しているようにも見えますが、さて。オールスターズは3月20日。
○トピック
館長マジ容赦ねぇ。プリキュアによるアナコンディの懐柔もちょい予想していたのですがその余地もない。とりつく島もないとはこのこと。
アナコンディのやっていたことは館長と同様です。彼女は館長にしか目を向けずそのために略奪し怒りや憎悪を部下に向けていました。「館長のため」は換言すれば「館長以外はどうでもいい」ことになります。アナコンディが部下にしていたことを館長がアナコンディに行っただけです。ただし館長の方が見方によってはキツイですが。アナコンディは館長への好意とフローラへの嫉妬があるため、フローラからの手紙を奪うという、想いの伝達を阻害させています。これはプリキュア的には違反行為です。しかしそれはまだ自分と館長を結びつけたいという好意がねじ曲がったもので、好意そのものは否定できません。アナコンディが同情的に見えてしまうのはアナコンディの行為が好意の裏返しであることが視聴者にもプリキュアにも伝わっているからです。決して正当性を持ち得ませんが動機そのものや感情は「相手へ自分の好意を伝えたい、知って欲しい」というのがあります。
が、館長にはその想いに応えようとする余地がありません。完全に無視しているからです。怒りや嫉妬で部下をつぶしたアナコンディとは根本が違います。相手を相手として見ていません。人間を道具として使うのではなく、そもそも人間や道具としてすら見ていません。遅れて手紙を見てもその意味や価値にすら気づこうとしません。アナコンディの直訴にすら応えない。プリキュア的にはこれは違反行為どころか同じ土俵にすら居ません。
相手へ想いを伝えたいから伝えようとする、相手の想いに気づいてそれに応えることで多様性や可能性を築き上げているプリキュアに対して、アナコンディや館長は対極です。多様性や可能性などの発展性の対極としては画一性や滅亡・衰退ですからアナコンディは自身の論理によって滅んだとも言えます。プリキュアに倒されることなく自分たちの行動によって自らが滅んでしまうのは原理的には正しいというか、なんでこういうところまで論理的なんだよ、と思ってしまいます。流石です。こういう悲劇をプリキュアが回避するのかとも思っていたのですが、シビアにきました。
アナコンディとの対決が正義や悪の理念ではないことも併せて言えます。元々(シリーズとおして)プリキュアは正義と悪の理念で戦っていません。アナコンディの動機が愛憎劇であると言ってしまえばひどく卑俗的でちっちゃい話になりますが、要するにそういう範囲の話です。ただし根は深いのですが。
のぞみ達が何度も繰り返しているように、彼女たちは他者のために動きますが、それは他者を満足させるだけでも、また自分のためだけでもなく、同時両立的に行っています。他人のためだからと言い訳はしませんし、その結果や責任は自分で負っています。夢や目的を持っている他者に代わってそれを成し遂げるようなこともしません。他者のために動くことも、他者から助けられていても最終的な決定や実行は自分で行っています。
一言で言えば、エターナルは視野が狭いのです。狭すぎて手段が目的化してしまっているし、関わってくる人への配慮もなにもありません。利他と利己は表裏一体のものですが、それが裏目裏目に出ています。アナコンディが自分の命を捨ててでも館長の役に立とうするのは献身的ではありますが、自分が道具に成り果てていることを認めていることでもあります。それが美徳や美談として評価されることもあるでしょう。悲劇として見ることも出来ます。想う誰かのために殉じた人として。
プリキュアという作品の中で、プリキュアがやろうとしているのは、たった一つだと思います。それは
「私もあなたも幸せになろう、そのために出来ることを私もあなたもやろう」
どう生きるか。そのために何がやれるのか、何を信じるべきか、何に屈してはいけないのか。何が出来たときに幸せなのか、それとも何かをし続けているときが幸せなのか。なんで「私もあなたも」なのか。そういう物語なんだと思っています。正義や悪や道徳の問題ではなく、人をより生かしより可能性のあることは何なのかということを私は見たいと思います。
最終回まで残り2回。赤い薔薇と対をなす青い薔薇の真価を楽しみにしています。
①対決!アナコンディ
開かれたキュアローズガーデンへの扉。しかし目の前にはアナコンディ。ホシイナーを召喚します。龍型の稲妻ホシイナー。これは珍しい、2回目の登場です。毎回異なる種が出るのかと思いきや、プリキュアにはこれが有効なのか。確かに強力なホシイナーではあります。変身。おそらく最後の変身です。
ローズは自らアナコンディとの一騎打ちを引き受けます。紫対決。24話、31話と何かと縁のある相手です。ある意味性格がキツイ者同士。
ホシイナーに一斉に飛びかかるプリキュア。ルージュとレモネードが先制。反撃を受けたところで残った三人がホシイナーを投げ飛ばします。
背後でホシイナーが倒れる中、微動だにすることなく立つアナコンディ。今回は本気モード。格子(蛇の鱗)状の文様が全身を包み込んで戦闘形態に変化。スタイリッシュで格闘戦主体のように見えます。
高速で挑みかかってくるアナコンディにローズも応えます。キュアローズガーデンへの扉を前にして戦いが始まります。
公園のベンチで職を探すブンビー。一気に緊張感消滅。この人出るだけで笑ってしまいます。求人誌をゴミ箱に捨てて今後を考えます。エターナルはまだ諦め切れていないようです。と目の前にムカーディアがバタっと倒れます。あ、生きてたんだ。
満身創痍のムカーディア。エクスプロージョンの攻撃(とアナコンディの罠)を途中で脱したようです。ブンビーに館長のもとへ連れて行ってくれと懇願します。最初は気が進まなかったものの、館長へ直談判すればまだ望みもあると考えるブンビー。
戦闘継続中。ドリームとルージュで突貫。電撃で反撃したホシイナーはふたりに追撃を加えようとします。それを防ぐ三人。しかし尻尾でカウンター。以前も戦っているとはいえ、この相手はメタルブリザードで倒せただけで未だに厄介な相手です。
ローズの攻撃を軽々とした身のこなしでかわすアナコンディ。実力の差は明白。ローズの戦意に感嘆します。自分ならとっくに諦めていると言います。私は諦めが悪いのよ!と答えるローズ。全くそのとおりです。
守る価値もない者のために必死になっているんだろう、と嘲笑うアナコンディの言葉をココナッツへの侮辱と受け取ったローズは回し蹴りを放ちますが、それも余裕で見切られてしまいます。蛇のように柔らかいな。それにしてもローズの脚は綺麗だと思います。ときどきスパッツが見えないときがあって、そういうときは一段と良いですね(この見切りには自信がある)。
カウンターで一撃。防御したもののローズはそのまま地に伏してしまいます。ローズを見下ろしながら自分たちは似ているかもしれないと話すアナコンディ。
「あなたはパルミエ王国のために、私は館長のために」
館長と自分の距離を感じて、表情が沈みます。
「誰かのためじゃない。私は自分のために立ち向かっているのよ。みんなが大切に思っているものを踏みにじる、あなたたちのやり方が許せないから!」
立ち上がるローズ。
誰かのために、というのを還元してしまえば、それを選択・行動している責任は自分にあります。しかし認識上の行動原理として「~のために」というのは非常に魅力的です。自己犠牲的な美徳があるしそれに酔うこともできます。また言い訳としても用いることが可能です。強制されてそれに服従することは精神的に苦痛を伴いますが、自分が自ら相手に服従し奉仕していると思えば苦痛は和らぎむしろ快楽すら感じることがあります。これは一種の(認識上の)麻薬です。何かのために動いている人はそのため盲目的であり、非難や指摘に対しても自分に直接当てないからです。非難や指摘は自分が信じているものへの冒涜として映り、それに奉仕している自分の正当性を揺るがすものであるからより一層非難や指摘を排除してそれまで以上に自分の行動を堅持することがあります。例によって話が本編から離れました。
「私の想いを誰にも邪魔させないわ・・・」
他者のための行動は自己のための行動でありますが、自己の思惑が目的化すればそれはエゴになります。
②館長の答え
館長にすべてを報告するムカーディア。手紙を見せます。
手紙を受け取った館長はそれがフローラからのものであると知ります。アナコンディを裏切り者とした上で自分を取り立てて欲しいと言うムカーディア。
「おまえなど要らぬ」
褒美の代わりにムカーディアの存在を消す館長。それを部屋の外で鍵穴から見ていたブンビーはこっそり逃げ出します。
手紙の封を切ると中には種。何の意図で?
ローズに力を与えるナッツ。しかし危険です。BGMが効かないことを確定させています。メタルブリザードを放つローズ。アナコンディはそれに耐えるどころか相殺した上にすぐに反撃に転じます。戦闘形態アナコンディ>メタルブリザード>アナコンディ>ブリザード。
跳躍すると稲妻を走らせながらキック。命中と同時に稲妻がふくれあがりローズはまたも地に伏してしまいます。稲妻キックとは粋な。力もさることながら体術が伴っているため手がつけられない。
ホシイナーに手こずるプリキュア。空中でしかも機動性が高い相手に不向きです。アクアはシロップに助力を願います。
空を疾走するシロップに跨るアクア。この人は動物に乗っていると戦闘力が格段に上がったように見えるから困る。実際強いと思いますが。ホシイナーの攻撃をかわしながらアナコンディへと向かうシロップ。アナコンディが迎撃のため幾本もの蛇を放ちます。タイミングを読んで通常形態に戻るシロップ。プリキュアも飛び出します。シロップを追っていたホシイナーに蛇が絡みお互いに食い合います。
落下して立て直したホシイナーにプリキュアが一斉射撃。ストライク、チェーン、ソーサー、アローとシューティングスターが合わさってホシイナーを粉砕します。
プリキュアの逆転劇に少々焦るアナコンディ。ローズも立ち直り、形勢としてはプリキュアが有利になります。対峙する両者。アナコンディは髪の毛を蛇に変え臨戦態勢。
しかしそのとき館長が動きます。辺り一帯に謎の力場が作用。巻き込まれるメルポ。普段存在感がないメルポですがキュアローズガーデンと関係していることは間違い無いのでさりげに重要なような気がします。
力場が収まるとプリキュア達の姿が消えています。
気づくとそこはエターナル。館長が目の前に居ます。
近づくアナコンディに館長は手紙を見せます。申し開きをしようとするアナコンディ。
手紙を見たシロップはそれがフローラから直接渡されたものだと思い出します。卵からかえるシロップ。って卵からか。手の中で生まれたばかりのシロップを優しく見るフローラ。フローラのもとでシロップはすくすくと育ちます。大切なものは決して手放してはいけない、大事なものほどすぐになくしてしまいやすいとシロップに教えるフローラ。
シロップの記憶が戻ったことを喜ぶドリーム。シロップは手紙を奪ったのがアナコンディであることも思い出します。
疑問に思うミント。館長への手紙ならわざわざ奪う必要はありません。アクアも同意します。
アナコンディに理由を問う館長。アナコンディは述懐しながら自分がこれまであらゆる手段を使ってコレクションを集めてきたと言います。しかし館長は満足せず、フローラのことばかりで自分の努力に振り向こうともしなかった。館長にフローラだけは会わせたくなかったと声を大きくして訴えるアナコンディ。
その言葉に、さきほどの戦いでアナコンディが言っていた言葉を思い出すローズ。アナコンディの想いを知ったプリキュア達は静観します。
自分が隠していたことをすべて白日のもとに晒し、怯えたように館長を直視できず立つアナコンディに館長は口を開きます。
「アナコンディよ、伝説の戦士プリキュアを我がコレクションに加えたい」
大きな負担がかかる、と抗弁しようとするアナコンディをじっと微動だにすることなく見返す館長。その目はアナコンディではなくプリキュアを見ています。わかりましたと答えるアナコンディ。
プリキュアに向き直って突進します。蛇の髪が展開。怖ぇぇ。反撃に出ようとしたルージュを石化させるアナコンディ。待ったなしで瞬時に発動、そして完了。特殊能力としては最悪な部類です。しかし本人にはかなり負担を強いる様子。アナコンディが躊躇ったのも頷けます。館長の望みを自分の命を捨ててでも叶えると言うアナコンディ。
駆けつけたレモネードも同様に石化。ミントとアクアも同時に石化。これ反則だな。息を切らし、片膝までつくアナコンディ。消耗が著しい。
ローズが肘打ちを決めます。直撃を受け地面を這うようにして勢いを殺すアナコンディを見てローズは異変に気づきます。余裕のないアナコンディはローズを無視するとドリームに飛びかかり石化させます。
キュアローズガーデンの扉の前では、プリキュア達を心配するココナッツを抑え、ローズガーデンへと連れて行く国王達。
館長の前に引き渡される5体の像。アナコンディは疲労のあまり倒れてしまいます。呆然と見るローズ。満足した館長は石化したプリキュアをエターナルの建物の中に転送します。
倒れながらも館長を見るアナコンディ。その表情は役目を果たし満足げです。しかし館長はアナコンディを見向きもせずフローラに会おうと椅子から立ち翼を広げます。
自分の気持ちをわかってくれない館長に、アナコンディは力尽くでも止めようと接近しますが、寸前で止まり館長に触れることすらも出来ず消されます。鎧がアナコンディの涙を弾きます。アナコンディに一瞥もくれない館長。
こんな価値の無いものなど、と手紙と中に入っていた種を捨てる館長。キュアローズガーデンへと飛び立ちます。
建物の中からその様子を見て驚愕するブンビー。
アナコンディですら消してしまう館長が求めるものは?
フローラが贈った種の意味は?
一人残されたローズは何が出来るのか。
次回へ続く。
③次回予告
舞台はキュアローズガーデンへ。プリキュアがスーパー化しているようにも見えますが、さて。オールスターズは3月20日。
○トピック
館長マジ容赦ねぇ。プリキュアによるアナコンディの懐柔もちょい予想していたのですがその余地もない。とりつく島もないとはこのこと。
アナコンディのやっていたことは館長と同様です。彼女は館長にしか目を向けずそのために略奪し怒りや憎悪を部下に向けていました。「館長のため」は換言すれば「館長以外はどうでもいい」ことになります。アナコンディが部下にしていたことを館長がアナコンディに行っただけです。ただし館長の方が見方によってはキツイですが。アナコンディは館長への好意とフローラへの嫉妬があるため、フローラからの手紙を奪うという、想いの伝達を阻害させています。これはプリキュア的には違反行為です。しかしそれはまだ自分と館長を結びつけたいという好意がねじ曲がったもので、好意そのものは否定できません。アナコンディが同情的に見えてしまうのはアナコンディの行為が好意の裏返しであることが視聴者にもプリキュアにも伝わっているからです。決して正当性を持ち得ませんが動機そのものや感情は「相手へ自分の好意を伝えたい、知って欲しい」というのがあります。
が、館長にはその想いに応えようとする余地がありません。完全に無視しているからです。怒りや嫉妬で部下をつぶしたアナコンディとは根本が違います。相手を相手として見ていません。人間を道具として使うのではなく、そもそも人間や道具としてすら見ていません。遅れて手紙を見てもその意味や価値にすら気づこうとしません。アナコンディの直訴にすら応えない。プリキュア的にはこれは違反行為どころか同じ土俵にすら居ません。
相手へ想いを伝えたいから伝えようとする、相手の想いに気づいてそれに応えることで多様性や可能性を築き上げているプリキュアに対して、アナコンディや館長は対極です。多様性や可能性などの発展性の対極としては画一性や滅亡・衰退ですからアナコンディは自身の論理によって滅んだとも言えます。プリキュアに倒されることなく自分たちの行動によって自らが滅んでしまうのは原理的には正しいというか、なんでこういうところまで論理的なんだよ、と思ってしまいます。流石です。こういう悲劇をプリキュアが回避するのかとも思っていたのですが、シビアにきました。
アナコンディとの対決が正義や悪の理念ではないことも併せて言えます。元々(シリーズとおして)プリキュアは正義と悪の理念で戦っていません。アナコンディの動機が愛憎劇であると言ってしまえばひどく卑俗的でちっちゃい話になりますが、要するにそういう範囲の話です。ただし根は深いのですが。
のぞみ達が何度も繰り返しているように、彼女たちは他者のために動きますが、それは他者を満足させるだけでも、また自分のためだけでもなく、同時両立的に行っています。他人のためだからと言い訳はしませんし、その結果や責任は自分で負っています。夢や目的を持っている他者に代わってそれを成し遂げるようなこともしません。他者のために動くことも、他者から助けられていても最終的な決定や実行は自分で行っています。
一言で言えば、エターナルは視野が狭いのです。狭すぎて手段が目的化してしまっているし、関わってくる人への配慮もなにもありません。利他と利己は表裏一体のものですが、それが裏目裏目に出ています。アナコンディが自分の命を捨ててでも館長の役に立とうするのは献身的ではありますが、自分が道具に成り果てていることを認めていることでもあります。それが美徳や美談として評価されることもあるでしょう。悲劇として見ることも出来ます。想う誰かのために殉じた人として。
プリキュアという作品の中で、プリキュアがやろうとしているのは、たった一つだと思います。それは
「私もあなたも幸せになろう、そのために出来ることを私もあなたもやろう」
どう生きるか。そのために何がやれるのか、何を信じるべきか、何に屈してはいけないのか。何が出来たときに幸せなのか、それとも何かをし続けているときが幸せなのか。なんで「私もあなたも」なのか。そういう物語なんだと思っています。正義や悪や道徳の問題ではなく、人をより生かしより可能性のあることは何なのかということを私は見たいと思います。
最終回まで残り2回。赤い薔薇と対をなす青い薔薇の真価を楽しみにしています。
第45話「キュアローズガーデンの扉現る!」
○今週の出来事
①夢を叶えることの代償
ナッツハウス。のぞみ達は談笑しながらホットケーキを作っています。いつもの見慣れた日常。シロップが戻ってくると挨拶をしてホットケーキ作りに誘います。いつもの調子で「なんでそんなことを…」と答えるとのぞみは自分達だけでキュアローズガーデンに行くからシロップは一人で残ってホットケーキを作るのよ、と無表情で答えます。ココナッツも立ち上がって支度を始めます。いつもの見慣れた日常が崩れ、シロップの視界から遠ざかるのぞみ達。シロップの声が虚しく響き渡ります。
シロップの伸ばした手は何かを掴みます。気づくと朝。目の前にはココ。掴んでいるのはココの腕です。呆けるシロップ。ココはシロップがうなされていたと言います。くるみが朝食の準備が出来たと声をかけます。ココは別として、この生活かなり羨ましい。
空を飛ぶシロップ。メルポの心配に大丈夫と答えます。ローズガーデンに行って記憶を全部思い出したとしても今までどおりみんなと一緒に居られるのか不安になる、と話すシロップ。
自分の過去の秘密がキュアローズガーデンに行けば分かると信じて彼はそこを目指していましたが、同時にのぞみ達との生活や関係が強固になることで不安が生まれています。ローズガーデンに行くことでその結果のぞみ達との関係が変ってしまうのではないか、今の生活が崩れてしまうのではないか、という不安は物語が始まった当初の彼には想像も出来なかった気持ちでしょうが、今の彼にとってどれほど今の生活に親しみがあって、居場所となっているかが窺い知れます。
シロップがダイニングキッチンに顔を出すとのぞみ達が料理をしています。夢に見た光景と一緒で驚くシロップ。手伝ってと誘われますが気が進みません。のぞみがシロップの手を取って強制連行。この生活かなり羨ましい。
渋々加わるシロップ。こまちはまた羊羹を入れていたようです。なんにでも羊羹入れるクセがあるのかこの娘は。ココとナッツはシロップがパルミエに居た頃と変ったと言います。一匹狼だったシロップも今ではみんなの輪に入っています。シロップはのぞみ達が作っていたホットケーキにアドバイスをします。さすがおタカさん直伝。みんなから感心と賞賛の声がかけられます。まんざらでもない様子。ここはまさに楽園。シロップがこの生活が変わってほしくないと思うのは健全な男子として同意せざるを得ません。むしろ嫉妬してしまいます。俺と代われ。
突然シロップの鞄が光りだします。中からパクトを取り出すとモンブラン国王が快復して出てきます。
エターナル。館長に最後の国王は未だ見つかっていないと報告するアナコンディ。館長はアナコンディに背を向けたままでにべも無くいつまで待たせる、国王などどうでもいい、パクトさえ手に入ればいいと言います。国王が揃わなければローズガーデンへの扉が開かないと答えようとしたアナコンディの言葉を威圧して遮る館長。アナコンディはすぐに身を正しパクトを奪ってくると答えます。
のぞみ達にお礼を言うモンブラン国王。本題に入ります。5つの国の国王の力を合わせてキュアローズガーデンへの扉を開く時です。くるみはミルクの姿となって他の国王をシロップと共に迎えに行くと言います。迅速かつ適切な対応です。準とは言えお世話役は実質的に王国の宰相であるので、使者として申し分ありません。快諾するココナッツ。しかしシロップの表情は優れません。心ここにあらずの状態。
のぞみが全身でシロップに乗りかかってきます。反射的に押し返すシロップ。何度も言いますが、羨ましい。そろそろアナコンディさんに協力してきたくなってきました。
のぞみはシロップにもうすぐローズガーデンに行けると言います。みんなで行こうと約束してそのために頑張ってきた目標です。のぞみ達にとっても嬉しいことです。のぞみに向き合いながら、シロップは心の中に渦巻く自分の過去とのぞみ達との離別への不安を隠して首肯します。
ミルクを乗せて羽ばたくシロップ。
アナコンディの執務室に入るムカーディア。アナコンディが何かを隠しているとにらんだ彼は探りにきたようです。机の引出しに手を触れると電撃が走ったかのように衝撃を受けて手が弾かれます。疑惑は確信へと変ります。アナコンディは何かを隠している。
アナコンディが部屋に帰ってこようとしているのを察知したムカーディアは強引に引出しを開けます。
アナコンディが部屋へ戻るとそこは無人。自分の机を見ながら何やら思惑があるアナコンディ。恐らくこの時点でムカーディアの行動を読んでいます。
ナッツハウスの湖でミルク達の帰りを待つのぞみ達。シロップはすぐに帰ってくるだろうと話します。彼女達にとってローズガーデンに行くことは色々な目的を持ちますが、当座の感心事はシロップです。彼女達にとってローズガーデンへ行くことは直接的には生活の変化や不安はありません。むしろ大いに期待し喜ぶべきものです。
のぞみがいつもの調子でキュアローズガーデンに行くことけって~い!と言うとすかさずムカーディアが声をかけます。
②岐路
すぐに臨戦態勢に入るのぞみ達。手紙を取り出してシロップに用があるとムカーディアは言います。シロップは居ないと返事を聞くとムカーディアはホシイナーを取り出して自分のネックレスに憑依させます。マジックのように湖の中から現れるホシイナー。カッコイイ。確実に射撃型のホシイナーです。
変身。こまちがキュアモを掲げるのが面白い。
ムカーディアは怪人体になるも椅子に座って傍観体勢。ホシイナーが周囲に展開したコイン状の物体を射出してきます。ドリーム・レモネード・ミントはコインを回避あるいは弾き踏み台にしながら接近します。一方、ルージュとアクアは手薄になった地上から岩伝いに接近。必殺技を仕掛けます。チームとしての動きが上手い。
ストライクに対してホシイナーは回転して正面からぶつかり力押しでやぶります。次弾としてアローがムカーディアを捉えますが読まれていたのかコインを出現させて防御。さきほど射出され地面に突き刺さっていたコインを爆発させてプリキュア達を一網打尽にするムカーディア。巧みな連携を読んだ上で初手で罠を張っておくとはなかなかの策士です。しかし大抵の策士はやり過ぎて身を滅ぼすのですが。
国王達を連れて帰ってきたシロップは爆発に気づきます。ミルクもくるみの姿になって臨戦態勢。
爆発に傷つきながらも立ち上がろうとするドリーム。しかし膝をついてしまいます。レモネードが心配します。そうだよ!やっぱそうでなくっちゃ。うららはのぞみっ子!
ムカーディアがドリームの前に立ち刃を突き立てようとした瞬間、ローズがナイスタイミングで阻止します。ドリームを守ることには成功したものの反撃を受けるローズ。
上空で旋回するシロップを発見したムカーディアはホシイナーに攻撃を命じます。墜落。国王達は比較的軽傷ですが、直撃を受けたシロップは気絶状態に近くココが抱き上げます。シロップに用があるムカーディアはココを払うと、シロップを持ち上げて手紙を見せ記憶を引き出そうとします。国王+パクト、さらには手紙の秘密を得ればアナコンディを出し抜くことも夢ではありません。
自分の記憶に苦悩するシロップ。ローズガーデンに行けば記憶・過去を得られるかもしれない。けどそれは今現在の生活や関係を崩してしまうかもしれない。彼は今精神的な岐路に立たされています。
シロップを助けようとプリキュア達が駆けつけようとしますが、ホシイナーが妨害。ドリームへの攻撃をローズが盾になります。
みんなの姿を脳裏に浮かべるシロップ。のぞみの肩に手を置いているうららは流石だと思います。きっとシロップと一緒のときに熱くのぞみへの信頼と情熱を語っていたに違いありません。
自分の記憶とみんなとの繋がりを秤にかけたシロップは苦悩の果てに叫びます。
ドリームは満身創痍の体で一歩一歩シロップのもとに近づきます。私達と一緒にキュアローズガーデンへ行く!と叫びムカーディアの腕を掴みます。思わぬドリームの力に苦悶の声をあげるムカーディア。シロップの記憶はシロップのもの!と言うドリーム。ムカーディアは耐え切れずシロップを離し姿を消します。
シロップの手を取るドリーム。
「大切なものは絶対に手放すな。シロップが教えてくれたでしょ。一緒に行こうキュアローズガーデン」
傷ついた姿で笑うドリーム。
ムカーディアはホシイナーに建物ごと破壊(没収)を命じます。ホシイナーの攻撃を鳥形態で防ぐシロップ。
煙が立ち込める中、人間の姿になったシロップはドリームに手を伸ばします。
「俺、記憶が戻ったらみんなと一緒に居られるかわからなくて不安で怖かった」
シロップの手をドリームが掴むと、シロップはその手をより一層強く離さぬようしっかり握り締めます。
「でも、約束したよな。みんなで一緒にキュアローズガーデンに行くって。大切なものは絶対に手放しちゃいけない。将来どうなるかわからないけど、今までみんなと築いたものがちゃんとここに在る」
もう片方の握り締めた拳を胸に当てるシロップ。
「だから、ローズパクトも王様も、そしてみんなと帰るこの場所も、絶対に、絶対に、渡さない!」
厚く空を覆っていた雲の間から光が地上に差します。
再度攻撃を仕掛けるムカーディア。今度はみんながその攻撃から守ります。
「くだらなくなんかないわ!」
「みんな!」
「私達は」
「みんなで一緒に」
「キュアローズガーデンに」
「行くのよ!」
「そうココ!」
「シロップの気持ちちゃんと伝わったナツ!」
「ココ達もシロップの想いに!」
「強い想いに!」
「応えるココ(ナツ)!」
ココナッツのもとに王冠が現れそれぞれに冠を頂きます。
同時召喚。メタルブリザードでホシイナーを粉砕。ムカーディアは手紙と国王の情報を館長に告げようと撤退しようとしますが何故か足が固定され身動きが取れずそのまま巨大薔薇に呑まれます。
森に潜むアナコンディ。
「困るんですよ。あの手紙を館長に見せられては」
彼女にとってムカーディアは用済みです。
気が抜けて腰も抜けるシロップ。ドリームがお礼を言いながら手を差し出します。なんにもしていないと答えながらドリームの手を掴んで立ち上がるシロップ。ドリームはそんなことない、と答えます。みんなも同じ気持ちです。
「行こう、みんなで一緒にキュアローズガーデンへ」
③キュアローズガーデンへの扉
居間にみんなが集まります。モンブラン国が代々伝わる方法でローズガーデンへの扉を開くと言います。ここでやるの!?と驚くのぞみ。確かに物足りないというか期待感に比して普通な対応です。
パクトを中心として王冠を手に取った王達が囲みます。薔薇の花びらが一帯に舞います。湖で光の柱が発生。
何も変っていないと部屋の中を見回るのぞみ。うららがベランダに出ると湖を示します。動きが面白い。みんな集まってそこで見たものは、大きな扉。湖の上に出現しています。
館長もその気配を察知したようです。
外に出たのぞみ達。のぞみは飛び出すとそのまま湖の上を歩きます。考えるより先に行動するタイプです。どうやら歩けるようです。
扉の前に来るのぞみ達。後ろを振り向いてナッツハウスを見るシロップ。のぞみが行こう、と声をかけます。頷くシロップ。ナッツハウスは過去でも後ろでもありません。未来に前にある帰る場所です。
突然の襲撃。国王達が爆発に飛ばされます。アナコンディです。
シリーズ恒例。収集物は集まり切ったときが一番危険。目的達成間際が一番狙われ時です。持っていた報告書をばら撒くアナコンディ。もはや不要なものです。
「私がすべてにカタをつけて差し上げます。フローラの息の根を止めることでね」
爆弾発言出たー!!! 期待を裏切らないどころか上回ってます。
開かれるキュアローズガーデンへの扉。アナコンディとの対決。最終決戦へと物語は突入します。
④次回予告
新シリーズフレッシュプリキュアの予告有り。次回予告は短縮版ですが、公式にて正規版が見られます。「(アナコンディが)なんだか悲しそう」いろんな意味で期待大。
○トピック
新年早々最終章。キュアローズガーデンを目前にして躊躇うシロップが意外かつ見事な流れ。
のぞみ達にとってはシロップと一緒にローズガーデンへ行くのは約束であり、シロップとの絆の証明でもあります。それに対してシロップにとってローズガーデンへ行くことは直接自身の将来や過去に関わることで、それ故に自分が何者であるかわかったときにのぞみ達と一緒に居られるのか、彼女達が(と)離れてしまうのではないか?という不安を持ちます。これはのぞみが以前感じた夢に向かうことでその結果みんなとバラバラになってしまうのではないか?という不安と似ています。
今の関係が充実し満足を覚えれば覚えるほど、変化を忌避しだします。未来への期待は不安となり現状維持に甘んじてしまう。シロップがそう思ってしまうほどにのぞみ達との関係は密接になっています。キュアローズガーデンに行くという共通の目的で行動を共にしているからではなく、個人的な結びつきから一緒に居るからこその迷いです。1話から始まり24話で一緒になりさらに半年近くが経ちこの関係は密接なものとなりました。一話一話は地味で目立たなくても積み重ねられた信頼関係は確実にその芽を育てています。
今回シロップが迷いの中にあるときに、のぞみは常に手を差し伸べています。8話で言ったのぞみの言葉を思い出します。
「私、シロップの夢の中に行って、こっちだよって手を引っ張ってあげる。そしたら暗闇から出られるでしょ?」
あの時はローズガーデンと関連した過去が悪夢として映ったシロップへ言った言葉でしたが、のぞみはその言葉の本質を実行しています。
自分の記憶とのぞみ達とを秤にかけていたシロップは、ほとんど後者へ傾いていたと思います。それに対するこの作品の解答は至極シンプルかつコロンブスの卵的かつ完全前向き姿勢。
シロップにとってのぞみ達は大切な存在で、そののぞみ達は大切な相手であるシロップと一緒に彼の願いであるキュアローズガーデンへ行こうと言います。キュアローズガーデンへ一緒に行くことは彼女達にとってシロップとの絆の証明なのだから、それをどんなに傷ついても守ろうとするのぞみ達に彼は応えなくてはいけません。自分の手を取って一緒に行こうと自分を信頼してくれる相手に。彼女達と一緒に居たいと思うのなら。もしここでシロップがのぞみ達と居たいからローズガーデンへ行きたくないと言ったら、彼女達の信頼と行為を裏切ることになるでしょう。現状に甘んじようとするあまり目の前に居る人の気持ちを軽んじることは本末転倒です。のぞみ達とこれまでどおりの関係を続けるためには、自分自身が決めた道を進まなくてはいけません。つまり、自分の記憶とのぞみ達を天秤にかけるんじゃなくて、のぞみ達と一緒だからこそ自分の記憶を取り戻しに行かなくちゃいけないし、取り戻しに行くことがのぞみ達との関係を紡ぐことになります。見事な同時両立。これだからプリキュアはやめられない。この肯定感。未来へ進むことが不安を伴うことでも、それを含めてキチンとそれを肯定する真摯さ。この力強さ。
暗闇の中で溺れそうになっているシロップにのぞみは手を差し伸べ、それをキチンとシロップは掴むことでお互いの気持ちを伝達しています。シロップとのぞみの繋がりは勿論シロップとのぞみ達みんなとの繋がりになりますから、9人の輪は出来上がったことになります。
ココナッツの王冠が完全に復活したのはもはやどうでもよくなってきたんですが、信頼や気持ちの力がそのまま物理的な力へと変換されるのがプリキュア仕様なので、シロップとの相互伝達の勢いで復活したのでしょう。
それに全く相対しているのがアナコンディです。ムカーディアとは格が違います。所詮ムカーディアは自己保身と出世欲にしか目を向けていない小者です。
アナコンディは、現状に大きな不満を抱えています。館長は話しているときに背を向けているし、常にフローラを気にしています。自分の声は届きません。現状に不満を抱えている人がしばしば取ってしまうのは、その不満を憎悪や怒りなどの形で他者にぶつけてしまうことです。そしてさらに現状を決定的に覆すには、その原因であろうと思われるものを排除してしまうこと、しかもそれが最適で最上のものだと思ってしまうことです。アナコンディがフローラを殺すと断言しているのは、その意味で全く(自己の)理に適っています。第三者から見れば全く意味不明で八つ当たりもいいところですが、アナコンディのこれまで味わってきた不満や憤り、その裏に隠された悲しみを知っている私達にはその訴えが分かってしまいます。
プリキュアとアナコンディの戦いはお互いの環境やお互いが選んできた道を真逆に進み続けて地球の裏側でぶつかったようなものです。利害関係で言えば直接的に戦う理由なんてほとんどありません。シロップも館長もキュアローズガーデンを目指していて、プリキュアはシロップと信頼を築いてきたのに対して、アナコンディは館長と歩み寄れないまま進んできてしまった結果です。フローラの言う闇の怒りや憎しみとはアナコンディのことを指しているのかもしれません。
この戦いはGoGo!において非常に重要で主題と密接に関わったものであろうと思います。残り3話。刮目して見よ!
①夢を叶えることの代償
ナッツハウス。のぞみ達は談笑しながらホットケーキを作っています。いつもの見慣れた日常。シロップが戻ってくると挨拶をしてホットケーキ作りに誘います。いつもの調子で「なんでそんなことを…」と答えるとのぞみは自分達だけでキュアローズガーデンに行くからシロップは一人で残ってホットケーキを作るのよ、と無表情で答えます。ココナッツも立ち上がって支度を始めます。いつもの見慣れた日常が崩れ、シロップの視界から遠ざかるのぞみ達。シロップの声が虚しく響き渡ります。
シロップの伸ばした手は何かを掴みます。気づくと朝。目の前にはココ。掴んでいるのはココの腕です。呆けるシロップ。ココはシロップがうなされていたと言います。くるみが朝食の準備が出来たと声をかけます。ココは別として、この生活かなり羨ましい。
空を飛ぶシロップ。メルポの心配に大丈夫と答えます。ローズガーデンに行って記憶を全部思い出したとしても今までどおりみんなと一緒に居られるのか不安になる、と話すシロップ。
自分の過去の秘密がキュアローズガーデンに行けば分かると信じて彼はそこを目指していましたが、同時にのぞみ達との生活や関係が強固になることで不安が生まれています。ローズガーデンに行くことでその結果のぞみ達との関係が変ってしまうのではないか、今の生活が崩れてしまうのではないか、という不安は物語が始まった当初の彼には想像も出来なかった気持ちでしょうが、今の彼にとってどれほど今の生活に親しみがあって、居場所となっているかが窺い知れます。
シロップがダイニングキッチンに顔を出すとのぞみ達が料理をしています。夢に見た光景と一緒で驚くシロップ。手伝ってと誘われますが気が進みません。のぞみがシロップの手を取って強制連行。この生活かなり羨ましい。
渋々加わるシロップ。こまちはまた羊羹を入れていたようです。なんにでも羊羹入れるクセがあるのかこの娘は。ココとナッツはシロップがパルミエに居た頃と変ったと言います。一匹狼だったシロップも今ではみんなの輪に入っています。シロップはのぞみ達が作っていたホットケーキにアドバイスをします。さすがおタカさん直伝。みんなから感心と賞賛の声がかけられます。まんざらでもない様子。ここはまさに楽園。シロップがこの生活が変わってほしくないと思うのは健全な男子として同意せざるを得ません。むしろ嫉妬してしまいます。俺と代われ。
突然シロップの鞄が光りだします。中からパクトを取り出すとモンブラン国王が快復して出てきます。
エターナル。館長に最後の国王は未だ見つかっていないと報告するアナコンディ。館長はアナコンディに背を向けたままでにべも無くいつまで待たせる、国王などどうでもいい、パクトさえ手に入ればいいと言います。国王が揃わなければローズガーデンへの扉が開かないと答えようとしたアナコンディの言葉を威圧して遮る館長。アナコンディはすぐに身を正しパクトを奪ってくると答えます。
のぞみ達にお礼を言うモンブラン国王。本題に入ります。5つの国の国王の力を合わせてキュアローズガーデンへの扉を開く時です。くるみはミルクの姿となって他の国王をシロップと共に迎えに行くと言います。迅速かつ適切な対応です。準とは言えお世話役は実質的に王国の宰相であるので、使者として申し分ありません。快諾するココナッツ。しかしシロップの表情は優れません。心ここにあらずの状態。
のぞみが全身でシロップに乗りかかってきます。反射的に押し返すシロップ。何度も言いますが、羨ましい。そろそろアナコンディさんに協力してきたくなってきました。
のぞみはシロップにもうすぐローズガーデンに行けると言います。みんなで行こうと約束してそのために頑張ってきた目標です。のぞみ達にとっても嬉しいことです。のぞみに向き合いながら、シロップは心の中に渦巻く自分の過去とのぞみ達との離別への不安を隠して首肯します。
ミルクを乗せて羽ばたくシロップ。
アナコンディの執務室に入るムカーディア。アナコンディが何かを隠しているとにらんだ彼は探りにきたようです。机の引出しに手を触れると電撃が走ったかのように衝撃を受けて手が弾かれます。疑惑は確信へと変ります。アナコンディは何かを隠している。
アナコンディが部屋に帰ってこようとしているのを察知したムカーディアは強引に引出しを開けます。
アナコンディが部屋へ戻るとそこは無人。自分の机を見ながら何やら思惑があるアナコンディ。恐らくこの時点でムカーディアの行動を読んでいます。
ナッツハウスの湖でミルク達の帰りを待つのぞみ達。シロップはすぐに帰ってくるだろうと話します。彼女達にとってローズガーデンに行くことは色々な目的を持ちますが、当座の感心事はシロップです。彼女達にとってローズガーデンへ行くことは直接的には生活の変化や不安はありません。むしろ大いに期待し喜ぶべきものです。
のぞみがいつもの調子でキュアローズガーデンに行くことけって~い!と言うとすかさずムカーディアが声をかけます。
②岐路
すぐに臨戦態勢に入るのぞみ達。手紙を取り出してシロップに用があるとムカーディアは言います。シロップは居ないと返事を聞くとムカーディアはホシイナーを取り出して自分のネックレスに憑依させます。マジックのように湖の中から現れるホシイナー。カッコイイ。確実に射撃型のホシイナーです。
変身。こまちがキュアモを掲げるのが面白い。
ムカーディアは怪人体になるも椅子に座って傍観体勢。ホシイナーが周囲に展開したコイン状の物体を射出してきます。ドリーム・レモネード・ミントはコインを回避あるいは弾き踏み台にしながら接近します。一方、ルージュとアクアは手薄になった地上から岩伝いに接近。必殺技を仕掛けます。チームとしての動きが上手い。
ストライクに対してホシイナーは回転して正面からぶつかり力押しでやぶります。次弾としてアローがムカーディアを捉えますが読まれていたのかコインを出現させて防御。さきほど射出され地面に突き刺さっていたコインを爆発させてプリキュア達を一網打尽にするムカーディア。巧みな連携を読んだ上で初手で罠を張っておくとはなかなかの策士です。しかし大抵の策士はやり過ぎて身を滅ぼすのですが。
国王達を連れて帰ってきたシロップは爆発に気づきます。ミルクもくるみの姿になって臨戦態勢。
爆発に傷つきながらも立ち上がろうとするドリーム。しかし膝をついてしまいます。レモネードが心配します。そうだよ!やっぱそうでなくっちゃ。うららはのぞみっ子!
ムカーディアがドリームの前に立ち刃を突き立てようとした瞬間、ローズがナイスタイミングで阻止します。ドリームを守ることには成功したものの反撃を受けるローズ。
上空で旋回するシロップを発見したムカーディアはホシイナーに攻撃を命じます。墜落。国王達は比較的軽傷ですが、直撃を受けたシロップは気絶状態に近くココが抱き上げます。シロップに用があるムカーディアはココを払うと、シロップを持ち上げて手紙を見せ記憶を引き出そうとします。国王+パクト、さらには手紙の秘密を得ればアナコンディを出し抜くことも夢ではありません。
自分の記憶に苦悩するシロップ。ローズガーデンに行けば記憶・過去を得られるかもしれない。けどそれは今現在の生活や関係を崩してしまうかもしれない。彼は今精神的な岐路に立たされています。
シロップを助けようとプリキュア達が駆けつけようとしますが、ホシイナーが妨害。ドリームへの攻撃をローズが盾になります。
みんなの姿を脳裏に浮かべるシロップ。のぞみの肩に手を置いているうららは流石だと思います。きっとシロップと一緒のときに熱くのぞみへの信頼と情熱を語っていたに違いありません。
自分の記憶とみんなとの繋がりを秤にかけたシロップは苦悩の果てに叫びます。
ドリームは満身創痍の体で一歩一歩シロップのもとに近づきます。私達と一緒にキュアローズガーデンへ行く!と叫びムカーディアの腕を掴みます。思わぬドリームの力に苦悶の声をあげるムカーディア。シロップの記憶はシロップのもの!と言うドリーム。ムカーディアは耐え切れずシロップを離し姿を消します。
シロップの手を取るドリーム。
「大切なものは絶対に手放すな。シロップが教えてくれたでしょ。一緒に行こうキュアローズガーデン」
傷ついた姿で笑うドリーム。
ムカーディアはホシイナーに建物ごと破壊(没収)を命じます。ホシイナーの攻撃を鳥形態で防ぐシロップ。
煙が立ち込める中、人間の姿になったシロップはドリームに手を伸ばします。
「俺、記憶が戻ったらみんなと一緒に居られるかわからなくて不安で怖かった」
シロップの手をドリームが掴むと、シロップはその手をより一層強く離さぬようしっかり握り締めます。
「でも、約束したよな。みんなで一緒にキュアローズガーデンに行くって。大切なものは絶対に手放しちゃいけない。将来どうなるかわからないけど、今までみんなと築いたものがちゃんとここに在る」
もう片方の握り締めた拳を胸に当てるシロップ。
「だから、ローズパクトも王様も、そしてみんなと帰るこの場所も、絶対に、絶対に、渡さない!」
厚く空を覆っていた雲の間から光が地上に差します。
再度攻撃を仕掛けるムカーディア。今度はみんながその攻撃から守ります。
「くだらなくなんかないわ!」
「みんな!」
「私達は」
「みんなで一緒に」
「キュアローズガーデンに」
「行くのよ!」
「そうココ!」
「シロップの気持ちちゃんと伝わったナツ!」
「ココ達もシロップの想いに!」
「強い想いに!」
「応えるココ(ナツ)!」
ココナッツのもとに王冠が現れそれぞれに冠を頂きます。
同時召喚。メタルブリザードでホシイナーを粉砕。ムカーディアは手紙と国王の情報を館長に告げようと撤退しようとしますが何故か足が固定され身動きが取れずそのまま巨大薔薇に呑まれます。
森に潜むアナコンディ。
「困るんですよ。あの手紙を館長に見せられては」
彼女にとってムカーディアは用済みです。
気が抜けて腰も抜けるシロップ。ドリームがお礼を言いながら手を差し出します。なんにもしていないと答えながらドリームの手を掴んで立ち上がるシロップ。ドリームはそんなことない、と答えます。みんなも同じ気持ちです。
「行こう、みんなで一緒にキュアローズガーデンへ」
③キュアローズガーデンへの扉
居間にみんなが集まります。モンブラン国が代々伝わる方法でローズガーデンへの扉を開くと言います。ここでやるの!?と驚くのぞみ。確かに物足りないというか期待感に比して普通な対応です。
パクトを中心として王冠を手に取った王達が囲みます。薔薇の花びらが一帯に舞います。湖で光の柱が発生。
何も変っていないと部屋の中を見回るのぞみ。うららがベランダに出ると湖を示します。動きが面白い。みんな集まってそこで見たものは、大きな扉。湖の上に出現しています。
館長もその気配を察知したようです。
外に出たのぞみ達。のぞみは飛び出すとそのまま湖の上を歩きます。考えるより先に行動するタイプです。どうやら歩けるようです。
扉の前に来るのぞみ達。後ろを振り向いてナッツハウスを見るシロップ。のぞみが行こう、と声をかけます。頷くシロップ。ナッツハウスは過去でも後ろでもありません。未来に前にある帰る場所です。
突然の襲撃。国王達が爆発に飛ばされます。アナコンディです。
シリーズ恒例。収集物は集まり切ったときが一番危険。目的達成間際が一番狙われ時です。持っていた報告書をばら撒くアナコンディ。もはや不要なものです。
「私がすべてにカタをつけて差し上げます。フローラの息の根を止めることでね」
爆弾発言出たー!!! 期待を裏切らないどころか上回ってます。
開かれるキュアローズガーデンへの扉。アナコンディとの対決。最終決戦へと物語は突入します。
④次回予告
新シリーズフレッシュプリキュアの予告有り。次回予告は短縮版ですが、公式にて正規版が見られます。「(アナコンディが)なんだか悲しそう」いろんな意味で期待大。
○トピック
新年早々最終章。キュアローズガーデンを目前にして躊躇うシロップが意外かつ見事な流れ。
のぞみ達にとってはシロップと一緒にローズガーデンへ行くのは約束であり、シロップとの絆の証明でもあります。それに対してシロップにとってローズガーデンへ行くことは直接自身の将来や過去に関わることで、それ故に自分が何者であるかわかったときにのぞみ達と一緒に居られるのか、彼女達が(と)離れてしまうのではないか?という不安を持ちます。これはのぞみが以前感じた夢に向かうことでその結果みんなとバラバラになってしまうのではないか?という不安と似ています。
今の関係が充実し満足を覚えれば覚えるほど、変化を忌避しだします。未来への期待は不安となり現状維持に甘んじてしまう。シロップがそう思ってしまうほどにのぞみ達との関係は密接になっています。キュアローズガーデンに行くという共通の目的で行動を共にしているからではなく、個人的な結びつきから一緒に居るからこその迷いです。1話から始まり24話で一緒になりさらに半年近くが経ちこの関係は密接なものとなりました。一話一話は地味で目立たなくても積み重ねられた信頼関係は確実にその芽を育てています。
今回シロップが迷いの中にあるときに、のぞみは常に手を差し伸べています。8話で言ったのぞみの言葉を思い出します。
「私、シロップの夢の中に行って、こっちだよって手を引っ張ってあげる。そしたら暗闇から出られるでしょ?」
あの時はローズガーデンと関連した過去が悪夢として映ったシロップへ言った言葉でしたが、のぞみはその言葉の本質を実行しています。
自分の記憶とのぞみ達とを秤にかけていたシロップは、ほとんど後者へ傾いていたと思います。それに対するこの作品の解答は至極シンプルかつコロンブスの卵的かつ完全前向き姿勢。
シロップにとってのぞみ達は大切な存在で、そののぞみ達は大切な相手であるシロップと一緒に彼の願いであるキュアローズガーデンへ行こうと言います。キュアローズガーデンへ一緒に行くことは彼女達にとってシロップとの絆の証明なのだから、それをどんなに傷ついても守ろうとするのぞみ達に彼は応えなくてはいけません。自分の手を取って一緒に行こうと自分を信頼してくれる相手に。彼女達と一緒に居たいと思うのなら。もしここでシロップがのぞみ達と居たいからローズガーデンへ行きたくないと言ったら、彼女達の信頼と行為を裏切ることになるでしょう。現状に甘んじようとするあまり目の前に居る人の気持ちを軽んじることは本末転倒です。のぞみ達とこれまでどおりの関係を続けるためには、自分自身が決めた道を進まなくてはいけません。つまり、自分の記憶とのぞみ達を天秤にかけるんじゃなくて、のぞみ達と一緒だからこそ自分の記憶を取り戻しに行かなくちゃいけないし、取り戻しに行くことがのぞみ達との関係を紡ぐことになります。見事な同時両立。これだからプリキュアはやめられない。この肯定感。未来へ進むことが不安を伴うことでも、それを含めてキチンとそれを肯定する真摯さ。この力強さ。
暗闇の中で溺れそうになっているシロップにのぞみは手を差し伸べ、それをキチンとシロップは掴むことでお互いの気持ちを伝達しています。シロップとのぞみの繋がりは勿論シロップとのぞみ達みんなとの繋がりになりますから、9人の輪は出来上がったことになります。
ココナッツの王冠が完全に復活したのはもはやどうでもよくなってきたんですが、信頼や気持ちの力がそのまま物理的な力へと変換されるのがプリキュア仕様なので、シロップとの相互伝達の勢いで復活したのでしょう。
それに全く相対しているのがアナコンディです。ムカーディアとは格が違います。所詮ムカーディアは自己保身と出世欲にしか目を向けていない小者です。
アナコンディは、現状に大きな不満を抱えています。館長は話しているときに背を向けているし、常にフローラを気にしています。自分の声は届きません。現状に不満を抱えている人がしばしば取ってしまうのは、その不満を憎悪や怒りなどの形で他者にぶつけてしまうことです。そしてさらに現状を決定的に覆すには、その原因であろうと思われるものを排除してしまうこと、しかもそれが最適で最上のものだと思ってしまうことです。アナコンディがフローラを殺すと断言しているのは、その意味で全く(自己の)理に適っています。第三者から見れば全く意味不明で八つ当たりもいいところですが、アナコンディのこれまで味わってきた不満や憤り、その裏に隠された悲しみを知っている私達にはその訴えが分かってしまいます。
プリキュアとアナコンディの戦いはお互いの環境やお互いが選んできた道を真逆に進み続けて地球の裏側でぶつかったようなものです。利害関係で言えば直接的に戦う理由なんてほとんどありません。シロップも館長もキュアローズガーデンを目指していて、プリキュアはシロップと信頼を築いてきたのに対して、アナコンディは館長と歩み寄れないまま進んできてしまった結果です。フローラの言う闇の怒りや憎しみとはアナコンディのことを指しているのかもしれません。
この戦いはGoGo!において非常に重要で主題と密接に関わったものであろうと思います。残り3話。刮目して見よ!
第44話「届け!みんなのプレゼント!」
○今週の出来事
①クリスマス
クリスマス仕様のナッツハウス。ナッツは仏頂面でサンタの衣装を持っています。どうやら着るのに抵抗があるようです。クリスマスセールだとチラシを見せるうらら。みんなの視線がナッツに集中します。これは新手のイジメでしょうか。派手ではないか?と躊躇うナッツにシロップはサンタクロースさんは偉大な運び屋だと言います。どうやら運び屋業界の中では一目置かれた存在のようです。りんに押されて着替えに行くナッツ。
突然メルポが声をあげます。ふらふらとバランスを崩しながら、顔(口?)から大きな荷物を出します。放り投げられた荷物は狙ったかのようにのぞみの頭上へ落下。抗議の代わりに何事かとメルポに尋ねるのぞみ。どうでもいいことですが、のぞみの声色はいくつか種類があって、ギャグ調(声が高い)、通常(普通)、シリアス(主に変身時、比較的低め)とあって声の調子でこのシーンが団欒モードなのか真剣モードなのか判別できます。
プリキュア宛の手紙を出すメルポ。差出人は不明。手紙を開けるとクラッカーを鳴らしたときに飛ぶ長細い紙のようなものが幾本も広がります。
エターナル。アナコンディの報告書を読むムカーディア。プリキュアの情報が載っています。実に良い資料です。私にも増刷お願いします。ムカーディアも感心するほど山になった報告書。じゃ、それ全部コピーで。その中の一冊を見るとシロップについて載っています。その報告書はいらないなぁ。記載してある文章のところどころには後から塗りつぶした箇所がいくつもあります。その中に何か重要なものを見つけます。
アナコンディが声をかけてきます。焦るムカーディア。不思議な乗り物を見つけたと言いますが、それには構わずムカーディアの手元から報告書を引き取るアナコンディ。報告書を見た言い訳をするムカーディアにアナコンディは怒りを隠さず髪がウネウネさせています。目をかけていたのに残念だと言う彼女に、怒ると美容に悪いと言い残して姿を消します。こうなってしまうとよほどの手柄を上げなければ帰ってこられません。
館長が動き出した以上、早く決着をつけなければと考えるアナコンディ。それは館長のため? それとも自分のために?
②配達
手紙から出た紙をよく見るといくつもの名前と玩具の記載があります。手元にある大量の玩具が入った袋を見るとどうやら名前の主に贈るようです。今日中にすべて届けなければならないようです。大変な量ですが自分達に届いた以上、そこには強い思いがあるとのぞみは言います。メルポも賛同します。メルポの転送システムは宛先の主が決まっていなくても、思いを適切に処置してくれる相手へ自動転送される性質があります。
ナッツハウスの方はココナッツで対応。のぞみ達は配達です。直接頼まれていなくても、相手が誰か知らなくても、そこに気持ちがあるなら彼女達はそれを汲み取って行動します。
のぞみとりんが組んで配達。実家の手伝いで住所や大まかな位置は把握しているりんは心強い。マンションを訪ねると、配達相手のさやかちゃんが応対したのでそのままうさぎのぬいぐるみを渡します。さやかちゃんは喜びながらサンタさんありがとうとお礼を言います。その言葉にお互いに顔を見合わせるのぞみとりん。自分達は代行で配達をしているだけでサンタではありませんが、さやかちゃんは若いお爺さんね、と一人納得しています。お爺さんではない、と頭を抱えるりん。後に分かることですが、子どもはサンタにプレゼントをお願いしてそれが渡されたのですっかりのぞみ達のことをサンタさんだと思ってしまっています。
うららとシロップのチーム。地理に詳しいシロップは使える男です。面倒なので君一人で全部やっていいんじゃないでしょうか。飛べば早いし。うららに褒められて照れるシロップ。最近このふたりはとくに仲が良いです。しかし、うららはのぞみっ子なので淡い期待は抱いてはいけません。のぞみさんのぞみさん言ううららが面白いので。
行く途中ベンチに腰掛けた少しボロボロのお爺さんを発見するシロップ。気に留めつつも先を急ぎます。
子どもに品物を渡すとサンタさん、と言われて照れるシロップ。自分が尊敬している人と重ねられてお礼を言われれば悪い気はしません。
こまちとかれんチームも男の子にグローブを渡します。男の子はまだ昼なのでサンタさんが来るには早くない?と尋ねます。するとこまちは髭を生やしたサンタの真似をしながらみんなの笑顔が見たくて夜まで待っていられなかったと口調も真似て言います。ノリノリです。
ナッツハウスではお客さんで賑わっています。結局ナッツはサンタの格好にならなかったようです。根性なしめ。
一足早く自分達の分をすべて渡し切るうららシロップチーム。さすがに本職は早い。のぞみ達の手伝いに行こうかと思った矢先、先ほど見かけたお爺さんがまだ居ました。今度は俯いて苦しそうです。駆け寄って尋ねるシロップ。配達の仕事道具を失くしてしまって困っていると言うお爺さん。同業者だと思ったシロップは大切なものは絶対手放すな、大事なものほどすぐに失くしてしまうと説教します。しかしお爺さんはそのまま倒れてしまいます。熱があるようです。
配達を続けるのぞみにうららが連絡を取ります。お爺さんが熱を出して倒れたと話します。すぐにくるみが回線に割り込んで位置を確認してシロップに輸送を指示します。今度はかれんを呼び出して手当てのためナッツハウスへ帰還するよう依頼します。チームの再編成を行い、シロップとかれんが抜けたのでうららとこまちで配達を続行します。戦隊チックなチーム運用。遠隔通信が可能なキュアモとノートを使ってついでに販促も兼ねます。クリスマスセールですから。
ナッツハウスは完売。お客さん達もみんな帰っていきます。さすがに疲れているココナッツ。
居間ではお爺さんをかれんが介護しています。意識を取り戻したお爺さんに状況を説明するシロップ。かれんは容態の方は大丈夫だと言います。自分達の格好を見たお爺さんにクリスマスだからと説明するかれんとシロップ。
配達の方はくるみが情報を総括して効率よくのぞみ達へ指示を出しています。様子を見ていたお爺さんは運び屋なのか?と尋ねます。答えに迷いながらその手伝いをしていると答えるかれん。自分も仕事をしなければ…と立ち上がろうとするお爺さんを制するふたり。シロップが仕事道具を探すので何を失くしたのかと尋ねます。少し躊躇って、お爺さんはソリを失くしたと言います。ずいぶんと変わったものを失くしたものです。
③届かなかった手紙
街中を探すシロップ。目の前にムカーディアが現れます。シロップの過去を知りたがっているようです。
仕事疲れかぐったりしていたココナッツは気配を感じます。その横でお爺さんも気配を察知。シロップに危険が迫っていると言います。彼も何か特殊な力を持っているらしい。ココナッツの数少ない長所であるレーダー役が剥奪されました。
ムカーディアはシロップに、君の過去には重要な事実が隠されている、それを知っているのはアナコンディと君だけだと言います。館長にすら隠しているその事実を手に入れられれば自分がエターナルのナンバー2になれると野心を見せます。一気に小者臭さが増しました。相互不伝達、嫉妬、憎悪、焦燥と人間関係の中で根源的に抱きやすい感情に支配されているアナコンディは作品的にはラスボス級と言っていいのでムカーディアごときがどうこうできるレベルではありません。
現場に駆けつけるのぞみ達。ムカーディアはソリを出現させてホシイナーを憑依させます。どうやらお爺さんは失くしたと言っていましたがこいつが強奪したようです。
一斉変身。って一斉じゃだめだよ! 一人一人のアップじゃないと! サンタ変身です。くるみは単独変身なのでサンタの格好が堪能できます。
ムカーディアはその隙にシロップに迫ります。若い美形の男性が年下の少年をかどわかしているようにも見えますが、プリキュアはそういうアニメではないので却下です。ドリームが助けに入ろうとしますがホシイナーが阻みます。
シロップにエターナルに来ていたと言うムカーディア。運び屋の以前にも来ていたと言います。これは新事実。ソリで移動するホシイナーに行く手を遮られてプリキュア達はシロップのもとへ近づけません。
ムカーディアに誘導されて過去の記憶を手繰り寄せるシロップ。何者かの襲撃で傷つきフローラから館長宛ての手紙を失ったことを思い出します。
ホシイナーを華麗なカカト落としで沈めるローズ。掛け声がカッコイイ。隙を見てムカーディアを連続攻撃するプリキュア。意外に効いているようですぐには反撃してきません。シロップに記憶を取り戻したいだろ、とシロップの記憶を探ろうとします。ドリームは無理して思い出す必要はなく、フローラに会えば思い出すはずだと言います。
ホシイナーをフルーレで破壊されたムカーディアは撤退します。シロップを心配するドリーム。
雷鳴轟くエターナル。引き出しから一通の手紙を出すアナコンディ。彼女が持っているのはフローラから館長へ宛てた手紙。
④最高の運び屋
ソリはお爺さんのもので、落下したときに偶然木に引っかかったものの上着は裂けてしまい寒空の中で体調を崩してしまったようです。しかし無事品々はのぞみ達が配っています。
お礼を言うお爺さん。シロップはお爺さんの正体に気づくとたちまち敬語になります。お爺さんは大切なものは失くしてはいけない、しかしみんなのおかげで見つかった。シロップの大切なものもみんなといれば必ず見つかると言います。素直に「はい」と答えるシロップ。普段は生意気なところもあるシロップも尊敬する人の前では素直です。
配達の続きに行こうとするお爺さんにのぞみが手伝うと申し出ますが、お爺さんはウインクしながら自分は夢を運ぶ世界最高の運び屋じゃぞ、と口笛を吹いて何かを呼びます。
お爺さんに自分の上着を渡すナッツ。りんがナッツに着なくて済んだとツッコミます。お爺さんの身体を心配しただけだ、と返すナッツ。
上着を着るお爺さん。かれんが似合っていると言います。そりゃ本職ですから。ナッツの体型とお爺さんの体型とでは違うような気がしますが、伸縮自在なのでしょう。光を発しながらソリは宙に浮かび、お爺さんが呼んだトナカイと連結。ソリ、トナカイ、その姿を見たこまちやナッツも合点がいきます。りんは配っていたものが子ども宛だったので途中で気づいていたようです。
まるでサンタさんみたいだね、とのぞみ。りんがサンタさんなんだって、と言います。それを聞いて驚くのぞみ。その隣でうららもビックリ。お前絶対狙っただろ。計画的犯行。流石のぞみ。流石うらら。
のぞみはあることを思い出して声をあげます。ケーキを買うのを忘れていたと言うのぞみ。これではクリスマスパーティが盛り上がりません。メルポが呼びます。メルポの隣にはプレゼント箱。中にはケーキが入っています。サンタさんからのプレゼントのようです。
今宵はクリスマス。
⑤次回予告
年明けから最終章。
○トピック
プリキュア恒例クリスマスイベント。シリーズでは恋愛に関係した話が多いのですが、今回はストレートにサンタ登場。不思議生物や幽霊(ローゼット伯爵)もいるんだから何でもアリのようです。
サンタクロースではないけど、サンタを手伝えるあたりがプリキュア節。現実の話をすると、クリスマスにサンタになってボランティアで子どもに配るということをやっている団体もあります。サンタが居ても居なくてもその代わりが出来るわけです。
のぞみ達の素晴らしい点は、彼女達自身が専門の職や役割が与えられてなくても、それが出来なくても、その手伝いや人助けが出来る点にあります。人を直接救うことが出来なくても、直接幸せにすることが出来なくても、その手助けを自分の選択によって行うことができます。それは自由意思であり、自由そのものです。
ムカーディアには人の物を勝手に取るなと言いながら、フローラの手紙を隠し持っているアナコンディはいよいよラスボス級になってきました。館長を何とかするよりこの人を何とかする方が難しそうです。人の想いを受け取り、人に返し、あるときはその手助けをするのぞみ達と、人の想いを阻むアナコンディは対照的です。カワリーノもそうでしたが敵の副官は手段や目的がのぞみ達と正反対です。
希望とか絶望とか、理解とか支配とか、大きな目的では分かりやすい構図ですが、それを行う人たちの関係は複雑です。人間関係によってのぞみ達は希望を作り出していますが、同じく人間関係によって絶望を作り出していく敵側の構造はそれゆえに強固です。
5やGoGo!はハッキリ言って小さい話です。世界がどうのこうのではありません。ナイトメアもエターナルも個人や人間関係が抱える負の連鎖が発露しています。しかしだからこそこれは抗い難く根源的な問題でもあります。人に救いや希望を与えるのは人ですが、人に破滅や絶望を与えるのも人です。
その意味でナイトメアやエターナルは倒すべき存在ではありません。絶望に陥った人、破滅へと進んでいる人を倒したところでどこに救いや勝利があるでしょうか。そんな人達などに関わらず自分達だけで幸せになればいいのです(のぞみ達の将来を敵が邪魔しているわけではない。敵を無視してものぞみ達は夢を叶えられる)。勝手に絶望に陥って破滅していくのだから。しかし自由であるということは、絶望や破滅へと進む人達に自ら関わることもできます。上流から下流へと流れる川を川下から進んだって構わない。
GoGo!も5のように敵を倒さず終わるかは分かりませんが、倒すことだけが勝利ではありません。っていうか、プリキュアは勝つことが目的ではなく、生の肯定、人が自ら達成できる素晴らしいことを本当にやってみせるのがプリキュアだと思っているので清々しいラストバトルを見たいと同時に清々しい人の良さも見てみたいと思っています。
来年からは最終章。のぞみ達が何を私達に見せてくれるのか楽しみです。
①クリスマス
クリスマス仕様のナッツハウス。ナッツは仏頂面でサンタの衣装を持っています。どうやら着るのに抵抗があるようです。クリスマスセールだとチラシを見せるうらら。みんなの視線がナッツに集中します。これは新手のイジメでしょうか。派手ではないか?と躊躇うナッツにシロップはサンタクロースさんは偉大な運び屋だと言います。どうやら運び屋業界の中では一目置かれた存在のようです。りんに押されて着替えに行くナッツ。
突然メルポが声をあげます。ふらふらとバランスを崩しながら、顔(口?)から大きな荷物を出します。放り投げられた荷物は狙ったかのようにのぞみの頭上へ落下。抗議の代わりに何事かとメルポに尋ねるのぞみ。どうでもいいことですが、のぞみの声色はいくつか種類があって、ギャグ調(声が高い)、通常(普通)、シリアス(主に変身時、比較的低め)とあって声の調子でこのシーンが団欒モードなのか真剣モードなのか判別できます。
プリキュア宛の手紙を出すメルポ。差出人は不明。手紙を開けるとクラッカーを鳴らしたときに飛ぶ長細い紙のようなものが幾本も広がります。
エターナル。アナコンディの報告書を読むムカーディア。プリキュアの情報が載っています。実に良い資料です。私にも増刷お願いします。ムカーディアも感心するほど山になった報告書。じゃ、それ全部コピーで。その中の一冊を見るとシロップについて載っています。その報告書はいらないなぁ。記載してある文章のところどころには後から塗りつぶした箇所がいくつもあります。その中に何か重要なものを見つけます。
アナコンディが声をかけてきます。焦るムカーディア。不思議な乗り物を見つけたと言いますが、それには構わずムカーディアの手元から報告書を引き取るアナコンディ。報告書を見た言い訳をするムカーディアにアナコンディは怒りを隠さず髪がウネウネさせています。目をかけていたのに残念だと言う彼女に、怒ると美容に悪いと言い残して姿を消します。こうなってしまうとよほどの手柄を上げなければ帰ってこられません。
館長が動き出した以上、早く決着をつけなければと考えるアナコンディ。それは館長のため? それとも自分のために?
②配達
手紙から出た紙をよく見るといくつもの名前と玩具の記載があります。手元にある大量の玩具が入った袋を見るとどうやら名前の主に贈るようです。今日中にすべて届けなければならないようです。大変な量ですが自分達に届いた以上、そこには強い思いがあるとのぞみは言います。メルポも賛同します。メルポの転送システムは宛先の主が決まっていなくても、思いを適切に処置してくれる相手へ自動転送される性質があります。
ナッツハウスの方はココナッツで対応。のぞみ達は配達です。直接頼まれていなくても、相手が誰か知らなくても、そこに気持ちがあるなら彼女達はそれを汲み取って行動します。
のぞみとりんが組んで配達。実家の手伝いで住所や大まかな位置は把握しているりんは心強い。マンションを訪ねると、配達相手のさやかちゃんが応対したのでそのままうさぎのぬいぐるみを渡します。さやかちゃんは喜びながらサンタさんありがとうとお礼を言います。その言葉にお互いに顔を見合わせるのぞみとりん。自分達は代行で配達をしているだけでサンタではありませんが、さやかちゃんは若いお爺さんね、と一人納得しています。お爺さんではない、と頭を抱えるりん。後に分かることですが、子どもはサンタにプレゼントをお願いしてそれが渡されたのですっかりのぞみ達のことをサンタさんだと思ってしまっています。
うららとシロップのチーム。地理に詳しいシロップは使える男です。面倒なので君一人で全部やっていいんじゃないでしょうか。飛べば早いし。うららに褒められて照れるシロップ。最近このふたりはとくに仲が良いです。しかし、うららはのぞみっ子なので淡い期待は抱いてはいけません。のぞみさんのぞみさん言ううららが面白いので。
行く途中ベンチに腰掛けた少しボロボロのお爺さんを発見するシロップ。気に留めつつも先を急ぎます。
子どもに品物を渡すとサンタさん、と言われて照れるシロップ。自分が尊敬している人と重ねられてお礼を言われれば悪い気はしません。
こまちとかれんチームも男の子にグローブを渡します。男の子はまだ昼なのでサンタさんが来るには早くない?と尋ねます。するとこまちは髭を生やしたサンタの真似をしながらみんなの笑顔が見たくて夜まで待っていられなかったと口調も真似て言います。ノリノリです。
ナッツハウスではお客さんで賑わっています。結局ナッツはサンタの格好にならなかったようです。根性なしめ。
一足早く自分達の分をすべて渡し切るうららシロップチーム。さすがに本職は早い。のぞみ達の手伝いに行こうかと思った矢先、先ほど見かけたお爺さんがまだ居ました。今度は俯いて苦しそうです。駆け寄って尋ねるシロップ。配達の仕事道具を失くしてしまって困っていると言うお爺さん。同業者だと思ったシロップは大切なものは絶対手放すな、大事なものほどすぐに失くしてしまうと説教します。しかしお爺さんはそのまま倒れてしまいます。熱があるようです。
配達を続けるのぞみにうららが連絡を取ります。お爺さんが熱を出して倒れたと話します。すぐにくるみが回線に割り込んで位置を確認してシロップに輸送を指示します。今度はかれんを呼び出して手当てのためナッツハウスへ帰還するよう依頼します。チームの再編成を行い、シロップとかれんが抜けたのでうららとこまちで配達を続行します。戦隊チックなチーム運用。遠隔通信が可能なキュアモとノートを使ってついでに販促も兼ねます。クリスマスセールですから。
ナッツハウスは完売。お客さん達もみんな帰っていきます。さすがに疲れているココナッツ。
居間ではお爺さんをかれんが介護しています。意識を取り戻したお爺さんに状況を説明するシロップ。かれんは容態の方は大丈夫だと言います。自分達の格好を見たお爺さんにクリスマスだからと説明するかれんとシロップ。
配達の方はくるみが情報を総括して効率よくのぞみ達へ指示を出しています。様子を見ていたお爺さんは運び屋なのか?と尋ねます。答えに迷いながらその手伝いをしていると答えるかれん。自分も仕事をしなければ…と立ち上がろうとするお爺さんを制するふたり。シロップが仕事道具を探すので何を失くしたのかと尋ねます。少し躊躇って、お爺さんはソリを失くしたと言います。ずいぶんと変わったものを失くしたものです。
③届かなかった手紙
街中を探すシロップ。目の前にムカーディアが現れます。シロップの過去を知りたがっているようです。
仕事疲れかぐったりしていたココナッツは気配を感じます。その横でお爺さんも気配を察知。シロップに危険が迫っていると言います。彼も何か特殊な力を持っているらしい。ココナッツの数少ない長所であるレーダー役が剥奪されました。
ムカーディアはシロップに、君の過去には重要な事実が隠されている、それを知っているのはアナコンディと君だけだと言います。館長にすら隠しているその事実を手に入れられれば自分がエターナルのナンバー2になれると野心を見せます。一気に小者臭さが増しました。相互不伝達、嫉妬、憎悪、焦燥と人間関係の中で根源的に抱きやすい感情に支配されているアナコンディは作品的にはラスボス級と言っていいのでムカーディアごときがどうこうできるレベルではありません。
現場に駆けつけるのぞみ達。ムカーディアはソリを出現させてホシイナーを憑依させます。どうやらお爺さんは失くしたと言っていましたがこいつが強奪したようです。
一斉変身。って一斉じゃだめだよ! 一人一人のアップじゃないと! サンタ変身です。くるみは単独変身なのでサンタの格好が堪能できます。
ムカーディアはその隙にシロップに迫ります。若い美形の男性が年下の少年をかどわかしているようにも見えますが、プリキュアはそういうアニメではないので却下です。ドリームが助けに入ろうとしますがホシイナーが阻みます。
シロップにエターナルに来ていたと言うムカーディア。運び屋の以前にも来ていたと言います。これは新事実。ソリで移動するホシイナーに行く手を遮られてプリキュア達はシロップのもとへ近づけません。
ムカーディアに誘導されて過去の記憶を手繰り寄せるシロップ。何者かの襲撃で傷つきフローラから館長宛ての手紙を失ったことを思い出します。
ホシイナーを華麗なカカト落としで沈めるローズ。掛け声がカッコイイ。隙を見てムカーディアを連続攻撃するプリキュア。意外に効いているようですぐには反撃してきません。シロップに記憶を取り戻したいだろ、とシロップの記憶を探ろうとします。ドリームは無理して思い出す必要はなく、フローラに会えば思い出すはずだと言います。
ホシイナーをフルーレで破壊されたムカーディアは撤退します。シロップを心配するドリーム。
雷鳴轟くエターナル。引き出しから一通の手紙を出すアナコンディ。彼女が持っているのはフローラから館長へ宛てた手紙。
④最高の運び屋
ソリはお爺さんのもので、落下したときに偶然木に引っかかったものの上着は裂けてしまい寒空の中で体調を崩してしまったようです。しかし無事品々はのぞみ達が配っています。
お礼を言うお爺さん。シロップはお爺さんの正体に気づくとたちまち敬語になります。お爺さんは大切なものは失くしてはいけない、しかしみんなのおかげで見つかった。シロップの大切なものもみんなといれば必ず見つかると言います。素直に「はい」と答えるシロップ。普段は生意気なところもあるシロップも尊敬する人の前では素直です。
配達の続きに行こうとするお爺さんにのぞみが手伝うと申し出ますが、お爺さんはウインクしながら自分は夢を運ぶ世界最高の運び屋じゃぞ、と口笛を吹いて何かを呼びます。
お爺さんに自分の上着を渡すナッツ。りんがナッツに着なくて済んだとツッコミます。お爺さんの身体を心配しただけだ、と返すナッツ。
上着を着るお爺さん。かれんが似合っていると言います。そりゃ本職ですから。ナッツの体型とお爺さんの体型とでは違うような気がしますが、伸縮自在なのでしょう。光を発しながらソリは宙に浮かび、お爺さんが呼んだトナカイと連結。ソリ、トナカイ、その姿を見たこまちやナッツも合点がいきます。りんは配っていたものが子ども宛だったので途中で気づいていたようです。
まるでサンタさんみたいだね、とのぞみ。りんがサンタさんなんだって、と言います。それを聞いて驚くのぞみ。その隣でうららもビックリ。お前絶対狙っただろ。計画的犯行。流石のぞみ。流石うらら。
のぞみはあることを思い出して声をあげます。ケーキを買うのを忘れていたと言うのぞみ。これではクリスマスパーティが盛り上がりません。メルポが呼びます。メルポの隣にはプレゼント箱。中にはケーキが入っています。サンタさんからのプレゼントのようです。
今宵はクリスマス。
⑤次回予告
年明けから最終章。
○トピック
プリキュア恒例クリスマスイベント。シリーズでは恋愛に関係した話が多いのですが、今回はストレートにサンタ登場。不思議生物や幽霊(ローゼット伯爵)もいるんだから何でもアリのようです。
サンタクロースではないけど、サンタを手伝えるあたりがプリキュア節。現実の話をすると、クリスマスにサンタになってボランティアで子どもに配るということをやっている団体もあります。サンタが居ても居なくてもその代わりが出来るわけです。
のぞみ達の素晴らしい点は、彼女達自身が専門の職や役割が与えられてなくても、それが出来なくても、その手伝いや人助けが出来る点にあります。人を直接救うことが出来なくても、直接幸せにすることが出来なくても、その手助けを自分の選択によって行うことができます。それは自由意思であり、自由そのものです。
ムカーディアには人の物を勝手に取るなと言いながら、フローラの手紙を隠し持っているアナコンディはいよいよラスボス級になってきました。館長を何とかするよりこの人を何とかする方が難しそうです。人の想いを受け取り、人に返し、あるときはその手助けをするのぞみ達と、人の想いを阻むアナコンディは対照的です。カワリーノもそうでしたが敵の副官は手段や目的がのぞみ達と正反対です。
希望とか絶望とか、理解とか支配とか、大きな目的では分かりやすい構図ですが、それを行う人たちの関係は複雑です。人間関係によってのぞみ達は希望を作り出していますが、同じく人間関係によって絶望を作り出していく敵側の構造はそれゆえに強固です。
5やGoGo!はハッキリ言って小さい話です。世界がどうのこうのではありません。ナイトメアもエターナルも個人や人間関係が抱える負の連鎖が発露しています。しかしだからこそこれは抗い難く根源的な問題でもあります。人に救いや希望を与えるのは人ですが、人に破滅や絶望を与えるのも人です。
その意味でナイトメアやエターナルは倒すべき存在ではありません。絶望に陥った人、破滅へと進んでいる人を倒したところでどこに救いや勝利があるでしょうか。そんな人達などに関わらず自分達だけで幸せになればいいのです(のぞみ達の将来を敵が邪魔しているわけではない。敵を無視してものぞみ達は夢を叶えられる)。勝手に絶望に陥って破滅していくのだから。しかし自由であるということは、絶望や破滅へと進む人達に自ら関わることもできます。上流から下流へと流れる川を川下から進んだって構わない。
GoGo!も5のように敵を倒さず終わるかは分かりませんが、倒すことだけが勝利ではありません。っていうか、プリキュアは勝つことが目的ではなく、生の肯定、人が自ら達成できる素晴らしいことを本当にやってみせるのがプリキュアだと思っているので清々しいラストバトルを見たいと同時に清々しい人の良さも見てみたいと思っています。
来年からは最終章。のぞみ達が何を私達に見せてくれるのか楽しみです。
第43話「恐怖!エターナルの館長!」
○今週の出来事
①エターナルの首領
赤い薔薇の園。そこに立つ女性。女性に向かって投げかけられる男の疑問の声。全ての知識と力があるのに何故拒む?
女性-フローラ-は答えの代わりに問いかけます。
「キュアローズガーデンに何を求めるのですか?」
男-館長-は意気揚々と答えます。
「完成された世界。あらゆる世界の価値あるものを集め、ここを究極の花園にしてみせよう」
「支配を求める者に、キュアローズガーデンの扉が開くことはありません」
そう言い残して、薔薇の園の大地は裂け扉がとざされ薔薇のツタで封印されます。必ず手に入れると叫ぶ館長。
夢から覚めた館長は机に広がっているのぞみの資料を見ながら、確かめる、と黒い翼を広げて部屋から消えます。
ところで、のぞみの資料私にも下さい。ボツになった写真とかも全部。
②プリキュアのリーダー
ただいまー。ナッツハウスに帰るシロップ。初期の頃を思い返すとえらい変わりようです。二階を差してナッツに確認します。熱心にテスト勉強です。ナッツは本読んでないでもう少し熱心に仕事した方がいいと思います。
邪魔しないようにかれん達の勉強風景を見るシロップ。くるみはかれんから教えてもらっています。くるみの学力だとかれんしか教えられそうにありません。のぞみが居ないことに気付くシロップ。
学校の図書館。ココが本を探していると聞きなれた声が聞こえてきます。頭を悩ますのぞみ。図書館で勉強しています。思わず苦悶の大声をあげるのぞみ。みんなから注意されます。珍しくひとりでお勉強。
山のようにホットケーキを焼くシロップ。山がふたつあります。一般的に言って量がおかしいのですが、ここではこれが普通です。ちょろいもんさ、と軽く言うシロップ。うららが毎日おタカさんから習って特訓した甲斐があったとバラします。うららはシロップに対しては対等の口調です。シロップが特訓しているところをうららが見ている光景はちょっと面白いです。おタカさん直伝なら味は保証付き。
勉強の支援ということでシロップなりにみんなを励まします。実に気の利く良い奴です。
一番のぞみが喜びそうですが、本人がいません。何故ひとりで勉強しているんだ?と疑問を口にするシロップ。くるみも同意見です。りんが今度のテストは絶対良い成績を取りたいからと答えます。
悪戦苦闘中ののぞみ。まだまだ勉強は終わらなさそうです。
ホットケーキを食べながらくるみはみんなとやった方が効率が良いのでは?と言います。割と気にしているようです。推測するにのぞみが居た方が食事が楽しそうです。うららも分からないところがあったらすぐに聞けると頷きます。のぞみに勉強を教えてポイントを稼ぐチャンスです。りんが本人に代わって答えます。流石幼馴染。みんなに頼ってしまうので自分で出来るようになりたいそうです。ナッツ「自立したい、そういうことか」
黙々とホットーケーキを作り続けるシロップ。美味しそうなホットケーキです。
数式とにらめっこののぞみ。お腹の虫が音をあげます。
のぞみがお腹を空かせていないかと心配するかれん。うららとこまちも同意します。お腹の虫が鳴いているとりん。ご名答。表情で同意するくるみ。可愛い。のぞみの行動パターンから言えば予想どおりですが、こうして見るとのぞみが過保護に扱われている面もあります。一番他人を心配するのはのぞみですが、みんなもそのクセに染まっています。
ホットケーキを焼き続けるシロップ。まだ食べていない人がいます。気の利く奴です。
③森の木
下校のチャイム。あまり勉強は進まなかったようです。図書館にはのぞみ一人。急いで片付けます。
報告書を持って館長のところへ向かうアナコンディ。
のぞみは、一人で校内を歩いていると強い風に吹かれてふと一本の大きな木に気付きます。近くまで寄って見上げるのぞみ。見入ります。私はのぞみに見入ります(不審者として捕まります)。
のぞみに声をかけるおタカさん。のぞみはこの木のように力強く大きく立っていたいと言います。おタカさんがこの学校に来たときはもっと小さくてヒョロヒョロだったと言います。しっかりと大地に根を張って、葉を茂らせて、枝を伸ばし、周りの木々と一緒に大きくなって森を作ったと話すおタカさん。
のぞみちゃんも同じことをやっていると言うおタカさん。流石、よく見ています。プリキュアの大人はカッコイイ。
おタカさんの言葉の意味を確かめようとしたら強い風が吹きます。カメラさん、下!下!下から上のアングルで!
下校を促すおタカさん。忘れ物しないように、と言われて気付くのぞみ。
館長の部屋に入るアネコンディ。しかし誰も居ません。
教室に戻るのぞみ。ノートを忘れたようです。教室を出ようとしたところで、教壇に目が行きます。自分が目指しているところです。
教壇に立って、先生の真似をするのぞみ。「わかんないところがあったら、先生に何でも質問してくださいねー」誰も居ない教室で声がこだまします。「答えられないかもしれないけど…」小声で自信なく呟くのぞみ。
大丈夫、すぐに答えられなくても後で答えても良いと答えるココ。神出鬼没です。勉強の具合を尋ねると、分からないところばかりで進まなかったと苦しそうにのぞみは答えます。ナッツハウスでみんなにアドバイスしてもらったら?と答えるココに、一人でやると言いつつも自信がないのぞみ。
出来る、と言い切るココ。夢を叶えようと一生懸命努力していることは凄いことだと言います。のぞみは少し考えて「森も出来る?」と聞きます。何のことだか分からないココ。おタカさんに言われたことを説明するのぞみ。すぐに意味を察したココが答えようとしたときに、強い風が吹きます。
戸締りしたはずなのに、どこから風が?といぶかるココ。嫌な気配を感じて急いで教室を出ます。校内で立ちはだかる人影。
ホットケーキを盛り付けるくるみ達。クリーム、みかん、ぶどう、バナナと各自トッピングする気です。こまちはやはり羊羹でしょうか。シロップとナッツが気配に気付きます。
④価値
のぞみ達の前に現れる館長。のぞみと直接会うのは初めてです。ココがエターナルの館長であると教えます。館長は唐突に何故お前が選ばれた?と問います。単刀直入すぎて話が見えません。
フローラに頼まれたから、と答えるのぞみ。フローラが何者か知っているのか?との問いに答えられないのぞみ。キュアローズガーデンの価値も知りません。何も知らないお前にローズガーデンに行く資格はないと言い放つ館長。パクトを要求します。
のぞみの前に立って庇うココ。フローラがのぞみに託した意味を知るべきだと言います。なかなか上手いことを言います。館長は影を伸ばしてココを攻撃します。不思議生物に戻るココ。変身です。
エターナルの首領たる館長とプリキュアのリーダードリーム。フローラに拒まれた者と託された者。
先制攻撃に出る館長。手の形をした影を伸ばして、大地を砕きます。舞う羽。反撃するドリームの攻撃を影の翼で弾く館長。
無知で無能な者を選んだフローラは過ちを犯したと言う館長。影をドリームに伸ばします。
アナコンディは床に落ちている羽に気付きます。
館長の攻撃に圧されたドリームに駆け寄るココ。ココが無事なことに安心するドリーム。しかし予断は許しません。館長が目の前に立ちはだかります。
この世界のものは全て価値のあるものと無いものに分けられると言う館長。価値の無いものは消えるべきだ、とドリームの後ろにあった大きな木を根こそぎ消滅させます。続けて館長は力の範囲を広げて学校全体を消滅させてしまいます。
興味の無いものに対して言うように「無知で無力なお前も価値は無い。消えろ」と言う館長。
ドリームを助けに現れるルージュ達。木々や草花を消すなんて許せない、と緑色繋がりなミント。怒ると大地を揺るがすのは貴女です。シビレッタの世界でしたが、容赦なく木を切ります。
シロップに乗っていたローズも飛び降ります。ココの安否を確かめるローズ。片膝付いて並ぶ姿は忠実な騎士のように見えます。王様は(シュークリームに目がない)不思議生物ですが。
プリキュア&ローズ対館長。価値は自分が決めるとホシイナーを作り出して投げます。ドリームにぶつかったあと、落下して4人のプリキュアとローズの影に憑依します。
悪魔のような姿のホシイナー。カラーバリエーションは豊富な5色です。距離をとってストライクを放つルージュ。いとも簡単に攻撃を受け止めたルージュの影は6つの弾丸を発生させて反撃します。
レモネード、ミント、アクアも同様に必殺技を繰り出しますが、それぞれの影はさらに強力な技を出して反撃してきます。
ローズを捕獲した影は掴んだ手をぶくぶくと増殖させて包み込み薔薇の形に変えてローズを吹き飛ばします。
デスパライアは影の手下を作る能力を持っていましたが、館長の影はそれ自体の戦闘力と相手のコピーを作り出せる能力があるようです。自分で力があると言っているだけあって、プリキュア個々の能力以上のコピーを作り出せます。これだけの力を持っている人からすれば、プリキュアは取るに足らない存在です。長所であるはずの能力が自分の力の一つに劣っているのでは話になりません。
価値があるとは思えない、ひれ伏すのだと言う館長にドリームが抗います。
「勝手に決めないで! 私達はちっぽけで無力かもしれないけど、みんなやりたいことがあるの! 夢があるの! あなたが消した木だって草だってもっともっと大きくなりたかったと思う。だから…だから、あなたの価値観を押し付けないで!」
自分達は無力ではない!と言わないあたりが好きです。実際に無力だからです。しかし、無力だからと言ってそこに価値や意味が無い、無視されて良いということにはなりません。彼女の叫びは、無力でも一生懸命生きている存在の声です。
強い者、裕福な者、上位者、多数の側に居る者、それらは強者であるが故に価値を持ち、自身それを自覚・無自覚問わずその立場で他を見ます。全ての場合、全ての人に当てはまるわけではありませんが、格下に対しては「劣っている」と見ます。自分より弱い、金が無い、権力が無い、社会的地位が無い、少数派だ。人の価値観が相対的であったとしても、その相対性は個人の視野に絶対的な区分けを作り出します。価値が劣っているからそれは無意味で無価値で必要ない、と。相対的であるからこそ、実はそこにより細分化された階級、上下関係を作って、自分を何としてでも上に置きたいし、また下を意識して区別したりします。こと人の価値観において「絶対的」か「相対的」かを区別する意味はありません。どちらも人の欲や保身、狭量さがあるからです。でもその欲や保身は悪ではありません。美徳でもありませんが。
フルーレを召還するココ。前回シビレッタを喰らった巨大薔薇が館長に迫ります。館長は慌てず騒がず、ホシイナーを合体させて巨大薔薇を作り出します。拮抗する力。苦戦するドリーム。
「ドリーム!自分を信じて」
「大地に根を張る大木のように、しっかりと立ち、大きく手を広げる貴女の姿こそが、私達の支えなのよ!」
ドリームを信じるみんなの瞳。みんなの信頼を確かめたドリームは信頼に応えます。
「あんたの言いなりには絶対にならない!」
影で作られた薔薇を押すプリキュアの薔薇。館長の脳裏にフローラの言葉(支配を求めるものにキュアローズガーデンの扉が開くことはない)が浮かびます。フローラの強い意志の表情とドリームの表情が重なって見えます。
薔薇はそのまま影の薔薇を破壊します。
攻撃を逃れた館長は立ち上がります。館長が立った!館長が立ったよ!
息を呑むドリーム。アナコンディが現れて館長を連れて姿を消します。
エターナルの館長の部屋に戻るふたり。アナコンディは前回までの非情さが全くどこかへ行ってしまったかのように館長の身を案じます。館長はそれに答えず、プリキュアは無知で無力だったが自らの意志で強い力を生み出したことに価値を認め始めます。
ナッツハウス。館長自らが動き出した今、モンブラン王の回復を待って動きださなければいけません。モンブラン王が回復すれば事実上国王は全員揃います。キュアローズガーデンへの手がかりと方法を得ることも目前です。
みんなが緊張している中で、ノーテンキに美味しい~と声をあげるのぞみ。素敵なアホです。そんな貴女が好きだ。
緊張感無さ過ぎと文句を言うくるみ。大丈夫、私とみんなで森なんだからどんな風が来たって負けない、と言います。話が分からないくるみ。
りんがこまちの言葉ですっかりその気になった、かれんは頼もしいと言い、うららも同意します。笑い声が起きます。
頬にケーキをつけたまま美味しそうに頬張るのぞみ。そのケーキホシイナー。
⑤次回予告
クリスマス。私のところにも可愛いサンタさんが来てホシイナー。
○トピック
のぞみとみんなの話。個人の夢や想いが他者と繋がっているシリーズの締め…かな。
先生になるのが夢ののぞみ。だけど彼女はお世辞にも成績が良いとはいえません。教えるよりも教えられる方が多い。みんなに頼ってしまう彼女が自発的に自分だけで頑張ろうとするのは成長ですね。他のみんなはむしろ自分自身で努力していく面が強く、みんなの支えや応援によって可能性が広がっているのに対して、自分の道を自分の力で進もうとするのぞみの姿勢は当たり前なんだけど、とても重要なことです。
この終盤の構成は前作の構成と似ていて、似た話もありますが前作よりも夢に向かって進んでいる彼女達の姿、より纏まって力を発揮し始めている彼女達の姿が見られます。同じようでいて成長し、先へと進んでいく彼女達の姿がカッコイイ。
作中で何度も繰り返され、築かれてきたことが今回で明確にされます。小さな芽だったのぞみは今ではみんなを支える(少し)大きな木となって、みんなと一緒に森を作っています。
みんなを引っ張っていくのぞみは中心となる木ですが、その木を回りの木々が支えてもいます。前回のぞみがこまちに伝えたように、こまちがのぞみに自身の価値に気付かせています。他者の価値を認めることで、価値を自覚し直してより一層強い森となって進むプリキュアが何を生み出せるのかがますます楽しみです。
館長が影を使うのは前作のデスパライアと同種なので何かしら意味がありそうです。翼を使っていることからもシロップと何らかの関係もありそうです。完全なものを望んで、自身が完全な存在として君臨したいようにも見えますが、珍しくプリキュア側の価値を見出し始めたことが何となるか。とはいえ、すぐ隣にいるアナコンディを完璧無視しているのが流石。アナコンディさん報われません。
最終決戦は年明けからの様子。来週はクリスマスイベント。
①エターナルの首領
赤い薔薇の園。そこに立つ女性。女性に向かって投げかけられる男の疑問の声。全ての知識と力があるのに何故拒む?
女性-フローラ-は答えの代わりに問いかけます。
「キュアローズガーデンに何を求めるのですか?」
男-館長-は意気揚々と答えます。
「完成された世界。あらゆる世界の価値あるものを集め、ここを究極の花園にしてみせよう」
「支配を求める者に、キュアローズガーデンの扉が開くことはありません」
そう言い残して、薔薇の園の大地は裂け扉がとざされ薔薇のツタで封印されます。必ず手に入れると叫ぶ館長。
夢から覚めた館長は机に広がっているのぞみの資料を見ながら、確かめる、と黒い翼を広げて部屋から消えます。
ところで、のぞみの資料私にも下さい。ボツになった写真とかも全部。
②プリキュアのリーダー
ただいまー。ナッツハウスに帰るシロップ。初期の頃を思い返すとえらい変わりようです。二階を差してナッツに確認します。熱心にテスト勉強です。ナッツは本読んでないでもう少し熱心に仕事した方がいいと思います。
邪魔しないようにかれん達の勉強風景を見るシロップ。くるみはかれんから教えてもらっています。くるみの学力だとかれんしか教えられそうにありません。のぞみが居ないことに気付くシロップ。
学校の図書館。ココが本を探していると聞きなれた声が聞こえてきます。頭を悩ますのぞみ。図書館で勉強しています。思わず苦悶の大声をあげるのぞみ。みんなから注意されます。珍しくひとりでお勉強。
山のようにホットケーキを焼くシロップ。山がふたつあります。一般的に言って量がおかしいのですが、ここではこれが普通です。ちょろいもんさ、と軽く言うシロップ。うららが毎日おタカさんから習って特訓した甲斐があったとバラします。うららはシロップに対しては対等の口調です。シロップが特訓しているところをうららが見ている光景はちょっと面白いです。おタカさん直伝なら味は保証付き。
勉強の支援ということでシロップなりにみんなを励まします。実に気の利く良い奴です。
一番のぞみが喜びそうですが、本人がいません。何故ひとりで勉強しているんだ?と疑問を口にするシロップ。くるみも同意見です。りんが今度のテストは絶対良い成績を取りたいからと答えます。
悪戦苦闘中ののぞみ。まだまだ勉強は終わらなさそうです。
ホットケーキを食べながらくるみはみんなとやった方が効率が良いのでは?と言います。割と気にしているようです。推測するにのぞみが居た方が食事が楽しそうです。うららも分からないところがあったらすぐに聞けると頷きます。のぞみに勉強を教えてポイントを稼ぐチャンスです。りんが本人に代わって答えます。流石幼馴染。みんなに頼ってしまうので自分で出来るようになりたいそうです。ナッツ「自立したい、そういうことか」
黙々とホットーケーキを作り続けるシロップ。美味しそうなホットケーキです。
数式とにらめっこののぞみ。お腹の虫が音をあげます。
のぞみがお腹を空かせていないかと心配するかれん。うららとこまちも同意します。お腹の虫が鳴いているとりん。ご名答。表情で同意するくるみ。可愛い。のぞみの行動パターンから言えば予想どおりですが、こうして見るとのぞみが過保護に扱われている面もあります。一番他人を心配するのはのぞみですが、みんなもそのクセに染まっています。
ホットケーキを焼き続けるシロップ。まだ食べていない人がいます。気の利く奴です。
③森の木
下校のチャイム。あまり勉強は進まなかったようです。図書館にはのぞみ一人。急いで片付けます。
報告書を持って館長のところへ向かうアナコンディ。
のぞみは、一人で校内を歩いていると強い風に吹かれてふと一本の大きな木に気付きます。近くまで寄って見上げるのぞみ。見入ります。私はのぞみに見入ります(不審者として捕まります)。
のぞみに声をかけるおタカさん。のぞみはこの木のように力強く大きく立っていたいと言います。おタカさんがこの学校に来たときはもっと小さくてヒョロヒョロだったと言います。しっかりと大地に根を張って、葉を茂らせて、枝を伸ばし、周りの木々と一緒に大きくなって森を作ったと話すおタカさん。
のぞみちゃんも同じことをやっていると言うおタカさん。流石、よく見ています。プリキュアの大人はカッコイイ。
おタカさんの言葉の意味を確かめようとしたら強い風が吹きます。カメラさん、下!下!下から上のアングルで!
下校を促すおタカさん。忘れ物しないように、と言われて気付くのぞみ。
館長の部屋に入るアネコンディ。しかし誰も居ません。
教室に戻るのぞみ。ノートを忘れたようです。教室を出ようとしたところで、教壇に目が行きます。自分が目指しているところです。
教壇に立って、先生の真似をするのぞみ。「わかんないところがあったら、先生に何でも質問してくださいねー」誰も居ない教室で声がこだまします。「答えられないかもしれないけど…」小声で自信なく呟くのぞみ。
大丈夫、すぐに答えられなくても後で答えても良いと答えるココ。神出鬼没です。勉強の具合を尋ねると、分からないところばかりで進まなかったと苦しそうにのぞみは答えます。ナッツハウスでみんなにアドバイスしてもらったら?と答えるココに、一人でやると言いつつも自信がないのぞみ。
出来る、と言い切るココ。夢を叶えようと一生懸命努力していることは凄いことだと言います。のぞみは少し考えて「森も出来る?」と聞きます。何のことだか分からないココ。おタカさんに言われたことを説明するのぞみ。すぐに意味を察したココが答えようとしたときに、強い風が吹きます。
戸締りしたはずなのに、どこから風が?といぶかるココ。嫌な気配を感じて急いで教室を出ます。校内で立ちはだかる人影。
ホットケーキを盛り付けるくるみ達。クリーム、みかん、ぶどう、バナナと各自トッピングする気です。こまちはやはり羊羹でしょうか。シロップとナッツが気配に気付きます。
④価値
のぞみ達の前に現れる館長。のぞみと直接会うのは初めてです。ココがエターナルの館長であると教えます。館長は唐突に何故お前が選ばれた?と問います。単刀直入すぎて話が見えません。
フローラに頼まれたから、と答えるのぞみ。フローラが何者か知っているのか?との問いに答えられないのぞみ。キュアローズガーデンの価値も知りません。何も知らないお前にローズガーデンに行く資格はないと言い放つ館長。パクトを要求します。
のぞみの前に立って庇うココ。フローラがのぞみに託した意味を知るべきだと言います。なかなか上手いことを言います。館長は影を伸ばしてココを攻撃します。不思議生物に戻るココ。変身です。
エターナルの首領たる館長とプリキュアのリーダードリーム。フローラに拒まれた者と託された者。
先制攻撃に出る館長。手の形をした影を伸ばして、大地を砕きます。舞う羽。反撃するドリームの攻撃を影の翼で弾く館長。
無知で無能な者を選んだフローラは過ちを犯したと言う館長。影をドリームに伸ばします。
アナコンディは床に落ちている羽に気付きます。
館長の攻撃に圧されたドリームに駆け寄るココ。ココが無事なことに安心するドリーム。しかし予断は許しません。館長が目の前に立ちはだかります。
この世界のものは全て価値のあるものと無いものに分けられると言う館長。価値の無いものは消えるべきだ、とドリームの後ろにあった大きな木を根こそぎ消滅させます。続けて館長は力の範囲を広げて学校全体を消滅させてしまいます。
興味の無いものに対して言うように「無知で無力なお前も価値は無い。消えろ」と言う館長。
ドリームを助けに現れるルージュ達。木々や草花を消すなんて許せない、と緑色繋がりなミント。怒ると大地を揺るがすのは貴女です。シビレッタの世界でしたが、容赦なく木を切ります。
シロップに乗っていたローズも飛び降ります。ココの安否を確かめるローズ。片膝付いて並ぶ姿は忠実な騎士のように見えます。王様は(シュークリームに目がない)不思議生物ですが。
プリキュア&ローズ対館長。価値は自分が決めるとホシイナーを作り出して投げます。ドリームにぶつかったあと、落下して4人のプリキュアとローズの影に憑依します。
悪魔のような姿のホシイナー。カラーバリエーションは豊富な5色です。距離をとってストライクを放つルージュ。いとも簡単に攻撃を受け止めたルージュの影は6つの弾丸を発生させて反撃します。
レモネード、ミント、アクアも同様に必殺技を繰り出しますが、それぞれの影はさらに強力な技を出して反撃してきます。
ローズを捕獲した影は掴んだ手をぶくぶくと増殖させて包み込み薔薇の形に変えてローズを吹き飛ばします。
デスパライアは影の手下を作る能力を持っていましたが、館長の影はそれ自体の戦闘力と相手のコピーを作り出せる能力があるようです。自分で力があると言っているだけあって、プリキュア個々の能力以上のコピーを作り出せます。これだけの力を持っている人からすれば、プリキュアは取るに足らない存在です。長所であるはずの能力が自分の力の一つに劣っているのでは話になりません。
価値があるとは思えない、ひれ伏すのだと言う館長にドリームが抗います。
「勝手に決めないで! 私達はちっぽけで無力かもしれないけど、みんなやりたいことがあるの! 夢があるの! あなたが消した木だって草だってもっともっと大きくなりたかったと思う。だから…だから、あなたの価値観を押し付けないで!」
自分達は無力ではない!と言わないあたりが好きです。実際に無力だからです。しかし、無力だからと言ってそこに価値や意味が無い、無視されて良いということにはなりません。彼女の叫びは、無力でも一生懸命生きている存在の声です。
強い者、裕福な者、上位者、多数の側に居る者、それらは強者であるが故に価値を持ち、自身それを自覚・無自覚問わずその立場で他を見ます。全ての場合、全ての人に当てはまるわけではありませんが、格下に対しては「劣っている」と見ます。自分より弱い、金が無い、権力が無い、社会的地位が無い、少数派だ。人の価値観が相対的であったとしても、その相対性は個人の視野に絶対的な区分けを作り出します。価値が劣っているからそれは無意味で無価値で必要ない、と。相対的であるからこそ、実はそこにより細分化された階級、上下関係を作って、自分を何としてでも上に置きたいし、また下を意識して区別したりします。こと人の価値観において「絶対的」か「相対的」かを区別する意味はありません。どちらも人の欲や保身、狭量さがあるからです。でもその欲や保身は悪ではありません。美徳でもありませんが。
フルーレを召還するココ。前回シビレッタを喰らった巨大薔薇が館長に迫ります。館長は慌てず騒がず、ホシイナーを合体させて巨大薔薇を作り出します。拮抗する力。苦戦するドリーム。
「ドリーム!自分を信じて」
「大地に根を張る大木のように、しっかりと立ち、大きく手を広げる貴女の姿こそが、私達の支えなのよ!」
ドリームを信じるみんなの瞳。みんなの信頼を確かめたドリームは信頼に応えます。
「あんたの言いなりには絶対にならない!」
影で作られた薔薇を押すプリキュアの薔薇。館長の脳裏にフローラの言葉(支配を求めるものにキュアローズガーデンの扉が開くことはない)が浮かびます。フローラの強い意志の表情とドリームの表情が重なって見えます。
薔薇はそのまま影の薔薇を破壊します。
攻撃を逃れた館長は立ち上がります。館長が立った!館長が立ったよ!
息を呑むドリーム。アナコンディが現れて館長を連れて姿を消します。
エターナルの館長の部屋に戻るふたり。アナコンディは前回までの非情さが全くどこかへ行ってしまったかのように館長の身を案じます。館長はそれに答えず、プリキュアは無知で無力だったが自らの意志で強い力を生み出したことに価値を認め始めます。
ナッツハウス。館長自らが動き出した今、モンブラン王の回復を待って動きださなければいけません。モンブラン王が回復すれば事実上国王は全員揃います。キュアローズガーデンへの手がかりと方法を得ることも目前です。
みんなが緊張している中で、ノーテンキに美味しい~と声をあげるのぞみ。素敵なアホです。そんな貴女が好きだ。
緊張感無さ過ぎと文句を言うくるみ。大丈夫、私とみんなで森なんだからどんな風が来たって負けない、と言います。話が分からないくるみ。
りんがこまちの言葉ですっかりその気になった、かれんは頼もしいと言い、うららも同意します。笑い声が起きます。
頬にケーキをつけたまま美味しそうに頬張るのぞみ。そのケーキホシイナー。
⑤次回予告
クリスマス。私のところにも可愛いサンタさんが来てホシイナー。
○トピック
のぞみとみんなの話。個人の夢や想いが他者と繋がっているシリーズの締め…かな。
先生になるのが夢ののぞみ。だけど彼女はお世辞にも成績が良いとはいえません。教えるよりも教えられる方が多い。みんなに頼ってしまう彼女が自発的に自分だけで頑張ろうとするのは成長ですね。他のみんなはむしろ自分自身で努力していく面が強く、みんなの支えや応援によって可能性が広がっているのに対して、自分の道を自分の力で進もうとするのぞみの姿勢は当たり前なんだけど、とても重要なことです。
この終盤の構成は前作の構成と似ていて、似た話もありますが前作よりも夢に向かって進んでいる彼女達の姿、より纏まって力を発揮し始めている彼女達の姿が見られます。同じようでいて成長し、先へと進んでいく彼女達の姿がカッコイイ。
作中で何度も繰り返され、築かれてきたことが今回で明確にされます。小さな芽だったのぞみは今ではみんなを支える(少し)大きな木となって、みんなと一緒に森を作っています。
みんなを引っ張っていくのぞみは中心となる木ですが、その木を回りの木々が支えてもいます。前回のぞみがこまちに伝えたように、こまちがのぞみに自身の価値に気付かせています。他者の価値を認めることで、価値を自覚し直してより一層強い森となって進むプリキュアが何を生み出せるのかがますます楽しみです。
館長が影を使うのは前作のデスパライアと同種なので何かしら意味がありそうです。翼を使っていることからもシロップと何らかの関係もありそうです。完全なものを望んで、自身が完全な存在として君臨したいようにも見えますが、珍しくプリキュア側の価値を見出し始めたことが何となるか。とはいえ、すぐ隣にいるアナコンディを完璧無視しているのが流石。アナコンディさん報われません。
最終決戦は年明けからの様子。来週はクリスマスイベント。
第42話「こまちの決意とアラビアンナイト」
○今週の出来事
①底の知れない人の闇
珍しくエターナルから始まる物語。シビレッタの部屋に入るアナコンディ。ノックしろとシビレッタは抗議します。あっさりと非を認めるアコナンディ。何の用だ?との問いにアナコンディは、よくやってくれた、館長に代わってお礼を申し上げると言います。嫌な気配です。ついでに絵の描き方が普段とだいぶ変わっていて、妙にリアルで、底知れぬ威圧感と不安感を煽ります。
真意を問うシビレッタに、好きなだけ本を読んでいて良いと続けるアナコンディ。それはつまり用済み、お払い箱ということ。うらやましい、仕事におわれず趣味にたっぷり時間を使えると言葉の上では賛辞を発しますが、その内には強烈な皮肉と蔑視、そして相手を完膚なきまでに追いつめ破滅させる意図が濃密に込められています。堪えるシビレッタを残してアナコンディは部屋を出ます。
一人になったシビレッタは怒りを爆発させます。部屋のすぐ外、扉の前で不敵に笑うアナコンディ。えっと、このアニメはプリ…キュア…ですよね?
とっておきがある、と特別に保管されていた本を取り出すシビレッタ。終りの無い物語。
OPは通常版。今週から平常運転です。
様々な本が立ち並ぶ図書館。こまちを見つけるのぞみ。ナッツが探している本を見つけにみんなで来て、こまちが同じ図書館に居ると聞いて探したと言います。
大量の本に関心するのぞみ。全部読みきるには果たして何年かかるのか。のぞみのその言葉にこまちは声を落として「そうね」と答えます。世界にはたくさんの本が存在します。自分が本を書いたとしてもそれはその一つでしかない。こまちは自分の書いた本が果たして人に気づいてもらえるだろうか、手にとってもらえるだろうか、そう考えると何を書けばいいのか分からなくなると不安を口にします。こまちの話に表情を沈ませるのぞみ。
のぞみに謝るこまち。この気持ちをどう話していいのか分からなくて誰にも話せなかったと言います。のぞみは首を横に振って大丈夫と笑顔で答えます。「どんなにたくさんの中からでも私がこまちさんの本を、ぜ~ったい!見つけ出しちゃうもん!」
のぞみの言葉に表情を和ませるこまち。のぞみが続きを言おうとしたらナッツが走ってやってきます。「何か出たぞ!」相変わらずアバウトだなぁ。
シビレッタが間髪入れず登場。「何か出た」にツッコミを入れ本の世界へ引きずり込みます。
②終りの無い物語
あたりを見回すと見知らぬ部屋の中に居るこまちとナッツ。中東っぽい世界です。のぞみが居ません。シビレッタが現れてみんなバラバラに引きずり込んだと言います。「ようこそ終りの無い物語へ。お前たちは永遠にここでさ迷い続けるんだよ」
アラビアンナイト。千夜一夜物語。どんな内容だったのか忘れたので、簡単に調べてみると、ある王国王様が妻の不貞で女性不信になって、毎夜国の女性を夜伽として呼んでは殺していたのを止めるために、ある女性が毎夜物語を聞かせそれが千夜にも渡りついに王の蛮行を止めさせる、という話だそうです。結構怖い話ですね。終りの無い物語というと、ミャヒャエル・エンデのはてしない物語を連想します。
砂漠の中にいるのぞみ、うらら、くるみ。くるみは何故かミルキィノートを持っています。ドン!と地鳴り。シロップが大量増殖しています。わけが分かりません。くるみが数えてみると40。アリババと40人の盗賊だと答えます。だからって何も40に増殖させんでも。ちなみに画面上で数えたら39でした。1人どっか消えたみたいです。
そこにドでかいエリマキトカゲホシイナーが現れます。全力ダッシュで逃げるのぞみ達。シロップがここで何人か犠牲になって元に戻ったらそれはどうなるんだろう? 1人の犠牲なら40分の1のダメージとか?
りん、かれん、ココは空飛ぶ絨毯に乗っています。振りまわされるりん達。かれんのキュアモが鳴ります。着信あり。くるみが助けを呼びます。かれんを呼ぶあたりがくるみです。なるほどこのためにノート持っていたのか。クリスマスも近いしね。トカゲに追われながら助けを呼ぶのぞみとうらら。悠長に変身している暇は無さそうです。それはそうとうららのヘソがポイントです。ビバ!アラビアンナイト。シビレッタさん良いチョイスです。
暴走する絨毯にしがみ付くだけで精一杯。しかし意外に近いところに居たようで、肉眼でのぞみ達を発見します。あさっての方向に行くじゅうたんに、りんはお願いだからのぞみ達の方へ行って!と叫びます。それに反応して絨毯はまっすぐにのぞみ達の方へ飛んでいきます。
躓いて転んでしまう40人のシロップ。ホシイナーが踏み潰そうとします。うららがシロップの身を案じて叫ぶと、シロップから光が発生してホシイナーを退け、元のシロップに戻ります。理由は不明です。しかしホシイナーが居なくなったわけではないので再び追われます。
りん達が乗ったじゅうたんが駆けつけます。勢い良く飛び乗るのぞみ達。しかし定員オーバーで減速してしまいます。しっかり飛びなさいよ!と抗議するくるみ。仕方ないので走って逃げます。
走る先に洞窟が見えます。しかし入り口は岩で塞がれてとても人力では開けられません。トカゲホシイナーは後ろから迫ってきます。こうなったら!と構えるのぞみ。お、変身して岩を破壊するのか、それともホシイナーと戦うのか、と思ったら、お約束どおり「開け~こめ!」…ゴマじゃねーのかよ。そんなので開くわけないとくるみがツッコミを入れようとしたら、扉が開きます。融通が利く扉です。のぞみも意外だったのか呆けています。後ろからホシイナーが接近中。顔が怖ぇぇ。洞窟の中へ入ります。
日が落ち、代わって月が空に姿を現します。シビレッタとともに部屋の中に居るこまちとナッツ。この世界に入ったら永遠に出られないと笑うシビレッタ。シビレッタがアラビアンナイトの物語を恣意的に利用することに憤るこまち。「本を読むのにルールでもあるってのかい?」シビレッタの問いにこまちはハッとして言葉を続けられません。
③物語
ホシイナーを振り切って洞窟を進むと道が分かれています。かれんがこまちのところに行きたい!と叫ぶといくつもあるうちの一つの道が光ります。そこに進むのぞみ達。景色が一気に変わり建物の中になります。何がなんだか分かりません。
本なんて所詮ただの道具、自分の役に立てばそれで良いと言うシビレッタ。あながちそれは間違いではないが、あまり面白くない考えではある。趣がないね。
間違っている!お前は本を読むことを理解していない!と抗議するナッツ。珍しく見せ場です。そこにのぞみ達がやってきます。
不思議がるシビレッタ。バラバラに引きずり込んだはずなのに。ナッツが答えます。アラビアンナイトは一人の女性が勇気を出して王様の残虐な行いと止めさせる為に毎夜語り続けられた物語。シビレッタの身勝手な企みと本に込められた想いとはかけ離れている!だから思い通りにならないんだ!とキメるナッツ。いつに無く輝いています。
絨毯、シロップ、扉、分かれ道で自分達の願いが叶ったのは物語が応えてくれたためのようです。
そんなこと認めない!とホシイナーをランプに投げるシビレッタ。ランプから魔人が現れます。対抗して一斉変身。ってちょっと待て、そこは個別でうららのアップがなきゃだめでしょ! どうやらプリキュアは私の願いには応えてくれないようです。
魔人ホシイナーの攻撃をよけるプリキュア。ナッツは振動で元の姿に戻ってしまいます。プリキュアの非戦闘員の非戦闘員っぷりは徹底しています。シビレッタに反撃するプリキュア。瞬間移動して回避。プリキュアはそのまま屋外へ出ます。魔人が巨大化して城を破壊して外に姿を現します。ローズはココ達を抱えて脱出。
魔人へ突貫するプリキュアですが魔人の身体は煙になって手ごたえがありません。ブリザードあたりで一気に粉砕可能か?
攻撃しようとするシビレッタを制するローズ。プリキュア5はスパッツを履いている割にスカートが鉄壁なのですが、たまにその制限が解除されるときがあります。追撃しようとしたローズを電撃で封じるシビレッタ。正面から挑んでくるプリキュア達も一気に迎撃します。
シビレッタの攻撃で砂漠に半分身体が沈み身動きできないプリキュア。本なんてものはどう使ったっていいんだよ!とシビレッタは見下ろしながら言います。
ミントは埋まった身体でもがきながら、そんなことは絶対にダメだと答えます。ミントが本を書いていることを思い出し、自分と何が違うのだ?と尋ねるシビレッタ。
「自分が好きなように物語をこねくり回してるだけじゃないのかい?」
言い返せないミント。
「全然違う!こまちさんの書くお話はあんたみたいに自分のことしか考えないで滅茶苦茶に作り変えた物語とは全然違うもん!こまちさんのお話は読んでいるとワクワクして、ドキドキして、真っ直ぐな想いがすごく伝わってくるの!」
こまちの方を向くドリーム。
「だから、私はこまちさんの話が大好き!」
「のぞみさん…」
他のみんなも暖かい目でこまちを見ます。みんなこまちの書く物語がどういう物語であるか知っています。
嘘をつくな、そんな話が書いてある物語なんてあるもんか!とドリームを吹き飛ばすシビレッタ。
「そんな本あるわけないだろ。私は来る日も来る日ありとあらゆる本を読み聞かせて差し上げた。だのに、ちっともあのお方の心は動かなかったじゃないか!」
館長との話を言うシビレッタ。離れた場所に飛ばされたドリームの元に瞬間移動します。「真っ直ぐな想いが伝わってくるだって? いい加減にしな、たかが本などに想いなんてものがあるわけないだろ!」
「あるわよ!」
ミント復活。砂漠を脱して躍り出ます。シビレッタを攻撃。シビレッタは頭のキノコを伸ばして身を包んでロケットのように突っ込んできます。えーそんな使い方できるのかよ! なんかスイッチが入った。
シビレッタの突撃をソーサーで耐えるミント。後ろにはドリームが居ます。
「あなたは本を自分の都合で使うことしか考えなかった。そんな気持ちで読んでも本は応えてくれないわ。誰の心も動かすことは、出来ない!」
ソーサーでシビレッタを弾きます。再度突撃するシビレッタ。威力を増し、ミントにも限界が近づいてきます。ドリームが飛び出してシューティングスターとソーサーを重ねてシビレッタを再び弾きます。続けてアクアの蹴り、レモネードの掌底、ルージュのハンマーナックルで砂漠に落ちるシビレッタ。プリキュアすげぇ。コンビネーションに入ると脱する隙を与えません。プリキュアのスイッチ入れちゃだめです。
ココ達を捕らえていたホシイナーにローズが切り込むようにキックをおみまいします。ココ達を救出。再び実体化した魔人に対しノートを召還するナッツ。おお、なんかカッコいい動き。メタルブリザードで魔人を包み込んで破砕します。
ココもかっこよくフルーレを召還。シビレッタが反撃を加えますが、効かずシビレッタは攻撃を受けて消滅します。
「新作はどんなお話なの? みんなこまちの新作をとっても楽しみにしているのよ」
「楽しみです!」
「みんな」
終りの無い物語は霧消していきます。主の居なくなった部屋に佇むアナコンディ。
「もうこの部屋は必要ないですね。報告書以外の文字なんて全く意味が無い」
④まだ知らない世界を、知ってもらうために
夕日に照らされたナッツハウスでこまちはナッツにみんなのことを書きたいと話します。素晴らしい仲間、共に歩み、共に泣き、共に笑ったことを伝えたい。そしていつか世界中のどこかで誰か一人でもいいから自分の書いた小説を読んで自分もこんな仲間を作りたいと思ってくれたらそれだけで幸せだと語るこまち。
こまちの次回作が楽しみだと答えるナッツ。
のぞみ達も集まって興味津々。自分が主人公になってもいいとくるみ。流石です。スポコンモノならりん。のぞみはすでに主役です。うららもかなりこの作品の中では優遇されています。主役やる気満々のシロップ。
みんなが主役でけって~い。
⑤次回予告
のぞみの夢。館長現わる。
○トピック
こまちとみんなの話。個人の夢や想いが他者と繋がっているシリーズ第四弾。
世にあまたある本の中で自分の本に誰か気付いてもらえるのか、自分が書く物語は結局自分勝手なものではないのか、自分は何を書くべきなのかということにこまちがみんなの応援を受けて答える話。
38話以降アナコンディがどんどん怖くなっています。彼女の想いは館長に届きません。アナコンディの苦しみは暴力や圧力として外部へと向けられています。ひどく生々しい。世界を征服してやろうだとか、希望を蹴散らしてやろうだとか、そんな大儀も思想もなく、彼女が抱いているのは個人が感じる苦痛、不安などの人の持つ想いから発しています。プリキュア側との見事な対照性(現実的にはアナコンディのようになることが少なくないし、またなり易いとも思う)。アナコンディとの戦いがどうなるのかも大きなポイントです。
館長に日々物語を語っても喜ばれず満たされなかったシビレッタの境遇は可哀想ではありますが、物語としてプリキュアと良い意味で対照性を持っていてアコナンディ同様エターナル側の歪んだ構造が鮮明になっています。
プリキュア5の人間関係の特徴として「他者から肯定される」というのがあります。ヘコんだり、困ったり、悩んだり、自分が行っていることが正しいのか迷ったりしているときに、仲間がそれを肯定します。ヘコんでも良い、困っても良い、悩んでも良い、迷っても良い、私はあなたを応援するし、あなたが好きだと彼女達は友達を肯定します。この点において敵側と明確に違いがあります。ナイトメアやエターナルは仲間内で肯定することはありません。
読み手と書き手の違いはあっても本を自分の読みたいように読むシビレッタと、本を自分の書きたいように書くこまちに大きな差異はありません。シビレッタが言うように、本を読むにしても書くにしても自分の意図や都合や解釈を介在して入力ないし出力します。こまちがシビレッタの問いに答えられないのはそのためです。自分で反論するのは難しいでしょう。それを補うのが友達で、のぞみはこまちの本を肯定することでこまちは励まされ、またこまちの正しさが担保されます。この正当性は普遍でも絶対でもありません。自分の本とそれを読んで喜んでくれる友達との小さな繋がりの中での正当性です。
しかしこの正当性や励ましはそれで十分なもので、こまちはこの肯定によって励まされ勇気と決断を持って自分を奮い立たせ自らの道を進む意志を得ます。他者から承認されることでより一層自分の行為が他者に関連していることを知り、他者を視野に入れた行為を行います。かれん、うらら、りんも同じです。彼女達は一人では弱いし小さいですが、他者を肯定することができるしその気持ちを伝えることで、他者を励ますことができて自分も励まされたときに強さを発揮します。そして友達のために頑張ることも出来ます。
対してエターナルは他者を肯定しないので、結局自分で自分の正当性を主張するしかなく、その行為は独善的になり他者のために頑張ることもなく独りでやるしかありません。彼らは組織の中にいてもバラバラです。
プリキュアの物語は肯定によって肯定の循環を作り出して、それを自己肯定と他者肯定に繋げます。その自己と他者の肯定が今現在の生活と夢への躍進を支えます。
本には想いがあるとこまちは言います。それに気付かなければ応えてくれないとも言います。本を読むのは私も好きなので言っていることは分かります。ドストエフスキーとか強烈です。もちろん、著者の意図や気持ちを正確に知ることはできません。私達にできることは自分の気持ちを通しての解釈だからです。その意味ではどう読もうが自由です。しかし感動する心が無ければ運命は訪れない。道具としてしか利用しなければそれは道具でしかないのです。
人に対しても同じで、自分を通して他者を見るときに相手をどう見るかで他者の価値やそこから見出すものも変わってきます。他者の声をどう捉えるか、日常の中で何を見出すかは自分が決めることです。必ずしも他者の発したものを正確に捉えなくてもいいのです。それは元々物理的に不可能だからです。ただ、それらをどう見るかでその人の在り方も変わります(というか、その見方がその人の在り方になるんだけど)。のぞみはこまちの本を読むことでこまちの気持ちを感じ、それを自分に取り入れています。
絶望や不安、恐怖、嫉妬、軽蔑、憎悪は人を歪ませていきますが、人が自らそれを作り出してもいます。GoGo!ではそれが気持ちが伝わらないこと(相手の声に耳を傾けようともしない)で生じています。実も蓋もないことを言えば、気持ちを正確に伝えることも正確に読み取ることも出来ません。不可能だからです。ただしそこに近づこうと努力することは出来て、それを信じることは出来るし、人の声に耳を貸し、人のために口を開き、人のために身体を動かすことは出来ます。他者の気持ちに気付こうとすること、他者に応えようとすること、自分の気持ちを他者に知ってもらおうとすること、そうすることで他者の中にも自己の存在を感じることが出来るし、自己の中に他者を見出すことが出来るようになります。かれんとこまちが友達になったときにこまちの言葉をかれんがずっと心に宿していたように、ココの言葉がのぞみの心に宿っているように、こまちの気持ちをのぞみが知っているように、相手の中に自分が居ると知ったときに人は孤独さや不安から少しでも解放され、喜びを感じます。
私はドストエフスキーの小説を読んだときに、150年も前の異国の人の中にも自分と通じるものがあると気付いたし、また彼の意思を自分に取り入れてもいます。その体験がどれほど嬉しかったかを言葉にすることは難しい。自己の本質的なところで他者と繋がりを持っているという喜び。プリキュアの中に自己を見るし、自分の中にプリキュアがあります。結局、人は自分を視点にしてしか認識できないのだけど、他者や対象があってそれと自分が結びつくこと(共有・共感)の喜びが、人をより良くしていけるのなら、私はそれを大切にしたいと思います。
①底の知れない人の闇
珍しくエターナルから始まる物語。シビレッタの部屋に入るアナコンディ。ノックしろとシビレッタは抗議します。あっさりと非を認めるアコナンディ。何の用だ?との問いにアナコンディは、よくやってくれた、館長に代わってお礼を申し上げると言います。嫌な気配です。ついでに絵の描き方が普段とだいぶ変わっていて、妙にリアルで、底知れぬ威圧感と不安感を煽ります。
真意を問うシビレッタに、好きなだけ本を読んでいて良いと続けるアナコンディ。それはつまり用済み、お払い箱ということ。うらやましい、仕事におわれず趣味にたっぷり時間を使えると言葉の上では賛辞を発しますが、その内には強烈な皮肉と蔑視、そして相手を完膚なきまでに追いつめ破滅させる意図が濃密に込められています。堪えるシビレッタを残してアナコンディは部屋を出ます。
一人になったシビレッタは怒りを爆発させます。部屋のすぐ外、扉の前で不敵に笑うアナコンディ。えっと、このアニメはプリ…キュア…ですよね?
とっておきがある、と特別に保管されていた本を取り出すシビレッタ。終りの無い物語。
OPは通常版。今週から平常運転です。
様々な本が立ち並ぶ図書館。こまちを見つけるのぞみ。ナッツが探している本を見つけにみんなで来て、こまちが同じ図書館に居ると聞いて探したと言います。
大量の本に関心するのぞみ。全部読みきるには果たして何年かかるのか。のぞみのその言葉にこまちは声を落として「そうね」と答えます。世界にはたくさんの本が存在します。自分が本を書いたとしてもそれはその一つでしかない。こまちは自分の書いた本が果たして人に気づいてもらえるだろうか、手にとってもらえるだろうか、そう考えると何を書けばいいのか分からなくなると不安を口にします。こまちの話に表情を沈ませるのぞみ。
のぞみに謝るこまち。この気持ちをどう話していいのか分からなくて誰にも話せなかったと言います。のぞみは首を横に振って大丈夫と笑顔で答えます。「どんなにたくさんの中からでも私がこまちさんの本を、ぜ~ったい!見つけ出しちゃうもん!」
のぞみの言葉に表情を和ませるこまち。のぞみが続きを言おうとしたらナッツが走ってやってきます。「何か出たぞ!」相変わらずアバウトだなぁ。
シビレッタが間髪入れず登場。「何か出た」にツッコミを入れ本の世界へ引きずり込みます。
②終りの無い物語
あたりを見回すと見知らぬ部屋の中に居るこまちとナッツ。中東っぽい世界です。のぞみが居ません。シビレッタが現れてみんなバラバラに引きずり込んだと言います。「ようこそ終りの無い物語へ。お前たちは永遠にここでさ迷い続けるんだよ」
アラビアンナイト。千夜一夜物語。どんな内容だったのか忘れたので、簡単に調べてみると、ある王国王様が妻の不貞で女性不信になって、毎夜国の女性を夜伽として呼んでは殺していたのを止めるために、ある女性が毎夜物語を聞かせそれが千夜にも渡りついに王の蛮行を止めさせる、という話だそうです。結構怖い話ですね。終りの無い物語というと、ミャヒャエル・エンデのはてしない物語を連想します。
砂漠の中にいるのぞみ、うらら、くるみ。くるみは何故かミルキィノートを持っています。ドン!と地鳴り。シロップが大量増殖しています。わけが分かりません。くるみが数えてみると40。アリババと40人の盗賊だと答えます。だからって何も40に増殖させんでも。ちなみに画面上で数えたら39でした。1人どっか消えたみたいです。
そこにドでかいエリマキトカゲホシイナーが現れます。全力ダッシュで逃げるのぞみ達。シロップがここで何人か犠牲になって元に戻ったらそれはどうなるんだろう? 1人の犠牲なら40分の1のダメージとか?
りん、かれん、ココは空飛ぶ絨毯に乗っています。振りまわされるりん達。かれんのキュアモが鳴ります。着信あり。くるみが助けを呼びます。かれんを呼ぶあたりがくるみです。なるほどこのためにノート持っていたのか。クリスマスも近いしね。トカゲに追われながら助けを呼ぶのぞみとうらら。悠長に変身している暇は無さそうです。それはそうとうららのヘソがポイントです。ビバ!アラビアンナイト。シビレッタさん良いチョイスです。
暴走する絨毯にしがみ付くだけで精一杯。しかし意外に近いところに居たようで、肉眼でのぞみ達を発見します。あさっての方向に行くじゅうたんに、りんはお願いだからのぞみ達の方へ行って!と叫びます。それに反応して絨毯はまっすぐにのぞみ達の方へ飛んでいきます。
躓いて転んでしまう40人のシロップ。ホシイナーが踏み潰そうとします。うららがシロップの身を案じて叫ぶと、シロップから光が発生してホシイナーを退け、元のシロップに戻ります。理由は不明です。しかしホシイナーが居なくなったわけではないので再び追われます。
りん達が乗ったじゅうたんが駆けつけます。勢い良く飛び乗るのぞみ達。しかし定員オーバーで減速してしまいます。しっかり飛びなさいよ!と抗議するくるみ。仕方ないので走って逃げます。
走る先に洞窟が見えます。しかし入り口は岩で塞がれてとても人力では開けられません。トカゲホシイナーは後ろから迫ってきます。こうなったら!と構えるのぞみ。お、変身して岩を破壊するのか、それともホシイナーと戦うのか、と思ったら、お約束どおり「開け~こめ!」…ゴマじゃねーのかよ。そんなので開くわけないとくるみがツッコミを入れようとしたら、扉が開きます。融通が利く扉です。のぞみも意外だったのか呆けています。後ろからホシイナーが接近中。顔が怖ぇぇ。洞窟の中へ入ります。
日が落ち、代わって月が空に姿を現します。シビレッタとともに部屋の中に居るこまちとナッツ。この世界に入ったら永遠に出られないと笑うシビレッタ。シビレッタがアラビアンナイトの物語を恣意的に利用することに憤るこまち。「本を読むのにルールでもあるってのかい?」シビレッタの問いにこまちはハッとして言葉を続けられません。
③物語
ホシイナーを振り切って洞窟を進むと道が分かれています。かれんがこまちのところに行きたい!と叫ぶといくつもあるうちの一つの道が光ります。そこに進むのぞみ達。景色が一気に変わり建物の中になります。何がなんだか分かりません。
本なんて所詮ただの道具、自分の役に立てばそれで良いと言うシビレッタ。あながちそれは間違いではないが、あまり面白くない考えではある。趣がないね。
間違っている!お前は本を読むことを理解していない!と抗議するナッツ。珍しく見せ場です。そこにのぞみ達がやってきます。
不思議がるシビレッタ。バラバラに引きずり込んだはずなのに。ナッツが答えます。アラビアンナイトは一人の女性が勇気を出して王様の残虐な行いと止めさせる為に毎夜語り続けられた物語。シビレッタの身勝手な企みと本に込められた想いとはかけ離れている!だから思い通りにならないんだ!とキメるナッツ。いつに無く輝いています。
絨毯、シロップ、扉、分かれ道で自分達の願いが叶ったのは物語が応えてくれたためのようです。
そんなこと認めない!とホシイナーをランプに投げるシビレッタ。ランプから魔人が現れます。対抗して一斉変身。ってちょっと待て、そこは個別でうららのアップがなきゃだめでしょ! どうやらプリキュアは私の願いには応えてくれないようです。
魔人ホシイナーの攻撃をよけるプリキュア。ナッツは振動で元の姿に戻ってしまいます。プリキュアの非戦闘員の非戦闘員っぷりは徹底しています。シビレッタに反撃するプリキュア。瞬間移動して回避。プリキュアはそのまま屋外へ出ます。魔人が巨大化して城を破壊して外に姿を現します。ローズはココ達を抱えて脱出。
魔人へ突貫するプリキュアですが魔人の身体は煙になって手ごたえがありません。ブリザードあたりで一気に粉砕可能か?
攻撃しようとするシビレッタを制するローズ。プリキュア5はスパッツを履いている割にスカートが鉄壁なのですが、たまにその制限が解除されるときがあります。追撃しようとしたローズを電撃で封じるシビレッタ。正面から挑んでくるプリキュア達も一気に迎撃します。
シビレッタの攻撃で砂漠に半分身体が沈み身動きできないプリキュア。本なんてものはどう使ったっていいんだよ!とシビレッタは見下ろしながら言います。
ミントは埋まった身体でもがきながら、そんなことは絶対にダメだと答えます。ミントが本を書いていることを思い出し、自分と何が違うのだ?と尋ねるシビレッタ。
「自分が好きなように物語をこねくり回してるだけじゃないのかい?」
言い返せないミント。
「全然違う!こまちさんの書くお話はあんたみたいに自分のことしか考えないで滅茶苦茶に作り変えた物語とは全然違うもん!こまちさんのお話は読んでいるとワクワクして、ドキドキして、真っ直ぐな想いがすごく伝わってくるの!」
こまちの方を向くドリーム。
「だから、私はこまちさんの話が大好き!」
「のぞみさん…」
他のみんなも暖かい目でこまちを見ます。みんなこまちの書く物語がどういう物語であるか知っています。
嘘をつくな、そんな話が書いてある物語なんてあるもんか!とドリームを吹き飛ばすシビレッタ。
「そんな本あるわけないだろ。私は来る日も来る日ありとあらゆる本を読み聞かせて差し上げた。だのに、ちっともあのお方の心は動かなかったじゃないか!」
館長との話を言うシビレッタ。離れた場所に飛ばされたドリームの元に瞬間移動します。「真っ直ぐな想いが伝わってくるだって? いい加減にしな、たかが本などに想いなんてものがあるわけないだろ!」
「あるわよ!」
ミント復活。砂漠を脱して躍り出ます。シビレッタを攻撃。シビレッタは頭のキノコを伸ばして身を包んでロケットのように突っ込んできます。えーそんな使い方できるのかよ! なんかスイッチが入った。
シビレッタの突撃をソーサーで耐えるミント。後ろにはドリームが居ます。
「あなたは本を自分の都合で使うことしか考えなかった。そんな気持ちで読んでも本は応えてくれないわ。誰の心も動かすことは、出来ない!」
ソーサーでシビレッタを弾きます。再度突撃するシビレッタ。威力を増し、ミントにも限界が近づいてきます。ドリームが飛び出してシューティングスターとソーサーを重ねてシビレッタを再び弾きます。続けてアクアの蹴り、レモネードの掌底、ルージュのハンマーナックルで砂漠に落ちるシビレッタ。プリキュアすげぇ。コンビネーションに入ると脱する隙を与えません。プリキュアのスイッチ入れちゃだめです。
ココ達を捕らえていたホシイナーにローズが切り込むようにキックをおみまいします。ココ達を救出。再び実体化した魔人に対しノートを召還するナッツ。おお、なんかカッコいい動き。メタルブリザードで魔人を包み込んで破砕します。
ココもかっこよくフルーレを召還。シビレッタが反撃を加えますが、効かずシビレッタは攻撃を受けて消滅します。
「新作はどんなお話なの? みんなこまちの新作をとっても楽しみにしているのよ」
「楽しみです!」
「みんな」
終りの無い物語は霧消していきます。主の居なくなった部屋に佇むアナコンディ。
「もうこの部屋は必要ないですね。報告書以外の文字なんて全く意味が無い」
④まだ知らない世界を、知ってもらうために
夕日に照らされたナッツハウスでこまちはナッツにみんなのことを書きたいと話します。素晴らしい仲間、共に歩み、共に泣き、共に笑ったことを伝えたい。そしていつか世界中のどこかで誰か一人でもいいから自分の書いた小説を読んで自分もこんな仲間を作りたいと思ってくれたらそれだけで幸せだと語るこまち。
こまちの次回作が楽しみだと答えるナッツ。
のぞみ達も集まって興味津々。自分が主人公になってもいいとくるみ。流石です。スポコンモノならりん。のぞみはすでに主役です。うららもかなりこの作品の中では優遇されています。主役やる気満々のシロップ。
みんなが主役でけって~い。
⑤次回予告
のぞみの夢。館長現わる。
○トピック
こまちとみんなの話。個人の夢や想いが他者と繋がっているシリーズ第四弾。
世にあまたある本の中で自分の本に誰か気付いてもらえるのか、自分が書く物語は結局自分勝手なものではないのか、自分は何を書くべきなのかということにこまちがみんなの応援を受けて答える話。
38話以降アナコンディがどんどん怖くなっています。彼女の想いは館長に届きません。アナコンディの苦しみは暴力や圧力として外部へと向けられています。ひどく生々しい。世界を征服してやろうだとか、希望を蹴散らしてやろうだとか、そんな大儀も思想もなく、彼女が抱いているのは個人が感じる苦痛、不安などの人の持つ想いから発しています。プリキュア側との見事な対照性(現実的にはアナコンディのようになることが少なくないし、またなり易いとも思う)。アナコンディとの戦いがどうなるのかも大きなポイントです。
館長に日々物語を語っても喜ばれず満たされなかったシビレッタの境遇は可哀想ではありますが、物語としてプリキュアと良い意味で対照性を持っていてアコナンディ同様エターナル側の歪んだ構造が鮮明になっています。
プリキュア5の人間関係の特徴として「他者から肯定される」というのがあります。ヘコんだり、困ったり、悩んだり、自分が行っていることが正しいのか迷ったりしているときに、仲間がそれを肯定します。ヘコんでも良い、困っても良い、悩んでも良い、迷っても良い、私はあなたを応援するし、あなたが好きだと彼女達は友達を肯定します。この点において敵側と明確に違いがあります。ナイトメアやエターナルは仲間内で肯定することはありません。
読み手と書き手の違いはあっても本を自分の読みたいように読むシビレッタと、本を自分の書きたいように書くこまちに大きな差異はありません。シビレッタが言うように、本を読むにしても書くにしても自分の意図や都合や解釈を介在して入力ないし出力します。こまちがシビレッタの問いに答えられないのはそのためです。自分で反論するのは難しいでしょう。それを補うのが友達で、のぞみはこまちの本を肯定することでこまちは励まされ、またこまちの正しさが担保されます。この正当性は普遍でも絶対でもありません。自分の本とそれを読んで喜んでくれる友達との小さな繋がりの中での正当性です。
しかしこの正当性や励ましはそれで十分なもので、こまちはこの肯定によって励まされ勇気と決断を持って自分を奮い立たせ自らの道を進む意志を得ます。他者から承認されることでより一層自分の行為が他者に関連していることを知り、他者を視野に入れた行為を行います。かれん、うらら、りんも同じです。彼女達は一人では弱いし小さいですが、他者を肯定することができるしその気持ちを伝えることで、他者を励ますことができて自分も励まされたときに強さを発揮します。そして友達のために頑張ることも出来ます。
対してエターナルは他者を肯定しないので、結局自分で自分の正当性を主張するしかなく、その行為は独善的になり他者のために頑張ることもなく独りでやるしかありません。彼らは組織の中にいてもバラバラです。
プリキュアの物語は肯定によって肯定の循環を作り出して、それを自己肯定と他者肯定に繋げます。その自己と他者の肯定が今現在の生活と夢への躍進を支えます。
本には想いがあるとこまちは言います。それに気付かなければ応えてくれないとも言います。本を読むのは私も好きなので言っていることは分かります。ドストエフスキーとか強烈です。もちろん、著者の意図や気持ちを正確に知ることはできません。私達にできることは自分の気持ちを通しての解釈だからです。その意味ではどう読もうが自由です。しかし感動する心が無ければ運命は訪れない。道具としてしか利用しなければそれは道具でしかないのです。
人に対しても同じで、自分を通して他者を見るときに相手をどう見るかで他者の価値やそこから見出すものも変わってきます。他者の声をどう捉えるか、日常の中で何を見出すかは自分が決めることです。必ずしも他者の発したものを正確に捉えなくてもいいのです。それは元々物理的に不可能だからです。ただ、それらをどう見るかでその人の在り方も変わります(というか、その見方がその人の在り方になるんだけど)。のぞみはこまちの本を読むことでこまちの気持ちを感じ、それを自分に取り入れています。
絶望や不安、恐怖、嫉妬、軽蔑、憎悪は人を歪ませていきますが、人が自らそれを作り出してもいます。GoGo!ではそれが気持ちが伝わらないこと(相手の声に耳を傾けようともしない)で生じています。実も蓋もないことを言えば、気持ちを正確に伝えることも正確に読み取ることも出来ません。不可能だからです。ただしそこに近づこうと努力することは出来て、それを信じることは出来るし、人の声に耳を貸し、人のために口を開き、人のために身体を動かすことは出来ます。他者の気持ちに気付こうとすること、他者に応えようとすること、自分の気持ちを他者に知ってもらおうとすること、そうすることで他者の中にも自己の存在を感じることが出来るし、自己の中に他者を見出すことが出来るようになります。かれんとこまちが友達になったときにこまちの言葉をかれんがずっと心に宿していたように、ココの言葉がのぞみの心に宿っているように、こまちの気持ちをのぞみが知っているように、相手の中に自分が居ると知ったときに人は孤独さや不安から少しでも解放され、喜びを感じます。
私はドストエフスキーの小説を読んだときに、150年も前の異国の人の中にも自分と通じるものがあると気付いたし、また彼の意思を自分に取り入れてもいます。その体験がどれほど嬉しかったかを言葉にすることは難しい。自己の本質的なところで他者と繋がりを持っているという喜び。プリキュアの中に自己を見るし、自分の中にプリキュアがあります。結局、人は自分を視点にしてしか認識できないのだけど、他者や対象があってそれと自分が結びつくこと(共有・共感)の喜びが、人をより良くしていけるのなら、私はそれを大切にしたいと思います。
第41話「りんちゃんイケメンとデート!?」
○今週の出来事
①アクセサリー
新しいアクセサリーのデザインを考えるりん。目の前をごちゃごちゃとアクセサリーを付けた男性が通り過ぎていきます。それを見てたじろぐりん。思わず男性を凝視してしまいます。りんの視線に気付いた男性が声をかけてきますが、何も用はないと答えて男性もそれっきり行ってしまいます。
りんは何であんなにアクセサリーを身につけているのか疑問に思います。
今週のOPはいよいよシャイニングドリームのお披露目。必殺技まで見せる大盤振る舞い。戦いの中で時折見せるドリームの表情の変化が見所。
エターナル。アナコンディの執務室に入るムカーディア。ブンビーが居ないことをアナコンディに尋ねると、彼女はあっさりと知らないと答えます。アナコンディさんがエターナルで知らないことなどないのでは?と言うと、アナコンディはご案内しましょうか?と極上の笑みを返します。危険信号真っ赤か。これは触れてはいけない方の素敵なアナコンディさんです。獲物を確実に、いたぶりながら仕留める狩人の目です。それを察知するムカーディア。あなたを買っている、と言うアナコンディ。裏を返せばその期待に応えられなければどうなるかは明白。猶予の時間は僅か。
ナッツハウス。相変わらずみんな居ます。りんはアクセサリー作成。うららは何かの台本らしきものを読んでいます。のぞみが新しく出来たケーキ屋さんのチラシをうららに見せます。りんは今朝方会った男性の話をします。くるみはケーキ屋の方が気になるようです。
りんはアクセサリーはたくさん着ければお洒落というわけではないのに何故あんなにたくさん着けるのだろうと言います。のぞみは構わずケーキ屋の話を振ります。自分の話聞いてないし…と呆れるりんにのぞみはりんの作ったアクセサリーなら全部付けたいと言います。冗談のように見えて実は今回の正解を言ってしまうのぞみ。気付いてはいないでしょうが、彼女は理屈ではなく本質を見抜く娘です。
のぞみに礼を言いながら、そういう風に付けるものでは…とりんが言いかけたところナッツがアクセサリーはお洒落だけのために付けるものなのか?と言い残して部屋を出て行きます。ナッツの言葉とその答えが分からなくて戸惑うりん。
②りんのデート
実家の店でお手伝いをしながらナッツの言葉を考えるりん。そこに百井がやってきます。りんが悩んでいるのを察して相談に乗る、一緒にお茶でもしませんか?と誘う百井。ここでキザ野郎め!とか言うと私がひがんでいるように見えるので軽率な発言は危険です。そうですね、この優男め!にしておきましょう(あまり変わらない)。
誘いに悩むりん。店番があります。そこに母親が帰ってきます。店番はもういいよ、と言われます。色々と察したのでしょうか。
ナッツハウスではのぞみ達がアクセサリーを身につける理由を考えます。お洒落のためと答えるうらら。くるみも可愛い、綺麗だからと同意します。装飾品を一切見に付けない私にはよく分からない話です。時計も付けません。基本はスッキリ、最軽量、機能性重視。むしろ私自身が人を魅せる!…すいませんちょっと見栄を張ってしまいました。
こまちは昔は権威や身分の象徴として付けていたと言います。読書家な意見です。うららは仲良し同士とかおそろいのものを身に着けると言います。君はキュアモをのぞみと同じように首にさげているよね。ナッツの言っていることはそういうことかしら?と疑問を口にするかれん。口を開かず考え事をしていたのぞみに視線が集まります。自分がりんのアクセサリーを好きなのは綺麗や可愛いだけからではないと考えながら言います。
のぞみ達の話を聞きながらココはナッツにのぞみは何かを感じ取ったみたいだ、と言います。ナッツものぞみとりんなら答えにたどり着くと言います。頷くココ。今回は珍しくも本来のあり方である大人として指導するふたり。
百井と一緒に外を歩くりん。アクセサリーを身につけています。内心でデート!?とドキドキしています。百井はりんからさりげなくのぞみ達のこと、特に苦手なものを聞きだそうとします。ところがりんは百井の話は聞かずアクセサリーショップの品に興味が移っています。苛立ちを覚える百井。この人自尊心高そうだからこういうことには敏感そうです。
アクセサリーを身につける理由を考えるりん。気を取り直した百井がアクセサリーが好きなのか?と尋ねます。百井が身に着けているネックレスを見てどうして着けているのか尋ねるりん。ファッション、自分に似合うから着けていると答える百井。一般的な回答です。その答えに頷きながら、りんは他にも理由があるのではないか?と考えていることを口にします。自分にふさわしいもの、似合うものを身に着ける以外の理由は無いと答える百井。
百井はみんなの苦手なものを尋ねようとします。あからさま過ぎて不信感もたれそうです。しかしちょうどベソをかいた女の子が通りかかります。兄を探しているようで迷子のようです。りんがすぐに駆けつけます。
交番に女の子を連れて行くりん達。百井は警察に任せようと言います。りんはその言葉に答えず泣いている女の子に自分のアクセサリーを与えます。泣くのを止めて喜ぶ女の子。女の子はりんのブレスレットを見ます。それも気前よく与えるりん。女の子はお兄ちゃんにあげる、と言います。その答えに戸惑うりん。女の子用のデザインなので男の人が喜ぶとは思えません。しかし女の子はお兄ちゃんは着けてくれると言います。
りんの実家を訪れるのぞみ。りんのお母さんが色々アクセサリーを着けて行ったと言います。その言葉にお洒落をしてケーキを食べに行ったのではないかと考えるのぞみ。いや、それは無いんじゃないかなぁ。りんを追ってのぞみはケーキ屋へ行きます。
カフェに来るりんと百井。りんはこのお店がのぞみの言っていた店だと気付きます。のぞみの推理は間違っていませんでした。いや、間違っていたんだけど一回転して正解になりました。恐るべし。
りんはのぞみにお土産を買っていかないとと言います。百井はりんに気前がいいんですね、と言います。ケーキ、アクセサリー、迷子の面倒と無駄なことばかりしていると言います。何も見返りがないのに与えてばかり、自分の欲しいものを手に入れることの方が大事だと言います。本当はそう思っていますよね?と見つめる百井。世の中には自分の卑劣さや下品さに気付かず、自分がそう思っているから他の人もそう思っているに違いないと考える人がいます。卑劣や下品は別としても、自明のことは他者にとっても自明と考えがちなのはよくあります。
百井の言葉を否定しようとするりん。そのときのぞみがやってきます。ケーキ食べる気満々です。ようやく百井に気付きます。百井とりんを交互に見るのぞみ。特に他意や冷やかしの態度は見られませんが、後ろめたさを感じるりんは慌てて何かを否定しようとして止めます。動きが可愛い。
店の人がケーキを持ってきます。聞きなれた声、見慣れた顔。ブンビーです。みんな一斉に指を指します。ブンビーもびっくり。展開が読めねぇ。
③百井の正体
のぞみとりんが口火を切る前に百井がどうしてここに!?とブンビーに言います。ブンビーはそっちこそのん気に茶など飲んで、お前もプリキュアのリーダーになろうと考えて?と言います。いや、それは無いだろ。心外だと言わんばかりに声を大きくする百井。エターナルを裏切って地下に落とされた…と言ってからのぞみとりんの視線に気付きます。覆水盆に返らず。ブンビーも同意して百井がエターナルであることを暴露します。ついでに自分が出したお茶を紅茶に変えた恨みも言います。いや、それは別にいいんじゃないかな。ひとりだけアナコンディさんに気に入られようと小ズルイ…と言いながら逃げ出すブンビー。お前も小ズルイな。
逃げるブンビー。エターナルには戻らないと言います。頼まれても戻らない。お願いされたら戻ってもいいかな~と言います。懲りない人だなぁ。名前が「文尾」になってますがそれ本名? 街の中に消えていきます。この人ほんと、どうなるんだろうなぁ。テキトーに、報われるとは言い難いけどしぶとく生きてそうなだぁ。
百井が現れたときに不思議なことが起こったのはそのせいか、と気付くのぞみとりん。今更言い訳は通じません。気づかない方が悪い、と開き直る百井。怪人体になります。対抗して変身です。
ムカーディアはホシイナーをテーブルに投げてホシイナー化させます。襲ってくるホシイナー。ムカーディアは与えるのが好きならパクトをくれと言います。却下。ムカーディアは鎧を幾本の棘に変えて攻撃してきます。なかなか面白い兵装です。プリキュア達を観察していて一つ分かったことがある、無駄が多い、と言います。スコルプと同じかよ。効率のいい自分達には適わない、と言います。あまり効率がいいようには思えませんが、きっと経費とか効率化されているんだと思います。
ルージュに無駄なことで悩んでいるのでは?と言うムカーディア。アクセサリーもパクトも持つにふさわしいものが持つべきだと言います。それを判断するのは誰だ? 自分がそれを判断するのならその正当性はどこにある?
違う!と断言するドリーム。こういうときのドリームの即決・即断は頼りになります。ふさわしいかどうかは関係がない、フローラさんが自分達に渡してくれたのだからそれに応えるだけ!と言います。その言葉に何かを感じるルージュ。
ホシイナーを使って攻撃してきます。追い詰められるふたりですがローズがピンチを救います。レモネードも颯爽と駆けつけホシイナーにキックをお見舞いします。ドリーム達三人も続いてキック。アクアとミントもキックをムカーディアにお見舞いします。プリキュアはキックが得意です。
戦いながらミントとアクアのことを言うムカーディア。ドリームとルージュが相手の正体は百井でエターナルだと言います。散々迷惑をかけられたことに怒りを燃やすプリキュア達。ココ達が駆けつけたので、早速必殺技を使います。メタルブリザードでホシイナーを瞬殺。フルーレの攻撃に壁を作って耐えるムカーディアですが耐久限界を超えたので撤退。合体必殺技と言えど相手幹部を倒すには至りません。
④アクセサリーを身に着ける理由
ナッツハウスを訪れる兄妹。りんは新しいアクセサリーが完成します。
アクセサリーたくさん身につけた男性が持っているアクセサリーのひとつを示して作った人に会いたいと言います。男性がこの前会った相手だと気付くりん。男性も気付きます。男性の後ろに隠れていた女の子はりんを見ると喜んで前に出てきます。アクセサリーの人は女の子の兄だったようです。お礼を言う男性。
女の子は自分があげたアクセサリーを兄がずっと着けていてくれると言います。照れながらもりんの疑問に答える男性。優しいお兄ちゃんだねと言うりんに女の子は兄に抱きつきます。
ナッツに答えるりん。
「誰かの想いが込められているから身に着ける、それがアクセサリーを身につけるもう一つの理由なのね」
頷くナッツ。女の子はりんがさきほど作ったアクセサリーを楽しそうに手に取ります。のぞみはりんの気持ちがたくさん詰まったアクサセリーをたくさん着けたいと言います。
⑤次回予告
シロップ増殖し過ぎ。
○トピック
りんとみんなの話。個人の夢や思いが他者と繋がっているシリーズ第三弾。
これは横道の話ですが、ナッツはお店をやっていて色んなお客さんを見ているので、その人達がどういう理由でアクセサリーを見に着けるのかそれとなく知っていたと思います(そうでなくてもプリキュアの大人は良識と指導を兼ね備えているので答えを子ども達に見つけさせるのですが)。また女の子がナッツハウスを訪れたのも、いつも買っているアクセサリー屋で似たようなデザインのアクセサリーを見たからかもしれませんね。
アクセサリーを作ることが夢のりん。彼女のアクセサリー話はGoGo!の6話と21話の料理の話。6話でスコルプにも指摘されたようにお店の手伝いやフットサルなども行うりんは色々と多忙でそのため中途半端で無駄が多いと言われました。これに対してプリキュアの答えは、それでいい。と直球。色んなことをそれでも一生懸命やるりんをみんなが応援します。
21話ではアクセサリー作りを一旦やめて、のぞみの料理に付き合うという無駄を行いならもそこからアクセサリーデザインの案を見つけることで、一見無駄に見える中からも自分の糧として見出せることを見せています。
今回の話は、アクセサリーを何故着けるのか、言い換えればそれを持つ人にとってのアクセサリーの意味や価値を知る話になっています。それを迷子の女の子のお世話をすることで知ります。アクセサリーは付加価値の塊みたいなもので、実用性などほとんどありませんが、その付加価値の意味や幅を知ることはりんにとって良いことだったと思います。
他者に何かを施したり、与えたり、何事かを行うことは決して損なことではなく、それによっても自分が何かを与えられたり、見出すことができて、そのことでさらに様々な可能性が生まれることはこの作品が証明し続けていることです。そしてこれは損得勘定の問題ではなく、日常の中で自らが能動的に行い、価値や意味を見出していくことの一つの実践的手法でもあります。彼女達は得だからそれをやっているのではなく、相手に応えたい、自分がそうしたいから動いています。この主体的な判断は一種の独善・独断ではあるのですが、それが他者を介在して結果が出ているため一般的には独善とはみなされません。主体が自己であってもその視野の中にどれたけ他者がいて、その行為がどれだけ他者に関わるものであるのか、独善と寛容さは表裏一体です。
これに対してエターナルは他者の期待や思いに応えられないか、上手く自分のために転化させることが出来ていません。アナコンディの毒を含んだ期待にムカーディアは焦りを感じるし、アナコンディの気持ちを館長は無視しているし、館長の期待に応えようとするアナコンディは部下を使い捨てていきます。
来週はよく見れば緑繋がりのミントとシビレッタ。物語を自分に都合のいいように利用するシビレッタにこまちは何と応えるか楽しみです。
①アクセサリー
新しいアクセサリーのデザインを考えるりん。目の前をごちゃごちゃとアクセサリーを付けた男性が通り過ぎていきます。それを見てたじろぐりん。思わず男性を凝視してしまいます。りんの視線に気付いた男性が声をかけてきますが、何も用はないと答えて男性もそれっきり行ってしまいます。
りんは何であんなにアクセサリーを身につけているのか疑問に思います。
今週のOPはいよいよシャイニングドリームのお披露目。必殺技まで見せる大盤振る舞い。戦いの中で時折見せるドリームの表情の変化が見所。
エターナル。アナコンディの執務室に入るムカーディア。ブンビーが居ないことをアナコンディに尋ねると、彼女はあっさりと知らないと答えます。アナコンディさんがエターナルで知らないことなどないのでは?と言うと、アナコンディはご案内しましょうか?と極上の笑みを返します。危険信号真っ赤か。これは触れてはいけない方の素敵なアナコンディさんです。獲物を確実に、いたぶりながら仕留める狩人の目です。それを察知するムカーディア。あなたを買っている、と言うアナコンディ。裏を返せばその期待に応えられなければどうなるかは明白。猶予の時間は僅か。
ナッツハウス。相変わらずみんな居ます。りんはアクセサリー作成。うららは何かの台本らしきものを読んでいます。のぞみが新しく出来たケーキ屋さんのチラシをうららに見せます。りんは今朝方会った男性の話をします。くるみはケーキ屋の方が気になるようです。
りんはアクセサリーはたくさん着ければお洒落というわけではないのに何故あんなにたくさん着けるのだろうと言います。のぞみは構わずケーキ屋の話を振ります。自分の話聞いてないし…と呆れるりんにのぞみはりんの作ったアクセサリーなら全部付けたいと言います。冗談のように見えて実は今回の正解を言ってしまうのぞみ。気付いてはいないでしょうが、彼女は理屈ではなく本質を見抜く娘です。
のぞみに礼を言いながら、そういう風に付けるものでは…とりんが言いかけたところナッツがアクセサリーはお洒落だけのために付けるものなのか?と言い残して部屋を出て行きます。ナッツの言葉とその答えが分からなくて戸惑うりん。
②りんのデート
実家の店でお手伝いをしながらナッツの言葉を考えるりん。そこに百井がやってきます。りんが悩んでいるのを察して相談に乗る、一緒にお茶でもしませんか?と誘う百井。ここでキザ野郎め!とか言うと私がひがんでいるように見えるので軽率な発言は危険です。そうですね、この優男め!にしておきましょう(あまり変わらない)。
誘いに悩むりん。店番があります。そこに母親が帰ってきます。店番はもういいよ、と言われます。色々と察したのでしょうか。
ナッツハウスではのぞみ達がアクセサリーを身につける理由を考えます。お洒落のためと答えるうらら。くるみも可愛い、綺麗だからと同意します。装飾品を一切見に付けない私にはよく分からない話です。時計も付けません。基本はスッキリ、最軽量、機能性重視。むしろ私自身が人を魅せる!…すいませんちょっと見栄を張ってしまいました。
こまちは昔は権威や身分の象徴として付けていたと言います。読書家な意見です。うららは仲良し同士とかおそろいのものを身に着けると言います。君はキュアモをのぞみと同じように首にさげているよね。ナッツの言っていることはそういうことかしら?と疑問を口にするかれん。口を開かず考え事をしていたのぞみに視線が集まります。自分がりんのアクセサリーを好きなのは綺麗や可愛いだけからではないと考えながら言います。
のぞみ達の話を聞きながらココはナッツにのぞみは何かを感じ取ったみたいだ、と言います。ナッツものぞみとりんなら答えにたどり着くと言います。頷くココ。今回は珍しくも本来のあり方である大人として指導するふたり。
百井と一緒に外を歩くりん。アクセサリーを身につけています。内心でデート!?とドキドキしています。百井はりんからさりげなくのぞみ達のこと、特に苦手なものを聞きだそうとします。ところがりんは百井の話は聞かずアクセサリーショップの品に興味が移っています。苛立ちを覚える百井。この人自尊心高そうだからこういうことには敏感そうです。
アクセサリーを身につける理由を考えるりん。気を取り直した百井がアクセサリーが好きなのか?と尋ねます。百井が身に着けているネックレスを見てどうして着けているのか尋ねるりん。ファッション、自分に似合うから着けていると答える百井。一般的な回答です。その答えに頷きながら、りんは他にも理由があるのではないか?と考えていることを口にします。自分にふさわしいもの、似合うものを身に着ける以外の理由は無いと答える百井。
百井はみんなの苦手なものを尋ねようとします。あからさま過ぎて不信感もたれそうです。しかしちょうどベソをかいた女の子が通りかかります。兄を探しているようで迷子のようです。りんがすぐに駆けつけます。
交番に女の子を連れて行くりん達。百井は警察に任せようと言います。りんはその言葉に答えず泣いている女の子に自分のアクセサリーを与えます。泣くのを止めて喜ぶ女の子。女の子はりんのブレスレットを見ます。それも気前よく与えるりん。女の子はお兄ちゃんにあげる、と言います。その答えに戸惑うりん。女の子用のデザインなので男の人が喜ぶとは思えません。しかし女の子はお兄ちゃんは着けてくれると言います。
りんの実家を訪れるのぞみ。りんのお母さんが色々アクセサリーを着けて行ったと言います。その言葉にお洒落をしてケーキを食べに行ったのではないかと考えるのぞみ。いや、それは無いんじゃないかなぁ。りんを追ってのぞみはケーキ屋へ行きます。
カフェに来るりんと百井。りんはこのお店がのぞみの言っていた店だと気付きます。のぞみの推理は間違っていませんでした。いや、間違っていたんだけど一回転して正解になりました。恐るべし。
りんはのぞみにお土産を買っていかないとと言います。百井はりんに気前がいいんですね、と言います。ケーキ、アクセサリー、迷子の面倒と無駄なことばかりしていると言います。何も見返りがないのに与えてばかり、自分の欲しいものを手に入れることの方が大事だと言います。本当はそう思っていますよね?と見つめる百井。世の中には自分の卑劣さや下品さに気付かず、自分がそう思っているから他の人もそう思っているに違いないと考える人がいます。卑劣や下品は別としても、自明のことは他者にとっても自明と考えがちなのはよくあります。
百井の言葉を否定しようとするりん。そのときのぞみがやってきます。ケーキ食べる気満々です。ようやく百井に気付きます。百井とりんを交互に見るのぞみ。特に他意や冷やかしの態度は見られませんが、後ろめたさを感じるりんは慌てて何かを否定しようとして止めます。動きが可愛い。
店の人がケーキを持ってきます。聞きなれた声、見慣れた顔。ブンビーです。みんな一斉に指を指します。ブンビーもびっくり。展開が読めねぇ。
③百井の正体
のぞみとりんが口火を切る前に百井がどうしてここに!?とブンビーに言います。ブンビーはそっちこそのん気に茶など飲んで、お前もプリキュアのリーダーになろうと考えて?と言います。いや、それは無いだろ。心外だと言わんばかりに声を大きくする百井。エターナルを裏切って地下に落とされた…と言ってからのぞみとりんの視線に気付きます。覆水盆に返らず。ブンビーも同意して百井がエターナルであることを暴露します。ついでに自分が出したお茶を紅茶に変えた恨みも言います。いや、それは別にいいんじゃないかな。ひとりだけアナコンディさんに気に入られようと小ズルイ…と言いながら逃げ出すブンビー。お前も小ズルイな。
逃げるブンビー。エターナルには戻らないと言います。頼まれても戻らない。お願いされたら戻ってもいいかな~と言います。懲りない人だなぁ。名前が「文尾」になってますがそれ本名? 街の中に消えていきます。この人ほんと、どうなるんだろうなぁ。テキトーに、報われるとは言い難いけどしぶとく生きてそうなだぁ。
百井が現れたときに不思議なことが起こったのはそのせいか、と気付くのぞみとりん。今更言い訳は通じません。気づかない方が悪い、と開き直る百井。怪人体になります。対抗して変身です。
ムカーディアはホシイナーをテーブルに投げてホシイナー化させます。襲ってくるホシイナー。ムカーディアは与えるのが好きならパクトをくれと言います。却下。ムカーディアは鎧を幾本の棘に変えて攻撃してきます。なかなか面白い兵装です。プリキュア達を観察していて一つ分かったことがある、無駄が多い、と言います。スコルプと同じかよ。効率のいい自分達には適わない、と言います。あまり効率がいいようには思えませんが、きっと経費とか効率化されているんだと思います。
ルージュに無駄なことで悩んでいるのでは?と言うムカーディア。アクセサリーもパクトも持つにふさわしいものが持つべきだと言います。それを判断するのは誰だ? 自分がそれを判断するのならその正当性はどこにある?
違う!と断言するドリーム。こういうときのドリームの即決・即断は頼りになります。ふさわしいかどうかは関係がない、フローラさんが自分達に渡してくれたのだからそれに応えるだけ!と言います。その言葉に何かを感じるルージュ。
ホシイナーを使って攻撃してきます。追い詰められるふたりですがローズがピンチを救います。レモネードも颯爽と駆けつけホシイナーにキックをお見舞いします。ドリーム達三人も続いてキック。アクアとミントもキックをムカーディアにお見舞いします。プリキュアはキックが得意です。
戦いながらミントとアクアのことを言うムカーディア。ドリームとルージュが相手の正体は百井でエターナルだと言います。散々迷惑をかけられたことに怒りを燃やすプリキュア達。ココ達が駆けつけたので、早速必殺技を使います。メタルブリザードでホシイナーを瞬殺。フルーレの攻撃に壁を作って耐えるムカーディアですが耐久限界を超えたので撤退。合体必殺技と言えど相手幹部を倒すには至りません。
④アクセサリーを身に着ける理由
ナッツハウスを訪れる兄妹。りんは新しいアクセサリーが完成します。
アクセサリーたくさん身につけた男性が持っているアクセサリーのひとつを示して作った人に会いたいと言います。男性がこの前会った相手だと気付くりん。男性も気付きます。男性の後ろに隠れていた女の子はりんを見ると喜んで前に出てきます。アクセサリーの人は女の子の兄だったようです。お礼を言う男性。
女の子は自分があげたアクセサリーを兄がずっと着けていてくれると言います。照れながらもりんの疑問に答える男性。優しいお兄ちゃんだねと言うりんに女の子は兄に抱きつきます。
ナッツに答えるりん。
「誰かの想いが込められているから身に着ける、それがアクセサリーを身につけるもう一つの理由なのね」
頷くナッツ。女の子はりんがさきほど作ったアクセサリーを楽しそうに手に取ります。のぞみはりんの気持ちがたくさん詰まったアクサセリーをたくさん着けたいと言います。
⑤次回予告
シロップ増殖し過ぎ。
○トピック
りんとみんなの話。個人の夢や思いが他者と繋がっているシリーズ第三弾。
これは横道の話ですが、ナッツはお店をやっていて色んなお客さんを見ているので、その人達がどういう理由でアクセサリーを見に着けるのかそれとなく知っていたと思います(そうでなくてもプリキュアの大人は良識と指導を兼ね備えているので答えを子ども達に見つけさせるのですが)。また女の子がナッツハウスを訪れたのも、いつも買っているアクセサリー屋で似たようなデザインのアクセサリーを見たからかもしれませんね。
アクセサリーを作ることが夢のりん。彼女のアクセサリー話はGoGo!の6話と21話の料理の話。6話でスコルプにも指摘されたようにお店の手伝いやフットサルなども行うりんは色々と多忙でそのため中途半端で無駄が多いと言われました。これに対してプリキュアの答えは、それでいい。と直球。色んなことをそれでも一生懸命やるりんをみんなが応援します。
21話ではアクセサリー作りを一旦やめて、のぞみの料理に付き合うという無駄を行いならもそこからアクセサリーデザインの案を見つけることで、一見無駄に見える中からも自分の糧として見出せることを見せています。
今回の話は、アクセサリーを何故着けるのか、言い換えればそれを持つ人にとってのアクセサリーの意味や価値を知る話になっています。それを迷子の女の子のお世話をすることで知ります。アクセサリーは付加価値の塊みたいなもので、実用性などほとんどありませんが、その付加価値の意味や幅を知ることはりんにとって良いことだったと思います。
他者に何かを施したり、与えたり、何事かを行うことは決して損なことではなく、それによっても自分が何かを与えられたり、見出すことができて、そのことでさらに様々な可能性が生まれることはこの作品が証明し続けていることです。そしてこれは損得勘定の問題ではなく、日常の中で自らが能動的に行い、価値や意味を見出していくことの一つの実践的手法でもあります。彼女達は得だからそれをやっているのではなく、相手に応えたい、自分がそうしたいから動いています。この主体的な判断は一種の独善・独断ではあるのですが、それが他者を介在して結果が出ているため一般的には独善とはみなされません。主体が自己であってもその視野の中にどれたけ他者がいて、その行為がどれだけ他者に関わるものであるのか、独善と寛容さは表裏一体です。
これに対してエターナルは他者の期待や思いに応えられないか、上手く自分のために転化させることが出来ていません。アナコンディの毒を含んだ期待にムカーディアは焦りを感じるし、アナコンディの気持ちを館長は無視しているし、館長の期待に応えようとするアナコンディは部下を使い捨てていきます。
来週はよく見れば緑繋がりのミントとシビレッタ。物語を自分に都合のいいように利用するシビレッタにこまちは何と応えるか楽しみです。
第40話「うららの歌声を取り戻せ!」
○今週の出来事
①ビッグチャンス
2次審査を通過したと鷲雄さんから知らせを受けるうらら。残る最終審査を合格すればインペリアルホールでのミュージカル主演が決まります。うららを喜ぶのぞみ達。インペリアルホールは何千人も入る大劇場、一気に活躍の場が大きくなります。
これまでのことを思い返す鷲雄さん。遊園地での司会、歌手デビューと進んでいよいよ大舞台へ躍り出る大チャンスです。意気込むうらら。のぞみとりんはいつもどおりやれば大丈夫と励ましますが、うららはいつになく気負っています。今回だけは絶対に合格しなければいけない、と真剣な表情。
OPは今週も映画宣伝仕様。ミルキィローズ戦闘が主。ローズはガチで戦っているので迫力があります。彼女の大見得切りと活躍は劇場で。この分だと来週はシャイニングドリームが出てきそうです。
秋空の下、早口言葉の練習をするうらら。懐かしい。以前(5のとき)学校でやっていてのぞみが真似たらかんだシーンを思い出します。
うららの練習風景を水晶で見るシビレッタ。そこにアナコンディがノックもせず入ってきます。部屋に入るならノックをしろと言うシビレッタにこの部屋はエターナルのもので役立たずがいつまでも使えると思うな、とかなりストレートに返答するアナコンディ。彼女のエターナルへの帰属意識が高いことを表すセリフでもあります。
今までのチクチクとした皮肉合戦とは違って露骨に嫌味を言うアナコンディ。これにはシビレッタも腹を立てて部屋から追い出します。ある意味でアナコンディも余裕がなくなってきています。
②母と同じ舞台で
一人で練習し続けるうらら。使命感や義務感すら感じさせる気迫があります。今回のオーディションは今までとはワケが違うようです。一通り終り、不安を表情に表すうらら。期待感と不安は同居します。
シロップが缶ジュースを持ってやってきます。気の利く男です。プリキュアの男性陣は男前ですがそれ以上に器量もあります。勝てる気がしません(さらりと情けないことを告白)。
ベンチで休憩。シロップはうららに普段と様子が違うと尋ねます。うららは以前シロップに話した自分の夢の動機を話します。彼女の母親が立って演じていた舞台に自分も立ちたい、そこから何が見えるのか知りたい。今度のミュージカルは母親が最後に演じた作品・劇場が同じでもしかしたらこんなチャンスは二度と来ないかもしれません。絶対に舞台に立ちたいと考えるうらら。しかし同時に不安も募ります。
きっと大丈夫、舞台の上から何が見えたか教えてくれ、お前の夢が叶うと自分の夢も叶うような気がすると言うシロップ。人はそれが非合理的で必然性や関連性がないとしても、他者や物事に関連付けることがあります。シロップの夢はうららにかかり、同時にうららの夢はシロップにかかってきます。物理的な因果関係はありません。しかし精神的な動機や因果関係は結びつけることができて、言わばそれは思い込みです。言い換えれば「信じる」こと。それがあるから人は他者に託し、それを受けて応えようとします。
笑顔で応えるうらら。
のぞみ達がやってきます。みんなで作ったブレスレットを渡します。オーディションでは何をするのかと尋ねるこまち。歌を歌うそうです。今までやってきたことが実るときです。のぞみは歌ってとお願いします。
策を弄するシビレッタ。
③二者択一
歌おうとすると咳き込んでしまううらら。もう一度試そうとしても同じ結果になります。歌が歌えません。そのとき、周囲から泡が上っていきます。気配を感じるココナッツ。エターナルです。
一気に景色が変わって、海の世界。自分の下半身が魚になっていることに気付くうらら。変な格好をすることはありましたが体型が変わっているのは初めてです。周囲を見るとのぞみ達も同じ格好になっています。いわゆる人魚です。人魚と言えば貝殻の胸当てじゃねーのか?と思うところですが、それは鷲Pが許しません。普通に衣装が可愛いです。個人的に太ももが見られればいいので、露出そのものはさして求めません(上級者だな)。
ココ達もやってきます。こちらはいろんな意味で悲惨です。ココはタコ、ナッツはフグ、シロップは海亀になっています。特にココの酷さは際立っており周囲3m以内に近づいてほしくありません。っていうか、視界に入れたくありません。笑っちまいます。
そこにエイホシイナーに乗って現れるシビレッタ。うららのオーディションがあるからもとの世界へ戻せと苦情を言うのぞみ達。歌が歌えないのだから意味は無い、うららの歌声は預かっていると答えるシビレッタ。
歌声を取り戻すために単身シビレッタに挑んだシロップはあっけなくホシイナーの尻尾に弾かれて海底にたたきつけられてしまいます。シロップを抱き上げるうらら。痛い思いをしたものの好感度アップです。男子たるものこれくらいのことをしなくてはいけません。
貝を見せるシビレッタ。この中に歌声を閉じ込めた、貝が開いてしまえば二度と歌えなくなる、下手に動くと捨てると脅します。オーディションの重要性を知っていての卑劣な脅迫です。交換条件はローズパクト。うららにどちらを取るか決めさせるシビレッタ。
今までのことが脳裏によみがえるうらら。着けたブレスレットを押さえ、彼女はきっぱりと「絶対にローズパクトは渡しません!」と断言します。
みんなとの約束であるキュアローズガーデンへいくために必要なローズパクトは渡せないと話すうらら。再び貝を見せ付けるシビレッタ。シロップは本当にいいのか?とうららに聞きます。今回のオーディションがうららにとって非常に意味あるものであることを言います。ローズガーデンに行くことは彼にとって最重要な問題です。しかし今の彼にとってそれが彼だけの問題ではなく、一個人の夢と引き換えにできないものではないことを知っています。言外に渡しても良いと言っています。
うららの事情を知るのぞみ達。しかしうららの決意に変わりはありません。彼女にとってみんなの夢は自分の夢と引き換えにできないものです。シロップの夢とみんなの想いが詰まっているパクトを交換できないと言ううらら。彼女の決意にみんなは何も言えません。
貝を離すシビレッタ。思わず貝を見るうらら。「ちょっと待って」のぞみの声。シビレッタは貝を再び掴みます。
のぞみはパクトを渡すからうららの歌声を返して、と言います。のぞみを止めようとするうららの手をブレスレットごと握り返してのぞみはやっとうららの夢が叶いそうなのに歌声が泡になったら二度と戻らない、パクトはまた取り返せばいい、とみんなに向かって言います。承諾するみんな。シロップからパクトを預かるのぞみ。
シビレッタはパクトを先に渡せと要求します。明らかに約束を反故する気満々です。のぞみはパクトをシビレッタに渡します。しかしやはりシビレッタは貝を渡しません。ココはくるみに自分を投げろと言います。
ココをシビレッタに向かって投げるくるみ。一瞬ココが面白い表情をします。ココはシビレッタにぶつかると墨を吐き出します。この姿の方が役立つんじゃない? その隙にシロップがパクトと貝を奪取。さらにのぞみ達も変身です。変身すると人魚モードは解除されるようです。
2つとも取るなんて卑怯!と憤るシビレッタに「あら、そのセリフそっくりそのままお返しするわ」とくるみ。この娘のこういうセリフはよく似合います。変身。変身直前まで人魚のまま。これは非常に珍しいシーン。もちろん変身すると元に戻ります。
④二兎追う者二兎得る
エイホシイナーが周囲の海水を吸って濁流を吐き出します。回避。シロップは貝をレモネードに渡します。ホシイナーの攻撃からシロップを守るドリーム。ローズが反撃します。
シビレッタは電撃でレモネードを攻撃、手離された貝は開きかかってしまいますが間一髪ココナッツが閉じます。いつになく活躍しています。やっぱりこのままの姿でいいんじゃない?
向かってくるホシイナーをチェーンで捕縛してそのまま投げ飛ばすレモネード。フルーレを召還するココ。そろそろタコの姿も見慣れてきました。ホシイナー撃破。シビレッタ撤退。
オーディション会場。最終審査の始まりです。ブレスレットを身に着けたうらら。課題は好きな曲を歌うこと。
「この歌は私を支えてくれてるみんなのおかげで歌えるようになったとても大切な歌なんです」
ツインテールの魔法。
ナッツハウス。オーディションの結果発表日です。今か今かと結果を待ち望むのぞみ。しきりに動きます。落ち着いてくださいといううららも握った紙を散り散りにしています。止めるりんも落ち着かない。気を揉むみんな。
鷲雄さんが来ます。涙ぐむ鷲雄さん。合格だと告げます。喜びの涙です。
「おめでとう!」 うららを喜ぶみんな。
ナッツハウスのバルコニーにシロップを呼び出すうらら。うららは以前貰った「シロップ乗車券」を見せます。
シロップに乗って風を感じるうらら。何かを成し遂げた空は一段と気持ちいいと言うシロップ。今度はシロップが夢を叶える番だね、と答えるうらら。シロップはこんな気持ちで空を飛ぶのは初めてかと思ったが多分初めてでは無いと言います。昔こんな風を感じていたと話すシロップ。
過去の記憶を現在に繋げた少女を載せてシロップは飛びます。未来にある自分の過去に向かって。
⑤次回予告
本性を現すムカーディア。りんの受難は続くよどこまでも。
○トピック
今回もうららの話に見えてみんなとの話。初登場時から夢に向かって努力し続けてきたうららがついにその夢への大きなチャンスを掴んだ話。と、シロップがうららの夢と関わりをもって一緒に喜ぶことを経験する話。
友達の支えと本人の努力によって実現した歌手デビューが、夢実現への大きな手助けをしています。地味にですが彼女達の努力が実を結んでいます。4話であったように自分の夢を取るか、みんなを取るかの選択(これはみんなを助けたいという自分の気持ちを取るか、みんなが自分を応援している気持ちを取るかの選択でもある)の結果でもあります。みんなで頑張って自分の夢を叶える。またそれが他者(シロップ)にも勇気を与えることにもなっています。
話が進むごとにパクトの重要性が下がっていることが印象的。以前なら人質を取られてもパクトの要求を跳ね除けてきたのぞみ達ですが、今回はあっさりとパクトを渡します。
うららからすればみんなの想いやシロップの夢を自分の夢と天秤にかけることはできないでしょう。うららの選択は4話や24話のシロップ、30話のくるみの選択同様みんなとの関わり合いを良しとしています。
これに対してのぞみ達はうららの夢を選択します。この選択もこれまでと同じです。みんなのために個人を犠牲にすることは彼女達にはできません。それぞれの立場からすればこの選択は妥当です。そもそも個人を犠牲にするか、みんなを犠牲にするかということ自体引き換えにできるようなものではありません。
引き換えにできないもののどちらかを選べ、という問題に対する最もベストな解答は何か? どっちも選ぶ。
だから選べないんだって、どっちかなんだって、という話は知ったことではありません。これはどこに理想を求めるかの話です。それをやるのがプリキュアです。パクトは無くならないし取り戻すことができるなら、取り戻せなくなるうららの歌声を優先する。うららの夢が叶って、みんなの夢も叶うのがプリキュア的正解です。何故これができるのかといえばみんながそれを望んで託し託され応えるからです。努力したからといって結果が保証されているわけではありませんが、意志もしない、努力もしないところに都合の良い結果が出ることは稀です。彼女達はみんなの夢も個人の夢も叶えることを望んでいて、意志して努力しています(さり気に今回ココナッツ含めて全員活躍している)。
現実的な話をすれば、必ずしもそれが良い結果を生むとは言えません。そんな保証はどこにもありません。が、それはどの選択でも同じことです。保証など何にもどこにもありません。強いて言えば、(現実的な)選択の方が統計的に有り得そうだ、くらいです。
理想が無ければ自分の在り方が分からないし、夢が無ければ自分の進む道も分かりません。夢を叶えたからといってそれで終りでもない。
私は夢を叶えることにさほど価値を置きません。おそらく人が感じる充実や幸福は夢の実現にではなく、実現しようと進んでいるときに感じるであろうと思うからです。夢や願望が叶えばそれに見合った充実を感じますが、いつまでもそれを感じ続けることはできません。生憎と人間は慣れる生き物なのでいつまでも同じ状態に満足してはいられなくなります(言い換えれば人の欲望・発展性は際限が無い)。だから私は夢を持つこと、理想を持つこと、それに向かって進むこと、それらを見出せることに意味と価値を置きます。それは人を常に進ませ生かすからです。動き続けることに私は人の力と強さを感じます(同時に凶暴性をも感じる)。
それらをどのように見出し、感じるか、人にどんな可能性を生み出せるのか、プリキュアでそれを見たいと思います。今回で40話。あと2ヶ月もすれば物語は終わります。俄然気合が入ります。
①ビッグチャンス
2次審査を通過したと鷲雄さんから知らせを受けるうらら。残る最終審査を合格すればインペリアルホールでのミュージカル主演が決まります。うららを喜ぶのぞみ達。インペリアルホールは何千人も入る大劇場、一気に活躍の場が大きくなります。
これまでのことを思い返す鷲雄さん。遊園地での司会、歌手デビューと進んでいよいよ大舞台へ躍り出る大チャンスです。意気込むうらら。のぞみとりんはいつもどおりやれば大丈夫と励ましますが、うららはいつになく気負っています。今回だけは絶対に合格しなければいけない、と真剣な表情。
OPは今週も映画宣伝仕様。ミルキィローズ戦闘が主。ローズはガチで戦っているので迫力があります。彼女の大見得切りと活躍は劇場で。この分だと来週はシャイニングドリームが出てきそうです。
秋空の下、早口言葉の練習をするうらら。懐かしい。以前(5のとき)学校でやっていてのぞみが真似たらかんだシーンを思い出します。
うららの練習風景を水晶で見るシビレッタ。そこにアナコンディがノックもせず入ってきます。部屋に入るならノックをしろと言うシビレッタにこの部屋はエターナルのもので役立たずがいつまでも使えると思うな、とかなりストレートに返答するアナコンディ。彼女のエターナルへの帰属意識が高いことを表すセリフでもあります。
今までのチクチクとした皮肉合戦とは違って露骨に嫌味を言うアナコンディ。これにはシビレッタも腹を立てて部屋から追い出します。ある意味でアナコンディも余裕がなくなってきています。
②母と同じ舞台で
一人で練習し続けるうらら。使命感や義務感すら感じさせる気迫があります。今回のオーディションは今までとはワケが違うようです。一通り終り、不安を表情に表すうらら。期待感と不安は同居します。
シロップが缶ジュースを持ってやってきます。気の利く男です。プリキュアの男性陣は男前ですがそれ以上に器量もあります。勝てる気がしません(さらりと情けないことを告白)。
ベンチで休憩。シロップはうららに普段と様子が違うと尋ねます。うららは以前シロップに話した自分の夢の動機を話します。彼女の母親が立って演じていた舞台に自分も立ちたい、そこから何が見えるのか知りたい。今度のミュージカルは母親が最後に演じた作品・劇場が同じでもしかしたらこんなチャンスは二度と来ないかもしれません。絶対に舞台に立ちたいと考えるうらら。しかし同時に不安も募ります。
きっと大丈夫、舞台の上から何が見えたか教えてくれ、お前の夢が叶うと自分の夢も叶うような気がすると言うシロップ。人はそれが非合理的で必然性や関連性がないとしても、他者や物事に関連付けることがあります。シロップの夢はうららにかかり、同時にうららの夢はシロップにかかってきます。物理的な因果関係はありません。しかし精神的な動機や因果関係は結びつけることができて、言わばそれは思い込みです。言い換えれば「信じる」こと。それがあるから人は他者に託し、それを受けて応えようとします。
笑顔で応えるうらら。
のぞみ達がやってきます。みんなで作ったブレスレットを渡します。オーディションでは何をするのかと尋ねるこまち。歌を歌うそうです。今までやってきたことが実るときです。のぞみは歌ってとお願いします。
策を弄するシビレッタ。
③二者択一
歌おうとすると咳き込んでしまううらら。もう一度試そうとしても同じ結果になります。歌が歌えません。そのとき、周囲から泡が上っていきます。気配を感じるココナッツ。エターナルです。
一気に景色が変わって、海の世界。自分の下半身が魚になっていることに気付くうらら。変な格好をすることはありましたが体型が変わっているのは初めてです。周囲を見るとのぞみ達も同じ格好になっています。いわゆる人魚です。人魚と言えば貝殻の胸当てじゃねーのか?と思うところですが、それは鷲Pが許しません。普通に衣装が可愛いです。個人的に太ももが見られればいいので、露出そのものはさして求めません(上級者だな)。
ココ達もやってきます。こちらはいろんな意味で悲惨です。ココはタコ、ナッツはフグ、シロップは海亀になっています。特にココの酷さは際立っており周囲3m以内に近づいてほしくありません。っていうか、視界に入れたくありません。笑っちまいます。
そこにエイホシイナーに乗って現れるシビレッタ。うららのオーディションがあるからもとの世界へ戻せと苦情を言うのぞみ達。歌が歌えないのだから意味は無い、うららの歌声は預かっていると答えるシビレッタ。
歌声を取り戻すために単身シビレッタに挑んだシロップはあっけなくホシイナーの尻尾に弾かれて海底にたたきつけられてしまいます。シロップを抱き上げるうらら。痛い思いをしたものの好感度アップです。男子たるものこれくらいのことをしなくてはいけません。
貝を見せるシビレッタ。この中に歌声を閉じ込めた、貝が開いてしまえば二度と歌えなくなる、下手に動くと捨てると脅します。オーディションの重要性を知っていての卑劣な脅迫です。交換条件はローズパクト。うららにどちらを取るか決めさせるシビレッタ。
今までのことが脳裏によみがえるうらら。着けたブレスレットを押さえ、彼女はきっぱりと「絶対にローズパクトは渡しません!」と断言します。
みんなとの約束であるキュアローズガーデンへいくために必要なローズパクトは渡せないと話すうらら。再び貝を見せ付けるシビレッタ。シロップは本当にいいのか?とうららに聞きます。今回のオーディションがうららにとって非常に意味あるものであることを言います。ローズガーデンに行くことは彼にとって最重要な問題です。しかし今の彼にとってそれが彼だけの問題ではなく、一個人の夢と引き換えにできないものではないことを知っています。言外に渡しても良いと言っています。
うららの事情を知るのぞみ達。しかしうららの決意に変わりはありません。彼女にとってみんなの夢は自分の夢と引き換えにできないものです。シロップの夢とみんなの想いが詰まっているパクトを交換できないと言ううらら。彼女の決意にみんなは何も言えません。
貝を離すシビレッタ。思わず貝を見るうらら。「ちょっと待って」のぞみの声。シビレッタは貝を再び掴みます。
のぞみはパクトを渡すからうららの歌声を返して、と言います。のぞみを止めようとするうららの手をブレスレットごと握り返してのぞみはやっとうららの夢が叶いそうなのに歌声が泡になったら二度と戻らない、パクトはまた取り返せばいい、とみんなに向かって言います。承諾するみんな。シロップからパクトを預かるのぞみ。
シビレッタはパクトを先に渡せと要求します。明らかに約束を反故する気満々です。のぞみはパクトをシビレッタに渡します。しかしやはりシビレッタは貝を渡しません。ココはくるみに自分を投げろと言います。
ココをシビレッタに向かって投げるくるみ。一瞬ココが面白い表情をします。ココはシビレッタにぶつかると墨を吐き出します。この姿の方が役立つんじゃない? その隙にシロップがパクトと貝を奪取。さらにのぞみ達も変身です。変身すると人魚モードは解除されるようです。
2つとも取るなんて卑怯!と憤るシビレッタに「あら、そのセリフそっくりそのままお返しするわ」とくるみ。この娘のこういうセリフはよく似合います。変身。変身直前まで人魚のまま。これは非常に珍しいシーン。もちろん変身すると元に戻ります。
④二兎追う者二兎得る
エイホシイナーが周囲の海水を吸って濁流を吐き出します。回避。シロップは貝をレモネードに渡します。ホシイナーの攻撃からシロップを守るドリーム。ローズが反撃します。
シビレッタは電撃でレモネードを攻撃、手離された貝は開きかかってしまいますが間一髪ココナッツが閉じます。いつになく活躍しています。やっぱりこのままの姿でいいんじゃない?
向かってくるホシイナーをチェーンで捕縛してそのまま投げ飛ばすレモネード。フルーレを召還するココ。そろそろタコの姿も見慣れてきました。ホシイナー撃破。シビレッタ撤退。
オーディション会場。最終審査の始まりです。ブレスレットを身に着けたうらら。課題は好きな曲を歌うこと。
「この歌は私を支えてくれてるみんなのおかげで歌えるようになったとても大切な歌なんです」
ツインテールの魔法。
ナッツハウス。オーディションの結果発表日です。今か今かと結果を待ち望むのぞみ。しきりに動きます。落ち着いてくださいといううららも握った紙を散り散りにしています。止めるりんも落ち着かない。気を揉むみんな。
鷲雄さんが来ます。涙ぐむ鷲雄さん。合格だと告げます。喜びの涙です。
「おめでとう!」 うららを喜ぶみんな。
ナッツハウスのバルコニーにシロップを呼び出すうらら。うららは以前貰った「シロップ乗車券」を見せます。
シロップに乗って風を感じるうらら。何かを成し遂げた空は一段と気持ちいいと言うシロップ。今度はシロップが夢を叶える番だね、と答えるうらら。シロップはこんな気持ちで空を飛ぶのは初めてかと思ったが多分初めてでは無いと言います。昔こんな風を感じていたと話すシロップ。
過去の記憶を現在に繋げた少女を載せてシロップは飛びます。未来にある自分の過去に向かって。
⑤次回予告
本性を現すムカーディア。りんの受難は続くよどこまでも。
○トピック
今回もうららの話に見えてみんなとの話。初登場時から夢に向かって努力し続けてきたうららがついにその夢への大きなチャンスを掴んだ話。と、シロップがうららの夢と関わりをもって一緒に喜ぶことを経験する話。
友達の支えと本人の努力によって実現した歌手デビューが、夢実現への大きな手助けをしています。地味にですが彼女達の努力が実を結んでいます。4話であったように自分の夢を取るか、みんなを取るかの選択(これはみんなを助けたいという自分の気持ちを取るか、みんなが自分を応援している気持ちを取るかの選択でもある)の結果でもあります。みんなで頑張って自分の夢を叶える。またそれが他者(シロップ)にも勇気を与えることにもなっています。
話が進むごとにパクトの重要性が下がっていることが印象的。以前なら人質を取られてもパクトの要求を跳ね除けてきたのぞみ達ですが、今回はあっさりとパクトを渡します。
うららからすればみんなの想いやシロップの夢を自分の夢と天秤にかけることはできないでしょう。うららの選択は4話や24話のシロップ、30話のくるみの選択同様みんなとの関わり合いを良しとしています。
これに対してのぞみ達はうららの夢を選択します。この選択もこれまでと同じです。みんなのために個人を犠牲にすることは彼女達にはできません。それぞれの立場からすればこの選択は妥当です。そもそも個人を犠牲にするか、みんなを犠牲にするかということ自体引き換えにできるようなものではありません。
引き換えにできないもののどちらかを選べ、という問題に対する最もベストな解答は何か? どっちも選ぶ。
だから選べないんだって、どっちかなんだって、という話は知ったことではありません。これはどこに理想を求めるかの話です。それをやるのがプリキュアです。パクトは無くならないし取り戻すことができるなら、取り戻せなくなるうららの歌声を優先する。うららの夢が叶って、みんなの夢も叶うのがプリキュア的正解です。何故これができるのかといえばみんながそれを望んで託し託され応えるからです。努力したからといって結果が保証されているわけではありませんが、意志もしない、努力もしないところに都合の良い結果が出ることは稀です。彼女達はみんなの夢も個人の夢も叶えることを望んでいて、意志して努力しています(さり気に今回ココナッツ含めて全員活躍している)。
現実的な話をすれば、必ずしもそれが良い結果を生むとは言えません。そんな保証はどこにもありません。が、それはどの選択でも同じことです。保証など何にもどこにもありません。強いて言えば、(現実的な)選択の方が統計的に有り得そうだ、くらいです。
理想が無ければ自分の在り方が分からないし、夢が無ければ自分の進む道も分かりません。夢を叶えたからといってそれで終りでもない。
私は夢を叶えることにさほど価値を置きません。おそらく人が感じる充実や幸福は夢の実現にではなく、実現しようと進んでいるときに感じるであろうと思うからです。夢や願望が叶えばそれに見合った充実を感じますが、いつまでもそれを感じ続けることはできません。生憎と人間は慣れる生き物なのでいつまでも同じ状態に満足してはいられなくなります(言い換えれば人の欲望・発展性は際限が無い)。だから私は夢を持つこと、理想を持つこと、それに向かって進むこと、それらを見出せることに意味と価値を置きます。それは人を常に進ませ生かすからです。動き続けることに私は人の力と強さを感じます(同時に凶暴性をも感じる)。
それらをどのように見出し、感じるか、人にどんな可能性を生み出せるのか、プリキュアでそれを見たいと思います。今回で40話。あと2ヶ月もすれば物語は終わります。俄然気合が入ります。
第39話「モンブラン国王を救え!」
○今週の出来事
①モンブラン王
学校の図書館で医学関係の本をこまちから借りるかれん。かれんは医者になるため医学の勉強をしています。すると前回くるみが必死で探していたパルミンがすんなり簡単に出てきます。果報は寝て待て。しかしパルミンは様子がおかしく床に不時着、元気がないようです。ショットすると国王となります。顔を赤くして苦しそうです。
今回のOPは戦闘シーンメイン。OPだけで三回も顔面を蹴られているドライは大変です。絶体絶命のドリームは起死回生となるか。続きは劇場で。また観に行きたくなってきました。
王様が見つかったと聞きつけてナッツハウスにやってくるのぞみ。くるみが静かにして、と注意します。王様が病気で弱っていることを伝えるうらら。驚いて声をあげるのぞみを再度注意するくるみ。またいつもどおりの関係です。
かれんは国王をパクトに転送します。ココ達の呼びかけにも答えられません。
モンブラン国王をベッドで寝かせます。パルミエのパパイヤに聞いても良い対処法は分かりません。有用な書籍もない。ババロア女王に尋ねてみます。相変わらずしゃべりだす女王の言葉を遮るシロップ。モンブラン王の様子を見て真剣になった女王は、長い間パルミンだったため体力が消耗していると言います。モンブラン王の外見は若いですが、国王の中では最年長らしく長老的な立場のようです。自然回復を待つには少々あぶない。看病の必要があります。
ミルクはかれんに看病を頼みます。以前ミルクが病気で弱ったときにかれんの看病を受けています(治したのはピンキーですが)。自信が無く戸惑うかれん。迷いを振り払い看病することを承諾します。
②かれんの看病
落ち葉が降り注ぐ中、くしゃみをして寒々しいブンビー。心も懐も寒いと嘆きます。無断でエターナルを飛び出したことになっているらしく、行く当てが無いようです。
パクトを操作してハチミツを出すかれん。みんなそれぞれ看病に必要な品を持ち寄ります。暖を取り、お湯でハチミツを薄めてモンブラン王に与えます。自分を納得させるためか一つ一つ説明しながら行います。ハチミツを飲んだモンブラン王は咳き込んでしまいます。パニック状態に陥る一同。かれんに助言を求めます。かれんも冷静さを失い集団恐慌に陥りそうです。
こまちが落ち着いて!と喝を入れます。こまちは自分のことで凹むことは多いのですが、集団的緊張や切迫した状況には強いようです(5の14話でも生徒達相手に啖呵を切っている)。
モンブラン王の背中をさすり落ち着かせるココナッツ。こまちはスプーンを拾ってかれんに渡そうとしますが、かれんは茫然自失となって呼びかけても答えません。何度か声をかけられて我を取り戻したかれんはモンブラン王の様子を見て、気持ちを落ち着かせると言って席を外します。モンブラン王の前にかれんがまいってしまいそうです。
バルコニーでため息をつくかれん。こまちが声をかけます。怖くなったと答えるかれん。階下ではのぞみ達もかれんを心配しています。自分のせいでモンブラン王になにかあったらどうしよう…と不安を口にします。医者を目指しているといっても彼女は半人前以前の見習いですらありません。しかしそれでもみんなの期待に応えなければならないし、目の前で苦しんでいる人は助けたいしとプレッシャーは大きく圧し掛かります。
こまちは手が震えるかれんに手を重ねます。「怖い人なんていないわよ」かれんは出来ることを一生懸命やっていたと答えるこまち。目の前で苦しんでいる人がいたら力になってあげる、その気持ちさえあれば大丈夫、と励まします。本当にできるのか躊躇うかれんに、こまちはすぐそばにいつだってそうやってきた人がいると言います。その言葉が誰を指しているのかすぐに気付くかれん。どんな困難にも決して諦めずみんなの力になろうとする人。私達にもきっとできる、と言うこまち。「こまち、ありがとう」こまちの手に手を重ねます。人の意思は幾重にも重なり合っていきます。
階下からのぞみが再びかれんに助けを求めてやってきます。彼女とて万能ではありません。誰かの助けを必要とするときがあります。かれんとこまちはお互いにうなづき合い、のぞみの元へ行きます。
ナッツハウスの前に行き場をなくしてやってきたブンビー。
モンブラン王の病状は悪化しています。不安なかれんを励ますこまち。
タオルを額に当てます。申し訳程度というか、根本的な対処方法が分からないのでやれることには限りがあります。かれんの置いた手を握り返すモンブラン王。表情が少し和らぎます。よかった、と安心するかれん。
よくなーい! 外は寒いんだよ! ブンビーです。いや、そんなこと知らんがな。
③かれんとモンブラン国王
エターナル!と呼ぶりん達に、その呼び方は微妙だなぁ、と呟くブンビー。ほんとこの人微妙だよなぁ。
中に入ってきます。温かい。自分は外で寒い思いをしているのにお前らはぬくぬくと…と見当違いな僻みを言うブンビー。モンブラン国王の姿を見止めて奪おうとします。エターナルに持ち帰れば出世できる、弱っているかはどうでもいいとかれんの神経を逆なでるようなことを言います。
のぞみが正面切ってブンビーに答えます。モンブラン王とかれんの看病を守ろうとするのぞみ。その言葉にかれんは感動します。のぞみはみんなの力になろうとするし、それを守ろうとする娘です。
ホシイナーを外に投げて、池の中に落ちます。氷ホシイナー。変身です。
ホシイナーは氷を飛ばしてきます。迎撃し屋外へ移動するプリキュア。モンブラン王の苦しそうな声を聞いてアクアは単身部屋に戻り、モンブラン王をパクトの中に入れます。パクトを抱えて戦線から離れようとするアクアを追うブンビー。それを妨害するローズ。ローズVSブンビーの対決は多いです。ローズ的にもホシイナーより幹部相手にした方が美味しいと思っているかもしれません。かれん子だしね。
アクアに迫るホシイナーを4人がフォローします。打撃を繰り返すローズの隙を付いて射撃を行うブンビー。上手い。単純な力ではローズの方が上回っていそうですが、戦闘技術ではブンビーの方が上っぽい。
アクアの前に現れるブンビー。パクトを渡さないアクアを殴り要求します。助けに入ろうとした4人とローズはホシイナーの反撃にあい、さらにブンビーがトドメをさそうとします。
みんなを助けるかモンブラン王を助けるか迷うアクア。そこからアローを放てばいいんじゃない?という代替案はそっと私の胸の中にしまっておきます。
パクトから出るモンブラン王。王は行けと言います。意外と可愛い声です。これで最年長なのか。それとも寿命が長いために相対的な年齢が高いだけでしょうか。仲間が必要としていると話す王。モンブラン王の手に触れアクアは意を決します。
トドメをさそうとしたブンビーに攻撃するアクア。自分を心配してくれるみんなのために彼女は頑張れます。投げ飛ばします。アクアの勇士に頷くモンブラン王。
ドリームはみんなで王様を治して一緒にローズガーデンに行こうと言います。彼女達にとって重要なのは、ただローズガーデンに行くことではなくて、一緒に行くことです。
ホシイナーをエクスプロージョンで破壊。メタルブリザードが放たれ逃げ帰るブンビー。
ベッドで再び寝ていたモンブラン王は目を覚まします。かれんの看病に感謝の言葉を言います。どうやらモンブラン王は100%果汁のグレープジュースしか飲めないそうです。なんだその限定は。かれんより凄いぞ。あれはただの好き嫌いだったの?と呆れるのぞみ。人騒がせな。りんは気が合いそうですね、と笑います。グレープジュースならたくさんあると答えるかれん。愛好家が増えました。
モンブラン王はシロップに気付くと、キュアローズガーデンに大きな危機が…と途中で眠りついてしまいます。シロップが居るから危機が迫っている? 込み入った事情がありそうです。
まだモンブラン王には休息が必要です。みんなで看病しようと言うかれん。みんなはそれに応えます。
エターナルに戻るブンビー。アナコンディに最後の国王が見つかったと報告します。報告書を消滅させるアナコンディ。非常に危険な展開です。ブンビーがプリキュアのリーダーになろうとしたことを知っています。プリキュアのリーダー話はネタかと思ったら結構真面目に話が進んでいます。エターナルを裏切ろうとしたブンビーを迎える必要はありません。ブンビーの背後の床から地下室への階段が開き、ブンビーを吸い込もうとします。逃れようとするブンビーですが力に逆らえず吸い込まれてしまいます。階段は消えてしまいます。アナコンディも姿を消します。
扉を開き地上へ戻るブンビー。この人タフだなぁ。これからどうしたらいいんだろう、と一人迷うブンビー。彼の居場所はどこにもありません。
④次回予告
うらら回。人魚姫。ココナッツシロップはメタモルフォーゼし過ぎ。
○トピック
医者を目指すかれんの話、のように見えてみんなの話。次期お世話役(国王の次に偉いと思われる)候補のミルクとモンブラン国王と繋がりが出来ているかれんは実はかなりのコネクションを持っています。やっぱ、凄い人は凄い人達と友好関係ができるんだなぁ。
医者を目指して勉強するのも大変ですが、実際に人の看病をするのはもっと難しい。怖いと話すかれんの不安や恐怖は生々しい。あらゆる職業、仕事にはその責任がのしかかります。一つのミスが重大な結果を生みかねないし、小さな失敗でも辛いことです。かれんの夢がまた一歩現実へと進みだしてきたことがわかります。この作品は夢を語りますが、それを容易に達成させないところが真摯な点です。
のぞみの在り方がかれん達にも伝わっているのが面白い点で、のぞみの持っている優れた長所がそれを見て受け止めてきた彼女達の中で確実に芽生えようとしています。この作品の根幹はのぞみの愛情であると確信している私にとっては、これは非常に良い傾向です。この傾向はさらにのぞみの真価を発揮させます。のぞみの愛情や勇気がみんなに伝わるだけじゃなく、その愛情や勇気をみんなが独立して持てるようになるまでになればこれは凄いことになります。言うなれば全員のぞみ化。全員アホになったら困りものですが、ただ力を合わせるだけじゃなく、意思や想いが重なり合い、あなたの意思を継いだ私の意思をあなたが継ぐというような(面倒な表現ですが)意思の多重化と連鎖は興味深い。
アクアの迷いに対してあっさりとモンブラン王が仲間達のもとへ行けと言っているのは、彼が国王で大人として導く役目を負っているからでしょう。自分を必要としている人達の声を聞き、自分が想う相手に声を出すのは本作の本道です。
ブンビーさんが変なフラグ立ってきてサイドストーリー的になってきました。
①モンブラン王
学校の図書館で医学関係の本をこまちから借りるかれん。かれんは医者になるため医学の勉強をしています。すると前回くるみが必死で探していたパルミンがすんなり簡単に出てきます。果報は寝て待て。しかしパルミンは様子がおかしく床に不時着、元気がないようです。ショットすると国王となります。顔を赤くして苦しそうです。
今回のOPは戦闘シーンメイン。OPだけで三回も顔面を蹴られているドライは大変です。絶体絶命のドリームは起死回生となるか。続きは劇場で。また観に行きたくなってきました。
王様が見つかったと聞きつけてナッツハウスにやってくるのぞみ。くるみが静かにして、と注意します。王様が病気で弱っていることを伝えるうらら。驚いて声をあげるのぞみを再度注意するくるみ。またいつもどおりの関係です。
かれんは国王をパクトに転送します。ココ達の呼びかけにも答えられません。
モンブラン国王をベッドで寝かせます。パルミエのパパイヤに聞いても良い対処法は分かりません。有用な書籍もない。ババロア女王に尋ねてみます。相変わらずしゃべりだす女王の言葉を遮るシロップ。モンブラン王の様子を見て真剣になった女王は、長い間パルミンだったため体力が消耗していると言います。モンブラン王の外見は若いですが、国王の中では最年長らしく長老的な立場のようです。自然回復を待つには少々あぶない。看病の必要があります。
ミルクはかれんに看病を頼みます。以前ミルクが病気で弱ったときにかれんの看病を受けています(治したのはピンキーですが)。自信が無く戸惑うかれん。迷いを振り払い看病することを承諾します。
②かれんの看病
落ち葉が降り注ぐ中、くしゃみをして寒々しいブンビー。心も懐も寒いと嘆きます。無断でエターナルを飛び出したことになっているらしく、行く当てが無いようです。
パクトを操作してハチミツを出すかれん。みんなそれぞれ看病に必要な品を持ち寄ります。暖を取り、お湯でハチミツを薄めてモンブラン王に与えます。自分を納得させるためか一つ一つ説明しながら行います。ハチミツを飲んだモンブラン王は咳き込んでしまいます。パニック状態に陥る一同。かれんに助言を求めます。かれんも冷静さを失い集団恐慌に陥りそうです。
こまちが落ち着いて!と喝を入れます。こまちは自分のことで凹むことは多いのですが、集団的緊張や切迫した状況には強いようです(5の14話でも生徒達相手に啖呵を切っている)。
モンブラン王の背中をさすり落ち着かせるココナッツ。こまちはスプーンを拾ってかれんに渡そうとしますが、かれんは茫然自失となって呼びかけても答えません。何度か声をかけられて我を取り戻したかれんはモンブラン王の様子を見て、気持ちを落ち着かせると言って席を外します。モンブラン王の前にかれんがまいってしまいそうです。
バルコニーでため息をつくかれん。こまちが声をかけます。怖くなったと答えるかれん。階下ではのぞみ達もかれんを心配しています。自分のせいでモンブラン王になにかあったらどうしよう…と不安を口にします。医者を目指しているといっても彼女は半人前以前の見習いですらありません。しかしそれでもみんなの期待に応えなければならないし、目の前で苦しんでいる人は助けたいしとプレッシャーは大きく圧し掛かります。
こまちは手が震えるかれんに手を重ねます。「怖い人なんていないわよ」かれんは出来ることを一生懸命やっていたと答えるこまち。目の前で苦しんでいる人がいたら力になってあげる、その気持ちさえあれば大丈夫、と励まします。本当にできるのか躊躇うかれんに、こまちはすぐそばにいつだってそうやってきた人がいると言います。その言葉が誰を指しているのかすぐに気付くかれん。どんな困難にも決して諦めずみんなの力になろうとする人。私達にもきっとできる、と言うこまち。「こまち、ありがとう」こまちの手に手を重ねます。人の意思は幾重にも重なり合っていきます。
階下からのぞみが再びかれんに助けを求めてやってきます。彼女とて万能ではありません。誰かの助けを必要とするときがあります。かれんとこまちはお互いにうなづき合い、のぞみの元へ行きます。
ナッツハウスの前に行き場をなくしてやってきたブンビー。
モンブラン王の病状は悪化しています。不安なかれんを励ますこまち。
タオルを額に当てます。申し訳程度というか、根本的な対処方法が分からないのでやれることには限りがあります。かれんの置いた手を握り返すモンブラン王。表情が少し和らぎます。よかった、と安心するかれん。
よくなーい! 外は寒いんだよ! ブンビーです。いや、そんなこと知らんがな。
③かれんとモンブラン国王
エターナル!と呼ぶりん達に、その呼び方は微妙だなぁ、と呟くブンビー。ほんとこの人微妙だよなぁ。
中に入ってきます。温かい。自分は外で寒い思いをしているのにお前らはぬくぬくと…と見当違いな僻みを言うブンビー。モンブラン国王の姿を見止めて奪おうとします。エターナルに持ち帰れば出世できる、弱っているかはどうでもいいとかれんの神経を逆なでるようなことを言います。
のぞみが正面切ってブンビーに答えます。モンブラン王とかれんの看病を守ろうとするのぞみ。その言葉にかれんは感動します。のぞみはみんなの力になろうとするし、それを守ろうとする娘です。
ホシイナーを外に投げて、池の中に落ちます。氷ホシイナー。変身です。
ホシイナーは氷を飛ばしてきます。迎撃し屋外へ移動するプリキュア。モンブラン王の苦しそうな声を聞いてアクアは単身部屋に戻り、モンブラン王をパクトの中に入れます。パクトを抱えて戦線から離れようとするアクアを追うブンビー。それを妨害するローズ。ローズVSブンビーの対決は多いです。ローズ的にもホシイナーより幹部相手にした方が美味しいと思っているかもしれません。かれん子だしね。
アクアに迫るホシイナーを4人がフォローします。打撃を繰り返すローズの隙を付いて射撃を行うブンビー。上手い。単純な力ではローズの方が上回っていそうですが、戦闘技術ではブンビーの方が上っぽい。
アクアの前に現れるブンビー。パクトを渡さないアクアを殴り要求します。助けに入ろうとした4人とローズはホシイナーの反撃にあい、さらにブンビーがトドメをさそうとします。
みんなを助けるかモンブラン王を助けるか迷うアクア。そこからアローを放てばいいんじゃない?という代替案はそっと私の胸の中にしまっておきます。
パクトから出るモンブラン王。王は行けと言います。意外と可愛い声です。これで最年長なのか。それとも寿命が長いために相対的な年齢が高いだけでしょうか。仲間が必要としていると話す王。モンブラン王の手に触れアクアは意を決します。
トドメをさそうとしたブンビーに攻撃するアクア。自分を心配してくれるみんなのために彼女は頑張れます。投げ飛ばします。アクアの勇士に頷くモンブラン王。
ドリームはみんなで王様を治して一緒にローズガーデンに行こうと言います。彼女達にとって重要なのは、ただローズガーデンに行くことではなくて、一緒に行くことです。
ホシイナーをエクスプロージョンで破壊。メタルブリザードが放たれ逃げ帰るブンビー。
ベッドで再び寝ていたモンブラン王は目を覚まします。かれんの看病に感謝の言葉を言います。どうやらモンブラン王は100%果汁のグレープジュースしか飲めないそうです。なんだその限定は。かれんより凄いぞ。あれはただの好き嫌いだったの?と呆れるのぞみ。人騒がせな。りんは気が合いそうですね、と笑います。グレープジュースならたくさんあると答えるかれん。愛好家が増えました。
モンブラン王はシロップに気付くと、キュアローズガーデンに大きな危機が…と途中で眠りついてしまいます。シロップが居るから危機が迫っている? 込み入った事情がありそうです。
まだモンブラン王には休息が必要です。みんなで看病しようと言うかれん。みんなはそれに応えます。
エターナルに戻るブンビー。アナコンディに最後の国王が見つかったと報告します。報告書を消滅させるアナコンディ。非常に危険な展開です。ブンビーがプリキュアのリーダーになろうとしたことを知っています。プリキュアのリーダー話はネタかと思ったら結構真面目に話が進んでいます。エターナルを裏切ろうとしたブンビーを迎える必要はありません。ブンビーの背後の床から地下室への階段が開き、ブンビーを吸い込もうとします。逃れようとするブンビーですが力に逆らえず吸い込まれてしまいます。階段は消えてしまいます。アナコンディも姿を消します。
扉を開き地上へ戻るブンビー。この人タフだなぁ。これからどうしたらいいんだろう、と一人迷うブンビー。彼の居場所はどこにもありません。
④次回予告
うらら回。人魚姫。ココナッツシロップはメタモルフォーゼし過ぎ。
○トピック
医者を目指すかれんの話、のように見えてみんなの話。次期お世話役(国王の次に偉いと思われる)候補のミルクとモンブラン国王と繋がりが出来ているかれんは実はかなりのコネクションを持っています。やっぱ、凄い人は凄い人達と友好関係ができるんだなぁ。
医者を目指して勉強するのも大変ですが、実際に人の看病をするのはもっと難しい。怖いと話すかれんの不安や恐怖は生々しい。あらゆる職業、仕事にはその責任がのしかかります。一つのミスが重大な結果を生みかねないし、小さな失敗でも辛いことです。かれんの夢がまた一歩現実へと進みだしてきたことがわかります。この作品は夢を語りますが、それを容易に達成させないところが真摯な点です。
のぞみの在り方がかれん達にも伝わっているのが面白い点で、のぞみの持っている優れた長所がそれを見て受け止めてきた彼女達の中で確実に芽生えようとしています。この作品の根幹はのぞみの愛情であると確信している私にとっては、これは非常に良い傾向です。この傾向はさらにのぞみの真価を発揮させます。のぞみの愛情や勇気がみんなに伝わるだけじゃなく、その愛情や勇気をみんなが独立して持てるようになるまでになればこれは凄いことになります。言うなれば全員のぞみ化。全員アホになったら困りものですが、ただ力を合わせるだけじゃなく、意思や想いが重なり合い、あなたの意思を継いだ私の意思をあなたが継ぐというような(面倒な表現ですが)意思の多重化と連鎖は興味深い。
アクアの迷いに対してあっさりとモンブラン王が仲間達のもとへ行けと言っているのは、彼が国王で大人として導く役目を負っているからでしょう。自分を必要としている人達の声を聞き、自分が想う相手に声を出すのは本作の本道です。
ブンビーさんが変なフラグ立ってきてサイドストーリー的になってきました。
第38話「二人の力!ドリーム&ローズ!!」
○今週の出来事
①記憶
この前のファイブdeチャンスの話をするかれん、こまち、うらら。坂本さんのおかげでみんなの名前が残せたとこまちも嬉しがっています。
シロップはメルポが何かを訴えているのに応えて台所へ行きます。うららが尋ねると薔薇が水を欲しがっているとのこと。メルポは薔薇の気持ちが分かるようです。それはそうと、こまちの足を組んでいる姿は珍しい。
シロップがジョウロに水を汲んでいると、くるみがりんに赤い薔薇を持ってきてと頼みます。薔薇の手入れをしながら簡単に言わないの、と答えるりん。青い薔薇は自然界に存在しません。最近品種改良で作られるようになったと話します。初耳だったらしく感心するのぞみ。
シロップは薔薇に水をやりますが、手元が狂って水がメルポへと飛びます。それを回避するメルポ。が、今度は掴っていた薔薇の植木鉢がバランスを崩して落下。ギリギリのところでシロップがキャッチします。その瞬間、薔薇の園が脳裏に浮かびます。一気に表情が硬くなるシロップ。
のぞみはココとナッツにパルミエには青い薔薇があるのか尋ねます。ココとナッツも見たことがなくどの国にもなかったと言います。りんが青い薔薇の花言葉は「奇跡」だと言います。くるみは凄いんだね~と褒めるのぞみ。青い薔薇こそ私にふさわしいと自画自賛するくるみ。流石くるみです。居間で聞いていたかれんは自分で言うのはどうかしら?と呆れ気味。こまちも同様です。
シロップはさらに薔薇の園の光景を思い出します。幼い自分が薔薇に水をやっていること、一輪の青い薔薇、そしてフローラの姿。手に持っていたジョウロを落として呆然と立つシロップ。キュアローズガーデンに青い薔薇が咲いていた、と呟きます。
今週も映画宣伝仕様OP。この映像は実際の映画のOP映像でも使われています。
落ち着いて話すシロップ。キュアローズガーデンに行ったことがあると話します。完全ではありませんが、断片的に記憶が思い出されています。いつも見ていた夢は現実でした。
青い薔薇についてミルクは自分が育てた薔薇と関係があるか尋ねますが、そこまではシロップにも分かりません。おさらいになりますが、ミルクはみんながパルミエに来たとき(7話)に種を拾い、育てたら突然光が発生して変身できるようになりました。その種がローズパクトから出たものであることは誰も気付いていません。
何故青い薔薇の種があったのか分からないココナッツミルク。ここはご意見番に伺ってみましょう。
②青い薔薇の使命
パクトを使ってドーナツ王を呼び出します。言い伝えでは、青い薔薇は世界で一つだけキュアローズガーデンにのみ咲き奇跡の力を放つそうです。世界に一つだけの花を咲かせるなんて凄いとミルクを褒めるのぞみ。しかしミルクは表情を落としてしまいます。ミルキィローズは特別な存在で重要な使命があるはずだと語るドーナツ王。ミルクは自分が置かれている立場に気付きます。唯一の存在、特別な存在。しかしそれが彼女に具体的に何かの目的を与えてはいません。自分が背負っているものに責任を感じるミルク。ミルクの様子にのぞみも気付きます。
シロップはなかなか記憶が思い出せないことに苛立ちを覚えます。気を遣ううらら。少しずつ思い出せばいい、と優しく声をかけます。うららは過去(母親の記憶)から未来を志向していますが、シロップは過去を知るために未来へ進まねばなりません。彼が過去を知ったとき、どのような未来が開けるのかは誰も知る由もありません。
薔薇の園。しかし薔薇は萎れていて生気がありません。眠り続けるフローラ。青い薔薇の力と赤い薔薇の力…と呟きます。どうやらこの世界は少しずつ衰退しているようです。
エターナル。館長の部屋で報告を行うアナコンディ。パクトは奪取できていませんが、最後の国王も見つかっていないため先を越される恐れはないと言います。だいぶ消極的な報告です。突然館長はフローラの名を呼びます。フローラの力が弱まっていると話す館長。この人突然何か言い出すから周囲は困ります。アナコンディは好都合、フローラが消えれば容易くキュアローズガーデンが手に入ると言います。漁夫の利です。フローラが消える前に行かなければ意味が無いと答える館長。なお何か言いかけようとするアナコンディを制する館長。アナコンディは引き下がるしかありません。彼の目的はフローラなのかキュアローズガーデンなのか、その両方なのか。
学校の授業が終わります。今日一日くるみは欠席。ココが置手紙があったと見せます。重大な使命があるので学校を休むと書いてあります。よく分からない欠席理由です。りんはドーナツ王の話を聞いてどうにかしなければ、と思ったのだろうと推測します。しかしあてがあるわけではないので途方にくれているかもしれないと心配するかれん。ナッツが探しているようです。
のぞみは探しに行こうとみんなに言います。ミルクは悩んでいるからみんなで傍に居ようと言います。こういう場合の彼女の直感と決断力はどのメンバーよりも勝ります。
のぞみの言葉にすでに表情で了承しているみんな。授業も終わって生徒会も無いと答えるかれん。練習が休みと答えるりん。こまちもうららも同意します。うららは仕事が無いわけじゃありません。たまたまオフなだけです。きっと。みんなの答えに笑顔で応えるのぞみ。
イソーギンとヤドカーンは水中で待機。何故に水中? も~いいかい?ま~だだよ。
その頃くるみは街中を駆け回ってパルミンを探します。珍しくパルミン探しです。基本的にプリキュアの収集品はシナリオの進行に応じて勝手に集まるので積極的に集める必要はありません。しかもくるみはキュアモが無いので見つけたとしても捕獲できません。
郊外まで来ると、橋の上でナッツと会います。ナッツはパルミンは呼んで来るものではないし、ショットできないと適切に問題点を指摘します。みんな心配している、帰ろうと呼びかけます。
ナッツの言葉に逆らうくるみ。自分の責務に気付いた彼女は使命を果たすことにやっきになっています。無言で見つめるナッツ。彼女の焦りは彼にはわかるような気がします。彼も王としての力に焦りを抱いたことがあります。
も~いいかい?
モンブラン国王を見つけて、ミルキィローズの使命も分かるはずだ!と語気を強くして言うくるみ。ナッツは冷静に、だからといって勝手に学校を休んでみんなに心配をかけていいのか?と言います。何かを重視するあまり周囲が見えなくなるのは危険です。
今は学校より使命です!とくるみは走り出します。
も~いいよ
どこからともなく聞こえてくる声。突如橋の下から現れるイソカーン(久しぶりなので注釈を入れると、合体名が分からないので無理やりくっ付けています)。視認したものを爆破する能力を使って橋の上に居るナッツを襲います。
何か出た! 何か来た! 久しぶりです。
③焦燥
攻撃を受けて傷つくナッツ。くるみは変身して単独で挑みます。
ドーナツ王の言葉を脳裏に浮かべるローズ。適度な使命感と責任は能力を引き出させますが、過大な場合はプレッシャーとなり焦りを生みます。
先制攻撃を行うイソカーン。反撃に転じるローズ。川に落ちたかと思うと上手く隙を突いて攻撃を仕掛けます。しかし動きが直線的で単独であるためすぐに動きが読まれかわされてしまいます。イソカーンも相手が一人では楽勝とタカをくくります。その言葉でますます気負うローズ。
ピンチに陥りますが、シロップが間一髪助けに入ります。
攻撃のタイミングが外され川に落ちるイソカーン。プリキュアが揃いましたが何か策があるのか余裕があります。水中戦は珍しいので面白い戦闘場所です。
プリキュアに変身。ローズを心配するドリーム。ローズは強がりを言います。再び襲ってくるイソカーンにローズは攻撃を仕掛けます。しかし捕まってしまい助けに入ろうとしたドリームも弾かれてしまいます。さらにフォローに入ろうとしたルージュとレモネードも上手くローズを盾に使われ攻撃が出来ません。迎撃されてします。第二波であるアクアとミントも同様にローズを投げつけられ動きが止められてしまいます。その隙に視認爆破を仕掛けられてします。戦い方が上手い。
川に落ちるプリキュア達。ローズを川岸に引き上げるミントですが、イソカーンに川へ引きずり込まれてしまいます。ローズが気付いた頃には5人は捕縛された状態で気絶しています。
イソカーンはお前がバラバラにしてくれた、とローズに事実を突きつけます。嫌らしくありがとうと言うイソカーン。去年のカワリーノの策に嵌ってコレットを渡してしまったのを連想します。一つの焦り、一つのミスが大きな影響を引き起こしてしまうことはまま有ります。
伸びる髪を使って攻撃。直撃を受けます。シロップが特攻をかけてドリームの捕縛を解きます。しかしドリームはまだ気絶中です。自身もダメージを負ったシロップは不思議生物形態に戻って倒れます。
パクトを持っているシロップを狙うイソカーン。プリキュア達は未だ気絶中。ローズは傷ついて戦闘行動もままなりません。しかしそれでも立ち上がってシロップを守ろうとします。
自分のせいでみんなが傷ついてしまったことを気負う彼女は自分が何とかしなくてはと叫びます。邪魔過ぎ、一人のくせに、と苛立つイソカーン。視認爆破を行います。それはそうと、ローズの脇は良いと思います。
④赤い薔薇と青い薔薇の力
爆発が起こり土煙の中から現れたのはドリーム。身を挺してローズ達を守ります。
「ミルクは青い薔薇を咲かせたんだよ。種を植えて、一生懸命お世話して、世界でたった一つの青い薔薇を咲かせたの」
「ドリーム…」
「そんな頑張り屋さんのミルクが傍にいるだけで私も元気になれるの」
ドリームが話す間、プリキュア達は意識を取り戻しドリームの言葉に態度で同意します。
「青い薔薇の使命が何かは分からない。でも、ミルクは独りじゃない。私達がついている。だから」
ローズの手を取るドリーム。
「一緒に頑張ろう」
「ドリーム…ありがとう」
その言葉がどれほど人の心を落ち着かせるか、自分を見てくれる、一緒に居てくれる存在がどれほど勇気を与えてくれるか。
シロップは立ち上がり、赤い薔薇と青い薔薇がキュアローズガーデンに一緒に咲いていたことを思い浮かべます。
2対2であるが、あいつらはなっていないと分析するイソカーン。同時に仕掛けるドリームとローズですが弾かれてしまいます。コンビになってない、と言われてしまいます。即席のコンビではイソカーンには通じません。視認爆破。勝ち誇るイソカーン。
いつの間にかドリームとローズは手を繋ぎながらイソカーンの背後に立ちます。
「確かになってないと思う」
「私だってどうしたらいいのか分からない」
「でも、同じだよね」
「うん」
「私達はね」
「とっても諦めが悪いの!」
同時にダブルパンチをお見舞いするドリームとローズ。もろに入ります。そのまま攻撃し続ける二人。
ナッツは赤い薔薇と青い薔薇の伝説を思い出し、二つの力が一つになれば強い力が生まれる、その伝説を今見ているのかもしれないと言います。なるほど、それはいいけど、君とココはもう少し何かしたらどうだね? 隣に居る今日のMVPのシロップを見習いなさい。
自分達を圧倒するドリームとローズの予想外の力に内輪もめを始めるイソカーン。典型的な負けモードです。コンビが売りの敵が揉めたらそれは敗北必至。というか用済みのサイン。
ドリームに力を! ローズに力を!
とそれぞれフルーレとミラーを召還するココナッツ。武器供給が彼らの役目です。
ドリームとローズは背を合わせながらお互いにフルーレとミラーを握ります。空いた方の手で手を繋ぎ力を溜めると、フルーレとミラーは姿を消し(多分エネルギーになっている)繋いでいた手をイソカーンへと突き出します。
二つの合わさった力、そうこれはシリーズを知っている人ならお馴染みの「マーブル・スプラッシュ」です。いや、違ったかな、ああ、「ツインストリーム・スクリュー」だ。……なんとなくボケてみました。
直撃を受けたイソカーンはダメぽい、無理ぽいと灰燼に帰します。凄まじい威力。いや、それよりもスカートがヒラヒラしてスパッツが良い感じで見れることがポイントだと思います。
フローラは目を覚まし、ドリームとローズが力を合わせたことを労います。
イソーギンとヤドカーンが敗れたことを報告するアナコンディ。ドリームとローズの力を知ると館長はフローラが今しばらくは持ちこたえると言います。部下の敗北よりも重要なようです。アナコンディを下がらせます。複雑な心境のアナコンディ。力になりたくて、一緒に居たくてもそれが伝えられず、聞く耳も持たれないのは辛いことです。
力を使い果たしてミルクに戻るミルク(この表現変だな)。お疲れ様とみんなが声をかけます。ナッツは口を辛くして注意します。
シロップはフローラと一緒に居る幼い頃を思い出しながらフローラの期待に応えられたと言います。なかなか気の利いたフォローです。こいつ、悔しいが良い男だ。
シロップが記憶を思い出したことを喜ぶうらら。カッコイイ男はモテます。照れるシロップ。待て、うららはのぞみ一筋なのでそれはいけない。
ミルクは奇跡を呼ぶ準お世話役♪といつもの調子に戻ります。少々ゲンキンな娘ですがこれがミルクの持ち味です。ミルクの頭突きを受けたのぞみは、それでも笑っています。不思議な踊りを踊っているミルク。
「だって、やっぱりミルクはこうでなくっちゃ」
⑤次回予告
最後の国王モンブラン王。かれんの夢と関わりそうです。
○トピック
GoGo!のストーリーであるキュアローズガーデンとフローラに関わる回。本筋だけならおそらくプリキュアのストーリーは複雑でも長くもないのだろうけど、彼女達の日常的な生活から描かれる重要な要素がその本筋を支えることになるので、実は本筋と関係無い話の方が重要という面倒くさい物語だったりします。
お調子者ではあるものの、基本的に真面目なプリキュアの性格の例に漏れずミルクも自分が背負っているものに改めて気付かされます。彼女は力を得ましたが、それにつり合う目的や責任は課されていません。世界に一つしかなくてきっと重要な役割があるはずだ!と思ってみても何をすればいいのかは分からない。今度は力よりも責任感や使命感が大きくなってしまって負担になってしまいます。
今回の話も夢や目的に向かって独りで突っ走ってしまいがちになることへの、プリキュア的な提示がされています。すなわち「一緒に」です。(余談だけど、つくづくOP曲と同期したテーマだと思う)
手を繋ぐことはプリキュアにとって友情を交わし、力を合わせ、相互理解を示す最も端的で特徴的な行為です。おそらく今回の必殺技は単発的なものであろうと思います。名前も無いしバンクというわけでもなさそうです。単純に力が合わさって出た技かなと思います(あるいは未完成の技)。
単発的だとする理由はただ一つ。今回はのぞみの受容性が発揮されただけだからです。赤い薔薇と青い薔薇の力を合わせることが一つの大きな要素となっています。具体的に言えばこれは、のぞみ(達)とくるみの関係が深く結びつくことを意味します。今回それがなされているかと言えば、そうではないと思います。彼女達はまだお互いに完全な連携も取れません。今はまだ蕾になったばかりと言えると思います。これが開花するのはくるみがのぞみ(達)を完全に受け入れたとき、6人が手を繋ぐようなときだと思っています(物語としては登場人物全員手を繋ぐぐらいの昇華が必要)。それがプリキュアといえど如何に難しいか、時間がかかるかは人間関係や信頼の紡ぎ方を考えれば一足飛びには出来ないでしょう。
終盤へ向かって少しずつ、でも確実に"みんなで一緒に"進んでいますね。確実に最終回が近づくことでもあって、今から寂しさも感じるのですが、それ以上に見事な最終回、この物語のフィナーレを見てみたいと思います。
①記憶
この前のファイブdeチャンスの話をするかれん、こまち、うらら。坂本さんのおかげでみんなの名前が残せたとこまちも嬉しがっています。
シロップはメルポが何かを訴えているのに応えて台所へ行きます。うららが尋ねると薔薇が水を欲しがっているとのこと。メルポは薔薇の気持ちが分かるようです。それはそうと、こまちの足を組んでいる姿は珍しい。
シロップがジョウロに水を汲んでいると、くるみがりんに赤い薔薇を持ってきてと頼みます。薔薇の手入れをしながら簡単に言わないの、と答えるりん。青い薔薇は自然界に存在しません。最近品種改良で作られるようになったと話します。初耳だったらしく感心するのぞみ。
シロップは薔薇に水をやりますが、手元が狂って水がメルポへと飛びます。それを回避するメルポ。が、今度は掴っていた薔薇の植木鉢がバランスを崩して落下。ギリギリのところでシロップがキャッチします。その瞬間、薔薇の園が脳裏に浮かびます。一気に表情が硬くなるシロップ。
のぞみはココとナッツにパルミエには青い薔薇があるのか尋ねます。ココとナッツも見たことがなくどの国にもなかったと言います。りんが青い薔薇の花言葉は「奇跡」だと言います。くるみは凄いんだね~と褒めるのぞみ。青い薔薇こそ私にふさわしいと自画自賛するくるみ。流石くるみです。居間で聞いていたかれんは自分で言うのはどうかしら?と呆れ気味。こまちも同様です。
シロップはさらに薔薇の園の光景を思い出します。幼い自分が薔薇に水をやっていること、一輪の青い薔薇、そしてフローラの姿。手に持っていたジョウロを落として呆然と立つシロップ。キュアローズガーデンに青い薔薇が咲いていた、と呟きます。
今週も映画宣伝仕様OP。この映像は実際の映画のOP映像でも使われています。
落ち着いて話すシロップ。キュアローズガーデンに行ったことがあると話します。完全ではありませんが、断片的に記憶が思い出されています。いつも見ていた夢は現実でした。
青い薔薇についてミルクは自分が育てた薔薇と関係があるか尋ねますが、そこまではシロップにも分かりません。おさらいになりますが、ミルクはみんながパルミエに来たとき(7話)に種を拾い、育てたら突然光が発生して変身できるようになりました。その種がローズパクトから出たものであることは誰も気付いていません。
何故青い薔薇の種があったのか分からないココナッツミルク。ここはご意見番に伺ってみましょう。
②青い薔薇の使命
パクトを使ってドーナツ王を呼び出します。言い伝えでは、青い薔薇は世界で一つだけキュアローズガーデンにのみ咲き奇跡の力を放つそうです。世界に一つだけの花を咲かせるなんて凄いとミルクを褒めるのぞみ。しかしミルクは表情を落としてしまいます。ミルキィローズは特別な存在で重要な使命があるはずだと語るドーナツ王。ミルクは自分が置かれている立場に気付きます。唯一の存在、特別な存在。しかしそれが彼女に具体的に何かの目的を与えてはいません。自分が背負っているものに責任を感じるミルク。ミルクの様子にのぞみも気付きます。
シロップはなかなか記憶が思い出せないことに苛立ちを覚えます。気を遣ううらら。少しずつ思い出せばいい、と優しく声をかけます。うららは過去(母親の記憶)から未来を志向していますが、シロップは過去を知るために未来へ進まねばなりません。彼が過去を知ったとき、どのような未来が開けるのかは誰も知る由もありません。
薔薇の園。しかし薔薇は萎れていて生気がありません。眠り続けるフローラ。青い薔薇の力と赤い薔薇の力…と呟きます。どうやらこの世界は少しずつ衰退しているようです。
エターナル。館長の部屋で報告を行うアナコンディ。パクトは奪取できていませんが、最後の国王も見つかっていないため先を越される恐れはないと言います。だいぶ消極的な報告です。突然館長はフローラの名を呼びます。フローラの力が弱まっていると話す館長。この人突然何か言い出すから周囲は困ります。アナコンディは好都合、フローラが消えれば容易くキュアローズガーデンが手に入ると言います。漁夫の利です。フローラが消える前に行かなければ意味が無いと答える館長。なお何か言いかけようとするアナコンディを制する館長。アナコンディは引き下がるしかありません。彼の目的はフローラなのかキュアローズガーデンなのか、その両方なのか。
学校の授業が終わります。今日一日くるみは欠席。ココが置手紙があったと見せます。重大な使命があるので学校を休むと書いてあります。よく分からない欠席理由です。りんはドーナツ王の話を聞いてどうにかしなければ、と思ったのだろうと推測します。しかしあてがあるわけではないので途方にくれているかもしれないと心配するかれん。ナッツが探しているようです。
のぞみは探しに行こうとみんなに言います。ミルクは悩んでいるからみんなで傍に居ようと言います。こういう場合の彼女の直感と決断力はどのメンバーよりも勝ります。
のぞみの言葉にすでに表情で了承しているみんな。授業も終わって生徒会も無いと答えるかれん。練習が休みと答えるりん。こまちもうららも同意します。うららは仕事が無いわけじゃありません。たまたまオフなだけです。きっと。みんなの答えに笑顔で応えるのぞみ。
イソーギンとヤドカーンは水中で待機。何故に水中? も~いいかい?ま~だだよ。
その頃くるみは街中を駆け回ってパルミンを探します。珍しくパルミン探しです。基本的にプリキュアの収集品はシナリオの進行に応じて勝手に集まるので積極的に集める必要はありません。しかもくるみはキュアモが無いので見つけたとしても捕獲できません。
郊外まで来ると、橋の上でナッツと会います。ナッツはパルミンは呼んで来るものではないし、ショットできないと適切に問題点を指摘します。みんな心配している、帰ろうと呼びかけます。
ナッツの言葉に逆らうくるみ。自分の責務に気付いた彼女は使命を果たすことにやっきになっています。無言で見つめるナッツ。彼女の焦りは彼にはわかるような気がします。彼も王としての力に焦りを抱いたことがあります。
も~いいかい?
モンブラン国王を見つけて、ミルキィローズの使命も分かるはずだ!と語気を強くして言うくるみ。ナッツは冷静に、だからといって勝手に学校を休んでみんなに心配をかけていいのか?と言います。何かを重視するあまり周囲が見えなくなるのは危険です。
今は学校より使命です!とくるみは走り出します。
も~いいよ
どこからともなく聞こえてくる声。突如橋の下から現れるイソカーン(久しぶりなので注釈を入れると、合体名が分からないので無理やりくっ付けています)。視認したものを爆破する能力を使って橋の上に居るナッツを襲います。
何か出た! 何か来た! 久しぶりです。
③焦燥
攻撃を受けて傷つくナッツ。くるみは変身して単独で挑みます。
ドーナツ王の言葉を脳裏に浮かべるローズ。適度な使命感と責任は能力を引き出させますが、過大な場合はプレッシャーとなり焦りを生みます。
先制攻撃を行うイソカーン。反撃に転じるローズ。川に落ちたかと思うと上手く隙を突いて攻撃を仕掛けます。しかし動きが直線的で単独であるためすぐに動きが読まれかわされてしまいます。イソカーンも相手が一人では楽勝とタカをくくります。その言葉でますます気負うローズ。
ピンチに陥りますが、シロップが間一髪助けに入ります。
攻撃のタイミングが外され川に落ちるイソカーン。プリキュアが揃いましたが何か策があるのか余裕があります。水中戦は珍しいので面白い戦闘場所です。
プリキュアに変身。ローズを心配するドリーム。ローズは強がりを言います。再び襲ってくるイソカーンにローズは攻撃を仕掛けます。しかし捕まってしまい助けに入ろうとしたドリームも弾かれてしまいます。さらにフォローに入ろうとしたルージュとレモネードも上手くローズを盾に使われ攻撃が出来ません。迎撃されてします。第二波であるアクアとミントも同様にローズを投げつけられ動きが止められてしまいます。その隙に視認爆破を仕掛けられてします。戦い方が上手い。
川に落ちるプリキュア達。ローズを川岸に引き上げるミントですが、イソカーンに川へ引きずり込まれてしまいます。ローズが気付いた頃には5人は捕縛された状態で気絶しています。
イソカーンはお前がバラバラにしてくれた、とローズに事実を突きつけます。嫌らしくありがとうと言うイソカーン。去年のカワリーノの策に嵌ってコレットを渡してしまったのを連想します。一つの焦り、一つのミスが大きな影響を引き起こしてしまうことはまま有ります。
伸びる髪を使って攻撃。直撃を受けます。シロップが特攻をかけてドリームの捕縛を解きます。しかしドリームはまだ気絶中です。自身もダメージを負ったシロップは不思議生物形態に戻って倒れます。
パクトを持っているシロップを狙うイソカーン。プリキュア達は未だ気絶中。ローズは傷ついて戦闘行動もままなりません。しかしそれでも立ち上がってシロップを守ろうとします。
自分のせいでみんなが傷ついてしまったことを気負う彼女は自分が何とかしなくてはと叫びます。邪魔過ぎ、一人のくせに、と苛立つイソカーン。視認爆破を行います。それはそうと、ローズの脇は良いと思います。
④赤い薔薇と青い薔薇の力
爆発が起こり土煙の中から現れたのはドリーム。身を挺してローズ達を守ります。
「ミルクは青い薔薇を咲かせたんだよ。種を植えて、一生懸命お世話して、世界でたった一つの青い薔薇を咲かせたの」
「ドリーム…」
「そんな頑張り屋さんのミルクが傍にいるだけで私も元気になれるの」
ドリームが話す間、プリキュア達は意識を取り戻しドリームの言葉に態度で同意します。
「青い薔薇の使命が何かは分からない。でも、ミルクは独りじゃない。私達がついている。だから」
ローズの手を取るドリーム。
「一緒に頑張ろう」
「ドリーム…ありがとう」
その言葉がどれほど人の心を落ち着かせるか、自分を見てくれる、一緒に居てくれる存在がどれほど勇気を与えてくれるか。
シロップは立ち上がり、赤い薔薇と青い薔薇がキュアローズガーデンに一緒に咲いていたことを思い浮かべます。
2対2であるが、あいつらはなっていないと分析するイソカーン。同時に仕掛けるドリームとローズですが弾かれてしまいます。コンビになってない、と言われてしまいます。即席のコンビではイソカーンには通じません。視認爆破。勝ち誇るイソカーン。
いつの間にかドリームとローズは手を繋ぎながらイソカーンの背後に立ちます。
「確かになってないと思う」
「私だってどうしたらいいのか分からない」
「でも、同じだよね」
「うん」
「私達はね」
「とっても諦めが悪いの!」
同時にダブルパンチをお見舞いするドリームとローズ。もろに入ります。そのまま攻撃し続ける二人。
ナッツは赤い薔薇と青い薔薇の伝説を思い出し、二つの力が一つになれば強い力が生まれる、その伝説を今見ているのかもしれないと言います。なるほど、それはいいけど、君とココはもう少し何かしたらどうだね? 隣に居る今日のMVPのシロップを見習いなさい。
自分達を圧倒するドリームとローズの予想外の力に内輪もめを始めるイソカーン。典型的な負けモードです。コンビが売りの敵が揉めたらそれは敗北必至。というか用済みのサイン。
ドリームに力を! ローズに力を!
とそれぞれフルーレとミラーを召還するココナッツ。武器供給が彼らの役目です。
ドリームとローズは背を合わせながらお互いにフルーレとミラーを握ります。空いた方の手で手を繋ぎ力を溜めると、フルーレとミラーは姿を消し(多分エネルギーになっている)繋いでいた手をイソカーンへと突き出します。
二つの合わさった力、そうこれはシリーズを知っている人ならお馴染みの「マーブル・スプラッシュ」です。いや、違ったかな、ああ、「ツインストリーム・スクリュー」だ。……なんとなくボケてみました。
直撃を受けたイソカーンはダメぽい、無理ぽいと灰燼に帰します。凄まじい威力。いや、それよりもスカートがヒラヒラしてスパッツが良い感じで見れることがポイントだと思います。
フローラは目を覚まし、ドリームとローズが力を合わせたことを労います。
イソーギンとヤドカーンが敗れたことを報告するアナコンディ。ドリームとローズの力を知ると館長はフローラが今しばらくは持ちこたえると言います。部下の敗北よりも重要なようです。アナコンディを下がらせます。複雑な心境のアナコンディ。力になりたくて、一緒に居たくてもそれが伝えられず、聞く耳も持たれないのは辛いことです。
力を使い果たしてミルクに戻るミルク(この表現変だな)。お疲れ様とみんなが声をかけます。ナッツは口を辛くして注意します。
シロップはフローラと一緒に居る幼い頃を思い出しながらフローラの期待に応えられたと言います。なかなか気の利いたフォローです。こいつ、悔しいが良い男だ。
シロップが記憶を思い出したことを喜ぶうらら。カッコイイ男はモテます。照れるシロップ。待て、うららはのぞみ一筋なのでそれはいけない。
ミルクは奇跡を呼ぶ準お世話役♪といつもの調子に戻ります。少々ゲンキンな娘ですがこれがミルクの持ち味です。ミルクの頭突きを受けたのぞみは、それでも笑っています。不思議な踊りを踊っているミルク。
「だって、やっぱりミルクはこうでなくっちゃ」
⑤次回予告
最後の国王モンブラン王。かれんの夢と関わりそうです。
○トピック
GoGo!のストーリーであるキュアローズガーデンとフローラに関わる回。本筋だけならおそらくプリキュアのストーリーは複雑でも長くもないのだろうけど、彼女達の日常的な生活から描かれる重要な要素がその本筋を支えることになるので、実は本筋と関係無い話の方が重要という面倒くさい物語だったりします。
お調子者ではあるものの、基本的に真面目なプリキュアの性格の例に漏れずミルクも自分が背負っているものに改めて気付かされます。彼女は力を得ましたが、それにつり合う目的や責任は課されていません。世界に一つしかなくてきっと重要な役割があるはずだ!と思ってみても何をすればいいのかは分からない。今度は力よりも責任感や使命感が大きくなってしまって負担になってしまいます。
今回の話も夢や目的に向かって独りで突っ走ってしまいがちになることへの、プリキュア的な提示がされています。すなわち「一緒に」です。(余談だけど、つくづくOP曲と同期したテーマだと思う)
手を繋ぐことはプリキュアにとって友情を交わし、力を合わせ、相互理解を示す最も端的で特徴的な行為です。おそらく今回の必殺技は単発的なものであろうと思います。名前も無いしバンクというわけでもなさそうです。単純に力が合わさって出た技かなと思います(あるいは未完成の技)。
単発的だとする理由はただ一つ。今回はのぞみの受容性が発揮されただけだからです。赤い薔薇と青い薔薇の力を合わせることが一つの大きな要素となっています。具体的に言えばこれは、のぞみ(達)とくるみの関係が深く結びつくことを意味します。今回それがなされているかと言えば、そうではないと思います。彼女達はまだお互いに完全な連携も取れません。今はまだ蕾になったばかりと言えると思います。これが開花するのはくるみがのぞみ(達)を完全に受け入れたとき、6人が手を繋ぐようなときだと思っています(物語としては登場人物全員手を繋ぐぐらいの昇華が必要)。それがプリキュアといえど如何に難しいか、時間がかかるかは人間関係や信頼の紡ぎ方を考えれば一足飛びには出来ないでしょう。
終盤へ向かって少しずつ、でも確実に"みんなで一緒に"進んでいますね。確実に最終回が近づくことでもあって、今から寂しさも感じるのですが、それ以上に見事な最終回、この物語のフィナーレを見てみたいと思います。
映画 お菓子の国のハッピーバースデイ
映画の第一印象は最初からクライマックス!な展開。ちょ~短編は本編後かと思ってたらいきなり最初から。5分という短い時間でしたが、久々に見たなぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞の姿はそれだけでお腹一杯です。
ココナッツ達の前座も場慣れしているし、比較的長めの戦闘はテンポ良く、かつ冗長なく進むので緊張感が途切れません。ドリームとココのちょっとどころじゃないジェラシーなシーンは本シリーズでも大胆で冒険的なシーンだと思います。そしてなりよりもプリキュアの本道であり、5シリーズの基本にして前提にして最も優れた点であるのぞみの優しさが発揮された物語となっています。
以下うろ覚え感想。
○ちょ~短編 プリキュアオールスターズ
ライブ会場に集まる女の子たち。なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞。久々に見ましたが、可愛い。可愛いから可愛い。可愛いので可愛い。とりあえず可愛い。終いには可愛い。のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ達も来ています。アカネさんのたこ焼き屋は今日も繁盛しています。宮迫くんや増子さん、奈緒達もいます。
会場に入ると観客は誰一人居なく、その代わり巨大な漆黒の存在。禍々しさがアップしたジャアクキングのような姿です。言語能力は無くただ破壊のみの力を振るいます。
このままではライブが出来ません。プリキュア&シャニールミナス&ミルキィローズに変身。各々自分達以外にもプリキュアが居たことに驚きます。ドリーム驚きすぎ。
戦闘開始。戦闘シーンは短いながらも凄まじく、ホワイト・ブラックは本編でもお馴染みの同時特攻シーンや初代OPの鉄塔着地を披露、ブルームとイーグレットは高い飛翔能力で上空に跳んでフォームチェンジ。シームレスにチェンジしています。強力な飛び道具を使います。プリキュア5も無詠唱で次々と必殺技を連発。バンクではないので必見。レモネードのチェーンとさり気に2個もソーサーを出しているミントは凶悪です。この流れがほとんど数瞬で行われます。私が確実に言えることは、どのプリキュアを相手にしても勝てる気がしません。
集中砲火を受けたジャアクキング(改)ですが、本編同様しぶとく生きています。反撃してきます。ルミナスとローズが防御します。お客さんたちが楽しみにしているライブを守る!と言うプリキュア達。ライブを映画と換えても通じます。マーブルスクリュー&スパイラルスター・スプラッシュ&エクスプロージョンの集中砲火を浴びて今度こそ消滅。
会場が元に戻りライトが点くと、何故かライブステージに立っている11人。お客さん達は満員で盛り上がっています。客席にみのりやユリコ、小田島先輩まで居たので、おそらく主要な脇役は居ると思います。本来のライブがなんだったのか分かりませんが、なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみは踊ります。むしろこれが本来のライブです。曲は「DANZEN!まかせて☆フルスロットルGoGo!!」(サントラ2に収録)。シリーズ毎のメドレーで各主役達がメインとなって踊ります。言い忘れましたが衣装が可愛く、それに全く劣ることなく(何度も言いますが)本人達が可愛いので映画開始5分でこれで映画が終わってもいいかな、というほどの充実感と満足感を得ます。
○本編
①前振り
恒例の不思議生物前座。去年もやっているせいかテンポも良く慣れた調子です。ミルクが登場して映画のお客さん達に挨拶。シロップが怪獣の変装をして乱入。そこに現れる特撮ヒーローチックなココとナッツ(人間体)。ココがしゃべっているときのナッツの微妙な表情が面白い。何となくこの先の展開が予想できます。ミルクがミラクルライトを使うと、ココとナッツはメタモルフォーゼして、ドリームのコスプレをしたココとミントのコスプレをしたナッツ(不思議生物形態)になります。お約束ですが予想以上にクオリティが高く、何より本人達が超ノリノリです。キチンと必殺技もあります。
改めてミラクルライトの説明。これも前年同様劇画タッチのナッツとシロップが見所。前年のミラクルライトは投射型でしたが今作ではただ光るだけのものに変更されています。その分いつでも劇場内で使用可能であり、プリキュアがピンチなときは使ってね、と規制はありません。
はじまり~はじまり~。
②のぞみの誕生日
のぞみの寝顔アップからスタート。このシーンでさらに私のテンションが上がったことは言うまでもない。っていうか、このままずっとのぞみの寝顔を見続ける映画だとしてもなんら不満は無い。
ナッツハウスではりん達がパーティの準備をしています。力んでクリームをデコレートするくるみ可愛い。
のぞみの頬を指で突いて起こすココ。ちょっとジェラシー。のぞみが起きます。まだちゃんと起きていないのか自分の居場所に驚くのぞみ。ココがここはナッツハウスの屋上で早く来てしまったので寝ていたと説明します。眠り姫の話をするココ。眠り姫の話しにうっとりするのぞみ。「王子の優しい心」と言っているところが重要なポイントです。キスそのものではなく、心が鍵となっています。キスをして起こしてあげた方が良かった?と顔を近づけて言うココ。ココくん、ちょっとナッツハウスの裏に来てもらっていいかな。何そんなに手間はかけませんから。恥ずかしがって顔を引っ込めるのぞみ。バランスを崩してしまいそうになったところをココが手を掴んで引き寄せます。ラブコメモードです。かなりジェラシー。
りん達が準備していたのはのぞみの誕生日を祝うパーティ。シロップが最後のイチゴを載せてケーキは完成です。喜ぶみんな。うららは飛び上がったときにスカートがギリギリまで上がるのでそのシーンで一時停止したくなりました(←映画館から出て行け)。
準備が整ったのでいざ開始しようとしたとき、突然オーブンが降ってきます。怪しみながらものぞみが近づくと、中から元気な女の子が出てきます。そのままココに抱きつく女の子。くるみが目ざとく気にします。ココは女の子をチョコラと呼びます。この娘、何かたくらんでいそうな目をするときがあって面白いな。
そして続いて現れる不吉な、お馴染みの声。ブンビーです。今回はエターナルではなくバイトで違う仕事をしているそうです。大変だなぁ、この人も。のぞみのケーキにホシイナーを憑依。プリキュアに変身するのぞみ達。うららは三角錐の帽子を被っています。流石です。くるみは変身しません。
必殺技と連携であっという間にホシイナーはボロボロ。反撃の暇も与えません。胴体・足元・頭上に容赦なく攻撃を叩き込まれ、終いにはチェーンでブンブンと投げ飛ばされます。プリキュア容赦ありません。ブンビーもびっくりです。トドメのエクスプロージョンでホシイナーを撃破。元に戻ったケーキを回収しようとしたらブンビーが持ち去ってしまいます。
せっかくのケーキが無くなってしまい泣くのぞみ。チョコラがお菓子を出して、助けてもらったお礼にデザート王国へ案内すると言います。どうやら前から親交があったようでココナッツもチョコラのこととデザート王国のことを知っているようです。くるみもお世話役を目指すなら外交と各国主要人物くらいは把握しておいた方が良いです。
登場してきたときのオーブンをミラクルライトで巨大化。その中に入るのぞみ達。オーブンなので少し熱くなるようです。っておいおい。中で汗をダラダラかくのぞみ達。こまちの必死に耐える顔が面白い。デザート王国へ出発。
③デザート王国
プリンの山にオーブンが着地すると、勢いよく飛び出るのぞみ達。テレビCMのときは本編私服でしたが映画版私服に変わっています。相変わらずうららの太ももとかれんのスカートを押える仕草が素晴らしい。しかも今回はスカートのくるみの太ももも見れてさらに見所アップです(映画館の警備員の視線を感じる…)。
運動神経が良いみんなは普通に着地しますが、のぞみだけ素晴らしくかっこわるい着地を決めます。顔面が生えている花に埋もれています。ところがその花はお菓子で食べられます。よく見ると見える限り全てお菓子で出来ています。のぞみの顔をタオルで拭くうらら。いや、そこは顔を舐めるべきではないか?
全てがお菓子で出来た王国、デザート王国。チョコラが住んでいるのは王国のお城です。そこでのぞみの誕生日をすることにけって~い。
暗い大きな部屋でのぞみ達の様子を見るブンビー達。ずいぶん荒廃した部屋です。ブンビーの仕事はどうやらのぞみ達を王国におびき出すことでした。玉座に座る女王らしき人物。その脇に副官らしい人物が2人。インテリメガネ(仮名)と褐色ワイルド(仮名)。仕事の報酬を要求するブンビーに2人はそれだ、と言います。それ、つまりブンビーの持っているケーキが報酬。現物支給!?しかも自分が奪ってきた物!?と怒りを燃やすブンビーを軽くあしらい転送させる2人。
女王はプリキュアのお菓子を食べると舌なめずり。怖ぇぇ。
OP。デザート王国中を駆け巡るのぞみ達。店では勿論お菓子を出していますし、川もジュースです。バクバク食べまくりののぞみ達。楽しそうです。しかし、チョコラの表情に陰りが見られます。
ふとかれんがこれ以上食べたら太るんじゃない?と言ってしまいます。その言葉に気付かされてしまったのぞみ、りん、うららはショックを受けます。予期しない反応に戸惑うかれん。えらい演技がかった動きでショックをアピールする3人。かれんはしどろもどろになりながら思わず何かごめん、と言ってしまいます。こまちはかれんの意見に同意します。
チョコラはデザート王国のお菓子はいくら食べても太らないと説明します。満たされるのは喜びの気持ちだと言います。なかなか上手いことを言います。のぞみ達はお菓子を食べに行きます。くるみはまったく、と呆れますが両手にはチョコバナナをしっかりと持っています。彼女達によって国が崩壊しないか心配です。
ココとナッツはそろそろデザート女王に接見したいとチョコラに申し出ます。一転して表情を曇らせるチョコラ。ココとナッツの方を見ずに返答します。気が進まないようです。そこに先ほどの副官っぽいインテリメガネ(仮名)と褐色ワイルド(仮名)が登場。のぞみ達の案内は自分達が行うからと接見を促します。作中名前が出なかったのですがインテリメガネはドライ、褐色ワイルドはビターと正式名称で呼ぶことにします。デザート王国の住人は動物のような耳がついているのが特徴です。
お世話役のくるみと、以前配達をしたことがあるシロップがココ達に同行します。
④あま~い罠
トロッコに乗って移動するのぞみ達。ココ達とは一旦別れます。王国の景色に感嘆の声を上げるのぞみ達に、ビターは辛党だから甘いのは嫌だ、ドライはお菓子など無くてもいいと言います。お前らやる気ねぇ。
のぞみ達はお菓子の国をさらに堪能。フワフワと飛ぶタンポポの種?にくっついたドーナツを掴み取るうららとりん。のぞみは上手く取れません。自分が取ったドーナツを割って差し出すりんとうらら。出遅れてはいけません。
かれんとこまちも料理品評家のようにプリンの感想を言い合います。そしてお互いに食べさせ合います。なんというカップルぶり。これがプリキュアの黄金比率なのか。よろしい、許可しよう。むしろもっとやれ。
りんごのように木になっているシュークリームを取るのぞみ。もういいんじゃない?とりんとかれんは言いますが、のぞみはココが嬉しがる顔が見たいと続けます。呆れながらものぞみの気持ちを汲むりんとかれん。ドライは嬉しいとか気持ちなどというものを理解していないようです。二人にジュースはどう?と持ちかけます。
うららとこまちはのぞみの誕生日を祝うためのお菓子集めを続けます。ビターは人のためにしてどうなる?損するだけじゃないか?と疑問を口にします。損ではない、喜んでくれるのは嬉しいと答えるうららとこまち。ビターは話を変えてたこ焼きはどう?と誘います。
ジュースの滝でジュースを組むかれんとりん。結構迫力があります。ちなみにかれんが組んでいるのはグレープジュースだと思われます。流石。量がちょっと多い、と答える二人を、それは残念と滝に落とすドライ。耳飾りを捨てます。
たい焼きをジュースの泉で取るこまちとうららを巨大たい焼きがまる飲みします。ビターも耳飾を捨てます。
お城の女王の間前まで来るココ達。躊躇いながら扉を開けようとするチョコラにココはチョコラの良い所は相手の目を見て話すところと言い、今それをしてくれないのは何かあるのか?と尋ね相談に乗ろうとします。何かを隠しているチョコラ。しかし部屋の中から女王の声が聞こえてきます。
中に入ると、荒廃したのかと思ってましたが、これはかじった様な跡です。喰い散らかしたかのような。部屋の様子に驚くココ達。ココナッツは優しい女王を知っているのですぐに女王が何者かに操られていると見抜きます。女王は力を使ってナッツ・シロップ・ミルクを封じます。毅然と立ち向かうココですが…。チョコラの悲鳴。
一人となったのぞみは、うらら達が残したお菓子を食べますが独りでは美味しくないと呟きます。すると泣いて走るチョコラを見つけます。のぞみを拒絶するチョコラですが、のぞみは泣いている友達は放っておけないとチョコラに手を差し伸べます。屈んでチョコラと目線を合わせます。
そこに現れる謎の男。サングラスをかけたココに見えますが、それを言ってしまうと実も蓋もないので一応謎の男として進めます。男はもう仲間とは会えないと言います。
凍った世界。そこにりんとかれんは居ます。ドライがここは冷蔵庫だと言います。アイスの棒が墓場の塔婆(とうば)に見えます。
砂漠のような世界。そこにこまちとうららは居ます。お菓子を焼くオーブンだとビターは言います。
場所はバラバラでもみんな変身。
ルージュとアクアの攻撃をかわすドライ。ビターもレモネードとミントの攻撃を防御します。女の子は力が無いというビター。ドライは針のようなものを出してルージュの腕に差します。ビターは接近してきたミントに手を向けると爆発が起こります。
被弾箇所がみるみるとアイスになっていくルージュ。ビターは格闘戦主体で、詳しくは分かりませんが拳法?のような動きでレモネードを攻撃します。身体全体を使った攻撃。プリキュアの格闘は地味に動きに凝っています。ミントはさきほどの攻撃でクッキー化しつつあります。レモネードを琥珀のような板で磔にするビター。トドメとばかりに投擲してきます。レモネードを庇うミント。しかし、ビターは構わず板を爆破します。厄介だ。ドライはいくつかの球状物体を出してレーザーで攻撃します。足場もろとも破壊されて宙を舞うアクアとルージュ。やべぇ。
謎の男と格闘戦に入るドリーム。男は他のみんなはお菓子になっていると言います。仲間を助けようとするドリームですが男の戦闘力は思いのほか高い。
シャボン玉のような膜に捕らわれていたナッツ達ですが、メルポがフォークで刺して救出します。ミルクはココを助けると出て行きます。
男に捕まりドリームの腕がチョコレートに変えられていきます。ドリームの元に駆けつけるナッツ達。しかし男の攻撃を受けてチョコラ共々川に流されてしまいます。ドリームは川へ飛び込みます。
⑤あなたに気持ちを伝えます
川のジュースを手漕ぎポンプで汲む住人達。するとポンプが詰まってしまいます。力を入れると、チョコラ、ナッツ、シロップ、メルポ、ドリームが吐き出されます。ドザエモンのように浮かぶドリーム達。色々と大変な目に遭ってるなぁ。
もうしばらくはオレンジジュースはコリゴリとシロップ。ドリームも呆けています。しかし腕はチョコレート化したままです。
シロップはチョコラに騙されたと責めます。耐えられず駆け出していくチョコラ。住人の娘はシロップにお菓子を差し出します。美味しいと食べるシロップ。そのお菓子はチョコラ王女が作ったものだと言います。悪い人に優しい味は出せないとナッツ。メルポもフォークはチョコラから渡されたものだと伝えます。
川辺で一人落ち込むチョコラにドリームは声をかけます。チョコラは母親との思い出を話します。しかしムシバーンという者が現れて母が人質に取られてしまいました。母親のことが大好きなチョコラの気持ちをドリームは察し自分も不安だと言います。今ドリームは一人です。チョコラにとって母との疎遠は苦痛と不安を伴うように、ドリームにとって友達と引き離されまして苦しめられているのならそれは耐え難いことです。苦しみの涙を浮かべるドリーム。チョコラはお菓子化した腕をミラクルライトで治します。ドリームは、みんなを助けるためにチョコラは母親を助けるために一緒に行こうと話します。手を取り合うふたり。
再び城を目指します。シロップが行くのなら手伝うと申し出ます。流石、ちゃんと非礼の詫び方をわかっているじゃないか。
ドリーム達を乗せたシロップは一直線に城を目指します。その行く手を阻む謎の男。空を自在に飛び散弾でシロップを攻撃します。高い回避能力を見せるシロップですがかわしきれず被弾してしまいます。ドリームとチョコラが落下。ナッツはシロップとともに戦線を離脱します。
ミラクルライトの力で落下速度を相殺して着地。男も目の前に立ちはだかります。ドリームが男と戦っているうちにチョコラは母親の元へ。
再び戦闘に入るドリームと男。格闘能力の高さに加えて、お菓子化の能力を持つ攻撃にドリームは苦戦します。ダメージを無視して被弾してもお菓子化してしまえばいずれ行動不能になってしまいます。
離れたところでも戦闘継続中。ルージュ・アクア、レモネード・ミントはお菓子化が進んでいます。つまみ食いしちゃおうかな、とビター。お前ちょっとオーブンの前に出ろ、つまみ食いするのは俺一人でいい(警備員が警棒を抜くそぶりを見せ始めた)。
みるみるとチョコレート化が進むドリーム。しかしすでにルージュとアクアはアイスに、ミントとレモネードはクッキーになってしまっています。レモネードを抱きしめるように守ったままクッキーになっているミントが印象的です。最後まで守ろうとしたようです。
ドリームはみんなと誕生日をしたい、みんなと笑いたい、何よりもみんなと一緒に居たいと心で泣きながら想い続けます。たった一人ぼっちのドリーム。攻撃の手を緩めない男を前にしてついに涙を浮かべてしまいます。
ルージュ、アクア、ミント、レモネードのお菓子の身体に亀裂が入っていきます。お菓子化していたみんなはあっさりとその呪縛を解きます。立ち上がるプリキュア達。しょうがないなぁ、のぞみの誕生日なのだからお願いは聞いてあげないといけないとルージュ。のぞみにはかなわないとアクア。エクレアにレモンパイ、ドラ焼きも。ミントとレモネードものぞみの誕生日を祝うために戦います。ここからがプリキュアとしての戦いの始まりです。
一気に逆転へと転じるルージュ・アクア、レモネード・ミント。動きがとたんに鋭く力強くなります。頭部へ遠慮なく回し蹴りを決めます。一緒に誕生日をするとか、お菓子を集めるとか、パーティとか言いながら戦うプリキュア。凄まじく日常的でしょうもないことを言いながら、とても大切なものを賭けて戦うのがプリキュアバトルの醍醐味。自分を待っている人が居ます。自分が必要としている人が居ます。気持ちを伝えたい相手が居ます。彼女達は現実的な力と意志力を備えそれを発揮できます。地に伏しながらも何度でも立ち上がり、諦めが悪く、努力し続ける人々。
戦闘に関してはレモネードが凶悪です。蹴りとアッパーの応酬でビターを圧倒します。大事なのは自分だという彼に、ミントとレモネードは自分だけじゃだめ、自分も相手も大事だと答えます。ミントは技を使うまでもなく相手の飛び道具を完全に防ぎます。大地を揺るがす乙女の力を持っているだけのことはあります。
可哀想になるほど顔面を蹴られるドライ。ルージュのストライクとアクアのアローが一つになってドライを倒します。レモネードは幾条もの鎖でビターの動きを封じ、ミントのソーサーが直撃します。情熱とか真心とか優しさとか心の強さとか言っていますがやっていることはガチの殴り合いと強力な力による蹂躙です。プリキュア容赦ありません。圧倒的なプリキュアの強さ。それはドライやビター、男が持つ強さとは根本的に違うものです。自分を必要としてくれる人のために頑張れる人、その努力と想いが現実に作用するとき強い力が生まれます。
半ば諦め抵抗することができないドリームの唇を奪うかのように口を近づける男。おお、プリキュア的には凄い挑戦的なシーン。コケティッシュです。ちょっとそこの男城の裏に来い。ドリームの唇は俺…ガッ(警備員に警棒を投擲された←自分で自分にツッコミを入れるのも大変)
諦めかけていたドリームの心に離れていたみんなの声が届きます。気力を持ち直して男から逃れます。男はサングラスを取ると、紅い眼をしたココの素顔がそこに現れます。驚愕するドリーム。
男を操っていたムシバーンが名乗ります。ココを操り、力を引き出して黒いフルーレを出現させます。
母の元に向かうチョコラは途中でくるみと遭遇します。散々な目にあっているくるみはチョコラを責めますが、チョコラは素直に謝ります。くるみはすぐに事情を察すると母の元へと促します。
フルーレを使うココの攻撃をかわし続けるドリーム。ココと戦うわけにはいきません。しかし元から劣勢でありいつまでも持ちこたえられません。ココの名を叫ぶドリーム。叫びに反応してか、ココの首元にある宝石のようなものにヒビが入っていきます。絶望的な状況の中でも彼女はココを信じると断言します。ムシバーンは無駄だ、とココにトドメをささせようとします。決定的な一撃が放たれます。
…寸前で剣を止めるココ。真摯にココを見るドリームの瞳がとても綺麗です。ココは意識が半ば混濁し苦痛に身を震わせます。ドリームはココに駆け寄ると、
「私を思い出して」
ココに口付けます。
⑥希望、勇気、愛
ココから離れるドリーム。仕草が大人っぽい。ココは意識を完全に取り戻します。喜ぶドリーム。ココに抱きつきます。お礼を言うココ。ドリームのチョコレート化していた身体は元に戻ります。
策が失敗し憤るムシバーン。希望など下らん、勇気など下らん、まして愛など!憤懣やるかたない。デザート女王の元に寄るとその手に触れひれ伏す体勢を取ります。ふむ。
お母さまから離れて!とチョコラとくるみが入ってきます。くるみは変身すると自分が引き付けるからチョコラは母親の元へと指示します。
ローズVSムシバーン戦。どこの格闘アニメですか?というくらいの肉弾戦。揺れる城。ローズが圧されますがそれでもサシで渡り合います。どのくらい凄い気迫かというとこの戦闘があと10分続いたら城が確実に崩壊します。
チョコラは母に擦り寄りこれからしたいこと、意識を取り戻してほしいと願い、語りかけます。身体は操られても心は自由に出来ないと話すチョコラ。ムシバーンは自分に消せないものは無い!とローズを吹き飛ばします。
諦めずに母に言葉を紡ぎ続けるチョコラ。ムシバーンは自分の邪魔をするな、とチョコラを見据えます。親子の会話の邪魔をしているのはあなたじゃない!と立ち上がるローズ。カッコイイ。ローズはミルキィローズの底力見せてあげるわ!と啖呵を切って、ミルキィノートを自力で召還。もはやナッツの存在意義はありません。さらばナッツ。君のことはたまに思い出すかもしれません。メタルブリザードを放ちます。
チョコラは「お母さま大好きです」と母に伝えます。その言葉でデザート女王の額にあった宝石は砕け意識を取り戻します。メタルブリザードはムシバーンを圧し切り吹き飛ばします。
ローズは力を使い果たしてミルクに戻ってしまいます。でも女王の意識が戻って一安心。しかしムシバーンは立ち上がります。
お菓子を食べたいだけだと話すムシバーン。いくら食べても満たされないと嘆きにも似た叫び声をあげます。
しかしだからといって力で他者を傷つけ破壊して良い言い訳にはなりません。ドリームが現れて敢然と応えます。「それ同感」応じるルージュ。ルージュは常にドリームを支えます。アクアも居ます。シロップをしっかり回収。レモネードとミントも駆けつけます。ドリームの肩に手を乗せるレモネード。ちゃっかり者です。ミントはナッツを持っています。無事揃うプリキュア5。
デザート女王は心を込めてあらゆるお菓子を出したが、あなたはそれに満足しなかった、いくら食べても、心が無ければ満たされない、と悲しみの言葉をムシバーンに投げかけます。個人的にこのシーンが非常に印象に残っています。もしかしたらムシバーンは最初客人としてこの国に訪れたのかもしれません。美味しいお菓子を求めて食べているうちに満たされない気持ちが募ったのかもしれない。
ムシバーンは逆上すると、満足なお菓子も出せない国など滅べと城を破壊する塔を作り出します。巨大な力の塊から放たれたビームは巨大な火球を作り国を破壊していきます。
一旦外に退避したプリキュアとチョコラは再び女王が作った円盤に乗ってムシバーンへと挑みます。国から脱出させるのかと思ったら問答無用で最終決戦へ。デザート女王はしたたか者です。気合を入れていくよ!とドリーム。Yes!
最終決戦が始まります。ムシバーンに挑むプリキュア達。ドリームだけ少し躊躇いの表情が表れていますがすぐに引き締めて挑みます。圧倒的な力を持つムシバーンは5人揃ったプリキュアを意に介さない強さを発揮し、全員を一気に吹き飛ばします。ドリームはチョコラを守るため盾となります。希望、勇気、愛の力を信じないムシバーンは傷つき倒れたプリキュアにこれで希望も勇気も愛も無くなったと言います。
その言葉を否定するチョコラ。希望はここにある、とミラクルライトを取り出して応えます。勇気も愛も同じだと言います。彼女がドリームに友達だと言われた様に、何度も助けられたように、勇気付けられ希望を持ちました。今度は彼女がそれを返すと言います。ミラクルライトを振るチョコラ。
城の外に居た女王はみんなに呼びかけてライトを振ります。映画を見ている人に呼びかけると同時に国民に呼びかけるシーンになっていて自然です。ココナッツ、ミルク、シロップもライトを振ります。当然、映画館に居るプリキュアを応援する女の子達もライトを力一杯振ります。現実と映画の中での応援が同期して最高の演出効果を生みます。
みんなの力がドリームの元に集まります。微笑むドリームにムシバーンは疑問の声をあげます。何故笑う? ドリームはみんなが力をくれると言います。みんなが応援してくれる限り彼女は頑張ることができます。そして諦めず頑張り続ける限り、人は負けないのです。何回もこの映画を見て、そのたびにこのシーンが一番感動します。意志、勇気、友情、力、生命力、自らの力で拠って立つ人は強くカッコイイ。でも彼女のかっこよさはそこではなく、人の想いに応えられること。彼女の強さは自分と他者の想いを力に出来ること。
「みんな、ありがとう!」
「想いを咲かせる奇跡の光! シャイニング・ドリーム!」
いつの間にかマントを脱ぎ、ライトセーバーを構えるムシバーン。かざした手に虹色の粒子が煌く中、何故ムシバーンが満たされないかドリームは答えます。お菓子を一人で食べても美味しいけど、みんなと一緒に食べるお菓子はもっと美味しい、みんなと分かち合うと喜びは何倍にも大きくなると言います。
虹色の粒子は形となり、フルーレとなります。
「スターライト・フルーレ。みんなの願いを受けて輝くの」
力強くも悲しそうなドリームの表情。
フルーレによる剣戟。空を飛べるシャイニングドリームは自在に剣を操りムシバーンと対決します。小回りを利かせる場合は羽を閉じていて細かいです。今回の映画はアクション面でも充実しています。つばぜり合いを続けながらドリームはみんなで喜びや悲しみを一緒に分かち合いたいと言い続けます。その言葉共々ドリームをねじ伏せようとするムシバーン。力と想いがぶつかり合います。
「プリキュア!」
フルーレについていた花飾りが飛びます。おお!すげぇカッコイイ。翼を広げ空に舞うドリーム。
「スターライト・ソリューション!」
周囲の光とともに自身も光弾と化したドリームがムシバーンを突き抜けて再び姿を現します。なにそのメテオザッパー&クラッシュドーン。カッコイイ!! てっきり金色になった巨大薔薇が出てくるとタカを括っていた自分が間違っていました。
しかしカッコイイだけがプリキュアの戦闘ではありません。ドリームの表情はむしろ悲しそうです。勝利に喜ぶのではなく、相手に悲しむ貴女に私は尊敬と喜びを心から贈ります。ムシバーンは身体が崩壊していく中で、ドリームの言ったことが本当にそうなのか?と尋ねます。泣き出しそうになりながらも彼女は首肯します。その言葉に満足しムシバーンは滅びます。
お菓子の国は元に戻り、のぞみの誕生日が再開されます。ドライとビターもちゃっかり居ますが、首元につけていた宝石が無くなっていたのでこれが本来なのかもしれません。
EDテロップはチョコラがお菓子の国での様子をスケッチブックで紹介。ココにちゅ~しようとするのぞみ。何かブサイクだぞ。サングラスと衣装を身に着けるナッツ。これはこれで強そうだ。歌ううらら。お菓子の国でもファンがつきそうです。ブンビーは一人でケーキを食べます。これはこれで良いんじゃない? 動物の耳飾りをしたみんなプリティ。
最後に記念撮影。この国にもたくさんの友達ができました。
EDテロップが終わると、プリキュアオールスターズ長編の予告。来年の春公開!
○トピック
感想の文章量が大変なことになってしまったので(全体で1万8千字超)、トピックの概略を最初に書きます。
①始めに
プリキュアが女の子を主役とし、男の子視点を逆転した構造や展開を見せていることを長ったらしく書きました。
②中盤戦~プリキュアの基本~
この章では、ルージュ・レモネード・ミント・アクアが戦った戦闘シーンをメインにこの戦いがプリキュア的王道であることを書きました。
③終盤戦~のぞみの愛情~
今回の映画および本編においてものぞみの愛情が様々な人々に影響を与え、解決や希望の提示を行っていることを、ココへの嫉妬を抑えながら書いています。
④プリ”キュア”
プリキュアが何と戦っているのか、それによって何を提示しようとしているのかをこれまた長ったらしく書いてみました。キュア(Cure)は治療、(悪癖などを)矯正する、救済などを意味します。
⑤終りに
個人的な所信表明です。
①始めに
プリキュアは戦う強い女の子がそのコンセプトにあります。体力では男の子に通常勝てません(小学校中~高年だと成長が早い女の子の方が強かったりする)。現実的な諸都合を含めれば男性より不利な場合もあるでしょう。
今回はドライとビターがそれを実感させるようなことを言います。今回の映画の対決は大雑把には男対女であり、男の子が重視する価値対女の子が重視する価値と言えます。ということで便宜上進めます。論旨としては男女差にさほど意味はありません。
女の子が強い本作では基本的に女の子が男の子を助けます。これはシリーズを通してもほぼ一貫しており、男の助っ人が存在しないことにも表れています。だからといって男はお荷物で役に立たないかといえばそうではなく、それ相応の役割や意味を持っています。女児向けでありながら非常に配慮されています。女の子にとって華々しく活躍するプリキュアの姿は可愛くかっこよく見えるでしょう。
今回の映画でも、眠り姫を王子が起こすのではなく、眠り王子を姫が起こすというスタイルになっていて、そのカタルシスは健在です。同時にシリーズ初のキスシーンが取り入れられているためインパクト絶大です。プリキュアはコケティッシュなシーンが意図的に排されていると思うのですが、今回の映画では特にのぞみが色っぽく見えるシーンがあります。
②中盤戦~プリキュアの基本~
中盤の逆転劇であるビター&ドライVSプリキュア4人のバトルは、プリキュアの基本精神です。彼らには何故プリキュアがあれほどの力を発揮できるのか理解できないでしょう。依って立つものが違います。生得的な力、合理性だけを重視する考えと気持ちの伝達を大切なものとするプリキュアの考えは根本が違います。自己にしか目を向けない彼らと、自己と他者を内包するプリキュアとではその意志の持ち方、動機も変わってきます。自分のためにしか頑張れない彼らに対し、友達のために(それが自分のためにもなることを承知して)頑張れる彼女達はプライドやかっこ悪さなど意に介しません。かっこ悪くても頑張る理由があるからです。彼女達がたとえかっこ悪く見えても諦めないのは、体裁やプライドのためではなく自分と他者の関係の本質を見ているからです。
ドライ・ビターは各々2対1の構図となっていますが、その点でもチームとして、人の能力(可能性)を発揮できるプリキュアは実務面で超えることが出来ています。優しさや気持ちなどは数値化も可視化もできないものですが、人の力を発揮するための駆動力として存在し、実際に行為させます。この戦いはプリキュアバトルの基本的思想と帰結です(プリキュアの戦闘は思想戦ですが論理的かつ現実的に勝ちます)。
ここで重要なのは、この勝ち負けが決して合理性で得られていないことです。論理的に強いからプリキュアがこの考えを採用しているわけではなく、彼女達の信じるものや大切だと思うものを発展・昇華させる形で勝っている点です。もし論理性や合理性で採択しているとしたらそれはやはり、人の心が通っていないものと判断されるでしょう。論理的なところから発展させていないからこそ論理的に正しい、というのがプリキュアの面白いところです。
③終盤戦~のぞみの愛情~
終盤からはのぞみを主とした戦いとなります。この一連の戦いはのぞみののぞみらしさ、プリキュア5の特徴がよく表されています。
私はあのキスシーンを見るたびにのぞみの優しさ、強さ、純粋さ、素朴さを感じます。冒頭で眠り姫の話をしているときに、彼女は王子様の「優しい心」がお姫様の呪いを解き目覚めさせたと言っています。元々の物語がそうだったのか分かりかねますが、キスという行為よりも「優しい心」にこの作品は重きを置いています。
ココとの戦いの中でムシバーンは、彼に言葉は届かないと言います。必死に操られるのを拒もうとするココに彼女はキスで自分の想いを伝えます。自分の心を直に伝えてココの呪縛を解き放っています。
のぞみはココが好きです。ココものぞみが好きでしょう。両想いなんですね(のぞみが好きな私はちょっとジェラシーを感じなくもない)。普通に恋愛したっていいんでしょうけど、なかなかそうはいかない。住んでいるところや、使命などが違います。学校の先生と生徒の恋愛はマズイんじゃない?というのはここでは放置します。
私はプリキュアの恋愛が好きです。それは恋愛をしていないからです。普通の恋愛はどうしても性愛的なものに寄りがちであるし、どうしても当事者間だけの関係に閉じがちです。プリキュアの恋愛はそうではなく、もっと広くて前向きで当事者達もそれを見守る人達も幸せになれるから好きなんです。キスをする。恋人同士なら当然です。好き合っている同士なら自然とそうなるでしょう。のぞみがココにキスをしたのは、そうしたこと以上に彼女の持つ優しさや純粋さ、素朴さを感じます。彼女は喜怒哀楽が豊かで、一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に頑張ります。彼女の真っ直ぐな愛情は彼女の行為全てに表れています。
ムシバーンのお菓子を食べたいという欲求はその本質として欲望であり、満たされない願望、肥大化し続ける人の欲と言えます。
強欲やエゴによる破壊は誰しもが悪いことだと、良くないことだと言います。しかし実際には自分がそれを止めることは稀です。何故なら皆こう答えるでしょう。いや、自分はまだ発展途中で目標を達していない、目標を達成すれば止める。周囲には自分より高い人が大勢居る。少なくとも自分はそこまで行きたい、行って何が悪い、と。私もそういう言い訳を即座にいくつも思いつくことが出来ますし、そして自らがやっているエゴをやめないでしょう。私はこの映画を見られればそれで良いと思っていましたが、すでにDVDが欲しくなっています。願望を叶えてもさらにまた願望が湧いてきます。「エゴの増長」と「自己の成長」は厳密には分けることが出来ないものでおそらく本質的には同じであると思います。
いや、もしかしたら今私達が暮らしている社会システム、経済システムが人の願望をより増長させているのではないか、大量生産・大量消費、世界規模的な発展が人の願望を刺激しているのではないか、とも考えられますが、生憎と現在のシステムが今後近い未来で変わる見込みは無さそうです。いずれにしても、私達は果てない願望をその内に秘めながら暮らすこととなります。
その解決として、デザート女王は「心」だと答えます。人の気持ちを分かる心、分かち合う心があるからこそそこに充実や満足があるのではないか、と言います。これは一理あるでしょう。しかしそれすらも他者を妬むキッカケともなりかねません。妬みと憧れ、劣等感と向上心はもしかしたら根本は一緒なのかもしれません。家族や大切な人を守るために非人道的な行為をすることだってあります。
どうすれば良いのでしょうか。自分の欲望を満たしたいのは皆同じです。人に迷惑をかけてはいけないことは誰もが知っています。しかし、自らが発する欲望は理性をも食いつくそうとします。
私はのぞみのひたむきな純粋さと優しさが大好きです。彼女の優しさは特定の個人に向けられるものではなく、万人に向けられます。初めて会った人や敵にも向けられています。デスパライアや「鏡の国」のダークドリームがそうです。前回の映画も今回も他のプリキュアは敵を倒していますがドリームのみダークドリームとココを倒すことなく和解させているのは彼女の持つ愛情が大きく作用しているからです。
のぞみが大きな強い敵にも勝てるのは、心の強さ、具体的には愛情(優しさや一生懸命さ)があるからです。彼女自身希望や勇気、愛を持っています。それだけではなく他者が持つ希望や勇気、愛も彼女は共有し共感し受け取ることが出来ます。他者の応援に応えようと頑張り続けるから彼女は心も身体も強く有り続けています。プリキュアの強さは心の強さでそれを物理的な力に換えて敵を打ち倒します。しかしその源は優しさとか愛情です。だから彼女は敵にもその愛情を注いでいるんです。敵を打ち倒す彼女の強さは優しさなんです。敵を愛せるからこそ強い力を持てるんです。去年の映画はダークドリームを救うことが出来ませんでした。デスパライアを救うことが出来ませんでした。ムシバーンを倒しました。でも一つだけ彼女が出来たことは、彼・彼女らの心を知り、自分の愛情を注ぎ、彼・彼女らにも優しさや希望を与えられたことです。のぞみは他者の希望を受け取れると同時に他者にも愛情や希望を与えることができます。
彼女だけでなく、彼女と関わった様々な人々が幸福になることが彼女の在り方とこの作品の主題が正しいことの証明となるでしょう。優しさとは思念や想いではなく、その行為にこそその性質と効果が発揮されるものであろうと思います。のぞみの愛情はこの作品の根幹です。
④プリ”キュア”
さて、のぞみの愛情が作品の根幹であるものの、完全無欠なハッピーエンドとは言い難いのが現状です。ダークドリーム、デスパライアのときも考えました。何で救い切れないんだろう? どうして全員がハッピーになれないんだろう?と。
ひとつには、のぞみを以ってしても、完全な解決、幸福を成しえる事は非常に難しいのだろう、と思ます。デスパライアもダークドリーム(彼女はシャドウに倒されていますが)、ムシバーンにしても彼・彼女らが背負った運命や使命、業といったものまで完全に作り変えてしまえることは簡単には出来ない。そんな万能さ、全能さはのぞみにも無いのだと。のぞみ達が友達同士でそれをやれるのは、そのために各自様々な努力と時間をかけているからで、一朝一夕にやっているわけではありません。
そういう意味では、敵を救えないのはのぞみの限界でもあります。それでも彼女は変わらず愛情を持ち続けていてGoGo!本編では少しずつその関係の範囲を広げています。。
もうひとつ、戦闘に関して。デスパライアのときのように手を差し伸べることもあるいは出来たのかもしれませんが、今回の映画では必殺技を使い倒しています。ただし戦っている最中のぞみは常に「分かち合うと楽しさや喜びは増す」と説き続けています。
これはプリキュアの戦闘は思想戦なので、
『みんなと一緒にやれば楽しいよ!という充実、希望・勇気・愛』 と 『満たされない欲求と希望・勇気・愛に対する不信』
との直接対決になっていて、後者を打ち破る必要があります。
ちょっとおさらいになりますが、シリーズに登場したラスボスであるジャアクキングやゴーヤーンは不死の存在です。何故なら彼らは闇、絶望、虚無、滅びの権化であり、自身がそういう存在だからです。これはこの世界(に住んでいる人間にとって良くも悪くも)に不可欠な存在で、常に人が対面し内在する概念です。そのため概念的に完全に倒すことは出来ません。これらを如何にして人が克服するかが、プリキュアのラスボス戦の醍醐味です。
プリキュア5ではそれが少し変わっていて、デスパライアとムシバーンは不安や恐怖、欲望などに取り付かれてしまった人を表しています。彼らは人の心の弱さが外部へ暴力として転化してしまった人々と言えます。怖いから抗う力が欲しい。美味しいお菓子を食べたいから強引にでも得ようとする。その恐怖や欲望を打ち払うには、相反する力を示す必要があります。つまりのぞみ達が戦い、倒しているのは敵そのものではなく、人の心に巣食う心を蝕む負の感情(負の意思)です。
そのためデスパライアとムシバーンは精神的には呪縛から解放されています(ソリューションの元の意味)。 彼らの弱さや脆さを打ちのめすのではなく、不安や恐怖、欲望を希望、勇気、愛によって克服させ本来の心を取り戻させています。ムシバーンの最後の表情は笑顔と言って良いほどに温和で安らいでいます。彼は悪事を働きましたが、のぞみはそれを赦して(彼女が悲しい顔をするのは彼を倒す相手として認識していないから)彼に希望を見出させています。
思想戦として見た場合、論理的には映画の結末は正しいです(物理的な救いは重要ではない)。のぞみの愛情は他者に届いています。そして受け取った相手は敵・味方問わずその気持ちを理解して希望を見出しています。私はこれがプリキュア5の最も素敵なところだと思っています。
一人の優しさや愛情が全てを解決し、全てを救うことは出来ません。人は神でも全能でもありません。でも、もしかしたら不可能じゃないかもしれません。まだGoGo!の最終回は先ですが、のぞみの優しさから端を発した関係はその輪を広げて大きくなっています。みんなが一緒になって生み出す力がその不可能を可能にするんじゃないかな、GoGo!の最終回は凄いことをやってくれるんじゃないかなと思ってます。プリキュア5の総決算(5シリーズは今期で終わる感じのニュアンスをWebラジオなどから感じる)。のぞみが蒔いた愛情をみんなで咲かせるそんな最終回になりそうな気がします。っていうか、それをやるのがプリキュアでしょうけどね。
⑤終りに
我々人には心があって、そのために苦しみ悩み、時には自ら死を選び、人に死を与えることがあります。同時に人を助け、充実と感動を覚え、それらを与えることもあります。きっとこのジレンマや矛盾しつつも表裏一体と化した人の欲望は絶える事がないでしょう。そんな面倒なことは忘れて楽しめば良いし、日常の雑多繁忙の中に溶け込んでしまえばいっそ楽でしょう。そうせざるを得ないことだってあります。生きる喜びや辛さは誰しもが感じます。感じざるを得ません。否応無しです。
私は、そうした中で尊いものや素晴らしいものを見つけてそれを信じたいと思います。何故なら、その尊さや素晴らしさは人の中に在り、人の行為に在るからです。それを忘れてはいけないと思っています。しかし私にはのぞみのような愛情はありません。でも彼女の愛情を感じ、喜ぶことは出来ます。私もまた彼女と関わったことで気付くことが出来ました。
私達一人一人は不完全で不器用で未熟です。他者の中に完全さ、器用さ、成熟を見ることがあります。他者の中に見るもの、それは自分の写し身であることがあります。自分に無いものが羨望や妬みになり、他者に無いものが自分の優越となることがあります。しかし忘れてはいけません。他者に見るもの、この世界の中で見つけられるものには尊いものや素晴らしいものがあります。それを受け取り、与えることも出来ると信じたいと思います。人が不完全なのは不幸ではなく、そこにも幸福が有りうると信じたいと思います。
今回もプリキュアの映画に感動し、感激し、感謝します。ありがとう。
ココナッツ達の前座も場慣れしているし、比較的長めの戦闘はテンポ良く、かつ冗長なく進むので緊張感が途切れません。ドリームとココのちょっとどころじゃないジェラシーなシーンは本シリーズでも大胆で冒険的なシーンだと思います。そしてなりよりもプリキュアの本道であり、5シリーズの基本にして前提にして最も優れた点であるのぞみの優しさが発揮された物語となっています。
以下うろ覚え感想。
○ちょ~短編 プリキュアオールスターズ
ライブ会場に集まる女の子たち。なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞。久々に見ましたが、可愛い。可愛いから可愛い。可愛いので可愛い。とりあえず可愛い。終いには可愛い。のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ達も来ています。アカネさんのたこ焼き屋は今日も繁盛しています。宮迫くんや増子さん、奈緒達もいます。
会場に入ると観客は誰一人居なく、その代わり巨大な漆黒の存在。禍々しさがアップしたジャアクキングのような姿です。言語能力は無くただ破壊のみの力を振るいます。
このままではライブが出来ません。プリキュア&シャニールミナス&ミルキィローズに変身。各々自分達以外にもプリキュアが居たことに驚きます。ドリーム驚きすぎ。
戦闘開始。戦闘シーンは短いながらも凄まじく、ホワイト・ブラックは本編でもお馴染みの同時特攻シーンや初代OPの鉄塔着地を披露、ブルームとイーグレットは高い飛翔能力で上空に跳んでフォームチェンジ。シームレスにチェンジしています。強力な飛び道具を使います。プリキュア5も無詠唱で次々と必殺技を連発。バンクではないので必見。レモネードのチェーンとさり気に2個もソーサーを出しているミントは凶悪です。この流れがほとんど数瞬で行われます。私が確実に言えることは、どのプリキュアを相手にしても勝てる気がしません。
集中砲火を受けたジャアクキング(改)ですが、本編同様しぶとく生きています。反撃してきます。ルミナスとローズが防御します。お客さんたちが楽しみにしているライブを守る!と言うプリキュア達。ライブを映画と換えても通じます。マーブルスクリュー&スパイラルスター・スプラッシュ&エクスプロージョンの集中砲火を浴びて今度こそ消滅。
会場が元に戻りライトが点くと、何故かライブステージに立っている11人。お客さん達は満員で盛り上がっています。客席にみのりやユリコ、小田島先輩まで居たので、おそらく主要な脇役は居ると思います。本来のライブがなんだったのか分かりませんが、なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみは踊ります。むしろこれが本来のライブです。曲は「DANZEN!まかせて☆フルスロットルGoGo!!」(サントラ2に収録)。シリーズ毎のメドレーで各主役達がメインとなって踊ります。言い忘れましたが衣装が可愛く、それに全く劣ることなく(何度も言いますが)本人達が可愛いので映画開始5分でこれで映画が終わってもいいかな、というほどの充実感と満足感を得ます。
○本編
①前振り
恒例の不思議生物前座。去年もやっているせいかテンポも良く慣れた調子です。ミルクが登場して映画のお客さん達に挨拶。シロップが怪獣の変装をして乱入。そこに現れる特撮ヒーローチックなココとナッツ(人間体)。ココがしゃべっているときのナッツの微妙な表情が面白い。何となくこの先の展開が予想できます。ミルクがミラクルライトを使うと、ココとナッツはメタモルフォーゼして、ドリームのコスプレをしたココとミントのコスプレをしたナッツ(不思議生物形態)になります。お約束ですが予想以上にクオリティが高く、何より本人達が超ノリノリです。キチンと必殺技もあります。
改めてミラクルライトの説明。これも前年同様劇画タッチのナッツとシロップが見所。前年のミラクルライトは投射型でしたが今作ではただ光るだけのものに変更されています。その分いつでも劇場内で使用可能であり、プリキュアがピンチなときは使ってね、と規制はありません。
はじまり~はじまり~。
②のぞみの誕生日
のぞみの寝顔アップからスタート。このシーンでさらに私のテンションが上がったことは言うまでもない。っていうか、このままずっとのぞみの寝顔を見続ける映画だとしてもなんら不満は無い。
ナッツハウスではりん達がパーティの準備をしています。力んでクリームをデコレートするくるみ可愛い。
のぞみの頬を指で突いて起こすココ。ちょっとジェラシー。のぞみが起きます。まだちゃんと起きていないのか自分の居場所に驚くのぞみ。ココがここはナッツハウスの屋上で早く来てしまったので寝ていたと説明します。眠り姫の話をするココ。眠り姫の話しにうっとりするのぞみ。「王子の優しい心」と言っているところが重要なポイントです。キスそのものではなく、心が鍵となっています。キスをして起こしてあげた方が良かった?と顔を近づけて言うココ。ココくん、ちょっとナッツハウスの裏に来てもらっていいかな。何そんなに手間はかけませんから。恥ずかしがって顔を引っ込めるのぞみ。バランスを崩してしまいそうになったところをココが手を掴んで引き寄せます。ラブコメモードです。かなりジェラシー。
りん達が準備していたのはのぞみの誕生日を祝うパーティ。シロップが最後のイチゴを載せてケーキは完成です。喜ぶみんな。うららは飛び上がったときにスカートがギリギリまで上がるのでそのシーンで一時停止したくなりました(←映画館から出て行け)。
準備が整ったのでいざ開始しようとしたとき、突然オーブンが降ってきます。怪しみながらものぞみが近づくと、中から元気な女の子が出てきます。そのままココに抱きつく女の子。くるみが目ざとく気にします。ココは女の子をチョコラと呼びます。この娘、何かたくらんでいそうな目をするときがあって面白いな。
そして続いて現れる不吉な、お馴染みの声。ブンビーです。今回はエターナルではなくバイトで違う仕事をしているそうです。大変だなぁ、この人も。のぞみのケーキにホシイナーを憑依。プリキュアに変身するのぞみ達。うららは三角錐の帽子を被っています。流石です。くるみは変身しません。
必殺技と連携であっという間にホシイナーはボロボロ。反撃の暇も与えません。胴体・足元・頭上に容赦なく攻撃を叩き込まれ、終いにはチェーンでブンブンと投げ飛ばされます。プリキュア容赦ありません。ブンビーもびっくりです。トドメのエクスプロージョンでホシイナーを撃破。元に戻ったケーキを回収しようとしたらブンビーが持ち去ってしまいます。
せっかくのケーキが無くなってしまい泣くのぞみ。チョコラがお菓子を出して、助けてもらったお礼にデザート王国へ案内すると言います。どうやら前から親交があったようでココナッツもチョコラのこととデザート王国のことを知っているようです。くるみもお世話役を目指すなら外交と各国主要人物くらいは把握しておいた方が良いです。
登場してきたときのオーブンをミラクルライトで巨大化。その中に入るのぞみ達。オーブンなので少し熱くなるようです。っておいおい。中で汗をダラダラかくのぞみ達。こまちの必死に耐える顔が面白い。デザート王国へ出発。
③デザート王国
プリンの山にオーブンが着地すると、勢いよく飛び出るのぞみ達。テレビCMのときは本編私服でしたが映画版私服に変わっています。相変わらずうららの太ももとかれんのスカートを押える仕草が素晴らしい。しかも今回はスカートのくるみの太ももも見れてさらに見所アップです(映画館の警備員の視線を感じる…)。
運動神経が良いみんなは普通に着地しますが、のぞみだけ素晴らしくかっこわるい着地を決めます。顔面が生えている花に埋もれています。ところがその花はお菓子で食べられます。よく見ると見える限り全てお菓子で出来ています。のぞみの顔をタオルで拭くうらら。いや、そこは顔を舐めるべきではないか?
全てがお菓子で出来た王国、デザート王国。チョコラが住んでいるのは王国のお城です。そこでのぞみの誕生日をすることにけって~い。
暗い大きな部屋でのぞみ達の様子を見るブンビー達。ずいぶん荒廃した部屋です。ブンビーの仕事はどうやらのぞみ達を王国におびき出すことでした。玉座に座る女王らしき人物。その脇に副官らしい人物が2人。インテリメガネ(仮名)と褐色ワイルド(仮名)。仕事の報酬を要求するブンビーに2人はそれだ、と言います。それ、つまりブンビーの持っているケーキが報酬。現物支給!?しかも自分が奪ってきた物!?と怒りを燃やすブンビーを軽くあしらい転送させる2人。
女王はプリキュアのお菓子を食べると舌なめずり。怖ぇぇ。
OP。デザート王国中を駆け巡るのぞみ達。店では勿論お菓子を出していますし、川もジュースです。バクバク食べまくりののぞみ達。楽しそうです。しかし、チョコラの表情に陰りが見られます。
ふとかれんがこれ以上食べたら太るんじゃない?と言ってしまいます。その言葉に気付かされてしまったのぞみ、りん、うららはショックを受けます。予期しない反応に戸惑うかれん。えらい演技がかった動きでショックをアピールする3人。かれんはしどろもどろになりながら思わず何かごめん、と言ってしまいます。こまちはかれんの意見に同意します。
チョコラはデザート王国のお菓子はいくら食べても太らないと説明します。満たされるのは喜びの気持ちだと言います。なかなか上手いことを言います。のぞみ達はお菓子を食べに行きます。くるみはまったく、と呆れますが両手にはチョコバナナをしっかりと持っています。彼女達によって国が崩壊しないか心配です。
ココとナッツはそろそろデザート女王に接見したいとチョコラに申し出ます。一転して表情を曇らせるチョコラ。ココとナッツの方を見ずに返答します。気が進まないようです。そこに先ほどの副官っぽいインテリメガネ(仮名)と褐色ワイルド(仮名)が登場。のぞみ達の案内は自分達が行うからと接見を促します。作中名前が出なかったのですがインテリメガネはドライ、褐色ワイルドはビターと正式名称で呼ぶことにします。デザート王国の住人は動物のような耳がついているのが特徴です。
お世話役のくるみと、以前配達をしたことがあるシロップがココ達に同行します。
④あま~い罠
トロッコに乗って移動するのぞみ達。ココ達とは一旦別れます。王国の景色に感嘆の声を上げるのぞみ達に、ビターは辛党だから甘いのは嫌だ、ドライはお菓子など無くてもいいと言います。お前らやる気ねぇ。
のぞみ達はお菓子の国をさらに堪能。フワフワと飛ぶタンポポの種?にくっついたドーナツを掴み取るうららとりん。のぞみは上手く取れません。自分が取ったドーナツを割って差し出すりんとうらら。出遅れてはいけません。
かれんとこまちも料理品評家のようにプリンの感想を言い合います。そしてお互いに食べさせ合います。なんというカップルぶり。これがプリキュアの黄金比率なのか。よろしい、許可しよう。むしろもっとやれ。
りんごのように木になっているシュークリームを取るのぞみ。もういいんじゃない?とりんとかれんは言いますが、のぞみはココが嬉しがる顔が見たいと続けます。呆れながらものぞみの気持ちを汲むりんとかれん。ドライは嬉しいとか気持ちなどというものを理解していないようです。二人にジュースはどう?と持ちかけます。
うららとこまちはのぞみの誕生日を祝うためのお菓子集めを続けます。ビターは人のためにしてどうなる?損するだけじゃないか?と疑問を口にします。損ではない、喜んでくれるのは嬉しいと答えるうららとこまち。ビターは話を変えてたこ焼きはどう?と誘います。
ジュースの滝でジュースを組むかれんとりん。結構迫力があります。ちなみにかれんが組んでいるのはグレープジュースだと思われます。流石。量がちょっと多い、と答える二人を、それは残念と滝に落とすドライ。耳飾りを捨てます。
たい焼きをジュースの泉で取るこまちとうららを巨大たい焼きがまる飲みします。ビターも耳飾を捨てます。
お城の女王の間前まで来るココ達。躊躇いながら扉を開けようとするチョコラにココはチョコラの良い所は相手の目を見て話すところと言い、今それをしてくれないのは何かあるのか?と尋ね相談に乗ろうとします。何かを隠しているチョコラ。しかし部屋の中から女王の声が聞こえてきます。
中に入ると、荒廃したのかと思ってましたが、これはかじった様な跡です。喰い散らかしたかのような。部屋の様子に驚くココ達。ココナッツは優しい女王を知っているのですぐに女王が何者かに操られていると見抜きます。女王は力を使ってナッツ・シロップ・ミルクを封じます。毅然と立ち向かうココですが…。チョコラの悲鳴。
一人となったのぞみは、うらら達が残したお菓子を食べますが独りでは美味しくないと呟きます。すると泣いて走るチョコラを見つけます。のぞみを拒絶するチョコラですが、のぞみは泣いている友達は放っておけないとチョコラに手を差し伸べます。屈んでチョコラと目線を合わせます。
そこに現れる謎の男。サングラスをかけたココに見えますが、それを言ってしまうと実も蓋もないので一応謎の男として進めます。男はもう仲間とは会えないと言います。
凍った世界。そこにりんとかれんは居ます。ドライがここは冷蔵庫だと言います。アイスの棒が墓場の塔婆(とうば)に見えます。
砂漠のような世界。そこにこまちとうららは居ます。お菓子を焼くオーブンだとビターは言います。
場所はバラバラでもみんな変身。
ルージュとアクアの攻撃をかわすドライ。ビターもレモネードとミントの攻撃を防御します。女の子は力が無いというビター。ドライは針のようなものを出してルージュの腕に差します。ビターは接近してきたミントに手を向けると爆発が起こります。
被弾箇所がみるみるとアイスになっていくルージュ。ビターは格闘戦主体で、詳しくは分かりませんが拳法?のような動きでレモネードを攻撃します。身体全体を使った攻撃。プリキュアの格闘は地味に動きに凝っています。ミントはさきほどの攻撃でクッキー化しつつあります。レモネードを琥珀のような板で磔にするビター。トドメとばかりに投擲してきます。レモネードを庇うミント。しかし、ビターは構わず板を爆破します。厄介だ。ドライはいくつかの球状物体を出してレーザーで攻撃します。足場もろとも破壊されて宙を舞うアクアとルージュ。やべぇ。
謎の男と格闘戦に入るドリーム。男は他のみんなはお菓子になっていると言います。仲間を助けようとするドリームですが男の戦闘力は思いのほか高い。
シャボン玉のような膜に捕らわれていたナッツ達ですが、メルポがフォークで刺して救出します。ミルクはココを助けると出て行きます。
男に捕まりドリームの腕がチョコレートに変えられていきます。ドリームの元に駆けつけるナッツ達。しかし男の攻撃を受けてチョコラ共々川に流されてしまいます。ドリームは川へ飛び込みます。
⑤あなたに気持ちを伝えます
川のジュースを手漕ぎポンプで汲む住人達。するとポンプが詰まってしまいます。力を入れると、チョコラ、ナッツ、シロップ、メルポ、ドリームが吐き出されます。ドザエモンのように浮かぶドリーム達。色々と大変な目に遭ってるなぁ。
もうしばらくはオレンジジュースはコリゴリとシロップ。ドリームも呆けています。しかし腕はチョコレート化したままです。
シロップはチョコラに騙されたと責めます。耐えられず駆け出していくチョコラ。住人の娘はシロップにお菓子を差し出します。美味しいと食べるシロップ。そのお菓子はチョコラ王女が作ったものだと言います。悪い人に優しい味は出せないとナッツ。メルポもフォークはチョコラから渡されたものだと伝えます。
川辺で一人落ち込むチョコラにドリームは声をかけます。チョコラは母親との思い出を話します。しかしムシバーンという者が現れて母が人質に取られてしまいました。母親のことが大好きなチョコラの気持ちをドリームは察し自分も不安だと言います。今ドリームは一人です。チョコラにとって母との疎遠は苦痛と不安を伴うように、ドリームにとって友達と引き離されまして苦しめられているのならそれは耐え難いことです。苦しみの涙を浮かべるドリーム。チョコラはお菓子化した腕をミラクルライトで治します。ドリームは、みんなを助けるためにチョコラは母親を助けるために一緒に行こうと話します。手を取り合うふたり。
再び城を目指します。シロップが行くのなら手伝うと申し出ます。流石、ちゃんと非礼の詫び方をわかっているじゃないか。
ドリーム達を乗せたシロップは一直線に城を目指します。その行く手を阻む謎の男。空を自在に飛び散弾でシロップを攻撃します。高い回避能力を見せるシロップですがかわしきれず被弾してしまいます。ドリームとチョコラが落下。ナッツはシロップとともに戦線を離脱します。
ミラクルライトの力で落下速度を相殺して着地。男も目の前に立ちはだかります。ドリームが男と戦っているうちにチョコラは母親の元へ。
再び戦闘に入るドリームと男。格闘能力の高さに加えて、お菓子化の能力を持つ攻撃にドリームは苦戦します。ダメージを無視して被弾してもお菓子化してしまえばいずれ行動不能になってしまいます。
離れたところでも戦闘継続中。ルージュ・アクア、レモネード・ミントはお菓子化が進んでいます。つまみ食いしちゃおうかな、とビター。お前ちょっとオーブンの前に出ろ、つまみ食いするのは俺一人でいい(警備員が警棒を抜くそぶりを見せ始めた)。
みるみるとチョコレート化が進むドリーム。しかしすでにルージュとアクアはアイスに、ミントとレモネードはクッキーになってしまっています。レモネードを抱きしめるように守ったままクッキーになっているミントが印象的です。最後まで守ろうとしたようです。
ドリームはみんなと誕生日をしたい、みんなと笑いたい、何よりもみんなと一緒に居たいと心で泣きながら想い続けます。たった一人ぼっちのドリーム。攻撃の手を緩めない男を前にしてついに涙を浮かべてしまいます。
ルージュ、アクア、ミント、レモネードのお菓子の身体に亀裂が入っていきます。お菓子化していたみんなはあっさりとその呪縛を解きます。立ち上がるプリキュア達。しょうがないなぁ、のぞみの誕生日なのだからお願いは聞いてあげないといけないとルージュ。のぞみにはかなわないとアクア。エクレアにレモンパイ、ドラ焼きも。ミントとレモネードものぞみの誕生日を祝うために戦います。ここからがプリキュアとしての戦いの始まりです。
一気に逆転へと転じるルージュ・アクア、レモネード・ミント。動きがとたんに鋭く力強くなります。頭部へ遠慮なく回し蹴りを決めます。一緒に誕生日をするとか、お菓子を集めるとか、パーティとか言いながら戦うプリキュア。凄まじく日常的でしょうもないことを言いながら、とても大切なものを賭けて戦うのがプリキュアバトルの醍醐味。自分を待っている人が居ます。自分が必要としている人が居ます。気持ちを伝えたい相手が居ます。彼女達は現実的な力と意志力を備えそれを発揮できます。地に伏しながらも何度でも立ち上がり、諦めが悪く、努力し続ける人々。
戦闘に関してはレモネードが凶悪です。蹴りとアッパーの応酬でビターを圧倒します。大事なのは自分だという彼に、ミントとレモネードは自分だけじゃだめ、自分も相手も大事だと答えます。ミントは技を使うまでもなく相手の飛び道具を完全に防ぎます。大地を揺るがす乙女の力を持っているだけのことはあります。
可哀想になるほど顔面を蹴られるドライ。ルージュのストライクとアクアのアローが一つになってドライを倒します。レモネードは幾条もの鎖でビターの動きを封じ、ミントのソーサーが直撃します。情熱とか真心とか優しさとか心の強さとか言っていますがやっていることはガチの殴り合いと強力な力による蹂躙です。プリキュア容赦ありません。圧倒的なプリキュアの強さ。それはドライやビター、男が持つ強さとは根本的に違うものです。自分を必要としてくれる人のために頑張れる人、その努力と想いが現実に作用するとき強い力が生まれます。
半ば諦め抵抗することができないドリームの唇を奪うかのように口を近づける男。おお、プリキュア的には凄い挑戦的なシーン。コケティッシュです。ちょっとそこの男城の裏に来い。ドリームの唇は俺…ガッ(警備員に警棒を投擲された←自分で自分にツッコミを入れるのも大変)
諦めかけていたドリームの心に離れていたみんなの声が届きます。気力を持ち直して男から逃れます。男はサングラスを取ると、紅い眼をしたココの素顔がそこに現れます。驚愕するドリーム。
男を操っていたムシバーンが名乗ります。ココを操り、力を引き出して黒いフルーレを出現させます。
母の元に向かうチョコラは途中でくるみと遭遇します。散々な目にあっているくるみはチョコラを責めますが、チョコラは素直に謝ります。くるみはすぐに事情を察すると母の元へと促します。
フルーレを使うココの攻撃をかわし続けるドリーム。ココと戦うわけにはいきません。しかし元から劣勢でありいつまでも持ちこたえられません。ココの名を叫ぶドリーム。叫びに反応してか、ココの首元にある宝石のようなものにヒビが入っていきます。絶望的な状況の中でも彼女はココを信じると断言します。ムシバーンは無駄だ、とココにトドメをささせようとします。決定的な一撃が放たれます。
…寸前で剣を止めるココ。真摯にココを見るドリームの瞳がとても綺麗です。ココは意識が半ば混濁し苦痛に身を震わせます。ドリームはココに駆け寄ると、
「私を思い出して」
ココに口付けます。
⑥希望、勇気、愛
ココから離れるドリーム。仕草が大人っぽい。ココは意識を完全に取り戻します。喜ぶドリーム。ココに抱きつきます。お礼を言うココ。ドリームのチョコレート化していた身体は元に戻ります。
策が失敗し憤るムシバーン。希望など下らん、勇気など下らん、まして愛など!憤懣やるかたない。デザート女王の元に寄るとその手に触れひれ伏す体勢を取ります。ふむ。
お母さまから離れて!とチョコラとくるみが入ってきます。くるみは変身すると自分が引き付けるからチョコラは母親の元へと指示します。
ローズVSムシバーン戦。どこの格闘アニメですか?というくらいの肉弾戦。揺れる城。ローズが圧されますがそれでもサシで渡り合います。どのくらい凄い気迫かというとこの戦闘があと10分続いたら城が確実に崩壊します。
チョコラは母に擦り寄りこれからしたいこと、意識を取り戻してほしいと願い、語りかけます。身体は操られても心は自由に出来ないと話すチョコラ。ムシバーンは自分に消せないものは無い!とローズを吹き飛ばします。
諦めずに母に言葉を紡ぎ続けるチョコラ。ムシバーンは自分の邪魔をするな、とチョコラを見据えます。親子の会話の邪魔をしているのはあなたじゃない!と立ち上がるローズ。カッコイイ。ローズはミルキィローズの底力見せてあげるわ!と啖呵を切って、ミルキィノートを自力で召還。もはやナッツの存在意義はありません。さらばナッツ。君のことはたまに思い出すかもしれません。メタルブリザードを放ちます。
チョコラは「お母さま大好きです」と母に伝えます。その言葉でデザート女王の額にあった宝石は砕け意識を取り戻します。メタルブリザードはムシバーンを圧し切り吹き飛ばします。
ローズは力を使い果たしてミルクに戻ってしまいます。でも女王の意識が戻って一安心。しかしムシバーンは立ち上がります。
お菓子を食べたいだけだと話すムシバーン。いくら食べても満たされないと嘆きにも似た叫び声をあげます。
しかしだからといって力で他者を傷つけ破壊して良い言い訳にはなりません。ドリームが現れて敢然と応えます。「それ同感」応じるルージュ。ルージュは常にドリームを支えます。アクアも居ます。シロップをしっかり回収。レモネードとミントも駆けつけます。ドリームの肩に手を乗せるレモネード。ちゃっかり者です。ミントはナッツを持っています。無事揃うプリキュア5。
デザート女王は心を込めてあらゆるお菓子を出したが、あなたはそれに満足しなかった、いくら食べても、心が無ければ満たされない、と悲しみの言葉をムシバーンに投げかけます。個人的にこのシーンが非常に印象に残っています。もしかしたらムシバーンは最初客人としてこの国に訪れたのかもしれません。美味しいお菓子を求めて食べているうちに満たされない気持ちが募ったのかもしれない。
ムシバーンは逆上すると、満足なお菓子も出せない国など滅べと城を破壊する塔を作り出します。巨大な力の塊から放たれたビームは巨大な火球を作り国を破壊していきます。
一旦外に退避したプリキュアとチョコラは再び女王が作った円盤に乗ってムシバーンへと挑みます。国から脱出させるのかと思ったら問答無用で最終決戦へ。デザート女王はしたたか者です。気合を入れていくよ!とドリーム。Yes!
最終決戦が始まります。ムシバーンに挑むプリキュア達。ドリームだけ少し躊躇いの表情が表れていますがすぐに引き締めて挑みます。圧倒的な力を持つムシバーンは5人揃ったプリキュアを意に介さない強さを発揮し、全員を一気に吹き飛ばします。ドリームはチョコラを守るため盾となります。希望、勇気、愛の力を信じないムシバーンは傷つき倒れたプリキュアにこれで希望も勇気も愛も無くなったと言います。
その言葉を否定するチョコラ。希望はここにある、とミラクルライトを取り出して応えます。勇気も愛も同じだと言います。彼女がドリームに友達だと言われた様に、何度も助けられたように、勇気付けられ希望を持ちました。今度は彼女がそれを返すと言います。ミラクルライトを振るチョコラ。
城の外に居た女王はみんなに呼びかけてライトを振ります。映画を見ている人に呼びかけると同時に国民に呼びかけるシーンになっていて自然です。ココナッツ、ミルク、シロップもライトを振ります。当然、映画館に居るプリキュアを応援する女の子達もライトを力一杯振ります。現実と映画の中での応援が同期して最高の演出効果を生みます。
みんなの力がドリームの元に集まります。微笑むドリームにムシバーンは疑問の声をあげます。何故笑う? ドリームはみんなが力をくれると言います。みんなが応援してくれる限り彼女は頑張ることができます。そして諦めず頑張り続ける限り、人は負けないのです。何回もこの映画を見て、そのたびにこのシーンが一番感動します。意志、勇気、友情、力、生命力、自らの力で拠って立つ人は強くカッコイイ。でも彼女のかっこよさはそこではなく、人の想いに応えられること。彼女の強さは自分と他者の想いを力に出来ること。
「みんな、ありがとう!」
「想いを咲かせる奇跡の光! シャイニング・ドリーム!」
いつの間にかマントを脱ぎ、ライトセーバーを構えるムシバーン。かざした手に虹色の粒子が煌く中、何故ムシバーンが満たされないかドリームは答えます。お菓子を一人で食べても美味しいけど、みんなと一緒に食べるお菓子はもっと美味しい、みんなと分かち合うと喜びは何倍にも大きくなると言います。
虹色の粒子は形となり、フルーレとなります。
「スターライト・フルーレ。みんなの願いを受けて輝くの」
力強くも悲しそうなドリームの表情。
フルーレによる剣戟。空を飛べるシャイニングドリームは自在に剣を操りムシバーンと対決します。小回りを利かせる場合は羽を閉じていて細かいです。今回の映画はアクション面でも充実しています。つばぜり合いを続けながらドリームはみんなで喜びや悲しみを一緒に分かち合いたいと言い続けます。その言葉共々ドリームをねじ伏せようとするムシバーン。力と想いがぶつかり合います。
「プリキュア!」
フルーレについていた花飾りが飛びます。おお!すげぇカッコイイ。翼を広げ空に舞うドリーム。
「スターライト・ソリューション!」
周囲の光とともに自身も光弾と化したドリームがムシバーンを突き抜けて再び姿を現します。なにそのメテオザッパー&クラッシュドーン。カッコイイ!! てっきり金色になった巨大薔薇が出てくるとタカを括っていた自分が間違っていました。
しかしカッコイイだけがプリキュアの戦闘ではありません。ドリームの表情はむしろ悲しそうです。勝利に喜ぶのではなく、相手に悲しむ貴女に私は尊敬と喜びを心から贈ります。ムシバーンは身体が崩壊していく中で、ドリームの言ったことが本当にそうなのか?と尋ねます。泣き出しそうになりながらも彼女は首肯します。その言葉に満足しムシバーンは滅びます。
お菓子の国は元に戻り、のぞみの誕生日が再開されます。ドライとビターもちゃっかり居ますが、首元につけていた宝石が無くなっていたのでこれが本来なのかもしれません。
EDテロップはチョコラがお菓子の国での様子をスケッチブックで紹介。ココにちゅ~しようとするのぞみ。何かブサイクだぞ。サングラスと衣装を身に着けるナッツ。これはこれで強そうだ。歌ううらら。お菓子の国でもファンがつきそうです。ブンビーは一人でケーキを食べます。これはこれで良いんじゃない? 動物の耳飾りをしたみんなプリティ。
最後に記念撮影。この国にもたくさんの友達ができました。
EDテロップが終わると、プリキュアオールスターズ長編の予告。来年の春公開!
○トピック
感想の文章量が大変なことになってしまったので(全体で1万8千字超)、トピックの概略を最初に書きます。
①始めに
プリキュアが女の子を主役とし、男の子視点を逆転した構造や展開を見せていることを長ったらしく書きました。
②中盤戦~プリキュアの基本~
この章では、ルージュ・レモネード・ミント・アクアが戦った戦闘シーンをメインにこの戦いがプリキュア的王道であることを書きました。
③終盤戦~のぞみの愛情~
今回の映画および本編においてものぞみの愛情が様々な人々に影響を与え、解決や希望の提示を行っていることを、ココへの嫉妬を抑えながら書いています。
④プリ”キュア”
プリキュアが何と戦っているのか、それによって何を提示しようとしているのかをこれまた長ったらしく書いてみました。キュア(Cure)は治療、(悪癖などを)矯正する、救済などを意味します。
⑤終りに
個人的な所信表明です。
①始めに
プリキュアは戦う強い女の子がそのコンセプトにあります。体力では男の子に通常勝てません(小学校中~高年だと成長が早い女の子の方が強かったりする)。現実的な諸都合を含めれば男性より不利な場合もあるでしょう。
今回はドライとビターがそれを実感させるようなことを言います。今回の映画の対決は大雑把には男対女であり、男の子が重視する価値対女の子が重視する価値と言えます。ということで便宜上進めます。論旨としては男女差にさほど意味はありません。
女の子が強い本作では基本的に女の子が男の子を助けます。これはシリーズを通してもほぼ一貫しており、男の助っ人が存在しないことにも表れています。だからといって男はお荷物で役に立たないかといえばそうではなく、それ相応の役割や意味を持っています。女児向けでありながら非常に配慮されています。女の子にとって華々しく活躍するプリキュアの姿は可愛くかっこよく見えるでしょう。
今回の映画でも、眠り姫を王子が起こすのではなく、眠り王子を姫が起こすというスタイルになっていて、そのカタルシスは健在です。同時にシリーズ初のキスシーンが取り入れられているためインパクト絶大です。プリキュアはコケティッシュなシーンが意図的に排されていると思うのですが、今回の映画では特にのぞみが色っぽく見えるシーンがあります。
②中盤戦~プリキュアの基本~
中盤の逆転劇であるビター&ドライVSプリキュア4人のバトルは、プリキュアの基本精神です。彼らには何故プリキュアがあれほどの力を発揮できるのか理解できないでしょう。依って立つものが違います。生得的な力、合理性だけを重視する考えと気持ちの伝達を大切なものとするプリキュアの考えは根本が違います。自己にしか目を向けない彼らと、自己と他者を内包するプリキュアとではその意志の持ち方、動機も変わってきます。自分のためにしか頑張れない彼らに対し、友達のために(それが自分のためにもなることを承知して)頑張れる彼女達はプライドやかっこ悪さなど意に介しません。かっこ悪くても頑張る理由があるからです。彼女達がたとえかっこ悪く見えても諦めないのは、体裁やプライドのためではなく自分と他者の関係の本質を見ているからです。
ドライ・ビターは各々2対1の構図となっていますが、その点でもチームとして、人の能力(可能性)を発揮できるプリキュアは実務面で超えることが出来ています。優しさや気持ちなどは数値化も可視化もできないものですが、人の力を発揮するための駆動力として存在し、実際に行為させます。この戦いはプリキュアバトルの基本的思想と帰結です(プリキュアの戦闘は思想戦ですが論理的かつ現実的に勝ちます)。
ここで重要なのは、この勝ち負けが決して合理性で得られていないことです。論理的に強いからプリキュアがこの考えを採用しているわけではなく、彼女達の信じるものや大切だと思うものを発展・昇華させる形で勝っている点です。もし論理性や合理性で採択しているとしたらそれはやはり、人の心が通っていないものと判断されるでしょう。論理的なところから発展させていないからこそ論理的に正しい、というのがプリキュアの面白いところです。
③終盤戦~のぞみの愛情~
終盤からはのぞみを主とした戦いとなります。この一連の戦いはのぞみののぞみらしさ、プリキュア5の特徴がよく表されています。
私はあのキスシーンを見るたびにのぞみの優しさ、強さ、純粋さ、素朴さを感じます。冒頭で眠り姫の話をしているときに、彼女は王子様の「優しい心」がお姫様の呪いを解き目覚めさせたと言っています。元々の物語がそうだったのか分かりかねますが、キスという行為よりも「優しい心」にこの作品は重きを置いています。
ココとの戦いの中でムシバーンは、彼に言葉は届かないと言います。必死に操られるのを拒もうとするココに彼女はキスで自分の想いを伝えます。自分の心を直に伝えてココの呪縛を解き放っています。
のぞみはココが好きです。ココものぞみが好きでしょう。両想いなんですね(のぞみが好きな私はちょっとジェラシーを感じなくもない)。普通に恋愛したっていいんでしょうけど、なかなかそうはいかない。住んでいるところや、使命などが違います。学校の先生と生徒の恋愛はマズイんじゃない?というのはここでは放置します。
私はプリキュアの恋愛が好きです。それは恋愛をしていないからです。普通の恋愛はどうしても性愛的なものに寄りがちであるし、どうしても当事者間だけの関係に閉じがちです。プリキュアの恋愛はそうではなく、もっと広くて前向きで当事者達もそれを見守る人達も幸せになれるから好きなんです。キスをする。恋人同士なら当然です。好き合っている同士なら自然とそうなるでしょう。のぞみがココにキスをしたのは、そうしたこと以上に彼女の持つ優しさや純粋さ、素朴さを感じます。彼女は喜怒哀楽が豊かで、一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に頑張ります。彼女の真っ直ぐな愛情は彼女の行為全てに表れています。
ムシバーンのお菓子を食べたいという欲求はその本質として欲望であり、満たされない願望、肥大化し続ける人の欲と言えます。
強欲やエゴによる破壊は誰しもが悪いことだと、良くないことだと言います。しかし実際には自分がそれを止めることは稀です。何故なら皆こう答えるでしょう。いや、自分はまだ発展途中で目標を達していない、目標を達成すれば止める。周囲には自分より高い人が大勢居る。少なくとも自分はそこまで行きたい、行って何が悪い、と。私もそういう言い訳を即座にいくつも思いつくことが出来ますし、そして自らがやっているエゴをやめないでしょう。私はこの映画を見られればそれで良いと思っていましたが、すでにDVDが欲しくなっています。願望を叶えてもさらにまた願望が湧いてきます。「エゴの増長」と「自己の成長」は厳密には分けることが出来ないものでおそらく本質的には同じであると思います。
いや、もしかしたら今私達が暮らしている社会システム、経済システムが人の願望をより増長させているのではないか、大量生産・大量消費、世界規模的な発展が人の願望を刺激しているのではないか、とも考えられますが、生憎と現在のシステムが今後近い未来で変わる見込みは無さそうです。いずれにしても、私達は果てない願望をその内に秘めながら暮らすこととなります。
その解決として、デザート女王は「心」だと答えます。人の気持ちを分かる心、分かち合う心があるからこそそこに充実や満足があるのではないか、と言います。これは一理あるでしょう。しかしそれすらも他者を妬むキッカケともなりかねません。妬みと憧れ、劣等感と向上心はもしかしたら根本は一緒なのかもしれません。家族や大切な人を守るために非人道的な行為をすることだってあります。
どうすれば良いのでしょうか。自分の欲望を満たしたいのは皆同じです。人に迷惑をかけてはいけないことは誰もが知っています。しかし、自らが発する欲望は理性をも食いつくそうとします。
私はのぞみのひたむきな純粋さと優しさが大好きです。彼女の優しさは特定の個人に向けられるものではなく、万人に向けられます。初めて会った人や敵にも向けられています。デスパライアや「鏡の国」のダークドリームがそうです。前回の映画も今回も他のプリキュアは敵を倒していますがドリームのみダークドリームとココを倒すことなく和解させているのは彼女の持つ愛情が大きく作用しているからです。
のぞみが大きな強い敵にも勝てるのは、心の強さ、具体的には愛情(優しさや一生懸命さ)があるからです。彼女自身希望や勇気、愛を持っています。それだけではなく他者が持つ希望や勇気、愛も彼女は共有し共感し受け取ることが出来ます。他者の応援に応えようと頑張り続けるから彼女は心も身体も強く有り続けています。プリキュアの強さは心の強さでそれを物理的な力に換えて敵を打ち倒します。しかしその源は優しさとか愛情です。だから彼女は敵にもその愛情を注いでいるんです。敵を打ち倒す彼女の強さは優しさなんです。敵を愛せるからこそ強い力を持てるんです。去年の映画はダークドリームを救うことが出来ませんでした。デスパライアを救うことが出来ませんでした。ムシバーンを倒しました。でも一つだけ彼女が出来たことは、彼・彼女らの心を知り、自分の愛情を注ぎ、彼・彼女らにも優しさや希望を与えられたことです。のぞみは他者の希望を受け取れると同時に他者にも愛情や希望を与えることができます。
彼女だけでなく、彼女と関わった様々な人々が幸福になることが彼女の在り方とこの作品の主題が正しいことの証明となるでしょう。優しさとは思念や想いではなく、その行為にこそその性質と効果が発揮されるものであろうと思います。のぞみの愛情はこの作品の根幹です。
④プリ”キュア”
さて、のぞみの愛情が作品の根幹であるものの、完全無欠なハッピーエンドとは言い難いのが現状です。ダークドリーム、デスパライアのときも考えました。何で救い切れないんだろう? どうして全員がハッピーになれないんだろう?と。
ひとつには、のぞみを以ってしても、完全な解決、幸福を成しえる事は非常に難しいのだろう、と思ます。デスパライアもダークドリーム(彼女はシャドウに倒されていますが)、ムシバーンにしても彼・彼女らが背負った運命や使命、業といったものまで完全に作り変えてしまえることは簡単には出来ない。そんな万能さ、全能さはのぞみにも無いのだと。のぞみ達が友達同士でそれをやれるのは、そのために各自様々な努力と時間をかけているからで、一朝一夕にやっているわけではありません。
そういう意味では、敵を救えないのはのぞみの限界でもあります。それでも彼女は変わらず愛情を持ち続けていてGoGo!本編では少しずつその関係の範囲を広げています。。
もうひとつ、戦闘に関して。デスパライアのときのように手を差し伸べることもあるいは出来たのかもしれませんが、今回の映画では必殺技を使い倒しています。ただし戦っている最中のぞみは常に「分かち合うと楽しさや喜びは増す」と説き続けています。
これはプリキュアの戦闘は思想戦なので、
『みんなと一緒にやれば楽しいよ!という充実、希望・勇気・愛』 と 『満たされない欲求と希望・勇気・愛に対する不信』
との直接対決になっていて、後者を打ち破る必要があります。
ちょっとおさらいになりますが、シリーズに登場したラスボスであるジャアクキングやゴーヤーンは不死の存在です。何故なら彼らは闇、絶望、虚無、滅びの権化であり、自身がそういう存在だからです。これはこの世界(に住んでいる人間にとって良くも悪くも)に不可欠な存在で、常に人が対面し内在する概念です。そのため概念的に完全に倒すことは出来ません。これらを如何にして人が克服するかが、プリキュアのラスボス戦の醍醐味です。
プリキュア5ではそれが少し変わっていて、デスパライアとムシバーンは不安や恐怖、欲望などに取り付かれてしまった人を表しています。彼らは人の心の弱さが外部へ暴力として転化してしまった人々と言えます。怖いから抗う力が欲しい。美味しいお菓子を食べたいから強引にでも得ようとする。その恐怖や欲望を打ち払うには、相反する力を示す必要があります。つまりのぞみ達が戦い、倒しているのは敵そのものではなく、人の心に巣食う心を蝕む負の感情(負の意思)です。
そのためデスパライアとムシバーンは精神的には呪縛から解放されています(ソリューションの元の意味)。 彼らの弱さや脆さを打ちのめすのではなく、不安や恐怖、欲望を希望、勇気、愛によって克服させ本来の心を取り戻させています。ムシバーンの最後の表情は笑顔と言って良いほどに温和で安らいでいます。彼は悪事を働きましたが、のぞみはそれを赦して(彼女が悲しい顔をするのは彼を倒す相手として認識していないから)彼に希望を見出させています。
思想戦として見た場合、論理的には映画の結末は正しいです(物理的な救いは重要ではない)。のぞみの愛情は他者に届いています。そして受け取った相手は敵・味方問わずその気持ちを理解して希望を見出しています。私はこれがプリキュア5の最も素敵なところだと思っています。
一人の優しさや愛情が全てを解決し、全てを救うことは出来ません。人は神でも全能でもありません。でも、もしかしたら不可能じゃないかもしれません。まだGoGo!の最終回は先ですが、のぞみの優しさから端を発した関係はその輪を広げて大きくなっています。みんなが一緒になって生み出す力がその不可能を可能にするんじゃないかな、GoGo!の最終回は凄いことをやってくれるんじゃないかなと思ってます。プリキュア5の総決算(5シリーズは今期で終わる感じのニュアンスをWebラジオなどから感じる)。のぞみが蒔いた愛情をみんなで咲かせるそんな最終回になりそうな気がします。っていうか、それをやるのがプリキュアでしょうけどね。
⑤終りに
我々人には心があって、そのために苦しみ悩み、時には自ら死を選び、人に死を与えることがあります。同時に人を助け、充実と感動を覚え、それらを与えることもあります。きっとこのジレンマや矛盾しつつも表裏一体と化した人の欲望は絶える事がないでしょう。そんな面倒なことは忘れて楽しめば良いし、日常の雑多繁忙の中に溶け込んでしまえばいっそ楽でしょう。そうせざるを得ないことだってあります。生きる喜びや辛さは誰しもが感じます。感じざるを得ません。否応無しです。
私は、そうした中で尊いものや素晴らしいものを見つけてそれを信じたいと思います。何故なら、その尊さや素晴らしさは人の中に在り、人の行為に在るからです。それを忘れてはいけないと思っています。しかし私にはのぞみのような愛情はありません。でも彼女の愛情を感じ、喜ぶことは出来ます。私もまた彼女と関わったことで気付くことが出来ました。
私達一人一人は不完全で不器用で未熟です。他者の中に完全さ、器用さ、成熟を見ることがあります。他者の中に見るもの、それは自分の写し身であることがあります。自分に無いものが羨望や妬みになり、他者に無いものが自分の優越となることがあります。しかし忘れてはいけません。他者に見るもの、この世界の中で見つけられるものには尊いものや素晴らしいものがあります。それを受け取り、与えることも出来ると信じたいと思います。人が不完全なのは不幸ではなく、そこにも幸福が有りうると信じたいと思います。
今回もプリキュアの映画に感動し、感激し、感謝します。ありがとう。
第37話「危ない!ファイブDEチャンス!(後編)」
○今週の出来事
①モグラ叩き
前回からの続き。
今週もOPは映画宣伝仕様。
スタジオの外に居たココ達は扉を叩きますがビクともしません。卑劣なゲームは進んでいきます。
自ら次のゲームにチャレンジするうらら。かれんが止めます。ズルをするのは目に見えています。何か打開策を講じなければ相手の思う壺です。勝てるはずがない、と言うかれんに、うららはどうしてもあの番組で優勝したいと言います。何故こだわるのか分からないかれん。チョコレート一年分が目的ではないと言ううらら。「私が欲しいのは、優勝トロフィーです。みんなの名前が一緒に刻まれた…」うららの椅子が落下します。
かれんは気付きます。坂本さんが言いかけたこと、ミルクが何故辞退までして自分を出させたのかを。囚われてしまったドリーム達を見るかれん。ミスターマジックが優勝トロフィーなどと言っている場合ではないでしょ?と遮ります。今度のイカサマゲームは「リズムモグラ叩き」
玩具のハンマーを持って立つうらら。周囲には穴が5つ空いています。曲のリズムに合わせてモグラを叩き続けミスをしたらゲームオーバー。お題の曲はツインテールの魔法。
ゲームスタート。リズムに合わせてモグラを叩くうらら。何事も無く進むかと思いきや、仕掛けをしているのがこのゲーム。ハンマーを受け止めるモグラ。…。……。驚くうらら。これは酷い。ショックで膝をつくうららに迫るモグラ達。5つのハンマーがうららを襲います。破壊力を伴った衝撃。辛うじて回避するうらら。今度は逆の立場です。巨大モグラが出現します。変身。巨大モグラに応戦するレモネード。しかし小型モグラが(それでもレモネードより身の丈が大きい)レモネードの動きをハンマーで封じます。攻撃を受け止めた状態で動けないレモネード。足元に穴が出現してそのまま罰ゲームボックスへと入れられてしまいます。
あっと一人♪ホッシイナー♪あっと一人♪ホッシイナー♪
②運命のコイントス
最後の挑戦者はかれん。ラストゲームは「コイントス」。「コイソトス」ではありません。
コインを取り出すミスターマジック。もろホシイナーのコインです。薄目を開けるコインホシイナー。イカサマやる気満々です。
イカサマをするのは確実、どうすれば…と考えるかれん。ふとスカートに手をやるとあるものに気付きます。ポケットから出したソレ、本来のファイブdeチャンスで使うコインです。
ミスターマジックは交換条件としてかれんが負けた場合パクトまで没収すると言います。ドリーム達はかれんに逃げて!と言います。どう考えても条件が悪すぎます。ただしいずれにしてもくるみ一人でパクトを守るのは分が悪いのでここで引くわけにも行きません。みんなで守ってきたパクトですが、それを守ってきたみんなを失いたくないかれんはこのゲームを受けます。相手に気付かれないように笑うミスターマジック。
「続きはこの後すぐ」お前もか。
ミスターマジックにコインの表・裏を見せるかれん。両面が同じとかの細工が無い普通のコインです。落ちたコインの裏・表を答えればいい。勝負は一回限り。
長くて一瞬の逡巡のあと、かれんはコインを空中に投じます。かれんの手元に落下するコイン。ミスターマジックは手に落ちたコインが裏であることを視認します。この人達の能力であればこれくらいの動体視力はあるか。かれんは緊張のあまりコインがどちらを向いて落ちたかを見ていません。見てから手を被せてもフェアでないからダメか。
裏なのか表なのか迷うかれん。手触りでは分からないようです。なかなか答えを出さないかれんを揺さぶるミスターマジック。なるほどそういう作戦ですか。「表」と答えるミスターマジック。やっぱり。かれんはその答えを聞いて動揺します。今までズルをしてきた相手が先手を打って指名したのですから怪しい。かれんは「表!」と言ってしまいます。簡単に「裏」に翻すミスターマジック。彼の狙い通りです。裏の裏を読むことで結果して自分の都合どおりに事を進める。
かれんは「表」。ミスターマジックは「裏」。最後のゲーム。コインを見せてくださいと促すミスターマジック。かれんは動けません。業を煮やしたミスターマジックは実に良い小悪党の表情を浮かべながらかれんの手を無理やり開かせます。
「これで私の勝っ…あっ!」
かれんの手にはコインがありません。自分が掴んでいたかれんの手の中にあったコインはそのまま床に落ちて…「Ⅴ」つまり「表」を表します。
③5人のⅤ、勝利のV
「表よ!私の勝ちだわ!」ドリーム達の居る方を向いて歓喜するかれん。やり直しを要求するミスターマジック。しかし形勢は逆転しています。かれんは余裕を取り戻すと「あら?誰も手の上のコインの裏表を当てるとは言ってないわよ」「私は落ちたコインをと言っただけ」ルールには全く反していません。策士策に溺れる。かれんは正々堂々と正面からゲームに勝ったのです。
喜ぶドリーム達。スタジオの外でもココ達が喜びます。
「ずるいぞーーーー!」と叫ぶミスターマジック。自分をここまで棚に上げて言える奴もそうそういない。空間が割れスタジオのセットが消滅し、イカサマホシイナー達が出現します。
「なんてズルイ奴なんだ!許せん!」
「あなたに言われる筋合いは無いわよ!」
「かれんはズルはしていないわ!」
空間が割れた衝撃でくるみ達が入ってきます。
「汗で手に付いたコインを持ち上げたのはあなたじゃない!」
「かれんさんは正々堂々と戦って」「勝利したの」
「みんな!」
悪や不正がはびこりそれが現実的な脅威と力を持っていて屈してしまいそうになるときがあります。またどうしても「運」に左右されることがあります。人の力が及ばぬとき、不慮の事態、偶然、公正であることが必ずしも良い結果や勝利を得ることが出来ないときがあります。しかし、どのような結果が生じようとも、人には選ぶことが出来るものがあります。
変身するかれん。くるみも変身します。
ゴールホシイナーを蹴るミント。隙を突いて襲い掛かるボタンホシイナーをドリームが迎撃。モグラホシイナーの攻撃を回避するレモネードをサポートするローズ。ローズを攻撃するヤカンを持ったキリンホシイナー(名前長い)をアクアがサポートします。
「ローズ、あなた私のために番組に出るのを辞退したのね。ありがとう」
アクアの言葉に照れて目を逸らすも、ローズは笑顔をアクアに返します。公正であろうとすること、誠実であろうとすること、それは結果ではなく行為であり、人はそれを選ぶことが出来ます。
ミスターマジックは指を鳴らすとホシイナーを合体させます。意外と格好が整ったホシイナー。ローズが前に出てメタルブリザードで瞬殺します。続いてプリキュアもフルーレでミスターマジックを攻撃。ミスターマジックは客席に居たホシイナーを集めて壁を作り時間を稼いで撤退します。
④みんなの宝物
もとのスタジオに戻ります。かれんにお礼を言うのぞみ。かれんはみんなの気持ちが勝たせてくれたと言います。みんなの気持ちが(みんなの気持ちを知ったくるみを介して)かれんを呼んで、かれんはみんなを守ることを選択しました。
緊張が解けたかれんはヘナヘナと座り込んでしまいます。スタッフの声が聞こえてきます。本番の「ファイブdeチャンス!」はこれからです。座り込んだかれんに手を貸すのぞみ。かれんは立ち上がって応えます。「でも、コイントスだけは勘弁してね」
「優勝チームはサンクルミエール学園のみなさんです」
録画した番組を何べんも繰り返してみ見るのぞみ達。トロフィーがそろそろ届くのでワクワクして待つのぞみ。うららも楽しみにしています。のぞみと一緒に名前が乗るのは彼女には至上の喜びでしょう。一緒にテレビに出れたし。
みんなの名前が刻まれたトロフィーを楽しみにするみんなの期待をよそに、かれんはすまなさそうな顔でくるみを見ます。くるみはモグモグとチョコを食べています。これでよかったのかよ?と尋ねるシロップ。「私はパルミエ王国のお城に名前を刻んでもらうからいいの」待て、お前、それあっさり言うけど凄いことだろ。お世話役になればそれくらいの栄誉は貰えると思うけど。自分が書いた手紙が歴史に残るとか言うし、やり手です。
坂本さんがトロフィーを持って部屋に入ってきます。坂本さんのもとに集まる5人。くるみはその様子を見て嬉しそうな顔をします。この光景は彼女達が望んでいたことだし、くるみも望んだ光景です。しかし寂しさも残ります。自分はその光景の中に入っていません。
「くるみ」
くるみを手招きするかれん。
優勝トロフィーに刻まれた名前をよく見ると、「美々野くるみ」と書かれています。目を丸くして驚くくるみ。優勝チーム5人の名前しか刻まれないはずです。番組に出ていない彼女の名前が何故?
「はい、実はテレビ局に古くからの友人がおりまして、…その少しばかり裏技を」
「流石じいやさん」
「すっご~い」
くるみは目を輝かせて自分の名前を、みんなと一緒に刻まれた名前を見つめます。
「素敵だね」
くるみの喜びに頷くかれん。
「私達みんなの宝物」
⑤次回予告
焦っているローズ。赤い薔薇と青い薔薇、物語は終盤へと差し掛かります。
○トピック
ファイブDEチャンス後編。坂本さん良い仕事し過ぎです。有能すぎます。出来る男は違う。こういう男になりたいものです。きっと古くからの友人どころかテレビ局の株とか利益とかかなり掌握していると思う。坂本さんは私の中で、元傭兵、元金融王、元一流コック、元一流ドライバー、元ナンバーワンホストで現かれんお嬢様大好きな有能執事です。
前編の軽快なノリとは打って変わってかれんの心情にスポットを当てた話。前回のノリを期待していたので最初見たときはそうテンションが上がらなかったのですが、こうして感想を書きながら見直したらちょっと涙出そうになるくらい面白い話しでした。私がこんな長い感想を書く理由はそのためです。書きながら見ることで改めて気付くことや見出すものがあるからです。
さて、本編の話に戻って、一番驚いたのは勝負そのものは完全に「運」だったことです。ムカーディアの心理戦やみんなの気持ちやかれんの決断が結果に影響を与えていません。かれんの気持ちが強さになったとか、みんなの思いが結果に結びついたとかではなく、ただ単純に「運」でした。これってプリキュア的には挑戦的です。努力すれば報われる、思いは力になる、公正であることが良い結果になると普通なら結びつけるところですが今回は全くそれがありません。「運」だけでした。また同じような罠を仕掛けられた場合、同じように窮地に立たされることは避けられません。
しかしだからこそこれはプリキュアらしいことでもあります。結果如何を問わず不正に屈しないこと、誠実で有り続けること、自分の信じることを実行すること、時には運が大きく作用し得ることがあっても自分と自分達を支え続けられるかに重きを置いています。それが彼女達の力と心と絆を保ち続ける根幹となっています。
くるみはみんなの真意を知ってかれんに譲りました。かれんはみんなが何のためにクイズ番組に出るのかを知り、くるみが辞退した理由を知った上で誠実にそれに応えています。ローズにお礼を言うシーンはとても素直でとても素敵です。彼女達の関係は彼女達の関わりによって作られています。そんな中での裏技である坂本さんの配慮はこの作品の彼女達への肯定です。言ってしまえばこの裏技は不正です。でものぞみ達とかれんとくるみの誠実さに誠実に応えた結果でもあります。
ウソや不正が全て悪であるとは思いません。私達が憎み忌み嫌うのはウソや不正そのものではなく、それを行う目的が恣意的であることや自分の都合だけを優先する独善であると思います。誠実なウソや誠実な不正も有り得ます。真実や正しさだけが幸福や良い結果を生み出すわけではありません。様々な要因が結びついて結果は生じます。結果が出るまでの間になされる行為をどう選択するか、何に基づいてなされるのか、それは個人が選択できるものです。
その選択の積み重ねが自己であるし、他者との関係であるし、また人生の結果であると思います。毎回説教臭くて抽象的だな私の文章。
本番の「ファイブdeチャンス!」では誰がコイントスをしたんでしょうね。
①モグラ叩き
前回からの続き。
今週もOPは映画宣伝仕様。
スタジオの外に居たココ達は扉を叩きますがビクともしません。卑劣なゲームは進んでいきます。
自ら次のゲームにチャレンジするうらら。かれんが止めます。ズルをするのは目に見えています。何か打開策を講じなければ相手の思う壺です。勝てるはずがない、と言うかれんに、うららはどうしてもあの番組で優勝したいと言います。何故こだわるのか分からないかれん。チョコレート一年分が目的ではないと言ううらら。「私が欲しいのは、優勝トロフィーです。みんなの名前が一緒に刻まれた…」うららの椅子が落下します。
かれんは気付きます。坂本さんが言いかけたこと、ミルクが何故辞退までして自分を出させたのかを。囚われてしまったドリーム達を見るかれん。ミスターマジックが優勝トロフィーなどと言っている場合ではないでしょ?と遮ります。今度のイカサマゲームは「リズムモグラ叩き」
玩具のハンマーを持って立つうらら。周囲には穴が5つ空いています。曲のリズムに合わせてモグラを叩き続けミスをしたらゲームオーバー。お題の曲はツインテールの魔法。
ゲームスタート。リズムに合わせてモグラを叩くうらら。何事も無く進むかと思いきや、仕掛けをしているのがこのゲーム。ハンマーを受け止めるモグラ。…。……。驚くうらら。これは酷い。ショックで膝をつくうららに迫るモグラ達。5つのハンマーがうららを襲います。破壊力を伴った衝撃。辛うじて回避するうらら。今度は逆の立場です。巨大モグラが出現します。変身。巨大モグラに応戦するレモネード。しかし小型モグラが(それでもレモネードより身の丈が大きい)レモネードの動きをハンマーで封じます。攻撃を受け止めた状態で動けないレモネード。足元に穴が出現してそのまま罰ゲームボックスへと入れられてしまいます。
あっと一人♪ホッシイナー♪あっと一人♪ホッシイナー♪
②運命のコイントス
最後の挑戦者はかれん。ラストゲームは「コイントス」。「コイソトス」ではありません。
コインを取り出すミスターマジック。もろホシイナーのコインです。薄目を開けるコインホシイナー。イカサマやる気満々です。
イカサマをするのは確実、どうすれば…と考えるかれん。ふとスカートに手をやるとあるものに気付きます。ポケットから出したソレ、本来のファイブdeチャンスで使うコインです。
ミスターマジックは交換条件としてかれんが負けた場合パクトまで没収すると言います。ドリーム達はかれんに逃げて!と言います。どう考えても条件が悪すぎます。ただしいずれにしてもくるみ一人でパクトを守るのは分が悪いのでここで引くわけにも行きません。みんなで守ってきたパクトですが、それを守ってきたみんなを失いたくないかれんはこのゲームを受けます。相手に気付かれないように笑うミスターマジック。
「続きはこの後すぐ」お前もか。
ミスターマジックにコインの表・裏を見せるかれん。両面が同じとかの細工が無い普通のコインです。落ちたコインの裏・表を答えればいい。勝負は一回限り。
長くて一瞬の逡巡のあと、かれんはコインを空中に投じます。かれんの手元に落下するコイン。ミスターマジックは手に落ちたコインが裏であることを視認します。この人達の能力であればこれくらいの動体視力はあるか。かれんは緊張のあまりコインがどちらを向いて落ちたかを見ていません。見てから手を被せてもフェアでないからダメか。
裏なのか表なのか迷うかれん。手触りでは分からないようです。なかなか答えを出さないかれんを揺さぶるミスターマジック。なるほどそういう作戦ですか。「表」と答えるミスターマジック。やっぱり。かれんはその答えを聞いて動揺します。今までズルをしてきた相手が先手を打って指名したのですから怪しい。かれんは「表!」と言ってしまいます。簡単に「裏」に翻すミスターマジック。彼の狙い通りです。裏の裏を読むことで結果して自分の都合どおりに事を進める。
かれんは「表」。ミスターマジックは「裏」。最後のゲーム。コインを見せてくださいと促すミスターマジック。かれんは動けません。業を煮やしたミスターマジックは実に良い小悪党の表情を浮かべながらかれんの手を無理やり開かせます。
「これで私の勝っ…あっ!」
かれんの手にはコインがありません。自分が掴んでいたかれんの手の中にあったコインはそのまま床に落ちて…「Ⅴ」つまり「表」を表します。
③5人のⅤ、勝利のV
「表よ!私の勝ちだわ!」ドリーム達の居る方を向いて歓喜するかれん。やり直しを要求するミスターマジック。しかし形勢は逆転しています。かれんは余裕を取り戻すと「あら?誰も手の上のコインの裏表を当てるとは言ってないわよ」「私は落ちたコインをと言っただけ」ルールには全く反していません。策士策に溺れる。かれんは正々堂々と正面からゲームに勝ったのです。
喜ぶドリーム達。スタジオの外でもココ達が喜びます。
「ずるいぞーーーー!」と叫ぶミスターマジック。自分をここまで棚に上げて言える奴もそうそういない。空間が割れスタジオのセットが消滅し、イカサマホシイナー達が出現します。
「なんてズルイ奴なんだ!許せん!」
「あなたに言われる筋合いは無いわよ!」
「かれんはズルはしていないわ!」
空間が割れた衝撃でくるみ達が入ってきます。
「汗で手に付いたコインを持ち上げたのはあなたじゃない!」
「かれんさんは正々堂々と戦って」「勝利したの」
「みんな!」
悪や不正がはびこりそれが現実的な脅威と力を持っていて屈してしまいそうになるときがあります。またどうしても「運」に左右されることがあります。人の力が及ばぬとき、不慮の事態、偶然、公正であることが必ずしも良い結果や勝利を得ることが出来ないときがあります。しかし、どのような結果が生じようとも、人には選ぶことが出来るものがあります。
変身するかれん。くるみも変身します。
ゴールホシイナーを蹴るミント。隙を突いて襲い掛かるボタンホシイナーをドリームが迎撃。モグラホシイナーの攻撃を回避するレモネードをサポートするローズ。ローズを攻撃するヤカンを持ったキリンホシイナー(名前長い)をアクアがサポートします。
「ローズ、あなた私のために番組に出るのを辞退したのね。ありがとう」
アクアの言葉に照れて目を逸らすも、ローズは笑顔をアクアに返します。公正であろうとすること、誠実であろうとすること、それは結果ではなく行為であり、人はそれを選ぶことが出来ます。
ミスターマジックは指を鳴らすとホシイナーを合体させます。意外と格好が整ったホシイナー。ローズが前に出てメタルブリザードで瞬殺します。続いてプリキュアもフルーレでミスターマジックを攻撃。ミスターマジックは客席に居たホシイナーを集めて壁を作り時間を稼いで撤退します。
④みんなの宝物
もとのスタジオに戻ります。かれんにお礼を言うのぞみ。かれんはみんなの気持ちが勝たせてくれたと言います。みんなの気持ちが(みんなの気持ちを知ったくるみを介して)かれんを呼んで、かれんはみんなを守ることを選択しました。
緊張が解けたかれんはヘナヘナと座り込んでしまいます。スタッフの声が聞こえてきます。本番の「ファイブdeチャンス!」はこれからです。座り込んだかれんに手を貸すのぞみ。かれんは立ち上がって応えます。「でも、コイントスだけは勘弁してね」
「優勝チームはサンクルミエール学園のみなさんです」
録画した番組を何べんも繰り返してみ見るのぞみ達。トロフィーがそろそろ届くのでワクワクして待つのぞみ。うららも楽しみにしています。のぞみと一緒に名前が乗るのは彼女には至上の喜びでしょう。一緒にテレビに出れたし。
みんなの名前が刻まれたトロフィーを楽しみにするみんなの期待をよそに、かれんはすまなさそうな顔でくるみを見ます。くるみはモグモグとチョコを食べています。これでよかったのかよ?と尋ねるシロップ。「私はパルミエ王国のお城に名前を刻んでもらうからいいの」待て、お前、それあっさり言うけど凄いことだろ。お世話役になればそれくらいの栄誉は貰えると思うけど。自分が書いた手紙が歴史に残るとか言うし、やり手です。
坂本さんがトロフィーを持って部屋に入ってきます。坂本さんのもとに集まる5人。くるみはその様子を見て嬉しそうな顔をします。この光景は彼女達が望んでいたことだし、くるみも望んだ光景です。しかし寂しさも残ります。自分はその光景の中に入っていません。
「くるみ」
くるみを手招きするかれん。
優勝トロフィーに刻まれた名前をよく見ると、「美々野くるみ」と書かれています。目を丸くして驚くくるみ。優勝チーム5人の名前しか刻まれないはずです。番組に出ていない彼女の名前が何故?
「はい、実はテレビ局に古くからの友人がおりまして、…その少しばかり裏技を」
「流石じいやさん」
「すっご~い」
くるみは目を輝かせて自分の名前を、みんなと一緒に刻まれた名前を見つめます。
「素敵だね」
くるみの喜びに頷くかれん。
「私達みんなの宝物」
⑤次回予告
焦っているローズ。赤い薔薇と青い薔薇、物語は終盤へと差し掛かります。
○トピック
ファイブDEチャンス後編。坂本さん良い仕事し過ぎです。有能すぎます。出来る男は違う。こういう男になりたいものです。きっと古くからの友人どころかテレビ局の株とか利益とかかなり掌握していると思う。坂本さんは私の中で、元傭兵、元金融王、元一流コック、元一流ドライバー、元ナンバーワンホストで現かれんお嬢様大好きな有能執事です。
前編の軽快なノリとは打って変わってかれんの心情にスポットを当てた話。前回のノリを期待していたので最初見たときはそうテンションが上がらなかったのですが、こうして感想を書きながら見直したらちょっと涙出そうになるくらい面白い話しでした。私がこんな長い感想を書く理由はそのためです。書きながら見ることで改めて気付くことや見出すものがあるからです。
さて、本編の話に戻って、一番驚いたのは勝負そのものは完全に「運」だったことです。ムカーディアの心理戦やみんなの気持ちやかれんの決断が結果に影響を与えていません。かれんの気持ちが強さになったとか、みんなの思いが結果に結びついたとかではなく、ただ単純に「運」でした。これってプリキュア的には挑戦的です。努力すれば報われる、思いは力になる、公正であることが良い結果になると普通なら結びつけるところですが今回は全くそれがありません。「運」だけでした。また同じような罠を仕掛けられた場合、同じように窮地に立たされることは避けられません。
しかしだからこそこれはプリキュアらしいことでもあります。結果如何を問わず不正に屈しないこと、誠実で有り続けること、自分の信じることを実行すること、時には運が大きく作用し得ることがあっても自分と自分達を支え続けられるかに重きを置いています。それが彼女達の力と心と絆を保ち続ける根幹となっています。
くるみはみんなの真意を知ってかれんに譲りました。かれんはみんなが何のためにクイズ番組に出るのかを知り、くるみが辞退した理由を知った上で誠実にそれに応えています。ローズにお礼を言うシーンはとても素直でとても素敵です。彼女達の関係は彼女達の関わりによって作られています。そんな中での裏技である坂本さんの配慮はこの作品の彼女達への肯定です。言ってしまえばこの裏技は不正です。でものぞみ達とかれんとくるみの誠実さに誠実に応えた結果でもあります。
ウソや不正が全て悪であるとは思いません。私達が憎み忌み嫌うのはウソや不正そのものではなく、それを行う目的が恣意的であることや自分の都合だけを優先する独善であると思います。誠実なウソや誠実な不正も有り得ます。真実や正しさだけが幸福や良い結果を生み出すわけではありません。様々な要因が結びついて結果は生じます。結果が出るまでの間になされる行為をどう選択するか、何に基づいてなされるのか、それは個人が選択できるものです。
その選択の積み重ねが自己であるし、他者との関係であるし、また人生の結果であると思います。毎回説教臭くて抽象的だな私の文章。
本番の「ファイブdeチャンス!」では誰がコイントスをしたんでしょうね。
第36話「危ない!ファイブDEチャンス!(前編)」
○今週の出来事
①クイズゲーム
ナッツハウス。コイントスをするのぞみ。予想はハズレ。大仰なリアクションで残念がるのぞみ・りん・うらら。気合が入っています。ココ達はそれを見て全員ハズレ、向いてないね、とコメント。
そこにかれんがやってきます。事情を話すのぞみ。どうやら視聴者参加型のテレビクイズ番組「ファイブdeチャンス」に出ることが決まったようです。五人一組で挑戦し最後のコイントスに正解すれば豪華商品がゲット出来る仕組みです。あまり乗り気ではないかれん。のぞみとうららはコイントスを薦めますが番組に出ない、ギャンブルみたいなことは苦手だ、と断ります。期待の目で見ていたのぞみとうららはショックを受けます。リアクション分かりやすいなー。かれんはうららにこういう番組に出ていいのか訪ねます。「鷲雄さんが良いって言ってました~」とかれんに泣きつきながら答えるうらら。うららの知名度(人気度)で番組での扱われ方が変わりそうです。のぞみも懇願します。
かれんはくるみを代理に立てます。確かにこういうの好きそうです。ココから事情を聞くくるみ。またわけの分からないことを…と呆れるくるみ。冷静です。シロップから優勝商品がチョコレート一年分と聞くやいなや、「みんな!勝ちにいくわよ!」と超やる気満々です。5人でポーズ。こまちもかなりやる気が見て取れます。
そうと決まれば特訓です。「千本ノックですね」うららそれは違う。
映画宣伝仕様OP。東映アニメ本気です。うららの太ももが堪能できます。スカートを押さえるかれん可愛い。
エターナル。「お紅茶が入りましたよ」アナコンディ。最近、流行っているんでしょうかお茶淹れるの。模型を作るムカーディア。プリキュア人形が立っています。どうやらクイズ番組には裏があるようです。
分断作戦を講じるムカーディアに、その作戦は何度も失敗していると話すアナコンディ。ムカーディアはアナコンディが持っていたプリキュア人形を掴んで、自分ならもっと上手くやると人形を薔薇に変えます。ムカーディアに一任するアナコンディ。どうでもいいが、妙に大人の世界的な雰囲気は何なんだ。だめだよ、アナコンディさん、あなたは嫉妬心で超ヤベェオーラ出すキャラじゃないと。このままじゃお局さんになってしまいます。
②五人の出場者
番組当日。テレビ局の控え室に来るのぞみ達。すでに他の参加者がたくさん来ています。夕凪中(前々作スプラッシュスターの学校)に似た制服の人達も居ます。主な対象者は学生のようです。会場の雰囲気に緊張し始めるりん。付き添いでやってくるココナッツシロップ。かれんは生徒会で来られないと説明するこまち。のぞみは優勝してかれんを驚かせよう!とくるみに声をかけます。のぞみの表情から察するに単にクイズ番組に参加する以上の意味があるようです。
くるみはのぞみ達がクイズ番組に出ることになった経緯を思い出します。シロップが尋ねると優勝したチーム全員の名前がトルフィーに刻まれると答えるナッツ。くるみはそれを偶然聞いてしまいます。のぞみ達らしいと言うシロップ。ナッツも良い記念になるといいなと頷きます。
チョコが一杯食べれるね、とはしゃぐのぞみ達を一歩距離を置いて見るくるみ。バカ騒ぎしているように見えますが、彼女達は目的を持っています。チョコ欲しさに飛びつきましたが、本当にここに居るべきは…。大きなため息をつくくるみ。
学校の校門でコイントスをするかれん。予想はハズレ。やっぱり向いていない、と独白します。迎えにやってくる坂本さん。車中で坂本さんはかれんにみんなとクイズ番組に出なくて良いのかと尋ねます。ああいうのは苦手なのは知っているでしょ、と外の景色を見ながら答えるかれん。苦手意識があると及び腰になりがちです。加えてチームで動くとなると足を引っ張りかねません。単純に参加するしないで言えば辞退することを選ぶかれんの選択は自然です。坂本さんは優勝商品が何であるか尋ねます。やはり知っている坂本さん。有能かつ人格者です。チョコ一年分と答えるかれんに坂本さんはそれだけではない…と返事をしようとしたところで電話が鳴ります。
路肩に止めて電話に出る坂本さん。かれんはずっと外の景色を見ています。組んだ足が素敵です。坂本さんはかれんに電話を代わります。くるみが番組に出られなくなったと伝えるこまち。くるみはミルクの姿に戻ってガクガクと固まっています。心配するのぞみ達。ミルクを膝に置いていたうららも心配して様子を見ます。ミルクの視界上半分に逆さまで現れるうららの顔。うららのポジション取りは変なのが多いな。流石うらら。
ミルクを心配して駆けつけるかれん。油の切れた機械のようにぎこちない動きでかれんに応えるミルク。かれんはミルクの様子に気付きます。聡い。このままでは番組に出られません。かれんを見る一同。出ないわよ!と防衛線を引くかれんですがみんなの視線に耐えられず出ることを承諾します。かれんの両手を引くのぞみとうらら。ココナッツミルクシロップが見送ります。シロップの頭の上に居るミルク。構図が面白い。
テレビ局のスタッフが出番を促します。かれんはミルクのもとに寄るとミルクが自分を番組に出したかったこと、そのために演技したことを見抜きます。とぼけるミルク。スタッフから声がかかってかれんはスタジオへ行きます。残るココ達。「ミルクよりきっとかれんの方がふさわしいミル」
別のスタッフが番組出場者の人達を会場に誘導します。では、今のぞみ達が入った場所は?
③プリキュアファイブdeチャンス
薄暗いスタジオ。他の参加者たちも見当たりません。スタッフに促され席に着く5人。何かおかしいとかれんが言うと皆座席に固定されてしまいます。戸惑う5人をよそに会場はライトアップされチア……チアホシイナーがわんさか出てきます。キモイ。ステージ中央に現れる変装したムカーディア。ヒャーハハと奇声に近い笑い声をあげて登場します。テンション高ぇ。会場に居たお客さん達も全てホシイナー。歓声が沸き起こります。そのままテレビ番組のノリで司会を進めるムカーディア。のぞみ達は呆然とその様子を見ます。あっけに取られて声すら出ません。特にかれんの表情が面白い。「プリキュアファイブdeチャンス」
ミスターマジックと名乗るムカーディア。ルールを説明します。5人のうち一人でもゲームに成功すれば元の世界へ戻れる。全員がチャレンジに失敗したら元の世界へは戻れません。めっちゃ高いテンションで説明するミスターマジック。お前ノリノリだな。会場のお客さんホシイナーがブーイング。全部仕込み。出来レースの臭いがプンプンします。
会場の外に居るココ達。のぞみ達が入ったスタジオの中には入れません。モニターで中の様子は分かります。芸が細かいなミスターマジック。
のぞみ達に拒否権はありません。進行していきます。最初のゲームの挑戦者はりん。ゲームは「サッカーヒーロー」座席ごとりんが下に落ちます。
気付くとサッカースタジアムに居るりん。ユニフォームまで着ています。スタジアムの客席を埋めつくホシイナー達。あっけに取られるりんをよそにミスターマジックがルールを説明します。シュートを決めゴール位置によって点数が得られます。チャンスは5球。合計100点でクリア。条件を聞いて行ける!と確信するりん。
シュートするりん。ボールは吸い寄せられるようにど真ん中へと向かいます。笑うミスターマジック。「100点」と書かれた場所が反転しホシイナーの顔に。当然仕込みがされています。ゴールポストホシイナーはボールを回避。シュート失敗です。
唖然として次に憤慨するりん。スタジオに居たのぞみ達からも非難の声。「そんな!」「ズルイ!」「卑怯よ!」「大人って!」うらら芸能界で何かあったのか。ゴールが動かないなんて一言も言っていない、と答えるミスターマジック。
2球目、3球目、4球目とボールを蹴るりん。しかしことごとくボールは回避されてしまいます。ゲームにならねぇ。ブリッジしてまで抗議するりん。ここまではじけたりんも珍しい。チャンスはあと一回。「どうする?どうなる?夏木りんりん夏木り~ん」ミスターマジックうぜぇ。やる気あり過ぎだろお前。
ラスト1球に賭けるりん。正面ど真ん中ホシイナーの顔に向かってシュート。ゴールポストから手が出てボールを弾きます。失敗したことに、というかゴールから手が出たことにショックを受けるりん。「手!?」とスタジオに居たかれん達も驚きの声。うららは顔を伏せて手で覆いながら「酷すぎます」とうなだれます。君はちょっと演技がかっているな。
ガックリとうなだれるりん。残酷にスコアボードには×印。5球全て失敗。ゲームオーバー。っていうか、このプリキュアにあるまじきノリは一体何なんだ。楽しいな、おい。
失格者は罰ゲームボックスへ。ゴールポストホシイナーが迫ります。うな垂れていたりんは怒り心頭。スポーツをなめんな!と挑みます。昔の少年アニメや漫画にありそうな対決の図。今回はこういうノリらしい。変身するりん。ユニフォーム変身です。
一気に跳躍して上空からストライクを決めます。それを迎え「打つ」ホシイナー。手にはバット。カキーンと景気の良い音。弾丸はルージュの横を通り過ぎて行きます。ショックを受けるルージュ。「バットはサッカーじゃないでしょ~」
スタジオにあった透明ボックスに送り込まれるルージュ。次の挑戦者が選ばれます。「常識クイズ」に挑戦するこまち。椅子に座ってくるくる回るミスターマジック。おちょくってんのか。
和風な畳敷きの広い場所に居るこまち。目の前には解答ボタン。ミスターマジックの立体映像がルールを説明します。三問どれかに正解すればクリアです。
第一問「春夏秋その次の季節は?」舐めたクイズです。小学生どころか幼稚園児でも分かります。早速ボタンを押そうとしたら、ボタンから足が生えて回避。何故広い場所なのか分かりました。解答ボタンが逃げるためです。追いかけるこまち。制限時間が過ぎてしまいます。ボタンの中にはホシイナーが入っています。2問目もボタンが逃げ切り。最早クイズではなく体力勝負です。正攻法を望むりんにはトリッキーな対応で、(体力で劣るわけではないだろうけど)こまちには体力勝負で挑むあたりなかなかよく分析されています。
ラスト。飛んで火にいる…。ボタンがこけます。チャンス!と思ったら分裂するボタン。もうわけわかんねー。悔し涙を浮かべるこまち。幼顔で可愛い。目の前にボタンホシイナーがずらりと並びます。いつの間にか大量発生しています。逃げ惑うこまちの図。変身です。しかし大量のホシイナーに抗う術なく終了。もしこまちちゃん人形を召還していれば勝ったんだが。罰ゲームボックスへ移送されるミント。
ズルイ!ズル過ぎるよ!と抗議するのぞみ。全く聞き入れないミスターマジック。次のチャレンジに自ら進んで名乗り出ます。「カゲエDEポン」
ゲームの説明をするミスターマジックと少年役のホシイナー。影絵が何であるか答えるクイズです。ホシイナー汎用性高ぇなぁ。冷めた目で見るのぞみ。ミスターマジックと少年ホシイナーは部屋にあるテレビで説明しています。部屋も幼児が居るような玩具部屋です。いくらアホなのぞみでもこれは酷い扱い。
見るからにキリンなシルエット。キリン!と答えるのぞみ。正解は「キリンの格好をしたホシイナーくん」出た、やっぱりそういう答えだよ。愕然とするのぞみ。インチキです。
次の影絵はヤカンです。どう見てもヤカンです。ヤカンの格好をしたホシイナーくん。もう帰りたいな、この番組。
ケンカを始めるのぞみと少年ホシイナー。ラストです。テレビを食い入るように見るのぞみ。今度はペンギンぽい。騙されないとペンギンの格好したホシイナーくんと答えるのぞみ。勿論不正解。本物のペンギンです。どの道勝てないゲームです。
恐怖のホシイナー登場。ヤカンを持ったキリンホシイナー。確かに怖ぇよ。シュールだ。変身です。戦闘になればドリームにも分があります。戦場に居たペンギンを保護するドリーム。しかしペンギンはホシイナーでした。ヤカンを持ったキリンホシイナーが迫ります。ドリーム確保。
三人失格。残るはうららとかれん。あっとふたり♪ホッシイナー♪あっとふたり♪ホッシイナー♪
卑劣なムカーディアの罠。のぞみ達の運命は如何に。
④次回予告
モグラの反撃有りのモグラ叩き? コイントス勝負。実は表裏が無いコインをかれんが仕込んでいたら凄ぇ。
○トピック
予想をぶっちぎって滅茶苦茶なテンションとノリのバラエティ回。でも実は思い出を作りたいという物語の終盤に差し掛かる意図があって単に楽しいだけじゃない作りがプリキュアらしい。そしてかれんを気遣うミルクとミルクの演技を見抜くかれんのふたりの関係の深さも。
シビレッタの分断作戦は実質的に無効化可能ですが、今回は一対一方式に持ち込んで不公平な条件でプリキュアを陥れるという高度な作戦。ありそうでなかった対決方式です(鏡の国は除く)。
何でも5人一緒というわけじゃなく苦手なので遠慮するかれんの態度が興味深い。正確には2年目の終盤においても絶対的に5人で動かないことを許容しているところが。
常識人とはいえイベントが始まればノリノリなりん、のぞみLOVEのうらら(この娘も好奇心が強い)、好奇心が強く変なところでノリノリなこまちと比べるとかれんは5人の中でも落ち着いた性格だと思います。今回のクイズ番組も5人で申し合わせて優勝トロフィを欲しがっているのではなく、恐らく発起人はのぞみでしょう。もしかしたらりんやうららでもその意図を分かっていないかもしれません。名前が残ることを話しているのはのぞみ達ではなく周囲にいるココナッツや坂本さんです。直接のぞみ達は目的を言っていないし、ミルクもそれをかれんに伝えていません。
このことをどうかれんが知って、どう捉えて、実際にどうなるのか、本来のファイブdeチャンスに出られるのか、5人の名前が残るのか、それともくるみ達を含めた記念になるのか非常に楽しみです。
①クイズゲーム
ナッツハウス。コイントスをするのぞみ。予想はハズレ。大仰なリアクションで残念がるのぞみ・りん・うらら。気合が入っています。ココ達はそれを見て全員ハズレ、向いてないね、とコメント。
そこにかれんがやってきます。事情を話すのぞみ。どうやら視聴者参加型のテレビクイズ番組「ファイブdeチャンス」に出ることが決まったようです。五人一組で挑戦し最後のコイントスに正解すれば豪華商品がゲット出来る仕組みです。あまり乗り気ではないかれん。のぞみとうららはコイントスを薦めますが番組に出ない、ギャンブルみたいなことは苦手だ、と断ります。期待の目で見ていたのぞみとうららはショックを受けます。リアクション分かりやすいなー。かれんはうららにこういう番組に出ていいのか訪ねます。「鷲雄さんが良いって言ってました~」とかれんに泣きつきながら答えるうらら。うららの知名度(人気度)で番組での扱われ方が変わりそうです。のぞみも懇願します。
かれんはくるみを代理に立てます。確かにこういうの好きそうです。ココから事情を聞くくるみ。またわけの分からないことを…と呆れるくるみ。冷静です。シロップから優勝商品がチョコレート一年分と聞くやいなや、「みんな!勝ちにいくわよ!」と超やる気満々です。5人でポーズ。こまちもかなりやる気が見て取れます。
そうと決まれば特訓です。「千本ノックですね」うららそれは違う。
映画宣伝仕様OP。東映アニメ本気です。うららの太ももが堪能できます。スカートを押さえるかれん可愛い。
エターナル。「お紅茶が入りましたよ」アナコンディ。最近、流行っているんでしょうかお茶淹れるの。模型を作るムカーディア。プリキュア人形が立っています。どうやらクイズ番組には裏があるようです。
分断作戦を講じるムカーディアに、その作戦は何度も失敗していると話すアナコンディ。ムカーディアはアナコンディが持っていたプリキュア人形を掴んで、自分ならもっと上手くやると人形を薔薇に変えます。ムカーディアに一任するアナコンディ。どうでもいいが、妙に大人の世界的な雰囲気は何なんだ。だめだよ、アナコンディさん、あなたは嫉妬心で超ヤベェオーラ出すキャラじゃないと。このままじゃお局さんになってしまいます。
②五人の出場者
番組当日。テレビ局の控え室に来るのぞみ達。すでに他の参加者がたくさん来ています。夕凪中(前々作スプラッシュスターの学校)に似た制服の人達も居ます。主な対象者は学生のようです。会場の雰囲気に緊張し始めるりん。付き添いでやってくるココナッツシロップ。かれんは生徒会で来られないと説明するこまち。のぞみは優勝してかれんを驚かせよう!とくるみに声をかけます。のぞみの表情から察するに単にクイズ番組に参加する以上の意味があるようです。
くるみはのぞみ達がクイズ番組に出ることになった経緯を思い出します。シロップが尋ねると優勝したチーム全員の名前がトルフィーに刻まれると答えるナッツ。くるみはそれを偶然聞いてしまいます。のぞみ達らしいと言うシロップ。ナッツも良い記念になるといいなと頷きます。
チョコが一杯食べれるね、とはしゃぐのぞみ達を一歩距離を置いて見るくるみ。バカ騒ぎしているように見えますが、彼女達は目的を持っています。チョコ欲しさに飛びつきましたが、本当にここに居るべきは…。大きなため息をつくくるみ。
学校の校門でコイントスをするかれん。予想はハズレ。やっぱり向いていない、と独白します。迎えにやってくる坂本さん。車中で坂本さんはかれんにみんなとクイズ番組に出なくて良いのかと尋ねます。ああいうのは苦手なのは知っているでしょ、と外の景色を見ながら答えるかれん。苦手意識があると及び腰になりがちです。加えてチームで動くとなると足を引っ張りかねません。単純に参加するしないで言えば辞退することを選ぶかれんの選択は自然です。坂本さんは優勝商品が何であるか尋ねます。やはり知っている坂本さん。有能かつ人格者です。チョコ一年分と答えるかれんに坂本さんはそれだけではない…と返事をしようとしたところで電話が鳴ります。
路肩に止めて電話に出る坂本さん。かれんはずっと外の景色を見ています。組んだ足が素敵です。坂本さんはかれんに電話を代わります。くるみが番組に出られなくなったと伝えるこまち。くるみはミルクの姿に戻ってガクガクと固まっています。心配するのぞみ達。ミルクを膝に置いていたうららも心配して様子を見ます。ミルクの視界上半分に逆さまで現れるうららの顔。うららのポジション取りは変なのが多いな。流石うらら。
ミルクを心配して駆けつけるかれん。油の切れた機械のようにぎこちない動きでかれんに応えるミルク。かれんはミルクの様子に気付きます。聡い。このままでは番組に出られません。かれんを見る一同。出ないわよ!と防衛線を引くかれんですがみんなの視線に耐えられず出ることを承諾します。かれんの両手を引くのぞみとうらら。ココナッツミルクシロップが見送ります。シロップの頭の上に居るミルク。構図が面白い。
テレビ局のスタッフが出番を促します。かれんはミルクのもとに寄るとミルクが自分を番組に出したかったこと、そのために演技したことを見抜きます。とぼけるミルク。スタッフから声がかかってかれんはスタジオへ行きます。残るココ達。「ミルクよりきっとかれんの方がふさわしいミル」
別のスタッフが番組出場者の人達を会場に誘導します。では、今のぞみ達が入った場所は?
③プリキュアファイブdeチャンス
薄暗いスタジオ。他の参加者たちも見当たりません。スタッフに促され席に着く5人。何かおかしいとかれんが言うと皆座席に固定されてしまいます。戸惑う5人をよそに会場はライトアップされチア……チアホシイナーがわんさか出てきます。キモイ。ステージ中央に現れる変装したムカーディア。ヒャーハハと奇声に近い笑い声をあげて登場します。テンション高ぇ。会場に居たお客さん達も全てホシイナー。歓声が沸き起こります。そのままテレビ番組のノリで司会を進めるムカーディア。のぞみ達は呆然とその様子を見ます。あっけに取られて声すら出ません。特にかれんの表情が面白い。「プリキュアファイブdeチャンス」
ミスターマジックと名乗るムカーディア。ルールを説明します。5人のうち一人でもゲームに成功すれば元の世界へ戻れる。全員がチャレンジに失敗したら元の世界へは戻れません。めっちゃ高いテンションで説明するミスターマジック。お前ノリノリだな。会場のお客さんホシイナーがブーイング。全部仕込み。出来レースの臭いがプンプンします。
会場の外に居るココ達。のぞみ達が入ったスタジオの中には入れません。モニターで中の様子は分かります。芸が細かいなミスターマジック。
のぞみ達に拒否権はありません。進行していきます。最初のゲームの挑戦者はりん。ゲームは「サッカーヒーロー」座席ごとりんが下に落ちます。
気付くとサッカースタジアムに居るりん。ユニフォームまで着ています。スタジアムの客席を埋めつくホシイナー達。あっけに取られるりんをよそにミスターマジックがルールを説明します。シュートを決めゴール位置によって点数が得られます。チャンスは5球。合計100点でクリア。条件を聞いて行ける!と確信するりん。
シュートするりん。ボールは吸い寄せられるようにど真ん中へと向かいます。笑うミスターマジック。「100点」と書かれた場所が反転しホシイナーの顔に。当然仕込みがされています。ゴールポストホシイナーはボールを回避。シュート失敗です。
唖然として次に憤慨するりん。スタジオに居たのぞみ達からも非難の声。「そんな!」「ズルイ!」「卑怯よ!」「大人って!」うらら芸能界で何かあったのか。ゴールが動かないなんて一言も言っていない、と答えるミスターマジック。
2球目、3球目、4球目とボールを蹴るりん。しかしことごとくボールは回避されてしまいます。ゲームにならねぇ。ブリッジしてまで抗議するりん。ここまではじけたりんも珍しい。チャンスはあと一回。「どうする?どうなる?夏木りんりん夏木り~ん」ミスターマジックうぜぇ。やる気あり過ぎだろお前。
ラスト1球に賭けるりん。正面ど真ん中ホシイナーの顔に向かってシュート。ゴールポストから手が出てボールを弾きます。失敗したことに、というかゴールから手が出たことにショックを受けるりん。「手!?」とスタジオに居たかれん達も驚きの声。うららは顔を伏せて手で覆いながら「酷すぎます」とうなだれます。君はちょっと演技がかっているな。
ガックリとうなだれるりん。残酷にスコアボードには×印。5球全て失敗。ゲームオーバー。っていうか、このプリキュアにあるまじきノリは一体何なんだ。楽しいな、おい。
失格者は罰ゲームボックスへ。ゴールポストホシイナーが迫ります。うな垂れていたりんは怒り心頭。スポーツをなめんな!と挑みます。昔の少年アニメや漫画にありそうな対決の図。今回はこういうノリらしい。変身するりん。ユニフォーム変身です。
一気に跳躍して上空からストライクを決めます。それを迎え「打つ」ホシイナー。手にはバット。カキーンと景気の良い音。弾丸はルージュの横を通り過ぎて行きます。ショックを受けるルージュ。「バットはサッカーじゃないでしょ~」
スタジオにあった透明ボックスに送り込まれるルージュ。次の挑戦者が選ばれます。「常識クイズ」に挑戦するこまち。椅子に座ってくるくる回るミスターマジック。おちょくってんのか。
和風な畳敷きの広い場所に居るこまち。目の前には解答ボタン。ミスターマジックの立体映像がルールを説明します。三問どれかに正解すればクリアです。
第一問「春夏秋その次の季節は?」舐めたクイズです。小学生どころか幼稚園児でも分かります。早速ボタンを押そうとしたら、ボタンから足が生えて回避。何故広い場所なのか分かりました。解答ボタンが逃げるためです。追いかけるこまち。制限時間が過ぎてしまいます。ボタンの中にはホシイナーが入っています。2問目もボタンが逃げ切り。最早クイズではなく体力勝負です。正攻法を望むりんにはトリッキーな対応で、(体力で劣るわけではないだろうけど)こまちには体力勝負で挑むあたりなかなかよく分析されています。
ラスト。飛んで火にいる…。ボタンがこけます。チャンス!と思ったら分裂するボタン。もうわけわかんねー。悔し涙を浮かべるこまち。幼顔で可愛い。目の前にボタンホシイナーがずらりと並びます。いつの間にか大量発生しています。逃げ惑うこまちの図。変身です。しかし大量のホシイナーに抗う術なく終了。もしこまちちゃん人形を召還していれば勝ったんだが。罰ゲームボックスへ移送されるミント。
ズルイ!ズル過ぎるよ!と抗議するのぞみ。全く聞き入れないミスターマジック。次のチャレンジに自ら進んで名乗り出ます。「カゲエDEポン」
ゲームの説明をするミスターマジックと少年役のホシイナー。影絵が何であるか答えるクイズです。ホシイナー汎用性高ぇなぁ。冷めた目で見るのぞみ。ミスターマジックと少年ホシイナーは部屋にあるテレビで説明しています。部屋も幼児が居るような玩具部屋です。いくらアホなのぞみでもこれは酷い扱い。
見るからにキリンなシルエット。キリン!と答えるのぞみ。正解は「キリンの格好をしたホシイナーくん」出た、やっぱりそういう答えだよ。愕然とするのぞみ。インチキです。
次の影絵はヤカンです。どう見てもヤカンです。ヤカンの格好をしたホシイナーくん。もう帰りたいな、この番組。
ケンカを始めるのぞみと少年ホシイナー。ラストです。テレビを食い入るように見るのぞみ。今度はペンギンぽい。騙されないとペンギンの格好したホシイナーくんと答えるのぞみ。勿論不正解。本物のペンギンです。どの道勝てないゲームです。
恐怖のホシイナー登場。ヤカンを持ったキリンホシイナー。確かに怖ぇよ。シュールだ。変身です。戦闘になればドリームにも分があります。戦場に居たペンギンを保護するドリーム。しかしペンギンはホシイナーでした。ヤカンを持ったキリンホシイナーが迫ります。ドリーム確保。
三人失格。残るはうららとかれん。あっとふたり♪ホッシイナー♪あっとふたり♪ホッシイナー♪
卑劣なムカーディアの罠。のぞみ達の運命は如何に。
④次回予告
モグラの反撃有りのモグラ叩き? コイントス勝負。実は表裏が無いコインをかれんが仕込んでいたら凄ぇ。
○トピック
予想をぶっちぎって滅茶苦茶なテンションとノリのバラエティ回。でも実は思い出を作りたいという物語の終盤に差し掛かる意図があって単に楽しいだけじゃない作りがプリキュアらしい。そしてかれんを気遣うミルクとミルクの演技を見抜くかれんのふたりの関係の深さも。
シビレッタの分断作戦は実質的に無効化可能ですが、今回は一対一方式に持ち込んで不公平な条件でプリキュアを陥れるという高度な作戦。ありそうでなかった対決方式です(鏡の国は除く)。
何でも5人一緒というわけじゃなく苦手なので遠慮するかれんの態度が興味深い。正確には2年目の終盤においても絶対的に5人で動かないことを許容しているところが。
常識人とはいえイベントが始まればノリノリなりん、のぞみLOVEのうらら(この娘も好奇心が強い)、好奇心が強く変なところでノリノリなこまちと比べるとかれんは5人の中でも落ち着いた性格だと思います。今回のクイズ番組も5人で申し合わせて優勝トロフィを欲しがっているのではなく、恐らく発起人はのぞみでしょう。もしかしたらりんやうららでもその意図を分かっていないかもしれません。名前が残ることを話しているのはのぞみ達ではなく周囲にいるココナッツや坂本さんです。直接のぞみ達は目的を言っていないし、ミルクもそれをかれんに伝えていません。
このことをどうかれんが知って、どう捉えて、実際にどうなるのか、本来のファイブdeチャンスに出られるのか、5人の名前が残るのか、それともくるみ達を含めた記念になるのか非常に楽しみです。
第35話「ブンビー衝撃発言!」
○今週の出来事
①ひとりぼっち(みんながいない)
ナッツハウス。のぞみは四字熟語が書いてある本を見ながら「和気あいあい」の意味を考えます。りんに意味を尋ねようとしたら…誰も居ません。二階に上がってきたココが心と心が通じ合って和やかな気分が回りに溢れることと答えます。ソファーに腰掛けながらのぞみ達のことだと言います。しかしのぞみの表情は寂しそうです。
最近みんなナッツハウスに来ないと話すのぞみ。普段のナッツハウスからすればシーンと静まって不気味なくらいです。でもみんなは…と答えようとするココの言葉を遮って、前は毎日来ていたと言うのぞみ。くるみがお茶を運んできます。みんな自分の夢に向かって頑張っているとココに代わって言います。何も答えないのぞみ。のぞみもそれは分かっています。
ナッツとシロップも上がってきたのでお茶をみんなで飲みます。のぞみも先生になる夢のためにこうして勉強しているだろ、と言うココにも力無く答えるのぞみ。のぞみ達のおかげで国王達も見つかり元気になっていますが、のぞみが気にしているのはそういうことではないようです。
ニチアサキッズ合体スペシャル。朝番組の合同企画みたいなもの。特筆すべきはドリームがキュアモを持って変身ポーズをとっているところ。2段変身みたいでカッコイイ。貴重なシーンですね。
エターナル。お茶を持って来るブンビー。しかしアナコンディはムカーディアと対話中。ムカーディアの報告書を褒めるアナコンディ。ムカーディアも優れた上司のもとにいると実力以上が出るとお世辞を言います。まんざらでもない様子のアナコンディ。次の一手も考えてあると言うムカーディアの案が気になります。先ほどからブンビーが呼んでいることは完全に無視です。ようやくブンビーの方に顔を向けたのでお茶を渡します。ムカーディアはそれを紅茶に代えます。しかもカップは2つ。喜んで飲むアナコンディ。声が普段より高いので一種異様な感じになっています。ブンビーが毎回ボケるのでつられているんでしょうか。ブンビーの隣でしれっとした態度で自分が出した紅茶を飲むムカーディア。この人も結構神経太いな。
ブンビーは報告書の出来を尋ねます。邪魔だと言わんばかりの態度でまだ読んでいないと答えるアナコンディ。ムカーディアとの話を続けます。ゴミ箱に自分の報告書が入っていることに気付くブンビー。典型的な大人社会のいじめですね。
屋外でベンチに腰掛けて勉強の続きをするのぞみ。
ブンビーは歩きながら何でこうなってしまったのかと考えます。懐かしい前作を含めた思い出。最初は怖くカッコイイブンビーでしたが今ではただのお笑いキャラです。ほら懐かしいでしょう、と独り言。誰に向かって言ってるんだね君は。
のぞみの腰掛けているベンチに背中合わせで座るブンビー。のぞみのことには気付いていません。のぞみも勉強に集中しているので気付いていません。今の組織辞めようかなと言うブンビー。時期尚早? のぞみの疑問にブンビーはまだ組織を抜けるのは早いよなぁ、と言うブンビー。それを聞いて意味を理解するのぞみ。辞表を出すなら次の仕事を見つけてからにしようと求人誌を読むブンビー。ガマオっぽくなってきたなぁ。仕事先を研究と言う言葉を聞いて、のぞみはりんがアクセサリー、うららはお芝居、こまちは小説、かれんは医学を勉強しているから5人なかなか揃わない、くるみもお世話役に一生懸命と独白するのぞみ。そろそろ後ろに誰がいるのか気付くブンビー。思わず声を上げてしまいます。声のした方を振り向くのぞみ。しかし誰も居ません。
ブンビーは少し離れたところに隠れてプリキュアも色々悩んでいるんだなぁ、と同情しながらも今がチャンス!と考えますが毎回このパターンで負けているので踏みとどまります。プリキュアを研究すると決めます。
②こんなときは
橋の真ん中で台本を読むうらら。りんがキュアモを持ってパルミンを追いかけます。うららも一緒に追いかけます。無事ショット。しかしとうもろこし。残念ハズレ。
うららはりんに最近ナッツハウスへ行ったかと尋ねます。暗にのぞみと会っているか探りを入れます。アクセサリーのデザインに行き詰っているので行っていないと答えるりん。自分も最近行っていないと答えるうらら。内心ほっとしているはずです。りんはうららが台本を持っていてオーディションを控えていることに気付きます。うららも自分の演技に行き詰まっているようです。「よ~し、こんなときは」「ナッツハウスへ」声をそろえて言うりんとうらら。考えることは一緒です。以心伝心。抜け駆けされるわけにはいきません。
りんとうららから少し距離を置いてふたりの会話を伺うブンビー。
本屋で参考書を探すかれん。こまちが本は見つかった?と尋ねます。何冊も抱えているこまち。参考書を探しにきたはずなのに小説を見つけたようです。
かれんはこまちが凄いと言います。夢に真っ直ぐに取り組んでいます。自分は医学の道が険しく自分に出来るのか不安になると話します。こまちは自分も同じ、誰だって将来が不安になると言います。かれんはこまちに「こんなときは」とわざと言葉を途中で切ります。「ナッツハウスへ」へと言葉を続けるこまち。以心伝心。
ブンビーはふたりを観察しながら不安なのね、と解釈します。
商店街で買い物をするシロップとくるみ。大量の荷物を抱えるシロップ。ココとナッツの分というには多すぎます。くるみは今日あたりみんな来るかもしれない、と言います。その言葉を聞いて感心するシロップ。シロップからみんなのこと気にしていたんだ、と言われてくるみは違う、みんな食べるとココ様とナッツ様の分が無くなるからと言い訳をします。はいはい、と流すシロップ。よくわかってらっしゃる。シロップのぞんざいな答え方に文句をつけながら一緒に帰るくるみ。シロップ俺と代わってくれ!!
ケンカはダメ!と隠れて様子を伺うブンビー。覗き見もダメだと思います。
③ブンビーの衝撃発言
のぞみがナッツハウスへ帰ってくると聞きなれない声でおかえりなさい、と言われます。のぞみの方を振り向くブンビー。この前の話が続いているのかカレーを作っておいたよ、と言います。この人はなんていうか、余計なことを言って株が下がるタイプの人だ。でもそれで別な株が上がる。それが良いんだか悪いんだか分からないけど。
エターナル!と驚くのぞみ。ブンビーはエターナルの話しは抜きにしたいようですが、店の奥からココナッツもエターナル!と出てきます。さらにみんな集まってエターナル! 何かのコントでしょうか。誰も名前を言いません。名前を知っているかも怪しいですが。
少々困惑しながらも、話が早いとばかりに本題に入るブンビー。プリキュアについて研究・勉強したと言います。そしてある結論にたどり着いたと言います。息を呑むのぞみ達。一体結論とは?
「衝撃発言はこのあとすぐ!」
CM。
映画の主題歌も決まって楽しみ~。ちょ~短編見てぇ。DVD5巻来週発売。
CM明け。
「思い切って言わせてもらうぞ!」
みんなに緊張が走ります。
「私がプリキュアのリーダーになってやる!」
…。……。………。間。冷たい空気。それらを十分堪能したところで、えー!?っと驚く一同。視聴者的にはこいつ何言っちゃってんのって感じです。
はい、もうギャグモードなのでシロップ、ココ、ナッツが不思議生物形態になります。話が見えないと言うココナッツ。リーダーとなってお前たちを導いてやる、この職場こそ私が求めていた職場だと言うブンビー。職場?こまちの疑問に悦に浸っているのか近すぎて気付いて上げられなかった職場、と答えるブンビー。さらに分けがわかりません。そもそもプリキュアは職業ではありません。ナッツハウスでナッツが店やっているだけです。困惑する一同。新手の作戦かと疑います。
悩みを抱えているときはグイグイ引っ張っていくリーダーが必要!そのリーダーに自分がなってやる!と豪語します。悪い話ではないだろう?と問いかけるブンビー。「お前、エターナルで嫌なことでもあったロプ?」と鋭すぎるツッコミをするシロップ。完璧な指摘です。図星です。
ローズガーデンに連れて行ってやるからパクトを渡せとまで言い出すブンビーにくるみをはじめみんなから非難の声続出。リーダーに逆らうのか!?とホシイナーを求人誌に憑依させて戦闘態勢に入ります。下手に出ていれば付け上がって!と憤慨するブンビー。一度たりとも下手に出ていません。
「結局いつもどおりの展開じゃない!」
変身です。しかしどうしようこの展開。最早お笑い系です。しょうがないのでチェーンで捕縛してソーサーぶちこんでみましょうか。
本が原型なのでページを飛ばしてくるホシイナー。リーダーになった気でいるブンビーに言っていることがめちゃくちゃだと反撃するローズ。レモネードとルージュもリーダーとして認めないと挑みかかります。迎撃するブンビー。ミントとアクアの攻撃を裁き、追い討ちで針射撃も行います。なかなか味な攻撃です。パクトを要求するブンビーにしんがりでドリームが挑みます。これも迎撃成功。
いつもと違い強いブンビー。これがリーダーの力さ!と意気揚々です。プリキュアにその程度ではローズガーデンに行くことは不可能と言います。部下を叱咤するタイプのリーダーでしょうか。ホシイナーがプリキュアとローズを紙片で捕縛し磔台に捕らえます。
「大人しく私に従うのだ。そうすればキュアローズガーデンに連れて行ってやるから。リーダーであるこの私にローズパクトを預けるのだ」
「要らない…リーダーなんて要らない。私達は一人一人自分で考えて、みんなでキュアローズガーデンに行くって決めたの!誰かに押し付けられて行く訳じゃない!」
磔から脱するドリーム。みんなもそれに続きます。プリキュアは組織ではありません。上下関係も指揮命令系統も無い。それぞれに自己決定を行い自由意志のもとで集まっている。
「だから私達の邪魔しないでくれる!」
ココナッツシロップが前に躍り出て、いい加減にしろと言います。プリキュア達がどういう悩みを抱えようがそれを見下し自分の思いどおりにするための出汁にされるのはまっぴらです。
ココ達を攻撃しようとするブンビーを遮り攻撃するローズ。ホシイナーを仕掛けますがミルキィミラーをナッツが召還してメタルブリザードで瞬殺します。
さらにココがフルーレを召還。これば危険です。幹部相手に直接大技。まともに受ければ間違いなく死にます。さらばブンビー。君はプリキュアにおいて小さくない存在だった。…と思ったら回避成功。捨て台詞を吐いて撤退。なんだったんだ…、と訳がわからないプリキュア達。
④和気あいあい
こまちはうららにオーディションの状況を尋ねます。あまり芳しくありません。うららの演技が見たいと言うこまちにうららは喜びます。
のぞみは色々言葉の勉強をしたのでかれんにも教えると言います。驚くかれんとりん。無謀と言えば無謀な提案ですが、かれんは快くそれを受けます。
ナッツはりんにデザインしてもらったアクセサリーが売り切れたことを教えます。また作って欲しいと頼むナッツの話しを快く引き受けます。
くるみが大量のおやつを持ってきます。さっそくシュークリームに手をつけるのぞみ。のぞみを注意するくるみ。うららも食べたそうです。構わず食べるのぞみに続いてうららも豆大福に手をつけます。こうなりゃ食べなきゃ損、こまちとりんも続きます。結果してみんな食べ始めます。ホットケーキばかり食べるのぞみに文句をつけるシロップ。
久しぶりに揃ったと思ったらおやつの食べ合いを始めるみんなに呆れるくるみ。でも楽しそうです。かれんとりんもこうしてみんなでいると和むと言います。
「ねえココ、これが和気あいあい、だよね?」
「ああ、そのとおり、正解」
満面の笑みを浮かべるのぞみ。みんなは何のことだか分からず疑問に思います。後で教えてあげると言って、のぞみはホットケーキをかぶりつきます。非難の声を上げるシロップ。りんもこまちもうららも続きます。そしてかれんも。ナッツハウスにはシロップの諦めた声が響き渡ります。
⑤次回予告
クイズ大会に出ることをかたくなに拒否するかれんが面白い。前後編が最初から予告される珍しい構成。
○トピック
ブンビー笑撃発言! プリキュアのリーダーになる、と番組の根幹をぶち壊そうとするブンビーとそれを全く受け入れないプリキュアの珍妙な戦い。いや、そんなことよりもくるみと一緒に買い物したりみんなからいじられたりするシロップのポジションが羨ましい。
和気藹々(あいあい)の隣に支離滅裂と因果応報があるのはブンビーのことでしょうか。以心伝心もあって今回のキーワードになっています。
プリキュアはギャグの要素を交えながらも根幹は真面目なので、今回の話もGoGo!の根底にあるものがクローズアップされています。
勝手にリーダーを名乗り、掌握しょうとするブンビーは否定されています。これはのぞみ達の関係や目指すところが、各自が主体的な決定権を持っていることを前提に協力して組織力を発揮しているためで、彼女達は組織を組んでいるわけではありません。ブンビーは組織上のリーダーを目指しているため否定さています。
プリキュアのリーダーは名実共にのぞみです。のぞみのリーダーの在り方は周囲をグイグイ引っ張っていくとともに、周囲に勇気や力、やる気を与えられる点です。困難が迫っているときはみんなの背中を押して進んでいます。必ずしも彼女自身が優れているわけではありません。そののぞみも周囲に助けられてリーダーシップを発揮しているため、みんなの中心に居てリーダーシップを取ることがあっても決してみんなの上位者ではありません。ここはのぞみ達の関係で面白いところだと思います。リーダーは偉いわけじゃないんですね。その在り様、周囲に与える影響の在り方が纏め役や言いだしっぺというだけで、それを承認するか否かは各自の判断によります。誰にも承認されないリーダーなんて何の意味も力もありません。ただの狂言吹きか独善です。のぞみとブンビーの差異は周囲から理解され承認されているか、そのリーダーシップがどのように発揮されているかの違いです。
各自が意志を持っているので、各々目標とする夢があります。GoGo!の終着点にも関わるであろう問題がこの「各自の夢」と「みんなと一緒の場所」のバランスです。それぞれが夢に向かえば一緒に居る必要はありません。今回の冒頭のようにのぞみ一人になってしまいます。GoGo!はこれをみんなと一緒に居ても夢が叶えられる方向で進んでいます。うららの演技をこまちは見るし、りんのアクセサリーはナッツハウスによって評価を得ます。のぞみはみんなとの体験を通して言葉の持つ意味を理解します。
ところがどっこいナッツハウスには賞味期限があります。国王を4人保護・帰国させローズガーデンへ行って解決すれば、ココナッツ達は国へと帰らねばなりません。5のときは最終的に学校のカフェをのぞみ達5人の集まる場所として位置づけました。5は主に5人の関係が重視されていたのでこの帰結は正しいものです。GoGo!ではそれがナッツハウスになれば物語の拡大に伴った自然な帰結になりますが、それだけでは足りません。
プリキュアの結末の面白さって、今を一生懸命に充実させながら幸福に満ち溢れ未来への発展と可能性を見出す、そういう人の生き方、生きることの肯定感だと思っています。その限りない生の祝福が素晴らしいと思う。GoGo!もそれを引き継いで欲しいと思うし、ナッツハウスがその終着点になるのだとしたら、その上で各自の夢と居場所を両方叶えてみせるそんなミラクルを実現して欲しいと思う。文句のつけようが無い完璧なハッピーエンド。それを人が達成できる、可能性を提示できる物語。
あと、これはもうどうでもいい話なんですが、ブンビーにエターナルよりプリキュアの方が職場として良いと評価されていますが、ここまで主人公側が強いのも珍しい。5のときからそうですが、5系は論理的に負けない。プリキュアは論理的に勝つ番組なので非常にシリーズを通しても強いプリキュアです。
①ひとりぼっち(みんながいない)
ナッツハウス。のぞみは四字熟語が書いてある本を見ながら「和気あいあい」の意味を考えます。りんに意味を尋ねようとしたら…誰も居ません。二階に上がってきたココが心と心が通じ合って和やかな気分が回りに溢れることと答えます。ソファーに腰掛けながらのぞみ達のことだと言います。しかしのぞみの表情は寂しそうです。
最近みんなナッツハウスに来ないと話すのぞみ。普段のナッツハウスからすればシーンと静まって不気味なくらいです。でもみんなは…と答えようとするココの言葉を遮って、前は毎日来ていたと言うのぞみ。くるみがお茶を運んできます。みんな自分の夢に向かって頑張っているとココに代わって言います。何も答えないのぞみ。のぞみもそれは分かっています。
ナッツとシロップも上がってきたのでお茶をみんなで飲みます。のぞみも先生になる夢のためにこうして勉強しているだろ、と言うココにも力無く答えるのぞみ。のぞみ達のおかげで国王達も見つかり元気になっていますが、のぞみが気にしているのはそういうことではないようです。
ニチアサキッズ合体スペシャル。朝番組の合同企画みたいなもの。特筆すべきはドリームがキュアモを持って変身ポーズをとっているところ。2段変身みたいでカッコイイ。貴重なシーンですね。
エターナル。お茶を持って来るブンビー。しかしアナコンディはムカーディアと対話中。ムカーディアの報告書を褒めるアナコンディ。ムカーディアも優れた上司のもとにいると実力以上が出るとお世辞を言います。まんざらでもない様子のアナコンディ。次の一手も考えてあると言うムカーディアの案が気になります。先ほどからブンビーが呼んでいることは完全に無視です。ようやくブンビーの方に顔を向けたのでお茶を渡します。ムカーディアはそれを紅茶に代えます。しかもカップは2つ。喜んで飲むアナコンディ。声が普段より高いので一種異様な感じになっています。ブンビーが毎回ボケるのでつられているんでしょうか。ブンビーの隣でしれっとした態度で自分が出した紅茶を飲むムカーディア。この人も結構神経太いな。
ブンビーは報告書の出来を尋ねます。邪魔だと言わんばかりの態度でまだ読んでいないと答えるアナコンディ。ムカーディアとの話を続けます。ゴミ箱に自分の報告書が入っていることに気付くブンビー。典型的な大人社会のいじめですね。
屋外でベンチに腰掛けて勉強の続きをするのぞみ。
ブンビーは歩きながら何でこうなってしまったのかと考えます。懐かしい前作を含めた思い出。最初は怖くカッコイイブンビーでしたが今ではただのお笑いキャラです。ほら懐かしいでしょう、と独り言。誰に向かって言ってるんだね君は。
のぞみの腰掛けているベンチに背中合わせで座るブンビー。のぞみのことには気付いていません。のぞみも勉強に集中しているので気付いていません。今の組織辞めようかなと言うブンビー。時期尚早? のぞみの疑問にブンビーはまだ組織を抜けるのは早いよなぁ、と言うブンビー。それを聞いて意味を理解するのぞみ。辞表を出すなら次の仕事を見つけてからにしようと求人誌を読むブンビー。ガマオっぽくなってきたなぁ。仕事先を研究と言う言葉を聞いて、のぞみはりんがアクセサリー、うららはお芝居、こまちは小説、かれんは医学を勉強しているから5人なかなか揃わない、くるみもお世話役に一生懸命と独白するのぞみ。そろそろ後ろに誰がいるのか気付くブンビー。思わず声を上げてしまいます。声のした方を振り向くのぞみ。しかし誰も居ません。
ブンビーは少し離れたところに隠れてプリキュアも色々悩んでいるんだなぁ、と同情しながらも今がチャンス!と考えますが毎回このパターンで負けているので踏みとどまります。プリキュアを研究すると決めます。
②こんなときは
橋の真ん中で台本を読むうらら。りんがキュアモを持ってパルミンを追いかけます。うららも一緒に追いかけます。無事ショット。しかしとうもろこし。残念ハズレ。
うららはりんに最近ナッツハウスへ行ったかと尋ねます。暗にのぞみと会っているか探りを入れます。アクセサリーのデザインに行き詰っているので行っていないと答えるりん。自分も最近行っていないと答えるうらら。内心ほっとしているはずです。りんはうららが台本を持っていてオーディションを控えていることに気付きます。うららも自分の演技に行き詰まっているようです。「よ~し、こんなときは」「ナッツハウスへ」声をそろえて言うりんとうらら。考えることは一緒です。以心伝心。抜け駆けされるわけにはいきません。
りんとうららから少し距離を置いてふたりの会話を伺うブンビー。
本屋で参考書を探すかれん。こまちが本は見つかった?と尋ねます。何冊も抱えているこまち。参考書を探しにきたはずなのに小説を見つけたようです。
かれんはこまちが凄いと言います。夢に真っ直ぐに取り組んでいます。自分は医学の道が険しく自分に出来るのか不安になると話します。こまちは自分も同じ、誰だって将来が不安になると言います。かれんはこまちに「こんなときは」とわざと言葉を途中で切ります。「ナッツハウスへ」へと言葉を続けるこまち。以心伝心。
ブンビーはふたりを観察しながら不安なのね、と解釈します。
商店街で買い物をするシロップとくるみ。大量の荷物を抱えるシロップ。ココとナッツの分というには多すぎます。くるみは今日あたりみんな来るかもしれない、と言います。その言葉を聞いて感心するシロップ。シロップからみんなのこと気にしていたんだ、と言われてくるみは違う、みんな食べるとココ様とナッツ様の分が無くなるからと言い訳をします。はいはい、と流すシロップ。よくわかってらっしゃる。シロップのぞんざいな答え方に文句をつけながら一緒に帰るくるみ。シロップ俺と代わってくれ!!
ケンカはダメ!と隠れて様子を伺うブンビー。覗き見もダメだと思います。
③ブンビーの衝撃発言
のぞみがナッツハウスへ帰ってくると聞きなれない声でおかえりなさい、と言われます。のぞみの方を振り向くブンビー。この前の話が続いているのかカレーを作っておいたよ、と言います。この人はなんていうか、余計なことを言って株が下がるタイプの人だ。でもそれで別な株が上がる。それが良いんだか悪いんだか分からないけど。
エターナル!と驚くのぞみ。ブンビーはエターナルの話しは抜きにしたいようですが、店の奥からココナッツもエターナル!と出てきます。さらにみんな集まってエターナル! 何かのコントでしょうか。誰も名前を言いません。名前を知っているかも怪しいですが。
少々困惑しながらも、話が早いとばかりに本題に入るブンビー。プリキュアについて研究・勉強したと言います。そしてある結論にたどり着いたと言います。息を呑むのぞみ達。一体結論とは?
「衝撃発言はこのあとすぐ!」
CM。
映画の主題歌も決まって楽しみ~。ちょ~短編見てぇ。DVD5巻来週発売。
CM明け。
「思い切って言わせてもらうぞ!」
みんなに緊張が走ります。
「私がプリキュアのリーダーになってやる!」
…。……。………。間。冷たい空気。それらを十分堪能したところで、えー!?っと驚く一同。視聴者的にはこいつ何言っちゃってんのって感じです。
はい、もうギャグモードなのでシロップ、ココ、ナッツが不思議生物形態になります。話が見えないと言うココナッツ。リーダーとなってお前たちを導いてやる、この職場こそ私が求めていた職場だと言うブンビー。職場?こまちの疑問に悦に浸っているのか近すぎて気付いて上げられなかった職場、と答えるブンビー。さらに分けがわかりません。そもそもプリキュアは職業ではありません。ナッツハウスでナッツが店やっているだけです。困惑する一同。新手の作戦かと疑います。
悩みを抱えているときはグイグイ引っ張っていくリーダーが必要!そのリーダーに自分がなってやる!と豪語します。悪い話ではないだろう?と問いかけるブンビー。「お前、エターナルで嫌なことでもあったロプ?」と鋭すぎるツッコミをするシロップ。完璧な指摘です。図星です。
ローズガーデンに連れて行ってやるからパクトを渡せとまで言い出すブンビーにくるみをはじめみんなから非難の声続出。リーダーに逆らうのか!?とホシイナーを求人誌に憑依させて戦闘態勢に入ります。下手に出ていれば付け上がって!と憤慨するブンビー。一度たりとも下手に出ていません。
「結局いつもどおりの展開じゃない!」
変身です。しかしどうしようこの展開。最早お笑い系です。しょうがないのでチェーンで捕縛してソーサーぶちこんでみましょうか。
本が原型なのでページを飛ばしてくるホシイナー。リーダーになった気でいるブンビーに言っていることがめちゃくちゃだと反撃するローズ。レモネードとルージュもリーダーとして認めないと挑みかかります。迎撃するブンビー。ミントとアクアの攻撃を裁き、追い討ちで針射撃も行います。なかなか味な攻撃です。パクトを要求するブンビーにしんがりでドリームが挑みます。これも迎撃成功。
いつもと違い強いブンビー。これがリーダーの力さ!と意気揚々です。プリキュアにその程度ではローズガーデンに行くことは不可能と言います。部下を叱咤するタイプのリーダーでしょうか。ホシイナーがプリキュアとローズを紙片で捕縛し磔台に捕らえます。
「大人しく私に従うのだ。そうすればキュアローズガーデンに連れて行ってやるから。リーダーであるこの私にローズパクトを預けるのだ」
「要らない…リーダーなんて要らない。私達は一人一人自分で考えて、みんなでキュアローズガーデンに行くって決めたの!誰かに押し付けられて行く訳じゃない!」
磔から脱するドリーム。みんなもそれに続きます。プリキュアは組織ではありません。上下関係も指揮命令系統も無い。それぞれに自己決定を行い自由意志のもとで集まっている。
「だから私達の邪魔しないでくれる!」
ココナッツシロップが前に躍り出て、いい加減にしろと言います。プリキュア達がどういう悩みを抱えようがそれを見下し自分の思いどおりにするための出汁にされるのはまっぴらです。
ココ達を攻撃しようとするブンビーを遮り攻撃するローズ。ホシイナーを仕掛けますがミルキィミラーをナッツが召還してメタルブリザードで瞬殺します。
さらにココがフルーレを召還。これば危険です。幹部相手に直接大技。まともに受ければ間違いなく死にます。さらばブンビー。君はプリキュアにおいて小さくない存在だった。…と思ったら回避成功。捨て台詞を吐いて撤退。なんだったんだ…、と訳がわからないプリキュア達。
④和気あいあい
こまちはうららにオーディションの状況を尋ねます。あまり芳しくありません。うららの演技が見たいと言うこまちにうららは喜びます。
のぞみは色々言葉の勉強をしたのでかれんにも教えると言います。驚くかれんとりん。無謀と言えば無謀な提案ですが、かれんは快くそれを受けます。
ナッツはりんにデザインしてもらったアクセサリーが売り切れたことを教えます。また作って欲しいと頼むナッツの話しを快く引き受けます。
くるみが大量のおやつを持ってきます。さっそくシュークリームに手をつけるのぞみ。のぞみを注意するくるみ。うららも食べたそうです。構わず食べるのぞみに続いてうららも豆大福に手をつけます。こうなりゃ食べなきゃ損、こまちとりんも続きます。結果してみんな食べ始めます。ホットケーキばかり食べるのぞみに文句をつけるシロップ。
久しぶりに揃ったと思ったらおやつの食べ合いを始めるみんなに呆れるくるみ。でも楽しそうです。かれんとりんもこうしてみんなでいると和むと言います。
「ねえココ、これが和気あいあい、だよね?」
「ああ、そのとおり、正解」
満面の笑みを浮かべるのぞみ。みんなは何のことだか分からず疑問に思います。後で教えてあげると言って、のぞみはホットケーキをかぶりつきます。非難の声を上げるシロップ。りんもこまちもうららも続きます。そしてかれんも。ナッツハウスにはシロップの諦めた声が響き渡ります。
⑤次回予告
クイズ大会に出ることをかたくなに拒否するかれんが面白い。前後編が最初から予告される珍しい構成。
○トピック
ブンビー笑撃発言! プリキュアのリーダーになる、と番組の根幹をぶち壊そうとするブンビーとそれを全く受け入れないプリキュアの珍妙な戦い。いや、そんなことよりもくるみと一緒に買い物したりみんなからいじられたりするシロップのポジションが羨ましい。
和気藹々(あいあい)の隣に支離滅裂と因果応報があるのはブンビーのことでしょうか。以心伝心もあって今回のキーワードになっています。
プリキュアはギャグの要素を交えながらも根幹は真面目なので、今回の話もGoGo!の根底にあるものがクローズアップされています。
勝手にリーダーを名乗り、掌握しょうとするブンビーは否定されています。これはのぞみ達の関係や目指すところが、各自が主体的な決定権を持っていることを前提に協力して組織力を発揮しているためで、彼女達は組織を組んでいるわけではありません。ブンビーは組織上のリーダーを目指しているため否定さています。
プリキュアのリーダーは名実共にのぞみです。のぞみのリーダーの在り方は周囲をグイグイ引っ張っていくとともに、周囲に勇気や力、やる気を与えられる点です。困難が迫っているときはみんなの背中を押して進んでいます。必ずしも彼女自身が優れているわけではありません。そののぞみも周囲に助けられてリーダーシップを発揮しているため、みんなの中心に居てリーダーシップを取ることがあっても決してみんなの上位者ではありません。ここはのぞみ達の関係で面白いところだと思います。リーダーは偉いわけじゃないんですね。その在り様、周囲に与える影響の在り方が纏め役や言いだしっぺというだけで、それを承認するか否かは各自の判断によります。誰にも承認されないリーダーなんて何の意味も力もありません。ただの狂言吹きか独善です。のぞみとブンビーの差異は周囲から理解され承認されているか、そのリーダーシップがどのように発揮されているかの違いです。
各自が意志を持っているので、各々目標とする夢があります。GoGo!の終着点にも関わるであろう問題がこの「各自の夢」と「みんなと一緒の場所」のバランスです。それぞれが夢に向かえば一緒に居る必要はありません。今回の冒頭のようにのぞみ一人になってしまいます。GoGo!はこれをみんなと一緒に居ても夢が叶えられる方向で進んでいます。うららの演技をこまちは見るし、りんのアクセサリーはナッツハウスによって評価を得ます。のぞみはみんなとの体験を通して言葉の持つ意味を理解します。
ところがどっこいナッツハウスには賞味期限があります。国王を4人保護・帰国させローズガーデンへ行って解決すれば、ココナッツ達は国へと帰らねばなりません。5のときは最終的に学校のカフェをのぞみ達5人の集まる場所として位置づけました。5は主に5人の関係が重視されていたのでこの帰結は正しいものです。GoGo!ではそれがナッツハウスになれば物語の拡大に伴った自然な帰結になりますが、それだけでは足りません。
プリキュアの結末の面白さって、今を一生懸命に充実させながら幸福に満ち溢れ未来への発展と可能性を見出す、そういう人の生き方、生きることの肯定感だと思っています。その限りない生の祝福が素晴らしいと思う。GoGo!もそれを引き継いで欲しいと思うし、ナッツハウスがその終着点になるのだとしたら、その上で各自の夢と居場所を両方叶えてみせるそんなミラクルを実現して欲しいと思う。文句のつけようが無い完璧なハッピーエンド。それを人が達成できる、可能性を提示できる物語。
あと、これはもうどうでもいい話なんですが、ブンビーにエターナルよりプリキュアの方が職場として良いと評価されていますが、ここまで主人公側が強いのも珍しい。5のときからそうですが、5系は論理的に負けない。プリキュアは論理的に勝つ番組なので非常にシリーズを通しても強いプリキュアです。
第34話「涙のお別れ!クレープの告白」
○今週の出来事
①お騒がせ王女
珍しく勤労意欲のあるシロップ。メルポが突然何かを訴えるように声をあげます。ローズパクトを取り出すシロップ。視聴者にはメルポが何を言っているか分かりませんが、シロップは理解できます。パクトを開くと画面には何も映っていません。クレープ王女が居ないことに慌てるシロップ。
登校。不自然に動く鞄を持って歩く小々田先生。のぞみが挨拶をして近づこうとすると、くるみが高速移動して先手を打ちます。朝から醜い女の戦いです。くるみの表情面白すぎです。するとココの持っていた鞄から飛び出すクレープ王女。ココに寄るなと言い放ち、自分はココに擦り寄ります。
どうやら発情期のようです。
エターナル。いつものようにお茶を淹れるブンビー。イソーギンとヤドカーンの部屋に入ります。しかしもぬけの殻。絡みづらいふたりが居ないと本音を漏らすブンビー。お茶を淹れるのだけは上手くなった自分は何のためにエターナルに入ったのだか…と自問します。
生徒会室に集合するのぞみ達。クレープが飛び出して小気味欲動いてココにまた抱きつきます。頬擦りまでするクレープにくるみは元気になったのなら帰ったらよろしいのでは?と言います。意外にもすぐ帰ると答えるクレープ。その言葉を聞いて喜ぶくるみ。君は分かりやすいな。
しかし条件付きで、ココの仕事ぶりを見てから、小さなことでも分かち合うことは結婚生活でも国を治める上でも重要と今日一日ココの生活に密着すると言うクレープ。言っていることは間違ってはいないと思いますが、一国の王女がベタ惚れで人目はばからず男に抱きついているのはかなり滑稽だと思うのだけど…きっとこの王女さんは外交とか体裁とか上手いから自国民には人気ありそうです。
すぐ帰るって言ったのに…!と堪えるくるみ。のぞみはそっか!と嬉しそうです。りんが考えを察して今日一杯は居ると相槌を打ちます。さすが付き合いが長いだけはある。うらら・こまち・かれんも了解。
足音が聞こえてきて扉が勢いよく開きます。息を切らせたシロップ。色々探し回ったようで、クレープに勝手に出歩くな!と苦情を言います。おそらくクレープ的序列最下位のシロップは無視されていると思います。これでナッツ以外は学校に集合。いつものことです。
ビルの屋上に立つイソーギンと座るヤドカーン。数年前ならプリティでキュアキュアと二人組が立っていたところですが、現在は勤労意欲が無さそうな二人組が居ます。
②密着レポート
お昼。カフェにやってくるココ。クレープの入った鞄を持っています。働いているシロップにのぞみ達の所在を尋ねるココ。ぶっきらぼうに返事をするシロップ。朝からバタバタしていたので人探しは自分でやってくれ、とつっけんどんです。
周囲を伺うココ。のぞみ達が集まって何かを収集しているようです。クレープが声をかけるとのぞみ達は隠し事でもあるかのように挙動不審です。くるみがこれ使える?と呼ぶのでそちらに向かう一同。お昼もとらずに何かをしているようです。お昼が後回しなんて珍しいとつぶやくココ。全くです。
クレープはそんなことよりもふたりでラブラブランチタイムにしようと言います。クレープ王女だけにクレープ好きそうだね。と、久しぶりの登場である増子美香が突撃レポート。小々田先生の取材をしたいといつものテンションで言う増子さん。早速ココが持っている鞄に目を付ける増子さん。タジタジになって答えるココ。ある意味不審者に見えなくも無い。
女子生徒たちが集まってきて一緒にお昼を、勉強を教えて、と超ハーレム状態。あれ、もしかしてこの学園に行けば私でもモテるんじゃね? 不審者で即刻通報されますかそうですか。
ココの人気ぶりを見て喜ぶクレープ。
授業が終わります。ココに見とれるクレープ。のぞみがココに授業のことでわからないことがあると質問します。古語の文法について説明するココ。要領よく理解するのぞみ。のぞみはノートに書き込んで、ココに見せます。正解のようです。和気藹々としたココとのぞみの様子を不安な表情で見つめるクレープ。そういえば最近、仕事で重ね合わせの理とか連立方程式を使う場面があったのだけど、全く憶えていなくてびっくりした。解き方とか忘れてしまうね。
ビルに佇む二人。行く場所が決まったようです。
ナッツハウスに戻るクレープ。急に帰ると言い出したようです。先ほどのココとのぞみの姿を思い出してため息をつくクレープ。気持ちは分からんでもない。あ、そうだ王女さん、私と同盟組まない?
ナッツが様子を伺います。誤魔化そうと多弁になるクレープに「ココにちゃんと気持ちを伝えたのか?」とストレートに尋ねるナッツ。ナッツはいつも問題の核心をつきます。王国のことや立場のことを持ち出してもココは戸惑うだけ、本心を知りたいなら一個人としての自分の本心を告げないとダメだと言うナッツ。ココはまっすぐな言葉にはまっすぐに答えると諭す様に言います。その言葉に顔を伏せるクレープ。彼女は毎度ココにベタベタとくっ付き言葉を連ねるけど、なるほど確かに一個人としての言動はあまり見られません。
③乱入者
のぞみ達がココと一緒に帰ってきます。戻って早々始めようと言い出すのぞみ。シロップが疑問に思います。クレープ王女のお別れ会、と答えるのぞみ。ココは今気付いたようでだからバタバタしていたのかと合点がいきます。
クレープにプレゼントを渡すのぞみ。戸惑いながらも受け取るクレープ。まさかプレゼントが渡されるとは思ってもみなかったようです。一言もしゃべっていませんがくるみの心境を表す表情が絶妙です。
リボンを解いて中身を取り出そうとするクレープ。リボンを受け取る手。相手の方を見てお礼を言おうとしたクレープの眼前には巨大な無愛想な顔。怖ぇぇよ!! 叫んで驚くクレープ。
いつのまにかイソーギンとヤドカーンが隣に居ます。神出鬼没。起用にリボンを結んだヤドカーンからリボンを取ってホシイナーに憑依させるイソーギン。意外と可愛いホシイナーになるのでは?と思ったら想像以上にキモイデザインに。イソーギンとヤドカーンも合体して戦闘態勢。こちらも変身です。敵のキモイデザインを見たあとでの女の子の変身シーンは心洗われるひと時です。
跳躍して一気に対岸まで移動するプリキュア。ナッツハウスが壊れるとココ達が路頭に迷ってしまいます。リボンを手のように扱いプリキュアを投げ飛ばすホシイナー。ココ達がプリキュアのもとに駆け寄ります。君たちは邪魔になるだけだと思います。ローズが守るためにホシイナーの攻撃を裁きますが、受けきれずココ達も攻撃を受けてしまいます。捕縛されるクレープとシロップ。
イソカーンはシロップからパクトを取り上げるとシロップを離して、撤収すると言います。ダメ!と制止の声をあげるドリーム。
王国に帰るクレープをお見送りするの!と啖呵を切るドリーム。流石プリキュア。パクトの扱いがぞんざいです。何が重要で何がそうでないか、プリキュアが何のために戦い、何を守ろうとしているのか、スポンサーの商品のためでないことは明白です。
傷ついたココも立ち上がってクレープのもとに歩き出します。ホシイナーに挑むプリキュアとローズ。クレープを取り戻そうとしますが阻まれてしまいます。
ココはヨロヨロとクレープに一歩一歩近づいていきます。逃げて!と叫ぶクレープの言葉を遮って、逃げない諦めないと言うココ。ドリームにそう教えてもらったと言います。クレープを助けパクトも取り戻してプリキュア達に渡す!と叫びます。
諦めの悪いココに攻撃を加えるイソカーン。ドリームがそれを阻みます。教えられたのは自分達の方だとココに言うドリーム。彼女達がバラバラになりかけていたときに声をかけ励ましたのはココです。「楽しいだけじゃダメなんだよ!今はどんなことも諦めずに、一生懸命に頑張れって!教えてもらった!」「ココが教えてくれた、今日みたいに気持ちの良い晴れた日は小春日和っていうの。勉強の楽しさも仲間の大切さもみんなココが教えてくれた」 何度も彼女はココに教えられ救われ、そのたびに困難に立ち向かう勇気と力を貰っています。と同時にその姿を見ているココもまたのぞみから学び教えられ困難に立ち向かう勇気と力を貰っています。他者の姿や行動、言葉がただ空間に映され、響くだけのものであるなら人は何人居ても孤独な存在であるでしょう。しかしそうではなく、他者の姿や行動、言葉が別個の存在に届くときがあって、またそれが意図したときや意図しないときでも起こりえるからこそ、人の精神は伝え、伝わり共感し、無数の目には見えないような繋がりが出来ていきます。無論、それがまた人の醜悪さや争いを生むキッカケにもなり得るのだけど、我々は良くも悪くも(真の意味での)孤独ではないし、孤独ではいられないのでしょう。人が感じる孤独は、つまりその結びつかざる感覚、共有できない感覚、伝わらず、伝えられない感覚を孤独と呼んでいる。
プリキュアの反撃でパクトを取り戻します。ローズの追撃でクレープも取り戻します。形勢逆転、フルーレを召還してホシイナーを倒します。イソカーンも撤退。
④お別れ会
ナッツハウスの庭でお別れ会を催すのぞみ達。主賓であるクレープは二階のベランダに独り。ココが声をかけます。クレープは意を決するとココに向き合います。
自分の真っ直ぐな気持ちを伝えると言います。クレープの真剣な言葉にココはクレープに正面から向き合います。深呼吸するクレープ。
「クレープは一つのことに一生懸命努力しているココりんが好きクク。ココりんにずっと傍に居て欲しいクク」
一瞬困ったような、残念な表情を浮かべ、ココは揺ぎ無く応えます。
「それは、できないココ」
息を呑むクレープ。瞳が揺れます。
「ココにはまだやらなくてはいけないことがあるココ。それに…傍に居て一緒に夢を叶えたい人がいるココ。その人とはいつか離れ離れになってしまうかもしれないココ。でも、だからこそ、今一緒に居る時間を大切にしたいココ」
「それは、のぞみクク?」
頷くココ。
堪え切れず涙を流すクレープ。
「クレープ!」
「クレープ王女って呼ぶクク!」
涙を拭い彼女は毅然と応えます。
「これからは、ココりん…ココとは国を代表するもの同士としてお付き合いをしていくクク。でももし、パルミエ王国のことで困ったことがあったら…相談に乗ってあげてもいいクク」
「ありがとココ。クレープ王女」
お別れの時。クレープ王女はカードをこまちに渡します。ココを大切にしなかったら承知しないぞ!とのぞみを指名して言うクレープ。なんで自分が指名されたのか分からず戸惑うのぞみ。クレープは茶目っ気全開。貴女、カッコイイな。
飛び立つシロップ。しばしのお別れです。国へと戻る中、貰ったプレゼントを見るクレープ。学校の中で集めた落ち葉などでクレープの似顔絵が描かれています。みんなと一緒ならココも大丈夫と安心するクレープ。
みんなが待っている王国へ帰ります。
⑤次回予告
ブンビー脱サラか。くだらないこと言う人として認識されているのが泣ける。
○トピック
EDで突然チアガールの格好になっていたから、この姿で踊るのかと期待しましたが流石にそこまでは無理か。毎回とは言わないでも定期的に衣装が変わったら面白そうです。是非チアガール姿で変身していただきたい。
CMの中でプリキュアオールスタードリームライブの宣伝がありましたが、映画のちょー短編の映像らしいので映画がさらに楽しみに。しばらくみないうちに舞がすげー美人になってました(元々美人です)。
クレープの恋愛の結末。
ココを巡ってのぞみ・くるみ・クレープの三つ巴の争い、なんぞ見たいとも思っていませんでしたが、プリキュアのプリキュアらしい真っ直ぐな意思疎通が素敵な話。
のぞみとココのラブラブな姿を見るのではなく、何気ない会話や姿からお互いの信頼関係を知るクレープが真正面からココに気持ちを伝えます。その気持ちが期待に叶うことはなかったのだけど、彼女の気丈で誠実な態度に敬意を表したい。ココもまたクレープの気持ちに自分の素直な気持ちで応える姿が素敵です。
プリキュアの恋愛話は好きです。それは人を好きになることを通して、自分の気持ちを相手伝えよう、相手の気持ちに応えようという姿が真剣に誠実に描かれているからです。恋が実っても実のならなくても、そこには成長や意思疎通などの更なる発展と可能性が示唆されています。
相手を独占したい、意のままにしたい、自分の期待が叶って欲しい、もし障害となる相手がいるのであれば退けたい、と誰しもが思います。それは自己の発する正当な要求です。しかしそれは同時に他者にとって不当な要求でもあります。自分はどうしたいのか、意中の相手と関係を結びたいのか、障害となっている相手を蹴落としたいのか。よくある恋愛話のドロドロしたドラマが私は好きじゃないのは、本来の目的から外れた思考や志向性が嫌いだからです。不毛だからです。自己の欲求に従うのも他者に責任を転嫁するのも楽だし自分にとっては正当性があるからモチベーションも高まるのだろうけど、それは迂遠な行動だと感じます。
自分の気持ちや相手の気持ちを客観視したときに見えてくるものがあります。自分の求めるモノを独占したいのか、それを求める自分の気持ちや相手を尊いと思うのか。自分の意が叶わなかったからといって、その気持ちが不当であったり、自分の意を叶えてくれなかった相手が不当であるとは限りません(そういう場合もある)。ただ、何らかの理由により叶わなかっただけです。それで気持ちや何かが否定されるわけではありません。無論、期待が叶わないことは辛いことだけどね。
そんなときにどこに目を向けるかが問われます。それでも相手を尊いと思えるか、相手の意思を尊重できるか、自分の利と反する相手の気持ちも尊重できるか(クレープの場合で言うならのぞみ)、自らの気持ちを肯定できるか、立ち止まったとしても前を見ていられるか。万人が思うかは知らないけど、私は尊敬に足る行為や、高潔な意志というものがあるとするなら、そういう自分の欲望や挫けた心にそのまま流されず、その感情に抗い誠実たろうとする姿にそれを感じます。それはただ行為が美しいというだけでなく、可能性を感じることが大きいように思います。潰しあい、いがみ合い、挫折したままの状況より、ずっとより良くなる、より良くしていこうとする意志と行動に私は勇気付けられます。
などということを、女の子を見ずに、ひたすら不思議生物同士のシーンを何度も見返しながら思ってしまうのですが、プリキュア恐るべし。まさか(人間の)女の子を見ることなく感動するなんて。
ココもまた自分ののぞみへの気持ちを大事にしているからこそクレープの真っ直ぐな気持ちに応えています。自分とのぞみの関係が確実ではないことを知りながら、自分の志を持って進もうとしています。
のぞみ達からのアプローチではなく、ココ達からのアプローチによってのぞみ達との関係はより深さと広さを持ちます。のぞみ達(のぞみとココだけの関係ではなく、彼女達が作る関係や将来)をクレープは承認します。のぞみ達は他者を認めることで他者との関係を広めていきますが、同時に他者からも認められることでそれを確実なものとし、さらに発展する可能性を作っています。
この関係と可能性がどこまて高く、どれだけ広く、何を現せるのか最終回までまったり見ていきます。
①お騒がせ王女
珍しく勤労意欲のあるシロップ。メルポが突然何かを訴えるように声をあげます。ローズパクトを取り出すシロップ。視聴者にはメルポが何を言っているか分かりませんが、シロップは理解できます。パクトを開くと画面には何も映っていません。クレープ王女が居ないことに慌てるシロップ。
登校。不自然に動く鞄を持って歩く小々田先生。のぞみが挨拶をして近づこうとすると、くるみが高速移動して先手を打ちます。朝から醜い女の戦いです。くるみの表情面白すぎです。するとココの持っていた鞄から飛び出すクレープ王女。ココに寄るなと言い放ち、自分はココに擦り寄ります。
どうやら発情期のようです。
エターナル。いつものようにお茶を淹れるブンビー。イソーギンとヤドカーンの部屋に入ります。しかしもぬけの殻。絡みづらいふたりが居ないと本音を漏らすブンビー。お茶を淹れるのだけは上手くなった自分は何のためにエターナルに入ったのだか…と自問します。
生徒会室に集合するのぞみ達。クレープが飛び出して小気味欲動いてココにまた抱きつきます。頬擦りまでするクレープにくるみは元気になったのなら帰ったらよろしいのでは?と言います。意外にもすぐ帰ると答えるクレープ。その言葉を聞いて喜ぶくるみ。君は分かりやすいな。
しかし条件付きで、ココの仕事ぶりを見てから、小さなことでも分かち合うことは結婚生活でも国を治める上でも重要と今日一日ココの生活に密着すると言うクレープ。言っていることは間違ってはいないと思いますが、一国の王女がベタ惚れで人目はばからず男に抱きついているのはかなり滑稽だと思うのだけど…きっとこの王女さんは外交とか体裁とか上手いから自国民には人気ありそうです。
すぐ帰るって言ったのに…!と堪えるくるみ。のぞみはそっか!と嬉しそうです。りんが考えを察して今日一杯は居ると相槌を打ちます。さすが付き合いが長いだけはある。うらら・こまち・かれんも了解。
足音が聞こえてきて扉が勢いよく開きます。息を切らせたシロップ。色々探し回ったようで、クレープに勝手に出歩くな!と苦情を言います。おそらくクレープ的序列最下位のシロップは無視されていると思います。これでナッツ以外は学校に集合。いつものことです。
ビルの屋上に立つイソーギンと座るヤドカーン。数年前ならプリティでキュアキュアと二人組が立っていたところですが、現在は勤労意欲が無さそうな二人組が居ます。
②密着レポート
お昼。カフェにやってくるココ。クレープの入った鞄を持っています。働いているシロップにのぞみ達の所在を尋ねるココ。ぶっきらぼうに返事をするシロップ。朝からバタバタしていたので人探しは自分でやってくれ、とつっけんどんです。
周囲を伺うココ。のぞみ達が集まって何かを収集しているようです。クレープが声をかけるとのぞみ達は隠し事でもあるかのように挙動不審です。くるみがこれ使える?と呼ぶのでそちらに向かう一同。お昼もとらずに何かをしているようです。お昼が後回しなんて珍しいとつぶやくココ。全くです。
クレープはそんなことよりもふたりでラブラブランチタイムにしようと言います。クレープ王女だけにクレープ好きそうだね。と、久しぶりの登場である増子美香が突撃レポート。小々田先生の取材をしたいといつものテンションで言う増子さん。早速ココが持っている鞄に目を付ける増子さん。タジタジになって答えるココ。ある意味不審者に見えなくも無い。
女子生徒たちが集まってきて一緒にお昼を、勉強を教えて、と超ハーレム状態。あれ、もしかしてこの学園に行けば私でもモテるんじゃね? 不審者で即刻通報されますかそうですか。
ココの人気ぶりを見て喜ぶクレープ。
授業が終わります。ココに見とれるクレープ。のぞみがココに授業のことでわからないことがあると質問します。古語の文法について説明するココ。要領よく理解するのぞみ。のぞみはノートに書き込んで、ココに見せます。正解のようです。和気藹々としたココとのぞみの様子を不安な表情で見つめるクレープ。そういえば最近、仕事で重ね合わせの理とか連立方程式を使う場面があったのだけど、全く憶えていなくてびっくりした。解き方とか忘れてしまうね。
ビルに佇む二人。行く場所が決まったようです。
ナッツハウスに戻るクレープ。急に帰ると言い出したようです。先ほどのココとのぞみの姿を思い出してため息をつくクレープ。気持ちは分からんでもない。あ、そうだ王女さん、私と同盟組まない?
ナッツが様子を伺います。誤魔化そうと多弁になるクレープに「ココにちゃんと気持ちを伝えたのか?」とストレートに尋ねるナッツ。ナッツはいつも問題の核心をつきます。王国のことや立場のことを持ち出してもココは戸惑うだけ、本心を知りたいなら一個人としての自分の本心を告げないとダメだと言うナッツ。ココはまっすぐな言葉にはまっすぐに答えると諭す様に言います。その言葉に顔を伏せるクレープ。彼女は毎度ココにベタベタとくっ付き言葉を連ねるけど、なるほど確かに一個人としての言動はあまり見られません。
③乱入者
のぞみ達がココと一緒に帰ってきます。戻って早々始めようと言い出すのぞみ。シロップが疑問に思います。クレープ王女のお別れ会、と答えるのぞみ。ココは今気付いたようでだからバタバタしていたのかと合点がいきます。
クレープにプレゼントを渡すのぞみ。戸惑いながらも受け取るクレープ。まさかプレゼントが渡されるとは思ってもみなかったようです。一言もしゃべっていませんがくるみの心境を表す表情が絶妙です。
リボンを解いて中身を取り出そうとするクレープ。リボンを受け取る手。相手の方を見てお礼を言おうとしたクレープの眼前には巨大な無愛想な顔。怖ぇぇよ!! 叫んで驚くクレープ。
いつのまにかイソーギンとヤドカーンが隣に居ます。神出鬼没。起用にリボンを結んだヤドカーンからリボンを取ってホシイナーに憑依させるイソーギン。意外と可愛いホシイナーになるのでは?と思ったら想像以上にキモイデザインに。イソーギンとヤドカーンも合体して戦闘態勢。こちらも変身です。敵のキモイデザインを見たあとでの女の子の変身シーンは心洗われるひと時です。
跳躍して一気に対岸まで移動するプリキュア。ナッツハウスが壊れるとココ達が路頭に迷ってしまいます。リボンを手のように扱いプリキュアを投げ飛ばすホシイナー。ココ達がプリキュアのもとに駆け寄ります。君たちは邪魔になるだけだと思います。ローズが守るためにホシイナーの攻撃を裁きますが、受けきれずココ達も攻撃を受けてしまいます。捕縛されるクレープとシロップ。
イソカーンはシロップからパクトを取り上げるとシロップを離して、撤収すると言います。ダメ!と制止の声をあげるドリーム。
王国に帰るクレープをお見送りするの!と啖呵を切るドリーム。流石プリキュア。パクトの扱いがぞんざいです。何が重要で何がそうでないか、プリキュアが何のために戦い、何を守ろうとしているのか、スポンサーの商品のためでないことは明白です。
傷ついたココも立ち上がってクレープのもとに歩き出します。ホシイナーに挑むプリキュアとローズ。クレープを取り戻そうとしますが阻まれてしまいます。
ココはヨロヨロとクレープに一歩一歩近づいていきます。逃げて!と叫ぶクレープの言葉を遮って、逃げない諦めないと言うココ。ドリームにそう教えてもらったと言います。クレープを助けパクトも取り戻してプリキュア達に渡す!と叫びます。
諦めの悪いココに攻撃を加えるイソカーン。ドリームがそれを阻みます。教えられたのは自分達の方だとココに言うドリーム。彼女達がバラバラになりかけていたときに声をかけ励ましたのはココです。「楽しいだけじゃダメなんだよ!今はどんなことも諦めずに、一生懸命に頑張れって!教えてもらった!」「ココが教えてくれた、今日みたいに気持ちの良い晴れた日は小春日和っていうの。勉強の楽しさも仲間の大切さもみんなココが教えてくれた」 何度も彼女はココに教えられ救われ、そのたびに困難に立ち向かう勇気と力を貰っています。と同時にその姿を見ているココもまたのぞみから学び教えられ困難に立ち向かう勇気と力を貰っています。他者の姿や行動、言葉がただ空間に映され、響くだけのものであるなら人は何人居ても孤独な存在であるでしょう。しかしそうではなく、他者の姿や行動、言葉が別個の存在に届くときがあって、またそれが意図したときや意図しないときでも起こりえるからこそ、人の精神は伝え、伝わり共感し、無数の目には見えないような繋がりが出来ていきます。無論、それがまた人の醜悪さや争いを生むキッカケにもなり得るのだけど、我々は良くも悪くも(真の意味での)孤独ではないし、孤独ではいられないのでしょう。人が感じる孤独は、つまりその結びつかざる感覚、共有できない感覚、伝わらず、伝えられない感覚を孤独と呼んでいる。
プリキュアの反撃でパクトを取り戻します。ローズの追撃でクレープも取り戻します。形勢逆転、フルーレを召還してホシイナーを倒します。イソカーンも撤退。
④お別れ会
ナッツハウスの庭でお別れ会を催すのぞみ達。主賓であるクレープは二階のベランダに独り。ココが声をかけます。クレープは意を決するとココに向き合います。
自分の真っ直ぐな気持ちを伝えると言います。クレープの真剣な言葉にココはクレープに正面から向き合います。深呼吸するクレープ。
「クレープは一つのことに一生懸命努力しているココりんが好きクク。ココりんにずっと傍に居て欲しいクク」
一瞬困ったような、残念な表情を浮かべ、ココは揺ぎ無く応えます。
「それは、できないココ」
息を呑むクレープ。瞳が揺れます。
「ココにはまだやらなくてはいけないことがあるココ。それに…傍に居て一緒に夢を叶えたい人がいるココ。その人とはいつか離れ離れになってしまうかもしれないココ。でも、だからこそ、今一緒に居る時間を大切にしたいココ」
「それは、のぞみクク?」
頷くココ。
堪え切れず涙を流すクレープ。
「クレープ!」
「クレープ王女って呼ぶクク!」
涙を拭い彼女は毅然と応えます。
「これからは、ココりん…ココとは国を代表するもの同士としてお付き合いをしていくクク。でももし、パルミエ王国のことで困ったことがあったら…相談に乗ってあげてもいいクク」
「ありがとココ。クレープ王女」
お別れの時。クレープ王女はカードをこまちに渡します。ココを大切にしなかったら承知しないぞ!とのぞみを指名して言うクレープ。なんで自分が指名されたのか分からず戸惑うのぞみ。クレープは茶目っ気全開。貴女、カッコイイな。
飛び立つシロップ。しばしのお別れです。国へと戻る中、貰ったプレゼントを見るクレープ。学校の中で集めた落ち葉などでクレープの似顔絵が描かれています。みんなと一緒ならココも大丈夫と安心するクレープ。
みんなが待っている王国へ帰ります。
⑤次回予告
ブンビー脱サラか。くだらないこと言う人として認識されているのが泣ける。
○トピック
EDで突然チアガールの格好になっていたから、この姿で踊るのかと期待しましたが流石にそこまでは無理か。毎回とは言わないでも定期的に衣装が変わったら面白そうです。是非チアガール姿で変身していただきたい。
CMの中でプリキュアオールスタードリームライブの宣伝がありましたが、映画のちょー短編の映像らしいので映画がさらに楽しみに。しばらくみないうちに舞がすげー美人になってました(元々美人です)。
クレープの恋愛の結末。
ココを巡ってのぞみ・くるみ・クレープの三つ巴の争い、なんぞ見たいとも思っていませんでしたが、プリキュアのプリキュアらしい真っ直ぐな意思疎通が素敵な話。
のぞみとココのラブラブな姿を見るのではなく、何気ない会話や姿からお互いの信頼関係を知るクレープが真正面からココに気持ちを伝えます。その気持ちが期待に叶うことはなかったのだけど、彼女の気丈で誠実な態度に敬意を表したい。ココもまたクレープの気持ちに自分の素直な気持ちで応える姿が素敵です。
プリキュアの恋愛話は好きです。それは人を好きになることを通して、自分の気持ちを相手伝えよう、相手の気持ちに応えようという姿が真剣に誠実に描かれているからです。恋が実っても実のならなくても、そこには成長や意思疎通などの更なる発展と可能性が示唆されています。
相手を独占したい、意のままにしたい、自分の期待が叶って欲しい、もし障害となる相手がいるのであれば退けたい、と誰しもが思います。それは自己の発する正当な要求です。しかしそれは同時に他者にとって不当な要求でもあります。自分はどうしたいのか、意中の相手と関係を結びたいのか、障害となっている相手を蹴落としたいのか。よくある恋愛話のドロドロしたドラマが私は好きじゃないのは、本来の目的から外れた思考や志向性が嫌いだからです。不毛だからです。自己の欲求に従うのも他者に責任を転嫁するのも楽だし自分にとっては正当性があるからモチベーションも高まるのだろうけど、それは迂遠な行動だと感じます。
自分の気持ちや相手の気持ちを客観視したときに見えてくるものがあります。自分の求めるモノを独占したいのか、それを求める自分の気持ちや相手を尊いと思うのか。自分の意が叶わなかったからといって、その気持ちが不当であったり、自分の意を叶えてくれなかった相手が不当であるとは限りません(そういう場合もある)。ただ、何らかの理由により叶わなかっただけです。それで気持ちや何かが否定されるわけではありません。無論、期待が叶わないことは辛いことだけどね。
そんなときにどこに目を向けるかが問われます。それでも相手を尊いと思えるか、相手の意思を尊重できるか、自分の利と反する相手の気持ちも尊重できるか(クレープの場合で言うならのぞみ)、自らの気持ちを肯定できるか、立ち止まったとしても前を見ていられるか。万人が思うかは知らないけど、私は尊敬に足る行為や、高潔な意志というものがあるとするなら、そういう自分の欲望や挫けた心にそのまま流されず、その感情に抗い誠実たろうとする姿にそれを感じます。それはただ行為が美しいというだけでなく、可能性を感じることが大きいように思います。潰しあい、いがみ合い、挫折したままの状況より、ずっとより良くなる、より良くしていこうとする意志と行動に私は勇気付けられます。
などということを、女の子を見ずに、ひたすら不思議生物同士のシーンを何度も見返しながら思ってしまうのですが、プリキュア恐るべし。まさか(人間の)女の子を見ることなく感動するなんて。
ココもまた自分ののぞみへの気持ちを大事にしているからこそクレープの真っ直ぐな気持ちに応えています。自分とのぞみの関係が確実ではないことを知りながら、自分の志を持って進もうとしています。
のぞみ達からのアプローチではなく、ココ達からのアプローチによってのぞみ達との関係はより深さと広さを持ちます。のぞみ達(のぞみとココだけの関係ではなく、彼女達が作る関係や将来)をクレープは承認します。のぞみ達は他者を認めることで他者との関係を広めていきますが、同時に他者からも認められることでそれを確実なものとし、さらに発展する可能性を作っています。
この関係と可能性がどこまて高く、どれだけ広く、何を現せるのか最終回までまったり見ていきます。
第33話「ハッスルうららとカレー屋さん」
○今週の出来事
①うららの友達
放課後。うららはクラスメイトのよしみに台本読みの練習に付き合ってくれるよう頼みます。頷くよしみ。ごめんね、とお礼の代わりに言ううららに、よしみはうららの芝居を誰よりも先に見られると答えます。しかしよしみは浮かない顔をしています。
下校するのぞみ達。道路に横一列で並ぶのは危ないと思います。ふとのぞみは「うららは?」と所在を尋ねます。そういえば見ないと同意するりん。お仕事で忙しいのよ、とかれん。こまちが友達と台本を読んでいる姿を見たと言います。人数が多いと情報収集も容易です。ところで、君たちは申し合わせて集まって帰っているのではなく、自然と集まって帰っているのか。
うわさをすればうらら。うららが友達を連れてやってきます。連れの友達を紹介するうらら。森田よしみちゃん。のぞみは自己紹介をしてかれん、りん、こまち、くるみを紹介します。他の人はどうかはわかりませんが、私は一辺に三人以上の名前と顔を憶えることは出来ません。とりあえず、桃色、青、茶色、緑、紫と覚えておけば間違いではありません。
大人しく遠慮深いのかだいぶかしこまって返事をするよしみ。かれんとりんは有名でしょうから紹介されなくても知ってそうです。一緒に帰ろうと誘うのぞみ。うららはカレー屋をやっているよしみの手伝いをすると言います。どうやら最近お客さんの足が遠のいているようです。
遠慮するよしみにうららは手伝わせて、と答えます。その話を聞いて何もしないわけがないのぞみ。私達もお手伝いすると言います。一蓮托生。のぞみがやると言えばみんなやります。
この展開に慣れているうららはやる気度アップでよろこびますが、初対面で先輩であるのぞみ達にまで手伝わせるわけにはいかないと遠慮するよしみ。のぞみ達を見ているとこうやって動くのは当然と思いがちですが、普通に考えれば5,6人で手伝うよと言われるのは逆に心理的に負担になります。ここで実はよしみがうららとふたりでしたいから、と思っていたりすると話が違うことになるというか、非常に複雑な人間関係になってしまうので敢えて考えないことにします。
うららはよしみの意を汲んで、のぞみ達の申し出を断り、自分とよしみちゃんで頑張ってみると言います。素直に了解するのぞみ。
エターナル。珍しく焦っているアナコンディ。書物を読み漁ります。プリキュア、ミルキィローズだけならまだしもそこにパルミエ王の力が加わると厄介な相手です。予想外の事態に対し対処を講じなくてはとブンビーの声にも気付きません。
ブンビーの声と重なって少々聞き取りにくいのですが、「このままでは私の価値が…」と言っているのが面白いところです。結果や実績を重んじる場合、それを自分が達成できなければ自分の価値を示すことができなくなり、自尊心、自信の低下になります。それを回避するために他者の価値を排他的に扱ったり(相対的に自分の価値を上げるため)、無理にでも結果を出そうとしたりします。自分の価値を実利、損得、結果、実績で認めている人は中々に大変です。かといって、自分の価値は不動で何もせずとも有るのだ、などと楽観視するのはただの怠惰と慢心です。過剰な結果主義は自分の意に叶う相手以外の他者に冷徹になりがちだし、楽観主義は他者の目を気にしません。案外両者は似ています。自分が自分に下す価値、他者が自分に下す価値を見る自分の目、その自分を他者として見る相手の目、なんとも人間とは面倒な生き物です。
前の職場でもカワリーノに無視されていたブンビー。何とかして手柄を立てなければ…いや、ここから逃げ出して転職・独立でもするか、と考えます。後者の方がいいかもしれません。このままでは巨大薔薇に喰われるか、金属で凍結されて破砕されるかのどちらかです。っていうか、そういう考え方ができるのね、この人。普通こういう敵組織に居る人の場合、存在価値が組織に属していることそのものになるので独立や離反というのはタブーです。意外とブンビーは敵側で敵側の思考なんだけど、敵組織そのものへは客観視している面があります。それだけに敵組織の歪んでいる面が見えたりするのですが、ブンビー自身の結末にも関わるかもしれません。この人、少なくとも普通に死ぬようなことはないようです。(シリーズ構成の人の言。Webラジオによる)
いっそのこと、カレー屋でもやるか、と独白するブンビー。脱サラはラーメン屋が相場かと思っていました。
②カレー屋の宣伝
カレー屋。大量のチラシ。よしみの両親を前にしてうららはこの店のファンなので宣伝すればすぐにお客さんが来ると言います。頼もしいうららに感心する両親。店の前に大きなビルが建つ前は明るくてお客さんが集まりやすかったと言います。確かに辛気臭いところでご飯は食べたくありません。うららのお手伝いを喜ぶも無理はしないでね、と話すお母さん。
ナッツハウス。話を聞いてシロップは手伝わずに帰ってきたのか!?と聞き返します。かれんはうららの気持ちは尊重するべきだと言います。見守ることも大切だと付け足すこまち。しかしシロップが言うように気にならないわけではありません。
他のお店にチラシを貼ってくれないかとお願いするうららとよしみ。しかしどこも断られてしまいます。
ガッカリするよしみに貼らせてもらえないのなら自分達で配ればいいと言ううらら。
ナッツハウスではクレープ王女がココを出汁にのぞみに見せ付けようとします。ところがのぞみはそんなことには注意も払わず考え事をしています。周囲も同じ様子。空気が重い。ココも上の空です。誰も自分の話を聞いてくれないことに泣き出すクレープ。逆に君も人の話聞く気ないからねぇ。自尊心や自慢のためのポーズなんて、他人にとってはどうでもいいことです。
なだめるココ。クレープは喉が渇いたとあっさり立ち直ります。こまちはパクトを操作して大量の本を出します。本に埋まるクレープ。意趣返しですか。間違えたと謝るこまち。
お茶が入りましたよー、とりん。この番組で「お茶が入りましたよー」と聞くと思わず吹き出しそうになるのはブンビーのせいだと思います。一つカップが多い。うららの分です。
シロップは仕事に行くとナッツハウスを出ようとします。のぞみに仕事は無いって言ってなかった?と聞かれますが思い出したと言って出て行きます。分かりやすい奴。
チラシを配るうららとよしみ。通りを歩く人達は誰も受け取ろうとはしません。シロップがチラシをうららから取って、配ります。そんな顔して配っても誰も受け取らないと言うシロップ。なんだかんだでシロップもお節介焼きです。
笑顔で配るうらら達。いやー、私でよければ10枚でも20枚でも貰っちゃうよ。
落ちたチラシを手に取るブンビー。
りんも何故かそわそわしながら店の手伝いをするので帰ると言います。これまた店の手伝いはないと聞いていたのぞみ。りんはカレーの花が届くと言います。そんな花あるのか? 花梨だと言い直すりん。あれは春の花じゃない?と言うかれん。普通の人ならそうなのか、と思うところですが花に詳しい人が居ると言い訳も面倒です。逃げるように出て行くりん。
かれんもそわそわしながら立ち上がって、カリクッタにいる両親に手紙を書くと言います。どこだそこ。カレー食った?と聞き返すのぞみ。カルカッタと言い直すかれん。これは無理がある。かれん、そのボケはかなり無茶だぞ。照れながら言い訳するかれん。こまちも立ち上がって「カレーなる門出」という小説を書くと言います。わけ分からん。カレーな小説に仕上がりそうなの、とかれんと一緒に出て行きます。カレーな小説ってどんな小説?といぶかるのぞみ。
くるみも買出しに行くといいます。今夜はカレー、と言うくるみ。のぞみもようやく気付いて後を追います。のぞみはやるときは堂々と公言するので抜け駆けとかはしないし気付きにくいのかもしれない。
ココナッツもいつもより早いけど店じまい。お前らは仕事してろ。
カレー屋。お客さんは来ません。落ち込むうららとよしみ。すぐに結果はでないと親父さんが励まします。
「おー、ここか」お客さんの声、と思いきや暗雲が立ち込めてきます。一部の人には見知った服装。うららとシロップが警戒します。ビーフカレーを注文する男性。よしみと親父さんは気付かず店へ入ります。うららとシロップは声をそろえてエターナル!と言います。目の前にいるのはブンビー。「じゃあ、シーフードカレー一つ」と答えるブンビー。ビーフカレーとシーフードとふたつも食べられるのか?
③個人と組織
やっぱりカレーキャンセルね、と言うブンビー。迷惑な奴だな。冷やかしなら帰れ。余談ですが電気屋とかに行くとよく店員が話しかけてきますが、そういうときは「冷やかしです」と答えるようにしています。
周囲を伺ったところで、お前一人か?と聞くブンビー。警戒を強めるうららとシロップ。シロップは戦力外です。都合がいい、と余裕を表すブンビーに一人ではないとりんが現れます。しかしまだ余裕があるブンビーは一人増えたところで状況は変わらないと言い返そうとしたところで、かれんが割って入ります。三人くらいまでは何とかなるブンビー。また声。こまち。まだ何とか頑張れるブンビー。もう来ないだろうとタカをくくります。ギリギリ限界です。もうブンビーに余裕はありません。
「それはどうかしら?」と口をそろえて現れるのぞみとくるみ。ふと思ったんだけど、カレー屋の宣伝手伝わなくてもみんなで食べに行けばいいんじゃない?
小出しに出てくるな!まとめで出て来い!と苦情を言うブンビー。もう一杯一杯だな。全員相手に出来ない敵幹部ってどんだけ情けないんだ。怪人体になってまとめてか相手をしてやる、とホシイナーをチラシに憑依させます。変身。うららだけエプロン仕様です。
先手を打つホシイナー。地面が割れます。このままここを戦場にするとカレー屋に被害が出かねません。使える男シロップがみんなを乗せて飛びます。
みんなで押しかけてごめん、と謝るドリーム。レモネードは上手くいかず不安だったのでみんなが来てくれてうれしいと言います。ココとナッツも来ています。武器担当。
ホシイナーが空を飛んで追ってきます。攻撃を受けたシロップは不時着します。
ホシイナーと戦う4人。ブンビーはレモネードを相手します。お前たちはいつも大勢で向かってくが一人では何も出来ないのだろ?と問います。むしろ、お前は全員を相手に出来ないのだろう?と聞いていいですか?
「お前らは組織に属していた方がいいのだよ、このカレーショップも同じこと」落ちていたチラシを握り潰すブンビー。「独立して一人で何かをするなんて無駄だということだ」握りつぶしたチラシを捨てます。
ドリームが違う!と言います。一人の力は小さくても、一生懸命頑張っている姿を見たら周りは何とかしたくなるとルージュ。どんなに小さな力でも一人が動きだすことで初めて大きな流れを作り出すとアクア。何かを変える大きな流れを、レモネードのしたことは無駄ではない、とミントとドリームが言います。言いだしっぺは大事です。みんなそれと分かっていても中々言い出せず、やろうとはしません。
ホシイナーは分裂して5体になりプリキュアを捕縛します。勝ち誇るブンビー。しかし一人足りないことに気付きます。ローズがブンビーの相手をします。ブンビーはローズにボコボコにされるイメージがあります。
ホシイナーから脱出したプリキュアにフルーレを授けるココ。ホシイナーを丸呑みする巨大薔薇。ブンビーもカレー屋やるのやめた、と撤退します。喫茶店やればいいんじゃないかな、お茶がはいりましたよーって。
④日の差すところ
カレーを食べるのぞみ達。ココナッツシロップも隠れて食べます。うららは一人気落ちしています。よしみとお母さんがカレーを持ってきます。遠慮しないのぞみ達。支払いはナッツハウスへ。
親父さんが来たので何も出来なかったことを謝るうらら。結局宣伝にと配ったチラシは効果がありませんでした。そんなことはない、と答える親父さん。そうです、そんなことはありません、頭を下げた格好だとスカートが心持ち上に上がるのでカメラ位置も相まって中々良い感じです。カレーお代わりするのでもう少しこの店に居ていいですか?
「こんなに大勢、お客さんを連れてきてくれたじゃないか。私の作ったカレーを美味しそうに食べてくれることが私には一番嬉しいんだ」
「みんなの笑顔を見ているとまだまだ頑張れそうな気がしてきたよ。ありがとううららちゃん」
うららも加わってカレーを食べる一堂。通りかかった人がその様子を見て舌なめずり。女子中学生を見て美味しそうな顔をするなんてなんて破廉恥な。恥を知れ。店の奥から屈強な男が出てきてつまみ出されるレベル。ああ、ちょっとなんで私がつまみ出されるんですか!?
他の人達もカレー屋の前に集まってきます。いつの間にか大勢の人達に注目を浴びるお店。日が暮れる頃にはお店はお客さんで大いに賑わっています。娘にお礼を言う親父さん。よしみにうららも笑顔で応えます。ちゃっかりのぞみ達もお店のお手伝いをしています。
⑤次回予告
「わー、もうお別れなんて寂しいわー(棒読み)」 女の戦いここに決着か。またみてねは黄色スペシャル。
○トピック
カレー好きなうららのカレーな回。日が差さなくなり斜陽になっていたカレー屋に人の笑顔でお客さんを呼び戻す話。
クラスメイト話が少ない5において、なんとうららの友達が登場。思えば一年前は友達を作らず一人で夢を叶えることを辞さなかったうららがこうも一年(作中の時間経過は不明)で変わろうとは。のぞみとの出会いはうららの人生を変えていると思います。友達を作ったうららを喜びたい。
プリキュア的問題解決方法の一つが「助けずに解決」。これってすごく変な話なんだよね。だってうららの手伝い自体に全く意味が無かったんだから。チラシなんてホシイナーにしかならなかったし、地面によく落ちているし。
少し話しを飛ばしてプリキュアには組織対個人の対立構造が表面的にあります。個人の力は小さく取るに足らないとされます。これは事実です。組織力に個人は勝てません。だからこそ組織を作ることで補い発展させることができます。では何故組織が強いかといえばそれは目的のために多数の人員が動くからです。個人の力を認めるのであれば、当然その個人の集合体である組織は個人よりも強いはずです。
では、組織化されていない、組織に属さない個人は何も出来ないのかと言えばそうではなく、今回のように何とかなっちゃいます。よしみのためにうららが動いて、うららの助けをしたいとのぞみ達は思います。うららが店の手伝いをする、という目的を作ってのぞみ達がそれを補佐したいと考えることは、ようするにそれが組織力の要です。組織であっても皆てんでバラバラに好き勝手に連携も取らずやれば非効率的で動きに矛盾も出ます。組織であるエターナルがプリキュアに勝てないのは、組織力(結束力)が無い組織と組織力がある個人の戦いの結果です。組織(エターナル)対個人(プリキュア)の戦いではなく、組織力(プリキュア)対個人力(エターナル)の構造になっています。これは前作を含めた5系の構造でもあります。組織の悪いところである権力の集中化や構成員の隷属化は敵側に付随しています。
プリキュアは組織を敵としているんだけど、結束力や組織力を否定しないどころか肯定しています。友情対独善と言えばそうなのだけど、その友情が組織力を作り個人では不可能なことを成し遂げて、王国まで復興させる助けをしています。小さいところから出発して大きいことをやるのはプリキュアのシリーズ的なお約束でもあります。(個人が宇宙を相手にしたり、地球を壊す存在にも立ち向かえたり)
話をカレー屋に戻して、プリキュアにおいて重視されるのは力ではなく、力を生み出す源にあります。友達を助けたいと思う、頑張っている人を助けたいと思う、美味しく食べてくれるのを嬉しいと思う、活力の源。だから彼女達は個人では無力であるものの、集まると強くなります。活力を与えてくれる人がいるからです。
よしみにうららが勇気を与え、うららにのぞみ達が勇気を与えます。親父さんはお客さん(のぞみ達)に励まされてうららを励まして、みんなの笑顔がみんなを動かしてカレー屋さんに笑顔が戻って、うららにも笑顔が戻るプリキュア的問題解決。プリキュアは好循環で問題を解決します。ここにおいてプリキュアは与える者ではなく、与え与えられる者、つまり普通の私達と同じ立場であり、人とはそういう相対的な、双方向的な生き物であるとも思います。なんとも人間とは面倒な生き物ですね。
①うららの友達
放課後。うららはクラスメイトのよしみに台本読みの練習に付き合ってくれるよう頼みます。頷くよしみ。ごめんね、とお礼の代わりに言ううららに、よしみはうららの芝居を誰よりも先に見られると答えます。しかしよしみは浮かない顔をしています。
下校するのぞみ達。道路に横一列で並ぶのは危ないと思います。ふとのぞみは「うららは?」と所在を尋ねます。そういえば見ないと同意するりん。お仕事で忙しいのよ、とかれん。こまちが友達と台本を読んでいる姿を見たと言います。人数が多いと情報収集も容易です。ところで、君たちは申し合わせて集まって帰っているのではなく、自然と集まって帰っているのか。
うわさをすればうらら。うららが友達を連れてやってきます。連れの友達を紹介するうらら。森田よしみちゃん。のぞみは自己紹介をしてかれん、りん、こまち、くるみを紹介します。他の人はどうかはわかりませんが、私は一辺に三人以上の名前と顔を憶えることは出来ません。とりあえず、桃色、青、茶色、緑、紫と覚えておけば間違いではありません。
大人しく遠慮深いのかだいぶかしこまって返事をするよしみ。かれんとりんは有名でしょうから紹介されなくても知ってそうです。一緒に帰ろうと誘うのぞみ。うららはカレー屋をやっているよしみの手伝いをすると言います。どうやら最近お客さんの足が遠のいているようです。
遠慮するよしみにうららは手伝わせて、と答えます。その話を聞いて何もしないわけがないのぞみ。私達もお手伝いすると言います。一蓮托生。のぞみがやると言えばみんなやります。
この展開に慣れているうららはやる気度アップでよろこびますが、初対面で先輩であるのぞみ達にまで手伝わせるわけにはいかないと遠慮するよしみ。のぞみ達を見ているとこうやって動くのは当然と思いがちですが、普通に考えれば5,6人で手伝うよと言われるのは逆に心理的に負担になります。ここで実はよしみがうららとふたりでしたいから、と思っていたりすると話が違うことになるというか、非常に複雑な人間関係になってしまうので敢えて考えないことにします。
うららはよしみの意を汲んで、のぞみ達の申し出を断り、自分とよしみちゃんで頑張ってみると言います。素直に了解するのぞみ。
エターナル。珍しく焦っているアナコンディ。書物を読み漁ります。プリキュア、ミルキィローズだけならまだしもそこにパルミエ王の力が加わると厄介な相手です。予想外の事態に対し対処を講じなくてはとブンビーの声にも気付きません。
ブンビーの声と重なって少々聞き取りにくいのですが、「このままでは私の価値が…」と言っているのが面白いところです。結果や実績を重んじる場合、それを自分が達成できなければ自分の価値を示すことができなくなり、自尊心、自信の低下になります。それを回避するために他者の価値を排他的に扱ったり(相対的に自分の価値を上げるため)、無理にでも結果を出そうとしたりします。自分の価値を実利、損得、結果、実績で認めている人は中々に大変です。かといって、自分の価値は不動で何もせずとも有るのだ、などと楽観視するのはただの怠惰と慢心です。過剰な結果主義は自分の意に叶う相手以外の他者に冷徹になりがちだし、楽観主義は他者の目を気にしません。案外両者は似ています。自分が自分に下す価値、他者が自分に下す価値を見る自分の目、その自分を他者として見る相手の目、なんとも人間とは面倒な生き物です。
前の職場でもカワリーノに無視されていたブンビー。何とかして手柄を立てなければ…いや、ここから逃げ出して転職・独立でもするか、と考えます。後者の方がいいかもしれません。このままでは巨大薔薇に喰われるか、金属で凍結されて破砕されるかのどちらかです。っていうか、そういう考え方ができるのね、この人。普通こういう敵組織に居る人の場合、存在価値が組織に属していることそのものになるので独立や離反というのはタブーです。意外とブンビーは敵側で敵側の思考なんだけど、敵組織そのものへは客観視している面があります。それだけに敵組織の歪んでいる面が見えたりするのですが、ブンビー自身の結末にも関わるかもしれません。この人、少なくとも普通に死ぬようなことはないようです。(シリーズ構成の人の言。Webラジオによる)
いっそのこと、カレー屋でもやるか、と独白するブンビー。脱サラはラーメン屋が相場かと思っていました。
②カレー屋の宣伝
カレー屋。大量のチラシ。よしみの両親を前にしてうららはこの店のファンなので宣伝すればすぐにお客さんが来ると言います。頼もしいうららに感心する両親。店の前に大きなビルが建つ前は明るくてお客さんが集まりやすかったと言います。確かに辛気臭いところでご飯は食べたくありません。うららのお手伝いを喜ぶも無理はしないでね、と話すお母さん。
ナッツハウス。話を聞いてシロップは手伝わずに帰ってきたのか!?と聞き返します。かれんはうららの気持ちは尊重するべきだと言います。見守ることも大切だと付け足すこまち。しかしシロップが言うように気にならないわけではありません。
他のお店にチラシを貼ってくれないかとお願いするうららとよしみ。しかしどこも断られてしまいます。
ガッカリするよしみに貼らせてもらえないのなら自分達で配ればいいと言ううらら。
ナッツハウスではクレープ王女がココを出汁にのぞみに見せ付けようとします。ところがのぞみはそんなことには注意も払わず考え事をしています。周囲も同じ様子。空気が重い。ココも上の空です。誰も自分の話を聞いてくれないことに泣き出すクレープ。逆に君も人の話聞く気ないからねぇ。自尊心や自慢のためのポーズなんて、他人にとってはどうでもいいことです。
なだめるココ。クレープは喉が渇いたとあっさり立ち直ります。こまちはパクトを操作して大量の本を出します。本に埋まるクレープ。意趣返しですか。間違えたと謝るこまち。
お茶が入りましたよー、とりん。この番組で「お茶が入りましたよー」と聞くと思わず吹き出しそうになるのはブンビーのせいだと思います。一つカップが多い。うららの分です。
シロップは仕事に行くとナッツハウスを出ようとします。のぞみに仕事は無いって言ってなかった?と聞かれますが思い出したと言って出て行きます。分かりやすい奴。
チラシを配るうららとよしみ。通りを歩く人達は誰も受け取ろうとはしません。シロップがチラシをうららから取って、配ります。そんな顔して配っても誰も受け取らないと言うシロップ。なんだかんだでシロップもお節介焼きです。
笑顔で配るうらら達。いやー、私でよければ10枚でも20枚でも貰っちゃうよ。
落ちたチラシを手に取るブンビー。
りんも何故かそわそわしながら店の手伝いをするので帰ると言います。これまた店の手伝いはないと聞いていたのぞみ。りんはカレーの花が届くと言います。そんな花あるのか? 花梨だと言い直すりん。あれは春の花じゃない?と言うかれん。普通の人ならそうなのか、と思うところですが花に詳しい人が居ると言い訳も面倒です。逃げるように出て行くりん。
かれんもそわそわしながら立ち上がって、カリクッタにいる両親に手紙を書くと言います。どこだそこ。カレー食った?と聞き返すのぞみ。カルカッタと言い直すかれん。これは無理がある。かれん、そのボケはかなり無茶だぞ。照れながら言い訳するかれん。こまちも立ち上がって「カレーなる門出」という小説を書くと言います。わけ分からん。カレーな小説に仕上がりそうなの、とかれんと一緒に出て行きます。カレーな小説ってどんな小説?といぶかるのぞみ。
くるみも買出しに行くといいます。今夜はカレー、と言うくるみ。のぞみもようやく気付いて後を追います。のぞみはやるときは堂々と公言するので抜け駆けとかはしないし気付きにくいのかもしれない。
ココナッツもいつもより早いけど店じまい。お前らは仕事してろ。
カレー屋。お客さんは来ません。落ち込むうららとよしみ。すぐに結果はでないと親父さんが励まします。
「おー、ここか」お客さんの声、と思いきや暗雲が立ち込めてきます。一部の人には見知った服装。うららとシロップが警戒します。ビーフカレーを注文する男性。よしみと親父さんは気付かず店へ入ります。うららとシロップは声をそろえてエターナル!と言います。目の前にいるのはブンビー。「じゃあ、シーフードカレー一つ」と答えるブンビー。ビーフカレーとシーフードとふたつも食べられるのか?
③個人と組織
やっぱりカレーキャンセルね、と言うブンビー。迷惑な奴だな。冷やかしなら帰れ。余談ですが電気屋とかに行くとよく店員が話しかけてきますが、そういうときは「冷やかしです」と答えるようにしています。
周囲を伺ったところで、お前一人か?と聞くブンビー。警戒を強めるうららとシロップ。シロップは戦力外です。都合がいい、と余裕を表すブンビーに一人ではないとりんが現れます。しかしまだ余裕があるブンビーは一人増えたところで状況は変わらないと言い返そうとしたところで、かれんが割って入ります。三人くらいまでは何とかなるブンビー。また声。こまち。まだ何とか頑張れるブンビー。もう来ないだろうとタカをくくります。ギリギリ限界です。もうブンビーに余裕はありません。
「それはどうかしら?」と口をそろえて現れるのぞみとくるみ。ふと思ったんだけど、カレー屋の宣伝手伝わなくてもみんなで食べに行けばいいんじゃない?
小出しに出てくるな!まとめで出て来い!と苦情を言うブンビー。もう一杯一杯だな。全員相手に出来ない敵幹部ってどんだけ情けないんだ。怪人体になってまとめてか相手をしてやる、とホシイナーをチラシに憑依させます。変身。うららだけエプロン仕様です。
先手を打つホシイナー。地面が割れます。このままここを戦場にするとカレー屋に被害が出かねません。使える男シロップがみんなを乗せて飛びます。
みんなで押しかけてごめん、と謝るドリーム。レモネードは上手くいかず不安だったのでみんなが来てくれてうれしいと言います。ココとナッツも来ています。武器担当。
ホシイナーが空を飛んで追ってきます。攻撃を受けたシロップは不時着します。
ホシイナーと戦う4人。ブンビーはレモネードを相手します。お前たちはいつも大勢で向かってくが一人では何も出来ないのだろ?と問います。むしろ、お前は全員を相手に出来ないのだろう?と聞いていいですか?
「お前らは組織に属していた方がいいのだよ、このカレーショップも同じこと」落ちていたチラシを握り潰すブンビー。「独立して一人で何かをするなんて無駄だということだ」握りつぶしたチラシを捨てます。
ドリームが違う!と言います。一人の力は小さくても、一生懸命頑張っている姿を見たら周りは何とかしたくなるとルージュ。どんなに小さな力でも一人が動きだすことで初めて大きな流れを作り出すとアクア。何かを変える大きな流れを、レモネードのしたことは無駄ではない、とミントとドリームが言います。言いだしっぺは大事です。みんなそれと分かっていても中々言い出せず、やろうとはしません。
ホシイナーは分裂して5体になりプリキュアを捕縛します。勝ち誇るブンビー。しかし一人足りないことに気付きます。ローズがブンビーの相手をします。ブンビーはローズにボコボコにされるイメージがあります。
ホシイナーから脱出したプリキュアにフルーレを授けるココ。ホシイナーを丸呑みする巨大薔薇。ブンビーもカレー屋やるのやめた、と撤退します。喫茶店やればいいんじゃないかな、お茶がはいりましたよーって。
④日の差すところ
カレーを食べるのぞみ達。ココナッツシロップも隠れて食べます。うららは一人気落ちしています。よしみとお母さんがカレーを持ってきます。遠慮しないのぞみ達。支払いはナッツハウスへ。
親父さんが来たので何も出来なかったことを謝るうらら。結局宣伝にと配ったチラシは効果がありませんでした。そんなことはない、と答える親父さん。そうです、そんなことはありません、頭を下げた格好だとスカートが心持ち上に上がるのでカメラ位置も相まって中々良い感じです。カレーお代わりするのでもう少しこの店に居ていいですか?
「こんなに大勢、お客さんを連れてきてくれたじゃないか。私の作ったカレーを美味しそうに食べてくれることが私には一番嬉しいんだ」
「みんなの笑顔を見ているとまだまだ頑張れそうな気がしてきたよ。ありがとううららちゃん」
うららも加わってカレーを食べる一堂。通りかかった人がその様子を見て舌なめずり。女子中学生を見て美味しそうな顔をするなんてなんて破廉恥な。恥を知れ。店の奥から屈強な男が出てきてつまみ出されるレベル。ああ、ちょっとなんで私がつまみ出されるんですか!?
他の人達もカレー屋の前に集まってきます。いつの間にか大勢の人達に注目を浴びるお店。日が暮れる頃にはお店はお客さんで大いに賑わっています。娘にお礼を言う親父さん。よしみにうららも笑顔で応えます。ちゃっかりのぞみ達もお店のお手伝いをしています。
⑤次回予告
「わー、もうお別れなんて寂しいわー(棒読み)」 女の戦いここに決着か。またみてねは黄色スペシャル。
○トピック
カレー好きなうららのカレーな回。日が差さなくなり斜陽になっていたカレー屋に人の笑顔でお客さんを呼び戻す話。
クラスメイト話が少ない5において、なんとうららの友達が登場。思えば一年前は友達を作らず一人で夢を叶えることを辞さなかったうららがこうも一年(作中の時間経過は不明)で変わろうとは。のぞみとの出会いはうららの人生を変えていると思います。友達を作ったうららを喜びたい。
プリキュア的問題解決方法の一つが「助けずに解決」。これってすごく変な話なんだよね。だってうららの手伝い自体に全く意味が無かったんだから。チラシなんてホシイナーにしかならなかったし、地面によく落ちているし。
少し話しを飛ばしてプリキュアには組織対個人の対立構造が表面的にあります。個人の力は小さく取るに足らないとされます。これは事実です。組織力に個人は勝てません。だからこそ組織を作ることで補い発展させることができます。では何故組織が強いかといえばそれは目的のために多数の人員が動くからです。個人の力を認めるのであれば、当然その個人の集合体である組織は個人よりも強いはずです。
では、組織化されていない、組織に属さない個人は何も出来ないのかと言えばそうではなく、今回のように何とかなっちゃいます。よしみのためにうららが動いて、うららの助けをしたいとのぞみ達は思います。うららが店の手伝いをする、という目的を作ってのぞみ達がそれを補佐したいと考えることは、ようするにそれが組織力の要です。組織であっても皆てんでバラバラに好き勝手に連携も取らずやれば非効率的で動きに矛盾も出ます。組織であるエターナルがプリキュアに勝てないのは、組織力(結束力)が無い組織と組織力がある個人の戦いの結果です。組織(エターナル)対個人(プリキュア)の戦いではなく、組織力(プリキュア)対個人力(エターナル)の構造になっています。これは前作を含めた5系の構造でもあります。組織の悪いところである権力の集中化や構成員の隷属化は敵側に付随しています。
プリキュアは組織を敵としているんだけど、結束力や組織力を否定しないどころか肯定しています。友情対独善と言えばそうなのだけど、その友情が組織力を作り個人では不可能なことを成し遂げて、王国まで復興させる助けをしています。小さいところから出発して大きいことをやるのはプリキュアのシリーズ的なお約束でもあります。(個人が宇宙を相手にしたり、地球を壊す存在にも立ち向かえたり)
話をカレー屋に戻して、プリキュアにおいて重視されるのは力ではなく、力を生み出す源にあります。友達を助けたいと思う、頑張っている人を助けたいと思う、美味しく食べてくれるのを嬉しいと思う、活力の源。だから彼女達は個人では無力であるものの、集まると強くなります。活力を与えてくれる人がいるからです。
よしみにうららが勇気を与え、うららにのぞみ達が勇気を与えます。親父さんはお客さん(のぞみ達)に励まされてうららを励まして、みんなの笑顔がみんなを動かしてカレー屋さんに笑顔が戻って、うららにも笑顔が戻るプリキュア的問題解決。プリキュアは好循環で問題を解決します。ここにおいてプリキュアは与える者ではなく、与え与えられる者、つまり普通の私達と同じ立場であり、人とはそういう相対的な、双方向的な生き物であるとも思います。なんとも人間とは面倒な生き物ですね。
第32話「小さな小さな大冒険!」
○今週の出来事
①百井のマジック
珍しくアバンでエターナル。ムカーディアはパクトに似たものを作り出します。もう手に入れたのかと驚いて凝視するブンビー。ちょっと細部が違います。わざと似ているけど違うものを作ったと説明するムカーディア。プリキュア達の誰が持っているのか、その上でプリキュア達の力を限りなく小さくする、と何か策を用意している様子。
類似商品にはご注意を。
前回に引き続き今回もミルキィノートでパルミエ王国と連絡を取るココ達。パパイヤはミルクのことを気にします。そういや、抜け出してきているようなかっこうになっているんだな。次期国王を補佐するために準お世話役が付いている、というのは名目上成り立ちます。
王国復興の進捗について尋ねるナッツ。資料を準備するパパイヤ。何気なく見えますが、これは国家機密の重要な会議です。恐らく復興予算などについてこの後協議したと思われます。ミルクはナッツハウスの店番をするため席を抜けます。ナッツハウスの経営も王国の重要な事業のひとつです。水無月家に家賃を払わないといけません。
お店の方ではりん達が掃除をしています。そこに男性が尋ねてきます。見覚えがある身なり。のぞみ達も相手が以前かれんの別荘で会った百井だと気付きます。偶然ですね、と白々しく言う百井。明らかに意図的です。偶然を装った出会いにはご注意を。
また道に迷っているんですか?と聞くかれん。あーそれ面白いね、毎回道に迷って登場。方向音痴すぎる。近くの店でマジックショーをすると答える百井。以前会ったときに花を出しましたが手品師だったようです。まー、エターナルの能力を考えると確かにマジックだよなぁ。
手品を見たいとせがむのぞみとうらら。こまちは急いでいるのでは?と気にしますが、百井はリハーサルのつもりで、と引き受けます。全くどうでもいいのですが、のぞみ達の着ているユニフォーム、これ顔のアップシーンだと襟元しか見えないのですが、フリルがついているせいか、アップシーンだけで見るとドレスかフリフリの服着ているかのような気がするので何か可愛く見えます。
小道具を使うとパクトに似たものを出す百井。ローズパクト?と驚くのぞみ。百井は鋭くその言葉に注意を払います。形状は似ていますが別物です。表記上面倒なので百井の持っているものは「パタト」と表記します。類似商品は名前も紛らわしい。
小道具作りの参考にしたいので見せて欲しいと頼む百井。ここには無いと答えるかれん。気を取り直してマジックを始めます。パタトを開けたときに想像を絶することが起きると言う百井。箱をよーく見てください、と注目させます。間。漂う緊張。期待。その前にちょっとトイレ。ずっこける一同。うららとくるみは豪快にずっこけています。こまちとかれんはちょっと控えめです。非常に重要な話ですが、くるみの太ももが素敵だと思います。
のぞみに案内され奥のトイレに行く百井。緊張しているんだね、とりん。前回の「またみてね」の元ネタでしょうがくるみの表情が面白い。パタトに視線を戻して何が起こるのだろうと期待するのぞみとうらら。くるみは手品なのだから種がある、と冷静です。ミルクからくるみになれることを考えれば大抵の手品は霞んで見えます。
待ちかねたのぞみはパタトを手にとって開けてしまいます。眩い光が辺りを包み込みます。奥へ通じる扉からこっそりと様子を伺っていた百井。のぞみ達の行動を読んでいたようです。
のぞみ達は気づくと小さくなっています。これ本当にマジック?いや、どう見てもエターナルの仕業だと思います。くるみはのぞみの軽率な行動を責めます。百井が戻ってきます。しかしのぞみ達に気付きません(気付かない振り)。このためにわざとトイレに行ったようです。
ココとナッツが店に戻ってきます。自己紹介する百井。パクトにそっくりなパタトを見せます。のぞみ達の姿が見当たらないのはもしかしてパタトに似たものを取りに行ったのでは?と百井。むやみに見せるものじゃないし、持っているのはシロップと答えるココ。ナッツが失言を認めて制しますが遅い。さらにシロップまでやってきます。パタトに気付きますがバッタもんだと気付きます。慌てて本物を取り出せば完璧でしたが流石にそこまで抜けてはいません。のぞみ達が居ないというので探しに行きます。のぞみ達がシロップの後を追いかけます。百井が呼び止めますがそのまま行ってしまいます。
鳥の姿になって羽ばたくシロップ。その風に煽られて…今こそ私の能力の全てを引き出すとき! たとえ不意をつかれようと、予想できようと、目の前でスカートがヒラヒラしていたら即捕捉。無論、プリキュアでスカートの中を期待するなど素人考えもいいところです。真に重要なのは太もも(お前はどれだけ太もも好きなんだ)。通常の制服ですらミニで太ももが見えますが、さらに風で煽られてとくにうららが熱い。そしてこの番組ではめったに無いスカートを押さえるというシチュエーションのくるみ。実に素晴らしい。これこそどんなマジックや奇跡でも見ることが出来ない貴重なシーン。私はこの感動を心に刻みたい。
シロップを見失う百井。足が速いからと言うココ。飛べるからね。百井は時間がないのでナッツハウスをあとにします。パタトが置き去りです。また来るそうなので預かり。
ナッツハウスを池を挟んで正面に見据える百井。今回はチャンスをあげる、と言います。どうやらパタトのところにたどり着けば元に戻れるようです。ホシイナーを無数の極小ホシイナーに変えてその辺に捲きます。シロップの帰りを待つ百井。計画としてはパクトを持っている者を特定して、プリキュアは小さくして無力化、その隙にパクトを没収する流れでしょうか。
②小さな大冒険
飛ばされたのぞみ達は草むらの中に居ます。自分達が小さいので草むらといえどジャングル状態。再度のぞみを責めるくるみ。何かの鳴き声が聞こえてきます。アヒルです。しかしこの場合は巨大なアヒル。地響きを伴って近づいてきます。逃げ出すのぞみ達。途中でこまちは立ち止まってまるでメルヘンの世界と感動します。ガリバーみたいな感じですね。うーん、植物には詳しくないのでよくわからないのですが、蛍袋という花かな、これ。
のん気なこまちを急いで連れて行くかれん。映画のセットみたいとたんぽぽの葉に寝そべるうらら。こっちはのん気どころか遊んでいます。猫が来たので退散。なんとかバラけずにまとまって逃げます。
また地響き。今度は犬です。ココナッツを発見して大声を出しますが声は届かないようです。犬に追いかけられて万事休す…のところをココが口笛を吹いて犬を呼び寄せます。飼い主の娘がやってきて犬を連れて行きます。のぞみ達が見つからないココナッツ。何も気配を感じません。この人達の能力が役立つことってあるんだろうか。のぞみ達の頑張りも空しくココナッツは気付かずに行ってしまいます。
ガッカリするのぞみですが、目の前にある飴玉を見つけて走りよって「いただきます」と抱きつきます。「落ちているもの食べないの!」とりんから注意を受けるのぞみ。君は子どもか。…子どもだな。のぞみの軽率な行動に反省しているの!?と口を酸っぱくするくるみ。傍目には遊んでいるように見えます。
のぞみのドジに振り回されるのはこりごりだと言うくるみ。それは言いすぎだとフォローに入るりん。こまちはこのシチュエーションは小説のネタになると唐突に言います。君も楽しそうだな。そんなことを言っている場合ではないと突っ込むかれん。のぞみ・うらら・こまちは積極的なボケなので注意が必要です。かれんはそのボケをさらにボケる人です。くるみはこんな人達と一緒にいるのは嫌、と嫌気が差します。その言葉に腹を立てるりん。確かにこの状況とこの人達に耐えられるには相当の胆力が必要です。この5人はすでに慣れてしまっていると見てよいでしょう。極端な話、のぞみは落とし穴に自分で入ってそこでトランポリンを見つけて脱出してしかもそれでゴールするような人です。ただし他者の助力を必要としますが。
険悪なムードになってきたのでのぞみとうららも話に加わりナッツハウスを目指すことにします。
ようやくナッツハウスの前までたどり着くのぞみ達。この状態でエターナルが攻めてきたら大変です。
軍勢が行進する音。蟻ホシイナーの大群。言っているそばから大変です。
③小さな大乱闘
蟻達に取り囲まれるのぞみ達。変身です。変身しても大きさは変わりません。しかし、このホシイナー後ろから見てもこっちを見ているような感じで嫌だなぁ。実際見えているんだろうか。
ホシイナーの大群に挑むプリキュア達。個々の戦闘力はたいしたことがないようなので数体纏めてでも苦戦はしません。しかし減ることなく出てきて周囲を取り囲まれてしまいます。それでもやるしかありません。再び躍り出るプリキュア。レモネードの前転カッコイイ。アクアの手刀はそのままホシイナーを斬れそうです。ホシイナー達をばったばったとなぎ倒すプリキュアカッコイイ。
各個撃破を進めますがキリがありません。範囲攻撃が出来る必殺技があれば有効ですが、生憎持ち合わせていません。レモネードがピンチになったり、ドリームとローズが息合わなかったり、アクアが倒したホシイナーがミントに倒れてきたりと段々連携が取れなくなっていきます。そうしているうちにドリーム以外が捕われてしまいます。レモネードが連れて行かれます。やっぱりはじけるレモンの香りだけに蟻の本能をくすぐるものがあるのでしょうか。
レモネードはお菓子じゃない!と言うドリームは自分の言葉に気付きます。ホシイナーの包囲網を突破して単身移動するドリーム。自分が招いた状況だけに自分で何とかしなければいけません。ルージュ達も連れて行かれそうになります。ドリームが先ほど見つけた飴玉を抱えてホシイナーをおびき寄せます。
「(飴が)ホシイナー」持っていたローズ達を手放しドリームを追いかけるホシイナー達。ホシイナーは素体の習性を引きずる傾向があります。逃げるドリームは躓いて追いつかれてしまいます。完全に包囲されるドリーム。仲間を逃がすために自らが餌となるドリーム。ホシイナーが眼前に迫ります。怖いなー(それ前作の敵)。
ローズがホシイナーに蹴りつけながらやってきます。砲弾のように土煙を上げて登場。カッコイイ。
「もう、どうしてそう後先考えず無茶ばっかりするのよ、つい助けたくなっちゃうでしょ」
ローズがめっちゃ可愛いんですが。
ルージュとアクアも突入。
「しょうがないでしょ、それがドリームなんだから」
「そうよね」
アローとストライクで複数纏めて倒します。ソーサーとチェーンもばったばったとホシイナーを倒します。包囲されていたドリームを救出します。
ホシイナーが集まって巨大な蟻になります。むしろ手間が省けて好都合。ブリザードで殲滅します。
敵は倒したものの元の姿には戻りません。ローズもミルクの姿に戻ってしまいます。
④ゴール
シロップがナッツハウスに戻ってきます。のぞみ達は見つかりませんでした。置いてあったパタトを持って開けるシロップ。光が出て外に居たのぞみ達が元に戻ります。のぞみとりんがハイタッチ。うらら残念。
のぞみ達が元に戻ったことを知る百井。今回はこのまま撤退します。
のぞみ達が帰ってきます。散々探していたシロップが悪態を付きます。くるみはシロップのせいで吹き飛ばされたと言い返します。何のことだか分からないシロップ。いや、シロップ、君は非常にいい仕事をした。一世一代の素晴らしい仕事だった。誇っていい。
マジックで小さくなっていたと話すかれん。だからそれマジックじゃないだろ。のん気に凄いマジックだったと話すこまち。うららも特撮映画みたい、と楽しそうです。
のぞみは何故蟻のホシイナーが出てきたのか疑問に思います。お、鋭い。通常であれば極小サイズの蟻ホシイナーなど戦力になりません。まるで小さくなったのぞみ達を狙ったかのような相手です。
⑤次回予告
うららに友達が! うららと言えば黄色、黄色といえばカレー。
○トピック
初戦では戦力分析、今回はパクトの持ち主調査とプリキュアの戦力を極小化と知性派なムカーディア。必殺技が利かないイソーギン・ヤドカーンとは別な意味で手ごわい。作戦がほぼ無効化されているシビレッタはそろそろ寿命が心配です。ブンビーはネタキャラなので死ぬ気配がありません。
今作で人間化しているくるみとのぞみ達の関係はすっかり仲良しというわけではないようです。
のぞみ達5人を見ればもはや一個のチームとして完全に機能しています。のぞみがどんなにドジをやって巻き込まれても、しょうがないなーと許容するでしょう。のぞみの性格と行動は表裏一体だからです。なんにでも興味を抱いて首を突っ込むことがドジに繋がる反面、それが人助けや解決への糸口になることも少なくありません。それをフォローすればいいと他の4人は知っています。今回の話も同じでドリームが単身無茶をしつつもそのおかげで助かり、助け返すことで全体として解決されています。
かと言って、のぞみの性格や行動が全部許容されてしかるべき、というわけではないだろうと思います。個人的には許容したいところですが、それはのぞみの長所が欠点を大きく上回っているからです。
のぞみの欠点を指摘する役目はりんとくるみが負っていますが、りんは上述のとおりチームとして入っているので許容傾向にあります。くるみは「プリキュア」でもなく幼馴染でもなく、職責もあるしっかりした性格の一個人としてのぞみとは距離を置いています。今回は「こんな人達」とチームとも距離を置いています。今回のくるみのセリフはこの作品にしてはちょいキツめのセリフです。戦闘で助けに入るところにかかっているとしても、距離感を感じさせます。ミルクだったときはプリキュアに保護されるに近い形で接していましたが、実際に人間の姿となって一緒に行動することで長所や欠点がより明確にくるみには見えるようになっていると思います(視聴者としてもくるみの意見はもっともだと思われる)。
んじゃ、これも5人がそうなったように、くるみも5人の輪に入って仲良くなればいいのか、と言えば最終的にはそうだとしても、個人的にはワンクッション置いて欲しいと思っています。それはくるみが「プリキュアではない」ってことがそうであるように、のぞみ達と立場的にも性格的にも距離を置いた上での関係を見てみたいからです。突き詰めればのぞみ達だって別人格で夢も違います。結局は全員バラバラです。それを結び付けているものがあるだけです。それを見たいんですね。結び付けているのが何で、それが何で作り上げられるのか、その結果として何が変わるのか。この作品はそれに特化していると言って過言ではないので。
のぞみとくるみは水と油ほどに性格の違いがあるんだけど、それが本当に結びつくとき、のぞみは性格的に受け入れるのが難しくないので彼女の受容性が最大限に発揮されて、くるみが完全にのぞみの人格を受け入れたとき、それが赤い薔薇と青い薔薇が本当に一つになるときなんじゃないのかな、と思ったり。良い意味でこの予想を裏切って欲しいです。プリキュアには良い意味で裏切られたことしか記憶にありませんが。
①百井のマジック
珍しくアバンでエターナル。ムカーディアはパクトに似たものを作り出します。もう手に入れたのかと驚いて凝視するブンビー。ちょっと細部が違います。わざと似ているけど違うものを作ったと説明するムカーディア。プリキュア達の誰が持っているのか、その上でプリキュア達の力を限りなく小さくする、と何か策を用意している様子。
類似商品にはご注意を。
前回に引き続き今回もミルキィノートでパルミエ王国と連絡を取るココ達。パパイヤはミルクのことを気にします。そういや、抜け出してきているようなかっこうになっているんだな。次期国王を補佐するために準お世話役が付いている、というのは名目上成り立ちます。
王国復興の進捗について尋ねるナッツ。資料を準備するパパイヤ。何気なく見えますが、これは国家機密の重要な会議です。恐らく復興予算などについてこの後協議したと思われます。ミルクはナッツハウスの店番をするため席を抜けます。ナッツハウスの経営も王国の重要な事業のひとつです。水無月家に家賃を払わないといけません。
お店の方ではりん達が掃除をしています。そこに男性が尋ねてきます。見覚えがある身なり。のぞみ達も相手が以前かれんの別荘で会った百井だと気付きます。偶然ですね、と白々しく言う百井。明らかに意図的です。偶然を装った出会いにはご注意を。
また道に迷っているんですか?と聞くかれん。あーそれ面白いね、毎回道に迷って登場。方向音痴すぎる。近くの店でマジックショーをすると答える百井。以前会ったときに花を出しましたが手品師だったようです。まー、エターナルの能力を考えると確かにマジックだよなぁ。
手品を見たいとせがむのぞみとうらら。こまちは急いでいるのでは?と気にしますが、百井はリハーサルのつもりで、と引き受けます。全くどうでもいいのですが、のぞみ達の着ているユニフォーム、これ顔のアップシーンだと襟元しか見えないのですが、フリルがついているせいか、アップシーンだけで見るとドレスかフリフリの服着ているかのような気がするので何か可愛く見えます。
小道具を使うとパクトに似たものを出す百井。ローズパクト?と驚くのぞみ。百井は鋭くその言葉に注意を払います。形状は似ていますが別物です。表記上面倒なので百井の持っているものは「パタト」と表記します。類似商品は名前も紛らわしい。
小道具作りの参考にしたいので見せて欲しいと頼む百井。ここには無いと答えるかれん。気を取り直してマジックを始めます。パタトを開けたときに想像を絶することが起きると言う百井。箱をよーく見てください、と注目させます。間。漂う緊張。期待。その前にちょっとトイレ。ずっこける一同。うららとくるみは豪快にずっこけています。こまちとかれんはちょっと控えめです。非常に重要な話ですが、くるみの太ももが素敵だと思います。
のぞみに案内され奥のトイレに行く百井。緊張しているんだね、とりん。前回の「またみてね」の元ネタでしょうがくるみの表情が面白い。パタトに視線を戻して何が起こるのだろうと期待するのぞみとうらら。くるみは手品なのだから種がある、と冷静です。ミルクからくるみになれることを考えれば大抵の手品は霞んで見えます。
待ちかねたのぞみはパタトを手にとって開けてしまいます。眩い光が辺りを包み込みます。奥へ通じる扉からこっそりと様子を伺っていた百井。のぞみ達の行動を読んでいたようです。
のぞみ達は気づくと小さくなっています。これ本当にマジック?いや、どう見てもエターナルの仕業だと思います。くるみはのぞみの軽率な行動を責めます。百井が戻ってきます。しかしのぞみ達に気付きません(気付かない振り)。このためにわざとトイレに行ったようです。
ココとナッツが店に戻ってきます。自己紹介する百井。パクトにそっくりなパタトを見せます。のぞみ達の姿が見当たらないのはもしかしてパタトに似たものを取りに行ったのでは?と百井。むやみに見せるものじゃないし、持っているのはシロップと答えるココ。ナッツが失言を認めて制しますが遅い。さらにシロップまでやってきます。パタトに気付きますがバッタもんだと気付きます。慌てて本物を取り出せば完璧でしたが流石にそこまで抜けてはいません。のぞみ達が居ないというので探しに行きます。のぞみ達がシロップの後を追いかけます。百井が呼び止めますがそのまま行ってしまいます。
鳥の姿になって羽ばたくシロップ。その風に煽られて…今こそ私の能力の全てを引き出すとき! たとえ不意をつかれようと、予想できようと、目の前でスカートがヒラヒラしていたら即捕捉。無論、プリキュアでスカートの中を期待するなど素人考えもいいところです。真に重要なのは太もも(お前はどれだけ太もも好きなんだ)。通常の制服ですらミニで太ももが見えますが、さらに風で煽られてとくにうららが熱い。そしてこの番組ではめったに無いスカートを押さえるというシチュエーションのくるみ。実に素晴らしい。これこそどんなマジックや奇跡でも見ることが出来ない貴重なシーン。私はこの感動を心に刻みたい。
シロップを見失う百井。足が速いからと言うココ。飛べるからね。百井は時間がないのでナッツハウスをあとにします。パタトが置き去りです。また来るそうなので預かり。
ナッツハウスを池を挟んで正面に見据える百井。今回はチャンスをあげる、と言います。どうやらパタトのところにたどり着けば元に戻れるようです。ホシイナーを無数の極小ホシイナーに変えてその辺に捲きます。シロップの帰りを待つ百井。計画としてはパクトを持っている者を特定して、プリキュアは小さくして無力化、その隙にパクトを没収する流れでしょうか。
②小さな大冒険
飛ばされたのぞみ達は草むらの中に居ます。自分達が小さいので草むらといえどジャングル状態。再度のぞみを責めるくるみ。何かの鳴き声が聞こえてきます。アヒルです。しかしこの場合は巨大なアヒル。地響きを伴って近づいてきます。逃げ出すのぞみ達。途中でこまちは立ち止まってまるでメルヘンの世界と感動します。ガリバーみたいな感じですね。うーん、植物には詳しくないのでよくわからないのですが、蛍袋という花かな、これ。
のん気なこまちを急いで連れて行くかれん。映画のセットみたいとたんぽぽの葉に寝そべるうらら。こっちはのん気どころか遊んでいます。猫が来たので退散。なんとかバラけずにまとまって逃げます。
また地響き。今度は犬です。ココナッツを発見して大声を出しますが声は届かないようです。犬に追いかけられて万事休す…のところをココが口笛を吹いて犬を呼び寄せます。飼い主の娘がやってきて犬を連れて行きます。のぞみ達が見つからないココナッツ。何も気配を感じません。この人達の能力が役立つことってあるんだろうか。のぞみ達の頑張りも空しくココナッツは気付かずに行ってしまいます。
ガッカリするのぞみですが、目の前にある飴玉を見つけて走りよって「いただきます」と抱きつきます。「落ちているもの食べないの!」とりんから注意を受けるのぞみ。君は子どもか。…子どもだな。のぞみの軽率な行動に反省しているの!?と口を酸っぱくするくるみ。傍目には遊んでいるように見えます。
のぞみのドジに振り回されるのはこりごりだと言うくるみ。それは言いすぎだとフォローに入るりん。こまちはこのシチュエーションは小説のネタになると唐突に言います。君も楽しそうだな。そんなことを言っている場合ではないと突っ込むかれん。のぞみ・うらら・こまちは積極的なボケなので注意が必要です。かれんはそのボケをさらにボケる人です。くるみはこんな人達と一緒にいるのは嫌、と嫌気が差します。その言葉に腹を立てるりん。確かにこの状況とこの人達に耐えられるには相当の胆力が必要です。この5人はすでに慣れてしまっていると見てよいでしょう。極端な話、のぞみは落とし穴に自分で入ってそこでトランポリンを見つけて脱出してしかもそれでゴールするような人です。ただし他者の助力を必要としますが。
険悪なムードになってきたのでのぞみとうららも話に加わりナッツハウスを目指すことにします。
ようやくナッツハウスの前までたどり着くのぞみ達。この状態でエターナルが攻めてきたら大変です。
軍勢が行進する音。蟻ホシイナーの大群。言っているそばから大変です。
③小さな大乱闘
蟻達に取り囲まれるのぞみ達。変身です。変身しても大きさは変わりません。しかし、このホシイナー後ろから見てもこっちを見ているような感じで嫌だなぁ。実際見えているんだろうか。
ホシイナーの大群に挑むプリキュア達。個々の戦闘力はたいしたことがないようなので数体纏めてでも苦戦はしません。しかし減ることなく出てきて周囲を取り囲まれてしまいます。それでもやるしかありません。再び躍り出るプリキュア。レモネードの前転カッコイイ。アクアの手刀はそのままホシイナーを斬れそうです。ホシイナー達をばったばったとなぎ倒すプリキュアカッコイイ。
各個撃破を進めますがキリがありません。範囲攻撃が出来る必殺技があれば有効ですが、生憎持ち合わせていません。レモネードがピンチになったり、ドリームとローズが息合わなかったり、アクアが倒したホシイナーがミントに倒れてきたりと段々連携が取れなくなっていきます。そうしているうちにドリーム以外が捕われてしまいます。レモネードが連れて行かれます。やっぱりはじけるレモンの香りだけに蟻の本能をくすぐるものがあるのでしょうか。
レモネードはお菓子じゃない!と言うドリームは自分の言葉に気付きます。ホシイナーの包囲網を突破して単身移動するドリーム。自分が招いた状況だけに自分で何とかしなければいけません。ルージュ達も連れて行かれそうになります。ドリームが先ほど見つけた飴玉を抱えてホシイナーをおびき寄せます。
「(飴が)ホシイナー」持っていたローズ達を手放しドリームを追いかけるホシイナー達。ホシイナーは素体の習性を引きずる傾向があります。逃げるドリームは躓いて追いつかれてしまいます。完全に包囲されるドリーム。仲間を逃がすために自らが餌となるドリーム。ホシイナーが眼前に迫ります。怖いなー(それ前作の敵)。
ローズがホシイナーに蹴りつけながらやってきます。砲弾のように土煙を上げて登場。カッコイイ。
「もう、どうしてそう後先考えず無茶ばっかりするのよ、つい助けたくなっちゃうでしょ」
ローズがめっちゃ可愛いんですが。
ルージュとアクアも突入。
「しょうがないでしょ、それがドリームなんだから」
「そうよね」
アローとストライクで複数纏めて倒します。ソーサーとチェーンもばったばったとホシイナーを倒します。包囲されていたドリームを救出します。
ホシイナーが集まって巨大な蟻になります。むしろ手間が省けて好都合。ブリザードで殲滅します。
敵は倒したものの元の姿には戻りません。ローズもミルクの姿に戻ってしまいます。
④ゴール
シロップがナッツハウスに戻ってきます。のぞみ達は見つかりませんでした。置いてあったパタトを持って開けるシロップ。光が出て外に居たのぞみ達が元に戻ります。のぞみとりんがハイタッチ。うらら残念。
のぞみ達が元に戻ったことを知る百井。今回はこのまま撤退します。
のぞみ達が帰ってきます。散々探していたシロップが悪態を付きます。くるみはシロップのせいで吹き飛ばされたと言い返します。何のことだか分からないシロップ。いや、シロップ、君は非常にいい仕事をした。一世一代の素晴らしい仕事だった。誇っていい。
マジックで小さくなっていたと話すかれん。だからそれマジックじゃないだろ。のん気に凄いマジックだったと話すこまち。うららも特撮映画みたい、と楽しそうです。
のぞみは何故蟻のホシイナーが出てきたのか疑問に思います。お、鋭い。通常であれば極小サイズの蟻ホシイナーなど戦力になりません。まるで小さくなったのぞみ達を狙ったかのような相手です。
⑤次回予告
うららに友達が! うららと言えば黄色、黄色といえばカレー。
○トピック
初戦では戦力分析、今回はパクトの持ち主調査とプリキュアの戦力を極小化と知性派なムカーディア。必殺技が利かないイソーギン・ヤドカーンとは別な意味で手ごわい。作戦がほぼ無効化されているシビレッタはそろそろ寿命が心配です。ブンビーはネタキャラなので死ぬ気配がありません。
今作で人間化しているくるみとのぞみ達の関係はすっかり仲良しというわけではないようです。
のぞみ達5人を見ればもはや一個のチームとして完全に機能しています。のぞみがどんなにドジをやって巻き込まれても、しょうがないなーと許容するでしょう。のぞみの性格と行動は表裏一体だからです。なんにでも興味を抱いて首を突っ込むことがドジに繋がる反面、それが人助けや解決への糸口になることも少なくありません。それをフォローすればいいと他の4人は知っています。今回の話も同じでドリームが単身無茶をしつつもそのおかげで助かり、助け返すことで全体として解決されています。
かと言って、のぞみの性格や行動が全部許容されてしかるべき、というわけではないだろうと思います。個人的には許容したいところですが、それはのぞみの長所が欠点を大きく上回っているからです。
のぞみの欠点を指摘する役目はりんとくるみが負っていますが、りんは上述のとおりチームとして入っているので許容傾向にあります。くるみは「プリキュア」でもなく幼馴染でもなく、職責もあるしっかりした性格の一個人としてのぞみとは距離を置いています。今回は「こんな人達」とチームとも距離を置いています。今回のくるみのセリフはこの作品にしてはちょいキツめのセリフです。戦闘で助けに入るところにかかっているとしても、距離感を感じさせます。ミルクだったときはプリキュアに保護されるに近い形で接していましたが、実際に人間の姿となって一緒に行動することで長所や欠点がより明確にくるみには見えるようになっていると思います(視聴者としてもくるみの意見はもっともだと思われる)。
んじゃ、これも5人がそうなったように、くるみも5人の輪に入って仲良くなればいいのか、と言えば最終的にはそうだとしても、個人的にはワンクッション置いて欲しいと思っています。それはくるみが「プリキュアではない」ってことがそうであるように、のぞみ達と立場的にも性格的にも距離を置いた上での関係を見てみたいからです。突き詰めればのぞみ達だって別人格で夢も違います。結局は全員バラバラです。それを結び付けているものがあるだけです。それを見たいんですね。結び付けているのが何で、それが何で作り上げられるのか、その結果として何が変わるのか。この作品はそれに特化していると言って過言ではないので。
のぞみとくるみは水と油ほどに性格の違いがあるんだけど、それが本当に結びつくとき、のぞみは性格的に受け入れるのが難しくないので彼女の受容性が最大限に発揮されて、くるみが完全にのぞみの人格を受け入れたとき、それが赤い薔薇と青い薔薇が本当に一つになるときなんじゃないのかな、と思ったり。良い意味でこの予想を裏切って欲しいです。プリキュアには良い意味で裏切られたことしか記憶にありませんが。
第31話「ミルキィローズ新たなる力!」
○今週の出来事
①ナッツの悩み
復興再建中のパルミエ王国。復興も進んでだいぶ形になってきました。お世話役のパパイヤはパルミエの木も育ち実がなったことをココ様達に見せたいと呟きます。すると空中にモニターが現れてココとミルクの姿が現れます。びっくり仰天なパパイヤ。
新商品(税抜き定価1万円)のミルキィノートを使って連絡をとるココ達。画面にのぞみとうららも写ります。流石うらら、挨拶をするふりしてのぞみの隣キープ。ナッツが作ったと説明するミルク。当の本人はみんなと離れたところで一人ポツンと座っています。
いつでも連絡がとれるようになって喜ぶパルミエ国民とシロップ。シロップの喜びようにりんがツッコミます。めでたいから、とぎこちなく答えるシロップ。そんな照れなくてもいいのに。なんだ、君もついに人の喜びを分かち合えるようになったというわけだね。
のぞみはクレープ王女も起こしてあげようと言いますが、かれんがこの前力を使ったのでこのまま休ませておこうと制します。流石医者志望。ちなみにもし起こしたら、そのままココとの婚約会見を開いてパルミエ・クレープ連合構想まで言いかねません。
こまちやミルクに促されて国民の前に出るナッツ。みんな元気か?と問いかけます。問うている本人に元気がありません。国民達はナッツの姿を見れて喜んでいます。しかしナッツには満たされない何かがあります。
部屋にこもって本を読みふけるナッツ。その表情は何かを無理やり補填しようとしているような焦りと悔しさを感じさせます。
お茶の時間で豆大福も用意していますが、そこにも姿を現しません。ココ曰く夜も寝ずに本を読んでいるそうです。店も閉店状態です。水無月家へ家賃が払えるか心配です。
ナッツを心配するみんなをよそにくるみはもくもくとノートを操作してパルミエと連絡をとります。シロップはノリノリでココに促します。乗り気なシロップを不審がるりんとうらら。何か裏がありそうです。
ココ様に迷惑がかかるとくるみを怒りつけるパパイヤ。ナッツが部屋にやってきたのでくるみはナッツにノートを差し出します。仏頂面で見返すナッツ。さらに薦めようとするくるみに「俺はいい!」とつっぱねます。一気に場の空気が固まります。立ち去るナッツ。
エターナル。お茶がはいりましたよ~といつものブンビーさんの声。アナコンディは前回の館長やシビレッタの言葉を思い返します。簡単に言うとフローラで頭いっぱいな館長はパクトを欲しています。そこにアナコンディ個人が入る余地はありません。館長のことで頭いっぱいなアナコンディ。一方通行のディスコミュニケーションは孤独感と焦りと行き場の無い怒りを想起しやすい。
そんな状況で部屋に入ってくるブンビー。入ったとたん大後悔です。すでにアナコンディの頭はうにょうにょ状態。逃げようとするブンビーにパクトの首尾を尋ねるアナコンディ。もちろん持っているわけがありません。他の者についても尋ねるアナコンディにシビレッタは山へ芝刈りに、ムカーディアは川へ洗濯に、ヤドイソは…目が怖い、全然分からないと正直に言うブンビー。使えない部下にしびれを切らせたアナコンディは自ら部屋を出て行きます。
一人残されたブンビーはほっとしてアナコンディのために持ってきたお茶を飲みます。「あら、美味い」あんたはこの職場に向かないよ。
書店で本を大量に買うナッツ。。本を抱えたナッツにココは声をかけます。
ベンチに腰掛けて、みんなが心配していると話すココ。ナッツは本を早く読み終えたいと聞く耳を持ちません。ノートを自分で動かせなかったことを気にしているのか?と単刀直入に聞くココ。器を作ったに過ぎない、と自分の無力さを悔いやむナッツ。ココは王冠の力を発動させています。しかしナッツは何も出来ていません。様々な文献を読んで王としての務めを学ぼうとするナッツですが未だに分からないと言います。何をしたらいいのか分からないと話すナッツ。
それは自分も同じだと言うココ。ナッツが居てくれるから自分は頑張れると言います。ナッツは自分の力になってくれている、一緒に頑張ろうとナッツの肩に手を置きますが払われてしまいます。ナッツ自身も驚き、本を手にとって去っていきます。根本的な状態改善やその糸口が見つかっていない以上、同情や励ましは一層辛さを引き立たせることもあります。結果を出せているココに一緒に頑張ろうと言われても、結果を出せていないナッツにそれを快く受け止められるほどの余裕はありません。
暗雲が立ち込めてきます。アナコンディがとっても怖い笑みを浮かべてナッツを見下ろします。
②他者のために他者ができること
ナッツハウスに戻ってきたココにナッツのことを聞くくるみ。くるみなりに気を回して国民達と話が出来れば気晴らしになると考えたようです。
くるみにこまちはナッツはいつも自分達のことを考えていてくれると話します。小説の相談を例えに出します。くるみがミルクだと気付いたのもナッツ。くるみの部屋を作ったのもナッツ。かれんもうららもりんもナッツが周囲を気遣っていてくれると話します。ナッツの悩みを解決できるかは分からないけど、いつも自分達にしてくれることを今度は自分達みんなでしてあげられないだろうか?とくるみに話すこまち。先ほどのことを気に病んでいるくるみをフォローするとともに、みんなでナッツを励まそうと提案しています。
細かいところなのだけど「解決できるかは分からない」と明言しているのはポイント。プリキュアは他者の問題を解決しようとしません。あくまで他者のために動こうとするのが主であって、他者の問題を他者である自分が何とかしようとはしません。これは実はシビアな話で、問題は自分で解決しなければならない、ということと、他者のために働きかける行動力を同時に推奨しています。自分が当事者になっても、当事者の関係者であっても何かしらの行動の余地があると言っています。
今まで黙って外の様子を見ていたのぞみは、出し抜けに天気が悪いね、と言います。ナッツに傘を持って行くとけって~いします。ここに、他者のために具体的に動くことが出来、それを周囲に広めることが出来る娘が居ます。
傘を持って急ぐのぞみ達。傘が一つしかありませんが、雨が降ったら自分達はどうするのでしょうか。そこに私が傘をたまたま8人分持ってとおりかかって提供するチャンスです。ココとシロップの分も用意しております。何しろ無かった場合、じゃあ一緒に傘を使おうなどとのぞみ達から提案されては元もこうもありません。私分の傘がないのでのぞみと傘一緒ね。
あるいは、シロップに乗っけてもらうつもりなのでしょうか。「じゃあ、ナッツはこれ(傘)使ってね。私達は先にナッツハウスへ戻っているから」という感じでしょうか。
③対決!アナコンディ
のぞみ達の行く手にアナコンディが立ちふさがります。手にはボロボロに傷ついたナッツ。無造作にのぞみ達のところに放り投げます。極悪です。これは視聴者の子ども達に多いに嫌われること間違いなしです。変身です。
アナコンディはホシイナーを空中に上げ、稲妻に憑依させます。上半身が竜の姿になるホシイナー。下半身は稲妻です。めっちゃ強そうです。日本昔話のように子どもが背に乗るには勇気が要ります。
ホシイナーに応戦するプリキュア。アナコンディは自分を前にプリキュアを心配しているローズを攻撃します。ホシイナーに有効打を与えられないプリキュア。アクアがレモネードに捕縛を依頼します。思惑通り動きを封じてアローで射止めます。しかしビクともしないホシイナー。術者が強力だとホシイナーも強力です。電撃を放ってくるホシイナーにソーサーで相殺。
アナコンディ相手に中長距離では手が無いので格闘戦に持ち込むローズ。攻撃を軽やかにかわしてローズを抱きとめるアナコンディ。何か艶っぽい、と思いたいところですがこの前はよくも館長の前で恥をかかせてくれたとゼロ距離でローズの額に光弾を放ちます。この人マジで容赦ないな。
ローズを心配するナッツ。ココナッツを守るのが自分の役目、と立ち上がるローズ。気力で立ち上がるのを見て「ほう」と見返すアナコンディ。やべぇ、勝てる気がしません。私なら生まれたての子鹿のように足が震えてしまいます。
ローズはブリザードを放ちます。前の戦いのときは防御されつつもそれなりにダメージは与え…られたとは思います。アナコンディは蛇のようにうねり狂う力でブリザードを相殺します。ダメージを与えるどころの話ではありません。ローズのフォローに回ろうとするドリームですがホシイナーがそれを阻みます。
ローズの力は分析済みだと話すアナコンディ。伊達に報告書書かせているわけではないようです。ルージュはストライクをホシイナーに放ちますが電撃で相殺されてしまいます。その隙をついて格闘戦に持ち込もうとするプリキュアをホシイナーは稲妻に姿を変えてプリキュアを捕縛します。その様子を冷静に見るアナコンディ。予定通りのようです。
④ナッツの力とローズの新たなる力
傷ついたローズを守ろうと前に出るココとシロップ。しかしいとも簡単にぶっ飛ばされます。戦闘力ゼロの不思議生物にはどうすることもできません。パクトが地面に落ちます。気をとられたアナコンディに肘鉄を打ち込むローズ。本性を現したスコルプに亀裂を生じさせた一撃もアナコンディの前ではたやすく防がれあしらわれてしまいます。っていうかまだ戦闘形態にすらなってないのですが、どれだけ強いんだこの人。
パクトをとりに行こうとするアナコンディの足を掴むローズ。その手を払い、パクトを没収する前に倒すと構えるアナコンディに制止の声をあげるナッツ。
何も力が無いあなたに自分を止められると思うことがさっぱり分からないと答えるアナコンディ。ココがフォローしようとしますが、プリキュアが捕縛された状況ではあなたも無力と指摘するアナコンディ。あ、フルーレ使えないんだ。
ローズは暖かい声で、自分達を見守ってくれているナッツのことが自分も国民も好きだと言います。ナッツを見たときの国民達の笑顔を言います。よろよろになってココ達のところに歩くローズ。国民達はココナッツがパルミエの王になることを望んでいて、そしてそれを守るのがローズ(ミルク)の役目。気力はあっても力及ばず膝を地面につけてしまいます。
ナッツはもういい、国王などどうでもいいと言います。自分には力が無いことを認めます。
「ただ、ナッツはいつも、どんなときでも、みんなが笑顔でいてくれればそれだけでいいナツ」
「みんなの笑顔、それだけを守りたいナツ。みんなから笑顔を奪い悲しみに変える者がいるなら、ナッツはたとえ力が無くても絶対に、絶対に立ち向かうナツ!」
ナッツから放たれた金色の光はホシイナーの力を弱めプリキュアを脱出させます。パルミエの王冠とミルキィノートが現れます。ホシイナーは空気を読んでアナコンディの後ろに退避します。準備OK。王冠を被ったナッツはやたらカッコイイBGMに乗ってミルキィミラー(税抜き定価3,500円)を召還します。
「邪悪な力を包み込む煌く薔薇を咲かせましょう!ミルキィローズ・メタル・ブリザード!」
ブリザードの上位互換必殺技。氷が金属になっただけですが、そもそもこの技はカッコイイ上にパレットがミラーに変わるシーンが追加されて熱い。メカモノだとパレットにバレルがくっ付いて火力アップ演出でしょうが、そこはスポンサーの意向で完全新規の新商品です。逆手持ちも継続しているので良い。うっかりミラーからサーベル発生しないでしょうか。
金属粒子の嵐を回避するアナコンディ。当然後ろに居たホシイナーが巻き込まれて消滅します。アナコンディも撤退。
元に塊に戻ってしまった王冠を手に取るナッツ。ココ、ローズ、プリキュアが喜びます。ナッツの顔に笑顔が戻ります。
⑤くるみの手紙
ナッツハウス。大量の手紙。くるみが書いたようです。シロップがノートを差して連絡取れるし…、と言いますがくるみは手紙も大切だと言います。そうそう、一応GoGo!の主題を補足する品だしね。「だって、私の手紙は王国の歴史に残る貴重な文献になるんだから」ちょっ、おまっ、抜けぬけと。流石くるみ、流石ミルク。美味しいところは持っていきたい、秘密のヒロインになりたい、名を残したい。いい根性しています。
パルミエ王国への配達の日々が始まると嘆くシロップ。冒頭で喜んでいたのはそのためのようです。仕事しろよ。電子メールが普及すると葉書使用者が減って経営大変になるところもあるんだからさ。パパイヤさんに手紙を書こうと言うのぞみとうらら。「僕らも書いてみちゃう?」「ああ」 Webラジオのノリが入ってないか?ココさん。
みんなでたくさん手紙を書いちゃうぞ~けって~い!
シロップの嘆きが響き渡るいつものそんな日常。
⑥次回予告
どちらかというと、私は小さくなってのぞみ達を見上げたい。ホシイナーの大群とのバトルシーンは楽しみ。くるみはおでこキャラ。
○トピック
役立たずの印象が定着していたナッツ。劇中でも役立たず扱いだから泣ける。しかしここで汚名返上、名誉挽回、商品販促のため立ち上がります。不思議生物の格好なのに語尾にナツがくっ付いているのに震えるほど熱いナッツのセリフが今までの存在感の薄さを帳消しにします。
すっかり忘れていましたが、というか女の子しか見ていないからなのですが、ココとナッツには今作では「王になる」という夢があります。夢というより責務でしょうか。前作では彼らはパルミエの復活が夢でしたが、今作はその国の王にならなければなりません。彼らにはそのための力と意志が必要となります。
王とは何か、何が人を纏め一つにするのか?というのは一旦棚上げにして、ナッツは一個人としてどうしたいかを強く想起します。みんなの笑顔を守りたい、それを阻む者がいるなら絶対に立ち向かう、と言いそれを作品的に肯定しています。この番組はあくまで子ども向けなので実際に力があるかどうは二の次になります。最も重要なことは想いであり強い意志を抱くことを第一優先にしています。その意志のもとに行動することで力は伴ってくるということなのでしょう。これは間違いではない、というか正しいことだろうと思います。継続は力なり、日々の努力は経験として蓄積されます。まずはその行動を起こすことが必要でそれを想いや意志としているのでしょう。逆に力があったとしてもその使い方を誤れば暴力や破壊に繋がっています。パクトの没収が進まないことに憤り、部下が使えないとして単身で挑むアナコンディは単体では強いですが、ローズ+ナッツの王の力に撤退を余儀なくされています。
夢を持っていてそれを実現しようとしたときに、どうすればいいのか、何が必要なのかと悩んでしまうことはよくあります。ちなみに私が今の職に就いているのは、業種としては自分が望んでいたものですが具体的にどこの会社に入るかまでは大して考えていなかったし、実際には運と成り行きと言っていいです。大学行く気無かったし手に職でもつけて働こうと工業高校に行って勉強していただけです。今の職についたときも仕事が出来るのか?と不安になったりしましたが、いざやってみればできるようになります。
楽観的に考えすぎるのもダメでしょうが、だからといって夢や役目を気負いすぎてそのプレッシャーに押しつぶされそうになったり、視野が狭くなっては結果して出来るものも出来なくなってしまうんじゃないのかな、って思います。頭の中が全部そればっかりになって本来多様な可能性や選択肢がありえたのにガンジガラめになってしまう。
未熟だっていいと思うのです。だって夢はまだ達成していないから夢なのだし、駆け出しは誰だって経験不足で半人前です。それを最初から出来る人もいるのだろうけど、生憎と大勢の普通の人達はそんな才能もなく並外れた努力もしていないでしょう。
だから、普通の人達は普通にやればいいんです。夢や理想を持って、そのために努力して、助けてくれる人達に感謝して、自分も助けて、常に前へと進んでいく気持ちを持ち続ければいいんです。ってこれが一番難しいかもしれないんだけどね。
今回、ナッツがボロボロになったり、助けようとしたローズがボロボロになったりとしましたが、この作品は基本的に倒れた仲間を見て「よくもー!」というような少年モノ的なパワーアップや逆転はしません。記憶に残っているのは前作31話の傷ついたココを見てドリームが挑みかかる話くらいでしょうか。それとてその戦いがメインではなくラストの和解に重きがあります。
どんなに大きい力が立ちはだかってもそれが間違っていて、自分達がやらねばならないことを行うためには何があっても屈しないという意志と、その意志の根拠と未来が示す光景への肯定がプリキュア達の強さになっています。憎しみや怒りが力や解決の糸口なのではなくて、未来や可能性や今を一生懸命に生きる人達への肯定を主とするこの物語の在り方は素敵です。
①ナッツの悩み
復興再建中のパルミエ王国。復興も進んでだいぶ形になってきました。お世話役のパパイヤはパルミエの木も育ち実がなったことをココ様達に見せたいと呟きます。すると空中にモニターが現れてココとミルクの姿が現れます。びっくり仰天なパパイヤ。
新商品(税抜き定価1万円)のミルキィノートを使って連絡をとるココ達。画面にのぞみとうららも写ります。流石うらら、挨拶をするふりしてのぞみの隣キープ。ナッツが作ったと説明するミルク。当の本人はみんなと離れたところで一人ポツンと座っています。
いつでも連絡がとれるようになって喜ぶパルミエ国民とシロップ。シロップの喜びようにりんがツッコミます。めでたいから、とぎこちなく答えるシロップ。そんな照れなくてもいいのに。なんだ、君もついに人の喜びを分かち合えるようになったというわけだね。
のぞみはクレープ王女も起こしてあげようと言いますが、かれんがこの前力を使ったのでこのまま休ませておこうと制します。流石医者志望。ちなみにもし起こしたら、そのままココとの婚約会見を開いてパルミエ・クレープ連合構想まで言いかねません。
こまちやミルクに促されて国民の前に出るナッツ。みんな元気か?と問いかけます。問うている本人に元気がありません。国民達はナッツの姿を見れて喜んでいます。しかしナッツには満たされない何かがあります。
部屋にこもって本を読みふけるナッツ。その表情は何かを無理やり補填しようとしているような焦りと悔しさを感じさせます。
お茶の時間で豆大福も用意していますが、そこにも姿を現しません。ココ曰く夜も寝ずに本を読んでいるそうです。店も閉店状態です。水無月家へ家賃が払えるか心配です。
ナッツを心配するみんなをよそにくるみはもくもくとノートを操作してパルミエと連絡をとります。シロップはノリノリでココに促します。乗り気なシロップを不審がるりんとうらら。何か裏がありそうです。
ココ様に迷惑がかかるとくるみを怒りつけるパパイヤ。ナッツが部屋にやってきたのでくるみはナッツにノートを差し出します。仏頂面で見返すナッツ。さらに薦めようとするくるみに「俺はいい!」とつっぱねます。一気に場の空気が固まります。立ち去るナッツ。
エターナル。お茶がはいりましたよ~といつものブンビーさんの声。アナコンディは前回の館長やシビレッタの言葉を思い返します。簡単に言うとフローラで頭いっぱいな館長はパクトを欲しています。そこにアナコンディ個人が入る余地はありません。館長のことで頭いっぱいなアナコンディ。一方通行のディスコミュニケーションは孤独感と焦りと行き場の無い怒りを想起しやすい。
そんな状況で部屋に入ってくるブンビー。入ったとたん大後悔です。すでにアナコンディの頭はうにょうにょ状態。逃げようとするブンビーにパクトの首尾を尋ねるアナコンディ。もちろん持っているわけがありません。他の者についても尋ねるアナコンディにシビレッタは山へ芝刈りに、ムカーディアは川へ洗濯に、ヤドイソは…目が怖い、全然分からないと正直に言うブンビー。使えない部下にしびれを切らせたアナコンディは自ら部屋を出て行きます。
一人残されたブンビーはほっとしてアナコンディのために持ってきたお茶を飲みます。「あら、美味い」あんたはこの職場に向かないよ。
書店で本を大量に買うナッツ。。本を抱えたナッツにココは声をかけます。
ベンチに腰掛けて、みんなが心配していると話すココ。ナッツは本を早く読み終えたいと聞く耳を持ちません。ノートを自分で動かせなかったことを気にしているのか?と単刀直入に聞くココ。器を作ったに過ぎない、と自分の無力さを悔いやむナッツ。ココは王冠の力を発動させています。しかしナッツは何も出来ていません。様々な文献を読んで王としての務めを学ぼうとするナッツですが未だに分からないと言います。何をしたらいいのか分からないと話すナッツ。
それは自分も同じだと言うココ。ナッツが居てくれるから自分は頑張れると言います。ナッツは自分の力になってくれている、一緒に頑張ろうとナッツの肩に手を置きますが払われてしまいます。ナッツ自身も驚き、本を手にとって去っていきます。根本的な状態改善やその糸口が見つかっていない以上、同情や励ましは一層辛さを引き立たせることもあります。結果を出せているココに一緒に頑張ろうと言われても、結果を出せていないナッツにそれを快く受け止められるほどの余裕はありません。
暗雲が立ち込めてきます。アナコンディがとっても怖い笑みを浮かべてナッツを見下ろします。
②他者のために他者ができること
ナッツハウスに戻ってきたココにナッツのことを聞くくるみ。くるみなりに気を回して国民達と話が出来れば気晴らしになると考えたようです。
くるみにこまちはナッツはいつも自分達のことを考えていてくれると話します。小説の相談を例えに出します。くるみがミルクだと気付いたのもナッツ。くるみの部屋を作ったのもナッツ。かれんもうららもりんもナッツが周囲を気遣っていてくれると話します。ナッツの悩みを解決できるかは分からないけど、いつも自分達にしてくれることを今度は自分達みんなでしてあげられないだろうか?とくるみに話すこまち。先ほどのことを気に病んでいるくるみをフォローするとともに、みんなでナッツを励まそうと提案しています。
細かいところなのだけど「解決できるかは分からない」と明言しているのはポイント。プリキュアは他者の問題を解決しようとしません。あくまで他者のために動こうとするのが主であって、他者の問題を他者である自分が何とかしようとはしません。これは実はシビアな話で、問題は自分で解決しなければならない、ということと、他者のために働きかける行動力を同時に推奨しています。自分が当事者になっても、当事者の関係者であっても何かしらの行動の余地があると言っています。
今まで黙って外の様子を見ていたのぞみは、出し抜けに天気が悪いね、と言います。ナッツに傘を持って行くとけって~いします。ここに、他者のために具体的に動くことが出来、それを周囲に広めることが出来る娘が居ます。
傘を持って急ぐのぞみ達。傘が一つしかありませんが、雨が降ったら自分達はどうするのでしょうか。そこに私が傘をたまたま8人分持ってとおりかかって提供するチャンスです。ココとシロップの分も用意しております。何しろ無かった場合、じゃあ一緒に傘を使おうなどとのぞみ達から提案されては元もこうもありません。私分の傘がないのでのぞみと傘一緒ね。
あるいは、シロップに乗っけてもらうつもりなのでしょうか。「じゃあ、ナッツはこれ(傘)使ってね。私達は先にナッツハウスへ戻っているから」という感じでしょうか。
③対決!アナコンディ
のぞみ達の行く手にアナコンディが立ちふさがります。手にはボロボロに傷ついたナッツ。無造作にのぞみ達のところに放り投げます。極悪です。これは視聴者の子ども達に多いに嫌われること間違いなしです。変身です。
アナコンディはホシイナーを空中に上げ、稲妻に憑依させます。上半身が竜の姿になるホシイナー。下半身は稲妻です。めっちゃ強そうです。日本昔話のように子どもが背に乗るには勇気が要ります。
ホシイナーに応戦するプリキュア。アナコンディは自分を前にプリキュアを心配しているローズを攻撃します。ホシイナーに有効打を与えられないプリキュア。アクアがレモネードに捕縛を依頼します。思惑通り動きを封じてアローで射止めます。しかしビクともしないホシイナー。術者が強力だとホシイナーも強力です。電撃を放ってくるホシイナーにソーサーで相殺。
アナコンディ相手に中長距離では手が無いので格闘戦に持ち込むローズ。攻撃を軽やかにかわしてローズを抱きとめるアナコンディ。何か艶っぽい、と思いたいところですがこの前はよくも館長の前で恥をかかせてくれたとゼロ距離でローズの額に光弾を放ちます。この人マジで容赦ないな。
ローズを心配するナッツ。ココナッツを守るのが自分の役目、と立ち上がるローズ。気力で立ち上がるのを見て「ほう」と見返すアナコンディ。やべぇ、勝てる気がしません。私なら生まれたての子鹿のように足が震えてしまいます。
ローズはブリザードを放ちます。前の戦いのときは防御されつつもそれなりにダメージは与え…られたとは思います。アナコンディは蛇のようにうねり狂う力でブリザードを相殺します。ダメージを与えるどころの話ではありません。ローズのフォローに回ろうとするドリームですがホシイナーがそれを阻みます。
ローズの力は分析済みだと話すアナコンディ。伊達に報告書書かせているわけではないようです。ルージュはストライクをホシイナーに放ちますが電撃で相殺されてしまいます。その隙をついて格闘戦に持ち込もうとするプリキュアをホシイナーは稲妻に姿を変えてプリキュアを捕縛します。その様子を冷静に見るアナコンディ。予定通りのようです。
④ナッツの力とローズの新たなる力
傷ついたローズを守ろうと前に出るココとシロップ。しかしいとも簡単にぶっ飛ばされます。戦闘力ゼロの不思議生物にはどうすることもできません。パクトが地面に落ちます。気をとられたアナコンディに肘鉄を打ち込むローズ。本性を現したスコルプに亀裂を生じさせた一撃もアナコンディの前ではたやすく防がれあしらわれてしまいます。っていうかまだ戦闘形態にすらなってないのですが、どれだけ強いんだこの人。
パクトをとりに行こうとするアナコンディの足を掴むローズ。その手を払い、パクトを没収する前に倒すと構えるアナコンディに制止の声をあげるナッツ。
何も力が無いあなたに自分を止められると思うことがさっぱり分からないと答えるアナコンディ。ココがフォローしようとしますが、プリキュアが捕縛された状況ではあなたも無力と指摘するアナコンディ。あ、フルーレ使えないんだ。
ローズは暖かい声で、自分達を見守ってくれているナッツのことが自分も国民も好きだと言います。ナッツを見たときの国民達の笑顔を言います。よろよろになってココ達のところに歩くローズ。国民達はココナッツがパルミエの王になることを望んでいて、そしてそれを守るのがローズ(ミルク)の役目。気力はあっても力及ばず膝を地面につけてしまいます。
ナッツはもういい、国王などどうでもいいと言います。自分には力が無いことを認めます。
「ただ、ナッツはいつも、どんなときでも、みんなが笑顔でいてくれればそれだけでいいナツ」
「みんなの笑顔、それだけを守りたいナツ。みんなから笑顔を奪い悲しみに変える者がいるなら、ナッツはたとえ力が無くても絶対に、絶対に立ち向かうナツ!」
ナッツから放たれた金色の光はホシイナーの力を弱めプリキュアを脱出させます。パルミエの王冠とミルキィノートが現れます。ホシイナーは空気を読んでアナコンディの後ろに退避します。準備OK。王冠を被ったナッツはやたらカッコイイBGMに乗ってミルキィミラー(税抜き定価3,500円)を召還します。
「邪悪な力を包み込む煌く薔薇を咲かせましょう!ミルキィローズ・メタル・ブリザード!」
ブリザードの上位互換必殺技。氷が金属になっただけですが、そもそもこの技はカッコイイ上にパレットがミラーに変わるシーンが追加されて熱い。メカモノだとパレットにバレルがくっ付いて火力アップ演出でしょうが、そこはスポンサーの意向で完全新規の新商品です。逆手持ちも継続しているので良い。うっかりミラーからサーベル発生しないでしょうか。
金属粒子の嵐を回避するアナコンディ。当然後ろに居たホシイナーが巻き込まれて消滅します。アナコンディも撤退。
元に塊に戻ってしまった王冠を手に取るナッツ。ココ、ローズ、プリキュアが喜びます。ナッツの顔に笑顔が戻ります。
⑤くるみの手紙
ナッツハウス。大量の手紙。くるみが書いたようです。シロップがノートを差して連絡取れるし…、と言いますがくるみは手紙も大切だと言います。そうそう、一応GoGo!の主題を補足する品だしね。「だって、私の手紙は王国の歴史に残る貴重な文献になるんだから」ちょっ、おまっ、抜けぬけと。流石くるみ、流石ミルク。美味しいところは持っていきたい、秘密のヒロインになりたい、名を残したい。いい根性しています。
パルミエ王国への配達の日々が始まると嘆くシロップ。冒頭で喜んでいたのはそのためのようです。仕事しろよ。電子メールが普及すると葉書使用者が減って経営大変になるところもあるんだからさ。パパイヤさんに手紙を書こうと言うのぞみとうらら。「僕らも書いてみちゃう?」「ああ」 Webラジオのノリが入ってないか?ココさん。
みんなでたくさん手紙を書いちゃうぞ~けって~い!
シロップの嘆きが響き渡るいつものそんな日常。
⑥次回予告
どちらかというと、私は小さくなってのぞみ達を見上げたい。ホシイナーの大群とのバトルシーンは楽しみ。くるみはおでこキャラ。
○トピック
役立たずの印象が定着していたナッツ。劇中でも役立たず扱いだから泣ける。しかしここで汚名返上、名誉挽回、商品販促のため立ち上がります。不思議生物の格好なのに語尾にナツがくっ付いているのに震えるほど熱いナッツのセリフが今までの存在感の薄さを帳消しにします。
すっかり忘れていましたが、というか女の子しか見ていないからなのですが、ココとナッツには今作では「王になる」という夢があります。夢というより責務でしょうか。前作では彼らはパルミエの復活が夢でしたが、今作はその国の王にならなければなりません。彼らにはそのための力と意志が必要となります。
王とは何か、何が人を纏め一つにするのか?というのは一旦棚上げにして、ナッツは一個人としてどうしたいかを強く想起します。みんなの笑顔を守りたい、それを阻む者がいるなら絶対に立ち向かう、と言いそれを作品的に肯定しています。この番組はあくまで子ども向けなので実際に力があるかどうは二の次になります。最も重要なことは想いであり強い意志を抱くことを第一優先にしています。その意志のもとに行動することで力は伴ってくるということなのでしょう。これは間違いではない、というか正しいことだろうと思います。継続は力なり、日々の努力は経験として蓄積されます。まずはその行動を起こすことが必要でそれを想いや意志としているのでしょう。逆に力があったとしてもその使い方を誤れば暴力や破壊に繋がっています。パクトの没収が進まないことに憤り、部下が使えないとして単身で挑むアナコンディは単体では強いですが、ローズ+ナッツの王の力に撤退を余儀なくされています。
夢を持っていてそれを実現しようとしたときに、どうすればいいのか、何が必要なのかと悩んでしまうことはよくあります。ちなみに私が今の職に就いているのは、業種としては自分が望んでいたものですが具体的にどこの会社に入るかまでは大して考えていなかったし、実際には運と成り行きと言っていいです。大学行く気無かったし手に職でもつけて働こうと工業高校に行って勉強していただけです。今の職についたときも仕事が出来るのか?と不安になったりしましたが、いざやってみればできるようになります。
楽観的に考えすぎるのもダメでしょうが、だからといって夢や役目を気負いすぎてそのプレッシャーに押しつぶされそうになったり、視野が狭くなっては結果して出来るものも出来なくなってしまうんじゃないのかな、って思います。頭の中が全部そればっかりになって本来多様な可能性や選択肢がありえたのにガンジガラめになってしまう。
未熟だっていいと思うのです。だって夢はまだ達成していないから夢なのだし、駆け出しは誰だって経験不足で半人前です。それを最初から出来る人もいるのだろうけど、生憎と大勢の普通の人達はそんな才能もなく並外れた努力もしていないでしょう。
だから、普通の人達は普通にやればいいんです。夢や理想を持って、そのために努力して、助けてくれる人達に感謝して、自分も助けて、常に前へと進んでいく気持ちを持ち続ければいいんです。ってこれが一番難しいかもしれないんだけどね。
今回、ナッツがボロボロになったり、助けようとしたローズがボロボロになったりとしましたが、この作品は基本的に倒れた仲間を見て「よくもー!」というような少年モノ的なパワーアップや逆転はしません。記憶に残っているのは前作31話の傷ついたココを見てドリームが挑みかかる話くらいでしょうか。それとてその戦いがメインではなくラストの和解に重きがあります。
どんなに大きい力が立ちはだかってもそれが間違っていて、自分達がやらねばならないことを行うためには何があっても屈しないという意志と、その意志の根拠と未来が示す光景への肯定がプリキュア達の強さになっています。憎しみや怒りが力や解決の糸口なのではなくて、未来や可能性や今を一生懸命に生きる人達への肯定を主とするこの物語の在り方は素敵です。
コラム1「サントラ1とガンバランスdeダンス」
○プリキュア・サウンド・シューティングスター!!
こちらの方は引き続き必殺技の名称を踏襲しているようです。
テレビサイズのOP・EDを除けば全27曲。ちなみにGoGo!のために新規に作られた曲は28曲。その残った1曲こそ私が一番楽しみにしていた主題歌のアレンジBGMだと思われます。収録されていないことを知ったときのガッカリ感に自分でも驚きました。どのみち「サントラ2」で収録されるでしょうから問題ありませんが、番組終了間際に発売されると思われるのでちょっと寂しい。
作曲の佐藤氏自身もコメントしているように、5系はシンプルな曲調になっているので直感的に分かりやすいです。S☆Sの鮮やかな曲も好きですが、いずれにせよプリキュアの曲は好きですね。劇中でよく使われる変身シーン、戦闘シーン、ちょっと感動的なところで使われる曲が耳にも残るし、良い曲だと思います。毎回思うけど、よくあのED曲をアレンジして感動的な場面で使う曲に仕上げていると思う。
23話でドリームがシロップを迎えに行く!と啖呵を切って皆がそれを了解したシーンに使われた(他にも使っているけど印象的なので)「五つの光ふたたび」は熱い。
実際には劇中でシリーズで用いられたBGMが使われていますが、そろそろどの曲がどの作品初出なのか判別できなくなってきました。
○ガンバランスdeダンス~希望のリレー~/プリキュアモードにSWITCH ON!
①ガンバランスdeダンス~希望のリレー~ 歌:キュア・カルテット
今までのシリーズで主題歌とEDを歌っていた歌手がチームを組んで歌ったガンバランス。
このガンバランスは元々S☆Sが初出なのだけど、好評なのか何なのか5の後期ED曲としてアレンジもされている。曲そのものは楽しくテンポも良いので全く問題ないが、ダンスできることを前提にしているためかEDのアニメーションを描く人は大変だろうなぁ、と思う。それ故にED映像はとても楽しく、歌を聴くとそのシーンを思い出すので相乗効果で楽しさが増す。
なお、大阪で行われたプリキュア総出演のミュージカルで本人達が歌っていました。
くじけることがあっても、へこたれても、転んでも、前を向いて進みましょうや、って感じでとてもプリキュアらしいと思う。プリキュアの楽しさや誠実さはそこにあると思う。明日を良い日にしたいなら、自分でそうしなくてはいけない。
②プリキュアモードにSWITCH ON! 歌:キュア:カルテット
歌詞に”くりかえし”が無いという暗記難易度が高い歌。複数人で歌うことが推奨される。たぶん、息継ぎが間に合わない。
この曲限らず、プリキュアに限らず、近年の歌の傾向としてあるのは「力や可能性は自己の中にある」という趣旨の歌詞が多いらしい。これは社会的に自己内面化、個性化、自分らしさといったものに注目されてきたことにあるらしいです。社会や物質的な発展に伴って生活が向上し安定してしまったので、環境的な発展性が見込めず、結局他者との差異は自分自身との差、つまり個性による、という変遷があるそうです。さきほどから「らしい」とか「そうです」と曖昧ですが、近年の少年犯罪の質的変化が社会的変化に関連しているというような本を読んだためです。私自身の経験と推測からもその仮説は支持できます。なんでこんなことをわざわざプリキュアのCDの感想に書いているかというと、単に他に書く機会が無さそうだしちょうど思いついたためです。基本的に私のプリキュアの感想はそういう感想です。
では、近年の若者達が求める個性や自分らしさとは何なのでしょうか。それは本当に自分の中にあるのでしょうか。私は無いと思っています。自己は自分が自分に対する印象と他者が自分に対して持っている印象の合成であり、関係する人が違えばその印象や言動は変わります。社会的役割や立場、関係性によって人は言動を変えます。完全に一個の統一された言動を行う個人などいません。上司として親として友達として(自分より目上の人に対して)目下としても全く同じ言動を取るような人が居たらそれは社会不適応者と言っていいくらいです。空気読めよ、立場考えろよ、と言われるのがオチですし、普通は自分でもそれを意識して関わる他者に応じて行動を変えます。自己に関わる他者の数だけ違う態度・言葉・行動を行うわけですから時に厳しくときに優しく時にいい加減になるでしょう。また自分の考えも長年生きていけば変わっていきます。そういう幾多の経験、幾多の関係の中で自分なりの考えやこびり付いたモノを纏めていくことで自分の考えや力というのは磨かれていくと思います。ごく当たり前のことだと言えばそうでしょうが。それを自発的に、積極的に言葉として行動として行えることを「意志」と私は呼んでいます。
だから、自分とは何だろう? 自分らしさとはなんだろう? 自分はどんな力や可能性を持っているのだろう? と思ったら自分一人で考えてばかりいてはいけないのです。自己の在り方は常に他者との関係と比較を伴います。鉄棒で懸垂を100回出来ても他人が何回やれるのか知らなければ凄いのかも分かりませんし、他人がそれを知らなければ褒められることもバカにされることもありません。
お前は説教を言いたいのか、とそろそろ自分でツッコミたくなってきたのですが、要するにですね、そういう自分の在り方や、可能性や、個性や意志といったものをプリキュアを見ていると強く感じるんです。彼女達はヒーローじゃない。ただ普通に暮らす中で一生懸命頑張っているだけ。でも、そこにこそ一番大事なものがあると思う。それをちゃんと表現して見せてくれるこの作品は凄いと思う。ええ、そうともプリキュアを賞賛しますよ、褒めますよ、好きなんだから。プリキュアを見ていると、自分が考えていたこと、今から考えること、やるべきことを纏めたくなります。んで、それを実行できるようになるよう自分に変化を与えていく。そのための感想です。プリキュアが頑張る、私も頑張る。そういう感想。
是非とも映画でもガンバランスを。それもオールスターで。きっと華やかで無茶苦茶楽しくなると思いますよ。
こちらの方は引き続き必殺技の名称を踏襲しているようです。
テレビサイズのOP・EDを除けば全27曲。ちなみにGoGo!のために新規に作られた曲は28曲。その残った1曲こそ私が一番楽しみにしていた主題歌のアレンジBGMだと思われます。収録されていないことを知ったときのガッカリ感に自分でも驚きました。どのみち「サントラ2」で収録されるでしょうから問題ありませんが、番組終了間際に発売されると思われるのでちょっと寂しい。
作曲の佐藤氏自身もコメントしているように、5系はシンプルな曲調になっているので直感的に分かりやすいです。S☆Sの鮮やかな曲も好きですが、いずれにせよプリキュアの曲は好きですね。劇中でよく使われる変身シーン、戦闘シーン、ちょっと感動的なところで使われる曲が耳にも残るし、良い曲だと思います。毎回思うけど、よくあのED曲をアレンジして感動的な場面で使う曲に仕上げていると思う。
23話でドリームがシロップを迎えに行く!と啖呵を切って皆がそれを了解したシーンに使われた(他にも使っているけど印象的なので)「五つの光ふたたび」は熱い。
実際には劇中でシリーズで用いられたBGMが使われていますが、そろそろどの曲がどの作品初出なのか判別できなくなってきました。
○ガンバランスdeダンス~希望のリレー~/プリキュアモードにSWITCH ON!
①ガンバランスdeダンス~希望のリレー~ 歌:キュア・カルテット
今までのシリーズで主題歌とEDを歌っていた歌手がチームを組んで歌ったガンバランス。
このガンバランスは元々S☆Sが初出なのだけど、好評なのか何なのか5の後期ED曲としてアレンジもされている。曲そのものは楽しくテンポも良いので全く問題ないが、ダンスできることを前提にしているためかEDのアニメーションを描く人は大変だろうなぁ、と思う。それ故にED映像はとても楽しく、歌を聴くとそのシーンを思い出すので相乗効果で楽しさが増す。
なお、大阪で行われたプリキュア総出演のミュージカルで本人達が歌っていました。
くじけることがあっても、へこたれても、転んでも、前を向いて進みましょうや、って感じでとてもプリキュアらしいと思う。プリキュアの楽しさや誠実さはそこにあると思う。明日を良い日にしたいなら、自分でそうしなくてはいけない。
②プリキュアモードにSWITCH ON! 歌:キュア:カルテット
歌詞に”くりかえし”が無いという暗記難易度が高い歌。複数人で歌うことが推奨される。たぶん、息継ぎが間に合わない。
この曲限らず、プリキュアに限らず、近年の歌の傾向としてあるのは「力や可能性は自己の中にある」という趣旨の歌詞が多いらしい。これは社会的に自己内面化、個性化、自分らしさといったものに注目されてきたことにあるらしいです。社会や物質的な発展に伴って生活が向上し安定してしまったので、環境的な発展性が見込めず、結局他者との差異は自分自身との差、つまり個性による、という変遷があるそうです。さきほどから「らしい」とか「そうです」と曖昧ですが、近年の少年犯罪の質的変化が社会的変化に関連しているというような本を読んだためです。私自身の経験と推測からもその仮説は支持できます。なんでこんなことをわざわざプリキュアのCDの感想に書いているかというと、単に他に書く機会が無さそうだしちょうど思いついたためです。基本的に私のプリキュアの感想はそういう感想です。
では、近年の若者達が求める個性や自分らしさとは何なのでしょうか。それは本当に自分の中にあるのでしょうか。私は無いと思っています。自己は自分が自分に対する印象と他者が自分に対して持っている印象の合成であり、関係する人が違えばその印象や言動は変わります。社会的役割や立場、関係性によって人は言動を変えます。完全に一個の統一された言動を行う個人などいません。上司として親として友達として(自分より目上の人に対して)目下としても全く同じ言動を取るような人が居たらそれは社会不適応者と言っていいくらいです。空気読めよ、立場考えろよ、と言われるのがオチですし、普通は自分でもそれを意識して関わる他者に応じて行動を変えます。自己に関わる他者の数だけ違う態度・言葉・行動を行うわけですから時に厳しくときに優しく時にいい加減になるでしょう。また自分の考えも長年生きていけば変わっていきます。そういう幾多の経験、幾多の関係の中で自分なりの考えやこびり付いたモノを纏めていくことで自分の考えや力というのは磨かれていくと思います。ごく当たり前のことだと言えばそうでしょうが。それを自発的に、積極的に言葉として行動として行えることを「意志」と私は呼んでいます。
だから、自分とは何だろう? 自分らしさとはなんだろう? 自分はどんな力や可能性を持っているのだろう? と思ったら自分一人で考えてばかりいてはいけないのです。自己の在り方は常に他者との関係と比較を伴います。鉄棒で懸垂を100回出来ても他人が何回やれるのか知らなければ凄いのかも分かりませんし、他人がそれを知らなければ褒められることもバカにされることもありません。
お前は説教を言いたいのか、とそろそろ自分でツッコミたくなってきたのですが、要するにですね、そういう自分の在り方や、可能性や、個性や意志といったものをプリキュアを見ていると強く感じるんです。彼女達はヒーローじゃない。ただ普通に暮らす中で一生懸命頑張っているだけ。でも、そこにこそ一番大事なものがあると思う。それをちゃんと表現して見せてくれるこの作品は凄いと思う。ええ、そうともプリキュアを賞賛しますよ、褒めますよ、好きなんだから。プリキュアを見ていると、自分が考えていたこと、今から考えること、やるべきことを纏めたくなります。んで、それを実行できるようになるよう自分に変化を与えていく。そのための感想です。プリキュアが頑張る、私も頑張る。そういう感想。
是非とも映画でもガンバランスを。それもオールスターで。きっと華やかで無茶苦茶楽しくなると思いますよ。
第30話「王の力とナッツの悩み」
○今週の出来事
①求めても手に入らないモノ
サンクルミエール学園の授業。竹取物語の説明をする小々田先生。その話を聞いてのぞみは何故かぐや姫が月に帰ったのだろうか?と考えます。育ててくれたお爺さんもお婆さんもかぐや姫自身も別れるのを辛く思っていたのに何故?
くるみは帰るのが決まりであり月の住人なのだから、とのぞみの疑問に答えます。のぞみはそれでも引き下がりません。みんな一緒に暮らせば良いと言います。月の世界の人達も姫が居ないと困ると反論するくるみ。みんなで相談すれば良いと身を乗り出しながら言うのぞみ。そんなに簡単な話ではない、世の中甘くない、お気楽過ぎると段々エスカレートしてきます。りんが小声で注意しますが耳に入らない様子。言い争いが大きくなったところで小々田がふたりを注意します。
大きなショックを受けるくるみ。
ナッツハウス。シロップは遅く起きてきます。仕事がないんかい。ナッツは珍しく「出来た!」と声を出して喜んでいます。シロップが尋ねるとガラになく喜んだのを誤魔化したいのかコホンとせきをして完成した品を見せます。かばんのような、小型PCのような、要するにスポンサーの新商品のようです。
薔薇の園。そこを歩くエターナルの館長。この人歩けるんだ。歩を止めると目の前にはフローラが居ます。振り返ったフローラの瞳には涙が浮かんでいます。驚いてフローラに手を伸ばす館長。しかし夢だったようで現実に引き戻されます。シロップもそうですが、プリキュアの人間以外の人たちはあまり勤労意欲がないかもしれません。
アナコンディが部屋に入ってきます。月下美人という年に一度、一夜しか咲かない花を保存して持ってきたのでコレクションに加えては?と報告します。しかし館長はにべもなくパクトの首尾について尋ねます。言いよどむアナコンディ。パクトを持っていないのに来たのか?と先ほどの夢の八つ当たりでしょうか、機嫌が良くない館長。アナコンディは絶対に部下には見せないような困惑と悲しそうな表情で館長を見返します。非常に珍しい。いつもの厳しそうなアナコンディではありません。ちょっと可愛いんじゃない、この人。
廊下を歩くアナコンディの前でシビレッタは竹取物語の話を朗読します。かぐや姫を求めんとする貴族達が偽の品々で気を引こうとするシーンです。まるであんたみたいだね、とストレートに皮肉ります。館長はキュアローズガーデン、いやフローラのことで頭が一杯なのさ、昔からずっとそうなんだ、と言うシビレッタ。暗に、というかストレートにアナコンディのことなど眼中にない、自分は館長のことをよく知っていると言っています。
館長への批判か?と話をズラして答えるアナコンディ。部下(?)の前で醜態や動揺を見せるほどヤワではないようです。パクトを手に入れてくる、と姿を消すシビレッタ。
持っていた月下美人を消滅させるアナコンディ。「フローラ…!」と髪の毛がウニョウニョとこれまで見た中で最も動きが激しく、怒りを露にします。のぞみがするような可愛い嫉妬などの比ではない、本気で危険な嫉妬です。前言撤回。この人怖い人だ。間違いなくこの状態のアナコンディに話しかけたら消されます。ブンビーさん今回出番なくて助かりました。
カフェで予定を確認するみんな。お月見をするようです。食欲旺盛なのぞみ。しかしくるみは突然のぞみに絶交よ!と言って去ってしまいます。突然の出来事に何のことだか分からないのぞみ。授業中にココに怒られたのがショックだったんじゃない?と推測するりん。
その様子を皿を拭きながら見るシロップ。板についてきました。クレープがパクトから出てきます。
夕方。公園の前を通りかかったシロップはくるみが一人ベンチに腰掛けているのを見つけます。話しかけるシロップ。くるみの心情を察して落ち込むなよ、と言いますがくるみは怒気を込めた声で「落ち込むわよ!」と答えます。お世話役の自分が迷惑をかけてしまったことを反省するくるみ。クレープが出てきて確かに迷惑だと言います。遠慮ないなこの王女さん。くるみは悪いのはのぞみの方だと言います。話に乗ったのはくるみだし、ほとんど同罪だと思うが。クレープ王女は何か試すようにわざとらしくつっけんどんな態度でそんなことではいつまで経っても準お世話役のままだと言います。
うらら並みに空気が読めて使える男であるシロップはお月見の話題を振ります。ほっといて!と返事を返すくるみを置いて帰ろうとするシロップ。すかさずくるみはシロップを強引に捕まえてこういうときは一緒に帰ろうと誘うもんでしょ!?、と引き止めます。分かりやすいというか、面白いなくるみ。
ナッツハウスに戻るくるみとシロップ。くるみはシロップを押すようにしてナッツハウスに入ります。シロップの後ろに隠れるように立つくるみ。強気なのか弱気なのか変なところで強情です。主人には従順なタイプです。従順な態度のくるみが良いという人と、むしろちょっと強情だけど弱みもある態度の方が良いという人とどちらが多いかは判断に迷うところです。ちなみに私はかれんに懐いているくるみが好きです。
おかえり、とシロップとくるみを迎えるココ。くるみはシロップの肩越しに怒っていないんですか?と尋ねます。怒っていないと答えるココ。反省しているだろ?と察します。反省している人に反省を促す言葉をかけても意味はありません。授業中に私語は良くないけど話し合いをするのは良い事だと言うココ。意見をぶつけ合うのは大切だと話すココ。
細かいことだけどプリキュアの教育的配慮が分かる言葉。くるみは私語を注意されたことでココに迷惑をかけ、お世話役の務めに反してしまったと考えたけど、あくまでココは授業中の私語を禁じただけであって、くるみの人格や職責について言及しているわけではない。この辺を混同して人格や行為が全て否定されたと受け取ってしまうと双方あまり面白くない結果になることが多い。余談だけど日本人はあまり議論や論理的な会話をしないのでその辺が曖昧なまま注意したり受け取ったりするので、議論をしているのに何故か人格が否定されたと勘違いする人は少なくない。授業中の私語など止めればそれで良いわけで、自分の職務や交友関係を台無しにしてしまうようなことじゃない。
また、意見の中にはその人の価値観や考え方、見方、視点、意識が込められている。だからその話している内容をよく聞くとその人が何を言わんとしているかを読み取ることが出来る。意見や見解の食い違いはそもそもの視点や力点の相違が発端となっていることがあるので、ココが言うように意見をぶつけ合うのはお互いの考えを分解し相互に理解する上では有用なことである。…文体が硬いのですが、実は単に文体を統一できないだけなので細かいことは無視してください。
のぞみの所在を尋ねるくるみ。まだナッツハウスには来ていないようです。
ナッツは自分が作った新商品を試します。思ったとおりに動いてくれない様子。
②月の都
雲にかかった満月。のぞみ・りん・うららは各々手に月見の品を持っています。ビニール袋を持つのぞみ。かれん・こまちと合流します。
突然強い光が頭上から差します。赤い光。赤い月。実際たまにそういう月を見ることがあります。よく見ると何者かが近づいてきます。光に包まれるのぞみ達。
気配を察知するココナッツ。この気配察知はあまり役に立ちません。
気付くと見知らぬ土地に居ます。いつの間にか天女のような格好をしているりん・こまち・かれん。ヒラヒラして落ち着かないと言うりんですが結構似合っていると思います。
うわっ、なにこれ!? のぞみの驚いた声。
うわっ、やっちまったよ、このアニメ。のぞみとうららがうさぎの格好をしています。うさぎの格好と言っても前作12話でのぞみがうさぎの着ぐるみをしたようなああいう格好ではなく、なんというか、キワモノというか、どこのコスプレ大会参加者ですか? つか、何かいろんな意味で間違ってませんか?というような、プードルに長い耳を生やしたような格好です。水着が出ないわりに、こういうのは有りなようで一体どういう基準なのかと思わずにいられません。しかしながら、敢えて言わせていただくと、ムリムリ!ありあり!INじゃなーい?!
早速のぞみの姿を可愛いと褒めるうらら。流石です。突発的な事態でも抜かりはありません。のぞみも似合っているとうららに言います。楽しそうなふたり。いいね!実にいいよ! 「はい、そこはしゃがない」と注意するりん。すみません、思わずはしゃいでしまいました。かれんはしょうがないなーと言う感じで、こまちは楽しそうに笑っています。個人的にはかれんもこの格好だったら良かったと思います。
冷静に周囲を見ると、空の彼方に地球が見えます。もしかしてここは月?と驚く一同。明らかに浮いた格好ののぞみとうららがりん達と一緒に並んでいるシーンはシュール過ぎます。ここが月の宮殿で自分達は月の使い?と理解するこまち達。のぞみとうららは月のうさぎのようです。こんな格好したうさぎがあちこちに居たら大変です、笑いを堪えるのに。
かぐや姫が現れます。すぐに正体を現すシビレッタ。するとクレームの嵐が起こります。
「なんであんたがかぐや姫?」
「こういう場合、私達の誰かがかぐや姫じゃないの?」
「配役が明らかに間違っています!」
「まあ、確かに」
「そうね」
「普通に無理があるでしょ」
大バッシング。大不評。っていうかすでにこの状況に慣れているせいか、格好にツッコミを入れられるのぞみ達は冷静だと思う。あ、でも、のぞみとうららはうさぎの格好で良いと思うよ。くるみが居ればかぐや姫の格好してそうです。本人も喜びそうです。
自分の物語なんだからどうしようと勝手だろ、と言うと地形を変えてゴツゴツとした月の姿に戻ります。大リーグボールを投げるシビレッタ。投げられたホシイナーは隕石と一体化します。天女やうさぎ達はみな消えて月の都は滅びた、めでたし、めでたし、と勝手に話を変えるシビレッタ。
のぞみ達が見つからず心配するナッツハウスに残るメンバー。ナッツは何か思いついて奥の部屋に走ります。
シビレッタの勝手にはさせません。変身です。よっしゃー!! この瞬間を待ちわびていました。プリキュア恒例のコスプレ変身。キワモノ変身と言い換えても可。月に来た割にあっさりと戦闘に突入ですが、無論それはこの変身シーンをやりたかったためだけに仕組んだものであると勝手に解釈します。っていうか、それ以外にないだろ、これ。スタッフもよく分かっているので一人一人アップで変身です。ここからこの番組を見た人は困惑すること間違い無しです。子ども達に大人気のヒロインはかぶり物だってするのです。
戦闘開始。隕石を飛ばしてくるホシイナー。ルージュは飛んでくる隕石を蹴り返してホシイナーを破壊します。ところがホシイナーはバラバラになった身体を使ってプリキュア達に反撃。再び石が集まって元の姿に戻ります。中途半端な攻撃ではこのホシイナーに致命傷を与えることが出来ません。
③お世話役の資質
シビレッタの能力の攻略法は分かっています。分断されても相手のことを強く念じて手紙をメルポに渡せば導いてくれます。シロップにローズガーデン以外でいけない場所はありません。
くるみは手紙をしたためメルポに渡します。しかし、突き返されてしまいます。強い思いがないと届かないと言うシロップ。困惑するくるみ。クレープは偉そうな態度でくるみの気持ちに迷いがあると言います。あなたは迷わなさそうだよね。
話に加わっていなかったナッツとココを探すと、ナッツは自分が作った新商品(ミルキィノート)を操作しています。パルミエ王国と連絡を取るためにパソコンをヒントに作ったと言います。物作りが上手いとかそういうのを越えているような気がします。王様やるより技術者になった方が良いんじゃないでしょうか。
全く応答が無いノート。失敗作なんじゃ?あるいは電源が無いとか。よくあるのは主電源スイッチの入れ忘れですね。クレープは瞬時にノートがハード的に問題ないことを確認して王の力を使います。魔法のように見えますが、きっとこれはこちらの世界でいうネットワーク接続や通信波、ソフトウェアの構築を瞬時にして行っているのだと思います。進歩した科学は魔法とかわらない。多分。
隕石による絶え間ない爆撃をかわし続けるプリキュア達。ドリームは躓いて転んでしまいます。キュアモが転げるとくるみが映ります。くるみにパクトがあるか確認するドリーム。ドリームはパクトとココ達をくるみに任せるからこちらは自分達で何とかする、と言います。敵の攻撃が襲い掛かり通信が切れてしまいます。
ドリームを心配するくるみにクレープ王女は容赦なくドリームの言うとおりだといいます。準お世話役のくるみはプリキュアを助けるのが役目ではない、と断言します。ココが無事ならそれでいい、役目じゃないことをする必要はない、と切り捨てます。その言葉を打ち消すように机を強く叩くくるみ。プリキュアが何を想いココナッツを支えてきたか、どれだけパルミエの人々がプリキュアに感謝しているのか、何があっても自分は助けに行くと断言します。
クレープ王女はその言葉を肯定します。国王のことだけを考えるのがお世話役ではない、大切な仲間を想う気持ちが真のお世話役に必要だと言います。この王女さん役者です。悪く言えばくるみを試していたのだけど、くるみの迷いを取り払ったともいえます。ドーナツ国王達に比べれば若いでしょうが、王としての威厳と力を持っています。
自分の想いを手紙に込めるくるみ。今一度メルポに渡します。
苦戦するプリキュアを助けるシロップ。メルポが手紙を持って応えます。ローズに変身するくるみ。
ローズを見止めてわざわざやられにくるとはね、と勝ち誇るシビレッタ。ローズは嬉しい、ここには大切な仲間が居ると言い返します。もう帰れない、それが物語の結末だと言うシビレッタにローズはキッパリと帰るか帰らないかを決めるのは自分達であなたの思い通りにならないと答えます。
ホシイナーの攻撃が再開されます。背後が死角となりますが、ローズの背に立つドリーム。全方位に対して対処可能です。その姿を参考に他の4人も同じようにホシイナーの攻撃を弾きます。大きい岩を持って投げ返します。倒れたホシイナーにローズが必殺技を叩き込みます。半端な攻撃が通じないなら、完全に包み込んで消滅させるブリザードが効果テキメンです。
ナッツハウスに戻ってきて月見。
くるみの手紙を読むのぞみ。「絶交とりけし!」と書かれています。くるみらしい手紙です。
そっぽを向いているくるみにのぞみは授業の件について謝ります。お詫びにと自分が作ってってきたチョコ入り団子を見せます。さり気に凄いです。つい最近までまともに料理が出来なかったのぞみですが、ちゃんと自分で作れるようになっています。彼女は色んなものを学び、それを自分のものとしています。
微妙と言うくるみにのぞみは食べて見せます。毒気が完全に抜かれたのか、くるみは笑顔を返します。
晴れた空に満月が輝きます。創作意欲が湧くとこまち。
ナッツは一人さびしそうにしています。ココが話しかけますが、ナッツは自分が役に立っていないことを気にしています。今回助けたのはくるみとクレープ。自分は何も出来なかったと自責の念は強まります。
④次回予告
ナッツがスーパーなんとかに! アナコンディ直接対決!
⑤新EDガンバランス
最初にみんながジャンプするシーンでうららの太ももに目が真っ先に行った自分はもう本気でダメだと思う。メルポ歩くの早すぎるよ。ミントとアクアはちゃんと料理習いなさい。お互いの料理見て驚いている場合じゃないぞ。
○トピック
本筋は真面目なはずなんだけど、何故かコスプレ変身をしているプリキュアは私好みの素敵な作品だと思います。
中盤戦開始ということで早速物語の結末にも関わる問題である「最後は別れるのか?」が竹取物語を介して提示されています。この問題はシリーズ的にはMH、S☆Sとも一緒に居ることで締めくくられています。後者は住んでいる世界にそれほど隔たりはありませんが、前者のMHは話の整合を破綻させたが故に (物語の主題に対して)論理的に正しいという結末になっています。
プリキュア5でもそれを踏襲するかはまだ分かりません。というのも5の課題の難しさはこれまでの中でも突出しているからです。ココナッツはパルミエ王国の国王で、王国の復興と他国との関係があります。独自の国として存在している以上安易な理由でのぞみ達の居る世界に留まることは許されません。シロップはお互いの世界を行き来できる能力を持っているので関係が切れることはないでしょうが、ココナッツの国王としての役目、パルミエ国民たちの未来、のぞみ達の未来、シロップの未来を同時に同格に依存することなく成立させた上で、この問題を解決するのは大変なことです。が、やるのであればそれをやるのがプリキュアなので非常に楽しみな結末です。
今回はくるみ(ミルク)の夢について一歩具体的になる話。くるみの夢はお世話役になることです。では、お世話役とはどういう人なのか? 単に国王の側近をしていればいいのか、頭が良ければいいのか。また、くるみにとってお世話役こそが至上の目標でありそれ以外は省みる必要はないのか。それが試された話でした。
おそらく、プリキュアは夢や夢の実現に対して「みんなといるから夢を見つけることができる」「みんなと一緒に夢に向かって頑張れる」「夢はみんなと一緒に居ても叶えられる」というような理念があるのだと思います。夢を叶えるために一人でガツガツ頑張るだけが実現への唯一の道なのではなく、みんなと居たって、いや、他者がいるかこそそこに夢の発見と実現の方法もあるんだ、って示したいんだと思います。私はその理念に賛同します。人は良くも悪くも一人ではないんです。
くるみはドリームにココ達の護衛を任され、クレープ王女からは「お世話役は国王だけ見れば良い」と念押しされます。これは4話のうららと似た状況です。23話のシロップとも同じ状況です。自分の夢と友達を天秤にかけているんです。この選択は当事者の主観で判断すればどちらの選択でも間違いではありません。
三人とも友達を選択します。そしてその選択をこの作品は肯定します。誰一人としてその選択を責めません。これは単純な人情的な問題ではありません。先ほど書いたプリキュアの理念を逆説的に使えば「友達と一緒にいることでも夢の実現は妨げられない」となるからです。夢実現への可能性は友達を選択しても消えません。消えない根拠はあるのか? それはこの作品自体が実証しようとしています。うららは友達に支えられながら女優を目指しているし、シロップは一緒にローズガーデンへ行こうとしているし、お世話役は国王以外のみんなも大切にするものだと肯定されています。
友達を大切にする、というのが単に美徳や倫理観の話で終わるんじゃなくて、自己実現や他者の夢にまで関係して、そこに人の可能性があるってことを私は言いたいんです(お前が言いたいのかよ)。プリキュアはそれをとても綺麗な、理想的な、それでいて現実的な困難を目にしながらやろうとしています。
自分の夢や、自分の役目だけを見つめてそれに集中することは間違いではない。でも、自分以外の人や、役目の外側を見たときにそこにもまた新しい発見と可能性があり得る。それを知っていても実際に行うことは難しい。しかし、それをやりのけて、とても素晴らしい未来を提示してくれるなら、その困難を乗り越えるちょっとした勇気を貰えると思います。
次回は嫉妬に燃えるアナコンディさんとの直接対決。これまで散々使えないキャラ扱いされてきたナッツの汚名返上なるか。国王の役目を見出せるか。次回を楽しみにしながら新EDの映像を、特に冒頭のみんなでジャンプするシーンに注目しながら待ちたいと思います。
①求めても手に入らないモノ
サンクルミエール学園の授業。竹取物語の説明をする小々田先生。その話を聞いてのぞみは何故かぐや姫が月に帰ったのだろうか?と考えます。育ててくれたお爺さんもお婆さんもかぐや姫自身も別れるのを辛く思っていたのに何故?
くるみは帰るのが決まりであり月の住人なのだから、とのぞみの疑問に答えます。のぞみはそれでも引き下がりません。みんな一緒に暮らせば良いと言います。月の世界の人達も姫が居ないと困ると反論するくるみ。みんなで相談すれば良いと身を乗り出しながら言うのぞみ。そんなに簡単な話ではない、世の中甘くない、お気楽過ぎると段々エスカレートしてきます。りんが小声で注意しますが耳に入らない様子。言い争いが大きくなったところで小々田がふたりを注意します。
大きなショックを受けるくるみ。
ナッツハウス。シロップは遅く起きてきます。仕事がないんかい。ナッツは珍しく「出来た!」と声を出して喜んでいます。シロップが尋ねるとガラになく喜んだのを誤魔化したいのかコホンとせきをして完成した品を見せます。かばんのような、小型PCのような、要するにスポンサーの新商品のようです。
薔薇の園。そこを歩くエターナルの館長。この人歩けるんだ。歩を止めると目の前にはフローラが居ます。振り返ったフローラの瞳には涙が浮かんでいます。驚いてフローラに手を伸ばす館長。しかし夢だったようで現実に引き戻されます。シロップもそうですが、プリキュアの人間以外の人たちはあまり勤労意欲がないかもしれません。
アナコンディが部屋に入ってきます。月下美人という年に一度、一夜しか咲かない花を保存して持ってきたのでコレクションに加えては?と報告します。しかし館長はにべもなくパクトの首尾について尋ねます。言いよどむアナコンディ。パクトを持っていないのに来たのか?と先ほどの夢の八つ当たりでしょうか、機嫌が良くない館長。アナコンディは絶対に部下には見せないような困惑と悲しそうな表情で館長を見返します。非常に珍しい。いつもの厳しそうなアナコンディではありません。ちょっと可愛いんじゃない、この人。
廊下を歩くアナコンディの前でシビレッタは竹取物語の話を朗読します。かぐや姫を求めんとする貴族達が偽の品々で気を引こうとするシーンです。まるであんたみたいだね、とストレートに皮肉ります。館長はキュアローズガーデン、いやフローラのことで頭が一杯なのさ、昔からずっとそうなんだ、と言うシビレッタ。暗に、というかストレートにアナコンディのことなど眼中にない、自分は館長のことをよく知っていると言っています。
館長への批判か?と話をズラして答えるアナコンディ。部下(?)の前で醜態や動揺を見せるほどヤワではないようです。パクトを手に入れてくる、と姿を消すシビレッタ。
持っていた月下美人を消滅させるアナコンディ。「フローラ…!」と髪の毛がウニョウニョとこれまで見た中で最も動きが激しく、怒りを露にします。のぞみがするような可愛い嫉妬などの比ではない、本気で危険な嫉妬です。前言撤回。この人怖い人だ。間違いなくこの状態のアナコンディに話しかけたら消されます。ブンビーさん今回出番なくて助かりました。
カフェで予定を確認するみんな。お月見をするようです。食欲旺盛なのぞみ。しかしくるみは突然のぞみに絶交よ!と言って去ってしまいます。突然の出来事に何のことだか分からないのぞみ。授業中にココに怒られたのがショックだったんじゃない?と推測するりん。
その様子を皿を拭きながら見るシロップ。板についてきました。クレープがパクトから出てきます。
夕方。公園の前を通りかかったシロップはくるみが一人ベンチに腰掛けているのを見つけます。話しかけるシロップ。くるみの心情を察して落ち込むなよ、と言いますがくるみは怒気を込めた声で「落ち込むわよ!」と答えます。お世話役の自分が迷惑をかけてしまったことを反省するくるみ。クレープが出てきて確かに迷惑だと言います。遠慮ないなこの王女さん。くるみは悪いのはのぞみの方だと言います。話に乗ったのはくるみだし、ほとんど同罪だと思うが。クレープ王女は何か試すようにわざとらしくつっけんどんな態度でそんなことではいつまで経っても準お世話役のままだと言います。
うらら並みに空気が読めて使える男であるシロップはお月見の話題を振ります。ほっといて!と返事を返すくるみを置いて帰ろうとするシロップ。すかさずくるみはシロップを強引に捕まえてこういうときは一緒に帰ろうと誘うもんでしょ!?、と引き止めます。分かりやすいというか、面白いなくるみ。
ナッツハウスに戻るくるみとシロップ。くるみはシロップを押すようにしてナッツハウスに入ります。シロップの後ろに隠れるように立つくるみ。強気なのか弱気なのか変なところで強情です。主人には従順なタイプです。従順な態度のくるみが良いという人と、むしろちょっと強情だけど弱みもある態度の方が良いという人とどちらが多いかは判断に迷うところです。ちなみに私はかれんに懐いているくるみが好きです。
おかえり、とシロップとくるみを迎えるココ。くるみはシロップの肩越しに怒っていないんですか?と尋ねます。怒っていないと答えるココ。反省しているだろ?と察します。反省している人に反省を促す言葉をかけても意味はありません。授業中に私語は良くないけど話し合いをするのは良い事だと言うココ。意見をぶつけ合うのは大切だと話すココ。
細かいことだけどプリキュアの教育的配慮が分かる言葉。くるみは私語を注意されたことでココに迷惑をかけ、お世話役の務めに反してしまったと考えたけど、あくまでココは授業中の私語を禁じただけであって、くるみの人格や職責について言及しているわけではない。この辺を混同して人格や行為が全て否定されたと受け取ってしまうと双方あまり面白くない結果になることが多い。余談だけど日本人はあまり議論や論理的な会話をしないのでその辺が曖昧なまま注意したり受け取ったりするので、議論をしているのに何故か人格が否定されたと勘違いする人は少なくない。授業中の私語など止めればそれで良いわけで、自分の職務や交友関係を台無しにしてしまうようなことじゃない。
また、意見の中にはその人の価値観や考え方、見方、視点、意識が込められている。だからその話している内容をよく聞くとその人が何を言わんとしているかを読み取ることが出来る。意見や見解の食い違いはそもそもの視点や力点の相違が発端となっていることがあるので、ココが言うように意見をぶつけ合うのはお互いの考えを分解し相互に理解する上では有用なことである。…文体が硬いのですが、実は単に文体を統一できないだけなので細かいことは無視してください。
のぞみの所在を尋ねるくるみ。まだナッツハウスには来ていないようです。
ナッツは自分が作った新商品を試します。思ったとおりに動いてくれない様子。
②月の都
雲にかかった満月。のぞみ・りん・うららは各々手に月見の品を持っています。ビニール袋を持つのぞみ。かれん・こまちと合流します。
突然強い光が頭上から差します。赤い光。赤い月。実際たまにそういう月を見ることがあります。よく見ると何者かが近づいてきます。光に包まれるのぞみ達。
気配を察知するココナッツ。この気配察知はあまり役に立ちません。
気付くと見知らぬ土地に居ます。いつの間にか天女のような格好をしているりん・こまち・かれん。ヒラヒラして落ち着かないと言うりんですが結構似合っていると思います。
うわっ、なにこれ!? のぞみの驚いた声。
うわっ、やっちまったよ、このアニメ。のぞみとうららがうさぎの格好をしています。うさぎの格好と言っても前作12話でのぞみがうさぎの着ぐるみをしたようなああいう格好ではなく、なんというか、キワモノというか、どこのコスプレ大会参加者ですか? つか、何かいろんな意味で間違ってませんか?というような、プードルに長い耳を生やしたような格好です。水着が出ないわりに、こういうのは有りなようで一体どういう基準なのかと思わずにいられません。しかしながら、敢えて言わせていただくと、ムリムリ!ありあり!INじゃなーい?!
早速のぞみの姿を可愛いと褒めるうらら。流石です。突発的な事態でも抜かりはありません。のぞみも似合っているとうららに言います。楽しそうなふたり。いいね!実にいいよ! 「はい、そこはしゃがない」と注意するりん。すみません、思わずはしゃいでしまいました。かれんはしょうがないなーと言う感じで、こまちは楽しそうに笑っています。個人的にはかれんもこの格好だったら良かったと思います。
冷静に周囲を見ると、空の彼方に地球が見えます。もしかしてここは月?と驚く一同。明らかに浮いた格好ののぞみとうららがりん達と一緒に並んでいるシーンはシュール過ぎます。ここが月の宮殿で自分達は月の使い?と理解するこまち達。のぞみとうららは月のうさぎのようです。こんな格好したうさぎがあちこちに居たら大変です、笑いを堪えるのに。
かぐや姫が現れます。すぐに正体を現すシビレッタ。するとクレームの嵐が起こります。
「なんであんたがかぐや姫?」
「こういう場合、私達の誰かがかぐや姫じゃないの?」
「配役が明らかに間違っています!」
「まあ、確かに」
「そうね」
「普通に無理があるでしょ」
大バッシング。大不評。っていうかすでにこの状況に慣れているせいか、格好にツッコミを入れられるのぞみ達は冷静だと思う。あ、でも、のぞみとうららはうさぎの格好で良いと思うよ。くるみが居ればかぐや姫の格好してそうです。本人も喜びそうです。
自分の物語なんだからどうしようと勝手だろ、と言うと地形を変えてゴツゴツとした月の姿に戻ります。大リーグボールを投げるシビレッタ。投げられたホシイナーは隕石と一体化します。天女やうさぎ達はみな消えて月の都は滅びた、めでたし、めでたし、と勝手に話を変えるシビレッタ。
のぞみ達が見つからず心配するナッツハウスに残るメンバー。ナッツは何か思いついて奥の部屋に走ります。
シビレッタの勝手にはさせません。変身です。よっしゃー!! この瞬間を待ちわびていました。プリキュア恒例のコスプレ変身。キワモノ変身と言い換えても可。月に来た割にあっさりと戦闘に突入ですが、無論それはこの変身シーンをやりたかったためだけに仕組んだものであると勝手に解釈します。っていうか、それ以外にないだろ、これ。スタッフもよく分かっているので一人一人アップで変身です。ここからこの番組を見た人は困惑すること間違い無しです。子ども達に大人気のヒロインはかぶり物だってするのです。
戦闘開始。隕石を飛ばしてくるホシイナー。ルージュは飛んでくる隕石を蹴り返してホシイナーを破壊します。ところがホシイナーはバラバラになった身体を使ってプリキュア達に反撃。再び石が集まって元の姿に戻ります。中途半端な攻撃ではこのホシイナーに致命傷を与えることが出来ません。
③お世話役の資質
シビレッタの能力の攻略法は分かっています。分断されても相手のことを強く念じて手紙をメルポに渡せば導いてくれます。シロップにローズガーデン以外でいけない場所はありません。
くるみは手紙をしたためメルポに渡します。しかし、突き返されてしまいます。強い思いがないと届かないと言うシロップ。困惑するくるみ。クレープは偉そうな態度でくるみの気持ちに迷いがあると言います。あなたは迷わなさそうだよね。
話に加わっていなかったナッツとココを探すと、ナッツは自分が作った新商品(ミルキィノート)を操作しています。パルミエ王国と連絡を取るためにパソコンをヒントに作ったと言います。物作りが上手いとかそういうのを越えているような気がします。王様やるより技術者になった方が良いんじゃないでしょうか。
全く応答が無いノート。失敗作なんじゃ?あるいは電源が無いとか。よくあるのは主電源スイッチの入れ忘れですね。クレープは瞬時にノートがハード的に問題ないことを確認して王の力を使います。魔法のように見えますが、きっとこれはこちらの世界でいうネットワーク接続や通信波、ソフトウェアの構築を瞬時にして行っているのだと思います。進歩した科学は魔法とかわらない。多分。
隕石による絶え間ない爆撃をかわし続けるプリキュア達。ドリームは躓いて転んでしまいます。キュアモが転げるとくるみが映ります。くるみにパクトがあるか確認するドリーム。ドリームはパクトとココ達をくるみに任せるからこちらは自分達で何とかする、と言います。敵の攻撃が襲い掛かり通信が切れてしまいます。
ドリームを心配するくるみにクレープ王女は容赦なくドリームの言うとおりだといいます。準お世話役のくるみはプリキュアを助けるのが役目ではない、と断言します。ココが無事ならそれでいい、役目じゃないことをする必要はない、と切り捨てます。その言葉を打ち消すように机を強く叩くくるみ。プリキュアが何を想いココナッツを支えてきたか、どれだけパルミエの人々がプリキュアに感謝しているのか、何があっても自分は助けに行くと断言します。
クレープ王女はその言葉を肯定します。国王のことだけを考えるのがお世話役ではない、大切な仲間を想う気持ちが真のお世話役に必要だと言います。この王女さん役者です。悪く言えばくるみを試していたのだけど、くるみの迷いを取り払ったともいえます。ドーナツ国王達に比べれば若いでしょうが、王としての威厳と力を持っています。
自分の想いを手紙に込めるくるみ。今一度メルポに渡します。
苦戦するプリキュアを助けるシロップ。メルポが手紙を持って応えます。ローズに変身するくるみ。
ローズを見止めてわざわざやられにくるとはね、と勝ち誇るシビレッタ。ローズは嬉しい、ここには大切な仲間が居ると言い返します。もう帰れない、それが物語の結末だと言うシビレッタにローズはキッパリと帰るか帰らないかを決めるのは自分達であなたの思い通りにならないと答えます。
ホシイナーの攻撃が再開されます。背後が死角となりますが、ローズの背に立つドリーム。全方位に対して対処可能です。その姿を参考に他の4人も同じようにホシイナーの攻撃を弾きます。大きい岩を持って投げ返します。倒れたホシイナーにローズが必殺技を叩き込みます。半端な攻撃が通じないなら、完全に包み込んで消滅させるブリザードが効果テキメンです。
ナッツハウスに戻ってきて月見。
くるみの手紙を読むのぞみ。「絶交とりけし!」と書かれています。くるみらしい手紙です。
そっぽを向いているくるみにのぞみは授業の件について謝ります。お詫びにと自分が作ってってきたチョコ入り団子を見せます。さり気に凄いです。つい最近までまともに料理が出来なかったのぞみですが、ちゃんと自分で作れるようになっています。彼女は色んなものを学び、それを自分のものとしています。
微妙と言うくるみにのぞみは食べて見せます。毒気が完全に抜かれたのか、くるみは笑顔を返します。
晴れた空に満月が輝きます。創作意欲が湧くとこまち。
ナッツは一人さびしそうにしています。ココが話しかけますが、ナッツは自分が役に立っていないことを気にしています。今回助けたのはくるみとクレープ。自分は何も出来なかったと自責の念は強まります。
④次回予告
ナッツがスーパーなんとかに! アナコンディ直接対決!
⑤新EDガンバランス
最初にみんながジャンプするシーンでうららの太ももに目が真っ先に行った自分はもう本気でダメだと思う。メルポ歩くの早すぎるよ。ミントとアクアはちゃんと料理習いなさい。お互いの料理見て驚いている場合じゃないぞ。
○トピック
本筋は真面目なはずなんだけど、何故かコスプレ変身をしているプリキュアは私好みの素敵な作品だと思います。
中盤戦開始ということで早速物語の結末にも関わる問題である「最後は別れるのか?」が竹取物語を介して提示されています。この問題はシリーズ的にはMH、S☆Sとも一緒に居ることで締めくくられています。後者は住んでいる世界にそれほど隔たりはありませんが、前者のMHは話の整合を破綻させたが故に (物語の主題に対して)論理的に正しいという結末になっています。
プリキュア5でもそれを踏襲するかはまだ分かりません。というのも5の課題の難しさはこれまでの中でも突出しているからです。ココナッツはパルミエ王国の国王で、王国の復興と他国との関係があります。独自の国として存在している以上安易な理由でのぞみ達の居る世界に留まることは許されません。シロップはお互いの世界を行き来できる能力を持っているので関係が切れることはないでしょうが、ココナッツの国王としての役目、パルミエ国民たちの未来、のぞみ達の未来、シロップの未来を同時に同格に依存することなく成立させた上で、この問題を解決するのは大変なことです。が、やるのであればそれをやるのがプリキュアなので非常に楽しみな結末です。
今回はくるみ(ミルク)の夢について一歩具体的になる話。くるみの夢はお世話役になることです。では、お世話役とはどういう人なのか? 単に国王の側近をしていればいいのか、頭が良ければいいのか。また、くるみにとってお世話役こそが至上の目標でありそれ以外は省みる必要はないのか。それが試された話でした。
おそらく、プリキュアは夢や夢の実現に対して「みんなといるから夢を見つけることができる」「みんなと一緒に夢に向かって頑張れる」「夢はみんなと一緒に居ても叶えられる」というような理念があるのだと思います。夢を叶えるために一人でガツガツ頑張るだけが実現への唯一の道なのではなく、みんなと居たって、いや、他者がいるかこそそこに夢の発見と実現の方法もあるんだ、って示したいんだと思います。私はその理念に賛同します。人は良くも悪くも一人ではないんです。
くるみはドリームにココ達の護衛を任され、クレープ王女からは「お世話役は国王だけ見れば良い」と念押しされます。これは4話のうららと似た状況です。23話のシロップとも同じ状況です。自分の夢と友達を天秤にかけているんです。この選択は当事者の主観で判断すればどちらの選択でも間違いではありません。
三人とも友達を選択します。そしてその選択をこの作品は肯定します。誰一人としてその選択を責めません。これは単純な人情的な問題ではありません。先ほど書いたプリキュアの理念を逆説的に使えば「友達と一緒にいることでも夢の実現は妨げられない」となるからです。夢実現への可能性は友達を選択しても消えません。消えない根拠はあるのか? それはこの作品自体が実証しようとしています。うららは友達に支えられながら女優を目指しているし、シロップは一緒にローズガーデンへ行こうとしているし、お世話役は国王以外のみんなも大切にするものだと肯定されています。
友達を大切にする、というのが単に美徳や倫理観の話で終わるんじゃなくて、自己実現や他者の夢にまで関係して、そこに人の可能性があるってことを私は言いたいんです(お前が言いたいのかよ)。プリキュアはそれをとても綺麗な、理想的な、それでいて現実的な困難を目にしながらやろうとしています。
自分の夢や、自分の役目だけを見つめてそれに集中することは間違いではない。でも、自分以外の人や、役目の外側を見たときにそこにもまた新しい発見と可能性があり得る。それを知っていても実際に行うことは難しい。しかし、それをやりのけて、とても素晴らしい未来を提示してくれるなら、その困難を乗り越えるちょっとした勇気を貰えると思います。
次回は嫉妬に燃えるアナコンディさんとの直接対決。これまで散々使えないキャラ扱いされてきたナッツの汚名返上なるか。国王の役目を見出せるか。次回を楽しみにしながら新EDの映像を、特に冒頭のみんなでジャンプするシーンに注目しながら待ちたいと思います。
第29話「高原でイケメンとテニス!?」
○今週の出来事
①高原の別荘
坂本さんが運転する車に乗って遠出するのぞみ達。青い空、緑の高原、澄んだ湖、爽やかな風、それらを擁するのはかれんの別荘。ということで、前回のお話から続いて夏休み企画第2弾(1弾は肝試し)、水無月家別荘ツアー。
ちなみに私の中の設定では、これら水無月家の全ての別荘は坂本さんが一人で管理・運営しており、かれんの養育・交友関係も必要な経費は全て坂本さんが財テクを駆使して捻出している、ということになっています。坂本さんは超有能なだけではなく、お嬢様大好きな人なのでお嬢様のためなら何億でも作り出し使うことが出来る人です。自分のふところに入れるとかそんなセコイことはしません。
別荘の敷地内にはテニスコートがあります。隣のレストハウスも同様に水無月家のものです。山もスキーで使います。ここから見える景色全部? 「ええ、そのとおりよ」 流石水無月家、流石坂本さん。むしろそうでなくては。感心するみんなに冗談と答えるかれん。え、マジで? またまたご冗談を。謙遜しなくていいから。冗談に聞こえないと言うりん。同感です。かれんの後ろに立っていた坂本さんはかれんが冗談を言ったことに目頭を熱くしています。このように坂本さんはお嬢様の成長を見守ることに全ての能力と情熱を注いでいます。ちなみに、坂本さんはこの感動を受けてさら財産を増やすべくこの辺一帯を買ったと思います。っていうか、パルミエの領土より水無月家の所有地の方が広そうです。
有能なコックでもあるので夕食をご馳走すると言います。お腹をすかせる為にもみんなでスポーツ。けって~い。
エターナル。アナコンディに休暇の申請をするブンビー。即却下されます。休暇ないそうです。ブンビーにはまともに取り合わず人を待っていると言うアナコンディ。待ち人が現れます。端整な顔立ちの人物。ムカーディアさんとアナコンディは呼びます。ムカデが原型か。これは良い選択です。イケメンが実は醜いなんていい気味じゃないですか(ひがみカッコワルイ)。
立ち上がって応対するアナコンディ。ブンビーもびっくりです。有能らしくアナコンディの信任も厚いようです。立ち去り際に、パクトを没収したら休みが欲しいと言うムカーディア。即許可されます。しかも好きなだけ。エターナルは実力主義なので有能な人は高待遇です。指パッチンで消えるムカーディア。
イケメン…私の若い頃にそっくりだ…。それよりも自分の今の境遇に何か思うことはありませんか?
②テニス
敷地内には馬や牛も放牧されています。別荘の範疇越えてないか? 想像を超える別荘に改めて驚くうららとこまち。
のぞみはテニスをやると張り切っています。りんが不安になってやったことがあるのかと尋ねると首を横に振ります。こまちとうららも未経験者です。私もやったことがありません(お前に聞いてねぇよ)。くるみは初めてだけど大丈夫と答えます。うっかりルール間違えそうですが、問題なくやれそうです。
りんとかれんは未経験者が多いことからやめるか、と言いますがふたりがやりたがっていることに気づいているこまちが心中を察します。のぞみもやる気があるのでレッツトライ。
上空に現れるムカーディア。文字通り高みの見物をするようです。趣味の悪そうな椅子を出して観戦します。
くるみがサーブ。それを豪快に空ぶるのぞみ。よく玉を見てラケットに当たる瞬間まで目を逸らすな、とアドバイスするくるみ。今度は軽めに打ちますがそれも空振り。基本的な運動能力が足りていません。
こまちがサーブ。玉を追いかけるうららはそれを打ち返…せません。謝るうらら。こまちはうららのフォームが綺麗なことを褒めます。どうやら撮影でテニス部員の役をやったことがあるのでフォームだけは練習したようです。でもきっとこれは、本当に実在するかは分かりませんが意中の男性の前で「きゃー、私できませ~ん」とかわいこぶりっ子する女の子の戦術…ではなくのぞみに合わせて出来ないことを演出して、じゃあ上手く出来ないもの同士で組もうという風に持っていくための策略だと思います。
ということで、くるみに全く太刀打ちできないのぞみ(天然)。意外と上手いらしいこまちに太刀打ちできないうらら(演技)。それはそうと、のぞみやうららのシャツがひるがえっているときに垣間見える肌がとても良いと思います。水着なんてどうでもいい。前回の次回予告から楽しみに待っておりました。まさにここは楽園。パラダイス。
のぞみ達が楽しんでいるのを見届けて、「じゃ、私達も…」「楽しみましょうか!」にこやかに真剣勝負するりんとかれん。そんな君達が好きだ。
バシュ、という景気の良い音が聞こえてきます。休憩するのぞみ達の前で繰り広げられるテニスらしいテニス。りんもかれんも手加減せず本気です。きっとそのうち分身したり光ったり隕石が落ちてきたりします。テニス?
別荘の方ではココ達が休んでいます。クレープに休んで元気になってというココの言葉にプロポーズね!と相も変らぬ王女さん。
くるみがやってきて絵葉書を書くと言います。待て、先ほどまでのスポーツの格好はどうした! ダメだよ、さっきの格好じゃないと。後々変身シーンにも関わるからここは別荘仕様でないと。私服はスカートで太もも見放題だからむしろスポーツ衣装よりはいいんだけど、それはそれ、これはこれ、多様な変身バリエーションがプリキュアの醍醐味。
また届けるの?今日は休むと言うシロップ。メルポも同意します。エターナルといい勤労意欲があまりありません。世の働く社会人の気持ちを代弁します。
机を叩きつけてミルクに戻って反論します。王国に報告するのはお世話役の仕事!と葉書を書くミルク。何か、執念すら感じさせる鬼気迫る迫力です。その姿にココもナッツも申し訳なく思います。こいつら本業の仕事していません。ナッツはなにやら新商品らしきスケッチをしています。
テニスは?と聞くシロップに、相手が弱すぎてつまらないと答えるミルク。のぞみでは相手は務まらんだろうなぁ。
ラリーが続くりんとかれん。のぞみ・うらら・こまちはそれをベンチに座って見ます。惜しい。スカートを履いていれば! でもカメラさんナイスアングル。
均衡が続いていた試合の流れに決定打が放たれます。りんの放ったスマッシュが見事決まります。お互いに健闘を称えるりんとかれん。りんの薄着っぷりは群を抜いています。これでかれんがじゃあ本気を出そうと上着を脱いで捨てたらドスンと地面が陥没した、とかだったら面白いんですが。かれんも薄着になるので(そこかよ)。
③百井京介
拍手の音。見知らぬ男性が近づいてきます。自然に出てきますが、明らかに不法侵入なので警察を呼びましょう。ここは楽園でありパラダイスなので男は消えろ。冷静にどちら様?と尋ねるかれん。百井京介と名乗るムカーディア。道に迷ったと説明します。おもむろにラケットを手にとってテニスの手合わせを申し出ます。自信があるのかふたりまとめて相手をすると言います。
百井がサーブ。反応しきれないりんとかれん。かなりの実力者のようです。が、お前それはかっこ悪くないか? 立場上客人扱いになるし、仮にうわ手なら相手の力量を見計らいながら流れを制御しなさいな。自分の実力を見せ付けてどうするんだ。
息を切らすかれんとりん。百井は余裕の体でふたりを見ます。これを傍目に見ると、突然やってきた男性が年下の女子中学生相手に実力を見せ付けてご満悦、という風になります。だっ、ダメだこいつ。エレガントさがねぇ。逆に余裕がないよこの人。
のぞみはパルミンを発見します。うららとこまちも気づきます。うららはうっかりパルミンといいかけてしまいますが百井が居るのでバラすわけにはいきません。かれんが気を利かせて飲み物を持って来たら?と促します。話に乗ってその場を離れるのぞみ達。
さあ、これで気兼ねなくりんもかれんも本気を出せます。本気を出してしまうとそのあまりの強さに周囲が引くことを知っているふたりは客人を辱めないためにもセーブしておりましたが、客人の無礼さに内心むかっ腹を立てていたので、のぞみ達が居なくなった今、この無礼千万な百井をぶちのめすチャンスです。…という風に勝手に解釈して脚色してみました。
百井からポイントを奪うりんとかれん。結構ショックを受けている百井。無駄に自尊心高そうな人かも。気を取り直してふたりを褒めます。時間なので駅はどっちかな、と訪ねます。置いてあったタオルを掴んで手品を披露。2つの花を出します。赤い花をりんに、青い花をかれんに渡します。なるほど、大道芸の人でしたか。立ち去る百井。
④かれんの所有地もよく戦場になります
のぞみ達はパルミンをショット。桃になります。目的も達成したので戻ろうとしますが、迷ってしまいます。友達の別荘で遭難は冗談では済みません。
またあの悪趣味な椅子に座ったムカーディアはホシイナーを地面に放り投げます。ホシイナー化する地面。フィールド系?
のぞみ達の帰りが遅いので心配するかれん達。戻っているのかと考えるかれんにりんは迷っているかもしれないと言います。よくご存知で。のぞみ達を探しに行きます。
のぞみ達の名前を叫ぶとやまびことなって声が返ってきます。「ホシイナー」……。疑問が生じつつももう一度。「ホシイナー」………。案の定ホシイナーが出現します。しかし山ほども大きいホシイナー。大型です。山の中に居たのぞみ達は振動と地形変化に巻き込まれてしまいます。
変身です。よっしゃー。この瞬間を待っていました。今回一番露出が多いりんをアップで映すその心意気にスタッフの並々ならぬ気合が感じられます。
攻撃してくるホシイナー。回避。
のぞみ達は崖っぷちの状態に。キュアモが首に下げていたことが災いして落ちて木に引っかかってしまいます。その下は奈落の底。
戦闘による振動で別荘に居たココ達もちょっぴり危険なのでくるみが退避するように言います。
戦闘を見ながら、プリキュアを支える頭脳と力を叩けば恐れるに足りないと分析するムカーディア。頭脳……あまり知性は発揮してないんだけどなぁ。汎用性が圧倒的に高いレモネードと思いっきり力技を駆使するミントの方が厄介だと思います。
のぞみの身体を支えるこまちとうらら。キュアモを掴むのぞみ。うらら的にはのぞみさんを掴めてラッキー。変身です。って待て待て、だからダメだよ分割しちゃ。アップで見せないと!健康的に伸びる腕とか、肩とか、薄着のわりに全然分からない胸部とか。そういうのを楽しみにしている全国1人の私のために頑張ってもらわないと(お前はもう一生休め)。ところで、今更ですがうららとのぞみって髪飾りのバリエーション多いですよね。
くるみもローズに変身します。単独変身の特権があるので常にアップですが、こちらは通常の私服なので残念。
ルージュとアクアに合流する4人。しかしふたりはすでに疲弊しています。ムカーディアはもう遅いと勝利を確信しています。
ホシイナーの大きさとパワーにひるむプリキュア。ストライクで燃やせないでしょうか。山火事で別荘がなくなりそうです。いっそソーサーで斬ってしまうか。ブリザードで枯らすか。
ドリームは皆に相手の動きを良く見て強く打ち返す!と実演します。テニスのときにくるみが言ったことです。テニスには応用できませんでしたが、戦闘ではバッチリ応用できるドリーム。基本能力が満たされていればドリームでも実践可能なようです。
打開策を見出したプリキュアは今度は反撃に転じます。ホシイナーの攻撃を弾いて倒します。驚くムカーディア。プリキュアは必ずしも明確な役割分担をしていないので、言いだしっぺが居れば即全員応用可能です。
ホシイナーは別荘を狙いますがローズがそれを阻止します。ホシイナーを押し返すローズ。脇が大写しになります。やったね! ヘソと脇担当。
そろそろ時間なのでココがフルーレを召還します。大型ホシイナーを喰ってしまう巨大薔薇。戦闘で傷ついた地形は元に戻ります。撤退するムカーディア。
⑤別荘に咲くふたつの花
ホシイナーが現れたのにエターナルが居なかったと不審に思うココ。そんな心配はつゆ知らず、りんとかれんは百井に貰った花を飾ります。くるみ達に百井に貰ったと説明するりんとかれん。今まで男っ気が無かったかれんにも浮いた話が出来たのか、と思ったら坂本さんの声。夕食が出来ました。早速反応するのぞみとうらら。こまちとくるみも付いていきます。残ったりんとかれんはそれぞれ花を見ながら百井の姿を思い出します。
⑥次回予告
ナッツが博士ポジションに!? 資金提供は水無月家(分割払い)
○トピック
プリキュア恒例の夏休みイベント。高原に行くのは標準仕様です。海に行っても水着になりません。毎週感想で水着水着言っていますが、プリキュアで水着は出ないことは百も承知。っていうか出たら何事かと驚きます。
一夏の甘い恋、かどうかは分からないけど、今回現れた美形キャラのムカーディアとりん、かれんの関係がちょっと気になるところ。百井に悪い印象は無いふたりが(お互いの友情を主軸として)どう関わっていくのか楽しみです。ココを巡ってクレープ・のぞみ・くるみ。こまちはナッツでしょうし。一波乱ありそうです。うららは変わらぬのぞみLOVEを続けていただきたい。ムカーディアが再分析してうららを狙ったとしても「あなたなんて興味ありません。私の視界を遮らないでください。のぞみさんが見えないじゃないですか。冗談はあなたの顔だけにしてください」と言ったら尊敬する。
さて、与太話はここまでにして、来週から30話となり物語は中盤へとさしかかります。シリーズの実績としてこの時期のプリキュアはだんだん脂が乗ってきて非常に美味しい時期です。一つ一つのエピソードも面白く終盤の展開へと繋がっていく重要な回が多くなるので期待が高まります。そんなわけで、自分なりにGoGo!のポイントを整理します。普段しょうもないツッコミとセクハラをしている私の感想ですが、一応それなりの視点と意識を持って見ているのでこの感想に付き合ってくださる方に分かりやすいように、そして私が書いて満足するために(この感想の主目的はそれです)以下書き出します。
①物語のあれこれ
1.のぞみ達の目的はキュアローズガーデンへ行ってフローラに会うこと。
その上でフローラに関係している問題を解決する。なおフローラは自身がまもなく消えてしまうと1話で語っている。彼女が問題にしているのは闇に強い怒りと憎しみが現れており希望を奪いに来ること(10話)。
2.シロップは過去の記憶を求めている。
キュアローズガーデンにその手がかりがあると考えている。なお、メルポはさり気に重要キャラなんじゃないかと思わなくもない。
3.ココとナッツは4人の国王を救わなければいけない。
国交を回復し、ココナッツの国王就任を承認してもらう必要がる。各国の王の力がローズガーデンへの扉を開くと伝えられている。
4.エターナルはコレクションを収集している。
価値あるものは自分達が一元管理する。館長はフローラと知り合い。ローズパクトはコレクションの中でも重要な品。
5.のぞみ達は各々の夢を叶える。
夢を実現させるまでは物語として今のところ必須ではない。
6.ブンビーさんの扱い
何か面白いことになるらしい。(Webラジオの麻生プロデューサーおよびシリーズ構成の成田女史の言)
物語としては色々課題があるのだけど、実はほとんどがまだ未解決か謎。おそらくローズガーデンに行けば最終決戦になってしまうだろうし、プリキュアのパターンから言って色んなものが一挙に解決されると思います。それまでは各国の王との関係回復とのぞみ達の関係や経験がその土壌となると思います。
②私はこういう風に見ています
1.希望の見出し方
プリキュア恒例の課題。絶望的状況に対してどのようにして対抗するか。希望がその鍵となるのなら、その希望はどうやって見出せるのか。今回は「価値」に重きがあるようなので、敵がのぞみ達の持つものを価値がないと言った時に、どのようにそれに反論し対抗できるか。
プリキュアシリーズの面白いところは敵を完全に破壊することが出来ない点です。絶望や不安や虚無などの概念は消滅させることが出来ません。そもそもプリキュアにおける戦いは思想戦であり敵勢力や物質的な何かを破壊する戦いではないので、プリキュアの持っている思想、つまり希望やその根拠をどこまで昇華できるか、という点にかかっています。敵を倒すのではなくて、自分達が信じるものをどこまで築き上げられるのかが焦点。
早い話、勝敗の鍵は全てそこにかかっていて、それ(希望)を証明するために様々なエピソードが練りこまれていると考えると分かりやすい。
2.何をどのようにして肯定するか
では、希望を見出してまで何を肯定したいのかが問われます。端的に言ってしまえば生きることです。では、どのように生きればいいのでしょうか。また、生きることは肯定するに足ることなのか。
最早人生観の問題になりますが、個人的にプリキュアを見ていて一番熱いと思うテーマです。
現代社会は最早私達にバラ色の未来を想像させてくれるほど未熟ではなくなりました。現代は豊かな社会を築き上げています。物質的にはもう十分豊かであると思います。豊か過ぎて物資や資源の枯渇が心配されるくらいに我々は物を持つことが出来ます。
この成熟しつつある社会の中で、私達はどのようにして生きるべきか。物を持つことで満たされる時代は過去のものとなりつつあります。個性とか自分らしさという言葉が飛び交い、求められるけどじゃあ、それって何なんですか。自分らしい生き方とは何か。物質的に安定した社会だからといって精神的な満足や安定までは保障してくれません。逆に物で埋められないものがあると気付きつつあります。物欲満載な人は良いんですが、私は物欲があまりないので精神的な充足を求めます。
自分のやりたいことはなんなのか、どのようにして見つけるのか、どのようにして叶えるのか、それらを阻む障害や課題をどう乗り越えるのか、自分が大切だと思うモノにどう序列をつけるのか。他者はそこにどう影響するのか。そもそもこんなに煩わしく、満たされ難い欲求を抱えながら様々な思惑と制限と抑圧に満たされたこの世界で生きることは肯定できるものなのか。
それら大小のキーワードが物語にたくさん込められていると思っています。思っているというか、勝手に見出しています。夢が無くて探している。困っている人が居たので助けることにした。それが夢になった。その夢を叶えたら、その人がやっていたことが夢になった。一人では出来なかったことが皆の応援で出来るようになった。人との関わりは必ずしも好ましいことばかりじゃない(人との関わりによってより一層孤独や自己の身勝手さを感じたりもする)と知ってしまったのだけど、それでもその関係が今の自分や他者を作っているのだと気付いた。人の犯した過ちや失われた信頼を現在行われている贖罪によって赦した。自分の居場所は自分を迎えてくれる他者が居る場所だと教えてもらった。夢も考え方も環境も能力も全く違う人達がいるからこそ、自分は支えられまた自分も人を支えているのだと気付いた……等々。
生きていく中に生きることを肯定できる事柄がたくさんあって、それを見つけたり教えられたり見出したりする。未来を目指すときに方法はたくさんある。その数ある方法の中から選び出していくのだけど、何が最も可能性があって同時に豊かにしてくれる方法なのかをプリキュアから見出すことが出来るのだと、私は思っています。こういう見方をしてプリキュアを見ている人はかなり特殊でしょうけどね。
前作プリキュア5も素晴らしい物語だったのだけど、その土台の上にGoGo!はあります。より一層広く、より一層高い未来と希望と肯定を見てみたい。
1.2.はほとんど同軸です。のぞみ達が何かを目指すことも、何かを叶えることも、そのために他者に関わることも、悩むことも、それらは全部最終的に私にとっては人の生を肯定することに帰結します。だって面白そうなんだよね、彼女ら。いつも楽しそうにいつも頑張っていていつも一生懸命。誰かを否定するんじゃなくて、みんな一緒に生きている。私もそんな面白さを味わってみたいと思うのですよ。
とまあ、臭いセリフを成人男性が女児向けアニメに対して真剣に言うのもどうかと思わなくも無いのだけど、やるんだったら徹底的にやってやるよ、ということで最後まで見続けたいと思います。
そんなこんなでそろそろ当初の予定通り書いて満足してきました。前からこの感想をお読みの方はいい加減同じパターンで読み飽きたと思いますが、相も変わらずこんなテンションと無駄に長い文章で続けていきます。プリキュアを楽しむ一助となれば幸いです。
①高原の別荘
坂本さんが運転する車に乗って遠出するのぞみ達。青い空、緑の高原、澄んだ湖、爽やかな風、それらを擁するのはかれんの別荘。ということで、前回のお話から続いて夏休み企画第2弾(1弾は肝試し)、水無月家別荘ツアー。
ちなみに私の中の設定では、これら水無月家の全ての別荘は坂本さんが一人で管理・運営しており、かれんの養育・交友関係も必要な経費は全て坂本さんが財テクを駆使して捻出している、ということになっています。坂本さんは超有能なだけではなく、お嬢様大好きな人なのでお嬢様のためなら何億でも作り出し使うことが出来る人です。自分のふところに入れるとかそんなセコイことはしません。
別荘の敷地内にはテニスコートがあります。隣のレストハウスも同様に水無月家のものです。山もスキーで使います。ここから見える景色全部? 「ええ、そのとおりよ」 流石水無月家、流石坂本さん。むしろそうでなくては。感心するみんなに冗談と答えるかれん。え、マジで? またまたご冗談を。謙遜しなくていいから。冗談に聞こえないと言うりん。同感です。かれんの後ろに立っていた坂本さんはかれんが冗談を言ったことに目頭を熱くしています。このように坂本さんはお嬢様の成長を見守ることに全ての能力と情熱を注いでいます。ちなみに、坂本さんはこの感動を受けてさら財産を増やすべくこの辺一帯を買ったと思います。っていうか、パルミエの領土より水無月家の所有地の方が広そうです。
有能なコックでもあるので夕食をご馳走すると言います。お腹をすかせる為にもみんなでスポーツ。けって~い。
エターナル。アナコンディに休暇の申請をするブンビー。即却下されます。休暇ないそうです。ブンビーにはまともに取り合わず人を待っていると言うアナコンディ。待ち人が現れます。端整な顔立ちの人物。ムカーディアさんとアナコンディは呼びます。ムカデが原型か。これは良い選択です。イケメンが実は醜いなんていい気味じゃないですか(ひがみカッコワルイ)。
立ち上がって応対するアナコンディ。ブンビーもびっくりです。有能らしくアナコンディの信任も厚いようです。立ち去り際に、パクトを没収したら休みが欲しいと言うムカーディア。即許可されます。しかも好きなだけ。エターナルは実力主義なので有能な人は高待遇です。指パッチンで消えるムカーディア。
イケメン…私の若い頃にそっくりだ…。それよりも自分の今の境遇に何か思うことはありませんか?
②テニス
敷地内には馬や牛も放牧されています。別荘の範疇越えてないか? 想像を超える別荘に改めて驚くうららとこまち。
のぞみはテニスをやると張り切っています。りんが不安になってやったことがあるのかと尋ねると首を横に振ります。こまちとうららも未経験者です。私もやったことがありません(お前に聞いてねぇよ)。くるみは初めてだけど大丈夫と答えます。うっかりルール間違えそうですが、問題なくやれそうです。
りんとかれんは未経験者が多いことからやめるか、と言いますがふたりがやりたがっていることに気づいているこまちが心中を察します。のぞみもやる気があるのでレッツトライ。
上空に現れるムカーディア。文字通り高みの見物をするようです。趣味の悪そうな椅子を出して観戦します。
くるみがサーブ。それを豪快に空ぶるのぞみ。よく玉を見てラケットに当たる瞬間まで目を逸らすな、とアドバイスするくるみ。今度は軽めに打ちますがそれも空振り。基本的な運動能力が足りていません。
こまちがサーブ。玉を追いかけるうららはそれを打ち返…せません。謝るうらら。こまちはうららのフォームが綺麗なことを褒めます。どうやら撮影でテニス部員の役をやったことがあるのでフォームだけは練習したようです。でもきっとこれは、本当に実在するかは分かりませんが意中の男性の前で「きゃー、私できませ~ん」とかわいこぶりっ子する女の子の戦術…ではなくのぞみに合わせて出来ないことを演出して、じゃあ上手く出来ないもの同士で組もうという風に持っていくための策略だと思います。
ということで、くるみに全く太刀打ちできないのぞみ(天然)。意外と上手いらしいこまちに太刀打ちできないうらら(演技)。それはそうと、のぞみやうららのシャツがひるがえっているときに垣間見える肌がとても良いと思います。水着なんてどうでもいい。前回の次回予告から楽しみに待っておりました。まさにここは楽園。パラダイス。
のぞみ達が楽しんでいるのを見届けて、「じゃ、私達も…」「楽しみましょうか!」にこやかに真剣勝負するりんとかれん。そんな君達が好きだ。
バシュ、という景気の良い音が聞こえてきます。休憩するのぞみ達の前で繰り広げられるテニスらしいテニス。りんもかれんも手加減せず本気です。きっとそのうち分身したり光ったり隕石が落ちてきたりします。テニス?
別荘の方ではココ達が休んでいます。クレープに休んで元気になってというココの言葉にプロポーズね!と相も変らぬ王女さん。
くるみがやってきて絵葉書を書くと言います。待て、先ほどまでのスポーツの格好はどうした! ダメだよ、さっきの格好じゃないと。後々変身シーンにも関わるからここは別荘仕様でないと。私服はスカートで太もも見放題だからむしろスポーツ衣装よりはいいんだけど、それはそれ、これはこれ、多様な変身バリエーションがプリキュアの醍醐味。
また届けるの?今日は休むと言うシロップ。メルポも同意します。エターナルといい勤労意欲があまりありません。世の働く社会人の気持ちを代弁します。
机を叩きつけてミルクに戻って反論します。王国に報告するのはお世話役の仕事!と葉書を書くミルク。何か、執念すら感じさせる鬼気迫る迫力です。その姿にココもナッツも申し訳なく思います。こいつら本業の仕事していません。ナッツはなにやら新商品らしきスケッチをしています。
テニスは?と聞くシロップに、相手が弱すぎてつまらないと答えるミルク。のぞみでは相手は務まらんだろうなぁ。
ラリーが続くりんとかれん。のぞみ・うらら・こまちはそれをベンチに座って見ます。惜しい。スカートを履いていれば! でもカメラさんナイスアングル。
均衡が続いていた試合の流れに決定打が放たれます。りんの放ったスマッシュが見事決まります。お互いに健闘を称えるりんとかれん。りんの薄着っぷりは群を抜いています。これでかれんがじゃあ本気を出そうと上着を脱いで捨てたらドスンと地面が陥没した、とかだったら面白いんですが。かれんも薄着になるので(そこかよ)。
③百井京介
拍手の音。見知らぬ男性が近づいてきます。自然に出てきますが、明らかに不法侵入なので警察を呼びましょう。ここは楽園でありパラダイスなので男は消えろ。冷静にどちら様?と尋ねるかれん。百井京介と名乗るムカーディア。道に迷ったと説明します。おもむろにラケットを手にとってテニスの手合わせを申し出ます。自信があるのかふたりまとめて相手をすると言います。
百井がサーブ。反応しきれないりんとかれん。かなりの実力者のようです。が、お前それはかっこ悪くないか? 立場上客人扱いになるし、仮にうわ手なら相手の力量を見計らいながら流れを制御しなさいな。自分の実力を見せ付けてどうするんだ。
息を切らすかれんとりん。百井は余裕の体でふたりを見ます。これを傍目に見ると、突然やってきた男性が年下の女子中学生相手に実力を見せ付けてご満悦、という風になります。だっ、ダメだこいつ。エレガントさがねぇ。逆に余裕がないよこの人。
のぞみはパルミンを発見します。うららとこまちも気づきます。うららはうっかりパルミンといいかけてしまいますが百井が居るのでバラすわけにはいきません。かれんが気を利かせて飲み物を持って来たら?と促します。話に乗ってその場を離れるのぞみ達。
さあ、これで気兼ねなくりんもかれんも本気を出せます。本気を出してしまうとそのあまりの強さに周囲が引くことを知っているふたりは客人を辱めないためにもセーブしておりましたが、客人の無礼さに内心むかっ腹を立てていたので、のぞみ達が居なくなった今、この無礼千万な百井をぶちのめすチャンスです。…という風に勝手に解釈して脚色してみました。
百井からポイントを奪うりんとかれん。結構ショックを受けている百井。無駄に自尊心高そうな人かも。気を取り直してふたりを褒めます。時間なので駅はどっちかな、と訪ねます。置いてあったタオルを掴んで手品を披露。2つの花を出します。赤い花をりんに、青い花をかれんに渡します。なるほど、大道芸の人でしたか。立ち去る百井。
④かれんの所有地もよく戦場になります
のぞみ達はパルミンをショット。桃になります。目的も達成したので戻ろうとしますが、迷ってしまいます。友達の別荘で遭難は冗談では済みません。
またあの悪趣味な椅子に座ったムカーディアはホシイナーを地面に放り投げます。ホシイナー化する地面。フィールド系?
のぞみ達の帰りが遅いので心配するかれん達。戻っているのかと考えるかれんにりんは迷っているかもしれないと言います。よくご存知で。のぞみ達を探しに行きます。
のぞみ達の名前を叫ぶとやまびことなって声が返ってきます。「ホシイナー」……。疑問が生じつつももう一度。「ホシイナー」………。案の定ホシイナーが出現します。しかし山ほども大きいホシイナー。大型です。山の中に居たのぞみ達は振動と地形変化に巻き込まれてしまいます。
変身です。よっしゃー。この瞬間を待っていました。今回一番露出が多いりんをアップで映すその心意気にスタッフの並々ならぬ気合が感じられます。
攻撃してくるホシイナー。回避。
のぞみ達は崖っぷちの状態に。キュアモが首に下げていたことが災いして落ちて木に引っかかってしまいます。その下は奈落の底。
戦闘による振動で別荘に居たココ達もちょっぴり危険なのでくるみが退避するように言います。
戦闘を見ながら、プリキュアを支える頭脳と力を叩けば恐れるに足りないと分析するムカーディア。頭脳……あまり知性は発揮してないんだけどなぁ。汎用性が圧倒的に高いレモネードと思いっきり力技を駆使するミントの方が厄介だと思います。
のぞみの身体を支えるこまちとうらら。キュアモを掴むのぞみ。うらら的にはのぞみさんを掴めてラッキー。変身です。って待て待て、だからダメだよ分割しちゃ。アップで見せないと!健康的に伸びる腕とか、肩とか、薄着のわりに全然分からない胸部とか。そういうのを楽しみにしている全国1人の私のために頑張ってもらわないと(お前はもう一生休め)。ところで、今更ですがうららとのぞみって髪飾りのバリエーション多いですよね。
くるみもローズに変身します。単独変身の特権があるので常にアップですが、こちらは通常の私服なので残念。
ルージュとアクアに合流する4人。しかしふたりはすでに疲弊しています。ムカーディアはもう遅いと勝利を確信しています。
ホシイナーの大きさとパワーにひるむプリキュア。ストライクで燃やせないでしょうか。山火事で別荘がなくなりそうです。いっそソーサーで斬ってしまうか。ブリザードで枯らすか。
ドリームは皆に相手の動きを良く見て強く打ち返す!と実演します。テニスのときにくるみが言ったことです。テニスには応用できませんでしたが、戦闘ではバッチリ応用できるドリーム。基本能力が満たされていればドリームでも実践可能なようです。
打開策を見出したプリキュアは今度は反撃に転じます。ホシイナーの攻撃を弾いて倒します。驚くムカーディア。プリキュアは必ずしも明確な役割分担をしていないので、言いだしっぺが居れば即全員応用可能です。
ホシイナーは別荘を狙いますがローズがそれを阻止します。ホシイナーを押し返すローズ。脇が大写しになります。やったね! ヘソと脇担当。
そろそろ時間なのでココがフルーレを召還します。大型ホシイナーを喰ってしまう巨大薔薇。戦闘で傷ついた地形は元に戻ります。撤退するムカーディア。
⑤別荘に咲くふたつの花
ホシイナーが現れたのにエターナルが居なかったと不審に思うココ。そんな心配はつゆ知らず、りんとかれんは百井に貰った花を飾ります。くるみ達に百井に貰ったと説明するりんとかれん。今まで男っ気が無かったかれんにも浮いた話が出来たのか、と思ったら坂本さんの声。夕食が出来ました。早速反応するのぞみとうらら。こまちとくるみも付いていきます。残ったりんとかれんはそれぞれ花を見ながら百井の姿を思い出します。
⑥次回予告
ナッツが博士ポジションに!? 資金提供は水無月家(分割払い)
○トピック
プリキュア恒例の夏休みイベント。高原に行くのは標準仕様です。海に行っても水着になりません。毎週感想で水着水着言っていますが、プリキュアで水着は出ないことは百も承知。っていうか出たら何事かと驚きます。
一夏の甘い恋、かどうかは分からないけど、今回現れた美形キャラのムカーディアとりん、かれんの関係がちょっと気になるところ。百井に悪い印象は無いふたりが(お互いの友情を主軸として)どう関わっていくのか楽しみです。ココを巡ってクレープ・のぞみ・くるみ。こまちはナッツでしょうし。一波乱ありそうです。うららは変わらぬのぞみLOVEを続けていただきたい。ムカーディアが再分析してうららを狙ったとしても「あなたなんて興味ありません。私の視界を遮らないでください。のぞみさんが見えないじゃないですか。冗談はあなたの顔だけにしてください」と言ったら尊敬する。
さて、与太話はここまでにして、来週から30話となり物語は中盤へとさしかかります。シリーズの実績としてこの時期のプリキュアはだんだん脂が乗ってきて非常に美味しい時期です。一つ一つのエピソードも面白く終盤の展開へと繋がっていく重要な回が多くなるので期待が高まります。そんなわけで、自分なりにGoGo!のポイントを整理します。普段しょうもないツッコミとセクハラをしている私の感想ですが、一応それなりの視点と意識を持って見ているのでこの感想に付き合ってくださる方に分かりやすいように、そして私が書いて満足するために(この感想の主目的はそれです)以下書き出します。
①物語のあれこれ
1.のぞみ達の目的はキュアローズガーデンへ行ってフローラに会うこと。
その上でフローラに関係している問題を解決する。なおフローラは自身がまもなく消えてしまうと1話で語っている。彼女が問題にしているのは闇に強い怒りと憎しみが現れており希望を奪いに来ること(10話)。
2.シロップは過去の記憶を求めている。
キュアローズガーデンにその手がかりがあると考えている。なお、メルポはさり気に重要キャラなんじゃないかと思わなくもない。
3.ココとナッツは4人の国王を救わなければいけない。
国交を回復し、ココナッツの国王就任を承認してもらう必要がる。各国の王の力がローズガーデンへの扉を開くと伝えられている。
4.エターナルはコレクションを収集している。
価値あるものは自分達が一元管理する。館長はフローラと知り合い。ローズパクトはコレクションの中でも重要な品。
5.のぞみ達は各々の夢を叶える。
夢を実現させるまでは物語として今のところ必須ではない。
6.ブンビーさんの扱い
何か面白いことになるらしい。(Webラジオの麻生プロデューサーおよびシリーズ構成の成田女史の言)
物語としては色々課題があるのだけど、実はほとんどがまだ未解決か謎。おそらくローズガーデンに行けば最終決戦になってしまうだろうし、プリキュアのパターンから言って色んなものが一挙に解決されると思います。それまでは各国の王との関係回復とのぞみ達の関係や経験がその土壌となると思います。
②私はこういう風に見ています
1.希望の見出し方
プリキュア恒例の課題。絶望的状況に対してどのようにして対抗するか。希望がその鍵となるのなら、その希望はどうやって見出せるのか。今回は「価値」に重きがあるようなので、敵がのぞみ達の持つものを価値がないと言った時に、どのようにそれに反論し対抗できるか。
プリキュアシリーズの面白いところは敵を完全に破壊することが出来ない点です。絶望や不安や虚無などの概念は消滅させることが出来ません。そもそもプリキュアにおける戦いは思想戦であり敵勢力や物質的な何かを破壊する戦いではないので、プリキュアの持っている思想、つまり希望やその根拠をどこまで昇華できるか、という点にかかっています。敵を倒すのではなくて、自分達が信じるものをどこまで築き上げられるのかが焦点。
早い話、勝敗の鍵は全てそこにかかっていて、それ(希望)を証明するために様々なエピソードが練りこまれていると考えると分かりやすい。
2.何をどのようにして肯定するか
では、希望を見出してまで何を肯定したいのかが問われます。端的に言ってしまえば生きることです。では、どのように生きればいいのでしょうか。また、生きることは肯定するに足ることなのか。
最早人生観の問題になりますが、個人的にプリキュアを見ていて一番熱いと思うテーマです。
現代社会は最早私達にバラ色の未来を想像させてくれるほど未熟ではなくなりました。現代は豊かな社会を築き上げています。物質的にはもう十分豊かであると思います。豊か過ぎて物資や資源の枯渇が心配されるくらいに我々は物を持つことが出来ます。
この成熟しつつある社会の中で、私達はどのようにして生きるべきか。物を持つことで満たされる時代は過去のものとなりつつあります。個性とか自分らしさという言葉が飛び交い、求められるけどじゃあ、それって何なんですか。自分らしい生き方とは何か。物質的に安定した社会だからといって精神的な満足や安定までは保障してくれません。逆に物で埋められないものがあると気付きつつあります。物欲満載な人は良いんですが、私は物欲があまりないので精神的な充足を求めます。
自分のやりたいことはなんなのか、どのようにして見つけるのか、どのようにして叶えるのか、それらを阻む障害や課題をどう乗り越えるのか、自分が大切だと思うモノにどう序列をつけるのか。他者はそこにどう影響するのか。そもそもこんなに煩わしく、満たされ難い欲求を抱えながら様々な思惑と制限と抑圧に満たされたこの世界で生きることは肯定できるものなのか。
それら大小のキーワードが物語にたくさん込められていると思っています。思っているというか、勝手に見出しています。夢が無くて探している。困っている人が居たので助けることにした。それが夢になった。その夢を叶えたら、その人がやっていたことが夢になった。一人では出来なかったことが皆の応援で出来るようになった。人との関わりは必ずしも好ましいことばかりじゃない(人との関わりによってより一層孤独や自己の身勝手さを感じたりもする)と知ってしまったのだけど、それでもその関係が今の自分や他者を作っているのだと気付いた。人の犯した過ちや失われた信頼を現在行われている贖罪によって赦した。自分の居場所は自分を迎えてくれる他者が居る場所だと教えてもらった。夢も考え方も環境も能力も全く違う人達がいるからこそ、自分は支えられまた自分も人を支えているのだと気付いた……等々。
生きていく中に生きることを肯定できる事柄がたくさんあって、それを見つけたり教えられたり見出したりする。未来を目指すときに方法はたくさんある。その数ある方法の中から選び出していくのだけど、何が最も可能性があって同時に豊かにしてくれる方法なのかをプリキュアから見出すことが出来るのだと、私は思っています。こういう見方をしてプリキュアを見ている人はかなり特殊でしょうけどね。
前作プリキュア5も素晴らしい物語だったのだけど、その土台の上にGoGo!はあります。より一層広く、より一層高い未来と希望と肯定を見てみたい。
1.2.はほとんど同軸です。のぞみ達が何かを目指すことも、何かを叶えることも、そのために他者に関わることも、悩むことも、それらは全部最終的に私にとっては人の生を肯定することに帰結します。だって面白そうなんだよね、彼女ら。いつも楽しそうにいつも頑張っていていつも一生懸命。誰かを否定するんじゃなくて、みんな一緒に生きている。私もそんな面白さを味わってみたいと思うのですよ。
とまあ、臭いセリフを成人男性が女児向けアニメに対して真剣に言うのもどうかと思わなくも無いのだけど、やるんだったら徹底的にやってやるよ、ということで最後まで見続けたいと思います。
そんなこんなでそろそろ当初の予定通り書いて満足してきました。前からこの感想をお読みの方はいい加減同じパターンで読み飽きたと思いますが、相も変わらずこんなテンションと無駄に長い文章で続けていきます。プリキュアを楽しむ一助となれば幸いです。
第28話「ココのお嫁さん登場!?」
○今週の出来事
①クレープ王女
夏真っ盛り。パルミンがフラフラと飛んでいますが夏バテ気味のようです。
ナッツハウスでものぞみ達は暑さに参っています。気丈に振舞っていたくるみもバテてミルクに戻ります。
りんはかれんの別荘を思いだします。何故かガマオが漂流していたアレです。なるほど今一度海へ行くわけですね。うららは高原を希望します。違う! 間違っているぞ! それはいけない。それを聞いて高原の別荘に思い当たるかれん。ああ、やっぱそのパターン。この人なんでも持っているからそういうこと言っちゃダメだよ。今年は高原の別荘になるようです。
喜んでいるみんなのもとにパルミンが飛んできます。このアニメは収集物を必然的な偶然で入手するので放っておいてもコンプされます。慌ててキュアモを取り出してショット。すると当たりです。王女らしき人物。ココとナッツはその姿を見て素直に喜べません。名はクレープ王女。
いや、そんなことより、先ほどの計画について見直しをするべきだと思います。やはり海とか水場がよろしいかと思います。そう、具体的に言うのであれば、水着になるところが良いと思います。
キュアモからパクトへ転送して、実体化したクレープ王女はあたりを見回すと、ココの姿に気づいてそのままダイブ。ココに抱きつきます。マイスイートダーリンとか言い出しましたよ、この人。暑苦しいのにさらに暑苦しくなります。ええい、不思議生物が抱き合ってもこちとら面白くも無いわ。うららはのぞみの胸に飛び込むべきだと思います(冷蔵庫の中に入ってろ)。
無論、それを放置するほどミルクはお人好しでも大人しくもなく、どういうことかと尋ねます。するとクレープ王女はココの婚約者だと言います。驚く一同。ってココまで驚くな。
ちなみに、私は聞き取りにくかったのですが、クレープ王女の語尾はククです。字幕で確認しました。ココに聞こえてしまって、ココの婚約者だけに真似ているのかと思ってしまいました。
疑惑の目でココを見るのぞみとミルク。ミルク怖ぇぇ。ただの幼馴染だと弁解するココ。それを聞いて泣き出すクレープ王女。「泣かせちゃいました」「泣かせたわ」「泣かせちゃったわね」「いっけないんだ」「責任とるロプ」集中砲火。怖い。女の子って怖い。特にのぞみの視線が痛い。しかしそんな風に嫉妬されたい(冷蔵庫から出てくんな)。
エターナル。お茶入れときましたよー、といつものブンビーさん。エターナルにはエアコンが設置されていないようです。館長蒸し風呂なんじゃないのか、あの格好。そこにイソーギンとヤドカーンが釣竿を持って通りかかります。ローズパクトとパクッと没収と言います。案外駄洒落好きかもしれません。ブンビーさん的にはまだまだのギャグらしいです。なんていうか、論点が全く違う気がするんですが。
ココりん、とココを呼ぶクレープ王女。ダーリンとか言い出すし、この人電撃使えるんじゃない? 結婚の約束を憶えていないのか?と迫るクレープ。思い当たらないようで、ココはナッツを見ます。幼い頃に道に迷って心細いクレープを励ますココ。ココと手をつないだことに激しく反応するミルク。クレープは当時のことをうっとりとしながら思い返します。でもそれは違うようです。ガックリする一同。
場から離れるナッツ。クレープが苦手らしい。
外に出るとナッツはおばあさんと孫らしき娘を見つけます。暑さに参っています。
ショック~と泣き出す王女。のぞみはまだ疑惑の視線を向けています。アレか、と思い出すココ。パルミエの木に登って降りられなくなったクレープを自分に向かって飛び降りろとクレープを受け止めるココ。その話を聞いてさらに熱くなるミルク。そのうち沸騰しそうです。クレープは当時のことをうっとりとしながら思い返します。でもそれも違うようです。
ナッツハウスの前で休む2人。娘は喉が渇いたとお婆さんに言います。しかし水のみ場など近くに…とあたりを見回すお婆さん。後ろでその様子を見るナッツ。
憶えていないココに痺れを切らして、そのシーンを思い返すクレープ。食べ物を食べるココ達。ココは自分が食べようとしていた食べ物の半分をクレープにあげます。クレープ王国ではそれがプロポーズらしい。呆然とする一同。ココは知らなかったと言います。クレープの一人思い込みに安堵するのぞみ。あ、なんだろこの私の中にある切なさ。
プロポーズだと言い張るクレープにこまちは無効だと冷静に言います。かれんもお互いに理解して進めないと、と付け足します。勘違いで結婚は無いんじゃない?とりんも同意。賛同を得られないクレープ王女。私は大賛成ですよ。今すぐにでも祝電を贈りたいくらいです。
結婚してくれなければココを国王だと認めない、と言い出すクレープ王女。何という脅迫。この人タチ悪いぞ。暑さのせいではないような汗を大量に浮かべるココ。ふたりが結婚してパルミエ・クレープ連合王国にすればお互い助け合えるし経費も少なくて済むといいます。何という政略結婚。この王女したたかだよ。っていうか経費削減とか何かこのアニメ具体的過ぎるよ。結婚がこんなに具体的で夢が無い幼女向けアニメも珍しい。
ある意味感心するかれん。しっかりというか、手段を選ばないというか。王様と王女様との結婚なら派手な式になると言ううらら。流石うらら。君はよく分かっている。そう、ココがクレープと結婚すれば脅威は無くなります。失恋によって失意にあるのぞみを口説くのはこの時を置いて無い。頑張れうらら。りんは(のぞみとうららが)結婚するわけじゃないよ、と制止します。すみません、会話をちょっと曲解しました。
②ナッツハウスの営業
ナッツが冷蔵庫に水をとりにやってきます。冷蔵庫の中には豆大福とシュークリームが大量に入っています。流石です。ナッツの動きに気づくこまち。
水を飲む娘。ナッツはふたりに水を出していました。娘はナッツハウスの商品を見て好奇心を表します。困った顔でナッツを見るお婆さん。ナッツは快く応じます。するといつの間にか他の人達も来ており声をかけられます。
釣りをしながらローズパクトに何か入ったことに気づくイソーギン達。価値が上がった。
クレープはこんなわけのわからないところに居ないで、復興に力を注ぐべきだといいます。反発するミルク。4人の国王を助けるために居るのだから勝手なことを言うなと反論します。冷静なクレープ。誰かと尋ねます。答えるミルク。気ばかり強くて礼儀も何も無いお世話役見習いか、としれっと答える王女。つっ、強い。この王女強い。したたかで交渉力と権威、肝を持っている。ミルクを脅すクレープ。これにはミルクもタジタジです。ココの方を向いて良い顔をするクレープ。女の子って怖いですね。
ところが、周囲にはクレープとミルク以外誰も居ません。
いつの間にかお客さんで溢れかえるナッツハウス。アイスティーを配るのぞみ達。
喉が渇いてきたイソーギンとヤドカーン。水ならあるぞ、と池を示すイソーギン。「生水を飲んではいけません」「おっしゃるとおり」 特に淡水は微生物やバクテリアが生息しているので衛生上よろしくありません。淡水生物を食べる際は過熱あるいは塩で調理しましょう。
ミルクにコップを尋ねるのぞみとシロップ。くるみになって手際よくコップを取り出します。のぞみはクレープの様子が変なことに気づきます。
クレープはココナッツが笑っていると言います。いつも笑っていると言うのぞみ。泣き出すクレープ。パルミエが滅亡して心配していたと話します。彼らの苦しみを理解し案じていた彼女は彼らの笑顔を心から喜びます。クレープがココとナッツを好きなことを理解するのぞみ。当然だと言うクレープ。ナッツはともかくココは婚約者だと言います。ナッツの人気の無さにファンが泣きそうですが、こまちは有りだと思っていそうです。恋のライバルかと思いきや、のぞみはクレープの物言いに動じず安心した心持で見ます。
上手く言い表す言葉がちょっと見つからないのだけど、彼女は聡明なのだと思う。さきほどまでココに対するクレープの態度に嫉妬していたのだと思うけど、クレープがココを好きな気持ちを知ることで態度が全く変わっています。婚約が成立していないから、というよりも相手に対する理解がのぞみの行動に影響を与えていると思う。ココを好いているというのならミルクもそうなのだけど、そのミルクをのぞみは認めている。おそらく彼女は好意などの気持ちを大切にしていて、それらに対して狭量的な自分の感情を差し込まないのだと思う。彼女がクレープに今後どう接していくかは面白そうな点です。
③ナッツハウスはよく戦場になります
夕方。お客さんも帰り一段落。水を求める声。振り向くとそこには怪しげな2人。最強のハンター。イソーギンとヤドカーンです。
大物が釣れたと普通のザリガニを示すふたり。餌もザリガニ釣り用です。小学生かお前らは。これから大物になると、ホシイナーを憑依させます。変身。のぞみ達が伝説の戦士プリキュアだと知るクレープ。今までどういう人達だと認識していたのか気になります。ミルキィ・ローズの姿を見て青い薔薇の伝説に気づくクレープ。ご説明ありがとうございます。
ザリガニホシイナーが攻撃してきます。クレープはパクトに避難。ザリガニの頭部にホシイナーの玉が乗っているという安直なデザインのわりにパワーはあるらしくプリキュア達を吹っ飛ばします。反撃に転じるプリキュア。図体のわりに小回りも利き応戦するホシイナー。少々手ごわい。
パクトを落としてしまったシロップ達を見て、イソーギン達は合体して迫ります。迫ってくるホシイナーを今度は圧倒するプリキュアとローズ。そろそろ相手の動きやスペックを読んだのでしょうか。パクトを掴もうとするイソカーン(勝手に合体名を命名)を遮ってローズが取り戻します。シロップに返すローズ。
シロップ達を狙うホシイナーをいなしてひっくり返すプリキュア。ホシイナーは抜け殻になって本体がありません。変わり身の術ですか。脱皮した本体は池の中に。プリキュアを狙うホシイナーに、ココはフルーレを召還します。ココ=フルーレ召還係。シロップ=パクト持ち係。ナッツ=……。頑張れナッツ。例えクレープから無視されても、ココと結婚して連合を作られて立場が全く無かったとしても、君にはナッツハウス(賃貸)があるじゃないか!
そんなわけで衣装に合わせてデザインしたのかと思うほど似合っていて可愛くカッコイイプリキュア。その可憐さを全く度外視して出現する巨大薔薇。女児向けアニメとしてそれで良いのか?と疑問を感じる「喰い殺し」によってホシイナーを倒します。豪快です。プリキュアは斜め上を行くアニメです。
プリキュアの力を目にしたイソカーンは凄いな、カッコイイな、と驚きます。見とれている間にローズがブリザードを放ちます。あれは痛いからと攻撃を受ける前に撤退します。
④策謀の王女
プリキュアとローズの活躍にお礼を言うクレープ王女。ココりんとナッツの笑顔を守ってくれたことに感謝します。何故ココ達がここに居るのか分かったと言う王女。意外に度量もある。ただ、間違いなくこの王女は狡猾だ。
冷たいものを呑もうと、シロップに命じるクレープ。ね、したたかでしょ。クレープの目は間違いなくシロップがこの場で最下層の階級だと判断したと思うね。渋々でも飲み物を持ってくるシロップ。シロップの態度を見つめるうらら。のぞみは飲み物の方に視線を向けています。む、いかんぞ、うらら。それはいかん。君はのぞみに一つのジュースを2つのストローで飲みましょうとかそういうことを言わないといかん(冷凍庫に入ってろ)。
ジュースを飲み干して、ココがたくましくなっていることでさらに、パルミエ・クレープ連合王国は安泰だとほくそ笑む王女。ああ、今頃だけど気づいた、この王女さん最初の頃のミルクにそっくりだ。
⑤次回予告
まだだ、まだ計画は終わったわけじゃない。あれだ、温泉があるっていうのはどうか。
○トピック
押しかけ女房のような勢いで登場のクレープ王女。純粋に恋愛とかのぞみとミルクを含めた三角関係の昼ドラ展開とか、そんな予想をぶっちぎって、パルミエ・クレープ連合王国を夢見る彼女はたくましい。このアニメは細かいところで現実的。実はババロアやドーナツ王国を潰す気があったりして。
当初のココナッツが国王になることに他の国王達は不満である、という話はどっかに飛んでいったようなのでさっくり忘れるべきでしょうか。大勢に影響は無い設定ですが。ところで、そもそも襲撃したのは誰だよ?という疑問もさっくり忘れた方が良いのかな。実は凄い複線で、フローラが首謀者とか期待しているのですが。
物語も中盤に入ってきたので、このタイミングでココを好いている王女を登場させているのは相応の意味があるでしょうから期待しています。さり気に政治的な匂いもしますし。
プリキュアの恋愛は非常にプラトニックですが、複雑な心理や人間関係の上でそれをやっているので見応えがあります。意中の相手を得るために蹴落としたり相手の気持ちを軽んじるようなことはしないでしょうが、何よりも好意や人の感情、関係をプリキュア的手法でもって美しく描いて欲しいですね。さらに人間関係から国交の回復まで幅広く解決するのがプリキュアのダイナミズム。来週はまだ夏休みモードなのでゆっくりと見ていきたいと思います。
①クレープ王女
夏真っ盛り。パルミンがフラフラと飛んでいますが夏バテ気味のようです。
ナッツハウスでものぞみ達は暑さに参っています。気丈に振舞っていたくるみもバテてミルクに戻ります。
りんはかれんの別荘を思いだします。何故かガマオが漂流していたアレです。なるほど今一度海へ行くわけですね。うららは高原を希望します。違う! 間違っているぞ! それはいけない。それを聞いて高原の別荘に思い当たるかれん。ああ、やっぱそのパターン。この人なんでも持っているからそういうこと言っちゃダメだよ。今年は高原の別荘になるようです。
喜んでいるみんなのもとにパルミンが飛んできます。このアニメは収集物を必然的な偶然で入手するので放っておいてもコンプされます。慌ててキュアモを取り出してショット。すると当たりです。王女らしき人物。ココとナッツはその姿を見て素直に喜べません。名はクレープ王女。
いや、そんなことより、先ほどの計画について見直しをするべきだと思います。やはり海とか水場がよろしいかと思います。そう、具体的に言うのであれば、水着になるところが良いと思います。
キュアモからパクトへ転送して、実体化したクレープ王女はあたりを見回すと、ココの姿に気づいてそのままダイブ。ココに抱きつきます。マイスイートダーリンとか言い出しましたよ、この人。暑苦しいのにさらに暑苦しくなります。ええい、不思議生物が抱き合ってもこちとら面白くも無いわ。うららはのぞみの胸に飛び込むべきだと思います(冷蔵庫の中に入ってろ)。
無論、それを放置するほどミルクはお人好しでも大人しくもなく、どういうことかと尋ねます。するとクレープ王女はココの婚約者だと言います。驚く一同。ってココまで驚くな。
ちなみに、私は聞き取りにくかったのですが、クレープ王女の語尾はククです。字幕で確認しました。ココに聞こえてしまって、ココの婚約者だけに真似ているのかと思ってしまいました。
疑惑の目でココを見るのぞみとミルク。ミルク怖ぇぇ。ただの幼馴染だと弁解するココ。それを聞いて泣き出すクレープ王女。「泣かせちゃいました」「泣かせたわ」「泣かせちゃったわね」「いっけないんだ」「責任とるロプ」集中砲火。怖い。女の子って怖い。特にのぞみの視線が痛い。しかしそんな風に嫉妬されたい(冷蔵庫から出てくんな)。
エターナル。お茶入れときましたよー、といつものブンビーさん。エターナルにはエアコンが設置されていないようです。館長蒸し風呂なんじゃないのか、あの格好。そこにイソーギンとヤドカーンが釣竿を持って通りかかります。ローズパクトとパクッと没収と言います。案外駄洒落好きかもしれません。ブンビーさん的にはまだまだのギャグらしいです。なんていうか、論点が全く違う気がするんですが。
ココりん、とココを呼ぶクレープ王女。ダーリンとか言い出すし、この人電撃使えるんじゃない? 結婚の約束を憶えていないのか?と迫るクレープ。思い当たらないようで、ココはナッツを見ます。幼い頃に道に迷って心細いクレープを励ますココ。ココと手をつないだことに激しく反応するミルク。クレープは当時のことをうっとりとしながら思い返します。でもそれは違うようです。ガックリする一同。
場から離れるナッツ。クレープが苦手らしい。
外に出るとナッツはおばあさんと孫らしき娘を見つけます。暑さに参っています。
ショック~と泣き出す王女。のぞみはまだ疑惑の視線を向けています。アレか、と思い出すココ。パルミエの木に登って降りられなくなったクレープを自分に向かって飛び降りろとクレープを受け止めるココ。その話を聞いてさらに熱くなるミルク。そのうち沸騰しそうです。クレープは当時のことをうっとりとしながら思い返します。でもそれも違うようです。
ナッツハウスの前で休む2人。娘は喉が渇いたとお婆さんに言います。しかし水のみ場など近くに…とあたりを見回すお婆さん。後ろでその様子を見るナッツ。
憶えていないココに痺れを切らして、そのシーンを思い返すクレープ。食べ物を食べるココ達。ココは自分が食べようとしていた食べ物の半分をクレープにあげます。クレープ王国ではそれがプロポーズらしい。呆然とする一同。ココは知らなかったと言います。クレープの一人思い込みに安堵するのぞみ。あ、なんだろこの私の中にある切なさ。
プロポーズだと言い張るクレープにこまちは無効だと冷静に言います。かれんもお互いに理解して進めないと、と付け足します。勘違いで結婚は無いんじゃない?とりんも同意。賛同を得られないクレープ王女。私は大賛成ですよ。今すぐにでも祝電を贈りたいくらいです。
結婚してくれなければココを国王だと認めない、と言い出すクレープ王女。何という脅迫。この人タチ悪いぞ。暑さのせいではないような汗を大量に浮かべるココ。ふたりが結婚してパルミエ・クレープ連合王国にすればお互い助け合えるし経費も少なくて済むといいます。何という政略結婚。この王女したたかだよ。っていうか経費削減とか何かこのアニメ具体的過ぎるよ。結婚がこんなに具体的で夢が無い幼女向けアニメも珍しい。
ある意味感心するかれん。しっかりというか、手段を選ばないというか。王様と王女様との結婚なら派手な式になると言ううらら。流石うらら。君はよく分かっている。そう、ココがクレープと結婚すれば脅威は無くなります。失恋によって失意にあるのぞみを口説くのはこの時を置いて無い。頑張れうらら。りんは(のぞみとうららが)結婚するわけじゃないよ、と制止します。すみません、会話をちょっと曲解しました。
②ナッツハウスの営業
ナッツが冷蔵庫に水をとりにやってきます。冷蔵庫の中には豆大福とシュークリームが大量に入っています。流石です。ナッツの動きに気づくこまち。
水を飲む娘。ナッツはふたりに水を出していました。娘はナッツハウスの商品を見て好奇心を表します。困った顔でナッツを見るお婆さん。ナッツは快く応じます。するといつの間にか他の人達も来ており声をかけられます。
釣りをしながらローズパクトに何か入ったことに気づくイソーギン達。価値が上がった。
クレープはこんなわけのわからないところに居ないで、復興に力を注ぐべきだといいます。反発するミルク。4人の国王を助けるために居るのだから勝手なことを言うなと反論します。冷静なクレープ。誰かと尋ねます。答えるミルク。気ばかり強くて礼儀も何も無いお世話役見習いか、としれっと答える王女。つっ、強い。この王女強い。したたかで交渉力と権威、肝を持っている。ミルクを脅すクレープ。これにはミルクもタジタジです。ココの方を向いて良い顔をするクレープ。女の子って怖いですね。
ところが、周囲にはクレープとミルク以外誰も居ません。
いつの間にかお客さんで溢れかえるナッツハウス。アイスティーを配るのぞみ達。
喉が渇いてきたイソーギンとヤドカーン。水ならあるぞ、と池を示すイソーギン。「生水を飲んではいけません」「おっしゃるとおり」 特に淡水は微生物やバクテリアが生息しているので衛生上よろしくありません。淡水生物を食べる際は過熱あるいは塩で調理しましょう。
ミルクにコップを尋ねるのぞみとシロップ。くるみになって手際よくコップを取り出します。のぞみはクレープの様子が変なことに気づきます。
クレープはココナッツが笑っていると言います。いつも笑っていると言うのぞみ。泣き出すクレープ。パルミエが滅亡して心配していたと話します。彼らの苦しみを理解し案じていた彼女は彼らの笑顔を心から喜びます。クレープがココとナッツを好きなことを理解するのぞみ。当然だと言うクレープ。ナッツはともかくココは婚約者だと言います。ナッツの人気の無さにファンが泣きそうですが、こまちは有りだと思っていそうです。恋のライバルかと思いきや、のぞみはクレープの物言いに動じず安心した心持で見ます。
上手く言い表す言葉がちょっと見つからないのだけど、彼女は聡明なのだと思う。さきほどまでココに対するクレープの態度に嫉妬していたのだと思うけど、クレープがココを好きな気持ちを知ることで態度が全く変わっています。婚約が成立していないから、というよりも相手に対する理解がのぞみの行動に影響を与えていると思う。ココを好いているというのならミルクもそうなのだけど、そのミルクをのぞみは認めている。おそらく彼女は好意などの気持ちを大切にしていて、それらに対して狭量的な自分の感情を差し込まないのだと思う。彼女がクレープに今後どう接していくかは面白そうな点です。
③ナッツハウスはよく戦場になります
夕方。お客さんも帰り一段落。水を求める声。振り向くとそこには怪しげな2人。最強のハンター。イソーギンとヤドカーンです。
大物が釣れたと普通のザリガニを示すふたり。餌もザリガニ釣り用です。小学生かお前らは。これから大物になると、ホシイナーを憑依させます。変身。のぞみ達が伝説の戦士プリキュアだと知るクレープ。今までどういう人達だと認識していたのか気になります。ミルキィ・ローズの姿を見て青い薔薇の伝説に気づくクレープ。ご説明ありがとうございます。
ザリガニホシイナーが攻撃してきます。クレープはパクトに避難。ザリガニの頭部にホシイナーの玉が乗っているという安直なデザインのわりにパワーはあるらしくプリキュア達を吹っ飛ばします。反撃に転じるプリキュア。図体のわりに小回りも利き応戦するホシイナー。少々手ごわい。
パクトを落としてしまったシロップ達を見て、イソーギン達は合体して迫ります。迫ってくるホシイナーを今度は圧倒するプリキュアとローズ。そろそろ相手の動きやスペックを読んだのでしょうか。パクトを掴もうとするイソカーン(勝手に合体名を命名)を遮ってローズが取り戻します。シロップに返すローズ。
シロップ達を狙うホシイナーをいなしてひっくり返すプリキュア。ホシイナーは抜け殻になって本体がありません。変わり身の術ですか。脱皮した本体は池の中に。プリキュアを狙うホシイナーに、ココはフルーレを召還します。ココ=フルーレ召還係。シロップ=パクト持ち係。ナッツ=……。頑張れナッツ。例えクレープから無視されても、ココと結婚して連合を作られて立場が全く無かったとしても、君にはナッツハウス(賃貸)があるじゃないか!
そんなわけで衣装に合わせてデザインしたのかと思うほど似合っていて可愛くカッコイイプリキュア。その可憐さを全く度外視して出現する巨大薔薇。女児向けアニメとしてそれで良いのか?と疑問を感じる「喰い殺し」によってホシイナーを倒します。豪快です。プリキュアは斜め上を行くアニメです。
プリキュアの力を目にしたイソカーンは凄いな、カッコイイな、と驚きます。見とれている間にローズがブリザードを放ちます。あれは痛いからと攻撃を受ける前に撤退します。
④策謀の王女
プリキュアとローズの活躍にお礼を言うクレープ王女。ココりんとナッツの笑顔を守ってくれたことに感謝します。何故ココ達がここに居るのか分かったと言う王女。意外に度量もある。ただ、間違いなくこの王女は狡猾だ。
冷たいものを呑もうと、シロップに命じるクレープ。ね、したたかでしょ。クレープの目は間違いなくシロップがこの場で最下層の階級だと判断したと思うね。渋々でも飲み物を持ってくるシロップ。シロップの態度を見つめるうらら。のぞみは飲み物の方に視線を向けています。む、いかんぞ、うらら。それはいかん。君はのぞみに一つのジュースを2つのストローで飲みましょうとかそういうことを言わないといかん(冷凍庫に入ってろ)。
ジュースを飲み干して、ココがたくましくなっていることでさらに、パルミエ・クレープ連合王国は安泰だとほくそ笑む王女。ああ、今頃だけど気づいた、この王女さん最初の頃のミルクにそっくりだ。
⑤次回予告
まだだ、まだ計画は終わったわけじゃない。あれだ、温泉があるっていうのはどうか。
○トピック
押しかけ女房のような勢いで登場のクレープ王女。純粋に恋愛とかのぞみとミルクを含めた三角関係の昼ドラ展開とか、そんな予想をぶっちぎって、パルミエ・クレープ連合王国を夢見る彼女はたくましい。このアニメは細かいところで現実的。実はババロアやドーナツ王国を潰す気があったりして。
当初のココナッツが国王になることに他の国王達は不満である、という話はどっかに飛んでいったようなのでさっくり忘れるべきでしょうか。大勢に影響は無い設定ですが。ところで、そもそも襲撃したのは誰だよ?という疑問もさっくり忘れた方が良いのかな。実は凄い複線で、フローラが首謀者とか期待しているのですが。
物語も中盤に入ってきたので、このタイミングでココを好いている王女を登場させているのは相応の意味があるでしょうから期待しています。さり気に政治的な匂いもしますし。
プリキュアの恋愛は非常にプラトニックですが、複雑な心理や人間関係の上でそれをやっているので見応えがあります。意中の相手を得るために蹴落としたり相手の気持ちを軽んじるようなことはしないでしょうが、何よりも好意や人の感情、関係をプリキュア的手法でもって美しく描いて欲しいですね。さらに人間関係から国交の回復まで幅広く解決するのがプリキュアのダイナミズム。来週はまだ夏休みモードなのでゆっくりと見ていきたいと思います。
第27話「りんちゃんVS大江戸妖怪!」
○今週の出来事
①肝試し大会
夏祭り。神社では出店が並びます。肝試しの道具が入っている紙袋を持つりんとこまち。どう見ても楽しんでいるこまちは怖がりのりんにも衣装を用意しているようで、不敵な笑みを浮かべます。怖がるりんに「みんなでやれば怖くない」と赤信号理論を言うこまち。私はあなたが怖いと思います。町内会長に演出を頼まれたらしく意気揚々です。どういう経緯でそうなったのか謎ですが、こまちの怪談好きは有名なのかもしれない。まどかあたりが売り込んでいるかもしれません。
集合場所は山の中腹にある鳥居。そもそもそれ自体が怖そうな場所です。前途多難なりん。
エターナル。久々の登場であるシビレッタ。この前のエターナルにプリキュアが侵入しネバタコスが倒された件はアナコンディの責任なのだから報告書書けよ、と皮肉を込めて言います。シビレッタのあからさまな物言いに苛立つアナコンディ。
今回は怪談話です。
かれん、うらら、ココナッツで夏祭り会場へ。のぞみはいつものように遅刻。くるみが一緒のようです。うららは楽しそうに周囲を見回し何か見つけたのか離れます。ココナッツにシロップの所在を尋ねるかれん。仕事があるので現地集合のようです。こうして見るとかれんとココナッツの年齢差があまり無いように見えます。髪を結い上げているせいかいつもより大人っぽく見えます。うららはうっかり九条ひかりと間違えそうな出で立ちですが、言動も相まって幼く見えます。……親子ですか?と尋ねられたら色んな意味でかれんショックです。
お面を頭につけてワタアメを持って帰ってくるうらら。夏祭りを満喫です。のぞみが心配だから戻ると言います。のぞみLOVEは健在です。ココも同伴します。内心うららは舌打ちしたと思います(そこまで酷くはないだろ)。ナッツはかれんと集合場所である鳥居に向かいます。
走って急ぐのぞみとくるみ。ゆかたの帯を締めるのに手こずったようです。シロップも甚平(でいいんだよね?)の格好で集合場所へ向かいます。
夏祭り会場を離れて街中を歩くこまちとりん。こまちはマイペースに肝試しコースと配置について説明します。用意も万全らしく期待が高まります。地蔵にまぎれてシビレッタが罠を発動させます。頭がきのこ状なので一人傘地蔵のような感じです。
いつの間にか見知らぬ場所にいるふたり。長屋が軒を連ねています。東映太秦映画村でしょうか。
町人の格好した人に尋ねるりん。振り向くとのっぺらぼうです。驚いたりんは脱兎のごとく逃げ出します。助けを求めて一軒の引き戸を開くとそこにものっぺらぼう。遁走するりん。追いかけるこまち。
かれんとナッツも同じく映画村(面倒なのでこの表記にします)に引き込まれています。警戒するふたり。番傘が並んでいます。余談ですが名前をちゃんと憶えていなかったので「ばんから傘」から連想してネットで調べました。異様な風景。ナッツがかっこよく前に出ます。番傘は動くと正体を現し一つ目の妖怪となって何体も引き連れて向かってきます。これは怖い。さきほどまでかっこよかったナッツは不思議生物に戻ってかれんに抱きつきます。使えねぇぇぇぇ。というか、そのポジション美味しいんですけど。あまり怖がりでは無さそうなかれんですが、不意打ちか一度恐慌に陥ると弱いのか逃げ出してしまいます。番傘の大軍に追いかけられて逃げない人もいないとは思いますが。
うららとココのペア。うららは時代劇の勉強になるとポジティブです。道端にしゃがむ女性。ココが声をかけると美しい顔が一転般若となります。驚いたココは元の姿に戻ってうららの顔にしがみ付きます。それ邪魔だろ。般若を見ることはないですが、視界が完全に遮られて慌てるうらら。
のぞみとくるみペア。まだのぞみが遅れたことを責めるくるみ。帯を締めるのが難しいとむくれるのぞみ。なんだ言ってくれれば私が助勢したのに。結び方知らないけど。
道を尋ねるため舟に乗った女性に声をかけます。はいはい、と頷いた女性は首を伸ばしてのぞみ達のところにやってきます。固まって声が出なくなるのぞみとくるみ。くるみはミルクに戻ってのぞみいしがみ付きます。レッツら逃走。
ちょうちんのお化けに追いかけられるシロップ。
②こまちVSお化け軍団~お化け対決~
恐慌をきたしうずくまるりん。こまちが励まします。いつも勇気付けられているのでこういうときぐらい頼りにしてと言います。りんとこまちの組み合わせは珍しいです。りんは普段は統率をとることが多いし、戦闘ではドリームに続いてみんなを牽引することが多いです。怖がりのりんと、怪談大好きなこまちは立場が逆転しています。
町並みは変わっていても鳥居は同じ位置にあると気づくこまち。集合場所である鳥居に行けばみんなと会えると言います。行くまでに色んなお化けが出るから無理だというりんをこまちは良い考えがある、この際徹底的にお化け嫌いを克服しようと言います。もう完全にやる気です。こまちノリノリ。このこまちを止められる人はいません。ある意味りんの受難はこれからです。
町を歩くこまちとりん。りんはこまちにしがみ付いています。策は講じているようで自信を持ってとりんを励ますこまち。骸骨のお化けが登場。振り向くふたり。顔にはお面をつけています。わざわざライトをつけて演出。驚いたお化けは「お化け~!」と逃げていきます。同属に驚いてどうする。日本に居る外国人が外国人を見て「外国人だぁ」と思うようなものでしょうか。
作戦成功。次は…と紙袋をあさるこまち。まだあるようです。
柳の木の下を歩くこまち。「あら~おかしいわね~、迷っちゃたのかしら~(棒読み)」と言うと幽霊が現れます。幽霊に後ろを振り向くよう示すと、そこには長い髪の女性。こまちがライトアップします。楽しそうです。驚いた幽霊は何処へと逃げていきます。
作戦成功。りんの幽霊姿を最高!だと褒めるこまち。うっとりと「とっても大和撫子」と言います。誰かこの人を何とかしてくれ。このフィールドを完全に自分のものにしてやがる。
りんは少しずつ自信がついてきたようです。
かごの中に隠れるのぞみとミルク。みんなを探したいのはヤマヤマですが怖くて探せません。案の定悲鳴が四方から聞こえてきます。かれんの悲鳴が一番怖い。
四方からやってきた一同と合流。冷静さを取り戻してりんとこまちを探索すること決めます。ミルクは鳥居を発見します。
③ミントVSシビレッタ~傘芸対決~
鳥居にたどり着くこまちとりん。シビレッタが待ち構えています。ホシイナーを番傘に憑依させます。
りんの受難は続きます。こまち冷静。さあ、本日のメインイベントでありますゆかた変身です。これぞプリキュア変身の醍醐味。私はパジャマ変身を熱望します。
変身しても怖いものは怖いルージュ。戦闘開始。
爆音が聞こえるのぞみ達。まだ戦場へは距離があります。シロップが何か決心します。飛べば早そうです。
ホシイナーから逃げるミントとルージュ。2人しかいない上にルージュの戦意が喪失しているため戦力の低下は著しい。ホシイナーの攻撃を受けて壁際に追い込まれます。
分断作戦に定評のあるシビレッタは2人では相手にならない、諦めてパクトを渡せと要求します。
「諦める」という言葉に反応するミント。お化けに襲われながらも2人で頑張ってきた!と言います。どちらかというとあなたは楽しんでいたと思います。私達が諦めるわけないじゃない!と奮い立ちます。諦めが悪いことに定評があるプリキュア。片方は足が震えていると指摘するシビレッタ。するとルージュは怖くない、怖くないと立ち上がります。
シビレッタはホシイナーをけしかけます。往生際が悪いに決まっていると開き直ってホシイナーに特攻するルージュ。見事ホシイナーを倒します。
しかしホシイナーは体勢を立て直します。そこにドリームの声。OPよろしく上空から舞い降りるプリキュア&ローズ。これの6人版見たいな。っていうか、変身シーンカットされたよ!! なんてこったい。うららとかれんの髪型普段と違うから楽しみにしてたのに!! 返せ!俺のゆかた返せ!
ホシイナーは傘を回して突進してきます。回転する傘に打ち上げられて回されるプリキュア。懐かしい芸です。ホシイナーの顔が障害物となってプリキュアを弾きます。ミントは何か策を思いつきます。レモネードに足止めの指示を出します。
動きを封じられるホシイナー。その隙にミントはソーサーをいつもより余計に大きくします。そういうことできるんだ。巨大な輪が回転します。ホシイナーを回すと気づいたレモネードはホシイナーをソーサーに向かってブン投げます。レモネードの汎用性の高さは凄いです。攻撃・防御に加えてホシイナーをぐるぐる回すという奇天烈な使用にも耐えるソーサー。戦闘力最強に関してはミントが有力視されます。回り過ぎてノックアウトなホシイナー。時代劇には花吹雪が付き物、とローズが必殺技を放ちます。桜吹雪ならぬ薔薇吹雪。もとから口上も時代劇っぽいです。
撤退するシビレッタ。今回はこれで終わりません。ルージュが必殺技を待機状態にして追いかけます。両手が光っててかっこいい。うっかり私のこの手が真っ赤に燃える!とか言い出したら大変です。OPのドリームよろしく限界なんてない絶対!と言わんばかりに駆けます。ストライクを頭のきのこで防ぎ、回して衝撃を逃すシビレッタ。得意げに笑いますが熱までは相殺できないのであちちっと退却します。
④肝試し仮装
本題である肝試し大会のためのお化けを紹介するこまち。ココナッツシロップは楽しみにしています。きっと笑っちまうぜとシロップ。
お待たせ♪とりん。振り向くと……。う~ら~め~し~や~と幽霊を演じるりん。これには驚いた三人は元の姿に戻って泣きが入ります。板についてきたりん。こまちはイメージどおり、とっても大和撫子♪と大絶賛。大和撫子の意味が分からん。が、あなたが楽しんでいることは分かる。
怖がりな自分を少しは克服できたかも、とこまちにお礼を言うりん。
「イメージとぴったりですって!」 怒りを感じさせるかれんの声。
装いを異にした4人が並び立ちます。ぶはっっ!! 笑っちまったぜ。
ブラッティさん!ブラッティさん生きていたんだね!と思ってしまうくらい吸血鬼な格好をしているかれん。
猫娘らしく耳と口をつけたくるみ。どちらかというとわんこっぽい。というか、口が笑いを誘う。
……待て、それどこに入ってた? 塗り壁うらら。もはや着ぐるみ。バラエティ向けのアイドルに転向ですか。
河童のぞみ。何か渋い。
「イメージというか、面白いだろうなぁって思って」 流石こまち。オチも完璧に仕上げています。っていうか、絶対に遊んでいます。楽しんでいます。なんだかんだ言いながらちゃんと着ているかれん達は良い人達です。
逃げるこまちを追うかれん。くるみ達も後を追います。ちゃんとニャーを語尾につけるくるみは結構ノリノリです。「私塗り壁ですか~!?」君はちょっと普段優遇されすぎだからいいんじゃないかな、っていうか美味しいし、それ。どう見ても君が笑いのツボとアクセントになっているから。「河童ってどうやって歩くの~」のぞみやる気です。
怖がらせるどころか、面白仮装大会になっています。
⑤次回予告
プリキュア昼ドラに進出。良かったじゃないかココ、婚約者がいたんならさっさと帰って式を挙げたらどうだね!!(嬉しそう)
○トピック
プリキュア恒例夏祭り。肝試し編です。終始こまちのペースで進むこまちスペシャル。彼女に怪談話させたらダメだ。全部持ってかれてしまう。
組み合わせ的には珍しいこまちとりんがメインの話。怖がりなりんと怪談好きのこまち。やっぱりというかリアクションを楽しんでいるとしか思えないこまちですが、さり気に彼女達の普段の関係と特徴が出ています。
りんは普段は冷静・常識の人なので5人の中ではブレーキ役になることが多いです。こまちは調停役でしょうか。ただタガが外れるとこまちは暴走するのですが、今回はそれが良い方向に動いてりんを助けています。
まっ、今回そんなに真面目に書くようなことは無いんですが、ギャグになってしまいがちなふたりの特徴を上手くふたりの相互関係に結び付けていて面白い話です。人は一面的な、画一的な存在ではないので、ある一面では受動的である一面では積極的であったりします。状況によってその面は入れ替わります。必ずしもその人の「役」は固定されていないんですね。だから変化する役割や関係の中で同じ人同士でも繋がり方が変わり、結びつき方が多様になっていきます。今回のような普段とはちょっと違った関係、違った一面ののぞみ達を見てみたいですね。
さあ、夏祭りも終わったし、夏も終りですね。………あれ、海は? プールは? 水着は?
①肝試し大会
夏祭り。神社では出店が並びます。肝試しの道具が入っている紙袋を持つりんとこまち。どう見ても楽しんでいるこまちは怖がりのりんにも衣装を用意しているようで、不敵な笑みを浮かべます。怖がるりんに「みんなでやれば怖くない」と赤信号理論を言うこまち。私はあなたが怖いと思います。町内会長に演出を頼まれたらしく意気揚々です。どういう経緯でそうなったのか謎ですが、こまちの怪談好きは有名なのかもしれない。まどかあたりが売り込んでいるかもしれません。
集合場所は山の中腹にある鳥居。そもそもそれ自体が怖そうな場所です。前途多難なりん。
エターナル。久々の登場であるシビレッタ。この前のエターナルにプリキュアが侵入しネバタコスが倒された件はアナコンディの責任なのだから報告書書けよ、と皮肉を込めて言います。シビレッタのあからさまな物言いに苛立つアナコンディ。
今回は怪談話です。
かれん、うらら、ココナッツで夏祭り会場へ。のぞみはいつものように遅刻。くるみが一緒のようです。うららは楽しそうに周囲を見回し何か見つけたのか離れます。ココナッツにシロップの所在を尋ねるかれん。仕事があるので現地集合のようです。こうして見るとかれんとココナッツの年齢差があまり無いように見えます。髪を結い上げているせいかいつもより大人っぽく見えます。うららはうっかり九条ひかりと間違えそうな出で立ちですが、言動も相まって幼く見えます。……親子ですか?と尋ねられたら色んな意味でかれんショックです。
お面を頭につけてワタアメを持って帰ってくるうらら。夏祭りを満喫です。のぞみが心配だから戻ると言います。のぞみLOVEは健在です。ココも同伴します。内心うららは舌打ちしたと思います(そこまで酷くはないだろ)。ナッツはかれんと集合場所である鳥居に向かいます。
走って急ぐのぞみとくるみ。ゆかたの帯を締めるのに手こずったようです。シロップも甚平(でいいんだよね?)の格好で集合場所へ向かいます。
夏祭り会場を離れて街中を歩くこまちとりん。こまちはマイペースに肝試しコースと配置について説明します。用意も万全らしく期待が高まります。地蔵にまぎれてシビレッタが罠を発動させます。頭がきのこ状なので一人傘地蔵のような感じです。
いつの間にか見知らぬ場所にいるふたり。長屋が軒を連ねています。東映太秦映画村でしょうか。
町人の格好した人に尋ねるりん。振り向くとのっぺらぼうです。驚いたりんは脱兎のごとく逃げ出します。助けを求めて一軒の引き戸を開くとそこにものっぺらぼう。遁走するりん。追いかけるこまち。
かれんとナッツも同じく映画村(面倒なのでこの表記にします)に引き込まれています。警戒するふたり。番傘が並んでいます。余談ですが名前をちゃんと憶えていなかったので「ばんから傘」から連想してネットで調べました。異様な風景。ナッツがかっこよく前に出ます。番傘は動くと正体を現し一つ目の妖怪となって何体も引き連れて向かってきます。これは怖い。さきほどまでかっこよかったナッツは不思議生物に戻ってかれんに抱きつきます。使えねぇぇぇぇ。というか、そのポジション美味しいんですけど。あまり怖がりでは無さそうなかれんですが、不意打ちか一度恐慌に陥ると弱いのか逃げ出してしまいます。番傘の大軍に追いかけられて逃げない人もいないとは思いますが。
うららとココのペア。うららは時代劇の勉強になるとポジティブです。道端にしゃがむ女性。ココが声をかけると美しい顔が一転般若となります。驚いたココは元の姿に戻ってうららの顔にしがみ付きます。それ邪魔だろ。般若を見ることはないですが、視界が完全に遮られて慌てるうらら。
のぞみとくるみペア。まだのぞみが遅れたことを責めるくるみ。帯を締めるのが難しいとむくれるのぞみ。なんだ言ってくれれば私が助勢したのに。結び方知らないけど。
道を尋ねるため舟に乗った女性に声をかけます。はいはい、と頷いた女性は首を伸ばしてのぞみ達のところにやってきます。固まって声が出なくなるのぞみとくるみ。くるみはミルクに戻ってのぞみいしがみ付きます。レッツら逃走。
ちょうちんのお化けに追いかけられるシロップ。
②こまちVSお化け軍団~お化け対決~
恐慌をきたしうずくまるりん。こまちが励まします。いつも勇気付けられているのでこういうときぐらい頼りにしてと言います。りんとこまちの組み合わせは珍しいです。りんは普段は統率をとることが多いし、戦闘ではドリームに続いてみんなを牽引することが多いです。怖がりのりんと、怪談大好きなこまちは立場が逆転しています。
町並みは変わっていても鳥居は同じ位置にあると気づくこまち。集合場所である鳥居に行けばみんなと会えると言います。行くまでに色んなお化けが出るから無理だというりんをこまちは良い考えがある、この際徹底的にお化け嫌いを克服しようと言います。もう完全にやる気です。こまちノリノリ。このこまちを止められる人はいません。ある意味りんの受難はこれからです。
町を歩くこまちとりん。りんはこまちにしがみ付いています。策は講じているようで自信を持ってとりんを励ますこまち。骸骨のお化けが登場。振り向くふたり。顔にはお面をつけています。わざわざライトをつけて演出。驚いたお化けは「お化け~!」と逃げていきます。同属に驚いてどうする。日本に居る外国人が外国人を見て「外国人だぁ」と思うようなものでしょうか。
作戦成功。次は…と紙袋をあさるこまち。まだあるようです。
柳の木の下を歩くこまち。「あら~おかしいわね~、迷っちゃたのかしら~(棒読み)」と言うと幽霊が現れます。幽霊に後ろを振り向くよう示すと、そこには長い髪の女性。こまちがライトアップします。楽しそうです。驚いた幽霊は何処へと逃げていきます。
作戦成功。りんの幽霊姿を最高!だと褒めるこまち。うっとりと「とっても大和撫子」と言います。誰かこの人を何とかしてくれ。このフィールドを完全に自分のものにしてやがる。
りんは少しずつ自信がついてきたようです。
かごの中に隠れるのぞみとミルク。みんなを探したいのはヤマヤマですが怖くて探せません。案の定悲鳴が四方から聞こえてきます。かれんの悲鳴が一番怖い。
四方からやってきた一同と合流。冷静さを取り戻してりんとこまちを探索すること決めます。ミルクは鳥居を発見します。
③ミントVSシビレッタ~傘芸対決~
鳥居にたどり着くこまちとりん。シビレッタが待ち構えています。ホシイナーを番傘に憑依させます。
りんの受難は続きます。こまち冷静。さあ、本日のメインイベントでありますゆかた変身です。これぞプリキュア変身の醍醐味。私はパジャマ変身を熱望します。
変身しても怖いものは怖いルージュ。戦闘開始。
爆音が聞こえるのぞみ達。まだ戦場へは距離があります。シロップが何か決心します。飛べば早そうです。
ホシイナーから逃げるミントとルージュ。2人しかいない上にルージュの戦意が喪失しているため戦力の低下は著しい。ホシイナーの攻撃を受けて壁際に追い込まれます。
分断作戦に定評のあるシビレッタは2人では相手にならない、諦めてパクトを渡せと要求します。
「諦める」という言葉に反応するミント。お化けに襲われながらも2人で頑張ってきた!と言います。どちらかというとあなたは楽しんでいたと思います。私達が諦めるわけないじゃない!と奮い立ちます。諦めが悪いことに定評があるプリキュア。片方は足が震えていると指摘するシビレッタ。するとルージュは怖くない、怖くないと立ち上がります。
シビレッタはホシイナーをけしかけます。往生際が悪いに決まっていると開き直ってホシイナーに特攻するルージュ。見事ホシイナーを倒します。
しかしホシイナーは体勢を立て直します。そこにドリームの声。OPよろしく上空から舞い降りるプリキュア&ローズ。これの6人版見たいな。っていうか、変身シーンカットされたよ!! なんてこったい。うららとかれんの髪型普段と違うから楽しみにしてたのに!! 返せ!俺のゆかた返せ!
ホシイナーは傘を回して突進してきます。回転する傘に打ち上げられて回されるプリキュア。懐かしい芸です。ホシイナーの顔が障害物となってプリキュアを弾きます。ミントは何か策を思いつきます。レモネードに足止めの指示を出します。
動きを封じられるホシイナー。その隙にミントはソーサーをいつもより余計に大きくします。そういうことできるんだ。巨大な輪が回転します。ホシイナーを回すと気づいたレモネードはホシイナーをソーサーに向かってブン投げます。レモネードの汎用性の高さは凄いです。攻撃・防御に加えてホシイナーをぐるぐる回すという奇天烈な使用にも耐えるソーサー。戦闘力最強に関してはミントが有力視されます。回り過ぎてノックアウトなホシイナー。時代劇には花吹雪が付き物、とローズが必殺技を放ちます。桜吹雪ならぬ薔薇吹雪。もとから口上も時代劇っぽいです。
撤退するシビレッタ。今回はこれで終わりません。ルージュが必殺技を待機状態にして追いかけます。両手が光っててかっこいい。うっかり私のこの手が真っ赤に燃える!とか言い出したら大変です。OPのドリームよろしく限界なんてない絶対!と言わんばかりに駆けます。ストライクを頭のきのこで防ぎ、回して衝撃を逃すシビレッタ。得意げに笑いますが熱までは相殺できないのであちちっと退却します。
④肝試し仮装
本題である肝試し大会のためのお化けを紹介するこまち。ココナッツシロップは楽しみにしています。きっと笑っちまうぜとシロップ。
お待たせ♪とりん。振り向くと……。う~ら~め~し~や~と幽霊を演じるりん。これには驚いた三人は元の姿に戻って泣きが入ります。板についてきたりん。こまちはイメージどおり、とっても大和撫子♪と大絶賛。大和撫子の意味が分からん。が、あなたが楽しんでいることは分かる。
怖がりな自分を少しは克服できたかも、とこまちにお礼を言うりん。
「イメージとぴったりですって!」 怒りを感じさせるかれんの声。
装いを異にした4人が並び立ちます。ぶはっっ!! 笑っちまったぜ。
ブラッティさん!ブラッティさん生きていたんだね!と思ってしまうくらい吸血鬼な格好をしているかれん。
猫娘らしく耳と口をつけたくるみ。どちらかというとわんこっぽい。というか、口が笑いを誘う。
……待て、それどこに入ってた? 塗り壁うらら。もはや着ぐるみ。バラエティ向けのアイドルに転向ですか。
河童のぞみ。何か渋い。
「イメージというか、面白いだろうなぁって思って」 流石こまち。オチも完璧に仕上げています。っていうか、絶対に遊んでいます。楽しんでいます。なんだかんだ言いながらちゃんと着ているかれん達は良い人達です。
逃げるこまちを追うかれん。くるみ達も後を追います。ちゃんとニャーを語尾につけるくるみは結構ノリノリです。「私塗り壁ですか~!?」君はちょっと普段優遇されすぎだからいいんじゃないかな、っていうか美味しいし、それ。どう見ても君が笑いのツボとアクセントになっているから。「河童ってどうやって歩くの~」のぞみやる気です。
怖がらせるどころか、面白仮装大会になっています。
⑤次回予告
プリキュア昼ドラに進出。良かったじゃないかココ、婚約者がいたんならさっさと帰って式を挙げたらどうだね!!(嬉しそう)
○トピック
プリキュア恒例夏祭り。肝試し編です。終始こまちのペースで進むこまちスペシャル。彼女に怪談話させたらダメだ。全部持ってかれてしまう。
組み合わせ的には珍しいこまちとりんがメインの話。怖がりなりんと怪談好きのこまち。やっぱりというかリアクションを楽しんでいるとしか思えないこまちですが、さり気に彼女達の普段の関係と特徴が出ています。
りんは普段は冷静・常識の人なので5人の中ではブレーキ役になることが多いです。こまちは調停役でしょうか。ただタガが外れるとこまちは暴走するのですが、今回はそれが良い方向に動いてりんを助けています。
まっ、今回そんなに真面目に書くようなことは無いんですが、ギャグになってしまいがちなふたりの特徴を上手くふたりの相互関係に結び付けていて面白い話です。人は一面的な、画一的な存在ではないので、ある一面では受動的である一面では積極的であったりします。状況によってその面は入れ替わります。必ずしもその人の「役」は固定されていないんですね。だから変化する役割や関係の中で同じ人同士でも繋がり方が変わり、結びつき方が多様になっていきます。今回のような普段とはちょっと違った関係、違った一面ののぞみ達を見てみたいですね。
さあ、夏祭りも終わったし、夏も終りですね。………あれ、海は? プールは? 水着は?
第26話「プリキュア大都会に現る!」
○今週の出来事
①大都会
高層ビル。大勢の人々。行きかう車。ここは大都会。のぞみ達は周囲を驚きの目で見ます。ビルが森のように立ち並びます。この街は世界経済の中心地だとかれんが言います。前回うららが言ったとおり今回はパレードの中継の仕事があるのでみんな着いて来たようです。それを快く思ううらら。主にのぞみが居るからだと思います。
公園に行くと巨大なバルーンがあります。うさぎのマスコットです。今夜のお祭りでパレードすると説明するうらら。
道を行く人にぶつかるのぞみ。のぞみは謝りますが相手はそっけなく応えるだけでのぞみの方を見ずに行ってしまいます。私ならお詫びにと食事に誘います(ある意味当たり屋)。相手の態度に不快さを感じるシロップ。周囲を見ると忙しい人ばかりです。
仕事のためうららと一旦別れます。
エターナル。お茶の領収書を見るアナコンディ。お茶を購入しているのはブンビーです。必要経費なら認めるが、その経費に見合った仕事をしていないと冷静に言うアナコンディ。グザッ…と自分で言うブンビー。自覚ありですか。領収書を突き返して認められないと談じるアナコンディ。深いため息をするブンビー。
パレードが始まるまでにはまだ時間があります。りんはアクセサリー店、こまちは図書館、かれんは病院へ行ったようです。残ったのはのぞみ、くるみ、ココナッツシロップ。そんなときココナッツはパルミンの気配を感じ取ります。ババロア女王が帰ってしまったので定員に空きがあるので補充しなければいけません。パルミンをショット。しかしバナナでした。
のぞみはあるものを見つめています。視線の先を見ると食事処があります。
ファッション店を見るりん。しかし店の規模が大きく遠慮してしまいます。すると小物を扱っている店を見つけます。店の人が声をかけてきてくれます。りんのしているブレスレットを褒める店員。りんの自作です。
ところ狭しと並べられた書籍の数々。こまちは感嘆しながら図書館を見ます。すると本棚からはみ出た本を見つけます。本をいたわるこまち。図書館の人にお礼を言われます。
大きな病院に感嘆の声をあげるかれん。この病院は大きいかもしれませんがあなたの家ほどではないと思います。すると松葉杖を突いた少年が倒れそうになります。抱きとめるかれん。看護婦さんが話しかけてきます。医療に興味があるので見学をしたいと話すと快く引き受ける看護婦さん。
大食い選手権かと思うくらいの勢いでガツガツ食べまくるのぞみ達。ココとナッツはコーヒーを飲んでいます。きっと内心で「やべぇ、支払い間に合うかな」と焦っているのをポーカーフェイスで誤魔化していると思います。支払いはナッツハウスへ。
店のおばちゃんがのぞみ達の食べっぷりを褒めます。パレードを見に来たのかい?と尋ねるおばちゃん。答えるのぞみ達。おばちゃんも楽しみにしていると答えます。今夜のパレードはこの街の誕生日だそうです。
食事をしながらおばさんの話を聞くのぞみ達。おばさんはこの街をよく知っているのか何でも聞いてよ、と誇らしく言います。おばさんの店は街が出来たときからあるそうです。老舗ですね。時代の移り変わりとともにビルのテナントとして入っているようです。今はビルの中に入っているけど、昔はこんなにはビルは無かったと話すおばさん。それでもおばさんはこの街が大好きだと言います。
この街を知りたいならメイン会場に行ってみるといいとアドバイスします。この街で最初に作られた建物があるそうです。人々に親しまれているため開発が進んでもそのままの姿で街に残っているそうです。みんなこの街が大好きなのさ、と嬉しそうに言うおばさん。のぞみはその話を快く聞きます。
その頃街では、りんはアクセサリーを店員さんと交換し、こまちは図書館を手伝い、かれんは病院の見学をします。至る所にうさぎのマスコットの飾りがあります。この街に私も行きたいです。この街美人が多いですよね(お前来なくていいよ)。
街にタクシーで来るブンビー。領収書は忘れません。いつもと違って正装しています。組織の幹部っぽく見えます。彼が見るのは屋外テレビジョンに写った巨大マスコット。
夕方。メイン会場に集まるのぞみ達。それほど大きくは無く、中では昔の写真などが展示されています。会場の中でバルーンと同じ人形を見つけるのぞみ。マントをつけたうさぎの人形です。この集会場が出来たときに子ども達のために作られたと説明するうらら。幼い女の子が楽しそうに人形を見ます。集会場に来た子ども達はこの人形とともに育ち、大人になって自分の子どもを連れて来る、街の人々に親しまれているこの人形が主役にふさわしいと話すうらら。堂々とした説明です。感心するのぞみ。うららは照れながら街の人達から教えてもらったと言います。百聞は一見にしかず。実際にその場所に行って、そこで見ることや、そこに住む人達の暮らしぶり、感情、感覚を知ることは重要です。
②大都会防衛戦
外から放送が聞こえてきます。「プリキュア諸君」 外に出てみるとテレビジョンにブンビーが写っています。わざわざ用意したのかソファーに腰掛けて。流石です。この小悪党ぶり。そう簡単にこの味は出せません。
ローズパクトを要求します。それに従わないのならこの街の一番大切なものを頂こう、と巨大人形に向かってホシイナーの素を投げるブンビー。人形は醜いホシイナーへと変化します。逃げる街の人々。ホシイナーは車を踏み潰しながら道路を歩きます。どうやら集会場を狙っているようです。余談ですが、踏み潰された車のナンバーは「YPCV5526」恐らくyes!プリキュア5GoGo!26話って意味だと思います。
ホシイナーをヘリが照らします。さながら怪獣映画のようです。プリキュアでは珍しい展開。ホシイナーの前にのぞみ達が駆けつけます。ホシイナーが爪で砂煙を立てます。その隙に変身です。個人的にはビルの上に立って満月やスポットライトに当たって登場してくれるとカッコイイのですが、それはちょっと別番組になりそうです。
プリキュアの登場に息を呑む街の人々。テレビジョンに映し出されています。おばさんやアクセサリー店の人も見ています。
ホシイナーに攻撃を仕掛けるプリキュア。しかし弾力性があるため攻撃が通じず反発で弾かれてしまいます。再度挑むも同じ結果。打撃攻撃は無効です。その一方で食らったら痛そうな爪で攻撃してくるホシイナー。怖いです。
プリキュアとホシイナーの戦いを固唾を呑んで見る人々。おばさんはプリキュアが昼間会った娘達であると気づきます。
ビルの屋上で満足そうに様子を見るブンビー。小物っぷりが光ります。
ホシイナーに成す術が無いプリキュア。人々の中から自分たちは見ているだけでいいのか?という声が聞こえてきます。周囲を見るココ達。この人達は毎週見ているだけです。良心の呵責でもあったのでしょうか。「え、俺毎週何もせずに見てるだけだよ…」と思っているかもしれません。ただ、シロップは使える男なのでセーフです。
集会場にも居た女の子がプリキュアを応援します。街の人たちもその声を聞いて、自分たちにも出来ることを意志します。応援する人、自分たちでやるんだ!と意気込む人、と広まっていきます。武装決起でしょうか。民衆の暴動ってこういう感じなのかなぁ、と思わないでもないです。余談ですが、大衆を(主に扇動で)動かす場合、サクラは少なくても良いようです。一人言えば数人付いてきて、数人言えば大勢付いてくるそうです。重要なのは不安を煽り、冷静に考えさせる時間を与えず、唯一の解決策や原因がソレであるかのように演出できれば良いんじゃないかと。特に資料があって言っているわけではなく、そんなもんかなーという経験と推測で言っています。…と本編の展開とは全く逆なことを書いていますが、かように集団心理とは怖いもので、それ故に私は自己の判断、意志というものに価値と意味を置きます。
防戦一方のプリキュア。しかし道路には大勢の人々が集まっています。みんな立ち向かう意志を持っています。その中にはおばさんも居ます。強そうです。劣勢だったプリキュアも人々の姿に共感します。
「私も…私もみんなと同じ!」
「この街が大好き!」
ローズはプリキュアにホシイナーを任せ、ブンビーを狙います。正直、ブンビーの方が倒しやすそうです。
集会場を狙うホシイナーにプリキュアは交互に攻撃を加え動きを封じます。プリキュアに声援を送る街の人々。
いつの間にか集会場の前にはバリケードを張っています。仕事が速いです。警察の姿が見えないことから街の人々が行っているようです。
バリケードに隠れるココ達。前線で戦わないあたりがこの人達のこの人達たる所以です。ココはシロップにいざとなればここにいる人達を乗せて飛べるか?と聞きます。出来ると答えるシロップ。それを聞いてココは一人飛び出していきます。
息を切らせるプリキュア。決定打が無いため足止めにも限界があります。ソーサーで八つ裂きにするという手もあると思いますが、表現的に危険そうなので見送りです。
ブンビーがこの街の一番大切なものを没収してやる、と言い掛けたところでローズが割って入ります。突き飛ばされたブンビーは思いのほか勢い良くぶっ飛んでいきます。この人ビルから落ちるイメージが強いなぁ。ローズが遠慮なくブリザードを不意打ちで仕掛けるのかと期待したのですが、やはりそれはヒロイン的にはご法度でしょうか。
ローズがドリーム今よ!とは言うものの決定打が無いような…と思っていたらココがやってきて、フルーレを召還します。って、待て。それいつでも発動できるのかよ。王冠が無いと使えないのかと思っていたらいつでも召還可能なようです。前作みたいに各人にアイテムが付与されるわけじゃないのね。個別フルーレ技とか見たかったのですが。
フルーレを手に持ち、合体技で巨大薔薇を召還。ホシイナーを喰い殺します。ソーサーで八つ裂きにするのとどちらがエグイかは微妙なところですが、相変わらずこの合体技のインパクトは強いです。
ホシイナーの撃破とともに破壊された街は元に戻ります。余談ですが直った車のナンバーは「MHSS…」でこれもシリーズを表しているかと思います。
テレビジョンの前に降り立つプリキュア。ローズは大画面に映し出されています。流石ローズ、計算どおりです。街の人々から喝采の声が上がります。
ブンビーの領収書は今回も却下されそうです。
③変わらないもの
パレードの中継をするうらら。
「この街はこの集会場から全てが始まりました。この集会場が街の象徴であり、いつまでも変わらない街の人々の心を表しているのです」
人形とともに飾られたプリキュアの人形。仕事が速い。それを子ども達は嬉しそうに見つめます。
④次回予告
夏といえば夏祭り、そして怪談。ノリノリなこまちが見れそうです。りん受難。それはそうと、ナッツどけぇぇ!!
○トピック
タイトルのとおりプリキュア大都会に現る!の巻き。
「困った人達を助ける」「みんなを守る」「正義の味方」ではないのがプリキュアの特徴。彼女達は民衆のために戦いません。シリーズを通してこれは一貫していて、大雑把に見れば悪と戦う正義の味方なのですが、彼女達が戦う動機や目的は個人間の信頼や信条によるものであり、展開としても一般人は基本的に戦闘に巻き込まれません。
プリキュアが戦うのは世界征服を目論む悪の秘密結社ではなく、絶望や闇、不信、弱さの象徴であり、だからこそプリキュアは正義の味方ではなく一個人として心の強さ、絆、信頼を信じる者として描かれています。この物語が好きなのはこの点が徹底しているからです。正義と悪というような二元的なものではなく、みんなを助けるヒーローという憧れを具象化しているわけではなく、その核は自己と他者との結びつきや心の持ち方、意志力、行動力です。だから彼女達は意志し行動し続ける限り、強くカッコイイのです。それは弱さや困難に立ち向かい続ける人の姿であるからです。
そんなわけで、大勢の一般人がいる中で巨大怪獣と戦うという破天荒な展開である今回ですが、「街を人々から守ろうとするプリキュア」が主役ではなく「街のことが好きな人々」が主役です。この辺りがプリキュアのプリキュアたる所。
正直な話、単純に街をプリキュアが守るという展開なら、もっと如何にもな演出(瓦礫が落ちてくるのを助けるとか、街の人々を助けながら戦うとか)などが出来たと思いますが、やってません。その意味では一般人を助けるヒーローとしては今回薄味です。摩天楼をバックに声援を受けて活躍するプリキュアを期待してもいたのですが、実際は地味な活躍です。
今回何度も繰り返されているように、この街の人々はこの街が好きであり、戦闘においても決起します。うららのレポートにもあるように、この街の中心である集会場とそれを愛する人々の姿で終わることからも今回は、一般人が主役なんですね。これはプリキュア的にも珍しいです。しかし筋は通っています。
プリキュアの基本精神は自立と協調であり、自分のことは自分で解決します。プリキュアに守られるだけではなく、自らが決起するという、つまり自分達の街は自分達で守れ、と自立性が高いです。現実には無防備都市宣言というのがあって、これは簡単に言うと戦わず外敵に降伏するというものです。日本でも近年自治体などで案が出されています(諸般の都合で却下されているようです)。血が流れても戦って街を守るべきなのか、降伏してでも戦闘を避けるのかどちらが良いかという良否は置くとしても、プリキュアは自分の大切なものは自分で守るということを強調しています。
人々の街を愛する心の象徴として集会場があり、それは街の人々の価値観の象徴とも言えます。エターナルが価値あるものを不変化し独占するのに対して、価値あるものとはそれを大切だと思う人達と共にあるべだというのがプリキュアの主張であるため街の人々と街の関係はそれを表しています。
街が大きくなり、高層ビルなどが建っていくように街は変化し続けていきます。その中で変わらないものとして集会場を保ち続けています。この街で育った人々は子どもの代にもそれを継承させています。つまりこれは「変わらない」ことを維持し継承していくことで価値を創造し続けていることになります(価値の創造が不変に繋がっている)。対してエターナルは価値あるものを不変化させていますが、価値そのものを創造をしているわけではありません。
モノの「価値」と一口に言っても意味や在り方は多様にあります。お金は価値がありますが、それはあくまで物と代替可能である信頼性があるからです。その信頼が無い状態、たとえば通貨の概念が無かったり、緊急事態によって現物の方が重要な場合には価値はありません。宝物や宝石もそれに興味が無ければ石ころでしょうし、アイドルのサインはファンには非常に価値あるものです。信頼できる親友はその人にとっては大切な人です。プリキュアは私にとって価値ある作品です。
すなわち、「価値」とは人々が創り出すものであり、想いや考え、信頼、依存、幻想、偏見、思い込みです。それらは現在継続しているか、未来にも同様に期待できることで確立されます。今現在価値があると思われなければ過去にどんなに価値があったとしても意味はなくなります。価値は付加することも消し去ることもできるものであり、不変ではないからこそ創造の余地があります。人々から切り離され、誰からも想われず忘れ去られたモノは不変ではありますが、価値そのものの意味がなくなります(価値を与えられない)。エターナルに間違いがあるとすれば、価値あるものを独占するが故に価値を創造することができないこと、人から完全に切り離された存在は価値を創造できないことにあります。結果してそれは価値あるものから価値を奪うことになります。
勿論、価値あるものを保管したり、収集することもあながち間違いではありません。美術館や博物館は手軽に貴重品を見ることができます。しかしながら、価値本来の意味を考えたときに我々個人として本当に大事なことは、価値あるものを集めることよりも、価値を見出すこと、他者の大切だと思う価値の意味を知ること、また価値あるものを守り続けること(結局それは自分の大切だと思う意思を守ることになる)なのではないかと思います。(とはいえ万物は不変ではないので物にこだわり過ぎても不毛ですが)
今回は街と街の人々をメインとすることで価値の意味や継続、それを理解し共有し得ること、それを意志すること、行動すること、さらには意志の伝播とプリキュアの骨格を成す要素盛り沢山です。
のぞみ達はこの街とこの街に住む人々を知ることでこの街を好きだと言います。だから彼女達はこの街を守ろうとします。この点において価値がそれを共有する人々のみに存在するのではなく、それを外部から共有することも可能であり、プリキュアがキッカケとなって街の人々も自ら動くことをしています。
街を大切に思い守ろうとする人々、それを知り同じく守ろうとするプリキュア、そのプリキュアを応援する人々、その応援から力を生み出すプリキュア、というように街の人々とプリキュアは同じ土俵に立っています。みんなを守るヒーローとしてではなく、私もあなたも一緒となって戦うのがプリキュアのプリキュアらしいところ(シリーズとして段々拡張されてきている)です。5は主要登場人物がほぼ固定されてクラスメイトや親類縁者があまり登場しないのですが、今回のような繋がりを持たせることで広く大きな物語となることができます。小さいことからコツコツと積み上げてきっと美しい花を咲かせてくれるだろうと確信しています。
①大都会
高層ビル。大勢の人々。行きかう車。ここは大都会。のぞみ達は周囲を驚きの目で見ます。ビルが森のように立ち並びます。この街は世界経済の中心地だとかれんが言います。前回うららが言ったとおり今回はパレードの中継の仕事があるのでみんな着いて来たようです。それを快く思ううらら。主にのぞみが居るからだと思います。
公園に行くと巨大なバルーンがあります。うさぎのマスコットです。今夜のお祭りでパレードすると説明するうらら。
道を行く人にぶつかるのぞみ。のぞみは謝りますが相手はそっけなく応えるだけでのぞみの方を見ずに行ってしまいます。私ならお詫びにと食事に誘います(ある意味当たり屋)。相手の態度に不快さを感じるシロップ。周囲を見ると忙しい人ばかりです。
仕事のためうららと一旦別れます。
エターナル。お茶の領収書を見るアナコンディ。お茶を購入しているのはブンビーです。必要経費なら認めるが、その経費に見合った仕事をしていないと冷静に言うアナコンディ。グザッ…と自分で言うブンビー。自覚ありですか。領収書を突き返して認められないと談じるアナコンディ。深いため息をするブンビー。
パレードが始まるまでにはまだ時間があります。りんはアクセサリー店、こまちは図書館、かれんは病院へ行ったようです。残ったのはのぞみ、くるみ、ココナッツシロップ。そんなときココナッツはパルミンの気配を感じ取ります。ババロア女王が帰ってしまったので定員に空きがあるので補充しなければいけません。パルミンをショット。しかしバナナでした。
のぞみはあるものを見つめています。視線の先を見ると食事処があります。
ファッション店を見るりん。しかし店の規模が大きく遠慮してしまいます。すると小物を扱っている店を見つけます。店の人が声をかけてきてくれます。りんのしているブレスレットを褒める店員。りんの自作です。
ところ狭しと並べられた書籍の数々。こまちは感嘆しながら図書館を見ます。すると本棚からはみ出た本を見つけます。本をいたわるこまち。図書館の人にお礼を言われます。
大きな病院に感嘆の声をあげるかれん。この病院は大きいかもしれませんがあなたの家ほどではないと思います。すると松葉杖を突いた少年が倒れそうになります。抱きとめるかれん。看護婦さんが話しかけてきます。医療に興味があるので見学をしたいと話すと快く引き受ける看護婦さん。
大食い選手権かと思うくらいの勢いでガツガツ食べまくるのぞみ達。ココとナッツはコーヒーを飲んでいます。きっと内心で「やべぇ、支払い間に合うかな」と焦っているのをポーカーフェイスで誤魔化していると思います。支払いはナッツハウスへ。
店のおばちゃんがのぞみ達の食べっぷりを褒めます。パレードを見に来たのかい?と尋ねるおばちゃん。答えるのぞみ達。おばちゃんも楽しみにしていると答えます。今夜のパレードはこの街の誕生日だそうです。
食事をしながらおばさんの話を聞くのぞみ達。おばさんはこの街をよく知っているのか何でも聞いてよ、と誇らしく言います。おばさんの店は街が出来たときからあるそうです。老舗ですね。時代の移り変わりとともにビルのテナントとして入っているようです。今はビルの中に入っているけど、昔はこんなにはビルは無かったと話すおばさん。それでもおばさんはこの街が大好きだと言います。
この街を知りたいならメイン会場に行ってみるといいとアドバイスします。この街で最初に作られた建物があるそうです。人々に親しまれているため開発が進んでもそのままの姿で街に残っているそうです。みんなこの街が大好きなのさ、と嬉しそうに言うおばさん。のぞみはその話を快く聞きます。
その頃街では、りんはアクセサリーを店員さんと交換し、こまちは図書館を手伝い、かれんは病院の見学をします。至る所にうさぎのマスコットの飾りがあります。この街に私も行きたいです。この街美人が多いですよね(お前来なくていいよ)。
街にタクシーで来るブンビー。領収書は忘れません。いつもと違って正装しています。組織の幹部っぽく見えます。彼が見るのは屋外テレビジョンに写った巨大マスコット。
夕方。メイン会場に集まるのぞみ達。それほど大きくは無く、中では昔の写真などが展示されています。会場の中でバルーンと同じ人形を見つけるのぞみ。マントをつけたうさぎの人形です。この集会場が出来たときに子ども達のために作られたと説明するうらら。幼い女の子が楽しそうに人形を見ます。集会場に来た子ども達はこの人形とともに育ち、大人になって自分の子どもを連れて来る、街の人々に親しまれているこの人形が主役にふさわしいと話すうらら。堂々とした説明です。感心するのぞみ。うららは照れながら街の人達から教えてもらったと言います。百聞は一見にしかず。実際にその場所に行って、そこで見ることや、そこに住む人達の暮らしぶり、感情、感覚を知ることは重要です。
②大都会防衛戦
外から放送が聞こえてきます。「プリキュア諸君」 外に出てみるとテレビジョンにブンビーが写っています。わざわざ用意したのかソファーに腰掛けて。流石です。この小悪党ぶり。そう簡単にこの味は出せません。
ローズパクトを要求します。それに従わないのならこの街の一番大切なものを頂こう、と巨大人形に向かってホシイナーの素を投げるブンビー。人形は醜いホシイナーへと変化します。逃げる街の人々。ホシイナーは車を踏み潰しながら道路を歩きます。どうやら集会場を狙っているようです。余談ですが、踏み潰された車のナンバーは「YPCV5526」恐らくyes!プリキュア5GoGo!26話って意味だと思います。
ホシイナーをヘリが照らします。さながら怪獣映画のようです。プリキュアでは珍しい展開。ホシイナーの前にのぞみ達が駆けつけます。ホシイナーが爪で砂煙を立てます。その隙に変身です。個人的にはビルの上に立って満月やスポットライトに当たって登場してくれるとカッコイイのですが、それはちょっと別番組になりそうです。
プリキュアの登場に息を呑む街の人々。テレビジョンに映し出されています。おばさんやアクセサリー店の人も見ています。
ホシイナーに攻撃を仕掛けるプリキュア。しかし弾力性があるため攻撃が通じず反発で弾かれてしまいます。再度挑むも同じ結果。打撃攻撃は無効です。その一方で食らったら痛そうな爪で攻撃してくるホシイナー。怖いです。
プリキュアとホシイナーの戦いを固唾を呑んで見る人々。おばさんはプリキュアが昼間会った娘達であると気づきます。
ビルの屋上で満足そうに様子を見るブンビー。小物っぷりが光ります。
ホシイナーに成す術が無いプリキュア。人々の中から自分たちは見ているだけでいいのか?という声が聞こえてきます。周囲を見るココ達。この人達は毎週見ているだけです。良心の呵責でもあったのでしょうか。「え、俺毎週何もせずに見てるだけだよ…」と思っているかもしれません。ただ、シロップは使える男なのでセーフです。
集会場にも居た女の子がプリキュアを応援します。街の人たちもその声を聞いて、自分たちにも出来ることを意志します。応援する人、自分たちでやるんだ!と意気込む人、と広まっていきます。武装決起でしょうか。民衆の暴動ってこういう感じなのかなぁ、と思わないでもないです。余談ですが、大衆を(主に扇動で)動かす場合、サクラは少なくても良いようです。一人言えば数人付いてきて、数人言えば大勢付いてくるそうです。重要なのは不安を煽り、冷静に考えさせる時間を与えず、唯一の解決策や原因がソレであるかのように演出できれば良いんじゃないかと。特に資料があって言っているわけではなく、そんなもんかなーという経験と推測で言っています。…と本編の展開とは全く逆なことを書いていますが、かように集団心理とは怖いもので、それ故に私は自己の判断、意志というものに価値と意味を置きます。
防戦一方のプリキュア。しかし道路には大勢の人々が集まっています。みんな立ち向かう意志を持っています。その中にはおばさんも居ます。強そうです。劣勢だったプリキュアも人々の姿に共感します。
「私も…私もみんなと同じ!」
「この街が大好き!」
ローズはプリキュアにホシイナーを任せ、ブンビーを狙います。正直、ブンビーの方が倒しやすそうです。
集会場を狙うホシイナーにプリキュアは交互に攻撃を加え動きを封じます。プリキュアに声援を送る街の人々。
いつの間にか集会場の前にはバリケードを張っています。仕事が速いです。警察の姿が見えないことから街の人々が行っているようです。
バリケードに隠れるココ達。前線で戦わないあたりがこの人達のこの人達たる所以です。ココはシロップにいざとなればここにいる人達を乗せて飛べるか?と聞きます。出来ると答えるシロップ。それを聞いてココは一人飛び出していきます。
息を切らせるプリキュア。決定打が無いため足止めにも限界があります。ソーサーで八つ裂きにするという手もあると思いますが、表現的に危険そうなので見送りです。
ブンビーがこの街の一番大切なものを没収してやる、と言い掛けたところでローズが割って入ります。突き飛ばされたブンビーは思いのほか勢い良くぶっ飛んでいきます。この人ビルから落ちるイメージが強いなぁ。ローズが遠慮なくブリザードを不意打ちで仕掛けるのかと期待したのですが、やはりそれはヒロイン的にはご法度でしょうか。
ローズがドリーム今よ!とは言うものの決定打が無いような…と思っていたらココがやってきて、フルーレを召還します。って、待て。それいつでも発動できるのかよ。王冠が無いと使えないのかと思っていたらいつでも召還可能なようです。前作みたいに各人にアイテムが付与されるわけじゃないのね。個別フルーレ技とか見たかったのですが。
フルーレを手に持ち、合体技で巨大薔薇を召還。ホシイナーを喰い殺します。ソーサーで八つ裂きにするのとどちらがエグイかは微妙なところですが、相変わらずこの合体技のインパクトは強いです。
ホシイナーの撃破とともに破壊された街は元に戻ります。余談ですが直った車のナンバーは「MHSS…」でこれもシリーズを表しているかと思います。
テレビジョンの前に降り立つプリキュア。ローズは大画面に映し出されています。流石ローズ、計算どおりです。街の人々から喝采の声が上がります。
ブンビーの領収書は今回も却下されそうです。
③変わらないもの
パレードの中継をするうらら。
「この街はこの集会場から全てが始まりました。この集会場が街の象徴であり、いつまでも変わらない街の人々の心を表しているのです」
人形とともに飾られたプリキュアの人形。仕事が速い。それを子ども達は嬉しそうに見つめます。
④次回予告
夏といえば夏祭り、そして怪談。ノリノリなこまちが見れそうです。りん受難。それはそうと、ナッツどけぇぇ!!
○トピック
タイトルのとおりプリキュア大都会に現る!の巻き。
「困った人達を助ける」「みんなを守る」「正義の味方」ではないのがプリキュアの特徴。彼女達は民衆のために戦いません。シリーズを通してこれは一貫していて、大雑把に見れば悪と戦う正義の味方なのですが、彼女達が戦う動機や目的は個人間の信頼や信条によるものであり、展開としても一般人は基本的に戦闘に巻き込まれません。
プリキュアが戦うのは世界征服を目論む悪の秘密結社ではなく、絶望や闇、不信、弱さの象徴であり、だからこそプリキュアは正義の味方ではなく一個人として心の強さ、絆、信頼を信じる者として描かれています。この物語が好きなのはこの点が徹底しているからです。正義と悪というような二元的なものではなく、みんなを助けるヒーローという憧れを具象化しているわけではなく、その核は自己と他者との結びつきや心の持ち方、意志力、行動力です。だから彼女達は意志し行動し続ける限り、強くカッコイイのです。それは弱さや困難に立ち向かい続ける人の姿であるからです。
そんなわけで、大勢の一般人がいる中で巨大怪獣と戦うという破天荒な展開である今回ですが、「街を人々から守ろうとするプリキュア」が主役ではなく「街のことが好きな人々」が主役です。この辺りがプリキュアのプリキュアたる所。
正直な話、単純に街をプリキュアが守るという展開なら、もっと如何にもな演出(瓦礫が落ちてくるのを助けるとか、街の人々を助けながら戦うとか)などが出来たと思いますが、やってません。その意味では一般人を助けるヒーローとしては今回薄味です。摩天楼をバックに声援を受けて活躍するプリキュアを期待してもいたのですが、実際は地味な活躍です。
今回何度も繰り返されているように、この街の人々はこの街が好きであり、戦闘においても決起します。うららのレポートにもあるように、この街の中心である集会場とそれを愛する人々の姿で終わることからも今回は、一般人が主役なんですね。これはプリキュア的にも珍しいです。しかし筋は通っています。
プリキュアの基本精神は自立と協調であり、自分のことは自分で解決します。プリキュアに守られるだけではなく、自らが決起するという、つまり自分達の街は自分達で守れ、と自立性が高いです。現実には無防備都市宣言というのがあって、これは簡単に言うと戦わず外敵に降伏するというものです。日本でも近年自治体などで案が出されています(諸般の都合で却下されているようです)。血が流れても戦って街を守るべきなのか、降伏してでも戦闘を避けるのかどちらが良いかという良否は置くとしても、プリキュアは自分の大切なものは自分で守るということを強調しています。
人々の街を愛する心の象徴として集会場があり、それは街の人々の価値観の象徴とも言えます。エターナルが価値あるものを不変化し独占するのに対して、価値あるものとはそれを大切だと思う人達と共にあるべだというのがプリキュアの主張であるため街の人々と街の関係はそれを表しています。
街が大きくなり、高層ビルなどが建っていくように街は変化し続けていきます。その中で変わらないものとして集会場を保ち続けています。この街で育った人々は子どもの代にもそれを継承させています。つまりこれは「変わらない」ことを維持し継承していくことで価値を創造し続けていることになります(価値の創造が不変に繋がっている)。対してエターナルは価値あるものを不変化させていますが、価値そのものを創造をしているわけではありません。
モノの「価値」と一口に言っても意味や在り方は多様にあります。お金は価値がありますが、それはあくまで物と代替可能である信頼性があるからです。その信頼が無い状態、たとえば通貨の概念が無かったり、緊急事態によって現物の方が重要な場合には価値はありません。宝物や宝石もそれに興味が無ければ石ころでしょうし、アイドルのサインはファンには非常に価値あるものです。信頼できる親友はその人にとっては大切な人です。プリキュアは私にとって価値ある作品です。
すなわち、「価値」とは人々が創り出すものであり、想いや考え、信頼、依存、幻想、偏見、思い込みです。それらは現在継続しているか、未来にも同様に期待できることで確立されます。今現在価値があると思われなければ過去にどんなに価値があったとしても意味はなくなります。価値は付加することも消し去ることもできるものであり、不変ではないからこそ創造の余地があります。人々から切り離され、誰からも想われず忘れ去られたモノは不変ではありますが、価値そのものの意味がなくなります(価値を与えられない)。エターナルに間違いがあるとすれば、価値あるものを独占するが故に価値を創造することができないこと、人から完全に切り離された存在は価値を創造できないことにあります。結果してそれは価値あるものから価値を奪うことになります。
勿論、価値あるものを保管したり、収集することもあながち間違いではありません。美術館や博物館は手軽に貴重品を見ることができます。しかしながら、価値本来の意味を考えたときに我々個人として本当に大事なことは、価値あるものを集めることよりも、価値を見出すこと、他者の大切だと思う価値の意味を知ること、また価値あるものを守り続けること(結局それは自分の大切だと思う意思を守ることになる)なのではないかと思います。(とはいえ万物は不変ではないので物にこだわり過ぎても不毛ですが)
今回は街と街の人々をメインとすることで価値の意味や継続、それを理解し共有し得ること、それを意志すること、行動すること、さらには意志の伝播とプリキュアの骨格を成す要素盛り沢山です。
のぞみ達はこの街とこの街に住む人々を知ることでこの街を好きだと言います。だから彼女達はこの街を守ろうとします。この点において価値がそれを共有する人々のみに存在するのではなく、それを外部から共有することも可能であり、プリキュアがキッカケとなって街の人々も自ら動くことをしています。
街を大切に思い守ろうとする人々、それを知り同じく守ろうとするプリキュア、そのプリキュアを応援する人々、その応援から力を生み出すプリキュア、というように街の人々とプリキュアは同じ土俵に立っています。みんなを守るヒーローとしてではなく、私もあなたも一緒となって戦うのがプリキュアのプリキュアらしいところ(シリーズとして段々拡張されてきている)です。5は主要登場人物がほぼ固定されてクラスメイトや親類縁者があまり登場しないのですが、今回のような繋がりを持たせることで広く大きな物語となることができます。小さいことからコツコツと積み上げてきっと美しい花を咲かせてくれるだろうと確信しています。
第25話「真夏の悪夢の二人組」
○今週の出来事
①シロップの引越し
海?山?とみんなに聞くのぞみ。夏休みなので遊びに行く話しです。海が良いと思います。もしくはプールが良いと思います。プリキュアの場合、プールに行っても水着にならないだろうと思いますが。
かれんの別荘を期待するのぞみ。海も山もプールもあるらしいです。もう何でもありだな。地球買えるんじゃないかな。
うららの予定も確認。来週大都会でパレードの中継があるらしいです。さりげに来週の予告です。何でもかんでも楽しそうにはしゃぐのぞみにみんなも呆れます。一人キョトンとするのぞみ。可愛い。
そこに重い足取りで入ってくるシロップ。大量の汗をかいてフラフラしています。元の姿に戻って倒れます。熱中症でしょうか。
エターナル。前回の不始末を謝るアナコンディ。館長は特に問題にしないようです。それよりもフローラがプリキュアを選んだことを気にしています。ネバタコスの後任を用意しているアナコンディ。コレクション没収率100%の最強ハンター。これは手強そうです。
茶柱の立ったお茶を用意して新任上司のもとへ向かうブンビー。どーせまたロクな上司じゃないとため息をつきます。嫌だなぁ、この組織。気を取り直してご機嫌取り。下っ端根性が染み付いています。
部屋の中に入るともぬけの殻。そんなことよりも机が二つあることに驚愕するブンビー。一気に上司が二人になってしまいました。
湖の淵に立ってナッツハウスを見る二人組。ノッポとデブです。「暑いな」「暑いぞ」「夏だな」「夏だぞ」……あまり発展性の無い会話です。
のぞみ達も驚く食べっぷりでシュークリームと豆大福、ジュースを空にするシロップ。夏休みなので学校の食堂もやっておらずご飯を食べていなかったようです。ってあそこのホットケーキが食料供給場所だったのか。
配達の仕事を頑張る!と元気を取り戻すシロップ。ちなみに、前回からパクトを預けられているので背中に背負っています。いつの間にか外に出ているババロア女王。体力が回復したのでそろそろ帰れるそうです。初めから元気だったような、とりん。
何か仕事はないかと周囲に聞くシロップ。今なら夏休み特別割引とやる気満々です。割引ってそもそもこの仕事は金銭絡んでいるのか怪しいのですが。やはりミルクがこちらに来て大量の手紙を届ける仕事が無くなったのが痛い気がします。
ココとナッツが顔を見合わせて仕事を依頼します。配達ではなく店の模様替えを依頼するナッツ。二人へのわだかまりも解けているので意気揚々と請け負うシロップ。ココがわざとらしい声で重労働で大変、と言います。ああ、そういうことね。力はあると意気込むシロップに夏休み一杯かかるので泊り込みはどうだろうという話に持っていくココナッツ。その光景をくるみは感心して見ています。
考えるシロップ。君、騙されているよ。
湖の上に浮遊するノッポとデブ。涼しいらしい。
シロップの部屋。殺風景ですが家具などの最低限必要なものはあります。準備万端です。当事者よりも嬉しそうなのぞみとうらら。シロップは住む気はない、と言いますがココは夏休みの間だけ、ナッツは契約はしただろ、と詐欺ではよくありそうなことを言います。こまちとかれんも加勢。最早逃げ場はありません。狩りは一人ではなく複数でじわじわと逃げ道をなくして追い詰めるものです。
エターナルの館長を見ているのでナッツハウスに居た方が安全だと言うココ。
それはそれとして、のぞみはシロップを買い物に誘います。りんとうららは面白そうとついていきます。こまちとかれんも何だかんだで。くるみは呆れながら付いていきます。この娘は半眼になっているときが面白い。
湖の上で浮遊するノッポとデブは追いかけるでもなく待機。どこからか取り出した何重にもなったアイスを食べます。食べている最中に溶けてベトベトになりそうです。「全部バニラか」「これ全部バニラだ」ノッポはバニラが好きなようです。
②ショッピング
デパートでお買い物。おやつを入れる冷蔵庫が必要、と怒涛の大容量の冷蔵庫を示すのぞみ。部屋に入らないだろ。801Lってどれだけ入るんだよ。なお、ヤマなし・オチなし・イミなしが転じて意味を持つようになったこととプリキュアは関係ありません。プリキュアは女の子同士の友情を推奨しています。
こまちは巨大な本棚を示します。部屋に入らないでしょ、と答えるシロップ。鏡台に笑顔。演技に使えるとうらら。演技の練習しないって。このカーテン可愛いと示すりん。だんだんテンションが下がるシロップ。
かれんがみなを叱ります。自分の部屋ではなく、シロップの部屋。人の気持ちになって考えましょう。くるみもシロップに同情します。そこでかれんのお勧めは絵画。この人も分かってねぇ。いや、分かってた、かれんはボケだって知ってた。絵にかれんさんの大好きな葡萄が描いてあると、とりんが突っ込みます。かれんもりんが大好きなオレンジもある、と反論。あきれ果てるくるみ。
のぞみ達はどんどん好き勝手なことを言います。離れたところでため息をはくシロップ。よくある男と女の買い物風景みたいなものでしょうか。
外でベンチに座って一息つくシロップ。パクトが光りだして手に取るとババロア女王が出てきます。みんなと居なくていいのか?と問います。シロップは疲れた、一人の方が気が楽だといいます。煩いしお節介だし面倒だとも言うシロップ。あのテンションについていける人もなかなかいないと思います。メルポとふたりで良いと言うシロップに女王は誰かが待っていてくれる、帰る場所があることは素晴らしいと話します。自分が元気になれるのも王国でみんなが待っているからと続けます。どうしたんだ、急にまともなことを言い出して、と結構失礼なことを言うシロップ。視聴者も同じ気持ちですが。
シロップが大変な思いをしたのでのぞみ達は引越しを手伝うことで元気付けたいのだと説明するババロア女王。そうだったのか、てっきりいつものノリでみんなを巻き込んでみんなで騒いでいるだけかと思ってました。マシンガントークに定評がありますが、きちんとそこは国王なだけに周囲をよく見ているババロア女王。のぞみ達の真意を見抜きます。シロップも内心ではのぞみ達の好意を感じています。素直になれと言う女王。
シロップを見つけてやってくるのぞみとくるみ。くるみは大きな模造紙を抱えています。当番表を作ると言います。料理・掃除・ごみ出しをシロップと分担すると言います。ちゃっかりしています。シロップを利用する気満々です。さっきの話は本当かよ?と言う目で女王を見るシロップ。みんなでやることは素晴らしいと小声で言って撤退。逃げやがった。
②最強のハンター
ナッツハウスへ帰ってくるのぞみ達。店の前に二人組が居ます。お客さんだと思ったのぞみが応対すると、二人組はローズパクトが欲しいと言います。のぞみに手を伸ばすノッポ。シロップが間一髪のところでのぞみを庇います。プリキュアでは珍しい女の子を助ける男の子の図。しかし俊敏な動きでデブが近づき一瞬で距離を離します。シロップは二人に心当たりがあるようです。ヤドカーン(デブ)、イソーギン(ノッポ)と名乗る二人。
さきほどシロップに近づいたときにパクトを盗んでいたヤドカーン。手渡されたイソーギンが見せます。
仕事が終わったので帰ろうとする二人にのぞみが返して!と叫びます。穏やかそうに見えて獰猛さを隠していたのか、のぞみの戦意を見て取ったのか立ち止まります。プリキュア変身。ローズも続きます。二人も腕を変化させて戦闘開始。
ドリームとローズの攻撃を防ぎ、反撃…と思ったらパクトは没収しているので戦うのを止めようとする二人。意外と冷静です。今まで得るもの得たら撤退すればいいものを戦ってしまって結局失敗のパターンが多いので冷静に対処されるとプリキュア側が困ります。帰ろうとする二人に挑むドリーム。瞬間移動と思えるほどの動きで反撃するヤドカーン。ルージュ達の攻撃も通じません。イソーギンに挑むローズも強烈な足蹴りで弾かれます。こいつの動き面白いな。
シロップは機転を利かせて、パクトの中にいるババロア女王に光を!と言います。それを受けて眩い光を出す女王。国王級の人は光を出すことが出来るようです。目がくらんだ二人はパクトを手放してしまいます。それを見逃さずキャッチするシロップ。使える男です。全く何もせず突っ立っているだけのココナッツとはわけが違います。
怒った二人は合体して戦闘モード。どうやら合体した姿が本来の姿らしい。ストライクを軽々と握りつぶしてしまいます。アローとソーサーも同様。反撃に転じる…ん、これなんて言えばいいんだろう。合体しているしなぁ。面倒だからイソカーンでいいか。イソカーンはプリキュア達を睨むとその辺りが爆発します。これは凶悪な能力。ビーム撃つとかそういうのじゃないのね。
イソカーンの実力に苦戦するプリキュア。コンビネーションそのものは特に良い訳ではないと思いますが、単純に強力です。
シロップに狙いを定め攻撃します。パクトを渡せば命は助けてやると脅迫します。断るシロップ。割って入るプリキュア。
「何言ってんの! シロップには手出しさせない!」
「料理も掃除もゴミ出しもシロップと一緒にやるって決めたんだから!」
「あんた達の自由には」「させない!」
堂々と言ったよこの娘。ドサクサにまぎれてシロップを使う宣言。相手の自由にはさせませんが自分は自由に使う気満々です。何かもう、シロップはパクトを渡しても良いんじゃないかな、って同情したくなります。
ドリームとローズの言葉に聞き入るシロップ。騙されています。
ミルキィローズ・ブリザードとシューティング・スターの最強格必殺技が命中しますが二人は変化を解いただけで帰ってしまいます。ローズは力尽きたのかミルクに戻ってしまいます。
③帰る場所
ババロア女王はシロップにお礼を言い、カードをりんに渡します。シロップに乗って王国に帰る女王。最初から最後まで元気な人です。
案の定話っぱなしだったようで、ぐったりして帰ってくるシロップ。気づくと目の前に大量のホットケーキがあります。のぞみ達が異口同音に「おかえり」と言います。何かを待つみんな。おかえりと言っているんだから一つしかありません。
「…ただいま」
「おかえり!」
みんなでホットケーキを食べます。焦げているのを食べるシロップ。のぞみが作ったようです。ちょっと焦げたくらいの方が美味しいと言うのぞみ。確かに美味しい。しかしかなり焦げているらしい。今日の食器洗いはシロップのようです。早速使われています。
④次回予告
久しぶりの正装ブンビー。大都会にプリキュア現る。
○トピック
シロップがナッツハウスの下宿人兼雑用係になる回。くるみに使われること間違いなしです。
これまた前作で言うところの25話に当たる話で、23、24話を踏まえのぞみが5人の中心でありみんなに支えられみんなが好意を寄せていた話のシロップバージョン。みんなと一緒にローズガーデンい行くことを決心して戻ってきたシロップの居場所が物理的にはナッツハウスであり、関係としてはのぞみ達、ココナッツミルクの輪に入っているということを再確認する話。…なのだけど、普通もう少し労わってもいいと思うのですが、早速雑用も一緒にやるという生活感ある展開。洗礼なのか新入りはまず洗い物をすることから始めるのか厳しい世界です。綺麗事ばかりではなく、こういう地味なところも含めて一緒にやるということ、生活や遊びも共有し得ることを示しています。
シロップが一人の方が気が楽と言っている様に、一人は一人で楽、みんなと一緒にやるのはときには煩わしいこともあることを前提にしつつもそれでもみんなと一緒に居ることの良さにも気づけるのが上手いさじ加減であると思います。独善やエゴに陥ることや、他者に依存することなく、自己の主体性と責任を持ちながら他者との協力と共存を説くのがプリキュアの物語の核です。
今回から参戦するノッポ(イソーグン)とデブ(ヤドカーン)は敵では珍しい二人組でしかも合体します。協力して戦うのがプリキュア側の優位性の担保なのでこの戦いの構図は面白そうです。単に力押しで解決するのか、プリキュア側がさらに一歩相手を上回る協力を引き出せるのか。スコルプ&ブンビーの作戦とシビレッタの罠に始まった分断作戦は解決しましたがさらなる課題が待っていそうですね。
次回はOPでも印象的な夜の大都会に並び立つプリキュアが見られそう。
①シロップの引越し
海?山?とみんなに聞くのぞみ。夏休みなので遊びに行く話しです。海が良いと思います。もしくはプールが良いと思います。プリキュアの場合、プールに行っても水着にならないだろうと思いますが。
かれんの別荘を期待するのぞみ。海も山もプールもあるらしいです。もう何でもありだな。地球買えるんじゃないかな。
うららの予定も確認。来週大都会でパレードの中継があるらしいです。さりげに来週の予告です。何でもかんでも楽しそうにはしゃぐのぞみにみんなも呆れます。一人キョトンとするのぞみ。可愛い。
そこに重い足取りで入ってくるシロップ。大量の汗をかいてフラフラしています。元の姿に戻って倒れます。熱中症でしょうか。
エターナル。前回の不始末を謝るアナコンディ。館長は特に問題にしないようです。それよりもフローラがプリキュアを選んだことを気にしています。ネバタコスの後任を用意しているアナコンディ。コレクション没収率100%の最強ハンター。これは手強そうです。
茶柱の立ったお茶を用意して新任上司のもとへ向かうブンビー。どーせまたロクな上司じゃないとため息をつきます。嫌だなぁ、この組織。気を取り直してご機嫌取り。下っ端根性が染み付いています。
部屋の中に入るともぬけの殻。そんなことよりも机が二つあることに驚愕するブンビー。一気に上司が二人になってしまいました。
湖の淵に立ってナッツハウスを見る二人組。ノッポとデブです。「暑いな」「暑いぞ」「夏だな」「夏だぞ」……あまり発展性の無い会話です。
のぞみ達も驚く食べっぷりでシュークリームと豆大福、ジュースを空にするシロップ。夏休みなので学校の食堂もやっておらずご飯を食べていなかったようです。ってあそこのホットケーキが食料供給場所だったのか。
配達の仕事を頑張る!と元気を取り戻すシロップ。ちなみに、前回からパクトを預けられているので背中に背負っています。いつの間にか外に出ているババロア女王。体力が回復したのでそろそろ帰れるそうです。初めから元気だったような、とりん。
何か仕事はないかと周囲に聞くシロップ。今なら夏休み特別割引とやる気満々です。割引ってそもそもこの仕事は金銭絡んでいるのか怪しいのですが。やはりミルクがこちらに来て大量の手紙を届ける仕事が無くなったのが痛い気がします。
ココとナッツが顔を見合わせて仕事を依頼します。配達ではなく店の模様替えを依頼するナッツ。二人へのわだかまりも解けているので意気揚々と請け負うシロップ。ココがわざとらしい声で重労働で大変、と言います。ああ、そういうことね。力はあると意気込むシロップに夏休み一杯かかるので泊り込みはどうだろうという話に持っていくココナッツ。その光景をくるみは感心して見ています。
考えるシロップ。君、騙されているよ。
湖の上に浮遊するノッポとデブ。涼しいらしい。
シロップの部屋。殺風景ですが家具などの最低限必要なものはあります。準備万端です。当事者よりも嬉しそうなのぞみとうらら。シロップは住む気はない、と言いますがココは夏休みの間だけ、ナッツは契約はしただろ、と詐欺ではよくありそうなことを言います。こまちとかれんも加勢。最早逃げ場はありません。狩りは一人ではなく複数でじわじわと逃げ道をなくして追い詰めるものです。
エターナルの館長を見ているのでナッツハウスに居た方が安全だと言うココ。
それはそれとして、のぞみはシロップを買い物に誘います。りんとうららは面白そうとついていきます。こまちとかれんも何だかんだで。くるみは呆れながら付いていきます。この娘は半眼になっているときが面白い。
湖の上で浮遊するノッポとデブは追いかけるでもなく待機。どこからか取り出した何重にもなったアイスを食べます。食べている最中に溶けてベトベトになりそうです。「全部バニラか」「これ全部バニラだ」ノッポはバニラが好きなようです。
②ショッピング
デパートでお買い物。おやつを入れる冷蔵庫が必要、と怒涛の大容量の冷蔵庫を示すのぞみ。部屋に入らないだろ。801Lってどれだけ入るんだよ。なお、ヤマなし・オチなし・イミなしが転じて意味を持つようになったこととプリキュアは関係ありません。プリキュアは女の子同士の友情を推奨しています。
こまちは巨大な本棚を示します。部屋に入らないでしょ、と答えるシロップ。鏡台に笑顔。演技に使えるとうらら。演技の練習しないって。このカーテン可愛いと示すりん。だんだんテンションが下がるシロップ。
かれんがみなを叱ります。自分の部屋ではなく、シロップの部屋。人の気持ちになって考えましょう。くるみもシロップに同情します。そこでかれんのお勧めは絵画。この人も分かってねぇ。いや、分かってた、かれんはボケだって知ってた。絵にかれんさんの大好きな葡萄が描いてあると、とりんが突っ込みます。かれんもりんが大好きなオレンジもある、と反論。あきれ果てるくるみ。
のぞみ達はどんどん好き勝手なことを言います。離れたところでため息をはくシロップ。よくある男と女の買い物風景みたいなものでしょうか。
外でベンチに座って一息つくシロップ。パクトが光りだして手に取るとババロア女王が出てきます。みんなと居なくていいのか?と問います。シロップは疲れた、一人の方が気が楽だといいます。煩いしお節介だし面倒だとも言うシロップ。あのテンションについていける人もなかなかいないと思います。メルポとふたりで良いと言うシロップに女王は誰かが待っていてくれる、帰る場所があることは素晴らしいと話します。自分が元気になれるのも王国でみんなが待っているからと続けます。どうしたんだ、急にまともなことを言い出して、と結構失礼なことを言うシロップ。視聴者も同じ気持ちですが。
シロップが大変な思いをしたのでのぞみ達は引越しを手伝うことで元気付けたいのだと説明するババロア女王。そうだったのか、てっきりいつものノリでみんなを巻き込んでみんなで騒いでいるだけかと思ってました。マシンガントークに定評がありますが、きちんとそこは国王なだけに周囲をよく見ているババロア女王。のぞみ達の真意を見抜きます。シロップも内心ではのぞみ達の好意を感じています。素直になれと言う女王。
シロップを見つけてやってくるのぞみとくるみ。くるみは大きな模造紙を抱えています。当番表を作ると言います。料理・掃除・ごみ出しをシロップと分担すると言います。ちゃっかりしています。シロップを利用する気満々です。さっきの話は本当かよ?と言う目で女王を見るシロップ。みんなでやることは素晴らしいと小声で言って撤退。逃げやがった。
②最強のハンター
ナッツハウスへ帰ってくるのぞみ達。店の前に二人組が居ます。お客さんだと思ったのぞみが応対すると、二人組はローズパクトが欲しいと言います。のぞみに手を伸ばすノッポ。シロップが間一髪のところでのぞみを庇います。プリキュアでは珍しい女の子を助ける男の子の図。しかし俊敏な動きでデブが近づき一瞬で距離を離します。シロップは二人に心当たりがあるようです。ヤドカーン(デブ)、イソーギン(ノッポ)と名乗る二人。
さきほどシロップに近づいたときにパクトを盗んでいたヤドカーン。手渡されたイソーギンが見せます。
仕事が終わったので帰ろうとする二人にのぞみが返して!と叫びます。穏やかそうに見えて獰猛さを隠していたのか、のぞみの戦意を見て取ったのか立ち止まります。プリキュア変身。ローズも続きます。二人も腕を変化させて戦闘開始。
ドリームとローズの攻撃を防ぎ、反撃…と思ったらパクトは没収しているので戦うのを止めようとする二人。意外と冷静です。今まで得るもの得たら撤退すればいいものを戦ってしまって結局失敗のパターンが多いので冷静に対処されるとプリキュア側が困ります。帰ろうとする二人に挑むドリーム。瞬間移動と思えるほどの動きで反撃するヤドカーン。ルージュ達の攻撃も通じません。イソーギンに挑むローズも強烈な足蹴りで弾かれます。こいつの動き面白いな。
シロップは機転を利かせて、パクトの中にいるババロア女王に光を!と言います。それを受けて眩い光を出す女王。国王級の人は光を出すことが出来るようです。目がくらんだ二人はパクトを手放してしまいます。それを見逃さずキャッチするシロップ。使える男です。全く何もせず突っ立っているだけのココナッツとはわけが違います。
怒った二人は合体して戦闘モード。どうやら合体した姿が本来の姿らしい。ストライクを軽々と握りつぶしてしまいます。アローとソーサーも同様。反撃に転じる…ん、これなんて言えばいいんだろう。合体しているしなぁ。面倒だからイソカーンでいいか。イソカーンはプリキュア達を睨むとその辺りが爆発します。これは凶悪な能力。ビーム撃つとかそういうのじゃないのね。
イソカーンの実力に苦戦するプリキュア。コンビネーションそのものは特に良い訳ではないと思いますが、単純に強力です。
シロップに狙いを定め攻撃します。パクトを渡せば命は助けてやると脅迫します。断るシロップ。割って入るプリキュア。
「何言ってんの! シロップには手出しさせない!」
「料理も掃除もゴミ出しもシロップと一緒にやるって決めたんだから!」
「あんた達の自由には」「させない!」
堂々と言ったよこの娘。ドサクサにまぎれてシロップを使う宣言。相手の自由にはさせませんが自分は自由に使う気満々です。何かもう、シロップはパクトを渡しても良いんじゃないかな、って同情したくなります。
ドリームとローズの言葉に聞き入るシロップ。騙されています。
ミルキィローズ・ブリザードとシューティング・スターの最強格必殺技が命中しますが二人は変化を解いただけで帰ってしまいます。ローズは力尽きたのかミルクに戻ってしまいます。
③帰る場所
ババロア女王はシロップにお礼を言い、カードをりんに渡します。シロップに乗って王国に帰る女王。最初から最後まで元気な人です。
案の定話っぱなしだったようで、ぐったりして帰ってくるシロップ。気づくと目の前に大量のホットケーキがあります。のぞみ達が異口同音に「おかえり」と言います。何かを待つみんな。おかえりと言っているんだから一つしかありません。
「…ただいま」
「おかえり!」
みんなでホットケーキを食べます。焦げているのを食べるシロップ。のぞみが作ったようです。ちょっと焦げたくらいの方が美味しいと言うのぞみ。確かに美味しい。しかしかなり焦げているらしい。今日の食器洗いはシロップのようです。早速使われています。
④次回予告
久しぶりの正装ブンビー。大都会にプリキュア現る。
○トピック
シロップがナッツハウスの下宿人兼雑用係になる回。くるみに使われること間違いなしです。
これまた前作で言うところの25話に当たる話で、23、24話を踏まえのぞみが5人の中心でありみんなに支えられみんなが好意を寄せていた話のシロップバージョン。みんなと一緒にローズガーデンい行くことを決心して戻ってきたシロップの居場所が物理的にはナッツハウスであり、関係としてはのぞみ達、ココナッツミルクの輪に入っているということを再確認する話。…なのだけど、普通もう少し労わってもいいと思うのですが、早速雑用も一緒にやるという生活感ある展開。洗礼なのか新入りはまず洗い物をすることから始めるのか厳しい世界です。綺麗事ばかりではなく、こういう地味なところも含めて一緒にやるということ、生活や遊びも共有し得ることを示しています。
シロップが一人の方が気が楽と言っている様に、一人は一人で楽、みんなと一緒にやるのはときには煩わしいこともあることを前提にしつつもそれでもみんなと一緒に居ることの良さにも気づけるのが上手いさじ加減であると思います。独善やエゴに陥ることや、他者に依存することなく、自己の主体性と責任を持ちながら他者との協力と共存を説くのがプリキュアの物語の核です。
今回から参戦するノッポ(イソーグン)とデブ(ヤドカーン)は敵では珍しい二人組でしかも合体します。協力して戦うのがプリキュア側の優位性の担保なのでこの戦いの構図は面白そうです。単に力押しで解決するのか、プリキュア側がさらに一歩相手を上回る協力を引き出せるのか。スコルプ&ブンビーの作戦とシビレッタの罠に始まった分断作戦は解決しましたがさらなる課題が待っていそうですね。
次回はOPでも印象的な夜の大都会に並び立つプリキュアが見られそう。
第24話「プリキュア5新たなる力!」
○今週の出来事
①エターナル
突如現われだパルミエの王冠。シロップはローズパクトを持ってエターナルへ。突然の事態に見舞われるもドリーム達はシロップを迎えに行くためにエターナルへ行きます。
目の前にそびえ立つエターナルの本拠地。プリキュア達も緊張を隠せません。ちなみに、6人立っているシーンでレモネードのスパッツが描き忘れられています。私は喜びを隠しきれません。つか、むしろ大いに喜ぼう。ナイスミス! プリキュア5はスパッツが無いとかなり際どいです。
窓の外を見るアナコンディ。プリキュアの姿を認めます。その隙を突いて部屋から出るシロップ。冷静です。アナコンディはシロップには注意を払わず先にプリキュアを倒しに行くため姿を消します。
実は部屋の外ではなく、開いた扉に隠れていたシロップ。とても冷静です。古典的な手ではありますが実戦的かもしれません。シロップはプリキュア達と合流するため駆け出します。が、途中で足を止めてしまいます。行ってどうする? 自問するシロップ。手にはローズパクトがあります。いまさらどの面下げてのぞみ達と会うというのか。裏切り者に戻る場所はありません。何処へと駆け出してしまいます。
歪んだパルミエの王冠を見るナッツとメルポ。あ、意外と王冠小さい。もっと大きいものかと思いましたが、ココやナッツの頭に乗せるとすればこのくらいの大きさがちょうどいいかもしれません。余談ですが狭い部屋や小さい建物を大きく見せるときはアップにして写して極力細切れにして全体像を見せずに、受け手側に想像させるように仕向けると実際以上に広く・大きく見せることができます。広告のマジックに気をつけましょう。
心配するメルポを勇気付けるナッツ。
②居場所
玄関から姿を現すアナコンディ。ネバタコスの失態を責めます。プリキュアに自己紹介します。そういえば初対面です。役職上は鑑定士のようです。
シロップの返還を求めるドリーム。アナコンディはどこかに消えた、あなた方に会いたくないんじゃないですか? と答えます。前半は事実ですが後半は憶測です。あながち間違ってもいませんが。
弁明するネバタコスですがアナコンディは冷徹に居場所は無くなった、と告げます。平たく言えばクビってことですね。自分の居場所がなくなってしまったことに焦りと怒りを爆発させるネバタコス。敵意を全てプリキュアに向け、巨大化します。
ドリームはココにシロップを連れ戻して欲しいと頼みます。引き受けるココ。しかし行く手にはアナコンディが立ちふさがります。ローズが牽制の蹴りを放って、ココを抱え入り口の扉の中へと導きます。ローズを襲うアナコンディ。ローズの悲鳴に扉を振り返ってしまうココ。アナコンディの攻撃を受けながらもシロップのことを頼むローズ。ココは人間の姿になって駆け出します。やっぱ人間の姿になってシロップに会わないと見栄え的に厳しいよね。不思議生物同士でカッコいいこと言われても語尾が「ココ」「ロプ」では微妙です。
出口はどっちだ?と迷うシロップ。君、ここに入ってきたんじゃないのかね? 逆送して迷ったのか裏口を探しているのか。そうして迷っていると他の部屋とは著しく異なる部屋に入ります。様々な品が置かれています。どれもが青白い光を発するケース(結界?)の中に入っています。中を歩いているとエレベータを発見します。出口に通じているかは怪しいのですが、好奇心が働いてか中へ入るシロップ。
エレベータは地下へと降り、ほどなくして扉が開きます。一本道を進むシロップ。突き当たりには扉があります。吸い寄せられるように扉へと向かい中へと入ります。後ろを向いた椅子。「誰だ?」と呼びかけてきます。
本性を現したネバタコス。プリキュアを圧倒します。単身アナコンディに挑むローズも成す術なく倒れます。完全な戦闘モードになっているネバタコスはまだしも、アナコンディは通常状態でも高い戦闘力を持っているようです。
シロップの名を叫びながら廊下を走るココ。ブンビーは建物の中にはいないようです。居たら居たでお茶出しそうなので緊迫したムードが台無しです。警備に問題があるような気がしますが、アナコンディ一人居れば万全のような気もしますので無駄な経費がかからない分良いかもしれません。
ココも先ほどシロップが入ったコレクションの部屋に行き着きます。世界中の宝物が保管されているのを見て憤りを感じるココ。
椅子が回転し正面を向く鎧の人物・館長。館長はシロップを知らないようですが、シロップは知っているような気がすると自分でも驚いた様子で言います。
ストライク&ソーサーの攻撃を墨で防ぐネバタコス。間髪入れず躍り出るドリーム・レモネード・アクア。相変わらず良い連携です。しかしそれもネバタコスの反撃によって激しく弾かれてしまいます。建物の窓に当たりそうになったレモネードをアナコンディが受け止め、コレクションに傷がつくと違うところに飛ばします。彼我の戦力差は圧倒的にエターナル有利。
館長は気配でシロップがパクトを持っていると気づきます。パクトは自分の物だと言う館長。それは世界中の宝物は自分の物という意味なのか、それとも本来自分の持ち物と言う意味なのか。シロップは何か心当たりがあるのか、「まさか!?」と言い掛けますがココの声がそれを留めます。部屋の中に入ってくるココ。シロップの姿を見て一安心するココ。目の前に館長が居ますが完全無視です。
「何できたんだよ!来るなよ!」とココを拒むシロップ。帰ろうと促すココにシロップは帰る場所がないと答えます。しかしココは最早シロップに顔をそむけたりはしません。視線を合わせ、目線を合わせて向き合います。
「帰る場所っていうのは、生まれ育った所じゃなくて、迎えてくれる誰かがいる場所なんだよ、君はのぞみ達と過ごしてそういう場所を一緒に作ってきたじゃないか。みんなシロップを迎えにエターナルに来たんだよ」
「俺を?」
「自分のことを知りたいというシロップに僕は何も出来なかった。でもこれだけは知って欲しい。シロップ、君は独りじゃない。僕もナッツ、ドリームもルージュもレモネードもアクアもミントもローズもメルポも、みんなシロップに帰ってきて欲しいんだよ」
泣きながら帰りたいと言うシロップ。しかしみんなを裏切ってしまったと自分の過ちを言います。ココはそれを否定します。まだローズパクトをエターナルには渡していません。泣きながら頷くシロップ。
今まで無視されてきた館長はパクトは私の物だと水を差します。このまま放置していると自分の居場所がなくなりそうだったので良いタイミングです。
身を震わせるシロップ。ココがシロップの前に立ち庇います。気配でパルミエ王国の者であると気づく館長。いろんな意味で空気が読める人だな。何をしに来た?と問いかける館長。シロップを迎えに、と簡潔明瞭に即答するココ。
パクトを持っている者を帰すわけにはいかないと答える館長に、ココは帰るべき場所に帰るのだからそれを止める権利は誰にもないと毅然と答えます。話がかみ合っていないような気がしますがプリキュアではよくあることです。ココは世界中の人々が大切にし心の支えにしてきた宝物がエターナルに不当に保管されていると訴えます。宝の価値がわからぬ者たちから宝を守っていると答える館長。奪う側の論理です。奪われた者達の悲しみは? 下らん。即答。敵の親玉はそうでなくては。本来あるべきところに帰すべきだ、ふさわしい者のところに置くべきでありそして始めて輝きを持つ、価値の意味を知り慈しむ者のもとにあるべきだ、水掛け論。
埒が開かないので本来の目的であるパクトの要求へと話を戻す館長。パクトはプリキュア達のもとに送られてきたのだから彼女達の物だと反論するココ。あれは私のものだと答える館長。やはり何か本当に関係があるらしい。フローラがプリキュアを選んだんだ!と叫ぶココ。館長はフローラの名を聞いて驚きます。知り合いなのか。まさかシロップは館長とフローラの子どもとかそんなオチじゃあるまいな。
館長が動きを止めている隙にシロップは逃げるためにココの腕を掴み促します。冷静です。隙を突くのが上手いです。逃げていくふたりを見つつも衝撃が強いためかみすみす見逃してしまう館長。
③王の力
ココとシロップが出口に着くと目の前には倒れたプリキュアとローズ。
アナコンディにシロップは地下に居た人物は誰だと聞きます。館長の名(役職名)を聞いてやっぱりと合点がいくシロップ。先ほどのまさか、の続きは館長ということでしょうか。それでもシロップが館長を知っているような気がすることとは別問題でしょうが。
館長のこととなると見境がないのか、無礼者!と突如攻撃するアナコンディ。ココが庇います。身体の周囲を金色の光が包んでいます。完全無敵というわけではなく傷つき倒れてしまうココ。容赦なく第二撃。今度はドリームが庇います。
「シロップは教えてくれたじゃない、大切なものは手放すなって」
「だから、シロップ」
「みんなで一緒に帰ろう」
「シロップさんは私たちの大切な仲間なんだから」
「絶対に離れ離れにならない」
「みんな…」
「シロップは私たちと一緒に、帰るの!」
三度目の攻撃。ドリーム倒れます。無言で4波目。この人怖いな。ボロボロになるココ。己を犠牲にして庇うココ。何も出来なかった自分にはこれくらいしか出来ないと言うココにシロップは独りで居た自分にいつも話しかけてくれた、と言います。のぞみ達にとって大切なものはパクトではなくシロップであるように、シロップにとってココへの信頼の担保が約束ではなくココ本人の優しさ・行為(好意)であるとシロップは気づきます。
そんなことはどうでもいいアナコンディはトドメの一撃をプリキュアに浴びせます。ほんと、容赦無いなこの人。
全て無駄でしたね、と言うアナコンディにココは「生きていること、立ち上がること、笑顔があること、助け合うこと、友達を想うこと、全てに意味がある! かけがえの無い宝物ココ! みんな一緒に帰るココー!」突如ココから発せられる爆発的な金色の光。
ナッツハウス。王冠が花開くように形を変えます。とナッツとメルポが王冠とともに部屋から消えます。
アナコンディ達の頭上で光り輝く2つの球。ココに王冠が降ります。またしても気配で分かるのか館長は王冠が現れたのを察します。この人は毎回アナコンディが部下に嫌味言ってたり、シビレッタと熾烈なバトルをしているのも感じていそうです。大変です。同情してしまいたくなります。
攻撃体勢をとるアナコンディの懐に飛び込むローズ。ゼロ距離でブリザードを放ちます。うお、かっけぇ。力を使い果たしミルクの姿に戻ってします。アナコンディは瞬時に防御し後方に圧されます。って個人攻撃技最強を食らってその程度って、どんだけこの人強いんだよ。
王冠がココの頭に載ります。フローラが立体映像で現われます。何か関係しているようです。これまた気配を感じるのか察する館長。この人傍目には自室で一人驚きのリアクションをとっているわけで、中に他の人が居たら「この人独り言激しいな」とか思われそうです。どこか厳しい眼差しのフローラ。
先ほどアナコンディの攻撃を受けたプリキュア達は煙の中から姿を現します。ダメージが回復して力がみなぎっていることを自覚する5人。
プリキュアに新たなる力を!と叫ぶココ。キュアフローラーって聞こえるんですが字幕だとフルーレになってます。商品名はフルーレです。たぶん聞き間違いだと思いますが、あの声だとけっこう際どいです、発音。さっきから水を差してばっかりな感想ですが、これから起こることを思えば、むしろこの流れで書いた方がいいかなーと思いまして。
④キュアフルーレ
えー説明しづらいのですが、去年同様ウチワみたなのが出てきて、基部から5つのファンネル…じゃないけど花が飛んでプリキュア達の手に握られます。それらは剣の柄の形になり、輝く刃を発生させます。
「クリスタル・フルーレ! 希望の光!」
「ファイヤー・フルーレ! 情熱の光!」
「シャイニング・フルーレ! はじける光!」
「プロテクト・フルーレ! 安らぎの光!」
「トルネード・フルーレ! 知性の光!」
それぞれ構える5人。非常にカッコイイのですが、明らかに一人間違っている人がいます。っていうか、おかしい(可笑しい)人がいます。黄色はじけすぎ。構えも背中越しとカッコイイです。アクアも前作で剣を使っていたせいか、むしろこれが標準的な兵装かと思うほどしっくりくる動きです。
「五つの光に勇気を乗せて!プリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョン!」
五色の薔薇が出現しそれを打ち出すと、一つの薔薇となって標的であるネバタコスを……「喰った」という表現が一番近いような気がします。薔薇の蕾が標的を上から飲み込んで、あとたぶん消化。かなりエグイです。前作では科学忍法火の鳥ばりに巨大なウチワに乗って特攻しましたが、今回は薔薇で捕食しました。このアニメ物理的だなぁ。
アナコンディは物陰に隠れて一時避難。シロップは背にプリキュア達を乗って上空へと舞い上がります。「プリキュア達とキュアローズガーデンへ行くロプ!」 空の彼方へと飛びます。
館長はフローラはプリキュアを選んだのか、と独白します。
⑤みんなが居る場所
ナッツハウス。メルポはシロップは叩きますが、心配をかけたと謝り抱擁するシロップ。
シロップはのぞみにパクトを返そうと差し出しますが、のぞみはシロップが持っていて欲しいと言います。受け入れるシロップ。
ココにお礼を言うのぞみ達。国王の力が目覚めたようですが、王冠はまた歪んだ形になっています。まだまだ未熟だと言うココの言葉を遮りシロップは自分がココに甘えていたと話し、お礼を言いかけそうになります。言葉をなかなか続けられません。ババロア女王が出てきて、ポジティブに指導。もう、いい!と顔を赤くして答えるシロップ。
みんなの笑い声、みんなの笑顔。再びナッツハウスにみんながそろいます。
⑥次回予告
再び話しは日常に戻り、新しい敵出現。
○トピック
新必殺技よりラストののぞみ達の笑顔に大喜び。珍しいかれんの「それでシロップはさっきなんていいかけたの?」の攻め口調にさらに満足。そんな回でした。
期待通りにシロップとココの和解と、予想を裏切る豪快でエグイ新必殺技が炸裂。
自分の居場所を人との関係ではなく組織に結び付けているネバタコスが暴走し敗北する一方で、シロップは自分の居場所は人との関係でありそれを自らが作ってきたのだとココに教えられ気づきます。人の居場所やモノの価値とはそれに関係する人々が創り出すものであるとするプリキュアのスタンス。ココは自分が無力で約束を守ることができなかったことを認めながら、それに向き合いシロップに一番大切なことを伝えます。それがシロップにとって大きな心の拠り所となり彼はのぞみ達とともにキュアローズガーデンへと行くことを決心します。また自分が甘えていたことを認めます。1話から半年をかけてプリキュア達の輪にシロップも加わりました。これで本来のプリキュア5GoGo!の物語が始まります。
先週躊躇っていたココを決心させたのはプリキュア達が居たからで、シロップを決心させたのはココが居たからで、それを支えたのはプリキュアで、そのプリキュアを今回ココは支えており、ではシロップは何もしていないかというと彼もプリキュア達との関係を一緒に紡いできたから現在のようになっています。今回はココとシロップがメインで、プリキュアは新商品のお披露目があることを除けばそれほど活躍はしていなのですが、先週のように物語の中核を担いつつも周囲と密接に関わっています。「みんな」の物語なんですね、だから一見脇役や目立たない位置にいてもキチンと繋がっています。
プリキュアの最弱キャラことココ(ナッツ)も王の力を発動させてプリキュアに力を与えています。これはプリキュア的には想いや優しさや意志の強さが物理的な力に変換される仕様なので特に問題はないんですが、王の力の根源が民衆の支持なので、今後ココナッツが王に値するものを持てるか、それを人々と築いていけるかが問われます。ココナッツ単独では無力ですが彼らが王として務めや行動が求められ、同時に他者との信頼が求められます。個人の努力、他者との関係がココナッツにも課せられたことになります。のぞみ達、ココナッツミルク、シロップ(とメルポ)と、パルミエ他不思議生物界を巻き込んでの広い物語へと向かいそうですね。
頑張れナッツ、独立してナッツハウスを経営する道もあるぞ。
①エターナル
突如現われだパルミエの王冠。シロップはローズパクトを持ってエターナルへ。突然の事態に見舞われるもドリーム達はシロップを迎えに行くためにエターナルへ行きます。
目の前にそびえ立つエターナルの本拠地。プリキュア達も緊張を隠せません。ちなみに、6人立っているシーンでレモネードのスパッツが描き忘れられています。私は喜びを隠しきれません。つか、むしろ大いに喜ぼう。ナイスミス! プリキュア5はスパッツが無いとかなり際どいです。
窓の外を見るアナコンディ。プリキュアの姿を認めます。その隙を突いて部屋から出るシロップ。冷静です。アナコンディはシロップには注意を払わず先にプリキュアを倒しに行くため姿を消します。
実は部屋の外ではなく、開いた扉に隠れていたシロップ。とても冷静です。古典的な手ではありますが実戦的かもしれません。シロップはプリキュア達と合流するため駆け出します。が、途中で足を止めてしまいます。行ってどうする? 自問するシロップ。手にはローズパクトがあります。いまさらどの面下げてのぞみ達と会うというのか。裏切り者に戻る場所はありません。何処へと駆け出してしまいます。
歪んだパルミエの王冠を見るナッツとメルポ。あ、意外と王冠小さい。もっと大きいものかと思いましたが、ココやナッツの頭に乗せるとすればこのくらいの大きさがちょうどいいかもしれません。余談ですが狭い部屋や小さい建物を大きく見せるときはアップにして写して極力細切れにして全体像を見せずに、受け手側に想像させるように仕向けると実際以上に広く・大きく見せることができます。広告のマジックに気をつけましょう。
心配するメルポを勇気付けるナッツ。
②居場所
玄関から姿を現すアナコンディ。ネバタコスの失態を責めます。プリキュアに自己紹介します。そういえば初対面です。役職上は鑑定士のようです。
シロップの返還を求めるドリーム。アナコンディはどこかに消えた、あなた方に会いたくないんじゃないですか? と答えます。前半は事実ですが後半は憶測です。あながち間違ってもいませんが。
弁明するネバタコスですがアナコンディは冷徹に居場所は無くなった、と告げます。平たく言えばクビってことですね。自分の居場所がなくなってしまったことに焦りと怒りを爆発させるネバタコス。敵意を全てプリキュアに向け、巨大化します。
ドリームはココにシロップを連れ戻して欲しいと頼みます。引き受けるココ。しかし行く手にはアナコンディが立ちふさがります。ローズが牽制の蹴りを放って、ココを抱え入り口の扉の中へと導きます。ローズを襲うアナコンディ。ローズの悲鳴に扉を振り返ってしまうココ。アナコンディの攻撃を受けながらもシロップのことを頼むローズ。ココは人間の姿になって駆け出します。やっぱ人間の姿になってシロップに会わないと見栄え的に厳しいよね。不思議生物同士でカッコいいこと言われても語尾が「ココ」「ロプ」では微妙です。
出口はどっちだ?と迷うシロップ。君、ここに入ってきたんじゃないのかね? 逆送して迷ったのか裏口を探しているのか。そうして迷っていると他の部屋とは著しく異なる部屋に入ります。様々な品が置かれています。どれもが青白い光を発するケース(結界?)の中に入っています。中を歩いているとエレベータを発見します。出口に通じているかは怪しいのですが、好奇心が働いてか中へ入るシロップ。
エレベータは地下へと降り、ほどなくして扉が開きます。一本道を進むシロップ。突き当たりには扉があります。吸い寄せられるように扉へと向かい中へと入ります。後ろを向いた椅子。「誰だ?」と呼びかけてきます。
本性を現したネバタコス。プリキュアを圧倒します。単身アナコンディに挑むローズも成す術なく倒れます。完全な戦闘モードになっているネバタコスはまだしも、アナコンディは通常状態でも高い戦闘力を持っているようです。
シロップの名を叫びながら廊下を走るココ。ブンビーは建物の中にはいないようです。居たら居たでお茶出しそうなので緊迫したムードが台無しです。警備に問題があるような気がしますが、アナコンディ一人居れば万全のような気もしますので無駄な経費がかからない分良いかもしれません。
ココも先ほどシロップが入ったコレクションの部屋に行き着きます。世界中の宝物が保管されているのを見て憤りを感じるココ。
椅子が回転し正面を向く鎧の人物・館長。館長はシロップを知らないようですが、シロップは知っているような気がすると自分でも驚いた様子で言います。
ストライク&ソーサーの攻撃を墨で防ぐネバタコス。間髪入れず躍り出るドリーム・レモネード・アクア。相変わらず良い連携です。しかしそれもネバタコスの反撃によって激しく弾かれてしまいます。建物の窓に当たりそうになったレモネードをアナコンディが受け止め、コレクションに傷がつくと違うところに飛ばします。彼我の戦力差は圧倒的にエターナル有利。
館長は気配でシロップがパクトを持っていると気づきます。パクトは自分の物だと言う館長。それは世界中の宝物は自分の物という意味なのか、それとも本来自分の持ち物と言う意味なのか。シロップは何か心当たりがあるのか、「まさか!?」と言い掛けますがココの声がそれを留めます。部屋の中に入ってくるココ。シロップの姿を見て一安心するココ。目の前に館長が居ますが完全無視です。
「何できたんだよ!来るなよ!」とココを拒むシロップ。帰ろうと促すココにシロップは帰る場所がないと答えます。しかしココは最早シロップに顔をそむけたりはしません。視線を合わせ、目線を合わせて向き合います。
「帰る場所っていうのは、生まれ育った所じゃなくて、迎えてくれる誰かがいる場所なんだよ、君はのぞみ達と過ごしてそういう場所を一緒に作ってきたじゃないか。みんなシロップを迎えにエターナルに来たんだよ」
「俺を?」
「自分のことを知りたいというシロップに僕は何も出来なかった。でもこれだけは知って欲しい。シロップ、君は独りじゃない。僕もナッツ、ドリームもルージュもレモネードもアクアもミントもローズもメルポも、みんなシロップに帰ってきて欲しいんだよ」
泣きながら帰りたいと言うシロップ。しかしみんなを裏切ってしまったと自分の過ちを言います。ココはそれを否定します。まだローズパクトをエターナルには渡していません。泣きながら頷くシロップ。
今まで無視されてきた館長はパクトは私の物だと水を差します。このまま放置していると自分の居場所がなくなりそうだったので良いタイミングです。
身を震わせるシロップ。ココがシロップの前に立ち庇います。気配でパルミエ王国の者であると気づく館長。いろんな意味で空気が読める人だな。何をしに来た?と問いかける館長。シロップを迎えに、と簡潔明瞭に即答するココ。
パクトを持っている者を帰すわけにはいかないと答える館長に、ココは帰るべき場所に帰るのだからそれを止める権利は誰にもないと毅然と答えます。話がかみ合っていないような気がしますがプリキュアではよくあることです。ココは世界中の人々が大切にし心の支えにしてきた宝物がエターナルに不当に保管されていると訴えます。宝の価値がわからぬ者たちから宝を守っていると答える館長。奪う側の論理です。奪われた者達の悲しみは? 下らん。即答。敵の親玉はそうでなくては。本来あるべきところに帰すべきだ、ふさわしい者のところに置くべきでありそして始めて輝きを持つ、価値の意味を知り慈しむ者のもとにあるべきだ、水掛け論。
埒が開かないので本来の目的であるパクトの要求へと話を戻す館長。パクトはプリキュア達のもとに送られてきたのだから彼女達の物だと反論するココ。あれは私のものだと答える館長。やはり何か本当に関係があるらしい。フローラがプリキュアを選んだんだ!と叫ぶココ。館長はフローラの名を聞いて驚きます。知り合いなのか。まさかシロップは館長とフローラの子どもとかそんなオチじゃあるまいな。
館長が動きを止めている隙にシロップは逃げるためにココの腕を掴み促します。冷静です。隙を突くのが上手いです。逃げていくふたりを見つつも衝撃が強いためかみすみす見逃してしまう館長。
③王の力
ココとシロップが出口に着くと目の前には倒れたプリキュアとローズ。
アナコンディにシロップは地下に居た人物は誰だと聞きます。館長の名(役職名)を聞いてやっぱりと合点がいくシロップ。先ほどのまさか、の続きは館長ということでしょうか。それでもシロップが館長を知っているような気がすることとは別問題でしょうが。
館長のこととなると見境がないのか、無礼者!と突如攻撃するアナコンディ。ココが庇います。身体の周囲を金色の光が包んでいます。完全無敵というわけではなく傷つき倒れてしまうココ。容赦なく第二撃。今度はドリームが庇います。
「シロップは教えてくれたじゃない、大切なものは手放すなって」
「だから、シロップ」
「みんなで一緒に帰ろう」
「シロップさんは私たちの大切な仲間なんだから」
「絶対に離れ離れにならない」
「みんな…」
「シロップは私たちと一緒に、帰るの!」
三度目の攻撃。ドリーム倒れます。無言で4波目。この人怖いな。ボロボロになるココ。己を犠牲にして庇うココ。何も出来なかった自分にはこれくらいしか出来ないと言うココにシロップは独りで居た自分にいつも話しかけてくれた、と言います。のぞみ達にとって大切なものはパクトではなくシロップであるように、シロップにとってココへの信頼の担保が約束ではなくココ本人の優しさ・行為(好意)であるとシロップは気づきます。
そんなことはどうでもいいアナコンディはトドメの一撃をプリキュアに浴びせます。ほんと、容赦無いなこの人。
全て無駄でしたね、と言うアナコンディにココは「生きていること、立ち上がること、笑顔があること、助け合うこと、友達を想うこと、全てに意味がある! かけがえの無い宝物ココ! みんな一緒に帰るココー!」突如ココから発せられる爆発的な金色の光。
ナッツハウス。王冠が花開くように形を変えます。とナッツとメルポが王冠とともに部屋から消えます。
アナコンディ達の頭上で光り輝く2つの球。ココに王冠が降ります。またしても気配で分かるのか館長は王冠が現れたのを察します。この人は毎回アナコンディが部下に嫌味言ってたり、シビレッタと熾烈なバトルをしているのも感じていそうです。大変です。同情してしまいたくなります。
攻撃体勢をとるアナコンディの懐に飛び込むローズ。ゼロ距離でブリザードを放ちます。うお、かっけぇ。力を使い果たしミルクの姿に戻ってします。アナコンディは瞬時に防御し後方に圧されます。って個人攻撃技最強を食らってその程度って、どんだけこの人強いんだよ。
王冠がココの頭に載ります。フローラが立体映像で現われます。何か関係しているようです。これまた気配を感じるのか察する館長。この人傍目には自室で一人驚きのリアクションをとっているわけで、中に他の人が居たら「この人独り言激しいな」とか思われそうです。どこか厳しい眼差しのフローラ。
先ほどアナコンディの攻撃を受けたプリキュア達は煙の中から姿を現します。ダメージが回復して力がみなぎっていることを自覚する5人。
プリキュアに新たなる力を!と叫ぶココ。キュアフローラーって聞こえるんですが字幕だとフルーレになってます。商品名はフルーレです。たぶん聞き間違いだと思いますが、あの声だとけっこう際どいです、発音。さっきから水を差してばっかりな感想ですが、これから起こることを思えば、むしろこの流れで書いた方がいいかなーと思いまして。
④キュアフルーレ
えー説明しづらいのですが、去年同様ウチワみたなのが出てきて、基部から5つのファンネル…じゃないけど花が飛んでプリキュア達の手に握られます。それらは剣の柄の形になり、輝く刃を発生させます。
「クリスタル・フルーレ! 希望の光!」
「ファイヤー・フルーレ! 情熱の光!」
「シャイニング・フルーレ! はじける光!」
「プロテクト・フルーレ! 安らぎの光!」
「トルネード・フルーレ! 知性の光!」
それぞれ構える5人。非常にカッコイイのですが、明らかに一人間違っている人がいます。っていうか、おかしい(可笑しい)人がいます。黄色はじけすぎ。構えも背中越しとカッコイイです。アクアも前作で剣を使っていたせいか、むしろこれが標準的な兵装かと思うほどしっくりくる動きです。
「五つの光に勇気を乗せて!プリキュア・レインボー・ローズ・エクスプロージョン!」
五色の薔薇が出現しそれを打ち出すと、一つの薔薇となって標的であるネバタコスを……「喰った」という表現が一番近いような気がします。薔薇の蕾が標的を上から飲み込んで、あとたぶん消化。かなりエグイです。前作では科学忍法火の鳥ばりに巨大なウチワに乗って特攻しましたが、今回は薔薇で捕食しました。このアニメ物理的だなぁ。
アナコンディは物陰に隠れて一時避難。シロップは背にプリキュア達を乗って上空へと舞い上がります。「プリキュア達とキュアローズガーデンへ行くロプ!」 空の彼方へと飛びます。
館長はフローラはプリキュアを選んだのか、と独白します。
⑤みんなが居る場所
ナッツハウス。メルポはシロップは叩きますが、心配をかけたと謝り抱擁するシロップ。
シロップはのぞみにパクトを返そうと差し出しますが、のぞみはシロップが持っていて欲しいと言います。受け入れるシロップ。
ココにお礼を言うのぞみ達。国王の力が目覚めたようですが、王冠はまた歪んだ形になっています。まだまだ未熟だと言うココの言葉を遮りシロップは自分がココに甘えていたと話し、お礼を言いかけそうになります。言葉をなかなか続けられません。ババロア女王が出てきて、ポジティブに指導。もう、いい!と顔を赤くして答えるシロップ。
みんなの笑い声、みんなの笑顔。再びナッツハウスにみんながそろいます。
⑥次回予告
再び話しは日常に戻り、新しい敵出現。
○トピック
新必殺技よりラストののぞみ達の笑顔に大喜び。珍しいかれんの「それでシロップはさっきなんていいかけたの?」の攻め口調にさらに満足。そんな回でした。
期待通りにシロップとココの和解と、予想を裏切る豪快でエグイ新必殺技が炸裂。
自分の居場所を人との関係ではなく組織に結び付けているネバタコスが暴走し敗北する一方で、シロップは自分の居場所は人との関係でありそれを自らが作ってきたのだとココに教えられ気づきます。人の居場所やモノの価値とはそれに関係する人々が創り出すものであるとするプリキュアのスタンス。ココは自分が無力で約束を守ることができなかったことを認めながら、それに向き合いシロップに一番大切なことを伝えます。それがシロップにとって大きな心の拠り所となり彼はのぞみ達とともにキュアローズガーデンへと行くことを決心します。また自分が甘えていたことを認めます。1話から半年をかけてプリキュア達の輪にシロップも加わりました。これで本来のプリキュア5GoGo!の物語が始まります。
先週躊躇っていたココを決心させたのはプリキュア達が居たからで、シロップを決心させたのはココが居たからで、それを支えたのはプリキュアで、そのプリキュアを今回ココは支えており、ではシロップは何もしていないかというと彼もプリキュア達との関係を一緒に紡いできたから現在のようになっています。今回はココとシロップがメインで、プリキュアは新商品のお披露目があることを除けばそれほど活躍はしていなのですが、先週のように物語の中核を担いつつも周囲と密接に関わっています。「みんな」の物語なんですね、だから一見脇役や目立たない位置にいてもキチンと繋がっています。
プリキュアの最弱キャラことココ(ナッツ)も王の力を発動させてプリキュアに力を与えています。これはプリキュア的には想いや優しさや意志の強さが物理的な力に変換される仕様なので特に問題はないんですが、王の力の根源が民衆の支持なので、今後ココナッツが王に値するものを持てるか、それを人々と築いていけるかが問われます。ココナッツ単独では無力ですが彼らが王として務めや行動が求められ、同時に他者との信頼が求められます。個人の努力、他者との関係がココナッツにも課せられたことになります。のぞみ達、ココナッツミルク、シロップ(とメルポ)と、パルミエ他不思議生物界を巻き込んでの広い物語へと向かいそうですね。
頑張れナッツ、独立してナッツハウスを経営する道もあるぞ。