カテゴリー [ Yes!プリキュア5 ]
- ・コラム3「プリキュア5総括感想」
- ・最終話「夢と希望のプリキュア5!」
- ・第48話「希望VS絶望 最後の対決!」
- ・第47話「ドリームコレットを取り戻せ!」
- ・第46話「カワリーノ非情の策略!」
- ・第45話「のぞみとココのクリスマスの誓い」
- ・第44話「お世話役ってどんな人?」
- ・第43話「こまちの決意とナッツの未来」
- ・第42話「りんとかれんのひそかな約束」
- ・第41話「伝わる気持ち こまちとうらら」
- ・第40話「理事長の正体を探れ!」
- ・第39話「恐怖!デスパライア現る」
- ・映画 鏡の国のミラクル大冒険!
- ・第38話「プリキュア5のシンデレラ物語」
- ・第37話「ココのヘルシー大作戦!」
- ・第36話「目指せ完走!マラソン大会!!」
- ・第35話「ナッツの鍵とこまちの心」
- ・第34話「ミルクを守れ!白馬の騎士かれん」
- ・第33話「大スクープ!プリキュア5独占取材!」
- ・第32話「りんちゃんのハッピーウエディング」
- ・コラム2「サントラ、キャラクターソングCD」
- ・第31話「のぞみとココのラブレター事件!」
- ・第30話「ミルクの決意とみんなの力!」
- ・第29話「のぞみの一日マネージャー」
- ・第28話「こまちの夏祭り奮闘記」
- ・第27話「りんちゃんイケメン幽霊とデート!?」
- ・第26話「ロマンス全開リゾートライフ!」
- ・第25話「プリキュア合宿大作戦!」
- ・第24話「新たなる5人の力!」
- ・第23話「大ピンチ!悪夢の招待状」
コラム3「プリキュア5総括感想」
この作品から本当に色々なことを教わります。感謝しても感謝しきれないほどです。この感謝を作品に返すことは出来ないでしょうし、関連商品を買って還元するというのも無粋だと思います。だから私はこの素晴らしい体験を感想として書きます。他の人にもこの作品が見せる限りない生への肯定を知って貰えれば幸いです。
①総括の総括
「ふたりはプリキュア」のタイトルから「ふたり」が消えて5人になったプリキュアですが、中身は全く今までどおりのプリキュアらしいプリキュアで、本当に見ていて素敵な物語です。なお、私が「プリキュアらしい」というときの「らしさ」とは以下のものを指します。
友達と自分を信じ如何なる困難にも屈することなく、優しさと真っ正直さで常に前へと進んでいくことを意志し続け、生きることを肯定する物語
プリキュアはそういう物語だと思っていますし、それがこの作品の「らしさ」だと思います。
私は生きることを肯定したいと思っています。現実が辛く自分の非力さを含め思うようにならないことが多くても、下手をすると突然何の脈絡もなく絶望的な状況に置かれることがあると知っていても、なお、現実とその未来と、そんな状況に置かれている人間の生を肯定したい。自分の「生」だけを感じるのではなく、この世に生きる人間の生を含めて、この世界とともに生きている人間の可能性を肯定したい。それを意志したい。
夢みたいな理想を信じたいんじゃなく、現実に力を持てるものとして、自分をそう行動させる根源として意志したい。意志を抱き進んでいるときに感じる充実、見るもの得るものに対する感動はとても素晴らしい。その糧と見本となっているのがプリキュアです。権謀術数、技術、経験、金、権力、才能すら関係なく、人の優しさや真っ直ぐさ、高潔さ、意志の強さ、他者への愛情によって生きることの素晴らしさと可能性を肯定してみせるのがプリキュアです。
プリキュアは「5」でシリーズ4作目となり全部見ていますがその全てが好きです。最初から生きることを肯定したいとは意識していなかったしプリキュアをそういう物語としても意識していませんでしたが、見続けていくうちにこの作品が本当に好きになりました。この作品はずっと暖かく優しく力強く(主題的な)困難にも屈することなく人の可能性や素晴らしさ、常に前へと進み続けよう、生き続けようとする姿勢を真正面から描いています。複雑な設定や人間描写、小難しい話、大人が好みそうなそんなことではなくて、人(の生)を肯定し続けるその意志が私は好きです。
人間関係や心理が合わせ鏡のように幾重にも重なり合う複雑なものだったとして、この世界が個人ではどうすることもできない大きな力で動いていたとして、それらを知ってその現実や未来を信じることが出来なかったら生きていても辛いだけです。生きるんなら充実して生きたい。明日を信じたい。しかしそれを意志するのは容易ではありません。現実的な困難、見通しの立たなさ、不安はいくらでもあります。プリキュアはそんな困難なことをやってのけます。一生懸命に今を生き、人を信じ、未来を信じることを意志し続ける。そうすることでさらに可能性を広げる。より充実した生を送ることができる。それをプリキュアは教えてくれます。
私にとってのプリキュアとはそういう作品です。見ていて元気になる。意志をわけてくれる。優しさ、素直さ、一生懸命さの尊さを教えてくれる。人生の糧になる作品です。
以上が前置きです。これよりはそのスタンスでプリキュア5を振り返ります。
②友達を作る
プリキュアは友達を一から作って友情を深め、絆を結び、他者との関係を肯定することで可能性を引き出しています。友達との友情がプリキュアの大きな魅力の一つでもあります。これまでの「ふたりは」プリキュアは基本的に親友を一人作ってその描写を厚く描いています。プリキュア5は5人です。数が多いから良い、優れていると言う気はありません。私が着目したのは、友達を「何人も作れる」ことです。
友達って何人作ってもいいよね。それ自体悪い事じゃない。勿論親友のように深い友情で結びついた人間関係もあればそれにこしたことはない。でも、その親友だって一から作ったはずです。最初は誰もが他人です。自分以外の人間で自分に無条件の愛情を示してくれるのは親族くらいでしょう。それとて保証の限りではありませんが。
人間関係とは作っていくものです。当たり前のことですね。でも今の人間関係は当たり前だと思ってはいけない。今も作り続けている。だからもしかしたら自分や相手の小さなミスからその関係にヒビが入るかもしれない。23話のときのように。
親しい友達が数人居れば安定した関係と生活を送ることができます。だから無理してちょっかいをかけて友達を増やす必要はありません。5の初期状態は、のぞみとりん、こまちとかれん、うららは単独です。各自それはそれで安定した状態です。後にのぞみとりん、こまちとかれんが友達として友情を結ぶことになった話もされ、キチンとそれぞれの関係が作られていることがわかります。
のぞみはそんなバラバラだった人達と友達になります。一から作っていきます。素直で素朴な愛情を持って友達になっていきます。人間関係を築くために最初にやらなければならないこと、友達を作ること。
のぞみの愛情は人を受け入れて自分と繋ぐことができる愛情です。のぞみのこの愛情に気づいたときに思いました、この愛情がプリキュア5の大前提なんだと。この愛情で友達を作っていくことから物語は始まるし、多様な成長と可能性がそこから生まれてくる。
のぞみの素直さや愛情、優しさは別に特殊なものではなく、一般的には子どもが持つ特性です。大人にもありますが、色々と打算やら思惑やらもあるので子どもほど素直じゃありません。例えば、大人達が何かの理由で集まることがあって、周りはみな知らない人ばかりです。その状態で気軽に話しかける人はいるでしょうが、仮に声をかけられても戸惑うことがあると思います。「何か理由があって話しかけているのか? 用があるんだろうか?」または「理由が無いと話しかけずらい」「何か共通の話題はないか?」と思ったことはないでしょうか。私は思ったことがあります。理由や用なんて要らないはずなのにね。大人が虚心坦懐に友達を作るというのは案外難しいんです。のぞみを見ていると子どもの頃を思い出します。子どもの頃は誰とでも友達になったし、理由なんて要らなかった。
のぞみは子どもです。でも、その愛情や心の在り方は大人になったからといって捨てたり忘れたりしていいものじゃない。持ち続けるべきだと思います。自分に好意を示してくれるから好意を返す優しさなんかじゃなく、自分から好意を示せる優しさを持ちたい。それが本当の愛情だと思います。
友達を作ること、親友になること、強い絆を持つためにはその関係を作り継続させなければいけない。それは実は結構大変なことで、その途中で縁を切る理由はいくらでもあります。住んでいるところが遠いというだけでも疎遠になる理由になります。
最初はちょっとした些細な愛情や優しさだけで友達になれても、そこから発展していくためにはより強い意志が必要です。作り続けるという意志。
③夢とは
夢や希望なんて聞くとチャンチャラおかしいような、子どもじみたようなイメージすら持ちますが、プリキュアの夢は物凄く現実的です。
夢と現実の対比じゃない。現実の中で夢を叶える為に努力し、目指していくもの。プリキュア5で夢を実現したのは3人です。デスパライア、ココナッツ、のぞみの三人(三組)。パルミエを復活させるココの夢を叶えるのがのぞみの夢でした。その夢を叶えることができました。が、そこで大団円。はいお終い、ではありません。そう、現実は夢を叶えて終わりじゃない。パルミエを復活させた次は復興のために努力しなきゃいけない。のぞみも叶えた後にも自分の生活は続く。夢とは最終目標じゃない。一時の目標であって本当に終わるときが来るのは死ぬときです。
死ぬことを避け、不老不死になったのがデスパライアです。彼女は夢を叶えました。しかし彼女は安息を得ることはできませんでした。不老不死とは究極の夢です。終わりがなくなるのですから。しかしそれが人に幸福や充実や安息を与えるわけではありませんでした。人の心は物理的要因によって全て支配されているわけじゃない。死を免れても恐怖は感じてしまう。心がある限り恐怖や不安を取り除くことはできない。死を免れても恐怖と不安は人を苛み続ける。
いずれは死を迎える恐怖、死を克服してすらも陥ってしまう絶望、生きることは苦痛なのか? そんなことはない。人の心は現実や物理条件によって完全に支配されていない。なら逆に現実がどんなに絶望的でも心に希望を抱くことができるはずです。希望を持つ事ができる。夢を抱き未来を信じることができる。生きている中で喜びと幸福、充実を感じることができる。人は死を迎えるとしても前へと進み続けることができる。現実的な可能性、諸要素が人に夢や希望を抱かせる決定要因なのではありません。人の心は恐怖や不安を抱くと同時に希望も抱く。現実逃避とも願望・妄想とも言えるけど、人が持つ自由意思とも言える。その自由意思を本当の意志とすることに人の強さと可能性がある。
人が動いているとき、一生懸命に働いているとき、何かを目指しているとき、何かを得ているとき、そこには充実があります。何もすることがなくて暇なときは辛いものです。人を発狂させるなら何もさせないことが一番早いのではないかと思うくらいです。何かに向かって一生懸命進んでいるとき、ある意味で現実を忘れ、死を忘れているといえるかもしれないのだけど、そこには確かに充実や幸福、安息があるのだと思います。そしてそれを繰り返しながら夢を叶え、次の夢を抱き、それに向かって進んでいく。夢に挫折しても構わない。夢が人に与える真の意味はその実現にではなく、夢のために進もうとする意志を与えることにある。その意志こそ人が未来を信じ、身体と心を動かし充実と幸福を自らが得る源になる。
プリキュア5の夢とはそういうものだと思います。だから彼女達は夢を実現させようと努力していく中でも充実を感じている。たとえ辛く、困難な夢で、自身も多大な苦悩・労苦を感じてもそれでもそこに意味や価値を見出している。コレットを使わなくても自分達で夢を叶えようとする。それは言い換えれば、自分の生に意味を見出している事でもあると思う。その夢を選んでいるのは自分、その夢を努力しているのは自分。その責任と意志が自分の生に意味と価値を作る。自分のやっていることは無駄ではない。自分を進ませ続けていると感じられる。
夢を抱くことは未来を見ること。未来を信じて進むことは生きること。生きることを意志し続けることに成長や充実、幸福がある。
④他者
夢は一人だけで抱くものではなく、他者がいるからこそ抱くことができる夢もあります。人のために役立ちたい、人に何かを与えたい、人に感謝を返したい。もっと単純に友達になりたいでも良い。他者の存在はすなわち自分の可能性を広げる可能性になります。そして自分は他者の可能性を広げる可能性を持っている。
夢を抱くのぞみ、うらら、こまち。夢を持っていなかったりんとかれん。彼女達は相互に影響し合って、時に夢を叶える助けにもなり、時に夢を抱く助けにもなっています。それぞれの夢に向かいながらもそれぞれの夢に関係してお互いを成長させあう。夢に向かうとよく自分の道に一直線に進んでしまいそれ以外のことには無関心になるか、うららのように閉じた人間関係でも構わないと思いがちになります。しかし、プリキュア5はそれとは全く違い、人と交わることでその可能性を引き出しています。
一人では辛く挫けそうなときに、支えてくれる人、常に前を向いている人、決して諦めない人、強い意志を持っている人が居てくれるととても心が楽になり、また自身も心を強く持つことができます。恐怖や不安が伝染するように、希望や安心も伝染します。人との関わりは普段意識されないものかもしれないけど、着実に経験として蓄積されていきます。それを意識したときに彼女達は今までの行為・経験を肯定しています。
ココナツミルクとの関係も同じです。ココとナッツはそれぞれのぞみとこまちと恋愛を伴っています。この恋愛は恋愛のための恋愛というより、より人の関係に焦点を当てたものだと思います。決してのぞみはココが好きだからパルミエ復活を叶えたいと思っていません。夢を叶えることと、ココに好意を抱くことは独立しています。だからのぞみはココと別れることを知ってでも夢を叶えようとするし、最終回で偽ココにもういいんだよ、と言われても諦めない。彼女の持つ意志の強さは真の意志を持ち行動している人のそれです。相手に愛情・好意を抱くことは人の心が持つ当たり前のことです。しかしときにその好意が人を盲目にさせます。好きな相手のために犠牲になりうることがあります。現実の全てをなげうって好きな人の元へ逃避しうることがあります。のぞみとココはお互いにそうはなりませんでした。お互いにお互いを理解し合って、相手の夢を叶えること、相手にとって良いこと、相手の成長となることを望みそのために行為しています。そしてその行為自体が自分を成長させている。だから、のぞみはココのために動くことが自分のためにもなっていると答えます。
人を好きになることを通して、より深い人間理解と、意志を獲得しています。それは日常の中で起こることを能動的に意識して、自分のものとして、自分の責任として背負いながら懸命に生きていくことの過程です。恋愛もその過程の一つとして人の成長に関係しています。
⑤まとめ
一から作られた彼女達の関係は、一時離散しかけましたが、それを乗り越え関係を作り続けていくことを意志して、お互いに自立しながらもお互いの夢(お互いの生)に関わっています。
最初は一人の女の子の友達になろう、という一言から始まって、それが友情を作り、夢を作り、夢を助け、お互いを助け、未来を志向させるまでになっています。決して飛躍することなく一から作って意志し続けたからこそです。何度も「意志」という言葉を使っていますが、これは自分の責任と意思決定をすることが重要だからです。周囲に流される事なく、状況に甘んじることなく自らの意志を持って行動する。能動的に動くことで自らの生に意味を持つし、失敗しても自分を研鑽する糧になります。他者のために行うことでも、自らの責任において実行するからこそ、自己の成長にも、他者への配慮にも繋がります。プリキュアはこの「意志」を必ず持っています。だからこそ彼女達はどんな困難や状況でも自分や友達を見失うことなく、自己の責任と使命と夢を持って行為することができています。友達と一緒にいながらも各自は独立した意志を持ち、お互いにその意志を繋いでいるからこそ彼女達は力を合わせると強いのです。単に数で強いわけじゃない。個人の質も高いのです。自立性と協調性を兼ね備えています。それが人の可能性の体現でもあります。
決して現状に甘んじることなく、現実から目を背けることもなく、現実の辛さ、自分の弱さを知りながらもそれでも進もうとする意志の強さを持つこと。自分のためにも人のためにもそれを意志すること。誰しも未来に言い知れない不安を感じる。人間関係に不安を感じる。それは悪いことでも弱いことでもない。不安を感じない人は狂っているか真の超人だけだと思う。私を含め多くの人は弱いんです。弱さを恥じてもいいけど、そこから目を背けてはいけない。24話の解決を見たときにも書きました。現実の辛さと自分の弱さを受け入れることは強くなるための一歩です。
自分が不安や恐怖を感じるように人も感じている。それを忘れてはいけない。自分だけが孤独を感じ、自分だけが不幸で、自分だけが不安を感じ、自分だけが生きているわけじゃない。私達はこの世に生きている人とともに生きている。同じように辛さを感じ、同じように弱さを感じながら。そんな弱い人達でも、お互いに支えあいながら、お互いに自立しながら、お互いに影響しながら、お互いに夢を持ち、時に同じ夢に向かって、希望を持って進むことができる。一人では意志しにくくても他者の存在がそれを助ける。不安や恐怖を消す事はできなくても、希望を持ち、未来を信じて進むことができる。人に対する愛情がそれを生み出す。
人の愛情、夢と希望。それはお互いを繋げ、お互いを助け、お互いを高め合い、各自の未来を作るとともに、みんなの未来を作りだす。そんなものはただの理想だと言われるかもしれない。理想だと思う。現実的には困難だろうとも思う。しかしそれがなんだというのでしょうか?
人は夢と希望を心に抱くことができる。そのために動くことができる。意志することができる。未来を信じることができる。生きる喜びを感じることができる。人の可能性とは、未来を信じそれに向かって進むことができることだと思う。
生きることを肯定すること、それもただ生きることではなく、他者に対する愛情を持ちながら未来を意志して生きることを肯定することを真正面からプリキュアは見せてくれます。その素晴らしさを教えてくれるプリキュアは私にとってかけがえのない作品であるし、また、それを糧として私も生きることを肯定していきたい。
①総括の総括
「ふたりはプリキュア」のタイトルから「ふたり」が消えて5人になったプリキュアですが、中身は全く今までどおりのプリキュアらしいプリキュアで、本当に見ていて素敵な物語です。なお、私が「プリキュアらしい」というときの「らしさ」とは以下のものを指します。
友達と自分を信じ如何なる困難にも屈することなく、優しさと真っ正直さで常に前へと進んでいくことを意志し続け、生きることを肯定する物語
プリキュアはそういう物語だと思っていますし、それがこの作品の「らしさ」だと思います。
私は生きることを肯定したいと思っています。現実が辛く自分の非力さを含め思うようにならないことが多くても、下手をすると突然何の脈絡もなく絶望的な状況に置かれることがあると知っていても、なお、現実とその未来と、そんな状況に置かれている人間の生を肯定したい。自分の「生」だけを感じるのではなく、この世に生きる人間の生を含めて、この世界とともに生きている人間の可能性を肯定したい。それを意志したい。
夢みたいな理想を信じたいんじゃなく、現実に力を持てるものとして、自分をそう行動させる根源として意志したい。意志を抱き進んでいるときに感じる充実、見るもの得るものに対する感動はとても素晴らしい。その糧と見本となっているのがプリキュアです。権謀術数、技術、経験、金、権力、才能すら関係なく、人の優しさや真っ直ぐさ、高潔さ、意志の強さ、他者への愛情によって生きることの素晴らしさと可能性を肯定してみせるのがプリキュアです。
プリキュアは「5」でシリーズ4作目となり全部見ていますがその全てが好きです。最初から生きることを肯定したいとは意識していなかったしプリキュアをそういう物語としても意識していませんでしたが、見続けていくうちにこの作品が本当に好きになりました。この作品はずっと暖かく優しく力強く(主題的な)困難にも屈することなく人の可能性や素晴らしさ、常に前へと進み続けよう、生き続けようとする姿勢を真正面から描いています。複雑な設定や人間描写、小難しい話、大人が好みそうなそんなことではなくて、人(の生)を肯定し続けるその意志が私は好きです。
人間関係や心理が合わせ鏡のように幾重にも重なり合う複雑なものだったとして、この世界が個人ではどうすることもできない大きな力で動いていたとして、それらを知ってその現実や未来を信じることが出来なかったら生きていても辛いだけです。生きるんなら充実して生きたい。明日を信じたい。しかしそれを意志するのは容易ではありません。現実的な困難、見通しの立たなさ、不安はいくらでもあります。プリキュアはそんな困難なことをやってのけます。一生懸命に今を生き、人を信じ、未来を信じることを意志し続ける。そうすることでさらに可能性を広げる。より充実した生を送ることができる。それをプリキュアは教えてくれます。
私にとってのプリキュアとはそういう作品です。見ていて元気になる。意志をわけてくれる。優しさ、素直さ、一生懸命さの尊さを教えてくれる。人生の糧になる作品です。
以上が前置きです。これよりはそのスタンスでプリキュア5を振り返ります。
②友達を作る
プリキュアは友達を一から作って友情を深め、絆を結び、他者との関係を肯定することで可能性を引き出しています。友達との友情がプリキュアの大きな魅力の一つでもあります。これまでの「ふたりは」プリキュアは基本的に親友を一人作ってその描写を厚く描いています。プリキュア5は5人です。数が多いから良い、優れていると言う気はありません。私が着目したのは、友達を「何人も作れる」ことです。
友達って何人作ってもいいよね。それ自体悪い事じゃない。勿論親友のように深い友情で結びついた人間関係もあればそれにこしたことはない。でも、その親友だって一から作ったはずです。最初は誰もが他人です。自分以外の人間で自分に無条件の愛情を示してくれるのは親族くらいでしょう。それとて保証の限りではありませんが。
人間関係とは作っていくものです。当たり前のことですね。でも今の人間関係は当たり前だと思ってはいけない。今も作り続けている。だからもしかしたら自分や相手の小さなミスからその関係にヒビが入るかもしれない。23話のときのように。
親しい友達が数人居れば安定した関係と生活を送ることができます。だから無理してちょっかいをかけて友達を増やす必要はありません。5の初期状態は、のぞみとりん、こまちとかれん、うららは単独です。各自それはそれで安定した状態です。後にのぞみとりん、こまちとかれんが友達として友情を結ぶことになった話もされ、キチンとそれぞれの関係が作られていることがわかります。
のぞみはそんなバラバラだった人達と友達になります。一から作っていきます。素直で素朴な愛情を持って友達になっていきます。人間関係を築くために最初にやらなければならないこと、友達を作ること。
のぞみの愛情は人を受け入れて自分と繋ぐことができる愛情です。のぞみのこの愛情に気づいたときに思いました、この愛情がプリキュア5の大前提なんだと。この愛情で友達を作っていくことから物語は始まるし、多様な成長と可能性がそこから生まれてくる。
のぞみの素直さや愛情、優しさは別に特殊なものではなく、一般的には子どもが持つ特性です。大人にもありますが、色々と打算やら思惑やらもあるので子どもほど素直じゃありません。例えば、大人達が何かの理由で集まることがあって、周りはみな知らない人ばかりです。その状態で気軽に話しかける人はいるでしょうが、仮に声をかけられても戸惑うことがあると思います。「何か理由があって話しかけているのか? 用があるんだろうか?」または「理由が無いと話しかけずらい」「何か共通の話題はないか?」と思ったことはないでしょうか。私は思ったことがあります。理由や用なんて要らないはずなのにね。大人が虚心坦懐に友達を作るというのは案外難しいんです。のぞみを見ていると子どもの頃を思い出します。子どもの頃は誰とでも友達になったし、理由なんて要らなかった。
のぞみは子どもです。でも、その愛情や心の在り方は大人になったからといって捨てたり忘れたりしていいものじゃない。持ち続けるべきだと思います。自分に好意を示してくれるから好意を返す優しさなんかじゃなく、自分から好意を示せる優しさを持ちたい。それが本当の愛情だと思います。
友達を作ること、親友になること、強い絆を持つためにはその関係を作り継続させなければいけない。それは実は結構大変なことで、その途中で縁を切る理由はいくらでもあります。住んでいるところが遠いというだけでも疎遠になる理由になります。
最初はちょっとした些細な愛情や優しさだけで友達になれても、そこから発展していくためにはより強い意志が必要です。作り続けるという意志。
③夢とは
夢や希望なんて聞くとチャンチャラおかしいような、子どもじみたようなイメージすら持ちますが、プリキュアの夢は物凄く現実的です。
夢と現実の対比じゃない。現実の中で夢を叶える為に努力し、目指していくもの。プリキュア5で夢を実現したのは3人です。デスパライア、ココナッツ、のぞみの三人(三組)。パルミエを復活させるココの夢を叶えるのがのぞみの夢でした。その夢を叶えることができました。が、そこで大団円。はいお終い、ではありません。そう、現実は夢を叶えて終わりじゃない。パルミエを復活させた次は復興のために努力しなきゃいけない。のぞみも叶えた後にも自分の生活は続く。夢とは最終目標じゃない。一時の目標であって本当に終わるときが来るのは死ぬときです。
死ぬことを避け、不老不死になったのがデスパライアです。彼女は夢を叶えました。しかし彼女は安息を得ることはできませんでした。不老不死とは究極の夢です。終わりがなくなるのですから。しかしそれが人に幸福や充実や安息を与えるわけではありませんでした。人の心は物理的要因によって全て支配されているわけじゃない。死を免れても恐怖は感じてしまう。心がある限り恐怖や不安を取り除くことはできない。死を免れても恐怖と不安は人を苛み続ける。
いずれは死を迎える恐怖、死を克服してすらも陥ってしまう絶望、生きることは苦痛なのか? そんなことはない。人の心は現実や物理条件によって完全に支配されていない。なら逆に現実がどんなに絶望的でも心に希望を抱くことができるはずです。希望を持つ事ができる。夢を抱き未来を信じることができる。生きている中で喜びと幸福、充実を感じることができる。人は死を迎えるとしても前へと進み続けることができる。現実的な可能性、諸要素が人に夢や希望を抱かせる決定要因なのではありません。人の心は恐怖や不安を抱くと同時に希望も抱く。現実逃避とも願望・妄想とも言えるけど、人が持つ自由意思とも言える。その自由意思を本当の意志とすることに人の強さと可能性がある。
人が動いているとき、一生懸命に働いているとき、何かを目指しているとき、何かを得ているとき、そこには充実があります。何もすることがなくて暇なときは辛いものです。人を発狂させるなら何もさせないことが一番早いのではないかと思うくらいです。何かに向かって一生懸命進んでいるとき、ある意味で現実を忘れ、死を忘れているといえるかもしれないのだけど、そこには確かに充実や幸福、安息があるのだと思います。そしてそれを繰り返しながら夢を叶え、次の夢を抱き、それに向かって進んでいく。夢に挫折しても構わない。夢が人に与える真の意味はその実現にではなく、夢のために進もうとする意志を与えることにある。その意志こそ人が未来を信じ、身体と心を動かし充実と幸福を自らが得る源になる。
プリキュア5の夢とはそういうものだと思います。だから彼女達は夢を実現させようと努力していく中でも充実を感じている。たとえ辛く、困難な夢で、自身も多大な苦悩・労苦を感じてもそれでもそこに意味や価値を見出している。コレットを使わなくても自分達で夢を叶えようとする。それは言い換えれば、自分の生に意味を見出している事でもあると思う。その夢を選んでいるのは自分、その夢を努力しているのは自分。その責任と意志が自分の生に意味と価値を作る。自分のやっていることは無駄ではない。自分を進ませ続けていると感じられる。
夢を抱くことは未来を見ること。未来を信じて進むことは生きること。生きることを意志し続けることに成長や充実、幸福がある。
④他者
夢は一人だけで抱くものではなく、他者がいるからこそ抱くことができる夢もあります。人のために役立ちたい、人に何かを与えたい、人に感謝を返したい。もっと単純に友達になりたいでも良い。他者の存在はすなわち自分の可能性を広げる可能性になります。そして自分は他者の可能性を広げる可能性を持っている。
夢を抱くのぞみ、うらら、こまち。夢を持っていなかったりんとかれん。彼女達は相互に影響し合って、時に夢を叶える助けにもなり、時に夢を抱く助けにもなっています。それぞれの夢に向かいながらもそれぞれの夢に関係してお互いを成長させあう。夢に向かうとよく自分の道に一直線に進んでしまいそれ以外のことには無関心になるか、うららのように閉じた人間関係でも構わないと思いがちになります。しかし、プリキュア5はそれとは全く違い、人と交わることでその可能性を引き出しています。
一人では辛く挫けそうなときに、支えてくれる人、常に前を向いている人、決して諦めない人、強い意志を持っている人が居てくれるととても心が楽になり、また自身も心を強く持つことができます。恐怖や不安が伝染するように、希望や安心も伝染します。人との関わりは普段意識されないものかもしれないけど、着実に経験として蓄積されていきます。それを意識したときに彼女達は今までの行為・経験を肯定しています。
ココナツミルクとの関係も同じです。ココとナッツはそれぞれのぞみとこまちと恋愛を伴っています。この恋愛は恋愛のための恋愛というより、より人の関係に焦点を当てたものだと思います。決してのぞみはココが好きだからパルミエ復活を叶えたいと思っていません。夢を叶えることと、ココに好意を抱くことは独立しています。だからのぞみはココと別れることを知ってでも夢を叶えようとするし、最終回で偽ココにもういいんだよ、と言われても諦めない。彼女の持つ意志の強さは真の意志を持ち行動している人のそれです。相手に愛情・好意を抱くことは人の心が持つ当たり前のことです。しかしときにその好意が人を盲目にさせます。好きな相手のために犠牲になりうることがあります。現実の全てをなげうって好きな人の元へ逃避しうることがあります。のぞみとココはお互いにそうはなりませんでした。お互いにお互いを理解し合って、相手の夢を叶えること、相手にとって良いこと、相手の成長となることを望みそのために行為しています。そしてその行為自体が自分を成長させている。だから、のぞみはココのために動くことが自分のためにもなっていると答えます。
人を好きになることを通して、より深い人間理解と、意志を獲得しています。それは日常の中で起こることを能動的に意識して、自分のものとして、自分の責任として背負いながら懸命に生きていくことの過程です。恋愛もその過程の一つとして人の成長に関係しています。
⑤まとめ
一から作られた彼女達の関係は、一時離散しかけましたが、それを乗り越え関係を作り続けていくことを意志して、お互いに自立しながらもお互いの夢(お互いの生)に関わっています。
最初は一人の女の子の友達になろう、という一言から始まって、それが友情を作り、夢を作り、夢を助け、お互いを助け、未来を志向させるまでになっています。決して飛躍することなく一から作って意志し続けたからこそです。何度も「意志」という言葉を使っていますが、これは自分の責任と意思決定をすることが重要だからです。周囲に流される事なく、状況に甘んじることなく自らの意志を持って行動する。能動的に動くことで自らの生に意味を持つし、失敗しても自分を研鑽する糧になります。他者のために行うことでも、自らの責任において実行するからこそ、自己の成長にも、他者への配慮にも繋がります。プリキュアはこの「意志」を必ず持っています。だからこそ彼女達はどんな困難や状況でも自分や友達を見失うことなく、自己の責任と使命と夢を持って行為することができています。友達と一緒にいながらも各自は独立した意志を持ち、お互いにその意志を繋いでいるからこそ彼女達は力を合わせると強いのです。単に数で強いわけじゃない。個人の質も高いのです。自立性と協調性を兼ね備えています。それが人の可能性の体現でもあります。
決して現状に甘んじることなく、現実から目を背けることもなく、現実の辛さ、自分の弱さを知りながらもそれでも進もうとする意志の強さを持つこと。自分のためにも人のためにもそれを意志すること。誰しも未来に言い知れない不安を感じる。人間関係に不安を感じる。それは悪いことでも弱いことでもない。不安を感じない人は狂っているか真の超人だけだと思う。私を含め多くの人は弱いんです。弱さを恥じてもいいけど、そこから目を背けてはいけない。24話の解決を見たときにも書きました。現実の辛さと自分の弱さを受け入れることは強くなるための一歩です。
自分が不安や恐怖を感じるように人も感じている。それを忘れてはいけない。自分だけが孤独を感じ、自分だけが不幸で、自分だけが不安を感じ、自分だけが生きているわけじゃない。私達はこの世に生きている人とともに生きている。同じように辛さを感じ、同じように弱さを感じながら。そんな弱い人達でも、お互いに支えあいながら、お互いに自立しながら、お互いに影響しながら、お互いに夢を持ち、時に同じ夢に向かって、希望を持って進むことができる。一人では意志しにくくても他者の存在がそれを助ける。不安や恐怖を消す事はできなくても、希望を持ち、未来を信じて進むことができる。人に対する愛情がそれを生み出す。
人の愛情、夢と希望。それはお互いを繋げ、お互いを助け、お互いを高め合い、各自の未来を作るとともに、みんなの未来を作りだす。そんなものはただの理想だと言われるかもしれない。理想だと思う。現実的には困難だろうとも思う。しかしそれがなんだというのでしょうか?
人は夢と希望を心に抱くことができる。そのために動くことができる。意志することができる。未来を信じることができる。生きる喜びを感じることができる。人の可能性とは、未来を信じそれに向かって進むことができることだと思う。
生きることを肯定すること、それもただ生きることではなく、他者に対する愛情を持ちながら未来を意志して生きることを肯定することを真正面からプリキュアは見せてくれます。その素晴らしさを教えてくれるプリキュアは私にとってかけがえのない作品であるし、また、それを糧として私も生きることを肯定していきたい。
最終話「夢と希望のプリキュア5!」
○夢の実現と始まり
①夢見るため生まれた
無数に迫るコワイナーに応戦するプリキュア。以前デスパライアが生み出した影はうすのろなイメージでしたが、デスパライアが不老不死になったせいか動きも機敏で単体としても強化されています。それを相手しているプリキュアもそれ以上に強力です。
物陰に隠れて無事を確認するパルミエ国民達。語尾に「パパ」とつけているパパイヤという人はそういえば世話役の人でしたか。
コワイナーは地面から離せば倒せたので今回も実行しますが、何ともありません。完全体になっています。絶望せよ!と言うデスパライアに諦めない!と返すドリーム。最早希望の力が揺るぐことはありません。弱点がないなら、正面突破。戦闘力で押し切ります。
ドリームの背後に立つデスパライア。コワイナーに囲まれ四面楚歌になります。フォローに回ろうにもルージュ達の周りにもコワイナーが立ちふさがります。
ドリームが5人の希望の中心となっていることを承知しているデスパライアは圧倒的優位な状況を見せ、抵抗するのを諦めろと話しかけます。辛い現実に抵抗するのを止め受け入れてしまえばある種楽ではあります。
パルミエ国民にコワイナーを差し向けるデスパライア。ミントがバリアで防ぎます。しかしコワイナーの集中攻撃でミントを含めた4人は弾かれてしまいます。
幻術をしかけるデスパライア。夢の中でココはドリームに、もういいんだ、と戦うことをやめるように話します。ドリームを心配するナッツとミルク。しかしココはドリームを信じています。
ココの声に気づいたドリームは偽者から逃れます。ココはパルミエ王国復活を自分よりも優先して考えていました。そしてそれを叶えようとするのぞみを常に励ましていました。決してのぞみに諦めよう、もうやめようとは言わなかった。11話の気球のときにのぞみが望むのならパルミエ復活ではなく自分の夢を求めて良いとも言いました。それはのぞみの未来を考えたからです。常にココはのぞみの未来(彼女が抱くパルミエ復活の夢ではなく、彼女自身の未来)を信じ前向きに歩ませようと励ましてきました。
目が眩むほどの輝きを発するキャッチュ。コワイナーがその光を受けて消滅していきます。
「ドリームはどんなときも前向きで未来のために今を頑張る素晴らしい人だココ」
「みんなを大切に思うココの優しさが私に前へ進む力をくれるの。だから私はココが大好き」
「ココの夢を絶対に叶えてみせる!」
②信じるため出会い、愛するため育った
「黙れ! 私は願いを叶え、お前たちは叶えられなかったのに何故絶望しない!?」
立ち並ぶプリキュアの瞳は希望の炎を燃やし続けています。
「何故だ? お前たちは怖くはないのか? 老いることが怖くないのか? 力が衰えるのが怖くないのか? 永遠の命を得ても私は…」
狼狽するデスパライアを見てドリームは決心します。無防備にデスパライアへ近寄るドリーム。そして変身を解きます。のぞみの突然の行動に驚くみんな。
「何故だ?」
「こうすればあなたと話せると思ったから」
ああ、やはりそうするんですね。貴女は私が思ったとおりの、私が望んでいたとおりの人だ。
デスパライアに自分と同じだと思うから話したいと言うのぞみ。同じではない!と返すデスパライアにのぞみは「でも怖かったり不安だったりするんでしょ?みんなと同じようにあなたも心を持っているからだよ」
息を呑むデスパライア。コワイナーは全て消滅します。どんなときでも諦めず希望を持ち続けるのぞみに怖いと思ったことは無いのか?と尋ねると怖いと思ったことはあるし今も怖い。でも平気。
のぞみの元に集まる友達。変身を解きます。のぞみと立ち並びます。いつも無茶をするのぞみ。でも付いていきたくなってしまう。最後まで付き合うと口々に言います。
「私はみんなと一緒に頑張っているだけだよ」
「仲間がいるから恐れを退け希望を持てるのか」
「一緒に話そうよ、ね?」
デスパライアに手を差し伸べるのぞみ。その瞬間黒い紙が無数に舞い上がりカワリーノが姿を現します。まだ生きていたのか。のぞみに攻撃をしかけます。
カワリーノを攻撃するデスパライア。困惑するカワリーノ。デスパライアはのぞみ達の話を聞きたいと言います。どうすれば希望が持てるのか知りたい。不老不死になり世界を絶望させる唯一絶対の支配者となるのです、と言うカワリーノ。見上げた忠誠心です。
「永遠の命を得ても安らぎは得られなかった」「この上世界を絶望で覆いつくしても虚しいだけではないか」
デスパライアの言葉に自分がやってきたことは無駄だったのかと思うカワリーノ。同時に足元に絶望の闇が広がります。巨大な手。カワリーノの名を叫ぶ怨嗟の声。ブラッディの成れの果てです。カワリーノを掴んだ巨大な手はそのまま闇へと消えます。
カワリーノが闇に落ち、動揺するデスパライア。世界が揺れ崩れていきます。絶望の力が暴走しています。デスパライアの力は絶望に根ざしたものです。おそらく彼女が他者を認めることから生まれる希望を持った(カワリーノが闇に飲み込まれるときに彼女は手を伸ばした、ということは彼女はカワリーノを認めたことになる)ことでデスパライアを離れた絶望の力が一人歩きしたのでしょう。
デスパライアはのぞみ達に自分とこの世界を封印してくれと頼みます。このままでは全ての世界が亡びてしまいます。最後の願いだと言うデスパライア。承知するのぞみ。
今一度変身し、ドリームトーチに力を集めます。
パルミエ国民の前に立つデスパライア。ココナッツが庇うようにパルミエ国民の前に立ちます。デスパライアは石になってしまったコレットを差し出します。
「こういうときに何を言うべきなのか私はわからん。すまなかった」
希望の力でこの世界を封印します。
「感謝する」冷たかったその表情に安らぎを残して。
③未来へ進む別れ
元の世界に戻るのぞみ達。勝利や帰還の喜びはなく、静かな哀しさ。
かれんの家に集まるパルミエ国民。食事をします。一体何人いるのかはわかりませんが、かなりの量になるのではないかと思います。
かつてパルミエがあった土地は荒地になっているようなので、一から再建するようです。それに先立って国王の選出をしなくてはいけません。ミルクがココナッツは協力しあって今までやってきたので、2人が王様になれば良いと提案します。全国民が賛同します。とても民主的に王様決定。しかも2人。前例とかそういうのに拘りません。
みんなが寝静まった夜。洗いものをするナッツとこまち。こまちが努力賞をとったことを話します。まだまだこれからだというこまち。ナッツにお礼を言います。ナッツもこまちに礼を言います。こまちがナッツに勇気付けられたように、ナッツもこまちに勇気付けられました。ナッツは鍵をこまちに渡します。自分達が前に進むために。快諾するこまち。
星空を見上げるのぞみとココ。まだパルミエが再建したわけではありません。これから大変です。しかし2人で力を合わせれば大丈夫だというのぞみ。のぞみは夏休みにした約束を憶えているか聞きます。パルミエが再建したらのぞみを呼ぶという約束。ココものぞみに胸を張って見てもらえる国を作ると約束します。夢の実現はまた新しい夢、未来を紡ぎます。
夜明け前。別れの時。感極まって泣き出してしまうりん。みんなもつられて涙ぐんでしまいます。これで終わりじゃない。心が繋がっていればまた必ず会えるとのぞみとココは言います。
将来の夢を見つけたというのぞみ。学校の先生になりたい。
みんなから貰った勇気。自分も先生になって誰かの力になりたい。ココものぞみのように希望を与えられる国王になると言います。
5人のキャッチュは蝶に戻り、大きな蝶へとなってパルミエ国民を運んでいきます。
④大切な親友とともに
学校。いつもの場所。
先生を目指すのぞみですが、テストの点はまだあまりよくありません。
「だけど大丈夫」
仕事で上手くいかなかったりオーディションに落ちれば落ち込んでしまう。
「でも、みんなが居るから頑張れます」
小説を書いていると煮詰まることもあるけど
「そんなときはいつもここに」
アクセサリーのデザインに悩んだら
「みんなの意見を聞くの」
医療の仕事が自分に向いているか不安になる。
「ここに来ればみんなの笑顔に励まされる」
食堂のテーブルに座る5人。楽しい昼食。
それぞれの夢に向かって、彼女達はそれぞれ前へと進んでいく。ときに大変でときに辛いこともある。でも、友達は自分に勇気を与え、自分を進ませる励ましになる。
「みんなが居る、何でも話し合える仲間、私を迎えてくれる人達、大切な仲間、親友」
Yes!プリキュア5!
○トピック
本当に素敵な物語をありがとう!
これまでのプリキュア最終決戦が地球規模だったり宇宙規模で派手な戦闘の中で人の可能性を見せてきたことに比べれば、この最終回は地味で唐突なところもあります。でも、この最終回はとてもプリキュア5らしく、また2年目があるとしても本作だけで完全に完結しています。
つまるところ、私にとってこの最終回のポイントは一点です。この一点がこの物語の前提(根本)と言っていい。そこからこの物語は始まり、昇華されています。
のぞみの優しさ。
人の優しさが人と人を繋げ、夢を抱き、未来を意志し、希望を抱かせる。それがプリキュア5の物語であり、人の可能性であり、絶望に打ち勝つ希望を抱き続ける本質。
映画でダークドリームとのぞみが打ち解けたように、デスパライアにも彼女は心があると言います。デスパライアは夢を叶え不老不死になりました。その背景には老いること、力が衰えることへの恐怖がありました。人は不滅ではなく老いて死んでしまいます。デスパライアって人なの?という話はここでは関係ありません。物語を分解してしまえば、デスパライアが何者であるかとういうのはさほど意味がありません。デスパライアは「老い、衰え」に恐怖し夢を叶えるために部下達を使うけどそこには信頼や情といったものが無く「絶望」を力にします。39話で彼女が言ったように「どんな日々にも必ず終わりが来る。その先にあるのは絶望だ」というわけです。未来は人に希望を与えないのではないか? 未来を信じられなければ絶望してしまいます。これは人が抱く、避けられない恐怖と絶望です。
死を前にして、人は絶望せずにいられるだろうか?
さて、何故人は希望を持ったり絶望するのでしょうか? 心があるからです。心が何であるかという科学的なことについては専門家に任せますが、喜怒哀楽などの感情を抱くことが人にはできます。それを心と言っています。
ってことは、希望を抱くことも絶望を抱くことも同じ「心」があるからです。どんなに心が強い人でも怖いと思うことはあります。のぞみはデスパライアにもその「心」を見出します。
のぞみは他者のために自分の苦労も厭わず接します。りんが徒競走で躓いてしまったのを助けます。ココの夢を叶えようとします。うららと友達になります。こまちの作家志望を肯定します。かれんと友達になります。ナッツも助けるしミルクも助ける。増子さんを応援する。そこには損得勘定はなく純粋に彼女がそうなること、そうすることを望み、相手を助けたい、相手と友達になりたい、という気持ちがあります。彼女が人のために行動するのは優しさがあるからです。ココの夢を絶対に叶えようとするのもココ個人を好いているからではなく、彼女が持つ優しさや善意が根本にあります(ココを好きになる前から彼女は夢を叶えることを決意している)。
のぞみは他者のために動きます。その他者は最初から彼女にとって好ましい人達ではありませんでした。彼女が一から関係を作り繋がりを持った人達でした。のぞみはゼロの状態からでも他者を見出し繋いでいくことが出来ます。それは特殊なことではなく私達が普段行っていることです。優しさは人と人が繋がる源であり、人が持つ共通の可能性であると思います。
優しさが人と人を繋ぎ、相互に関係しあって、夢を持ち、未来へ希望を持ちます。もしこれが打算(損得)の繋がりであったら、自分にとって不利益になったり、必要なくなった人は切り捨ててしまうでしょう。ナイトメアがやってきたことです。人が人を排斥することは絶望の連鎖を作り続ける。
勿論、人との関係が必ずしも良い結果だけを作るわけではありません。現実的には悪い状況を生み出すことも多い。そしてそのために絶望してしまうこともあります。しかしだからといって、人から希望の可能性が無くなるわけではありません。希望がある以上、絶望を克服し得ます。この可能性の体現こそプリキュアの真髄です。
デスパライアは不老不死になっても安らぎを感じることはありませんでした。何故でしょうか。物理的には完全のはずです。早い話、物理的に大丈夫だからといっても必ずしも心理的に安心するわけではありません。その逆もあります。物理的には絶望的であっても心理的には希望を抱くことができます。外部条件、物理条件は心理的な判断の材料になりますが、それが決定的な要因には必ずしもならないのです。
不安や恐怖は「心」から生まれます。なら、それを解決するには「心」がそれを克服しなければなりません。しかし不安や恐怖は絶対に消す事はできません。心がある以上生まれるものです。不安や恐怖は人の動きを止め、心を硬直させ人を絶望に導きます。それとは逆に希望は人を動かし未来へと進ませます。その希望はどうやって持つことができるのか。創るんです。自分で意志する。未来を目指していくことを、その過程に幾多の困難が待ち受けようともそれを乗り越え自分が望む未来を目指す。未来を信じる。結局、信じられるかどうかにかかります。非常に曖昧で不確定です。でもその未来を創っていく中に自分だけではなく他者も居たら状況は変わります。自分が困難に直面したときに助けてくれる仲間、信頼できる仲間、自分もその仲間を助け、信頼される。この世に自分一人しか居なかったらどんなに寂しくつまらないでしょうか。最初から一人ならそう思うこともないかもしれません。でも他者が居れば、一人ではなく他者とともに関係を創り未来を作っていくことも出来るのです。
のぞみ達は自分達の関係にヒビが入ったとき絶望に陥りました。しかし、それを乗り越え関係を創り続けることを意志します。その意志は彼女達の関係をさらに創り続けました。そして、それぞれの未来をも創り続けました。
人が人を認め、見出すことで繋がりができ、絆・信頼ができる。それをただ甘受するだけではなく意志して創り続けることで未来を創り、希望を抱き続けることが出来る。
人と人の関係が人に未来を与え、生きていくことを肯定させる。とても素晴らしいと思います。それをこの最終回まで描き続けたプリキュア5はプリキュアの良き伝統を受け継ぎ、これまでのシリーズとは別の角度から人の可能性を見せています。
のぞみの素朴な、純粋な、ひたむきな優しさから始まった物語は、人が未来を目指し進んでいく可能性を見せて、生きることを肯定しました。一人ではなく、みんなと一緒に生きることを。
本当に素敵な物語をありがとう!
①夢見るため生まれた
無数に迫るコワイナーに応戦するプリキュア。以前デスパライアが生み出した影はうすのろなイメージでしたが、デスパライアが不老不死になったせいか動きも機敏で単体としても強化されています。それを相手しているプリキュアもそれ以上に強力です。
物陰に隠れて無事を確認するパルミエ国民達。語尾に「パパ」とつけているパパイヤという人はそういえば世話役の人でしたか。
コワイナーは地面から離せば倒せたので今回も実行しますが、何ともありません。完全体になっています。絶望せよ!と言うデスパライアに諦めない!と返すドリーム。最早希望の力が揺るぐことはありません。弱点がないなら、正面突破。戦闘力で押し切ります。
ドリームの背後に立つデスパライア。コワイナーに囲まれ四面楚歌になります。フォローに回ろうにもルージュ達の周りにもコワイナーが立ちふさがります。
ドリームが5人の希望の中心となっていることを承知しているデスパライアは圧倒的優位な状況を見せ、抵抗するのを諦めろと話しかけます。辛い現実に抵抗するのを止め受け入れてしまえばある種楽ではあります。
パルミエ国民にコワイナーを差し向けるデスパライア。ミントがバリアで防ぎます。しかしコワイナーの集中攻撃でミントを含めた4人は弾かれてしまいます。
幻術をしかけるデスパライア。夢の中でココはドリームに、もういいんだ、と戦うことをやめるように話します。ドリームを心配するナッツとミルク。しかしココはドリームを信じています。
ココの声に気づいたドリームは偽者から逃れます。ココはパルミエ王国復活を自分よりも優先して考えていました。そしてそれを叶えようとするのぞみを常に励ましていました。決してのぞみに諦めよう、もうやめようとは言わなかった。11話の気球のときにのぞみが望むのならパルミエ復活ではなく自分の夢を求めて良いとも言いました。それはのぞみの未来を考えたからです。常にココはのぞみの未来(彼女が抱くパルミエ復活の夢ではなく、彼女自身の未来)を信じ前向きに歩ませようと励ましてきました。
目が眩むほどの輝きを発するキャッチュ。コワイナーがその光を受けて消滅していきます。
「ドリームはどんなときも前向きで未来のために今を頑張る素晴らしい人だココ」
「みんなを大切に思うココの優しさが私に前へ進む力をくれるの。だから私はココが大好き」
「ココの夢を絶対に叶えてみせる!」
②信じるため出会い、愛するため育った
「黙れ! 私は願いを叶え、お前たちは叶えられなかったのに何故絶望しない!?」
立ち並ぶプリキュアの瞳は希望の炎を燃やし続けています。
「何故だ? お前たちは怖くはないのか? 老いることが怖くないのか? 力が衰えるのが怖くないのか? 永遠の命を得ても私は…」
狼狽するデスパライアを見てドリームは決心します。無防備にデスパライアへ近寄るドリーム。そして変身を解きます。のぞみの突然の行動に驚くみんな。
「何故だ?」
「こうすればあなたと話せると思ったから」
ああ、やはりそうするんですね。貴女は私が思ったとおりの、私が望んでいたとおりの人だ。
デスパライアに自分と同じだと思うから話したいと言うのぞみ。同じではない!と返すデスパライアにのぞみは「でも怖かったり不安だったりするんでしょ?みんなと同じようにあなたも心を持っているからだよ」
息を呑むデスパライア。コワイナーは全て消滅します。どんなときでも諦めず希望を持ち続けるのぞみに怖いと思ったことは無いのか?と尋ねると怖いと思ったことはあるし今も怖い。でも平気。
のぞみの元に集まる友達。変身を解きます。のぞみと立ち並びます。いつも無茶をするのぞみ。でも付いていきたくなってしまう。最後まで付き合うと口々に言います。
「私はみんなと一緒に頑張っているだけだよ」
「仲間がいるから恐れを退け希望を持てるのか」
「一緒に話そうよ、ね?」
デスパライアに手を差し伸べるのぞみ。その瞬間黒い紙が無数に舞い上がりカワリーノが姿を現します。まだ生きていたのか。のぞみに攻撃をしかけます。
カワリーノを攻撃するデスパライア。困惑するカワリーノ。デスパライアはのぞみ達の話を聞きたいと言います。どうすれば希望が持てるのか知りたい。不老不死になり世界を絶望させる唯一絶対の支配者となるのです、と言うカワリーノ。見上げた忠誠心です。
「永遠の命を得ても安らぎは得られなかった」「この上世界を絶望で覆いつくしても虚しいだけではないか」
デスパライアの言葉に自分がやってきたことは無駄だったのかと思うカワリーノ。同時に足元に絶望の闇が広がります。巨大な手。カワリーノの名を叫ぶ怨嗟の声。ブラッディの成れの果てです。カワリーノを掴んだ巨大な手はそのまま闇へと消えます。
カワリーノが闇に落ち、動揺するデスパライア。世界が揺れ崩れていきます。絶望の力が暴走しています。デスパライアの力は絶望に根ざしたものです。おそらく彼女が他者を認めることから生まれる希望を持った(カワリーノが闇に飲み込まれるときに彼女は手を伸ばした、ということは彼女はカワリーノを認めたことになる)ことでデスパライアを離れた絶望の力が一人歩きしたのでしょう。
デスパライアはのぞみ達に自分とこの世界を封印してくれと頼みます。このままでは全ての世界が亡びてしまいます。最後の願いだと言うデスパライア。承知するのぞみ。
今一度変身し、ドリームトーチに力を集めます。
パルミエ国民の前に立つデスパライア。ココナッツが庇うようにパルミエ国民の前に立ちます。デスパライアは石になってしまったコレットを差し出します。
「こういうときに何を言うべきなのか私はわからん。すまなかった」
希望の力でこの世界を封印します。
「感謝する」冷たかったその表情に安らぎを残して。
③未来へ進む別れ
元の世界に戻るのぞみ達。勝利や帰還の喜びはなく、静かな哀しさ。
かれんの家に集まるパルミエ国民。食事をします。一体何人いるのかはわかりませんが、かなりの量になるのではないかと思います。
かつてパルミエがあった土地は荒地になっているようなので、一から再建するようです。それに先立って国王の選出をしなくてはいけません。ミルクがココナッツは協力しあって今までやってきたので、2人が王様になれば良いと提案します。全国民が賛同します。とても民主的に王様決定。しかも2人。前例とかそういうのに拘りません。
みんなが寝静まった夜。洗いものをするナッツとこまち。こまちが努力賞をとったことを話します。まだまだこれからだというこまち。ナッツにお礼を言います。ナッツもこまちに礼を言います。こまちがナッツに勇気付けられたように、ナッツもこまちに勇気付けられました。ナッツは鍵をこまちに渡します。自分達が前に進むために。快諾するこまち。
星空を見上げるのぞみとココ。まだパルミエが再建したわけではありません。これから大変です。しかし2人で力を合わせれば大丈夫だというのぞみ。のぞみは夏休みにした約束を憶えているか聞きます。パルミエが再建したらのぞみを呼ぶという約束。ココものぞみに胸を張って見てもらえる国を作ると約束します。夢の実現はまた新しい夢、未来を紡ぎます。
夜明け前。別れの時。感極まって泣き出してしまうりん。みんなもつられて涙ぐんでしまいます。これで終わりじゃない。心が繋がっていればまた必ず会えるとのぞみとココは言います。
将来の夢を見つけたというのぞみ。学校の先生になりたい。
みんなから貰った勇気。自分も先生になって誰かの力になりたい。ココものぞみのように希望を与えられる国王になると言います。
5人のキャッチュは蝶に戻り、大きな蝶へとなってパルミエ国民を運んでいきます。
④大切な親友とともに
学校。いつもの場所。
先生を目指すのぞみですが、テストの点はまだあまりよくありません。
「だけど大丈夫」
仕事で上手くいかなかったりオーディションに落ちれば落ち込んでしまう。
「でも、みんなが居るから頑張れます」
小説を書いていると煮詰まることもあるけど
「そんなときはいつもここに」
アクセサリーのデザインに悩んだら
「みんなの意見を聞くの」
医療の仕事が自分に向いているか不安になる。
「ここに来ればみんなの笑顔に励まされる」
食堂のテーブルに座る5人。楽しい昼食。
それぞれの夢に向かって、彼女達はそれぞれ前へと進んでいく。ときに大変でときに辛いこともある。でも、友達は自分に勇気を与え、自分を進ませる励ましになる。
「みんなが居る、何でも話し合える仲間、私を迎えてくれる人達、大切な仲間、親友」
Yes!プリキュア5!
○トピック
本当に素敵な物語をありがとう!
これまでのプリキュア最終決戦が地球規模だったり宇宙規模で派手な戦闘の中で人の可能性を見せてきたことに比べれば、この最終回は地味で唐突なところもあります。でも、この最終回はとてもプリキュア5らしく、また2年目があるとしても本作だけで完全に完結しています。
つまるところ、私にとってこの最終回のポイントは一点です。この一点がこの物語の前提(根本)と言っていい。そこからこの物語は始まり、昇華されています。
のぞみの優しさ。
人の優しさが人と人を繋げ、夢を抱き、未来を意志し、希望を抱かせる。それがプリキュア5の物語であり、人の可能性であり、絶望に打ち勝つ希望を抱き続ける本質。
映画でダークドリームとのぞみが打ち解けたように、デスパライアにも彼女は心があると言います。デスパライアは夢を叶え不老不死になりました。その背景には老いること、力が衰えることへの恐怖がありました。人は不滅ではなく老いて死んでしまいます。デスパライアって人なの?という話はここでは関係ありません。物語を分解してしまえば、デスパライアが何者であるかとういうのはさほど意味がありません。デスパライアは「老い、衰え」に恐怖し夢を叶えるために部下達を使うけどそこには信頼や情といったものが無く「絶望」を力にします。39話で彼女が言ったように「どんな日々にも必ず終わりが来る。その先にあるのは絶望だ」というわけです。未来は人に希望を与えないのではないか? 未来を信じられなければ絶望してしまいます。これは人が抱く、避けられない恐怖と絶望です。
死を前にして、人は絶望せずにいられるだろうか?
さて、何故人は希望を持ったり絶望するのでしょうか? 心があるからです。心が何であるかという科学的なことについては専門家に任せますが、喜怒哀楽などの感情を抱くことが人にはできます。それを心と言っています。
ってことは、希望を抱くことも絶望を抱くことも同じ「心」があるからです。どんなに心が強い人でも怖いと思うことはあります。のぞみはデスパライアにもその「心」を見出します。
のぞみは他者のために自分の苦労も厭わず接します。りんが徒競走で躓いてしまったのを助けます。ココの夢を叶えようとします。うららと友達になります。こまちの作家志望を肯定します。かれんと友達になります。ナッツも助けるしミルクも助ける。増子さんを応援する。そこには損得勘定はなく純粋に彼女がそうなること、そうすることを望み、相手を助けたい、相手と友達になりたい、という気持ちがあります。彼女が人のために行動するのは優しさがあるからです。ココの夢を絶対に叶えようとするのもココ個人を好いているからではなく、彼女が持つ優しさや善意が根本にあります(ココを好きになる前から彼女は夢を叶えることを決意している)。
のぞみは他者のために動きます。その他者は最初から彼女にとって好ましい人達ではありませんでした。彼女が一から関係を作り繋がりを持った人達でした。のぞみはゼロの状態からでも他者を見出し繋いでいくことが出来ます。それは特殊なことではなく私達が普段行っていることです。優しさは人と人が繋がる源であり、人が持つ共通の可能性であると思います。
優しさが人と人を繋ぎ、相互に関係しあって、夢を持ち、未来へ希望を持ちます。もしこれが打算(損得)の繋がりであったら、自分にとって不利益になったり、必要なくなった人は切り捨ててしまうでしょう。ナイトメアがやってきたことです。人が人を排斥することは絶望の連鎖を作り続ける。
勿論、人との関係が必ずしも良い結果だけを作るわけではありません。現実的には悪い状況を生み出すことも多い。そしてそのために絶望してしまうこともあります。しかしだからといって、人から希望の可能性が無くなるわけではありません。希望がある以上、絶望を克服し得ます。この可能性の体現こそプリキュアの真髄です。
デスパライアは不老不死になっても安らぎを感じることはありませんでした。何故でしょうか。物理的には完全のはずです。早い話、物理的に大丈夫だからといっても必ずしも心理的に安心するわけではありません。その逆もあります。物理的には絶望的であっても心理的には希望を抱くことができます。外部条件、物理条件は心理的な判断の材料になりますが、それが決定的な要因には必ずしもならないのです。
不安や恐怖は「心」から生まれます。なら、それを解決するには「心」がそれを克服しなければなりません。しかし不安や恐怖は絶対に消す事はできません。心がある以上生まれるものです。不安や恐怖は人の動きを止め、心を硬直させ人を絶望に導きます。それとは逆に希望は人を動かし未来へと進ませます。その希望はどうやって持つことができるのか。創るんです。自分で意志する。未来を目指していくことを、その過程に幾多の困難が待ち受けようともそれを乗り越え自分が望む未来を目指す。未来を信じる。結局、信じられるかどうかにかかります。非常に曖昧で不確定です。でもその未来を創っていく中に自分だけではなく他者も居たら状況は変わります。自分が困難に直面したときに助けてくれる仲間、信頼できる仲間、自分もその仲間を助け、信頼される。この世に自分一人しか居なかったらどんなに寂しくつまらないでしょうか。最初から一人ならそう思うこともないかもしれません。でも他者が居れば、一人ではなく他者とともに関係を創り未来を作っていくことも出来るのです。
のぞみ達は自分達の関係にヒビが入ったとき絶望に陥りました。しかし、それを乗り越え関係を創り続けることを意志します。その意志は彼女達の関係をさらに創り続けました。そして、それぞれの未来をも創り続けました。
人が人を認め、見出すことで繋がりができ、絆・信頼ができる。それをただ甘受するだけではなく意志して創り続けることで未来を創り、希望を抱き続けることが出来る。
人と人の関係が人に未来を与え、生きていくことを肯定させる。とても素晴らしいと思います。それをこの最終回まで描き続けたプリキュア5はプリキュアの良き伝統を受け継ぎ、これまでのシリーズとは別の角度から人の可能性を見せています。
のぞみの素朴な、純粋な、ひたむきな優しさから始まった物語は、人が未来を目指し進んでいく可能性を見せて、生きることを肯定しました。一人ではなく、みんなと一緒に生きることを。
本当に素敵な物語をありがとう!
第48話「希望VS絶望 最後の対決!」
○今週の出来事
①絶望の闇
デスパライアは不老不死になっちゃうしコレットは使えなくなっちゃうしミルクは絶望の仮面を付けちゃうしカワリーノは尻尾が便利すぎて歯が立たない。大ピンチです。
勝ち誇るように状況を説明するカワリーノ。ドリームが躍り出ますが強がり以上のものではなく反撃され倒れてしまいます。無限の時間を持つデスパライアはプリキュア達が絶望へと落ちていく様子を楽しそうに観戦します。
饒舌に語りかけるカワリーノ。万が一自分を倒せたところで何が出来る?と問いかけます。正視できず顔を背けるプリキュア。そう、コレットが失われた今パルミエ復活がありえない以上「先」はありません。ミントとアクアの不意を付くカワリーノ。上手いというかセコイというか。効果的ではあります。狙いをルージュとレモネードに定めます。ダウン中のドリームを庇うルージュ。反撃に出るミントとアクアですが容易に迎撃されます。倒れるプリキュア。ルージュの近くには何かアクセサリーのようなものが落ちています。
傷つき立ち上がることができないプリキュアの労をねぎらいカワリーノに突撃するココナッツ。無論、手も触れずに吹き飛ばされてしまいます。やぶれかぶれもいいところです。自暴自棄になって何もかも投げ打ってしまうことと差がありません。それほどに今のプリキュア側には力がありません。
黒い紙を投げるカワリーノ。絶望している者を引きずり込む絶望の闇だと言います。プリキュアの足元に広がっていく闇。しかしドリームだけは侵食されません。まだ諦めていないドリーム。みんなを失うあんな悲しい思いだけは二度としたくない、と口にします。「どうしようというのです?」と問われ、今までだってみんなと力を合わせて乗り越えてきたんだから何とかしてみせると答えるドリーム。しかし力無く倒れてしまいます。ドリームにも闇が侵食していきます。
今ドリームが持っているものは希望ではありません。彼女が今抱いている気持ちはみんなを失いたくないという負の状態に陥りたくない気持ちです。これは希望ではなく、恐怖や不安、絶望を恐れる気持ちです。その恐怖に立ち向かおうとする意思も過去を振り返って「今までもそうだったのだから、今後もそうなる」といういわば慣習です。実績は過去の蓄積ですが、それ自体は未来を志向するものではありません。
②夢
暗闇の中に一点の光。ビーズの輪のようです。りんはやっと見つけたんだと言います。今作っているアクセサリーに合うビーズ。瞳に輝きを失いかけているものの、りんはかれんに呼びかけます。ふたりには約束があります。やりたいことが見つかったら真っ先に話す約束。りんは初詣のときにアクセサリー作りが上手くなるよう願いました。未来さんに贈ったティアラ。そのときのことを嬉しく思ったりんはたくさんの人を喜ばせたいと考え、将来アクセサリーを作る仕事がしたいと言います。笑いながら自分の方が先に見つけちゃいましたね、とかれんに言います。絶望的な状況、なのに日常的な友達とのたわいもない会話。しかし上半身を上げ、失いかけた瞳の輝きは戻っています。
かれんも身を起こし答えます。やりたいことがあるようです。のぞみが楽しそうに聞きます。みんなと出会ったときにみんなの力になりたいと思ったかれん。快復したミルクの笑顔を見たときに病気やケガで苦しんでいる人達の力になりたい、笑顔にしたいと考えました。そう、かれんの夢は医者になることです。笑い声が広がっていきます。
うららはみんなに感謝していると言います。歌手をやっていいのかと悩んでいたときにみんなが背中を押してくれて歌う喜びに気づけた。それからもう一つの目標があるとこまちに呼びかけます。海賊ハリケーンは努力賞をとりました。喜ぶみんな。みんなのアドバイスと応援で得た努力賞だと言います。そして女優になったうららに演じてもらえるような物語を書きたいとこまちは言います。
足元を覆っていた闇が揺るぎ驚愕するカワリーノ。
「みんな今将来の夢を話したよね。ってことは」
「私達は未来を諦めていない」
「そうよ、まだまだやりたいことがいっぱいあるんだから」
「こんなところで挫けてるわけにはいかないですよね」
「みんなの力を合わせれば」
「みんなの心が一つになれば何でも出来るんだから!」
「私達は絶望なんかしないし夢も諦めない。私の大切な夢、パルミエ王国を絶対によみがえらせてみせる!」
③みんなが持つ輝き
輝きを取り戻したプリキュアは一斉にカワリーノへと挑みかかります。王国を蘇らせようにもコレットは使えないと反論&反撃するカワリーノ。攻撃を回避しながらカワリーノへと反撃します。しかし壁まで飛ばされるプリキュア。カワリーノは再び黒い紙を放ちます。が、全員その闇を弾き返します。
絶望しないプリキュアに困惑するカワリーノ。彼らのようにはいかないのか?と言います。「彼ら?」気づくドリーム。
周囲にいる仮面を被った人々はパルミエの住人。コレットは無く王国住人も絶望している。絶望するしかないと言うカワリーノ。あ、それ逆だよ。涙を溢すココナッツ。国民が無事だったことを喜びます。王国は亡びましたが国民が生きていました。ココナッツは国民に謝ります。力が及ばなかったこと、門を開けてしまったこと。ココナッツは独りでさ迷っていた中で出会ったプリキュア達が自分達を支えてくれたことを話します。プリキュアはどんなときでも諦めずみんなで力を合わせて立ち向かってきた。それまで微動だにしていなかったミルクが動きます。それに気づくデスパライア。
プリキュアがパルミエのために頑張っているのにみんなが諦めてはいけない、と呼びかけるココナッツ。希望の光の眩しさ、暖かさを知っているはずだと言います。あー!あれ伏線だったの!?
もうコレットは必要無い。王国は無くなってしまいましたが、ここには王子と国民がいます。国民がココナッツの夢と希望。一緒に王国を作ろうと叫びます。
絶望の仮面にヒビが入ります。仮面を打ち破るミルク。その様子を忌々しく見るデスパライア。カワリーノが恐れるようにデスパライアを見ます。冷たく見返すデスパライア。
何故絶望しないのか。念入りに絶望に導いているのに。本当に念入りだから困ります。最終手段といわんばかりに実力行使に出るカワリーノ。黒い紙を身体中に張ります。巨大化するカワリーノ。戦闘開始。希望を取り戻したプリキュアの動きはいつものキレがあります。
プリキュアを見ていたミルクは決意すると国民に呼びかけます。ココナッツは常に王国のことを考えていた、そのココナッツを支えていたのはプリキュア。今こそココナッツとプリキュアの気持ちに報いるときだと言います。絶望を希望に変える時。
疾駆しながら詠唱するミント。カワリーノの尻尾攻撃をバリアで防ぎアクアがすかさずトルネードを放ちます。か、カッコイイ!! いつものバンクを使わない必殺技。必殺技バンクの真骨頂です。バンクはそれ自体がカッコよく、イメージの固定化に役立ちますが、それ故に使わないときのインパクトが大きいのでここぞ!というときに使うとさらにカッコよさが引き立ちます。
国民達の仮面にヒビが入っていきます。
尻尾を擦って放ったルージュのハーニングを片手で防いだところにシャイニングが直撃します。油断し過ぎです。追撃でクリスタルシュートが顔面に直撃。乙女の底力は容赦しません。
そして国民の仮面は全て割れます。一斉処分。景気よく爆発します。謎生物達。あ、人間の姿ではないのね。ミルクはみんなの力を一つに、プリキュアと一緒に輝く!と呼びかけます。みんなの輝きがプリキュアの頭上に集まります。これでミラクルライト振ったら映画みたいだな。
頭上から降り注ぐ光を受けながらドリームはミルクを見ます。応えるミルク。みんなの夢と希望を一つにしてエクスプロージョンが発動します。
敗れるカワリーノ。最後にデスパライアを振り返って見ますががデスパライアは表情を一つ変えることなく忠実な部下の最期を見ます。
国民達がココナッツのもとに集まります。無事を喜びますがしかしまだ終わってはいません。最後の敵が残っています。デスパライアの仮面を付けた影達を呼び出すデスパライア。うわ、悪趣味。つか怖い。プリキュアを取り囲み仕掛けてきます。
最後の戦い。最後の敵。立ちはだかる絶望の力。
④次回予告
お、新番組予告が無い。続投だからそのまま最終回→新章という流れか。
○トピック
絶望の執行人カワリーノの最期。
この人忠実な部下だったんだなぁ。それに全く意を介さないデスパライアが素敵。デスパライアにとってカワリーノも駒でしかない。パルミエの夢を叶えようと頑張ってくれるプリキュアに感謝したパルミエ王国民達とはその点でも違います。デスパライアの夢や希望には他者が一切絡んでいない。だから夢を叶えるのは自分一人で良いし希望を持っているのも自分だけで良い。
自分の夢と希望に他者が介在するのがプリキュア。
夢は前にある。だから夢を見るときは正面を見ることになる。先にあるものだから前へと進まないと叶わない。ドリームがいくらみんなを失いたくない、と強く思ってもそれは恐怖を含意したものだから常に絶望が付きまとう。希望は絶望と表裏一体ではあるが、それ自体が独立し人の心に力を呼び起こすものであると思う。
夢が無かったりんとかれんはこれまでの自分の経験から自分の夢を抱きます。それは人と喜びを分かち合い、人に笑顔を与え、それを見る自分にも喜びがあることを知ったことがキッカケになっています。
うららは仲間の助けがあって自分の可能性、喜びを知ります。こまちは苦労して書いた小説が努力賞になりました。それがどの程度の賞かは分かりませんが、苦労してみんなが心配し応援してくれた作品が一つの形となりました。前にうららと話したように自分が書いた物語をうららが演じる光景をお互いに見ます。
最早プリキュア的な伝統ですが自分達の夢を話すときに全員キュア名ではなく名前で呼んでいます。自分の心、夢、希望、友情、信頼を語るとき、それは相手を見据えて語られます。その時に相手の本名を言うのは自然であり当然のことです。
彼女達は自己のみだけではなく他者を自己の中に抱くことをも含めて夢を持ちます。何故そういう夢を持てるのか。持つに至るのか。それは自分がみんなのおかげで今の自分があるからです。りんは人が喜んでくれる喜びを知る。かれんはその気になれば自分一人で何でも出来るけど人からの影響を知り、りんと同じように人に喜んでもらう喜びを知る。うららは自分の可能性の広さを知る。こまちは結果を出せた。それらは全て自分一人だけで出来たものではなく、他者がいたからこそ可能となったものです。
他者の存在は自己にも影響し可能性を広げます(逆に失うこともある)。それは普段生活していく中で蓄積され自己を変化させていきます。日常の中で自己は変化していき、夢も日常の延長として抱かれます(火星人になりたいとか、雲になりたいとかはそもそも夢は夢でも妄想でしかないので除く。プリキュア5の「夢」はとても現実的な目標として存在する)。だから、彼女達が夢を語り合うときはとても暖かく日常的です。場所がナッツハウスだったら違和感は全くありません。
夢とは日常の延長であり、自己の先にある目標であり、自分は他者とともに存在し、自己の持つ夢は他者の存在とも関係しています。未来を志向する「~をしたい」「~になりたい」という意思は能動的なもので精神と身体を動かす活力になります。その活力は希望と同義だと思います。たとえどんな絶望的状況であろうと、自分が望む未来を心から消し去ることは出来ません。希望とは外にあるのではなく、自身の心の中にあります。中から湧き出るものです。恵まれた環境にいてもそれに気づかず、未来を志向しなければ人は動きを止めてしまうでしょう。しかし、逆に、過酷な状況の中でも希望を持つ事ができれば精神は躍動し身体をも動かしていきます。
夢を持つこと、未来を見ることは希望を抱かせ、能動的に生きることを可能とします。余談ですが能動的に生きることは幸福なことだと思います。それは常に限りない自己の自由と意志と希望を感じ(何しろこの意志は外部要因で消えません)意識して前へと進んでいくからです。さらに余談というか、この作品の真価を言うならこの「生きることを肯定する」ことそのものにあります。肯定できるその根拠、動機、実践方法が徹底的に描かれています。
今回のもう一つのポイント。パルミエ国民。夢をテーマにした5においてコレットは超現実的(現実を超えている)アイテムです。何しろ消滅した国を蘇らせたり不老不死が可能となるくらいの便利アイテムです。そんなアイテムがありながらうららやこまちはコレットを使って夢を叶えたいな~と冗談を言うことすらしませんでした。各個人の夢を叶えようとする実践面においては非常に現実的に描かれています。
とはいえ、パルミエやデスパライアはそもそも非現実的な存在なのでその人達が超現実的アイテムを使ってもいいかな~と思っていました。コレットが石になっても、何か凄い力が働いて都合よくパルミエが復活するんだろうな、とすら思っていました。
甘かった。このプリキュア5はそんな甘ちゃんではありませんでした。自らの可能性は自らと他者との関係で導き出す。プリキュアの基本思想だと思っていますが、それはパルミエにも当てはまります。正確に言えば、主要人物であるのぞみ5人+3匹。このパルミエのココナッツミルクものぞみ達と同じように夢を抱き、希望を持たなければ物語として欠けていることになります。のぞみ達は自分達の力で夢を叶えようとしているのに、ココナッツミルクは超越的な力で叶えても意味はありません。
パルミエ国民達が無事だったことで、コレットは必要なくなりました。国民が居てこその王国であり王子です。超越的な力ではなく、人と人が協力して王国を復興させるという具体的な夢になりました。夢は希望を抱かせます。またプリキュアの活躍が物理的に救うのではなく、その精神である諦めない強い意志と希望の力が鍵となります。その輝きを今まで近くで見ていたミルクが最初に絶望を克服するのは当然です。ミルクはコレットを失ってしまった贖罪意識ではなく、未来を志向する気持ちで満たされています。ミルクは絶望を希望を抱くことで克服し国民へと語りかけていきます。プリキュアは物理的な意味で人を救うことはほとんどありません。直接的に命を救ったり人を助けたりはしていません(増子さんくらい)。しかし、プリキュアがやってきたこと、プリキュアの姿勢はそれを見ていた人にキチンと伝わっています。プリキュアがやってきたことは間違いでも無駄でもなく、人知れず人々に影響を与えていました。そしてここに至りパルミエ国民の絶望を(間接的に)希望に変えるほどの力を持つまでになります。プリキュアからココナッツに伝わり、ココナッツからミルクに伝わり、ミルクから国民へと伝わります。その結果、プリキュアの夢であるパルミエ王国復興が現実的に実現する(直前まで)に至ります。
人と人との関係、夢の実現がパルミエにおいても実現し得るとは思っていませんでした。プリキュア頑張り過ぎ。
カワリーノは絶望を提示しますがそれが全く受け付けないことに驚愕と戸惑いを覚えます。逆転劇を見るとデスパライアにも見放されカワリーノが絶望的な状況になっています。プリキュアとカワリーノの戦いは「希望」と「絶望」の戦いであり、「個人」と「みんな」の戦いでもあります。
用意周到に絶望的状況を完璧に作り上げても人の心から希望を消せないこと、希望を真に抱く者は揺るがない意志の強さを持つこと、それが伝播すること、希望を持つもの達の持つ力が計り知れないほど大きいものであること。それらの前に単独でしかない絶望の力を持つカワリーノは勝つことが出来ません。意志の強さにおいても、量的な強さにおいてもプリキュアが上回ります。強度、量的な意味での勝利です。
さて、最終回。ここからがさらなるプリキュアの真価の見せ所。物質的でも量的でもない、夢と希望、そして人の本質的なところでデスパライアに勝って欲しい。
①絶望の闇
デスパライアは不老不死になっちゃうしコレットは使えなくなっちゃうしミルクは絶望の仮面を付けちゃうしカワリーノは尻尾が便利すぎて歯が立たない。大ピンチです。
勝ち誇るように状況を説明するカワリーノ。ドリームが躍り出ますが強がり以上のものではなく反撃され倒れてしまいます。無限の時間を持つデスパライアはプリキュア達が絶望へと落ちていく様子を楽しそうに観戦します。
饒舌に語りかけるカワリーノ。万が一自分を倒せたところで何が出来る?と問いかけます。正視できず顔を背けるプリキュア。そう、コレットが失われた今パルミエ復活がありえない以上「先」はありません。ミントとアクアの不意を付くカワリーノ。上手いというかセコイというか。効果的ではあります。狙いをルージュとレモネードに定めます。ダウン中のドリームを庇うルージュ。反撃に出るミントとアクアですが容易に迎撃されます。倒れるプリキュア。ルージュの近くには何かアクセサリーのようなものが落ちています。
傷つき立ち上がることができないプリキュアの労をねぎらいカワリーノに突撃するココナッツ。無論、手も触れずに吹き飛ばされてしまいます。やぶれかぶれもいいところです。自暴自棄になって何もかも投げ打ってしまうことと差がありません。それほどに今のプリキュア側には力がありません。
黒い紙を投げるカワリーノ。絶望している者を引きずり込む絶望の闇だと言います。プリキュアの足元に広がっていく闇。しかしドリームだけは侵食されません。まだ諦めていないドリーム。みんなを失うあんな悲しい思いだけは二度としたくない、と口にします。「どうしようというのです?」と問われ、今までだってみんなと力を合わせて乗り越えてきたんだから何とかしてみせると答えるドリーム。しかし力無く倒れてしまいます。ドリームにも闇が侵食していきます。
今ドリームが持っているものは希望ではありません。彼女が今抱いている気持ちはみんなを失いたくないという負の状態に陥りたくない気持ちです。これは希望ではなく、恐怖や不安、絶望を恐れる気持ちです。その恐怖に立ち向かおうとする意思も過去を振り返って「今までもそうだったのだから、今後もそうなる」といういわば慣習です。実績は過去の蓄積ですが、それ自体は未来を志向するものではありません。
②夢
暗闇の中に一点の光。ビーズの輪のようです。りんはやっと見つけたんだと言います。今作っているアクセサリーに合うビーズ。瞳に輝きを失いかけているものの、りんはかれんに呼びかけます。ふたりには約束があります。やりたいことが見つかったら真っ先に話す約束。りんは初詣のときにアクセサリー作りが上手くなるよう願いました。未来さんに贈ったティアラ。そのときのことを嬉しく思ったりんはたくさんの人を喜ばせたいと考え、将来アクセサリーを作る仕事がしたいと言います。笑いながら自分の方が先に見つけちゃいましたね、とかれんに言います。絶望的な状況、なのに日常的な友達とのたわいもない会話。しかし上半身を上げ、失いかけた瞳の輝きは戻っています。
かれんも身を起こし答えます。やりたいことがあるようです。のぞみが楽しそうに聞きます。みんなと出会ったときにみんなの力になりたいと思ったかれん。快復したミルクの笑顔を見たときに病気やケガで苦しんでいる人達の力になりたい、笑顔にしたいと考えました。そう、かれんの夢は医者になることです。笑い声が広がっていきます。
うららはみんなに感謝していると言います。歌手をやっていいのかと悩んでいたときにみんなが背中を押してくれて歌う喜びに気づけた。それからもう一つの目標があるとこまちに呼びかけます。海賊ハリケーンは努力賞をとりました。喜ぶみんな。みんなのアドバイスと応援で得た努力賞だと言います。そして女優になったうららに演じてもらえるような物語を書きたいとこまちは言います。
足元を覆っていた闇が揺るぎ驚愕するカワリーノ。
「みんな今将来の夢を話したよね。ってことは」
「私達は未来を諦めていない」
「そうよ、まだまだやりたいことがいっぱいあるんだから」
「こんなところで挫けてるわけにはいかないですよね」
「みんなの力を合わせれば」
「みんなの心が一つになれば何でも出来るんだから!」
「私達は絶望なんかしないし夢も諦めない。私の大切な夢、パルミエ王国を絶対によみがえらせてみせる!」
③みんなが持つ輝き
輝きを取り戻したプリキュアは一斉にカワリーノへと挑みかかります。王国を蘇らせようにもコレットは使えないと反論&反撃するカワリーノ。攻撃を回避しながらカワリーノへと反撃します。しかし壁まで飛ばされるプリキュア。カワリーノは再び黒い紙を放ちます。が、全員その闇を弾き返します。
絶望しないプリキュアに困惑するカワリーノ。彼らのようにはいかないのか?と言います。「彼ら?」気づくドリーム。
周囲にいる仮面を被った人々はパルミエの住人。コレットは無く王国住人も絶望している。絶望するしかないと言うカワリーノ。あ、それ逆だよ。涙を溢すココナッツ。国民が無事だったことを喜びます。王国は亡びましたが国民が生きていました。ココナッツは国民に謝ります。力が及ばなかったこと、門を開けてしまったこと。ココナッツは独りでさ迷っていた中で出会ったプリキュア達が自分達を支えてくれたことを話します。プリキュアはどんなときでも諦めずみんなで力を合わせて立ち向かってきた。それまで微動だにしていなかったミルクが動きます。それに気づくデスパライア。
プリキュアがパルミエのために頑張っているのにみんなが諦めてはいけない、と呼びかけるココナッツ。希望の光の眩しさ、暖かさを知っているはずだと言います。あー!あれ伏線だったの!?
もうコレットは必要無い。王国は無くなってしまいましたが、ここには王子と国民がいます。国民がココナッツの夢と希望。一緒に王国を作ろうと叫びます。
絶望の仮面にヒビが入ります。仮面を打ち破るミルク。その様子を忌々しく見るデスパライア。カワリーノが恐れるようにデスパライアを見ます。冷たく見返すデスパライア。
何故絶望しないのか。念入りに絶望に導いているのに。本当に念入りだから困ります。最終手段といわんばかりに実力行使に出るカワリーノ。黒い紙を身体中に張ります。巨大化するカワリーノ。戦闘開始。希望を取り戻したプリキュアの動きはいつものキレがあります。
プリキュアを見ていたミルクは決意すると国民に呼びかけます。ココナッツは常に王国のことを考えていた、そのココナッツを支えていたのはプリキュア。今こそココナッツとプリキュアの気持ちに報いるときだと言います。絶望を希望に変える時。
疾駆しながら詠唱するミント。カワリーノの尻尾攻撃をバリアで防ぎアクアがすかさずトルネードを放ちます。か、カッコイイ!! いつものバンクを使わない必殺技。必殺技バンクの真骨頂です。バンクはそれ自体がカッコよく、イメージの固定化に役立ちますが、それ故に使わないときのインパクトが大きいのでここぞ!というときに使うとさらにカッコよさが引き立ちます。
国民達の仮面にヒビが入っていきます。
尻尾を擦って放ったルージュのハーニングを片手で防いだところにシャイニングが直撃します。油断し過ぎです。追撃でクリスタルシュートが顔面に直撃。乙女の底力は容赦しません。
そして国民の仮面は全て割れます。一斉処分。景気よく爆発します。謎生物達。あ、人間の姿ではないのね。ミルクはみんなの力を一つに、プリキュアと一緒に輝く!と呼びかけます。みんなの輝きがプリキュアの頭上に集まります。これでミラクルライト振ったら映画みたいだな。
頭上から降り注ぐ光を受けながらドリームはミルクを見ます。応えるミルク。みんなの夢と希望を一つにしてエクスプロージョンが発動します。
敗れるカワリーノ。最後にデスパライアを振り返って見ますががデスパライアは表情を一つ変えることなく忠実な部下の最期を見ます。
国民達がココナッツのもとに集まります。無事を喜びますがしかしまだ終わってはいません。最後の敵が残っています。デスパライアの仮面を付けた影達を呼び出すデスパライア。うわ、悪趣味。つか怖い。プリキュアを取り囲み仕掛けてきます。
最後の戦い。最後の敵。立ちはだかる絶望の力。
④次回予告
お、新番組予告が無い。続投だからそのまま最終回→新章という流れか。
○トピック
絶望の執行人カワリーノの最期。
この人忠実な部下だったんだなぁ。それに全く意を介さないデスパライアが素敵。デスパライアにとってカワリーノも駒でしかない。パルミエの夢を叶えようと頑張ってくれるプリキュアに感謝したパルミエ王国民達とはその点でも違います。デスパライアの夢や希望には他者が一切絡んでいない。だから夢を叶えるのは自分一人で良いし希望を持っているのも自分だけで良い。
自分の夢と希望に他者が介在するのがプリキュア。
夢は前にある。だから夢を見るときは正面を見ることになる。先にあるものだから前へと進まないと叶わない。ドリームがいくらみんなを失いたくない、と強く思ってもそれは恐怖を含意したものだから常に絶望が付きまとう。希望は絶望と表裏一体ではあるが、それ自体が独立し人の心に力を呼び起こすものであると思う。
夢が無かったりんとかれんはこれまでの自分の経験から自分の夢を抱きます。それは人と喜びを分かち合い、人に笑顔を与え、それを見る自分にも喜びがあることを知ったことがキッカケになっています。
うららは仲間の助けがあって自分の可能性、喜びを知ります。こまちは苦労して書いた小説が努力賞になりました。それがどの程度の賞かは分かりませんが、苦労してみんなが心配し応援してくれた作品が一つの形となりました。前にうららと話したように自分が書いた物語をうららが演じる光景をお互いに見ます。
最早プリキュア的な伝統ですが自分達の夢を話すときに全員キュア名ではなく名前で呼んでいます。自分の心、夢、希望、友情、信頼を語るとき、それは相手を見据えて語られます。その時に相手の本名を言うのは自然であり当然のことです。
彼女達は自己のみだけではなく他者を自己の中に抱くことをも含めて夢を持ちます。何故そういう夢を持てるのか。持つに至るのか。それは自分がみんなのおかげで今の自分があるからです。りんは人が喜んでくれる喜びを知る。かれんはその気になれば自分一人で何でも出来るけど人からの影響を知り、りんと同じように人に喜んでもらう喜びを知る。うららは自分の可能性の広さを知る。こまちは結果を出せた。それらは全て自分一人だけで出来たものではなく、他者がいたからこそ可能となったものです。
他者の存在は自己にも影響し可能性を広げます(逆に失うこともある)。それは普段生活していく中で蓄積され自己を変化させていきます。日常の中で自己は変化していき、夢も日常の延長として抱かれます(火星人になりたいとか、雲になりたいとかはそもそも夢は夢でも妄想でしかないので除く。プリキュア5の「夢」はとても現実的な目標として存在する)。だから、彼女達が夢を語り合うときはとても暖かく日常的です。場所がナッツハウスだったら違和感は全くありません。
夢とは日常の延長であり、自己の先にある目標であり、自分は他者とともに存在し、自己の持つ夢は他者の存在とも関係しています。未来を志向する「~をしたい」「~になりたい」という意思は能動的なもので精神と身体を動かす活力になります。その活力は希望と同義だと思います。たとえどんな絶望的状況であろうと、自分が望む未来を心から消し去ることは出来ません。希望とは外にあるのではなく、自身の心の中にあります。中から湧き出るものです。恵まれた環境にいてもそれに気づかず、未来を志向しなければ人は動きを止めてしまうでしょう。しかし、逆に、過酷な状況の中でも希望を持つ事ができれば精神は躍動し身体をも動かしていきます。
夢を持つこと、未来を見ることは希望を抱かせ、能動的に生きることを可能とします。余談ですが能動的に生きることは幸福なことだと思います。それは常に限りない自己の自由と意志と希望を感じ(何しろこの意志は外部要因で消えません)意識して前へと進んでいくからです。さらに余談というか、この作品の真価を言うならこの「生きることを肯定する」ことそのものにあります。肯定できるその根拠、動機、実践方法が徹底的に描かれています。
今回のもう一つのポイント。パルミエ国民。夢をテーマにした5においてコレットは超現実的(現実を超えている)アイテムです。何しろ消滅した国を蘇らせたり不老不死が可能となるくらいの便利アイテムです。そんなアイテムがありながらうららやこまちはコレットを使って夢を叶えたいな~と冗談を言うことすらしませんでした。各個人の夢を叶えようとする実践面においては非常に現実的に描かれています。
とはいえ、パルミエやデスパライアはそもそも非現実的な存在なのでその人達が超現実的アイテムを使ってもいいかな~と思っていました。コレットが石になっても、何か凄い力が働いて都合よくパルミエが復活するんだろうな、とすら思っていました。
甘かった。このプリキュア5はそんな甘ちゃんではありませんでした。自らの可能性は自らと他者との関係で導き出す。プリキュアの基本思想だと思っていますが、それはパルミエにも当てはまります。正確に言えば、主要人物であるのぞみ5人+3匹。このパルミエのココナッツミルクものぞみ達と同じように夢を抱き、希望を持たなければ物語として欠けていることになります。のぞみ達は自分達の力で夢を叶えようとしているのに、ココナッツミルクは超越的な力で叶えても意味はありません。
パルミエ国民達が無事だったことで、コレットは必要なくなりました。国民が居てこその王国であり王子です。超越的な力ではなく、人と人が協力して王国を復興させるという具体的な夢になりました。夢は希望を抱かせます。またプリキュアの活躍が物理的に救うのではなく、その精神である諦めない強い意志と希望の力が鍵となります。その輝きを今まで近くで見ていたミルクが最初に絶望を克服するのは当然です。ミルクはコレットを失ってしまった贖罪意識ではなく、未来を志向する気持ちで満たされています。ミルクは絶望を希望を抱くことで克服し国民へと語りかけていきます。プリキュアは物理的な意味で人を救うことはほとんどありません。直接的に命を救ったり人を助けたりはしていません(増子さんくらい)。しかし、プリキュアがやってきたこと、プリキュアの姿勢はそれを見ていた人にキチンと伝わっています。プリキュアがやってきたことは間違いでも無駄でもなく、人知れず人々に影響を与えていました。そしてここに至りパルミエ国民の絶望を(間接的に)希望に変えるほどの力を持つまでになります。プリキュアからココナッツに伝わり、ココナッツからミルクに伝わり、ミルクから国民へと伝わります。その結果、プリキュアの夢であるパルミエ王国復興が現実的に実現する(直前まで)に至ります。
人と人との関係、夢の実現がパルミエにおいても実現し得るとは思っていませんでした。プリキュア頑張り過ぎ。
カワリーノは絶望を提示しますがそれが全く受け付けないことに驚愕と戸惑いを覚えます。逆転劇を見るとデスパライアにも見放されカワリーノが絶望的な状況になっています。プリキュアとカワリーノの戦いは「希望」と「絶望」の戦いであり、「個人」と「みんな」の戦いでもあります。
用意周到に絶望的状況を完璧に作り上げても人の心から希望を消せないこと、希望を真に抱く者は揺るがない意志の強さを持つこと、それが伝播すること、希望を持つもの達の持つ力が計り知れないほど大きいものであること。それらの前に単独でしかない絶望の力を持つカワリーノは勝つことが出来ません。意志の強さにおいても、量的な強さにおいてもプリキュアが上回ります。強度、量的な意味での勝利です。
さて、最終回。ここからがさらなるプリキュアの真価の見せ所。物質的でも量的でもない、夢と希望、そして人の本質的なところでデスパライアに勝って欲しい。
第47話「ドリームコレットを取り戻せ!」
○今週の出来事
①まだ終わりじゃない
集まったピンキーを狙ったブラッディを退けたもののコレットはカワリーノに奪われてしまいなす術がないのぞみ達。
コレットを手にしたデスパライアはついに自分の望みが叶うことに歓喜します。コレットから発せられる強大な力。お褒めの言葉を授かるカワリーノ。カワリーノは「最初から私一人で十分だったのです」と答えます。
他者の夢の実現のために尽力したカワリーノ。彼は誰とも協力せずに独力でそれを成してしまいます。では、人が協力し合う意味はあるのか?
意識を取り戻すココ。コレットが奪われてしまったことを知ってしまいます。ココを取り囲んだ皆は何とも声をかけられません。
デスパライアの望みは不老不死。全ての世界、全ての者が絶望した中で唯一望みを叶え不老不死となればデスパライアは正真正銘の支配者であり絶対の神となります。なるほど、この人自身が絶望の権化のわりに希望を持っているってどうなんだ?と思っていましたが、この人自身は希望があって、それ以外の全てが絶望していることを望んでいるわけですね。まさに完全に独裁。絶対唯一の存在がデスパライアの望み。
「だが、」
自分を責めるナッツ。一人離れたところに居るミルクはナッツを心配するも自責の念が募ります。りんとうららも何も出来なかったと俯きます。油断していたと後悔するこまちとかれん。その中でも直接カワリーノにコレットを渡してしまったミルクは特に強い責任を感じています。ここでまだ非難されるならある種楽かもしれませんが、誰も責める者はいません。自分が抱える責任、罪の意識は自分の中に留まり続けます。
「誰のせいでもないよ」
今まで言葉を発していなかったのぞみの言葉。「大切なのはこれからどうするか」「だよね、ココ」ココを見るのぞみ。
のぞみはそうでなくちゃいけない。だからこそ彼女は彼女たりえる。今までもピンチは幾度と無くありましたが、のぞみ達は決して諦めなかった。コレットを取り返しに行こうと言うのぞみ。俯いていても、後悔しても前へは進みません。足を動かし進まなくては。
のぞみの言葉に驚く一同。第一、デスパライアはコレットを使ってしまったのではないかとココナッツは言います。それを否定するのぞみ。何故なら青く綺麗な空がまだあるからです。まだこの世界は絶望していない。のぞみ凄いな。常に前を見て、希望を持ち続けます。ココ達もその言葉に心を和らげます。
「絶望にひれ伏さない者がいる」と言葉を続けるデスパライア。コレットを失ってもなお希望を捨てていないとのぞみ達のことを言います。了解するカワリーノ。
②心を蝕む絶望
街を歩き探し回る一同。しかし手がかりは見つかりません。ミルクは自分を責めますがのぞみは何とかなる、とノーテンキです。実際何とかなる根拠はありません。秘策があるとか何か切り札があるとかじゃなく、本当にノーテンキです。でも、今はその理屈関係なしに動くことのできる力が必要です。
大声でコレットを返せと叫ぶのぞみ。りんにも呼びかけます。テレながらも叫ぶりん。うらら、こまち、かれんも叫びます。
意外と心と身体は連動しています。心が強い意志を発揮させれば身体も動きますが、身体を動かすと心も動きます。
呼びかけに答えるように本当に現れるカワリーノ。空中に浮いています。巨大な扉が現れ開きます。中へと入るのぞみ達。
行き着いた場所はコロシアム。以前は無人でしたが今回は客席を埋め尽くすように仮面を被った人達が座っています。そして正面の玉座に座るデスパライア。コレットを持っています。
コレットを返せとの要求に「どうぞご自由に」と答えるカワリーノ。欲しいなら実力で取り戻せということですか。一斉変身。
カワリーノがお相手をします。口元の動きとか怖いな。怪人体になるカワリーノ。おお、意外に図体がデカイ。
5人で同時に飛び掛るも弾れ、再度の攻撃も俊敏な動きで反撃するカワリーノ。2本ある尻尾が便利です。格闘戦で分が悪いなら必殺技で。ルージュのバーニングが炸裂しますがそれを尻尾で防ぎ、そのままルージュに反撃します。尻尾に炎がまとわりついています。続いてシャイニングとトルネードの同時攻撃。がこれもそれぞれの尻尾に力が纏っています。レモネードとアクアも弾かれてしまいます。どうやら、あの尻尾はかなりの優れもののようです。
ココナッツミルクに狙いを定めるカワリーノにミントがシールドで防御します。単体火力が最強だと思われるドリームのクリスタルシュートすらも尻尾で防ぎ反撃します。火力が高いので反撃の火力も高いようです。
絶大な力を見せるカワリーノ。プリキュアに部下にならないかと持ちかけます。当然断るプリキュア。カワリーノは2度も騙されるようなやつに付くよりはずっと良いですよ、とココナッツに視線を向けます。ナッツに門を開けてくれてありがとうと言います。ナッツが保護した偽ピンキーの正体はカワリーノだったようです。尻尾でバリアを叩くと同時にそのエネルギーを吸収します。バリアは無効化され消えてしまいます。こんな便利な尻尾が2本もあります。奥さん便利ですよ♪とテレビショッピングの人が言ってしまいそうなほど便利でお得です。
カワリーノに飛びかかるナッツ。払うカワリーノ。ココとミントも挑みかかりますが吹き飛ばされてしまいます。
彼我の戦力差は途方も無く開いています。まともに攻撃を当てることもできません。諦めるしかない、それが絶望だと言うカワリーノ。絶望を受け入れた仮面をつけた人達。これはナイトメアの社員とかではなく、絶望し意志しなくなった人々なのか。傷つきながらも立ち上がるドリーム達。絶望なんて受け入れないと抗います。絶望を受け入れているお仲間がいますよ、と言うカワリーノ。
ミルクに呼びかけるココナッツ。まだエクスプロージョンが残っています。しかし最後の標的であるミルクを尻尾で捕まえるカワリーノ。便利です。
絶望の仮面を取り出します。それをミルクにつけようとします。抗うミルクですが、カワリーノが触れられたくないところを触れます。コレットをカワリーノに渡したのはミルク。この状況を招いたのも、夢が叶わないかもしれないのも、皆が傷ついているのも、自分が原因。仮面を受け入れてしまうミルク。
仲間が絶望を受け入れてしまいエクスプロージョンも使えません。状況は絶望的。
その状況を楽しむデスパライア。「時は来た」望みを叶えるのは今この時しかありません。絶望し始めたプリキュア達の目の前でコレットの力を解放するデスパライア。力がデスパライアを包みます。はじけるように散乱する小さな光の礫。ピンキーです。石化したコレットが地面に落ちます。そして、デスパライアの仮面は割れ、いつのまにか衣装もリニューアルしてその素顔が現れます。若く美しいが冷たい表情。
③次回予告
夢や希望はどこにある?
○トピック
いやー、実に心地いい絶望感。素敵です。
ミルクは絶望を受け入れてしまうし、デスパライアはコレットを使い不老不死になる。ピンキーは散乱しコレットは石化。元々コレットはプリキュア側に力を与えない(プリズムストーンもハーティエルも雫もプリキュア側に力を与えていない)でしょうがこれで完璧に近いくらいにプリキュア側は打つ手なしです。
この外部的条件では完全に打つ手なしの絶望が徹底していれば徹底しているほど逆転するときに求められるものは明確化されます。
無印では物語の鍵を握るプリズムストーンがジャアクキングに吸収されてしまう。MHではなぎさほのかが暮らす日常の世界が壊されてしまう。S☆Sでは自分達の生きる世界が粉々に砕かれてしまう。そういう生きる人達が住む世界や重要な要素が砕かれる様子が描かれています。でも、諦めないんだね、主人公達は。それが何でか、何で立ち上がれて、何で無敵である敵を倒せるのか。そういうとこがプリキュアはちゃんと描かれています。
プリキュア5も同じです。夢と希望。それらの象徴であるコレットはデスパライアに使われてしまった。デスパライアは夢を実現したまさに至上の存在です。プリキュア5的には最強の存在です。
では、夢や希望が無くなってしまったのか? 夢は叶えることが出来ないのか? 希望は抱くことが出来ないのか? っていうか、夢や希望って何なのか。どこにあるのか。それが試される時です。自分の外側、世界や環境が絶望的だからといって自分が絶望しなきゃいけない理由はない。次回予告でドリームが言うように夢と希望がある。ミルクの絶望を打ち払い、ナッツの自責の念を払い、人の持つ夢と希望が人にどんな可能性を与えることが出来るのか。どうやって持つことが出来るのか。ついでに、カワリーノのように強い奴が一人いればそれでいいのか。仲間、夢、希望それらの意味と価値。それを見せて欲しい。この作品を見始めたときからの要望。それが見られるときが目前に。
残り2話。楽しみです。
①まだ終わりじゃない
集まったピンキーを狙ったブラッディを退けたもののコレットはカワリーノに奪われてしまいなす術がないのぞみ達。
コレットを手にしたデスパライアはついに自分の望みが叶うことに歓喜します。コレットから発せられる強大な力。お褒めの言葉を授かるカワリーノ。カワリーノは「最初から私一人で十分だったのです」と答えます。
他者の夢の実現のために尽力したカワリーノ。彼は誰とも協力せずに独力でそれを成してしまいます。では、人が協力し合う意味はあるのか?
意識を取り戻すココ。コレットが奪われてしまったことを知ってしまいます。ココを取り囲んだ皆は何とも声をかけられません。
デスパライアの望みは不老不死。全ての世界、全ての者が絶望した中で唯一望みを叶え不老不死となればデスパライアは正真正銘の支配者であり絶対の神となります。なるほど、この人自身が絶望の権化のわりに希望を持っているってどうなんだ?と思っていましたが、この人自身は希望があって、それ以外の全てが絶望していることを望んでいるわけですね。まさに完全に独裁。絶対唯一の存在がデスパライアの望み。
「だが、」
自分を責めるナッツ。一人離れたところに居るミルクはナッツを心配するも自責の念が募ります。りんとうららも何も出来なかったと俯きます。油断していたと後悔するこまちとかれん。その中でも直接カワリーノにコレットを渡してしまったミルクは特に強い責任を感じています。ここでまだ非難されるならある種楽かもしれませんが、誰も責める者はいません。自分が抱える責任、罪の意識は自分の中に留まり続けます。
「誰のせいでもないよ」
今まで言葉を発していなかったのぞみの言葉。「大切なのはこれからどうするか」「だよね、ココ」ココを見るのぞみ。
のぞみはそうでなくちゃいけない。だからこそ彼女は彼女たりえる。今までもピンチは幾度と無くありましたが、のぞみ達は決して諦めなかった。コレットを取り返しに行こうと言うのぞみ。俯いていても、後悔しても前へは進みません。足を動かし進まなくては。
のぞみの言葉に驚く一同。第一、デスパライアはコレットを使ってしまったのではないかとココナッツは言います。それを否定するのぞみ。何故なら青く綺麗な空がまだあるからです。まだこの世界は絶望していない。のぞみ凄いな。常に前を見て、希望を持ち続けます。ココ達もその言葉に心を和らげます。
「絶望にひれ伏さない者がいる」と言葉を続けるデスパライア。コレットを失ってもなお希望を捨てていないとのぞみ達のことを言います。了解するカワリーノ。
②心を蝕む絶望
街を歩き探し回る一同。しかし手がかりは見つかりません。ミルクは自分を責めますがのぞみは何とかなる、とノーテンキです。実際何とかなる根拠はありません。秘策があるとか何か切り札があるとかじゃなく、本当にノーテンキです。でも、今はその理屈関係なしに動くことのできる力が必要です。
大声でコレットを返せと叫ぶのぞみ。りんにも呼びかけます。テレながらも叫ぶりん。うらら、こまち、かれんも叫びます。
意外と心と身体は連動しています。心が強い意志を発揮させれば身体も動きますが、身体を動かすと心も動きます。
呼びかけに答えるように本当に現れるカワリーノ。空中に浮いています。巨大な扉が現れ開きます。中へと入るのぞみ達。
行き着いた場所はコロシアム。以前は無人でしたが今回は客席を埋め尽くすように仮面を被った人達が座っています。そして正面の玉座に座るデスパライア。コレットを持っています。
コレットを返せとの要求に「どうぞご自由に」と答えるカワリーノ。欲しいなら実力で取り戻せということですか。一斉変身。
カワリーノがお相手をします。口元の動きとか怖いな。怪人体になるカワリーノ。おお、意外に図体がデカイ。
5人で同時に飛び掛るも弾れ、再度の攻撃も俊敏な動きで反撃するカワリーノ。2本ある尻尾が便利です。格闘戦で分が悪いなら必殺技で。ルージュのバーニングが炸裂しますがそれを尻尾で防ぎ、そのままルージュに反撃します。尻尾に炎がまとわりついています。続いてシャイニングとトルネードの同時攻撃。がこれもそれぞれの尻尾に力が纏っています。レモネードとアクアも弾かれてしまいます。どうやら、あの尻尾はかなりの優れもののようです。
ココナッツミルクに狙いを定めるカワリーノにミントがシールドで防御します。単体火力が最強だと思われるドリームのクリスタルシュートすらも尻尾で防ぎ反撃します。火力が高いので反撃の火力も高いようです。
絶大な力を見せるカワリーノ。プリキュアに部下にならないかと持ちかけます。当然断るプリキュア。カワリーノは2度も騙されるようなやつに付くよりはずっと良いですよ、とココナッツに視線を向けます。ナッツに門を開けてくれてありがとうと言います。ナッツが保護した偽ピンキーの正体はカワリーノだったようです。尻尾でバリアを叩くと同時にそのエネルギーを吸収します。バリアは無効化され消えてしまいます。こんな便利な尻尾が2本もあります。奥さん便利ですよ♪とテレビショッピングの人が言ってしまいそうなほど便利でお得です。
カワリーノに飛びかかるナッツ。払うカワリーノ。ココとミントも挑みかかりますが吹き飛ばされてしまいます。
彼我の戦力差は途方も無く開いています。まともに攻撃を当てることもできません。諦めるしかない、それが絶望だと言うカワリーノ。絶望を受け入れた仮面をつけた人達。これはナイトメアの社員とかではなく、絶望し意志しなくなった人々なのか。傷つきながらも立ち上がるドリーム達。絶望なんて受け入れないと抗います。絶望を受け入れているお仲間がいますよ、と言うカワリーノ。
ミルクに呼びかけるココナッツ。まだエクスプロージョンが残っています。しかし最後の標的であるミルクを尻尾で捕まえるカワリーノ。便利です。
絶望の仮面を取り出します。それをミルクにつけようとします。抗うミルクですが、カワリーノが触れられたくないところを触れます。コレットをカワリーノに渡したのはミルク。この状況を招いたのも、夢が叶わないかもしれないのも、皆が傷ついているのも、自分が原因。仮面を受け入れてしまうミルク。
仲間が絶望を受け入れてしまいエクスプロージョンも使えません。状況は絶望的。
その状況を楽しむデスパライア。「時は来た」望みを叶えるのは今この時しかありません。絶望し始めたプリキュア達の目の前でコレットの力を解放するデスパライア。力がデスパライアを包みます。はじけるように散乱する小さな光の礫。ピンキーです。石化したコレットが地面に落ちます。そして、デスパライアの仮面は割れ、いつのまにか衣装もリニューアルしてその素顔が現れます。若く美しいが冷たい表情。
③次回予告
夢や希望はどこにある?
○トピック
いやー、実に心地いい絶望感。素敵です。
ミルクは絶望を受け入れてしまうし、デスパライアはコレットを使い不老不死になる。ピンキーは散乱しコレットは石化。元々コレットはプリキュア側に力を与えない(プリズムストーンもハーティエルも雫もプリキュア側に力を与えていない)でしょうがこれで完璧に近いくらいにプリキュア側は打つ手なしです。
この外部的条件では完全に打つ手なしの絶望が徹底していれば徹底しているほど逆転するときに求められるものは明確化されます。
無印では物語の鍵を握るプリズムストーンがジャアクキングに吸収されてしまう。MHではなぎさほのかが暮らす日常の世界が壊されてしまう。S☆Sでは自分達の生きる世界が粉々に砕かれてしまう。そういう生きる人達が住む世界や重要な要素が砕かれる様子が描かれています。でも、諦めないんだね、主人公達は。それが何でか、何で立ち上がれて、何で無敵である敵を倒せるのか。そういうとこがプリキュアはちゃんと描かれています。
プリキュア5も同じです。夢と希望。それらの象徴であるコレットはデスパライアに使われてしまった。デスパライアは夢を実現したまさに至上の存在です。プリキュア5的には最強の存在です。
では、夢や希望が無くなってしまったのか? 夢は叶えることが出来ないのか? 希望は抱くことが出来ないのか? っていうか、夢や希望って何なのか。どこにあるのか。それが試される時です。自分の外側、世界や環境が絶望的だからといって自分が絶望しなきゃいけない理由はない。次回予告でドリームが言うように夢と希望がある。ミルクの絶望を打ち払い、ナッツの自責の念を払い、人の持つ夢と希望が人にどんな可能性を与えることが出来るのか。どうやって持つことが出来るのか。ついでに、カワリーノのように強い奴が一人いればそれでいいのか。仲間、夢、希望それらの意味と価値。それを見せて欲しい。この作品を見始めたときからの要望。それが見られるときが目前に。
残り2話。楽しみです。
第46話「カワリーノ非情の策略!」
○今週の出来事
①いつもの日常
いつもの人達で初詣。みんなと初詣できた事を喜びます。ココはきっといい年になると言います。笑顔で頷くのぞみ。クリスマスのときのような憂いはありません。
パルミエ復活をお願いしたミルク。のぞみも同じと言いますが、ミルクに卵焼きじゃないのかと言われてしまいます。心の片隅ではそう思ってそうな気がしないでもない。のぞみも負けじとチョコをお願いしたんでしょと対抗。新年早々騒がしいふたりです。
かれんはりんに何をお願いしたのか尋ねます。するとりんはかれんに真っ先に放そうとしたと言いながらポケットから何かアクセサリーのようなものを取り出します。これはもしかして…のぞみとミルクが抱きついてきます。新年早々流石です。話しの腰が折られるりん。いつもどおりの楽しい連中に微笑むこまちとうらら。多分うららはのぞみとずっと一緒に居たいと願ったと思う。
②うごめく闇
ビル。誰も居なくなった会議室。一人残されるブンビー。このままではこの部署もなくなってしまいますし、何より身の危険を感じます。退職願を取り出して周りに居る社員(?)に退職願を出すか逃げるか尋ねます。無言。のれんに腕押し。豆腐にかすがい。無駄です。
ブンビーの退職願を見るカワリーノ。相変わらず神出鬼没です。ブンビーに辞めるつもりなのか聞きます。ブンビーは自分探しの旅に出ようかな~と焦りながら答えます。無慈悲に退職願を破るカワリーノ。怖い。こいつ怖い。勘違いをしていませんか?と言うカワリーノ。ナイトメアを抜ける選択肢は無いといいます。
カワリーノの力によって屋上へ飛ばされるブンビー。デスパライア様のために働かないのなら存在する価値は無いと言うカワリーノ。ブンビーは逃げるように端の方へ走ります。「嫌な展開だ…」まったくそのとおりです。断崖絶壁。変身して空飛べばいいんじゃない?ということは言わないでおきます。そんなことしたら本気でカワリーノに消されそうです。
追い詰められたブンビーは臆しながらもカワリーノに文句を言います。カワリーノは使い捨ての駒のように部下を次々と使っている。俺達を利用している! 睨み付けるカワリーノ。「すみません」押しが弱いなーブンビー。エネルギー弾を放つカワリーノ。落ちていくブンビー。
③最後のピンキー
公園。最後のピンキー探し。気合を入れる皆。残る最後のピンキー探しに皆真剣になります。しかし、これホントにナイトメア関係ないね。敵を倒す必要がどこにもなくて、ピンキーを全部集めればパルミエを復活できるというシステムはプリキュアらしいと言えばプリキュアらしい。わざわざ敵に向かって打って出る必要がない。これまでのシリーズでも基本は敵を迎撃していれば石なり雫が集まる方式だったけど、バトルアニメだけどプリキュア側は戦うことを望んでいないので、敵関係無しに目的を達成できる方式の方が自然ではある。まあ、どっちにしろ戦うんだけど。
最後のピンキーはこれまでとは違って探すのが難しいだろうと予想されます。あ、多分この展開はかなり簡単に見つかると思います。もう、ピンキーの方からやってくる勢いで。
頑張って見つけるぞーけってーい!とのぞみ。の頭の上に居る何か。やっぱりー。だよねー。それを見ながらもそう簡単に夢が叶うわけないよねーと現実逃避するかれん達。ピンキーの鳴き声を聞いてようやく現実を受け入れます。一人分かっていないのぞみ。のぞみ上!上!
ピンキーをキャッチ。これで本当に全てのピンキーが集まりました。
喜んでいるのもつかの間。拍手の音。外灯の上に立つ外套を着た老人。ブラッディ。アイテム収集関係の場合はアイテムが全部集まったときが一番危険です。漁夫の利を狙う輩がいるからです。ブラッディは仮面を地面につけます。地面から無数の手が伸びます。新年初変身。一斉変身。
コワイナーに囲まれている状態。臨戦態勢をとるドリームですが守るように他の4人がガードします。何しろドリームは最後のピンキーを持っているので要防衛対象です。ちなみにコレットを持っているナッツはさらに重要だと思いますが気にしてはいけません。ピンキーを守らないといけない、という意識が働いてかキャッチュを手で押さえるドリーム。動きが堅い。それを指摘するブラッディ。さすがに抜け目が無い。わざわざ指摘することでさらに意識させます。一度手にしたものを失うことを恐れていると続けるブラッディ。この人やな敵だなぁ。プリキュアの本領はその絶え間ない意志の発露。守っていては本来の力が発揮されません(守り通すのだ!という能動的意志でないと発揮されない)。捕縛されてしまうドリーム。
ドリームを助けるために動く4人。コワイナーで壁を作るブラッディ。直角に壁を走るプリキュア。先行したレモネードが仕掛けます。弾かれて倒れます。惜しい!これでカメラの位置が違えばとても素晴らしいんだが。モコモコで見えなくても構わない。むしろ、それが良いと思うんだ(極めて特殊な趣味だな)。
ほくそ笑むブラッディ。別に私と同じ嗜好を持っているわけじゃありません。しかし気づくと帽子がなくなっています。それを持っているレモネード。帽子を被って照れ笑い。か、可愛い。何そのサービスショット。新年のプリキュアはいつもより頑張ってます。
ミントの追撃で杖を落とすブラッディ。杖が落ちた拍子にドリームを捕縛していたコワイナーが緩みます。アクアとルージュの攻撃でコワイナーから抜け出すドリーム。
このくらいのことは予測していた、とブラッディ。怪人体になります。衝撃波と高速機動でプリキュアを翻弄。しかしプリキュアも負けてはいません。ブラッディに対抗できる5人のチームワークと能力を評価すべきなのか、プリキュアに対抗できるブラッディを評価するべきか悩みます。
巧みな連携により圧され始めるブラッディ。何故か手元に黒い紙が出現します。黒い仮面になるそれ。これは危険だ。怪しい力を放つそれを振り払い忌々しさを感じます。衝撃波の直撃を受けるドリーム。ブラッディはコワイナーを一箇所に集めて巨大な手を作ります。
ドリームは今まで頑張ってきた想いが詰まっているとキャッチュを示しながら言います。何があってもコレットもピンキーも渡さない!と断言します。プリキュアはこうでなくては。ミルクも加わりエクスプロージョンでコワイナーを粉砕します。撤退。
④カワリーノの策略
ナイトメアに返ってくるブラッディ。次こそは必ず…次があると思っているのですか? カワリーノが待ち受けます。黒い仮面のことを言います。忌々しく投げ捨てるブラッディ。昔より判断力が鈍ったんじゅないですか?と言うカワリーノ。うわぁ、直球。憤慨するブラッディにしれっと時代が違う、昔のやり方ではダメだと言います。カワリーノが来てからナイトメアはダメになったと言うブラッディ。自分の目的だけを優先し全体のことは何一つ考えない今のナイトメアには何の結束も無いと言います。おお、ブンビーとは違いハッキリ言います。なるほど、本来のナイトメアはまだマシな組織かまだマシな人達(といってもやっていることは悪いことですが)がいたようですがカワリーノがそれをさらに悪化させたというわけですか。何とも嫌でリアルな組織の変質ぶり。結構上司によって職場の雰囲気は変わるので他人事じゃありません。
デスパライア様がそれを望んでいるとは思えないと反論するブラッディにコレットが手に入れば分かる、と余裕で切り返します。ブラッディは全てのピンキーが揃ったことを話します。それを聞いたカワリーノは本性を現します。ブラッディを拘束するカワリーノ。危険だ。こいつはマズイ。黒い仮面を拾い上げ、ブラッディに被せます。闇へと落ちながらもがくブラッディの抵抗むなしく怨嗟の声だけを残し沈んでしまいます。怖ぇ。これホントに女児向けアニメ?
「デスパライア様、もう目前ですよ」こいつの真意はどこにある。
ナッツハウス。いよいよピンキーをコレットに入れるときが来ました。テーブルにコレットを置いてのぞみが正面に座ります。それよりも何よりも、のぞみのスカートが気になります。もう少し、もう少し下にカメラを…テーブル邪魔だな、撤去しようぜ。新年を迎えようが何しようが、この最低な見方に変わりはありません。
夢の実現が目前となり感激するミルク。のぞみも涙を瞳に浮かべます。感慨もひとしお。
ドアが開く物音。店を閉め忘れていたようです。店の方へ行くココ。しかし誰もいません。外に出てみるとカワリーノが。
戻ってくるココ。勿論偽者です。微妙にしゃべり方が違っていて芸が細かい。ピンキーをコレットに入れようと急かすココ。ナッツは不振がるものの、ミルクはココに賛同します。いつナイトメアが来るか分かりません。もう目の前にいますけど。
コレットにピンキーを入れます。全てのピンキーがコレットの中に。言い換えればコレットがあれば即あらゆる夢が実現可能な状態です。コレットを手にとるナッツ。見せてくれとコレットを要求するココ。あまりに不自然なココに皆は不振がります。しかし気づいていないミルクはナッツからコレットをひったくってココに渡してしまいます。
「ありがとう」本性を現すカワリーノ。本物のココは外でボロボロになっています。掴みかかるナッツを吹き飛ばします。壁に当たり謎生物に戻るナッツ。こまちがフォローに向かいます。消え去るカワリーノ。
歓喜の表情が消え、表情を強張らせ身動き一つとれないミルク。プリキュアがナイトメアに行く手段は…ありません。
希望が絶望に変わり物語は最後の幕が上がります。
⑤次回予告
そんな手があったのか! ってそれでいいのかナイトメア。
○トピック
プリキュア5最終章。どんどん話しが動きます。
カワリーノによって歪められた組織、利用されていった部下達。ナイトメアの組織腐敗ぶりは子どもアニメにしておくには勿体無いくらい良い見本です。典型的な悪の組織として描かずに、ちょっと実社会の悪い面を寄せ集めただけでより一層悪い組織の出来上がり。ブラッディが指摘するように何の結束も無いことがこの腐敗と冷たさを生んでいるわけで、結束によってなりたっているプリキュアとは正反対の様相。この辺の対比関係はバッチリです。
ブンビーさんの顛末が気になるところですが、あのパターンだと再登場してもプリキュアの敵としては出にくい感じがします。あのまま消えても問題無いですが。初期の頃のブンビーはカワリーノばりにギリンマやアラクネアに非情な上司でしたが、こうして見ると強者が支配する組織の危うさと怖さが見て取れます。ブラッディはカワリーノの傀儡として出てくるんだろうなぁ。部下達を利用し切り捨てていくカワリーノの非情さは勿論、切り捨てられていく部下も非情で身勝手な人ばかりなので、一切ナイトメア側には同情する余地がありません。完膚なきまでに倒していい。絶望を退けるプリキュアの正当性は揺るがない。上手い配慮だと思います。
個人的にはコレットの力をデスパライアまたはカワリーノが使ってくれることを希望したい。ジャアクキングがプリズムストーンを吸収したり、太陽の泉が滅ぼされるのと同じですね。徹底的な絶望感。もはやどうやって立ち上がって対抗すればいいんだよ!?という状況。その中でも希望を持てるか。しかもそれが外部からのもの(プリズムストーンや泉やコレットの力)ではない、自分達が持っているものから導けるか。楽しみです。
今回致命的なミスを犯してしまったミルク。彼女の希望からの転落は底知れないものです。彼女の心を救うことができるかも重要な点。「騙す方が悪いに決まっているじゃない!」とドリームが言ったように、決してミルクを責めずに肯定するであろうと思いますが、ここも完膚なきまでの肯定を見せてもらいたい。
りんの言いかけたことも気になります。おそらく彼女は何かやりたいことが見つかったのでしょう。それがきっと立ち上がれる力になるんだろうと思う。それぞれの夢、それぞれの希望、それを纏め上げて一つの方向性を提示できるのぞみ。プリキュアのこの何かやってくれるに違いない!という安心感と希望はたまりません。残り僅か。刮目して見よ。
①いつもの日常
いつもの人達で初詣。みんなと初詣できた事を喜びます。ココはきっといい年になると言います。笑顔で頷くのぞみ。クリスマスのときのような憂いはありません。
パルミエ復活をお願いしたミルク。のぞみも同じと言いますが、ミルクに卵焼きじゃないのかと言われてしまいます。心の片隅ではそう思ってそうな気がしないでもない。のぞみも負けじとチョコをお願いしたんでしょと対抗。新年早々騒がしいふたりです。
かれんはりんに何をお願いしたのか尋ねます。するとりんはかれんに真っ先に放そうとしたと言いながらポケットから何かアクセサリーのようなものを取り出します。これはもしかして…のぞみとミルクが抱きついてきます。新年早々流石です。話しの腰が折られるりん。いつもどおりの楽しい連中に微笑むこまちとうらら。多分うららはのぞみとずっと一緒に居たいと願ったと思う。
②うごめく闇
ビル。誰も居なくなった会議室。一人残されるブンビー。このままではこの部署もなくなってしまいますし、何より身の危険を感じます。退職願を取り出して周りに居る社員(?)に退職願を出すか逃げるか尋ねます。無言。のれんに腕押し。豆腐にかすがい。無駄です。
ブンビーの退職願を見るカワリーノ。相変わらず神出鬼没です。ブンビーに辞めるつもりなのか聞きます。ブンビーは自分探しの旅に出ようかな~と焦りながら答えます。無慈悲に退職願を破るカワリーノ。怖い。こいつ怖い。勘違いをしていませんか?と言うカワリーノ。ナイトメアを抜ける選択肢は無いといいます。
カワリーノの力によって屋上へ飛ばされるブンビー。デスパライア様のために働かないのなら存在する価値は無いと言うカワリーノ。ブンビーは逃げるように端の方へ走ります。「嫌な展開だ…」まったくそのとおりです。断崖絶壁。変身して空飛べばいいんじゃない?ということは言わないでおきます。そんなことしたら本気でカワリーノに消されそうです。
追い詰められたブンビーは臆しながらもカワリーノに文句を言います。カワリーノは使い捨ての駒のように部下を次々と使っている。俺達を利用している! 睨み付けるカワリーノ。「すみません」押しが弱いなーブンビー。エネルギー弾を放つカワリーノ。落ちていくブンビー。
③最後のピンキー
公園。最後のピンキー探し。気合を入れる皆。残る最後のピンキー探しに皆真剣になります。しかし、これホントにナイトメア関係ないね。敵を倒す必要がどこにもなくて、ピンキーを全部集めればパルミエを復活できるというシステムはプリキュアらしいと言えばプリキュアらしい。わざわざ敵に向かって打って出る必要がない。これまでのシリーズでも基本は敵を迎撃していれば石なり雫が集まる方式だったけど、バトルアニメだけどプリキュア側は戦うことを望んでいないので、敵関係無しに目的を達成できる方式の方が自然ではある。まあ、どっちにしろ戦うんだけど。
最後のピンキーはこれまでとは違って探すのが難しいだろうと予想されます。あ、多分この展開はかなり簡単に見つかると思います。もう、ピンキーの方からやってくる勢いで。
頑張って見つけるぞーけってーい!とのぞみ。の頭の上に居る何か。やっぱりー。だよねー。それを見ながらもそう簡単に夢が叶うわけないよねーと現実逃避するかれん達。ピンキーの鳴き声を聞いてようやく現実を受け入れます。一人分かっていないのぞみ。のぞみ上!上!
ピンキーをキャッチ。これで本当に全てのピンキーが集まりました。
喜んでいるのもつかの間。拍手の音。外灯の上に立つ外套を着た老人。ブラッディ。アイテム収集関係の場合はアイテムが全部集まったときが一番危険です。漁夫の利を狙う輩がいるからです。ブラッディは仮面を地面につけます。地面から無数の手が伸びます。新年初変身。一斉変身。
コワイナーに囲まれている状態。臨戦態勢をとるドリームですが守るように他の4人がガードします。何しろドリームは最後のピンキーを持っているので要防衛対象です。ちなみにコレットを持っているナッツはさらに重要だと思いますが気にしてはいけません。ピンキーを守らないといけない、という意識が働いてかキャッチュを手で押さえるドリーム。動きが堅い。それを指摘するブラッディ。さすがに抜け目が無い。わざわざ指摘することでさらに意識させます。一度手にしたものを失うことを恐れていると続けるブラッディ。この人やな敵だなぁ。プリキュアの本領はその絶え間ない意志の発露。守っていては本来の力が発揮されません(守り通すのだ!という能動的意志でないと発揮されない)。捕縛されてしまうドリーム。
ドリームを助けるために動く4人。コワイナーで壁を作るブラッディ。直角に壁を走るプリキュア。先行したレモネードが仕掛けます。弾かれて倒れます。惜しい!これでカメラの位置が違えばとても素晴らしいんだが。モコモコで見えなくても構わない。むしろ、それが良いと思うんだ(極めて特殊な趣味だな)。
ほくそ笑むブラッディ。別に私と同じ嗜好を持っているわけじゃありません。しかし気づくと帽子がなくなっています。それを持っているレモネード。帽子を被って照れ笑い。か、可愛い。何そのサービスショット。新年のプリキュアはいつもより頑張ってます。
ミントの追撃で杖を落とすブラッディ。杖が落ちた拍子にドリームを捕縛していたコワイナーが緩みます。アクアとルージュの攻撃でコワイナーから抜け出すドリーム。
このくらいのことは予測していた、とブラッディ。怪人体になります。衝撃波と高速機動でプリキュアを翻弄。しかしプリキュアも負けてはいません。ブラッディに対抗できる5人のチームワークと能力を評価すべきなのか、プリキュアに対抗できるブラッディを評価するべきか悩みます。
巧みな連携により圧され始めるブラッディ。何故か手元に黒い紙が出現します。黒い仮面になるそれ。これは危険だ。怪しい力を放つそれを振り払い忌々しさを感じます。衝撃波の直撃を受けるドリーム。ブラッディはコワイナーを一箇所に集めて巨大な手を作ります。
ドリームは今まで頑張ってきた想いが詰まっているとキャッチュを示しながら言います。何があってもコレットもピンキーも渡さない!と断言します。プリキュアはこうでなくては。ミルクも加わりエクスプロージョンでコワイナーを粉砕します。撤退。
④カワリーノの策略
ナイトメアに返ってくるブラッディ。次こそは必ず…次があると思っているのですか? カワリーノが待ち受けます。黒い仮面のことを言います。忌々しく投げ捨てるブラッディ。昔より判断力が鈍ったんじゅないですか?と言うカワリーノ。うわぁ、直球。憤慨するブラッディにしれっと時代が違う、昔のやり方ではダメだと言います。カワリーノが来てからナイトメアはダメになったと言うブラッディ。自分の目的だけを優先し全体のことは何一つ考えない今のナイトメアには何の結束も無いと言います。おお、ブンビーとは違いハッキリ言います。なるほど、本来のナイトメアはまだマシな組織かまだマシな人達(といってもやっていることは悪いことですが)がいたようですがカワリーノがそれをさらに悪化させたというわけですか。何とも嫌でリアルな組織の変質ぶり。結構上司によって職場の雰囲気は変わるので他人事じゃありません。
デスパライア様がそれを望んでいるとは思えないと反論するブラッディにコレットが手に入れば分かる、と余裕で切り返します。ブラッディは全てのピンキーが揃ったことを話します。それを聞いたカワリーノは本性を現します。ブラッディを拘束するカワリーノ。危険だ。こいつはマズイ。黒い仮面を拾い上げ、ブラッディに被せます。闇へと落ちながらもがくブラッディの抵抗むなしく怨嗟の声だけを残し沈んでしまいます。怖ぇ。これホントに女児向けアニメ?
「デスパライア様、もう目前ですよ」こいつの真意はどこにある。
ナッツハウス。いよいよピンキーをコレットに入れるときが来ました。テーブルにコレットを置いてのぞみが正面に座ります。それよりも何よりも、のぞみのスカートが気になります。もう少し、もう少し下にカメラを…テーブル邪魔だな、撤去しようぜ。新年を迎えようが何しようが、この最低な見方に変わりはありません。
夢の実現が目前となり感激するミルク。のぞみも涙を瞳に浮かべます。感慨もひとしお。
ドアが開く物音。店を閉め忘れていたようです。店の方へ行くココ。しかし誰もいません。外に出てみるとカワリーノが。
戻ってくるココ。勿論偽者です。微妙にしゃべり方が違っていて芸が細かい。ピンキーをコレットに入れようと急かすココ。ナッツは不振がるものの、ミルクはココに賛同します。いつナイトメアが来るか分かりません。もう目の前にいますけど。
コレットにピンキーを入れます。全てのピンキーがコレットの中に。言い換えればコレットがあれば即あらゆる夢が実現可能な状態です。コレットを手にとるナッツ。見せてくれとコレットを要求するココ。あまりに不自然なココに皆は不振がります。しかし気づいていないミルクはナッツからコレットをひったくってココに渡してしまいます。
「ありがとう」本性を現すカワリーノ。本物のココは外でボロボロになっています。掴みかかるナッツを吹き飛ばします。壁に当たり謎生物に戻るナッツ。こまちがフォローに向かいます。消え去るカワリーノ。
歓喜の表情が消え、表情を強張らせ身動き一つとれないミルク。プリキュアがナイトメアに行く手段は…ありません。
希望が絶望に変わり物語は最後の幕が上がります。
⑤次回予告
そんな手があったのか! ってそれでいいのかナイトメア。
○トピック
プリキュア5最終章。どんどん話しが動きます。
カワリーノによって歪められた組織、利用されていった部下達。ナイトメアの組織腐敗ぶりは子どもアニメにしておくには勿体無いくらい良い見本です。典型的な悪の組織として描かずに、ちょっと実社会の悪い面を寄せ集めただけでより一層悪い組織の出来上がり。ブラッディが指摘するように何の結束も無いことがこの腐敗と冷たさを生んでいるわけで、結束によってなりたっているプリキュアとは正反対の様相。この辺の対比関係はバッチリです。
ブンビーさんの顛末が気になるところですが、あのパターンだと再登場してもプリキュアの敵としては出にくい感じがします。あのまま消えても問題無いですが。初期の頃のブンビーはカワリーノばりにギリンマやアラクネアに非情な上司でしたが、こうして見ると強者が支配する組織の危うさと怖さが見て取れます。ブラッディはカワリーノの傀儡として出てくるんだろうなぁ。部下達を利用し切り捨てていくカワリーノの非情さは勿論、切り捨てられていく部下も非情で身勝手な人ばかりなので、一切ナイトメア側には同情する余地がありません。完膚なきまでに倒していい。絶望を退けるプリキュアの正当性は揺るがない。上手い配慮だと思います。
個人的にはコレットの力をデスパライアまたはカワリーノが使ってくれることを希望したい。ジャアクキングがプリズムストーンを吸収したり、太陽の泉が滅ぼされるのと同じですね。徹底的な絶望感。もはやどうやって立ち上がって対抗すればいいんだよ!?という状況。その中でも希望を持てるか。しかもそれが外部からのもの(プリズムストーンや泉やコレットの力)ではない、自分達が持っているものから導けるか。楽しみです。
今回致命的なミスを犯してしまったミルク。彼女の希望からの転落は底知れないものです。彼女の心を救うことができるかも重要な点。「騙す方が悪いに決まっているじゃない!」とドリームが言ったように、決してミルクを責めずに肯定するであろうと思いますが、ここも完膚なきまでの肯定を見せてもらいたい。
りんの言いかけたことも気になります。おそらく彼女は何かやりたいことが見つかったのでしょう。それがきっと立ち上がれる力になるんだろうと思う。それぞれの夢、それぞれの希望、それを纏め上げて一つの方向性を提示できるのぞみ。プリキュアのこの何かやってくれるに違いない!という安心感と希望はたまりません。残り僅か。刮目して見よ。
第45話「のぞみとココのクリスマスの誓い」
○今週の出来事
①叶えること、別れること
ピンキーをキャッチ。通算54番目。そう55のピンキーが54まで集まりました。凄い。今までナイトメアは一個も取ってなかったのが凄い。思い起こせばブンビー、ガマオ、ハデーニャと現地で捕獲しておきながら持ち帰らずにコワイナー化させていたのは失策でした。55匹必要ということは1匹でも足りなければ無効なのですからとりあえず妨害するだけなら簡単な話しです。大体にして捕獲作戦は人海戦術が基本なんだからもっと人を回せばいいのに。やはりナイトメアもリストラと人件費削減で人手不足なのでしょうか。
ピンキーを捕獲したのぞみとりん。気づくとこの場所は以前未来(みく)さんが結婚式をあげたところです。大きな木にはクリスマスの飾りが付けられています。雪が降って喜ぶのぞみ。ホワイトクリスマスになります。
ちょっと離れたところに居るココナッツ。王国復活は目前です。しかしそれはこの世界に居られる時間が少しということを意味します。念願の夢が実現するにも関わらず表情を落とすココ。
翌日。ナッツハウスの前で雪だるまを作る一同。夢がもう少しで実現できることを嬉しがるのぞみ。ここでさらりとミルクが新事実を言います。現職の王様は引退したのでココかナッツが王様にならなければなりません。ナッツはココを推薦します。ココはナッツを推薦します。言い争いが雪合戦に発展します。相手を褒めてんだか押し付けあってんだか。ミルクが仲裁に入ります。どちらがなっても国民は嬉しいと言います。今の言い争いを見ていると非常に不安になります。なお、王様は選挙で選ばれるそうです。…えらい民主的な王政だなぁ。
王様って結構エライよね~とノーテンキなのぞみ。りんが一番エライのだとツッコミます。お気楽なのぞみは王様になってもこっちに来てと言いますが、ナッツが即無理だと返します。ストレートだな。そこに蹴りを打ち込むココ。言葉をやわらかくします。
王子はまだしも王様となれば国に常駐しなければなりません。王国が復活すればココナッツのどちらかは王様になり、残った方も王国にいるのが正しい姿です。ココ達との別れを承知しているこまち。その言葉に驚くのぞみ。見ると他の三人も承知しています。気が早いまだ王国は蘇っていないと別れたくない気持ちを口にするココ。事の重大さが分かっていなかったのぞみも気づいてしまいます。夢の実現は別れを伴う。
口では納得したかのような言葉を出すもそれを受け入れられないのぞみ。
ビル。ハデーニャが失敗しこの部署にはガッカリだと言うカワリーノ。ブラッディは何故仮面を無理やり付けたのかと聞きます。昔は使わなかったのにカワリーノがデスパライアの側近になってから使い始めたようです。カワリーノの目的を問うブラッディ。お、こちらでも動き始めた。今までカワリーノは冷酷忠実な幹部だと思っていたけど案外黒幕なのか。デスパライア様のために働くこと以外に目的なんてあるんですか?と答えるカワリーノ。表情からは真意が読み取れません。
んー、今まであまり気にしていなかったけど、カワリーノはのぞみのカウンターかもしれないなぁ。表向きカワリーノはデスパライアのために働いている、ということはデスパライアの夢のために動いているということになる。これはのぞみがココの夢のために動いていることと同じ構造。そのまま同じ構造なわけじゃないだろうから(でないとのぞみ側の正当性が引き立たない)、カワリーノはデスパライアを利用しているという持って行き方の方がしっくりくる。のぞみが夢実現のために仲間を集めて協力しているのに対して、カワリーノは使い捨てていることも対比構造としては分かりやすい。
固唾を呑んで見守るブンビー。思わずブラッディを応援します。探り合いを止めてブラッディは出動します。残ったブンビーを見るカワリーノ。ギクりとするブンビー。カワリーノはブンビーに冷たく言い放ち消えます。追い詰められ居場所がなくなりつつあるブンビー。周囲に居る社員達に向かって「明日は我が身だぞ」と呼びかけても無反応。絶望した者に何を言っても無駄です。
②叶えること
店のお手伝いをするのぞみ。元気なように見えますが、のぞみが無理していることに気づいているりん達。特にりんはのぞみを知るだけにのぞみがかなりショックを受けていることを悟ります。がむしゃらに一生懸命やってきたけどその結果別れることになるとは考えていなかったのぞみ。のぞみとココの出会いが元々の始まりです。ココと一番付き合いが長いのものぞみ。のぞみがショックを受けていることに同情する皆。しかし、気持ちは分かってもココナッツは王国に必要です。
ココナッツは屋根の雪下ろし。ナッツはのぞみを心配してココに話しかけます。ココは大丈夫だと答えますが、ナッツはお前は良いのか?と付け加えます。ココものぞみと別れたくないと考えているならこの問題は両者が解決しなければならないことです。
店番も終わり、ケーキを用意するココナッツミルク。乾杯の準備完了。のぞみが乾杯の音頭をとりますが、固まってしまいます。デコレーションされたケーキに書かれている「ありがとう」の文字。否応にも別れを連想してしまいます。何とか仕切りなおして乾杯。
ケーキを美味しく食べるうらら。デコレーションを褒めるかれん。ミルクも嬉しそうです。食が進まないのぞみ。あとどれくらいココ達と居られるのか。全然関係ないですが、ケーキを膝の上に置いたときののぞみの膝がプリティだと思います。
現れるブラッディ。不法侵入です。っていうか、元々どこに住んでいるのかとか分かっています。夜に奇襲かけるとかそういう卑怯なことは番組上出来ない決まりです。ヒーロー協定とかそういうのがあると思います。
仮面をナッツハウスに取り付けます。相変わらずフィールド系の使い手です。逃げるのぞみ達。外に出るとコワイナーはナッツハウスの形をしたまま立ち上がります。こうなるとフィールド系の意味があまりありません。
無数の手に捕まってしまうココナッツミルク。変身です。プリキュアの実力を認めるブラッディ。しかし弱点があると言います。
怪人体になって攻撃を仕掛けるブラッディ。5人の柱つまりドリームを狙います。他の4人はコワイナーが受け持ちます。素早い動きでドリームを翻弄し、彼女に迷いがあることを指摘します。夢の実現とそれに伴う別れのことを言うブラッディ。夢が叶わなければ別れなくて済む、そう思っただろう?と問います。耐えられずブラッディを突き飛ばし攻撃を仕掛けるドリーム。本音を言い当てられこれ以上相手の言葉に耳を傾けたくないことを証明した動きです。承知しているブラッディは言葉を続けます。二律背反する気持ちに疲れ思考停止し全てを拒絶する、それが絶望。ドリームを振り払います。
トドメを刺そうとするブラッディにコワイナーを振り切り攻撃する4人。
「迷って当たり前でしょ!」
「立ち止まってもいいじゃないですか!」
「すぐに答えは出ないかもしれないけど!」
「私達はいつでもドリームの力になる!」
ブラッディはドリームが絶望し立ち上がることは無いと言います。ドリームを信じるナッツミルク。ドリームの傍に立つココ。顔を俯かせ、何も言わずドリームを見つめます。うお、ここ分かんね。このココの動きの意図に確信が持てない。多分、ココはドリームに任せたのだと思う。ココはのぞみの気持ちを知っているし彼自身がのぞみと別れたくないと思っている。だから夢を叶えるために立ち上がってくれとは言えない。それはのぞみとココの気持ちの半分を表すけど残り半分を無視する。その逆も同じ。一緒に居続けたいとは言えない。夢を無視してしまう。迷っているのぞみに「信じている」ということは無意味だ。何を信じれば良いんだということになる(だからアクアが言うように「力になる」ことしか出来ない)。ココ自身も迷っている。
立ち上がるドリーム。この作品の主人公にして、シリーズの伝統的お約束である「アホの主人公」であり、同じく伝統である前進し続ける駆動力を持った主人公。高潔な意思の持ち主。どんな困難や不正にも毅然と立ち向かい抵抗する芯の強さを持つ。正義の心(この場合の正義とは、心の正しさ、真っ直ぐさ、純粋さ、素朴さ、愛情、信義を指す)を持ち続ける者。
「私ココと約束したんだ、必ずパルミエ王国を蘇らせるって。きっとそれがココにとって一番善いことだと思う」
「私はココの夢を叶えたい。どんなことがあっても叶えてみせる!」
この昂進の意志、たまらんね。この意志そのものを感じるためにこの作品を見ている。この言葉では言い表せないほど意志力が溢れ出る人の強さや確信、駆動力、生命力が素晴らしい。
人は迷うときがあるし、その時に歩む足を止めてしまう。二律背反する事柄、循環する思考、未来への不安、現状を維持したい気持ち。しかしどんなに止まっていたいと思っていても、答えを出すことをずっと保留していたいと思っていても、時間は過ぎていく。悩むのは猶予の時間だ。それには必ず終わりが来る。事象が終わってしまう前に答えを出さなければいけない。それは人が持つ自由の中から何かを選びとることを意味する(この選択は能動的になされることが条件)。自由の中から選択すること、それは人の自由意志を意味し、人に限りない充実と生命力を与える。その力の凄さ、精神の高揚、充実感、幸福、それを抱いている人の輝き具合を見たり感じたりすると活力がみなぎってくる。
コワイナーを撃破しブラッディ撤退。
カワリーノはデスパライアにドリームコレットが使用可能になるのは時間の問題だと報告します。なるほど漁夫の利を狙うわけか。
③別れること
クリスマスパーティは終わり、坂本さんが向かえに来ます。別れの挨拶をするココにのぞみは元気なく答えます。夢を叶えることを決心しても、残った方の気持ちの整理はまだです。思わずのぞみの名前を呼ぶココ。どうしていいか分からず照れてしまいます。
ナッツが気を利かせて家まで送っていけと送り出します。上着も渡します。気が利く男です。うらら達は坂本さんの車で送られていきます。全然関係ないですが、うららのオーバーニーが左右で長さが違う(ズレている)のはとても可愛いと思います。実は出てくるたんびに嬉しかったりします。
一緒に帰るのぞみとココ。雪が降り道路に積もっています。ふとのぞみは誰も通っていない路地を見つけます。ふたり一緒に踏み出して足跡を付けます。雪が解けてしまえばこの足跡も消えてしまうと考えるのぞみ。ココは「問題です、雪が解けても残るものがあります、それは何でしょう?」と尋ねます。残るものそれは思い出。人の記憶。経験の蓄積。のぞみとの思い出は忘れないと言うココ。カッコイイなこの人。イケメンだからカッコイイなんてもんじゃなく、カッコイイからカッコイイと言わざるを得ない。そのセリフ貰っていいですか?
路地を過ぎ、昨日見た結婚式会場に着きます。彩られたクリスマスツリー。のぞみはパルミエでもツリーに飾ればいいと言います。同意するココ。
クリスマスツリーを見つめるふたり。緩やかに時間は過ぎます。のぞみが瞳に涙を浮かべていることに気づくココ。本人も気づいていなかったようです。彼女は本心からパルミエ復活を望んでいます。それに偽りは無い。同じく、ココと別れたくないことも偽りでは無い。
ココはパルミエが素晴らしい国であったことを話します。それが無くなり独りになり希望を失った暗く辛い過去。彼はのぞみが助けてくれたんだと言います。のぞみの行動、のぞみの気持ち、のぞみがこれまでやってきたことを肯定するココ。のぞみの輝きに救われ助けられたことに感謝します。
のぞみはココにずっと居て欲しいと素直に打ち明けます。ココも同じ気持ちだと言います。でも別れなければならないことはふたりとも知っています。ココは一緒に居る今を大切にしたいと言います。のぞみもココと一緒に居る時間が大好きだと答えます。
④次回予告
いよいよ最終章。プリキュア的超展開の始まりです。
○トピック
ふたりはキスしてない。そんなことは絶対に認めない!
…とは本編の余韻をぶち壊にする、さもしく浅はかなクリスマスシーズンなのに日曜の朝から幼児向けアニメ見ている成人男性の叫び。
とても素直なふたりのとても素直な相互理解。夢を叶えることが全て幸福と解決をもたらすかと言えばそうではなくて、叶えても、叶えるからこそ実現してしまう辛いこともある。そのことにのぞみは気づいてしまい迷ってしまう。けどココものぞみもそれに向き合って、お互いに辛さを知り、理解する。
パルミエ復活の夢を叶えることと、ココ達と別れてしまうことを一緒くたにしないあたりはプリキュアらしい丁寧さです。他者の夢を叶えること、それはその他者にとって大切なことであると同時に自分の夢でもある。でも別れたくも無い。これは二律背反することですが、気持ちとしては別ものです。夢を叶えたいという気持ちも別れたく無いという気持ちも偽り無いものだからです。単に現実的な問題として同時に叶えられないだけです。
だからどちらかの意思だけでもってどちらかを押しやってはいけないのです。それぞれに自分の解答を出さなければいけない。勿論出さなければいけない理由はないです。別に押しやってもいい。けど、自分の気持ちに向き合い、現実に向き合いそれでも選択していくことに、強さと素晴らしさがあると思う。どうせ選ぶならゼロかマイナスよりもプラスを選びたい。(受動的または思考停止したままだと基本的にゼロかマイナスになる)
のぞみは夢を実現させることを決断します。これは正しく、高潔な意思です。これは彼女自身の(上述した意味の)正義に根ざしたものだからです。彼女は不正を決して許しません。パルミエを潰したナイトメアを許さないし、自分の正しいと思うことを信じている。常に彼女は自分の心に真っ直ぐです。ちなみに、何の根拠で「正しい」と言っているかというと、根拠はありません。私の直感です。のぞみの正義は正しいものだという直感と確信。自分の私利私欲(この場合はココと別れたくない)を捨てでも他者のために動こうとすること、その気持ちを尊いものだと思う。
夢の実現と同じくのぞみはココと別れたくないという気持ちにも向き合います。悲しいものは悲しい、辛いものは辛い、一緒に居たいものは一緒に居たい。それをココに伝える。ココものぞみに感謝し、同じ気持ちであることを伝え、だからこそのぞみと居ることを大切にしようと言う。夢の実現と別離への不安。相反する自分の気持ちにそれぞれ向き合うこの素直さ。プリキュア的素直さが素敵です。そしてそういう迷う気持ち、猶予の時間を決して否定しないのもまた素敵です。迷って当たり前で立ち止まったっていいじゃないか!と言う。そのとおりです。迷いは不正や悪ではない。重要なのはその迷いに真摯に向き合い答えを出せるか。選択できるか。その意思の強さ、主体性を心の正しさとか強さとか言うと思う。その強さ、輝きは他者に善いものを与える。そしてそれがまた自分にも返ってくる。
自分の弱さや誘惑に屈しそうになることがあってもそれに向き合って、自分の取るべき行動を選択し意志していく物語。えらい硬派で骨太な話し。恋愛しているようで恋愛にとどまらない人の可能性と強さを見せてもらいました。
しかし、本当に続投するんだろうかと本気で思ってしまう。次期に続投するんだからココナッツミルクは居ると思うんだけど、思いっきりこのまま最終回を迎えそうな勢い。とはいえ、そういう続投するから別れを曖昧なままにしたまま話を続けるという妥協をしないあたりがプリキュアらしいところで硬派な所だと思います。別れても別れなくても、この彼女たちの決意や決断というのは全く霞む事はありません。選択を決断していくことは結果であると同時に未来への過程でもあるからです。それは蓄積し残っていくものです。
①叶えること、別れること
ピンキーをキャッチ。通算54番目。そう55のピンキーが54まで集まりました。凄い。今までナイトメアは一個も取ってなかったのが凄い。思い起こせばブンビー、ガマオ、ハデーニャと現地で捕獲しておきながら持ち帰らずにコワイナー化させていたのは失策でした。55匹必要ということは1匹でも足りなければ無効なのですからとりあえず妨害するだけなら簡単な話しです。大体にして捕獲作戦は人海戦術が基本なんだからもっと人を回せばいいのに。やはりナイトメアもリストラと人件費削減で人手不足なのでしょうか。
ピンキーを捕獲したのぞみとりん。気づくとこの場所は以前未来(みく)さんが結婚式をあげたところです。大きな木にはクリスマスの飾りが付けられています。雪が降って喜ぶのぞみ。ホワイトクリスマスになります。
ちょっと離れたところに居るココナッツ。王国復活は目前です。しかしそれはこの世界に居られる時間が少しということを意味します。念願の夢が実現するにも関わらず表情を落とすココ。
翌日。ナッツハウスの前で雪だるまを作る一同。夢がもう少しで実現できることを嬉しがるのぞみ。ここでさらりとミルクが新事実を言います。現職の王様は引退したのでココかナッツが王様にならなければなりません。ナッツはココを推薦します。ココはナッツを推薦します。言い争いが雪合戦に発展します。相手を褒めてんだか押し付けあってんだか。ミルクが仲裁に入ります。どちらがなっても国民は嬉しいと言います。今の言い争いを見ていると非常に不安になります。なお、王様は選挙で選ばれるそうです。…えらい民主的な王政だなぁ。
王様って結構エライよね~とノーテンキなのぞみ。りんが一番エライのだとツッコミます。お気楽なのぞみは王様になってもこっちに来てと言いますが、ナッツが即無理だと返します。ストレートだな。そこに蹴りを打ち込むココ。言葉をやわらかくします。
王子はまだしも王様となれば国に常駐しなければなりません。王国が復活すればココナッツのどちらかは王様になり、残った方も王国にいるのが正しい姿です。ココ達との別れを承知しているこまち。その言葉に驚くのぞみ。見ると他の三人も承知しています。気が早いまだ王国は蘇っていないと別れたくない気持ちを口にするココ。事の重大さが分かっていなかったのぞみも気づいてしまいます。夢の実現は別れを伴う。
口では納得したかのような言葉を出すもそれを受け入れられないのぞみ。
ビル。ハデーニャが失敗しこの部署にはガッカリだと言うカワリーノ。ブラッディは何故仮面を無理やり付けたのかと聞きます。昔は使わなかったのにカワリーノがデスパライアの側近になってから使い始めたようです。カワリーノの目的を問うブラッディ。お、こちらでも動き始めた。今までカワリーノは冷酷忠実な幹部だと思っていたけど案外黒幕なのか。デスパライア様のために働くこと以外に目的なんてあるんですか?と答えるカワリーノ。表情からは真意が読み取れません。
んー、今まであまり気にしていなかったけど、カワリーノはのぞみのカウンターかもしれないなぁ。表向きカワリーノはデスパライアのために働いている、ということはデスパライアの夢のために動いているということになる。これはのぞみがココの夢のために動いていることと同じ構造。そのまま同じ構造なわけじゃないだろうから(でないとのぞみ側の正当性が引き立たない)、カワリーノはデスパライアを利用しているという持って行き方の方がしっくりくる。のぞみが夢実現のために仲間を集めて協力しているのに対して、カワリーノは使い捨てていることも対比構造としては分かりやすい。
固唾を呑んで見守るブンビー。思わずブラッディを応援します。探り合いを止めてブラッディは出動します。残ったブンビーを見るカワリーノ。ギクりとするブンビー。カワリーノはブンビーに冷たく言い放ち消えます。追い詰められ居場所がなくなりつつあるブンビー。周囲に居る社員達に向かって「明日は我が身だぞ」と呼びかけても無反応。絶望した者に何を言っても無駄です。
②叶えること
店のお手伝いをするのぞみ。元気なように見えますが、のぞみが無理していることに気づいているりん達。特にりんはのぞみを知るだけにのぞみがかなりショックを受けていることを悟ります。がむしゃらに一生懸命やってきたけどその結果別れることになるとは考えていなかったのぞみ。のぞみとココの出会いが元々の始まりです。ココと一番付き合いが長いのものぞみ。のぞみがショックを受けていることに同情する皆。しかし、気持ちは分かってもココナッツは王国に必要です。
ココナッツは屋根の雪下ろし。ナッツはのぞみを心配してココに話しかけます。ココは大丈夫だと答えますが、ナッツはお前は良いのか?と付け加えます。ココものぞみと別れたくないと考えているならこの問題は両者が解決しなければならないことです。
店番も終わり、ケーキを用意するココナッツミルク。乾杯の準備完了。のぞみが乾杯の音頭をとりますが、固まってしまいます。デコレーションされたケーキに書かれている「ありがとう」の文字。否応にも別れを連想してしまいます。何とか仕切りなおして乾杯。
ケーキを美味しく食べるうらら。デコレーションを褒めるかれん。ミルクも嬉しそうです。食が進まないのぞみ。あとどれくらいココ達と居られるのか。全然関係ないですが、ケーキを膝の上に置いたときののぞみの膝がプリティだと思います。
現れるブラッディ。不法侵入です。っていうか、元々どこに住んでいるのかとか分かっています。夜に奇襲かけるとかそういう卑怯なことは番組上出来ない決まりです。ヒーロー協定とかそういうのがあると思います。
仮面をナッツハウスに取り付けます。相変わらずフィールド系の使い手です。逃げるのぞみ達。外に出るとコワイナーはナッツハウスの形をしたまま立ち上がります。こうなるとフィールド系の意味があまりありません。
無数の手に捕まってしまうココナッツミルク。変身です。プリキュアの実力を認めるブラッディ。しかし弱点があると言います。
怪人体になって攻撃を仕掛けるブラッディ。5人の柱つまりドリームを狙います。他の4人はコワイナーが受け持ちます。素早い動きでドリームを翻弄し、彼女に迷いがあることを指摘します。夢の実現とそれに伴う別れのことを言うブラッディ。夢が叶わなければ別れなくて済む、そう思っただろう?と問います。耐えられずブラッディを突き飛ばし攻撃を仕掛けるドリーム。本音を言い当てられこれ以上相手の言葉に耳を傾けたくないことを証明した動きです。承知しているブラッディは言葉を続けます。二律背反する気持ちに疲れ思考停止し全てを拒絶する、それが絶望。ドリームを振り払います。
トドメを刺そうとするブラッディにコワイナーを振り切り攻撃する4人。
「迷って当たり前でしょ!」
「立ち止まってもいいじゃないですか!」
「すぐに答えは出ないかもしれないけど!」
「私達はいつでもドリームの力になる!」
ブラッディはドリームが絶望し立ち上がることは無いと言います。ドリームを信じるナッツミルク。ドリームの傍に立つココ。顔を俯かせ、何も言わずドリームを見つめます。うお、ここ分かんね。このココの動きの意図に確信が持てない。多分、ココはドリームに任せたのだと思う。ココはのぞみの気持ちを知っているし彼自身がのぞみと別れたくないと思っている。だから夢を叶えるために立ち上がってくれとは言えない。それはのぞみとココの気持ちの半分を表すけど残り半分を無視する。その逆も同じ。一緒に居続けたいとは言えない。夢を無視してしまう。迷っているのぞみに「信じている」ということは無意味だ。何を信じれば良いんだということになる(だからアクアが言うように「力になる」ことしか出来ない)。ココ自身も迷っている。
立ち上がるドリーム。この作品の主人公にして、シリーズの伝統的お約束である「アホの主人公」であり、同じく伝統である前進し続ける駆動力を持った主人公。高潔な意思の持ち主。どんな困難や不正にも毅然と立ち向かい抵抗する芯の強さを持つ。正義の心(この場合の正義とは、心の正しさ、真っ直ぐさ、純粋さ、素朴さ、愛情、信義を指す)を持ち続ける者。
「私ココと約束したんだ、必ずパルミエ王国を蘇らせるって。きっとそれがココにとって一番善いことだと思う」
「私はココの夢を叶えたい。どんなことがあっても叶えてみせる!」
この昂進の意志、たまらんね。この意志そのものを感じるためにこの作品を見ている。この言葉では言い表せないほど意志力が溢れ出る人の強さや確信、駆動力、生命力が素晴らしい。
人は迷うときがあるし、その時に歩む足を止めてしまう。二律背反する事柄、循環する思考、未来への不安、現状を維持したい気持ち。しかしどんなに止まっていたいと思っていても、答えを出すことをずっと保留していたいと思っていても、時間は過ぎていく。悩むのは猶予の時間だ。それには必ず終わりが来る。事象が終わってしまう前に答えを出さなければいけない。それは人が持つ自由の中から何かを選びとることを意味する(この選択は能動的になされることが条件)。自由の中から選択すること、それは人の自由意志を意味し、人に限りない充実と生命力を与える。その力の凄さ、精神の高揚、充実感、幸福、それを抱いている人の輝き具合を見たり感じたりすると活力がみなぎってくる。
コワイナーを撃破しブラッディ撤退。
カワリーノはデスパライアにドリームコレットが使用可能になるのは時間の問題だと報告します。なるほど漁夫の利を狙うわけか。
③別れること
クリスマスパーティは終わり、坂本さんが向かえに来ます。別れの挨拶をするココにのぞみは元気なく答えます。夢を叶えることを決心しても、残った方の気持ちの整理はまだです。思わずのぞみの名前を呼ぶココ。どうしていいか分からず照れてしまいます。
ナッツが気を利かせて家まで送っていけと送り出します。上着も渡します。気が利く男です。うらら達は坂本さんの車で送られていきます。全然関係ないですが、うららのオーバーニーが左右で長さが違う(ズレている)のはとても可愛いと思います。実は出てくるたんびに嬉しかったりします。
一緒に帰るのぞみとココ。雪が降り道路に積もっています。ふとのぞみは誰も通っていない路地を見つけます。ふたり一緒に踏み出して足跡を付けます。雪が解けてしまえばこの足跡も消えてしまうと考えるのぞみ。ココは「問題です、雪が解けても残るものがあります、それは何でしょう?」と尋ねます。残るものそれは思い出。人の記憶。経験の蓄積。のぞみとの思い出は忘れないと言うココ。カッコイイなこの人。イケメンだからカッコイイなんてもんじゃなく、カッコイイからカッコイイと言わざるを得ない。そのセリフ貰っていいですか?
路地を過ぎ、昨日見た結婚式会場に着きます。彩られたクリスマスツリー。のぞみはパルミエでもツリーに飾ればいいと言います。同意するココ。
クリスマスツリーを見つめるふたり。緩やかに時間は過ぎます。のぞみが瞳に涙を浮かべていることに気づくココ。本人も気づいていなかったようです。彼女は本心からパルミエ復活を望んでいます。それに偽りは無い。同じく、ココと別れたくないことも偽りでは無い。
ココはパルミエが素晴らしい国であったことを話します。それが無くなり独りになり希望を失った暗く辛い過去。彼はのぞみが助けてくれたんだと言います。のぞみの行動、のぞみの気持ち、のぞみがこれまでやってきたことを肯定するココ。のぞみの輝きに救われ助けられたことに感謝します。
のぞみはココにずっと居て欲しいと素直に打ち明けます。ココも同じ気持ちだと言います。でも別れなければならないことはふたりとも知っています。ココは一緒に居る今を大切にしたいと言います。のぞみもココと一緒に居る時間が大好きだと答えます。
④次回予告
いよいよ最終章。プリキュア的超展開の始まりです。
○トピック
ふたりはキスしてない。そんなことは絶対に認めない!
…とは本編の余韻をぶち壊にする、さもしく浅はかなクリスマスシーズンなのに日曜の朝から幼児向けアニメ見ている成人男性の叫び。
とても素直なふたりのとても素直な相互理解。夢を叶えることが全て幸福と解決をもたらすかと言えばそうではなくて、叶えても、叶えるからこそ実現してしまう辛いこともある。そのことにのぞみは気づいてしまい迷ってしまう。けどココものぞみもそれに向き合って、お互いに辛さを知り、理解する。
パルミエ復活の夢を叶えることと、ココ達と別れてしまうことを一緒くたにしないあたりはプリキュアらしい丁寧さです。他者の夢を叶えること、それはその他者にとって大切なことであると同時に自分の夢でもある。でも別れたくも無い。これは二律背反することですが、気持ちとしては別ものです。夢を叶えたいという気持ちも別れたく無いという気持ちも偽り無いものだからです。単に現実的な問題として同時に叶えられないだけです。
だからどちらかの意思だけでもってどちらかを押しやってはいけないのです。それぞれに自分の解答を出さなければいけない。勿論出さなければいけない理由はないです。別に押しやってもいい。けど、自分の気持ちに向き合い、現実に向き合いそれでも選択していくことに、強さと素晴らしさがあると思う。どうせ選ぶならゼロかマイナスよりもプラスを選びたい。(受動的または思考停止したままだと基本的にゼロかマイナスになる)
のぞみは夢を実現させることを決断します。これは正しく、高潔な意思です。これは彼女自身の(上述した意味の)正義に根ざしたものだからです。彼女は不正を決して許しません。パルミエを潰したナイトメアを許さないし、自分の正しいと思うことを信じている。常に彼女は自分の心に真っ直ぐです。ちなみに、何の根拠で「正しい」と言っているかというと、根拠はありません。私の直感です。のぞみの正義は正しいものだという直感と確信。自分の私利私欲(この場合はココと別れたくない)を捨てでも他者のために動こうとすること、その気持ちを尊いものだと思う。
夢の実現と同じくのぞみはココと別れたくないという気持ちにも向き合います。悲しいものは悲しい、辛いものは辛い、一緒に居たいものは一緒に居たい。それをココに伝える。ココものぞみに感謝し、同じ気持ちであることを伝え、だからこそのぞみと居ることを大切にしようと言う。夢の実現と別離への不安。相反する自分の気持ちにそれぞれ向き合うこの素直さ。プリキュア的素直さが素敵です。そしてそういう迷う気持ち、猶予の時間を決して否定しないのもまた素敵です。迷って当たり前で立ち止まったっていいじゃないか!と言う。そのとおりです。迷いは不正や悪ではない。重要なのはその迷いに真摯に向き合い答えを出せるか。選択できるか。その意思の強さ、主体性を心の正しさとか強さとか言うと思う。その強さ、輝きは他者に善いものを与える。そしてそれがまた自分にも返ってくる。
自分の弱さや誘惑に屈しそうになることがあってもそれに向き合って、自分の取るべき行動を選択し意志していく物語。えらい硬派で骨太な話し。恋愛しているようで恋愛にとどまらない人の可能性と強さを見せてもらいました。
しかし、本当に続投するんだろうかと本気で思ってしまう。次期に続投するんだからココナッツミルクは居ると思うんだけど、思いっきりこのまま最終回を迎えそうな勢い。とはいえ、そういう続投するから別れを曖昧なままにしたまま話を続けるという妥協をしないあたりがプリキュアらしいところで硬派な所だと思います。別れても別れなくても、この彼女たちの決意や決断というのは全く霞む事はありません。選択を決断していくことは結果であると同時に未来への過程でもあるからです。それは蓄積し残っていくものです。
第44話「お世話役ってどんな人?」
○今週の出来事
①他者にとって必要とされる人
朝。寝坊してしまうミルク。慌てて階下に下りるとココとナッツはすでに朝食を済ませています。しかしなんというか、謎生物形態のナッツが新聞読んでいるのは妙に面白いな。人間体より知的に思える。それぞれ店番、学校へと行ってしまいます。
自分がいなくても自分達でやってしまえるココナッツ。ミルクの存在儀意が危ぶまれます。
ビル。ハデーニャの行方がわかりません。ブンビーがこのまま辞めてしまうのでは?と口にするとそんなことは許さないと目を見開くカワリーノ。ブンビーも目が大きいと驚きです。や、そんなとこ驚かなくても。「最後くらい役に立ってくれるといいんですが」と言って消えるカワリーノ。使い捨てる気満々です。その様子を「目、デカっ」と見送るブンビー。…カワリーノにも(戦力として)相手にされなくなっていることに少しはヘコんだ方が良いと思います。
オープンカフェでヤケ食いするハデーニャ。意気込んでプリキュア!と叫びます。他のお客様の迷惑になりますのでそういうことは井戸の中に向かって叫んでください。
②ミルクの放浪記
公園のベンチで思いっきりうなだれるミルク。耳の利便性は特筆ものです。そこを通りかかるうらら。ナッツハウスに帰れないミルク。必要とされていない、と泣き出します。
お世話役でありたいが必要とされず、どうしていいのか分からず悩むミルク。うららはお世話役と聞いてマネージャーの鷲尾さんを連想します。確かにマネージャーは色々と身の回りのことに気を使いそうです。うららはミルクにお世話役はマネージャーような人なのか?と尋ねられると、どうやら違うらしくある人物のことを思い浮かべます。流石うらら、気になるあの人のことを考えるわけですね。全く日曜の朝から飛ばしてるなーと思ってしまいましたが、これは連鎖していく連想なので別にうららだけが思い浮かべたわけではないことにりんのときに気づきました(←日曜の朝から病んだ発想している)。
「毎日一緒にいなくても一番肝心なときには必ず傍に居て、叱ったり励ましてくれるそんな人のことだと思うな」
うららの言葉を聞いてりんのもとを尋ねるミルク。ズバーっとズケズケ言うとズケズケ言うミルク。あなた怖い物知らずですね。そこは流して、すぐに自分では無いと答えるりん。兄弟達の面倒も見ているのに?と不思議がるミルク。りんにとってのお世話役は違うようです。凄い人なのか?と尋ねるミルクにりんはある人のことを思い浮かべます。思わず頭を振ります。お世辞にも優れているとか特技があるとは言いがたい。
「皆のために泣いて、皆のために怒って、皆のために笑って、皆のために悩んでくれる、そんな素敵な子」
ナッツハウス。黙って出ていってしまったらしくミルクがいないことに気づくココナッツ。探しに出かけます。この店はよく主人が居なくなります。
こまちに聞けば上手く言葉にできるかも、と聞いてこまちを尋ねるミルク。心からそうしたい、そうありたいと思う気持ちが大事と言われても何をすべきかが分からないと答えるミルク。言うは易し行うは難しです。それを簡単にやってしまう人が居るとこまちはある人のことを思い浮かべます。
「とても強い意志を持った人」
誰のことかわかったと飛び出していったミルクが尋ねたのはかれん。かれんっ子(「っ」は発音しない。何となく「かれん子」という字よりはいいかなという理由で)だけなことはあります。
かれんはこまちが言っていた人は自分では無いと言います。かれんの他に誰が居る?りんもうららも思い浮かぶ人がいると考えるミルク。あのーミルクさん、誰か一人思いっきり無視されている人がいるんですけどー。いや、まあ、分かるけどね。普通に考えれば選考の埒外だからなぁ。
皆に必要とされている件の人物を羨ましがるミルク。かれんもそう感じます。
「どんな逆行に立たされても、輝きを失わない、いつだって信じることを忘れない子」
皆に慕われ、信頼されている人。のぞみ。
おいしくかれんの持ってきたシュークリーム(セレブ堂のシュークリームかな)を食べるのぞみ。ノーテンキそうなアホそうな娘です。厳しい目で見るミルク。合点がいかないミルクは絶対何かの間違いとのぞみに言います。何の事だかわからないのぞみ。
のぞみに理想のお世話役を尋ねます。「よく食べて、よく遊んで、よく寝て、いつも健康で、幸せいーっぱいな人」話の途中から聞く気が無いミルク。答えになっていない答えにミルク以外の皆コケてしまいます。いやぁ、でも、その答えは正しいと思うよ。つまりは見本だ。すぐ隣に居る人が余裕なくて不摂生で不安と悩みを抱え込んでいたらこっちまで不安になる。完璧超人であれ、なんてことは言わないが、人に何かを与えられる人は、自身が(苦悩を背負いこんでもなお)輝いている人だと思うよ。
ココナッツの役に立ちたいミルク。のぞみはココナッツが好きかと尋ねます。そうだと答えるミルクにそれでいいじゃないと答えるのぞみ。ああ、この娘は相変わらず本質を見ているよなぁ。行為の発生根源である人の気持ち、意思、正しさの根拠。
意味が分からないとそっぽを向くミルク。
そーいえばココナッツが居ません。
無言で出ていってしまったミルクを探しに出ているココナッツ。ハデーニャが迫ります。
③お世話役
ココナッツを探し当てるのぞみ達。探知力の高さは折り紙つきです。一気に変身して臨戦態勢。
本気で後が無いハデーニャの苛烈な攻撃にプリキュアは防戦一方です。戦闘中にココナッツと再会するミルク。役に立たないばかりか迷惑までかけたと落ち込んでしまいます。
ミルクを居なくてもいい奴となじるハデーニャ。ミルクの独断がこの危機的状況を招いたとさらに追い詰めます。ヘコむミルク。結構キツイな。
ドリームとルージュがハデーニャに反撃します。ココナッツのお世話役はミルクにしか出来ない。その言葉に希望を抱くミルク。レモネード、ミント、アクアが追撃します。形勢が悪くなってきたハデーニャの前に現れるカワリーノ。忘れ物があると例の黒い紙を出します。断固拒否するハデーニャに断固として差し出すカワリーノ。紙が仮面になります。もはや本人の意思関係なく仮面を強制的にハデーニャに被せます。
ココの仲間割れ、という言葉に見たことも聞いたこともないとしれっと答えるカワリーノ。つい先ほどまでハデーニャだった化け物がプリキュアを襲います。
爆風でコレットが飛び出てしまいそれをキャッチするミルク。カワリーノの言葉攻めタイム。ココナッツにコレットを守れない情けない奴と言います。何の役にも立たない。本当は必要ないんじゃない?と言葉を浴びせます。ミルクが黙れ!と啖呵を切ります。こういうときにミルクの気丈さと口の悪さが役に立ちます。ココナッツはパルミエに必要な人だと言います。国は滅んでいると言うカワリーノに国は復活するし自分はココナッツに必ず仕えると言い切ります。
ミルクを助けるために躍り出るプリキュア。間一髪のところで化け物の攻撃から守ります。
「私達もミルクが大好き」
「一番肝心なときに傍に居てくれて」
「皆のために怒り」
「強い意志を持ち」
「信じることを忘れない」
「そんな最高のお世話役ミルクのためにもドリームコレットは渡さない!」
他者のために自分の労苦・犠牲を厭わない他者、のために行為するプリキュア。ミルクも加わってエクスプロージョンで化け物を消滅させます。何か召還シーンのエフェクトが煌びやかになってた。
元気を取り戻すミルク。早速ココナッツに説教です。ココが隠れてシュークリームばかり食べていること、ナッツが徹夜で本を読んでいることを見抜きます。長く続く説教。
なにはともあれ、今日もいつもどおり(ちょっとした変化を織り込んだ)日常が続きます。
④次回予告
ついにクリスマスイベント。果たしてのぞみのキスシーンはあるのか(2話のネタ振りから)。でも、やっぱり何かプリキュアらしいクリスマスになりそう。
○トピック
主人公達以外にも夢を抱いている人物、ミルクのお話。と同時に皆がのぞみに対して持っている信頼の厚さが分かる回。
お世話役というのが、額面どおりの従者、雑事役ではなくて、人のために行為する人として認識されています。その代表としてのぞみをうらら達が何の連絡も打ち合わせも無く連想するのはかなり凄いことです。物凄く信頼されています。しかしそれも無理なからぬことです。彼女は何の特技も才覚も無い少女ですが、広く深い愛情を持った人物です。彼女の揺ぎ無い愛情は自身を立たせ、前進させ、他者へと伝わっています。4人ののぞみに対する言葉はそれがよく出ています。
ヘコんだミルクが自信を取り戻す、というのが今回の簡単な筋です。が、結局お世話役が何をすべきか、というのは誰も答えません。この作品は具体的に「~しなさい」「~は~だ」と提示しません。前回のかれんもこまちが何をすべきかは答えませんし、分からないと言います。今回もうららは「お世話役がどんなものか分からない」と言います。分からないものに対しては分からないと素直に答えつつも、その在り方に対しては意見を述べるのが特徴。
結局のところ、何をすべきかは本人の判断によります。本人が自覚して意識してやらなければ身に付かないし、不承不承やっても辛いだけです。その本人の判断を周囲が促しやすいように見守っているのがプリキュアのスタンス。だからのぞみが言うように、本人の根本にある気持ちを大切にします。雑事や幾多の方法論に惑わされ忘れないように本来持っていた初心に振り返ってその使命を抱きなおす。他者に深くかかわりながらも押し付けない。自分でやらなければならないところは自分でやり、他者が力になれるところは力になる。自立的でありながらもとても暖かい。素敵です。
次回はのぞみの話。こまちより少々遅れて別離の問題。のぞみには叶えたい、叶えなければならない夢があってそれは揺るがない。そんな彼女が経験する別離への不安。こまちとは違う展開でしょうから楽しみです。
①他者にとって必要とされる人
朝。寝坊してしまうミルク。慌てて階下に下りるとココとナッツはすでに朝食を済ませています。しかしなんというか、謎生物形態のナッツが新聞読んでいるのは妙に面白いな。人間体より知的に思える。それぞれ店番、学校へと行ってしまいます。
自分がいなくても自分達でやってしまえるココナッツ。ミルクの存在儀意が危ぶまれます。
ビル。ハデーニャの行方がわかりません。ブンビーがこのまま辞めてしまうのでは?と口にするとそんなことは許さないと目を見開くカワリーノ。ブンビーも目が大きいと驚きです。や、そんなとこ驚かなくても。「最後くらい役に立ってくれるといいんですが」と言って消えるカワリーノ。使い捨てる気満々です。その様子を「目、デカっ」と見送るブンビー。…カワリーノにも(戦力として)相手にされなくなっていることに少しはヘコんだ方が良いと思います。
オープンカフェでヤケ食いするハデーニャ。意気込んでプリキュア!と叫びます。他のお客様の迷惑になりますのでそういうことは井戸の中に向かって叫んでください。
②ミルクの放浪記
公園のベンチで思いっきりうなだれるミルク。耳の利便性は特筆ものです。そこを通りかかるうらら。ナッツハウスに帰れないミルク。必要とされていない、と泣き出します。
お世話役でありたいが必要とされず、どうしていいのか分からず悩むミルク。うららはお世話役と聞いてマネージャーの鷲尾さんを連想します。確かにマネージャーは色々と身の回りのことに気を使いそうです。うららはミルクにお世話役はマネージャーような人なのか?と尋ねられると、どうやら違うらしくある人物のことを思い浮かべます。流石うらら、気になるあの人のことを考えるわけですね。全く日曜の朝から飛ばしてるなーと思ってしまいましたが、これは連鎖していく連想なので別にうららだけが思い浮かべたわけではないことにりんのときに気づきました(←日曜の朝から病んだ発想している)。
「毎日一緒にいなくても一番肝心なときには必ず傍に居て、叱ったり励ましてくれるそんな人のことだと思うな」
うららの言葉を聞いてりんのもとを尋ねるミルク。ズバーっとズケズケ言うとズケズケ言うミルク。あなた怖い物知らずですね。そこは流して、すぐに自分では無いと答えるりん。兄弟達の面倒も見ているのに?と不思議がるミルク。りんにとってのお世話役は違うようです。凄い人なのか?と尋ねるミルクにりんはある人のことを思い浮かべます。思わず頭を振ります。お世辞にも優れているとか特技があるとは言いがたい。
「皆のために泣いて、皆のために怒って、皆のために笑って、皆のために悩んでくれる、そんな素敵な子」
ナッツハウス。黙って出ていってしまったらしくミルクがいないことに気づくココナッツ。探しに出かけます。この店はよく主人が居なくなります。
こまちに聞けば上手く言葉にできるかも、と聞いてこまちを尋ねるミルク。心からそうしたい、そうありたいと思う気持ちが大事と言われても何をすべきかが分からないと答えるミルク。言うは易し行うは難しです。それを簡単にやってしまう人が居るとこまちはある人のことを思い浮かべます。
「とても強い意志を持った人」
誰のことかわかったと飛び出していったミルクが尋ねたのはかれん。かれんっ子(「っ」は発音しない。何となく「かれん子」という字よりはいいかなという理由で)だけなことはあります。
かれんはこまちが言っていた人は自分では無いと言います。かれんの他に誰が居る?りんもうららも思い浮かぶ人がいると考えるミルク。あのーミルクさん、誰か一人思いっきり無視されている人がいるんですけどー。いや、まあ、分かるけどね。普通に考えれば選考の埒外だからなぁ。
皆に必要とされている件の人物を羨ましがるミルク。かれんもそう感じます。
「どんな逆行に立たされても、輝きを失わない、いつだって信じることを忘れない子」
皆に慕われ、信頼されている人。のぞみ。
おいしくかれんの持ってきたシュークリーム(セレブ堂のシュークリームかな)を食べるのぞみ。ノーテンキそうなアホそうな娘です。厳しい目で見るミルク。合点がいかないミルクは絶対何かの間違いとのぞみに言います。何の事だかわからないのぞみ。
のぞみに理想のお世話役を尋ねます。「よく食べて、よく遊んで、よく寝て、いつも健康で、幸せいーっぱいな人」話の途中から聞く気が無いミルク。答えになっていない答えにミルク以外の皆コケてしまいます。いやぁ、でも、その答えは正しいと思うよ。つまりは見本だ。すぐ隣に居る人が余裕なくて不摂生で不安と悩みを抱え込んでいたらこっちまで不安になる。完璧超人であれ、なんてことは言わないが、人に何かを与えられる人は、自身が(苦悩を背負いこんでもなお)輝いている人だと思うよ。
ココナッツの役に立ちたいミルク。のぞみはココナッツが好きかと尋ねます。そうだと答えるミルクにそれでいいじゃないと答えるのぞみ。ああ、この娘は相変わらず本質を見ているよなぁ。行為の発生根源である人の気持ち、意思、正しさの根拠。
意味が分からないとそっぽを向くミルク。
そーいえばココナッツが居ません。
無言で出ていってしまったミルクを探しに出ているココナッツ。ハデーニャが迫ります。
③お世話役
ココナッツを探し当てるのぞみ達。探知力の高さは折り紙つきです。一気に変身して臨戦態勢。
本気で後が無いハデーニャの苛烈な攻撃にプリキュアは防戦一方です。戦闘中にココナッツと再会するミルク。役に立たないばかりか迷惑までかけたと落ち込んでしまいます。
ミルクを居なくてもいい奴となじるハデーニャ。ミルクの独断がこの危機的状況を招いたとさらに追い詰めます。ヘコむミルク。結構キツイな。
ドリームとルージュがハデーニャに反撃します。ココナッツのお世話役はミルクにしか出来ない。その言葉に希望を抱くミルク。レモネード、ミント、アクアが追撃します。形勢が悪くなってきたハデーニャの前に現れるカワリーノ。忘れ物があると例の黒い紙を出します。断固拒否するハデーニャに断固として差し出すカワリーノ。紙が仮面になります。もはや本人の意思関係なく仮面を強制的にハデーニャに被せます。
ココの仲間割れ、という言葉に見たことも聞いたこともないとしれっと答えるカワリーノ。つい先ほどまでハデーニャだった化け物がプリキュアを襲います。
爆風でコレットが飛び出てしまいそれをキャッチするミルク。カワリーノの言葉攻めタイム。ココナッツにコレットを守れない情けない奴と言います。何の役にも立たない。本当は必要ないんじゃない?と言葉を浴びせます。ミルクが黙れ!と啖呵を切ります。こういうときにミルクの気丈さと口の悪さが役に立ちます。ココナッツはパルミエに必要な人だと言います。国は滅んでいると言うカワリーノに国は復活するし自分はココナッツに必ず仕えると言い切ります。
ミルクを助けるために躍り出るプリキュア。間一髪のところで化け物の攻撃から守ります。
「私達もミルクが大好き」
「一番肝心なときに傍に居てくれて」
「皆のために怒り」
「強い意志を持ち」
「信じることを忘れない」
「そんな最高のお世話役ミルクのためにもドリームコレットは渡さない!」
他者のために自分の労苦・犠牲を厭わない他者、のために行為するプリキュア。ミルクも加わってエクスプロージョンで化け物を消滅させます。何か召還シーンのエフェクトが煌びやかになってた。
元気を取り戻すミルク。早速ココナッツに説教です。ココが隠れてシュークリームばかり食べていること、ナッツが徹夜で本を読んでいることを見抜きます。長く続く説教。
なにはともあれ、今日もいつもどおり(ちょっとした変化を織り込んだ)日常が続きます。
④次回予告
ついにクリスマスイベント。果たしてのぞみのキスシーンはあるのか(2話のネタ振りから)。でも、やっぱり何かプリキュアらしいクリスマスになりそう。
○トピック
主人公達以外にも夢を抱いている人物、ミルクのお話。と同時に皆がのぞみに対して持っている信頼の厚さが分かる回。
お世話役というのが、額面どおりの従者、雑事役ではなくて、人のために行為する人として認識されています。その代表としてのぞみをうらら達が何の連絡も打ち合わせも無く連想するのはかなり凄いことです。物凄く信頼されています。しかしそれも無理なからぬことです。彼女は何の特技も才覚も無い少女ですが、広く深い愛情を持った人物です。彼女の揺ぎ無い愛情は自身を立たせ、前進させ、他者へと伝わっています。4人ののぞみに対する言葉はそれがよく出ています。
ヘコんだミルクが自信を取り戻す、というのが今回の簡単な筋です。が、結局お世話役が何をすべきか、というのは誰も答えません。この作品は具体的に「~しなさい」「~は~だ」と提示しません。前回のかれんもこまちが何をすべきかは答えませんし、分からないと言います。今回もうららは「お世話役がどんなものか分からない」と言います。分からないものに対しては分からないと素直に答えつつも、その在り方に対しては意見を述べるのが特徴。
結局のところ、何をすべきかは本人の判断によります。本人が自覚して意識してやらなければ身に付かないし、不承不承やっても辛いだけです。その本人の判断を周囲が促しやすいように見守っているのがプリキュアのスタンス。だからのぞみが言うように、本人の根本にある気持ちを大切にします。雑事や幾多の方法論に惑わされ忘れないように本来持っていた初心に振り返ってその使命を抱きなおす。他者に深くかかわりながらも押し付けない。自分でやらなければならないところは自分でやり、他者が力になれるところは力になる。自立的でありながらもとても暖かい。素敵です。
次回はのぞみの話。こまちより少々遅れて別離の問題。のぞみには叶えたい、叶えなければならない夢があってそれは揺るがない。そんな彼女が経験する別離への不安。こまちとは違う展開でしょうから楽しみです。
第43話「こまちの決意とナッツの未来」
○今週の出来事
①別れへの不安
図書館。元気の無いこまちにかれんが話しかけます。原稿がなかなか進んでいないようです。かれんは力になれないかもしれないけど相談に乗ると励まします。こういうことがすんなり自然に言える様になったのも当初の頃からすれば大きな変化です。ナッツに相談すれば良いと言い掛けるとこまちは大声で否定します。自分の事は自分で解決しないと…と呟くこまち。
ナッツハウス。読書家のナッツは大量に本を読みます。パルミエが復活したときに何か役に立つからと言うナッツ。別れの時が近づいています。
本と言えばこまち。うららが小説の進捗を尋ねます。まだ完成していないと答えるこまち。うららは楽しみにしています。内容は恋愛小説ですよね?と確認するとこまちは大慌てで「それがどうしたのでしょうか!?」と返事をします。気圧されるうららと皆。こまちは時々はちゃけますがこの慌て方は珍しい。照れて行き詰っていると言います。
のぞみはいつもの安請合いで「まかせて!」と返答しますがミルクに突っ込まれてしまいます。さらにのぞみに解決できるならこまちさんが先に解決しているとりんも援護射撃。撃沈するのぞみ。ダブルツッコミには適いません。
この前も尋ねましたが、今度もモデルはあるのか?と聞くうらら。こまちは創作上のことと答えつつも横目でナッツを見ます。見返すナッツ。このまま追求されても困るし、居づらいのか帰ります。何も言わずこまちやナッツの様子を見つづけるかれん。
その夜、明かりも点けずこまちは自室で一人何かを抱え込んだように俯き続けます。
ビル。ハデーニャの前に現れるカワリーノ。珍しくため息をつきます。なんと手には黒い紙が握られています。デスパライアから渡されたらしい。ハデーニャは呆気に取られつつも気休めの言葉を言います。黒い紙の意味することが分かっているので優越感よりも慰めの感情が強いようです。ハデーニャの言葉に助かると答えて紙を差し出すカワリーノ。黒い紙の宛先はハデーニャです。これは意外。先にブンビーが渡されるかと思いましたがハデーニャに決定です。さらばハデーニャ。ハデーに散ってくれ。
勿論穏やかに答えることが出来ないハデーニャ。直接デスパライアの元に行こうとしますがカワリーノが行き先を塞ぎます。デスパライアの代理人であるカワリーノ。有無を言わせない態度で再度紙を突きつけます。ハデーニャは受け取らず大見得を切って出て行きます。無意味にブンビーを呼びます。ブンビーさん居たのか。
公園でどうしたものかと考えるハデーニャ。まともに正面から行っても勝てないことは承知しているようです。情けないなぁ5の敵は。プリキュアが強すぎるためでもあるんだけど。
ハトの群れの中にピンキーがいます。運気上昇中。ピンキーのエンカウント率のいい加減さは仕様です。
原稿の筆が進まないこまち。かれんが心配して尋ねます。こまちは最初の頃は熱にうかされたように筆を進めていたが段々後悔し始めたようです。夢を叶えてあげたい、自分に出来ることは何でもしてあげたい、それが「彼」のためなら…。かれんに「彼」?と聞き返されて小説の話だと答えるこまち。その夢が叶えばその人は遠いところに旅立ってしまいます。そうなれば、自分がどうしていいのか分からないと続けるこまち。ラストシーンなんて来なければいいと話します。かれんはラストシーンがどうなるか分からないがこまち次第になる気がすると答えます。「こまちが変わればラストも変わる」ハッとするこまち。かれんは小説の話、だと言います。優しいな。貴女は判っているのですね。こまちの気持ちがどこにあるのか、何を見ているのか。
②お節介
ナッツは相談にも乗るしアドバイスも言うがこまちが言ってこないなら仕方ないだろと弁解するようにのぞみに言います。のぞみはそういうとこが冷たいと責めるように言います。飛んでくるミルクを見ずに迎撃。ミルクの相手の仕方を覚えたようです。こまちから言い出せない訳があるのだと言うのぞみ。相変わらず鋭い洞察です。だから気を回してナッツの方からアプローチして欲しいと頼んでいるようです。そういうのをお節介だというナッツ。聞かれてもいないのに口を出すのはかえって迷惑だと続けます。それは一理あります。私もナッツのように考えるけど、結局それは自分が背負い込みたくないとか、責任を相手に置いているのだと思う(ナッツじゃなくて私がね)。相手が寄ってないのだから自分は何も責が無いし、何かをする理由もない。理由が無いのだから行為する必要が無い。しかし、だから皆何もしなければそれはとても寂しい気がする。言い出したくても言い出せないときがある。相談に乗って欲しいと寄り添っても拒まれたらと不安だってあるだろう。無遠慮に人の領域に踏み込んでくるのはお節介で図々しいけど、自分も親身になって相談に乗れる覚悟と優しさがあるのなら余計なお世話もあっていいんではないかと思う。私がのぞみを素晴らしいと思うのはそこなんだと思う。
うららとりんもこまちを心配しています。しかし気ばかり焦っても仕方ありません。ココが取り成すように言います。本人の問題であるからには本人の心構えが必要です。かれんもココに同意します。皆の気持ちは伝わるしこまちは自分で何とかすると信じているかれん。チラリとナッツの方を見ます。
公園のベンチに座るこまち。ナッツが話しかけます。何だかんだ言ってナッツはやる男です。当の本人であるナッツが現れて頬を赤らめて俯くこまち。ナッツの励ましに答えるもやはり打ち明けません。
隣に座るナッツにこまちはどうして自分に優しくしてくれるのか?自分はいつも励まされるばかりで何もしてあげられず、自分はそんな資格が無いと聞きます。客観的にはナッツもこまちに励まされているのでお互い様なところがあるのですが、自分の行為を過小評価するのは内向的な人にはよくある傾向です。ナッツを評価しているからでもあるでしょうが。
ナッツはこまちが思っているほど優しくもなければ強くもないと答えます。自分だけでは何も出来ないし、夢も皆に手伝ってもらわないと叶えられない。自分に出来る努力は自分でしようと思っていると言います。全くそのとおり過ぎて納得します。ナッツは役割から見れば非常に優秀です。細かいところに気が利きますし、的確に指摘することもできます。しかし、それはココのように全体の調和を図る人や皆を引っ張っていく人がいる場合にであって、彼一人では先ののぞみとの話のように動くことがありません。言うこともストレートなのでそれだけだとムチにしかならずアメが欲しくなるところです。優れたように見えるナッツも欠点や至らない点は多くあります。それはナッツ以外の人にも言えます。
ナッツは夢に向かって努力しているこまちを尊敬しているしそんな人を好きだと言います。
「大事なのは後悔しないことなんだろ?」その言葉にこまちは驚きます。この言葉は夏祭り(28話)の時にかれんとの思い出としてあったことです。こまち本人がかれんに言った言葉。ナッツはかれんがこまちに教えられたと話してくれたことを言います。皆こまちの味方で見守っていると話します。お前カッコイイな。これは納得するしかない。
こまちは気づきます。気づいたからこそ涙をこぼしてしまいます。彼女は自分が自分のことしか考えていなかったことに気づきます。かれんに自分の問題と言い、皆の前から逃げて、ナッツにも自分のことだから、と話さなかった。そんな自分の問題を皆は心配して励ましてくれたし、ずっと見守ってくれていたことにも気づきます。とても悔しくて情けない気持ちになる。なんて自分勝手で、卑小な存在であるか気づかされる。自分のことばかりで頭が一杯で周囲の人々の優しさに気づけなかった。よく見れば皆が見ていてくれたことに気づけたはずなのに。差し伸べられていた手を振りほどいていた。でもそのことに気づけた事は今からでも遅くはない。その涙は素敵な涙だと思う。人の心が判る人がこぼす事ができる涙だからだ。
こまちは心に閉じ込めていたことを吐露します。今の生活に充実を感じていると逆に曖昧で不明瞭な未来が怖くなります。まして「別れ」を匂わせる未来が想定される場合はなお更です。仲の良い友達、気になる人と別れることは辛い。またそれを口にすることも躊躇われる。今が安定しているのなら今のままであり続けたい。時が止まってしまえば良いと思える。未来は決して良いものばかりじゃない。人も未来に希望だけを見るのではなく、暗くて、不安で、恐れさえ抱かせるものを見ることがある。
ナッツも未来のことを考えたら怖くてしょうがないと話します。でも、こまちの未来はこまちのものだ、こまちに相応しいラストシーンが見つかるはずだと言います。かれんと同じ言葉。かれんと同じでこまちを思い遣り、こまちを応援する人の言葉。もう少し力を抜いたら良いと言います。能天気なほどに。良い例が身近にいます。案の定盛大なクシャミをするのぞみ。驚く皆。うららがりんの腕にしがみついているのは珍しい。この組み合わせも面白いな(変な意味ではない)。あと、ミルクはかれんっ子。
お互い見つめ会うふたり。全てが解決したわけではないけど、漠然とした不安は無くなりました。
③ハデーニャ襲来
目の前に現れるハデーニャ。今日はツイているとピンキーを見せます。自分の都合の良い様に展開が進んでいることに笑いが止まらないハデーナy。思わずピンキーを放してしまいます。逃げるピンキー。ナッツが拾おうとしますがすんでのところで奪い返してナッツを吹き飛ばします。そうこうしている内にのぞみ達が駆けつけます。プリキュアが集合するまでに要する時間はとても早いのでターゲットが一人だけの場合でも油断してはいけません。発見したらそく撃破するくらいのスピードが無いと揃ってしまいます。
りんに「出たなナイトメア!」と言われ、化け物扱いするな…でもそうかもと一人漫才するハデーニャ。戦闘態勢。口上たれている途中で容赦なく変身するプリキュア。敵に口上言わせる暇があったら変身。おばさんの見せ場より若い子の見せ場。可愛い女の子は何よりも優先されるのです。「人の話は聞け」というシリーズ伝統のセリフを言ったところでピンキーを使ってコワイナー召還。ぬり壁コワイナー。
コワイナーが倒れ込んできます。とっさに回避するプリキュアとハデーニャ。コワイナーは立ち上がり跳び上がって落ちてきます。どうやらこれがこのコワイナーのファイティングスタイルらしい。空中に躍り出たドリームにかぶさって落ちるコワイナー。地味ですがかなり痛そうな攻撃です。ルージュとレモネードが救出に向かいます。間一髪逃れたもののコワイナーが迫り続けます。意外と対処し辛いのか苦戦を強いられますが傍目にはギャグやっているように見えます。
ココナッツミルクを狙うハデーニャに対処するミント。ハデーニャは王国が滅んだのはナッツのせいだ、お前達も同じ運命を辿ると言います。トラウマなナッツは怯みます。ナッツを庇うようにミントが攻撃しますがハデーニャに圧されます。ハデーニャのパンチをキックで相殺するアクア。カッコイイ。ふたりでハデーニャを攻撃。どっかのふたりはプリキュアみたいなシーンです。いつの間にか迫ってきていたコワイナーとハデーニャの渾身の一撃をシールドで防ぐも壊されてしまいます。
④覚悟
ミントは自分の無力に打ちひしがれます。自分じゃダメなのか。お人好しもいい加減にしろそんなやつらのくだらない夢のためになんて、と追い討ちをかけるハデーニャ。
ナッツやココ達のためだけじゃない、ドリーム達が駆けつけます。パルミエ復活は皆の夢です。
「だって、自分で決めたんだもん。自分の夢だもん。だから自分のためだもん!」ハッとするミント。
ドリーム達の言葉を戯言だと切って捨てるハデーニャ。
「そう、これは私達一人一人のため。後で後悔しないためのね」ミントに語りかけるアクア。
コワイナーが自分の腕を地面に突き立て、ゴムのようにして勢いをつけて落下してきます。咄嗟に判断して腕を駆け上がるドリーム。やや遅れてルージュも行きます。こういうときの判断力はドリームが優れています。彼女には迷いが無い。すでに覚悟は決めている。何のために戦うのかも。
駆け上がるドリームを見ながらミントはドリームの言葉、アクアの言葉を繰り返します。ドリームはレモネードを呼びます。何をしようとしているのか察したハデーニャは阻止しようとします。迎撃に向かうアクア、より先に動くミント。片手でハデーニャのパンチを受け止めます。強えぇぇぇ。レモネードのシャイニングが炸裂してコワイナーの腕が地面から離れ体勢が崩れます。ルージュとドリームの必殺技が直撃して粉砕。残るはハデーニャ。
落ちてくる光の雫に気づくアクア。上を見るとミントの頭上に蝶の形をしたものが形成されています。
「そう、これは自分のため、自分にちゃんと接してくれる人達にちゃんと向き合うために。どんな未来になったとしても私がちゃんとしていられるように」
ハデーニャの攻撃を華麗に裁くミント。何か覚醒しています。
「そう、私のために」
全てを吹き飛ばそうと突っ込んでくるハデーニャにトルネードを放つアクア。ミントも構え、自分の前に突き出します。おおう、これはいけない。ただでさえ防御しているだけでも強力なバリアを攻撃に使うなんて。強力な防御は強力な攻撃にもなります。地面を思いっきりえぐる力でハデーニャを吹き飛ばします。
余波で吹き飛んだのか、コワイナーを倒した後そのまま落下したのかボロボロになって疲れ果てるドリーム。ピンキーが無邪気に跳ねます。それにしても胸元が良い感じです。胸が無いだって? 無くて良いじゃん(ダメ人間)。
図書館。本の整理をするこまち。話しかけるかれん。こまちはかれんに応えます。きっと見つけてみせる自分なりのラストシーン。
⑤次回予告
のぞみの言うお世話役はお世話役の人が一番えらい人になった方が良いと思う。ハデーニャさらば。
○トピック
プリキュアの終盤で展開される日常話は非常に重要なものなのですが、その例に漏れず今回も重要な話。何気ない話でもそこに秘められている問題は最後の場面、最後の最後で自らが立ち上がりどんな困難にも立ち向かえる力への布石となります。
こまちが涙をこぼしたシーンを見て、このアニメはやっぱり凄い作品だと思った。泥臭い。すんごく泥臭い。でも物凄く真っ直ぐだ。
西尾氏が何話かの演出やると聞いていましたが、見ていて絶対今回がそうだと思いました。ちなみに西尾氏とは無印・MHの監督です。この人の演出というか、スタンスは自己帰結型なようなのでミントが逆転するときのやり取りを見て分かりました。ま、これは蛇足ですが。
前々回、小説のセリフで悩んでいたこまちが本格的に悩む話。この問題はその小説のモデルである自分の体験と未来に関わります。パルミエ復活はナッツとの別れを伴いますから、いよいよこまちもナッツと分かれるに際してどうしていいのか現実味を感じてくるようになってしまいました。
最初から最後までこまちを励ますかれんが素敵です。まず間違いなくこまちの心中を察していると思いますが決して出しゃばることもせず判断をこまちに託しながら信じます。のぞみ達もこまちを心配し何とか力になってあげたいと思う。これらの気遣いはこの作品がずっと持ち続けてきたことです。が、こまちはそのことに気づかないまま一人悩んでしまう。
これは繊細な問題で、ナッツの言うようにずけずけとお節介をやるのは迷惑でもあります。また本人の問題である以上本人の意思決定がなされなければ意味はありません。他人が解決できる問題でもないし、解決していいものでもありません。でも、だからといって何もしなくていいわけでも、手を差し伸べなくてもいい訳でも無いと思う。いや、まあ、私は何もしない人なんですけど、だから判る。それはとてもつまらなくて、寂しいことだと判る。
人には他人に立ち入れられたくない領域がある。そこは他者が容易に無思慮に立ち入ってはいけない。けど、それ以外の場所は立ち入っていいと思う。人は結局のところ人との折衝の中で生きているからです。かれんがこまちの言葉を自分の胸に刻んで自分の言葉としたように、ナッツにも伝わり最初に発したこまちに返ってくるように、人は人に何かを伝えていきます。そして自分の夢もまた他者が存在するからこそ存在します(無人島とかで一人だけで暮らそうとするなら別ですが)。人と別れたくないと思うのも他者がいるからです。
今回の肝は2つ。他者の存在に気づくことと、それを自分のものとすること。
そこからの発展として、他者を理解しそれを自己に帰結してそこからまた他者へと働きかけていく。
別れたくない、そのことを考えたくない、言うことが出来ないと心に抱え込んでもそれは放置するか忘れるかしかない。時間が経って「その時」が来ればなるようになる。なるようになる、というのは結局別れてしまうということです。時間は待ってくれない。いくら心配しようが悩もうがその時は来る。
さて、夢とは自分のものです。自分が行動し選択し意思して目指す目標。それは確かに自分のものですが、他者が介在しないわけではない。直接人に何かをしたいという夢以外でも同じです。職業なり役割なり自己像なり結局他者と関わざるをえないからです。逆に言えば人のためになることをやってもそれは自分の夢とすることが出来ます。自分の目標になれば良いだけなんですから、それが元々他人の夢だろうが何だろうが構いません。(他者の夢が叶ったら違う夢を抱けばいいだけの話で、夢は一回性のものではないし一生を通じるようなものでなくてもよい)
のぞみの夢はココの夢を叶えることです。11話で明確に自分の夢として意識されます。おそらくそれまでは微妙な状態だったと思います。夢といっても借り物に近い状態。「とりあえず」の感は否めない。何しろ成り行きでそうなったのですから自己の意思決定はあまり強くありません。しかし気球に乗ってココに語ったのぞみは確たる決意をしています。彼女の夢はココの夢を叶えること。でもその中で自分のためになることもあるし、自分がそう意識し自覚し覚悟すれば借り物ではなくなります。夢や自己実現とは自己意思決定と行動によって成されるからです。この発生源は全ての夢と自己実現に共通します。だから、のぞみは30話でプリキュアの資質をミルクに疑われ、自分で試してみてまで(蝶を放して再度自分を試した)も揺るがないほどの意思決定を見せています。39話のデスパライア戦でも同じです。他人のためではあるけど、それが自分のためにもなっています。
他者のために自分が動くこと、犠牲になることは、決して自己犠牲だけの結果を導き出すのではなく、自己の成長や実現にも成りえます。ここで勘違いしてはいけないのは、自分のためだけにやってもいないということです。他人のためであると同時に、自分のためでもある。他人のために犠牲になることが自分の未来や幸福を形作る結果にも導かれるということです。他人のためだけに自分が犠牲になりゃいいってもんじゃない。そもそもそれは自分が犠牲になることに自分が満足し自己犠牲を損得勘定に入れている節すらある。自分のためだけならそれはおそらく幸せにも成長にもなれない。他者を省みない自己の発展は侵食と同じで周囲を食い物にして欲望を増長させるだけしかなく、それはエスカレートするだけで限りが無い。私財を増やそうと思ったらずっと増やせるだけ増やそうとするし、強欲に求め続ける限り充実や安息は無い。むしろ蓄えた私財が減りはしないか無くなりはしないか、他人が狙っていはいないかと疑心暗鬼にすらなる恐れがある。
自分だけのためでもなく、他人のために動きながら相反するように自分の幸福や成長を導く事が出来る。そうであって欲しい(願望が混ざっています)。
他人のためであることを自分のためだと断言する(できる)のは、それを自分が責任を持って果たすこと背負う事だと覚悟することを意味します。もし他人のことだからだとそこから逃げたり、責任を放棄すれば、その他者に対して自分は誠実な態度だったとは言えないでしょう。後で後悔する。自分は何もしなかった、だから何も結果が残らなかったと。別れの時が来たときに何も残すことが出来なかったと。自分を見てくれる人達にちゃんと向き合い、ちゃんと接することは自分が「その時」を迎えたときに何かを残せる可能性があります。外から差し伸べられた手を自分が握れるか、自分が手を差し伸べ続けることが出来るのか。人が生き続ける限り常に他者との折衝が生じる。人と人が繋がっている以上、自分の行動は他者に影響を及ぼすし、他者の行動は自分に影響を与える。それは煩わしさもあるのだけど、そこで得られる結果や可能性も大いにある。そしておそらくその中で体験する苦痛は自己だけで閉じるものより大きいだろうし、また得られる結果や充実や幸福もそれに伴って大きい。
「夢」というテーマがあることは第一話から分かっていましたし人と人との繋がりに重きを置くプリキュアで密接に連絡させて発展させると期待していましたが、本当にやってしまうとは流石です。自分のためだけじゃない、他人のためだけでもない。その両方。だって自分と他人は繋がっているのだから。そして夢はその中にありその中で叶えていく。うん、プリキュアらしいストレートさ。
①別れへの不安
図書館。元気の無いこまちにかれんが話しかけます。原稿がなかなか進んでいないようです。かれんは力になれないかもしれないけど相談に乗ると励まします。こういうことがすんなり自然に言える様になったのも当初の頃からすれば大きな変化です。ナッツに相談すれば良いと言い掛けるとこまちは大声で否定します。自分の事は自分で解決しないと…と呟くこまち。
ナッツハウス。読書家のナッツは大量に本を読みます。パルミエが復活したときに何か役に立つからと言うナッツ。別れの時が近づいています。
本と言えばこまち。うららが小説の進捗を尋ねます。まだ完成していないと答えるこまち。うららは楽しみにしています。内容は恋愛小説ですよね?と確認するとこまちは大慌てで「それがどうしたのでしょうか!?」と返事をします。気圧されるうららと皆。こまちは時々はちゃけますがこの慌て方は珍しい。照れて行き詰っていると言います。
のぞみはいつもの安請合いで「まかせて!」と返答しますがミルクに突っ込まれてしまいます。さらにのぞみに解決できるならこまちさんが先に解決しているとりんも援護射撃。撃沈するのぞみ。ダブルツッコミには適いません。
この前も尋ねましたが、今度もモデルはあるのか?と聞くうらら。こまちは創作上のことと答えつつも横目でナッツを見ます。見返すナッツ。このまま追求されても困るし、居づらいのか帰ります。何も言わずこまちやナッツの様子を見つづけるかれん。
その夜、明かりも点けずこまちは自室で一人何かを抱え込んだように俯き続けます。
ビル。ハデーニャの前に現れるカワリーノ。珍しくため息をつきます。なんと手には黒い紙が握られています。デスパライアから渡されたらしい。ハデーニャは呆気に取られつつも気休めの言葉を言います。黒い紙の意味することが分かっているので優越感よりも慰めの感情が強いようです。ハデーニャの言葉に助かると答えて紙を差し出すカワリーノ。黒い紙の宛先はハデーニャです。これは意外。先にブンビーが渡されるかと思いましたがハデーニャに決定です。さらばハデーニャ。ハデーに散ってくれ。
勿論穏やかに答えることが出来ないハデーニャ。直接デスパライアの元に行こうとしますがカワリーノが行き先を塞ぎます。デスパライアの代理人であるカワリーノ。有無を言わせない態度で再度紙を突きつけます。ハデーニャは受け取らず大見得を切って出て行きます。無意味にブンビーを呼びます。ブンビーさん居たのか。
公園でどうしたものかと考えるハデーニャ。まともに正面から行っても勝てないことは承知しているようです。情けないなぁ5の敵は。プリキュアが強すぎるためでもあるんだけど。
ハトの群れの中にピンキーがいます。運気上昇中。ピンキーのエンカウント率のいい加減さは仕様です。
原稿の筆が進まないこまち。かれんが心配して尋ねます。こまちは最初の頃は熱にうかされたように筆を進めていたが段々後悔し始めたようです。夢を叶えてあげたい、自分に出来ることは何でもしてあげたい、それが「彼」のためなら…。かれんに「彼」?と聞き返されて小説の話だと答えるこまち。その夢が叶えばその人は遠いところに旅立ってしまいます。そうなれば、自分がどうしていいのか分からないと続けるこまち。ラストシーンなんて来なければいいと話します。かれんはラストシーンがどうなるか分からないがこまち次第になる気がすると答えます。「こまちが変わればラストも変わる」ハッとするこまち。かれんは小説の話、だと言います。優しいな。貴女は判っているのですね。こまちの気持ちがどこにあるのか、何を見ているのか。
②お節介
ナッツは相談にも乗るしアドバイスも言うがこまちが言ってこないなら仕方ないだろと弁解するようにのぞみに言います。のぞみはそういうとこが冷たいと責めるように言います。飛んでくるミルクを見ずに迎撃。ミルクの相手の仕方を覚えたようです。こまちから言い出せない訳があるのだと言うのぞみ。相変わらず鋭い洞察です。だから気を回してナッツの方からアプローチして欲しいと頼んでいるようです。そういうのをお節介だというナッツ。聞かれてもいないのに口を出すのはかえって迷惑だと続けます。それは一理あります。私もナッツのように考えるけど、結局それは自分が背負い込みたくないとか、責任を相手に置いているのだと思う(ナッツじゃなくて私がね)。相手が寄ってないのだから自分は何も責が無いし、何かをする理由もない。理由が無いのだから行為する必要が無い。しかし、だから皆何もしなければそれはとても寂しい気がする。言い出したくても言い出せないときがある。相談に乗って欲しいと寄り添っても拒まれたらと不安だってあるだろう。無遠慮に人の領域に踏み込んでくるのはお節介で図々しいけど、自分も親身になって相談に乗れる覚悟と優しさがあるのなら余計なお世話もあっていいんではないかと思う。私がのぞみを素晴らしいと思うのはそこなんだと思う。
うららとりんもこまちを心配しています。しかし気ばかり焦っても仕方ありません。ココが取り成すように言います。本人の問題であるからには本人の心構えが必要です。かれんもココに同意します。皆の気持ちは伝わるしこまちは自分で何とかすると信じているかれん。チラリとナッツの方を見ます。
公園のベンチに座るこまち。ナッツが話しかけます。何だかんだ言ってナッツはやる男です。当の本人であるナッツが現れて頬を赤らめて俯くこまち。ナッツの励ましに答えるもやはり打ち明けません。
隣に座るナッツにこまちはどうして自分に優しくしてくれるのか?自分はいつも励まされるばかりで何もしてあげられず、自分はそんな資格が無いと聞きます。客観的にはナッツもこまちに励まされているのでお互い様なところがあるのですが、自分の行為を過小評価するのは内向的な人にはよくある傾向です。ナッツを評価しているからでもあるでしょうが。
ナッツはこまちが思っているほど優しくもなければ強くもないと答えます。自分だけでは何も出来ないし、夢も皆に手伝ってもらわないと叶えられない。自分に出来る努力は自分でしようと思っていると言います。全くそのとおり過ぎて納得します。ナッツは役割から見れば非常に優秀です。細かいところに気が利きますし、的確に指摘することもできます。しかし、それはココのように全体の調和を図る人や皆を引っ張っていく人がいる場合にであって、彼一人では先ののぞみとの話のように動くことがありません。言うこともストレートなのでそれだけだとムチにしかならずアメが欲しくなるところです。優れたように見えるナッツも欠点や至らない点は多くあります。それはナッツ以外の人にも言えます。
ナッツは夢に向かって努力しているこまちを尊敬しているしそんな人を好きだと言います。
「大事なのは後悔しないことなんだろ?」その言葉にこまちは驚きます。この言葉は夏祭り(28話)の時にかれんとの思い出としてあったことです。こまち本人がかれんに言った言葉。ナッツはかれんがこまちに教えられたと話してくれたことを言います。皆こまちの味方で見守っていると話します。お前カッコイイな。これは納得するしかない。
こまちは気づきます。気づいたからこそ涙をこぼしてしまいます。彼女は自分が自分のことしか考えていなかったことに気づきます。かれんに自分の問題と言い、皆の前から逃げて、ナッツにも自分のことだから、と話さなかった。そんな自分の問題を皆は心配して励ましてくれたし、ずっと見守ってくれていたことにも気づきます。とても悔しくて情けない気持ちになる。なんて自分勝手で、卑小な存在であるか気づかされる。自分のことばかりで頭が一杯で周囲の人々の優しさに気づけなかった。よく見れば皆が見ていてくれたことに気づけたはずなのに。差し伸べられていた手を振りほどいていた。でもそのことに気づけた事は今からでも遅くはない。その涙は素敵な涙だと思う。人の心が判る人がこぼす事ができる涙だからだ。
こまちは心に閉じ込めていたことを吐露します。今の生活に充実を感じていると逆に曖昧で不明瞭な未来が怖くなります。まして「別れ」を匂わせる未来が想定される場合はなお更です。仲の良い友達、気になる人と別れることは辛い。またそれを口にすることも躊躇われる。今が安定しているのなら今のままであり続けたい。時が止まってしまえば良いと思える。未来は決して良いものばかりじゃない。人も未来に希望だけを見るのではなく、暗くて、不安で、恐れさえ抱かせるものを見ることがある。
ナッツも未来のことを考えたら怖くてしょうがないと話します。でも、こまちの未来はこまちのものだ、こまちに相応しいラストシーンが見つかるはずだと言います。かれんと同じ言葉。かれんと同じでこまちを思い遣り、こまちを応援する人の言葉。もう少し力を抜いたら良いと言います。能天気なほどに。良い例が身近にいます。案の定盛大なクシャミをするのぞみ。驚く皆。うららがりんの腕にしがみついているのは珍しい。この組み合わせも面白いな(変な意味ではない)。あと、ミルクはかれんっ子。
お互い見つめ会うふたり。全てが解決したわけではないけど、漠然とした不安は無くなりました。
③ハデーニャ襲来
目の前に現れるハデーニャ。今日はツイているとピンキーを見せます。自分の都合の良い様に展開が進んでいることに笑いが止まらないハデーナy。思わずピンキーを放してしまいます。逃げるピンキー。ナッツが拾おうとしますがすんでのところで奪い返してナッツを吹き飛ばします。そうこうしている内にのぞみ達が駆けつけます。プリキュアが集合するまでに要する時間はとても早いのでターゲットが一人だけの場合でも油断してはいけません。発見したらそく撃破するくらいのスピードが無いと揃ってしまいます。
りんに「出たなナイトメア!」と言われ、化け物扱いするな…でもそうかもと一人漫才するハデーニャ。戦闘態勢。口上たれている途中で容赦なく変身するプリキュア。敵に口上言わせる暇があったら変身。おばさんの見せ場より若い子の見せ場。可愛い女の子は何よりも優先されるのです。「人の話は聞け」というシリーズ伝統のセリフを言ったところでピンキーを使ってコワイナー召還。ぬり壁コワイナー。
コワイナーが倒れ込んできます。とっさに回避するプリキュアとハデーニャ。コワイナーは立ち上がり跳び上がって落ちてきます。どうやらこれがこのコワイナーのファイティングスタイルらしい。空中に躍り出たドリームにかぶさって落ちるコワイナー。地味ですがかなり痛そうな攻撃です。ルージュとレモネードが救出に向かいます。間一髪逃れたもののコワイナーが迫り続けます。意外と対処し辛いのか苦戦を強いられますが傍目にはギャグやっているように見えます。
ココナッツミルクを狙うハデーニャに対処するミント。ハデーニャは王国が滅んだのはナッツのせいだ、お前達も同じ運命を辿ると言います。トラウマなナッツは怯みます。ナッツを庇うようにミントが攻撃しますがハデーニャに圧されます。ハデーニャのパンチをキックで相殺するアクア。カッコイイ。ふたりでハデーニャを攻撃。どっかのふたりはプリキュアみたいなシーンです。いつの間にか迫ってきていたコワイナーとハデーニャの渾身の一撃をシールドで防ぐも壊されてしまいます。
④覚悟
ミントは自分の無力に打ちひしがれます。自分じゃダメなのか。お人好しもいい加減にしろそんなやつらのくだらない夢のためになんて、と追い討ちをかけるハデーニャ。
ナッツやココ達のためだけじゃない、ドリーム達が駆けつけます。パルミエ復活は皆の夢です。
「だって、自分で決めたんだもん。自分の夢だもん。だから自分のためだもん!」ハッとするミント。
ドリーム達の言葉を戯言だと切って捨てるハデーニャ。
「そう、これは私達一人一人のため。後で後悔しないためのね」ミントに語りかけるアクア。
コワイナーが自分の腕を地面に突き立て、ゴムのようにして勢いをつけて落下してきます。咄嗟に判断して腕を駆け上がるドリーム。やや遅れてルージュも行きます。こういうときの判断力はドリームが優れています。彼女には迷いが無い。すでに覚悟は決めている。何のために戦うのかも。
駆け上がるドリームを見ながらミントはドリームの言葉、アクアの言葉を繰り返します。ドリームはレモネードを呼びます。何をしようとしているのか察したハデーニャは阻止しようとします。迎撃に向かうアクア、より先に動くミント。片手でハデーニャのパンチを受け止めます。強えぇぇぇ。レモネードのシャイニングが炸裂してコワイナーの腕が地面から離れ体勢が崩れます。ルージュとドリームの必殺技が直撃して粉砕。残るはハデーニャ。
落ちてくる光の雫に気づくアクア。上を見るとミントの頭上に蝶の形をしたものが形成されています。
「そう、これは自分のため、自分にちゃんと接してくれる人達にちゃんと向き合うために。どんな未来になったとしても私がちゃんとしていられるように」
ハデーニャの攻撃を華麗に裁くミント。何か覚醒しています。
「そう、私のために」
全てを吹き飛ばそうと突っ込んでくるハデーニャにトルネードを放つアクア。ミントも構え、自分の前に突き出します。おおう、これはいけない。ただでさえ防御しているだけでも強力なバリアを攻撃に使うなんて。強力な防御は強力な攻撃にもなります。地面を思いっきりえぐる力でハデーニャを吹き飛ばします。
余波で吹き飛んだのか、コワイナーを倒した後そのまま落下したのかボロボロになって疲れ果てるドリーム。ピンキーが無邪気に跳ねます。それにしても胸元が良い感じです。胸が無いだって? 無くて良いじゃん(ダメ人間)。
図書館。本の整理をするこまち。話しかけるかれん。こまちはかれんに応えます。きっと見つけてみせる自分なりのラストシーン。
⑤次回予告
のぞみの言うお世話役はお世話役の人が一番えらい人になった方が良いと思う。ハデーニャさらば。
○トピック
プリキュアの終盤で展開される日常話は非常に重要なものなのですが、その例に漏れず今回も重要な話。何気ない話でもそこに秘められている問題は最後の場面、最後の最後で自らが立ち上がりどんな困難にも立ち向かえる力への布石となります。
こまちが涙をこぼしたシーンを見て、このアニメはやっぱり凄い作品だと思った。泥臭い。すんごく泥臭い。でも物凄く真っ直ぐだ。
西尾氏が何話かの演出やると聞いていましたが、見ていて絶対今回がそうだと思いました。ちなみに西尾氏とは無印・MHの監督です。この人の演出というか、スタンスは自己帰結型なようなのでミントが逆転するときのやり取りを見て分かりました。ま、これは蛇足ですが。
前々回、小説のセリフで悩んでいたこまちが本格的に悩む話。この問題はその小説のモデルである自分の体験と未来に関わります。パルミエ復活はナッツとの別れを伴いますから、いよいよこまちもナッツと分かれるに際してどうしていいのか現実味を感じてくるようになってしまいました。
最初から最後までこまちを励ますかれんが素敵です。まず間違いなくこまちの心中を察していると思いますが決して出しゃばることもせず判断をこまちに託しながら信じます。のぞみ達もこまちを心配し何とか力になってあげたいと思う。これらの気遣いはこの作品がずっと持ち続けてきたことです。が、こまちはそのことに気づかないまま一人悩んでしまう。
これは繊細な問題で、ナッツの言うようにずけずけとお節介をやるのは迷惑でもあります。また本人の問題である以上本人の意思決定がなされなければ意味はありません。他人が解決できる問題でもないし、解決していいものでもありません。でも、だからといって何もしなくていいわけでも、手を差し伸べなくてもいい訳でも無いと思う。いや、まあ、私は何もしない人なんですけど、だから判る。それはとてもつまらなくて、寂しいことだと判る。
人には他人に立ち入れられたくない領域がある。そこは他者が容易に無思慮に立ち入ってはいけない。けど、それ以外の場所は立ち入っていいと思う。人は結局のところ人との折衝の中で生きているからです。かれんがこまちの言葉を自分の胸に刻んで自分の言葉としたように、ナッツにも伝わり最初に発したこまちに返ってくるように、人は人に何かを伝えていきます。そして自分の夢もまた他者が存在するからこそ存在します(無人島とかで一人だけで暮らそうとするなら別ですが)。人と別れたくないと思うのも他者がいるからです。
今回の肝は2つ。他者の存在に気づくことと、それを自分のものとすること。
そこからの発展として、他者を理解しそれを自己に帰結してそこからまた他者へと働きかけていく。
別れたくない、そのことを考えたくない、言うことが出来ないと心に抱え込んでもそれは放置するか忘れるかしかない。時間が経って「その時」が来ればなるようになる。なるようになる、というのは結局別れてしまうということです。時間は待ってくれない。いくら心配しようが悩もうがその時は来る。
さて、夢とは自分のものです。自分が行動し選択し意思して目指す目標。それは確かに自分のものですが、他者が介在しないわけではない。直接人に何かをしたいという夢以外でも同じです。職業なり役割なり自己像なり結局他者と関わざるをえないからです。逆に言えば人のためになることをやってもそれは自分の夢とすることが出来ます。自分の目標になれば良いだけなんですから、それが元々他人の夢だろうが何だろうが構いません。(他者の夢が叶ったら違う夢を抱けばいいだけの話で、夢は一回性のものではないし一生を通じるようなものでなくてもよい)
のぞみの夢はココの夢を叶えることです。11話で明確に自分の夢として意識されます。おそらくそれまでは微妙な状態だったと思います。夢といっても借り物に近い状態。「とりあえず」の感は否めない。何しろ成り行きでそうなったのですから自己の意思決定はあまり強くありません。しかし気球に乗ってココに語ったのぞみは確たる決意をしています。彼女の夢はココの夢を叶えること。でもその中で自分のためになることもあるし、自分がそう意識し自覚し覚悟すれば借り物ではなくなります。夢や自己実現とは自己意思決定と行動によって成されるからです。この発生源は全ての夢と自己実現に共通します。だから、のぞみは30話でプリキュアの資質をミルクに疑われ、自分で試してみてまで(蝶を放して再度自分を試した)も揺るがないほどの意思決定を見せています。39話のデスパライア戦でも同じです。他人のためではあるけど、それが自分のためにもなっています。
他者のために自分が動くこと、犠牲になることは、決して自己犠牲だけの結果を導き出すのではなく、自己の成長や実現にも成りえます。ここで勘違いしてはいけないのは、自分のためだけにやってもいないということです。他人のためであると同時に、自分のためでもある。他人のために犠牲になることが自分の未来や幸福を形作る結果にも導かれるということです。他人のためだけに自分が犠牲になりゃいいってもんじゃない。そもそもそれは自分が犠牲になることに自分が満足し自己犠牲を損得勘定に入れている節すらある。自分のためだけならそれはおそらく幸せにも成長にもなれない。他者を省みない自己の発展は侵食と同じで周囲を食い物にして欲望を増長させるだけしかなく、それはエスカレートするだけで限りが無い。私財を増やそうと思ったらずっと増やせるだけ増やそうとするし、強欲に求め続ける限り充実や安息は無い。むしろ蓄えた私財が減りはしないか無くなりはしないか、他人が狙っていはいないかと疑心暗鬼にすらなる恐れがある。
自分だけのためでもなく、他人のために動きながら相反するように自分の幸福や成長を導く事が出来る。そうであって欲しい(願望が混ざっています)。
他人のためであることを自分のためだと断言する(できる)のは、それを自分が責任を持って果たすこと背負う事だと覚悟することを意味します。もし他人のことだからだとそこから逃げたり、責任を放棄すれば、その他者に対して自分は誠実な態度だったとは言えないでしょう。後で後悔する。自分は何もしなかった、だから何も結果が残らなかったと。別れの時が来たときに何も残すことが出来なかったと。自分を見てくれる人達にちゃんと向き合い、ちゃんと接することは自分が「その時」を迎えたときに何かを残せる可能性があります。外から差し伸べられた手を自分が握れるか、自分が手を差し伸べ続けることが出来るのか。人が生き続ける限り常に他者との折衝が生じる。人と人が繋がっている以上、自分の行動は他者に影響を及ぼすし、他者の行動は自分に影響を与える。それは煩わしさもあるのだけど、そこで得られる結果や可能性も大いにある。そしておそらくその中で体験する苦痛は自己だけで閉じるものより大きいだろうし、また得られる結果や充実や幸福もそれに伴って大きい。
「夢」というテーマがあることは第一話から分かっていましたし人と人との繋がりに重きを置くプリキュアで密接に連絡させて発展させると期待していましたが、本当にやってしまうとは流石です。自分のためだけじゃない、他人のためだけでもない。その両方。だって自分と他人は繋がっているのだから。そして夢はその中にありその中で叶えていく。うん、プリキュアらしいストレートさ。
第42話「りんとかれんのひそかな約束」
○今週の出来事
①クリスマスの準備
クリスマスセールのためナッツハウスではピンキーを使ってチラシを大量に発行。印刷代がかからない優れ物です。
皆で飾りつけ。うららは照明を使って商品の見栄えを良くします。撮影のときに照明の人が教えてくれたそうです。「輝いて見える」は何かの口説き文句に使えるでしょうか。とりあえず、うららはのぞみを見ているときが輝いて見える(口説き文句じゃねぇ)。
こまちはメッセージカードに何か書きます。それを読むかれん。商品説明をまじえた詩のようです。こまちは恥ずかしさのあまり止めようとしますが、かれんは素直に感心します。
やはり興味無さそうな上にクリスマスをよく知らないココナッツ。のぞみがクリスマスは乙女にとって大切で楽しくて真剣なものだと言います。そういうもんですか。クリスマスはクリスマスがくるまでが激戦で終わるとあっという間に胡散霧消するというイメージがあります。あと玩具は二束三文になる。
うららが花を忘れていたことに気づきます。ということで、のぞみがりんとかれんを人選。お花屋のりんと温室を持っていて詳しいかれん。お花係決定。
ビル。相変わらずハデーニャの肩を揉むブンビー。雑用どころかただのお付の人になっています。そんな哀愁の香りすら抜け切ってその他脇役Aくらいにまで成り果てているブンビーにハデーニャは目的も無いまま人の肩揉んでいていいのかと聞きます。うわ、言っちゃったよこの人。悪役のツッコミ的確だなぁ。このままでは黒い紙を渡されてしまうよ、と脅かすハデーニャ。ブンビーは「無い無い」と流しますが、思いっきり死相が出ていると思います。
②花屋
花屋。りんとかれんが店に着くとちょうど母が子どもの向かいへ出るところでした。店番をりんに頼む母。こちらにも用事がりますが受けざるを得ません。りんはかれんに先に戻るよう言いますがかれんは手伝うと申し出ます。慣れていないと大変だから、と断ろうとするりんにかれんは対抗意識を燃やして時々みているからと意地を通そうとします。みているのとやるのとでは違うとこれまた対抗意識を燃やして答えるりん。このふたりは我を通そうとするので意見が反発すると大変です。我を通すという意味ではのぞみもそうですが、不思議とこちらは周りを納得させてしまう魅力があります。
揉めているところで電話が鳴り受けるりん。的確にこなすりんを見て先ほどまでとは違い感心したようにりんを見るかれん。そこにお客さんがやってきます。りんは電話で応対できないのでお客さんは帰ろうとします。お客さんとりんを交互に見るかれん。可愛いな。かれんはお客さんに話しかけます。無事花を買って帰るお客さん。見送るりんとかれん。先ほど揉めていた途中だったのでまだ打ち解けておらず、お互いに気まずいようです。
今度は子連れのお客さん。球根を部屋で育てようと言う母親にりんは言葉がでかかります。それより先にかれんが動いてその球根は室内よりも外で育てた方が良いとアドバイスします。かれんの横顔を見るりん。
今度は小さい女の子。かれんが話しかけますが俯いてしまいます。緊張しているのか人見知りするのか。りんが膝を落として目線を合わせて話しかけます。おずおずと答える女の子。かれんはその様子に感心します。
りんとかれんが遅いことに心配する皆。うららはこの前(8話)みたいにケンカしているのでは?と心配します。のぞみは心配無いと答えます。この娘の場合、その信頼している理由を尋ねても論理的に合点のいく答えは出なさそうです。しかし、彼女の信頼している理由と確度は信頼性が高いです。
③志を見つけようとする者達
かれんも子ども相手には目線を合わせて応対します。わだかまりも無くなり、りんはかれんに手伝いのお礼を言います。かれんはりんが花屋が好きなことに感心します。的確な判断、応対の仕方、気持ちがこもっています。将来もああいう風に仕事しているのかと考えていたと話すかれん。
りんは将来や仕事のことが上手く想像することができず分からないようです。やりたいことがまだ見つかっていない。頷いて答えるかれん。彼女も見つかっていません。意外に感じるりん。かれんは生徒会長で成績優秀、先ほどの手伝いにしても上出来です。何でも出来る人なのに何故迷うのかと聞きます。
目の前の課題を処理することは出来ても、それが自分の将来の事になるのかどうか分からないかれん。能力が高いことと、将来の目的、夢を持てることとは別の問題です。能力が相対的に低いりんからすればかれんは何でも出来て何でも夢見ることが出来るように見えても、志向性を持つことは能力に依存しません。器用貧乏になってしまうことがある。
かれんは夢を持って一生懸命に頑張っているこまちやうららに羨ましさを感じます。自分の心情を話すぎたのか照れて話を変えようとするかれんにりんも自分の事を話します。りんはフットサルや今の生活に充実を感じています。でものぞみを見ているとあることに気づきます。のぞみは人のために、皆の先頭に立って一生懸命頑張っている。夢を持つことは凄い力を人に与える。自分が夢を見つけることができるのか自信が無いりん。お互い似ています。りんとかれんはお互いに夢を見つけたら最初に言う約束をします。
その様子を陰から見るブンビー。やりたいことなんて見つかるわけ無い君達に将来なんて無いんだからね、と独り言。今現在最も将来が無いどころか余命すら望みが無い人が言うセリフじゃありません。
④人の繋がり
店番が終わり花を持って帰るかれんとりん。そこに現れるブンビー。人の肩を揉んで機嫌を取っている場合じゃなかったとようやく本来の目的を思い出します。「一体何のこと?」と返すかれん。当然の反応です。ブンビーは仮面をイチョウの葉につけます。変身です。
戦闘開始。思わぬコワイナーの反撃に苦戦するプリキュア。ブンビーは自分の力をもってすれば枯葉にも絶大な力を与えることができる、君達も力が欲しいのではないか?と尋ねます。ふたりに夢と希望が無いことを知っているブンビー。息を呑むふたり。それは絶望だ、絶望の力が必要なのではないかと続けます。良い悪役セリフです。
しかしこのふたりを舐めてはいけません。意地っ張り同士。夢は必ず見つかる!を立ち上がります。攻撃を仕掛けるもいとも簡単に止めるブンビー。今日は強いぞ。夢は幻想だと言うブンビーにのぞみやこまち、うららは見つけていると反論するプリキュア。さらにそれが叶わなければ幻でありその先は絶望だと返すブンビー。今日のブンビーは頑張っています。自分でも今日は強いと言います。ロウソクの燃え尽きる直前みたいなもんですかね。
ふたりのトドメを刺そうとするブンビーにココナッツアタックが飛んできます。不意打ち専門です。現場に駆けつけるのぞみ達。変身です。三人なので同時変身でもちょっとだけ画面が広いです。
ドリームはふたりから大事なことを教えてもらったと言います。相手のことを想う気持ち、それをちゃんと伝えること。ミントが言葉を継ぎ、りんが結婚式のとき作ったティアラのことを話します。アクアのそばに居たミルクは自分が病気のときに看病してくれたことを話します。人を想い遣り、人を笑顔に出来る力、それが夢で希望なんだというレモネードとドリーム。自分のやってきたことを思い出し立ち上がろうと力を込めるふたり。
コワイナーにドリーム・レモネード・ミントが立ち向かいます。レモネード凄い動きしたな。しかし今日は強いブンビー。三人を阻みます。
どれほど傷ついても、相手がどんなに強くても、意思の力で何とでもしてしまうのがプリキュアの基本理念。何故なら、意思を持ち燃やすことは人に活力と可能性をもたらすからだ。必殺技を放つルージュ。防御するコワイナーにアクアが追撃します。ダブル必殺技に打ち砕かれるコワイナー。ブンビーは帰って肩揉み。何て情けない逃げ口上。
ふたりが持ってきた花はカトレア(紫の方)とシクラメン(ピンクの方)。花の種類が違うことに驚く皆ですが、ふたつの花を楽しめたら良いと思い選んだようです。皆を笑顔にしたかったと話すかれん。みんなその言葉に嬉しそうに応えます。
お茶の準備のため奥に行く皆。かれんはりんに少しだけやりたいことに気づいたと話しかけます。りんも同じようです。皆のおかげで気づいたことに気づくふたり。
⑤次回予告
ドリームライブの宣伝口調早いよ。
○トピック
プリキュア的シナリオ総集編。
今までやってきたことを思い出しながら今日の一歩、明日への一歩を踏み出していくこの物語はなんと前向きだろうか。
前回夢を持つこまちとうららの話の後で、夢を持たないかれんとりんの話を持っていくることで、夢を持つ人達の輝きを見せながら、夢を持たない(見つけようとする)人達にも希望ある明日を提示。決して誰も否定しないし、夢を持っている人の苦悩や、持っていない人の苦悩を描きながらもそれでも前進していけるこの意志力は気持ち良い。
夢を持っているこまちとうららが影響し合い、持たないかれんとりんも影響し合い、そして持っている人と持っていない人とでも影響し合う。それは夢を持つ・持たないことが問題なのではなく、常に人は他者との係わり合いの中でその出来事に影響される。夢を持つことが重要なのでも、夢を叶えることが重要なのでもない、その影響し合うことに人の可能性があることが最も重要。夢の在り方として、ドリーム達が語ったように他者に関係する何かがあることが夢であり希望となるという導き出し方はこの物語が今までやってきたことの上にある素敵な提示です。
自己の成長も夢もその実現も動機も目的も人と人との関わり合いの中で発見し成就させていくことが一貫しています。ああ、もう、良いねこの志向性。日常に転がる何気ないこと、雑事、能力の高低、年齢の違い、夢の有り無し、それらを含めて皆が関係していく中に大切なものがあることを教えてくれます。
日常や人の暮らしを洞察しそこから志向する物語、それは人が抱える普遍的な問題を浮き彫りにしてその解決に挑む物語であると言えます。
この手の問題解決は物質的な解決ではない。物質的に解決できるなら悩むことは無いからです。出来る・出来ないがハッキリする。それをするための条件を洗い出し、可能かどうか判断すればいい。選択に悩む程度ならば普遍的な悩みにはならない。
物質的ではないから精神的な問題というと語弊があるのだけど、その精神的な問題は大抵生きる意味や価値、幸福、自己実現の問題であることが多い。これらは物質的なことでは解決できないし、また誰も教えてはくれない。教えてくれてもそれを根っから信じない限りは疑念を挟む余地が残り、その疑念はくすぶり続ける。
この問題の解決には自らの心に響き信じるだけの確信が必要。これは自分の体験や獲得した認知によってなされる。その手助けをするのが普遍的な問題を解決しようと挑む物語。こういうのはなかなか見つからないし、普通一般的にはあまり求められない物語(エンタメ的な物語の需要の方が多い)でもあるのでこれが週一回かつ年間で見ることが出来るというのは嬉しいです。それが4年続いているのだから凄いよなぁ。飽きずにそういう風に見続けられる自分に自分で感心する。
この調子でシリーズが続く限りやって欲しいと思います。
①クリスマスの準備
クリスマスセールのためナッツハウスではピンキーを使ってチラシを大量に発行。印刷代がかからない優れ物です。
皆で飾りつけ。うららは照明を使って商品の見栄えを良くします。撮影のときに照明の人が教えてくれたそうです。「輝いて見える」は何かの口説き文句に使えるでしょうか。とりあえず、うららはのぞみを見ているときが輝いて見える(口説き文句じゃねぇ)。
こまちはメッセージカードに何か書きます。それを読むかれん。商品説明をまじえた詩のようです。こまちは恥ずかしさのあまり止めようとしますが、かれんは素直に感心します。
やはり興味無さそうな上にクリスマスをよく知らないココナッツ。のぞみがクリスマスは乙女にとって大切で楽しくて真剣なものだと言います。そういうもんですか。クリスマスはクリスマスがくるまでが激戦で終わるとあっという間に胡散霧消するというイメージがあります。あと玩具は二束三文になる。
うららが花を忘れていたことに気づきます。ということで、のぞみがりんとかれんを人選。お花屋のりんと温室を持っていて詳しいかれん。お花係決定。
ビル。相変わらずハデーニャの肩を揉むブンビー。雑用どころかただのお付の人になっています。そんな哀愁の香りすら抜け切ってその他脇役Aくらいにまで成り果てているブンビーにハデーニャは目的も無いまま人の肩揉んでいていいのかと聞きます。うわ、言っちゃったよこの人。悪役のツッコミ的確だなぁ。このままでは黒い紙を渡されてしまうよ、と脅かすハデーニャ。ブンビーは「無い無い」と流しますが、思いっきり死相が出ていると思います。
②花屋
花屋。りんとかれんが店に着くとちょうど母が子どもの向かいへ出るところでした。店番をりんに頼む母。こちらにも用事がりますが受けざるを得ません。りんはかれんに先に戻るよう言いますがかれんは手伝うと申し出ます。慣れていないと大変だから、と断ろうとするりんにかれんは対抗意識を燃やして時々みているからと意地を通そうとします。みているのとやるのとでは違うとこれまた対抗意識を燃やして答えるりん。このふたりは我を通そうとするので意見が反発すると大変です。我を通すという意味ではのぞみもそうですが、不思議とこちらは周りを納得させてしまう魅力があります。
揉めているところで電話が鳴り受けるりん。的確にこなすりんを見て先ほどまでとは違い感心したようにりんを見るかれん。そこにお客さんがやってきます。りんは電話で応対できないのでお客さんは帰ろうとします。お客さんとりんを交互に見るかれん。可愛いな。かれんはお客さんに話しかけます。無事花を買って帰るお客さん。見送るりんとかれん。先ほど揉めていた途中だったのでまだ打ち解けておらず、お互いに気まずいようです。
今度は子連れのお客さん。球根を部屋で育てようと言う母親にりんは言葉がでかかります。それより先にかれんが動いてその球根は室内よりも外で育てた方が良いとアドバイスします。かれんの横顔を見るりん。
今度は小さい女の子。かれんが話しかけますが俯いてしまいます。緊張しているのか人見知りするのか。りんが膝を落として目線を合わせて話しかけます。おずおずと答える女の子。かれんはその様子に感心します。
りんとかれんが遅いことに心配する皆。うららはこの前(8話)みたいにケンカしているのでは?と心配します。のぞみは心配無いと答えます。この娘の場合、その信頼している理由を尋ねても論理的に合点のいく答えは出なさそうです。しかし、彼女の信頼している理由と確度は信頼性が高いです。
③志を見つけようとする者達
かれんも子ども相手には目線を合わせて応対します。わだかまりも無くなり、りんはかれんに手伝いのお礼を言います。かれんはりんが花屋が好きなことに感心します。的確な判断、応対の仕方、気持ちがこもっています。将来もああいう風に仕事しているのかと考えていたと話すかれん。
りんは将来や仕事のことが上手く想像することができず分からないようです。やりたいことがまだ見つかっていない。頷いて答えるかれん。彼女も見つかっていません。意外に感じるりん。かれんは生徒会長で成績優秀、先ほどの手伝いにしても上出来です。何でも出来る人なのに何故迷うのかと聞きます。
目の前の課題を処理することは出来ても、それが自分の将来の事になるのかどうか分からないかれん。能力が高いことと、将来の目的、夢を持てることとは別の問題です。能力が相対的に低いりんからすればかれんは何でも出来て何でも夢見ることが出来るように見えても、志向性を持つことは能力に依存しません。器用貧乏になってしまうことがある。
かれんは夢を持って一生懸命に頑張っているこまちやうららに羨ましさを感じます。自分の心情を話すぎたのか照れて話を変えようとするかれんにりんも自分の事を話します。りんはフットサルや今の生活に充実を感じています。でものぞみを見ているとあることに気づきます。のぞみは人のために、皆の先頭に立って一生懸命頑張っている。夢を持つことは凄い力を人に与える。自分が夢を見つけることができるのか自信が無いりん。お互い似ています。りんとかれんはお互いに夢を見つけたら最初に言う約束をします。
その様子を陰から見るブンビー。やりたいことなんて見つかるわけ無い君達に将来なんて無いんだからね、と独り言。今現在最も将来が無いどころか余命すら望みが無い人が言うセリフじゃありません。
④人の繋がり
店番が終わり花を持って帰るかれんとりん。そこに現れるブンビー。人の肩を揉んで機嫌を取っている場合じゃなかったとようやく本来の目的を思い出します。「一体何のこと?」と返すかれん。当然の反応です。ブンビーは仮面をイチョウの葉につけます。変身です。
戦闘開始。思わぬコワイナーの反撃に苦戦するプリキュア。ブンビーは自分の力をもってすれば枯葉にも絶大な力を与えることができる、君達も力が欲しいのではないか?と尋ねます。ふたりに夢と希望が無いことを知っているブンビー。息を呑むふたり。それは絶望だ、絶望の力が必要なのではないかと続けます。良い悪役セリフです。
しかしこのふたりを舐めてはいけません。意地っ張り同士。夢は必ず見つかる!を立ち上がります。攻撃を仕掛けるもいとも簡単に止めるブンビー。今日は強いぞ。夢は幻想だと言うブンビーにのぞみやこまち、うららは見つけていると反論するプリキュア。さらにそれが叶わなければ幻でありその先は絶望だと返すブンビー。今日のブンビーは頑張っています。自分でも今日は強いと言います。ロウソクの燃え尽きる直前みたいなもんですかね。
ふたりのトドメを刺そうとするブンビーにココナッツアタックが飛んできます。不意打ち専門です。現場に駆けつけるのぞみ達。変身です。三人なので同時変身でもちょっとだけ画面が広いです。
ドリームはふたりから大事なことを教えてもらったと言います。相手のことを想う気持ち、それをちゃんと伝えること。ミントが言葉を継ぎ、りんが結婚式のとき作ったティアラのことを話します。アクアのそばに居たミルクは自分が病気のときに看病してくれたことを話します。人を想い遣り、人を笑顔に出来る力、それが夢で希望なんだというレモネードとドリーム。自分のやってきたことを思い出し立ち上がろうと力を込めるふたり。
コワイナーにドリーム・レモネード・ミントが立ち向かいます。レモネード凄い動きしたな。しかし今日は強いブンビー。三人を阻みます。
どれほど傷ついても、相手がどんなに強くても、意思の力で何とでもしてしまうのがプリキュアの基本理念。何故なら、意思を持ち燃やすことは人に活力と可能性をもたらすからだ。必殺技を放つルージュ。防御するコワイナーにアクアが追撃します。ダブル必殺技に打ち砕かれるコワイナー。ブンビーは帰って肩揉み。何て情けない逃げ口上。
ふたりが持ってきた花はカトレア(紫の方)とシクラメン(ピンクの方)。花の種類が違うことに驚く皆ですが、ふたつの花を楽しめたら良いと思い選んだようです。皆を笑顔にしたかったと話すかれん。みんなその言葉に嬉しそうに応えます。
お茶の準備のため奥に行く皆。かれんはりんに少しだけやりたいことに気づいたと話しかけます。りんも同じようです。皆のおかげで気づいたことに気づくふたり。
⑤次回予告
ドリームライブの宣伝口調早いよ。
○トピック
プリキュア的シナリオ総集編。
今までやってきたことを思い出しながら今日の一歩、明日への一歩を踏み出していくこの物語はなんと前向きだろうか。
前回夢を持つこまちとうららの話の後で、夢を持たないかれんとりんの話を持っていくることで、夢を持つ人達の輝きを見せながら、夢を持たない(見つけようとする)人達にも希望ある明日を提示。決して誰も否定しないし、夢を持っている人の苦悩や、持っていない人の苦悩を描きながらもそれでも前進していけるこの意志力は気持ち良い。
夢を持っているこまちとうららが影響し合い、持たないかれんとりんも影響し合い、そして持っている人と持っていない人とでも影響し合う。それは夢を持つ・持たないことが問題なのではなく、常に人は他者との係わり合いの中でその出来事に影響される。夢を持つことが重要なのでも、夢を叶えることが重要なのでもない、その影響し合うことに人の可能性があることが最も重要。夢の在り方として、ドリーム達が語ったように他者に関係する何かがあることが夢であり希望となるという導き出し方はこの物語が今までやってきたことの上にある素敵な提示です。
自己の成長も夢もその実現も動機も目的も人と人との関わり合いの中で発見し成就させていくことが一貫しています。ああ、もう、良いねこの志向性。日常に転がる何気ないこと、雑事、能力の高低、年齢の違い、夢の有り無し、それらを含めて皆が関係していく中に大切なものがあることを教えてくれます。
日常や人の暮らしを洞察しそこから志向する物語、それは人が抱える普遍的な問題を浮き彫りにしてその解決に挑む物語であると言えます。
この手の問題解決は物質的な解決ではない。物質的に解決できるなら悩むことは無いからです。出来る・出来ないがハッキリする。それをするための条件を洗い出し、可能かどうか判断すればいい。選択に悩む程度ならば普遍的な悩みにはならない。
物質的ではないから精神的な問題というと語弊があるのだけど、その精神的な問題は大抵生きる意味や価値、幸福、自己実現の問題であることが多い。これらは物質的なことでは解決できないし、また誰も教えてはくれない。教えてくれてもそれを根っから信じない限りは疑念を挟む余地が残り、その疑念はくすぶり続ける。
この問題の解決には自らの心に響き信じるだけの確信が必要。これは自分の体験や獲得した認知によってなされる。その手助けをするのが普遍的な問題を解決しようと挑む物語。こういうのはなかなか見つからないし、普通一般的にはあまり求められない物語(エンタメ的な物語の需要の方が多い)でもあるのでこれが週一回かつ年間で見ることが出来るというのは嬉しいです。それが4年続いているのだから凄いよなぁ。飽きずにそういう風に見続けられる自分に自分で感心する。
この調子でシリーズが続く限りやって欲しいと思います。
第41話「伝わる気持ち こまちとうらら」
○今週の出来事
①最後の言葉
サンクルミエール学園図書館。執筆を続けるこまち。しかし筆が進みません。とあるセリフが出てこない。帰り道、うららを見つたこまちは声をかけますがうららは気づかずに通り過ぎていきます。台本に集中しています。
ナッツハウスで皆にドラマのオーディションを受けることになったと話すうらら。「恋のスカッシュ」という台本を持っています。甘酸っぱそうなタイトルですね。いっそレモンスカッシュならうらら主役取れそうです。
言葉が途切れるうらら。りんが演技を見て欲しいのだと察します。皆快諾します。ただしただの演技だけではなく最後のセリフを考えなければならないようです。勿論のぞみは皆で考えようと張り切ります。問題のそのセリフは、好きな相手との別れ際で自分の気持ちを伝える場面のようです。ハッとするこまち。おそらく同じことで悩んでいたのでしょう。
ビル。思うように仕事が進まないことを当て付けるように言うカワリーノ。ブラッディは焦ることも無く淡々と答えます。久々の出番です。
演技をするうららとナッツ。真剣に見守るのぞみ達。しかし台本のコピーいっぱいあるなぁ。そんなに貰えるのだろうか。ピンキーでコピーしたんだろうか。迫真の演技をするうららに対して「ああ」しか言わないナッツ。やる気ねー。「さよならは言えません」のセリフに反応するこまち。どうやらここが問題の個所らしい。のぞみがカット!と監督ばりに中断させます。うららを褒めますがナッツはダメダメです。元々ナッツの演技ではないので深くは追求しません。
最後のセリフはどうだったか?と尋ねるうらら。りんとかれんは良いと言います。考え込んでいたこまちに話を振るかれん。こまちはりんの言うとおり素直な気持ちで良かったと言います。期待した回答が得られなかったのか声と表情と落とすうらら。その反応にこまちも俯いてしまいます。
夕方の学校。悩み続けるうららとこまち。うららも自分で考えたセリフに納得しきれていません。こまちも何度も原稿を修正します。こまちからすれば共通の悩みを持っているうららですが、自分でも答えの出ていないことに対して良し悪しを言うことは出来ません。
景気付けなのか大量に昼食を用意するのぞみ達。多すぎる。しかしこれが彼女達の標準かちょっと多い量なのでしょうか。凡人たる私には一皿分でも食べきれるか自信がありません。それにしてもラーメン、ホットドッグ、ピザ、フライドポテト、カレーと何でも出すんだなこの学食。うららを応援するのぞみ達。
うららはこまちに最後のセリフはアレで良かったのかと単刀直入に聞きます。驚きながらも先の答えと同様素敵なセリフだと答えるこまち。うららは厳しい表情で「本当ですか」と聞き返します。鋭い。のぞみ達とは違ってこまちの答えには躊躇いがある。自身で納得していない言葉はどこか浮いている。言葉を返せないこまち。自分が失礼なことをしていると気づいたうららはその場を逃げるように立ち去ります。うららの後姿を見ながらこまちは何かを決します。
図書館の机の引き出しから原稿を取り出すこまち。私物化して良いんだろうか。当番が決まっていて暫くはこまちが専属的に使っているのでしょうか。度重なる書き直しで最早どこをどういう風に読んで良いのかも分からない原稿。
のぞみが声をかけます。りんとかれんも一緒です。うららが見つからないようです。先に帰ってしまったのではないかと言うりんとかれんにのぞみは学校にいると自信を持って答えます。まるで見たかのように確信しているのぞみ。うららが惚れるのも頷けます。何の根拠も無いのぞみの言葉に納得するりんとかれん。この信頼度の高さは凄い。うららを探して一緒に帰ります。こまちはうららの居場所に心当たりがあるようです。
②志を同じくする者達
サンクルミエール大講堂。舞台の上に座り込むうらら。カメラさんもうちょっと下のアングルからお願いします。うららの精神年齢は高い。5人の中で一番高いと言って良いくらいに安定しているし周囲の雰囲気や空気を読むのにも長けている。それが生得的なものなのか仕事経験による後天的なものかは分からないけど、見た目どおりの幼さではない。けど、だからといって必ずしも上手く立ち回り常に模範的なことが出来るわけではない。自分の浅慮な行動に落ち込むこともある。
うららが居たことに安心するこまち。やらねばならないことがあります。
うららにスポットライトが当たります。うららを呼ぶこまち。突然のことにも驚かず嬉しそうにこまちを見返すうらら。何故居場所が分かったのか尋ねるうららにこまちは理由は分からないけどここだと思ったと言います。
こまちは自分も同じことで悩んでいると打ち明けます。彼女自身が悩んでいるためにうららの悩みに答えることは出来ないながらも自分の書きかけの原稿を見せます。勿論そこには答えなど書かれていません。あるのは苦悩の痕跡。恥ずかしいのかすぐに原稿を隠すように腕で抱きしめます。力になれないことを謝ります。うららは何か大切なことが分かったような気がすると応えます。
こまちは突然にっこりと笑い、セリフを口にします。戸惑っていたうららは気づいてそれに応えてセリフを続けます。こまちは自分の意が伝わったことを悟りさらに続けます。
「目指す道は果てしなく遠いのにどうして行くのですか!?」
「空に太陽が昇るように、この道が希望へと続いているからです!」
ふたりとも笑い背中合わせに座ります。舞台の上で燦然と輝くライト。
「夢を追いかけるって大変なことですよね」
「でも、とっても幸せなことなのよ、きっと」
人は夢を抱く。それを追い求める。何故そうするのかは知らないけれど、そうすることを望む。あの職業になりたい、あれをしてみたい、ああなりたい。自らの目指すものを夢見て歩もうとする。実際、仮に職業なりその身分になったとしてもそこではまた違う問題が生じる。もしかしたらその現実は自分が夢見たことと違うものかもしれない。同じものでもやはりそこでは苦労や問題が待ち受ける。夢の実現は人に安息と満足を必ずしも与えない。だから、多分、夢の実現などに意味は無いんだと思う。そんなものは幻想だ。実現したとてそれで終わりではない。また新たな課題が出来るだけ。結婚した、子どもが出来た、子どもがどこの学校へ行く、どこの会社に勤める、誰と結婚する、さあ自分の老後はどうしよう。生きている限り予断なく現実は自分に突きつけられる。では、幸福や安息はどこにあるのか? 生きている中にある。何かを目指しているとき、何かを夢見ているとき、その生きようとしているときに人はそのための原動力を持ち動き続ける。その動き続けているとき、生きているときに人は安息と充実と幸福を感じ得る。と思う。大変なことは苦痛だ。しかしその苦痛が同時に幸せを生む。生きていることは動き続けることで、動き続けるには何かを心に抱き続けることだ。それは夢とそれに対する希望なのだろうと思う。諦めてはいけない。諦めれば生もそこで止まる。生きるには変化し続け動き続けなければいけない。
…ってなことを本気で考えることが出来るところにこの作品の真の価値と意味があります。個人的に。
「私、いつかこまちさんの書いた本を演じてみたい」
「私も今同じ事を考えていたの。いつか私が書いた本をうららさんが演じてくれたらって」
「言葉にしなくても気持ちって伝わるんですね!」
のぞみがやってきます。のぞみもうららがここに居ることを確信しています。こまちが居ることに気づくのぞみ。こまちは気持ちが分かる人がいることをうららに伝えます。頷くうらら。のぞみには何のことだか分かりません。こまちとうららふたりの秘密の話。
③以心伝心
拍手の音。ブラッディがいつの間にか席に付いています。いいなー、今のシーンを生で見られるなんて羨ましい。
想いが伝わるなどただの幻想だ、自分以外を信じるなど愚かだと素敵なことを言ってくれるブラッディ。仮面を使い講堂をコワイナー化させます。この人は閉鎖空間を好むのか。
変身。久しぶりに変身の予備動作を含めた変身です(微妙にフルバージョンではない)。こまちの予備動作はカッコイイ見所です。
気持ちが分からない2名。りんとかれん。普段の接し方が分かろうというものです。ココが「何か出た」ことを伝えます。
全方位からの攻撃に耐えるプリキュア。相互にフォローし合います。カッコイイ動きだ。その見事な連携にブラッディも褒めます。さらに力を加えます。三人を分断してしまいます。
講堂に来るりんとかれん。変身です。かれんも予備動作がカッコイイので見所です。コワイナーの攻撃を払いながら三人の救出に向かいます。
ミントを襲う巨大な手。間一髪回避します。仲間を呼ぶミントですが返事は返ってきません。分断され各個に攻撃されている状況ではお互いを知る術がありません。
迫りくる手をバリアで防ぐミント。気持ちなど届かないというブラッディに反論します。力が膨れ上がるミント。4人がそれに気づきます。光明が差し込みます。各自その光明に向かって必殺技を放ちます。起死回生の反撃にコワイナーは消滅します。
ミントとレモネードはあることに気づきます。答えは出ていた。
④今はまだ伝えない気持ち
演技を固めたうらら。良いね、カメラさん良いですよ。そのスカートのひらめき具合は素晴らしい。やれば出来るじゃないですか。
結局セリフは言わず相手を見つめる芝居にしました。こまちも自分の小説でそれを採用するようです。言葉のみが気持ちを伝える手段ではない。とはいえ、それが可能なのは相互の信頼関係が成り立っているときです。それは安易な言葉より難しい。一つの言葉を幾百の行動として築いていかなければならない。プリキュアはそれを素でやってしまっているので問題ないのですが。
そういえば小説にモデルがあるのか尋ねるうらら。その問いに慌てるこまち。ナッツがくしゃみをします。ち、違うと答えるこまち。何のことだか。こちらの方はまだ伝わらないようです。
⑤次回予告
りんとかれんはウマが合うって感じがする。
○トピック
終盤でうららとこまちの密かな関係。いや、別に他意はありませんよ。ほら、プリキュアってそういう話だし。
うららとこまちは5人の中でも明確に夢を持っている娘達で、また今回のようにお互いの夢を繋げることもできるふたりですね。今まで絡みが少ないことの方が不思議なくらい。
前回もそうだし、ずっとこのシリーズはそうなのだけど、バカ正直すぎるくらいこの作品は素直だわ。うららは自分の行動に落ち込んでしまうし、こまちは何とか応えようとする。だから素敵なんだけど。本心があってそれを取り囲むように幾重にも壁を張っていればその本心に気づくのは難しいし、気づけと言う方もどうかしている。自分を見せないように隠蔽しておきながらそれでイザという場面で気持ちが伝わらないのは当たり前のこと。
普段から彼女たちは素直で誠実だからイザという時にも相手の気持ちを察することができる。お互いにそれを望んでいる。だから言葉も要らない。
夢に向かって努力している彼女らが報われることは実は少ない(意外なほどに報われていない。こまちは賞を取っているわけでないし、うららも大役を演じることはない)、しかも苦悩ばかり。でも、彼女らは後悔していないし、むしろその中で充実すら感じている。夢を叶えることは重要だけれども、最も重要なのはその目標へ向かう中で抱くものや得るものなのではないのかと見ている私は思う。今が辛くても未来で幸せになろうと普通は思うけど、今が幸せで未来も幸せになるのが一番良い。では、幸せとは何だろうか。何をもってそう言えるか。それは己の自由を感じているとき、自分が意志のとおり進んでいると感じているとき。苦悩や逆境は関係ない。どんな辛いときでもそれに立ち向かう意志と覚悟があるとき人は己の自由を感じる、と思う。その自由が人の能力と可能性をさらに引き出す。多分。そうだったらいいな。
不定期的に書いていますが、私の感想はプリキュアの直接的な感想を書いたり、解釈書いたりする気がありません(それらは副産物です)。こういう自分が考えたことを書くのが目的です。
今回の悩みである大切な人と別れなければいけないときの言葉、態度についてはこの物語のラストにも関わってくると思われます。ココナッツミルクとの別れもそうでしょうし、もしかしたらのぞみ達自身もバラバラになるかもしれません。その時どう彼女らは行動するのか。別れの中にも未来と希望が溢れる物語であって欲しいですね。
①最後の言葉
サンクルミエール学園図書館。執筆を続けるこまち。しかし筆が進みません。とあるセリフが出てこない。帰り道、うららを見つたこまちは声をかけますがうららは気づかずに通り過ぎていきます。台本に集中しています。
ナッツハウスで皆にドラマのオーディションを受けることになったと話すうらら。「恋のスカッシュ」という台本を持っています。甘酸っぱそうなタイトルですね。いっそレモンスカッシュならうらら主役取れそうです。
言葉が途切れるうらら。りんが演技を見て欲しいのだと察します。皆快諾します。ただしただの演技だけではなく最後のセリフを考えなければならないようです。勿論のぞみは皆で考えようと張り切ります。問題のそのセリフは、好きな相手との別れ際で自分の気持ちを伝える場面のようです。ハッとするこまち。おそらく同じことで悩んでいたのでしょう。
ビル。思うように仕事が進まないことを当て付けるように言うカワリーノ。ブラッディは焦ることも無く淡々と答えます。久々の出番です。
演技をするうららとナッツ。真剣に見守るのぞみ達。しかし台本のコピーいっぱいあるなぁ。そんなに貰えるのだろうか。ピンキーでコピーしたんだろうか。迫真の演技をするうららに対して「ああ」しか言わないナッツ。やる気ねー。「さよならは言えません」のセリフに反応するこまち。どうやらここが問題の個所らしい。のぞみがカット!と監督ばりに中断させます。うららを褒めますがナッツはダメダメです。元々ナッツの演技ではないので深くは追求しません。
最後のセリフはどうだったか?と尋ねるうらら。りんとかれんは良いと言います。考え込んでいたこまちに話を振るかれん。こまちはりんの言うとおり素直な気持ちで良かったと言います。期待した回答が得られなかったのか声と表情と落とすうらら。その反応にこまちも俯いてしまいます。
夕方の学校。悩み続けるうららとこまち。うららも自分で考えたセリフに納得しきれていません。こまちも何度も原稿を修正します。こまちからすれば共通の悩みを持っているうららですが、自分でも答えの出ていないことに対して良し悪しを言うことは出来ません。
景気付けなのか大量に昼食を用意するのぞみ達。多すぎる。しかしこれが彼女達の標準かちょっと多い量なのでしょうか。凡人たる私には一皿分でも食べきれるか自信がありません。それにしてもラーメン、ホットドッグ、ピザ、フライドポテト、カレーと何でも出すんだなこの学食。うららを応援するのぞみ達。
うららはこまちに最後のセリフはアレで良かったのかと単刀直入に聞きます。驚きながらも先の答えと同様素敵なセリフだと答えるこまち。うららは厳しい表情で「本当ですか」と聞き返します。鋭い。のぞみ達とは違ってこまちの答えには躊躇いがある。自身で納得していない言葉はどこか浮いている。言葉を返せないこまち。自分が失礼なことをしていると気づいたうららはその場を逃げるように立ち去ります。うららの後姿を見ながらこまちは何かを決します。
図書館の机の引き出しから原稿を取り出すこまち。私物化して良いんだろうか。当番が決まっていて暫くはこまちが専属的に使っているのでしょうか。度重なる書き直しで最早どこをどういう風に読んで良いのかも分からない原稿。
のぞみが声をかけます。りんとかれんも一緒です。うららが見つからないようです。先に帰ってしまったのではないかと言うりんとかれんにのぞみは学校にいると自信を持って答えます。まるで見たかのように確信しているのぞみ。うららが惚れるのも頷けます。何の根拠も無いのぞみの言葉に納得するりんとかれん。この信頼度の高さは凄い。うららを探して一緒に帰ります。こまちはうららの居場所に心当たりがあるようです。
②志を同じくする者達
サンクルミエール大講堂。舞台の上に座り込むうらら。カメラさんもうちょっと下のアングルからお願いします。うららの精神年齢は高い。5人の中で一番高いと言って良いくらいに安定しているし周囲の雰囲気や空気を読むのにも長けている。それが生得的なものなのか仕事経験による後天的なものかは分からないけど、見た目どおりの幼さではない。けど、だからといって必ずしも上手く立ち回り常に模範的なことが出来るわけではない。自分の浅慮な行動に落ち込むこともある。
うららが居たことに安心するこまち。やらねばならないことがあります。
うららにスポットライトが当たります。うららを呼ぶこまち。突然のことにも驚かず嬉しそうにこまちを見返すうらら。何故居場所が分かったのか尋ねるうららにこまちは理由は分からないけどここだと思ったと言います。
こまちは自分も同じことで悩んでいると打ち明けます。彼女自身が悩んでいるためにうららの悩みに答えることは出来ないながらも自分の書きかけの原稿を見せます。勿論そこには答えなど書かれていません。あるのは苦悩の痕跡。恥ずかしいのかすぐに原稿を隠すように腕で抱きしめます。力になれないことを謝ります。うららは何か大切なことが分かったような気がすると応えます。
こまちは突然にっこりと笑い、セリフを口にします。戸惑っていたうららは気づいてそれに応えてセリフを続けます。こまちは自分の意が伝わったことを悟りさらに続けます。
「目指す道は果てしなく遠いのにどうして行くのですか!?」
「空に太陽が昇るように、この道が希望へと続いているからです!」
ふたりとも笑い背中合わせに座ります。舞台の上で燦然と輝くライト。
「夢を追いかけるって大変なことですよね」
「でも、とっても幸せなことなのよ、きっと」
人は夢を抱く。それを追い求める。何故そうするのかは知らないけれど、そうすることを望む。あの職業になりたい、あれをしてみたい、ああなりたい。自らの目指すものを夢見て歩もうとする。実際、仮に職業なりその身分になったとしてもそこではまた違う問題が生じる。もしかしたらその現実は自分が夢見たことと違うものかもしれない。同じものでもやはりそこでは苦労や問題が待ち受ける。夢の実現は人に安息と満足を必ずしも与えない。だから、多分、夢の実現などに意味は無いんだと思う。そんなものは幻想だ。実現したとてそれで終わりではない。また新たな課題が出来るだけ。結婚した、子どもが出来た、子どもがどこの学校へ行く、どこの会社に勤める、誰と結婚する、さあ自分の老後はどうしよう。生きている限り予断なく現実は自分に突きつけられる。では、幸福や安息はどこにあるのか? 生きている中にある。何かを目指しているとき、何かを夢見ているとき、その生きようとしているときに人はそのための原動力を持ち動き続ける。その動き続けているとき、生きているときに人は安息と充実と幸福を感じ得る。と思う。大変なことは苦痛だ。しかしその苦痛が同時に幸せを生む。生きていることは動き続けることで、動き続けるには何かを心に抱き続けることだ。それは夢とそれに対する希望なのだろうと思う。諦めてはいけない。諦めれば生もそこで止まる。生きるには変化し続け動き続けなければいけない。
…ってなことを本気で考えることが出来るところにこの作品の真の価値と意味があります。個人的に。
「私、いつかこまちさんの書いた本を演じてみたい」
「私も今同じ事を考えていたの。いつか私が書いた本をうららさんが演じてくれたらって」
「言葉にしなくても気持ちって伝わるんですね!」
のぞみがやってきます。のぞみもうららがここに居ることを確信しています。こまちが居ることに気づくのぞみ。こまちは気持ちが分かる人がいることをうららに伝えます。頷くうらら。のぞみには何のことだか分かりません。こまちとうららふたりの秘密の話。
③以心伝心
拍手の音。ブラッディがいつの間にか席に付いています。いいなー、今のシーンを生で見られるなんて羨ましい。
想いが伝わるなどただの幻想だ、自分以外を信じるなど愚かだと素敵なことを言ってくれるブラッディ。仮面を使い講堂をコワイナー化させます。この人は閉鎖空間を好むのか。
変身。久しぶりに変身の予備動作を含めた変身です(微妙にフルバージョンではない)。こまちの予備動作はカッコイイ見所です。
気持ちが分からない2名。りんとかれん。普段の接し方が分かろうというものです。ココが「何か出た」ことを伝えます。
全方位からの攻撃に耐えるプリキュア。相互にフォローし合います。カッコイイ動きだ。その見事な連携にブラッディも褒めます。さらに力を加えます。三人を分断してしまいます。
講堂に来るりんとかれん。変身です。かれんも予備動作がカッコイイので見所です。コワイナーの攻撃を払いながら三人の救出に向かいます。
ミントを襲う巨大な手。間一髪回避します。仲間を呼ぶミントですが返事は返ってきません。分断され各個に攻撃されている状況ではお互いを知る術がありません。
迫りくる手をバリアで防ぐミント。気持ちなど届かないというブラッディに反論します。力が膨れ上がるミント。4人がそれに気づきます。光明が差し込みます。各自その光明に向かって必殺技を放ちます。起死回生の反撃にコワイナーは消滅します。
ミントとレモネードはあることに気づきます。答えは出ていた。
④今はまだ伝えない気持ち
演技を固めたうらら。良いね、カメラさん良いですよ。そのスカートのひらめき具合は素晴らしい。やれば出来るじゃないですか。
結局セリフは言わず相手を見つめる芝居にしました。こまちも自分の小説でそれを採用するようです。言葉のみが気持ちを伝える手段ではない。とはいえ、それが可能なのは相互の信頼関係が成り立っているときです。それは安易な言葉より難しい。一つの言葉を幾百の行動として築いていかなければならない。プリキュアはそれを素でやってしまっているので問題ないのですが。
そういえば小説にモデルがあるのか尋ねるうらら。その問いに慌てるこまち。ナッツがくしゃみをします。ち、違うと答えるこまち。何のことだか。こちらの方はまだ伝わらないようです。
⑤次回予告
りんとかれんはウマが合うって感じがする。
○トピック
終盤でうららとこまちの密かな関係。いや、別に他意はありませんよ。ほら、プリキュアってそういう話だし。
うららとこまちは5人の中でも明確に夢を持っている娘達で、また今回のようにお互いの夢を繋げることもできるふたりですね。今まで絡みが少ないことの方が不思議なくらい。
前回もそうだし、ずっとこのシリーズはそうなのだけど、バカ正直すぎるくらいこの作品は素直だわ。うららは自分の行動に落ち込んでしまうし、こまちは何とか応えようとする。だから素敵なんだけど。本心があってそれを取り囲むように幾重にも壁を張っていればその本心に気づくのは難しいし、気づけと言う方もどうかしている。自分を見せないように隠蔽しておきながらそれでイザという場面で気持ちが伝わらないのは当たり前のこと。
普段から彼女たちは素直で誠実だからイザという時にも相手の気持ちを察することができる。お互いにそれを望んでいる。だから言葉も要らない。
夢に向かって努力している彼女らが報われることは実は少ない(意外なほどに報われていない。こまちは賞を取っているわけでないし、うららも大役を演じることはない)、しかも苦悩ばかり。でも、彼女らは後悔していないし、むしろその中で充実すら感じている。夢を叶えることは重要だけれども、最も重要なのはその目標へ向かう中で抱くものや得るものなのではないのかと見ている私は思う。今が辛くても未来で幸せになろうと普通は思うけど、今が幸せで未来も幸せになるのが一番良い。では、幸せとは何だろうか。何をもってそう言えるか。それは己の自由を感じているとき、自分が意志のとおり進んでいると感じているとき。苦悩や逆境は関係ない。どんな辛いときでもそれに立ち向かう意志と覚悟があるとき人は己の自由を感じる、と思う。その自由が人の能力と可能性をさらに引き出す。多分。そうだったらいいな。
不定期的に書いていますが、私の感想はプリキュアの直接的な感想を書いたり、解釈書いたりする気がありません(それらは副産物です)。こういう自分が考えたことを書くのが目的です。
今回の悩みである大切な人と別れなければいけないときの言葉、態度についてはこの物語のラストにも関わってくると思われます。ココナッツミルクとの別れもそうでしょうし、もしかしたらのぞみ達自身もバラバラになるかもしれません。その時どう彼女らは行動するのか。別れの中にも未来と希望が溢れる物語であって欲しいですね。
第40話「理事長の正体を探れ!」
○今週の出来事
①謎の理事長
学園の七不思議。理事長の正体を探る増子さん。どうやらこの学園の理事長を生徒は見たことがないようです。おタカさんが理事長なので当然と言えば当然なのですが、理事長と会ったことがないというのも変な話です。あ、でも、私自分の勤めている会社の社長と会ったことないや。ちなみに、サンクルミエール通信のかれんの記事には以前あった部費問題についての話もあって細かいです。
記事を見る一同にかれんも生徒の意見を直接言いたいと話します。もっともな意見です。そこにおタカさんが通りかかります。事情があるんじゃないの?と隠蔽工作を行いますが、やはり理事長を知らないのはおかしいという当然の疑問は拭えません。今までの対応は全て教頭先生が行っていたようです。優秀ですね。
理事長を知りたい! 困ったとため息をつくおタカさん。
ビル。ハデーニャの肩を揉むブンビー。この人何やってんだ。どこまで身を落とせばいいんだ。そんなブンビーさんが好きです。
揉みながらデスパライアの素顔を見たことがあるかと尋ねるブンビー。ハデーニャも見たことがないようです。隠す理由があるのか?と疑問を抱くブンビー。カワリーノが現れて何か不満でも?と寄ってきます。地獄耳かね。
側近のカワリーノなら見たことがあるんじゃないの?と皮肉を込めて尋ねるハデーニャ。カワリーノは見たこともないし、思わないと返します。その答えを聞き流しながら一番偉い人は人前に姿をさらすものではない、と言うハデーニャ。その方が重々しくなると言います。威厳を出すためですか。正体を見ようとした者は罰を受けるとブンビーを脅かしながら去っていくハデーニャ。
昼食。りんが遅れてやってきます。どうやら旧校舎のレンガの塀が崩れそうだという話を聞いて見てきたようです。何でまた? んでも旧校舎というと。ローゼット伯爵との出会いを思い出すのぞみ。照れるりん。生徒会長であるかれんは旧校舎の痛み具合を心配します。壊れてケガ人が出ないとは限りません。その会話を聞くおタカさん。
かれんのところにやってくる2人の女子生徒。何かこう、プリキュアの世界では浮いた感じというか、今風な人達です。何か声が慣れてないような気がしましたが、この子達はプリキュアの歌を歌っている人です。名前もまんま工藤真由、宮元佳那子。どさくさにまぎれて意外と豪快なサプライズネタを仕込むなぁ。
用件は紛失していた靴が見つかったこと。どうやら最近靴やらタオルやらがなくなるようです。一応言っておきますが私じゃないですよ。
ココが後で調べてみると出てきます。かれんも同行。と思ったらのぞみも立候補。それにつられてりんとうららも。りんとうららは一瞬の間に「チャンス!」「りんさん(うらら)に出し抜かれるわけにはいかない!」と火花を散らしたと勝手に妄想しておきます。
その様子を見続けるおタカさん。
②理事長の手腕
裏庭を探索する一同。タオルが見つかります。不振な物音。機敏に察知する皆。のぞみとうららの反応が面白い。りんも怖がりなので後ろに隠れます。かれんだけ怖がる様子もなく堂々と視線を向けます。強そうだな。
現れたのは教頭先生。腕には子犬が抱えられています。理事長から探索を依頼されたようです。紛失の件も知っているようです。子犬を撫で回すのぞみとうらら。りんのリアクションが面白いなぁ。犬が苦手なのか。でも可愛いから触りたい様子。
紛失事件の犯人は子犬だと分かりましたが、ではこの子犬はどこから?
翌日。旧校舎にやってくる一同。すでに業者が入って修繕作業を始めています。早い。どうやらこれに限らずこの学園は対応が早いらしい。作業を見ていた教頭先生が説明します。この作業も理事長の指示です。子犬の侵入経路だと思われます。
細かいことにも気づく理事長。ますます会ってみたくなるりん達。教頭先生はもちろん理事長と会ったことがあります。どんな人かと聞かれて「とても素敵な人ですよ」と答えます。
ナッツハウスで団欒。しかしかれんだけ神妙な面持ちです。理事長と会いたい気持ちを強めるかれん。生徒のことを考えてくれている理事長にお礼を言いたいし、増子さんの取材でコメントしてしまった不満を詫びたいと考えています。後ろめたいことをしてしまったという気持ちは心に残るものです。特に立場上かれんは生徒会長なので責任も大きく生徒の代表としての謝辞もあるでしょう。
実はココも理事長と会ったことがないようです。それはどうなんだ。ミルクもパルミエではココナッツは皆の前に出てきて話をしてくれたと言います。理事長がどんな人なのか知りたい欲求と何故表に出てこないのか。気になるところです。(大方の予想は付いていますが)
ナッツがストレートになら会えばいいとかれんに言います。悩んでも解決しないことは実行してみる。分かりやすくまた実践的です。そうとなれば、もちろんのぞみが皆で行こうと言い出します。リーダーは皆を引っ張ってこそです。この強引さが時に人を救うことがあります。
真新しくなった旧校舎の塀。不振人物が入ってきます。
③偽者
かれんの後ろについていくのぞみ達。何故かココナッツミルクまで一緒です。教頭室の前まで来ます。理事長室は教頭室の奥のようです。ノックをしても返事がありません。ノブに触れると空いてしまいます。中は無人です。理事長室から声がします。声に答え、誘われるままに部屋へと入ります。
教頭室の机の奥で気を失っている教頭先生と理事長。
外を向いている理事長(らしき人)。のぞみ達の方は見ないまま会話を続けます。お礼とお詫びを言いに来たと言うのぞみ達に「図々しい子達」と答える理事長。ショックを受けるうらら達ですが、のぞみは目の前にいる人が理事長ではないとハッキリと言います。学校のために尽力している人がそんなことを言うはずがない。かなり凄い発言です。物語上のご都合とも言えますが、こう言えるのはのぞみの特性でもあります。状況的に多少不自然なところがありますが、ココナッツが警戒しているわけではないので、ナイトメアだとは確信が持てません。本当に理事長である可能性がある中でこう断言できる胆力と洞察は凄い。かれん、こまち、うららはショックを受けたし、りんは反発している中で一人だけ冷静に相手を見ています。のぞみは言動や思慮が幼く確かに未熟なのですが、それと同時に純粋な洞察力を持っています。だから彼女は時におバカに見えるし時に大人顔負けの洞察を見せる。願わくば後者を維持したまま成長して欲しいと思う。
正体を現すハデーニャ。空間を変えて戦闘モードにします。新しいレンガの壁に仮面をとりつけます。レンガが集まり、ムカデコワイナーに。待て待て、何でレンガがムカデに? 変身です。
突進してくるコワイナー。息が合っているアクアとルージュが飛び蹴りをあびせます。貫通しますがすぐに再生されるコワイナー。素材がレンガなので容易なのでしょうか。纏めてコワイナーに捕縛されてしまうプリキュア。理事長や学校を蔑むハデーニャ。理事長と教頭先生と学校を守るため力を合わせる4人。何とか隙間を作ってドリームが抜け出し反撃。捕縛を逃れたアクアとドリームの必殺技で倒します。
④理事長の正体
教頭室に戻ると奥に倒れているふたりを見つけます。見慣れない、いや見知った顔の女性。見慣れない格好をしたこのよく知った顔の女性はおタカさんです。同じブローチをしています。意識を取り戻すおタカさん。のぞみ達に気づき、自分が見られてしまったことに気づきます。簡単に事情を説明するかれんとこまち。教頭先生も意識を取り戻し、おタカさんを理事長と呼んでしまいます。疑念は確信になります。慌てる教頭先生。おタカさんは認めてしまいます。理事長室へ案内します。ここにいると理事長に怒られると言うのぞみ。まさかとは思っていたけどやっぱり気づいてねー。
⑤分かち合うため
改めて理事長室に入るおタカさんとのぞみ達。理事長の椅子に座るおタカさん。のぞみが良いの?と聞きます。まだ分かっていません。りんはおタカさんが理事長なのだと説明します。驚くのぞみ、とうらら。お前もか。聡いわりに抜けているなぁ。のぞみに合わせて驚いて見せたんなら納得ですけど。勘弁してよ、とうなだれるりん。気持ちは分かる。
何故理事長が売店で働いているのか? もっともな疑問を口にするこまち。
理事長は答えます。理事長をする前はこの学園の先生をしていた。毎日生徒達と話し相談にのった楽しい日々。しかし理事長になってしまい生徒達と距離が出来てしまいました。例え昨日まで身近に接していた先生でも役職が変わり理事長となれば生徒から見れば遠い存在になる。職務上ずっと傍にいることも出来ない。顔を合わせることも減り話すことも減れば疎遠になってしまう。生徒達が感じている気持ち、悩み、意見を近くで聞きたいと考えた彼女は身近にいられるようにしたと言います。理事長であることを伏せていたのも要らぬ壁(理事長と知っていれば気軽に話しにくくなる)を払うためでしょうか。
話を聞いて快く思う皆。のぞみは理事長が作ったカレーを食べていたことに気づきます。うららもスパゲッテイもですと相槌を打ちます。ボケボケですが、正しく綺麗で純粋な関係を表す一つの認識です。心だけでなく、実際の行為として、彼女たちはそれを分かち合っています(のぞみとうららの話を聞いた時のおタカさんの表情がとても嬉しそう)。
かれんは理事長の考えに気づかないまま不満を感じていたことや不躾に来てしまったことを詫びます。そして会えたことを喜びます。理事長もかれんが素晴らしい生徒会長であると認めます。そして周りにいる友達のことも。美辞麗句ではなく、本当に身近で見てきた人の言葉。
理事長は今後も身近にいたいので内緒にして欲しいと頼みます。おタカさんの声で「よろしくね」「はい」
昼食。ふらふらとやってくる増子さん。理事長の正体を探っているけど糸口が見つからないようです。何か知らない?と聞く増子さんにのぞみは「秘密なんだ」と言います。このアホは。それは知っているという意味だろうが。
かれんは理事長を詮索することをやめると言います。この前までとは打って変わって落ち着いた五人。それはそれとして、次号の特集はどうしようかと悩む増子さん。そこを通りかかるおタカさん。試作の菓子パンを持ってきました。新聞のネタにどう?とナイスフォロー。こういうきめ細かいことが出来るのも普段接しているからこそ。
万事平穏。
⑥次回予告
脚本こまち。主演うらら。「ばいばーい、また明日」明日が無いから困っていることに気づきなさいな、のぞみさん。
○トピック
視聴者は14話の部費騒動のときにおタカさんが理事長であることを知っていますが、のぞみ達どころか生徒達は誰も知らなかった事実がついに明らかに。
このアニメは大人がとにかくカッコイイ。大人が子どもに教え、諭し、導くときの落ち着いた態度、素朴な雰囲気が素晴らしい。
組織のトップが正体を隠すというのはヒーロー番組の敵組織にはよくあることですが、ナイトメアにいるハデーニャは威厳や風格を高めることになると言います。権力者の持つ力を増大させるために行う。だから正体を見ようとするものには罰を与えるという論理。支配者(支配層)の考えですね。
それに対して、我らがおタカさんは素朴に身近にいたいから。理由は大体察したとおりでしたが、おタカさんの求めたものは権力者のソレではなく皆の声。
集団化、組織化された中では役職はその人の行動を制限します。そのためにどうしても人から遠ざかってしまうことがあります。それをそういうもんだと合理的に割り切ってしまうこともできますが、その中で役職を隠してでも直接接していたい、知りたいと皆に混ざろうと考えることもできます。これが単に感情的に心地いいからというのではなく、ちゃんと作品内では結果を出しているところが実践的です。きちんと生徒の声を聞き、子犬を探し、壁を直す。学校と生徒のためになっています。人と人が直接話し、気持ちを理解し、見守り心配する中でキチンと結果を出すことが出来るものとして理想論ではなく、実践的手法になっています。シリーズの中でおタカさんのように見守る人が登場してきましたが、その心遣いが結果も出せるというのはより実際的な態度ですね。
そして物凄く地味に、当たり前に、自然に、番組上の都合と相まって、他者と接し分かち合うことをやってのけるのがのぞみだったりします。理事長はかれんが彼女一人ではなく仲間と共にいることを喜びました。のぞみが「けって~い」と言う度に周囲を巻き込むのですが、それが彼女達の経験になり共有になり成長になっていますね。
①謎の理事長
学園の七不思議。理事長の正体を探る増子さん。どうやらこの学園の理事長を生徒は見たことがないようです。おタカさんが理事長なので当然と言えば当然なのですが、理事長と会ったことがないというのも変な話です。あ、でも、私自分の勤めている会社の社長と会ったことないや。ちなみに、サンクルミエール通信のかれんの記事には以前あった部費問題についての話もあって細かいです。
記事を見る一同にかれんも生徒の意見を直接言いたいと話します。もっともな意見です。そこにおタカさんが通りかかります。事情があるんじゃないの?と隠蔽工作を行いますが、やはり理事長を知らないのはおかしいという当然の疑問は拭えません。今までの対応は全て教頭先生が行っていたようです。優秀ですね。
理事長を知りたい! 困ったとため息をつくおタカさん。
ビル。ハデーニャの肩を揉むブンビー。この人何やってんだ。どこまで身を落とせばいいんだ。そんなブンビーさんが好きです。
揉みながらデスパライアの素顔を見たことがあるかと尋ねるブンビー。ハデーニャも見たことがないようです。隠す理由があるのか?と疑問を抱くブンビー。カワリーノが現れて何か不満でも?と寄ってきます。地獄耳かね。
側近のカワリーノなら見たことがあるんじゃないの?と皮肉を込めて尋ねるハデーニャ。カワリーノは見たこともないし、思わないと返します。その答えを聞き流しながら一番偉い人は人前に姿をさらすものではない、と言うハデーニャ。その方が重々しくなると言います。威厳を出すためですか。正体を見ようとした者は罰を受けるとブンビーを脅かしながら去っていくハデーニャ。
昼食。りんが遅れてやってきます。どうやら旧校舎のレンガの塀が崩れそうだという話を聞いて見てきたようです。何でまた? んでも旧校舎というと。ローゼット伯爵との出会いを思い出すのぞみ。照れるりん。生徒会長であるかれんは旧校舎の痛み具合を心配します。壊れてケガ人が出ないとは限りません。その会話を聞くおタカさん。
かれんのところにやってくる2人の女子生徒。何かこう、プリキュアの世界では浮いた感じというか、今風な人達です。何か声が慣れてないような気がしましたが、この子達はプリキュアの歌を歌っている人です。名前もまんま工藤真由、宮元佳那子。どさくさにまぎれて意外と豪快なサプライズネタを仕込むなぁ。
用件は紛失していた靴が見つかったこと。どうやら最近靴やらタオルやらがなくなるようです。一応言っておきますが私じゃないですよ。
ココが後で調べてみると出てきます。かれんも同行。と思ったらのぞみも立候補。それにつられてりんとうららも。りんとうららは一瞬の間に「チャンス!」「りんさん(うらら)に出し抜かれるわけにはいかない!」と火花を散らしたと勝手に妄想しておきます。
その様子を見続けるおタカさん。
②理事長の手腕
裏庭を探索する一同。タオルが見つかります。不振な物音。機敏に察知する皆。のぞみとうららの反応が面白い。りんも怖がりなので後ろに隠れます。かれんだけ怖がる様子もなく堂々と視線を向けます。強そうだな。
現れたのは教頭先生。腕には子犬が抱えられています。理事長から探索を依頼されたようです。紛失の件も知っているようです。子犬を撫で回すのぞみとうらら。りんのリアクションが面白いなぁ。犬が苦手なのか。でも可愛いから触りたい様子。
紛失事件の犯人は子犬だと分かりましたが、ではこの子犬はどこから?
翌日。旧校舎にやってくる一同。すでに業者が入って修繕作業を始めています。早い。どうやらこれに限らずこの学園は対応が早いらしい。作業を見ていた教頭先生が説明します。この作業も理事長の指示です。子犬の侵入経路だと思われます。
細かいことにも気づく理事長。ますます会ってみたくなるりん達。教頭先生はもちろん理事長と会ったことがあります。どんな人かと聞かれて「とても素敵な人ですよ」と答えます。
ナッツハウスで団欒。しかしかれんだけ神妙な面持ちです。理事長と会いたい気持ちを強めるかれん。生徒のことを考えてくれている理事長にお礼を言いたいし、増子さんの取材でコメントしてしまった不満を詫びたいと考えています。後ろめたいことをしてしまったという気持ちは心に残るものです。特に立場上かれんは生徒会長なので責任も大きく生徒の代表としての謝辞もあるでしょう。
実はココも理事長と会ったことがないようです。それはどうなんだ。ミルクもパルミエではココナッツは皆の前に出てきて話をしてくれたと言います。理事長がどんな人なのか知りたい欲求と何故表に出てこないのか。気になるところです。(大方の予想は付いていますが)
ナッツがストレートになら会えばいいとかれんに言います。悩んでも解決しないことは実行してみる。分かりやすくまた実践的です。そうとなれば、もちろんのぞみが皆で行こうと言い出します。リーダーは皆を引っ張ってこそです。この強引さが時に人を救うことがあります。
真新しくなった旧校舎の塀。不振人物が入ってきます。
③偽者
かれんの後ろについていくのぞみ達。何故かココナッツミルクまで一緒です。教頭室の前まで来ます。理事長室は教頭室の奥のようです。ノックをしても返事がありません。ノブに触れると空いてしまいます。中は無人です。理事長室から声がします。声に答え、誘われるままに部屋へと入ります。
教頭室の机の奥で気を失っている教頭先生と理事長。
外を向いている理事長(らしき人)。のぞみ達の方は見ないまま会話を続けます。お礼とお詫びを言いに来たと言うのぞみ達に「図々しい子達」と答える理事長。ショックを受けるうらら達ですが、のぞみは目の前にいる人が理事長ではないとハッキリと言います。学校のために尽力している人がそんなことを言うはずがない。かなり凄い発言です。物語上のご都合とも言えますが、こう言えるのはのぞみの特性でもあります。状況的に多少不自然なところがありますが、ココナッツが警戒しているわけではないので、ナイトメアだとは確信が持てません。本当に理事長である可能性がある中でこう断言できる胆力と洞察は凄い。かれん、こまち、うららはショックを受けたし、りんは反発している中で一人だけ冷静に相手を見ています。のぞみは言動や思慮が幼く確かに未熟なのですが、それと同時に純粋な洞察力を持っています。だから彼女は時におバカに見えるし時に大人顔負けの洞察を見せる。願わくば後者を維持したまま成長して欲しいと思う。
正体を現すハデーニャ。空間を変えて戦闘モードにします。新しいレンガの壁に仮面をとりつけます。レンガが集まり、ムカデコワイナーに。待て待て、何でレンガがムカデに? 変身です。
突進してくるコワイナー。息が合っているアクアとルージュが飛び蹴りをあびせます。貫通しますがすぐに再生されるコワイナー。素材がレンガなので容易なのでしょうか。纏めてコワイナーに捕縛されてしまうプリキュア。理事長や学校を蔑むハデーニャ。理事長と教頭先生と学校を守るため力を合わせる4人。何とか隙間を作ってドリームが抜け出し反撃。捕縛を逃れたアクアとドリームの必殺技で倒します。
④理事長の正体
教頭室に戻ると奥に倒れているふたりを見つけます。見慣れない、いや見知った顔の女性。見慣れない格好をしたこのよく知った顔の女性はおタカさんです。同じブローチをしています。意識を取り戻すおタカさん。のぞみ達に気づき、自分が見られてしまったことに気づきます。簡単に事情を説明するかれんとこまち。教頭先生も意識を取り戻し、おタカさんを理事長と呼んでしまいます。疑念は確信になります。慌てる教頭先生。おタカさんは認めてしまいます。理事長室へ案内します。ここにいると理事長に怒られると言うのぞみ。まさかとは思っていたけどやっぱり気づいてねー。
⑤分かち合うため
改めて理事長室に入るおタカさんとのぞみ達。理事長の椅子に座るおタカさん。のぞみが良いの?と聞きます。まだ分かっていません。りんはおタカさんが理事長なのだと説明します。驚くのぞみ、とうらら。お前もか。聡いわりに抜けているなぁ。のぞみに合わせて驚いて見せたんなら納得ですけど。勘弁してよ、とうなだれるりん。気持ちは分かる。
何故理事長が売店で働いているのか? もっともな疑問を口にするこまち。
理事長は答えます。理事長をする前はこの学園の先生をしていた。毎日生徒達と話し相談にのった楽しい日々。しかし理事長になってしまい生徒達と距離が出来てしまいました。例え昨日まで身近に接していた先生でも役職が変わり理事長となれば生徒から見れば遠い存在になる。職務上ずっと傍にいることも出来ない。顔を合わせることも減り話すことも減れば疎遠になってしまう。生徒達が感じている気持ち、悩み、意見を近くで聞きたいと考えた彼女は身近にいられるようにしたと言います。理事長であることを伏せていたのも要らぬ壁(理事長と知っていれば気軽に話しにくくなる)を払うためでしょうか。
話を聞いて快く思う皆。のぞみは理事長が作ったカレーを食べていたことに気づきます。うららもスパゲッテイもですと相槌を打ちます。ボケボケですが、正しく綺麗で純粋な関係を表す一つの認識です。心だけでなく、実際の行為として、彼女たちはそれを分かち合っています(のぞみとうららの話を聞いた時のおタカさんの表情がとても嬉しそう)。
かれんは理事長の考えに気づかないまま不満を感じていたことや不躾に来てしまったことを詫びます。そして会えたことを喜びます。理事長もかれんが素晴らしい生徒会長であると認めます。そして周りにいる友達のことも。美辞麗句ではなく、本当に身近で見てきた人の言葉。
理事長は今後も身近にいたいので内緒にして欲しいと頼みます。おタカさんの声で「よろしくね」「はい」
昼食。ふらふらとやってくる増子さん。理事長の正体を探っているけど糸口が見つからないようです。何か知らない?と聞く増子さんにのぞみは「秘密なんだ」と言います。このアホは。それは知っているという意味だろうが。
かれんは理事長を詮索することをやめると言います。この前までとは打って変わって落ち着いた五人。それはそれとして、次号の特集はどうしようかと悩む増子さん。そこを通りかかるおタカさん。試作の菓子パンを持ってきました。新聞のネタにどう?とナイスフォロー。こういうきめ細かいことが出来るのも普段接しているからこそ。
万事平穏。
⑥次回予告
脚本こまち。主演うらら。「ばいばーい、また明日」明日が無いから困っていることに気づきなさいな、のぞみさん。
○トピック
視聴者は14話の部費騒動のときにおタカさんが理事長であることを知っていますが、のぞみ達どころか生徒達は誰も知らなかった事実がついに明らかに。
このアニメは大人がとにかくカッコイイ。大人が子どもに教え、諭し、導くときの落ち着いた態度、素朴な雰囲気が素晴らしい。
組織のトップが正体を隠すというのはヒーロー番組の敵組織にはよくあることですが、ナイトメアにいるハデーニャは威厳や風格を高めることになると言います。権力者の持つ力を増大させるために行う。だから正体を見ようとするものには罰を与えるという論理。支配者(支配層)の考えですね。
それに対して、我らがおタカさんは素朴に身近にいたいから。理由は大体察したとおりでしたが、おタカさんの求めたものは権力者のソレではなく皆の声。
集団化、組織化された中では役職はその人の行動を制限します。そのためにどうしても人から遠ざかってしまうことがあります。それをそういうもんだと合理的に割り切ってしまうこともできますが、その中で役職を隠してでも直接接していたい、知りたいと皆に混ざろうと考えることもできます。これが単に感情的に心地いいからというのではなく、ちゃんと作品内では結果を出しているところが実践的です。きちんと生徒の声を聞き、子犬を探し、壁を直す。学校と生徒のためになっています。人と人が直接話し、気持ちを理解し、見守り心配する中でキチンと結果を出すことが出来るものとして理想論ではなく、実践的手法になっています。シリーズの中でおタカさんのように見守る人が登場してきましたが、その心遣いが結果も出せるというのはより実際的な態度ですね。
そして物凄く地味に、当たり前に、自然に、番組上の都合と相まって、他者と接し分かち合うことをやってのけるのがのぞみだったりします。理事長はかれんが彼女一人ではなく仲間と共にいることを喜びました。のぞみが「けって~い」と言う度に周囲を巻き込むのですが、それが彼女達の経験になり共有になり成長になっていますね。
第39話「恐怖!デスパライア現る」
○今週の出来事
①静かな休日
休日。ナッツハウスも休みです。いつも休みのようにお客さんがいませんが。いつも騒がしいからか静かな部屋の様子にミルクは不安を覚えます。ココは気にするな、とミルクに休みを与えます。承諾するナッツ。ミルクは部屋に戻ります。
ココはのぞみがテストで72点取ったことを喜びます。おお、これは凄い。頑張った。前回は30点らしいので倍以上の成長率です。頑張れば出来る子です。ナッツはじゃあ、のぞみのところに行って(結果を)教えてやればいいと言います。ココは一瞬躊躇して今日は休みだから、と辞退します。そんなの関係ないというナッツ。のぞみと会うことに何か躊躇いのあるココ。
バン!と扉が開く音。のぞみがピンキーを見たと駆け込んできます。あっちの方からやってきました。
ビル。一人で計算するブンビー。休日出勤のようです。どこまで計算したかわかんなくなったとか、休日出勤だしやってらんねーとかナマナマしいのでやめて下さい。
カワリーノが慌てた様子でやってきます。デスパライアを探しています。普段は部屋からほとんど出ないのですが、出たとなればよほどの事態。
街にいました。
ピンキーを捜しに街に出るのぞみ達。しかしピンキーを見失ってしまいました。折角のお休みなのに無駄足になってしまいごめんと謝るのぞみ。ココは腕を伸ばして良い小春日和だといいます。冬が近いのに?と尋ねるのぞみ。小春日和とは春のように暖かく良く晴れた天気のことを指すと説明するココ(小春は季語としては冬に該当する。だから今の季節に使うのが適切)。ココは寄り道していこうと誘います。乗り気ではない(おそらく逆にココに気遣っていると思われる)ナッツを連れて行くココ。のぞみも乗り気です。ココ上手いな。これはイケメン関係なく慕われる。のぞみの無駄足を無駄にさせません。
ナッツハウスにやってくるかれん。ココ達がいません。ミルクが泣きながらかれんに抱きつきます。ココナッツが出て行ってしまったので寂しいミルク。かれんは快く一緒におしゃべりをしてケーキを食べようと誘います。いいアイデアミル。ミルクもOKです。良いなーこのコンビ。すでに完璧に馴染んでいるなぁ。
イチョウが雪のように降り注ぎ紅葉が美しい。時間がゆっくりとのんびりと過ぎて行きます。のぞみ達三人はカフェテラスで休憩。周囲の女性客はココナッツに視線を注ぎます。そこに雑誌社の人が写真をお願いします。のぞみを邪魔だからどいてと言う雑誌社の人。お前は俺を怒らせた。退こうとするのぞみの手を取ってスタスタと行くココ。ナッツも付いて行きます。呼び止める雑誌社の人の声に「断る」とにべもない。
のぞみは気にしていないようですが、ココはのぞみに失礼だと腹を立てています。それを聞いてはにかむのぞみ。悪い気はしません。その様子を後ろから見るナッツ。
大きな木がある小高い場所へとやってきます。街が一望できる良い場所です。この街で一番大きな木。のぞみは子どもの頃登りたかったのだけど危ないからとめられたと話します。それを聞いたココはじゃあ登ろうと率先して動きます。のぞみに手を伸ばすココ。ポジティブでアクティブです。ナッツも注意しますが聞きません。割と大人のようで子どもっぽいところがあります。じゃあ、私は下で待ってます。ほら、危険が無いか監視していた方が良いし、、万が一落下したら受け止めないといけないし。決してのぞみを下から見たいとかそういうやましいことは考えておりませんぞ。
街を歩く怪しいデスパライア。のぞみ達のいる場所へと向かいます。
②矛盾する感情
木の枝に座るのぞみ達。やけに心配するナッツ。どうやらパルミエでも同じようなことがあったらしい。同じようにパルミエを一望できる木(ヤシの木みたいなの)に登ったココナッツ。しかし枝(葉?)が折れてしまいました。国王の大事な木だったので治す方法を調べピンキーを捜して国外へ出て探してきて治したようです。結局お世話役に見つかりこっぴどく怒られたようです。反省部屋はきつかったよな、と楽しそうに笑うココ。真面目に見えて意外と自由で気楽なココ。冷たくてあっさりしているように見えて案外細かくて律儀なナッツ。面白いコンビです。
のぞみは街を見ながら皆が何をしているのかと考えます。
店の手伝いをするりん。ため息をつきます。そこにうららが通りかかります。オーバーニーの長さが左右で違うのが可愛いです。素敵です(そういうとこばっか見てる)。仕事は終わったようです。うららはりんが何を考えているか当てましょうか、のぞみさんが何をしているか、私も同じですとあけすけに言います。さすが恋する乙女(何か違う)。そう言われてはりんも素直に認めるしかありません。ナッツハウスへゴー。
木の下にやってくるデスパライア。しかしのぞみ達はすでに場所を移しています。
子猫を連れた猫を嬉々として見るのぞみ。
ナッツは帰ろうとします。呼び止めるココ。ナッツは何を恐れている?と直球。ココは自分達の王国が復活すればのぞみ達とは一緒にいられない、だから…デコピンするナッツ。自由気ままなのがココ。振り回されてきたがたまには良いこともあったと言います。気の上から見た王国は本当に綺麗だったと言い残して帰ってしまいます。こいつカッコイイな。
ベンチで書き物をしていたこまち。皆何をしているのかと考えます。休日で直接会う理由は無いにしても、普段一緒に仲が良く楽しい仲間のことを考えるのはみんな同じです。それだけの絆を持っている。
何の気は無しに目を向けるとナッツがいます。周りの女性達の注目を集めています。どんだけモテるんだこいつ。ナッツもこまちに気づきます。手を振るこまちにナッツは近づいていきます。周りの女性達は散ります。何か変なところでリアルだな。
ナッツの問いに若干頬を上気させて答えるこまち。それを聞いて立ち去ろうとするナッツを思わず呼び止めます。ハッと気づいて口に手を被せますが遅い。逡巡している間にナッツは一緒に帰ろうと誘います。ラブコメですか。
そしてこちらは完全にラブコメモード。明らかに何か気合が入った感じのココの憂愁を帯びた表情。ココはのぞみにテストの結果を伝えます。人生で一番高い点数だと喜ぶのぞみ。他の教科も上がるんじゃないかと喜ぶココに、ココの科目だから頑張ったと言うのぞみ。縁石の上で不安定だったのぞみは案の定バランスを崩してしまいます。抱きとめるココ。動きが止まります。しばらくの間お待ちください。のぞみから離れ帰ろうと言うココ。
帰り道。ココは悩みます。のぞみはこちらの世界の人で自分はパルミエの人です。元々違う世界の人同士。ココは自分がのぞみに対して持っている感情に気づいています。そして自分の立場も分かっている。
③絶望に克つ希望の力
ついに現れるデスパライア。夢がやぶれ希望が失われた先にあるのは絶望。
ナッツハウスに集合する一同。ナッツが気配を感じます。何か出た! その唐突なリアクションに周りが驚くから。
変身するのぞみ。ココにさがってと言います。了解するココ。この辺がプリキュアです。どんなにカッコよくて性格も良いイケメンでも戦いの場となれば女の子に主導権があります。どうでもいいことですが、ドリームの後姿はカッコイイと思います。
デスパライアは自らの影を伸ばし散らして、建物の陰から無数の人型の僕を作り出します。これは怖い。影達がドリームを囲み、ココに接近するデスパライア。ココの心中を読みます。復興を望む一方でのぞみと別れたくないと思っている。どちらも叶わないと言い放つデスパライア。ドリームが跳躍してカカト落しを決めます。瞬間移動するデスパライア。着地の反動で顔がココに近づくドリーム。笑顔で応えます。カッコイイな。
明らかに劣勢な状況でも怯まないドリーム。輝きを帯びているその瞳にデスパライアは希望を感じ取ります。ドリームはこの不利な戦いに勝てると思っているとあっさりと言います。何故なら一人ではないから。仲間が駆けつけます。
影を仕向けるデスパライア。影達を必殺技で粉々にしますがすぐに再生してしまいます。キリがありません。アクアがトルネードで地面から切り離すと風船のように破裂してしまう影。どうやら地面から離せば消滅するようです。ルージュが投げ飛ばして検証。「なるほど」ルージュ強そうだ。ザコを引き受けるルージュ達。
ドリームはデスパライアにクリスタルシュートを放ちます。単独技なら最強の火力です。しかしいとも簡単に防がれてしまいます。ドリームを捕まえ、助けようと駆け寄ってくるココを吹き飛ばします。何とか謎生物形態にならずに耐えるココ。お、珍しい。
デスパライアばパルミエ王国の者と出会ったことがお前の不運だと言います。関係ない人を助け、戦いを引き受けてしまった。こんな怖い思いをするのも出会ってしまったからです。ドリームは「教えてくれたの」と唐突に言います。今日のように晴れた日は小春日和だと。勉強の楽しさも仲間の大切さもココから教えてもらった。出会って、それが良かったことばかりではないかもしれなけど、良かったこともあります。それを大切に思っているのぞみは後悔していません。一時の感情に価値は無い。絶望だけが残ると言うデスパライア。
ココが反論します。取りとめのない会話、一緒に見た景色、全てかけがえの無い大切なものだと言います。感情は一時かもしれないけど、永遠に残る宝物。デスパライアの威圧で謎生物に戻ってしまいます。どんな日々にも終わりが必ずくる。先にあるのは絶望。傷つきながらも諦めずに希望を持ち続けるココ。ドリームもココの夢を叶えることを約束します。人が人に希望を与える。与えることが出来る。与えられたものが本人の大切なものとなっていく。
人の夢を叶えて何になる?
「相手の喜ぶ顔が見たいからに決まってるじゃない!」
「人は自分だけのために動くわけではないわ」
「相手を想い、心を分かち合う」
「それが強い気持ちを生むんです」
「だから私達は」
「何度だって立ち上がる!」
か、カッコイイ。この志向性、たまらんな。BGMも5人いるけど「三人の絆(MHで使用された曲)」この曲カッコイイよね。
ドリームの腕を押さえつけていたデスパライアですが、キャッチュが輝いて火傷したように手を離します。掴んでいた手がみるみる衰えていきます。絶望の存在である(?)デスパライアに希望の力はそのまま有毒であるのか。
無駄な足掻きを。勝てると思っているのか。
「さあね、でも足掻けるだけ足掻くわよ」
「仲間のためなら相手が誰でも立ち向かいます」
「重要なのは勝ち負けじゃないわ」
「自分に出来ることを精一杯やることよ」
「私達は諦めなない。だから夢はなくならない」
か、カッコイイ。こういうセリフを人生の中で言えたら一生悔いなく生きていけそうだ。
ミルクも加わりエクスプロージョンが発動します。巨大な影を出して防御するデスパライア。最強の必殺技でも傷つけることが出来ない。デスパライアは引きます。
デスパライアの部屋に来るカワリーノ。デスパライアは早急にコレットを手に入れろと命じます。希望の力に脅威を感じる。不老不死にならないと対抗できない。
退けたもののその強さに不安になる一同。ですがのぞみは何とかなると気楽に言います。ココも相槌を打ちます。相変わらずのお気楽さですが、皆で今までどんなピンチにも乗り越えてきたことを知っているので不安に陥ることはありません。ナッツハウスに戻ります。
ココはナッツにのぞみの笑顔を見ていたい。先のことをあれこれ悩むより、今の時間を大切にすると言います。頷くナッツ。
時間はゆるやかに、しかし確実に進む。
④次回予告
学園長の正体が判明!気づいていないのはのぞみ達だけですけど。
○トピック
意外なことに敵側の方が劣勢な5。しかし考えてもみればシリーズ的には絶望側は例年負けていますし、しかも表面的にでなく本質的に立証かつ実証されてしまっているので逆に絶望が無根拠に強いということを現すのが難しくなっています。
どんなに環境や現実が絶望的だからといって、自分が絶望しなければいけないわけではありません。世界が絶望的なことと、自分が絶望することはイコールではなく、だからこそ人は自由であり強い可能性を持っています。諦めず夢を少しずつでも自分に近づけていくのぞみ達はその意味で現状でも揺るがない存在です。
あれ、これナイトメア側勝てないんじゃね? 勝たなくていいんだけど対抗出来ないと問題です。もう少し頑張ってもらわないと。デスパライア自身が深く絶望している場合じゃない。シリーズ的にはプリズムストーンが奪われて吸収されたり、太陽の泉が滅ぼされたりとしているので、コレットが使われて不老不死くらいにはなりそうです(あれ、でもそうなるとデスパライアの願いが叶って希望的じゃね? いやいや、結局死ぬことも永遠に生きることも絶望であるということか)。頑張ってくださいナイトメア。強い敵に打ち勝ってこそのヒーローですから。
今回は前半の緩やかな時間の流れがそのまま後半に活かされていますね。自分達が経験したこと、今を一生懸命生きることは未来を作り、未来においても一生懸命に生きることを意味するのでこれはプリキュアの伝統的志向です。
ナッツが振り回されたけど良いこともあった、のぞみは色んなものを教えてもらった。りん達だってのぞみと出会ったことで得るものはたくさんありました。それを覚え意識しているならそれらは宝物となり成長の糧となるでしょう。人と出会うこと、経験することは良い面も悪い面もあるけれど、悪いことばっかりじゃない、良いことにも目を向けると案外自分の成長になっているのかもしれない(それをやるにはそれなりに意識して努力してないとダメなんですけど)
一時の感情は確かに人を惑わし、儚いありもしない夢や願望を人に与える。だからそれが打ち破られるとその分落ち込んでしまう。一時の感情は移ろいやすく長続きもしない。それが良い時もある。悲しみなどは時間が経てば直接的な記憶が目減りするし悲しみそのものに慣れてしまう。ついでに言えば生きるためには日常の雑事をこなさなくてはならないからいつまでも悲しんでいられなくなる。時間は望んでも望まなくても過ぎていく。人はその中で変化し続ける。その中で何を考え、思い、経験したか、その蓄積が成長の糧になるし、それを意識することがその糧を成長へと変換する動力になる。もっと言えば、一時の感情が確信となったとき、永続的な、一生を通じても揺るがないものになったとき、人はそれを胸に抱きながら生きていく。
ココとのぞみ、ナッツとこまちの恋愛はそろそろちゃんとした恋愛になってきました。特にココとのぞみはほぼ両想いと言っていいでしょう。恋愛そのものはどうでもよく、謎生物だろうが教師と生徒だろうが、そんなことはどうでもよく、人を想う気持ち、好きになる感情、その経験が人の成長や魅力となることを見てみたいと思います。ココものぞみとの関係を通じて今をしっかりと大切にしたいと思うようになりましたね。
終盤に差し掛かり、物語の終わりが見えてきます。もしパルミエが復興したのならココナッツミルクは元の世界に帰らないといけない。帰ればのぞみ達と別れることになる。終わりの時は来る。その時にどう自分の気持ちに整理をつけるのか。もっと言えば、結局のところ私達は死んでしまう。生きていても、今がどんなに楽しくても、終わってしまう。プリキュアという番組も終わるし、いずれ私自身死んでしまう。では、生きる意味とは何のか、生きることに価値があるのか。その意味や価値に気づくことができるのか。生、夢、自由、その意味と価値を知り実感することができるのか。それを見せて欲しいと思う。
プリキュアは女の子が主役の物語ですが、女の子達だけが幸せに、成長していくのではなくて、そこに関係する人々も含めて成長していくとが出来るしやってくれる物語だと思っています。
①静かな休日
休日。ナッツハウスも休みです。いつも休みのようにお客さんがいませんが。いつも騒がしいからか静かな部屋の様子にミルクは不安を覚えます。ココは気にするな、とミルクに休みを与えます。承諾するナッツ。ミルクは部屋に戻ります。
ココはのぞみがテストで72点取ったことを喜びます。おお、これは凄い。頑張った。前回は30点らしいので倍以上の成長率です。頑張れば出来る子です。ナッツはじゃあ、のぞみのところに行って(結果を)教えてやればいいと言います。ココは一瞬躊躇して今日は休みだから、と辞退します。そんなの関係ないというナッツ。のぞみと会うことに何か躊躇いのあるココ。
バン!と扉が開く音。のぞみがピンキーを見たと駆け込んできます。あっちの方からやってきました。
ビル。一人で計算するブンビー。休日出勤のようです。どこまで計算したかわかんなくなったとか、休日出勤だしやってらんねーとかナマナマしいのでやめて下さい。
カワリーノが慌てた様子でやってきます。デスパライアを探しています。普段は部屋からほとんど出ないのですが、出たとなればよほどの事態。
街にいました。
ピンキーを捜しに街に出るのぞみ達。しかしピンキーを見失ってしまいました。折角のお休みなのに無駄足になってしまいごめんと謝るのぞみ。ココは腕を伸ばして良い小春日和だといいます。冬が近いのに?と尋ねるのぞみ。小春日和とは春のように暖かく良く晴れた天気のことを指すと説明するココ(小春は季語としては冬に該当する。だから今の季節に使うのが適切)。ココは寄り道していこうと誘います。乗り気ではない(おそらく逆にココに気遣っていると思われる)ナッツを連れて行くココ。のぞみも乗り気です。ココ上手いな。これはイケメン関係なく慕われる。のぞみの無駄足を無駄にさせません。
ナッツハウスにやってくるかれん。ココ達がいません。ミルクが泣きながらかれんに抱きつきます。ココナッツが出て行ってしまったので寂しいミルク。かれんは快く一緒におしゃべりをしてケーキを食べようと誘います。いいアイデアミル。ミルクもOKです。良いなーこのコンビ。すでに完璧に馴染んでいるなぁ。
イチョウが雪のように降り注ぎ紅葉が美しい。時間がゆっくりとのんびりと過ぎて行きます。のぞみ達三人はカフェテラスで休憩。周囲の女性客はココナッツに視線を注ぎます。そこに雑誌社の人が写真をお願いします。のぞみを邪魔だからどいてと言う雑誌社の人。お前は俺を怒らせた。退こうとするのぞみの手を取ってスタスタと行くココ。ナッツも付いて行きます。呼び止める雑誌社の人の声に「断る」とにべもない。
のぞみは気にしていないようですが、ココはのぞみに失礼だと腹を立てています。それを聞いてはにかむのぞみ。悪い気はしません。その様子を後ろから見るナッツ。
大きな木がある小高い場所へとやってきます。街が一望できる良い場所です。この街で一番大きな木。のぞみは子どもの頃登りたかったのだけど危ないからとめられたと話します。それを聞いたココはじゃあ登ろうと率先して動きます。のぞみに手を伸ばすココ。ポジティブでアクティブです。ナッツも注意しますが聞きません。割と大人のようで子どもっぽいところがあります。じゃあ、私は下で待ってます。ほら、危険が無いか監視していた方が良いし、、万が一落下したら受け止めないといけないし。決してのぞみを下から見たいとかそういうやましいことは考えておりませんぞ。
街を歩く怪しいデスパライア。のぞみ達のいる場所へと向かいます。
②矛盾する感情
木の枝に座るのぞみ達。やけに心配するナッツ。どうやらパルミエでも同じようなことがあったらしい。同じようにパルミエを一望できる木(ヤシの木みたいなの)に登ったココナッツ。しかし枝(葉?)が折れてしまいました。国王の大事な木だったので治す方法を調べピンキーを捜して国外へ出て探してきて治したようです。結局お世話役に見つかりこっぴどく怒られたようです。反省部屋はきつかったよな、と楽しそうに笑うココ。真面目に見えて意外と自由で気楽なココ。冷たくてあっさりしているように見えて案外細かくて律儀なナッツ。面白いコンビです。
のぞみは街を見ながら皆が何をしているのかと考えます。
店の手伝いをするりん。ため息をつきます。そこにうららが通りかかります。オーバーニーの長さが左右で違うのが可愛いです。素敵です(そういうとこばっか見てる)。仕事は終わったようです。うららはりんが何を考えているか当てましょうか、のぞみさんが何をしているか、私も同じですとあけすけに言います。さすが恋する乙女(何か違う)。そう言われてはりんも素直に認めるしかありません。ナッツハウスへゴー。
木の下にやってくるデスパライア。しかしのぞみ達はすでに場所を移しています。
子猫を連れた猫を嬉々として見るのぞみ。
ナッツは帰ろうとします。呼び止めるココ。ナッツは何を恐れている?と直球。ココは自分達の王国が復活すればのぞみ達とは一緒にいられない、だから…デコピンするナッツ。自由気ままなのがココ。振り回されてきたがたまには良いこともあったと言います。気の上から見た王国は本当に綺麗だったと言い残して帰ってしまいます。こいつカッコイイな。
ベンチで書き物をしていたこまち。皆何をしているのかと考えます。休日で直接会う理由は無いにしても、普段一緒に仲が良く楽しい仲間のことを考えるのはみんな同じです。それだけの絆を持っている。
何の気は無しに目を向けるとナッツがいます。周りの女性達の注目を集めています。どんだけモテるんだこいつ。ナッツもこまちに気づきます。手を振るこまちにナッツは近づいていきます。周りの女性達は散ります。何か変なところでリアルだな。
ナッツの問いに若干頬を上気させて答えるこまち。それを聞いて立ち去ろうとするナッツを思わず呼び止めます。ハッと気づいて口に手を被せますが遅い。逡巡している間にナッツは一緒に帰ろうと誘います。ラブコメですか。
そしてこちらは完全にラブコメモード。明らかに何か気合が入った感じのココの憂愁を帯びた表情。ココはのぞみにテストの結果を伝えます。人生で一番高い点数だと喜ぶのぞみ。他の教科も上がるんじゃないかと喜ぶココに、ココの科目だから頑張ったと言うのぞみ。縁石の上で不安定だったのぞみは案の定バランスを崩してしまいます。抱きとめるココ。動きが止まります。しばらくの間お待ちください。のぞみから離れ帰ろうと言うココ。
帰り道。ココは悩みます。のぞみはこちらの世界の人で自分はパルミエの人です。元々違う世界の人同士。ココは自分がのぞみに対して持っている感情に気づいています。そして自分の立場も分かっている。
③絶望に克つ希望の力
ついに現れるデスパライア。夢がやぶれ希望が失われた先にあるのは絶望。
ナッツハウスに集合する一同。ナッツが気配を感じます。何か出た! その唐突なリアクションに周りが驚くから。
変身するのぞみ。ココにさがってと言います。了解するココ。この辺がプリキュアです。どんなにカッコよくて性格も良いイケメンでも戦いの場となれば女の子に主導権があります。どうでもいいことですが、ドリームの後姿はカッコイイと思います。
デスパライアは自らの影を伸ばし散らして、建物の陰から無数の人型の僕を作り出します。これは怖い。影達がドリームを囲み、ココに接近するデスパライア。ココの心中を読みます。復興を望む一方でのぞみと別れたくないと思っている。どちらも叶わないと言い放つデスパライア。ドリームが跳躍してカカト落しを決めます。瞬間移動するデスパライア。着地の反動で顔がココに近づくドリーム。笑顔で応えます。カッコイイな。
明らかに劣勢な状況でも怯まないドリーム。輝きを帯びているその瞳にデスパライアは希望を感じ取ります。ドリームはこの不利な戦いに勝てると思っているとあっさりと言います。何故なら一人ではないから。仲間が駆けつけます。
影を仕向けるデスパライア。影達を必殺技で粉々にしますがすぐに再生してしまいます。キリがありません。アクアがトルネードで地面から切り離すと風船のように破裂してしまう影。どうやら地面から離せば消滅するようです。ルージュが投げ飛ばして検証。「なるほど」ルージュ強そうだ。ザコを引き受けるルージュ達。
ドリームはデスパライアにクリスタルシュートを放ちます。単独技なら最強の火力です。しかしいとも簡単に防がれてしまいます。ドリームを捕まえ、助けようと駆け寄ってくるココを吹き飛ばします。何とか謎生物形態にならずに耐えるココ。お、珍しい。
デスパライアばパルミエ王国の者と出会ったことがお前の不運だと言います。関係ない人を助け、戦いを引き受けてしまった。こんな怖い思いをするのも出会ってしまったからです。ドリームは「教えてくれたの」と唐突に言います。今日のように晴れた日は小春日和だと。勉強の楽しさも仲間の大切さもココから教えてもらった。出会って、それが良かったことばかりではないかもしれなけど、良かったこともあります。それを大切に思っているのぞみは後悔していません。一時の感情に価値は無い。絶望だけが残ると言うデスパライア。
ココが反論します。取りとめのない会話、一緒に見た景色、全てかけがえの無い大切なものだと言います。感情は一時かもしれないけど、永遠に残る宝物。デスパライアの威圧で謎生物に戻ってしまいます。どんな日々にも終わりが必ずくる。先にあるのは絶望。傷つきながらも諦めずに希望を持ち続けるココ。ドリームもココの夢を叶えることを約束します。人が人に希望を与える。与えることが出来る。与えられたものが本人の大切なものとなっていく。
人の夢を叶えて何になる?
「相手の喜ぶ顔が見たいからに決まってるじゃない!」
「人は自分だけのために動くわけではないわ」
「相手を想い、心を分かち合う」
「それが強い気持ちを生むんです」
「だから私達は」
「何度だって立ち上がる!」
か、カッコイイ。この志向性、たまらんな。BGMも5人いるけど「三人の絆(MHで使用された曲)」この曲カッコイイよね。
ドリームの腕を押さえつけていたデスパライアですが、キャッチュが輝いて火傷したように手を離します。掴んでいた手がみるみる衰えていきます。絶望の存在である(?)デスパライアに希望の力はそのまま有毒であるのか。
無駄な足掻きを。勝てると思っているのか。
「さあね、でも足掻けるだけ足掻くわよ」
「仲間のためなら相手が誰でも立ち向かいます」
「重要なのは勝ち負けじゃないわ」
「自分に出来ることを精一杯やることよ」
「私達は諦めなない。だから夢はなくならない」
か、カッコイイ。こういうセリフを人生の中で言えたら一生悔いなく生きていけそうだ。
ミルクも加わりエクスプロージョンが発動します。巨大な影を出して防御するデスパライア。最強の必殺技でも傷つけることが出来ない。デスパライアは引きます。
デスパライアの部屋に来るカワリーノ。デスパライアは早急にコレットを手に入れろと命じます。希望の力に脅威を感じる。不老不死にならないと対抗できない。
退けたもののその強さに不安になる一同。ですがのぞみは何とかなると気楽に言います。ココも相槌を打ちます。相変わらずのお気楽さですが、皆で今までどんなピンチにも乗り越えてきたことを知っているので不安に陥ることはありません。ナッツハウスに戻ります。
ココはナッツにのぞみの笑顔を見ていたい。先のことをあれこれ悩むより、今の時間を大切にすると言います。頷くナッツ。
時間はゆるやかに、しかし確実に進む。
④次回予告
学園長の正体が判明!気づいていないのはのぞみ達だけですけど。
○トピック
意外なことに敵側の方が劣勢な5。しかし考えてもみればシリーズ的には絶望側は例年負けていますし、しかも表面的にでなく本質的に立証かつ実証されてしまっているので逆に絶望が無根拠に強いということを現すのが難しくなっています。
どんなに環境や現実が絶望的だからといって、自分が絶望しなければいけないわけではありません。世界が絶望的なことと、自分が絶望することはイコールではなく、だからこそ人は自由であり強い可能性を持っています。諦めず夢を少しずつでも自分に近づけていくのぞみ達はその意味で現状でも揺るがない存在です。
あれ、これナイトメア側勝てないんじゃね? 勝たなくていいんだけど対抗出来ないと問題です。もう少し頑張ってもらわないと。デスパライア自身が深く絶望している場合じゃない。シリーズ的にはプリズムストーンが奪われて吸収されたり、太陽の泉が滅ぼされたりとしているので、コレットが使われて不老不死くらいにはなりそうです(あれ、でもそうなるとデスパライアの願いが叶って希望的じゃね? いやいや、結局死ぬことも永遠に生きることも絶望であるということか)。頑張ってくださいナイトメア。強い敵に打ち勝ってこそのヒーローですから。
今回は前半の緩やかな時間の流れがそのまま後半に活かされていますね。自分達が経験したこと、今を一生懸命生きることは未来を作り、未来においても一生懸命に生きることを意味するのでこれはプリキュアの伝統的志向です。
ナッツが振り回されたけど良いこともあった、のぞみは色んなものを教えてもらった。りん達だってのぞみと出会ったことで得るものはたくさんありました。それを覚え意識しているならそれらは宝物となり成長の糧となるでしょう。人と出会うこと、経験することは良い面も悪い面もあるけれど、悪いことばっかりじゃない、良いことにも目を向けると案外自分の成長になっているのかもしれない(それをやるにはそれなりに意識して努力してないとダメなんですけど)
一時の感情は確かに人を惑わし、儚いありもしない夢や願望を人に与える。だからそれが打ち破られるとその分落ち込んでしまう。一時の感情は移ろいやすく長続きもしない。それが良い時もある。悲しみなどは時間が経てば直接的な記憶が目減りするし悲しみそのものに慣れてしまう。ついでに言えば生きるためには日常の雑事をこなさなくてはならないからいつまでも悲しんでいられなくなる。時間は望んでも望まなくても過ぎていく。人はその中で変化し続ける。その中で何を考え、思い、経験したか、その蓄積が成長の糧になるし、それを意識することがその糧を成長へと変換する動力になる。もっと言えば、一時の感情が確信となったとき、永続的な、一生を通じても揺るがないものになったとき、人はそれを胸に抱きながら生きていく。
ココとのぞみ、ナッツとこまちの恋愛はそろそろちゃんとした恋愛になってきました。特にココとのぞみはほぼ両想いと言っていいでしょう。恋愛そのものはどうでもよく、謎生物だろうが教師と生徒だろうが、そんなことはどうでもよく、人を想う気持ち、好きになる感情、その経験が人の成長や魅力となることを見てみたいと思います。ココものぞみとの関係を通じて今をしっかりと大切にしたいと思うようになりましたね。
終盤に差し掛かり、物語の終わりが見えてきます。もしパルミエが復興したのならココナッツミルクは元の世界に帰らないといけない。帰ればのぞみ達と別れることになる。終わりの時は来る。その時にどう自分の気持ちに整理をつけるのか。もっと言えば、結局のところ私達は死んでしまう。生きていても、今がどんなに楽しくても、終わってしまう。プリキュアという番組も終わるし、いずれ私自身死んでしまう。では、生きる意味とは何のか、生きることに価値があるのか。その意味や価値に気づくことができるのか。生、夢、自由、その意味と価値を知り実感することができるのか。それを見せて欲しいと思う。
プリキュアは女の子が主役の物語ですが、女の子達だけが幸せに、成長していくのではなくて、そこに関係する人々も含めて成長していくとが出来るしやってくれる物語だと思っています。
映画 鏡の国のミラクル大冒険!
楽しい映画!色々はじけ過ぎてて楽しい。
○本編うろ覚え感想
初っ端からココナッツが今回映画館で配布されたミラクルライトについて説明。この時点でこの映画の方向性が分かった。この映画は子どもに楽しんでもらうことを前提とした映画。ココナッツが謎生物形態で楽しく説明しつつも、人間体になってスキンシップとりながら説明という大きいお姉さんにもアピール。劇画タッチの流血シーンなどかなりハッチャけています。ミルクがツッコミを入れてスタート。幕に今回の映画イラストのデフォルメイラストが描かれていて手抜かりなし。
今回の敵シャドウがのぞみをコピーしてダークドリームを作り出します。
ミルクを頭に乗せているのぞみ可愛い。何だこのオプションパーツ。ぜっ、是非かれんでも同じように頭に乗せてください!! 鏡の国をテーマにしたテーマパークへレッツゴー。
ドレスを照れながら選ぶかれん可愛い。皆ドレスを着て登場。いきなりうららがかれんとこまちに「お姉さま」発言。かれんとこまちもノリノリ。何このマリみて。大きなお友達に絶大なアピール。すっ、隙がねぇ。この映画はやる気満々だ。ミルクの「ミ~ルミル」笑い面白い。
かれんがお姫様というより女王様だとツッコミを入れるりん。言っちゃった。皆が思っていること言っちゃった。しかし、本当にかれんの女王様な演技は素晴らしい。
ココとのぞみがラブコメモード。見ている方が恥ずかしくなる。隠れて驚かせようとしたのぞみの行動を読むココ。ココはのぞみのことが感じられるといいます。
鏡の館。こまちが怖い話を披露。良い表情してます。やっぱり怖がるりん。縦長に見える鏡とか横長に見える鏡とかを見る一同。横長の鏡を見るナッツをこまちが鏡から連れ出します。どうやら横長ナッツは見たくないらしい。このふたりもだんだん分かりやすくなってきた。
鏡の迷路で頭をごっつんする一同。うーん、私これやったことないんですがどんなもんかやってみたいなぁ。のぞみは先ほどココが自分を感じられることを尋ねます。中学生の女の子が「私を感じるの?」と聞くのは如何なものかと思う自分は汚れた存在なのだろうと思いつつも、これはこれでたまらんなぁ、と私の本能は悟りました。のぞみがどんな姿になっても分かると言うココ。のぞみも自分がココのことを分かることを望みます。
ココナッツはどちらが先に出られるかと豆大福とシュークリーム3日分を賭けて勝負。安いんだか高いんだかわからん勝負だな。しかし鏡の中に捕らわれてしまいます。代わりにココナッツのコピーが出現。
鏡の迷路から出たら今度はお花畑で追いかけっこ。どうやら女の子の頭に男の子が花輪を乗せるゲームらしい。なんという素敵ゲーム。誰だこれ考えた人、私と親友になりましょう。私も是非参加したい。やりたい。追いかけたい。乗せたい。捕まえたい!(その前に捕まる)
うららは絶対のぞみを追いかけたいと思ってる。かれんは何故お花畑で追いかけっこ?と冷静ですがこまちが楽しそうだから良いじゃないととりなします。かれんのことだからやったとしたら絶対照れながら逃げると思う。うお、これは追いかけたい(変態っぽいぞ)
りんは巧みなフットワークで数人の男の子を手玉に取ります。男の子バテバテ。情けない。実は花輪を乗せられたいりんの微妙な乙女心が可愛い。
ココが偽者だと見抜くのぞみ。ココは必ず自分の方を向いて話す、と言います。相手をよく見るのぞみらしい指摘。姿形ではなく、言動から相手の本質を見抜くのはベタではありますがプリキュア的に正しい。
ダークドリーム(変身前)がゴスロリファッションで園内をちょくちょく歩いていますが、これは可愛いと思います。偽者のくせにこの可愛さはずるい。
偽ココナッツが仮面をつけてバトル。ドリームのバンクを使わないドリームアタックがカッコイイ。連携して仮面を同時に破壊することで倒します。その戦闘データからドリーム以外のプリキュアコピーを作り出すシャドウ。
偽ココナッツの正体は芸人ザ・たっちが声を当てているミギリンとヒダリン。しっかりと幽体離脱ネタを披露。映画を見ている子ども達にウケが良いです。例年ゲストキャラ(芸能人が声をあてている)はチョイ役なのですが、このふたりはほとんど出っ放しで厚遇されています。
説明を求めるりん達になかなか答えないふたりですが、ミルクの耳ビンタとのぞみの迫力に気圧され事情説明。鏡の国がシャドウに乗っ取られ、ココナッツまでも捕らわれてしまったので助けるために鏡の国へ。合言葉は「ちょっと、ちょっと、ちょっと」扱い良いなー今回のゲストキャラ。
鏡の国に着いたと思ったらシャドウ出現。各自バラバラにされて自分のコピーとバトル。ダークプリキュア5もなかなかカッコイイ。能力は同じ。ただし友情とかの感情は無く疲労しないという相手に苦戦を強いられるプリキュア。戦闘ロケーションも個別で面白い。
友情を理解せず、一人で良いというダークプリキュア達。本物に一人でいいじゃない、と問います。ダークドリームだけ「何が楽しいの?」と聞くあたりがのぞみのコピーらしいところかもしれない。簡単に言えば、本編23話・24話のように自分からの問いかけなのですが、それ(23,24話の出来事)を乗り越えた彼女達は強い。
ドリームは自分を乗り越えれば良いとあっさり言い放ちます。今の自分は成長し続ける自分。昨日より、一時間前より、一分前より、一秒前よりも成長し続ける。そして仲間と合流してココナッツを助ける。迷いはありません。これをすんなり言えるのぞみは素敵。常に突き進まんとする昂進の意志。
別の空間に居ても声が聞こえるのか、ルージュはそのドリームの声を聞いて奮い立ちます。親友が頑張っているのに自分だけ何もしないわけにはいきません。レモネードもフラッシュを使って相手を攻撃。それを防御する偽レモネードですが、爆煙にまぎれて背後に立つレモネード。そろそろ失礼します。ドリームが待っていますので。か、カッコイイ!! そしてやっぱりうららはのぞみっ子。
偽ミントは防御しか取り得がないことを嫌い数個の礫を操る凶悪な能力を使いますが、詠唱無しで瞬時に防御するミント。こっちもカッコイイ。アクアも過去の自分と冷静に戦います。
ミルクもヘタレなミギヒダリンを叱咤激励。自分の国が滅ぼされてしまったこと、それでも諦めないことを伝えます。
逆転勝利の決め技はパワーアップ必殺技。今まで初期技を使っていましたがちゃんと新商品を使います。特にレモネードの戦闘が熱い。小柄な者同士の対決のわりに重量感があります。拳法(カンフー)どこで覚えたんだ。両手で相手に掌低を決める。ガチバトル。アクアも本編で使ったように剣を使って剣戟。戦闘バリエーションが多くて見応えありすぎ。
各プリキュアが自分のコピーを倒していく中で、ドリームは自分すらも説得してしまいます。あなたには心がある、と。これがのぞみの主役たる魅力。彼女自身は未熟者だけど、彼女の呼びかけや行動は人を動かしてしまう。皆と友達になってプリキュアになったのも、ケンカしてしまいバラバラになってしまってもまた繋がれたのも彼女が居たから。自分の敵すらも心広く認め、相手の長所を見抜く。
鏡の国に無事生還。ダークドリームも友達にしてしまうドリーム。最終決戦。
奪ったコレットを使いこの世界の支配者になろうと願いを叶えようとするシャドウ。ところがどっこい、序盤のうららが捕獲したピンキーをまだうららが持っていたためにコレットは無効。伏線回収です。
シャドウの攻撃から守るためダークドリームはドリームを庇って倒れてしまいます。この辺は読めた部分でもありますし、むしろドリームがダークドリームを説得できてしまうところに感動した自分としては割りとあっさりと流すところだったりします。怒りのクリスタルシュート。
本性をあらわしたシャドウに苦戦するプリキュア。ここでミギヒダリンがミラクルライトでフォロー。いよいよライトの出番です。何故かミギヒダリンだけでなくミルクやココナッツもライトを持って振るという全く脈絡の無い何でお前ら持ってるの!?というツッコミは無視して映画館に居る子ども達に呼びかけます。いいなー、こういうの。懐かしい気がする。
特にどうという仕掛けがあるわけでもなく(ライトの光が強くないのでスクリーンに蝶が映らない)、孵化するように蝶の羽が生えるプリキュア達。一気にエクスプロージョンで攻撃。努力・友情・勝利の三大要素は少年漫画だけでなくプリキュアにも当てはまります。
元に戻る鏡の国。割れたクリスタル(ダークドリームの元結晶)を見て悲しむのぞみ。りん達の元に向かってエンディング。
実はピンキーが55匹揃ってたりします。万事解決。
エンディングは勿論ガンバランス。しかもドレスバージョン。スタッフ分かってる。これは良い。特にりんは大胆な衣装なので腕を広げるときは脇が大写しになります。かれんとこまちも一緒のシーンが可愛い。
映画が終わったと思ったら、プリキュア映画5作目のアナウンス。おお、本気だ。東映アニメ本気だ。
ということで、とても楽しい映画でした。サービス満点。まさに映画館に来た人が楽しめる内容。DVDで後から見てもこの面白さは再現できないでしょう。
今作ではお客さんを意識した作りになっています。ライトの説明やここで使ってね、というアピールは分かりやすい。その他可愛いシーンも盛りだくさん。今までの映画や本編の真面目さから考えると非常にはじけた内容なのですが、こういう楽しい遊びを可能とするのも5の魅力だと思います。のぞみ達ならこういうことをやってもおかしくない、不思議としっくりくる。その上で伝統はちゃんと守られています。囚われのお姫様ならぬ王子様。王子様を救う強くて可愛い女の子。友情を大切にし、友達がいるから頑張れて成長できる、と言う彼女達はプリキュアの意志がちゃんと継がれています。
可愛くて、カッコよくて、強い女の子。本編では最終決戦が近づくなかでの楽しい大満足の映画です。
○トピック
本映画の見所であるダークプリキュアについて。
ドリームを除く4人とそのコピー、ドリームとダークドリームの関係について分けて書きます。あと私のスタンスも。
①4人のプリキュアとダークプリキュア
本編でも語られているようにダークプリキュアはのぞみ達のコピーです。ただし友情を理解するような心は持ち合わせていません。言うなれば友情や優しさを知らないのぞみ達と言えます。ダークルージュは友達との付き合いを煩わしいと考え、ダークレモネードは人を喜ばせることを嘲笑い、ダークミントは他者を守る力を損な力だと嫌い、ダークアクアは自己の優秀性に自信がある。すなわち、自分一人で良い、一人が良い、自分が良ければそれで良いと考えています。
これはおそらく23、24話で提示された各自の葛藤に敗北したイメージが具体化したものと考えて良いと思います。つまりはダークサイドに落ちたプリキュア。うららは女優を優先することだったのでダークプリキュアとはちょっと違いますが拡大解釈します。要は他者を必要としない、自己の動機として他者が存在しないプリキュアだと思えばいい。
自己に閉じたダークプリキュアは単体では恐るべき能力を誇ります。能力はオリジナルと同等でも消耗せず慈悲も無いので容赦がありません。力を持った者が無制限にその力を解放すると如何に厄介かが分かります。ダークミントにいたっては本来の能力を曲げて違う技を使うまでになります(他者を意識しないので守る能力は不要)。
この戦いで特徴的なのは、ダークプリキュア達の言い分にプリキュア達が葛藤しないことです。ルージュとレモネードは即座に否定しますし、ミントも(苦戦はしますが)弱腰ではありません。アクアは過去の自分がそうだったと認めますが、だからこそそれが間違っていて今の自分の在り方に自信を持っています。初戦は苦戦を強いられつつも精神的には負けていないどころか確たる意志を持っています。
彼女達は自分自身との戦いに勝利します。それは彼女達が成長していく存在であること、その成長が他者を介在とすることで成されることが明確に出ています。アクアのセリフなどはストレートです。一人だけでは成長できない。自分とは違う他者がいて、その他者のために頑張りたいと思う、他者に憧れて追いつきたいと思う、自己の外にあるモノ、人に影響されて人は自分の能力を開発していきます。その能力は他者がいることを前提とします。ダークミントのセリフが分かりやすいですが、守る力は確かにそれ自体本人の役には立ちません。自分だけで考えれば全く不要な能力です(身の安全は確保できるが他と比べれば消極的で損な能力)。しかし他者がいることを前提とすれば守る能力は決して不要ではなく必要なものとなります。確かに地味で目立たない能力ですが(ミントバリアの活躍度はトップクラスなんですが)、その能力があるからこそ他の人は自分の力を出せます。集団で考えた場合有用な能力です。
自己に閉じれば外の雑音が聞こえなくなるし煩わしさもなくなりますが、同時に目標やその動機も失われます。人を必要しないということは人に必要とされません。よしんば必要とされてもその期待には応えないでしょう。人の役に立つことを自己の動機としないからです。
自分一人だけに目を向ければ不要で役に立たない力も、他者を視野に入れれば役に立つ力になります。自己の成長、自己実現、充実、自由、夢について考えたとき、自分一人ではなく他者を視野に入れれば可能性も広がり、動機として自らを働かせ続ける動力にもなります。
ここでちょっと面白いのは、プリキュア5はチーム(広義には組織)としての意味合いがあります。ヒーローは孤独で悪の組織と戦うというのがありますが、プリキュアは逆でチームを組んでいるプリキュアが単独のダークプリキュアを倒します。個人が組織に勝てないのは質・量・機能性において組織が圧倒的に有利だからです。目の前にいる怪人を倒しても次の怪人が出てくる。ところがこちらは主人公一人倒れたら敗北です。組織力を持っているプリキュアがダークプリキュアを倒せるのは当然です。一対一で戦っていても上述したように仲間との繋がりがあるプリキュアは戦力を拡大することができるからです(一人の後ろに皆がついている)。このプリキュアに対抗するには相手も組織化していないと難しい。そういう意味でナイトメアは対抗組織として相応しいですが、本編のとおりこちらも組織内で人間的繋がりが無いので烏合の集でしかなくプリキュアに苦戦しています。ほんと強いなプリキュア5。
元々このシリーズは「ふたり」から始まっており、他者との相互理解と影響によって自己の成長を見出している作品です。5になって5人になりましたが、人と人との関係が自己の成長の可能性を拡大しその手助けとなることに変わりはありません。むしろその可能性、拡張性、実現性が増しているほどで、プリキュアの組織化は作品の潜在的な可能性としては正当なものであると思います。(私は綿密な人間描写を見たいという要望より、人と人との関係によって如何なる可能性が人にありえるか?ということの方が興味あるので主観的にも歓迎しています)
②ドリームとダークドリーム
このふたりは他とちょっと違います。ダークドリームは他者の存在を軽んじてはいません。ドリームに「どうして遊園地で笑っていたの?」と尋ねることからも顕著です。他の4人なら「他人とつるんで何が楽しいの?バカじゃないの?」と言うところです。何で違うのかと言えば変身前ののぞみをコピーしたからとか、誕生してから時間が長いとか、そもそものぞみのコピーだからとか要因はありそうですが、特定してもあまり意味は無いのでこのまま話を進めます。
のぞみはハッキリ言って5人の中で最も能力が低く秀でたものがありません。他人に頼らなくていいどころから頼らないとどうにもならないほどです。実利的、能力的な話をしてしまえばのぞみが慢心し他者を蔑ろにすることはできません。そもそものぞみは好奇心が強く天真爛漫で疑うことも妬むこともしない娘なので、そのコピーであるダークドリームも友情を理解しない(できない)だけでのぞみと共通のメンタリティはあるのでしょう。
ダークドリームは自己に閉じた存在といより、幼い子どもに近い存在です。他者なんて不要だ、自分さえ良ければそれでいいとは思っていないけど他者が必要でそれが自分の糧にもなるとも思っていない。人を好きになったことも無い。本人が言うように教えてもらっていないし何の経験もしていません。
ドリームにとってダークドリームは「過去の自分」や「乗り越えるべき自分」ではなく、「他者の一人」です。だから彼女はダークドリームにもその持ち前の明るさと人懐っこさと洞察を現して呼びかけます。あなたには心があってそれを理解することができるし、友達にもなれると言う。ダークドリームを自分のコピーではなく一個人として認識できるのものぞみだからこそでしょうし、それを実行することができるのものぞみが主役張れる最大の理由です。この屈託の無さがあるからりんもうららもこまちもかれんも友達になれた。ダークドリームがそれを受け入れることが出来るのも、のぞみ譲りの純粋さがあるからでしょう。
素敵じゃないですか。のぞみは自分で成長することを意志できるけど、何より自分を成長させる糧となる他者に目を向けることができる。他人のために力を出せる。その他人を彼女は敵であっても見出すことが出来る。ダークドリームも今何も知らなくても、経験したことがなくても、教えられたことがなくても、分からなくても、"これから"作っていける。他者を認め、他者との関係に目を向けたときに人は成長し変わっていける。素敵だ。自己の中に他者を見出し、他者にもその可能性を提示できる物語。素晴らしい。
③他者を愛せるか
私には一つの課題があります。その課題の前に一つの疑問があります。仲間って何だよって。自分の大切な人を守ったり、その人のために努力するのは普通だし当然だ。だけど、じゃあ、大切じゃない人には何もしなくていいのか?と。そもそもその今大切な人、自分が好きな人はどうやって大切に、好きになったんだよと思う。元々は他人じゃないか。それが何かのキッカケで出会って仲良くなった。だとすれば、今の大切な人同様に知らない相手にだって好意や愛情を持って良いんじゃないかと思う。自分を好きになってくれる人を好きになるのは簡単だ。でも、自分がまず人に好意を持つことが一番大切なんじゃないかと思う。誰も他人を好きにならないなら、誰も誰かを好きにならないじゃないか。見知らぬ他人はもしかしたら親友になれる(なる)人かもしれない。
のぞみを見ていると嬉しくなります。彼女は素晴らしいものを持っている。それは実行して初めて持っていると言えるもの、つまり他者に対する愛情。損得でもない、それまでの経験や信頼でもない、初めて会ったような人にでも屈託なく自分を動かすことができること。ロシアの作家トルストイはそれを「愛」と言った。好きな相手には勿論のこと、例え好きでもない相手、いや自分の憎んでいる敵にさえにも自分を犠牲にすることができることを愛と言った。自分にとって好ましい、好ましくないという損得感情ではなく、普遍的に人に抱ける愛情を持つことが出来るか。それが私の課題です。別に倫理的とか人道的とか信仰とかじゃなくて、人と人との関係によって人間の可能性が広がる(というか、人間の本質はそこにある)と考えるなら、行きつくところは他者を愛せるかということになるのでそういう課題を持っています。とりあえず出来るか出来ないかは別として、明確に意志できるかどうか。
その課題に対してプリキュア5はすんごいストレートに見本を突きつけてくれるからたまりません。のぞみが友達を作っていく、それも何の下心も無く。ケンカして仲が悪くなってもそこで切ることも諦めることもなく人の関係は作り続けなくてはいけないと自覚する。常に他者に愛情を示していくこの作品に心動かされずにはいられません。5人だから5人だけの関係じゃなくて、他の人々にも愛情を持ちうる、5人が友達になれたその根源であるのぞみの屈託のない純粋さがずっと保たれている。これこそがこの作品の大前提となるとても重要でなくてはならないもので、私が求めたものです。
そして、その前提からこの作品が人の可能性を見せてくれることを楽しみにしています。
○本編うろ覚え感想
初っ端からココナッツが今回映画館で配布されたミラクルライトについて説明。この時点でこの映画の方向性が分かった。この映画は子どもに楽しんでもらうことを前提とした映画。ココナッツが謎生物形態で楽しく説明しつつも、人間体になってスキンシップとりながら説明という大きいお姉さんにもアピール。劇画タッチの流血シーンなどかなりハッチャけています。ミルクがツッコミを入れてスタート。幕に今回の映画イラストのデフォルメイラストが描かれていて手抜かりなし。
今回の敵シャドウがのぞみをコピーしてダークドリームを作り出します。
ミルクを頭に乗せているのぞみ可愛い。何だこのオプションパーツ。ぜっ、是非かれんでも同じように頭に乗せてください!! 鏡の国をテーマにしたテーマパークへレッツゴー。
ドレスを照れながら選ぶかれん可愛い。皆ドレスを着て登場。いきなりうららがかれんとこまちに「お姉さま」発言。かれんとこまちもノリノリ。何このマリみて。大きなお友達に絶大なアピール。すっ、隙がねぇ。この映画はやる気満々だ。ミルクの「ミ~ルミル」笑い面白い。
かれんがお姫様というより女王様だとツッコミを入れるりん。言っちゃった。皆が思っていること言っちゃった。しかし、本当にかれんの女王様な演技は素晴らしい。
ココとのぞみがラブコメモード。見ている方が恥ずかしくなる。隠れて驚かせようとしたのぞみの行動を読むココ。ココはのぞみのことが感じられるといいます。
鏡の館。こまちが怖い話を披露。良い表情してます。やっぱり怖がるりん。縦長に見える鏡とか横長に見える鏡とかを見る一同。横長の鏡を見るナッツをこまちが鏡から連れ出します。どうやら横長ナッツは見たくないらしい。このふたりもだんだん分かりやすくなってきた。
鏡の迷路で頭をごっつんする一同。うーん、私これやったことないんですがどんなもんかやってみたいなぁ。のぞみは先ほどココが自分を感じられることを尋ねます。中学生の女の子が「私を感じるの?」と聞くのは如何なものかと思う自分は汚れた存在なのだろうと思いつつも、これはこれでたまらんなぁ、と私の本能は悟りました。のぞみがどんな姿になっても分かると言うココ。のぞみも自分がココのことを分かることを望みます。
ココナッツはどちらが先に出られるかと豆大福とシュークリーム3日分を賭けて勝負。安いんだか高いんだかわからん勝負だな。しかし鏡の中に捕らわれてしまいます。代わりにココナッツのコピーが出現。
鏡の迷路から出たら今度はお花畑で追いかけっこ。どうやら女の子の頭に男の子が花輪を乗せるゲームらしい。なんという素敵ゲーム。誰だこれ考えた人、私と親友になりましょう。私も是非参加したい。やりたい。追いかけたい。乗せたい。捕まえたい!(その前に捕まる)
うららは絶対のぞみを追いかけたいと思ってる。かれんは何故お花畑で追いかけっこ?と冷静ですがこまちが楽しそうだから良いじゃないととりなします。かれんのことだからやったとしたら絶対照れながら逃げると思う。うお、これは追いかけたい(変態っぽいぞ)
りんは巧みなフットワークで数人の男の子を手玉に取ります。男の子バテバテ。情けない。実は花輪を乗せられたいりんの微妙な乙女心が可愛い。
ココが偽者だと見抜くのぞみ。ココは必ず自分の方を向いて話す、と言います。相手をよく見るのぞみらしい指摘。姿形ではなく、言動から相手の本質を見抜くのはベタではありますがプリキュア的に正しい。
ダークドリーム(変身前)がゴスロリファッションで園内をちょくちょく歩いていますが、これは可愛いと思います。偽者のくせにこの可愛さはずるい。
偽ココナッツが仮面をつけてバトル。ドリームのバンクを使わないドリームアタックがカッコイイ。連携して仮面を同時に破壊することで倒します。その戦闘データからドリーム以外のプリキュアコピーを作り出すシャドウ。
偽ココナッツの正体は芸人ザ・たっちが声を当てているミギリンとヒダリン。しっかりと幽体離脱ネタを披露。映画を見ている子ども達にウケが良いです。例年ゲストキャラ(芸能人が声をあてている)はチョイ役なのですが、このふたりはほとんど出っ放しで厚遇されています。
説明を求めるりん達になかなか答えないふたりですが、ミルクの耳ビンタとのぞみの迫力に気圧され事情説明。鏡の国がシャドウに乗っ取られ、ココナッツまでも捕らわれてしまったので助けるために鏡の国へ。合言葉は「ちょっと、ちょっと、ちょっと」扱い良いなー今回のゲストキャラ。
鏡の国に着いたと思ったらシャドウ出現。各自バラバラにされて自分のコピーとバトル。ダークプリキュア5もなかなかカッコイイ。能力は同じ。ただし友情とかの感情は無く疲労しないという相手に苦戦を強いられるプリキュア。戦闘ロケーションも個別で面白い。
友情を理解せず、一人で良いというダークプリキュア達。本物に一人でいいじゃない、と問います。ダークドリームだけ「何が楽しいの?」と聞くあたりがのぞみのコピーらしいところかもしれない。簡単に言えば、本編23話・24話のように自分からの問いかけなのですが、それ(23,24話の出来事)を乗り越えた彼女達は強い。
ドリームは自分を乗り越えれば良いとあっさり言い放ちます。今の自分は成長し続ける自分。昨日より、一時間前より、一分前より、一秒前よりも成長し続ける。そして仲間と合流してココナッツを助ける。迷いはありません。これをすんなり言えるのぞみは素敵。常に突き進まんとする昂進の意志。
別の空間に居ても声が聞こえるのか、ルージュはそのドリームの声を聞いて奮い立ちます。親友が頑張っているのに自分だけ何もしないわけにはいきません。レモネードもフラッシュを使って相手を攻撃。それを防御する偽レモネードですが、爆煙にまぎれて背後に立つレモネード。そろそろ失礼します。ドリームが待っていますので。か、カッコイイ!! そしてやっぱりうららはのぞみっ子。
偽ミントは防御しか取り得がないことを嫌い数個の礫を操る凶悪な能力を使いますが、詠唱無しで瞬時に防御するミント。こっちもカッコイイ。アクアも過去の自分と冷静に戦います。
ミルクもヘタレなミギヒダリンを叱咤激励。自分の国が滅ぼされてしまったこと、それでも諦めないことを伝えます。
逆転勝利の決め技はパワーアップ必殺技。今まで初期技を使っていましたがちゃんと新商品を使います。特にレモネードの戦闘が熱い。小柄な者同士の対決のわりに重量感があります。拳法(カンフー)どこで覚えたんだ。両手で相手に掌低を決める。ガチバトル。アクアも本編で使ったように剣を使って剣戟。戦闘バリエーションが多くて見応えありすぎ。
各プリキュアが自分のコピーを倒していく中で、ドリームは自分すらも説得してしまいます。あなたには心がある、と。これがのぞみの主役たる魅力。彼女自身は未熟者だけど、彼女の呼びかけや行動は人を動かしてしまう。皆と友達になってプリキュアになったのも、ケンカしてしまいバラバラになってしまってもまた繋がれたのも彼女が居たから。自分の敵すらも心広く認め、相手の長所を見抜く。
鏡の国に無事生還。ダークドリームも友達にしてしまうドリーム。最終決戦。
奪ったコレットを使いこの世界の支配者になろうと願いを叶えようとするシャドウ。ところがどっこい、序盤のうららが捕獲したピンキーをまだうららが持っていたためにコレットは無効。伏線回収です。
シャドウの攻撃から守るためダークドリームはドリームを庇って倒れてしまいます。この辺は読めた部分でもありますし、むしろドリームがダークドリームを説得できてしまうところに感動した自分としては割りとあっさりと流すところだったりします。怒りのクリスタルシュート。
本性をあらわしたシャドウに苦戦するプリキュア。ここでミギヒダリンがミラクルライトでフォロー。いよいよライトの出番です。何故かミギヒダリンだけでなくミルクやココナッツもライトを持って振るという全く脈絡の無い何でお前ら持ってるの!?というツッコミは無視して映画館に居る子ども達に呼びかけます。いいなー、こういうの。懐かしい気がする。
特にどうという仕掛けがあるわけでもなく(ライトの光が強くないのでスクリーンに蝶が映らない)、孵化するように蝶の羽が生えるプリキュア達。一気にエクスプロージョンで攻撃。努力・友情・勝利の三大要素は少年漫画だけでなくプリキュアにも当てはまります。
元に戻る鏡の国。割れたクリスタル(ダークドリームの元結晶)を見て悲しむのぞみ。りん達の元に向かってエンディング。
実はピンキーが55匹揃ってたりします。万事解決。
エンディングは勿論ガンバランス。しかもドレスバージョン。スタッフ分かってる。これは良い。特にりんは大胆な衣装なので腕を広げるときは脇が大写しになります。かれんとこまちも一緒のシーンが可愛い。
映画が終わったと思ったら、プリキュア映画5作目のアナウンス。おお、本気だ。東映アニメ本気だ。
ということで、とても楽しい映画でした。サービス満点。まさに映画館に来た人が楽しめる内容。DVDで後から見てもこの面白さは再現できないでしょう。
今作ではお客さんを意識した作りになっています。ライトの説明やここで使ってね、というアピールは分かりやすい。その他可愛いシーンも盛りだくさん。今までの映画や本編の真面目さから考えると非常にはじけた内容なのですが、こういう楽しい遊びを可能とするのも5の魅力だと思います。のぞみ達ならこういうことをやってもおかしくない、不思議としっくりくる。その上で伝統はちゃんと守られています。囚われのお姫様ならぬ王子様。王子様を救う強くて可愛い女の子。友情を大切にし、友達がいるから頑張れて成長できる、と言う彼女達はプリキュアの意志がちゃんと継がれています。
可愛くて、カッコよくて、強い女の子。本編では最終決戦が近づくなかでの楽しい大満足の映画です。
○トピック
本映画の見所であるダークプリキュアについて。
ドリームを除く4人とそのコピー、ドリームとダークドリームの関係について分けて書きます。あと私のスタンスも。
①4人のプリキュアとダークプリキュア
本編でも語られているようにダークプリキュアはのぞみ達のコピーです。ただし友情を理解するような心は持ち合わせていません。言うなれば友情や優しさを知らないのぞみ達と言えます。ダークルージュは友達との付き合いを煩わしいと考え、ダークレモネードは人を喜ばせることを嘲笑い、ダークミントは他者を守る力を損な力だと嫌い、ダークアクアは自己の優秀性に自信がある。すなわち、自分一人で良い、一人が良い、自分が良ければそれで良いと考えています。
これはおそらく23、24話で提示された各自の葛藤に敗北したイメージが具体化したものと考えて良いと思います。つまりはダークサイドに落ちたプリキュア。うららは女優を優先することだったのでダークプリキュアとはちょっと違いますが拡大解釈します。要は他者を必要としない、自己の動機として他者が存在しないプリキュアだと思えばいい。
自己に閉じたダークプリキュアは単体では恐るべき能力を誇ります。能力はオリジナルと同等でも消耗せず慈悲も無いので容赦がありません。力を持った者が無制限にその力を解放すると如何に厄介かが分かります。ダークミントにいたっては本来の能力を曲げて違う技を使うまでになります(他者を意識しないので守る能力は不要)。
この戦いで特徴的なのは、ダークプリキュア達の言い分にプリキュア達が葛藤しないことです。ルージュとレモネードは即座に否定しますし、ミントも(苦戦はしますが)弱腰ではありません。アクアは過去の自分がそうだったと認めますが、だからこそそれが間違っていて今の自分の在り方に自信を持っています。初戦は苦戦を強いられつつも精神的には負けていないどころか確たる意志を持っています。
彼女達は自分自身との戦いに勝利します。それは彼女達が成長していく存在であること、その成長が他者を介在とすることで成されることが明確に出ています。アクアのセリフなどはストレートです。一人だけでは成長できない。自分とは違う他者がいて、その他者のために頑張りたいと思う、他者に憧れて追いつきたいと思う、自己の外にあるモノ、人に影響されて人は自分の能力を開発していきます。その能力は他者がいることを前提とします。ダークミントのセリフが分かりやすいですが、守る力は確かにそれ自体本人の役には立ちません。自分だけで考えれば全く不要な能力です(身の安全は確保できるが他と比べれば消極的で損な能力)。しかし他者がいることを前提とすれば守る能力は決して不要ではなく必要なものとなります。確かに地味で目立たない能力ですが(ミントバリアの活躍度はトップクラスなんですが)、その能力があるからこそ他の人は自分の力を出せます。集団で考えた場合有用な能力です。
自己に閉じれば外の雑音が聞こえなくなるし煩わしさもなくなりますが、同時に目標やその動機も失われます。人を必要しないということは人に必要とされません。よしんば必要とされてもその期待には応えないでしょう。人の役に立つことを自己の動機としないからです。
自分一人だけに目を向ければ不要で役に立たない力も、他者を視野に入れれば役に立つ力になります。自己の成長、自己実現、充実、自由、夢について考えたとき、自分一人ではなく他者を視野に入れれば可能性も広がり、動機として自らを働かせ続ける動力にもなります。
ここでちょっと面白いのは、プリキュア5はチーム(広義には組織)としての意味合いがあります。ヒーローは孤独で悪の組織と戦うというのがありますが、プリキュアは逆でチームを組んでいるプリキュアが単独のダークプリキュアを倒します。個人が組織に勝てないのは質・量・機能性において組織が圧倒的に有利だからです。目の前にいる怪人を倒しても次の怪人が出てくる。ところがこちらは主人公一人倒れたら敗北です。組織力を持っているプリキュアがダークプリキュアを倒せるのは当然です。一対一で戦っていても上述したように仲間との繋がりがあるプリキュアは戦力を拡大することができるからです(一人の後ろに皆がついている)。このプリキュアに対抗するには相手も組織化していないと難しい。そういう意味でナイトメアは対抗組織として相応しいですが、本編のとおりこちらも組織内で人間的繋がりが無いので烏合の集でしかなくプリキュアに苦戦しています。ほんと強いなプリキュア5。
元々このシリーズは「ふたり」から始まっており、他者との相互理解と影響によって自己の成長を見出している作品です。5になって5人になりましたが、人と人との関係が自己の成長の可能性を拡大しその手助けとなることに変わりはありません。むしろその可能性、拡張性、実現性が増しているほどで、プリキュアの組織化は作品の潜在的な可能性としては正当なものであると思います。(私は綿密な人間描写を見たいという要望より、人と人との関係によって如何なる可能性が人にありえるか?ということの方が興味あるので主観的にも歓迎しています)
②ドリームとダークドリーム
このふたりは他とちょっと違います。ダークドリームは他者の存在を軽んじてはいません。ドリームに「どうして遊園地で笑っていたの?」と尋ねることからも顕著です。他の4人なら「他人とつるんで何が楽しいの?バカじゃないの?」と言うところです。何で違うのかと言えば変身前ののぞみをコピーしたからとか、誕生してから時間が長いとか、そもそものぞみのコピーだからとか要因はありそうですが、特定してもあまり意味は無いのでこのまま話を進めます。
のぞみはハッキリ言って5人の中で最も能力が低く秀でたものがありません。他人に頼らなくていいどころから頼らないとどうにもならないほどです。実利的、能力的な話をしてしまえばのぞみが慢心し他者を蔑ろにすることはできません。そもそものぞみは好奇心が強く天真爛漫で疑うことも妬むこともしない娘なので、そのコピーであるダークドリームも友情を理解しない(できない)だけでのぞみと共通のメンタリティはあるのでしょう。
ダークドリームは自己に閉じた存在といより、幼い子どもに近い存在です。他者なんて不要だ、自分さえ良ければそれでいいとは思っていないけど他者が必要でそれが自分の糧にもなるとも思っていない。人を好きになったことも無い。本人が言うように教えてもらっていないし何の経験もしていません。
ドリームにとってダークドリームは「過去の自分」や「乗り越えるべき自分」ではなく、「他者の一人」です。だから彼女はダークドリームにもその持ち前の明るさと人懐っこさと洞察を現して呼びかけます。あなたには心があってそれを理解することができるし、友達にもなれると言う。ダークドリームを自分のコピーではなく一個人として認識できるのものぞみだからこそでしょうし、それを実行することができるのものぞみが主役張れる最大の理由です。この屈託の無さがあるからりんもうららもこまちもかれんも友達になれた。ダークドリームがそれを受け入れることが出来るのも、のぞみ譲りの純粋さがあるからでしょう。
素敵じゃないですか。のぞみは自分で成長することを意志できるけど、何より自分を成長させる糧となる他者に目を向けることができる。他人のために力を出せる。その他人を彼女は敵であっても見出すことが出来る。ダークドリームも今何も知らなくても、経験したことがなくても、教えられたことがなくても、分からなくても、"これから"作っていける。他者を認め、他者との関係に目を向けたときに人は成長し変わっていける。素敵だ。自己の中に他者を見出し、他者にもその可能性を提示できる物語。素晴らしい。
③他者を愛せるか
私には一つの課題があります。その課題の前に一つの疑問があります。仲間って何だよって。自分の大切な人を守ったり、その人のために努力するのは普通だし当然だ。だけど、じゃあ、大切じゃない人には何もしなくていいのか?と。そもそもその今大切な人、自分が好きな人はどうやって大切に、好きになったんだよと思う。元々は他人じゃないか。それが何かのキッカケで出会って仲良くなった。だとすれば、今の大切な人同様に知らない相手にだって好意や愛情を持って良いんじゃないかと思う。自分を好きになってくれる人を好きになるのは簡単だ。でも、自分がまず人に好意を持つことが一番大切なんじゃないかと思う。誰も他人を好きにならないなら、誰も誰かを好きにならないじゃないか。見知らぬ他人はもしかしたら親友になれる(なる)人かもしれない。
のぞみを見ていると嬉しくなります。彼女は素晴らしいものを持っている。それは実行して初めて持っていると言えるもの、つまり他者に対する愛情。損得でもない、それまでの経験や信頼でもない、初めて会ったような人にでも屈託なく自分を動かすことができること。ロシアの作家トルストイはそれを「愛」と言った。好きな相手には勿論のこと、例え好きでもない相手、いや自分の憎んでいる敵にさえにも自分を犠牲にすることができることを愛と言った。自分にとって好ましい、好ましくないという損得感情ではなく、普遍的に人に抱ける愛情を持つことが出来るか。それが私の課題です。別に倫理的とか人道的とか信仰とかじゃなくて、人と人との関係によって人間の可能性が広がる(というか、人間の本質はそこにある)と考えるなら、行きつくところは他者を愛せるかということになるのでそういう課題を持っています。とりあえず出来るか出来ないかは別として、明確に意志できるかどうか。
その課題に対してプリキュア5はすんごいストレートに見本を突きつけてくれるからたまりません。のぞみが友達を作っていく、それも何の下心も無く。ケンカして仲が悪くなってもそこで切ることも諦めることもなく人の関係は作り続けなくてはいけないと自覚する。常に他者に愛情を示していくこの作品に心動かされずにはいられません。5人だから5人だけの関係じゃなくて、他の人々にも愛情を持ちうる、5人が友達になれたその根源であるのぞみの屈託のない純粋さがずっと保たれている。これこそがこの作品の大前提となるとても重要でなくてはならないもので、私が求めたものです。
そして、その前提からこの作品が人の可能性を見せてくれることを楽しみにしています。
第38話「プリキュア5のシンデレラ物語」
○今週の出来事
①小説家ミルク
みんなのたまり場ナッツハウス。こまちはシンデレラの絵本をミルクに渡します。懐かしがるりん達。のぞみが読んであげようか?と自薦します。「はぁあ?なんで読書が苦手なのぞみに読んでもらわなくちゃいけないミル」ととても素晴らしい表情で嘲笑うミルク。一撃必殺。最初の一撃で相手をぶちのめす。ジャブなど必要ありません。隣にいるココナッツの方が焦ります。さすがに腹を立てるのぞみですが、ミルクは読むために借りたのではない、小説を書くために借りたと言います。予想しなかった答えに驚く一同。こまちは知っているので笑顔で応えます。実はミルクはエリート候補(お世話役は日本でいう官僚に近い職種)であり勉強家なのでこちら側の世界の物語を書きたいようです。
物語を書くのに何故絵本?と疑問のうらら。ミルクは内容を書き写すと言います。構成や文章表現が身につくとこまちが補足します。へー、そういうもんかねぇ。そういえば、この感想は本編の内容をほぼそのまま書いているのですが、確かに構成などはよく理解できますね。
良い勉強になる、とかれん。ミルクの保護者というか、良き理解者です。
ビル。ブラッディを呼ぶブンビー。それはたんなるポーズで幹部の椅子に座るブンビー。椅子の座り心地の良さを確かめます。ぴったりな座り心地に自分の方がこの椅子に似合うと周囲の社員に同意を求めます。無言。少々気後れしながら鏡を取り出しナイトメアで一番優秀なのは誰?と自分で問い、それはブンビーと自分で答えます。そのネタは白雪姫だと思いますが、それを置くにしてもとても寒くて痛い自演自作です。勿論周囲の社員は終始無言。ブンビーも自分で寒っ!と思ってしまいます。こんなはずでは…自分の思い描いていたサクセスストーリーとの乖離を感じるブンビー。この人の落ちぶれっぷりは見てらんない。
②シンデレラなプリキュア
いつもお客が居ないナッツハウス。豆大福を頬張るのぞみ。おやつタイムです。ミルクは居ません。まだ書き写しているようです。
器用に鉛筆を持ちながら書き写すミルク。ちゃんと日本語です。パルミエの言語や文字がどうなっているのかは分かりませんが、日本語の物語を自国語に翻訳してまた日本語で書くというのはかなり大変のような気がします。さすがエリート候補です。単に書き写すのに飽きたのでちょっと自分の創造を入れます。この辺はのぞみと同年代らしいところです。
小高いというか絶壁みたいなところにあるお城。麓には城下町が広がります。ある家で働くシンデレラ(のぞみ)。意地悪なお母さん(継母。こまち)。ふたりのお姉さん(かれん、りん)がいました。
のぞみはドジで掃除しているつもりが家具をゴミに変えてしまう始末。お姉さんのりんが掃除してもらわないと話が進まないと注意します。メタフィクションのノリです。シンデレラ頑張ってと優しいこまち。意地悪な継母になっていません。こっちの世界でもツッコミ役のりん。目を離した隙にまたドジをやるのぞみ。
かれんが舞踏会の準備をしないといけないと話題を振ります。それを聞いたのぞみは楽しそうに夢を膨らませます。りんがのぞみは行けないと言います。お話上そうなっているから、と実も蓋も無い理由を言います。それでも行くとダダをこねるのぞみに、お話の決りは守らないと、と生徒会長なかれん。お土産を買ってくるからとこまち。この人達がやると意地悪な継母もお姉さんも普通に善人になってしまいます。疑わしい目つきで「舞踏会でお土産売っているの?」と鋭い疑問を口にするのぞみ。とにかくシンデレラの留守番は決定事項です。その話は終わり、と解散。のぞみはまたゴミを増やします。先が思いやられます。
満月の夜。城の方では花火が打ち上がり舞踏会が始まります。それを見上げるしかないのぞみ。すると窓の外に人影。ホウキに乗った魔法使い(うらら)が不安定な飛行でのぞみのところに突っ込んできます。なぎさのところにはメップルが飛んできましたが、うららが飛んでくるなら大歓迎です。
自己紹介するうらら。こちらでもまだ半人前なのでしょうか。のぞみを舞踏会に行けるようにすると言います。ドレスと靴を魔法で出します。呪文は「はじけろホイ」…何か魔女じゃない。桃太郎になるのぞみ。世界観というか国や文化が違います。ある意味グローバルな魔法使いです。気を取り直してもう一回。こんどはお姫様…ですがかぐや姫です。ちょっと惜しい。失敗を重ねながらついにドレスアップ。お、これは映画版の衣装ですね。ガラスの靴が輝いています。のぞみも満足の衣装です。うららが注意事項を説明します。12時には帰らないといけません。
本来であればカボチャの馬車も出すところですが、時間の都合なのか割愛。
ダンスパーティ会場にやってくるこまち達。こちらも映画版衣装です。映画の宣伝とか、東映アニメーションが必死でアピールしているとか言ってはいけません。しかし、それにしてもかれんの微妙なドレス姿が何とも。無理して可愛い服着なくてもマダム用の豪華なドレス着た方が良いんじゃないでしょうか。いえ、決してその、衣装と外見年齢が合ってないなどというわけじゃございませんです。これはこれで可愛い。
のぞみは慣れない格好のため躓いてしまいます。手を差し伸べる王子様のココ。王子に心ときめくのぞみ。ココはのぞみをダンスに誘います。そういうストーリーらしいんだ、とこれまた実も蓋も無いナッツがこまちを誘います。スルーされているりんとかれんが何か可哀想です。私で良ければ踊りますよお嬢様方。ノーセンキューですかそうですか。楽しそうに踊るのぞみとこまち。
残りもののかれんはココと踊っているのは誰?とお約束のセリフを言います。ツッコミを入れるりん。ストーリー上とかお話上とか、脚本を無視しおって。段取りで芝居してんじゃねーぞお前ら。このシナリオ書いているのミルクですが(中の人繋がり←無印・MHで志穂役をやっており、「段取りで芝居しないでくれる?」というセリフがあった←このシリーズも4年目に達しているので分からない人も居るだろうなぁ)。
そこに現れるうらら。なんで魔法使いが来るんだ?とツッコミを入れるりん。いや、もう、何でも有りなんだろうけど、何でりんがうららを魔法使いだと分かるのかとツッコミたい。
ダンスを続けるのぞみですが、スカートの裾を踏んづけてしまいうらら達のところに倒れこみます。おおー!!スカートが広がって…その様子に驚くナッツとこまち。ってカメラさん、それは違うでしょ。そこは衝撃的瞬間を取るプロ根性を見せるところでしょ。ちょっと撮影終わったら反省会するから来なさい。それはそうと、倒れ掛かるのぞみをすばやくうららが華麗に抱きとめたら違う意味で面白いと思った。いや、むしろ喜んで押し倒されるか。
無様に倒れるシンデレラ。ミルクは何かにとり憑かれたように踊っては転び踊っては転びと書き続けます。ちょ、何かの陰湿ないじめですか。
そこに入ってくるのぞみ。ミルクは慌てます。親切に差し入れを持ってくるのぞみ。りんが邪魔しちゃダメと注意します。何故かみんなやってきます。原稿を見られてはまずいと身体を使って隠すミルク。こまちは書き写しの原稿でも書きかけでは読まれたくない気持ちを察しますが、この場合ちょっと違う。
③シナリオの都合
気分転換と店を出るミルク。しかしブンビーが現れます。ミルクから原稿を奪い面白いと言うブンビー。良からぬことを考えています。気配を感じ取るココナッツ。店のドアを開くと黒い空間が広がっています。
お城の中に居るのぞみ達。いつの間にかドレスを着ています。のぞみの足にはガラスの靴。ココ達も王子様の衣装。そう、ここはシンデレラの世界。
目の前で始まるダンスパーティ。ココは以前こまちの物語の中に入ったことを思い出します。親切に解説するナッツとこまち。肝心のミルクが見当たりません。噂をすればブンビー。ミルクを抱えてやってきます。仮面を放ちシャンデリアコワイナー召還。逃げるエキストラ。
シンデレラの世界を恣意的に利用するブンビー。そんなことはさせません。変身です。そうか!これだ!このためか!別にシンデレラの世界を使う必然性はあまり無いと思うのですが、変身のためです。プリキュアの醍醐味の一つである多様な衣装を用いての変身。今回はドレス変身です。勿論個別バージョン。スタッフよく分かっています。空気読みすぎです。のぞみの可愛さ、りんの脇、ドレスというかアイドルのうらら、何か地味なこまち(すまん、褒める言葉が出てこなかった)、掛け声の強さに比して見た目が少女チックなかれん(褒めてます)。プリキュア5屈指の変身シーン。今週はこれだけでも満足できる。
コワイナーの砲撃を回避するプリキュア。ミルクを救出しようとしますがブンビーも間抜けではないのでなかなか上手くいきません。コワイナーの攻撃を止めるアクア達ですが、床が滑って踏ん張りが利きません。柱の陰から様子を見るココナッツ。へたれとは言いませんが、情けなさ全開です。
アクア達はそれでも何とかコワイナーを押し返します。倒れ込むコワイナーをよけるブンビー。反撃の糸口を見つけるプリキュア。ブンビーの隙を突いてドリームキック。ルージュの近接からのキックでミルクを奪還。
遠慮なく攻撃するコワイナー。城が壊れそうです。パルミエ崩壊のときと同じように壊す気のブンビー。物語を壊そうとするブンビーにミントは制止の声をあげます。王子は城も国も失うのがこの物語なのだと主張しパイルを放つブンビー。しかし強化されたミントバリアにそんなものは効きません。
ブンビーを蹴りの2連撃で払うレモネード。良い蹴りです。続いてアクアの張り手。ドリームとルージュのダブルキックでコワイナーの体勢を崩します。ブンビーの思い通りにはさせません。「というか、この話ハッピーエンドなんだから!」全くそのとおりです。シナリオ上そうなっています。そしてまたプリキュアの物語もハッピーエンドです。クリスタルシュートで粉砕。
④ガラスの靴
元に戻るシンデレラ世界。ドレスの格好になるのぞみ達。12時の鐘が鳴ります。特に居続けても問題ない様に思えますが、急いで帰るのぞみ達。階段の途中でドジのスキルが発揮して史実どおりガラスの靴が脱げてしまうのぞみ。靴が光ってもとの世界に戻ります。
舞踏会やドレスの余韻を楽しむのぞみ達。かれんはガラスの靴があることに気づきます。何故か靴まで戻ってきてしまいました。あ!と声をあげるのぞみ。このガラスの靴が履ければ王子様と結ばれる。いや、どこの王子様と結ばれるんだよ。っていうか、こちらの世界には関係ないんじゃ? ココを見て頬を赤らめるのぞみ。ココも頬を染めてのぞみを見返します。君達は見ている方が恥ずかしいな。
ミルクが靴に飛び込みすっぽりと入ります。ジャストフット。ぴったりミル。いや、ぴったりの意味違くない?とツッコミを入れるりん。靴を履いているというか、収まっています。ミルク(が収まっているガラスの靴)を捕まえようとするのぞみですがミルクは器用に回避します。王子様と結ばれるとはしゃぐミルク。
ミルクの原稿を読んだりんが声をかけます。ミルク「さん」と呼び方を変えたときは危険な兆候です。何故自分が意地悪なお姉さんの役なのだと聞くかれん。全くです。意地悪な継母が適役です(違う)。こまちもこれは書き写しではないとフォローできません。怒りのりんとかれんにシンデレラのお姉さんより怖いと言うミルク。全くです。このふたりを敵に回してはいけません。役的に美味しいうららは今度はシンデレラで書いてほしいと言います。のぞみは今は自分がシンデレラなのでガラスの靴を要求します。熾烈な女の恐ろしさを垣間見た気がします。
⑤次回予告
次週はお休み。残念。次回はいよいよデスパライヤが登場。ココの美形モードはいらんから可愛い女の子を見せてください。
○トピック
映画の宣伝だろうが段取り芝居だろうが、可愛い女の子はそれだけで正しくあり、正義であり、全てであり、絶対の法則であり、つまるところ「いいぞ、もっとやれ」なわけです。
学芸会シーズンを意識してかミルクの物語でシンデレラをやるという逆転の発想。なるほど学年が違うのぞみ達に映画用衣装を着せて学芸会をやらせるにはちょうど良い。シリーズとして学芸会や学園祭をやっているのでそのノリだと思われます。
どんどん落ちぶれていくブンビーさんが思い描くサクセスストーリーには約束された筋書きがないので必ずしも自分の思うようには行きませんし、自動的にシナリオが進むこともありません。その点ではシンデレラを演じるのぞみ達はシナリオ上ハッピーが約束されています。しかし現実の世界に戻ればガラスの靴はミルクが横取りと上手くは行かない。
サクセスストーリーは物語の終わりが分かっているからサクセスストーリーです。成功することが分かっているからこの物語はサクセスだと言える。成功したから言える。しかし現在を生きる者には先が見えず未来は不透明。プリキュアを見る視聴者はこの物語がハッピーエンドだと分かっているけど、物語の主人公達はそれが分からない。
ブンビーものぞみ達も物語の中では同じ立場です。未来は約束されていない。その約束されていない未来の物語を作っていかなければならない。そろそろ本当に佳境。のぞみ達が望む未来を作っていって欲しいですね。
来週お休みなので、ちょこっと映画の話題でも。(ヒーローの在り方の話になってしまっていますが)
基本的に私はヒーローが好きですが、一つ個人的にヒーローものでやって欲しくないことがあります。それはヒーローVSヒーローです。正確に言えば、主役キャラクター同士の争い。最近のもので具体的に言えばライダーやガンダムです。敵も味方も同じ主役キャラ(主役ブランド)。これはおかしいです。ヒーローキャラクター、つまりライダーやガンダムは存在そのものがヒーローなので敵になること自体が矛盾します。まあ、Gガンダムや龍騎はむしろヒーロー同士の対決を狙ったものなので一発ネタとしてはいいと思いますが、継続してヒーローVSヒーローをやられると何か納得できないものがあります。玩具販売とかスポンサーの都合だとは思いますが、ヒーローはヒーローであって、敵じゃない。敵は敵のキャラクターがあるべきだと思う。
勿論、ヒーローものに偽者が登場するのはお約束です。ヒーローVS偽ヒーローは有り。これはヒーローを詐称しているためで、むしろ悪の卑劣さが引き立ちます。大抵の場合、最後には偽者であることがバレで倒されますからヒーローの質は揺るがない。敵も主役キャラクターだとヒーローとしての質がごちゃ混ぜになってしまって面白くないのです。敵にも主役キャラが登場し始めるとネタに詰まっていると思えてしまいます。(全部が全部つまらないわけではないです。私はGガンダムや龍騎が好きです。結局ストーリー次第なんですが、キャラによる陣営分けは分かりやすいし主役の特権的かっこ良さがあるので基本仕様は分けて欲しいと思っている)
で、プリキュアの映画。偽者登場ですよ。最初はプリキュアVSプリキュアのキャッチコピーに眉をひそめましたが、CMで堂々と偽プリキュアと言ってしまっているのを聞いて安心感を覚えます。具体的には実際に見てみないと分かりませんが、鏡の世界なのでコピーであり、おそらくのぞみ達の負のイメージや絶望的な未来像の暗喩だと思われるので、そういう意味では克服すべき自己像という意味合いが考えられます。そういうのは個人的にOK。まあ、映画はお祭りなのでそんなに過敏になることもないんですけどね。5対5のチームバトルとか見たいですし。
ヒーローはヒーローであって欲しい。ヒーローはデザインや意匠も含めてヒーローなんだから敵側にいちゃいけない。仮に偽者が現れたのなら、それを倒しヒーローの格と質を見せるのがヒーローです。
①小説家ミルク
みんなのたまり場ナッツハウス。こまちはシンデレラの絵本をミルクに渡します。懐かしがるりん達。のぞみが読んであげようか?と自薦します。「はぁあ?なんで読書が苦手なのぞみに読んでもらわなくちゃいけないミル」ととても素晴らしい表情で嘲笑うミルク。一撃必殺。最初の一撃で相手をぶちのめす。ジャブなど必要ありません。隣にいるココナッツの方が焦ります。さすがに腹を立てるのぞみですが、ミルクは読むために借りたのではない、小説を書くために借りたと言います。予想しなかった答えに驚く一同。こまちは知っているので笑顔で応えます。実はミルクはエリート候補(お世話役は日本でいう官僚に近い職種)であり勉強家なのでこちら側の世界の物語を書きたいようです。
物語を書くのに何故絵本?と疑問のうらら。ミルクは内容を書き写すと言います。構成や文章表現が身につくとこまちが補足します。へー、そういうもんかねぇ。そういえば、この感想は本編の内容をほぼそのまま書いているのですが、確かに構成などはよく理解できますね。
良い勉強になる、とかれん。ミルクの保護者というか、良き理解者です。
ビル。ブラッディを呼ぶブンビー。それはたんなるポーズで幹部の椅子に座るブンビー。椅子の座り心地の良さを確かめます。ぴったりな座り心地に自分の方がこの椅子に似合うと周囲の社員に同意を求めます。無言。少々気後れしながら鏡を取り出しナイトメアで一番優秀なのは誰?と自分で問い、それはブンビーと自分で答えます。そのネタは白雪姫だと思いますが、それを置くにしてもとても寒くて痛い自演自作です。勿論周囲の社員は終始無言。ブンビーも自分で寒っ!と思ってしまいます。こんなはずでは…自分の思い描いていたサクセスストーリーとの乖離を感じるブンビー。この人の落ちぶれっぷりは見てらんない。
②シンデレラなプリキュア
いつもお客が居ないナッツハウス。豆大福を頬張るのぞみ。おやつタイムです。ミルクは居ません。まだ書き写しているようです。
器用に鉛筆を持ちながら書き写すミルク。ちゃんと日本語です。パルミエの言語や文字がどうなっているのかは分かりませんが、日本語の物語を自国語に翻訳してまた日本語で書くというのはかなり大変のような気がします。さすがエリート候補です。単に書き写すのに飽きたのでちょっと自分の創造を入れます。この辺はのぞみと同年代らしいところです。
小高いというか絶壁みたいなところにあるお城。麓には城下町が広がります。ある家で働くシンデレラ(のぞみ)。意地悪なお母さん(継母。こまち)。ふたりのお姉さん(かれん、りん)がいました。
のぞみはドジで掃除しているつもりが家具をゴミに変えてしまう始末。お姉さんのりんが掃除してもらわないと話が進まないと注意します。メタフィクションのノリです。シンデレラ頑張ってと優しいこまち。意地悪な継母になっていません。こっちの世界でもツッコミ役のりん。目を離した隙にまたドジをやるのぞみ。
かれんが舞踏会の準備をしないといけないと話題を振ります。それを聞いたのぞみは楽しそうに夢を膨らませます。りんがのぞみは行けないと言います。お話上そうなっているから、と実も蓋も無い理由を言います。それでも行くとダダをこねるのぞみに、お話の決りは守らないと、と生徒会長なかれん。お土産を買ってくるからとこまち。この人達がやると意地悪な継母もお姉さんも普通に善人になってしまいます。疑わしい目つきで「舞踏会でお土産売っているの?」と鋭い疑問を口にするのぞみ。とにかくシンデレラの留守番は決定事項です。その話は終わり、と解散。のぞみはまたゴミを増やします。先が思いやられます。
満月の夜。城の方では花火が打ち上がり舞踏会が始まります。それを見上げるしかないのぞみ。すると窓の外に人影。ホウキに乗った魔法使い(うらら)が不安定な飛行でのぞみのところに突っ込んできます。なぎさのところにはメップルが飛んできましたが、うららが飛んでくるなら大歓迎です。
自己紹介するうらら。こちらでもまだ半人前なのでしょうか。のぞみを舞踏会に行けるようにすると言います。ドレスと靴を魔法で出します。呪文は「はじけろホイ」…何か魔女じゃない。桃太郎になるのぞみ。世界観というか国や文化が違います。ある意味グローバルな魔法使いです。気を取り直してもう一回。こんどはお姫様…ですがかぐや姫です。ちょっと惜しい。失敗を重ねながらついにドレスアップ。お、これは映画版の衣装ですね。ガラスの靴が輝いています。のぞみも満足の衣装です。うららが注意事項を説明します。12時には帰らないといけません。
本来であればカボチャの馬車も出すところですが、時間の都合なのか割愛。
ダンスパーティ会場にやってくるこまち達。こちらも映画版衣装です。映画の宣伝とか、東映アニメーションが必死でアピールしているとか言ってはいけません。しかし、それにしてもかれんの微妙なドレス姿が何とも。無理して可愛い服着なくてもマダム用の豪華なドレス着た方が良いんじゃないでしょうか。いえ、決してその、衣装と外見年齢が合ってないなどというわけじゃございませんです。これはこれで可愛い。
のぞみは慣れない格好のため躓いてしまいます。手を差し伸べる王子様のココ。王子に心ときめくのぞみ。ココはのぞみをダンスに誘います。そういうストーリーらしいんだ、とこれまた実も蓋も無いナッツがこまちを誘います。スルーされているりんとかれんが何か可哀想です。私で良ければ踊りますよお嬢様方。ノーセンキューですかそうですか。楽しそうに踊るのぞみとこまち。
残りもののかれんはココと踊っているのは誰?とお約束のセリフを言います。ツッコミを入れるりん。ストーリー上とかお話上とか、脚本を無視しおって。段取りで芝居してんじゃねーぞお前ら。このシナリオ書いているのミルクですが(中の人繋がり←無印・MHで志穂役をやっており、「段取りで芝居しないでくれる?」というセリフがあった←このシリーズも4年目に達しているので分からない人も居るだろうなぁ)。
そこに現れるうらら。なんで魔法使いが来るんだ?とツッコミを入れるりん。いや、もう、何でも有りなんだろうけど、何でりんがうららを魔法使いだと分かるのかとツッコミたい。
ダンスを続けるのぞみですが、スカートの裾を踏んづけてしまいうらら達のところに倒れこみます。おおー!!スカートが広がって…その様子に驚くナッツとこまち。ってカメラさん、それは違うでしょ。そこは衝撃的瞬間を取るプロ根性を見せるところでしょ。ちょっと撮影終わったら反省会するから来なさい。それはそうと、倒れ掛かるのぞみをすばやくうららが華麗に抱きとめたら違う意味で面白いと思った。いや、むしろ喜んで押し倒されるか。
無様に倒れるシンデレラ。ミルクは何かにとり憑かれたように踊っては転び踊っては転びと書き続けます。ちょ、何かの陰湿ないじめですか。
そこに入ってくるのぞみ。ミルクは慌てます。親切に差し入れを持ってくるのぞみ。りんが邪魔しちゃダメと注意します。何故かみんなやってきます。原稿を見られてはまずいと身体を使って隠すミルク。こまちは書き写しの原稿でも書きかけでは読まれたくない気持ちを察しますが、この場合ちょっと違う。
③シナリオの都合
気分転換と店を出るミルク。しかしブンビーが現れます。ミルクから原稿を奪い面白いと言うブンビー。良からぬことを考えています。気配を感じ取るココナッツ。店のドアを開くと黒い空間が広がっています。
お城の中に居るのぞみ達。いつの間にかドレスを着ています。のぞみの足にはガラスの靴。ココ達も王子様の衣装。そう、ここはシンデレラの世界。
目の前で始まるダンスパーティ。ココは以前こまちの物語の中に入ったことを思い出します。親切に解説するナッツとこまち。肝心のミルクが見当たりません。噂をすればブンビー。ミルクを抱えてやってきます。仮面を放ちシャンデリアコワイナー召還。逃げるエキストラ。
シンデレラの世界を恣意的に利用するブンビー。そんなことはさせません。変身です。そうか!これだ!このためか!別にシンデレラの世界を使う必然性はあまり無いと思うのですが、変身のためです。プリキュアの醍醐味の一つである多様な衣装を用いての変身。今回はドレス変身です。勿論個別バージョン。スタッフよく分かっています。空気読みすぎです。のぞみの可愛さ、りんの脇、ドレスというかアイドルのうらら、何か地味なこまち(すまん、褒める言葉が出てこなかった)、掛け声の強さに比して見た目が少女チックなかれん(褒めてます)。プリキュア5屈指の変身シーン。今週はこれだけでも満足できる。
コワイナーの砲撃を回避するプリキュア。ミルクを救出しようとしますがブンビーも間抜けではないのでなかなか上手くいきません。コワイナーの攻撃を止めるアクア達ですが、床が滑って踏ん張りが利きません。柱の陰から様子を見るココナッツ。へたれとは言いませんが、情けなさ全開です。
アクア達はそれでも何とかコワイナーを押し返します。倒れ込むコワイナーをよけるブンビー。反撃の糸口を見つけるプリキュア。ブンビーの隙を突いてドリームキック。ルージュの近接からのキックでミルクを奪還。
遠慮なく攻撃するコワイナー。城が壊れそうです。パルミエ崩壊のときと同じように壊す気のブンビー。物語を壊そうとするブンビーにミントは制止の声をあげます。王子は城も国も失うのがこの物語なのだと主張しパイルを放つブンビー。しかし強化されたミントバリアにそんなものは効きません。
ブンビーを蹴りの2連撃で払うレモネード。良い蹴りです。続いてアクアの張り手。ドリームとルージュのダブルキックでコワイナーの体勢を崩します。ブンビーの思い通りにはさせません。「というか、この話ハッピーエンドなんだから!」全くそのとおりです。シナリオ上そうなっています。そしてまたプリキュアの物語もハッピーエンドです。クリスタルシュートで粉砕。
④ガラスの靴
元に戻るシンデレラ世界。ドレスの格好になるのぞみ達。12時の鐘が鳴ります。特に居続けても問題ない様に思えますが、急いで帰るのぞみ達。階段の途中でドジのスキルが発揮して史実どおりガラスの靴が脱げてしまうのぞみ。靴が光ってもとの世界に戻ります。
舞踏会やドレスの余韻を楽しむのぞみ達。かれんはガラスの靴があることに気づきます。何故か靴まで戻ってきてしまいました。あ!と声をあげるのぞみ。このガラスの靴が履ければ王子様と結ばれる。いや、どこの王子様と結ばれるんだよ。っていうか、こちらの世界には関係ないんじゃ? ココを見て頬を赤らめるのぞみ。ココも頬を染めてのぞみを見返します。君達は見ている方が恥ずかしいな。
ミルクが靴に飛び込みすっぽりと入ります。ジャストフット。ぴったりミル。いや、ぴったりの意味違くない?とツッコミを入れるりん。靴を履いているというか、収まっています。ミルク(が収まっているガラスの靴)を捕まえようとするのぞみですがミルクは器用に回避します。王子様と結ばれるとはしゃぐミルク。
ミルクの原稿を読んだりんが声をかけます。ミルク「さん」と呼び方を変えたときは危険な兆候です。何故自分が意地悪なお姉さんの役なのだと聞くかれん。全くです。意地悪な継母が適役です(違う)。こまちもこれは書き写しではないとフォローできません。怒りのりんとかれんにシンデレラのお姉さんより怖いと言うミルク。全くです。このふたりを敵に回してはいけません。役的に美味しいうららは今度はシンデレラで書いてほしいと言います。のぞみは今は自分がシンデレラなのでガラスの靴を要求します。熾烈な女の恐ろしさを垣間見た気がします。
⑤次回予告
次週はお休み。残念。次回はいよいよデスパライヤが登場。ココの美形モードはいらんから可愛い女の子を見せてください。
○トピック
映画の宣伝だろうが段取り芝居だろうが、可愛い女の子はそれだけで正しくあり、正義であり、全てであり、絶対の法則であり、つまるところ「いいぞ、もっとやれ」なわけです。
学芸会シーズンを意識してかミルクの物語でシンデレラをやるという逆転の発想。なるほど学年が違うのぞみ達に映画用衣装を着せて学芸会をやらせるにはちょうど良い。シリーズとして学芸会や学園祭をやっているのでそのノリだと思われます。
どんどん落ちぶれていくブンビーさんが思い描くサクセスストーリーには約束された筋書きがないので必ずしも自分の思うようには行きませんし、自動的にシナリオが進むこともありません。その点ではシンデレラを演じるのぞみ達はシナリオ上ハッピーが約束されています。しかし現実の世界に戻ればガラスの靴はミルクが横取りと上手くは行かない。
サクセスストーリーは物語の終わりが分かっているからサクセスストーリーです。成功することが分かっているからこの物語はサクセスだと言える。成功したから言える。しかし現在を生きる者には先が見えず未来は不透明。プリキュアを見る視聴者はこの物語がハッピーエンドだと分かっているけど、物語の主人公達はそれが分からない。
ブンビーものぞみ達も物語の中では同じ立場です。未来は約束されていない。その約束されていない未来の物語を作っていかなければならない。そろそろ本当に佳境。のぞみ達が望む未来を作っていって欲しいですね。
来週お休みなので、ちょこっと映画の話題でも。(ヒーローの在り方の話になってしまっていますが)
基本的に私はヒーローが好きですが、一つ個人的にヒーローものでやって欲しくないことがあります。それはヒーローVSヒーローです。正確に言えば、主役キャラクター同士の争い。最近のもので具体的に言えばライダーやガンダムです。敵も味方も同じ主役キャラ(主役ブランド)。これはおかしいです。ヒーローキャラクター、つまりライダーやガンダムは存在そのものがヒーローなので敵になること自体が矛盾します。まあ、Gガンダムや龍騎はむしろヒーロー同士の対決を狙ったものなので一発ネタとしてはいいと思いますが、継続してヒーローVSヒーローをやられると何か納得できないものがあります。玩具販売とかスポンサーの都合だとは思いますが、ヒーローはヒーローであって、敵じゃない。敵は敵のキャラクターがあるべきだと思う。
勿論、ヒーローものに偽者が登場するのはお約束です。ヒーローVS偽ヒーローは有り。これはヒーローを詐称しているためで、むしろ悪の卑劣さが引き立ちます。大抵の場合、最後には偽者であることがバレで倒されますからヒーローの質は揺るがない。敵も主役キャラクターだとヒーローとしての質がごちゃ混ぜになってしまって面白くないのです。敵にも主役キャラが登場し始めるとネタに詰まっていると思えてしまいます。(全部が全部つまらないわけではないです。私はGガンダムや龍騎が好きです。結局ストーリー次第なんですが、キャラによる陣営分けは分かりやすいし主役の特権的かっこ良さがあるので基本仕様は分けて欲しいと思っている)
で、プリキュアの映画。偽者登場ですよ。最初はプリキュアVSプリキュアのキャッチコピーに眉をひそめましたが、CMで堂々と偽プリキュアと言ってしまっているのを聞いて安心感を覚えます。具体的には実際に見てみないと分かりませんが、鏡の世界なのでコピーであり、おそらくのぞみ達の負のイメージや絶望的な未来像の暗喩だと思われるので、そういう意味では克服すべき自己像という意味合いが考えられます。そういうのは個人的にOK。まあ、映画はお祭りなのでそんなに過敏になることもないんですけどね。5対5のチームバトルとか見たいですし。
ヒーローはヒーローであって欲しい。ヒーローはデザインや意匠も含めてヒーローなんだから敵側にいちゃいけない。仮に偽者が現れたのなら、それを倒しヒーローの格と質を見せるのがヒーローです。
第37話「ココのヘルシー大作戦!」
○今週の出来事
①食欲の秋
ナッツハウス。美味しそうにおやつを食べるのぞみ達。かれんとこまちは新商品(?)を使って何かを作っています。シュークリームを美味しく食べるのぞみ。うららも幸せですねーと頷きます。のぞみと一緒に食べられて幸せだと解釈しておきます。猛烈な勢いで大盛りのシュークリームを食べるココ。いくら好物でもこれは食べすぎです。下手すると本人の重量より食べていると思います。
さすがに見咎めるりん達。りんはかれんの持ってきたセレブ堂のシュークリームを出します。お、懐かしい。坂本さんが直に取り寄せているこだわりのシュークリームですね。それも食べようとりんのところに近づこうとするココ。途中で躓いて転びます。何となく体型が丸っこくなっているような気がします。「どっこいしょ」と言いながら起き上がるココ。その掛け声に戦慄を覚えるかれんとのぞみ。シュークリームに隠れていましたが、ココの体型は見た目でも分かるほど丸っこくなっています。
試しに人間体になります。今までと変わらないスマートな体型。しかしナッツは見抜きます。バサっとココの服を持ち上げます。悲鳴。セクハラなんだか、腹に驚いたんだか迷うリアクションです。
悲鳴を聞きつけてかミルクが階段を上がってきます。ココのお腹を見て仰天する一同。「ぽっこりお腹のポンポコでした」とうらら。面白い表現だなぁ。こまちはショックと言います。言葉を発することができないココ。ミルクはシュークリームばかり食べていたと証言します。これは何とかしないと、と考える一同。余計なお世話という気もしますが、デブデブのマスコットキャラではぬいぐるみの売り上げが下がりそうですし、デブデブイケメン教師では大きなお姉さん方の人気も下がりそうです。個人的には「イケメンも地に落ちたな、へっ、ザマぁねえな」と笑ってしまいます。←小者発言。
ま、いいんじゃない、私もいっぱいシュークリーム食べてるし、とのぞみ。同意するうらら。うららののぞみっ子ぶりがたまりません。かれんはシュークリームばかりなのが問題だと言います。のぞみ達はシュークリーム以外にも好き嫌いせず色んなものを食べていますが、偏った食生活では良くありません。最近流行のメタボリックというやつになってしまいます。身体を壊してしまうかも、と言うかれんの言葉を聞いて真剣になるのぞみ。ミルクが食生活指導をすることを決意します。のぞみも健康にすると張り切ります。
ビル。お茶が入ったと自分で注ぐブンビー。この人どんどん可哀想な立場になっているなぁ。カワリーノはやっぱりガマオはダメだったと言います。それを聞いてカワリーノに詰め寄るブンビー。しかしカワリーノは受け流します。自分の部下達を食い物にするカワリーノに憤りを感じるブンビー。ハデーニャはおやつを食べて満足。使えない奴に哀れみをかけることはないと言いながら出撃します。
ブンビーさんの離反フラグが立っているとも言えなくもないですが、ブンビーも仮面付けてプリキュアに倒されるだろうなぁ。ナイトメアはいわゆる悪の組織ですが、組織そのものが一つの悪で世界を征服しようと活動しているという描写ではなくて、組織として歪んでいて非人間的な関係と成り立ち方をしているということを描写することに重きを置いているようなので内部での歪みを表すためにブンビーのような立場の人がいるんだろうと思います。
②規則正しい食生活
食事を終えるココとミルク。しばらくはミルクが考案したバランスの良い食事をするようです。さてデザートを食べようとはしゃぐココを一喝するミルク。わざわざ「シュークリーム禁止」と書かれた立て札を作って念を押します。となりではナッツが豆大福を大量に頬張っています。ある意味嫌がらせです。ナッツも同じだろうと言うココに、ナッツはちゃんと色んなものを食べていたからだと言います。色んなものを食べるのは良いと思うのだけど、量が適正値を超えていると思います。
深夜。音を立てないようにして台所に忍び込むココ。冷蔵庫を開けるとお目当てのセレブ堂のシュークリームを発見します。オッホン、とミルクの咳払い。見抜かれています。というか、わざわざ張っていたのか。信用が無いな。
ココはナッツハウスから持ってきたのか鞄にシュークリームを入れて屋外で食べようとします。鞄を開けるとミルクが寝ています。口元にはシュークリームの跡。この手のことに関してミルクは一枚も二枚も上手です。ココ打つ手なし。
学校の昼食。元気が無いココ。それを見て心配するかれん達。ココの辛さがイマイチ分かっていないのぞみにりんが分かりやすく説明します。好きな物が制限されるのは辛いです。私は食べ物ではあまり致命的なのは無いですが、プリキュア見るの制限されたら死ねます。陸に上がった魚と同じです。口パクパクしても酸素吸えてません。そういう状態。←末期。
ナッツハウスで作戦会議。いくらココのためとはいえ、そのためにココが元気を無くしては本末転倒です。お世話役見習い失格だと肩を落とすミルク。のぞみはココの元気が出る料理を作ろうと提案します。シュークリーム禁止じゃなくて量を制限するとかでも良い様な気がします。というか、のぞみ達の料理というのに重大な問題があるように思えます。りんとミルクを料理リーダーに置きます。落ち込みかけていたミルクも責任が大きく、かつ自分の経験や能力が発揮できる役割に活力を取り戻します。なるほどこれは上手いな。
③のぞみ達の料理教室
りんごの皮を剥くうらら。何か皮だけじゃないものがいっぱい付いています。案の定りんごは丸くないほっそりした形。ミルクがこれでは皮の方が美味しそうだと言います。言いえて妙。
鍋にどばどばとニボシを入れるかれん。りんが驚いて尋ねます。味噌汁の出汁をとっているようです。旨み成分云々と説明するかれん。そこまで分かっていて何で適切な量が分からないかな、と呆れるりん。よくあることですが、食材の知識はあっても料理の知識が無いかれん。ちなみに、味噌汁の出汁は味噌を入れる前にとると思います。
例によってこまちとのぞみが羊羹を用意します。こまち懲りないな。指摘するりんに驚いてそのままおかゆの中に羊羹が落ちてしまいます。
視聴者の期待と不安のとおりまともに料理できないのぞみ達。まったくダメダメです。ここは最近料理を始めた私が指導しましょう。手取り足取り腰取り、スキンシップを取りながらやりましょう。下心ミエミエだって? 下心が無いわけないだろ。
試食するミルク。味噌汁はダメです。のぞみ達を叱ります。おかゆは…案外イケるようです。本当かよ。逆に驚くのぞみ達。ちょ、プリキュアで良いとか言われると試したくなるからそういうのやめてください。
深夜。性懲りも無く忍び込むココ。まだシュークリームが残っているはずです。冷蔵庫を開けると…よくハムスターとかの檻にある回転式のランニングマシーンが入っています。これはツボった。ナッツが作ったと説明します。いや、作るのは良いけど冷蔵庫に入れるなよ。絶対ココが開けることを見込んで仕込んだだろ。無駄に用意周到だ。食べた後は運動するナツ、健康の基本だと自分で走ります。ガックリうなだれるココ。気が利いているのか嫌がらせなのか分かりませんが、確実に言える事はシュークリームは食べられないということです。
④試練
お腹を空かせ、というかシュークリーム禁断症状が出ているココは近くからシュークリームの香りがしていることに気づきます。香りの方の向かうと予想どおりシュークリームの販売車があります。
店員に変装したハデーニャがシュークリームを勧めます。ココを誘うハデーニャ。誘惑に負けそうになるココ。良い大人がシュークリームに一喜一憂するのもどうかと思います。これはアレですか、誘ってくる年増のオバハンを取るか、厳格だけど若い女の子を取るかという選択ですか。手を伸ばしかけるも今までのことを思い出すココ。自分のために一生懸命に頑張ってくれる人達の努力を足蹴にすることはできません。キッパリと断ります。やっぱ若い女の子が良いよね!←そういうことじゃない。
⑤信じるため出会った
ハデーニャはシュークリームを一気飲みして、正体を現します。好きなものは好きなだけ食べ、欲しいものは奪う。仮面を車につけコワイナー化。コワイナーはココを捕まえて座席に入れます。
気配を感じるナッツ。現場に到着するのぞみ達。ずいぶん早いと感心するハデーニャ。シナリオ上の都合です。ココを人質にしてコレットを要求します。ダメだと言うココ。無論そんなことは言われなくても分かっています。プリキュアに人質は通用しません。卑劣な要求には応えない。武力行使で悪を殲滅。勿論これもシナリオ上の都合です。変身です。
コワイナーの攻撃を回避。反撃してコワイナーにダメージを負わせますが、乗っているココにも害が及びます。流石にココごと必殺技で塵にするわけにもいかないのでココの救出が優先です。思うように応戦できません。
ココが勝手にコワイナーの中に入ったと言うハデーニャ。動揺するプリキュア。ハデーニャはシュークリーム欲しさに誘惑に負けて食べたと言います。
ドリームは嘘つき!と叫びます。悲痛な面持ちのココ。私の知っているココは誘惑に負けたりしない!と続けます。他の4人もココの潔白を信じます。何回も誘惑に負けて冷蔵庫開けましたけどね。
心理戦は通じませんが、依然ココが人質に取られていることには変わりありません。攻撃してくるコワイナー。ドリームは抱きとめる仕草をしてココに飛べと言います。しかしココはでっぷり太った自分では上手く飛べないと不安になります。ドリームはココを信じて手を伸ばします。ココは意を決して飛びます。キャッチ。
無事ココを救出。もはや障害は何一つありません。ココさえ戻ればこっちのもの。大した自信です。今のプリキュアは正攻法な手段ではまともに敵が相手できないほどの戦力を持っています。ハデーニャごときに遅れを取りません。ルージュの必殺技で牽制、ドリームが直撃を与えて倒します。
⑥まだまだ続くよヘルシー大作戦
のぞみ達の料理が完成。シュークリームです。でもちょっと中身の色が違います。
シュークリームは禁止なのでは?と聞くココにプリキュア特製シュークリームだと応えます。野菜を中心に調理。調理法を説明します。これは本当に作れるのしょうか。気になる。試したくなります。
ココはのぞみの絆創膏が張ってある手に気づきます。他の4人も服や顔が汚れています。慣れないながらも苦心したことが分かります。シュークリームを食べるココ。美味しいと応えます。
続けてもう一つと手を伸ばすココを遮るようにミルクが耳で蓋をします。これ以上食べると元に戻ってしまいます。お預けです。厳しいな。
便利な耳で皿を「どっこいしょ」と持ち上げるミルク。……。ミルクお前もか。ミルクの体型に疑念の目が注がれます。試作料理を試食したあげく完食していたので太ってしまったようです。戦慄と恐怖の表情を浮かべるミルク。ココがナッツ製作の運動マシーンを使って実演します。
次はミルクのヘルシー大作戦。チョコレートは禁止です。
⑦次回予告
のぞみがシンデレラならミルクは継母でしょうか。かれんの方が適任かな。
○トピック
年増のオバハンより若い女の子が良い。ココ、よく分かっているじゃないか。あー、ちょっと警察を呼ぶのは止めてください。
良い意味でも悪い意味でも他者との関係は人を束縛する。時に人から倫理を奪って凶暴にもさせるし、歯止めをかける役目を持つこともある。前回もそうでしたが、自分のために他者が頑張ってくれることが、自分も頑張れるモチベーションになっています。
どう見てもバランス以前に食べている量がおかしいだろ、と思われるのぞみ達ですが、彼女達は基本の食事量があれなので免罪。一体どこでカロリーを消費しているのか気になりますが、きっと元気と思い遣りに使われているのでしょう。
プリキュア的秋の健康診断。しかし子どもは下手にダイエットなどと食事量を制限するのは良くないので、ココを使ってバランスの良い食生活とそれを応援するのぞみ達というプリキュア5的パターンを採用。普段しっかりしたココもシュークリームには目が無く四苦八苦。ナッツは普段から摂生していて抜かりなし。のぞみ達は相変わらず料理が下手と面白いです。いつものとおりのぞみにべったりなうららとか、ミルクとかれんの仲の良さも見逃せません。
最近はとても良い話もまじえながら今回のような楽しい話もあって面白い。毎回面倒くさい感想を書いていますが、別に硬い話だけが好きなわけでもないので、こういう子ども番組らしいほのぼのとした話も楽しみます。楽しい話、シリアスな話、熱い話とバリエーションを持ちながら主軸はとても健全で真面目なので安心して見ていられます。
①食欲の秋
ナッツハウス。美味しそうにおやつを食べるのぞみ達。かれんとこまちは新商品(?)を使って何かを作っています。シュークリームを美味しく食べるのぞみ。うららも幸せですねーと頷きます。のぞみと一緒に食べられて幸せだと解釈しておきます。猛烈な勢いで大盛りのシュークリームを食べるココ。いくら好物でもこれは食べすぎです。下手すると本人の重量より食べていると思います。
さすがに見咎めるりん達。りんはかれんの持ってきたセレブ堂のシュークリームを出します。お、懐かしい。坂本さんが直に取り寄せているこだわりのシュークリームですね。それも食べようとりんのところに近づこうとするココ。途中で躓いて転びます。何となく体型が丸っこくなっているような気がします。「どっこいしょ」と言いながら起き上がるココ。その掛け声に戦慄を覚えるかれんとのぞみ。シュークリームに隠れていましたが、ココの体型は見た目でも分かるほど丸っこくなっています。
試しに人間体になります。今までと変わらないスマートな体型。しかしナッツは見抜きます。バサっとココの服を持ち上げます。悲鳴。セクハラなんだか、腹に驚いたんだか迷うリアクションです。
悲鳴を聞きつけてかミルクが階段を上がってきます。ココのお腹を見て仰天する一同。「ぽっこりお腹のポンポコでした」とうらら。面白い表現だなぁ。こまちはショックと言います。言葉を発することができないココ。ミルクはシュークリームばかり食べていたと証言します。これは何とかしないと、と考える一同。余計なお世話という気もしますが、デブデブのマスコットキャラではぬいぐるみの売り上げが下がりそうですし、デブデブイケメン教師では大きなお姉さん方の人気も下がりそうです。個人的には「イケメンも地に落ちたな、へっ、ザマぁねえな」と笑ってしまいます。←小者発言。
ま、いいんじゃない、私もいっぱいシュークリーム食べてるし、とのぞみ。同意するうらら。うららののぞみっ子ぶりがたまりません。かれんはシュークリームばかりなのが問題だと言います。のぞみ達はシュークリーム以外にも好き嫌いせず色んなものを食べていますが、偏った食生活では良くありません。最近流行のメタボリックというやつになってしまいます。身体を壊してしまうかも、と言うかれんの言葉を聞いて真剣になるのぞみ。ミルクが食生活指導をすることを決意します。のぞみも健康にすると張り切ります。
ビル。お茶が入ったと自分で注ぐブンビー。この人どんどん可哀想な立場になっているなぁ。カワリーノはやっぱりガマオはダメだったと言います。それを聞いてカワリーノに詰め寄るブンビー。しかしカワリーノは受け流します。自分の部下達を食い物にするカワリーノに憤りを感じるブンビー。ハデーニャはおやつを食べて満足。使えない奴に哀れみをかけることはないと言いながら出撃します。
ブンビーさんの離反フラグが立っているとも言えなくもないですが、ブンビーも仮面付けてプリキュアに倒されるだろうなぁ。ナイトメアはいわゆる悪の組織ですが、組織そのものが一つの悪で世界を征服しようと活動しているという描写ではなくて、組織として歪んでいて非人間的な関係と成り立ち方をしているということを描写することに重きを置いているようなので内部での歪みを表すためにブンビーのような立場の人がいるんだろうと思います。
②規則正しい食生活
食事を終えるココとミルク。しばらくはミルクが考案したバランスの良い食事をするようです。さてデザートを食べようとはしゃぐココを一喝するミルク。わざわざ「シュークリーム禁止」と書かれた立て札を作って念を押します。となりではナッツが豆大福を大量に頬張っています。ある意味嫌がらせです。ナッツも同じだろうと言うココに、ナッツはちゃんと色んなものを食べていたからだと言います。色んなものを食べるのは良いと思うのだけど、量が適正値を超えていると思います。
深夜。音を立てないようにして台所に忍び込むココ。冷蔵庫を開けるとお目当てのセレブ堂のシュークリームを発見します。オッホン、とミルクの咳払い。見抜かれています。というか、わざわざ張っていたのか。信用が無いな。
ココはナッツハウスから持ってきたのか鞄にシュークリームを入れて屋外で食べようとします。鞄を開けるとミルクが寝ています。口元にはシュークリームの跡。この手のことに関してミルクは一枚も二枚も上手です。ココ打つ手なし。
学校の昼食。元気が無いココ。それを見て心配するかれん達。ココの辛さがイマイチ分かっていないのぞみにりんが分かりやすく説明します。好きな物が制限されるのは辛いです。私は食べ物ではあまり致命的なのは無いですが、プリキュア見るの制限されたら死ねます。陸に上がった魚と同じです。口パクパクしても酸素吸えてません。そういう状態。←末期。
ナッツハウスで作戦会議。いくらココのためとはいえ、そのためにココが元気を無くしては本末転倒です。お世話役見習い失格だと肩を落とすミルク。のぞみはココの元気が出る料理を作ろうと提案します。シュークリーム禁止じゃなくて量を制限するとかでも良い様な気がします。というか、のぞみ達の料理というのに重大な問題があるように思えます。りんとミルクを料理リーダーに置きます。落ち込みかけていたミルクも責任が大きく、かつ自分の経験や能力が発揮できる役割に活力を取り戻します。なるほどこれは上手いな。
③のぞみ達の料理教室
りんごの皮を剥くうらら。何か皮だけじゃないものがいっぱい付いています。案の定りんごは丸くないほっそりした形。ミルクがこれでは皮の方が美味しそうだと言います。言いえて妙。
鍋にどばどばとニボシを入れるかれん。りんが驚いて尋ねます。味噌汁の出汁をとっているようです。旨み成分云々と説明するかれん。そこまで分かっていて何で適切な量が分からないかな、と呆れるりん。よくあることですが、食材の知識はあっても料理の知識が無いかれん。ちなみに、味噌汁の出汁は味噌を入れる前にとると思います。
例によってこまちとのぞみが羊羹を用意します。こまち懲りないな。指摘するりんに驚いてそのままおかゆの中に羊羹が落ちてしまいます。
視聴者の期待と不安のとおりまともに料理できないのぞみ達。まったくダメダメです。ここは最近料理を始めた私が指導しましょう。手取り足取り腰取り、スキンシップを取りながらやりましょう。下心ミエミエだって? 下心が無いわけないだろ。
試食するミルク。味噌汁はダメです。のぞみ達を叱ります。おかゆは…案外イケるようです。本当かよ。逆に驚くのぞみ達。ちょ、プリキュアで良いとか言われると試したくなるからそういうのやめてください。
深夜。性懲りも無く忍び込むココ。まだシュークリームが残っているはずです。冷蔵庫を開けると…よくハムスターとかの檻にある回転式のランニングマシーンが入っています。これはツボった。ナッツが作ったと説明します。いや、作るのは良いけど冷蔵庫に入れるなよ。絶対ココが開けることを見込んで仕込んだだろ。無駄に用意周到だ。食べた後は運動するナツ、健康の基本だと自分で走ります。ガックリうなだれるココ。気が利いているのか嫌がらせなのか分かりませんが、確実に言える事はシュークリームは食べられないということです。
④試練
お腹を空かせ、というかシュークリーム禁断症状が出ているココは近くからシュークリームの香りがしていることに気づきます。香りの方の向かうと予想どおりシュークリームの販売車があります。
店員に変装したハデーニャがシュークリームを勧めます。ココを誘うハデーニャ。誘惑に負けそうになるココ。良い大人がシュークリームに一喜一憂するのもどうかと思います。これはアレですか、誘ってくる年増のオバハンを取るか、厳格だけど若い女の子を取るかという選択ですか。手を伸ばしかけるも今までのことを思い出すココ。自分のために一生懸命に頑張ってくれる人達の努力を足蹴にすることはできません。キッパリと断ります。やっぱ若い女の子が良いよね!←そういうことじゃない。
⑤信じるため出会った
ハデーニャはシュークリームを一気飲みして、正体を現します。好きなものは好きなだけ食べ、欲しいものは奪う。仮面を車につけコワイナー化。コワイナーはココを捕まえて座席に入れます。
気配を感じるナッツ。現場に到着するのぞみ達。ずいぶん早いと感心するハデーニャ。シナリオ上の都合です。ココを人質にしてコレットを要求します。ダメだと言うココ。無論そんなことは言われなくても分かっています。プリキュアに人質は通用しません。卑劣な要求には応えない。武力行使で悪を殲滅。勿論これもシナリオ上の都合です。変身です。
コワイナーの攻撃を回避。反撃してコワイナーにダメージを負わせますが、乗っているココにも害が及びます。流石にココごと必殺技で塵にするわけにもいかないのでココの救出が優先です。思うように応戦できません。
ココが勝手にコワイナーの中に入ったと言うハデーニャ。動揺するプリキュア。ハデーニャはシュークリーム欲しさに誘惑に負けて食べたと言います。
ドリームは嘘つき!と叫びます。悲痛な面持ちのココ。私の知っているココは誘惑に負けたりしない!と続けます。他の4人もココの潔白を信じます。何回も誘惑に負けて冷蔵庫開けましたけどね。
心理戦は通じませんが、依然ココが人質に取られていることには変わりありません。攻撃してくるコワイナー。ドリームは抱きとめる仕草をしてココに飛べと言います。しかしココはでっぷり太った自分では上手く飛べないと不安になります。ドリームはココを信じて手を伸ばします。ココは意を決して飛びます。キャッチ。
無事ココを救出。もはや障害は何一つありません。ココさえ戻ればこっちのもの。大した自信です。今のプリキュアは正攻法な手段ではまともに敵が相手できないほどの戦力を持っています。ハデーニャごときに遅れを取りません。ルージュの必殺技で牽制、ドリームが直撃を与えて倒します。
⑥まだまだ続くよヘルシー大作戦
のぞみ達の料理が完成。シュークリームです。でもちょっと中身の色が違います。
シュークリームは禁止なのでは?と聞くココにプリキュア特製シュークリームだと応えます。野菜を中心に調理。調理法を説明します。これは本当に作れるのしょうか。気になる。試したくなります。
ココはのぞみの絆創膏が張ってある手に気づきます。他の4人も服や顔が汚れています。慣れないながらも苦心したことが分かります。シュークリームを食べるココ。美味しいと応えます。
続けてもう一つと手を伸ばすココを遮るようにミルクが耳で蓋をします。これ以上食べると元に戻ってしまいます。お預けです。厳しいな。
便利な耳で皿を「どっこいしょ」と持ち上げるミルク。……。ミルクお前もか。ミルクの体型に疑念の目が注がれます。試作料理を試食したあげく完食していたので太ってしまったようです。戦慄と恐怖の表情を浮かべるミルク。ココがナッツ製作の運動マシーンを使って実演します。
次はミルクのヘルシー大作戦。チョコレートは禁止です。
⑦次回予告
のぞみがシンデレラならミルクは継母でしょうか。かれんの方が適任かな。
○トピック
年増のオバハンより若い女の子が良い。ココ、よく分かっているじゃないか。あー、ちょっと警察を呼ぶのは止めてください。
良い意味でも悪い意味でも他者との関係は人を束縛する。時に人から倫理を奪って凶暴にもさせるし、歯止めをかける役目を持つこともある。前回もそうでしたが、自分のために他者が頑張ってくれることが、自分も頑張れるモチベーションになっています。
どう見てもバランス以前に食べている量がおかしいだろ、と思われるのぞみ達ですが、彼女達は基本の食事量があれなので免罪。一体どこでカロリーを消費しているのか気になりますが、きっと元気と思い遣りに使われているのでしょう。
プリキュア的秋の健康診断。しかし子どもは下手にダイエットなどと食事量を制限するのは良くないので、ココを使ってバランスの良い食生活とそれを応援するのぞみ達というプリキュア5的パターンを採用。普段しっかりしたココもシュークリームには目が無く四苦八苦。ナッツは普段から摂生していて抜かりなし。のぞみ達は相変わらず料理が下手と面白いです。いつものとおりのぞみにべったりなうららとか、ミルクとかれんの仲の良さも見逃せません。
最近はとても良い話もまじえながら今回のような楽しい話もあって面白い。毎回面倒くさい感想を書いていますが、別に硬い話だけが好きなわけでもないので、こういう子ども番組らしいほのぼのとした話も楽しみます。楽しい話、シリアスな話、熱い話とバリエーションを持ちながら主軸はとても健全で真面目なので安心して見ていられます。
第36話「目指せ完走!マラソン大会!!」
○今週の出来事
①長く辛い道のり
ナッツハウスでお茶を飲むかれん達。いつもの溜まり場です。ナッツは本を読んでいます。突然大きな音を立てて入ってくるのぞみ。のぞみを追いかけてりんも入ってきます。近々マラソン大会があるのでりんがのぞみを特訓しようとしているようです。嫌がるのぞみ。距離は4キロ。微妙な距離です。運動音痴または現役から遠ざかった人にとって4キロはなかなか辛い距離です。
嫌がるのぞみにかれんは全員参加だと釘を刺します。うららとこまちはのぞみを応援します。りんは今年2連覇がかかっているので、りんを応援するからと逃げるのぞみ。
公園のベンチでいつものとおり腹を空かすガマオ。顔には求職本を乗せています。何とも世の世知辛さを感じる姿です。このアニメはフリーターやニートに手厳しい(頑張れってことなんですが)。
カワリーノが神出鬼没の登場をします。ガマオがナイトメアに来たことを話題にします。この前カワリーノに幹部採用をちらつかされたので本気にしたようです。
ガマオの経験や能力は買うとしてもナイトメアに貢献した実績が無いと言うカワリーノ。いつものとおり巧妙です。交換条件を出します。幹部採用にプリキュア打倒は必須です。しかしプリキュアは手強い。採用を頼み込むガマオ。幹部になれば楽な仕事でガッポリ金が入ります。世の世知辛さを感じるセリフです。今の時代幹部は幹部で大変だと思いますが、出世すると楽で金が入るというモチベーションが無ければ出世したいと思いにくいのも確かです。そこでカワリーノは黒い紙のことを話します。強大な力を得ることが出来る黒い紙。ガマオはそれをよく知らないのでそれを求めます。自分で話題にしておきながら躊躇ってやっぱり止めるカワリーノ。心理的な駆け引きは時に焦らすことも重要です。欲しいものを目の前にして飢餓感を煽ることでより判断力を失わせ暴走するよう仕向けます。
選ばれた者、幹部会議に出席、などと特権意識を煽る言葉を残して消えるカワリーノ。もったいぶったカワリーノの態度に肩を落としながら落とした求職本を見ると、そこにはあからさまに、意図的に、絶対狙って落としたとしか思えない黒い紙が落ちています。疑問を抱くことなくそれを広い歓喜するガマオ。
ガマオが去った後、カワリーノが現われ本を拾います。ナイトメアに必要なのはコレット。それを得るためには犠牲なと厭いません。本を消滅させます。ガマオに真っ当な仕事の未来はありません。
②マラソン大特訓
トレーニングを始めるりんとのぞみ。ナッツハウスの前まで来ます。運動しなれないのぞみは2キロも走らないところでダウンしてしまいます。朝早いので疲れたし眠いのぞみ。りんは色々都合があるようで朝しか付き合えないようです。フットサルの練習に出なければいけないのでそのままフットサルに向かうりん。のぞみはそのままナッツハウスで寝てしまいます。先が思いやられます。
学校。のぞみの特訓を張り切るりん。うららとこまちも応援します。しかし疲れが出ているのか顔色が悪いりんをかれんは心配します。りんは家の手伝いがあると先に帰ります。のぞみもさることながらりんにも何か手伝えることは無いだろうかと考える3人。
特訓を続けるりん。嫌がるのぞみを引っ張ります。そこに登場するかれん達。彼女達も一緒に練習すると言います。体力的にかれんは大丈夫そう。膝まくっているのが特徴。うららは仕事の体力作りも兼ねます。こまちも体力に自信が無いので一緒に特訓に加わります。
ココナッツも付いてきます。ミルクはココナッツと一緒に練習ができることは光栄なことだと言います。鞄の中から頑張れと応援するミルク。鞄の中に入っていて走らないだろ、とのぞみからツッコミを受けますが、気持ちは一緒だミル!と豪語。気迫だけは凄いです。面白いなミルク。
一緒に走る5人。街の中を走ります。物凄い上り坂を走ります。いやいや、これはムリ。絶対ムリ。この坂道込みで4キロはムリ。これはのぞみじゃなくても挫ける。
バテて座り込むのぞみの手を取って励まし立たせようとするりん。しかし、疲れがたまっていたのかそのまま倒れてしまいます。
意識を取り戻すりん。ナッツハウスに運び込まれていたようです。
りんがそこまで頑張る理由を尋ねるうらら。特に理由がなくてものぞみのためならりんは火の中水の中、うららと壮絶な争いをしてでもやりそうですが、それは置いておいて、自分に大きな負担をかけてまでのぞみに付き合うのは何故なのか。
りんは、のぞみが憶えているか聞きながら話します。小学3年生の頃、すでに頭角を現していたりんは徒競走で優勝するだろうと思っていました。しかし本番で転んでしまい当然皆は先を走っていきます。もう優勝は出来ないと諦めかけていた時に声をかけたのがのぞみ。この頃からも恐らく体力が無いのぞみはビリを走っていたのでしょうが、一緒にゴールしようとりんを支えて二人三脚で一緒にゴールします。
その話を聞いてものぞみはよく覚えていないようです。多分、彼女にとってそれは何か印象的な行動というわけでは無いのでしょう。しかしよく憶えていたりんは、それが強い印象を与え、諦めずに頑張ることを意識したようです。だからりんは恩返しでもあり、のぞみが諦めずに完走できるよう尽力することに決めたと言います。それを聞いてのぞみはやる気を出します。自分のためにこんなにも頑張ってくれる人が居て、自分が何もしないわけにはいきません。
その光景を見てミルクはみんなの気持ちが一緒になったことを感じます。
③マラソン大会
いよいよ本番当日。集まってお互いに士気を高めます。一端バラける一同。学年やクラスが違うのでスタートラインが違うのでしょう。
スタート。前に行くりん。おタカさんとココが応援します。うららとこまちは同じペースで走ります。後ろを走るのぞみ。
恒例行事で町内にも理解があるのか、街の中を走る生徒達。ナッツも観戦します。先頭を走るりん。行き先案内の矢印を持つ怪しい人。ガマオです。矢印に従って道を曲がるりん。ガマオは矢印の向きを変えて他の生徒を正しい方向に案内します。かれん、うらら、こまち、最後にのぞみを誘い込みます。
④ガマオの罠
森の奥へと進むりん。行き止まりです。後からかれん達も追いつきます。最後にヘトヘトになりながら走ってくるのぞみ。周りに気付いていませんがりんに止められます。
のぞみ達の居る場所が大きなスリ鉢上になります。縁の部分からガマオが現われます。
街の中にいたココナッツは声をそろえて「何か出た!」そろそろ突っ込むのもどうかと思いかけてきましたが、何かって他に言い様があると思います。
いつものとおりコレットを要求するガマオ。むろん交渉決裂です。ガマオはシュツルム・ウント・ドランク(Gガンダムであった必殺技。体を高速で回転させて攻撃する。回っているのに何故か頭は一定方向を向いているので物理的にはロボットでなければ出来ない)でスリ鉢を降りていきます。変身です。
ドリームに突っ込むガマオ。いつもより動きが悪いドリーム。ルージュが庇います。見ると全員バテています。マラソンでみんなの体力は底が見えています。変身すると回復するわけではないようです。ガマオがこれを狙っていたらなかなかの作戦ですが、多分偶然です。ガマオだし。
マラソン疲れを見て、ガマオはそんな得にもならない下らないことをして何になるとバカにします。運動音痴の私も正直マラソンしなくてもいいよなーと思ってしまいます。まあ、そんなことを言ったら学校の行事や勉強も大抵役に立たないことなのですが。
下らなくない!と叫ぶドリーム。最後まで諦めないで努力することを尊びます。得にならない、無駄になることは世の中にゴマンとあります。それに意味を見出す、出さないは個人の資質や意識問題です。私もマラソンはしなくてもいいかな、と思う。体力作りとか根性作りとかあるかもしれないけど(走れるようになると存外に面白いんですが)。しかし、努力していることを嘲笑することは別であり恥じるべき行為です。行為の是非を問うことと、行為者の感情を蔑ろにすることは違います。
舌を使って攻撃するガマオ。ドリームはその舌を掴んでガマオに肉薄し、膝蹴りをお見舞いします。転げ落ちるガマオに追撃するルージュ。続いてアクアの蹴り。レモネードの張り手、ミントの平手打ち、最後にドリームのドロップキックでボコボコにされるガマオ。ガマオはいつも容赦なくボコボコにされるのは気のせいでしょうか。
ガマオは奥の手である黒い紙を出します。黒い仮面に変化する紙。これで力が手に入り、幹部になれると楽観。しかし仮面はガマオの意思に反し勝手にガマオに取り込みます。化け物になるガマオ。
化け物はプリキュアを軽々と吹き飛ばしてしまいます。踏み潰されるプリキュア。コレットを持っているココ達を襲う化け物。間一髪ドリームが攻撃を防ぎます。ルージュ、アクア、レモネード、ミントも化け物を持ち上げて立ち上がり、力を合わせて投げ飛ばします。
決して最後まで諦めないプリキュア。それを見たミルクは自分も気持ちは一緒であると加わります。ドリームの腕に取り付きアイテム化するミルク。
エクスプロージョンが発動して化け物を粉砕。ガマオの姿に戻るもそのまま消滅します。
⑤一緒にゴール
道草をくったので、マラソンは5人が最後になってしまいます。ゴールで待つココナッツ。
せっかくの2連覇が台無しになってしまいましたが、りんは5人で一緒に走れたことを嬉しいと言います。ゴール目前でスパートをかけるのぞみ。みんなで競争です。
めでたくゴールするのぞみ。
⑥次回予告
ダイエット作戦? 痩せるとか栄養とかより、その料理は生物が食えるものなのか?
○トピック
さらばガマオ。そろそろブンビーさんの余命が見えてきました。
組織に属することなくフリーターを続けていたガマオも幹部採用の誘惑には勝てず。決して仕事をしないわけではないのである種の同情の念も起きないわけではないですが、結局何をやっても最後までやり通すわけでもなく、のぞみ達の邪魔をしてあわよくば簡単に大きな結果を得ようとするところに、プリキュア的ダメ人間の模範さがあります。
安定し、楽で、大金が入り、厚遇される幹部を夢見つつも、その夢に対して何の努力もせずに簡単に力が手に入る黒い仮面を使う流れはガマオらしい末路です。ギリンマは追い詰められ、アラクネアは自尊心の暴走、と組織の中で狂ってしまった者の末路でした。そうなる理由の一端には各自の意識的な問題もありますが組織という枠、個人が属している集団の陰湿で個人には抗いにくいものが存在します。
個々の意識的な問題に対しては、のぞみ達は辛くても自らの努力によって結果を出そうとします。その結果は必ずしも大きなものとは言えませんが、努力と相互援助によって小さくても結果を出していきます。対してガマオは大きな力に飲み込まれてしまいます。
ダメな人は何をやってもダメ、なのではなく、何をやっても何もやり残さなかった、蓄積しなかったからダメなのだと思います。何かを努力することは経験を重ねることであり、技術を磨くことになります。それは自覚的であるとより効果的です。そしてそれは自分の能力や可能性を広げることになります。
のぞみ達が成長しているとすれば、その努力の蓄積があるからであり、実績はその結果です。4キロを走ることは運動音痴や運動に慣れていない人には苦痛ですが、決して出来ないことではありません。私は正真正銘の運動音痴なのでのぞみの苦しみや、しかしそれが達成可能なことも実感として分かります。全てのことが努力によって達成可能というわけではないですが、ある程度の努力によってそれを克服することは可能です。だからのぞみ達の姿はとても輝いて見えるし、努力し続けることを尊いと思うし、また自分もそうでありたいと思える。プリキュアが好きなのはそういう、自分もこうでありたい、こうしたい、この作品を見て自分の糧としたいと思える点。そう思える作品は多くは無い。だからそういう作品に出会えることは嬉しいし、その分深く読み込みたいと思う。余談が過ぎました。
毎回の感想で書いていることですが肝心なことなので今回も書きます。のぞみ一人では達成できなかったマラソンも、りんの支えや他の3人の支えによって可能となっています。本人の努力もさることながら、それを見る他者がどのように支えることができるか、が本作のテーマの一つと言えます。「私達にも何か出来ることは無いか」が本作の口癖です。ココやうらら、こまちの夢を支えようとのぞみが動いたからこそ今の彼女達の関係があります。りんにとって小学生の頃にのぞみが支えてくれたから今ののぞみを支えようとする。情けは人のためならず。人に施した情けは巡り巡って自分に返ってきます。
同じ人の集まりであるはずのナイトメアとのぞみ達ですが、結果は全く違うものになります。個人の意識的な問題、組織の問題。マラソンやったり来週は料理したりとほのぼの日常の裏で繰り広げる現実世界の表と裏。ナイトメアは我々の社会の一様を見せますが、のぞみ達の姿もまた我々の社会の一様でもあります。
①長く辛い道のり
ナッツハウスでお茶を飲むかれん達。いつもの溜まり場です。ナッツは本を読んでいます。突然大きな音を立てて入ってくるのぞみ。のぞみを追いかけてりんも入ってきます。近々マラソン大会があるのでりんがのぞみを特訓しようとしているようです。嫌がるのぞみ。距離は4キロ。微妙な距離です。運動音痴または現役から遠ざかった人にとって4キロはなかなか辛い距離です。
嫌がるのぞみにかれんは全員参加だと釘を刺します。うららとこまちはのぞみを応援します。りんは今年2連覇がかかっているので、りんを応援するからと逃げるのぞみ。
公園のベンチでいつものとおり腹を空かすガマオ。顔には求職本を乗せています。何とも世の世知辛さを感じる姿です。このアニメはフリーターやニートに手厳しい(頑張れってことなんですが)。
カワリーノが神出鬼没の登場をします。ガマオがナイトメアに来たことを話題にします。この前カワリーノに幹部採用をちらつかされたので本気にしたようです。
ガマオの経験や能力は買うとしてもナイトメアに貢献した実績が無いと言うカワリーノ。いつものとおり巧妙です。交換条件を出します。幹部採用にプリキュア打倒は必須です。しかしプリキュアは手強い。採用を頼み込むガマオ。幹部になれば楽な仕事でガッポリ金が入ります。世の世知辛さを感じるセリフです。今の時代幹部は幹部で大変だと思いますが、出世すると楽で金が入るというモチベーションが無ければ出世したいと思いにくいのも確かです。そこでカワリーノは黒い紙のことを話します。強大な力を得ることが出来る黒い紙。ガマオはそれをよく知らないのでそれを求めます。自分で話題にしておきながら躊躇ってやっぱり止めるカワリーノ。心理的な駆け引きは時に焦らすことも重要です。欲しいものを目の前にして飢餓感を煽ることでより判断力を失わせ暴走するよう仕向けます。
選ばれた者、幹部会議に出席、などと特権意識を煽る言葉を残して消えるカワリーノ。もったいぶったカワリーノの態度に肩を落としながら落とした求職本を見ると、そこにはあからさまに、意図的に、絶対狙って落としたとしか思えない黒い紙が落ちています。疑問を抱くことなくそれを広い歓喜するガマオ。
ガマオが去った後、カワリーノが現われ本を拾います。ナイトメアに必要なのはコレット。それを得るためには犠牲なと厭いません。本を消滅させます。ガマオに真っ当な仕事の未来はありません。
②マラソン大特訓
トレーニングを始めるりんとのぞみ。ナッツハウスの前まで来ます。運動しなれないのぞみは2キロも走らないところでダウンしてしまいます。朝早いので疲れたし眠いのぞみ。りんは色々都合があるようで朝しか付き合えないようです。フットサルの練習に出なければいけないのでそのままフットサルに向かうりん。のぞみはそのままナッツハウスで寝てしまいます。先が思いやられます。
学校。のぞみの特訓を張り切るりん。うららとこまちも応援します。しかし疲れが出ているのか顔色が悪いりんをかれんは心配します。りんは家の手伝いがあると先に帰ります。のぞみもさることながらりんにも何か手伝えることは無いだろうかと考える3人。
特訓を続けるりん。嫌がるのぞみを引っ張ります。そこに登場するかれん達。彼女達も一緒に練習すると言います。体力的にかれんは大丈夫そう。膝まくっているのが特徴。うららは仕事の体力作りも兼ねます。こまちも体力に自信が無いので一緒に特訓に加わります。
ココナッツも付いてきます。ミルクはココナッツと一緒に練習ができることは光栄なことだと言います。鞄の中から頑張れと応援するミルク。鞄の中に入っていて走らないだろ、とのぞみからツッコミを受けますが、気持ちは一緒だミル!と豪語。気迫だけは凄いです。面白いなミルク。
一緒に走る5人。街の中を走ります。物凄い上り坂を走ります。いやいや、これはムリ。絶対ムリ。この坂道込みで4キロはムリ。これはのぞみじゃなくても挫ける。
バテて座り込むのぞみの手を取って励まし立たせようとするりん。しかし、疲れがたまっていたのかそのまま倒れてしまいます。
意識を取り戻すりん。ナッツハウスに運び込まれていたようです。
りんがそこまで頑張る理由を尋ねるうらら。特に理由がなくてものぞみのためならりんは火の中水の中、うららと壮絶な争いをしてでもやりそうですが、それは置いておいて、自分に大きな負担をかけてまでのぞみに付き合うのは何故なのか。
りんは、のぞみが憶えているか聞きながら話します。小学3年生の頃、すでに頭角を現していたりんは徒競走で優勝するだろうと思っていました。しかし本番で転んでしまい当然皆は先を走っていきます。もう優勝は出来ないと諦めかけていた時に声をかけたのがのぞみ。この頃からも恐らく体力が無いのぞみはビリを走っていたのでしょうが、一緒にゴールしようとりんを支えて二人三脚で一緒にゴールします。
その話を聞いてものぞみはよく覚えていないようです。多分、彼女にとってそれは何か印象的な行動というわけでは無いのでしょう。しかしよく憶えていたりんは、それが強い印象を与え、諦めずに頑張ることを意識したようです。だからりんは恩返しでもあり、のぞみが諦めずに完走できるよう尽力することに決めたと言います。それを聞いてのぞみはやる気を出します。自分のためにこんなにも頑張ってくれる人が居て、自分が何もしないわけにはいきません。
その光景を見てミルクはみんなの気持ちが一緒になったことを感じます。
③マラソン大会
いよいよ本番当日。集まってお互いに士気を高めます。一端バラける一同。学年やクラスが違うのでスタートラインが違うのでしょう。
スタート。前に行くりん。おタカさんとココが応援します。うららとこまちは同じペースで走ります。後ろを走るのぞみ。
恒例行事で町内にも理解があるのか、街の中を走る生徒達。ナッツも観戦します。先頭を走るりん。行き先案内の矢印を持つ怪しい人。ガマオです。矢印に従って道を曲がるりん。ガマオは矢印の向きを変えて他の生徒を正しい方向に案内します。かれん、うらら、こまち、最後にのぞみを誘い込みます。
④ガマオの罠
森の奥へと進むりん。行き止まりです。後からかれん達も追いつきます。最後にヘトヘトになりながら走ってくるのぞみ。周りに気付いていませんがりんに止められます。
のぞみ達の居る場所が大きなスリ鉢上になります。縁の部分からガマオが現われます。
街の中にいたココナッツは声をそろえて「何か出た!」そろそろ突っ込むのもどうかと思いかけてきましたが、何かって他に言い様があると思います。
いつものとおりコレットを要求するガマオ。むろん交渉決裂です。ガマオはシュツルム・ウント・ドランク(Gガンダムであった必殺技。体を高速で回転させて攻撃する。回っているのに何故か頭は一定方向を向いているので物理的にはロボットでなければ出来ない)でスリ鉢を降りていきます。変身です。
ドリームに突っ込むガマオ。いつもより動きが悪いドリーム。ルージュが庇います。見ると全員バテています。マラソンでみんなの体力は底が見えています。変身すると回復するわけではないようです。ガマオがこれを狙っていたらなかなかの作戦ですが、多分偶然です。ガマオだし。
マラソン疲れを見て、ガマオはそんな得にもならない下らないことをして何になるとバカにします。運動音痴の私も正直マラソンしなくてもいいよなーと思ってしまいます。まあ、そんなことを言ったら学校の行事や勉強も大抵役に立たないことなのですが。
下らなくない!と叫ぶドリーム。最後まで諦めないで努力することを尊びます。得にならない、無駄になることは世の中にゴマンとあります。それに意味を見出す、出さないは個人の資質や意識問題です。私もマラソンはしなくてもいいかな、と思う。体力作りとか根性作りとかあるかもしれないけど(走れるようになると存外に面白いんですが)。しかし、努力していることを嘲笑することは別であり恥じるべき行為です。行為の是非を問うことと、行為者の感情を蔑ろにすることは違います。
舌を使って攻撃するガマオ。ドリームはその舌を掴んでガマオに肉薄し、膝蹴りをお見舞いします。転げ落ちるガマオに追撃するルージュ。続いてアクアの蹴り。レモネードの張り手、ミントの平手打ち、最後にドリームのドロップキックでボコボコにされるガマオ。ガマオはいつも容赦なくボコボコにされるのは気のせいでしょうか。
ガマオは奥の手である黒い紙を出します。黒い仮面に変化する紙。これで力が手に入り、幹部になれると楽観。しかし仮面はガマオの意思に反し勝手にガマオに取り込みます。化け物になるガマオ。
化け物はプリキュアを軽々と吹き飛ばしてしまいます。踏み潰されるプリキュア。コレットを持っているココ達を襲う化け物。間一髪ドリームが攻撃を防ぎます。ルージュ、アクア、レモネード、ミントも化け物を持ち上げて立ち上がり、力を合わせて投げ飛ばします。
決して最後まで諦めないプリキュア。それを見たミルクは自分も気持ちは一緒であると加わります。ドリームの腕に取り付きアイテム化するミルク。
エクスプロージョンが発動して化け物を粉砕。ガマオの姿に戻るもそのまま消滅します。
⑤一緒にゴール
道草をくったので、マラソンは5人が最後になってしまいます。ゴールで待つココナッツ。
せっかくの2連覇が台無しになってしまいましたが、りんは5人で一緒に走れたことを嬉しいと言います。ゴール目前でスパートをかけるのぞみ。みんなで競争です。
めでたくゴールするのぞみ。
⑥次回予告
ダイエット作戦? 痩せるとか栄養とかより、その料理は生物が食えるものなのか?
○トピック
さらばガマオ。そろそろブンビーさんの余命が見えてきました。
組織に属することなくフリーターを続けていたガマオも幹部採用の誘惑には勝てず。決して仕事をしないわけではないのである種の同情の念も起きないわけではないですが、結局何をやっても最後までやり通すわけでもなく、のぞみ達の邪魔をしてあわよくば簡単に大きな結果を得ようとするところに、プリキュア的ダメ人間の模範さがあります。
安定し、楽で、大金が入り、厚遇される幹部を夢見つつも、その夢に対して何の努力もせずに簡単に力が手に入る黒い仮面を使う流れはガマオらしい末路です。ギリンマは追い詰められ、アラクネアは自尊心の暴走、と組織の中で狂ってしまった者の末路でした。そうなる理由の一端には各自の意識的な問題もありますが組織という枠、個人が属している集団の陰湿で個人には抗いにくいものが存在します。
個々の意識的な問題に対しては、のぞみ達は辛くても自らの努力によって結果を出そうとします。その結果は必ずしも大きなものとは言えませんが、努力と相互援助によって小さくても結果を出していきます。対してガマオは大きな力に飲み込まれてしまいます。
ダメな人は何をやってもダメ、なのではなく、何をやっても何もやり残さなかった、蓄積しなかったからダメなのだと思います。何かを努力することは経験を重ねることであり、技術を磨くことになります。それは自覚的であるとより効果的です。そしてそれは自分の能力や可能性を広げることになります。
のぞみ達が成長しているとすれば、その努力の蓄積があるからであり、実績はその結果です。4キロを走ることは運動音痴や運動に慣れていない人には苦痛ですが、決して出来ないことではありません。私は正真正銘の運動音痴なのでのぞみの苦しみや、しかしそれが達成可能なことも実感として分かります。全てのことが努力によって達成可能というわけではないですが、ある程度の努力によってそれを克服することは可能です。だからのぞみ達の姿はとても輝いて見えるし、努力し続けることを尊いと思うし、また自分もそうでありたいと思える。プリキュアが好きなのはそういう、自分もこうでありたい、こうしたい、この作品を見て自分の糧としたいと思える点。そう思える作品は多くは無い。だからそういう作品に出会えることは嬉しいし、その分深く読み込みたいと思う。余談が過ぎました。
毎回の感想で書いていることですが肝心なことなので今回も書きます。のぞみ一人では達成できなかったマラソンも、りんの支えや他の3人の支えによって可能となっています。本人の努力もさることながら、それを見る他者がどのように支えることができるか、が本作のテーマの一つと言えます。「私達にも何か出来ることは無いか」が本作の口癖です。ココやうらら、こまちの夢を支えようとのぞみが動いたからこそ今の彼女達の関係があります。りんにとって小学生の頃にのぞみが支えてくれたから今ののぞみを支えようとする。情けは人のためならず。人に施した情けは巡り巡って自分に返ってきます。
同じ人の集まりであるはずのナイトメアとのぞみ達ですが、結果は全く違うものになります。個人の意識的な問題、組織の問題。マラソンやったり来週は料理したりとほのぼの日常の裏で繰り広げる現実世界の表と裏。ナイトメアは我々の社会の一様を見せますが、のぞみ達の姿もまた我々の社会の一様でもあります。
第35話「ナッツの鍵とこまちの心」
○今週の出来事
①鍵
不安そうなこまち。ナッツは海賊ハリケーンの原稿を黙々と読みます。息を呑むのぞみ達。もう少しカメラの角度が違えばのぞみのドリームな情景を見ることが出来そうなのでが巧みなカメラワークによって夢は夢のままです。ココがナッツハウスに帰ってきます。事情を説明するのぞみ達。ダメ出しを出されどうやら書き直しを7度もやっているようです。ナッツは編集部の人か。
読了。皆固唾を呑んでナッツの言葉を待ちます。「面白かった」思わず聞き返してしまうこまち。ナッツは内容を褒めます。喜ぶみんな。どこかの偉い先生かあんたは。とはいえ、この面子で贔屓目無く読めるのはナッツだけなので身内の甘い採点よりは信頼性はあります。乾杯しようと準備を始めるのぞみ達。打ち上げです。
ナッツは小説にもあった「鍵」を思い返し、自分の首に下げられた鍵を握り締めます。そういえば何の鍵だろうと思いつつも忘れていましたがこの鍵は何だ?
OPの映像が新必殺技モーションに変わってますね。構える動作はカッコイイな。
夜。ピンキーを休ませるナッツ。鍵を取り出して見るナッツ。ココが突然鍵を奪ってガキんちょのようにはしゃぎます。大人形態のときとはずいぶんなギャップ。使えない鍵ねぇ。しかしポイするとは酷いな。鍵を取り返し去っていくナッツの後姿に向かって昔のことにこだわっていてもはじまらないと言うココ。どうやらココは励まそうとしたようですが失敗に終わったようです。
ビル。ハデーニャは欠勤のようです。ブンビーは無視してブラッディに話を振るカワリーノ。人の居ない椅子が動いてブラッディが姿を現します。31話の登場からようやく初めて口を開くブラッディ。以前カワリーノの上司だったようです。ブラッディを持ち上げるカワリーノ。相変わらず口が上手いですがブラッディにはお見通しです。ブラッディ出撃。底が知れないカワリーノ。相手にされないブンビー。可哀想になってきました。
②お買い物
原稿をポストに投函するこまち。賞に入選するよう祈るのぞみ達。ナッツはしません。お願いして入選するほど世の中甘くないとクールです。その前に場の空気を読むことを覚えておかないと世の中の厳しさを別な意味で知ることになります。場にそぐわない言動は忌み嫌われ排除される。集団の暗黙の行動規制を逸脱した者はその集団から阻害されます。
こまちは殊勝にも一つの作品を書き上げただけで満足していては作家になれないと気を引き締めます。新たな作品に取り掛かるこまち。
こまちの話を聞いてやる気を出すうらら。明日TVのトーク番組に出るので衣装探しをします。衣装代もバカに出来なさそうです。買い物に付き合うと決定するのぞみ。うらら内心でガッツポーズです。こまちも本屋に行くのでみんなで買い物です。
ホールのクラシック会場を待ち合わせ場所にして各々分散します。
うららの服を選ぶりん。可愛らしい服をチョイスします。勝気なりんですが割りと少女チックなところがあります。対してかれんはシックな服をチョイスします。火花を散らすりんとかれん。好みの話を始めると水と油、いや水と火です。板ばさみになって曖昧にしか答えられないうらら。内心で人選誤ったと考えていると思います。こんなときにのぞみが居れば…さらに混沌なチョイスをしそうです。
のぞみは一人迷子になっています。後ろから声をかけるサングラスの怪しい男。ココです。
王子だったココはお忍びで城を出て色々と外を見ていたようです。真面目なイメージのココの意外な行動に驚くのぞみ。ココは世界の色んなものを自分の目で見たかったと言います。
本屋で本を品定めするナッツ。読みたい本はたくさんあるようです。こまちに尋ねられココが本をよくくれたと話します。
ナッツはコレットとピンキーの守護者なので城の外に出るわけには行かず、その代わりココが本をお土産に持ち帰っていたようです。今のナッツは無愛想だけど昔は楽しそうに笑っていたと話すココ。のぞみはその話を聞いてナッツの笑顔を見てみたいと思います。ナッツは自分は笑っちゃいけないと思い込んでいるように見えると言うのぞみ。鋭い娘だな。帽子をココに被せながらみんなで一緒に笑いたいと話すのぞみ。ココも同意します。しかしそれにしても傍目にはデートしているカップルです。
③罪悪
先に待ち合わせ場所についてしまうナッツとこまち。待っているときの時間は長く感じますし、何となく気まずい雰囲気です。
ナッツが何を見ているのか尋ねるこまち。ナッツは何気ない風景を意識して見ています。ふたりの会話に割ってはいる声。普段は気づかない大事なモノ。大事なモノは失って初めて気づく。人の最大の不幸は幸福に気づかないことだと言ったのはドストエフスキーだったか。
アイキャッチ変更。チビキャラから等身大に。
ナッツの鍵について「自分の対する戒めかね?」と尋ねるブラッディ。ナッツの鍵がパルミエ王国の門の鍵だと見抜きます。ようやく相手が何者かを確信するナッツ。答えるようにブラッディは仮面を見せます。名刺代わりに出すあたりが渋い。
取り出した仮面をそのまま落とすブラッディ。あれ、すぐとなりにピアノがあるんですが…仮面はそのまま会場そのものを取り込みます。おお、フィールド系コワイナーとは。四方八方から手が伸びます。一種の結界。こういう使い方も有りなのか。
電源が切れ異変に気づく他の面子。一瞬ですがかれんのふくれっ面とうららの何とも言えない表情が面白すぎます。「何か出た!」いや、異変が起きたのは分かるから。
コレットを要求するブラッディに「渡さない」と答えるこまち。君に聞いてないとコワイナーに攻撃させます。ナッツがこまちを庇って緊急退避。人間体から謎生物形態に戻ってしまいます。なんと頼りがいの無い。しかしながら女の子自ら頑張ります番組のプリキュアは男性に依存も頼りもしません。こまち単独変身。ちなみにこまちも変身ポーズの予備動作がカッコイイので極力端折らないでいただけると嬉しいです。
無数の手を相手にするミント。ブラッディは親切にもパルミエのその後を教えます。つまりパルミエの最後。石ころ残さず自分が消滅させたと言うブラッディ。あくまで淡々と語ります。仕事、与えられた役割はしっかりとこなさなくてはなりません。王子のナッツは国民を守れたのか? 老練で狡猾な相手です。さすがカワリーノの元上司。心理的にナッツを追い詰めていきます。コレットの守護者として責任感の強いナッツにとってその責任を果たせなかったことは十字架を背負うことになります。ミントの呼びかけが耳に入らないナッツ。
異空間化して入れなくなっている会場。のぞみ達が揃います。迎え撃つようにコワイナーの手が伸びます。一斉変身。珍しく全員揃っての口上がありません。
何故王国が滅びたのか尋ねるブラッディ。勿論分かっていて聞いています。自分が門を開けたからと自ら答えるナッツ。偽装ピンキーを使ったのはギリンマでありナッツは騙されたことになりますが、だからといってナッツ自身の罪の意識が消えるわけではありません。責任感が強ければそれに比例して失敗した時の罪悪(背任)感も大きくなります。自分が何かに束縛されることは行動する場合にも、その結果にも束縛されます。巧みにナッツの罪悪感をかきたてるブラッディ。奮闘するもコワイナーに捕まってしまうミント。
さらに追い込む言葉をかけるブラッディ。ナッツのせいでパルミエは消滅し、さらに今度は関係ない世界と人々を巻き込んでいる。ナッツがこの世界で感じた良いと思うもの、この世界の人々との楽しく心地よい思い出が罪の意識に変わっていきます。えげつねぇなぁこの敵。
④あなたの夢を私は応援します
コレットをしまっていた鞄を開けようとするナッツに叫ぶミント。夢を捨ててしまうつもりなの!?
夢を諦めるなと言ったのはナッツです。小説を書くことに苦しみ挫折しかけていた彼女にそう言ったのはナッツです。ナッツの夢のためにミントは束縛を断ち切ります。
迫る無数の手からナッツを守るミント。ミントバリアの本領発揮です。ナッツに強くコレットを守れと叫ぶミント。
コレットを持つに相応しいのはナッツだと言うミント。重責は重荷です。それを感じなければとても楽ですが、それを感じるからこそ何としてでも果たさなければならず、また諦めたり挫折したりしない意志を持てます。苦しい責任感は同時に前進しようとする駆動力を持ちます。それは一旦置いておいて、ミントの脇が気になります。
淡々とミントに対峙するブラッディ。攻撃に力を入れてバリアを破壊します。万策尽きるミントを助けるのは勿論仲間。間一髪のところで外壁を破って助けに現れます。
仲間のため、それが君らの原動力か。プリキュアを分析するブラッディ。コワイナーで力を試します。必殺技のオンパレードで四方から迫る攻撃を相殺して粉砕。ブラッディ撤退。
⑤ある少女の出会い
夕方、一人のナッツ。こまちは意を決してナッツハウスに入ります。こまちにお礼を言うナッツ。呑まれそうになったナッツを引き戻したのはこまちのおかげです。自分の未熟さをかみ締めるナッツ。こまちは何かを言いかけようとしますが、ナッツの顔が近くて言葉を出せません。勇気付けるつもりが逆にナッツに心配され注意されてしまいます。
ナッツはこまちが作家になるまで何度でも書いた小説を読むし出来る限りのアドバイスをすると言います。気づくとこまちは目に涙を浮かべています。こまちの頬に手を触れながら見つめるナッツ。こまちは見つめ返します。
ナッツの優しさと胸中を感じつつも何もすることが出来なかったと独白し綴るこまち。かれんが尋ねてきます。恥ずかしがって原稿を隠すも内容を話します。
「一人の女の子が心惹かれる相手に出会う物語」
⑥次回予告
ついに完成版ED。本編ぶっちぎって軽く感動してしまいました。5人で動くの面白いなー。
さらばガマオ。
○トピック
ところでうららの服は決まったのでしょうか?
決まっていないなら私が選びましょう。おっと、服を選ぶにはサイズが分からないと選べません。スリーサ…ごめんなさい、後生ですから警察は呼ばないでください。
16話で凹んだこまちに夢を諦めるな!と励ましたナッツ。今回はこまちが凹んだナッツを勇気付けます。
ナッツは真面目で融通が利かないのだけどとても責任感のある人物というのはこれまでにもちょっとずつ描かれてきましたが、今回でより明確に、そしてトドメを刺されそうになります。責任感が強ければ使命を果たそうと頑張りますし、それが果たされなければ重い責任と罪悪を感じます。のぞみがナッツに感じる笑ってはいけないという印象はナッツの自戒と責任感が現れているからだと思われます。自戒と罪悪感が募れば自分が適格の無い不適合者だと感じるようにもなります。自分はコレットの守護者として不適格なのだからコレットを持つことは出来ない。ブラッディさんえげつない手を使います。
自己の罪悪感、挫折感は容易に払拭できません。だからこまちも凹んでしまったし、23,24話のように各自沈んでしまいます。立ち直ろうにもそもそも立ち直る足がかりがないのだからどうにもなりません。「俺はやれば出来る子なんだ」「本気を出せば何とかなる」というのは言い訳と願望です。出来ないし何ともならなかったことを知ってしまえば自分に自分を励ます材料がありません。責任感が強いほど開き直ることも難しくなる。
では何を持って自分を立たせる足がかりとするか。プリキュアはそれを他者が与えます。自分で作れない足がかりを他者が作ります。要するに相手を赦し、励まします。コレットを守ることはのぞみ達の世界やのぞみ達を巻き込むことになりますが、のぞみ達はそれを厭いません。うららの衣装選びはうららの仕事ですが、彼女達は衣装選びに付き合います。のぞみの友達でいたいとりんは思うし、うららの友達でいたいとのぞみは思うし、こまちの作家希望をのぞみは承認するし、かれんの変身失敗をのぞみは責めない。挫折したこまちを励ましたのはナッツだし、バラバラになった仲間に声をかけたのはのぞみだし、のぞみのミスを許したのはりん達です。今回ナッツを助けたのはこまちで、こまちを助けたのは仲間達。
そして、今回ナッツがこまちを救うだけではなく、ナッツもまたこまちを応援し助けていることがわかります。相互的で、お互いに弱みがあり、お互いに助けられる部分があります。こまちはナッツに助けられていると感じるのと同様、ナッツもこまちに助けられている。そしてそれらを助ける仲間達。彼女達は助けられもしますが、助けもします。
最終的に立ち上がれるかどうかは当人の意思次第です。しかしそれを支え、声をかけることができる他者にできること、それを実践しているのがプリキュア5です。
最初は登場人物の多さの割りに関係性の線は少なかった物語も、後半になり幾重もの線が引けるようになりました。ふたりの関係は一本の線ですが、三人なら三本、4人なら6本引けます。線だけではなく、レイヤーのように重なりも持ちます。ココの夢を応援するのはのぞみであり、のぞみの夢を応援するのはミルクです。誰が誰に依存しているわけではなく、誰もが独立しつつも誰かと関係を持ちお互いに関わり影響し合うようになっています。
プリキュアは無印の頃から「人と人の関係」の物語だと思っています。それはなぎさとほのかが他人から友達になることを一から描いたこの作品に感じたことです(だから見続けた)。S☆Sでも人々の関係が、波紋が広がるように描かれています。本作でもより詳細に描かれています。その人と人との関係が自己に何を与え、他者に何を与え、そして人生にどのように影響していくのかが、この作品を見ていると感じることです。ブラックとホワイト、ブルームとイーグレットがどう見ても勝ち目の無い戦いにおいてなんで戦えて、勝ち得るのか、その理由の根本が「人と人の関係」から始まっています。(MHは自己肯定寄りですが)
5もそれを蓄積していっているので昇華具合が楽しみです。最終回を見るために見ている、と言ってもいいです。この人と人の関係が何を可能とするのか、何をもって生きることを肯定できるのかその一点。この一点こそがプリキュアを見る理由(マジで)。そしてプリキュアを素晴らしい物語だと思う理由。
こまちがナッツに惹かれていると自覚する話でもあったのですが、その辺の恋愛事情は割愛。私、恋愛は語れないです。プリキュアがそれをどうもって行くのかは気になりますね。
①鍵
不安そうなこまち。ナッツは海賊ハリケーンの原稿を黙々と読みます。息を呑むのぞみ達。もう少しカメラの角度が違えばのぞみのドリームな情景を見ることが出来そうなのでが巧みなカメラワークによって夢は夢のままです。ココがナッツハウスに帰ってきます。事情を説明するのぞみ達。ダメ出しを出されどうやら書き直しを7度もやっているようです。ナッツは編集部の人か。
読了。皆固唾を呑んでナッツの言葉を待ちます。「面白かった」思わず聞き返してしまうこまち。ナッツは内容を褒めます。喜ぶみんな。どこかの偉い先生かあんたは。とはいえ、この面子で贔屓目無く読めるのはナッツだけなので身内の甘い採点よりは信頼性はあります。乾杯しようと準備を始めるのぞみ達。打ち上げです。
ナッツは小説にもあった「鍵」を思い返し、自分の首に下げられた鍵を握り締めます。そういえば何の鍵だろうと思いつつも忘れていましたがこの鍵は何だ?
OPの映像が新必殺技モーションに変わってますね。構える動作はカッコイイな。
夜。ピンキーを休ませるナッツ。鍵を取り出して見るナッツ。ココが突然鍵を奪ってガキんちょのようにはしゃぎます。大人形態のときとはずいぶんなギャップ。使えない鍵ねぇ。しかしポイするとは酷いな。鍵を取り返し去っていくナッツの後姿に向かって昔のことにこだわっていてもはじまらないと言うココ。どうやらココは励まそうとしたようですが失敗に終わったようです。
ビル。ハデーニャは欠勤のようです。ブンビーは無視してブラッディに話を振るカワリーノ。人の居ない椅子が動いてブラッディが姿を現します。31話の登場からようやく初めて口を開くブラッディ。以前カワリーノの上司だったようです。ブラッディを持ち上げるカワリーノ。相変わらず口が上手いですがブラッディにはお見通しです。ブラッディ出撃。底が知れないカワリーノ。相手にされないブンビー。可哀想になってきました。
②お買い物
原稿をポストに投函するこまち。賞に入選するよう祈るのぞみ達。ナッツはしません。お願いして入選するほど世の中甘くないとクールです。その前に場の空気を読むことを覚えておかないと世の中の厳しさを別な意味で知ることになります。場にそぐわない言動は忌み嫌われ排除される。集団の暗黙の行動規制を逸脱した者はその集団から阻害されます。
こまちは殊勝にも一つの作品を書き上げただけで満足していては作家になれないと気を引き締めます。新たな作品に取り掛かるこまち。
こまちの話を聞いてやる気を出すうらら。明日TVのトーク番組に出るので衣装探しをします。衣装代もバカに出来なさそうです。買い物に付き合うと決定するのぞみ。うらら内心でガッツポーズです。こまちも本屋に行くのでみんなで買い物です。
ホールのクラシック会場を待ち合わせ場所にして各々分散します。
うららの服を選ぶりん。可愛らしい服をチョイスします。勝気なりんですが割りと少女チックなところがあります。対してかれんはシックな服をチョイスします。火花を散らすりんとかれん。好みの話を始めると水と油、いや水と火です。板ばさみになって曖昧にしか答えられないうらら。内心で人選誤ったと考えていると思います。こんなときにのぞみが居れば…さらに混沌なチョイスをしそうです。
のぞみは一人迷子になっています。後ろから声をかけるサングラスの怪しい男。ココです。
王子だったココはお忍びで城を出て色々と外を見ていたようです。真面目なイメージのココの意外な行動に驚くのぞみ。ココは世界の色んなものを自分の目で見たかったと言います。
本屋で本を品定めするナッツ。読みたい本はたくさんあるようです。こまちに尋ねられココが本をよくくれたと話します。
ナッツはコレットとピンキーの守護者なので城の外に出るわけには行かず、その代わりココが本をお土産に持ち帰っていたようです。今のナッツは無愛想だけど昔は楽しそうに笑っていたと話すココ。のぞみはその話を聞いてナッツの笑顔を見てみたいと思います。ナッツは自分は笑っちゃいけないと思い込んでいるように見えると言うのぞみ。鋭い娘だな。帽子をココに被せながらみんなで一緒に笑いたいと話すのぞみ。ココも同意します。しかしそれにしても傍目にはデートしているカップルです。
③罪悪
先に待ち合わせ場所についてしまうナッツとこまち。待っているときの時間は長く感じますし、何となく気まずい雰囲気です。
ナッツが何を見ているのか尋ねるこまち。ナッツは何気ない風景を意識して見ています。ふたりの会話に割ってはいる声。普段は気づかない大事なモノ。大事なモノは失って初めて気づく。人の最大の不幸は幸福に気づかないことだと言ったのはドストエフスキーだったか。
アイキャッチ変更。チビキャラから等身大に。
ナッツの鍵について「自分の対する戒めかね?」と尋ねるブラッディ。ナッツの鍵がパルミエ王国の門の鍵だと見抜きます。ようやく相手が何者かを確信するナッツ。答えるようにブラッディは仮面を見せます。名刺代わりに出すあたりが渋い。
取り出した仮面をそのまま落とすブラッディ。あれ、すぐとなりにピアノがあるんですが…仮面はそのまま会場そのものを取り込みます。おお、フィールド系コワイナーとは。四方八方から手が伸びます。一種の結界。こういう使い方も有りなのか。
電源が切れ異変に気づく他の面子。一瞬ですがかれんのふくれっ面とうららの何とも言えない表情が面白すぎます。「何か出た!」いや、異変が起きたのは分かるから。
コレットを要求するブラッディに「渡さない」と答えるこまち。君に聞いてないとコワイナーに攻撃させます。ナッツがこまちを庇って緊急退避。人間体から謎生物形態に戻ってしまいます。なんと頼りがいの無い。しかしながら女の子自ら頑張ります番組のプリキュアは男性に依存も頼りもしません。こまち単独変身。ちなみにこまちも変身ポーズの予備動作がカッコイイので極力端折らないでいただけると嬉しいです。
無数の手を相手にするミント。ブラッディは親切にもパルミエのその後を教えます。つまりパルミエの最後。石ころ残さず自分が消滅させたと言うブラッディ。あくまで淡々と語ります。仕事、与えられた役割はしっかりとこなさなくてはなりません。王子のナッツは国民を守れたのか? 老練で狡猾な相手です。さすがカワリーノの元上司。心理的にナッツを追い詰めていきます。コレットの守護者として責任感の強いナッツにとってその責任を果たせなかったことは十字架を背負うことになります。ミントの呼びかけが耳に入らないナッツ。
異空間化して入れなくなっている会場。のぞみ達が揃います。迎え撃つようにコワイナーの手が伸びます。一斉変身。珍しく全員揃っての口上がありません。
何故王国が滅びたのか尋ねるブラッディ。勿論分かっていて聞いています。自分が門を開けたからと自ら答えるナッツ。偽装ピンキーを使ったのはギリンマでありナッツは騙されたことになりますが、だからといってナッツ自身の罪の意識が消えるわけではありません。責任感が強ければそれに比例して失敗した時の罪悪(背任)感も大きくなります。自分が何かに束縛されることは行動する場合にも、その結果にも束縛されます。巧みにナッツの罪悪感をかきたてるブラッディ。奮闘するもコワイナーに捕まってしまうミント。
さらに追い込む言葉をかけるブラッディ。ナッツのせいでパルミエは消滅し、さらに今度は関係ない世界と人々を巻き込んでいる。ナッツがこの世界で感じた良いと思うもの、この世界の人々との楽しく心地よい思い出が罪の意識に変わっていきます。えげつねぇなぁこの敵。
④あなたの夢を私は応援します
コレットをしまっていた鞄を開けようとするナッツに叫ぶミント。夢を捨ててしまうつもりなの!?
夢を諦めるなと言ったのはナッツです。小説を書くことに苦しみ挫折しかけていた彼女にそう言ったのはナッツです。ナッツの夢のためにミントは束縛を断ち切ります。
迫る無数の手からナッツを守るミント。ミントバリアの本領発揮です。ナッツに強くコレットを守れと叫ぶミント。
コレットを持つに相応しいのはナッツだと言うミント。重責は重荷です。それを感じなければとても楽ですが、それを感じるからこそ何としてでも果たさなければならず、また諦めたり挫折したりしない意志を持てます。苦しい責任感は同時に前進しようとする駆動力を持ちます。それは一旦置いておいて、ミントの脇が気になります。
淡々とミントに対峙するブラッディ。攻撃に力を入れてバリアを破壊します。万策尽きるミントを助けるのは勿論仲間。間一髪のところで外壁を破って助けに現れます。
仲間のため、それが君らの原動力か。プリキュアを分析するブラッディ。コワイナーで力を試します。必殺技のオンパレードで四方から迫る攻撃を相殺して粉砕。ブラッディ撤退。
⑤ある少女の出会い
夕方、一人のナッツ。こまちは意を決してナッツハウスに入ります。こまちにお礼を言うナッツ。呑まれそうになったナッツを引き戻したのはこまちのおかげです。自分の未熟さをかみ締めるナッツ。こまちは何かを言いかけようとしますが、ナッツの顔が近くて言葉を出せません。勇気付けるつもりが逆にナッツに心配され注意されてしまいます。
ナッツはこまちが作家になるまで何度でも書いた小説を読むし出来る限りのアドバイスをすると言います。気づくとこまちは目に涙を浮かべています。こまちの頬に手を触れながら見つめるナッツ。こまちは見つめ返します。
ナッツの優しさと胸中を感じつつも何もすることが出来なかったと独白し綴るこまち。かれんが尋ねてきます。恥ずかしがって原稿を隠すも内容を話します。
「一人の女の子が心惹かれる相手に出会う物語」
⑥次回予告
ついに完成版ED。本編ぶっちぎって軽く感動してしまいました。5人で動くの面白いなー。
さらばガマオ。
○トピック
ところでうららの服は決まったのでしょうか?
決まっていないなら私が選びましょう。おっと、服を選ぶにはサイズが分からないと選べません。スリーサ…ごめんなさい、後生ですから警察は呼ばないでください。
16話で凹んだこまちに夢を諦めるな!と励ましたナッツ。今回はこまちが凹んだナッツを勇気付けます。
ナッツは真面目で融通が利かないのだけどとても責任感のある人物というのはこれまでにもちょっとずつ描かれてきましたが、今回でより明確に、そしてトドメを刺されそうになります。責任感が強ければ使命を果たそうと頑張りますし、それが果たされなければ重い責任と罪悪を感じます。のぞみがナッツに感じる笑ってはいけないという印象はナッツの自戒と責任感が現れているからだと思われます。自戒と罪悪感が募れば自分が適格の無い不適合者だと感じるようにもなります。自分はコレットの守護者として不適格なのだからコレットを持つことは出来ない。ブラッディさんえげつない手を使います。
自己の罪悪感、挫折感は容易に払拭できません。だからこまちも凹んでしまったし、23,24話のように各自沈んでしまいます。立ち直ろうにもそもそも立ち直る足がかりがないのだからどうにもなりません。「俺はやれば出来る子なんだ」「本気を出せば何とかなる」というのは言い訳と願望です。出来ないし何ともならなかったことを知ってしまえば自分に自分を励ます材料がありません。責任感が強いほど開き直ることも難しくなる。
では何を持って自分を立たせる足がかりとするか。プリキュアはそれを他者が与えます。自分で作れない足がかりを他者が作ります。要するに相手を赦し、励まします。コレットを守ることはのぞみ達の世界やのぞみ達を巻き込むことになりますが、のぞみ達はそれを厭いません。うららの衣装選びはうららの仕事ですが、彼女達は衣装選びに付き合います。のぞみの友達でいたいとりんは思うし、うららの友達でいたいとのぞみは思うし、こまちの作家希望をのぞみは承認するし、かれんの変身失敗をのぞみは責めない。挫折したこまちを励ましたのはナッツだし、バラバラになった仲間に声をかけたのはのぞみだし、のぞみのミスを許したのはりん達です。今回ナッツを助けたのはこまちで、こまちを助けたのは仲間達。
そして、今回ナッツがこまちを救うだけではなく、ナッツもまたこまちを応援し助けていることがわかります。相互的で、お互いに弱みがあり、お互いに助けられる部分があります。こまちはナッツに助けられていると感じるのと同様、ナッツもこまちに助けられている。そしてそれらを助ける仲間達。彼女達は助けられもしますが、助けもします。
最終的に立ち上がれるかどうかは当人の意思次第です。しかしそれを支え、声をかけることができる他者にできること、それを実践しているのがプリキュア5です。
最初は登場人物の多さの割りに関係性の線は少なかった物語も、後半になり幾重もの線が引けるようになりました。ふたりの関係は一本の線ですが、三人なら三本、4人なら6本引けます。線だけではなく、レイヤーのように重なりも持ちます。ココの夢を応援するのはのぞみであり、のぞみの夢を応援するのはミルクです。誰が誰に依存しているわけではなく、誰もが独立しつつも誰かと関係を持ちお互いに関わり影響し合うようになっています。
プリキュアは無印の頃から「人と人の関係」の物語だと思っています。それはなぎさとほのかが他人から友達になることを一から描いたこの作品に感じたことです(だから見続けた)。S☆Sでも人々の関係が、波紋が広がるように描かれています。本作でもより詳細に描かれています。その人と人との関係が自己に何を与え、他者に何を与え、そして人生にどのように影響していくのかが、この作品を見ていると感じることです。ブラックとホワイト、ブルームとイーグレットがどう見ても勝ち目の無い戦いにおいてなんで戦えて、勝ち得るのか、その理由の根本が「人と人の関係」から始まっています。(MHは自己肯定寄りですが)
5もそれを蓄積していっているので昇華具合が楽しみです。最終回を見るために見ている、と言ってもいいです。この人と人の関係が何を可能とするのか、何をもって生きることを肯定できるのかその一点。この一点こそがプリキュアを見る理由(マジで)。そしてプリキュアを素晴らしい物語だと思う理由。
こまちがナッツに惹かれていると自覚する話でもあったのですが、その辺の恋愛事情は割愛。私、恋愛は語れないです。プリキュアがそれをどうもって行くのかは気になりますね。
第34話「ミルクを守れ!白馬の騎士かれん」
○今週の出来事
①ミルクの病気
規則正しい蹄の音。のぞみ達が羨望と好奇の目で見るのは白馬に跨って華麗に駆けるかれんの姿。島を個人所有している水無月家は勿論のこと自宅に馬も飼っています。サンクルミエール学園のグラウンドが本当に98個分(5話のうらら推測値)ありそうです。そんな中ミルクの様子が少々いつもと違います。
白馬と言えば王子様。のぞみは白馬の王子様(ココ)を思い浮かべます。しかしこのベタな発想、元々は何が元なのでしょうか。王侯貴族って白馬を使ってたのか?
自分の世界に飛んでしまったのぞみに冷静なツッコミを入れるりん。真昼間から夢の世界にいるのはあまり健全ではありません。
他から見ると上手いと思うのですが、かれん自身は久しぶりなのか及第点のようです。この人は色々やり過ぎて器用貧乏な気がする。ミルクに馬に乗るよう薦めるココナッツ。体調が思わしくないミルクは倒れてしまいます。
ミルクを水無月家のベッドに寝かせます。「まずいな」「ああ、早く手を打たないと」意外と深刻な言葉を発するココナッツ。どうやらパルミエの人達の病気はピンキーが専門に治療するらしく通常の手段では治らないようです。自己治癒しないのか? 今まで回収したピンキーの中には治療ピンキーは居ません。では探そう!とのぞみ。ミルクの看病はかれんに任せ、のぞみ達はピンキー探索。
それはそうと、パルミエ王国はピンキー依存度が高すぎると思います。実はピンキー揃えれば願いが叶うというのは、物理的にピンキー達が尽力して実現させるんじゃないかと思えてきた。
ビル。風邪気味のブンビー。会社に来なくてもいいよ、あんたが居なくても問題ないから、ととても切ないことを言ってくれるハデーニャ。カワリーノも追い討ちをかけます。ナイトメアでは身体の心配などしてくれません。現実問題として、風邪気味の時は素直に休んだ方が良いです。悪化してこじらせたり周囲に風邪を移すと余計に悪くなります。
くしゃみをするブンビーにマスクで防御するカワリーノ。準備が良いです。ハデーニャは口紅で分厚く塗装して投げキッスを飛ばしてきます。紙一重で回避するブンビー。カワリーノは回避が遅れ直撃してしまいます。出撃するハデーニャ。起き上がったカワリーノのマスクには口紅が生々しくついています。危ないです。マスクが無ければ命に関わるところでした。
②看病の仕方
依然苦しそうなミルク。熱が上がっているようです。どうやらパルミエの人と人間の体温は同じくらいのようです。熱にうなされながらも働こうとするミルク。ミルクはかれんに手を伸ばします。自分に出来ることを考えるかれん。幼い頃、同じように熱にうなされていた時、看病してくれたのは執事の坂本さんです。この人は今も昔もおじいさんですね。
公園でピンキー探し。公園にいるかどうかは怪しいところですが、不期遭遇がピンキー発見の基本なので行き当たりばったりです。目当てのピンキーが分かるのはココナッツだけなので二手に分かれて探索します。
坂本さんに看病の仕方を尋ねるかれん。看病セットを用意する坂本さん。冷たい水、タオル、着替え、果物を並べます。用意するものが多いことに驚くかれん。一つ一つ用途を説明する坂本さん。地味ですが坂本さんのタオルの絞り方(縦方向で竹刀を持つよう握る)は正しい方法です。私はあまり意識したことが無かったのですが会社の先輩から「こうだろ」と教えられました。
看病していた頃を思い出しながら説明を続ける坂本さん。りんごも小さい子ならばすりおろすと良いと言います。この人全部気づいてそうだなぁ。かれんは幼い頃を思い出すとすりおろしたりんごを食べた記憶があります。そーいえば病気のときは何故かりんごを食べたなぁ。大変な思いをして看病をしてくれたの?と尋ねるかれんに、坂本さんはかれんに元気な笑顔で居て欲しいと答えます。改めてお礼を述べるかれん。身近な人の身近な行為にも心こもった優しさが隠されています。
坂本さんに教えられたことを実践するかれん。ちなみにタオルの絞り方は横方向で親指同士を向き合わせて絞っています。慣れていないとこういう絞り方をしてしまいます。(別に間違いではなく、絞れれば問題は無い。縦方向の方が合理的らしい)
ミルクに笑顔でいて欲しい、ミルクの笑顔が大好きだから、その一心で慣れない手つきながらも看病するかれん。自分が病気のときは気づきませんが、看病してくれる人にも動機や感情があります。
夕方。未だ見つからないピンキー。いつも元気なミルクを思い出し、何とかしないと、と焦るココをのぞみとりんは励まします。何故必要以上にくっつく。いや、理由は聞かないからそのままイチャついてて良いです。
同じく普段のミルクを思い出し沈むナッツを励ますこまちとうらら。この組み合わせは珍しい。同じく理由は問わないのでそのままイチャついてて下さい。
看病の苦労あってかスヤスヤと寝息を立てるミルク。かれんは疲れを表情に表しつつも優しさと安心を顔に浮かべます、
③守り手
水を替えようと立ち上がって窓の外を見ると馬のいななきと邪悪な気配。ハデーニャが堂々と不法侵入してきます。
公園ではようやくピンキーを発見。探せば割といるもんです。実はピンキー全種集められるかどうかはやる気の問題かもしれません。ココナッツも不穏な気配を感じ取ります。
お互い睨む様に対峙するハデーニャとかれん。かれんはいつに無く真剣で気迫があります。コレットを持っているのはナッツでありミルクは持っていませんが、だからといって素直に何もせずに帰ってくれるような相手でもありません。絶対防衛です。
ハデーニャは仮面を投げ、鞍(くら)に憑依して馬型のコワイナーが現れます。コワイナーに跨るハデーニャ。敵ながらカッコイイ。
アクア単独変身。余談ですが、変身ポーズの予備動作(手をさっと伸ばす)がカッコイイので端折らないようにお願いします。
単独かつ実質幹部との対決というかなり不利な状況でも果敢に挑むアクア。しかしコワイナーの突進力とハデーニャに圧されます。ミルクのところに行かせるわけにはいかないので、必死に耐え続けます。アクアの悲鳴と攻撃音が響く中でミルクは立ち上がろうともがきますが病身がそれを許しません。
意力はあるものの肉体的に持たず身動きできないアクアにトドメの一撃を入れるハデーニャ。そこにココナッツが飛び掛ってきます。いや、あんたら特にナッツはコレット持っているからあんま敵に突っ込んじゃいかん。のぞみ達が駆けつけます。一斉変身。珍しくのぞみが左上です。
④白馬の騎士
ハデーニャは立ててある看板を掴み槍(スピア)へと変えます。ドリーム達と格闘線。レモネードの攻撃をかわし、掴みミントにぶつけます。ルージュとドリームがコワイナーを叩きますが、槍の攻撃で吹き飛ばされ、4人同時攻撃も通じません。
満身創痍で立ち上がるアクアにチャーリー(かれんの馬)が寄ります。白馬に跨るアクア。アイテムを呼び出して構えます。お、水の鞭?と思ったらサーベル状に。ちょっと待て、そんなことできたんだ。水の特性から形は変幻自在ですか。
騎馬戦。もはやプリキュアと無関係です。お互いに馬上で火花を散らします。攻撃に耐え、馬を操り、突撃。鬼気迫るアクアの表情。もうわけわかん。これプリキュアじゃない。が、これがプリキュアのノリだったりするから面白い。気力と意志の強さがそのまま強さになるのがプリキュア。ハデーニャを力押しで弾きます。そして本編では久々のBGM「5つの心!プリキュア5!!」がかかります。5つというかアクア一人ですが。この曲は熱いので好きです。馬から飛び出し華麗に着地を決めるアクア。ハデーニャは無様に落ちます。
コレットがどうのでは最早なく、ミルクを守ることのみに意識を集中するアクア。アクアトルネードを放ちます。新しい発射シーンまでついて凄い気合の入れようです。一人マーブルスクリューみたいな。これは強いわ。クリスタルシュートと同格と言われても納得します。コワイナーを粉砕。
⑤あなたの笑顔が大好き
ピンキーでミルクを治療。すっかり元気になるミルク。すぐにココナッツや皆に迷惑をかけたこと謝るミルク。ココナッツもミルクに苦労をかけていたことを詫びます。ちょうどタイミングを読んだように坂本さんがお茶の準備が出来たと声をかけます。
のぞみの太ももに乗るココナッツ。どけ、そこは俺の席だ。ココナッツをかかえて我先にと部屋を出るのぞみ。りん達も後を追います。
あっけに取られつつも笑顔でいつもの皆の姿を見るかれん。騒がしくても元気あるのが一番です。ふと気づくとミルクがかれんに手を当てています。ミルクはかれんが看病してくれたこと、ナイトメアから守ってくれたことを覚えています。お礼を言うミルクにかれんはミルクの笑顔が大好きだからと返します。部屋に夕日が差し込む中、二人の笑顔が輝きに満ちます。
⑥次回予告
ココのサングラスが気になります。あと「またみてね」ののぞみは俺を待っている。きっとそう。そうだったらいいな。
○トピック
シリーズ恒例の看病話。看病話はどれも良い話なのですが、今作もその例に漏れず素敵な話になっています。最後のかれんのセリフはそう言うだろうと分かっていても泣ける。カッコイイ。
女の子の憧れかは知りませんが、白馬の王子様。無論プリキュアにそんな都合が良いものは出てきませんので、自分が白馬の騎士になります。そりゃ新商品もビームサーベルになるわ。この独立独歩、自らに必要な力は自らの力と関係性から生み出すというのがプリキュアの基本思想。男女問わず見習いたいものです。
単純にかれんが病気のミルクを看病するだけではなく、自分を看病してくれた坂本さんの大変さを知り、それを快く思ってしてくれる坂本さんの気持ちを知るのが素敵。坂本さんからすれば、ついこの間まで小さくて病気になって看病していたかれんが誰かを看病しようと自分に尋ねてきたのは嬉しかったでしょう。時の流れと成長を感じます。看病していたのも自己犠牲や奉仕などのものではなく、笑顔でいて欲しいからと話す坂本さんは大人の見本にしたい。
そんなわけでかれんとミルクだけではなく、かれんと坂本さんの関係まで綺麗に描き、看病されていたかれんがミルクを看病するという流れ。こういう流れは理屈抜きで好きです。それは大切なことが継承されていくことが感じられるからです。かれんが坂本さんに直接「借り」を返すことは難しいでしょう。坂本さんが病気にならなければ同じように看病をすることはできません。だから、かれんがその愛情を受けたことを他の人にしていくことが大切になります。自分が受けた愛情を違う他者に与えることによって関係性は広がり、また継承されていきます。坂本さん⇔かれん、ではなく、坂本さん→かれん→ミルクとなることで閉じない愛情の連鎖が作られます。この連鎖は血縁関係どころか種族を問わない点もプリキュアの明確なスタンスだと思われます。愛情は交換するだけのものじゃなくて、新たに作り与えていくことが出来るものです。
夏祭りの話でもありましたが、自分に発せられた言葉が言った本人の気づかないところで育まれ、また他者に伝わっていきます。かれんと坂本さんの関係、かれんとミルクの関係、かれん自身の成長を一つの纏まった流れで描いた素敵な話でした。
かれん以外の人、特にココナッツは普段のミルクの頑張りや元気の良さにも改めて気づきます。何かの変化から普段の当たり前のことが意識されるのも日常生活の中で発見と成長を促すプリキュアらしいちょっとしたシーンです。
のぞみ達は子どもで愛情を受ける立場ではありますが、受けながらも人に与えていきます。登場人物の数や地理的な広さはあまり多くないのですが、人から人への伝達が多いのでその関係性の広さと時間の流れ(過去から現在、未来)を感じます。
プリキュアの後半は脂が乗ってきてこれまで蓄積してきた関係性がちょっとしたキッカケで広がりと深さを持ちます。
余談ですが、このアニメ実は結構面倒臭いアニメで、普段見ていない人が見ても良いのでしょうが、見ていた方が深みを(自分で)持たせられるので一話も飛ばすことなく見ることが推奨されます。ストーリーがあるものは基本的にそういうものなのですが、「~したから解決」「ボスを倒せばクリア」というわけではなく登場人物の関係性や獲得(成長)したもの(←これは視聴した人が蓄積していかないと意味が無い)から得られるカタルシスがプリキュアの面白さだと思いますので、序盤からちゃんと見ていたかどうかで最終的な感動値が変わります。
個人的にプリキュアを見ていない人に「この回は見た方が良い。この回こそプリキュアたる話」と薦められる話ってのが無くて、「全部最初から見ろ」としか言えない作品ですね。
①ミルクの病気
規則正しい蹄の音。のぞみ達が羨望と好奇の目で見るのは白馬に跨って華麗に駆けるかれんの姿。島を個人所有している水無月家は勿論のこと自宅に馬も飼っています。サンクルミエール学園のグラウンドが本当に98個分(5話のうらら推測値)ありそうです。そんな中ミルクの様子が少々いつもと違います。
白馬と言えば王子様。のぞみは白馬の王子様(ココ)を思い浮かべます。しかしこのベタな発想、元々は何が元なのでしょうか。王侯貴族って白馬を使ってたのか?
自分の世界に飛んでしまったのぞみに冷静なツッコミを入れるりん。真昼間から夢の世界にいるのはあまり健全ではありません。
他から見ると上手いと思うのですが、かれん自身は久しぶりなのか及第点のようです。この人は色々やり過ぎて器用貧乏な気がする。ミルクに馬に乗るよう薦めるココナッツ。体調が思わしくないミルクは倒れてしまいます。
ミルクを水無月家のベッドに寝かせます。「まずいな」「ああ、早く手を打たないと」意外と深刻な言葉を発するココナッツ。どうやらパルミエの人達の病気はピンキーが専門に治療するらしく通常の手段では治らないようです。自己治癒しないのか? 今まで回収したピンキーの中には治療ピンキーは居ません。では探そう!とのぞみ。ミルクの看病はかれんに任せ、のぞみ達はピンキー探索。
それはそうと、パルミエ王国はピンキー依存度が高すぎると思います。実はピンキー揃えれば願いが叶うというのは、物理的にピンキー達が尽力して実現させるんじゃないかと思えてきた。
ビル。風邪気味のブンビー。会社に来なくてもいいよ、あんたが居なくても問題ないから、ととても切ないことを言ってくれるハデーニャ。カワリーノも追い討ちをかけます。ナイトメアでは身体の心配などしてくれません。現実問題として、風邪気味の時は素直に休んだ方が良いです。悪化してこじらせたり周囲に風邪を移すと余計に悪くなります。
くしゃみをするブンビーにマスクで防御するカワリーノ。準備が良いです。ハデーニャは口紅で分厚く塗装して投げキッスを飛ばしてきます。紙一重で回避するブンビー。カワリーノは回避が遅れ直撃してしまいます。出撃するハデーニャ。起き上がったカワリーノのマスクには口紅が生々しくついています。危ないです。マスクが無ければ命に関わるところでした。
②看病の仕方
依然苦しそうなミルク。熱が上がっているようです。どうやらパルミエの人と人間の体温は同じくらいのようです。熱にうなされながらも働こうとするミルク。ミルクはかれんに手を伸ばします。自分に出来ることを考えるかれん。幼い頃、同じように熱にうなされていた時、看病してくれたのは執事の坂本さんです。この人は今も昔もおじいさんですね。
公園でピンキー探し。公園にいるかどうかは怪しいところですが、不期遭遇がピンキー発見の基本なので行き当たりばったりです。目当てのピンキーが分かるのはココナッツだけなので二手に分かれて探索します。
坂本さんに看病の仕方を尋ねるかれん。看病セットを用意する坂本さん。冷たい水、タオル、着替え、果物を並べます。用意するものが多いことに驚くかれん。一つ一つ用途を説明する坂本さん。地味ですが坂本さんのタオルの絞り方(縦方向で竹刀を持つよう握る)は正しい方法です。私はあまり意識したことが無かったのですが会社の先輩から「こうだろ」と教えられました。
看病していた頃を思い出しながら説明を続ける坂本さん。りんごも小さい子ならばすりおろすと良いと言います。この人全部気づいてそうだなぁ。かれんは幼い頃を思い出すとすりおろしたりんごを食べた記憶があります。そーいえば病気のときは何故かりんごを食べたなぁ。大変な思いをして看病をしてくれたの?と尋ねるかれんに、坂本さんはかれんに元気な笑顔で居て欲しいと答えます。改めてお礼を述べるかれん。身近な人の身近な行為にも心こもった優しさが隠されています。
坂本さんに教えられたことを実践するかれん。ちなみにタオルの絞り方は横方向で親指同士を向き合わせて絞っています。慣れていないとこういう絞り方をしてしまいます。(別に間違いではなく、絞れれば問題は無い。縦方向の方が合理的らしい)
ミルクに笑顔でいて欲しい、ミルクの笑顔が大好きだから、その一心で慣れない手つきながらも看病するかれん。自分が病気のときは気づきませんが、看病してくれる人にも動機や感情があります。
夕方。未だ見つからないピンキー。いつも元気なミルクを思い出し、何とかしないと、と焦るココをのぞみとりんは励まします。何故必要以上にくっつく。いや、理由は聞かないからそのままイチャついてて良いです。
同じく普段のミルクを思い出し沈むナッツを励ますこまちとうらら。この組み合わせは珍しい。同じく理由は問わないのでそのままイチャついてて下さい。
看病の苦労あってかスヤスヤと寝息を立てるミルク。かれんは疲れを表情に表しつつも優しさと安心を顔に浮かべます、
③守り手
水を替えようと立ち上がって窓の外を見ると馬のいななきと邪悪な気配。ハデーニャが堂々と不法侵入してきます。
公園ではようやくピンキーを発見。探せば割といるもんです。実はピンキー全種集められるかどうかはやる気の問題かもしれません。ココナッツも不穏な気配を感じ取ります。
お互い睨む様に対峙するハデーニャとかれん。かれんはいつに無く真剣で気迫があります。コレットを持っているのはナッツでありミルクは持っていませんが、だからといって素直に何もせずに帰ってくれるような相手でもありません。絶対防衛です。
ハデーニャは仮面を投げ、鞍(くら)に憑依して馬型のコワイナーが現れます。コワイナーに跨るハデーニャ。敵ながらカッコイイ。
アクア単独変身。余談ですが、変身ポーズの予備動作(手をさっと伸ばす)がカッコイイので端折らないようにお願いします。
単独かつ実質幹部との対決というかなり不利な状況でも果敢に挑むアクア。しかしコワイナーの突進力とハデーニャに圧されます。ミルクのところに行かせるわけにはいかないので、必死に耐え続けます。アクアの悲鳴と攻撃音が響く中でミルクは立ち上がろうともがきますが病身がそれを許しません。
意力はあるものの肉体的に持たず身動きできないアクアにトドメの一撃を入れるハデーニャ。そこにココナッツが飛び掛ってきます。いや、あんたら特にナッツはコレット持っているからあんま敵に突っ込んじゃいかん。のぞみ達が駆けつけます。一斉変身。珍しくのぞみが左上です。
④白馬の騎士
ハデーニャは立ててある看板を掴み槍(スピア)へと変えます。ドリーム達と格闘線。レモネードの攻撃をかわし、掴みミントにぶつけます。ルージュとドリームがコワイナーを叩きますが、槍の攻撃で吹き飛ばされ、4人同時攻撃も通じません。
満身創痍で立ち上がるアクアにチャーリー(かれんの馬)が寄ります。白馬に跨るアクア。アイテムを呼び出して構えます。お、水の鞭?と思ったらサーベル状に。ちょっと待て、そんなことできたんだ。水の特性から形は変幻自在ですか。
騎馬戦。もはやプリキュアと無関係です。お互いに馬上で火花を散らします。攻撃に耐え、馬を操り、突撃。鬼気迫るアクアの表情。もうわけわかん。これプリキュアじゃない。が、これがプリキュアのノリだったりするから面白い。気力と意志の強さがそのまま強さになるのがプリキュア。ハデーニャを力押しで弾きます。そして本編では久々のBGM「5つの心!プリキュア5!!」がかかります。5つというかアクア一人ですが。この曲は熱いので好きです。馬から飛び出し華麗に着地を決めるアクア。ハデーニャは無様に落ちます。
コレットがどうのでは最早なく、ミルクを守ることのみに意識を集中するアクア。アクアトルネードを放ちます。新しい発射シーンまでついて凄い気合の入れようです。一人マーブルスクリューみたいな。これは強いわ。クリスタルシュートと同格と言われても納得します。コワイナーを粉砕。
⑤あなたの笑顔が大好き
ピンキーでミルクを治療。すっかり元気になるミルク。すぐにココナッツや皆に迷惑をかけたこと謝るミルク。ココナッツもミルクに苦労をかけていたことを詫びます。ちょうどタイミングを読んだように坂本さんがお茶の準備が出来たと声をかけます。
のぞみの太ももに乗るココナッツ。どけ、そこは俺の席だ。ココナッツをかかえて我先にと部屋を出るのぞみ。りん達も後を追います。
あっけに取られつつも笑顔でいつもの皆の姿を見るかれん。騒がしくても元気あるのが一番です。ふと気づくとミルクがかれんに手を当てています。ミルクはかれんが看病してくれたこと、ナイトメアから守ってくれたことを覚えています。お礼を言うミルクにかれんはミルクの笑顔が大好きだからと返します。部屋に夕日が差し込む中、二人の笑顔が輝きに満ちます。
⑥次回予告
ココのサングラスが気になります。あと「またみてね」ののぞみは俺を待っている。きっとそう。そうだったらいいな。
○トピック
シリーズ恒例の看病話。看病話はどれも良い話なのですが、今作もその例に漏れず素敵な話になっています。最後のかれんのセリフはそう言うだろうと分かっていても泣ける。カッコイイ。
女の子の憧れかは知りませんが、白馬の王子様。無論プリキュアにそんな都合が良いものは出てきませんので、自分が白馬の騎士になります。そりゃ新商品もビームサーベルになるわ。この独立独歩、自らに必要な力は自らの力と関係性から生み出すというのがプリキュアの基本思想。男女問わず見習いたいものです。
単純にかれんが病気のミルクを看病するだけではなく、自分を看病してくれた坂本さんの大変さを知り、それを快く思ってしてくれる坂本さんの気持ちを知るのが素敵。坂本さんからすれば、ついこの間まで小さくて病気になって看病していたかれんが誰かを看病しようと自分に尋ねてきたのは嬉しかったでしょう。時の流れと成長を感じます。看病していたのも自己犠牲や奉仕などのものではなく、笑顔でいて欲しいからと話す坂本さんは大人の見本にしたい。
そんなわけでかれんとミルクだけではなく、かれんと坂本さんの関係まで綺麗に描き、看病されていたかれんがミルクを看病するという流れ。こういう流れは理屈抜きで好きです。それは大切なことが継承されていくことが感じられるからです。かれんが坂本さんに直接「借り」を返すことは難しいでしょう。坂本さんが病気にならなければ同じように看病をすることはできません。だから、かれんがその愛情を受けたことを他の人にしていくことが大切になります。自分が受けた愛情を違う他者に与えることによって関係性は広がり、また継承されていきます。坂本さん⇔かれん、ではなく、坂本さん→かれん→ミルクとなることで閉じない愛情の連鎖が作られます。この連鎖は血縁関係どころか種族を問わない点もプリキュアの明確なスタンスだと思われます。愛情は交換するだけのものじゃなくて、新たに作り与えていくことが出来るものです。
夏祭りの話でもありましたが、自分に発せられた言葉が言った本人の気づかないところで育まれ、また他者に伝わっていきます。かれんと坂本さんの関係、かれんとミルクの関係、かれん自身の成長を一つの纏まった流れで描いた素敵な話でした。
かれん以外の人、特にココナッツは普段のミルクの頑張りや元気の良さにも改めて気づきます。何かの変化から普段の当たり前のことが意識されるのも日常生活の中で発見と成長を促すプリキュアらしいちょっとしたシーンです。
のぞみ達は子どもで愛情を受ける立場ではありますが、受けながらも人に与えていきます。登場人物の数や地理的な広さはあまり多くないのですが、人から人への伝達が多いのでその関係性の広さと時間の流れ(過去から現在、未来)を感じます。
プリキュアの後半は脂が乗ってきてこれまで蓄積してきた関係性がちょっとしたキッカケで広がりと深さを持ちます。
余談ですが、このアニメ実は結構面倒臭いアニメで、普段見ていない人が見ても良いのでしょうが、見ていた方が深みを(自分で)持たせられるので一話も飛ばすことなく見ることが推奨されます。ストーリーがあるものは基本的にそういうものなのですが、「~したから解決」「ボスを倒せばクリア」というわけではなく登場人物の関係性や獲得(成長)したもの(←これは視聴した人が蓄積していかないと意味が無い)から得られるカタルシスがプリキュアの面白さだと思いますので、序盤からちゃんと見ていたかどうかで最終的な感動値が変わります。
個人的にプリキュアを見ていない人に「この回は見た方が良い。この回こそプリキュアたる話」と薦められる話ってのが無くて、「全部最初から見ろ」としか言えない作品ですね。
第33話「大スクープ!プリキュア5独占取材!」
○今週の出来事
①誤報
険しい表情で何かを見つめるりん。学園の掲示板。その前にりん達4人とフットサルのメンバーが居ます。ノンキな声で挨拶するのぞみ。掲示板には御馴染みのサンクルミエール通信の最新記事が載っています。そこにはフットサル部の敗北とキャプテンのミス、辞任が報じられています。「!?」「?」が多い。何とも曖昧です。本人である今野キャプテンも来て記事を読みます。
そこに駆けつける増子さん。いつもの口上でやってきますが、最後のマスコミか!を遮るようにりんが強い口調で増子さんを呼びます。突然のことに「えー」とテンションストップ。りんが記事について問います。今野さんがキャプテンを辞めることはありません。増子さんはだから「?」がついていると言います。りんは今野さんが試合前日に足を痛めていたことを話します。代わりの選手がいないので怪我をおして出場したようです。実際今野さんの足には包帯が巻かれています。怪我のことを知らなかった増子さん。無論怪我のことは記事に書かれていません。これではまるで今野さんがただミスをしたかのような記事です。怪我があったのならまだ違う書き様がありますし読み手の印象も変わります。
人間が出来ている今野さんは記事についてはとやかく言う気は無いようです。怪我したことも調整失敗や練習不足かもしれない、次頑張ろうと言います。しかし、今野さんのミスを報じる記事を見る瞳にはいささか憂いが現れています。いつもの元気さは霧消し落ち込む増子さん。
ビル。同心円状の会議室。ハデーニャはこの前の失敗を思い出し面白がっているようです。まだまだ余裕のハデーニャ。この手の人達は戦う前は「簡単に倒して来てやる」と言い、負けると「なかなか面白い敵だ」とか言います。強い敵は言い訳も上手です。
自信満々で登場するブンビーさん。しかしブンビーを無視して会話を進めるカワリーノさん。ブンビーの足を踏んづけたまま話します。意図的に無視しています。いじめですか。エキストラ席に座るブンビー。本当にこの人の席ここなんだ。本当に降格。隣の仮面の人に話しかけるも無言のエキストラ。この人達についてはブンビーもよく分からないようです。
会議の席では意見を出しましょう、ブラッティさん。
②失った仲間達と独りの限界
ランチタイム。5人でテーブルを囲んでいつもの楽しいランチ。のぞみはふと増子さんが独りで昼食も食べていないことに気づきます。落ち込んでいる増子さん。りんは今野キャプテンも傷ついていたと言います。ある意味自業自得なのですが、誰も得もせず喜びもない結果です。増子さんに同情を寄せるうららとこまち。困った人を捨て置けないのぞみは何かを決心します。
増子さんに焼きそばパンとジュースを出すおタカさん。久々です。この人が出ると基本的に良いお話になります。胸には校章?の飾りが付けられています。この人は学食のおばちゃん兼学園長です。増子さんを励ますおタカさん。増子さんのやっている報道の価値や責任について話します。独りで手詰まりの増子さんに仲間と分かち合うことを示唆します。しかし「仲間」と聞いて何かに思い当たったのかふらりと立ち去ってしまう増子さん。
増子さんの背にいつでも応援している、と小さな声で言うおタカさん。
掲示板の前で佇む増子さん。のぞみが声をかけます。焼きそばパンの入った包みを差し出します。
昼食を食べているだろうにまだ焼きそばパンを食べるのぞみ。そのエネルギーと栄養は一体どこで消費されているのか気になるところです。増子さんに話しかけるのぞみ。のぞみの最大の長所は他者の良い所を見て評価できる点です。増子さんの活動を褒めるのぞみ。「一人で作っちゃうんだもん」の言葉に独りになってしまったと答える増子さん。
サンクルミエール通信は元々増子さんの他にも部員が居ました。部員達と取材を一緒にしていましたが、激しやすく仕事熱心な増子さんに周りがついていけず一人また一人と部員が減ってしまったようです。独りになってしまった増子さんは意地もあって取材不足を補うために大げさな見出しや噂話のような記事が増えていったと言います。そして今回は今野さんを傷つけてしまった。今まではのぞみ達の大食いやナッツ特集、生徒会長かれんの私生活などを書いてきましたがそれはどれも取り留めの無い、言ってしまえば毒にも薬にもならないものです。少なくとも人を傷つけるような記事ではありません。今回それをやってしまったのは増子さんのミスであり、個人の限界を知ることになります。
記事を書くのを辞めると言い出す増子さんを応援するのぞみ。増子さんの記事の中には良い記事もあります。辞めてしまえばそれらも無くなってしまいます。のぞみの言葉を継いでうらら、こまち、かれん、りんが応援します。うらら、自己アピールしまくりです。一番サンクルミエール通信を嫌っていそうなりんまで応援することに驚く増子さん。りんは勝ったらトップ記事で載せてもらうと言います。
しかし、増子さんは掲示板の記事を剥がして去っていきます。彼女をいくら応援して彼女の記事を褒めたとしても、彼女の現状が変わるわけではありません。人を傷つける記事を書いてしまったことは独りでの無理な取材が要因です。個人の限界。個人の失敗。例えまたやる気を出しても同じ間違いが起こらないとは限りません。
木陰から様子を見るブンビー。変質者です。
ナッツに独占取材をお願いするのぞみ達。キッパリと断るナッツ。そんなことをしても問題解決にはならない、と言います。言い方は厳しいですが的を射た発言です。同意するかれんとココ。しかしそれでも諦めないのぞみは独り学園に戻ります。
サンクルミエール通信の部室。荷物をまとめる増子さん。引き出しに入っていた記事のバックナンバーを手に取りページを開きます。創刊号には新聞を主人のところまで届ける犬の記事が書かれています。ほのぼのとした良い話そうです。それを取材する増子さんと部員達。一緒に記事を作ります。彼女達は楽しそうな笑みを浮かべています。今は独りの増子さん。楽しかったあの時、あの時間に戻ることはできません。涙を流しながらページを閉じて整理を再開します。その拍子に写真を落としてしまいます。写真には部員達、のぞみ達、プリキュア達の姿があります。独りではなく仲間達の姿が映った写真。
プリキュアの写真を取り上げ現れるブンビー。誰?と問う増子さんに「君は無視しないんだね」と睨みを利かせ歩み寄るブンビー。これは怖い。明らかに怪しい人を通り越して変質者、犯罪者のオーラ出しまくりです。日曜日の朝番組でなければちょっと女の子には見せられない勢いです。
③一人でできなくったって
学園に戻ったのぞみに追いつくりん達。ココが何か出たと言います。だからその「何か」ってのはナイトメア以外に当てはまらないんだからナイトメアで良いんじゃね?
つまずき鞄を落とす増子さん。鞄にはかまわず物陰に隠れます。歩いて追うブンビー。変化します。影の形が変わったことに悲鳴をあげそうになりますが必死で口を押さえる増子さん。ホラー番組か。増子さんが寄りかかっている壁に手をかけ現れるブンビー。ちょ、何だその気合の入りよう。これは泣く。女の子じゃなくても泣く。俺は泣く。
すんでのところで駆けつけるのぞみ達。壁が死角になって増子さんからはのぞみ達が見えません。
増子さんの鞄を見つけて増子さんに何かあったのかと心配するりんとのぞみ。ブンビーははぐらかして答えます。これが深夜番組だったら大変なことになっていそうですが、幸いこの番組は良い子が見る番組なので本気で怖い肝試しで終わっています。一斉変身。プリキュア5! 自動的に自己紹介してくれるので増子さんにも分かりやすい。
仮面を増子さんのバックナンバーにつけます。コワイナーに変化したバックナンバーを見て思わず飛び出す増子さん。コワイナーが増子さん目掛けて攻撃します。それをフォローするドリーム。
ブンビーはレモネードに突撃。何故か防御体勢を取らないレモネード。ルージュがタイミング良くガードします。その瞬間に動き出してカカト落としを繰り出すレモネード。連携を読んだ見事な動きです。ルージュも防御から攻撃に切り替えて同時攻撃。それをガードして跳ね返すブンビー。こちらもかなりの手練です。
コワイナーに攻撃するミントとアクアですが迎撃されてしまいます。単独攻撃するドリームも捕まり5人とも吹き飛ばされてしまいます。
仲間に頼るからこうなる、一人じゃ何もできない奴らが集まっても無駄、と素敵なお言葉を発するブンビーさん。仲間に頼れば個人の質は下がる。質の低い個人が集まったところで烏合の衆。1+1+1+…ではなく、1×1×1は所詮1です。
一人でできなくったっていいじゃない、独りで悩んで一生懸命やって。例え上手くいかなくてもその気持ちは絶対みんなに伝わる。気持ちが伝わってくればその人のために何とかしてあげたいって想う。例え力が無くっても、みんなで立ち向かえばできるかもしれない。それが仲間だよ。
毅然と立ち上がるプリキュア。その言葉に増子さんも感じ取ります。自分のカメラを見る増子さん。
「そうやって傷の舐め、隙あり!」と本来なら敵として反論しなければならないところでパイルを打ち込むブンビー。これはセコイ。なんという姑息さ。個人の能力云々するのは構いませんがこのセコさは頂けません。
そんなことはミントが卸しません。ミントプロテクション改めミントシールドで防ぎます。プロテクションではやぶられましたがシールドはどうなるか。思わず飛び出しプリキュアの戦いをカメラで撮る増子さん。シャッターの中のミントカッコイイ。今まで唯一ミントバリアを破砕したパイルも新商品の力の前にはなすすべも無く破壊されます。弾くとかじゃなくて破壊してしまうところにミントバリアの凶悪な性能が伺えます。
反撃に転じるプリキュア。何か異様に動きがダイナミックになってコワイナーの捕縛攻撃を逆に掴んで動きを止めます。一人二人では動きを止めることはできませんが4人がかりでなら抑えられます。華麗に着地してトドメの必殺技モーションに入るドリーム。クリスタルシュートで粉砕します。撤退するブンビー。何かこいつ描き方に気合が入っててカッコイイぞ。
④何のために?何を拠りどころに?
プリキュアを撮り続ける自分に気づく増子さん。新聞部は辞めたはずなのに。
プリキュアにお礼を述べて帰ろうとする増子さんを呼び止めるドリーム。自分達を取材しないの?と尋ねます。ドリームの発言に驚くアクア。躊躇う増子さんにレモネードとルージュも誘います。取材していいのか聞く増子さんに了承するプリキュア。本当に良いのかさすがに躊躇うルージュですが、増子さんがやる気を出してきたので構わないとドリーム。しかし他言無用な事柄もあります。それは私にお任せとレモネード。
プリキュア達の取材を心配するミルクですが、ココは信頼しています。
ポーズをとるドリームとレモネード。お前ら、アホだろ。特にドリームは酷い。ポーズの意味が分からん。そしてレモネードは某セーラー服をモチーフとしたヒロインのポーズっぽい。自然にしてくれと言う増子さん。
不安になりだすココナッツミルク。分かる。お前たちの気持ちは分かる。
インタビュー開始。普段は何をしているか。この学園で…と言いかけるドリームの口を封じて質問にNGを出すレモネード。最初からいきなり機密情報を暴露しようとするドリームから発言権を取った方がいいと思います。ナイトメアについてもNG。営業スマイルで答えるレモネード。流石です。何の答えにもなっていないですが、その笑顔にだまされておきます。
何故あんな化け物に立ち向かうのか? これには答えられます。答えなければいけません。彼女達はそのために戦っているのだから。
「ある夢を叶えるために」
「大切な人の夢」
怖くは無いのか?
「みんなで力を合わせれば平気だよ」
取材の時間は終わり。最後に一つ尋ねる増子さん。
「私にもみなさんのような仲間を作れると思いますか?」
Yes!
⑤一人からはじめるサンクルミエール通信
朝。掲示板にはサンクルミエール通信の最新記事が載っています。その記事は今野キャプテンの抱負が載っています。
いつもの口上で現れる増子さん。のぞみに新聞部を続けることを伝えます。
のぞみに記事の一部を示すうらら。プリキュアの記事が載っています。フットサル部が一致団結しているそばで、プリキュアの記事を紹介するのぞみ。頷くうらら。何か可愛いぞお前ら。でもお前ら空気読め。プリキュアプリキュア連呼するのぞみ。なんという番組内宣伝。あまり話題にならないことにガッカリするうらら。記事はよくかけているとこまち。流石文筆家。
様子を見に来るココ達。ナッツは増子さんが心配だったようです。
プリキュアが誰かに似ていなかった?と尋ねるのぞみ。お前はバラしたいのか。流石にそれにはうららも固まります。りんが止めに入ります。プリキュアは凄い人達だと言う増子さん。プリティでキュ・キュ・キュア。歌うな。
掲示板の前にはおタカさんも様子を見に来ています。増子さんが元気になったことを静かに見守ります。記事の中には部員を募る記事が載っています。
⑥次回予告
EDがガンバランスに。これは良い曲。しかしどうも動きが半端。未完成? 完成したら5人で楽しそう。
ミルクとかれん。この組み合わせは面白い。
○トピック
増子さんの新聞部活動話。18話でかれん宅を訪問した際に何やら部員とあったらしいことが判明しましたが、そのお話。
かつて仲間だった部員とよりを戻すわけではなく、再出発の流れは結構シビア。縁が切れてしまった仲間との復縁ではなく、増子さんが『仲間』に対して志を新たにすることは問題提起と解決がキッチリ結びついているので論理的ではあります。この番組は変に論理的です。(問題提起に対して正当な回答を提出する)
増子さんの問題は細かく3つ。一つは記事で人を傷つけてしまったこと。2つ目はそんな記事を書いてしまったのは人手不足による個人の限界。3つ目は仲間との協調。
問題解決は3つ目に集約されます。仲間を得れば柔軟な取材が出来るし、内容も充実を図れる。では、その仲間を得れば良いのか? 話はそう簡単に行きません。何故ならかつて新聞部には他の部員がいましたが、増子さんについて行けず離れてしまったからです。例え今一度部員を得たとしてもまた同じように増子さんが他の仲間と協調を取れなければ同じことを繰り返すだけです。
仲間達と一緒に記事を書いていた頃が素晴らしいものであったことは彼女の回想や写真、当時の記事から分かります。でも、そうであったはずなのに、増子さん一人になってしまったのは彼女が仲間を蔑(ないがし)ろにしたからです。独りでも取材を続けたのは本人が意地と言ったように、自分のジャーナリズムが正しいことを証明しようとしたからでしょう。自分は間違っていない、正しいことのために自分はした、と。しかしそれが本来書きたい記事と離れてしまったのはよくある話です。よくある話だから辛く難しい。知らず知らずのうちにそうなってしまうから。
今回この作品の伝家の宝刀であるのぞみの説得が通じません。彼女の相手の良いところを直視しそれを本人に改めて見せることのできる美点は増子さんには効果がありませんでした。何故なら増子さんが一人でも頑張れるというのは増子さんの解決の対極、つまり問題そのものだからです。仲間を求めかけている人にあなたは独りでも大丈夫だよ、と言っても何の励ましにもなりません。あなたの記事が好きだから、というのも同じです。
そこで今回効き目を発揮するのがプリキュアです。増子さんはのぞみ達との繋がりよりも実はプリキュアとの繋がりの方が多い人です。大抵助けられることになるのですが、18話で仲間を助けようとするアクアを見ている等これまでチームとして行動しているのを目の前で増子さんは見ています。化け物相手でも立ち向かい、仲間を大切にするプリキュアを見ています。
そのプリキュアが言います。一人で弱くても良いのだ、と。仲間というのは困っていても一生懸命頑張ろうとしている人に気づいて助けるものだと言います。仲間とは頼るような依存の関係ではなく、各自独立しつつも協力する関係。のぞみが人のために頑張ろうとするのは、相手の真剣さや苦しみを感じ取れるからだと思います。その相手が友達であるかどうかは関係なく彼女は相手に自分の力を注げる。そうやって仲間が作られることもある(これは今回の話とは関係ないですが、作品的には結構重要なポイント)。
極力正体を隠そうとしてきたプリキュアですが、増子さんのために取材を受けることを自ら求めます。この判断を下したドリームは例によって直感で決めたと思いますが、相変わらず直感で問題の本質を見抜くアホの子です。
プリキュアの戦う理由が自分のための目的なら増子さんにとって何も得るものは無かったでしょう。所詮この人達も自分達のためにやっていると思うだけです。しかし、プリキュアが大切な人のため、つまり他者のために戦っていることを知り、そしてその困難さに仲間と力を合わせて立ち向かっていることを知ります。それは自分のしている新聞部にも言えることです。報道は知られていないことを他者に伝えること、他者の求めていることを与えることです。その困難さに立ち向かうには仲間が支えになる。『仲間』に対して躊躇いがあった彼女を後押しすること、これが今回プリキュア(のぞみ達)が出来ることでした。一人でも頑張って、じゃない。あなたも仲間を持つことができる、その一言。
一人でも諦めず記事を書き続け、同時に仲間を受け入れ求めることを意志した増子さんのちょっとした何気ないささやかな成長が素敵です。それを陰から見守るおタカさんも。
増子さんとプリキュアの関係も面白い。のぞみ達自身はプリキュアになっても何も変わらないのですが、その関係性が違うと相手に与えるものも変わります。ものすごく小さいことですが、プリキュアが人を(精神的に)助けた稀有な事例です。
①誤報
険しい表情で何かを見つめるりん。学園の掲示板。その前にりん達4人とフットサルのメンバーが居ます。ノンキな声で挨拶するのぞみ。掲示板には御馴染みのサンクルミエール通信の最新記事が載っています。そこにはフットサル部の敗北とキャプテンのミス、辞任が報じられています。「!?」「?」が多い。何とも曖昧です。本人である今野キャプテンも来て記事を読みます。
そこに駆けつける増子さん。いつもの口上でやってきますが、最後のマスコミか!を遮るようにりんが強い口調で増子さんを呼びます。突然のことに「えー」とテンションストップ。りんが記事について問います。今野さんがキャプテンを辞めることはありません。増子さんはだから「?」がついていると言います。りんは今野さんが試合前日に足を痛めていたことを話します。代わりの選手がいないので怪我をおして出場したようです。実際今野さんの足には包帯が巻かれています。怪我のことを知らなかった増子さん。無論怪我のことは記事に書かれていません。これではまるで今野さんがただミスをしたかのような記事です。怪我があったのならまだ違う書き様がありますし読み手の印象も変わります。
人間が出来ている今野さんは記事についてはとやかく言う気は無いようです。怪我したことも調整失敗や練習不足かもしれない、次頑張ろうと言います。しかし、今野さんのミスを報じる記事を見る瞳にはいささか憂いが現れています。いつもの元気さは霧消し落ち込む増子さん。
ビル。同心円状の会議室。ハデーニャはこの前の失敗を思い出し面白がっているようです。まだまだ余裕のハデーニャ。この手の人達は戦う前は「簡単に倒して来てやる」と言い、負けると「なかなか面白い敵だ」とか言います。強い敵は言い訳も上手です。
自信満々で登場するブンビーさん。しかしブンビーを無視して会話を進めるカワリーノさん。ブンビーの足を踏んづけたまま話します。意図的に無視しています。いじめですか。エキストラ席に座るブンビー。本当にこの人の席ここなんだ。本当に降格。隣の仮面の人に話しかけるも無言のエキストラ。この人達についてはブンビーもよく分からないようです。
会議の席では意見を出しましょう、ブラッティさん。
②失った仲間達と独りの限界
ランチタイム。5人でテーブルを囲んでいつもの楽しいランチ。のぞみはふと増子さんが独りで昼食も食べていないことに気づきます。落ち込んでいる増子さん。りんは今野キャプテンも傷ついていたと言います。ある意味自業自得なのですが、誰も得もせず喜びもない結果です。増子さんに同情を寄せるうららとこまち。困った人を捨て置けないのぞみは何かを決心します。
増子さんに焼きそばパンとジュースを出すおタカさん。久々です。この人が出ると基本的に良いお話になります。胸には校章?の飾りが付けられています。この人は学食のおばちゃん兼学園長です。増子さんを励ますおタカさん。増子さんのやっている報道の価値や責任について話します。独りで手詰まりの増子さんに仲間と分かち合うことを示唆します。しかし「仲間」と聞いて何かに思い当たったのかふらりと立ち去ってしまう増子さん。
増子さんの背にいつでも応援している、と小さな声で言うおタカさん。
掲示板の前で佇む増子さん。のぞみが声をかけます。焼きそばパンの入った包みを差し出します。
昼食を食べているだろうにまだ焼きそばパンを食べるのぞみ。そのエネルギーと栄養は一体どこで消費されているのか気になるところです。増子さんに話しかけるのぞみ。のぞみの最大の長所は他者の良い所を見て評価できる点です。増子さんの活動を褒めるのぞみ。「一人で作っちゃうんだもん」の言葉に独りになってしまったと答える増子さん。
サンクルミエール通信は元々増子さんの他にも部員が居ました。部員達と取材を一緒にしていましたが、激しやすく仕事熱心な増子さんに周りがついていけず一人また一人と部員が減ってしまったようです。独りになってしまった増子さんは意地もあって取材不足を補うために大げさな見出しや噂話のような記事が増えていったと言います。そして今回は今野さんを傷つけてしまった。今まではのぞみ達の大食いやナッツ特集、生徒会長かれんの私生活などを書いてきましたがそれはどれも取り留めの無い、言ってしまえば毒にも薬にもならないものです。少なくとも人を傷つけるような記事ではありません。今回それをやってしまったのは増子さんのミスであり、個人の限界を知ることになります。
記事を書くのを辞めると言い出す増子さんを応援するのぞみ。増子さんの記事の中には良い記事もあります。辞めてしまえばそれらも無くなってしまいます。のぞみの言葉を継いでうらら、こまち、かれん、りんが応援します。うらら、自己アピールしまくりです。一番サンクルミエール通信を嫌っていそうなりんまで応援することに驚く増子さん。りんは勝ったらトップ記事で載せてもらうと言います。
しかし、増子さんは掲示板の記事を剥がして去っていきます。彼女をいくら応援して彼女の記事を褒めたとしても、彼女の現状が変わるわけではありません。人を傷つける記事を書いてしまったことは独りでの無理な取材が要因です。個人の限界。個人の失敗。例えまたやる気を出しても同じ間違いが起こらないとは限りません。
木陰から様子を見るブンビー。変質者です。
ナッツに独占取材をお願いするのぞみ達。キッパリと断るナッツ。そんなことをしても問題解決にはならない、と言います。言い方は厳しいですが的を射た発言です。同意するかれんとココ。しかしそれでも諦めないのぞみは独り学園に戻ります。
サンクルミエール通信の部室。荷物をまとめる増子さん。引き出しに入っていた記事のバックナンバーを手に取りページを開きます。創刊号には新聞を主人のところまで届ける犬の記事が書かれています。ほのぼのとした良い話そうです。それを取材する増子さんと部員達。一緒に記事を作ります。彼女達は楽しそうな笑みを浮かべています。今は独りの増子さん。楽しかったあの時、あの時間に戻ることはできません。涙を流しながらページを閉じて整理を再開します。その拍子に写真を落としてしまいます。写真には部員達、のぞみ達、プリキュア達の姿があります。独りではなく仲間達の姿が映った写真。
プリキュアの写真を取り上げ現れるブンビー。誰?と問う増子さんに「君は無視しないんだね」と睨みを利かせ歩み寄るブンビー。これは怖い。明らかに怪しい人を通り越して変質者、犯罪者のオーラ出しまくりです。日曜日の朝番組でなければちょっと女の子には見せられない勢いです。
③一人でできなくったって
学園に戻ったのぞみに追いつくりん達。ココが何か出たと言います。だからその「何か」ってのはナイトメア以外に当てはまらないんだからナイトメアで良いんじゃね?
つまずき鞄を落とす増子さん。鞄にはかまわず物陰に隠れます。歩いて追うブンビー。変化します。影の形が変わったことに悲鳴をあげそうになりますが必死で口を押さえる増子さん。ホラー番組か。増子さんが寄りかかっている壁に手をかけ現れるブンビー。ちょ、何だその気合の入りよう。これは泣く。女の子じゃなくても泣く。俺は泣く。
すんでのところで駆けつけるのぞみ達。壁が死角になって増子さんからはのぞみ達が見えません。
増子さんの鞄を見つけて増子さんに何かあったのかと心配するりんとのぞみ。ブンビーははぐらかして答えます。これが深夜番組だったら大変なことになっていそうですが、幸いこの番組は良い子が見る番組なので本気で怖い肝試しで終わっています。一斉変身。プリキュア5! 自動的に自己紹介してくれるので増子さんにも分かりやすい。
仮面を増子さんのバックナンバーにつけます。コワイナーに変化したバックナンバーを見て思わず飛び出す増子さん。コワイナーが増子さん目掛けて攻撃します。それをフォローするドリーム。
ブンビーはレモネードに突撃。何故か防御体勢を取らないレモネード。ルージュがタイミング良くガードします。その瞬間に動き出してカカト落としを繰り出すレモネード。連携を読んだ見事な動きです。ルージュも防御から攻撃に切り替えて同時攻撃。それをガードして跳ね返すブンビー。こちらもかなりの手練です。
コワイナーに攻撃するミントとアクアですが迎撃されてしまいます。単独攻撃するドリームも捕まり5人とも吹き飛ばされてしまいます。
仲間に頼るからこうなる、一人じゃ何もできない奴らが集まっても無駄、と素敵なお言葉を発するブンビーさん。仲間に頼れば個人の質は下がる。質の低い個人が集まったところで烏合の衆。1+1+1+…ではなく、1×1×1は所詮1です。
一人でできなくったっていいじゃない、独りで悩んで一生懸命やって。例え上手くいかなくてもその気持ちは絶対みんなに伝わる。気持ちが伝わってくればその人のために何とかしてあげたいって想う。例え力が無くっても、みんなで立ち向かえばできるかもしれない。それが仲間だよ。
毅然と立ち上がるプリキュア。その言葉に増子さんも感じ取ります。自分のカメラを見る増子さん。
「そうやって傷の舐め、隙あり!」と本来なら敵として反論しなければならないところでパイルを打ち込むブンビー。これはセコイ。なんという姑息さ。個人の能力云々するのは構いませんがこのセコさは頂けません。
そんなことはミントが卸しません。ミントプロテクション改めミントシールドで防ぎます。プロテクションではやぶられましたがシールドはどうなるか。思わず飛び出しプリキュアの戦いをカメラで撮る増子さん。シャッターの中のミントカッコイイ。今まで唯一ミントバリアを破砕したパイルも新商品の力の前にはなすすべも無く破壊されます。弾くとかじゃなくて破壊してしまうところにミントバリアの凶悪な性能が伺えます。
反撃に転じるプリキュア。何か異様に動きがダイナミックになってコワイナーの捕縛攻撃を逆に掴んで動きを止めます。一人二人では動きを止めることはできませんが4人がかりでなら抑えられます。華麗に着地してトドメの必殺技モーションに入るドリーム。クリスタルシュートで粉砕します。撤退するブンビー。何かこいつ描き方に気合が入っててカッコイイぞ。
④何のために?何を拠りどころに?
プリキュアを撮り続ける自分に気づく増子さん。新聞部は辞めたはずなのに。
プリキュアにお礼を述べて帰ろうとする増子さんを呼び止めるドリーム。自分達を取材しないの?と尋ねます。ドリームの発言に驚くアクア。躊躇う増子さんにレモネードとルージュも誘います。取材していいのか聞く増子さんに了承するプリキュア。本当に良いのかさすがに躊躇うルージュですが、増子さんがやる気を出してきたので構わないとドリーム。しかし他言無用な事柄もあります。それは私にお任せとレモネード。
プリキュア達の取材を心配するミルクですが、ココは信頼しています。
ポーズをとるドリームとレモネード。お前ら、アホだろ。特にドリームは酷い。ポーズの意味が分からん。そしてレモネードは某セーラー服をモチーフとしたヒロインのポーズっぽい。自然にしてくれと言う増子さん。
不安になりだすココナッツミルク。分かる。お前たちの気持ちは分かる。
インタビュー開始。普段は何をしているか。この学園で…と言いかけるドリームの口を封じて質問にNGを出すレモネード。最初からいきなり機密情報を暴露しようとするドリームから発言権を取った方がいいと思います。ナイトメアについてもNG。営業スマイルで答えるレモネード。流石です。何の答えにもなっていないですが、その笑顔にだまされておきます。
何故あんな化け物に立ち向かうのか? これには答えられます。答えなければいけません。彼女達はそのために戦っているのだから。
「ある夢を叶えるために」
「大切な人の夢」
怖くは無いのか?
「みんなで力を合わせれば平気だよ」
取材の時間は終わり。最後に一つ尋ねる増子さん。
「私にもみなさんのような仲間を作れると思いますか?」
Yes!
⑤一人からはじめるサンクルミエール通信
朝。掲示板にはサンクルミエール通信の最新記事が載っています。その記事は今野キャプテンの抱負が載っています。
いつもの口上で現れる増子さん。のぞみに新聞部を続けることを伝えます。
のぞみに記事の一部を示すうらら。プリキュアの記事が載っています。フットサル部が一致団結しているそばで、プリキュアの記事を紹介するのぞみ。頷くうらら。何か可愛いぞお前ら。でもお前ら空気読め。プリキュアプリキュア連呼するのぞみ。なんという番組内宣伝。あまり話題にならないことにガッカリするうらら。記事はよくかけているとこまち。流石文筆家。
様子を見に来るココ達。ナッツは増子さんが心配だったようです。
プリキュアが誰かに似ていなかった?と尋ねるのぞみ。お前はバラしたいのか。流石にそれにはうららも固まります。りんが止めに入ります。プリキュアは凄い人達だと言う増子さん。プリティでキュ・キュ・キュア。歌うな。
掲示板の前にはおタカさんも様子を見に来ています。増子さんが元気になったことを静かに見守ります。記事の中には部員を募る記事が載っています。
⑥次回予告
EDがガンバランスに。これは良い曲。しかしどうも動きが半端。未完成? 完成したら5人で楽しそう。
ミルクとかれん。この組み合わせは面白い。
○トピック
増子さんの新聞部活動話。18話でかれん宅を訪問した際に何やら部員とあったらしいことが判明しましたが、そのお話。
かつて仲間だった部員とよりを戻すわけではなく、再出発の流れは結構シビア。縁が切れてしまった仲間との復縁ではなく、増子さんが『仲間』に対して志を新たにすることは問題提起と解決がキッチリ結びついているので論理的ではあります。この番組は変に論理的です。(問題提起に対して正当な回答を提出する)
増子さんの問題は細かく3つ。一つは記事で人を傷つけてしまったこと。2つ目はそんな記事を書いてしまったのは人手不足による個人の限界。3つ目は仲間との協調。
問題解決は3つ目に集約されます。仲間を得れば柔軟な取材が出来るし、内容も充実を図れる。では、その仲間を得れば良いのか? 話はそう簡単に行きません。何故ならかつて新聞部には他の部員がいましたが、増子さんについて行けず離れてしまったからです。例え今一度部員を得たとしてもまた同じように増子さんが他の仲間と協調を取れなければ同じことを繰り返すだけです。
仲間達と一緒に記事を書いていた頃が素晴らしいものであったことは彼女の回想や写真、当時の記事から分かります。でも、そうであったはずなのに、増子さん一人になってしまったのは彼女が仲間を蔑(ないがし)ろにしたからです。独りでも取材を続けたのは本人が意地と言ったように、自分のジャーナリズムが正しいことを証明しようとしたからでしょう。自分は間違っていない、正しいことのために自分はした、と。しかしそれが本来書きたい記事と離れてしまったのはよくある話です。よくある話だから辛く難しい。知らず知らずのうちにそうなってしまうから。
今回この作品の伝家の宝刀であるのぞみの説得が通じません。彼女の相手の良いところを直視しそれを本人に改めて見せることのできる美点は増子さんには効果がありませんでした。何故なら増子さんが一人でも頑張れるというのは増子さんの解決の対極、つまり問題そのものだからです。仲間を求めかけている人にあなたは独りでも大丈夫だよ、と言っても何の励ましにもなりません。あなたの記事が好きだから、というのも同じです。
そこで今回効き目を発揮するのがプリキュアです。増子さんはのぞみ達との繋がりよりも実はプリキュアとの繋がりの方が多い人です。大抵助けられることになるのですが、18話で仲間を助けようとするアクアを見ている等これまでチームとして行動しているのを目の前で増子さんは見ています。化け物相手でも立ち向かい、仲間を大切にするプリキュアを見ています。
そのプリキュアが言います。一人で弱くても良いのだ、と。仲間というのは困っていても一生懸命頑張ろうとしている人に気づいて助けるものだと言います。仲間とは頼るような依存の関係ではなく、各自独立しつつも協力する関係。のぞみが人のために頑張ろうとするのは、相手の真剣さや苦しみを感じ取れるからだと思います。その相手が友達であるかどうかは関係なく彼女は相手に自分の力を注げる。そうやって仲間が作られることもある(これは今回の話とは関係ないですが、作品的には結構重要なポイント)。
極力正体を隠そうとしてきたプリキュアですが、増子さんのために取材を受けることを自ら求めます。この判断を下したドリームは例によって直感で決めたと思いますが、相変わらず直感で問題の本質を見抜くアホの子です。
プリキュアの戦う理由が自分のための目的なら増子さんにとって何も得るものは無かったでしょう。所詮この人達も自分達のためにやっていると思うだけです。しかし、プリキュアが大切な人のため、つまり他者のために戦っていることを知り、そしてその困難さに仲間と力を合わせて立ち向かっていることを知ります。それは自分のしている新聞部にも言えることです。報道は知られていないことを他者に伝えること、他者の求めていることを与えることです。その困難さに立ち向かうには仲間が支えになる。『仲間』に対して躊躇いがあった彼女を後押しすること、これが今回プリキュア(のぞみ達)が出来ることでした。一人でも頑張って、じゃない。あなたも仲間を持つことができる、その一言。
一人でも諦めず記事を書き続け、同時に仲間を受け入れ求めることを意志した増子さんのちょっとした何気ないささやかな成長が素敵です。それを陰から見守るおタカさんも。
増子さんとプリキュアの関係も面白い。のぞみ達自身はプリキュアになっても何も変わらないのですが、その関係性が違うと相手に与えるものも変わります。ものすごく小さいことですが、プリキュアが人を(精神的に)助けた稀有な事例です。
第32話「りんちゃんのハッピーウエディング」
○今週の出来事
①花嫁のティアラ
ウエディングドレスが飾ってあるショーウィンドウを覗くりん。ちょうど店からこまちの姉まどかが出てきます。まどかが結婚するのかと勘違いするりん。結婚はしますが、まどかではなく友達の未来(みく)さんです。
ナッツハウスで未来さんをみんなに紹介するまどか。どうでもいいですがこの店は本当に営業しているのでしょうか。
未来さんは店にあるブレスレットに惹かれます。店長(?)のナッツが誇らしげに紹介します。デザイナーはなんとりんです。未来さんとまどかは何事か相談して決めます。話しが見えないのぞみ達。未来さんはりんにティアラのデザインをお願いします。
思いがけない抜擢に盛り上がるのぞみ達。当のりんは少々困惑気味ですが、のぞみはノリノリです。うららの歌手デビューの時もそうですが、結構プレッシャーになります。良く言えば無垢の信頼、悪く言えば無責任です。とはいえ、何だかんだで彼女達は諦めずに役目をまっとうするのであながち根拠や実績が無いわけではありません。かれんも責任重大だけどやりがいがある、と抜擢されたことを肯定します。
お気軽に考えるのぞみにりんは詰め寄るように結婚について話し始めます。色々と思い入れがあるのか普段のツッコミ兼常識人とは打って変わって半分妄想しだします。思わず身を引くのぞみ。ちょうどうららに重なるのでうらら内心でガッツポーズです。恋愛沙汰になるとりんは乙女回路が働きだすようです。呆然とりんの様子を見るまどかと未来さん。しかしそれにしてものぞみの隣をうららとりんは必ず確保してます。
この人違う世界に行っちゃった~な目で見るかれん。するととなりに居たこまちが立ち上がって妄想モード。この娘は妄想し始めると大変です。りんの結婚式の話を引き継いで「ちょっと待った」コール。愛の逃避行。新郎の立ち場無し。新郎は心労でぶっ倒れそうです。こういう下らない冗談を思いつくあたりが乙女回路実装者と非実装者の違いだと思います。
結婚(式)観に相違があるのかこまちの妄想についていけないりん。こまちはこちらの方が盛り上がると言います。いや、結婚式だから。話が盛り上がるとかそういうの関係無いから。話に乗るうらら。テーマソングが流れます。結婚式というかアイドルコンサートを考えるうらら。はじける乙女は考えることがはじけています。ファンの声の中に鷲Pが居たような気がします。うららのぶっ飛んだ結婚式に感心するまどかと未来さん。
かれんに尋ねる一同。かれんはきっちり和装で決める姿を想像します。似合いすぎる。相手を尋ねられますが、恥ずかしがって俯くかれん。可愛い。微笑むまどか達。子どもの子どもらしい結婚のイメージを見た大人の態度です。
のぞみは様々なドレスの着て、ウエディングケーキを食べることを望みます。あれはハリボテだと教えるみんな。凹むのぞみ。見事オチを決めるのぞみ。流石です。乙女回路についていけないココナッツ。ミルクも結婚式を想像します。あ、やっぱパルミエ国民ってみんな謎生物なんだね。国民が出たのは初めてなんじゃないか。祝福を受けながら車で式場を移動。相手はココ。運転手はナッツ。さり気に酷い扱いのような気がします。
腹の虫。いつも空腹なフリーターガマオ。カワリーノが待ち受けます。構えるガマオ。カワリーノはガマオにナイトメアに戻らないかと誘います。新型の仮面を渡しながら幹部昇進をほのめかすカワリーノ。相変わらず心の隙間を突くのが上手い。「私だったらあなたのことが分かってあげられる」言葉とは裏腹にそんなことは微塵も思っていないだろうに。ガマオ一気に死亡フラグが立ちました。幹部昇進という夢。黒い仮面は欲望や夢への衝動をそのまま自身へ返す破滅の力。
カワリーノは部下を使い捨ての駒のように追い込み破滅させますが、それこそナイトメアの本来の姿です。ナイトメアはそれ自体に夢や希望があってはなりません。社員の夢をつぶし、食い、破滅させる。それは社員だけでなくすべての人間に対してもそうする。それがナイトメアの力であり存在意義です。(だから破滅していく社員を見せれば見せるほどナイトメアの存在意義は増していく)
②私のために悩んでくれるあなた
昼食。りんはずっとデザインを練っているようです。昼食を抜くと聞いて驚きの声をあげる一同。待て、お前らの深刻度基準は昼食なのか。ある意味分かりやすい。一大事だと言ううらら。鬼気迫る表情です。昼食を抜くというだけなのにこの緊迫感。
書いては直し書いては直し。なかなか良いデザインができません。
フラワーハウス夏木。りんは店を手伝いながらデザインを練ります。未来さんが尋ねてきます。
土手。土手はプリキュアシリーズでは重要な場所です。この前の結婚式の話が楽しかったと言う未来さん。色々なイメージを持っているのねと言います。りん達のイメージは子どもっぽいイメージです。誰のイメージの中にも具体的な新郎は居ないし、こういう結婚式をやりたい、自分はこういう衣装を着たいという願望。それはどちらかと言えばごっこ遊びに近い。実際に結婚を目前に控えている未来さんからすれば幼稚で、でも彼女自身がそう夢見ていただろうと思われるもの。だから彼女もまどかもりん達の夢をバカにした風な印象はありません。子どもの願望を微笑ましく見る大人の姿です。
デザインで悩んでいることを尋ねます。プレッシャーを感じていることを打ち明けるりん。りんに頼んだことを謝りながらも彼女は嬉しいと答えます。彼女の結婚式は親しい友人達とで作る結婚式です。みんなで協力してみんなで作る。彼女はそのみんなで作っていくことに幸せを感じたと言います。彼女のために悩んでくれることは、とりもなおさず彼女を想い考えてくれるということ。だから彼女はそれを嬉しいと言います。りんにお礼を言う未来さん。りんが感じる重責は未来さんの喜びになります。それはりんにとって、自分のやろうとして悩んでいることが人のためになっていること、自分が人の喜びとなり、自分が人に受け入れられていることを意味します。これは重要なことです。ややもすると「初対面のあなたにこんなことを頼んでごめんなさい。やっぱり止めても良いのよ」と言ってしまいそうになりますが、それは逆に相手を失望させるかもしれない。相手のために悩むこと、悩んでもらえることは人と人との関係の中で決して悪いことではないのです。むしろその煩わしさがあるからこそ、喜びと信頼を得られるのかもしれない。
りんはティアラのデザインをやり遂げることを誓います。
デザインが出来上がり製作に取り掛かるりん。苦心の末、完成するティアラ。
③自分のために人に迷惑をかける人
結婚式。まどかに連れられてお色直しのため会場を離れる未来さん。ガマオを給仕として式場に潜入します。客の前で料理食うな。持ってくる前に食べれば良いだろ。
待合室で待つ一同。完成したティアラに期待を寄せるのぞみ達。しかしりんはみんなの声が聞こえていないのか生返事します。ようやく周囲に気づくりん。それはそうと、りんとうららの絶妙な足の位置。っていうか見えない方がおかしいだろ。緊張するりん。結婚式に特別の思い入れがあるので自信作だとしても緊張はします。
ノックの音。
出向くとウエディングケーキ。ガマオが持ってきました。安定した職に就くためにも一働き。ケーキに仮面をつけます。
ココナッツにティアラを預けるりん。一斉変身。
ロウソクを射出して攻撃するコワイナー。同時発射数が多く装填数が無限の砲撃型です。普通のコワイナーよりも強力なコワイナーに活気付くガマオ。爆風に煽られティアラの入った箱を手放してしまうココ。安心して任せられねー。ガマオがキャッチ。慌てて飛びつくルージュを回し蹴りで迎撃。しかしレモネードとアクアがコワイナーを押し返します。コワイナーの移動方式が車輪なので慣性で後ろに下がるコワイナー。砲撃型だけに機動性に難があります。っていうか、マヌケさに笑える。
ドリームがガマオに蹴りを入れて奪還。ココに預けます。今度こそちゃんと管理して欲しいものです。
そんなものどうでもいいだろ、というガマオにどうでも良い訳が無いと答えるプリキュア。自身の立身出世、安定した職のために他者を排斥するガマオと、みんなで作り上げる結婚式を大切にするプリキュア。仕事を得ようとするフリーターと結婚を(支持)するプリキュア。何か色々と人生の勝ち負けが見えるような気がしますが、この番組を見ているのは結婚して子どもが居るご家庭ですので心配無用です。なお、この感想を書いている私の立場についてのコメントは控えさせていただきます。
野望のために今あるものを破壊することと、今あるものに意味を見出し尊ぶこと。プリキュア的悪を打倒します。ルージュ・バーニングでコワイナーのロウソク攻撃を相殺。てっきり貫通して本体を倒すかと思いましたが、トドメはクリスタルシュート。各人のパワーアップ感が目減りしていますが、連携大好きな私としては連発してもらった方が豪華な感じがして好きです。破壊力絶大なクリスタルシュートの爆風で天井を突き破ってお星様になるガマオ。
④ブーケの行方
お色直しが終わり再び会場に現れる新婦。ティアラが冠されています。皆の祝福を受ける花嫁。
花をモチーフにしたアクセサリーを店に置こうと考えるナッツ。ココも大人気になると意気込みます。商魂たくましいなあんたら。本当に王子なのか。どんな時でも商売のキッカケを逃さない。まさに商売人の鑑。ガマオとは桁違いです。なんだこのアニメ、変なところで妙にリアルだぞ。
花嫁のブーケトス。放たれるブーケ。こぼれ落ちたブーケをキャッチしたのはミルク。キャッチした瞬間のミルクスマイルは流石としか言いようがありません。そのまま撤収。呆然とする5人の表情が面白い。特にのぞみが。
嬉々として夢見るミルク。りん達がミルクをにらみます。乙女としてこれは渡せないと固持します。ミルクが可愛いとちょっと本気で思いました。
⑤次回予告
いよいよ増子さんの話。スカートのヒラヒラ感が素敵です(そればっかだな)。
○トピック
フリーターで職を求めるガマオと結婚式という絶望的現実感。プリキュア5は容赦しません。これは日曜日だというのに朝から女児向けアニメを見ている独身者に対する嫌がらせですか。「~は俺の嫁とか言ってないで現実を直視して彼女を見つけろよ」というありがたいメッセージでしょうか。ダメな大人に対してはトコトン容赦が無いその高潔さが好きです。
結婚話はシリーズの中では無印の後期によし美先生結婚がありました。今回も同じように結婚は女の子の晴れ舞台として大切なものだと位置づけられています。先生の結婚式のために生徒達が協力して贈り物を作る話でした。
今回はそれとは視点が違います。子ども達(のぞみ達)の結婚式に対するイメージを見る大人の視点が入っています。実際の結婚は大変なんだよ、両方の家の注文もあるし、誰を呼ぶか悩むし、費用もかかるし…と現実的な話はさすがにしませんが、のぞみ達が抱く結婚のイメージが現実ではなく子ども達の願望によるものだということが分かります。未来さんはそれらを子どもっぽい幻想だとは言いません。ただし彼女の結婚式が夢見るほどの華やかさを持つものでもありません。(結婚式のコンセプトが手作りだということもありますが)
未来さんの名前はたぶんその名のとおりのぞみ達の未来(みらい)の姿を示唆していると思います。花嫁と自分が全く違う遠い存在ではなくて、彼女達の未来に花嫁という可能性が存在します。無印の頃はそういう視点はなく純粋に先生を祝う話でしたので未来を志向する5らしいアプローチです。
子ども番組によくあるのは、子ども達の願望や夢は実現性(←今思いついて勝手に意味を付加しています)を持たないことです。実現性を持たないというのは時間的にそこで止まっているということです。子どもと大人は切り離されて、それぞれで固定されている(子どもが大人になる、という示唆が無い)。子どもの願望や夢はそのまま保持されます。それはそれでその未来に対する強い希望や衝動となります。が、5ではどうもそういう感じがしません。のぞみ達は子どもですがきちんと大人になる存在として、彼女達は未来へと時間が流れていく存在として見えます。15話のお母さん達が言ったように、きっと自分達のような関係になるというように、実現性のある未来が示唆されています。それ自体は取り立てて優れた演出や見せ方というわけではありませんし、実現性があろうとなかろうと良し悪しにはなりません。ただ、おそらく5が志向する物語の方向性を考えたときにこの実現性は意味を持つと思います。
余談ですが、何故子ども番組などで子どもが大人になる示唆が無いかと言うと、バトルものは大抵「子ども対大人」の構図があるからです。子どもにとって手っ取り早い強い敵は大人です。体力、経験、知識において長じる大人に子どもが勝つというのは分かりやすいからです。またその勝てる要因として子どもの持つ可能性を最大の武器とすることがあります。だから、子どもが大人になることが示唆されてしまうと倒すべき大人と同一であることが見透かされてしまいますし、子ども特有の可能性が薄れます。子どもにとっての夢が固持されればされるほど子ども特有の可能性が固持されます。プリキュア5ではあまりそういうイメージが無く、非常に現実的です。大人が敵というよりも、現実社会の悪しき面が敵として描かれており、理想的な大人、子どもを導く大人が居る点でもプリキュア5にとって大人が敵であるイメージはありません。
それと今回欠かせないのが、全く関係無い初対面のりんにティアラを依頼したこと。すでに本編感想で書きましたが、迷惑や負担をかけることが否定されていません。手作りの結婚式は大変なものだと想像されますが、その大変さが人と人との繋がりを確かめることになることが分かります。誰かのために作られたティアラではなく、未来さんのために作られたティアラだから意味がある。あなたは私を見てくれる。私はそんなあなたを見る。これもまたプリキュアらしい人間関係の見せ方です。こういう地味なところで関係性にアプローチするのがプリキュアの面白さの一つです。
そして来週は増子さん。何やら以前部員と何かあったらしい彼女。後半になってより人間関係の話が面白くなってきそうです。人間関係がドロドロしたものだと描くのではなく、その中に喜びや幸せや充実や未来への希望がある物語。そんな物語を紡ぎ続けて欲しいですね。
①花嫁のティアラ
ウエディングドレスが飾ってあるショーウィンドウを覗くりん。ちょうど店からこまちの姉まどかが出てきます。まどかが結婚するのかと勘違いするりん。結婚はしますが、まどかではなく友達の未来(みく)さんです。
ナッツハウスで未来さんをみんなに紹介するまどか。どうでもいいですがこの店は本当に営業しているのでしょうか。
未来さんは店にあるブレスレットに惹かれます。店長(?)のナッツが誇らしげに紹介します。デザイナーはなんとりんです。未来さんとまどかは何事か相談して決めます。話しが見えないのぞみ達。未来さんはりんにティアラのデザインをお願いします。
思いがけない抜擢に盛り上がるのぞみ達。当のりんは少々困惑気味ですが、のぞみはノリノリです。うららの歌手デビューの時もそうですが、結構プレッシャーになります。良く言えば無垢の信頼、悪く言えば無責任です。とはいえ、何だかんだで彼女達は諦めずに役目をまっとうするのであながち根拠や実績が無いわけではありません。かれんも責任重大だけどやりがいがある、と抜擢されたことを肯定します。
お気軽に考えるのぞみにりんは詰め寄るように結婚について話し始めます。色々と思い入れがあるのか普段のツッコミ兼常識人とは打って変わって半分妄想しだします。思わず身を引くのぞみ。ちょうどうららに重なるのでうらら内心でガッツポーズです。恋愛沙汰になるとりんは乙女回路が働きだすようです。呆然とりんの様子を見るまどかと未来さん。しかしそれにしてものぞみの隣をうららとりんは必ず確保してます。
この人違う世界に行っちゃった~な目で見るかれん。するととなりに居たこまちが立ち上がって妄想モード。この娘は妄想し始めると大変です。りんの結婚式の話を引き継いで「ちょっと待った」コール。愛の逃避行。新郎の立ち場無し。新郎は心労でぶっ倒れそうです。こういう下らない冗談を思いつくあたりが乙女回路実装者と非実装者の違いだと思います。
結婚(式)観に相違があるのかこまちの妄想についていけないりん。こまちはこちらの方が盛り上がると言います。いや、結婚式だから。話が盛り上がるとかそういうの関係無いから。話に乗るうらら。テーマソングが流れます。結婚式というかアイドルコンサートを考えるうらら。はじける乙女は考えることがはじけています。ファンの声の中に鷲Pが居たような気がします。うららのぶっ飛んだ結婚式に感心するまどかと未来さん。
かれんに尋ねる一同。かれんはきっちり和装で決める姿を想像します。似合いすぎる。相手を尋ねられますが、恥ずかしがって俯くかれん。可愛い。微笑むまどか達。子どもの子どもらしい結婚のイメージを見た大人の態度です。
のぞみは様々なドレスの着て、ウエディングケーキを食べることを望みます。あれはハリボテだと教えるみんな。凹むのぞみ。見事オチを決めるのぞみ。流石です。乙女回路についていけないココナッツ。ミルクも結婚式を想像します。あ、やっぱパルミエ国民ってみんな謎生物なんだね。国民が出たのは初めてなんじゃないか。祝福を受けながら車で式場を移動。相手はココ。運転手はナッツ。さり気に酷い扱いのような気がします。
腹の虫。いつも空腹なフリーターガマオ。カワリーノが待ち受けます。構えるガマオ。カワリーノはガマオにナイトメアに戻らないかと誘います。新型の仮面を渡しながら幹部昇進をほのめかすカワリーノ。相変わらず心の隙間を突くのが上手い。「私だったらあなたのことが分かってあげられる」言葉とは裏腹にそんなことは微塵も思っていないだろうに。ガマオ一気に死亡フラグが立ちました。幹部昇進という夢。黒い仮面は欲望や夢への衝動をそのまま自身へ返す破滅の力。
カワリーノは部下を使い捨ての駒のように追い込み破滅させますが、それこそナイトメアの本来の姿です。ナイトメアはそれ自体に夢や希望があってはなりません。社員の夢をつぶし、食い、破滅させる。それは社員だけでなくすべての人間に対してもそうする。それがナイトメアの力であり存在意義です。(だから破滅していく社員を見せれば見せるほどナイトメアの存在意義は増していく)
②私のために悩んでくれるあなた
昼食。りんはずっとデザインを練っているようです。昼食を抜くと聞いて驚きの声をあげる一同。待て、お前らの深刻度基準は昼食なのか。ある意味分かりやすい。一大事だと言ううらら。鬼気迫る表情です。昼食を抜くというだけなのにこの緊迫感。
書いては直し書いては直し。なかなか良いデザインができません。
フラワーハウス夏木。りんは店を手伝いながらデザインを練ります。未来さんが尋ねてきます。
土手。土手はプリキュアシリーズでは重要な場所です。この前の結婚式の話が楽しかったと言う未来さん。色々なイメージを持っているのねと言います。りん達のイメージは子どもっぽいイメージです。誰のイメージの中にも具体的な新郎は居ないし、こういう結婚式をやりたい、自分はこういう衣装を着たいという願望。それはどちらかと言えばごっこ遊びに近い。実際に結婚を目前に控えている未来さんからすれば幼稚で、でも彼女自身がそう夢見ていただろうと思われるもの。だから彼女もまどかもりん達の夢をバカにした風な印象はありません。子どもの願望を微笑ましく見る大人の姿です。
デザインで悩んでいることを尋ねます。プレッシャーを感じていることを打ち明けるりん。りんに頼んだことを謝りながらも彼女は嬉しいと答えます。彼女の結婚式は親しい友人達とで作る結婚式です。みんなで協力してみんなで作る。彼女はそのみんなで作っていくことに幸せを感じたと言います。彼女のために悩んでくれることは、とりもなおさず彼女を想い考えてくれるということ。だから彼女はそれを嬉しいと言います。りんにお礼を言う未来さん。りんが感じる重責は未来さんの喜びになります。それはりんにとって、自分のやろうとして悩んでいることが人のためになっていること、自分が人の喜びとなり、自分が人に受け入れられていることを意味します。これは重要なことです。ややもすると「初対面のあなたにこんなことを頼んでごめんなさい。やっぱり止めても良いのよ」と言ってしまいそうになりますが、それは逆に相手を失望させるかもしれない。相手のために悩むこと、悩んでもらえることは人と人との関係の中で決して悪いことではないのです。むしろその煩わしさがあるからこそ、喜びと信頼を得られるのかもしれない。
りんはティアラのデザインをやり遂げることを誓います。
デザインが出来上がり製作に取り掛かるりん。苦心の末、完成するティアラ。
③自分のために人に迷惑をかける人
結婚式。まどかに連れられてお色直しのため会場を離れる未来さん。ガマオを給仕として式場に潜入します。客の前で料理食うな。持ってくる前に食べれば良いだろ。
待合室で待つ一同。完成したティアラに期待を寄せるのぞみ達。しかしりんはみんなの声が聞こえていないのか生返事します。ようやく周囲に気づくりん。それはそうと、りんとうららの絶妙な足の位置。っていうか見えない方がおかしいだろ。緊張するりん。結婚式に特別の思い入れがあるので自信作だとしても緊張はします。
ノックの音。
出向くとウエディングケーキ。ガマオが持ってきました。安定した職に就くためにも一働き。ケーキに仮面をつけます。
ココナッツにティアラを預けるりん。一斉変身。
ロウソクを射出して攻撃するコワイナー。同時発射数が多く装填数が無限の砲撃型です。普通のコワイナーよりも強力なコワイナーに活気付くガマオ。爆風に煽られティアラの入った箱を手放してしまうココ。安心して任せられねー。ガマオがキャッチ。慌てて飛びつくルージュを回し蹴りで迎撃。しかしレモネードとアクアがコワイナーを押し返します。コワイナーの移動方式が車輪なので慣性で後ろに下がるコワイナー。砲撃型だけに機動性に難があります。っていうか、マヌケさに笑える。
ドリームがガマオに蹴りを入れて奪還。ココに預けます。今度こそちゃんと管理して欲しいものです。
そんなものどうでもいいだろ、というガマオにどうでも良い訳が無いと答えるプリキュア。自身の立身出世、安定した職のために他者を排斥するガマオと、みんなで作り上げる結婚式を大切にするプリキュア。仕事を得ようとするフリーターと結婚を(支持)するプリキュア。何か色々と人生の勝ち負けが見えるような気がしますが、この番組を見ているのは結婚して子どもが居るご家庭ですので心配無用です。なお、この感想を書いている私の立場についてのコメントは控えさせていただきます。
野望のために今あるものを破壊することと、今あるものに意味を見出し尊ぶこと。プリキュア的悪を打倒します。ルージュ・バーニングでコワイナーのロウソク攻撃を相殺。てっきり貫通して本体を倒すかと思いましたが、トドメはクリスタルシュート。各人のパワーアップ感が目減りしていますが、連携大好きな私としては連発してもらった方が豪華な感じがして好きです。破壊力絶大なクリスタルシュートの爆風で天井を突き破ってお星様になるガマオ。
④ブーケの行方
お色直しが終わり再び会場に現れる新婦。ティアラが冠されています。皆の祝福を受ける花嫁。
花をモチーフにしたアクセサリーを店に置こうと考えるナッツ。ココも大人気になると意気込みます。商魂たくましいなあんたら。本当に王子なのか。どんな時でも商売のキッカケを逃さない。まさに商売人の鑑。ガマオとは桁違いです。なんだこのアニメ、変なところで妙にリアルだぞ。
花嫁のブーケトス。放たれるブーケ。こぼれ落ちたブーケをキャッチしたのはミルク。キャッチした瞬間のミルクスマイルは流石としか言いようがありません。そのまま撤収。呆然とする5人の表情が面白い。特にのぞみが。
嬉々として夢見るミルク。りん達がミルクをにらみます。乙女としてこれは渡せないと固持します。ミルクが可愛いとちょっと本気で思いました。
⑤次回予告
いよいよ増子さんの話。スカートのヒラヒラ感が素敵です(そればっかだな)。
○トピック
フリーターで職を求めるガマオと結婚式という絶望的現実感。プリキュア5は容赦しません。これは日曜日だというのに朝から女児向けアニメを見ている独身者に対する嫌がらせですか。「~は俺の嫁とか言ってないで現実を直視して彼女を見つけろよ」というありがたいメッセージでしょうか。ダメな大人に対してはトコトン容赦が無いその高潔さが好きです。
結婚話はシリーズの中では無印の後期によし美先生結婚がありました。今回も同じように結婚は女の子の晴れ舞台として大切なものだと位置づけられています。先生の結婚式のために生徒達が協力して贈り物を作る話でした。
今回はそれとは視点が違います。子ども達(のぞみ達)の結婚式に対するイメージを見る大人の視点が入っています。実際の結婚は大変なんだよ、両方の家の注文もあるし、誰を呼ぶか悩むし、費用もかかるし…と現実的な話はさすがにしませんが、のぞみ達が抱く結婚のイメージが現実ではなく子ども達の願望によるものだということが分かります。未来さんはそれらを子どもっぽい幻想だとは言いません。ただし彼女の結婚式が夢見るほどの華やかさを持つものでもありません。(結婚式のコンセプトが手作りだということもありますが)
未来さんの名前はたぶんその名のとおりのぞみ達の未来(みらい)の姿を示唆していると思います。花嫁と自分が全く違う遠い存在ではなくて、彼女達の未来に花嫁という可能性が存在します。無印の頃はそういう視点はなく純粋に先生を祝う話でしたので未来を志向する5らしいアプローチです。
子ども番組によくあるのは、子ども達の願望や夢は実現性(←今思いついて勝手に意味を付加しています)を持たないことです。実現性を持たないというのは時間的にそこで止まっているということです。子どもと大人は切り離されて、それぞれで固定されている(子どもが大人になる、という示唆が無い)。子どもの願望や夢はそのまま保持されます。それはそれでその未来に対する強い希望や衝動となります。が、5ではどうもそういう感じがしません。のぞみ達は子どもですがきちんと大人になる存在として、彼女達は未来へと時間が流れていく存在として見えます。15話のお母さん達が言ったように、きっと自分達のような関係になるというように、実現性のある未来が示唆されています。それ自体は取り立てて優れた演出や見せ方というわけではありませんし、実現性があろうとなかろうと良し悪しにはなりません。ただ、おそらく5が志向する物語の方向性を考えたときにこの実現性は意味を持つと思います。
余談ですが、何故子ども番組などで子どもが大人になる示唆が無いかと言うと、バトルものは大抵「子ども対大人」の構図があるからです。子どもにとって手っ取り早い強い敵は大人です。体力、経験、知識において長じる大人に子どもが勝つというのは分かりやすいからです。またその勝てる要因として子どもの持つ可能性を最大の武器とすることがあります。だから、子どもが大人になることが示唆されてしまうと倒すべき大人と同一であることが見透かされてしまいますし、子ども特有の可能性が薄れます。子どもにとっての夢が固持されればされるほど子ども特有の可能性が固持されます。プリキュア5ではあまりそういうイメージが無く、非常に現実的です。大人が敵というよりも、現実社会の悪しき面が敵として描かれており、理想的な大人、子どもを導く大人が居る点でもプリキュア5にとって大人が敵であるイメージはありません。
それと今回欠かせないのが、全く関係無い初対面のりんにティアラを依頼したこと。すでに本編感想で書きましたが、迷惑や負担をかけることが否定されていません。手作りの結婚式は大変なものだと想像されますが、その大変さが人と人との繋がりを確かめることになることが分かります。誰かのために作られたティアラではなく、未来さんのために作られたティアラだから意味がある。あなたは私を見てくれる。私はそんなあなたを見る。これもまたプリキュアらしい人間関係の見せ方です。こういう地味なところで関係性にアプローチするのがプリキュアの面白さの一つです。
そして来週は増子さん。何やら以前部員と何かあったらしい彼女。後半になってより人間関係の話が面白くなってきそうです。人間関係がドロドロしたものだと描くのではなく、その中に喜びや幸せや充実や未来への希望がある物語。そんな物語を紡ぎ続けて欲しいですね。
コラム2「サントラ、キャラクターソングCD」
キャラクターソング含めてCDの所感。
○Yes!プリキュア5 オリジナルサウンドトラック1
24話くらいまでの曲で主なものを収録。合体技の曲は未収録なので「~2」の方で入ると思われます。
プリキュアの曲はなんといっても戦闘曲の熱さとエンディング曲(ED曲のアレンジとか)の何とも言えない幸福感がたまらない。前者は聴いているとやる気が出てくるし、後者は幸福感で満たされる。音楽効果は無視できない。
戦闘曲では17番「5つの心!プリキュア5!!」が好きですね。個人的に16話のミント戦闘曲というイメージが強い。戦闘シーンだけなら何十回と見ています。プリキュアの戦いは勝ち負けの問題ではなく、意思の強さ、自己の成長、未来への意志を力にして困難に打ち勝っていくものなので精神的なものに重きを置く私はとても勇気付けられるし格好良いと思いますね。って音楽の話と離れてしまいましたが。
エンディング曲としては36番「あなたの夢がかなうまで」(最近では31話の最後に使っています)。これは15話でのお母さん達の会話シーンのイメージが強い。落ち着いた雰囲気のそれでいて前に進まんとする感じが良い。
全体的に曲調はシンプルで分かりやすいものになっていると思います。S☆Sのサントラで作曲の佐藤氏が複雑になってきているので分かりやすいものにしたいと書いていましたがそのようにしたのだと思います。
佐藤氏のコメントが今回も載っておりインタビュー形式になっています。私は気づきませんでしたが、キャラクターの等身が上がっているらしく、そうすると上の年齢層にも見てもらえるらしく視聴率的に良いらしい。さりげない裏事情でしょうか。ココナッツも彼ら目当ての大人の女性ファンがつくらしい、とコメントされています。そっちの話は私も詳しくありませんが、聞くところによると結構少なくない数のようですね。全くの余談ですがブックレットには5人の変身ポーズがそれぞれ載っているのですが、個人的にこまちとかれんのポーズが格好良いと思います。
解説のコメントに書かれているように、プリキュア5の必殺技曲は個別化されていないので、決まり無く自由に選曲することで変化に富んだ演出にしているそうです。そういえば今まではふたりで必殺技を撃っていたので専用曲(それでも違う曲を使うことがある)になっていましたが、5人で必ずしも決まった誰かがトドメをさすわけではないのでその時々の曲です。そのあたりの事情も音楽に影響しているのも面白い。
○VocalアルバムⅠ~青春乙女LOVE&DREAM~
曲目は以下の通り
①プリキュア5、スマイルgogo!(工藤真由)
②メタモルフォーゼ~青春乙女LOVE&DREAM~(ぷりきゅあ5)
③もん!太陽ドリーム(のぞみ)
④リバーシブル(りん)
⑤だぶるぴーす(宮本佳那子)
⑥とびっきり!勇気の扉(album ver.)(うらら)
⑦プリキュアfly(工藤真由)
⑧グリーン・ノート(こまち)
⑨Heavenly Blue(かれん)
⑩キラキラしちゃってMyTrueLove(宮本佳那子)
主題歌、ED、うららCDに収録されていたメタモルフォーゼと勇気の扉に加えて4人各自のイメージ曲、主題歌とEDを歌っている人の曲を加えたアルバム。全部フルコーラスで収録されているので買ってなかった人はこれを買うとプリキュア5の歌を全部聴けるのでお得。
勇気の扉はアルバムバージョンになっているが、シングルとの違いはコーラスでのぞみ達が入っているかどうか。好みの問題もあるかもしれないが、本編で聞いたような賑やかさを求めるならシングルを聴こう。
この曲目で一番好きなのは主題歌。いや、もう、アルバムとかキャラクターソング関係なしに、主題歌が好きですね。毎年プリキュアの主題歌は好きになるのですが、5の主題歌はその中でも特に好きです。前にも書きましたが「夢見るため生まれた」「信じるため出会った」「愛するため育った」がカッコいい。熱い。このフレーズを聞くと活力がみなぎる。
プリキュアがそれこそ夢物語で奇麗事だけで成り立っているなら何とも思わなかったと思います。ま、よくある子供向けのフレーズだよね、で終わる。けど夢物語でも奇麗事でもない。のぞみはアホで家事もろくにできない、うららは駆け出しアイドルでTVに映るのもやっと、こまちの小説は絶賛されない、かれんは一般生徒に思われているほど優れてもいない、りんは常識人だからむしろ一般人に近い。特に優れてもいない。夢そのものも普通。それを叶えられるかも怪しいほど現在は未熟。彼女達の置かれている現実は彼女達に必ずしも優しくない。しかしこの前向きさ、生きることを大肯定。奇麗事を綺麗に言うことは誰にだって出来る。けど、辛い事や汚い事をそれでも奇麗にしようとすることはとても難しい。嫌なことに愚痴を言うことは簡単だけど、それをグッと堪えて建設的に動くのは難しい。だからそれをやれる人に憧れるし格好良いと思う。辛い現実をそれでも力強く、美しく生きようとするその姿勢に憧れる。そして強く生きている人は常に前向きな姿勢と言葉を発する。この物語に対してこの主題歌はとてもマッチしている。
アルバムと関係無い話でした。
他に強いて言えばこまちがノリノリだった。メタモルフォーゼの歌詞は各キャラの特徴をよく表しています。声優に興味があるわけでも、直接作品と関わるわけでもないのでキャラクターソングは基本的にコメントしづらい。じゃあ、何で買ったんだよ、と言われればファンアイテムなので、と素で答えます。
○Yes!プリキュア5 オリジナルサウンドトラック1
24話くらいまでの曲で主なものを収録。合体技の曲は未収録なので「~2」の方で入ると思われます。
プリキュアの曲はなんといっても戦闘曲の熱さとエンディング曲(ED曲のアレンジとか)の何とも言えない幸福感がたまらない。前者は聴いているとやる気が出てくるし、後者は幸福感で満たされる。音楽効果は無視できない。
戦闘曲では17番「5つの心!プリキュア5!!」が好きですね。個人的に16話のミント戦闘曲というイメージが強い。戦闘シーンだけなら何十回と見ています。プリキュアの戦いは勝ち負けの問題ではなく、意思の強さ、自己の成長、未来への意志を力にして困難に打ち勝っていくものなので精神的なものに重きを置く私はとても勇気付けられるし格好良いと思いますね。って音楽の話と離れてしまいましたが。
エンディング曲としては36番「あなたの夢がかなうまで」(最近では31話の最後に使っています)。これは15話でのお母さん達の会話シーンのイメージが強い。落ち着いた雰囲気のそれでいて前に進まんとする感じが良い。
全体的に曲調はシンプルで分かりやすいものになっていると思います。S☆Sのサントラで作曲の佐藤氏が複雑になってきているので分かりやすいものにしたいと書いていましたがそのようにしたのだと思います。
佐藤氏のコメントが今回も載っておりインタビュー形式になっています。私は気づきませんでしたが、キャラクターの等身が上がっているらしく、そうすると上の年齢層にも見てもらえるらしく視聴率的に良いらしい。さりげない裏事情でしょうか。ココナッツも彼ら目当ての大人の女性ファンがつくらしい、とコメントされています。そっちの話は私も詳しくありませんが、聞くところによると結構少なくない数のようですね。全くの余談ですがブックレットには5人の変身ポーズがそれぞれ載っているのですが、個人的にこまちとかれんのポーズが格好良いと思います。
解説のコメントに書かれているように、プリキュア5の必殺技曲は個別化されていないので、決まり無く自由に選曲することで変化に富んだ演出にしているそうです。そういえば今まではふたりで必殺技を撃っていたので専用曲(それでも違う曲を使うことがある)になっていましたが、5人で必ずしも決まった誰かがトドメをさすわけではないのでその時々の曲です。そのあたりの事情も音楽に影響しているのも面白い。
○VocalアルバムⅠ~青春乙女LOVE&DREAM~
曲目は以下の通り
①プリキュア5、スマイルgogo!(工藤真由)
②メタモルフォーゼ~青春乙女LOVE&DREAM~(ぷりきゅあ5)
③もん!太陽ドリーム(のぞみ)
④リバーシブル(りん)
⑤だぶるぴーす(宮本佳那子)
⑥とびっきり!勇気の扉(album ver.)(うらら)
⑦プリキュアfly(工藤真由)
⑧グリーン・ノート(こまち)
⑨Heavenly Blue(かれん)
⑩キラキラしちゃってMyTrueLove(宮本佳那子)
主題歌、ED、うららCDに収録されていたメタモルフォーゼと勇気の扉に加えて4人各自のイメージ曲、主題歌とEDを歌っている人の曲を加えたアルバム。全部フルコーラスで収録されているので買ってなかった人はこれを買うとプリキュア5の歌を全部聴けるのでお得。
勇気の扉はアルバムバージョンになっているが、シングルとの違いはコーラスでのぞみ達が入っているかどうか。好みの問題もあるかもしれないが、本編で聞いたような賑やかさを求めるならシングルを聴こう。
この曲目で一番好きなのは主題歌。いや、もう、アルバムとかキャラクターソング関係なしに、主題歌が好きですね。毎年プリキュアの主題歌は好きになるのですが、5の主題歌はその中でも特に好きです。前にも書きましたが「夢見るため生まれた」「信じるため出会った」「愛するため育った」がカッコいい。熱い。このフレーズを聞くと活力がみなぎる。
プリキュアがそれこそ夢物語で奇麗事だけで成り立っているなら何とも思わなかったと思います。ま、よくある子供向けのフレーズだよね、で終わる。けど夢物語でも奇麗事でもない。のぞみはアホで家事もろくにできない、うららは駆け出しアイドルでTVに映るのもやっと、こまちの小説は絶賛されない、かれんは一般生徒に思われているほど優れてもいない、りんは常識人だからむしろ一般人に近い。特に優れてもいない。夢そのものも普通。それを叶えられるかも怪しいほど現在は未熟。彼女達の置かれている現実は彼女達に必ずしも優しくない。しかしこの前向きさ、生きることを大肯定。奇麗事を綺麗に言うことは誰にだって出来る。けど、辛い事や汚い事をそれでも奇麗にしようとすることはとても難しい。嫌なことに愚痴を言うことは簡単だけど、それをグッと堪えて建設的に動くのは難しい。だからそれをやれる人に憧れるし格好良いと思う。辛い現実をそれでも力強く、美しく生きようとするその姿勢に憧れる。そして強く生きている人は常に前向きな姿勢と言葉を発する。この物語に対してこの主題歌はとてもマッチしている。
アルバムと関係無い話でした。
他に強いて言えばこまちがノリノリだった。メタモルフォーゼの歌詞は各キャラの特徴をよく表しています。声優に興味があるわけでも、直接作品と関わるわけでもないのでキャラクターソングは基本的にコメントしづらい。じゃあ、何で買ったんだよ、と言われればファンアイテムなので、と素で答えます。
第31話「のぞみとココのラブレター事件!」
○今週の出来事
①私の知らないあなた
登校。美味しいチョコの店を見つけたのでミルクに買っていこうと上機嫌なのぞみ。ミルク「べっ、別に嬉しくなんかないミル」とか言うんでしょうか。ココにもシュークリームを買っていこうというのぞみ。
噂をすればココ。人気の少ない林で女子生徒と一緒です。ハっとするのぞみ。りんが言うように女子生徒が持っているのはラブレターです。ココの本当の姿も知らずに、と笑うりん。しかしのぞみはそれどころではありません。手紙を渡す女子生徒、受け取るココ。疾風怒濤の展開。ラブコメ路線。プリキュアってこんな番組だっけ?
コレットにピンキーを入れるかれん。そういえばコレットにはそんな機能もありました。どうやら現在の捕獲ピンキー数は28、残り27匹。いつの間にそんな数を捕獲したのか全く気づきませんでしたが、きっと視聴者の見えていないところで登校途中で偶然発見とか、ショッピングしていたら発見とかしていたんだと思います。プリキュアシリーズのこの手の「~を集める」は物語の主軸ではないのでいい加減です。そんなことはどうでもいいから、うららの服が可愛いと思うので、ぜひ全体像を見せて欲しいと思います。
のぞみはボーっとしています。うららとりんに尋ねられても反応がいまひとつです。ココがナッツハウスに帰ってきます。ミルクは今日も手紙を貰ったのかと尋ねます。箱に入った手紙を持ってくるミルク。かなりの数です。毎月数枚は貰っているようです。流石イケメン教師。おそらく授業も好評だと思われるので生徒の人気が高いのでしょう。その手紙を見てショックを受けるのぞみ。勿論この手紙は授業への質問とかではなく、ラブレターです。
目を合わせるココとのぞみ。ココは目を逸らしてしまいます。それは暗に後ろめたいことがあると言っているようなもの。のぞみはその態度にさらに疑惑を強めます。ラブレターの数に驚くうらら達。ミルクは自慢するようにココナッツは皆に慕われているといいます。パルミエの王子なので臣下としては嬉しいことなのでしょう。ナッツも慕われていると聞いて尋ねるこまち。ナッツはその場で断っていると言います。クールだな。そう言われてはこれ以上言えないので詮索できません。
ココを見ずにラブレターについて尋ねるのぞみ。ココは貰った相手すべてに返事を書いているようです。礼儀だからね、と答えるココ。このマメさもモテる要因か。メモメモ(←いまさら遅い)
「知らなかった」と声を落とすのぞみ。ココがラブレターを貰っていることも、返事を書いていることも知らなかったと言うのぞみ。隠していたつもりは無いが言うことでもなかったと目を逸らすココ。のぞみは出て行ってしまいます。追いかけるりん。
日曜日の朝から痴情のもつれ。ママレードボーイを思い出します(古いなぁ)。ちなみに私は当時中学生でしたが、話についていけず視聴するのをやめています。色恋沙汰の話はこじれてくると見ている方としては面倒です。
②人の想いは分からない
のぞみに追いつくりん。のぞみはココが隠していたと言います。りんはココのことについて平然と答えます。ココがラブレターを貰っていたことは皆知らなかったし、教師という立場上むげに断ることも出来ない。ココの行動に不審な点はありません。それはそうなのですが、のぞみが問題にしているのはそういうことではありません。飛び出していくのぞみ。
ナッツハウスでりんは皆に相談します。ココは分かってくれると言います。無言で見つめるナッツ。
ビル。誰も居なくなったブンビーの部署。仮面かぶった人達はエキストラですか。カワリーノが異動にならないかと考えるブンビー。嫌な上司が変わって欲しいと思うのはサラリーマンの常です。自分の部署に入ると誰もいません。カワリーノが答えます。ブンビーの部署は解散。ブンビーは異動。アラクネアの責任をカワリーノに問うブンビーですがカワリーノはそれに答えずに新しい部署を紹介します。
広い会議室のようなところ。無言で座る老人。ブラッティ。ブンビーよりも高い役職のようです。椅子に座ろうとしたブンビーを跳ね除ける中年女性。ハデーニャ。ブンビーの席はエキストラ席のようです。あの席だけは座りたくないというブンビー。エキストラがどういう位置づけなのかよくわかりませんが、絶望の仮面(?)をつけているようなので下手をすると自我とかそういうものが消失しているのかもしれません。少なくとも彼らはいてもいなくても同じように見える「その他大勢」です。ややもすると大きい会社組織では通常の社員というのはそういう扱いではあるのですが。
立体映像で現れるデスパライヤ。ハデーニャに命じます。カワリーノも忠告します。投げキッスで答えるハデーニャ。カワリーノさんは珍しく冷や汗で回避。これはかなり危険な精神攻撃です。
翌朝学校。ココが女子生徒と話しているところを目撃するのぞみとりん。のぞみはココを見ようとせずに走り去っていきます。何か、生徒と教師のただれた関係に見えてしまうので危険です。
池で一人ため息をつくココ。ナッツが現れます。不法侵入です。関係者以外学校に来ちゃいけません。ナッツはのぞみとココのことを心配して来たようです。笑顔で答えるココにナッツは掴み掛かります。ココの表情が作り笑いだと見抜いたナッツはココにいつ自分のために行動する?と問います。真顔になって答えるココ。国民のために王子として、生徒のために教師として行動する。皆の喜びが自分の喜びと答えるココ。ナッツは歯がゆそうに自分のために行動しろと言います。自分がどうしたいのか分からないと答えるココ。ナッツは抱え込まずに相談しろと言います。ナッツハウスは気ままな営業です。
ボーっと窓の外を見るのぞみ。りんはのぞみの内心を代弁します。最近うららに持ってかれることが多いですが、りんはのぞみの幼馴染です。親友の考えていることくらい分かります。ココは皆に優しく、笑っています。しかし本当は何を考えているのか分からない。りんはのぞみがどうしたいのか、を尋ねます。仲直りしたいと答えるのぞみにりんは向き合って話せといいます。しかし、なんと言えば良いのか。
ナッツはココに尋ねます。のぞみのことをどう思っているのか。しかし、なんというか、謎生物形態と人間体のギャップありすぎ。
ハデーニャが現れます。
③自分を見てくれた人
のぞみ達を心配するうらら・こまち・かれん。そこにミルクが駆け寄ってきます。かれんと名指しで呼ぶあたりミルクのかれんに対する信任が伺えます。しかしそれはそれとして謎生物が堂々と走ってくるな。周囲を伺うかれん達。ミルクは何か出たミルといいます。お前もか。
のぞみとりんも合流。
のぞみ達が駆けつけるとすでにココナッツはボロボロ。ハデーニャはコレットを奪っています。怒りを燃やすのぞみ。ナッツのことはスルー。きっとこまちが心配しているのでしょう。一斉変身です。
変身完了と同時に飛び出して先制攻撃を行うドリーム。余裕の体でドリームの攻撃を受けるハデーニャ。変化して新型の仮面を池に投げ入れます。泥コワイナー。戦闘力は通常の仮面より高いようです。攻撃が効かず苦戦するプリキュア。
ココを傷つけたハデーニャに怒るドリーム。またも単独で飛び出していきます。チームで行動してナンボのプリキュア5、このままでは危険です。仲間達が援護に回ります。
回想するココナッツ。ナイトメアがパルミエ侵攻時にココナッツを追い詰めたのがハデーニャのようです。てっきりギリンマが征服したのかと思っていましたが、彼は門を開けただけでいわば尖兵なのでしょう。ハデーニャの攻撃でピンキーは散らばり、ココを庇って負傷したナッツはコレットに入ってしまったようです。ココは独り人間の世界へ。独りぼっちのココを救ってくれた人に感謝していると言うナッツ。ココを救ったのは…ドリームを見るココ。このBGM好き。初登場時割と普通に登場していたと思いますが、色々と大変だったようです。ドリームの名を叫ぶココ。
ココを守り、コワイナーに必殺技を叩き込むドリーム。新商品の底力は伊達ではありません。新型の仮面も破壊力が核演出を誇る必殺技に耐えられません。撤退するハデーニャ。
無事追い払うことができましたが、のぞみはココを見ることができません。
④言葉ではない気持ち
翌朝。家を出るのぞみ。ココは途中で待っていました。挨拶するココ。しかしのぞみはココに向き合うことができません。ココの手に握られた手紙に気づくのぞみ。慌ててポケットの中に入れるココ。この手紙はのぞみ宛てに書いたものだと言いますが、無理にポケットに突っ込んでしまったのでグチャグチャになってしまいました。のぞみはその手紙が欲しいと求めます。手紙を手渡すココ。のぞみは後ろを向いて手紙を開けます。手紙には「のぞみへ」と書かれているだけで本文はありません。上手く言葉にできなかったとココ。ラブレターをくれた娘達には全部同じ「気持ちには答えられない」と書いている。気持ちがハッキリしているから言葉にできる。でも、気持ちがハッキリしないものは言葉にできない。
何も書かれていない手紙。どうしても何か伝えたくて、と言うココ。いつもの大人らしいココとは違って自信も堂々とした感じも受けません。
「伝わっているよ、ココの気持ち」
のぞみは振り向きます。とても嬉しそうな笑み。ありがとう、とお礼。ココの手を引いて駆け出すぞのみ。ココはのぞみの小さな手を握り返します。
⑤次回予告
こまちノリノリ!?
○トピック
必殺技は小技として色々連発して戦ってくれると熱い。新商品でたばかりだから安売り連発はまだ難しいでしょうか。
教師と生徒、人と謎生物の恋話。もうわけ分からん。ちなみに私、桃色派ですが好きというよりその聡明さに憧れと尊敬を抱いているので別にココとくっつこうが何しようが感情的には何も起きません。いや、ココに対してはイケメンで大人でモテまくりで、謎生物形態なら常時ナイスアングルなのが羨ましい、特に最後の要素が!とか思いますが。それは置いておいて、そういう恋愛にしろ、何にしろ、そこからどういう風に成長していくかが見てみたい。
基本的に恋愛と見て良いんですが、骨子としては一般的な恋愛要素をやっているわけではない、というところがクセモノでありプリキュアの面白いところだと思います。
ココは誰にでも優しく、大人で、面倒見の良い人物です。皆から好かれる好人物。ココと付き合いが人間で長いのはのぞみです。ココのことが気になるのぞみ。しかし、よく考えてみるとココのことがよく分かりません。彼が自分で言うように彼は皆のために行動します。だから、11話の気球のときでさえ彼はのぞみにパルミエ復活を捨てても良いと言います(これはこれでのぞみに対する彼の対応なのですが、この時は大人として子どもを導く文脈で描かれています)。じゃあ、ココって何なんだよ、と。
ココがラブレターを貰ったというのは一つのキッカケであって、それ自体が問題なのではなく(だからのぞみは嫉妬しているわけではないし手紙を貰うことを云々しているわけではない)自分の知らないココがいる。ココのことが分からないということにのぞみは気づきます。のぞみが隠していたと言うのは、ココは自分のことを私に伝えてくれない、と言っているのだと思います。生徒とか、プリキュアとかではなく、自分をのぞみとしてどういう風に思っているのか分からない。のぞみにとってりん達は親友です。それはこれまでの話で言葉にしなくても分かるほど描かれています。しかし、のぞみとココの個人的関係というのはあまり描かれていません。彼は教師として子どもを導くか、王子としてプリキュアを信任するかしかしていません。ミルクですらのぞみを大好きと伝えているのに。ココは何だ?友達なのか?教師なのか?王子なのか?謎生物(被保護者)なのか? 何なんだ?自分をどう見ているんだ?と思うわけです。もっとストレートに言えば自分を特別扱いして欲しい。他の誰かでない私として見て欲しい。
…わかりづれー。結局痴情のもつれみたいなもんですが、のぞみが問題にしていることが個人的かつ内面的過ぎるので周囲からすれば非常に分かりにくい。りん達ですら何をそんなに問題視しているのか分からない。これ、実際にもそういうことがあるんだろうなぁ。
ナッツがココに指摘していることは、そういうことを踏まえたことです。お前は自分のことを言っていない、と。話せば分かるというけど、お前はのぞみに対して明確な気持ちを持っているのか?と。逆にナッツは自分のこと言い過ぎですけど。
ココは自分の気持ちが分からない、のぞみはココの気持ちが分からない。人の想いは分からない。物理的に不可能だから。コミュニケーション不全のままお互いに相手を見ようとしなけばどんどん悪くなる。
のぞみはココに不信を抱いています。実は今回ココが主役です。のぞみは何もしていません。すでにのぞみはココをココとしてこれまでの話で伝えています。ココの夢を守る、助ける。彼女が利害を無視してプリキュアを選んだことはココをココとして見た結果です。のぞみがココに(恋愛としての)自分の気持ちを伝えるのはおそらくもっと後になるのでしょう。
ココはのぞみの信頼を回復しなければなりません。王子として国民に、教師として生徒に接するのはその通り。役目は関係性を規定します。しかし、ココ自身の夢を支持し助けてくれたのぞみは生徒でも国民でもありません。それはのぞみ個人です。だからココはのぞみにココ個人として行動しなくてはいけません。ナッツが言うようにのぞみは何の利害関係もない恩人であり、個人です。
ということで、今回の話は恋愛というよりは、個人と個人の関係の話、つまり信頼関係の不確かさが問題になっています。これは同性の友達関係でも起こりえることです。実は相手の気持ちが分からない、どう思っているか自分でも分からないという問題。生徒という誰かではない、プリキュアという誰かではない、私とあなたの関係の問題。
ココは手紙を書こうとしますが、気持ちが言葉に出来ず白紙で渡すことになります。結局ココがのぞみをどう思っているかを知ることは出来ません。おそらくのぞみもココを具体的にどのように想い、位置しているのか分からない。感情は曖昧で必ずしも境界がハッキリしているわけではない。好きなのか愛しているのか憎いのか哀れみなのか。言葉は所詮気持ちをカテゴライズしたものでしかなく、気持ちの本質を言語化したものではありません(場合によってはそのすべてが重なることがある)。ここで問題にしているのは具体的にどう思っているかではありません。のぞみにとって大切なのはココが自分をのぞみとして見てくれようとすること、伝えようとしてくれること、あなたは私を誰かではない私として見てくれたというその事実と意思です。今回そこで満足するのは、まあ、今後の展開もあるし…という気もしますが、段取りとしては正しいと思います。恋愛としての話ではなく、信頼関係を築くための話としてプリキュアらしい話だと思います。最後の『手を繋ぐ』もシリーズの伝統ですね。
あなたが好きだから助けます。なら話は簡単です。利害を無視して助ければ良い。相手を好いているんだからこれ以上の理由は無い。男女間の話ならなおさらです。しかし、メインキャラが5人である5では、そういう手も通じません。女の子同士でラブラブです、では逆に歪な関係です。しかも謎生物を抱えている状態で個人の夢にまで話が及んでいると好き嫌いの関係だけでは無理があります。
5人の信頼関係、ココナッツミルクとの信頼関係が何であるか、どうして結びついているのか、ここは重要だと思います。ひいてはそれが5の最終的な昇華にも関わってくると思います。
しかしそれにしても、微妙なお年頃の微妙な関係の微妙な感情。女児向けアニメでこれやっても女児分からんのでは?と老婆心を抱いてしまいます。もともと、シリーズ的にはそういう視聴者層より高い精神年齢や事象を扱っているんですけど。
①私の知らないあなた
登校。美味しいチョコの店を見つけたのでミルクに買っていこうと上機嫌なのぞみ。ミルク「べっ、別に嬉しくなんかないミル」とか言うんでしょうか。ココにもシュークリームを買っていこうというのぞみ。
噂をすればココ。人気の少ない林で女子生徒と一緒です。ハっとするのぞみ。りんが言うように女子生徒が持っているのはラブレターです。ココの本当の姿も知らずに、と笑うりん。しかしのぞみはそれどころではありません。手紙を渡す女子生徒、受け取るココ。疾風怒濤の展開。ラブコメ路線。プリキュアってこんな番組だっけ?
コレットにピンキーを入れるかれん。そういえばコレットにはそんな機能もありました。どうやら現在の捕獲ピンキー数は28、残り27匹。いつの間にそんな数を捕獲したのか全く気づきませんでしたが、きっと視聴者の見えていないところで登校途中で偶然発見とか、ショッピングしていたら発見とかしていたんだと思います。プリキュアシリーズのこの手の「~を集める」は物語の主軸ではないのでいい加減です。そんなことはどうでもいいから、うららの服が可愛いと思うので、ぜひ全体像を見せて欲しいと思います。
のぞみはボーっとしています。うららとりんに尋ねられても反応がいまひとつです。ココがナッツハウスに帰ってきます。ミルクは今日も手紙を貰ったのかと尋ねます。箱に入った手紙を持ってくるミルク。かなりの数です。毎月数枚は貰っているようです。流石イケメン教師。おそらく授業も好評だと思われるので生徒の人気が高いのでしょう。その手紙を見てショックを受けるのぞみ。勿論この手紙は授業への質問とかではなく、ラブレターです。
目を合わせるココとのぞみ。ココは目を逸らしてしまいます。それは暗に後ろめたいことがあると言っているようなもの。のぞみはその態度にさらに疑惑を強めます。ラブレターの数に驚くうらら達。ミルクは自慢するようにココナッツは皆に慕われているといいます。パルミエの王子なので臣下としては嬉しいことなのでしょう。ナッツも慕われていると聞いて尋ねるこまち。ナッツはその場で断っていると言います。クールだな。そう言われてはこれ以上言えないので詮索できません。
ココを見ずにラブレターについて尋ねるのぞみ。ココは貰った相手すべてに返事を書いているようです。礼儀だからね、と答えるココ。このマメさもモテる要因か。メモメモ(←いまさら遅い)
「知らなかった」と声を落とすのぞみ。ココがラブレターを貰っていることも、返事を書いていることも知らなかったと言うのぞみ。隠していたつもりは無いが言うことでもなかったと目を逸らすココ。のぞみは出て行ってしまいます。追いかけるりん。
日曜日の朝から痴情のもつれ。ママレードボーイを思い出します(古いなぁ)。ちなみに私は当時中学生でしたが、話についていけず視聴するのをやめています。色恋沙汰の話はこじれてくると見ている方としては面倒です。
②人の想いは分からない
のぞみに追いつくりん。のぞみはココが隠していたと言います。りんはココのことについて平然と答えます。ココがラブレターを貰っていたことは皆知らなかったし、教師という立場上むげに断ることも出来ない。ココの行動に不審な点はありません。それはそうなのですが、のぞみが問題にしているのはそういうことではありません。飛び出していくのぞみ。
ナッツハウスでりんは皆に相談します。ココは分かってくれると言います。無言で見つめるナッツ。
ビル。誰も居なくなったブンビーの部署。仮面かぶった人達はエキストラですか。カワリーノが異動にならないかと考えるブンビー。嫌な上司が変わって欲しいと思うのはサラリーマンの常です。自分の部署に入ると誰もいません。カワリーノが答えます。ブンビーの部署は解散。ブンビーは異動。アラクネアの責任をカワリーノに問うブンビーですがカワリーノはそれに答えずに新しい部署を紹介します。
広い会議室のようなところ。無言で座る老人。ブラッティ。ブンビーよりも高い役職のようです。椅子に座ろうとしたブンビーを跳ね除ける中年女性。ハデーニャ。ブンビーの席はエキストラ席のようです。あの席だけは座りたくないというブンビー。エキストラがどういう位置づけなのかよくわかりませんが、絶望の仮面(?)をつけているようなので下手をすると自我とかそういうものが消失しているのかもしれません。少なくとも彼らはいてもいなくても同じように見える「その他大勢」です。ややもすると大きい会社組織では通常の社員というのはそういう扱いではあるのですが。
立体映像で現れるデスパライヤ。ハデーニャに命じます。カワリーノも忠告します。投げキッスで答えるハデーニャ。カワリーノさんは珍しく冷や汗で回避。これはかなり危険な精神攻撃です。
翌朝学校。ココが女子生徒と話しているところを目撃するのぞみとりん。のぞみはココを見ようとせずに走り去っていきます。何か、生徒と教師のただれた関係に見えてしまうので危険です。
池で一人ため息をつくココ。ナッツが現れます。不法侵入です。関係者以外学校に来ちゃいけません。ナッツはのぞみとココのことを心配して来たようです。笑顔で答えるココにナッツは掴み掛かります。ココの表情が作り笑いだと見抜いたナッツはココにいつ自分のために行動する?と問います。真顔になって答えるココ。国民のために王子として、生徒のために教師として行動する。皆の喜びが自分の喜びと答えるココ。ナッツは歯がゆそうに自分のために行動しろと言います。自分がどうしたいのか分からないと答えるココ。ナッツは抱え込まずに相談しろと言います。ナッツハウスは気ままな営業です。
ボーっと窓の外を見るのぞみ。りんはのぞみの内心を代弁します。最近うららに持ってかれることが多いですが、りんはのぞみの幼馴染です。親友の考えていることくらい分かります。ココは皆に優しく、笑っています。しかし本当は何を考えているのか分からない。りんはのぞみがどうしたいのか、を尋ねます。仲直りしたいと答えるのぞみにりんは向き合って話せといいます。しかし、なんと言えば良いのか。
ナッツはココに尋ねます。のぞみのことをどう思っているのか。しかし、なんというか、謎生物形態と人間体のギャップありすぎ。
ハデーニャが現れます。
③自分を見てくれた人
のぞみ達を心配するうらら・こまち・かれん。そこにミルクが駆け寄ってきます。かれんと名指しで呼ぶあたりミルクのかれんに対する信任が伺えます。しかしそれはそれとして謎生物が堂々と走ってくるな。周囲を伺うかれん達。ミルクは何か出たミルといいます。お前もか。
のぞみとりんも合流。
のぞみ達が駆けつけるとすでにココナッツはボロボロ。ハデーニャはコレットを奪っています。怒りを燃やすのぞみ。ナッツのことはスルー。きっとこまちが心配しているのでしょう。一斉変身です。
変身完了と同時に飛び出して先制攻撃を行うドリーム。余裕の体でドリームの攻撃を受けるハデーニャ。変化して新型の仮面を池に投げ入れます。泥コワイナー。戦闘力は通常の仮面より高いようです。攻撃が効かず苦戦するプリキュア。
ココを傷つけたハデーニャに怒るドリーム。またも単独で飛び出していきます。チームで行動してナンボのプリキュア5、このままでは危険です。仲間達が援護に回ります。
回想するココナッツ。ナイトメアがパルミエ侵攻時にココナッツを追い詰めたのがハデーニャのようです。てっきりギリンマが征服したのかと思っていましたが、彼は門を開けただけでいわば尖兵なのでしょう。ハデーニャの攻撃でピンキーは散らばり、ココを庇って負傷したナッツはコレットに入ってしまったようです。ココは独り人間の世界へ。独りぼっちのココを救ってくれた人に感謝していると言うナッツ。ココを救ったのは…ドリームを見るココ。このBGM好き。初登場時割と普通に登場していたと思いますが、色々と大変だったようです。ドリームの名を叫ぶココ。
ココを守り、コワイナーに必殺技を叩き込むドリーム。新商品の底力は伊達ではありません。新型の仮面も破壊力が核演出を誇る必殺技に耐えられません。撤退するハデーニャ。
無事追い払うことができましたが、のぞみはココを見ることができません。
④言葉ではない気持ち
翌朝。家を出るのぞみ。ココは途中で待っていました。挨拶するココ。しかしのぞみはココに向き合うことができません。ココの手に握られた手紙に気づくのぞみ。慌ててポケットの中に入れるココ。この手紙はのぞみ宛てに書いたものだと言いますが、無理にポケットに突っ込んでしまったのでグチャグチャになってしまいました。のぞみはその手紙が欲しいと求めます。手紙を手渡すココ。のぞみは後ろを向いて手紙を開けます。手紙には「のぞみへ」と書かれているだけで本文はありません。上手く言葉にできなかったとココ。ラブレターをくれた娘達には全部同じ「気持ちには答えられない」と書いている。気持ちがハッキリしているから言葉にできる。でも、気持ちがハッキリしないものは言葉にできない。
何も書かれていない手紙。どうしても何か伝えたくて、と言うココ。いつもの大人らしいココとは違って自信も堂々とした感じも受けません。
「伝わっているよ、ココの気持ち」
のぞみは振り向きます。とても嬉しそうな笑み。ありがとう、とお礼。ココの手を引いて駆け出すぞのみ。ココはのぞみの小さな手を握り返します。
⑤次回予告
こまちノリノリ!?
○トピック
必殺技は小技として色々連発して戦ってくれると熱い。新商品でたばかりだから安売り連発はまだ難しいでしょうか。
教師と生徒、人と謎生物の恋話。もうわけ分からん。ちなみに私、桃色派ですが好きというよりその聡明さに憧れと尊敬を抱いているので別にココとくっつこうが何しようが感情的には何も起きません。いや、ココに対してはイケメンで大人でモテまくりで、謎生物形態なら常時ナイスアングルなのが羨ましい、特に最後の要素が!とか思いますが。それは置いておいて、そういう恋愛にしろ、何にしろ、そこからどういう風に成長していくかが見てみたい。
基本的に恋愛と見て良いんですが、骨子としては一般的な恋愛要素をやっているわけではない、というところがクセモノでありプリキュアの面白いところだと思います。
ココは誰にでも優しく、大人で、面倒見の良い人物です。皆から好かれる好人物。ココと付き合いが人間で長いのはのぞみです。ココのことが気になるのぞみ。しかし、よく考えてみるとココのことがよく分かりません。彼が自分で言うように彼は皆のために行動します。だから、11話の気球のときでさえ彼はのぞみにパルミエ復活を捨てても良いと言います(これはこれでのぞみに対する彼の対応なのですが、この時は大人として子どもを導く文脈で描かれています)。じゃあ、ココって何なんだよ、と。
ココがラブレターを貰ったというのは一つのキッカケであって、それ自体が問題なのではなく(だからのぞみは嫉妬しているわけではないし手紙を貰うことを云々しているわけではない)自分の知らないココがいる。ココのことが分からないということにのぞみは気づきます。のぞみが隠していたと言うのは、ココは自分のことを私に伝えてくれない、と言っているのだと思います。生徒とか、プリキュアとかではなく、自分をのぞみとしてどういう風に思っているのか分からない。のぞみにとってりん達は親友です。それはこれまでの話で言葉にしなくても分かるほど描かれています。しかし、のぞみとココの個人的関係というのはあまり描かれていません。彼は教師として子どもを導くか、王子としてプリキュアを信任するかしかしていません。ミルクですらのぞみを大好きと伝えているのに。ココは何だ?友達なのか?教師なのか?王子なのか?謎生物(被保護者)なのか? 何なんだ?自分をどう見ているんだ?と思うわけです。もっとストレートに言えば自分を特別扱いして欲しい。他の誰かでない私として見て欲しい。
…わかりづれー。結局痴情のもつれみたいなもんですが、のぞみが問題にしていることが個人的かつ内面的過ぎるので周囲からすれば非常に分かりにくい。りん達ですら何をそんなに問題視しているのか分からない。これ、実際にもそういうことがあるんだろうなぁ。
ナッツがココに指摘していることは、そういうことを踏まえたことです。お前は自分のことを言っていない、と。話せば分かるというけど、お前はのぞみに対して明確な気持ちを持っているのか?と。逆にナッツは自分のこと言い過ぎですけど。
ココは自分の気持ちが分からない、のぞみはココの気持ちが分からない。人の想いは分からない。物理的に不可能だから。コミュニケーション不全のままお互いに相手を見ようとしなけばどんどん悪くなる。
のぞみはココに不信を抱いています。実は今回ココが主役です。のぞみは何もしていません。すでにのぞみはココをココとしてこれまでの話で伝えています。ココの夢を守る、助ける。彼女が利害を無視してプリキュアを選んだことはココをココとして見た結果です。のぞみがココに(恋愛としての)自分の気持ちを伝えるのはおそらくもっと後になるのでしょう。
ココはのぞみの信頼を回復しなければなりません。王子として国民に、教師として生徒に接するのはその通り。役目は関係性を規定します。しかし、ココ自身の夢を支持し助けてくれたのぞみは生徒でも国民でもありません。それはのぞみ個人です。だからココはのぞみにココ個人として行動しなくてはいけません。ナッツが言うようにのぞみは何の利害関係もない恩人であり、個人です。
ということで、今回の話は恋愛というよりは、個人と個人の関係の話、つまり信頼関係の不確かさが問題になっています。これは同性の友達関係でも起こりえることです。実は相手の気持ちが分からない、どう思っているか自分でも分からないという問題。生徒という誰かではない、プリキュアという誰かではない、私とあなたの関係の問題。
ココは手紙を書こうとしますが、気持ちが言葉に出来ず白紙で渡すことになります。結局ココがのぞみをどう思っているかを知ることは出来ません。おそらくのぞみもココを具体的にどのように想い、位置しているのか分からない。感情は曖昧で必ずしも境界がハッキリしているわけではない。好きなのか愛しているのか憎いのか哀れみなのか。言葉は所詮気持ちをカテゴライズしたものでしかなく、気持ちの本質を言語化したものではありません(場合によってはそのすべてが重なることがある)。ここで問題にしているのは具体的にどう思っているかではありません。のぞみにとって大切なのはココが自分をのぞみとして見てくれようとすること、伝えようとしてくれること、あなたは私を誰かではない私として見てくれたというその事実と意思です。今回そこで満足するのは、まあ、今後の展開もあるし…という気もしますが、段取りとしては正しいと思います。恋愛としての話ではなく、信頼関係を築くための話としてプリキュアらしい話だと思います。最後の『手を繋ぐ』もシリーズの伝統ですね。
あなたが好きだから助けます。なら話は簡単です。利害を無視して助ければ良い。相手を好いているんだからこれ以上の理由は無い。男女間の話ならなおさらです。しかし、メインキャラが5人である5では、そういう手も通じません。女の子同士でラブラブです、では逆に歪な関係です。しかも謎生物を抱えている状態で個人の夢にまで話が及んでいると好き嫌いの関係だけでは無理があります。
5人の信頼関係、ココナッツミルクとの信頼関係が何であるか、どうして結びついているのか、ここは重要だと思います。ひいてはそれが5の最終的な昇華にも関わってくると思います。
しかしそれにしても、微妙なお年頃の微妙な関係の微妙な感情。女児向けアニメでこれやっても女児分からんのでは?と老婆心を抱いてしまいます。もともと、シリーズ的にはそういう視聴者層より高い精神年齢や事象を扱っているんですけど。
第30話「ミルクの決意とみんなの力!」
○今週の出来事
①失格
ナッツハウスでいつものドタバタ追いかけっこをやるのぞみとミルク。のぞみのチョコをミルクが食べたようです。皆呆れ気味です。こまちの居るところはナイスアングルゾーン。ナッツがふたりを注意します。
一旦席に戻りますが、のぞみは不満をココに言います。人の物を勝手に食べるのは良くない。しかしミルクは開き直って早い者勝ちと言います。所有権とか無視しまくりです。お世話役見習いは知恵と体力が必要なのでのぞみのようにボンヤリしていては勤まらないと好戦的なミルク。それはそうとうららの膝はもうすこしズレてくれると良いと思います。
ふたりの仲が悪くなるばかりなので仲裁に入る一同。うららが気を利かせてミルクにお世話役見習いの話を尋ねます。この娘やはり機転が利くな。
お世話役によほど誇りがあるのか嬉々として話すミルク。政治・経済・文化・歴史に精通した者で王様と国民の意思を繋ぐ重要な仕事だと説明します。名前はお世話役だけど実際は大臣などの官職のようですね。これはかなりのエリートだと思います。見習いは日々勉強し厳しい競争に勝ち抜かなければならないとミルクは話ます。
のぞみはその話を聞いて、勝手に人のチョコを食べるような人が見習いとはパルミエも人手不足だね、と皮肉ります。視聴者の誰もが思っていたことなので実に胸のすく思いです。パルミエを侮辱されたと思ったミルクは憤慨します。のぞみはミルクがお世話役にふさわしいのか?と直球で返します。官職に求められるモラルを問われてはミルクに分が悪い。
しかしだからといって素直に引っ込むわけにも行きません。ミルクは日々自分の夢のために努力をしている。夢が無いのぞみに偉そうに言われたくないと反駁します。話の筋としては明らかにズレていますが、相手の弱みを突くという点ではズバリです。夢ならパルミエを復活させることだと言うのぞみですが、それはパルミエ国民全員の願いであってのぞみ個人の夢ではない、とミルク。これはかなり痛いところです。のぞみには長期的な展望としての夢はありません。いわば他人の困難に乗っかっている夢であり、彼女自身が「何になるか」の夢はのぞみは持っていません。
のぞみはプリキュア失格!だというミルク。先ほどまでの勇ましさは無くなりのぞみは声を震わせて呆然とします。
ビル。カワリーノを呼ぶアラクネア。何か焦っています。現れるカワリーノ。アラクネアは詰め寄りながら「例のモノ」を要求します。「例のモノ」とはギリンマが渡された黒い禍々しいオーラを出していた紙。あまりお薦めしないカワリーノ。ブンビーに頼めば?ととぼけますがアラクネアはカワリーノに頼みたいようです。おそらくエリート意識が強く現場の上官に頼むより直接上に直訴した方が何かと良いと考えたのでしょう。
懐から取り出すカワリーノ。黒い紙。強大な力を得られる代わりに自我を失う諸刃の剣。「ナイトメアのために…そして私のプライドに賭けて」手を震わせながら伸ばすアラクネア。途中で止まってしまいます。まだ覚悟が決まっていないようです。それを見たカワリーノは黒い紙を手放します。落ちる紙を思わず掴み取るアラクネア。最早戻れない。カワリーノはアラクネアの決意を称えます。出撃するアラクネア。アラクネアが去った後、恐ろしい笑みを浮かべるカワリーノ。分かっていてやっている。人を追い込むのが上手い。
その現場を見ていたブンビーは恐ろしさに声を震わせます。
のぞみは帰ってしまったようです。ミルクも自室に戻りましたがひょっこり物陰に隠れてりん達の話を伺います。
相性の悪いのぞみとミルクを見て以前のりんとかれんのようだと話すうらら。水と油みたいなもんですね。その話を聞いて全然違うと声を揃えて言うりんとかれん。仲いいなー。かれんはミルクに気づきます。
自室。売り言葉に買い言葉とは言えミルクに酷いことを言ってしまったと反省するのぞみ。キャッチュを見つめます。プリキュアに変身するためのアイテム。自分を選んだ蝶。人を傷つける自分にプリキュアである資格はあるのか。ケースにキャッチュを入れます。
②夢が無い者とある者の違いは?
自室で落ち込むミルク。かれんが尋ねてきます。チョコレートを持ってきましたが拒みます。かれんは一緒に居るとケンカすることもあるけどのぞみが居ないと美味しくない、そうでしょ?と語りかけます。素直になれないミルクは居なくなってせいせいしたと答えます。
かれんはのぞみに居て欲しいと言います。自分の過去を話すかれん。寂しさを隠していた幼い頃。今は寂しいと言える。弱音を吐くことと弱さを認めることは違います。弱さを隠し続けることは弱さから目を背けることになります。弱さを自ら認めそれを受け入れることは、自分を知り、弱さがあることを知り、そこに向き合い改善していくことが可能となります。そしてそれはまた他者の弱さを理解することが出来ることにもなります。
それはのぞみのおかげ。のぞみは人の気持ちを素直にさせる力があるとかれんは言います。のぞみには表裏がありません。利害関係にとらわれず彼女は人に接します。彼女は人の心の奥を見ることが出来ると同時に、その良さに気づくことの出来る心があります。彼女自身が何より素直だからこそ腹を割って話すことが出来ます。
のぞみに気持ちをぶつけてみろと言うかれん。しかしのぞみは夢を持っていません。自分の気持ちは分からないのでは?と躊躇うミルク。
かれんは自分が将来何をしたいか決まっていないと言います。自分の夢に向かって努力しているうらら、こまち、ミルクを凄いと思う。でも、りんやのぞみのように目の前のことに一生懸命になりながら夢を見つけることも素晴らしいことだと思う。そういう風に自分も夢を見つけたいと話すかれん。夢は無いかもしれないが、一生懸命頑張っている者として分かり合えると言います。
かれんカッコいい。流石年長者。余談ですが心理的駆け引きとして自分の弱みを提示することで相手から譲歩を得るというテクニックはありますが、これはなかなか難しいテクニックなので使うときは慎重に。(自分の不幸話になってはいけないし、相手にプレッシャーを与えてもいけない)
③決死のアラクネア
アラクネア。呼び止めるブンビー。黒い紙を使うことを止めます。今更なにを、と言わんばかりに笑うアラクネア。ギリンマに渡したのはブンビーです。しかしブンビーは何かに恐怖しているかのように、黒い紙を危険だと言います。カワリーノにいい様に使われていると諭します。
ブンビーの行為が部署の保身のためだとあけすけに言うアラクネア。ブンビーはアラクネアを心配していますが、アラクネアは話を聞かずナッツハウスへと向かいます。
嫌な気配。外に出るとアラクネアが凄まじい気迫と表情で現れます。のぞみは自室で俯いたまま。キャッチュを収めたケースは中から輝きが漏れ出ます。
アラクネアの鬼気迫る気迫に気圧されつつも一斉変身。先制攻撃を仕掛けるアラクネア。回避運動、反撃、迎撃されあっという間に倒れる4人。ココナッツに迫ります。
ケースから漏れ出た光に気づくのぞみ。
ナッツからコレットを奪うアラクネア。ミルクがつかみ掛かります。なんとしてでも王国を取り戻したい。プリキュア達も立ち上がります。皆一緒に力を合わせれば出来ないことは無いと満身創痍ながらも挑むプリキュア。しかし一人足りません。ミルクをひっぺ返し、4人に攻撃します。圧倒的な力。いつもより強いのは覚悟の差か。4人居ようが5人居ようが止めることは出来ないと勝ち誇ります。
④今成すべきことのために
5人一緒なら出来ないことは無い!とのぞみが現れます。手にキャッチュはありません。ミルクに謝るのぞみ。プリキュア失格かもしれないと言います。しかし彼女はパルミエ王国復活を意志します。プリキュアであることを望みます。キャッチュを掲げると蝶に戻り羽ばたき、そして再びのぞみの腕にキャッチュとなって纏います。プリキュアの資格、プリキュアである条件、それを満たす…いや違う満たす者を選ぶのではない。それに気づき、それを成そうとする人がプリキュアになれる。その諸条件を並べると長くなるのだけど、一言で言ってしまえば、カッコいい人生を歩もうと意志すること(私の定義)。
変身するのぞみ。
アラクネアの攻撃を回避します。5人揃うプリキュア。
5人揃ったところで私に何の出だしも出来ないと恫喝するアラクネア。
「なにも出来ないよ」MHからのカッコいいBGM(3人の絆)出た。
「私はドジだし勉強もできないしスポーツも苦手。まだ自分の将来の夢も見つけてない」
戸惑いの表情を見せる一同。
「でも、ひとつだけ心に決めたことがあるの。ココやナッツ、ミルクの夢を絶対に叶えてみせる。パルミエ王国を復活させるためだったらどんな辛い思いも平気だもん!」
ドリームの言葉に表情を和らげる一同。士気が一気に上がります。
5人一斉攻撃。仲間の隙を巧みにフォローし合うことで一個の連続した隙の無い攻撃を行うプリキュア。先ほどまでとは違いアラクネアを圧倒します。ドリームは皆を輝かせる力があると言うココナッツ。ドリームを皆が信頼しているが故に集まったときは本来の能力以上に発揮されます。
アラクネアは切り札を取り出します。黒い紙が仮面に変化します。それを見て表情を引きつらせるミントとアクア。以前目の前でギリンマが変化したことを見たので黒い仮面の意味が分かります。
「さらばプリキュア」仮面をつけ化け物になります。
圧倒的な力になすすべも無く倒れる5人。ココナッツミルクが守るように化け物の前に立ちます。
ミルクは自分の気持ちを素直に話します。寂しかった。一人ぼっちで怖くて寂しくて何を信じていいのか分からなかった。皆のことものぞみのことも信じていたけどそれをどうやって伝えれば良いのか分からなかった。かれんから教わったことを彼女は実行します。素直になればいい。自分の思った通りに行動すればいい。ミルクは大声でのぞみが大好きだと言います。ミルクの叫びをプリキュア達は優しい目で見守ります。のぞみにプリキュアでいて欲しい、パルミエ王国を復活させて欲しい。自分もプリキュア達と一緒に輝きたい。
他者を信じ託すこと、依存ではない信託。それは自ら他者に関わり他者を信じ、そして自らも他者に信じられることを成す。
ミルクがドリームの腕に巻きつきます。何かアイテムになった。さらに新商品投入。
トーチを手に持つドリーム。ルージュ、レモネード、ミント、アクアも胸から手に伝わった光が放たれます。これだけで敵を倒せそうなビームだな。特にアクアとか。各シンフォニーが変形音を立ててトーチに集まります。ノリは男の子向けの合体アイテムな感じです。この合体シーケンスはカッコいい。トーチはミルクの力を受け巨大化します。
プリキュア5最強の合体技にして突撃技。化け物を粉砕撃破。アラクネアは消滅します。
仲直り。ミルクの持っていたチョコをのぞみと半分に分け合おうとしますが、そうはミルクが卸しません。お世話役は知恵と体力。チョコを両方もってミルクが逃げます。その耳便利だよなぁ。追いかけっこ。
⑤次回予告
乙女チックモード。ココのモテぶりに嫉妬。
○トピック
ミルクが擬人化したらただでさえ激戦区であるのぞみ争奪戦が加熱必至。りん、うらら、ミルク果たして勝者は。ココ?誰それ?
パワーアップ編の締め。合体アイテムはプリキュアのみならずミルクも関係して出した技でした。そのためミルクが加わることでその力の本領が発揮されるという一連の流れは纏まっていますね。各自のパワーアップはそれぞれに自分以外の人のために意思することでパワーアップしていましたが、今回でドリームを中心としてチームになっているプリキュアにミルクも一緒になることでさらに各自の力が合わさる。5人居れば何でも出来るが、6人になればさらに可能性が広がることが実証されています。
のぞみのパルミエ復活の夢が他者に乗っかった夢であることは1話から分かっており、11話でのぞみは意識しました。人のための夢ではあるがそれでも自分のためになるのだ、という答えをその時出しています。今回再び突きつけられます。お前自身の将来の夢は無い、と。
無いものは無いです。りんもかれんも将来を見据えた夢はありません。夢とは自分が成りたいもの、自分が意思するものです。未来には多様な可能性があり、自分が何者になっていくのか、どうなるのかを自分で選び出すのは不安でもあり困難でもあります。だからそれをいつまでも意思しないとただ流されるばかりになります。しかし夢が無いからと言って何も出来ないまま終わるわけではない。ただ闇雲に夢を探すのではなく、今自分がやりたいこと、自分が成し遂げたいことを辛くても頑張ることは夢を持つ人の努力と何が違うでしょうか? 努力して辛さに耐え一生懸命になることは夢の有る無しに関わらず素晴らしいことです。
では、アラクアネアも素晴らしいのか? 彼女は目の前にある課題を成し遂げるために自らの犠牲をも厭わずやろうとする。直感的に答えますが、素晴らしくなんか無い。この差は何から来るのか。一つにアラクネアには将来が無いからです。自分が死ねば自分の未来は無いのですからこれはただの破滅以外にありません。もう一つは、彼女の努力や成果が彼女自身以外に貢献しないからです。ナイトメアとしては利益が出ます。だからこそカワリーノは意図的に仕向けています。しかし、彼女自身がそれを求めていません。彼女は自分の意地(自尊心)のために励もうとする。その意思は他者を要求していません。自尊心は他者に見られることを前提としていますが、自尊心を見せたからと言って他者が喜ぶわけでも役立つわけでもないのだから、これは自己のための要求です。自分のための要求でありながら自分を滅ぼしてしまう(ナイトメアもそうさせようとする)姿を素晴らしいとは思わない。目先の小事にこだわり未来を捨てる者に尊さや輝きは無い。
将来の夢を見つけることが何が何でも重要なのではなく、自分のやるべきことををしっかり意思しそれが未来へと繋がっていくのなら焦ることはない。本当の夢が見つかったときに、今まで自分がやってきた努力は自分の糧になります(前回のぞみが頑張ってマネージャーしたように、それが何らかの形で自分に貢献することがある)。夢を持つうらら・こまちを知り、夢が無くても一生懸命頑張っているのぞみ・りんを知っているかれんがそのことを伝える姿は美しいです。彼女はのぞみと出会って変わっていきましたが、のぞみだけとではない関係からも気づき考えています。彼女はのぞみ達から伝えられ、ミルクに伝えます。ミルクもまたのぞみに伝えます。
ミルクが言うようにパルミエ復活は国民の夢です。第三者であるのぞみとは本来関係ありません。しかしそれを叶えようとするのぞみにミルクが託すのが面白いところです。夢とは自分の外にあります。自己イメージを高くするにしても、高いところのイメージは外から得た情報でしょうし、何かの仕事に就くのも自分の外にある役職です。外とはつまり社会であり他者が存在する世界です。のぞみが一生懸命になれるのはパルミエが滅んでしまったという事実があるからであり、ココナッツミルクが復活の夢を実現できると思えるのはのぞみが頑張るからです。夢というものが必ずしも自分とその対象だけのものではなく、私達が置かれている社会があるから抱けるものであり、それは多様な人々との関わりによって存在している。その関わる人達がお互いに依存するのではなく、時に自分が努力し、時に他者に(信頼を持って)託すことで夢が実現性を帯びていきます。(前回マネージャーののぞみは彼女自身何もしていませんが、りん、こまち、かれんに助力を求めることによってうららを助けている)
アラクネアが黒い紙に頼って自分の欲求を叶えようとするのとは対照的に、自らの努力、信頼からの信託によって、他者の夢(ココ)に自分の夢(のぞみ)を重ねさらに他者の夢(ミルク)が重なっていくように、幾人ものの夢(自分や社会が変化する可能性)が重なることでそれが実現し得る力も集まります。
プリキュアの5人、ココナッツミルクの3匹はその関わりによって相互的に各自の夢や生き方に影響を与えていきます。本来は全く違う夢や身分なのですが、それでもこうして変化を与えていく(現実には悪影響を与えることもあるのですが)物語が綺麗ですね。
①失格
ナッツハウスでいつものドタバタ追いかけっこをやるのぞみとミルク。のぞみのチョコをミルクが食べたようです。皆呆れ気味です。こまちの居るところはナイスアングルゾーン。ナッツがふたりを注意します。
一旦席に戻りますが、のぞみは不満をココに言います。人の物を勝手に食べるのは良くない。しかしミルクは開き直って早い者勝ちと言います。所有権とか無視しまくりです。お世話役見習いは知恵と体力が必要なのでのぞみのようにボンヤリしていては勤まらないと好戦的なミルク。それはそうとうららの膝はもうすこしズレてくれると良いと思います。
ふたりの仲が悪くなるばかりなので仲裁に入る一同。うららが気を利かせてミルクにお世話役見習いの話を尋ねます。この娘やはり機転が利くな。
お世話役によほど誇りがあるのか嬉々として話すミルク。政治・経済・文化・歴史に精通した者で王様と国民の意思を繋ぐ重要な仕事だと説明します。名前はお世話役だけど実際は大臣などの官職のようですね。これはかなりのエリートだと思います。見習いは日々勉強し厳しい競争に勝ち抜かなければならないとミルクは話ます。
のぞみはその話を聞いて、勝手に人のチョコを食べるような人が見習いとはパルミエも人手不足だね、と皮肉ります。視聴者の誰もが思っていたことなので実に胸のすく思いです。パルミエを侮辱されたと思ったミルクは憤慨します。のぞみはミルクがお世話役にふさわしいのか?と直球で返します。官職に求められるモラルを問われてはミルクに分が悪い。
しかしだからといって素直に引っ込むわけにも行きません。ミルクは日々自分の夢のために努力をしている。夢が無いのぞみに偉そうに言われたくないと反駁します。話の筋としては明らかにズレていますが、相手の弱みを突くという点ではズバリです。夢ならパルミエを復活させることだと言うのぞみですが、それはパルミエ国民全員の願いであってのぞみ個人の夢ではない、とミルク。これはかなり痛いところです。のぞみには長期的な展望としての夢はありません。いわば他人の困難に乗っかっている夢であり、彼女自身が「何になるか」の夢はのぞみは持っていません。
のぞみはプリキュア失格!だというミルク。先ほどまでの勇ましさは無くなりのぞみは声を震わせて呆然とします。
ビル。カワリーノを呼ぶアラクネア。何か焦っています。現れるカワリーノ。アラクネアは詰め寄りながら「例のモノ」を要求します。「例のモノ」とはギリンマが渡された黒い禍々しいオーラを出していた紙。あまりお薦めしないカワリーノ。ブンビーに頼めば?ととぼけますがアラクネアはカワリーノに頼みたいようです。おそらくエリート意識が強く現場の上官に頼むより直接上に直訴した方が何かと良いと考えたのでしょう。
懐から取り出すカワリーノ。黒い紙。強大な力を得られる代わりに自我を失う諸刃の剣。「ナイトメアのために…そして私のプライドに賭けて」手を震わせながら伸ばすアラクネア。途中で止まってしまいます。まだ覚悟が決まっていないようです。それを見たカワリーノは黒い紙を手放します。落ちる紙を思わず掴み取るアラクネア。最早戻れない。カワリーノはアラクネアの決意を称えます。出撃するアラクネア。アラクネアが去った後、恐ろしい笑みを浮かべるカワリーノ。分かっていてやっている。人を追い込むのが上手い。
その現場を見ていたブンビーは恐ろしさに声を震わせます。
のぞみは帰ってしまったようです。ミルクも自室に戻りましたがひょっこり物陰に隠れてりん達の話を伺います。
相性の悪いのぞみとミルクを見て以前のりんとかれんのようだと話すうらら。水と油みたいなもんですね。その話を聞いて全然違うと声を揃えて言うりんとかれん。仲いいなー。かれんはミルクに気づきます。
自室。売り言葉に買い言葉とは言えミルクに酷いことを言ってしまったと反省するのぞみ。キャッチュを見つめます。プリキュアに変身するためのアイテム。自分を選んだ蝶。人を傷つける自分にプリキュアである資格はあるのか。ケースにキャッチュを入れます。
②夢が無い者とある者の違いは?
自室で落ち込むミルク。かれんが尋ねてきます。チョコレートを持ってきましたが拒みます。かれんは一緒に居るとケンカすることもあるけどのぞみが居ないと美味しくない、そうでしょ?と語りかけます。素直になれないミルクは居なくなってせいせいしたと答えます。
かれんはのぞみに居て欲しいと言います。自分の過去を話すかれん。寂しさを隠していた幼い頃。今は寂しいと言える。弱音を吐くことと弱さを認めることは違います。弱さを隠し続けることは弱さから目を背けることになります。弱さを自ら認めそれを受け入れることは、自分を知り、弱さがあることを知り、そこに向き合い改善していくことが可能となります。そしてそれはまた他者の弱さを理解することが出来ることにもなります。
それはのぞみのおかげ。のぞみは人の気持ちを素直にさせる力があるとかれんは言います。のぞみには表裏がありません。利害関係にとらわれず彼女は人に接します。彼女は人の心の奥を見ることが出来ると同時に、その良さに気づくことの出来る心があります。彼女自身が何より素直だからこそ腹を割って話すことが出来ます。
のぞみに気持ちをぶつけてみろと言うかれん。しかしのぞみは夢を持っていません。自分の気持ちは分からないのでは?と躊躇うミルク。
かれんは自分が将来何をしたいか決まっていないと言います。自分の夢に向かって努力しているうらら、こまち、ミルクを凄いと思う。でも、りんやのぞみのように目の前のことに一生懸命になりながら夢を見つけることも素晴らしいことだと思う。そういう風に自分も夢を見つけたいと話すかれん。夢は無いかもしれないが、一生懸命頑張っている者として分かり合えると言います。
かれんカッコいい。流石年長者。余談ですが心理的駆け引きとして自分の弱みを提示することで相手から譲歩を得るというテクニックはありますが、これはなかなか難しいテクニックなので使うときは慎重に。(自分の不幸話になってはいけないし、相手にプレッシャーを与えてもいけない)
③決死のアラクネア
アラクネア。呼び止めるブンビー。黒い紙を使うことを止めます。今更なにを、と言わんばかりに笑うアラクネア。ギリンマに渡したのはブンビーです。しかしブンビーは何かに恐怖しているかのように、黒い紙を危険だと言います。カワリーノにいい様に使われていると諭します。
ブンビーの行為が部署の保身のためだとあけすけに言うアラクネア。ブンビーはアラクネアを心配していますが、アラクネアは話を聞かずナッツハウスへと向かいます。
嫌な気配。外に出るとアラクネアが凄まじい気迫と表情で現れます。のぞみは自室で俯いたまま。キャッチュを収めたケースは中から輝きが漏れ出ます。
アラクネアの鬼気迫る気迫に気圧されつつも一斉変身。先制攻撃を仕掛けるアラクネア。回避運動、反撃、迎撃されあっという間に倒れる4人。ココナッツに迫ります。
ケースから漏れ出た光に気づくのぞみ。
ナッツからコレットを奪うアラクネア。ミルクがつかみ掛かります。なんとしてでも王国を取り戻したい。プリキュア達も立ち上がります。皆一緒に力を合わせれば出来ないことは無いと満身創痍ながらも挑むプリキュア。しかし一人足りません。ミルクをひっぺ返し、4人に攻撃します。圧倒的な力。いつもより強いのは覚悟の差か。4人居ようが5人居ようが止めることは出来ないと勝ち誇ります。
④今成すべきことのために
5人一緒なら出来ないことは無い!とのぞみが現れます。手にキャッチュはありません。ミルクに謝るのぞみ。プリキュア失格かもしれないと言います。しかし彼女はパルミエ王国復活を意志します。プリキュアであることを望みます。キャッチュを掲げると蝶に戻り羽ばたき、そして再びのぞみの腕にキャッチュとなって纏います。プリキュアの資格、プリキュアである条件、それを満たす…いや違う満たす者を選ぶのではない。それに気づき、それを成そうとする人がプリキュアになれる。その諸条件を並べると長くなるのだけど、一言で言ってしまえば、カッコいい人生を歩もうと意志すること(私の定義)。
変身するのぞみ。
アラクネアの攻撃を回避します。5人揃うプリキュア。
5人揃ったところで私に何の出だしも出来ないと恫喝するアラクネア。
「なにも出来ないよ」MHからのカッコいいBGM(3人の絆)出た。
「私はドジだし勉強もできないしスポーツも苦手。まだ自分の将来の夢も見つけてない」
戸惑いの表情を見せる一同。
「でも、ひとつだけ心に決めたことがあるの。ココやナッツ、ミルクの夢を絶対に叶えてみせる。パルミエ王国を復活させるためだったらどんな辛い思いも平気だもん!」
ドリームの言葉に表情を和らげる一同。士気が一気に上がります。
5人一斉攻撃。仲間の隙を巧みにフォローし合うことで一個の連続した隙の無い攻撃を行うプリキュア。先ほどまでとは違いアラクネアを圧倒します。ドリームは皆を輝かせる力があると言うココナッツ。ドリームを皆が信頼しているが故に集まったときは本来の能力以上に発揮されます。
アラクネアは切り札を取り出します。黒い紙が仮面に変化します。それを見て表情を引きつらせるミントとアクア。以前目の前でギリンマが変化したことを見たので黒い仮面の意味が分かります。
「さらばプリキュア」仮面をつけ化け物になります。
圧倒的な力になすすべも無く倒れる5人。ココナッツミルクが守るように化け物の前に立ちます。
ミルクは自分の気持ちを素直に話します。寂しかった。一人ぼっちで怖くて寂しくて何を信じていいのか分からなかった。皆のことものぞみのことも信じていたけどそれをどうやって伝えれば良いのか分からなかった。かれんから教わったことを彼女は実行します。素直になればいい。自分の思った通りに行動すればいい。ミルクは大声でのぞみが大好きだと言います。ミルクの叫びをプリキュア達は優しい目で見守ります。のぞみにプリキュアでいて欲しい、パルミエ王国を復活させて欲しい。自分もプリキュア達と一緒に輝きたい。
他者を信じ託すこと、依存ではない信託。それは自ら他者に関わり他者を信じ、そして自らも他者に信じられることを成す。
ミルクがドリームの腕に巻きつきます。何かアイテムになった。さらに新商品投入。
トーチを手に持つドリーム。ルージュ、レモネード、ミント、アクアも胸から手に伝わった光が放たれます。これだけで敵を倒せそうなビームだな。特にアクアとか。各シンフォニーが変形音を立ててトーチに集まります。ノリは男の子向けの合体アイテムな感じです。この合体シーケンスはカッコいい。トーチはミルクの力を受け巨大化します。
プリキュア5最強の合体技にして突撃技。化け物を粉砕撃破。アラクネアは消滅します。
仲直り。ミルクの持っていたチョコをのぞみと半分に分け合おうとしますが、そうはミルクが卸しません。お世話役は知恵と体力。チョコを両方もってミルクが逃げます。その耳便利だよなぁ。追いかけっこ。
⑤次回予告
乙女チックモード。ココのモテぶりに嫉妬。
○トピック
ミルクが擬人化したらただでさえ激戦区であるのぞみ争奪戦が加熱必至。りん、うらら、ミルク果たして勝者は。ココ?誰それ?
パワーアップ編の締め。合体アイテムはプリキュアのみならずミルクも関係して出した技でした。そのためミルクが加わることでその力の本領が発揮されるという一連の流れは纏まっていますね。各自のパワーアップはそれぞれに自分以外の人のために意思することでパワーアップしていましたが、今回でドリームを中心としてチームになっているプリキュアにミルクも一緒になることでさらに各自の力が合わさる。5人居れば何でも出来るが、6人になればさらに可能性が広がることが実証されています。
のぞみのパルミエ復活の夢が他者に乗っかった夢であることは1話から分かっており、11話でのぞみは意識しました。人のための夢ではあるがそれでも自分のためになるのだ、という答えをその時出しています。今回再び突きつけられます。お前自身の将来の夢は無い、と。
無いものは無いです。りんもかれんも将来を見据えた夢はありません。夢とは自分が成りたいもの、自分が意思するものです。未来には多様な可能性があり、自分が何者になっていくのか、どうなるのかを自分で選び出すのは不安でもあり困難でもあります。だからそれをいつまでも意思しないとただ流されるばかりになります。しかし夢が無いからと言って何も出来ないまま終わるわけではない。ただ闇雲に夢を探すのではなく、今自分がやりたいこと、自分が成し遂げたいことを辛くても頑張ることは夢を持つ人の努力と何が違うでしょうか? 努力して辛さに耐え一生懸命になることは夢の有る無しに関わらず素晴らしいことです。
では、アラクアネアも素晴らしいのか? 彼女は目の前にある課題を成し遂げるために自らの犠牲をも厭わずやろうとする。直感的に答えますが、素晴らしくなんか無い。この差は何から来るのか。一つにアラクネアには将来が無いからです。自分が死ねば自分の未来は無いのですからこれはただの破滅以外にありません。もう一つは、彼女の努力や成果が彼女自身以外に貢献しないからです。ナイトメアとしては利益が出ます。だからこそカワリーノは意図的に仕向けています。しかし、彼女自身がそれを求めていません。彼女は自分の意地(自尊心)のために励もうとする。その意思は他者を要求していません。自尊心は他者に見られることを前提としていますが、自尊心を見せたからと言って他者が喜ぶわけでも役立つわけでもないのだから、これは自己のための要求です。自分のための要求でありながら自分を滅ぼしてしまう(ナイトメアもそうさせようとする)姿を素晴らしいとは思わない。目先の小事にこだわり未来を捨てる者に尊さや輝きは無い。
将来の夢を見つけることが何が何でも重要なのではなく、自分のやるべきことををしっかり意思しそれが未来へと繋がっていくのなら焦ることはない。本当の夢が見つかったときに、今まで自分がやってきた努力は自分の糧になります(前回のぞみが頑張ってマネージャーしたように、それが何らかの形で自分に貢献することがある)。夢を持つうらら・こまちを知り、夢が無くても一生懸命頑張っているのぞみ・りんを知っているかれんがそのことを伝える姿は美しいです。彼女はのぞみと出会って変わっていきましたが、のぞみだけとではない関係からも気づき考えています。彼女はのぞみ達から伝えられ、ミルクに伝えます。ミルクもまたのぞみに伝えます。
ミルクが言うようにパルミエ復活は国民の夢です。第三者であるのぞみとは本来関係ありません。しかしそれを叶えようとするのぞみにミルクが託すのが面白いところです。夢とは自分の外にあります。自己イメージを高くするにしても、高いところのイメージは外から得た情報でしょうし、何かの仕事に就くのも自分の外にある役職です。外とはつまり社会であり他者が存在する世界です。のぞみが一生懸命になれるのはパルミエが滅んでしまったという事実があるからであり、ココナッツミルクが復活の夢を実現できると思えるのはのぞみが頑張るからです。夢というものが必ずしも自分とその対象だけのものではなく、私達が置かれている社会があるから抱けるものであり、それは多様な人々との関わりによって存在している。その関わる人達がお互いに依存するのではなく、時に自分が努力し、時に他者に(信頼を持って)託すことで夢が実現性を帯びていきます。(前回マネージャーののぞみは彼女自身何もしていませんが、りん、こまち、かれんに助力を求めることによってうららを助けている)
アラクネアが黒い紙に頼って自分の欲求を叶えようとするのとは対照的に、自らの努力、信頼からの信託によって、他者の夢(ココ)に自分の夢(のぞみ)を重ねさらに他者の夢(ミルク)が重なっていくように、幾人ものの夢(自分や社会が変化する可能性)が重なることでそれが実現し得る力も集まります。
プリキュアの5人、ココナッツミルクの3匹はその関わりによって相互的に各自の夢や生き方に影響を与えていきます。本来は全く違う夢や身分なのですが、それでもこうして変化を与えていく(現実には悪影響を与えることもあるのですが)物語が綺麗ですね。
第29話「のぞみの一日マネージャー」
○今週の出来事
①夏休み自由研究
夏休みも終わり頃、皆ちゃんと宿題も自由研究も終わっています。しかし当然のようにのぞみは終わっていません。のぞみは一人うなだれます。周りの淡白な受け答えが最早のぞみのそうした状況に関心すら無いほど当たり前のこととして受け入れられていることが分かります。
しかし忘れてはいけません。のぞみと言えば、うらら。うららもまだ自由研究が終わっていないと答えます。喜ぶのぞみ。自分以外にも似た境遇の人を見ると安心できます。まあ、状況が改善されるわけではなくピンチなのは変わらないのですが。そのうららもある程度目途が立っているようで終わりそうです。結局のぞみだけがどうにもならない状況。うららが声をかけた真の目的がここにあります。そう、さりげなく、あくまでも自然に、決して夏休みものぞみと一緒、さらには仕事でも一緒というパラダイスのため…ではなく、あくまでのぞみの自由研究の参考になれば、という提案の形で誘ううらら。美味しいものや遊びの要素も忘れません。これらはのぞみの大好物です。分かっていますうらら。のぞみの性格をよく捉えています。
勿論渡りに船、乗らないわけが無いのぞみ。しかしのぞみはうららの思惑が分かっていないので皆も誘います。かれんはピアノ、りんは店の手伝い、こまちは着付け教室。皆都合が悪く行くことが出来ません。ミルクが行きたそうですがココナッツの手前遊びに行けません。ココが気を利かせて店を休むことにします。
こうしてうららの仕事見学でのぞみ、ココナッツミルクが参加。ココナッツミルクは度外視できるので、実質のぞみを独り占めです。
街を歩くブンビー。ついに経費が下りなくなって徒歩になったのでしょうか。前回カワリーノに無視されたことを考えます。何かをたくらんでいるカワリーノ。しかし、思考がオヤジギャグの方向に行ってしまいます。無視されないためにもアピールして存在感を際立たせたいところです。
「CLOSED」休業。プリキュアにも無視されるブンビー。っていうかまんま直で店に行くなよ。
②マネージャー代行
楽屋。挨拶するのぞみ。鷲Pが快く迎えます。マネージャーですがうららの一ファンでもあるのか嬉しそうにコンサート会場の良い席がある、と薦めます。親ばかならぬマネージャーばかでしょうか。マネージャーじゃなかったらキモいファンに思われてしまいます。苦笑するのぞみとうらら。
のぞみが持ってきたバッグにはココナッツミルクもいます。おおっと、このシーンののぞみのスカートは際どい。(キモい視聴者)
鷲Pの携帯が鳴ります。お、もしかしたらプリキュア史上初の携帯では? そのまま電話に出たっきり外に行ってしまいます。うららも着替えるため部屋を出ます。
遊びに来たわけではないのでメモ帳を取り出して勉強に集中。ミルクが飛び出してきて言葉とは裏腹に遊びたいとごねます。ココが気を利かせて遊びに行くと言います。人間体になって部屋を出て行きます。便利だなぁ。
のぞみ一人きり。壁に備え付けてある電話が鳴ります。どうやら仕事内容変更の連絡のようです。急いでメモを取るのぞみ。鷲Pを探して会議室に入ります。意気込んで話す監督。うららをバッチリアピールしたいようです。うららのマネージャーだと勘違いされたのぞみに仕事内容の変更を伝えます。しどろもどろになるのぞみ。そこにまた急な変更の話が入ります。バンドのキーボードに欠員が出てしまいました。カラオケを用意しておけと言っただろ、と監督。うわ、何かリアルな会話だな。
のぞみに秘策あり。キーボードの欠員。ちょうど知り合いに音楽が得意な人がいます。
屋外ライブ。歌ううらら。鷲Pは今まで電話していたのか屋外に出ています。それも仕事だと思うが、ちゃんとそばにいろよ。
のぞみはメモを取りながらうららのコンサートを見ます。のぞみが起用したのは勿論かれん。難なく仕事をこなします。
ライブが終わり、車で次の場所へ移動。車の中でもうららの曲がかけられています。うっかりプリキュア5ボーカルアルバムの曲も入っていたら大変です。突然呼んでしまったかれんに謝るのぞみとうらら。かれんは快く答えます。坂本さんがひとっ走りしたんだろうなぁ。かれんも一緒に次の時代劇村に行きます。メモを見ながら予定を話すのぞみ。本物のマネージャーぽい。
③時代劇村
楽屋。また電話が鳴って部屋を出る鷲P。営業関係の人は忙しい。私も仕事で営業の人に電話しますが、一日中同じような電話を受けているんだろうなぁ。
関係者がやってきて着付けの人がいないと言います。段取り悪いなー。そんな仕事ぶりでは怒られるぞ。しかし、のぞみに秘策あり。
こまちを呼びます。どうやって来たんだ。どうやらまどかに送ってもらったようです。また急な連絡。のぞみを見る一同。確かにマネージャーばりの仕事をしているのぞみに任せたくなります。花を取り替えたいと言います。だから、なんだその段取りの悪さは。気分で仕事してんじゃねーぞ監督! しかしのぞみに秘策あり。
りんが呼ばれます。かれんもこまちもりんも快く引き受けます。うららのためとあれば何のその。りんとしてはお客さんが増えるので実益も兼ねます。結局全員揃います。よくよく考えると結構便利集団です。各自の持分を活かしています。本来別々の関係性のない特徴をのぞみが繋ぐ。この役割もまた重要なものです。
申し訳なさそうなうらら。こまちがお茶を持ってきたので自分が配ろうと押し合い。ちょっと面白い。
まだ自由研究のテーマが決まっていないのぞみ。また業務連絡が入ります。すでに正規のマネージャー扱い。本物のマネージャーである鷲Pはまだ電話していました。昨日は朝まで飲んでいて…とか何とか。だから、何でこういうとこは無駄にリアルなんだ。
皆時代劇ファッション。ココナッツもミルクも仮装。ってまてまてミルクは駄目だろ。どうやらエキストラとして出演するようです。エキストラにしてはかれんとか明らかに目立っています。それは上流階級というか大奥とかの衣装では?
意外とノリノリなココナッツ。どういう芝居をすれば良いのか?と尋ねるうらら。雰囲気が出ていればそれで良い、後はCGで何とかすると答えるスタッフ。うわ、切ねぇ。うららもエキストラ扱いなのか。っていうか、CGとか、そんな。芸能界は華々しいというものではなく、本当に「仕事」としての見せ方です。
ずらりと並ぶ役者達。その中にブンビーもいます。
本番。物騒な奴らに囲まれる町娘(一部大奥含む)。それを守るココナッツ。セリフあるってエキストラの範疇越えてない? 楽しそうに「若様~」とうらら。「わらわを守るのじゃ」かれんノリノリ。「お主も悪よのぅ」こまちもノリノリ。ツッコミのりん。お前ら芝居する気ねーだろ。
威厳と風格を漂わせて登場するブンビー。実はこの人が一番ノリノリです。切り込むブンビー。逃げる一同。ナッツとこまちフラグはここでも立っています。カット!OK! これOKなのか監督!?
そのままブンビー達は現場から離れます。
行き場を失う一同。ココナッツが構えて対抗します。ナッツ強そうです。切り込むブンビー。受けるココ。しかし役者(実力)が上手のブンビーに敵いません。ナッツも戦うことなくココが手放した刀を頭に食らって変化が解けてしまいます。使えねー。プリキュアの実力社会では男は役に立ちません。
何か役者魂でもあるのか最期まで演技するココ。うららもノリノリです。ツッコミ担当のりんは大変です。真打登場。のぞみがやってきます。うららが期待を込めて名前を呼びます。自転車をこいでいるようです。って、昔の前輪が大きい自転車かよ! その登場の仕方は想定外。ブレーキがないのでそのまま池に落ちます。りん「何がしたいのよ」視聴者の私がこの作品に言いたい。
ブンビーは懐から仮面を取り出して投げます。鎧兜に憑依してコワイナー化。
さあ、変身です。ってのぞみもノリノリの掛け声。前回単独変身だったので今回は無理か…と思っていましたが、流石はプリキュア、スタッフ分かっています。二週続けての単独変身です。仮装変身はプリキュアの伝統的変身作法であり醍醐味です。変身衣装と髪形が激しく似合いません。特にかれんが大変なことになっています。
建物を利用して攻撃。断続的な攻撃でコワイナーの動きを止めドリームが武器破壊をします。ココナッツミルクを抱えて戦闘に参加しないレモネード。乗り遅れ気味です。そこに登場するブンビー。足を止めて振り返るレモネード。ブンビーは堂に入った口上をしますが、レモネードはそのままスルーして走って行きます。
「無視すんな、今絶対気づいたろ!おい!」
「口上を最後まで言わせるのは暗黙のルールだろうが!」
確かにそのルールはありますが、それは正義の味方側だけのルールです。敵のアピールタイムなど知ったことではありません。プリキュアは女児向けアニメ。関連商品もプリキュアです。したがって何の利益にも見栄えにもならない敵のアピールなどするだけ無駄。その時間があったら販促に当てます。
ブンビーの怒りの攻撃に何とか身をかわして耐えるレモネード。レモネードは小回りが利くという印象があります。
劣勢と見られたコワイナーもパワーを活かしてプリキュアを振り払います。ルージュ鐘に当たって痛そうです。アクアは大奥だけに城の奥まで飛ばされます(つまんねー)。
仲間は倒れ、レモネードだけ残されます。ここで引くわけにはいきません。うららのために来てくれたかれん、こまち、りん。そして(ここはうらら的に肝心なところ)一日頑張ってくれたのぞみ。彼女達はうららのために頑張ってくれました。今度はうららが頑張る番です。
新商品アピールタイム。アピールとは堂々とやるものです。
「プリキュア・レモネード・シャイニング」
巨大コワイナーを瞬殺。カスタネットを叩くかなーと思ったのですが流石に無理か。
敵に許された口上は逃げ口上だけです。
帰りの車中。のぞみを褒める鷲P。この人今日仕事してません。がっちりのぞみっ子なうらら。
ナッツハウスに戻ります。テーマを見つけられなかったと肩を落とすのぞみ。しかしのぞみが書いたメモを見るとびっしり書かれています。のぞみには珍しいように思えますが、のぞみはうららのために頑張ったようです。これを自由研究にすれば良いと言う皆。
うららの仕事ものぞみの自由研究も新商品のアピールも無事完遂です。
④次回予告
ミルクの番です。アラクネア殉職か。かれんの口調が大人びてます。
○トピック
夏休み最後のイベント。ギャグ回。皆真面目にやっている(?)んだけど何故かギャグになるというノリが好きな自分としては良いギャグ回です。みんな基本は真面目なので真面目な話にもスムーズにスライドできます。
意外としっかりしているのぞみ。仕事ではメモを取ることは基本ですね。かれんは限られた状況、限られた人員での運用(采配)が上手そうですが、のぞみは臨機応変な対応が上手いかも。のぞみ自身には特に優れた能力は持っていませんが、彼女には特徴のある人々が居るのでそれを繋げられるのも一つの能力といえます。個人に帰依する能力ではないので実益にはあまり役立ちませんが人間関係を前提とした能力として見れば有用です。だからこそ今作では主人公足りえます。
ナイトメアは明らかにそうですが、うららの芸能界の事情も社会の一部として描かれているのは意図的だろうと思います。ナイトメアほど厳しく酷くはありませんが、特にこれといって人気でもない駆け出しのうららに対して都合良くはありません。活躍するための華々しい舞台ではなく、やはりそこも頑張らなければならない現実社会として存在します。生徒会の部費問題もそういう意味では社会としての側面が出ています。
のぞみ達がその中で活躍・成功を収めているのは一重に個人の努力と仲間達との連携によるものです。自分に責任が無くても失敗や困難が乗りかかってくることはありますし、個人では最早どうにもすることも出来ないことが起こります。それを個人の努力のみならず人間関係によって乗り越えていく(それが可能なのも各自間の信頼があるため)ところが今作の興味深いところですね。毎回言ってますけど。
「ふたりは」から離れて5人になったプリキュアですが、ちゃんとそれが物語として軸になっているところは流石。
また、自由研究のために頑張るのではなく誰かのために頑張っていたことがそのまま自分のためになる、というのもプリキュアらしい纏め方ですね。
①夏休み自由研究
夏休みも終わり頃、皆ちゃんと宿題も自由研究も終わっています。しかし当然のようにのぞみは終わっていません。のぞみは一人うなだれます。周りの淡白な受け答えが最早のぞみのそうした状況に関心すら無いほど当たり前のこととして受け入れられていることが分かります。
しかし忘れてはいけません。のぞみと言えば、うらら。うららもまだ自由研究が終わっていないと答えます。喜ぶのぞみ。自分以外にも似た境遇の人を見ると安心できます。まあ、状況が改善されるわけではなくピンチなのは変わらないのですが。そのうららもある程度目途が立っているようで終わりそうです。結局のぞみだけがどうにもならない状況。うららが声をかけた真の目的がここにあります。そう、さりげなく、あくまでも自然に、決して夏休みものぞみと一緒、さらには仕事でも一緒というパラダイスのため…ではなく、あくまでのぞみの自由研究の参考になれば、という提案の形で誘ううらら。美味しいものや遊びの要素も忘れません。これらはのぞみの大好物です。分かっていますうらら。のぞみの性格をよく捉えています。
勿論渡りに船、乗らないわけが無いのぞみ。しかしのぞみはうららの思惑が分かっていないので皆も誘います。かれんはピアノ、りんは店の手伝い、こまちは着付け教室。皆都合が悪く行くことが出来ません。ミルクが行きたそうですがココナッツの手前遊びに行けません。ココが気を利かせて店を休むことにします。
こうしてうららの仕事見学でのぞみ、ココナッツミルクが参加。ココナッツミルクは度外視できるので、実質のぞみを独り占めです。
街を歩くブンビー。ついに経費が下りなくなって徒歩になったのでしょうか。前回カワリーノに無視されたことを考えます。何かをたくらんでいるカワリーノ。しかし、思考がオヤジギャグの方向に行ってしまいます。無視されないためにもアピールして存在感を際立たせたいところです。
「CLOSED」休業。プリキュアにも無視されるブンビー。っていうかまんま直で店に行くなよ。
②マネージャー代行
楽屋。挨拶するのぞみ。鷲Pが快く迎えます。マネージャーですがうららの一ファンでもあるのか嬉しそうにコンサート会場の良い席がある、と薦めます。親ばかならぬマネージャーばかでしょうか。マネージャーじゃなかったらキモいファンに思われてしまいます。苦笑するのぞみとうらら。
のぞみが持ってきたバッグにはココナッツミルクもいます。おおっと、このシーンののぞみのスカートは際どい。(キモい視聴者)
鷲Pの携帯が鳴ります。お、もしかしたらプリキュア史上初の携帯では? そのまま電話に出たっきり外に行ってしまいます。うららも着替えるため部屋を出ます。
遊びに来たわけではないのでメモ帳を取り出して勉強に集中。ミルクが飛び出してきて言葉とは裏腹に遊びたいとごねます。ココが気を利かせて遊びに行くと言います。人間体になって部屋を出て行きます。便利だなぁ。
のぞみ一人きり。壁に備え付けてある電話が鳴ります。どうやら仕事内容変更の連絡のようです。急いでメモを取るのぞみ。鷲Pを探して会議室に入ります。意気込んで話す監督。うららをバッチリアピールしたいようです。うららのマネージャーだと勘違いされたのぞみに仕事内容の変更を伝えます。しどろもどろになるのぞみ。そこにまた急な変更の話が入ります。バンドのキーボードに欠員が出てしまいました。カラオケを用意しておけと言っただろ、と監督。うわ、何かリアルな会話だな。
のぞみに秘策あり。キーボードの欠員。ちょうど知り合いに音楽が得意な人がいます。
屋外ライブ。歌ううらら。鷲Pは今まで電話していたのか屋外に出ています。それも仕事だと思うが、ちゃんとそばにいろよ。
のぞみはメモを取りながらうららのコンサートを見ます。のぞみが起用したのは勿論かれん。難なく仕事をこなします。
ライブが終わり、車で次の場所へ移動。車の中でもうららの曲がかけられています。うっかりプリキュア5ボーカルアルバムの曲も入っていたら大変です。突然呼んでしまったかれんに謝るのぞみとうらら。かれんは快く答えます。坂本さんがひとっ走りしたんだろうなぁ。かれんも一緒に次の時代劇村に行きます。メモを見ながら予定を話すのぞみ。本物のマネージャーぽい。
③時代劇村
楽屋。また電話が鳴って部屋を出る鷲P。営業関係の人は忙しい。私も仕事で営業の人に電話しますが、一日中同じような電話を受けているんだろうなぁ。
関係者がやってきて着付けの人がいないと言います。段取り悪いなー。そんな仕事ぶりでは怒られるぞ。しかし、のぞみに秘策あり。
こまちを呼びます。どうやって来たんだ。どうやらまどかに送ってもらったようです。また急な連絡。のぞみを見る一同。確かにマネージャーばりの仕事をしているのぞみに任せたくなります。花を取り替えたいと言います。だから、なんだその段取りの悪さは。気分で仕事してんじゃねーぞ監督! しかしのぞみに秘策あり。
りんが呼ばれます。かれんもこまちもりんも快く引き受けます。うららのためとあれば何のその。りんとしてはお客さんが増えるので実益も兼ねます。結局全員揃います。よくよく考えると結構便利集団です。各自の持分を活かしています。本来別々の関係性のない特徴をのぞみが繋ぐ。この役割もまた重要なものです。
申し訳なさそうなうらら。こまちがお茶を持ってきたので自分が配ろうと押し合い。ちょっと面白い。
まだ自由研究のテーマが決まっていないのぞみ。また業務連絡が入ります。すでに正規のマネージャー扱い。本物のマネージャーである鷲Pはまだ電話していました。昨日は朝まで飲んでいて…とか何とか。だから、何でこういうとこは無駄にリアルなんだ。
皆時代劇ファッション。ココナッツもミルクも仮装。ってまてまてミルクは駄目だろ。どうやらエキストラとして出演するようです。エキストラにしてはかれんとか明らかに目立っています。それは上流階級というか大奥とかの衣装では?
意外とノリノリなココナッツ。どういう芝居をすれば良いのか?と尋ねるうらら。雰囲気が出ていればそれで良い、後はCGで何とかすると答えるスタッフ。うわ、切ねぇ。うららもエキストラ扱いなのか。っていうか、CGとか、そんな。芸能界は華々しいというものではなく、本当に「仕事」としての見せ方です。
ずらりと並ぶ役者達。その中にブンビーもいます。
本番。物騒な奴らに囲まれる町娘(一部大奥含む)。それを守るココナッツ。セリフあるってエキストラの範疇越えてない? 楽しそうに「若様~」とうらら。「わらわを守るのじゃ」かれんノリノリ。「お主も悪よのぅ」こまちもノリノリ。ツッコミのりん。お前ら芝居する気ねーだろ。
威厳と風格を漂わせて登場するブンビー。実はこの人が一番ノリノリです。切り込むブンビー。逃げる一同。ナッツとこまちフラグはここでも立っています。カット!OK! これOKなのか監督!?
そのままブンビー達は現場から離れます。
行き場を失う一同。ココナッツが構えて対抗します。ナッツ強そうです。切り込むブンビー。受けるココ。しかし役者(実力)が上手のブンビーに敵いません。ナッツも戦うことなくココが手放した刀を頭に食らって変化が解けてしまいます。使えねー。プリキュアの実力社会では男は役に立ちません。
何か役者魂でもあるのか最期まで演技するココ。うららもノリノリです。ツッコミ担当のりんは大変です。真打登場。のぞみがやってきます。うららが期待を込めて名前を呼びます。自転車をこいでいるようです。って、昔の前輪が大きい自転車かよ! その登場の仕方は想定外。ブレーキがないのでそのまま池に落ちます。りん「何がしたいのよ」視聴者の私がこの作品に言いたい。
ブンビーは懐から仮面を取り出して投げます。鎧兜に憑依してコワイナー化。
さあ、変身です。ってのぞみもノリノリの掛け声。前回単独変身だったので今回は無理か…と思っていましたが、流石はプリキュア、スタッフ分かっています。二週続けての単独変身です。仮装変身はプリキュアの伝統的変身作法であり醍醐味です。変身衣装と髪形が激しく似合いません。特にかれんが大変なことになっています。
建物を利用して攻撃。断続的な攻撃でコワイナーの動きを止めドリームが武器破壊をします。ココナッツミルクを抱えて戦闘に参加しないレモネード。乗り遅れ気味です。そこに登場するブンビー。足を止めて振り返るレモネード。ブンビーは堂に入った口上をしますが、レモネードはそのままスルーして走って行きます。
「無視すんな、今絶対気づいたろ!おい!」
「口上を最後まで言わせるのは暗黙のルールだろうが!」
確かにそのルールはありますが、それは正義の味方側だけのルールです。敵のアピールタイムなど知ったことではありません。プリキュアは女児向けアニメ。関連商品もプリキュアです。したがって何の利益にも見栄えにもならない敵のアピールなどするだけ無駄。その時間があったら販促に当てます。
ブンビーの怒りの攻撃に何とか身をかわして耐えるレモネード。レモネードは小回りが利くという印象があります。
劣勢と見られたコワイナーもパワーを活かしてプリキュアを振り払います。ルージュ鐘に当たって痛そうです。アクアは大奥だけに城の奥まで飛ばされます(つまんねー)。
仲間は倒れ、レモネードだけ残されます。ここで引くわけにはいきません。うららのために来てくれたかれん、こまち、りん。そして(ここはうらら的に肝心なところ)一日頑張ってくれたのぞみ。彼女達はうららのために頑張ってくれました。今度はうららが頑張る番です。
新商品アピールタイム。アピールとは堂々とやるものです。
「プリキュア・レモネード・シャイニング」
巨大コワイナーを瞬殺。カスタネットを叩くかなーと思ったのですが流石に無理か。
敵に許された口上は逃げ口上だけです。
帰りの車中。のぞみを褒める鷲P。この人今日仕事してません。がっちりのぞみっ子なうらら。
ナッツハウスに戻ります。テーマを見つけられなかったと肩を落とすのぞみ。しかしのぞみが書いたメモを見るとびっしり書かれています。のぞみには珍しいように思えますが、のぞみはうららのために頑張ったようです。これを自由研究にすれば良いと言う皆。
うららの仕事ものぞみの自由研究も新商品のアピールも無事完遂です。
④次回予告
ミルクの番です。アラクネア殉職か。かれんの口調が大人びてます。
○トピック
夏休み最後のイベント。ギャグ回。皆真面目にやっている(?)んだけど何故かギャグになるというノリが好きな自分としては良いギャグ回です。みんな基本は真面目なので真面目な話にもスムーズにスライドできます。
意外としっかりしているのぞみ。仕事ではメモを取ることは基本ですね。かれんは限られた状況、限られた人員での運用(采配)が上手そうですが、のぞみは臨機応変な対応が上手いかも。のぞみ自身には特に優れた能力は持っていませんが、彼女には特徴のある人々が居るのでそれを繋げられるのも一つの能力といえます。個人に帰依する能力ではないので実益にはあまり役立ちませんが人間関係を前提とした能力として見れば有用です。だからこそ今作では主人公足りえます。
ナイトメアは明らかにそうですが、うららの芸能界の事情も社会の一部として描かれているのは意図的だろうと思います。ナイトメアほど厳しく酷くはありませんが、特にこれといって人気でもない駆け出しのうららに対して都合良くはありません。活躍するための華々しい舞台ではなく、やはりそこも頑張らなければならない現実社会として存在します。生徒会の部費問題もそういう意味では社会としての側面が出ています。
のぞみ達がその中で活躍・成功を収めているのは一重に個人の努力と仲間達との連携によるものです。自分に責任が無くても失敗や困難が乗りかかってくることはありますし、個人では最早どうにもすることも出来ないことが起こります。それを個人の努力のみならず人間関係によって乗り越えていく(それが可能なのも各自間の信頼があるため)ところが今作の興味深いところですね。毎回言ってますけど。
「ふたりは」から離れて5人になったプリキュアですが、ちゃんとそれが物語として軸になっているところは流石。
また、自由研究のために頑張るのではなく誰かのために頑張っていたことがそのまま自分のためになる、というのもプリキュアらしい纏め方ですね。
第28話「こまちの夏祭り奮闘記」
○今週の出来事
①出店の出品
こまちの実家和菓子屋小町。そこでみんな和菓子を食べながら夏祭りでの出店の話をします。和菓子を使ってカキ氷を作りたいと持ちかけるこまち。もちろんすぐ同意を得られます。豆大福をどっさり乗せようと言うのぞみ。いや、それは豆大福だけでお腹一杯になるぞ。同意するナッツ。お前は豆大福中毒か。うららはヨウカン七切れ乗せると張り合います。もう、それヨウカンまるまる食べればいいんじゃない? ココはシュークリーム、ミルクはチョコレートが良いと言います。お前ら話聞いてないだろ。和菓子関係ない。ツッコミのりんは夏でも大忙しです。
夏祭りの出店けっていです。
ビル。いつもの部屋で対策を検討していることを報告するブンビー。カワリーノはそんなことに耳を貸すことも無く社員のデータを見ています。どれも最近の折れ線は低くなっているところが泣けます。プレゼンなのか説明するブンビー。でも聞いちゃいません。ガマオに注目するカワリーノ。彼のグラフはブンビー達に比べて落ち込んではいません。何か考えがあるのかつぶやきながら去るカワリーノ。ブンビーさんは面白くありません。
当のガマオは今日も今日とてお腹を空かせています。
こまちの家で夏祭りの準備をする一同。ココナッツミルクは落書きしているように思います。ぬいぐるみ形態だといろんな意味で能力が幼児化するんだなぁ。
厨房で出し物であるカキ氷を試作するこまち。姉のまどかが声をかけます。毎年夏祭りの出店は娘達に任せているようです。去年は姉が実施したようですが、今年はこまちに任せるようです。難しさや大変さは克服するとそれ相応の嬉しさを感じます。まどかは多くの友達がいるこまちを応援します。夏みかんの差し入れ。
試作を持ってくるこまち。試食です。落ちそうになる頬を支えてうっとりとするのぞみとうらら。よく見るとのぞみの隣にうらら、正面にりんと各自の勢力均衡図が伺えます。カキ氷の味は絶妙な調整によりバッチリのようです。これは期待大。あとは明日を待つだけです。
②ハプニング
当日朝。氷を配送する業者さん。こまちは他に仕事があるのか氷を外に置きっぱなしにして家の中に戻ります。そこを通りかかる空腹のガマオ。目に入る巨大な氷。
こまちが氷を取ろうと外へ出ると氷が無くなっています。誰かに持ち去られたようです。
もちろん犯人はガマオ。腹の足しにとガリガリ食べます。ダイナミックな食べ方です。ある意味芸として成立しそうです。食べきったものの元が水だけにあまり空腹感は紛れなかったようです。つか、何リットルあったんだあの氷。
こまちの家に訪ねるかれん。浴衣姿です。言及が遅れましたがこまちも浴衣姿です。これぞ夏祭り。かれんが尋ねるとこまちは珍しく焦っています。カキ氷を求め業者を尋ねますがすでにどこも品切れです。夏祭りは夕方あたりから始まるので夕方に氷が届いても遅い。
ガックリと肩を落とすこまち。このままでは出店することができません。諦めてはダメだと励ますかれん。納得がいくまで行動しないと必ず後悔すると言ったのはこまちだと言うかれん。それは2年前。
クラス委員になったかれんはとても張り切っていました。社会科見学の指揮をとっていましたが、突如行き先の工場はトラブルのため休業。もはや社会科見学は二日後に迫りなんとも立ち行かない状況。クラスメイトからも責められるように言われ社会科見学自体を中止せざるを得ないと判断するかれん。歯がゆさに作ったチラシを握り締めます。距離を置いて座っていたこまちは「水無月さん」と声をかけます。「秋元さん?」と応えるかれん。まだこの当時はそれほど親しい仲ではなかったようです。こまちはハッキリと臆することなく進言します。納得いくまで行動しないと後悔する、自分も手伝うと言います。それは小説家志望故の日ごろの努力があるからか。各所を歩き回るふたり。しかし色よい返事は返ってきません。夕方、不安そうに見るふたりに工場長(?)は引き受けることを了承します。思わず手を合わせて喜ぶふたり。その夜、かれんの家で社会科見学のパンフレットを作成し終わります。喜びに手を合わせお互いに名で呼ぶふたり。社会科見学は無事成功したようです。
こまちの家で、こまちは引き出しから当時のパンフレットを取り出して見せます。かれんも今でも持っているようです。このパンフレットはふたりにとって大切なものです。ふたりは諦めず氷屋を当たります。実は坂本さんに頼めばアッと言う間に解決してしまいそうな気がしますが、そんな無粋なことを言うのはまずいでしょうか。
のぞみ・りん・うららが尋ねてきます。みんな浴衣仕様です。やはり夏祭りはこうでなくてはいけません。
事情を聞くのぞみ達。氷が無くてはどうしようもないとりん。しかしのぞみはそれでもOKと言います。ハチミツ・ヨウカン・あんこを混ぜて食べれば美味しいよね、と体をクネクネさせながら言います。うん、それは美味しそうだ。甘党の私もそれはそれでいいんじゃないかと思う。甘すぎるとりん。かれんは真面目に思案します。ハチミツと和菓子の組合せはそのままでは甘すぎます。りんも昔はカキ氷の後の残ったシロップを食べるのが好きだったでしょとのぞみが指摘します。確かにあれは美味しい。うららも話に乗ってみかんの缶詰のシロップも好きだと言います。ああ、あれも甘くて美味しい。桃缶もいいよね。酸味のあるものなら甘すぎずにできるかもしれないと話すかれん。そこで夏みかんを思い出すこまち。アイデア・品物共に揃っています。早速実行。各自に分担を指示するかれん。こういう時に普段まとめ役をやっていて段取りを分かっている人は動きが早く適切です。ココ達も手伝って起死回生です。ココナッツも浴衣仕様。あ、それはいらない(酷い)
③祭りの中で育まれるもの
日も落ち夏祭りで出店が軒を連ねます。人々が集まり賑わいます。こまちの店も無事出店しています。和菓子を作るのはこまちとかれん。客引きはのぞみりんうらら。うららバリバリ張り切っています。何で無駄に回転してるんだ。思わず動きに見とれる。のぞみとりんも負けじと画面を占領するように立ち位置を変えます。こまちアラモード。たぶん和菓子屋の名前から取っているのだと思いますが、こまちからすると自分の名前がついていて微妙な気がします。
すぐに人集りができます。私も並びたい。女の子見るために(帰れ)
ココナッツが遅れてやってきます。灯篭というか、お店の目印にと光る標識飾りを作っていたようです。お礼を言うこまち。ナッツは戸惑うかのようにこまちに何かを感じます。固定するためにガムテープを買って来るとのぞみは一人離れます。途中ショートカットをして人気の無い道を通ります。
人気が無いのにお面の出店があります。お面の中に見知ったしかしあまり見たくないお面を発見して思わず身を引くのぞみ。ガマオが出店をやって稼いで食べ物を買おうと画策したようです。お面の資材代があるならそれで食べればいいんじゃない?
全く売れないことに腹を立てるガマオ。場所が悪いよ。八つ当たりで変化してのぞみを攻撃します。お面を買うかコレットを渡すかと要求するガマオ。どっちも嫌です。
みんなが駆けつけます。並んで、そして単独変身。これは分かっています。スタッフ良い仕事してます。年に一度の夏祭り。年に一度の浴衣。この機会を最大限に活用するには単独変身する他ありません。各自の浴衣姿を大写しにしながら変身。これはプリキュア変身の醍醐味です。
仮面を他のお面につけるガマオ。お面コワイナー登場。何かやっつけデザインというか、お面の寄せ集めというか、クライマックスフォームというか、お面に意味があるのか気になるところですが、コワイナーはそのお面を飛ばしてきます。人の大きさに近いお面攻撃に動きを止められる3人。逃れたミントとアクアが反撃します。続いてルージュも加勢します。反撃に転じるコワイナー。意外と強いです。売れ残ったお面の恨みでしょうか。
ドリームとレモネード、復帰したルージュが攻撃。これも迎撃されてしまいます。
ガマオにミントが祭りの邪魔をしないで!と抗議します。ガマオは朝から氷しか食べていないと言います。氷泥棒の犯人がガマオであると気づくミント。ガマオは悪びれた様子もなく氷くらいでガタガタ言うなと言います。いやーあれいくらするかは知らないけど結構それなりの値段するんじゃないかな。ガマオの心無い行動によって準備が台無しにされ下手をすれば中止になりかねなかった出店のことを思いプリキュア一同怒りを抱きます。ガマオの攻撃を正面から耐え反撃の蹴りをぶち込むミント。防御専門かと思わせて最近目立って攻撃にも加わっています。攻撃的防御。単純火力なら核爆発の演出を誇るドリームが強そうですが、トータル能力では最強と噂されるだけのことはあります。
一対一では分が悪いですが、連携によってコワイナーとガマオを押すプリキュア。お祭りを馬鹿にするガマオにアクアは祭りによって作られる意味と得られる価値を語ります。
新商品アピールタイム。相変わらずポーズがカッコいい。
「プリキュア・アクア・トルネード」
アイテムから水の奔流が発生してコワイナーを直撃します。撤退するガマオ。
飾りをガムテープで固定。このチープ感が良い。お客さんはひっきりなしに来ているようです。こまちとかれんは成功を喜びます。かれんは恩返し出来たと言います。2年前の言葉、それを受けて彼女は生徒会長になることを決めたそうです。今でもその言葉はかれんの心に刻まれています。
30人前の注文。大急ぎで仕事にとりかかります。驚いた表情が可愛いな。ふたりはお互いに顔を見合わせて笑います。
④次回予告
来週も単独変身でお願いします。
○トピック
プリキュア的伝統イベント夏祭り。夏祭りといえば浴衣。浴衣とくれば浴衣変身。伝統は受け継がれます。
夏祭りの出品に向けて万全の準備を整えていたのにハプニング。かくしてカキ氷を断念して偶然と知恵とアイデアでまったく別の品を作り見事成功を収める。これもチームとしての役割や協力が描かれています。そしてかれんとこまちの親交の元となった話を織り交ぜ、諦めずに頑張ることを他者と共に行うことで信頼やそこでの意味・価値に気づく。
人が自分の種子を、自分の《慈善》を、自分の善行を、たえそれがとんな形式であろうと、他人に投げ与えることは、自分の人格の一部を与え、相手の人格の一部を受け入れることになるのさ。つまり、その人たちはたがいに交流することになるんだ。もう少し注意を払っていれば、人はその酬いとして、りっぱな知識というより思いがけない発見をすることになるのさ。そしてついには、自分の仕事をかならず学問としてながめるようになるんだね。それはその人の全生涯をのみつくし、それを充実させることができるんだ。一方、その人のあらゆる思想―その人によって投じられ忘れられてしまった種子は、また別な血肉を付されて生長していくんだ。人から授けられたものが、さらに別な人間にそれを伝えていくからだ。
(ドストエフスキー著『白痴』のイポリートの言葉)
単純に交流だけでなくそこで投げかけられた言葉が人に伝わり、投げかけた人すら知らないうちにその言葉を強く心の内に抱いてその人を充実させることが出来るかもしれない。人の話を聞かないカワリーノが分かりやすい対比ですね。人の言葉の中に、もしかしたら真実や自分が糧に出来ることが含まれているかもしれません。
①出店の出品
こまちの実家和菓子屋小町。そこでみんな和菓子を食べながら夏祭りでの出店の話をします。和菓子を使ってカキ氷を作りたいと持ちかけるこまち。もちろんすぐ同意を得られます。豆大福をどっさり乗せようと言うのぞみ。いや、それは豆大福だけでお腹一杯になるぞ。同意するナッツ。お前は豆大福中毒か。うららはヨウカン七切れ乗せると張り合います。もう、それヨウカンまるまる食べればいいんじゃない? ココはシュークリーム、ミルクはチョコレートが良いと言います。お前ら話聞いてないだろ。和菓子関係ない。ツッコミのりんは夏でも大忙しです。
夏祭りの出店けっていです。
ビル。いつもの部屋で対策を検討していることを報告するブンビー。カワリーノはそんなことに耳を貸すことも無く社員のデータを見ています。どれも最近の折れ線は低くなっているところが泣けます。プレゼンなのか説明するブンビー。でも聞いちゃいません。ガマオに注目するカワリーノ。彼のグラフはブンビー達に比べて落ち込んではいません。何か考えがあるのかつぶやきながら去るカワリーノ。ブンビーさんは面白くありません。
当のガマオは今日も今日とてお腹を空かせています。
こまちの家で夏祭りの準備をする一同。ココナッツミルクは落書きしているように思います。ぬいぐるみ形態だといろんな意味で能力が幼児化するんだなぁ。
厨房で出し物であるカキ氷を試作するこまち。姉のまどかが声をかけます。毎年夏祭りの出店は娘達に任せているようです。去年は姉が実施したようですが、今年はこまちに任せるようです。難しさや大変さは克服するとそれ相応の嬉しさを感じます。まどかは多くの友達がいるこまちを応援します。夏みかんの差し入れ。
試作を持ってくるこまち。試食です。落ちそうになる頬を支えてうっとりとするのぞみとうらら。よく見るとのぞみの隣にうらら、正面にりんと各自の勢力均衡図が伺えます。カキ氷の味は絶妙な調整によりバッチリのようです。これは期待大。あとは明日を待つだけです。
②ハプニング
当日朝。氷を配送する業者さん。こまちは他に仕事があるのか氷を外に置きっぱなしにして家の中に戻ります。そこを通りかかる空腹のガマオ。目に入る巨大な氷。
こまちが氷を取ろうと外へ出ると氷が無くなっています。誰かに持ち去られたようです。
もちろん犯人はガマオ。腹の足しにとガリガリ食べます。ダイナミックな食べ方です。ある意味芸として成立しそうです。食べきったものの元が水だけにあまり空腹感は紛れなかったようです。つか、何リットルあったんだあの氷。
こまちの家に訪ねるかれん。浴衣姿です。言及が遅れましたがこまちも浴衣姿です。これぞ夏祭り。かれんが尋ねるとこまちは珍しく焦っています。カキ氷を求め業者を尋ねますがすでにどこも品切れです。夏祭りは夕方あたりから始まるので夕方に氷が届いても遅い。
ガックリと肩を落とすこまち。このままでは出店することができません。諦めてはダメだと励ますかれん。納得がいくまで行動しないと必ず後悔すると言ったのはこまちだと言うかれん。それは2年前。
クラス委員になったかれんはとても張り切っていました。社会科見学の指揮をとっていましたが、突如行き先の工場はトラブルのため休業。もはや社会科見学は二日後に迫りなんとも立ち行かない状況。クラスメイトからも責められるように言われ社会科見学自体を中止せざるを得ないと判断するかれん。歯がゆさに作ったチラシを握り締めます。距離を置いて座っていたこまちは「水無月さん」と声をかけます。「秋元さん?」と応えるかれん。まだこの当時はそれほど親しい仲ではなかったようです。こまちはハッキリと臆することなく進言します。納得いくまで行動しないと後悔する、自分も手伝うと言います。それは小説家志望故の日ごろの努力があるからか。各所を歩き回るふたり。しかし色よい返事は返ってきません。夕方、不安そうに見るふたりに工場長(?)は引き受けることを了承します。思わず手を合わせて喜ぶふたり。その夜、かれんの家で社会科見学のパンフレットを作成し終わります。喜びに手を合わせお互いに名で呼ぶふたり。社会科見学は無事成功したようです。
こまちの家で、こまちは引き出しから当時のパンフレットを取り出して見せます。かれんも今でも持っているようです。このパンフレットはふたりにとって大切なものです。ふたりは諦めず氷屋を当たります。実は坂本さんに頼めばアッと言う間に解決してしまいそうな気がしますが、そんな無粋なことを言うのはまずいでしょうか。
のぞみ・りん・うららが尋ねてきます。みんな浴衣仕様です。やはり夏祭りはこうでなくてはいけません。
事情を聞くのぞみ達。氷が無くてはどうしようもないとりん。しかしのぞみはそれでもOKと言います。ハチミツ・ヨウカン・あんこを混ぜて食べれば美味しいよね、と体をクネクネさせながら言います。うん、それは美味しそうだ。甘党の私もそれはそれでいいんじゃないかと思う。甘すぎるとりん。かれんは真面目に思案します。ハチミツと和菓子の組合せはそのままでは甘すぎます。りんも昔はカキ氷の後の残ったシロップを食べるのが好きだったでしょとのぞみが指摘します。確かにあれは美味しい。うららも話に乗ってみかんの缶詰のシロップも好きだと言います。ああ、あれも甘くて美味しい。桃缶もいいよね。酸味のあるものなら甘すぎずにできるかもしれないと話すかれん。そこで夏みかんを思い出すこまち。アイデア・品物共に揃っています。早速実行。各自に分担を指示するかれん。こういう時に普段まとめ役をやっていて段取りを分かっている人は動きが早く適切です。ココ達も手伝って起死回生です。ココナッツも浴衣仕様。あ、それはいらない(酷い)
③祭りの中で育まれるもの
日も落ち夏祭りで出店が軒を連ねます。人々が集まり賑わいます。こまちの店も無事出店しています。和菓子を作るのはこまちとかれん。客引きはのぞみりんうらら。うららバリバリ張り切っています。何で無駄に回転してるんだ。思わず動きに見とれる。のぞみとりんも負けじと画面を占領するように立ち位置を変えます。こまちアラモード。たぶん和菓子屋の名前から取っているのだと思いますが、こまちからすると自分の名前がついていて微妙な気がします。
すぐに人集りができます。私も並びたい。女の子見るために(帰れ)
ココナッツが遅れてやってきます。灯篭というか、お店の目印にと光る標識飾りを作っていたようです。お礼を言うこまち。ナッツは戸惑うかのようにこまちに何かを感じます。固定するためにガムテープを買って来るとのぞみは一人離れます。途中ショートカットをして人気の無い道を通ります。
人気が無いのにお面の出店があります。お面の中に見知ったしかしあまり見たくないお面を発見して思わず身を引くのぞみ。ガマオが出店をやって稼いで食べ物を買おうと画策したようです。お面の資材代があるならそれで食べればいいんじゃない?
全く売れないことに腹を立てるガマオ。場所が悪いよ。八つ当たりで変化してのぞみを攻撃します。お面を買うかコレットを渡すかと要求するガマオ。どっちも嫌です。
みんなが駆けつけます。並んで、そして単独変身。これは分かっています。スタッフ良い仕事してます。年に一度の夏祭り。年に一度の浴衣。この機会を最大限に活用するには単独変身する他ありません。各自の浴衣姿を大写しにしながら変身。これはプリキュア変身の醍醐味です。
仮面を他のお面につけるガマオ。お面コワイナー登場。何かやっつけデザインというか、お面の寄せ集めというか、クライマックスフォームというか、お面に意味があるのか気になるところですが、コワイナーはそのお面を飛ばしてきます。人の大きさに近いお面攻撃に動きを止められる3人。逃れたミントとアクアが反撃します。続いてルージュも加勢します。反撃に転じるコワイナー。意外と強いです。売れ残ったお面の恨みでしょうか。
ドリームとレモネード、復帰したルージュが攻撃。これも迎撃されてしまいます。
ガマオにミントが祭りの邪魔をしないで!と抗議します。ガマオは朝から氷しか食べていないと言います。氷泥棒の犯人がガマオであると気づくミント。ガマオは悪びれた様子もなく氷くらいでガタガタ言うなと言います。いやーあれいくらするかは知らないけど結構それなりの値段するんじゃないかな。ガマオの心無い行動によって準備が台無しにされ下手をすれば中止になりかねなかった出店のことを思いプリキュア一同怒りを抱きます。ガマオの攻撃を正面から耐え反撃の蹴りをぶち込むミント。防御専門かと思わせて最近目立って攻撃にも加わっています。攻撃的防御。単純火力なら核爆発の演出を誇るドリームが強そうですが、トータル能力では最強と噂されるだけのことはあります。
一対一では分が悪いですが、連携によってコワイナーとガマオを押すプリキュア。お祭りを馬鹿にするガマオにアクアは祭りによって作られる意味と得られる価値を語ります。
新商品アピールタイム。相変わらずポーズがカッコいい。
「プリキュア・アクア・トルネード」
アイテムから水の奔流が発生してコワイナーを直撃します。撤退するガマオ。
飾りをガムテープで固定。このチープ感が良い。お客さんはひっきりなしに来ているようです。こまちとかれんは成功を喜びます。かれんは恩返し出来たと言います。2年前の言葉、それを受けて彼女は生徒会長になることを決めたそうです。今でもその言葉はかれんの心に刻まれています。
30人前の注文。大急ぎで仕事にとりかかります。驚いた表情が可愛いな。ふたりはお互いに顔を見合わせて笑います。
④次回予告
来週も単独変身でお願いします。
○トピック
プリキュア的伝統イベント夏祭り。夏祭りといえば浴衣。浴衣とくれば浴衣変身。伝統は受け継がれます。
夏祭りの出品に向けて万全の準備を整えていたのにハプニング。かくしてカキ氷を断念して偶然と知恵とアイデアでまったく別の品を作り見事成功を収める。これもチームとしての役割や協力が描かれています。そしてかれんとこまちの親交の元となった話を織り交ぜ、諦めずに頑張ることを他者と共に行うことで信頼やそこでの意味・価値に気づく。
人が自分の種子を、自分の《慈善》を、自分の善行を、たえそれがとんな形式であろうと、他人に投げ与えることは、自分の人格の一部を与え、相手の人格の一部を受け入れることになるのさ。つまり、その人たちはたがいに交流することになるんだ。もう少し注意を払っていれば、人はその酬いとして、りっぱな知識というより思いがけない発見をすることになるのさ。そしてついには、自分の仕事をかならず学問としてながめるようになるんだね。それはその人の全生涯をのみつくし、それを充実させることができるんだ。一方、その人のあらゆる思想―その人によって投じられ忘れられてしまった種子は、また別な血肉を付されて生長していくんだ。人から授けられたものが、さらに別な人間にそれを伝えていくからだ。
(ドストエフスキー著『白痴』のイポリートの言葉)
単純に交流だけでなくそこで投げかけられた言葉が人に伝わり、投げかけた人すら知らないうちにその言葉を強く心の内に抱いてその人を充実させることが出来るかもしれない。人の話を聞かないカワリーノが分かりやすい対比ですね。人の言葉の中に、もしかしたら真実や自分が糧に出来ることが含まれているかもしれません。
第27話「りんちゃんイケメン幽霊とデート!?」
○今週の出来事
①怪談
今は使われていない古い校舎。そこに「出る」という。恐々と尋ねるのぞみ達。これまでの地道な活動が功を奏したのかうららはちゃっかりのぞみと密着。もう、これだけで30分過ぎていいよ。呆れた顔のかれん。あまり怖くないようです。りんは顔を引きつらせています。ライトを下から当てて「幽霊が」と答えるこまち。この人ノリノリ。怖がる一同。かれんとナッツは普通です。ココはこの手の話がダメのようです。ミルクも怖がりのようです。
昔々屋敷があり、主人であるローゼット伯爵には恋人が居たが不慮の事故で亡くなったらしい。そして伯爵も病に倒れた。その後恋人を探す伯爵の霊が出る。話が佳境に入ると皆緊張もピークです。手を伸ばしてトドメ。こまちノリノリです。恐怖のあまり倒れるりん。
とりあえず、日本で伯爵とか、その辺にツッコミを入れたいところですが、きっとこの日本は今よりも遥かに未来の話で、人種や文化などが混じっているのでしょう。いや、実際外国の貴族が日本に居なかったわけじゃないですけど。
ビル。アラクネアを呼びつけたのはカワリーノさん。アラクネアが依然失敗続きではあるものの、前々回それなりに健闘したことを褒めます。足りないものがあると言います。不気味にアラクネアの周囲を瞬間移動するカワリーノ。「恐怖」と言います。相手を恐怖させることで実力を発揮させない。プリキュアに恐怖を植えつけろと指示します。彼がアラクネアに恐怖を植えつけていると思いますが、気づいていないと思います。
ということで、旧校舎。特に理由は無いと思いますが、好奇心でしょうか。夜の旧校舎。ただでさえ夜の学校は怖いものですが旧校舎はさらに不気味度がアップです。旧校舎を前に立ち竦む一同。そのままローアングルでアップしてもらえるとうれしいです。うららとか見えそうです。
肝試しというのは、下心がある男の子が女の子を交えてワクワクドキドキイベントを期待して行うような気がするのですが、プリキュアでは女の子同士でワクワクドキドキです。ここは一気に新密度を上げたいところです。
一目見て分かるそれぞれのリアクション。ここでもうららはのぞみの隣をキープ。かれんは前回で親しくなったのかミルクを抱いています。この組合せ面白いなぁ。りんはしゃべることすらできません。もちろんこまちはノリノリです。違う意味でワクワクしっぱなしです。ポジション緑は基本的に地味キャラですが、変なところでキャラを立てる傾向があります(でないと目立たない)。そのため普段は存在感が薄いので目立つときは何をやっても許されるという特権があります(緑だし、と納得できてしまう)。
懐中電灯を用意しているこまち。さっそく…何だ、肝試し? 伯爵と会おうツアー?
②旧校舎探索
廊下を歩く一同。怖さはさらに上昇します。今度はのぞみの肩にしがみつくりん。のぞみモテモテです。こまちの笑顔が一番怖いと思います。どう見ても楽しんでいます。流石です。こまち人形に耐えられれば、確かにこの程度の不気味さなど恐ろしくありません。こまち人形怖ーよ。
指を鳴らすアラクネア。なにやら仕掛けるようです。音に気づくかれん達。さらに楽しそうな表情になるこまち。この人のリアクションが面白すぎます。
最後尾のりんを突く手。振り返ったりんが見たものは骸骨。悲鳴を上げて全力で逃げていくりん。骸骨は残されたのぞみ達に見られることなく消えます。物陰で不適に笑うアラクネア。その内当初の目的を忘れてリアクションを楽しみたいがために罠を仕掛けそうです。
走るのを止めて身を隠すりん。また突かれます。振り返ると不気味な目。驚くりん。相手も驚きます。正体は増子さん。どうやらローゼット伯爵をスクープするために来たようです。骸骨は増子さんの仕業だったのかと安堵するりんですが、何のことだか分からない増子さん。雷。驚いて抱き合うふたり。ふたりともこういうのは苦手のようなので同盟を結びます。
りんを探すのぞみ達。薄暗い大きい部屋に入ります。何かにぶつかるかれん。思わず謝り見上げます。雷の光に照らされ映し出される像。絶叫をあげるミルクとかれん。今まで割りと冷静だったかれんを見るのぞみ達。恥ずかしさを隠すかれん。像はローゼット伯爵だろうと見当をつけます。手に髪飾りを持っています。のぞみが皆を呼びます。大きな肖像画に描かれていたのはりんそっくりな女性です。
わざわざ理科室を通る増子さん。記者魂が恐怖心を上回っているようです。一人で動くわけにもいかずついて行くりん。骸骨がまたしても動き出します。逃げ出すふたり。シャッターチャンスを逃しました。まだまだ甘い。転んだりんに気づかずそのまま走り去ってしまう増子さん。りん大ピンチ。後ろから走ってくる骸骨から逃げるため手近な部屋に入ります。
平静を取り戻すりんですが、一難さってまた一難。人影がこちらに手を伸ばしてきます。
③物質を超えるもの
意識を取り戻すりん。のぞみ達が呼びかけています。どうやら恐怖のあまり気絶したようです。
幽霊を見たというりん。先ほど見た像とりんの証言からりんが見たものはローゼット伯爵だと断定するこまち。肖像画と合わせて推理します。ノリノリなこまち。推理小説とかも読んでいそうです。りんに似た肖像画の女性。ローゼット伯爵はりんを恋人だと思って現れたに違いない、とロマンスを感じるこまち。うっとりしています。もはや話は怪談というよりロマンス。視聴者的にはロマンスというよりギャグになってきましたが、今回はもともとリアクションを楽しむような回なので展開としてはなんでもありです。こまちの話に乗るうらら。納得するのぞみ。りんの立場が段々変な方向へと向かっていきます。
ローゼット伯爵の髪飾りをりんが受け取って伯爵の気持ちを成就させようというこまち達。蚊帳の外にいたかれんも流れに逆らうわけにはいかないのでこまち側に付きます。哀れなりん。
広い廊下。いかにもな雰囲気。
皆に応援され、一人進み出るりん。しばし待ちます。特に何も変化はありません。と思ったら雷。そして人影。のぞみ達も目撃します。手を伸ばす影。
気づくと晴れ空の草原に座り込んでいるりん。別空間のようです。先ほどまで影であった伯爵も細面の優しそうな表情でりんに呼びかけます。のぞみ達も同じ空間に居ます。りんに髪飾りを渡そうとする伯爵。しかしりんは断ろうとします。それを受け取るべき対象ではありません。
空間がさらに変質します。現れるアラクネア。なんで自分の知らない空間があるのかとか、目の前に居る見知らぬ男性は何なのかとかそんなことには構わず、骸骨に仮面を付けてコワイナー化させます。のぞみ達もことナイトメアに関しては無類の順応力を発揮してすぐさま一斉変身です。
巨大骸骨コワイナーの攻撃で伯爵の屋敷が壊されてしまいます。怒りを燃やすルージュ。アラクネアはこれは偽りの世界だといいます。「違う!」とドリーム達。色々と行間を読んだのか、すぐさま状況を理解します。伯爵が恋人を想う気持ちでできた世界。その世界を壊すことは伯爵の気持ちを壊すことを意味します。精神の破壊はすなわち人格、人間の本質を破壊することです。これはプリキュア的には許されない行為です。先ほどまで幽霊にガタガタと震えていただろとなじるアラクネアにルージュは気持ちが通じれば怖いものなんかない!と断言します。プリキュアの意思疎通概念は生者・死者関係ないようです。まて、それは拡大解釈するとココとのぞみ、ナッツとこまちの関係もありということか? それは由々しき事態。
ミントとアクアの攻撃でコワイナーの体勢を崩します。反撃に転じるアラクネアの糸攻撃を同時に動いていたドリームとレモネードが止めます。コワイナーが突進してきます。ルージュの新アイテムアピールタイム。構えがカッコイイ。これはなんて言うんだろうなぁ。ロッド? 教鞭? ビームサーベル発生器? むしろ鈍器? とにかく、基本的にはミントと同様既存の技の強化版です。アイテムに炎が灯ります。そうか!これはバーベキューの時に重宝するチャッカマン(商品名)か! ちなみにチャッカマンは張り手する際に右手に持ち替えています。
「ルージュ・バーニング」
さほど見た目の変化はないように思えますが、火力は上がっているようです。
りんにお礼を述べる伯爵。再び髪飾りを差し出します。断るりん。しかし伯爵は髪飾りを手に握らせます。伯爵はりんが自分のために頑張ってくれたことのお礼として渡します。受け取るりん。伯爵は安らかな表情を浮かべて、消えます。空間も元に戻ります。
後者を出て戻る途中、増子さんと会います。増子さんは骸骨のお化けが出たと勢い込んでいます。しかし写真は撮り逃しています。それなら取りに行こうと提案するこまち。私はあなたが怖い。増子さんは遠慮します。
りんはお化けも幽霊も怖くないといいます。人を想う気持ちが通じ合えば怖いものはないと、何かに気づいたようです。その髪には伯爵からの贈り物が飾られています。
④次回予告
こまちさらにパワーアップ、なわけはないか。恒例の浴衣!
○トピック
怪談話。シリーズとしては無印の頃からあって、肝試し、ベローネのルリ子さん、合宿(で健太が一人ビビる)。
リアクションが楽しい。もはや何しに旧校舎へ行ったのかも分からない脈絡の無さですが、友達同士でちょっとひと夏の遊びというノリでしょうか。こまちがノリノリなのが終始面白いです。さり気に身を寄せ合うのぞみとうららとか。いいぞ、もっとくっ付け。
最大のツッコミどころは本当に幽霊が出てきたことと、それを気持ちが通じるからと了承するのぞみ達、という久しぶりに強引な展開。この作品は無印の前半を除けば徹底的にギャグに徹するということをほぼしていません(主人公が出来事を通じて経験する)。ドタバタコメディに徹するなら幽霊が出てきてもそういうノリだから、と問題はないのですが、そこに人の気持ち云々が出てくるあたりにこの作品の無駄に真面目というか、変に割り切らないスタンスが見えます。
プリキュアにおける戦う理由、戦うための力、友達と友情を深める要素、困難を克服するためのキッカケそれらは、ほぼ「人の想い」に集約されています。最重要キーワードでこれが無いと作品が成り立ちません。友情も情熱も確信も物質を超えたところにあります。人と人との間にある何か、自分の中にある何か、それは物理的なものではなく目に見えないものです。測定することはできません。通常これらはその人達の言動という形で発現されます。といっても、何も唯心論を展開するわけではないので物質や肉体に意味はないという気はないですが、精神は重要です。ただの物質的な繋がりは機械の部品と一緒でいくらでも交換可能になります。
精神を破壊、もしくは無視すれば人間は全て自動機械として扱うことになります。そこに自由意思は存在しませんし、個性(個別性)もありません。精神の破壊は人間の本質を破壊するものです。逆に仮に人間が自動機械で私達が精神だとか自由意思だとか思っているものは幻想にすぎなくても、それでもそう思えるなら私はそれでいいと思います。その幻想で仲間や人間同士の理解や可能性があるなら、同じことです。それを信じ、成すことに意味があるからです。
無駄に話が長く逸れてきましたが、幽霊である伯爵が相手であっても本質は精神にあります。物質を超えた、物理的に証明できない精神を信じられるかが先にあげたプリキュアの戦う理由や友情や人間の存在意義に繋がります。伯爵が恋人を無視してりんに髪飾りを贈って成仏(?)してしまうのはそれはそれでどうか?と思いますが、伯爵がりんに恋人の影を見るのではなく、りんとして認めたうえで彼女に気持ちを返すのは正しい行為です。人間的繋がり、絆、精神とは個別性つまり「あなただから」があるからです。
恐怖の中に人の想いを見つけ出し力にするプリキュアと、一見評価してアドバイスしているようで恐怖を植えつけるカワリーノと対比があるのかな。深読みしすぎかもしれませんが。
①怪談
今は使われていない古い校舎。そこに「出る」という。恐々と尋ねるのぞみ達。これまでの地道な活動が功を奏したのかうららはちゃっかりのぞみと密着。もう、これだけで30分過ぎていいよ。呆れた顔のかれん。あまり怖くないようです。りんは顔を引きつらせています。ライトを下から当てて「幽霊が」と答えるこまち。この人ノリノリ。怖がる一同。かれんとナッツは普通です。ココはこの手の話がダメのようです。ミルクも怖がりのようです。
昔々屋敷があり、主人であるローゼット伯爵には恋人が居たが不慮の事故で亡くなったらしい。そして伯爵も病に倒れた。その後恋人を探す伯爵の霊が出る。話が佳境に入ると皆緊張もピークです。手を伸ばしてトドメ。こまちノリノリです。恐怖のあまり倒れるりん。
とりあえず、日本で伯爵とか、その辺にツッコミを入れたいところですが、きっとこの日本は今よりも遥かに未来の話で、人種や文化などが混じっているのでしょう。いや、実際外国の貴族が日本に居なかったわけじゃないですけど。
ビル。アラクネアを呼びつけたのはカワリーノさん。アラクネアが依然失敗続きではあるものの、前々回それなりに健闘したことを褒めます。足りないものがあると言います。不気味にアラクネアの周囲を瞬間移動するカワリーノ。「恐怖」と言います。相手を恐怖させることで実力を発揮させない。プリキュアに恐怖を植えつけろと指示します。彼がアラクネアに恐怖を植えつけていると思いますが、気づいていないと思います。
ということで、旧校舎。特に理由は無いと思いますが、好奇心でしょうか。夜の旧校舎。ただでさえ夜の学校は怖いものですが旧校舎はさらに不気味度がアップです。旧校舎を前に立ち竦む一同。そのままローアングルでアップしてもらえるとうれしいです。うららとか見えそうです。
肝試しというのは、下心がある男の子が女の子を交えてワクワクドキドキイベントを期待して行うような気がするのですが、プリキュアでは女の子同士でワクワクドキドキです。ここは一気に新密度を上げたいところです。
一目見て分かるそれぞれのリアクション。ここでもうららはのぞみの隣をキープ。かれんは前回で親しくなったのかミルクを抱いています。この組合せ面白いなぁ。りんはしゃべることすらできません。もちろんこまちはノリノリです。違う意味でワクワクしっぱなしです。ポジション緑は基本的に地味キャラですが、変なところでキャラを立てる傾向があります(でないと目立たない)。そのため普段は存在感が薄いので目立つときは何をやっても許されるという特権があります(緑だし、と納得できてしまう)。
懐中電灯を用意しているこまち。さっそく…何だ、肝試し? 伯爵と会おうツアー?
②旧校舎探索
廊下を歩く一同。怖さはさらに上昇します。今度はのぞみの肩にしがみつくりん。のぞみモテモテです。こまちの笑顔が一番怖いと思います。どう見ても楽しんでいます。流石です。こまち人形に耐えられれば、確かにこの程度の不気味さなど恐ろしくありません。こまち人形怖ーよ。
指を鳴らすアラクネア。なにやら仕掛けるようです。音に気づくかれん達。さらに楽しそうな表情になるこまち。この人のリアクションが面白すぎます。
最後尾のりんを突く手。振り返ったりんが見たものは骸骨。悲鳴を上げて全力で逃げていくりん。骸骨は残されたのぞみ達に見られることなく消えます。物陰で不適に笑うアラクネア。その内当初の目的を忘れてリアクションを楽しみたいがために罠を仕掛けそうです。
走るのを止めて身を隠すりん。また突かれます。振り返ると不気味な目。驚くりん。相手も驚きます。正体は増子さん。どうやらローゼット伯爵をスクープするために来たようです。骸骨は増子さんの仕業だったのかと安堵するりんですが、何のことだか分からない増子さん。雷。驚いて抱き合うふたり。ふたりともこういうのは苦手のようなので同盟を結びます。
りんを探すのぞみ達。薄暗い大きい部屋に入ります。何かにぶつかるかれん。思わず謝り見上げます。雷の光に照らされ映し出される像。絶叫をあげるミルクとかれん。今まで割りと冷静だったかれんを見るのぞみ達。恥ずかしさを隠すかれん。像はローゼット伯爵だろうと見当をつけます。手に髪飾りを持っています。のぞみが皆を呼びます。大きな肖像画に描かれていたのはりんそっくりな女性です。
わざわざ理科室を通る増子さん。記者魂が恐怖心を上回っているようです。一人で動くわけにもいかずついて行くりん。骸骨がまたしても動き出します。逃げ出すふたり。シャッターチャンスを逃しました。まだまだ甘い。転んだりんに気づかずそのまま走り去ってしまう増子さん。りん大ピンチ。後ろから走ってくる骸骨から逃げるため手近な部屋に入ります。
平静を取り戻すりんですが、一難さってまた一難。人影がこちらに手を伸ばしてきます。
③物質を超えるもの
意識を取り戻すりん。のぞみ達が呼びかけています。どうやら恐怖のあまり気絶したようです。
幽霊を見たというりん。先ほど見た像とりんの証言からりんが見たものはローゼット伯爵だと断定するこまち。肖像画と合わせて推理します。ノリノリなこまち。推理小説とかも読んでいそうです。りんに似た肖像画の女性。ローゼット伯爵はりんを恋人だと思って現れたに違いない、とロマンスを感じるこまち。うっとりしています。もはや話は怪談というよりロマンス。視聴者的にはロマンスというよりギャグになってきましたが、今回はもともとリアクションを楽しむような回なので展開としてはなんでもありです。こまちの話に乗るうらら。納得するのぞみ。りんの立場が段々変な方向へと向かっていきます。
ローゼット伯爵の髪飾りをりんが受け取って伯爵の気持ちを成就させようというこまち達。蚊帳の外にいたかれんも流れに逆らうわけにはいかないのでこまち側に付きます。哀れなりん。
広い廊下。いかにもな雰囲気。
皆に応援され、一人進み出るりん。しばし待ちます。特に何も変化はありません。と思ったら雷。そして人影。のぞみ達も目撃します。手を伸ばす影。
気づくと晴れ空の草原に座り込んでいるりん。別空間のようです。先ほどまで影であった伯爵も細面の優しそうな表情でりんに呼びかけます。のぞみ達も同じ空間に居ます。りんに髪飾りを渡そうとする伯爵。しかしりんは断ろうとします。それを受け取るべき対象ではありません。
空間がさらに変質します。現れるアラクネア。なんで自分の知らない空間があるのかとか、目の前に居る見知らぬ男性は何なのかとかそんなことには構わず、骸骨に仮面を付けてコワイナー化させます。のぞみ達もことナイトメアに関しては無類の順応力を発揮してすぐさま一斉変身です。
巨大骸骨コワイナーの攻撃で伯爵の屋敷が壊されてしまいます。怒りを燃やすルージュ。アラクネアはこれは偽りの世界だといいます。「違う!」とドリーム達。色々と行間を読んだのか、すぐさま状況を理解します。伯爵が恋人を想う気持ちでできた世界。その世界を壊すことは伯爵の気持ちを壊すことを意味します。精神の破壊はすなわち人格、人間の本質を破壊することです。これはプリキュア的には許されない行為です。先ほどまで幽霊にガタガタと震えていただろとなじるアラクネアにルージュは気持ちが通じれば怖いものなんかない!と断言します。プリキュアの意思疎通概念は生者・死者関係ないようです。まて、それは拡大解釈するとココとのぞみ、ナッツとこまちの関係もありということか? それは由々しき事態。
ミントとアクアの攻撃でコワイナーの体勢を崩します。反撃に転じるアラクネアの糸攻撃を同時に動いていたドリームとレモネードが止めます。コワイナーが突進してきます。ルージュの新アイテムアピールタイム。構えがカッコイイ。これはなんて言うんだろうなぁ。ロッド? 教鞭? ビームサーベル発生器? むしろ鈍器? とにかく、基本的にはミントと同様既存の技の強化版です。アイテムに炎が灯ります。そうか!これはバーベキューの時に重宝するチャッカマン(商品名)か! ちなみにチャッカマンは張り手する際に右手に持ち替えています。
「ルージュ・バーニング」
さほど見た目の変化はないように思えますが、火力は上がっているようです。
りんにお礼を述べる伯爵。再び髪飾りを差し出します。断るりん。しかし伯爵は髪飾りを手に握らせます。伯爵はりんが自分のために頑張ってくれたことのお礼として渡します。受け取るりん。伯爵は安らかな表情を浮かべて、消えます。空間も元に戻ります。
後者を出て戻る途中、増子さんと会います。増子さんは骸骨のお化けが出たと勢い込んでいます。しかし写真は撮り逃しています。それなら取りに行こうと提案するこまち。私はあなたが怖い。増子さんは遠慮します。
りんはお化けも幽霊も怖くないといいます。人を想う気持ちが通じ合えば怖いものはないと、何かに気づいたようです。その髪には伯爵からの贈り物が飾られています。
④次回予告
こまちさらにパワーアップ、なわけはないか。恒例の浴衣!
○トピック
怪談話。シリーズとしては無印の頃からあって、肝試し、ベローネのルリ子さん、合宿(で健太が一人ビビる)。
リアクションが楽しい。もはや何しに旧校舎へ行ったのかも分からない脈絡の無さですが、友達同士でちょっとひと夏の遊びというノリでしょうか。こまちがノリノリなのが終始面白いです。さり気に身を寄せ合うのぞみとうららとか。いいぞ、もっとくっ付け。
最大のツッコミどころは本当に幽霊が出てきたことと、それを気持ちが通じるからと了承するのぞみ達、という久しぶりに強引な展開。この作品は無印の前半を除けば徹底的にギャグに徹するということをほぼしていません(主人公が出来事を通じて経験する)。ドタバタコメディに徹するなら幽霊が出てきてもそういうノリだから、と問題はないのですが、そこに人の気持ち云々が出てくるあたりにこの作品の無駄に真面目というか、変に割り切らないスタンスが見えます。
プリキュアにおける戦う理由、戦うための力、友達と友情を深める要素、困難を克服するためのキッカケそれらは、ほぼ「人の想い」に集約されています。最重要キーワードでこれが無いと作品が成り立ちません。友情も情熱も確信も物質を超えたところにあります。人と人との間にある何か、自分の中にある何か、それは物理的なものではなく目に見えないものです。測定することはできません。通常これらはその人達の言動という形で発現されます。といっても、何も唯心論を展開するわけではないので物質や肉体に意味はないという気はないですが、精神は重要です。ただの物質的な繋がりは機械の部品と一緒でいくらでも交換可能になります。
精神を破壊、もしくは無視すれば人間は全て自動機械として扱うことになります。そこに自由意思は存在しませんし、個性(個別性)もありません。精神の破壊は人間の本質を破壊するものです。逆に仮に人間が自動機械で私達が精神だとか自由意思だとか思っているものは幻想にすぎなくても、それでもそう思えるなら私はそれでいいと思います。その幻想で仲間や人間同士の理解や可能性があるなら、同じことです。それを信じ、成すことに意味があるからです。
無駄に話が長く逸れてきましたが、幽霊である伯爵が相手であっても本質は精神にあります。物質を超えた、物理的に証明できない精神を信じられるかが先にあげたプリキュアの戦う理由や友情や人間の存在意義に繋がります。伯爵が恋人を無視してりんに髪飾りを贈って成仏(?)してしまうのはそれはそれでどうか?と思いますが、伯爵がりんに恋人の影を見るのではなく、りんとして認めたうえで彼女に気持ちを返すのは正しい行為です。人間的繋がり、絆、精神とは個別性つまり「あなただから」があるからです。
恐怖の中に人の想いを見つけ出し力にするプリキュアと、一見評価してアドバイスしているようで恐怖を植えつけるカワリーノと対比があるのかな。深読みしすぎかもしれませんが。
第26話「ロマンス全開リゾートライフ!」
○今週の出来事
①プリキュア合宿
クルーザーでかれんの別荘へと向かう一同。間違いなくこれも個人所有。そしてそれを操船できる坂本さん。実はこの人がいることが一番凄いことなんじゃないかと思います。景色と風に感心するりん達をよそにガンガン食べまくるのぞみとうらら。花より団子。腹が減っては戦は出来ぬ。エネルギー充填です。
坂本さんはかれんに今年は賑やかになると声をかけます。それを快く思うかれん。ミルクが抗議の声をあげます。坂本さんがいるので表立って動けないので窮屈な思いをしています。
何はともあれ、別荘が見えてきます。
本当にまるまる島一つの別荘。
その浜辺に漂流しているガマオ。「ここどこだー?」 いや、待て、なんでお前がここにいる。というか、なんで漂流しているんだ。どういう経緯があったのか説明…しなくてもいいや。ガマオだし。
別荘というより、豪華リゾートホテルの様相。ただでさえ大きい部屋が20室ほどあります。一人一部屋割り振れます。スケールの違いに驚くのぞみ達。次元が違います。ベッドに横たわるのぞみ。反動でココ達が飛び出ます。寝ていたのか目を覚ますココナッツ。先ほど騒いでいたミルクはすやすやと寝息を立てています。豪華な部屋に王宮を思い出すココナッツ。王子なので豪華な雰囲気に馴染みがあるようです。そんなことはどうでもいいので、ベッドに枕が3つもあることだし、個別とは言わずのぞみ達は一緒に寝れば良いと思います。
②バカンス
円陣。めいいっぱい遊びます。坂本さんが釣竿と網を持ってきます。捕った食材を料理するそうです。海も水無月家所有です。まてまて海って個人所有できるんだっけ? 一帯の海を含めた土地を所有しているということか? 海産資源も個人所有? もう、ナイトメア買収していいんじゃないかと思います。
遊び、自分で捕った食材でさらに楽しむ。遊びと実益を兼ねた提案をする坂本さん。まさに優れた執事です。
のぞみ、りん、うららは喜んで海へと向かいます。こまちは創作意欲が刺激されたのか、散策しに行きます。かれんは「いつものアレ」と坂本さんに言います。承知する坂本さん。
乗ってきたクルーザーで釣りを楽しむのぞみ。マグロはそんな海岸沿いにいないと思うよ。勢い良く釣竿を放ちます。お約束どおり飛ばされるココ。
こまちは散策の途中で見つけた特徴的な形をした木を見つけてメモします。さらに奥へと進みます。
空気のボートでくつろぐココ。りんが捕ったタコを見せます。お約束どおりスミまみれになるココ。後半の展開を考えればこの程度の不運は些末なことです。私なら嬉々として受けましょう。受けておいてイベントが起きないという結果になると思いますが。
森を抜けると切り立った崖になっています。そこでナッツはピンキーを解放します。木にひっかかったピンキーを助けるナッツ。ピンキーと戯れるナッツの笑顔を始めて見るこまち。
ナッツはココ達とは一緒に遊ばないようです。ピンキーのお世話をします。ピンキーの面倒を見る人が必要です。ナッツは目立たないところで細々としたことを寡黙にこなす人です。ココもそうですが、単純にイケメンというだけでなく、性格的にも好感が持たれる人です。つまりガマオのような奴はダメダメってことですね。
成果をお披露目するのぞみ達。アワビ、ウニ、魚、ワカメ。のぞみ釣ってねぇ。ココがツッコミます。
ボートの音が聞こえてきます。水上スキーをするかれん。カッコイイ。かれんの言った「いつものアレ」とはこれだったようです。いつものというだけあって手馴れています。
③ロマンスその1
昼寝をするピンキーにハンカチをかけるこまち。一瞬ですが屈んだときに腰の肌が見えます。カメラさんナイス!! 水着は無いけど違うところで地味に魅せるプリキュア。この番組の方針がよく分かりません。
穏やかな気候にくつろぐこまちとナッツ。読書が共通の趣味なので、パルミエではどこで読んでいたかとこまちは尋ねます。余談ですが屋外で本を読む時は日光などが反射して目に悪い場合があるので、場所や角度を調整する必要があります。
パルミエ王国のことを話すナッツ。しかしもうありません。「守りたかった」と静かに呟くナッツ。強い風が吹き抜けます。一瞬の間の後、こまちは「きっとまた行けるわ」と言います。悪いことを聞いてしまったと謝らないところが素敵です。それは過去のことではないからです。これから未来においてもその場所にいくことが出来る、それを自分達は実現するという意思を持っています。とても前向きで行動を伴った言葉です。ハッと振り返るナッツ。ナッツに見つめられて照れるこまち。安らぎを感じると笑顔で言われ、頬染めながらその場を離れます。
水上スキーから戻ったかれんはジュースを作りプールサイドのイスに腰掛けます。鈍っていると言うかれん。生徒会では事務仕事ばっかりなので身体は動かさなさそうです。プリキュアではガンガン動いているような気がしますが。
ミルクがココナッツを呼びながら駆けて来ます。自分だけ取り残されてダダをこねるミルク。ココが気持ち良さそうに寝ていたから起こさなかったと説明します。ここはバカンスの地。仕事は忘れてゆっくりしようとジュースを持ってきてミルクに渡します。かれんとミルク。不思議な組み合わせです。
夕方はバーベキュー。一流のシェフと自称する坂本さん。この人の万能無敵ぶりはプリキュアにおいてもかなり高位です。高齢になるほど人格者でかつ能力も高いプリキュアの大人達。
昼間の散策で何か良いアイデアが浮かんだ?とこまちに尋ねるかれん。ぼーっとしていたこまちは火傷してしまいます。
腹をすかせてさ迷うガマオ。匂いをかぎつけます。お前は本当に何をしているんだ。
④ロマンスその2
日は落ち静寂な夜が訪れます。クルーザーのところで探し物をするのぞみ。ココも付き合っています。ようやく発見。りんから借りたタオルのようです。戻ろうとするココ。のぞみが感嘆の声をあげます。
クルーザーに寝転がり星を眺めるのぞみ。ココもその光景に見とれます。のぞみの隣に腰掛けるココ。王国でも綺麗な星が見られた、とのぞみの問いに答えるココ。しかしパルミエはもうありません。一瞬の間の後、のぞみは「大丈夫」と答えます。のぞみもまたこまちと同じです。過去を振り返り悔いるよりも、未来を作ることを志向する。それは子どもだけに許された特権、ではないはずだ。
故郷に帰ったら何をしたい?と尋ねるのぞみ。ココはのぞみに王国を見せたいと答えます。舞踏会に憧れるのぞみにココは手を差し出します。ドギマギして応じるのぞみ。のぞみをエスコートして月明かりの下、ダンスをします。え、これなんて番組? あれ?チャンネル変えてないはずなんだけど。
体勢を崩したのぞみを物凄い反応速度と力で抱きとめるココ。見ているこっちが恥ずかしいくらいベタな状況。慌てるのぞみにココは大笑いします。つられて笑うのぞみ。ハッとして見詰め合うのぞみとココ。ココは顔を近づけていきます。まて、お前何しようとしてんねん。鷲Pちょっと説明してくれ。番組が変わってますよ。そこにミルク登場。なんというタイミングの良さ。ベタさ。ミルク救世主。俺的に今回のMVP。例え、この流れが止められないとしても、むしろそのおかげで可愛いのぞみを見られたとしても、まだその時じゃない。
ナッツとこまちは帰りが遅いのぞみ達を探しにいきます。ココを心配するナッツに微笑むこまち。ナッツは無言でこまちに手を伸ばします。やけどを心配しているようです。こっちもこっちで良いムードです。
悲鳴。
⑤ミントの力
のぞみ達の前に現れる不法侵入者。住所不定。無職。人格者でイケメンで、教職と自営業を営んでいるココナッツとは対極です。しかも何故か分からんが漂流しているという扱いの悪さ。思わず同情…するわけもないか、ガマオだし。
他人を羨んでいる暇があったら、それをバネに自分の生活を向上させろよ、と言いたくなります。ガマオは仮面を海に投げ捨てます。このまま流されていったらある意味面白いのですが、海水を取り込んでコワイナーが現れます。一斉変身。
レモネードにココ達の保護を指示するドリーム。守りならミントが適任のような気がしますが、防衛用防御ではなく戦闘用防御として使う気でしょうか。腕?を振り無数の水の礫を飛ばすコワイナー。これは地味に実戦的な攻撃です。一発一発がかなりの威力です。さらに巨大化するコワイナー。
礫が島を襲います。広範囲かつ攻撃力が高すぎて対処しきれないプリキュア。ガマオは島ごと潰してしまえと命令します。島が破壊されていきます。
破壊しかしない相手に憤るミント。大地を揺るがす乙女の怒りは伊達ではありません。新商品アピールタイム。胸から光が輝き手に収まります。うちわっぽい。
「プリキュア・ミント・シールド」
ドリームのようにまるっきり変わるのではなく、能力向上のようです。どんどん拡大するバリア。コワイナーにぶつかり、そして倒してしまいます。
部屋に戻り、ベランダに出るこまち。指には絆創膏が巻かれています。ナッツが話しかけます。相変わらず細かいところに気の利く人です。こまちにお礼を言うナッツ。こまちは頬を染めて何も答えられなくなります。のぞみの声。こまちは曖昧に答えます。
部屋が広すぎて落ち着きません。顔を出すりん、うらら、かれん。この流れ!!これはいつものアレしかない!!!
⑥静かな朝
太陽が昇る。新しい一日の始まり。人に活力を与える光。
部屋をノックする坂本さん。
一つのベッドですやすやと寝息を立てる5人と3匹。この番組の方針がとてもよく分かります。プリキュア的大人の模範解答は勿論起こしません。空気と視聴者の期待を読む坂本さんは、また後ほどと去っていきます。
⑦次回予告
こまちノリノリ。
○トピック
ミント初コワイナー撃破。ただでさえ敵の攻撃をほぼ無効化しカウンター能力まである便利防御がさらに強化してコワイナーを倒せるまでに至る。時々ミントは馬鹿力を発揮するので、能力・必殺技共にプリキュア5の中でも最強挌なのではないかと思う。
水着は無いけど、腰は出す! どんなこだわりだ。
夏休み。バカンス。とくればロマンスがお約束。これまでもなぎさと藤P、咲と和也のカップルが成立しているのでのぞみとココ、こまちとナッツのロマンスがあっても不思議ではない。相手は不思議生物だけど。この話がどういう形で落ち着くのかはちょっと気になるところですね。不思議生物であることを除いても別世界の住人であるので単純に恋が成就すればいいものではないし、また明確に恋心を持っているわけでもないので。異性にドキドキするのが必ずしも恋心や、恋愛感情になるわけでもないのですけどね。感情として異性にドギマギして意識するのは普通のことなので。それをどういう具合に(おそらくは)個々の成長へと繋げるかは見所になります。(その点でなぎさと藤Pの関係は非常に上手い)
そんなロマンスはこの作品においては実は一要素でしかなく、話のメインは女の子の友情。今回も一緒に就寝。流石プリキュア。この伝統だけは崩さない。5人だけでなくココナッツミルクも含めて、というところは5の特徴ですね。
書く機会があまり無いので余談として。
個人的にプリキュアは非常に「読みやすい」アニメだと思います。「読みやすい」とは感情やその変化・キッカケがわかりやすいということです。これは主に表情の僅かな変化などが描かれている点にあります。映像作品は小説などと違って情景や感情を逐一説明することはできません。全て映像情報として視聴者に見せることしかできません。このおかげで一瞬のシーンにも意味を持たせると非常に効率よく視聴者に理解を与えることが出来きます。
今回であれば、こまちナッツ、のぞみココのシーンでパルミエの話をする際の「間」や表情の変化がとてもわかりやすい。個人的に記憶に新しいのはうららが歌手デビューで悩み橋の上に居たときにのぞみが来て表情を一瞬明るくしてまた落とすところとか。その人が何を考え、何を喜び、何に強く印象を持つのかが分かります。その一つ一つの変化が登場人物に対する理解と共感を持ち、その登場人物達が作る物語と、そこで成長していく登場人物達への感動に繋がります。
プリキュアも展開としてやっていることはそれほど既存のアニメと大差はありません。いわゆるお約束としての展開や、エピソードやバトルがあります。ただ、それを本当にそのまま繋げてしまうとお約束でしかなくなります。ありがちな話、ありがちな流れ、ありがちな終焉。明確にそれらに何か基準を作って見ている訳ではないのですが、「入り込める(物語から何かを取り出せる)作品」と「入り込めない(取り出せない)作品」に分かれるのは、要因の一つにその「読みやすさ」言い換えれば、登場人物達の気持ちの変遷を感じられるかどうか、というのがあります。その変遷自体、その変遷が最終的に形作る物語に面白さと感動があると思っています。私は全体を把握して見るよりも、小さいところから築き上げて物語の成り立ち方を理解する傾向があるので、そういう作り方をしている(と感じる)プリキュアと相性が良いです。
(作画というより、演出の問題なのかもしれませんが、上手い演出、上手い作画とはそういう細かい変化などの一連のシーン(動き)を描けていることだと思う)
その意味で、個人的にプリキュアは結構忙しいアニメで、ちゃんと見ていないと見逃すシーンが多いので集中力を必要とします。この感想は録画したものをチマチマと再生・巻き戻しを繰り返して書いている(大体3時間くらいかかる)のですが、一つ一つのシーンをキチンと理解するのに役立つのであらすじを交えた感想の書き方をしています。
更に余談になりますが、「読みやすさ」は簡単・幼稚ということではなく、さらに読み込めるかどうか、というところに物語や物事の懐の深さがあると思います。難儀して読んだけど表面が硬いだけで中身は薄かったでは面白くありません。掘りやすくて、さらに深く読み込める作品が良いですね。多少掘るのに難儀しても構いませんが。
①プリキュア合宿
クルーザーでかれんの別荘へと向かう一同。間違いなくこれも個人所有。そしてそれを操船できる坂本さん。実はこの人がいることが一番凄いことなんじゃないかと思います。景色と風に感心するりん達をよそにガンガン食べまくるのぞみとうらら。花より団子。腹が減っては戦は出来ぬ。エネルギー充填です。
坂本さんはかれんに今年は賑やかになると声をかけます。それを快く思うかれん。ミルクが抗議の声をあげます。坂本さんがいるので表立って動けないので窮屈な思いをしています。
何はともあれ、別荘が見えてきます。
本当にまるまる島一つの別荘。
その浜辺に漂流しているガマオ。「ここどこだー?」 いや、待て、なんでお前がここにいる。というか、なんで漂流しているんだ。どういう経緯があったのか説明…しなくてもいいや。ガマオだし。
別荘というより、豪華リゾートホテルの様相。ただでさえ大きい部屋が20室ほどあります。一人一部屋割り振れます。スケールの違いに驚くのぞみ達。次元が違います。ベッドに横たわるのぞみ。反動でココ達が飛び出ます。寝ていたのか目を覚ますココナッツ。先ほど騒いでいたミルクはすやすやと寝息を立てています。豪華な部屋に王宮を思い出すココナッツ。王子なので豪華な雰囲気に馴染みがあるようです。そんなことはどうでもいいので、ベッドに枕が3つもあることだし、個別とは言わずのぞみ達は一緒に寝れば良いと思います。
②バカンス
円陣。めいいっぱい遊びます。坂本さんが釣竿と網を持ってきます。捕った食材を料理するそうです。海も水無月家所有です。まてまて海って個人所有できるんだっけ? 一帯の海を含めた土地を所有しているということか? 海産資源も個人所有? もう、ナイトメア買収していいんじゃないかと思います。
遊び、自分で捕った食材でさらに楽しむ。遊びと実益を兼ねた提案をする坂本さん。まさに優れた執事です。
のぞみ、りん、うららは喜んで海へと向かいます。こまちは創作意欲が刺激されたのか、散策しに行きます。かれんは「いつものアレ」と坂本さんに言います。承知する坂本さん。
乗ってきたクルーザーで釣りを楽しむのぞみ。マグロはそんな海岸沿いにいないと思うよ。勢い良く釣竿を放ちます。お約束どおり飛ばされるココ。
こまちは散策の途中で見つけた特徴的な形をした木を見つけてメモします。さらに奥へと進みます。
空気のボートでくつろぐココ。りんが捕ったタコを見せます。お約束どおりスミまみれになるココ。後半の展開を考えればこの程度の不運は些末なことです。私なら嬉々として受けましょう。受けておいてイベントが起きないという結果になると思いますが。
森を抜けると切り立った崖になっています。そこでナッツはピンキーを解放します。木にひっかかったピンキーを助けるナッツ。ピンキーと戯れるナッツの笑顔を始めて見るこまち。
ナッツはココ達とは一緒に遊ばないようです。ピンキーのお世話をします。ピンキーの面倒を見る人が必要です。ナッツは目立たないところで細々としたことを寡黙にこなす人です。ココもそうですが、単純にイケメンというだけでなく、性格的にも好感が持たれる人です。つまりガマオのような奴はダメダメってことですね。
成果をお披露目するのぞみ達。アワビ、ウニ、魚、ワカメ。のぞみ釣ってねぇ。ココがツッコミます。
ボートの音が聞こえてきます。水上スキーをするかれん。カッコイイ。かれんの言った「いつものアレ」とはこれだったようです。いつものというだけあって手馴れています。
③ロマンスその1
昼寝をするピンキーにハンカチをかけるこまち。一瞬ですが屈んだときに腰の肌が見えます。カメラさんナイス!! 水着は無いけど違うところで地味に魅せるプリキュア。この番組の方針がよく分かりません。
穏やかな気候にくつろぐこまちとナッツ。読書が共通の趣味なので、パルミエではどこで読んでいたかとこまちは尋ねます。余談ですが屋外で本を読む時は日光などが反射して目に悪い場合があるので、場所や角度を調整する必要があります。
パルミエ王国のことを話すナッツ。しかしもうありません。「守りたかった」と静かに呟くナッツ。強い風が吹き抜けます。一瞬の間の後、こまちは「きっとまた行けるわ」と言います。悪いことを聞いてしまったと謝らないところが素敵です。それは過去のことではないからです。これから未来においてもその場所にいくことが出来る、それを自分達は実現するという意思を持っています。とても前向きで行動を伴った言葉です。ハッと振り返るナッツ。ナッツに見つめられて照れるこまち。安らぎを感じると笑顔で言われ、頬染めながらその場を離れます。
水上スキーから戻ったかれんはジュースを作りプールサイドのイスに腰掛けます。鈍っていると言うかれん。生徒会では事務仕事ばっかりなので身体は動かさなさそうです。プリキュアではガンガン動いているような気がしますが。
ミルクがココナッツを呼びながら駆けて来ます。自分だけ取り残されてダダをこねるミルク。ココが気持ち良さそうに寝ていたから起こさなかったと説明します。ここはバカンスの地。仕事は忘れてゆっくりしようとジュースを持ってきてミルクに渡します。かれんとミルク。不思議な組み合わせです。
夕方はバーベキュー。一流のシェフと自称する坂本さん。この人の万能無敵ぶりはプリキュアにおいてもかなり高位です。高齢になるほど人格者でかつ能力も高いプリキュアの大人達。
昼間の散策で何か良いアイデアが浮かんだ?とこまちに尋ねるかれん。ぼーっとしていたこまちは火傷してしまいます。
腹をすかせてさ迷うガマオ。匂いをかぎつけます。お前は本当に何をしているんだ。
④ロマンスその2
日は落ち静寂な夜が訪れます。クルーザーのところで探し物をするのぞみ。ココも付き合っています。ようやく発見。りんから借りたタオルのようです。戻ろうとするココ。のぞみが感嘆の声をあげます。
クルーザーに寝転がり星を眺めるのぞみ。ココもその光景に見とれます。のぞみの隣に腰掛けるココ。王国でも綺麗な星が見られた、とのぞみの問いに答えるココ。しかしパルミエはもうありません。一瞬の間の後、のぞみは「大丈夫」と答えます。のぞみもまたこまちと同じです。過去を振り返り悔いるよりも、未来を作ることを志向する。それは子どもだけに許された特権、ではないはずだ。
故郷に帰ったら何をしたい?と尋ねるのぞみ。ココはのぞみに王国を見せたいと答えます。舞踏会に憧れるのぞみにココは手を差し出します。ドギマギして応じるのぞみ。のぞみをエスコートして月明かりの下、ダンスをします。え、これなんて番組? あれ?チャンネル変えてないはずなんだけど。
体勢を崩したのぞみを物凄い反応速度と力で抱きとめるココ。見ているこっちが恥ずかしいくらいベタな状況。慌てるのぞみにココは大笑いします。つられて笑うのぞみ。ハッとして見詰め合うのぞみとココ。ココは顔を近づけていきます。まて、お前何しようとしてんねん。鷲Pちょっと説明してくれ。番組が変わってますよ。そこにミルク登場。なんというタイミングの良さ。ベタさ。ミルク救世主。俺的に今回のMVP。例え、この流れが止められないとしても、むしろそのおかげで可愛いのぞみを見られたとしても、まだその時じゃない。
ナッツとこまちは帰りが遅いのぞみ達を探しにいきます。ココを心配するナッツに微笑むこまち。ナッツは無言でこまちに手を伸ばします。やけどを心配しているようです。こっちもこっちで良いムードです。
悲鳴。
⑤ミントの力
のぞみ達の前に現れる不法侵入者。住所不定。無職。人格者でイケメンで、教職と自営業を営んでいるココナッツとは対極です。しかも何故か分からんが漂流しているという扱いの悪さ。思わず同情…するわけもないか、ガマオだし。
他人を羨んでいる暇があったら、それをバネに自分の生活を向上させろよ、と言いたくなります。ガマオは仮面を海に投げ捨てます。このまま流されていったらある意味面白いのですが、海水を取り込んでコワイナーが現れます。一斉変身。
レモネードにココ達の保護を指示するドリーム。守りならミントが適任のような気がしますが、防衛用防御ではなく戦闘用防御として使う気でしょうか。腕?を振り無数の水の礫を飛ばすコワイナー。これは地味に実戦的な攻撃です。一発一発がかなりの威力です。さらに巨大化するコワイナー。
礫が島を襲います。広範囲かつ攻撃力が高すぎて対処しきれないプリキュア。ガマオは島ごと潰してしまえと命令します。島が破壊されていきます。
破壊しかしない相手に憤るミント。大地を揺るがす乙女の怒りは伊達ではありません。新商品アピールタイム。胸から光が輝き手に収まります。うちわっぽい。
「プリキュア・ミント・シールド」
ドリームのようにまるっきり変わるのではなく、能力向上のようです。どんどん拡大するバリア。コワイナーにぶつかり、そして倒してしまいます。
部屋に戻り、ベランダに出るこまち。指には絆創膏が巻かれています。ナッツが話しかけます。相変わらず細かいところに気の利く人です。こまちにお礼を言うナッツ。こまちは頬を染めて何も答えられなくなります。のぞみの声。こまちは曖昧に答えます。
部屋が広すぎて落ち着きません。顔を出すりん、うらら、かれん。この流れ!!これはいつものアレしかない!!!
⑥静かな朝
太陽が昇る。新しい一日の始まり。人に活力を与える光。
部屋をノックする坂本さん。
一つのベッドですやすやと寝息を立てる5人と3匹。この番組の方針がとてもよく分かります。プリキュア的大人の模範解答は勿論起こしません。空気と視聴者の期待を読む坂本さんは、また後ほどと去っていきます。
⑦次回予告
こまちノリノリ。
○トピック
ミント初コワイナー撃破。ただでさえ敵の攻撃をほぼ無効化しカウンター能力まである便利防御がさらに強化してコワイナーを倒せるまでに至る。時々ミントは馬鹿力を発揮するので、能力・必殺技共にプリキュア5の中でも最強挌なのではないかと思う。
水着は無いけど、腰は出す! どんなこだわりだ。
夏休み。バカンス。とくればロマンスがお約束。これまでもなぎさと藤P、咲と和也のカップルが成立しているのでのぞみとココ、こまちとナッツのロマンスがあっても不思議ではない。相手は不思議生物だけど。この話がどういう形で落ち着くのかはちょっと気になるところですね。不思議生物であることを除いても別世界の住人であるので単純に恋が成就すればいいものではないし、また明確に恋心を持っているわけでもないので。異性にドキドキするのが必ずしも恋心や、恋愛感情になるわけでもないのですけどね。感情として異性にドギマギして意識するのは普通のことなので。それをどういう具合に(おそらくは)個々の成長へと繋げるかは見所になります。(その点でなぎさと藤Pの関係は非常に上手い)
そんなロマンスはこの作品においては実は一要素でしかなく、話のメインは女の子の友情。今回も一緒に就寝。流石プリキュア。この伝統だけは崩さない。5人だけでなくココナッツミルクも含めて、というところは5の特徴ですね。
書く機会があまり無いので余談として。
個人的にプリキュアは非常に「読みやすい」アニメだと思います。「読みやすい」とは感情やその変化・キッカケがわかりやすいということです。これは主に表情の僅かな変化などが描かれている点にあります。映像作品は小説などと違って情景や感情を逐一説明することはできません。全て映像情報として視聴者に見せることしかできません。このおかげで一瞬のシーンにも意味を持たせると非常に効率よく視聴者に理解を与えることが出来きます。
今回であれば、こまちナッツ、のぞみココのシーンでパルミエの話をする際の「間」や表情の変化がとてもわかりやすい。個人的に記憶に新しいのはうららが歌手デビューで悩み橋の上に居たときにのぞみが来て表情を一瞬明るくしてまた落とすところとか。その人が何を考え、何を喜び、何に強く印象を持つのかが分かります。その一つ一つの変化が登場人物に対する理解と共感を持ち、その登場人物達が作る物語と、そこで成長していく登場人物達への感動に繋がります。
プリキュアも展開としてやっていることはそれほど既存のアニメと大差はありません。いわゆるお約束としての展開や、エピソードやバトルがあります。ただ、それを本当にそのまま繋げてしまうとお約束でしかなくなります。ありがちな話、ありがちな流れ、ありがちな終焉。明確にそれらに何か基準を作って見ている訳ではないのですが、「入り込める(物語から何かを取り出せる)作品」と「入り込めない(取り出せない)作品」に分かれるのは、要因の一つにその「読みやすさ」言い換えれば、登場人物達の気持ちの変遷を感じられるかどうか、というのがあります。その変遷自体、その変遷が最終的に形作る物語に面白さと感動があると思っています。私は全体を把握して見るよりも、小さいところから築き上げて物語の成り立ち方を理解する傾向があるので、そういう作り方をしている(と感じる)プリキュアと相性が良いです。
(作画というより、演出の問題なのかもしれませんが、上手い演出、上手い作画とはそういう細かい変化などの一連のシーン(動き)を描けていることだと思う)
その意味で、個人的にプリキュアは結構忙しいアニメで、ちゃんと見ていないと見逃すシーンが多いので集中力を必要とします。この感想は録画したものをチマチマと再生・巻き戻しを繰り返して書いている(大体3時間くらいかかる)のですが、一つ一つのシーンをキチンと理解するのに役立つのであらすじを交えた感想の書き方をしています。
更に余談になりますが、「読みやすさ」は簡単・幼稚ということではなく、さらに読み込めるかどうか、というところに物語や物事の懐の深さがあると思います。難儀して読んだけど表面が硬いだけで中身は薄かったでは面白くありません。掘りやすくて、さらに深く読み込める作品が良いですね。多少掘るのに難儀しても構いませんが。
第25話「プリキュア合宿大作戦!」
○今週の出来事
①夏休み
太陽が燦々(さんさん)と輝く一日。前回のことを思い返すのぞみ。さり気に堂々と新商品のアピールです。前回の辛い体験を乗り越えたことを強く心に刻みます。ノートを持ってナッツハウスへ。
ミルクが店番しているのはどうかと思いますが、休みなのでしょうか。ココナッツもくつろいでいます。肝心の4人は用事があるようで誰もいません。
読書に勤しむナッツ。ココはシュークリームを頬張っています。お前ら働け。
りんはフットサル。うららはコンサート。何かハチマキして盛大に応援している客がいますが、プリキュアショーとかでもたまに居ると思います。こまちは執筆。かれんは生徒会。各自用事があります。部活にも所属していないのぞみは特にやることがありません。…考えてみると、この娘だけプリキュア以外の人間関係とか所属とか個人的趣味とかないんだな。
のぞみは皆と一緒に何かやりたいようです。第1回プリキュア合宿と題されたノート。そのノートは機密事項なので他の人に見せてはいけません。情報管理が求められます。
ビル。ブンビーの話は聞かず一人考えるカワリーノ。回想します。さり気に新商品のアピールです。コレットの問題だけではなく、プリキュアに対しても問題が出てきました。何故絶望しないのかあの力は何のか。
アラクネアが自ら進み出て提案します。上司のブンビーを無視。面目が立たないので常識的な社会人はあまりそういうことをしない方がいいです。カワリーノは直接アラクネアに指示します。了解するアラクネア。ブンビー立場無し。
②合宿会議
夕方。全員揃ったので会議を開きます。最初の議題はおやつから。目的地だろ、とツッコミを入れるりん。うららはおやつも大事だと言います。流石のぞみっ子。
合宿と聞いて体育会系のイメージを持つりん。かれんは上手くできそうですが、うらら、こまち、のぞみは体力に自信が無さそうです。乗り気ではないりん。
そういう合宿ではないし目的もある、というのぞみ。目的が何なのか気になるところですが、旅費の話になります。きょうび300円の予算ではおやつ買えないと思います。バナナはおやつに入りますか?
よくあることですが、強力なリーダーシップというか、言いだしっぺ特性というか、周りを巻き込む行動的な人はあまり考えずに「何かやる」と言い出す場合があるので、周りの人は色々と検討を加えなければなりません。旅費・都合・行程等々考えなければならないことはあります。
執筆しているこまちは除くとしても、りんやうららは予定が入っています。かれんは生徒会の仕事はもうありませんが、別荘に行くと言います。別荘。出た。ブルジョワ階級。驚く一同。別荘と言っても大したものではない、とことわるかれん。そういう問題ではありません。そもそも普通は別荘なんてありません。(無印の頃のほのかも蔵があることを謙遜していたが、普通は蔵なんて無い)
そういえば、と思い出すりん。ナッツハウスですら小さい倉庫と言える水無月家の資財力。うららも別荘が広いところだと予想します。かれんは、広くない、島だから。これだから根っからのブルジョワ階級は困ります。自覚がありません。どんだけ金持ちなんだ。
島と聞いて、イメージを膨らませるのぞみ達。水着!…があるわけもなく、ワンピース姿でビーチでくつろいでいるイメージ。南国風味です。
これは乗らない手はありません。のぞみは懇願します。りん、うららも口では遠慮しますが態度はミエミエです。わざわざ人が込んでいそうな観光地に行くよりも水無月家のプライベートビーチの方が魅惑的です。最初は控えていたこまちも、興味があるようです。了解するかれん。というか、プライベートビーチならこまちを誘わないとダメだろ、色々な意味で。
明日は買い物です。のぞみが帰った後、4人は旅行を楽しみにします。いつも、いつの間にかのぞみのペースになってしまう。のぞみに巻き込まれてしまいます。のぞみに巻き込まれ出会いプリキュアになった4人。自分の夢を肯定したのは彼女であり、彼女といることは自分達が変わっていくことでもあります。肝心な時に彼女は入れくれ、そして繋ぎとめてくれることを彼女達は知っています。人の信用や評価はその人が居る前ではあまり出ることはありません。特に悪いことは。陰口は悪い評価を陰で囁くものです。その意味でのぞみは本当に信頼されています。4人でハイタッチ。
③買い物
デパートの前で待ち合わせる4人。のぞみが来ていません。遅れて登場。遅れた理由は買い物のリストを作っていたからのようです。イラストでリストアップ。お菓子ばかりです。
カゴにどんどん欲しいものを入れていくのぞみ。うららはカレー味を入れます。流石ポジション黄色。自分の本分を分かっています。
すでに一杯になっているカゴを押し留めるりん。買いすぎだと注意します。しかしりんがチョイスしたチョコは?とのぞみが尋ねます。痛いところを突かれるるりん。ミルクはチョコレート好きのようです。ミルクチョコレートとか好きそうです。どさくさにまぎれてうららがお菓子を入れていきます。ちゃっかりしています。のぞみは単純に幼い。りんはしっかり者。うららは幼いがちゃっかり者(頭は切れる)。
呆れる三年生組。かれんは必要なものだけ買えばいい、とグレープ味のジュースを手に取ります。同じくオレンジ味を手に取るりん。一気にその場に緊張が走ります。のぞみとうららは床を走ります。
一触即発。妥協したものが敗者です。食うか食われるか。己の食欲を通した方が勝利者です。オレンジのりん。グレープのかれん。両者引きません。のぞみとうららが愉快に走っていきます。ジュースの好みでケンカできるこの娘達は一番幼いと思う。こまちが仲裁に入ります。両方買えよ。走るのぞみとうららをりんとかれんは同時に注意します。仲いいなー。
ココナッツミルクが堂々とカゴの中にいるのはどうかと思いますが、多分人形か何かだと見られるので大丈夫でしょうか。こいつらは人間形態になっていないと精神年齢まで見た目どおりのぬいぐるみ年齢になります。(人間体の時は指導助言者としての役割が彼らにはあり、ぬいぐるみの時はのぞみ達が指導助言者としての役割を持ちます)
一通り品を選ぶのぞみ達。りんが待ったをかけます。量が多すぎます。とても買い切れなさそうです。かれんなら一人で買えると思いますが、まさかそこまでおんぶに抱っこはできません。何故かラジカセを選んでいるのぞみ。どうやら目的には欠かせない道具らしい。ラジオ体操?
④合宿の目的
高笑いとともにアラクネア登場。一斉変身。ラジカセに仮面をつけてコワイナー召喚です。
ちょっと体型的に可愛い感じのコワイナー。音波攻撃と意外と動きの良い体さばきでプリキュアを攻撃します。迎撃に成功するプリキュア。アラクネアはコワイナーを糸で包み込んでマッシブな体型にします。メタボリックは良くないということでしょうか。さらに動きが機敏になり、プリキュアの攻撃が通用しません。
ここで必殺のドリームアタック。それすらも通じないコワイナー。これは一体どういうことか。アラクネアさん、そんな能力があるなら初めから使えよ、と思います。それとも日夜プリキュア対策を考えていて、その結果として講じたのが今回のものなのでしょうか。いずれにしても厄介です。
ラジカセを返して!と叫ぶドリーム。合宿の目的。疑問を口にする一同。
ドリームは皆と一緒にいたことを残しておきたかったと言います。他愛の無いおしゃべり、遊び、それらを残し、思い出せるようにすればこの先辛いことがあっても乗り越えられると必死に叫ぶドリーム。よほどあの経験が辛かったのでしょう。合宿はただ遊ぶことではなく、彼女達の繋がりが確かにあったという証を残したかったようです。のぞみの真意を理解する4人。
コワイナーが容赦なく攻撃します。耐えるドリーム。気付くと4人がドリームと共に攻撃の手を留めています。
「あんな思いはもう二度としたくない。でも、もう大丈夫!」
「あなたの気持ち、あなたの言葉、皆忘れるはず無いわ!」
「心の中に、深く、刻みこまれていますから!」
「みんなドリームを信頼している。この前みたいなことにはもう絶対にならない!」
「みんな!」
「だから大丈夫!」
とてつもなく恥ずかしいセリフ。私はそれが大好物です。言葉そのものではなく、それを発している人の意思が感じられること、それを感じられる言葉が大好きです。
強気のアラクネア。ドリームは怯みません。
新商…もとい、成長した彼女達の力が更なる力となります。先週出てきた大型うちわのようなハエ叩きのような布団叩きのようなものの小型版(付属パーツ無し)が胸から出てきます。それを無駄にカッコイイ動作で構えるドリーム。「あれは何ココ!」こういうときこそ「何か出たココ!」と言って欲しい。
「プリキュア・クリスタルシュート!」
えらくカッコイイビームを撃つドリーム。発射口に円状のフラッシュバックが付くのが良い感じです。魔法少女っていうか、明らかに敵を粉砕する攻撃魔法みたいな勢いです。最初、底力を受けろと言うのだから、新商品をぶんなげてぶっ飛ばすのかと思いました。
撤退するアラクネア。新商品の発売など聞いていませんでした。
⑤それ、300円以内じゃ済まないよ
ラジカセを戻します。想い出は心に残せばいい。それは移ろいやすく、時に忘れることもあるのだが、それでも残るもの、残せるもの、それを残したいと思ったその人の想いの結晶となります(人によってはそれが憎悪だったり、絶望だったり、何も残らなかったりする)。想い出はその人の意思と行動と経験が蓄積したもの。その人の人生と価値観の現れと言えるかもしれません。
のぞみを見直すりん達。
余計な品物を返品しようとするりん。勿論グレープジュースもです。慌てて抱きかかえるかれん。グレープ味が好きなようです。「あら?みんなの好みを考えてるんじゃなかったんですか?」と良い表情で問うりん。かれんたじたじ。流石かれん。総受けは伊達じゃない。こまちも好きな飲み物入れちゃおうかしら♪と楽しそうに言います。流石こまち。総攻めは伊達じゃない。受けとか攻めとか分かりませんが。ちゃっかりもののうらら。
チョコをちょこっと入れたミル。
⑥次回予告
こまち回。ナッツ…量産されていたのか。
○トピック
新商品シリーズの続き。ビームカッコイイ。これまでの技も使ってくれると個人的に楽しいです。
科学忍法火の鳥よろしく突撃する合同技は5人の最終奥義としての位置付けかな。気が早いですが、最終回の必殺技はこれのさらに上位技であると熱いですね。CMで既に出ていますが、他4人も新必殺技があるようで、特にレモネードのカスタネットが気になります。はじけそう。ミントも防御技なのかどうか次週以降楽しみです。
ラジカセってチョイスが渋い。デジカメやビデオがほぼ普及している現在において、ラジカセで声を録音しようという案は、古いというと失礼だが、堅実なチョイスだと思う。カメラでは"その一瞬の場の風景"でしかないし、ビデオでは誰かが撮影していなければならないから"誰かが居ない風景"になる(坂本さんに撮って貰うという方法もあるが)。声の録音はその場に居る全員の声、つまり"会話"を残すことができるから、それは紛れも無くコミュニケーションしていた証となる。金額的にも高くないから買い物としても不自然ではない(ラジカセくらい持ってそうだけど)。
今回の話は前回の引き続き。仲直りでめでたし、ではなく、その苦境を意識して次へと進もうとするのぞみとそんなのぞみを理解する4人がとても綺麗。前回の経験が各自活きています。
にも関わらず、各自基本仕様はあまり変わりありません。のぞみは突然何かをやると言い出す。うららはそれにノリノリ。りんはツッコミ役で進行役。こまちはフォロー役だけどマイペース。かれんはどこかズレていて強そうだけど実は弱い(りんに押され始めた)。関係にしてもりんとかれんが言い合うのは変わらないし、その仲裁に回るこまちもそうだし、抜け目の無いうららも、そして肝心な時にキメるのぞみもそう。
それでも少しずつ変わり、明確な(他者との関係に対する)意思を持ち始めた彼女達がカッコイイ。一年かけてこの成長と変化をやるのが良いですね。こういうのはリアルタイムで見るのが一番面白い。何しろ、本当に見る側も一年かけるのだから。
ふと気付いたけど、のぞみだけプリキュア以外での関係とか夢が無いんですよね。かれんも卒業してしまえば生徒会から離れるでしょうが、彼女は実務的な仕事に向くでしょうから高校に進んでも今のような地位を作るような気がします。プリキュアは作中で実際に1年経つはずですので、3年生とはお別れです。よほどスポンサーや製作の都合がなければプリキュア5はそのまま解散になるはずです。どうなるか、ですね。よもやココとのぞみがくっ付くなどということは無いと思いますが、つか私の個人的感情としてそれは勘弁、ピンクは俺の嫁、とか言いたいくらいなんですが、それは置いておいて。
夢や各自の関係を持った彼女達が一つの節目を迎えるときにどのような「お別れ」あるいは「始まり」があるのか、気が早いですが楽しみでもあります。15話で母親達が語ったように、娘達がそう思ったように、この繋がりがたとえ各自の夢を追うこととなっても切れぬものであることを切に願います。
次回は、「かれん別荘殺人事件!そして誰も居なくなった。水着もあるよ♪」です。
①夏休み
太陽が燦々(さんさん)と輝く一日。前回のことを思い返すのぞみ。さり気に堂々と新商品のアピールです。前回の辛い体験を乗り越えたことを強く心に刻みます。ノートを持ってナッツハウスへ。
ミルクが店番しているのはどうかと思いますが、休みなのでしょうか。ココナッツもくつろいでいます。肝心の4人は用事があるようで誰もいません。
読書に勤しむナッツ。ココはシュークリームを頬張っています。お前ら働け。
りんはフットサル。うららはコンサート。何かハチマキして盛大に応援している客がいますが、プリキュアショーとかでもたまに居ると思います。こまちは執筆。かれんは生徒会。各自用事があります。部活にも所属していないのぞみは特にやることがありません。…考えてみると、この娘だけプリキュア以外の人間関係とか所属とか個人的趣味とかないんだな。
のぞみは皆と一緒に何かやりたいようです。第1回プリキュア合宿と題されたノート。そのノートは機密事項なので他の人に見せてはいけません。情報管理が求められます。
ビル。ブンビーの話は聞かず一人考えるカワリーノ。回想します。さり気に新商品のアピールです。コレットの問題だけではなく、プリキュアに対しても問題が出てきました。何故絶望しないのかあの力は何のか。
アラクネアが自ら進み出て提案します。上司のブンビーを無視。面目が立たないので常識的な社会人はあまりそういうことをしない方がいいです。カワリーノは直接アラクネアに指示します。了解するアラクネア。ブンビー立場無し。
②合宿会議
夕方。全員揃ったので会議を開きます。最初の議題はおやつから。目的地だろ、とツッコミを入れるりん。うららはおやつも大事だと言います。流石のぞみっ子。
合宿と聞いて体育会系のイメージを持つりん。かれんは上手くできそうですが、うらら、こまち、のぞみは体力に自信が無さそうです。乗り気ではないりん。
そういう合宿ではないし目的もある、というのぞみ。目的が何なのか気になるところですが、旅費の話になります。きょうび300円の予算ではおやつ買えないと思います。バナナはおやつに入りますか?
よくあることですが、強力なリーダーシップというか、言いだしっぺ特性というか、周りを巻き込む行動的な人はあまり考えずに「何かやる」と言い出す場合があるので、周りの人は色々と検討を加えなければなりません。旅費・都合・行程等々考えなければならないことはあります。
執筆しているこまちは除くとしても、りんやうららは予定が入っています。かれんは生徒会の仕事はもうありませんが、別荘に行くと言います。別荘。出た。ブルジョワ階級。驚く一同。別荘と言っても大したものではない、とことわるかれん。そういう問題ではありません。そもそも普通は別荘なんてありません。(無印の頃のほのかも蔵があることを謙遜していたが、普通は蔵なんて無い)
そういえば、と思い出すりん。ナッツハウスですら小さい倉庫と言える水無月家の資財力。うららも別荘が広いところだと予想します。かれんは、広くない、島だから。これだから根っからのブルジョワ階級は困ります。自覚がありません。どんだけ金持ちなんだ。
島と聞いて、イメージを膨らませるのぞみ達。水着!…があるわけもなく、ワンピース姿でビーチでくつろいでいるイメージ。南国風味です。
これは乗らない手はありません。のぞみは懇願します。りん、うららも口では遠慮しますが態度はミエミエです。わざわざ人が込んでいそうな観光地に行くよりも水無月家のプライベートビーチの方が魅惑的です。最初は控えていたこまちも、興味があるようです。了解するかれん。というか、プライベートビーチならこまちを誘わないとダメだろ、色々な意味で。
明日は買い物です。のぞみが帰った後、4人は旅行を楽しみにします。いつも、いつの間にかのぞみのペースになってしまう。のぞみに巻き込まれてしまいます。のぞみに巻き込まれ出会いプリキュアになった4人。自分の夢を肯定したのは彼女であり、彼女といることは自分達が変わっていくことでもあります。肝心な時に彼女は入れくれ、そして繋ぎとめてくれることを彼女達は知っています。人の信用や評価はその人が居る前ではあまり出ることはありません。特に悪いことは。陰口は悪い評価を陰で囁くものです。その意味でのぞみは本当に信頼されています。4人でハイタッチ。
③買い物
デパートの前で待ち合わせる4人。のぞみが来ていません。遅れて登場。遅れた理由は買い物のリストを作っていたからのようです。イラストでリストアップ。お菓子ばかりです。
カゴにどんどん欲しいものを入れていくのぞみ。うららはカレー味を入れます。流石ポジション黄色。自分の本分を分かっています。
すでに一杯になっているカゴを押し留めるりん。買いすぎだと注意します。しかしりんがチョイスしたチョコは?とのぞみが尋ねます。痛いところを突かれるるりん。ミルクはチョコレート好きのようです。ミルクチョコレートとか好きそうです。どさくさにまぎれてうららがお菓子を入れていきます。ちゃっかりしています。のぞみは単純に幼い。りんはしっかり者。うららは幼いがちゃっかり者(頭は切れる)。
呆れる三年生組。かれんは必要なものだけ買えばいい、とグレープ味のジュースを手に取ります。同じくオレンジ味を手に取るりん。一気にその場に緊張が走ります。のぞみとうららは床を走ります。
一触即発。妥協したものが敗者です。食うか食われるか。己の食欲を通した方が勝利者です。オレンジのりん。グレープのかれん。両者引きません。のぞみとうららが愉快に走っていきます。ジュースの好みでケンカできるこの娘達は一番幼いと思う。こまちが仲裁に入ります。両方買えよ。走るのぞみとうららをりんとかれんは同時に注意します。仲いいなー。
ココナッツミルクが堂々とカゴの中にいるのはどうかと思いますが、多分人形か何かだと見られるので大丈夫でしょうか。こいつらは人間形態になっていないと精神年齢まで見た目どおりのぬいぐるみ年齢になります。(人間体の時は指導助言者としての役割が彼らにはあり、ぬいぐるみの時はのぞみ達が指導助言者としての役割を持ちます)
一通り品を選ぶのぞみ達。りんが待ったをかけます。量が多すぎます。とても買い切れなさそうです。かれんなら一人で買えると思いますが、まさかそこまでおんぶに抱っこはできません。何故かラジカセを選んでいるのぞみ。どうやら目的には欠かせない道具らしい。ラジオ体操?
④合宿の目的
高笑いとともにアラクネア登場。一斉変身。ラジカセに仮面をつけてコワイナー召喚です。
ちょっと体型的に可愛い感じのコワイナー。音波攻撃と意外と動きの良い体さばきでプリキュアを攻撃します。迎撃に成功するプリキュア。アラクネアはコワイナーを糸で包み込んでマッシブな体型にします。メタボリックは良くないということでしょうか。さらに動きが機敏になり、プリキュアの攻撃が通用しません。
ここで必殺のドリームアタック。それすらも通じないコワイナー。これは一体どういうことか。アラクネアさん、そんな能力があるなら初めから使えよ、と思います。それとも日夜プリキュア対策を考えていて、その結果として講じたのが今回のものなのでしょうか。いずれにしても厄介です。
ラジカセを返して!と叫ぶドリーム。合宿の目的。疑問を口にする一同。
ドリームは皆と一緒にいたことを残しておきたかったと言います。他愛の無いおしゃべり、遊び、それらを残し、思い出せるようにすればこの先辛いことがあっても乗り越えられると必死に叫ぶドリーム。よほどあの経験が辛かったのでしょう。合宿はただ遊ぶことではなく、彼女達の繋がりが確かにあったという証を残したかったようです。のぞみの真意を理解する4人。
コワイナーが容赦なく攻撃します。耐えるドリーム。気付くと4人がドリームと共に攻撃の手を留めています。
「あんな思いはもう二度としたくない。でも、もう大丈夫!」
「あなたの気持ち、あなたの言葉、皆忘れるはず無いわ!」
「心の中に、深く、刻みこまれていますから!」
「みんなドリームを信頼している。この前みたいなことにはもう絶対にならない!」
「みんな!」
「だから大丈夫!」
とてつもなく恥ずかしいセリフ。私はそれが大好物です。言葉そのものではなく、それを発している人の意思が感じられること、それを感じられる言葉が大好きです。
強気のアラクネア。ドリームは怯みません。
新商…もとい、成長した彼女達の力が更なる力となります。先週出てきた大型うちわのようなハエ叩きのような布団叩きのようなものの小型版(付属パーツ無し)が胸から出てきます。それを無駄にカッコイイ動作で構えるドリーム。「あれは何ココ!」こういうときこそ「何か出たココ!」と言って欲しい。
「プリキュア・クリスタルシュート!」
えらくカッコイイビームを撃つドリーム。発射口に円状のフラッシュバックが付くのが良い感じです。魔法少女っていうか、明らかに敵を粉砕する攻撃魔法みたいな勢いです。最初、底力を受けろと言うのだから、新商品をぶんなげてぶっ飛ばすのかと思いました。
撤退するアラクネア。新商品の発売など聞いていませんでした。
⑤それ、300円以内じゃ済まないよ
ラジカセを戻します。想い出は心に残せばいい。それは移ろいやすく、時に忘れることもあるのだが、それでも残るもの、残せるもの、それを残したいと思ったその人の想いの結晶となります(人によってはそれが憎悪だったり、絶望だったり、何も残らなかったりする)。想い出はその人の意思と行動と経験が蓄積したもの。その人の人生と価値観の現れと言えるかもしれません。
のぞみを見直すりん達。
余計な品物を返品しようとするりん。勿論グレープジュースもです。慌てて抱きかかえるかれん。グレープ味が好きなようです。「あら?みんなの好みを考えてるんじゃなかったんですか?」と良い表情で問うりん。かれんたじたじ。流石かれん。総受けは伊達じゃない。こまちも好きな飲み物入れちゃおうかしら♪と楽しそうに言います。流石こまち。総攻めは伊達じゃない。受けとか攻めとか分かりませんが。ちゃっかりもののうらら。
チョコをちょこっと入れたミル。
⑥次回予告
こまち回。ナッツ…量産されていたのか。
○トピック
新商品シリーズの続き。ビームカッコイイ。これまでの技も使ってくれると個人的に楽しいです。
科学忍法火の鳥よろしく突撃する合同技は5人の最終奥義としての位置付けかな。気が早いですが、最終回の必殺技はこれのさらに上位技であると熱いですね。CMで既に出ていますが、他4人も新必殺技があるようで、特にレモネードのカスタネットが気になります。はじけそう。ミントも防御技なのかどうか次週以降楽しみです。
ラジカセってチョイスが渋い。デジカメやビデオがほぼ普及している現在において、ラジカセで声を録音しようという案は、古いというと失礼だが、堅実なチョイスだと思う。カメラでは"その一瞬の場の風景"でしかないし、ビデオでは誰かが撮影していなければならないから"誰かが居ない風景"になる(坂本さんに撮って貰うという方法もあるが)。声の録音はその場に居る全員の声、つまり"会話"を残すことができるから、それは紛れも無くコミュニケーションしていた証となる。金額的にも高くないから買い物としても不自然ではない(ラジカセくらい持ってそうだけど)。
今回の話は前回の引き続き。仲直りでめでたし、ではなく、その苦境を意識して次へと進もうとするのぞみとそんなのぞみを理解する4人がとても綺麗。前回の経験が各自活きています。
にも関わらず、各自基本仕様はあまり変わりありません。のぞみは突然何かをやると言い出す。うららはそれにノリノリ。りんはツッコミ役で進行役。こまちはフォロー役だけどマイペース。かれんはどこかズレていて強そうだけど実は弱い(りんに押され始めた)。関係にしてもりんとかれんが言い合うのは変わらないし、その仲裁に回るこまちもそうだし、抜け目の無いうららも、そして肝心な時にキメるのぞみもそう。
それでも少しずつ変わり、明確な(他者との関係に対する)意思を持ち始めた彼女達がカッコイイ。一年かけてこの成長と変化をやるのが良いですね。こういうのはリアルタイムで見るのが一番面白い。何しろ、本当に見る側も一年かけるのだから。
ふと気付いたけど、のぞみだけプリキュア以外での関係とか夢が無いんですよね。かれんも卒業してしまえば生徒会から離れるでしょうが、彼女は実務的な仕事に向くでしょうから高校に進んでも今のような地位を作るような気がします。プリキュアは作中で実際に1年経つはずですので、3年生とはお別れです。よほどスポンサーや製作の都合がなければプリキュア5はそのまま解散になるはずです。どうなるか、ですね。よもやココとのぞみがくっ付くなどということは無いと思いますが、つか私の個人的感情としてそれは勘弁、ピンクは俺の嫁、とか言いたいくらいなんですが、それは置いておいて。
夢や各自の関係を持った彼女達が一つの節目を迎えるときにどのような「お別れ」あるいは「始まり」があるのか、気が早いですが楽しみでもあります。15話で母親達が語ったように、娘達がそう思ったように、この繋がりがたとえ各自の夢を追うこととなっても切れぬものであることを切に願います。
次回は、「かれん別荘殺人事件!そして誰も居なくなった。水着もあるよ♪」です。
第24話「新たなる5人の力!」
○今週の出来事
①絶望の仮面
のぞみのミスが原因で起こった亀裂。りん、うらら、こまち、かれんは自己の問いに埋もれバラバラに。ナイトメアに向かったのぞみの目の前には仮面をつけた4人。
一番驚いているのはブンビーさんなんじゃないかと思えますが、それは置いておいて。のぞみの声に応えない4人。人形のように意思がありません。この仮面怖ぇなぁ。デスパライヤは無駄だと言います。のぞみはアクアの仮面をぴっぺ返そうとします。剥がれません。カワリーノが一度つけたら取れない、それは絶望の仮面だと、仲間は絶望の底に沈んだとのぞみに教えます。
変身するのぞみ。絶望に相対する希望のプリキュア。
ブンビーが慌ててドリームアタックはやめなさいと言います。本部が壊れてしまいます。何か所帯じみているというか、スケールが小さい敵だなぁ。カワリーノが制します。と、ドリームに取り付く4人。身動きが取れなくなるドリーム。カワリーノが仮面を持って詰め寄ってきます。仮面を顔に付けようとしますが、希望を持っているので仮面が拒絶されます。それを見たカワリーノは「お仲間はもう、いないんですよ?」と核心を突きます。その言葉を(精神的に)聞いてしまったドリームは希望が揺らぎ、仮面を受け入れてしまいます。その光景にデスパライヤは「心地よい絶望だ」と満足気です。
5人の処遇を伺うカワリーノ。プリキュアには興味が無いデスパライヤ。カワリーノは落とし穴を開きます。ギャグみたいな装置ですが、こういうシーンで使われると何となく怖いものに見えるから不思議です。
近寄るプリキュア達。制止の声をあげるココナッツをブンビーが捕らえます。そして自ら落ちていく5人。
床がゆっくりと閉まっていきます。ブンビーがココナッツを脅迫しますが、それを止めるため隠れていたミルクがブンビーに取り付きます。突然の事態にココナッツを放すブンビー。ココは閉まりかけた床に向かって駆け出します。制止するナッツミルクに構わずココも底の知れない闇へと落ちていきます。
②楽園
のぞみが意識を取り戻すと、りん、うらら、こまち、かれんがテーブルを囲んでいます。りんが気安くのぞみに声をかけます。テーブルには山盛りのご馳走。皆の表情も優しそうに微笑んでいます。胸のポケットから音が聞こえます。取り出すとそれはキーホルダー。不思議そうにそれを見るのぞみ。何故それがあるのは分からないようです。かれんに促がされのぞみはご馳走に手をつけます。
「絶望したプリキュアは辛い現実を忘れ、穏やかな世界に浸っています。ちなみにそこから抜け出せた者は誰ひとりおりません」カワリーノが説明します。のぞみが見ているものは楽園です。自分が望み作り出した自己の中の世界。
コレットを奪おうとナッツミルクに悪戦苦闘するブンビー。この人は前回今回とシリアスなシーンを和ませてくれる貴重な役回りです。
③自己の中にある、他者
ご馳走に手を伸ばした拍子にキーホルダーの鈴が鳴ります。気を止めるのぞみ。しかし4人が「なーに、深刻な顔してるのよ」「どうでもいいじゃないそんなもの」「考えたって疲れるだけよ」「悩みなんて忘れて一緒に美味しいものをたべましょ」と言います。自己の世界故にこれらの言葉は全てのぞみの言葉です。のぞみにとって、友達と楽しく一緒に過ごせることが幸せなのだから。しかし、何か大切なことを忘れていると自問するのぞみ。
キーホルダーの発する音に気付くココ。闇の中をただようドリームを見つけます。急いで近づき、人間体になってドリームを抱きとめます。仮面を付けたドリームはココの呼びかけに応えません。念じるようにのぞみの名前を言うココ。
のぞみはハッと何故自分達が一緒なのかと疑問を口にします。学年も性格もバラバラです。共通点はありません。「そんなことどうでもいいじゃないですか」「今が楽しければそれでいいのよ」「いつも仲良く一緒に楽しく過ごすのが」「友達、でしょ」
迷うのぞみ。キーホルダーを見ます。ココの言葉を思い出すのぞみ。彼女は気付きます。「楽しいだけじゃダメなんだよ!今はどんなことも諦めずに、一生懸命に頑張れって!教えてもらった!」ココの声が聞こえてきます。のぞみもココを呼びます。
ドリームの仮面に亀裂が入ります。ココはドリームの手にキーホルダーが握られていることに気付きます。ココはさらに意識をドリームに向けます。一瞬、ドリームの仮面にキスするのかとヒヤヒヤしました。
気が付くと、のぞみとココが抱き合う形でお花畑に立っています。メルヘンチックです。ココは嬉しそうにのぞみを抱きしめます。のぞみはココの胸に抱かれながら、ココの声が聞こえたこと、大切なことを思い出せたことを話します。このシーンののぞみの可愛さは間違いなく最上級です。
「私にはやりたいことがある。叶えたい夢があるんだって」キーホルダーをココに見せます。ドリームの仮面が割れ爆発。爆発!?
④他者の中にある、自己
別に爆発しなくても良いような気はしますが、ドリームの仮面は無くなり素顔が現れます。
驚愕するカワリーノ。
ドリームとココは闇を漂う4人の意識の中に入っていきます。
テーブルを囲む4人。ドリームとココ(ぬいぐるみ形態なのがミソ)は4人に呼びかけます。目を開ける4人。焦点の定まらない瞳。ここは私達の世界じゃない、一緒に帰ろうと呼びかけるドリームに俯いて応える4人。「帰れない」「怖いんです」「自信がない」「もう無理だと思う」現実に目を背けます。のぞみはそれでも呼びかけます。5人一緒なら出来る、と。
手を繋ぎ合わせる5人。思えば初めて5人で手を繋いだ。皆に謝るのぞみ。迷惑をかけ皆に支えられている。りんは「支えてもらっているのはこっちだよ」と答えます。かれん、こまち、うららものぞみに謝り、そして5人一緒であることを望みます。
「一緒に夢を追いかけよう!」
「yes!」
⑤自己の克服
盛大に4人の仮面が爆発します。景気いいなー。
光が溢れ床を突き抜けます。その光が希望の光だと言うデスパライヤ。5人のプリキュが戻ってきます。
本気を出しかけるカワリーノを止めるブンビー。本気で焦っています。平静を取り戻したカワリーノはプリキュアを別の空間へ飛ばします。
闘技場。平静を取り戻し余裕のカワリーノ。コイツ強そうだなぁ。あんたの思い通りにはいかない!と答えるプリキュアにあなた方の思い通りにもいきませんよ、とギリンマだった怪物をけしかけます。
怪物を取り押さえようとしますが圧倒的な力に振り落とされてしまいます。5人同時キックも歯が立ちません。
傷つき満身創痍で立ち上がるドリームを攻撃するカワリーノ。その攻撃を間一髪でルージュが助けます。ルージュも満身創痍です。
ルージュに、そんな目に合うのはそこのお友達のせいですよ?と揺さぶりをかけるカワリーノ。
ルージュは「どんな目に合ったって良い。あたしはのぞみと、一緒に居たいのよ!」
カワリーノの追撃をかわし、反撃するドリームとルージュ。
怪物の攻撃にさらされ、傷を追うレモネードに、仲間を捨てれば良かったのに夢は叶いませんよ?とカワリーノ。
「私は絶対に仲間を見捨てないし、夢を諦めたりはしない!」
ドリームとルージュが助太刀に入ります。レモネードの夢を応援する二人。
怪物の攻撃をミントが止めます。何気に力があります。カワリーノがまたそんな役回りですか?と問いかけます。
すかさずアクアが入り「それがこまちの優しさよ!あたしが一番良く分かっているわ!」そう答えるかれんに一人ぼっちのあなたに何が分かる?「かれんは独りじゃない!私も皆もいるわ!独りになんか絶対にさせない!」
五人の力を合わせて怪物を押し返します。カワリーノは怪物にさらなる力を与えます。さらに凶悪化する怪物。
傷つくドリーム達を見てにミルクは自分が何も出来ないことを自覚します。迷惑ばかりかける。謝るミルク。ああ!忘れてた!ミルクのことすっかり忘れてた。そうそう、ミルクも謝らなきゃいけないんです。
ミルクの頭に手を置き、一緒に蝶の飾りを作ろうと話すドリーム。謝罪に対し、それを許し仲間であることを伝えるこの主人公はカッコイイ。後、髪の毛の乱れ具合が艶かしい(最低な発言)。
怪物を目の前にして立ち上がるドリーム。5人並び諦めません。
⑥新たなる力
ミルクが一緒に蝶の飾りを作ると叫びます。やっぱりキャリーの中にあった新商品。でっかい…なんだ?蝶型のうちわ? 新商品に対しては柔軟かついい加減なプリキュア。ナッツが「プリキュアの新しい力になるかもしれないナツ」と大変不安になることを言ってくれます。
「とにかくやってみよう!」「yes!」その臨機応変さがポジティブで好きです。
「夢と希望の力と共に」「五つの光を今ここに」
意外に大きいらしく、うちわ(?)の上に立つ5人。「プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン!」と蝶の羽を広げ突っ込みます。お、ここで番組名を冠した技が。要するにこれは、アレだろ、科学忍法火の鳥と同じようなものですね。合体技はあるだろうと思ったけど、乗り物を使うとは思わなんだ。そして張り手必殺技といい、この体当たりといい、直球技です。
ギリンマだった怪物は消滅します。乗り物にそのまま乗って帰る一同。便利だな。
天に帰るうちわ(?←トーチらしい) 何か光が出て5人の胸に入ります。多分個々の力になると思われます。テキトーに解説するココナッツ。何はともあれ、元通り、いや、元より良くなりました。
プリキュアを危険視するデスパライヤ。
蝶の飾りは完成します。相変わらずミルクは小生意気な口をききます。しかし照れているミルク。5色の蝶、中心には8色の輪が収まっています。
⑦次回予告
そんなことプリキュアであるわけが無いと知りつつ、水着!だと思った。
○トピック
どう見ても、実際そうだけど子ども向け新商品を(特にバトルアニメで)合理的かつ納得のいくように説明するのは難しい、ということがわかる今週。こうなったらナイトメアも新商品を投入して市場競争をしたらどうだろうか。女児受けせずにプリキュア圧勝になりそう。
以下とても長いです。要約すると、
1.自己告発はそれを認めることで克服できる。
2.それは自身に「次になにをするべきか」を自覚させ行動させる働きを持つ。
3.他者との繋がりが自己実現を可能とする。(自分の夢、やりたいことは他者の存在があって存在する)
4.この物語がどこまで昇華されるか楽しみ
①自己告発の苦痛と誘惑
ということで、前回のおさらい。
他人と付き合う時、少なからず妥協や我慢することがあります。そうやって自分と他人との間を取り成して生活します。その中で他人を評価したり評価されたりします。友達や仲間も出来るし自分の位置・地位も築くことになります。ですが、必ずしも自分の思い通りになることはありません。嫌な思いをすることがあります。自分が他人と上手く馴染めないことがあります。しかし、それを他人に口にすることはありません。それを言えばこれまで築いてきた関係が崩れるかもしれないからです。
自分の中に積もる疑念や不満や不安は通常隠しておきます。見ないようにしておきます。見るとそれらがさらに募るからです。何より、それを見るのが怖いことでもあります。実は自分は誰からも必要とされていないんじゃないか? 実は自分は友達を友達として扱っていなかったのではないか? 友達よりも自分の都合を優先したいと思っているのではないか? 自分が孤独なのではないか? 自分は嫌な奴なのではないか? 自分は裏切り者なのではないか? 鏡を見たときにそこに醜悪な自分がいることを直視したくない。
しかし、疑念・不満・不安が無い。とは言えません。事実そう思ったことがあるからです。自分が自分に問いかける告発は自分の醜さをそのまま映し出すものであり、そこから逃げられないことがさらに苦痛を与えます。この苦痛を回避する方法として、告発から逃げることで、目を背けることで、忘れることで「無かった」ことにします。最初からそんな告発など無かったことにすれば苦痛も無い。(通常日常では意識せずにそれを行う)
それでも告発され「本当の自分(の本心)」を見てしまった場合、ある誘惑が生じます。告発は苦痛を伴いますが誘惑も伴います。それは自分の本心に従ってしまうことです。嫌な友達がいるなら切ってしまえ、我慢することは止めてしまえ、自分のしたいことをしてしまえという誘惑です。本心である以上これは自分にとって正当性があります。自分にとって一番求めていることを何故やらないのだ? 従えばいいじゃん。この誘いには一つの条件があります。それは他人を拒むことです。そもそも何故疑念や不満が生じるかと言えば他人との関係があるからです。自分の都合を優先できないのは他人がいるからです。他人に気を遣うからです。だったら他人と関係を切ってしまえば自分の都合を優先することができます。自分の中に閉じれば我慢や不満を抱くことなく自分の思うままです。
結局、自分の本心を見たくないのも、本心に従ってしまうのも自己愛なのです。
かれん、こまち、りん、うららが見せられ、陥ったこととはそういうことです。もし、告発を無視し何事も無かったかのように過ごせば内心の葛藤を抱き続けることになります。常に醜く恐ろしい感情を抱き続けながら他人と関わることになります。例えそれが普通のことだとしても、最早それを見てしまった自分(視聴者含む)はその関係が美しいものだとは思わないでしょう。かれんは仲間が居ても孤独を感じ、こまちは自己の自由を求め、りんはのぞみを疎み、うららはプリキュアを捨て女優を目指す。それらを内心に抱きながら続けられる関係は欺瞞に満ちたものになります。
逆に、自分の本心に従ってしまえば、この作品の志向とは全く逆の道を歩むことになります。他人を拒み自己に閉じることは、他人との関係で生まれる可能性全てを捨てることになります。これまでこの作品が描いてきたことを全て捨て否定することになります。そして自己に閉じてしまった人間は社会からも他人から隔絶し孤独になるのです。(寂しいとかの意味ではなく、「何とも繋がらない個」という意味。この状態は多様な可能性が全く無い、とは言わないが極端に低い)
そして、のぞみに出来ることとは?
という課題がありました。(個人的にこの課題に対しての答えが欲しかった)
これはとてもギリギリの綱渡りです。自己の本心に従うことは作品上ないと思いますが、逆の問題が重大です。ここでハッキリとした答えが出されないと、結局のぞみ達はなんで付き合うの?本当に友達なの?彼女たちの疑念は解決されていないんじゃない?という疑問が払拭されないからです。そしてそれが払拭されなければこの先どんなに彼女達が活躍し友情を深めようと偽りや欺瞞が残り空々しくなってしまいます。そうなってしまうとどんな答えを出しても理想論にしかなりません。「答えはわかるけど、無理でしょ」では意味がない。それを見た人にも「その答えが正しく、それを実行し実現できる」と思えるものが欲しい。それは実際に現実に働きかけ、現実を変えていける理想になるからです。
②自己告発の克服
この課題に対する答えはやはりプリキュアらしいストレートなもので、かつプリキュア5としての明確な視座を持ったものでした。大満足。中盤ののぞみと4人の手繋ぎシーンで終わらせるのではなく、戦闘におけるカワリーノの言葉に各自が明確な意思を持ち答えるところまでやってくれて申し分なし(それが無かったら半端だった)。
以下個別に。
・りん
のぞみとの友達関係に嫌気がさしているのではないか?という本音。
前回子どものりんが言っている様に、面倒をみているのに感謝されないというのも非常に痛い指摘です。感謝されたいがためにやっているわけではないでしょうが、自分の苦労に見合った評価は普通欲しいと思います。自分が面倒をみているのに評価されず、さらに自分が嫌な思いをしてしまう。
その問題に、彼女は”それでも”のぞみと一緒にいたいと答えます。彼女がプリキュアになったのはのぞみを守るためです。のぞみと一緒にいたいからです。友達関係においても損得はあります。満足・不満はあります。彼女はそれを引き受けます。そして友達関係の基本は損得を勘定にいれないものです。あの人といたい、友達でいたい、好きという感情。時に不満を抱くことは事実でしょうが、好きという感情も正しいものであるなら、それらは同時に引き受けるものです。なお、りん(達)は自分ものぞみに支えられていたということにも気付きます。
・うらら
自分の夢を叶えるためにはプリキュアをやめるべきではないか?という迷い。
彼女は仲間と一緒にいること、そして同時に夢も叶えることを意思します。そもそもプリキュアになれば夢が叶えられないという決まりはありません。そう思っているのはうらら本人です。逆に言えば、プリキュアでありながら女優になることが出来る、と思えば迷うことはありません。それを決めるのもうららです。結局気持ち次第です。そしてその夢を応援するとのぞみ達は言います。これまでうららの活動を支援してきたように、プリキュアであることは仲間を持つことであり、仲間達の支援を受けながら夢を叶えることができる可能性があります。夢を叶えるためには仲間を作るという選択肢を切らなければならない理由はありません。(歌手をやれば女優になれないのでは?という選択肢と同じで、より広い視野で見た場合、決して二律背反するとは限らない)
・こまち
自分を犠牲にして周囲に気を遣ってばかりではないか?自分が良い思いをしたくないか?
かれんと相互関係になりますが、こまちのこの性格をかれんは承認します。ある意味りんとは逆の自己承認形態ですが、こまちが自分の役回りをそれで良いというには少々自己動機として小さいです。直接的にそれで彼女が得や感情的充足を得るものではないからです(りんのように友達でいたい、というほど直接的ではない)。しかし彼女の行動を他者が承認することで、彼女は自分を肯定することができます。彼女の行動によって他者が彼女を認め信頼するなら、こまちは自分の世界に入らなくても充実を得ることが出来ます。
・かれん
自分は孤独なんじゃないか?
そもそも孤独とはどういうことか。一人ぼっちとはどういうことか。それは多分、他人のことを考えずに、他人にも自分のことが考えられない状態であることを指すと思います。かれんはこまちのことを理解していると言います。つまり彼女は他者と関わっています。同時にこまちからも理解されます。相互関係が成り立っている以上、彼女は孤独ではありません。彼女が信頼し、信頼するこまち(他4名)が彼女を信頼し続ける限りかれんは本当の孤独に陥ることはありません。
・のぞみ
彼女が見た楽園的世界は友達と一緒に楽しく暮らす世界です。
皆が自分のせいでバラバラになってしまいます(関係に亀裂が入った)。おそらく彼女はそれを恐れたはずです。すぐにゴメンと言えなかったのも皆が不和に陥ることを恐れる余り出来なかったのだと思います。だから彼女が見た楽園とかけられた言葉は「考えるな」「楽しければいい」というものでした。
過程の無い結果はありません。何故自分は学年も性格もバラバラだった彼女達と友達なのか。それは彼女が一から作った関係だからです。最初から無条件で友達だったわけではありません。いつも仲良く一緒に過ごすのが友達、では友達とはどうやって作るんだ?
彼女は気付きます。友達というのがいつも楽しいばかりのものではないことに。結果だけを見るものではないことに。それは作り続けなければならないことを。そのことに彼女は気付きます。それを教えてくれた人に気付くことで。
そして彼女は自分には叶えたい夢があることを意思します。そして他者へと働きかけていきます。
のぞみ達5人は自分の中に閉じこもろうとしました、あるいは現実を直視したくないばかりに目を背けてしまいました。確かに不満や疑念が出てくるのは他者との関わりがあるからです。でも、自分に夢がある時、その夢が他者と繋がっていたら自分の中に閉じていたらいつまでたっても叶えることができません。不満や疑念は大きい感情で、ネガティブな感情は手足を縮こませようとします。しかし明確に自分にやりたいことがあった時、中に閉じるよりも外へ向かおうとします。
夢を叶えたい!友達でいたい!という、より強い意思は不安を払拭します。正確に言えば完全に払拭することはできません。いつでも出てくるからです。しかしそれを強い意思を持って克服し続ければ不安や疑念に負けることはありません。
私が前回の感想で、全員謝れ!と書いたのはそれが自分自身を振り返ることになるからです。5人とミルクは自分自身を振り返ります。振り返ると嫌なこともあります。しかし、その嫌なことの元々の本質は実は自分が一番欲しい故に出てくるものではないか。友達でいたいのに上手くいかない。夢を叶えたいのにできない。孤独でいたくない。信頼したい、されたい。それらは求めようとすれば失敗する可能性だってあります。
自己告発に対する(個人的に唯一だと思う)答えは、それを直視し受け入れることです。開き直るんじゃありません。認めることは自分の感情・行動を背負うことです。「私は思った」「私はやった」と。失敗や自分の醜い部分も認めてしまう。だからこそ「私は次にこうする」「次にこう思う」となる。その意思・行動に意味がある。それは状況に流されたり、自分に閉じてしまうのではなく、能動的な意思・行動が現実に作用し働きかけていくからです。主体性は自己を強くします。
そして自分の弱さを認めることは、他人の弱さを認めることもできるはずです(多分)。自分の弱さを知り、他者の弱さを知り、それを許し現状を変えていける意思と行動を起こし少しずつでもより良くして行けるならそれは素晴らしいことなんじゃないかと思う。自分だけでなく、他人とも成長していける。それって凄くカッコイイと思う(←めっちゃ主観的)
のぞみは謝ります。りん達も謝ります。ミルクも謝ります。それを彼女達は許し合います。自分にとって、あるいは他人にとっても都合の悪いことから目を背けず、直視し、それでもなおかつ許せるなら、『次』が目指せる。
③他者との関わりの中で
それら、自己告発からの克服として、他者が自分の中にいることに気付くというのぞみから始まる認識が広がっていくのも素晴らしい描写です。のぞみはココからの言葉に気付き自分を取り戻し、りんは自分の中にあるのぞみを見ます。うららも皆がいて応援してくれること、かれんとこまちが相互に自己の中にいること。そして他人の中に自分がいること。いやー、もう、これいいね。自己とは他者との関係において成り立っていると思っている(なんでそう思うかは分からんが、そう思っている)私としてはよりその理解を促がします。自己実現(夢を叶える、成長する)とは自分だけでやり遂げたり、自分だけのものじゃなくて、他者とも相互に成り立っていることに気付きます。そういう夢ややりたいことも他者の存在があって抱くことができるものだと思います。
主人公であるのぞみは超人ではありません。アホで不器用であることを除いても、彼女が立ち上がれたのもココがいたからです。彼女一人で克服はできませんでした。それは彼女も普通の人間であることを意味するのですが、同時に、その普通の人間であってもこの物語のように人の心を開き、繋ぎ、夢を目指していけることを意味します。人の言葉に気付き人に手を差し伸べ許すことのできる人間。人でありながら人を救うことが出来る人。ある意味救世主としての性質がのぞみにはあります。
プリキュア5は「夢」と「現実」の対比があります。それはナイトメアのような(一部戯画化された)現実だけではなく、自分自身の現実という一番痛いところまで取り入れたのは意欲的です。結論として自己告発の克服をやるのはよくあるんですが、中盤でそれをやっちゃうのが凄い。つまり、その先、自己告発の克服を踏まえた「夢」の提示の仕方が問われます。これは今回の課題よりも困難な課題です。そもそもそれを見る私も初めての経験だし。それをやってくれるのがプリキュアなので、大いに期待したいところです。
人は繋がっている!皆で協力すれば何でも出来る!という言葉など私は欲しくありません。私が欲しくて求めているのはそこに込められている意思と確信です。それをどのようにして実現し見せられるかを作品に求めています。プリキュアはその意味で個人的に質が高いです。どんどん物語そのものとは関係ないことが想起されてくるんですが、そういう作品に出会えることが嬉しいので。この調子でガンガン突き進んでいただきたい。
①絶望の仮面
のぞみのミスが原因で起こった亀裂。りん、うらら、こまち、かれんは自己の問いに埋もれバラバラに。ナイトメアに向かったのぞみの目の前には仮面をつけた4人。
一番驚いているのはブンビーさんなんじゃないかと思えますが、それは置いておいて。のぞみの声に応えない4人。人形のように意思がありません。この仮面怖ぇなぁ。デスパライヤは無駄だと言います。のぞみはアクアの仮面をぴっぺ返そうとします。剥がれません。カワリーノが一度つけたら取れない、それは絶望の仮面だと、仲間は絶望の底に沈んだとのぞみに教えます。
変身するのぞみ。絶望に相対する希望のプリキュア。
ブンビーが慌ててドリームアタックはやめなさいと言います。本部が壊れてしまいます。何か所帯じみているというか、スケールが小さい敵だなぁ。カワリーノが制します。と、ドリームに取り付く4人。身動きが取れなくなるドリーム。カワリーノが仮面を持って詰め寄ってきます。仮面を顔に付けようとしますが、希望を持っているので仮面が拒絶されます。それを見たカワリーノは「お仲間はもう、いないんですよ?」と核心を突きます。その言葉を(精神的に)聞いてしまったドリームは希望が揺らぎ、仮面を受け入れてしまいます。その光景にデスパライヤは「心地よい絶望だ」と満足気です。
5人の処遇を伺うカワリーノ。プリキュアには興味が無いデスパライヤ。カワリーノは落とし穴を開きます。ギャグみたいな装置ですが、こういうシーンで使われると何となく怖いものに見えるから不思議です。
近寄るプリキュア達。制止の声をあげるココナッツをブンビーが捕らえます。そして自ら落ちていく5人。
床がゆっくりと閉まっていきます。ブンビーがココナッツを脅迫しますが、それを止めるため隠れていたミルクがブンビーに取り付きます。突然の事態にココナッツを放すブンビー。ココは閉まりかけた床に向かって駆け出します。制止するナッツミルクに構わずココも底の知れない闇へと落ちていきます。
②楽園
のぞみが意識を取り戻すと、りん、うらら、こまち、かれんがテーブルを囲んでいます。りんが気安くのぞみに声をかけます。テーブルには山盛りのご馳走。皆の表情も優しそうに微笑んでいます。胸のポケットから音が聞こえます。取り出すとそれはキーホルダー。不思議そうにそれを見るのぞみ。何故それがあるのは分からないようです。かれんに促がされのぞみはご馳走に手をつけます。
「絶望したプリキュアは辛い現実を忘れ、穏やかな世界に浸っています。ちなみにそこから抜け出せた者は誰ひとりおりません」カワリーノが説明します。のぞみが見ているものは楽園です。自分が望み作り出した自己の中の世界。
コレットを奪おうとナッツミルクに悪戦苦闘するブンビー。この人は前回今回とシリアスなシーンを和ませてくれる貴重な役回りです。
③自己の中にある、他者
ご馳走に手を伸ばした拍子にキーホルダーの鈴が鳴ります。気を止めるのぞみ。しかし4人が「なーに、深刻な顔してるのよ」「どうでもいいじゃないそんなもの」「考えたって疲れるだけよ」「悩みなんて忘れて一緒に美味しいものをたべましょ」と言います。自己の世界故にこれらの言葉は全てのぞみの言葉です。のぞみにとって、友達と楽しく一緒に過ごせることが幸せなのだから。しかし、何か大切なことを忘れていると自問するのぞみ。
キーホルダーの発する音に気付くココ。闇の中をただようドリームを見つけます。急いで近づき、人間体になってドリームを抱きとめます。仮面を付けたドリームはココの呼びかけに応えません。念じるようにのぞみの名前を言うココ。
のぞみはハッと何故自分達が一緒なのかと疑問を口にします。学年も性格もバラバラです。共通点はありません。「そんなことどうでもいいじゃないですか」「今が楽しければそれでいいのよ」「いつも仲良く一緒に楽しく過ごすのが」「友達、でしょ」
迷うのぞみ。キーホルダーを見ます。ココの言葉を思い出すのぞみ。彼女は気付きます。「楽しいだけじゃダメなんだよ!今はどんなことも諦めずに、一生懸命に頑張れって!教えてもらった!」ココの声が聞こえてきます。のぞみもココを呼びます。
ドリームの仮面に亀裂が入ります。ココはドリームの手にキーホルダーが握られていることに気付きます。ココはさらに意識をドリームに向けます。一瞬、ドリームの仮面にキスするのかとヒヤヒヤしました。
気が付くと、のぞみとココが抱き合う形でお花畑に立っています。メルヘンチックです。ココは嬉しそうにのぞみを抱きしめます。のぞみはココの胸に抱かれながら、ココの声が聞こえたこと、大切なことを思い出せたことを話します。このシーンののぞみの可愛さは間違いなく最上級です。
「私にはやりたいことがある。叶えたい夢があるんだって」キーホルダーをココに見せます。ドリームの仮面が割れ爆発。爆発!?
④他者の中にある、自己
別に爆発しなくても良いような気はしますが、ドリームの仮面は無くなり素顔が現れます。
驚愕するカワリーノ。
ドリームとココは闇を漂う4人の意識の中に入っていきます。
テーブルを囲む4人。ドリームとココ(ぬいぐるみ形態なのがミソ)は4人に呼びかけます。目を開ける4人。焦点の定まらない瞳。ここは私達の世界じゃない、一緒に帰ろうと呼びかけるドリームに俯いて応える4人。「帰れない」「怖いんです」「自信がない」「もう無理だと思う」現実に目を背けます。のぞみはそれでも呼びかけます。5人一緒なら出来る、と。
手を繋ぎ合わせる5人。思えば初めて5人で手を繋いだ。皆に謝るのぞみ。迷惑をかけ皆に支えられている。りんは「支えてもらっているのはこっちだよ」と答えます。かれん、こまち、うららものぞみに謝り、そして5人一緒であることを望みます。
「一緒に夢を追いかけよう!」
「yes!」
⑤自己の克服
盛大に4人の仮面が爆発します。景気いいなー。
光が溢れ床を突き抜けます。その光が希望の光だと言うデスパライヤ。5人のプリキュが戻ってきます。
本気を出しかけるカワリーノを止めるブンビー。本気で焦っています。平静を取り戻したカワリーノはプリキュアを別の空間へ飛ばします。
闘技場。平静を取り戻し余裕のカワリーノ。コイツ強そうだなぁ。あんたの思い通りにはいかない!と答えるプリキュアにあなた方の思い通りにもいきませんよ、とギリンマだった怪物をけしかけます。
怪物を取り押さえようとしますが圧倒的な力に振り落とされてしまいます。5人同時キックも歯が立ちません。
傷つき満身創痍で立ち上がるドリームを攻撃するカワリーノ。その攻撃を間一髪でルージュが助けます。ルージュも満身創痍です。
ルージュに、そんな目に合うのはそこのお友達のせいですよ?と揺さぶりをかけるカワリーノ。
ルージュは「どんな目に合ったって良い。あたしはのぞみと、一緒に居たいのよ!」
カワリーノの追撃をかわし、反撃するドリームとルージュ。
怪物の攻撃にさらされ、傷を追うレモネードに、仲間を捨てれば良かったのに夢は叶いませんよ?とカワリーノ。
「私は絶対に仲間を見捨てないし、夢を諦めたりはしない!」
ドリームとルージュが助太刀に入ります。レモネードの夢を応援する二人。
怪物の攻撃をミントが止めます。何気に力があります。カワリーノがまたそんな役回りですか?と問いかけます。
すかさずアクアが入り「それがこまちの優しさよ!あたしが一番良く分かっているわ!」そう答えるかれんに一人ぼっちのあなたに何が分かる?「かれんは独りじゃない!私も皆もいるわ!独りになんか絶対にさせない!」
五人の力を合わせて怪物を押し返します。カワリーノは怪物にさらなる力を与えます。さらに凶悪化する怪物。
傷つくドリーム達を見てにミルクは自分が何も出来ないことを自覚します。迷惑ばかりかける。謝るミルク。ああ!忘れてた!ミルクのことすっかり忘れてた。そうそう、ミルクも謝らなきゃいけないんです。
ミルクの頭に手を置き、一緒に蝶の飾りを作ろうと話すドリーム。謝罪に対し、それを許し仲間であることを伝えるこの主人公はカッコイイ。後、髪の毛の乱れ具合が艶かしい(最低な発言)。
怪物を目の前にして立ち上がるドリーム。5人並び諦めません。
⑥新たなる力
ミルクが一緒に蝶の飾りを作ると叫びます。やっぱりキャリーの中にあった新商品。でっかい…なんだ?蝶型のうちわ? 新商品に対しては柔軟かついい加減なプリキュア。ナッツが「プリキュアの新しい力になるかもしれないナツ」と大変不安になることを言ってくれます。
「とにかくやってみよう!」「yes!」その臨機応変さがポジティブで好きです。
「夢と希望の力と共に」「五つの光を今ここに」
意外に大きいらしく、うちわ(?)の上に立つ5人。「プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン!」と蝶の羽を広げ突っ込みます。お、ここで番組名を冠した技が。要するにこれは、アレだろ、科学忍法火の鳥と同じようなものですね。合体技はあるだろうと思ったけど、乗り物を使うとは思わなんだ。そして張り手必殺技といい、この体当たりといい、直球技です。
ギリンマだった怪物は消滅します。乗り物にそのまま乗って帰る一同。便利だな。
天に帰るうちわ(?←トーチらしい) 何か光が出て5人の胸に入ります。多分個々の力になると思われます。テキトーに解説するココナッツ。何はともあれ、元通り、いや、元より良くなりました。
プリキュアを危険視するデスパライヤ。
蝶の飾りは完成します。相変わらずミルクは小生意気な口をききます。しかし照れているミルク。5色の蝶、中心には8色の輪が収まっています。
⑦次回予告
そんなことプリキュアであるわけが無いと知りつつ、水着!だと思った。
○トピック
どう見ても、実際そうだけど子ども向け新商品を(特にバトルアニメで)合理的かつ納得のいくように説明するのは難しい、ということがわかる今週。こうなったらナイトメアも新商品を投入して市場競争をしたらどうだろうか。女児受けせずにプリキュア圧勝になりそう。
以下とても長いです。要約すると、
1.自己告発はそれを認めることで克服できる。
2.それは自身に「次になにをするべきか」を自覚させ行動させる働きを持つ。
3.他者との繋がりが自己実現を可能とする。(自分の夢、やりたいことは他者の存在があって存在する)
4.この物語がどこまで昇華されるか楽しみ
①自己告発の苦痛と誘惑
ということで、前回のおさらい。
他人と付き合う時、少なからず妥協や我慢することがあります。そうやって自分と他人との間を取り成して生活します。その中で他人を評価したり評価されたりします。友達や仲間も出来るし自分の位置・地位も築くことになります。ですが、必ずしも自分の思い通りになることはありません。嫌な思いをすることがあります。自分が他人と上手く馴染めないことがあります。しかし、それを他人に口にすることはありません。それを言えばこれまで築いてきた関係が崩れるかもしれないからです。
自分の中に積もる疑念や不満や不安は通常隠しておきます。見ないようにしておきます。見るとそれらがさらに募るからです。何より、それを見るのが怖いことでもあります。実は自分は誰からも必要とされていないんじゃないか? 実は自分は友達を友達として扱っていなかったのではないか? 友達よりも自分の都合を優先したいと思っているのではないか? 自分が孤独なのではないか? 自分は嫌な奴なのではないか? 自分は裏切り者なのではないか? 鏡を見たときにそこに醜悪な自分がいることを直視したくない。
しかし、疑念・不満・不安が無い。とは言えません。事実そう思ったことがあるからです。自分が自分に問いかける告発は自分の醜さをそのまま映し出すものであり、そこから逃げられないことがさらに苦痛を与えます。この苦痛を回避する方法として、告発から逃げることで、目を背けることで、忘れることで「無かった」ことにします。最初からそんな告発など無かったことにすれば苦痛も無い。(通常日常では意識せずにそれを行う)
それでも告発され「本当の自分(の本心)」を見てしまった場合、ある誘惑が生じます。告発は苦痛を伴いますが誘惑も伴います。それは自分の本心に従ってしまうことです。嫌な友達がいるなら切ってしまえ、我慢することは止めてしまえ、自分のしたいことをしてしまえという誘惑です。本心である以上これは自分にとって正当性があります。自分にとって一番求めていることを何故やらないのだ? 従えばいいじゃん。この誘いには一つの条件があります。それは他人を拒むことです。そもそも何故疑念や不満が生じるかと言えば他人との関係があるからです。自分の都合を優先できないのは他人がいるからです。他人に気を遣うからです。だったら他人と関係を切ってしまえば自分の都合を優先することができます。自分の中に閉じれば我慢や不満を抱くことなく自分の思うままです。
結局、自分の本心を見たくないのも、本心に従ってしまうのも自己愛なのです。
かれん、こまち、りん、うららが見せられ、陥ったこととはそういうことです。もし、告発を無視し何事も無かったかのように過ごせば内心の葛藤を抱き続けることになります。常に醜く恐ろしい感情を抱き続けながら他人と関わることになります。例えそれが普通のことだとしても、最早それを見てしまった自分(視聴者含む)はその関係が美しいものだとは思わないでしょう。かれんは仲間が居ても孤独を感じ、こまちは自己の自由を求め、りんはのぞみを疎み、うららはプリキュアを捨て女優を目指す。それらを内心に抱きながら続けられる関係は欺瞞に満ちたものになります。
逆に、自分の本心に従ってしまえば、この作品の志向とは全く逆の道を歩むことになります。他人を拒み自己に閉じることは、他人との関係で生まれる可能性全てを捨てることになります。これまでこの作品が描いてきたことを全て捨て否定することになります。そして自己に閉じてしまった人間は社会からも他人から隔絶し孤独になるのです。(寂しいとかの意味ではなく、「何とも繋がらない個」という意味。この状態は多様な可能性が全く無い、とは言わないが極端に低い)
そして、のぞみに出来ることとは?
という課題がありました。(個人的にこの課題に対しての答えが欲しかった)
これはとてもギリギリの綱渡りです。自己の本心に従うことは作品上ないと思いますが、逆の問題が重大です。ここでハッキリとした答えが出されないと、結局のぞみ達はなんで付き合うの?本当に友達なの?彼女たちの疑念は解決されていないんじゃない?という疑問が払拭されないからです。そしてそれが払拭されなければこの先どんなに彼女達が活躍し友情を深めようと偽りや欺瞞が残り空々しくなってしまいます。そうなってしまうとどんな答えを出しても理想論にしかなりません。「答えはわかるけど、無理でしょ」では意味がない。それを見た人にも「その答えが正しく、それを実行し実現できる」と思えるものが欲しい。それは実際に現実に働きかけ、現実を変えていける理想になるからです。
②自己告発の克服
この課題に対する答えはやはりプリキュアらしいストレートなもので、かつプリキュア5としての明確な視座を持ったものでした。大満足。中盤ののぞみと4人の手繋ぎシーンで終わらせるのではなく、戦闘におけるカワリーノの言葉に各自が明確な意思を持ち答えるところまでやってくれて申し分なし(それが無かったら半端だった)。
以下個別に。
・りん
のぞみとの友達関係に嫌気がさしているのではないか?という本音。
前回子どものりんが言っている様に、面倒をみているのに感謝されないというのも非常に痛い指摘です。感謝されたいがためにやっているわけではないでしょうが、自分の苦労に見合った評価は普通欲しいと思います。自分が面倒をみているのに評価されず、さらに自分が嫌な思いをしてしまう。
その問題に、彼女は”それでも”のぞみと一緒にいたいと答えます。彼女がプリキュアになったのはのぞみを守るためです。のぞみと一緒にいたいからです。友達関係においても損得はあります。満足・不満はあります。彼女はそれを引き受けます。そして友達関係の基本は損得を勘定にいれないものです。あの人といたい、友達でいたい、好きという感情。時に不満を抱くことは事実でしょうが、好きという感情も正しいものであるなら、それらは同時に引き受けるものです。なお、りん(達)は自分ものぞみに支えられていたということにも気付きます。
・うらら
自分の夢を叶えるためにはプリキュアをやめるべきではないか?という迷い。
彼女は仲間と一緒にいること、そして同時に夢も叶えることを意思します。そもそもプリキュアになれば夢が叶えられないという決まりはありません。そう思っているのはうらら本人です。逆に言えば、プリキュアでありながら女優になることが出来る、と思えば迷うことはありません。それを決めるのもうららです。結局気持ち次第です。そしてその夢を応援するとのぞみ達は言います。これまでうららの活動を支援してきたように、プリキュアであることは仲間を持つことであり、仲間達の支援を受けながら夢を叶えることができる可能性があります。夢を叶えるためには仲間を作るという選択肢を切らなければならない理由はありません。(歌手をやれば女優になれないのでは?という選択肢と同じで、より広い視野で見た場合、決して二律背反するとは限らない)
・こまち
自分を犠牲にして周囲に気を遣ってばかりではないか?自分が良い思いをしたくないか?
かれんと相互関係になりますが、こまちのこの性格をかれんは承認します。ある意味りんとは逆の自己承認形態ですが、こまちが自分の役回りをそれで良いというには少々自己動機として小さいです。直接的にそれで彼女が得や感情的充足を得るものではないからです(りんのように友達でいたい、というほど直接的ではない)。しかし彼女の行動を他者が承認することで、彼女は自分を肯定することができます。彼女の行動によって他者が彼女を認め信頼するなら、こまちは自分の世界に入らなくても充実を得ることが出来ます。
・かれん
自分は孤独なんじゃないか?
そもそも孤独とはどういうことか。一人ぼっちとはどういうことか。それは多分、他人のことを考えずに、他人にも自分のことが考えられない状態であることを指すと思います。かれんはこまちのことを理解していると言います。つまり彼女は他者と関わっています。同時にこまちからも理解されます。相互関係が成り立っている以上、彼女は孤独ではありません。彼女が信頼し、信頼するこまち(他4名)が彼女を信頼し続ける限りかれんは本当の孤独に陥ることはありません。
・のぞみ
彼女が見た楽園的世界は友達と一緒に楽しく暮らす世界です。
皆が自分のせいでバラバラになってしまいます(関係に亀裂が入った)。おそらく彼女はそれを恐れたはずです。すぐにゴメンと言えなかったのも皆が不和に陥ることを恐れる余り出来なかったのだと思います。だから彼女が見た楽園とかけられた言葉は「考えるな」「楽しければいい」というものでした。
過程の無い結果はありません。何故自分は学年も性格もバラバラだった彼女達と友達なのか。それは彼女が一から作った関係だからです。最初から無条件で友達だったわけではありません。いつも仲良く一緒に過ごすのが友達、では友達とはどうやって作るんだ?
彼女は気付きます。友達というのがいつも楽しいばかりのものではないことに。結果だけを見るものではないことに。それは作り続けなければならないことを。そのことに彼女は気付きます。それを教えてくれた人に気付くことで。
そして彼女は自分には叶えたい夢があることを意思します。そして他者へと働きかけていきます。
のぞみ達5人は自分の中に閉じこもろうとしました、あるいは現実を直視したくないばかりに目を背けてしまいました。確かに不満や疑念が出てくるのは他者との関わりがあるからです。でも、自分に夢がある時、その夢が他者と繋がっていたら自分の中に閉じていたらいつまでたっても叶えることができません。不満や疑念は大きい感情で、ネガティブな感情は手足を縮こませようとします。しかし明確に自分にやりたいことがあった時、中に閉じるよりも外へ向かおうとします。
夢を叶えたい!友達でいたい!という、より強い意思は不安を払拭します。正確に言えば完全に払拭することはできません。いつでも出てくるからです。しかしそれを強い意思を持って克服し続ければ不安や疑念に負けることはありません。
私が前回の感想で、全員謝れ!と書いたのはそれが自分自身を振り返ることになるからです。5人とミルクは自分自身を振り返ります。振り返ると嫌なこともあります。しかし、その嫌なことの元々の本質は実は自分が一番欲しい故に出てくるものではないか。友達でいたいのに上手くいかない。夢を叶えたいのにできない。孤独でいたくない。信頼したい、されたい。それらは求めようとすれば失敗する可能性だってあります。
自己告発に対する(個人的に唯一だと思う)答えは、それを直視し受け入れることです。開き直るんじゃありません。認めることは自分の感情・行動を背負うことです。「私は思った」「私はやった」と。失敗や自分の醜い部分も認めてしまう。だからこそ「私は次にこうする」「次にこう思う」となる。その意思・行動に意味がある。それは状況に流されたり、自分に閉じてしまうのではなく、能動的な意思・行動が現実に作用し働きかけていくからです。主体性は自己を強くします。
そして自分の弱さを認めることは、他人の弱さを認めることもできるはずです(多分)。自分の弱さを知り、他者の弱さを知り、それを許し現状を変えていける意思と行動を起こし少しずつでもより良くして行けるならそれは素晴らしいことなんじゃないかと思う。自分だけでなく、他人とも成長していける。それって凄くカッコイイと思う(←めっちゃ主観的)
のぞみは謝ります。りん達も謝ります。ミルクも謝ります。それを彼女達は許し合います。自分にとって、あるいは他人にとっても都合の悪いことから目を背けず、直視し、それでもなおかつ許せるなら、『次』が目指せる。
③他者との関わりの中で
それら、自己告発からの克服として、他者が自分の中にいることに気付くというのぞみから始まる認識が広がっていくのも素晴らしい描写です。のぞみはココからの言葉に気付き自分を取り戻し、りんは自分の中にあるのぞみを見ます。うららも皆がいて応援してくれること、かれんとこまちが相互に自己の中にいること。そして他人の中に自分がいること。いやー、もう、これいいね。自己とは他者との関係において成り立っていると思っている(なんでそう思うかは分からんが、そう思っている)私としてはよりその理解を促がします。自己実現(夢を叶える、成長する)とは自分だけでやり遂げたり、自分だけのものじゃなくて、他者とも相互に成り立っていることに気付きます。そういう夢ややりたいことも他者の存在があって抱くことができるものだと思います。
主人公であるのぞみは超人ではありません。アホで不器用であることを除いても、彼女が立ち上がれたのもココがいたからです。彼女一人で克服はできませんでした。それは彼女も普通の人間であることを意味するのですが、同時に、その普通の人間であってもこの物語のように人の心を開き、繋ぎ、夢を目指していけることを意味します。人の言葉に気付き人に手を差し伸べ許すことのできる人間。人でありながら人を救うことが出来る人。ある意味救世主としての性質がのぞみにはあります。
プリキュア5は「夢」と「現実」の対比があります。それはナイトメアのような(一部戯画化された)現実だけではなく、自分自身の現実という一番痛いところまで取り入れたのは意欲的です。結論として自己告発の克服をやるのはよくあるんですが、中盤でそれをやっちゃうのが凄い。つまり、その先、自己告発の克服を踏まえた「夢」の提示の仕方が問われます。これは今回の課題よりも困難な課題です。そもそもそれを見る私も初めての経験だし。それをやってくれるのがプリキュアなので、大いに期待したいところです。
人は繋がっている!皆で協力すれば何でも出来る!という言葉など私は欲しくありません。私が欲しくて求めているのはそこに込められている意思と確信です。それをどのようにして実現し見せられるかを作品に求めています。プリキュアはその意味で個人的に質が高いです。どんどん物語そのものとは関係ないことが想起されてくるんですが、そういう作品に出会えることが嬉しいので。この調子でガンガン突き進んでいただきたい。
第23話「大ピンチ!悪夢の招待状」
○今週の出来事
①不協和音
ビーズで5色に彩られ蝶を模したオブジェを作る5人。お店の飾りにするようです。皆楽しそうに製作します。なかなか上手く作業が進まないのぞみ。ミルクがのぞみの分の作業をやろうとビーズを持っていってしまいます。追いかけるのぞみ。バタバタと走るのでオブジェが不安定に揺れます。注意するりん。了解するのぞみ。ミルクを机の下で捕まえたものの、ミルクが抵抗したためビーズを落としてしまいそれに驚いたのぞみは机に頭をぶつけてしまいます。反動でオブジェは倒れビーズは散乱してしまいます。
呆然とその光景を見る一同。製作にかけた数日間が無駄になってしまいました。
様子を見に来たココに駆け寄るミルク。自分は悪くないと言います。まだ誰もミルクの責を問うている者はいませんが、内心罪悪感があるのでしょう。
のぞみを怒るりん。のぞみはミルクが…と言い訳しようとしますが、人のせいにするなと一蹴されます。りんは一度のぞみを注意しているのでなおさらのぞみに怒っています。りんの強い態度にのぞみが可哀想だと口を出すうらら。ガツンと言わないと反省しない、と反駁します。わざとやったわけじゃないんだしと仲裁に入るこまち。のぞみはその言葉に頷いて返事をします。
のぞみの反省していない態度にかれんも強い態度で出ます。うららはこの問題を不問にしようとこまちに同意を求めます。状況としてはりんとかれんが叱責、うらら弁護、こまちは中立的・フォロー役です。どちらの意見にも一理あると曖昧に答えるこまち。かれんはそんな中途半端な態度に「こまちは甘いわ。優柔不断だわ」と言います。なかなか面倒なことになってきました。感情が高ぶってきている時は言葉が尖ってきます。ただの注意が叱責に聞こえてしまいますし、怒っているようにも感じられます。かれんの言葉にショックを受けるこまち。自分の失言に気付いたかれんは発言内容を訂正しようとしますが、一度受けたショックはそうそうなくなりません。かれんの言葉を聞くことなくうなだれるこまち。
かれんとこまちの問題を脇に置こうとしたりんに突っかかるかれん。尖った感情は尖った言葉になってどんどん飛び火していきます。とりなそうとするのぞみ。元々はのぞみのせいだ、と声が大きくなるりん。その言葉に声を大きくして突っかかるうらら。バン!という大きな音。ナッツがビーズを片付けろと言います。無言になる一同。
この場でのいざこざがエスカレートすることはなくなりましたが、各自の心に残った不満は沈静化することなく、むしろ消えない残り火となって心に焼きつきます。実はこういう状態が一番危険です。自分の本心を相手にぶつければ、あるいは落ち着きを取り戻すかもしれないし、相手の不満を知ることになるかもしれません。しかし、それが外に出なければ、じくじくと各自疑念と不満を抱きながら接することになります。外面は体裁よく整えてお互いにお互いの腹をさぐる。仲の良い友達だからそうはならない、親友だから、気心がしれているから、という保証はありません。状況は常に変化しそれに伴い人の心も変化する。疑念や不満はその逆の感情よりも強い感情です。募る度合いも、抱きやすさにおいても強い感情です。
②のぞみのとるべき行動
ビル。ブンビーはギリンマに一枚の黒いカードを差し出します。それを見て恐怖に身をガタガタ言わせるギリンマ。どうやら猶予は終わり本当の最後の選択になったようです。ナイトメアを止めるか忠誠心を見せるか、と問うブンビー。ギリンマはカードを受け取り命をかけてプリキュアを倒すと宣言します。
デスパライヤとカワリーノ。カワリーノ自ら出向くようです。何か秘策があるらしいカワリーノ。プリキュアの強さは5人の結束。ならばそれをバラバラにしてしまえば。
夜。ビーズを拾うココナッツ。多分あのまま5人は拾うことなく帰ったのでしょう。あの状態では顔を会わせるのも辛い。元気が無いミルク。自分が原因を作ってしまったことを自覚しています。しかしそれを受け入れられないミルクは自分は悪くない、とココの呼びかけに問われてもいないのに答えます。悪いことをしたり迷惑をかけたら謝らないといけないと諭すココ。ナッツは自分は悪くないと思っているのか?と問います。答えられず顔を落とすミルク。ココナッツのコンビは良いコンビです。前回もそうですが、ナッツは現状理解を促がしますし、ココは次に取るべき行動を促がします。もっとも、これはそれをしなければならない本人にとっては難しいことではあるのですが。ビーズを集めてくると部屋を飛び出していくミルク。外で独り佇むミルク。少々時間がかかりそうです。ココはのぞみが作っていたビーズを見つけます。
ランチタイム。独りテーブルにつくのぞみ。ココが話しかけてきます。どうやら皆用事があるらしくのぞみだけのようです。不満を口にするのぞみ。昨日のケンカが後を引いているのではないかと考えているのだろうと思います。ココはたまたま用事が重なっただけだと言います。昨日の事を気にしているんだろう、と単刀直入に尋ねるココ。のぞみはその問いを否定しきれません。
疑念や不満のやっかいなところは、それとは関係ない事象にたいしても関係付けてしまうところです。たまたま別な用事で来られなかっただけかもしれないのに、ケンカがあったから来ないのだ、という疑念を抱かせます。その疑念は下手をするといつしか自己の中で固まり(間違った)確信へと変わります。来ないのは自分を嫌っているからだ、と。
ココは皆はのぞみを中心にして集まったのだから、皆をもう一度笑顔にすることができるのはのぞみなのだと言います。しかしのぞみは自分が飾りを壊してしまったことを懸念しています。失敗は誰にでもある。これからどうするかが問題だと言うココ。ココはのぞみにビーズのキーホルダーを渡します。昨日のぞみが作っていた作りかけのビーズ。それに3色を足したもの。8色のビーズ。それが輪になっています。きっと上手くいく。飾りも仲直りも。ココはのぞみを励ましていきます。
「わざわざキーホルダにしなくても…」キーホルダーを掲げ「わざわざキーホルダーにしてくれたんだ」と言い直すのぞみ。余計なお節介なのか、好意なのか。それは受け取る側にも同等に問われます。前者は相手を疎ましく思い、後者は信頼を寄せます。お互いに後者なら、より強い関係を結ぶことになります。仲直りを頑張るぞ!と決定するのぞみ。
③告発
暗く厚い雲が空を覆っています。下校。かれんはこまちに昨日の件について謝ります。謝りながらもこまちを見れないかれん。こまちもかれんを見ることなく「いいのよ、別に」と答えます。ふたりの距離はほとんど他人と言える距離。
突如ギリンマが現れます。気配を察知したココ「何か出たな!」だからその何かという曖昧な表現をどうにかしなさい。
変身。個別変身です。久々なので良い感じですが、この場合は皆バラバラということの意味があるかもしれません。
身の破滅。ギリンマは懐から黒いオーラを出すカードを出します。黒い仮面に変化するそれ。ギリンマは自分の顔にその仮面を当てます。人間の挙動ではなく、明らかに意思が介在しない変化。異形と醜悪さに嫌悪を感じるくらいの変化。怖ぇぇ。ギリンマは巨大な怪物へと変化します。自身が言ったように彼ではなくなったことがハッキリと分かります。
社会(会社)に飲まれ、自己を見失った者の末路。人同士で構築されているはずの社会は人から個の自由を奪い、機械や物として扱うことがあります。そう扱われた者はそういう風にしか動けなくなります(周りからも、自分からもそういう規制が加えられる。「自分」とは自己だけでなく、他者からの視線があって構成されるので完全に周囲から物扱いされれば物としてしか動けない。奴隷など虐げられた者達がそうであるように)。普段おちゃらけていますが、ナイトメアの社会構造は人間社会のおぞましい、暗い、嫌な面を具現化(一部戯画化)しています。ギリンマは自由意思があるように見えて実はありません(人間的繋がりではなく、システム内での駒として扱われているし、自身もそう動いている)。
怪物の咆哮。怯むアクアとミント。怪物の攻撃で吹き飛ばされてしまいます。成す術も無くカワリーノに捕らわれるふたり。
歪んだ空間。生徒会室。会議を始める誰か。議題は水無月かれんについて。アクアの問いには答えず進める誰か。
「成績は学年トップ。あまりに優秀すぎて誰も彼女についていけないため常に周囲から浮いてしまう。そのことを悩んでいるのに誰にも相談しない。本当に友達と呼べる人はいない」
「嘘よ!」
「あなたは一人ぼっち」
顔を見せる誰か。仮面の主。その素顔はかれん自身。
お花畑。幻想的な空間。気が付くミント。こまちを模した人形が話しかけてきます。ぞろぞろと集まってくる人形達。ミントはこの人形が昔自分が初めて書いた物語のキャラクターだと思い当たります。
人形は私達と一緒に冒険の旅に出ようといいます。ミントを取り囲み飲み込もうとする人形達。怖ぇ。人形マジ怖ぇぇぇぇ。
「私皆のところに戻らないと…」
「本当は戻りたくないんでしょう? 頑張ってケンカを止めようとしたのに優柔不断と言われちゃって可哀想。気を遣うのももう嫌だなって思っているでしょう?」
「そっ、そんなこと…」
「ここならこまちちゃんの思い通りだよ。嫌なことなんて忘れて私達と遊ぼう」
人形達に飲み込まれていくミント。
ギリンマだった怪物は理性なくカワリーノにも攻撃しようとします。しかしそれを止めるカワリーノ。コイツ強いな。もう一働き。
独りで帰るりん。うららがのぞみの所在を尋ねてきます。知らないとそっけなく答えるりん。いつも一緒というわけではないし、面倒見切れないと言います。その物言いにのぞみが可哀想だと言ううらら。のぞみは別にりんの被保護者ではありませんし、(りんが思っているほど)子どもでもありません。
口を開けばのぞみのぞみと他に友達いないの?と言うりん。言って良い言葉と言ってはいけない言葉というものがありますが、これは完全に後者です。友達がいない、という指摘は人格に対してダメージを与えるからです。例えその意図がなくても、感情的にそう受け取ってしまいやすいからです。とはいえ、そのことがうららに大打撃を与えるかというと多分それほど問題は無いと思います。というのもうららはコミュニケーション能力が低いわけではなく、むしろ適性としては高いです。彼女に友達がいないのは本人に目標設定があるからで、のぞみ(と4人)以外の友達が居ないのは事実でしょうが、それは彼女も認めたうえでのことだからです。勿論、だからといってすんなり受け入れられるほど達観してはいないでしょうが。中学生ですし。
足を止めるうらら。りんは自分の失言に気付きます。しかし遅い。憤慨するうらら。のぞみと上手く行っていないからといって八つ当たりするな、と言います。ある意味八つ当たりしているのはうららにも当てはまりますが、りんがのぞみと上手く行っていないからイライラしているという指摘はおそらく正しい。うららはそのことに気付いている。
言い争いになるところに黒いピンキーが現れます。捕獲しようと追うふたり。突如目の前に怪物が現れます。怖い。今回の敵の見せ方は怖い。つか、全部怖い。
変身するもルージュは吹き飛ばされてしまいます。黒いピンキーはカワリーノに姿を変えます。偽装。罠。ルージュを捕獲。
街灯の下、足を痛めるルージュ。彼女に近づいてくる子ども。のぞみのせいだよね。その子どもは幼い頃の自分。
「いっつもそう。のぞみのせいで大変なことに巻き込まれてさ、こっちが必死に面倒みているのにちっとも感謝してないし。あんな子、友達じゃないよ」
「そんなことない!」
「のぞみなんていなきゃいいのに、そう思ったことない?」
必殺技で抵抗するレモネードですが、通じません。レモネード一人でどうにかできる相手ではありません。やはり吹き飛ばされ捕獲されてしまいます。
化粧室。楽屋。鏡に映るのは仕事着の自分。うららは仕事が大変なのでプリキュアやっている暇はないな、とそっけなく言います。それこそ楽屋で本音を口にするように。レモネードは反駁します。それに反駁するうらら。
「入学するときあなたは決意していた。女優になるのが最優先。友達ができなくても構わない。って」
鏡の中から実体を現すうらら。怖い。これはマジ怖い。つか、全部怖い。
「両方なるなんて絶対無理。女優かプリキュアあなたどっちを選ぶ?」
「ほーら迷っている。あなたは素敵な女優になれるわ」
④友達を取り戻すために
ナッツハウスに来るのぞみ。他の4人の所在を尋ねるココ。さっき何か出たと言います。だから、その何かって何だよ。「ナイトメア?」と聞くのぞみ。危険な兆候です。
カワリーノが現れます。仲間は預かっている。人質としてコレットを要求します。
りん、うらら、こまち、かれんを思い返すのぞみ。ナッツの鞄からコレットを出して、仲間を傷つけたらコレットを壊すと言います。目を見開くカワリーノ。強い。流石はこの作品の主人公。
ミルクが止めようとしますがココナッツが無言で制します。コレットを壊せばパルミエは復活できない。しかしコレットをナイトメアに渡すくらいなら壊した方がマシだとココナッツは言い返します。のぞみは仲間の元に連れて行けと要求します。カワリーノは承知して扉を開けます。付いて行くのぞみ。ミルクを残しココナッツも行きます。独り残されたミルクも後を追います。
ビルの前に来るのぞみ達(ミルク除く)。エレベータが着いた先はいつもの部屋。驚いたブンビーがお茶を吹きます。しれっとした態度で連れてきたというカワリーノ。
デスパライヤがモニターに映ります。友達などいないと言います。
現れる4人。無表情な仮面を被った4人。
⑤次回予告
完全無欠な大逆転決定の予告。「またみてね」のギリンマに哀悼の意を。
○トピック
中盤にさしかかりある種の決算。
敵の術中で仲が悪くなるのではなく、日常の出来事がキッカケで亀裂が入り、そこに漬け込まれる展開はプリキュアらしいです。この問題の本質は敵(カワリーリ)を倒すことではなく、自分達がそうなってしまった、そう漬け込まれてしまったことそれ自体。解決方法は自分達にあり、自分達で解決せねばなりません。
さて、心理的に最も苦痛を伴うものとは何でしょうか? それは自己告発です。経験談ですが。
他人から「お前は友達がいない」と言われるのと自分で自分に「私は友達がいない」と言われるのとどちらが辛いか。後者です。これは自虐的に「自分はダメだよなー」というある種の気休めなど一切含まない本気の問いかけです。他人からの言葉は耳を塞ぐことも反駁することもできるでしょう。言い訳することだって出来る。心理的な逃げ場を作ることができます。
でも、自分で自分に行う告発はその逃げ場がないのです。だから自分に向けられた自分の言葉は正面から受けるしかなく、辛く、おぞましく、自分の劣性や醜悪さを見ざるを得ないのです。
今回のぞみ以外の4人が各個に経験する自分からの言葉を簡単に纏めると
実は友達と言える人なんていないんじゃないの?
他人に気を遣うのは疲れない?やめて自分のことを考えたら?
のぞみなんていなきゃいいのにって思ったことない?
本当にプリキュアをやりたいの?
これは自己の発する疑念と告発です。だから皆、自分自身が言うその言葉に反駁できません。実際にそう思う節がある。または、そう言われて振り払えるだけの意思を持っていない。疑念がある。普段は意識せず、奥底にあった感情や疑念が膨らみ大きくなって自分の前に現れるとそこから逃げたくなります。意識を失い仮面を被って現れるのは一種の逃避です。自分から逃げる。だから自分の顔がない仮面をつける。
のぞみとの出会いで少しずつ変わっていった彼女達ですが、普段それを意識することはありません。14話でかれんがこちまに変わった、と言われて気付くように、よほど意識して生活しているか、急激な変化がなければ自覚症状はまずない。(変質しているのが自分自身なのだからそれに自分が気付くのは困難)
しかし、のぞみと出会う前の自分と、出会った後の自分には変化した分だけのギャップが生まれています。果たしてその変化を自分が許容できるのか。実はその変化というのは単に自分が我慢したり偽っていただけで、良いものではなかったのではないか? 解決などしていなかったのではないか? より自分が辛い状況に陥っているだけではないのか? そう突然問われて「自分の経験していること、これから経験するであろうことは正しい」と躊躇うことなく答えられる人はいないでしょう。答えられる人はそもそもそんな疑問を抱きません。後述しますが、答えられる人は既に疑問を受けて答えた人です。
嫌な現実ですが、そういう疑念に対する現実的な対応は、目を逸らすか、偽り続けるか忘れることです。というのもそれが一番楽で苦痛を感じないからです。
4人それぞれの告発には共通点があります。
他者に構わない。という共通点。(かれんはそもそも友達(他者)がいないというものですが)
こまちは他人を気を遣わずに、自分の旅に出ようと誘います。
りんはのぞみに構うのをやめよう、自分が面倒なだけ。
うららは自分のやりたいことを最優先しよう。
自己に閉じるというのはよくテーマにされますが、それは実際にそこに陥りがちになるからです。誰だって面倒なことはしたくないし、面倒を見ても評価されないなら嫌だし、自分がよくなりたい。そう思う。他者にかかずらっている暇なんてない。面倒なだけ。嫌な思いをしたくないと感じる。それは誰だって思う。普段そう思ってなくても場合によってはそう思う。実際にそうだから。誰だって自分の時間、自由、評価が欲しい。
そして自己に閉じるのが最も楽なんです。痛い思いをしないし、苦労して行動したあげく実は無駄骨だったという思いをすることもない。リスクがない。自分が何かを働きかけることはリスクを伴います。それは苦楽を伴いますが、リスクがなければ少なくても辛い思いをすることはない。何もしなくても、他人の方から関わってくるかもしれないのだから自分が何かをする必要などない。
自分の中に閉じようよ、という問いかけは魅惑的です。人は嫌なことは避けたいと思います。それは良い目にあいたいという願望より強い。死にたくない、痛い思いをしたくない、自分だけ失敗したくない、恥をかきたくない。だから閉じる。しかし同時にそれは孤独という辛さを味わう(かれんがそれを担当しているとも言える)。
他者が居ても、居なくても辛い。
それら自己告発に対する個人的に最善の対処方法は、それを受け入れて答えを出すことです。目を背けても、閉じこもっても、結局は何一つ解決することはありません。だから向き合って(受け入れて)答えを出すしか問題を解決する方法がありません。精神的にはとても辛いことですが。自分の本心、現実に向き合って乗り越えた時に、自分の意思は明確になります。それが強ければ確信になるでしょう。その確信は些細な戯言などには揺れない自己を作ります。疑念や不満は誰だって抱きます。それは悪いことでもなんでもありません。普通で当たり前のことです。問題なのはそれに向き合えるかどうかです。そして何をするか。あ、何か私偉そうなこと言ってますが、基本こういう考え方してるってだけです。それが常に出来ているかというかと、出来ていませんね。
のぞみとだけではなく、かれんはこまちと、りんはうららと仲たがいしてしまいます。ものの見事に5人バラバラ。しかし、自分で犯した罪は自分で責任を取るのが筋です。悪いと思っているなら謝る。のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、ミルク、お前ら全員謝れ。
謝るということは、自分の非を認めるということです。それは一つの「答え」の出し方です。誰しもが失敗する。だけど重要なのはこの先どうするか。答えの鍵は今回で提示されています。
最重要問題、閉じてしまった4人をどう開かせるか。のぞみの真価の見せ所。アホで不器用で無能だけど、何にもましてこの作品の主人公足らしめるその力。実はそれがこの作品のテーマを支え前提とする重要なもの(というか、それが無いと物語が成り立たない。ある意味これを明示し毅然と描けるかどうかがテーマ)だと思っているのですが、さて、どうなるか。楽しみ。
余談。幼少こまちも登場。幼少プリキュア5をやったら一部の客層に受けると思います。少なくとも私は有りだと思います。
①不協和音
ビーズで5色に彩られ蝶を模したオブジェを作る5人。お店の飾りにするようです。皆楽しそうに製作します。なかなか上手く作業が進まないのぞみ。ミルクがのぞみの分の作業をやろうとビーズを持っていってしまいます。追いかけるのぞみ。バタバタと走るのでオブジェが不安定に揺れます。注意するりん。了解するのぞみ。ミルクを机の下で捕まえたものの、ミルクが抵抗したためビーズを落としてしまいそれに驚いたのぞみは机に頭をぶつけてしまいます。反動でオブジェは倒れビーズは散乱してしまいます。
呆然とその光景を見る一同。製作にかけた数日間が無駄になってしまいました。
様子を見に来たココに駆け寄るミルク。自分は悪くないと言います。まだ誰もミルクの責を問うている者はいませんが、内心罪悪感があるのでしょう。
のぞみを怒るりん。のぞみはミルクが…と言い訳しようとしますが、人のせいにするなと一蹴されます。りんは一度のぞみを注意しているのでなおさらのぞみに怒っています。りんの強い態度にのぞみが可哀想だと口を出すうらら。ガツンと言わないと反省しない、と反駁します。わざとやったわけじゃないんだしと仲裁に入るこまち。のぞみはその言葉に頷いて返事をします。
のぞみの反省していない態度にかれんも強い態度で出ます。うららはこの問題を不問にしようとこまちに同意を求めます。状況としてはりんとかれんが叱責、うらら弁護、こまちは中立的・フォロー役です。どちらの意見にも一理あると曖昧に答えるこまち。かれんはそんな中途半端な態度に「こまちは甘いわ。優柔不断だわ」と言います。なかなか面倒なことになってきました。感情が高ぶってきている時は言葉が尖ってきます。ただの注意が叱責に聞こえてしまいますし、怒っているようにも感じられます。かれんの言葉にショックを受けるこまち。自分の失言に気付いたかれんは発言内容を訂正しようとしますが、一度受けたショックはそうそうなくなりません。かれんの言葉を聞くことなくうなだれるこまち。
かれんとこまちの問題を脇に置こうとしたりんに突っかかるかれん。尖った感情は尖った言葉になってどんどん飛び火していきます。とりなそうとするのぞみ。元々はのぞみのせいだ、と声が大きくなるりん。その言葉に声を大きくして突っかかるうらら。バン!という大きな音。ナッツがビーズを片付けろと言います。無言になる一同。
この場でのいざこざがエスカレートすることはなくなりましたが、各自の心に残った不満は沈静化することなく、むしろ消えない残り火となって心に焼きつきます。実はこういう状態が一番危険です。自分の本心を相手にぶつければ、あるいは落ち着きを取り戻すかもしれないし、相手の不満を知ることになるかもしれません。しかし、それが外に出なければ、じくじくと各自疑念と不満を抱きながら接することになります。外面は体裁よく整えてお互いにお互いの腹をさぐる。仲の良い友達だからそうはならない、親友だから、気心がしれているから、という保証はありません。状況は常に変化しそれに伴い人の心も変化する。疑念や不満はその逆の感情よりも強い感情です。募る度合いも、抱きやすさにおいても強い感情です。
②のぞみのとるべき行動
ビル。ブンビーはギリンマに一枚の黒いカードを差し出します。それを見て恐怖に身をガタガタ言わせるギリンマ。どうやら猶予は終わり本当の最後の選択になったようです。ナイトメアを止めるか忠誠心を見せるか、と問うブンビー。ギリンマはカードを受け取り命をかけてプリキュアを倒すと宣言します。
デスパライヤとカワリーノ。カワリーノ自ら出向くようです。何か秘策があるらしいカワリーノ。プリキュアの強さは5人の結束。ならばそれをバラバラにしてしまえば。
夜。ビーズを拾うココナッツ。多分あのまま5人は拾うことなく帰ったのでしょう。あの状態では顔を会わせるのも辛い。元気が無いミルク。自分が原因を作ってしまったことを自覚しています。しかしそれを受け入れられないミルクは自分は悪くない、とココの呼びかけに問われてもいないのに答えます。悪いことをしたり迷惑をかけたら謝らないといけないと諭すココ。ナッツは自分は悪くないと思っているのか?と問います。答えられず顔を落とすミルク。ココナッツのコンビは良いコンビです。前回もそうですが、ナッツは現状理解を促がしますし、ココは次に取るべき行動を促がします。もっとも、これはそれをしなければならない本人にとっては難しいことではあるのですが。ビーズを集めてくると部屋を飛び出していくミルク。外で独り佇むミルク。少々時間がかかりそうです。ココはのぞみが作っていたビーズを見つけます。
ランチタイム。独りテーブルにつくのぞみ。ココが話しかけてきます。どうやら皆用事があるらしくのぞみだけのようです。不満を口にするのぞみ。昨日のケンカが後を引いているのではないかと考えているのだろうと思います。ココはたまたま用事が重なっただけだと言います。昨日の事を気にしているんだろう、と単刀直入に尋ねるココ。のぞみはその問いを否定しきれません。
疑念や不満のやっかいなところは、それとは関係ない事象にたいしても関係付けてしまうところです。たまたま別な用事で来られなかっただけかもしれないのに、ケンカがあったから来ないのだ、という疑念を抱かせます。その疑念は下手をするといつしか自己の中で固まり(間違った)確信へと変わります。来ないのは自分を嫌っているからだ、と。
ココは皆はのぞみを中心にして集まったのだから、皆をもう一度笑顔にすることができるのはのぞみなのだと言います。しかしのぞみは自分が飾りを壊してしまったことを懸念しています。失敗は誰にでもある。これからどうするかが問題だと言うココ。ココはのぞみにビーズのキーホルダーを渡します。昨日のぞみが作っていた作りかけのビーズ。それに3色を足したもの。8色のビーズ。それが輪になっています。きっと上手くいく。飾りも仲直りも。ココはのぞみを励ましていきます。
「わざわざキーホルダにしなくても…」キーホルダーを掲げ「わざわざキーホルダーにしてくれたんだ」と言い直すのぞみ。余計なお節介なのか、好意なのか。それは受け取る側にも同等に問われます。前者は相手を疎ましく思い、後者は信頼を寄せます。お互いに後者なら、より強い関係を結ぶことになります。仲直りを頑張るぞ!と決定するのぞみ。
③告発
暗く厚い雲が空を覆っています。下校。かれんはこまちに昨日の件について謝ります。謝りながらもこまちを見れないかれん。こまちもかれんを見ることなく「いいのよ、別に」と答えます。ふたりの距離はほとんど他人と言える距離。
突如ギリンマが現れます。気配を察知したココ「何か出たな!」だからその何かという曖昧な表現をどうにかしなさい。
変身。個別変身です。久々なので良い感じですが、この場合は皆バラバラということの意味があるかもしれません。
身の破滅。ギリンマは懐から黒いオーラを出すカードを出します。黒い仮面に変化するそれ。ギリンマは自分の顔にその仮面を当てます。人間の挙動ではなく、明らかに意思が介在しない変化。異形と醜悪さに嫌悪を感じるくらいの変化。怖ぇぇ。ギリンマは巨大な怪物へと変化します。自身が言ったように彼ではなくなったことがハッキリと分かります。
社会(会社)に飲まれ、自己を見失った者の末路。人同士で構築されているはずの社会は人から個の自由を奪い、機械や物として扱うことがあります。そう扱われた者はそういう風にしか動けなくなります(周りからも、自分からもそういう規制が加えられる。「自分」とは自己だけでなく、他者からの視線があって構成されるので完全に周囲から物扱いされれば物としてしか動けない。奴隷など虐げられた者達がそうであるように)。普段おちゃらけていますが、ナイトメアの社会構造は人間社会のおぞましい、暗い、嫌な面を具現化(一部戯画化)しています。ギリンマは自由意思があるように見えて実はありません(人間的繋がりではなく、システム内での駒として扱われているし、自身もそう動いている)。
怪物の咆哮。怯むアクアとミント。怪物の攻撃で吹き飛ばされてしまいます。成す術も無くカワリーノに捕らわれるふたり。
歪んだ空間。生徒会室。会議を始める誰か。議題は水無月かれんについて。アクアの問いには答えず進める誰か。
「成績は学年トップ。あまりに優秀すぎて誰も彼女についていけないため常に周囲から浮いてしまう。そのことを悩んでいるのに誰にも相談しない。本当に友達と呼べる人はいない」
「嘘よ!」
「あなたは一人ぼっち」
顔を見せる誰か。仮面の主。その素顔はかれん自身。
お花畑。幻想的な空間。気が付くミント。こまちを模した人形が話しかけてきます。ぞろぞろと集まってくる人形達。ミントはこの人形が昔自分が初めて書いた物語のキャラクターだと思い当たります。
人形は私達と一緒に冒険の旅に出ようといいます。ミントを取り囲み飲み込もうとする人形達。怖ぇ。人形マジ怖ぇぇぇぇ。
「私皆のところに戻らないと…」
「本当は戻りたくないんでしょう? 頑張ってケンカを止めようとしたのに優柔不断と言われちゃって可哀想。気を遣うのももう嫌だなって思っているでしょう?」
「そっ、そんなこと…」
「ここならこまちちゃんの思い通りだよ。嫌なことなんて忘れて私達と遊ぼう」
人形達に飲み込まれていくミント。
ギリンマだった怪物は理性なくカワリーノにも攻撃しようとします。しかしそれを止めるカワリーノ。コイツ強いな。もう一働き。
独りで帰るりん。うららがのぞみの所在を尋ねてきます。知らないとそっけなく答えるりん。いつも一緒というわけではないし、面倒見切れないと言います。その物言いにのぞみが可哀想だと言ううらら。のぞみは別にりんの被保護者ではありませんし、(りんが思っているほど)子どもでもありません。
口を開けばのぞみのぞみと他に友達いないの?と言うりん。言って良い言葉と言ってはいけない言葉というものがありますが、これは完全に後者です。友達がいない、という指摘は人格に対してダメージを与えるからです。例えその意図がなくても、感情的にそう受け取ってしまいやすいからです。とはいえ、そのことがうららに大打撃を与えるかというと多分それほど問題は無いと思います。というのもうららはコミュニケーション能力が低いわけではなく、むしろ適性としては高いです。彼女に友達がいないのは本人に目標設定があるからで、のぞみ(と4人)以外の友達が居ないのは事実でしょうが、それは彼女も認めたうえでのことだからです。勿論、だからといってすんなり受け入れられるほど達観してはいないでしょうが。中学生ですし。
足を止めるうらら。りんは自分の失言に気付きます。しかし遅い。憤慨するうらら。のぞみと上手く行っていないからといって八つ当たりするな、と言います。ある意味八つ当たりしているのはうららにも当てはまりますが、りんがのぞみと上手く行っていないからイライラしているという指摘はおそらく正しい。うららはそのことに気付いている。
言い争いになるところに黒いピンキーが現れます。捕獲しようと追うふたり。突如目の前に怪物が現れます。怖い。今回の敵の見せ方は怖い。つか、全部怖い。
変身するもルージュは吹き飛ばされてしまいます。黒いピンキーはカワリーノに姿を変えます。偽装。罠。ルージュを捕獲。
街灯の下、足を痛めるルージュ。彼女に近づいてくる子ども。のぞみのせいだよね。その子どもは幼い頃の自分。
「いっつもそう。のぞみのせいで大変なことに巻き込まれてさ、こっちが必死に面倒みているのにちっとも感謝してないし。あんな子、友達じゃないよ」
「そんなことない!」
「のぞみなんていなきゃいいのに、そう思ったことない?」
必殺技で抵抗するレモネードですが、通じません。レモネード一人でどうにかできる相手ではありません。やはり吹き飛ばされ捕獲されてしまいます。
化粧室。楽屋。鏡に映るのは仕事着の自分。うららは仕事が大変なのでプリキュアやっている暇はないな、とそっけなく言います。それこそ楽屋で本音を口にするように。レモネードは反駁します。それに反駁するうらら。
「入学するときあなたは決意していた。女優になるのが最優先。友達ができなくても構わない。って」
鏡の中から実体を現すうらら。怖い。これはマジ怖い。つか、全部怖い。
「両方なるなんて絶対無理。女優かプリキュアあなたどっちを選ぶ?」
「ほーら迷っている。あなたは素敵な女優になれるわ」
④友達を取り戻すために
ナッツハウスに来るのぞみ。他の4人の所在を尋ねるココ。さっき何か出たと言います。だから、その何かって何だよ。「ナイトメア?」と聞くのぞみ。危険な兆候です。
カワリーノが現れます。仲間は預かっている。人質としてコレットを要求します。
りん、うらら、こまち、かれんを思い返すのぞみ。ナッツの鞄からコレットを出して、仲間を傷つけたらコレットを壊すと言います。目を見開くカワリーノ。強い。流石はこの作品の主人公。
ミルクが止めようとしますがココナッツが無言で制します。コレットを壊せばパルミエは復活できない。しかしコレットをナイトメアに渡すくらいなら壊した方がマシだとココナッツは言い返します。のぞみは仲間の元に連れて行けと要求します。カワリーノは承知して扉を開けます。付いて行くのぞみ。ミルクを残しココナッツも行きます。独り残されたミルクも後を追います。
ビルの前に来るのぞみ達(ミルク除く)。エレベータが着いた先はいつもの部屋。驚いたブンビーがお茶を吹きます。しれっとした態度で連れてきたというカワリーノ。
デスパライヤがモニターに映ります。友達などいないと言います。
現れる4人。無表情な仮面を被った4人。
⑤次回予告
完全無欠な大逆転決定の予告。「またみてね」のギリンマに哀悼の意を。
○トピック
中盤にさしかかりある種の決算。
敵の術中で仲が悪くなるのではなく、日常の出来事がキッカケで亀裂が入り、そこに漬け込まれる展開はプリキュアらしいです。この問題の本質は敵(カワリーリ)を倒すことではなく、自分達がそうなってしまった、そう漬け込まれてしまったことそれ自体。解決方法は自分達にあり、自分達で解決せねばなりません。
さて、心理的に最も苦痛を伴うものとは何でしょうか? それは自己告発です。経験談ですが。
他人から「お前は友達がいない」と言われるのと自分で自分に「私は友達がいない」と言われるのとどちらが辛いか。後者です。これは自虐的に「自分はダメだよなー」というある種の気休めなど一切含まない本気の問いかけです。他人からの言葉は耳を塞ぐことも反駁することもできるでしょう。言い訳することだって出来る。心理的な逃げ場を作ることができます。
でも、自分で自分に行う告発はその逃げ場がないのです。だから自分に向けられた自分の言葉は正面から受けるしかなく、辛く、おぞましく、自分の劣性や醜悪さを見ざるを得ないのです。
今回のぞみ以外の4人が各個に経験する自分からの言葉を簡単に纏めると
実は友達と言える人なんていないんじゃないの?
他人に気を遣うのは疲れない?やめて自分のことを考えたら?
のぞみなんていなきゃいいのにって思ったことない?
本当にプリキュアをやりたいの?
これは自己の発する疑念と告発です。だから皆、自分自身が言うその言葉に反駁できません。実際にそう思う節がある。または、そう言われて振り払えるだけの意思を持っていない。疑念がある。普段は意識せず、奥底にあった感情や疑念が膨らみ大きくなって自分の前に現れるとそこから逃げたくなります。意識を失い仮面を被って現れるのは一種の逃避です。自分から逃げる。だから自分の顔がない仮面をつける。
のぞみとの出会いで少しずつ変わっていった彼女達ですが、普段それを意識することはありません。14話でかれんがこちまに変わった、と言われて気付くように、よほど意識して生活しているか、急激な変化がなければ自覚症状はまずない。(変質しているのが自分自身なのだからそれに自分が気付くのは困難)
しかし、のぞみと出会う前の自分と、出会った後の自分には変化した分だけのギャップが生まれています。果たしてその変化を自分が許容できるのか。実はその変化というのは単に自分が我慢したり偽っていただけで、良いものではなかったのではないか? 解決などしていなかったのではないか? より自分が辛い状況に陥っているだけではないのか? そう突然問われて「自分の経験していること、これから経験するであろうことは正しい」と躊躇うことなく答えられる人はいないでしょう。答えられる人はそもそもそんな疑問を抱きません。後述しますが、答えられる人は既に疑問を受けて答えた人です。
嫌な現実ですが、そういう疑念に対する現実的な対応は、目を逸らすか、偽り続けるか忘れることです。というのもそれが一番楽で苦痛を感じないからです。
4人それぞれの告発には共通点があります。
他者に構わない。という共通点。(かれんはそもそも友達(他者)がいないというものですが)
こまちは他人を気を遣わずに、自分の旅に出ようと誘います。
りんはのぞみに構うのをやめよう、自分が面倒なだけ。
うららは自分のやりたいことを最優先しよう。
自己に閉じるというのはよくテーマにされますが、それは実際にそこに陥りがちになるからです。誰だって面倒なことはしたくないし、面倒を見ても評価されないなら嫌だし、自分がよくなりたい。そう思う。他者にかかずらっている暇なんてない。面倒なだけ。嫌な思いをしたくないと感じる。それは誰だって思う。普段そう思ってなくても場合によってはそう思う。実際にそうだから。誰だって自分の時間、自由、評価が欲しい。
そして自己に閉じるのが最も楽なんです。痛い思いをしないし、苦労して行動したあげく実は無駄骨だったという思いをすることもない。リスクがない。自分が何かを働きかけることはリスクを伴います。それは苦楽を伴いますが、リスクがなければ少なくても辛い思いをすることはない。何もしなくても、他人の方から関わってくるかもしれないのだから自分が何かをする必要などない。
自分の中に閉じようよ、という問いかけは魅惑的です。人は嫌なことは避けたいと思います。それは良い目にあいたいという願望より強い。死にたくない、痛い思いをしたくない、自分だけ失敗したくない、恥をかきたくない。だから閉じる。しかし同時にそれは孤独という辛さを味わう(かれんがそれを担当しているとも言える)。
他者が居ても、居なくても辛い。
それら自己告発に対する個人的に最善の対処方法は、それを受け入れて答えを出すことです。目を背けても、閉じこもっても、結局は何一つ解決することはありません。だから向き合って(受け入れて)答えを出すしか問題を解決する方法がありません。精神的にはとても辛いことですが。自分の本心、現実に向き合って乗り越えた時に、自分の意思は明確になります。それが強ければ確信になるでしょう。その確信は些細な戯言などには揺れない自己を作ります。疑念や不満は誰だって抱きます。それは悪いことでもなんでもありません。普通で当たり前のことです。問題なのはそれに向き合えるかどうかです。そして何をするか。あ、何か私偉そうなこと言ってますが、基本こういう考え方してるってだけです。それが常に出来ているかというかと、出来ていませんね。
のぞみとだけではなく、かれんはこまちと、りんはうららと仲たがいしてしまいます。ものの見事に5人バラバラ。しかし、自分で犯した罪は自分で責任を取るのが筋です。悪いと思っているなら謝る。のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、ミルク、お前ら全員謝れ。
謝るということは、自分の非を認めるということです。それは一つの「答え」の出し方です。誰しもが失敗する。だけど重要なのはこの先どうするか。答えの鍵は今回で提示されています。
最重要問題、閉じてしまった4人をどう開かせるか。のぞみの真価の見せ所。アホで不器用で無能だけど、何にもましてこの作品の主人公足らしめるその力。実はそれがこの作品のテーマを支え前提とする重要なもの(というか、それが無いと物語が成り立たない。ある意味これを明示し毅然と描けるかどうかがテーマ)だと思っているのですが、さて、どうなるか。楽しみ。
余談。幼少こまちも登場。幼少プリキュア5をやったら一部の客層に受けると思います。少なくとも私は有りだと思います。