カテゴリー [ MaxHeart ]
- ・コラム9「プリキュアが私に与えたもの」
- ・コラム8「MHビジュアルファンブック Vol.2」
- ・コラム7「ふたりはプリキュアの総括感想」
- ・最終話「扉を開けて!ここから始まる物語」
- ・コラム6「VocalアルバムⅡ、MHサントラとか」
- ・第46話「捨て身の総攻撃!闇の戦士マックスパワー!!」
- ・第45話「無限の闇 永遠の光」
- ・第44話「ひかりが消えた日 明日を探す日!」
- ・第43話「最後の冬休み!特別授業だザケンナー!?」
- ・第42話「銀盤の恋人たち?滑って転んで大ピンチ!」
- ・映画ふたりはプリキュアMaxHeart2雪空のともだち
- ・第41話「気迫で渡せ!ちょこっと勇気のプレゼント!!」
- ・第40話「ふたりは最高!全開バリバリなぎさと亮太!!」
- ・第39話「燃え尽きろ!青春ラクロス決勝戦!!」
- ・第38話「さよならほのか!?絆は固く永遠に!」
- ・第37話「なぎさ飛ぶ!ほのか舞う!志穂全力の大舞台!」
- ・第36話「おうちに帰して~!ポルンとルルンの大冒険」
- ・第35話「マジヤバ修学旅行!思い出作りは危険な香り」
- ・コラム5「キャラクター&ヴォーカルCD」
- ・第34話「旅だ仲間だ!修学旅行だザケンナー!?」
- ・コラム4「MHビジュアルファンブック Vol.1」
- ・第33話「勇気を出して!なぎさ波乱のバースデー!!」
- ・第32話「闇から守れ!この世で一番大事な笑顔!!」
- ・第31話「バルデス復活!チームワークでギリギリ突破!!」
- ・第30話「頑張れルルン!未来を紡ぐ光の力!!」
- ・第29話「ウソマジホント?ポルンの子守大作戦!」
- ・コラム3「シャイニールミナスの役割」
- ・第28話「ベローネパニック!わんぱく王女のお化け退治」
- ・第27話「残った宿題片付けろ!梨と嵐とザケンナー!!」
- ・第26話「負けるななぎさ!みんな悩んで大きくなった!!」
コラム9「プリキュアが私に与えたもの」
プリキュアっていうか、完全に私の内側の話。
個人的に、現時点(2007年初頭、満25歳)で最も人生において影響を及ぼした出来事・作品をあげろと言われたら「Prismaticallization(以下プリズマ)」だと答えます。
そのため、個人的に最高の作品を挙げるならプリズマを挙げます。と同時にプリキュアも挙げます。個人的にこの2作品は同格です。影響度合いで言えば前者が最も大きく、私の価値観の基礎すら作っています。その価値観によってプリキュアを見ましたがプリキュアはこの価値観をさらに強化した(自分の思想体系を一個上にあげた)という点で評価しています。
日常が退屈だったり、惰性で過ごしたりすることがあります。学校、会社、自分の部屋、その往復。同時に自分が特別な存在でもなく、万能でもなく、所詮は人並みでしかないという限界。自分が他者にどれほど思われているのか、自分は必要とされていないのではないかという不安。そしてその現実を認めたくない、目を逸らしたいという自分の弱さ。躊躇いと葛藤によって身動きが出来なくなる。それらを直視したのがプリズマです。この作品の主人公が得た結論は「そんな日常と自分を受け入れて、それでも日常を歩んでいこうと一歩を踏み出す意志を持つ」ことでした。これがどれほど当時の自分にとって大きな感動だったかは7年近くを経過しても心に残り、その意志を持ち続けている点で自分でも大きいと思っています。
そしてプリキュアはその先のお話。日常に対して一歩を踏み出した自分が社会に出て色々経験してどうすることが日常を過ごす上で良いことなのか分かりかけてきた時に見た作品でした。プリキュアって真剣に日常を捉えているんですよね。友達にしても、学校での出来事にしても、自分が経験することにしても一生懸命それに向かって動く。必ず前を向いて太陽の方を向いている。
どうやったら日常に退屈しないでいられるか、自分が何を持って正しいと言えるのか、その悩みへの答えはプリキュアを見て確信できた。日常を、自分の生を一生懸命真っ当することがその答えであり、そのことが自分の自信(自らを信じる)になる。
未だにMH(最終回)は凄いと思うのは、あらゆる装飾・理由を取り払って自分がこの世に存在する理由を「生きているから」という一点にまで絞り込んだことにあります。プリキュアの敵というのは具体的に何かの組織とか悪者というわけではなく、大きく圧倒的な絶望や現実や力の象徴だと思う。その敵に対して自分が抗う理由は、「人のため、世のため」などという自分の外にあるものではなく、自分自身の『生』そのもの。つまり自分が在るから自分が戦うのだという完全な自己帰結です。
生きている以上他の生物を食べたり、影響を及ぼします。自分自身を蚊帳の外に置いた完全な他者や何かのための行動や理由など存在しません。その行動・理由は突き詰めてしまえば自分のためです。「自分以外の何かのために」という言い訳は自己責任を棚上げしています。結局、自分のエゴのために自分は行動することになります。私はそれが悪いことだとは思いません。生きている以上、何かしらの影響を外に与えるからです。エゴを否定することは『生』そのものを否定することになります。だから「何故抗うのだ? そんなことをするのだ?」という問いに対する答えは、生物が生きている以上絶対に持ち唯一揺るがしがたい理由である「生きているから」に他なりません。これを真正面から導き出したプリキュアを見たときは本当に身震いしました。生きることの賛歌がここにあります。
一生懸命生きてきたなぎさ、ほのか、ひかりが自分達と繋がっている人・出来事を愛し、だからこそ自分の生を尊ぶことができます。何もしない人にはこの強さを出すことはできないでしょう(何もしてこなかった人ほど自分に自信が持てない←私がそうだった)。自分が行ってきた、想ってきた経験、自分の生を肯定することの美しさ、気高さ。ひかりが愛し愛された虹の園での経験を胸にして自分の生を真っ当するためにクイーンになると決意したことはなぎさとほのかと同じように生への賛歌なのです(虹の園のためにクイーンになるのではなく、自分が生きているから、生きることで未来(自分が存在しないのに未来を志向することなどできない)が開けるからこそクイーンになる)。違う生き方をしてきても同じ結論へと向かう。前を真っ直ぐに見る人が辿る同じ道なのでしょう。
自分に、日常に一生懸命やってきたからこそ自分を肯定し得る。日常が、自分が、別々にあるのではなく、生きていることそのものが日常と自分を内包し自分を作り上げていく。生への賛歌、それを信じる人への希望、人間賛歌。現実や自分に辛く思うことがあっても、このことを信じられることの素晴らしさ。それらが判った。
これらのことは知識ではありません。意識的な問題。知識や技術は習得することができますが、これらの意識的なものは憶えることではなく覚えることなのでしょう。その経験は貴重です。自発的・任意的に得られるとは思えません(出来るとしても私にはまだその術が無い)。だから、その意識を教えてくれた作品はすべからく私にとって大切なものです。プリズマやプリキュア以外にもあります。作品だけではなく、出来事や人でもあります。そのことを忘れず、意識して生きていけたら退屈どころか充実した日々を送れるのだろうと信じています。
個人的に、現時点(2007年初頭、満25歳)で最も人生において影響を及ぼした出来事・作品をあげろと言われたら「Prismaticallization(以下プリズマ)」だと答えます。
そのため、個人的に最高の作品を挙げるならプリズマを挙げます。と同時にプリキュアも挙げます。個人的にこの2作品は同格です。影響度合いで言えば前者が最も大きく、私の価値観の基礎すら作っています。その価値観によってプリキュアを見ましたがプリキュアはこの価値観をさらに強化した(自分の思想体系を一個上にあげた)という点で評価しています。
日常が退屈だったり、惰性で過ごしたりすることがあります。学校、会社、自分の部屋、その往復。同時に自分が特別な存在でもなく、万能でもなく、所詮は人並みでしかないという限界。自分が他者にどれほど思われているのか、自分は必要とされていないのではないかという不安。そしてその現実を認めたくない、目を逸らしたいという自分の弱さ。躊躇いと葛藤によって身動きが出来なくなる。それらを直視したのがプリズマです。この作品の主人公が得た結論は「そんな日常と自分を受け入れて、それでも日常を歩んでいこうと一歩を踏み出す意志を持つ」ことでした。これがどれほど当時の自分にとって大きな感動だったかは7年近くを経過しても心に残り、その意志を持ち続けている点で自分でも大きいと思っています。
そしてプリキュアはその先のお話。日常に対して一歩を踏み出した自分が社会に出て色々経験してどうすることが日常を過ごす上で良いことなのか分かりかけてきた時に見た作品でした。プリキュアって真剣に日常を捉えているんですよね。友達にしても、学校での出来事にしても、自分が経験することにしても一生懸命それに向かって動く。必ず前を向いて太陽の方を向いている。
どうやったら日常に退屈しないでいられるか、自分が何を持って正しいと言えるのか、その悩みへの答えはプリキュアを見て確信できた。日常を、自分の生を一生懸命真っ当することがその答えであり、そのことが自分の自信(自らを信じる)になる。
未だにMH(最終回)は凄いと思うのは、あらゆる装飾・理由を取り払って自分がこの世に存在する理由を「生きているから」という一点にまで絞り込んだことにあります。プリキュアの敵というのは具体的に何かの組織とか悪者というわけではなく、大きく圧倒的な絶望や現実や力の象徴だと思う。その敵に対して自分が抗う理由は、「人のため、世のため」などという自分の外にあるものではなく、自分自身の『生』そのもの。つまり自分が在るから自分が戦うのだという完全な自己帰結です。
生きている以上他の生物を食べたり、影響を及ぼします。自分自身を蚊帳の外に置いた完全な他者や何かのための行動や理由など存在しません。その行動・理由は突き詰めてしまえば自分のためです。「自分以外の何かのために」という言い訳は自己責任を棚上げしています。結局、自分のエゴのために自分は行動することになります。私はそれが悪いことだとは思いません。生きている以上、何かしらの影響を外に与えるからです。エゴを否定することは『生』そのものを否定することになります。だから「何故抗うのだ? そんなことをするのだ?」という問いに対する答えは、生物が生きている以上絶対に持ち唯一揺るがしがたい理由である「生きているから」に他なりません。これを真正面から導き出したプリキュアを見たときは本当に身震いしました。生きることの賛歌がここにあります。
一生懸命生きてきたなぎさ、ほのか、ひかりが自分達と繋がっている人・出来事を愛し、だからこそ自分の生を尊ぶことができます。何もしない人にはこの強さを出すことはできないでしょう(何もしてこなかった人ほど自分に自信が持てない←私がそうだった)。自分が行ってきた、想ってきた経験、自分の生を肯定することの美しさ、気高さ。ひかりが愛し愛された虹の園での経験を胸にして自分の生を真っ当するためにクイーンになると決意したことはなぎさとほのかと同じように生への賛歌なのです(虹の園のためにクイーンになるのではなく、自分が生きているから、生きることで未来(自分が存在しないのに未来を志向することなどできない)が開けるからこそクイーンになる)。違う生き方をしてきても同じ結論へと向かう。前を真っ直ぐに見る人が辿る同じ道なのでしょう。
自分に、日常に一生懸命やってきたからこそ自分を肯定し得る。日常が、自分が、別々にあるのではなく、生きていることそのものが日常と自分を内包し自分を作り上げていく。生への賛歌、それを信じる人への希望、人間賛歌。現実や自分に辛く思うことがあっても、このことを信じられることの素晴らしさ。それらが判った。
これらのことは知識ではありません。意識的な問題。知識や技術は習得することができますが、これらの意識的なものは憶えることではなく覚えることなのでしょう。その経験は貴重です。自発的・任意的に得られるとは思えません(出来るとしても私にはまだその術が無い)。だから、その意識を教えてくれた作品はすべからく私にとって大切なものです。プリズマやプリキュア以外にもあります。作品だけではなく、出来事や人でもあります。そのことを忘れず、意識して生きていけたら退屈どころか充実した日々を送れるのだろうと信じています。
コラム8「MHビジュアルファンブック Vol.2」
なぎさ・ほのか・ひかりの物語を締めくくる最後の本。ファンブックの名に恥じないファンブック。本編に思い入れのある人ほど読むと泣けてくるのではないかと思う。
実は期待したスタッフインタビューは控え目。しかしそれで良いと思う。終盤の物語が如何にして作られていったのかは気になるところではあるが、この作品の主軸は本編を見て分かるように最初から最後まで貫かれているわけだし、最後の華を飾るファンブックにあ~だこ~だとストーリーの成り立ちを書くのは野暮かもしれない。その分キャラデザインをした稲上氏の修正作業のことや最終回コンテ解説が充実しているので資料的価値として面白いと思います。「雪空のともだち」のダイジェストも付いています。
①キャラ紹介&設定資料
キャラ紹介の藤Pが色っぽいのは意図的でしょうか。ちなみにそのページ(見開き)の他は女の子だけですがあまり違和感が無いのが怖いです。ちなみに木俣も入っているんですがややもすると見落としそうになります。
設定資料の35話(修学旅行)分が面白い。というか志穂が面白い。なるほどひかりのリュックは志穂から借りたのか。新科学部長の永井さんは要チェック。
②ストーリーダイジェスト
今回も各演出家からコメント有り。終盤の展開は結構最後まで引き伸ばしていたようです。ザケンナーのモチーフとして動物を扱うことに監督から色々と指示されているようですが、おそらく子どもが動物を怖がらないようにとの配慮でしょうか。
③スタッフインタビュー&最終回絵コンテ
なぎさ・ほのか・ひかりは声優からの手紙という形で掲載されています。各々思い入れを込めて書かれています。
西尾監督のコメントが面白いですね。とても傲岸不遜ですが「あんたが言ったことはキチンと作品の中に入っているし、見て判るよ」と言いたいです。この人はとても現実志向のようで現実に対して向き合って生きることを作品に対して込めているようです。だからあんなに一生懸命にプリキュア達は立ち向かうし、日常に対しても真剣に生きているわけですね。そういう思想ならば最後にひかり達が帰ってくることは本来アウトなのかもしれませんが、監督自身が述べているように真剣に生きることが真に重要なことなら例え突拍子の無いファンタジックなラストでも彼女達はその現実にちゃんと向き合って生きていくことが出来るでしょう。そのことはプリキュアが2年かけて描いてきており説得力が高くなんら作品的に間違っていないと思います。というか、あそこで帰ってこなかったらアウトなくらいしっくりくるラストだと思います。
最終回で人の繋がりを力に換えつつも、最終的にはプリキュア自身の力(なぎさほのかの力)で打ち勝つという流れがわかり難かったかもしれないと危惧しているようですが、それも「大丈夫、十分見て判るよ」と言いたい。むしろケヤキのシーンとかは理屈的に説明されていて子どもに分かりにくいくらいです。主人公達が泣きながら絶叫してパンチキックぶち当てるの見りゃわかりますって。最終回見てて思いましたがかなり論理的に構成されていて驚きました。その根底にあるのは人の力であり可能性だと思います。
絵コンテは11ページにもわたって紹介されておりほとんど最終回の流れを網羅しています。でもよくよく考えてみると、最終回の絵コンテを見たからといってすで放映されているし何か意味あるんだろうか?とか素でちょっと考えてしまいましたが、まあ資料的には面白いものではありますね。よーく見ると本編とは台詞とかがちょっと違っていたりします。
戦闘時に足元をアップで映すシーンがあることについて言及されていますが、個人的に足元アップは好きですね。限定した例えなんですが、響鬼の音撃を決めるシーンで足元を映して力強く踏ん張っているシーンとかがあったんですがああいうのってただ相手にダメージを与える以上に主人公の意気込みや力強さを感じますね。
ひかりの「こんなことになっちゃいました」の前にいくつか台詞があったようですが尺の問題でカットしたようです。…監督、端折り過ぎです。いや、分かりますけど。未来を志向する物語なわけですから、皆の期待する未来を紡ぐのはまったく正しいことです。
2年分の各話に監督からコメントがついているのは圧巻。監督、やり過ぎです。段々サブタイトルが長くなっているのが面白いところです。無印5話でのホワイトの台詞はプリキュアの動機面でのひな型になっているそうです。ちょっと裏話的なコメントもあって興味深いです。プリキュアは1から10まで計算して構成されているのではなく割りと行き当たりばったりな出たとこ勝負で作られている印象を受けます。一年以上の企画なので流動的なのは当然なのですが、それでも作品として終始一貫したものに仕上がっているのは作り手側に一貫した考えがありそれを実行し続けてきたからだと思います。
④北上ふたごの世界
最高じゃん最強じゃんなプリキュア漫画。北上ふたご女史自身が熱烈なプリキュアファンであろうと確信させる出来栄え。ダークファイブ・ジュナ・レギーネ・ベルゼイ・闇のファイター・12のハーティエル全てが描かれているという念の入り。漫画の内容も充実し過ぎてて凄い。何で5ページしかないのにこれだけ詰められるのか分からない。特にほのか好きの私としては拍手喝采・ハレルヤ!と有頂天になってしまいそうになりました。サーキュラスはひかり(ルミナス)萌え確定ってことで。分かってらっしゃいます。とても楽しい漫画ですね。
⑤寄せ書き
声優とスタッフ別の寄せ書き。流石にスタッフまでは全部分からないんですが、声優の方は分かりやすいですね。「ほのかLOVE」と書いた木俣の中の人に漢気を感じました。藤Pの中の人も相当なもんです。見ているだけでも楽しくなる寄せ書きです。
○所感
ここからはファンブックとは離れた話。
今更というか、今だからというのもあるのですが私がプリキュア好きな理由を簡単に書くと「作品の思想が好きだから」になります。『思想』と書くと大げさ・大仰な感じがしますが要は『考え方』です。
内容的な成否・好みは別としても基本的に作り手の伝えたいことが色濃く出た作品というのが好きで(そういう意気込みが好き)、プリキュアはその中でもかなりストレートに作り手の思想が表れていると思います。そしてその思想が好きだし正しいとも思います。つまり、プリキュアは作品思想そのものおよびそれをやりきったことのふたつの意味合いで好きなのです。もちろん他の映像面や音楽面でも好きです。
実はプリキュアを見ていて「これはやって欲しいな」と思っていたことがいくつかあります。個人的な願望と言いますか、この作品ならやってくれるんじゃないか?という期待ですね。そのひとつがコミュニケーションの在り方です。なぎさとほのかが赤の他人から関係を構築するのですからコミュニケーションは重要な問題になります。如何にして人と人が繋がりを持ちその繋がりを強くするのかが気になるところです。それが予想を越えた形で表れたのがMH38話のキャッチボールの話です。個人的にこの回はある意味他のどんな回よりも強烈かつ鮮烈なものでした(感想がやたら長く細かいのはそういう理由)。
もう一つあげるならひかりの問題です。これはむしろ作品の方から提起だったので驚きとともに期待しました。それは最終回手前でひかりが世界を救うためにクイーンになることを決めたことです。もしあのまま世界を救うためにクイーンになることを肯定するような終わり方をしていたら間違いなく失望していました。クイーンになること自体は構いませんが動機が重要でありそれをわざわざプリキュアは自ら提起しています。無論これも最終回を見てのとおり、生とその先にある未来を肯定する形で昇華されます。
そういういくつかの期待にプリキュアは見事に真正面から真っ正直に応えてくれた作品です。プリキュアが貫いた主題は決して易しいものではなかったと思います。ほとんど綱渡りに近いもので一歩でも踏み誤れば陳腐化・幼稚化したありがちなものになったと思います。誤解のないように言えば、思想そのものは何ら特別なものではありません。その昇華していく過程、課題の達成が見事でありそれ故に思想が色鮮やかに鮮明に映ります。人に頑張れ、って言うのは簡単ですが本当に頑張っている人を描くのは難しいと思います。その本当に頑張っている人を見たら見ている方は気持ちが良いし勇気付けられます。私は本当に人が感動したらその人は変わると思っています。変わるくらいに衝撃を受けて考え方や行動が変化させられてしまう、それくらい自分が応えたいと思うようになると思います。意志が芽生えると言い換えても良いです。この作品を見ながら色んなことを考えさせられ、また自分なりに動いてきました。どれだけこの作品を見て勇気付けられたかを今もって実感します。
実は期待したスタッフインタビューは控え目。しかしそれで良いと思う。終盤の物語が如何にして作られていったのかは気になるところではあるが、この作品の主軸は本編を見て分かるように最初から最後まで貫かれているわけだし、最後の華を飾るファンブックにあ~だこ~だとストーリーの成り立ちを書くのは野暮かもしれない。その分キャラデザインをした稲上氏の修正作業のことや最終回コンテ解説が充実しているので資料的価値として面白いと思います。「雪空のともだち」のダイジェストも付いています。
①キャラ紹介&設定資料
キャラ紹介の藤Pが色っぽいのは意図的でしょうか。ちなみにそのページ(見開き)の他は女の子だけですがあまり違和感が無いのが怖いです。ちなみに木俣も入っているんですがややもすると見落としそうになります。
設定資料の35話(修学旅行)分が面白い。というか志穂が面白い。なるほどひかりのリュックは志穂から借りたのか。新科学部長の永井さんは要チェック。
②ストーリーダイジェスト
今回も各演出家からコメント有り。終盤の展開は結構最後まで引き伸ばしていたようです。ザケンナーのモチーフとして動物を扱うことに監督から色々と指示されているようですが、おそらく子どもが動物を怖がらないようにとの配慮でしょうか。
③スタッフインタビュー&最終回絵コンテ
なぎさ・ほのか・ひかりは声優からの手紙という形で掲載されています。各々思い入れを込めて書かれています。
西尾監督のコメントが面白いですね。とても傲岸不遜ですが「あんたが言ったことはキチンと作品の中に入っているし、見て判るよ」と言いたいです。この人はとても現実志向のようで現実に対して向き合って生きることを作品に対して込めているようです。だからあんなに一生懸命にプリキュア達は立ち向かうし、日常に対しても真剣に生きているわけですね。そういう思想ならば最後にひかり達が帰ってくることは本来アウトなのかもしれませんが、監督自身が述べているように真剣に生きることが真に重要なことなら例え突拍子の無いファンタジックなラストでも彼女達はその現実にちゃんと向き合って生きていくことが出来るでしょう。そのことはプリキュアが2年かけて描いてきており説得力が高くなんら作品的に間違っていないと思います。というか、あそこで帰ってこなかったらアウトなくらいしっくりくるラストだと思います。
最終回で人の繋がりを力に換えつつも、最終的にはプリキュア自身の力(なぎさほのかの力)で打ち勝つという流れがわかり難かったかもしれないと危惧しているようですが、それも「大丈夫、十分見て判るよ」と言いたい。むしろケヤキのシーンとかは理屈的に説明されていて子どもに分かりにくいくらいです。主人公達が泣きながら絶叫してパンチキックぶち当てるの見りゃわかりますって。最終回見てて思いましたがかなり論理的に構成されていて驚きました。その根底にあるのは人の力であり可能性だと思います。
絵コンテは11ページにもわたって紹介されておりほとんど最終回の流れを網羅しています。でもよくよく考えてみると、最終回の絵コンテを見たからといってすで放映されているし何か意味あるんだろうか?とか素でちょっと考えてしまいましたが、まあ資料的には面白いものではありますね。よーく見ると本編とは台詞とかがちょっと違っていたりします。
戦闘時に足元をアップで映すシーンがあることについて言及されていますが、個人的に足元アップは好きですね。限定した例えなんですが、響鬼の音撃を決めるシーンで足元を映して力強く踏ん張っているシーンとかがあったんですがああいうのってただ相手にダメージを与える以上に主人公の意気込みや力強さを感じますね。
ひかりの「こんなことになっちゃいました」の前にいくつか台詞があったようですが尺の問題でカットしたようです。…監督、端折り過ぎです。いや、分かりますけど。未来を志向する物語なわけですから、皆の期待する未来を紡ぐのはまったく正しいことです。
2年分の各話に監督からコメントがついているのは圧巻。監督、やり過ぎです。段々サブタイトルが長くなっているのが面白いところです。無印5話でのホワイトの台詞はプリキュアの動機面でのひな型になっているそうです。ちょっと裏話的なコメントもあって興味深いです。プリキュアは1から10まで計算して構成されているのではなく割りと行き当たりばったりな出たとこ勝負で作られている印象を受けます。一年以上の企画なので流動的なのは当然なのですが、それでも作品として終始一貫したものに仕上がっているのは作り手側に一貫した考えがありそれを実行し続けてきたからだと思います。
④北上ふたごの世界
最高じゃん最強じゃんなプリキュア漫画。北上ふたご女史自身が熱烈なプリキュアファンであろうと確信させる出来栄え。ダークファイブ・ジュナ・レギーネ・ベルゼイ・闇のファイター・12のハーティエル全てが描かれているという念の入り。漫画の内容も充実し過ぎてて凄い。何で5ページしかないのにこれだけ詰められるのか分からない。特にほのか好きの私としては拍手喝采・ハレルヤ!と有頂天になってしまいそうになりました。サーキュラスはひかり(ルミナス)萌え確定ってことで。分かってらっしゃいます。とても楽しい漫画ですね。
⑤寄せ書き
声優とスタッフ別の寄せ書き。流石にスタッフまでは全部分からないんですが、声優の方は分かりやすいですね。「ほのかLOVE」と書いた木俣の中の人に漢気を感じました。藤Pの中の人も相当なもんです。見ているだけでも楽しくなる寄せ書きです。
○所感
ここからはファンブックとは離れた話。
今更というか、今だからというのもあるのですが私がプリキュア好きな理由を簡単に書くと「作品の思想が好きだから」になります。『思想』と書くと大げさ・大仰な感じがしますが要は『考え方』です。
内容的な成否・好みは別としても基本的に作り手の伝えたいことが色濃く出た作品というのが好きで(そういう意気込みが好き)、プリキュアはその中でもかなりストレートに作り手の思想が表れていると思います。そしてその思想が好きだし正しいとも思います。つまり、プリキュアは作品思想そのものおよびそれをやりきったことのふたつの意味合いで好きなのです。もちろん他の映像面や音楽面でも好きです。
実はプリキュアを見ていて「これはやって欲しいな」と思っていたことがいくつかあります。個人的な願望と言いますか、この作品ならやってくれるんじゃないか?という期待ですね。そのひとつがコミュニケーションの在り方です。なぎさとほのかが赤の他人から関係を構築するのですからコミュニケーションは重要な問題になります。如何にして人と人が繋がりを持ちその繋がりを強くするのかが気になるところです。それが予想を越えた形で表れたのがMH38話のキャッチボールの話です。個人的にこの回はある意味他のどんな回よりも強烈かつ鮮烈なものでした(感想がやたら長く細かいのはそういう理由)。
もう一つあげるならひかりの問題です。これはむしろ作品の方から提起だったので驚きとともに期待しました。それは最終回手前でひかりが世界を救うためにクイーンになることを決めたことです。もしあのまま世界を救うためにクイーンになることを肯定するような終わり方をしていたら間違いなく失望していました。クイーンになること自体は構いませんが動機が重要でありそれをわざわざプリキュアは自ら提起しています。無論これも最終回を見てのとおり、生とその先にある未来を肯定する形で昇華されます。
そういういくつかの期待にプリキュアは見事に真正面から真っ正直に応えてくれた作品です。プリキュアが貫いた主題は決して易しいものではなかったと思います。ほとんど綱渡りに近いもので一歩でも踏み誤れば陳腐化・幼稚化したありがちなものになったと思います。誤解のないように言えば、思想そのものは何ら特別なものではありません。その昇華していく過程、課題の達成が見事でありそれ故に思想が色鮮やかに鮮明に映ります。人に頑張れ、って言うのは簡単ですが本当に頑張っている人を描くのは難しいと思います。その本当に頑張っている人を見たら見ている方は気持ちが良いし勇気付けられます。私は本当に人が感動したらその人は変わると思っています。変わるくらいに衝撃を受けて考え方や行動が変化させられてしまう、それくらい自分が応えたいと思うようになると思います。意志が芽生えると言い換えても良いです。この作品を見ながら色んなことを考えさせられ、また自分なりに動いてきました。どれだけこの作品を見て勇気付けられたかを今もって実感します。
コラム7「ふたりはプリキュアの総括感想」
この感想は「ふたりはプリキュア」および「ふたりはプリキュアMaxHeart」の総括的感想です。
『個』と『個』の理解から始まり、日常を肯定し、そこに生きることの大切さを見出し、親や仲間との繋がりを自覚し、さらに自らの可能性とその未来の可能性を提示した作品。つまるところ、この世界で生きることを肯定した作品。
何のことは無い、この作品は子ども番組で少女アニメです。子ども達が暮らす日常や親や友達やその未来の可能性を示唆することはあたりまえのことです。この作品に評価される点があるとしたらそのあたりまえのことをあたりまえに正面から取り組んだことです。友達を作るということはどういうことなのか、友達とはなんなのか、不安や試練にどうやって立ち向かうのか、この世界に対してどうやって生きていけばいいのか、その先には何があるのか、それらをこの作品はたとえ大人から見て取るに足らないことであっても大切に真摯に取り組み描きました。そうやって作られた物語は最早子ども騙しなどではなく一種の理想であり、また生きることを真剣に考えさせるに足る物語であったと思います。この作品の支持者に大人、とりわけアニメファンではない大人や親の層が多いのは決して偶然ではなく、その真摯さに心打たれたからであると思います。無論、私もその一人です。
さて、そもそも私がこの作品を強く見たい・見続けたいと思わせた劇中の台詞があります。一年目第5話「マジヤバ!捨て身のピーサード」の対決シーンにおけるホワイトの台詞「バカにしないで!みんな一生懸命に生きているのよ、理解し合って、尊敬し合って生きているんじゃないの!力ずくでみんなを支配しようとするなんて、そんなの、そんなの絶対間違っている!」という言葉でした。
いかにもこの当時のホワイトらしい理念的な台詞です。ヒーロー・ヒロイン番組的にもありがちな台詞でもあります。しかし、私はこの台詞が好きです。それは他者との理解をストレートに力強く主張しているからです。これが主人公一人の物語であればよくあることとして認識されましたが、プリキュアはふたりいることでその主張の強さが際立ちました。そしてまだこの時期はなぎさもほのかも苗字でお互いを呼び合っている段階であり、ホワイトの台詞が如何にして証明され得るかを見てみたいと思いました。他人から始まった彼女達の関係がどのようにして友達になるのか、理解や尊敬ってなんなのかをこの作品は見せてくれるんじゃないかという期待を抱いたのです。それだけあの台詞には強いものを感じました。
その期待は8話を代表されるように叶うことになりますが、この作品が見せた人間関係の素晴らしさは単に1話の良否の問題ではなく継続・積み重ねによる絆の強さでした。彼女達の関係は物語が進むに連れてより強くより高次へと発展していきました。それに伴い課題となる問題もより深いものとなりました。他者を信頼することは依存へとならないか?別れ難い友達と別れられるのか?そもそも本当の友達ってなんだ?それらの課題をこの作品は下手な理屈をこねくり回すのではなく、馬鹿正直に悩み馬鹿正直に答えました。その答えは愚直なまでに真っ直ぐでした。それは幼稚であるということではありません。真剣に悩めるのはそれだけの友達がいるからであり、正直に答えられるのは真剣に考えた末に自分というものを忘れることなく自分と他者の繋がり方を見出したからです。その姿と想いに私は幾度と無く心を打ち涙しました。クイーンは言います「答えはあなた達の中にある」と。私の知り合いに賢者や神様はいません。物事の答えを教えてくれる人もいません。そもそも答えは与えられるものでもないかもしれません。彼女達は自らが見・聞き・知り・経験した中から答えを出しました。彼女達の真剣に悩み真剣に答えを出すその過程(それまでの経験)そのものに説得力があり、彼女達が答えを叫ぶ姿に強さと力を感じます。最早私はそれを理屈で解釈する気はありません。心の叫びを心で聴かずして理解する方法を私は持っていません。
(この作品は理屈では描いていないと思います。理屈で言えば理屈で理解しますし、せざるを得ません。しかし、この作品が見せたかったものは生きることであり、意志することの強さであり、信じることだったと思います。プリキュアはそれを人の想いによって見せています。それは理屈で理解するものではなく、心で理解するものだと思います)
プリキュアにおける戦いは『悪』との戦いではありませんでした。敵は日常を壊しにやってきますがそれが目的ではありません。世界征服でもありません。闇という『たった一つの未来』で支配することでした。それは自分も無い他人も無い未来が一つのものでしかない世界です。それを否定(究極的には肯定)したのが光の側であるプリキュアです。未来は閉ざされていない。諦めない。絶望もしない。希望を持ち続ける。それらを意志することで未来への可能性を多様なものとします。
プリキュアにおける『光』と『闇』の対決とはそういうものであったと思います。ひるがえせば我々が生きるこの世界の在り方そのものでもあります。諦めたら、何もしなかったら生まれるものは無いでしょう。生きるのをやめれば何もありません。それらを克服できるなら、負の部分を取り除けるなら理想かもしれませんがそんなことは勿論できません。闇の可能性は決して無くなる事はないのです。しかし、その闇の可能性があるから人は頑張れるのだと思います。希望しかないのなら、絶望しかないのならそれらを区別することは出来ません。希望と絶望は隣合せであり両者が同時に存在することで乗り越えようとする意志が生まれます。その意志は言い換えれば生命力と呼んでいいと思います。不条理と希望が同時に存在する世界だからこそ生きる意味が見出されると思います。
私がこの作品に魅かれたのは、ひたすらに前を向く姿でした。前を向くこと、前に進むこと、今この瞬間を大切に生きること、そのことを肯定しました。何ものも否定することなく、肯定し切りました。その姿・志向は眩しいほどに輝いていました。
プリキュアは闇に抗いつつも闇を肯定することで『希望を信じる』という答えを出しています。『信じる』というのは理屈ではないし不確定で曖昧なものです。現実的にはその意志は力を持たないかもしれません。何にもならないかもしれません。(悪い意味で)利口な人が得をして馬鹿正直者な人は損をするだけかもしれません。それを否定する気はありません。現実的に世の中はそういうものだからです(この世界から負を取り除こうと思うほど私は我侭ではない)。しかしだからこそ、『希望を信じる』ことを意志することの意味があるはずです。それを失ってしまえば本当にどうにもならなくなります。死んだ方がマシだということにもなってしまいます。生きることはそんな暗くつまらないものであっていいのでしょうか? 嫌です。私は嫌です。生きることが否定されるというのなら、その先の未来は一つしかありません。何もない未来です。そんな未来は嫌です。生きることは肯定されるべきものです。いえ、肯定するものです。生きることは未来を紡ぐものであり、未来を多様なものにします。生きてこそその多様な未来を作ることが出来ます(余談ながら、ルミナスが迷い答えを出したのはそういうことだと思います。死ぬことを恐れなくても生きることの意味に気付かなければ未来は開かれない)。未来は自らが作り出します。作らなければなりません。作るには力が必要です。生きる(生きようとする)力が。自分で生きることを肯定し未来を意志した時、その生きる力が生まれるものだと思います。希望を信じ生きることを肯定したプリキュアは何よりも強く熱く真っ直ぐでした。
人が生きる場所は世界です。死んだらあの世に行くのかもしれませんが生きているうちは世界に生きます。その世界での人の拠りどころとしてプリキュアは『日常の大切さ』『人との繋がり』を見出しました。ありふれた日常とそこに暮らす人々との生活を核としました。それはあまりにあたりまえの事ですが、そのあたりまえの生活を私達は営んでいます。『世界』という言葉は大げさに感じますが、私達が生きて生活している日常は紛れも無く世界の中心であり世界と繋がっているものです。人と交わり、日常を大切にする。ただそのあたりまえのことをプリキュアは力強く肯定しました。
(また余談ですが、ひかりが本来虹の園とは無関係でありながら、虹の園で生きアカネさんや友達と過ごした日々を肯定しこの世界を愛していると言ったこと、クイーンとなってこの世界の未来を意志したことでプリキュアという作品・世界は完全に肯定されることになります)
『肯定する』こと。それには力があると思います。否定は排他的な力を生みますが、肯定はその逆生み出す力があると思います。プリキュアの劇中で出てくる『全てを生み出す力』は意志と想いに応えたと最終回で言われましたが私は逆だと思います。肯定すること、前を向いて進むこと、希望を持つこと、生きること、それを意志した時に『全てを生み出す力』が生まれると思います(劇中描写でそう解釈しても問題はない)。それが確かなものかは分かりません。しかし、私はそう信じます。彼女達が見せた力は人の意志の可能性です。
ようやくこの作品を見た私の答えを見つけることができました。『生きる』その手段を知りました。たったそれだけの、それだけで十分な答えです。今はまだ不完全かもしれませんが、それはまた何か大切なものを知った時に改めて気づくことかもしれません。それはまた後の話です。だから今、その大切な事を教えてくれたこの作品と彼女達に、この言葉を贈ります。
ありがとう。あいしてる。
『個』と『個』の理解から始まり、日常を肯定し、そこに生きることの大切さを見出し、親や仲間との繋がりを自覚し、さらに自らの可能性とその未来の可能性を提示した作品。つまるところ、この世界で生きることを肯定した作品。
何のことは無い、この作品は子ども番組で少女アニメです。子ども達が暮らす日常や親や友達やその未来の可能性を示唆することはあたりまえのことです。この作品に評価される点があるとしたらそのあたりまえのことをあたりまえに正面から取り組んだことです。友達を作るということはどういうことなのか、友達とはなんなのか、不安や試練にどうやって立ち向かうのか、この世界に対してどうやって生きていけばいいのか、その先には何があるのか、それらをこの作品はたとえ大人から見て取るに足らないことであっても大切に真摯に取り組み描きました。そうやって作られた物語は最早子ども騙しなどではなく一種の理想であり、また生きることを真剣に考えさせるに足る物語であったと思います。この作品の支持者に大人、とりわけアニメファンではない大人や親の層が多いのは決して偶然ではなく、その真摯さに心打たれたからであると思います。無論、私もその一人です。
さて、そもそも私がこの作品を強く見たい・見続けたいと思わせた劇中の台詞があります。一年目第5話「マジヤバ!捨て身のピーサード」の対決シーンにおけるホワイトの台詞「バカにしないで!みんな一生懸命に生きているのよ、理解し合って、尊敬し合って生きているんじゃないの!力ずくでみんなを支配しようとするなんて、そんなの、そんなの絶対間違っている!」という言葉でした。
いかにもこの当時のホワイトらしい理念的な台詞です。ヒーロー・ヒロイン番組的にもありがちな台詞でもあります。しかし、私はこの台詞が好きです。それは他者との理解をストレートに力強く主張しているからです。これが主人公一人の物語であればよくあることとして認識されましたが、プリキュアはふたりいることでその主張の強さが際立ちました。そしてまだこの時期はなぎさもほのかも苗字でお互いを呼び合っている段階であり、ホワイトの台詞が如何にして証明され得るかを見てみたいと思いました。他人から始まった彼女達の関係がどのようにして友達になるのか、理解や尊敬ってなんなのかをこの作品は見せてくれるんじゃないかという期待を抱いたのです。それだけあの台詞には強いものを感じました。
その期待は8話を代表されるように叶うことになりますが、この作品が見せた人間関係の素晴らしさは単に1話の良否の問題ではなく継続・積み重ねによる絆の強さでした。彼女達の関係は物語が進むに連れてより強くより高次へと発展していきました。それに伴い課題となる問題もより深いものとなりました。他者を信頼することは依存へとならないか?別れ難い友達と別れられるのか?そもそも本当の友達ってなんだ?それらの課題をこの作品は下手な理屈をこねくり回すのではなく、馬鹿正直に悩み馬鹿正直に答えました。その答えは愚直なまでに真っ直ぐでした。それは幼稚であるということではありません。真剣に悩めるのはそれだけの友達がいるからであり、正直に答えられるのは真剣に考えた末に自分というものを忘れることなく自分と他者の繋がり方を見出したからです。その姿と想いに私は幾度と無く心を打ち涙しました。クイーンは言います「答えはあなた達の中にある」と。私の知り合いに賢者や神様はいません。物事の答えを教えてくれる人もいません。そもそも答えは与えられるものでもないかもしれません。彼女達は自らが見・聞き・知り・経験した中から答えを出しました。彼女達の真剣に悩み真剣に答えを出すその過程(それまでの経験)そのものに説得力があり、彼女達が答えを叫ぶ姿に強さと力を感じます。最早私はそれを理屈で解釈する気はありません。心の叫びを心で聴かずして理解する方法を私は持っていません。
(この作品は理屈では描いていないと思います。理屈で言えば理屈で理解しますし、せざるを得ません。しかし、この作品が見せたかったものは生きることであり、意志することの強さであり、信じることだったと思います。プリキュアはそれを人の想いによって見せています。それは理屈で理解するものではなく、心で理解するものだと思います)
プリキュアにおける戦いは『悪』との戦いではありませんでした。敵は日常を壊しにやってきますがそれが目的ではありません。世界征服でもありません。闇という『たった一つの未来』で支配することでした。それは自分も無い他人も無い未来が一つのものでしかない世界です。それを否定(究極的には肯定)したのが光の側であるプリキュアです。未来は閉ざされていない。諦めない。絶望もしない。希望を持ち続ける。それらを意志することで未来への可能性を多様なものとします。
プリキュアにおける『光』と『闇』の対決とはそういうものであったと思います。ひるがえせば我々が生きるこの世界の在り方そのものでもあります。諦めたら、何もしなかったら生まれるものは無いでしょう。生きるのをやめれば何もありません。それらを克服できるなら、負の部分を取り除けるなら理想かもしれませんがそんなことは勿論できません。闇の可能性は決して無くなる事はないのです。しかし、その闇の可能性があるから人は頑張れるのだと思います。希望しかないのなら、絶望しかないのならそれらを区別することは出来ません。希望と絶望は隣合せであり両者が同時に存在することで乗り越えようとする意志が生まれます。その意志は言い換えれば生命力と呼んでいいと思います。不条理と希望が同時に存在する世界だからこそ生きる意味が見出されると思います。
私がこの作品に魅かれたのは、ひたすらに前を向く姿でした。前を向くこと、前に進むこと、今この瞬間を大切に生きること、そのことを肯定しました。何ものも否定することなく、肯定し切りました。その姿・志向は眩しいほどに輝いていました。
プリキュアは闇に抗いつつも闇を肯定することで『希望を信じる』という答えを出しています。『信じる』というのは理屈ではないし不確定で曖昧なものです。現実的にはその意志は力を持たないかもしれません。何にもならないかもしれません。(悪い意味で)利口な人が得をして馬鹿正直者な人は損をするだけかもしれません。それを否定する気はありません。現実的に世の中はそういうものだからです(この世界から負を取り除こうと思うほど私は我侭ではない)。しかしだからこそ、『希望を信じる』ことを意志することの意味があるはずです。それを失ってしまえば本当にどうにもならなくなります。死んだ方がマシだということにもなってしまいます。生きることはそんな暗くつまらないものであっていいのでしょうか? 嫌です。私は嫌です。生きることが否定されるというのなら、その先の未来は一つしかありません。何もない未来です。そんな未来は嫌です。生きることは肯定されるべきものです。いえ、肯定するものです。生きることは未来を紡ぐものであり、未来を多様なものにします。生きてこそその多様な未来を作ることが出来ます(余談ながら、ルミナスが迷い答えを出したのはそういうことだと思います。死ぬことを恐れなくても生きることの意味に気付かなければ未来は開かれない)。未来は自らが作り出します。作らなければなりません。作るには力が必要です。生きる(生きようとする)力が。自分で生きることを肯定し未来を意志した時、その生きる力が生まれるものだと思います。希望を信じ生きることを肯定したプリキュアは何よりも強く熱く真っ直ぐでした。
人が生きる場所は世界です。死んだらあの世に行くのかもしれませんが生きているうちは世界に生きます。その世界での人の拠りどころとしてプリキュアは『日常の大切さ』『人との繋がり』を見出しました。ありふれた日常とそこに暮らす人々との生活を核としました。それはあまりにあたりまえの事ですが、そのあたりまえの生活を私達は営んでいます。『世界』という言葉は大げさに感じますが、私達が生きて生活している日常は紛れも無く世界の中心であり世界と繋がっているものです。人と交わり、日常を大切にする。ただそのあたりまえのことをプリキュアは力強く肯定しました。
(また余談ですが、ひかりが本来虹の園とは無関係でありながら、虹の園で生きアカネさんや友達と過ごした日々を肯定しこの世界を愛していると言ったこと、クイーンとなってこの世界の未来を意志したことでプリキュアという作品・世界は完全に肯定されることになります)
『肯定する』こと。それには力があると思います。否定は排他的な力を生みますが、肯定はその逆生み出す力があると思います。プリキュアの劇中で出てくる『全てを生み出す力』は意志と想いに応えたと最終回で言われましたが私は逆だと思います。肯定すること、前を向いて進むこと、希望を持つこと、生きること、それを意志した時に『全てを生み出す力』が生まれると思います(劇中描写でそう解釈しても問題はない)。それが確かなものかは分かりません。しかし、私はそう信じます。彼女達が見せた力は人の意志の可能性です。
ようやくこの作品を見た私の答えを見つけることができました。『生きる』その手段を知りました。たったそれだけの、それだけで十分な答えです。今はまだ不完全かもしれませんが、それはまた何か大切なものを知った時に改めて気づくことかもしれません。それはまた後の話です。だから今、その大切な事を教えてくれたこの作品と彼女達に、この言葉を贈ります。
最終話「扉を開けて!ここから始まる物語」
○最後の出来事
①絶望の闇
空を飛ぶ飛行機。顔を俯かせ泣く幼子。祖母―さなえさん―はこう言います「希望を捨てずに頑張ってれば明日はきっといい日になりますよ。ねっ、ほのか」 さなえさんは優しい顔でこちら(視聴者側)を見ます。誰に言っているのでしょうか。
咆哮。バルデスは辺りを吹き飛ばします。瓦礫に混じって飛ばされていくプリキュア。
ちょっ、初っ端からさなえさん登場って。もうそれだけで泣き入るんですけど。ほのかの幼い頃。両親と別れるシーンですね。この時からさなえさんはほのかに大切なことを教えていたんですね。あの言葉は一年目の28話で聞いた言葉ですが、今この状況で語られるととても重く、とても心強い言葉に感じます。
バルデスは上空から崩壊した街とプリキュアを見下ろします。力の残っていないプリキュアにわざわざトドメを刺す気も無いようです。放っておいてもプリキュアは力尽き、世界は闇に飲み込まれます。
指を動かす力も残っていないプリキュア。かろうじて声を出すことは出来ます。ブラックは身体を動かそうとしたり、壊れた明日の像を見てその惨状に心を痛めます。それに答えるホワイトの声には最早生気が感じられません。ジャアクキングが力を強めるとさらに一帯は崩壊していきます。このまま崩壊し闇に包まれようとしている世界を救うことが出来ず自分の無力さと悲しさに泣くブラック。メップルはブラックに今まで幸せだったと言います。ミップルも世界の終わりの時まで一緒に居れて嬉しいと言います。メップルに泣くなと言われてもっと涙を流すブラック。ホワイトも溢れ出ます。彼女達の居た土地が崩壊し深い闇の深淵へと落ちていきます。
って、ちょっと待て!コラ!お前ら何泣いてんだ!何絶望してんだ!何で諦めているんだ!そんなのプリキュアじゃないだろ!なぎさじゃないだろ!ほのかじゃないだろ!メップルもミップルも!それでいいのかよ!!(心の叫び)
ルミナス。彼女は皆を愛しているからクイーンになることを決めた。でも愛しているからクイーンになれない。『クイーンの心』はポルンを呼びます。答えるポルン。いつのまにかポーチから出ています。ルルンも呼びます。そして名前を思い出せと言います。キタ!この展開。待ってましたよ。彼・彼女らに冠せられた名は伊達じゃないはずだ。「未来へ導く光の王子」「未来を紡ぐ光の王女」そしてルミナス。未来を作るのはあなた達自身であると『クイーンの心』は言います。
②希望の光
さなえさんの手を握り不安そうに空を見つめる幼子―ほのか―。昔も今も可愛ぇのう(エロじじいか)
泣きじゃくる幼い姉に声をかける亮太。運動会でコケてしまったので泣いているようです。父がギャグ交じりで励まします。笑う母。この夫婦は昔からこんな感じですか。父は言います。「だから、泣くな。上手くいかなかったことを素直に受け止めるってことも勇気だぞ」そしてこちらを振り返って「なぎさ」と呼びかけます。母も「そうよ、なぎさ」と呼びかけます。その言葉の先に居るのはブラック―なぎさ―
さなえさんは「明日はきっといい日になりますよ。ねっほのか」と抱いている幼いほのかにではなく、縁側に立ち尽くしているホワイト―ほのか―に言います。
かつてあった光景。そして今一度繋がる言葉。上手くいかなかったことを認める。それは自分の弱さを知ることである。人は万能ではない。一人では出来ることには限界がある。二人でも?じゃあ三人では?…皆では?皆を信じろ。一人ではない。親がいる。友達がいる。皆がいる。明日を信じろ。
崩壊の進む大地。しかしそこに一条の光が天に伸びます。そこに立っているのは手を繋ぎブレスを付けたプリキュア。バルデスを見据えます。「私達にはまだ明日がある」「だから諦めるわけにはいかないの」声に力がこもります。
プリキュア目掛けて跳びかかるバルデス。プリキュアも大地を蹴って跳びます。そして!OP主題歌が流れます。おおおおおおっ、このタイミングで!むしろここしか無い!
凄まじい烈火の如く繰り出されるプリキュアの攻撃にバルデスは防戦一方です。先ほどまで立ち上がる力も無かったはずのプリキュアのどこにこんな力が!?バルデスの疑問に答えるようにプリキュアは叫びます。
「あんたは勘違いしている。あんたが相手にしてるのは私達ふたりだけじゃない!」
「あなたは全ての命を相手にしているの。私達に繋がる総ての命を!」
帰ってきた!俺の知るプリキュアが帰ってきた!!どんな逆境にも絶望にも挫けない心が!人との繋がり・想いを無限の力にまで引き出せる存在が!帰ってきた!!ブレスは虹の園の希望の力の結晶。なら、その虹の園に住む皆と繋がっているプリキュアが希望を失わない限りいくらでも再生し、いくらでも力を引き出せる。ご都合!?それで結構!この力とテンションがプリキュアです!熱い。熱いぞ!プリキュア!
バルデスも負けじと渾身の衝撃波を放ちます。吹き飛ばされ大地に落ちるプリキュア。しかし、見事に着地し同時に前を見ます。さなえさん、なぎさの両親。彼女達の心にあるのは彼女達に繋がる総ての命。プリキュアの後ろにはその人々が映し出されます。うわっ、涙出てきた。自然に出てきた。たれ落ちた。悲しいとかそういうんじゃない。嬉しくて、楽しくて、心が躍るから出てくる涙。
バルデスが放った強力な闇の弾をプリキュアはパンチとキックで吹き飛ばします。ダイナミックです。っていうかこのアクションすげぇ。プリキュア最後の戦いにしてプリキュア史上最高のバトルだ。そして放たれるプリキュア・マーブルスクリュー・Max。その圧倒的な力はバルデスを包み込みます。
衣服は無くなったもののダメージはそれほど受けていないバルデス。驚異的です。バルデスは自信をもって言います。「お前達ごときにこの私は絶対に倒せん。この私は最早命などというレベルではないのだ」プリキュアの疑問に答えるようにバルデスの後ろにはジャアクキングがそびえ立ちます。力がみなぎるバルデス。後ろにいたジャアクキングは消滅します。バルデスこそがジャアクキング本体だったのです。
③人の意志
バルデス=ジャアクキングの攻撃に耐えるプリキュア。その力は圧倒的です。ジャアクキングの身体に触れることも出来ないまままたしても彼女達は吹き飛ばされてしまいます。宇宙そのものとも言っていい存在であるジャアクキングに人であるプリキュアが対抗する術はないのか。
「勇気、希望、未来、未来へ導くのはポルン。未来を紡ぐのがルルン。そして明日は私達の手で、はっ、私達皆の手で。分かりかけてきた」光り輝くチェアレクト。ルミナスは悟ろうとしている。本当の答えを。そしてその時こそクイーンの復活がなされる。
未来は与えられるものではない。ルミナスが犠牲になって他の人達に与えるものではない。未来は犠牲の上に成り立つものではない。ルミナス自身も含めて作り出していくものこそが未来。ルミナス無くして未来は無いのです。
己が力を試すように大地を砕くジャアクキング。その咆哮に世界が震えます。
プリキュアが落ちた先はいつか来たケヤキ。凹むブラック。ホワイトは崩れ行く街を見ます。否定の言葉もでないか。「しまった宿題忘れた」と呟くブラック。卒業文集を出していないそうです。ふっ、ふふ。そうか。そういう風に来ますか。ホワイトもアサリを買うのを頼まれたそうです。このままでは味噌汁の具がありません。はっ、はは。そうだよな。「いいな~アサリのお味噌汁」「家で一緒に食べましょう。おばあちゃまも喜ぶわ」「じゃあ、卒業文集手伝って貰おうっと」「もう、ブラックったら」ツッコミを入れるメップル。この状況には全く似つかわしくない会話です。でも、私はこの会話こそがプリキュアだと確信する。かつてブラックがここでイズミヤさんのチョコタルトを買いに行くと言ったこと。何をもって彼女が立ち直ったのかを。彼女達が何に属しているのかを。それらを思い出す。世界を守る?宇宙に抗う?違う。そんなことではない。彼女達の住む世界は小さく、暖かく、そして無限に広がる世界。その世界に生きるのだ。
ホワイトは気づきます。「私達は自由なのよ」「例えどんな状況にあっても私達の心の中までは誰も手出しできない」ハッと気づくブラック「私達の心の中の宇宙は誰からも自由だわ!」「うん、そうだね」ブラックは立ち上がってホワイトに並びます。
「選ばれし勇者メップル」
「はっ、はい、メポ」
「希望の姫君ミップル」
「はい、ミポ」
「私達の中に希望と勇気がある限り」「私達は誰にも絶対に負けない」
今こそ思い出せ、その身に宿る意志を。何者であるかを。その意志が続く限り決して未来は閉ざされない。っていうか、もう、凄いことになっているんですけど、これ。なっているというか、やりやがったというか。またさっきと同じ涙出てきた。進むべき道を前を向いて進まんとするその意志。勇気と希望。それがここに在る。
輝くプリズムストーン。
ジャアクキングの前に土煙を上げながら着地するプリキュア。光の使者キュアブラック。光の使者キュアホワイト。ふたりはプリキュア。闇の僕たちよ、とっととお家に帰りなさい。
余裕のジャアクキング。プリキュアは構え、挑みかかります。そして流れるBGMは「三人の絆」最高・最強の舞台設定。ジャアクキングの衝撃波で吹き飛ばされつつも屈することなく立ち続けます。息を吸い見据え挑む。阻むジャアクキングの衝撃波。それに歯を食いしばって飛ばされること無く耐えます。もう、少女アニメじゃありません。ホワイトなんてモビルスーツの機動音出してます。舞うスカートが魅惑的かつカッコイイ(最終回までこの視点を持ち続ける私は本当にアホだと思う)。
ジャアクキングは焦ります。宇宙そのものと言っていい力を持つのに何故プリキュアは倒れないのか。BGMも佳境です。
「ここで倒れるわけにはいかないの!色んなことがあったんだもん」
ケンカ。キリヤとの別れ。連れ去られた親友。
「でも、乗り越えてきたのよ!」
プリキュアだけのことじゃない。運動会でコケた時も、両親と別れた時も彼女達は乗り越えてきた。
「だから、あんたなんかに」
「今、ここで、あなたなんかに」
「負けるわけにはいかないの!!」
涙を流しながら彼女達は絶叫します。力を込めるジャアクキングにプリキュアの持つブレスも金色(こんじき)に輝きます。金色に包まれるプリキュア。すげぇ、すごいぞ!このアニメ。そして回り過ぎだぞホワイト!プリキュアのダブルキックが炸裂します。勢いをそのままに彼女達は跳び、上空から…えっと、え~~っと、何ていうの?この技?何なんだ!?このアニメ本当に少女アニメか!?
Q:このアニメはなんですか?
A:ふたりはプリキュアMaxHeart
これこそがプリキュアの真髄。あらゆる可能性を解き放ち、放たれる力。単にアクションが凄いという問題ではありません。ここで人であるプリキュアが宇宙そのものであるジャアクキングに対抗できることそのものに意味があり力があります。彼女達は紛れも無く彼女達自身の意志の力でこれを成しています。勇気と希望というたったそれだけの、そして大きい意志で抗える。どんな苦境にだって立ち向かえる。何故なら、彼女達の中にも無限の可能性がある宇宙があるのだから。この熱さは、すなわち人の意志の熱さです。
④ひかり
大地を、世界を揺るがす力。肩で息をするプリキュア。もうこれで終わりか?
ところがジャアクキングは地球規模に巨大化してプリキュアを押しつぶそうとします。それを阻んだのはこれまた地球規模のクイーン。ジャアクキングはクイーンに相打ちになれば世界が無に帰すと言います。クイーンは言います。願いは光と闇のバランスだと。違いは未来を信じようとするのか支配しようとするのか。クイーンは生きとし生ける者達の可能性に賭けたいと言います。
ルミナスの事を心配するプリキュア。安心させるようにクイーンは、ルミナスは永遠にあなた達の心の中に生き続けると言います。「そうです。私はクイーンとして皆の未来を守り続ける決心をしました」とルミナスの声。お別れを言うルミナス。
「私達は未来のずっとずっと先で繋がっているはずですから。だから、だから、決して後悔はしな、い」
泣きべそをかくルミナス。その涙は恥ではない。誇れ、その涙こそ愛していることの証なのだから。
「ひかり」
「私達繋がってる。永遠に」
「はい」
「ポルンが皆を未来に導くポポ」
「ルルンは皆の未来を紡ぐルル」
「さあ、全てを生み出す力を解放するのです」
「これが最後の力です」
「力を合わせるポポ」
解き放たれるエキストリーム・ルミナリオ・Max
⑤扉を開けて!ここから始まる物語
ベローネ中等部卒業式。賑やかな声。クラスメイト達。後輩達。明日の像のもと、桜組の集合写真が撮られます。桜組じゃない人も混じってますが。皆倒れて撮影失敗です。ほのかだけ倒れていないのはこの娘たる所以です。
帰り道。思い返すなぎさ。ほのかは堪らずに泣き出してしまいます。彼女にとってのミップルは掛替えの無い存在です。河川敷。かつてケンカをして仲直りをし、色んな出来事が起こった場所。空は高く青い。
締めの解説をする長老。伝説の戦士の使命は終わった。全てを生み出す力は意志と想いに応える。最後までボケをとおす長老。クイーンは静かに座します。
ポルンとルルンの力って?
タコカフェ。まだしょんぼりしているふたり。アカネさんは卒業式でほのかが見事な答辞をしたことを話題にします。ん、誰に聞いた?
「お待ちどうさまです」
って、ひかり居るーーーーーーーーー!
「とっても素晴らしい卒業式でした。お疲れ様でした」
驚くなぎさとほのか。そして視聴者。いやいやいや、そんな笑顔に騙されたいけど騙されな……騙されます。
ふと気づくとポルンとルルンも居ます。そんでもって、居候が増えたとアカネさん。ひかりの弟でひかる。って少年も居るんかよ!「こんな親戚いたなんてねぇ~参った参った」いや、笑っている場合では、ってか弟なら知ってなきゃいけないだろ、何か微妙にその台詞のニュアンスは……まあ、いいか。
勿論、メップルもミップルも来ています。
「こんなことになっちゃいました」
苦笑しながら言うひかり。
悪態をつくなぎさですが、ほのかはメップルと感動の対面中です。諦めなさい。本当は嬉しいくせに。お別れなんて無い。ずっと一緒。
「腹減ったメポ」
ぶち壊し。でも、帰って来ました日常が。彼女達の本当の未来が、可能性が開かれました。太陽の光は優しく世界を包み込みます。
○トピック
なぎさ、ほのか卒業おめでとう!
ひかりこれからもタコカフェで、愛する皆と一緒で良かったね!
最高。感無量。予想通り予想を裏切りまくって素晴らしい最終回を見せてくれました。
映画とか見てひかりはクイーンになって世界を皆を愛し続けるんだとか世代交代だとか、ジャアクキングとクイーンの戦いにはプリキュアは入れないとかごちゃごちゃ考えていましたが、スッキリ爽快。そんなことを吹っ飛ばす勢いと力でした。この作品は最初からど真ん中しか見ていなかったのです。そしてそのど真ん中にこれ以上無いくらいの力を込めて投げました。そして大命中どころか突き破って遥か彼方、未来にまで届いたのです。
全てを生み出す力。その化身であるクイーンは言いました。生きとし生ける者の可能性に賭けたいと。ジャアクキングが自分以外を否定する存在なら、クイーンは全てを肯定する存在です。その全ての中には闇も含まれます。クイーンは何も否定はしなかった。最後まで肯定し続けた。ルミナスは自分を犠牲にしてはいけないのです。自分を否定するのではなく自分自身が未来の作り手となるのです。それは彼女一人でやるものではありません。皆で未来を作ります。存在しなくなるか、存在するかで悩んでいたルミナスはその悩みそのものが間違いだったのです。未来とは自分が存在するからあるのです。
勇気と希望が未来を作る。未来は自らが作り、他の者達と一緒に作っていく世界。それをプリキュアはずっと信じ続けました。生きることを強く肯定した『人の意志』は全てを飲み込もうとする闇の力に対抗できます。しかし倒すことは出来ない。闇もまた世界の理だから。そしてその世界の理のもう一つは生きる者達を信じます。人の意志と未来を信じようとする力が合わさり闇を倒します。滅ぼすわけではありません。滅ぼしてもいけません。光も闇もこの世界なのですから。
そしてその意志を貫いた彼女達にはちょっとした奇跡が起きました。
ラストでひかり・メップル・ミップル・ポルン・ルルンが戻ってきました。もしこれが完全な別れとして描かれていた場合、今よりも感動できたかもしれません。泣けたかもしれません。ひかり達は皆の心の中に行き続けるんだと思えるでしょう。でも、そんな感動よりもっと素敵な感動があると思います。
なぎさとほのかはずっと戦い続けてきました。日常を守るために。光の園の住人は元々は他世界の者であり彼女達の本来の日常ではありません。でも、もう彼女達にとっての日常となってしまいました。メップルやミップルと居るのが当たり前の日常になりました。ひかりがタコカフェで働いているのが当たり前の日常になりました。彼女達が戦い抜いたご褒美にその日常が帰ってきてもいいんじゃないでしょうか。ポルンとルルンの力とはそういうことだったのかもしれません。
なぎさが居る。ほのかが居る。ひかりが居る。メップルが居る。ミップルが居る。ポルンが居る。ルルンが居る。ひかるも居る(さり気にここ重要)。皆が居る。皆と一緒に在る。ごくあたりまえの(ちょっとありえない)日常を彼女達は歩みます。それぞれの未来に向かって、無限の可能性を秘めて。
その明るい未来への可能性こそ、この作品の本当の感動だと思います。
○解説兼解釈
感想が感想になっていないので(感情的にはあの通りであり、あのまま理解しているのですが)、もう少し理性的に書いてみます。内容としてはすでにみちたろさん(1月29日の感想およびその補足)やdokoikoさん(1月30日からの一連の記述)が書かれています。より論理性を求めるのならこのふたりの文章をお読み下さい。私は私の理解の仕方で記述します。
①プリキュアの復活と力
2回復活しています。2回とも違う理由と動機付けが働いています。そしてその力の意味も異なります。
第一の復活は『みんなとの繋がり』です。無力に打ちひしがれ絶望する中で幼い頃の肉親の言葉を思い出します。今までの自分が決して一人きりで成長してきたわけではなく、肉親の支え、みんなの支えがあって成長してきたのだと彼女達は悟ります。一年目最終話ホワイトの台詞「私たちには大事なものがある。大事な人達がいる。メップルやミップル、そしてポルン。そして私達を支えてくれるのは、全ての命。私に繋がる全ての命よ」を踏襲・昇華させています。なぎさ達は全世界を肯定・承認します。そしてその世界の人々を背負うことで逆に世界から彼女達は肯定・承認されます(プリキュアの後ろにみんなが並んでいる映像がイメージ的に分かりやすい)。MHの物語が一年目よりも範囲が広く色んな人々や世界(様々な職業)との繋がりを描いてきた意味がここにて成就します。プリキュアは世界の代表として確固たる存在となります。このことにより、プリキュアはバルデスに勝てるようになります。如何にバルデスが個(命)として強力な存在と言えど、全ての個を背負うプリキュアに勝てるわけがありません。
全ての個を背負うプリキュアですが、勝てないものがあります。それはこの宇宙そのものです。宇宙は世界そのものであり、全ての個を背負うプリキュアをさらに総括する存在だからです。どんなに個(あるいはその集団)が強力でも宇宙の理(物理法則などのこの世界の基本的な現象の総括)を覆すことは出来ません。
では、何を持って宇宙に抗することが出来るのでしょうか?プリキュアの出した答えは、(私の主観的解釈ですが)『人の自由意思』です。ケヤキの場面でのやり取りはふたりが「プリキュア」であることを放棄しています。一人の人間として立ち戻ることをしています。だから、ブラックはなぎさ、ホワイトはほのかに戻り、宿題やアサリの味噌汁の話をします。彼女達がどんなことを思おうとそれは彼女達の自由です。ほのかが言った「私達は自由なのよ」は正しい言葉です。宇宙がどんなに絶対なものであっても、人の自由意思にまで抵触はできません。宇宙の理は世界を規定しますが人の自由意思を変えることはできません(ほのかの台詞「例えどんな状況にあっても私達の心の中までは誰も手出しできない」)。勇気と希望という意志もプリキュアだからあるのではなく、人が意志することができるものです。ここにおいて人の自由意思は宇宙に抗する唯一にして最大の手段となります。
その後のジャアクキングとなぎさとほのかとの戦いは宇宙と人の自由意思との戦いです。彼女達はただの人として宇宙に挑みます。泣いて叫ぶシーンが非常に印象に残りますが、あれこそ人であることの証明です。彼女達にはそれぞれの経験・思い出が詰まっています。大変な苦労を乗り越えて紡いできた絆があります。どんなに宇宙が無慈悲で冷徹に出来ていても、人の力では到底及びのつかないものであっても、それが人を包み込もうとしても、人の心までを否定されるわけにはいかないのです。人の自由意思を信じるならば、生きることに意味があるというのならば絶対に負けるわけにはいきません。これは力の問題ではなく自由意思の存在、つまり人としての存在を賭けた戦いなのです。個人的にこの一連のシーンが熱くカッコイイと思うのはそのためです。『人の自由意思』を信じる者として、この時のなぎさとほのかは『人の自由意思』そのものなのです。
(蛇足的ですが、回想で一年目8話および42話を使用しているのは、なぎさとほのかが「様々な試練を乗り越えてきた」という意味で最も適しているからだと思われます。MHは基本的に試練というものがありません。すなわち乗り越えた出来事がありません(私が憶えていないだけかもしれません。MH38話は試練というより自立の話です)。純粋な成長をしています(これはひかりにも言える)。それ故、彼女達の意識として絶対に忘れられない・譲れない共有の思い出として8話と42話は適当です。あと、回想にひかりのシーンが無いのも当然です。逆にここでひかりのシーンまで出てしまうと一貫性がなくなりごちゃごちゃします)
宇宙に対して人の自由意思は対抗手段となり得ますが、あくまで対抗できるだけであって宇宙を倒すことはできません。
②テーマの拡張
一年目に比べてMHはテーマも物語の基盤も拡張されています。MHのストーリーは社会見学・修学旅行等行動範囲が広がりまた出会う人も多く様々です。テーマが拡張されるとともに敵であるジャアクキングの意味も拡張されています。分かりやすく言えば一年目最終話でプリキュアは(ポルンの力を得つつも)ジャアクキングを倒しています。26話の時はクイーンが手助けしたから別としてもプリキュアが独力で倒せているのにMHでは倒すことができません。これは単に強くなったということではなくジャアクキングの意味が大きくなっているのです。一年目は希望(クイーン)と絶望(ジャアクキング)という程度の意味しか持っておらず、そのために一年目のテーマ程度で十分プリキュアはジャアクキングを倒せます。しかしMHでは自身が言っているように「宇宙」という高次なレベルに拡張されています。
MHのテーマとは何か? 一年目が日常の肯定なら、MHは世界の肯定です。ひいては生きることの肯定です。
③ひかり
ジャックキングが自身を「宇宙」と名乗るのであれば、表裏一体であるクイーンもまた「宇宙」ということになります。簡単に言ってしまえば、「絶望・死・虚無・一義性」の意味の総括が「闇」であるジャアクキングであり、「希望・生・信・多義性」の意味の総括が「光」であるクイーンと言うことができます。つまりこの「宇宙」は「光」と「闇」の2つの理から成っていることになります。この内の一つが欠けても、また両方が無くなってしまえば「宇宙」というものは存在できなくなるでしょう(ジャアクキングもそう言っています)。
プリキュアが、なぎさとほのかがどんなに頑張っても宇宙の理を覆すことは出来ません。それが人の限界だからです。もしそれが可能なら、それは最早人ではなく神です(ここで言う「神」とは宇宙よりも高次なものとして言っています)。それでは意味がありません。有限な力しか持たない「人」だからこそ「私達は生きているのだ!」と主張するにたる意味があります。
「ひかり」という存在が何故なぎさとほのかのような普通の人ではなく、さりとて完全なクイーンでもなく、初期状態においては感情すらも希薄な「クイーンの命」であったのか、それは彼女がクイーンであると同時に人でなければならないからです。クイーンでありながら人として生きることで彼女は人の意志が宇宙の理の一つであることを示しました。即ち「光」その存在・意志こそが人の持つ意志と同じであるということです。これは人であるプリキュアと宇宙であるクイーンには証明できないことです。人は生まれながらに人であり宇宙ではありません。クイーンも存在自体が光である以上人ではありません。存在が違う以上光と人は繋がりません。せいぜいが、光の加護を人が受ける程度です(一年目26話)。
しかし、ひかりは違います。ひかりは光という宇宙の理の一つでありながら、それを自覚することなく人としての生を受けました。様々なことを学び45話の「待ってない!」の言葉によりひかりは世界とそこに生きる人々から完全に肯定・承認されます。そしてひかりも世界とそこに生きる人々を肯定し愛します。さらにひかりは「ひかりという存在をなくしてクイーンになる」という答えではなく、「ひかり自身が生きてクイーンになる」という答えを見つけます。ひかりが「ひかりという人としての個と意志を持ちながらクイーンになる」ことによってクイーンの持つ光の意志が人の意志と同じものであると証明します(補足で言えば志であるハーティエルは虹の園に存在した)。クイーンはひかりであり、ひかりの意志は人の意志です。その意志は生きるからこそ持ち続けることができます。
『人の意志』とは光の意志と同じです。その意志が闇を抑え未来を導き紡ぎます。(『人の自由意思』と『人の意志』は似て異なるものです。この場合どちらが高次であるかというものではなく、前者は人の存在そのものであり後者は意志(勇気や希望などの志、志向性のある意思)そのものを指しています。この説明がよく分からないと思われた方、すみません)
人の意志というのなら①で述べたようにプリキュアも持っています。そういう意味でならプリキュアだけでもジャアクキングを押し込めそうです。しかしそれはできません。何故ならプリキュアとジャアクキングは同格程度(対抗できる程度)だからです。自由意思が宇宙と釣り合うように、人の意志も闇の意志と釣り合っています。だから決定打は与えられない。クイーンにしてもジャアクキングと同格だから決定打は与えられない。それ故にラストは正しい。
ラストのルミナリオは光の意志と人の意志が合わさったものであり、闇の意志しか持たぬジャアクキングは敗れます。プリキュアが全ての命と繋がるように、プリキュア(人)と光(ひかり)の意志が繋がります。人の中で生まれた意志がクイーンの意志となり、人と繋がり、全てを生み出す力を解放させます。
なぎさとほのかは『人の自由意思』を肯定し、ひかりは『人の意志』を肯定します。そしてそのふたつは『生きる』という一つの答えを導き出します。生きることの先には未来があります。
補足を一つ。ルミナスがクイーンになることを言ったときにあっさりとプリキュアはその言葉を認めますが、それはルミナスが「決心をしました」と明言しているためです。人の心が自由であるなら、なぎさとほのかが「待ってない!」と言ったようにひかりが決心することも自由です。またひかりの目の前であの言葉を発しているので、その言葉を受けてなおひかりがクイーンになることを決めたのであればなぎさとほのかにそれを制止することはできません。そして気付いたはずです。ルミナスの言葉とその涙の意味に。紛れも無く目の前にいるのはクイーンではなくひかりであり、彼女の成長した姿だということに。だからブラックは「ひかり」と言うのです。そして人の想いが如何なる距離・空間・時間をも越えて繋がるものであるなら(エターナルン「誰かが誰かを想う気持ち、いくつもの時や世界を超えても僕はその想いが永遠だと信じたい」)ここでの別れが本当の別れでは無いはずです。それをひかりは自ら口にします。ひかりが未来を作っていくように、なぎさとほのか達も同じく未来を作っていきます。その意志が絶えることなく未来にまで続くなら未来で彼女達(の意志)は繋がっていることになります。個人の自由意思は有限(個の生は有限)であっても人の紡いでいく意志は未来にまで届くことが出来るでしょう。
④まとめ
人の自由意思(と意志)の意味と強さを信じている自分としてはこの最終回はまさに理想です。結局のところは人の可能性というのは信じるしかありません。理屈では証明されません(人は正しいのかという疑問、また人の意志は不変でも確かでもない)。理屈という意味でならまだジャアクキングの方が理屈になっています。不確定な要素が多い光よりも結果が一つしかない闇の方が論理的です。そんなことに屈することなく如何に人を信じられるか、それをこの作品は見事に描いたと思います。そして最後のハッピーエンド。何から何までこの作品は素敵な未来と可能性を信じて提示しました。
⑤おまけ
キリヤですが、再登場して一年目最終回で消えましたがあれも今思うと彼には彼の未来の可能性を提示したのだと思います。(闇に消えたままだとその可能性すら消されることになる)
①絶望の闇
空を飛ぶ飛行機。顔を俯かせ泣く幼子。祖母―さなえさん―はこう言います「希望を捨てずに頑張ってれば明日はきっといい日になりますよ。ねっ、ほのか」 さなえさんは優しい顔でこちら(視聴者側)を見ます。誰に言っているのでしょうか。
咆哮。バルデスは辺りを吹き飛ばします。瓦礫に混じって飛ばされていくプリキュア。
ちょっ、初っ端からさなえさん登場って。もうそれだけで泣き入るんですけど。ほのかの幼い頃。両親と別れるシーンですね。この時からさなえさんはほのかに大切なことを教えていたんですね。あの言葉は一年目の28話で聞いた言葉ですが、今この状況で語られるととても重く、とても心強い言葉に感じます。
バルデスは上空から崩壊した街とプリキュアを見下ろします。力の残っていないプリキュアにわざわざトドメを刺す気も無いようです。放っておいてもプリキュアは力尽き、世界は闇に飲み込まれます。
指を動かす力も残っていないプリキュア。かろうじて声を出すことは出来ます。ブラックは身体を動かそうとしたり、壊れた明日の像を見てその惨状に心を痛めます。それに答えるホワイトの声には最早生気が感じられません。ジャアクキングが力を強めるとさらに一帯は崩壊していきます。このまま崩壊し闇に包まれようとしている世界を救うことが出来ず自分の無力さと悲しさに泣くブラック。メップルはブラックに今まで幸せだったと言います。ミップルも世界の終わりの時まで一緒に居れて嬉しいと言います。メップルに泣くなと言われてもっと涙を流すブラック。ホワイトも溢れ出ます。彼女達の居た土地が崩壊し深い闇の深淵へと落ちていきます。
って、ちょっと待て!コラ!お前ら何泣いてんだ!何絶望してんだ!何で諦めているんだ!そんなのプリキュアじゃないだろ!なぎさじゃないだろ!ほのかじゃないだろ!メップルもミップルも!それでいいのかよ!!(心の叫び)
ルミナス。彼女は皆を愛しているからクイーンになることを決めた。でも愛しているからクイーンになれない。『クイーンの心』はポルンを呼びます。答えるポルン。いつのまにかポーチから出ています。ルルンも呼びます。そして名前を思い出せと言います。キタ!この展開。待ってましたよ。彼・彼女らに冠せられた名は伊達じゃないはずだ。「未来へ導く光の王子」「未来を紡ぐ光の王女」そしてルミナス。未来を作るのはあなた達自身であると『クイーンの心』は言います。
②希望の光
さなえさんの手を握り不安そうに空を見つめる幼子―ほのか―。昔も今も可愛ぇのう(エロじじいか)
泣きじゃくる幼い姉に声をかける亮太。運動会でコケてしまったので泣いているようです。父がギャグ交じりで励まします。笑う母。この夫婦は昔からこんな感じですか。父は言います。「だから、泣くな。上手くいかなかったことを素直に受け止めるってことも勇気だぞ」そしてこちらを振り返って「なぎさ」と呼びかけます。母も「そうよ、なぎさ」と呼びかけます。その言葉の先に居るのはブラック―なぎさ―
さなえさんは「明日はきっといい日になりますよ。ねっほのか」と抱いている幼いほのかにではなく、縁側に立ち尽くしているホワイト―ほのか―に言います。
かつてあった光景。そして今一度繋がる言葉。上手くいかなかったことを認める。それは自分の弱さを知ることである。人は万能ではない。一人では出来ることには限界がある。二人でも?じゃあ三人では?…皆では?皆を信じろ。一人ではない。親がいる。友達がいる。皆がいる。明日を信じろ。
崩壊の進む大地。しかしそこに一条の光が天に伸びます。そこに立っているのは手を繋ぎブレスを付けたプリキュア。バルデスを見据えます。「私達にはまだ明日がある」「だから諦めるわけにはいかないの」声に力がこもります。
プリキュア目掛けて跳びかかるバルデス。プリキュアも大地を蹴って跳びます。そして!OP主題歌が流れます。おおおおおおっ、このタイミングで!むしろここしか無い!
凄まじい烈火の如く繰り出されるプリキュアの攻撃にバルデスは防戦一方です。先ほどまで立ち上がる力も無かったはずのプリキュアのどこにこんな力が!?バルデスの疑問に答えるようにプリキュアは叫びます。
「あんたは勘違いしている。あんたが相手にしてるのは私達ふたりだけじゃない!」
「あなたは全ての命を相手にしているの。私達に繋がる総ての命を!」
帰ってきた!俺の知るプリキュアが帰ってきた!!どんな逆境にも絶望にも挫けない心が!人との繋がり・想いを無限の力にまで引き出せる存在が!帰ってきた!!ブレスは虹の園の希望の力の結晶。なら、その虹の園に住む皆と繋がっているプリキュアが希望を失わない限りいくらでも再生し、いくらでも力を引き出せる。ご都合!?それで結構!この力とテンションがプリキュアです!熱い。熱いぞ!プリキュア!
バルデスも負けじと渾身の衝撃波を放ちます。吹き飛ばされ大地に落ちるプリキュア。しかし、見事に着地し同時に前を見ます。さなえさん、なぎさの両親。彼女達の心にあるのは彼女達に繋がる総ての命。プリキュアの後ろにはその人々が映し出されます。うわっ、涙出てきた。自然に出てきた。たれ落ちた。悲しいとかそういうんじゃない。嬉しくて、楽しくて、心が躍るから出てくる涙。
バルデスが放った強力な闇の弾をプリキュアはパンチとキックで吹き飛ばします。ダイナミックです。っていうかこのアクションすげぇ。プリキュア最後の戦いにしてプリキュア史上最高のバトルだ。そして放たれるプリキュア・マーブルスクリュー・Max。その圧倒的な力はバルデスを包み込みます。
衣服は無くなったもののダメージはそれほど受けていないバルデス。驚異的です。バルデスは自信をもって言います。「お前達ごときにこの私は絶対に倒せん。この私は最早命などというレベルではないのだ」プリキュアの疑問に答えるようにバルデスの後ろにはジャアクキングがそびえ立ちます。力がみなぎるバルデス。後ろにいたジャアクキングは消滅します。バルデスこそがジャアクキング本体だったのです。
③人の意志
バルデス=ジャアクキングの攻撃に耐えるプリキュア。その力は圧倒的です。ジャアクキングの身体に触れることも出来ないまままたしても彼女達は吹き飛ばされてしまいます。宇宙そのものとも言っていい存在であるジャアクキングに人であるプリキュアが対抗する術はないのか。
「勇気、希望、未来、未来へ導くのはポルン。未来を紡ぐのがルルン。そして明日は私達の手で、はっ、私達皆の手で。分かりかけてきた」光り輝くチェアレクト。ルミナスは悟ろうとしている。本当の答えを。そしてその時こそクイーンの復活がなされる。
未来は与えられるものではない。ルミナスが犠牲になって他の人達に与えるものではない。未来は犠牲の上に成り立つものではない。ルミナス自身も含めて作り出していくものこそが未来。ルミナス無くして未来は無いのです。
己が力を試すように大地を砕くジャアクキング。その咆哮に世界が震えます。
プリキュアが落ちた先はいつか来たケヤキ。凹むブラック。ホワイトは崩れ行く街を見ます。否定の言葉もでないか。「しまった宿題忘れた」と呟くブラック。卒業文集を出していないそうです。ふっ、ふふ。そうか。そういう風に来ますか。ホワイトもアサリを買うのを頼まれたそうです。このままでは味噌汁の具がありません。はっ、はは。そうだよな。「いいな~アサリのお味噌汁」「家で一緒に食べましょう。おばあちゃまも喜ぶわ」「じゃあ、卒業文集手伝って貰おうっと」「もう、ブラックったら」ツッコミを入れるメップル。この状況には全く似つかわしくない会話です。でも、私はこの会話こそがプリキュアだと確信する。かつてブラックがここでイズミヤさんのチョコタルトを買いに行くと言ったこと。何をもって彼女が立ち直ったのかを。彼女達が何に属しているのかを。それらを思い出す。世界を守る?宇宙に抗う?違う。そんなことではない。彼女達の住む世界は小さく、暖かく、そして無限に広がる世界。その世界に生きるのだ。
ホワイトは気づきます。「私達は自由なのよ」「例えどんな状況にあっても私達の心の中までは誰も手出しできない」ハッと気づくブラック「私達の心の中の宇宙は誰からも自由だわ!」「うん、そうだね」ブラックは立ち上がってホワイトに並びます。
「選ばれし勇者メップル」
「はっ、はい、メポ」
「希望の姫君ミップル」
「はい、ミポ」
「私達の中に希望と勇気がある限り」「私達は誰にも絶対に負けない」
今こそ思い出せ、その身に宿る意志を。何者であるかを。その意志が続く限り決して未来は閉ざされない。っていうか、もう、凄いことになっているんですけど、これ。なっているというか、やりやがったというか。またさっきと同じ涙出てきた。進むべき道を前を向いて進まんとするその意志。勇気と希望。それがここに在る。
輝くプリズムストーン。
ジャアクキングの前に土煙を上げながら着地するプリキュア。光の使者キュアブラック。光の使者キュアホワイト。ふたりはプリキュア。闇の僕たちよ、とっととお家に帰りなさい。
余裕のジャアクキング。プリキュアは構え、挑みかかります。そして流れるBGMは「三人の絆」最高・最強の舞台設定。ジャアクキングの衝撃波で吹き飛ばされつつも屈することなく立ち続けます。息を吸い見据え挑む。阻むジャアクキングの衝撃波。それに歯を食いしばって飛ばされること無く耐えます。もう、少女アニメじゃありません。ホワイトなんてモビルスーツの機動音出してます。舞うスカートが魅惑的かつカッコイイ(最終回までこの視点を持ち続ける私は本当にアホだと思う)。
ジャアクキングは焦ります。宇宙そのものと言っていい力を持つのに何故プリキュアは倒れないのか。BGMも佳境です。
「ここで倒れるわけにはいかないの!色んなことがあったんだもん」
ケンカ。キリヤとの別れ。連れ去られた親友。
「でも、乗り越えてきたのよ!」
プリキュアだけのことじゃない。運動会でコケた時も、両親と別れた時も彼女達は乗り越えてきた。
「だから、あんたなんかに」
「今、ここで、あなたなんかに」
「負けるわけにはいかないの!!」
涙を流しながら彼女達は絶叫します。力を込めるジャアクキングにプリキュアの持つブレスも金色(こんじき)に輝きます。金色に包まれるプリキュア。すげぇ、すごいぞ!このアニメ。そして回り過ぎだぞホワイト!プリキュアのダブルキックが炸裂します。勢いをそのままに彼女達は跳び、上空から…えっと、え~~っと、何ていうの?この技?何なんだ!?このアニメ本当に少女アニメか!?
Q:このアニメはなんですか?
A:ふたりはプリキュアMaxHeart
これこそがプリキュアの真髄。あらゆる可能性を解き放ち、放たれる力。単にアクションが凄いという問題ではありません。ここで人であるプリキュアが宇宙そのものであるジャアクキングに対抗できることそのものに意味があり力があります。彼女達は紛れも無く彼女達自身の意志の力でこれを成しています。勇気と希望というたったそれだけの、そして大きい意志で抗える。どんな苦境にだって立ち向かえる。何故なら、彼女達の中にも無限の可能性がある宇宙があるのだから。この熱さは、すなわち人の意志の熱さです。
④ひかり
大地を、世界を揺るがす力。肩で息をするプリキュア。もうこれで終わりか?
ところがジャアクキングは地球規模に巨大化してプリキュアを押しつぶそうとします。それを阻んだのはこれまた地球規模のクイーン。ジャアクキングはクイーンに相打ちになれば世界が無に帰すと言います。クイーンは言います。願いは光と闇のバランスだと。違いは未来を信じようとするのか支配しようとするのか。クイーンは生きとし生ける者達の可能性に賭けたいと言います。
ルミナスの事を心配するプリキュア。安心させるようにクイーンは、ルミナスは永遠にあなた達の心の中に生き続けると言います。「そうです。私はクイーンとして皆の未来を守り続ける決心をしました」とルミナスの声。お別れを言うルミナス。
「私達は未来のずっとずっと先で繋がっているはずですから。だから、だから、決して後悔はしな、い」
泣きべそをかくルミナス。その涙は恥ではない。誇れ、その涙こそ愛していることの証なのだから。
「ひかり」
「私達繋がってる。永遠に」
「はい」
「ポルンが皆を未来に導くポポ」
「ルルンは皆の未来を紡ぐルル」
「さあ、全てを生み出す力を解放するのです」
「これが最後の力です」
「力を合わせるポポ」
解き放たれるエキストリーム・ルミナリオ・Max
⑤扉を開けて!ここから始まる物語
ベローネ中等部卒業式。賑やかな声。クラスメイト達。後輩達。明日の像のもと、桜組の集合写真が撮られます。桜組じゃない人も混じってますが。皆倒れて撮影失敗です。ほのかだけ倒れていないのはこの娘たる所以です。
帰り道。思い返すなぎさ。ほのかは堪らずに泣き出してしまいます。彼女にとってのミップルは掛替えの無い存在です。河川敷。かつてケンカをして仲直りをし、色んな出来事が起こった場所。空は高く青い。
締めの解説をする長老。伝説の戦士の使命は終わった。全てを生み出す力は意志と想いに応える。最後までボケをとおす長老。クイーンは静かに座します。
ポルンとルルンの力って?
タコカフェ。まだしょんぼりしているふたり。アカネさんは卒業式でほのかが見事な答辞をしたことを話題にします。ん、誰に聞いた?
「お待ちどうさまです」
って、ひかり居るーーーーーーーーー!
「とっても素晴らしい卒業式でした。お疲れ様でした」
驚くなぎさとほのか。そして視聴者。いやいやいや、そんな笑顔に騙されたいけど騙されな……騙されます。
ふと気づくとポルンとルルンも居ます。そんでもって、居候が増えたとアカネさん。ひかりの弟でひかる。って少年も居るんかよ!「こんな親戚いたなんてねぇ~参った参った」いや、笑っている場合では、ってか弟なら知ってなきゃいけないだろ、何か微妙にその台詞のニュアンスは……まあ、いいか。
勿論、メップルもミップルも来ています。
「こんなことになっちゃいました」
苦笑しながら言うひかり。
悪態をつくなぎさですが、ほのかはメップルと感動の対面中です。諦めなさい。本当は嬉しいくせに。お別れなんて無い。ずっと一緒。
「腹減ったメポ」
ぶち壊し。でも、帰って来ました日常が。彼女達の本当の未来が、可能性が開かれました。太陽の光は優しく世界を包み込みます。
○トピック
なぎさ、ほのか卒業おめでとう!
ひかりこれからもタコカフェで、愛する皆と一緒で良かったね!
最高。感無量。予想通り予想を裏切りまくって素晴らしい最終回を見せてくれました。
映画とか見てひかりはクイーンになって世界を皆を愛し続けるんだとか世代交代だとか、ジャアクキングとクイーンの戦いにはプリキュアは入れないとかごちゃごちゃ考えていましたが、スッキリ爽快。そんなことを吹っ飛ばす勢いと力でした。この作品は最初からど真ん中しか見ていなかったのです。そしてそのど真ん中にこれ以上無いくらいの力を込めて投げました。そして大命中どころか突き破って遥か彼方、未来にまで届いたのです。
全てを生み出す力。その化身であるクイーンは言いました。生きとし生ける者の可能性に賭けたいと。ジャアクキングが自分以外を否定する存在なら、クイーンは全てを肯定する存在です。その全ての中には闇も含まれます。クイーンは何も否定はしなかった。最後まで肯定し続けた。ルミナスは自分を犠牲にしてはいけないのです。自分を否定するのではなく自分自身が未来の作り手となるのです。それは彼女一人でやるものではありません。皆で未来を作ります。存在しなくなるか、存在するかで悩んでいたルミナスはその悩みそのものが間違いだったのです。未来とは自分が存在するからあるのです。
勇気と希望が未来を作る。未来は自らが作り、他の者達と一緒に作っていく世界。それをプリキュアはずっと信じ続けました。生きることを強く肯定した『人の意志』は全てを飲み込もうとする闇の力に対抗できます。しかし倒すことは出来ない。闇もまた世界の理だから。そしてその世界の理のもう一つは生きる者達を信じます。人の意志と未来を信じようとする力が合わさり闇を倒します。滅ぼすわけではありません。滅ぼしてもいけません。光も闇もこの世界なのですから。
そしてその意志を貫いた彼女達にはちょっとした奇跡が起きました。
ラストでひかり・メップル・ミップル・ポルン・ルルンが戻ってきました。もしこれが完全な別れとして描かれていた場合、今よりも感動できたかもしれません。泣けたかもしれません。ひかり達は皆の心の中に行き続けるんだと思えるでしょう。でも、そんな感動よりもっと素敵な感動があると思います。
なぎさとほのかはずっと戦い続けてきました。日常を守るために。光の園の住人は元々は他世界の者であり彼女達の本来の日常ではありません。でも、もう彼女達にとっての日常となってしまいました。メップルやミップルと居るのが当たり前の日常になりました。ひかりがタコカフェで働いているのが当たり前の日常になりました。彼女達が戦い抜いたご褒美にその日常が帰ってきてもいいんじゃないでしょうか。ポルンとルルンの力とはそういうことだったのかもしれません。
なぎさが居る。ほのかが居る。ひかりが居る。メップルが居る。ミップルが居る。ポルンが居る。ルルンが居る。ひかるも居る(さり気にここ重要)。皆が居る。皆と一緒に在る。ごくあたりまえの(ちょっとありえない)日常を彼女達は歩みます。それぞれの未来に向かって、無限の可能性を秘めて。
その明るい未来への可能性こそ、この作品の本当の感動だと思います。
○解説兼解釈
感想が感想になっていないので(感情的にはあの通りであり、あのまま理解しているのですが)、もう少し理性的に書いてみます。内容としてはすでにみちたろさん(1月29日の感想およびその補足)やdokoikoさん(1月30日からの一連の記述)が書かれています。より論理性を求めるのならこのふたりの文章をお読み下さい。私は私の理解の仕方で記述します。
①プリキュアの復活と力
2回復活しています。2回とも違う理由と動機付けが働いています。そしてその力の意味も異なります。
第一の復活は『みんなとの繋がり』です。無力に打ちひしがれ絶望する中で幼い頃の肉親の言葉を思い出します。今までの自分が決して一人きりで成長してきたわけではなく、肉親の支え、みんなの支えがあって成長してきたのだと彼女達は悟ります。一年目最終話ホワイトの台詞「私たちには大事なものがある。大事な人達がいる。メップルやミップル、そしてポルン。そして私達を支えてくれるのは、全ての命。私に繋がる全ての命よ」を踏襲・昇華させています。なぎさ達は全世界を肯定・承認します。そしてその世界の人々を背負うことで逆に世界から彼女達は肯定・承認されます(プリキュアの後ろにみんなが並んでいる映像がイメージ的に分かりやすい)。MHの物語が一年目よりも範囲が広く色んな人々や世界(様々な職業)との繋がりを描いてきた意味がここにて成就します。プリキュアは世界の代表として確固たる存在となります。このことにより、プリキュアはバルデスに勝てるようになります。如何にバルデスが個(命)として強力な存在と言えど、全ての個を背負うプリキュアに勝てるわけがありません。
全ての個を背負うプリキュアですが、勝てないものがあります。それはこの宇宙そのものです。宇宙は世界そのものであり、全ての個を背負うプリキュアをさらに総括する存在だからです。どんなに個(あるいはその集団)が強力でも宇宙の理(物理法則などのこの世界の基本的な現象の総括)を覆すことは出来ません。
では、何を持って宇宙に抗することが出来るのでしょうか?プリキュアの出した答えは、(私の主観的解釈ですが)『人の自由意思』です。ケヤキの場面でのやり取りはふたりが「プリキュア」であることを放棄しています。一人の人間として立ち戻ることをしています。だから、ブラックはなぎさ、ホワイトはほのかに戻り、宿題やアサリの味噌汁の話をします。彼女達がどんなことを思おうとそれは彼女達の自由です。ほのかが言った「私達は自由なのよ」は正しい言葉です。宇宙がどんなに絶対なものであっても、人の自由意思にまで抵触はできません。宇宙の理は世界を規定しますが人の自由意思を変えることはできません(ほのかの台詞「例えどんな状況にあっても私達の心の中までは誰も手出しできない」)。勇気と希望という意志もプリキュアだからあるのではなく、人が意志することができるものです。ここにおいて人の自由意思は宇宙に抗する唯一にして最大の手段となります。
その後のジャアクキングとなぎさとほのかとの戦いは宇宙と人の自由意思との戦いです。彼女達はただの人として宇宙に挑みます。泣いて叫ぶシーンが非常に印象に残りますが、あれこそ人であることの証明です。彼女達にはそれぞれの経験・思い出が詰まっています。大変な苦労を乗り越えて紡いできた絆があります。どんなに宇宙が無慈悲で冷徹に出来ていても、人の力では到底及びのつかないものであっても、それが人を包み込もうとしても、人の心までを否定されるわけにはいかないのです。人の自由意思を信じるならば、生きることに意味があるというのならば絶対に負けるわけにはいきません。これは力の問題ではなく自由意思の存在、つまり人としての存在を賭けた戦いなのです。個人的にこの一連のシーンが熱くカッコイイと思うのはそのためです。『人の自由意思』を信じる者として、この時のなぎさとほのかは『人の自由意思』そのものなのです。
(蛇足的ですが、回想で一年目8話および42話を使用しているのは、なぎさとほのかが「様々な試練を乗り越えてきた」という意味で最も適しているからだと思われます。MHは基本的に試練というものがありません。すなわち乗り越えた出来事がありません(私が憶えていないだけかもしれません。MH38話は試練というより自立の話です)。純粋な成長をしています(これはひかりにも言える)。それ故、彼女達の意識として絶対に忘れられない・譲れない共有の思い出として8話と42話は適当です。あと、回想にひかりのシーンが無いのも当然です。逆にここでひかりのシーンまで出てしまうと一貫性がなくなりごちゃごちゃします)
宇宙に対して人の自由意思は対抗手段となり得ますが、あくまで対抗できるだけであって宇宙を倒すことはできません。
②テーマの拡張
一年目に比べてMHはテーマも物語の基盤も拡張されています。MHのストーリーは社会見学・修学旅行等行動範囲が広がりまた出会う人も多く様々です。テーマが拡張されるとともに敵であるジャアクキングの意味も拡張されています。分かりやすく言えば一年目最終話でプリキュアは(ポルンの力を得つつも)ジャアクキングを倒しています。26話の時はクイーンが手助けしたから別としてもプリキュアが独力で倒せているのにMHでは倒すことができません。これは単に強くなったということではなくジャアクキングの意味が大きくなっているのです。一年目は希望(クイーン)と絶望(ジャアクキング)という程度の意味しか持っておらず、そのために一年目のテーマ程度で十分プリキュアはジャアクキングを倒せます。しかしMHでは自身が言っているように「宇宙」という高次なレベルに拡張されています。
MHのテーマとは何か? 一年目が日常の肯定なら、MHは世界の肯定です。ひいては生きることの肯定です。
③ひかり
ジャックキングが自身を「宇宙」と名乗るのであれば、表裏一体であるクイーンもまた「宇宙」ということになります。簡単に言ってしまえば、「絶望・死・虚無・一義性」の意味の総括が「闇」であるジャアクキングであり、「希望・生・信・多義性」の意味の総括が「光」であるクイーンと言うことができます。つまりこの「宇宙」は「光」と「闇」の2つの理から成っていることになります。この内の一つが欠けても、また両方が無くなってしまえば「宇宙」というものは存在できなくなるでしょう(ジャアクキングもそう言っています)。
プリキュアが、なぎさとほのかがどんなに頑張っても宇宙の理を覆すことは出来ません。それが人の限界だからです。もしそれが可能なら、それは最早人ではなく神です(ここで言う「神」とは宇宙よりも高次なものとして言っています)。それでは意味がありません。有限な力しか持たない「人」だからこそ「私達は生きているのだ!」と主張するにたる意味があります。
「ひかり」という存在が何故なぎさとほのかのような普通の人ではなく、さりとて完全なクイーンでもなく、初期状態においては感情すらも希薄な「クイーンの命」であったのか、それは彼女がクイーンであると同時に人でなければならないからです。クイーンでありながら人として生きることで彼女は人の意志が宇宙の理の一つであることを示しました。即ち「光」その存在・意志こそが人の持つ意志と同じであるということです。これは人であるプリキュアと宇宙であるクイーンには証明できないことです。人は生まれながらに人であり宇宙ではありません。クイーンも存在自体が光である以上人ではありません。存在が違う以上光と人は繋がりません。せいぜいが、光の加護を人が受ける程度です(一年目26話)。
しかし、ひかりは違います。ひかりは光という宇宙の理の一つでありながら、それを自覚することなく人としての生を受けました。様々なことを学び45話の「待ってない!」の言葉によりひかりは世界とそこに生きる人々から完全に肯定・承認されます。そしてひかりも世界とそこに生きる人々を肯定し愛します。さらにひかりは「ひかりという存在をなくしてクイーンになる」という答えではなく、「ひかり自身が生きてクイーンになる」という答えを見つけます。ひかりが「ひかりという人としての個と意志を持ちながらクイーンになる」ことによってクイーンの持つ光の意志が人の意志と同じものであると証明します(補足で言えば志であるハーティエルは虹の園に存在した)。クイーンはひかりであり、ひかりの意志は人の意志です。その意志は生きるからこそ持ち続けることができます。
『人の意志』とは光の意志と同じです。その意志が闇を抑え未来を導き紡ぎます。(『人の自由意思』と『人の意志』は似て異なるものです。この場合どちらが高次であるかというものではなく、前者は人の存在そのものであり後者は意志(勇気や希望などの志、志向性のある意思)そのものを指しています。この説明がよく分からないと思われた方、すみません)
人の意志というのなら①で述べたようにプリキュアも持っています。そういう意味でならプリキュアだけでもジャアクキングを押し込めそうです。しかしそれはできません。何故ならプリキュアとジャアクキングは同格程度(対抗できる程度)だからです。自由意思が宇宙と釣り合うように、人の意志も闇の意志と釣り合っています。だから決定打は与えられない。クイーンにしてもジャアクキングと同格だから決定打は与えられない。それ故にラストは正しい。
ラストのルミナリオは光の意志と人の意志が合わさったものであり、闇の意志しか持たぬジャアクキングは敗れます。プリキュアが全ての命と繋がるように、プリキュア(人)と光(ひかり)の意志が繋がります。人の中で生まれた意志がクイーンの意志となり、人と繋がり、全てを生み出す力を解放させます。
なぎさとほのかは『人の自由意思』を肯定し、ひかりは『人の意志』を肯定します。そしてそのふたつは『生きる』という一つの答えを導き出します。生きることの先には未来があります。
補足を一つ。ルミナスがクイーンになることを言ったときにあっさりとプリキュアはその言葉を認めますが、それはルミナスが「決心をしました」と明言しているためです。人の心が自由であるなら、なぎさとほのかが「待ってない!」と言ったようにひかりが決心することも自由です。またひかりの目の前であの言葉を発しているので、その言葉を受けてなおひかりがクイーンになることを決めたのであればなぎさとほのかにそれを制止することはできません。そして気付いたはずです。ルミナスの言葉とその涙の意味に。紛れも無く目の前にいるのはクイーンではなくひかりであり、彼女の成長した姿だということに。だからブラックは「ひかり」と言うのです。そして人の想いが如何なる距離・空間・時間をも越えて繋がるものであるなら(エターナルン「誰かが誰かを想う気持ち、いくつもの時や世界を超えても僕はその想いが永遠だと信じたい」)ここでの別れが本当の別れでは無いはずです。それをひかりは自ら口にします。ひかりが未来を作っていくように、なぎさとほのか達も同じく未来を作っていきます。その意志が絶えることなく未来にまで続くなら未来で彼女達(の意志)は繋がっていることになります。個人の自由意思は有限(個の生は有限)であっても人の紡いでいく意志は未来にまで届くことが出来るでしょう。
④まとめ
人の自由意思(と意志)の意味と強さを信じている自分としてはこの最終回はまさに理想です。結局のところは人の可能性というのは信じるしかありません。理屈では証明されません(人は正しいのかという疑問、また人の意志は不変でも確かでもない)。理屈という意味でならまだジャアクキングの方が理屈になっています。不確定な要素が多い光よりも結果が一つしかない闇の方が論理的です。そんなことに屈することなく如何に人を信じられるか、それをこの作品は見事に描いたと思います。そして最後のハッピーエンド。何から何までこの作品は素敵な未来と可能性を信じて提示しました。
⑤おまけ
キリヤですが、再登場して一年目最終回で消えましたがあれも今思うと彼には彼の未来の可能性を提示したのだと思います。(闇に消えたままだとその可能性すら消されることになる)
コラム6「VocalアルバムⅡ、MHサントラとか」
最終回前に細かいところをまとめて書いてしまいます。
○VocalアルバムⅡ~「あ」から始まる愛コトバ~
一言で言ってしまうと「さようなら」曲集。特にひかりの「~To be continued~」は聴いていると、この一年間の彼女の姿を納得するとともに「ああ、終わるんだ」という感慨がわいてくる。
なぎさとほのかは中の人が作詞していたりするので、視聴者とキャラの別れだけでなくキャラと中の人の別れもあるように思えます。たった2年ですがそれだけの歴史を感じさせます。
○サウンドトラック プリキュアサウンドスクリューMaxSpark!!
最終回間際で実戦投入された本編サントラ。何が聴きたかって言えば、買った人の大概が聴きたかったであろう本編8話や15話のルミナスが毅然と立ち向かったシーンで流れた曲「三人の絆」ですね。この曲を聴いていると心が奮い立ちます。プリキュアのこういう「立ち向かう」BGMはどれも熱くカッコ良く心を高揚させます。
最終回挿入歌も収録されておりMHの締めくくりをするCD。VocalアルバムがさようならをするCDならこのサントラは彼女達を送出すCDな感じ。ジャケット裏面のイラストはズバリですね。
○主役交代について
三年目の情報、特に主役交代のことを知った時の感想を言えば、とても嬉しかったです。前に交代してもしなくてもどちらでも良いというようなことを書きましたが、どちらがより良いかと言えば交代する方です。なぎさとほのかとひかりの物語が幕を閉じる。寂しいという思いが無いわけではありませんが、それを圧倒的に上回る嬉しさでした。
これはどの作品においても言える私の見方で『人気があるから続投』というのが好きではありません。展開がダラダラになる、マンネリになるという懸念もありますが、それ以上に物語の終わりが延期させられているというのがどうにも好きになれません。これは趣味趣向が強いものだと自分でも思います。
終わりに向かって進まない、終わりが見えないというのは停滞しているように感じます。それは特に成長モノの作品においては致命的なものだと思っています。終わらないということは成長(の完了またはその後の未来)が延期されいつまでも主人公が前に進み出せないことと同じだと思います。終わりの無い成長は停滞と同義だと思います。それはとても残酷なことのように思えます。
実際問題として、『人気があるから続投』というのは商業ベースとしても視聴者としても受け入れられるでしょう。プリキュアが三年目続投が決定したということはなぎさ達に人気があり、彼女達の続投も検討されたはずです。その気になればそのまま続投させることもできたと思います。ネタ切れで現状ベースのテーマをやりにくいなら新キャラを出すなり、テーマ性を薄くした路線に変更するなり方法はあると思います。これまでのように『日常を壊しにやってくる敵を退治する』というパターンさえ守れば見た目上は変わりありません。しかし、この作品に入り込み過ぎている私にそれは耐えられないことです。ありふれた日常を過ごしたい彼女達がこれ以上日常と乖離させられ、苦しい戦いを課される事を喜ぶとは思えません。ましてや成長することも奪われてはこの作品の持つ輝きも失われてしまいます。前に突き進まんとするその意志が雲散霧消してしまいます。長続きすればするほどこの作品は矛盾することになります。
だから、主役交代はとても嬉しいことでした。物語は幕を閉じ彼女達の人生は彼女達のものになりそれぞれが可能性ある未来を進むことになるでしょう。物語が終わることは全ての終わりではなく、始まりでもあります。別れは決してネガティブなものではなく、未来への過程の一つであるでしょう。その可能性こそが最も大切なことであると思っています。その可能性は物語が終わらなければ開かれません。今思えばその終わり(始まり)に向かってMHは最初から進んでいたのかもしれません。私にとっても、作品にとっても待ち望んだ最終回になることでしょう。しっかりと見届けます。
○VocalアルバムⅡ~「あ」から始まる愛コトバ~
一言で言ってしまうと「さようなら」曲集。特にひかりの「~To be continued~」は聴いていると、この一年間の彼女の姿を納得するとともに「ああ、終わるんだ」という感慨がわいてくる。
なぎさとほのかは中の人が作詞していたりするので、視聴者とキャラの別れだけでなくキャラと中の人の別れもあるように思えます。たった2年ですがそれだけの歴史を感じさせます。
○サウンドトラック プリキュアサウンドスクリューMaxSpark!!
最終回間際で実戦投入された本編サントラ。何が聴きたかって言えば、買った人の大概が聴きたかったであろう本編8話や15話のルミナスが毅然と立ち向かったシーンで流れた曲「三人の絆」ですね。この曲を聴いていると心が奮い立ちます。プリキュアのこういう「立ち向かう」BGMはどれも熱くカッコ良く心を高揚させます。
最終回挿入歌も収録されておりMHの締めくくりをするCD。VocalアルバムがさようならをするCDならこのサントラは彼女達を送出すCDな感じ。ジャケット裏面のイラストはズバリですね。
○主役交代について
三年目の情報、特に主役交代のことを知った時の感想を言えば、とても嬉しかったです。前に交代してもしなくてもどちらでも良いというようなことを書きましたが、どちらがより良いかと言えば交代する方です。なぎさとほのかとひかりの物語が幕を閉じる。寂しいという思いが無いわけではありませんが、それを圧倒的に上回る嬉しさでした。
これはどの作品においても言える私の見方で『人気があるから続投』というのが好きではありません。展開がダラダラになる、マンネリになるという懸念もありますが、それ以上に物語の終わりが延期させられているというのがどうにも好きになれません。これは趣味趣向が強いものだと自分でも思います。
終わりに向かって進まない、終わりが見えないというのは停滞しているように感じます。それは特に成長モノの作品においては致命的なものだと思っています。終わらないということは成長(の完了またはその後の未来)が延期されいつまでも主人公が前に進み出せないことと同じだと思います。終わりの無い成長は停滞と同義だと思います。それはとても残酷なことのように思えます。
実際問題として、『人気があるから続投』というのは商業ベースとしても視聴者としても受け入れられるでしょう。プリキュアが三年目続投が決定したということはなぎさ達に人気があり、彼女達の続投も検討されたはずです。その気になればそのまま続投させることもできたと思います。ネタ切れで現状ベースのテーマをやりにくいなら新キャラを出すなり、テーマ性を薄くした路線に変更するなり方法はあると思います。これまでのように『日常を壊しにやってくる敵を退治する』というパターンさえ守れば見た目上は変わりありません。しかし、この作品に入り込み過ぎている私にそれは耐えられないことです。ありふれた日常を過ごしたい彼女達がこれ以上日常と乖離させられ、苦しい戦いを課される事を喜ぶとは思えません。ましてや成長することも奪われてはこの作品の持つ輝きも失われてしまいます。前に突き進まんとするその意志が雲散霧消してしまいます。長続きすればするほどこの作品は矛盾することになります。
だから、主役交代はとても嬉しいことでした。物語は幕を閉じ彼女達の人生は彼女達のものになりそれぞれが可能性ある未来を進むことになるでしょう。物語が終わることは全ての終わりではなく、始まりでもあります。別れは決してネガティブなものではなく、未来への過程の一つであるでしょう。その可能性こそが最も大切なことであると思っています。その可能性は物語が終わらなければ開かれません。今思えばその終わり(始まり)に向かってMHは最初から進んでいたのかもしれません。私にとっても、作品にとっても待ち望んだ最終回になることでしょう。しっかりと見届けます。
第46話「捨て身の総攻撃!闇の戦士マックスパワー!!」
○今週の出来事
①闇の支配
意識を取り戻すルミナス。見上げると、そこに立つのは闇の巨像ジャアクキング。別段破壊活動をしているわけではなく、ただ立っているだけです。しかしその重圧は虹の園から光を奪うのに十分です。シークンが警告します。このままでは虹の園が食い尽くされてしまいます。
一年前のようにそびえ立つジャアクキングを見据えるプリキュア。こんな時でも回想は忘れません。
建物が闇に侵食されています。この闇に対抗できるのはプリキュアのみ。彼女達は手を繋いで進みます。行く手を遮るビブリス。サーキュラスとウラガノスも阻みます。彼らはプリキュアを倒す気です。彼らもケリを付けたいのでしょう。臨戦態勢をとるプリキュア。
ジャアクキングの元へ歩く少年。彼の顔には感情がありません。引き付けられている?それを証明するかのようにバルデスはジャアクキングの真の復活を口にします。やはり少年は必要のようです。ルミナスは止めに行きます。立ちはだかるバルデス。
三バカトリオVSプリキュア。良い動きです。素敵です。ビブリスの間接を決めながら投げるホワイトは素敵です。すかさず援護に入るブラックも素敵です。彼女達はふたりでプリキュアです。
歩く少年にルミナスは制止の声をかけます。立ち止まり振り返る少年。以前にもあったルミナスと少年だけの空間(意思の共有空間?)になります。少年は不安を口にします。思い返される出来事。少年と遊ぶ執事。ひかりとの出会い。「僕は何だったんだろう…」 彼は突然心臓を抑えるように苦しみだします。闇の瘴気が少年を包みます。嬉しそうに見るバルデス。そして少年から出た心臓(闇の命であると思われる)はジャアクキングに取り込まれます。ジャアクキングが波紋を打つとともに、今まで不穏な色をしていた空がドツクゾーンの空へと塗り替えられていきます。成す術も無く立ち尽くすルミナス。咆哮するジャアクキング。闇の化身が目覚めます。
時同じくして、サーキュラス達は再度プリキュアへ攻撃を仕掛けます。格段に強くなっている彼ら。ジャアクキングが目覚め、虹の園に闇の力が広がっていることで彼らの力も増大しているのでしょう。最早事態はプリキュアやルミナスだけでは手に負えない所まで来ています。
②クイーンの復活
ルミナスはシークンにチェアレクトに入るように言います。躊躇うシークン。シークンは分かっているのです、クイーンになることがどういうことなのかを。クイーンを復活させることはルミナス自身が失われることを意味します(少なくともルミナスやプリキュアはそう認識しています)。ルミナスはそれを覚悟した上で、笑顔すら見せて再度シークンに頼みます。ルミナスの意志を知ってシークンはチェアレクトへと入ります。12のハーティエル。その総てが揃います。
光の園でも変化が起きます。クイーン復活の兆候を感じ取る長老。クイーンの命・ハーティエル(意志)・心が揃います。ん、心ってあったっけ?
ルミナスはチェアレクトとともに虹の園から消えます。
手を握り合わせてブレスを召還するプリキュア。虹の園にある光の力が具現化します。踊りかかる三バカを吹き飛ばします。カッコイイ。身を翻してビルの上に降り立ちます。ハっと気づくホワイト。ルミナスに会えないような気がすると言います。
空席の椅子。その後光の園に変化はありません。クイーンが復活しない。長老と番人は戸惑います。何が足りない?
虹色の空間。ルルンは気を失っているルミナスを心配します。ルルンもここにいるのは何か理由があるのでしょう。いなければならない理由が。目を覚ますルミナス。まだクイーンにはなっていません。クイーンの心が語りかけます。あっ、居たんだ。チェアレクトの中(というかそのものか?)にあったのね。『心』はクイーンになることが出来ないと言います。問うルミナス。しかし逆に「答えはあなたの中にあるはずです」と返されます。ルミナスは自分が怖がっているからクイーンになれないのかと尋ねます。『心』はそうではないと答えます。
「あなたはこの世界に深く関わりすぎたようです。あなたはこの世界を愛している。いつまでもここに居たいと願っている。でも、崩壊しようとしているこの世界を守るためにはあなたはこの世界から消えなくてはならない。二つの気持ちがあなたの中で揺れ動いているのです」
「そんな…私はこの世界を愛しています。皆と過ごした日々、笑ったり、泣いたり、驚いたり、不思議に思ったり、学校へ行って、お店を手伝って、それから…それから…本当に楽しかった。この世界が壊されてしまうなんて、大好きな皆の世界が壊されてしまうなんて、だから…だから…」
「大丈夫ルル。ルルンがひかりを守るルル」
うっ、やべ泣きそう。ここ一番泣きそう。そう来たか、そう来るか。
③サーキュラス・ウラガノス・ビブリス最後の戦い
廃墟の街を歩くバルデス。瓦礫の前で立ち止まります。瓦礫から起き上がるサーキュラス達。バルデスは勝利を確信します。ジャアクキングは復活し、虹の園が闇に包まれるのも時間の問題です。しかしサーキュラスはまだ終わっていないと言います。彼らはプリキュアを倒す気です。最早放っておいても何の障害にもならないでしょう。でも彼らは決着をつける気です。後は任せた、とバルデスに言い残しサーキュラス・ウラガノス・ビブリスは飛び立ちます。おっ、カッコイイなこの人達。
ジャアクキングを目の前にしてプリキュアは意志を固めます。巨大なる敵。しかし立ちはだかる三人。マントを破り捨て、最後の戦いへと臨みます。やべ、ウラガノスカッコイイ。挑みかかるプリキュアですが、ジャアクキングが手を大地につきます。っていうか、デカくなってます。地球規模で。おいおい。OPのとおりになっちゃったよ。その衝撃で飛ばされるプリキュア。なんとか鎖に掴まって体勢を整えます。その隙を見逃さず攻める三人。容赦ありません。ダメージを受けつつもプリキュアも闘志は消えません。
三人は手を繋いで力を合わせます。おおっ!マーブルスクリューモドキですか。プリキュアも負けじと本家本元のマーブルスクリューを放ちます。力増した三人を押すスクリュー。サーキュラスとビブリスが飲まれます。凄いなスクリュースパーク。流石今まで負け無しの最強必殺技なだけはある。しかし、毎回負け続けるほど情けなくもありません。ウラガノスは「ビブリス、サーキュラス今だ!」と叫びます。なんとビブリスとサーキュラスがスクリューの中を通ってプリキュアの前に現れ手を掴みます。こっ怖ぇぇ。これは確かに原理上プリキュアも技を止めるわけにはいきません。そう、彼らは死ぬことを前提にしてもプリキュアの最大最強アイテムであるブレスを破壊するのが目的だったのです。バルデスに残した言葉の意味はここにあります。カッコイイなあんたら。悪役として申し分ない散り際です。見事。
サーキュラス達を倒したもののブレスを失い力を使い果たすプリキュア。最早立つ力さえ残っていません。安堵も束の間、バルデスが目の前に現れます。
プリキュア。シャイニールミナス。クイーン。ジャアクキング。虹の園。光の園。ドツクゾーン。未来。総ては最終回へ。
④次回予告
これまでの思い出。出来事。総てがここに完結する。
○トピック
プリキュアサイド、ルミナスサイドともに最終段階。最後まで最後が分からない展開です。
ルミナスがクイーン復活の決意をするのは予想できたことですが、それで素直に復活させないのがこの作品の凄いところだと思います。どの道クイーンの復活は避けられないことです。ひかりが消えるか存続するかは別にしても復活そのものは確定しています。そうしないと物語が収束しないからです。だったら、ついに復活か!?と今回で引いて、来週に繋げるというのがよくありがちなパターンです。ひかりがどうなるかはこのパターンでも読めないので最後まで気を引くことが出来ます。ところがこの作品は、プリキュアはそれを許しません。クイーンの心がルミナスに話したシーンは私の度肝を抜くとともに、この作品の真摯さを感じて目頭が熱くなりました。
ヒーロー・ヒロイン作品において結論は決まっています。主人公は正しい。正義は勝つ。ハッピーエンドを迎える。では、その正当性の担保はどこにあるのでしょうか?それは主人公達が歩んできた道そのものにあります。結果が決まっているならその過程にこそ意味があります。なぎさとほのかが友達になろうとした理由、プリキュアが闇に諦めずに立ち向かう理由、ひかりが奈緒・美羽を大切だと思う理由、なぎさとほのかがクイーン復活を待っていない理由、ルミナスが虹の園を愛している理由をこの作品は丁寧に描いてきました。その最後の結論を出すルミナス(ひかり)が自分の本当の心に気づかずして終われるわけがありません。ひかりが生きてきた一年を妥協で終わらせることはこの作品そのものが水泡に帰すことと同じです。
自分が好きな世界や皆のために命を投げる。それは正しくカッコイイものであり十分に美徳と正当性があります。そう決意しましたと言われると納得してしまいそうになります。しかし、ずっとプリキュアを見てきた私にはそれが間違っているように思えてなりません。何かが間違っているような気がします。その決意と答えはプリキュアであってはならないように思えます。何かが何かのために犠牲になる。何かをするために犠牲にしなくてはいけない。それはずっとドツクゾーンが行ってきたことではないでしょうか。それをプリキュアは否定し続けて来たんじゃなかったのか。前に進むことはそんな排他的なものではないと思います。もっと力強く、希望があって、肯定的で暖かく優しいものではないのか?その答えを今一度教えてもらおうと思います。
泣いても笑っても最終回。なら、笑いましょう。彼女達への祝福とともに。
①闇の支配
意識を取り戻すルミナス。見上げると、そこに立つのは闇の巨像ジャアクキング。別段破壊活動をしているわけではなく、ただ立っているだけです。しかしその重圧は虹の園から光を奪うのに十分です。シークンが警告します。このままでは虹の園が食い尽くされてしまいます。
一年前のようにそびえ立つジャアクキングを見据えるプリキュア。こんな時でも回想は忘れません。
建物が闇に侵食されています。この闇に対抗できるのはプリキュアのみ。彼女達は手を繋いで進みます。行く手を遮るビブリス。サーキュラスとウラガノスも阻みます。彼らはプリキュアを倒す気です。彼らもケリを付けたいのでしょう。臨戦態勢をとるプリキュア。
ジャアクキングの元へ歩く少年。彼の顔には感情がありません。引き付けられている?それを証明するかのようにバルデスはジャアクキングの真の復活を口にします。やはり少年は必要のようです。ルミナスは止めに行きます。立ちはだかるバルデス。
三バカトリオVSプリキュア。良い動きです。素敵です。ビブリスの間接を決めながら投げるホワイトは素敵です。すかさず援護に入るブラックも素敵です。彼女達はふたりでプリキュアです。
歩く少年にルミナスは制止の声をかけます。立ち止まり振り返る少年。以前にもあったルミナスと少年だけの空間(意思の共有空間?)になります。少年は不安を口にします。思い返される出来事。少年と遊ぶ執事。ひかりとの出会い。「僕は何だったんだろう…」 彼は突然心臓を抑えるように苦しみだします。闇の瘴気が少年を包みます。嬉しそうに見るバルデス。そして少年から出た心臓(闇の命であると思われる)はジャアクキングに取り込まれます。ジャアクキングが波紋を打つとともに、今まで不穏な色をしていた空がドツクゾーンの空へと塗り替えられていきます。成す術も無く立ち尽くすルミナス。咆哮するジャアクキング。闇の化身が目覚めます。
時同じくして、サーキュラス達は再度プリキュアへ攻撃を仕掛けます。格段に強くなっている彼ら。ジャアクキングが目覚め、虹の園に闇の力が広がっていることで彼らの力も増大しているのでしょう。最早事態はプリキュアやルミナスだけでは手に負えない所まで来ています。
②クイーンの復活
ルミナスはシークンにチェアレクトに入るように言います。躊躇うシークン。シークンは分かっているのです、クイーンになることがどういうことなのかを。クイーンを復活させることはルミナス自身が失われることを意味します(少なくともルミナスやプリキュアはそう認識しています)。ルミナスはそれを覚悟した上で、笑顔すら見せて再度シークンに頼みます。ルミナスの意志を知ってシークンはチェアレクトへと入ります。12のハーティエル。その総てが揃います。
光の園でも変化が起きます。クイーン復活の兆候を感じ取る長老。クイーンの命・ハーティエル(意志)・心が揃います。ん、心ってあったっけ?
ルミナスはチェアレクトとともに虹の園から消えます。
手を握り合わせてブレスを召還するプリキュア。虹の園にある光の力が具現化します。踊りかかる三バカを吹き飛ばします。カッコイイ。身を翻してビルの上に降り立ちます。ハっと気づくホワイト。ルミナスに会えないような気がすると言います。
空席の椅子。その後光の園に変化はありません。クイーンが復活しない。長老と番人は戸惑います。何が足りない?
虹色の空間。ルルンは気を失っているルミナスを心配します。ルルンもここにいるのは何か理由があるのでしょう。いなければならない理由が。目を覚ますルミナス。まだクイーンにはなっていません。クイーンの心が語りかけます。あっ、居たんだ。チェアレクトの中(というかそのものか?)にあったのね。『心』はクイーンになることが出来ないと言います。問うルミナス。しかし逆に「答えはあなたの中にあるはずです」と返されます。ルミナスは自分が怖がっているからクイーンになれないのかと尋ねます。『心』はそうではないと答えます。
「あなたはこの世界に深く関わりすぎたようです。あなたはこの世界を愛している。いつまでもここに居たいと願っている。でも、崩壊しようとしているこの世界を守るためにはあなたはこの世界から消えなくてはならない。二つの気持ちがあなたの中で揺れ動いているのです」
「そんな…私はこの世界を愛しています。皆と過ごした日々、笑ったり、泣いたり、驚いたり、不思議に思ったり、学校へ行って、お店を手伝って、それから…それから…本当に楽しかった。この世界が壊されてしまうなんて、大好きな皆の世界が壊されてしまうなんて、だから…だから…」
「大丈夫ルル。ルルンがひかりを守るルル」
うっ、やべ泣きそう。ここ一番泣きそう。そう来たか、そう来るか。
③サーキュラス・ウラガノス・ビブリス最後の戦い
廃墟の街を歩くバルデス。瓦礫の前で立ち止まります。瓦礫から起き上がるサーキュラス達。バルデスは勝利を確信します。ジャアクキングは復活し、虹の園が闇に包まれるのも時間の問題です。しかしサーキュラスはまだ終わっていないと言います。彼らはプリキュアを倒す気です。最早放っておいても何の障害にもならないでしょう。でも彼らは決着をつける気です。後は任せた、とバルデスに言い残しサーキュラス・ウラガノス・ビブリスは飛び立ちます。おっ、カッコイイなこの人達。
ジャアクキングを目の前にしてプリキュアは意志を固めます。巨大なる敵。しかし立ちはだかる三人。マントを破り捨て、最後の戦いへと臨みます。やべ、ウラガノスカッコイイ。挑みかかるプリキュアですが、ジャアクキングが手を大地につきます。っていうか、デカくなってます。地球規模で。おいおい。OPのとおりになっちゃったよ。その衝撃で飛ばされるプリキュア。なんとか鎖に掴まって体勢を整えます。その隙を見逃さず攻める三人。容赦ありません。ダメージを受けつつもプリキュアも闘志は消えません。
三人は手を繋いで力を合わせます。おおっ!マーブルスクリューモドキですか。プリキュアも負けじと本家本元のマーブルスクリューを放ちます。力増した三人を押すスクリュー。サーキュラスとビブリスが飲まれます。凄いなスクリュースパーク。流石今まで負け無しの最強必殺技なだけはある。しかし、毎回負け続けるほど情けなくもありません。ウラガノスは「ビブリス、サーキュラス今だ!」と叫びます。なんとビブリスとサーキュラスがスクリューの中を通ってプリキュアの前に現れ手を掴みます。こっ怖ぇぇ。これは確かに原理上プリキュアも技を止めるわけにはいきません。そう、彼らは死ぬことを前提にしてもプリキュアの最大最強アイテムであるブレスを破壊するのが目的だったのです。バルデスに残した言葉の意味はここにあります。カッコイイなあんたら。悪役として申し分ない散り際です。見事。
サーキュラス達を倒したもののブレスを失い力を使い果たすプリキュア。最早立つ力さえ残っていません。安堵も束の間、バルデスが目の前に現れます。
プリキュア。シャイニールミナス。クイーン。ジャアクキング。虹の園。光の園。ドツクゾーン。未来。総ては最終回へ。
④次回予告
これまでの思い出。出来事。総てがここに完結する。
○トピック
プリキュアサイド、ルミナスサイドともに最終段階。最後まで最後が分からない展開です。
ルミナスがクイーン復活の決意をするのは予想できたことですが、それで素直に復活させないのがこの作品の凄いところだと思います。どの道クイーンの復活は避けられないことです。ひかりが消えるか存続するかは別にしても復活そのものは確定しています。そうしないと物語が収束しないからです。だったら、ついに復活か!?と今回で引いて、来週に繋げるというのがよくありがちなパターンです。ひかりがどうなるかはこのパターンでも読めないので最後まで気を引くことが出来ます。ところがこの作品は、プリキュアはそれを許しません。クイーンの心がルミナスに話したシーンは私の度肝を抜くとともに、この作品の真摯さを感じて目頭が熱くなりました。
ヒーロー・ヒロイン作品において結論は決まっています。主人公は正しい。正義は勝つ。ハッピーエンドを迎える。では、その正当性の担保はどこにあるのでしょうか?それは主人公達が歩んできた道そのものにあります。結果が決まっているならその過程にこそ意味があります。なぎさとほのかが友達になろうとした理由、プリキュアが闇に諦めずに立ち向かう理由、ひかりが奈緒・美羽を大切だと思う理由、なぎさとほのかがクイーン復活を待っていない理由、ルミナスが虹の園を愛している理由をこの作品は丁寧に描いてきました。その最後の結論を出すルミナス(ひかり)が自分の本当の心に気づかずして終われるわけがありません。ひかりが生きてきた一年を妥協で終わらせることはこの作品そのものが水泡に帰すことと同じです。
自分が好きな世界や皆のために命を投げる。それは正しくカッコイイものであり十分に美徳と正当性があります。そう決意しましたと言われると納得してしまいそうになります。しかし、ずっとプリキュアを見てきた私にはそれが間違っているように思えてなりません。何かが間違っているような気がします。その決意と答えはプリキュアであってはならないように思えます。何かが何かのために犠牲になる。何かをするために犠牲にしなくてはいけない。それはずっとドツクゾーンが行ってきたことではないでしょうか。それをプリキュアは否定し続けて来たんじゃなかったのか。前に進むことはそんな排他的なものではないと思います。もっと力強く、希望があって、肯定的で暖かく優しいものではないのか?その答えを今一度教えてもらおうと思います。
泣いても笑っても最終回。なら、笑いましょう。彼女達への祝福とともに。
第45話「無限の闇 永遠の光」
○今週の出来事
①消えるひかり
鼓動。ひかり。少年。鎖。闇。バルデス。此処は…
朝。タコカフェカーの中で目を覚ますアカネさん。彼女はぼんやりとしながら大切な何かが足りない気がすると自問します。そこになぎさが息を切らせて駆け寄ってきます。アカネさんの言葉を遮ってなぎさはひかりが帰ってきたかを尋ねます。アカネさんは今までひかりを忘れていたかのようにハッと気づきます。なぎさはアカネさんを置いてまた走ります。ひかりがアカネさんの心から消えかけていることに気づきます。
机に突っ伏す奈緒と美羽。彼女達も何かが足りないことを自問します。教室の扉が開き彼女達を呼ぶ声。ほのかはふたりにひかりのことを尋ねます。ひかりの名を聞いて次第に思い出すふたり。彼女達からもひかりが消えかけている。
チェアレクト。空座が3つ。3つ?疑問はすぐ解けますインテリジェンが出ています。事態が深刻なので勝手に出てきたか呼んだのでしょう。ひかりが皆の心から消えかけている理由を考える一同。メップルは何か大きな力が働いていると言います。
光の園では番人と長老が話しています。闇の力の増大に光の力が圧倒されている。光の力が育っていない。このままではドツクゾーンが復活してしまいます。そしてその手始めに虹の園が食い尽くされようとしていること。その結果残るのは混沌。
インテリジャンは混沌を説明します。光も無ければ闇も無い世界。永遠の時・混沌。つまりそれは終わることも無ければ始まることも無い世界。変化の無い、総てが停止し閉じた世界。それは牢獄ではないのか。
何かを話すユリコと莉奈、志穂(このシーンは素晴らしい!)。主婦らで世間話をするなぎさ母。仕事をするなぎさ父。部活をする亮太。皆の住む世界が無くなってしまうことを危惧するなぎさ。阻止しなければなりません。そうするためにはクイーンの復活が必要。だが、それはひかりがいなくなってしまうことではないのか?なぎさとほのかは言葉に出さずに考えます。
②無限の闇
少年を探す闇の者達。執事達は寂しそうです。バルデスは「もうすぐだ…」と呟いて椅子から立ち上がります。闇の鼓動。
枯れた大樹。錆付いた巨大な鎖。荒涼とした大地。そして闇。それはドツクゾーン。そこに立つひかりと少年。前回の中間的な世界に居たふたりが何故かここにいる。ひかりは突然力を失ったように倒れこみます。息を切らせて疲弊するひかり。心配した少年が寄り添って手を差し出します。その手に手を伸ばすひかり。手を繋いで立ち上がります。が、突如としてその握り合った手から力が溢れ出ます。禍々しい力。
それを虹の園で感じ取るポルン。闇の者達も気づきます。走り出すポルン。
ひかりと少年のもとに現れる人影バルデス。少年は無邪気に笑います。探しに来てくれたのだと思ったのでしょう。バルデスは無言で近づいてきます。警戒するひかりですがまた力を失ったように倒れてしまいます。逆に輝きだす少年。バルデスはひかりに語りかけます。ひかりがここに来たという事は闇の勝利を意味すると。少年が光の力を吸収し成長しつつあることを。それを証明するかのように少年は輝き続けています。そして核心を言います。少年こそがジャアクキングの命である、と。息を呑むひかり。そして自分は命の成長を見届ける者であると言います。彼の胸には闇の力が現れ禍々しい触手のようなものが広がります。
森を抜けて小高い山の上に来たポルン(とくっ付いているルルン)。ポルンは見上げてひかりはあそこに居ると言います。空に渦巻く不穏な雲。ポルンは木を登り空向けて飛びます。落ちます。滑稽な姿です。飛べるはずもありません。しかし、ポルンは諦めません。その目には成すべきことを成さねばならぬ決意が宿っています。
「命。ただそこに輝き続けるもの」
足を止めるバルデス。
「誰にも利用されず誰からも自由であるもの。この子がたとえ闇から生まれたとしても、優しさ、温もり、命の輝きを持っている。だから」弱弱しくも立ち上がるひかり。
「そんな身体になりながら私と戦う気か」
「この子は絶対に渡しません」決意を込めた目でバルデスを見返すひかり。
バルデスはその邪悪な力を宿した触手を伸ばします。捕縛されるひかり。少年もその触手に捕まります。
③永遠の光
ポルンは悔しがります。何も出来ない自分に歯がゆい思いを抱きます。ルルンはひかりとした約束のことを呟きます。必ず守ると進み出ます。ようやくポルン達のもとにやってくるなぎさ達。空に浮かぶ雲を見て察知するふたり。ルルンはポルンに掴まります。「心にひかりを思うポポ。自分の力を信じるポポ」ポルンとルルンは同時にひかりの名を叫びます。眩い光が発生します。
ひかり達のもとに現れるポルンとルルン。触手を破ります。同時にドツクゾーンを打ち砕くように光が幾筋も現れます。闇の世界に光の力が現れたことで均衡を失ったのでしょう。バルデスもそう解説します。
不穏な雲から光の柱が地上に伸び広がっていきます。辺りは夕焼けのようなオレンジ色に包まれます。それに見入るなぎさ母、奈緒、美羽、志穂、莉奈(OGとして後輩に指導か?)、さなえさん、アカネさん。
ポルンとルルンは起き上がりひかりが倒れていることに気づいてすぐに駆け寄ります。動かないひかり。ルルンとポルンは涙を浮かべます。なぎさ達も駆け寄りひかりを見ます。物言わぬひかりに「嘘」「そんな…」と漏らすふたり。ポルンは大泣きします。ひかりの顔に滴る涙。ひかりは目を覚ましポルンを優しく撫でます。助けてくれたポルンとルルンに礼を言います。
「ポルンもルルンもよーく頑張ったメポ」「思いがひかりに通じたミポ」メップルとミップルが解説してくれます。そういうことです。
ポルンはまた泣きます。それは安堵の涙。
中空に現れる光。「誰かが誰かを想う気持ち。いくつもの時や世界を超えても僕はその想いが永遠だと信じたい」現れる最後のハーティエル・エターナルン。「僕達は知っています。探求、情熱、調和、純真、知性、幸福、希望、真実、勇敢、繁栄、愛、永遠。真に心から願う時、本当の力が発揮されるということを」チェアレクトに戻ろうとするエターナルンになぎさは何をすればいいのか尋ねます。エターナルンは「答えは皆の心の中に」と残してチェアレクトへと戻ります。
気づくと少年を中心に闇の者達が立っています。目を見開き表情の無い顔で立つ少年。その身体にはオーラのようなものが纏っています。バルデスは礼を言うぞ、と語ります。ジャアクキングが復活する。大地を叩きつけるように現れる巨大な手。バルデスは言葉を続けます。「お前達もクイーンを復活させたらどうだ?尤も何の力も残っていないだろうがな。ずっと待ち望んでいたんだろ?復活を」
拳を握り締め彼女達は同時に確信を持って答える「待ってない!」と。目をさらに見開くひかり。息を呑みます。
「ひかりは私達の大切な友達。クイーンかどうかなんて関係ない!」
「ひかりさんがこの世界からいなくなるなんて絶対嫌や!」
「誰かの犠牲に成り立つ世界なんていらない」
「この世界は私達が守る」
「私達自身の力で」
目の前で復活するジャアクキングの姿を目の当たりにしても、彼女達の言葉には微塵の揺らぎもありません。自分達の想いと言葉を確信しているから。お前らーー!!(歓喜と感動の涙を流しながら←本当に泣いている)
この言葉、この想い、この確信、この力、この強さ。この心。彼女達は『世界を』守りたいのではない。『大切な友達がいる世界を』守りたいのだ。彼女達が自分を賭けるのは他ならない友達のためだ。自分達の暮らす世界を守る。そのためにクイーンというひかりを犠牲にした超越者など必要ない。彼女達の世界は彼女達の力(想い)によって肯定し、守られるべき世界である。自分達の暮らす世界は自分達が守らなくてはならない。
「いいだろう」
「下らん感情を大切にして自らの世界を滅ぼすがいい」
「闇が全てを支配する時がついに来た」
「光と闇の最後の戦い。そして」
「これがお前達の見る最後の光だ」
光を遮り身体を起こすジャアクキング。おそらく最後の変身です。光の使者。ふたりはプリキュア。
バルデスの先制攻撃から始まります。立ち上がるジャアクキング。4対2。形勢は絶対的に不利です。ジャアクキングは鎖を幾本も放ちます。大地に突き刺さる鎖の柱。まるで虹の園を自らの根城とするように。
少年は動かないまま涙を流します。ひかりはそれを見て何かを決意します。シャイニールミナスへ変身。ブローチェを身に付け囲むように灯る11の光。
鎖が街に突き刺さり砕かれていきます。傷つきながらも手を握り合わせて立ち上がるプリキュア。ルミナスは少年へ手を差し出します。少年も手を伸ばします。繋がれる手。それに気づいたジャアクキングは阻むように鎖を彼・彼女のもとに突き立てます。
咆哮するジャアクキング。闇が世界を震撼する。
④次回予告
何かひかりが、ルミナスがすんごいことになりそーーー!「またみてね」がやべーーー!
○トピック
ひかりは少年を守る。少年には悪意や害意は無い。彼女が言うように純粋な命であり誰かがその命を勝手に利用していいものではない。少年は闇の宿命を持った存在だから、もしかしたらいずれ邪悪な意志を持つかもしれません。その時はその時です。彼がそういう志を持ったのならば誰にも止めることはできないでしょう。しかし、今はまだ違います。彼は純粋そのものであり光と闇のどちらでもありません。
ところで、ジャアクキングが復活しても少年は消えません。これはどういうことでしょうか?少年は復活のためのただの鍵であってジャアクキング本体には必要のないものなのでしょうか。それともジャアクキングとはまだ完全に同一化していない状態なのか。少年が涙を流したということは彼には彼の自我があるという証拠です。それもジャアクキングとは志を異にする自我。もし、そうだとすれば今のジャアクキングはただの闇の塊です。バルデスらが作り上げた闇の巨像。力の権化。だとすればジャアクキングを止める術はやはり少年とひかりにあるのでしょう。
なぎさとほのかはひかりをひかりとして望みます。彼女達が望むのは大切な人達と一緒にいる世界です。誰かを犠牲にして、守ってもらう世界など望んではいません。もし彼女達がクイーンを必要とすると答えれば、それはバルデス達と同じことをすることになります。自分達に都合の良いように、自分達のために他者を利用する。それは彼女達にとって絶対にあってはならないものです。彼女達は恣意的な理由で他者を利用することも、大きな権力を使って自分達を守ることも望みません。彼女達の望む世界は彼女達の力と意志によって守られ育まれるものだからです。なぎさがエターナルンに言った「なにをすれば…」という問いはエターナルンが言うように彼女達の心に答えはあります。あとはそれを信じて進むだけです。
なぎさとほのか達が自らの心を信じ進むように、ひかりもまた自らの心を信じて進むでしょう。
さらに目を見開いて刮目して見よ。
①消えるひかり
鼓動。ひかり。少年。鎖。闇。バルデス。此処は…
朝。タコカフェカーの中で目を覚ますアカネさん。彼女はぼんやりとしながら大切な何かが足りない気がすると自問します。そこになぎさが息を切らせて駆け寄ってきます。アカネさんの言葉を遮ってなぎさはひかりが帰ってきたかを尋ねます。アカネさんは今までひかりを忘れていたかのようにハッと気づきます。なぎさはアカネさんを置いてまた走ります。ひかりがアカネさんの心から消えかけていることに気づきます。
机に突っ伏す奈緒と美羽。彼女達も何かが足りないことを自問します。教室の扉が開き彼女達を呼ぶ声。ほのかはふたりにひかりのことを尋ねます。ひかりの名を聞いて次第に思い出すふたり。彼女達からもひかりが消えかけている。
チェアレクト。空座が3つ。3つ?疑問はすぐ解けますインテリジェンが出ています。事態が深刻なので勝手に出てきたか呼んだのでしょう。ひかりが皆の心から消えかけている理由を考える一同。メップルは何か大きな力が働いていると言います。
光の園では番人と長老が話しています。闇の力の増大に光の力が圧倒されている。光の力が育っていない。このままではドツクゾーンが復活してしまいます。そしてその手始めに虹の園が食い尽くされようとしていること。その結果残るのは混沌。
インテリジャンは混沌を説明します。光も無ければ闇も無い世界。永遠の時・混沌。つまりそれは終わることも無ければ始まることも無い世界。変化の無い、総てが停止し閉じた世界。それは牢獄ではないのか。
何かを話すユリコと莉奈、志穂(このシーンは素晴らしい!)。主婦らで世間話をするなぎさ母。仕事をするなぎさ父。部活をする亮太。皆の住む世界が無くなってしまうことを危惧するなぎさ。阻止しなければなりません。そうするためにはクイーンの復活が必要。だが、それはひかりがいなくなってしまうことではないのか?なぎさとほのかは言葉に出さずに考えます。
②無限の闇
少年を探す闇の者達。執事達は寂しそうです。バルデスは「もうすぐだ…」と呟いて椅子から立ち上がります。闇の鼓動。
枯れた大樹。錆付いた巨大な鎖。荒涼とした大地。そして闇。それはドツクゾーン。そこに立つひかりと少年。前回の中間的な世界に居たふたりが何故かここにいる。ひかりは突然力を失ったように倒れこみます。息を切らせて疲弊するひかり。心配した少年が寄り添って手を差し出します。その手に手を伸ばすひかり。手を繋いで立ち上がります。が、突如としてその握り合った手から力が溢れ出ます。禍々しい力。
それを虹の園で感じ取るポルン。闇の者達も気づきます。走り出すポルン。
ひかりと少年のもとに現れる人影バルデス。少年は無邪気に笑います。探しに来てくれたのだと思ったのでしょう。バルデスは無言で近づいてきます。警戒するひかりですがまた力を失ったように倒れてしまいます。逆に輝きだす少年。バルデスはひかりに語りかけます。ひかりがここに来たという事は闇の勝利を意味すると。少年が光の力を吸収し成長しつつあることを。それを証明するかのように少年は輝き続けています。そして核心を言います。少年こそがジャアクキングの命である、と。息を呑むひかり。そして自分は命の成長を見届ける者であると言います。彼の胸には闇の力が現れ禍々しい触手のようなものが広がります。
森を抜けて小高い山の上に来たポルン(とくっ付いているルルン)。ポルンは見上げてひかりはあそこに居ると言います。空に渦巻く不穏な雲。ポルンは木を登り空向けて飛びます。落ちます。滑稽な姿です。飛べるはずもありません。しかし、ポルンは諦めません。その目には成すべきことを成さねばならぬ決意が宿っています。
「命。ただそこに輝き続けるもの」
足を止めるバルデス。
「誰にも利用されず誰からも自由であるもの。この子がたとえ闇から生まれたとしても、優しさ、温もり、命の輝きを持っている。だから」弱弱しくも立ち上がるひかり。
「そんな身体になりながら私と戦う気か」
「この子は絶対に渡しません」決意を込めた目でバルデスを見返すひかり。
バルデスはその邪悪な力を宿した触手を伸ばします。捕縛されるひかり。少年もその触手に捕まります。
③永遠の光
ポルンは悔しがります。何も出来ない自分に歯がゆい思いを抱きます。ルルンはひかりとした約束のことを呟きます。必ず守ると進み出ます。ようやくポルン達のもとにやってくるなぎさ達。空に浮かぶ雲を見て察知するふたり。ルルンはポルンに掴まります。「心にひかりを思うポポ。自分の力を信じるポポ」ポルンとルルンは同時にひかりの名を叫びます。眩い光が発生します。
ひかり達のもとに現れるポルンとルルン。触手を破ります。同時にドツクゾーンを打ち砕くように光が幾筋も現れます。闇の世界に光の力が現れたことで均衡を失ったのでしょう。バルデスもそう解説します。
不穏な雲から光の柱が地上に伸び広がっていきます。辺りは夕焼けのようなオレンジ色に包まれます。それに見入るなぎさ母、奈緒、美羽、志穂、莉奈(OGとして後輩に指導か?)、さなえさん、アカネさん。
ポルンとルルンは起き上がりひかりが倒れていることに気づいてすぐに駆け寄ります。動かないひかり。ルルンとポルンは涙を浮かべます。なぎさ達も駆け寄りひかりを見ます。物言わぬひかりに「嘘」「そんな…」と漏らすふたり。ポルンは大泣きします。ひかりの顔に滴る涙。ひかりは目を覚ましポルンを優しく撫でます。助けてくれたポルンとルルンに礼を言います。
「ポルンもルルンもよーく頑張ったメポ」「思いがひかりに通じたミポ」メップルとミップルが解説してくれます。そういうことです。
ポルンはまた泣きます。それは安堵の涙。
中空に現れる光。「誰かが誰かを想う気持ち。いくつもの時や世界を超えても僕はその想いが永遠だと信じたい」現れる最後のハーティエル・エターナルン。「僕達は知っています。探求、情熱、調和、純真、知性、幸福、希望、真実、勇敢、繁栄、愛、永遠。真に心から願う時、本当の力が発揮されるということを」チェアレクトに戻ろうとするエターナルンになぎさは何をすればいいのか尋ねます。エターナルンは「答えは皆の心の中に」と残してチェアレクトへと戻ります。
気づくと少年を中心に闇の者達が立っています。目を見開き表情の無い顔で立つ少年。その身体にはオーラのようなものが纏っています。バルデスは礼を言うぞ、と語ります。ジャアクキングが復活する。大地を叩きつけるように現れる巨大な手。バルデスは言葉を続けます。「お前達もクイーンを復活させたらどうだ?尤も何の力も残っていないだろうがな。ずっと待ち望んでいたんだろ?復活を」
拳を握り締め彼女達は同時に確信を持って答える「待ってない!」と。目をさらに見開くひかり。息を呑みます。
「ひかりは私達の大切な友達。クイーンかどうかなんて関係ない!」
「ひかりさんがこの世界からいなくなるなんて絶対嫌や!」
「誰かの犠牲に成り立つ世界なんていらない」
「この世界は私達が守る」
「私達自身の力で」
目の前で復活するジャアクキングの姿を目の当たりにしても、彼女達の言葉には微塵の揺らぎもありません。自分達の想いと言葉を確信しているから。お前らーー!!(歓喜と感動の涙を流しながら←本当に泣いている)
この言葉、この想い、この確信、この力、この強さ。この心。彼女達は『世界を』守りたいのではない。『大切な友達がいる世界を』守りたいのだ。彼女達が自分を賭けるのは他ならない友達のためだ。自分達の暮らす世界を守る。そのためにクイーンというひかりを犠牲にした超越者など必要ない。彼女達の世界は彼女達の力(想い)によって肯定し、守られるべき世界である。自分達の暮らす世界は自分達が守らなくてはならない。
「いいだろう」
「下らん感情を大切にして自らの世界を滅ぼすがいい」
「闇が全てを支配する時がついに来た」
「光と闇の最後の戦い。そして」
「これがお前達の見る最後の光だ」
光を遮り身体を起こすジャアクキング。おそらく最後の変身です。光の使者。ふたりはプリキュア。
バルデスの先制攻撃から始まります。立ち上がるジャアクキング。4対2。形勢は絶対的に不利です。ジャアクキングは鎖を幾本も放ちます。大地に突き刺さる鎖の柱。まるで虹の園を自らの根城とするように。
少年は動かないまま涙を流します。ひかりはそれを見て何かを決意します。シャイニールミナスへ変身。ブローチェを身に付け囲むように灯る11の光。
鎖が街に突き刺さり砕かれていきます。傷つきながらも手を握り合わせて立ち上がるプリキュア。ルミナスは少年へ手を差し出します。少年も手を伸ばします。繋がれる手。それに気づいたジャアクキングは阻むように鎖を彼・彼女のもとに突き立てます。
咆哮するジャアクキング。闇が世界を震撼する。
④次回予告
何かひかりが、ルミナスがすんごいことになりそーーー!「またみてね」がやべーーー!
○トピック
ひかりは少年を守る。少年には悪意や害意は無い。彼女が言うように純粋な命であり誰かがその命を勝手に利用していいものではない。少年は闇の宿命を持った存在だから、もしかしたらいずれ邪悪な意志を持つかもしれません。その時はその時です。彼がそういう志を持ったのならば誰にも止めることはできないでしょう。しかし、今はまだ違います。彼は純粋そのものであり光と闇のどちらでもありません。
ところで、ジャアクキングが復活しても少年は消えません。これはどういうことでしょうか?少年は復活のためのただの鍵であってジャアクキング本体には必要のないものなのでしょうか。それともジャアクキングとはまだ完全に同一化していない状態なのか。少年が涙を流したということは彼には彼の自我があるという証拠です。それもジャアクキングとは志を異にする自我。もし、そうだとすれば今のジャアクキングはただの闇の塊です。バルデスらが作り上げた闇の巨像。力の権化。だとすればジャアクキングを止める術はやはり少年とひかりにあるのでしょう。
なぎさとほのかはひかりをひかりとして望みます。彼女達が望むのは大切な人達と一緒にいる世界です。誰かを犠牲にして、守ってもらう世界など望んではいません。もし彼女達がクイーンを必要とすると答えれば、それはバルデス達と同じことをすることになります。自分達に都合の良いように、自分達のために他者を利用する。それは彼女達にとって絶対にあってはならないものです。彼女達は恣意的な理由で他者を利用することも、大きな権力を使って自分達を守ることも望みません。彼女達の望む世界は彼女達の力と意志によって守られ育まれるものだからです。なぎさがエターナルンに言った「なにをすれば…」という問いはエターナルンが言うように彼女達の心に答えはあります。あとはそれを信じて進むだけです。
なぎさとほのか達が自らの心を信じ進むように、ひかりもまた自らの心を信じて進むでしょう。
さらに目を見開いて刮目して見よ。
第44話「ひかりが消えた日 明日を探す日!」
○今週の出来事
①歪み
新学期。登校するなぎさとほのか。なぎさはひかりの事を考えます。最近ひかりの身に何かが起きている。それも自分達の及ばないところで。ほのかは少しでも気を紛らわせるためか話題を変えようとしますが不安の消えないなぎさ。
ひかりは自分に起きていることに危機感よりも少年への疑問を膨らませています。
洋館。執事はゴム駆動の飛行機を飛ばして少年を遊びに誘います。しかし少年の目ははるか虚空を見つめるように遠くを見続けます。
光の園。今は誰もいない玉座。長老と番人は闇の力が拡大していることに気づきます。ジャアクキングの復活が近いのかもしれません。長老は闇の力が透明感を持っていると話します。透明感?持って回った言い方です。
闇に対抗できる者、すなわち…フランソワーズとカトリーヌじゃ!と盛大にボケる長老。狙っちゃダメと番人に突っ込まれます。お約束はお約束のままの方が良い時もあります。よしこさんとけいこさん。それでいいんです。
扉を開けるとそこには光の園の光景ではなく虹の園の光景が映し出されています。驚いて扉を閉めるふたり。どうやら光と闇のバランスが不安定のようで歪みが生じているようです。
洋館。窓の外を見つめる少年。それを見守るお笑い芸人4人。バルデスは、前回少年が力を解放したことで少年の中で急速に力が拡大していると説明します。見に行ってくると出かけるウラガノス。間もなくとは今すぐのことではないとサーキュラスは言いますが例によって聞いちゃいません。ウラガノスの悲鳴。玄関を開けると光の園の光景が映し出されています。騒ぎを聞いて駆けつけたサーキュラス達にその光景を見せようとしますが元に戻っています。呆れたように部屋へ戻る執事(チビ)。ノッポの方も連れられていきます。ヒゲに蝶々をつけて呆然とするウラガノスに突っ込むビブリス。だがしかし、バルデスは分かっているようで長老達と同じようにバランスが崩れていることを告げます。
居なくなる少年。バルデスは闇の復活の予兆に歓喜します。
②ひかりが消えた日
公園のベンチで一人佇むひかり。元気が無さそうです。そこに声がかけられます。声の主がなぎさとほのかであることを知って表情を明るくするひかり。なぎさとほのかはひかりが心配で来たようです。礼を言うひかり。ポルン・ルルン・メップル・ミップル・シークンがひかりの周りに集まります。賑やかというか多いな。何かが起きようとしている。とても大きなことが。「それってひかりさんにも…」と呟くほのか。続く言葉は「関わること」でしょうか。言いようの無い不安に黙ってしまう一同。しかしルルンは「皆を守るルル」と言います。いつか交わした約束。いつものルルンの雰囲気ではないと察したなぎさが問いかけますがアカネさんの声で遮られます。ポルンの隠れ方が面白いです。
タコカフェの手伝いをする三人。テーブルにパラソルを設置して開くとそこに映し出される闇の光景。驚愕するなぎさとほのか。同時にタコカフェカーの中で光が発生します。なぎさとほのかはアカネさんを適当に誤魔化します。ひかりが居なくなっています。残されるポルン。
闇の気配が広がります。目の前に現れるお笑いトリオ。サーキュラス・ウラガノス・ビブリス。サーキュラスはルミナスが居なくて残念です。
ひかりが消えたのはサーキュラス達の仕業だと考えたなぎさは詰問します。しかし心当たりの無い彼等は逆に聞き返すだけです。どっちみちタダで帰ってくれる相手ではないので戦闘です。変身です。
サーキュラスが先攻します。ブラックと格闘戦。ホワイトはヘタに手を出すのは軽率と判断したのか静観します。一進一退の格闘戦もしだいにブラックが防戦になってついに押し負けます。ブラックを確保するウラガノス。ホワイトは助けに行きますがビブリスが阻みます。31話の時の逆襲でしょうか。31話の時はホワイト優勢でしたが今回は押し切られてしまいます。プリキュアはテンション(意志力)で能力が上下するので今の状況は苦しいところです。
形勢が不利でもブラックを助けようとするホワイトにビブリスは衝撃波で行く手を阻みます。ブラックもタダ掴まっているだけではありません。ウラガノスの髭を引っ張って捕縛を逃れます。衝撃波で飛ばされたホワイトを助けに行こうとしますがサーキュラスが阻みます。やけに対抗意識を燃やしています。ルミナスが居ないので機嫌が悪いのでしょう。エネルギー弾を放つサーキュラス。ブラックは突貫しますが押し返されて飛ばされます。ホワイトがキャッチしてその身を庇います。立ちはだかるお笑いトリオ。
プリキュアの形勢が不利なのは単純な実力差もありますが、やはりプリキュアが連携を取れていないことでしょう。それぞれで分断してしまっています(31話は意識レベルで同期していた)。何気にルミナスが居ないのもピンチの要因です。ルミナス自身は戦闘力ゼロですが、その援護能力は評価されるべきもので特にアンクションやバリアならプリキュアの必殺技(またはブレス装着)を出す隙をカバーできます。
③明日を探す日
光でも闇でも無い空間。以前キリヤが言っていた空間かもしれません。横たわるひかり。意識を取り戻します。誰も居ない。知らない場所。しかし一人こちらに歩いてきます。それは洋館で消えたはずの少年。少年と出会った時を思い出すひかり。2度の邂逅。ひかりは恐れなく少年に話しかけます。迷子になってしまったと言うひかりに、少年は皆が見つけてくれると話します。「みんなとっても優しいんだ」
追い詰められつつも戦意は失わないプリキュア。果敢に挑みます。しかし劣勢は明らかでホワイトは飛ばされてします。ホワイトを庇うブラック。ピンチの時こそ力を合わせなければなりません。ピンチの時こそ相手を思い遣る心を失ってはなりません。
ザケンナーを召還します。逃げるプリキュア。距離を置いて合流します。サーキュラスの失策です。プリキュアに時間を与えてはいけません。だってブレスを召還しちゃいます。握り合うふたりを中心に広がる光。スパークルブレス装着で必殺技発動です。三人で耐えますがやっぱり無理です。
敵は追い返したもののひかりの行方は知れず。
ひかりと少年の空間。
「私にはポルン・ルルン・なぎささんやほのかさん達、そしてアカネさんが居る。あなたにとってあの人達がそうなのね」
「よくわかんない。でも、いつも傍に居てくれるよ」
「そう。私達ってどこか似てるのね」
「僕はどうなるの?僕は何になるの?誰も教えてくれないんだ。だけど僕は僕の知らない何かになるような気がするんだ」
「じゃ…じゃあ、あなたは」
「頭の中で僕を呼ぶ声がするんだ。それがだんだん大きくなってくるんだよ。僕は僕でなくなるの?僕は僕のままじゃいけないの?なんだか怖いよ」
「心配いらない。私達は私達のままよ」
少年の手を握り締め語りかけるひかり。ふたりの行き先は。
④次回予告
もう、何かエライことになってます。「またみてね」復活。
○トピック
前回とは打って変わって日常が無くなって一気にラストスパート開始。やっべ、話の行き先がますます分からなくなってきた。
少年が初めてサーキュラス達のことを話し、それに対して理解するひかりが印象的。ひかりは少年が闇の者であり、ジャアクキングなる存在であることを今回知ります(ひかり自身はジャアクキングもクイーンも分かっていないでしょうが、直感するものはあるでしょう)。知ってなお、ひかりはひかりとして少年に語ります。恐れも不安も無く少年を気遣います。同時に自分にも言います。自分は自分であると。かつてなぎさがひかりに言った言葉です。うう、それだけで涙腺緩みそう。
ひかりの人間関係と少年のそれとは単純に比較はできません。ひかりをひかりとして認め接してきたなぎさ達やアカネさんとは違い、サーキュラス達(特にバルデス)はジャアクキング復活のために少年を守ってきた(そして何も与えなかった)面があります。しかしながら少年にとってはそれは問題ではなく、彼にとってサーキュラス達は優しい人達なのでしょう。サーキュラス達に問題があっても少年には何ら問題はありません。だからひかりは少年を守ろうとするでしょう。
ひかりと少年は立場上その他の者とは別の位置にいます。光と闇の根本存在であることもさることながら、彼らは言わば孤児として虹の園に生を受けます。なぎさ達とサーキュラス達はその後見人です。後見人のスタンスが明確に違います。ひかりをひかりとして認める者=プリキュア。少年をジャアクキングとして認める(=少年を少年として認めない)者=お笑い芸人(その呼称使うんかい)。その両者の相違はそのまま両者の属する世界の理でもあります。それを総括する者であるひかりと少年が出す結論は如何なるものか。
非常に重くなってきた本編終盤。さらに刮目して見よ。
①歪み
新学期。登校するなぎさとほのか。なぎさはひかりの事を考えます。最近ひかりの身に何かが起きている。それも自分達の及ばないところで。ほのかは少しでも気を紛らわせるためか話題を変えようとしますが不安の消えないなぎさ。
ひかりは自分に起きていることに危機感よりも少年への疑問を膨らませています。
洋館。執事はゴム駆動の飛行機を飛ばして少年を遊びに誘います。しかし少年の目ははるか虚空を見つめるように遠くを見続けます。
光の園。今は誰もいない玉座。長老と番人は闇の力が拡大していることに気づきます。ジャアクキングの復活が近いのかもしれません。長老は闇の力が透明感を持っていると話します。透明感?持って回った言い方です。
闇に対抗できる者、すなわち…フランソワーズとカトリーヌじゃ!と盛大にボケる長老。狙っちゃダメと番人に突っ込まれます。お約束はお約束のままの方が良い時もあります。よしこさんとけいこさん。それでいいんです。
扉を開けるとそこには光の園の光景ではなく虹の園の光景が映し出されています。驚いて扉を閉めるふたり。どうやら光と闇のバランスが不安定のようで歪みが生じているようです。
洋館。窓の外を見つめる少年。それを見守るお笑い芸人4人。バルデスは、前回少年が力を解放したことで少年の中で急速に力が拡大していると説明します。見に行ってくると出かけるウラガノス。間もなくとは今すぐのことではないとサーキュラスは言いますが例によって聞いちゃいません。ウラガノスの悲鳴。玄関を開けると光の園の光景が映し出されています。騒ぎを聞いて駆けつけたサーキュラス達にその光景を見せようとしますが元に戻っています。呆れたように部屋へ戻る執事(チビ)。ノッポの方も連れられていきます。ヒゲに蝶々をつけて呆然とするウラガノスに突っ込むビブリス。だがしかし、バルデスは分かっているようで長老達と同じようにバランスが崩れていることを告げます。
居なくなる少年。バルデスは闇の復活の予兆に歓喜します。
②ひかりが消えた日
公園のベンチで一人佇むひかり。元気が無さそうです。そこに声がかけられます。声の主がなぎさとほのかであることを知って表情を明るくするひかり。なぎさとほのかはひかりが心配で来たようです。礼を言うひかり。ポルン・ルルン・メップル・ミップル・シークンがひかりの周りに集まります。賑やかというか多いな。何かが起きようとしている。とても大きなことが。「それってひかりさんにも…」と呟くほのか。続く言葉は「関わること」でしょうか。言いようの無い不安に黙ってしまう一同。しかしルルンは「皆を守るルル」と言います。いつか交わした約束。いつものルルンの雰囲気ではないと察したなぎさが問いかけますがアカネさんの声で遮られます。ポルンの隠れ方が面白いです。
タコカフェの手伝いをする三人。テーブルにパラソルを設置して開くとそこに映し出される闇の光景。驚愕するなぎさとほのか。同時にタコカフェカーの中で光が発生します。なぎさとほのかはアカネさんを適当に誤魔化します。ひかりが居なくなっています。残されるポルン。
闇の気配が広がります。目の前に現れるお笑いトリオ。サーキュラス・ウラガノス・ビブリス。サーキュラスはルミナスが居なくて残念です。
ひかりが消えたのはサーキュラス達の仕業だと考えたなぎさは詰問します。しかし心当たりの無い彼等は逆に聞き返すだけです。どっちみちタダで帰ってくれる相手ではないので戦闘です。変身です。
サーキュラスが先攻します。ブラックと格闘戦。ホワイトはヘタに手を出すのは軽率と判断したのか静観します。一進一退の格闘戦もしだいにブラックが防戦になってついに押し負けます。ブラックを確保するウラガノス。ホワイトは助けに行きますがビブリスが阻みます。31話の時の逆襲でしょうか。31話の時はホワイト優勢でしたが今回は押し切られてしまいます。プリキュアはテンション(意志力)で能力が上下するので今の状況は苦しいところです。
形勢が不利でもブラックを助けようとするホワイトにビブリスは衝撃波で行く手を阻みます。ブラックもタダ掴まっているだけではありません。ウラガノスの髭を引っ張って捕縛を逃れます。衝撃波で飛ばされたホワイトを助けに行こうとしますがサーキュラスが阻みます。やけに対抗意識を燃やしています。ルミナスが居ないので機嫌が悪いのでしょう。エネルギー弾を放つサーキュラス。ブラックは突貫しますが押し返されて飛ばされます。ホワイトがキャッチしてその身を庇います。立ちはだかるお笑いトリオ。
プリキュアの形勢が不利なのは単純な実力差もありますが、やはりプリキュアが連携を取れていないことでしょう。それぞれで分断してしまっています(31話は意識レベルで同期していた)。何気にルミナスが居ないのもピンチの要因です。ルミナス自身は戦闘力ゼロですが、その援護能力は評価されるべきもので特にアンクションやバリアならプリキュアの必殺技(またはブレス装着)を出す隙をカバーできます。
③明日を探す日
光でも闇でも無い空間。以前キリヤが言っていた空間かもしれません。横たわるひかり。意識を取り戻します。誰も居ない。知らない場所。しかし一人こちらに歩いてきます。それは洋館で消えたはずの少年。少年と出会った時を思い出すひかり。2度の邂逅。ひかりは恐れなく少年に話しかけます。迷子になってしまったと言うひかりに、少年は皆が見つけてくれると話します。「みんなとっても優しいんだ」
追い詰められつつも戦意は失わないプリキュア。果敢に挑みます。しかし劣勢は明らかでホワイトは飛ばされてします。ホワイトを庇うブラック。ピンチの時こそ力を合わせなければなりません。ピンチの時こそ相手を思い遣る心を失ってはなりません。
ザケンナーを召還します。逃げるプリキュア。距離を置いて合流します。サーキュラスの失策です。プリキュアに時間を与えてはいけません。だってブレスを召還しちゃいます。握り合うふたりを中心に広がる光。スパークルブレス装着で必殺技発動です。三人で耐えますがやっぱり無理です。
敵は追い返したもののひかりの行方は知れず。
ひかりと少年の空間。
「私にはポルン・ルルン・なぎささんやほのかさん達、そしてアカネさんが居る。あなたにとってあの人達がそうなのね」
「よくわかんない。でも、いつも傍に居てくれるよ」
「そう。私達ってどこか似てるのね」
「僕はどうなるの?僕は何になるの?誰も教えてくれないんだ。だけど僕は僕の知らない何かになるような気がするんだ」
「じゃ…じゃあ、あなたは」
「頭の中で僕を呼ぶ声がするんだ。それがだんだん大きくなってくるんだよ。僕は僕でなくなるの?僕は僕のままじゃいけないの?なんだか怖いよ」
「心配いらない。私達は私達のままよ」
少年の手を握り締め語りかけるひかり。ふたりの行き先は。
④次回予告
もう、何かエライことになってます。「またみてね」復活。
○トピック
前回とは打って変わって日常が無くなって一気にラストスパート開始。やっべ、話の行き先がますます分からなくなってきた。
少年が初めてサーキュラス達のことを話し、それに対して理解するひかりが印象的。ひかりは少年が闇の者であり、ジャアクキングなる存在であることを今回知ります(ひかり自身はジャアクキングもクイーンも分かっていないでしょうが、直感するものはあるでしょう)。知ってなお、ひかりはひかりとして少年に語ります。恐れも不安も無く少年を気遣います。同時に自分にも言います。自分は自分であると。かつてなぎさがひかりに言った言葉です。うう、それだけで涙腺緩みそう。
ひかりの人間関係と少年のそれとは単純に比較はできません。ひかりをひかりとして認め接してきたなぎさ達やアカネさんとは違い、サーキュラス達(特にバルデス)はジャアクキング復活のために少年を守ってきた(そして何も与えなかった)面があります。しかしながら少年にとってはそれは問題ではなく、彼にとってサーキュラス達は優しい人達なのでしょう。サーキュラス達に問題があっても少年には何ら問題はありません。だからひかりは少年を守ろうとするでしょう。
ひかりと少年は立場上その他の者とは別の位置にいます。光と闇の根本存在であることもさることながら、彼らは言わば孤児として虹の園に生を受けます。なぎさ達とサーキュラス達はその後見人です。後見人のスタンスが明確に違います。ひかりをひかりとして認める者=プリキュア。少年をジャアクキングとして認める(=少年を少年として認めない)者=お笑い芸人(その呼称使うんかい)。その両者の相違はそのまま両者の属する世界の理でもあります。それを総括する者であるひかりと少年が出す結論は如何なるものか。
非常に重くなってきた本編終盤。さらに刮目して見よ。
第43話「最後の冬休み!特別授業だザケンナー!?」
○今週の出来事
①世代交代
科学部。その指揮を執るのはほのかではなく、眼鏡の娘。……おおっ、可愛いぞ!流石科学部!その様子を扉の向こう側から見るほのかとユリコ。彼女の名は永井。新しい科学部長のようです。永井さんの働きぶりに安心するほのか。でもユリコはちょっと寂しいと言います。同意するほのか。ふたりで笑います。ユリコはほのかに今週の予定を尋ねます。無いけどどうしたの?と聞き返すほのかにユリコは不自然に誤魔化すのでした。何か企んでいるようです。それと例の永井さんはおそらくちゃんと造形されたのは初めてだと思いますが、多分普段は諜報活動(主にほのか指示)や資金・物資調達をしていたために目立たなかったのかと。
ラクロス部。その指揮を執るのはなぎさではなくマキです。練習に熱が入ります。後輩指導に熱心です。しかし、なぎさとの指導方針との違いにメンバーからは戸惑いの声が上がります。その様子に見入るなぎさ。志穂と莉奈はなぎさを見て何事を思ったのか笑います。何か企んでいるようです。
②時の流れ
洋館。バルデスとビブリスは窓の外を見ています。目覚めの時は近いのかとつぶやくビブリス。外で執事と遊んでいる少年は無邪気そのものでそういった様子は見て取れません。バルデスは闇の支配を信じて疑っていません。
一人登校するなぎさ。何か荷物を持っています。行き先はラクロス部。ゴーリー目掛けてマキのシュートが放たれます。そこに割ってはいった守備選手とゴーリーがぶつかってお互い体勢を崩してしまい結局ボールはゴールの中に入ってしまいます。呆然と見るなぎさ。マキは叱咤します。なぎさは部員に向かって応援します。なぎさに気づいた部員達はなぎさのもとに駆け寄ります。有名人みたいな扱いです。独り寂しそうにその光景を見るマキ。あ、可愛いなこの娘。なぎさは冬休み返上で練習する部員達の様子見に来たようです。差し入れとしてたこ焼きを渡します。よくそんなお金があったもんだと思ってしまいますがツケかアカネさんのご厚意でしょうか。浮かれる部員達に厳しい口調で言うマキ。しかし部員達は不平を言います。自分よりもなぎさを支持する部員達にマキは少々苛立ちます。あ、可愛いなこの娘。なぎさは部員達をたしなめます。素直に聞く部員達。なぎさ人気は計り知れません。休憩しながらなぎさがいないと活気付かないという部員達。マキヘコみまくりです。なぎさは新キャプテンであるマキを立てます。引き継いだと話すなぎさは見事のその役目を果たしています。自分の立場を分かっています。
例によってタコカフェ。例によってほのかに相談するなぎさ。勿論内容はマキのことです。その話を聞いていたアカネさんは一年前の誰かさんみたいと揶揄します。振り返るなぎさ。確かになぎさは最初の頃はキャプテンとして心もとなく、前任の弓子の働きぶりと比較してしまい自信が持てませんでした。でも、キャプテンとして部を纏め幾多の試練を乗り越えたなぎさはキャプテンとしての風格と自信を持てるようになりました。ほのかも振り返ります。ほのかの場合はなぎさと違って逆に失敗の連発でした。しかしそのことによってほのかは部員との連帯感を得ていったのです。必ずしも成功だけが良いものではありません。過程の中で得られる連帯感こそが部を纏めます。この一年間彼女達は立派にその責務を果たしました。アカネさんがマキは大丈夫と言います。うん、と答えるなぎさ。
その様子を観察する志穂と莉奈。何やら計画しているようでそれが漏れたのでは?と心配しています。そこに通りがかったユリコはふたりに気づいて声をかけます。志穂と莉奈はシーッっとジェスチャーでユリコに答えます。驚いて眼鏡がズレるユリコ。うわっ、可愛いぞ可愛いぞユリコ。っていうかこの脇役3人組が何かいいぞ!
帰り道。ひかりを気にするなぎさとほのか。平静を装っているひかりですが間違いなく彼女の身に何かが起こっています。指摘するメップル。彼女から目を離してはいけません。ひかりは前回のツリーでの出来事を思い出します。ひかりを心配するポルンとルルン。何でもないと答えるひかりですが、何でもないわけがありません。
公園でマキに会うなぎさ。マキはキャプテンとしての自信がありません。不安を口にします。なぎさは自分も不安を感じていたことを話します。不安を解決する方法があるんですか?と聞くマキ。無いと答えるなぎさ。キャプテンらしくできないなら自分は自分のままでラクロスをすることにしたと言います。言いながらマキのスティックを持ちます。しかし、マキは益々不安を募らせます。自分にはなぎさのような人望も無いし出来そうも無い。なぎさは答えます。マキはマキのやり方でやればいいんじゃない、と。ああしろ、こうしろとは言わずマキに任せるなぎさ。「肩の力を抜いたらもっとよくなると思う」と言ってマキにスティックを手渡します。自信を持ち直すマキ。マキの背になぎさは応援の言葉をかけます。
マンションの前の信号。志穂と莉奈はなぎさに明日の三時に学校に来てとだけ言って去ります。
雪城邸。ユリコはほのかに何かを頼みます。
タコカフェ。冷蔵庫を開けるひかり。そこにあるのは闇の世界。ドツクゾーンの光景。同時に少年も光の園の光景を目にします。お互いにお互いの世界を見る両者。ひかりは冷蔵庫の扉を閉めてアカネさんには何も言わず逃げるように駆け出します。不安と疑問を募らすひかり。ひかりも少年も実は光の園とドツクゾーンを見たことがありません。初めて見る世界が自分の属する世界ではなく、相対する世界であることの意味は。時は容赦なく進み続けます。
③ありがとう
ベローネ校舎の上を飛ぶラブランとシークン。ラブランは愛を感じ取っているようです。
下駄箱でばったり会うなぎさとほのか。丁度そこに志穂と莉奈がふたりを呼びます。どうやら同じ目的のためにふたりは呼び出されたようです。莉奈について行きます。志穂はほのかの背を押します。ああ、時の流れを感じます。あと、スノコの隙間が開いている箇所があるんですが、そこを渡る時になぎさが跨いで渡るのに対してほのかは普通に歩いているのが面白いです。こういう細かいところで性格出るよなぁ。
志穂と莉奈に連れられ理科室へ。扉を開けるとマキと永井さん他ラクロス部と科学部の面子が勢ぞろい。黒板には美墨キャプテン・雪城部長ありがとうと書かれています。一年間ありがとうございましたと声を合わせてふたりを出迎えます。追い出し会は別にして、ふたりに感謝を込めてこの会を企画したようです。ラクロス部も科学部も同じ事を考えていたようなのでこのような合同企画が成立したというわけです。
マキは抱負を語りながら花束をなぎさに渡します。永井さんもほのかに花束を渡します。
お待たせ~と現れたのはアカネさんとひかり。大きなケーキを持っています。そのケーキにも「ありがとう なぎさ」「ありがとう ほのか」と書かれています。アカネさんと私が心を込めて作りましたと言うひかり。ふたりは頭を下げてお礼を言います。たこ焼きもいっぱい用意しましたと袋を持ち上げて見せるひかり。結構入っていると思うのですが腕力は大丈夫のようです。
記念写真を撮ろうと提案するユリコ。
④少年
闇が広がり眠りだす皆。外にはザケンナーがいます。外に出る三人。ザケンナーは三人に向かい合うとチョークマシンガンをお見舞いします。バックステップで回避する三人。良い反応です。ビブリスは楽しい特別授業を始めようかと嘲笑います。きっとケーキとたこ焼きが食べれなくて悔しいのでしょう。変身です。ひかりの変身はスカートの舞い方がコケティッシュだと思います。
ザケンナーの先制攻撃。早くもザケンナーVSプリキュア。ルミナスは観戦の構図です。ザケンナーの攻撃で飛ばされるルミナス。孤立したルミナスの前に現れるビブリス。「ここでコイツを倒してしまえば」と怖いことを言います。力を溜めるビブリス。バルデスの言葉とは関係なしに彼女は少年に害なす者を排除する気です。それを察知したのか少年は感じ取り力を開放します。ルミナスとビブリスの間から闇の力が広がっていきます。飛ばされるルミナスとビブリス。結果してビブリスの攻撃から身を守った形です。この力、ルミナスのバリアと似ています。ちょっと違うのはルミナスのバリアが基本的に闇の者にしか効果が無い(プリキュアを阻害しない)のに対して少年のそれは敵味方関係ありません。力を制御できていないのか、そもそも闇の力であるために全てを排除する性質があるのか。まあ、考えすぎですかね。
少年は疲弊したのか手すりに身体をあずけます。
ルミナスに容赦なく放たれるチョークマシンガン。マシンガンてか散弾か。回避とともにフェンスに立ちます。良いバランスです。迫るザケンナー。ルルンは言葉を紡ぎバリアを発生させてザケンナーを退きます。その隙をついてブレス装着。放たれるスクリュー。ビブリスは耐えようとしますが、ウラガノス同様スパーク返しを会得していないので無理です。
息をつきながら、あっと気づくプリキュア。「理科室の皆」「ケーキとたこ焼き」
⑤行く末
「美墨キャプテンありがとう~」「雪城部長ありがとう~」と紙吹雪を巻き上げる皆。なぎさとほのかは皆が祝福する中一緒に廊下を歩きます。記念写真。
チェアレクトに帰るラブラン。ラブランの言葉を気にするなぎさ。色々なこととは?
突然ひかりはベンチにもたれかかります。酷く疲れているひかり。戦闘中に見たあの力。ひかりは「きっとあの子です。あの子の中で何かが始まっているような…」と一人呟きます。残るハーティエルは一つ。終わりの時は近い。
⑥次回予告
次回からラストスパート。ついにひかりメインか。光と闇。ひかりと少年。なぎさとほのか。皆の未来。皆の明日。
○トピック
これまた前回に引き続き暖かく素敵なエピソード。なぎさ達が長としての役目を継承したようにそれを後輩に継承する。後輩に託していくことも含めた成長モノとして丁寧なお話です。
構成として非常に終始一環しています。継承され継承する。なぎさがマキに語ったことはとても説得力があります。それはなぎさが何度も言うように今この瞬間を一生懸命やってきたから、その積み重ねがあったからこそ見てきた者としてなぎさの成長と強い意思を感じます。なぎさがマキに言った言葉そのものは実は大したものではないでしょう。あなたはあなたのやり方でやりなさい。それだけです。継承とは単に言葉や技術を教えるだけのものではないと思います。それは意思を伴う継承でなければ意味が無いと思います。ウィリアム・アーサー・ワードという英国の哲学者は教師についてこう言っています「凡庸な教師はしゃべる。良い教師は説明する。優れた教師は示す。偉大な教師は心に火をつける 」と。なぎさはマキの心に火をつけました。マキは今後キャプテンとして幾多の試練が待ち受けるでしょうが、その意思を忘れない限り彼女もまたキャプテンとしての責務を果たすことが出来るでしょう。
科学部の方は端折られているというか、それほど目立ったエピソード自体が少ない上にスポーツものほど分かりやすくも無いという点でこれはこれでいいかな。もう少しエピソードがあれば充実したようにも思えますが。それはラクロス部と同じ方向というものではなく、前述したようにほのかは失敗ばかりやっているのですが決してそれが科学部にとってマイナスにならなかったことの意味を示すということでより分かりやすかったかなと。
他の感想サイトさんを見るとなぎさとほのかの結婚式だったという感想が多くあって、ああ確かにそう見えるなぁと思ってしまったんですが、私個人としてはそういう視点は無いです(微笑ましいシーンだなとは思いますが)。製作側にそういう意図があるのかは分かりませんが、私自身はそういうなぎさとほのかの友情を愛情に置き換えたり男女のそれとして比較するという考えは無いです。なんつーか、私にとってなぎさとほのかはカッコイイんですね。理想の友達。理想の人間関係。彼女達はそれを自分達で成した。もう見事と言わざるを得ない。比較する必要が無い。彼女達は素晴らしい。そんな素晴らしい彼女達は皆から信頼され愛され祝福される。素敵なことですね。
①世代交代
科学部。その指揮を執るのはほのかではなく、眼鏡の娘。……おおっ、可愛いぞ!流石科学部!その様子を扉の向こう側から見るほのかとユリコ。彼女の名は永井。新しい科学部長のようです。永井さんの働きぶりに安心するほのか。でもユリコはちょっと寂しいと言います。同意するほのか。ふたりで笑います。ユリコはほのかに今週の予定を尋ねます。無いけどどうしたの?と聞き返すほのかにユリコは不自然に誤魔化すのでした。何か企んでいるようです。それと例の永井さんはおそらくちゃんと造形されたのは初めてだと思いますが、多分普段は諜報活動(主にほのか指示)や資金・物資調達をしていたために目立たなかったのかと。
ラクロス部。その指揮を執るのはなぎさではなくマキです。練習に熱が入ります。後輩指導に熱心です。しかし、なぎさとの指導方針との違いにメンバーからは戸惑いの声が上がります。その様子に見入るなぎさ。志穂と莉奈はなぎさを見て何事を思ったのか笑います。何か企んでいるようです。
②時の流れ
洋館。バルデスとビブリスは窓の外を見ています。目覚めの時は近いのかとつぶやくビブリス。外で執事と遊んでいる少年は無邪気そのものでそういった様子は見て取れません。バルデスは闇の支配を信じて疑っていません。
一人登校するなぎさ。何か荷物を持っています。行き先はラクロス部。ゴーリー目掛けてマキのシュートが放たれます。そこに割ってはいった守備選手とゴーリーがぶつかってお互い体勢を崩してしまい結局ボールはゴールの中に入ってしまいます。呆然と見るなぎさ。マキは叱咤します。なぎさは部員に向かって応援します。なぎさに気づいた部員達はなぎさのもとに駆け寄ります。有名人みたいな扱いです。独り寂しそうにその光景を見るマキ。あ、可愛いなこの娘。なぎさは冬休み返上で練習する部員達の様子見に来たようです。差し入れとしてたこ焼きを渡します。よくそんなお金があったもんだと思ってしまいますがツケかアカネさんのご厚意でしょうか。浮かれる部員達に厳しい口調で言うマキ。しかし部員達は不平を言います。自分よりもなぎさを支持する部員達にマキは少々苛立ちます。あ、可愛いなこの娘。なぎさは部員達をたしなめます。素直に聞く部員達。なぎさ人気は計り知れません。休憩しながらなぎさがいないと活気付かないという部員達。マキヘコみまくりです。なぎさは新キャプテンであるマキを立てます。引き継いだと話すなぎさは見事のその役目を果たしています。自分の立場を分かっています。
例によってタコカフェ。例によってほのかに相談するなぎさ。勿論内容はマキのことです。その話を聞いていたアカネさんは一年前の誰かさんみたいと揶揄します。振り返るなぎさ。確かになぎさは最初の頃はキャプテンとして心もとなく、前任の弓子の働きぶりと比較してしまい自信が持てませんでした。でも、キャプテンとして部を纏め幾多の試練を乗り越えたなぎさはキャプテンとしての風格と自信を持てるようになりました。ほのかも振り返ります。ほのかの場合はなぎさと違って逆に失敗の連発でした。しかしそのことによってほのかは部員との連帯感を得ていったのです。必ずしも成功だけが良いものではありません。過程の中で得られる連帯感こそが部を纏めます。この一年間彼女達は立派にその責務を果たしました。アカネさんがマキは大丈夫と言います。うん、と答えるなぎさ。
その様子を観察する志穂と莉奈。何やら計画しているようでそれが漏れたのでは?と心配しています。そこに通りがかったユリコはふたりに気づいて声をかけます。志穂と莉奈はシーッっとジェスチャーでユリコに答えます。驚いて眼鏡がズレるユリコ。うわっ、可愛いぞ可愛いぞユリコ。っていうかこの脇役3人組が何かいいぞ!
帰り道。ひかりを気にするなぎさとほのか。平静を装っているひかりですが間違いなく彼女の身に何かが起こっています。指摘するメップル。彼女から目を離してはいけません。ひかりは前回のツリーでの出来事を思い出します。ひかりを心配するポルンとルルン。何でもないと答えるひかりですが、何でもないわけがありません。
公園でマキに会うなぎさ。マキはキャプテンとしての自信がありません。不安を口にします。なぎさは自分も不安を感じていたことを話します。不安を解決する方法があるんですか?と聞くマキ。無いと答えるなぎさ。キャプテンらしくできないなら自分は自分のままでラクロスをすることにしたと言います。言いながらマキのスティックを持ちます。しかし、マキは益々不安を募らせます。自分にはなぎさのような人望も無いし出来そうも無い。なぎさは答えます。マキはマキのやり方でやればいいんじゃない、と。ああしろ、こうしろとは言わずマキに任せるなぎさ。「肩の力を抜いたらもっとよくなると思う」と言ってマキにスティックを手渡します。自信を持ち直すマキ。マキの背になぎさは応援の言葉をかけます。
マンションの前の信号。志穂と莉奈はなぎさに明日の三時に学校に来てとだけ言って去ります。
雪城邸。ユリコはほのかに何かを頼みます。
タコカフェ。冷蔵庫を開けるひかり。そこにあるのは闇の世界。ドツクゾーンの光景。同時に少年も光の園の光景を目にします。お互いにお互いの世界を見る両者。ひかりは冷蔵庫の扉を閉めてアカネさんには何も言わず逃げるように駆け出します。不安と疑問を募らすひかり。ひかりも少年も実は光の園とドツクゾーンを見たことがありません。初めて見る世界が自分の属する世界ではなく、相対する世界であることの意味は。時は容赦なく進み続けます。
③ありがとう
ベローネ校舎の上を飛ぶラブランとシークン。ラブランは愛を感じ取っているようです。
下駄箱でばったり会うなぎさとほのか。丁度そこに志穂と莉奈がふたりを呼びます。どうやら同じ目的のためにふたりは呼び出されたようです。莉奈について行きます。志穂はほのかの背を押します。ああ、時の流れを感じます。あと、スノコの隙間が開いている箇所があるんですが、そこを渡る時になぎさが跨いで渡るのに対してほのかは普通に歩いているのが面白いです。こういう細かいところで性格出るよなぁ。
志穂と莉奈に連れられ理科室へ。扉を開けるとマキと永井さん他ラクロス部と科学部の面子が勢ぞろい。黒板には美墨キャプテン・雪城部長ありがとうと書かれています。一年間ありがとうございましたと声を合わせてふたりを出迎えます。追い出し会は別にして、ふたりに感謝を込めてこの会を企画したようです。ラクロス部も科学部も同じ事を考えていたようなのでこのような合同企画が成立したというわけです。
マキは抱負を語りながら花束をなぎさに渡します。永井さんもほのかに花束を渡します。
お待たせ~と現れたのはアカネさんとひかり。大きなケーキを持っています。そのケーキにも「ありがとう なぎさ」「ありがとう ほのか」と書かれています。アカネさんと私が心を込めて作りましたと言うひかり。ふたりは頭を下げてお礼を言います。たこ焼きもいっぱい用意しましたと袋を持ち上げて見せるひかり。結構入っていると思うのですが腕力は大丈夫のようです。
記念写真を撮ろうと提案するユリコ。
④少年
闇が広がり眠りだす皆。外にはザケンナーがいます。外に出る三人。ザケンナーは三人に向かい合うとチョークマシンガンをお見舞いします。バックステップで回避する三人。良い反応です。ビブリスは楽しい特別授業を始めようかと嘲笑います。きっとケーキとたこ焼きが食べれなくて悔しいのでしょう。変身です。ひかりの変身はスカートの舞い方がコケティッシュだと思います。
ザケンナーの先制攻撃。早くもザケンナーVSプリキュア。ルミナスは観戦の構図です。ザケンナーの攻撃で飛ばされるルミナス。孤立したルミナスの前に現れるビブリス。「ここでコイツを倒してしまえば」と怖いことを言います。力を溜めるビブリス。バルデスの言葉とは関係なしに彼女は少年に害なす者を排除する気です。それを察知したのか少年は感じ取り力を開放します。ルミナスとビブリスの間から闇の力が広がっていきます。飛ばされるルミナスとビブリス。結果してビブリスの攻撃から身を守った形です。この力、ルミナスのバリアと似ています。ちょっと違うのはルミナスのバリアが基本的に闇の者にしか効果が無い(プリキュアを阻害しない)のに対して少年のそれは敵味方関係ありません。力を制御できていないのか、そもそも闇の力であるために全てを排除する性質があるのか。まあ、考えすぎですかね。
少年は疲弊したのか手すりに身体をあずけます。
ルミナスに容赦なく放たれるチョークマシンガン。マシンガンてか散弾か。回避とともにフェンスに立ちます。良いバランスです。迫るザケンナー。ルルンは言葉を紡ぎバリアを発生させてザケンナーを退きます。その隙をついてブレス装着。放たれるスクリュー。ビブリスは耐えようとしますが、ウラガノス同様スパーク返しを会得していないので無理です。
息をつきながら、あっと気づくプリキュア。「理科室の皆」「ケーキとたこ焼き」
⑤行く末
「美墨キャプテンありがとう~」「雪城部長ありがとう~」と紙吹雪を巻き上げる皆。なぎさとほのかは皆が祝福する中一緒に廊下を歩きます。記念写真。
チェアレクトに帰るラブラン。ラブランの言葉を気にするなぎさ。色々なこととは?
突然ひかりはベンチにもたれかかります。酷く疲れているひかり。戦闘中に見たあの力。ひかりは「きっとあの子です。あの子の中で何かが始まっているような…」と一人呟きます。残るハーティエルは一つ。終わりの時は近い。
⑥次回予告
次回からラストスパート。ついにひかりメインか。光と闇。ひかりと少年。なぎさとほのか。皆の未来。皆の明日。
○トピック
これまた前回に引き続き暖かく素敵なエピソード。なぎさ達が長としての役目を継承したようにそれを後輩に継承する。後輩に託していくことも含めた成長モノとして丁寧なお話です。
構成として非常に終始一環しています。継承され継承する。なぎさがマキに語ったことはとても説得力があります。それはなぎさが何度も言うように今この瞬間を一生懸命やってきたから、その積み重ねがあったからこそ見てきた者としてなぎさの成長と強い意思を感じます。なぎさがマキに言った言葉そのものは実は大したものではないでしょう。あなたはあなたのやり方でやりなさい。それだけです。継承とは単に言葉や技術を教えるだけのものではないと思います。それは意思を伴う継承でなければ意味が無いと思います。ウィリアム・アーサー・ワードという英国の哲学者は教師についてこう言っています「凡庸な教師はしゃべる。良い教師は説明する。優れた教師は示す。偉大な教師は心に火をつける 」と。なぎさはマキの心に火をつけました。マキは今後キャプテンとして幾多の試練が待ち受けるでしょうが、その意思を忘れない限り彼女もまたキャプテンとしての責務を果たすことが出来るでしょう。
科学部の方は端折られているというか、それほど目立ったエピソード自体が少ない上にスポーツものほど分かりやすくも無いという点でこれはこれでいいかな。もう少しエピソードがあれば充実したようにも思えますが。それはラクロス部と同じ方向というものではなく、前述したようにほのかは失敗ばかりやっているのですが決してそれが科学部にとってマイナスにならなかったことの意味を示すということでより分かりやすかったかなと。
他の感想サイトさんを見るとなぎさとほのかの結婚式だったという感想が多くあって、ああ確かにそう見えるなぁと思ってしまったんですが、私個人としてはそういう視点は無いです(微笑ましいシーンだなとは思いますが)。製作側にそういう意図があるのかは分かりませんが、私自身はそういうなぎさとほのかの友情を愛情に置き換えたり男女のそれとして比較するという考えは無いです。なんつーか、私にとってなぎさとほのかはカッコイイんですね。理想の友達。理想の人間関係。彼女達はそれを自分達で成した。もう見事と言わざるを得ない。比較する必要が無い。彼女達は素晴らしい。そんな素晴らしい彼女達は皆から信頼され愛され祝福される。素敵なことですね。
第42話「銀盤の恋人たち?滑って転んで大ピンチ!」
○今週の出来事
①デートの誘い
登校するなぎさ。前回藤Pにプレゼントを渡せたことを思い出します。ちょこっとの勇気でかけがえの無い思い出や出来事を経験することが出来るかもしれません。一歩を踏み出せるどうかが境目です。
藤Pが声をかけてきます。しかも出し抜けにクリスマス・イヴの予定を聞いてきます。何も無いと答えるなぎさに藤Pは一緒に遊園地に行こうと誘います。思わぬ申し出に照れながらも快諾するなぎさ。そう、これはデートです。
…ところで、ほのかが居ないのはちょっと離れたところで様子を見ているとか、そもそもこのデート自体仕組まれたことなのかと余計なことを考えてしまいますが詮索はしない方が良いでしょうか。
②スケート
遊園地。嬉楽しいデートのハズですがなぎさは不満顔。そんなことは気付かずリニューアルされた遊園地の感想を言う藤P。それに頷くほのか。そう、不満顔の理由はほのかと木俣も同伴だからです。なぎさはともかく藤Pはデートではなく友達同士で来たという認識です。ダブルデートと言えない事もないですが、その場合ほのか・木俣の組み合わせについて私は承服しかねます。っていうか、木俣今すぐ俺と代われ。
スケートリンク。スケートをやろうと話す木俣・藤P・ほのか。ほのかは「あっ」となぎさの方を見ます。「スケート、すか?」とキョトンとして答えるなぎさ。滑れなさそうです。
ドラマCDだとなぎさは滑れないことが判明しています。ドラマCDと本編は直接関連は無いでしょうが、基本設定はそのままのようなので(なぎさはスキーもダメ)本編でも滑れないようです。ほのかがそのことを知っている(または滑れないのでは?と配慮する)のはちょっと気になりましたが、まあ、ほのかならなぎさについて何でも知ってそうです。なぎさは意外と不器用ですし(泳げないし)。
藤Pと木俣はふたりで競い合います。女の子をほったらかしでどうか?と思いますが、この人達はそういうノリなのでしょう。とりあえず、木俣はずっと滑ってて良いですよ。
「ほのか置いて行かないで」と情けない声を出すなぎさ。ほのかは申し訳なさそうに謝ります。成り行きとはいえなぎさに負担をかけてしまいました。転びそうになるなぎさを抱きかかえるほのか。なぎさを励まします。そしてふたりで練習開始。ある意味でこのダブルデートの本質はこういう構図なのかもしれません。それはそうと、ほのかの冬服が可愛い。
手すりを使わずに滑るなぎさ。しかしバランスを崩してしまい尻餅をついて壁に激突しそうになります。それをナイスなタイミングで受け止める藤P。美味しい役どころです。立ったもののバランスを崩して藤Pに抱きつく格好になるなぎさ。効果音も乙女チックです。その様子を遠巻きに見るほのかと木俣。木俣はなぎさは藤Pに任せて一緒に滑ろうと言います。笑顔で承諾するほのか。上手く藤Pとなぎさが一緒になってくれて嬉しいのだと思います。そういうことで、ほのかの承諾はなぎさと藤Pのことであって、木俣と一緒に滑ることに対してではないんですよ、分かりましたか?木俣。それと木俣に業務連絡があります。ベローネ体育館裏で怖いお兄さん達が呼んでいますので至急行って下さい。(私は木俣に容赦ありません。っていうか去年も同じようなこと言っていたような)
③少年とひかり
洋館。大きいクリスマスツリーに飾りつけをする少年と執事達。突然少年に異変が起こります。クリスマスツリーを抱えた人と自転車の光景。少年は「あぶない!」と叫びます。その叫び声が聞こえたのか、クリスマスツリーを抱えた人は立ち止まります。そのすぐ前を通り過ぎる自転車。クリスマスツリーを抱えた人物、それはひかり。間一髪のところで助かったひかりを心配するポルン。ひかりは何者かの声を聞いたと言います。しかし、その声はポルンもルルンも聞いていません。
藤Pにエスコートされながら滑るなぎさ。内心ではトキメキのドキドキ気分です。傍目にはカップルです。藤Pはなぎさに「素敵だね」と言います。告白!?とドキドキのなぎさ。藤Pは言葉を続けます。どうやら藤Pはなぎさを女性としてではなく、人間として素敵だと言っているようです。ちょっとガッカリするなぎさ。
クリスマスツリーの飾りつけをするタコカフェメンバー(主にひかり)。突然ポルンが「何かを感じる」と騒ぎます。飾り物の一つである金色の玉が光り少年を映し出します。どうやら少年側でも同様のことがあり少年が驚いています。ひかりは改めて玉を見ますがそこにはひかりしか映し出していません。驚いて尻餅をついた少年を抱くビブリス。玉には少年とビブリスが映し出されています。その玉をバルデスはむしり取り邪悪な力を流し込みます。ひかり側の玉から溢れ出る邪悪なオーラ。砕け散る玉。確実にそして日増しにひかりと少年の結びつきは強くなっています。危険を感じたポルンはなぎさ達と居た方が良いと言います。
④魔の手はいつもナイスタイミング
サッカー盤で熱い対戦をする藤Pと木俣。なぎさはベンチに座り先ほど藤Pに言われた言葉を思い出します。ちょっとガッカリはしたものの、藤Pがなぎさを評価していることには違いありません。告白するべきかどうか(幸せそうに)悩みます。そんななぎさに茶々を入れるメップル。こういうツッコミも相方の仕事です。
ソフトクリームを持ってくるほのか。なぎさが何かを考えていたようなので聞きますが、なぎさはソフトクリームを奪い取るように受け取って勢い良く食べます。と、そこにハーティエル・ラブランが「私はラブラン。愛があるところ呼ばれなくてもやってくる」と登場します。セルフツッコミというかなんかキャラが強そうなハーティエルです。なぎさの内心を言うラブラン。流石のほのかも思わずひいてしまいます。焦るなぎさですがラブランは真剣にアドバイスします。考えるなぎさ。
夕方。ほのかの提案で観覧車に乗ります。先に藤Pとなぎさが乗り扉がしまります。慌てるなぎさですがほのかは「ふたりずつ、なんじゃないかしら?」と冷静です。流石ほのか嬢。分かっています。なぎさに無言のエールを送ります。この後ほのかが「それじゃ、私は用事があるから」と木俣を置いていったら最強です。人間としてどうよ?って感じですが、それはそれでいいんじゃないかなと思ってしまいます。どーせ相手は木俣だし。っていうか、ほのかと観覧車でふたりっきりなんて年末ジャンボ宝くじに当たることより重大なわけで、木俣お前俺と代われ。代わって下さい。お願いします(腰低くなってきた)。
なぎさとふたりっきりですが、藤Pはいつもと変わらずマイペースです。クリスマスツリーを見るなぎさ。去年もメップルとポルンの活躍により(気を失った)藤Pと一緒にクリスマスツリーを見ていました。ラブランの「自分の気持ちに正直に」の言葉を反芻します。
窓の外を見る少年。バルデスは光は闇に飲み込まれるのが運命(さだめ)と呟きます。去年そんなこといって2回倒された闇の王様居ましたが。
悩んでいたなぎさですが決心したのか藤Pに想いを伝えようとします。しかし、例によって闇の力が発生します。眠る藤P。きっとこの瞬間全国のなぎさ好きな大きなお友達は大きく胸を撫で下ろしたのではないかと思います。
スケートリンクが割れ始めます。ドンドンと扉を叩くほのか。なぎさに呼びかけます。頷くなぎさ。現れるザケンナー。なぎさとほのかはスケート場に駆けつけます。って普通に出てきちゃったよ。まあ、観覧車動いてたし。でも鍵とかかかっているんじゃ?ん?っていうか観覧車ってどうやって乗り降りするんだ?あれって常時動いているんだよね?タイミングよく乗り降りするの?巻き戻し。あ、ちゃんと乗る時にゴンドラが動いてる。やっぱそういうタイミングで乗り降りするのね。すみません、私観覧車乗ったことなかったので。
⑤闇の力の波動
変身です。ほのかのキュロットスカートと黒タイツがたまりません。私服は冬服でもプリキュアの衣装は年中同じです。
意外と手強いザケンナー。ひかりが駆けつけます。今のタイミングなら無銭入場してもバレません。いや、そうなる前に入場してたんだけど見つけられなくて(というか半分迷子になってて)闇の気配でやって来れたのかもしれませんが。
ひかりの呼び声に反応したプリキュアの隙を見逃さずザケンナーは凍てつく息吹を放ちます。何か映画でも見たような光景です。顔以外が凍りついて動きが封じられるプリキュア。ピンチです。
その光景に慄(おのの)くひかり。ちょっと責任感じたかもしれません。ザケンナーは標的をひかりに移します。ポルンの呼びかけに応えて変身です。格好は普段とあまり変わりませんがコートを着ているのでやはり季節限定変身です。ブローチェ装着。輝くハーティエル。今回はハーティエルのビジョンが見えません。前回はバルデス視点だったのでしょうか(ルミナスの力が高まっていることの意図もあるし)。
突然現れるウラガノス。それを上から見るバルデス。バルデスは静観してそうです。ウラガノスが詰め寄ってきます。後ずさるルミナス。背後の柵に当たりもう逃げられません。動作がちょっと可愛いです。戦意を喪失しているルミナスは立ちすくむだけです。ルミナスを救うべく単身特攻するルルン。しかし、捕まってしまい絶体絶命です。ルルンを離してと叫ぶルミナス。ザケンナーも躍りかかってきて皆ピンチです。
ポルンはルルンの名を叫びます。その声に応えるようにルルンの首元の玉が光ります。それはブローチェ登場の時と同じ輝きです(バンクも同じなわけですが)。「光が未来を照らすルル」の掛け声とともに放たれる光。ブローチェに光が突き刺さります。ん、このシーンてブローチェ装着のためのシーンじゃないの?毎回こんな感じで充電しているのかな?まあ、どっちにしろ、エロ可愛いんで構わないんですけれど(最低の結論)。吹き飛ばされるザケンナー。
少年に異変が起こります。足元から湧き出る闇の力。それが拡大するように広がっていきます。倒れる少年。闇の力は遊園地にまで及びあらゆるものを吹き飛ばしていきます。ついでにプリキュアの氷も吹き飛ばしてくれます。ウラガノスは事態が全く分かっていませんがバルデスは気づいたようです。
体勢を立て直しルミナスに迫ろうとするウラガノス。復活したプリキュアが間に割って入ります。ブラックは告白タイミングを邪魔された文句を言います。先輩って誰だよ?と問い返され顔を赤らめるブラック。真剣な話なんですがどこか間抜けです。しかし、そういう日常に根ざした理由で怒るのはプリキュアにおいて正当なことです。ブレス召還で一気に畳み掛けます。「マーブルスクリュー返し!」と耐えるウラガノスですがスパーク返しを会得していないのでダメです。ゴメンナー。
⑥告白
夜。ちゃっかりひかりも同行する一同。お腹がすいたので何か食べたいところ。焼きそばを買ってくると藤Pは言いますがなぎさが代わりに行くと引き受けます。一人で行くなぎさ。藤Pはやっぱり自分も行くと言います。五人分は大変です。藤P良いヤツです。それらなら俺もと木俣。お前は色んな意味でお呼びでない。そんなふたりにほのかは自分が行くと言います。うっかり「なぎさが緊張するといけないから」と口走ってしまったりします。ほのかは割と失言が多いです。3人を置いてほのかはなぎさのもとへ行きます。
なぎさは丁度藤P達が待つ会場を眼下に一人立っています。買い物は済んでいるようです。階段を上る途中でなぎさの様子に気づくほのか。なぎさは一人呟きます。
「そうだよね。いつもドキドキしてた、先輩に会うといつも緊張して、でもその日は一日中嬉しくて楽しくて、夜になってもそのまま寝ちゃうのが勿体無くて、そして次の日はもっとドキドキして、そんなことを繰り返しているうちに、気づいたんだ。毎日がいつも新しいって。先輩が居てくれたおかげだったんだね。だから、なかなか言い出せなかったけど、ずっとずっと言えなかったけど、私は、私は、藤P先輩のことが大好きです!」
なぎさの声に気づくひかり。隣で見ていたほのかは驚きます。藤P達も気づきますが何を言っていたかは分かりません。充実した顔のなぎさ。その表情は迷いも後悔も無い清清しいものです。そんななぎさの様子にほのかは心からホッとします。この光景を彼女は2年待っていたのかもしれません。なぎさが動き出したのに気づいてほのかは茂みに隠れます。気づかずに通り過ぎるなぎさ。それを彼女は嬉しそうに見ます。雪が舞い降ります。
藤P達のところに戻るなぎさ。藤Pは先ほど何を言ったのか尋ねますがなぎさは誤魔化してメリークリスマスと言ったと言います。なぎさの後ろでほのかはそっとその様子を見守ります。藤Pはなぎさにメリークリスマスと言います。それにメリークリスマスと答えるなぎさ。
⑦次回予告
冷蔵庫の中に驚いているひかりが気になって気になって。映画の予告やってましたが、崖から飛び降りるブラックとホワイトを見て泣きそうになる。また映画見よう。
○トピック
ずっとずっと最初から言っているけど、私はプリキュアが大好きです。
素晴らしい着地点だと思います。恋愛を軽んじることもなく、また作品主眼である友達を軽んじることもなく両方に配慮された肯定的な着地点でした。藤P絡みの話はこれで終わりだと思いますがその締めくくりとして見事。
告白をして相手に承認されるか(付き合うことになるか)という部分に主眼があるのではなく、告白すること自体に意味がありそしてそれを通して自己の肯定を描いているのが素敵です。去年の43・44話を踏襲してそれぞれプレゼントを渡せる・告白する(クリスマスツリーを一緒に見る)という風に課題を達成しつつもいささかも作品主眼がブレていません。
もうね、なぎさの告白の言葉をひとつひとつ聞いてたら泣き入りましたよ。彼女は藤Pが好きだと言う。それと同時に日常が常に新しいものであると言っている。藤Pが好きだという気持ちを2年かけて自らの中で昇華して、それに伴って自分と日々の生活とを強く結び付けている。恋愛が恋愛だけに留まらず人間的成長をも伴うものとして見せている点がこの作品の奥深さだと思います。友達や恋愛がある日常。その日常を肯定する。この作品の基調と言っていいでしょう。
また、友達であるほのかがそれを優しく見守っているのも大きなポイントです。なぎさとほのかの友情が主にほのかを主軸にして描かれた(38話やその他もろもろ)ように、藤Pとなぎさの話も無論なぎさを主軸に描かれています。なぎさが藤Pを好きなことをほのかはずっとずっと前から知っています。そもそもそれがもとでケンカになったことがあったくらいです。なぎさの想いを最初から最後まで知り見守っているのが他ならないほのかであることによって、恋愛中心の話であっても友達の関係が損なわれるどころか肯定的に描かれているのも素敵なことです。っていうか、とことんこの作品は肯定的な作品なんですね。ずっとずっとなぎさとほのかの物語であり続けたわけです。
さて、ルミナス・ポルン・ルルンの次世代三点セット。今回も目立っているような目立たないような感じで着実に少年との関係が進展しています。ルルンは秘めたる力を発揮しています。
みちたろさんの感想(12月18日の2)でルルンがひかりをなぎさほのかから独立させる役割があると書かれていてなるほどと思いました。そっかー、だからルルンはルミナスのためだけに力を発揮することができるんですね。なぎさとほのかにあまり絡まないのも頷けます。現状でほぼルミナス・ポルン・ルルンのセットが確立しています。みんな歳若く(というか幼い)未来の担い手になる者達ですが、さてさてMHの物語はどう彼女彼らに未来を託すんでしょうか。いや、なぎさとほのかも若いんですけどね。
①デートの誘い
登校するなぎさ。前回藤Pにプレゼントを渡せたことを思い出します。ちょこっとの勇気でかけがえの無い思い出や出来事を経験することが出来るかもしれません。一歩を踏み出せるどうかが境目です。
藤Pが声をかけてきます。しかも出し抜けにクリスマス・イヴの予定を聞いてきます。何も無いと答えるなぎさに藤Pは一緒に遊園地に行こうと誘います。思わぬ申し出に照れながらも快諾するなぎさ。そう、これはデートです。
…ところで、ほのかが居ないのはちょっと離れたところで様子を見ているとか、そもそもこのデート自体仕組まれたことなのかと余計なことを考えてしまいますが詮索はしない方が良いでしょうか。
②スケート
遊園地。嬉楽しいデートのハズですがなぎさは不満顔。そんなことは気付かずリニューアルされた遊園地の感想を言う藤P。それに頷くほのか。そう、不満顔の理由はほのかと木俣も同伴だからです。なぎさはともかく藤Pはデートではなく友達同士で来たという認識です。ダブルデートと言えない事もないですが、その場合ほのか・木俣の組み合わせについて私は承服しかねます。っていうか、木俣今すぐ俺と代われ。
スケートリンク。スケートをやろうと話す木俣・藤P・ほのか。ほのかは「あっ」となぎさの方を見ます。「スケート、すか?」とキョトンとして答えるなぎさ。滑れなさそうです。
ドラマCDだとなぎさは滑れないことが判明しています。ドラマCDと本編は直接関連は無いでしょうが、基本設定はそのままのようなので(なぎさはスキーもダメ)本編でも滑れないようです。ほのかがそのことを知っている(または滑れないのでは?と配慮する)のはちょっと気になりましたが、まあ、ほのかならなぎさについて何でも知ってそうです。なぎさは意外と不器用ですし(泳げないし)。
藤Pと木俣はふたりで競い合います。女の子をほったらかしでどうか?と思いますが、この人達はそういうノリなのでしょう。とりあえず、木俣はずっと滑ってて良いですよ。
「ほのか置いて行かないで」と情けない声を出すなぎさ。ほのかは申し訳なさそうに謝ります。成り行きとはいえなぎさに負担をかけてしまいました。転びそうになるなぎさを抱きかかえるほのか。なぎさを励まします。そしてふたりで練習開始。ある意味でこのダブルデートの本質はこういう構図なのかもしれません。それはそうと、ほのかの冬服が可愛い。
手すりを使わずに滑るなぎさ。しかしバランスを崩してしまい尻餅をついて壁に激突しそうになります。それをナイスなタイミングで受け止める藤P。美味しい役どころです。立ったもののバランスを崩して藤Pに抱きつく格好になるなぎさ。効果音も乙女チックです。その様子を遠巻きに見るほのかと木俣。木俣はなぎさは藤Pに任せて一緒に滑ろうと言います。笑顔で承諾するほのか。上手く藤Pとなぎさが一緒になってくれて嬉しいのだと思います。そういうことで、ほのかの承諾はなぎさと藤Pのことであって、木俣と一緒に滑ることに対してではないんですよ、分かりましたか?木俣。それと木俣に業務連絡があります。ベローネ体育館裏で怖いお兄さん達が呼んでいますので至急行って下さい。(私は木俣に容赦ありません。っていうか去年も同じようなこと言っていたような)
③少年とひかり
洋館。大きいクリスマスツリーに飾りつけをする少年と執事達。突然少年に異変が起こります。クリスマスツリーを抱えた人と自転車の光景。少年は「あぶない!」と叫びます。その叫び声が聞こえたのか、クリスマスツリーを抱えた人は立ち止まります。そのすぐ前を通り過ぎる自転車。クリスマスツリーを抱えた人物、それはひかり。間一髪のところで助かったひかりを心配するポルン。ひかりは何者かの声を聞いたと言います。しかし、その声はポルンもルルンも聞いていません。
藤Pにエスコートされながら滑るなぎさ。内心ではトキメキのドキドキ気分です。傍目にはカップルです。藤Pはなぎさに「素敵だね」と言います。告白!?とドキドキのなぎさ。藤Pは言葉を続けます。どうやら藤Pはなぎさを女性としてではなく、人間として素敵だと言っているようです。ちょっとガッカリするなぎさ。
クリスマスツリーの飾りつけをするタコカフェメンバー(主にひかり)。突然ポルンが「何かを感じる」と騒ぎます。飾り物の一つである金色の玉が光り少年を映し出します。どうやら少年側でも同様のことがあり少年が驚いています。ひかりは改めて玉を見ますがそこにはひかりしか映し出していません。驚いて尻餅をついた少年を抱くビブリス。玉には少年とビブリスが映し出されています。その玉をバルデスはむしり取り邪悪な力を流し込みます。ひかり側の玉から溢れ出る邪悪なオーラ。砕け散る玉。確実にそして日増しにひかりと少年の結びつきは強くなっています。危険を感じたポルンはなぎさ達と居た方が良いと言います。
④魔の手はいつもナイスタイミング
サッカー盤で熱い対戦をする藤Pと木俣。なぎさはベンチに座り先ほど藤Pに言われた言葉を思い出します。ちょっとガッカリはしたものの、藤Pがなぎさを評価していることには違いありません。告白するべきかどうか(幸せそうに)悩みます。そんななぎさに茶々を入れるメップル。こういうツッコミも相方の仕事です。
ソフトクリームを持ってくるほのか。なぎさが何かを考えていたようなので聞きますが、なぎさはソフトクリームを奪い取るように受け取って勢い良く食べます。と、そこにハーティエル・ラブランが「私はラブラン。愛があるところ呼ばれなくてもやってくる」と登場します。セルフツッコミというかなんかキャラが強そうなハーティエルです。なぎさの内心を言うラブラン。流石のほのかも思わずひいてしまいます。焦るなぎさですがラブランは真剣にアドバイスします。考えるなぎさ。
夕方。ほのかの提案で観覧車に乗ります。先に藤Pとなぎさが乗り扉がしまります。慌てるなぎさですがほのかは「ふたりずつ、なんじゃないかしら?」と冷静です。流石ほのか嬢。分かっています。なぎさに無言のエールを送ります。この後ほのかが「それじゃ、私は用事があるから」と木俣を置いていったら最強です。人間としてどうよ?って感じですが、それはそれでいいんじゃないかなと思ってしまいます。どーせ相手は木俣だし。っていうか、ほのかと観覧車でふたりっきりなんて年末ジャンボ宝くじに当たることより重大なわけで、木俣お前俺と代われ。代わって下さい。お願いします(腰低くなってきた)。
なぎさとふたりっきりですが、藤Pはいつもと変わらずマイペースです。クリスマスツリーを見るなぎさ。去年もメップルとポルンの活躍により(気を失った)藤Pと一緒にクリスマスツリーを見ていました。ラブランの「自分の気持ちに正直に」の言葉を反芻します。
窓の外を見る少年。バルデスは光は闇に飲み込まれるのが運命(さだめ)と呟きます。去年そんなこといって2回倒された闇の王様居ましたが。
悩んでいたなぎさですが決心したのか藤Pに想いを伝えようとします。しかし、例によって闇の力が発生します。眠る藤P。きっとこの瞬間全国のなぎさ好きな大きなお友達は大きく胸を撫で下ろしたのではないかと思います。
スケートリンクが割れ始めます。ドンドンと扉を叩くほのか。なぎさに呼びかけます。頷くなぎさ。現れるザケンナー。なぎさとほのかはスケート場に駆けつけます。って普通に出てきちゃったよ。まあ、観覧車動いてたし。でも鍵とかかかっているんじゃ?ん?っていうか観覧車ってどうやって乗り降りするんだ?あれって常時動いているんだよね?タイミングよく乗り降りするの?巻き戻し。あ、ちゃんと乗る時にゴンドラが動いてる。やっぱそういうタイミングで乗り降りするのね。すみません、私観覧車乗ったことなかったので。
⑤闇の力の波動
変身です。ほのかのキュロットスカートと黒タイツがたまりません。私服は冬服でもプリキュアの衣装は年中同じです。
意外と手強いザケンナー。ひかりが駆けつけます。今のタイミングなら無銭入場してもバレません。いや、そうなる前に入場してたんだけど見つけられなくて(というか半分迷子になってて)闇の気配でやって来れたのかもしれませんが。
ひかりの呼び声に反応したプリキュアの隙を見逃さずザケンナーは凍てつく息吹を放ちます。何か映画でも見たような光景です。顔以外が凍りついて動きが封じられるプリキュア。ピンチです。
その光景に慄(おのの)くひかり。ちょっと責任感じたかもしれません。ザケンナーは標的をひかりに移します。ポルンの呼びかけに応えて変身です。格好は普段とあまり変わりませんがコートを着ているのでやはり季節限定変身です。ブローチェ装着。輝くハーティエル。今回はハーティエルのビジョンが見えません。前回はバルデス視点だったのでしょうか(ルミナスの力が高まっていることの意図もあるし)。
突然現れるウラガノス。それを上から見るバルデス。バルデスは静観してそうです。ウラガノスが詰め寄ってきます。後ずさるルミナス。背後の柵に当たりもう逃げられません。動作がちょっと可愛いです。戦意を喪失しているルミナスは立ちすくむだけです。ルミナスを救うべく単身特攻するルルン。しかし、捕まってしまい絶体絶命です。ルルンを離してと叫ぶルミナス。ザケンナーも躍りかかってきて皆ピンチです。
ポルンはルルンの名を叫びます。その声に応えるようにルルンの首元の玉が光ります。それはブローチェ登場の時と同じ輝きです(バンクも同じなわけですが)。「光が未来を照らすルル」の掛け声とともに放たれる光。ブローチェに光が突き刺さります。ん、このシーンてブローチェ装着のためのシーンじゃないの?毎回こんな感じで充電しているのかな?まあ、どっちにしろ、エロ可愛いんで構わないんですけれど(最低の結論)。吹き飛ばされるザケンナー。
少年に異変が起こります。足元から湧き出る闇の力。それが拡大するように広がっていきます。倒れる少年。闇の力は遊園地にまで及びあらゆるものを吹き飛ばしていきます。ついでにプリキュアの氷も吹き飛ばしてくれます。ウラガノスは事態が全く分かっていませんがバルデスは気づいたようです。
体勢を立て直しルミナスに迫ろうとするウラガノス。復活したプリキュアが間に割って入ります。ブラックは告白タイミングを邪魔された文句を言います。先輩って誰だよ?と問い返され顔を赤らめるブラック。真剣な話なんですがどこか間抜けです。しかし、そういう日常に根ざした理由で怒るのはプリキュアにおいて正当なことです。ブレス召還で一気に畳み掛けます。「マーブルスクリュー返し!」と耐えるウラガノスですがスパーク返しを会得していないのでダメです。ゴメンナー。
⑥告白
夜。ちゃっかりひかりも同行する一同。お腹がすいたので何か食べたいところ。焼きそばを買ってくると藤Pは言いますがなぎさが代わりに行くと引き受けます。一人で行くなぎさ。藤Pはやっぱり自分も行くと言います。五人分は大変です。藤P良いヤツです。それらなら俺もと木俣。お前は色んな意味でお呼びでない。そんなふたりにほのかは自分が行くと言います。うっかり「なぎさが緊張するといけないから」と口走ってしまったりします。ほのかは割と失言が多いです。3人を置いてほのかはなぎさのもとへ行きます。
なぎさは丁度藤P達が待つ会場を眼下に一人立っています。買い物は済んでいるようです。階段を上る途中でなぎさの様子に気づくほのか。なぎさは一人呟きます。
「そうだよね。いつもドキドキしてた、先輩に会うといつも緊張して、でもその日は一日中嬉しくて楽しくて、夜になってもそのまま寝ちゃうのが勿体無くて、そして次の日はもっとドキドキして、そんなことを繰り返しているうちに、気づいたんだ。毎日がいつも新しいって。先輩が居てくれたおかげだったんだね。だから、なかなか言い出せなかったけど、ずっとずっと言えなかったけど、私は、私は、藤P先輩のことが大好きです!」
なぎさの声に気づくひかり。隣で見ていたほのかは驚きます。藤P達も気づきますが何を言っていたかは分かりません。充実した顔のなぎさ。その表情は迷いも後悔も無い清清しいものです。そんななぎさの様子にほのかは心からホッとします。この光景を彼女は2年待っていたのかもしれません。なぎさが動き出したのに気づいてほのかは茂みに隠れます。気づかずに通り過ぎるなぎさ。それを彼女は嬉しそうに見ます。雪が舞い降ります。
藤P達のところに戻るなぎさ。藤Pは先ほど何を言ったのか尋ねますがなぎさは誤魔化してメリークリスマスと言ったと言います。なぎさの後ろでほのかはそっとその様子を見守ります。藤Pはなぎさにメリークリスマスと言います。それにメリークリスマスと答えるなぎさ。
⑦次回予告
冷蔵庫の中に驚いているひかりが気になって気になって。映画の予告やってましたが、崖から飛び降りるブラックとホワイトを見て泣きそうになる。また映画見よう。
○トピック
ずっとずっと最初から言っているけど、私はプリキュアが大好きです。
素晴らしい着地点だと思います。恋愛を軽んじることもなく、また作品主眼である友達を軽んじることもなく両方に配慮された肯定的な着地点でした。藤P絡みの話はこれで終わりだと思いますがその締めくくりとして見事。
告白をして相手に承認されるか(付き合うことになるか)という部分に主眼があるのではなく、告白すること自体に意味がありそしてそれを通して自己の肯定を描いているのが素敵です。去年の43・44話を踏襲してそれぞれプレゼントを渡せる・告白する(クリスマスツリーを一緒に見る)という風に課題を達成しつつもいささかも作品主眼がブレていません。
もうね、なぎさの告白の言葉をひとつひとつ聞いてたら泣き入りましたよ。彼女は藤Pが好きだと言う。それと同時に日常が常に新しいものであると言っている。藤Pが好きだという気持ちを2年かけて自らの中で昇華して、それに伴って自分と日々の生活とを強く結び付けている。恋愛が恋愛だけに留まらず人間的成長をも伴うものとして見せている点がこの作品の奥深さだと思います。友達や恋愛がある日常。その日常を肯定する。この作品の基調と言っていいでしょう。
また、友達であるほのかがそれを優しく見守っているのも大きなポイントです。なぎさとほのかの友情が主にほのかを主軸にして描かれた(38話やその他もろもろ)ように、藤Pとなぎさの話も無論なぎさを主軸に描かれています。なぎさが藤Pを好きなことをほのかはずっとずっと前から知っています。そもそもそれがもとでケンカになったことがあったくらいです。なぎさの想いを最初から最後まで知り見守っているのが他ならないほのかであることによって、恋愛中心の話であっても友達の関係が損なわれるどころか肯定的に描かれているのも素敵なことです。っていうか、とことんこの作品は肯定的な作品なんですね。ずっとずっとなぎさとほのかの物語であり続けたわけです。
さて、ルミナス・ポルン・ルルンの次世代三点セット。今回も目立っているような目立たないような感じで着実に少年との関係が進展しています。ルルンは秘めたる力を発揮しています。
みちたろさんの感想(12月18日の2)でルルンがひかりをなぎさほのかから独立させる役割があると書かれていてなるほどと思いました。そっかー、だからルルンはルミナスのためだけに力を発揮することができるんですね。なぎさとほのかにあまり絡まないのも頷けます。現状でほぼルミナス・ポルン・ルルンのセットが確立しています。みんな歳若く(というか幼い)未来の担い手になる者達ですが、さてさてMHの物語はどう彼女彼らに未来を託すんでしょうか。いや、なぎさとほのかも若いんですけどね。
映画ふたりはプリキュアMaxHeart2雪空のともだち
泣いた。
泣かずにはいられない。
①見終わって、その1
見事です。この映画からはスタッフの想いと作品の想いが溢れ出ています。涙が溢れ出ました。止まらず終わるまで泣きっぱなしでした。最初はなぎさとほのかの物語に感動して泣きました。彼女達の絆に。でも、終盤は違う理由で泣きました。それは大好きなプリキュアが本当に終わるんだということを言葉ではなく、心で実感したからです。プリキュアは3年目があるでしょう。しかし、なぎさ・ほのか・ひかりの物語は間違いなく終わります。それをこの映画で心の底から実感しました。だから、最後のポルンのひなたへの叫びは私(視聴者)が想っている言葉を代弁しています。別れたくない。さよならしたくない。アホみたいに涙がでる。でも、出会いがあれば別れが必ずあります。それは春の映画でも同様のラストでした。出会いを喜び、別れを悲しむ。悲しめるのは、そこに想いがあるからです。だから、別れを惜しむのではなく心から祝福しなければなりません。そんな相手に、作品に出会えたことを。
この「雪空のともだち」は漫画版が先にリリースされていますが、私は未読のままで映画を見ました。その後に漫画を読んでいます。内容的にはほぼ同様です。優劣をつけるわけでもないし、先にどちらを見たかによっても変わるでしょうが敢えてどちらが心を打ったかと言われれば映画です。最大の理由は(後述する)ひかりの見せ方です。映画単品でも素敵ですが、この映画はプリキュアの総括的意味合いがあると思います。そしてそれを本編最終回へと繋げていると思います。ぶっちゃけ商業的には春の映画がヒットしたから2回目もやっちゃおうとなったのかもしれませんが、それを逆手にとってここまで見事なタイミングでこの内容をやったことは驚異的です。すげぇ、すげぇよプリキュアスタッフ。どこまで妥協しない気だよ。
70分という時間の中で色んな要素がギュウギュウ詰めになって最後には見事に昇華しきっているどころか2年間を総括しちゃっている映画。番外編であるにも関わらず、本編への期待と想いを極限まで高めるこの仕様。プリキュアシリーズとしてのトータルバランス、絶妙なリアルタイム進行の上手さ。今、この瞬間を大事にすることの意味が分かります。
②本編感想
木俣がほのかにカッコよく見せようと気張ってんのに軽くスルーするほのか嬢が素敵。彼女の視線と意識は常になぎさ。この冒頭ですでにお腹一杯です。
ふたりのケンカをしてしまうキッカケが藤Pてのも原点ですね。本編の進行度を考えるとこの程度ではイサカイにならないような気もしたのですが、藤Pに思いを伝える・気づかせるのは他ならぬなぎさの役目なのでほのかが不慮の出来事であっても藤Pに気づかせてはならないのでしょう。確かに今までの経緯を見るに、ほのかは場のセッティングをするだけで後はなぎさに任せています。それはなぎさの意思を尊重しているからで、ほのかがでしゃばるようなことはしていません。なぎさの反応を見て楽しんではいますが。
なぎさからすれば藤Pに惚れているのは認めているでしょうし、それをいずれ口にしようとしていることは明らかです(それが本編中であるかは分かりませんが)。だから、それがほのかであっても他者に伝えられてしまう(あるいは軽々しく口にされる)のは、自分の大切な想いが踏みにじられてしまうことと同義です。いや、そんなに大げさな話ではないんですが、1年目と同じパターンでケンカしてしまうのは必然ですね。
ひなたが飛び立とうとするシーン。これが後々に意味のあるシーンになっているのがミソ。ひなたの姿を見たひかりは勇気付けられます。
コミカルなモチーフである雪だるまがザケンナーになるとめっちゃ凶悪な動きをするのが印象的。ホワイトの「ごめん」キック萌え。
その他細かいところでは、髪を下ろしている莉奈、アタック25がヒットですね。特にアタック25は秀逸なチョイスです。アニメに実写て…とも取れるんですが、日曜日にやっている番組が作品の中に出てくることで、視聴者と作品の親和性が高まっています。プリキュアの世界では、じゃあ他には何をやっているんだろう?と思わせてくれます。
あと、温泉なのに「湯煙ムフフ♪」なシーンがあるわけもなくスルーされているのがこの作品の大変素晴らしいところです。この潔さ、この割り切りの良さ。でも何故か藤Pのムフフ(?)なシーンがあるのは何故なのか。
さなえさんとほのかの電話シーンが印象強い。てかやっぱり全部お見通しなさなえさんも素敵ですが、目を泳がせて電話の線をこねくり回すほのかがめっちゃ可愛いです。何気ないしぐさにその人の気持ちが表れます。 なぎさのことを悔やむシーン。なぎさのことを想っているはずなのに余計なことを言ってしまった自分。ミップルの励ましが普段は目立たないふたりのパートナー性を感じさせます。
これは漫画版を読んで気づいたんですが雲の上でのひなたのやりとりで、ほのかがなぎさをフォローしますが、それは一見ほのかがなぎさを気遣っているように見えるんですが(事実そうである)、なぎさとほのかの対等性を考えれば溝が深まってしまうシーンだったのですね。
マーブルスクリューが破られるシーンはやっぱりこうでなくっちゃなーと思ってしまいました。主人公の最強必殺技が破られてこそパワーアップの意味があります。お約束。
ブラックVSホワイトは少年漫画的なノリで面白かったです。剛のブラック、柔のホワイトって感じで少年向け的にはありがちでも少女向けではなかなか無いシーンです。地味に関節技を仕掛けるホワイトは渋いです。操られている割に瞳のコントラストが通常とそんなに変わりないようでしたが、多分視聴者である小さい女の子に配慮したのでしょう。正直言って、あのシーンにおけるホワイトの無機質なセリフはかなり怖いです。会場の空気もかなり暗くなってました。少年的には燃えシーンでも少女的にはかなり冒険的ですね。
ホワイトが操られている時はブラックが身をさらけ出し(ルミナスのように手を広げる)、ブラックが操られた時は今度はホワイトがブラックと同じ場所で身をさらけ出したシーンは上手い見せ方だと思いました。彼女達はどちらが上なのではなく対等の友達であり、お互いに同じ気持ちを抱かなくてはなりません。そしてお互いに呼ぶ<名>はその人の本来の名でなければなりません。ホワイトが先に「なぎさ」と呼び、その手を掴むのは他ならないなぎさです。8話と42話の融合と言っていいでしょう。まさか今一度見れるとは思ってませんでした。ふたりで崖を落ちる時の彼女達の表情は恐怖でも怯えでもなく、信頼と強さです。駆け落ちではありません。
お互いに同時に「ごめんなさい」と言い合うシーンは分かってても感動する。そして何度も、何度も繰り返される手を繋ぐシーンは如何なる言葉よりも心に響く。
スノボーで息を合わせるふたりは、やっぱりなぎさとほのか。
弱ってくるひなたを一生懸命励ますルミナス。友達への言葉は揺るぎません。窮地に現れるも氷漬けになってしまうプリキュア。そのプリキュアのために最後の力を与えるひなた。反撃開始です。スーパープリキュアは動いているのを見ると意外とすっきりしているというか、スマートな演出と相まってゴテゴテ感は少なかったですね。トゲトゲいっぱいあるとは思いましたが。ホワイトの方が出番多いですが、この場合華麗な動きをするホワイトの方が適役でしょう。あと人気もあるし(酷ぇな、おい)
100%プリキュアの対比であるフローズンとフリーズン。いきなり口ゲンカし始める辺りがヤラレ役の悲しい性です。でも、このコミカルな掛け合いが安心感を与えます。それまでブラックVSホワイト、氷漬けなど怖いシーンが続いていたのでここのシーンは緊張感を解き華麗なる逆転劇への布石です。
必殺技対決は、敵の攻撃モーションが完全にズレています。手の動き、掛け声全てが合わない。その時点でプリキュアがスーパーになっていようがいまいが結果は明確です。まさに息の合った掛け声と動作で放たれる必殺技は完璧。本当の友達が協力して引き出す力は無限大です。 (あっ、そうか、だからその前段でスクリューが破られるのは当然なんだ。あの時のふたりは完全な状態ではないんだから)
そんでこっからが、大本番。そう、シャイニールミナスです。
「あれ?もしかしてルミナスはパワーアップしないの?」とか本気で思ってしまったのですが、力を使い果たしているひなたを救おうとするルミナスはまぎれもなくクイーンです。(ちなみに、ここは漫画だと弱っていることがスーパープリキュアになったときから分かっているのでなんとなく流れが読めるのですが、映画だと伏せられていてそれが意外性となってより面白く感じました。まだ終わりじゃないんだ、ここからがルミナスの出番なのだと思わされました)
それまで全くと言っていいほど目立った活躍をしていないルミナスがクイーンとして役目を果たすシーンは見事。自らの使命・運命を受け入れ、ひなた達から学んだことを還元します。彼女の語る言葉ひとつひとつに強い意志が込められています。ひかりの、ルミナスの弱い口調からクイーンへの口調へと変わるシーンは号泣ものです。
パワーアップするルミナス。スカートが舞い上がってて、ちょっとドキドキしました(←お前帰れ)。バトンを使いひなたに力を与えるルミナス。後光のように現れたクイーンのシーンを見て畏敬を覚えました。これはプリキュアでは絶対に出来ない。ルミナスに与えられた使命。
さなえさんのほのか達のことを呟くシーン。彼女達の繋がりはもう、絶対に大丈夫。
ポルンの「(我儘だって)分かってるポポ!」も、ひかりがひなたを「友達なら~」と諭すシーンも、なぎさとほのかのシーンも、ひかり達のシーンも何もかもが素敵なラスト。
最後、スタッフロールとともにこの2年間が振り返られる。それはなぎさとほのか、そしてひかりの物語の総括(イラスト的にはひかりはラスト一枚しかでていませんが)。本編最終回前のセレモニー。このエンディングは反則的な演出(しかもこれ、最初本編の使いまわしかと思ったら微妙に書き直されてるのね)。
③見終わって、その2
①の続きです。最後のひかり(ルミナス)の描き方が秀逸だと思います。MaxHeartにおけるひかりの役割・使命・運命は「クイーン」です。それを彼女は(完全ではないが)自覚し覚醒しました。極論を言えば、ひかりが完全にクイーンとして目覚めればひかりとしての役目は終わります(ここではひかりがクイーンとは別固体になる、とかそういう推測や議論は無視します)。プリキュアは絆で悪に打ち勝ち、ルミナスはクイーンへと(半)覚醒します。最初から与えられた使命であり、そしてこれは終わりの一歩手前です。ひかりだけが終わるのではありません。なぎさとほのかもまた自らの絆を改めて強くしこれまでのように友達であり続けるでしょう。そう、なぎさとほのかの役割(目的)とは友達になることです。それも本当の友達になること。
なぎさ・ほのか・ひかりは成長しました。なぎさとほのかは2年間、ひかりはこの1年で見違えるように表情・感情豊かになりました。彼女達は我々が知る以上に生命を宿しました。雛鳥が成長し巣立っていくように、彼女達がそれぞれの将来を生きるために巣立っていくのはそう遠くないことでしょう。なぎさ・ほのか・ひかりの未来、使命、運命、人生、それらの道標をこの映画でほんの少し見たような気がします。
春の映画でも感じましたが単なる映画としてではなく、我々視聴者と同じ時を過ごすように季節を感じ、時の経過を感じさせるリアルタイムの進行が非常に上手いです。後からDVDで見てもこの感動は再現できないでしょう。それは今この瞬間だからこそ意味のあるものです。この映画を見て腹が決まりました。今を精一杯生きる彼女達と一緒に、残り僅かな時を精一杯見届けたいと思います。
④見終わって、その3
この感想の総論的趣旨は上記のとおりです。こっからは個人的トピックみたいなもんです。
この映画は複数回見ているんですが(現時点で3回。多分また観ると思う)、2回目以降力を入れて観ていた(一番観たかった)のはルミナスとひなたのシーンでした。スーパールミナスになるとこですね。前述しているようにこの一連のシーンを観た時の衝撃は凄まじいものでした。
この映画では友達のために皆命(自分)を賭けています。ブラックはホワイトのために、ホワイトはブラックのために、ルミナスはひなたのために、ひなたはプリキュアのために、そして再びルミナスはひなたのために命(自分)を賭けています。それは掛替えの無い友達のために決して妥協しないからです。そこにあるのは全力で友達を助けたい・守りたいという意思です。この映画を観て自己犠牲心を称えるイメージは全くわきませんでした。プリキュアやルミナスの意思が頑なで潔白したものであったからです。自己犠牲は友達を守るための一手段であって目的ではありません。
友達のために命を賭けた彼女らですが、一人だけ決定的に違うことをやっている人がいます。ルミナスです。プリキュアやひなたは等価交換というか与える代わりに自らを危険にさらすことをしています。プラスマイナス・ゼロな関係です。しかしルミナスだけは純粋に命の力を与えています。プラスになっています。そりゃ、ルミナスはクイーン(の命)なんだから当たり前でしょ、という話なんですが、そうなんですよ、ルミナスはクイーンだってことをこの時初めて現実化させたんですね。今までTVではバトンを使ったりバリアを出したり時々口調がそれっぽくなるだけで具体的にルミナスがクイーンとしての力を発現させることはありませんでした。
では、その違いはなんでしょう?TVでだって十分に危機的状況はあったハズです。にもかかわらず今回映画で初めて力を使えた理由。多分、それは彼女が自分をクイーンの命であると認めたからなんですね(自分の出来ることとしてクイーンであることを、その力の行使を意識した)。そしてその力の使いどころが相手を倒すという攻撃的なものではなく、命(生命力)を与えるという力だからこそだったんだろうと思います。やっとこの時実感しました。何故ルミナスが戦わないのか、攻撃行動を一切しないのかを。ルミナスはクイーンだからなんですね。全てを生み出す者。母なる存在(神という言葉よりこちらの方が似合うかと思う)だからなんですね。その事に気づいて、実際にその光景(スーパールミナス)を観た時に震えました。彼女の本当(本覚醒じゃないけど)の姿と役割を目の当たりにして震えました。
丁度DVD4巻見返したら13話でひかりは自分がクイーンの命であることに不安を感じて「世界を守るために何をすればいいんですか?」と口にしています。彼女は世界のためではなく、友達のためにクイーンであることを受け入れた。DVD観てたら泣きそうになった。この受け入れ方がプリキュアのプリキュアたるところだと思います。
ひかりはクイーンの命としての運命が決定されていますが、そのことを自覚できないまま日常を暮らし学び成長してきました。変な話ですが、自覚が無いからひかりとして成長できたし成長したからこそ自覚できたのでしょう。クイーンとして自覚していればその個体はひかりではありません。クイーンです。クイーンでは人として学ぶことも成長することも出来なかったでしょう。推測になりますがクイーンの構成要素の一つである「クイーンの心」は「クイーンの心」という独立したもの、つまりMH序盤で(クイーンの)声として出たものではなく、おそらく「ひかりの心」が該当するのではないかと思います。要するに世代交代をするのです。クイーンは統べる者であり全てを生み出す者です。様々なことを学びそれを真剣に自分のこととして受け入れられた者こそが相応しいでしょう。ひかりが素直すぎるほどに素直なのもそういう点で満たしています。っていうかひなたとの別れ際で言った「友達は~」のセリフで泣いた。立派になったなひかり。何かもう親心。
あとは本編最終回(多分そこで本覚醒すると思うので)を待つのみ。これを期待と言わずして何というか。映画でやりつくしているような気がしないでもないですが、きっとこの作品は素晴らしい最終回をやるでしょう。むしろ、心配するべきは私がここに書いた感想とネタが被らないように書けるかってことですね。いつもいっぱいいっぱい。その時にそのネタを考える。まさにMaxHeart。
泣かずにはいられない。
①見終わって、その1
見事です。この映画からはスタッフの想いと作品の想いが溢れ出ています。涙が溢れ出ました。止まらず終わるまで泣きっぱなしでした。最初はなぎさとほのかの物語に感動して泣きました。彼女達の絆に。でも、終盤は違う理由で泣きました。それは大好きなプリキュアが本当に終わるんだということを言葉ではなく、心で実感したからです。プリキュアは3年目があるでしょう。しかし、なぎさ・ほのか・ひかりの物語は間違いなく終わります。それをこの映画で心の底から実感しました。だから、最後のポルンのひなたへの叫びは私(視聴者)が想っている言葉を代弁しています。別れたくない。さよならしたくない。アホみたいに涙がでる。でも、出会いがあれば別れが必ずあります。それは春の映画でも同様のラストでした。出会いを喜び、別れを悲しむ。悲しめるのは、そこに想いがあるからです。だから、別れを惜しむのではなく心から祝福しなければなりません。そんな相手に、作品に出会えたことを。
この「雪空のともだち」は漫画版が先にリリースされていますが、私は未読のままで映画を見ました。その後に漫画を読んでいます。内容的にはほぼ同様です。優劣をつけるわけでもないし、先にどちらを見たかによっても変わるでしょうが敢えてどちらが心を打ったかと言われれば映画です。最大の理由は(後述する)ひかりの見せ方です。映画単品でも素敵ですが、この映画はプリキュアの総括的意味合いがあると思います。そしてそれを本編最終回へと繋げていると思います。ぶっちゃけ商業的には春の映画がヒットしたから2回目もやっちゃおうとなったのかもしれませんが、それを逆手にとってここまで見事なタイミングでこの内容をやったことは驚異的です。すげぇ、すげぇよプリキュアスタッフ。どこまで妥協しない気だよ。
70分という時間の中で色んな要素がギュウギュウ詰めになって最後には見事に昇華しきっているどころか2年間を総括しちゃっている映画。番外編であるにも関わらず、本編への期待と想いを極限まで高めるこの仕様。プリキュアシリーズとしてのトータルバランス、絶妙なリアルタイム進行の上手さ。今、この瞬間を大事にすることの意味が分かります。
②本編感想
木俣がほのかにカッコよく見せようと気張ってんのに軽くスルーするほのか嬢が素敵。彼女の視線と意識は常になぎさ。この冒頭ですでにお腹一杯です。
ふたりのケンカをしてしまうキッカケが藤Pてのも原点ですね。本編の進行度を考えるとこの程度ではイサカイにならないような気もしたのですが、藤Pに思いを伝える・気づかせるのは他ならぬなぎさの役目なのでほのかが不慮の出来事であっても藤Pに気づかせてはならないのでしょう。確かに今までの経緯を見るに、ほのかは場のセッティングをするだけで後はなぎさに任せています。それはなぎさの意思を尊重しているからで、ほのかがでしゃばるようなことはしていません。なぎさの反応を見て楽しんではいますが。
なぎさからすれば藤Pに惚れているのは認めているでしょうし、それをいずれ口にしようとしていることは明らかです(それが本編中であるかは分かりませんが)。だから、それがほのかであっても他者に伝えられてしまう(あるいは軽々しく口にされる)のは、自分の大切な想いが踏みにじられてしまうことと同義です。いや、そんなに大げさな話ではないんですが、1年目と同じパターンでケンカしてしまうのは必然ですね。
ひなたが飛び立とうとするシーン。これが後々に意味のあるシーンになっているのがミソ。ひなたの姿を見たひかりは勇気付けられます。
コミカルなモチーフである雪だるまがザケンナーになるとめっちゃ凶悪な動きをするのが印象的。ホワイトの「ごめん」キック萌え。
その他細かいところでは、髪を下ろしている莉奈、アタック25がヒットですね。特にアタック25は秀逸なチョイスです。アニメに実写て…とも取れるんですが、日曜日にやっている番組が作品の中に出てくることで、視聴者と作品の親和性が高まっています。プリキュアの世界では、じゃあ他には何をやっているんだろう?と思わせてくれます。
あと、温泉なのに「湯煙ムフフ♪」なシーンがあるわけもなくスルーされているのがこの作品の大変素晴らしいところです。この潔さ、この割り切りの良さ。でも何故か藤Pのムフフ(?)なシーンがあるのは何故なのか。
さなえさんとほのかの電話シーンが印象強い。てかやっぱり全部お見通しなさなえさんも素敵ですが、目を泳がせて電話の線をこねくり回すほのかがめっちゃ可愛いです。何気ないしぐさにその人の気持ちが表れます。 なぎさのことを悔やむシーン。なぎさのことを想っているはずなのに余計なことを言ってしまった自分。ミップルの励ましが普段は目立たないふたりのパートナー性を感じさせます。
これは漫画版を読んで気づいたんですが雲の上でのひなたのやりとりで、ほのかがなぎさをフォローしますが、それは一見ほのかがなぎさを気遣っているように見えるんですが(事実そうである)、なぎさとほのかの対等性を考えれば溝が深まってしまうシーンだったのですね。
マーブルスクリューが破られるシーンはやっぱりこうでなくっちゃなーと思ってしまいました。主人公の最強必殺技が破られてこそパワーアップの意味があります。お約束。
ブラックVSホワイトは少年漫画的なノリで面白かったです。剛のブラック、柔のホワイトって感じで少年向け的にはありがちでも少女向けではなかなか無いシーンです。地味に関節技を仕掛けるホワイトは渋いです。操られている割に瞳のコントラストが通常とそんなに変わりないようでしたが、多分視聴者である小さい女の子に配慮したのでしょう。正直言って、あのシーンにおけるホワイトの無機質なセリフはかなり怖いです。会場の空気もかなり暗くなってました。少年的には燃えシーンでも少女的にはかなり冒険的ですね。
ホワイトが操られている時はブラックが身をさらけ出し(ルミナスのように手を広げる)、ブラックが操られた時は今度はホワイトがブラックと同じ場所で身をさらけ出したシーンは上手い見せ方だと思いました。彼女達はどちらが上なのではなく対等の友達であり、お互いに同じ気持ちを抱かなくてはなりません。そしてお互いに呼ぶ<名>はその人の本来の名でなければなりません。ホワイトが先に「なぎさ」と呼び、その手を掴むのは他ならないなぎさです。8話と42話の融合と言っていいでしょう。まさか今一度見れるとは思ってませんでした。ふたりで崖を落ちる時の彼女達の表情は恐怖でも怯えでもなく、信頼と強さです。駆け落ちではありません。
お互いに同時に「ごめんなさい」と言い合うシーンは分かってても感動する。そして何度も、何度も繰り返される手を繋ぐシーンは如何なる言葉よりも心に響く。
スノボーで息を合わせるふたりは、やっぱりなぎさとほのか。
弱ってくるひなたを一生懸命励ますルミナス。友達への言葉は揺るぎません。窮地に現れるも氷漬けになってしまうプリキュア。そのプリキュアのために最後の力を与えるひなた。反撃開始です。スーパープリキュアは動いているのを見ると意外とすっきりしているというか、スマートな演出と相まってゴテゴテ感は少なかったですね。トゲトゲいっぱいあるとは思いましたが。ホワイトの方が出番多いですが、この場合華麗な動きをするホワイトの方が適役でしょう。あと人気もあるし(酷ぇな、おい)
100%プリキュアの対比であるフローズンとフリーズン。いきなり口ゲンカし始める辺りがヤラレ役の悲しい性です。でも、このコミカルな掛け合いが安心感を与えます。それまでブラックVSホワイト、氷漬けなど怖いシーンが続いていたのでここのシーンは緊張感を解き華麗なる逆転劇への布石です。
必殺技対決は、敵の攻撃モーションが完全にズレています。手の動き、掛け声全てが合わない。その時点でプリキュアがスーパーになっていようがいまいが結果は明確です。まさに息の合った掛け声と動作で放たれる必殺技は完璧。本当の友達が協力して引き出す力は無限大です。 (あっ、そうか、だからその前段でスクリューが破られるのは当然なんだ。あの時のふたりは完全な状態ではないんだから)
そんでこっからが、大本番。そう、シャイニールミナスです。
「あれ?もしかしてルミナスはパワーアップしないの?」とか本気で思ってしまったのですが、力を使い果たしているひなたを救おうとするルミナスはまぎれもなくクイーンです。(ちなみに、ここは漫画だと弱っていることがスーパープリキュアになったときから分かっているのでなんとなく流れが読めるのですが、映画だと伏せられていてそれが意外性となってより面白く感じました。まだ終わりじゃないんだ、ここからがルミナスの出番なのだと思わされました)
それまで全くと言っていいほど目立った活躍をしていないルミナスがクイーンとして役目を果たすシーンは見事。自らの使命・運命を受け入れ、ひなた達から学んだことを還元します。彼女の語る言葉ひとつひとつに強い意志が込められています。ひかりの、ルミナスの弱い口調からクイーンへの口調へと変わるシーンは号泣ものです。
パワーアップするルミナス。スカートが舞い上がってて、ちょっとドキドキしました(←お前帰れ)。バトンを使いひなたに力を与えるルミナス。後光のように現れたクイーンのシーンを見て畏敬を覚えました。これはプリキュアでは絶対に出来ない。ルミナスに与えられた使命。
さなえさんのほのか達のことを呟くシーン。彼女達の繋がりはもう、絶対に大丈夫。
ポルンの「(我儘だって)分かってるポポ!」も、ひかりがひなたを「友達なら~」と諭すシーンも、なぎさとほのかのシーンも、ひかり達のシーンも何もかもが素敵なラスト。
最後、スタッフロールとともにこの2年間が振り返られる。それはなぎさとほのか、そしてひかりの物語の総括(イラスト的にはひかりはラスト一枚しかでていませんが)。本編最終回前のセレモニー。このエンディングは反則的な演出(しかもこれ、最初本編の使いまわしかと思ったら微妙に書き直されてるのね)。
③見終わって、その2
①の続きです。最後のひかり(ルミナス)の描き方が秀逸だと思います。MaxHeartにおけるひかりの役割・使命・運命は「クイーン」です。それを彼女は(完全ではないが)自覚し覚醒しました。極論を言えば、ひかりが完全にクイーンとして目覚めればひかりとしての役目は終わります(ここではひかりがクイーンとは別固体になる、とかそういう推測や議論は無視します)。プリキュアは絆で悪に打ち勝ち、ルミナスはクイーンへと(半)覚醒します。最初から与えられた使命であり、そしてこれは終わりの一歩手前です。ひかりだけが終わるのではありません。なぎさとほのかもまた自らの絆を改めて強くしこれまでのように友達であり続けるでしょう。そう、なぎさとほのかの役割(目的)とは友達になることです。それも本当の友達になること。
なぎさ・ほのか・ひかりは成長しました。なぎさとほのかは2年間、ひかりはこの1年で見違えるように表情・感情豊かになりました。彼女達は我々が知る以上に生命を宿しました。雛鳥が成長し巣立っていくように、彼女達がそれぞれの将来を生きるために巣立っていくのはそう遠くないことでしょう。なぎさ・ほのか・ひかりの未来、使命、運命、人生、それらの道標をこの映画でほんの少し見たような気がします。
春の映画でも感じましたが単なる映画としてではなく、我々視聴者と同じ時を過ごすように季節を感じ、時の経過を感じさせるリアルタイムの進行が非常に上手いです。後からDVDで見てもこの感動は再現できないでしょう。それは今この瞬間だからこそ意味のあるものです。この映画を見て腹が決まりました。今を精一杯生きる彼女達と一緒に、残り僅かな時を精一杯見届けたいと思います。
④見終わって、その3
この感想の総論的趣旨は上記のとおりです。こっからは個人的トピックみたいなもんです。
この映画は複数回見ているんですが(現時点で3回。多分また観ると思う)、2回目以降力を入れて観ていた(一番観たかった)のはルミナスとひなたのシーンでした。スーパールミナスになるとこですね。前述しているようにこの一連のシーンを観た時の衝撃は凄まじいものでした。
この映画では友達のために皆命(自分)を賭けています。ブラックはホワイトのために、ホワイトはブラックのために、ルミナスはひなたのために、ひなたはプリキュアのために、そして再びルミナスはひなたのために命(自分)を賭けています。それは掛替えの無い友達のために決して妥協しないからです。そこにあるのは全力で友達を助けたい・守りたいという意思です。この映画を観て自己犠牲心を称えるイメージは全くわきませんでした。プリキュアやルミナスの意思が頑なで潔白したものであったからです。自己犠牲は友達を守るための一手段であって目的ではありません。
友達のために命を賭けた彼女らですが、一人だけ決定的に違うことをやっている人がいます。ルミナスです。プリキュアやひなたは等価交換というか与える代わりに自らを危険にさらすことをしています。プラスマイナス・ゼロな関係です。しかしルミナスだけは純粋に命の力を与えています。プラスになっています。そりゃ、ルミナスはクイーン(の命)なんだから当たり前でしょ、という話なんですが、そうなんですよ、ルミナスはクイーンだってことをこの時初めて現実化させたんですね。今までTVではバトンを使ったりバリアを出したり時々口調がそれっぽくなるだけで具体的にルミナスがクイーンとしての力を発現させることはありませんでした。
では、その違いはなんでしょう?TVでだって十分に危機的状況はあったハズです。にもかかわらず今回映画で初めて力を使えた理由。多分、それは彼女が自分をクイーンの命であると認めたからなんですね(自分の出来ることとしてクイーンであることを、その力の行使を意識した)。そしてその力の使いどころが相手を倒すという攻撃的なものではなく、命(生命力)を与えるという力だからこそだったんだろうと思います。やっとこの時実感しました。何故ルミナスが戦わないのか、攻撃行動を一切しないのかを。ルミナスはクイーンだからなんですね。全てを生み出す者。母なる存在(神という言葉よりこちらの方が似合うかと思う)だからなんですね。その事に気づいて、実際にその光景(スーパールミナス)を観た時に震えました。彼女の本当(本覚醒じゃないけど)の姿と役割を目の当たりにして震えました。
丁度DVD4巻見返したら13話でひかりは自分がクイーンの命であることに不安を感じて「世界を守るために何をすればいいんですか?」と口にしています。彼女は世界のためではなく、友達のためにクイーンであることを受け入れた。DVD観てたら泣きそうになった。この受け入れ方がプリキュアのプリキュアたるところだと思います。
ひかりはクイーンの命としての運命が決定されていますが、そのことを自覚できないまま日常を暮らし学び成長してきました。変な話ですが、自覚が無いからひかりとして成長できたし成長したからこそ自覚できたのでしょう。クイーンとして自覚していればその個体はひかりではありません。クイーンです。クイーンでは人として学ぶことも成長することも出来なかったでしょう。推測になりますがクイーンの構成要素の一つである「クイーンの心」は「クイーンの心」という独立したもの、つまりMH序盤で(クイーンの)声として出たものではなく、おそらく「ひかりの心」が該当するのではないかと思います。要するに世代交代をするのです。クイーンは統べる者であり全てを生み出す者です。様々なことを学びそれを真剣に自分のこととして受け入れられた者こそが相応しいでしょう。ひかりが素直すぎるほどに素直なのもそういう点で満たしています。っていうかひなたとの別れ際で言った「友達は~」のセリフで泣いた。立派になったなひかり。何かもう親心。
あとは本編最終回(多分そこで本覚醒すると思うので)を待つのみ。これを期待と言わずして何というか。映画でやりつくしているような気がしないでもないですが、きっとこの作品は素晴らしい最終回をやるでしょう。むしろ、心配するべきは私がここに書いた感想とネタが被らないように書けるかってことですね。いつもいっぱいいっぱい。その時にそのネタを考える。まさにMaxHeart。
第41話「気迫で渡せ!ちょこっと勇気のプレゼント!!」
○今週の出来事
①朝からMaxHeart
若葉台駅を降りるなぎさ。心中は誕生日が近い藤Pのことです。個人的には信号待ちしているなぎさの隣の娘が気になります。今年こそ渡したいプレゼント。ちょこっとの勇気。一つを犠牲にする勇気ではありません(仮面ライダー龍騎のネタ)。朝から気合を入れるなぎさ。そこに「おはよう、なぎさ」と声をかけるほのか。この娘は絶対に分かっててやっています。信号が青になっても止まっていたようなので先を示します。駆け足で進むなぎさ。青でも急いで渡るのはあぶないですよ。なぎさに並んでなぎさの心を読むほのか。なぎさ限定ならさなえさん並の千里眼を発揮します。
ものの見事にバレてしまっているなぎさは慌ててしまいます。道路と歩道の段差につまづき倒れそうになります。しっかし、それにしてもスカート短いな(そこしか見とらんのか)。なぎさの腕を掴んで転倒を防いだのは話題の彼藤P。ラクロスのスティックを頭にぶつけるのも構わずに藤Pに見入ります。ふと思ったのだけど、スティックがぶつかるのって(キューピットの)矢が刺さるみたいですね。なぎさビジョンによる藤P。とてもナイスガイです。なんていうか、(趣味の変わった)同性にも愛されそうなくらい艶っぽいです。「大丈夫?」と声をかける藤Pに気合入れて「めちゃめちゃ大丈夫です!」と答えるなぎさ。朝からテンション高いです。隣でほのかも目を点にしています。それにしてもスカート短いです(重要)。
②プレゼント選び
洋館。少年は椅子に座ったまま外の景色を眺めています。どうやら長いことそのままのようで執事が心配しています。少年を監視していたらしいビブリスは椅子から立ち上がると執事に少年から目を離すな、と言って部屋を出て行きます。その会話も聞いていないのかずっと外を見続ける少年。
授業中、ハッと何かに気づくひかり。
誕生日プレゼントを買いにお店にやってくるなぎさ達。しかし何を買っていいのか分かりません。そこでメップルとミップルは例によってイチャつきます。好きな人と一緒に居たいのは分かりますが自分をプレゼントするわけにはいきません。「いつも一緒」という言葉から「いつも使うもの」というキーワードを考え付くなぎさとほのか。さて、何にしましょう。
一人店内を歩くひかり。飾られたクリスマスツリーに目を輝かせます。と、窓の外で小さな男の子が走っているのを見かけます。男の子を少年とダブらせて、思わず店から出て男の子を見るひかり。勿論男の子は少年ではありません。心配するポルン。ほのかとなぎさも気づいて声をかけます。「いえ…」とだけ言って誤魔化すひかり。
誕生日プレゼントは決まったようでタオルにしたようです。「良かったですね」と微笑むひかり。ラッピングを頼もうとするなぎさをほのかは「そのままあげちゃうの?」と引き止めます。
折角あげるのなら+αを。気持ちを込めたいところ。イニシャルの刺繍。そういうのが苦手そうななぎさはちょっと困っています。しかしほのかは自分がなぎさに貰ったプレゼントである刺繍白衣のことを話します。「なぎさが私のために一生懸命やってくれたんだなぁって」ととても幸せそうな声で言います。流石ほのか嬢。いつなんどきであっても、本人が目の前でもノロケちゃいます。でも、その白衣は使ってないと思います。やる気を出すなぎさ。刺繍の方法を聞きます。
すぐ近くでそんな微笑ましい会話があるにも関わらず、空虚な雰囲気のひかり。今ひとつ焦点が定まっていません。ポルンは「同じとこばっかり拭いている」と心配します。お客さんがやってきてやっと我に返ります。ひかりの様子が変であることを気にし始めるなぎさとほのか。
夜。なぎさマンション。なぎさは刺繍をしています。下手ななぎさ。でも、どれぐらい心がこもっているかが大切とアドバイスするメップル。やる気を取り戻すなぎさ。良いコンビです。
③サッカー部を追え!(なぎさを追え!)
放課後高等部へやってくるなぎさ。単独決行です。サッカー部のグラウンドを探しますが迷ってしまいます。緊張しているなぎさはプレゼントを渡す予行練習をやってみます。丁度相撲部の部屋を出た人の前で。「ごっちゃんです」と受け取ろうとする相撲部の人。驚いたなぎさは違うと言って取り返します。その拍子に袋が破れてしまいますが、プレゼントを梱包した包み紙を抱えて走り去っていくなぎさ。ごめんなさーいと逃げるように走り去りますが、また戻ってきます。グラウンドを訪ねます。
グラウンド。重機が走ります。重機が並びます。工事中。途方に暮れるなぎさ。先ほどの相撲部の人が居たので詰め寄ります。サッカー部のことを聞くなぎさ。やっと気づいたのか謝りながら今日は市営グラウンドで練習していることを教えます。お礼を言って走り去るなぎさ。また戻ってきます。「市営グラウンドってどこですか?」忙しい娘です。
(おそらく)市営グラウンド近くの公園で商売するタコカフェ。アカネさんはひかりに声をかけますが、ひかりはやはり何かを気にしている様子でどこか上の空です。心配するポルン。
市営グラウンド目指してひた走るなぎさ。長い坂に息をつきます。先を急ぎたいところですが、タイヤがパンクして苦労しているおばさんを見過ごすことができません。普通の状態で買い物袋いっぱいなら自業自得というか普通のことなのですが、タイヤがパンクしているのは不慮の出来事。それで苦労しているのを見るのは忍びない。
相撲部の人に尋ねるほのか。相撲部の人はさっきも中等部の子に聞かれたと呟きます。ものすごい勢いでありがとうございました~と走り去っていくほのか。相撲部の人から見ると今日は不思議な日です。藤Pを追うなぎさ。なぎさを追うほのか。これで藤Pがほのか好きだったら昼ドラですが、日曜朝の番組はそんなにドロドロしていません。
無事家までおばさんを送り届けるなぎさ。お茶でもどうぞと進めるおばさんの申し出を断ります。市営グラウンドに行かなくてはなりません。それらならと示すおばさん。グラウンドは目と鼻の先です。お礼を言って去るなぎさ。いつなんどきも挨拶は欠かせません。
洋館。少年が消えた。
日も暮れ始めた頃、なぎさはようやく市営グランドにたどり着きます。
水を汲みながら少年とのことを思い返すひかり。水がポリタンクからあふれ出ていることにも気づきません。様子がおかしいひかりを心配するポルンとルルン。ふたりに大丈夫と言うひかりですが、現状でその見通しはありません。
ひかりに声をかけるほのか。いつもの場所ではないのに来ているほのかを疑問に思うひかり。ほのかは、なぎさが市営グラウンドに来ていると知って気になってと苦笑しながら答えます。なぎさがこの近くに居ると知って嬉しそうなひかり。ちょっと心細かったのかもしれません。
ひかりを心配するほのか。周りを見ているのはほのかの良い所です。基本はなぎさしか見ていませんが。ほのかは最近ひかりの様子が「変ミポー」とミップル。邪悪な気配が漂っています。
ひかりを探してアカネさんが来ます。しかし、ほのかもひかりも去った後です。ポリタンクを運びながら心配するアカネさん。店先に少年が来ています。一瞬目を放した隙に居なくなる少年。
④引き合う少年とひかり
サッカー部が練習する第8グラウンドを探すなぎさ。メップルが警戒の声をあげます。しかし無視するなぎさ。頭が藤Pでいっぱいになっています。案内板で現在地と目的地を確認しているところにほのかとひかりが駆けつけます。邪悪な気配を察知するメップルとミップル。ひかりは夕日に立つ少年を見ます(直接視認ではなくその光景を感じ取っているものと思われる)。「あの子だ…」と呟くひかりに「そんなんじゃないポポ」とポルン達。メップル達が感じてるのはもっと近くのもっとまがまがしい気配。
ひかりの後ろに現れるバルデス。少年とひかりの引き合う力が強まっていると言います。ひかりに対しクイーンの復活の準備が整ってきていると言います。思わずひかりを見るなぎさとほのか。今のバランスを崩したくないバルデスはひかりと少年を会わせたくないようです。ザケンナーを召還します。こちらも変身です。
ザケンナーは胴部のライトを光らせます。とそこから勢い良く放たれるミサイル。おおっ、なんて機能的!ミサイル群を回避するプリキュア。しかしザケンナーは再装填、再度放ちます。便利です。上空でミサイルを回避して二手に分かれるプリキュアですがザケンナーの翼に引っかかってしまいます。そのまま地面に叩きつけられるプリキュア。起き上がったところでミサイルの嵐です。爆発に飛ばされるプリキュアとプレゼント。やっべ、このザケンナーカッコイイ。
ひかりもルミナスへと変身します。ブローチェ装着。ルミナスを囲む九つの灯り。そこに浮き上がるハーティエル達。皆さり気に自分のアイテム持ってます。分かりやすい。それに何かを気づくバルデス。
プリキュアのもとに駆けつけるルミナス。その後ろに降り立つザケンナー。再装填されるミサイル。バルデスは攻撃を命じます。お前先週手を出すなとか言ってなかったか?
放たれるミサイル。ルミナスはルルンの名を叫びます。ルルンの「光が未来を照らすルル~」の言葉に呼応して能動的防御結界(守るために相手をつぶすんで勝手にそう呼んでいる)が広がります。ことごとく結界に阻まれるミサイル。カッコイイ。
それを見るバルデスは満足気です。わざと攻撃させたのはルミナスの力を発揮させるため。クイーンとジャアクキングが連動しているのなら、ルミナスの力を高めることで少年の中に眠る力を目覚めさせようとしているようです。上空に退避するザケンナー。流石に結界も遠くまではその力が及びません。
起き上がって体勢を整えたブラックは、こうなったらパワーで勝負(最初っからあんたにはそれしかないだろ)とばかりに柱を利用して空中にいるザケンナーに強烈なキックをお見舞いします。失速するザケンナーを今度はホワイトが投げ飛ばします。起き上がるザケンナー。そこに「力を合わせるポポ」の声。プリキュアの後ろに立つルミナス。良いタイミングだ。エキストリーム・ルミナリオによりザケンナーは消滅します。
少年を連れて帰るビブリスとバルデス。少年の疑問に誰も答えません。
どこか上の空のルミナス。駆け寄るプリキュア。クイーンの復活のことが気になります。何が起こり、どうなるのか。
⑤プレゼントを渡せ
ボロボロになった袋を見て泣くなぎさ。それを見たほのかとひかりはなぎさを励まします。ひかりの言い方がちょっと面白いです。
都合の良いことにグラウンドに一人残る藤P。ほのかに押されて出てくるなぎさ。目が合うなぎさと藤P。思わず顔を赤らめて立ち退くなぎさ。なぎさの後ろでは物陰に隠れたほのかとひかりがその様子を伺います。ひかりの隠れ方はちょっとどうかと思いますが、ひかりらしくて好きです。なぎさに近づく藤P。リボンに巻かれた刺繍の入ったタオルを後ろ手に持つなぎさ。上手く藤Pに言えません。物陰から応援するほのかとひかり。ひかりの背中にのったポルンとルルンが無表情で面白いです。
ついにプレゼントを差し出し、おめでとうの言葉を言うなぎさ。嬉しそうに爽やかに受け取る藤P。どこまでもナイスガイです。ちょっと不器用に歪んだ刺繍を見てそっと微笑む藤P。藤Pは「ありがとう」となぎさに言います。なぎさの想いに応えるにはその一言で必要十分です。
藤Pの後姿を見送り居なくなったところでほのかとひかりはなぎさのもとに来ます。なぎさは満面の笑みを浮かべてほのかとひかりにタッチします。なんだこの萌えシーンは!
「生きる喜び、それも愛あればこそですね」と出てくるハーティエル-ラブラン-
なぎさ・ほのか・ひかり・メップル・ミップル・ポルン・ルルン、一人の喜びを皆で分かち合います。ルルンはよく分かってないかもしれませんが。なぎさと藤Pがどうのこうのとかそんなんどうでもよくなるくらいやっぱりこの三人なラストは最高。
⑥次回予告
ダブルデートってやつですか。とりあえず、木俣帰れ。なっ、分かってるだろ?(酷いな、おい)
○トピック
素敵なエピソード。本筋としてなぎさと藤Pの話なんだけど、そこには想いを込めること・伝えることのテーマがあり、それにちゃんと気づいて応える藤Pとそれを喜び合うほのかとひかり達の姿が描かれているのが素敵。この清清しさと暖かさはプリキュアの良い所。
ひかりと少年の話はさらに進行。ストーリーとしては終盤を思わせるものですが、そのおかげでひかりの表情に陰りが出てくるのがちょっと切ない。もっとこう、元気な笑顔が見たいです。その辺は映画で補充はしてるんですけどね。さてさてどうなることやら。
改めて思いましたが、ひかりと少年が連動しているのって便利な話ですね。だって、要は片方が成長すれば最終的にもう片方も追いついて帳尻が合うんですよね。少年が成長しないのはそれはそれで意味があるのでしょうが、結果としてひかりの成長をメインで見せてきたのは正しいことだったと思います。
映画を見たんで関連して書きますが、映画見なくていいや、DVDでいいやって思うのはお勧めしないです。特にプリキュア好きで見ている人には。この時期に映画をやること、それを見ることの意味が明確にあります。本編に直接話は絡まないでしょうが、映画に込められた意味は本編の行く手を指し示すものです。
①朝からMaxHeart
若葉台駅を降りるなぎさ。心中は誕生日が近い藤Pのことです。個人的には信号待ちしているなぎさの隣の娘が気になります。今年こそ渡したいプレゼント。ちょこっとの勇気。一つを犠牲にする勇気ではありません(仮面ライダー龍騎のネタ)。朝から気合を入れるなぎさ。そこに「おはよう、なぎさ」と声をかけるほのか。この娘は絶対に分かっててやっています。信号が青になっても止まっていたようなので先を示します。駆け足で進むなぎさ。青でも急いで渡るのはあぶないですよ。なぎさに並んでなぎさの心を読むほのか。なぎさ限定ならさなえさん並の千里眼を発揮します。
ものの見事にバレてしまっているなぎさは慌ててしまいます。道路と歩道の段差につまづき倒れそうになります。しっかし、それにしてもスカート短いな(そこしか見とらんのか)。なぎさの腕を掴んで転倒を防いだのは話題の彼藤P。ラクロスのスティックを頭にぶつけるのも構わずに藤Pに見入ります。ふと思ったのだけど、スティックがぶつかるのって(キューピットの)矢が刺さるみたいですね。なぎさビジョンによる藤P。とてもナイスガイです。なんていうか、(趣味の変わった)同性にも愛されそうなくらい艶っぽいです。「大丈夫?」と声をかける藤Pに気合入れて「めちゃめちゃ大丈夫です!」と答えるなぎさ。朝からテンション高いです。隣でほのかも目を点にしています。それにしてもスカート短いです(重要)。
②プレゼント選び
洋館。少年は椅子に座ったまま外の景色を眺めています。どうやら長いことそのままのようで執事が心配しています。少年を監視していたらしいビブリスは椅子から立ち上がると執事に少年から目を離すな、と言って部屋を出て行きます。その会話も聞いていないのかずっと外を見続ける少年。
授業中、ハッと何かに気づくひかり。
誕生日プレゼントを買いにお店にやってくるなぎさ達。しかし何を買っていいのか分かりません。そこでメップルとミップルは例によってイチャつきます。好きな人と一緒に居たいのは分かりますが自分をプレゼントするわけにはいきません。「いつも一緒」という言葉から「いつも使うもの」というキーワードを考え付くなぎさとほのか。さて、何にしましょう。
一人店内を歩くひかり。飾られたクリスマスツリーに目を輝かせます。と、窓の外で小さな男の子が走っているのを見かけます。男の子を少年とダブらせて、思わず店から出て男の子を見るひかり。勿論男の子は少年ではありません。心配するポルン。ほのかとなぎさも気づいて声をかけます。「いえ…」とだけ言って誤魔化すひかり。
誕生日プレゼントは決まったようでタオルにしたようです。「良かったですね」と微笑むひかり。ラッピングを頼もうとするなぎさをほのかは「そのままあげちゃうの?」と引き止めます。
折角あげるのなら+αを。気持ちを込めたいところ。イニシャルの刺繍。そういうのが苦手そうななぎさはちょっと困っています。しかしほのかは自分がなぎさに貰ったプレゼントである刺繍白衣のことを話します。「なぎさが私のために一生懸命やってくれたんだなぁって」ととても幸せそうな声で言います。流石ほのか嬢。いつなんどきであっても、本人が目の前でもノロケちゃいます。でも、その白衣は使ってないと思います。やる気を出すなぎさ。刺繍の方法を聞きます。
すぐ近くでそんな微笑ましい会話があるにも関わらず、空虚な雰囲気のひかり。今ひとつ焦点が定まっていません。ポルンは「同じとこばっかり拭いている」と心配します。お客さんがやってきてやっと我に返ります。ひかりの様子が変であることを気にし始めるなぎさとほのか。
夜。なぎさマンション。なぎさは刺繍をしています。下手ななぎさ。でも、どれぐらい心がこもっているかが大切とアドバイスするメップル。やる気を取り戻すなぎさ。良いコンビです。
③サッカー部を追え!(なぎさを追え!)
放課後高等部へやってくるなぎさ。単独決行です。サッカー部のグラウンドを探しますが迷ってしまいます。緊張しているなぎさはプレゼントを渡す予行練習をやってみます。丁度相撲部の部屋を出た人の前で。「ごっちゃんです」と受け取ろうとする相撲部の人。驚いたなぎさは違うと言って取り返します。その拍子に袋が破れてしまいますが、プレゼントを梱包した包み紙を抱えて走り去っていくなぎさ。ごめんなさーいと逃げるように走り去りますが、また戻ってきます。グラウンドを訪ねます。
グラウンド。重機が走ります。重機が並びます。工事中。途方に暮れるなぎさ。先ほどの相撲部の人が居たので詰め寄ります。サッカー部のことを聞くなぎさ。やっと気づいたのか謝りながら今日は市営グラウンドで練習していることを教えます。お礼を言って走り去るなぎさ。また戻ってきます。「市営グラウンドってどこですか?」忙しい娘です。
(おそらく)市営グラウンド近くの公園で商売するタコカフェ。アカネさんはひかりに声をかけますが、ひかりはやはり何かを気にしている様子でどこか上の空です。心配するポルン。
市営グラウンド目指してひた走るなぎさ。長い坂に息をつきます。先を急ぎたいところですが、タイヤがパンクして苦労しているおばさんを見過ごすことができません。普通の状態で買い物袋いっぱいなら自業自得というか普通のことなのですが、タイヤがパンクしているのは不慮の出来事。それで苦労しているのを見るのは忍びない。
相撲部の人に尋ねるほのか。相撲部の人はさっきも中等部の子に聞かれたと呟きます。ものすごい勢いでありがとうございました~と走り去っていくほのか。相撲部の人から見ると今日は不思議な日です。藤Pを追うなぎさ。なぎさを追うほのか。これで藤Pがほのか好きだったら昼ドラですが、日曜朝の番組はそんなにドロドロしていません。
無事家までおばさんを送り届けるなぎさ。お茶でもどうぞと進めるおばさんの申し出を断ります。市営グラウンドに行かなくてはなりません。それらならと示すおばさん。グラウンドは目と鼻の先です。お礼を言って去るなぎさ。いつなんどきも挨拶は欠かせません。
洋館。少年が消えた。
日も暮れ始めた頃、なぎさはようやく市営グランドにたどり着きます。
水を汲みながら少年とのことを思い返すひかり。水がポリタンクからあふれ出ていることにも気づきません。様子がおかしいひかりを心配するポルンとルルン。ふたりに大丈夫と言うひかりですが、現状でその見通しはありません。
ひかりに声をかけるほのか。いつもの場所ではないのに来ているほのかを疑問に思うひかり。ほのかは、なぎさが市営グラウンドに来ていると知って気になってと苦笑しながら答えます。なぎさがこの近くに居ると知って嬉しそうなひかり。ちょっと心細かったのかもしれません。
ひかりを心配するほのか。周りを見ているのはほのかの良い所です。基本はなぎさしか見ていませんが。ほのかは最近ひかりの様子が「変ミポー」とミップル。邪悪な気配が漂っています。
ひかりを探してアカネさんが来ます。しかし、ほのかもひかりも去った後です。ポリタンクを運びながら心配するアカネさん。店先に少年が来ています。一瞬目を放した隙に居なくなる少年。
④引き合う少年とひかり
サッカー部が練習する第8グラウンドを探すなぎさ。メップルが警戒の声をあげます。しかし無視するなぎさ。頭が藤Pでいっぱいになっています。案内板で現在地と目的地を確認しているところにほのかとひかりが駆けつけます。邪悪な気配を察知するメップルとミップル。ひかりは夕日に立つ少年を見ます(直接視認ではなくその光景を感じ取っているものと思われる)。「あの子だ…」と呟くひかりに「そんなんじゃないポポ」とポルン達。メップル達が感じてるのはもっと近くのもっとまがまがしい気配。
ひかりの後ろに現れるバルデス。少年とひかりの引き合う力が強まっていると言います。ひかりに対しクイーンの復活の準備が整ってきていると言います。思わずひかりを見るなぎさとほのか。今のバランスを崩したくないバルデスはひかりと少年を会わせたくないようです。ザケンナーを召還します。こちらも変身です。
ザケンナーは胴部のライトを光らせます。とそこから勢い良く放たれるミサイル。おおっ、なんて機能的!ミサイル群を回避するプリキュア。しかしザケンナーは再装填、再度放ちます。便利です。上空でミサイルを回避して二手に分かれるプリキュアですがザケンナーの翼に引っかかってしまいます。そのまま地面に叩きつけられるプリキュア。起き上がったところでミサイルの嵐です。爆発に飛ばされるプリキュアとプレゼント。やっべ、このザケンナーカッコイイ。
ひかりもルミナスへと変身します。ブローチェ装着。ルミナスを囲む九つの灯り。そこに浮き上がるハーティエル達。皆さり気に自分のアイテム持ってます。分かりやすい。それに何かを気づくバルデス。
プリキュアのもとに駆けつけるルミナス。その後ろに降り立つザケンナー。再装填されるミサイル。バルデスは攻撃を命じます。お前先週手を出すなとか言ってなかったか?
放たれるミサイル。ルミナスはルルンの名を叫びます。ルルンの「光が未来を照らすルル~」の言葉に呼応して能動的防御結界(守るために相手をつぶすんで勝手にそう呼んでいる)が広がります。ことごとく結界に阻まれるミサイル。カッコイイ。
それを見るバルデスは満足気です。わざと攻撃させたのはルミナスの力を発揮させるため。クイーンとジャアクキングが連動しているのなら、ルミナスの力を高めることで少年の中に眠る力を目覚めさせようとしているようです。上空に退避するザケンナー。流石に結界も遠くまではその力が及びません。
起き上がって体勢を整えたブラックは、こうなったらパワーで勝負(最初っからあんたにはそれしかないだろ)とばかりに柱を利用して空中にいるザケンナーに強烈なキックをお見舞いします。失速するザケンナーを今度はホワイトが投げ飛ばします。起き上がるザケンナー。そこに「力を合わせるポポ」の声。プリキュアの後ろに立つルミナス。良いタイミングだ。エキストリーム・ルミナリオによりザケンナーは消滅します。
少年を連れて帰るビブリスとバルデス。少年の疑問に誰も答えません。
どこか上の空のルミナス。駆け寄るプリキュア。クイーンの復活のことが気になります。何が起こり、どうなるのか。
⑤プレゼントを渡せ
ボロボロになった袋を見て泣くなぎさ。それを見たほのかとひかりはなぎさを励まします。ひかりの言い方がちょっと面白いです。
都合の良いことにグラウンドに一人残る藤P。ほのかに押されて出てくるなぎさ。目が合うなぎさと藤P。思わず顔を赤らめて立ち退くなぎさ。なぎさの後ろでは物陰に隠れたほのかとひかりがその様子を伺います。ひかりの隠れ方はちょっとどうかと思いますが、ひかりらしくて好きです。なぎさに近づく藤P。リボンに巻かれた刺繍の入ったタオルを後ろ手に持つなぎさ。上手く藤Pに言えません。物陰から応援するほのかとひかり。ひかりの背中にのったポルンとルルンが無表情で面白いです。
ついにプレゼントを差し出し、おめでとうの言葉を言うなぎさ。嬉しそうに爽やかに受け取る藤P。どこまでもナイスガイです。ちょっと不器用に歪んだ刺繍を見てそっと微笑む藤P。藤Pは「ありがとう」となぎさに言います。なぎさの想いに応えるにはその一言で必要十分です。
藤Pの後姿を見送り居なくなったところでほのかとひかりはなぎさのもとに来ます。なぎさは満面の笑みを浮かべてほのかとひかりにタッチします。なんだこの萌えシーンは!
「生きる喜び、それも愛あればこそですね」と出てくるハーティエル-ラブラン-
なぎさ・ほのか・ひかり・メップル・ミップル・ポルン・ルルン、一人の喜びを皆で分かち合います。ルルンはよく分かってないかもしれませんが。なぎさと藤Pがどうのこうのとかそんなんどうでもよくなるくらいやっぱりこの三人なラストは最高。
⑥次回予告
ダブルデートってやつですか。とりあえず、木俣帰れ。なっ、分かってるだろ?(酷いな、おい)
○トピック
素敵なエピソード。本筋としてなぎさと藤Pの話なんだけど、そこには想いを込めること・伝えることのテーマがあり、それにちゃんと気づいて応える藤Pとそれを喜び合うほのかとひかり達の姿が描かれているのが素敵。この清清しさと暖かさはプリキュアの良い所。
ひかりと少年の話はさらに進行。ストーリーとしては終盤を思わせるものですが、そのおかげでひかりの表情に陰りが出てくるのがちょっと切ない。もっとこう、元気な笑顔が見たいです。その辺は映画で補充はしてるんですけどね。さてさてどうなることやら。
改めて思いましたが、ひかりと少年が連動しているのって便利な話ですね。だって、要は片方が成長すれば最終的にもう片方も追いついて帳尻が合うんですよね。少年が成長しないのはそれはそれで意味があるのでしょうが、結果としてひかりの成長をメインで見せてきたのは正しいことだったと思います。
映画を見たんで関連して書きますが、映画見なくていいや、DVDでいいやって思うのはお勧めしないです。特にプリキュア好きで見ている人には。この時期に映画をやること、それを見ることの意味が明確にあります。本編に直接話は絡まないでしょうが、映画に込められた意味は本編の行く手を指し示すものです。
第40話「ふたりは最高!全開バリバリなぎさと亮太!!」
○今週の出来事
①亮太の密かな活躍
マンション。先日校内バドミントン大会で優勝したらしい亮太は地元クラブの練習に参加することになりました。その付き添いを頼まれるなぎさ。将来はオリンピック選手・・・期待する母。なぎさも感心します。しかし亮太はなぎさと行くことを拒みます。疑問に思うなぎさに母は照れくさいからと教えます。よくわからないなぎさ。甘えん坊のお姉ちゃん子ではないのでそこは難しいところです。
②試合前から姦しい
当日朝。走るなぎさ。亮太はバスに乗っています。寝坊したようです。そのままバスは目的地へと走ります。
洋館。ブランコで遊ぶ少年。ビブリスは執事を呼び、少年に変わった様子はないか?と聞きます。特に変わった様子はありません。バルデスは何か知っているようですが、全く目覚める気配の無い少年に焦りを感じるビブリス。森の外へと歩き出します。
少年はひかりを思い浮かべます。
同時刻。ひかりも少年を意識します。何故気になるのかと自問するひかり。誰も答えてはくれません。
会場に着く亮太を待っていたのはほのか。なぎさの姿が見当たらず尋ねます。亮太は流石に置いてきたとは言えないので、逆に何故居るのかと尋ねます。昨夜なぎさに誘われたと答えるほのか。なぎさの気遣いに目を輝かす亮太。お姉ちゃん子です。ほのかの応援に「ハイ」と応えます。しかし、そんな爽やかな雰囲気も束の間、亮太を呼ぶ声。なぎさが猛烈な勢いで走ってきます。とっさにほのかの後ろに隠れる亮太。なぎさは今にも掴みかからんばかりの勢いです。ほのかの胸を触ろうとしているようにも見えなくありませんが気のせいでしょう。ふたりに挟まれてほのかも大変です。寝坊したなぎさが悪いと言う亮太になぎさも言い返せません。「べー」をする亮太。
しっかりとゲンコツを貰ったようで頭を抑える亮太。凶暴な姉を持つ弟は大変です。お姉ちゃん子ですが。
コートで練習している人の中で一際異彩を放つ少年。どうやら地区大会で準優勝した実力者のようです。名前は高田君。と説明する柴田君。お互い自己紹介して握手します。さり気にこの作品の基本です。小さい頃に父親とバドミントンするのが好きだったと話す柴田少年。今日は自分の力を試したくて来たと話します。同意する亮太。お話としては前回の流れを踏襲しているようです。高田君の練習を見てレベル高そうと口にする柴田君。同意する亮太。
観客席にいるなぎさ達も同じ感想を持ちます。しかし、なぎさはトップレベルに行くでしょうと楽観的なのか亮太を信じているのか分かりませんが、この娘も何だかんだで弟好きです。と、会場に入ってきたひかりに気づいて呼ぶなぎさ。ひかりにも話していたようです。モテモテねと亮太に話しかけるなぎさ。お節介なお姉ちゃんです。流石にプレッシャーを与えすぎなのではと心配するほのかですが、なぎさは大丈夫と構わないようです。当の本人は顔を真っ赤にして恥ずかしがっている様子。
③強敵現る
クラブの人の号令で集まる少年少女達。今日の概要と試合の組み合わせを説明します。亮太は先ほど話していた柴田君とペアです。これも縁でしょうか。相手チームは高田君ペア。これも縁でしょうか。前途多難です。高田君は爽やかな顔で「よろしく」と声をかけます。でも手に持ったラケットの上ではシャトル(玉)が起用に踊っています。顔は爽やかですがそこには無言プレッシャー。この少年はやり手です。心理戦というものを分かっています。この程度の腹黒さはほのかからすれば雑兵レベルですが亮太には強敵です。
亮太に声援をおくるなぎさに、亮太は静かにしてと注意します。しかしほのかの声援には素直に応えます。さらにひかりの声援にも応えます。確かにモテモテです。私にも分けてください。主にほのかとひかりを。愚痴たれるなぎさにぞんざいに答える亮太。こういう時に身内は恥ずかしいものです。試合が始まります。コートに向かう亮太にもう一度声援をおくるなぎさですがやっぱり反応は悪いです。ガックリするなぎさ。
良いお姉さんだねと物分りの良さそうな柴田君に亮太はそうでもないよ、と返します。
試合開始。高田君ペアに先制されます。大声で亮太にアドバイスをおくるなぎさ。うるさい観客です。選手の気が散るのでマナーを守りましょう。またも点を取られてしまいます。なぎさは立ち上がって身振り手振りでアドバイスというか声援をおくります。とてもうるさい観客です。あんまりうるさいと警備員さんが来てしまいます。ほのかもひかりも流石にたじろぎます。そんなことにはお構いなしのなぎさは続けます。会場の選手や客席から笑い声。ようやくそのことに気づいたのか、暑さのせいではない嫌な汗を滝のように流すなぎさ。亮太は気を取り直して試合に臨みます。
会場前玄関。ビブリスが訪れます。流石にこの格好だと保護者です、で通じなさそうです。
④初心
試合は続きます。現在10対7で高田君ペアのリードです。っていうか、7点も取れているのがスゴイと思うのは亮太&柴田君に失礼でしょうか。もしくは高田君と組んでいる松本君が下手なのか。
客席から見守るなぎさは「力が入りすぎ」とメップルを力強く握り締めます。苦しがるメップル。まずあなたがリラックスしてください。といっている内に1点取られてしまいます。しかし、一体何回亮太は転んでいるのでしょうか。意外と転ぶのも体力使うと思うのですが。
思わず立ち上がったものの、かける言葉を持たないなぎさは席に着きます。先ほどとは打って変わって意気消沈しているなぎさを気遣ってか動きが堅いみたいね、と亮太のことを口にするほのか。余裕が無くて楽しく無さそうな亮太を心配するなぎさ。そこでほのかは「今こそなぎさの出番よ」と言います。いきなり何を言い出すんだこの娘は。なぎさなら亮太を気づかせられると言います。同意するひかり。また点が取られます。なぎさは思わず「タイム!」と言います。ものの見事に出番を作っています。微妙に迷惑そうな不振そうな顔で「なんですか?」と尋ねるクラブの人。内心ではさっきからうるさい身内だなと思っていることでしょう。靴紐が緩んでいると言って中断してもらいます。
靴紐の件は勿論嘘ですが、靴紐を結びながらなぎさは亮太にバドミントンをする本来の気持ち、本来の姿をそれとなく気づかせるように話します。こういう時のなぎさはとびきりカッコイイお姉ちゃんです。悟った亮太は柴田君に楽しもうと話します。リラックスするふたり。素直で良い子達です。単純とか口車に乗せられやすいとか言っちゃだめです。
動きが良くなり1点返します。
⑤クイーンの命と少年
さて、そろそろです。すぐそこまで邪悪な気配が来ています。具体的に言うと正面です。って遅すぎるだろその探知。視認できる距離までしか測れないんかい。ビブリス。どうやら入れたようです。受付で一悶着あったかもしれません。「お客様、コスプレはご遠慮願います」とか。
虹の園の者ですら成長するのに何故あのお方は変わらない!?と語気荒く言うビブリス。意味が分からない三人。きっとその理由はひかりのせいだと決め付けるビブリス。とんだとばっちりです。ビブリスは目をかっと見開き辺りを閃光に包みます。気づくと廃墟になっている体育館とその周辺。変身です。
戦闘開始。何か15話で見たような戦闘です。ビブリスの光弾で飛ばされるプリキュア。瓦礫も落ちてきて動きが封じられます。憎憎しくひかりを見るビブリス。ひかりの驚きと同期するように少年も何かに気づきます。傍に居たバルデスは気づいたようです。ひかりも変身します。九つの光を纏うルミナス。ますます強そうですが、相変わらず戦闘力は皆無に等しいです。
ビブリスの光弾を回避して逃げるルミナス。追撃するビブリスにネズミのように身を縮こまらせます。その瞬間、少年が止めようとする光景が入ります。ルミナスの目前で止まる手。ビブリスを止めたのはバルデス。聞き分けの無い子を抱える親みたいです。身をよじるビブリスですがバルデスは抱えたままです。微動だにしません。ビブリスも本気でしょうから、密かにこれはすごい力関係です。バルデスの言うことが分からないと抗議しますが、その内分かるとだけ答えるバルデス。いや、その説明じゃ分からんでしょ。ルミナスは怯えて身動き一つとれません。プリキュアの声にも気づいていません。
鬼気とした表情でビブリスはそのままの体勢で光弾を放ちます。これまで以上に大きくまがまがしい力。ルミナスは無意識なのか単にルルンの掛け声を省略しているのか分かりませんが、例の無敵防御結界を発動します。迫る邪悪な光。と同時にブラックがルミナスを抱えて退避させます。闇の者は遠慮なく弾く結界ですが光の使者はOKなのかグンニャリと風船のように凹みます。大爆発。ブラックはルミナスを抱えて床を転がります。結界が耐えられたかは不明ですが、結果オーライです。ホワイトも合流します。体勢を整えて構えます。戦士の表情のプリキュア。不安顔のルミナス。イマイチ締まりません。ルミナスが本来の力と意志を持てば4人同時だろうが何だろうが敵ではなさそうですが、不安定なキャラなので難しいところです。ビブリスとバルデスは姿を消しています。上空でまだ抗議しているビブリス。バルデスは頭を冷やせと言います。クイーンの命には手を出してはイカンそうです。分かりましたか?サーキュラス。
⑥姉弟
試合再会。試合の結果は結局負けてしまいました。でも悔いは無いふたり。楽しそうです。クラブの人から声を掛けられます。どうやら入会OKのようです。スポーツを楽しむ心がある子を入れているようです。高田君達からも一緒にやろうと声をかけられます。高田君普通に良い人そうです。客席から笑顔で見守る三人。なぎさとほのかが見詰め合っているように見えて、ひかりが取り残されているように見えなくもありません。いえ実際、なぎさの身内のことなのでほのかもひかりもなぎさの方を見ているだけなのでしょうけど。
食器を洗うのを手伝うなぎさに母はなぎさの功績を褒めます。亮太から言われたようです。しかし、肝心のなぎさは知りません。なぎさに背を向けながら、亮太はちょっと大人びた表情でお礼を言います。しかしすぐに悪態をつきます。結局ケンカになるふたり。仲の良い姉弟です。
⑦次回予告
クリスマス展開でしょうか。っていうか、藤Pてこんなにカッコよかったっけ?
○トピック
前回の亮太版。それに伴い視聴者層により分かりやすくなっています。勝てなかったのも、脇役の辛いところというか、負けさせる調度良い機会・・・ってわけでもないでしょうが、負けても楽しむことが大事という意識を主人公側が見せたお話(主人公自身は敗北しないのが流石子ども番組)。なんだかんだでなぎさは回りに元気を振り撒きます。
あと、やっぱり世界観的に広がっていて、亮太のみにテーマが伝わるのではなく、亮太をつうじて回りの子まで影響を与えていることからもマックスハートな展開ですね。輪が拡張される方向に動いています。
最近出番がめっきり減ってセリフも少ないひかりですが、水面下では少年との関係が進んでいる様子(こう書くとゴシップ記事みたいだなぁ)。って言っても、おそらく本格的に進むのは最終回数話手前あたりからでしょうからまったり見ています。
ちなみに、ルミナスを不安定なキャラって書きましたけど、別に脚本とか演出が不安定なのではなく、彼女はプリキュアのようにどんな敵にも、どんな時にでも立ち向かえる意志を持っていないということです。だから、具体的守る対象がいないと力がでないし、単独だとしりごみしてしまいます。自分で自分を支えきれないんですね。意志を持つ時はおそらくハーティエルが統べて揃う時でしょう。つまりはクイーンの命、心、ハーティエルの3つの要素が揃う時。その時に何が起こるのか、どんだけカッコイイルミナスが見れるのかが楽しみです。
①亮太の密かな活躍
マンション。先日校内バドミントン大会で優勝したらしい亮太は地元クラブの練習に参加することになりました。その付き添いを頼まれるなぎさ。将来はオリンピック選手・・・期待する母。なぎさも感心します。しかし亮太はなぎさと行くことを拒みます。疑問に思うなぎさに母は照れくさいからと教えます。よくわからないなぎさ。甘えん坊のお姉ちゃん子ではないのでそこは難しいところです。
②試合前から姦しい
当日朝。走るなぎさ。亮太はバスに乗っています。寝坊したようです。そのままバスは目的地へと走ります。
洋館。ブランコで遊ぶ少年。ビブリスは執事を呼び、少年に変わった様子はないか?と聞きます。特に変わった様子はありません。バルデスは何か知っているようですが、全く目覚める気配の無い少年に焦りを感じるビブリス。森の外へと歩き出します。
少年はひかりを思い浮かべます。
同時刻。ひかりも少年を意識します。何故気になるのかと自問するひかり。誰も答えてはくれません。
会場に着く亮太を待っていたのはほのか。なぎさの姿が見当たらず尋ねます。亮太は流石に置いてきたとは言えないので、逆に何故居るのかと尋ねます。昨夜なぎさに誘われたと答えるほのか。なぎさの気遣いに目を輝かす亮太。お姉ちゃん子です。ほのかの応援に「ハイ」と応えます。しかし、そんな爽やかな雰囲気も束の間、亮太を呼ぶ声。なぎさが猛烈な勢いで走ってきます。とっさにほのかの後ろに隠れる亮太。なぎさは今にも掴みかからんばかりの勢いです。ほのかの胸を触ろうとしているようにも見えなくありませんが気のせいでしょう。ふたりに挟まれてほのかも大変です。寝坊したなぎさが悪いと言う亮太になぎさも言い返せません。「べー」をする亮太。
しっかりとゲンコツを貰ったようで頭を抑える亮太。凶暴な姉を持つ弟は大変です。お姉ちゃん子ですが。
コートで練習している人の中で一際異彩を放つ少年。どうやら地区大会で準優勝した実力者のようです。名前は高田君。と説明する柴田君。お互い自己紹介して握手します。さり気にこの作品の基本です。小さい頃に父親とバドミントンするのが好きだったと話す柴田少年。今日は自分の力を試したくて来たと話します。同意する亮太。お話としては前回の流れを踏襲しているようです。高田君の練習を見てレベル高そうと口にする柴田君。同意する亮太。
観客席にいるなぎさ達も同じ感想を持ちます。しかし、なぎさはトップレベルに行くでしょうと楽観的なのか亮太を信じているのか分かりませんが、この娘も何だかんだで弟好きです。と、会場に入ってきたひかりに気づいて呼ぶなぎさ。ひかりにも話していたようです。モテモテねと亮太に話しかけるなぎさ。お節介なお姉ちゃんです。流石にプレッシャーを与えすぎなのではと心配するほのかですが、なぎさは大丈夫と構わないようです。当の本人は顔を真っ赤にして恥ずかしがっている様子。
③強敵現る
クラブの人の号令で集まる少年少女達。今日の概要と試合の組み合わせを説明します。亮太は先ほど話していた柴田君とペアです。これも縁でしょうか。相手チームは高田君ペア。これも縁でしょうか。前途多難です。高田君は爽やかな顔で「よろしく」と声をかけます。でも手に持ったラケットの上ではシャトル(玉)が起用に踊っています。顔は爽やかですがそこには無言プレッシャー。この少年はやり手です。心理戦というものを分かっています。この程度の腹黒さはほのかからすれば雑兵レベルですが亮太には強敵です。
亮太に声援をおくるなぎさに、亮太は静かにしてと注意します。しかしほのかの声援には素直に応えます。さらにひかりの声援にも応えます。確かにモテモテです。私にも分けてください。主にほのかとひかりを。愚痴たれるなぎさにぞんざいに答える亮太。こういう時に身内は恥ずかしいものです。試合が始まります。コートに向かう亮太にもう一度声援をおくるなぎさですがやっぱり反応は悪いです。ガックリするなぎさ。
良いお姉さんだねと物分りの良さそうな柴田君に亮太はそうでもないよ、と返します。
試合開始。高田君ペアに先制されます。大声で亮太にアドバイスをおくるなぎさ。うるさい観客です。選手の気が散るのでマナーを守りましょう。またも点を取られてしまいます。なぎさは立ち上がって身振り手振りでアドバイスというか声援をおくります。とてもうるさい観客です。あんまりうるさいと警備員さんが来てしまいます。ほのかもひかりも流石にたじろぎます。そんなことにはお構いなしのなぎさは続けます。会場の選手や客席から笑い声。ようやくそのことに気づいたのか、暑さのせいではない嫌な汗を滝のように流すなぎさ。亮太は気を取り直して試合に臨みます。
会場前玄関。ビブリスが訪れます。流石にこの格好だと保護者です、で通じなさそうです。
④初心
試合は続きます。現在10対7で高田君ペアのリードです。っていうか、7点も取れているのがスゴイと思うのは亮太&柴田君に失礼でしょうか。もしくは高田君と組んでいる松本君が下手なのか。
客席から見守るなぎさは「力が入りすぎ」とメップルを力強く握り締めます。苦しがるメップル。まずあなたがリラックスしてください。といっている内に1点取られてしまいます。しかし、一体何回亮太は転んでいるのでしょうか。意外と転ぶのも体力使うと思うのですが。
思わず立ち上がったものの、かける言葉を持たないなぎさは席に着きます。先ほどとは打って変わって意気消沈しているなぎさを気遣ってか動きが堅いみたいね、と亮太のことを口にするほのか。余裕が無くて楽しく無さそうな亮太を心配するなぎさ。そこでほのかは「今こそなぎさの出番よ」と言います。いきなり何を言い出すんだこの娘は。なぎさなら亮太を気づかせられると言います。同意するひかり。また点が取られます。なぎさは思わず「タイム!」と言います。ものの見事に出番を作っています。微妙に迷惑そうな不振そうな顔で「なんですか?」と尋ねるクラブの人。内心ではさっきからうるさい身内だなと思っていることでしょう。靴紐が緩んでいると言って中断してもらいます。
靴紐の件は勿論嘘ですが、靴紐を結びながらなぎさは亮太にバドミントンをする本来の気持ち、本来の姿をそれとなく気づかせるように話します。こういう時のなぎさはとびきりカッコイイお姉ちゃんです。悟った亮太は柴田君に楽しもうと話します。リラックスするふたり。素直で良い子達です。単純とか口車に乗せられやすいとか言っちゃだめです。
動きが良くなり1点返します。
⑤クイーンの命と少年
さて、そろそろです。すぐそこまで邪悪な気配が来ています。具体的に言うと正面です。って遅すぎるだろその探知。視認できる距離までしか測れないんかい。ビブリス。どうやら入れたようです。受付で一悶着あったかもしれません。「お客様、コスプレはご遠慮願います」とか。
虹の園の者ですら成長するのに何故あのお方は変わらない!?と語気荒く言うビブリス。意味が分からない三人。きっとその理由はひかりのせいだと決め付けるビブリス。とんだとばっちりです。ビブリスは目をかっと見開き辺りを閃光に包みます。気づくと廃墟になっている体育館とその周辺。変身です。
戦闘開始。何か15話で見たような戦闘です。ビブリスの光弾で飛ばされるプリキュア。瓦礫も落ちてきて動きが封じられます。憎憎しくひかりを見るビブリス。ひかりの驚きと同期するように少年も何かに気づきます。傍に居たバルデスは気づいたようです。ひかりも変身します。九つの光を纏うルミナス。ますます強そうですが、相変わらず戦闘力は皆無に等しいです。
ビブリスの光弾を回避して逃げるルミナス。追撃するビブリスにネズミのように身を縮こまらせます。その瞬間、少年が止めようとする光景が入ります。ルミナスの目前で止まる手。ビブリスを止めたのはバルデス。聞き分けの無い子を抱える親みたいです。身をよじるビブリスですがバルデスは抱えたままです。微動だにしません。ビブリスも本気でしょうから、密かにこれはすごい力関係です。バルデスの言うことが分からないと抗議しますが、その内分かるとだけ答えるバルデス。いや、その説明じゃ分からんでしょ。ルミナスは怯えて身動き一つとれません。プリキュアの声にも気づいていません。
鬼気とした表情でビブリスはそのままの体勢で光弾を放ちます。これまで以上に大きくまがまがしい力。ルミナスは無意識なのか単にルルンの掛け声を省略しているのか分かりませんが、例の無敵防御結界を発動します。迫る邪悪な光。と同時にブラックがルミナスを抱えて退避させます。闇の者は遠慮なく弾く結界ですが光の使者はOKなのかグンニャリと風船のように凹みます。大爆発。ブラックはルミナスを抱えて床を転がります。結界が耐えられたかは不明ですが、結果オーライです。ホワイトも合流します。体勢を整えて構えます。戦士の表情のプリキュア。不安顔のルミナス。イマイチ締まりません。ルミナスが本来の力と意志を持てば4人同時だろうが何だろうが敵ではなさそうですが、不安定なキャラなので難しいところです。ビブリスとバルデスは姿を消しています。上空でまだ抗議しているビブリス。バルデスは頭を冷やせと言います。クイーンの命には手を出してはイカンそうです。分かりましたか?サーキュラス。
⑥姉弟
試合再会。試合の結果は結局負けてしまいました。でも悔いは無いふたり。楽しそうです。クラブの人から声を掛けられます。どうやら入会OKのようです。スポーツを楽しむ心がある子を入れているようです。高田君達からも一緒にやろうと声をかけられます。高田君普通に良い人そうです。客席から笑顔で見守る三人。なぎさとほのかが見詰め合っているように見えて、ひかりが取り残されているように見えなくもありません。いえ実際、なぎさの身内のことなのでほのかもひかりもなぎさの方を見ているだけなのでしょうけど。
食器を洗うのを手伝うなぎさに母はなぎさの功績を褒めます。亮太から言われたようです。しかし、肝心のなぎさは知りません。なぎさに背を向けながら、亮太はちょっと大人びた表情でお礼を言います。しかしすぐに悪態をつきます。結局ケンカになるふたり。仲の良い姉弟です。
⑦次回予告
クリスマス展開でしょうか。っていうか、藤Pてこんなにカッコよかったっけ?
○トピック
前回の亮太版。それに伴い視聴者層により分かりやすくなっています。勝てなかったのも、脇役の辛いところというか、負けさせる調度良い機会・・・ってわけでもないでしょうが、負けても楽しむことが大事という意識を主人公側が見せたお話(主人公自身は敗北しないのが流石子ども番組)。なんだかんだでなぎさは回りに元気を振り撒きます。
あと、やっぱり世界観的に広がっていて、亮太のみにテーマが伝わるのではなく、亮太をつうじて回りの子まで影響を与えていることからもマックスハートな展開ですね。輪が拡張される方向に動いています。
最近出番がめっきり減ってセリフも少ないひかりですが、水面下では少年との関係が進んでいる様子(こう書くとゴシップ記事みたいだなぁ)。って言っても、おそらく本格的に進むのは最終回数話手前あたりからでしょうからまったり見ています。
ちなみに、ルミナスを不安定なキャラって書きましたけど、別に脚本とか演出が不安定なのではなく、彼女はプリキュアのようにどんな敵にも、どんな時にでも立ち向かえる意志を持っていないということです。だから、具体的守る対象がいないと力がでないし、単独だとしりごみしてしまいます。自分で自分を支えきれないんですね。意志を持つ時はおそらくハーティエルが統べて揃う時でしょう。つまりはクイーンの命、心、ハーティエルの3つの要素が揃う時。その時に何が起こるのか、どんだけカッコイイルミナスが見れるのかが楽しみです。
第39話「燃え尽きろ!青春ラクロス決勝戦!!」
○今週の出来事
①ラクロス決勝戦に向けて
練習に励むベローネ・ラクロス部。決勝戦が近づいています。今年の相手は去年同様御高倶女子。今年の御高倶は徹底したプレー、フォーメーションで強敵のようです。作戦を考えるべくタコカフェへレッツゴー。呆れる莉奈ですが志穂は乗り気です。何だかんだ言いながら付いて行く莉奈。緊張感の欠片も無い人達です。
御高倶女子中学。フォーメーションの練習をする部員達。「フォーメーション・B」・・・とても事務的です。実用主義です。「フォーメーション・花より団子」とか「フォーメーション・かっぱえびせん」とかダメでしょうか。試合中に堂々と言ったら相手チームは驚くこと必至。心理戦で優位に立てます。多分。
オデコが特徴的な女の子がテキパキを指示を出します。どうやらキャプテンのようです。練習を中断しフォーメーションの反省会。「2m」とか「1秒」とか非常にシビアです。勝つためには練習と徹底したプレー技術が重要というのがここの方針でしょうか。
②なぎさと永沢
洋館。少年はずっと窓の外を見ます。胸中はひかりのこと。
タコカフェ。ひかりも同じように少年のことを考えていたようです。不安そうなひかりを心配するポルン。パートナーらしく気にかけます。そんなことには気づかないルルンはおき楽にポルンにくっつきます。その様子に笑うひかり。思いつめても仕方有りません。
ベローネ。御高倶キャプテンが校門の前で立っています。表情はキリリとしていて怖そうです。一昔前だとスケバンとかと勘違いされそうです。そこに食べ物の話をしながら校門から出てくるなぎさ達。御高倶キャプテンはなぎさに声をかけます。永沢と自己紹介。事務的というか「出来る女」って感じです。オツボネ様や姑として相手したくないタイプです。
挨拶したのは偵察とか宣戦布告とかの目的ではなく、敬意を表した上でお互いに最後の試合となるので頑張りましょうと言いたかったらしいです。口調は事務的でそっけないですが結構律儀な人です。人望とかありそうです。言い終わって去っていきます。孤高な人です。
と横からなぎさに声をかけるほのか。校門前で待っていたのでしょうか。事前にタコカフェの話をしていたのか、毎回寄るのが暗黙の了解なのか、そもそもなぎさの思考は完全に読んでいるのか分かりませんがなぎさと一緒にタコカフェに行くつもりです。なぎさは思いついて永沢さんを呼び止めます。たこ焼きに誘うなぎさ。「たこ焼き・・・?」戸惑う永沢さん。
タコカフェタイム。一緒にたこ焼きを食べます。なぎさのペースに巻き込まれましたね、と永沢さんに話しかけるほのか。永沢さんも苦笑いしながら「そうですね」と答えます。この人意外と感情表したりするときの表情が可愛いかもしれません。
なぎさのパワーは皆に感染すると莉奈と志穂も言います。宇宙からの細菌Xか、と妙に古いことを言うなぎさ。たこ焼きを食べてもらいたかっただけと永沢さんに同意を求めます。その行為自体が細菌Xをばら撒く行為だと思います。たじろぎながらも同意する永沢さん。ちなみにその後ろに居る志穂の表情がすんごい崩れ顔というか、温泉につかりすぎて極楽浄土へ行きかかっている人みたいな顔になっているのが面白いです。そんななぎさと永沢さんのやりとりを見て微笑む一同。ほのかは多分、なぎさの魅力が発揮されていて喜んでいると思います。
世間話。なぎさは永沢さんにラクロスを始めた時期を聞きます。中学一年生。なぎさと同じです。いまでこそバリバリキャプテンをやっている永沢さんですが最初の頃はベンチだったそうで、スタープレイヤーであったなぎさに憧れていたようです。照れるなぎさ。研究されてるね、とはやし立てる志穂と莉奈。そう考えていなかった永沢さんは戸惑いますが、なぎさはあっけらかんとたこ焼きを食べます。アホなのか器がでかいんだか。
雰囲気が柔らかくなったところでさらに世間話。ラクロスを始めた理由を聞きます。「もう忘れてしまったけど、楽しそうだったからかな」と答える永沢さん。今回の肝です。頷くなぎさ。やり始めた頃の感動を話します。なんでそんなことを聞くのかと反対に聞く永沢さんになぎさは同じラクロスをする仲間だからと答えます。内心で「仲間・・・」と反芻する永沢さん。そんなことに構わずなぎさはたこ焼きを喉の詰まらせます。いつものこと、と志穂と莉奈。「なぎさったら~」とほのか。ええ、いつもの風景です。
「なぎさはラクロスをしているときが一番幸せそうなの」と勝手知ったるなんとやら。ほのかさんはすごいです。「ラクロスが好きなんだもん」と言うなぎさに永沢さんは内心でまた反芻するのでした。
なぎさマンション。振り返るなぎさ。藤P中心の回想です。メップルがちゃちゃを入れます。取り繕うなぎさですがメップルにはバレバレです。クッションでメップルの動きを封じます。
③本領発揮
決勝戦当日。なぎさの両親も観戦に来ています。勿論ほのかとひかりも居ます。
手を繋ぎ、目をつぶって円陣を組むベローネラクロス部員。いつか見た光景。なぎさの訓示がカッコイイです。決める時は決めます。士気は上々。御高倶も士気では負けてはいません。
お互いに健闘を称えるなぎさと永沢さん。試合開始のホイッスル。御高倶のフォーメーションが見事に決まり先制します。謝るゴーリーをフォローするなぎさ。相手チームに感心します。
ゴールが決まったにも関わらずダメ出しする永沢キャプテン。完璧主義は大変です。スパルタです。まあ、これはこれで士気上がるか。
試合再会。志穂が単独突貫します。そのまま勢いよくシュート・・・となるところですが、ヘロヘロ玉を投げる志穂。ダメダメです。しかし逆に予想していなかったのかキャッチミスしてゴールしてしまいます。思わぬ得点。完璧にやって入れても1点。ミスって偶然で入っても1点です。
調子が戻ったのかベローネの押し返しが始まります。3対2で前半戦は優勢に終わります。休憩中、志穂のミスを笑うなぎさ達。それを見た永沢さんは緊張感の無いベローネに疑問を持ちます。まあ、人が真剣になってやっているところであんなヘラヘラしていたら何だ?とは思います。去年優勝したからって調子乗ってんじゃねーよボケが!ってならないのがプリキュアという作品の良い所です。永沢さんはタコカフェでの会話を思い出し、自分がラクロスをやり始めた頃のことを思い出します。ボールを追いかけているだけでも楽しかったあの頃。ラクロスが好きでやっていたあの頃。ラクロスが好きという初心を思い出し、勝ちにこだわっていた自分を見直します。チームに声をかけて後半戦への言葉を口にします。先ほどとは違って柔らかい口調になったキャプテンに驚きの表情を隠せないチーム。永沢さんはダメ出しするのではなく、背中を押すように長所を褒め、失敗を恐れないチャレンジ精神を説きます。一人のミスはチームでカバー。彼女達は彼女達の試合をします。
後半戦。フォーメーションの正確さと柔軟さを発揮した御高倶は開始早々1点を奪い返します。これで同点。観客席から見ていたひかりは御高倶の雰囲気がよくなったことに気づきます。ハピネンもその様子に喜んでいます。
④ルミナスだってすごいんです
さて、そろそろ時間です。ダイナミックな感じで登場するサーキュラス。なぎさのシュートを受け止めます。闇の空間に早変わりです。ザケンナー召還。ダイナミックに登場するラクロスザケンナー。かなり嫌がらせ入っています。こっちも変身です。おそらく見納めラクロス姿変身。でも私はほのかの方しか見てないんでどうでも良かったりします(今、かなりの数の人を敵に回した気がする)。
ザケンナーに抗議するブラック。もっともです。ダブルキックをかますプリキュアですがザケンナーはダメージを受けた様子も無く、ブラックをスティックで拾い上げてクレードル(玉をスティックの中で転がす)します。そのままシュート。ゴールを突き破って壁にめり込みます。キャプテン翼もビックリです。ってか、私はキャプテン翼見て(読んで)ないんでもしかしたら壁壊してますかね。
ブラックがやられたお返しにと突貫するホワイト。こういうときのホワイトは怖いです。しかし、スティックに遮られそのまま地面に押さえ込まれます。プリキュアピンチ。シャイニールミナスの出番です。
迫るザケンナーにルルンは言葉を紡ぐと例の、えーっと、能動的防御結界(分かりにくっ)を発生させます。構えた時のルミナスがカッコイイです。もう、女の子向けアニメのセンスではありません。どこの少年向け格闘アニメですか。防御によりザケンナーを転ばせます。同時にホワイトも救出。本人が少々驚き気味のルミナス。はっきりいって戦闘力はゼロに近いですが持っている力そのものはプリキュアを超えています。
そこにサーキュラスからいつもの言葉が掛けられます。言い返すブラックとホワイト。言い返すサーキュラス。さらに言い返すブラックとホワイト。えっと、ルミナスの分も残してあげてください。
拉致があかないと悟ったのかすごいアップでザケンナーを呼ぶサーキュラス。この人は戦闘になると非常にすごい表情になるのですが何かスタッフとかのお気に入りなのでしょうか。まあ、他の連中を同様の描き方で出すともっと怖くなるからなのかもしれませんが。立ち上がるザケンナー。BGMは「逆転勝利」の後半パート。この曲は掛け値なしでカッコイイです。ルミナリオが発動しゴメンナーへと返します。
⑤ハッピー
試合再会。同点。残り時間わずか。いつものパターンです。なぎさシュート。ゴール。優勝です。
おめでとう、と握手を求める永沢さん。最高の試合だったと話すなぎさ。永沢さんも何故なぎさが最高のリーダーなのか分かったと言います。ラクロスを愛する気持ちを思い出せたし楽しかったまた会いましょうと言う永沢さんに、なぎさもラクロス続けていればまた会えるよと答えます。そうだよね、とウインクする永沢さん。可愛いな。笑い合います。さわやかな終わり。他のチームメイトもベローネ、御高倶関係無しに楽しげです。同じラクロスをする仲間。それはそうと、相変わらずなぎさは女子生徒に人気があります。
チェアレクトに戻るハピネン。集まるハーティエル。残るハーティエルは多くありません。終焉が近づいています。
⑥次回予告
なぎさ姉弟の話。去年でいうおつかい話に相当するのかな。踏襲していますね。
○トピック
去年は対戦相手、敵という程度の扱いでしたが非常に密度のある関係が描かれていました。敵・味方、勝ち負けではなく、プレーをとおしての交流や心の持ち方を描いていて気持ちいいです。格闘館大も気持ちのいい終わり方をしていましたね。ハッピー。
勝ち負けよりも自分が何故それをやっているのかを思い出しましょう。そして敵・味方ではなく、同じ仲間として向き合いましょうということで今回があったのかと思います。まんまですね。
勝ち負けにこだわって、練習も厳しくやって、そして得るものは何か。勝てばまだ体裁がつく、じゃあ、負けたらどうしましょう。私はスポーツをやったことがないのでこの辺の気持ちってのが今ひとつ分からないのですが、勝ち負けってそんなにこだわるもんですかね?いや、勝てば面白いし、負けっぱなしは面白くないだろうし、「勝ちたい」という気持ちは向上心であると思うので基本良いことだと思うのですが、そのためにガチガチにやりまくって普段も試合も辛くなるようなことして何が面白いのかな~って思うのね。頑張るのは良いんですが、辛くなって楽しさすら忘れたらつまんない。その時点で「お前やる気ねぇだろ」って言われそうですが、何も仲良しこよしの部活ごっこが良いとは言わないけど、面白いから始めたことがつまんないことになってたらそりゃ本末転倒だよね、と思う。楽しく、自分が面白いと思ってやって、その結果として負けても、それでも自分はそれを好きでやっていたんだというものが残れば良いし、さらにそれを通して他の人と楽しさを共有できれば面白いでしょうね(お互いに切磋琢磨するのも楽しさのひとつだろう)。初心忘るるべからず。
話離れましたが、完璧マシーンになるのではなく、血のかよった人になりましょうという話でとても温かみを感じました。また、割と土壇場で勝っちゃうことが(演劇含め)多いプリキュアですが、キチンと練習を積み重ねてしっかりと自分の力、チームの力を十分に発揮できた御高倶の姿が印象的でした。永沢さんがやってきたことがそのまま否定されるのではなく、心の持ち方をちょっと変えることで、より今まで以上に肯定される結果になったと思います。毎度地味ながら面白いです。
①ラクロス決勝戦に向けて
練習に励むベローネ・ラクロス部。決勝戦が近づいています。今年の相手は去年同様御高倶女子。今年の御高倶は徹底したプレー、フォーメーションで強敵のようです。作戦を考えるべくタコカフェへレッツゴー。呆れる莉奈ですが志穂は乗り気です。何だかんだ言いながら付いて行く莉奈。緊張感の欠片も無い人達です。
御高倶女子中学。フォーメーションの練習をする部員達。「フォーメーション・B」・・・とても事務的です。実用主義です。「フォーメーション・花より団子」とか「フォーメーション・かっぱえびせん」とかダメでしょうか。試合中に堂々と言ったら相手チームは驚くこと必至。心理戦で優位に立てます。多分。
オデコが特徴的な女の子がテキパキを指示を出します。どうやらキャプテンのようです。練習を中断しフォーメーションの反省会。「2m」とか「1秒」とか非常にシビアです。勝つためには練習と徹底したプレー技術が重要というのがここの方針でしょうか。
②なぎさと永沢
洋館。少年はずっと窓の外を見ます。胸中はひかりのこと。
タコカフェ。ひかりも同じように少年のことを考えていたようです。不安そうなひかりを心配するポルン。パートナーらしく気にかけます。そんなことには気づかないルルンはおき楽にポルンにくっつきます。その様子に笑うひかり。思いつめても仕方有りません。
ベローネ。御高倶キャプテンが校門の前で立っています。表情はキリリとしていて怖そうです。一昔前だとスケバンとかと勘違いされそうです。そこに食べ物の話をしながら校門から出てくるなぎさ達。御高倶キャプテンはなぎさに声をかけます。永沢と自己紹介。事務的というか「出来る女」って感じです。オツボネ様や姑として相手したくないタイプです。
挨拶したのは偵察とか宣戦布告とかの目的ではなく、敬意を表した上でお互いに最後の試合となるので頑張りましょうと言いたかったらしいです。口調は事務的でそっけないですが結構律儀な人です。人望とかありそうです。言い終わって去っていきます。孤高な人です。
と横からなぎさに声をかけるほのか。校門前で待っていたのでしょうか。事前にタコカフェの話をしていたのか、毎回寄るのが暗黙の了解なのか、そもそもなぎさの思考は完全に読んでいるのか分かりませんがなぎさと一緒にタコカフェに行くつもりです。なぎさは思いついて永沢さんを呼び止めます。たこ焼きに誘うなぎさ。「たこ焼き・・・?」戸惑う永沢さん。
タコカフェタイム。一緒にたこ焼きを食べます。なぎさのペースに巻き込まれましたね、と永沢さんに話しかけるほのか。永沢さんも苦笑いしながら「そうですね」と答えます。この人意外と感情表したりするときの表情が可愛いかもしれません。
なぎさのパワーは皆に感染すると莉奈と志穂も言います。宇宙からの細菌Xか、と妙に古いことを言うなぎさ。たこ焼きを食べてもらいたかっただけと永沢さんに同意を求めます。その行為自体が細菌Xをばら撒く行為だと思います。たじろぎながらも同意する永沢さん。ちなみにその後ろに居る志穂の表情がすんごい崩れ顔というか、温泉につかりすぎて極楽浄土へ行きかかっている人みたいな顔になっているのが面白いです。そんななぎさと永沢さんのやりとりを見て微笑む一同。ほのかは多分、なぎさの魅力が発揮されていて喜んでいると思います。
世間話。なぎさは永沢さんにラクロスを始めた時期を聞きます。中学一年生。なぎさと同じです。いまでこそバリバリキャプテンをやっている永沢さんですが最初の頃はベンチだったそうで、スタープレイヤーであったなぎさに憧れていたようです。照れるなぎさ。研究されてるね、とはやし立てる志穂と莉奈。そう考えていなかった永沢さんは戸惑いますが、なぎさはあっけらかんとたこ焼きを食べます。アホなのか器がでかいんだか。
雰囲気が柔らかくなったところでさらに世間話。ラクロスを始めた理由を聞きます。「もう忘れてしまったけど、楽しそうだったからかな」と答える永沢さん。今回の肝です。頷くなぎさ。やり始めた頃の感動を話します。なんでそんなことを聞くのかと反対に聞く永沢さんになぎさは同じラクロスをする仲間だからと答えます。内心で「仲間・・・」と反芻する永沢さん。そんなことに構わずなぎさはたこ焼きを喉の詰まらせます。いつものこと、と志穂と莉奈。「なぎさったら~」とほのか。ええ、いつもの風景です。
「なぎさはラクロスをしているときが一番幸せそうなの」と勝手知ったるなんとやら。ほのかさんはすごいです。「ラクロスが好きなんだもん」と言うなぎさに永沢さんは内心でまた反芻するのでした。
なぎさマンション。振り返るなぎさ。藤P中心の回想です。メップルがちゃちゃを入れます。取り繕うなぎさですがメップルにはバレバレです。クッションでメップルの動きを封じます。
③本領発揮
決勝戦当日。なぎさの両親も観戦に来ています。勿論ほのかとひかりも居ます。
手を繋ぎ、目をつぶって円陣を組むベローネラクロス部員。いつか見た光景。なぎさの訓示がカッコイイです。決める時は決めます。士気は上々。御高倶も士気では負けてはいません。
お互いに健闘を称えるなぎさと永沢さん。試合開始のホイッスル。御高倶のフォーメーションが見事に決まり先制します。謝るゴーリーをフォローするなぎさ。相手チームに感心します。
ゴールが決まったにも関わらずダメ出しする永沢キャプテン。完璧主義は大変です。スパルタです。まあ、これはこれで士気上がるか。
試合再会。志穂が単独突貫します。そのまま勢いよくシュート・・・となるところですが、ヘロヘロ玉を投げる志穂。ダメダメです。しかし逆に予想していなかったのかキャッチミスしてゴールしてしまいます。思わぬ得点。完璧にやって入れても1点。ミスって偶然で入っても1点です。
調子が戻ったのかベローネの押し返しが始まります。3対2で前半戦は優勢に終わります。休憩中、志穂のミスを笑うなぎさ達。それを見た永沢さんは緊張感の無いベローネに疑問を持ちます。まあ、人が真剣になってやっているところであんなヘラヘラしていたら何だ?とは思います。去年優勝したからって調子乗ってんじゃねーよボケが!ってならないのがプリキュアという作品の良い所です。永沢さんはタコカフェでの会話を思い出し、自分がラクロスをやり始めた頃のことを思い出します。ボールを追いかけているだけでも楽しかったあの頃。ラクロスが好きでやっていたあの頃。ラクロスが好きという初心を思い出し、勝ちにこだわっていた自分を見直します。チームに声をかけて後半戦への言葉を口にします。先ほどとは違って柔らかい口調になったキャプテンに驚きの表情を隠せないチーム。永沢さんはダメ出しするのではなく、背中を押すように長所を褒め、失敗を恐れないチャレンジ精神を説きます。一人のミスはチームでカバー。彼女達は彼女達の試合をします。
後半戦。フォーメーションの正確さと柔軟さを発揮した御高倶は開始早々1点を奪い返します。これで同点。観客席から見ていたひかりは御高倶の雰囲気がよくなったことに気づきます。ハピネンもその様子に喜んでいます。
④ルミナスだってすごいんです
さて、そろそろ時間です。ダイナミックな感じで登場するサーキュラス。なぎさのシュートを受け止めます。闇の空間に早変わりです。ザケンナー召還。ダイナミックに登場するラクロスザケンナー。かなり嫌がらせ入っています。こっちも変身です。おそらく見納めラクロス姿変身。でも私はほのかの方しか見てないんでどうでも良かったりします(今、かなりの数の人を敵に回した気がする)。
ザケンナーに抗議するブラック。もっともです。ダブルキックをかますプリキュアですがザケンナーはダメージを受けた様子も無く、ブラックをスティックで拾い上げてクレードル(玉をスティックの中で転がす)します。そのままシュート。ゴールを突き破って壁にめり込みます。キャプテン翼もビックリです。ってか、私はキャプテン翼見て(読んで)ないんでもしかしたら壁壊してますかね。
ブラックがやられたお返しにと突貫するホワイト。こういうときのホワイトは怖いです。しかし、スティックに遮られそのまま地面に押さえ込まれます。プリキュアピンチ。シャイニールミナスの出番です。
迫るザケンナーにルルンは言葉を紡ぐと例の、えーっと、能動的防御結界(分かりにくっ)を発生させます。構えた時のルミナスがカッコイイです。もう、女の子向けアニメのセンスではありません。どこの少年向け格闘アニメですか。防御によりザケンナーを転ばせます。同時にホワイトも救出。本人が少々驚き気味のルミナス。はっきりいって戦闘力はゼロに近いですが持っている力そのものはプリキュアを超えています。
そこにサーキュラスからいつもの言葉が掛けられます。言い返すブラックとホワイト。言い返すサーキュラス。さらに言い返すブラックとホワイト。えっと、ルミナスの分も残してあげてください。
拉致があかないと悟ったのかすごいアップでザケンナーを呼ぶサーキュラス。この人は戦闘になると非常にすごい表情になるのですが何かスタッフとかのお気に入りなのでしょうか。まあ、他の連中を同様の描き方で出すともっと怖くなるからなのかもしれませんが。立ち上がるザケンナー。BGMは「逆転勝利」の後半パート。この曲は掛け値なしでカッコイイです。ルミナリオが発動しゴメンナーへと返します。
⑤ハッピー
試合再会。同点。残り時間わずか。いつものパターンです。なぎさシュート。ゴール。優勝です。
おめでとう、と握手を求める永沢さん。最高の試合だったと話すなぎさ。永沢さんも何故なぎさが最高のリーダーなのか分かったと言います。ラクロスを愛する気持ちを思い出せたし楽しかったまた会いましょうと言う永沢さんに、なぎさもラクロス続けていればまた会えるよと答えます。そうだよね、とウインクする永沢さん。可愛いな。笑い合います。さわやかな終わり。他のチームメイトもベローネ、御高倶関係無しに楽しげです。同じラクロスをする仲間。それはそうと、相変わらずなぎさは女子生徒に人気があります。
チェアレクトに戻るハピネン。集まるハーティエル。残るハーティエルは多くありません。終焉が近づいています。
⑥次回予告
なぎさ姉弟の話。去年でいうおつかい話に相当するのかな。踏襲していますね。
○トピック
去年は対戦相手、敵という程度の扱いでしたが非常に密度のある関係が描かれていました。敵・味方、勝ち負けではなく、プレーをとおしての交流や心の持ち方を描いていて気持ちいいです。格闘館大も気持ちのいい終わり方をしていましたね。ハッピー。
勝ち負けよりも自分が何故それをやっているのかを思い出しましょう。そして敵・味方ではなく、同じ仲間として向き合いましょうということで今回があったのかと思います。まんまですね。
勝ち負けにこだわって、練習も厳しくやって、そして得るものは何か。勝てばまだ体裁がつく、じゃあ、負けたらどうしましょう。私はスポーツをやったことがないのでこの辺の気持ちってのが今ひとつ分からないのですが、勝ち負けってそんなにこだわるもんですかね?いや、勝てば面白いし、負けっぱなしは面白くないだろうし、「勝ちたい」という気持ちは向上心であると思うので基本良いことだと思うのですが、そのためにガチガチにやりまくって普段も試合も辛くなるようなことして何が面白いのかな~って思うのね。頑張るのは良いんですが、辛くなって楽しさすら忘れたらつまんない。その時点で「お前やる気ねぇだろ」って言われそうですが、何も仲良しこよしの部活ごっこが良いとは言わないけど、面白いから始めたことがつまんないことになってたらそりゃ本末転倒だよね、と思う。楽しく、自分が面白いと思ってやって、その結果として負けても、それでも自分はそれを好きでやっていたんだというものが残れば良いし、さらにそれを通して他の人と楽しさを共有できれば面白いでしょうね(お互いに切磋琢磨するのも楽しさのひとつだろう)。初心忘るるべからず。
話離れましたが、完璧マシーンになるのではなく、血のかよった人になりましょうという話でとても温かみを感じました。また、割と土壇場で勝っちゃうことが(演劇含め)多いプリキュアですが、キチンと練習を積み重ねてしっかりと自分の力、チームの力を十分に発揮できた御高倶の姿が印象的でした。永沢さんがやってきたことがそのまま否定されるのではなく、心の持ち方をちょっと変えることで、より今まで以上に肯定される結果になったと思います。毎度地味ながら面白いです。
第38話「さよならほのか!?絆は固く永遠に!」
○今週の出来事
①暮れる夕日と心
放課後のラクロス練習。練習でもなぎさの活躍ぶりは健在です。次回はラクロスの試合らしいのでその前振りでしょうか。
雪城邸。さなえさんはほのかの部屋を訪れます。この時点で今回の重要性がうかがい知れます。さなえさんが序盤から出てくるといろんな意味で大変なことになります。そしてそれを全部見越しているのがさなえさんだったりします。母からの葉書を手渡すさなえさん。特に何を言うでもなく去っていきます。絶対に何が書いてあるのか知っているのにそれを言わないのがさなえさんです。
部屋で葉書に書かれた文面に目をとおすほのか。そこには仕事で世界を回っていた両親がしばらくはパリに滞在すること、そして一緒に暮らさないか?将来のことについて話し合いたいので一度パリに遊びに来てということが書いてあります。「パリで暮らす・・・」と表情の無い声で呟くほのか。その声には両親と会える、暮らせることの喜びは感じ取れません。ミップルも心配そうに見つめます。
②すれ違う心
翌朝。パリのことをなぎさとひかりに話すほのか。パリ!?と驚くなぎさにひかりは「そんなに遠いところなんですか?」と尋ねます。知ってそうで意外と知らないひかり。この辺は視聴者層の代弁も混じっています。「飛行機で三日くらいかかるんじゃない?」と答えるなぎさ。・・・どうやらこっちも分かってないみたいです。普段の会話なら普通に訂正するところですが、当人であるほのかにそんな余裕があるわけもなく少々沈んだ声で訂正します。すぐには答えを出せないと言うほのか。しかし、なぎさはほのかが行きたいなら行った方が良いんじゃないかな、と言います。ほのかは「えっ?」と思わず口にしてしまいます。構わず「ほのかなら大丈夫、どこに行っても元気にやっていけるって」となぎさは言います。言葉そのものは激励していますが、ほのかは表情と声を沈ませます。そのほのかを見て固まってしまうなぎさ。どうやら先の言葉が失言だったことに気づいたようです。
言葉とその意味が一対のものであれば誤解は生じ得ません。言葉と意味が直結しているなら他に解釈する余地がありません。しかし現実には、言葉には多様な意味が含まれています。そこに多様な解釈の余地があります。本来、言葉は人の心、想いを伝えるためのものですが想いの数だけ言葉は存在しません。想いの様相を全べて言い表せるほど言葉はありません。不自由なのです。普段ならそのことは誰でも知っていることですがしばしば忘れることがあります。なぎさにとっては励ましと信頼を言葉にしたつもりでも、ほのかにとっては見放されてしまったように思えたでしょう。アナタはどこに行ってもいいよ、と。
「おっはよ~」と突然なぎさに抱きつく志穂。大変なテンションです。遅れて莉奈も挨拶。そのままなぎさを連行していきます。ほのかとひかりにはにべも無いです。気を使わなくてもいい友人だろうということでしょうか(割とよくある風景なのかも)。もっとも、今のほのかにはなぎさとさらに距離を感じてしまうことだったかもしれません。何も言わず視線をほのかに移すひかり。果たしてこの娘はどこまで心の機微を察することが出来るだろうか。と、今度はユリコが現れてほのかを押していきます。ひさしぶりですユリコ。ほのか達の後姿を見ながら独り表情を落とすひかり。別に自分だけ残されたとか最後まで無視されたとか、友達居ないとかそういうことでヘコんだわけでは・・・ないと思う。まあ、今回ひかりは話には直接絡まないのだけど、ふたりの悩みや絆の在り方を見届ける立会人みたいなポジションですね。
国語の授業。「奥の細道」を読むよし美先生。また意味深なものを・・・。一作目8話思い出すなぁ。なぎさは先ほどの失言を悔いています。ちらりとほのかを見るとあまり元気が無い様子。授業が終わりなぎさはほのかに先ほどの話の続きを言おうとしますが、志穂と莉奈に遮られてしまいます。間が悪い。
ラクロス練習。休憩中になぎさは例え話として志穂と莉奈にパリ行きの話しをします。茶化す志穂と莉奈になぎさはどんな言葉を掛けてくれるか?と尋ねます。しかし、なぎさの真意が読めないというのもありますが、あまりに話が突発的で現実性が薄い上に日ごろから与太話をしているであろう志穂と莉奈は本気で取り合いません。参考にならずガックリするなぎさ。
科学部。実験を見せるユリコ。ほのかは身が入らずに窓の外を眺めます。それに気づくユリコ。
今度はアカネさんに聞くなぎさ。アカネさんはパリと聞いて、学生の頃に毎日通っていた喫茶店を思い出します。そしてそこであった恋の思い出に浸るアカネさん。興味津々と聞くなぎさですが、アカネさんは秘密にします。アカネさんのしゃべり方面白いなぁ。それでも重ねて聞くなぎさ。何の参考にするつもりなんだか。それでもダメとアカネさん。話を元に戻したところでお客さんが来てしまい席を離れるアカネさん。反省するなぎさ。何のために聞いたのだか。そっとドリンクが置かれます。ひかり。
ミップルと離れ離れは嫌!と主張するメップル。ポルンも同意します。ルルンくっつき過ぎです。このコンビ面白いと思う。ほのかと離れ離れになるなんて絶対嫌と本心を語るなぎさ。非常に危ういポーズです。視点の角度をほんの数度変えただけで大変なことになります。悩みを相談できなくなる、宿題が教えてもらえなくなる、お弁当を忘れた時に分けてもらえない、と語るなぎさ。メップルがすかさずツッコミます。「プリキュアだって・・・」とも口にするなぎさ。なお、今回ほとんど言及されてませんが、一応物語上最重要課題はプリキュア問題なのですが、ここが全くもってスルーされているのがポイントです。物語をリアルに追求するならプリキュアの問題は避けて通れないばかりか一番話題にされてよい部分(ほのかが踏みとどまる理由として一番に上がってもいい)なのですが、素晴らしいことにプリキュアはそんな些細なことに気をとらわれたりはしません。そんな無粋でつまらないことはしません。なぎさにとって、ほのかにとって、ひかりにとって(この作品にとって)問題はたった一つ。「友達」です。
だったら何で、と朝方の発言を責めるメップル。それは酷というものだ。軽はずみだったと反省するなぎさ。落ち込むなぎさにひかりはほのかならなぎさの気持ちを分かっていると言います。19話でなぎさが転校すると勘違いした時にほのかが確信持って言ったことを彼女は知っています。
なぎさはそれでも悩みます。何を言ってあげられるのか、何を言うべきなのか。今のほのかに必要な言葉。自分の中にある気持ちを言葉にすることができないむず痒さ。そういう場面が往々にしてあります。そしてその問題は国語や数学とは比べ物にならないほど難しい。たった一言でも人を勇気付けたり変えたりできるかもしれない。その逆もある。しかも大概取り消しが効かない一発勝負。
縁側で葉書を見つめるほのか。ミップルは何も言うことが出来ません。
ハーティエル・シークンとハピネン「行くべきか行かざるべきか」「どっちが幸せなんですかね」「難しい問題ですぅ」
③想いを伝えるには
洋館。少年はひかりとの邂逅を思い返します。「僕はどこで生まれたの?」「僕は一体・・・」と自問する少年。その様子を見るサーキュラスとバルデス。あ、バルデス居たんだ。バルデスは目覚める日もそう遠くないと語ります。サーキュラスはいつものようなルミナスに会いに出撃します。
科学部。ユリコはほのかに絶対に行くべき!と強く言います。ユリコはヨーロッパに留学するのが夢だったと言います。でも両親に止められて出来ない。そんなユリコから見ればほのかの話は夢そのもの。「それはそのとおりなんだけど・・・」と濁すほのか。どうでもいいけど手を白衣に入れた姿がカッコイイ。
ユリコの言っていることは正論の一つです。学術的な好奇心・向上心があるものからすれば留学はステップアップのチャンス。しかし、ユリコの本心はほのかを捉えていない。ユリコはほのかを尊敬しています。それはこれまでの関係で十分に分かります。尊敬しているからほのかはもっと高みへ行ってもらいたいと思う。自分の夢を叶えて欲しいと思う。だから自分の願望を言ってしまう。自分を投影する。それはエゴと言う。今のほのかにとってそれは重荷であると思う。そして今のユリコはほのかを友人としてではなく憧れの人として見ています。
ラクロス練習。なぎさはほのかが来ていることに気づいて駆け寄ります。ほのかはちょっと見に来ただけ、次の試合もうすぐなんでしょ?と話題を変えようとします。なぎさは「ほのかはいつも言ってるじゃない、自分のことは自分で決めなきゃって。だから、その・・・」と上手く言えません。しかも部活中であり時間も無し。間が悪い。後で家に行くと約束します。
夕方。ほのかは自室で横たわります。キュルキュルっとビデオを巻き戻し。横たわるほのか。・・・。え?何で巻き戻したかって?だって、ほら、ほのかの腰から下のラインというか、要するに腰とスカートから伸びる太ももが艶かしいんだもん。そりゃ巻き戻して見たくなるよね(お前だけだ)。
先ほどの「自分のことは自分で決めなきゃって」という言葉を思い返し「なぎさの言うとおりなんだよね。だけど」と呟きます。
ほのかはおそらく本心では(なぎさに)こう言って欲しいのだと思う「行かないで」と。自分をただの友人の内の一人としてではなく、かけがえのない親友として、「誰かさん」ではなく「ほのか」として見てもらいたい。引き止めてもらいたい。自分が必要とするように必要とされたいと。でもそれはエゴだ。我儘で聞き分けのないことだ。そして知ることが怖いことでもある。本当に必要とされているのか、もしかしたらされてはいないのではないか。だからほのかは問うことができない。我儘であることを知っているし、怖くもあるから。
なぎさは本心ではほのかに行って欲しくないと思っている。でも、それは自分の我儘であると知っているから出来ない。おそらくはほのかの気持ち(「行かないで」と言って欲しい)にも気づいていると思う。それでも彼女は「行かないで」とは言えない。何故ならもっと自分の気持ちを伝えたいと思っているから。それは自分がほのかを心から信頼し、必要とし、同時にほのかにもそう思われたいと思う想い。エゴ。我儘。
結局のところ、ふたりは我儘を言いたくても言えないのだと思う。相手を思い遣るということが我儘と衝突してしまう。ふたりの関係は非常に大人びており他者理解が強い。その弊害として本心をぶつけること、つまり我儘を言うことは非常に少ない。利己と利他は二律背反する。でも、人の心はそもそも矛盾した気持ちがあると思う。だからこれは言葉では言えないのだと思う。言葉は意味を多様に持たせる。一度解釈してしまえばその反対側の意味を見出すことは難しい。冒頭の会話のように誤解が生じてしまう可能性がある。そこでなぎさが取った行動は・・・
④友情のキャッチボール
さなえさんの声。約束どおりなぎさがラクロスのスティックを抱えてやって来ました。
第一声は「ごめんね」なぎさはほのかに謝ります。ほのかは(見た目には)気にしておらずなぎさの言うとおりだと答えます。安心してベッドに寝転がるなぎさ。そして、なぎさは神妙な表情と声で何か言おうとします。不安そうに見るほのか(多分、先ほどの続きを言われるのではないかと怖がったのではないかと思う)。なぎさはガバっと起きてほのかをキャッチボールに誘います。そうステッィクは2本あります。どうでもいいですが、「キャッチボールしよっか」と言った時のなぎさの表情は作画がどうのこうのという話の問題ではなく、めっちゃカッコイイ。
河川敷。そろそろ夕日も暮れそうな時間。ひかりも斜面に座ってふたりの様子を見ます。どこか安心している様子です。
なぎさは「いくよ~」と声を掛けます。そして優しくボールを投げます。それを受け取るほのか。今度はほのかが投げます。ちょっと大きく飛ぶボールをなぎさはキャッチします。感心するほのかになぎさは伊達にキャプテンやってないからね、と見得を切ります。キャッチボールをするふたり。無言。行きかうボールだけが音を立てます。
「ふたりでキャッチボールするなんて初めてだね」「そうだね」「何か、身体を動かすのって楽しい」「でしょ」声と一緒にボールが紡がれます。
ふたりが元気になったことに安心するひかり。メップルミップルは何がなんだか分かりません。「良かった」と呟くひかり。彼女はふたりのキャッチボールに何を見るのだろう。
言葉で伝えられないのなら言葉を使わなければいい。何も言葉だけが想いを伝える唯一の手段ではないのだから。ほのかにもなぎさにもエゴはある。相手に直接言えない想いがある。なぎさは言葉を使うのではなく身体を使うことを選んだ。自分の気持ちを投げること、相手の気持ちを受け止めることの暗喩。ややもすれば意味の分からない行為だが、なぎさとほのかにとっては今一番必要で効果的な行為。言葉はそれ自体意味を持っている。キャッチボールはそれ自体に意味は無い。ボールを投げ、受け、投げ返す行為。想いを伝えるなら言葉を使う方が効率的で有効であるが、意味があるために誤解を生じる可能性がある(想いの意味と言葉の意味がごっちゃになっている)。キャッチボールそれ自体に意味が無いということは、そこには想いしかないということである。曖昧で不明確なメッセージ。だけど余計な装飾がない方が伝わることもあると思う。我儘やエゴは汚いかもしれない。それを言葉にすることなく、キャッチボールで伝えようとしたなぎさはなぎさらしく、そしてカッコイイ。
⑤強い敵。でももっと強いプリキュア
さて、安心していられるのも束の間、邪悪な気配がしてきます。ほのかはなぎさに「ありがとう」と言いながら投げますが力んだのか大きく飛ぶボール。それを掴むサーキュラス。
ボールを割って握りつぶしてやろうとやる気満々です。負けじとこちらも変身です。おおっ、これは!もう見られないと思っていたベスト着用姿変身!やったぜ!今回はいろんな意味ですげぇ。
前口上が言い終わるかないかの内に攻撃を仕掛けてくるサーキュラス。ブラックは川に落ちます。地面を転がるホワイト。サーキュラスはさらに追い立てますが今度は回避します。ふわりとした着地や動きが久しぶりな感じ。ひかりも変身します。
三人揃うも速攻でぶっ飛ばされる三人。今日のサーキュラスは強いです。「お前達の居場所はなくなるのだ」と言うサーキュラスにホワイトは「私達の居場所は私達で決めるのよ」と反論します。そして軽やかに舞いサーキュラスに攻撃。カッコイイ。しかし、サーキュラスはプリキュアの言葉も攻撃にも堪えた様子が無くあしらいます。「お前達自身が意思を持つことなど許されないのだ」と語ります。そのサーキュラスに「そんなことない!」とホワイト。キタ!もうこれは例のパターンだ。待ってました。大好きですよこの口ゲンカ(次元低そうな言い方だなぁ)。「私達の生き方は私達が決める!」「運命は自分自身で切り開くもの。絶対に諦めない!」幾度となく地にひれ伏そうと立ち上がるプリキュア。挫けない強い意志。
ザケンナーを召還するサーキュラス。テトラポットザケンナー。地面をたたきつけると同時に爆発が起きてふたりを吹き飛ばします。かなり実戦的な武器です。最近のザケンナーは機能的です。プリキュアを助けるためにルミナスはハーティエル・アンクションでザケンナーの動きを止めます。久しぶりです。以前は動きが鈍くなるとかだったのですが完全に動きを止め空中で停止するザケンナー。ブローチェの効果かな。ところで空中?攻撃を仕掛けるために跳び上がったところを迎撃したのか?直撃したときは地上で立っていたように見えたんですが。あれか、適当に張り付けたのか?どっちにせよ、ザケンナーは邪魔なところにいても困るので構わないでしょう。あと、ここでアンクションを使わせた時点でトドメはマーブルスクリュー確定だと思うのですが(アンクション→ルミナリオのコンボは今のところ無い)、これが今回の戦闘の肝。そう、ふたりの友情パワーを炸裂させるにはマーブルスクリューしかありません。
サーキュラスは気合を入れてエネルギー弾を放ちます。直撃するプリキュア。土煙が収まり、そこに立っていたのは防御姿勢をとるもののダメージをそれほど受けていないふたり。絵的にカッコイイ。「私達、見かけによらず結構タフなのよね」制服着ててもタフです。「あなたにも私達の本気の力見せてあげる」カッコイイなプリキュア。ブレス召還。そしてスクリュー。耐えるサーキュラスですが「スパーク!」には耐えられません。ノックバックする時のプリキュアの「ううー!」って踏ん張りが良い。カッコイイ。ゴメンナー。
⑥正直に生きよう
翌朝。なぎさの肩にぶつかって「おはよう」と挨拶するほのか。いつになくアクティブでポジティブです。志穂に対抗とかそういうのを置いて真面目に言うのであれば、これはほのかのなぎさに対する答えです。自分の我儘を身体で受け止めてくれたなぎさに対してほのかはこれまで以上の信頼を抱いたと思います。その肩に乗っても大丈夫という信頼。同様に自分に対するなぎさの信頼。だから彼女はいつもよりちょっとだけ積極的になぎさに挨拶します。傍から見れば厚かましくオーバーな挨拶。でも、なぎさはそれを決して不快とも思わないし、受け止めきれずに身体を崩すことも無い。それをほのかは知っています。見た目上は志穂達とそれほど変わらない挨拶ですが、そこには確たる信頼とちょっとした我儘があります。
ほのかはなぎさにラクロスをずっと続けるのかと聞きます。先のことは分からないと答えるなぎさ。それを聞いたほのかは安心したように「そうよね、分からないわよね。分かんなくてもいいんだよね」と独り言のように言います。ほのかには珍しい言葉です。
と、ユリコが神妙な顔で現れます。昨日の話を取り消したいというユリコ。何のことだかよく分からないほのか。「パリに行かないで、ほのかと別れるなんて嫌、ずっとずっと一緒がいいー!」と叫びます。
昨日のユリコはほのかを「友人」としてではなく「憧れの人」として見ていたのですが、そのせいで自分とほのかの関係を無視した言葉を言ってしまいました。そのことに気づいたのか今日になってほのかを「友人」として見て言葉を言います。それは完全に自分の我儘です。ほのかの都合は無視しています。そういう意味では昨日も今日も我儘を言っているに過ぎません。でも、ユリコは自分の偶像である「憧れの人」ではなく「友人」としてほのかを見ることが出来ました。同じ我儘でも後者の意味で発せられた言葉の方が暖かく強いでしょう。また、こういう風にストレートに我儘を言えるのもユリコらしいかと思います。まあ、なぎさとのシーンを見た後だとかすんで見えてしまうというか、対比というか引き立て役なんじゃ・・・と思えてしまうのですが、「ほのかとユリコ」の関係としてはとっても微笑ましいラストだと思います。
母に返事を書くほのか。パリ行きの話は保留するようです。そんなほのかを見ながらさなえさんは「ゆっくり考えればいいんですよ。自分自身に正直にね」と呟きます。大好きですさなえさん。この大人っぷり。最強のポジション。この人が出てくると綺麗に締まる気がしてしまうマジック。
「これで良かったんデース」「悩んでもつまづいても、今を一生懸命生きるということの積み重ねがきっと幸せへの道なのよね」とダメ押しするように纏めるハーティエル。幼い外見に似合わず大人びたこと言います。月は静かに優しく輝きます。
○トピック
流石プリキュア。手加減してくれません。チクショウ、目頭熱くしながら感想書くのって大変なんだからな。っていうか、(今までも幾度と思ったが)本気でプリキュアはすげぇと思った。本気で理想的な子ども番組だと思った。個人的な考えですが、理想的な子ども番組とは理想を貫かんとする番組のことです。ちなみに理想的な子ども番組は私にとっても理想的な番組だったりします。っていうか、俺にとって理想的な番組がプリキュア。
今回の主題というのはほのかがパリに行くか行かないかではなく、友達(主になぎさ)がどう思ってくれるか、また友達との関係を再認識させるものでした。実際ほのかがパリに行くか行かないかというのはラストのように保留することもできるでしょうし、行くことも出来る、断ることも出来るものでした。
細かい部分については本編部分の感想で大体書いたので省略してしまいます。ほのかの本音(「行かないで」といって欲しい)は実は本編では語られないのですが、前回の予告で言っているのがミソですね。視聴者はほのかの本音を知っている状態ですが本編では語らせない(語れない)ことで切実さが如実に出ていたと思います。
そして一番目を見張ったのが「想いを伝える手段」でした。プリキュアは言葉で想いを伝えることが主体になっています。その方が具体的でメッセージが強いからです。コミュニケーションの基本は会話です。ところが今回はその限界に突き当たっています。言い換えるなら言語化が酷く難しい気持ちを抱えている状況でした。利己と利他。これまでのプリキュアは利己を肯定しつつも基本的には利他を優先するものでしたから、今回のような利己を内包した問題は言語化が難しいです。小難しくなるかくどくなるか言い訳がましくなってしまいます。
そこで用いられたのが非言語コミュニケーションでした。キャッチボール。キャッチボールと聞いても父親と息子がやるか野球少年がやるかしか思いつかないのですが、それを少女モノでやったことは衝撃的かつ今回の主題に対しての最高の解答であったと思います。正直やられた、と思いました。なぎさが自分の気持ちをどうやって言葉にするのかと思っていましたから意表をつかれました。この妥協の無さ。トリッキーな手段だから驚いたのではなく、「想いを伝える手段」としてまことに見事といわざるを得ないからビックリした。コミュニケーションはその当人同士に適した形で行うことが最も有効的で、そのために猿真似すればOKというわけではない。なぎさの選んだ方法はなぎさが最も得意とし、最も自分の気持ちを伝えられる方法として適しており、同時に相手からのパスを受けるという双方向性を持ったコミュニケーションとして最良の選択であったと思います。これ考えた人マジですげぇと思うよ。
もう一つ見所としては、最後の母に向けた言葉の中で「この次ぎに会えるときは、きっと成長したほのかになっていると思います」とあったことです。普通、留学とか可愛い子には旅をさせろとか言うように外の世界を見ることは成長の機会として良い意味で使われます。ですが、ここでは残ることでも成長の機会があると肯定しています。それはそうだと思います。成長するために最も必要だと思うものは意志です。理想や自分を前に進ませようとする心構えです。それが無ければどこに行こうが寝て起きての繰り返しにしかならないでしょう。自分を成長させるもの、得るものがあると能動的に捉えればどこであろうと人は成長できると思います。ハピネンが言ったように今を一生懸命生きるということの積み重ねが幸せへの道になるでしょう。
○この感想の意味が分かりづらいので補足
本編感想の中でしきりに「エゴ」「我儘」という言葉を使っていますが悪い意味で使っていません。基本的に私は「感情」を悪い意味で使うことは無いです。それは想いの発露だからです。「情」は「理」と同様に肯定されてしかるべきです。「情」は人を動かす原動力になります。身体を動かし言葉を紡ぎ他者をも動かす原動力になります。「理」はその制御を行うものです。「理」だけでは動けません。分の悪い賭けや状況の中でわずかな希望を信じて進もうとするのは「情」に他なりません。ただし自己を肥大化させた「情」とかダメね。それは「理」の出番が必要。要はバランスです。
実は今回あまりプリキュアとして解釈してなかったりします。そういう解釈でならみちたろさんの感想(11月23日)が読みやすく説得力あるものなので参照されたし。
じゃあ、何を見たのかと、何を持って「すげぇ」なのかというと、上トピックにあるようにコミュニケーションの方法が秀逸であり、この作品が他者とのコミュニケーションについて徹底して理想的な人間理解と信頼・友情を描いている点です。そしてそれを一般論ではなく、なぎさとほのかにしか適用できない形(ラクロスでキャッチボール)にしているのが見事です(上と同じこと言っているなぁ)。人間理解や友情は当人同士の間でしか成り立ちえません。視聴者-なぎさ、視聴者-ほのか、という間には人間理解や友情はありません(感情移入ならある)。だから真に友情を描くのであれば、なぎさ-ほのかのみに適用できる形でのコミュニケーションがなければなりません。何故「のみに適用」なのかというと、なぎさ-志穂となぎさ-ほのかは関係も共有する思い出も経験も全く異なるからです。なぎさと志穂にとってはキャッチボールはラクロスの練習という意味がすでに成り立っています。
言い換えればこういう特化された演出、関係描写は分かりにくく意味も曖昧になってしまう可能性があるのですが、そこに込められている意図、思想、配慮はフォーマット(一般論)化された友情演出などとは比較にならないほどの面白さと感動を得られます。結構今回地味だったという話を聞くのですが、個人的には大盛り上がりでした。特になぎさがどう伝えたら?と言葉にすることに悩む→スティック2本持ってきたシーンでの驚きと喜びは筆舌に尽くしがたい。なぎさとほのかのために作られた物語だからこそ面白いのです。(ひかりメインの回はひかりのために作られていればOK)
先ほどの「エゴ」「我儘」の話を持ってくると、今回なぎさが思っていたことを(野暮だと分かりつつも)箇条書きで表すと「ほのかには行って欲しくない、私はほのかを必要としている。でも、大丈夫、私とほのかは離れていても友情や絆は変わらない。そう信じているから。ほのかの気持ちも分かっている。行きたくないって分かっている。でも、大丈夫、ほのかも私を信じて。私達は大丈夫。だから、ほのかはほのかの思ったとおりに考えて、決めて欲しい」とかそんな感じかなと。うーん私日本語が不自由だなぁ。部活の時にその結論部分だけ言ってしまい、ほのかは悩んでしまうのですがキャッチボールにてその意図が理解されます。
人の想いは分かりません。物理的に不可能だから。テレパシーも使えません。では、どうすればいいのか、それは信じようとすること、相手を理解しようとすること、同時に相手にもそう思われたいと思うことだと思う。自分にエゴがあるように、相手にもエゴがあります。そのエゴを信じることです。相手の領域(判断、条件、行動)、自分には踏み込めない領域を認め、信じることが信頼というのだと思います。自分は自分、他人は他人だと今一度再認識する必要があります。
過度に自分を押し付けても、過度に相手に依存しても信頼は成り立ちません。なぎさは自分のほのかに対する気持ちを出しながらも、ほのかの自主性を重んじました。ほのかの領域はほのかに任せたのです。ほのかが何と言うかはほのかにしか分かりません。なぎさはほのかを信じているから、ほのかを一人の人間として認めているから、ほのかの道を支持する決断をしています。これはとても大人的で理性的な接し方です。
ほのかについて言えば、19話で悟ったように大丈夫とか言いながらめっちゃ今回躊躇っているのが可愛いのですが、それもまた感情故の悩みだと思います。理性であれば割り切ることも、納得することもできるかもしれません。でも、それでは感情が置いてきぼりになってしまいます。今回ほのかがモヤモヤしているのは感情を制御できていないからです。なぎさの助力によりほのかは自分の持っている感情を(外見上は出すことなく)なぎさにパスし、自らの内で肯定しました。感情はお荷物でも不要なものでもありません。自分そのものといっていいものです。それを受け入れたほのかは大きく人間として成長しています。というか、ほのかの場合は感情を受け入れると成長するタイプですね(この辺はdokoikoさんのチャートが面白いと思います)。キリヤとか科学部(MH17話)とか。「理」と「情」はふたつあって人となります。あー、だからなぎさとほのかはそれぞれ「情」と「理」に別れていたりするのかな。お互いに無いものに惹かれ、補い合いながら成長していきますね。「情」と「理」を同等のものとして扱い、統合させながら成長させていく描写も素晴らしいと思います。
そんなところで、今回の話は終わり(より意味が分からなくなっているような気もしないでもない)。
○3年目について
巷では主役交代説までありますが、結論言うと主人公変わっても変わんなくても良いです。どっちでもOK。ってのが私のスタンス。
別になぎさとほのかを軽く扱うわけではなく、つか、このふたりが居たからこそこの作品はこういう作品になったと思いますが、なんというか、この作品に込められている思想、意志が大好きなんです。子ども達が成長し、大人が静かにそれを見守る世界。暖かく、時には大声で理想を叫ぶ情熱。そういうのが好きなのですよ。人を理解し、信じ、希望を持って歩んでいく物語。その思想が大好き。そういうのを見ると感動するし、生きる力と意志を湧かせてくれる。3年目の予想とかは無いですが願望としてはなぎさとほのかが代わることよりもこの思想が変わることの方が嫌です。まあ、そうなった時はなぎさもほのかも(中身が)変わってしまうでしょう。
私がプリキュアをプリキュアだと思っているのはそういうことなんだろうな、と思います。実際、響鬼は路線変更して登場人物は代わりませんが、作品の雰囲気が変わってしまってヘコみましたから。
プリキュアがずっとこのままプリキュアたる思想を持って続くのであればそれは間違いなくプリキュアだと思います。
①暮れる夕日と心
放課後のラクロス練習。練習でもなぎさの活躍ぶりは健在です。次回はラクロスの試合らしいのでその前振りでしょうか。
雪城邸。さなえさんはほのかの部屋を訪れます。この時点で今回の重要性がうかがい知れます。さなえさんが序盤から出てくるといろんな意味で大変なことになります。そしてそれを全部見越しているのがさなえさんだったりします。母からの葉書を手渡すさなえさん。特に何を言うでもなく去っていきます。絶対に何が書いてあるのか知っているのにそれを言わないのがさなえさんです。
部屋で葉書に書かれた文面に目をとおすほのか。そこには仕事で世界を回っていた両親がしばらくはパリに滞在すること、そして一緒に暮らさないか?将来のことについて話し合いたいので一度パリに遊びに来てということが書いてあります。「パリで暮らす・・・」と表情の無い声で呟くほのか。その声には両親と会える、暮らせることの喜びは感じ取れません。ミップルも心配そうに見つめます。
②すれ違う心
翌朝。パリのことをなぎさとひかりに話すほのか。パリ!?と驚くなぎさにひかりは「そんなに遠いところなんですか?」と尋ねます。知ってそうで意外と知らないひかり。この辺は視聴者層の代弁も混じっています。「飛行機で三日くらいかかるんじゃない?」と答えるなぎさ。・・・どうやらこっちも分かってないみたいです。普段の会話なら普通に訂正するところですが、当人であるほのかにそんな余裕があるわけもなく少々沈んだ声で訂正します。すぐには答えを出せないと言うほのか。しかし、なぎさはほのかが行きたいなら行った方が良いんじゃないかな、と言います。ほのかは「えっ?」と思わず口にしてしまいます。構わず「ほのかなら大丈夫、どこに行っても元気にやっていけるって」となぎさは言います。言葉そのものは激励していますが、ほのかは表情と声を沈ませます。そのほのかを見て固まってしまうなぎさ。どうやら先の言葉が失言だったことに気づいたようです。
言葉とその意味が一対のものであれば誤解は生じ得ません。言葉と意味が直結しているなら他に解釈する余地がありません。しかし現実には、言葉には多様な意味が含まれています。そこに多様な解釈の余地があります。本来、言葉は人の心、想いを伝えるためのものですが想いの数だけ言葉は存在しません。想いの様相を全べて言い表せるほど言葉はありません。不自由なのです。普段ならそのことは誰でも知っていることですがしばしば忘れることがあります。なぎさにとっては励ましと信頼を言葉にしたつもりでも、ほのかにとっては見放されてしまったように思えたでしょう。アナタはどこに行ってもいいよ、と。
「おっはよ~」と突然なぎさに抱きつく志穂。大変なテンションです。遅れて莉奈も挨拶。そのままなぎさを連行していきます。ほのかとひかりにはにべも無いです。気を使わなくてもいい友人だろうということでしょうか(割とよくある風景なのかも)。もっとも、今のほのかにはなぎさとさらに距離を感じてしまうことだったかもしれません。何も言わず視線をほのかに移すひかり。果たしてこの娘はどこまで心の機微を察することが出来るだろうか。と、今度はユリコが現れてほのかを押していきます。ひさしぶりですユリコ。ほのか達の後姿を見ながら独り表情を落とすひかり。別に自分だけ残されたとか最後まで無視されたとか、友達居ないとかそういうことでヘコんだわけでは・・・ないと思う。まあ、今回ひかりは話には直接絡まないのだけど、ふたりの悩みや絆の在り方を見届ける立会人みたいなポジションですね。
国語の授業。「奥の細道」を読むよし美先生。また意味深なものを・・・。一作目8話思い出すなぁ。なぎさは先ほどの失言を悔いています。ちらりとほのかを見るとあまり元気が無い様子。授業が終わりなぎさはほのかに先ほどの話の続きを言おうとしますが、志穂と莉奈に遮られてしまいます。間が悪い。
ラクロス練習。休憩中になぎさは例え話として志穂と莉奈にパリ行きの話しをします。茶化す志穂と莉奈になぎさはどんな言葉を掛けてくれるか?と尋ねます。しかし、なぎさの真意が読めないというのもありますが、あまりに話が突発的で現実性が薄い上に日ごろから与太話をしているであろう志穂と莉奈は本気で取り合いません。参考にならずガックリするなぎさ。
科学部。実験を見せるユリコ。ほのかは身が入らずに窓の外を眺めます。それに気づくユリコ。
今度はアカネさんに聞くなぎさ。アカネさんはパリと聞いて、学生の頃に毎日通っていた喫茶店を思い出します。そしてそこであった恋の思い出に浸るアカネさん。興味津々と聞くなぎさですが、アカネさんは秘密にします。アカネさんのしゃべり方面白いなぁ。それでも重ねて聞くなぎさ。何の参考にするつもりなんだか。それでもダメとアカネさん。話を元に戻したところでお客さんが来てしまい席を離れるアカネさん。反省するなぎさ。何のために聞いたのだか。そっとドリンクが置かれます。ひかり。
ミップルと離れ離れは嫌!と主張するメップル。ポルンも同意します。ルルンくっつき過ぎです。このコンビ面白いと思う。ほのかと離れ離れになるなんて絶対嫌と本心を語るなぎさ。非常に危ういポーズです。視点の角度をほんの数度変えただけで大変なことになります。悩みを相談できなくなる、宿題が教えてもらえなくなる、お弁当を忘れた時に分けてもらえない、と語るなぎさ。メップルがすかさずツッコミます。「プリキュアだって・・・」とも口にするなぎさ。なお、今回ほとんど言及されてませんが、一応物語上最重要課題はプリキュア問題なのですが、ここが全くもってスルーされているのがポイントです。物語をリアルに追求するならプリキュアの問題は避けて通れないばかりか一番話題にされてよい部分(ほのかが踏みとどまる理由として一番に上がってもいい)なのですが、素晴らしいことにプリキュアはそんな些細なことに気をとらわれたりはしません。そんな無粋でつまらないことはしません。なぎさにとって、ほのかにとって、ひかりにとって(この作品にとって)問題はたった一つ。「友達」です。
だったら何で、と朝方の発言を責めるメップル。それは酷というものだ。軽はずみだったと反省するなぎさ。落ち込むなぎさにひかりはほのかならなぎさの気持ちを分かっていると言います。19話でなぎさが転校すると勘違いした時にほのかが確信持って言ったことを彼女は知っています。
なぎさはそれでも悩みます。何を言ってあげられるのか、何を言うべきなのか。今のほのかに必要な言葉。自分の中にある気持ちを言葉にすることができないむず痒さ。そういう場面が往々にしてあります。そしてその問題は国語や数学とは比べ物にならないほど難しい。たった一言でも人を勇気付けたり変えたりできるかもしれない。その逆もある。しかも大概取り消しが効かない一発勝負。
縁側で葉書を見つめるほのか。ミップルは何も言うことが出来ません。
ハーティエル・シークンとハピネン「行くべきか行かざるべきか」「どっちが幸せなんですかね」「難しい問題ですぅ」
③想いを伝えるには
洋館。少年はひかりとの邂逅を思い返します。「僕はどこで生まれたの?」「僕は一体・・・」と自問する少年。その様子を見るサーキュラスとバルデス。あ、バルデス居たんだ。バルデスは目覚める日もそう遠くないと語ります。サーキュラスはいつものようなルミナスに会いに出撃します。
科学部。ユリコはほのかに絶対に行くべき!と強く言います。ユリコはヨーロッパに留学するのが夢だったと言います。でも両親に止められて出来ない。そんなユリコから見ればほのかの話は夢そのもの。「それはそのとおりなんだけど・・・」と濁すほのか。どうでもいいけど手を白衣に入れた姿がカッコイイ。
ユリコの言っていることは正論の一つです。学術的な好奇心・向上心があるものからすれば留学はステップアップのチャンス。しかし、ユリコの本心はほのかを捉えていない。ユリコはほのかを尊敬しています。それはこれまでの関係で十分に分かります。尊敬しているからほのかはもっと高みへ行ってもらいたいと思う。自分の夢を叶えて欲しいと思う。だから自分の願望を言ってしまう。自分を投影する。それはエゴと言う。今のほのかにとってそれは重荷であると思う。そして今のユリコはほのかを友人としてではなく憧れの人として見ています。
ラクロス練習。なぎさはほのかが来ていることに気づいて駆け寄ります。ほのかはちょっと見に来ただけ、次の試合もうすぐなんでしょ?と話題を変えようとします。なぎさは「ほのかはいつも言ってるじゃない、自分のことは自分で決めなきゃって。だから、その・・・」と上手く言えません。しかも部活中であり時間も無し。間が悪い。後で家に行くと約束します。
夕方。ほのかは自室で横たわります。キュルキュルっとビデオを巻き戻し。横たわるほのか。・・・。え?何で巻き戻したかって?だって、ほら、ほのかの腰から下のラインというか、要するに腰とスカートから伸びる太ももが艶かしいんだもん。そりゃ巻き戻して見たくなるよね(お前だけだ)。
先ほどの「自分のことは自分で決めなきゃって」という言葉を思い返し「なぎさの言うとおりなんだよね。だけど」と呟きます。
ほのかはおそらく本心では(なぎさに)こう言って欲しいのだと思う「行かないで」と。自分をただの友人の内の一人としてではなく、かけがえのない親友として、「誰かさん」ではなく「ほのか」として見てもらいたい。引き止めてもらいたい。自分が必要とするように必要とされたいと。でもそれはエゴだ。我儘で聞き分けのないことだ。そして知ることが怖いことでもある。本当に必要とされているのか、もしかしたらされてはいないのではないか。だからほのかは問うことができない。我儘であることを知っているし、怖くもあるから。
なぎさは本心ではほのかに行って欲しくないと思っている。でも、それは自分の我儘であると知っているから出来ない。おそらくはほのかの気持ち(「行かないで」と言って欲しい)にも気づいていると思う。それでも彼女は「行かないで」とは言えない。何故ならもっと自分の気持ちを伝えたいと思っているから。それは自分がほのかを心から信頼し、必要とし、同時にほのかにもそう思われたいと思う想い。エゴ。我儘。
結局のところ、ふたりは我儘を言いたくても言えないのだと思う。相手を思い遣るということが我儘と衝突してしまう。ふたりの関係は非常に大人びており他者理解が強い。その弊害として本心をぶつけること、つまり我儘を言うことは非常に少ない。利己と利他は二律背反する。でも、人の心はそもそも矛盾した気持ちがあると思う。だからこれは言葉では言えないのだと思う。言葉は意味を多様に持たせる。一度解釈してしまえばその反対側の意味を見出すことは難しい。冒頭の会話のように誤解が生じてしまう可能性がある。そこでなぎさが取った行動は・・・
④友情のキャッチボール
さなえさんの声。約束どおりなぎさがラクロスのスティックを抱えてやって来ました。
第一声は「ごめんね」なぎさはほのかに謝ります。ほのかは(見た目には)気にしておらずなぎさの言うとおりだと答えます。安心してベッドに寝転がるなぎさ。そして、なぎさは神妙な表情と声で何か言おうとします。不安そうに見るほのか(多分、先ほどの続きを言われるのではないかと怖がったのではないかと思う)。なぎさはガバっと起きてほのかをキャッチボールに誘います。そうステッィクは2本あります。どうでもいいですが、「キャッチボールしよっか」と言った時のなぎさの表情は作画がどうのこうのという話の問題ではなく、めっちゃカッコイイ。
河川敷。そろそろ夕日も暮れそうな時間。ひかりも斜面に座ってふたりの様子を見ます。どこか安心している様子です。
なぎさは「いくよ~」と声を掛けます。そして優しくボールを投げます。それを受け取るほのか。今度はほのかが投げます。ちょっと大きく飛ぶボールをなぎさはキャッチします。感心するほのかになぎさは伊達にキャプテンやってないからね、と見得を切ります。キャッチボールをするふたり。無言。行きかうボールだけが音を立てます。
「ふたりでキャッチボールするなんて初めてだね」「そうだね」「何か、身体を動かすのって楽しい」「でしょ」声と一緒にボールが紡がれます。
ふたりが元気になったことに安心するひかり。メップルミップルは何がなんだか分かりません。「良かった」と呟くひかり。彼女はふたりのキャッチボールに何を見るのだろう。
言葉で伝えられないのなら言葉を使わなければいい。何も言葉だけが想いを伝える唯一の手段ではないのだから。ほのかにもなぎさにもエゴはある。相手に直接言えない想いがある。なぎさは言葉を使うのではなく身体を使うことを選んだ。自分の気持ちを投げること、相手の気持ちを受け止めることの暗喩。ややもすれば意味の分からない行為だが、なぎさとほのかにとっては今一番必要で効果的な行為。言葉はそれ自体意味を持っている。キャッチボールはそれ自体に意味は無い。ボールを投げ、受け、投げ返す行為。想いを伝えるなら言葉を使う方が効率的で有効であるが、意味があるために誤解を生じる可能性がある(想いの意味と言葉の意味がごっちゃになっている)。キャッチボールそれ自体に意味が無いということは、そこには想いしかないということである。曖昧で不明確なメッセージ。だけど余計な装飾がない方が伝わることもあると思う。我儘やエゴは汚いかもしれない。それを言葉にすることなく、キャッチボールで伝えようとしたなぎさはなぎさらしく、そしてカッコイイ。
⑤強い敵。でももっと強いプリキュア
さて、安心していられるのも束の間、邪悪な気配がしてきます。ほのかはなぎさに「ありがとう」と言いながら投げますが力んだのか大きく飛ぶボール。それを掴むサーキュラス。
ボールを割って握りつぶしてやろうとやる気満々です。負けじとこちらも変身です。おおっ、これは!もう見られないと思っていたベスト着用姿変身!やったぜ!今回はいろんな意味ですげぇ。
前口上が言い終わるかないかの内に攻撃を仕掛けてくるサーキュラス。ブラックは川に落ちます。地面を転がるホワイト。サーキュラスはさらに追い立てますが今度は回避します。ふわりとした着地や動きが久しぶりな感じ。ひかりも変身します。
三人揃うも速攻でぶっ飛ばされる三人。今日のサーキュラスは強いです。「お前達の居場所はなくなるのだ」と言うサーキュラスにホワイトは「私達の居場所は私達で決めるのよ」と反論します。そして軽やかに舞いサーキュラスに攻撃。カッコイイ。しかし、サーキュラスはプリキュアの言葉も攻撃にも堪えた様子が無くあしらいます。「お前達自身が意思を持つことなど許されないのだ」と語ります。そのサーキュラスに「そんなことない!」とホワイト。キタ!もうこれは例のパターンだ。待ってました。大好きですよこの口ゲンカ(次元低そうな言い方だなぁ)。「私達の生き方は私達が決める!」「運命は自分自身で切り開くもの。絶対に諦めない!」幾度となく地にひれ伏そうと立ち上がるプリキュア。挫けない強い意志。
ザケンナーを召還するサーキュラス。テトラポットザケンナー。地面をたたきつけると同時に爆発が起きてふたりを吹き飛ばします。かなり実戦的な武器です。最近のザケンナーは機能的です。プリキュアを助けるためにルミナスはハーティエル・アンクションでザケンナーの動きを止めます。久しぶりです。以前は動きが鈍くなるとかだったのですが完全に動きを止め空中で停止するザケンナー。ブローチェの効果かな。ところで空中?攻撃を仕掛けるために跳び上がったところを迎撃したのか?直撃したときは地上で立っていたように見えたんですが。あれか、適当に張り付けたのか?どっちにせよ、ザケンナーは邪魔なところにいても困るので構わないでしょう。あと、ここでアンクションを使わせた時点でトドメはマーブルスクリュー確定だと思うのですが(アンクション→ルミナリオのコンボは今のところ無い)、これが今回の戦闘の肝。そう、ふたりの友情パワーを炸裂させるにはマーブルスクリューしかありません。
サーキュラスは気合を入れてエネルギー弾を放ちます。直撃するプリキュア。土煙が収まり、そこに立っていたのは防御姿勢をとるもののダメージをそれほど受けていないふたり。絵的にカッコイイ。「私達、見かけによらず結構タフなのよね」制服着ててもタフです。「あなたにも私達の本気の力見せてあげる」カッコイイなプリキュア。ブレス召還。そしてスクリュー。耐えるサーキュラスですが「スパーク!」には耐えられません。ノックバックする時のプリキュアの「ううー!」って踏ん張りが良い。カッコイイ。ゴメンナー。
⑥正直に生きよう
翌朝。なぎさの肩にぶつかって「おはよう」と挨拶するほのか。いつになくアクティブでポジティブです。志穂に対抗とかそういうのを置いて真面目に言うのであれば、これはほのかのなぎさに対する答えです。自分の我儘を身体で受け止めてくれたなぎさに対してほのかはこれまで以上の信頼を抱いたと思います。その肩に乗っても大丈夫という信頼。同様に自分に対するなぎさの信頼。だから彼女はいつもよりちょっとだけ積極的になぎさに挨拶します。傍から見れば厚かましくオーバーな挨拶。でも、なぎさはそれを決して不快とも思わないし、受け止めきれずに身体を崩すことも無い。それをほのかは知っています。見た目上は志穂達とそれほど変わらない挨拶ですが、そこには確たる信頼とちょっとした我儘があります。
ほのかはなぎさにラクロスをずっと続けるのかと聞きます。先のことは分からないと答えるなぎさ。それを聞いたほのかは安心したように「そうよね、分からないわよね。分かんなくてもいいんだよね」と独り言のように言います。ほのかには珍しい言葉です。
と、ユリコが神妙な顔で現れます。昨日の話を取り消したいというユリコ。何のことだかよく分からないほのか。「パリに行かないで、ほのかと別れるなんて嫌、ずっとずっと一緒がいいー!」と叫びます。
昨日のユリコはほのかを「友人」としてではなく「憧れの人」として見ていたのですが、そのせいで自分とほのかの関係を無視した言葉を言ってしまいました。そのことに気づいたのか今日になってほのかを「友人」として見て言葉を言います。それは完全に自分の我儘です。ほのかの都合は無視しています。そういう意味では昨日も今日も我儘を言っているに過ぎません。でも、ユリコは自分の偶像である「憧れの人」ではなく「友人」としてほのかを見ることが出来ました。同じ我儘でも後者の意味で発せられた言葉の方が暖かく強いでしょう。また、こういう風にストレートに我儘を言えるのもユリコらしいかと思います。まあ、なぎさとのシーンを見た後だとかすんで見えてしまうというか、対比というか引き立て役なんじゃ・・・と思えてしまうのですが、「ほのかとユリコ」の関係としてはとっても微笑ましいラストだと思います。
母に返事を書くほのか。パリ行きの話は保留するようです。そんなほのかを見ながらさなえさんは「ゆっくり考えればいいんですよ。自分自身に正直にね」と呟きます。大好きですさなえさん。この大人っぷり。最強のポジション。この人が出てくると綺麗に締まる気がしてしまうマジック。
「これで良かったんデース」「悩んでもつまづいても、今を一生懸命生きるということの積み重ねがきっと幸せへの道なのよね」とダメ押しするように纏めるハーティエル。幼い外見に似合わず大人びたこと言います。月は静かに優しく輝きます。
○トピック
流石プリキュア。手加減してくれません。チクショウ、目頭熱くしながら感想書くのって大変なんだからな。っていうか、(今までも幾度と思ったが)本気でプリキュアはすげぇと思った。本気で理想的な子ども番組だと思った。個人的な考えですが、理想的な子ども番組とは理想を貫かんとする番組のことです。ちなみに理想的な子ども番組は私にとっても理想的な番組だったりします。っていうか、俺にとって理想的な番組がプリキュア。
今回の主題というのはほのかがパリに行くか行かないかではなく、友達(主になぎさ)がどう思ってくれるか、また友達との関係を再認識させるものでした。実際ほのかがパリに行くか行かないかというのはラストのように保留することもできるでしょうし、行くことも出来る、断ることも出来るものでした。
細かい部分については本編部分の感想で大体書いたので省略してしまいます。ほのかの本音(「行かないで」といって欲しい)は実は本編では語られないのですが、前回の予告で言っているのがミソですね。視聴者はほのかの本音を知っている状態ですが本編では語らせない(語れない)ことで切実さが如実に出ていたと思います。
そして一番目を見張ったのが「想いを伝える手段」でした。プリキュアは言葉で想いを伝えることが主体になっています。その方が具体的でメッセージが強いからです。コミュニケーションの基本は会話です。ところが今回はその限界に突き当たっています。言い換えるなら言語化が酷く難しい気持ちを抱えている状況でした。利己と利他。これまでのプリキュアは利己を肯定しつつも基本的には利他を優先するものでしたから、今回のような利己を内包した問題は言語化が難しいです。小難しくなるかくどくなるか言い訳がましくなってしまいます。
そこで用いられたのが非言語コミュニケーションでした。キャッチボール。キャッチボールと聞いても父親と息子がやるか野球少年がやるかしか思いつかないのですが、それを少女モノでやったことは衝撃的かつ今回の主題に対しての最高の解答であったと思います。正直やられた、と思いました。なぎさが自分の気持ちをどうやって言葉にするのかと思っていましたから意表をつかれました。この妥協の無さ。トリッキーな手段だから驚いたのではなく、「想いを伝える手段」としてまことに見事といわざるを得ないからビックリした。コミュニケーションはその当人同士に適した形で行うことが最も有効的で、そのために猿真似すればOKというわけではない。なぎさの選んだ方法はなぎさが最も得意とし、最も自分の気持ちを伝えられる方法として適しており、同時に相手からのパスを受けるという双方向性を持ったコミュニケーションとして最良の選択であったと思います。これ考えた人マジですげぇと思うよ。
もう一つ見所としては、最後の母に向けた言葉の中で「この次ぎに会えるときは、きっと成長したほのかになっていると思います」とあったことです。普通、留学とか可愛い子には旅をさせろとか言うように外の世界を見ることは成長の機会として良い意味で使われます。ですが、ここでは残ることでも成長の機会があると肯定しています。それはそうだと思います。成長するために最も必要だと思うものは意志です。理想や自分を前に進ませようとする心構えです。それが無ければどこに行こうが寝て起きての繰り返しにしかならないでしょう。自分を成長させるもの、得るものがあると能動的に捉えればどこであろうと人は成長できると思います。ハピネンが言ったように今を一生懸命生きるということの積み重ねが幸せへの道になるでしょう。
○この感想の意味が分かりづらいので補足
本編感想の中でしきりに「エゴ」「我儘」という言葉を使っていますが悪い意味で使っていません。基本的に私は「感情」を悪い意味で使うことは無いです。それは想いの発露だからです。「情」は「理」と同様に肯定されてしかるべきです。「情」は人を動かす原動力になります。身体を動かし言葉を紡ぎ他者をも動かす原動力になります。「理」はその制御を行うものです。「理」だけでは動けません。分の悪い賭けや状況の中でわずかな希望を信じて進もうとするのは「情」に他なりません。ただし自己を肥大化させた「情」とかダメね。それは「理」の出番が必要。要はバランスです。
実は今回あまりプリキュアとして解釈してなかったりします。そういう解釈でならみちたろさんの感想(11月23日)が読みやすく説得力あるものなので参照されたし。
じゃあ、何を見たのかと、何を持って「すげぇ」なのかというと、上トピックにあるようにコミュニケーションの方法が秀逸であり、この作品が他者とのコミュニケーションについて徹底して理想的な人間理解と信頼・友情を描いている点です。そしてそれを一般論ではなく、なぎさとほのかにしか適用できない形(ラクロスでキャッチボール)にしているのが見事です(上と同じこと言っているなぁ)。人間理解や友情は当人同士の間でしか成り立ちえません。視聴者-なぎさ、視聴者-ほのか、という間には人間理解や友情はありません(感情移入ならある)。だから真に友情を描くのであれば、なぎさ-ほのかのみに適用できる形でのコミュニケーションがなければなりません。何故「のみに適用」なのかというと、なぎさ-志穂となぎさ-ほのかは関係も共有する思い出も経験も全く異なるからです。なぎさと志穂にとってはキャッチボールはラクロスの練習という意味がすでに成り立っています。
言い換えればこういう特化された演出、関係描写は分かりにくく意味も曖昧になってしまう可能性があるのですが、そこに込められている意図、思想、配慮はフォーマット(一般論)化された友情演出などとは比較にならないほどの面白さと感動を得られます。結構今回地味だったという話を聞くのですが、個人的には大盛り上がりでした。特になぎさがどう伝えたら?と言葉にすることに悩む→スティック2本持ってきたシーンでの驚きと喜びは筆舌に尽くしがたい。なぎさとほのかのために作られた物語だからこそ面白いのです。(ひかりメインの回はひかりのために作られていればOK)
先ほどの「エゴ」「我儘」の話を持ってくると、今回なぎさが思っていたことを(野暮だと分かりつつも)箇条書きで表すと「ほのかには行って欲しくない、私はほのかを必要としている。でも、大丈夫、私とほのかは離れていても友情や絆は変わらない。そう信じているから。ほのかの気持ちも分かっている。行きたくないって分かっている。でも、大丈夫、ほのかも私を信じて。私達は大丈夫。だから、ほのかはほのかの思ったとおりに考えて、決めて欲しい」とかそんな感じかなと。うーん私日本語が不自由だなぁ。部活の時にその結論部分だけ言ってしまい、ほのかは悩んでしまうのですがキャッチボールにてその意図が理解されます。
人の想いは分かりません。物理的に不可能だから。テレパシーも使えません。では、どうすればいいのか、それは信じようとすること、相手を理解しようとすること、同時に相手にもそう思われたいと思うことだと思う。自分にエゴがあるように、相手にもエゴがあります。そのエゴを信じることです。相手の領域(判断、条件、行動)、自分には踏み込めない領域を認め、信じることが信頼というのだと思います。自分は自分、他人は他人だと今一度再認識する必要があります。
過度に自分を押し付けても、過度に相手に依存しても信頼は成り立ちません。なぎさは自分のほのかに対する気持ちを出しながらも、ほのかの自主性を重んじました。ほのかの領域はほのかに任せたのです。ほのかが何と言うかはほのかにしか分かりません。なぎさはほのかを信じているから、ほのかを一人の人間として認めているから、ほのかの道を支持する決断をしています。これはとても大人的で理性的な接し方です。
ほのかについて言えば、19話で悟ったように大丈夫とか言いながらめっちゃ今回躊躇っているのが可愛いのですが、それもまた感情故の悩みだと思います。理性であれば割り切ることも、納得することもできるかもしれません。でも、それでは感情が置いてきぼりになってしまいます。今回ほのかがモヤモヤしているのは感情を制御できていないからです。なぎさの助力によりほのかは自分の持っている感情を(外見上は出すことなく)なぎさにパスし、自らの内で肯定しました。感情はお荷物でも不要なものでもありません。自分そのものといっていいものです。それを受け入れたほのかは大きく人間として成長しています。というか、ほのかの場合は感情を受け入れると成長するタイプですね(この辺はdokoikoさんのチャートが面白いと思います)。キリヤとか科学部(MH17話)とか。「理」と「情」はふたつあって人となります。あー、だからなぎさとほのかはそれぞれ「情」と「理」に別れていたりするのかな。お互いに無いものに惹かれ、補い合いながら成長していきますね。「情」と「理」を同等のものとして扱い、統合させながら成長させていく描写も素晴らしいと思います。
そんなところで、今回の話は終わり(より意味が分からなくなっているような気もしないでもない)。
○3年目について
巷では主役交代説までありますが、結論言うと主人公変わっても変わんなくても良いです。どっちでもOK。ってのが私のスタンス。
別になぎさとほのかを軽く扱うわけではなく、つか、このふたりが居たからこそこの作品はこういう作品になったと思いますが、なんというか、この作品に込められている思想、意志が大好きなんです。子ども達が成長し、大人が静かにそれを見守る世界。暖かく、時には大声で理想を叫ぶ情熱。そういうのが好きなのですよ。人を理解し、信じ、希望を持って歩んでいく物語。その思想が大好き。そういうのを見ると感動するし、生きる力と意志を湧かせてくれる。3年目の予想とかは無いですが願望としてはなぎさとほのかが代わることよりもこの思想が変わることの方が嫌です。まあ、そうなった時はなぎさもほのかも(中身が)変わってしまうでしょう。
私がプリキュアをプリキュアだと思っているのはそういうことなんだろうな、と思います。実際、響鬼は路線変更して登場人物は代わりませんが、作品の雰囲気が変わってしまってヘコみましたから。
プリキュアがずっとこのままプリキュアたる思想を持って続くのであればそれは間違いなくプリキュアだと思います。
第37話「なぎさ飛ぶ!ほのか舞う!志穂全力の大舞台!」
○今週の出来事
①志穂の志
回想しながら登校するなぎさ。前回のポルン達の頑張りに感心します。とそこへ肩を叩かれ「おはよう」の声。志穂と莉奈です。と、いつの間にかなぎさの右隣にいるほのか。まるで最初から居たのではないかと思ってしまうほど当然のようにいます。はっ、速い。気配が全く感じられませんでした。流石です。
話題はベローネ際。今年も演劇をするようです。志穂は演出・脚本として張り切っています。「勝負したい」と語る志穂。どうやら映画関係の仕事をしたいというのは親にも言っているようで、親からはもう少し考えてみたら、と言われたと話します。このベローネ際で自信を付けたいとテンションを更に高くして意気込む志穂。何気にこの作品において最も将来とその努力をしている娘です。ん、そう言えばプリキュアは若年層向けの割りに「お嫁さんになりたい」とか「恋したい」というのはあまり前面に出ないですね。自立的というか、本当に女の子が主役の話です。
②牛若丸と弁慶
桜組。志穂がメインになって演劇について話し合い。というか、すでにお題目は「牛若丸と弁慶」脚本も作成済みというお膳立ての良さ。つか、話し合いじゃなくて事後承認です。しかし、クラスの反応はシーンとして皆無反応です。それでも演劇の内容について意気揚々と話す志穂。メインは牛若丸対弁慶の対決です。説明し終わって皆の反応を見る志穂。皆静まり返っています。切ない。でも志穂の一人舞台になってしまっているのも事実です。独りじゃ相撲はとれません。牛若丸の軽やかな動きについて京子が質問します。それに対してワイヤーアクションを使うと志穂。クラスからは危険では?という声が起こります。それについても専門のスタッフを使うと志穂。いや、待て、そのスタッフはどこから・・・やる気です。やる気、気合十分です。
しかし、クラスの反応はそれでも冷めています。シビアです。実際、危険性があるワイヤーアクションをやりたいという人がいるか?という問題。意気消沈しかけた志穂になぎさは立ち上がって志願します。朝の会話もあります。ここで志穂の夢を断ち切るわけにはいきません。それにこんな危険かつ運動神経が入りそうなことはなぎさかほのかしかできません。
なぎさに次いで挙がる手。ほのかは弁慶を志願します。来ました。個人的今週の見所。クラスから驚きの声。ほのかもまたなぎさと同じ気持ちです。「雪城さん・・・」とつぶやく志穂。あまりクラスでは気づかれていないでしょうが、ほのかはこういう娘です。決して、牛若丸の相方である弁慶は自分を置いて他にいないとか、なぎさの相方は私なのよ!とかそういう気持ちはありません。多分。
クラスからはほのかと弁慶のイメージが合わないと戸惑いの声が起こりますが、ほのかはそれに負けずやりたいと貫きます。多分に志穂への気遣いがあるのでしょう。しかしそれを差し引いても彼女なりの真剣さと、クラスへの自分の開示があるように思えます。(現学級委員か分からないが)クラスの代表としての言葉ではなく、クラスの一人としてやりたいと意思表示をすることは、ほのかにとってあまり無かったように思えます。去年のジュリエットは投票でした。なぎさ達との関係では個性が強いほのかですがクラスではまとめ役が多いのでこういう自己主張するシーンは印象的です。
そこに莉奈の「なぎさの牛若丸と雪城さんの弁慶なんてちょっと見てみたいかも。皆やろうよ」という呼びかけがありクラスの賛同を得ます。ささやかな友情。えらい強引な流れで決定されていますが、まあ、やる気のある人がグイグイと引っ張った方が話しは進むでしょう。あと、このクラスは一度流れに乗ると突き進むようだし。
③挫折
久保田家。志穂は親に演劇を見に来てね!と張り切って登校します。初登場の志穂の両親。何と言うか普通です。普通に金持ってそうな家です(嫌な言い方だなぁ)。父はゆっくりしていますがまさか重役出勤なのでは。久保田家、なかなか狙い目かもしれません(嫌な言い方だなぁ)。気合入っている志穂について父は母に尋ねます。母はこの前パパが反対したからと言いますが、父は視野を広く持ちなさいと言っただけだよ、と返します。普通の親です。悪い意味でなく、普通に良い親です。
教頭と校長。例によってお調子者の教頭とマイペースな校長。この人達を見ていると平和だと感じてしまいます。
ワイヤーアクションスタッフを紹介する志穂。一体どこから呼んだのか。どこにそんなコネが・・・はっ、父親のコネか!ちなみにほのかなら本場のスタッフを呼べます。多分。なお、志穂の後ろに真由いましたね。相変わらず存在感が薄いそんな貴女が好きです。
プロらしく安全性への考慮、責任を感じさせるおやっさん達。いぶし銀です。ワイヤーアクションの由来について語る志穂。流石映画志望なだけはあります。ちなみにほのかならもっと詳しそうです。役者とスタッフが息を合わせることが大切なんですよね、とおやっさん達に語る志穂。なかなか達者なものです。
主役のなぎさ登場です。バッチリ決まっています。男前な衣装が似合う女優です。始めは「牛若丸と弁慶」に乗り気でなかった夏子と京子も衣装係としての腕は一級品です。調子付くなぎさに呆れてしまう莉奈と聖子。そこにほのかも登場。なぎさ曰く「可愛らしい弁慶」が当てはまります。
じゃ、脱いでとおやっさん。別に変な意味ではありません。ワイヤーアクションのための装備です。練習開始。ほのかの胸を張ってセリフを真剣に言う姿がたまりません。そしてなぎさの大根っぷりもたまりません。ワイヤーで跳ぶなぎさ。大失敗。難しいようです。ダンボールを抱えてその光景を見るひかり。何かの準備でしょうか。っていうか、今までひかりのこと忘れていたのは内緒の秘密です。
練習。なかなか上手くいきません。宙吊りになるなぎさが可愛いです。ごめん、タイミング違っちゃったと言うほのかも可愛いです。冷静に難しいもんだね、と莉奈。頷く夏子と京子。
練習。今度は衣装を着てても上手く跳べました。しかし着地が安定せず失敗。失敗続きで自信を失くしてしまう志穂。猶予の時間は限られてきました。志穂は皆を呼び、ワイヤーアクションの中止を話します。大丈夫と話す志穂ですが、なぎさが感じているように一番残念がっているのは志穂です。自分のせいで、と落ち込むなぎさ。そーいえば、おやっさん達のギャラとかってどうなるんですかね?
何気にプリキュアに変身して、衣装を着替えてやればワイヤー無くても出来そうです。
④ベローネ☆フェスティバル
当日。満員御礼の会場。なぎさの両親と志穂の両親も来ています。
堂に入った殺陣(たて)をするなぎさ。セリフを言わせるより動いた方が上手いです。しかし、暗闇の中笛を吹くシーンでは大コケしてしまい爆笑してしまう会場。相変わらず三枚目になってしまう人です。苦笑いしてしまう藤Pと心配そうなひかり。
舞台裏で落ち込むなぎさを志穂は励まします。ある意味でこうなることは去年から分かっていたわけですが。なぎさが不甲斐ない部分は多々ありますが、志穂にとってこの「牛若丸と弁慶」を出来たのは紛れも無くなぎさの志願のおかげ。文句や悪態はつきません。
それと弁慶のヒゲが気になるんですが。どうやってくっ付けているんだろう・・・。ほのかとヒゲのコンボ。もう、可愛いとかの次元じゃありません。
⑤弁慶乱入
そんなこんなで邪悪な気配が満ちてきます。眠り込む会場。藤Pも木俣と肩を並べて仲良くオネンネ。驚くひかり。別に藤Pと木俣が変な関係だと思ったわけではありません。
異常な事態。天井から足音が聞こえてきます。この重量感はウラガノスでしょうか。案の定天井から落ちてきます。烏天狗をザケンナーに変えて突風であおります。ほのかの持った薙刀が舞いウラガノスの手に渡ります。ウラガノスサイズの武器になる薙刀。あ、こういう力もあるんだ。この人こういう武器持つと似合います。ふたりに迫ろうとしますが頭を天井にぶつけてしまいます。その隙に変身です。って、この格好でかよ!なぎさは良くてもほのかがヤバいです。面白すぎる。幾多の変身シーンの中でも異色な変身です。でも、そんなほのかを私は嫌うどころかますます好きになってしまいます。
ウラガノスを踏台にして屋外へ出るプリキュア。体育館の中では狭いし(他の人いるか分からんが)被害が出てしまいます。渡り廊下の上で追いつかれ、迫るウラガノス。しかし渡り廊下(主にガラス)が重量に耐え切れず壊れてしまいます。その衝撃で飛ばされるプリキュア。木にぶつかりますが、ブラックの落ち方が何か情けないです。立ち上がったウラガノスの前にひかりが出てきてしまい逃げ出すひかり。木陰に隠れたひかりを見失ってウラガノスは烏天狗を使い竜巻にプリキュアを巻き込みます。羽で視界を奪われたブラックに烏天狗が攻撃を仕掛けます。ホワイトも竜巻で動くことが出来ません。そこでホワイトは敵の位置をブラックに伝え、見事撃退します。かなりアバウトな掛け声ですが、そこは以心伝心です。ウラガノスの肩に降り立ちお礼を言うブラックとホワイト。すごい体格比です。っていうか、和んでいる場合ではありません。反撃開始です。
軽やかに薙刀の上に降り立つブラック。ホワイトと同時に蹴りこみます。弾き返されますが、ホワイトの攻撃は当たりよろめいたところで再攻撃でブラックの連続キックが炸裂します。
2体のザケンナーを合体させるウラガノス。対抗してひかりもルミナスに変身します。輝くハーティエル。プロスンを加えてその数は8つです。よくわかんないけど強そー。合体して強くなったザケンナーには申し訳有りませんがルミナリオでさくっとゴメンナーです。
先ほどのホワイトのアシストに何かを気づくブラック。
⑥みんなで大団円
起きた志穂になぎさはワイヤーアクションの使用を提案します。ほのかの声にタイミングを合わせるとなぎさ。その言葉に自信を持つ志穂。ワイヤーアクションは役者とスタッフの連携が鍵です。おやっさん達はプロですが相方としては日の浅い人達です。しかし、この桜組は一朝一夕のクラスではありません。
五條大橋。シーンはクライマックスです。牛若丸の前に現れるヒゲ。可愛い声で勇ましいことを言います。そして軽やかに舞う牛若丸。裏方スタッフの力を合わせてワイヤーアクション。って、これ本来なら本番でもおやっさん達がやる手はずだったんだよね?本当に(裏方が)ぶっつけ本番です。息の合ったアクションで大好評で終わります。中盤は笑いが起きてもラストは締めるのが桜組です。
ハーティエル・ハピネンが現れます。
⑦新ED
おお、可愛い!何でこの時期に歌変えるのかなーと思ったけど、やっぱり季節に合わせた歌詞と映像ですね。こういうリアルタイムな進行なら大歓迎です。実は今までのEDだとラストの絵が春になってて不満だったのですよ。
冬服が可愛いのですが、意外にもひかりがカッコイイ系の服着ててビックリ。しかも似合っているし。ハートを爆発させて走るなぎさに一番で掴まっているほのかは流石だと思う。そしてスキー場でもバンダナしているアカネさんも流石だと思う。雪合戦なのか三人の表情は萌えという言葉では収まりがつきません。
⑧次回予告
やべぇ展開キターー。でも、来週関西に行くのでリアルタイムで見れねぇ!!ひらかたパークでプリキュアショー見てきます。あと京都観光。←結局プリキュア。
○トピック
戦闘パートでフィードバックしたことを直接的に日常パートに持ってきてハッピーエンド(ああ、だからハピネンなのか)という珍しい流れ。プリキュアの場合、直接的・具体的な戦闘から日常への関わりは少なくて今までの場合だと精神性や意志が主な要素でしたので(それがプリキュアの良いところなのですが)今回みたいな展開は新鮮でした。纏め方としては綺麗で循環的な手法。。普段は戦闘(非日常)を嫌うプリキュアですが、たまには戦闘から得た経験で日常をハッピーにしてもバチは当たらんでしょう。ただ、この手法を多用しすぎると日常を成功させるためには非日常が不可欠な印象がついてしまうので、あまりやらないような気はします。
去年はなぎさとほのかの超演技で無理やり締めましたが、今回はみんなで息を合わせて成功を収めたのが楽しかったです。志穂の笑顔が素敵。最初はクラスを引っ張るようにかなり浮いていた志穂ですが、練習風景や本番では独りよがりな進行はせずに、周りと協調を取って進めていたのが良かったです。去年はなぎさのミスに悪態ついてましたからねぇ。彼女なりの変化や仲間との協力が印象強くなっています。それにしてもおやっさんだとか裏方にスポットライト当てる渋さがプリキュアらしいと思います。なぎさとほのかで100点を取るんじゃなくてみんなで100点を取ります。
①志穂の志
回想しながら登校するなぎさ。前回のポルン達の頑張りに感心します。とそこへ肩を叩かれ「おはよう」の声。志穂と莉奈です。と、いつの間にかなぎさの右隣にいるほのか。まるで最初から居たのではないかと思ってしまうほど当然のようにいます。はっ、速い。気配が全く感じられませんでした。流石です。
話題はベローネ際。今年も演劇をするようです。志穂は演出・脚本として張り切っています。「勝負したい」と語る志穂。どうやら映画関係の仕事をしたいというのは親にも言っているようで、親からはもう少し考えてみたら、と言われたと話します。このベローネ際で自信を付けたいとテンションを更に高くして意気込む志穂。何気にこの作品において最も将来とその努力をしている娘です。ん、そう言えばプリキュアは若年層向けの割りに「お嫁さんになりたい」とか「恋したい」というのはあまり前面に出ないですね。自立的というか、本当に女の子が主役の話です。
②牛若丸と弁慶
桜組。志穂がメインになって演劇について話し合い。というか、すでにお題目は「牛若丸と弁慶」脚本も作成済みというお膳立ての良さ。つか、話し合いじゃなくて事後承認です。しかし、クラスの反応はシーンとして皆無反応です。それでも演劇の内容について意気揚々と話す志穂。メインは牛若丸対弁慶の対決です。説明し終わって皆の反応を見る志穂。皆静まり返っています。切ない。でも志穂の一人舞台になってしまっているのも事実です。独りじゃ相撲はとれません。牛若丸の軽やかな動きについて京子が質問します。それに対してワイヤーアクションを使うと志穂。クラスからは危険では?という声が起こります。それについても専門のスタッフを使うと志穂。いや、待て、そのスタッフはどこから・・・やる気です。やる気、気合十分です。
しかし、クラスの反応はそれでも冷めています。シビアです。実際、危険性があるワイヤーアクションをやりたいという人がいるか?という問題。意気消沈しかけた志穂になぎさは立ち上がって志願します。朝の会話もあります。ここで志穂の夢を断ち切るわけにはいきません。それにこんな危険かつ運動神経が入りそうなことはなぎさかほのかしかできません。
なぎさに次いで挙がる手。ほのかは弁慶を志願します。来ました。個人的今週の見所。クラスから驚きの声。ほのかもまたなぎさと同じ気持ちです。「雪城さん・・・」とつぶやく志穂。あまりクラスでは気づかれていないでしょうが、ほのかはこういう娘です。決して、牛若丸の相方である弁慶は自分を置いて他にいないとか、なぎさの相方は私なのよ!とかそういう気持ちはありません。多分。
クラスからはほのかと弁慶のイメージが合わないと戸惑いの声が起こりますが、ほのかはそれに負けずやりたいと貫きます。多分に志穂への気遣いがあるのでしょう。しかしそれを差し引いても彼女なりの真剣さと、クラスへの自分の開示があるように思えます。(現学級委員か分からないが)クラスの代表としての言葉ではなく、クラスの一人としてやりたいと意思表示をすることは、ほのかにとってあまり無かったように思えます。去年のジュリエットは投票でした。なぎさ達との関係では個性が強いほのかですがクラスではまとめ役が多いのでこういう自己主張するシーンは印象的です。
そこに莉奈の「なぎさの牛若丸と雪城さんの弁慶なんてちょっと見てみたいかも。皆やろうよ」という呼びかけがありクラスの賛同を得ます。ささやかな友情。えらい強引な流れで決定されていますが、まあ、やる気のある人がグイグイと引っ張った方が話しは進むでしょう。あと、このクラスは一度流れに乗ると突き進むようだし。
③挫折
久保田家。志穂は親に演劇を見に来てね!と張り切って登校します。初登場の志穂の両親。何と言うか普通です。普通に金持ってそうな家です(嫌な言い方だなぁ)。父はゆっくりしていますがまさか重役出勤なのでは。久保田家、なかなか狙い目かもしれません(嫌な言い方だなぁ)。気合入っている志穂について父は母に尋ねます。母はこの前パパが反対したからと言いますが、父は視野を広く持ちなさいと言っただけだよ、と返します。普通の親です。悪い意味でなく、普通に良い親です。
教頭と校長。例によってお調子者の教頭とマイペースな校長。この人達を見ていると平和だと感じてしまいます。
ワイヤーアクションスタッフを紹介する志穂。一体どこから呼んだのか。どこにそんなコネが・・・はっ、父親のコネか!ちなみにほのかなら本場のスタッフを呼べます。多分。なお、志穂の後ろに真由いましたね。相変わらず存在感が薄いそんな貴女が好きです。
プロらしく安全性への考慮、責任を感じさせるおやっさん達。いぶし銀です。ワイヤーアクションの由来について語る志穂。流石映画志望なだけはあります。ちなみにほのかならもっと詳しそうです。役者とスタッフが息を合わせることが大切なんですよね、とおやっさん達に語る志穂。なかなか達者なものです。
主役のなぎさ登場です。バッチリ決まっています。男前な衣装が似合う女優です。始めは「牛若丸と弁慶」に乗り気でなかった夏子と京子も衣装係としての腕は一級品です。調子付くなぎさに呆れてしまう莉奈と聖子。そこにほのかも登場。なぎさ曰く「可愛らしい弁慶」が当てはまります。
じゃ、脱いでとおやっさん。別に変な意味ではありません。ワイヤーアクションのための装備です。練習開始。ほのかの胸を張ってセリフを真剣に言う姿がたまりません。そしてなぎさの大根っぷりもたまりません。ワイヤーで跳ぶなぎさ。大失敗。難しいようです。ダンボールを抱えてその光景を見るひかり。何かの準備でしょうか。っていうか、今までひかりのこと忘れていたのは内緒の秘密です。
練習。なかなか上手くいきません。宙吊りになるなぎさが可愛いです。ごめん、タイミング違っちゃったと言うほのかも可愛いです。冷静に難しいもんだね、と莉奈。頷く夏子と京子。
練習。今度は衣装を着てても上手く跳べました。しかし着地が安定せず失敗。失敗続きで自信を失くしてしまう志穂。猶予の時間は限られてきました。志穂は皆を呼び、ワイヤーアクションの中止を話します。大丈夫と話す志穂ですが、なぎさが感じているように一番残念がっているのは志穂です。自分のせいで、と落ち込むなぎさ。そーいえば、おやっさん達のギャラとかってどうなるんですかね?
何気にプリキュアに変身して、衣装を着替えてやればワイヤー無くても出来そうです。
④ベローネ☆フェスティバル
当日。満員御礼の会場。なぎさの両親と志穂の両親も来ています。
堂に入った殺陣(たて)をするなぎさ。セリフを言わせるより動いた方が上手いです。しかし、暗闇の中笛を吹くシーンでは大コケしてしまい爆笑してしまう会場。相変わらず三枚目になってしまう人です。苦笑いしてしまう藤Pと心配そうなひかり。
舞台裏で落ち込むなぎさを志穂は励まします。ある意味でこうなることは去年から分かっていたわけですが。なぎさが不甲斐ない部分は多々ありますが、志穂にとってこの「牛若丸と弁慶」を出来たのは紛れも無くなぎさの志願のおかげ。文句や悪態はつきません。
それと弁慶のヒゲが気になるんですが。どうやってくっ付けているんだろう・・・。ほのかとヒゲのコンボ。もう、可愛いとかの次元じゃありません。
⑤弁慶乱入
そんなこんなで邪悪な気配が満ちてきます。眠り込む会場。藤Pも木俣と肩を並べて仲良くオネンネ。驚くひかり。別に藤Pと木俣が変な関係だと思ったわけではありません。
異常な事態。天井から足音が聞こえてきます。この重量感はウラガノスでしょうか。案の定天井から落ちてきます。烏天狗をザケンナーに変えて突風であおります。ほのかの持った薙刀が舞いウラガノスの手に渡ります。ウラガノスサイズの武器になる薙刀。あ、こういう力もあるんだ。この人こういう武器持つと似合います。ふたりに迫ろうとしますが頭を天井にぶつけてしまいます。その隙に変身です。って、この格好でかよ!なぎさは良くてもほのかがヤバいです。面白すぎる。幾多の変身シーンの中でも異色な変身です。でも、そんなほのかを私は嫌うどころかますます好きになってしまいます。
ウラガノスを踏台にして屋外へ出るプリキュア。体育館の中では狭いし(他の人いるか分からんが)被害が出てしまいます。渡り廊下の上で追いつかれ、迫るウラガノス。しかし渡り廊下(主にガラス)が重量に耐え切れず壊れてしまいます。その衝撃で飛ばされるプリキュア。木にぶつかりますが、ブラックの落ち方が何か情けないです。立ち上がったウラガノスの前にひかりが出てきてしまい逃げ出すひかり。木陰に隠れたひかりを見失ってウラガノスは烏天狗を使い竜巻にプリキュアを巻き込みます。羽で視界を奪われたブラックに烏天狗が攻撃を仕掛けます。ホワイトも竜巻で動くことが出来ません。そこでホワイトは敵の位置をブラックに伝え、見事撃退します。かなりアバウトな掛け声ですが、そこは以心伝心です。ウラガノスの肩に降り立ちお礼を言うブラックとホワイト。すごい体格比です。っていうか、和んでいる場合ではありません。反撃開始です。
軽やかに薙刀の上に降り立つブラック。ホワイトと同時に蹴りこみます。弾き返されますが、ホワイトの攻撃は当たりよろめいたところで再攻撃でブラックの連続キックが炸裂します。
2体のザケンナーを合体させるウラガノス。対抗してひかりもルミナスに変身します。輝くハーティエル。プロスンを加えてその数は8つです。よくわかんないけど強そー。合体して強くなったザケンナーには申し訳有りませんがルミナリオでさくっとゴメンナーです。
先ほどのホワイトのアシストに何かを気づくブラック。
⑥みんなで大団円
起きた志穂になぎさはワイヤーアクションの使用を提案します。ほのかの声にタイミングを合わせるとなぎさ。その言葉に自信を持つ志穂。ワイヤーアクションは役者とスタッフの連携が鍵です。おやっさん達はプロですが相方としては日の浅い人達です。しかし、この桜組は一朝一夕のクラスではありません。
五條大橋。シーンはクライマックスです。牛若丸の前に現れるヒゲ。可愛い声で勇ましいことを言います。そして軽やかに舞う牛若丸。裏方スタッフの力を合わせてワイヤーアクション。って、これ本来なら本番でもおやっさん達がやる手はずだったんだよね?本当に(裏方が)ぶっつけ本番です。息の合ったアクションで大好評で終わります。中盤は笑いが起きてもラストは締めるのが桜組です。
ハーティエル・ハピネンが現れます。
⑦新ED
おお、可愛い!何でこの時期に歌変えるのかなーと思ったけど、やっぱり季節に合わせた歌詞と映像ですね。こういうリアルタイムな進行なら大歓迎です。実は今までのEDだとラストの絵が春になってて不満だったのですよ。
冬服が可愛いのですが、意外にもひかりがカッコイイ系の服着ててビックリ。しかも似合っているし。ハートを爆発させて走るなぎさに一番で掴まっているほのかは流石だと思う。そしてスキー場でもバンダナしているアカネさんも流石だと思う。雪合戦なのか三人の表情は萌えという言葉では収まりがつきません。
⑧次回予告
やべぇ展開キターー。でも、来週関西に行くのでリアルタイムで見れねぇ!!ひらかたパークでプリキュアショー見てきます。あと京都観光。←結局プリキュア。
○トピック
戦闘パートでフィードバックしたことを直接的に日常パートに持ってきてハッピーエンド(ああ、だからハピネンなのか)という珍しい流れ。プリキュアの場合、直接的・具体的な戦闘から日常への関わりは少なくて今までの場合だと精神性や意志が主な要素でしたので(それがプリキュアの良いところなのですが)今回みたいな展開は新鮮でした。纏め方としては綺麗で循環的な手法。。普段は戦闘(非日常)を嫌うプリキュアですが、たまには戦闘から得た経験で日常をハッピーにしてもバチは当たらんでしょう。ただ、この手法を多用しすぎると日常を成功させるためには非日常が不可欠な印象がついてしまうので、あまりやらないような気はします。
去年はなぎさとほのかの超演技で無理やり締めましたが、今回はみんなで息を合わせて成功を収めたのが楽しかったです。志穂の笑顔が素敵。最初はクラスを引っ張るようにかなり浮いていた志穂ですが、練習風景や本番では独りよがりな進行はせずに、周りと協調を取って進めていたのが良かったです。去年はなぎさのミスに悪態ついてましたからねぇ。彼女なりの変化や仲間との協力が印象強くなっています。それにしてもおやっさんだとか裏方にスポットライト当てる渋さがプリキュアらしいと思います。なぎさとほのかで100点を取るんじゃなくてみんなで100点を取ります。
第36話「おうちに帰して~!ポルンとルルンの大冒険」
○今週の出来事
①ポルンの受難
タコカフェの近くにあるベンチに座って、どこか浮かない顔のポルン。そのベンチの背もたれに謎の触手が掴まったかと思うと顔を覗かせるルルン。どうやら耳で登ったようです。かなり器用です。きっと耳の先のポンポンになっている部分には接着能力があるのでしょう。ポルンの元に滑り込みます。ポルン少々嫌そうです。
そこに手伝い中のひかりがやってきて仲良しねと声をかけますが、ポルンはルルンがくっついてくるだけ、と弱弱しく抗議します。疲れています。ひかりの仕事はまだあるようで去っていくひかり。ルルンはポルンにくっつこうとしますが、離れてとつき返します。泣きそうになるルルンにポルンは我儘言わない、と逃げていきます。追いかけるルルン。楽しそうです。遊び盛りです。
たこ焼きをパクつくなぎさ。前回の回想もそこそこにたこ焼きが美味しいと能天気です。目覚めるメップルとミップル。なぎさの正面にはほのかも居ます。多分、なぎさの食べている姿に見とれていたと思います。ぬいぐるみ形態であ~よく寝たとリラックスしていると他のお客さんがやってきて固まるメップルミップルなぎさほのか。特になぎさの表情は極端です。ほのかの後ろ頭に汗が浮かんでいるのはお客さんが来て驚いたことだけではないように思えます。
母親についてやってきた少年はメップルが気になるようでなぎさの元に近寄ります。なぎさはメップルを持ち上げると腹話術のように遊んで見せます。メップルも暗黙の了解か上手く演技します。いや、ぬいぐるみが口とか動かしたらダメなんじゃないの?と思えなくも無いですが、少年は無邪気に笑うとたこ焼きを買い終わった母親について帰ります。さよなら~と挨拶して去る少年。なぎさも見送ります。なかなかどうして、上手いものです。可愛いななぎさ。
ふう、と安心するなぎさとメップル。ほのかも何というか、渋い顔というかオッサン臭い表情で安堵しています。萌えます。なぎさに玩具じゃないと抗議するメップル。なぎさも謝ります。メップルミップルはマスコットでもペットでもない「友達」なのでモノ扱いしてはいけません。
階段を下りるポルンとルルン。追いかけっこはまだ続いているようです。公園を走る2人。動作がキビキビしてて面白いです。人の気配を感じたポルンは立ち止まります。ぶつかったルルンは反動で倒れてしまい泣きそうになります。すぐに助け起こして隠れるポルン。ルルンを嫌がってましたが、状況に即応できる判断力はキチンと持っているようです。何だかんだでちゃんとお兄ちゃんしています。ゴミ箱の影に隠れます。ポルンは真剣ですが、ルルンはどこか遊びのひとつと思っているような感じです。
女の子はゴミ箱を通り過ぎた・・・ように見えましたが引き返してポルンの元にやってきます。良い勘してます。並んで立っているポルンとルルンを見て可愛いと感想を漏らす少女。何となく、幼い莉奈っぽいなと思いました。ゴミ箱を見ます。これはいけません。ポルン達が捨てられたものだと思ってしまった少女は一緒に帰ろうと言うのでした。
②望の不安
ポルンとルルンが行方不明になったことに気づくひかり、なぎさ、ほのか。メップルの感応範囲を超えているようで気配が感じられないようです。手分けして捜索開始です。
その頃、少女はリュックに入れたポルン達に向かって楽しそうに語りかけます。それにしてもこの少女の声は確かに聞き覚えがあるのですが・・・と思っていたら、「フルハウス」のミシェル役の方だったんですね。道理で聞き覚えがあるし、キャラ的親近感を覚えると思いました。最近、「雪の女王(マッチ売りの回)」でもステファニー役の方も出ていたので懐かしいです。プリキュアと全然関係話でした。
状況が分かっていないルルンはリュックから頭を出しますが、ポルンに止められます。色々注意事項を言われます。どうして?と聞くルルンにポルンはどうしてもと言い動いたら遊んであげないと念押しします。泣きそうになるルルンに慌てたポルンはじっとしていたら遊ぶと機嫌を取ります。なかなか大変です。飴と鞭です。
少女の家。汚れていたルルンをタオルで拭く少女。耐えるルルン。ポルンも心の声で我慢と声援を送ります。汚れが取れてポルンと同じように流し台にルルンを置いてタオルを洗濯機に入れる少女。ルルンはその隙にポルンの元に寄ろうとします。じっとしていたので遊べると思ったのかもしれません。慌てて手で×をつくって止めるポルン。ピタっと止まるルルン。少女はポルン達が動いていることにいぶかります。と、「望ちゃん」と呼ぶ声。お母さんがやってきます。パパが帰ってくることを告げます。パっと顔を明るくする望。しかし、一緒に迎えに行こうと言うママの言葉を聞いたとたん顔を俯かせてしまいます。行きたくないと言って二階に上がっていきます。望の態度に不思議がるママ。会いたがっていたハズですが・・・。ヤベッ、何この展開?プリキュア?この番組プリキュアだよね?何かいきなりハードな展開になってない?
何事か心に抱えたものがあるのか呆然とする望。ちゃんと自分の部屋があるようです。私が自分の部屋持ったの小学校に上がってからだったかな。親と一緒に寝るのが恥ずかしくなって部屋欲しいと言ったような気がするのですが、それまでは一人が怖くて親と寝ていたような。ちなみにその後(中学校に上がった位の時に)部屋を2階に移すのですが、これも何のことは無く、2階に誰も居なくてしかも風の音とか大きく聞こえるので怖くて2階の部屋を使えなかったのでした。それを思うと望はすげーと思ってしまいます。あるいは最初からそういう環境を与えられていれば問題はないのか。
そんな望の心中を知らないポルンとルルンは早くひかりの元に帰ることを考えています。と鈴の音。望がドアを開けると猫が入ってきます。しかもこの猫、かなりかっぷくが良く、プリキュアの造詣どおり結構リアルな顔です。プリキュアの動物はあまりデフォルメされません。ビビるポルン。これは仕方ありません。猫はポルンを突き飛ばしてベッドの上に上がります。「ミミ!」と望。友達になってあげて、と言います。了解したのかポルンとルルンを舐めるミミ。
合流するなぎさ、ほのか、ひかり。ハーティエル・シークンとプロスンも集まります。しかし手がかりはゼロ。プロスンは心細い想いをしていると言います。それを引き継いでミップルは自分達が安心していられるのはほのか達と一緒にいるからだと言います。心配です。
ポルンとルルンを使って遊ぶ望。ドライブ、ドライブ~とポルンとルルンをくっつけます。ポルン嫌々です。ルルン楽しそうです。どうでもいいのですが。ポルンとルルンって重さどのぐらいなのだろうか。ぬいぐるみと大差無い重量なのかな。遊んでいた望はハっと気づいたように顔を暗くします。ベッドの下から車の模型を出します。その車は無残にも壊れています。どうやら、父親のコレクションである車を取ろうとして誤って壊してしまったようです。父親に会いたくないのは壊してしまったことに大きな不安を抱え込んでいるようからのようです。ルルンはその姿を見て我が事のように悲しくなります。
捜索するシークンとプロスン。プロスンはマイペースのようでまた食べています。どこにしまっているのでしょうか。それでもシークンは探求のハーティエルらしく望遠鏡であたりを探します。そして発見。世界は意外と狭いです。
部屋で沈む望。ミミはタイヤを咥えて部屋の外に出て行きます。追いかける望。部屋に取り残されたポルンとルルンは悲しそうに望の後姿を見ます。そこにシークン達がやってきます。帰られると分かって喜ぶポルンですが対照的にルルンは残ると言います。ひかりが心配している、一緒に遊ぼうと帰ることを促がすポルンですがルルンは望が気になって帰ることが出来ません。ポルンは承諾すると自分も残ることに決めます。
③自分の心に正直になろう
車を直そうとするポルンとルルンですが、「くっつけ」と言ってもくっつくわけがなく取れてしまいます。気持ちは分かります。シークンとプロスンは望が戻ってきたため一旦退却します。車がさっきと違う場所にあっていぶかる望ですが思考をさえぎる様に母親の声。父親がもうすぐ帰ってくるので出発の準備をしなければなりません。猶予の時間はもうすぐなくなります。
ポルンとルルンをリュックに入れて単身外に出る望。同時にシークン達の話を聞くなぎさ・ほのか・ひかり。望が出てしまったのでまた探さなければなりません。心配するひかり。
夕方。望は公園の遊具の中で独り不安に苛みます。リュックから顔を出したポルンは何かを思いついたのか外に出ます。ルルンはただじっと悲しそうに望を見ます。嗚咽を漏らす望に声がかけられます。誰何の声に誰?と返す望ですが声はそのまま続けます。「望はパパが大好きポポ。パパも望が大好きポポ。ここでじっとしていたらパパに会えないポポ。ずっとずっと会えないポポ。勇気を出すポポ。頑張るポポ」望を励ますポルン。ルルンも「頑張るルル」と応援します。見返す望。顔を出して身を固めるルルン。再度かけられた「望頑張るポポ」の言葉にそれまで呆然としていた望は表情を明るくします。
えっ、何コレ?プリキュア?めっちゃ泣けるんですけど。うへ、ここでポルンの「大好き」は効果絶大。一作目最終回を思い出さずにいられません。そうきましたか。個人的にポルンに負けた気分。俺あんなこと出来ないよ。俺がしても意味ないけど。つか怖いけど。
④少女を守れ
池の上を飛ぶシークン達はビブリスと遭遇します。容赦なく攻撃(牽制)を仕掛けるビブリス。割と近いのか攻撃の振動を感じるポルン達。望は気を失います。ルルンは思わずポルンの元に駆け寄ります。それを嘲笑うかのように現れるビブリス。怖がっていたポルンはルルンを守るように毅然と構えます。そこに登場するなぎさ達。やはり出てきたか、とビブリス。もはや公然としたお約束です。ザケンナー召還です。
耐久性が悪そうなザケンナーが現れます。変身です。登場シーンが短くても変身は必ずします。余談ですがスカートは常に短いです(それは良い事だ)。
ザケンナーの攻撃を回避し反撃するプリキュア。プリキュアがザケンナーの相手をしている間ビブリスはひかりに迫ります。攻撃を回避するひかり。警告のための牽制攻撃なのでしょうが、私だったら即死しています。プリキュアの人達は制服着ててもムチャクチャタフです。
ザケンナーとの交戦が続きますが、望の居る遊具にも攻撃の手が伸びます。望を守ってとひかりに頼むポルンとルルン。「ひかり~」と叫ぶポルンは男前です。ルミナス見参。ルルンの力を得て七つのハーティエルを灯します。ザケンナーの攻撃を回避しますが、その攻撃は遊具に当たります。あっ、と声を漏らすルミナス。下手に回避はできません。迫るザケンナー。回避できなきゃ回避しなければいいだけです。ルルンの掛け声で無敵バリア発動です。倒れるザケンナーの隙をついてブレス召還。いつものようにザケンナーと一列に並んで立つビブリス。スクリューを耐える気満々です。ウラガノスのクセがうつったのでしょうか。それよりもまず、その配列を改めた方が良いです。ゴメンナー。
⑤大切なものとの別れ
ポルンとルルンの声。意識を取り戻す望。リュックからポルンとルルンを出して問いかけますが何も応えません。
ベンチに座った望の元に母親と父親が駆け寄ってきます。それを木の陰にかくれて見るなぎさ達。あまり行儀はよくありません。巨人の星の星飛雄馬の姉を何となく思い出します。
母と父の正面に立つ望。ちらっとポルンとルルンを振り返って、あの言葉を思い出し決心します。壊してしまった車を差し出す望。ちょっと凹む父。「ごめんなさい」と泣き出す望。母親は父親に「あなた」と声をかけます。父は望を見て、望が正直に謝ったことを褒めます。一番大切なものは望だと言います。抱擁する親子。喜ぶポルンとルルン。
ポルンとルルンに気づいた父は買ったのか?と尋ねます。望が説明しようとした時、「それ私達のなんです」と割ってはいる声。一瞬動きを止める望。ミップルを抱きながら「あなたが預かってくれてたのね」と何ていうか強引に纏めて言うほのか。有無を言わせません。望はポルンとルルンを抱きかかえたまま動けません。ひかりは前に進み腰を落として「私の大事なお友達、返してくれますか?」と静かに言います。一瞬ポルン達を見やって、「はい」と素直に渡す望。父親と一緒に帰ります。振り返った望にポルンとルルンは手を振ります。立ち止まって再度見ますがぬいぐるみのように動かないポルンルルン。「さよなら~」と今度こそ帰ります。
桟橋でポルン達を叱るメップル。反省したように頭を下げるポルンとルルン。しかし、ほのかは例によって「ポルンとルルンが居たから笑顔に戻れたのよね」と纏めます。いやまて、親子の事情はわかるけど、ポルンとルルンの行動についてはわからんだろ。まあ、それでも分かるのが雪城の血統なのかもしれませんが。
頑張ったポポ、頑張ったルルとルルンはポルンにくっつきます。逃げるポルン。この辺は相変わらずです。
「思いやりは大切なんだな、そうやって仲間や友達がどんどん増えていけば世界はもっと豊かになっていくんだな」とプロスンはチェアレクトへと戻ります。
⑥次回予告
ほのかさんがどんどん変なギャグを言うようになってきた。最初尼さんかと思いましたよ。スーパープリキュア。ストレートです。グレートじゃなくて良かったです。グレートだと合体してしまいそうです。
○トピック
えー、今回の構造的な分析やら何やらは他の感想サイトさんにお任せ。正直言うと今回はそれほど上手く書けなかったし、思いつかなかったのでなるほどと感心した次第。別の視点で感想。
今回の主役はポルンでもルルンでもなく、主役にして話の肝は「望に感情移入できるかどうか」だと思います。言ってみれば今回のポルンとルルンは望を視聴者に繋ぐための橋渡し役みたいなもので、話の主軸は望です。
これ私が子どもの頃に見ていたら泣いていますね。もしくはジ~ンと見ているか。まず、望が親の物を壊してしまって不安になっているシーンで釘付けですよ。ルルンと同様に望に感情移入。自分を励ましてくれるポルンに大感激、なおかつピンチの時にやってくるプリキュア。しかもポルンは自分を守ってくれるようひかりにお願いしてルルンも協力して完全防御。ヒーロー見参とはこのこと。そしてラストの父親のシーンで自分が許されることに安心し涙。その後のポルン・ルルンとの別れにジ~ンとなる流れ。特にポルンとルルンが絶妙でぬいぐるみとか持っている子は特に感慨深いですね。もしかしたら自分を番組のように見守ってくれているかもしれないという期待感や夢がある終り方なのが綺麗です。
という見方を最初から出来なくて2回目の視聴でやっと気づけました。余計なこと考えなければよかった。素直に見ていれば非常に感動的で清々しい読後感の良い物語だったのに。ポルンルルン中心ということで一作目32話(ポルンを励ませ!とっておきのカーニバル)みたいなポルンとルルンの関係構築とかひかり達との構築だと思ってました。でも、よくよく考えればそれは、30話でやっていると言えばやってるんですよねぇ。
ルルンの反応が上手くて、視聴者の心理を見事に代弁していたと思います。子どもって意識的には独立していないので、他人の喜怒哀楽に容易に反応するんですよね。ぬいぐるみとか人形に話しかけたりするのもその辺の作用です。ただ、ルルンがいなくても視聴者的には望に簡単に感情移入できそうなので、ルルンの態度は過剰と言えば過剰なのかもしれません。お話的にはよくても、視聴者的には蛇足というか。大して問題ないのかもしれませんが(深読みすればルルンは大人が感情移入するための入り口かな)。
プリキュアという物語から考えれば今回のお話は非常に例外的というか稀なパターンで、なぎさ達が全く出てこないばかりか、ポルンとルルンですら主役でないのですが、こういうことをやれるのもMHの幅の広さだと思います。型破りなようでいて、世界の幅を広げることができています。
また、望が主役ということで、今までで一番メイン視聴者層(5歳前後)が感情移入しやすい話だったと思います。なぎさ達やひかりはやはりお姉さんであって悩みの種類も高さも視聴者から見て高いと思います。そこに来てほぼ等身大の望の悩みは共有しやすく、さらにそこにポルンルルンを絡めることで楽しくもちょっと泣ける感じになっていたかと思います。まあ、実際に子ども達に聞いてないので推測なんですけど。
個人的に今回のような話って好きですね。楽しいと言うよりちょっと悲しくなる話なのですが、ああいう心の動きが素直な方が見ていてのめり込めるんですね。見ていて悲しくなって、でも見終わったときに(望に)良かったねと言えるような話って良いと思います。心が動く話って良いですよね。変な含みの無い純粋な想いの行動だから応援したくなるし、励まされると思います。
①ポルンの受難
タコカフェの近くにあるベンチに座って、どこか浮かない顔のポルン。そのベンチの背もたれに謎の触手が掴まったかと思うと顔を覗かせるルルン。どうやら耳で登ったようです。かなり器用です。きっと耳の先のポンポンになっている部分には接着能力があるのでしょう。ポルンの元に滑り込みます。ポルン少々嫌そうです。
そこに手伝い中のひかりがやってきて仲良しねと声をかけますが、ポルンはルルンがくっついてくるだけ、と弱弱しく抗議します。疲れています。ひかりの仕事はまだあるようで去っていくひかり。ルルンはポルンにくっつこうとしますが、離れてとつき返します。泣きそうになるルルンにポルンは我儘言わない、と逃げていきます。追いかけるルルン。楽しそうです。遊び盛りです。
たこ焼きをパクつくなぎさ。前回の回想もそこそこにたこ焼きが美味しいと能天気です。目覚めるメップルとミップル。なぎさの正面にはほのかも居ます。多分、なぎさの食べている姿に見とれていたと思います。ぬいぐるみ形態であ~よく寝たとリラックスしていると他のお客さんがやってきて固まるメップルミップルなぎさほのか。特になぎさの表情は極端です。ほのかの後ろ頭に汗が浮かんでいるのはお客さんが来て驚いたことだけではないように思えます。
母親についてやってきた少年はメップルが気になるようでなぎさの元に近寄ります。なぎさはメップルを持ち上げると腹話術のように遊んで見せます。メップルも暗黙の了解か上手く演技します。いや、ぬいぐるみが口とか動かしたらダメなんじゃないの?と思えなくも無いですが、少年は無邪気に笑うとたこ焼きを買い終わった母親について帰ります。さよなら~と挨拶して去る少年。なぎさも見送ります。なかなかどうして、上手いものです。可愛いななぎさ。
ふう、と安心するなぎさとメップル。ほのかも何というか、渋い顔というかオッサン臭い表情で安堵しています。萌えます。なぎさに玩具じゃないと抗議するメップル。なぎさも謝ります。メップルミップルはマスコットでもペットでもない「友達」なのでモノ扱いしてはいけません。
階段を下りるポルンとルルン。追いかけっこはまだ続いているようです。公園を走る2人。動作がキビキビしてて面白いです。人の気配を感じたポルンは立ち止まります。ぶつかったルルンは反動で倒れてしまい泣きそうになります。すぐに助け起こして隠れるポルン。ルルンを嫌がってましたが、状況に即応できる判断力はキチンと持っているようです。何だかんだでちゃんとお兄ちゃんしています。ゴミ箱の影に隠れます。ポルンは真剣ですが、ルルンはどこか遊びのひとつと思っているような感じです。
女の子はゴミ箱を通り過ぎた・・・ように見えましたが引き返してポルンの元にやってきます。良い勘してます。並んで立っているポルンとルルンを見て可愛いと感想を漏らす少女。何となく、幼い莉奈っぽいなと思いました。ゴミ箱を見ます。これはいけません。ポルン達が捨てられたものだと思ってしまった少女は一緒に帰ろうと言うのでした。
②望の不安
ポルンとルルンが行方不明になったことに気づくひかり、なぎさ、ほのか。メップルの感応範囲を超えているようで気配が感じられないようです。手分けして捜索開始です。
その頃、少女はリュックに入れたポルン達に向かって楽しそうに語りかけます。それにしてもこの少女の声は確かに聞き覚えがあるのですが・・・と思っていたら、「フルハウス」のミシェル役の方だったんですね。道理で聞き覚えがあるし、キャラ的親近感を覚えると思いました。最近、「雪の女王(マッチ売りの回)」でもステファニー役の方も出ていたので懐かしいです。プリキュアと全然関係話でした。
状況が分かっていないルルンはリュックから頭を出しますが、ポルンに止められます。色々注意事項を言われます。どうして?と聞くルルンにポルンはどうしてもと言い動いたら遊んであげないと念押しします。泣きそうになるルルンに慌てたポルンはじっとしていたら遊ぶと機嫌を取ります。なかなか大変です。飴と鞭です。
少女の家。汚れていたルルンをタオルで拭く少女。耐えるルルン。ポルンも心の声で我慢と声援を送ります。汚れが取れてポルンと同じように流し台にルルンを置いてタオルを洗濯機に入れる少女。ルルンはその隙にポルンの元に寄ろうとします。じっとしていたので遊べると思ったのかもしれません。慌てて手で×をつくって止めるポルン。ピタっと止まるルルン。少女はポルン達が動いていることにいぶかります。と、「望ちゃん」と呼ぶ声。お母さんがやってきます。パパが帰ってくることを告げます。パっと顔を明るくする望。しかし、一緒に迎えに行こうと言うママの言葉を聞いたとたん顔を俯かせてしまいます。行きたくないと言って二階に上がっていきます。望の態度に不思議がるママ。会いたがっていたハズですが・・・。ヤベッ、何この展開?プリキュア?この番組プリキュアだよね?何かいきなりハードな展開になってない?
何事か心に抱えたものがあるのか呆然とする望。ちゃんと自分の部屋があるようです。私が自分の部屋持ったの小学校に上がってからだったかな。親と一緒に寝るのが恥ずかしくなって部屋欲しいと言ったような気がするのですが、それまでは一人が怖くて親と寝ていたような。ちなみにその後(中学校に上がった位の時に)部屋を2階に移すのですが、これも何のことは無く、2階に誰も居なくてしかも風の音とか大きく聞こえるので怖くて2階の部屋を使えなかったのでした。それを思うと望はすげーと思ってしまいます。あるいは最初からそういう環境を与えられていれば問題はないのか。
そんな望の心中を知らないポルンとルルンは早くひかりの元に帰ることを考えています。と鈴の音。望がドアを開けると猫が入ってきます。しかもこの猫、かなりかっぷくが良く、プリキュアの造詣どおり結構リアルな顔です。プリキュアの動物はあまりデフォルメされません。ビビるポルン。これは仕方ありません。猫はポルンを突き飛ばしてベッドの上に上がります。「ミミ!」と望。友達になってあげて、と言います。了解したのかポルンとルルンを舐めるミミ。
合流するなぎさ、ほのか、ひかり。ハーティエル・シークンとプロスンも集まります。しかし手がかりはゼロ。プロスンは心細い想いをしていると言います。それを引き継いでミップルは自分達が安心していられるのはほのか達と一緒にいるからだと言います。心配です。
ポルンとルルンを使って遊ぶ望。ドライブ、ドライブ~とポルンとルルンをくっつけます。ポルン嫌々です。ルルン楽しそうです。どうでもいいのですが。ポルンとルルンって重さどのぐらいなのだろうか。ぬいぐるみと大差無い重量なのかな。遊んでいた望はハっと気づいたように顔を暗くします。ベッドの下から車の模型を出します。その車は無残にも壊れています。どうやら、父親のコレクションである車を取ろうとして誤って壊してしまったようです。父親に会いたくないのは壊してしまったことに大きな不安を抱え込んでいるようからのようです。ルルンはその姿を見て我が事のように悲しくなります。
捜索するシークンとプロスン。プロスンはマイペースのようでまた食べています。どこにしまっているのでしょうか。それでもシークンは探求のハーティエルらしく望遠鏡であたりを探します。そして発見。世界は意外と狭いです。
部屋で沈む望。ミミはタイヤを咥えて部屋の外に出て行きます。追いかける望。部屋に取り残されたポルンとルルンは悲しそうに望の後姿を見ます。そこにシークン達がやってきます。帰られると分かって喜ぶポルンですが対照的にルルンは残ると言います。ひかりが心配している、一緒に遊ぼうと帰ることを促がすポルンですがルルンは望が気になって帰ることが出来ません。ポルンは承諾すると自分も残ることに決めます。
③自分の心に正直になろう
車を直そうとするポルンとルルンですが、「くっつけ」と言ってもくっつくわけがなく取れてしまいます。気持ちは分かります。シークンとプロスンは望が戻ってきたため一旦退却します。車がさっきと違う場所にあっていぶかる望ですが思考をさえぎる様に母親の声。父親がもうすぐ帰ってくるので出発の準備をしなければなりません。猶予の時間はもうすぐなくなります。
ポルンとルルンをリュックに入れて単身外に出る望。同時にシークン達の話を聞くなぎさ・ほのか・ひかり。望が出てしまったのでまた探さなければなりません。心配するひかり。
夕方。望は公園の遊具の中で独り不安に苛みます。リュックから顔を出したポルンは何かを思いついたのか外に出ます。ルルンはただじっと悲しそうに望を見ます。嗚咽を漏らす望に声がかけられます。誰何の声に誰?と返す望ですが声はそのまま続けます。「望はパパが大好きポポ。パパも望が大好きポポ。ここでじっとしていたらパパに会えないポポ。ずっとずっと会えないポポ。勇気を出すポポ。頑張るポポ」望を励ますポルン。ルルンも「頑張るルル」と応援します。見返す望。顔を出して身を固めるルルン。再度かけられた「望頑張るポポ」の言葉にそれまで呆然としていた望は表情を明るくします。
えっ、何コレ?プリキュア?めっちゃ泣けるんですけど。うへ、ここでポルンの「大好き」は効果絶大。一作目最終回を思い出さずにいられません。そうきましたか。個人的にポルンに負けた気分。俺あんなこと出来ないよ。俺がしても意味ないけど。つか怖いけど。
④少女を守れ
池の上を飛ぶシークン達はビブリスと遭遇します。容赦なく攻撃(牽制)を仕掛けるビブリス。割と近いのか攻撃の振動を感じるポルン達。望は気を失います。ルルンは思わずポルンの元に駆け寄ります。それを嘲笑うかのように現れるビブリス。怖がっていたポルンはルルンを守るように毅然と構えます。そこに登場するなぎさ達。やはり出てきたか、とビブリス。もはや公然としたお約束です。ザケンナー召還です。
耐久性が悪そうなザケンナーが現れます。変身です。登場シーンが短くても変身は必ずします。余談ですがスカートは常に短いです(それは良い事だ)。
ザケンナーの攻撃を回避し反撃するプリキュア。プリキュアがザケンナーの相手をしている間ビブリスはひかりに迫ります。攻撃を回避するひかり。警告のための牽制攻撃なのでしょうが、私だったら即死しています。プリキュアの人達は制服着ててもムチャクチャタフです。
ザケンナーとの交戦が続きますが、望の居る遊具にも攻撃の手が伸びます。望を守ってとひかりに頼むポルンとルルン。「ひかり~」と叫ぶポルンは男前です。ルミナス見参。ルルンの力を得て七つのハーティエルを灯します。ザケンナーの攻撃を回避しますが、その攻撃は遊具に当たります。あっ、と声を漏らすルミナス。下手に回避はできません。迫るザケンナー。回避できなきゃ回避しなければいいだけです。ルルンの掛け声で無敵バリア発動です。倒れるザケンナーの隙をついてブレス召還。いつものようにザケンナーと一列に並んで立つビブリス。スクリューを耐える気満々です。ウラガノスのクセがうつったのでしょうか。それよりもまず、その配列を改めた方が良いです。ゴメンナー。
⑤大切なものとの別れ
ポルンとルルンの声。意識を取り戻す望。リュックからポルンとルルンを出して問いかけますが何も応えません。
ベンチに座った望の元に母親と父親が駆け寄ってきます。それを木の陰にかくれて見るなぎさ達。あまり行儀はよくありません。巨人の星の星飛雄馬の姉を何となく思い出します。
母と父の正面に立つ望。ちらっとポルンとルルンを振り返って、あの言葉を思い出し決心します。壊してしまった車を差し出す望。ちょっと凹む父。「ごめんなさい」と泣き出す望。母親は父親に「あなた」と声をかけます。父は望を見て、望が正直に謝ったことを褒めます。一番大切なものは望だと言います。抱擁する親子。喜ぶポルンとルルン。
ポルンとルルンに気づいた父は買ったのか?と尋ねます。望が説明しようとした時、「それ私達のなんです」と割ってはいる声。一瞬動きを止める望。ミップルを抱きながら「あなたが預かってくれてたのね」と何ていうか強引に纏めて言うほのか。有無を言わせません。望はポルンとルルンを抱きかかえたまま動けません。ひかりは前に進み腰を落として「私の大事なお友達、返してくれますか?」と静かに言います。一瞬ポルン達を見やって、「はい」と素直に渡す望。父親と一緒に帰ります。振り返った望にポルンとルルンは手を振ります。立ち止まって再度見ますがぬいぐるみのように動かないポルンルルン。「さよなら~」と今度こそ帰ります。
桟橋でポルン達を叱るメップル。反省したように頭を下げるポルンとルルン。しかし、ほのかは例によって「ポルンとルルンが居たから笑顔に戻れたのよね」と纏めます。いやまて、親子の事情はわかるけど、ポルンとルルンの行動についてはわからんだろ。まあ、それでも分かるのが雪城の血統なのかもしれませんが。
頑張ったポポ、頑張ったルルとルルンはポルンにくっつきます。逃げるポルン。この辺は相変わらずです。
「思いやりは大切なんだな、そうやって仲間や友達がどんどん増えていけば世界はもっと豊かになっていくんだな」とプロスンはチェアレクトへと戻ります。
⑥次回予告
ほのかさんがどんどん変なギャグを言うようになってきた。最初尼さんかと思いましたよ。スーパープリキュア。ストレートです。グレートじゃなくて良かったです。グレートだと合体してしまいそうです。
○トピック
えー、今回の構造的な分析やら何やらは他の感想サイトさんにお任せ。正直言うと今回はそれほど上手く書けなかったし、思いつかなかったのでなるほどと感心した次第。別の視点で感想。
今回の主役はポルンでもルルンでもなく、主役にして話の肝は「望に感情移入できるかどうか」だと思います。言ってみれば今回のポルンとルルンは望を視聴者に繋ぐための橋渡し役みたいなもので、話の主軸は望です。
これ私が子どもの頃に見ていたら泣いていますね。もしくはジ~ンと見ているか。まず、望が親の物を壊してしまって不安になっているシーンで釘付けですよ。ルルンと同様に望に感情移入。自分を励ましてくれるポルンに大感激、なおかつピンチの時にやってくるプリキュア。しかもポルンは自分を守ってくれるようひかりにお願いしてルルンも協力して完全防御。ヒーロー見参とはこのこと。そしてラストの父親のシーンで自分が許されることに安心し涙。その後のポルン・ルルンとの別れにジ~ンとなる流れ。特にポルンとルルンが絶妙でぬいぐるみとか持っている子は特に感慨深いですね。もしかしたら自分を番組のように見守ってくれているかもしれないという期待感や夢がある終り方なのが綺麗です。
という見方を最初から出来なくて2回目の視聴でやっと気づけました。余計なこと考えなければよかった。素直に見ていれば非常に感動的で清々しい読後感の良い物語だったのに。ポルンルルン中心ということで一作目32話(ポルンを励ませ!とっておきのカーニバル)みたいなポルンとルルンの関係構築とかひかり達との構築だと思ってました。でも、よくよく考えればそれは、30話でやっていると言えばやってるんですよねぇ。
ルルンの反応が上手くて、視聴者の心理を見事に代弁していたと思います。子どもって意識的には独立していないので、他人の喜怒哀楽に容易に反応するんですよね。ぬいぐるみとか人形に話しかけたりするのもその辺の作用です。ただ、ルルンがいなくても視聴者的には望に簡単に感情移入できそうなので、ルルンの態度は過剰と言えば過剰なのかもしれません。お話的にはよくても、視聴者的には蛇足というか。大して問題ないのかもしれませんが(深読みすればルルンは大人が感情移入するための入り口かな)。
プリキュアという物語から考えれば今回のお話は非常に例外的というか稀なパターンで、なぎさ達が全く出てこないばかりか、ポルンとルルンですら主役でないのですが、こういうことをやれるのもMHの幅の広さだと思います。型破りなようでいて、世界の幅を広げることができています。
また、望が主役ということで、今までで一番メイン視聴者層(5歳前後)が感情移入しやすい話だったと思います。なぎさ達やひかりはやはりお姉さんであって悩みの種類も高さも視聴者から見て高いと思います。そこに来てほぼ等身大の望の悩みは共有しやすく、さらにそこにポルンルルンを絡めることで楽しくもちょっと泣ける感じになっていたかと思います。まあ、実際に子ども達に聞いてないので推測なんですけど。
個人的に今回のような話って好きですね。楽しいと言うよりちょっと悲しくなる話なのですが、ああいう心の動きが素直な方が見ていてのめり込めるんですね。見ていて悲しくなって、でも見終わったときに(望に)良かったねと言えるような話って良いと思います。心が動く話って良いですよね。変な含みの無い純粋な想いの行動だから応援したくなるし、励まされると思います。
第35話「マジヤバ修学旅行!思い出作りは危険な香り」
○今週の出来事
①旅は道連れ世は情け
ホテルのロビーで座って顔を俯かせる三人。修学旅行の楽しい雰囲気とは打って変わって深刻な面持ちです。お約束どおりなぎさの回想が一段落すると同時に「おまたせ」の声。よし美先生は何故ひかりが京都にまで来たのか尋ねます。さて、どうやって誤魔化したものか。
とりあえず、のっぴきならない理由でふたりに会いたいがために来たと説明。実際嘘ではありません。謝るひかり。なぎさとほのかも弁護します。保護者であるアカネさんには連絡はしているようで、今日は泊まって、明日も一緒に帰ることを告げるよし美先生。3人の表情がパっと明るくなります。強制送還は免れました。「皆で帰りましょう」ということはつまり一緒に修学旅行ができるということです。思わず「ひかりさん良かったね」と言うほのかですが、たしなめる様に「ただし」とよし美先生。今後2度とこんな無茶をしてはいけないと注意します。ひかりにとってはクラスの人に心配をかけてしまったことが大きかったのか素直に約束と謝罪をします。どうやら平日のようなのでひかりは無断欠席で京都に来たようです。
肝心ののっぴきならない理由を聞くよし美先生。もっともな疑問です。安心したところで核心を突かれてしまい驚くなぎさとほのか。なぎさはいつものように目を丸くしますが、ほのかは逆に点のように小さくなります。良いリアクションです。なぎさは説明しようとしますが上手く言い訳が出てきません。ほのかはとっさに鍵を忘れてしまって、と取り繕います。かなり強引な理由付けです。勢いで攻めるしかありません。なぎさもほのかの肩を叩いて「ほのかったらおっちょこちょいで~」と合わせます。謝りながら「なぎさに言われた・・・」と凹むほのか。おっちょこちょいはなぎさの専売特許です。面白いなこの夫婦(めおと)漫才。
学校に帰ってからでも渡せるじゃない、と冷静にツッコミを入れる先生。ごもっともです。苦笑いするふたり。流石に苦しいです。そこで今まで黙っていたひかりが口を開きます。本来理由を言うべきはひかりです。真剣な声で「混乱してしまって」と謝るひかり。その言葉に偽りはないでしょう。たった一人で怪奇現象や不安に耐えるにはひかりの精神はまだ幼い。なぎさとほのかの漫才は置いておいて、ひかりの言葉には真実味が含まれています。多少疑問が残るものの、ひかりが反省していることと、悪意や家出などの問題もないことからかその辺の話は終わりにしてアカネさんと連絡を取るようによし美先生は言います。笑顔が戻り「はい」と答えるひかり。
アカネさんと電話するひかり。ひかりが無事であることに安心するアカネさん。片手には飲み物が入ったグラス。ひかりの無断行動に怒るでもなく、優しく話します。
会話そのものは無難な流れかな。と言っても考えられるパターンとしては怒るか折角なんだからそのまま楽しんで来い!と逆に励ますかくらいしか思いつきませんでしたけど。ただ、この描写で驚くべきはアカネさんがグラスを持っていること。見た目上は麦茶とかそんなんですが、意図としては酒(ウィスキーあたり)だと思います。わざわざグラスをアップにしたり、頬が若干上気しているように見えるのも納得がいきます。子どもの視聴者には分からんでしょうが、大人(親)向けとして心情を代弁しているように思えます。不安や心配を酒で紛らわす、というのは一般的にも描写的にもセオリーです。働き手として気丈に思えるアカネさんにも弱い部分があって人間臭さを感じますね。余談ですが酒で紛らわすのは個人的にはやりません(親が酒をほとんど飲まなかったせいか酒を飲む、飲んで紛らわす、ということに馴染みが未だに無い)。
旅費については不問というか、おこずかいで行ったという可能性もあるのでどうでもいいと言えばどうでもいいですね。ひかりはなぎさと違って無駄な出費はないでしょうし備蓄が一杯ありそうです。
照れ笑いというか安心したのかそんな表情がめっちゃ可愛いひかり。電話を切ります。様子を伺っていたなぎさとほのかが声をかけます。ウィシュンのことを話していたら本人が現れて真実が近づいていると告げます。少年との接触を思い出すふたり。一体何が起こるのか・・・と真剣になりますが、なぎさは「まっいいっか」と棚上げします。実際問題ここで考えても埒が開きません。再会を喜びます。メップルミップルポルンルルンも飛び出してお騒ぎモード。ウィシュンのみが心配気です。損な性格です。
街の夜景を眼下にビブリスは腕を組んでバルデスの言葉を考えています。隣に並んで「元気ないね」と声をかけるウラガノス。真剣なビブリスとは違って世間話のノリです。お気楽なウラガノスに説明するのも意味が無いと悟ったのか話を断ち切ります。しかし、ウラガノスは話を理解しているのかは不明ながらも、結論はプリキュア打倒と満月を背景に消えます。まあ、細かい理屈はどうでもいいんで、悪役は正義の味方を倒すのが義務です。
②京都満喫旅行
宿泊ホテルで朝食を摂り終えた頃、係りなのか学級委員か何かなのか皆に連絡事項を言う聖子。聖子。聖子!(連呼せんでいい)久々です。はしゃぎすぎるなよ、と注意します。それを聞く顔ぶれの中には唯。森岡。森岡唯!(呼び方変えても同じ)てっきり忘れ去られた人だと思っていました。ちなみにその奥は多分千秋。これまで本編で登場したクラスメイトが居ると何故か見ている方も楽しくなります。それはそうと、肝心な娘が見当たりませんな。ほら、プリキュアの最初期に出てきた娘で一作目EDでも志穂莉奈の後ろに居た娘ですよ。柏田真由!存在感薄いけど頑張れ!
聖子の連絡事項に「は~い」と行儀良く答えつつも楽しさは隠せるわけもなくウキウキな感じのクラス一同。その様子をキョトンとして見るひかり。この娘がキョトンとしているのは標準です。
自由行動開始。さっそくラッシュの如くしゃべる志穂。とひかりの存在に気づきます。なぎさとほのかは「あははっ・・・」と表情でひかりの同行の許可を求めます。何も言わずに笑顔だけ湛えているほのかは無言の圧力に思えなくも無い。いえ、好きですこの笑顔。ひかりがなぎさ達といるのは三年生でひかりを知っているのはこのふたりだけなのと、元々の原因(ほのか談)があるので同行することになったのでしょう。先生と居た方が安全面では高いのですけど、なぎさとほのかが同行を願い出たのかもしれませんがその辺はご都合で。
学年も違い直接の面識も薄いひかりですが志穂と莉奈は気にするでもなく快く承諾します。そんなことはどうでもいいのか、それよりも京都の土産完全制覇を目指す志穂と莉奈。なぎさもノリノリです。「オー」と声をあげます。なかなか良いアングルですな。流石にこのノリにはついていけないお嬢様ふたりは苦笑するしかないのでした。
商店街にやってくるなぎさ・志穂・莉奈のラクロストリオ。公言どおりお土産(食べ物)に目を輝かせます。きょうびそこまで食べ物でウキウキできるか謎ですがチョコパフェとかイケメンとか夢中になれる年頃なのでしょう。花も恥らう乙女とかそんな幻想はぶち壊してガツガツ試食しまくる三人。オバサンかよ。なぎさの勢いに一緒に食べていた志穂と莉奈も呆れてしまいます。店の奥からイケメン店員が出てきます。甘いものは好きですが、イケメンも気になるお年頃。そそくさとお土産を買って先ほど自分達も同じことをしていたことは棚上げして食い気に走るなぎさを注意します。イケメン店員さんはそんなことには構わず試食を薦めます。商売人です。ノリが良いなぎさは関西弁で返答します。口に食べカス付いてます。藤Pでなければ気にならないのでしょう。志穂と莉奈が買ったお土産にオマケでキーホルダーを貰います。なぎさも3つ買います。イケメン店員修学旅行女子に対して売上高よさそうです。
お嬢様チームは物静かなところへ来ていました。ほのかは店先に飾ってある京人形に感嘆の声をあげます。部屋にもそういう人形があったと思います。個人的にこの手の人形は造形的に怖いと感じてしまうのですが、良さが分かる人には作り手の意匠や技を感じるのかもしれません。
相づちを打ちながらひかりは今更ながらも、ほのかとなぎさが対照的だと言います。確かに趣味趣向は真逆です。しかし、ほのかは「だから、いつも一緒にいられるのかもしれないわね」と答えます。「そういうものなんですか?」と分かったような分からないような表情のひかり。ほのかはそんなひかりに趣味や考え方が違うなぎさと居ると刺激的で楽しいと嬉しそうに言います。そして似たもの同士とも言えると言います。またも「そうなんですか」と分かったような分からないようなひかり。まだちょっと実感が無いのかもしれません。
MHになりなぎさとほのかの関係はますます安定し、ひかりの登場で主題的には広がりを持ったプリキュアですが、この作品本来の主題は間違いなくほのかの言った人間関係にあります。自分とは違う人間を認め信頼し相手からも同様に受けいれらる。相互理解。そしてそれらを通じて成長する自分にあります。外見的、(表面上の)性格的な違いに左右されない人間として本質を知ることが理想的な人間関係です。ひかりにはまだそういったことは分からないでしょうし、ひかり自身なぎさやほのかのようにクセのある性格ではないので真逆のキャラってのもなかなかいないのですが(相当ひねくれた相手になる。プリキュアじゃ登場しなさそうなキャラだなぁ)、いつの日か理解するときが来るでしょう。個人的に(おそらく作品主題的に)ひかりには違う大役が課されていると思うので今のところひかりが相互理解を理解する必要はありません(トピックにて後述する)
なぎさ達と合流。ほのかとひかりもお土産を買ったようです。さて、これからどこに行こうかと考える一同。ほのかの表情が変わります。なぎさ達にはあまりこれといった場所が思いつかないようです。そしてほのかは行ってみたい場所があると言います。満面の笑みを浮かべるほのか萌え。後ろでキョトンとするひかり萌え。陰謀の予感です(それは無い)。
③京都満喫旅行パート2
京都の街を走り回る少年。階段を上り橋を渡り袋小路を進み地蔵を見て回ります。上空から見守るビブリス。下手に少年の行動を押さえつけるよりは監視していた方が良いのでしょう。
道路。人気の無い道路。並ぶほのか達。ほのか以外キョトンとしています。右を見ても左を見ても何も無いのでなぎさは思わず聞いてしまいます。しかし「ここよ」と返答するほのか。間。「何も無いじゃん」と言うなぎさに、ほのかは待ってましたと道路の先を見ます。笑みを浮かべたまま体を傾けるほのか。遅れて垂れ下がる髪。同じように振り向くなぎさ・志穂・莉奈。何もしてないけどなぎさ達が傾いたので画面上に出てくるひかり。このシーン萌え。
視界の先から現れたのは路面電車。にらんでいたなぎさ志穂莉奈の顔がパッと輝きます。可愛いかは分かりませんがこじんまりとしていて趣があります。これに乗りたいとは渋いなほのか。ドアが開きウキウキと「ほのか♪ほのか♪」と呼ぶなぎさと「えへっ」と答えるほのかのコンビは最強であります。
嵐山に到着する一行。姦しい娘達。しかしながら紅葉鮮やかな景色に心を躍らせてしまうのは無理なからぬこと。なぎさとほのかはお互いに顔を見合わせて愛変わらず(誤植ではない)です。ちなみに私は中学高校の頃はそういったものに興味が無かったのだけど、今はめっちゃ好きですね。
そして人力車に乗る一行。これでもかってくらい京都を楽しみます。人力車に乗りながらお姫様になったみたいとなぎさ。となりにクイーン(の命)はいますけどね。竹林を抜けます。おおおおっ、めっちゃ京都行きてーーーー!
縁結びの寺にやってきます。志穂は莉奈を連れて階段を駆け上がります。ほのかはなぎさに行かないの?と尋ねますが、なぎさは体でぶつかっていくタイプだからと答えます。前回は恋占いにノリノリでしたけど。それを聞いたほのかは最初ポカンとしていましたが、すぐに(気づいて)笑顔で奥の寺に行こうと誘います。別になぎさが志穂達のところに行かないから今のうちにデートとかそういうのではなく、なぎさが自然に恋に対してポジティブになっているのが嬉しいのでしょう。その後に「誰に?」と突っ込むのは愛嬌です。そしてそれに口ごもるなぎさもなぎさです。多分ひかりはキョトンとしています。
④2度目の邂逅
構内は何とも雅な風流ある景色。目を輝かせながら「こんなに古い建物や庭園が今もこんなに綺麗な形で残ってるなんて、昔から皆で大切に守ってきたのね」と説明的に言うほのか。「古きをたずねて新しきを知る」とプロスンが引き継ぎます。はい、今回(プロスン編)のテーマ完了です。
光の園にしかないような洋ナシみたいな食べ物を食べるプロスン。でも、葉っぱまで食べることは無いと思います。と突然ゴ~ンという鐘の音。見回すなぎさ達。今日は何も無いと思うけど・・・と言うほのかはかなり下調べしていそうです。音は強くなり、邪悪な気配が立ち込めます。建物の中から出てくるウラガノス。罰当たりそうです。驚く三人。萌え。もう、今回は何でも萌え。ウィシュンが真実が近づいていると言ってきます。ウラガノスもやる気です。皆好き勝手言ってきて大変です。ザケンナー召還。絵の中の虎が具現化します。一休さんもびっくりです(そういうトンチがありました)。
目の前に現れるザケンナー。虎というか狛犬っぽい気もしますが混ざっているのでしょう。見えそうで見えないひかりのスカートが一番気がかりです。
ザケンナーは先手を打って攻撃してきます。回避運動。位置的に一番危険ではあるものの反応が良いなぎさはほとんど完璧に回避(スゴイ横っ飛び)。運動性能で劣るひかりを庇わずにほのか側に行くのは仕様です。ほのかも基本性能が高いので難なく回避。ひかりはふたりに比べおぼつかない様子で回避。そのため着地に失敗し尻餅を付きます。もっとも、私だったら回避できるわけもなく死んでいますが。
なぎさとほのかは見事なバランスコントロールで着地、瞬時の判断(お互いに顔を見合わせる)で背負っていたリュックを破棄して変身です。この間1秒足らず。見事としか言えない連携です。そしてやっぱり素敵なアングルの制服変身。これ最強。
変身完了と同時に上空から突撃してくるザケンナー。スピーディです。わらうウラガノスですが、プリキュアは攻撃に当たるどころかザケンナーを持ち上げています。ギャグキャラのような表情で手足をバタバタさせるザケンナーを放り投げます。それを追うプリキュア。ひかりについては放置というか、危険なザケンナーを遠ざければ問題ないでしょう。しかし、ウィシュンはピキーンと俗に言うニュータイプ音(これに閃きっぽいエフェクトが付くと別番組になります)を鳴らして真実が近づいていることに気づきます。どこかに行ってしまうウィシュン。それを追うひかり。真実が近づいていることを警戒するわりに近づくウィシュン。もっとも、「真実」も他のハーティエルのように取得するものであれば避けられないものでもあるので自ら近づくのは当然か。
着地するザケンナー。流石猫科だけあって上手いです。戦闘態勢をとるプリキュア。
灯篭がならび鮮やかに朱に染まる枝葉をつける木々。そこはかとなく幻想的で非現実的な空間。走るひかりを惑わすように鳥居がいくつも立ち並びます。和テイストの神秘現象。ちなみに京都にある伏見稲荷大社というところは千本鳥居といって本当にこんな感じで並んでいます。平地の部分もありますが、山にもあるのでそこを回ると大変です。疲れます。休憩所もいくつかあります。夕方頃に行くと夕日と相まって何とも言えない幻想的な空間です。
ってそんな悠長な状況のわけでもなく、気配を感じて振り返るひかり。今日のカメラさんは意欲的です。思わず下からTVを見てしまいそうになります。いっそのことTVを逆さまにしてしまいそうになります。見えませんが。振り返っても誰もいません。しかし、再び背後に気配。恐る恐る振り返ると少年がいます。見つめ合うふたり。21話の時のようにネガポジ反転な空間が広がっていきます。
戦闘を続けていたプリキュア。なかなか手ごわい相手のようです。そこに空間現象が広がってきます。驚くウラガノスとは違い一度経験しているプリキュアはこの現象が少年とひかりに関わることであると察知します。急いで向かいます。状況が分かっていないウラガノスは単純にプリキュアを追撃します。慌てるプリキュア。簡単に倒せる相手ではありません。「もう、こうなったら!」とブラックはホワイトと手を繋いでマーブルスクリューの体勢に入ります。おおっ、サンダー出してないけどいいの?っていうかホワイトのびっくり感が面白すぎ。リアクションが良いウラガノスは高速飛行をやめて「着地、そして後ろへジャンプ」と防御体勢を固めます。しかし肝心の電撃が来ません。よくみるとプリキュアは「スタコラサッサ」と逃げていきます。普段から赤い顔が沸騰したように赤くなるウラガノス。隣ではザケンナーも笑っています。
おっ、珍しいギャグ。っていうかマーブルスクリューそのものをネタにするとは。割かしプリキュアは真面目な戦いをする方なのでこういうギャグは稀ですな。ドラマCDのノリのようです。しかもかたやひかりは重大イベント発生中なわけですが、これは息抜きとコントラストなんでしょうか。どちらにせよ、こういう面白いことをやってくれるのは大歓迎です。敢えてパターンを破ることで作品内でのパロディをやるのは面白いですね。瓜右衛門さんとこの感想でもありましたが、こういうギャグができるのも作品内でパターンとして定着しているからこそですね。
ひかりと少年はテレパシーのように会話をします。「私に会いに来たの?」「分からない。ただ・・・」ひかりと少年の影が重なった時また以前のように衝撃が起こり倒れるふたり。プリキュアとビブリスが抱きとめます。怒りをあらわにし忌々しそうにプリキュアをにらむビブリス。そこに今度は物理的な重みを持って衝撃と土煙が舞い上がります。ウラガノスです。相変わらず場違いというか空気が読めない人です。しかし、今回はビブリスにとって幸いのようで、抱きかかえた少年とともに消えます。プリキュアも場所を移します。ひかり大丈夫かな。
ザケンナーに跨り疾駆するウラガノス。さっきとは別の場所なのでしょうが、脈絡が分かりにくいです。しかし、えらく舞台が広い戦いで楽しいです。プリキュアはブレス召還の動作に入りますが、迫ってきたウラガノスに阻まれてしまいます。回避したものの隙を突かれ食われそうになるホワイト。間髪助けるブラック。そしてそのまま空中転換して反撃です。華麗なるプリキュア。それにしても今回のザケンナーはコミカルだなぁ。
今度こそブレス召還。山々から光が湧き出ます。広がる光の絨毯。忘れそうですが、この光は闇の者が触れてはいけないようで、ウラガノスは当然避けます。触れてしまったザケンナーは痛がっています。「逆転勝利(後半部)」のBGMが流れて必殺技。この曲が流れると無条件で盛り上がれます。止めてやると張り切るウラガノスですが、プリキュアの必殺技の前に屈します。撤退。ゴメンナー。
⑤帰りのバスで
夕暮れのバスの中。クラスの皆は疲れたのか眠っています。ひかりの寝顔がむっちゃ可愛いです。男子は半径10メートル以内に入ることが禁止されてしまいそうになるほど可愛いです。おデコに悪戯書き禁止ね。ちゃっかり起きているなぎさとほのか。色々あったと振り返るほのか。なぎさは帰るのが惜しいようです。これからどうなるんだろ・・・と言いながらお土産買えて良かったというなぎさはなぎさらしいです。このポジティブさがあるからこそほのかは不安を感じず勇気付けられます。また皆で旅行に行けたらいいね、となぎさ。ほのかも同意します。旅行と聞いて「新婚旅行?」と思ってしまったのは自分だけでしょうか。
夕焼けの五重塔を背にしハプニングだらけの修学旅行は終わります。
○トピック
面白いよ。普通に面白いよプリキュア。何で私のオタ友達は誰も見ないんだよ。勿体無い。先日、ひかりが活躍しないから飽きたとか言われたけど、活躍するって最終回あたりで。ネタじゃなくて真面目な話でね。
ということで、今回はキャラを見てても楽しいし、聖子はしゃべるし唯は居たし、背景は紅葉美しい京都で優美だし、ネタは一杯詰まってるし、戦闘は工夫とギャグで面白いし、ほのかが(勿論いつも)可愛いしで大満足でありました。
以下、細かい話。
①プリキュアの戦闘
戦闘が面白いと書きましたが、あくまで今回は例外的なんだろうと思います。今回の演出を担当された大塚氏の個人HPの中で書かれていますが、戦闘シーンについては監督にダメ出しされたそうな(尺の問題だけなのか、演出的にダメなのかは具体的にわかりませんが)。個人的な推測と作品解釈になるのですが、プリキュアでのコミカルな戦闘ってあまりやっちゃいけないんだろうな、と思います。
確かにコミカルに描けば子どもが受ける恐怖心は軽減されるし、むしろ面白可笑しいものになるのでそれはそれで人気は出ると思います。でも、それやっちゃうと戦闘の意味無いんですよね。何のために戦っているのか分からなくなってしまう。戦闘はお互いに命の取り合い(またはそれに近いこと)をするわけなので、それをコミカルにしてしまうと軽くなってしまって真剣さや誠実さがなくなってしまう。プリキュアで陳腐と言っていいほどオーソドックスな戦闘やるのはそういうことだと思う。今までにプリキュアでコミカルな戦闘はいくつかあるのだけど、大概プリキュア自身がコミカル的(一作目の16話とか28話とか栗拾いの35話とか)になっているだけで、敵はやっぱ敵なんですね。ギャグでやっているわけでなくて、真剣にお互いやっているわけで。そういう真剣さって子ども作品だからこそ必要だと思います(自分が子どもの頃は大人から見れば陳腐でも真剣に戦っている主人公には真剣に見ていた)。
別段、大塚氏の演出がダメとか言うわけでなくて、多分次回以降は今までどおりになるでしょうし、コミカルな戦闘になることはあくまで例外だろうということです。基本的にワンパターンなことが多い戦闘なので人によってつまらないと思う方もいるかもしれませんが、個人的に真剣さや誠実さが伝わる戦闘なんでそれはそれで好きです。形や演出はともかく、戦闘の意図は戦うために決意や意志(力)が必要で自分がそれを賭けなければならない真剣なものであるということでしょう。
②プロスン-繁栄-
このテーマはひかりにとって非常に有用です。
ハーティエルを取得するのは主にひかりの精神的成長(あるいはなぎさほのかを通して語られる)に合わせて行われるわけですが、ひかり個人として考えると「繁栄」は重々しい感じですが、クイーンとして考えれば問題なく当てはまります。光の園のクイーンは統治者でありプリズムストーンへのエネルギー供給源(だったと思う)であり、光の園そのものと言っても差し支えは無いでしょう。
ちょいと話が飛ぶのですが、前回34話の感想トピックで「旅先で少年とは関係ない日常的な経験をするかにもよって状況はもっと変わる」と書いたのですが、その意図は③で書くひかりの役割について大きな動機を与えるからです。そしてそのための意味は「繁栄」が最も適切であるように思えます。
③ひかりの大役(役割)
結論から言えば、ひかりの物語上の役目とは「虹の園とそこに暮らす者を肯定する」ことです。
ひかりが最終的に「ひかり」のままか「クイーン」になるかは問いません。なぎさとほのかが信頼・絆の人間関係を司る役目ならばひかりはその統べて、生きとし生けるものが住む虹の園を含んで肯定する役目であると思います。私の願望ですけどね。
大して根拠なんてものはありません。まず、OPが地球規模。次にひかりはクイーンの命→クイーンは統治者。虹の園のことを何も知らないひかりの虹の園とそこに住む人達との交流。ルミナスのしゃべり口調が総括的(「みんな」「統べて」とか)。というのが理由。ということでもっともらしく聞こえそうな理由を書いてみます。
虹の園に住んでいるなぎさとほのかが虹の園をそのまま肯定してもそれは当然なわけです。それはドツクゾーンの人がドツクゾーンを肯定するのと何ら変わりありません。しかし、本来虹の園とは関係無いひかりが虹の園を肯定すれば、それは客観的に虹の園が承認・肯定されることになります。ひかりというフィルターの無い存在をとおして虹の園を描くことで、視聴者は改めて虹の園とそこに住む人々の可能性や想いを感じることができます。
プリキュアの世界について書けば、明らかに一作目よりもMHは世界が広くなっています。
一作目中盤から後半にかけてクラスでのイベントが多かったのは最終決戦においてプリキュアが日常とする拠り所を確保するためでもありました。自分の所属する日常が戦う動機付けになるからです。だから、プリキュアは自分達のいる日常を守り回帰するために戦いました。動機や想定している範囲は恐ろしく狭いです。しかし、一作目のプリキュアの世界はその程度の広さと動機付けで十分だったのです。
MHではその所属する世界が拡張されています。友達とのイベントよりも大人との関わり(社会見学イベント)が多く、全体的に学校という範囲を超えたエピソードが多く取り入れられています。ひかりを成長させるためには学校内だけでは足りず、虹の園の根幹的な部分を経験させる必要があるからです。学校内イベントだけでは虹の園を肯定し切れません。
それ故、社会見学イベントはMHにおいて必須です。これが無いと始まりませんし、終われません。ひかり(と視聴者←勿論女の子ね)は虹の園が大きなもので、自分の知らないところでも多数の人が頑張っているということを知るでしょう。そしてそれらが自分達に繋がるものでもあると知ります(自分達が食べているケーキや梨や団子やTVに出てくる道具)。実際はなぎさ・ほのかのみでひかり自身が直接関わっていないイベント(ケーキ屋、笹野さん)もありますが、作品主題で考えれば問題ないでしょう(こういうところは大雑把に許容します)。
今回35話で少年とひかりの出会いが大きなイベントとしてありますが、個人的な重大イベントは京都修学旅行の方です。わざわざ京都という普段と離れた場所を舞台にしたのは前回トピックで書いたように非日常・特殊性があるから(だと思うの)ですが、それに留まらず、普通に観光し虹の園の美しさを知り、虹の園と人の営みをひかりは少なからず学びました。少年との関わりを深めると同時に虹の園の関わりも深めたのです。これまでひかりは人との関わりがメインでしたが、今回は若葉台とは離れた(しかし、そこも虹の園である)京都を知ることで虹の園の素晴らしさを知りました。そのため、これまでのハーティエルのように内的要因(探求、知識、情熱、希望)や関係性(調和)の意味ではなく「繁栄」という個人にはあまり当てはまらない意味が登場したのだろうと思います。
ごちゃごちゃ説明していますが、分かりやすく書くと
一作目:日常が大切。絆が大切。プリキュラが好き。→その意志と絆(主に人対人)でドツクゾーンを倒す。
MH:日常も絆も大切だが、この虹の園に生きる人達、虹の園そのものが好き。→その意志と絆(主に人対世界)でドツクゾーンを倒す。
というイメージ。世界の拡張とともに、プリキュアの出せる力は大きくなっているだろうし(ブレスは虹の園の力である)、人間的な成長にも同期していると思う。いきなり世界を守ると言っても実感も現実味も薄いのだけど、細かい社会見学等のイベントをつうじて地道に見せている。主題が大きいクセに団子屋とか地味なのはプリキュアのプリキュアらしいところだと思います。根底から肯定するというか。世界→日常という流れではなく、日常→世界という流れのステップアップ。その大きな主題と原動力はひかりが鍵になっているのだろうと思います。勿論、少年がどうなるかでも変わるだろうし、一作目最終回みたいに良い意味で驚かせてくれることも期待しています。
④余談
ぶっちゃけると、ひかりが最後にどうなるか?ということよりも、どういう感じでプリキュア(ルミナス含む)がドツクゾーンを倒すのかが一番楽しみです。その手段・意志・一途さ・一生懸命さがプリキュアの真髄だと思うんですね。
以前「コラム4」でシャイニールミナスの役割について書きましたが、あれもルミナスの役割云々が問題なのではなく、力が無くても頑張ったり一緒に力を合わせたりすることに趣きを置いているのが好きで細かく書いただけだったりします。結果は分かっているのです。ラスボスを倒す。これは戦闘モノの常識です。
かつて私が子どもの頃、ヒーロー番組は数多くありました。それらは男の子向けであり、戦う理由は「正義のため」とかそんなんでした。正義とは大きな力です。大義です。「正義」はそれ自体正当化されています(漢字が見たまんま)。一人ではなく仲間と力を合わせて勝つ正義の味方もいました。しかし、それはあくまで正義のためであって力を合わせることそのものに主眼は置かれていませんでした。あくまで正義のための一環としてなされたものでした。勝つために力を合わせたようなものです。
私がプリキュアを(戦闘モノとして)好きなのは、正義ではないからです。彼女達は一度も正義などという言葉は使っていません。彼女達には大義がないのです。世界から承認されていません。大義という名分がありません。だから彼女達は自分達でその理由を見つけなければなりませんでした。彼女達は世界から承認されたのではなく、世界(日常)を承認しました。世界を賭けるのではなく、世界の一部として彼女達は自分を賭けました。日常と自分達を結びつける経験・想いとお互いを結びつける絆の力で勝利します。勝つための努力などしません。相手を思いやる心とかで勝っちゃいます。意志力で勝っちゃいます。おっそろしく個人的な動機と理由付けで勝ってしまいますが、そこにあるのは友達を信じることと自分の暮らす日常への確たる繋がりです。
おっきいような実はちっちゃい話なのがプリキュアなのですが、そんな小さな世界を声を大にして肯定する彼女達の姿に憧れます。本気で憧れます。そういう風に生きたいです。正義の味方は悪を倒すことでその正当性が立証されますが、プリキュアは悪を倒すことそのものに意味はありません。自分達の意志(とその対象)を肯定することで立証されます(悪を倒すのはその結果でしかない)。この純粋で能動的な姿勢が大好きです。
結局私はプリキュアとその在り方が好きだってことなんですけどね。
①旅は道連れ世は情け
ホテルのロビーで座って顔を俯かせる三人。修学旅行の楽しい雰囲気とは打って変わって深刻な面持ちです。お約束どおりなぎさの回想が一段落すると同時に「おまたせ」の声。よし美先生は何故ひかりが京都にまで来たのか尋ねます。さて、どうやって誤魔化したものか。
とりあえず、のっぴきならない理由でふたりに会いたいがために来たと説明。実際嘘ではありません。謝るひかり。なぎさとほのかも弁護します。保護者であるアカネさんには連絡はしているようで、今日は泊まって、明日も一緒に帰ることを告げるよし美先生。3人の表情がパっと明るくなります。強制送還は免れました。「皆で帰りましょう」ということはつまり一緒に修学旅行ができるということです。思わず「ひかりさん良かったね」と言うほのかですが、たしなめる様に「ただし」とよし美先生。今後2度とこんな無茶をしてはいけないと注意します。ひかりにとってはクラスの人に心配をかけてしまったことが大きかったのか素直に約束と謝罪をします。どうやら平日のようなのでひかりは無断欠席で京都に来たようです。
肝心ののっぴきならない理由を聞くよし美先生。もっともな疑問です。安心したところで核心を突かれてしまい驚くなぎさとほのか。なぎさはいつものように目を丸くしますが、ほのかは逆に点のように小さくなります。良いリアクションです。なぎさは説明しようとしますが上手く言い訳が出てきません。ほのかはとっさに鍵を忘れてしまって、と取り繕います。かなり強引な理由付けです。勢いで攻めるしかありません。なぎさもほのかの肩を叩いて「ほのかったらおっちょこちょいで~」と合わせます。謝りながら「なぎさに言われた・・・」と凹むほのか。おっちょこちょいはなぎさの専売特許です。面白いなこの夫婦(めおと)漫才。
学校に帰ってからでも渡せるじゃない、と冷静にツッコミを入れる先生。ごもっともです。苦笑いするふたり。流石に苦しいです。そこで今まで黙っていたひかりが口を開きます。本来理由を言うべきはひかりです。真剣な声で「混乱してしまって」と謝るひかり。その言葉に偽りはないでしょう。たった一人で怪奇現象や不安に耐えるにはひかりの精神はまだ幼い。なぎさとほのかの漫才は置いておいて、ひかりの言葉には真実味が含まれています。多少疑問が残るものの、ひかりが反省していることと、悪意や家出などの問題もないことからかその辺の話は終わりにしてアカネさんと連絡を取るようによし美先生は言います。笑顔が戻り「はい」と答えるひかり。
アカネさんと電話するひかり。ひかりが無事であることに安心するアカネさん。片手には飲み物が入ったグラス。ひかりの無断行動に怒るでもなく、優しく話します。
会話そのものは無難な流れかな。と言っても考えられるパターンとしては怒るか折角なんだからそのまま楽しんで来い!と逆に励ますかくらいしか思いつきませんでしたけど。ただ、この描写で驚くべきはアカネさんがグラスを持っていること。見た目上は麦茶とかそんなんですが、意図としては酒(ウィスキーあたり)だと思います。わざわざグラスをアップにしたり、頬が若干上気しているように見えるのも納得がいきます。子どもの視聴者には分からんでしょうが、大人(親)向けとして心情を代弁しているように思えます。不安や心配を酒で紛らわす、というのは一般的にも描写的にもセオリーです。働き手として気丈に思えるアカネさんにも弱い部分があって人間臭さを感じますね。余談ですが酒で紛らわすのは個人的にはやりません(親が酒をほとんど飲まなかったせいか酒を飲む、飲んで紛らわす、ということに馴染みが未だに無い)。
旅費については不問というか、おこずかいで行ったという可能性もあるのでどうでもいいと言えばどうでもいいですね。ひかりはなぎさと違って無駄な出費はないでしょうし備蓄が一杯ありそうです。
照れ笑いというか安心したのかそんな表情がめっちゃ可愛いひかり。電話を切ります。様子を伺っていたなぎさとほのかが声をかけます。ウィシュンのことを話していたら本人が現れて真実が近づいていると告げます。少年との接触を思い出すふたり。一体何が起こるのか・・・と真剣になりますが、なぎさは「まっいいっか」と棚上げします。実際問題ここで考えても埒が開きません。再会を喜びます。メップルミップルポルンルルンも飛び出してお騒ぎモード。ウィシュンのみが心配気です。損な性格です。
街の夜景を眼下にビブリスは腕を組んでバルデスの言葉を考えています。隣に並んで「元気ないね」と声をかけるウラガノス。真剣なビブリスとは違って世間話のノリです。お気楽なウラガノスに説明するのも意味が無いと悟ったのか話を断ち切ります。しかし、ウラガノスは話を理解しているのかは不明ながらも、結論はプリキュア打倒と満月を背景に消えます。まあ、細かい理屈はどうでもいいんで、悪役は正義の味方を倒すのが義務です。
②京都満喫旅行
宿泊ホテルで朝食を摂り終えた頃、係りなのか学級委員か何かなのか皆に連絡事項を言う聖子。聖子。聖子!(連呼せんでいい)久々です。はしゃぎすぎるなよ、と注意します。それを聞く顔ぶれの中には唯。森岡。森岡唯!(呼び方変えても同じ)てっきり忘れ去られた人だと思っていました。ちなみにその奥は多分千秋。これまで本編で登場したクラスメイトが居ると何故か見ている方も楽しくなります。それはそうと、肝心な娘が見当たりませんな。ほら、プリキュアの最初期に出てきた娘で一作目EDでも志穂莉奈の後ろに居た娘ですよ。柏田真由!存在感薄いけど頑張れ!
聖子の連絡事項に「は~い」と行儀良く答えつつも楽しさは隠せるわけもなくウキウキな感じのクラス一同。その様子をキョトンとして見るひかり。この娘がキョトンとしているのは標準です。
自由行動開始。さっそくラッシュの如くしゃべる志穂。とひかりの存在に気づきます。なぎさとほのかは「あははっ・・・」と表情でひかりの同行の許可を求めます。何も言わずに笑顔だけ湛えているほのかは無言の圧力に思えなくも無い。いえ、好きですこの笑顔。ひかりがなぎさ達といるのは三年生でひかりを知っているのはこのふたりだけなのと、元々の原因(ほのか談)があるので同行することになったのでしょう。先生と居た方が安全面では高いのですけど、なぎさとほのかが同行を願い出たのかもしれませんがその辺はご都合で。
学年も違い直接の面識も薄いひかりですが志穂と莉奈は気にするでもなく快く承諾します。そんなことはどうでもいいのか、それよりも京都の土産完全制覇を目指す志穂と莉奈。なぎさもノリノリです。「オー」と声をあげます。なかなか良いアングルですな。流石にこのノリにはついていけないお嬢様ふたりは苦笑するしかないのでした。
商店街にやってくるなぎさ・志穂・莉奈のラクロストリオ。公言どおりお土産(食べ物)に目を輝かせます。きょうびそこまで食べ物でウキウキできるか謎ですがチョコパフェとかイケメンとか夢中になれる年頃なのでしょう。花も恥らう乙女とかそんな幻想はぶち壊してガツガツ試食しまくる三人。オバサンかよ。なぎさの勢いに一緒に食べていた志穂と莉奈も呆れてしまいます。店の奥からイケメン店員が出てきます。甘いものは好きですが、イケメンも気になるお年頃。そそくさとお土産を買って先ほど自分達も同じことをしていたことは棚上げして食い気に走るなぎさを注意します。イケメン店員さんはそんなことには構わず試食を薦めます。商売人です。ノリが良いなぎさは関西弁で返答します。口に食べカス付いてます。藤Pでなければ気にならないのでしょう。志穂と莉奈が買ったお土産にオマケでキーホルダーを貰います。なぎさも3つ買います。イケメン店員修学旅行女子に対して売上高よさそうです。
お嬢様チームは物静かなところへ来ていました。ほのかは店先に飾ってある京人形に感嘆の声をあげます。部屋にもそういう人形があったと思います。個人的にこの手の人形は造形的に怖いと感じてしまうのですが、良さが分かる人には作り手の意匠や技を感じるのかもしれません。
相づちを打ちながらひかりは今更ながらも、ほのかとなぎさが対照的だと言います。確かに趣味趣向は真逆です。しかし、ほのかは「だから、いつも一緒にいられるのかもしれないわね」と答えます。「そういうものなんですか?」と分かったような分からないような表情のひかり。ほのかはそんなひかりに趣味や考え方が違うなぎさと居ると刺激的で楽しいと嬉しそうに言います。そして似たもの同士とも言えると言います。またも「そうなんですか」と分かったような分からないようなひかり。まだちょっと実感が無いのかもしれません。
MHになりなぎさとほのかの関係はますます安定し、ひかりの登場で主題的には広がりを持ったプリキュアですが、この作品本来の主題は間違いなくほのかの言った人間関係にあります。自分とは違う人間を認め信頼し相手からも同様に受けいれらる。相互理解。そしてそれらを通じて成長する自分にあります。外見的、(表面上の)性格的な違いに左右されない人間として本質を知ることが理想的な人間関係です。ひかりにはまだそういったことは分からないでしょうし、ひかり自身なぎさやほのかのようにクセのある性格ではないので真逆のキャラってのもなかなかいないのですが(相当ひねくれた相手になる。プリキュアじゃ登場しなさそうなキャラだなぁ)、いつの日か理解するときが来るでしょう。個人的に(おそらく作品主題的に)ひかりには違う大役が課されていると思うので今のところひかりが相互理解を理解する必要はありません(トピックにて後述する)
なぎさ達と合流。ほのかとひかりもお土産を買ったようです。さて、これからどこに行こうかと考える一同。ほのかの表情が変わります。なぎさ達にはあまりこれといった場所が思いつかないようです。そしてほのかは行ってみたい場所があると言います。満面の笑みを浮かべるほのか萌え。後ろでキョトンとするひかり萌え。陰謀の予感です(それは無い)。
③京都満喫旅行パート2
京都の街を走り回る少年。階段を上り橋を渡り袋小路を進み地蔵を見て回ります。上空から見守るビブリス。下手に少年の行動を押さえつけるよりは監視していた方が良いのでしょう。
道路。人気の無い道路。並ぶほのか達。ほのか以外キョトンとしています。右を見ても左を見ても何も無いのでなぎさは思わず聞いてしまいます。しかし「ここよ」と返答するほのか。間。「何も無いじゃん」と言うなぎさに、ほのかは待ってましたと道路の先を見ます。笑みを浮かべたまま体を傾けるほのか。遅れて垂れ下がる髪。同じように振り向くなぎさ・志穂・莉奈。何もしてないけどなぎさ達が傾いたので画面上に出てくるひかり。このシーン萌え。
視界の先から現れたのは路面電車。にらんでいたなぎさ志穂莉奈の顔がパッと輝きます。可愛いかは分かりませんがこじんまりとしていて趣があります。これに乗りたいとは渋いなほのか。ドアが開きウキウキと「ほのか♪ほのか♪」と呼ぶなぎさと「えへっ」と答えるほのかのコンビは最強であります。
嵐山に到着する一行。姦しい娘達。しかしながら紅葉鮮やかな景色に心を躍らせてしまうのは無理なからぬこと。なぎさとほのかはお互いに顔を見合わせて愛変わらず(誤植ではない)です。ちなみに私は中学高校の頃はそういったものに興味が無かったのだけど、今はめっちゃ好きですね。
そして人力車に乗る一行。これでもかってくらい京都を楽しみます。人力車に乗りながらお姫様になったみたいとなぎさ。となりにクイーン(の命)はいますけどね。竹林を抜けます。おおおおっ、めっちゃ京都行きてーーーー!
縁結びの寺にやってきます。志穂は莉奈を連れて階段を駆け上がります。ほのかはなぎさに行かないの?と尋ねますが、なぎさは体でぶつかっていくタイプだからと答えます。前回は恋占いにノリノリでしたけど。それを聞いたほのかは最初ポカンとしていましたが、すぐに(気づいて)笑顔で奥の寺に行こうと誘います。別になぎさが志穂達のところに行かないから今のうちにデートとかそういうのではなく、なぎさが自然に恋に対してポジティブになっているのが嬉しいのでしょう。その後に「誰に?」と突っ込むのは愛嬌です。そしてそれに口ごもるなぎさもなぎさです。多分ひかりはキョトンとしています。
④2度目の邂逅
構内は何とも雅な風流ある景色。目を輝かせながら「こんなに古い建物や庭園が今もこんなに綺麗な形で残ってるなんて、昔から皆で大切に守ってきたのね」と説明的に言うほのか。「古きをたずねて新しきを知る」とプロスンが引き継ぎます。はい、今回(プロスン編)のテーマ完了です。
光の園にしかないような洋ナシみたいな食べ物を食べるプロスン。でも、葉っぱまで食べることは無いと思います。と突然ゴ~ンという鐘の音。見回すなぎさ達。今日は何も無いと思うけど・・・と言うほのかはかなり下調べしていそうです。音は強くなり、邪悪な気配が立ち込めます。建物の中から出てくるウラガノス。罰当たりそうです。驚く三人。萌え。もう、今回は何でも萌え。ウィシュンが真実が近づいていると言ってきます。ウラガノスもやる気です。皆好き勝手言ってきて大変です。ザケンナー召還。絵の中の虎が具現化します。一休さんもびっくりです(そういうトンチがありました)。
目の前に現れるザケンナー。虎というか狛犬っぽい気もしますが混ざっているのでしょう。見えそうで見えないひかりのスカートが一番気がかりです。
ザケンナーは先手を打って攻撃してきます。回避運動。位置的に一番危険ではあるものの反応が良いなぎさはほとんど完璧に回避(スゴイ横っ飛び)。運動性能で劣るひかりを庇わずにほのか側に行くのは仕様です。ほのかも基本性能が高いので難なく回避。ひかりはふたりに比べおぼつかない様子で回避。そのため着地に失敗し尻餅を付きます。もっとも、私だったら回避できるわけもなく死んでいますが。
なぎさとほのかは見事なバランスコントロールで着地、瞬時の判断(お互いに顔を見合わせる)で背負っていたリュックを破棄して変身です。この間1秒足らず。見事としか言えない連携です。そしてやっぱり素敵なアングルの制服変身。これ最強。
変身完了と同時に上空から突撃してくるザケンナー。スピーディです。わらうウラガノスですが、プリキュアは攻撃に当たるどころかザケンナーを持ち上げています。ギャグキャラのような表情で手足をバタバタさせるザケンナーを放り投げます。それを追うプリキュア。ひかりについては放置というか、危険なザケンナーを遠ざければ問題ないでしょう。しかし、ウィシュンはピキーンと俗に言うニュータイプ音(これに閃きっぽいエフェクトが付くと別番組になります)を鳴らして真実が近づいていることに気づきます。どこかに行ってしまうウィシュン。それを追うひかり。真実が近づいていることを警戒するわりに近づくウィシュン。もっとも、「真実」も他のハーティエルのように取得するものであれば避けられないものでもあるので自ら近づくのは当然か。
着地するザケンナー。流石猫科だけあって上手いです。戦闘態勢をとるプリキュア。
灯篭がならび鮮やかに朱に染まる枝葉をつける木々。そこはかとなく幻想的で非現実的な空間。走るひかりを惑わすように鳥居がいくつも立ち並びます。和テイストの神秘現象。ちなみに京都にある伏見稲荷大社というところは千本鳥居といって本当にこんな感じで並んでいます。平地の部分もありますが、山にもあるのでそこを回ると大変です。疲れます。休憩所もいくつかあります。夕方頃に行くと夕日と相まって何とも言えない幻想的な空間です。
ってそんな悠長な状況のわけでもなく、気配を感じて振り返るひかり。今日のカメラさんは意欲的です。思わず下からTVを見てしまいそうになります。いっそのことTVを逆さまにしてしまいそうになります。見えませんが。振り返っても誰もいません。しかし、再び背後に気配。恐る恐る振り返ると少年がいます。見つめ合うふたり。21話の時のようにネガポジ反転な空間が広がっていきます。
戦闘を続けていたプリキュア。なかなか手ごわい相手のようです。そこに空間現象が広がってきます。驚くウラガノスとは違い一度経験しているプリキュアはこの現象が少年とひかりに関わることであると察知します。急いで向かいます。状況が分かっていないウラガノスは単純にプリキュアを追撃します。慌てるプリキュア。簡単に倒せる相手ではありません。「もう、こうなったら!」とブラックはホワイトと手を繋いでマーブルスクリューの体勢に入ります。おおっ、サンダー出してないけどいいの?っていうかホワイトのびっくり感が面白すぎ。リアクションが良いウラガノスは高速飛行をやめて「着地、そして後ろへジャンプ」と防御体勢を固めます。しかし肝心の電撃が来ません。よくみるとプリキュアは「スタコラサッサ」と逃げていきます。普段から赤い顔が沸騰したように赤くなるウラガノス。隣ではザケンナーも笑っています。
おっ、珍しいギャグ。っていうかマーブルスクリューそのものをネタにするとは。割かしプリキュアは真面目な戦いをする方なのでこういうギャグは稀ですな。ドラマCDのノリのようです。しかもかたやひかりは重大イベント発生中なわけですが、これは息抜きとコントラストなんでしょうか。どちらにせよ、こういう面白いことをやってくれるのは大歓迎です。敢えてパターンを破ることで作品内でのパロディをやるのは面白いですね。瓜右衛門さんとこの感想でもありましたが、こういうギャグができるのも作品内でパターンとして定着しているからこそですね。
ひかりと少年はテレパシーのように会話をします。「私に会いに来たの?」「分からない。ただ・・・」ひかりと少年の影が重なった時また以前のように衝撃が起こり倒れるふたり。プリキュアとビブリスが抱きとめます。怒りをあらわにし忌々しそうにプリキュアをにらむビブリス。そこに今度は物理的な重みを持って衝撃と土煙が舞い上がります。ウラガノスです。相変わらず場違いというか空気が読めない人です。しかし、今回はビブリスにとって幸いのようで、抱きかかえた少年とともに消えます。プリキュアも場所を移します。ひかり大丈夫かな。
ザケンナーに跨り疾駆するウラガノス。さっきとは別の場所なのでしょうが、脈絡が分かりにくいです。しかし、えらく舞台が広い戦いで楽しいです。プリキュアはブレス召還の動作に入りますが、迫ってきたウラガノスに阻まれてしまいます。回避したものの隙を突かれ食われそうになるホワイト。間髪助けるブラック。そしてそのまま空中転換して反撃です。華麗なるプリキュア。それにしても今回のザケンナーはコミカルだなぁ。
今度こそブレス召還。山々から光が湧き出ます。広がる光の絨毯。忘れそうですが、この光は闇の者が触れてはいけないようで、ウラガノスは当然避けます。触れてしまったザケンナーは痛がっています。「逆転勝利(後半部)」のBGMが流れて必殺技。この曲が流れると無条件で盛り上がれます。止めてやると張り切るウラガノスですが、プリキュアの必殺技の前に屈します。撤退。ゴメンナー。
⑤帰りのバスで
夕暮れのバスの中。クラスの皆は疲れたのか眠っています。ひかりの寝顔がむっちゃ可愛いです。男子は半径10メートル以内に入ることが禁止されてしまいそうになるほど可愛いです。おデコに悪戯書き禁止ね。ちゃっかり起きているなぎさとほのか。色々あったと振り返るほのか。なぎさは帰るのが惜しいようです。これからどうなるんだろ・・・と言いながらお土産買えて良かったというなぎさはなぎさらしいです。このポジティブさがあるからこそほのかは不安を感じず勇気付けられます。また皆で旅行に行けたらいいね、となぎさ。ほのかも同意します。旅行と聞いて「新婚旅行?」と思ってしまったのは自分だけでしょうか。
夕焼けの五重塔を背にしハプニングだらけの修学旅行は終わります。
○トピック
面白いよ。普通に面白いよプリキュア。何で私のオタ友達は誰も見ないんだよ。勿体無い。先日、ひかりが活躍しないから飽きたとか言われたけど、活躍するって最終回あたりで。ネタじゃなくて真面目な話でね。
ということで、今回はキャラを見てても楽しいし、聖子はしゃべるし唯は居たし、背景は紅葉美しい京都で優美だし、ネタは一杯詰まってるし、戦闘は工夫とギャグで面白いし、ほのかが(勿論いつも)可愛いしで大満足でありました。
以下、細かい話。
①プリキュアの戦闘
戦闘が面白いと書きましたが、あくまで今回は例外的なんだろうと思います。今回の演出を担当された大塚氏の個人HPの中で書かれていますが、戦闘シーンについては監督にダメ出しされたそうな(尺の問題だけなのか、演出的にダメなのかは具体的にわかりませんが)。個人的な推測と作品解釈になるのですが、プリキュアでのコミカルな戦闘ってあまりやっちゃいけないんだろうな、と思います。
確かにコミカルに描けば子どもが受ける恐怖心は軽減されるし、むしろ面白可笑しいものになるのでそれはそれで人気は出ると思います。でも、それやっちゃうと戦闘の意味無いんですよね。何のために戦っているのか分からなくなってしまう。戦闘はお互いに命の取り合い(またはそれに近いこと)をするわけなので、それをコミカルにしてしまうと軽くなってしまって真剣さや誠実さがなくなってしまう。プリキュアで陳腐と言っていいほどオーソドックスな戦闘やるのはそういうことだと思う。今までにプリキュアでコミカルな戦闘はいくつかあるのだけど、大概プリキュア自身がコミカル的(一作目の16話とか28話とか栗拾いの35話とか)になっているだけで、敵はやっぱ敵なんですね。ギャグでやっているわけでなくて、真剣にお互いやっているわけで。そういう真剣さって子ども作品だからこそ必要だと思います(自分が子どもの頃は大人から見れば陳腐でも真剣に戦っている主人公には真剣に見ていた)。
別段、大塚氏の演出がダメとか言うわけでなくて、多分次回以降は今までどおりになるでしょうし、コミカルな戦闘になることはあくまで例外だろうということです。基本的にワンパターンなことが多い戦闘なので人によってつまらないと思う方もいるかもしれませんが、個人的に真剣さや誠実さが伝わる戦闘なんでそれはそれで好きです。形や演出はともかく、戦闘の意図は戦うために決意や意志(力)が必要で自分がそれを賭けなければならない真剣なものであるということでしょう。
②プロスン-繁栄-
このテーマはひかりにとって非常に有用です。
ハーティエルを取得するのは主にひかりの精神的成長(あるいはなぎさほのかを通して語られる)に合わせて行われるわけですが、ひかり個人として考えると「繁栄」は重々しい感じですが、クイーンとして考えれば問題なく当てはまります。光の園のクイーンは統治者でありプリズムストーンへのエネルギー供給源(だったと思う)であり、光の園そのものと言っても差し支えは無いでしょう。
ちょいと話が飛ぶのですが、前回34話の感想トピックで「旅先で少年とは関係ない日常的な経験をするかにもよって状況はもっと変わる」と書いたのですが、その意図は③で書くひかりの役割について大きな動機を与えるからです。そしてそのための意味は「繁栄」が最も適切であるように思えます。
③ひかりの大役(役割)
結論から言えば、ひかりの物語上の役目とは「虹の園とそこに暮らす者を肯定する」ことです。
ひかりが最終的に「ひかり」のままか「クイーン」になるかは問いません。なぎさとほのかが信頼・絆の人間関係を司る役目ならばひかりはその統べて、生きとし生けるものが住む虹の園を含んで肯定する役目であると思います。私の願望ですけどね。
大して根拠なんてものはありません。まず、OPが地球規模。次にひかりはクイーンの命→クイーンは統治者。虹の園のことを何も知らないひかりの虹の園とそこに住む人達との交流。ルミナスのしゃべり口調が総括的(「みんな」「統べて」とか)。というのが理由。ということでもっともらしく聞こえそうな理由を書いてみます。
虹の園に住んでいるなぎさとほのかが虹の園をそのまま肯定してもそれは当然なわけです。それはドツクゾーンの人がドツクゾーンを肯定するのと何ら変わりありません。しかし、本来虹の園とは関係無いひかりが虹の園を肯定すれば、それは客観的に虹の園が承認・肯定されることになります。ひかりというフィルターの無い存在をとおして虹の園を描くことで、視聴者は改めて虹の園とそこに住む人々の可能性や想いを感じることができます。
プリキュアの世界について書けば、明らかに一作目よりもMHは世界が広くなっています。
一作目中盤から後半にかけてクラスでのイベントが多かったのは最終決戦においてプリキュアが日常とする拠り所を確保するためでもありました。自分の所属する日常が戦う動機付けになるからです。だから、プリキュアは自分達のいる日常を守り回帰するために戦いました。動機や想定している範囲は恐ろしく狭いです。しかし、一作目のプリキュアの世界はその程度の広さと動機付けで十分だったのです。
MHではその所属する世界が拡張されています。友達とのイベントよりも大人との関わり(社会見学イベント)が多く、全体的に学校という範囲を超えたエピソードが多く取り入れられています。ひかりを成長させるためには学校内だけでは足りず、虹の園の根幹的な部分を経験させる必要があるからです。学校内イベントだけでは虹の園を肯定し切れません。
それ故、社会見学イベントはMHにおいて必須です。これが無いと始まりませんし、終われません。ひかり(と視聴者←勿論女の子ね)は虹の園が大きなもので、自分の知らないところでも多数の人が頑張っているということを知るでしょう。そしてそれらが自分達に繋がるものでもあると知ります(自分達が食べているケーキや梨や団子やTVに出てくる道具)。実際はなぎさ・ほのかのみでひかり自身が直接関わっていないイベント(ケーキ屋、笹野さん)もありますが、作品主題で考えれば問題ないでしょう(こういうところは大雑把に許容します)。
今回35話で少年とひかりの出会いが大きなイベントとしてありますが、個人的な重大イベントは京都修学旅行の方です。わざわざ京都という普段と離れた場所を舞台にしたのは前回トピックで書いたように非日常・特殊性があるから(だと思うの)ですが、それに留まらず、普通に観光し虹の園の美しさを知り、虹の園と人の営みをひかりは少なからず学びました。少年との関わりを深めると同時に虹の園の関わりも深めたのです。これまでひかりは人との関わりがメインでしたが、今回は若葉台とは離れた(しかし、そこも虹の園である)京都を知ることで虹の園の素晴らしさを知りました。そのため、これまでのハーティエルのように内的要因(探求、知識、情熱、希望)や関係性(調和)の意味ではなく「繁栄」という個人にはあまり当てはまらない意味が登場したのだろうと思います。
ごちゃごちゃ説明していますが、分かりやすく書くと
一作目:日常が大切。絆が大切。プリキュラが好き。→その意志と絆(主に人対人)でドツクゾーンを倒す。
MH:日常も絆も大切だが、この虹の園に生きる人達、虹の園そのものが好き。→その意志と絆(主に人対世界)でドツクゾーンを倒す。
というイメージ。世界の拡張とともに、プリキュアの出せる力は大きくなっているだろうし(ブレスは虹の園の力である)、人間的な成長にも同期していると思う。いきなり世界を守ると言っても実感も現実味も薄いのだけど、細かい社会見学等のイベントをつうじて地道に見せている。主題が大きいクセに団子屋とか地味なのはプリキュアのプリキュアらしいところだと思います。根底から肯定するというか。世界→日常という流れではなく、日常→世界という流れのステップアップ。その大きな主題と原動力はひかりが鍵になっているのだろうと思います。勿論、少年がどうなるかでも変わるだろうし、一作目最終回みたいに良い意味で驚かせてくれることも期待しています。
④余談
ぶっちゃけると、ひかりが最後にどうなるか?ということよりも、どういう感じでプリキュア(ルミナス含む)がドツクゾーンを倒すのかが一番楽しみです。その手段・意志・一途さ・一生懸命さがプリキュアの真髄だと思うんですね。
以前「コラム4」でシャイニールミナスの役割について書きましたが、あれもルミナスの役割云々が問題なのではなく、力が無くても頑張ったり一緒に力を合わせたりすることに趣きを置いているのが好きで細かく書いただけだったりします。結果は分かっているのです。ラスボスを倒す。これは戦闘モノの常識です。
かつて私が子どもの頃、ヒーロー番組は数多くありました。それらは男の子向けであり、戦う理由は「正義のため」とかそんなんでした。正義とは大きな力です。大義です。「正義」はそれ自体正当化されています(漢字が見たまんま)。一人ではなく仲間と力を合わせて勝つ正義の味方もいました。しかし、それはあくまで正義のためであって力を合わせることそのものに主眼は置かれていませんでした。あくまで正義のための一環としてなされたものでした。勝つために力を合わせたようなものです。
私がプリキュアを(戦闘モノとして)好きなのは、正義ではないからです。彼女達は一度も正義などという言葉は使っていません。彼女達には大義がないのです。世界から承認されていません。大義という名分がありません。だから彼女達は自分達でその理由を見つけなければなりませんでした。彼女達は世界から承認されたのではなく、世界(日常)を承認しました。世界を賭けるのではなく、世界の一部として彼女達は自分を賭けました。日常と自分達を結びつける経験・想いとお互いを結びつける絆の力で勝利します。勝つための努力などしません。相手を思いやる心とかで勝っちゃいます。意志力で勝っちゃいます。おっそろしく個人的な動機と理由付けで勝ってしまいますが、そこにあるのは友達を信じることと自分の暮らす日常への確たる繋がりです。
おっきいような実はちっちゃい話なのがプリキュアなのですが、そんな小さな世界を声を大にして肯定する彼女達の姿に憧れます。本気で憧れます。そういう風に生きたいです。正義の味方は悪を倒すことでその正当性が立証されますが、プリキュアは悪を倒すことそのものに意味はありません。自分達の意志(とその対象)を肯定することで立証されます(悪を倒すのはその結果でしかない)。この純粋で能動的な姿勢が大好きです。
結局私はプリキュアとその在り方が好きだってことなんですけどね。
コラム5「キャラクター&ヴォーカルCD」
○ふたりはプリキュア 1st Year~キャラクター&キャラソンベスト
これまでリリースされている「DUAL VOCAL WAVE!!」と「VocalRainbowStorm!!」からキャラクターソングをチョイスしてミニドラマとカラオケを付けたもの。そのため五條女史の歌は無し。正直なところ、先の2つCDを持っている人には効果対費用は悪い。つまるところミニドラマしか目新しいものが無い。カラオケはあまり魅力的ではなかろう。
ミニドラマではめっちゃ夫婦しているなぎさとほのか。夫婦以外に例えられないんですけど。ほのかの幸せっぷりがたまりません。夫婦などと例えたが、やはりそこはプリキュアであって非常に真面目な会話もされており真摯なふたりの態度と関係が素敵です。本編に比べちょっとほのかがハジけているのが面白い。さなえさんの若い頃の写真を見せたときになぎさが「なんとなくほのかに似ている。眉毛とか」がツボった。ミニドラマラストの情景とそれにつづく「ありったけの笑顔で」の曲の配置は見事である。
正味、お買い得感は低いので覚悟が必要。プリキュアは無理にヴォーカルCD出すよかドラマCD出した方が良い様な気がする。
○EXTAEME VOCAL LIMINARIO!!~同じ夢見て~
マックスハート第一弾のヴォーカルCD。第一弾って二弾あるのか分からないけど帯にはイッパツめと書いてある。今回のCDの全体的なイメージとしてはジャケットイラストのとおり華やかなイメージ。80年代というかその辺のアイドル路線というか。バラエティ性という意味ではそれほどクセのある曲はない。キャラクターソングではないので、主要メンバーでの曲はなぎほのひか、なぎほの、ひかりの3曲。ところで、ヴォーカルCDのタイトルは必殺技から用いるのは伝統なんでしょうか。
以下、各曲目と所感。楽曲の中にはOPおよびEDも入っているが割愛。ちなみに珍しくフルコーラスが入っています。
①MaxHeartでGO GO GO!!(なぎさ・ほのか・ひかり)
最高じゃん♪最強じゃん♪のフレーズが印象的。マーブルスクリューとかエキストリームルミナリオとかデュアルオーロラウェーブとか歌詞に含まれていてテンションが高い。ジャケットイラストの格好て歌っている三人が容易に想像できて楽しい。
②虹になろうよ(中嶋朋子)
「☆SHINING STAR☆」および「Herat to Heart」を歌った中嶋女史の歌。まさか収録されているとは思ってもみなかったので聴いたときは小躍りしたくなった。この歌声はやみ付きになる。インパクト的には劇中のシーンで使われている前述2つには及ばないが、歌声を堪能するにはこれが最も綺麗だと思う。
③ありがとう(ひかり)
ひかりのソロ。キャラクターソングに収録されていた例のハチャケた印象とは打って変わって正統派ひかり(何だそれ)の曲。やっぱり何となく80年代のような気がする(悪い意味は無い)。
④大好きがいっぱい(五條真由美)
五條女史。それだけでほとんど説明不要だと思う。元気一杯な女の子、というか、女の子は元気一杯なのよという感じで心地いい。夢見る女の子。どうでもいいが、歳を取っても夢を見ているのは男の子だったりする。いい歳して(車でも何でも)玩具を欲しがるのは男なんだよなぁ。その点、女の子は現実的でバイタリティがあると思う。っていうか、これ歌の感想ではないな。
⑤シアワセのかくれんぼ(中司雅美)
歌っている人のこと知らなかったのだが、調べてみるとそれほど表立っての活躍は無いけど歌声から非常に定評のある人のよう。おじゃ魔女どれみドッカ~ンの歌も歌ったようです。この曲では作詞作曲も手がけている。日常の些細な出来事が綴られたほのぼのとした曲。
⑥I believe in(中嶋朋子)
来ましたよ、勢いのある曲。最早戦隊モノ(しかも80年代くらい)の曲と聴き間違えてしまいそうな勢い。可愛いヒロインの歌じゃないんだけど、それすら似合ってしまうプリキュア。芸風広いなぁ。
⑦同じ夢見て~SET ME FREE~(なぎさ・ほのか)
CDのサブタイトルにもなっている曲・・・なんだけどなぎさとほのかのデュエットなのがプリキュアのプリキュアたるところか。内容については推して知るべし。最高じゃん、最強じゃん。
⑧☆A Wish of a Heart☆(五條真由美)
例によって説明不要。プリキュアってこの人のイメージ強いなぁ。
⑨~α~(中司雅美)
これもまた「シアワセのかくれんぼ」と同様に日常の情景に焦点を合わせている。ライナーノーツの歌詞のところにひかりが描かれているせいもあるが、ひかりがイメージされる。虹の園はひかりをとおして見た時によりその良さが表れる。
これまでリリースされている「DUAL VOCAL WAVE!!」と「VocalRainbowStorm!!」からキャラクターソングをチョイスしてミニドラマとカラオケを付けたもの。そのため五條女史の歌は無し。正直なところ、先の2つCDを持っている人には効果対費用は悪い。つまるところミニドラマしか目新しいものが無い。カラオケはあまり魅力的ではなかろう。
ミニドラマではめっちゃ夫婦しているなぎさとほのか。夫婦以外に例えられないんですけど。ほのかの幸せっぷりがたまりません。夫婦などと例えたが、やはりそこはプリキュアであって非常に真面目な会話もされており真摯なふたりの態度と関係が素敵です。本編に比べちょっとほのかがハジけているのが面白い。さなえさんの若い頃の写真を見せたときになぎさが「なんとなくほのかに似ている。眉毛とか」がツボった。ミニドラマラストの情景とそれにつづく「ありったけの笑顔で」の曲の配置は見事である。
正味、お買い得感は低いので覚悟が必要。プリキュアは無理にヴォーカルCD出すよかドラマCD出した方が良い様な気がする。
○EXTAEME VOCAL LIMINARIO!!~同じ夢見て~
マックスハート第一弾のヴォーカルCD。第一弾って二弾あるのか分からないけど帯にはイッパツめと書いてある。今回のCDの全体的なイメージとしてはジャケットイラストのとおり華やかなイメージ。80年代というかその辺のアイドル路線というか。バラエティ性という意味ではそれほどクセのある曲はない。キャラクターソングではないので、主要メンバーでの曲はなぎほのひか、なぎほの、ひかりの3曲。ところで、ヴォーカルCDのタイトルは必殺技から用いるのは伝統なんでしょうか。
以下、各曲目と所感。楽曲の中にはOPおよびEDも入っているが割愛。ちなみに珍しくフルコーラスが入っています。
①MaxHeartでGO GO GO!!(なぎさ・ほのか・ひかり)
最高じゃん♪最強じゃん♪のフレーズが印象的。マーブルスクリューとかエキストリームルミナリオとかデュアルオーロラウェーブとか歌詞に含まれていてテンションが高い。ジャケットイラストの格好て歌っている三人が容易に想像できて楽しい。
②虹になろうよ(中嶋朋子)
「☆SHINING STAR☆」および「Herat to Heart」を歌った中嶋女史の歌。まさか収録されているとは思ってもみなかったので聴いたときは小躍りしたくなった。この歌声はやみ付きになる。インパクト的には劇中のシーンで使われている前述2つには及ばないが、歌声を堪能するにはこれが最も綺麗だと思う。
③ありがとう(ひかり)
ひかりのソロ。キャラクターソングに収録されていた例のハチャケた印象とは打って変わって正統派ひかり(何だそれ)の曲。やっぱり何となく80年代のような気がする(悪い意味は無い)。
④大好きがいっぱい(五條真由美)
五條女史。それだけでほとんど説明不要だと思う。元気一杯な女の子、というか、女の子は元気一杯なのよという感じで心地いい。夢見る女の子。どうでもいいが、歳を取っても夢を見ているのは男の子だったりする。いい歳して(車でも何でも)玩具を欲しがるのは男なんだよなぁ。その点、女の子は現実的でバイタリティがあると思う。っていうか、これ歌の感想ではないな。
⑤シアワセのかくれんぼ(中司雅美)
歌っている人のこと知らなかったのだが、調べてみるとそれほど表立っての活躍は無いけど歌声から非常に定評のある人のよう。おじゃ魔女どれみドッカ~ンの歌も歌ったようです。この曲では作詞作曲も手がけている。日常の些細な出来事が綴られたほのぼのとした曲。
⑥I believe in(中嶋朋子)
来ましたよ、勢いのある曲。最早戦隊モノ(しかも80年代くらい)の曲と聴き間違えてしまいそうな勢い。可愛いヒロインの歌じゃないんだけど、それすら似合ってしまうプリキュア。芸風広いなぁ。
⑦同じ夢見て~SET ME FREE~(なぎさ・ほのか)
CDのサブタイトルにもなっている曲・・・なんだけどなぎさとほのかのデュエットなのがプリキュアのプリキュアたるところか。内容については推して知るべし。最高じゃん、最強じゃん。
⑧☆A Wish of a Heart☆(五條真由美)
例によって説明不要。プリキュアってこの人のイメージ強いなぁ。
⑨~α~(中司雅美)
これもまた「シアワセのかくれんぼ」と同様に日常の情景に焦点を合わせている。ライナーノーツの歌詞のところにひかりが描かれているせいもあるが、ひかりがイメージされる。虹の園はひかりをとおして見た時によりその良さが表れる。
第34話「旅だ仲間だ!修学旅行だザケンナー!?」
○今週の出来事
①修学旅行と一抹の不安
ベローネ中等桜組は修学旅行で京都観光。舞妓さんを見つけて目を輝かす一同。ほのかまで乗り気です。私が京都に行った時は見かけませんでしたが、どの辺に出没するんですかね。舞妓さんと一緒に写真を撮ります。ほのかの表情が微妙な感じですが本人は気にしていない様子。見栄えよりも雰囲気が大事です。っていうか、制服が上着着用です。ベスト姿は終わりか・・・短かったなぁ。
その頃ベローネ中等桃組ではいつもの授業、いつもの変わらぬ風景。しかし、ひかりは窓の外を見ながら言い知れぬ不安を感じるのであった。
洋館の中を探し回る執事ザケンナー。少年が居ない。
②普通の修学旅行、異様な日常
清水寺。おおっ、この角度の光景は生で見たことがありますよ。志穂は恋占いの石がある神社の話をします。前回藤Pと恋愛?イベントをしているなぎさは振り返ってウキウキ気分です。志穂の「恋占いに行く人行く人行く人~」という呼びかけに真っ先に応えます。恋に恋する乙女から恋する乙女になってきました。そんななぎさにメップルとミップルが横槍を入れて慌てるふたり。無理やり誤魔化します。
桃組は体育の授業。走り幅跳びをしていますが、計測係をしていたひかりはメジャーを忘れたことに気づいて倉庫に取りにいきます。朝からボーっとしていたような感じです。まあ、跳ぶ前にメジャーがあるかどうかくらい確認しろよ先生って気もしますが。
倉庫の扉を重そうに開けて入るひかり。突然サッカーボールが転がります。不振がるひかり。同じく教室にいたポルンとルルンも不思議な感じがすると何かを感じている様子。メジャーを見つけるひかり。と突然不振な音。これはびっくりです。ベローネのルリ子さん再来でしょうか。奈緒がやってきて戻ります。何かがひかりの周りで起こっています。サーキュラスがストーキングしている可能性も十分考えられます。
どっかの池の周り(うーん…分からない)で昼食を摂る桜組。なぎさはお弁当を食べて至福を味わっています。とその様子を撮る志穂。ラクロス部の部室に貼るんだ~いと走り去っていきます。それを追うなぎさ。何とも姦しい娘達です。笑うほのか。どんな名所であろうと、この娘達の元気な姿に目を奪われてしまいそうです。あと、例によって私はほのかの下に位置どりたいです。ちなみに、なぎさはかなり際どかったと思います。何の話かは敢えて言いませんが。
ベローネは下校時間です。教室にはひかりだけで他に生徒はいません。日直とかでしょうか。教室を出ようとした時、音が聞こえてきます。只ならぬ雰囲気におののくひかり。ポルンはひかりほど恐れているわけではなく「不思議な感じ」と言います。前にもあったというのは恐らく少年と会った時のことでしょう。逃げるように教室から出ようとしますが鍵がかかっているのか出られません。そして音は近づき、ひかりがいる扉とは別の扉が開きます。不安と恐怖に身を固め思わず目をつぶります。奈緒の声。現実に引き戻されるひかり。開いたはずの扉は閉まっており、開かなかった扉はすんなり開きます。ひかりを呼び続ける奈緒。ひかりは開けた扉を閉めて奈緒の所に急いで行きます。相変わらず律儀な性格です。
タコカフェを手伝いながら考えるひかり。頼れるなぎさとほのかは今いません。そんなひかりに声をかけるアカネさん。寂しがっていると思われたようです。店は早めに切り上げ買い物に行くアカネさん。ひかりが車の中に入ると、突然チェアレクトが鳴り出します。・・・このチェアレクトは普通に置いているのか出現するのか気になるところです。眠っていたルルンも点滅しだします。現れるウィシュン。ルルンが呼び出したのか?と聞くポルンですがルルンにも分からないようです。ウィシュンはいつもの調子でかしこまるというより卑屈に近いくらいの感じで「申しわけありませんが」と断りを入れて「真実が近づいている」と告げます。ポルンは独りではダメと忠告します。どうすべきか、ひかりは独りで選択しなければなりません。
ホテル。明日は自由行動なので日程について話し合うなぎさ・ほのか・志穂・莉奈。なぎさは時代村と主張します。どうやらなぎさは時代劇ファンのようであわてん坊将軍を見たいようです。ほのかもなぎさの影響で知っています。渋い。ちなみにドラマCD1の方でも同様(こちらは遠山の金さん銀さん)でなぎさの影響でほのかもファンになっています。ドラマCDを聞いたファンにはニヤリとさせられる話ですな。
その話を聞いた志穂と莉奈は極悪な面構えになって「お主も悪ようのぉ」「いえいえお代官様ほどでは・・・ぶはははっ」とノリノリです。なぎさは将軍になりきって枕で志穂と莉奈を切りつけます。倒れこむふたり。見得を切るなぎさに枕がぶつかって隣でトランプしていた夏子と京子に倒れこみます。さあ、後は枕投げ合戦の始まりです。よし美先生が消灯時間を告げに来ますが枕が顔に直撃です。しかめっ面になるよし美先生。一同は凍りつきます。「お主ら」と言いながら足元に落ちた枕を足で拾い上げたかと思うとそのまま手にとって投げつける先生。慣れている!?只者ではありません。枕の直撃で轟沈したなぎさの仇とばかりに夏子と京子は反撃です。ほのかも投げはしませんが枕を手に持ちます。何気に命中精度と回避が高そうです。「者どもかかれ~」「おう」「各々方、油断めされるな」「おう」と先生も交えて枕投げ合戦再開。っていうか、誰止めるんだ?校長先生か?長い夜になりそうです。
同じ夜空の元、ひかりは手紙を綴ります。「アカネさんへ」と書かれた手紙。ひかりの表情は大変辛そうです。ひかりのパジャマ姿萌えとか言っている場合ではなさそうです。翌朝、その手紙はまだ眠るアカネさんの枕元に置いてありました。
③作る者、作られる物
少年がいないことを知ってバルデスに詰め寄るビブリス。しかし、バルデスは慌てず騒がず成り行きに任せるようなことを言います。光と闇は表裏一体。少年に何かしらの変化があるということはひかりにもあるということ。バルデスは自分達の役目は少年を正しい方向へと導くことだと言います。
時代村にやってくるなぎさ達。なぎさははしゃぎまくって一人で行ってしまいます。ちなみに実際の映画村もあんな感じです。もうちょっとギチギチというか、色んなものが所狭しとあります。怪獣が出てくる池とか、大魔神みたいのがあったりします。
東堂屋ということろで仮装無料券の福引をやっていたのでチャレンジするなぎさ。めでたく当選です。遅れてなぎさのもとにやってきたほのか達に券を見せてほのかを誘います。驚くほのか。スピーディな展開です。
町娘に扮するふたり。ほのかはそのままのイメージですが、なぎさは姐さんって感じです。褒める志穂と莉奈。ほのかは照れます。なぎさはおかっぴきにも惹かれたようです。ちなみに本当に仮装するとしたらモノにもよりますが30分~1時間くらいかかります(経験者)。なお、男でも舞妓さんになれます(友人がやった)。女の人でも侍とかになれると思います。
なぎさは撮影がどこでやっているのかと手がかりを探します。ちょうど町娘がふたり出てきたので関係者だと思って声をかけますが、夏子と京子でした。実際、仮装している人は結構いるので間違われることはありそうです。ちなみに、他の観光客から写真撮影を求められることも多いです(経験談)。
夏子と京子は衣装を自前で用意したようです。撮影を見るために行ってしまいます。あっけにとられるなぎさ達。志穂も職人ね~と感心と呆れが混ざっています。はっ、と気づいたなぎさは夏子達を追いかけます。流石に付いていけないと志穂莉奈。ほのかも苦笑いするしかありません。志穂莉奈は休憩するようですが、ほのかはなぎさを一人にするわけにはいかないと合流時間と場所を決めて分かれます。どこに行ってもふたり一緒です。流石です。
夏子京子を追っていたなぎさですが、転んで下駄の緒を切ってしまいます。そこへ通りかがったおじさんが声をかけて直してくれます。ほのかが合流します。流石超高性能なぎさセンサーを持つ少女です。おじさん-笹野さん-の案内で時代劇の資料や小道具を見るなぎさとほのか。笹野さんは小道具の管理・手入れが仕事のようです。つまり時代村のスタッフですね。十手を見せながら手入れのことを語る笹野さん。なぎさとほのかは感心します。気を良くしたのかスタジオの見学も薦める笹野さん。別に暇ってわけではないと思います。目を童女のように輝かせるなぎさ。本当に好きなようです。
スタジオの奥の方には大道具が並べられています。感嘆の声をあげるなぎさ。BGMが例の懐古調の曲になります。ガマの大道具を見せる笹野さん。このガマは笹野さんが始めて作ったもののようです。「風雲忍術大決戦あわてん坊将軍と40匹の忍者達」とガマの出典を言い当てるなぎさ。これはかなりのマニアです。渋すぎです。笹野さんも歓心します。作った若い頃の当時を思い出して語る笹野さん。大変だったが辛いとは思わなかったと言います。笹野さんは懐かしむように呟きます「ここは私達の城だからな。みんなで作り上げて、みんなで守ってきた」
しっ、渋い。プリキュアらしい温故知新の展開。幾度となく繰り返されてきた作り手達の話。作る者達の情熱や思い出。それを受け取るなぎさとほのか。素朴で展開として考えれば地味なんだけど、それがプリキュアらしいです。
④真打登場!
ということで悪役の登場です。扉が閉まり、笹野さんは眠りこけます。ウラガノスが現れ「ウラガノス見参!」と見得切ります。ノリノリだな。なぎさとほのかもびっくりです。時代村だけに、ここはノリノリで行きたいです。さあ、プリキュアも変身して対抗です。っていうか、めっちゃファンタジックっでマジカルだなプリキュア変身。町娘姿で「デュアル・オーロラウェーブ!」も時代を超越しています。
流石に前口上はいつものままのプリキュア。ウラガノスは歌舞伎のようにポーズをつけます。ザケンナー召還。ガマにとり憑きます。攻撃を回避するものの、スタジオのセットが破壊されます。怒りを燃やすプリキュアですが、ガマザケンナーは糸でプリキュアを束縛します。身動きとれないプリキュア。プリキュアに圧し掛かろうとジャンプしたその時、スタジオの扉が開かれます。それに注意がそれたザケンナーの隙を突いて逃げるプリキュア。
扉を開いたのはひかりでした。厳しい表情でやる気なひかり。ルルンは普通です。何ていうか、見れば見るほど面白い組み合わせです。どうして時代村になぎさ達が居るのを知っているかは事前になぎさから予定を聞いていたか、ポルンに気配を読んでもらったかしたのでしょう。戦闘モードになれば気配と雰囲気で場所は限定できます。
変身するひかり。カッコイイです。考えてもみれば、「プリキュアの窮地を助けに現れるルミナス」というのは初めてかと思います。ルミナスは単独変身できる割にプリキュアと大概いつも一緒ですし、遅れて変身することが多く、守られることが大半なのでこういう展開は非常に珍しく、ルミナス(ひかり)が凛々しく見えます。ルルンの力を得てブローチェを装着。ハーティエルの星も一つ増えています。このまばらな増え方が良い感じです。
ザケンナーの連続攻撃を回避するものの一発が当たってしまいます。プリキュアが苦戦しただけにルミナス独りでは手に余ります。迫るザケンナーにルミナスも怯みます。基本的に攻撃要員ではありません。心配するポルンですが、ルルンは「光が未来を照らすルル~」と叫んでブローチェの力を開放させます。あっ、このセリフは装着のためではなく、力を解放させるための言葉なんだ。サーキュラスをも吹っ飛ばした結界を作りザケンナーを飛ばします。それにしてもルミナスは技や力を本人ではなく、パートナーに任せていますね(多分、自分では使えないのだろう)。
糸に拘束されていたプリキュアはようやく糸を断ち切ります。ブレス召還です。ルミナスが隙を作りプリキュアでトドメ。この黄金パターンに敵う者などいません。ウラガノスも「こうなることは分かっていたのに!」と情けないようなことを言って耐えます。が、スパークがかかって「かかっ体が勝手に~」とか言いながら撤退します。典型的な悪者ですね。ゴメンナー。
⑤加速する物語
ひかりのもとに駆け寄るなぎさとほのか。制服になっていますが気にしない方がいいでしょうか。笹野さんも起きます。笹野さんにお礼を言って分かれるなぎさ達。
それはそうと、ひかりです。流石に先生に言わないわけにはいかないでしょう。学校も休みなのかわかりませんが、平日であれば問題です。とはいえ、ウィシュンの言葉やポルンの言葉が気になります。そして、ハーティエル-プロスン-が現れます。
どこかの街(京都?)に佇む少年。物語は風雲急を告げます。
⑥次回予告
ひかりが照れたように電話する相手は。鳥居がいっぱい。稲荷大社か?「またみてね」はひかりがお茶目です。
○トピック
いやはや、何ともこういう展開で来ましたか。修学旅行にどうやってひかりが登場するかが一つのポイントでしたが、少年との繋がりで持ってくるとは思ってませんでした。実際Aパートは修学旅行とひかりの話を交互にやっていますが、本来非日常であるはずの旅行が普通に見えて、ひかりに起きた出来事が非日常的に映るのはなかなかスリリングでした。なぎさ達はひかりに起こったことを全く関知しません。
また、ひかりが京都に行くべきか選択に迫られた時すぐに決定を下したのも良い意味で驚かせられました。優柔不断に迷うのではなく、行く事を決めてアカネさんへ置手紙を残して独り京都に発つのはひかりにとって大変な苦悩と決断であったことでしょう。無言で出て行くひかりがいつに無く真剣で辛そうです。ワープなどという便利な移動手段が無い以上、アカネさんからお金を持ち出し、おそらく初めての独りでの長距離移動。しかもなぎさ達と合流できたところで何が起きるのかもよく分かりません。実際ひかりは今回顔を俯かせて申し訳無ささ全開です。最早、ひかりと少年の関係などよりも、次回アカネさんと連絡を取るであろうひかりにアカネさんが何と言葉をかけるのかが気になるところです。プリキュアの物語としては些細なことでも、ひかりの物語として大変重要な会話かと思います。
穿って見れば、少年とひかりは虹の園とは全く関係無い関係であり、ひかりと小年だけの関係です。本来アカネさんどころかなぎさほのかすら関知しない問題でしょう。故に、再会するであろうこの出来事は日常の舞台である若葉台ではなく、非日常的な旅先の方が舞台として適切なのでしょう。同時にひかりは自分の居るタコカフェから離れなければならないのもこの問題が決定的に日常とは違うものであることを意味します(もっと穿って見れば、旅先で少年とは関係ない日常的な経験をするかにもよって状況はもっと変わる)。ひかりはどんな表情でタコカフェに帰れるのか本当に気になります。ひかりはどんな思い出を作るのでしょうか。
それにしても、京都へはまた行ってみたいです。
①修学旅行と一抹の不安
ベローネ中等桜組は修学旅行で京都観光。舞妓さんを見つけて目を輝かす一同。ほのかまで乗り気です。私が京都に行った時は見かけませんでしたが、どの辺に出没するんですかね。舞妓さんと一緒に写真を撮ります。ほのかの表情が微妙な感じですが本人は気にしていない様子。見栄えよりも雰囲気が大事です。っていうか、制服が上着着用です。ベスト姿は終わりか・・・短かったなぁ。
その頃ベローネ中等桃組ではいつもの授業、いつもの変わらぬ風景。しかし、ひかりは窓の外を見ながら言い知れぬ不安を感じるのであった。
洋館の中を探し回る執事ザケンナー。少年が居ない。
②普通の修学旅行、異様な日常
清水寺。おおっ、この角度の光景は生で見たことがありますよ。志穂は恋占いの石がある神社の話をします。前回藤Pと恋愛?イベントをしているなぎさは振り返ってウキウキ気分です。志穂の「恋占いに行く人行く人行く人~」という呼びかけに真っ先に応えます。恋に恋する乙女から恋する乙女になってきました。そんななぎさにメップルとミップルが横槍を入れて慌てるふたり。無理やり誤魔化します。
桃組は体育の授業。走り幅跳びをしていますが、計測係をしていたひかりはメジャーを忘れたことに気づいて倉庫に取りにいきます。朝からボーっとしていたような感じです。まあ、跳ぶ前にメジャーがあるかどうかくらい確認しろよ先生って気もしますが。
倉庫の扉を重そうに開けて入るひかり。突然サッカーボールが転がります。不振がるひかり。同じく教室にいたポルンとルルンも不思議な感じがすると何かを感じている様子。メジャーを見つけるひかり。と突然不振な音。これはびっくりです。ベローネのルリ子さん再来でしょうか。奈緒がやってきて戻ります。何かがひかりの周りで起こっています。サーキュラスがストーキングしている可能性も十分考えられます。
どっかの池の周り(うーん…分からない)で昼食を摂る桜組。なぎさはお弁当を食べて至福を味わっています。とその様子を撮る志穂。ラクロス部の部室に貼るんだ~いと走り去っていきます。それを追うなぎさ。何とも姦しい娘達です。笑うほのか。どんな名所であろうと、この娘達の元気な姿に目を奪われてしまいそうです。あと、例によって私はほのかの下に位置どりたいです。ちなみに、なぎさはかなり際どかったと思います。何の話かは敢えて言いませんが。
ベローネは下校時間です。教室にはひかりだけで他に生徒はいません。日直とかでしょうか。教室を出ようとした時、音が聞こえてきます。只ならぬ雰囲気におののくひかり。ポルンはひかりほど恐れているわけではなく「不思議な感じ」と言います。前にもあったというのは恐らく少年と会った時のことでしょう。逃げるように教室から出ようとしますが鍵がかかっているのか出られません。そして音は近づき、ひかりがいる扉とは別の扉が開きます。不安と恐怖に身を固め思わず目をつぶります。奈緒の声。現実に引き戻されるひかり。開いたはずの扉は閉まっており、開かなかった扉はすんなり開きます。ひかりを呼び続ける奈緒。ひかりは開けた扉を閉めて奈緒の所に急いで行きます。相変わらず律儀な性格です。
タコカフェを手伝いながら考えるひかり。頼れるなぎさとほのかは今いません。そんなひかりに声をかけるアカネさん。寂しがっていると思われたようです。店は早めに切り上げ買い物に行くアカネさん。ひかりが車の中に入ると、突然チェアレクトが鳴り出します。・・・このチェアレクトは普通に置いているのか出現するのか気になるところです。眠っていたルルンも点滅しだします。現れるウィシュン。ルルンが呼び出したのか?と聞くポルンですがルルンにも分からないようです。ウィシュンはいつもの調子でかしこまるというより卑屈に近いくらいの感じで「申しわけありませんが」と断りを入れて「真実が近づいている」と告げます。ポルンは独りではダメと忠告します。どうすべきか、ひかりは独りで選択しなければなりません。
ホテル。明日は自由行動なので日程について話し合うなぎさ・ほのか・志穂・莉奈。なぎさは時代村と主張します。どうやらなぎさは時代劇ファンのようであわてん坊将軍を見たいようです。ほのかもなぎさの影響で知っています。渋い。ちなみにドラマCD1の方でも同様(こちらは遠山の金さん銀さん)でなぎさの影響でほのかもファンになっています。ドラマCDを聞いたファンにはニヤリとさせられる話ですな。
その話を聞いた志穂と莉奈は極悪な面構えになって「お主も悪ようのぉ」「いえいえお代官様ほどでは・・・ぶはははっ」とノリノリです。なぎさは将軍になりきって枕で志穂と莉奈を切りつけます。倒れこむふたり。見得を切るなぎさに枕がぶつかって隣でトランプしていた夏子と京子に倒れこみます。さあ、後は枕投げ合戦の始まりです。よし美先生が消灯時間を告げに来ますが枕が顔に直撃です。しかめっ面になるよし美先生。一同は凍りつきます。「お主ら」と言いながら足元に落ちた枕を足で拾い上げたかと思うとそのまま手にとって投げつける先生。慣れている!?只者ではありません。枕の直撃で轟沈したなぎさの仇とばかりに夏子と京子は反撃です。ほのかも投げはしませんが枕を手に持ちます。何気に命中精度と回避が高そうです。「者どもかかれ~」「おう」「各々方、油断めされるな」「おう」と先生も交えて枕投げ合戦再開。っていうか、誰止めるんだ?校長先生か?長い夜になりそうです。
同じ夜空の元、ひかりは手紙を綴ります。「アカネさんへ」と書かれた手紙。ひかりの表情は大変辛そうです。ひかりのパジャマ姿萌えとか言っている場合ではなさそうです。翌朝、その手紙はまだ眠るアカネさんの枕元に置いてありました。
③作る者、作られる物
少年がいないことを知ってバルデスに詰め寄るビブリス。しかし、バルデスは慌てず騒がず成り行きに任せるようなことを言います。光と闇は表裏一体。少年に何かしらの変化があるということはひかりにもあるということ。バルデスは自分達の役目は少年を正しい方向へと導くことだと言います。
時代村にやってくるなぎさ達。なぎさははしゃぎまくって一人で行ってしまいます。ちなみに実際の映画村もあんな感じです。もうちょっとギチギチというか、色んなものが所狭しとあります。怪獣が出てくる池とか、大魔神みたいのがあったりします。
東堂屋ということろで仮装無料券の福引をやっていたのでチャレンジするなぎさ。めでたく当選です。遅れてなぎさのもとにやってきたほのか達に券を見せてほのかを誘います。驚くほのか。スピーディな展開です。
町娘に扮するふたり。ほのかはそのままのイメージですが、なぎさは姐さんって感じです。褒める志穂と莉奈。ほのかは照れます。なぎさはおかっぴきにも惹かれたようです。ちなみに本当に仮装するとしたらモノにもよりますが30分~1時間くらいかかります(経験者)。なお、男でも舞妓さんになれます(友人がやった)。女の人でも侍とかになれると思います。
なぎさは撮影がどこでやっているのかと手がかりを探します。ちょうど町娘がふたり出てきたので関係者だと思って声をかけますが、夏子と京子でした。実際、仮装している人は結構いるので間違われることはありそうです。ちなみに、他の観光客から写真撮影を求められることも多いです(経験談)。
夏子と京子は衣装を自前で用意したようです。撮影を見るために行ってしまいます。あっけにとられるなぎさ達。志穂も職人ね~と感心と呆れが混ざっています。はっ、と気づいたなぎさは夏子達を追いかけます。流石に付いていけないと志穂莉奈。ほのかも苦笑いするしかありません。志穂莉奈は休憩するようですが、ほのかはなぎさを一人にするわけにはいかないと合流時間と場所を決めて分かれます。どこに行ってもふたり一緒です。流石です。
夏子京子を追っていたなぎさですが、転んで下駄の緒を切ってしまいます。そこへ通りかがったおじさんが声をかけて直してくれます。ほのかが合流します。流石超高性能なぎさセンサーを持つ少女です。おじさん-笹野さん-の案内で時代劇の資料や小道具を見るなぎさとほのか。笹野さんは小道具の管理・手入れが仕事のようです。つまり時代村のスタッフですね。十手を見せながら手入れのことを語る笹野さん。なぎさとほのかは感心します。気を良くしたのかスタジオの見学も薦める笹野さん。別に暇ってわけではないと思います。目を童女のように輝かせるなぎさ。本当に好きなようです。
スタジオの奥の方には大道具が並べられています。感嘆の声をあげるなぎさ。BGMが例の懐古調の曲になります。ガマの大道具を見せる笹野さん。このガマは笹野さんが始めて作ったもののようです。「風雲忍術大決戦あわてん坊将軍と40匹の忍者達」とガマの出典を言い当てるなぎさ。これはかなりのマニアです。渋すぎです。笹野さんも歓心します。作った若い頃の当時を思い出して語る笹野さん。大変だったが辛いとは思わなかったと言います。笹野さんは懐かしむように呟きます「ここは私達の城だからな。みんなで作り上げて、みんなで守ってきた」
しっ、渋い。プリキュアらしい温故知新の展開。幾度となく繰り返されてきた作り手達の話。作る者達の情熱や思い出。それを受け取るなぎさとほのか。素朴で展開として考えれば地味なんだけど、それがプリキュアらしいです。
④真打登場!
ということで悪役の登場です。扉が閉まり、笹野さんは眠りこけます。ウラガノスが現れ「ウラガノス見参!」と見得切ります。ノリノリだな。なぎさとほのかもびっくりです。時代村だけに、ここはノリノリで行きたいです。さあ、プリキュアも変身して対抗です。っていうか、めっちゃファンタジックっでマジカルだなプリキュア変身。町娘姿で「デュアル・オーロラウェーブ!」も時代を超越しています。
流石に前口上はいつものままのプリキュア。ウラガノスは歌舞伎のようにポーズをつけます。ザケンナー召還。ガマにとり憑きます。攻撃を回避するものの、スタジオのセットが破壊されます。怒りを燃やすプリキュアですが、ガマザケンナーは糸でプリキュアを束縛します。身動きとれないプリキュア。プリキュアに圧し掛かろうとジャンプしたその時、スタジオの扉が開かれます。それに注意がそれたザケンナーの隙を突いて逃げるプリキュア。
扉を開いたのはひかりでした。厳しい表情でやる気なひかり。ルルンは普通です。何ていうか、見れば見るほど面白い組み合わせです。どうして時代村になぎさ達が居るのを知っているかは事前になぎさから予定を聞いていたか、ポルンに気配を読んでもらったかしたのでしょう。戦闘モードになれば気配と雰囲気で場所は限定できます。
変身するひかり。カッコイイです。考えてもみれば、「プリキュアの窮地を助けに現れるルミナス」というのは初めてかと思います。ルミナスは単独変身できる割にプリキュアと大概いつも一緒ですし、遅れて変身することが多く、守られることが大半なのでこういう展開は非常に珍しく、ルミナス(ひかり)が凛々しく見えます。ルルンの力を得てブローチェを装着。ハーティエルの星も一つ増えています。このまばらな増え方が良い感じです。
ザケンナーの連続攻撃を回避するものの一発が当たってしまいます。プリキュアが苦戦しただけにルミナス独りでは手に余ります。迫るザケンナーにルミナスも怯みます。基本的に攻撃要員ではありません。心配するポルンですが、ルルンは「光が未来を照らすルル~」と叫んでブローチェの力を開放させます。あっ、このセリフは装着のためではなく、力を解放させるための言葉なんだ。サーキュラスをも吹っ飛ばした結界を作りザケンナーを飛ばします。それにしてもルミナスは技や力を本人ではなく、パートナーに任せていますね(多分、自分では使えないのだろう)。
糸に拘束されていたプリキュアはようやく糸を断ち切ります。ブレス召還です。ルミナスが隙を作りプリキュアでトドメ。この黄金パターンに敵う者などいません。ウラガノスも「こうなることは分かっていたのに!」と情けないようなことを言って耐えます。が、スパークがかかって「かかっ体が勝手に~」とか言いながら撤退します。典型的な悪者ですね。ゴメンナー。
⑤加速する物語
ひかりのもとに駆け寄るなぎさとほのか。制服になっていますが気にしない方がいいでしょうか。笹野さんも起きます。笹野さんにお礼を言って分かれるなぎさ達。
それはそうと、ひかりです。流石に先生に言わないわけにはいかないでしょう。学校も休みなのかわかりませんが、平日であれば問題です。とはいえ、ウィシュンの言葉やポルンの言葉が気になります。そして、ハーティエル-プロスン-が現れます。
どこかの街(京都?)に佇む少年。物語は風雲急を告げます。
⑥次回予告
ひかりが照れたように電話する相手は。鳥居がいっぱい。稲荷大社か?「またみてね」はひかりがお茶目です。
○トピック
いやはや、何ともこういう展開で来ましたか。修学旅行にどうやってひかりが登場するかが一つのポイントでしたが、少年との繋がりで持ってくるとは思ってませんでした。実際Aパートは修学旅行とひかりの話を交互にやっていますが、本来非日常であるはずの旅行が普通に見えて、ひかりに起きた出来事が非日常的に映るのはなかなかスリリングでした。なぎさ達はひかりに起こったことを全く関知しません。
また、ひかりが京都に行くべきか選択に迫られた時すぐに決定を下したのも良い意味で驚かせられました。優柔不断に迷うのではなく、行く事を決めてアカネさんへ置手紙を残して独り京都に発つのはひかりにとって大変な苦悩と決断であったことでしょう。無言で出て行くひかりがいつに無く真剣で辛そうです。ワープなどという便利な移動手段が無い以上、アカネさんからお金を持ち出し、おそらく初めての独りでの長距離移動。しかもなぎさ達と合流できたところで何が起きるのかもよく分かりません。実際ひかりは今回顔を俯かせて申し訳無ささ全開です。最早、ひかりと少年の関係などよりも、次回アカネさんと連絡を取るであろうひかりにアカネさんが何と言葉をかけるのかが気になるところです。プリキュアの物語としては些細なことでも、ひかりの物語として大変重要な会話かと思います。
穿って見れば、少年とひかりは虹の園とは全く関係無い関係であり、ひかりと小年だけの関係です。本来アカネさんどころかなぎさほのかすら関知しない問題でしょう。故に、再会するであろうこの出来事は日常の舞台である若葉台ではなく、非日常的な旅先の方が舞台として適切なのでしょう。同時にひかりは自分の居るタコカフェから離れなければならないのもこの問題が決定的に日常とは違うものであることを意味します(もっと穿って見れば、旅先で少年とは関係ない日常的な経験をするかにもよって状況はもっと変わる)。ひかりはどんな表情でタコカフェに帰れるのか本当に気になります。ひかりはどんな思い出を作るのでしょうか。
それにしても、京都へはまた行ってみたいです。
コラム4「MHビジュアルファンブック Vol.1」
ファン待望の究極のファンブック。通算3冊目。今回はオマケCDが付いておらず、前回にあったようなしおりも無く、定価でも200円値上がりしているのだが、それでも圧倒的なファン価値を誇る必携の書。MHになってルミナスが加わったので表紙が楽しくにぎわいあるものになっています。さり気にブラックとホワイトが腕を組んでいるのがミソ。何も考えずジャケット買いしてもいいくらいです。
①コンテンツ
作画陣のイラスト、キャラ紹介、ストーリーダイジェスト(1~23話)、OP絵コンテ、美術ボード(背景画に近いもの)、キャラ設定資料、声優・スタッフインタビュー、カードダス紹介、またみてね、とここまではほぼ同様の作りだが、何といっても今回の目玉は漫画でおなじみの上北ふたご先生の漫画が載っていることでしょう。また4月に公開された映画のストーリーダイジェストと設定画もちょっと載っています。ちなみに、映画のサブタイトルは公開当時無かったと思うのですが、第2弾と区別するためか~希望の園で、マジヤバ決戦~となっています。一応DVDの裏にも同じコメントが付いてます。
オマケはトレーディングカード。表紙イラストと裏にはなぎさの小さい頃のイラストが描かれています。是非ほのかVarを!
②イラスト
ポスターイラストは巷で評判の良い川村女史(前回のファンブックは全部川村女史だった)。ベローネのスカートがヒラヒラしているのがたまりません。他の作画陣の方々のイラストも作風に合った構図やキャラで楽しいです。洋館前で写真を取るように勢ぞろいしている闇の方々のイラストが良い感じ。サーキュラスお茶目です。個人的には映画の時のドレスイラストが一番好きかな。メップルとミップルが邪魔でなぎさとほのかの胸が見えません。
③キャラ紹介
今回はデザインを手がけている稲上氏が各キャラにコメントを付けています。工夫した点やモチーフとなった人などの話が書かれていて面白い。注目はほのか。コメントにも設定画にもあるのですが、ほのかは立った時腿の間に隙間が開くのですが、個人的にこの隙間が好きだったりします。好きというか綺麗に見えます。ラインが綺麗なんですね。ほのかというと眉毛眉毛言ってますが、さり気にこの部分が大変お気に入りだったりします。なお、ひかりもちょっと隙間が開いていて同様に良いと思います。っていうかこれ私の趣味の話だな。
他には・・・野々宮さん可愛いよ野々宮さん(危ない人か)。
④ストーリーダイジェスト
演出家からのコメントが興味深いです。苦労された点、楽しみながらやった点、西尾監督の指示で変更された点も多いようです。アニメの製作工程ってよく分かりませんが、脚本で話の筋があって演出で具体的な映像的肉付けがされるんですかね。
⑤声優・スタッフインタビュー
ある意味でこのファンブックシリーズの目玉コンテンツ。皆さん至極真面目に答えていて、読んでいるこちらが面食らってしまう。
なぎさとほのかの中の人(本名、ゆかな両女史)は流石2年目ということもあるし、中の人だけあって物語やキャラの心情理解に恐れ入ります。本名女史が言っていたひかりが増えたことにより「お互いが見詰め合っていたものが、三人が同じ方向を向き始めた」というコメントには思わず頷いてしまいました。なぎさとほのか、ひかりとバラバラに見てしまいがちだし、主題と含めて考えてしまいがちでしたが、原点である三人の関係にも注目したいですね。主要キャラが少ないのに見る視点がいくつもあるのがプリキュアの面白いところであり奥深いところです。
変身や必殺技も毎回収録しているそうですが、繰り返すことでふたりの息が本当に合うわけなんですね。42話やMH21話でふたり揃って「やーっ!」って叫ぶシーンがあるんですが、ああいう阿吽の呼吸って好きですね。何よりこのふたりがナギナギ、ホノホノって呼び合っているのがすげーよ。前回そう呼ぶって言ってたけど、本当に言うんかい。
ひかりの中の人(田中女史)の「プリキュアって心にグッと響くところがあるんですよね」の一言に共感を覚えます。他にもむしゃくしゃしている時にひかりを演じると心が清清しくなるというのも、見ている側としても同じ気分。最初はひかりの難しい役に苦労されたようですが、ひかりの成長に合わせてひかりと田中女史の距離が縮まって一つになるような印象でした。本名、ゆかな女史ほどひかりの内面についてはコメントしていませんが、外からプリキュアやひかりを見ているようなコメントで面白いですね。ひかり役になれたことを非常に喜んでいる様子です。プリキュアは役者をその気にさせてしまう魅力があるんだろうな、と思うのは言いすぎでしょうかね。
水着禁止の硬派なプリキュア。それを指揮する鷲尾P。2年目続投が決まって用意していたラストが使えなかったそうですが、どういうラストが気になることろではあります。ラストと言っても最終回だけではなく終盤の展開を含むでしょうから見たい聞きたいと言っても詮無きことでしょうね。
それにしても、去年も今年もいっぱいいっぱいで作っていると明言してしまっているところが素直。それが愚痴に聞こえずに、一生懸命作品を良くしようと頑張っていると感じられるのが素敵です。
読んでいて何故か泣きそうになってしまったのですが(他の方のコメントも読んでいて感慨深いのが多い)、MH8話のように中学生であるなぎさ達が大人の悩みを解決できない、大人は自分で解決するというスタンスを守っているのが私個人の考え方としても納得がいくスタンスですね。なぎさ達は子どもであり成長段階であり大人ではありません。ましてや全知全能でもない。一作目16話のマドンナ話で全くなぎさ達がマドンナの問題に関知しなかったのを個人的に評価しているのはそういうところで、プリキュアのふたりはあくまで敵対者であるドツクゾーンを倒す者でしかなく、人としてのなぎさ・ほのかは普通の女の子なんですね。だから、人間関係においては超越した力なんてなくて、人を変えるなんて出来っこないし、問題の本質を改善させることもできない。それどころか自分の問題で一杯一杯だったりする。だから、プリキュアでは他者の問題を自分の視点で捉えて何か出来ないか、何が出来るかを一生懸命考えて行動するということを馬鹿正直にする。その過程で他者が影響を受けて変わるかは結果の一つでしかなく、重要なのは人のことを考えること、自分の身に置き換えたり心に受け止めたりすること、何が出来るかを考えることだと思う。そんな愚直なまでの真摯な姿が私は大好きだし、そんな当たり前のことを真面目にやる作り手の気概に感心します。
視聴率の話にも触れていて女の子には爆発的な人気の模様。年齢限定の視聴率ってどうやって統計取るのか分かりませんが、平均45%って聞くとおおっと思います。視聴率を気にしたコメントってちょっと打算的な感じがしてしまうのですが、同じ時間帯でやっていた響鬼のあからさまな路線変更を目の当たりにしてしまうと軽んじるわけにはいかないでしょうね。人気が無ければ思い通りに作れないのが現実。偶然か必然か、高い支持を受けているプリキュアのスタッフには今後も全身全霊で作っていただきたいと思います。
西尾監督のコメントはサーキュラス達にも言及されていて面白いです。ひかりや少年が曖昧なポジションにいるのはやはり意図してのこと。確かに他者から「あなたは~だ」とはっきり言われれば、肯定するか否定するしかない。迷うにしても答えを前提にしたものになってしまって引きずってしまう。それでは話が暗いし重い。だから答えを先延ばししていると言えば聞こえが悪いけど、積み重ねや経験をを得て最後に結論を出す方が物語としては良いんでしょうね。
15話のバスケシーンについてもコメントがあって、余白の部分に作画を担当した山田氏のラフ絵があります。バスケは描いたことが無かったらしくて「一週間でバスケが描けたらスラムダンクの作カンオレだっつーの!」と直筆でコメント描いてあって笑いました。いや、あんたが描いたらスラムダンクじゃなくなると思う。でも、スラムダンクでなくても何でもいいから見てみたい映像ではあります。
映像・演出面として期待するのはOPの地球規模ジャアクキングと大気圏突入プリキュアですが、ぜひぜひやって欲しいです。ジャアクキングに殴られてそのまま地球一周して今度はキングに蹴りを打ち込むくらいの無茶苦茶な躍動感あるアクション見たいです。
⑥またみてね
映画宣伝時の「またみてね」は、どうなっとるんだあ。ということで、未放送分も含め第1話から第23話までのエンドを完全公開!と書いてあって、気になる部分が完全に網羅されています。できればDVDに同時収録して欲しいのですが何か制約でもあるのかな?
⑦上北漫画
漫画版を知っている人には説明不要の最萌プリキュア漫画。漫画だけじゃなくて、見開きのイラストも有り。ほのかがひかりの髪を三つ編みにしているシーンが萌え。
漫画の方は3ページですが密度が濃く凄まじいです。カラオケに行って大様ゲームと言えば、当然アレが無いわけがありません。「もぉ~誰がこんな命令を・・・」と言いながらも何かどきどきしているほのかが萌えです。よく分かってないひかりも萌え。最後に闇の皆さんがオールキャスト(ダーク5、三人衆、お笑い四天王)で登場するのも豪快なオチです。
萌え萌え言ってますが、キャラの動かし方とか読み応えとかが3ページという短い中に凝縮されていて漫画として面白いです。上北先生の画風はパッと見古い作風なので好みの問題で避けてしまい漫画未読の人もいるかもしれませんが、これを機会に読んで見るのも良いと思います。連載漫画の方は、百合萌えと各所で評判ですが、ストーリーの本筋としては真面目なテーマを扱ってたりするので普通に読んでも面白いです。毎回よくあんな少ないページで纏められるもんだと感心します。
①コンテンツ
作画陣のイラスト、キャラ紹介、ストーリーダイジェスト(1~23話)、OP絵コンテ、美術ボード(背景画に近いもの)、キャラ設定資料、声優・スタッフインタビュー、カードダス紹介、またみてね、とここまではほぼ同様の作りだが、何といっても今回の目玉は漫画でおなじみの上北ふたご先生の漫画が載っていることでしょう。また4月に公開された映画のストーリーダイジェストと設定画もちょっと載っています。ちなみに、映画のサブタイトルは公開当時無かったと思うのですが、第2弾と区別するためか~希望の園で、マジヤバ決戦~となっています。一応DVDの裏にも同じコメントが付いてます。
オマケはトレーディングカード。表紙イラストと裏にはなぎさの小さい頃のイラストが描かれています。是非ほのかVarを!
②イラスト
ポスターイラストは巷で評判の良い川村女史(前回のファンブックは全部川村女史だった)。ベローネのスカートがヒラヒラしているのがたまりません。他の作画陣の方々のイラストも作風に合った構図やキャラで楽しいです。洋館前で写真を取るように勢ぞろいしている闇の方々のイラストが良い感じ。サーキュラスお茶目です。個人的には映画の時のドレスイラストが一番好きかな。メップルとミップルが邪魔でなぎさとほのかの胸が見えません。
③キャラ紹介
今回はデザインを手がけている稲上氏が各キャラにコメントを付けています。工夫した点やモチーフとなった人などの話が書かれていて面白い。注目はほのか。コメントにも設定画にもあるのですが、ほのかは立った時腿の間に隙間が開くのですが、個人的にこの隙間が好きだったりします。好きというか綺麗に見えます。ラインが綺麗なんですね。ほのかというと眉毛眉毛言ってますが、さり気にこの部分が大変お気に入りだったりします。なお、ひかりもちょっと隙間が開いていて同様に良いと思います。っていうかこれ私の趣味の話だな。
他には・・・野々宮さん可愛いよ野々宮さん(危ない人か)。
④ストーリーダイジェスト
演出家からのコメントが興味深いです。苦労された点、楽しみながらやった点、西尾監督の指示で変更された点も多いようです。アニメの製作工程ってよく分かりませんが、脚本で話の筋があって演出で具体的な映像的肉付けがされるんですかね。
⑤声優・スタッフインタビュー
ある意味でこのファンブックシリーズの目玉コンテンツ。皆さん至極真面目に答えていて、読んでいるこちらが面食らってしまう。
なぎさとほのかの中の人(本名、ゆかな両女史)は流石2年目ということもあるし、中の人だけあって物語やキャラの心情理解に恐れ入ります。本名女史が言っていたひかりが増えたことにより「お互いが見詰め合っていたものが、三人が同じ方向を向き始めた」というコメントには思わず頷いてしまいました。なぎさとほのか、ひかりとバラバラに見てしまいがちだし、主題と含めて考えてしまいがちでしたが、原点である三人の関係にも注目したいですね。主要キャラが少ないのに見る視点がいくつもあるのがプリキュアの面白いところであり奥深いところです。
変身や必殺技も毎回収録しているそうですが、繰り返すことでふたりの息が本当に合うわけなんですね。42話やMH21話でふたり揃って「やーっ!」って叫ぶシーンがあるんですが、ああいう阿吽の呼吸って好きですね。何よりこのふたりがナギナギ、ホノホノって呼び合っているのがすげーよ。前回そう呼ぶって言ってたけど、本当に言うんかい。
ひかりの中の人(田中女史)の「プリキュアって心にグッと響くところがあるんですよね」の一言に共感を覚えます。他にもむしゃくしゃしている時にひかりを演じると心が清清しくなるというのも、見ている側としても同じ気分。最初はひかりの難しい役に苦労されたようですが、ひかりの成長に合わせてひかりと田中女史の距離が縮まって一つになるような印象でした。本名、ゆかな女史ほどひかりの内面についてはコメントしていませんが、外からプリキュアやひかりを見ているようなコメントで面白いですね。ひかり役になれたことを非常に喜んでいる様子です。プリキュアは役者をその気にさせてしまう魅力があるんだろうな、と思うのは言いすぎでしょうかね。
水着禁止の硬派なプリキュア。それを指揮する鷲尾P。2年目続投が決まって用意していたラストが使えなかったそうですが、どういうラストが気になることろではあります。ラストと言っても最終回だけではなく終盤の展開を含むでしょうから見たい聞きたいと言っても詮無きことでしょうね。
それにしても、去年も今年もいっぱいいっぱいで作っていると明言してしまっているところが素直。それが愚痴に聞こえずに、一生懸命作品を良くしようと頑張っていると感じられるのが素敵です。
読んでいて何故か泣きそうになってしまったのですが(他の方のコメントも読んでいて感慨深いのが多い)、MH8話のように中学生であるなぎさ達が大人の悩みを解決できない、大人は自分で解決するというスタンスを守っているのが私個人の考え方としても納得がいくスタンスですね。なぎさ達は子どもであり成長段階であり大人ではありません。ましてや全知全能でもない。一作目16話のマドンナ話で全くなぎさ達がマドンナの問題に関知しなかったのを個人的に評価しているのはそういうところで、プリキュアのふたりはあくまで敵対者であるドツクゾーンを倒す者でしかなく、人としてのなぎさ・ほのかは普通の女の子なんですね。だから、人間関係においては超越した力なんてなくて、人を変えるなんて出来っこないし、問題の本質を改善させることもできない。それどころか自分の問題で一杯一杯だったりする。だから、プリキュアでは他者の問題を自分の視点で捉えて何か出来ないか、何が出来るかを一生懸命考えて行動するということを馬鹿正直にする。その過程で他者が影響を受けて変わるかは結果の一つでしかなく、重要なのは人のことを考えること、自分の身に置き換えたり心に受け止めたりすること、何が出来るかを考えることだと思う。そんな愚直なまでの真摯な姿が私は大好きだし、そんな当たり前のことを真面目にやる作り手の気概に感心します。
視聴率の話にも触れていて女の子には爆発的な人気の模様。年齢限定の視聴率ってどうやって統計取るのか分かりませんが、平均45%って聞くとおおっと思います。視聴率を気にしたコメントってちょっと打算的な感じがしてしまうのですが、同じ時間帯でやっていた響鬼のあからさまな路線変更を目の当たりにしてしまうと軽んじるわけにはいかないでしょうね。人気が無ければ思い通りに作れないのが現実。偶然か必然か、高い支持を受けているプリキュアのスタッフには今後も全身全霊で作っていただきたいと思います。
西尾監督のコメントはサーキュラス達にも言及されていて面白いです。ひかりや少年が曖昧なポジションにいるのはやはり意図してのこと。確かに他者から「あなたは~だ」とはっきり言われれば、肯定するか否定するしかない。迷うにしても答えを前提にしたものになってしまって引きずってしまう。それでは話が暗いし重い。だから答えを先延ばししていると言えば聞こえが悪いけど、積み重ねや経験をを得て最後に結論を出す方が物語としては良いんでしょうね。
15話のバスケシーンについてもコメントがあって、余白の部分に作画を担当した山田氏のラフ絵があります。バスケは描いたことが無かったらしくて「一週間でバスケが描けたらスラムダンクの作カンオレだっつーの!」と直筆でコメント描いてあって笑いました。いや、あんたが描いたらスラムダンクじゃなくなると思う。でも、スラムダンクでなくても何でもいいから見てみたい映像ではあります。
映像・演出面として期待するのはOPの地球規模ジャアクキングと大気圏突入プリキュアですが、ぜひぜひやって欲しいです。ジャアクキングに殴られてそのまま地球一周して今度はキングに蹴りを打ち込むくらいの無茶苦茶な躍動感あるアクション見たいです。
⑥またみてね
映画宣伝時の「またみてね」は、どうなっとるんだあ。ということで、未放送分も含め第1話から第23話までのエンドを完全公開!と書いてあって、気になる部分が完全に網羅されています。できればDVDに同時収録して欲しいのですが何か制約でもあるのかな?
⑦上北漫画
漫画版を知っている人には説明不要の最萌プリキュア漫画。漫画だけじゃなくて、見開きのイラストも有り。ほのかがひかりの髪を三つ編みにしているシーンが萌え。
漫画の方は3ページですが密度が濃く凄まじいです。カラオケに行って大様ゲームと言えば、当然アレが無いわけがありません。「もぉ~誰がこんな命令を・・・」と言いながらも何かどきどきしているほのかが萌えです。よく分かってないひかりも萌え。最後に闇の皆さんがオールキャスト(ダーク5、三人衆、お笑い四天王)で登場するのも豪快なオチです。
萌え萌え言ってますが、キャラの動かし方とか読み応えとかが3ページという短い中に凝縮されていて漫画として面白いです。上北先生の画風はパッと見古い作風なので好みの問題で避けてしまい漫画未読の人もいるかもしれませんが、これを機会に読んで見るのも良いと思います。連載漫画の方は、百合萌えと各所で評判ですが、ストーリーの本筋としては真面目なテーマを扱ってたりするので普通に読んでも面白いです。毎回よくあんな少ないページで纏められるもんだと感心します。
第33話「勇気を出して!なぎさ波乱のバースデー!!」
○今週の出来事
①なぎさの誕生日と藤Pの憂鬱
放課後下校。ふたりで並んで帰るなぎさとほのか。部活が違うのに一緒に帰ります。ふたりの間柄を考えれば部活の違いなど瑣末なことです。
ほのかは立ち止まってなぎさに誕生日プレゼントは何が良い?と尋ねます。考えるなぎさ。去年を思い返すなぎさ。去年はほのかの策謀(?)により藤Pは「おめでとう」を言われています。憶えててくれたら嬉しいな、と感想を漏らすなぎさに大丈夫と太鼓判を押すほのか。藤P信頼されています。確かに藤Pなら憶えていそうです。と、そのまま藤村君と先にいる藤Pに声をかけるほのか。ナイスタイミングというか、その距離なら最初から気づきそうですが、なぎさが気づかないことを良いことにタイミングを読んでいたのでしょう。流石ほのか嬢。
ほのかの声に一瞬曇った表情を浮かばせた藤Pですが、すぐにいつものスマイルになります。調子を聞くほのかに「まずまず」と答える藤P。歯切れ悪いです。察したほのかは尋ねますが「今度の休みもずっと練習さ」と生返事を返してそそくさと行ってしまいます。少々うつむき加減で去っていく藤P。何気にこの「休みの日も練習」というところがポイントです。ほのか聞き逃しません。
去りかけた藤Pにほのかはなぎさの誕生日のことを言おうとしますが、なぎさに口止めされます。妙にリアルに手で口元が押さえられています。何かちょっといけない気分(あぶねぇ)。誤魔化すなぎさ。藤Pはそのまま去ります。「そんなに照れなくったって」と言うほのかに「だって~・・・」と曖昧に答えるなぎさ。照れよりも内心では藤Pを心配している様子です。
雪城邸。ミップルにプレゼント決まった?と聞かれますがまだのご様子。っていうか先ほどの会話は元々プレゼントのことを聞いていたハズなのですが、結局うやむやになってしまいました。何をしてあげられるか、と考えるほのか。陰謀術数の予感です。
②誕生日当日
クラッカーの破裂音。舞う紙吹雪。感激するなぎさ。藤Pはチョコレートケーキに立ったロウソクを消すよう促がします。吹き消したなぎさに藤Pは超至近距離で「お誕生日おめでとう」と祝辞を贈ります。そのままキスシーンに行きそうな勢いです。
無論そんなのは夢オチ以外になく、母にたたき起こされます。今日はほのかとデート(修学旅行の買い物)のようです。玄関で家族一同に見送られますが追い出されるように家を出ます。何故こんなに急かすように追い出すのかは察しがつくところです。それはそうと、(この場合はちょっとおざなりですが)家族で見送りしてくれるって良いですよね。今は気づかなくても後々そのありがたみに気づかされます。経験談ですが。
洋館。窓の外を見る少年。その表情からは何も読み取れません。その少年を見やりながら、お笑いトリオはもうすぐ全てが明らかになる、というバルデスの言葉を考えています。まあ、あと15、6話くらいで最終回なのでそろそろ終盤の展開です。・・・そう考えると、寂しいなぁ。
噂をすればバルデス。ジャアクキングの鼓動、声が聞こえると言います。復活が近いのか。では、目の前にいる少年は?ひかりは?終盤に差し掛かっていますが、肝心な部分は未だ謎に包まれています。
デパートで買い物を終えるふたり。なぎさはほのかに言われるくらい荷物を抱えています。ほのかは逆にほとんど持っていません。大体のものは揃えていたのでしょう。ほのかはなぎさにコスモスを見に行かない?と誘います。ひかりも誘ってと頷くなぎさ。さり気ない会話ですが、そう、ここからすでにほのかの策謀が始まっていたのです。いや、正確には昨晩あたりからか。ところで、ビジュアルファンブックだったか、本編だったか忘れましたが、ほのかはコスモスが好きだと言ってましたね。
公園のコスモス花壇。ひかりはお花畑といいますが、規模としては花壇に近いと思います。もっと色んな景色を見て欲しいと思う。紅葉に季節だし。来週再来週であるかな。
だるまさんが転んだをやるメップル達。しかし何故か鬼であるメップルは振り返った瞬間に変顔で笑わせようとします。8話でなぎさがやった技ですね。にらめっこと混ざっています。
コスモスについてウンチクを語るほのか。へぇ、メキシコ原産なのか。流石ウンチク女王と褒める(?)なぎさ。ひかりも感心します。そんなことは無いと謙遜。十分に物知りです。そしてだるまさんが転んだでは、メップルの非情なお笑い作戦によりポルンが動いてしまいます。いつになくよく分からんシリアスな顔でポルンを指摘するメップル。駄々をこねるポルンでしたが、ひかりがなだめます。ルルンを引き合いに出されてはポルンも大人しくせざるを得ません。諭すようになだめるひかりが萌えです。2児の親かね。
サッカーボールを蹴る音がして、一同はそこに向かいます。いや、別に駆け出さんでもいいと思うのだけど。
③偶然?必然の出会い
やってきたそこはグラウンド場。藤Pがいます。ベローネ高等サッカー部の練習です。藤Pを見てときめくなぎさ。なぎさの様子にひかりはポカーンとしていますが、ほのかはにこやかです。しかし、藤Pはあまり調子が良くないのかミスをしてしまいます。キャプテンからも注意されます。
休憩。浮かない顔の藤Pにほのかは声をかけます。他の部員からは、藤Pてめっ、女の子ってしかも三人かよっと憎悪と後で紹介してくれ、との思惑が渦巻いていると思います。
グラウンドが見下ろせるベンチに座る一同。藤Pから見てほのか・ひかり・なぎさの順です。ほのかはここでよく練習しているのかと尋ねます。学校のグラウンドが使えない場合は使うと答える藤P。無論、この問いの答えはほのかならば調査済みでしょうが、あくまでもこの問いの目的はさり気なくなぎさにこの情報を与えるためです。あと、自分は知らなかったと偽装するためでもあります。これはバレますが。
空っぽになったペットボトルに水を汲んでくると申し出るほのか。幼馴染の特権か割りと強引に持って行きます。ついでにひかりも誘うことも忘れません。誘うというか連れて行きます。戸惑うなぎさにウィンクするほのか。計画通り。藤Pと二人っきりになりガチガチになるなぎさ。話題選びで迷います。表情の推移が楽しいです。ところが肝心の藤Pは元気がありません。心配するなぎさ。
水汲み場。ミップルはこれがプレゼント?と尋ねます。やっとここで気づくひかり。鈍いぞ。鈍すぎるぞ。でもその鈍さが好きです(結局、ひかりならなんでも良いらしい)。プレゼントではないが、折角の誕生日で伝えたいこともあるだろう、と場をセッティングしたほのか。お節介と言えばお節介ですが、テコでもなければなぎさは藤Pに対して動かないでしょうから調度良いでしょう。なぎさと藤Pを後ろから見守ります。っていうか、近いな。これだと1分もかからずに戻れますよ。清流まで汲みに行ってたとか言えば大丈夫かな。
空を見上げながら、サッカー部での不調を語る藤P。いつもの調子は失われ、夏祭りでなぎさに語った時のような強さもなく自信を無くしています。なぎさはそんな藤Pに自分のことを話します。自分が凹んだときにどうするのかを。慌てているので自分でも分けが分からずパニクるなぎさ。言っていることは分かりませんが、言いたいことは分かります。思わず笑ってしまう藤P。でも、藤Pはなぎさが言った「自分を信じる勇気」という言葉に応えます。落ち着いてすっきりしたのか、「ありがとう」とお礼を言う藤P。言葉そのものに大きな意味はありません。言葉に乗せられている意思や勇気を伝えるために言葉はあります。前回、ほのかが団子屋のおばさんに正しい言葉と意思を伝えましたが、なぎさもまた藤Pに言葉が足りなくても意思を伝えます。まあ、藤Pが良いヤツだってのが大きいのですが。こんな大人な高校生いたら私でも惚れそうです。
藤Pは話題を変えて、よくここに来るのか?と尋ねます。来ないと返答するなぎさ。じゃあほのかかと合点する藤P。昨日電話で尋ねられたそうです。ほのかの策謀(粋な計らいと言え)に気づくなぎさ。決して悪い感情はありません。むしろ、上手くできない自分に不甲斐なさを感じています。影から見守るブレイブンとシークン。勇気が必要なのはなぎさだとブレイブンは言います。ほのかとひかりも心配気です。っていうか、結構位置関係近いのであまりジロジロ見るのは上手くないような。藤Pもそろそろ気づくんじゃないのか?まあ、プリキュアの世界で一番察しが悪いのは藤Pだったりするのですけど。
思考葛藤の末、なぎさは藤Pに向かって打ち明けようとします。彼女はすでに自分の気持ちを知っており、後はそれを伝えるだけだと気づいています。
④横ヤリ
とまあ、ここまでくれば絶対お約束なのが敵の介入です。ウラガノスが聞き耳を立てて「その先が聞きた~い」と仰います。流石です。藤Pは昏睡モード。乙女モードが壊されて抗議の声をあげるなぎさ。でも、心の準備が・・・と内心ほっとしている部分もある様子。涙目になって怖がっていたルルンを抱え上げるひかり。
ウラガノスはゴツイ顔をさらにゴツくして「俺も聞きた~い」と言います。洋館でバルデスに言われたことが気になっているようです。なぎさ達には関係ないんですが。よく分からない勢いでザケンナー召還です。そりゃ、なぎさだって何のことかさっぱり分かりません。迫るザケンナーの攻撃を回避して、変身です。
ザケンナーの体当たりを回避するも触手に叩かれるプリキュア。着地と同時にサッカーボールが飛んできます。めげることなく反撃。倒れるザケンナー。しかし、今度はウラガノスが突進してきます。息を切らせるプリキュア。ザケンナーも体勢を立て直してやや形勢は不利です。ポルンの促がしによりルミナスに変身するひかり。ブローチェ装着で一気にルミナリオのシーケンスです。ゴメンナー。実に的確で早い仕事ぶりです。
敵を追い返し笑顔の三人。何か良いなこの雰囲気。
⑤誕生日
練習再開の笛。戻りかける藤Pになぎさは、躊躇いながら「あたし、藤Pの先輩のこと、ずっと、ずっと・・・・・・応援してます。頑張って下さい」と声援を送ります。お約束ですが、これで良いでしょう。座り込むなぎさ。しかし、そこで話は終わりません。藤Pは戻ってきて、誕生日おめでとう、と贈ります。電話でほのかがそこまで触れたとは思えないので、本当に憶えていたのでしょう。すごいよお前。
嬉しさに心を躍らせるなぎさ。ほのかとひかりも戻ってきて「よかったね」と言葉をかけます。ブレイブンとシークンもやってきます。チェアレクトに戻るブレイブン。
夕方タコカフェ。アカネさんとひかりから特大のたこ焼きケーキが贈られます。いや、これ食えないだろ。ほのかからも本が贈呈されます。「勇気の証」様々な困難に立ち向かった科学者達の物語だそうです。来年まで持つねと冷やかすアカネさん。納得してしまうなぎさ。ささやかな笑いで満たされます。
家に戻るなぎさ。静まり返っています。居間に入ると電気が点いて祝福されるなぎさ。ロウソクを吹き消して忘れられていると思ったと抗議するなぎさですが、忘れるわけ無い憶えやすいのにと父。10月10日。親じゃなくても一度聞けば忘れにくい日付です。朝追い出したのは準備のためでした。ケーキも父と亮太が作ったようです。不恰好ですが、なぎさは構いません。ケーキだけに景気もよくなれば、と相変わらずの父ですが、それに笑う母も相変わらずです。なぎさの誕生日会が始まります。
⑥次回予告
修学旅行、舞台は京都。京都良いですね。また行ってみたいです。果たしてひかりはどうやってついて来るのか?アカネさんの遠征か?気になるところです。それはそうと、クイズですが、ポルンを好きな女の子・・・って男の子が選択肢にいるのはありか?
○トピック
去年の誕生日と比しても、なぎさのちょっとした成長が見て取れるのと、本編ではやらなかった家族でのお祝いを入れているのが印象的でした。MHは家族関係の話も多いのでその流れを汲んでいるのかもしれません。
今回はある意味無敵キャラの藤Pが悩むという珍しいお話でした。しかし、藤Pとて高校1年生として新しい立場や状況に戸惑ったり調子を崩したりするでしょう。それをわざわざなぎさの誕生日にぶつけたのも「勇気」のテーマや意思の伝わりなどが盛り込まれていますし、恋愛モノにある濃さ(というのも変かもしれないが、恋愛要素を入れると、他の要素を食って恋愛モノになりかねない)を打ち消した爽やかな藤Pとのやり取りだったと思います。何より、最後に家族で祝うシーンを入れたのが良いですね。
先日手に入れたMHビジュアルファンブックでありましたが、大人(大意として他者)の問題を子どもに解決させないというスタンスは好きです。今回藤Pはなぎさに元気(勇気)を与えられ、振り返ることで自信を取り戻します。なぎさは元気を出して下さいとは言いません。ただ、自身のことを言い、自分を信じろというだけでした。そういう想いや意思に感化されて勇気づけられるのもプリキュアの良いところだと思います。
これはちょっと考えすぎなのかもしれませんが、ほのかがなぎさを藤Pに巡り合わせたのは、当然なぎさのためを思ってということもあるでしょうが、落ち込んでいた藤Pを勇気づけるのもあったと思います。なぎさが他者に勇気や元気を与えられる人だと知っているからこそ、お互いのためにめぐり合わせたように思えます。だから今回はなぎさと藤Pの場に居ないんですね。勿論、告白するかもしれないので居ない方がいいのですが、勇気付けとかの意思の伝播にまでほのかが出張る必要は無いのです。
ところで、復活したバルデスがなかなか戦闘に出てこないのは、ブレス装着プリキュアとブローチェ装着ルミナスの合体必殺技がまだ決まって無いから、とかだったりするのでしょうか?新必殺技があるとすればバルデス登場時が一番出しやすい気がします。「エキストリーム・ルミナリオ・スパーク」とかだったらどうしよう。
①なぎさの誕生日と藤Pの憂鬱
放課後下校。ふたりで並んで帰るなぎさとほのか。部活が違うのに一緒に帰ります。ふたりの間柄を考えれば部活の違いなど瑣末なことです。
ほのかは立ち止まってなぎさに誕生日プレゼントは何が良い?と尋ねます。考えるなぎさ。去年を思い返すなぎさ。去年はほのかの策謀(?)により藤Pは「おめでとう」を言われています。憶えててくれたら嬉しいな、と感想を漏らすなぎさに大丈夫と太鼓判を押すほのか。藤P信頼されています。確かに藤Pなら憶えていそうです。と、そのまま藤村君と先にいる藤Pに声をかけるほのか。ナイスタイミングというか、その距離なら最初から気づきそうですが、なぎさが気づかないことを良いことにタイミングを読んでいたのでしょう。流石ほのか嬢。
ほのかの声に一瞬曇った表情を浮かばせた藤Pですが、すぐにいつものスマイルになります。調子を聞くほのかに「まずまず」と答える藤P。歯切れ悪いです。察したほのかは尋ねますが「今度の休みもずっと練習さ」と生返事を返してそそくさと行ってしまいます。少々うつむき加減で去っていく藤P。何気にこの「休みの日も練習」というところがポイントです。ほのか聞き逃しません。
去りかけた藤Pにほのかはなぎさの誕生日のことを言おうとしますが、なぎさに口止めされます。妙にリアルに手で口元が押さえられています。何かちょっといけない気分(あぶねぇ)。誤魔化すなぎさ。藤Pはそのまま去ります。「そんなに照れなくったって」と言うほのかに「だって~・・・」と曖昧に答えるなぎさ。照れよりも内心では藤Pを心配している様子です。
雪城邸。ミップルにプレゼント決まった?と聞かれますがまだのご様子。っていうか先ほどの会話は元々プレゼントのことを聞いていたハズなのですが、結局うやむやになってしまいました。何をしてあげられるか、と考えるほのか。陰謀術数の予感です。
②誕生日当日
クラッカーの破裂音。舞う紙吹雪。感激するなぎさ。藤Pはチョコレートケーキに立ったロウソクを消すよう促がします。吹き消したなぎさに藤Pは超至近距離で「お誕生日おめでとう」と祝辞を贈ります。そのままキスシーンに行きそうな勢いです。
無論そんなのは夢オチ以外になく、母にたたき起こされます。今日はほのかとデート(修学旅行の買い物)のようです。玄関で家族一同に見送られますが追い出されるように家を出ます。何故こんなに急かすように追い出すのかは察しがつくところです。それはそうと、(この場合はちょっとおざなりですが)家族で見送りしてくれるって良いですよね。今は気づかなくても後々そのありがたみに気づかされます。経験談ですが。
洋館。窓の外を見る少年。その表情からは何も読み取れません。その少年を見やりながら、お笑いトリオはもうすぐ全てが明らかになる、というバルデスの言葉を考えています。まあ、あと15、6話くらいで最終回なのでそろそろ終盤の展開です。・・・そう考えると、寂しいなぁ。
噂をすればバルデス。ジャアクキングの鼓動、声が聞こえると言います。復活が近いのか。では、目の前にいる少年は?ひかりは?終盤に差し掛かっていますが、肝心な部分は未だ謎に包まれています。
デパートで買い物を終えるふたり。なぎさはほのかに言われるくらい荷物を抱えています。ほのかは逆にほとんど持っていません。大体のものは揃えていたのでしょう。ほのかはなぎさにコスモスを見に行かない?と誘います。ひかりも誘ってと頷くなぎさ。さり気ない会話ですが、そう、ここからすでにほのかの策謀が始まっていたのです。いや、正確には昨晩あたりからか。ところで、ビジュアルファンブックだったか、本編だったか忘れましたが、ほのかはコスモスが好きだと言ってましたね。
公園のコスモス花壇。ひかりはお花畑といいますが、規模としては花壇に近いと思います。もっと色んな景色を見て欲しいと思う。紅葉に季節だし。来週再来週であるかな。
だるまさんが転んだをやるメップル達。しかし何故か鬼であるメップルは振り返った瞬間に変顔で笑わせようとします。8話でなぎさがやった技ですね。にらめっこと混ざっています。
コスモスについてウンチクを語るほのか。へぇ、メキシコ原産なのか。流石ウンチク女王と褒める(?)なぎさ。ひかりも感心します。そんなことは無いと謙遜。十分に物知りです。そしてだるまさんが転んだでは、メップルの非情なお笑い作戦によりポルンが動いてしまいます。いつになくよく分からんシリアスな顔でポルンを指摘するメップル。駄々をこねるポルンでしたが、ひかりがなだめます。ルルンを引き合いに出されてはポルンも大人しくせざるを得ません。諭すようになだめるひかりが萌えです。2児の親かね。
サッカーボールを蹴る音がして、一同はそこに向かいます。いや、別に駆け出さんでもいいと思うのだけど。
③偶然?必然の出会い
やってきたそこはグラウンド場。藤Pがいます。ベローネ高等サッカー部の練習です。藤Pを見てときめくなぎさ。なぎさの様子にひかりはポカーンとしていますが、ほのかはにこやかです。しかし、藤Pはあまり調子が良くないのかミスをしてしまいます。キャプテンからも注意されます。
休憩。浮かない顔の藤Pにほのかは声をかけます。他の部員からは、藤Pてめっ、女の子ってしかも三人かよっと憎悪と後で紹介してくれ、との思惑が渦巻いていると思います。
グラウンドが見下ろせるベンチに座る一同。藤Pから見てほのか・ひかり・なぎさの順です。ほのかはここでよく練習しているのかと尋ねます。学校のグラウンドが使えない場合は使うと答える藤P。無論、この問いの答えはほのかならば調査済みでしょうが、あくまでもこの問いの目的はさり気なくなぎさにこの情報を与えるためです。あと、自分は知らなかったと偽装するためでもあります。これはバレますが。
空っぽになったペットボトルに水を汲んでくると申し出るほのか。幼馴染の特権か割りと強引に持って行きます。ついでにひかりも誘うことも忘れません。誘うというか連れて行きます。戸惑うなぎさにウィンクするほのか。計画通り。藤Pと二人っきりになりガチガチになるなぎさ。話題選びで迷います。表情の推移が楽しいです。ところが肝心の藤Pは元気がありません。心配するなぎさ。
水汲み場。ミップルはこれがプレゼント?と尋ねます。やっとここで気づくひかり。鈍いぞ。鈍すぎるぞ。でもその鈍さが好きです(結局、ひかりならなんでも良いらしい)。プレゼントではないが、折角の誕生日で伝えたいこともあるだろう、と場をセッティングしたほのか。お節介と言えばお節介ですが、テコでもなければなぎさは藤Pに対して動かないでしょうから調度良いでしょう。なぎさと藤Pを後ろから見守ります。っていうか、近いな。これだと1分もかからずに戻れますよ。清流まで汲みに行ってたとか言えば大丈夫かな。
空を見上げながら、サッカー部での不調を語る藤P。いつもの調子は失われ、夏祭りでなぎさに語った時のような強さもなく自信を無くしています。なぎさはそんな藤Pに自分のことを話します。自分が凹んだときにどうするのかを。慌てているので自分でも分けが分からずパニクるなぎさ。言っていることは分かりませんが、言いたいことは分かります。思わず笑ってしまう藤P。でも、藤Pはなぎさが言った「自分を信じる勇気」という言葉に応えます。落ち着いてすっきりしたのか、「ありがとう」とお礼を言う藤P。言葉そのものに大きな意味はありません。言葉に乗せられている意思や勇気を伝えるために言葉はあります。前回、ほのかが団子屋のおばさんに正しい言葉と意思を伝えましたが、なぎさもまた藤Pに言葉が足りなくても意思を伝えます。まあ、藤Pが良いヤツだってのが大きいのですが。こんな大人な高校生いたら私でも惚れそうです。
藤Pは話題を変えて、よくここに来るのか?と尋ねます。来ないと返答するなぎさ。じゃあほのかかと合点する藤P。昨日電話で尋ねられたそうです。ほのかの策謀(粋な計らいと言え)に気づくなぎさ。決して悪い感情はありません。むしろ、上手くできない自分に不甲斐なさを感じています。影から見守るブレイブンとシークン。勇気が必要なのはなぎさだとブレイブンは言います。ほのかとひかりも心配気です。っていうか、結構位置関係近いのであまりジロジロ見るのは上手くないような。藤Pもそろそろ気づくんじゃないのか?まあ、プリキュアの世界で一番察しが悪いのは藤Pだったりするのですけど。
思考葛藤の末、なぎさは藤Pに向かって打ち明けようとします。彼女はすでに自分の気持ちを知っており、後はそれを伝えるだけだと気づいています。
④横ヤリ
とまあ、ここまでくれば絶対お約束なのが敵の介入です。ウラガノスが聞き耳を立てて「その先が聞きた~い」と仰います。流石です。藤Pは昏睡モード。乙女モードが壊されて抗議の声をあげるなぎさ。でも、心の準備が・・・と内心ほっとしている部分もある様子。涙目になって怖がっていたルルンを抱え上げるひかり。
ウラガノスはゴツイ顔をさらにゴツくして「俺も聞きた~い」と言います。洋館でバルデスに言われたことが気になっているようです。なぎさ達には関係ないんですが。よく分からない勢いでザケンナー召還です。そりゃ、なぎさだって何のことかさっぱり分かりません。迫るザケンナーの攻撃を回避して、変身です。
ザケンナーの体当たりを回避するも触手に叩かれるプリキュア。着地と同時にサッカーボールが飛んできます。めげることなく反撃。倒れるザケンナー。しかし、今度はウラガノスが突進してきます。息を切らせるプリキュア。ザケンナーも体勢を立て直してやや形勢は不利です。ポルンの促がしによりルミナスに変身するひかり。ブローチェ装着で一気にルミナリオのシーケンスです。ゴメンナー。実に的確で早い仕事ぶりです。
敵を追い返し笑顔の三人。何か良いなこの雰囲気。
⑤誕生日
練習再開の笛。戻りかける藤Pになぎさは、躊躇いながら「あたし、藤Pの先輩のこと、ずっと、ずっと・・・・・・応援してます。頑張って下さい」と声援を送ります。お約束ですが、これで良いでしょう。座り込むなぎさ。しかし、そこで話は終わりません。藤Pは戻ってきて、誕生日おめでとう、と贈ります。電話でほのかがそこまで触れたとは思えないので、本当に憶えていたのでしょう。すごいよお前。
嬉しさに心を躍らせるなぎさ。ほのかとひかりも戻ってきて「よかったね」と言葉をかけます。ブレイブンとシークンもやってきます。チェアレクトに戻るブレイブン。
夕方タコカフェ。アカネさんとひかりから特大のたこ焼きケーキが贈られます。いや、これ食えないだろ。ほのかからも本が贈呈されます。「勇気の証」様々な困難に立ち向かった科学者達の物語だそうです。来年まで持つねと冷やかすアカネさん。納得してしまうなぎさ。ささやかな笑いで満たされます。
家に戻るなぎさ。静まり返っています。居間に入ると電気が点いて祝福されるなぎさ。ロウソクを吹き消して忘れられていると思ったと抗議するなぎさですが、忘れるわけ無い憶えやすいのにと父。10月10日。親じゃなくても一度聞けば忘れにくい日付です。朝追い出したのは準備のためでした。ケーキも父と亮太が作ったようです。不恰好ですが、なぎさは構いません。ケーキだけに景気もよくなれば、と相変わらずの父ですが、それに笑う母も相変わらずです。なぎさの誕生日会が始まります。
⑥次回予告
修学旅行、舞台は京都。京都良いですね。また行ってみたいです。果たしてひかりはどうやってついて来るのか?アカネさんの遠征か?気になるところです。それはそうと、クイズですが、ポルンを好きな女の子・・・って男の子が選択肢にいるのはありか?
○トピック
去年の誕生日と比しても、なぎさのちょっとした成長が見て取れるのと、本編ではやらなかった家族でのお祝いを入れているのが印象的でした。MHは家族関係の話も多いのでその流れを汲んでいるのかもしれません。
今回はある意味無敵キャラの藤Pが悩むという珍しいお話でした。しかし、藤Pとて高校1年生として新しい立場や状況に戸惑ったり調子を崩したりするでしょう。それをわざわざなぎさの誕生日にぶつけたのも「勇気」のテーマや意思の伝わりなどが盛り込まれていますし、恋愛モノにある濃さ(というのも変かもしれないが、恋愛要素を入れると、他の要素を食って恋愛モノになりかねない)を打ち消した爽やかな藤Pとのやり取りだったと思います。何より、最後に家族で祝うシーンを入れたのが良いですね。
先日手に入れたMHビジュアルファンブックでありましたが、大人(大意として他者)の問題を子どもに解決させないというスタンスは好きです。今回藤Pはなぎさに元気(勇気)を与えられ、振り返ることで自信を取り戻します。なぎさは元気を出して下さいとは言いません。ただ、自身のことを言い、自分を信じろというだけでした。そういう想いや意思に感化されて勇気づけられるのもプリキュアの良いところだと思います。
これはちょっと考えすぎなのかもしれませんが、ほのかがなぎさを藤Pに巡り合わせたのは、当然なぎさのためを思ってということもあるでしょうが、落ち込んでいた藤Pを勇気づけるのもあったと思います。なぎさが他者に勇気や元気を与えられる人だと知っているからこそ、お互いのためにめぐり合わせたように思えます。だから今回はなぎさと藤Pの場に居ないんですね。勿論、告白するかもしれないので居ない方がいいのですが、勇気付けとかの意思の伝播にまでほのかが出張る必要は無いのです。
ところで、復活したバルデスがなかなか戦闘に出てこないのは、ブレス装着プリキュアとブローチェ装着ルミナスの合体必殺技がまだ決まって無いから、とかだったりするのでしょうか?新必殺技があるとすればバルデス登場時が一番出しやすい気がします。「エキストリーム・ルミナリオ・スパーク」とかだったらどうしよう。
第32話「闇から守れ!この世で一番大事な笑顔!!」
○今週の出来事
①ベローネタイムズ
ベローネ学院。なぎさはパソコンを使いながら不満の声。私の頃のパソコンはPC98でしたな(勿論インターネットなんて出来ません)。どうやら学校新聞を作成しているようで、前回のラクロス試合の記事に使われている写真に不満の様子。別段悪い写真ではないと思いますが、本人としては気になる様子。多分、ほのかならもっと良い写真持っていると思います。えっ、そんな暇なかったって?ほのかなら色々人脈とか脅しとか出来ますよ(こんなこと書いている私ですが、ほのか大好きです)。
さて、人の記事に文句をつけていたなぎさですが、実は自分が担当していた記事のことをすっかりさっぱり忘れていました。焦る莉奈と志穂。志穂はブルブルと手を震わせています。なぎさは余裕の体でしたが、締め切りは明日だと聞いて泡を食ったような顔になります。いきなり大ピンチです。
クイーンチェアレクト欲しいです。インテリジェンが特に欲しいです。いっ、一万円のルルン・・・インテリジェンは私の心の中に居るよ(諦めたらしい)
②水戸屋の団子
ということで、雪城邸。困ったときのほのか頼みです。事情を説明するなぎさ莉奈志穂。正座して何か申し分けなさそうです。ネタの提供を求めます。流石に困るほのか。間髪入れずやってくるさなえさん。流石です。このタイミング。お茶とおやつの団子を持ってきました。嬉しがるほのか。どうやらこの団子は水戸屋というところの団子らしいのですが好物のようです。無邪気に率先して団子を手にとります。ちょっと意外です。ほのかならまず先に客に促がすような気もしたのですが、よほど好きなのでしょう。ほのかには(好き嫌いに関わると特に)無邪気なところがあるのでらしいと言えばらしいですね。なぎさ達も手にとって食べます。ほのかも一通り説明して食べます。食べながら説明なんてしません。
さり気なく、あくまで偶然に、しかし確実に気づかれるように言葉を選んで水戸屋を紹介するさなえさん。絶対、分かってるってこの人。善は急げ、思い立ったが吉日。「学園新聞の取材にいってきま~す」となぎさ達を連れて出立です。楽しそうですほのか。
水戸屋。店先で焼いています。それを楽しそうに待つ兄妹。最近、兄妹が多いですね。おばさんは兄妹に団子を出します。親切なおばさんは団子を冷ましてから食べるように言います。その光景を見るほのか一向。シャッターチャンスとばかりに志穂はデジタルカメラで撮ります。兄妹の様子を見るほのかは子どもの頃のことを思い出しているのかもしれません。藤Pと来てそうです。
挨拶するほのか。なぎさ達が出し抜けに取材を申し込むより顔見知りのほのかの方が切り出しやすいです。おばさんは快く引き受けます。早速団子を作るところを説明します。「上新粉」って初めて知りました。へーそういうのあるんだ。なんだかこういう手作りの風景って女の子好きそうです。おままごとに使えるというか。全て独りで作るおばさんに機械は使わないのか?と尋ねますが、おばさんは手作りの方が合っていると答えます。気持ちを込めて作り、お客さんが幸せになるのを見ると幸せになれると話します。「見てるだけで幸せ・・・」とほのかは感銘を受けたように呟きます。なんとなく、なぎさを想像しているのではないかと思ってしまうのは気のせいでしょうか。大好きな団子屋さんのおばさんがとても素敵な人なのでさらに感銘を受けているのでしょう。手作りにこだわるプリキュア。ケーキ工場とかの話を思い出します。心を込めて作り、お客さんに喜んでもらう。労働の対価として金銭ではなく、精神的な充実感とモチベーションを第一とします。ちなみに、この時点で私の涙腺が緩んでます。
取材が終わろうとした時、お客さんの声が聞こえてきます。元気な素直そうな声です。ひかり。・・・どこで出てくるのかと思ったらそういう出方をしてきましたか。
アカネさんも御用達だったようです。なぎさ達もすっかり水戸屋のファンになったようです。しかし、おばさんは表情を曇らせてしまいます。実は、そろそろ止めようと考えていたのです。減っているお客、歳、(息子達との)安定した生活など諸事情があります。「ごめんなさいねぇ」と謝るおばさんに何も言えないほのか。
公園。なぎさ達は集まって取材の写真を見ています。ほのかは独りベンチで顔を俯かせています。とてもショックなのでしょう。ちょっと暗いムード。しかし、ここでこそのなぎさ。なぎさは「とにかく最高の記事にしてさ、水戸屋さんのこともっとたくさん人に知ってもらおうよ」と奮起します。その言葉を聞いたほのかは顔を上げ腰を上げて「この記事私に書かせて」と申し出ます。締め切りは明日ですが「うん、大丈夫」と答えるその表情には強い意思と輝きがあります。これだからほのかはやめられません。彼女のこの意思と輝きこそが最大の魅力なのです。あと、眉毛。
三日月が輝く夜。ほのかの部屋は明かりが灯っています。熱心に文章を書くほのか。ミップルは寝てしまいますが、彼女の手は止まることがありません。静かな時が過ぎていきます。
③与える勇気、得る勇気
刷り上るベローネタイムズ。どうやら間に合ったようです。記事の一つによし美先生の写真が載っています。もう、ケバイとかそういう問題ではなく、むしろ妖怪に近いかもしれません。掴みはOKと莉奈。ネタのようです。
ほのかの記事も載っています。わずか十行にも満たない文章。しかしこれ以上無いほどの真摯で誠実な気持ちが込められた記事です。下手に飾り立てた美辞麗句の言葉ではなく、自分の気持ちを真正面から書いた文章です。その記事を読む団子屋のおばさん。夜の人気のない店の中を眺め姿を消します。何を想ったのだろうか。真面目な話、気持ちが込められた文章は人を動かしたりする力があります。真にその人から出た言葉は拙くても輝きと強さがあると思います。この時点で私の涙腺はギリギリです。
雪城邸の庭先。なぎさ、ほのか、ひかりとメップル達フルメンバーです。ほのかの記事は反響が大きかったようです。団子が食べたいと駄々をこねるポルン。オムプに頼むか?というメップルに水戸屋がいいと駄々をこねます。その姿にミップルはルルンも真似をすると言います。これが効果テキメン。ポルンは駄々をこねるのをやめます。何かいいな、この風景。
なぎさは水戸屋に行こうと誘います。「なぎさったら~」と笑顔のほのか。声音も表情も分かりやすいです。
水戸屋。すっかり大好きになってしまったなぎさ。止めてしまうのが寂しいとこぼしてしまいます。団子を作りながらおばさんは記事のことを話します。徹夜で書いたとなぎさ。「徹夜」そう徹夜だって!「オール」なんて言い方しないって!なぎさ達もこっち側(古い世代)だよな!
色んなことを考えた、とおばさん。たくさんのお客さんのこと。幸せになあれと作っていたが、それは逆で幸せにしてもらっていたと言います。喜んでくれるお客さんがいたから続けられた、元気と勇気を分けてもらっていたと話します。その後姿を見るほのか。まさに年季の入った背中です。色んなものを背負っています。ほのかとなぎさは表情をほころばせて聞き入ります。
さて、こんな展開でどうやって敵が現れるのか見ている方が気になってきたところで、メップルが邪悪な気配を告げます。来ましたよこの展開。この唐突さ。この無理やり戦闘パートに移行モード。敢えて言いましょう。こういう展開だから良いんです。この取ってつけたような強引な入れ方。そのおかげで日常パートが充実しまくりです。戦闘なんて日常にお呼びじゃありません。しかし、それを邪魔するのが闇の人達。ある意味理にかなっています。お邪魔な人達はとっととお家に帰ってもらいましょう。
④割と食べ物関係で出てくるビブリス
寝入るおばさん。「危険ミポー」とミップルも警戒します。多分、団子を焼いたままなので火元のことを言っているのでしょう。外に出る三人。火事になっても逃げられます。外の看板に座るビブリス。バルデスが帰ってきたと教えます。威嚇のつもりでしょうか。こっちにも切り札はあるんだという。お前らの成長の意味とこちらの変化と関係があるのか?と聞きます。そんなこと知るわけないとなぎさ。全くそのとおりです。ほのかは勝手にさせない!と切り返します。降り立つビブリス。ザケンナー召還です。やはり火元が燃え出してザケンナーへと転じます。怪我の功名です。ザケンナー化してしまえばボヤも起きないでしょう(多分)。
変身するプリキュア。攻撃を仕掛けますが実体が煙と火なので手応えがありません。打撃が通じません。反撃するザケンナー。炎の塊がぶつかると小さな円形ノコギリに分裂して襲い掛かってきます。非常に実戦的な武器です。回避するのにやっとのプリキュア。
助けるためひかりは変身します。今回の話に直接関わってないので変身は遅めです。変身と同時にルルンが光を放ちます。って、あの描写無いんですか?時間の都合ですか?それとも30話限定でしょうか。ぜひ余裕のある時にやって欲しいです。
実際問題、ルミナスが加わってもあまり戦況に変化はありません。増殖するザケンナー。かなり上位のザケンナーぽいです。ザケンナーに囲まれようとも諦めません。皆の笑顔を守ってみせます!超変身!(それ違う番組。しかもちょっと古いし)
ルミナリオでさくっと消滅。ゴメンナー。一気に消滅しちゃいましたけど、きっと細かく分裂してマルチロックな感じで倒したんだと脳内保管しておきます。まあ、囲んでいるヤツをぐるっと一周して倒したってのもアリですが。
⑤小さな世界の小さな歩み
夕方。何事も無かったように営業再開です。って、いつの間にか手伝っているなぎさ達。ひかりは大丈夫でしょうか本業。お客さんの中には志穂と莉奈も居ます。注文しますが無論なぎさへの冷やかしも入っていると思います。大繁盛ですね、とほのか。そりゃ、割烹着姿のほのか見に行くよ俺!
おばさんは団子を焼きながら話します。その背中に向かって話すほのか。新聞のおかげだね、との言葉に「みんな私と同じ気持ちなんです」と答えます。「私達」ではなく「私」よほど好きなのでしょう。間をおいておばさんは、もう少し続けてみると言います。立ち止まって考えることも勇気、ずっと続けることも勇気、また皆から幸せを貰って一頑張りです。喜ぶほのか、なぎさ、ひかり、志穂、莉奈。
ブレイブンとシークンが締めます。涙が溢れそうです。
○トピック
泣きそうになった(うるうるしてた)。こういう話に弱いよぅ。
例によってほのかが絡むと私の感想は密度と長さが割り増しになります。
プリキュアらしい優しい話。他人のために一生懸命になって頑張って、真正面から自分の気持ちに向かい合ってそれを伝える。他人にも自分にも誠心誠意な姿を見ていると心が洗われて、勇気付けられます。プリキュアのこういう真正面から物事にあたる姿勢が素敵です。
○ベローネタイムズ
細かいネタがぎっちり詰まっていたので、某所からの翻訳を含め抜粋します。本編ではぼやけているのではっきりと識別は出来ませんが、たぶん、大方あっていると思います。
なお、なぎさの記事はボヤケ具合がひどいので判別できませんでした。
試合開始を前に気合を入れるベローネラクロス部一同。中でも一番背の高い高清水莉奈選手は動物好き彼氏募集中との事。ぽんたの助に見せた愛情を男の子にも発揮できれば彼氏が出来るのもそう遠いことではないのではなかろうか。ある情報筋によれば銀王女の血をひいているらしいとの事なので事と次第によっては大化けするのではないかと期待している人もいるとかいないとか。ところでラクロスのキャプテンがバンダナをしている事が多いベローネ学園であるが伝統かと言えばそういう訳では無くたまたまなのである。弓子キャプテンを登場させるに当たって第1話で登場したラクロス部のモブキャラを眺めていた7話エンジョがこのキャラバンダナしてて目立つからこれでいいんじゃないですか?といってしまったために弓子はバンダナをしていることになったのである。後日運動会でバンダナを外した弓子が登場すると誰だか分からないという大変危険な状況に陥ってしまったのはひみつである。
(エンジョは演出助手らしい)
久保田志穂選手といえば小さくて目立たないようであるが「だよね、だよね、だよね」等同じ言葉を3回繰り返す事が有名で実はかなりキャラの立った人物である。逸話として将来ハリウッドでの監督としての成功を夢見ている彼女は演劇の練習の際に「段取りで芝居しないでくれる!?」などと諸先輩の居るアフレコブースで熱弁を奮い皆を恐縮させたことがある。というのを覚えておいて損は無いだろう。この先「段取りで芝居をしない女優」として期待大である(にやり)
近頃話題になったベローネのルリ子さんだがその真相に迫るべく記者が体当たり取材を行った!まず各所でうわさになっている怪奇現象を調べたところ「トイレで鏡に映りこむ」や「理科準備室で戸棚が勝手に動く」「教壇の黒板にルリ子さんの顔が浮かび上がる」など恐ろしいものばかりだ。いつ頃からルリ子さんは学園に現れるようになったのか学園のうわさに詳しいOGの藤田アカネさんに取材を行ったところなんと!次回に続く。
(張本人に真相を確かめるってのもオチとして使えそう)
○ほのか
実は今回の放送を見る前に、ほのかについて(それ以外にもあるのですが)書きたいな~と思っていたのですが(実際ちょっと書いていた)、ちょうどほのかメインであったことと、その内容が書きたかったことを表していたのでここで書きます。
ほのかがメインであったように、今回の話はほのかの性格や役割を上手く出していたと思います。っていうか、私の思ってたほのか像どおりというか。自分の大好きな団子屋さんがとても親切で良い人で、その人のために自分の出来ることや想いを真剣に考えて(ベローネタイムズを通じて)気持ちを伝えています。
最近、他の方の感想などで影が薄いとか補助(解説)役になってしまっているというような意見が見られますが、そういうんではなく、元々ほのかは影が薄いんです(おいおい)。それは彼女がなぎさほど自主的に動かないこともありますが、彼女の真価は2つのパターンで発揮されると思います。一つは自分の好きなことをやっている時。主に部活などで発揮されます。そしてもう一つは、対人関係においてです。ほのかを比喩としてイメージするなら大概の人は月を連想するのではないかと思います。これは一作目のOPとか雰囲気やなぎさが太陽な人であることの対比でもあるのですが、彼女自身のイメージとして最も適切ではないかと思います。月はそれ自体光りません。しかし、他から光源を得ることで神秘的に輝きます。相手が真正面からぶつかればぶつかるほど、相手が輝けば輝くほどほのかもそれに乗じて感情と意思を表します。それはピーサードを倒したときのような怒りだったり、キリヤとのすれ違いだったり、なぎさとの関係であったりします。それらの共通することは、常に彼女は真剣であったことです。相手の目を見て答えています(キリヤの時は目を合わせていなかった。それでケンカになったのは上手い演出だったと思う)。また、細かいですがクラスメイトでも名前の呼び方が変わったりと相手によって立ち位置が少々ことなるのも特徴です。ちなみになぎさは常に一定で位置が変わりません。その意味でも太陽の比喩は正しいでしょう。
ほのかにはなぎさに負けないくらいの強い意思と感受性が備わっています。なぎさはそれを表にすんなりと出すことが出来る娘です。それに比べてほのかは表に出すことがあまり無いかもしれません。だから彼女は普段なぎさに付き添う形でいます。なぎさを支える立場になります。なぎさ主体です。自らは発しません。何故なら、(これは私の憶測なのですが、っていうか全部そうなのですが)ほのかにとってなぎさの言葉や意思は自分の言葉と意思と同様だからです。彼女達の性格は正反対ですが人間性は同質です。真っ直ぐな心と豊かな感受性は変わりないと言っていいです。彼女達の絆と信頼がそれをより強固なものとします。だから、普段ほのかは何も発する必要はなく、必要があるとすれば、なぎさが悩んでしまった時や助けが要るときにそっと手を差し伸べればいいのです。ただし、上から見たりはしません。押し付けもしません(怒った時は別ですが)。なぎさを信じているのでちょっと手を貸すだけでいいのです。そしてその支えとしてほのか自身は強く揺るがずに立っています。立つための杖が折れては意味が無いからです。そういう強さがほのかにはあると思います。一作目42話でなぎさを信じて待ち続けた強さは伊達ではありません。そんなところが普段ほのかが達観して見える理由なのではないかと思います。
今回のように、ほのかだけに起因する話ではほのかは積極的にその意思を見せます。代弁者が他にいないというのもありますし、ほのかの中に隠れていた強い気持ちが放たれているのもあります。今回は彼女の素顔の一面を見れたと思います。
○雪城さなえ
神の視点を持つ老人。神の視点とはつまり作品全体を俯瞰的に見ている人物ということ。実は視聴者の視点とこの人の視点は同じだと思う。
他の方の感想を読むと一作目12話(ポイズニーを投げ飛ばした話)とか28話(ミップルに支えられた話)の影響か伏線云々の話をよく目にします。要するに先代プリキュア?みたいなイメージを持たれているのかなと。先代プリキュアはネタだとしても、少なくても何か秘密があるんじゃ?という疑問があるようです。個人的には、伏線もなにも、さなえさんはそういう人だと思ってます。つまり、作品内で唯一総てを見通して孫達を見守る人。完全な大人であり神であり自らは何もせず、次世代に意志を伝える存在。そういう人。非現実的かつ設定とか無視して超越した人(必ず千里眼使うわけじゃなくて、まあ、そういう描写があっても許されるキャラという意)。リアル描写志向のプリキュアでそれはアリなの?と思うかもしれませんが、アリだと思います。ポイントは唯一と言っていい「老人」であること。農家のおじさんおばさんとかゲストを抜けば、プリキュアで登場する老人はさなえさんだけです。なぎさに祖父母がいることすら分かりません。
何故老人ならアリなのかというと、(これは私のイメージなのですが)老人は子どもから見て最も年齢的に遠くて一番大人です。色んなことを知っているし経験している。孫にあたる子どもにも優しい。けど、親以上に仲が良いわけでもない(同棲してなければ特に)。微妙な距離感なんですね。子どもから見れば親の親なんですから凄そうだし。そういう絶妙な距離感と畏敬というか尊敬みたいのがあるんじゃないかなと思います。まあ、これは理想的といっていいほど美化された老人像なのかもしれませんが。実際は口煩かったり半分ボケた人もいたりするので全部が全部ではないのですが、プリキュアの理想的な世界、人物、関係という作風から考えれば、その象徴としてさなえさんが居ても特に不自然ではないと思います。
子ども中心で話が進む作品において、特に戦闘モノはインフレが顕著です。悪い言い方をすれば、子どもが(力も意思もインフレして)思い上がることもあります。そんな時に諭したり導いたりできる大人がいることは大切だと思います。それは子どもを正し、見守るのが大人の務めだからです。なぎさ達中心で物語は進みますが、適度に大人が出てきて諭したり導いたりする点においてもプリキュアの教育、対人関係思想の真っ直ぐさが出ていると思います。
①ベローネタイムズ
ベローネ学院。なぎさはパソコンを使いながら不満の声。私の頃のパソコンはPC98でしたな(勿論インターネットなんて出来ません)。どうやら学校新聞を作成しているようで、前回のラクロス試合の記事に使われている写真に不満の様子。別段悪い写真ではないと思いますが、本人としては気になる様子。多分、ほのかならもっと良い写真持っていると思います。えっ、そんな暇なかったって?ほのかなら色々人脈とか脅しとか出来ますよ(こんなこと書いている私ですが、ほのか大好きです)。
さて、人の記事に文句をつけていたなぎさですが、実は自分が担当していた記事のことをすっかりさっぱり忘れていました。焦る莉奈と志穂。志穂はブルブルと手を震わせています。なぎさは余裕の体でしたが、締め切りは明日だと聞いて泡を食ったような顔になります。いきなり大ピンチです。
クイーンチェアレクト欲しいです。インテリジェンが特に欲しいです。いっ、一万円のルルン・・・インテリジェンは私の心の中に居るよ(諦めたらしい)
②水戸屋の団子
ということで、雪城邸。困ったときのほのか頼みです。事情を説明するなぎさ莉奈志穂。正座して何か申し分けなさそうです。ネタの提供を求めます。流石に困るほのか。間髪入れずやってくるさなえさん。流石です。このタイミング。お茶とおやつの団子を持ってきました。嬉しがるほのか。どうやらこの団子は水戸屋というところの団子らしいのですが好物のようです。無邪気に率先して団子を手にとります。ちょっと意外です。ほのかならまず先に客に促がすような気もしたのですが、よほど好きなのでしょう。ほのかには(好き嫌いに関わると特に)無邪気なところがあるのでらしいと言えばらしいですね。なぎさ達も手にとって食べます。ほのかも一通り説明して食べます。食べながら説明なんてしません。
さり気なく、あくまで偶然に、しかし確実に気づかれるように言葉を選んで水戸屋を紹介するさなえさん。絶対、分かってるってこの人。善は急げ、思い立ったが吉日。「学園新聞の取材にいってきま~す」となぎさ達を連れて出立です。楽しそうですほのか。
水戸屋。店先で焼いています。それを楽しそうに待つ兄妹。最近、兄妹が多いですね。おばさんは兄妹に団子を出します。親切なおばさんは団子を冷ましてから食べるように言います。その光景を見るほのか一向。シャッターチャンスとばかりに志穂はデジタルカメラで撮ります。兄妹の様子を見るほのかは子どもの頃のことを思い出しているのかもしれません。藤Pと来てそうです。
挨拶するほのか。なぎさ達が出し抜けに取材を申し込むより顔見知りのほのかの方が切り出しやすいです。おばさんは快く引き受けます。早速団子を作るところを説明します。「上新粉」って初めて知りました。へーそういうのあるんだ。なんだかこういう手作りの風景って女の子好きそうです。おままごとに使えるというか。全て独りで作るおばさんに機械は使わないのか?と尋ねますが、おばさんは手作りの方が合っていると答えます。気持ちを込めて作り、お客さんが幸せになるのを見ると幸せになれると話します。「見てるだけで幸せ・・・」とほのかは感銘を受けたように呟きます。なんとなく、なぎさを想像しているのではないかと思ってしまうのは気のせいでしょうか。大好きな団子屋さんのおばさんがとても素敵な人なのでさらに感銘を受けているのでしょう。手作りにこだわるプリキュア。ケーキ工場とかの話を思い出します。心を込めて作り、お客さんに喜んでもらう。労働の対価として金銭ではなく、精神的な充実感とモチベーションを第一とします。ちなみに、この時点で私の涙腺が緩んでます。
取材が終わろうとした時、お客さんの声が聞こえてきます。元気な素直そうな声です。ひかり。・・・どこで出てくるのかと思ったらそういう出方をしてきましたか。
アカネさんも御用達だったようです。なぎさ達もすっかり水戸屋のファンになったようです。しかし、おばさんは表情を曇らせてしまいます。実は、そろそろ止めようと考えていたのです。減っているお客、歳、(息子達との)安定した生活など諸事情があります。「ごめんなさいねぇ」と謝るおばさんに何も言えないほのか。
公園。なぎさ達は集まって取材の写真を見ています。ほのかは独りベンチで顔を俯かせています。とてもショックなのでしょう。ちょっと暗いムード。しかし、ここでこそのなぎさ。なぎさは「とにかく最高の記事にしてさ、水戸屋さんのこともっとたくさん人に知ってもらおうよ」と奮起します。その言葉を聞いたほのかは顔を上げ腰を上げて「この記事私に書かせて」と申し出ます。締め切りは明日ですが「うん、大丈夫」と答えるその表情には強い意思と輝きがあります。これだからほのかはやめられません。彼女のこの意思と輝きこそが最大の魅力なのです。あと、眉毛。
三日月が輝く夜。ほのかの部屋は明かりが灯っています。熱心に文章を書くほのか。ミップルは寝てしまいますが、彼女の手は止まることがありません。静かな時が過ぎていきます。
③与える勇気、得る勇気
刷り上るベローネタイムズ。どうやら間に合ったようです。記事の一つによし美先生の写真が載っています。もう、ケバイとかそういう問題ではなく、むしろ妖怪に近いかもしれません。掴みはOKと莉奈。ネタのようです。
ほのかの記事も載っています。わずか十行にも満たない文章。しかしこれ以上無いほどの真摯で誠実な気持ちが込められた記事です。下手に飾り立てた美辞麗句の言葉ではなく、自分の気持ちを真正面から書いた文章です。その記事を読む団子屋のおばさん。夜の人気のない店の中を眺め姿を消します。何を想ったのだろうか。真面目な話、気持ちが込められた文章は人を動かしたりする力があります。真にその人から出た言葉は拙くても輝きと強さがあると思います。この時点で私の涙腺はギリギリです。
雪城邸の庭先。なぎさ、ほのか、ひかりとメップル達フルメンバーです。ほのかの記事は反響が大きかったようです。団子が食べたいと駄々をこねるポルン。オムプに頼むか?というメップルに水戸屋がいいと駄々をこねます。その姿にミップルはルルンも真似をすると言います。これが効果テキメン。ポルンは駄々をこねるのをやめます。何かいいな、この風景。
なぎさは水戸屋に行こうと誘います。「なぎさったら~」と笑顔のほのか。声音も表情も分かりやすいです。
水戸屋。すっかり大好きになってしまったなぎさ。止めてしまうのが寂しいとこぼしてしまいます。団子を作りながらおばさんは記事のことを話します。徹夜で書いたとなぎさ。「徹夜」そう徹夜だって!「オール」なんて言い方しないって!なぎさ達もこっち側(古い世代)だよな!
色んなことを考えた、とおばさん。たくさんのお客さんのこと。幸せになあれと作っていたが、それは逆で幸せにしてもらっていたと言います。喜んでくれるお客さんがいたから続けられた、元気と勇気を分けてもらっていたと話します。その後姿を見るほのか。まさに年季の入った背中です。色んなものを背負っています。ほのかとなぎさは表情をほころばせて聞き入ります。
さて、こんな展開でどうやって敵が現れるのか見ている方が気になってきたところで、メップルが邪悪な気配を告げます。来ましたよこの展開。この唐突さ。この無理やり戦闘パートに移行モード。敢えて言いましょう。こういう展開だから良いんです。この取ってつけたような強引な入れ方。そのおかげで日常パートが充実しまくりです。戦闘なんて日常にお呼びじゃありません。しかし、それを邪魔するのが闇の人達。ある意味理にかなっています。お邪魔な人達はとっととお家に帰ってもらいましょう。
④割と食べ物関係で出てくるビブリス
寝入るおばさん。「危険ミポー」とミップルも警戒します。多分、団子を焼いたままなので火元のことを言っているのでしょう。外に出る三人。火事になっても逃げられます。外の看板に座るビブリス。バルデスが帰ってきたと教えます。威嚇のつもりでしょうか。こっちにも切り札はあるんだという。お前らの成長の意味とこちらの変化と関係があるのか?と聞きます。そんなこと知るわけないとなぎさ。全くそのとおりです。ほのかは勝手にさせない!と切り返します。降り立つビブリス。ザケンナー召還です。やはり火元が燃え出してザケンナーへと転じます。怪我の功名です。ザケンナー化してしまえばボヤも起きないでしょう(多分)。
変身するプリキュア。攻撃を仕掛けますが実体が煙と火なので手応えがありません。打撃が通じません。反撃するザケンナー。炎の塊がぶつかると小さな円形ノコギリに分裂して襲い掛かってきます。非常に実戦的な武器です。回避するのにやっとのプリキュア。
助けるためひかりは変身します。今回の話に直接関わってないので変身は遅めです。変身と同時にルルンが光を放ちます。って、あの描写無いんですか?時間の都合ですか?それとも30話限定でしょうか。ぜひ余裕のある時にやって欲しいです。
実際問題、ルミナスが加わってもあまり戦況に変化はありません。増殖するザケンナー。かなり上位のザケンナーぽいです。ザケンナーに囲まれようとも諦めません。皆の笑顔を守ってみせます!超変身!(それ違う番組。しかもちょっと古いし)
ルミナリオでさくっと消滅。ゴメンナー。一気に消滅しちゃいましたけど、きっと細かく分裂してマルチロックな感じで倒したんだと脳内保管しておきます。まあ、囲んでいるヤツをぐるっと一周して倒したってのもアリですが。
⑤小さな世界の小さな歩み
夕方。何事も無かったように営業再開です。って、いつの間にか手伝っているなぎさ達。ひかりは大丈夫でしょうか本業。お客さんの中には志穂と莉奈も居ます。注文しますが無論なぎさへの冷やかしも入っていると思います。大繁盛ですね、とほのか。そりゃ、割烹着姿のほのか見に行くよ俺!
おばさんは団子を焼きながら話します。その背中に向かって話すほのか。新聞のおかげだね、との言葉に「みんな私と同じ気持ちなんです」と答えます。「私達」ではなく「私」よほど好きなのでしょう。間をおいておばさんは、もう少し続けてみると言います。立ち止まって考えることも勇気、ずっと続けることも勇気、また皆から幸せを貰って一頑張りです。喜ぶほのか、なぎさ、ひかり、志穂、莉奈。
ブレイブンとシークンが締めます。涙が溢れそうです。
○トピック
泣きそうになった(うるうるしてた)。こういう話に弱いよぅ。
例によってほのかが絡むと私の感想は密度と長さが割り増しになります。
プリキュアらしい優しい話。他人のために一生懸命になって頑張って、真正面から自分の気持ちに向かい合ってそれを伝える。他人にも自分にも誠心誠意な姿を見ていると心が洗われて、勇気付けられます。プリキュアのこういう真正面から物事にあたる姿勢が素敵です。
○ベローネタイムズ
細かいネタがぎっちり詰まっていたので、某所からの翻訳を含め抜粋します。本編ではぼやけているのではっきりと識別は出来ませんが、たぶん、大方あっていると思います。
なお、なぎさの記事はボヤケ具合がひどいので判別できませんでした。
試合開始を前に気合を入れるベローネラクロス部一同。中でも一番背の高い高清水莉奈選手は動物好き彼氏募集中との事。ぽんたの助に見せた愛情を男の子にも発揮できれば彼氏が出来るのもそう遠いことではないのではなかろうか。ある情報筋によれば銀王女の血をひいているらしいとの事なので事と次第によっては大化けするのではないかと期待している人もいるとかいないとか。ところでラクロスのキャプテンがバンダナをしている事が多いベローネ学園であるが伝統かと言えばそういう訳では無くたまたまなのである。弓子キャプテンを登場させるに当たって第1話で登場したラクロス部のモブキャラを眺めていた7話エンジョがこのキャラバンダナしてて目立つからこれでいいんじゃないですか?といってしまったために弓子はバンダナをしていることになったのである。後日運動会でバンダナを外した弓子が登場すると誰だか分からないという大変危険な状況に陥ってしまったのはひみつである。
(エンジョは演出助手らしい)
久保田志穂選手といえば小さくて目立たないようであるが「だよね、だよね、だよね」等同じ言葉を3回繰り返す事が有名で実はかなりキャラの立った人物である。逸話として将来ハリウッドでの監督としての成功を夢見ている彼女は演劇の練習の際に「段取りで芝居しないでくれる!?」などと諸先輩の居るアフレコブースで熱弁を奮い皆を恐縮させたことがある。というのを覚えておいて損は無いだろう。この先「段取りで芝居をしない女優」として期待大である(にやり)
近頃話題になったベローネのルリ子さんだがその真相に迫るべく記者が体当たり取材を行った!まず各所でうわさになっている怪奇現象を調べたところ「トイレで鏡に映りこむ」や「理科準備室で戸棚が勝手に動く」「教壇の黒板にルリ子さんの顔が浮かび上がる」など恐ろしいものばかりだ。いつ頃からルリ子さんは学園に現れるようになったのか学園のうわさに詳しいOGの藤田アカネさんに取材を行ったところなんと!次回に続く。
(張本人に真相を確かめるってのもオチとして使えそう)
○ほのか
実は今回の放送を見る前に、ほのかについて(それ以外にもあるのですが)書きたいな~と思っていたのですが(実際ちょっと書いていた)、ちょうどほのかメインであったことと、その内容が書きたかったことを表していたのでここで書きます。
ほのかがメインであったように、今回の話はほのかの性格や役割を上手く出していたと思います。っていうか、私の思ってたほのか像どおりというか。自分の大好きな団子屋さんがとても親切で良い人で、その人のために自分の出来ることや想いを真剣に考えて(ベローネタイムズを通じて)気持ちを伝えています。
最近、他の方の感想などで影が薄いとか補助(解説)役になってしまっているというような意見が見られますが、そういうんではなく、元々ほのかは影が薄いんです(おいおい)。それは彼女がなぎさほど自主的に動かないこともありますが、彼女の真価は2つのパターンで発揮されると思います。一つは自分の好きなことをやっている時。主に部活などで発揮されます。そしてもう一つは、対人関係においてです。ほのかを比喩としてイメージするなら大概の人は月を連想するのではないかと思います。これは一作目のOPとか雰囲気やなぎさが太陽な人であることの対比でもあるのですが、彼女自身のイメージとして最も適切ではないかと思います。月はそれ自体光りません。しかし、他から光源を得ることで神秘的に輝きます。相手が真正面からぶつかればぶつかるほど、相手が輝けば輝くほどほのかもそれに乗じて感情と意思を表します。それはピーサードを倒したときのような怒りだったり、キリヤとのすれ違いだったり、なぎさとの関係であったりします。それらの共通することは、常に彼女は真剣であったことです。相手の目を見て答えています(キリヤの時は目を合わせていなかった。それでケンカになったのは上手い演出だったと思う)。また、細かいですがクラスメイトでも名前の呼び方が変わったりと相手によって立ち位置が少々ことなるのも特徴です。ちなみになぎさは常に一定で位置が変わりません。その意味でも太陽の比喩は正しいでしょう。
ほのかにはなぎさに負けないくらいの強い意思と感受性が備わっています。なぎさはそれを表にすんなりと出すことが出来る娘です。それに比べてほのかは表に出すことがあまり無いかもしれません。だから彼女は普段なぎさに付き添う形でいます。なぎさを支える立場になります。なぎさ主体です。自らは発しません。何故なら、(これは私の憶測なのですが、っていうか全部そうなのですが)ほのかにとってなぎさの言葉や意思は自分の言葉と意思と同様だからです。彼女達の性格は正反対ですが人間性は同質です。真っ直ぐな心と豊かな感受性は変わりないと言っていいです。彼女達の絆と信頼がそれをより強固なものとします。だから、普段ほのかは何も発する必要はなく、必要があるとすれば、なぎさが悩んでしまった時や助けが要るときにそっと手を差し伸べればいいのです。ただし、上から見たりはしません。押し付けもしません(怒った時は別ですが)。なぎさを信じているのでちょっと手を貸すだけでいいのです。そしてその支えとしてほのか自身は強く揺るがずに立っています。立つための杖が折れては意味が無いからです。そういう強さがほのかにはあると思います。一作目42話でなぎさを信じて待ち続けた強さは伊達ではありません。そんなところが普段ほのかが達観して見える理由なのではないかと思います。
今回のように、ほのかだけに起因する話ではほのかは積極的にその意思を見せます。代弁者が他にいないというのもありますし、ほのかの中に隠れていた強い気持ちが放たれているのもあります。今回は彼女の素顔の一面を見れたと思います。
○雪城さなえ
神の視点を持つ老人。神の視点とはつまり作品全体を俯瞰的に見ている人物ということ。実は視聴者の視点とこの人の視点は同じだと思う。
他の方の感想を読むと一作目12話(ポイズニーを投げ飛ばした話)とか28話(ミップルに支えられた話)の影響か伏線云々の話をよく目にします。要するに先代プリキュア?みたいなイメージを持たれているのかなと。先代プリキュアはネタだとしても、少なくても何か秘密があるんじゃ?という疑問があるようです。個人的には、伏線もなにも、さなえさんはそういう人だと思ってます。つまり、作品内で唯一総てを見通して孫達を見守る人。完全な大人であり神であり自らは何もせず、次世代に意志を伝える存在。そういう人。非現実的かつ設定とか無視して超越した人(必ず千里眼使うわけじゃなくて、まあ、そういう描写があっても許されるキャラという意)。リアル描写志向のプリキュアでそれはアリなの?と思うかもしれませんが、アリだと思います。ポイントは唯一と言っていい「老人」であること。農家のおじさんおばさんとかゲストを抜けば、プリキュアで登場する老人はさなえさんだけです。なぎさに祖父母がいることすら分かりません。
何故老人ならアリなのかというと、(これは私のイメージなのですが)老人は子どもから見て最も年齢的に遠くて一番大人です。色んなことを知っているし経験している。孫にあたる子どもにも優しい。けど、親以上に仲が良いわけでもない(同棲してなければ特に)。微妙な距離感なんですね。子どもから見れば親の親なんですから凄そうだし。そういう絶妙な距離感と畏敬というか尊敬みたいのがあるんじゃないかなと思います。まあ、これは理想的といっていいほど美化された老人像なのかもしれませんが。実際は口煩かったり半分ボケた人もいたりするので全部が全部ではないのですが、プリキュアの理想的な世界、人物、関係という作風から考えれば、その象徴としてさなえさんが居ても特に不自然ではないと思います。
子ども中心で話が進む作品において、特に戦闘モノはインフレが顕著です。悪い言い方をすれば、子どもが(力も意思もインフレして)思い上がることもあります。そんな時に諭したり導いたりできる大人がいることは大切だと思います。それは子どもを正し、見守るのが大人の務めだからです。なぎさ達中心で物語は進みますが、適度に大人が出てきて諭したり導いたりする点においてもプリキュアの教育、対人関係思想の真っ直ぐさが出ていると思います。
第31話「バルデス復活!チームワークでギリギリ突破!!」
○今週の出来事
①復活のバルデス
荒廃した土地に横たわる人の形のそれ。アゴがチャームポイントです。動き出し、立ち上がるそれ。咆哮をあげる。きっとすげぇ良いところで夢から覚めたのでしょう。
②仲間
ラクロスの練習。なぎさは前回のルミナスに起きた現象を回想します。またきましたよエロ可愛いルミナス。たまりませんな。これバンクですよね。つまり毎回見れるわけですよね。最高ですね。春爛漫ですよ(お前の頭がな)。練習中なので一旦思考を停止し、現実に戻るなぎさ。後輩から声がかかります。
練習風景を見る人影。ほのかです。この娘がラクロス部にいるのはデフォルトです。なぎさは皆に指導しています。ほのかに声をかけながら近づくひかり。ほのかが練習をよく見に来ていることを指摘します。ノロケ、もとい、なぎさのキャプテンとしての働きに部長である自分も励まされていると答えます。雨の日の練習風景も回想されていますが、つまりその場にほのかも居たということで、流石はほのか嬢です。
練習に励むマキとメグミ。いい感じのライバルです。それを見たなぎさも頑張らなくっちゃ、とポーズをとります。呆れる志穂と莉奈。なぎさは皆も、と誘います。絶対やだ絶対やだ絶対やだと言いつつも志穂も莉奈も部員もポーズをとります。
その様子を見ながら「同じ目標に向かってお互い信じ合い励まし合える仲間がいるって素敵なことですよね」と至極真面目で恥ずかしいセリフを堂々と言えるひかりはひかりらしくて、そして愛しいと思う。その言葉に「そしていつもその中心になぎさがいる。皆の中心に」と答えられるほのかもなぎさを心から信じている。ということで、開始5分で今回のテーマが言われました。
③試合前
タコカフェ。ルルンはポルンを追い掛け回します。流石のポルンもルルンには敵わない様子。ひかりは独りイスに座って考え事をしています。前回自分に起きたこと。うっひょーまた例のバンクですよ。サービス満点ですね。小さい子的には販促なんでしょうけど。それはそうと、ブローチ~ハーティエル・ブローチェ~は意外とメタリックな質感です。ふと回想から戻ったひかりは正面にいるルルンに気づきます。隣でポルンが死んでいます。王冠すら取れています。今回の面白いシーンをあげろと言われたら2番目に出します。
ひかりは「ねぇ、ルルン・・・」と何かを言いかけますが、やめてルルンの頭を撫でます。ルルンに聞いても詮無きことと思ったのか、答えを聞きたくなかったのか、いずれにしても、ひかりの問いは遠からず自身の体験を通じて分かるような気がします。
アカネさんの声。買出しから戻ったようです。今日はラクロスの試合があるので行っといで、というアカネさん。躊躇うひかりですが、アカネさんは「負けたら承知しないからね!」と言って来てとウインク付きで後押しします。「はい」と答えるひかり。その表情には気負いも躊躇いも無い明るい笑顔です。ひかりはアカネさんの意図することが分かっています。そしてアカネさんもひかりに何が必要なのかも分かっています。とても良い信頼関係です。
ラクロス試合会場。相手は格闘館大付属中学。例のゴツイ人達のチームです。試合前からブルっているベローネ部員。そこになぎさが来てブルっている理由が判明します。そう、ゴツイ人達がさらに磨きかかってゴツくなっているのです。しかも何故かポーズ付きでその肉体美をアピールしています。審査員の心象点を狙う気でしょうか(ラクロスにそんな点は無い)。「超超超不気味」と志穂。そのとおりです。なぎさは対抗するように気合じゃ負けない!と部員一同ポーズをとりますが「どう見ても負けてる・・・」と志穂。「というか、何でわざわざあんなに筋肉見せつけてんの?」と莉奈。そのとおりです。
ベンチではほのかがひかりを招きます。夏服のミニスカートです。審査員の心象アップ間違いなしです(選手じゃねぇ)。私が観客だったら、ちょうどほのかの正面あたりでなおかつ5段くらい下に位置取りますね。友達を待つ振りして後ろを振り返ります。もっとも、守りに定評のあるほのかなのでそうそう上手く行きませんが。っていうか、何の話だコレ。
ほのかの隣に座るひかり。アカネさんも来られれば良かったのにと言うほのかにひかりは先ほどのアカネさんの言葉を言います。にっこりと微笑むほのか。その情景を想像したのかもしれません。「きっと、いい試合になると思うわ」となぎさを見るほのか。っていうかもう、なぎさしか見てないですこの娘。
バックから飛び出すポルンとルルン。騒いでしまうのでなだめるひかり。ポルンもルルンも子猫のように安心した表情になります。「お母さんみたいミポ」とミップルは言います。そのとおりですね。キョトンとするひかりが可愛いです。
④試合
さあ、いよいよ本番です。チームの士気を上げるなぎさ。しかし、格闘館大のキャプテンには余裕の笑みが。果たしてこの意味するところは?
試合開始のホイッスル。先手を取ったベローネ。志穂はなぎさにパスしたいところですが、がっちりマークされています。莉奈にパス。莉奈もポイントゲッターであるなぎさにパスしたいところですが、マークが堅く厳しい状況。それを嘲笑うかのように格闘館大のキャプテンが通り過ぎます。「余裕?」とあっけにとられるなぎさ。良い心理戦です。なかなか緊張感高い試合です。莉奈はメグミにパスしますが、読まれていたかのようにパスカット。そのまま点を入れられてしまいます。
いつもと違う展開に戸惑うベローネ。ほのかとひかりも固唾を呑んで見守ります。試合続行。やはり格闘館大はなぎさを完全にマークする作戦。志穂はなぎさに振り切って~と言います。めっちゃ走るなぎさ。マークしている相手も目が点になります。バテるぞそれ。志穂のパスはなぎさに届かずカットされてしまいます。そのまま点を入れられます。前半終了。
「動きが完全に読まれている」「後半逆転できますよね?」ひかりの問いに「なぎさ頑張って」としか言えないほのか。
立ち尽くすベローネ。不敵な格闘館大。流石に何度もベローネに負けているだけあって、こちらの戦術を研究してきたようです。というか、ベローネは得点力においてはなぎさのワンマンチームと言ってよく、なぎさを封じられると途端に攻撃力が弱まります。見た感じ莉奈や志穂はサポート系ですし、厳しい状況です。
「どうする?」と問われるなぎさ。一選手ではなく、キャプテンとしての力が試されるところです。そしてなぎさは大胆な采配を振るいます。なぎさが守備まで後退し、代わりに2年生のマキを前線にあがらせます。メグミにマキをアシストしてと指示します。マキに非常にプレッシャーがかかるところです。加えて、いくら相手が戸惑うからといってこちらもぶっつけ本番です。博打にしては少々分が悪いでしょう。しかし、なぎさは不安を微塵にも見せることなく部員を激励します。その言葉一つ一つが心強く、頼れる力を持っています。「きっと上手くいく勇気を出して!」なぎさの言葉にマキは手に持ったスティックに力が加わります。「やってみます!」頷くなぎさ。博打ではなく、信頼、そして確信か。
後半戦。戸惑う格闘館大。ひかりも「なぎささんがいない?」と疑問。それに答えるようにほのかは解説します。引いては如何にほのかがなぎさを信じているかという意味を持っているあたりが流石ほのか嬢。さりげに、勝負の決め手の中に「応援する人達」が入っているところがミソです。ここにプリキュアのテーマの一端が見えます(詳しくは「コラム4」を参照されたし)。
試合開始のホイッスル。と同時に鳴り響く指パッチン(これ他に言い様ないかな)の音。ベンチに落ちるバック。グラウンドに落ちるスティック。
⑤表裏一体のバトル
気づくとそこは誰もいないグラウンド。いえ、います。正面に3人。勢ぞろいです。選手宣誓とばかりに手を上げてザケンナーを召還する三人。地面からドカドカザケンナー軍団(アメフト仕様)が出てきます。囲まれるなぎさ達。ひかりは少々あっけにとられている表情。ほのかは臨戦態勢の表情。そして、なぎさはそのどちらでもなく、見ている先もザケンナーではありません。メップル達は変身を促しますが、なぎさは試合に戻してと言います。キャプテンとしての責を真っ当するためにもなぎさは試合に戻らなければなりません。なぎさが戦うべきは闇の連中などではなく、格闘館大です。しかし「くだらない」と一蹴。なぎさはその言葉に強い憤りを感じます。それはなぎさ個人だけではなく、チーム全体を総括した努力と成果を否定されることだからです。さらに否定の言葉を続ける芸人トリオ。繰り返しはギャグの基本ですが、そのセリフ何度も聞いたよ、そしてそのセリフを言ったやつは漏れなく皆返り討ちにあったよと思ってしまいます。それは置いておいて、本気で怒ったなぎさは掴みかかるように身を乗り出します。抑えるほのかとひかり。ひかりの体勢は・・・げふん、げふん。いえ、なんでもありません。決してヤマシイ想像などしておりませんザケ。
「だから私は今日という日を大切にしなきゃいけないの!」その言葉こそ、一生懸命努力してきた者のみが発することができる言葉であり、強い憤りと怒りを覚えるのは当然です。なぎさに続いてほのかとひかりも3人に言い放ちます。三人声を揃えて「私達は絶対に負けない!」と叫びます。「変身しろ、手加減はしない」とサーキュラス。そうか、そんなにルミナスが見たいのかこの人は。正真正銘のルミナス萌えだな。
変身するプリキュア。続いてルミナス。すぐさまルルンから閃光、ブローチェ装着です。あっ、あのエロ可愛い(っていうかこの表現やめた方がいいな)バンク無しですか?回想でやったから省略ですか?残念。ヤラシイ意味は置くと、武器装着シーンは好きです。
ザケンナーが詰めてきます。あっという間に満員電車状態。なおザケンナーの背中に「ZAKE」って書いてあるのが面白いです。ブラックのパワー爆発。囲んでいたザケンナーを押し返し、地面を叩いて砕きます。吹き飛ぶザケンナー。強えぇ。ちょっと驚いた表情のルミナスと構えて何時でも応戦可能なホワイトが対照的です。ほのか(ホワイト)は常になぎさ(ブラック)のパートナーであり意志も同じです。
ブラックの「いくよ!」に頷くホワイトとルミナス。突撃するブラック。その機動性とパワーでザケンナーを打ち倒します。ホワイトも見事な体術でザケンナーを倒していきます。パワーも体術も無いルミナスは、襲い掛かるザケンナーをバトンから放たれる光で跳ね除けます。光に怯えるザケンナー。ルミナス自身よく分かっていないのかオロオロしてバトンを持ち上げたまま走り出します。面白いです。今回一番面白いシーンでした。プリキュアは幾多の戦を勝ち抜いた戦士ですが、ルミナスはまだ自分の力を分かっていないヒヨっ子。でもそれが可愛いです。カッコよさが先に来る戦闘パートでもこういう可愛らしさを失わないのは良いことです。
悲壮感をたたえたBGMで並んで走るプリキュア。同時にラクロスの試合をするベローネ。同時進行しているようです。別の場所で戦っている仲間。その仲間と一緒に戦うため、自分の居場所に戻るために負けられません。踏み込むブラックとサーキュラス。ぶつかり合う拳と拳。同時にシュートを決めるマキ。なぎさの采配と信頼は確かなものです。
ビブリスVSホワイト。連続で放たれる突きをかわし、逆に掴んで投げ飛ばすホワイト。パワーで押し切ろうとするウラガノスをルミナスはバトンの力ではじき返します。キョトンとしたルミナスは可愛い!(何故か断定形)パワー型のウラガノスには相性が悪いです(だからルミナスでもサシで対等以上に戦えるのですが)。
ぶつかり合う両者。熱いなチーム戦。ルミナスのローアングルがたまりませんな。カメラさんもう少しカメラの場所移動して下さい。
「私達の世界の夢や希望、喜びや悲しみ」
「皆の気持ち、皆の情熱」
「そんな、そんな皆の総て」
輝きを増したバトンに弾かれるウラガノス。
「決して渡さない!」
手を握り合わせたブラックとホワイトの突き出した掌底がサーキュラスとビブリスを弾き飛ばします。かっ、カッコイイ!これ考えた人すげー!最初スクリューかと思った。
観客席まで飛んだサーキュラスとビブリス、そしてウラガノスは体勢を立て直してプリキュア達の正面に躍り出ます。その衝撃で飛ばされるザケンナー軍団。ちょっと可哀想。すごいオーラを纏う三人。本気モードのようです。「火に石油をそそいじゃったみたい」とブラック。ホワイトはしれっと「それを言うなら油でしょ」と言います。ションボリ顔になるブラック。こういうノリもまたプリキュアの良さ。ルミナス!と声をかけるブラック。エキストリーム・ルミナリオです。それをかわす三人。当たらなければ意味はありません。「ブラック!ホワイト!」と叫んだルミナスのブローチェから光が溢れ出ます。新BGM。「逃がさない!」とプリキュア。その言葉に応えるようにルミナリオは3つに分かれて追撃します。マルチ機能と追尾機能が付加されています。これもまたルミナス(ルルン)の可能性か。追い込まれたサーキュラス達は撤退し、こういう場合にあおりを食うのはいつもザケンナーです。ゴメンナー。
⑥輝く星
試合会場。点数は3対3。拮抗しています。ベローネは皆「何かが足りない、とても大切な何かが」と欠落した思いを抱いています。スポットライトが当たり、帰還するなぎさ。記憶(認識的なものか?)を取りも出した部員一同は「キャプテン!」となぎさを認めます。なぎさにボールが渡り走ります。そろそろ時間です。いつもこんなギリギリです。そして太陽を背にし会心のシュート。固唾を呑むベローネと格闘館大。ほのかとひかりも思わず立ち上がります。シュートは決まり試合終了のホイッスル。いつもこんな勝利です。
終了後の整列。格闘館大のキャプテンから一言。身構えるなぎさ達。「次は絶対に負けない!」とポージング。なぎさ達も対抗してポージング。「その点に関して言えばはこちらが完全に負けてるし」「将来的にも勝ち目はないです」と莉奈と志穂。笑うキャプテン。すばらしいチームワークだと褒めます。熱く手を握り合い「また会いましょう」と誓う両者。かっこいいスポ根ですね。良きライバルがあってこそ主役も輝きます。
いつの間にか現れる新しいハーティエル。勇敢のハーティエル・ブレイブン。シークンが紹介します。ちょっと騒がしいのでポルンとルルンが捕まえます。ハーティエルの頭を撫でるところが芸細かいです。
ほのかの締めの言葉。「いつもなぎさがいる。私達の中心に」
笑顔のベローネラクロス部。皆輝いていて可愛いが、敢えて私は莉奈の名をあげよう。可愛いよ莉奈。
帰還するバルデス。
⑦次回予告
秋服!ベスト着用!みたらしぃ、団子。座布団いくらでも運びますよ~っていうか、俺の上に座ってくれほのか!(変態か)
○トピック
いや~、ギッチリ詰まってて見返すたびに新しい発見があって面白いです。こういっちゃ何ですが、ラクロスの回はラクロス描写が物足りなくなるか戦闘描写が物足りなくなることが多く半端になってしまうケースが多かったと思います。ラクロス中に襲われてなぎさがいなくなるとどうしても分断されてしまう感じになりますからねぇ。
その点今回は非常に丁寧に作られていたと思います。なぎさ、ほのか、ひかりは勿論、アカネさん、志穂、莉奈、マキ、メグミ、格闘館大に至るまで登場時間に関係なくそのキャラらしさや繋がりを重視した描写がなされていました。劇中でも言っていたようになぎさを中心として物語や人間関係が広がっていましたね。
最近は戦闘描写も凝っていて純粋に戦闘パートが面白くなっていることも相乗効果として話を盛り上げていたと思います。カッコよさ、可愛さ、真面目さ、ギャグなど色んな要素が詰まっていて、それでいて調和が取れておりプリキュアが持っているポテンシャルを引き出していたと思います。
今回の話でなぎさが主張していたことはこれまでプリキュアが再三言ってきたことでした。それは自分が属する日常を大切にし、今日という日を一生懸命生きることです。ただ、今までと違うのは、ひかりがそのことをプリキュアと一緒になって訴えたことだった思います。これまではひかりはなぎさとほのかからその教訓を学ぶ立場でしたが、それをプリキュアと一緒に主張するようになったのは大きい変化かもしれませんね。といっても、ひかり自身はそれを支える経験が十分ではないので、なぎさにつられる形で主張していると思われます。今後もひかりが少しずつ日常を経験していくことで自ら主張できるようになると思います。
さて、今回なぎさの魅力について描かれていたので、(私のイメージですが)各キャラの特徴や関係などを簡単に書いてみたいと思います。ちょっと喩えて書いてます。
①なぎさ
太陽。それがなぎさのイメージです。これは一作目から揺るがないイメージで、なぎさは周りの皆を動かし引っ張っていく力があると思います。何よりも本人が輝いています。時にはお馬鹿なことしたりしますが、本質的にはとても真面目で真剣に人や物事を考えられる感受性があります。キャプテンになることで個人の能力だけではなく、周りを勇気付け、動かすことのできる魅力をさらに活かせるようになったと思います。キャプテンとしての活躍はなぎさの特徴が素直に発揮されたものだと思います。また、物語でのポジションが全く揺るがないのも太陽とイメージできる点であり、彼女を中心として物語と人間関係が構築されています。
②ほのか
月。多分一作目OPとかがそのイメージの原点だと思うのですが、なぎさと対照的であり、且つ彼女のポジションからするとぴったりなイメージだと思う。ほのか自身は意外と我が強くてそれ自体輝いても見えるのですが、彼女がその意志を見せるのは他者との摩擦においてであり、彼女自身が自ら回りに何かを与えたり呼びかけるというのは少ないと思います。後の先を取るというか、何かが起こってその対応が適切迅速という感じ。つまり、月と同じように他の光源があたることで彼女の真価が発揮される。なぎさが頑張れば彼女も頑張れるし、なぎさが不安になれば彼女も不安になってしまう。さりとて依存しているわけではなく、なぎさを支えて輝きを取り戻させることもできる。そしてさらにその光をあびて輝く娘だと思う。
最近(一作目後半あたりから)は達観した感じになってきていて、他の感想とかでも印象が薄くなってきているような意見を聞きますが、ほのかがもし自ら強く輝いてしまえばなぎさ(太陽)の魅力は減ると思う。というか、なぎさの良さが分からなくなるというか。ほのかの存在はなぎさの良さを教えてくれる。如何に輝いていようがそれが何も照らさないのなら意味は無い。照らされたものがどれだけ美しく輝くかで光源の真価が分かる。ほのかのなぎさに対する信頼は誰よりもなぎさの良さに気づいているからだ。何よりも、独りでたたずんでいたほのかがなぎさと知り合うことで、活き活きと輝くようになったのは言うまでも無い。んと、これだけだと、達観している理由の説明にはならないか。個人の感じ方の問題かもしれないけど、私からすると、ほのかが静かなのは決して個性が失われているわけではなく、むしろなぎさを信じることが彼女の個性だと思う。
③ひかり
色々と迷ったんだけど、敢えて例えるなら地球(虹の園)。無理に例えることもないんだけど、なんとなく地球かなと思う。理由は単純、地球は太陽や月があって育つものだから。太陽は地球にエネルギーを与えるだろうし、月の影響は詳しくは知らないけど、気象や生態系に影響を与えているだろう。プリキュアはなぎさとほのかが中心的な物語なわけだけど、ひかりはそのふたりに影響を受けながら育っていくような感じなので例えとしてはちょうど良いかなと。
アカネさんや奈緒、美羽はひかり(地球)にとってはそこ住む生き物や自然と考えていいと思う。見た目上、アカネさんや奈緒や美羽達の中にひかりが居るようにも見えるのだけど、ひかり視点で考えればひかりの中に皆が含まれている。その皆がひかりにとって良い意味で影響を与えることは(地球の)美しさが増すということだと言える。ひかりの中で育ち、ひかりがそれに応えてどんどん土地(心)を豊かにしていくような、そんなイメージ。もし何も無ければ地球は死の星のままだろう。
①復活のバルデス
荒廃した土地に横たわる人の形のそれ。アゴがチャームポイントです。動き出し、立ち上がるそれ。咆哮をあげる。きっとすげぇ良いところで夢から覚めたのでしょう。
②仲間
ラクロスの練習。なぎさは前回のルミナスに起きた現象を回想します。またきましたよエロ可愛いルミナス。たまりませんな。これバンクですよね。つまり毎回見れるわけですよね。最高ですね。春爛漫ですよ(お前の頭がな)。練習中なので一旦思考を停止し、現実に戻るなぎさ。後輩から声がかかります。
練習風景を見る人影。ほのかです。この娘がラクロス部にいるのはデフォルトです。なぎさは皆に指導しています。ほのかに声をかけながら近づくひかり。ほのかが練習をよく見に来ていることを指摘します。ノロケ、もとい、なぎさのキャプテンとしての働きに部長である自分も励まされていると答えます。雨の日の練習風景も回想されていますが、つまりその場にほのかも居たということで、流石はほのか嬢です。
練習に励むマキとメグミ。いい感じのライバルです。それを見たなぎさも頑張らなくっちゃ、とポーズをとります。呆れる志穂と莉奈。なぎさは皆も、と誘います。絶対やだ絶対やだ絶対やだと言いつつも志穂も莉奈も部員もポーズをとります。
その様子を見ながら「同じ目標に向かってお互い信じ合い励まし合える仲間がいるって素敵なことですよね」と至極真面目で恥ずかしいセリフを堂々と言えるひかりはひかりらしくて、そして愛しいと思う。その言葉に「そしていつもその中心になぎさがいる。皆の中心に」と答えられるほのかもなぎさを心から信じている。ということで、開始5分で今回のテーマが言われました。
③試合前
タコカフェ。ルルンはポルンを追い掛け回します。流石のポルンもルルンには敵わない様子。ひかりは独りイスに座って考え事をしています。前回自分に起きたこと。うっひょーまた例のバンクですよ。サービス満点ですね。小さい子的には販促なんでしょうけど。それはそうと、ブローチ~ハーティエル・ブローチェ~は意外とメタリックな質感です。ふと回想から戻ったひかりは正面にいるルルンに気づきます。隣でポルンが死んでいます。王冠すら取れています。今回の面白いシーンをあげろと言われたら2番目に出します。
ひかりは「ねぇ、ルルン・・・」と何かを言いかけますが、やめてルルンの頭を撫でます。ルルンに聞いても詮無きことと思ったのか、答えを聞きたくなかったのか、いずれにしても、ひかりの問いは遠からず自身の体験を通じて分かるような気がします。
アカネさんの声。買出しから戻ったようです。今日はラクロスの試合があるので行っといで、というアカネさん。躊躇うひかりですが、アカネさんは「負けたら承知しないからね!」と言って来てとウインク付きで後押しします。「はい」と答えるひかり。その表情には気負いも躊躇いも無い明るい笑顔です。ひかりはアカネさんの意図することが分かっています。そしてアカネさんもひかりに何が必要なのかも分かっています。とても良い信頼関係です。
ラクロス試合会場。相手は格闘館大付属中学。例のゴツイ人達のチームです。試合前からブルっているベローネ部員。そこになぎさが来てブルっている理由が判明します。そう、ゴツイ人達がさらに磨きかかってゴツくなっているのです。しかも何故かポーズ付きでその肉体美をアピールしています。審査員の心象点を狙う気でしょうか(ラクロスにそんな点は無い)。「超超超不気味」と志穂。そのとおりです。なぎさは対抗するように気合じゃ負けない!と部員一同ポーズをとりますが「どう見ても負けてる・・・」と志穂。「というか、何でわざわざあんなに筋肉見せつけてんの?」と莉奈。そのとおりです。
ベンチではほのかがひかりを招きます。夏服のミニスカートです。審査員の心象アップ間違いなしです(選手じゃねぇ)。私が観客だったら、ちょうどほのかの正面あたりでなおかつ5段くらい下に位置取りますね。友達を待つ振りして後ろを振り返ります。もっとも、守りに定評のあるほのかなのでそうそう上手く行きませんが。っていうか、何の話だコレ。
ほのかの隣に座るひかり。アカネさんも来られれば良かったのにと言うほのかにひかりは先ほどのアカネさんの言葉を言います。にっこりと微笑むほのか。その情景を想像したのかもしれません。「きっと、いい試合になると思うわ」となぎさを見るほのか。っていうかもう、なぎさしか見てないですこの娘。
バックから飛び出すポルンとルルン。騒いでしまうのでなだめるひかり。ポルンもルルンも子猫のように安心した表情になります。「お母さんみたいミポ」とミップルは言います。そのとおりですね。キョトンとするひかりが可愛いです。
④試合
さあ、いよいよ本番です。チームの士気を上げるなぎさ。しかし、格闘館大のキャプテンには余裕の笑みが。果たしてこの意味するところは?
試合開始のホイッスル。先手を取ったベローネ。志穂はなぎさにパスしたいところですが、がっちりマークされています。莉奈にパス。莉奈もポイントゲッターであるなぎさにパスしたいところですが、マークが堅く厳しい状況。それを嘲笑うかのように格闘館大のキャプテンが通り過ぎます。「余裕?」とあっけにとられるなぎさ。良い心理戦です。なかなか緊張感高い試合です。莉奈はメグミにパスしますが、読まれていたかのようにパスカット。そのまま点を入れられてしまいます。
いつもと違う展開に戸惑うベローネ。ほのかとひかりも固唾を呑んで見守ります。試合続行。やはり格闘館大はなぎさを完全にマークする作戦。志穂はなぎさに振り切って~と言います。めっちゃ走るなぎさ。マークしている相手も目が点になります。バテるぞそれ。志穂のパスはなぎさに届かずカットされてしまいます。そのまま点を入れられます。前半終了。
「動きが完全に読まれている」「後半逆転できますよね?」ひかりの問いに「なぎさ頑張って」としか言えないほのか。
立ち尽くすベローネ。不敵な格闘館大。流石に何度もベローネに負けているだけあって、こちらの戦術を研究してきたようです。というか、ベローネは得点力においてはなぎさのワンマンチームと言ってよく、なぎさを封じられると途端に攻撃力が弱まります。見た感じ莉奈や志穂はサポート系ですし、厳しい状況です。
「どうする?」と問われるなぎさ。一選手ではなく、キャプテンとしての力が試されるところです。そしてなぎさは大胆な采配を振るいます。なぎさが守備まで後退し、代わりに2年生のマキを前線にあがらせます。メグミにマキをアシストしてと指示します。マキに非常にプレッシャーがかかるところです。加えて、いくら相手が戸惑うからといってこちらもぶっつけ本番です。博打にしては少々分が悪いでしょう。しかし、なぎさは不安を微塵にも見せることなく部員を激励します。その言葉一つ一つが心強く、頼れる力を持っています。「きっと上手くいく勇気を出して!」なぎさの言葉にマキは手に持ったスティックに力が加わります。「やってみます!」頷くなぎさ。博打ではなく、信頼、そして確信か。
後半戦。戸惑う格闘館大。ひかりも「なぎささんがいない?」と疑問。それに答えるようにほのかは解説します。引いては如何にほのかがなぎさを信じているかという意味を持っているあたりが流石ほのか嬢。さりげに、勝負の決め手の中に「応援する人達」が入っているところがミソです。ここにプリキュアのテーマの一端が見えます(詳しくは「コラム4」を参照されたし)。
試合開始のホイッスル。と同時に鳴り響く指パッチン(これ他に言い様ないかな)の音。ベンチに落ちるバック。グラウンドに落ちるスティック。
⑤表裏一体のバトル
気づくとそこは誰もいないグラウンド。いえ、います。正面に3人。勢ぞろいです。選手宣誓とばかりに手を上げてザケンナーを召還する三人。地面からドカドカザケンナー軍団(アメフト仕様)が出てきます。囲まれるなぎさ達。ひかりは少々あっけにとられている表情。ほのかは臨戦態勢の表情。そして、なぎさはそのどちらでもなく、見ている先もザケンナーではありません。メップル達は変身を促しますが、なぎさは試合に戻してと言います。キャプテンとしての責を真っ当するためにもなぎさは試合に戻らなければなりません。なぎさが戦うべきは闇の連中などではなく、格闘館大です。しかし「くだらない」と一蹴。なぎさはその言葉に強い憤りを感じます。それはなぎさ個人だけではなく、チーム全体を総括した努力と成果を否定されることだからです。さらに否定の言葉を続ける芸人トリオ。繰り返しはギャグの基本ですが、そのセリフ何度も聞いたよ、そしてそのセリフを言ったやつは漏れなく皆返り討ちにあったよと思ってしまいます。それは置いておいて、本気で怒ったなぎさは掴みかかるように身を乗り出します。抑えるほのかとひかり。ひかりの体勢は・・・げふん、げふん。いえ、なんでもありません。決してヤマシイ想像などしておりませんザケ。
「だから私は今日という日を大切にしなきゃいけないの!」その言葉こそ、一生懸命努力してきた者のみが発することができる言葉であり、強い憤りと怒りを覚えるのは当然です。なぎさに続いてほのかとひかりも3人に言い放ちます。三人声を揃えて「私達は絶対に負けない!」と叫びます。「変身しろ、手加減はしない」とサーキュラス。そうか、そんなにルミナスが見たいのかこの人は。正真正銘のルミナス萌えだな。
変身するプリキュア。続いてルミナス。すぐさまルルンから閃光、ブローチェ装着です。あっ、あのエロ可愛い(っていうかこの表現やめた方がいいな)バンク無しですか?回想でやったから省略ですか?残念。ヤラシイ意味は置くと、武器装着シーンは好きです。
ザケンナーが詰めてきます。あっという間に満員電車状態。なおザケンナーの背中に「ZAKE」って書いてあるのが面白いです。ブラックのパワー爆発。囲んでいたザケンナーを押し返し、地面を叩いて砕きます。吹き飛ぶザケンナー。強えぇ。ちょっと驚いた表情のルミナスと構えて何時でも応戦可能なホワイトが対照的です。ほのか(ホワイト)は常になぎさ(ブラック)のパートナーであり意志も同じです。
ブラックの「いくよ!」に頷くホワイトとルミナス。突撃するブラック。その機動性とパワーでザケンナーを打ち倒します。ホワイトも見事な体術でザケンナーを倒していきます。パワーも体術も無いルミナスは、襲い掛かるザケンナーをバトンから放たれる光で跳ね除けます。光に怯えるザケンナー。ルミナス自身よく分かっていないのかオロオロしてバトンを持ち上げたまま走り出します。面白いです。今回一番面白いシーンでした。プリキュアは幾多の戦を勝ち抜いた戦士ですが、ルミナスはまだ自分の力を分かっていないヒヨっ子。でもそれが可愛いです。カッコよさが先に来る戦闘パートでもこういう可愛らしさを失わないのは良いことです。
悲壮感をたたえたBGMで並んで走るプリキュア。同時にラクロスの試合をするベローネ。同時進行しているようです。別の場所で戦っている仲間。その仲間と一緒に戦うため、自分の居場所に戻るために負けられません。踏み込むブラックとサーキュラス。ぶつかり合う拳と拳。同時にシュートを決めるマキ。なぎさの采配と信頼は確かなものです。
ビブリスVSホワイト。連続で放たれる突きをかわし、逆に掴んで投げ飛ばすホワイト。パワーで押し切ろうとするウラガノスをルミナスはバトンの力ではじき返します。キョトンとしたルミナスは可愛い!(何故か断定形)パワー型のウラガノスには相性が悪いです(だからルミナスでもサシで対等以上に戦えるのですが)。
ぶつかり合う両者。熱いなチーム戦。ルミナスのローアングルがたまりませんな。カメラさんもう少しカメラの場所移動して下さい。
「私達の世界の夢や希望、喜びや悲しみ」
「皆の気持ち、皆の情熱」
「そんな、そんな皆の総て」
輝きを増したバトンに弾かれるウラガノス。
「決して渡さない!」
手を握り合わせたブラックとホワイトの突き出した掌底がサーキュラスとビブリスを弾き飛ばします。かっ、カッコイイ!これ考えた人すげー!最初スクリューかと思った。
観客席まで飛んだサーキュラスとビブリス、そしてウラガノスは体勢を立て直してプリキュア達の正面に躍り出ます。その衝撃で飛ばされるザケンナー軍団。ちょっと可哀想。すごいオーラを纏う三人。本気モードのようです。「火に石油をそそいじゃったみたい」とブラック。ホワイトはしれっと「それを言うなら油でしょ」と言います。ションボリ顔になるブラック。こういうノリもまたプリキュアの良さ。ルミナス!と声をかけるブラック。エキストリーム・ルミナリオです。それをかわす三人。当たらなければ意味はありません。「ブラック!ホワイト!」と叫んだルミナスのブローチェから光が溢れ出ます。新BGM。「逃がさない!」とプリキュア。その言葉に応えるようにルミナリオは3つに分かれて追撃します。マルチ機能と追尾機能が付加されています。これもまたルミナス(ルルン)の可能性か。追い込まれたサーキュラス達は撤退し、こういう場合にあおりを食うのはいつもザケンナーです。ゴメンナー。
⑥輝く星
試合会場。点数は3対3。拮抗しています。ベローネは皆「何かが足りない、とても大切な何かが」と欠落した思いを抱いています。スポットライトが当たり、帰還するなぎさ。記憶(認識的なものか?)を取りも出した部員一同は「キャプテン!」となぎさを認めます。なぎさにボールが渡り走ります。そろそろ時間です。いつもこんなギリギリです。そして太陽を背にし会心のシュート。固唾を呑むベローネと格闘館大。ほのかとひかりも思わず立ち上がります。シュートは決まり試合終了のホイッスル。いつもこんな勝利です。
終了後の整列。格闘館大のキャプテンから一言。身構えるなぎさ達。「次は絶対に負けない!」とポージング。なぎさ達も対抗してポージング。「その点に関して言えばはこちらが完全に負けてるし」「将来的にも勝ち目はないです」と莉奈と志穂。笑うキャプテン。すばらしいチームワークだと褒めます。熱く手を握り合い「また会いましょう」と誓う両者。かっこいいスポ根ですね。良きライバルがあってこそ主役も輝きます。
いつの間にか現れる新しいハーティエル。勇敢のハーティエル・ブレイブン。シークンが紹介します。ちょっと騒がしいのでポルンとルルンが捕まえます。ハーティエルの頭を撫でるところが芸細かいです。
ほのかの締めの言葉。「いつもなぎさがいる。私達の中心に」
笑顔のベローネラクロス部。皆輝いていて可愛いが、敢えて私は莉奈の名をあげよう。可愛いよ莉奈。
帰還するバルデス。
⑦次回予告
秋服!ベスト着用!みたらしぃ、団子。座布団いくらでも運びますよ~っていうか、俺の上に座ってくれほのか!(変態か)
○トピック
いや~、ギッチリ詰まってて見返すたびに新しい発見があって面白いです。こういっちゃ何ですが、ラクロスの回はラクロス描写が物足りなくなるか戦闘描写が物足りなくなることが多く半端になってしまうケースが多かったと思います。ラクロス中に襲われてなぎさがいなくなるとどうしても分断されてしまう感じになりますからねぇ。
その点今回は非常に丁寧に作られていたと思います。なぎさ、ほのか、ひかりは勿論、アカネさん、志穂、莉奈、マキ、メグミ、格闘館大に至るまで登場時間に関係なくそのキャラらしさや繋がりを重視した描写がなされていました。劇中でも言っていたようになぎさを中心として物語や人間関係が広がっていましたね。
最近は戦闘描写も凝っていて純粋に戦闘パートが面白くなっていることも相乗効果として話を盛り上げていたと思います。カッコよさ、可愛さ、真面目さ、ギャグなど色んな要素が詰まっていて、それでいて調和が取れておりプリキュアが持っているポテンシャルを引き出していたと思います。
今回の話でなぎさが主張していたことはこれまでプリキュアが再三言ってきたことでした。それは自分が属する日常を大切にし、今日という日を一生懸命生きることです。ただ、今までと違うのは、ひかりがそのことをプリキュアと一緒になって訴えたことだった思います。これまではひかりはなぎさとほのかからその教訓を学ぶ立場でしたが、それをプリキュアと一緒に主張するようになったのは大きい変化かもしれませんね。といっても、ひかり自身はそれを支える経験が十分ではないので、なぎさにつられる形で主張していると思われます。今後もひかりが少しずつ日常を経験していくことで自ら主張できるようになると思います。
さて、今回なぎさの魅力について描かれていたので、(私のイメージですが)各キャラの特徴や関係などを簡単に書いてみたいと思います。ちょっと喩えて書いてます。
①なぎさ
太陽。それがなぎさのイメージです。これは一作目から揺るがないイメージで、なぎさは周りの皆を動かし引っ張っていく力があると思います。何よりも本人が輝いています。時にはお馬鹿なことしたりしますが、本質的にはとても真面目で真剣に人や物事を考えられる感受性があります。キャプテンになることで個人の能力だけではなく、周りを勇気付け、動かすことのできる魅力をさらに活かせるようになったと思います。キャプテンとしての活躍はなぎさの特徴が素直に発揮されたものだと思います。また、物語でのポジションが全く揺るがないのも太陽とイメージできる点であり、彼女を中心として物語と人間関係が構築されています。
②ほのか
月。多分一作目OPとかがそのイメージの原点だと思うのですが、なぎさと対照的であり、且つ彼女のポジションからするとぴったりなイメージだと思う。ほのか自身は意外と我が強くてそれ自体輝いても見えるのですが、彼女がその意志を見せるのは他者との摩擦においてであり、彼女自身が自ら回りに何かを与えたり呼びかけるというのは少ないと思います。後の先を取るというか、何かが起こってその対応が適切迅速という感じ。つまり、月と同じように他の光源があたることで彼女の真価が発揮される。なぎさが頑張れば彼女も頑張れるし、なぎさが不安になれば彼女も不安になってしまう。さりとて依存しているわけではなく、なぎさを支えて輝きを取り戻させることもできる。そしてさらにその光をあびて輝く娘だと思う。
最近(一作目後半あたりから)は達観した感じになってきていて、他の感想とかでも印象が薄くなってきているような意見を聞きますが、ほのかがもし自ら強く輝いてしまえばなぎさ(太陽)の魅力は減ると思う。というか、なぎさの良さが分からなくなるというか。ほのかの存在はなぎさの良さを教えてくれる。如何に輝いていようがそれが何も照らさないのなら意味は無い。照らされたものがどれだけ美しく輝くかで光源の真価が分かる。ほのかのなぎさに対する信頼は誰よりもなぎさの良さに気づいているからだ。何よりも、独りでたたずんでいたほのかがなぎさと知り合うことで、活き活きと輝くようになったのは言うまでも無い。んと、これだけだと、達観している理由の説明にはならないか。個人の感じ方の問題かもしれないけど、私からすると、ほのかが静かなのは決して個性が失われているわけではなく、むしろなぎさを信じることが彼女の個性だと思う。
③ひかり
色々と迷ったんだけど、敢えて例えるなら地球(虹の園)。無理に例えることもないんだけど、なんとなく地球かなと思う。理由は単純、地球は太陽や月があって育つものだから。太陽は地球にエネルギーを与えるだろうし、月の影響は詳しくは知らないけど、気象や生態系に影響を与えているだろう。プリキュアはなぎさとほのかが中心的な物語なわけだけど、ひかりはそのふたりに影響を受けながら育っていくような感じなので例えとしてはちょうど良いかなと。
アカネさんや奈緒、美羽はひかり(地球)にとってはそこ住む生き物や自然と考えていいと思う。見た目上、アカネさんや奈緒や美羽達の中にひかりが居るようにも見えるのだけど、ひかり視点で考えればひかりの中に皆が含まれている。その皆がひかりにとって良い意味で影響を与えることは(地球の)美しさが増すということだと言える。ひかりの中で育ち、ひかりがそれに応えてどんどん土地(心)を豊かにしていくような、そんなイメージ。もし何も無ければ地球は死の星のままだろう。
第30話「頑張れルルン!未来を紡ぐ光の力!!」
○今週の出来事
①ひかりの日常
マンション前の信号で考え事をするなぎさ。前回ルミナスに起こった現象は何なのか。信号が赤から青に変わっても答えは出ません。
公園のベンチでおしゃべりをする三人。ひかりがポルンとルルンの世話で大変だろうと気遣うなぎさとほのか。なお、ほのかの膝の上にいるポルンが羨ましいです。ひかりの膝の上にいたルルンはポルンの方へ移動します。不満そうなポルン。場所を変えます。移動するルルン。逃げられません。
なぎさは前回のルミナスに起きた出来事をシークンに尋ねますがシークンも分からないようです。ルルンに感じたものが何であるかも上手く説明できません。肝心のルルンも答えを求めるには幼すぎます。結局何の手がかりも情報も無し。
アカネさんの呼び声。ひかりの休憩時間が終わったので呼びにきたようです。ポルンをポケットに入れルルンを入れたバッグを持って行きます。荷物がいっぱいです。ポルンルルンの面倒を見るために休む暇がない、とこぼすなぎさ。仕事と育児は大変です。夜泣きする時期の子供を持っている同僚の人はいつも死に掛けたような顔してますね。アカネさんが世間話をしてきますが、それを軽く流してさっさとなぎさとほのかはひかりのもとへ行きます。独り残されるアカネさん。ちょっと可哀想です。
タコカフェでは水を入れた容器をひかりが運んでいます。手伝うとなぎさとほのかは呼びかけますが、ひかりは自分の仕事だから自分でやるとハッキリと言います。顔を見合わせてしまうなぎさとほのか。ひかりは勤勉な性格ではありますが、キチンと自分の仕事と意思を持って動いています。かつていた何も分からず助けを必要とする娘はそこにはいません。今は一人の(精神的に)自立した娘がいます。強引に穿って見ればなぎさほのかからの一人立ちの前兆みたいなシーンですが、彼女達の身分は(19話をキッカケに)並列的に扱うのが正しいでしょうから、これはひかりのひかりとしての日常として見ることができます。何気に「仕事をしている」のはなぎさにもほのかにも無いひかりだけの要素なのでよりハッキリと分かります。仕事という面に関しての意識はひかりの方に一日の長があります。それと最初働くお母さんの比喩だと思いました。プリキュアに登場する女の子はみな強くたくましいです。そして活き活きしています。
②小さな絆と約束
帰り道。ルルンがいるためにひかりに負担がかかっているのではないかと心配するふたり。気晴らしにひかりをどこかに連れてってあげることを思いつくなぎさ。何かお爺ちゃんお婆ちゃんみたいな感じだなぁ(あながち比喩としてまちがってないような、しかし、女子中学生ですでに老齢な立場って何だ)。場所は遊園地。ひかり大喜びだよ、と言いながら自分が一番楽しそうです。ジト目でつっこむほのか。まっ、自分がまず楽しめるものをチョイスするのは間違いでは無いでしょう。
アカネさんアパート。ひかりの自室ではポルンとルルンが積み木をしています。本格的に子どもみたいな感じです。ひかりは前回自分に起きたことを思い返します。ポルンが積み木を崩した音で我に返るひかり。ポルンは眠そうです。ルルンはまだ元気ですが、ポルンはダウンしてコミューンに転じます。残されるルルンにもう少し一緒に遊んだら休もうと諭すひかり。うお、いつの間にか子守の仕方を習得してるよこの娘。前回できなかったことがすんなりできてるじゃん。やっぱそういう環境にいると慣れるよね。
ルルンはひかりを見つめながらひかりは優しいと言います。そしてひかりは光の園へ帰る?と尋ねます。ルルンにひかりがクイーンの命であると教えられたシーンはありませんが、仮に教えられなくてもおそらくは気づくのでしょう。そしてこんなストレートなこともルルンだから言えます。「私はここしか知らないから」「ずっとここにいるルル?」「それは」「ルルンは光の園で皆と一緒にいたいルル」思わず顔を少し下げて考えるひかり。ルルンはそのまま無邪気にポルンがいる、ひかりがいる、ひかりが大好き、皆大好き、だからルルンが守ってあげると踊りながら答えます。うっ、可愛い。「ありがとう」とひかり。ひかりもルルンを守ってあげると言います。約束するふたり。
③少年は見た
洋館。ビリヤードをするお笑いトリオ。ルルンの大きさについてまだ言っているウラガノス。律儀に答えるサーキュラス。話を進めるビブリス。ルルンが増えたことの意味を考えます。分かっても苦労するような気がするとウラガノス。まあ、そうだろうなぁ。ウラガノスの問いを無視して早く打てと言うビブリス。構えウラガノスをサーキュラスが制します。「俺の順番飛ばしてないか?」「だってビブリスが」「誰でもいい早く打て」「あー開き直った!」「自分が間違えたときは素直に認めなきゃ」「そうだぞビブリス」「あー面倒くさいあたしが打つ」「あー」「絶対謝らないタイプだよねぇ」「バルデス帰ってきたら言いつけちゃうもんね」お前ら楽しそうですね・・・その会話を鍵穴からのぞき見る少年。自分のおかれた環境に不安を持たないか心配です。
④遊園地
ジェットコースターに乗る三人。ほのかはひかりを心配しますがなぎさはノリノリです。たぶん当初の目的は忘れられています。ゆっくりと発進するコースター。するとメップルミップルポルンがゴーグル装備で出てきます。オムプ、シカルプに作ってもらったようです。なかなかコミカルな図です。高度が上がっていきます。景色がよくなり「綺麗」とひかり。余裕そうです。落下するコースター。なぎさ楽しそうです。ほのかは悲鳴をあげます。流石にこの状況ではほのかでもだめみたいです。ひかりは目を開いて無言、微動だにしません。荷物預かり場でも固まっています。なぎさに叩かれてやっと気づくひかり。なるほど、そういうリアクションできたか。可愛ええのぉ。
ベンチで休む一同。メップル達はへばっています。怖かったけどとっても楽しかったとひかり。記憶あるのか心配です。ひかりになぎささんが一番楽しそうだったと突っ込まれます。苦笑するなぎさ。ほのかは全てはここから始まったと言います。良い思い出というより大変な思い出のような気もしますが、それぞれに繋がりを持つ契機となった場所です。ひかりはルルンが皆を守ってあげると言ったことを伝えます。頷くルルン。「何があっても大丈夫、三人がお互いに信じあって力を合わせれば」「どんなことでも乗り越えていけるよね」「はい」清清しい友情です。
ルルンが居ないことに気づくポルン。ルルンは風船を追って一人走り出しています。追いかける三人。
⑤ひかりの意思
探せど見つからないルルン。そうこうしている内に邪悪な気配まで出てきます。ひかりを残して探しに行こうとするふたりに私も行きますと強く返すひかり。ルルンを守ると約束したからには自分がただ待っているわけにはいきません。空模様が邪悪な色になります。風船を持っていたお客さんが倒れます。離された風船を掴むルルン。そのまま上昇します。軽いなルルン。それを高い位置で待ち受けるサーキュラス。いろんな意味で怖い図です。案の定ルルンを捕まえます。ルルンを尋問しようとしますがルルンは泣くばかりです。
ポルンの案内によりサーキュラスのもとにたどり着く三人。ルルンが何者かと聞くサーキュラス。友達と即答えるなぎさ。返してくださいとひかり。無論、そんな言葉に納得するはずもなく、ルルンを今すぐにでも殺めかねないサーキュラス。
「そんな、そんなこと絶対に許さない!ポルン!!」シャイニールミナスへと変身します。母は強いです(ちょっと違う)。
「ルルンを、ルルンを返しなさい!」と指差して構えるルミナス。いつになく強い意思です。なぎさとほのかも変身します。
上方から躍り出るサーキュラス。マントを使ってルミナスとプリキュアを吹き飛ばします。瓦礫に埋まるプリキュア。ルミナスも柱の下敷きになっています。そいつを助けるどころか自分の身すら守れんぞ、と余裕のサーキュラス。起き上がろうにも柱が重く起き上がれないルミナス。サーキュラスがさらに言葉責め(他意はない)を続けますが「私は逃げません。ルルンを、そして皆を必ず助けてみせます」とルミナスは気丈です。ルルン諸共一網打尽にしようとするサーキュラスを止める為に力を振り絞って立ち上がり挑みかかります。何度倒されても立ち上がるルミナス。いつになく必死です。必死に逃げるのではなく挑みます。弱肉強食の論理を唱えるサーキュラスに「そんなこと許されるはずが無い」と反論します。ルミナスは怒ると口調が命令形・断定刑になります。サーキュラスの攻撃を耐えるルミナスを見つめるルルンは力を発動させます。
⑥ルルンの未来を照らす光
ルルンから放たれる光。サーキュラスも驚いて攻撃の手を止めます。プリキュアも瓦礫から復帰。光がさらに強くなりサーキュラスはルルンを離してしまいます。宙に浮かぶルルン。そして超絶可愛いくなるルミナス。なっ、なんだこの作画!?胸のブローチが輝きだします。ルミナスのもとに舞い降りるルルン。それを見たサーキュラスは「闇の力は最強だー!」とか叫びながら突っ込んできます。内心ではルミナスが可愛くなったのでいてもたってもいられなくなったのでしょう。コミューンになったルルンは「光が未来を照らすルルー」と叫んでルミナスのブローチ目掛けて光が一閃します。反動でよろめくルミナス。そこはかとなくエロいです。同時に襲い掛かるサーキュラス。目がヤバイです。ヤツは本気です。このままではいろんな意味で日曜の朝から放送できなくります。胸に輝く真新しいブローチ。そして、ルミナスを中心として・・・何かものすごい結界が発生してサーキュラスを吹き飛ばします。カッコイイ。洋館にいる少年は何かに気づいたように一点を見つめます。
サーキュラスが吹っ飛び、ルミナスが無事なのを確認したプリキュアはブレスを召還します。この時ルミナスが手を広げた形でポーズをとっていますが、小さな光が数個ハートをかたどるように浮かんでいます。その数5つ。取得しているハーティエルの数ですね(シークンはチェアレクトに入っていないのでノーカウント)。数が増えると変化起きるかな?
ブレス装着完了。プリキュアも凛々しさアップです。ぶつかり合う両者。高速格闘戦キター。まってましたー!華麗にして圧倒的なパワーを持つプリキュア。遊園地をバコバコぶっ壊しながら突き進みます。サーキュラスも負けじと全力攻撃を仕掛けます。怖すぎ。子ども泣きそう。エネルギーの塊にパンチとキックを打ち込むプリキュア。爆発。地面を削りながら滑って距離を離します。再度力を溜めるサーキュラス。っていうか、もう、このアニメは何なんだ。スクリューとぶつかった闇の弾は砕け散ります。生身でスクリューを抑えるもスパークが加わり撤退するサーキュラス。その瞬間に映し出される洋館の少年。
ルルンを抱えるルミナス。ブローチは何なのか。窓の外を見つめる少年。物語は新たな役者を加えて動き出します。
○トピック
遊園地をうまく使ってましたね。楽しい雰囲気と物語としての舞台効果両方を満たしていたと思います。
戦闘が凄まじかったので忘れてしまいそうですが、今回はひかりをメインにして色々とやっていました。前回はポルンとルルンを繋ぐ話で今回はひかりとルルンを繋ぐ話。序盤のなぎさ達との会話からもひかり自身の成長は目を見張るものがあります(むしろ、なぎさとほのかがその成長に追いつけていない節がある)。ルルンを加えることによってひかりは新たな関係構築やスキル(子守とか)が必要になってくるのですが、今回の話でその基盤が出来上がっています。また、ひかりの話として欠かせないのは少年との関係。ルミナスがパワーアップ?をしたときに少年が何やら気づいたのも今まで同様何かの示唆でしょう。その辺は来週以降動きがありそう。最後にこれも重要ですが、ひかりの部屋でのルルンとの会話。ひかりが光の園へと帰るのか虹の園に住み続けるのか、その問いが立てられたことも見逃せません。
ルルンを守るために頑張るルミナス。新しい力も防御系(ただの力の発露か?)みたいなので、攻撃して勝ち取るのではなく、守ることで大切な人を助ける役目ですね。思えば、プリキュアに守られていたルミナスが守る立場になっていることも成長の証として見れますね。正確に言えば、戦闘においてルミナスは一番弱かったので守られるしかなかったんですね。戦闘に巻き込まれた奈緒・美羽、忠太郎、さなえさんは例外的ですけども。今気づいたらユリコ除いたら戦闘に巻き込まれた人をほとんど守ろうとしてますね。ルルンが加わることで非戦闘要員が出来てルミナスよりも弱い者がいることになります。これによってルミナスは否応なく(否とは言わないでしょうが)ルルンを守る者として位置づけられます。他者との関係で役割が変化するのは実世界でも当たり前のことですね(ベテラン社員でも後輩が居なければ最下級でしょうし、逆に勤続年数が少なくても後輩が居れば先輩として振舞わなければならない)。
それにしても今回はルミナスが激可愛かったので何でもOKです(そんなんでいいのか)
美少女と野獣。変態からルミナスを守れプリキュア。
①ひかりの日常
マンション前の信号で考え事をするなぎさ。前回ルミナスに起こった現象は何なのか。信号が赤から青に変わっても答えは出ません。
公園のベンチでおしゃべりをする三人。ひかりがポルンとルルンの世話で大変だろうと気遣うなぎさとほのか。なお、ほのかの膝の上にいるポルンが羨ましいです。ひかりの膝の上にいたルルンはポルンの方へ移動します。不満そうなポルン。場所を変えます。移動するルルン。逃げられません。
なぎさは前回のルミナスに起きた出来事をシークンに尋ねますがシークンも分からないようです。ルルンに感じたものが何であるかも上手く説明できません。肝心のルルンも答えを求めるには幼すぎます。結局何の手がかりも情報も無し。
アカネさんの呼び声。ひかりの休憩時間が終わったので呼びにきたようです。ポルンをポケットに入れルルンを入れたバッグを持って行きます。荷物がいっぱいです。ポルンルルンの面倒を見るために休む暇がない、とこぼすなぎさ。仕事と育児は大変です。夜泣きする時期の子供を持っている同僚の人はいつも死に掛けたような顔してますね。アカネさんが世間話をしてきますが、それを軽く流してさっさとなぎさとほのかはひかりのもとへ行きます。独り残されるアカネさん。ちょっと可哀想です。
タコカフェでは水を入れた容器をひかりが運んでいます。手伝うとなぎさとほのかは呼びかけますが、ひかりは自分の仕事だから自分でやるとハッキリと言います。顔を見合わせてしまうなぎさとほのか。ひかりは勤勉な性格ではありますが、キチンと自分の仕事と意思を持って動いています。かつていた何も分からず助けを必要とする娘はそこにはいません。今は一人の(精神的に)自立した娘がいます。強引に穿って見ればなぎさほのかからの一人立ちの前兆みたいなシーンですが、彼女達の身分は(19話をキッカケに)並列的に扱うのが正しいでしょうから、これはひかりのひかりとしての日常として見ることができます。何気に「仕事をしている」のはなぎさにもほのかにも無いひかりだけの要素なのでよりハッキリと分かります。仕事という面に関しての意識はひかりの方に一日の長があります。それと最初働くお母さんの比喩だと思いました。プリキュアに登場する女の子はみな強くたくましいです。そして活き活きしています。
②小さな絆と約束
帰り道。ルルンがいるためにひかりに負担がかかっているのではないかと心配するふたり。気晴らしにひかりをどこかに連れてってあげることを思いつくなぎさ。何かお爺ちゃんお婆ちゃんみたいな感じだなぁ(あながち比喩としてまちがってないような、しかし、女子中学生ですでに老齢な立場って何だ)。場所は遊園地。ひかり大喜びだよ、と言いながら自分が一番楽しそうです。ジト目でつっこむほのか。まっ、自分がまず楽しめるものをチョイスするのは間違いでは無いでしょう。
アカネさんアパート。ひかりの自室ではポルンとルルンが積み木をしています。本格的に子どもみたいな感じです。ひかりは前回自分に起きたことを思い返します。ポルンが積み木を崩した音で我に返るひかり。ポルンは眠そうです。ルルンはまだ元気ですが、ポルンはダウンしてコミューンに転じます。残されるルルンにもう少し一緒に遊んだら休もうと諭すひかり。うお、いつの間にか子守の仕方を習得してるよこの娘。前回できなかったことがすんなりできてるじゃん。やっぱそういう環境にいると慣れるよね。
ルルンはひかりを見つめながらひかりは優しいと言います。そしてひかりは光の園へ帰る?と尋ねます。ルルンにひかりがクイーンの命であると教えられたシーンはありませんが、仮に教えられなくてもおそらくは気づくのでしょう。そしてこんなストレートなこともルルンだから言えます。「私はここしか知らないから」「ずっとここにいるルル?」「それは」「ルルンは光の園で皆と一緒にいたいルル」思わず顔を少し下げて考えるひかり。ルルンはそのまま無邪気にポルンがいる、ひかりがいる、ひかりが大好き、皆大好き、だからルルンが守ってあげると踊りながら答えます。うっ、可愛い。「ありがとう」とひかり。ひかりもルルンを守ってあげると言います。約束するふたり。
③少年は見た
洋館。ビリヤードをするお笑いトリオ。ルルンの大きさについてまだ言っているウラガノス。律儀に答えるサーキュラス。話を進めるビブリス。ルルンが増えたことの意味を考えます。分かっても苦労するような気がするとウラガノス。まあ、そうだろうなぁ。ウラガノスの問いを無視して早く打てと言うビブリス。構えウラガノスをサーキュラスが制します。「俺の順番飛ばしてないか?」「だってビブリスが」「誰でもいい早く打て」「あー開き直った!」「自分が間違えたときは素直に認めなきゃ」「そうだぞビブリス」「あー面倒くさいあたしが打つ」「あー」「絶対謝らないタイプだよねぇ」「バルデス帰ってきたら言いつけちゃうもんね」お前ら楽しそうですね・・・その会話を鍵穴からのぞき見る少年。自分のおかれた環境に不安を持たないか心配です。
④遊園地
ジェットコースターに乗る三人。ほのかはひかりを心配しますがなぎさはノリノリです。たぶん当初の目的は忘れられています。ゆっくりと発進するコースター。するとメップルミップルポルンがゴーグル装備で出てきます。オムプ、シカルプに作ってもらったようです。なかなかコミカルな図です。高度が上がっていきます。景色がよくなり「綺麗」とひかり。余裕そうです。落下するコースター。なぎさ楽しそうです。ほのかは悲鳴をあげます。流石にこの状況ではほのかでもだめみたいです。ひかりは目を開いて無言、微動だにしません。荷物預かり場でも固まっています。なぎさに叩かれてやっと気づくひかり。なるほど、そういうリアクションできたか。可愛ええのぉ。
ベンチで休む一同。メップル達はへばっています。怖かったけどとっても楽しかったとひかり。記憶あるのか心配です。ひかりになぎささんが一番楽しそうだったと突っ込まれます。苦笑するなぎさ。ほのかは全てはここから始まったと言います。良い思い出というより大変な思い出のような気もしますが、それぞれに繋がりを持つ契機となった場所です。ひかりはルルンが皆を守ってあげると言ったことを伝えます。頷くルルン。「何があっても大丈夫、三人がお互いに信じあって力を合わせれば」「どんなことでも乗り越えていけるよね」「はい」清清しい友情です。
ルルンが居ないことに気づくポルン。ルルンは風船を追って一人走り出しています。追いかける三人。
⑤ひかりの意思
探せど見つからないルルン。そうこうしている内に邪悪な気配まで出てきます。ひかりを残して探しに行こうとするふたりに私も行きますと強く返すひかり。ルルンを守ると約束したからには自分がただ待っているわけにはいきません。空模様が邪悪な色になります。風船を持っていたお客さんが倒れます。離された風船を掴むルルン。そのまま上昇します。軽いなルルン。それを高い位置で待ち受けるサーキュラス。いろんな意味で怖い図です。案の定ルルンを捕まえます。ルルンを尋問しようとしますがルルンは泣くばかりです。
ポルンの案内によりサーキュラスのもとにたどり着く三人。ルルンが何者かと聞くサーキュラス。友達と即答えるなぎさ。返してくださいとひかり。無論、そんな言葉に納得するはずもなく、ルルンを今すぐにでも殺めかねないサーキュラス。
「そんな、そんなこと絶対に許さない!ポルン!!」シャイニールミナスへと変身します。母は強いです(ちょっと違う)。
「ルルンを、ルルンを返しなさい!」と指差して構えるルミナス。いつになく強い意思です。なぎさとほのかも変身します。
上方から躍り出るサーキュラス。マントを使ってルミナスとプリキュアを吹き飛ばします。瓦礫に埋まるプリキュア。ルミナスも柱の下敷きになっています。そいつを助けるどころか自分の身すら守れんぞ、と余裕のサーキュラス。起き上がろうにも柱が重く起き上がれないルミナス。サーキュラスがさらに言葉責め(他意はない)を続けますが「私は逃げません。ルルンを、そして皆を必ず助けてみせます」とルミナスは気丈です。ルルン諸共一網打尽にしようとするサーキュラスを止める為に力を振り絞って立ち上がり挑みかかります。何度倒されても立ち上がるルミナス。いつになく必死です。必死に逃げるのではなく挑みます。弱肉強食の論理を唱えるサーキュラスに「そんなこと許されるはずが無い」と反論します。ルミナスは怒ると口調が命令形・断定刑になります。サーキュラスの攻撃を耐えるルミナスを見つめるルルンは力を発動させます。
⑥ルルンの未来を照らす光
ルルンから放たれる光。サーキュラスも驚いて攻撃の手を止めます。プリキュアも瓦礫から復帰。光がさらに強くなりサーキュラスはルルンを離してしまいます。宙に浮かぶルルン。そして超絶可愛いくなるルミナス。なっ、なんだこの作画!?胸のブローチが輝きだします。ルミナスのもとに舞い降りるルルン。それを見たサーキュラスは「闇の力は最強だー!」とか叫びながら突っ込んできます。内心ではルミナスが可愛くなったのでいてもたってもいられなくなったのでしょう。コミューンになったルルンは「光が未来を照らすルルー」と叫んでルミナスのブローチ目掛けて光が一閃します。反動でよろめくルミナス。そこはかとなくエロいです。同時に襲い掛かるサーキュラス。目がヤバイです。ヤツは本気です。このままではいろんな意味で日曜の朝から放送できなくります。胸に輝く真新しいブローチ。そして、ルミナスを中心として・・・何かものすごい結界が発生してサーキュラスを吹き飛ばします。カッコイイ。洋館にいる少年は何かに気づいたように一点を見つめます。
サーキュラスが吹っ飛び、ルミナスが無事なのを確認したプリキュアはブレスを召還します。この時ルミナスが手を広げた形でポーズをとっていますが、小さな光が数個ハートをかたどるように浮かんでいます。その数5つ。取得しているハーティエルの数ですね(シークンはチェアレクトに入っていないのでノーカウント)。数が増えると変化起きるかな?
ブレス装着完了。プリキュアも凛々しさアップです。ぶつかり合う両者。高速格闘戦キター。まってましたー!華麗にして圧倒的なパワーを持つプリキュア。遊園地をバコバコぶっ壊しながら突き進みます。サーキュラスも負けじと全力攻撃を仕掛けます。怖すぎ。子ども泣きそう。エネルギーの塊にパンチとキックを打ち込むプリキュア。爆発。地面を削りながら滑って距離を離します。再度力を溜めるサーキュラス。っていうか、もう、このアニメは何なんだ。スクリューとぶつかった闇の弾は砕け散ります。生身でスクリューを抑えるもスパークが加わり撤退するサーキュラス。その瞬間に映し出される洋館の少年。
ルルンを抱えるルミナス。ブローチは何なのか。窓の外を見つめる少年。物語は新たな役者を加えて動き出します。
○トピック
遊園地をうまく使ってましたね。楽しい雰囲気と物語としての舞台効果両方を満たしていたと思います。
戦闘が凄まじかったので忘れてしまいそうですが、今回はひかりをメインにして色々とやっていました。前回はポルンとルルンを繋ぐ話で今回はひかりとルルンを繋ぐ話。序盤のなぎさ達との会話からもひかり自身の成長は目を見張るものがあります(むしろ、なぎさとほのかがその成長に追いつけていない節がある)。ルルンを加えることによってひかりは新たな関係構築やスキル(子守とか)が必要になってくるのですが、今回の話でその基盤が出来上がっています。また、ひかりの話として欠かせないのは少年との関係。ルミナスがパワーアップ?をしたときに少年が何やら気づいたのも今まで同様何かの示唆でしょう。その辺は来週以降動きがありそう。最後にこれも重要ですが、ひかりの部屋でのルルンとの会話。ひかりが光の園へと帰るのか虹の園に住み続けるのか、その問いが立てられたことも見逃せません。
ルルンを守るために頑張るルミナス。新しい力も防御系(ただの力の発露か?)みたいなので、攻撃して勝ち取るのではなく、守ることで大切な人を助ける役目ですね。思えば、プリキュアに守られていたルミナスが守る立場になっていることも成長の証として見れますね。正確に言えば、戦闘においてルミナスは一番弱かったので守られるしかなかったんですね。戦闘に巻き込まれた奈緒・美羽、忠太郎、さなえさんは例外的ですけども。今気づいたらユリコ除いたら戦闘に巻き込まれた人をほとんど守ろうとしてますね。ルルンが加わることで非戦闘要員が出来てルミナスよりも弱い者がいることになります。これによってルミナスは否応なく(否とは言わないでしょうが)ルルンを守る者として位置づけられます。他者との関係で役割が変化するのは実世界でも当たり前のことですね(ベテラン社員でも後輩が居なければ最下級でしょうし、逆に勤続年数が少なくても後輩が居れば先輩として振舞わなければならない)。
それにしても今回はルミナスが激可愛かったので何でもOKです(そんなんでいいのか)
美少女と野獣。変態からルミナスを守れプリキュア。
第29話「ウソマジホント?ポルンの子守大作戦!」
○今週の出来事
①新しいお友達
光の園。前回ホーピッシュから飛び立ったのはルルンだと知る長老。ルルンはポルンを慕っているようです。何故プリズムストーンはルルンを虹の園に?と疑問になる番人。ホーピッシュにエレベータのような「虹の園」とかの行き先ボタンは無いようです。てっきりそれくらい便利で融通が利くアイテムだと思っていたのですが。解説する長老。どうやらルルンは将来必要になる人材らしいです。「全てを生み出す力」の采配ってやつでしょうか。ついでにその力で長老のボケも治してあげてください。
なぎさ。ルルンを思い返します。「未来を紡ぐって一体・・・」と独り言。
②ポルンの受難
いつもの道草でしょうがタコカフェへ来るなぎさ。公園のベンチのところでほのかとひかりがいます。いつもと様子が違うようです。ベンチを見るとポルンがへばっています。それはもう死体のように。耳のへたれ具合とか見るからに哀愁を誘うほどのへばりようです。キョトンとした様子のルルン。
ひかりの証言によると昨日からルルンの相手をしていてへばったようです。ルルンを保護しているのはひかりか。ポルンを追いかけてきたのでなし崩し的にそうなるのでしょう。倒れているポルンをつつくルルン。遊び足りないようです。流石にこれ以上は堪らんとばかりに起き上がって「お終いポポ」とポルン。するとルルンは盛大に泣き出してしまいます。多分、自分の体積よりも多い涙の量です。困り果てる一同。
アカネさんの声。慌てる一同。アカネさんはベンチの様子には気付かなかったようでタコカフェカーの方へ向かいます。ベンチの上ではルルンを隠すようにメップルミップルポルンがかたまっています。人数が増えているので隠蔽工作がだんだん難しくなってきました。
③子守(ルルン)
洋館。新しい生き物(ルルン)について他の面子に情報提供するサーキュラス。ウラガノスが大きいのかちっちゃいのか?との質問に律儀に答えるサーキュラス。大きいか小さいかの判断基準しかないウラガノスもウラガノスですが、サーキュラスも大きさを例えるような言い回しをした方がいいと思います。仲裁するビブリス。「お前たちの話を聞いているとこっちまでおかしくなる」と言われた時にサーキュラスが少し俯くのですが、とても哀愁を感じさせます。
話を纏めるビブリス。ナイス進行役です。ウラガノスが大きさの真偽を確かめるために(ちょっと違う)出陣です。
たこ焼きを美味しそうに食べるなぎさ。この娘は一体今までで何個たこ焼きを食べたのだろう?それはそうとこの時ほのかはジュースを飲んでいたのですが、そのシーンは今回最大の萌えどころです。「ジュースを飲んでいる」時でも「飲み終わった」時でもありません。「飲んでいる」時から「飲み終わった」へ移行する時の表情の動きが萌えです(細けぇ)。あのトロンとした瞳がたまりませんな。
ベンチではポルンがお昼寝モードです。ルルンも疲れたようでコミューン形態に転じます。出ましたよ超強気高額商品。その値段は税込み10500円!ポルンの9975円を上回ります。ポルンの横でお昼寝するルルン。並べるとルルンの方が大きいのがちょっと面白いです。
寝付いたことを喜ぶメップルミップル。なぎさが声をかけてきますが「シーっ」と制します。夫婦みたいだな。ひかりは仕事が忙しいだろうからルルンを預かるとなぎさ。去年のポルンでこの手の子守は慣れています。躊躇うひかり。ほのかも「ふたりでちゃんと面倒みるから」と後押しします。ほのかが言うとルルンの子守よりも「ふたりで」の方が強調されるのは気のせいでしょうか?
なぎさとほのかが去り、独りになるひかり。寝ているポルンに「寂しくなっちゃたね」と語りかけます。ひかりが言うと言葉以上の意味があるように感じます。大人しい娘ですがそれでも友達といる方が楽しいのでしょう。
なぎさマンション。タコカフェとマンションてどの位の距離があるんだろう?なぎさはお昼寝モードです。ほのかは雑誌を読んでいます。ほのか、絶好のチャンスです!決行するなら今です!まさに計画通り。金品を奪って逃亡です(そっちかよ)。・・・身元が割れているのでダメか。そもそもなぎさに金品なんて無いか。いや、そういう問題でもないか。
起きるルルン。なぎさも起きます。ポルンがいないので泣き出すルルン。何を言っても聞き入れません。光の園でもポルンにくっ付いていたとメップルミップル。ポルンとルルンは兄妹ではないようです。
シークンが部屋に入ってきます。泣くのをやめてお互いに見つめ合うルルン。このツーショットは面白いな。シークンは何かを感じているようです。
④子守(ありさ)
タコカフェでひかりがお手伝いしていると、幼い兄妹が元気に走ってきます。しかしクマさんがいないことに気付いた妹。兄はクマさんを探すためにタコカフェのアカネさんに妹を預けます。妹を元気づけてその場を去ります。なかなかしっかり者のようです。引き受けたアカネさんはひかりに委任します。ひかりはテーブルのところへ案内し自己紹介して名を尋ねます。少女は「ありさ」と答えます。
なぎさのぬいぐるみに隠れるルルン。どうやら抗議の態度のようです。タコカフェに戻ることにします。それを聞いたルルンは大喜びで飛び出してきます。現金です。
日も落ちてきたようで夕暮れ。ひかりはありさにジュースを持ってきます。しかし、ありさの表情は沈んだままです。兄が帰ってこないので不安になっています。笑顔で大丈夫と答えるひかりですが、ありさは堪らず泣き出してしまいます。泣き顔のありさにルルンの泣き顔を重なるポルン。
ひかりは「お腹空いたでしょ?」と食べ物でご機嫌を取ろうとします。・・・個人的に既視感。ひかり、食べ物とかモノで釣ろうってのはあまり良い方法とは言えないぞ。そういう時は子どもと同じ目線になって話したり遊んだ方が良いと思う。もっとも、それは性格的に向いている人や子守に慣れている人でなければ難しいことですが。だから、ひかりのモノで気をそらそうとする発想は十分理解できる。私も同じこと考えるから。ひかりのセリフが少々空元気気味になっているもの同様。この状況に戸惑っているから。意図しているのか分かりませんが、ひかりのこの態度は見事です。今のひかりではありさの子守は荷が重いのです。
ありさはひかりの言葉を無視して一人駆け出します。追いかけるひかり。おそらく幼稚園でも年少組であろうありさになかなか追いつけないひかり。体力がどうとかの問題ではないような気がします。
突然立ち止まったありさに追いつくと、その目の前には滑り台の上に立つウラガノス。場違いも良い所です。まさかその巨体で滑ろうとか思ってませんよね?恐怖に言葉も出ないありさを支えるひかり。
CMアイキャッチ変更。めったに出ないカードの人達。そして秋制服仕様キター。可愛いなチクショウ。ポルンとルルン邪魔(酷ぇ)
⑤ウラガノス
滑ることはしませんが普通に降りてくるウラガノス。足元細いと思うんだけど。ありさはひかりにしがみ付いて兄の名を呼ぶと失神します。よほどの緊張と恐怖です。それには構わずウラガノスは新しい仲間について聞きます。知りませんと答えるひかり。声に恐怖の色がありありと見えます。ひかりに容赦なく攻撃するウラガノス。それにしてもこいつデケーな。
ポルンの危機を感じ取ったルルンはなぎさほのかの元を離れて走り出します。ちょこまかと動きますが移動速度は恐ろしく遅いです。追いかけるふたり。
ベンチにありさを横たえるひかり。脅威は去っておりません。再度新しい仲間について聞くウラガノス。「デカイやつだ」「そんな人いません」「んじゃ、ちっちゃいやつだ」「そんな人も知りません」・・・律儀だなぁひかり。滑稽に見えなくもないんだけど、ひかりの受け答えが真剣なので緊迫感が強いです。おそらくしらばっくれている(ウラガノスをだましている)のではなく、本当にいないし知らないと思っているのでしょう。極度の緊張で質問の意味が分かっていないのではないかと思います。
逃げるひかり。追う途中ブランコに弁慶の泣き所をぶつけるウラガノス。痛いらしいです。追い詰められるひかり。変身することも忘れているかもしれません。
そこにルルンが駆けつけます。ウラガノスに自己紹介(たぶん啖呵切っている)するルルン。サーキュラスの言っていた者がルルンであったと納得するウラガノス。サーキュラスはこのルルンに何を感じたのか?萌えで無いことは確かです。ヤツはルミナス一筋です。
ポルンはポケットから飛び出すとルルンを庇うように前に躍り出ます。おお、かっこいいぞ。「一緒に握りつぶしてやるわ」と言われてひかりの元に駆け寄るポルンとルルン。怖いものは怖いか。ポルンとルルンを抱きかかえ、指一本触れさせないと啖呵を切るひかり。
そこにようやくなぎさとほのかが到着します。さてはルルンを見失って探していたな。ザケンナーを召喚するウラガノス。背景も夕暮れから戦闘モードに切替えです。ルルンは林に退避します。
⑥ルルンの秘めたる力
変身です。夏服も見納めかもしれませんね。
にらみ合う両者。プリキュアはまだしもルミナスは不安顔です。ザケンナーの先制攻撃。そんな短い腕で、と思ったらスプリングが伸びて迫ってきます。セコイ仕掛けですが非常に効果的な偽装です。
ルルンに迫るウラガノス。逃げるルルンをキャッチしてルミナスも逃げます。ザケンナーVSプリキュア。重量級の相手に苦戦です。飛び道具も使うザケンナー。しかもねずみ花火式の爆発物です。関連性はよくわかりませんが面倒な武器です。爆風に吹き飛ばされ、ルルンを手放すルミナス。ウラガノスに捕まってしまいます。逃げられないルミナス。大ピンチです。ふと思ったのですがハーティエルバトンをウラガノスの頭に落とすというのはどうでしょうか?ダメージは無くてもウラガノスなら面白いリアクションしそうです。
ルルンが叫ぶと同時に胸元の宝玉(?)から光が溢れ出ます。それに呼応してルミナスの胸元にあるハート型のブローチも光り出します。思わず手を離すウラガノス。地面にゆっくりと着地するルミナス。着地したときの服のシワのより方が魅惑的です(そういうとこに目を向けんでいい)。光るブローチに手をかざすルミナス。おそらく本人もわかっていません。輝きが失われます。同時にルルンも疲れ切ったように倒れこみます。
あとはいつものお約束どおりに幹部とザケンナーが一直線に並んでスパーク発射です。ゴメンナー。
眠るルルンを抱きかかえるルミナス。ルルンを見つめるその表情には驚きと心配と他の感情(うまく言えない)が混ざっているように見えます。
⑦繋がり
ありさの元に返ってくる兄。今まで不安だったのが嘘だったみたいに笑顔になるありさ。クマさんを見つけてきてくれた兄にありがとうと言います。手を繋いで帰ります。
滑り台で遊ぶメップルミップル。ルルンもつられて遊び出します。何だかんだでルルンの面倒を見るポルン。
⑧次回予告
映画の告知始まりましたか。「またみてね」は健在ですが予告は短縮。これ、映画公開までやるのかな?あと、ほのかスキー上手すぎ。
○トピック
ありさ兄妹を対比にしているように、ポルンとルルンの関係がメイン。ありさ兄のように面倒見が良い訳ではありませんが、ポルンはポルンなりにルルンを大事に思っていることが分かります。
出番の割りにひかりはありさの子守では上手くいきませんでしたしルルンとも進展無し。子守については先に書いたように今のひかりでは無理でしょう。それを問題視しないのも仕方無いところです。問題視したからといってどうなるわけでもないので、こういうのは経験等で(たぶんルルンとの関係で)自然と身に付いていくと思われます。ひかりとルルンは直接の関係は無いのでしょうが、一作目のなぎさ達とポルンの関係構築と同じように進めていくのでしょう。この作品はそういうところに抜かりは無いです。
ちなみに、今週は感想書くの遅くなったので各所見てから書いているのですが、一番印象深かったのはモンタギュー氏(テクスト経営システム9月11日日記)の感想でした。勝手に引用させていただきます。
手がかかる子供は実際には未来を紡ぐ大切な存在であり、養育の負担は特定の血縁者ひとりに負わせるのではなく皆で分担するものだ。こういうメッセージが提示される。けれども最後はやはり子にとっては特別な存在があること――アリサにとっての兄、ルルンにとってのポルン――も示唆されており、テーマにぐっと奥行きや多面性が加わっている。
この読みに脱帽。絆や信頼関係をメインにしているプリキュアですが、ややもするとそれに囚われがちになって見ることも多いのですが、もっと視野を広げればそう見る事もできますね。MHは一作目よりもテーマが広くなっている気がするのでそう思えます(私は次世代を育てるのは現世代の絶対的義務だと考えているので余計にそう考える)。
なお、氏が言っているように、女同士の友情や兄妹愛や親無し(ひかり)について後ろ向きなイメージが起きかねないのにも関わらず、逆に清清しく見せることが出来るプリキュアの作品作りは素敵だと思います。
①新しいお友達
光の園。前回ホーピッシュから飛び立ったのはルルンだと知る長老。ルルンはポルンを慕っているようです。何故プリズムストーンはルルンを虹の園に?と疑問になる番人。ホーピッシュにエレベータのような「虹の園」とかの行き先ボタンは無いようです。てっきりそれくらい便利で融通が利くアイテムだと思っていたのですが。解説する長老。どうやらルルンは将来必要になる人材らしいです。「全てを生み出す力」の采配ってやつでしょうか。ついでにその力で長老のボケも治してあげてください。
なぎさ。ルルンを思い返します。「未来を紡ぐって一体・・・」と独り言。
②ポルンの受難
いつもの道草でしょうがタコカフェへ来るなぎさ。公園のベンチのところでほのかとひかりがいます。いつもと様子が違うようです。ベンチを見るとポルンがへばっています。それはもう死体のように。耳のへたれ具合とか見るからに哀愁を誘うほどのへばりようです。キョトンとした様子のルルン。
ひかりの証言によると昨日からルルンの相手をしていてへばったようです。ルルンを保護しているのはひかりか。ポルンを追いかけてきたのでなし崩し的にそうなるのでしょう。倒れているポルンをつつくルルン。遊び足りないようです。流石にこれ以上は堪らんとばかりに起き上がって「お終いポポ」とポルン。するとルルンは盛大に泣き出してしまいます。多分、自分の体積よりも多い涙の量です。困り果てる一同。
アカネさんの声。慌てる一同。アカネさんはベンチの様子には気付かなかったようでタコカフェカーの方へ向かいます。ベンチの上ではルルンを隠すようにメップルミップルポルンがかたまっています。人数が増えているので隠蔽工作がだんだん難しくなってきました。
③子守(ルルン)
洋館。新しい生き物(ルルン)について他の面子に情報提供するサーキュラス。ウラガノスが大きいのかちっちゃいのか?との質問に律儀に答えるサーキュラス。大きいか小さいかの判断基準しかないウラガノスもウラガノスですが、サーキュラスも大きさを例えるような言い回しをした方がいいと思います。仲裁するビブリス。「お前たちの話を聞いているとこっちまでおかしくなる」と言われた時にサーキュラスが少し俯くのですが、とても哀愁を感じさせます。
話を纏めるビブリス。ナイス進行役です。ウラガノスが大きさの真偽を確かめるために(ちょっと違う)出陣です。
たこ焼きを美味しそうに食べるなぎさ。この娘は一体今までで何個たこ焼きを食べたのだろう?それはそうとこの時ほのかはジュースを飲んでいたのですが、そのシーンは今回最大の萌えどころです。「ジュースを飲んでいる」時でも「飲み終わった」時でもありません。「飲んでいる」時から「飲み終わった」へ移行する時の表情の動きが萌えです(細けぇ)。あのトロンとした瞳がたまりませんな。
ベンチではポルンがお昼寝モードです。ルルンも疲れたようでコミューン形態に転じます。出ましたよ超強気高額商品。その値段は税込み10500円!ポルンの9975円を上回ります。ポルンの横でお昼寝するルルン。並べるとルルンの方が大きいのがちょっと面白いです。
寝付いたことを喜ぶメップルミップル。なぎさが声をかけてきますが「シーっ」と制します。夫婦みたいだな。ひかりは仕事が忙しいだろうからルルンを預かるとなぎさ。去年のポルンでこの手の子守は慣れています。躊躇うひかり。ほのかも「ふたりでちゃんと面倒みるから」と後押しします。ほのかが言うとルルンの子守よりも「ふたりで」の方が強調されるのは気のせいでしょうか?
なぎさとほのかが去り、独りになるひかり。寝ているポルンに「寂しくなっちゃたね」と語りかけます。ひかりが言うと言葉以上の意味があるように感じます。大人しい娘ですがそれでも友達といる方が楽しいのでしょう。
なぎさマンション。タコカフェとマンションてどの位の距離があるんだろう?なぎさはお昼寝モードです。ほのかは雑誌を読んでいます。ほのか、絶好のチャンスです!決行するなら今です!まさに計画通り。金品を奪って逃亡です(そっちかよ)。・・・身元が割れているのでダメか。そもそもなぎさに金品なんて無いか。いや、そういう問題でもないか。
起きるルルン。なぎさも起きます。ポルンがいないので泣き出すルルン。何を言っても聞き入れません。光の園でもポルンにくっ付いていたとメップルミップル。ポルンとルルンは兄妹ではないようです。
シークンが部屋に入ってきます。泣くのをやめてお互いに見つめ合うルルン。このツーショットは面白いな。シークンは何かを感じているようです。
④子守(ありさ)
タコカフェでひかりがお手伝いしていると、幼い兄妹が元気に走ってきます。しかしクマさんがいないことに気付いた妹。兄はクマさんを探すためにタコカフェのアカネさんに妹を預けます。妹を元気づけてその場を去ります。なかなかしっかり者のようです。引き受けたアカネさんはひかりに委任します。ひかりはテーブルのところへ案内し自己紹介して名を尋ねます。少女は「ありさ」と答えます。
なぎさのぬいぐるみに隠れるルルン。どうやら抗議の態度のようです。タコカフェに戻ることにします。それを聞いたルルンは大喜びで飛び出してきます。現金です。
日も落ちてきたようで夕暮れ。ひかりはありさにジュースを持ってきます。しかし、ありさの表情は沈んだままです。兄が帰ってこないので不安になっています。笑顔で大丈夫と答えるひかりですが、ありさは堪らず泣き出してしまいます。泣き顔のありさにルルンの泣き顔を重なるポルン。
ひかりは「お腹空いたでしょ?」と食べ物でご機嫌を取ろうとします。・・・個人的に既視感。ひかり、食べ物とかモノで釣ろうってのはあまり良い方法とは言えないぞ。そういう時は子どもと同じ目線になって話したり遊んだ方が良いと思う。もっとも、それは性格的に向いている人や子守に慣れている人でなければ難しいことですが。だから、ひかりのモノで気をそらそうとする発想は十分理解できる。私も同じこと考えるから。ひかりのセリフが少々空元気気味になっているもの同様。この状況に戸惑っているから。意図しているのか分かりませんが、ひかりのこの態度は見事です。今のひかりではありさの子守は荷が重いのです。
ありさはひかりの言葉を無視して一人駆け出します。追いかけるひかり。おそらく幼稚園でも年少組であろうありさになかなか追いつけないひかり。体力がどうとかの問題ではないような気がします。
突然立ち止まったありさに追いつくと、その目の前には滑り台の上に立つウラガノス。場違いも良い所です。まさかその巨体で滑ろうとか思ってませんよね?恐怖に言葉も出ないありさを支えるひかり。
CMアイキャッチ変更。めったに出ないカードの人達。そして秋制服仕様キター。可愛いなチクショウ。ポルンとルルン邪魔(酷ぇ)
⑤ウラガノス
滑ることはしませんが普通に降りてくるウラガノス。足元細いと思うんだけど。ありさはひかりにしがみ付いて兄の名を呼ぶと失神します。よほどの緊張と恐怖です。それには構わずウラガノスは新しい仲間について聞きます。知りませんと答えるひかり。声に恐怖の色がありありと見えます。ひかりに容赦なく攻撃するウラガノス。それにしてもこいつデケーな。
ポルンの危機を感じ取ったルルンはなぎさほのかの元を離れて走り出します。ちょこまかと動きますが移動速度は恐ろしく遅いです。追いかけるふたり。
ベンチにありさを横たえるひかり。脅威は去っておりません。再度新しい仲間について聞くウラガノス。「デカイやつだ」「そんな人いません」「んじゃ、ちっちゃいやつだ」「そんな人も知りません」・・・律儀だなぁひかり。滑稽に見えなくもないんだけど、ひかりの受け答えが真剣なので緊迫感が強いです。おそらくしらばっくれている(ウラガノスをだましている)のではなく、本当にいないし知らないと思っているのでしょう。極度の緊張で質問の意味が分かっていないのではないかと思います。
逃げるひかり。追う途中ブランコに弁慶の泣き所をぶつけるウラガノス。痛いらしいです。追い詰められるひかり。変身することも忘れているかもしれません。
そこにルルンが駆けつけます。ウラガノスに自己紹介(たぶん啖呵切っている)するルルン。サーキュラスの言っていた者がルルンであったと納得するウラガノス。サーキュラスはこのルルンに何を感じたのか?萌えで無いことは確かです。ヤツはルミナス一筋です。
ポルンはポケットから飛び出すとルルンを庇うように前に躍り出ます。おお、かっこいいぞ。「一緒に握りつぶしてやるわ」と言われてひかりの元に駆け寄るポルンとルルン。怖いものは怖いか。ポルンとルルンを抱きかかえ、指一本触れさせないと啖呵を切るひかり。
そこにようやくなぎさとほのかが到着します。さてはルルンを見失って探していたな。ザケンナーを召喚するウラガノス。背景も夕暮れから戦闘モードに切替えです。ルルンは林に退避します。
⑥ルルンの秘めたる力
変身です。夏服も見納めかもしれませんね。
にらみ合う両者。プリキュアはまだしもルミナスは不安顔です。ザケンナーの先制攻撃。そんな短い腕で、と思ったらスプリングが伸びて迫ってきます。セコイ仕掛けですが非常に効果的な偽装です。
ルルンに迫るウラガノス。逃げるルルンをキャッチしてルミナスも逃げます。ザケンナーVSプリキュア。重量級の相手に苦戦です。飛び道具も使うザケンナー。しかもねずみ花火式の爆発物です。関連性はよくわかりませんが面倒な武器です。爆風に吹き飛ばされ、ルルンを手放すルミナス。ウラガノスに捕まってしまいます。逃げられないルミナス。大ピンチです。ふと思ったのですがハーティエルバトンをウラガノスの頭に落とすというのはどうでしょうか?ダメージは無くてもウラガノスなら面白いリアクションしそうです。
ルルンが叫ぶと同時に胸元の宝玉(?)から光が溢れ出ます。それに呼応してルミナスの胸元にあるハート型のブローチも光り出します。思わず手を離すウラガノス。地面にゆっくりと着地するルミナス。着地したときの服のシワのより方が魅惑的です(そういうとこに目を向けんでいい)。光るブローチに手をかざすルミナス。おそらく本人もわかっていません。輝きが失われます。同時にルルンも疲れ切ったように倒れこみます。
あとはいつものお約束どおりに幹部とザケンナーが一直線に並んでスパーク発射です。ゴメンナー。
眠るルルンを抱きかかえるルミナス。ルルンを見つめるその表情には驚きと心配と他の感情(うまく言えない)が混ざっているように見えます。
⑦繋がり
ありさの元に返ってくる兄。今まで不安だったのが嘘だったみたいに笑顔になるありさ。クマさんを見つけてきてくれた兄にありがとうと言います。手を繋いで帰ります。
滑り台で遊ぶメップルミップル。ルルンもつられて遊び出します。何だかんだでルルンの面倒を見るポルン。
⑧次回予告
映画の告知始まりましたか。「またみてね」は健在ですが予告は短縮。これ、映画公開までやるのかな?あと、ほのかスキー上手すぎ。
○トピック
ありさ兄妹を対比にしているように、ポルンとルルンの関係がメイン。ありさ兄のように面倒見が良い訳ではありませんが、ポルンはポルンなりにルルンを大事に思っていることが分かります。
出番の割りにひかりはありさの子守では上手くいきませんでしたしルルンとも進展無し。子守については先に書いたように今のひかりでは無理でしょう。それを問題視しないのも仕方無いところです。問題視したからといってどうなるわけでもないので、こういうのは経験等で(たぶんルルンとの関係で)自然と身に付いていくと思われます。ひかりとルルンは直接の関係は無いのでしょうが、一作目のなぎさ達とポルンの関係構築と同じように進めていくのでしょう。この作品はそういうところに抜かりは無いです。
ちなみに、今週は感想書くの遅くなったので各所見てから書いているのですが、一番印象深かったのはモンタギュー氏(テクスト経営システム9月11日日記)の感想でした。勝手に引用させていただきます。
手がかかる子供は実際には未来を紡ぐ大切な存在であり、養育の負担は特定の血縁者ひとりに負わせるのではなく皆で分担するものだ。こういうメッセージが提示される。けれども最後はやはり子にとっては特別な存在があること――アリサにとっての兄、ルルンにとってのポルン――も示唆されており、テーマにぐっと奥行きや多面性が加わっている。
この読みに脱帽。絆や信頼関係をメインにしているプリキュアですが、ややもするとそれに囚われがちになって見ることも多いのですが、もっと視野を広げればそう見る事もできますね。MHは一作目よりもテーマが広くなっている気がするのでそう思えます(私は次世代を育てるのは現世代の絶対的義務だと考えているので余計にそう考える)。
なお、氏が言っているように、女同士の友情や兄妹愛や親無し(ひかり)について後ろ向きなイメージが起きかねないのにも関わらず、逆に清清しく見せることが出来るプリキュアの作品作りは素敵だと思います。
コラム3「シャイニールミナスの役割」
本当は毎週のトピックの一項目として考えていたのですが、膨大な量になってしまったのでコラムとして単体で記載します。シャイニールミナスが直接戦ってくれないことの不満から問題提起して答えを出しています。結論を言えば、「シャイニールミナスはポルンの発展型」というものです。ご興味があればお読み下さい。
○シャイニールミナスの役割
シャイニールミナスの果たす役割を考えてみます。「ひかり」ではなく、戦闘における「シャイニールミナス」です。分かりきっていることを一々書いていきますので面倒だと思う方は下の⑤くらいから読めば問題ないと思います。それまでは個人的な纏めの意味合いもあって書いておりますのでご了承願いたい。あと、当然といえば当然ですが、劇中の設定とかを考慮して裏設定的な合理性を考えているわけではなくて、私の主観的な解釈であることをご理解下さい。私にとってシャイニールミナスはこういうキャラなんだ、という解釈です。
①現状確認
まず、はじめにルミナスは戦闘において直接素手で戦うことはしません。正確に言えば攻撃を仕掛けることは必殺技を除いてありません。登場初期の時はまだ戦闘に慣れていないこととひかり自身の性格から消極的であったと考えていましたが現在でもそれは変わりませんし今後も変わらなさそうです。
最初から別に戦わなくてもいいじゃん、と納得できれば楽なのですが少年漫画(アニメ)で培って(洗脳されて)しまった戦闘モノの常識がなかなか抜けずに疑問に思ってしまうのです。曰く「ルミナスの存在意義が無い」曰く「数合わせ」という疑問が。プリキュアが直接戦闘、ルミナスが支援というのは大まかにあるでしょうが、今ひとつルミナスが活躍していないように思えます。いわゆる「引立て役(ドラゴンボールで言えばヤムチャやべジータ)」のような主人公を立てるためのキャラではないので、ルミナスはルミナスで活躍してくれないと物足りないのです。
しかしながら、プリキュアはプリキュアであって少年漫画ではありませんので先入観は捨てなければなりません。そこで原点回帰の意味も兼ねて、まずはプリキュアにおける戦闘というものを考えてみてその後にルミナスへ言及します。
②プリキュアの力は意志力により決定される
「ふたりはプリキュア」において戦闘力を決定付ける第一要素は「意志力」です。諦めない、希望を持ち続ける意志が力となって必殺技を強くし、自らも金色に光ったりします。必殺技以外で敵を倒すことはありませんので必殺技が強ければプリキュアは強いと考えてよいでしょう。
これは戦闘モノでありながら、少年向けではなく少女向け作品としては妥当な配慮です。作品も日常を根幹とするものであり、特訓・修行等はむしろ日常を阻害するものでしょう。現実的に力の無い子ども(視聴者)が敵(悪い大人)に勝つためには純粋な想いや未来性(将来性)が鍵となるわけです(これは少年向け作品でも同様)。
③絆の力
意志力が直接的な力を引き出すものであれば、それを増幅させるものが「絆」です。これは単一主人公の作品ではあまり無いことで、主役がふたりいることの必然性を最大限に高めています。「手を繋ぐ」という行為は相手がいなければ絶対にできないことであり相手との絆・信頼関係が自分の気持ち(意志力)と同等以上に重要であることを意味します。
もし、「ふたりはプリキュア」がその名のとおり、「なぎさとほのか(だけ)の物語」であれば、ふたりだけの意志と絆で全てを解決できるでしょう。しかし、それは本来の絆や信頼関係の形ではありません。絆や信頼は赤の他人同然だったなぎさとほのかが友達になったように、未知の世界、未知の人との交流を乗り越えて得られるものであり、(理想的には)自分以外の全ての者と結ぶことができるものです。すなわち、「絆」を大きな要素と考えれば「なぎさとほのか(だけ)の物語」であってはならないのです。
④ポルンとレインボーブレス
一作目においてその「なぎさとほのか(だけ)の世界」を打ち破ったのがポルンでした。彼は直接戦う力を持っていませんが、自らの内に秘める力であるレンボーブレスをプリキュアへ授けました。レインボーブレスを付けたプリキュアはそれまでのふたりだけの力を超えた力を引き出すことができます。
また、最終話においてポルンがプリキュアを好きだと明言した時に発揮した力は今までのブレスを大きく超える力であり、ポルンの意志力が最大限になったことと同時にプリキュアとの絆が最大限になったことを意味します。おそらく、ポルンが登場した(商品販売等の都合を除いた)物語上の意味はこれです。「なぎさとほのか(だけ)の物語」を脱却して、本当の意味で「なぎさとほのかの物語」になったと思います。なぎさとほのかを中心として物語が広がっています(最終話感想でも書きましたが、プリキュアが皆に「ありがとう」と言うのはとても印象的だった)。これにより、意志力と絆を最大限にまで増大・拡張させたプリキュアは勝利します。
少々戦闘要素を離れてストーリー解釈にも触れましたが、このようにプリキュアでは直接戦っているプリキュアだけの力で勝敗を決するわけではなく、プリキュアに関わる(絆を結ぶ)者との関係も含めた形で決定されることが分かります。
⑤ひかり≒ポルン、シャイニールミナス≒レインボーブレス
さて、いよいよルミナスについて言及したいところですが一拍おいて、ひかりとポルンの類似性について考えてみます。ひかりは「クイーンの命」が人間として具現化した存在であり、登場初期は虹の園について無知でした。また、気性は大人しく少々怖がりな面があります。結論を言えばポジション的にはポルンとほぼ同じ立場です。それ自体は非常に無力な存在で庇護者を必要とします。極端な言い方すればひかりが「プリキュア頑張れ~」と叫んでブレス飛ばしても良いくらいです。
そんな冗談は置いておいて、ひかりがプリキュアを支援するための手段がシャイニールミナスへの変身です。プリキュアと協力することでスクリューよりも強力なルミナリオや単体支援技のアンクションが使えます。つまりはレインボーブレスとほぼ同じ役割です。そう考えるとこの時点でルミナスが直接戦わなくてもいい理由の半分は埋まります。勝敗の鍵が意志力と絆なんだから、ルミナスが戦えるかどうか?というのはあまり重要ではないのです。プリキュアと絆を結び希望を抱いて日常を守ろうとする意志があるかどうかが問われるわけです。
ただし、ルミナスはポルンとちょっと違っていて物語上プリキュアと並列して位置づけられているように思われます。ひかりの特殊性や次の項⑥で書いていますがプリキュアがふたりでワンセットであるように、ルミナスはひかりとポルンでワンセットであると考えられます。つまりルミナスだけで見てもテーマ性や物語性が確保されています。おそらくプリキュアと絆を結んで力を発揮するというポルンの様な展開よりは、ルミナス自身がポルンや虹の園との絆、関係を深めることで力を発揮するように思えます。総じて言えば、プリキュアと同じ目的(日常を守りたい)で意志を重ね合わせるという感じかなと。いくらなんでもルミナスが「私はプリキュアが大好きです!」とは言わないでしょう。それなら「私は虹の園やそこに暮らす皆が好きです」と言いそうです
⑥ルミナスの共同意識
参考にと思ってルミナスの戦闘シーン全部見返そうと5話から見たのですが、この初変身時に言ったポルンのセリフ「ふたりで力を合わせてプリキュラを助けるポポ」が一番の特徴かと思います。なぎさ(ほのか)はメップル(ミップル)とコンビではありますが、各々はほとんど同一体であり、プリキュアとして見ればブラックとホワイトのセットとして見ることができます。しかし、ルミナスはその存在の中にふたつの意思があります。ひかりとポルンです。だから、ひかりが固まって動けなくなってもポルンが力を発動したり、ポルンが怖がっている時はひかりが呼びかけています。プリキュアがブラックとホワイトの絆を結ぶように、ルミナスはひかりとポルンの絆がひとつの課題と思われます。MH8話で基本的な絆は結んでいますが、戦闘で阿吽の呼吸を見せるほどには成熟していません。このふたつ意思がひとつになった時にルミナスは本来の力を発揮すると思われます(ルルンとの関わりもありそうだけど、それは保留)。
一年目のプリキュアがそうであったように、ふたつの意志がひとつになることがルミナスにも課されており、さらに言えばひかりはふたつどころか色々な人と絆や信頼を結んでいくのでしょう。
⑦ルミナスが戦わないもう半分の理由
さて、ルミナス単独でもテーマ性や物語性は確保されているとは書きましたが、だからといってプリキュアとの兼ね合いが無いわけではありません。「わたしはシャイニールミナス」という番組では残念ながらないのです。「ふたりはプリキュア」としてのプリキュアとルミナスの関わりです。
かなり乱暴な言い方かもしれませんが、ルミナスには「戦う力(能力)が無い」と言って良いのではないかと思います。「戦わない」っていうか「戦えない」。ルミナスが唯一サシで戦った11話が良い例で、エレキングには全く敵いませんでした。しかも始終恐怖していました。その後にプリキュアの助太刀に入ってあっという間に倒せたこともルミナスの戦闘力の低さを強調しています。先にも書いたようにルミナスは一作目ポルンの代役と考えてよいので強くなくてもプリキュアが戦えるので問題無いわけです。
強くなくても良いとはいえ、それでも戦えた方が戦闘の見栄えもいいしルミナスの成長も分かりやすいはずです。それを敢えてやらない理由は何か?
それはルミナスにしかできないこと、ルミナスだからできること、があるからです。プリキュアと同じことやったらそれこそルミナスの固有性は失われるでしょう。では、そのルミナスにしかできないこととは何なのか。
ひとつは一作目ポルンと同じように、直接戦えなくても意志を重ねることで大きな力を使えることです(例:ルミナリオ)。弱い人はそのまま弱いのではなく、協力することで強い人をより強くすることができます。
二つ目は、これも実はポルンと同じ要素を拡大したものなので一つ目の範疇に入ると言って良いかもしれませが、普段大人しい人でもイザという時に活躍することです。8話、28話のルミナスの防御シーンが印象的です(プリキュアバリアが実質上消滅しているので「防御できる」ルミナスはそれ自体特異である)。より能動的なシーンであれば15話です。この他にも細かくあるのですが、ルミナス(ひかり)の特徴として明確に守る人・モノがあると変身が能動的になります。単純というか分かりやすいというか、意識の持ち方がダイレクトなのでしょう。彼女は「何か(守るもの)のために」頑張れる人です。逆に「何か」がないと臆病になったりします。
結果として、ルミナスはポルンの擬人化と言えます。人間的な人格、キャラになることで今までポルンが持っていた特徴をより分かりやすく表現したキャラであると思います。一作目のプリキュアでサブ的な扱いをしていたポルンの立場を二作目になってより主題に近づけて物語を描いています。ポルンをひかりと組ませるのはその意味で必然性が高く、とてもスムーズに引き継ぎを行っています(ポルンの立場は見た目上一作目と変わっておらず、ひかりが主軸になるように組み込まれている)。
主役はプリキュアです。表舞台で活躍するでしょう。しかし、それを支える存在がルミナスであり、イザという時はプリキュアの限界を超えた力をもたらす鍵にもなれる存在です。ですから、プリキュアとは活躍の仕方も成長の軸も違うわけですね。主役じゃないことがむしろ彼女の意義を引き立てています。実際、そういう感じで今までの戦闘を見ると、結構頑張っていますルミナス。ちゃんと自分の持ち場で活躍しています。
変身戦闘ヒロインモノのクセに直接戦わないし、戦わない理由も劇中では明確に説明されないので非常に分かりにくいのですが、戦える人だけが全てではないということでしょう。仕事や舞台やTVだって主役だけじゃなくて脇役やスタッフがいて成り立っているわけですしね。
⑧まとめ
色々ごちゃごちゃ書いていますが、要点は2点。
1.勝敗の決定は意志と絆であるので戦闘能力は問われない。
2.力が無い者でも勝敗を決する戦いに参加可能。
まっ、分かりやすく言うと、脇役も頑張ってるということですね(そんな纏めでいいのか・・・)。
非常にプリキュアらしいと思います。みんな頑張っています。脇役の人にも「ありがとう」と言えるのがプリキュアの良いところです。戦闘が日常に影響を与えるのではなく、日常の要素が戦闘のスタイルに影響を与えてしまう作り方は流石です。
今後もルミナスのルミナスらしい活躍に期待しています。
○シャイニールミナスの役割
シャイニールミナスの果たす役割を考えてみます。「ひかり」ではなく、戦闘における「シャイニールミナス」です。分かりきっていることを一々書いていきますので面倒だと思う方は下の⑤くらいから読めば問題ないと思います。それまでは個人的な纏めの意味合いもあって書いておりますのでご了承願いたい。あと、当然といえば当然ですが、劇中の設定とかを考慮して裏設定的な合理性を考えているわけではなくて、私の主観的な解釈であることをご理解下さい。私にとってシャイニールミナスはこういうキャラなんだ、という解釈です。
①現状確認
まず、はじめにルミナスは戦闘において直接素手で戦うことはしません。正確に言えば攻撃を仕掛けることは必殺技を除いてありません。登場初期の時はまだ戦闘に慣れていないこととひかり自身の性格から消極的であったと考えていましたが現在でもそれは変わりませんし今後も変わらなさそうです。
最初から別に戦わなくてもいいじゃん、と納得できれば楽なのですが少年漫画(アニメ)で培って(洗脳されて)しまった戦闘モノの常識がなかなか抜けずに疑問に思ってしまうのです。曰く「ルミナスの存在意義が無い」曰く「数合わせ」という疑問が。プリキュアが直接戦闘、ルミナスが支援というのは大まかにあるでしょうが、今ひとつルミナスが活躍していないように思えます。いわゆる「引立て役(ドラゴンボールで言えばヤムチャやべジータ)」のような主人公を立てるためのキャラではないので、ルミナスはルミナスで活躍してくれないと物足りないのです。
しかしながら、プリキュアはプリキュアであって少年漫画ではありませんので先入観は捨てなければなりません。そこで原点回帰の意味も兼ねて、まずはプリキュアにおける戦闘というものを考えてみてその後にルミナスへ言及します。
②プリキュアの力は意志力により決定される
「ふたりはプリキュア」において戦闘力を決定付ける第一要素は「意志力」です。諦めない、希望を持ち続ける意志が力となって必殺技を強くし、自らも金色に光ったりします。必殺技以外で敵を倒すことはありませんので必殺技が強ければプリキュアは強いと考えてよいでしょう。
これは戦闘モノでありながら、少年向けではなく少女向け作品としては妥当な配慮です。作品も日常を根幹とするものであり、特訓・修行等はむしろ日常を阻害するものでしょう。現実的に力の無い子ども(視聴者)が敵(悪い大人)に勝つためには純粋な想いや未来性(将来性)が鍵となるわけです(これは少年向け作品でも同様)。
③絆の力
意志力が直接的な力を引き出すものであれば、それを増幅させるものが「絆」です。これは単一主人公の作品ではあまり無いことで、主役がふたりいることの必然性を最大限に高めています。「手を繋ぐ」という行為は相手がいなければ絶対にできないことであり相手との絆・信頼関係が自分の気持ち(意志力)と同等以上に重要であることを意味します。
もし、「ふたりはプリキュア」がその名のとおり、「なぎさとほのか(だけ)の物語」であれば、ふたりだけの意志と絆で全てを解決できるでしょう。しかし、それは本来の絆や信頼関係の形ではありません。絆や信頼は赤の他人同然だったなぎさとほのかが友達になったように、未知の世界、未知の人との交流を乗り越えて得られるものであり、(理想的には)自分以外の全ての者と結ぶことができるものです。すなわち、「絆」を大きな要素と考えれば「なぎさとほのか(だけ)の物語」であってはならないのです。
④ポルンとレインボーブレス
一作目においてその「なぎさとほのか(だけ)の世界」を打ち破ったのがポルンでした。彼は直接戦う力を持っていませんが、自らの内に秘める力であるレンボーブレスをプリキュアへ授けました。レインボーブレスを付けたプリキュアはそれまでのふたりだけの力を超えた力を引き出すことができます。
また、最終話においてポルンがプリキュアを好きだと明言した時に発揮した力は今までのブレスを大きく超える力であり、ポルンの意志力が最大限になったことと同時にプリキュアとの絆が最大限になったことを意味します。おそらく、ポルンが登場した(商品販売等の都合を除いた)物語上の意味はこれです。「なぎさとほのか(だけ)の物語」を脱却して、本当の意味で「なぎさとほのかの物語」になったと思います。なぎさとほのかを中心として物語が広がっています(最終話感想でも書きましたが、プリキュアが皆に「ありがとう」と言うのはとても印象的だった)。これにより、意志力と絆を最大限にまで増大・拡張させたプリキュアは勝利します。
少々戦闘要素を離れてストーリー解釈にも触れましたが、このようにプリキュアでは直接戦っているプリキュアだけの力で勝敗を決するわけではなく、プリキュアに関わる(絆を結ぶ)者との関係も含めた形で決定されることが分かります。
⑤ひかり≒ポルン、シャイニールミナス≒レインボーブレス
さて、いよいよルミナスについて言及したいところですが一拍おいて、ひかりとポルンの類似性について考えてみます。ひかりは「クイーンの命」が人間として具現化した存在であり、登場初期は虹の園について無知でした。また、気性は大人しく少々怖がりな面があります。結論を言えばポジション的にはポルンとほぼ同じ立場です。それ自体は非常に無力な存在で庇護者を必要とします。極端な言い方すればひかりが「プリキュア頑張れ~」と叫んでブレス飛ばしても良いくらいです。
そんな冗談は置いておいて、ひかりがプリキュアを支援するための手段がシャイニールミナスへの変身です。プリキュアと協力することでスクリューよりも強力なルミナリオや単体支援技のアンクションが使えます。つまりはレインボーブレスとほぼ同じ役割です。そう考えるとこの時点でルミナスが直接戦わなくてもいい理由の半分は埋まります。勝敗の鍵が意志力と絆なんだから、ルミナスが戦えるかどうか?というのはあまり重要ではないのです。プリキュアと絆を結び希望を抱いて日常を守ろうとする意志があるかどうかが問われるわけです。
ただし、ルミナスはポルンとちょっと違っていて物語上プリキュアと並列して位置づけられているように思われます。ひかりの特殊性や次の項⑥で書いていますがプリキュアがふたりでワンセットであるように、ルミナスはひかりとポルンでワンセットであると考えられます。つまりルミナスだけで見てもテーマ性や物語性が確保されています。おそらくプリキュアと絆を結んで力を発揮するというポルンの様な展開よりは、ルミナス自身がポルンや虹の園との絆、関係を深めることで力を発揮するように思えます。総じて言えば、プリキュアと同じ目的(日常を守りたい)で意志を重ね合わせるという感じかなと。いくらなんでもルミナスが「私はプリキュアが大好きです!」とは言わないでしょう。それなら「私は虹の園やそこに暮らす皆が好きです」と言いそうです
⑥ルミナスの共同意識
参考にと思ってルミナスの戦闘シーン全部見返そうと5話から見たのですが、この初変身時に言ったポルンのセリフ「ふたりで力を合わせてプリキュラを助けるポポ」が一番の特徴かと思います。なぎさ(ほのか)はメップル(ミップル)とコンビではありますが、各々はほとんど同一体であり、プリキュアとして見ればブラックとホワイトのセットとして見ることができます。しかし、ルミナスはその存在の中にふたつの意思があります。ひかりとポルンです。だから、ひかりが固まって動けなくなってもポルンが力を発動したり、ポルンが怖がっている時はひかりが呼びかけています。プリキュアがブラックとホワイトの絆を結ぶように、ルミナスはひかりとポルンの絆がひとつの課題と思われます。MH8話で基本的な絆は結んでいますが、戦闘で阿吽の呼吸を見せるほどには成熟していません。このふたつ意思がひとつになった時にルミナスは本来の力を発揮すると思われます(ルルンとの関わりもありそうだけど、それは保留)。
一年目のプリキュアがそうであったように、ふたつの意志がひとつになることがルミナスにも課されており、さらに言えばひかりはふたつどころか色々な人と絆や信頼を結んでいくのでしょう。
⑦ルミナスが戦わないもう半分の理由
さて、ルミナス単独でもテーマ性や物語性は確保されているとは書きましたが、だからといってプリキュアとの兼ね合いが無いわけではありません。「わたしはシャイニールミナス」という番組では残念ながらないのです。「ふたりはプリキュア」としてのプリキュアとルミナスの関わりです。
かなり乱暴な言い方かもしれませんが、ルミナスには「戦う力(能力)が無い」と言って良いのではないかと思います。「戦わない」っていうか「戦えない」。ルミナスが唯一サシで戦った11話が良い例で、エレキングには全く敵いませんでした。しかも始終恐怖していました。その後にプリキュアの助太刀に入ってあっという間に倒せたこともルミナスの戦闘力の低さを強調しています。先にも書いたようにルミナスは一作目ポルンの代役と考えてよいので強くなくてもプリキュアが戦えるので問題無いわけです。
強くなくても良いとはいえ、それでも戦えた方が戦闘の見栄えもいいしルミナスの成長も分かりやすいはずです。それを敢えてやらない理由は何か?
それはルミナスにしかできないこと、ルミナスだからできること、があるからです。プリキュアと同じことやったらそれこそルミナスの固有性は失われるでしょう。では、そのルミナスにしかできないこととは何なのか。
ひとつは一作目ポルンと同じように、直接戦えなくても意志を重ねることで大きな力を使えることです(例:ルミナリオ)。弱い人はそのまま弱いのではなく、協力することで強い人をより強くすることができます。
二つ目は、これも実はポルンと同じ要素を拡大したものなので一つ目の範疇に入ると言って良いかもしれませが、普段大人しい人でもイザという時に活躍することです。8話、28話のルミナスの防御シーンが印象的です(プリキュアバリアが実質上消滅しているので「防御できる」ルミナスはそれ自体特異である)。より能動的なシーンであれば15話です。この他にも細かくあるのですが、ルミナス(ひかり)の特徴として明確に守る人・モノがあると変身が能動的になります。単純というか分かりやすいというか、意識の持ち方がダイレクトなのでしょう。彼女は「何か(守るもの)のために」頑張れる人です。逆に「何か」がないと臆病になったりします。
結果として、ルミナスはポルンの擬人化と言えます。人間的な人格、キャラになることで今までポルンが持っていた特徴をより分かりやすく表現したキャラであると思います。一作目のプリキュアでサブ的な扱いをしていたポルンの立場を二作目になってより主題に近づけて物語を描いています。ポルンをひかりと組ませるのはその意味で必然性が高く、とてもスムーズに引き継ぎを行っています(ポルンの立場は見た目上一作目と変わっておらず、ひかりが主軸になるように組み込まれている)。
主役はプリキュアです。表舞台で活躍するでしょう。しかし、それを支える存在がルミナスであり、イザという時はプリキュアの限界を超えた力をもたらす鍵にもなれる存在です。ですから、プリキュアとは活躍の仕方も成長の軸も違うわけですね。主役じゃないことがむしろ彼女の意義を引き立てています。実際、そういう感じで今までの戦闘を見ると、結構頑張っていますルミナス。ちゃんと自分の持ち場で活躍しています。
変身戦闘ヒロインモノのクセに直接戦わないし、戦わない理由も劇中では明確に説明されないので非常に分かりにくいのですが、戦える人だけが全てではないということでしょう。仕事や舞台やTVだって主役だけじゃなくて脇役やスタッフがいて成り立っているわけですしね。
⑧まとめ
色々ごちゃごちゃ書いていますが、要点は2点。
1.勝敗の決定は意志と絆であるので戦闘能力は問われない。
2.力が無い者でも勝敗を決する戦いに参加可能。
まっ、分かりやすく言うと、脇役も頑張ってるということですね(そんな纏めでいいのか・・・)。
非常にプリキュアらしいと思います。みんな頑張っています。脇役の人にも「ありがとう」と言えるのがプリキュアの良いところです。戦闘が日常に影響を与えるのではなく、日常の要素が戦闘のスタイルに影響を与えてしまう作り方は流石です。
今後もルミナスのルミナスらしい活躍に期待しています。
第28話「ベローネパニック!わんぱく王女のお化け退治」
○今週の出来事
①予感
光の園。番人は長老に虹の園について変わったことはないか、と尋ねます。どうやらプリズムストーンの様子がおかしいことを感じ取ったので気になるようです。流石管理者だけあって分るようです。長老も気付いていたようで頷きます。噂をすれば影というか、言ってるそばからプリズムホーピッシュが光り出します。光の柱ができあがり「何か」が飛び出していきます。物語が動き出す予感。
ドツクゾーンのような世界。闇が広がり荒廃した大地。おどろおどろしいBGMが流れます。その大地にぼんやりと浮き上がる人のような形の塊。特徴を一言で言うなら、アゴ。・・・・・・・・バルデスですね。感電して塵にでもなったかと思いましたが、療養中なのかな。土に入る方式のサウナとか。あるいはサナギが割れるように中から違う人出てきたら面白いと思うんですがどうでしょうか。何にしても復活の予感。
②幽霊騒動
登校風景。ベローネの制服姿です。やっぱ良いですね女子中学生は。たまりませんな。個人的には秋服(ベスト着用)も良いのですが、上着を着用したバージョンが良いと思う(大した趣味だな)。生徒の中に混じってなぎさとほのかもいます。回想モードのなぎさ。志穂と莉奈の後ろ姿に気付き声をかけます。足を止めて振り返ったふたりの表情は爽やかさが微塵も無い景気の悪い怯えた表情です。「おはよう」と言う声も怯えが混じっています。
事情を聞くなぎさ。志穂と莉奈は絶妙なコンビネーションで「ベローネのルリコさん」の話しを始めます。ルリコさんに出会った人は呪われてしまうの!と語るふたり。なぎさとほのかはその様子に面食らいます。特にほのかの目はカカシみたいな感じになるほど退化しています。「怖いでしょ怖いでしょ怖いでしょ?」と言う志穂に「あんた達の顔が怖い」と返すなぎさ。まったくそのとおりです。
怖い表情のままで自分達の経緯を語る莉奈と志穂。莉奈は夕方の教室で、志穂は部活帰りで奇妙な体験をしているようです。この辺のシーンは回想そのものよりも語っているふたりの表情の壮絶さが素敵です。怖がるふたりとは対照的になぎさもほのかも怪談話は信じていません。怖がってお互いに抱き合う志穂と莉奈。仲良いですね。・・・・。べっ、別になぎさとほのかも抱き合ってくれないかな、とか思ってませんよ。
1年桃組。昼食が終わったようで教室内では各々友達と談笑したり寝たり本を読んでいたりします。その中にひかりの姿もありました。独りではありません。机を並べて奈緒と美羽と談笑している様子です。突然ポルンがひかりに呼びかけます。「ごめん、ちょっと」と席を立つひかり。奈緒達との直接の会話はありませんでしたが、もしあったら私感激してたかもしれません。成長したなひかり。
屋上に行きポルンに尋ねます。「何だかゾクゾクするポポ」とポルン。いまひとつ要領を得ません。
理科室で実験器具を整理している生徒。その後ろには人体模型。懐かしいですね。一作目9話では大暴れです。この流れはお約束っぽい気がします。廊下を歩くなぎさ達に悲鳴が聞こえてきます。急いで駆けつけると女子生徒は泣いています。そしてその周りは荒らされたように引き出しが皆引き出されています。人体模型も女子生徒に寄りかかっています。これは怖いです。事情を聞くと突然引き出しが動き出したと説明する女子生徒。回想シーンでは凄まじい勢いで引き出しと人体模型が動いています。これは怖いです。間違いなく驚きます。まあ、一番怖いのは説明している女子生徒なわけですが。
志穂の声。駆けつけます。志穂が指差した先にあったのは黒板に描かれた顔のような何か。ベローネのルリコさんが原因だと怯える志穂と莉奈。なぎさはちょっと怖がり始めます。ほのかは流石に冷静です。
屋上でひかりにポルンの様子がおかしいと聞くふたり。なぎさは変なモノでも食べたんじゃないの?と深刻には考えていない様子。メップルがなぎさじゃあるまいし、とツッコミます。悪かったわね、となぎさ。いや、肝心な部分は否定しないんですね。
近づいてくるポポ、と怯えるポルン。しかし、邪悪な気配は無いようです。ベローネのルリコさん?と気になってくるなぎさ。「誰ですか?」とひかり。ああ、この無知っぷりと素直さが大好きです。脅かすなぎさをたしなめるほのか。ポルンは恐慌状態と言っていいほど怯えています。
③見えない恐怖
下校。セミの音が一層強く感じられる時間帯。校舎の階段を登るなぎさ。忘れ物をしたようです。教室の扉前で足を止めます。昼間は平気な様子でしたが度重なる不審な騒ぎと夕方の校舎で独りという状況が恐怖心を生み出します。「なーぎーさー」といきなり声を出すメップル。表情が怖いです。思いっきり驚くなぎさ。ビビっているなぎさを茶化します。ある意味緊張をほぐしているメップル。流石はコンビです。
扉を開け入ります。静かな教室。忘れ物を見つけます。突然開く扉。
下駄箱。日直か何かだったのか後片付けで遅れたひかり。急がなくっちゃね、と自分の靴を取り出します。アカネさんの手伝いでしょうか。すると不審な足音が聞こえてきます。周囲を見回しても足音の正体は見つかりません。このシーンて不気味さをかき立てるところなのでしょうが、ひかり可愛いよひかり、とずっと思ってた自分は間違っているでしょうか。夕暮れの彼女は可愛さが3割増しのような気がする。19話とかもそうだったけど。
息を呑みながら開いた扉に近づくなぎさ。廊下を出た直後、背後から謎の人影が現れ肩をつかまれます。悲鳴を上げるなぎさ。その悲鳴に気付いたひかり。その声の主にも気付きます。「なぎさが危ないポポ」と告げるポルン。躊躇することなくひかりは声のした方向へと走ります。普段は守られていて戦闘中も怯える事が多い娘ですが、友達の危機をみすみす放って置く事などできないのでしょう。何だかんだいってもひかりもヒーロー(ヒロイン)の資質があります。また、ひかりは今回ルリコ騒動をほとんど知らないので恐怖心よりも不審さに対する警戒心の方が強いでしょうね。実際今まで色々と狙われている身ですし。この辺は立場と性格にあった行動がそれぞれなされていますね。
それはそうと、ポルンよ、なぎさが危ないとはどういう意味だよ?このタイミングでこの発言は意味深だぞ。いや、うん、ある意味危ないんだけどさ。幽霊よりもザケンナーよりも彼女は。
④ほのかさん
「失礼ね!私をベローネのルリコさんと間違えるなんて!」とむくれるほのか。うおおお、かっ、可愛ぇぇぇぇぇ!
個人的にマックスハート始まって以来最大級のほのか萌え。何、この反則的な可愛さ。ほのかが怒るってのは少ないんだけど、特にふくれっ面になるのは初めてかもしれない。怒っている時のセリフもたまりません。相手が志穂や莉奈であれば「驚かせてごめんなさい」と普段の彼女なら言うでしょうが、こと相手がなぎさならば反応は違う。ルリコさんと自分が間違われることに心底ご立腹するのはなぎさに対しての信頼への裏返しといえますね。これはもう、なぎさは自分を間違える事は無いだろうという信頼と自分はなぎさにとって自分なのだという自信があってこその態度です。信頼関係が強いからこその態度ですね。あ、信頼は愛情と読み替えても成立しますな。たっ、たまらん。こんな風に怒られてぇ。
びっくりしたなぎさに独りでは心細いと思って来たと説明するほのか。素直に感謝するなぎさ。好感度アップです。なぎさの様子が普通じゃなかったから声をかけそびれたと釈明します。だからって突然肩をつかまれたら誰でも驚くと思うよ。安心したなぎさがめっちゃ可愛いです。
しかし、邪悪な気配がするとミップルメップル。
⑤全開!サーキュラス! 頑張れ!ルミナス!
さあ、そういうことで最近出番が無かったサーキュラスさんのお出ましです。怪奇現象はサーキュラスのせいだと思ったなぎさは文句をつけます。しかし、サーキュラスは見覚えが無いのでなんのことかさっぱりです。そこへひかりが合流します。俄然やる気を出すサーキュラス。シャイニールミナス萌えなので当然の反応です(一部曲解)。
変身です。ひさしぶりに制服変身を見ると癒されます。あの絶妙なアングル。
いきなりパワーを溜めて全力攻撃をしかけるサーキュラス。何か表情とかすごいことになっています。校舎内で爆発。爆風なのか跳躍なのか(無傷なところを見るとおそらく後者)一気にグラウンドまで退避するプリキュア。ひかりもブラックに抱えられています。無論無傷。良い動きです。
邪悪な空間がグラウンドを包み込み、そして現れるムシキング!(違げぇ)きっと必殺技はローリング何とかです。あと激突する時に金属音が鳴るはずです(だから番組違う)。飛来したセミザケンナーに捕獲されてしまうプリキュア。
ポルンに促されひかりはシャイニールミナスへと変身します。ルミナスの前に降りるザケンナー。でけぇ。見上げるルミナス。戦うには分の悪い相手です。そしていつの間にかルミナスの後ろにいるサーキュラス。パワーをチャージしています。「消し飛んでしまえーー!」とすごい気迫です。何か独りだけ番組が違うような気がするのは気のせいでしょうか。シャイニールミナスの火器管制担当のポルンが「闇の力を押し返すポ・・・」と言いかけた時、「だめルル」と誰何の声。サーキュラスは溜めたパワーを解除します。ポルンの表情が何か嫌がってる感じになったのは気のせいではないでしょう。
ルミナスの前に現れる見知らぬぬいぐるみ。いや、えっと、なんだ、あー光の園の人(種族名ないんだよなぁ)。「ポルンをいじめちゃだめルル」と身を挺して守ろうとします。どうやらメップルとミップルは知っている様子。「ルルンポポ」何度聞いても笑いそうになります。いいリアクションするなぁポルン。どこかルルンに対して苦手な印象を受けます。
躊躇わずに闇弾を撃つサーキュラス。ルルンに当たる刹那それを止めたのは、ルミナス!カッコイイ!!!なっ、なんだこのカッコよさ。8話で見せたバトン防御(仮名)。ウラガノスの突進にも耐えられます。必至に耐えるルミナス。気合一閃、闇の力を打ち消します。カッコイイ。カッコイイよルミナス。
ザケンナーの捕縛から逃れるプリキュア。隙を突いたのか最初から大丈夫だったのかは分りませんが結果オーライです。小動物に対しての暴力を許さないプリキュアはテンションが高まります。サーキュラスの後ろに降り立つザケンナー。ああ、幹部と一直線上に並んじゃだめですよ。それ死ぬ人の定位置ですよ。
またも力を蓄え始めるサーキュラス。先ほどよりも大きいです。ハッスルしすぎです。対抗してプリキュアもブレスを召還します。大地を広がる黄金の光。空中に逃れるサーキュラスとザケンナー。やっぱ触れちゃマズイみたいです。サーキュラスとプリキュアの力が激突します。迸る電光。スパークが付加されたスクリューの前に撤退を余儀なくされるサーキュラス。そして必然的に後ろにいるザケンナーに直撃です。だから並んじゃだめだって。ゴメンナー。
ふう、とため息のプリキュア。ルミナスが構えたままなのは「らしい」感じです。セミが戻りいつもの日常に戻ります。
⑥未来を紡ぐ光の王女ルルン
ポルンの耳を引っ張るルルン。ポルンは渋い顔です。メップルミップルも「まったく、もー」って感じです。どうやって来た?と聞かれて泣き出すルルン。かなり泣き虫のようです。諭すなぎさ達。事情を聞きます。ポルンを探すために暗いところをいっぱい探したというルルン。ほのかはそれを聞いて推理ショーを始めます。全てはルルンの仕業だったようです。怖かったよねと言うなぎさですが、ほのかは動じてません。流石です。科学部長は伊達ではありません。
ところでメロンと言ったっけ?となぎさ。・・・・・「ン」しか合ってないじゃん。てか、それポルンでもいいし。「未来を紡ぐ光の王女ルルン」と答えるルルン。
⑦後日談
ルリコさんはアカネさんが作った怪談だったそうです。あんたが元凶かよ!色々他にもやってそうだなぁ。この人。
でも、じゃあアレは何だったんだろう?と疑問に思う志穂と莉奈になぎさは「錯覚、錯覚」と無理やり納得させます。
池の桟橋。ポルンのしっぽを玉つきのように遊ぶルルン。 「助けてポポ・・・」とポルン。ポルンにとっては受難な様子。
○トピック
始終楽しいエピソード。他の感想ですでに書かれているでしょうが、ルリコさん自体はさほど怖くないのですが、周りの人達の怖がりぶりと演出・映像の質の高さもあってホラー・ミステリー・ドタバタ話になってました。個人的にはほのかが可愛かったのとルミナスがカッコ良かったのがたまりませんな。
ちょこっとだけ出たバルデス?の映像、新キャラルルンの動向が楽しみです。ルルンの登場でポルンが現実の男の子っぽく見えますな。なんていうか、妹にねだられるお兄ちゃんみたいな。
やはりルルンは9975円なんだろうか。バックとセットで12000円超かな。超強気商品再来でしょうか。
戦闘パートはすごい描き込み具合の作画でしたが、概略描いているのOPのプリキュアが蹴ってるシーンとか11話の戦闘描いた山田氏だろうと思います。個人的に氏の作画好きです。人によっては作画崩壊とか荒いと評するかもしれませんが、あの独特の躍動感溢れる線は良いと思います。特にルミナスの防御シーンは見事です。作画は動いてこその作画ですからねぇ。実際今回はそれほど動いてないのですが、止まってても動きがあるように見える絵でテンポとか緊張感がより促進されるのが良いです。や、確かに11話はお世辞にも可愛いとか言えないし荒削りの部分もあると思うのですが、今回のようなレベルなら問題ないどころか見事なアクションだったと思います。動きの良さと見栄えの良さを兼ね備えられれば理想的です。
○なかよしプリキュア
みちたろさんとかひでさんとこで絶賛されていたので購入。特にほのかがすごいらしいと聞いて読まないわけには行きません。とはいえ、どーせ曲解とかアレ気な妄想入ってるのかなーと思ったら、本当にまんまだ!
すっ、すごいぞ!どうなってるんだ!?っていうかいつ結婚したんだ、なぎさとほのか!何、このほのかの恋する乙女っぷり。どこの世の中に昼食で6時間も仕込みする人いるんだよ。相変わらずラブリーなお話です。
真面目に考えるならば、こういう漫画やCDドラマやファンブックのおまけCDのようなお話というのは番外的なメディアだから可能なのでしょうね。程度の差はあれど、基本的にこれらの本編外の内容は俗っぽい内容で悪い言い方をするならば、対象者向けにキャラやお話を偏らせている節があると思います(決して崩れたり破綻はしていないので、むしろそのキャラの違う面や「らしさ」を強調した作りになっている)。本編でこれをやってしまうとどうしても媚びているような雰囲気やどこかで見たような、またはありがちな展開になってしまうでしょうね。特に大きいお友達ほど萌え(燃え)シチュエーションみたいのを求める傾向があると思うので(私もそういうのはある)変に偏らないように本編は作っているのでしょう。元々女の子のための作品ですしね。それが受け入れられたのはプリキュアにとって恵まれた事だったと思います。
①予感
光の園。番人は長老に虹の園について変わったことはないか、と尋ねます。どうやらプリズムストーンの様子がおかしいことを感じ取ったので気になるようです。流石管理者だけあって分るようです。長老も気付いていたようで頷きます。噂をすれば影というか、言ってるそばからプリズムホーピッシュが光り出します。光の柱ができあがり「何か」が飛び出していきます。物語が動き出す予感。
ドツクゾーンのような世界。闇が広がり荒廃した大地。おどろおどろしいBGMが流れます。その大地にぼんやりと浮き上がる人のような形の塊。特徴を一言で言うなら、アゴ。・・・・・・・・バルデスですね。感電して塵にでもなったかと思いましたが、療養中なのかな。土に入る方式のサウナとか。あるいはサナギが割れるように中から違う人出てきたら面白いと思うんですがどうでしょうか。何にしても復活の予感。
②幽霊騒動
登校風景。ベローネの制服姿です。やっぱ良いですね女子中学生は。たまりませんな。個人的には秋服(ベスト着用)も良いのですが、上着を着用したバージョンが良いと思う(大した趣味だな)。生徒の中に混じってなぎさとほのかもいます。回想モードのなぎさ。志穂と莉奈の後ろ姿に気付き声をかけます。足を止めて振り返ったふたりの表情は爽やかさが微塵も無い景気の悪い怯えた表情です。「おはよう」と言う声も怯えが混じっています。
事情を聞くなぎさ。志穂と莉奈は絶妙なコンビネーションで「ベローネのルリコさん」の話しを始めます。ルリコさんに出会った人は呪われてしまうの!と語るふたり。なぎさとほのかはその様子に面食らいます。特にほのかの目はカカシみたいな感じになるほど退化しています。「怖いでしょ怖いでしょ怖いでしょ?」と言う志穂に「あんた達の顔が怖い」と返すなぎさ。まったくそのとおりです。
怖い表情のままで自分達の経緯を語る莉奈と志穂。莉奈は夕方の教室で、志穂は部活帰りで奇妙な体験をしているようです。この辺のシーンは回想そのものよりも語っているふたりの表情の壮絶さが素敵です。怖がるふたりとは対照的になぎさもほのかも怪談話は信じていません。怖がってお互いに抱き合う志穂と莉奈。仲良いですね。・・・・。べっ、別になぎさとほのかも抱き合ってくれないかな、とか思ってませんよ。
1年桃組。昼食が終わったようで教室内では各々友達と談笑したり寝たり本を読んでいたりします。その中にひかりの姿もありました。独りではありません。机を並べて奈緒と美羽と談笑している様子です。突然ポルンがひかりに呼びかけます。「ごめん、ちょっと」と席を立つひかり。奈緒達との直接の会話はありませんでしたが、もしあったら私感激してたかもしれません。成長したなひかり。
屋上に行きポルンに尋ねます。「何だかゾクゾクするポポ」とポルン。いまひとつ要領を得ません。
理科室で実験器具を整理している生徒。その後ろには人体模型。懐かしいですね。一作目9話では大暴れです。この流れはお約束っぽい気がします。廊下を歩くなぎさ達に悲鳴が聞こえてきます。急いで駆けつけると女子生徒は泣いています。そしてその周りは荒らされたように引き出しが皆引き出されています。人体模型も女子生徒に寄りかかっています。これは怖いです。事情を聞くと突然引き出しが動き出したと説明する女子生徒。回想シーンでは凄まじい勢いで引き出しと人体模型が動いています。これは怖いです。間違いなく驚きます。まあ、一番怖いのは説明している女子生徒なわけですが。
志穂の声。駆けつけます。志穂が指差した先にあったのは黒板に描かれた顔のような何か。ベローネのルリコさんが原因だと怯える志穂と莉奈。なぎさはちょっと怖がり始めます。ほのかは流石に冷静です。
屋上でひかりにポルンの様子がおかしいと聞くふたり。なぎさは変なモノでも食べたんじゃないの?と深刻には考えていない様子。メップルがなぎさじゃあるまいし、とツッコミます。悪かったわね、となぎさ。いや、肝心な部分は否定しないんですね。
近づいてくるポポ、と怯えるポルン。しかし、邪悪な気配は無いようです。ベローネのルリコさん?と気になってくるなぎさ。「誰ですか?」とひかり。ああ、この無知っぷりと素直さが大好きです。脅かすなぎさをたしなめるほのか。ポルンは恐慌状態と言っていいほど怯えています。
③見えない恐怖
下校。セミの音が一層強く感じられる時間帯。校舎の階段を登るなぎさ。忘れ物をしたようです。教室の扉前で足を止めます。昼間は平気な様子でしたが度重なる不審な騒ぎと夕方の校舎で独りという状況が恐怖心を生み出します。「なーぎーさー」といきなり声を出すメップル。表情が怖いです。思いっきり驚くなぎさ。ビビっているなぎさを茶化します。ある意味緊張をほぐしているメップル。流石はコンビです。
扉を開け入ります。静かな教室。忘れ物を見つけます。突然開く扉。
下駄箱。日直か何かだったのか後片付けで遅れたひかり。急がなくっちゃね、と自分の靴を取り出します。アカネさんの手伝いでしょうか。すると不審な足音が聞こえてきます。周囲を見回しても足音の正体は見つかりません。このシーンて不気味さをかき立てるところなのでしょうが、ひかり可愛いよひかり、とずっと思ってた自分は間違っているでしょうか。夕暮れの彼女は可愛さが3割増しのような気がする。19話とかもそうだったけど。
息を呑みながら開いた扉に近づくなぎさ。廊下を出た直後、背後から謎の人影が現れ肩をつかまれます。悲鳴を上げるなぎさ。その悲鳴に気付いたひかり。その声の主にも気付きます。「なぎさが危ないポポ」と告げるポルン。躊躇することなくひかりは声のした方向へと走ります。普段は守られていて戦闘中も怯える事が多い娘ですが、友達の危機をみすみす放って置く事などできないのでしょう。何だかんだいってもひかりもヒーロー(ヒロイン)の資質があります。また、ひかりは今回ルリコ騒動をほとんど知らないので恐怖心よりも不審さに対する警戒心の方が強いでしょうね。実際今まで色々と狙われている身ですし。この辺は立場と性格にあった行動がそれぞれなされていますね。
それはそうと、ポルンよ、なぎさが危ないとはどういう意味だよ?このタイミングでこの発言は意味深だぞ。いや、うん、ある意味危ないんだけどさ。幽霊よりもザケンナーよりも彼女は。
④ほのかさん
「失礼ね!私をベローネのルリコさんと間違えるなんて!」とむくれるほのか。うおおお、かっ、可愛ぇぇぇぇぇ!
個人的にマックスハート始まって以来最大級のほのか萌え。何、この反則的な可愛さ。ほのかが怒るってのは少ないんだけど、特にふくれっ面になるのは初めてかもしれない。怒っている時のセリフもたまりません。相手が志穂や莉奈であれば「驚かせてごめんなさい」と普段の彼女なら言うでしょうが、こと相手がなぎさならば反応は違う。ルリコさんと自分が間違われることに心底ご立腹するのはなぎさに対しての信頼への裏返しといえますね。これはもう、なぎさは自分を間違える事は無いだろうという信頼と自分はなぎさにとって自分なのだという自信があってこその態度です。信頼関係が強いからこその態度ですね。あ、信頼は愛情と読み替えても成立しますな。たっ、たまらん。こんな風に怒られてぇ。
びっくりしたなぎさに独りでは心細いと思って来たと説明するほのか。素直に感謝するなぎさ。好感度アップです。なぎさの様子が普通じゃなかったから声をかけそびれたと釈明します。だからって突然肩をつかまれたら誰でも驚くと思うよ。安心したなぎさがめっちゃ可愛いです。
しかし、邪悪な気配がするとミップルメップル。
⑤全開!サーキュラス! 頑張れ!ルミナス!
さあ、そういうことで最近出番が無かったサーキュラスさんのお出ましです。怪奇現象はサーキュラスのせいだと思ったなぎさは文句をつけます。しかし、サーキュラスは見覚えが無いのでなんのことかさっぱりです。そこへひかりが合流します。俄然やる気を出すサーキュラス。シャイニールミナス萌えなので当然の反応です(一部曲解)。
変身です。ひさしぶりに制服変身を見ると癒されます。あの絶妙なアングル。
いきなりパワーを溜めて全力攻撃をしかけるサーキュラス。何か表情とかすごいことになっています。校舎内で爆発。爆風なのか跳躍なのか(無傷なところを見るとおそらく後者)一気にグラウンドまで退避するプリキュア。ひかりもブラックに抱えられています。無論無傷。良い動きです。
邪悪な空間がグラウンドを包み込み、そして現れるムシキング!(違げぇ)きっと必殺技はローリング何とかです。あと激突する時に金属音が鳴るはずです(だから番組違う)。飛来したセミザケンナーに捕獲されてしまうプリキュア。
ポルンに促されひかりはシャイニールミナスへと変身します。ルミナスの前に降りるザケンナー。でけぇ。見上げるルミナス。戦うには分の悪い相手です。そしていつの間にかルミナスの後ろにいるサーキュラス。パワーをチャージしています。「消し飛んでしまえーー!」とすごい気迫です。何か独りだけ番組が違うような気がするのは気のせいでしょうか。シャイニールミナスの火器管制担当のポルンが「闇の力を押し返すポ・・・」と言いかけた時、「だめルル」と誰何の声。サーキュラスは溜めたパワーを解除します。ポルンの表情が何か嫌がってる感じになったのは気のせいではないでしょう。
ルミナスの前に現れる見知らぬぬいぐるみ。いや、えっと、なんだ、あー光の園の人(種族名ないんだよなぁ)。「ポルンをいじめちゃだめルル」と身を挺して守ろうとします。どうやらメップルとミップルは知っている様子。「ルルンポポ」何度聞いても笑いそうになります。いいリアクションするなぁポルン。どこかルルンに対して苦手な印象を受けます。
躊躇わずに闇弾を撃つサーキュラス。ルルンに当たる刹那それを止めたのは、ルミナス!カッコイイ!!!なっ、なんだこのカッコよさ。8話で見せたバトン防御(仮名)。ウラガノスの突進にも耐えられます。必至に耐えるルミナス。気合一閃、闇の力を打ち消します。カッコイイ。カッコイイよルミナス。
ザケンナーの捕縛から逃れるプリキュア。隙を突いたのか最初から大丈夫だったのかは分りませんが結果オーライです。小動物に対しての暴力を許さないプリキュアはテンションが高まります。サーキュラスの後ろに降り立つザケンナー。ああ、幹部と一直線上に並んじゃだめですよ。それ死ぬ人の定位置ですよ。
またも力を蓄え始めるサーキュラス。先ほどよりも大きいです。ハッスルしすぎです。対抗してプリキュアもブレスを召還します。大地を広がる黄金の光。空中に逃れるサーキュラスとザケンナー。やっぱ触れちゃマズイみたいです。サーキュラスとプリキュアの力が激突します。迸る電光。スパークが付加されたスクリューの前に撤退を余儀なくされるサーキュラス。そして必然的に後ろにいるザケンナーに直撃です。だから並んじゃだめだって。ゴメンナー。
ふう、とため息のプリキュア。ルミナスが構えたままなのは「らしい」感じです。セミが戻りいつもの日常に戻ります。
⑥未来を紡ぐ光の王女ルルン
ポルンの耳を引っ張るルルン。ポルンは渋い顔です。メップルミップルも「まったく、もー」って感じです。どうやって来た?と聞かれて泣き出すルルン。かなり泣き虫のようです。諭すなぎさ達。事情を聞きます。ポルンを探すために暗いところをいっぱい探したというルルン。ほのかはそれを聞いて推理ショーを始めます。全てはルルンの仕業だったようです。怖かったよねと言うなぎさですが、ほのかは動じてません。流石です。科学部長は伊達ではありません。
ところでメロンと言ったっけ?となぎさ。・・・・・「ン」しか合ってないじゃん。てか、それポルンでもいいし。「未来を紡ぐ光の王女ルルン」と答えるルルン。
⑦後日談
ルリコさんはアカネさんが作った怪談だったそうです。あんたが元凶かよ!色々他にもやってそうだなぁ。この人。
でも、じゃあアレは何だったんだろう?と疑問に思う志穂と莉奈になぎさは「錯覚、錯覚」と無理やり納得させます。
池の桟橋。ポルンのしっぽを玉つきのように遊ぶルルン。 「助けてポポ・・・」とポルン。ポルンにとっては受難な様子。
○トピック
始終楽しいエピソード。他の感想ですでに書かれているでしょうが、ルリコさん自体はさほど怖くないのですが、周りの人達の怖がりぶりと演出・映像の質の高さもあってホラー・ミステリー・ドタバタ話になってました。個人的にはほのかが可愛かったのとルミナスがカッコ良かったのがたまりませんな。
ちょこっとだけ出たバルデス?の映像、新キャラルルンの動向が楽しみです。ルルンの登場でポルンが現実の男の子っぽく見えますな。なんていうか、妹にねだられるお兄ちゃんみたいな。
やはりルルンは9975円なんだろうか。バックとセットで12000円超かな。超強気商品再来でしょうか。
戦闘パートはすごい描き込み具合の作画でしたが、概略描いているのOPのプリキュアが蹴ってるシーンとか11話の戦闘描いた山田氏だろうと思います。個人的に氏の作画好きです。人によっては作画崩壊とか荒いと評するかもしれませんが、あの独特の躍動感溢れる線は良いと思います。特にルミナスの防御シーンは見事です。作画は動いてこその作画ですからねぇ。実際今回はそれほど動いてないのですが、止まってても動きがあるように見える絵でテンポとか緊張感がより促進されるのが良いです。や、確かに11話はお世辞にも可愛いとか言えないし荒削りの部分もあると思うのですが、今回のようなレベルなら問題ないどころか見事なアクションだったと思います。動きの良さと見栄えの良さを兼ね備えられれば理想的です。
○なかよしプリキュア
みちたろさんとかひでさんとこで絶賛されていたので購入。特にほのかがすごいらしいと聞いて読まないわけには行きません。とはいえ、どーせ曲解とかアレ気な妄想入ってるのかなーと思ったら、本当にまんまだ!
すっ、すごいぞ!どうなってるんだ!?っていうかいつ結婚したんだ、なぎさとほのか!何、このほのかの恋する乙女っぷり。どこの世の中に昼食で6時間も仕込みする人いるんだよ。相変わらずラブリーなお話です。
真面目に考えるならば、こういう漫画やCDドラマやファンブックのおまけCDのようなお話というのは番外的なメディアだから可能なのでしょうね。程度の差はあれど、基本的にこれらの本編外の内容は俗っぽい内容で悪い言い方をするならば、対象者向けにキャラやお話を偏らせている節があると思います(決して崩れたり破綻はしていないので、むしろそのキャラの違う面や「らしさ」を強調した作りになっている)。本編でこれをやってしまうとどうしても媚びているような雰囲気やどこかで見たような、またはありがちな展開になってしまうでしょうね。特に大きいお友達ほど萌え(燃え)シチュエーションみたいのを求める傾向があると思うので(私もそういうのはある)変に偏らないように本編は作っているのでしょう。元々女の子のための作品ですしね。それが受け入れられたのはプリキュアにとって恵まれた事だったと思います。
第27話「残った宿題片付けろ!梨と嵐とザケンナー!!」
○今週の出来事
①最後の課題
雪城家。宿題に勤しむ三人。明日で夏休みは最後・・・と胸中で呟くなぎさ。例年どおりギリギリの人です。ひかりはスケジュールどおりでしょうか。ほのかは・・・何か違う課題やってそうです。胸中でぶつくさ言いながらも、前回藤Pの言葉を思い出して宿題に励むなぎさ。それをちょっと横目に見ながらほのかも宿題をします。宿題しながらこの娘は頭の中で「なぎさ観察日記」に事細かに記してそうです。ひかりはそんなことは露知らずテキストを読んでいます(たぶん宿題終わってる)。
そしてついに宿題が終わるなぎさ。本人も感激です。皆からおめでとうコールです。いや、まて、それは果たしてどうなんだ?中三にもなって初めて終わったのかよ。ホープンがさも当然のようにいるあたりがナイスです。今回でいなくなる人なので最早自己紹介も無しです。
しかし喜びも束の間、ほのかの言った「自由研究」の単語に愕然となるなぎさ。お約束かつストレートなリアクションを見せてくれます。なぎさが宿題を期間中に終わらせるなどどだい無理な話なのでしょうか。本編に続く。
②自由研究
諦めが入るなぎさ。ホープンが励ましますが現実はそうそう上手くいきません。そもそも自由研究って何?と聞くポルン。ほのかが解説します。ちなみにほのかはプチ天気予報士のような研究をしたそうです。去年、(夏休みではないが)天気図を1ヶ月分だか収集する宿題をやっていましたのでその発展応用でしょうか。とりあえず、私は飛行機雲が出来たら次の日は天気悪いということしか知りません(それただの(一応理屈はあるけど)経験則だろ)。しっかり者のほのかに「偉いなぁ」と関心するなぎさ。このふたりの信頼関係や距離感からいって「ハイハイそうですか」と流しても良いところでも認めるべき時はキチンと相手を認める発言があるのが律儀です。親しき仲にも礼儀ありというか、もう、愛情ですけどね。
謙虚に自分の欠点をあげるなぎさですがメップルは容赦なくダメ出しします。この場合はメップルが正しいでしょう。口論になるふたり。ほのかとミップルが仲裁に入ります。とはいえ、明日一日の猶予でどうにかなるものでは無い・・・のですが、そこに福音が。アカネさんの登場です。植田さん家の梨園にレッツらゴーです。キョトンとするアカネさんが可愛いです。
実を言うと梨は秋に食べるものだと思っていたので夏終盤で収穫するものだとは知りませんでした。軽く調べてみると種類ごとの期間はありますが梨全体で言えば8月下旬~10月下旬くらいまで採れるんですね。今の時期なら幸水でしょうか。個人的に一番好きな梨は(たぶん)長十郎です。二十世紀梨はリンゴっぽい味(酸味)が苦手です。
洋館。少年を探し回る執事。ビブリスが何事かと尋ねます。梨片手に。お行儀があまりよくないです。少年の居場所を教えます。窓の外を見続ける少年。苦々しくビブリスはシャイニールミナスの名を呟きます。
車窓をぼんやり見つめるひかり。なぎさに呼ばれて振り向きます。はしゃぐなぎさ。こういう分りやすいリアクションをしてくれると周りの人も楽しくなります。そういや、タコカフェカーの車内を見るとたこ焼台とか水道とかありませんがあれ着脱式なのでしょうか。何となくああいうのって据付型なのかと思ってました。着脱式にしてもかなり重いと思うのですが、アカネさんとひかりで運ぶの大丈夫かと余計な心配をしてしまいます。
③夏休み最後の体験
植田梨園に到着。おじさんとおばさんがいます。アカネさんはひかり達を紹介します。「よろしくおねがいします」と元気よく三人は挨拶します。
母屋で一旦休憩。縁側から視界一杯に広がる梨園に感嘆の声をあげるなぎさ。梨に袋がつけられているのは何故?と疑問。それに答えるほのか。機械か何か使うのかと口にするなぎさですが、全て手作業です。農業はマンパワーを使います。梨の栽培について解説するおじさん。受粉は手作業ですか。てっきり蜂を使うのかと思いましたが手作業の方が確実なのでしょう(調べたらやはりそうだった)。
仕事の大変さを真剣に考えるなぎさとほのか。こういう時に特になぎさは本気で考えてしまいます。そんなことは気にするなと流すおじさんおばさん。まあ、仕事とはそういうものです。受け手側は普段その苦労に気付かないくらいが丁度良いのです。大変だ大変だと言われて作られたものを出されても困っちゃいます。でも、知らなさ過ぎるとモラルを欠いた言動を起こしかねないので心の隅っこあたりに記しておく方がいいかもしれません。
それでは夏休み体験学習研究「梨園のレポート」の開始です。普段はやらない作業に楽しさを感じる一同。ホープンやシークンの励ましもありやる気十分です。
作業が終わり縁側で休憩する一同。採れ立ての梨を食します。美味しさに感嘆の声をあげます。しかし、おばさんの何気ない一言にさらに驚きの声をあげる一同。それは午後に収穫をしなければならないこと、そしてその量は半端でないこと。おじさんおばさんふたりで?と聞くアカネさんに隣の農家と助け合いながらやると答えるおばさん。人手が慢性的に不足する農家では珍しくありません。田植えとかならゴールデンウィークで親戚集めてやれるのですが、通常の季節だと難しいですね。
大事なことを学んだとなぎさはおじさんおばさんに言います。なかなか上手く言葉にできないなぎさを引き継いで言うほのか。以前にも見た光景です。ふたりが同じことを感じ取っていることが分ります。来年は夏休みの宿題を頑張ると言うなぎさにツッコミをいれるほのか。ほのぼのとした笑いが一同を包みます。帰り支度を始めようとした時、その音は鳴ります。
④困っている人を助けましょう
隣の農家の人が急病で仕事が出来ないと電話連絡を受けるおばさん。困りました。その話を聞いたなぎさは「お手伝いさせてください」と申し出ます。レポートはどうする?というアカネさんの言葉に迷いつつも手伝うことを再び申し出ます。諦めかけたおじさんおばさんを説得するなぎさ。ほのかとひかりも申し出ます。アカネさんも「言い出したらきかない」と説得に加わります。乗りかかった舟です。とことんやりましょう。
午後の収穫開始。流石に大変さを感じるなぎさ。メップルは頑張ればレポートも良いものになると前向きな発言をします。とはいえノルマは山ほど。言いだしっぺのクセに弱気です。ほのかもひかりを気遣いながら作業を続けます。
アカネさんにお礼を言うおばさん。アカネさんもなぎさの宿題に協力してくれたことにお礼を言います。見事な保護者っぷりです。地味ですが、先ほどのなぎさとほのかが大事なことを学んだというシーンでも言葉遣いを丁寧語にしていたりと行儀良くしています。というか、この作品では粗雑な人(ドツクゾーンを除いて)はいませんね。
雲行きが怪しくなってきましたが、それは邪悪な雲です。倒れるアカネさんおじさんおばさん。なぎさから梨を取って食べるビブリス。なぎさはクレームをつけますがビブリスは「美味しく食べてもらうためだろう?」と悪びれません。というか、先ほどの話を聞いてたんですか。
正義と悪というか、敵対者同士の割には「仲の悪い友達」みたいな口論をするビブリスとなぎさ。お互いに話を聞く気が無い以前に低次元な気がするのは気のせいでしょうか。そういうことでザケンナー召還です。こちらも変身です。
⑤お邪魔な人は追っ払いましょう
ザケンナーに怯えるひかり。前々回で持ち返したと思ったのですが、やはり怖いものは怖いようです。実際、このザケンナー怖いですね。ザケンナーの攻撃を回避して攻撃するプリキュアですが、意外と多機能なザケンナーの防御で打ち返されます。苦戦するプリキュア。それを梨の木の陰から怯え声を出して見守るひかり。ポルンの「ふたりを助けるポポ」の言葉に頷いて変身します。2週ぶりの変身です。実は私、変身シーンで好きなのはルミナスです。音楽も好きです。変身というか降臨って感じ。
ルミナス参戦も束の間そのままの勢いでエキストリーム・ルミナリオ発動です。ノックバックするスパークも良いですが、こっちの方が好きです。「光り輝く絆とともに!」って言ってる時のルミナスのポーズは何かエロいよね(目の付け所間違ってる)。
無事作業終了。先ほどザケンナーを倒した勇姿も何処へやらクタクタの三人。おじさんはお礼を言いながら、逆に教わったと言います。お土産に梨を貰います。現物支給です。一気に食べて喉を詰まらせるなぎさ。余談ですがひかりのキャラクターソングドラマでやったひかりのギャグ(なぎさ直伝)をやるのかと期待してしまいました。なぎさ達の様子にホープンは満足し応援の言葉を残してチェアレクトへと戻ります。
⑥帰路
帰りの車内。今日の感想を言うほのか。アカネさんへのお礼の言葉も忘れません。レポートを手伝うとなぎさの方を見ますが、なぎさは疲れ果てて寝ています。レポートは出来なさそうですが、今日の体験は忘れる事はないだろうとアカネさんは言います。食べ物の寝言を言うなぎさに車内は笑いで満たされます。本人の知らぬところでも周りに何かと影響を与える娘です。
それはそうと、今年も廊下に立つんでしょうか?
⑦次回予告
ベローネのルリコさん。最初ユリコさんと聞こえて「ユリコかよ!」と思ったのは私だけでしょうか?新商・・・もとい新キャラ登場で物語も中盤。楽しみです。莉奈怖すぎ。
○トピック
プリキュア的教育指導の回。いやはや、梨について勉強させていただきました。梨は果物の中でもトップクラスに好きな食べ物なので興味深かかったです。
ホープンの意味であろう「希望」は前々回、前回とひかり、なぎさで十分やっているので今回はなぎさ達から他の人へ希望を与えていますね。おばあちゃま→ひかり→(直接関与は無いが)なぎさ→農家の人へと希望を拡大、伝播させるのは希望が他者にも影響を与えるという効果から考えても締めくくりとして良かったです。また今回は相互補助、助け合いを農家からの視点で描いているのも特徴。前回将来(仕事など)の話をやっていましたが、仕事も助け合いによって成り立っている事が描かれていましたね。
一作目18話の農家手伝い(直接は影響無いんだけど)もそうでしたが、原始的でも自分の手を使い体を使う経験を通じてなぎさ達に学ばせています。携帯電話(等の便利機器)を使わないのもその一つの表れでしょう。本やTVの間接的な情報ではなく実体験と人間関係の直接的な繋がりで成長していますね。
①最後の課題
雪城家。宿題に勤しむ三人。明日で夏休みは最後・・・と胸中で呟くなぎさ。例年どおりギリギリの人です。ひかりはスケジュールどおりでしょうか。ほのかは・・・何か違う課題やってそうです。胸中でぶつくさ言いながらも、前回藤Pの言葉を思い出して宿題に励むなぎさ。それをちょっと横目に見ながらほのかも宿題をします。宿題しながらこの娘は頭の中で「なぎさ観察日記」に事細かに記してそうです。ひかりはそんなことは露知らずテキストを読んでいます(たぶん宿題終わってる)。
そしてついに宿題が終わるなぎさ。本人も感激です。皆からおめでとうコールです。いや、まて、それは果たしてどうなんだ?中三にもなって初めて終わったのかよ。ホープンがさも当然のようにいるあたりがナイスです。今回でいなくなる人なので最早自己紹介も無しです。
しかし喜びも束の間、ほのかの言った「自由研究」の単語に愕然となるなぎさ。お約束かつストレートなリアクションを見せてくれます。なぎさが宿題を期間中に終わらせるなどどだい無理な話なのでしょうか。本編に続く。
②自由研究
諦めが入るなぎさ。ホープンが励ましますが現実はそうそう上手くいきません。そもそも自由研究って何?と聞くポルン。ほのかが解説します。ちなみにほのかはプチ天気予報士のような研究をしたそうです。去年、(夏休みではないが)天気図を1ヶ月分だか収集する宿題をやっていましたのでその発展応用でしょうか。とりあえず、私は飛行機雲が出来たら次の日は天気悪いということしか知りません(それただの(一応理屈はあるけど)経験則だろ)。しっかり者のほのかに「偉いなぁ」と関心するなぎさ。このふたりの信頼関係や距離感からいって「ハイハイそうですか」と流しても良いところでも認めるべき時はキチンと相手を認める発言があるのが律儀です。親しき仲にも礼儀ありというか、もう、愛情ですけどね。
謙虚に自分の欠点をあげるなぎさですがメップルは容赦なくダメ出しします。この場合はメップルが正しいでしょう。口論になるふたり。ほのかとミップルが仲裁に入ります。とはいえ、明日一日の猶予でどうにかなるものでは無い・・・のですが、そこに福音が。アカネさんの登場です。植田さん家の梨園にレッツらゴーです。キョトンとするアカネさんが可愛いです。
実を言うと梨は秋に食べるものだと思っていたので夏終盤で収穫するものだとは知りませんでした。軽く調べてみると種類ごとの期間はありますが梨全体で言えば8月下旬~10月下旬くらいまで採れるんですね。今の時期なら幸水でしょうか。個人的に一番好きな梨は(たぶん)長十郎です。二十世紀梨はリンゴっぽい味(酸味)が苦手です。
洋館。少年を探し回る執事。ビブリスが何事かと尋ねます。梨片手に。お行儀があまりよくないです。少年の居場所を教えます。窓の外を見続ける少年。苦々しくビブリスはシャイニールミナスの名を呟きます。
車窓をぼんやり見つめるひかり。なぎさに呼ばれて振り向きます。はしゃぐなぎさ。こういう分りやすいリアクションをしてくれると周りの人も楽しくなります。そういや、タコカフェカーの車内を見るとたこ焼台とか水道とかありませんがあれ着脱式なのでしょうか。何となくああいうのって据付型なのかと思ってました。着脱式にしてもかなり重いと思うのですが、アカネさんとひかりで運ぶの大丈夫かと余計な心配をしてしまいます。
③夏休み最後の体験
植田梨園に到着。おじさんとおばさんがいます。アカネさんはひかり達を紹介します。「よろしくおねがいします」と元気よく三人は挨拶します。
母屋で一旦休憩。縁側から視界一杯に広がる梨園に感嘆の声をあげるなぎさ。梨に袋がつけられているのは何故?と疑問。それに答えるほのか。機械か何か使うのかと口にするなぎさですが、全て手作業です。農業はマンパワーを使います。梨の栽培について解説するおじさん。受粉は手作業ですか。てっきり蜂を使うのかと思いましたが手作業の方が確実なのでしょう(調べたらやはりそうだった)。
仕事の大変さを真剣に考えるなぎさとほのか。こういう時に特になぎさは本気で考えてしまいます。そんなことは気にするなと流すおじさんおばさん。まあ、仕事とはそういうものです。受け手側は普段その苦労に気付かないくらいが丁度良いのです。大変だ大変だと言われて作られたものを出されても困っちゃいます。でも、知らなさ過ぎるとモラルを欠いた言動を起こしかねないので心の隅っこあたりに記しておく方がいいかもしれません。
それでは夏休み体験学習研究「梨園のレポート」の開始です。普段はやらない作業に楽しさを感じる一同。ホープンやシークンの励ましもありやる気十分です。
作業が終わり縁側で休憩する一同。採れ立ての梨を食します。美味しさに感嘆の声をあげます。しかし、おばさんの何気ない一言にさらに驚きの声をあげる一同。それは午後に収穫をしなければならないこと、そしてその量は半端でないこと。おじさんおばさんふたりで?と聞くアカネさんに隣の農家と助け合いながらやると答えるおばさん。人手が慢性的に不足する農家では珍しくありません。田植えとかならゴールデンウィークで親戚集めてやれるのですが、通常の季節だと難しいですね。
大事なことを学んだとなぎさはおじさんおばさんに言います。なかなか上手く言葉にできないなぎさを引き継いで言うほのか。以前にも見た光景です。ふたりが同じことを感じ取っていることが分ります。来年は夏休みの宿題を頑張ると言うなぎさにツッコミをいれるほのか。ほのぼのとした笑いが一同を包みます。帰り支度を始めようとした時、その音は鳴ります。
④困っている人を助けましょう
隣の農家の人が急病で仕事が出来ないと電話連絡を受けるおばさん。困りました。その話を聞いたなぎさは「お手伝いさせてください」と申し出ます。レポートはどうする?というアカネさんの言葉に迷いつつも手伝うことを再び申し出ます。諦めかけたおじさんおばさんを説得するなぎさ。ほのかとひかりも申し出ます。アカネさんも「言い出したらきかない」と説得に加わります。乗りかかった舟です。とことんやりましょう。
午後の収穫開始。流石に大変さを感じるなぎさ。メップルは頑張ればレポートも良いものになると前向きな発言をします。とはいえノルマは山ほど。言いだしっぺのクセに弱気です。ほのかもひかりを気遣いながら作業を続けます。
アカネさんにお礼を言うおばさん。アカネさんもなぎさの宿題に協力してくれたことにお礼を言います。見事な保護者っぷりです。地味ですが、先ほどのなぎさとほのかが大事なことを学んだというシーンでも言葉遣いを丁寧語にしていたりと行儀良くしています。というか、この作品では粗雑な人(ドツクゾーンを除いて)はいませんね。
雲行きが怪しくなってきましたが、それは邪悪な雲です。倒れるアカネさんおじさんおばさん。なぎさから梨を取って食べるビブリス。なぎさはクレームをつけますがビブリスは「美味しく食べてもらうためだろう?」と悪びれません。というか、先ほどの話を聞いてたんですか。
正義と悪というか、敵対者同士の割には「仲の悪い友達」みたいな口論をするビブリスとなぎさ。お互いに話を聞く気が無い以前に低次元な気がするのは気のせいでしょうか。そういうことでザケンナー召還です。こちらも変身です。
⑤お邪魔な人は追っ払いましょう
ザケンナーに怯えるひかり。前々回で持ち返したと思ったのですが、やはり怖いものは怖いようです。実際、このザケンナー怖いですね。ザケンナーの攻撃を回避して攻撃するプリキュアですが、意外と多機能なザケンナーの防御で打ち返されます。苦戦するプリキュア。それを梨の木の陰から怯え声を出して見守るひかり。ポルンの「ふたりを助けるポポ」の言葉に頷いて変身します。2週ぶりの変身です。実は私、変身シーンで好きなのはルミナスです。音楽も好きです。変身というか降臨って感じ。
ルミナス参戦も束の間そのままの勢いでエキストリーム・ルミナリオ発動です。ノックバックするスパークも良いですが、こっちの方が好きです。「光り輝く絆とともに!」って言ってる時のルミナスのポーズは何かエロいよね(目の付け所間違ってる)。
無事作業終了。先ほどザケンナーを倒した勇姿も何処へやらクタクタの三人。おじさんはお礼を言いながら、逆に教わったと言います。お土産に梨を貰います。現物支給です。一気に食べて喉を詰まらせるなぎさ。余談ですがひかりのキャラクターソングドラマでやったひかりのギャグ(なぎさ直伝)をやるのかと期待してしまいました。なぎさ達の様子にホープンは満足し応援の言葉を残してチェアレクトへと戻ります。
⑥帰路
帰りの車内。今日の感想を言うほのか。アカネさんへのお礼の言葉も忘れません。レポートを手伝うとなぎさの方を見ますが、なぎさは疲れ果てて寝ています。レポートは出来なさそうですが、今日の体験は忘れる事はないだろうとアカネさんは言います。食べ物の寝言を言うなぎさに車内は笑いで満たされます。本人の知らぬところでも周りに何かと影響を与える娘です。
それはそうと、今年も廊下に立つんでしょうか?
⑦次回予告
ベローネのルリコさん。最初ユリコさんと聞こえて「ユリコかよ!」と思ったのは私だけでしょうか?新商・・・もとい新キャラ登場で物語も中盤。楽しみです。莉奈怖すぎ。
○トピック
プリキュア的教育指導の回。いやはや、梨について勉強させていただきました。梨は果物の中でもトップクラスに好きな食べ物なので興味深かかったです。
ホープンの意味であろう「希望」は前々回、前回とひかり、なぎさで十分やっているので今回はなぎさ達から他の人へ希望を与えていますね。おばあちゃま→ひかり→(直接関与は無いが)なぎさ→農家の人へと希望を拡大、伝播させるのは希望が他者にも影響を与えるという効果から考えても締めくくりとして良かったです。また今回は相互補助、助け合いを農家からの視点で描いているのも特徴。前回将来(仕事など)の話をやっていましたが、仕事も助け合いによって成り立っている事が描かれていましたね。
一作目18話の農家手伝い(直接は影響無いんだけど)もそうでしたが、原始的でも自分の手を使い体を使う経験を通じてなぎさ達に学ばせています。携帯電話(等の便利機器)を使わないのもその一つの表れでしょう。本やTVの間接的な情報ではなく実体験と人間関係の直接的な繋がりで成長していますね。
第26話「負けるななぎさ!みんな悩んで大きくなった!!」
○今週の出来事
①将来の夢
夕方の商店街を歩くなぎさ。メップルと夏祭りの話題で盛り上がっています。食い物のことや遊びや藤Pのことしか頭にないなぎさ(この時なぎさの瞳のハイライトに☆があるのが印象的)。めっさ刹那的で無計画ぽくて頭悪そうです。でも、目先の事を純粋に楽しめることこそ、なぎさの魅力であることも確かです。
ふいに声がかけられます。そっとメップルを手で押さえます。芸が細かいです。志穂と莉奈が本屋から出てきました。どうやら志穂は映画監督についての書籍を買ったようです。疑問に思うなぎさに莉奈が分りやすく説明します。そう、去年ベローネ際で劇をやったときに志穂は映画監督になるのが夢だった、と明言しています。そのための一歩として買ったようです。それはそうと今年もベローネ際の話やるんでしょうね。
将来の事を考えている志穂になぎさは(少々戸惑いつつも)感心します。しかし、逆に志穂から「誰にだって夢はあるじゃん。なぎさにだってあるでしょ?」と聞き返されてしまいます。呆然とするなぎさ。それに構わず志穂は目を輝かせまくって将来の展望を語ります。若干、いえ大分皮算用が入っています。莉奈が茶化します。他愛無い会話のはずですが、なぎさは浮かない顔です。彼女には夢が無い。
視聴2回目以降思ったのですが、この将来の夢が無いという比較的重くて暗めの出だしであってもOPを見るとそんなことはぶっとんでしまう勢いがあって、それはそれでこの作品の基調なんでしょうね。
帰宅して先の話を母、亮太とするなぎさ。志穂が案外しっかりした目標を持っているにもかかわらず、自分は何も考えていないことに落ち込んでいます。それに対して母は、今から目標を持つことは素晴らしいことだが、じっくり考える事も有りなんじゃないの?とやんわり励まします。なぎさは中学3年生なので多少は目標を具体的に考える時期であると思いますが、恐らく進路としてはそのまま高等部に進むと思いますので保留していても問題にはならないでしょう。
格闘技が向いていると茶化す亮太。激怒して追い掛け回します。たしなめる母。テーブルを叩く時に手をつきますが、薬指にはめた指輪が印象的です。ちなみに会話している時は指輪は描かれていません。が、この一瞬だけのシーンで母は指輪を常にしているというイメージがします(どうでもいい話ですが、私の両親は指輪をしていなかったので「既婚者は指輪をする」という習慣があると現実的に知ったのは働いて先輩や上司を見てからです)。
母に諭され、祭りの準備を慌しくするなぎさ。母に着付けの手伝いをお願いします。まだまだ手のかかる娘です。
②夏祭り
夏祭りの会場へ赴くなぎさとほのか。浴衣仕様です。ふたりとも去年とは違う柄でなぎさは母に買ってもらい、ほのかは例年どおりおばあちゃま作の浴衣です。無論、両親にもその写真を送っています。私に焼き増ししてくれませんか?
ほのかの両親が来年の柄はどうする?と気が早い事に苦笑するほのかに、なぎさは先の将来の事を考えたのかその話を持ち出します。ほのかに将来やりたいことを聞くなぎさ。ここで冗談でも「なぎさのお嫁さん」とか言ったら伝説になるでしょう。漠然としながらも自分の事を知っているほのかは研究の仕事をしてみたいと言います。それを聞いて俯くなぎさ。いや、ほのかの話も漠然とした域を出ていないのでそんなに落ち込むことはないと思います。全く考えてもいないし、漠然とした将来像も無いないなぎさには先を考えていると見えるのでしょうか。
なぎさの突然の話にいぶかるほのか。経緯を説明します。ほのかは足を止めて、なぎさには今一生懸命やっていることがあると言います。ラクロスの事?と返すなぎさにほのかはそれで良いんじゃない?と優しく答えます。しかし、その答えに合点のいかないなぎさですが、ほのかは「大丈夫」と優しく頷き返します。恐らく、ほのかもなぎさ母と同じ考えなのでしょう(といっても親と子の立場の違いがあるので同じ答えだから良いってもんでもないのですが)。多分ほのかはなぎさの良いところを最大限に評価しているので信頼しています。それはほのかがなぎさを友人として信頼しているという意味と、なぎさはなぎさ自身を信じて良いという信頼です。今までの日常およびプリキュアとしての戦いの中でなぎさはその都度大きな(小さな)選択をする場面でキチンと自分で答えを出してきています。確かに、将来のことについての先行きに対してはほぼ何も考えてないと言っていいのですが、逆にイザという時の選択は(多少迷っても)すぐに答えを導き出しそれに全力で向かっています。そしてそれらは結果として良い方向へと進みます。なぎさは先の事をうじうじ考えるよりも現状を全力で進み、時には道を自ら切り開くタイプの人だと思います。
そこに志穂と莉奈から声をかけられます。合流です。出店をねり歩く一同。色んなもの食べてます。なぎさのイカポッポを食べているシーンは間抜けというか可愛いです。金魚すくいをするなぎさ。袖をまくってガンガン金魚をすくっていきます。ふいに藤Pの声。目を丸くして固まるなぎさ。分りやすい娘です。藤Pと木俣です。前年と同じく普段着です。まあ、こいつらの衣装なんてどうでもいいんですが。頬を赤らめて緊張するなぎさ。可愛いです。袖がまくったままなのもポイント高いです。
今年は晴れているので花火が見えると皆を誘う藤P。木俣もベストポジションがあると言います。木俣は去年の肝試しもそうですが、変な下準備が多いです。その割りに連れて行く相手の準備がなさげなのが手落ちです。まあ、藤Pと行きたいというのなら止めませんけど。
全6名で歩く一同。途中の射的で幼い兄妹の微笑ましい光景を目にします。なぎさは藤Pが近くに居るので緊張してそれどころではありません。が、ある匂いに感化されます。アカネさんのたこ焼を見つけます。ひかりも手伝っています。浴衣が似合っていると褒めるなぎさ。この浴衣はほのかのお下がりらしいです。是非浴衣を堪能したいところですが、タコカフェエプロンが邪魔です。そこに(多分)先ほど射的をしていた兄妹が買いにやってきます。行儀よく返事をして去っていく兄妹。みんな視線がその兄妹へと注がれます。こういう細かい描写好きです。何気ない動作ですが、実際にお祭りにいる雰囲気が出ています。
そういやアカネさんが毎回仕事していることに気付く莉奈。休まないの?と尋ねます。あっさりと休まないと答えるアカネさん。労働基準法とかよく知りませんが、自営業なのでその辺は良いのかな、と余計な心配をします。夢のために働くアカネさん。タコカフェを大きくしたい夢があります。働く女性アカネさん。その姿は活き活きとしています。その姿になぎさもカッコイイと思います。そうです、頑張ってい・・「前向きに生きている人は輝いている」とハーティエル・ホープン。うわ、被った。先に言われたよ。
「ひかり~」と黄色い声。「奈緒!美羽!」と笑顔で応えるひかり。合流です。たこ焼を食べ終わり、ひかりに遊んで来いと言うアカネさん。
遊びに出る一同を後ろから見る影。ビブリス。っていうか、目立ちすぎ!周りのお客さんは気付いていない様子。気付きたくもありません。水ヨーヨーを(熱で?)破裂させます。・・・その姿でヨーヨーを釣って来たのでしょうか?
③先の見えぬ階段
輪投げをするひかり。外れてしまいます。フォローする藤P。何気に良いヤツです。ほのかも「入りますように」とお願いします。その甲斐あってか見事輪が人形に入ります。喜ぶ一同。独り浮かない顔があります。なぎさ。将来の夢が無い自分にひどく落ち込みます。藤Pに輪投げを薦められて投げますが外れ。ははっ、と照れ笑いするなぎさ。その姿にほのかはいつもと違う雰囲気を感じ取ります。最強のなぎさセンサーを持つ娘です。
花火が始まり、祠の先にある木俣お勧めの場所へと向かいます。階段を登る途中で独り足を止めるなぎさ。誰もいなくなり、暗闇だけが広がります。メップルが元気が無いと声をかけてきます。一連の悩みを話します。ラクロスをやっている時のなぎさは輝いていると真面目に答えるメップル。メップルが冗談抜きでしゃべる場合はかなり本気度が高いです。しかし、将来の事を考えているわけじゃない、とどうしても自信が持てないなぎさ。それで良いとメップル。メップルもまた母やほのかと同様になぎさをよく知る者です。
藤Pが引き返してきます。良いヤツです。相談に乗ろうとする藤P。良いヤツです。相談するなぎさ。なぎさも結構ストレートです。思えば母、ほのか、メップル、藤Pといろんな人に相談しています。藤Pの将来の事を聞くなぎさ。答えようとしたその時、
④光の道
ビブリス。オネムの時間です。邪悪な気配。ちょうちんがザケンナーへと転じます。異変を察知するほのかとひかり。
藤Pを守るべく、単身でザケンナーをひきつけるなぎさ。浴衣姿で頑張ります。動作は正確ではありませんが、機敏なザケンナー。追い詰められます。そこへほのかとひかり到着。変身です。浴衣変身です!!(つい声が大きくなる)
鬼火・・・いや火遁の術を使うザケンナーの攻撃を回避するプリキュア。しかしホワイトが捕まってしまいます。救出するべくブラックが向かいます。水ヨーヨーでけん制するザケンナー。お祭りだけに色んなものを持っています。第一の蹴りをちょうちんの構造を利用し回避するザケンナー。頑張ります。でも第二撃目の蹴りに直撃。ホワイトの手を放します。
安堵するのも束の間、ひかりが危険を呼びかけます。ビブリス。やる気満々です。落ち込んでいるときに勝手なこと言わないで!とブラック。えらく個人的な理由です。ビブリスはお得意の衝撃波でプリキュアを吹き飛ばします。昔はプリキュアバリア(仮名)があったのですが、現在では使われないので防御方法が無く衝撃波等の遠隔攻撃に無防備です。もっとも、アレはあまりに受動的かつふたりが手を繋がないと発動しないので接近戦にはまるで意味が無い防御手段ではあります。
夢も希望も無いと言うビブリス。自分の夢を見つけるためにもここで引くわけにはいかないプリキュア。嘲笑いながらプリキュアをぶっ飛ばすビブリス。傷つき(服が汚れ)ながらも立ち上がるプリキュア。体勢を戻したザケンナーも加わりピンチです。プリキュアを応援するひかり。いや、あんた変身しないんかい。ひかりの応援に応え、ブレスを召還するプリキュア。階段を下りながら光の道がプリキュアへと届きます。おお、シャイニングロード(限定的なネタだなぁ)。
ブレスの効能。
1.装着時にテカります。
2.衣服の汚れ・シミが落ちます。
3.勝ちます。
マーブルスクリューを放つプリキュア。ザケンナーはそのスクリューをはたいて耐えます。そんなん有りかよ。ビブリスも加わって押し返そうとします。決して発生原であるプリキュアを直接叩こうなどというヒーローヒロイン番組の掟をやぶるようなことはしません。スパークがかかっていつものように撤退するビブリス。ゴメンナー。
⑤登った先に見える光景
藤Pを起こすなぎさ。花火が続いています。先の答えを聞くなぎさ。サッカー選手になりたい?でも、藤Pは先の事は考えていない様子で、今を一生懸命にやっていれば先の事も見えてくる、と答えます。なぎさが相談した相手、母、ほのか、メップルと同じ答え。ようやく合点がいったのか笑みが戻ります。ここで藤Pの言葉が決め手になるのはなぎさらしいところでしょう。母、ほのか、メップルはなぎさにとって近しく身内です。なぎさにとってみれば普段でも自分に優しい人達です。夢が無いなぎさに「マジで?ヤバイよあんた。もっと真面目に考えた方がイイよ!」と急かしたりはせず、静かに見守る立場を取っています。それが余計に負担になります。そうだとしても無いものは無いのです。不安になります。しかし、ここで第三者であり、なぎさにとって憧れの人である藤Pも同じように夢が無いけどみんなと同じことを言う事でなぎさは今までの言葉を自分が受け入れても良いと理解したでしょう。まっ、穿った見方すれば、案外藤Pもいい加減な将来像だったので安心した、というのも無くも無いですが(夢も希望もねぇ)。
階段を駆け上がるふたり。その様子を静かに階段の外から見守るほのかとひかり。優しい友人達です。
花火。その絶景にみんな笑顔で見入ります。私は空の花より地上の華に夢中です。野郎はとっととお家に帰ってください。
なぎさの表情に笑いが戻ります。これは意図してかは分りませんが、前回のさなえさんの話であるケヤキの坂を思い出させます。長い坂(今回は階段)を登った先に見える光景。それは希望が広がる、希望を映し出す光景。
⑥次回予告
梨って渋いな、オイ。
○トピック
サブタイトルからしてストレートな回。将来の事は保留し今を大切に生きることを選択するなぎさ(=プリキュアの世界)。プリキュアは今まで再三「今を一生懸命に生きる」ことを推奨しています。今とは日常であり、そして未来とは今の連続した先にあるものです。決して今と未来は断絶したものではなく連続したものであり、いきなり未来が訪れるわけではない。今を一生懸命生きることは将来を一生懸命生きることを意味します。
本人達の立場からすれば中学三年生なので多少は将来設計を考えた方が良い時期ではあるのですが、視聴者の層はそういうことはまだまだ早い段階の子どもなのでプリキュアのこのテーマは正しいと思います。これが高校三年生とか就職控えた大学生とかの主人公で視聴者層もそれに類した層だったりしたら、ただのノーテンキかアホか現実逃避になってしまいます。立場によって求められる行動は違います。
①職業選択の疎遠
プリキュアの話から外れますが、(どっかの本の受け売りですが)現在の社会は大人になることを延期させられています。小学校、中学校、高校、(多くの場合)大学と体よく言えば学習・勉強、悪く言えば社会から学生は切り離されています。この場合の大人とは生産的活動(要は仕事している)を意味します。昔の話をすれば15で元服でした。それが今では法的には20であり、実際の仕事をするかに至ってはさらに上の年齢になることもしばしばです。これは、社会が豊かになり、急いで生産人口を増やす必要が無くなったのが理由の一つだそうです。科学とかが高度になって、その養成のために時間がかかる、というのは個人的には胡散臭い気がします。だって、(大学は行ってないので知らないが)高校とかで習うものが本当に実務的かと言えばそうではないでしょう。学習機関は人を選別するもので、もっと言ってしまえば、仕事をしない人達を集めておく保育所と大差は無いと考えます(これは私の考え。別にそれが悪いとは思わない。だって、そうするのが社会的にも合理的なのだろうから)。
現在では就職難があるので、中学や高校からでも意識的に職業について関心を寄せるようになってきたため学校に求められていることが変わってきているのかもしれませんので一概にそうだとは言いませんが、世襲制というのもほとんど無くなって子どもが職業(将来)について具体的に考える環境というのは整っていなかったと思います(学校が悪いわけじゃなくて、親だって子どもに何になりたいか?と導くことを言うことも少ないと思う)。職業を考えるにもどんな職業があって、何をやっていて、どうやったらなれるのかすら分らないものもあります。大人になることを延期させられている上に、情報も乏しいのでは考えろという方が無理があります。
余談が過ぎましたが、もう少し余談。将来について、私は今電気にたずさわる仕事をしていますが、では、その仕事は自らがキチンと考えてなったものか?と言われれば「ノー」です。私は昔から理数系の科目が好きだったし、工業などの技術にも関心があったのでそういう仕事をやってみたいというのはありましたが、それはほのかが言ったような漠然としたものであり具体性はゼロです。では、どうやって決めたかというと、成り行きによるところが大きいです。工業高校に進んだ時点で高卒で仕事は決めていましたから、就職選択の時点で自分が入れそうな会社を選んだに過ぎません。別に全く興味が無いわけでも、今の仕事に不満があるわけでもありませんが、理由なんて特にありません。無いけど成り行きでなってしまったものです。そんなにいい加減なのはお前だけだ、と言われそうですが、大なり小なり普通の人はそんなモンではないでしょうか?人生設計を自分で決めて、仕事もそれに即したものを選ぶ人なんてひと握りです。しかも、それで上手くいった人はもっと少ないでしょう。そもそも、人生設計をやれる人自体そんなにいない気がします。こういっちゃなんですが、成り行きって多いよね。ゲームみたいにポンポン目的が定まればどんなに楽か。実際は目的が無いのが普通であると思います。
②とはいえ、やるしかねぇ
ここからプリキュアに戻していきますが、成り行きで選んでしまった仕事だからといってそれで手を抜いて良いわけではありません。っていうかそんなことしたら上司に怒られます。その仕事に意味を見出すなり生きがいを見出すなり、あるいは本当に自分のやりたいことのために仕事を変えるのも良いでしょう。重要なのは(現在の)選択をした自分がその現在に対してどう行動するかです。
(これも心理学書の受け売りですが)人はその立場になってその立場の考え方を自然にするようになります。でないと環境に適応できないからです。社長になれば社長の、親になれば親の立場に立った考え方をするようになります。それに完全に適応できるかは人によりますけど。だから、先のことは先になったら考えるというのはある意味正しいです。今から考えても先になった時に環境や条件、あるいは自分自身の考えが変わっているかもしれないからです。そしてここで重要になるのは自分が何をやってきたか(やってこれたか)です。大概何もしなかった人ほど選択肢は少なく、そして選択するにたる糧すらなかったりします(無論、私のことである。だからプリキュアの言っている事は身に染みて分るのだ)。
今を一生懸命頑張ることは(よくありがちな甘い)現状肯定でも逃避でもなく、未来のために自分を鍛えるための指針です。
いや、だから、これ私の人生観の話しだよなぁ。一応、プリキュアの解釈として成り立つとは思うのだけど。
①将来の夢
夕方の商店街を歩くなぎさ。メップルと夏祭りの話題で盛り上がっています。食い物のことや遊びや藤Pのことしか頭にないなぎさ(この時なぎさの瞳のハイライトに☆があるのが印象的)。めっさ刹那的で無計画ぽくて頭悪そうです。でも、目先の事を純粋に楽しめることこそ、なぎさの魅力であることも確かです。
ふいに声がかけられます。そっとメップルを手で押さえます。芸が細かいです。志穂と莉奈が本屋から出てきました。どうやら志穂は映画監督についての書籍を買ったようです。疑問に思うなぎさに莉奈が分りやすく説明します。そう、去年ベローネ際で劇をやったときに志穂は映画監督になるのが夢だった、と明言しています。そのための一歩として買ったようです。それはそうと今年もベローネ際の話やるんでしょうね。
将来の事を考えている志穂になぎさは(少々戸惑いつつも)感心します。しかし、逆に志穂から「誰にだって夢はあるじゃん。なぎさにだってあるでしょ?」と聞き返されてしまいます。呆然とするなぎさ。それに構わず志穂は目を輝かせまくって将来の展望を語ります。若干、いえ大分皮算用が入っています。莉奈が茶化します。他愛無い会話のはずですが、なぎさは浮かない顔です。彼女には夢が無い。
視聴2回目以降思ったのですが、この将来の夢が無いという比較的重くて暗めの出だしであってもOPを見るとそんなことはぶっとんでしまう勢いがあって、それはそれでこの作品の基調なんでしょうね。
帰宅して先の話を母、亮太とするなぎさ。志穂が案外しっかりした目標を持っているにもかかわらず、自分は何も考えていないことに落ち込んでいます。それに対して母は、今から目標を持つことは素晴らしいことだが、じっくり考える事も有りなんじゃないの?とやんわり励まします。なぎさは中学3年生なので多少は目標を具体的に考える時期であると思いますが、恐らく進路としてはそのまま高等部に進むと思いますので保留していても問題にはならないでしょう。
格闘技が向いていると茶化す亮太。激怒して追い掛け回します。たしなめる母。テーブルを叩く時に手をつきますが、薬指にはめた指輪が印象的です。ちなみに会話している時は指輪は描かれていません。が、この一瞬だけのシーンで母は指輪を常にしているというイメージがします(どうでもいい話ですが、私の両親は指輪をしていなかったので「既婚者は指輪をする」という習慣があると現実的に知ったのは働いて先輩や上司を見てからです)。
母に諭され、祭りの準備を慌しくするなぎさ。母に着付けの手伝いをお願いします。まだまだ手のかかる娘です。
②夏祭り
夏祭りの会場へ赴くなぎさとほのか。浴衣仕様です。ふたりとも去年とは違う柄でなぎさは母に買ってもらい、ほのかは例年どおりおばあちゃま作の浴衣です。無論、両親にもその写真を送っています。私に焼き増ししてくれませんか?
ほのかの両親が来年の柄はどうする?と気が早い事に苦笑するほのかに、なぎさは先の将来の事を考えたのかその話を持ち出します。ほのかに将来やりたいことを聞くなぎさ。ここで冗談でも「なぎさのお嫁さん」とか言ったら伝説になるでしょう。漠然としながらも自分の事を知っているほのかは研究の仕事をしてみたいと言います。それを聞いて俯くなぎさ。いや、ほのかの話も漠然とした域を出ていないのでそんなに落ち込むことはないと思います。全く考えてもいないし、漠然とした将来像も無いないなぎさには先を考えていると見えるのでしょうか。
なぎさの突然の話にいぶかるほのか。経緯を説明します。ほのかは足を止めて、なぎさには今一生懸命やっていることがあると言います。ラクロスの事?と返すなぎさにほのかはそれで良いんじゃない?と優しく答えます。しかし、その答えに合点のいかないなぎさですが、ほのかは「大丈夫」と優しく頷き返します。恐らく、ほのかもなぎさ母と同じ考えなのでしょう(といっても親と子の立場の違いがあるので同じ答えだから良いってもんでもないのですが)。多分ほのかはなぎさの良いところを最大限に評価しているので信頼しています。それはほのかがなぎさを友人として信頼しているという意味と、なぎさはなぎさ自身を信じて良いという信頼です。今までの日常およびプリキュアとしての戦いの中でなぎさはその都度大きな(小さな)選択をする場面でキチンと自分で答えを出してきています。確かに、将来のことについての先行きに対してはほぼ何も考えてないと言っていいのですが、逆にイザという時の選択は(多少迷っても)すぐに答えを導き出しそれに全力で向かっています。そしてそれらは結果として良い方向へと進みます。なぎさは先の事をうじうじ考えるよりも現状を全力で進み、時には道を自ら切り開くタイプの人だと思います。
そこに志穂と莉奈から声をかけられます。合流です。出店をねり歩く一同。色んなもの食べてます。なぎさのイカポッポを食べているシーンは間抜けというか可愛いです。金魚すくいをするなぎさ。袖をまくってガンガン金魚をすくっていきます。ふいに藤Pの声。目を丸くして固まるなぎさ。分りやすい娘です。藤Pと木俣です。前年と同じく普段着です。まあ、こいつらの衣装なんてどうでもいいんですが。頬を赤らめて緊張するなぎさ。可愛いです。袖がまくったままなのもポイント高いです。
今年は晴れているので花火が見えると皆を誘う藤P。木俣もベストポジションがあると言います。木俣は去年の肝試しもそうですが、変な下準備が多いです。その割りに連れて行く相手の準備がなさげなのが手落ちです。まあ、藤Pと行きたいというのなら止めませんけど。
全6名で歩く一同。途中の射的で幼い兄妹の微笑ましい光景を目にします。なぎさは藤Pが近くに居るので緊張してそれどころではありません。が、ある匂いに感化されます。アカネさんのたこ焼を見つけます。ひかりも手伝っています。浴衣が似合っていると褒めるなぎさ。この浴衣はほのかのお下がりらしいです。是非浴衣を堪能したいところですが、タコカフェエプロンが邪魔です。そこに(多分)先ほど射的をしていた兄妹が買いにやってきます。行儀よく返事をして去っていく兄妹。みんな視線がその兄妹へと注がれます。こういう細かい描写好きです。何気ない動作ですが、実際にお祭りにいる雰囲気が出ています。
そういやアカネさんが毎回仕事していることに気付く莉奈。休まないの?と尋ねます。あっさりと休まないと答えるアカネさん。労働基準法とかよく知りませんが、自営業なのでその辺は良いのかな、と余計な心配をします。夢のために働くアカネさん。タコカフェを大きくしたい夢があります。働く女性アカネさん。その姿は活き活きとしています。その姿になぎさもカッコイイと思います。そうです、頑張ってい・・「前向きに生きている人は輝いている」とハーティエル・ホープン。うわ、被った。先に言われたよ。
「ひかり~」と黄色い声。「奈緒!美羽!」と笑顔で応えるひかり。合流です。たこ焼を食べ終わり、ひかりに遊んで来いと言うアカネさん。
遊びに出る一同を後ろから見る影。ビブリス。っていうか、目立ちすぎ!周りのお客さんは気付いていない様子。気付きたくもありません。水ヨーヨーを(熱で?)破裂させます。・・・その姿でヨーヨーを釣って来たのでしょうか?
③先の見えぬ階段
輪投げをするひかり。外れてしまいます。フォローする藤P。何気に良いヤツです。ほのかも「入りますように」とお願いします。その甲斐あってか見事輪が人形に入ります。喜ぶ一同。独り浮かない顔があります。なぎさ。将来の夢が無い自分にひどく落ち込みます。藤Pに輪投げを薦められて投げますが外れ。ははっ、と照れ笑いするなぎさ。その姿にほのかはいつもと違う雰囲気を感じ取ります。最強のなぎさセンサーを持つ娘です。
花火が始まり、祠の先にある木俣お勧めの場所へと向かいます。階段を登る途中で独り足を止めるなぎさ。誰もいなくなり、暗闇だけが広がります。メップルが元気が無いと声をかけてきます。一連の悩みを話します。ラクロスをやっている時のなぎさは輝いていると真面目に答えるメップル。メップルが冗談抜きでしゃべる場合はかなり本気度が高いです。しかし、将来の事を考えているわけじゃない、とどうしても自信が持てないなぎさ。それで良いとメップル。メップルもまた母やほのかと同様になぎさをよく知る者です。
藤Pが引き返してきます。良いヤツです。相談に乗ろうとする藤P。良いヤツです。相談するなぎさ。なぎさも結構ストレートです。思えば母、ほのか、メップル、藤Pといろんな人に相談しています。藤Pの将来の事を聞くなぎさ。答えようとしたその時、
④光の道
ビブリス。オネムの時間です。邪悪な気配。ちょうちんがザケンナーへと転じます。異変を察知するほのかとひかり。
藤Pを守るべく、単身でザケンナーをひきつけるなぎさ。浴衣姿で頑張ります。動作は正確ではありませんが、機敏なザケンナー。追い詰められます。そこへほのかとひかり到着。変身です。浴衣変身です!!(つい声が大きくなる)
鬼火・・・いや火遁の術を使うザケンナーの攻撃を回避するプリキュア。しかしホワイトが捕まってしまいます。救出するべくブラックが向かいます。水ヨーヨーでけん制するザケンナー。お祭りだけに色んなものを持っています。第一の蹴りをちょうちんの構造を利用し回避するザケンナー。頑張ります。でも第二撃目の蹴りに直撃。ホワイトの手を放します。
安堵するのも束の間、ひかりが危険を呼びかけます。ビブリス。やる気満々です。落ち込んでいるときに勝手なこと言わないで!とブラック。えらく個人的な理由です。ビブリスはお得意の衝撃波でプリキュアを吹き飛ばします。昔はプリキュアバリア(仮名)があったのですが、現在では使われないので防御方法が無く衝撃波等の遠隔攻撃に無防備です。もっとも、アレはあまりに受動的かつふたりが手を繋がないと発動しないので接近戦にはまるで意味が無い防御手段ではあります。
夢も希望も無いと言うビブリス。自分の夢を見つけるためにもここで引くわけにはいかないプリキュア。嘲笑いながらプリキュアをぶっ飛ばすビブリス。傷つき(服が汚れ)ながらも立ち上がるプリキュア。体勢を戻したザケンナーも加わりピンチです。プリキュアを応援するひかり。いや、あんた変身しないんかい。ひかりの応援に応え、ブレスを召還するプリキュア。階段を下りながら光の道がプリキュアへと届きます。おお、シャイニングロード(限定的なネタだなぁ)。
ブレスの効能。
1.装着時にテカります。
2.衣服の汚れ・シミが落ちます。
3.勝ちます。
マーブルスクリューを放つプリキュア。ザケンナーはそのスクリューをはたいて耐えます。そんなん有りかよ。ビブリスも加わって押し返そうとします。決して発生原であるプリキュアを直接叩こうなどというヒーローヒロイン番組の掟をやぶるようなことはしません。スパークがかかっていつものように撤退するビブリス。ゴメンナー。
⑤登った先に見える光景
藤Pを起こすなぎさ。花火が続いています。先の答えを聞くなぎさ。サッカー選手になりたい?でも、藤Pは先の事は考えていない様子で、今を一生懸命にやっていれば先の事も見えてくる、と答えます。なぎさが相談した相手、母、ほのか、メップルと同じ答え。ようやく合点がいったのか笑みが戻ります。ここで藤Pの言葉が決め手になるのはなぎさらしいところでしょう。母、ほのか、メップルはなぎさにとって近しく身内です。なぎさにとってみれば普段でも自分に優しい人達です。夢が無いなぎさに「マジで?ヤバイよあんた。もっと真面目に考えた方がイイよ!」と急かしたりはせず、静かに見守る立場を取っています。それが余計に負担になります。そうだとしても無いものは無いのです。不安になります。しかし、ここで第三者であり、なぎさにとって憧れの人である藤Pも同じように夢が無いけどみんなと同じことを言う事でなぎさは今までの言葉を自分が受け入れても良いと理解したでしょう。まっ、穿った見方すれば、案外藤Pもいい加減な将来像だったので安心した、というのも無くも無いですが(夢も希望もねぇ)。
階段を駆け上がるふたり。その様子を静かに階段の外から見守るほのかとひかり。優しい友人達です。
花火。その絶景にみんな笑顔で見入ります。私は空の花より地上の華に夢中です。野郎はとっととお家に帰ってください。
なぎさの表情に笑いが戻ります。これは意図してかは分りませんが、前回のさなえさんの話であるケヤキの坂を思い出させます。長い坂(今回は階段)を登った先に見える光景。それは希望が広がる、希望を映し出す光景。
⑥次回予告
梨って渋いな、オイ。
○トピック
サブタイトルからしてストレートな回。将来の事は保留し今を大切に生きることを選択するなぎさ(=プリキュアの世界)。プリキュアは今まで再三「今を一生懸命に生きる」ことを推奨しています。今とは日常であり、そして未来とは今の連続した先にあるものです。決して今と未来は断絶したものではなく連続したものであり、いきなり未来が訪れるわけではない。今を一生懸命生きることは将来を一生懸命生きることを意味します。
本人達の立場からすれば中学三年生なので多少は将来設計を考えた方が良い時期ではあるのですが、視聴者の層はそういうことはまだまだ早い段階の子どもなのでプリキュアのこのテーマは正しいと思います。これが高校三年生とか就職控えた大学生とかの主人公で視聴者層もそれに類した層だったりしたら、ただのノーテンキかアホか現実逃避になってしまいます。立場によって求められる行動は違います。
①職業選択の疎遠
プリキュアの話から外れますが、(どっかの本の受け売りですが)現在の社会は大人になることを延期させられています。小学校、中学校、高校、(多くの場合)大学と体よく言えば学習・勉強、悪く言えば社会から学生は切り離されています。この場合の大人とは生産的活動(要は仕事している)を意味します。昔の話をすれば15で元服でした。それが今では法的には20であり、実際の仕事をするかに至ってはさらに上の年齢になることもしばしばです。これは、社会が豊かになり、急いで生産人口を増やす必要が無くなったのが理由の一つだそうです。科学とかが高度になって、その養成のために時間がかかる、というのは個人的には胡散臭い気がします。だって、(大学は行ってないので知らないが)高校とかで習うものが本当に実務的かと言えばそうではないでしょう。学習機関は人を選別するもので、もっと言ってしまえば、仕事をしない人達を集めておく保育所と大差は無いと考えます(これは私の考え。別にそれが悪いとは思わない。だって、そうするのが社会的にも合理的なのだろうから)。
現在では就職難があるので、中学や高校からでも意識的に職業について関心を寄せるようになってきたため学校に求められていることが変わってきているのかもしれませんので一概にそうだとは言いませんが、世襲制というのもほとんど無くなって子どもが職業(将来)について具体的に考える環境というのは整っていなかったと思います(学校が悪いわけじゃなくて、親だって子どもに何になりたいか?と導くことを言うことも少ないと思う)。職業を考えるにもどんな職業があって、何をやっていて、どうやったらなれるのかすら分らないものもあります。大人になることを延期させられている上に、情報も乏しいのでは考えろという方が無理があります。
余談が過ぎましたが、もう少し余談。将来について、私は今電気にたずさわる仕事をしていますが、では、その仕事は自らがキチンと考えてなったものか?と言われれば「ノー」です。私は昔から理数系の科目が好きだったし、工業などの技術にも関心があったのでそういう仕事をやってみたいというのはありましたが、それはほのかが言ったような漠然としたものであり具体性はゼロです。では、どうやって決めたかというと、成り行きによるところが大きいです。工業高校に進んだ時点で高卒で仕事は決めていましたから、就職選択の時点で自分が入れそうな会社を選んだに過ぎません。別に全く興味が無いわけでも、今の仕事に不満があるわけでもありませんが、理由なんて特にありません。無いけど成り行きでなってしまったものです。そんなにいい加減なのはお前だけだ、と言われそうですが、大なり小なり普通の人はそんなモンではないでしょうか?人生設計を自分で決めて、仕事もそれに即したものを選ぶ人なんてひと握りです。しかも、それで上手くいった人はもっと少ないでしょう。そもそも、人生設計をやれる人自体そんなにいない気がします。こういっちゃなんですが、成り行きって多いよね。ゲームみたいにポンポン目的が定まればどんなに楽か。実際は目的が無いのが普通であると思います。
②とはいえ、やるしかねぇ
ここからプリキュアに戻していきますが、成り行きで選んでしまった仕事だからといってそれで手を抜いて良いわけではありません。っていうかそんなことしたら上司に怒られます。その仕事に意味を見出すなり生きがいを見出すなり、あるいは本当に自分のやりたいことのために仕事を変えるのも良いでしょう。重要なのは(現在の)選択をした自分がその現在に対してどう行動するかです。
(これも心理学書の受け売りですが)人はその立場になってその立場の考え方を自然にするようになります。でないと環境に適応できないからです。社長になれば社長の、親になれば親の立場に立った考え方をするようになります。それに完全に適応できるかは人によりますけど。だから、先のことは先になったら考えるというのはある意味正しいです。今から考えても先になった時に環境や条件、あるいは自分自身の考えが変わっているかもしれないからです。そしてここで重要になるのは自分が何をやってきたか(やってこれたか)です。大概何もしなかった人ほど選択肢は少なく、そして選択するにたる糧すらなかったりします(無論、私のことである。だからプリキュアの言っている事は身に染みて分るのだ)。
今を一生懸命頑張ることは(よくありがちな甘い)現状肯定でも逃避でもなく、未来のために自分を鍛えるための指針です。
いや、だから、これ私の人生観の話しだよなぁ。一応、プリキュアの解釈として成り立つとは思うのだけど。