カテゴリー [ ひろがるスカイ!プリキュア ]
- ・第35話「助っ人ソラ!エースとヒーロー」
- ・第34話「もんもん!ましろと帰ってきたアイツ」
- ・映画「プリキュアオールスターズF」
- ・第33話「究極のちから!マジェスティクルニクルン」
- ・第32話「大変身!キュアマジェスティ!!」
- ・第31話「新たな脅威!エルちゃんを取り戻せ!」
- ・第30話「ひろがる海!ビーチパラダイス!」
- ・第29話「ソラと、忘れられたぬいぐるみ」
- ・第28話「あげはのアゲアゲファッションショー」
- ・第27話「ミラーパッドでワクワクレッスン!?」
- ・第26話「テイクオフ!飛行機でつながる想い」
- ・第25話「ワクワク!プリンセス、動物園に行く!」
- ・第24話「輝く一番星☆エルちゃんの秘密」
- ・第23話「砕けた夢と、よみがえる力」
- ・第22話「バッタモンダー最後の秘策!」
- ・第21話「ひろがれ!知識の翼」
- ・第20話「ましろの夢 最初の一歩」
- ・第19話「あげはとツバサ、カラフルにアゲてこ!」
- ・第18話「アゲアゲ!最強の保育士キュアバタフライ!!」
- ・第17話「わたせ最高のバトン!ましろ本気のリレー」
- ・第16話「えるたろう一座のおに退治」
- ・第15話「超巨大ランボーグ大爆発!?守れスカイランド!」
- ・第14話「スカイランドへ!憧れのあの人との再会」
- ・第13話「届けて!はじめてのおくりもの」
- ・第12話「ツエェェェ!キュアスカイ対カバトン!!」
- ・第11話「気まずい二人!?ツバサとあげは」
- ・第10話「むむむ!思い出の料理ってどんな味!?」
- ・第9話「勇気の翼、飛べキュアウィング!!」
- ・第8話「飛べない鳥と、ふしぎな少年」
- ・第7話「ドキドキ!転校生はヒーローガール!!」
第35話「助っ人ソラ!エースとヒーロー」
○今週のヒーロー
①野球部のエース
昼休みになった途端に部活の勧誘を受けるソラ。久しぶりのタイム。慣れているのかクラスメイトも加わって勧誘を中断。
落ち着いて昼食。なんかしれっとメガネ君いるんですけどー!? なんで普通に女子グループに溶け込んでるの? え、君なに? チート能力者? 人生5週目?
ソラが部活に入らないのはヒーローを目指しているから。再び訪問者。女子野球部のたまかなコンビ。ご存知ないソラにメガネ君が説明。お前の距離感。ピッチャーの四宮たまき。キャッチャーの扇かなめ先輩。連戦連勝に導く最強バッテリー。バッテリー…。たぶんわかってない。蓄電池のことです。
そんな名コンビ(と取り巻き)から特別コーチのお誘い。
映画宣伝仕様OPその4。シュプリーム編。放っておいてもプリキュアの数が年々増えていくので敵もインフレするのは自然の理。みなとみらいで大暴れしていたヒュージョンとは隔世の感。
とりあえず現地視察。
連戦連勝するほど強いならコーチなど要らないのでは? そう訊ねるとピッチャーのたまきが故障したことが明かされます。ソラにはその代役……ではなく模擬対戦相手。ソラさんを相手に練習すれば私たちはもっと強くなれる。そう説明するかなめ。なので特別コーチというわけ。殊勝だな。「頑張る人の背中を支える」それがヒーロー、と手帳を開くソラ。この文言絶対その都度生成されてるよね。快諾するソラ。問題はソラが野球を知らないこと。
まずはピッチング。かなめが尻もちをつくほどの球威。申し分なし。
続いてバッティング。これも余裕。捕球も超人的フィジカルを披露。もはやソラが9人いればそれが最強状態。目の当たりにした部員はなんとか女子野球部に入ってもらえないかな?と本音を漏らします。しかしここで士気を保つのがエースの仕事。たまきがこのチームメンバーで勝とう!と奮い立たせます。野球部の団結力、エースのカリスマ性が見て取れるシーン。
その日のことを夕食でみんなに話します。
次の日も練習に参加。
野球部の掛け声を聞いた紋田は給料もでないのに体を動かすとか意味わかんねぇと斜に構えた反応。すっかり賃金労働者の意識が染み込んでやがる。敵だった奴が普通に仕事してるのなんか安心感ある。
ましろからくもパンを差し入れ。
ソラにコーチの打診を提案したのがたまきだったと話すかなめ。故障を知ったときのチームの雰囲気は絶望的。そこでチームのために動いてくれたのが彼女だった。負い目を打ち消すためもあったでしょうが、こういうときってなかなか大変そうではあります。労働者意識が染み込んでいる私からすると構成員など歯車の一つにしか過ぎないので、それが一つ欠けたところで組織は回るし、回らない組織はそれ自体が欠陥だと思います。個人に依存した組織の寿命はそれ相応でしかない。私がいなくても世の中は回る。そう考えると楽。会社で偉くなっても一歩外に出ればただのおっさんだからね。給料以上の責任(とプライド)は発生しない、と考える人間からするとうぉぉぉ俺たちは○○を目指すんだーー!みたいなテンションはよくわかりません(組織や集団に絶対に染まらない奴の思考)。
連続優勝というチーム目標を達成するために諦めない。勝つために努力するのがエース。自分の立場と責任感を表明するたまき。エースとヒーロー。共感を覚えたソラは優勝を目指して頑張りましょう!とたまきに手を伸ばします。
帰り道。
野球のエースはチームを守るヒーローなのかもしれないとましろに話すソラ。ましろも同意するとソラちゃんとたまきさんって少し似てると機嫌良さそうに答えます。可愛い。この正ヒロイン感。いつかたまきさんと野球してみたい。同志を見つけた、みたいな顔のソラ。
フラグが立ったのでイベント発生。肘の故障は思ったより悪く手術が必要。先に言ってくださいよ~先生~。
②エースの重責
報告を受けた部員に動揺が走ります。不安を和らげるように顧問の先生が手術してリハビリすればまた投げられるようになるとフォロー。しかしそれは今ではない。手術をすれば間違いなく大会には出られない。それなら大会後に手術を受けるから出場させて欲しいと頭を下げるたまき。
一昔前のスポ根ならそれも通ったでしょうが、大人が感動するために少年少女を使い捨てにするのは人権侵害なのでは?的論調が出ている現在では少々無理筋。運動会の巨大ピラミッドや2分の1成人式とか闇深いよね。ああいうのは大抵親が夢中になるから。感動や善意は無償労働の温床。集団や組織は本質的に人間を道具として扱う。恣意性、曖昧さ、無責任さを美辞麗句や道徳で糊塗するのだけは巧い。って私は常に思ってます。どんだけ集団に馴染まないんだよ。
このアニメはプリンセスプリキュアじゃないので根性論は不要。かなめがキッパリと断ります。連続優勝の夢、3年生のかなめにとっては最後の大会。それに応えられない自分を歯がゆく思うたまき。あー、そういうのは優秀なナンバー2を育てられなかったチームの構造的・人材的欠陥ってことで流して良いと思うよ。最近だと後継者がいなくて中小企業が倒産って話がよく出るけど、後継者を育てるのも経営者の仕事なんだよね。つまり何が言いたいかというと「チームで」と言うわりにエースの依存度が高いんだよね、この野球部。たまきも責任感と言えば聞こえは良いけど「私がいなきゃ」って思考と表裏一体になっている。お前がいなきゃ勝てない野球部ってそれ野球部の意味あるの?
士気がだだ下がりになったのでかなめが喝を入れます。これではたまきも安心して手術を受けられない。そもそも故障の事実は変わらないのでそのために特訓もした。落ち込んでいた空気が再び上昇。
たまきを心配するソラ。明るく振る舞っていたけど辛いと思うとかなめ。どうして? だってたまきはエースだから。エースはチームの勝利を背負って、一人でマウンドに立つ。チームの中心でみんなを引っ張っていかなきゃいけない。だから辛いとか怖いとかみんなの前で言えなかったんじゃないか。
この辺でヒーローとエースの相違点がハッキリしてきます。それはエースはチームや組織を前提にしたポジションであること。一人チームのエースはエースと言わない。それはただの趣味。これは一人でヒーローを目指しているソラの認識との大きな違い。後述するようにプリキュアとしての連帯はあるけど、じゃあソラがプリキュアのリーダーかというとまた違う。ひろがるスカイではリーダーというポジションは成立しずらい。
ピッチャーの代役は私だと話すかなめ。たまきに自分が休んだせいで負けたなんて思ってほしくない。そのためにも絶対に勝つ。その言葉が心に響くソラ。かなめが言っていることはましろが言っていたことと同じです。ソラがヒーローを辞退したときにその役を引き受けたのは彼女。それはましろがソラを信頼し、心から気遣い、そして力になろうとしたから。その存在感と強さを知るソラがそれに思い至らないわけがない。
大会を明日に控え、横断幕を自作する一同。
試合には出ないものの緊張し始めるソラ。生憎とたまきの手術も明日。ソラを除いたメンツは今回傍観者なので応援しょうと静観。
③ヒーローのお仕事
会場に到着。野球部の様子がおかしい。実はたまきが病院から抜け出した。試合直前にそういう不安にさせるようなことするの止めてもらえません? 責任感じすぎて逆に面倒臭くなるやつ。失踪の責任を感じるかなめ。その瞬間にやるべきことを理解するソラたち。たまき捜しは自分たちが引き受ける。みなさんは試合に集中してください。
手分けして捜索。こういうときウィングは便利。
ソラが学校に行くと果たしてそこに目的の人物が。
エース失格、と口火を切るたまき。自暴自棄な様子。そんなことはない。怖いですよね、とソラが答えると「ソラさんにはわからないよ!」と大声で言い返します。
野球が好きで、野球ばっかやってきた。なのに肘は手術しなきゃいけなくなり、自分のせいでチームが負けちゃうかもしれない。みんなはグランドにいるのに、私は独りで病院にいてこんな気持ちわかるわけない……と膝をついて項垂れるたまき。いい感じにこじらせて悲劇のヒロインになってるなー。これを見るとソラの逃げっぷりは潔くて気持ちよかったですね。自分はヒーローになれないと悟ったことが大きかった。
そんな込み入った事情丸出しの場面でも空気を読まずに入ってこれるのが敵の特権。スキアヘッド襲来。今回はスカイ単独変身。
「わかります。一人ぼっちで戦う気持ち」
「ヒーローの出番です!」
先行はスカイ。攻撃は防がれ反撃によってスタートラインまで戻されます。たまきを抱えて退避。
逃げようと訴えるたまきにスカイは柔らかい口調で昔話を始めます。一人ぼっちを恐れない。それがヒーロー。でもそうじゃないんだよって教えてくれた人がいた。そのおかげでもっとヒーローに近づけたと思っている。屋上に着地してたまきを降ろすと、言葉を続けます。エースはチームの勝利を背負ってマウンドに一人で立つと聞いた。
「でも、一人で何もかも背負わないでください。私もたまきさんも一人じゃない!」
その言葉と同時にプリズムたちが現着。同じ頃、野球部の試合が始まります。
5人でキョーボーグと戦闘。
バタフライの支援を受けて攻勢に。プリズムの光弾は通らない。でもスカイがそれを投げれば話は別。合図を受けたプリズムはそれをすぐに察すると光弾をパス。魔球フォームでキョーボーグをストライク。通常弾が便利すぎてプリズムショットの出番がない。今です! スカイがそれ言うんかい。こういうところもリーダーの不在感を補強していますね。クルニクルンはマジェスティの所持品。
ソラと一緒に病院に戻るたまき。
酷いことを言ってごめん。助けてくれてありがとう。謝罪とお礼を口にするたまき。プリキュアのことは他言無用。その代わり自分が泣いていたことも秘密。交換条件が成立したところで病院から出てくる野球部メンバー。
勝利の報告を受けたたまきは今度は私の番と答えます。ソラは横断幕でたまきを応援。そんな彼女を私のヒーローだと称えるたまき。するとかなめが「私と女子野球部の」と訂正。野球部一同感謝。
その後も試合は続き、見事連覇を達成。
④次回予告
敵の作画からにじみ出る暴れてやろうぜ感。
EDは映画挿入歌。この曲かかってる場面、映像の圧力が強くて音が耳に入ってこないんだよね。コラボ技が熱さと遊び心に溢れてる。
○トピック
気づいたらひろがるスカイプリキュアのメガネ君に転生していた~大きなお友達の夢は俺が叶える!~
軽井沢あさひとか言ったな、お前屋上に来い。
主人公だけど実はそんなにやることがないソラ回。
プリキュアでヒーローと言えばドキドキプリキュアが連想されます。主人公のマナは四方八方に首を突っ込んでは自分のペースに巻き込み、敵首領の娘レジーナを助けるなど遺憾なくその権威を発揮。親友の六花はマナがアクセルを全力で踏めるようサポート。四葉財閥の支援で万全の体制。このようにヒーロー=人助け、最強チームで無双なノリなどわかりやすい作風でした。
それに比べると本作のソラはだいぶ大人しい。積極的に人助けするわけではないし、ヒーローチームでもない。本作は一緒に居なくてもいいというほど自立性を確保しているので、その反作用でチームの一体感も減じています。トレードオフですね。ソラちゃんがいなくちゃ…みたいな弱音は吐かない。だからソラがリーダーになりにくいし、そもそもソラとましろの関係が中核になっているのでどっちが、というものでもない。本作はヒーローと言いつつも一般に想起されるようなエースやワンマン(アーミー)とは意図的に距離を置いています。なんなら突出させないようにしていると言ってもいい。今回のエピソードはその印象を強めています。
そもそも論としてソラはヒーローに向いていません。
友達が傷つくのを想像しただけで泣いちゃう。憧れの人が囚われたら心が折れちゃう。どんだけ繊細で純粋なのこの子。もともとの発端もヒーローに憧れたからヒーローを目指しているわけで、非常に感化されやすく人の影響を受けやすい子です。ソラの人物像としてもここに焦点が当てられている。
余談ですが、上述したマナには裏設定があって、彼女が生徒会長になったのも自分がやりたいことを通すなら肩書があった方がいいという助言を受けてそうしている、というのがあります。権限があればその分だけ動きが取れる。そういう実務的な、やりたいことをやれるようにするためのアクションプランみたいなものをソラが持っているかと言えばあやしい。物語初期の護衛隊入隊がそれだったでしょうが、現在はヒーローとしての具体的な活動は宙に浮いているというのが実態。繰り返しますが彼女は人の役に立ちたいなどの奉仕精神からヒーローを目指しているわけではないので、いわゆる一般的なヒーロー活動をする意味が(物語的に)ありません。
一人でやらせるには純粋すぎるし、人助けをする意味もあまりない。という実は主人公としては動かしにくい設定だったりします。わりと最近こういう主人公多い気がする。序盤は動くんだけど、中盤あたりから動きが鈍くなって、終盤またアクセル踏むみたいな。
余談が入りましたが、ソラの主観的にも話は纏められます。
当初はヒーローとして独りでやっていたけど、その限界や自分にない強さを持っている人に出会った。プリキュアについても自分がエースだといった意識はない。今彼女がヒーローをやれるのはヒーローと呼んでくれた人がいるから、信じて待ってくれた人がいるからです。自分の背中を押してくれる人、隣で手を握ってくれる人、その想いに応えるのがヒーロー、というのがおそらく現時点での彼女の意識だろうと思います(映画でもそのメンタルが反映されている)。
いわゆる自分の弱さを知ったことで得られる強さみたいなものですね。ものすごく乱暴に言うと、ソラのように純粋な人間、もっと雑に言うとバカな子は悩んではいけないのです。悩まないことが正解。バカが立ち止まったって何もできないんだから。そのことを知っているバカは強い。そんな感じ。
ヒーローとして研鑽を積んできたのに心が折れてしまう。たくさん絵本を描いたのに聞いてもらえない。必ずしも努力が報われるわけじゃない。でもそれを乗り越えたときにより強く、より高く跳ぶことができる。本作はこの意味で積み重ねた経験や努力は裏切りません。そしてそれは一人では成し得ないことです。ヒントをくれた紋田、頼れる仲間。自分だけでできること、自分だけではできないことがある。そうした意識が回ってひろがっていく、という作風ですね。
というわけで次に挫折するのはお前だ、と言わんばかりにあげはにご指名。最強ってなんだよ。ほんとそれ。
①野球部のエース
昼休みになった途端に部活の勧誘を受けるソラ。久しぶりのタイム。慣れているのかクラスメイトも加わって勧誘を中断。
落ち着いて昼食。なんかしれっとメガネ君いるんですけどー!? なんで普通に女子グループに溶け込んでるの? え、君なに? チート能力者? 人生5週目?
ソラが部活に入らないのはヒーローを目指しているから。再び訪問者。女子野球部のたまかなコンビ。ご存知ないソラにメガネ君が説明。お前の距離感。ピッチャーの四宮たまき。キャッチャーの扇かなめ先輩。連戦連勝に導く最強バッテリー。バッテリー…。たぶんわかってない。蓄電池のことです。
そんな名コンビ(と取り巻き)から特別コーチのお誘い。
映画宣伝仕様OPその4。シュプリーム編。放っておいてもプリキュアの数が年々増えていくので敵もインフレするのは自然の理。みなとみらいで大暴れしていたヒュージョンとは隔世の感。
とりあえず現地視察。
連戦連勝するほど強いならコーチなど要らないのでは? そう訊ねるとピッチャーのたまきが故障したことが明かされます。ソラにはその代役……ではなく模擬対戦相手。ソラさんを相手に練習すれば私たちはもっと強くなれる。そう説明するかなめ。なので特別コーチというわけ。殊勝だな。「頑張る人の背中を支える」それがヒーロー、と手帳を開くソラ。この文言絶対その都度生成されてるよね。快諾するソラ。問題はソラが野球を知らないこと。
まずはピッチング。かなめが尻もちをつくほどの球威。申し分なし。
続いてバッティング。これも余裕。捕球も超人的フィジカルを披露。もはやソラが9人いればそれが最強状態。目の当たりにした部員はなんとか女子野球部に入ってもらえないかな?と本音を漏らします。しかしここで士気を保つのがエースの仕事。たまきがこのチームメンバーで勝とう!と奮い立たせます。野球部の団結力、エースのカリスマ性が見て取れるシーン。
その日のことを夕食でみんなに話します。
次の日も練習に参加。
野球部の掛け声を聞いた紋田は給料もでないのに体を動かすとか意味わかんねぇと斜に構えた反応。すっかり賃金労働者の意識が染み込んでやがる。敵だった奴が普通に仕事してるのなんか安心感ある。
ましろからくもパンを差し入れ。
ソラにコーチの打診を提案したのがたまきだったと話すかなめ。故障を知ったときのチームの雰囲気は絶望的。そこでチームのために動いてくれたのが彼女だった。負い目を打ち消すためもあったでしょうが、こういうときってなかなか大変そうではあります。労働者意識が染み込んでいる私からすると構成員など歯車の一つにしか過ぎないので、それが一つ欠けたところで組織は回るし、回らない組織はそれ自体が欠陥だと思います。個人に依存した組織の寿命はそれ相応でしかない。私がいなくても世の中は回る。そう考えると楽。会社で偉くなっても一歩外に出ればただのおっさんだからね。給料以上の責任(とプライド)は発生しない、と考える人間からするとうぉぉぉ俺たちは○○を目指すんだーー!みたいなテンションはよくわかりません(組織や集団に絶対に染まらない奴の思考)。
連続優勝というチーム目標を達成するために諦めない。勝つために努力するのがエース。自分の立場と責任感を表明するたまき。エースとヒーロー。共感を覚えたソラは優勝を目指して頑張りましょう!とたまきに手を伸ばします。
帰り道。
野球のエースはチームを守るヒーローなのかもしれないとましろに話すソラ。ましろも同意するとソラちゃんとたまきさんって少し似てると機嫌良さそうに答えます。可愛い。この正ヒロイン感。いつかたまきさんと野球してみたい。同志を見つけた、みたいな顔のソラ。
フラグが立ったのでイベント発生。肘の故障は思ったより悪く手術が必要。先に言ってくださいよ~先生~。
②エースの重責
報告を受けた部員に動揺が走ります。不安を和らげるように顧問の先生が手術してリハビリすればまた投げられるようになるとフォロー。しかしそれは今ではない。手術をすれば間違いなく大会には出られない。それなら大会後に手術を受けるから出場させて欲しいと頭を下げるたまき。
一昔前のスポ根ならそれも通ったでしょうが、大人が感動するために少年少女を使い捨てにするのは人権侵害なのでは?的論調が出ている現在では少々無理筋。運動会の巨大ピラミッドや2分の1成人式とか闇深いよね。ああいうのは大抵親が夢中になるから。感動や善意は無償労働の温床。集団や組織は本質的に人間を道具として扱う。恣意性、曖昧さ、無責任さを美辞麗句や道徳で糊塗するのだけは巧い。って私は常に思ってます。どんだけ集団に馴染まないんだよ。
このアニメはプリンセスプリキュアじゃないので根性論は不要。かなめがキッパリと断ります。連続優勝の夢、3年生のかなめにとっては最後の大会。それに応えられない自分を歯がゆく思うたまき。あー、そういうのは優秀なナンバー2を育てられなかったチームの構造的・人材的欠陥ってことで流して良いと思うよ。最近だと後継者がいなくて中小企業が倒産って話がよく出るけど、後継者を育てるのも経営者の仕事なんだよね。つまり何が言いたいかというと「チームで」と言うわりにエースの依存度が高いんだよね、この野球部。たまきも責任感と言えば聞こえは良いけど「私がいなきゃ」って思考と表裏一体になっている。お前がいなきゃ勝てない野球部ってそれ野球部の意味あるの?
士気がだだ下がりになったのでかなめが喝を入れます。これではたまきも安心して手術を受けられない。そもそも故障の事実は変わらないのでそのために特訓もした。落ち込んでいた空気が再び上昇。
たまきを心配するソラ。明るく振る舞っていたけど辛いと思うとかなめ。どうして? だってたまきはエースだから。エースはチームの勝利を背負って、一人でマウンドに立つ。チームの中心でみんなを引っ張っていかなきゃいけない。だから辛いとか怖いとかみんなの前で言えなかったんじゃないか。
この辺でヒーローとエースの相違点がハッキリしてきます。それはエースはチームや組織を前提にしたポジションであること。一人チームのエースはエースと言わない。それはただの趣味。これは一人でヒーローを目指しているソラの認識との大きな違い。後述するようにプリキュアとしての連帯はあるけど、じゃあソラがプリキュアのリーダーかというとまた違う。ひろがるスカイではリーダーというポジションは成立しずらい。
ピッチャーの代役は私だと話すかなめ。たまきに自分が休んだせいで負けたなんて思ってほしくない。そのためにも絶対に勝つ。その言葉が心に響くソラ。かなめが言っていることはましろが言っていたことと同じです。ソラがヒーローを辞退したときにその役を引き受けたのは彼女。それはましろがソラを信頼し、心から気遣い、そして力になろうとしたから。その存在感と強さを知るソラがそれに思い至らないわけがない。
大会を明日に控え、横断幕を自作する一同。
試合には出ないものの緊張し始めるソラ。生憎とたまきの手術も明日。ソラを除いたメンツは今回傍観者なので応援しょうと静観。
③ヒーローのお仕事
会場に到着。野球部の様子がおかしい。実はたまきが病院から抜け出した。試合直前にそういう不安にさせるようなことするの止めてもらえません? 責任感じすぎて逆に面倒臭くなるやつ。失踪の責任を感じるかなめ。その瞬間にやるべきことを理解するソラたち。たまき捜しは自分たちが引き受ける。みなさんは試合に集中してください。
手分けして捜索。こういうときウィングは便利。
ソラが学校に行くと果たしてそこに目的の人物が。
エース失格、と口火を切るたまき。自暴自棄な様子。そんなことはない。怖いですよね、とソラが答えると「ソラさんにはわからないよ!」と大声で言い返します。
野球が好きで、野球ばっかやってきた。なのに肘は手術しなきゃいけなくなり、自分のせいでチームが負けちゃうかもしれない。みんなはグランドにいるのに、私は独りで病院にいてこんな気持ちわかるわけない……と膝をついて項垂れるたまき。いい感じにこじらせて悲劇のヒロインになってるなー。これを見るとソラの逃げっぷりは潔くて気持ちよかったですね。自分はヒーローになれないと悟ったことが大きかった。
そんな込み入った事情丸出しの場面でも空気を読まずに入ってこれるのが敵の特権。スキアヘッド襲来。今回はスカイ単独変身。
「わかります。一人ぼっちで戦う気持ち」
「ヒーローの出番です!」
先行はスカイ。攻撃は防がれ反撃によってスタートラインまで戻されます。たまきを抱えて退避。
逃げようと訴えるたまきにスカイは柔らかい口調で昔話を始めます。一人ぼっちを恐れない。それがヒーロー。でもそうじゃないんだよって教えてくれた人がいた。そのおかげでもっとヒーローに近づけたと思っている。屋上に着地してたまきを降ろすと、言葉を続けます。エースはチームの勝利を背負ってマウンドに一人で立つと聞いた。
「でも、一人で何もかも背負わないでください。私もたまきさんも一人じゃない!」
その言葉と同時にプリズムたちが現着。同じ頃、野球部の試合が始まります。
5人でキョーボーグと戦闘。
バタフライの支援を受けて攻勢に。プリズムの光弾は通らない。でもスカイがそれを投げれば話は別。合図を受けたプリズムはそれをすぐに察すると光弾をパス。魔球フォームでキョーボーグをストライク。通常弾が便利すぎてプリズムショットの出番がない。今です! スカイがそれ言うんかい。こういうところもリーダーの不在感を補強していますね。クルニクルンはマジェスティの所持品。
ソラと一緒に病院に戻るたまき。
酷いことを言ってごめん。助けてくれてありがとう。謝罪とお礼を口にするたまき。プリキュアのことは他言無用。その代わり自分が泣いていたことも秘密。交換条件が成立したところで病院から出てくる野球部メンバー。
勝利の報告を受けたたまきは今度は私の番と答えます。ソラは横断幕でたまきを応援。そんな彼女を私のヒーローだと称えるたまき。するとかなめが「私と女子野球部の」と訂正。野球部一同感謝。
その後も試合は続き、見事連覇を達成。
④次回予告
敵の作画からにじみ出る暴れてやろうぜ感。
EDは映画挿入歌。この曲かかってる場面、映像の圧力が強くて音が耳に入ってこないんだよね。コラボ技が熱さと遊び心に溢れてる。
○トピック
気づいたらひろがるスカイプリキュアのメガネ君に転生していた~大きなお友達の夢は俺が叶える!~
軽井沢あさひとか言ったな、お前屋上に来い。
主人公だけど実はそんなにやることがないソラ回。
プリキュアでヒーローと言えばドキドキプリキュアが連想されます。主人公のマナは四方八方に首を突っ込んでは自分のペースに巻き込み、敵首領の娘レジーナを助けるなど遺憾なくその権威を発揮。親友の六花はマナがアクセルを全力で踏めるようサポート。四葉財閥の支援で万全の体制。このようにヒーロー=人助け、最強チームで無双なノリなどわかりやすい作風でした。
それに比べると本作のソラはだいぶ大人しい。積極的に人助けするわけではないし、ヒーローチームでもない。本作は一緒に居なくてもいいというほど自立性を確保しているので、その反作用でチームの一体感も減じています。トレードオフですね。ソラちゃんがいなくちゃ…みたいな弱音は吐かない。だからソラがリーダーになりにくいし、そもそもソラとましろの関係が中核になっているのでどっちが、というものでもない。本作はヒーローと言いつつも一般に想起されるようなエースやワンマン(アーミー)とは意図的に距離を置いています。なんなら突出させないようにしていると言ってもいい。今回のエピソードはその印象を強めています。
そもそも論としてソラはヒーローに向いていません。
友達が傷つくのを想像しただけで泣いちゃう。憧れの人が囚われたら心が折れちゃう。どんだけ繊細で純粋なのこの子。もともとの発端もヒーローに憧れたからヒーローを目指しているわけで、非常に感化されやすく人の影響を受けやすい子です。ソラの人物像としてもここに焦点が当てられている。
余談ですが、上述したマナには裏設定があって、彼女が生徒会長になったのも自分がやりたいことを通すなら肩書があった方がいいという助言を受けてそうしている、というのがあります。権限があればその分だけ動きが取れる。そういう実務的な、やりたいことをやれるようにするためのアクションプランみたいなものをソラが持っているかと言えばあやしい。物語初期の護衛隊入隊がそれだったでしょうが、現在はヒーローとしての具体的な活動は宙に浮いているというのが実態。繰り返しますが彼女は人の役に立ちたいなどの奉仕精神からヒーローを目指しているわけではないので、いわゆる一般的なヒーロー活動をする意味が(物語的に)ありません。
一人でやらせるには純粋すぎるし、人助けをする意味もあまりない。という実は主人公としては動かしにくい設定だったりします。わりと最近こういう主人公多い気がする。序盤は動くんだけど、中盤あたりから動きが鈍くなって、終盤またアクセル踏むみたいな。
余談が入りましたが、ソラの主観的にも話は纏められます。
当初はヒーローとして独りでやっていたけど、その限界や自分にない強さを持っている人に出会った。プリキュアについても自分がエースだといった意識はない。今彼女がヒーローをやれるのはヒーローと呼んでくれた人がいるから、信じて待ってくれた人がいるからです。自分の背中を押してくれる人、隣で手を握ってくれる人、その想いに応えるのがヒーロー、というのがおそらく現時点での彼女の意識だろうと思います(映画でもそのメンタルが反映されている)。
いわゆる自分の弱さを知ったことで得られる強さみたいなものですね。ものすごく乱暴に言うと、ソラのように純粋な人間、もっと雑に言うとバカな子は悩んではいけないのです。悩まないことが正解。バカが立ち止まったって何もできないんだから。そのことを知っているバカは強い。そんな感じ。
ヒーローとして研鑽を積んできたのに心が折れてしまう。たくさん絵本を描いたのに聞いてもらえない。必ずしも努力が報われるわけじゃない。でもそれを乗り越えたときにより強く、より高く跳ぶことができる。本作はこの意味で積み重ねた経験や努力は裏切りません。そしてそれは一人では成し得ないことです。ヒントをくれた紋田、頼れる仲間。自分だけでできること、自分だけではできないことがある。そうした意識が回ってひろがっていく、という作風ですね。
というわけで次に挫折するのはお前だ、と言わんばかりにあげはにご指名。最強ってなんだよ。ほんとそれ。
第34話「もんもん!ましろと帰ってきたアイツ」
○今週のヒーロー
①プリンセスシリーズの打ち切り?
古びたアパート。そこで悶々と復讐心を募らせるバッタモンダー。お前、まだこっち居たのかよ。奇声を上げると隣の部屋から壁ドン。あっ……(察し
カップラーメンをすすって一服すると決起。また大声を出したので壁ドン。夜勤明けのカバトンが怒鳴りつけます。このアパートにミノトンも引っ越してきそう。隣の住人に脅えながらも大口を叩くとバイトに。
残金もわずか。どうやって今月を乗り切れば……と苦心していると、近くから誰何の声。思わず側溝に隠れるバッタモンダー。それ痴漢か何かで捕まるぞ。
新作の絵本を描いたましろ。描き慣れてきたようで「プリンセス」シリーズは10冊目。この調子で絵本作家になったら?とあげは。ソラも同意すると満更でもない様子。フレグランス、ミラージュペンでお手紙、絵本(クルニクルン)…どちらかというと営業職の方が向いているんじゃないかな。このアニメの宣伝ほとんど虹ヶ丘家がやっている件。
それを側溝の下で聞いていたバッタモンダーは怒り心頭。その夢ぶっ潰してやる! わかったからバイト行こうな?
映画宣伝仕様OPその3。今回はプーカ多め。映画妖精の中では可愛いランキング上位狙えると思う。
工事現場でバイトしながら復讐方法を思案。しかし手が疎かになってしまい上司から怒られます。自己評価と現実のギャップ開きすぎだろコイツ。この点に関してはカバトンの方が予後が良さそう。
いわゆる非行や不良はなんだかんだ言ってそこから卒業して普通の暮らしを営むイメージがあると思いますが、事実そういうケースは多い。これらの人は勉強などができず、少年時代から親に期待されなくなっていく。なのでその鬱憤を「自分はできる人間なんだ!」という形でぶつけたりする。これが非行や不良として現れる。一人前であることを示そうとするわけだ。自尊心を取り戻そうとする代償行為と言える。だから彼らは虚勢を張る。彼らがしばしば大人の真似事(喫煙、飲酒、異性交遊など)をするのはそのため。無論それは人からも親からも評価されず、ますます孤立化する。けどそこで折れなければ、独り立ちして一人前であることを証明する方法がある。その頃には就職できるようになっているから、働いて稼げば大人の仲間入り。勿論こんなに単純な話ではないけど、カバトンがバカだけど腕っぷしはあると自認していたり、再出発しようと切り替えられるのは、この手の人が意外と現実を見ていることを示している。カバトンのようなタイプは社会で活躍して自分を認めさせたいという形になりやすい。逆にバッタモンダーみたいに自意識が強いタイプは世の中(あるいは個人)への復讐という形になりやすい。俺を認めないアイツを…!ってやつ。先回りして言うとそんな彼が(勘違いから)認められるエピソードになっているのが今回。
図書館の一角。そこでましろが自作の絵本を読み聞かせ。
すでに何回かやっているのか卒なく自己紹介をすると早速絵本を開いて読み聞かせるましろ。それをじっと夢中になって聞き入る子どもたち。その様子に気を良くしたましろは続けます。しかしじっとする子どもばかりではなく遊びだす子も。父親らしき人が止めますが聞かず、「つまんないんだもん」と途中退席。その一言に固まってしまうましろ。横からソラがフォロー。我に戻ると続きを読みます。
読み終えると拍手。最後まで聞いていた子たちからは「面白かった」「プリンセス可愛かった」と好評。親御さんからも絵本に興味を持たれます。一方で途中退席した子どもは外で追いかけっこに夢中。それに気を取られているとあげはがフォロー。よくあること。
②バッタもんの言葉
図書館を出て公園に行くと、ましろはみんなと離れてスケッチ。
鉛筆を握るも一向に筆は進まない。そうしている間に蝶は飛び立ってしまいます。大きなため息をついていると、目の前で(あからさまに)落としもの。落とし主に声をかけるとこれまたあからさまなリアクション。聞いてもないのに美術の勉強をしている紋田と名乗ります。
ましろが美大生と解釈すると、画家を目指していると頷きます。かかった!と内心で笑う紋田。どんな絵を描いているんですか? 質問を想定していたようでスマホを見せます。当然ネットで拾った画像。作戦は単純。美大生の振りをしてましろをこき下ろし自信をへし折る。頭脳派バッタモンダーの完璧な計画。ましろが話に乗ってくれたので会話を進めます。蛾を蝶と言ってるシーンが挟まれていますが、これはバッタモンダー(紋田)にかけているシーンですね。
図書館での出来事を聞いた紋田は内心で大喝采。そのうち本音と建前がひっくり返りそう。心の中では笑いながら神妙な声で相談に乗ります。別な意味で起用だな。絵本作家になれたらいいな。その程度の心構え。なら話は早い。プロの作家になれば悪く言われることは避けられないんじゃない? それが嫌なら書くのをやめるしかないよ。その言葉が刺さるましろ。自分も描いた絵をつまらないって言われたことがある。案の定食いついてきます。もう一息。
なんとも思わなかった、僕にはちゃんと覚悟があると答える紋田。お前の辞書にその単語載ってねぇだろ。煮えくり返って今更復讐に来てる奴が言うことか。人間、心にも思ってないことスラスラ言えたりするよね。
そこにエルをおんぶしたソラがやってきます。紋田を紹介。思わぬ横槍が入り焦る紋田。ソラがキャンバスを手に取るとただの白紙を芸術作品だと勘違い。そんなやり取りをしている横で、ましろはエルと一緒にブランコに座り直します。なかよし。とつぶやくエル。ましろが初めて描いた絵本のエピソードを思い出したようです。
さらにあげはとツバサも合流して冷や汗ダラダラな紋田。ましろ独りなら騙し通せてもこれだけ集まるとヤバい。プリキュア全員集合! もしバレたらボコられる。案の定、あげははどこかで会いました?と記憶に引っかかっている様子。エルも足元に。先ほどまでましろをバカにしていた演出がホラーチックになってるの上手い。今回のエピソードをざっくり言えばバッタモンダーが復讐を企てたら何故か良い方に解釈されてましろが立ち直った、という話なので彼をコミカルに描くことで悪者のイメージを脱色しています。敵をロンダリングするなら味方にする、ガッツリ反省させる、ギャグキャラにするのが手っ取り早い。あと見た目を漂白する。
バッタ!とエル。その一言でパニックに陥る紋田。なんのことはない、頭に本当にバッタがいるだけ。捕まえようと紋田を囲う一同。俺、万事休す! お前の自己主張強ぇーな今回。こっちはましろんの甘甘ボイス聞きてぇんだよ。
そこに思わぬ援軍。スキアヘッド。いいところに~、じゃねーんだわ。帝国は失敗した者を許さない。前門のプリキュア、後門のスキアヘッド。一目散に逃走。彼の頭に付いていたバッタを追いかけるエル。
近くに居た一般人が持っていたスケボーとフリスビーを拝借。何気に初の召喚バンク。ランボーグならぬキョーボーグ召喚。敵のランクが上がっていることを示すわかりやすいネーミング。4人の変身に続いてマジェスティ単独変身。販促強化中。
全員で名乗り。ジャンプしたときのあどけなさと着地したときの王女様感が良い味。並んだところを見てもバラフライよりは幼いキャライメージ。
物陰から様子を伺っていた紋田はエルがプリキュアに変身して混乱。インフレに困惑するのは復帰勢あるある。
名前のとおり凶暴さがアップしているキョーボーグのパワーはマジェスティを以てしても一筋縄ではいかない。
手強い相手に息を呑む一同。しかしスカイは立ち上がるといつもどおり戦うだけだと明朗快活。相手がどんなに強くても関係ない。こういうシンプル思考してるときの彼女は強い。苦戦する覚悟なんてとっくにできてるとバタフライも同意。ウィングとマジェスティもそれに続きます。スキアヘッド(強敵)に対してはましろ以外スタンスが確定しているようです。話が早い。強敵出現→エルがプリキュア化→その2つに戸惑うましろ。これを先週と今週でスッキリさせる。
得心が行くプリズム。
うっかり物音を立てる紋田。プリズムが気づくと振り返ります。戦闘に集中。
プリズムが先制するとそれを合図に反転攻勢。久しぶりのパレット強化。あとは万札新商品の出番です。
③私の覚悟
その夜。
「必ずしもみんなが面白いって言ってくれるとは限らない」
並べたプリンセスシリーズの絵本を使ってドミノ倒し。なかなか面白い儀式するな。これが一冊だけだったなら彼女は止まったかもしれない。
「でも」
工事現場。ベンチに座って休憩する紋田。腹をすかせています。キャンバスとか買わなければその分腹を満たせただろうに。でもあのプリキュアの夢はぶっ潰したはず、と満足感。
噂をすれば本人登場。紋田と再会したましろはまた会いたいと思っていたと喜びます。紋田さんのおかげで自分の気持ちがハッキリした。
「私、絵本を描くのが好きで、それを読んでもらえるのが嬉しくて、だから一人でも喜んでくれる子がいるなら描き続けようと思って!」
「私、紋田さんの覚悟を見習って絵本作家を目指すことにしました!」
まくし立てるように話すましろ。その顔は上気していていつになく興奮しています。
「へっ?」
呆気にとられる紋田ことバッタモンダー。その彼の手を取ると頑張ってくださいと応援。目標に向かって頑張る紋田さんは素敵です。言うだけ言って去っていくましろ。その後ろ姿を呆然と見つめながら初めて応援されたことに感化……されたかどうかは別として、仕事しろと怒鳴られます。
その間もましろの前進は止まらない。
「〈描こう!〉」
「〈これからもたくさん思いっきり!〉」
④次回予告
野球回があるアニメは。
○トピック
俺も美大生の振りをすれば女子中学生とワンチャンが微レ存。そんな夢を見たっていい。……よくない?
ましろとついでにバッタモンダーの再起。
悪意が何故かビタミン剤になる展開嫌いじゃない。だってその方が面白い。善意が人を傷つけることがあるなら悪意が人を助けることがあったっていい。人間って自分の文脈で生きてるからね。意味づけする中でカッチリとハマる言葉。それが善意から出た言葉なのか悪意から出た言葉なのかはあまり関係ない。「何故か救われる」。それがあるから人間って面白いんだと思いますね。同じように悪いことをした→反省してるから許すに限らず、悪いことしようとしたら何か感謝されてそこから、という抜け道があったっていい。悪意と滑稽を振りまくバッタモンダーの姿からは、犯罪者を牢屋にぶち込んだ前作とは違うアプローチを感じさせます。
プリキュアが敵を救済しなくなってだいぶ経ちます。これはこの感想で折に触れて言っているように、女子中学生を犠牲にしすぎ問題が発生するからです。敵を助けるためにいつ終わると知れない苦しみを背負わなければならないのか?はヒーリングののどかが提示したことでも記憶に新しい。当然プリキュアは投げ捨てました。子どもにそんな義務はない。これに限らず近年のプリキュアは敵と距離を置く傾向にあります。
これは一面として正しい態度ですが、しかしちょっと勿体なくもある。というのも行きずりとはいえ、敵もプリキュアと関係を持っているのだからそれを丸々ポイするのも勿体ない。プリキュアと関わった敵がどうなるのかも含めてプリキュアの、その物語の射程と捉えられる。それをやりすぎると救済路線になるのでさじ加減が難しいですが、今回のようなコミカルな勘違い路線は上手い着地点なのではないかと思います。
話をましろに戻すと、描いた絵本を並べてドミノ倒しする心の整理の仕方が独特。
直接的な絵本ネタは20話以来。その間も絵本を描いていました、というのはそれ自体がましろのマイペースさ、粘り強さを補強しています。エルも彼女の絵本のことは何度か口にしている。ソラと対照的だと思うのはソラは手本(ヒーローだったり、ヒーローと呼んでくれる人だったり)を追いかけるように行動するのに対して、ましろは自身の実績によって足元を固める傾向が強い。これは運動会のときにも見られたことで、最初は気乗りしなかったけどやってみたら思いのほか頑張れて、そんな頑張ってる自分に感化されて……という風に弾みがついていくのがましろの面白いところ。
絵本もまたましろの軌跡。絵本が折り重なるように彼女のアイデンティティも固まっている。手紙もそうですが書く(描く)ことを通じて自己表現している。自分の中にあるものを掘り出すタイプはブレにくい。人のために頑張れる。頑張った自分を認められる。今の彼女からは「特に無い!?」「そんな人間がなにかになれるの!?」と言っていた頃のフワフワさは無い。小さな積み重ねをちゃんと経験にできる子ですね。だから大きな(運命的な)キッカケがなくてもいい。ソラに引っ張られてとか、人のため、みたいなキッカケがないと動かないけど、一度動いてしまえば安定する。
彼女に関して言えば道はすでにできている。だからこそ「覚悟」が決め手になる。ましろを評するとき、彼女を知っている人はみんな「優しい」と答えるでしょう。事実みんなに優しくする。でも彼女が作ったものがみんなに届くわけじゃない。「つまらない」と思う人もいる。みんながみんな面白いと言ってはくれない。その甘さを捨てたときましろは本当に大切なものを見つける。人のために頑張るだけじゃなく、当初からずっと自分と対話しているのがましろという人物の魅力的な部分です。
スキアヘッド(とマジェスティ)の登場以降、不安定になっていたましろのメンタルがこのようにして固まるのはとても綺麗な流れですね。絵本もクルニクルンとかかっていて隙がない。
①プリンセスシリーズの打ち切り?
古びたアパート。そこで悶々と復讐心を募らせるバッタモンダー。お前、まだこっち居たのかよ。奇声を上げると隣の部屋から壁ドン。あっ……(察し
カップラーメンをすすって一服すると決起。また大声を出したので壁ドン。夜勤明けのカバトンが怒鳴りつけます。このアパートにミノトンも引っ越してきそう。隣の住人に脅えながらも大口を叩くとバイトに。
残金もわずか。どうやって今月を乗り切れば……と苦心していると、近くから誰何の声。思わず側溝に隠れるバッタモンダー。それ痴漢か何かで捕まるぞ。
新作の絵本を描いたましろ。描き慣れてきたようで「プリンセス」シリーズは10冊目。この調子で絵本作家になったら?とあげは。ソラも同意すると満更でもない様子。フレグランス、ミラージュペンでお手紙、絵本(クルニクルン)…どちらかというと営業職の方が向いているんじゃないかな。このアニメの宣伝ほとんど虹ヶ丘家がやっている件。
それを側溝の下で聞いていたバッタモンダーは怒り心頭。その夢ぶっ潰してやる! わかったからバイト行こうな?
映画宣伝仕様OPその3。今回はプーカ多め。映画妖精の中では可愛いランキング上位狙えると思う。
工事現場でバイトしながら復讐方法を思案。しかし手が疎かになってしまい上司から怒られます。自己評価と現実のギャップ開きすぎだろコイツ。この点に関してはカバトンの方が予後が良さそう。
いわゆる非行や不良はなんだかんだ言ってそこから卒業して普通の暮らしを営むイメージがあると思いますが、事実そういうケースは多い。これらの人は勉強などができず、少年時代から親に期待されなくなっていく。なのでその鬱憤を「自分はできる人間なんだ!」という形でぶつけたりする。これが非行や不良として現れる。一人前であることを示そうとするわけだ。自尊心を取り戻そうとする代償行為と言える。だから彼らは虚勢を張る。彼らがしばしば大人の真似事(喫煙、飲酒、異性交遊など)をするのはそのため。無論それは人からも親からも評価されず、ますます孤立化する。けどそこで折れなければ、独り立ちして一人前であることを証明する方法がある。その頃には就職できるようになっているから、働いて稼げば大人の仲間入り。勿論こんなに単純な話ではないけど、カバトンがバカだけど腕っぷしはあると自認していたり、再出発しようと切り替えられるのは、この手の人が意外と現実を見ていることを示している。カバトンのようなタイプは社会で活躍して自分を認めさせたいという形になりやすい。逆にバッタモンダーみたいに自意識が強いタイプは世の中(あるいは個人)への復讐という形になりやすい。俺を認めないアイツを…!ってやつ。先回りして言うとそんな彼が(勘違いから)認められるエピソードになっているのが今回。
図書館の一角。そこでましろが自作の絵本を読み聞かせ。
すでに何回かやっているのか卒なく自己紹介をすると早速絵本を開いて読み聞かせるましろ。それをじっと夢中になって聞き入る子どもたち。その様子に気を良くしたましろは続けます。しかしじっとする子どもばかりではなく遊びだす子も。父親らしき人が止めますが聞かず、「つまんないんだもん」と途中退席。その一言に固まってしまうましろ。横からソラがフォロー。我に戻ると続きを読みます。
読み終えると拍手。最後まで聞いていた子たちからは「面白かった」「プリンセス可愛かった」と好評。親御さんからも絵本に興味を持たれます。一方で途中退席した子どもは外で追いかけっこに夢中。それに気を取られているとあげはがフォロー。よくあること。
②バッタもんの言葉
図書館を出て公園に行くと、ましろはみんなと離れてスケッチ。
鉛筆を握るも一向に筆は進まない。そうしている間に蝶は飛び立ってしまいます。大きなため息をついていると、目の前で(あからさまに)落としもの。落とし主に声をかけるとこれまたあからさまなリアクション。聞いてもないのに美術の勉強をしている紋田と名乗ります。
ましろが美大生と解釈すると、画家を目指していると頷きます。かかった!と内心で笑う紋田。どんな絵を描いているんですか? 質問を想定していたようでスマホを見せます。当然ネットで拾った画像。作戦は単純。美大生の振りをしてましろをこき下ろし自信をへし折る。頭脳派バッタモンダーの完璧な計画。ましろが話に乗ってくれたので会話を進めます。蛾を蝶と言ってるシーンが挟まれていますが、これはバッタモンダー(紋田)にかけているシーンですね。
図書館での出来事を聞いた紋田は内心で大喝采。そのうち本音と建前がひっくり返りそう。心の中では笑いながら神妙な声で相談に乗ります。別な意味で起用だな。絵本作家になれたらいいな。その程度の心構え。なら話は早い。プロの作家になれば悪く言われることは避けられないんじゃない? それが嫌なら書くのをやめるしかないよ。その言葉が刺さるましろ。自分も描いた絵をつまらないって言われたことがある。案の定食いついてきます。もう一息。
なんとも思わなかった、僕にはちゃんと覚悟があると答える紋田。お前の辞書にその単語載ってねぇだろ。煮えくり返って今更復讐に来てる奴が言うことか。人間、心にも思ってないことスラスラ言えたりするよね。
そこにエルをおんぶしたソラがやってきます。紋田を紹介。思わぬ横槍が入り焦る紋田。ソラがキャンバスを手に取るとただの白紙を芸術作品だと勘違い。そんなやり取りをしている横で、ましろはエルと一緒にブランコに座り直します。なかよし。とつぶやくエル。ましろが初めて描いた絵本のエピソードを思い出したようです。
さらにあげはとツバサも合流して冷や汗ダラダラな紋田。ましろ独りなら騙し通せてもこれだけ集まるとヤバい。プリキュア全員集合! もしバレたらボコられる。案の定、あげははどこかで会いました?と記憶に引っかかっている様子。エルも足元に。先ほどまでましろをバカにしていた演出がホラーチックになってるの上手い。今回のエピソードをざっくり言えばバッタモンダーが復讐を企てたら何故か良い方に解釈されてましろが立ち直った、という話なので彼をコミカルに描くことで悪者のイメージを脱色しています。敵をロンダリングするなら味方にする、ガッツリ反省させる、ギャグキャラにするのが手っ取り早い。あと見た目を漂白する。
バッタ!とエル。その一言でパニックに陥る紋田。なんのことはない、頭に本当にバッタがいるだけ。捕まえようと紋田を囲う一同。俺、万事休す! お前の自己主張強ぇーな今回。こっちはましろんの甘甘ボイス聞きてぇんだよ。
そこに思わぬ援軍。スキアヘッド。いいところに~、じゃねーんだわ。帝国は失敗した者を許さない。前門のプリキュア、後門のスキアヘッド。一目散に逃走。彼の頭に付いていたバッタを追いかけるエル。
近くに居た一般人が持っていたスケボーとフリスビーを拝借。何気に初の召喚バンク。ランボーグならぬキョーボーグ召喚。敵のランクが上がっていることを示すわかりやすいネーミング。4人の変身に続いてマジェスティ単独変身。販促強化中。
全員で名乗り。ジャンプしたときのあどけなさと着地したときの王女様感が良い味。並んだところを見てもバラフライよりは幼いキャライメージ。
物陰から様子を伺っていた紋田はエルがプリキュアに変身して混乱。インフレに困惑するのは復帰勢あるある。
名前のとおり凶暴さがアップしているキョーボーグのパワーはマジェスティを以てしても一筋縄ではいかない。
手強い相手に息を呑む一同。しかしスカイは立ち上がるといつもどおり戦うだけだと明朗快活。相手がどんなに強くても関係ない。こういうシンプル思考してるときの彼女は強い。苦戦する覚悟なんてとっくにできてるとバタフライも同意。ウィングとマジェスティもそれに続きます。スキアヘッド(強敵)に対してはましろ以外スタンスが確定しているようです。話が早い。強敵出現→エルがプリキュア化→その2つに戸惑うましろ。これを先週と今週でスッキリさせる。
得心が行くプリズム。
うっかり物音を立てる紋田。プリズムが気づくと振り返ります。戦闘に集中。
プリズムが先制するとそれを合図に反転攻勢。久しぶりのパレット強化。あとは万札新商品の出番です。
③私の覚悟
その夜。
「必ずしもみんなが面白いって言ってくれるとは限らない」
並べたプリンセスシリーズの絵本を使ってドミノ倒し。なかなか面白い儀式するな。これが一冊だけだったなら彼女は止まったかもしれない。
「でも」
工事現場。ベンチに座って休憩する紋田。腹をすかせています。キャンバスとか買わなければその分腹を満たせただろうに。でもあのプリキュアの夢はぶっ潰したはず、と満足感。
噂をすれば本人登場。紋田と再会したましろはまた会いたいと思っていたと喜びます。紋田さんのおかげで自分の気持ちがハッキリした。
「私、絵本を描くのが好きで、それを読んでもらえるのが嬉しくて、だから一人でも喜んでくれる子がいるなら描き続けようと思って!」
「私、紋田さんの覚悟を見習って絵本作家を目指すことにしました!」
まくし立てるように話すましろ。その顔は上気していていつになく興奮しています。
「へっ?」
呆気にとられる紋田ことバッタモンダー。その彼の手を取ると頑張ってくださいと応援。目標に向かって頑張る紋田さんは素敵です。言うだけ言って去っていくましろ。その後ろ姿を呆然と見つめながら初めて応援されたことに感化……されたかどうかは別として、仕事しろと怒鳴られます。
その間もましろの前進は止まらない。
「〈描こう!〉」
「〈これからもたくさん思いっきり!〉」
④次回予告
野球回があるアニメは。
○トピック
俺も美大生の振りをすれば女子中学生とワンチャンが微レ存。そんな夢を見たっていい。……よくない?
ましろとついでにバッタモンダーの再起。
悪意が何故かビタミン剤になる展開嫌いじゃない。だってその方が面白い。善意が人を傷つけることがあるなら悪意が人を助けることがあったっていい。人間って自分の文脈で生きてるからね。意味づけする中でカッチリとハマる言葉。それが善意から出た言葉なのか悪意から出た言葉なのかはあまり関係ない。「何故か救われる」。それがあるから人間って面白いんだと思いますね。同じように悪いことをした→反省してるから許すに限らず、悪いことしようとしたら何か感謝されてそこから、という抜け道があったっていい。悪意と滑稽を振りまくバッタモンダーの姿からは、犯罪者を牢屋にぶち込んだ前作とは違うアプローチを感じさせます。
プリキュアが敵を救済しなくなってだいぶ経ちます。これはこの感想で折に触れて言っているように、女子中学生を犠牲にしすぎ問題が発生するからです。敵を助けるためにいつ終わると知れない苦しみを背負わなければならないのか?はヒーリングののどかが提示したことでも記憶に新しい。当然プリキュアは投げ捨てました。子どもにそんな義務はない。これに限らず近年のプリキュアは敵と距離を置く傾向にあります。
これは一面として正しい態度ですが、しかしちょっと勿体なくもある。というのも行きずりとはいえ、敵もプリキュアと関係を持っているのだからそれを丸々ポイするのも勿体ない。プリキュアと関わった敵がどうなるのかも含めてプリキュアの、その物語の射程と捉えられる。それをやりすぎると救済路線になるのでさじ加減が難しいですが、今回のようなコミカルな勘違い路線は上手い着地点なのではないかと思います。
話をましろに戻すと、描いた絵本を並べてドミノ倒しする心の整理の仕方が独特。
直接的な絵本ネタは20話以来。その間も絵本を描いていました、というのはそれ自体がましろのマイペースさ、粘り強さを補強しています。エルも彼女の絵本のことは何度か口にしている。ソラと対照的だと思うのはソラは手本(ヒーローだったり、ヒーローと呼んでくれる人だったり)を追いかけるように行動するのに対して、ましろは自身の実績によって足元を固める傾向が強い。これは運動会のときにも見られたことで、最初は気乗りしなかったけどやってみたら思いのほか頑張れて、そんな頑張ってる自分に感化されて……という風に弾みがついていくのがましろの面白いところ。
絵本もまたましろの軌跡。絵本が折り重なるように彼女のアイデンティティも固まっている。手紙もそうですが書く(描く)ことを通じて自己表現している。自分の中にあるものを掘り出すタイプはブレにくい。人のために頑張れる。頑張った自分を認められる。今の彼女からは「特に無い!?」「そんな人間がなにかになれるの!?」と言っていた頃のフワフワさは無い。小さな積み重ねをちゃんと経験にできる子ですね。だから大きな(運命的な)キッカケがなくてもいい。ソラに引っ張られてとか、人のため、みたいなキッカケがないと動かないけど、一度動いてしまえば安定する。
彼女に関して言えば道はすでにできている。だからこそ「覚悟」が決め手になる。ましろを評するとき、彼女を知っている人はみんな「優しい」と答えるでしょう。事実みんなに優しくする。でも彼女が作ったものがみんなに届くわけじゃない。「つまらない」と思う人もいる。みんながみんな面白いと言ってはくれない。その甘さを捨てたときましろは本当に大切なものを見つける。人のために頑張るだけじゃなく、当初からずっと自分と対話しているのがましろという人物の魅力的な部分です。
スキアヘッド(とマジェスティ)の登場以降、不安定になっていたましろのメンタルがこのようにして固まるのはとても綺麗な流れですね。絵本もクルニクルンとかかっていて隙がない。
映画「プリキュアオールスターズF」
①異世界プリキュア
今回は前説抜きで最初からクライマックス。プリズムと離ればなれになったスカイは……。
ソラが気づくとそこは見知らぬ土地。なぜ自分がここにいるのかまるでわからない。
突然出現する謎の怪物。この徹底的にデザインを簡略化してアクションさせやすくしました感。映画あるある。混乱していると、そこに颯爽と現れるプレシャスとサマー。のっけから脳筋コンビ来た。出だしは優勢だったものの次第に劣勢に。ソラも参戦。映画館の大画面で見る変身は良い。惜しむらくは変身バンクが実質ここしかないこと。スカイパンチを決めると敵はどこかに逃げ去っていきます。
彼女たちもここがどこなのかわからない様子。遠くに城のようなもの。とりあえずそこを目的地に。と、その前に腹ごしらえ。映画でもゆいの燃費の悪さは相変わらず。
ところ変わって、ましろとローラがエンカウント。尾ひれで頭かくの器用だな。
バイバイ、と行ってしまいそうになるローラをましろが必死に引き止めます。どうやら無人島にリスポーンしたらしく立ち往生していた模様。藁にもすがる思いでローラに話しかけるましろん楽しい。こうして見るとましろも結構良いリアクションするんだよね。自分は人魚だと自慢の尾ひれをアピールするローラ。
彼女に乗って移動していると、怪物と戦っているフィナーレを発見。相変わらず口調が武人。もう3歩あるけばプリキュアとエンカウントする勢い。この異世界行きてぇ。フィナーレの近くには見知らぬ妖精。この子を守るために戦っているようです。当然助太刀。ローラの変身は海から登場するのでシチュエーションと合ってる。
先ほどのスカイとは違ってこちらはコミカル寄りな戦闘シーン。数が多いので脱出を優先。プリズムが妖精を連れて行こうと手を差し出すも何故かためらって寄ってきません。急いでいるのでラメールが回収。
再び場面は変わってツバサははーちゃんとさあやと合流。鳥になれるツバサを見て親近感を覚えるさあや。
こちらはキュアフローラが戦っているところに出くわします。その姿を見てこの世界のプリンセスだと勘違いするツバサ。その子は和菓子屋の娘です。ややこしいのはプリンセスっぽいけど名前はフローラで、キュアプリンセスは別に居ること。命名権は早いもの勝ち。プリンセスと勘違いされたはるかは照れながらも嬉しそう。なお、キャラが多いので初登場するたびにキャラ名とプリキュア名、作品名がポップされる仕様。今作は4班・4名のチーム編成。
さらに場面は変わって最初から険悪なムードのララとゆかり。規律・効率重視のララと自由奔放なゆかりとではそりが合わない。あげはがフォローするもゆかりはパーティから抜けてしまいます。結構人見知り激しかった気がする。ちなみにこの人、頭良さそうに見えますが行き当たりばったりであんま考えてません。勘が良かったり、動物に懐かれたりと変な方向にステータスが偏ってる。
②異世界の歩き方
オアシスを発見したましろ班はそこでのどかと合流。ラビリンとはぐれて心細そう。変身に妖精が必須なプリキュアはこういうときハンデ。中の人が同じましろが声真似すればワンチャン行けるかもしれない。ローラの尾ひれにこっそり触ろうとしているあまねちゃんお茶目。
この後場面転換しながらそれぞれの班の様子が描かれますが一括すると、その後ましろ班は線路を発見。電車に飛び乗ったところでラビリンと合流。ましろとラビリンが一緒にいる絵面がちょっと面白い。ここで先ほどの妖精、プーカが触ったものを破壊・消滅する能力を発動。だから触ろうとしなかったのかと納得して彼を受け入れます。特殊能力持ちの妖精は珍しくないので気にしない。
ソラ班は食料調達。ああ、そういえばこいつらフィジカルモンスターだった。ゆいも黙ってれば良いところ出のお嬢さんで通じるけど、そんなの食べ物の前では関係ねぇ。やはりフィジカル、フィジカルはすべてを解決する。この班だけIQが10くらいになってて好き。まなつの手を握ったソラは違和感を覚えるも、ノリがノリなのでその疑問を流してしまいます。
ふと真面目になるソラ。みんなを探して元の世界に戻らなければ。映画でも彼女の生真面目さは健在。しかしここで先輩から助言。OJTもオールスターズのお仕事。
こちらの班の4人目は映画キャラ。シュプリーム。よく見ると背中の模様が本体のシルエットと同じ。怪物を投げ飛ばし、追いかけながらの長回し戦闘。今回の映画は脚本・演出がダブル田中に板岡氏が作画監督。それが凝縮されたシーン。歩行音が独特。プリキュアというよりは戦闘民族のような戦い方。ソラたちの姿に戸惑いを覚えるシュプリーム。こちらに面識がある様子。
新たにパーティに加え、異世界食べ歩き旅行。夕食は鍋。たぶんこの班が一番エンジョイしてる。プリキュアと名乗りながらも、プリキュアとは何か?と問いかけるシュプリーム。何かと言われても答えられないのでそれぞれがプリキュアになった経緯を話します。共通点のすり合わせ。手帳を見せながらヒーローになりたかったと話すソラ。こうして見ると脳筋の中でもソラは生真面目という言葉がピッタリ。プリキュア同士で打ち解け合う中で、シュプリームは孤立を深めていきます。
雪の中でも平然とするアスミ。本編でもそのまま路上で寝ようとしてたからなぁ。彼女は大丈夫でも他のメンツは大丈夫ではない。ララも先ほどの仲違いを気にしている。ラテが先導してゆかりと合流。
足湯温泉で一服。ララが先に謝罪。こんなとき先に口を開けるのがララのいいところ。愛され属性最強の秘訣はコレ。人気のないところになぜ足湯が? 実はこれが伏線。ところどころに過去作で見たオブジェクトがチラホラ。シュプリームと出会った場所はS☆Sの祠だし、調理器具を回収したキッチンカーはまんま。電車も江ノ電(S☆S)。ツバサたちが野宿していた場所はフレッシュのダンス練習場。間違い探しみたいなレベルで背景に仕込まれています。ゆかりもその痕跡を発見。
ツバサ班でもディスカッション。どうしてここに来たのかはわからないけど夢はしっかり憶えている。プリンセスになること。医者になること。どうしよう、さあやのイメージがホームセンターしか無い。属性盛りすぎて固有属性見失った子という認識しか残ってねぇ。はーちゃんがいい味出しているというか、キュアップ・ラパパの安心感。この掛け声一つで魔法つかいのアイデンティティ引き出せるの強い。あと魔法のおかげで移動が楽ちん。最早アトラクション。どの班も数日かけて移動してるの凄い。
③突入! 魔王城!
城があった首都らしきところに到着。
しかしどうにも様子がおかしい。街の人はRPGの村人みたいなことしか話さない。店もやってない。わかったのはアークが悪者の元凶っぽいことだけ。プーカは何かを知っているようですが喋れないのでわからない。
ソラ班とましろ班が合流……する直前、シュプリームを見たプーカが錯乱。力が暴発してましろ班が地面の下に落下。手を掴みそこねたソラにましろはお城で会おうと再会を約束。映画でもましろは強い。
入れ替わりにあげは班と合流。アスミはこの世界の秘密に勘づいた様子。地球の分身というか眷属というか権能というか、そういう人なので。ちなみにはーちゃんは本編最終回時点で太陽系の神。プリキュアってなんだよ(真顔)
地面に落ちた先で無事を確認するましろ班。
責任を感じるプーカの手をのどかが握ります。力は弱いものの能力はまだ収まっていない。それを平然と受け止めるのどか。この子、見た目は幼くて儚げだけど人生の大半を命張った戦いしてるからね。面構えが違う。そのハードな人生を優しさにできる彼女のメンタルはタフネスそのもの。ローラも口は悪いけど面倒見はいい。
ソラ・あげは合同班は正面から突入。ほぼ同じタイミングで地下からましろ班も突入。ちょっと加減間違えたわ―って言ってるフィナーレがお茶目。
雑魚を蹴散らしながらアークがいるであろう最上階へ。こういうのは相場が決まっている。非バンクの必殺技は映画の醍醐味。ラメールのビクトリー!はやっぱり傍目にはあんな風になるよな。
いよいよラスボスの間へ。
すると物言わぬまま倒れてしまいます。フェリーチェの一撃で倒された模様。彼女の火力ならしゃーない。ここでみんな合流。今度こそ再会を果たしてめでたしめでたし。『映画プリキュアオールスターズF』完。
「勝手に終わらせないでよ」
④シュプリームの正体
ここでネタばらし。警戒を発したマカロンが被弾。はぁ!?ってガチギレするバタフライ、マジレディース。
マカロンが証拠を上げます。自分が住んでいた街の名残。ここは異世界ではなく地球そのもの。ただしシュプリームが作り替えた世界。実はシュプリームとプリキュアはすでに戦い、その圧倒的な力の前に敗北している。シュプリームは流浪の戦闘民族みたいなもの。
奥の手を使わせるほどに強かったプリキュアに興味を抱いた彼はある実験を始めた。一度壊した地球を今の形に作り変え、そこでプリキュアの真似事をすることでその強さを再現する。しかし本物のプリキュアが出現したのは想定外。これもプリキュアの力なのかとさらに興味を抱くシュプリーム。パパやママは? 必要なかったので作ってない。にべもない言葉に打ちのめされるプリズム。プーカもその副産物。妖精に似せて作ったが臆病で役に立たなかった。プリキュアと一緒に行動したがくだらない会話ばかり。結局のところプリキュアのことはよくわからない。自分が一番強いことにも変わりがない。ごっこ遊びもここまで。
戦闘再開。敵になったら黒くなるのわかりやすい。
絶望的な状況ではあるものの、キュアアース曰く地球の再生は可能。S☆Sも地球ぶっ壊れたけど直ったし、キラキラのときも地球をデコレーションしてたから行ける。
しかし彼我の戦力差は如何ともしがたい。元々戦力を欠いた状態。スカイとプリズムを残し壊滅。
倒れ、うなだれるスカイとプリズム。ここMHの最終回思い出しますね。あのときもブラックとホワイトは打ちひしがれていた。でも立ち上がった。先に体を起こすプリズム。人が隣に居れば断然強いのが彼女。負けたはずなのになぜ自分たちは再び出現したのか。それには理由があるはず。それは私たちが、ソラちゃんがヒーローだから。その言葉にソラは勇気を奮い起こします。希望が見えたときのソラは強い。
シュプリームと再び対峙。
アップドラフトで耐えるも限界間近。ここで最後の切り札。出来立てほやほや。キュアマジェスティ参上。でも出番はここだけ。
プーカが活路を開きます。世界にヒビを入れると、そこから思い出が迸っていきます。さらにミラクルライト発動。コロナで表立って使えなくなっていましたが今作で復活。今回のライトは指向性が強く天井まで光が伸びてとても綺麗。プリキュア映画は劇場で、かつ子どもが多いときに見る。これがベスト。
⑤プリキュアオールスターズ奥義! 思い出百裂拳(ハートフルボッコ)
ここから先輩召喚という名のプリキュア名場面ダイジェスト。
思い出で殴る。プリキュアの歴史で殴る。オールスターズのみに許された最強奥義。敵の主張すら思い出で打ち返す。独りではなにもできない、に初代で切り返すのは秀逸。へー、この映画作った人、プリキュアに詳しいじゃん(謎の上から目線)。
公開初日のときに私の両隣の人が大きなお友達(女性)だったんですが、この場面ですすり泣きが聞こえてきました。思い出で敵どころか客も殴る。見終わったあとの客席の反応も面白かったですね。大人の女性ファンがチラホラと居たのも意外でした。
思い出ダイジェストを眺めて思うのは、プリキュアの物語は孤独と温もりがセットになっていること。自分の命かダルイゼンの命かで悩むのどかをラビリンが全肯定したこと。クラスメイトに不信の目を向けられたララをひかるが抱きしめたこと。極限の選択を突きつけられ、そこで自分の卑怯さ醜さ弱さを見せつけられる。でもそれを受け入れてくれる人がいる。ここにプリキュアの核心がある。孤独の中で自分が選択しなければならないこと。しかし同時に自分は孤独ではないこと。このギリギリのラインを攻めるのがプリキュアなのだと思っています。ソラが逃げ出したときにましろがヒーローと呼んでくれたように。その精神は今でも受け継がれている。
この一貫した伝統があるからこそ、思い出を繋いだだけのシーンですら凄まじい強度を持つ。キュアハートが色々あったね~とため息混じりに言ってたけど、その色々をそれぞれの作品がやってきた。だからもう文脈が強い。ここは何度見ても熱い。
全員集合。ついでに地球も再生。地球からも応援。オールスターズといえばキュアエコー。
シュプリームも雑魚を多数配置。仲間がいれば強いんでしょ? そういうことじゃない。すかさずプリズムがツッコミ。
ここからは総出でコラボ技連発。射撃隊をはじめ、フルーツ特盛ケーキ(パパイアの存在感)、バリア、炎、氷、雷、星、人魚、天女、プリンセス、薔薇、蝶、色んな繋がりで必殺技を畳み掛ける。ジェットコースターのような勢い。プーカをエールが応援。妖精だってプリキュア。そんな奴居たっけ?なレベルでこれでもかと詰め込む。プーカもプリキュア化して参戦。もうマジェスティが存在しているのかもわからない(ちゃんと居る)。正規メンバーだけで70人超え。圧倒的物量による飽和攻撃。
お前たちはなんなんだ!? 押し込まれたシュプリームの問いに、
「私たちは!!」
「プリキュアです!!」
気づけばプリキュアたちが和気あいあいと食事の準備。
それを呆然とシュプリームが見ているとプーカが話しかけてきます。そんなこんなで僕と君は友達。
EDも思い出観賞。だからそれやめろ、クるものあるから。全員でダンス。
来年の映画予告。ただ年1本は変わらず、かな。
◯トピック
マジェスティは添えるだけ。
プリキュア20年周年記念オールスターズ。
人数が人数なのでプリンセス以降から代表を選出した混成チームを主軸に、思い出召喚で先輩を呼び出す豪快な映画。その分ストーリーは皆無に等しく、思い出召喚にどれだけ乗れるかが勝負。視聴者の思い出補正が強ければ強いほど最終決戦が盛り上がる。
現役プリキュアの単独映画とするかオールスターズ(あるいは直近のクロスオーバー)とするかで作りが全く変わるので、この点でプリキュア映画は安定しない傾向があります。単独映画の方がストーリーに尺を割ける分見所は多いし、当然現役組が全面に出て活躍する。今回の映画で言えばウィングやバラフライは脇役だしマジェスティにいたってはオマケ。
一方で20年分の蓄積は伊達ではなく、感想の中で話した大きなお友達は映画が始まる前、パンフレットを開きながら「はなちゃんが~」とオススメ映画や好きなプリキュアを友人に説明していました。映画が終わった後、客席から「意外と昔のこと憶えてるな~」といった声がチラホラと聞こえてきたのも印象に残っています。大人も子どもも、男性も女性も関係なくプリキュアの思い出に浸る。これはオールスターズならではですね。
それぞれに好きなプリキュアがいて、思い出がある。私は終わったなら素直に終わらせておけよって思うタイプではありますが、それでも思い出でぶん殴られると思わず目頭が熱くなります。そういった意味でもオールスターズは今と昔を繋ぐ架け橋になっているんだろうと思います。商業的にも過去作ファンを呼び込めるからパイを広げられるしね。おそらく今後も年1本が基本となるでしょうから、オールスターズは難しいとしてもクロスオーバー形式が主流になるのか……でも去年のデリシャスは単独だったし、ほんとに読めねぇなこのシリーズ。
今回は前説抜きで最初からクライマックス。プリズムと離ればなれになったスカイは……。
ソラが気づくとそこは見知らぬ土地。なぜ自分がここにいるのかまるでわからない。
突然出現する謎の怪物。この徹底的にデザインを簡略化してアクションさせやすくしました感。映画あるある。混乱していると、そこに颯爽と現れるプレシャスとサマー。のっけから脳筋コンビ来た。出だしは優勢だったものの次第に劣勢に。ソラも参戦。映画館の大画面で見る変身は良い。惜しむらくは変身バンクが実質ここしかないこと。スカイパンチを決めると敵はどこかに逃げ去っていきます。
彼女たちもここがどこなのかわからない様子。遠くに城のようなもの。とりあえずそこを目的地に。と、その前に腹ごしらえ。映画でもゆいの燃費の悪さは相変わらず。
ところ変わって、ましろとローラがエンカウント。尾ひれで頭かくの器用だな。
バイバイ、と行ってしまいそうになるローラをましろが必死に引き止めます。どうやら無人島にリスポーンしたらしく立ち往生していた模様。藁にもすがる思いでローラに話しかけるましろん楽しい。こうして見るとましろも結構良いリアクションするんだよね。自分は人魚だと自慢の尾ひれをアピールするローラ。
彼女に乗って移動していると、怪物と戦っているフィナーレを発見。相変わらず口調が武人。もう3歩あるけばプリキュアとエンカウントする勢い。この異世界行きてぇ。フィナーレの近くには見知らぬ妖精。この子を守るために戦っているようです。当然助太刀。ローラの変身は海から登場するのでシチュエーションと合ってる。
先ほどのスカイとは違ってこちらはコミカル寄りな戦闘シーン。数が多いので脱出を優先。プリズムが妖精を連れて行こうと手を差し出すも何故かためらって寄ってきません。急いでいるのでラメールが回収。
再び場面は変わってツバサははーちゃんとさあやと合流。鳥になれるツバサを見て親近感を覚えるさあや。
こちらはキュアフローラが戦っているところに出くわします。その姿を見てこの世界のプリンセスだと勘違いするツバサ。その子は和菓子屋の娘です。ややこしいのはプリンセスっぽいけど名前はフローラで、キュアプリンセスは別に居ること。命名権は早いもの勝ち。プリンセスと勘違いされたはるかは照れながらも嬉しそう。なお、キャラが多いので初登場するたびにキャラ名とプリキュア名、作品名がポップされる仕様。今作は4班・4名のチーム編成。
さらに場面は変わって最初から険悪なムードのララとゆかり。規律・効率重視のララと自由奔放なゆかりとではそりが合わない。あげはがフォローするもゆかりはパーティから抜けてしまいます。結構人見知り激しかった気がする。ちなみにこの人、頭良さそうに見えますが行き当たりばったりであんま考えてません。勘が良かったり、動物に懐かれたりと変な方向にステータスが偏ってる。
②異世界の歩き方
オアシスを発見したましろ班はそこでのどかと合流。ラビリンとはぐれて心細そう。変身に妖精が必須なプリキュアはこういうときハンデ。中の人が同じましろが声真似すればワンチャン行けるかもしれない。ローラの尾ひれにこっそり触ろうとしているあまねちゃんお茶目。
この後場面転換しながらそれぞれの班の様子が描かれますが一括すると、その後ましろ班は線路を発見。電車に飛び乗ったところでラビリンと合流。ましろとラビリンが一緒にいる絵面がちょっと面白い。ここで先ほどの妖精、プーカが触ったものを破壊・消滅する能力を発動。だから触ろうとしなかったのかと納得して彼を受け入れます。特殊能力持ちの妖精は珍しくないので気にしない。
ソラ班は食料調達。ああ、そういえばこいつらフィジカルモンスターだった。ゆいも黙ってれば良いところ出のお嬢さんで通じるけど、そんなの食べ物の前では関係ねぇ。やはりフィジカル、フィジカルはすべてを解決する。この班だけIQが10くらいになってて好き。まなつの手を握ったソラは違和感を覚えるも、ノリがノリなのでその疑問を流してしまいます。
ふと真面目になるソラ。みんなを探して元の世界に戻らなければ。映画でも彼女の生真面目さは健在。しかしここで先輩から助言。OJTもオールスターズのお仕事。
こちらの班の4人目は映画キャラ。シュプリーム。よく見ると背中の模様が本体のシルエットと同じ。怪物を投げ飛ばし、追いかけながらの長回し戦闘。今回の映画は脚本・演出がダブル田中に板岡氏が作画監督。それが凝縮されたシーン。歩行音が独特。プリキュアというよりは戦闘民族のような戦い方。ソラたちの姿に戸惑いを覚えるシュプリーム。こちらに面識がある様子。
新たにパーティに加え、異世界食べ歩き旅行。夕食は鍋。たぶんこの班が一番エンジョイしてる。プリキュアと名乗りながらも、プリキュアとは何か?と問いかけるシュプリーム。何かと言われても答えられないのでそれぞれがプリキュアになった経緯を話します。共通点のすり合わせ。手帳を見せながらヒーローになりたかったと話すソラ。こうして見ると脳筋の中でもソラは生真面目という言葉がピッタリ。プリキュア同士で打ち解け合う中で、シュプリームは孤立を深めていきます。
雪の中でも平然とするアスミ。本編でもそのまま路上で寝ようとしてたからなぁ。彼女は大丈夫でも他のメンツは大丈夫ではない。ララも先ほどの仲違いを気にしている。ラテが先導してゆかりと合流。
足湯温泉で一服。ララが先に謝罪。こんなとき先に口を開けるのがララのいいところ。愛され属性最強の秘訣はコレ。人気のないところになぜ足湯が? 実はこれが伏線。ところどころに過去作で見たオブジェクトがチラホラ。シュプリームと出会った場所はS☆Sの祠だし、調理器具を回収したキッチンカーはまんま。電車も江ノ電(S☆S)。ツバサたちが野宿していた場所はフレッシュのダンス練習場。間違い探しみたいなレベルで背景に仕込まれています。ゆかりもその痕跡を発見。
ツバサ班でもディスカッション。どうしてここに来たのかはわからないけど夢はしっかり憶えている。プリンセスになること。医者になること。どうしよう、さあやのイメージがホームセンターしか無い。属性盛りすぎて固有属性見失った子という認識しか残ってねぇ。はーちゃんがいい味出しているというか、キュアップ・ラパパの安心感。この掛け声一つで魔法つかいのアイデンティティ引き出せるの強い。あと魔法のおかげで移動が楽ちん。最早アトラクション。どの班も数日かけて移動してるの凄い。
③突入! 魔王城!
城があった首都らしきところに到着。
しかしどうにも様子がおかしい。街の人はRPGの村人みたいなことしか話さない。店もやってない。わかったのはアークが悪者の元凶っぽいことだけ。プーカは何かを知っているようですが喋れないのでわからない。
ソラ班とましろ班が合流……する直前、シュプリームを見たプーカが錯乱。力が暴発してましろ班が地面の下に落下。手を掴みそこねたソラにましろはお城で会おうと再会を約束。映画でもましろは強い。
入れ替わりにあげは班と合流。アスミはこの世界の秘密に勘づいた様子。地球の分身というか眷属というか権能というか、そういう人なので。ちなみにはーちゃんは本編最終回時点で太陽系の神。プリキュアってなんだよ(真顔)
地面に落ちた先で無事を確認するましろ班。
責任を感じるプーカの手をのどかが握ります。力は弱いものの能力はまだ収まっていない。それを平然と受け止めるのどか。この子、見た目は幼くて儚げだけど人生の大半を命張った戦いしてるからね。面構えが違う。そのハードな人生を優しさにできる彼女のメンタルはタフネスそのもの。ローラも口は悪いけど面倒見はいい。
ソラ・あげは合同班は正面から突入。ほぼ同じタイミングで地下からましろ班も突入。ちょっと加減間違えたわ―って言ってるフィナーレがお茶目。
雑魚を蹴散らしながらアークがいるであろう最上階へ。こういうのは相場が決まっている。非バンクの必殺技は映画の醍醐味。ラメールのビクトリー!はやっぱり傍目にはあんな風になるよな。
いよいよラスボスの間へ。
すると物言わぬまま倒れてしまいます。フェリーチェの一撃で倒された模様。彼女の火力ならしゃーない。ここでみんな合流。今度こそ再会を果たしてめでたしめでたし。『映画プリキュアオールスターズF』完。
「勝手に終わらせないでよ」
④シュプリームの正体
ここでネタばらし。警戒を発したマカロンが被弾。はぁ!?ってガチギレするバタフライ、マジレディース。
マカロンが証拠を上げます。自分が住んでいた街の名残。ここは異世界ではなく地球そのもの。ただしシュプリームが作り替えた世界。実はシュプリームとプリキュアはすでに戦い、その圧倒的な力の前に敗北している。シュプリームは流浪の戦闘民族みたいなもの。
奥の手を使わせるほどに強かったプリキュアに興味を抱いた彼はある実験を始めた。一度壊した地球を今の形に作り変え、そこでプリキュアの真似事をすることでその強さを再現する。しかし本物のプリキュアが出現したのは想定外。これもプリキュアの力なのかとさらに興味を抱くシュプリーム。パパやママは? 必要なかったので作ってない。にべもない言葉に打ちのめされるプリズム。プーカもその副産物。妖精に似せて作ったが臆病で役に立たなかった。プリキュアと一緒に行動したがくだらない会話ばかり。結局のところプリキュアのことはよくわからない。自分が一番強いことにも変わりがない。ごっこ遊びもここまで。
戦闘再開。敵になったら黒くなるのわかりやすい。
絶望的な状況ではあるものの、キュアアース曰く地球の再生は可能。S☆Sも地球ぶっ壊れたけど直ったし、キラキラのときも地球をデコレーションしてたから行ける。
しかし彼我の戦力差は如何ともしがたい。元々戦力を欠いた状態。スカイとプリズムを残し壊滅。
倒れ、うなだれるスカイとプリズム。ここMHの最終回思い出しますね。あのときもブラックとホワイトは打ちひしがれていた。でも立ち上がった。先に体を起こすプリズム。人が隣に居れば断然強いのが彼女。負けたはずなのになぜ自分たちは再び出現したのか。それには理由があるはず。それは私たちが、ソラちゃんがヒーローだから。その言葉にソラは勇気を奮い起こします。希望が見えたときのソラは強い。
シュプリームと再び対峙。
アップドラフトで耐えるも限界間近。ここで最後の切り札。出来立てほやほや。キュアマジェスティ参上。でも出番はここだけ。
プーカが活路を開きます。世界にヒビを入れると、そこから思い出が迸っていきます。さらにミラクルライト発動。コロナで表立って使えなくなっていましたが今作で復活。今回のライトは指向性が強く天井まで光が伸びてとても綺麗。プリキュア映画は劇場で、かつ子どもが多いときに見る。これがベスト。
⑤プリキュアオールスターズ奥義! 思い出百裂拳(ハートフルボッコ)
ここから先輩召喚という名のプリキュア名場面ダイジェスト。
思い出で殴る。プリキュアの歴史で殴る。オールスターズのみに許された最強奥義。敵の主張すら思い出で打ち返す。独りではなにもできない、に初代で切り返すのは秀逸。へー、この映画作った人、プリキュアに詳しいじゃん(謎の上から目線)。
公開初日のときに私の両隣の人が大きなお友達(女性)だったんですが、この場面ですすり泣きが聞こえてきました。思い出で敵どころか客も殴る。見終わったあとの客席の反応も面白かったですね。大人の女性ファンがチラホラと居たのも意外でした。
思い出ダイジェストを眺めて思うのは、プリキュアの物語は孤独と温もりがセットになっていること。自分の命かダルイゼンの命かで悩むのどかをラビリンが全肯定したこと。クラスメイトに不信の目を向けられたララをひかるが抱きしめたこと。極限の選択を突きつけられ、そこで自分の卑怯さ醜さ弱さを見せつけられる。でもそれを受け入れてくれる人がいる。ここにプリキュアの核心がある。孤独の中で自分が選択しなければならないこと。しかし同時に自分は孤独ではないこと。このギリギリのラインを攻めるのがプリキュアなのだと思っています。ソラが逃げ出したときにましろがヒーローと呼んでくれたように。その精神は今でも受け継がれている。
この一貫した伝統があるからこそ、思い出を繋いだだけのシーンですら凄まじい強度を持つ。キュアハートが色々あったね~とため息混じりに言ってたけど、その色々をそれぞれの作品がやってきた。だからもう文脈が強い。ここは何度見ても熱い。
全員集合。ついでに地球も再生。地球からも応援。オールスターズといえばキュアエコー。
シュプリームも雑魚を多数配置。仲間がいれば強いんでしょ? そういうことじゃない。すかさずプリズムがツッコミ。
ここからは総出でコラボ技連発。射撃隊をはじめ、フルーツ特盛ケーキ(パパイアの存在感)、バリア、炎、氷、雷、星、人魚、天女、プリンセス、薔薇、蝶、色んな繋がりで必殺技を畳み掛ける。ジェットコースターのような勢い。プーカをエールが応援。妖精だってプリキュア。そんな奴居たっけ?なレベルでこれでもかと詰め込む。プーカもプリキュア化して参戦。もうマジェスティが存在しているのかもわからない(ちゃんと居る)。正規メンバーだけで70人超え。圧倒的物量による飽和攻撃。
お前たちはなんなんだ!? 押し込まれたシュプリームの問いに、
「私たちは!!」
「プリキュアです!!」
気づけばプリキュアたちが和気あいあいと食事の準備。
それを呆然とシュプリームが見ているとプーカが話しかけてきます。そんなこんなで僕と君は友達。
EDも思い出観賞。だからそれやめろ、クるものあるから。全員でダンス。
来年の映画予告。ただ年1本は変わらず、かな。
◯トピック
マジェスティは添えるだけ。
プリキュア20年周年記念オールスターズ。
人数が人数なのでプリンセス以降から代表を選出した混成チームを主軸に、思い出召喚で先輩を呼び出す豪快な映画。その分ストーリーは皆無に等しく、思い出召喚にどれだけ乗れるかが勝負。視聴者の思い出補正が強ければ強いほど最終決戦が盛り上がる。
現役プリキュアの単独映画とするかオールスターズ(あるいは直近のクロスオーバー)とするかで作りが全く変わるので、この点でプリキュア映画は安定しない傾向があります。単独映画の方がストーリーに尺を割ける分見所は多いし、当然現役組が全面に出て活躍する。今回の映画で言えばウィングやバラフライは脇役だしマジェスティにいたってはオマケ。
一方で20年分の蓄積は伊達ではなく、感想の中で話した大きなお友達は映画が始まる前、パンフレットを開きながら「はなちゃんが~」とオススメ映画や好きなプリキュアを友人に説明していました。映画が終わった後、客席から「意外と昔のこと憶えてるな~」といった声がチラホラと聞こえてきたのも印象に残っています。大人も子どもも、男性も女性も関係なくプリキュアの思い出に浸る。これはオールスターズならではですね。
それぞれに好きなプリキュアがいて、思い出がある。私は終わったなら素直に終わらせておけよって思うタイプではありますが、それでも思い出でぶん殴られると思わず目頭が熱くなります。そういった意味でもオールスターズは今と昔を繋ぐ架け橋になっているんだろうと思います。商業的にも過去作ファンを呼び込めるからパイを広げられるしね。おそらく今後も年1本が基本となるでしょうから、オールスターズは難しいとしてもクロスオーバー形式が主流になるのか……でも去年のデリシャスは単独だったし、ほんとに読めねぇなこのシリーズ。
第33話「究極のちから!マジェスティクルニクルン」
◯今週のヒーロー
①ましろの憂鬱
スカイランドに突如として現れる遺跡。……は後回しで今はエルのマジェスティごっこ。変身前後で精神年齢が切り替わるらしく幼児の姿では今まで通りな模様。この見た目で「あら、お可愛いこと」とか言われてもリアクションに困る。もう一度と、物陰に隠れながら手を振って合図。一方、ましろはまだ不安が払拭しきれない様子。
階下からツバサの呼ぶ声。お婆ちゃんから連絡が入ります。
OPにマジェスティ追加。ちゃんとウィングがエスコートしてるの細かい。映画宣伝仕様が終わったあとの正式版が楽しみ。
王宮で国王夫妻と久しぶりの再会。
お婆ちゃんが経緯を説明。1週間前に湖の底から遺跡が現れたので調査していた。しかし入り口もなくこれ以上調査のしようもない。石碑には古代スカイランド文字で「すべての人を救う究極の力がこの地に眠っている。その力を手に入れなさい運命の子よ」と書かれていました。そこでエルの出番。一躍中心人物となったエル、「すべての人を救う究極の力」に畏怖するソラ、戸惑いを隠せないましろ、と三者三様の反応。
エルが石碑に触れるとそれが鍵だったらしく、地下階段が出現。予想が当たり納得するお婆ちゃん。エルも「えっへん!」と鼻高々。
はやるエルにツバサが自分が先に行くとエスコート。当たり前のように遺跡に入ろうとしたところでましろが止めます。危ない場所かもしれない。いつもと違う雰囲気を感じ取る一同。危ないもなにも普段一緒なので今更感はある。それはましろも理解しているのか言い訳するように危険な事例を上げながらエルちゃん抜きで行こうと提案。自分でも無理筋だとわかっているのか目を逸らします。
ましろの意を汲みつつあげはが答えます。危険かもしれないのはみんな承知している。でも遺跡がエルを呼び、エルもまた運命に向き合おうとしている。難しいことまでは理解していないかもしれない。それなら自分たちが今すべきはエルを守り、サポートすること。理屈としてはそう。エルはもはや当事者。たぶんソラはそこまで考えずイケイケドンドンなノリだったと思うけど。
一緒に行きたい!とエルに正面から言われてどう答えていいのかわからなくなるましろ。感情がバグってるな。おそらくましろはエルとの向き合い方がわからなくなってる。心配だから守ってあげる。そのために自分も頑張る。先週はそれでもよかった。けど今は守るべき対象だったはずがいつの間にか最強になり話の中心。なんなら自分抜きでも話が進む。気持ちを整理する前にどんどん話が進んでましろが取り残されている。
加えて言えば、ましろってマイペースだけどその分状況に対するコントロールが結構利く。自己肯定感や自己効力感も別段低くない。人のために頑張れるのも自分に対する信頼感の裏返しとも取れる。これが自分は何をしても、しなくても物事が変わらない…となってしまうとコントロール感の喪失となり引いては無力感と結びつく。ましろがじゃあ私が守ればいいんだ!と強く出れないのはスキアヘッドを前にして失った自信をまだ取り戻せていない、と考えるのが自然でしょう。つまりエルとの関係、自分自身のセルフイメージ。この2つの修正が必要で、今回は前者を担っていると考えられます。次回予告から察するに後者は来週。予告を見て手厚くやる気なんだと感心しました。
ましろの不安定な感情に影響されてエルも泣き出してしまいます。気持ちを切り替えて一緒に出発。
階段を降りて突き当りの壁に触れると壁が消失。しかし床がなく通路が途切れています。
これもエルが床を作る仕掛け。セキュリティ細かいけど、後ほど見るようにパワーでなんとかなるあたりわりとザル。床に乗ると移動して次のフロアへ。
そもそも究極の力とは何なのか? 巨大化とか? だからそれウルトラマンだって。最近ネタ多いな。真に受けるソラを笑いながら奥へと進む一行。後ろを付いていくましろは杞憂だったかと思い直しますが、すぐにエルが怪我をしたら?と不安がよぎっていきます。かなりメンタルやられてるな。1周回って5話のときのソラのような状態になっている。ソラは大切な人が傷つくことを極度に恐れる。ましろは自分が頑張ればいいと考える。けどその限界を超えると彼女も自分を見失う。
外で遊覧鳥がのんびりしていると空からミノトンが降ってきます。再びエナジーを注入されたらしく暴走モード。
遺跡の防衛機構が作動するもパワーでゴリ押し。
②赤ちゃん? 友達?
再び突き当り。そこにはエルっぽい少女の壁画。
本。それにエルが触れるとセキュリティ作動。壁画に4人の姿が加わります。プリキュアを認証。有資格者のみがこの先に行ける。姿を消し壁画の前にお婆ちゃんだけが取り残される形に。
古代遺跡感たっぷりな場所の奥、祭壇の上に鎮座する光の玉。それに触れると本になります。
まじぇすてぃくるにくるん。その名を呼ぶエル。しかし本を開こうとしてもビクともしません。上手く行かずぐずるとあげはが本を貸してごらんと手を伸ばします。こんなのいらない!とばかりにあげはに渡すエル。しかしあげはが試しても本は開きません。封印されている。
立ち往生していると異変。外からセキュリティを破ったミノトンが内部に侵入。あっという間にみんなが居る場所へ。セキュリティを高めてもそれ含めて壊しちゃえばいいんでしょ?理論の有効性。結局最後の砦は人。変身。全員で名乗りを上げるのはお預け。
飛び出してきたミノトンを迎え撃つスカイ。踏み出した彼女と交差するようにプリズムが横へ移動。射撃ポジションを確保。スカイとミノトンが引き分けると、バタフライたちが後詰めするように前進。その隙を埋めるようにプリズムが射撃で牽制。動きに無駄がない。再び接敵。しかしこれはブラフ。本命はマジェスティ。奇襲の一撃からそのままラッシュに繋げタメ攻撃。なにその映画が一段落して落ち着いたし、新商品のPRもあるからリソース入れましたみたいな勢い。マジェスティの戦闘力高すぎてスカイの上位互換になっている件。
ふっ飛ばしたものの油断は禁物。懐に隠していたエナジードリンクで補給。そんな手があったのか。一気にパワーを増したミノトンは絶え間なく斉射。
マジェスティを見失い取り乱すプリズム。警戒が緩んだところに直撃コース。マジェスティが防御するもさしもの彼女も相手の勢いに押され気味。プリズムが庇うように入ると爆発。煙幕で孤立したプリキュアは各個攻撃されて後退。しかしミノトンも負担が大きくブースト効果も一時的。ならその分飲めばいいじゃない。ヤケクソ気味な量を一気飲み。服薬量について注意書き貼っとくべきじゃないですかねそれ。
こういうときの新商品。
力を貸して、とマジェスティが懇願するとセキュリティ解除条件を提示。切羽詰まってるときに手続き踏ませるのやめてくれません? プリキュア定番の心を一つにイベント。あっ……(察し
壁画を参考に手を掲げるも封印は解けない。はい、この中に犯人がいます。その間もミノトンは三徹したサラリーマンのような状態に。やっていること自体はエグいんだけどエナドレがギャグみたいな小道具になっているせいかマイルドになっている気がしないでもない。
口からビーム。クルニクルンの防衛機構が作動するも長く持ちそうにない。私のせい。ここでプリズムが自白。エルちゃんを戦いに巻き込みたくないと思ってるから。だからクルニクルンが目覚めない。そんなこと言ってる場合ですか!? 揉めている間に防御が突破されます。
代わってマジェスティが防御。バタフライが加勢して防御を補強。プリズムがマジェスティに謝罪。私が守ってあげなくちゃいけないのに。そんなプリズムにスカイがエルちゃんの気持ちを信じて上げてくださいと答えます。
「エルちゃんだって、私たちが心配で私たちを守りたいんです!」
「私にはわかります。だってあの時と同じだから!」
映画でも採用された5話のシーン。
「ましろ。あなたが心配だよ、助けたいよ、気持ちは同じ」
「それって一緒に戦う理由にならないかな?」
あのときのましろと同じ言葉をかけるエル。それもそのはずあの場には彼女も居たのだから。重要な場面で必ずエルが見聞きしているのは大きなポイントですね。というわけで認証が通ります。
③タッチで浄化!タッチでレッスン
「マジェスティクルニクルン!(税込み定価10,340円)」
今年の箱物商品。全14ページで1万円超えとかいう百科事典を恐れぬ価格設定。
使い方は簡単。本をなぞると本人にバフがかかる。プリズムのスカートが捲れてるのコケティッシュ。これなら1万円払う価値があるな(意味が変わってくるだろうが)。バタフライ弾けすぎ。
「ひろがる世界にテイクオフ!」
5人でエンブレムを描いて発射体制。
「プリキュア! マジェスティックハレーション!」
今年は素直にビームを発射。最近捻っていたので原点回帰しました。
ミノトンが倒されることも織り込み済、といった様子のスキアヘッド。知識の宮殿って比喩なのか、なんかそういう設備があるのか。現状カイザリンが小物感出してるのでこっちの方が黒幕感ある。
正気に戻ったミノトンは素直に敗北を認めるとプリキュアに感謝。サクッと撤収。聞きたいことはいっぱいあったのに…と呆れるウィング。これがデリシャスなら逮捕して身柄を拘束してるところ。武人には武人のやり方があるのでしょう、と諦め半分で答えるスカイ。次回予告から察するに幹部の再登場&味方化はありそうな路線。
そんな横でマジェスティはプリズム大好きと頬ずり。キマシタワー! んほ~~たまんねぇ。今回もマジェスティのセリフが必要最小限な感じだったのでどこまで精神年齢上がっているのか断定できませんが、幼さはだいぶ残しているようです。
④次回予告
お前が先に再登場するんかい。
EDも映画宣伝仕様。
◯トピック
映画館行くとプリズムの衣装着てる子が一人ならず居ますね。やっぱり女の子女の子してるキャラは人気。
もっと強くならなければ、エルちゃんを危険から守らなければ、と思った矢先に本人が最強化して現実について行けないましろん、普通の人。いやそれが普通なんだけどね。他の連中がネジ飛んでるだけで。
視聴者目線でもどーせ不思議赤ちゃんだし、プリキュアになるのもわかってたし、新キャラが強いのは当然だし、と思っているのでましろの態度が逆に過剰反応(過保護)に見えてしまうのは先入観の厄介なところ。要するにましろが一番エルのことを普通の赤ちゃんだと思っていたって話。そりゃ赤ちゃんか友達かで対応は変わる。その意識が強いからこそ逆に成長したエルについて行けないというのは、普通ポジションのましろらしいリアクション。一般論的には子どもだと思っていたらいつの間にか成長していて戸惑う、みたいな感じ。
これも先を見据えれば最終回までに必要な手続きと言えます。エルが独り立ちする力を必要とするように、そんな彼女を一人の人間として対等に見る意識がましろたちにも必要になる。人間関係が相互関係である以上、片方だけが大きくなっても歩調は合わない。それを示した丁寧なエピソードです。
これで一件落着かと思いきや引き続きましろが続投。
エルへの認識を改めたとしても、スキアヘッドのような強敵に対する心構えは不十分。であれば、ましろ自身が自分の見方を一段高くすることが肝要。エルを抱っこしていたのがエルに抱っこされる形では結局変わらないし、彼女の力にもならない。そこで絵本の出番。クルニクルンのこともあるし一石二鳥。さすが虹ヶ丘家の孫娘。抜け目がない。しかしこのタイミングでバッタもん。これは予想外。中盤に入ってどんどん活気づいてきました。
①ましろの憂鬱
スカイランドに突如として現れる遺跡。……は後回しで今はエルのマジェスティごっこ。変身前後で精神年齢が切り替わるらしく幼児の姿では今まで通りな模様。この見た目で「あら、お可愛いこと」とか言われてもリアクションに困る。もう一度と、物陰に隠れながら手を振って合図。一方、ましろはまだ不安が払拭しきれない様子。
階下からツバサの呼ぶ声。お婆ちゃんから連絡が入ります。
OPにマジェスティ追加。ちゃんとウィングがエスコートしてるの細かい。映画宣伝仕様が終わったあとの正式版が楽しみ。
王宮で国王夫妻と久しぶりの再会。
お婆ちゃんが経緯を説明。1週間前に湖の底から遺跡が現れたので調査していた。しかし入り口もなくこれ以上調査のしようもない。石碑には古代スカイランド文字で「すべての人を救う究極の力がこの地に眠っている。その力を手に入れなさい運命の子よ」と書かれていました。そこでエルの出番。一躍中心人物となったエル、「すべての人を救う究極の力」に畏怖するソラ、戸惑いを隠せないましろ、と三者三様の反応。
エルが石碑に触れるとそれが鍵だったらしく、地下階段が出現。予想が当たり納得するお婆ちゃん。エルも「えっへん!」と鼻高々。
はやるエルにツバサが自分が先に行くとエスコート。当たり前のように遺跡に入ろうとしたところでましろが止めます。危ない場所かもしれない。いつもと違う雰囲気を感じ取る一同。危ないもなにも普段一緒なので今更感はある。それはましろも理解しているのか言い訳するように危険な事例を上げながらエルちゃん抜きで行こうと提案。自分でも無理筋だとわかっているのか目を逸らします。
ましろの意を汲みつつあげはが答えます。危険かもしれないのはみんな承知している。でも遺跡がエルを呼び、エルもまた運命に向き合おうとしている。難しいことまでは理解していないかもしれない。それなら自分たちが今すべきはエルを守り、サポートすること。理屈としてはそう。エルはもはや当事者。たぶんソラはそこまで考えずイケイケドンドンなノリだったと思うけど。
一緒に行きたい!とエルに正面から言われてどう答えていいのかわからなくなるましろ。感情がバグってるな。おそらくましろはエルとの向き合い方がわからなくなってる。心配だから守ってあげる。そのために自分も頑張る。先週はそれでもよかった。けど今は守るべき対象だったはずがいつの間にか最強になり話の中心。なんなら自分抜きでも話が進む。気持ちを整理する前にどんどん話が進んでましろが取り残されている。
加えて言えば、ましろってマイペースだけどその分状況に対するコントロールが結構利く。自己肯定感や自己効力感も別段低くない。人のために頑張れるのも自分に対する信頼感の裏返しとも取れる。これが自分は何をしても、しなくても物事が変わらない…となってしまうとコントロール感の喪失となり引いては無力感と結びつく。ましろがじゃあ私が守ればいいんだ!と強く出れないのはスキアヘッドを前にして失った自信をまだ取り戻せていない、と考えるのが自然でしょう。つまりエルとの関係、自分自身のセルフイメージ。この2つの修正が必要で、今回は前者を担っていると考えられます。次回予告から察するに後者は来週。予告を見て手厚くやる気なんだと感心しました。
ましろの不安定な感情に影響されてエルも泣き出してしまいます。気持ちを切り替えて一緒に出発。
階段を降りて突き当りの壁に触れると壁が消失。しかし床がなく通路が途切れています。
これもエルが床を作る仕掛け。セキュリティ細かいけど、後ほど見るようにパワーでなんとかなるあたりわりとザル。床に乗ると移動して次のフロアへ。
そもそも究極の力とは何なのか? 巨大化とか? だからそれウルトラマンだって。最近ネタ多いな。真に受けるソラを笑いながら奥へと進む一行。後ろを付いていくましろは杞憂だったかと思い直しますが、すぐにエルが怪我をしたら?と不安がよぎっていきます。かなりメンタルやられてるな。1周回って5話のときのソラのような状態になっている。ソラは大切な人が傷つくことを極度に恐れる。ましろは自分が頑張ればいいと考える。けどその限界を超えると彼女も自分を見失う。
外で遊覧鳥がのんびりしていると空からミノトンが降ってきます。再びエナジーを注入されたらしく暴走モード。
遺跡の防衛機構が作動するもパワーでゴリ押し。
②赤ちゃん? 友達?
再び突き当り。そこにはエルっぽい少女の壁画。
本。それにエルが触れるとセキュリティ作動。壁画に4人の姿が加わります。プリキュアを認証。有資格者のみがこの先に行ける。姿を消し壁画の前にお婆ちゃんだけが取り残される形に。
古代遺跡感たっぷりな場所の奥、祭壇の上に鎮座する光の玉。それに触れると本になります。
まじぇすてぃくるにくるん。その名を呼ぶエル。しかし本を開こうとしてもビクともしません。上手く行かずぐずるとあげはが本を貸してごらんと手を伸ばします。こんなのいらない!とばかりにあげはに渡すエル。しかしあげはが試しても本は開きません。封印されている。
立ち往生していると異変。外からセキュリティを破ったミノトンが内部に侵入。あっという間にみんなが居る場所へ。セキュリティを高めてもそれ含めて壊しちゃえばいいんでしょ?理論の有効性。結局最後の砦は人。変身。全員で名乗りを上げるのはお預け。
飛び出してきたミノトンを迎え撃つスカイ。踏み出した彼女と交差するようにプリズムが横へ移動。射撃ポジションを確保。スカイとミノトンが引き分けると、バタフライたちが後詰めするように前進。その隙を埋めるようにプリズムが射撃で牽制。動きに無駄がない。再び接敵。しかしこれはブラフ。本命はマジェスティ。奇襲の一撃からそのままラッシュに繋げタメ攻撃。なにその映画が一段落して落ち着いたし、新商品のPRもあるからリソース入れましたみたいな勢い。マジェスティの戦闘力高すぎてスカイの上位互換になっている件。
ふっ飛ばしたものの油断は禁物。懐に隠していたエナジードリンクで補給。そんな手があったのか。一気にパワーを増したミノトンは絶え間なく斉射。
マジェスティを見失い取り乱すプリズム。警戒が緩んだところに直撃コース。マジェスティが防御するもさしもの彼女も相手の勢いに押され気味。プリズムが庇うように入ると爆発。煙幕で孤立したプリキュアは各個攻撃されて後退。しかしミノトンも負担が大きくブースト効果も一時的。ならその分飲めばいいじゃない。ヤケクソ気味な量を一気飲み。服薬量について注意書き貼っとくべきじゃないですかねそれ。
こういうときの新商品。
力を貸して、とマジェスティが懇願するとセキュリティ解除条件を提示。切羽詰まってるときに手続き踏ませるのやめてくれません? プリキュア定番の心を一つにイベント。あっ……(察し
壁画を参考に手を掲げるも封印は解けない。はい、この中に犯人がいます。その間もミノトンは三徹したサラリーマンのような状態に。やっていること自体はエグいんだけどエナドレがギャグみたいな小道具になっているせいかマイルドになっている気がしないでもない。
口からビーム。クルニクルンの防衛機構が作動するも長く持ちそうにない。私のせい。ここでプリズムが自白。エルちゃんを戦いに巻き込みたくないと思ってるから。だからクルニクルンが目覚めない。そんなこと言ってる場合ですか!? 揉めている間に防御が突破されます。
代わってマジェスティが防御。バタフライが加勢して防御を補強。プリズムがマジェスティに謝罪。私が守ってあげなくちゃいけないのに。そんなプリズムにスカイがエルちゃんの気持ちを信じて上げてくださいと答えます。
「エルちゃんだって、私たちが心配で私たちを守りたいんです!」
「私にはわかります。だってあの時と同じだから!」
映画でも採用された5話のシーン。
「ましろ。あなたが心配だよ、助けたいよ、気持ちは同じ」
「それって一緒に戦う理由にならないかな?」
あのときのましろと同じ言葉をかけるエル。それもそのはずあの場には彼女も居たのだから。重要な場面で必ずエルが見聞きしているのは大きなポイントですね。というわけで認証が通ります。
③タッチで浄化!タッチでレッスン
「マジェスティクルニクルン!(税込み定価10,340円)」
今年の箱物商品。全14ページで1万円超えとかいう百科事典を恐れぬ価格設定。
使い方は簡単。本をなぞると本人にバフがかかる。プリズムのスカートが捲れてるのコケティッシュ。これなら1万円払う価値があるな(意味が変わってくるだろうが)。バタフライ弾けすぎ。
「ひろがる世界にテイクオフ!」
5人でエンブレムを描いて発射体制。
「プリキュア! マジェスティックハレーション!」
今年は素直にビームを発射。最近捻っていたので原点回帰しました。
ミノトンが倒されることも織り込み済、といった様子のスキアヘッド。知識の宮殿って比喩なのか、なんかそういう設備があるのか。現状カイザリンが小物感出してるのでこっちの方が黒幕感ある。
正気に戻ったミノトンは素直に敗北を認めるとプリキュアに感謝。サクッと撤収。聞きたいことはいっぱいあったのに…と呆れるウィング。これがデリシャスなら逮捕して身柄を拘束してるところ。武人には武人のやり方があるのでしょう、と諦め半分で答えるスカイ。次回予告から察するに幹部の再登場&味方化はありそうな路線。
そんな横でマジェスティはプリズム大好きと頬ずり。キマシタワー! んほ~~たまんねぇ。今回もマジェスティのセリフが必要最小限な感じだったのでどこまで精神年齢上がっているのか断定できませんが、幼さはだいぶ残しているようです。
④次回予告
お前が先に再登場するんかい。
EDも映画宣伝仕様。
◯トピック
映画館行くとプリズムの衣装着てる子が一人ならず居ますね。やっぱり女の子女の子してるキャラは人気。
もっと強くならなければ、エルちゃんを危険から守らなければ、と思った矢先に本人が最強化して現実について行けないましろん、普通の人。いやそれが普通なんだけどね。他の連中がネジ飛んでるだけで。
視聴者目線でもどーせ不思議赤ちゃんだし、プリキュアになるのもわかってたし、新キャラが強いのは当然だし、と思っているのでましろの態度が逆に過剰反応(過保護)に見えてしまうのは先入観の厄介なところ。要するにましろが一番エルのことを普通の赤ちゃんだと思っていたって話。そりゃ赤ちゃんか友達かで対応は変わる。その意識が強いからこそ逆に成長したエルについて行けないというのは、普通ポジションのましろらしいリアクション。一般論的には子どもだと思っていたらいつの間にか成長していて戸惑う、みたいな感じ。
これも先を見据えれば最終回までに必要な手続きと言えます。エルが独り立ちする力を必要とするように、そんな彼女を一人の人間として対等に見る意識がましろたちにも必要になる。人間関係が相互関係である以上、片方だけが大きくなっても歩調は合わない。それを示した丁寧なエピソードです。
これで一件落着かと思いきや引き続きましろが続投。
エルへの認識を改めたとしても、スキアヘッドのような強敵に対する心構えは不十分。であれば、ましろ自身が自分の見方を一段高くすることが肝要。エルを抱っこしていたのがエルに抱っこされる形では結局変わらないし、彼女の力にもならない。そこで絵本の出番。クルニクルンのこともあるし一石二鳥。さすが虹ヶ丘家の孫娘。抜け目がない。しかしこのタイミングでバッタもん。これは予想外。中盤に入ってどんどん活気づいてきました。
第32話「大変身!キュアマジェスティ!!」
○今週のヒーロー
①エルちゃんは変身したい
エルを無事取り戻したものの、昨日のことを引きずる一同。ましろの料理も精彩を欠く有様。
落ち込んだ気分をあげはが率先して払拭。こういうときの年長兼アゲ担当。それにしてもキュアマジェスティとは何者なのか。生憎とお婆ちゃんは今スカイランドに出張中。するとエルが手をあげて「える!」。誰か知ってるの?と訊ねると「える、きゅあまじぇすてぃなの!」。
映画宣伝仕様OP。何気にローラが人乗せてるの初めてじゃね? 映画館でプリズムのスカートの中が見れるって本当ですか!?(モコモコだけど)。果たしてこのタイミングでマジェスティは登場するのでしょうか。
新事実に正反対なリアクションを披露するソラとましろ。驚きながら腰ひねるの難しくね?
にこにこと笑うエル。変身している間記憶飛んでるとかのパターンもあるかと思ったけど、そこは連続しているようです。年齢がまるで違う。でも運命の子ってくらいだからあり得ると素直に認めるあげは。子どもには徹底して寄り添っていくスタイル。成長変身は魔法つかいでもやっているので多少(?)の年齢差は許容。
アンダーグ帝国の狙いはエルちゃんのプリキュアの力だったのだろうか。そう考えれば辻褄も合う。早速実証。変身できるかとお願いすると快く引き受けてくれます。
スプーンを持って迫真の変身ポーズ。本気度に息を飲む一同。ところがひろがるチェンジ!と唱えてもスプーンが光るだけで何も起きません。光るだけでも凄いんだけどね。やはりスプーンではダメらしい。ウルトラマンでも無理。
何度も試してみますが空振り。嘘じゃないと涙ぐむエルをあげはが慰め、ソラたちもそれに続きます。というわけで困っているエルちゃんを助けるために最強の保育士(志望)のあげはが一肌脱ぎます。どうやったら変身できるのか一緒に考えよう。なるほど。エルはエルで手続きを踏ませるのね。
もちろん、ソラたちも傍観者でいるわけにも行かない。強くなるために頑張る。こうして冒頭の落ち込みから一転して気分をアゲる一同。あげはちゃん策士。
スキアヘッドがキュアマジェスティが出現したことを報告。舌打ち。だからそういうの格を下げるぞ。力を使いこなせないうちに消し去らねば、と進言。エルの力を利用するというより、それ自体が脅威だったので奪取しようとしていたってことね。敵組織の目的なんてシンプルだから真打ち登場に合わせての開示で十分。
庭でトレーニングに勤しむソラ。
まずは彼女に密着取材。あの後も何度か変身を試したものの全て徒労に終わったらしく、そこで先輩プリキュアであるソラを見学することにしたと話すあげは。後述するように人の真似をしても意味はないのですが、エルがそれを納得しない限り先に進まないので手続きとして必要。そうとは知らず先輩と呼ばれたソラは照れながらも張り切ります。
百裂拳。それを見たエルは脳内イメージを固めるとチャレンジ。スカイランド神拳のポーズに驚きと期待を寄せる2人。しかし当然ながら空振り。倒れたエルをあげはがキャッチ。彼女の意を汲むと次のチャレンジへ。
ましろは台所でヨーグルトを調理。強くなるためにビタミンたっぷりレモン果汁入り。運動部のマネージャーかよ。
早速試作したものをあげはに出します。これに目をつけるエル。今度も脳内イメージはバッチリ。新キャラの正式登場回のわりにギャグ調なのは本作らしい展開かもしれない。バタフライもああいうノリだったしね。本人のペースを尊重していると言える。普通のヨーグルトを渡す前にレモン果汁に口をつけたエルは案の定なリアクション。これを予想していたあげはは苦笑い。慌てるましろをよそに冷静にミルクを渡します。ここでもエルの気持ちを言語化して整理。本人のチャレンジ精神と過程が大事なので肯定に肯定を重ねます。
続いてツバサの部屋を訪れます。
こちらは航空力学を戦術に応用しようと勉強中。少年に呆れているのか、流石にこれは真似できないよなぁと困っているのか苦笑いするあげは。エルは彼が持っているミラージュペンに目をつけます。そうこれこそが変身の鍵。イメージもバッチリ。こうやって視聴者にも登場を期待させるキッズアニメの鑑。
ミラージュペンを借りて今度こそ変身。……しかし何も起こらない。そのペンは自分専用となだめるツバサ。変身アイテムは個人所有。お一人様一個。玩具会社が言いたいことはこれでわかったな? 拝金・商業主義に泣くエル。でもいつかエルちゃんもわかってくれる。そもそもその金でこの番組が成り立っていることに。
エルの泣き声を聞いて全員集合。
あげはが抱きしめながらなだめます。ここで模範解答。エルちゃんにはエルちゃんだけのミラージュペンがあるはず。
「それはエルちゃんにしか見つけられないものなんだ」
その言葉に心当たりがある3人。
一息ついたところで、小鳥たちが慌てた様子で危機を知らせてきます。鳥形態にならないと聞き取れないってわけでもなかったと思うけど、前回奈落の底に落ちたミノトンが暴走化して登場。新キャラのサンドバッグに丁度よさそう。
②よくよく考え…なくても紫は癖強いわ
現場に到着。
普段とは違うミノトンの姿に困惑。スキアヘッドが説明。シャララと同様にアンダーグエナジーを注入して異形化したらしい。以前煮え湯を飲まされたソラは激昂。ここで敵のミッションに変更あり。エルの奪取から抹殺に。なおさらそれを許すわけにはいかない。変身。
スキアヘッドはミノトンに任せると撤収。ボス戦開始。
連携してあたるもスカイパンチの直撃にも耐えるパワー。スカイが捕まりピンチに。物陰から見ていたエルは変身呪文を唱えるも前回のようにはいきません。本当は強いのに…。その間にウィングが横槍を入れて仕切り直し。
今度はアンダーグ波を撃ってきて守勢に。とりあえず射線上にいるエルは退避した方が良いと思う。エルを守ろうと奮起したプリキュアは攻撃の相殺に成功。しかし満身創痍。それはミノトンも同じ。理性が戻りかけますがアンダーグエナジーの影響は強く再びチャージ。
というわけでエルの出番。これまで自分を守ってきたソラ達の様子がフラッシュバック。今度は彼女が守る番。あげはが予言したとおり、ミラージュペンが生まれます。
「みつけたの……えるも! ぷりきゅあ!」
妖精もアンドロイドも宇宙人も人魚も男の子も変身できたんだ、赤ちゃんが変身できないわけがない。
「スカイミラージュ!」「トーンコネクト!」
あ、意外と可愛い声。ハスキー系ってわけではないのね。
「ひろがるチェンジ!」
「MAJESTY!」
星から託されただけあってステージに星が降る演出。マッチをこする感じで靴を履くの面白い。
「きらめきHOP!」
しかしそんなことより何よりイヤリングのデザイン。攻撃力高そう。どうしてそのデザインを選んだ。これキャラデザの人最初からそのデザインで起こしたの? 決定稿通してから実はイヤリング部分はこんなデザインでした!って騙し討ちしたの? それともバンク描いた人が勝手にあのデザインで仕上げて「もう描いたから変更できません」で押し通したの? プロデューサーと監督はそれでOKしたの? 謎が尽きない。ちなみに玩具のなりきりセットでもイヤリングは含まれているので決定稿段階で意図してやっているんでしょうけど。今までにない強烈な個性付けてきたな。その間もエルはステップを刻みます。
「さわかやSTEP!」
耳につけてるの全然爽やかじゃねーけどな。胸元のデザインはドレス感があって可愛い。
「はればれJUMP!」
飛び上がるとステージを眼下に。たぶんプリズムも飛び上がってステージ上から消えてるって演出なんでしょうが(キラキラが画面上部に映ってる)バタフライやマジェスティはその辺わかりやすくしていますね。腕、最後にスカートに星をアクセント。表情の付け方が独特というか、大人っぽさと子どもっぽさとおしゃまさがミックスしていてエルだなって感じる。黙ってれば美人で気品があるのに、しゃべると台無しになるやつによくある。
「降り立つ気高き神秘! キュアマジェスティ!」
映画を直前に控えての登場。
ミラージュペンは自分の気持ちが形になったもの。あげはが段階を踏んでエルに納得させていったのもそのため。そんなバタフライにお礼を返すマジェスティ。
戦闘再開。ミノトンの弾丸をステップを踏んで軽やかにかわすと力強く物理で殴打。神秘だろうがなんだろうがプリキュアは物理属性。それを証明するようにチラっと見える強そうなイヤリング。変身バンクは見間違えじゃない。着地するときにフワって浮くの強そう。
回し蹴りを決めて先週に引き続き二度目の感電。その後ろで優雅に降り立つマジェスティ。あー何か気難しそう。エルだし。
その後も単独でミノトンを圧倒。もうあいつひとりでいいんじゃないかな状態。ソラの百裂拳も変身すればお手のもの。打ち勝ったところでスカイとプリズムに譲ります。必殺技のお披露目は次回。
浄化されたミノトンはスキアヘッドが回収。まだ再利用する気のようです。
戦闘が終わると充電が切れたように元の姿に戻るエル。疲れたのか眠り込んでしまいます。
帰り道。
あげははみんなに意見を求めます。心配ではあるけどこれからは自分たちの目の届くところで一緒に戦った方がいい気がする。その意見に二つ返事で答えるツバサ。あれだけの強さを見せられれば拒否する理由もない。ソラも最強のエルちゃんを守るために私達はもっと強くなるのみです!と嬉しそうに答えます。
しかしましろだけはその輪に加わらず不安げな視線を向けます。
③次回予告
必殺技のお披露目。映画にも出演確定。このライブ感よ。
EDにマジェスティ追加。
○トピック
イヤリングがマジェスティ(王の威厳)
キュアマジェスティ変身回。映画の大スクリーンでバチコイ戦ってくれそうで楽しみですね。オールスターズ系は相対的に現役組が薄まってしまうので、新キャラで訴求力を強めてバランスを取ってくれるのはありがたい。どーせお祭りするなら花火の数は多い方がいい。
基本的にプリキュアの赤ちゃん枠はフレッシュのシフォンをはじめ、ドキドキのアイちゃん、HUGのはぐたんとマスコットを超えないキャラでした。本作のエルはその点最初から人格を持ったキャラとして位置づけられています。なので今回のエピソードもプリキュアに変身できたからOKで通さず、ソラたちと同様に手続きを踏んだ変身となっています。どんな理由で変身するかにその人物のキャラクター性を持たせているわけですね。とりわけ最近はかなりしゃべれるようになってきているので表現の幅も広がっています。エル自身もまた文字どおり成長することで可能性がひろがっている。
一方で、この状況をはい良かったねで通さずましろの視点で疑義を入れているのも丁寧で、プリキュアの変身手続きとチームへの加入手続きは別問題としているのはプリキュアらしい配慮です。
ここから見えてくるのは変身できても、基本的なメンタルの軸は赤ちゃんのエルであろうこと。少女の姿でずっといるってのはちょっと考えづらい。そこは一足飛びにやらないだろうと思います。玩具の兼ね合いもあるからね。私が東堂いづみならクリスマス商戦終わってからぶっ込みますね。
①エルちゃんは変身したい
エルを無事取り戻したものの、昨日のことを引きずる一同。ましろの料理も精彩を欠く有様。
落ち込んだ気分をあげはが率先して払拭。こういうときの年長兼アゲ担当。それにしてもキュアマジェスティとは何者なのか。生憎とお婆ちゃんは今スカイランドに出張中。するとエルが手をあげて「える!」。誰か知ってるの?と訊ねると「える、きゅあまじぇすてぃなの!」。
映画宣伝仕様OP。何気にローラが人乗せてるの初めてじゃね? 映画館でプリズムのスカートの中が見れるって本当ですか!?(モコモコだけど)。果たしてこのタイミングでマジェスティは登場するのでしょうか。
新事実に正反対なリアクションを披露するソラとましろ。驚きながら腰ひねるの難しくね?
にこにこと笑うエル。変身している間記憶飛んでるとかのパターンもあるかと思ったけど、そこは連続しているようです。年齢がまるで違う。でも運命の子ってくらいだからあり得ると素直に認めるあげは。子どもには徹底して寄り添っていくスタイル。成長変身は魔法つかいでもやっているので多少(?)の年齢差は許容。
アンダーグ帝国の狙いはエルちゃんのプリキュアの力だったのだろうか。そう考えれば辻褄も合う。早速実証。変身できるかとお願いすると快く引き受けてくれます。
スプーンを持って迫真の変身ポーズ。本気度に息を飲む一同。ところがひろがるチェンジ!と唱えてもスプーンが光るだけで何も起きません。光るだけでも凄いんだけどね。やはりスプーンではダメらしい。ウルトラマンでも無理。
何度も試してみますが空振り。嘘じゃないと涙ぐむエルをあげはが慰め、ソラたちもそれに続きます。というわけで困っているエルちゃんを助けるために最強の保育士(志望)のあげはが一肌脱ぎます。どうやったら変身できるのか一緒に考えよう。なるほど。エルはエルで手続きを踏ませるのね。
もちろん、ソラたちも傍観者でいるわけにも行かない。強くなるために頑張る。こうして冒頭の落ち込みから一転して気分をアゲる一同。あげはちゃん策士。
スキアヘッドがキュアマジェスティが出現したことを報告。舌打ち。だからそういうの格を下げるぞ。力を使いこなせないうちに消し去らねば、と進言。エルの力を利用するというより、それ自体が脅威だったので奪取しようとしていたってことね。敵組織の目的なんてシンプルだから真打ち登場に合わせての開示で十分。
庭でトレーニングに勤しむソラ。
まずは彼女に密着取材。あの後も何度か変身を試したものの全て徒労に終わったらしく、そこで先輩プリキュアであるソラを見学することにしたと話すあげは。後述するように人の真似をしても意味はないのですが、エルがそれを納得しない限り先に進まないので手続きとして必要。そうとは知らず先輩と呼ばれたソラは照れながらも張り切ります。
百裂拳。それを見たエルは脳内イメージを固めるとチャレンジ。スカイランド神拳のポーズに驚きと期待を寄せる2人。しかし当然ながら空振り。倒れたエルをあげはがキャッチ。彼女の意を汲むと次のチャレンジへ。
ましろは台所でヨーグルトを調理。強くなるためにビタミンたっぷりレモン果汁入り。運動部のマネージャーかよ。
早速試作したものをあげはに出します。これに目をつけるエル。今度も脳内イメージはバッチリ。新キャラの正式登場回のわりにギャグ調なのは本作らしい展開かもしれない。バタフライもああいうノリだったしね。本人のペースを尊重していると言える。普通のヨーグルトを渡す前にレモン果汁に口をつけたエルは案の定なリアクション。これを予想していたあげはは苦笑い。慌てるましろをよそに冷静にミルクを渡します。ここでもエルの気持ちを言語化して整理。本人のチャレンジ精神と過程が大事なので肯定に肯定を重ねます。
続いてツバサの部屋を訪れます。
こちらは航空力学を戦術に応用しようと勉強中。少年に呆れているのか、流石にこれは真似できないよなぁと困っているのか苦笑いするあげは。エルは彼が持っているミラージュペンに目をつけます。そうこれこそが変身の鍵。イメージもバッチリ。こうやって視聴者にも登場を期待させるキッズアニメの鑑。
ミラージュペンを借りて今度こそ変身。……しかし何も起こらない。そのペンは自分専用となだめるツバサ。変身アイテムは個人所有。お一人様一個。玩具会社が言いたいことはこれでわかったな? 拝金・商業主義に泣くエル。でもいつかエルちゃんもわかってくれる。そもそもその金でこの番組が成り立っていることに。
エルの泣き声を聞いて全員集合。
あげはが抱きしめながらなだめます。ここで模範解答。エルちゃんにはエルちゃんだけのミラージュペンがあるはず。
「それはエルちゃんにしか見つけられないものなんだ」
その言葉に心当たりがある3人。
一息ついたところで、小鳥たちが慌てた様子で危機を知らせてきます。鳥形態にならないと聞き取れないってわけでもなかったと思うけど、前回奈落の底に落ちたミノトンが暴走化して登場。新キャラのサンドバッグに丁度よさそう。
②よくよく考え…なくても紫は癖強いわ
現場に到着。
普段とは違うミノトンの姿に困惑。スキアヘッドが説明。シャララと同様にアンダーグエナジーを注入して異形化したらしい。以前煮え湯を飲まされたソラは激昂。ここで敵のミッションに変更あり。エルの奪取から抹殺に。なおさらそれを許すわけにはいかない。変身。
スキアヘッドはミノトンに任せると撤収。ボス戦開始。
連携してあたるもスカイパンチの直撃にも耐えるパワー。スカイが捕まりピンチに。物陰から見ていたエルは変身呪文を唱えるも前回のようにはいきません。本当は強いのに…。その間にウィングが横槍を入れて仕切り直し。
今度はアンダーグ波を撃ってきて守勢に。とりあえず射線上にいるエルは退避した方が良いと思う。エルを守ろうと奮起したプリキュアは攻撃の相殺に成功。しかし満身創痍。それはミノトンも同じ。理性が戻りかけますがアンダーグエナジーの影響は強く再びチャージ。
というわけでエルの出番。これまで自分を守ってきたソラ達の様子がフラッシュバック。今度は彼女が守る番。あげはが予言したとおり、ミラージュペンが生まれます。
「みつけたの……えるも! ぷりきゅあ!」
妖精もアンドロイドも宇宙人も人魚も男の子も変身できたんだ、赤ちゃんが変身できないわけがない。
「スカイミラージュ!」「トーンコネクト!」
あ、意外と可愛い声。ハスキー系ってわけではないのね。
「ひろがるチェンジ!」
「MAJESTY!」
星から託されただけあってステージに星が降る演出。マッチをこする感じで靴を履くの面白い。
「きらめきHOP!」
しかしそんなことより何よりイヤリングのデザイン。攻撃力高そう。どうしてそのデザインを選んだ。これキャラデザの人最初からそのデザインで起こしたの? 決定稿通してから実はイヤリング部分はこんなデザインでした!って騙し討ちしたの? それともバンク描いた人が勝手にあのデザインで仕上げて「もう描いたから変更できません」で押し通したの? プロデューサーと監督はそれでOKしたの? 謎が尽きない。ちなみに玩具のなりきりセットでもイヤリングは含まれているので決定稿段階で意図してやっているんでしょうけど。今までにない強烈な個性付けてきたな。その間もエルはステップを刻みます。
「さわかやSTEP!」
耳につけてるの全然爽やかじゃねーけどな。胸元のデザインはドレス感があって可愛い。
「はればれJUMP!」
飛び上がるとステージを眼下に。たぶんプリズムも飛び上がってステージ上から消えてるって演出なんでしょうが(キラキラが画面上部に映ってる)バタフライやマジェスティはその辺わかりやすくしていますね。腕、最後にスカートに星をアクセント。表情の付け方が独特というか、大人っぽさと子どもっぽさとおしゃまさがミックスしていてエルだなって感じる。黙ってれば美人で気品があるのに、しゃべると台無しになるやつによくある。
「降り立つ気高き神秘! キュアマジェスティ!」
映画を直前に控えての登場。
ミラージュペンは自分の気持ちが形になったもの。あげはが段階を踏んでエルに納得させていったのもそのため。そんなバタフライにお礼を返すマジェスティ。
戦闘再開。ミノトンの弾丸をステップを踏んで軽やかにかわすと力強く物理で殴打。神秘だろうがなんだろうがプリキュアは物理属性。それを証明するようにチラっと見える強そうなイヤリング。変身バンクは見間違えじゃない。着地するときにフワって浮くの強そう。
回し蹴りを決めて先週に引き続き二度目の感電。その後ろで優雅に降り立つマジェスティ。あー何か気難しそう。エルだし。
その後も単独でミノトンを圧倒。もうあいつひとりでいいんじゃないかな状態。ソラの百裂拳も変身すればお手のもの。打ち勝ったところでスカイとプリズムに譲ります。必殺技のお披露目は次回。
浄化されたミノトンはスキアヘッドが回収。まだ再利用する気のようです。
戦闘が終わると充電が切れたように元の姿に戻るエル。疲れたのか眠り込んでしまいます。
帰り道。
あげははみんなに意見を求めます。心配ではあるけどこれからは自分たちの目の届くところで一緒に戦った方がいい気がする。その意見に二つ返事で答えるツバサ。あれだけの強さを見せられれば拒否する理由もない。ソラも最強のエルちゃんを守るために私達はもっと強くなるのみです!と嬉しそうに答えます。
しかしましろだけはその輪に加わらず不安げな視線を向けます。
③次回予告
必殺技のお披露目。映画にも出演確定。このライブ感よ。
EDにマジェスティ追加。
○トピック
イヤリングがマジェスティ(王の威厳)
キュアマジェスティ変身回。映画の大スクリーンでバチコイ戦ってくれそうで楽しみですね。オールスターズ系は相対的に現役組が薄まってしまうので、新キャラで訴求力を強めてバランスを取ってくれるのはありがたい。どーせお祭りするなら花火の数は多い方がいい。
基本的にプリキュアの赤ちゃん枠はフレッシュのシフォンをはじめ、ドキドキのアイちゃん、HUGのはぐたんとマスコットを超えないキャラでした。本作のエルはその点最初から人格を持ったキャラとして位置づけられています。なので今回のエピソードもプリキュアに変身できたからOKで通さず、ソラたちと同様に手続きを踏んだ変身となっています。どんな理由で変身するかにその人物のキャラクター性を持たせているわけですね。とりわけ最近はかなりしゃべれるようになってきているので表現の幅も広がっています。エル自身もまた文字どおり成長することで可能性がひろがっている。
一方で、この状況をはい良かったねで通さずましろの視点で疑義を入れているのも丁寧で、プリキュアの変身手続きとチームへの加入手続きは別問題としているのはプリキュアらしい配慮です。
ここから見えてくるのは変身できても、基本的なメンタルの軸は赤ちゃんのエルであろうこと。少女の姿でずっといるってのはちょっと考えづらい。そこは一足飛びにやらないだろうと思います。玩具の兼ね合いもあるからね。私が東堂いづみならクリスマス商戦終わってからぶっ込みますね。
第31話「新たな脅威!エルちゃんを取り戻せ!」
○今週のヒーロー
①エルちゃんの喜怒哀楽
絵を描きながらエルに物語を話して聞かせるましろ。ソラに呼ばれて一旦席を離した隙にエルもお絵かき。勘のいい視聴者ならここで気づいたと思います。わざわざ紫色使ってますからね。
豪快に描かれた絵にましろも苦笑い。後で登場する予定が前倒しになりました。「めっ!」とソラは教育的指導。弟の実例を上げて甘やかしはよくないとエルに約束させようとしますが……彼女はましろに抱きつくと「そら、きらい」と反抗的姿勢。その一言でソラは轟沈。
OPは映画宣……通常営業でした。2週間後なのでそろそろかなと思ったんだけど。
リビングに場所を移してもエルの不機嫌は治らず。
その様子を見たあげははプチいやいや期だと説明。赤ちゃん登場するシリーズだとほぼこのワード出てくる気がする。通過儀礼みたいなものなのでソラが落ち込むことはないと慰めますが立ち直るのに少々時間がかかりそう。子どもの扱いなら任せて、とあげはがエルにコンタクト。共感を装いながらましろの邪魔をしちゃダメと言うと先ほどと同様に「あげは、きらい」。その一言であげはも轟沈。子どもながら小賢しいテクニックを使う。
どうしたものかと手をこまねいているとお婆ちゃん登場。写真館のチラシを見せます。貸衣装は100種類以上。おしゃれキッズもにっこにっこ。さっそくこの手のものに目がないエルが食いつきます。
車で移動。ウキウキで待てない様子のエル。とりあえず不機嫌がなくなったので当初の目的は達成。
スポーツジムで身体を鍛えるミノトン。
いつの間にか常連になっているらしく他の客からは「ミノさん」と認知。ベンチプレス500キロは人間を超えていると驚きを超えて呆れられています。ちなみにベンチプレスの世界記録は508キロ。人間意外と頑張ってた。そもそも人間なの?と不思議がる客。角や牙生えてる人間なんていねーよ。この街の住人、毎週異変が起こるから正常性バイアスが狂ってる説。プリキュアではよくある。
ミノトンに皇帝から通信。エルを連れてこいと命じたのに筋トレとはどういうことか。しかしミノトンは悪びれることも恐れることもなくプリキュアを優先すると返答。お仕置きの電撃をちらつかせても態度を変えない。そんな愚かな武人にお仕置き。こんがり焼肉に。と同時に目の前に外套に身を包んだ人物が現れます。「開け」。その言葉のとおり異空間ゲートが開くとミノトンが落ちていきます。正直ミノトンでどうやって話を重くするのか疑問に思ってたけど、なるほど夏休みメインのキャラだったか。
皇帝の外套の男に対する信頼は厚く次なる刺客として送り出します。
写真館。
貸衣装を見た瞬間に飛びつくましろとソラ。お2人のために来たんじゃないから…と釘を刺すツバサ。エルがとりわけ気に入ったのはプリキュアの衣装。ダイレクトマーケティングは玩具宣伝アニメの特権。街で噂のヒーローを参考に再現したもの。著作権料を何故かお婆ちゃんが回収してそう。
「どのプリキュアが一番好き?」。店員の何気ない一言に動揺が走る一同。これはシンプルかつどデカイ問い。思案するエルに期待と不安が入り乱れます。悩んだ末の答えは「みんなすき~」。玉虫色の回答にほっと胸をなでおろします。
その後は順繰りにひろがるチャンジ。夏休みのイベントとかで実際に着た子も多そう。そして締めは紫色のドレス。はい確定。こんなこともあろうかと紫の文字色は空けておきました。
帰りの車中。
結局エルのためと言いつつ自分たちも楽しんじゃったと笑うツバサ。眠ている頭を撫でると「そらだいすき」と半ば寝言のように呟くエル。冒頭の不機嫌さはすっかり飛んでいった様子。その言葉に答えながら彼女の小さな手を握るソラ。
全てが終わりプリキュアが必要なくなったとき、エルちゃんはスカイランドに帰り私達のプリンセスからみんなのプリンセスになる。それがエルちゃんのため、と自分に言い聞かせるように話すソラ。…なのにエルちゃんが大きくなるのを隣でずっと見ていたいと本音を漏らします。国王夫妻も同じ気持ちだったでしょうが、あちらは天の声を直接聞いたので彼女らよりは飲み込みやすいかもしれません。ましろとなら言葉と信頼で離れることも納得できる。個人と自由意思の結果だから。でもこれが文字通りの赤ちゃんとなると勝手が違う。個人の意思ですと言うには弱いし、今している会話だって5年後憶えているかもあやしい。コミュニケ―ションはとれても対等の相手ではない。となるとどうするか。対等になるように見た目から変えてしまえばいい。魔法つかいのはーちゃんと同じ理屈ですね。
いつか離れ離れになるとしても今日じゃない、とソラに慰めの言葉をかけるましろ。ツバサも一緒に守ろうと言葉を継ぎます。
いい感じに話をまとめた矢先、車の前に人が。
②新たな刺客
急ブレーキ。停車すると人影を見失います。バックミラーで確認。
その気配にただならぬものを感じたあげははアクセルを踏むと一目散に走り出します。アンダーグ関係者なら戦おうとツバサ。しかし「やばいよあれ」と緊迫した声のあげは。ソラも同意。あの目には何の感情もなかった。今まで見たこともない相手にソラの手が震えます。久しぶりに出た。話のギアが一段階上がったことが体感としても明示されています。ミノトンとは格が違う。
車の屋根に降り立つ刺客。速度を上げて振り払おうとしますが異次元ゲートの中に飲み込まれてしまいます。
ゲートの先は深い霧に覆われた見知らぬ場所。
気づけばエルが消えています。すぐに外に出て探すと、果たしてエルは異次元ゲートの中に吸い込まれていきます。急転直下の展開に理解が追いつかいない一同。これにはましろも悪い夢だと思考が現実逃避を起こします。ソラの手の震えと同様、ましろもキャパを超える描写で畳み掛けていく。外套の男を前に身構えると無言で変身。
エルちゃんはどこ!? その問いに男は淡々とアンダーグ帝国に送ったと回答。送り込まれた先でエルはプリキュアの様子を見せられます。皇帝趣味悪いな。小物感出るからやめた方がいいぞ。
外套を脱ぎ捨てて現れたのは法衣のような格好をした男。スキアヘッド。スキンヘッドのもじりとスキア(ギリシャ語の「陰」の意)のダブルミーニングかな。片眼鏡が階級高そうに見える。ここで情報開示。皇帝の名前はカイゼリン・アンダーグ。今までボスの名前以前に存在すらソラ達にとっては希薄だったので実体を持たせてきました。
自分の仕事はエルの奪取だけ。帰宅準備を始めます。そうは問屋が卸さない。スカイが背後から急襲。ゲートを開いて回避。空間移動系か。こういう敵面倒臭いんだよなぁ。CPUがクソだと小足見てから昇竜余裕でしたみたいな反応してくるし。立て続けにウィングが突撃。エルの安否がかかっているので本気。プリズムも上空から光弾を雨のように降らせます。ゲートを開こうとした腕に被弾。これはかなり有効な戦術。その隙を逃さずバラフライが蹴り。ふっ飛ばされながら抑揚のない声でまたワープ。強者感あるな。
背後から出現したスキアヘッドを気迫がこもった表情で睨みつけます。バッタモンダーの王国襲撃のときもそうだけど、怒りの感情をストレートに出す傾向がありますね。今度は全員で同時に突撃。空間移動だけではなく空間への干渉もお手のもの。バリアを発生させるとさらに反射。とばっちりでピヨちゃんが被弾。車両保険ちゃんと入ってるでしょうか。戦いに勝てば修理費無料。保険の等級も下がらないので是が非でもステージクリアしたい。
プリンセスを助ける手はもうない。すでにすべてが終わっている。強者特有の断定。
エルとの思い出がフラッシュバックするスカイ。立ち上がろうと身を起こすも力が入らず倒れ……そうになったところをプリズムが手を掴みます。OPのアレをここで回収。
「絶対に……取り戻す!」
23話を経てもこの関係は変わらない。ソラはやはり大切なものが絡むと弱い。勿論あのときのように諦めたり身が竦むことはなくなっている。けど踏ん張りが効かない。前に人(シャララやましろ)がいれば走れるけど、後ろにいると途端に進むべき道を見失うような、そんなメンタル。これはヒーローとしてのビジョンがまだ完成していないからってのもあります。未完成の主人公なので。対してましろは人のために走れる。彼女もビジョンがあるわけじゃないけど、目の前の苦境に立ち向かえる底力がある。ウィングもバタフライを先導。
巨大な弾を作り出すスキアヘッド。プリキュアは満身創痍。都合よく新商品が出てこない限りは挽回不能。勝ち誇るカイザリン。急に小物感出てますが本当に大丈夫ですか、あなた。
③新商品だと思った? 残念! キュアマジェスティでした!
ご都合を起こしてこそのキッズアニメ。新商品宣伝のチャンス。エルが祈ると光に包まれ……
それを予期したかのように見上げるスキアヘッド。
厚い雲を薙ぎ払って空から降りてくる少女。どちらさま? 小手調べといった体でスキアヘッドが弾を投擲。着弾の瞬間、ひろがるチェンジと少女が唱えると爆風の中からプリキュアが出現。やっぱり紫って高貴感あるな。腰から広がるスカートから湧き出る強者感。
急降下。自分目掛けて突撃してくる謎のプリキュアにバリアで防御。それに拳で対抗。これは間違いなくプリキュア(納得)
スキアヘッドが名前を尋ねます。新商品および新キャラのお披露目のお手伝いは敵の最重要任務。
「キュアマジェスティ」
あ、意外とハスキーな声。バリアを相殺すると同時にスキアヘッドは撤退。
ステージクリア。これで修理代無料。
気づくとマジェスティの姿はなく、入れ替わりにエルが姿を現します。思わず駆け出してエルを抱きしめるソラ。ツバサとあげはも駆け寄り無事を喜びます。
ましろは膝をつくと泣き出します。無事ではあったもののそれと自分の力は無関係。守ってあげられなくてごめんと謝ります。ましろとソラの違いという点で、先にも述べたように守る対象がいたときはましろの方が踏ん張りが効くんですが、ましろ自身はそれを体系化していません。良くも悪くも目の前のことに辛抱強く、そして諦めずに取り組めるけどそれっきりっていうのが多い。ヒーローという筋道を持っているソラとの大きな違いです。だからましろはソラをヒーローと呼ぶことはあっても自分がヒーローになろうとはしない。言い換えればソラは信義によって補おうとしているとも言えますが。その意味でここら辺がソラとましろの現時点での限界であることが見て取れます。キャパを超えると途端に脆くなるのはあげはも同じ。
エルが寄り添うと「なかないで」と慰めます。そんな彼女を抱きしめながらもう絶対に離さないと約束するましろ。ここでソラが主人公らしく気を引き締めます。この志向性が彼女を強くする。
「〈エルちゃんを守るために私達はもっと強くならなくては……!〉」
④次回予告
ここに使い捨てできるちょうどいい幹部が。
○トピック
だいたい新キャラがなんとかしてくれる。
例年だと箱物新商品の投入時期ですが今作では新プリキュアを投入。
エルがプリキュアになるのはほぼ読めた展開というか、ポジション的に最初からそのつもりでやってた印象ですね。本作は離れて暮らすことを許容しているように、個人の意思や信頼は重要なファクター。ではこれの一つの証明手段はなにかといえば対話です。対等に会話できること。赤ちゃんではそれができない。やっても絵面的に説得力がない。系列的には魔法つかいのはーちゃんや初代のひかりがそれにあたります。ひかりは女子中学生ですが関係的にはなぎさとほのかの娘みたいなものでした。いずれにしても自分と同年代の姿だからこそその言葉にも責任と重みが発生する。エルが5人目のポジションであれば成長した姿が登場するのは物語的には当然の帰結です。最終的な進退を決めるのは自分、というのは本作のみならずプリキュアシリーズのスタンスですね。
4人でエルを守りながら疑似家族をする関係も定型化してきたところなので、これに風穴を開ける意味でも良いキッカケになりそうです。カイザリンさんも見習ってもうちょっとマジェスティックになってほしいところ。
①エルちゃんの喜怒哀楽
絵を描きながらエルに物語を話して聞かせるましろ。ソラに呼ばれて一旦席を離した隙にエルもお絵かき。勘のいい視聴者ならここで気づいたと思います。わざわざ紫色使ってますからね。
豪快に描かれた絵にましろも苦笑い。後で登場する予定が前倒しになりました。「めっ!」とソラは教育的指導。弟の実例を上げて甘やかしはよくないとエルに約束させようとしますが……彼女はましろに抱きつくと「そら、きらい」と反抗的姿勢。その一言でソラは轟沈。
OPは映画宣……通常営業でした。2週間後なのでそろそろかなと思ったんだけど。
リビングに場所を移してもエルの不機嫌は治らず。
その様子を見たあげははプチいやいや期だと説明。赤ちゃん登場するシリーズだとほぼこのワード出てくる気がする。通過儀礼みたいなものなのでソラが落ち込むことはないと慰めますが立ち直るのに少々時間がかかりそう。子どもの扱いなら任せて、とあげはがエルにコンタクト。共感を装いながらましろの邪魔をしちゃダメと言うと先ほどと同様に「あげは、きらい」。その一言であげはも轟沈。子どもながら小賢しいテクニックを使う。
どうしたものかと手をこまねいているとお婆ちゃん登場。写真館のチラシを見せます。貸衣装は100種類以上。おしゃれキッズもにっこにっこ。さっそくこの手のものに目がないエルが食いつきます。
車で移動。ウキウキで待てない様子のエル。とりあえず不機嫌がなくなったので当初の目的は達成。
スポーツジムで身体を鍛えるミノトン。
いつの間にか常連になっているらしく他の客からは「ミノさん」と認知。ベンチプレス500キロは人間を超えていると驚きを超えて呆れられています。ちなみにベンチプレスの世界記録は508キロ。人間意外と頑張ってた。そもそも人間なの?と不思議がる客。角や牙生えてる人間なんていねーよ。この街の住人、毎週異変が起こるから正常性バイアスが狂ってる説。プリキュアではよくある。
ミノトンに皇帝から通信。エルを連れてこいと命じたのに筋トレとはどういうことか。しかしミノトンは悪びれることも恐れることもなくプリキュアを優先すると返答。お仕置きの電撃をちらつかせても態度を変えない。そんな愚かな武人にお仕置き。こんがり焼肉に。と同時に目の前に外套に身を包んだ人物が現れます。「開け」。その言葉のとおり異空間ゲートが開くとミノトンが落ちていきます。正直ミノトンでどうやって話を重くするのか疑問に思ってたけど、なるほど夏休みメインのキャラだったか。
皇帝の外套の男に対する信頼は厚く次なる刺客として送り出します。
写真館。
貸衣装を見た瞬間に飛びつくましろとソラ。お2人のために来たんじゃないから…と釘を刺すツバサ。エルがとりわけ気に入ったのはプリキュアの衣装。ダイレクトマーケティングは玩具宣伝アニメの特権。街で噂のヒーローを参考に再現したもの。著作権料を何故かお婆ちゃんが回収してそう。
「どのプリキュアが一番好き?」。店員の何気ない一言に動揺が走る一同。これはシンプルかつどデカイ問い。思案するエルに期待と不安が入り乱れます。悩んだ末の答えは「みんなすき~」。玉虫色の回答にほっと胸をなでおろします。
その後は順繰りにひろがるチャンジ。夏休みのイベントとかで実際に着た子も多そう。そして締めは紫色のドレス。はい確定。こんなこともあろうかと紫の文字色は空けておきました。
帰りの車中。
結局エルのためと言いつつ自分たちも楽しんじゃったと笑うツバサ。眠ている頭を撫でると「そらだいすき」と半ば寝言のように呟くエル。冒頭の不機嫌さはすっかり飛んでいった様子。その言葉に答えながら彼女の小さな手を握るソラ。
全てが終わりプリキュアが必要なくなったとき、エルちゃんはスカイランドに帰り私達のプリンセスからみんなのプリンセスになる。それがエルちゃんのため、と自分に言い聞かせるように話すソラ。…なのにエルちゃんが大きくなるのを隣でずっと見ていたいと本音を漏らします。国王夫妻も同じ気持ちだったでしょうが、あちらは天の声を直接聞いたので彼女らよりは飲み込みやすいかもしれません。ましろとなら言葉と信頼で離れることも納得できる。個人と自由意思の結果だから。でもこれが文字通りの赤ちゃんとなると勝手が違う。個人の意思ですと言うには弱いし、今している会話だって5年後憶えているかもあやしい。コミュニケ―ションはとれても対等の相手ではない。となるとどうするか。対等になるように見た目から変えてしまえばいい。魔法つかいのはーちゃんと同じ理屈ですね。
いつか離れ離れになるとしても今日じゃない、とソラに慰めの言葉をかけるましろ。ツバサも一緒に守ろうと言葉を継ぎます。
いい感じに話をまとめた矢先、車の前に人が。
②新たな刺客
急ブレーキ。停車すると人影を見失います。バックミラーで確認。
その気配にただならぬものを感じたあげははアクセルを踏むと一目散に走り出します。アンダーグ関係者なら戦おうとツバサ。しかし「やばいよあれ」と緊迫した声のあげは。ソラも同意。あの目には何の感情もなかった。今まで見たこともない相手にソラの手が震えます。久しぶりに出た。話のギアが一段階上がったことが体感としても明示されています。ミノトンとは格が違う。
車の屋根に降り立つ刺客。速度を上げて振り払おうとしますが異次元ゲートの中に飲み込まれてしまいます。
ゲートの先は深い霧に覆われた見知らぬ場所。
気づけばエルが消えています。すぐに外に出て探すと、果たしてエルは異次元ゲートの中に吸い込まれていきます。急転直下の展開に理解が追いつかいない一同。これにはましろも悪い夢だと思考が現実逃避を起こします。ソラの手の震えと同様、ましろもキャパを超える描写で畳み掛けていく。外套の男を前に身構えると無言で変身。
エルちゃんはどこ!? その問いに男は淡々とアンダーグ帝国に送ったと回答。送り込まれた先でエルはプリキュアの様子を見せられます。皇帝趣味悪いな。小物感出るからやめた方がいいぞ。
外套を脱ぎ捨てて現れたのは法衣のような格好をした男。スキアヘッド。スキンヘッドのもじりとスキア(ギリシャ語の「陰」の意)のダブルミーニングかな。片眼鏡が階級高そうに見える。ここで情報開示。皇帝の名前はカイゼリン・アンダーグ。今までボスの名前以前に存在すらソラ達にとっては希薄だったので実体を持たせてきました。
自分の仕事はエルの奪取だけ。帰宅準備を始めます。そうは問屋が卸さない。スカイが背後から急襲。ゲートを開いて回避。空間移動系か。こういう敵面倒臭いんだよなぁ。CPUがクソだと小足見てから昇竜余裕でしたみたいな反応してくるし。立て続けにウィングが突撃。エルの安否がかかっているので本気。プリズムも上空から光弾を雨のように降らせます。ゲートを開こうとした腕に被弾。これはかなり有効な戦術。その隙を逃さずバラフライが蹴り。ふっ飛ばされながら抑揚のない声でまたワープ。強者感あるな。
背後から出現したスキアヘッドを気迫がこもった表情で睨みつけます。バッタモンダーの王国襲撃のときもそうだけど、怒りの感情をストレートに出す傾向がありますね。今度は全員で同時に突撃。空間移動だけではなく空間への干渉もお手のもの。バリアを発生させるとさらに反射。とばっちりでピヨちゃんが被弾。車両保険ちゃんと入ってるでしょうか。戦いに勝てば修理費無料。保険の等級も下がらないので是が非でもステージクリアしたい。
プリンセスを助ける手はもうない。すでにすべてが終わっている。強者特有の断定。
エルとの思い出がフラッシュバックするスカイ。立ち上がろうと身を起こすも力が入らず倒れ……そうになったところをプリズムが手を掴みます。OPのアレをここで回収。
「絶対に……取り戻す!」
23話を経てもこの関係は変わらない。ソラはやはり大切なものが絡むと弱い。勿論あのときのように諦めたり身が竦むことはなくなっている。けど踏ん張りが効かない。前に人(シャララやましろ)がいれば走れるけど、後ろにいると途端に進むべき道を見失うような、そんなメンタル。これはヒーローとしてのビジョンがまだ完成していないからってのもあります。未完成の主人公なので。対してましろは人のために走れる。彼女もビジョンがあるわけじゃないけど、目の前の苦境に立ち向かえる底力がある。ウィングもバタフライを先導。
巨大な弾を作り出すスキアヘッド。プリキュアは満身創痍。都合よく新商品が出てこない限りは挽回不能。勝ち誇るカイザリン。急に小物感出てますが本当に大丈夫ですか、あなた。
③新商品だと思った? 残念! キュアマジェスティでした!
ご都合を起こしてこそのキッズアニメ。新商品宣伝のチャンス。エルが祈ると光に包まれ……
それを予期したかのように見上げるスキアヘッド。
厚い雲を薙ぎ払って空から降りてくる少女。どちらさま? 小手調べといった体でスキアヘッドが弾を投擲。着弾の瞬間、ひろがるチェンジと少女が唱えると爆風の中からプリキュアが出現。やっぱり紫って高貴感あるな。腰から広がるスカートから湧き出る強者感。
急降下。自分目掛けて突撃してくる謎のプリキュアにバリアで防御。それに拳で対抗。これは間違いなくプリキュア(納得)
スキアヘッドが名前を尋ねます。新商品および新キャラのお披露目のお手伝いは敵の最重要任務。
「キュアマジェスティ」
あ、意外とハスキーな声。バリアを相殺すると同時にスキアヘッドは撤退。
ステージクリア。これで修理代無料。
気づくとマジェスティの姿はなく、入れ替わりにエルが姿を現します。思わず駆け出してエルを抱きしめるソラ。ツバサとあげはも駆け寄り無事を喜びます。
ましろは膝をつくと泣き出します。無事ではあったもののそれと自分の力は無関係。守ってあげられなくてごめんと謝ります。ましろとソラの違いという点で、先にも述べたように守る対象がいたときはましろの方が踏ん張りが効くんですが、ましろ自身はそれを体系化していません。良くも悪くも目の前のことに辛抱強く、そして諦めずに取り組めるけどそれっきりっていうのが多い。ヒーローという筋道を持っているソラとの大きな違いです。だからましろはソラをヒーローと呼ぶことはあっても自分がヒーローになろうとはしない。言い換えればソラは信義によって補おうとしているとも言えますが。その意味でここら辺がソラとましろの現時点での限界であることが見て取れます。キャパを超えると途端に脆くなるのはあげはも同じ。
エルが寄り添うと「なかないで」と慰めます。そんな彼女を抱きしめながらもう絶対に離さないと約束するましろ。ここでソラが主人公らしく気を引き締めます。この志向性が彼女を強くする。
「〈エルちゃんを守るために私達はもっと強くならなくては……!〉」
④次回予告
ここに使い捨てできるちょうどいい幹部が。
○トピック
だいたい新キャラがなんとかしてくれる。
例年だと箱物新商品の投入時期ですが今作では新プリキュアを投入。
エルがプリキュアになるのはほぼ読めた展開というか、ポジション的に最初からそのつもりでやってた印象ですね。本作は離れて暮らすことを許容しているように、個人の意思や信頼は重要なファクター。ではこれの一つの証明手段はなにかといえば対話です。対等に会話できること。赤ちゃんではそれができない。やっても絵面的に説得力がない。系列的には魔法つかいのはーちゃんや初代のひかりがそれにあたります。ひかりは女子中学生ですが関係的にはなぎさとほのかの娘みたいなものでした。いずれにしても自分と同年代の姿だからこそその言葉にも責任と重みが発生する。エルが5人目のポジションであれば成長した姿が登場するのは物語的には当然の帰結です。最終的な進退を決めるのは自分、というのは本作のみならずプリキュアシリーズのスタンスですね。
4人でエルを守りながら疑似家族をする関係も定型化してきたところなので、これに風穴を開ける意味でも良いキッカケになりそうです。カイザリンさんも見習ってもうちょっとマジェスティックになってほしいところ。
第30話「ひろがる海!ビーチパラダイス!」
○今週のヒーロー
①夏休みラストイベント
今週はみんなでお出かけ。夏と言えば海。夏休みの締めは海水浴。あげはさんわかってる。海が初めてなソラは海=大きな湖というお約束思考。案の定現物を見て目を丸くします。実は琵琶湖だったりしないだろうか。世界の7割は海と例によってツバサが補足説明。そこから飛行艇の話に広がる前にソラが止めます。どうやら世界の7割が海という事実に打ちひしがれている模様。
早く泳ごうと痺れを切らすましろ。視聴者(大きなお友達)が待ち望んだ海イベント。こちらも抜かねば無作法というもの。おそろいの水着を着て仲良く手を繋いで海へ……海から弾き出されるハレワタール嬢。お化けが怖くてその上泳げない。これぞキッズアニメの主人公。
まあ海で泳いだことがないから仕方ない。でも湖があったはずでは……ガッツとハートで乗り切ってきましたとのこと。いや、そうはならんやろ。努力の方向が相変わらずおかしい。海も同じように行けると思っていたと敗北感に打ちひしがれるソラ。
しかしまだ終わってない。一刻も早く克服しなければ…!と奮起。地上のほとんどが海なのに今まで戦いの場にならなかったのはただラッキーが続いていただけ。ヒーローたるもの泳げなければならない。バトル脳なところ申し訳ないけど、君らがいるところで戦闘が発生するから海に行かなければ問題ない。動機はどうあれ、本人にやる気があるなら教えない理由もない。まずはツバサがトップバッターとなってコーチをすることに。
鳥形態になって海へダイブ。トビウオのように水面を疾走するだけでなくペンギンのように高速で水中も移動。意外な特技にみんなも絶賛。泳ぎが得意な友人に教わったらしい。コツを掴めば簡単。早速指導に入るも、そもそも人間には翼はない。前座ありがとうございました。
続いてあげはが立候補。保育士見習いなのでプール指導も経験済。しかしやり方が完全に未就学児童へのソレ。一向に泳ぐ気配がない。それはそれとしてあげはさん、変身後の方が露出が多いですよね。
「ここは私の出番かもだよ!」とましろが一肌脱ぐことに。いつになくやる気。クロールのお手本を披露。なんだろ…この…普通? それでも泳げないソラにとっては称賛の対象。得意げにポーズを取りながら水泳8級だと誇らしげなましろ。高いのか低いのかわかんねぇ。凄さがほどよいとあげは。おそらく泳力検定ではなく水泳資格級の方かな。1~15(数字が大きほど速い)の真ん中。たぶん一般的には速いけど、表彰台狙うのは無理ってところだろうなぁ。絶妙な普通さを見せつけてくれるましろんはおもしれー女。
スイミングスクールに通っていただけあって指導風景もそれっぽい。まずは浮く見本。じゃあやってみて。緊張した面持ちのソラ。私が支えるから、とましろは手を伸ばします。その上に乗るように横になるも失敗。力を抜くどころか入りすぎている。泳げない人って水を怖がってるイメージあるけど、ソラはその部分はクリアしてる。今ひとつ勝手がわからないって感じか。海に身を委ねるんだよと身体を揺らすましろ。彼女がこんな風に主導的な立場にいるのは珍しい感じがする。特に運動系は苦手だしね。走るのは苦手だけど泳ぐのは上手いって人も一定数いる。私もそうでした。なので泳ぎが得意だと自慢するましろの気持ちもわからないでもない。
再チャレンジするもやはりダメ。この壁を超えなければ…!と悔しがるソラ。これは少々厄介。そんな2人にツバサがせっかく海に来たんだから楽しもうと声をかけます。浜辺ではエルが初めて見るカニに興味津々。あげはと一緒にカニの真似。
シュノーケルを準備。
早速それを使って泳ごうとするソラを制止して手本を見せます。泳がず海中を観賞。新たな発見にワクワクしたところであげは達が浮き輪を持ってきます。泳ぐのは一旦保留にしてバカンス。
定番のスイカ割り。ふらつきながらもスイカの気配を察知して見事に両断。この謎センスをなぜ泳ぎに活かせないのか。割ったスイカをみんなで食べます。あげはさん、傍目には若いママに見えてそう。エルのお世話しながら自分も楽しんでるの器用だよね。
ビーチバレーでもソラは本領を発揮。地上適性だけはクソ高い。
一方、ミノトンもふんどし一丁でトレーニング。はいはい早送り早送り。
近くから楽しげな声。覗き見るとツバサを砂に埋めて遊んでいます。ここで会ったが100年目。暑苦しいんであっち行ってもらっていいですかね。
②ミノトン実は泳げない説
みんなとちょっと離れてふたりで黄昏れるソラとましろ。夏休みの最後に来られてよかった。
「ああっ!」突然素っ頓狂な声を上げるソラ。泳ぎの練習をすっかり忘れていた。ところがましろはクスリと笑うと泳げると思うと言います。遊んでいただけですよ!? だからだよ。ソラが泳げなかったのは力が入りすぎていたから。超えなければならない壁とかじゃない。海は楽しい。その気持ちがあれば大丈夫。
呑気なものだな。ミノトンが乱入。海は心身を鍛える神聖の場。なのに修行もせずに遊び呆けるとは何事かと説教すると浮き輪をランボーグ化。修行しなくても変身すれば解決。それが変身ヒーローの特権。エルは自主避難。
開幕の一撃を回避するもスカイが海側に飛んでしまったためピンチに。もういっそ海の上走ったらいいんじゃないかな。スカイなら気合でできるだろ。
とりあえず今は正攻法。ウィングが救出。波打ち際の足場を利用して戦闘継続。しかし自由に動けず決定打を与えられない。そこに自分で足場を作ってやってくるプリズムとバタフライ。2人で打撃を入れるも浮き輪ランボーグなので沈むこともなく悠々と……しすぎぃぃ。いやもうこれ、このままプリズムとバタフライが爆撃すればいいんじゃないかな。
それならギミックを活用。浮き輪の空気を抜いてしまえば。しかしその結果泳げないスカイを道連れに海中に。プリズム達が後を追うもランボーグに阻まれスカイは海底へ。
独り暗闇の中でましろの言葉が脳裏に浮かぶスカイ。この子は独りになると大抵ましろが引き上げてくれる。手紙の時もそう。トゥインクルのひかるとララに似ていますね。ひかるとソラは本質的には孤独だと思う。その孤独が一種のストイックさを生むんだけど、精神的にピンチになると閉じ籠もる。だから逆説的にこの子らは他者を必要とする。彼女たちにとっての他者は自分を映す鏡になるから。ましろの手紙がソラにヒーローを指し示したように。この距離感ってのが大事で、近すぎると全部見えないじゃん? それと同じである程度距離を置いた方が見通しが良くなる。シャララとの関係もそうですが独りのときに自然と相手の言葉が浮かんでくる。そのときにソラは相手の言葉を自分のものにする。
ましろの言葉どおりにすると落下が止まります。半信半疑になりながらも海面へと浮上。
海上ではランボーグがプリキュアを追い詰める寸前。そこにクロールで参上。
飛び出すと一撃。振り回して海に落とす。さらにパレットで強化。容赦のない攻撃がランボーグを襲う。これも海の素晴らしさを教えてくれたみんなのおかげ。チームの輪があれば浮き輪は必要ない。なんか上手いこと言った。円盤に吸い込んで終了。
夕日を観賞。
みんなの横で親への手紙をしたためるましろ。ここでましろの独白を持ってくるのは上手い。ここだけ見てもましろは伝える人なのだとわかります。伝えながら自分のスタンスを確立していく。ソラとましろそれぞれが自分の中で昇華していく様子が描かれています。
「ほんとに素敵な…夏だったねぇ~」
③次回予告
箱物新商品の出番です。
映画の予告、シュプリームはオシャレさん。そして並んでいるメンツの脈絡の無さよ。このメンツでいけ……いける~~かな?みたいな。
○トピック
ツバサ:イベント配布
ソラ・ましろ・あげは:ガチャ限定
スカイジュエルの準備はいいか?
夏休みが終わったら学校。プリキュアはストーリーの本筋。
ここで復習。国王夫妻の治療およびシャララ救出を果たしたのでソラたちは王国へ帰還。そこでエルが「運命の子」であることが明かされ再度託されています。エルが特別な使命を持った赤ちゃんであることを知りつつも普通の家族として迎えることに。次回はここから本筋に戻っていくだろうと思われます。物語上エルが鍵。
…なんだけど、語り手はソラとましろ。夏休みエピソードもこのふたりの印象が強い。特にましろは独白によって自己を固めていく珍しいキャラクター性で、ソラと対照を成しています。普段ヒーロー云々言っていますが実はソラは語るというより聞く人物で、シャララにしてもましろにしてもその言葉や姿に大きく影響を受けています。いわゆるロールモデルを持っているキャラクターで、人と会話をして何かを掴むと言うより己(ロールモデル)との対話によって掴んでいくタイプですね。孤独と評するのはそれが理由でもあります。余談ですがデリシャスのゆいもお婆ちゃんをロールモデルとしていますが、こちらは幼少期にそれが確立して物語開始時点で最適化が完了しています。だから内なるお婆ちゃんの声と対話…みたいなことはせず、ほぼ一体化した言葉としてお婆ちゃん語録を発しています。最初から無敵感があるのはこのため。終盤でそのモデルが崩れそうになるのは至極真っ当な筋立てですね。
話を戻して、ましろにしても語りによって自己形成しているのである意味でこちらも孤独です。ここでいう孤独とは自立性のニュアンスだと思ってくれて結構です。前から言っていますが本作はベタベタくっつく距離感ではなく、いざとなったら離れてもいいという共通認識のもとで形成されています。
見方によってはドライなんですが、ソラの云うヒーローは人助けを主とした正義の味方ではなく、なにが正しいことなのかを常に追求し続ける研鑽型なのでメンタル的には独立性を持っている方が適性でしょう。本編でも度々見られるようにソラはよく間違ったり先入観で動いたりする。けどその度に彼女は過ちを認めながら進む。彼女の手帳には「ヒーローは間違わない」とは書かれていないはずです。自分は正しいと信じられるからこそ強く前に進める。けど自分は間違うかもしれない。この矛盾を抱えながらも立ち止まらない。本作が提示するヒーローとはそんな人物です。ましろが案外強かなのは、そんな揺れ動くヒーローの道標にもなっているからですね。
①夏休みラストイベント
今週はみんなでお出かけ。夏と言えば海。夏休みの締めは海水浴。あげはさんわかってる。海が初めてなソラは海=大きな湖というお約束思考。案の定現物を見て目を丸くします。実は琵琶湖だったりしないだろうか。世界の7割は海と例によってツバサが補足説明。そこから飛行艇の話に広がる前にソラが止めます。どうやら世界の7割が海という事実に打ちひしがれている模様。
早く泳ごうと痺れを切らすましろ。視聴者(大きなお友達)が待ち望んだ海イベント。こちらも抜かねば無作法というもの。おそろいの水着を着て仲良く手を繋いで海へ……海から弾き出されるハレワタール嬢。お化けが怖くてその上泳げない。これぞキッズアニメの主人公。
まあ海で泳いだことがないから仕方ない。でも湖があったはずでは……ガッツとハートで乗り切ってきましたとのこと。いや、そうはならんやろ。努力の方向が相変わらずおかしい。海も同じように行けると思っていたと敗北感に打ちひしがれるソラ。
しかしまだ終わってない。一刻も早く克服しなければ…!と奮起。地上のほとんどが海なのに今まで戦いの場にならなかったのはただラッキーが続いていただけ。ヒーローたるもの泳げなければならない。バトル脳なところ申し訳ないけど、君らがいるところで戦闘が発生するから海に行かなければ問題ない。動機はどうあれ、本人にやる気があるなら教えない理由もない。まずはツバサがトップバッターとなってコーチをすることに。
鳥形態になって海へダイブ。トビウオのように水面を疾走するだけでなくペンギンのように高速で水中も移動。意外な特技にみんなも絶賛。泳ぎが得意な友人に教わったらしい。コツを掴めば簡単。早速指導に入るも、そもそも人間には翼はない。前座ありがとうございました。
続いてあげはが立候補。保育士見習いなのでプール指導も経験済。しかしやり方が完全に未就学児童へのソレ。一向に泳ぐ気配がない。それはそれとしてあげはさん、変身後の方が露出が多いですよね。
「ここは私の出番かもだよ!」とましろが一肌脱ぐことに。いつになくやる気。クロールのお手本を披露。なんだろ…この…普通? それでも泳げないソラにとっては称賛の対象。得意げにポーズを取りながら水泳8級だと誇らしげなましろ。高いのか低いのかわかんねぇ。凄さがほどよいとあげは。おそらく泳力検定ではなく水泳資格級の方かな。1~15(数字が大きほど速い)の真ん中。たぶん一般的には速いけど、表彰台狙うのは無理ってところだろうなぁ。絶妙な普通さを見せつけてくれるましろんはおもしれー女。
スイミングスクールに通っていただけあって指導風景もそれっぽい。まずは浮く見本。じゃあやってみて。緊張した面持ちのソラ。私が支えるから、とましろは手を伸ばします。その上に乗るように横になるも失敗。力を抜くどころか入りすぎている。泳げない人って水を怖がってるイメージあるけど、ソラはその部分はクリアしてる。今ひとつ勝手がわからないって感じか。海に身を委ねるんだよと身体を揺らすましろ。彼女がこんな風に主導的な立場にいるのは珍しい感じがする。特に運動系は苦手だしね。走るのは苦手だけど泳ぐのは上手いって人も一定数いる。私もそうでした。なので泳ぎが得意だと自慢するましろの気持ちもわからないでもない。
再チャレンジするもやはりダメ。この壁を超えなければ…!と悔しがるソラ。これは少々厄介。そんな2人にツバサがせっかく海に来たんだから楽しもうと声をかけます。浜辺ではエルが初めて見るカニに興味津々。あげはと一緒にカニの真似。
シュノーケルを準備。
早速それを使って泳ごうとするソラを制止して手本を見せます。泳がず海中を観賞。新たな発見にワクワクしたところであげは達が浮き輪を持ってきます。泳ぐのは一旦保留にしてバカンス。
定番のスイカ割り。ふらつきながらもスイカの気配を察知して見事に両断。この謎センスをなぜ泳ぎに活かせないのか。割ったスイカをみんなで食べます。あげはさん、傍目には若いママに見えてそう。エルのお世話しながら自分も楽しんでるの器用だよね。
ビーチバレーでもソラは本領を発揮。地上適性だけはクソ高い。
一方、ミノトンもふんどし一丁でトレーニング。はいはい早送り早送り。
近くから楽しげな声。覗き見るとツバサを砂に埋めて遊んでいます。ここで会ったが100年目。暑苦しいんであっち行ってもらっていいですかね。
②ミノトン実は泳げない説
みんなとちょっと離れてふたりで黄昏れるソラとましろ。夏休みの最後に来られてよかった。
「ああっ!」突然素っ頓狂な声を上げるソラ。泳ぎの練習をすっかり忘れていた。ところがましろはクスリと笑うと泳げると思うと言います。遊んでいただけですよ!? だからだよ。ソラが泳げなかったのは力が入りすぎていたから。超えなければならない壁とかじゃない。海は楽しい。その気持ちがあれば大丈夫。
呑気なものだな。ミノトンが乱入。海は心身を鍛える神聖の場。なのに修行もせずに遊び呆けるとは何事かと説教すると浮き輪をランボーグ化。修行しなくても変身すれば解決。それが変身ヒーローの特権。エルは自主避難。
開幕の一撃を回避するもスカイが海側に飛んでしまったためピンチに。もういっそ海の上走ったらいいんじゃないかな。スカイなら気合でできるだろ。
とりあえず今は正攻法。ウィングが救出。波打ち際の足場を利用して戦闘継続。しかし自由に動けず決定打を与えられない。そこに自分で足場を作ってやってくるプリズムとバタフライ。2人で打撃を入れるも浮き輪ランボーグなので沈むこともなく悠々と……しすぎぃぃ。いやもうこれ、このままプリズムとバタフライが爆撃すればいいんじゃないかな。
それならギミックを活用。浮き輪の空気を抜いてしまえば。しかしその結果泳げないスカイを道連れに海中に。プリズム達が後を追うもランボーグに阻まれスカイは海底へ。
独り暗闇の中でましろの言葉が脳裏に浮かぶスカイ。この子は独りになると大抵ましろが引き上げてくれる。手紙の時もそう。トゥインクルのひかるとララに似ていますね。ひかるとソラは本質的には孤独だと思う。その孤独が一種のストイックさを生むんだけど、精神的にピンチになると閉じ籠もる。だから逆説的にこの子らは他者を必要とする。彼女たちにとっての他者は自分を映す鏡になるから。ましろの手紙がソラにヒーローを指し示したように。この距離感ってのが大事で、近すぎると全部見えないじゃん? それと同じである程度距離を置いた方が見通しが良くなる。シャララとの関係もそうですが独りのときに自然と相手の言葉が浮かんでくる。そのときにソラは相手の言葉を自分のものにする。
ましろの言葉どおりにすると落下が止まります。半信半疑になりながらも海面へと浮上。
海上ではランボーグがプリキュアを追い詰める寸前。そこにクロールで参上。
飛び出すと一撃。振り回して海に落とす。さらにパレットで強化。容赦のない攻撃がランボーグを襲う。これも海の素晴らしさを教えてくれたみんなのおかげ。チームの輪があれば浮き輪は必要ない。なんか上手いこと言った。円盤に吸い込んで終了。
夕日を観賞。
みんなの横で親への手紙をしたためるましろ。ここでましろの独白を持ってくるのは上手い。ここだけ見てもましろは伝える人なのだとわかります。伝えながら自分のスタンスを確立していく。ソラとましろそれぞれが自分の中で昇華していく様子が描かれています。
「ほんとに素敵な…夏だったねぇ~」
③次回予告
箱物新商品の出番です。
映画の予告、シュプリームはオシャレさん。そして並んでいるメンツの脈絡の無さよ。このメンツでいけ……いける~~かな?みたいな。
○トピック
ツバサ:イベント配布
ソラ・ましろ・あげは:ガチャ限定
スカイジュエルの準備はいいか?
夏休みが終わったら学校。プリキュアはストーリーの本筋。
ここで復習。国王夫妻の治療およびシャララ救出を果たしたのでソラたちは王国へ帰還。そこでエルが「運命の子」であることが明かされ再度託されています。エルが特別な使命を持った赤ちゃんであることを知りつつも普通の家族として迎えることに。次回はここから本筋に戻っていくだろうと思われます。物語上エルが鍵。
…なんだけど、語り手はソラとましろ。夏休みエピソードもこのふたりの印象が強い。特にましろは独白によって自己を固めていく珍しいキャラクター性で、ソラと対照を成しています。普段ヒーロー云々言っていますが実はソラは語るというより聞く人物で、シャララにしてもましろにしてもその言葉や姿に大きく影響を受けています。いわゆるロールモデルを持っているキャラクターで、人と会話をして何かを掴むと言うより己(ロールモデル)との対話によって掴んでいくタイプですね。孤独と評するのはそれが理由でもあります。余談ですがデリシャスのゆいもお婆ちゃんをロールモデルとしていますが、こちらは幼少期にそれが確立して物語開始時点で最適化が完了しています。だから内なるお婆ちゃんの声と対話…みたいなことはせず、ほぼ一体化した言葉としてお婆ちゃん語録を発しています。最初から無敵感があるのはこのため。終盤でそのモデルが崩れそうになるのは至極真っ当な筋立てですね。
話を戻して、ましろにしても語りによって自己形成しているのである意味でこちらも孤独です。ここでいう孤独とは自立性のニュアンスだと思ってくれて結構です。前から言っていますが本作はベタベタくっつく距離感ではなく、いざとなったら離れてもいいという共通認識のもとで形成されています。
見方によってはドライなんですが、ソラの云うヒーローは人助けを主とした正義の味方ではなく、なにが正しいことなのかを常に追求し続ける研鑽型なのでメンタル的には独立性を持っている方が適性でしょう。本編でも度々見られるようにソラはよく間違ったり先入観で動いたりする。けどその度に彼女は過ちを認めながら進む。彼女の手帳には「ヒーローは間違わない」とは書かれていないはずです。自分は正しいと信じられるからこそ強く前に進める。けど自分は間違うかもしれない。この矛盾を抱えながらも立ち止まらない。本作が提示するヒーローとはそんな人物です。ましろが案外強かなのは、そんな揺れ動くヒーローの道標にもなっているからですね。
第29話「ソラと、忘れられたぬいぐるみ」
○今週のヒーロー
①一人ぼっちのぬいぐるみ
急な雨で濡れたソラは寂れた洋館の軒下で雨宿り。
すると誰何の声が洋館の中からすると玄関が開きます。好意に甘えて中に入るも人の気配がしない。無人の廃墟。1年でこうはならんやろ。あるのはぬいぐるみ一つ。それを抱き起こして可愛いと愛でていると、ひとりでに立ち上がって「つれてってにゃ」と話しかけます。最近の玩具はしゃべったりするからこれは悩ましい。aiboのように自立稼働する可能性も。驚いたソラは一目散に洋館から逃げていきます。残されたぬいぐるみはちょっと寂しそう。
家に帰るとましろが出迎えてタオルを渡してくれます。足元に気づいたましろが「どうしたの?その子」と問いかけます。戦々恐々としながら振り向くと果たして例のぬいぐるみが居ました。ああ、これはスタンド攻撃。しかも遠隔自動操縦型。
改めて状況整理。
そんなことあるわけないでしょう、と人間に化けられるツバサが否定。プリキュアに変身もできて航空力学無視して空も飛べる人の説得力。しゃべったと主張するソラに、あの洋館は空き家だと答えるあげは。それを聞いてツバサが固まります。…ということは「おばけぇ!」とエル。正解。話の文脈理解できて偉い。今更言うまでもなくソラは怖いものが苦手。洋館に返しに行こう。そうソラが言った途端、出し抜けにぬいぐるみが動き出します。これには話半分で聞いていた3人も仰天。
すると次はポルターガイスト現象のごとく本棚から本が浮き上がり……かまくらのように積み上げるとその中に籠城してしまいます。天岩戸か。これは意外な行動。中に向かってエルが呼びかけると、持ち主の記憶がよみがえり本を元の位置へ。ぬいぐるみはエルに心を開いた様子。
それを見たあげははエルに教えられたと納得。相手が誰でも同じように接する。誰っていうか何って感じではあるけど。あとこれは職業(訓練中)柄もあるでしょうが、あげはは子どもから学ぼうとする意欲が強いですね。
ソラもようやく重い腰を上げると態度を一転。ぬいぐるみの手を取ると謝罪し協力を申し出ます。ちょっと怖がりなら。話も落ち着いたのでひとまず綺麗にしてあげよう、とましろが提案。どんな状況でもさらっと進めるましろん有能。
綺麗になったところでエルとお遊び。ポルターガイスト遊戯。これには斬新な遊び…とソラも突っ込まざるを得ない。っていうしゃべれるならしゃべれよ。意外と霊力消費するんだろうか。あまりしゃべらせすぎると「だっこしておせわして♡プリンセスエルちゃん(税込み定価7,480円)」との差別化が難しくなるので忖度したのかもしれない。
どうしたものか、と思案。困ったときのお婆ちゃんは乗馬クラブで遠征中。全国ハイパースゴスギレジェンド会合でもやっているんだろうか。ツバサが洋館の元住人を調べようと提案するとみんな乗っかります。
夜はソラと一緒に就寝。恐怖心が消えないソラ。ぬいぐるみって直視するとちょっと怖かったりするよね。こうして1日が終わります。この展開どうする気なんだろうか。
②玩具の宿命
翌日。エルと一緒に連れて外出。
まだ慣れないソラにましろがぬいぐるみって良いものだと話します。抱っこすると安心できる。今のエルがまさにそう。普通のぬいぐるみはしゃべったりポルターガイスト現象起こさないけどね。そもそもソラはぬいぐるみで遊んでなさそう。本人の述懐からもそれが裏付けられます。そんな彼女にぬいぐるみって一番最にできる友達みたいなものだよ、と実感を持った口調で話すましろ。空を見上げながら私も大事にしてたよと振り返ります。それにつられるようにソラも見上げながら「友達」と復唱。
まさにその友達を見つめたと思ったぬいぐるみが再び動き出します。おいやめろ。白昼堂々と動くな。世界観崩れるだろ。去年ナレーションあったし今更プリキュアの世界観なんてなんでもアリだと言ってしまえばそれまでだけど。一般人にも目撃されてしまったので猫型ドローンだと必死に説明するましろ。最新の技術(反重力)。
ぬいぐるみが見つけたと思った友達は別人。がっかりするとそのまま落下。なだめるようにソラが連れて帰ります。
2日目の夜。どこか沈んだ雰囲気のあるぬいぐるみ。優しい声をかけながらソラは眠りにつきます。
夢の中で会話。こっちの方が省霊力で済むのかもしれない。騒ぎになってしまったと詫びるぬいぐるみ。事情を訊ねると友達に似ていたと話します。夢の中なのでビジュアルで再現。一緒に居たけど引っ越して独り残されてしまった。寂しい。そう話すぬいぐるみに持ち主を探す、もし会えなかったら自分がずっと一緒にいると答えるソラ。しかしぬいぐるみは見た目に反してリアリスト。ずっとなんてないとわかっている。これ以上迷惑をかけられない。見つけてくれて一緒に遊んでくれてありがとう。でもやっぱりあの子のことを待つことにする。玩具の宿命に従うとそこで夢を打ち切ります。
目を覚ましたソラの枕元から消えてしまいます。
家中を探しても見つからない。
あるとすれば例の洋館。みんなで家を出るとミノトンがこちらを発見。流石に休暇は取らなかったらしい。
洋館に向かいながら去年から空き家になっていて今どこにいるかはわからないと調べた情報を話すツバサとあげは。中に入ろうとしたところをミノトンが襲撃。洋館をランボーグ化。こちらも変……ちょっと待て。あ、やべ、どこだこれ。どのタイミングだ? 今更だぞ。(録画確認中) OK把握。4人のカットインが入るシーンでプリズムの衣装がちゃんと動くようになったのは21話から。毎週見ているはずなのに動かないものとして認識してたわー。
閑話休題。変身完了と同時にランボーグの中に。ホラーと言えば洋館もの。パニックハウスは定番。が、ぬいぐるみの安否を心配するプリキュア。緊張感がない。というわけで家具ランボーグが現れるとスカイを別空間にお届け。分断されたところで別々にランボーグが襲撃。
とはいえプリズム、ウィング、バタフライチームにはパレットによる戦力増強もあるので善戦。家具ランボーグも数を分散しているためか一体一体はそこまで手強くもない。ミノトンのランボーグが強かったの最初だけだな。さらにぬいぐるみがスカイをアシスト。頭の上に片足で立つスカイかっこいい。ひろがるスカイは要所要所で立ちポーズがかっこいい。
全員合流。再会の喜びも束の間、プリズムたちの後ろには巨大ランボーグの姿が。昔爺ちゃん家行ったときにあったなぁ、ドーンと構えた重厚な家具。まともに戦ってられないので出口を目指して全力ダッシュ。
ランボーグの中からプリキュアが出てくると流石と褒めるミノトン。
第2ラウンド開始。竜巻状に回転しながら瓦を投げ飛ばしてくる洋館ランボーグ。アニメ作ってる人頭柔軟。ひるまず前に進むスカイの後ろからプリズムが援護射撃。スカイが跳躍すると同時に彼女に向けて特大の弾を飛ばすと、これをシュート。直撃したランボーグは回転を止めてダウン。あとは煮るなり焼くなり圧縮するなり。
ミノトン、暑いからさっさと帰りたかった説。
ぬいぐるみを持ち帰りながら、持ち主を突き止めたと話すあげは。ただ今どこにいるのかはわからない。ハイパースゴスギレジェンドネットワーク(権力の濫用)を使えば一発だけど大丈夫。あっちから来てくれました。
親子に話しかけると、ぬいぐるみを見た少女がマロンと呼びます。母親がお気に入りだったけど引っ越しのときに忘れてしまったのだと事情を説明。傍らに立つ少女はしかし再会の喜びどころか居た堪れなさそうに目を逸らします。友達を忘れて置いて行ったことに後ろめたさを持っているのでしょう。ソラがマロンを見下ろすとこちらも心なしか沈んだ様子。これは珍しいパターンを持ってきましたね。普通は持ち主にすんなり返してめでたしめでたしなのですが、友達だからこそ裏切ってしまったことの罪悪感や気まずさを敢えて入れています。間が空いてしまえばそこに余計なものが入り込む。
今度はソラが背中を押す番。大丈夫と声をかけながら、マロンの口真似をして少女にずっと待ってたと話しかけます。わだかまりが溶けた少女は抱きつくと泣きながら謝ります。少女とマロン、2人を抱きしめるソラ。こうして無事持ち主の元へ。
ソラは寂しさを覚えつつも笑顔で見送ります。そんな彼女に肩を寄せるとましろは無言で笑顔を向けます。それに頷きなら、
「ぬいぐるみっていいですね」
「ねっ」
③次回予告
待ってたぜェ!!この瞬間をよぉ!!
先輩挨拶はランダムに。
○トピック
東堂いづみはできる子。ただしミノトン、てめーはダメだ。
たまには古い友人と遊んでみよう回。それはそれとして新しい玩具も買って(玩具宣伝アニメ感)
お盆と言えば先祖供養。子どもにとってのそれはぬいぐるみ。というわけで怪奇現象が起きてもしょうがない。輪廻転生で生まれ変わるのに先祖供養とは?っていう矛盾もしょうがない。それはそれ、これはこれ。古い玩具を愛でる。新しい玩具も買う。そこに矛盾はねぇ。ということで一つ。たまにプリキュアは本筋と関係ないところで突飛なネタをやったりしますね。初代なんてほのかが飼っていた忠太郎がしゃべってたし。
ニュートラルなソラらしい共感に溢れたエピソードですが、要所要所で挟まれるましろの合いの手が物語に奥行きを与えています。中学生である彼女が今もぬいぐるみと一緒というのは描けないことはないけど要素的に大きく取り扱う内容でもない。後付けするにも苦しい。だからかつてはそんな友達がいたという風に留め、今はソラが一緒にいると描写することでこのエピソードを相互的なものにしています。親、玩具(ぬいぐるみ)、友達、恋人、子ども……そのときどきで傍らにいる存在は変わる。ずっと一緒ということはない。入れ替わっていく。でもその一つ一つの出会いがかけがえのないものを私たちに与え血肉になっていく。かつてそうだったこと。今がこうであること。それぞれに思いを馳せる爽やかなエピソードですね。
①一人ぼっちのぬいぐるみ
急な雨で濡れたソラは寂れた洋館の軒下で雨宿り。
すると誰何の声が洋館の中からすると玄関が開きます。好意に甘えて中に入るも人の気配がしない。無人の廃墟。1年でこうはならんやろ。あるのはぬいぐるみ一つ。それを抱き起こして可愛いと愛でていると、ひとりでに立ち上がって「つれてってにゃ」と話しかけます。最近の玩具はしゃべったりするからこれは悩ましい。aiboのように自立稼働する可能性も。驚いたソラは一目散に洋館から逃げていきます。残されたぬいぐるみはちょっと寂しそう。
家に帰るとましろが出迎えてタオルを渡してくれます。足元に気づいたましろが「どうしたの?その子」と問いかけます。戦々恐々としながら振り向くと果たして例のぬいぐるみが居ました。ああ、これはスタンド攻撃。しかも遠隔自動操縦型。
改めて状況整理。
そんなことあるわけないでしょう、と人間に化けられるツバサが否定。プリキュアに変身もできて航空力学無視して空も飛べる人の説得力。しゃべったと主張するソラに、あの洋館は空き家だと答えるあげは。それを聞いてツバサが固まります。…ということは「おばけぇ!」とエル。正解。話の文脈理解できて偉い。今更言うまでもなくソラは怖いものが苦手。洋館に返しに行こう。そうソラが言った途端、出し抜けにぬいぐるみが動き出します。これには話半分で聞いていた3人も仰天。
すると次はポルターガイスト現象のごとく本棚から本が浮き上がり……かまくらのように積み上げるとその中に籠城してしまいます。天岩戸か。これは意外な行動。中に向かってエルが呼びかけると、持ち主の記憶がよみがえり本を元の位置へ。ぬいぐるみはエルに心を開いた様子。
それを見たあげははエルに教えられたと納得。相手が誰でも同じように接する。誰っていうか何って感じではあるけど。あとこれは職業(訓練中)柄もあるでしょうが、あげはは子どもから学ぼうとする意欲が強いですね。
ソラもようやく重い腰を上げると態度を一転。ぬいぐるみの手を取ると謝罪し協力を申し出ます。ちょっと怖がりなら。話も落ち着いたのでひとまず綺麗にしてあげよう、とましろが提案。どんな状況でもさらっと進めるましろん有能。
綺麗になったところでエルとお遊び。ポルターガイスト遊戯。これには斬新な遊び…とソラも突っ込まざるを得ない。っていうしゃべれるならしゃべれよ。意外と霊力消費するんだろうか。あまりしゃべらせすぎると「だっこしておせわして♡プリンセスエルちゃん(税込み定価7,480円)」との差別化が難しくなるので忖度したのかもしれない。
どうしたものか、と思案。困ったときのお婆ちゃんは乗馬クラブで遠征中。全国ハイパースゴスギレジェンド会合でもやっているんだろうか。ツバサが洋館の元住人を調べようと提案するとみんな乗っかります。
夜はソラと一緒に就寝。恐怖心が消えないソラ。ぬいぐるみって直視するとちょっと怖かったりするよね。こうして1日が終わります。この展開どうする気なんだろうか。
②玩具の宿命
翌日。エルと一緒に連れて外出。
まだ慣れないソラにましろがぬいぐるみって良いものだと話します。抱っこすると安心できる。今のエルがまさにそう。普通のぬいぐるみはしゃべったりポルターガイスト現象起こさないけどね。そもそもソラはぬいぐるみで遊んでなさそう。本人の述懐からもそれが裏付けられます。そんな彼女にぬいぐるみって一番最にできる友達みたいなものだよ、と実感を持った口調で話すましろ。空を見上げながら私も大事にしてたよと振り返ります。それにつられるようにソラも見上げながら「友達」と復唱。
まさにその友達を見つめたと思ったぬいぐるみが再び動き出します。おいやめろ。白昼堂々と動くな。世界観崩れるだろ。去年ナレーションあったし今更プリキュアの世界観なんてなんでもアリだと言ってしまえばそれまでだけど。一般人にも目撃されてしまったので猫型ドローンだと必死に説明するましろ。最新の技術(反重力)。
ぬいぐるみが見つけたと思った友達は別人。がっかりするとそのまま落下。なだめるようにソラが連れて帰ります。
2日目の夜。どこか沈んだ雰囲気のあるぬいぐるみ。優しい声をかけながらソラは眠りにつきます。
夢の中で会話。こっちの方が省霊力で済むのかもしれない。騒ぎになってしまったと詫びるぬいぐるみ。事情を訊ねると友達に似ていたと話します。夢の中なのでビジュアルで再現。一緒に居たけど引っ越して独り残されてしまった。寂しい。そう話すぬいぐるみに持ち主を探す、もし会えなかったら自分がずっと一緒にいると答えるソラ。しかしぬいぐるみは見た目に反してリアリスト。ずっとなんてないとわかっている。これ以上迷惑をかけられない。見つけてくれて一緒に遊んでくれてありがとう。でもやっぱりあの子のことを待つことにする。玩具の宿命に従うとそこで夢を打ち切ります。
目を覚ましたソラの枕元から消えてしまいます。
家中を探しても見つからない。
あるとすれば例の洋館。みんなで家を出るとミノトンがこちらを発見。流石に休暇は取らなかったらしい。
洋館に向かいながら去年から空き家になっていて今どこにいるかはわからないと調べた情報を話すツバサとあげは。中に入ろうとしたところをミノトンが襲撃。洋館をランボーグ化。こちらも変……ちょっと待て。あ、やべ、どこだこれ。どのタイミングだ? 今更だぞ。(録画確認中) OK把握。4人のカットインが入るシーンでプリズムの衣装がちゃんと動くようになったのは21話から。毎週見ているはずなのに動かないものとして認識してたわー。
閑話休題。変身完了と同時にランボーグの中に。ホラーと言えば洋館もの。パニックハウスは定番。が、ぬいぐるみの安否を心配するプリキュア。緊張感がない。というわけで家具ランボーグが現れるとスカイを別空間にお届け。分断されたところで別々にランボーグが襲撃。
とはいえプリズム、ウィング、バタフライチームにはパレットによる戦力増強もあるので善戦。家具ランボーグも数を分散しているためか一体一体はそこまで手強くもない。ミノトンのランボーグが強かったの最初だけだな。さらにぬいぐるみがスカイをアシスト。頭の上に片足で立つスカイかっこいい。ひろがるスカイは要所要所で立ちポーズがかっこいい。
全員合流。再会の喜びも束の間、プリズムたちの後ろには巨大ランボーグの姿が。昔爺ちゃん家行ったときにあったなぁ、ドーンと構えた重厚な家具。まともに戦ってられないので出口を目指して全力ダッシュ。
ランボーグの中からプリキュアが出てくると流石と褒めるミノトン。
第2ラウンド開始。竜巻状に回転しながら瓦を投げ飛ばしてくる洋館ランボーグ。アニメ作ってる人頭柔軟。ひるまず前に進むスカイの後ろからプリズムが援護射撃。スカイが跳躍すると同時に彼女に向けて特大の弾を飛ばすと、これをシュート。直撃したランボーグは回転を止めてダウン。あとは煮るなり焼くなり圧縮するなり。
ミノトン、暑いからさっさと帰りたかった説。
ぬいぐるみを持ち帰りながら、持ち主を突き止めたと話すあげは。ただ今どこにいるのかはわからない。ハイパースゴスギレジェンドネットワーク(権力の濫用)を使えば一発だけど大丈夫。あっちから来てくれました。
親子に話しかけると、ぬいぐるみを見た少女がマロンと呼びます。母親がお気に入りだったけど引っ越しのときに忘れてしまったのだと事情を説明。傍らに立つ少女はしかし再会の喜びどころか居た堪れなさそうに目を逸らします。友達を忘れて置いて行ったことに後ろめたさを持っているのでしょう。ソラがマロンを見下ろすとこちらも心なしか沈んだ様子。これは珍しいパターンを持ってきましたね。普通は持ち主にすんなり返してめでたしめでたしなのですが、友達だからこそ裏切ってしまったことの罪悪感や気まずさを敢えて入れています。間が空いてしまえばそこに余計なものが入り込む。
今度はソラが背中を押す番。大丈夫と声をかけながら、マロンの口真似をして少女にずっと待ってたと話しかけます。わだかまりが溶けた少女は抱きつくと泣きながら謝ります。少女とマロン、2人を抱きしめるソラ。こうして無事持ち主の元へ。
ソラは寂しさを覚えつつも笑顔で見送ります。そんな彼女に肩を寄せるとましろは無言で笑顔を向けます。それに頷きなら、
「ぬいぐるみっていいですね」
「ねっ」
③次回予告
待ってたぜェ!!この瞬間をよぉ!!
先輩挨拶はランダムに。
○トピック
東堂いづみはできる子。ただしミノトン、てめーはダメだ。
たまには古い友人と遊んでみよう回。それはそれとして新しい玩具も買って(玩具宣伝アニメ感)
お盆と言えば先祖供養。子どもにとってのそれはぬいぐるみ。というわけで怪奇現象が起きてもしょうがない。輪廻転生で生まれ変わるのに先祖供養とは?っていう矛盾もしょうがない。それはそれ、これはこれ。古い玩具を愛でる。新しい玩具も買う。そこに矛盾はねぇ。ということで一つ。たまにプリキュアは本筋と関係ないところで突飛なネタをやったりしますね。初代なんてほのかが飼っていた忠太郎がしゃべってたし。
ニュートラルなソラらしい共感に溢れたエピソードですが、要所要所で挟まれるましろの合いの手が物語に奥行きを与えています。中学生である彼女が今もぬいぐるみと一緒というのは描けないことはないけど要素的に大きく取り扱う内容でもない。後付けするにも苦しい。だからかつてはそんな友達がいたという風に留め、今はソラが一緒にいると描写することでこのエピソードを相互的なものにしています。親、玩具(ぬいぐるみ)、友達、恋人、子ども……そのときどきで傍らにいる存在は変わる。ずっと一緒ということはない。入れ替わっていく。でもその一つ一つの出会いがかけがえのないものを私たちに与え血肉になっていく。かつてそうだったこと。今がこうであること。それぞれに思いを馳せる爽やかなエピソードですね。
第28話「あげはのアゲアゲファッションショー」
○今週のヒーロー
①早乙女姉妹
服屋でお買い物。
例によってエルの選り好みが激しくお気に召す服が見つかりません。ソラのセンス…と言いたいところだけどそんなもん置くな。結局空振り。ツバサとソラはぐったりしながらベンチに腰掛けます。ましろは平気な様子。気に入る服を探してハシゴするのは日常茶飯なのかもしれない。あげはも成長している証と肯定的に捉えます。
近くから歓声。街で撮影しているようで人だかりが出来ています。早乙女姉妹!と食いつくましろ。有名なモデルらしい。撮影が終わるとこちらに近づいてきます。実はあげはのお姉さん。次回予告で知ってたけど2人ともか。おっさんも馴れ馴れしく抱きついてきます。たちまち騒がしくなりますがあげははいつもの調子。
プリティホリックに場所を移して改めて自己紹介。
早乙女まりあは雑誌の読者モデル出身。ドラマのヒロインを演じて人気急上昇中。早乙女かぐやはモデル兼ファッションデザイナーでKAGUYAという独自ブランド持ち。姉妹ということもあってか相乗効果も高そう。カリスマ的存在だとマネージャーの加古が説明。カリスマ?と訊ねるソラにヒーローみたいなものと答えるましろ。それでいいのか。ファッション界のヒーローかと納得。いいみたい。
ちゃっかり2人のサインを貰うましろ。ましろ達のことはあげはから聞いているのでこちらの自己紹介は不要。妹がお世話になっていると頭を下げられます。そこにあげはが準備が整ったと案内。あの場所ファミレスかと思ってたけどプリティホリックの2階だったのか。
あげはに姉が居たことは知っていたもののそれが早乙女姉妹だったとはましろも初耳。実はあげはの両親は離婚して姉は父に、あげはは母に引き取られた模様。それで名字も違う。さらっとぶっ込んだな。わりとプリキュアは片親設定が多い。ましろと出会う前だったのでその辺の経緯は知らなかったようです。
込み入った話に突っ込んでしまったと俯くましろをあげはがいつもの調子でフォロー。今ではあげはも新成人(18歳)。もはや過ぎたこと。親は親、私達は私達と姉も気にした様子がありません。自由に好きなことやって楽しかったらオールOK。イエーイ!と3人で手を叩きます。三姉妹だけに姦しい。
黙って聞いていた加古がモデルをやらないかと藪から棒にスカウトしてきます。マネージャーって言ってたけど社長な雰囲気あるな。早乙女姉妹の妹となれば話題性は十分。しかしあげはは「ごめんなさい」と即答。自分がなりたいのは最強の保育士。そこは一切ブレない。それを聞き流して再度お願いする面の皮の厚さは流石芸能界。無論あげはも態度を変えません。ツバサがやってみてもいいのでは?と水を向けると「やったことあるよ」と意外な返事。
中学生の頃に姉の見学をしていたら加古に声をかけられてちょっとやってみた。でも最強の保育士になると決めたのでモデルへの未練は無いようです。今回含めてなぜそこまであげはが保育士を目指そうと思ったのか語られていませんが、この辺はそういうものと割り切ってもいい部分。好きになるのに理由はいらない。
エルが目を覚ますと次の標的に定める加古。見境ねーな、この人。全身からにじみ出る品の良さ、高貴な顔立ち、モデル界のプリンセスになれると盛り上がります。子役って大成しないイメージある。エルちゃんはもともと…と口を滑らせそうになったソラを口封じ。ソラのせいでましろも百面相なところある。
かぐやに確認を求めると二つ返事で承諾。何の話? 明日ファッションショーに出る予定だった子が急遽出られなくなり代打を探していた模様。初めて子ども服をデザインしたと衣装を見せます。可愛い!と一発で気に入るエル。ファッションショーが何なのかわかっていなくてもすっかりやる気に。
トントン拍子に話が進んだところでましろが待ったをかけます。ステージに上がるってこと? 大丈夫なのかとソラも心配。しかしあげははエルの意向を支持。自分がフォローするからと責任を持ちます。
②三姉妹ファンションショー
本番開始。大盛況の大賑わい。
袖裏ではエルも衣装に着替えて待機。実物に満足。ある意味本人以上に盛り上がったあげはがめっちゃ似合っていると褒めます。もうすぐ出番。というわけで指で指し示しながらお姉ちゃん達がいるところまで歩くんだよと手順を説明。
トコトコと中央に向かって歩くエル。背景の「ソラシドプリティコレクション 早乙女姉妹」のフォントが微妙に安っぽいというか、お化け屋敷に使われそうなのが気になってしょうがない。観客の注目が集まった途端、エルが怯えだします。両隣のまりあとかぐやが声をかけるも耳に入らない様子。
エルちゃん泣いちゃった。だっこしておせわして♡プリンセスエルちゃん。CMの入りが秀逸。
思わずあげはが飛び出すとすぐにフォロー。雲を指さして気を紛らわせます。あっという間に落ち着きを取り戻して事なきを得ます。が、ステージにあげはが出てきてしまったので客席は困惑。
「やっちゃった♪(反省してない)」
「こんな時は思いっきり楽しんじゃお!(開き直り)」
素知らぬ顔でステージ再開。このメンタルの強さ。即興であげはをコーディネイト。めっちゃケバくなった。なぜ提供イラスト程度で留めなかったし。元々モデルにスカウトされるレベルなのと、本人の思い切りが良いおかげで客席も大満足。エルも見習ってすまし顔を見せます。
会場隣のビルの屋上で独りトレーニングするミノトン。水分補給もバッチリ。歓声が聞こえた方に目を向けるとエルを発見。
ショーの終了と同時に乱入するとランボーグを召喚。ギャラリーに退避を促して場を整えます。カバトンやバッタモンダーと違って話が早い。こちらも物陰で変身。
プリキュアを待つ間、ランボーグはステージを破壊して加古と姉妹に襲いかかります。そこにプリキュアが割って入るとランボーグをぶん投げ。ミノトンともども人気のない場所に移動。だいぶ飛んだなぁ。
仕切り直して戦闘開始。今回は弾幕シューティング。死中に活を求めるように突き進むスカイ。しかし流石に分が悪すぎる。無闇に突っ込むのは危険。射撃戦ならプリズムの出番ですがこれも相殺されて無力化。胴体からの強ビームと触手からのビームで手数は圧倒的。
軟弱者。日々の鍛錬を怠りチャラチャラした格好で笑っているからだと夏季休暇を取ったことを棚に上げて言うミノトン。なりき変身コスチュームのことバカにしてんのか。映画館行ってみろ、バッチリ決め込んだ女児いるから。これが営業努力の成果。売上出すために必死に笑いながら仕事してんだよ。
というわけでバタフライがいつになく真剣な面持ちで反論。いつも笑えるわけじゃない。苦しいとき(売上が減ったり)、つらいとき(映画が年1になったり)、泣きたいとき(不正アクセスされたり)もある。すいません、あげはの話と東堂いづみの話がごっちゃなになっちゃいました。
「でもそんなときこそ笑顔で、みんなを笑顔にするために頑張って…頑張って……笑顔が返ってきたら最高なんだって教えてくれた!」
姉の姿からそれを学んだあげはは揺るがない。口元に笑みを浮かべると、
「だから私もそんな風になりたいんだ!」
パレットを使って戦闘補助。鍛錬をしなくてもこっちには課金武器がある。
正面からビームを粉砕して物理ゴリ押しで勝利。
現場に戻るとみんなでエルを褒めちぎり。もちろん立役者であるあげはをアゲることも忘れない。あげはがステージに上がった途端エルも子どもたちも元気になった。モデルのあげはもいいけどやっぱり保育士が一番似合う。
三姉妹で円陣を組むと気合を入れます。
③次回予告
また休暇取りそう。
遡って初代に到着。映画は9月15日。今年はちょっと早め。
○トピック
デリシャスから映画公開が9月になっているので、恒常的にズラしたのかもしれませんね。
いつも陽気なあげはにも辛い過去が……あったけど別になくてもこんな感じだろうなって思う回。
物語的に何故○○なのかを説明するために理由をつけがちですが、ぶっちゃけ人間って意味不明な生き物なので理由付けをすると逆に嘘くさくなったりするのが面白いところ。AだからBのような人間になりましたと説明(自己申告)されても、Bという人間だからAという解釈を事後的に行っているだけ、なんてこともある。
例えばもしあげはが不器用でヘタレな人間だったら、キラキラなお姉さん達を見てあの人達は特別なんだ、自分は出涸らしなんだ、母親に引き取られたからこうなったんだと解釈するかもしれません。お姉さん達が見えないところで必死に頑張っているなんて想像すらしない。……みたいな話はよくあることです。なので今回のエピソードはどちらかというとあげはが器用で前向きだからこそ、そんな細やかな部分に気づいたり、エルが頑張れるように支えたりといったことができるんだろうという印象が強いですね。あげはの言うことは言葉どおりに受け取って良いと思える。それは彼女自身が今起きていることを前向きに受け取っているから。
人間の原動力にはいくつかパターンがあると思っていて、コンプレックスや過去の神聖な(過酷な)思い出が原風景として、言ってみればそれを補填・再現するために行動するタイプがその一つ。こういう人は過去を見ると本質がわかる。それとは逆に心のままに、欲するままに行動するタイプもいる。こういう人は今見ているものを見ると本質がわかる。と思っています。
①早乙女姉妹
服屋でお買い物。
例によってエルの選り好みが激しくお気に召す服が見つかりません。ソラのセンス…と言いたいところだけどそんなもん置くな。結局空振り。ツバサとソラはぐったりしながらベンチに腰掛けます。ましろは平気な様子。気に入る服を探してハシゴするのは日常茶飯なのかもしれない。あげはも成長している証と肯定的に捉えます。
近くから歓声。街で撮影しているようで人だかりが出来ています。早乙女姉妹!と食いつくましろ。有名なモデルらしい。撮影が終わるとこちらに近づいてきます。実はあげはのお姉さん。次回予告で知ってたけど2人ともか。おっさんも馴れ馴れしく抱きついてきます。たちまち騒がしくなりますがあげははいつもの調子。
プリティホリックに場所を移して改めて自己紹介。
早乙女まりあは雑誌の読者モデル出身。ドラマのヒロインを演じて人気急上昇中。早乙女かぐやはモデル兼ファッションデザイナーでKAGUYAという独自ブランド持ち。姉妹ということもあってか相乗効果も高そう。カリスマ的存在だとマネージャーの加古が説明。カリスマ?と訊ねるソラにヒーローみたいなものと答えるましろ。それでいいのか。ファッション界のヒーローかと納得。いいみたい。
ちゃっかり2人のサインを貰うましろ。ましろ達のことはあげはから聞いているのでこちらの自己紹介は不要。妹がお世話になっていると頭を下げられます。そこにあげはが準備が整ったと案内。あの場所ファミレスかと思ってたけどプリティホリックの2階だったのか。
あげはに姉が居たことは知っていたもののそれが早乙女姉妹だったとはましろも初耳。実はあげはの両親は離婚して姉は父に、あげはは母に引き取られた模様。それで名字も違う。さらっとぶっ込んだな。わりとプリキュアは片親設定が多い。ましろと出会う前だったのでその辺の経緯は知らなかったようです。
込み入った話に突っ込んでしまったと俯くましろをあげはがいつもの調子でフォロー。今ではあげはも新成人(18歳)。もはや過ぎたこと。親は親、私達は私達と姉も気にした様子がありません。自由に好きなことやって楽しかったらオールOK。イエーイ!と3人で手を叩きます。三姉妹だけに姦しい。
黙って聞いていた加古がモデルをやらないかと藪から棒にスカウトしてきます。マネージャーって言ってたけど社長な雰囲気あるな。早乙女姉妹の妹となれば話題性は十分。しかしあげはは「ごめんなさい」と即答。自分がなりたいのは最強の保育士。そこは一切ブレない。それを聞き流して再度お願いする面の皮の厚さは流石芸能界。無論あげはも態度を変えません。ツバサがやってみてもいいのでは?と水を向けると「やったことあるよ」と意外な返事。
中学生の頃に姉の見学をしていたら加古に声をかけられてちょっとやってみた。でも最強の保育士になると決めたのでモデルへの未練は無いようです。今回含めてなぜそこまであげはが保育士を目指そうと思ったのか語られていませんが、この辺はそういうものと割り切ってもいい部分。好きになるのに理由はいらない。
エルが目を覚ますと次の標的に定める加古。見境ねーな、この人。全身からにじみ出る品の良さ、高貴な顔立ち、モデル界のプリンセスになれると盛り上がります。子役って大成しないイメージある。エルちゃんはもともと…と口を滑らせそうになったソラを口封じ。ソラのせいでましろも百面相なところある。
かぐやに確認を求めると二つ返事で承諾。何の話? 明日ファッションショーに出る予定だった子が急遽出られなくなり代打を探していた模様。初めて子ども服をデザインしたと衣装を見せます。可愛い!と一発で気に入るエル。ファッションショーが何なのかわかっていなくてもすっかりやる気に。
トントン拍子に話が進んだところでましろが待ったをかけます。ステージに上がるってこと? 大丈夫なのかとソラも心配。しかしあげははエルの意向を支持。自分がフォローするからと責任を持ちます。
②三姉妹ファンションショー
本番開始。大盛況の大賑わい。
袖裏ではエルも衣装に着替えて待機。実物に満足。ある意味本人以上に盛り上がったあげはがめっちゃ似合っていると褒めます。もうすぐ出番。というわけで指で指し示しながらお姉ちゃん達がいるところまで歩くんだよと手順を説明。
トコトコと中央に向かって歩くエル。背景の「ソラシドプリティコレクション 早乙女姉妹」のフォントが微妙に安っぽいというか、お化け屋敷に使われそうなのが気になってしょうがない。観客の注目が集まった途端、エルが怯えだします。両隣のまりあとかぐやが声をかけるも耳に入らない様子。
エルちゃん泣いちゃった。だっこしておせわして♡プリンセスエルちゃん。CMの入りが秀逸。
思わずあげはが飛び出すとすぐにフォロー。雲を指さして気を紛らわせます。あっという間に落ち着きを取り戻して事なきを得ます。が、ステージにあげはが出てきてしまったので客席は困惑。
「やっちゃった♪(反省してない)」
「こんな時は思いっきり楽しんじゃお!(開き直り)」
素知らぬ顔でステージ再開。このメンタルの強さ。即興であげはをコーディネイト。めっちゃケバくなった。なぜ提供イラスト程度で留めなかったし。元々モデルにスカウトされるレベルなのと、本人の思い切りが良いおかげで客席も大満足。エルも見習ってすまし顔を見せます。
会場隣のビルの屋上で独りトレーニングするミノトン。水分補給もバッチリ。歓声が聞こえた方に目を向けるとエルを発見。
ショーの終了と同時に乱入するとランボーグを召喚。ギャラリーに退避を促して場を整えます。カバトンやバッタモンダーと違って話が早い。こちらも物陰で変身。
プリキュアを待つ間、ランボーグはステージを破壊して加古と姉妹に襲いかかります。そこにプリキュアが割って入るとランボーグをぶん投げ。ミノトンともども人気のない場所に移動。だいぶ飛んだなぁ。
仕切り直して戦闘開始。今回は弾幕シューティング。死中に活を求めるように突き進むスカイ。しかし流石に分が悪すぎる。無闇に突っ込むのは危険。射撃戦ならプリズムの出番ですがこれも相殺されて無力化。胴体からの強ビームと触手からのビームで手数は圧倒的。
軟弱者。日々の鍛錬を怠りチャラチャラした格好で笑っているからだと夏季休暇を取ったことを棚に上げて言うミノトン。なりき変身コスチュームのことバカにしてんのか。映画館行ってみろ、バッチリ決め込んだ女児いるから。これが営業努力の成果。売上出すために必死に笑いながら仕事してんだよ。
というわけでバタフライがいつになく真剣な面持ちで反論。いつも笑えるわけじゃない。苦しいとき(売上が減ったり)、つらいとき(映画が年1になったり)、泣きたいとき(不正アクセスされたり)もある。すいません、あげはの話と東堂いづみの話がごっちゃなになっちゃいました。
「でもそんなときこそ笑顔で、みんなを笑顔にするために頑張って…頑張って……笑顔が返ってきたら最高なんだって教えてくれた!」
姉の姿からそれを学んだあげはは揺るがない。口元に笑みを浮かべると、
「だから私もそんな風になりたいんだ!」
パレットを使って戦闘補助。鍛錬をしなくてもこっちには課金武器がある。
正面からビームを粉砕して物理ゴリ押しで勝利。
現場に戻るとみんなでエルを褒めちぎり。もちろん立役者であるあげはをアゲることも忘れない。あげはがステージに上がった途端エルも子どもたちも元気になった。モデルのあげはもいいけどやっぱり保育士が一番似合う。
三姉妹で円陣を組むと気合を入れます。
③次回予告
また休暇取りそう。
遡って初代に到着。映画は9月15日。今年はちょっと早め。
○トピック
デリシャスから映画公開が9月になっているので、恒常的にズラしたのかもしれませんね。
いつも陽気なあげはにも辛い過去が……あったけど別になくてもこんな感じだろうなって思う回。
物語的に何故○○なのかを説明するために理由をつけがちですが、ぶっちゃけ人間って意味不明な生き物なので理由付けをすると逆に嘘くさくなったりするのが面白いところ。AだからBのような人間になりましたと説明(自己申告)されても、Bという人間だからAという解釈を事後的に行っているだけ、なんてこともある。
例えばもしあげはが不器用でヘタレな人間だったら、キラキラなお姉さん達を見てあの人達は特別なんだ、自分は出涸らしなんだ、母親に引き取られたからこうなったんだと解釈するかもしれません。お姉さん達が見えないところで必死に頑張っているなんて想像すらしない。……みたいな話はよくあることです。なので今回のエピソードはどちらかというとあげはが器用で前向きだからこそ、そんな細やかな部分に気づいたり、エルが頑張れるように支えたりといったことができるんだろうという印象が強いですね。あげはの言うことは言葉どおりに受け取って良いと思える。それは彼女自身が今起きていることを前向きに受け取っているから。
人間の原動力にはいくつかパターンがあると思っていて、コンプレックスや過去の神聖な(過酷な)思い出が原風景として、言ってみればそれを補填・再現するために行動するタイプがその一つ。こういう人は過去を見ると本質がわかる。それとは逆に心のままに、欲するままに行動するタイプもいる。こういう人は今見ているものを見ると本質がわかる。と思っています。
第27話「ミラーパッドでワクワクレッスン!?」
○今週のヒーロー
①夏だ! 花火だ! トレーニングだ!
今夜は花火大会。待ち遠しいとウキウキするソラ。待っている間ネイルやってみる?とましろが誘うも遠慮。代わりに身体を動かし始めます。そこにあげはがやってくると自作の振り付けを披露。あげぇ~だねと頷くましろにアゲーと訂正。本来お嬢様とギャルくらいには属性違うよね、この2人。どっちでもいいじゃないですか、と花火の本を見せながら解説するツバサ。話題が秒単位で変わってくな、このメンツ。
窓の近くに居たソラがエルを発見。ミラーパッドを持っているのですぐに回収に走るツバサ。お世話係的には炎天下の中で外に居ることを気遣った方がいいんじゃないか? エルは画面をタッチ連打。見かねて取り上げると特に気分を害した様子もなくエルはセミに興味を移します。
安心したのも束の間、パッドに異変。遅れてやってきたソラたちを巻き込んで中に吸い込まれてしまいます。いわゆる裏コマンド発動。
あわや地面に激突かと思いきや雲のクッションで安全に着地。これはこれで楽しむ4人。順応力高ぇ。
改めて状況を確認。一面不思議空間。そこにナビゲータ役の子豚が現れます。トン? アンダーグ帝国と関係が? ここはミラーパッドのスペシャルステージ。ナビの名前はピンクットン。面倒なので以降はナビで。頼んでもいないのに特別なトレーニングを用意したと話を進めます。これには難色を示す一同。花火大会もあるし早く帰してくれ。大丈夫、トレーニングをトントン拍子でクリアすれば出られる。大丈夫じゃねぇ。強制イベントかよ。
色とりどりのカードにはそれぞれのメニューが描かれています。もはや諦めたのかトレーニングをする方向で話を進める一同。切り替えの速さ。当然各自得意なメニューを選択。そのカードをナビに渡し、準備を……くしゃみ。カードがシャッフルされて扉が出現。そのままスタート。今のヒューマンエラーだよね? どう見てもシャッフルされたんだが。しかしそこはプリキュア。始まったならこのまま行くしか無い。眼鏡の黄色先輩もそう言ってる。
案の定、それぞれの部屋には予想外の空間が。
あげはが入った部屋はツバサが選んだメニュー。中央の椅子に座るとクイズが始まります。10問正解でクリア。正直あげはなら行けそうな感じ。お題は飛行機。
世界で初めて有人飛行を成功させたのは? 常識的なクイズ。あれだろ、えっと……リュミエール兄弟。やっべ、最近映画の本読んでたからこの名前しか出てこなかった。映写機作った人です。あげはの答えはライト兄弟。…ですがそのライト兄弟は最初何メートル飛行に成功したか? ふざけんなよ。マニアックすぎる。流石のあげはもこれはわからない。正解は36.5m。このレベルが基準だとすると先が思いやられる。
ツバサの部屋はあげはのメニュー。最近鳥形態になっていなかったので戻るとリズムゲーをやらされることに。
ソラはメイクレッスン。案の定福笑いのような結果に。ナビのツッコミがギャグ漫画のそれ。トレーニングっていうかこれ試験だよな。コーチング機能はないらしい。
ましろは巨大螺旋階段の塔。単純に体力勝負を要求。抜け道として縄登りも用意。ちゃんとノリツッコミをやってくれるましろさん親切。ギャグ漫画みたいなツッコミを入れないところに育ちの良さが伺える。
独りで居るエルをお婆ちゃんが発見。たどたどしい説明を聞いたお婆ちゃんは隠し機能のワクワクレッスンモードが起動したのだと察します。その機能どんな目的で入れたの? 自分で使うつもりだったの? 責任を感じるエルにきっと戻ってくるからと答えるお婆ちゃん。リセットする気はないらしい。それでも気分が晴れない彼女におやつを作ろうと誘います。その間もみんなは散々な結果に。思ったんだけど、この機能使って敵を封じ込めたらいいんじゃね?
②ミノトンは夏季休暇中
その後も不正解を続けるあげは。完全に諦めムード。休憩。そのジュース、現物? 少年なら全問正解なのに。そう不満をこぼしていると本棚に目が止まります。別にツバサだから知っているわけじゃない。その知識は本から得た。ならば同じことができる。本を手に取ると読みふけります。
ソラもまたましろが普段話していたことを思い出すと再チャレンジ。ツバサもあげはを手本にトライ。知識とコツを掴んだ3人はみるみる上達すると条件をクリア。普段一緒にいるだけあって何をしているのか、見ているのかは熟知している。
問題はましろ。知識もテクニックも関係なく要求されるのは体力のみ。トントン拍子にはいかない。しかしここでイマジナリーソラを発現。気力で登ります。すると上の方からソラの声。先にクリアした3人が頂上で待っていました。みんなの応援を受けてゴール。
知らず知らずのうちに力を貰っていたのだと再確認し合う4人。
ナビがやってくると4人を労い、出口を示します。これで花火が見られる。ところがどっこい変身ノルマが終わってない。もはや定番になりつつある流れ。再びくしゃみをすると最強モンスターカードを召喚。これが最後の試練。もうこれただ敵の夏休みだな。敵は休暇取れるけどプリキュアは休めないヒーロー業界の闇。
アニメーターも楽をしたいので必殺技バンクを連打してさくっと戦闘終了。暑いし仕事したくないよね。
帰り際、ナビたちが見送り。
お婆ちゃんがどうだった?と訊ねるとすっごく大変だったけど面白かったと総括。それはそれとしてなんであんな機能を入れたのか聞いた方が良いと思うぞ。ついでに余計な機能オミットしてくれって。いたたまれなさそうにしていたエルが謝ります。楽しかったから結果オーライ。
お婆ちゃんと作ったおやつを披露。みんなで食べながら花火を観賞。こうして意外な、でも楽しい一日が過ぎていきます。
③次回予告
プリンセスエルちゃん おきがえパジャマドレス(税込み2,750円)もよろしく。
○トピック
【悲報】海イベント無さそう
活動資金のために働くヒーロー業界の闇を披露する回。
本作はメインテーマを中心にした作風ではありませんが「ひろがる」がそれに当たります。「ヒーロー」はソラ固有の属性に近いのでメイン回を担当しない限りは出張ってはこない。なので4人共通のお題として前者が取り上げられる。それも友達100人作ろうぜ!みたいな前のめりなスタンスではなく、気づいたらできるようになっていたとか、いつの間にか選択肢として持てるようになっていた、くらいの塩梅。友達に詳しい人がいるおかげで自分も詳しくなってたわ~みたいなノリですね。このことからもあくまで物語のメインは4人の関係で、テーマは従属的・再確認的位置づけになっています。
ここから雑談。
こういう生活(不労所得生活)をしてつくづく思うのは無職はメンタルに良くない。もっとハッキリと言うと普通の人はたぶん病みます。特に独身の無職とか孤独でしかないから。この孤独をもうちょっと具体的に言うと、やることがない→気分を紛らわせたり他に考えたり夢中になれることがない→時間を持て余す→同じ考えがグルグル回って不安などが増幅される。というスパイラルにはまり込む。頭の片隅に置こうとしても出てきちゃうんですね。
無職が事件を起こす報道をよく耳にするように、社会的な絆が無い人は問題行動を起こしやすいという研究があります。歯止めが効きにくい。頼れる人もいないしそもそもそんな状況を作る人生の在り方そのものがアウトとか色々あるんですが、無職歴5年の私が実感を持って言うなら上記のダメ思考スパイラルがそれに拍車をかけているんだろうと思います。私は孤独耐性が極めて高いので孤独なほど元気になりますが。そういう特殊な適正がない人は無職とか、やることがない状態を長期間作るのはオススメしません。おそらく限界ラインみたいなのを超えるとスパイラル思考から脱却できなくなる。
で、そんな私ですら友達がいるし、ネット上での知り合いも何人かいます。そういう人たちから得る生きた(現在進行形の)情報って大事なんですね。自分独りだと得られる情報に限りがあるし、好みのバイアスもかかりやすい。あげく歳を取ると感性も鈍化する。放っておくと澱んだ水みたいになる。川とは言わないまでも流れるプールくらいは維持したい。そのためにも他者は必要。私が言うと利用価値的な意味にしか聞こえないでしょうが、ぶっちゃけそれでいいのです。無条件の愛情だとか友情だけが人間関係じゃないから。友達を100人作る必要なんてないし、毎日しゃべる必要もない。身の丈に合った密度でいい。
重要なのはそうした中で適宜選択肢を作れること。一本道ではなく複数の道を作ることで生活や思考を澱ませない環境を作ることです。私なりに言えば常に逃げ道を用意しておく。この先人生を広げたいとか、有名になりたいとか、何者かになりたいとか、そんなこと微塵にも思ってない。誰にも命令されず好きに自由に生きられれば十分。その維持装置としての人間関係を所望する。
とまあ、未来ある子どもの「ひろがる」とはかけ離れたものですが、実は大人も子どもも必要なものはそんなに変わらない。キッカケを作れるのは常に人間だってことです。
①夏だ! 花火だ! トレーニングだ!
今夜は花火大会。待ち遠しいとウキウキするソラ。待っている間ネイルやってみる?とましろが誘うも遠慮。代わりに身体を動かし始めます。そこにあげはがやってくると自作の振り付けを披露。あげぇ~だねと頷くましろにアゲーと訂正。本来お嬢様とギャルくらいには属性違うよね、この2人。どっちでもいいじゃないですか、と花火の本を見せながら解説するツバサ。話題が秒単位で変わってくな、このメンツ。
窓の近くに居たソラがエルを発見。ミラーパッドを持っているのですぐに回収に走るツバサ。お世話係的には炎天下の中で外に居ることを気遣った方がいいんじゃないか? エルは画面をタッチ連打。見かねて取り上げると特に気分を害した様子もなくエルはセミに興味を移します。
安心したのも束の間、パッドに異変。遅れてやってきたソラたちを巻き込んで中に吸い込まれてしまいます。いわゆる裏コマンド発動。
あわや地面に激突かと思いきや雲のクッションで安全に着地。これはこれで楽しむ4人。順応力高ぇ。
改めて状況を確認。一面不思議空間。そこにナビゲータ役の子豚が現れます。トン? アンダーグ帝国と関係が? ここはミラーパッドのスペシャルステージ。ナビの名前はピンクットン。面倒なので以降はナビで。頼んでもいないのに特別なトレーニングを用意したと話を進めます。これには難色を示す一同。花火大会もあるし早く帰してくれ。大丈夫、トレーニングをトントン拍子でクリアすれば出られる。大丈夫じゃねぇ。強制イベントかよ。
色とりどりのカードにはそれぞれのメニューが描かれています。もはや諦めたのかトレーニングをする方向で話を進める一同。切り替えの速さ。当然各自得意なメニューを選択。そのカードをナビに渡し、準備を……くしゃみ。カードがシャッフルされて扉が出現。そのままスタート。今のヒューマンエラーだよね? どう見てもシャッフルされたんだが。しかしそこはプリキュア。始まったならこのまま行くしか無い。眼鏡の黄色先輩もそう言ってる。
案の定、それぞれの部屋には予想外の空間が。
あげはが入った部屋はツバサが選んだメニュー。中央の椅子に座るとクイズが始まります。10問正解でクリア。正直あげはなら行けそうな感じ。お題は飛行機。
世界で初めて有人飛行を成功させたのは? 常識的なクイズ。あれだろ、えっと……リュミエール兄弟。やっべ、最近映画の本読んでたからこの名前しか出てこなかった。映写機作った人です。あげはの答えはライト兄弟。…ですがそのライト兄弟は最初何メートル飛行に成功したか? ふざけんなよ。マニアックすぎる。流石のあげはもこれはわからない。正解は36.5m。このレベルが基準だとすると先が思いやられる。
ツバサの部屋はあげはのメニュー。最近鳥形態になっていなかったので戻るとリズムゲーをやらされることに。
ソラはメイクレッスン。案の定福笑いのような結果に。ナビのツッコミがギャグ漫画のそれ。トレーニングっていうかこれ試験だよな。コーチング機能はないらしい。
ましろは巨大螺旋階段の塔。単純に体力勝負を要求。抜け道として縄登りも用意。ちゃんとノリツッコミをやってくれるましろさん親切。ギャグ漫画みたいなツッコミを入れないところに育ちの良さが伺える。
独りで居るエルをお婆ちゃんが発見。たどたどしい説明を聞いたお婆ちゃんは隠し機能のワクワクレッスンモードが起動したのだと察します。その機能どんな目的で入れたの? 自分で使うつもりだったの? 責任を感じるエルにきっと戻ってくるからと答えるお婆ちゃん。リセットする気はないらしい。それでも気分が晴れない彼女におやつを作ろうと誘います。その間もみんなは散々な結果に。思ったんだけど、この機能使って敵を封じ込めたらいいんじゃね?
②ミノトンは夏季休暇中
その後も不正解を続けるあげは。完全に諦めムード。休憩。そのジュース、現物? 少年なら全問正解なのに。そう不満をこぼしていると本棚に目が止まります。別にツバサだから知っているわけじゃない。その知識は本から得た。ならば同じことができる。本を手に取ると読みふけります。
ソラもまたましろが普段話していたことを思い出すと再チャレンジ。ツバサもあげはを手本にトライ。知識とコツを掴んだ3人はみるみる上達すると条件をクリア。普段一緒にいるだけあって何をしているのか、見ているのかは熟知している。
問題はましろ。知識もテクニックも関係なく要求されるのは体力のみ。トントン拍子にはいかない。しかしここでイマジナリーソラを発現。気力で登ります。すると上の方からソラの声。先にクリアした3人が頂上で待っていました。みんなの応援を受けてゴール。
知らず知らずのうちに力を貰っていたのだと再確認し合う4人。
ナビがやってくると4人を労い、出口を示します。これで花火が見られる。ところがどっこい変身ノルマが終わってない。もはや定番になりつつある流れ。再びくしゃみをすると最強モンスターカードを召喚。これが最後の試練。もうこれただ敵の夏休みだな。敵は休暇取れるけどプリキュアは休めないヒーロー業界の闇。
アニメーターも楽をしたいので必殺技バンクを連打してさくっと戦闘終了。暑いし仕事したくないよね。
帰り際、ナビたちが見送り。
お婆ちゃんがどうだった?と訊ねるとすっごく大変だったけど面白かったと総括。それはそれとしてなんであんな機能を入れたのか聞いた方が良いと思うぞ。ついでに余計な機能オミットしてくれって。いたたまれなさそうにしていたエルが謝ります。楽しかったから結果オーライ。
お婆ちゃんと作ったおやつを披露。みんなで食べながら花火を観賞。こうして意外な、でも楽しい一日が過ぎていきます。
③次回予告
プリンセスエルちゃん おきがえパジャマドレス(税込み2,750円)もよろしく。
○トピック
【悲報】海イベント無さそう
活動資金のために働くヒーロー業界の闇を披露する回。
本作はメインテーマを中心にした作風ではありませんが「ひろがる」がそれに当たります。「ヒーロー」はソラ固有の属性に近いのでメイン回を担当しない限りは出張ってはこない。なので4人共通のお題として前者が取り上げられる。それも友達100人作ろうぜ!みたいな前のめりなスタンスではなく、気づいたらできるようになっていたとか、いつの間にか選択肢として持てるようになっていた、くらいの塩梅。友達に詳しい人がいるおかげで自分も詳しくなってたわ~みたいなノリですね。このことからもあくまで物語のメインは4人の関係で、テーマは従属的・再確認的位置づけになっています。
ここから雑談。
こういう生活(不労所得生活)をしてつくづく思うのは無職はメンタルに良くない。もっとハッキリと言うと普通の人はたぶん病みます。特に独身の無職とか孤独でしかないから。この孤独をもうちょっと具体的に言うと、やることがない→気分を紛らわせたり他に考えたり夢中になれることがない→時間を持て余す→同じ考えがグルグル回って不安などが増幅される。というスパイラルにはまり込む。頭の片隅に置こうとしても出てきちゃうんですね。
無職が事件を起こす報道をよく耳にするように、社会的な絆が無い人は問題行動を起こしやすいという研究があります。歯止めが効きにくい。頼れる人もいないしそもそもそんな状況を作る人生の在り方そのものがアウトとか色々あるんですが、無職歴5年の私が実感を持って言うなら上記のダメ思考スパイラルがそれに拍車をかけているんだろうと思います。私は孤独耐性が極めて高いので孤独なほど元気になりますが。そういう特殊な適正がない人は無職とか、やることがない状態を長期間作るのはオススメしません。おそらく限界ラインみたいなのを超えるとスパイラル思考から脱却できなくなる。
で、そんな私ですら友達がいるし、ネット上での知り合いも何人かいます。そういう人たちから得る生きた(現在進行形の)情報って大事なんですね。自分独りだと得られる情報に限りがあるし、好みのバイアスもかかりやすい。あげく歳を取ると感性も鈍化する。放っておくと澱んだ水みたいになる。川とは言わないまでも流れるプールくらいは維持したい。そのためにも他者は必要。私が言うと利用価値的な意味にしか聞こえないでしょうが、ぶっちゃけそれでいいのです。無条件の愛情だとか友情だけが人間関係じゃないから。友達を100人作る必要なんてないし、毎日しゃべる必要もない。身の丈に合った密度でいい。
重要なのはそうした中で適宜選択肢を作れること。一本道ではなく複数の道を作ることで生活や思考を澱ませない環境を作ることです。私なりに言えば常に逃げ道を用意しておく。この先人生を広げたいとか、有名になりたいとか、何者かになりたいとか、そんなこと微塵にも思ってない。誰にも命令されず好きに自由に生きられれば十分。その維持装置としての人間関係を所望する。
とまあ、未来ある子どもの「ひろがる」とはかけ離れたものですが、実は大人も子どもも必要なものはそんなに変わらない。キッカケを作れるのは常に人間だってことです。
第26話「テイクオフ!飛行機でつながる想い」
○今週のヒーロー
①コラボイベント
開幕から……何してんだ。庭にビーチパラソルとチェアを広げてあげはは保育士の問題集。ソラはエルとツバサを背中に乗っけながら腕立て伏せ。君たちの日常おかしくない?
ましろが驚きの声をあげます。どうやら両親がこちらに帰ってくるらしい。お、意外と早くカード切ってきたな…と思いきやあっさり流されるのが今回。とりあえず父親は授業参観に来てほしくないタイプ。ましろちゃんのお父さんって個性的だよねってドン引きされるやつ。
そんなわけでクラッカーで祝福。…それ常備してるの? 声がダダ漏れだったので事情は概ね把握。両親の帰郷は明後日。ももぞら空港。以前ファーストシューズの回で行った場所。おそらくピーチ航空とかけているのだと思われますがシリーズ的にはどうしても桃園の方を連想しますね。ちなみに回想にもあるように施設名は既出。空港と聞いて強い関心を持つツバサ。空港限定たい焼きもある。というわけでみんなでお出迎え。
空港に到着。
ツバサはもちろんのことソラも興味津々。早速パイロットとCAに目が行きます。凄く素敵! このあからさまにコラボしてます感。まだ時間もあるので空港内を探索。
飛行機型たい焼きを食べ、お土産げコーナーを物色。キモっ、何その「おしりたんてい」みたいなマスコット。飛ぶ気ねーだろ、そのデザイン。公式オンラインショップにそれらしきものはなかったのでアニメオリジナルか。ちなみにプリキュアとのコラボ商品もあります。1万円のコンプリートセット売り切れてました。
空港の中は見て回ったので次は展望台から飛行機を観賞。飛ぶ夢は叶ったツバサですが、勉強して得た知識や興味は今でも持ち続けているので感慨もひとしお。やはりこういう乗り物系は男の子が興味を持ちやすいのでツバサがいると自然に話に繋げやすい印象がありますね。
ここで定番の疑問。なぜあんな大きなものが空を飛べるのか? ソラに訊ねられたましろはツバサにパス。すると水を得た魚のように活き活きと解説を始めます。ジェットにんじん!?と空耳するソラ。基本的な知識がない人に説明するのって難しいよね。久しぶりのボケにツッコミを返すましろ。つまり風の力で飛んでいて専門用語で言うと……「揚力」。
唐突に幼女登場。得意ジャンルの話題になったときのオタクのように饒舌に話します。飛行機に興味あるもの同士すぐにツバサと意気投合。マジかよ、俺も航空力学かじって空港行けばワンチャン微レ存。望遠鏡で飛行機を観賞。ここでもソラの天然ボケが炸裂。
一緒に日陰で休憩。
天野翔子と自己紹介。自分の名前に誇りを持っているらしく自画自賛。名前を訊ねられたツバサはあげはを咄嗟に見てから夕凪ツバサと答えます。初耳の名字に疑問を浮かべるソラとましろにあげはがこっそり耳打ち。事前にふたりで考えたらしい。今のところ学校に行く様子もないので設定はあっても放置されていました。
翔子が飛行機を好きなのは母親がパイロットだから。凄いでしょ!とこれまた誇らしげに胸を張ります。テンプレみたいなリアクションありがとうございます。今作はゲストキャラの登場が控えめなので逆に目立つ。今日はママが操縦する飛行機に初めて乗る日。それにしては大人の人が見えないけど、とあげはが訊ねるとようやく自分の状況を思い出します。要するに迷子。不安がる翔子をあげはがすぐさまフォロー。案の定場内アナウンスで呼び出しがかかります。ソラがおんぶするとジェットにんじんの勢いで案内所へ。
トレンチコートに身を包むミノトン。意外と似合ってる。
無事父親と合流。このときばかりは年相応にしおらしい態度を見せます。
仕事で母親と会える機会が少ないと話す父親の話を聞いて自分の境遇を振り返るましろ。ようやくこっちの話題になった。と言ってもましろにとって両親不在はさほどの事情ではありませんが。天野父子を見送る一同。乗る人の想いも繋げてるんですね、とそれらしくコラボ回をまとめるツバサ。これで案件完了。
②ステージギミックない方が敵が強い説
こちらもそろそろましろの両親をと思った矢先にプリキュアの呼び出しがかかります。なにそれちょっと面白い。おでん屋の親父もそうだけど、明らかに人間じゃない人を見ても動じないこの世界の人何なの?
炎天下の中待ち続けるミノトン。トレンチコートを着込んでいるので暑い。流石に気合でどうにかなるものではないらしい。気合よりも文明の利器。携帯扇風機を取り出すと涼みます。敵も熱中症対策する時代。ソラ達ががやってくるとすぐさまコートを脱ぎ捨てランボーグを召喚。
プリキュアが空港に来たのは自分から逃げて高飛びするためだと勘違いしたミノトンは、ランボーグの力を使って上空に乱気流を作り出します。これで飛行不可。たぶん今回ここにパワー使いすぎてランボーグ弱体化してる。思い込みが激しい。このままでは翔子もましろも台無し。ツバサが音頭をとって変身。
乱気流の影響でウィングの飛行にも支障。飛行しなきゃいいだけですが、やはりそこはこだわりがあるのか頑なに地上戦をやらない。空A陸Bみたいな適正があるのかもしれない。その間も3人で戦闘。バタフライが仁王立ちしてるのやっぱカッコいい。射撃で攪乱してウィングが不意打ち。低空飛行なら行ける。こちらでも攪乱してスカイが正面から攻撃。前回に比べると格段に戦いやすい。
しかしここからが本番。頭の扇風機を回すと猛烈な突風でプリキュアを吹き飛ばし。体勢を崩したところにカマイタチ。バリアでガードするも時間の問題。
唯一手が空いているウィングは乱気流の攻略に挑みます。いや飛行機は後回しでよくない? でもすぐに閃いたのでセーフ。プリズムショットを上空に、と指示を出します。風の流れがわかればこっちのもの。背後から奇襲。ランボーグに隙ができたのでパレットでウィングを支援。……低空飛行でも同じことができたのでは?とか突っ込んではいけない。ほら、アレだよ、粉塵爆発とかレーザー使ってくる敵にスプリンクラーで対抗とか、何かそういうギミック攻略ありきなバトルってあるじゃん。
今回はウィングアタック単独で撃破。敗因は乱気流生成に力(バッテリー)使いすぎたこと。
営業再開。
母親が乗る飛行機に搭乗する翔子。母親も気合が入ります。
次はましろの番。両親にみんなのことを紹介したい!とワクワク。案の定再会するや号泣する父。自作の痛Tシャツを披露。ぜってー授業参観に呼ばれないわ。旗振りそうだもん。日本に帰ってきたのは久々なので天ぷらをご馳走。そんなこんなで慌ただしく時間が過ぎると再び旅立っていきます。
前に見送ったときはすごく寂しかったけど今はみんながいるから。今回はみんなで見送ると元気いっぱいに手を振ります。
③次回予告
どうしてそうなった(特にソラの顔)
フレッシュの3Dダンスは衣装デザインも相まって今見ても陳腐に感じない。
○トピック
痛Tシャツ冬コミで売られてそう。
思いのほかあっさりな両親回。これもまたましろらしいエピソード。
余計な登場人物を出さないで済む作劇的な事情もあると思いますが、親との別居は去年のデリシャスもやっているように定番ネタです。その前のトロピカルも主人公が別居しています。そんな中、ましろに何か影があるかというと、特にない。翔子がそうであるように子どもは子どもなりに順応するからね。不在それ自体よりも家庭環境が混沌としている(スイートのアコのように両親がバチバチにやり合っている)とか、自分の意思が全く無視されているとかが問題になるわけで。ましろは両親ともコミュニケーション良好。安定した人間関係が維持されています。
このエピソードは再確認的な意味合いが強い。
相変わらず自分の中で静かに消化しているのがましろらしい。毎回のように言っていますがこうした描写が彼女の強さを支えていると思います。自分の境遇やわだかまりを吐き出してどうこうしない。静かに咀嚼して消化する。翔子との会話や独白からも両親と別居していることに何かしら思うことがあるのは見て取れる。けど今は友達との関係が充実していてそれが両親との関係にも好影響を与えていることもわかる。人数分以上の痛T作られたり、賑やかな食卓を囲んだり、それらは別居という形にこれまでと違った色彩を与えている。そのことが独白からわかります。そしてこの独白は友達には聞こえていない。この独立性、自律性が彼女のメンタルを強く支えている。ソラとの関係においてすら一緒にいなくても構わないと受け入れていることからも、今の環境に依存していない。このロードローラーのような安定感。ソラがぐらついてもしっかり支えられるのも納得。
新たな問題に対して新たに処方するのではなく、今までの積み重ねによって自然と受け入れられるようになる。そんな自然体なましろの姿が清々しい。
①コラボイベント
開幕から……何してんだ。庭にビーチパラソルとチェアを広げてあげはは保育士の問題集。ソラはエルとツバサを背中に乗っけながら腕立て伏せ。君たちの日常おかしくない?
ましろが驚きの声をあげます。どうやら両親がこちらに帰ってくるらしい。お、意外と早くカード切ってきたな…と思いきやあっさり流されるのが今回。とりあえず父親は授業参観に来てほしくないタイプ。ましろちゃんのお父さんって個性的だよねってドン引きされるやつ。
そんなわけでクラッカーで祝福。…それ常備してるの? 声がダダ漏れだったので事情は概ね把握。両親の帰郷は明後日。ももぞら空港。以前ファーストシューズの回で行った場所。おそらくピーチ航空とかけているのだと思われますがシリーズ的にはどうしても桃園の方を連想しますね。ちなみに回想にもあるように施設名は既出。空港と聞いて強い関心を持つツバサ。空港限定たい焼きもある。というわけでみんなでお出迎え。
空港に到着。
ツバサはもちろんのことソラも興味津々。早速パイロットとCAに目が行きます。凄く素敵! このあからさまにコラボしてます感。まだ時間もあるので空港内を探索。
飛行機型たい焼きを食べ、お土産げコーナーを物色。キモっ、何その「おしりたんてい」みたいなマスコット。飛ぶ気ねーだろ、そのデザイン。公式オンラインショップにそれらしきものはなかったのでアニメオリジナルか。ちなみにプリキュアとのコラボ商品もあります。1万円のコンプリートセット売り切れてました。
空港の中は見て回ったので次は展望台から飛行機を観賞。飛ぶ夢は叶ったツバサですが、勉強して得た知識や興味は今でも持ち続けているので感慨もひとしお。やはりこういう乗り物系は男の子が興味を持ちやすいのでツバサがいると自然に話に繋げやすい印象がありますね。
ここで定番の疑問。なぜあんな大きなものが空を飛べるのか? ソラに訊ねられたましろはツバサにパス。すると水を得た魚のように活き活きと解説を始めます。ジェットにんじん!?と空耳するソラ。基本的な知識がない人に説明するのって難しいよね。久しぶりのボケにツッコミを返すましろ。つまり風の力で飛んでいて専門用語で言うと……「揚力」。
唐突に幼女登場。得意ジャンルの話題になったときのオタクのように饒舌に話します。飛行機に興味あるもの同士すぐにツバサと意気投合。マジかよ、俺も航空力学かじって空港行けばワンチャン微レ存。望遠鏡で飛行機を観賞。ここでもソラの天然ボケが炸裂。
一緒に日陰で休憩。
天野翔子と自己紹介。自分の名前に誇りを持っているらしく自画自賛。名前を訊ねられたツバサはあげはを咄嗟に見てから夕凪ツバサと答えます。初耳の名字に疑問を浮かべるソラとましろにあげはがこっそり耳打ち。事前にふたりで考えたらしい。今のところ学校に行く様子もないので設定はあっても放置されていました。
翔子が飛行機を好きなのは母親がパイロットだから。凄いでしょ!とこれまた誇らしげに胸を張ります。テンプレみたいなリアクションありがとうございます。今作はゲストキャラの登場が控えめなので逆に目立つ。今日はママが操縦する飛行機に初めて乗る日。それにしては大人の人が見えないけど、とあげはが訊ねるとようやく自分の状況を思い出します。要するに迷子。不安がる翔子をあげはがすぐさまフォロー。案の定場内アナウンスで呼び出しがかかります。ソラがおんぶするとジェットにんじんの勢いで案内所へ。
トレンチコートに身を包むミノトン。意外と似合ってる。
無事父親と合流。このときばかりは年相応にしおらしい態度を見せます。
仕事で母親と会える機会が少ないと話す父親の話を聞いて自分の境遇を振り返るましろ。ようやくこっちの話題になった。と言ってもましろにとって両親不在はさほどの事情ではありませんが。天野父子を見送る一同。乗る人の想いも繋げてるんですね、とそれらしくコラボ回をまとめるツバサ。これで案件完了。
②ステージギミックない方が敵が強い説
こちらもそろそろましろの両親をと思った矢先にプリキュアの呼び出しがかかります。なにそれちょっと面白い。おでん屋の親父もそうだけど、明らかに人間じゃない人を見ても動じないこの世界の人何なの?
炎天下の中待ち続けるミノトン。トレンチコートを着込んでいるので暑い。流石に気合でどうにかなるものではないらしい。気合よりも文明の利器。携帯扇風機を取り出すと涼みます。敵も熱中症対策する時代。ソラ達ががやってくるとすぐさまコートを脱ぎ捨てランボーグを召喚。
プリキュアが空港に来たのは自分から逃げて高飛びするためだと勘違いしたミノトンは、ランボーグの力を使って上空に乱気流を作り出します。これで飛行不可。たぶん今回ここにパワー使いすぎてランボーグ弱体化してる。思い込みが激しい。このままでは翔子もましろも台無し。ツバサが音頭をとって変身。
乱気流の影響でウィングの飛行にも支障。飛行しなきゃいいだけですが、やはりそこはこだわりがあるのか頑なに地上戦をやらない。空A陸Bみたいな適正があるのかもしれない。その間も3人で戦闘。バタフライが仁王立ちしてるのやっぱカッコいい。射撃で攪乱してウィングが不意打ち。低空飛行なら行ける。こちらでも攪乱してスカイが正面から攻撃。前回に比べると格段に戦いやすい。
しかしここからが本番。頭の扇風機を回すと猛烈な突風でプリキュアを吹き飛ばし。体勢を崩したところにカマイタチ。バリアでガードするも時間の問題。
唯一手が空いているウィングは乱気流の攻略に挑みます。いや飛行機は後回しでよくない? でもすぐに閃いたのでセーフ。プリズムショットを上空に、と指示を出します。風の流れがわかればこっちのもの。背後から奇襲。ランボーグに隙ができたのでパレットでウィングを支援。……低空飛行でも同じことができたのでは?とか突っ込んではいけない。ほら、アレだよ、粉塵爆発とかレーザー使ってくる敵にスプリンクラーで対抗とか、何かそういうギミック攻略ありきなバトルってあるじゃん。
今回はウィングアタック単独で撃破。敗因は乱気流生成に力(バッテリー)使いすぎたこと。
営業再開。
母親が乗る飛行機に搭乗する翔子。母親も気合が入ります。
次はましろの番。両親にみんなのことを紹介したい!とワクワク。案の定再会するや号泣する父。自作の痛Tシャツを披露。ぜってー授業参観に呼ばれないわ。旗振りそうだもん。日本に帰ってきたのは久々なので天ぷらをご馳走。そんなこんなで慌ただしく時間が過ぎると再び旅立っていきます。
前に見送ったときはすごく寂しかったけど今はみんながいるから。今回はみんなで見送ると元気いっぱいに手を振ります。
③次回予告
どうしてそうなった(特にソラの顔)
フレッシュの3Dダンスは衣装デザインも相まって今見ても陳腐に感じない。
○トピック
痛Tシャツ冬コミで売られてそう。
思いのほかあっさりな両親回。これもまたましろらしいエピソード。
余計な登場人物を出さないで済む作劇的な事情もあると思いますが、親との別居は去年のデリシャスもやっているように定番ネタです。その前のトロピカルも主人公が別居しています。そんな中、ましろに何か影があるかというと、特にない。翔子がそうであるように子どもは子どもなりに順応するからね。不在それ自体よりも家庭環境が混沌としている(スイートのアコのように両親がバチバチにやり合っている)とか、自分の意思が全く無視されているとかが問題になるわけで。ましろは両親ともコミュニケーション良好。安定した人間関係が維持されています。
このエピソードは再確認的な意味合いが強い。
相変わらず自分の中で静かに消化しているのがましろらしい。毎回のように言っていますがこうした描写が彼女の強さを支えていると思います。自分の境遇やわだかまりを吐き出してどうこうしない。静かに咀嚼して消化する。翔子との会話や独白からも両親と別居していることに何かしら思うことがあるのは見て取れる。けど今は友達との関係が充実していてそれが両親との関係にも好影響を与えていることもわかる。人数分以上の痛T作られたり、賑やかな食卓を囲んだり、それらは別居という形にこれまでと違った色彩を与えている。そのことが独白からわかります。そしてこの独白は友達には聞こえていない。この独立性、自律性が彼女のメンタルを強く支えている。ソラとの関係においてすら一緒にいなくても構わないと受け入れていることからも、今の環境に依存していない。このロードローラーのような安定感。ソラがぐらついてもしっかり支えられるのも納得。
新たな問題に対して新たに処方するのではなく、今までの積み重ねによって自然と受け入れられるようになる。そんな自然体なましろの姿が清々しい。
第25話「ワクワク!プリンセス、動物園に行く!」
○今週のヒーロー
①うちの子凄い!
今までどおり虹ヶ丘家で生活するエルちゃん。
美味しそうに朝食を食べる彼女を陰からこっそり覗くましろ。お出かけの準備をしていたソラに相談を持ちかけます。エルは運命の子。普通のご飯でいいのだろうか? ああ、今回そういう回ね。以前スカイランドから戻ってきた直後のフォローをしたように、エルが特別だと知った後のフォローと。本作はこういう順序立て、過程が細かい。
豪華な食事をイメージするましろ。消化できなさそう。実際エルが好きなのはおにぎりとバナナ。それを言い出すと服だってソラの弟のお下がりを持ってきているけど、豪華なドレスを着せるべきでは?と疑問が尽きません。そこにアメフトの格好をしたツバサが登場。お前もこじらせてんな。
あげはがエルを連れてやってくると、3人でアメフト部。なんで人数分あるんだよ。プリキュアに変身できること忘れてそう。
OPで新幹部お披露目。
車でお出かけ。
考えすぎ、と受け流すあげは。本人は今までと変わらない。今回彼女たちが向かった先はソラシド自然公園。
入り口で待ち構えていたのはマスコットのソラシノサウルス。ソラ吾郎には夢中になったエルもこちらは大きすぎるのか及び腰。怖がる彼女に動物がたくさんいるよ、と話しかけて気を逸します。流石あげは慣れている。実物を見れるとあって期待するツバサ。ソラはお弁当に期待。それぞれモチベーションを上げて入場。
もはや定番感のあるカピバラ。げっ歯類最大のネズミ。
エルに近づくと何言か鳴きます。するとごはん?と聞き返すエル。周囲を見渡すと餌コーナーがあって与えることができる。客に餌くれって催促するのはいいとして、それをエルがわかったことに疑問を抱くましろ。そんな疑問をよそにカピバラに餌を与えてご機嫌なエル。
続いて大型獣コーナー。ゾウを初めて見たソラは興味津々。図鑑で知っているツバサが解説。次にキリンを見たソラは首が長い馬だと勘違い。これも解説するツバサ。高所の葉っぱを食べるために進化したとよく言われますが、この説は現在では下火のようです。葉っぱを食べる高さが首の長さとあまり一致しないらしい。代案として性選択説(メスを獲得するための選択圧説)もありますが、体温調節説もあります。後者は太陽に向かって顔を向けることで首を日陰にして冷却効率を高めている。実際そういう行動を取る。いずれにしても確たる理由は不明。
シマウマはスカイランドにも似た品種がいるらしくシマシマウマと呼ばれている。ただし青と白。ツバサが保護色になると解説。なお、シマウマの縞は虫除け説が現在では有力。スカイランドの動物のバッタモン感。
エルが動物たちに呼びかけると一斉に寄ってきます。それぞれの名前を呼ぶと芸を披露。ビーストテイマーかよ。こちらの世界の動物は赤ちゃんが好きなの? その可能性もあるけどエルちゃんは本当に動物とお話ができるのでは? ソラとましろがそんな話をしていると、ツバサが是非話してみたい動物がいると言います。
ライオン。現在お昼寝中。起きてる方が珍しくない?とあげは。夜行性なので。起きたので早速エルに通訳を頼みます。寝たいから静かにしろと怒っている。ごもっとも。
昼食タイム。
エルが動物の言葉を理解していることはほぼ確定。これからもっと色んな力を使えるようになるんでしょうか? その疑問にあげはが頷きます。ただでさえプリキュアにしたり、不思議な力を持っているのだからありえる。空を飛べたり、力持ちになったり、目からビーム出したり。それプリキュアやん。ハイパースゴスギ赤ちゃんじゃん。
今からでも英才教育をするべきでは? ご飯にもっとこだわるべきかも!? ならばスカイランド神拳を伝授するかと構えるソラ。その設定まだ生きてたんだな。てか君師範代なの?
そんな感じで盛り上がる一同にブレーキをかけるあげは。意見を求められると「わかんない」と一蹴。プリンセスや運命の子でなくても世間一般のパパさんやママさんは悩んでいることだし、と保育士らしい意見。例えば絵本は何を読めばいい? ご飯は何を食べさせたらいい? 習い事は? そんな風にいい大人になって欲しくて悩みながら育てている。食事の手が止まっていることに気づいたエルが痛いの?と訊ねます。痛いの痛いの飛んでけ~。そう呪文を唱える彼女を見てつかえていたものが取れる一同。安心したエルは食事を再開。定期的にエルによって悩みが緩和されるエピソードが入りますね。プリキュアは子ども向けアニメであると同時に親子向けでもあるので、親と子の二人三脚も重要な要素。
森深くで準備運動に勤しむ新幹部。出勤の時間。
②兄弟と家族
小動物とのふれあいコーナー。エルでなくてもみんなほっこり。
不穏な気配を敏感に感じとる動物たち。異変を察した一同が園の外に出ると新幹部が待ち構えています。
何者かと問うとミノトンと名乗る新幹部。カバトンと名前が似ているけどお兄さん?とましろが訊ねると逆鱗に触れます。下品で下劣な愚か者と一緒にするな。怒られて怯むましろ可愛い。意地汚いわ、オナラで戦うわ、武人の風上にもおけん!とご立腹。兄弟で間違いなさそう。ミノトンは自称最強とのことなのでカバトンからすると目の上のたんこぶ。捻くれた感があるのもそういうことなんでしょう。
ランボーグ召喚。こちらも変身して対抗。
向かってきたランボーグにプリズムが光弾を放つと噛み砕かれます。自身と自身が生み出したランボーグを誇るミノトン。パッドで検索したウィングがソラシノサウルスのモデルがティラノサウルスと知って警戒。顎がすごく強い。バリアをいとも簡単に噛み砕きながら向かって来る姿にバタフライも怖すぎるんですけどっ!と同意。
顎が厄介なら身体を狙う。ポジションチェンジ。スカイが接近すると今度は火を吹いてきます。恐竜関係ねぇ。注意が逸れたランボーグを側面から攻撃。ところが跳躍すると上からのしかかってきます。見た目に反して機敏。
戦闘の衝撃で小屋から逃げ出したウサギが現場に迷い込んでしまいます。それをエルが発見し保護。
プリキュアとランボーグがそれを目撃すると同時にエルの元へ。ウサギを抱きしめながら「おうちかえろ」と叫ぶエル。その言葉に聞き覚え。1話でソラがエルに言った言葉。全員で防御態勢。しかし何故かミノトンが割って入るとランボーグを投げ飛ばしてしまいます。
武人と自称しているだけあって、赤子への直接攻撃はご法度。エルを捕獲するのはプリキュアを倒した後でいい。ミノトンの目的はツワモノと戦うこと。戦闘再開。ランボーグも再び差し向けます。自分で戦えよ、と突っ込んではいけない。
こちらも学習しているので攻め方を変えます。
足元にバリアを展開して足止め。スカイにパワーを付与。後ろに回り込み、尻尾を掴んで投げ飛ばすと久々のピヨちゃんアタックでトドメ。実戦テストは申し分なしとばかりに満足して撤退するミノトン。
先ほどのエルの言葉をあげはに説明。
危ないことは真似してほしくないと苦笑するソラ。近くでウサギを怖がる女の子にエルが餌を渡します。それをウサギが食べると女の子はすっかりご機嫌。なかよち。その言葉に自分が描いた絵本のことを思い出すましろ。前はこんな風に譲ったりできなかったのに…と成長を見て涙ぐむツバサ。いつの間にか色んなことをたくさん受け取っていたことに気づく一同。
「これでいいのかなっていう不安や悩みはこれからもずっと続いていくんだよね」
でもエルちゃんは今優しく育っている。だから今はこれでいいのかな。ましろの言葉に頷く一同。僕たちなりの答えをみんなで考えていきましょう。
③次回予告
キュアピーチ登場しないなーと思ってたらPeach航空とコラボ回。
S☆Sは初代と5に挟まれて微妙な立ち位置感あるよね。
○トピック
コラボ自体は3月に発表されて、それ用のエピソードも準備しているとコメントされていました。
親あるあるエピソード。
特別な存在であることが示唆されたエルを「うちの子凄くない!?」に見立てて一般化。この辺は親子向けアニメであるプリキュアの面目躍如。前回「家族」と再定義したことも相まってこういったエピソードが自然に組み込まれています。
アニメージュ8月号の小川監督インタビューで、本作はメッセージ性よりも登場人物の感情をベースにした作品作りにしていると語られています。一応ヒーローがテーマではありますがソラの言動を見てわかるように感情、言ってしまえば経験がモノを言う展開になっています。ソラが再起を図れたのもひとえにましろとの関係があってこそなわけで、下地がなければ何も生まれない。エルとの関係も同じで今回に限らず彼女に教えられることも多い。子は親の鏡とも言うようにソラたちが自分を客観視し、引き締める役割にもなっている。
シリーズ的に子育てごっこは定番ですくすくと成長したり、プリキュアになったりと商品展開に引っ張られることも多いですが、本作は子育てを通じてソラたちの意識変化を描いているのが特徴ですね。最初は赤ちゃんの保護者として、しゃべれるようになってくると励まされ、そして今では自分を映す鏡となり様々なコミュニケーションを可能にしています。それが彼女たちにより多くの、より深い悩みをもたらしてもいますが、同時にそこから学び取るものも多い。人間の教師になれるのは人間だけだからね。
ソラシド市とスカイランド、人間(鳥族込み)と運命の子というように垣根がある本作ですが、対等な立場で相手を尊重するスタンスが貫かれているのでエルが本来の姿を見せたときも彼女たちならやるべきことをやれるだろうという信頼感があります。逆にエルもまた自身の経験を通じて行うでしょう。
新幹部は意外にも正攻法を好む敵。これがどうヒーロー道を阻む障害となるのか。物語はいよいよ中盤戦。
①うちの子凄い!
今までどおり虹ヶ丘家で生活するエルちゃん。
美味しそうに朝食を食べる彼女を陰からこっそり覗くましろ。お出かけの準備をしていたソラに相談を持ちかけます。エルは運命の子。普通のご飯でいいのだろうか? ああ、今回そういう回ね。以前スカイランドから戻ってきた直後のフォローをしたように、エルが特別だと知った後のフォローと。本作はこういう順序立て、過程が細かい。
豪華な食事をイメージするましろ。消化できなさそう。実際エルが好きなのはおにぎりとバナナ。それを言い出すと服だってソラの弟のお下がりを持ってきているけど、豪華なドレスを着せるべきでは?と疑問が尽きません。そこにアメフトの格好をしたツバサが登場。お前もこじらせてんな。
あげはがエルを連れてやってくると、3人でアメフト部。なんで人数分あるんだよ。プリキュアに変身できること忘れてそう。
OPで新幹部お披露目。
車でお出かけ。
考えすぎ、と受け流すあげは。本人は今までと変わらない。今回彼女たちが向かった先はソラシド自然公園。
入り口で待ち構えていたのはマスコットのソラシノサウルス。ソラ吾郎には夢中になったエルもこちらは大きすぎるのか及び腰。怖がる彼女に動物がたくさんいるよ、と話しかけて気を逸します。流石あげは慣れている。実物を見れるとあって期待するツバサ。ソラはお弁当に期待。それぞれモチベーションを上げて入場。
もはや定番感のあるカピバラ。げっ歯類最大のネズミ。
エルに近づくと何言か鳴きます。するとごはん?と聞き返すエル。周囲を見渡すと餌コーナーがあって与えることができる。客に餌くれって催促するのはいいとして、それをエルがわかったことに疑問を抱くましろ。そんな疑問をよそにカピバラに餌を与えてご機嫌なエル。
続いて大型獣コーナー。ゾウを初めて見たソラは興味津々。図鑑で知っているツバサが解説。次にキリンを見たソラは首が長い馬だと勘違い。これも解説するツバサ。高所の葉っぱを食べるために進化したとよく言われますが、この説は現在では下火のようです。葉っぱを食べる高さが首の長さとあまり一致しないらしい。代案として性選択説(メスを獲得するための選択圧説)もありますが、体温調節説もあります。後者は太陽に向かって顔を向けることで首を日陰にして冷却効率を高めている。実際そういう行動を取る。いずれにしても確たる理由は不明。
シマウマはスカイランドにも似た品種がいるらしくシマシマウマと呼ばれている。ただし青と白。ツバサが保護色になると解説。なお、シマウマの縞は虫除け説が現在では有力。スカイランドの動物のバッタモン感。
エルが動物たちに呼びかけると一斉に寄ってきます。それぞれの名前を呼ぶと芸を披露。ビーストテイマーかよ。こちらの世界の動物は赤ちゃんが好きなの? その可能性もあるけどエルちゃんは本当に動物とお話ができるのでは? ソラとましろがそんな話をしていると、ツバサが是非話してみたい動物がいると言います。
ライオン。現在お昼寝中。起きてる方が珍しくない?とあげは。夜行性なので。起きたので早速エルに通訳を頼みます。寝たいから静かにしろと怒っている。ごもっとも。
昼食タイム。
エルが動物の言葉を理解していることはほぼ確定。これからもっと色んな力を使えるようになるんでしょうか? その疑問にあげはが頷きます。ただでさえプリキュアにしたり、不思議な力を持っているのだからありえる。空を飛べたり、力持ちになったり、目からビーム出したり。それプリキュアやん。ハイパースゴスギ赤ちゃんじゃん。
今からでも英才教育をするべきでは? ご飯にもっとこだわるべきかも!? ならばスカイランド神拳を伝授するかと構えるソラ。その設定まだ生きてたんだな。てか君師範代なの?
そんな感じで盛り上がる一同にブレーキをかけるあげは。意見を求められると「わかんない」と一蹴。プリンセスや運命の子でなくても世間一般のパパさんやママさんは悩んでいることだし、と保育士らしい意見。例えば絵本は何を読めばいい? ご飯は何を食べさせたらいい? 習い事は? そんな風にいい大人になって欲しくて悩みながら育てている。食事の手が止まっていることに気づいたエルが痛いの?と訊ねます。痛いの痛いの飛んでけ~。そう呪文を唱える彼女を見てつかえていたものが取れる一同。安心したエルは食事を再開。定期的にエルによって悩みが緩和されるエピソードが入りますね。プリキュアは子ども向けアニメであると同時に親子向けでもあるので、親と子の二人三脚も重要な要素。
森深くで準備運動に勤しむ新幹部。出勤の時間。
②兄弟と家族
小動物とのふれあいコーナー。エルでなくてもみんなほっこり。
不穏な気配を敏感に感じとる動物たち。異変を察した一同が園の外に出ると新幹部が待ち構えています。
何者かと問うとミノトンと名乗る新幹部。カバトンと名前が似ているけどお兄さん?とましろが訊ねると逆鱗に触れます。下品で下劣な愚か者と一緒にするな。怒られて怯むましろ可愛い。意地汚いわ、オナラで戦うわ、武人の風上にもおけん!とご立腹。兄弟で間違いなさそう。ミノトンは自称最強とのことなのでカバトンからすると目の上のたんこぶ。捻くれた感があるのもそういうことなんでしょう。
ランボーグ召喚。こちらも変身して対抗。
向かってきたランボーグにプリズムが光弾を放つと噛み砕かれます。自身と自身が生み出したランボーグを誇るミノトン。パッドで検索したウィングがソラシノサウルスのモデルがティラノサウルスと知って警戒。顎がすごく強い。バリアをいとも簡単に噛み砕きながら向かって来る姿にバタフライも怖すぎるんですけどっ!と同意。
顎が厄介なら身体を狙う。ポジションチェンジ。スカイが接近すると今度は火を吹いてきます。恐竜関係ねぇ。注意が逸れたランボーグを側面から攻撃。ところが跳躍すると上からのしかかってきます。見た目に反して機敏。
戦闘の衝撃で小屋から逃げ出したウサギが現場に迷い込んでしまいます。それをエルが発見し保護。
プリキュアとランボーグがそれを目撃すると同時にエルの元へ。ウサギを抱きしめながら「おうちかえろ」と叫ぶエル。その言葉に聞き覚え。1話でソラがエルに言った言葉。全員で防御態勢。しかし何故かミノトンが割って入るとランボーグを投げ飛ばしてしまいます。
武人と自称しているだけあって、赤子への直接攻撃はご法度。エルを捕獲するのはプリキュアを倒した後でいい。ミノトンの目的はツワモノと戦うこと。戦闘再開。ランボーグも再び差し向けます。自分で戦えよ、と突っ込んではいけない。
こちらも学習しているので攻め方を変えます。
足元にバリアを展開して足止め。スカイにパワーを付与。後ろに回り込み、尻尾を掴んで投げ飛ばすと久々のピヨちゃんアタックでトドメ。実戦テストは申し分なしとばかりに満足して撤退するミノトン。
先ほどのエルの言葉をあげはに説明。
危ないことは真似してほしくないと苦笑するソラ。近くでウサギを怖がる女の子にエルが餌を渡します。それをウサギが食べると女の子はすっかりご機嫌。なかよち。その言葉に自分が描いた絵本のことを思い出すましろ。前はこんな風に譲ったりできなかったのに…と成長を見て涙ぐむツバサ。いつの間にか色んなことをたくさん受け取っていたことに気づく一同。
「これでいいのかなっていう不安や悩みはこれからもずっと続いていくんだよね」
でもエルちゃんは今優しく育っている。だから今はこれでいいのかな。ましろの言葉に頷く一同。僕たちなりの答えをみんなで考えていきましょう。
③次回予告
キュアピーチ登場しないなーと思ってたらPeach航空とコラボ回。
S☆Sは初代と5に挟まれて微妙な立ち位置感あるよね。
○トピック
コラボ自体は3月に発表されて、それ用のエピソードも準備しているとコメントされていました。
親あるあるエピソード。
特別な存在であることが示唆されたエルを「うちの子凄くない!?」に見立てて一般化。この辺は親子向けアニメであるプリキュアの面目躍如。前回「家族」と再定義したことも相まってこういったエピソードが自然に組み込まれています。
アニメージュ8月号の小川監督インタビューで、本作はメッセージ性よりも登場人物の感情をベースにした作品作りにしていると語られています。一応ヒーローがテーマではありますがソラの言動を見てわかるように感情、言ってしまえば経験がモノを言う展開になっています。ソラが再起を図れたのもひとえにましろとの関係があってこそなわけで、下地がなければ何も生まれない。エルとの関係も同じで今回に限らず彼女に教えられることも多い。子は親の鏡とも言うようにソラたちが自分を客観視し、引き締める役割にもなっている。
シリーズ的に子育てごっこは定番ですくすくと成長したり、プリキュアになったりと商品展開に引っ張られることも多いですが、本作は子育てを通じてソラたちの意識変化を描いているのが特徴ですね。最初は赤ちゃんの保護者として、しゃべれるようになってくると励まされ、そして今では自分を映す鏡となり様々なコミュニケーションを可能にしています。それが彼女たちにより多くの、より深い悩みをもたらしてもいますが、同時にそこから学び取るものも多い。人間の教師になれるのは人間だけだからね。
ソラシド市とスカイランド、人間(鳥族込み)と運命の子というように垣根がある本作ですが、対等な立場で相手を尊重するスタンスが貫かれているのでエルが本来の姿を見せたときも彼女たちならやるべきことをやれるだろうという信頼感があります。逆にエルもまた自身の経験を通じて行うでしょう。
新幹部は意外にも正攻法を好む敵。これがどうヒーロー道を阻む障害となるのか。物語はいよいよ中盤戦。
第24話「輝く一番星☆エルちゃんの秘密」
○今週のヒーロー
①スカイランドへの帰還(2回目)
キラキラポーションの完成。1クール目もそうだけどお婆ちゃんが何か作ると移動する。絶対この人調整してるだろ。
シャララの看病をしていたソラに完成を伝えると大喜び。シャララの様態も悪くなさそうで一緒に帰還。
到着すると早速アリリ副隊長たちが迎えます。
ベリィベリーに労われたソラはましろとツバサの手を掴みながらみんなの力だと答えます。基本ソラはいつも明るいのでパッと見は変わりませんが、それでも何かしらの心境の変化があったことを察したかもしれません。ベリィベリーはあっちとこっちの窓口になってる感ありますね。こういうのはやはり同年代がわかりやすい。
ポーションを使うとあっという間に快復。
お婆ちゃんが軽く経緯を説明。これはアレですね、諸々のことはハイパースゴスギレジェンド名誉博学者のヨヨが担当したのでその辺よろしく、というアピールですね。これでまた虹ヶ丘家と王宮との間に太いパイプが。
両親と再会したエルはパパ、ママと呼びます。彼女の成長を喜ぶ国王夫妻。この2人からすると知らない間にいつの間にか成長している。親としては呆気ないというべきか手間が省けたというべきか。そんな親子の姿に家族みんな一緒が一番だと頷くましろ。当然これはエルが再び(本来的に)スカイランドに戻ることを含意したセリフでしょう。後ろ髪を引かれるような未練がないのは本作の清々しいところ。それはそれとして君の家庭フラグになってたりする?
国王夫妻が目覚めたことが城下に知れ渡るとお祭りムード。いっつもお祝いしてるな、この国。
プリキュアの活躍が国中に知れ渡りヒーロー扱い。ツバサの両親、そしてソラの家族もこのことを知って安心&大喜び。この2人はこっちが故郷なので親が子の動向を知っている描写を適宜入れておくと憂いがない。
アリリたちがやってくると、人気沸騰中のヒーローを見たいという声に応えパレードを行うことになったと伝えます。凱旋パレード?と食い気味に飛びつくあげは。凱旋では恒例らしく「あの子たち」に乗ってもらうと簡単に説明されます。
いわゆるチョコボ。シャララとかが乗ってた鳥。
その姿に圧倒されるましろ。あげははテンションアゲアゲ。昔ダチョウを目の前で見たことあるけど、腰の高さよりデカい動物って本能的な恐怖感抱くよね。大型特有の威圧感というか。スカイランドでは子どもでも乗ってると説明されても半信半疑のましろ。
あげはが早速チャレンジ。声をかけるとすっとしゃがんで騎乗を促してくれます。すんなり乗りこなすあげは。ツバサが先導。こういうのは変に構えると逆にあぶないので、動物側の胸を借りる感じの方が良い。目の前で実践されてもなお不安顔のましろ。
ソラがコツをレクチャー。例によって何の参考にもならない。この子、先生にはまったく向いてない。お手本を見せますが先に行ってしまったのでベリィベリーが講師役に。チョコボ(仮)を睨みつけると緊張が伝わってしまい近づこうとしても避けられてしまいます。これは時間がかかりそうだ……と立ち尽くすベリィベリー。全国でましろに乗られたいと思っている視聴者が大量発生していると容易に想像できる。しょーがねーな、体育館の裏で誰が馬になるか決めようか?
気づけば城から離れた場所まで出てきてしまったソラ。シャララが声をかけると2人きりに。
ソラが身体を気遣うと快復したことをアピール。これまでどおり彼女を慕うソラですが、すでに彼女の手を離れている。それに気づいているシャララは君を変えたのは私だけじゃないだろう?と視線で促します。その先にはベリィベリーに補助してもらいながらもチョコボ(仮)に乗ったましろの姿。やったよ~と手を振って合図。それにソラが応えるとシャララは言葉を継ぎます。
「友との出会いが世界を広げ新たな自分に出会わせてくれる。そうだろう?」
それに気持ちよく応えるソラ。他者から刺激を受けて新しい自分を発見する。これはましろも同じ。本作の基調になっている部分。そしてこれはソラが1人で立って歩けるようになったことの証でもある。
王宮ではエルがお絵かき。
自分たちの似顔絵に国王夫妻はほっこり。しかしピヨちゃんはブーブーと言われてもピンときません。お婆ちゃんの似顔絵。今ではすっかり自分の家となった虹ヶ丘宅。これには夫妻も苦笑い。リアルタイムで計算するならエルは1歳半くらいで、その半年はソラシド市に住んでいるのでほぼ日本人の感性。プリキュアの絵も。すっくと立ち上がるとプリキュアの真似をします。するとエルの胸から星の煌めきが発生。今の光に心当たりがある夫妻。あのときと同じ光。
みんなでピクニック。
ボールドーナツと見た目がそっくりなドールボーナツ。紛らわしいアナグラムに目が回るましろ。今回の彼女はカルチャーショック受ける役。これが普通と話すソラとツバサの様子に改めて別の世界の住人なのだと感じ入ります。前回来たときはソラがすぐに護衛隊に入隊してイベントが進んだので異世界ギャップを感じる暇がありませんでした。絵本に出てくるようなお城、不思議な鳥、不思議なドーナツ、みんなとの出会い。
「この奇跡がずっと続くといいなぁ」
当然このセリフもみんなと別れることが含意されているはずです。明言されていませんがソラは護衛隊に復員、ツバサはお世話係に戻る。ソラシド市に滞在していたのはあくまで国王夫妻の呪いを解くための一時しのぎ。メタ的に言えば新たな言い訳を捻り出す必要がある。前回の手紙にもあったようにましろはソラたちと別れて暮らすことに未練はありません。そこの線引きは本当にしっかりしている。でも今を惜しむ気持ちも確かで、それを素直に口にするましろはやはり落ち着いた子なのだと思わせます。声に出さないもののそれは他の3人も同じ。
アリリ副隊長がやってくると国王夫妻からお呼びがかかります。
②そして再び旅立ち
謁見の間で正式に謝辞を受けます。
続けて大事な願いを聞いて欲しいと依頼されます。エルを連れて戻って欲しい。意外な言葉に目を丸くする一同。本音を言えばエルを手放したくはない。けどこの子は「運命の子」なのだと話す国王。
あれは1年前…と経緯を話す王妃。夕暮れの空を見上げていると星が輝き、エルが出現。実子じゃなかったのか。確かに「プリンセス・エル」って呼んでたの不自然ではあったし、超能力を平然と使えているのも不思議ではあったけど。よくよく考えるとスカイジュエルを応用した技術はあっても魔法的なものを直接使ってる人いなかったしなぁ。エルが異端なのだと言えば整合が取れる。
夫妻の疑問に応えるように一番星(EDクレジットもこの表記)が「運命の子」と告げます。さらっとスカイランドが滅びの運命にあると言い放ちます。あなた達の手で育てろ。ただしそう遠くない未来に旅たちの知らせが届く。あなたたちはそれまでの間面倒を見るだけの仮初めの親。それでもよければこの子の手を取りなさい。とんでもねー無茶振りだな。新手の赤ちゃん放置事件かと思うほど無責任で意味不明。といって一番星から見れば最も警備が固い(なお1話)のは国王になるんだろうけど。断ったら? 他の適任者を探す。わりとあっさりしてるな、この一番星。
シンキングタイム。その子を抱かせてくださいと手を差し出す王妃。赤子の寝顔を温もりを感じ取ります。目を覚ました赤子の手を包み込むように握る国王。発した言葉からエルと名付けると自分たちで育てることに決めます。
先ほどのやり取りでエルが光を出したのはそのサイン。たった1年とはいえ自分たちの子として育てた国王夫妻は別れに涙を零します。エルが2人を慰めると感嘆するとともに腹を括ります。このようにエルを育てたのはプリキュアたち。それなら託せる。
「そうね、きっと大丈夫。ここを離れてもあなたには守ってくれる暖かな家、家族がいるんだもの」
その言葉にましろの中で昨日までの光景が浮かびます。今週はましろの視点強め。このままお別れしたとしてもソラとツバサはそれぞれ新しいポジション、夢の実現といったステップアップになりますが、ましろは家に帰れば空白が出来てしまうので喪失感が一番強い。かといってこのままみんなでとんぼ返りしてもそれは今までどおりの環境が継続するだけのこと。成り行きが継続するにすぎない。だからこそ「家族」としてアップデートする意図があるのだと思われます。先ほど彼女が呟いた「奇跡」に「家族」という名を付けることで現実にしているわけですね。メタ的には後々ましろの親エピソードが控えていると思われるのでその下準備にもなりそうです。
依然としてアンダーグ帝国の脅威は存在する。そのことを詫ながらもプリンセス・エルを守って欲しいと依頼する国王。いの一番にソラが引き受けます。なお、このあたりで今週あのパターンかと思い至ります。
凱旋パレード開催。
シャララが直々に先導を務めます。しかしこれが最後。
「君は君のヒーローを目指せ。大切な仲間とともに」
実質的に卒業、独り立ちを促されます。それに応えると、ソラは持っていたペンダントを返します。これがなくてもまた会えますよね。頷くとスカイランドは私が守ると責任を負います。いつでも君たちを支えよう。師匠・弟子、ヒーローと憧れている子から対等の立場に。
門を出て出発。補助がなくてもなんとか乗りこなすましろ。しかしパレードが始まる前に雲行きが怪しくなってきます。いじわる雲と説明するツバサ。急な夕立みたいなものか。せっかくのお祝いが…と落胆する国民。ああ、間違いない。このパターンは敵が出ないやつ。ファーストシューズ回に続いて2回目。
プリキュアの登場に湧く民衆。いじわる雲もプリキュアの力を使えば解決。スカイとプリズムで雲を除去。パレットでウィングに力を付与するとエルの似顔絵を空に描画。国民もエルも大喜び。手を叩いて笑うエルに運命が一回りしたらパパとママのもとに帰ってくるんだよ、と話す国王夫妻。
奇跡みたいな出会いでも運命で繋がって、家族みたいに同じ時を過ごしてる。今だけじゃなくこれからも。ヒーローの物語は次のステージへ。
③次回予告
まだ慌てるような時間じゃない(緑に囲まれた風景を見つめながら)。
○トピック
敵が出ないエピソードって雰囲気が結構変わるよね。
インターミッション回。
身も蓋もなく言ってしまえばエルをどうやってソラシド市に滞在させる言い訳を作るか。他作品だと国が滅びて亡命するパターンが定番ですが、今作は一番星が仕事を投げてくるという全く予想外の手。アンダーグ帝国といい謎の天界人が存在しているのか、あの世界。お婆ちゃんが話していた神話関連でしょうが、魔法つかいのように神話を絡めて世界創生の話をやったりするのかもしれない。
そんなメタ的な言い訳作りは置くとして、ソラとましろそれぞれに意識の変化(リマインド)を行っているのが今回のポイント。
シャララはソラ関連の重要人物でしたが前回のエピソードを経てソラが独り立ちしているのでお役御免。今のソラは経験的にも精神的にもシャララをヒーローの手本にする必要がなくなっています。護衛隊はヒーローとしてシャララに近づくためのものであったので、独自のヒーロー道を模索するのであれば在籍の必要もない。最終的な復員は別として綺麗に整理されています。
意外だったのはましろのリマインド。単にこれまでの生活が継続するに留まらず、家族として新たな営みをリスタートさせる意味合いが強い。これはエルが国王夫妻の実子ではないことの補償も入っている(でないとエルがたらい回しのような格好になる)とは思いますが、明文化することでメリハリ・ケジメにもなっていますね。14話のときは偶然の意識がまだ強いものでしたが、今回「運命の子」と強調されているように彼女たちの体験は必然性を持ったものとして意識化されています。ましろの受動的なメンタルを補強する要素にもなっていますね。
ソラがみんなの力を借りて再びヒーローを目指したこと、これまで一緒に暮らしてきたことの実績として、これから暮らすことの心構えとして家族と名付けるのはわかりやすい。レベルアップ(ステップアップ)はRPGの基本。中盤戦がどうなるのか楽しみですね。
①スカイランドへの帰還(2回目)
キラキラポーションの完成。1クール目もそうだけどお婆ちゃんが何か作ると移動する。絶対この人調整してるだろ。
シャララの看病をしていたソラに完成を伝えると大喜び。シャララの様態も悪くなさそうで一緒に帰還。
到着すると早速アリリ副隊長たちが迎えます。
ベリィベリーに労われたソラはましろとツバサの手を掴みながらみんなの力だと答えます。基本ソラはいつも明るいのでパッと見は変わりませんが、それでも何かしらの心境の変化があったことを察したかもしれません。ベリィベリーはあっちとこっちの窓口になってる感ありますね。こういうのはやはり同年代がわかりやすい。
ポーションを使うとあっという間に快復。
お婆ちゃんが軽く経緯を説明。これはアレですね、諸々のことはハイパースゴスギレジェンド名誉博学者のヨヨが担当したのでその辺よろしく、というアピールですね。これでまた虹ヶ丘家と王宮との間に太いパイプが。
両親と再会したエルはパパ、ママと呼びます。彼女の成長を喜ぶ国王夫妻。この2人からすると知らない間にいつの間にか成長している。親としては呆気ないというべきか手間が省けたというべきか。そんな親子の姿に家族みんな一緒が一番だと頷くましろ。当然これはエルが再び(本来的に)スカイランドに戻ることを含意したセリフでしょう。後ろ髪を引かれるような未練がないのは本作の清々しいところ。それはそれとして君の家庭フラグになってたりする?
国王夫妻が目覚めたことが城下に知れ渡るとお祭りムード。いっつもお祝いしてるな、この国。
プリキュアの活躍が国中に知れ渡りヒーロー扱い。ツバサの両親、そしてソラの家族もこのことを知って安心&大喜び。この2人はこっちが故郷なので親が子の動向を知っている描写を適宜入れておくと憂いがない。
アリリたちがやってくると、人気沸騰中のヒーローを見たいという声に応えパレードを行うことになったと伝えます。凱旋パレード?と食い気味に飛びつくあげは。凱旋では恒例らしく「あの子たち」に乗ってもらうと簡単に説明されます。
いわゆるチョコボ。シャララとかが乗ってた鳥。
その姿に圧倒されるましろ。あげははテンションアゲアゲ。昔ダチョウを目の前で見たことあるけど、腰の高さよりデカい動物って本能的な恐怖感抱くよね。大型特有の威圧感というか。スカイランドでは子どもでも乗ってると説明されても半信半疑のましろ。
あげはが早速チャレンジ。声をかけるとすっとしゃがんで騎乗を促してくれます。すんなり乗りこなすあげは。ツバサが先導。こういうのは変に構えると逆にあぶないので、動物側の胸を借りる感じの方が良い。目の前で実践されてもなお不安顔のましろ。
ソラがコツをレクチャー。例によって何の参考にもならない。この子、先生にはまったく向いてない。お手本を見せますが先に行ってしまったのでベリィベリーが講師役に。チョコボ(仮)を睨みつけると緊張が伝わってしまい近づこうとしても避けられてしまいます。これは時間がかかりそうだ……と立ち尽くすベリィベリー。全国でましろに乗られたいと思っている視聴者が大量発生していると容易に想像できる。しょーがねーな、体育館の裏で誰が馬になるか決めようか?
気づけば城から離れた場所まで出てきてしまったソラ。シャララが声をかけると2人きりに。
ソラが身体を気遣うと快復したことをアピール。これまでどおり彼女を慕うソラですが、すでに彼女の手を離れている。それに気づいているシャララは君を変えたのは私だけじゃないだろう?と視線で促します。その先にはベリィベリーに補助してもらいながらもチョコボ(仮)に乗ったましろの姿。やったよ~と手を振って合図。それにソラが応えるとシャララは言葉を継ぎます。
「友との出会いが世界を広げ新たな自分に出会わせてくれる。そうだろう?」
それに気持ちよく応えるソラ。他者から刺激を受けて新しい自分を発見する。これはましろも同じ。本作の基調になっている部分。そしてこれはソラが1人で立って歩けるようになったことの証でもある。
王宮ではエルがお絵かき。
自分たちの似顔絵に国王夫妻はほっこり。しかしピヨちゃんはブーブーと言われてもピンときません。お婆ちゃんの似顔絵。今ではすっかり自分の家となった虹ヶ丘宅。これには夫妻も苦笑い。リアルタイムで計算するならエルは1歳半くらいで、その半年はソラシド市に住んでいるのでほぼ日本人の感性。プリキュアの絵も。すっくと立ち上がるとプリキュアの真似をします。するとエルの胸から星の煌めきが発生。今の光に心当たりがある夫妻。あのときと同じ光。
みんなでピクニック。
ボールドーナツと見た目がそっくりなドールボーナツ。紛らわしいアナグラムに目が回るましろ。今回の彼女はカルチャーショック受ける役。これが普通と話すソラとツバサの様子に改めて別の世界の住人なのだと感じ入ります。前回来たときはソラがすぐに護衛隊に入隊してイベントが進んだので異世界ギャップを感じる暇がありませんでした。絵本に出てくるようなお城、不思議な鳥、不思議なドーナツ、みんなとの出会い。
「この奇跡がずっと続くといいなぁ」
当然このセリフもみんなと別れることが含意されているはずです。明言されていませんがソラは護衛隊に復員、ツバサはお世話係に戻る。ソラシド市に滞在していたのはあくまで国王夫妻の呪いを解くための一時しのぎ。メタ的に言えば新たな言い訳を捻り出す必要がある。前回の手紙にもあったようにましろはソラたちと別れて暮らすことに未練はありません。そこの線引きは本当にしっかりしている。でも今を惜しむ気持ちも確かで、それを素直に口にするましろはやはり落ち着いた子なのだと思わせます。声に出さないもののそれは他の3人も同じ。
アリリ副隊長がやってくると国王夫妻からお呼びがかかります。
②そして再び旅立ち
謁見の間で正式に謝辞を受けます。
続けて大事な願いを聞いて欲しいと依頼されます。エルを連れて戻って欲しい。意外な言葉に目を丸くする一同。本音を言えばエルを手放したくはない。けどこの子は「運命の子」なのだと話す国王。
あれは1年前…と経緯を話す王妃。夕暮れの空を見上げていると星が輝き、エルが出現。実子じゃなかったのか。確かに「プリンセス・エル」って呼んでたの不自然ではあったし、超能力を平然と使えているのも不思議ではあったけど。よくよく考えるとスカイジュエルを応用した技術はあっても魔法的なものを直接使ってる人いなかったしなぁ。エルが異端なのだと言えば整合が取れる。
夫妻の疑問に応えるように一番星(EDクレジットもこの表記)が「運命の子」と告げます。さらっとスカイランドが滅びの運命にあると言い放ちます。あなた達の手で育てろ。ただしそう遠くない未来に旅たちの知らせが届く。あなたたちはそれまでの間面倒を見るだけの仮初めの親。それでもよければこの子の手を取りなさい。とんでもねー無茶振りだな。新手の赤ちゃん放置事件かと思うほど無責任で意味不明。といって一番星から見れば最も警備が固い(なお1話)のは国王になるんだろうけど。断ったら? 他の適任者を探す。わりとあっさりしてるな、この一番星。
シンキングタイム。その子を抱かせてくださいと手を差し出す王妃。赤子の寝顔を温もりを感じ取ります。目を覚ました赤子の手を包み込むように握る国王。発した言葉からエルと名付けると自分たちで育てることに決めます。
先ほどのやり取りでエルが光を出したのはそのサイン。たった1年とはいえ自分たちの子として育てた国王夫妻は別れに涙を零します。エルが2人を慰めると感嘆するとともに腹を括ります。このようにエルを育てたのはプリキュアたち。それなら託せる。
「そうね、きっと大丈夫。ここを離れてもあなたには守ってくれる暖かな家、家族がいるんだもの」
その言葉にましろの中で昨日までの光景が浮かびます。今週はましろの視点強め。このままお別れしたとしてもソラとツバサはそれぞれ新しいポジション、夢の実現といったステップアップになりますが、ましろは家に帰れば空白が出来てしまうので喪失感が一番強い。かといってこのままみんなでとんぼ返りしてもそれは今までどおりの環境が継続するだけのこと。成り行きが継続するにすぎない。だからこそ「家族」としてアップデートする意図があるのだと思われます。先ほど彼女が呟いた「奇跡」に「家族」という名を付けることで現実にしているわけですね。メタ的には後々ましろの親エピソードが控えていると思われるのでその下準備にもなりそうです。
依然としてアンダーグ帝国の脅威は存在する。そのことを詫ながらもプリンセス・エルを守って欲しいと依頼する国王。いの一番にソラが引き受けます。なお、このあたりで今週あのパターンかと思い至ります。
凱旋パレード開催。
シャララが直々に先導を務めます。しかしこれが最後。
「君は君のヒーローを目指せ。大切な仲間とともに」
実質的に卒業、独り立ちを促されます。それに応えると、ソラは持っていたペンダントを返します。これがなくてもまた会えますよね。頷くとスカイランドは私が守ると責任を負います。いつでも君たちを支えよう。師匠・弟子、ヒーローと憧れている子から対等の立場に。
門を出て出発。補助がなくてもなんとか乗りこなすましろ。しかしパレードが始まる前に雲行きが怪しくなってきます。いじわる雲と説明するツバサ。急な夕立みたいなものか。せっかくのお祝いが…と落胆する国民。ああ、間違いない。このパターンは敵が出ないやつ。ファーストシューズ回に続いて2回目。
プリキュアの登場に湧く民衆。いじわる雲もプリキュアの力を使えば解決。スカイとプリズムで雲を除去。パレットでウィングに力を付与するとエルの似顔絵を空に描画。国民もエルも大喜び。手を叩いて笑うエルに運命が一回りしたらパパとママのもとに帰ってくるんだよ、と話す国王夫妻。
奇跡みたいな出会いでも運命で繋がって、家族みたいに同じ時を過ごしてる。今だけじゃなくこれからも。ヒーローの物語は次のステージへ。
③次回予告
まだ慌てるような時間じゃない(緑に囲まれた風景を見つめながら)。
○トピック
敵が出ないエピソードって雰囲気が結構変わるよね。
インターミッション回。
身も蓋もなく言ってしまえばエルをどうやってソラシド市に滞在させる言い訳を作るか。他作品だと国が滅びて亡命するパターンが定番ですが、今作は一番星が仕事を投げてくるという全く予想外の手。アンダーグ帝国といい謎の天界人が存在しているのか、あの世界。お婆ちゃんが話していた神話関連でしょうが、魔法つかいのように神話を絡めて世界創生の話をやったりするのかもしれない。
そんなメタ的な言い訳作りは置くとして、ソラとましろそれぞれに意識の変化(リマインド)を行っているのが今回のポイント。
シャララはソラ関連の重要人物でしたが前回のエピソードを経てソラが独り立ちしているのでお役御免。今のソラは経験的にも精神的にもシャララをヒーローの手本にする必要がなくなっています。護衛隊はヒーローとしてシャララに近づくためのものであったので、独自のヒーロー道を模索するのであれば在籍の必要もない。最終的な復員は別として綺麗に整理されています。
意外だったのはましろのリマインド。単にこれまでの生活が継続するに留まらず、家族として新たな営みをリスタートさせる意味合いが強い。これはエルが国王夫妻の実子ではないことの補償も入っている(でないとエルがたらい回しのような格好になる)とは思いますが、明文化することでメリハリ・ケジメにもなっていますね。14話のときは偶然の意識がまだ強いものでしたが、今回「運命の子」と強調されているように彼女たちの体験は必然性を持ったものとして意識化されています。ましろの受動的なメンタルを補強する要素にもなっていますね。
ソラがみんなの力を借りて再びヒーローを目指したこと、これまで一緒に暮らしてきたことの実績として、これから暮らすことの心構えとして家族と名付けるのはわかりやすい。レベルアップ(ステップアップ)はRPGの基本。中盤戦がどうなるのか楽しみですね。
第23話「砕けた夢と、よみがえる力」
○今週のヒーロー
①お役御免です!
平家物語。プリキュアでよくある国語の授業内容でそれとなく示唆するやつ。しかしましろの耳には入ってきません。隣の席は空席。
家に帰ったましろは早速ソラの部屋を訊ねますが……。机には「ヒーローにはなれませんでした さようなら」と書かれた手帳が残されていました。
スカイランドに戻るソラ。重い荷物と沈んだ心を抱えたまま実家の呼び鈴を鳴らします。
出迎えた母親は娘の姿を見てびっくり。王様の呪いを解くために向こうの世界に行ったのでは? それに答えようとしたタイミングで弟が帰って来ます。姉の影響を強く受けたのかマント着用。姉に飛びつくと悪者をやっつけたんだね! 本物のヒーローになったんだね!と再会を喜びます。無邪気さがソラに刺さる。それはそれとしてソラ=青だから弟はレッドでいいかみたいな安直なネーミング嫌いじゃない。ちなみに母はレミ。父はシド。こちらはドレミファソラシド。
娘の帰宅にも驚かず父親が家の中に招き入れます。夕食の時間。お腹の虫が鳴るレッド。確かに姉弟だな。意外なのはソラが父親のことをパパと呼んでいること。てっきりお父さん呼びかと思ってました。
事情説明。
強い敵に立ち向かう勇気も、ヒーローになる夢も、友達が考えてくれた作戦を信じられなくて、失敗するのが怖くて、だからミラージュペンは壊れた。一気にそう話すソラ。普段はおバカに見える彼女ですが現実認識や言語化はちゃんと出来ます。5話のときも同じで何が怖いのか自分でわかっている。わかっていてどうすることもできない、というのが彼女のメンタル。私…ヒーローになれなかった。
両親としては事情を汲み取って話を終わらせようとしますが、レッドが約束したじゃないか!?と噛みつきます。父が制止。今では珍しい一家の大黒柱感。間違ってない。そう呟くレッドに、人が本気で決めたことに口を出すのは間違ったことだときっぱり指摘する父。なるほど、この家の事情は概ね把握。シャララのヒーロー性と父親の実直さをブレンドしたのがソラの世界観。
そのまま奥に引っ込むかと思いきや「お姉ちゃんの弱虫~」と捨て台詞。話を重くしすぎないコメディリリーフありがとうございます。
一方、こちらではスカイランド行く派と行かない派で割れています。
ましろに行かないんですね?と最後の確認をするツバサ。今は独りにしておいた方がいいのでは?と答えるましろに、ツバサは明確に反論。何のための仲間なのか。何のためにプリキュアは4人なんです? なんで一言相談してくれなかったんだ。ソラの行動に憤るツバサ。それは自分たちが信頼されなかったことの裏返し。その苛立ちが彼の足をスカイランドに向けさせている。彼の主張に心当たりがあるのかましろも抗弁しません。ソラと一番近いのは他ならぬ彼女。ただ、彼女の場合ソラと会っても話す言葉が無いのではないかと思われます。引っ張り出す? 叱咤する? 慰める? いずれの言葉もおそらくソラの頭の上を過ぎていく言葉にしかならない。ソラが本気で目指していたヒーローに挫折したのだとしたら、それはもう一言二言でどうにかできるものではない。そのことをましろはよく知っています。
「なりたい私。夢は人を動かすエネルギー。でもその夢を無くしてしまったとき人は何を頼りに前に進めばいいのかしら」
独り言のようにエルに話して聞かせるお婆ちゃん。その答えはお婆ちゃんも知らない。
実家を訊ねるツバサとあげは。今外出中。こんな遅くに? 疑問を投げかける彼の肩に手を置いたあげははここで待たせて欲しいと願い出ます。
ソラと父親は連れ立って湖に。昔のことを思い返すソラ。学校で弱いものいじめをする子たちと大喧嘩して負けて帰った日。流れ星を見た彼女はヒーローになれますように、と願いますが3回言う前に消えてしまいます。肩を落とすとなれるかな?と不安になるソラ。私強くないしケンカ怖いし。ソラが実は結構臆病というのは一貫しています。お前の心はなんて言ってる? ほんとに寡黙だなこの父親。俯いていたソラの目に流れ星。再び空を見上げると大量の流れ星が夜空を埋めています。3回と言わず夢中で何回も叫ぶソラ。このシーンでも手帳が強調されています。
あの星はパパが降らせてくれたの? お前が降らせたんだ、たぶんな。今見あげても星は落ちません。苦しむ娘の頭を父は優しく撫でます。
たとえヒーローになれなくたってソラはソラ。優しくて真っ直ぐで素敵な子。今のソラを受け入れてあげて。あの子には少し時間が必要なの。あげはとツバサにそう話す母。
そう言われれば引き下がるしかない。みんなあなたのことが大好きだ、そう言伝を残して撤収。流れ的に割食ってる感のあるツバサですが、こういうスタンスを見せることそのものに意味があります。仲間意識が強ければ当然出る反応。個人の関係で言えば彼の夢を後押ししたのソラですからね。お前が先に投げ出すのかよ!?ってなる。まあ、ツバサはツバサは自力で飛ぶの辞めてますが。わかっている。けど、(お互いに)どうしようもなくてこうするしかない。という話ですね。
黒くなったブローチを握りしめたソラは、それを振りかぶると……
一夜明け、再び動きだすバッタモンダー。ソラはもうプリキュアになれない。叩き潰すのは簡単。でも自分が傷つくより友達が傷つく方が苦しい。そういう子なんだよね~ソラちゃんって。わかりやすいくらいの悪役ムーブ。負けて命乞いして、主人公が背中向けて立ち去ろうとしたところを切りかかって返り討ちにされる奴に居そう。
②ヒーローの友達の出番です!
ジョギング。ソラの分も引き受けたかのような表情のましろ。
その後一筆したためます。ツバサの緊張した声。
街にランボーグが出現。現地に行く前に先ほど書いた手紙をお婆ちゃんに託すましろ。いつになく真剣な表情。短縮変身で現場に急行。
ビルを横一文字。派手に街を破壊しながら闊歩するバッタモンダー。
そんな彼に諺を一つ教えるバタフライ。弱い犬ほどよく吠える。ふん……ワン! 最終決戦(2回目)の火蓋を切ります。
実家で薪割りしているソラのもとにお婆ちゃんが出現。
お婆ちゃんとエル、2人の視線から目をそらしながら、もうプリキュアじゃないと先に断りを入れるソラ。ガチガチに防御を固めている。もとよりお婆ちゃんの用事は一つだけ。手紙を見せながら渡して欲しいと頼まれたと伝えます。誰からと言わないのわざとだな。ましろさん? ええ。何を? 差出人を知って身構えるソラ。ほんとに怖いだろうな、これ。ましろもそうだと思うけど、直接会わなかったのはこのふたりの距離感だと顔を合わせるだけでも辛くなるからでしょう。たぶん何を言っても、何なら黙っていても刺激してしまう。ソラが逃げるようにスカイランドに帰ったのも顔を合わせられなかったからでしょう。
固まり続けるソラ。レッドに背中を押されて手紙を受け取ると震える手で中を開きます。
「ソラちゃんへ」
「覚えてるかな? 私が初めてプリキュアになったときソラちゃんすっごく反対したよね」
「『ましろさんが傷付くなんてイヤだ』って。『自分がもっと強くなる。だからましろさんはプリキュアにならなくていい』そう言ってくれたよね。だから」
「今度は私の番だ!」
そう叫んで立ち上がるプリズム。5話のエピソード持ってくるの最高にわかってる。ソラがどういう子なのか、そしてその子にどう答えればいいのか、ましろはわかっている。というよりましろはそういう風にしか動かない。友達を想って足が竦むのがソラなら、友達を想って足を踏み出すのがましろという子。プリキュアになる前もなった後もそれは変わらない。
手紙を持つ手が震えるソラ。見ていられないと背ける母の手を掴む父。ページをめくり続きを読みます。
バタフライプレスを一刀両断。ウィングアタックもマントで防御。限界までアンダーグ・エナジーを注ぎ込んだ結果、戦闘力は前回よりも上。煽るバッタモンダーをかすめるプリズムの光弾。諦めろって。ところがどっこい。ヒーローの友達は諦めない。
「隊長さんのことは私たちに任せて」
「大丈夫だよ。ソラちゃんはプリキュアにならなくていい。戦わなくていい。おうちでゆっくり休んで元気になってほしいな」
「最後に一つだけ。『ヒーローになれなかった』なんて言わないで。だってソラちゃんはとっくの前からもうヒーローなんだから」
「ヒーローなんかじゃない…ただの弱虫です! 戦うのが怖くて逃げた! シャララ隊長も仲間も街の人たちもみんな見捨てて! そんなヒーローいるわけない!!」
泣きながら何もかもぶちまけるソラ。手紙にはその先が綴られています。それを書いているましろの姿を想像するソラ。強い。このアニメ(強度が)強いな。ましろが時々1人で手紙を書いているシーンがここで活きてる。彼女が1人で手紙を書いているときというのは、彼女の本音と述懐、不安と優しさが赤裸々になっています。つまり彼女の手紙は偽ざる真実なのです。それを想起するということはソラがこの手紙に書かれていることがおべんちゃらなどではなく本音だと了解すること意味しています。
泣きながらも食い入るように手紙の続きを読むソラ。その姿をエルもまた食い入るように見つめます。
「そんなヒーローいるわけない……。だけど…行かなくちゃ…」
「じゃあ またお手紙かくね。わたしのヒーローさん」
「友達が待ってるから!」
再び生まれるミラージュペン。夢はたぶん一つ切りじゃないんだ、と淡々とした声で話す父。たとえ見失ってもたとえ壊れてもそれは何度だって生まれる。そういうことなら笑って送り出そうと母。
ここで状況が差し迫っていると打ち明けるお婆ちゃん。例のランボーグが暴れている。行ってくれる? 不安になりながらも手のひらの中のモノを見たソラは決心がつきます。
「〈ヒーロー…今の私が口にできるような言葉じゃありません。でもあなたがそう呼んでくれるなら!〉」
③ヒーローの出番です!
舞い戻って早々スカイパンチ。「立ち止まるなヒーローガール」。その言葉を拳に乗せて防御を突破。突き出された剣の上をスライディングでかわすと反転して蹴り落とし。パワーだけじゃない強さアピール上手い。剣の上に着地して加速。その回転いる? かっこいいから要る。続けて2発目のスカイパンチ。東堂いづみまたしても読み切ったな。パレット初登場から1ヶ月経過しているので販促強化月間は終了(先週もほとんど使ってなかったけど)。その隙を見逃さない。
「ましろさん!」
アップドラフトシャイニングで決め。今週のミラーパッド係はお婆ちゃん。ゲージは満タンに。
もとに戻ったシャララをパレットで回復。
みんなの注意が逸れ、仕掛けようとしたバッタモンダーにプリズムが警告。1ミリでも動いたら絶対に許さない。
なかなか目を覚まさないことに焦れるウィング。対照的にスカイは落ち着いています。信じて待っている人がいる限り何度だって立ち上がれる。きっとそれがヒーローですから。彼女自身がそうであるように。良い言葉だ。
「また会えたなヒーローガール」
目を覚ました彼女に泣きながら抱きつきます。
その隙に逃げ出すバッタモンダーの前に勢ぞろい。これには堪らず撤……ところがスカイは背中を向けて去ろうとします。トドメを刺さないのか? じゃないとまた来るぞ。またお前の嫌がることをしてやる!と引き際を完全に失したセリフを投げつけると「構いません」と一蹴されます。どんなことをされても負けないくらい強くなる。
鼻水垂らして完全敗北。おそらくこれで彼の出番は終了かな。カバトンと同じくヒーローの姿に膝を屈するという構図ですね。今のところプリキュアの手を汚すでも、アンダーグ皇帝に処刑されるでもなく野放しになっていますが、まだその段階ではないってところかな。次のステップか最終決戦か、不倶戴天の敵をヒーローはどう処するのかという課題は後々来そうな気はします。現時点のプリキュアはヒーローとしてようやく立ち上がったばかりで他者に対してどうこうするのは勇み足。
シャララはベッドに横たわりながら、あなたが育てたのですか?とお婆ちゃんに訊ねます。いいえ、むしろ教えられる方よ。
改めてソラはみんなの前で誓います。
私はまだ未熟。でも未熟なりに前に進みます。そうすればきっといつの日か。みんなの名前を呼んでよろしくお願いしますと心機一転の挨拶。そんな彼女に贈り物。
ましろから差し出された手帳を喜んで受け取るソラ。絶対ヒーローになる。そう叫ぶと流れ星が降ります。
④次回予告
エルちゃんフラグか。
オトナプリキュアは10月スタート。映画の予告もスタート。
○トピック
前後編に合わせて爲我井・稲上作画持ってくるの強い。
やっぱヒロイン力高いヒロインいるとヒーローも際立つよね、な回。
真っ先に思い浮かべるのは魔法つかいのみらいとリコ。みらいにとってリコは紛れもないヒーローです。だって自分が本当に困っているときに必ず現れて助けてくれるから。ポンコツなのは知っている。失敗することも多いし見栄を張ったりもする。それでもみらいから見てリコはヒーロー(魔法使い)っていう確たる信頼がある。
それとソラとましろの関係は同じではありませんが、ましろの「わたしのヒーローさん」からは同じような信頼と愛情を感じます。ソラが怖がりだってことは知っているし、傷つきやすい子だってことも知っている。それでも友達であることに変わりはない。14話で別れの挨拶したときに友達でいてくれますか?という問いに応えたましろのままでいる(回想シーン見直したらちゃんと当該のシーン入ってる)。改めて描かれているのはソラから見たときのましろが、常に友達として良き理解者として隣りにいてくれたことです。ソラに無理を言ったことはない。むしろ本人が無理をやろうとする。
そんな子がヒーローと呼んでくれるなら立ち上が……いやだからそれヒロインなんだわ。ましろのヒロインムーブ強すぎる。前から言ってるけどこの子強いんだよね。ほんとに挫けないし、自分ペースで進む。その包容力、安心感に救われる。これに加えてスカイランドでお別れの話を入れているので本当に離れていてもいい土台ができているのも強み。一緒に居て欲しい、立ち直って欲しいなんて未練たらしいことは一切言わない。このふたり独特の関係性が維持されている。プリキュアでここまでストイックにやれるのは本作だけですね。
ヒーローだって疲れるし、泣きてぇし、辞めてぇし、引きこもる。
いわゆる心の安全基地とか、無条件の愛情(信頼)とか色々説明の仕方もあるんですが、先週も述べたようにソラに大きく欠けているのは大切な人のために戦う勇気です。純粋ゆえに傷つく。その純粋さを誰よりも理解しているのがましろ。友達が友達でいてくれるなら、自分も友達でなければならない。友達のために戦えるヒーローなのだと。言ってしまえばそんな話なのですが、今まで静かにやってきたましろの手紙シーンが完璧にハマってるのがもうほんとズルいくらい強い。
時々言っていますが、私は物語の強度を見ます。この強度というのは早い話が登場人物たちの一貫性、もっと言えば生き様です。自分の本心を手紙にしたためる。決して否定や非難をしない。好意を受け止めそれに優しく応える。そんなましろをソラは隣で見てきた。今回のエピソードはこのふたりの関係性があってこそ。心の安全基地云々が全部あの手紙一つに集約されている。友達のために戦えないヒーローと、友達のために戦えるヒロインの妙味ですね。
ヒーローという抽象的なものから友達という具象的なものに寄りましたがそれがソラに戦う勇気を与え、友達や尊敬する人の声を心の支えにしています。
求道者みたいなプリキュアもいれば、友達のヒーローになるプリキュアもいる。たくさんのヒーロー像があるのがプリキュアですね。だから自分がなりたいプリキュアになっていい。その連続がこのシリーズの歴史を作っています。
①お役御免です!
平家物語。プリキュアでよくある国語の授業内容でそれとなく示唆するやつ。しかしましろの耳には入ってきません。隣の席は空席。
家に帰ったましろは早速ソラの部屋を訊ねますが……。机には「ヒーローにはなれませんでした さようなら」と書かれた手帳が残されていました。
スカイランドに戻るソラ。重い荷物と沈んだ心を抱えたまま実家の呼び鈴を鳴らします。
出迎えた母親は娘の姿を見てびっくり。王様の呪いを解くために向こうの世界に行ったのでは? それに答えようとしたタイミングで弟が帰って来ます。姉の影響を強く受けたのかマント着用。姉に飛びつくと悪者をやっつけたんだね! 本物のヒーローになったんだね!と再会を喜びます。無邪気さがソラに刺さる。それはそれとしてソラ=青だから弟はレッドでいいかみたいな安直なネーミング嫌いじゃない。ちなみに母はレミ。父はシド。こちらはドレミファソラシド。
娘の帰宅にも驚かず父親が家の中に招き入れます。夕食の時間。お腹の虫が鳴るレッド。確かに姉弟だな。意外なのはソラが父親のことをパパと呼んでいること。てっきりお父さん呼びかと思ってました。
事情説明。
強い敵に立ち向かう勇気も、ヒーローになる夢も、友達が考えてくれた作戦を信じられなくて、失敗するのが怖くて、だからミラージュペンは壊れた。一気にそう話すソラ。普段はおバカに見える彼女ですが現実認識や言語化はちゃんと出来ます。5話のときも同じで何が怖いのか自分でわかっている。わかっていてどうすることもできない、というのが彼女のメンタル。私…ヒーローになれなかった。
両親としては事情を汲み取って話を終わらせようとしますが、レッドが約束したじゃないか!?と噛みつきます。父が制止。今では珍しい一家の大黒柱感。間違ってない。そう呟くレッドに、人が本気で決めたことに口を出すのは間違ったことだときっぱり指摘する父。なるほど、この家の事情は概ね把握。シャララのヒーロー性と父親の実直さをブレンドしたのがソラの世界観。
そのまま奥に引っ込むかと思いきや「お姉ちゃんの弱虫~」と捨て台詞。話を重くしすぎないコメディリリーフありがとうございます。
一方、こちらではスカイランド行く派と行かない派で割れています。
ましろに行かないんですね?と最後の確認をするツバサ。今は独りにしておいた方がいいのでは?と答えるましろに、ツバサは明確に反論。何のための仲間なのか。何のためにプリキュアは4人なんです? なんで一言相談してくれなかったんだ。ソラの行動に憤るツバサ。それは自分たちが信頼されなかったことの裏返し。その苛立ちが彼の足をスカイランドに向けさせている。彼の主張に心当たりがあるのかましろも抗弁しません。ソラと一番近いのは他ならぬ彼女。ただ、彼女の場合ソラと会っても話す言葉が無いのではないかと思われます。引っ張り出す? 叱咤する? 慰める? いずれの言葉もおそらくソラの頭の上を過ぎていく言葉にしかならない。ソラが本気で目指していたヒーローに挫折したのだとしたら、それはもう一言二言でどうにかできるものではない。そのことをましろはよく知っています。
「なりたい私。夢は人を動かすエネルギー。でもその夢を無くしてしまったとき人は何を頼りに前に進めばいいのかしら」
独り言のようにエルに話して聞かせるお婆ちゃん。その答えはお婆ちゃんも知らない。
実家を訊ねるツバサとあげは。今外出中。こんな遅くに? 疑問を投げかける彼の肩に手を置いたあげははここで待たせて欲しいと願い出ます。
ソラと父親は連れ立って湖に。昔のことを思い返すソラ。学校で弱いものいじめをする子たちと大喧嘩して負けて帰った日。流れ星を見た彼女はヒーローになれますように、と願いますが3回言う前に消えてしまいます。肩を落とすとなれるかな?と不安になるソラ。私強くないしケンカ怖いし。ソラが実は結構臆病というのは一貫しています。お前の心はなんて言ってる? ほんとに寡黙だなこの父親。俯いていたソラの目に流れ星。再び空を見上げると大量の流れ星が夜空を埋めています。3回と言わず夢中で何回も叫ぶソラ。このシーンでも手帳が強調されています。
あの星はパパが降らせてくれたの? お前が降らせたんだ、たぶんな。今見あげても星は落ちません。苦しむ娘の頭を父は優しく撫でます。
たとえヒーローになれなくたってソラはソラ。優しくて真っ直ぐで素敵な子。今のソラを受け入れてあげて。あの子には少し時間が必要なの。あげはとツバサにそう話す母。
そう言われれば引き下がるしかない。みんなあなたのことが大好きだ、そう言伝を残して撤収。流れ的に割食ってる感のあるツバサですが、こういうスタンスを見せることそのものに意味があります。仲間意識が強ければ当然出る反応。個人の関係で言えば彼の夢を後押ししたのソラですからね。お前が先に投げ出すのかよ!?ってなる。まあ、ツバサはツバサは自力で飛ぶの辞めてますが。わかっている。けど、(お互いに)どうしようもなくてこうするしかない。という話ですね。
黒くなったブローチを握りしめたソラは、それを振りかぶると……
一夜明け、再び動きだすバッタモンダー。ソラはもうプリキュアになれない。叩き潰すのは簡単。でも自分が傷つくより友達が傷つく方が苦しい。そういう子なんだよね~ソラちゃんって。わかりやすいくらいの悪役ムーブ。負けて命乞いして、主人公が背中向けて立ち去ろうとしたところを切りかかって返り討ちにされる奴に居そう。
②ヒーローの友達の出番です!
ジョギング。ソラの分も引き受けたかのような表情のましろ。
その後一筆したためます。ツバサの緊張した声。
街にランボーグが出現。現地に行く前に先ほど書いた手紙をお婆ちゃんに託すましろ。いつになく真剣な表情。短縮変身で現場に急行。
ビルを横一文字。派手に街を破壊しながら闊歩するバッタモンダー。
そんな彼に諺を一つ教えるバタフライ。弱い犬ほどよく吠える。ふん……ワン! 最終決戦(2回目)の火蓋を切ります。
実家で薪割りしているソラのもとにお婆ちゃんが出現。
お婆ちゃんとエル、2人の視線から目をそらしながら、もうプリキュアじゃないと先に断りを入れるソラ。ガチガチに防御を固めている。もとよりお婆ちゃんの用事は一つだけ。手紙を見せながら渡して欲しいと頼まれたと伝えます。誰からと言わないのわざとだな。ましろさん? ええ。何を? 差出人を知って身構えるソラ。ほんとに怖いだろうな、これ。ましろもそうだと思うけど、直接会わなかったのはこのふたりの距離感だと顔を合わせるだけでも辛くなるからでしょう。たぶん何を言っても、何なら黙っていても刺激してしまう。ソラが逃げるようにスカイランドに帰ったのも顔を合わせられなかったからでしょう。
固まり続けるソラ。レッドに背中を押されて手紙を受け取ると震える手で中を開きます。
「ソラちゃんへ」
「覚えてるかな? 私が初めてプリキュアになったときソラちゃんすっごく反対したよね」
「『ましろさんが傷付くなんてイヤだ』って。『自分がもっと強くなる。だからましろさんはプリキュアにならなくていい』そう言ってくれたよね。だから」
「今度は私の番だ!」
そう叫んで立ち上がるプリズム。5話のエピソード持ってくるの最高にわかってる。ソラがどういう子なのか、そしてその子にどう答えればいいのか、ましろはわかっている。というよりましろはそういう風にしか動かない。友達を想って足が竦むのがソラなら、友達を想って足を踏み出すのがましろという子。プリキュアになる前もなった後もそれは変わらない。
手紙を持つ手が震えるソラ。見ていられないと背ける母の手を掴む父。ページをめくり続きを読みます。
バタフライプレスを一刀両断。ウィングアタックもマントで防御。限界までアンダーグ・エナジーを注ぎ込んだ結果、戦闘力は前回よりも上。煽るバッタモンダーをかすめるプリズムの光弾。諦めろって。ところがどっこい。ヒーローの友達は諦めない。
「隊長さんのことは私たちに任せて」
「大丈夫だよ。ソラちゃんはプリキュアにならなくていい。戦わなくていい。おうちでゆっくり休んで元気になってほしいな」
「最後に一つだけ。『ヒーローになれなかった』なんて言わないで。だってソラちゃんはとっくの前からもうヒーローなんだから」
「ヒーローなんかじゃない…ただの弱虫です! 戦うのが怖くて逃げた! シャララ隊長も仲間も街の人たちもみんな見捨てて! そんなヒーローいるわけない!!」
泣きながら何もかもぶちまけるソラ。手紙にはその先が綴られています。それを書いているましろの姿を想像するソラ。強い。このアニメ(強度が)強いな。ましろが時々1人で手紙を書いているシーンがここで活きてる。彼女が1人で手紙を書いているときというのは、彼女の本音と述懐、不安と優しさが赤裸々になっています。つまり彼女の手紙は偽ざる真実なのです。それを想起するということはソラがこの手紙に書かれていることがおべんちゃらなどではなく本音だと了解すること意味しています。
泣きながらも食い入るように手紙の続きを読むソラ。その姿をエルもまた食い入るように見つめます。
「そんなヒーローいるわけない……。だけど…行かなくちゃ…」
「じゃあ またお手紙かくね。わたしのヒーローさん」
「友達が待ってるから!」
再び生まれるミラージュペン。夢はたぶん一つ切りじゃないんだ、と淡々とした声で話す父。たとえ見失ってもたとえ壊れてもそれは何度だって生まれる。そういうことなら笑って送り出そうと母。
ここで状況が差し迫っていると打ち明けるお婆ちゃん。例のランボーグが暴れている。行ってくれる? 不安になりながらも手のひらの中のモノを見たソラは決心がつきます。
「〈ヒーロー…今の私が口にできるような言葉じゃありません。でもあなたがそう呼んでくれるなら!〉」
③ヒーローの出番です!
舞い戻って早々スカイパンチ。「立ち止まるなヒーローガール」。その言葉を拳に乗せて防御を突破。突き出された剣の上をスライディングでかわすと反転して蹴り落とし。パワーだけじゃない強さアピール上手い。剣の上に着地して加速。その回転いる? かっこいいから要る。続けて2発目のスカイパンチ。東堂いづみまたしても読み切ったな。パレット初登場から1ヶ月経過しているので販促強化月間は終了(先週もほとんど使ってなかったけど)。その隙を見逃さない。
「ましろさん!」
アップドラフトシャイニングで決め。今週のミラーパッド係はお婆ちゃん。ゲージは満タンに。
もとに戻ったシャララをパレットで回復。
みんなの注意が逸れ、仕掛けようとしたバッタモンダーにプリズムが警告。1ミリでも動いたら絶対に許さない。
なかなか目を覚まさないことに焦れるウィング。対照的にスカイは落ち着いています。信じて待っている人がいる限り何度だって立ち上がれる。きっとそれがヒーローですから。彼女自身がそうであるように。良い言葉だ。
「また会えたなヒーローガール」
目を覚ました彼女に泣きながら抱きつきます。
その隙に逃げ出すバッタモンダーの前に勢ぞろい。これには堪らず撤……ところがスカイは背中を向けて去ろうとします。トドメを刺さないのか? じゃないとまた来るぞ。またお前の嫌がることをしてやる!と引き際を完全に失したセリフを投げつけると「構いません」と一蹴されます。どんなことをされても負けないくらい強くなる。
鼻水垂らして完全敗北。おそらくこれで彼の出番は終了かな。カバトンと同じくヒーローの姿に膝を屈するという構図ですね。今のところプリキュアの手を汚すでも、アンダーグ皇帝に処刑されるでもなく野放しになっていますが、まだその段階ではないってところかな。次のステップか最終決戦か、不倶戴天の敵をヒーローはどう処するのかという課題は後々来そうな気はします。現時点のプリキュアはヒーローとしてようやく立ち上がったばかりで他者に対してどうこうするのは勇み足。
シャララはベッドに横たわりながら、あなたが育てたのですか?とお婆ちゃんに訊ねます。いいえ、むしろ教えられる方よ。
改めてソラはみんなの前で誓います。
私はまだ未熟。でも未熟なりに前に進みます。そうすればきっといつの日か。みんなの名前を呼んでよろしくお願いしますと心機一転の挨拶。そんな彼女に贈り物。
ましろから差し出された手帳を喜んで受け取るソラ。絶対ヒーローになる。そう叫ぶと流れ星が降ります。
④次回予告
エルちゃんフラグか。
オトナプリキュアは10月スタート。映画の予告もスタート。
○トピック
前後編に合わせて爲我井・稲上作画持ってくるの強い。
やっぱヒロイン力高いヒロインいるとヒーローも際立つよね、な回。
真っ先に思い浮かべるのは魔法つかいのみらいとリコ。みらいにとってリコは紛れもないヒーローです。だって自分が本当に困っているときに必ず現れて助けてくれるから。ポンコツなのは知っている。失敗することも多いし見栄を張ったりもする。それでもみらいから見てリコはヒーロー(魔法使い)っていう確たる信頼がある。
それとソラとましろの関係は同じではありませんが、ましろの「わたしのヒーローさん」からは同じような信頼と愛情を感じます。ソラが怖がりだってことは知っているし、傷つきやすい子だってことも知っている。それでも友達であることに変わりはない。14話で別れの挨拶したときに友達でいてくれますか?という問いに応えたましろのままでいる(回想シーン見直したらちゃんと当該のシーン入ってる)。改めて描かれているのはソラから見たときのましろが、常に友達として良き理解者として隣りにいてくれたことです。ソラに無理を言ったことはない。むしろ本人が無理をやろうとする。
そんな子がヒーローと呼んでくれるなら立ち上が……いやだからそれヒロインなんだわ。ましろのヒロインムーブ強すぎる。前から言ってるけどこの子強いんだよね。ほんとに挫けないし、自分ペースで進む。その包容力、安心感に救われる。これに加えてスカイランドでお別れの話を入れているので本当に離れていてもいい土台ができているのも強み。一緒に居て欲しい、立ち直って欲しいなんて未練たらしいことは一切言わない。このふたり独特の関係性が維持されている。プリキュアでここまでストイックにやれるのは本作だけですね。
ヒーローだって疲れるし、泣きてぇし、辞めてぇし、引きこもる。
いわゆる心の安全基地とか、無条件の愛情(信頼)とか色々説明の仕方もあるんですが、先週も述べたようにソラに大きく欠けているのは大切な人のために戦う勇気です。純粋ゆえに傷つく。その純粋さを誰よりも理解しているのがましろ。友達が友達でいてくれるなら、自分も友達でなければならない。友達のために戦えるヒーローなのだと。言ってしまえばそんな話なのですが、今まで静かにやってきたましろの手紙シーンが完璧にハマってるのがもうほんとズルいくらい強い。
時々言っていますが、私は物語の強度を見ます。この強度というのは早い話が登場人物たちの一貫性、もっと言えば生き様です。自分の本心を手紙にしたためる。決して否定や非難をしない。好意を受け止めそれに優しく応える。そんなましろをソラは隣で見てきた。今回のエピソードはこのふたりの関係性があってこそ。心の安全基地云々が全部あの手紙一つに集約されている。友達のために戦えないヒーローと、友達のために戦えるヒロインの妙味ですね。
ヒーローという抽象的なものから友達という具象的なものに寄りましたがそれがソラに戦う勇気を与え、友達や尊敬する人の声を心の支えにしています。
求道者みたいなプリキュアもいれば、友達のヒーローになるプリキュアもいる。たくさんのヒーロー像があるのがプリキュアですね。だから自分がなりたいプリキュアになっていい。その連続がこのシリーズの歴史を作っています。
第22話「バッタモンダー最後の秘策!」
○今週のヒーロー
①ヒーローの誓い
プリキュアごっこに勤しむエル。さらりと自分の技をねじ込むツバサ。でも子どもって持ち上げられるの好きだったりする。
一方、ソラたちはスカイランドと通話。国王夫妻は変わらず眠りについたまま。変わらないことが不安の種。キラキラポーションの進捗は? 目盛りは前回時点で8割。まだまだ足りない。現状打てる手がない。アリリ副隊長がいかめしい外見しているせいか余計に膠着感が増す。
ベリィベリーが割って入ってきます。こういうとき同年代の同僚がいると雰囲気が変わる。追い出そうとするアリリを押しのけてシャララ隊長の新しい情報があると言います。その言葉に息を呑むソラ。
夜な夜な街を歩くシャララの姿が目撃されている。
その話を聞いて活気づくソラとましろ。あげはがそれに待ったをかけます。目撃情報だけ? その後は? まさにそこ。どの情報も姿が煙のように消えてしまうと話すベリィベリー。一転して失望の色が顔に出るソラ。すかさず隣に立つましろがここで事の真偽を話しても始まらない、新しい情報があったら教えてくださいと話を終わらせます。ソラと比べたら客観的で冷静。次のシーンの反応を見るに特にソラを慮って発言したわけではないようですが、だからこそそんな自然さがソラに強い印象を与えているのかもしれません。
部屋に戻ったソラは手帳を広げて気合を入れいます。君、立ったまま書く気? そこにましろがやってきて気合が空振りに。
シャララの置き手紙を見せると、そのメッセージを手帳に書き写そうと思ったと話します。でも意外、と返すましろ。普段なんでもメモしているから隊長さんの大事なメッセージなら真っ先に書き写していそうなもの。何でもかんでもってわけじゃ…。この前お肉の半額セール日をメモしていたと実例を上げるましろにたじたじになるソラ。最近個人回メインでバタバタとイベントをこなしていたので日常エピソードを挟むことでふたりの距離感や生活感が補完されますね。当然これは後々のやり取りにも関わってきます。
この手帳に書いたことは絶対に守らなきゃいけない。そういうつもりで書いていると大事そうに手帳を撫でるソラ。
「『立ち止まるなヒーローガール』」
「絶対に守れるって自信ずっとなくて……シャララ隊長の身にもしものことがあったらそれでも私は前に進めるのでしょうか? ヒーローでいられるのでしょうか……」
上手い設定の深掘り。彼女にとって誓約みたいなもの。それがシャララ隊長の言葉となると生々しく重々しくのしかかる。おさらいも兼ねて良い強調になっています。フラグとも言う。
さっきはありがとうございました。出し抜けにお礼を言うソラ。
「前に進む足が止まりそうになっても、隣にましろさんが居て背中を押してくれる」
今日なら書けそうな気がして。手帳を開くと書き写します。エルからも声をかけられて大声で張り切るソラ。
「〈きっと…なれるよ〉」
そう心の中で応援するましろ。
②ソラ・ハレワタールという少女
場面は変わって買い出しに出かける一同。今日のメニューは餃子。
帰る道すがら、ソラは見知った後ろ姿を目撃。一瞬で鼓動が跳ね上がると後ろ姿を追って走り出します。
シャララは立ち止まることなく商業区画を抜け住宅街へ。必死に追い続けるソラ。そしてたどり着いたのは人気のない工事現場。あからさま。しかしシャララのことで頭がいっぱいなソラはそれに気づかず駆け寄ると襲われます。寸前で霧散。
ここで種明かし。アンダーグ・エナジーで作った幻だと明かすバッタモンダー。どうしてこんな意地悪をするのか。何が楽しい!?と困惑と非難をぶつけるソラ。楽しいよ、マジ楽しい。恨みなら大あり。王宮で味わった屈辱を忘れない。強くて優しいこの俺にこんなにもどす黒い憎しみを植え付けた責任きっちり取ってもらう。逆恨みすげぇ。実際あの後から粘着されてるしなぁ。
最早聞く耳を持たないバッタモンダーはここでとっておきを持ち出します。地面の中から出てくるランボーグ。実はこれが伏線。今回召喚していません。
新アイキャッチ。パジャマでも腋をしっかり見せていくましろさん最高です。
キュアスカイ単独変身。
剣を取り出して構えるランボーグ。勇者ロボか。こそこそランボーグの影に隠れて、それであなたのつまらないプライドは満たされるんですか?といつになく攻撃的なスカイ。しかしバッタモンダーはどこ吹く風。今回時々作画が本気出してて面白い。
攻撃は大ぶりながらも剣圧は凄まじく当たればただでは済まない。でも当たらなければただで済む。剣よりも近い間合いに入って乱打。バッタモンダーは舌打ちをすると小細工。モヤをつくってスカイの注意を引くも肉弾戦はスカイが優勢。
でもここからが本番。ランボーグは背中を見せるとマントを生成。剣、マント。そこでようやく気づくスカイ。再び構えをとるランボーグ。答え合わせ。目の前にいるのはシャララを依り代にしたもの。ランボーグへの攻撃は全部隊長へのダメージになる。
「ランボーグ…いやシャララボーグ! 行け!」
バッタモンダーの描き方が迫真で吹く。東堂いづみって女子中学生いたぶるときにやたら張り切るよね。
硬直して動けないスカイ。頭の中でシャララとの思い出がいくつもフラッシュバック。ここで「ヒーローの出番だ」となれず立ちすくんでしまうのが彼女。目の前で振り下ろされた剣の風圧で投げ飛ばされます。完全に戦意喪失。
プリズムが背後から援護射撃。駆けつけた3人がスカイに呼びかけるも無反応。意識を失っています。
とりあえずウィングが救出してパレットで回復。ますますこのアイテム終盤戦で使わないな。回復スキル持て余しがち。
意識を取り戻したスカイが見下ろすとバタフライがランボーグと交戦中。距離を置いてプリズムが射撃体勢。まずい。スカイはウィングから飛び降りると撃たないで!とランボーグを庇います。意図がわからず困惑するプリズムにあれはシャララ隊長だと涙ながらに叫ぶスカイ。先生、東堂いづみさんが女の子泣かせて喜んでます。プリキュア上級者はみんな喜んでいるからセーフ。百合だ? おねショタだ? 何を勘違いしている。これはプリキュアだぞ。女子中学生泣かせてからが本番。そんなスタイルを貫く東堂いづみが私は好きです。
その言葉にハッとしてランボーグを見上げるプリズム。バタフライは「誰だっけ?(でも迫真の演技しなきゃ)」とか思ってそう。状況を伝え終えるとがっくりと膝をつくスカイ。2クール目の終盤でこれを持ってくることの意味がわかります。改めて思うのはソラはヒーローに憧れる純粋な少女ということ。心が特別強いわけではない。むしろ傷つきやすくて脆い。だから彼女は経験したことのない不安や恐怖を前にすると足がすくんでしまう。最近は手が震えることはなくなりましたがその本質は今も変わっていない。
「助けて……ましろさん……」
この一言で彼女の追い詰められ具合と純粋さが伝わる。純粋ゆえにヒーローに憧れ、純粋ゆえに傷つく。正しさを求めるのも、ヒーローに憧れるのも純粋さ、無垢さゆえなのだとわかります。そこにソラという子の本質がある。そんな彼女を抱きしめるプリズム。彼女の苦しみをわかってもかける言葉がない。
しかし打つ手はある。アンダーグ・エナジーが悪さをしているなら浄化しちゃえばいいとバタフライ。さすがこの場で一番客観的なポジション。プリキュアの特権は浄化なので味方が敵に操られても問題ない。態勢を整えてタイタニック・レインボー発動。
何故かそこでニヤリと笑うバッタモンダー。その様子を見たプリズムは言いようのない違和感を抱きます。何かがおかしい。代わってエルが大声で制止。発動キャンセル。バレたか、とつまらなさそうなバッタモンダー。
ここでネタバラシ。王宮から逃げた彼はそこで倒れたシャララを発見。重傷を負った彼女はこのままだと死ぬ。そこで彼が行ったのはアンダーグ・エナジーによる治療。つまり今の彼女はアンダーグ・エナジーによって生かされている。それを浄化してしまったらどうなるだろうねぇ? どちらの技にしても隊長にトドメを刺すやべぇ技にすぎないってこと。愉快そうに話すバッタモンダー。浄化技を逆手に取った巧妙な罠。東堂いづみの性格の悪さが滲み出ています。ほんと最低だな、このクズ。いいぞ、もっとやれ。
その言葉にスカイはほとんど恐慌状態。あー、いいね、その表情。バッタモンダーみたいなセリフが素で出ちまう。
バッタモンダーは饒舌な調子でさらに続けます。本当は君たちに隊長の始末をさせるつもりだったんだ。それは最高の絶望になるだろうからね。でもいいや、好きな方を選べよ。隊長を倒すか、隊長に倒されるか。クズキャラが似合う。2クール目の山場を担当しているだけはある。カバトンは許されたけど、こいつ大丈夫か?
ここでランボーグが電池切れ。
人間にアンダーグ・エナジーを注ぐのはそもそも無理がある。その隙を突いて蹴りを入れるバタフライとウィング。撤収。しかし今やイニシアチブは完全に彼のもの。サスペンスドラマの犯人ばりに心を揺さぶるセリフを残します。
うなだれるソラに声をかけるましろ。
助ける方法がきっとある。どんな方法があるっていうんですか。まともに言い返されて怯む一同。ミックスパレットを使えば何とかなるかも!と閃くあげは。アンダーグ・エナジーを浄化してその後すかさず回復の技を使う。それなら救えるかも。
「ダメだったら? シャララ隊長はどうなるんですか?!」
思いつきの実験で命の危険に晒すのか。怒鳴るように言い返すソラにしどろもどろになるあげは。ソラのやっていることは八つ当たり。彼女の悪い癖。でもましろやあげはが気休めや希望的観測を述べているのも事実。信じてやるしかないと今度はツバサが口を開きます。ヒーローは諦めたらそこで終わ……
「やめてください!!」
ヒーローなんて……。その先を察して固まる一同。
「私もう戦いたくない!」
その言葉に従うようにミラージュペンが霧散。もう片方のブローチも消えないまでも灰色に。
③次回予告
ヒーロー……の友達の出番です。
新EDお披露目。ミラーパッドがあるので引き続き過去作主人公の出番は確保。
○トピック
女子中学生が泣くと文章量が増える感想があるらしい。
2クール目の山場に相応しいエピソード。
憧れのヒーローが敵になるのはほぼお約束のイベントなのでそれ自体は予想できたことですが、本作では徹底的にソラのメンタルをへし折る方向。ただでさえ戦えない相手なのに救えない状況も相まって完全にノックアウト。最近の個人回の流れ的にもちょうどいいタイミング。それぞれのエピソードでは各々の性格がよく出ていて、ましろなら人への思いやり、ツバサなら努力家、あげはならお調子者と言った感じで良くも悪くも人となりがわかります。ではソラは? 当然それは純粋さ。
身体能力の高さを除けば子どもと大差がない。八つ当たり気味な言動なんかはその最たる例ですが、それを過ぎて自身の認識を超えるとどうなるか。現実から逃げる。現実から目を逸らす。今回の話は5話のソレと構図的には同じ。ヒーローになりたい気持ちはちゃんとある。その心構えもある。一定の高さなら自分で乗り越えられる。強く、汚い敵を目の前にしても戦える。正しさを信じる彼女なら強い敵は逃げ出す理由にならない。でもそれがひとたび大切な友達、大切な人が傷ついてしまうとなると子どものように怯え、泣いてしまう。そこに彼女の弱さ、潔癖なまでの純粋さがある。今回のエピソードはそんな彼女の弱さを完璧に突いた話です。
言ってしまえばソラの弱さは大切な人のために戦えないことです。
強い敵となら戦える。けどそこに大切な人が関わると途端に戦えなくなる(思考が停止する)。この一見すると矛盾するかのように見えるチグハグさがソラという子の面白いところであり、魅力的な部分だと思います。優しいとか繊細とか他にも表現する言葉があるかもしれないけど「純粋」という言葉が一番しっくりくる。前回の感想でヒーローには孤高のイメージがあると書きましたが、この意味でソラは1人ではいられません。常に誰か大切な人が心の中にいる。それが彼女をヒーロー足らしめる。でもその大切な人を守る力が彼女にはない。依存しているのとも違う。自分自身の感じやすさに負けてしまう。「助けて……ましろさん……」のセリフからは彼女のそんな本音が漏れていると思います。
物理的な強さなら話の都合でいくらでも強くできる。強い敵、卑劣な敵、それらにも勇敢に立ち向かえる。けどただ一つ、大切な人のために戦えない。プリキュアらしい提示ですね。
①ヒーローの誓い
プリキュアごっこに勤しむエル。さらりと自分の技をねじ込むツバサ。でも子どもって持ち上げられるの好きだったりする。
一方、ソラたちはスカイランドと通話。国王夫妻は変わらず眠りについたまま。変わらないことが不安の種。キラキラポーションの進捗は? 目盛りは前回時点で8割。まだまだ足りない。現状打てる手がない。アリリ副隊長がいかめしい外見しているせいか余計に膠着感が増す。
ベリィベリーが割って入ってきます。こういうとき同年代の同僚がいると雰囲気が変わる。追い出そうとするアリリを押しのけてシャララ隊長の新しい情報があると言います。その言葉に息を呑むソラ。
夜な夜な街を歩くシャララの姿が目撃されている。
その話を聞いて活気づくソラとましろ。あげはがそれに待ったをかけます。目撃情報だけ? その後は? まさにそこ。どの情報も姿が煙のように消えてしまうと話すベリィベリー。一転して失望の色が顔に出るソラ。すかさず隣に立つましろがここで事の真偽を話しても始まらない、新しい情報があったら教えてくださいと話を終わらせます。ソラと比べたら客観的で冷静。次のシーンの反応を見るに特にソラを慮って発言したわけではないようですが、だからこそそんな自然さがソラに強い印象を与えているのかもしれません。
部屋に戻ったソラは手帳を広げて気合を入れいます。君、立ったまま書く気? そこにましろがやってきて気合が空振りに。
シャララの置き手紙を見せると、そのメッセージを手帳に書き写そうと思ったと話します。でも意外、と返すましろ。普段なんでもメモしているから隊長さんの大事なメッセージなら真っ先に書き写していそうなもの。何でもかんでもってわけじゃ…。この前お肉の半額セール日をメモしていたと実例を上げるましろにたじたじになるソラ。最近個人回メインでバタバタとイベントをこなしていたので日常エピソードを挟むことでふたりの距離感や生活感が補完されますね。当然これは後々のやり取りにも関わってきます。
この手帳に書いたことは絶対に守らなきゃいけない。そういうつもりで書いていると大事そうに手帳を撫でるソラ。
「『立ち止まるなヒーローガール』」
「絶対に守れるって自信ずっとなくて……シャララ隊長の身にもしものことがあったらそれでも私は前に進めるのでしょうか? ヒーローでいられるのでしょうか……」
上手い設定の深掘り。彼女にとって誓約みたいなもの。それがシャララ隊長の言葉となると生々しく重々しくのしかかる。おさらいも兼ねて良い強調になっています。フラグとも言う。
さっきはありがとうございました。出し抜けにお礼を言うソラ。
「前に進む足が止まりそうになっても、隣にましろさんが居て背中を押してくれる」
今日なら書けそうな気がして。手帳を開くと書き写します。エルからも声をかけられて大声で張り切るソラ。
「〈きっと…なれるよ〉」
そう心の中で応援するましろ。
②ソラ・ハレワタールという少女
場面は変わって買い出しに出かける一同。今日のメニューは餃子。
帰る道すがら、ソラは見知った後ろ姿を目撃。一瞬で鼓動が跳ね上がると後ろ姿を追って走り出します。
シャララは立ち止まることなく商業区画を抜け住宅街へ。必死に追い続けるソラ。そしてたどり着いたのは人気のない工事現場。あからさま。しかしシャララのことで頭がいっぱいなソラはそれに気づかず駆け寄ると襲われます。寸前で霧散。
ここで種明かし。アンダーグ・エナジーで作った幻だと明かすバッタモンダー。どうしてこんな意地悪をするのか。何が楽しい!?と困惑と非難をぶつけるソラ。楽しいよ、マジ楽しい。恨みなら大あり。王宮で味わった屈辱を忘れない。強くて優しいこの俺にこんなにもどす黒い憎しみを植え付けた責任きっちり取ってもらう。逆恨みすげぇ。実際あの後から粘着されてるしなぁ。
最早聞く耳を持たないバッタモンダーはここでとっておきを持ち出します。地面の中から出てくるランボーグ。実はこれが伏線。今回召喚していません。
新アイキャッチ。パジャマでも腋をしっかり見せていくましろさん最高です。
キュアスカイ単独変身。
剣を取り出して構えるランボーグ。勇者ロボか。こそこそランボーグの影に隠れて、それであなたのつまらないプライドは満たされるんですか?といつになく攻撃的なスカイ。しかしバッタモンダーはどこ吹く風。今回時々作画が本気出してて面白い。
攻撃は大ぶりながらも剣圧は凄まじく当たればただでは済まない。でも当たらなければただで済む。剣よりも近い間合いに入って乱打。バッタモンダーは舌打ちをすると小細工。モヤをつくってスカイの注意を引くも肉弾戦はスカイが優勢。
でもここからが本番。ランボーグは背中を見せるとマントを生成。剣、マント。そこでようやく気づくスカイ。再び構えをとるランボーグ。答え合わせ。目の前にいるのはシャララを依り代にしたもの。ランボーグへの攻撃は全部隊長へのダメージになる。
「ランボーグ…いやシャララボーグ! 行け!」
バッタモンダーの描き方が迫真で吹く。東堂いづみって女子中学生いたぶるときにやたら張り切るよね。
硬直して動けないスカイ。頭の中でシャララとの思い出がいくつもフラッシュバック。ここで「ヒーローの出番だ」となれず立ちすくんでしまうのが彼女。目の前で振り下ろされた剣の風圧で投げ飛ばされます。完全に戦意喪失。
プリズムが背後から援護射撃。駆けつけた3人がスカイに呼びかけるも無反応。意識を失っています。
とりあえずウィングが救出してパレットで回復。ますますこのアイテム終盤戦で使わないな。回復スキル持て余しがち。
意識を取り戻したスカイが見下ろすとバタフライがランボーグと交戦中。距離を置いてプリズムが射撃体勢。まずい。スカイはウィングから飛び降りると撃たないで!とランボーグを庇います。意図がわからず困惑するプリズムにあれはシャララ隊長だと涙ながらに叫ぶスカイ。先生、東堂いづみさんが女の子泣かせて喜んでます。プリキュア上級者はみんな喜んでいるからセーフ。百合だ? おねショタだ? 何を勘違いしている。これはプリキュアだぞ。女子中学生泣かせてからが本番。そんなスタイルを貫く東堂いづみが私は好きです。
その言葉にハッとしてランボーグを見上げるプリズム。バタフライは「誰だっけ?(でも迫真の演技しなきゃ)」とか思ってそう。状況を伝え終えるとがっくりと膝をつくスカイ。2クール目の終盤でこれを持ってくることの意味がわかります。改めて思うのはソラはヒーローに憧れる純粋な少女ということ。心が特別強いわけではない。むしろ傷つきやすくて脆い。だから彼女は経験したことのない不安や恐怖を前にすると足がすくんでしまう。最近は手が震えることはなくなりましたがその本質は今も変わっていない。
「助けて……ましろさん……」
この一言で彼女の追い詰められ具合と純粋さが伝わる。純粋ゆえにヒーローに憧れ、純粋ゆえに傷つく。正しさを求めるのも、ヒーローに憧れるのも純粋さ、無垢さゆえなのだとわかります。そこにソラという子の本質がある。そんな彼女を抱きしめるプリズム。彼女の苦しみをわかってもかける言葉がない。
しかし打つ手はある。アンダーグ・エナジーが悪さをしているなら浄化しちゃえばいいとバタフライ。さすがこの場で一番客観的なポジション。プリキュアの特権は浄化なので味方が敵に操られても問題ない。態勢を整えてタイタニック・レインボー発動。
何故かそこでニヤリと笑うバッタモンダー。その様子を見たプリズムは言いようのない違和感を抱きます。何かがおかしい。代わってエルが大声で制止。発動キャンセル。バレたか、とつまらなさそうなバッタモンダー。
ここでネタバラシ。王宮から逃げた彼はそこで倒れたシャララを発見。重傷を負った彼女はこのままだと死ぬ。そこで彼が行ったのはアンダーグ・エナジーによる治療。つまり今の彼女はアンダーグ・エナジーによって生かされている。それを浄化してしまったらどうなるだろうねぇ? どちらの技にしても隊長にトドメを刺すやべぇ技にすぎないってこと。愉快そうに話すバッタモンダー。浄化技を逆手に取った巧妙な罠。東堂いづみの性格の悪さが滲み出ています。ほんと最低だな、このクズ。いいぞ、もっとやれ。
その言葉にスカイはほとんど恐慌状態。あー、いいね、その表情。バッタモンダーみたいなセリフが素で出ちまう。
バッタモンダーは饒舌な調子でさらに続けます。本当は君たちに隊長の始末をさせるつもりだったんだ。それは最高の絶望になるだろうからね。でもいいや、好きな方を選べよ。隊長を倒すか、隊長に倒されるか。クズキャラが似合う。2クール目の山場を担当しているだけはある。カバトンは許されたけど、こいつ大丈夫か?
ここでランボーグが電池切れ。
人間にアンダーグ・エナジーを注ぐのはそもそも無理がある。その隙を突いて蹴りを入れるバタフライとウィング。撤収。しかし今やイニシアチブは完全に彼のもの。サスペンスドラマの犯人ばりに心を揺さぶるセリフを残します。
うなだれるソラに声をかけるましろ。
助ける方法がきっとある。どんな方法があるっていうんですか。まともに言い返されて怯む一同。ミックスパレットを使えば何とかなるかも!と閃くあげは。アンダーグ・エナジーを浄化してその後すかさず回復の技を使う。それなら救えるかも。
「ダメだったら? シャララ隊長はどうなるんですか?!」
思いつきの実験で命の危険に晒すのか。怒鳴るように言い返すソラにしどろもどろになるあげは。ソラのやっていることは八つ当たり。彼女の悪い癖。でもましろやあげはが気休めや希望的観測を述べているのも事実。信じてやるしかないと今度はツバサが口を開きます。ヒーローは諦めたらそこで終わ……
「やめてください!!」
ヒーローなんて……。その先を察して固まる一同。
「私もう戦いたくない!」
その言葉に従うようにミラージュペンが霧散。もう片方のブローチも消えないまでも灰色に。
③次回予告
ヒーロー……の友達の出番です。
新EDお披露目。ミラーパッドがあるので引き続き過去作主人公の出番は確保。
○トピック
女子中学生が泣くと文章量が増える感想があるらしい。
2クール目の山場に相応しいエピソード。
憧れのヒーローが敵になるのはほぼお約束のイベントなのでそれ自体は予想できたことですが、本作では徹底的にソラのメンタルをへし折る方向。ただでさえ戦えない相手なのに救えない状況も相まって完全にノックアウト。最近の個人回の流れ的にもちょうどいいタイミング。それぞれのエピソードでは各々の性格がよく出ていて、ましろなら人への思いやり、ツバサなら努力家、あげはならお調子者と言った感じで良くも悪くも人となりがわかります。ではソラは? 当然それは純粋さ。
身体能力の高さを除けば子どもと大差がない。八つ当たり気味な言動なんかはその最たる例ですが、それを過ぎて自身の認識を超えるとどうなるか。現実から逃げる。現実から目を逸らす。今回の話は5話のソレと構図的には同じ。ヒーローになりたい気持ちはちゃんとある。その心構えもある。一定の高さなら自分で乗り越えられる。強く、汚い敵を目の前にしても戦える。正しさを信じる彼女なら強い敵は逃げ出す理由にならない。でもそれがひとたび大切な友達、大切な人が傷ついてしまうとなると子どものように怯え、泣いてしまう。そこに彼女の弱さ、潔癖なまでの純粋さがある。今回のエピソードはそんな彼女の弱さを完璧に突いた話です。
言ってしまえばソラの弱さは大切な人のために戦えないことです。
強い敵となら戦える。けどそこに大切な人が関わると途端に戦えなくなる(思考が停止する)。この一見すると矛盾するかのように見えるチグハグさがソラという子の面白いところであり、魅力的な部分だと思います。優しいとか繊細とか他にも表現する言葉があるかもしれないけど「純粋」という言葉が一番しっくりくる。前回の感想でヒーローには孤高のイメージがあると書きましたが、この意味でソラは1人ではいられません。常に誰か大切な人が心の中にいる。それが彼女をヒーロー足らしめる。でもその大切な人を守る力が彼女にはない。依存しているのとも違う。自分自身の感じやすさに負けてしまう。「助けて……ましろさん……」のセリフからは彼女のそんな本音が漏れていると思います。
物理的な強さなら話の都合でいくらでも強くできる。強い敵、卑劣な敵、それらにも勇敢に立ち向かえる。けどただ一つ、大切な人のために戦えない。プリキュアらしい提示ですね。
第21話「ひろがれ!知識の翼」
○今週のヒーロー
①メンタルケアならお婆ちゃんにお任せ
今日はみんなでお掃除。
自分の担当分が終わったツバサは自室を掃除。本を整理しているとその中の一冊が目に止まります。航空力学。プリキュアになって空を飛べるようになったのでしばらく読んでいなかったらしい。あんなに勉強していたのに……と以前を振り返るツバサ。今の彼からは飛ぶことへの情熱が消えています。鳥形態でも飛ぶ練習を続けている描写があったはずですが、今回はそのことは脇に置いておきます。
リビングに戻るとエルもお掃除のお手伝い。少し前までハイハイしていたのが嘘みたいとソラとましろが褒めまくり。はー、俺も呼吸できて偉い!って褒められてぇ。すぐ大人になる。その言葉が引っかかるツバサ……に引っかかるお婆ちゃん。
巣箱の枝でボーっとするツバサ。
どうやら悩み事があるとそうするのが彼の癖らしくお婆ちゃんが声をかけます。お茶にしよう。こういうときは「「カモミールのハーブティー」」。パターンが決まっているらしい。お茶に合わせてグミも。グミってお茶に合うのか?
たどたどしく話を切り出すツバサ。プリキュアになったことで今までの努力が無駄になってしまった? 言葉を引き取ったお婆ちゃんに頷きながらも「別にいいんです」と答えるツバサ。今の目標はプリンセスをお守りすること。「でも」。プリンセスが大人になったらその目標も消えてしまう。それと比較すればソラなら護衛隊隊長、ましろなら絵本作家、あげはなら保育士というように続けられる。自分は隠居して日向ぼっこ? 夢や目標がなくなって呆けてしまうのではないかと不安になるツバサ。なるほど、今回はそういうアプローチなのね。前回のましろは目標を掴む話で、今回は目標を達成し終えたら?と。
ひとしきり話したところで我に返るツバサ。事情が飲み込めたところでお婆ちゃんは一つ手を打ちます。今度のお休みはみんなでお出かけしましょう。
②収穫祭
ということでお婆ちゃんも同行してお出かけ。行き先は野菜畑。
特別なお弁当を用意したと話すましろ。相変わらず女子力高い。それを聞いてソラのテンションが上がります。それに反比例して私は不安が増大。おいおい、このアニメどんだけ山札に「山カード」入ってるんだよ。そろそろ7月だぞ。わかってるよな? 東堂いづみ。
一面に広がる野菜畑。今年から始めてこれって凄すぎない!?とお婆ちゃんの行動力に驚く一同。金持ってるのは知ってるけど、趣味のために切り開いたのか、これ。以前働いていたときに退職間近の人がさくらんぼ農園をやろうと準備してたけど、人脈も大事なんだよね。ノウハウとか情報が必要になるから。なるほど、乗馬クラブはそのためでもあるのか(勝手に納得)。
鳥の模型も。これは鳥よけ。見覚えがあるツバサ。以前作って余ったものを再利用したようです。言ってくれればちゃんとしたものを作ったのに。早速収穫を始めます。
熟したトマトの見分け方をお婆ちゃんがレクチャー。トウモロコシのヒゲと粒の数は同じ、と雑学も披露。赤いピーマンは熟したもの。ましろもお婆ちゃんの影響で詳しくなっています。
エルが土で遊んでいる間、種まきの準備。自前の肥料を持参。完全に暇を持て余して全力出してるな。ツバサがその知識に感心すると気を良くしたのか、罠にかかったと判断したのか饒舌になるお婆ちゃん。知識は言わば芋づる。例えばハーブについて調べると、それを使ったお料理のことが知りたくなる。レシピを知れば作りたくなる。作ると生ゴミが出る。再利用の方法はないかと調べたら肥料が作れる。肥料があるならと畑を始めたら野菜のことにも詳しくなった。肥料から畑の飛躍感。暇と金を持て余してる人最強説。
「全部繋がってるんですね」
風向き変わったわね。チャートどおり。話を纏めるように知りたいという気持ちは繋がって広がっていくもの、と締めくくります。「広がる」は作品タイトルにもなっているので重要ワード。タイミングよくソラのお腹の虫がお昼をお知らせ。
箱いっぱいのお弁当。
生野菜向けにディップソースを用意。カレーマヨ、たらこクリームチーズ、ハーブヨーグルト。ましろさん何気にガチ勢だと思うんだよなぁ。栄えるのでミラーパッドで激写しまくるあげは。何が何でもそれ使おうとする精神、玩具販促アニメ感あって好きだよ。これは確かに特別なお弁当!と感激するソラ。今週の彼女は幼児並のリアクション。可愛いからセーフ。
口を付ける前に空の様子に気づいたツバサが雨が降るかもしれないと警告。晴れているのに? 言ったそばからポツポツと降ってきます。
工事現場で1人たそがれるバッタモンダー。こういうのに感傷的になる俺カッケーって思ってそう。作業員から注意されます。水を差された彼は人気のない場所へ。
東屋に移動して昼食再開。
新鮮なトマトをちゅっぱいと言いながらも美味しそうに食べるエル。ピーマンとカレーマヨのマリアージュ。あげはに勧めるとギクリ。その反応に苦手?とソラとましろが訝ると震え声で必死に否定しながらパクリ。意外とこれがイケる。カレーマヨのおかげで食べやすい! それはピーマン嫌いな人の感想だよ~。
それはそうとこの雨いつまで降るのか。空は先ほどまでと打って変わってどんより。しかしツバサはすぐに止むと楽観。なぜわかるのか? 雲を観察してわかったと答えるとお婆ちゃんみたいに物知り!と大絶賛。飛ぶための知識で仕入れたもの。そこで先ほどのお婆ちゃんのセリフが重なります。風向き変わったわね。これには隣に座っていたお婆ちゃんもニッコリ。何かを学ぶことと畑は似ている。学んだことは肥料になって夢の種を育てる。けれどその種がいつ芽吹くかはわからない。学んだことは全部無駄だったんじゃないかって不安になることもある。
「でも大丈夫」
「それは明日かも、ずっと先の未来かもしれないけれど必ず花開くときが来るわ」
しかも自分の思いもよらない花が咲くこともある。鳥の模型が案山子になったりするみたいに。そんなオチをつけて一段落。
③知力は戦闘力
バッタモンダーとエンカウント。案山子の鳥模型をランボーグに。
ランボーグの攻撃をガードスキルで防いでプリズムが反撃。回避。さすがウィングが作った鳥さんと褒めるスカイに照れる本人。そんな場合じゃない。なら絡め手で。ホワイト&ブルーでランボーグを凍結。状態異常まで扱える。
今がチャンスと再度攻撃。直撃。スカイが追撃に入ると今度は回避されます。原因は上昇気流。そもそも論として滞空できるのか?とか、航空力学を最初から無視してるんじゃないの?という疑問は抱いてはいけない。今回は航空力学が通用する。東堂いづみがそう決めた。
凍結から戻ったランボーグと空中戦。相手は飛び道具も使えるので分が悪い。武器がないなら知恵を使う。ウィングがバタフライに指示を出して雲を冷却すると大きな雹…というより氷が落下。ランボーグに当たると高度を下げます。今回はマップのギミックを使って攻略。これにはみんなも目を丸くします。幼児向け番組によくあるときどき知能(知識)が下がる現象。それはそれとして工夫次第ではミックスパレットは可能性の塊。
ランボーグのターン。今週はほぼターン制。ガードで耐えている間、ウィングがまた知恵を絞ると実行。ウィングに向けられた突風を逆手に利用。山っていうか崖に風が当たると上昇気流が発生。それに乗ると今まで到達できなかった高度まで上昇。プリキュアの力と知恵の融合。無駄じゃなかったんだと実感するウィング。
しかしそれと戦闘力は別な話。体当たりを食らうとよろめきます。しかし自分のターンで殴り返すと一気に形勢逆転。後は新商品担当にお任せ。
どうやらアレを使うときが来たようだ。意味深なことを呟いて撤退。賞味期限案内か。2クール目もそろそろ終わるからね。
ツバサに頼まれたとおり色んな本を持ってくるお婆ちゃん。宇宙や天文学もあれば草花や鉱石の本も。今の自分にはみんなのような夢はないけど、まずは色んなことを勉強してみようと思う。そう話すツバサに頷くと、お婆ちゃんからプレゼント。
ミラーパッド。繋げて広げるお手伝いをしてくれる。ツバサさんが使うことでみんなを助ける力にもなる。
今晩は夏野菜いっぱいのカレー。カレーマヨで口がカレーの口になっていたとよくわからないことを言い出すソラ。そんな彼女も知っていることがある。カレーライスは辛いライスではないので甘いカレーも美味しい。でもソラは中辛派。頷きながら甘口と中辛両方作ってあると答えるましろ。準備がいい。色とりどりの野菜を並べてみんなで夕食。
④次回予告
仮面被ってるんでしょ?
えかいつ(えりかが可愛すぎて生きるのが辛い)は当時よくネット上で使われていました。
○トピック
新商品は触らせられないけど、中古品ならいいよ。これがプリキュア内格差。
東堂いづみ「ツバサは鳥形態で飛ぶことはしなくなった。私がそう決めた」回。若さってなんだ。振り向かないことさ。
夢がないと言っていたましろのエピソードから一転して、今度は夢が叶ってしまいスタート地点に戻ったツバサのエピソード。私にはプリキュアの資格が……みたいなましろと対照的なあげはなど、今作は同じテーマ、シチュエーションでもキャラによって描かれ方が異なるアプローチを度々しています。
基本的にプリキュアは子ども視点なので夢を追ったり、探したりがメイン。なので「叶った」エピソードにはなりにくい。ですが今回は今までの経験、新しいことへのチャレンジ、ついでに中古品の在庫管理など物語と宣伝を両立した構成で一工夫されています。作中で言及されているようにエルのお世話も期限があるはずなのでツバサの主体性という意味でも良いさじ加減。これに加えて子ども番組定番の「何で勉強するの?」もさりげにカバーしていて手堅い。『子どもにわかりやすく』『物語を描く』『スポンサーの要望も守る』。全部やらなくちゃならないのがプリキュアの忙しいところ。
異なるアプローチを描くことで物語は多層性を帯びます。
例えば「繋がって広がる」というワードは今回知識をベースに描写されていますが、これがましろのケースでは人的交流によって描写されています。本を読んで培ったことも、人を通じて体験したこともどちらも繋がって広がることを体現している。この2人は夢を見つける(失う)というように起伏があるので共通点を持っていると言えますね。逆にヒーロー・(最強の)保育士という確固たる目標を持っているソラとあげははそれぞれ目標は違えど似た方向性。ヒーローや最強には孤高のイメージがあるので、これをどう「広がる」に結びつけていくかは興味ある部分です。特にソラはシャララと何かしらイベントが起きるでしょうし。ベリィベリーも同僚として良い仕事をしてくれるかもしれません。こちらの世界とスカイランドという括りもあり、以前は別れるしか選択肢がなかったことも踏まえると、本作がどこまで広がるのか楽しみです。
①メンタルケアならお婆ちゃんにお任せ
今日はみんなでお掃除。
自分の担当分が終わったツバサは自室を掃除。本を整理しているとその中の一冊が目に止まります。航空力学。プリキュアになって空を飛べるようになったのでしばらく読んでいなかったらしい。あんなに勉強していたのに……と以前を振り返るツバサ。今の彼からは飛ぶことへの情熱が消えています。鳥形態でも飛ぶ練習を続けている描写があったはずですが、今回はそのことは脇に置いておきます。
リビングに戻るとエルもお掃除のお手伝い。少し前までハイハイしていたのが嘘みたいとソラとましろが褒めまくり。はー、俺も呼吸できて偉い!って褒められてぇ。すぐ大人になる。その言葉が引っかかるツバサ……に引っかかるお婆ちゃん。
巣箱の枝でボーっとするツバサ。
どうやら悩み事があるとそうするのが彼の癖らしくお婆ちゃんが声をかけます。お茶にしよう。こういうときは「「カモミールのハーブティー」」。パターンが決まっているらしい。お茶に合わせてグミも。グミってお茶に合うのか?
たどたどしく話を切り出すツバサ。プリキュアになったことで今までの努力が無駄になってしまった? 言葉を引き取ったお婆ちゃんに頷きながらも「別にいいんです」と答えるツバサ。今の目標はプリンセスをお守りすること。「でも」。プリンセスが大人になったらその目標も消えてしまう。それと比較すればソラなら護衛隊隊長、ましろなら絵本作家、あげはなら保育士というように続けられる。自分は隠居して日向ぼっこ? 夢や目標がなくなって呆けてしまうのではないかと不安になるツバサ。なるほど、今回はそういうアプローチなのね。前回のましろは目標を掴む話で、今回は目標を達成し終えたら?と。
ひとしきり話したところで我に返るツバサ。事情が飲み込めたところでお婆ちゃんは一つ手を打ちます。今度のお休みはみんなでお出かけしましょう。
②収穫祭
ということでお婆ちゃんも同行してお出かけ。行き先は野菜畑。
特別なお弁当を用意したと話すましろ。相変わらず女子力高い。それを聞いてソラのテンションが上がります。それに反比例して私は不安が増大。おいおい、このアニメどんだけ山札に「山カード」入ってるんだよ。そろそろ7月だぞ。わかってるよな? 東堂いづみ。
一面に広がる野菜畑。今年から始めてこれって凄すぎない!?とお婆ちゃんの行動力に驚く一同。金持ってるのは知ってるけど、趣味のために切り開いたのか、これ。以前働いていたときに退職間近の人がさくらんぼ農園をやろうと準備してたけど、人脈も大事なんだよね。ノウハウとか情報が必要になるから。なるほど、乗馬クラブはそのためでもあるのか(勝手に納得)。
鳥の模型も。これは鳥よけ。見覚えがあるツバサ。以前作って余ったものを再利用したようです。言ってくれればちゃんとしたものを作ったのに。早速収穫を始めます。
熟したトマトの見分け方をお婆ちゃんがレクチャー。トウモロコシのヒゲと粒の数は同じ、と雑学も披露。赤いピーマンは熟したもの。ましろもお婆ちゃんの影響で詳しくなっています。
エルが土で遊んでいる間、種まきの準備。自前の肥料を持参。完全に暇を持て余して全力出してるな。ツバサがその知識に感心すると気を良くしたのか、罠にかかったと判断したのか饒舌になるお婆ちゃん。知識は言わば芋づる。例えばハーブについて調べると、それを使ったお料理のことが知りたくなる。レシピを知れば作りたくなる。作ると生ゴミが出る。再利用の方法はないかと調べたら肥料が作れる。肥料があるならと畑を始めたら野菜のことにも詳しくなった。肥料から畑の飛躍感。暇と金を持て余してる人最強説。
「全部繋がってるんですね」
風向き変わったわね。チャートどおり。話を纏めるように知りたいという気持ちは繋がって広がっていくもの、と締めくくります。「広がる」は作品タイトルにもなっているので重要ワード。タイミングよくソラのお腹の虫がお昼をお知らせ。
箱いっぱいのお弁当。
生野菜向けにディップソースを用意。カレーマヨ、たらこクリームチーズ、ハーブヨーグルト。ましろさん何気にガチ勢だと思うんだよなぁ。栄えるのでミラーパッドで激写しまくるあげは。何が何でもそれ使おうとする精神、玩具販促アニメ感あって好きだよ。これは確かに特別なお弁当!と感激するソラ。今週の彼女は幼児並のリアクション。可愛いからセーフ。
口を付ける前に空の様子に気づいたツバサが雨が降るかもしれないと警告。晴れているのに? 言ったそばからポツポツと降ってきます。
工事現場で1人たそがれるバッタモンダー。こういうのに感傷的になる俺カッケーって思ってそう。作業員から注意されます。水を差された彼は人気のない場所へ。
東屋に移動して昼食再開。
新鮮なトマトをちゅっぱいと言いながらも美味しそうに食べるエル。ピーマンとカレーマヨのマリアージュ。あげはに勧めるとギクリ。その反応に苦手?とソラとましろが訝ると震え声で必死に否定しながらパクリ。意外とこれがイケる。カレーマヨのおかげで食べやすい! それはピーマン嫌いな人の感想だよ~。
それはそうとこの雨いつまで降るのか。空は先ほどまでと打って変わってどんより。しかしツバサはすぐに止むと楽観。なぜわかるのか? 雲を観察してわかったと答えるとお婆ちゃんみたいに物知り!と大絶賛。飛ぶための知識で仕入れたもの。そこで先ほどのお婆ちゃんのセリフが重なります。風向き変わったわね。これには隣に座っていたお婆ちゃんもニッコリ。何かを学ぶことと畑は似ている。学んだことは肥料になって夢の種を育てる。けれどその種がいつ芽吹くかはわからない。学んだことは全部無駄だったんじゃないかって不安になることもある。
「でも大丈夫」
「それは明日かも、ずっと先の未来かもしれないけれど必ず花開くときが来るわ」
しかも自分の思いもよらない花が咲くこともある。鳥の模型が案山子になったりするみたいに。そんなオチをつけて一段落。
③知力は戦闘力
バッタモンダーとエンカウント。案山子の鳥模型をランボーグに。
ランボーグの攻撃をガードスキルで防いでプリズムが反撃。回避。さすがウィングが作った鳥さんと褒めるスカイに照れる本人。そんな場合じゃない。なら絡め手で。ホワイト&ブルーでランボーグを凍結。状態異常まで扱える。
今がチャンスと再度攻撃。直撃。スカイが追撃に入ると今度は回避されます。原因は上昇気流。そもそも論として滞空できるのか?とか、航空力学を最初から無視してるんじゃないの?という疑問は抱いてはいけない。今回は航空力学が通用する。東堂いづみがそう決めた。
凍結から戻ったランボーグと空中戦。相手は飛び道具も使えるので分が悪い。武器がないなら知恵を使う。ウィングがバタフライに指示を出して雲を冷却すると大きな雹…というより氷が落下。ランボーグに当たると高度を下げます。今回はマップのギミックを使って攻略。これにはみんなも目を丸くします。幼児向け番組によくあるときどき知能(知識)が下がる現象。それはそれとして工夫次第ではミックスパレットは可能性の塊。
ランボーグのターン。今週はほぼターン制。ガードで耐えている間、ウィングがまた知恵を絞ると実行。ウィングに向けられた突風を逆手に利用。山っていうか崖に風が当たると上昇気流が発生。それに乗ると今まで到達できなかった高度まで上昇。プリキュアの力と知恵の融合。無駄じゃなかったんだと実感するウィング。
しかしそれと戦闘力は別な話。体当たりを食らうとよろめきます。しかし自分のターンで殴り返すと一気に形勢逆転。後は新商品担当にお任せ。
どうやらアレを使うときが来たようだ。意味深なことを呟いて撤退。賞味期限案内か。2クール目もそろそろ終わるからね。
ツバサに頼まれたとおり色んな本を持ってくるお婆ちゃん。宇宙や天文学もあれば草花や鉱石の本も。今の自分にはみんなのような夢はないけど、まずは色んなことを勉強してみようと思う。そう話すツバサに頷くと、お婆ちゃんからプレゼント。
ミラーパッド。繋げて広げるお手伝いをしてくれる。ツバサさんが使うことでみんなを助ける力にもなる。
今晩は夏野菜いっぱいのカレー。カレーマヨで口がカレーの口になっていたとよくわからないことを言い出すソラ。そんな彼女も知っていることがある。カレーライスは辛いライスではないので甘いカレーも美味しい。でもソラは中辛派。頷きながら甘口と中辛両方作ってあると答えるましろ。準備がいい。色とりどりの野菜を並べてみんなで夕食。
④次回予告
仮面被ってるんでしょ?
えかいつ(えりかが可愛すぎて生きるのが辛い)は当時よくネット上で使われていました。
○トピック
新商品は触らせられないけど、中古品ならいいよ。これがプリキュア内格差。
東堂いづみ「ツバサは鳥形態で飛ぶことはしなくなった。私がそう決めた」回。若さってなんだ。振り向かないことさ。
夢がないと言っていたましろのエピソードから一転して、今度は夢が叶ってしまいスタート地点に戻ったツバサのエピソード。私にはプリキュアの資格が……みたいなましろと対照的なあげはなど、今作は同じテーマ、シチュエーションでもキャラによって描かれ方が異なるアプローチを度々しています。
基本的にプリキュアは子ども視点なので夢を追ったり、探したりがメイン。なので「叶った」エピソードにはなりにくい。ですが今回は今までの経験、新しいことへのチャレンジ、ついでに中古品の在庫管理など物語と宣伝を両立した構成で一工夫されています。作中で言及されているようにエルのお世話も期限があるはずなのでツバサの主体性という意味でも良いさじ加減。これに加えて子ども番組定番の「何で勉強するの?」もさりげにカバーしていて手堅い。『子どもにわかりやすく』『物語を描く』『スポンサーの要望も守る』。全部やらなくちゃならないのがプリキュアの忙しいところ。
異なるアプローチを描くことで物語は多層性を帯びます。
例えば「繋がって広がる」というワードは今回知識をベースに描写されていますが、これがましろのケースでは人的交流によって描写されています。本を読んで培ったことも、人を通じて体験したこともどちらも繋がって広がることを体現している。この2人は夢を見つける(失う)というように起伏があるので共通点を持っていると言えますね。逆にヒーロー・(最強の)保育士という確固たる目標を持っているソラとあげははそれぞれ目標は違えど似た方向性。ヒーローや最強には孤高のイメージがあるので、これをどう「広がる」に結びつけていくかは興味ある部分です。特にソラはシャララと何かしらイベントが起きるでしょうし。ベリィベリーも同僚として良い仕事をしてくれるかもしれません。こちらの世界とスカイランドという括りもあり、以前は別れるしか選択肢がなかったことも踏まえると、本作がどこまで広がるのか楽しみです。
第20話「ましろの夢 最初の一歩」
○今週のヒーロー
①ソラちゃん、わたし今週を絵本に捧げようと思う
今日は1人で静かにお留守番のましろ。ソラは朝のランニング。ツバサは飛行機の観察。あげははプリティホリックでバイト。お婆ちゃんは乗馬クラブ。そんな趣味あったのかこの人。乗馬クラブ(権力者たちの打ち合わせ場所)って解釈でいいんだよな?
エルが絵本を抱えてやってきます。1冊読むとさらに1冊、次の1冊……とある限り読まされるはめに。
ソラたちと合流。声がガラガラと話すましろ。そんなましろに感心しつつ、彼女たちが向かった先はプリティホリック。
先ほどの説明のとおりあげはがバイト中。早速ツバサが無理してないかと聞きます。前回のことがあるのでこの辺はツバサが手綱を握る役。楽しんでやっていると返答。本当に? 疑り深い彼にお母さんかと笑い返すあげは。
ましろ達は商品チェック。ましろの感想に興味を引く店員。常連の彼女に見覚えがあると言うと、あげはが補足。ましろにつられる形で通うようになりバイトになったという経緯。ましろもここが私の癒やしだと答えます。今度は店員さんをましろ達に紹介。菜摘さんはバイトの先輩で美大に通う大学生。ましろに気を良くしたのか、ましろんさんと呼ぶと相談を持ちかけます。あだ名で人名登録されてしまいました。キラキラネームもあるからマジで「ましろん」だと思っている可能性。
試用ルームの一角に置かれた棚。物足りない気がすると言う菜摘。常連のましろに何かアイデアはないかと訊ねます。金出す側に仕事させんな。前回の保育園といい職務放棄気味だな、この街の人。ましろの視線は背景の絵に釘付け。絵は菜摘の自作。まるで人魚が住んでそうと感想を言うと、それを採用。
ささっと人魚を書き足してましろのアイデアを実現。短時間で描いたのはいいとして、その間客は来なかったのだろうか。実はAIイラストってオチかもしれないけど。この出来にはあげはも新作コスメを使ったら人魚になれそうと好印象。これで一件落着。菜摘はましろんさんみたいなセンスがあったら絵本もすいすい書けるのに、と今回のテーマに話を繋げます。ここまでが前置き。
絵本コンテストの告知。挑戦していると話す菜摘。ましろんさんもどうか。突然の無茶振りに腰が引けるましろ。しかし面白そうとあげはが食いつきます。運動会のときにも見たパターン。
善は急げでホームセンター。電動工具コーナーに青い子居そう。
絵本って言ってもなぁ、みたいな感じで戸惑っている間にソラとツバサが画材を入手。勝手に外堀が埋まっていく。以前作ってくれたくもパンに感動したと話すソラ。菜摘さんが言うようにセンスがあると思う。そう言われて満更でもない様子のましろ。ましろさんが描く絵本を見てみたい。勝手だとは思いつつも素直な希望を話すソラ。そんな風に背中を押されたましろは挑戦してみることに。
エルがどこからか砂場遊びセットを見つけてきます。
早速公園で砂場遊び。
近くのベンチに腰掛けて絵本を考えるましろ。大きな桃が……それじゃ桃太郎。自分でツッコミを入れながら軌道修正。川からカボチャが流れてきて中から女の子が……ってそれはシンデレラ。パクリにしかならない。そんなもんだよな。絵本って独特だと思う。絵が上手いとか、話が上手いとかだけじゃなく世界観が重要というか。ガチで子ども騙すのって難しい。1人でボケツッコミを演じているましろに近くを通りかかった親子の視線が突き刺さります。
話が思い浮かばないし、絵だって上手く描けない。そもそもセンスだって。悩んでいる彼女の隣に申し訳無さそうに座るソラ。自分が先走って困らせてしまったと反省。運動会のときもやっているのでまたやってしまったと思ってそう。でもましろも褒めてもらって悪い気はしない。
「でも……みんなみたいにこれをやりたいって気持ちにはなれなくて」
20年プリキュアの感想書いてて思うのは、このモチベーションがどっから湧いてるのか自分でも謎。別に文章が上手いわけでも上達しているわけでもない。PVを稼ぎたいとか有名になりたいとかもない。強いて言えば、プリキュアの感想が書ける。書きたいと思える。やれる気がする。書きながら何か思いつきそう、みたいなやれる感でやっているところがあります。本の感想もそう。10冊読んでも全くピンと来ないときもあれば、読んでいる途中でこの本のこと書きたいと思えるときがある。このピンと来るものと巡り合うための試行ってのが大きいですね。プリキュアの感想も流すときは本気で流してる。1年の中で数回でもいい。そのときに来たなこれ、と自分の中に湧き出るものを掴めれば十分元が取れる。そんな感じ。以前から言っていますがこの感想自体は使い捨てです。
小さなため息を漏らすましろに、ましろさんはましろさんのままで良いと思う気持ちは今も変わらないと話すソラ。だから気にしないで欲しい。ダメ出ししているわけでも変わって欲しいと思っているわけではないと伝えたいのでしょう。不器用そうに話すソラが可愛い。それはましろも承知。
そんな話をしている横で、ツバサの嗜めるような声が聞こえてきます。
エルの隣で棒立ちする男の子。どうやらエルが持っている玩具に興味があるけど、エルは独り占めしたい様子。ソラが心が狭いと注意するとさらに意固地になってしまいます。ここは北風と太陽理論。好きな玩具でお友達と一緒に遊べたらきっともっと楽しいと呼びかけるましろ。これにはエルも聞く耳を持ちますが一歩及ばず。結局男の子の親がやってきて退場。居なくなった途端に遊びを再開するエル。
一連のやり取りを見たソラは反省会。自分は叱るばかりだったのにましろさんはおおらかにエルの気持ちを受け止めて伝えていた。ソラは正しさを重視するので善悪の価値判断による賞罰的思考になりがち(だから反省もする)。ましろは相手が何を思っているかに軸を置いているので歩み寄りの姿勢が強い。よく優しいと言われるのは、ソラもあげはもツバサも「自分が(こう思う)」になりがちなので、ましろの態度はそれと一線を画していると感じるのでしょう。
とはいえ、結局説得できなかったので力及ばず。どうすれば良かったのか。ということで絵本アピール。近くで絵本を読む親子。今週のお題にこれでもかと繋げていく。思い立ったましろは荷物を纏めると撤収。
力強くミラージュペンを握りながら使命感に燃えるましろ。
②ましろは絵本コンテストを取りに行く
家に帰ってからましろはずっと絵本製作にかかりきり。
バイトから帰ってきて話を聞いたあげはは驚きとともに感心。それはお婆ちゃんも同じであんなましろさんを見るのは初めてだと言います。しかしソラは沈んだ顔。無理しているのではないか。まだまだ読みが甘い。何かに夢中になれることがなかった彼女が夢中になっているなら良きにつけ悪しきにつけ、それは大きな変化。というわけでおやつセットをソラに渡すあげは。差し入れを口実に様子を見ればいい。
ノックしても反応がない。不安な様子で部屋に入ると、そこにはやる気に満ちたましろの姿が。ソラのことも目に入らず黙々と書き続けています。おやつを置いてそーっと(声に出してるの可愛い)出ていこうとしたソラにお礼。
「なんかね……すっごく楽しいの!」
その言葉にソラは安心すると笑顔で答えます。
その後もエルやあげはに見てもらいながら形にしていきます。ツバサ(鳥)もモデルに。そんな彼女を静かに見守るソラ。そして完成。実は今日締め切り。荷物を纏めます。
大切そうに原稿を抱えながら早歩き。ましろの後を歩くみんなも早歩き。そんな不審な光景に興味を持つバッタモンダー。
赤信号でストップ。午後5時がデッドライン。それまでに市役所に持ち込めればセーフ。時間的にはまだ余裕がある。…と思うじゃん? 向かい側に現れるバッタモンダー。心配だよ、何かアクシデントが起きてその大切そうな封筒を失ってしまわないかってね。言ったそばからランボーグ召喚。もう完全に当たり屋だろ、こいつ。
逃げ惑う人々。彼女っぽい人を大事そうに支えながら避難する男性。やめてくれないかな、日曜の朝から俺のメンタル削るの。
4人で合同変身。ということで初の4人タイトルコール。
封筒はエルちゃんが責任を持って預かり。今まで防衛対象でしたが、最近はパートナー感も出てきました。
まずはスカイが先行。信号は人を守るもの。乱暴なんて許されない!とアッパーで打ち上げ、ウィングが追撃。それをプリズムが蹴り飛ばしてバタフライプレス。乱暴は許されないので乱暴で解決する。プリキュアはそういうアニメ。しかし着弾の寸前、信号を赤にすると全てが停止。
突然青になるとランボーグが脱出して着弾を回避。そのまま反転攻勢でバタフライを攻撃。ならばとスカイパンチで攻撃。これ外側から見るとパンチのエフェクトなんだ。しかしこれも赤信号で停止。青信号になれば動けるけどタイミングがわからない。タイミングがわからなくても必中コースなら問題ないのでは。キャンセル時に猶予が与えられるのか、ギリかわせるタイミングで停止しているのか、上手いこと避けるランボーグ。すぐに赤信号になってしまいほとんど手が出せない。常に状態異常をばら撒いてこっちのやりたいことをさせないクソボスみたいなやつだな。
このままダラダラ戦えば絵本の締切に間に合わない。それはいいよと返すプリズムによくない!とスカイ。次に青に変わったら構わずに行ってくれ。でもこんなにピンチなのに…。いいから行く! あんだけガチになったましろにガッカリなどさせたくない。新商品はバタフライ担当なので抜けてもらっても支障はない。スポンサーのオーダーに応えておけばあとは何したっていい。それがひろがるスカイ流。
ちなみにこの停止、バンタモンダーも対象。プリキュアが隙だらけなのに何しているのかと思ったら何もできなかった。
青になった瞬間、バフを付与。赤と黄色で守りの力。
赤信号に切り替わってもスカイの動きは止まらず信号を破壊。その隙を逃さずプリズムは原稿を抱えて離脱。赤信号が使えないランボーグなど最早敵ではない。スカイが殴ると新技でトドメ。ウィング君、新商品にさわらせてもらえないのジワジワくる。エナジーの目盛りも3分の2といったところ。
午後5時。市役所で無事手続き完了。
コンテスト展示当日。
絵の部門では菜摘さんの絵が大賞に。すると本人がやってきてましろの絵本を褒めます。
『ブランコ』と題された絵本。女の子が男の子と一緒に遊んでいると動物たちとも遊ぶお話。それを読んであげるとエルが喜びます。賞は取れなかったものの、手応えを感じるましろ。
「私、これからももっと書いてみたい。エルちゃんや誰かの心に届くような絵本を…!」
③次回予告
お婆ちゃん、フィールドワークとかも得意そう。
響は子どもの頃、どの家にも電話ボックスがあると勘違いしていたと思う。
○トピック
SNSで顔出ししながら私が書きましたって言ったら大きなお友達の心に届きそう。
ましろが何かを掴む話。
これまでも述べてきましたが、ましろは別に無趣味でも無能な人間でもありません。料理はできるし、ファッションなども好きでむしろ器用なイメージがある。ただそこから先がない。周囲が明確な目標を持っている中で自分だけそれが無いと気づいたせいでより意識している。ある意味では贅沢な悩みとも言えます。裕福な家の娘が自己実現の方法が見つからないって言っているようなものなので。
これまでのプリキュアでもまどかやれいかのようにお行儀のいい子が自立するエピソードはありました。あれらは抑圧からの解放といったニュアンスもあり、感情を爆発させることとセットになっています。ましろのケースはそういうのとは異なります。抑圧されていない。ただ、無い。ああしろ、こうしろとも言われない。反発する理由や環境もない。自由でいい。それ故に、無い。これは現代人に多く見られる心象だと思います。趣味はあってもそれが自分の本質と結びついていないから自分に手応えのようなものを感じない。そんな感じなんじゃないかと思います。
感想の中でも触れましたが、私が感想を書くのは自分との対話が目的と言っていいです。誰かの役に立ちたいとか、褒められたいとか、有名になりたいとか、お金が欲しいとか、そんな動機はない。自分を感じ、自分の本質を掴む。そのための手段と手続き。ただそれだけのことに20年費やせる。私という人間が自分にしか興味がないことの証明ですね。そんな人間だからこんなことをしているしできる。だから思うのですが自己実現の手段というのはそれ自体がその人の人間性を映すものだと思っています。
話をましろに戻すと、運動会以降、毎回ソラと一緒にランニングしているかと言えば今回見た感じそんな様子もない(たまたまエルのお守りもあって留守番していたのかもしれないけど)。たぶん彼女は自己完結できない人間なのだろうと思います。1人で悩んで1人で納得して、それをずーっと続けて何かを掴むんじゃなく、今回のように人に何かを伝えることで自分を動かしていけるタイプ。
これは視聴者的にも納得感があります。だって彼女、人と関わるときにガッツを見せるから。あげはと別れるときも、ソラが意固地になったときもそう。誰かの思いを受け止め、それに応えようとする(この点で周囲から期待されるのは追い風になっている)。そのときの彼女が一番強く見える。本人は自覚してないだろうけど。その端緒、糸口を絵本で感じられたのではないか。そんな風に思えます。
お話が上手いわけではない。絵も拙い。けどエルに伝えるために夢中になれる。そこにましろという子の本質がある。
①ソラちゃん、わたし今週を絵本に捧げようと思う
今日は1人で静かにお留守番のましろ。ソラは朝のランニング。ツバサは飛行機の観察。あげははプリティホリックでバイト。お婆ちゃんは乗馬クラブ。そんな趣味あったのかこの人。乗馬クラブ(権力者たちの打ち合わせ場所)って解釈でいいんだよな?
エルが絵本を抱えてやってきます。1冊読むとさらに1冊、次の1冊……とある限り読まされるはめに。
ソラたちと合流。声がガラガラと話すましろ。そんなましろに感心しつつ、彼女たちが向かった先はプリティホリック。
先ほどの説明のとおりあげはがバイト中。早速ツバサが無理してないかと聞きます。前回のことがあるのでこの辺はツバサが手綱を握る役。楽しんでやっていると返答。本当に? 疑り深い彼にお母さんかと笑い返すあげは。
ましろ達は商品チェック。ましろの感想に興味を引く店員。常連の彼女に見覚えがあると言うと、あげはが補足。ましろにつられる形で通うようになりバイトになったという経緯。ましろもここが私の癒やしだと答えます。今度は店員さんをましろ達に紹介。菜摘さんはバイトの先輩で美大に通う大学生。ましろに気を良くしたのか、ましろんさんと呼ぶと相談を持ちかけます。あだ名で人名登録されてしまいました。キラキラネームもあるからマジで「ましろん」だと思っている可能性。
試用ルームの一角に置かれた棚。物足りない気がすると言う菜摘。常連のましろに何かアイデアはないかと訊ねます。金出す側に仕事させんな。前回の保育園といい職務放棄気味だな、この街の人。ましろの視線は背景の絵に釘付け。絵は菜摘の自作。まるで人魚が住んでそうと感想を言うと、それを採用。
ささっと人魚を書き足してましろのアイデアを実現。短時間で描いたのはいいとして、その間客は来なかったのだろうか。実はAIイラストってオチかもしれないけど。この出来にはあげはも新作コスメを使ったら人魚になれそうと好印象。これで一件落着。菜摘はましろんさんみたいなセンスがあったら絵本もすいすい書けるのに、と今回のテーマに話を繋げます。ここまでが前置き。
絵本コンテストの告知。挑戦していると話す菜摘。ましろんさんもどうか。突然の無茶振りに腰が引けるましろ。しかし面白そうとあげはが食いつきます。運動会のときにも見たパターン。
善は急げでホームセンター。電動工具コーナーに青い子居そう。
絵本って言ってもなぁ、みたいな感じで戸惑っている間にソラとツバサが画材を入手。勝手に外堀が埋まっていく。以前作ってくれたくもパンに感動したと話すソラ。菜摘さんが言うようにセンスがあると思う。そう言われて満更でもない様子のましろ。ましろさんが描く絵本を見てみたい。勝手だとは思いつつも素直な希望を話すソラ。そんな風に背中を押されたましろは挑戦してみることに。
エルがどこからか砂場遊びセットを見つけてきます。
早速公園で砂場遊び。
近くのベンチに腰掛けて絵本を考えるましろ。大きな桃が……それじゃ桃太郎。自分でツッコミを入れながら軌道修正。川からカボチャが流れてきて中から女の子が……ってそれはシンデレラ。パクリにしかならない。そんなもんだよな。絵本って独特だと思う。絵が上手いとか、話が上手いとかだけじゃなく世界観が重要というか。ガチで子ども騙すのって難しい。1人でボケツッコミを演じているましろに近くを通りかかった親子の視線が突き刺さります。
話が思い浮かばないし、絵だって上手く描けない。そもそもセンスだって。悩んでいる彼女の隣に申し訳無さそうに座るソラ。自分が先走って困らせてしまったと反省。運動会のときもやっているのでまたやってしまったと思ってそう。でもましろも褒めてもらって悪い気はしない。
「でも……みんなみたいにこれをやりたいって気持ちにはなれなくて」
20年プリキュアの感想書いてて思うのは、このモチベーションがどっから湧いてるのか自分でも謎。別に文章が上手いわけでも上達しているわけでもない。PVを稼ぎたいとか有名になりたいとかもない。強いて言えば、プリキュアの感想が書ける。書きたいと思える。やれる気がする。書きながら何か思いつきそう、みたいなやれる感でやっているところがあります。本の感想もそう。10冊読んでも全くピンと来ないときもあれば、読んでいる途中でこの本のこと書きたいと思えるときがある。このピンと来るものと巡り合うための試行ってのが大きいですね。プリキュアの感想も流すときは本気で流してる。1年の中で数回でもいい。そのときに来たなこれ、と自分の中に湧き出るものを掴めれば十分元が取れる。そんな感じ。以前から言っていますがこの感想自体は使い捨てです。
小さなため息を漏らすましろに、ましろさんはましろさんのままで良いと思う気持ちは今も変わらないと話すソラ。だから気にしないで欲しい。ダメ出ししているわけでも変わって欲しいと思っているわけではないと伝えたいのでしょう。不器用そうに話すソラが可愛い。それはましろも承知。
そんな話をしている横で、ツバサの嗜めるような声が聞こえてきます。
エルの隣で棒立ちする男の子。どうやらエルが持っている玩具に興味があるけど、エルは独り占めしたい様子。ソラが心が狭いと注意するとさらに意固地になってしまいます。ここは北風と太陽理論。好きな玩具でお友達と一緒に遊べたらきっともっと楽しいと呼びかけるましろ。これにはエルも聞く耳を持ちますが一歩及ばず。結局男の子の親がやってきて退場。居なくなった途端に遊びを再開するエル。
一連のやり取りを見たソラは反省会。自分は叱るばかりだったのにましろさんはおおらかにエルの気持ちを受け止めて伝えていた。ソラは正しさを重視するので善悪の価値判断による賞罰的思考になりがち(だから反省もする)。ましろは相手が何を思っているかに軸を置いているので歩み寄りの姿勢が強い。よく優しいと言われるのは、ソラもあげはもツバサも「自分が(こう思う)」になりがちなので、ましろの態度はそれと一線を画していると感じるのでしょう。
とはいえ、結局説得できなかったので力及ばず。どうすれば良かったのか。ということで絵本アピール。近くで絵本を読む親子。今週のお題にこれでもかと繋げていく。思い立ったましろは荷物を纏めると撤収。
力強くミラージュペンを握りながら使命感に燃えるましろ。
②ましろは絵本コンテストを取りに行く
家に帰ってからましろはずっと絵本製作にかかりきり。
バイトから帰ってきて話を聞いたあげはは驚きとともに感心。それはお婆ちゃんも同じであんなましろさんを見るのは初めてだと言います。しかしソラは沈んだ顔。無理しているのではないか。まだまだ読みが甘い。何かに夢中になれることがなかった彼女が夢中になっているなら良きにつけ悪しきにつけ、それは大きな変化。というわけでおやつセットをソラに渡すあげは。差し入れを口実に様子を見ればいい。
ノックしても反応がない。不安な様子で部屋に入ると、そこにはやる気に満ちたましろの姿が。ソラのことも目に入らず黙々と書き続けています。おやつを置いてそーっと(声に出してるの可愛い)出ていこうとしたソラにお礼。
「なんかね……すっごく楽しいの!」
その言葉にソラは安心すると笑顔で答えます。
その後もエルやあげはに見てもらいながら形にしていきます。ツバサ(鳥)もモデルに。そんな彼女を静かに見守るソラ。そして完成。実は今日締め切り。荷物を纏めます。
大切そうに原稿を抱えながら早歩き。ましろの後を歩くみんなも早歩き。そんな不審な光景に興味を持つバッタモンダー。
赤信号でストップ。午後5時がデッドライン。それまでに市役所に持ち込めればセーフ。時間的にはまだ余裕がある。…と思うじゃん? 向かい側に現れるバッタモンダー。心配だよ、何かアクシデントが起きてその大切そうな封筒を失ってしまわないかってね。言ったそばからランボーグ召喚。もう完全に当たり屋だろ、こいつ。
逃げ惑う人々。彼女っぽい人を大事そうに支えながら避難する男性。やめてくれないかな、日曜の朝から俺のメンタル削るの。
4人で合同変身。ということで初の4人タイトルコール。
封筒はエルちゃんが責任を持って預かり。今まで防衛対象でしたが、最近はパートナー感も出てきました。
まずはスカイが先行。信号は人を守るもの。乱暴なんて許されない!とアッパーで打ち上げ、ウィングが追撃。それをプリズムが蹴り飛ばしてバタフライプレス。乱暴は許されないので乱暴で解決する。プリキュアはそういうアニメ。しかし着弾の寸前、信号を赤にすると全てが停止。
突然青になるとランボーグが脱出して着弾を回避。そのまま反転攻勢でバタフライを攻撃。ならばとスカイパンチで攻撃。これ外側から見るとパンチのエフェクトなんだ。しかしこれも赤信号で停止。青信号になれば動けるけどタイミングがわからない。タイミングがわからなくても必中コースなら問題ないのでは。キャンセル時に猶予が与えられるのか、ギリかわせるタイミングで停止しているのか、上手いこと避けるランボーグ。すぐに赤信号になってしまいほとんど手が出せない。常に状態異常をばら撒いてこっちのやりたいことをさせないクソボスみたいなやつだな。
このままダラダラ戦えば絵本の締切に間に合わない。それはいいよと返すプリズムによくない!とスカイ。次に青に変わったら構わずに行ってくれ。でもこんなにピンチなのに…。いいから行く! あんだけガチになったましろにガッカリなどさせたくない。新商品はバタフライ担当なので抜けてもらっても支障はない。スポンサーのオーダーに応えておけばあとは何したっていい。それがひろがるスカイ流。
ちなみにこの停止、バンタモンダーも対象。プリキュアが隙だらけなのに何しているのかと思ったら何もできなかった。
青になった瞬間、バフを付与。赤と黄色で守りの力。
赤信号に切り替わってもスカイの動きは止まらず信号を破壊。その隙を逃さずプリズムは原稿を抱えて離脱。赤信号が使えないランボーグなど最早敵ではない。スカイが殴ると新技でトドメ。ウィング君、新商品にさわらせてもらえないのジワジワくる。エナジーの目盛りも3分の2といったところ。
午後5時。市役所で無事手続き完了。
コンテスト展示当日。
絵の部門では菜摘さんの絵が大賞に。すると本人がやってきてましろの絵本を褒めます。
『ブランコ』と題された絵本。女の子が男の子と一緒に遊んでいると動物たちとも遊ぶお話。それを読んであげるとエルが喜びます。賞は取れなかったものの、手応えを感じるましろ。
「私、これからももっと書いてみたい。エルちゃんや誰かの心に届くような絵本を…!」
③次回予告
お婆ちゃん、フィールドワークとかも得意そう。
響は子どもの頃、どの家にも電話ボックスがあると勘違いしていたと思う。
○トピック
SNSで顔出ししながら私が書きましたって言ったら大きなお友達の心に届きそう。
ましろが何かを掴む話。
これまでも述べてきましたが、ましろは別に無趣味でも無能な人間でもありません。料理はできるし、ファッションなども好きでむしろ器用なイメージがある。ただそこから先がない。周囲が明確な目標を持っている中で自分だけそれが無いと気づいたせいでより意識している。ある意味では贅沢な悩みとも言えます。裕福な家の娘が自己実現の方法が見つからないって言っているようなものなので。
これまでのプリキュアでもまどかやれいかのようにお行儀のいい子が自立するエピソードはありました。あれらは抑圧からの解放といったニュアンスもあり、感情を爆発させることとセットになっています。ましろのケースはそういうのとは異なります。抑圧されていない。ただ、無い。ああしろ、こうしろとも言われない。反発する理由や環境もない。自由でいい。それ故に、無い。これは現代人に多く見られる心象だと思います。趣味はあってもそれが自分の本質と結びついていないから自分に手応えのようなものを感じない。そんな感じなんじゃないかと思います。
感想の中でも触れましたが、私が感想を書くのは自分との対話が目的と言っていいです。誰かの役に立ちたいとか、褒められたいとか、有名になりたいとか、お金が欲しいとか、そんな動機はない。自分を感じ、自分の本質を掴む。そのための手段と手続き。ただそれだけのことに20年費やせる。私という人間が自分にしか興味がないことの証明ですね。そんな人間だからこんなことをしているしできる。だから思うのですが自己実現の手段というのはそれ自体がその人の人間性を映すものだと思っています。
話をましろに戻すと、運動会以降、毎回ソラと一緒にランニングしているかと言えば今回見た感じそんな様子もない(たまたまエルのお守りもあって留守番していたのかもしれないけど)。たぶん彼女は自己完結できない人間なのだろうと思います。1人で悩んで1人で納得して、それをずーっと続けて何かを掴むんじゃなく、今回のように人に何かを伝えることで自分を動かしていけるタイプ。
これは視聴者的にも納得感があります。だって彼女、人と関わるときにガッツを見せるから。あげはと別れるときも、ソラが意固地になったときもそう。誰かの思いを受け止め、それに応えようとする(この点で周囲から期待されるのは追い風になっている)。そのときの彼女が一番強く見える。本人は自覚してないだろうけど。その端緒、糸口を絵本で感じられたのではないか。そんな風に思えます。
お話が上手いわけではない。絵も拙い。けどエルに伝えるために夢中になれる。そこにましろという子の本質がある。
第19話「あげはとツバサ、カラフルにアゲてこ!」
○今週のヒーロー
①アゲアゲあげはちゃん
朝からテンションアゲアゲなソラとましろ。それもそのはず朝食がこれでもか!というほど豪華。朝からこんな気合入ったもの出されたら「お、おう……」ってなりそう。居候することになったあげはなりのお返しでしょうか。エルもニッコリ。順調に語彙が増えてる。
味も見た目に比例してバッチリ。ツバサがどれから食べようかと目移りしているとあげはが野菜をよそってきます。鳥だから野菜理論なら虫とかもOKになるのだが。実際どうなんだ。やたら世話を焼きたがる彼女にツバサは自分でやる!と反抗。歳の離れた姉弟みたいなやり取りにソラとましろは苦笑。
OPはあげは追加。最後に立ってるところお立ち台かと思ってたけど城壁か。バタフライは左右非対称なデザインが目を引く。ガーターリングっていうのかな、太ももの輪っか。ウィングとバタフライは左右対称。スカイとプリズムのイヤリングと同じようなセットデザイン。
学校のお弁当もあげはのお手製。
ふたりが学校に行った後のエルのお守りはツバサの仕事。そういえば日常的に何をしているのかと思えばこうなるのか。その間あげはは家の掃除。専門学校は?
居候したばかりの頃のソラの如く働くあげは。ただ張り切りすぎているのかやや大雑把。巣箱の掃除ついでにデコられてしまいます。てかプニバード族って普通に家っぽいところに住んでたと思うんだけど、寝るときは個室(巣箱)っていう文化なんだろうか。さすがに余計なことはするな!とまでは抗議しないものの過剰なので撤去。しかしクッションは気に入ったらしい。何だかんだで懐柔されるツバサ。内心で誰かに似ている…?と訝ります。それ母親だよ。
ツバサが巣箱を元に戻している間、あげはは鬼のぱんつを歌唱。ひっさびさに聞いたな、懐かしい。まだ使われてるんだなこれ。あげはの保育士スキルは確かなものでエルもノリノリ。成長しているのでだいぶ動きが取れるようになっているのは良いですね。1年もののアニメはこういう変化が少しずつ描ける。密かに対抗心を燃やすツバサ。
広場でお遊び。鳥形態になってエルとかけっこ。もはや見た目からどっちが歳上なのかわからん。
ミラーパッドで撮影。どろんこになったので小さなプールで水浴び。その後はドライヤーで乾燥。エルと一緒くたにされたツバサはここでも抗議の声をあげます。その見た目で説得力がねぇ。抗議しているそばからアフロ風にされてしまいます。もふもふ♪とエルは大喜び。この状態で人になったらどうなるの?と興味津々のあげは。
夜もエルを寝かしつけ。あげはの手際にソラとましろは感心。
その後は女子会タイム。ソラとましろの爪を装飾。フレグランスで香り付け。ああ、そうかこれもあるな。ツバサだと女の子向け商品のアピールがしにくい。キャラ的にもそういうキャラじゃないから、鳥形態で可愛く見せる路線になってしまうんだな。女児向けアニメで男子をアピールするのって手段が限られてるのかもしれない。
あげはがよく口にするアゲをメモするソラ。可愛いものや楽しいことで自分を元気にする。それがアゲ。
ツバサを誘おうとするも昼間はしゃいだせいかすでに就寝。
②お姉さんの裏側
深夜。目を覚ましたツバサが明かりに気づいて伺うと、あげはがスケッチブックに絵を描いていました。お婆ちゃんが保育園絡みかと声をかけます。
翌朝早朝。あげはより先に起きられたと張り切って居間に行くとそのあげはがテーブルに突っ伏していました。髪の毛が長い人がバサーって突っ伏してるとホラー感ある。慌てて起こすと寝落ちした!と起き上がります。とりあえず無事で一安心。…ってことはずっとここで作業していたのかと追求すると「エヘッ」と誤魔化してきます。いたずらが見つかったときの子どもみたいな態度。こうなるとイニシアチブは逆転。
頑張りはわかるけどクタクタに疲れるまでやって欲しいとはソラさんもましろさんも思ってないと説教。自分も自分のことはできる。そう言われたあげは素直に頷きます。自分でも無理をしていたと自覚があったのでしょう。山に修行に行った回もそうですが、彼女はやや自分を過信しているところがあるのかキャパオーバーで走るきらいがある。実際大抵のことはそれで処理できてしまうのだろうけど。
「むしろ、あげはさんが僕たちをもっと頼ってくれていいんですよ」
「そこまで言うなら、頼っちゃおっかな~」
切り替えが早い。
明日(予定)空けといてと言うと自室に戻って一眠り。一体何をやらされるのか不安はありつつも挑まれた勝負から逃げる訳にはいかない。覚悟を決めるツバサ。
数が増えたプリキュアに手を焼くバッタモンダー。数が邪魔ならバラバラに戦えばいい。一人ミーティング終了。
公園を訪れると壁画を発見。ソラシド保育園の子どもが描いたらしい。しかしよく見ると一部分空白箇所があります。今日の仕事はこれ。カバンから絵の具を取り出すあげは。
保育園の先生から実習の記念にと頼まれたらしい。体よく仕事を振られただけのような気もするんだけど。これがやり甲斐搾取ってやつか。引っ越しやらで時間がなくすぐには取り掛かれなかったと打ち明けます。なのに自分たちの世話まで焼いていたの?と半ば呆れた様子で言葉を返すツバサ。あげはは子どものように笑って誤魔化します。張り切りすぎて抱え込むタイプなんだろうなぁ。人の頼みを断れないとか、人に認められたくて、っていうのではなくポジティブにどんどんやろうとするんでしょう。モチベーションも高いからそうやってレベルを上げてきた人じゃないかと思う。お調子者という言い方もできるけど。
話題を変えるようにツバサの絵が上手いと水を向けます。父さんが絵描きなので、と謙遜。そこから両親の話題に。子ども扱いすると不平を言うものの口調は穏やか。そこでようやくツバサはあげはが両親に似ていることに気づきます。そう言われたあげはは真剣な顔つきに。
気分を害したかと謝るとそういうわけではなく、みんな親と離れ離れで暮らしていると改めて指摘。そういえばそう。メタ的には親の必要性がほとんど無いからなんだけど。親代わりというわけではないでしょうが、色々やってあげたくなっちゃうと話すあげは。いるよね、足りない部分を自然と補ってくれる人。目端が利くとも言う。この人はやはりなんだかんだ器用なのだと思う。
話し込んでいるうちにエルが絵の具で壁にタッチ。それを叱るツバサと対照的にあげははそれを採用。絵を描き足してチューリップとツバサ(鳥)に。いい感じになったのでエルに協力してもらいます。ツバサにも自由に描いて欲しいと依頼。
そういうわけで三人の合作が完成。ツバサが描いたっぽい飛行機や気球のタッチが細かい。
これで良かったのかと聞き返すツバサ。保育士としての記念のはず。ところがあげはは相乗効果だと答えます。自分1人で描くよりもっとずっと楽しい絵になった。
そこにバッタモンダー。ゴミ箱ランボーグ召喚。
③ふたりの新技! とくと見よ!
2人で変身。新キャラ補正があるのでバタフライ主導。
ごちゃごちゃ言うバッタモンダーに、要するに4人相手じゃ勝つ自信がないんでしょ?と言い返すバタフライ。バッタモンダーの腕の動きが妙に滑らかで笑う。頭を使った作戦って言うんだよ!と頭悪そうに反論するバッタモンダー。
ランボーグが先制するも弾を打ち返えして返り討ちに。しかし第2波では流れ弾が壁画に。バリアで保護。遠隔で張れるらしい。それを見逃さなかったバッタモンダーは再び攻撃指示。当然狙いは壁画。今度はこちらも多数のバリアを張って対処。最初からスキルレベル高い。案の定、といった様子でそれを見るバッタモンダー。煙幕が収まると第4波はさらに数を増量。
ソラとましろの元に小鳥が飛来。ミラージュペンに通信機能がないので連絡役。
第4波。
バリアを投げて弾をカット。必殺技がバリアパンチみたいなことしてるから当然の応用。プリズムの仕事まで脅かし始めた。ウィングは徒手空拳で一つ一つ排除。ランボーグの懐まで飛び込むも相手の狙いはあくまで壁画。バタフライがバリアを遠隔操作して防御。遠隔で張れて、数出せて、武器として使えて、操作までできるとか便利すぎない? バリアスキルにどんだけポイント振ってんだよ。
バタフライはバッタモンダーを睨みつけるとこの間は保育園で今度は壁画、あんたみたいな卑怯者マジで嫌いなんですけど!と抗議。しかしどこ吹く風。じゃあ力比べをしようか?と戦い方を変更。
背中にロケットを生やすと突撃。バタフライの背後には壁画があるので押し負ける訳にはいかない。こちらも踏み込んで多重バリア。複数張れるならそうする。衝突すると小さなバリアが砕け、残った大型バリアにもヒビ。そばに来たウィングに自分が絶対に守ると啖呵を切るバタフライ。
このままでは壁画が壊されてしまうと心配したエルが飛び出すとバッタモンダーに猛抗議。突然の事態と気迫に気圧されるバッタモンダー。お前ほんと小心者だな。泣き出したエルを見た2人は彼女だって守りたいのだと得心。正直バリアはもう持たない。自分が隙を作るから、とウィングに声をかけると
「大丈夫です! 僕を頼ってください!」
「じゃあ、頼っちゃおっかな!」
ウィングも加勢してバリアの押し合いを再開。2人がかりならランボーグを上回れる。
「僕たちと一緒に守りましょう、プリンセス!」
「泣くのはもうおしまい! ここからアゲてくよ、エルちゃん!」
「あげ!」
そんなエルちゃんからふたりに新商品。そんなのありかよ!? この番組は玩具宣伝アニメ。
アップドラフト・シャイニング!
ところが出てきたのは謎の新商品。絵の具のパレット? 説明書がないので使い方がわからない。今まで説明書なくてもその場のノリでやってただろ。しかし絶好のチャンス。ランボーグが攻撃。ウィングが引き付けている間にバタフライがノリで何とかします。
ブローチをセット。今気づいたけど爪投げぇ。戦闘で怪我するぞ、それ。
赤と白を混ぜてウィングにエンチャント。すると突然パワーが上がりランボーグを楽々と持ち上げます。逆にウィングがびっくり。なにこれ、どうすればいいの?
「みっくちゅぱえっと!」
「ああ~そういう名前…じゃなくて!」
要するに強化効果を付与するアイテム。また微妙なアイテム出してきたな。こういうバフ系は過去にもあった(ハートキャッチであった)けど結局使われなくなるんだよね。ピンチなら使えばいいじゃんってなって、そうするとピンチ→使用→ピンチって無駄に工程増やすだけだから作劇的に邪魔っていう。それはそれとして新アイテムを使うのがバタフライなのも女児アニメ的にそうなるわけで、ウィングは実験体。
ランボーグを投げ飛ばしたところでスカイとプリズムが到着。もうほぼ終了のタイミング。
ロケットを倍にして突撃するランボーグを一捻りするウィング。ここからがアピール本番。
「すべての色を一つに!」
「ミックスパレット!(税込み6,270円)」
「レッド! イエロー! ブルー! ホワイト!」
「まぜまぜカラーチャージ!」
この手の玩具って回すの好きだよね。
4色で虹色を作ってウィングに特大バフ付与。火の鳥に。上手く鳥設定拾ったな。
「プリキュア・タイタニック・レインボー!」
このまま突っ込むと思うじゃん? あげはちゃんがそんな芸の無いことするわけじゃん? 上昇すると巨大な元の姿に。
「アタック!」
落下。圧死。これが本当のピヨちゃんアタック。バタフライプレスのエフェクトにピヨちゃん(ゴツい外車)が映っていたのはこの伏線……というわけではないと思うけど、綺麗にネタ拾ってて笑う。拾う必要があったのかは謎だけど。今週のスカイはエナジー回収だけのお仕事。
勝ったけどもっとカッコいい技が良かったと複雑な気分のウィング。これが私たちのスタイルってことで。エルちゃんもお気に入り。この普通にエルちゃんが画面に入ってくるのいいよね。ポジション的にも精神的にも5人目の立ち位置。
一通りふたりに説明。納得すると今度は自分たちにも頼って欲しいとましろが言います。
素直にそうすると答えるあげは。さすがに反省。みんなで私たちの暮らしをアゲアゲにしていきましょう。アゲ~。
翌朝。
寝坊気味のあげはを笑顔で迎える3人。誰かパン焼いてくれる? 私はりんごの皮むくから。そんな自然なやり取りで役割分担。みんなの新しい生活が始まります。
④次回予告
ましろ始動…?
スマイルは黄色があざといのと青が無双してるイメージ。
○トピック
夏服といい、寝巻きといい、露出が多いあげはの格好に少年はいつ気づくのだろうか。
優秀だけどお調子者なあげはのエピソード。
これまではどちらかというと日常パートでの助っ人枠、頼れるお姉さん的ポジションでいることが多かった彼女ですが、プリキュアに加入したことで自ずとポジションも変化。保育士の学校にも通っていて1人浮いた(独立した)雰囲気もある彼女でしたがツバサとエルとの会話を通じて一緒に何かをするのが好きというイメージを強調しています。元々初期からいる人なので馴染むのも早い。
人物的には今までどおり器用で目端も利くけど、そのせいで逆に視野が狭くなりオーバーワークになりがちでそれを1人抱え込む癖がある。あげはの面白いところは変に気負っているわけではなく、何かに急かされているわけでもなく、かといって責任感が特別強いわけでもなく、本人が言うようにアゲアゲな女子で良くも悪くも自分に正直という点です。だから素直に反省して素直に聞き入れる余裕もある。今回はプリキュア加入に合わせて良い意味で肩の力の抜き方を覚えた感じですね。同居設定とも相まって自然なやり取りになっているのも彼女らしい。
本作はそんな感じで自然体の中で学んでいくイメージ。その意味では明確な目標はないけど焦っているわけでもないましろの在り方がそれを象徴していると言えます。
①アゲアゲあげはちゃん
朝からテンションアゲアゲなソラとましろ。それもそのはず朝食がこれでもか!というほど豪華。朝からこんな気合入ったもの出されたら「お、おう……」ってなりそう。居候することになったあげはなりのお返しでしょうか。エルもニッコリ。順調に語彙が増えてる。
味も見た目に比例してバッチリ。ツバサがどれから食べようかと目移りしているとあげはが野菜をよそってきます。鳥だから野菜理論なら虫とかもOKになるのだが。実際どうなんだ。やたら世話を焼きたがる彼女にツバサは自分でやる!と反抗。歳の離れた姉弟みたいなやり取りにソラとましろは苦笑。
OPはあげは追加。最後に立ってるところお立ち台かと思ってたけど城壁か。バタフライは左右非対称なデザインが目を引く。ガーターリングっていうのかな、太ももの輪っか。ウィングとバタフライは左右対称。スカイとプリズムのイヤリングと同じようなセットデザイン。
学校のお弁当もあげはのお手製。
ふたりが学校に行った後のエルのお守りはツバサの仕事。そういえば日常的に何をしているのかと思えばこうなるのか。その間あげはは家の掃除。専門学校は?
居候したばかりの頃のソラの如く働くあげは。ただ張り切りすぎているのかやや大雑把。巣箱の掃除ついでにデコられてしまいます。てかプニバード族って普通に家っぽいところに住んでたと思うんだけど、寝るときは個室(巣箱)っていう文化なんだろうか。さすがに余計なことはするな!とまでは抗議しないものの過剰なので撤去。しかしクッションは気に入ったらしい。何だかんだで懐柔されるツバサ。内心で誰かに似ている…?と訝ります。それ母親だよ。
ツバサが巣箱を元に戻している間、あげはは鬼のぱんつを歌唱。ひっさびさに聞いたな、懐かしい。まだ使われてるんだなこれ。あげはの保育士スキルは確かなものでエルもノリノリ。成長しているのでだいぶ動きが取れるようになっているのは良いですね。1年もののアニメはこういう変化が少しずつ描ける。密かに対抗心を燃やすツバサ。
広場でお遊び。鳥形態になってエルとかけっこ。もはや見た目からどっちが歳上なのかわからん。
ミラーパッドで撮影。どろんこになったので小さなプールで水浴び。その後はドライヤーで乾燥。エルと一緒くたにされたツバサはここでも抗議の声をあげます。その見た目で説得力がねぇ。抗議しているそばからアフロ風にされてしまいます。もふもふ♪とエルは大喜び。この状態で人になったらどうなるの?と興味津々のあげは。
夜もエルを寝かしつけ。あげはの手際にソラとましろは感心。
その後は女子会タイム。ソラとましろの爪を装飾。フレグランスで香り付け。ああ、そうかこれもあるな。ツバサだと女の子向け商品のアピールがしにくい。キャラ的にもそういうキャラじゃないから、鳥形態で可愛く見せる路線になってしまうんだな。女児向けアニメで男子をアピールするのって手段が限られてるのかもしれない。
あげはがよく口にするアゲをメモするソラ。可愛いものや楽しいことで自分を元気にする。それがアゲ。
ツバサを誘おうとするも昼間はしゃいだせいかすでに就寝。
②お姉さんの裏側
深夜。目を覚ましたツバサが明かりに気づいて伺うと、あげはがスケッチブックに絵を描いていました。お婆ちゃんが保育園絡みかと声をかけます。
翌朝早朝。あげはより先に起きられたと張り切って居間に行くとそのあげはがテーブルに突っ伏していました。髪の毛が長い人がバサーって突っ伏してるとホラー感ある。慌てて起こすと寝落ちした!と起き上がります。とりあえず無事で一安心。…ってことはずっとここで作業していたのかと追求すると「エヘッ」と誤魔化してきます。いたずらが見つかったときの子どもみたいな態度。こうなるとイニシアチブは逆転。
頑張りはわかるけどクタクタに疲れるまでやって欲しいとはソラさんもましろさんも思ってないと説教。自分も自分のことはできる。そう言われたあげは素直に頷きます。自分でも無理をしていたと自覚があったのでしょう。山に修行に行った回もそうですが、彼女はやや自分を過信しているところがあるのかキャパオーバーで走るきらいがある。実際大抵のことはそれで処理できてしまうのだろうけど。
「むしろ、あげはさんが僕たちをもっと頼ってくれていいんですよ」
「そこまで言うなら、頼っちゃおっかな~」
切り替えが早い。
明日(予定)空けといてと言うと自室に戻って一眠り。一体何をやらされるのか不安はありつつも挑まれた勝負から逃げる訳にはいかない。覚悟を決めるツバサ。
数が増えたプリキュアに手を焼くバッタモンダー。数が邪魔ならバラバラに戦えばいい。一人ミーティング終了。
公園を訪れると壁画を発見。ソラシド保育園の子どもが描いたらしい。しかしよく見ると一部分空白箇所があります。今日の仕事はこれ。カバンから絵の具を取り出すあげは。
保育園の先生から実習の記念にと頼まれたらしい。体よく仕事を振られただけのような気もするんだけど。これがやり甲斐搾取ってやつか。引っ越しやらで時間がなくすぐには取り掛かれなかったと打ち明けます。なのに自分たちの世話まで焼いていたの?と半ば呆れた様子で言葉を返すツバサ。あげはは子どものように笑って誤魔化します。張り切りすぎて抱え込むタイプなんだろうなぁ。人の頼みを断れないとか、人に認められたくて、っていうのではなくポジティブにどんどんやろうとするんでしょう。モチベーションも高いからそうやってレベルを上げてきた人じゃないかと思う。お調子者という言い方もできるけど。
話題を変えるようにツバサの絵が上手いと水を向けます。父さんが絵描きなので、と謙遜。そこから両親の話題に。子ども扱いすると不平を言うものの口調は穏やか。そこでようやくツバサはあげはが両親に似ていることに気づきます。そう言われたあげはは真剣な顔つきに。
気分を害したかと謝るとそういうわけではなく、みんな親と離れ離れで暮らしていると改めて指摘。そういえばそう。メタ的には親の必要性がほとんど無いからなんだけど。親代わりというわけではないでしょうが、色々やってあげたくなっちゃうと話すあげは。いるよね、足りない部分を自然と補ってくれる人。目端が利くとも言う。この人はやはりなんだかんだ器用なのだと思う。
話し込んでいるうちにエルが絵の具で壁にタッチ。それを叱るツバサと対照的にあげははそれを採用。絵を描き足してチューリップとツバサ(鳥)に。いい感じになったのでエルに協力してもらいます。ツバサにも自由に描いて欲しいと依頼。
そういうわけで三人の合作が完成。ツバサが描いたっぽい飛行機や気球のタッチが細かい。
これで良かったのかと聞き返すツバサ。保育士としての記念のはず。ところがあげはは相乗効果だと答えます。自分1人で描くよりもっとずっと楽しい絵になった。
そこにバッタモンダー。ゴミ箱ランボーグ召喚。
③ふたりの新技! とくと見よ!
2人で変身。新キャラ補正があるのでバタフライ主導。
ごちゃごちゃ言うバッタモンダーに、要するに4人相手じゃ勝つ自信がないんでしょ?と言い返すバタフライ。バッタモンダーの腕の動きが妙に滑らかで笑う。頭を使った作戦って言うんだよ!と頭悪そうに反論するバッタモンダー。
ランボーグが先制するも弾を打ち返えして返り討ちに。しかし第2波では流れ弾が壁画に。バリアで保護。遠隔で張れるらしい。それを見逃さなかったバッタモンダーは再び攻撃指示。当然狙いは壁画。今度はこちらも多数のバリアを張って対処。最初からスキルレベル高い。案の定、といった様子でそれを見るバッタモンダー。煙幕が収まると第4波はさらに数を増量。
ソラとましろの元に小鳥が飛来。ミラージュペンに通信機能がないので連絡役。
第4波。
バリアを投げて弾をカット。必殺技がバリアパンチみたいなことしてるから当然の応用。プリズムの仕事まで脅かし始めた。ウィングは徒手空拳で一つ一つ排除。ランボーグの懐まで飛び込むも相手の狙いはあくまで壁画。バタフライがバリアを遠隔操作して防御。遠隔で張れて、数出せて、武器として使えて、操作までできるとか便利すぎない? バリアスキルにどんだけポイント振ってんだよ。
バタフライはバッタモンダーを睨みつけるとこの間は保育園で今度は壁画、あんたみたいな卑怯者マジで嫌いなんですけど!と抗議。しかしどこ吹く風。じゃあ力比べをしようか?と戦い方を変更。
背中にロケットを生やすと突撃。バタフライの背後には壁画があるので押し負ける訳にはいかない。こちらも踏み込んで多重バリア。複数張れるならそうする。衝突すると小さなバリアが砕け、残った大型バリアにもヒビ。そばに来たウィングに自分が絶対に守ると啖呵を切るバタフライ。
このままでは壁画が壊されてしまうと心配したエルが飛び出すとバッタモンダーに猛抗議。突然の事態と気迫に気圧されるバッタモンダー。お前ほんと小心者だな。泣き出したエルを見た2人は彼女だって守りたいのだと得心。正直バリアはもう持たない。自分が隙を作るから、とウィングに声をかけると
「大丈夫です! 僕を頼ってください!」
「じゃあ、頼っちゃおっかな!」
ウィングも加勢してバリアの押し合いを再開。2人がかりならランボーグを上回れる。
「僕たちと一緒に守りましょう、プリンセス!」
「泣くのはもうおしまい! ここからアゲてくよ、エルちゃん!」
「あげ!」
そんなエルちゃんからふたりに新商品。そんなのありかよ!? この番組は玩具宣伝アニメ。
アップドラフト・シャイニング!
ところが出てきたのは謎の新商品。絵の具のパレット? 説明書がないので使い方がわからない。今まで説明書なくてもその場のノリでやってただろ。しかし絶好のチャンス。ランボーグが攻撃。ウィングが引き付けている間にバタフライがノリで何とかします。
ブローチをセット。今気づいたけど爪投げぇ。戦闘で怪我するぞ、それ。
赤と白を混ぜてウィングにエンチャント。すると突然パワーが上がりランボーグを楽々と持ち上げます。逆にウィングがびっくり。なにこれ、どうすればいいの?
「みっくちゅぱえっと!」
「ああ~そういう名前…じゃなくて!」
要するに強化効果を付与するアイテム。また微妙なアイテム出してきたな。こういうバフ系は過去にもあった(ハートキャッチであった)けど結局使われなくなるんだよね。ピンチなら使えばいいじゃんってなって、そうするとピンチ→使用→ピンチって無駄に工程増やすだけだから作劇的に邪魔っていう。それはそれとして新アイテムを使うのがバタフライなのも女児アニメ的にそうなるわけで、ウィングは実験体。
ランボーグを投げ飛ばしたところでスカイとプリズムが到着。もうほぼ終了のタイミング。
ロケットを倍にして突撃するランボーグを一捻りするウィング。ここからがアピール本番。
「すべての色を一つに!」
「ミックスパレット!(税込み6,270円)」
「レッド! イエロー! ブルー! ホワイト!」
「まぜまぜカラーチャージ!」
この手の玩具って回すの好きだよね。
4色で虹色を作ってウィングに特大バフ付与。火の鳥に。上手く鳥設定拾ったな。
「プリキュア・タイタニック・レインボー!」
このまま突っ込むと思うじゃん? あげはちゃんがそんな芸の無いことするわけじゃん? 上昇すると巨大な元の姿に。
「アタック!」
落下。圧死。これが本当のピヨちゃんアタック。バタフライプレスのエフェクトにピヨちゃん(ゴツい外車)が映っていたのはこの伏線……というわけではないと思うけど、綺麗にネタ拾ってて笑う。拾う必要があったのかは謎だけど。今週のスカイはエナジー回収だけのお仕事。
勝ったけどもっとカッコいい技が良かったと複雑な気分のウィング。これが私たちのスタイルってことで。エルちゃんもお気に入り。この普通にエルちゃんが画面に入ってくるのいいよね。ポジション的にも精神的にも5人目の立ち位置。
一通りふたりに説明。納得すると今度は自分たちにも頼って欲しいとましろが言います。
素直にそうすると答えるあげは。さすがに反省。みんなで私たちの暮らしをアゲアゲにしていきましょう。アゲ~。
翌朝。
寝坊気味のあげはを笑顔で迎える3人。誰かパン焼いてくれる? 私はりんごの皮むくから。そんな自然なやり取りで役割分担。みんなの新しい生活が始まります。
④次回予告
ましろ始動…?
スマイルは黄色があざといのと青が無双してるイメージ。
○トピック
夏服といい、寝巻きといい、露出が多いあげはの格好に少年はいつ気づくのだろうか。
優秀だけどお調子者なあげはのエピソード。
これまではどちらかというと日常パートでの助っ人枠、頼れるお姉さん的ポジションでいることが多かった彼女ですが、プリキュアに加入したことで自ずとポジションも変化。保育士の学校にも通っていて1人浮いた(独立した)雰囲気もある彼女でしたがツバサとエルとの会話を通じて一緒に何かをするのが好きというイメージを強調しています。元々初期からいる人なので馴染むのも早い。
人物的には今までどおり器用で目端も利くけど、そのせいで逆に視野が狭くなりオーバーワークになりがちでそれを1人抱え込む癖がある。あげはの面白いところは変に気負っているわけではなく、何かに急かされているわけでもなく、かといって責任感が特別強いわけでもなく、本人が言うようにアゲアゲな女子で良くも悪くも自分に正直という点です。だから素直に反省して素直に聞き入れる余裕もある。今回はプリキュア加入に合わせて良い意味で肩の力の抜き方を覚えた感じですね。同居設定とも相まって自然なやり取りになっているのも彼女らしい。
本作はそんな感じで自然体の中で学んでいくイメージ。その意味では明確な目標はないけど焦っているわけでもないましろの在り方がそれを象徴していると言えます。
第18話「アゲアゲ!最強の保育士キュアバタフライ!!」
○今週のヒーロー
①最強の実習生
開幕戦闘。スカイとプリズムがランボーグを引き付けている隙にウィングが避難誘導。
子どもに破片が飛ぶとそれもウィングが除外。周囲の安全が確認できたところで反転攻勢。最近出番が薄かったウィングに華を持たせて撃破。先ほど助けられた少年はウィングに目が釘づけ。
いつものようにプリキュアに歓声を送るあげは。するとバッタモンダーが絡んできます。負け惜しみカッコ悪い。とはいえ外野なのは事実。ソラ達にフォローされると気を取り直して張り切ります。というのも近々保育園で実習。テンションアゲアゲのあげはさん。
ちなみに6月になったので夏服仕様になりました。
ソラシド保育園。
見習い先生だけど最強の保育士目指してます、と自己紹介。徹底してそういうキャラで行くんだな、この人。子ども達を前にして顔が綻びます。
子ども達の方も最強のフレーズに好印象。しかし例の少年はプリキュア推し。プリキュア自体は名が知られているらしく子ども達の 間でも人気。キュアウィングに倣って強くなりたいと話す少年。そんな彼に思わずウィングも喜ぶよ、と口を滑らしてしまいます。プリキュアと知り合い? プリキュアなの? もはや言葉を引っ込めるわけにもいかずプリキュアではないけど仲間的な?と認めることに。結構お調子者。それを聞いた子ども達からは大歓声。
というわけで手紙をどっさり持ってくるあげは。この満面の笑み。面倒臭いこと言っちゃったとかそんな後悔微塵もねぇ。
ファンレターを貰うのは初めてなのでソラ達も大喜び。素に戻ったツバサが余計なことはしゃべらないで下さいと釘を刺します。そんな彼も自分宛てのファンレターにはメロメロ。例の少年、たける君はウィングの大ファンと聞いて返事を書く気満々。言い訳しつつエルに同意を求めます。
ましろとソラにも返事を依頼すると二つ返事でOK。テンションが上がったあげはは実習中はここに泊まらせてもらうね♪と小躍りしながら言います。お婆ちゃん了承済。今週は一際幼く見えますが、この人これでも18歳のピチピチギャル(死語)である。それを聞いたソラとましろも小躍り。どんなテンションだよ。でも2人で踊ってるところ可愛い。
翌日も実習。すっかり子ども達と打ち解けてプリキュアごっこ。
勿論本業の方もお手の物。この辺は最強を目指していると公言しているだけあって抜かりがない。プリキュアからのお返事をみんなに渡します。職員室でうっとり。本当に天職らしい。もう実習生ってレベルじゃねぇだろこの人。するとそこに本職の人が駆け込んできます。なんかもう普通に同僚感出てる。
たける君がけんか騒ぎを起こしていました。順番を守らなかったからやっつけたと主張。それに頷きながらも諭しますが最強になる! プリキュアみたいに悪い奴をやっつける!とヒーロー気取り。彼の手を握って正そうとしますが聞く耳を持ってもらえません。
一方、保育園を訪れるソラ達。おげはの様子も気になるし子どもの反応も気になる。学校はどうした。
言っているそばからたける君とあげはが庭に出てきます。鬼ごっこのわりには真剣のような。鬼ごっこは真剣勝負だと熱が入るソラ。鬼ごっこガチ勢の方でしたか。
さらにそこにバッタモンダーが乱入。あげはに声をかけると、お前らの前でプリキュアをボッコボコにしてやると言います。子ども向けのゲーム大会に参加して無双してそう。あと子ども向けアニメにいちいちツッコミ入れてハイ論破!とか言ってそう。俺はツッコミ入れてるだけだからセーフ。
現場にはすでに待機していたのですぐさま臨戦態勢。
プリキュアの登場に子ども達も明るさを取り戻します。お手紙ありがとうとファンサービスもバッチリ。女児からの人気はともかく、男児からの支持は得ておきたい。避難誘導開始。しかしそれではここにやってきた意味がないとバッタモンダー。観客がいてこそのショー。
冒頭の戦闘どおりプリキュアが引き付けて時間稼ぎ。あげはは周囲を見回してエルの姿を探します。自分がここに居る以上、一人でいるはず。上手く隠れていてくれればいいのだけど…。それはそれとして、見せたい現実ってこれ?と煽り返すことは忘れない。
おもむろにランボーグが立ち上がるとエルを発見。ロックオン。勿論これはあくまで囮。プリキュアが盾になったのを見逃さず捕獲モードに。バッドエナジーを濃縮した結界。プリキュアの能力も制限され脱出は不可能。新キャラの登場にお誂え向きな設定。それはそれとしてエナジーの使い方がカバトンより優れているのは確か。為す術もない状況に歯噛みするプリキュアを見て大喜びするバッタモンダー。小者ランクを上げるのも忘れない。
プリキュアの活躍を見ようと近づいていたたける君も見つかってしまい標的に。
プリキュアが身動き取れない今、動けるのはあげはだけ。外野のくせに何ができるというのか。余興を楽しむようにゲーム開始。たける君をおんぶしたあげはは走り出します。死にものぐるいで走るとその甲斐もあって逆にランボーグの攪乱に成功。最初は笑っていたバッタモンダーもこれには虚を突かれ、プリキュアも唖然。
疲れを見せながらもたける君を気遣うあげは。無事を確認すると息を切らせながら休憩。さしもの彼女もいつものような軽口は叩けない。お調子者ではあるけど本気を出すときはマジだし本気を出すと凄い。けど限界もある。
外野のわりにはやるじゃん、と震え声で答えるバッタモンダー。その「外野」っていうのやめてくれる?
「プリキュアや保育園のみんなは私の大切な人たちなの。だから…私は外野なんかじゃない!」
外野じゃなければ何だというんだ?
「保育士」
即答。最強の保育士も最強のヒーローも目指すところは一緒。
「それは大切な人たちを守ること!」
たける君の中で彼女の行動やウィングの行動が繋がります。
だからどうした。プリキュアでもないのに何ができる?
「だったら…だったら私は!」
②私は最強で保育士のプリキュア!
ミラージュペン召喚。
「たける君、これで先生も最強になるよ!」
啖呵を切るのに迷いがない。
「あげは先生はもう最強だよ!」
応援する方も迷いがない。
「エルちゃん! アゲアゲでいこっ!」
呼ばれた方が戸惑ってるの笑う。事後承認よろしく♪みたいなノリ。強すぎだろ。
「最強の保育士の力、見せてあげる!」
「スカイミラージュ!」「トーンコネクト!」「ひろがるチェンジ!」
「BUTTERFLY!」
表示領域ギリギリを攻めていく。
速いというのか中割が足りてないというのか、もうケレン味特化で行くと決めたのか、開幕からフルブースト。
「きらめきHOP!」
「さわやかSTEP!」
ミュージシャンが絶唱してるみたいなポーズ好き。君は完璧で究極のゲッター!とか歌いそう。
「はればれJUMP!」
プリズムは消失バグ(描き漏れ)が疑われていますが、こちらは盛大にジャンプして画面外へ。18歳すげぇ。メイクも決めて名乗りを上げます。
「アゲてひろがるワンダホー! キュアバタフライ!」
落ち着きねぇな、この18歳。突然登場したらテンションについていけないけど、視聴者があげはに慣れているせいであげはならそうなるよなって納得されるやつ。あとやっぱ腰からぶら下がってるスカートが強そうでカッコいい。
たける君に応援されたバタフライは了解!と頷くと本領を発揮。今年の盾担当。蝶型バリア。メンタル強いやつにバリア持たせたら……すなわち最強。濃縮エナジーも無効化。もはや観客同然のプリキュア×3。
ランボーグの攻撃を軽やかに回避。投げキッスの蝶は着弾と同時に爆発効果。バリアに飛び道具持ち。
近場にあった防音(防塵)シートを拝借してランボーグをぐるぐる巻に。
「は~い、すっきりしたね~」
プリキュアと保育士混ぜるな。
「ひろがる! バタフライプレス!」
OPのアレの正式版。バリアを叩きつける盾職の本領。ランボーグを撃破しエナジー回収。今週は2回分ゲット。
いつものように負け惜しみを言うバッタモンダーにガンつけるバタフライ。スカイにも睨まれてるしそろそろ職を変えた方がいいんじゃないかな。主に命的な意味で。
すっかりバタフライの虜になるたける君。みんなには内緒と約束。大切な人を守る最強になる!と理解してくれます。
バタフライに影響されてアゲアゲなポーズを取るプリキュア×3+エルちゃん。
たける君からのファンレター。一応ちゃんとウィングも応援。
あげはの不在を寂しがっていると呼び鈴の音。荷物を抱えたあげはの姿。プリキュアになったので早速引っ越してきたようです。
「サプラーイズ!(視聴者とお婆ちゃんは知ってた)」
「イエース! アゲアゲ!」
③次回予告
おねショタビーム(?)解禁。
○トピック
エルちゃんからツバサを奪い、ウィングからたける君を奪うあげはちゃんは最強の小悪魔。
どんなノリで変身するのかと思ったらいつも以上のノリだったでござるの巻。
ましろとは正反対にあげははパブリックコミットメント(公言・実行)していくタイプ。そんな彼女がプリキュアになるなら明言するのが筋。シリーズの中でもぶっ飛んだ変身の仕方をした人物となりました。自分にその資格があるのかと迷ったましろとは本当に正反対で4人の中で一番ヒーロー気質と言える人物です。進み方に迷いがない。鳴り物入りで登場する新キャラ枠として申し分がない。
例年新キャラは2クール目の山場や物語の転換に配置されるため相応のキャラ設定になりがちですが、本作ではあげはが初期から登場しているのでそれを前提としないのが特徴。そのおかげで重い設定が何一つない。本作の登場人物誰も運命に翻弄されない。とはいえ幹部交代制をとっている本作では2クール目終盤に向けて大きく話を動かしていきそうな予感。
①最強の実習生
開幕戦闘。スカイとプリズムがランボーグを引き付けている隙にウィングが避難誘導。
子どもに破片が飛ぶとそれもウィングが除外。周囲の安全が確認できたところで反転攻勢。最近出番が薄かったウィングに華を持たせて撃破。先ほど助けられた少年はウィングに目が釘づけ。
いつものようにプリキュアに歓声を送るあげは。するとバッタモンダーが絡んできます。負け惜しみカッコ悪い。とはいえ外野なのは事実。ソラ達にフォローされると気を取り直して張り切ります。というのも近々保育園で実習。テンションアゲアゲのあげはさん。
ちなみに6月になったので夏服仕様になりました。
ソラシド保育園。
見習い先生だけど最強の保育士目指してます、と自己紹介。徹底してそういうキャラで行くんだな、この人。子ども達を前にして顔が綻びます。
子ども達の方も最強のフレーズに好印象。しかし例の少年はプリキュア推し。プリキュア自体は名が知られているらしく子ども達の 間でも人気。キュアウィングに倣って強くなりたいと話す少年。そんな彼に思わずウィングも喜ぶよ、と口を滑らしてしまいます。プリキュアと知り合い? プリキュアなの? もはや言葉を引っ込めるわけにもいかずプリキュアではないけど仲間的な?と認めることに。結構お調子者。それを聞いた子ども達からは大歓声。
というわけで手紙をどっさり持ってくるあげは。この満面の笑み。面倒臭いこと言っちゃったとかそんな後悔微塵もねぇ。
ファンレターを貰うのは初めてなのでソラ達も大喜び。素に戻ったツバサが余計なことはしゃべらないで下さいと釘を刺します。そんな彼も自分宛てのファンレターにはメロメロ。例の少年、たける君はウィングの大ファンと聞いて返事を書く気満々。言い訳しつつエルに同意を求めます。
ましろとソラにも返事を依頼すると二つ返事でOK。テンションが上がったあげはは実習中はここに泊まらせてもらうね♪と小躍りしながら言います。お婆ちゃん了承済。今週は一際幼く見えますが、この人これでも18歳のピチピチギャル(死語)である。それを聞いたソラとましろも小躍り。どんなテンションだよ。でも2人で踊ってるところ可愛い。
翌日も実習。すっかり子ども達と打ち解けてプリキュアごっこ。
勿論本業の方もお手の物。この辺は最強を目指していると公言しているだけあって抜かりがない。プリキュアからのお返事をみんなに渡します。職員室でうっとり。本当に天職らしい。もう実習生ってレベルじゃねぇだろこの人。するとそこに本職の人が駆け込んできます。なんかもう普通に同僚感出てる。
たける君がけんか騒ぎを起こしていました。順番を守らなかったからやっつけたと主張。それに頷きながらも諭しますが最強になる! プリキュアみたいに悪い奴をやっつける!とヒーロー気取り。彼の手を握って正そうとしますが聞く耳を持ってもらえません。
一方、保育園を訪れるソラ達。おげはの様子も気になるし子どもの反応も気になる。学校はどうした。
言っているそばからたける君とあげはが庭に出てきます。鬼ごっこのわりには真剣のような。鬼ごっこは真剣勝負だと熱が入るソラ。鬼ごっこガチ勢の方でしたか。
さらにそこにバッタモンダーが乱入。あげはに声をかけると、お前らの前でプリキュアをボッコボコにしてやると言います。子ども向けのゲーム大会に参加して無双してそう。あと子ども向けアニメにいちいちツッコミ入れてハイ論破!とか言ってそう。俺はツッコミ入れてるだけだからセーフ。
現場にはすでに待機していたのですぐさま臨戦態勢。
プリキュアの登場に子ども達も明るさを取り戻します。お手紙ありがとうとファンサービスもバッチリ。女児からの人気はともかく、男児からの支持は得ておきたい。避難誘導開始。しかしそれではここにやってきた意味がないとバッタモンダー。観客がいてこそのショー。
冒頭の戦闘どおりプリキュアが引き付けて時間稼ぎ。あげはは周囲を見回してエルの姿を探します。自分がここに居る以上、一人でいるはず。上手く隠れていてくれればいいのだけど…。それはそれとして、見せたい現実ってこれ?と煽り返すことは忘れない。
おもむろにランボーグが立ち上がるとエルを発見。ロックオン。勿論これはあくまで囮。プリキュアが盾になったのを見逃さず捕獲モードに。バッドエナジーを濃縮した結界。プリキュアの能力も制限され脱出は不可能。新キャラの登場にお誂え向きな設定。それはそれとしてエナジーの使い方がカバトンより優れているのは確か。為す術もない状況に歯噛みするプリキュアを見て大喜びするバッタモンダー。小者ランクを上げるのも忘れない。
プリキュアの活躍を見ようと近づいていたたける君も見つかってしまい標的に。
プリキュアが身動き取れない今、動けるのはあげはだけ。外野のくせに何ができるというのか。余興を楽しむようにゲーム開始。たける君をおんぶしたあげはは走り出します。死にものぐるいで走るとその甲斐もあって逆にランボーグの攪乱に成功。最初は笑っていたバッタモンダーもこれには虚を突かれ、プリキュアも唖然。
疲れを見せながらもたける君を気遣うあげは。無事を確認すると息を切らせながら休憩。さしもの彼女もいつものような軽口は叩けない。お調子者ではあるけど本気を出すときはマジだし本気を出すと凄い。けど限界もある。
外野のわりにはやるじゃん、と震え声で答えるバッタモンダー。その「外野」っていうのやめてくれる?
「プリキュアや保育園のみんなは私の大切な人たちなの。だから…私は外野なんかじゃない!」
外野じゃなければ何だというんだ?
「保育士」
即答。最強の保育士も最強のヒーローも目指すところは一緒。
「それは大切な人たちを守ること!」
たける君の中で彼女の行動やウィングの行動が繋がります。
だからどうした。プリキュアでもないのに何ができる?
「だったら…だったら私は!」
②私は最強で保育士のプリキュア!
ミラージュペン召喚。
「たける君、これで先生も最強になるよ!」
啖呵を切るのに迷いがない。
「あげは先生はもう最強だよ!」
応援する方も迷いがない。
「エルちゃん! アゲアゲでいこっ!」
呼ばれた方が戸惑ってるの笑う。事後承認よろしく♪みたいなノリ。強すぎだろ。
「最強の保育士の力、見せてあげる!」
「スカイミラージュ!」「トーンコネクト!」「ひろがるチェンジ!」
「BUTTERFLY!」
表示領域ギリギリを攻めていく。
速いというのか中割が足りてないというのか、もうケレン味特化で行くと決めたのか、開幕からフルブースト。
「きらめきHOP!」
「さわやかSTEP!」
ミュージシャンが絶唱してるみたいなポーズ好き。君は完璧で究極のゲッター!とか歌いそう。
「はればれJUMP!」
プリズムは消失バグ(描き漏れ)が疑われていますが、こちらは盛大にジャンプして画面外へ。18歳すげぇ。メイクも決めて名乗りを上げます。
「アゲてひろがるワンダホー! キュアバタフライ!」
落ち着きねぇな、この18歳。突然登場したらテンションについていけないけど、視聴者があげはに慣れているせいであげはならそうなるよなって納得されるやつ。あとやっぱ腰からぶら下がってるスカートが強そうでカッコいい。
たける君に応援されたバタフライは了解!と頷くと本領を発揮。今年の盾担当。蝶型バリア。メンタル強いやつにバリア持たせたら……すなわち最強。濃縮エナジーも無効化。もはや観客同然のプリキュア×3。
ランボーグの攻撃を軽やかに回避。投げキッスの蝶は着弾と同時に爆発効果。バリアに飛び道具持ち。
近場にあった防音(防塵)シートを拝借してランボーグをぐるぐる巻に。
「は~い、すっきりしたね~」
プリキュアと保育士混ぜるな。
「ひろがる! バタフライプレス!」
OPのアレの正式版。バリアを叩きつける盾職の本領。ランボーグを撃破しエナジー回収。今週は2回分ゲット。
いつものように負け惜しみを言うバッタモンダーにガンつけるバタフライ。スカイにも睨まれてるしそろそろ職を変えた方がいいんじゃないかな。主に命的な意味で。
すっかりバタフライの虜になるたける君。みんなには内緒と約束。大切な人を守る最強になる!と理解してくれます。
バタフライに影響されてアゲアゲなポーズを取るプリキュア×3+エルちゃん。
たける君からのファンレター。一応ちゃんとウィングも応援。
あげはの不在を寂しがっていると呼び鈴の音。荷物を抱えたあげはの姿。プリキュアになったので早速引っ越してきたようです。
「サプラーイズ!(視聴者とお婆ちゃんは知ってた)」
「イエース! アゲアゲ!」
③次回予告
おねショタビーム(?)解禁。
○トピック
エルちゃんからツバサを奪い、ウィングからたける君を奪うあげはちゃんは最強の小悪魔。
どんなノリで変身するのかと思ったらいつも以上のノリだったでござるの巻。
ましろとは正反対にあげははパブリックコミットメント(公言・実行)していくタイプ。そんな彼女がプリキュアになるなら明言するのが筋。シリーズの中でもぶっ飛んだ変身の仕方をした人物となりました。自分にその資格があるのかと迷ったましろとは本当に正反対で4人の中で一番ヒーロー気質と言える人物です。進み方に迷いがない。鳴り物入りで登場する新キャラ枠として申し分がない。
例年新キャラは2クール目の山場や物語の転換に配置されるため相応のキャラ設定になりがちですが、本作ではあげはが初期から登場しているのでそれを前提としないのが特徴。そのおかげで重い設定が何一つない。本作の登場人物誰も運命に翻弄されない。とはいえ幹部交代制をとっている本作では2クール目終盤に向けて大きく話を動かしていきそうな予感。
第17話「わたせ最高のバトン!ましろ本気のリレー」
○今週のヒーロー
①一緒にリレーをやろう
今週から平常運転。体育祭にあたり、リレーの候補を募集。そこで眼鏡君がソラに合図すると彼女を推薦。こいつ結構絡んで来るよな。フィジカルチートのソラなら異論なし。なんなら彼女一人で制覇できる。二つ返事で引き受けるもリレーがわからない。隣りの席のましろが説明。それを聞いたソラはラルーのことかと納得。スカイランドにもあった。そのワードは禁句。スカイランジナビアの言い間違いと誤魔化します。スカンジナビアじゃないの?っていい加減突っ込まれそう。
推薦されたソラは一つだけ注文をつけます。自分にバトンを渡す選手はましろさんにお願いしたい。今週はそんなお話。
…という話をいつものメンツに話すましろ。ツバサもあげはも期待の眼差し。
しかしましろは運動があまり得意ではない。手紙にも「運動会やだ~」と書く有様。なので別な人に、とも言ったけどソラは断固拒否。「リレーにおいて大事なこと!それは!」と興奮した様子で立ち上がります。学校でもいつの間にか教壇の前に立つとバトンパスについて講釈。生徒たちの反応から言って平常運転になっているところが怖い。溶け込みすぎだろスカイランジナビアの転校生。なお熱い視線を向けられたましろは蛇に睨まれたカエルの如き冷や汗。
熱弁を振るうソラ。まあ、要するに自分が一番信頼しているましろからバトンを受け取りたい。ソラからの熱烈アピールに加えて、クラスからもコンビ扱いされているので外堀も内堀も埋まっている状況。というわけで引き受けることに。それはそれとしてなんでこんなに盛り上がってるんだこのクラス。「ソラしろ」てぇてぇ!(注釈:てぇてぇ=尊い)みたいなノリなのか?
回想から戻って、満更でもない様子のましろ。エルからも励ましを受けます。やるからにはちゃんと走りたい。ソラに特訓を申し出ます。
何故かオーラを出して引き受けるソラ。先週、先々週の話なんて無かったってくらいの軽いノリ。ノリが戻ったと言えばそれまでだけど、むしろ磨きがかかってる。
広々とした公園で特訓開始。
コーチと呼ばれた2人は満面の笑み。その間あげははエルのお世話。ミラーパッドを携帯しているのはいつでもエナジーを回収できるように、という意図かな。
手始めにソラから速く走るコツを伝授。前だけを見て走ること! うん? もう一度言うも反応は薄い。当然といえば当然のこと。しかしましろは丁寧にお礼を言います。この子は他人の好意(行為)を素直に受け取る子なので軽んじたりはしない。具体的にはツバサが調べてきたのでそれをベースに指導。
まずはスタートから。……。そのポーズからどうやって踏み出す気なんだ。重心が高すぎる。早速ツバサからアドバイス。見本を見せるようにソラがスタートを切ります。真似をしようとしたましろはスタートで躓いてしまいます。一緒にジョギングしてたこともあったろうに。短距離と長距離では勝手が違うかもしれないけど。
走り出してからはペースの維持。頑張って走りますが女の子走りなのでどうやっても女子力高いにしかならないましろ嬢。なおスパイシーはこのポーズでプレシャスの全力疾走と併走していた模様。
次はいよいよ肝心要のバトンパス。前の人を追い越すつもりで。昔体育の授業でやったなぁ。ましろからバトンを受け取ったソラは嬉しそう。
休憩。クタクタになるましろ。そんな状態でもエルちゃんもたくさん歩いたねと褒めます。小さい子は体を動かすだけでも楽しいと話すあげは。子どもってくるくる回ったりするのも好きだよね。子どもの頃のましろもあげはに鬼をさせてずっと走っていたらしい。覚えてないと照れるましろ。
でもそれを聞いてやる気を出します。そんな彼女の様子にソラも嬉しそう。後述するようにソラはましろと一緒にリレーをやりたかったので彼女が乗り気になってくれるのは喜ばしい。その日以降も特訓が続きます。
走っているところを撮影してそれをもとに指導。なかなか本格的。その写真あとで横流しお願いします。
そんな話を両親にするましろ。特訓の苦労話をしているつもりが、そんなに体育祭を楽しみにしているなんて初めてだと両親は感心。仕事で海外にいるので見られないと残念がります。彼女のエピソードのわかりやすいところはこうして総括されることですね。両親から見れば娘がどんどん新しいことに、積極的になっていると映るでしょう。
バッタモンダーのターゲットはもちろん体育祭。登場するたびにドヤってるけど、化けの皮剥がれるの早いからツッコミ入れるの無駄だなって思い始めてる。
②ましろとソラのバトン
体育祭当日。順調にプログラムは進み、リレー本番。緊張するましろ。どうしてソラはそんなに元気でいられるのか。
「だって信じてますから」
「ましろさんが最高のバトンを渡してくれるって」
目を逸したましろはもっと緊張しちゃうと笑います。視線を外すのは2話のシーンを思い出しますね。ましろは人の好意を受け取れる子ですが、面と向かって純粋な信頼を向けらるのは(ソラの純粋さが際立っていることもあって)キャパオーバーになるのかもしれません。こういうときに「もちろんだよ、絶対にバトンを渡すから」と大見得を切れないところに彼女の弱さがあるのかもしれません。
選手入場。硬い表情のましろ。
リレー順はトリをソラが務めるのでましろはその手前。緊張が高まっていく中バトンを受け取ったましろは特訓の成果もあって快調な出足。視界の先にはソラ。しかしバトンを受け渡す直前、カーブに差し掛かったところで体制を崩して転倒。時が止まったような感覚。でも追い抜かれていく足音はしっかりと聞こえる。立ち上がったましろはソラだけを見て進むとバトンを渡します。
その後はフィジカルチート無双。ゴボウ抜きして1位でゴール。それを見届けたましろは喜びも束の間、緊張の糸が切れたようにガックリと膝をつくと項垂れます。
ソラが駆け寄ると勝利を報告。無理に笑顔を作って褒めていたましろですがたまらなくなってその場から逃げ出してしまいます。
水道で顔を洗っているとソラが駆け寄ってきます。
背を向けて水が飲みたくなったと誤魔化すましろ。勿論その言葉を真に受けるわけがなく、大丈夫ですか?と尋ねるソラ。ましろが言い出すまで待ちます。沈黙を耐えるって意外と難しい。
「私……走るの苦手だし、リレー選手だって自信なくて……。なのに自分にもできるって思っちゃったんだよ」
彼女の緊張は期待の裏返しでもあったということでしょう。初心者にありがちですがちゃんと練習すればその分伸びたりしますからね。特訓や両親との会話からも期待が見て取れます。自分もやればできるんだと。でもその期待は儚くも手痛く裏切られてしまいました。
「でも大事なところで転んじゃって……」
振り返ったましろは本音を打ち明けます。
「それが悔しい…」
勝負には勝てた。それに水をさしていることもわかっている。けどましろはどうしてもそのわだかまりを捨てることができない。これは彼女自身の問題だから。彼女のテーマは一貫しています。それは自分が何者であるかという曖昧さです。例の「特に無い!?」ですね。これまでの様子からも彼女が大抵のことはそつなくこなすタイプであることは見て取れます。しかし逆に言えば明確な「これ!」があるわけではない。こだわりの趣味があるわけではなさそうだし、ソラのような夢や目標、一生懸命さがあるわけでもない。メンタルは安定していますが、本人的な「手応え」があまり無いのだと思います。今回のリレーはそんな中で自分の可能性を感じ取れるものだったのでしょう。別に優秀な選手である必要はない。ただ自分に期待して、その期待に応えられる自分であるのだという手応えを感じたかったのだと思います。
するとソラは直角に近いレベルで頭を下げて謝ります。勝つためにはましろさんのバトンパスが必要だと言った。でもそれは理由の半分。もう半分はただ
「友達と一緒に走りたかったんです」
「だからましろさんが転んでしまったとき、ほんの少しだけ諦めてしまったんです。負けるかもしれないけどしょうがないって」
「でもましろさんは転んで悔しいとか追い抜かれて悲しいとかじゃなくただひたすら前を見て走っていた。ましろさんのその走りが私に火を点けてくれたんです」
「ましろさんは私に最高のバトンを渡してくれましたよ」
シーンを見返すとましろが走り出したところでソラは「ハッ」としているのでそのことですね。一緒に遊びたいから勝手にましろを指名して、失敗したら諦めたというのは身勝手な話。だから謝ったんだろうけど。言い方が悪いけどこのときソラはましろを舐めていたのです。けどちゃんとましろは走りきった。その成果に応えられるのは自分しかいない。
応えたソラの瞳をましろは正面から見つめ返します。
体育祭を襲撃するバッタモンダー。強い者が弱い者に力を見せつける残酷な祭り。これなら壊しても誰も心が傷まないよね。そうだな(運動オンチ並感)。いつもビリになる俺の気持ちに配慮しろ。なお学力テストの成績は私に都合が良いので採用するものとする。
ライン引きランボーグ召喚。
暴走運転するランボーグは意外と素早くスカイの攻撃もプリズムの攻撃も当たらない。ここはウィングの出番。必殺技で足止め……したつもりが思ったよりも早く復帰。するとプリズムが光弾をスカイの譲渡。それ渡せるんだ。まあ、蹴れるしな。プリズムからバトンを渡されたスカイは全力疾走。リレーの特訓は何もましろだけじゃない。スカイの脚が光るとみるみる距離を詰めてダイレクトシュート。さすがフィジカルモンスター。あとはエナジー回収。
体育祭再開。一緒に表彰台に立つソラとましろ。
涙が出るくらい悔しいって思ったのは初めて。自分でも意外だったと振り返るましろ。でも新しい自分に出会うのってドキドキしない?とあげは。ましろさんが出会ったのはどんなましろさんですか?
「思ってたより負けず嫌いで、思ってたより走るのが好きな自分…かな」
チャレンジしてよかったわね、と労うお婆ちゃん。
日課のランニングこれからも一緒に頑張りましょう、と誘うソラに快く応えるましろ。人知れず拳に力が入ります。彼女の中でまた一つ自信がついたようです。
③次回予告
前振りねぇのかよ!? 追加キャラ枠なら20話くらいかなって思ってたらこれだよ。
ドキドキは現状シリーズで唯一ヒーローをやったプリキュアですね。四葉とかいう金の暴力。
○トピック
相変わらず次回予告が持っていってますが、これだけは言いたい。ましろちゃんの使用済み体操服ください。
「可能性に賭けなくていい。可能性を楽しむだけで人生はこんなにも豊かになるのか」なエピソード。詳細はリンク先を参照されたし。
ましろのエピソードはいずれも穏やかに描かれている点で一貫しています。別に彼女は悲観しているわけではないし、自分に無力感を抱いているわけでもない。むしろ客観的には優秀で信頼もされている。ただ本人的には自分というものを上手く掴めていない。そんな印象を抱いている節があります。深刻ではないからこそ表面化もしないし、目立った弊害もない。お悩み相談するような話でもない。そんな満たされない何か、曖昧な何かに誰しも心当たりがあるでしょう。俺の人生はこれだ!と確信して生きてる人の方がレア。そんな彼女はどちらかと言えば受動的な人生を送ってきたと思われます。
人生の転機はソラとの出会い。さらには幼馴染のあげはとも再会。友達と過ごし、友達に引っ張られているうちに彼女の人生はイベントだらけに。
これはヒーローとしての目標や使命感を持ったソラとは全く異なるアプローチですが、ヒーローではない子なりのエピソードとして面白い試みだと思います。クラスの人気者、あるいは変人は必ずいる。その子と友達になって一緒に何かをやることで今まで知らなかった自分を発見することもある。そのことに気づけたとき、すでに自分は一歩を踏み出している。言ってしまえばそういう話です。
可能性という言葉は概して曖昧に使われる言葉ですがここではチャレンジと言い換えて良いでしょう。自分に何ができるのか、できないのか、何を感じるのか、それはやってみないことにはわからない。何なら失敗してもいい。ましろは失敗しても学んでいる。成功体験の積み重ねが大事とよく言いますが、そもそも体験してみないことには始まらない。チャレンジすること、その手段を持つこと(友達に誘われるでもいい)が大事なのだと本エピソードは語っています。
ましろは『成瀬は天下を取りにいく』の島崎とよく似ています。破天荒な成瀬に付き合いながらそこに手応えを感じ、彼女が付き合うからこそ成瀬も新しいことにチャレンジし続けられる。引っ張られる関係に見えて実は二人三脚。だからましろも島崎も意外とガッツがある。そのガッツに助けられることは多い。
①一緒にリレーをやろう
今週から平常運転。体育祭にあたり、リレーの候補を募集。そこで眼鏡君がソラに合図すると彼女を推薦。こいつ結構絡んで来るよな。フィジカルチートのソラなら異論なし。なんなら彼女一人で制覇できる。二つ返事で引き受けるもリレーがわからない。隣りの席のましろが説明。それを聞いたソラはラルーのことかと納得。スカイランドにもあった。そのワードは禁句。スカイランジナビアの言い間違いと誤魔化します。スカンジナビアじゃないの?っていい加減突っ込まれそう。
推薦されたソラは一つだけ注文をつけます。自分にバトンを渡す選手はましろさんにお願いしたい。今週はそんなお話。
…という話をいつものメンツに話すましろ。ツバサもあげはも期待の眼差し。
しかしましろは運動があまり得意ではない。手紙にも「運動会やだ~」と書く有様。なので別な人に、とも言ったけどソラは断固拒否。「リレーにおいて大事なこと!それは!」と興奮した様子で立ち上がります。学校でもいつの間にか教壇の前に立つとバトンパスについて講釈。生徒たちの反応から言って平常運転になっているところが怖い。溶け込みすぎだろスカイランジナビアの転校生。なお熱い視線を向けられたましろは蛇に睨まれたカエルの如き冷や汗。
熱弁を振るうソラ。まあ、要するに自分が一番信頼しているましろからバトンを受け取りたい。ソラからの熱烈アピールに加えて、クラスからもコンビ扱いされているので外堀も内堀も埋まっている状況。というわけで引き受けることに。それはそれとしてなんでこんなに盛り上がってるんだこのクラス。「ソラしろ」てぇてぇ!(注釈:てぇてぇ=尊い)みたいなノリなのか?
回想から戻って、満更でもない様子のましろ。エルからも励ましを受けます。やるからにはちゃんと走りたい。ソラに特訓を申し出ます。
何故かオーラを出して引き受けるソラ。先週、先々週の話なんて無かったってくらいの軽いノリ。ノリが戻ったと言えばそれまでだけど、むしろ磨きがかかってる。
広々とした公園で特訓開始。
コーチと呼ばれた2人は満面の笑み。その間あげははエルのお世話。ミラーパッドを携帯しているのはいつでもエナジーを回収できるように、という意図かな。
手始めにソラから速く走るコツを伝授。前だけを見て走ること! うん? もう一度言うも反応は薄い。当然といえば当然のこと。しかしましろは丁寧にお礼を言います。この子は他人の好意(行為)を素直に受け取る子なので軽んじたりはしない。具体的にはツバサが調べてきたのでそれをベースに指導。
まずはスタートから。……。そのポーズからどうやって踏み出す気なんだ。重心が高すぎる。早速ツバサからアドバイス。見本を見せるようにソラがスタートを切ります。真似をしようとしたましろはスタートで躓いてしまいます。一緒にジョギングしてたこともあったろうに。短距離と長距離では勝手が違うかもしれないけど。
走り出してからはペースの維持。頑張って走りますが女の子走りなのでどうやっても女子力高いにしかならないましろ嬢。なおスパイシーはこのポーズでプレシャスの全力疾走と併走していた模様。
次はいよいよ肝心要のバトンパス。前の人を追い越すつもりで。昔体育の授業でやったなぁ。ましろからバトンを受け取ったソラは嬉しそう。
休憩。クタクタになるましろ。そんな状態でもエルちゃんもたくさん歩いたねと褒めます。小さい子は体を動かすだけでも楽しいと話すあげは。子どもってくるくる回ったりするのも好きだよね。子どもの頃のましろもあげはに鬼をさせてずっと走っていたらしい。覚えてないと照れるましろ。
でもそれを聞いてやる気を出します。そんな彼女の様子にソラも嬉しそう。後述するようにソラはましろと一緒にリレーをやりたかったので彼女が乗り気になってくれるのは喜ばしい。その日以降も特訓が続きます。
走っているところを撮影してそれをもとに指導。なかなか本格的。その写真あとで横流しお願いします。
そんな話を両親にするましろ。特訓の苦労話をしているつもりが、そんなに体育祭を楽しみにしているなんて初めてだと両親は感心。仕事で海外にいるので見られないと残念がります。彼女のエピソードのわかりやすいところはこうして総括されることですね。両親から見れば娘がどんどん新しいことに、積極的になっていると映るでしょう。
バッタモンダーのターゲットはもちろん体育祭。登場するたびにドヤってるけど、化けの皮剥がれるの早いからツッコミ入れるの無駄だなって思い始めてる。
②ましろとソラのバトン
体育祭当日。順調にプログラムは進み、リレー本番。緊張するましろ。どうしてソラはそんなに元気でいられるのか。
「だって信じてますから」
「ましろさんが最高のバトンを渡してくれるって」
目を逸したましろはもっと緊張しちゃうと笑います。視線を外すのは2話のシーンを思い出しますね。ましろは人の好意を受け取れる子ですが、面と向かって純粋な信頼を向けらるのは(ソラの純粋さが際立っていることもあって)キャパオーバーになるのかもしれません。こういうときに「もちろんだよ、絶対にバトンを渡すから」と大見得を切れないところに彼女の弱さがあるのかもしれません。
選手入場。硬い表情のましろ。
リレー順はトリをソラが務めるのでましろはその手前。緊張が高まっていく中バトンを受け取ったましろは特訓の成果もあって快調な出足。視界の先にはソラ。しかしバトンを受け渡す直前、カーブに差し掛かったところで体制を崩して転倒。時が止まったような感覚。でも追い抜かれていく足音はしっかりと聞こえる。立ち上がったましろはソラだけを見て進むとバトンを渡します。
その後はフィジカルチート無双。ゴボウ抜きして1位でゴール。それを見届けたましろは喜びも束の間、緊張の糸が切れたようにガックリと膝をつくと項垂れます。
ソラが駆け寄ると勝利を報告。無理に笑顔を作って褒めていたましろですがたまらなくなってその場から逃げ出してしまいます。
水道で顔を洗っているとソラが駆け寄ってきます。
背を向けて水が飲みたくなったと誤魔化すましろ。勿論その言葉を真に受けるわけがなく、大丈夫ですか?と尋ねるソラ。ましろが言い出すまで待ちます。沈黙を耐えるって意外と難しい。
「私……走るの苦手だし、リレー選手だって自信なくて……。なのに自分にもできるって思っちゃったんだよ」
彼女の緊張は期待の裏返しでもあったということでしょう。初心者にありがちですがちゃんと練習すればその分伸びたりしますからね。特訓や両親との会話からも期待が見て取れます。自分もやればできるんだと。でもその期待は儚くも手痛く裏切られてしまいました。
「でも大事なところで転んじゃって……」
振り返ったましろは本音を打ち明けます。
「それが悔しい…」
勝負には勝てた。それに水をさしていることもわかっている。けどましろはどうしてもそのわだかまりを捨てることができない。これは彼女自身の問題だから。彼女のテーマは一貫しています。それは自分が何者であるかという曖昧さです。例の「特に無い!?」ですね。これまでの様子からも彼女が大抵のことはそつなくこなすタイプであることは見て取れます。しかし逆に言えば明確な「これ!」があるわけではない。こだわりの趣味があるわけではなさそうだし、ソラのような夢や目標、一生懸命さがあるわけでもない。メンタルは安定していますが、本人的な「手応え」があまり無いのだと思います。今回のリレーはそんな中で自分の可能性を感じ取れるものだったのでしょう。別に優秀な選手である必要はない。ただ自分に期待して、その期待に応えられる自分であるのだという手応えを感じたかったのだと思います。
するとソラは直角に近いレベルで頭を下げて謝ります。勝つためにはましろさんのバトンパスが必要だと言った。でもそれは理由の半分。もう半分はただ
「友達と一緒に走りたかったんです」
「だからましろさんが転んでしまったとき、ほんの少しだけ諦めてしまったんです。負けるかもしれないけどしょうがないって」
「でもましろさんは転んで悔しいとか追い抜かれて悲しいとかじゃなくただひたすら前を見て走っていた。ましろさんのその走りが私に火を点けてくれたんです」
「ましろさんは私に最高のバトンを渡してくれましたよ」
シーンを見返すとましろが走り出したところでソラは「ハッ」としているのでそのことですね。一緒に遊びたいから勝手にましろを指名して、失敗したら諦めたというのは身勝手な話。だから謝ったんだろうけど。言い方が悪いけどこのときソラはましろを舐めていたのです。けどちゃんとましろは走りきった。その成果に応えられるのは自分しかいない。
応えたソラの瞳をましろは正面から見つめ返します。
体育祭を襲撃するバッタモンダー。強い者が弱い者に力を見せつける残酷な祭り。これなら壊しても誰も心が傷まないよね。そうだな(運動オンチ並感)。いつもビリになる俺の気持ちに配慮しろ。なお学力テストの成績は私に都合が良いので採用するものとする。
ライン引きランボーグ召喚。
暴走運転するランボーグは意外と素早くスカイの攻撃もプリズムの攻撃も当たらない。ここはウィングの出番。必殺技で足止め……したつもりが思ったよりも早く復帰。するとプリズムが光弾をスカイの譲渡。それ渡せるんだ。まあ、蹴れるしな。プリズムからバトンを渡されたスカイは全力疾走。リレーの特訓は何もましろだけじゃない。スカイの脚が光るとみるみる距離を詰めてダイレクトシュート。さすがフィジカルモンスター。あとはエナジー回収。
体育祭再開。一緒に表彰台に立つソラとましろ。
涙が出るくらい悔しいって思ったのは初めて。自分でも意外だったと振り返るましろ。でも新しい自分に出会うのってドキドキしない?とあげは。ましろさんが出会ったのはどんなましろさんですか?
「思ってたより負けず嫌いで、思ってたより走るのが好きな自分…かな」
チャレンジしてよかったわね、と労うお婆ちゃん。
日課のランニングこれからも一緒に頑張りましょう、と誘うソラに快く応えるましろ。人知れず拳に力が入ります。彼女の中でまた一つ自信がついたようです。
③次回予告
前振りねぇのかよ!? 追加キャラ枠なら20話くらいかなって思ってたらこれだよ。
ドキドキは現状シリーズで唯一ヒーローをやったプリキュアですね。四葉とかいう金の暴力。
○トピック
相変わらず次回予告が持っていってますが、これだけは言いたい。ましろちゃんの使用済み体操服ください。
「可能性に賭けなくていい。可能性を楽しむだけで人生はこんなにも豊かになるのか」なエピソード。詳細はリンク先を参照されたし。
ましろのエピソードはいずれも穏やかに描かれている点で一貫しています。別に彼女は悲観しているわけではないし、自分に無力感を抱いているわけでもない。むしろ客観的には優秀で信頼もされている。ただ本人的には自分というものを上手く掴めていない。そんな印象を抱いている節があります。深刻ではないからこそ表面化もしないし、目立った弊害もない。お悩み相談するような話でもない。そんな満たされない何か、曖昧な何かに誰しも心当たりがあるでしょう。俺の人生はこれだ!と確信して生きてる人の方がレア。そんな彼女はどちらかと言えば受動的な人生を送ってきたと思われます。
人生の転機はソラとの出会い。さらには幼馴染のあげはとも再会。友達と過ごし、友達に引っ張られているうちに彼女の人生はイベントだらけに。
これはヒーローとしての目標や使命感を持ったソラとは全く異なるアプローチですが、ヒーローではない子なりのエピソードとして面白い試みだと思います。クラスの人気者、あるいは変人は必ずいる。その子と友達になって一緒に何かをやることで今まで知らなかった自分を発見することもある。そのことに気づけたとき、すでに自分は一歩を踏み出している。言ってしまえばそういう話です。
可能性という言葉は概して曖昧に使われる言葉ですがここではチャレンジと言い換えて良いでしょう。自分に何ができるのか、できないのか、何を感じるのか、それはやってみないことにはわからない。何なら失敗してもいい。ましろは失敗しても学んでいる。成功体験の積み重ねが大事とよく言いますが、そもそも体験してみないことには始まらない。チャレンジすること、その手段を持つこと(友達に誘われるでもいい)が大事なのだと本エピソードは語っています。
ましろは『成瀬は天下を取りにいく』の島崎とよく似ています。破天荒な成瀬に付き合いながらそこに手応えを感じ、彼女が付き合うからこそ成瀬も新しいことにチャレンジし続けられる。引っ張られる関係に見えて実は二人三脚。だからましろも島崎も意外とガッツがある。そのガッツに助けられることは多い。
第16話「えるたろう一座のおに退治」
○今週のヒーロー
①人形劇
自分たちが戻ってきた理由をあげはに説明。事態が事態なだけに憔悴した様子の3人。
お婆ちゃんからアンダーグ帝国について新情報。実はスカイランドと接点がある。しかし大昔に戦争があって以来断交。それ以降歴史の表舞台には出てきていない。5話で説明していたプリキュアの伝説に登場した魔物一派かな。依然としてエルを狙う目的は不明。それとは別に王様たちの呪いを解く方法を発見。ランボーグを浄化したときに現れるキラキラエナジーをミラーパッドに集めれば解呪薬が作れる。
それを聞いて一安心。よかったとエルに話しかけると泣き出してしまいます。とりあえず情報が出揃ったので今できることをやる。というわけで、アレをやろうとあげは。
OP。先週からシャララさんの顔が映るようになっていました。
絵本がずらり。絵本ならスカイランドからたくさん持ってきたとツバサ。流石ナイト(お世話役)。ただ読むのではなく、人形劇にしたいと話すあげは。お手製の人形を見せます。学校の授業で作ったらしい。本人モデルのあげは姫。
どのお話をやろうかと思案していると、ソラがヒーローを感じるからと桃太郎をセレクト。エルも気に入ったので決定。ざっくりと内容を説明するとこっちの世界の犬・サル・キジは強いんですね!と感心するソラ。そこに食いつくのか。
みんなで小道具作り。わりと本格的で型紙から生地を切り抜いて裁縫。慣れていないソラとツバサにコツを教えます。ここでも難なくこなすましろ。この子の女子力圧倒的すぎるだろ。婚活したら行列できそう。その間もエルは両親を恋しがります。
舞台を整えていざ開幕。特等席に座るエル。
「昔昔ある所に小さな雲がフワフワと降りてきました」。桃じゃない?と疑問を浮かべるソラとましろ。あげはが独断でアレンジ。雲の中から現れたのはえるたろう。3人はさらに困惑。小道具作っているときに気づけ。
えるたろうはミルクを飲んで成長。しかしある日えるたろうが大好きなあげは姫が鬼に連れ去らてしまいました。さらりと自分の分身をヒロインにする狡猾さ。だいぶ本来の話からズレていますがエルは真剣。
お婆ちゃんからきび団子ならぬ雲パンを受け取って出発。ソラ犬、ましろサル、ツバサキジを仲間に加え鬼ヶ島へ。キジの不審者感ぱねぇ。鬼ヶ島にアンダーグ帝国のイメージが重なります。同じ頃、調べ物をしていたお婆ちゃんが大きなため息。珍しい。思うように調査が進まないのか、それとも知っていて言えない情報でもあるのか。
芝居をしているうちに3人それぞれにスカイランドでのことがフラッシュバック。なるほど。単なる日常回というのではなしに気持ちの整理をしているのね。敗北したツバサはナイトとして、敵の脅威に触れたましろはそれに負けないために、シャララを失ったソラはヒーローとして。カバトンはお馬鹿な乱暴者といった雰囲気で言わば「昔ワルやってた」系。街を爆撃したりしてたけどノリ的には小悪党。それに比べてスカイランドでの体験は3人それぞれの心に手痛い傷を負わせていることがわかります。
テンションだだ下がり。それがエルにも伝わっったのか泣き出してしまいます。戸惑う3人をあげはが諭すとエルを励まします。ここで部外者である彼女がクッションになっているのは心強い。
バッタモンダーがソラシド市に出現。
②希望のともし火
芝居は佳境。鬼とバトル。
勢い余って鬼の旗を倒してしまい中断。元に戻そうと直しているとエルが立ち上がってみんなの名前を呼びます。そら、ましお、ちゅばさ、あげは。エルを励ますつもりが励まされる結果に。素早く立ち直るソラ。それを見たあげははもう人形劇は必要ないと打ち切ります。そこにお婆ちゃんからスカイランドから連絡が入ったと声がかかります。
スカイランドはこちらに任せろと副隊長。ベリィベリーも悲観した様子はなく前向き。その姿に安堵する3人。
窓の外に大量の鳥。昔のホラー映画かよ。
ツバサの鳥友達らしく公園にバッタモンダーが出現したとのこと。便利。そういえば今作はエルがターゲットになっているので狙われる側。街で異変が起きても直接探知する方法がない。
現場に向かうと果たしてバッタモンダーが待機。エルを連れて物陰に隠れるあげは。
指示が出ているのか独断なのかプリキュアをターゲットにするバッタモンダー。雰囲気的に後者か。前回のこと根に持ってそう。鬼の遊具をランボーグに。
プリズムの光弾が打ち返されて足並みが崩れると劣勢に。近くにあった遊具にも被害が出ます。すかさずスカイランドのことをぶり返すバッタモンダー。相変わらず他人事のような言い方。哀れんでいるようで「俺の方が世界ランク上だわー」とか思ってるだろ、絶対。
スカイランドは弱くなどない。みんな希望を胸に前に進もうと頑張っている!と立ち上がるスカイ。それは私たちも同じ。気持ちの整理がついた彼女たちはもう下を向かない。ここでもエルがプリキュアの名を呼びます。どんどん語彙が増えていく。
白けた表情のバッタモンダー。作り笑いを浮かべるとランボーグに指示。ああ、ようやくわかった。こいつ何が気持ち悪いって作り笑いが気持ち悪いんだな。内面の下品さを必死に繕ってる感とでも言おうか。カバトンは馬鹿がワルをやろうとしているからある意味清々しいけど、こっちは小心者のクズが好青年やろうとしてるから気持ち悪いんだな。
躍りかかってきたランボーグに閃光弾。隙を突いてウィングが棍棒を叩き落し、一気呵成にトドメ。浄化するとミラーパッドにキラキラエナジーを注入。ゲージがあるので目安がわかりやすい。それはそれとしてミラーパッドをプリキュアが持っているってことは……お婆ちゃん生配信見れなくない?
再び負けたバッタモンダーは絶叫。育ちの悪さ出てんぞ。その姿を冷めた様子で傍観するプリキュア。まともに取り合わないのが正解と気づいたようです。今更のように立ち直ると態度を繕って撤退。面の皮が厚いことだけはわかる。でもたまにいるよね、瞬間瞬間の感情だけで生きてそうな奴。
帰り道。改めてエルにお礼を言う一同。
エルは自分で立って歩きだします。えるたろうを歌いながらみんなで行進。
③次回予告
こんなことならソラのジョギング付き合ってればよかった……って思ってそう。
○トピック
ミラーパッドの予備機ありそう。
子どもの成長と前に進むをかけたインターミッション。
スカイランドから戻った直後から日常回をやるのも場違いなので、そのクッションとなるエピソード。これで禊は済んだのでいくらでも馬鹿騒ぎしてもいい許可が下りました。
本作は敵サイドの描写(アジトでの茶番)が一切ないので視聴者にとっても謎の組織となっています。カバトンやバッタモンダーが小者臭いのはアンダーグ帝国がそんな奴らで構成されているのか、単に下っ端を送り込んでいるのかも不明。そのためソラたちの不安感は視聴者とわりと近いところにあります。正体不明の敵に攻撃されるというストレス。カバトンを相手している頃はまだ良かったものの、スカイランドを襲撃され中枢機能が破壊されたとなれば受ける衝撃も大きい。比較的序盤である現時点で敗北や喪失を味わっているのはプリキュアでは珍しい展開。チュートリアルから実戦段階に進んだことが明示されています。
あとソラたちが単純なヒーロー軍団として描かれていないこともポイントですね。ヒーロー言っているのはソラだけで、ましろやツバサは彼女とは違う視点でこの事象を見ている。むしろヒーローというならばドキドキの方がチーム感がありました。マナを六花とありすがサポートする流れの方がそれっぽい。日常の様子からもヒーロー軍団vs悪の軍団という構図ではなく危機や困難を前にして一人一人がそれに立ち向かい団結していく構図にしたいのだろうと思われます。ソラとましろが自立している(笑顔でお別れできる)ことも相まって個々人の視点の違いがハッキリしている印象があります。エルちゃんですら(歩行的な意味で)自立していますからね。ここにどういう形であげはが加わってくるのかは楽しみなところです。もうすでに馴染みすぎているほどに馴染んでいるけど。
①人形劇
自分たちが戻ってきた理由をあげはに説明。事態が事態なだけに憔悴した様子の3人。
お婆ちゃんからアンダーグ帝国について新情報。実はスカイランドと接点がある。しかし大昔に戦争があって以来断交。それ以降歴史の表舞台には出てきていない。5話で説明していたプリキュアの伝説に登場した魔物一派かな。依然としてエルを狙う目的は不明。それとは別に王様たちの呪いを解く方法を発見。ランボーグを浄化したときに現れるキラキラエナジーをミラーパッドに集めれば解呪薬が作れる。
それを聞いて一安心。よかったとエルに話しかけると泣き出してしまいます。とりあえず情報が出揃ったので今できることをやる。というわけで、アレをやろうとあげは。
OP。先週からシャララさんの顔が映るようになっていました。
絵本がずらり。絵本ならスカイランドからたくさん持ってきたとツバサ。流石ナイト(お世話役)。ただ読むのではなく、人形劇にしたいと話すあげは。お手製の人形を見せます。学校の授業で作ったらしい。本人モデルのあげは姫。
どのお話をやろうかと思案していると、ソラがヒーローを感じるからと桃太郎をセレクト。エルも気に入ったので決定。ざっくりと内容を説明するとこっちの世界の犬・サル・キジは強いんですね!と感心するソラ。そこに食いつくのか。
みんなで小道具作り。わりと本格的で型紙から生地を切り抜いて裁縫。慣れていないソラとツバサにコツを教えます。ここでも難なくこなすましろ。この子の女子力圧倒的すぎるだろ。婚活したら行列できそう。その間もエルは両親を恋しがります。
舞台を整えていざ開幕。特等席に座るエル。
「昔昔ある所に小さな雲がフワフワと降りてきました」。桃じゃない?と疑問を浮かべるソラとましろ。あげはが独断でアレンジ。雲の中から現れたのはえるたろう。3人はさらに困惑。小道具作っているときに気づけ。
えるたろうはミルクを飲んで成長。しかしある日えるたろうが大好きなあげは姫が鬼に連れ去らてしまいました。さらりと自分の分身をヒロインにする狡猾さ。だいぶ本来の話からズレていますがエルは真剣。
お婆ちゃんからきび団子ならぬ雲パンを受け取って出発。ソラ犬、ましろサル、ツバサキジを仲間に加え鬼ヶ島へ。キジの不審者感ぱねぇ。鬼ヶ島にアンダーグ帝国のイメージが重なります。同じ頃、調べ物をしていたお婆ちゃんが大きなため息。珍しい。思うように調査が進まないのか、それとも知っていて言えない情報でもあるのか。
芝居をしているうちに3人それぞれにスカイランドでのことがフラッシュバック。なるほど。単なる日常回というのではなしに気持ちの整理をしているのね。敗北したツバサはナイトとして、敵の脅威に触れたましろはそれに負けないために、シャララを失ったソラはヒーローとして。カバトンはお馬鹿な乱暴者といった雰囲気で言わば「昔ワルやってた」系。街を爆撃したりしてたけどノリ的には小悪党。それに比べてスカイランドでの体験は3人それぞれの心に手痛い傷を負わせていることがわかります。
テンションだだ下がり。それがエルにも伝わっったのか泣き出してしまいます。戸惑う3人をあげはが諭すとエルを励まします。ここで部外者である彼女がクッションになっているのは心強い。
バッタモンダーがソラシド市に出現。
②希望のともし火
芝居は佳境。鬼とバトル。
勢い余って鬼の旗を倒してしまい中断。元に戻そうと直しているとエルが立ち上がってみんなの名前を呼びます。そら、ましお、ちゅばさ、あげは。エルを励ますつもりが励まされる結果に。素早く立ち直るソラ。それを見たあげははもう人形劇は必要ないと打ち切ります。そこにお婆ちゃんからスカイランドから連絡が入ったと声がかかります。
スカイランドはこちらに任せろと副隊長。ベリィベリーも悲観した様子はなく前向き。その姿に安堵する3人。
窓の外に大量の鳥。昔のホラー映画かよ。
ツバサの鳥友達らしく公園にバッタモンダーが出現したとのこと。便利。そういえば今作はエルがターゲットになっているので狙われる側。街で異変が起きても直接探知する方法がない。
現場に向かうと果たしてバッタモンダーが待機。エルを連れて物陰に隠れるあげは。
指示が出ているのか独断なのかプリキュアをターゲットにするバッタモンダー。雰囲気的に後者か。前回のこと根に持ってそう。鬼の遊具をランボーグに。
プリズムの光弾が打ち返されて足並みが崩れると劣勢に。近くにあった遊具にも被害が出ます。すかさずスカイランドのことをぶり返すバッタモンダー。相変わらず他人事のような言い方。哀れんでいるようで「俺の方が世界ランク上だわー」とか思ってるだろ、絶対。
スカイランドは弱くなどない。みんな希望を胸に前に進もうと頑張っている!と立ち上がるスカイ。それは私たちも同じ。気持ちの整理がついた彼女たちはもう下を向かない。ここでもエルがプリキュアの名を呼びます。どんどん語彙が増えていく。
白けた表情のバッタモンダー。作り笑いを浮かべるとランボーグに指示。ああ、ようやくわかった。こいつ何が気持ち悪いって作り笑いが気持ち悪いんだな。内面の下品さを必死に繕ってる感とでも言おうか。カバトンは馬鹿がワルをやろうとしているからある意味清々しいけど、こっちは小心者のクズが好青年やろうとしてるから気持ち悪いんだな。
躍りかかってきたランボーグに閃光弾。隙を突いてウィングが棍棒を叩き落し、一気呵成にトドメ。浄化するとミラーパッドにキラキラエナジーを注入。ゲージがあるので目安がわかりやすい。それはそれとしてミラーパッドをプリキュアが持っているってことは……お婆ちゃん生配信見れなくない?
再び負けたバッタモンダーは絶叫。育ちの悪さ出てんぞ。その姿を冷めた様子で傍観するプリキュア。まともに取り合わないのが正解と気づいたようです。今更のように立ち直ると態度を繕って撤退。面の皮が厚いことだけはわかる。でもたまにいるよね、瞬間瞬間の感情だけで生きてそうな奴。
帰り道。改めてエルにお礼を言う一同。
エルは自分で立って歩きだします。えるたろうを歌いながらみんなで行進。
③次回予告
こんなことならソラのジョギング付き合ってればよかった……って思ってそう。
○トピック
ミラーパッドの予備機ありそう。
子どもの成長と前に進むをかけたインターミッション。
スカイランドから戻った直後から日常回をやるのも場違いなので、そのクッションとなるエピソード。これで禊は済んだのでいくらでも馬鹿騒ぎしてもいい許可が下りました。
本作は敵サイドの描写(アジトでの茶番)が一切ないので視聴者にとっても謎の組織となっています。カバトンやバッタモンダーが小者臭いのはアンダーグ帝国がそんな奴らで構成されているのか、単に下っ端を送り込んでいるのかも不明。そのためソラたちの不安感は視聴者とわりと近いところにあります。正体不明の敵に攻撃されるというストレス。カバトンを相手している頃はまだ良かったものの、スカイランドを襲撃され中枢機能が破壊されたとなれば受ける衝撃も大きい。比較的序盤である現時点で敗北や喪失を味わっているのはプリキュアでは珍しい展開。チュートリアルから実戦段階に進んだことが明示されています。
あとソラたちが単純なヒーロー軍団として描かれていないこともポイントですね。ヒーロー言っているのはソラだけで、ましろやツバサは彼女とは違う視点でこの事象を見ている。むしろヒーローというならばドキドキの方がチーム感がありました。マナを六花とありすがサポートする流れの方がそれっぽい。日常の様子からもヒーロー軍団vs悪の軍団という構図ではなく危機や困難を前にして一人一人がそれに立ち向かい団結していく構図にしたいのだろうと思われます。ソラとましろが自立している(笑顔でお別れできる)ことも相まって個々人の視点の違いがハッキリしている印象があります。エルちゃんですら(歩行的な意味で)自立していますからね。ここにどういう形であげはが加わってくるのかは楽しみなところです。もうすでに馴染みすぎているほどに馴染んでいるけど。
第15話「超巨大ランボーグ大爆発!?守れスカイランド!」
○今週のヒーロー
①護衛隊のお仕事
開幕テロ発生。またたく間にスカイとシャララが瞬殺。ところで先週シャララのことシャルルと書いてました(脳内でシャララと読んでいるのに書くときにシャルルと記述)。手癖で書いているとたまにこういうことが起きる。この記事も書いている途中で何回もシャルルって書き間違ったし。ついでに言うとシャルルはキュアハートの妖精ですがこっちはすっかり忘れています。ラケルとランスは覚えてるんだけどなぁ。ダビィ? 妖精の名前、半分くらい忘れてますね。だんだんアレがアレでアレだ、みたいな感じになってる。
閑話休題。護衛隊の一員として活躍するスカイ。プリズムやウィングがいなくても次々とランボーグを撃破。護衛隊も戦力になっている模様。これで10体目。連戦連勝に王様もご機嫌。バッタモンダー登場2回目でお仕置きされそう。このスピード感、プランB…いやCか?
視線を感じたソラが振り返ると扉の隙間からましろとツバサ。ソラは満面の笑みを返します。
辺境の田舎。
野生動物が暴れているとクエストを受注。隊長が直接受けるのか。現場肌なんだろうか。詳細な情報を訊ねているとターゲットが出現。すでにソラが張り付いています。「今のか?」「ええ、今のです」。みんな冷静だな。
すぐに追跡。剣を構えるシャララをソラが制止。怪我をしたせいで気が立っている。悪い動物じゃない。そう叫んでいる間に追突事故発生。
結局ソラがダウンしただけで動物は治療して野生に返して一件落着。お手柄だったとソラを褒めるシャララ。
王都の守備から田舎の依頼まで幅広く任務をこなす護衛隊にソラが感心していると、パトロールも大事だとシャララが答えます。辺境の地には助けを必要としている人が大勢いる。ソラもその恩恵を受けた1人。隊長10年前とほとんど変わんねー。助けられたソラは静かにシャララを見つめながら幸運のお守りを渡します。去っていく彼女の後ろ姿に憧れます。
あの日ヒーローになると決めた。本人に改めてそう話すソラ。するとシャララはペンダントを取り出します。あの日貰ったスカイジュエルで作ったもの。静かにお互いの絆を確かめ合う2人。高速イベント消化。
王宮を訪れる夫婦。
ツバサは役目どおりエルのお守り。これはこれで宮仕えだし良い待遇なのではないだろうか。夫婦が部屋に入ってきます。予想していたとはいえ驚きを隠せない夫婦。彼らの正体はツバサの両親。元の姿に戻ると息子に駆け寄ります。ぬいぐるみのような見た目の親子が目の前でモコモコしてて喜ぶエル。他の鳥族と比べてプニバード族特徴的だよな。
来た理由を訊ねると王様から連絡があったと父は言います。どうやら帰郷したのに本人から連絡していなかったらしい。1年以上直接会っていないはずですがツバサはナイト気取りで独り立ちしたいお年頃。イヤイヤ期なのね、と母。赤ちゃん扱い!? こんなところ誰かに見られたらかっこ悪い。バッチリましろが目撃。
ましろは一目で彼の両親だと気づくと挨拶。ツバサが一緒に暮らしていたと紹介すると結婚したのかと勘違いされます。これにはツッコミ役(最近その仕事してないけど)のましろもリアクションに困る。身内で盛り上がられると入りづらい。あとましろはソラの嫁だからそこを勘違いしてはいけない(百合強行派)。
ましろがツバサを訊ねたのはお別れの挨拶のため。リュックには大量のスカイジュエル。
明日帰る予定。一気に広げて一気に畳んできたな。ソラが護衛隊と一緒に活躍している今、自分が居なくてもスカイランドは大丈夫。冒頭シーンでもプリズムどころかウィングすら登場していない。言い換えれば予備戦力もまだある。淡々と話すましろにツバサは寂しそうな表情を返します。その不安に答えるように
「住むところが変わるだけ。トンネルを通ればいつだって会える。何も変わらないし、何もなくならい。だって私たちは友達だから、でしょ?」
覚悟完了済。流石先週、先々週ソラと別れの儀式をやったヒロイン、面構えが違う。エルにもお別れの挨拶。お腹出して寝ちゃだめ、歯磨きは仕上げまでしてもらう。
「それと…私のこと忘れないでね」
先ほどはいつだって会えると言っていましたが、内心ではそう滅多に会えるものではないとわかっているのでしょう。プリキュアとしての出番が無ければスカイランドを訪れる理由は観光(ソラたちと旧交を温める)くらいしかなく、部外者であるましろがプリンセスと謁見する理由はない。よくて再会は年単位。彼女の言動からはそれが読み取れます。
ソラさんがパトロールから帰ってきたらみんなでごちそうを食べよう。ツバサがお別れ会を提案。しかしそんな暇は与えてくれません。
カモン・アンダーグエナジー。バッタモンダー。そこら中から湧いて出たエナジーをかき集めて巨大ランボーグを召喚。
10連敗は布石。事前に小出しにしてエナジーを蓄積、一気に集約するのが目的。なぜならシャララをはじめ護衛隊はランボーグを浄化できない。なるほど戦闘力的には互角でも浄化能力の有無で差別化したか。弱い人たちの精一杯の頑張りが全部無駄に、この世界はなんて残酷でなんて悲しいんだろう、と演技がかった様子でつぶやくバッタモンダー。他人のランクを下げたからってお前のランク上がるわけじゃねーぞ。
王都の上空に出現するランボーグ。ソラたちは全速力で帰還。
②王都大パニック
護衛隊は住人を避難誘導。偵察に出たウィングは思わぬ反撃を受けてしまいます。
戻ったソラが王様に事情を訊ねると爆弾だと答えが返ってきます。脅迫文には1時間後に爆発するのでプリンセスを差し出せと要求が。やってることマジでテロやん。カバトンは小悪党だったけどバッタモンダーはそれと毛色がだいぶ違う。プランC濃厚か。
固唾をのんでいると傷ついたツバサを連れたましろがやってきます。先ほどの攻撃で戦闘不能に。最近こんな役目ばっかだな。男の子だし、商品訴求力もそんなにないから展開に合わせて柔軟に使っている感がある。元々あげはとのセット感もあるし本格的な活躍は後回しか。役に立てなくてすみません、と謝るツバサ。
護衛隊では浄化できないと気づいたのか、シャララはプリキュアの力で爆弾を浄化できないかとソラに訊ねます。アップドラフト・シャイニング。もう残された手はそれしかない。普通に技名口にしてるの面白い。シリアスな展開だから当然なんだけど、プリキュアで対テロを真面目にやるとこうなるという珍しいシーン。山でリスと特訓とか、次回予告もそうだけど温度差激しすぎない? このアニメ。
上空に佇む巨大爆弾。みんなが見守る中、必殺技を展開。
少しずつランボーグが持ち上がり……そこで意外な行動。手が生えると円盤を破壊しにかかります。あ、それ物理的に壊せるものなんだ。円盤にかかった負荷はプリキュアにフィードバック。苦悶の声を上げながらも抵抗するスカイとプリズム。
静かに踵を返したシャララは覚悟を決めると部屋へ。そして巨大なグリフォン型の鳥に跨ると飛翔。なにその隊長専用機みたいなの。
「相手がどんなに強くても正しいことを最後までやり抜く。それがヒーロー!」
これは師匠の貫禄。作画もここがハイライト。このアニメな~に~? 一閃。ランボーグの手を切断。剣が折れてるの細かい。力を使い果たしたシャララにアンダーグエナジーが迫り呑み込まれる直前、ソラにあとを託します。
「ソラ、ヒーローの出番だ」
力を振り絞ってランボーグを浄化。
これで一安心……なんてことはなく、王宮に堂々と忍び込むバッタモンダー。警備ザルぅ。護衛隊護衛しろ。計画が失敗して地団駄。ターゲットを前にしてこの情緒不安定さ。状況的には計画が失敗しても圧倒的有利。キレ芸が終わった瞬間にツバサにビンタを食らわせて行動不能に。これはこれで動き(思考)が読めないので厄介。機嫌が直ると勝手に話しを進めます。
従わない国王夫妻にもエナジー注入。独りになったエルが助けを求めるようにプリキュア(の映像)を見ますがこちらも力を使い果たして行動不能。エルはプリキュアの変身にかかわる程度でそれ以外はほとんど超能力を使っていません。空飛ぶスリングもお婆ちゃんの発明。一応1話で落下速度を緩めたりとかはしてたけど戦闘を有利にするような役目は与えられていない。だから彼女にできることは、
「ソラ~~!」
自分を助けてくれたヒーローの名を呼ぶこと。
天井の窓を破って城内に戻るスカイ。もはや戦う力はなく立ち上がることもままならない。それに気づいたバッタモンダーが余裕を見せるも
「動くな!」
と一喝。気迫で立ち上がると圧をかけます。怯んだバッタモンダーは逃走。エルはソラを呼びながら彼女のもとへ。
シャララを捜索する隊員たち。ベリィベリーが休めとソラを気遣います。部屋に戻るとペンダントと置き手紙が。
③スカイランド編終了のお知らせ
バッタモンダーが放った呪いによって国王夫妻は眠りについたまま。これからどうすれば。
「帰りましょう。ソラシド市に」
ソラの思わぬ言葉にキョトンとするましろとツバサ。治す方法をヨヨさんに調べてもらう。エルちゃんがバッタモンダーに狙われている以上1人置いていくわけにもいかない。自分たちがバラバラになるのもいい考えじゃない。つまり3人でソラシド市に戻るのが最善。名前を呼ぶエルにプリキュアは無敵だと請け負うソラ。無理しちゃダメだとましろが声をかけると隊長が残した手紙ことを教えます。なんて書いてあったの?
「〈立ち止まるなヒーローガール。また会おう〉」
ペンダントを見せながらそう話すソラ。このペンダントには「絶対にまた会える」魔法がかかっている。
「負けるな、ソラ」
みんなに見送られながらソラシド市へ。
「〈シャララ隊長。私、前に進みます〉」
「(そうすればきっと……きっと隊長に…また会えるはずだから〉」
④次回予告
シリアスをリセットする魔法。あげはさんはそろそろアップを始め……ないのか?
目からビーム出す奴。この感想的にハピネスチャージはシリーズの分水嶺。
○トピック
仮面つけて敵として現れそう。
プランBでした。プランCは王国滅亡で命からがらエルとともに脱出プラン。それに比べれば幾分マイルド。
要するにスカイランドの重鎮(国王夫妻とシャララ隊長)を一気に消してエルちゃんを連れて戻る力技。あげはがプリキュアになるまでにどう決着をつけるのかと思っていましたが、予想以上にスピーディ。カード全部切ってゲーム終わらせるとか潔すぎだろ。私の読みが甘かったのもありますが展開が思った以上に早い。
今回描写があるようにソラが護衛隊に入ってしまうとプリキュアが軍事力として組み込まれてしまい、ヒーローアニメ的にはややこしくなります。ヒーロー=戦闘組織は他作品でも見られる形態ですが、本質的にヒーローは異端です。組織とは秩序を持った集団であり巨大化すればするほど内外のルールや力学に縛られていきます。パトレイバーの特車二課がわかりやすい例で、正義の味方をやろうとすると警察の在り方に反してしまい一歩間違えれば犯罪者になるというジレンマですね。逆にヒーロー組織を絶対化すればそれはただの独裁・利権組織でしかなくなる。だからヒーローは恒常的に、組織的に存在できません。それ自体が異端でグレーでアウトサイダー。居たら居たで周囲に担ぎ上げられて権力争いのネタにされる。
そんな面倒な話をプリキュアでやらないだろうとは思っていましたが、ヒーローとしてどうソラを独り立ちさせるかが問題となります。護衛隊(シャララ)とヒーロー道の食い違いから独立させる…というのも話が重いし面倒。でも護衛隊の一員としてではなく、ソラとして自立しなければならないことは物語として必然。それを担うのが今回のエピソード。
前置きが長くなりましたがいい落とし所だと思います。
ソラの将来として護衛隊に復員(シャララと再会)する道を残しつつ、プリキュアが話を進める展開になっているので見通しが良い。これまでは受動的にエルを守っていただけでしたが、憧れのヒーローから託された今、ソラの責任感や使命感は1段階ギアが上がっています。あとさりげにエルが「ソラ」と呼んでいたことも重要で、シャララ→ソラ→エルの流れが出来ているのも綺麗ですね。今のソラはヒーローとして戦わなければならない。自分のヒーローを失ってうなだれている暇なんてない。赤ちゃんの名前呼びをここで使ってきたのはお見事。ソラとましろのお別れを前回・前々回と分割しながらやっていたのもこの展開ならばなおのこと納得。絆を深めつつ、ソラの主人公性も深められて一石二鳥。そしてしれっとあげはと合流して次のステップに入る。無駄がない。
スカイランド回りのエピソードは異端というか、かなり珍しいやり方をしていると思います。あるいは2クール目の山場でやるような展開ですね。プリキュア的にはご町内で敵を撃退して、新プリキュアの準備をしていくのが定例行事。
ですがこのエピソードを挟んだことでソラのヒーロー観が深まり、物語にもスパイスを効かせています。ヒーローはただ悪党を倒せばいいってもんではない。責任・使命を負い、そして決断していくことも求められる。それに耐えうる精神を持ち合わせてこそのヒーロー。なお、次回の予定は桃太郎。ほんとどうなってんだよ、この温度差。
①護衛隊のお仕事
開幕テロ発生。またたく間にスカイとシャララが瞬殺。ところで先週シャララのことシャルルと書いてました(脳内でシャララと読んでいるのに書くときにシャルルと記述)。手癖で書いているとたまにこういうことが起きる。この記事も書いている途中で何回もシャルルって書き間違ったし。ついでに言うとシャルルはキュアハートの妖精ですがこっちはすっかり忘れています。ラケルとランスは覚えてるんだけどなぁ。ダビィ? 妖精の名前、半分くらい忘れてますね。だんだんアレがアレでアレだ、みたいな感じになってる。
閑話休題。護衛隊の一員として活躍するスカイ。プリズムやウィングがいなくても次々とランボーグを撃破。護衛隊も戦力になっている模様。これで10体目。連戦連勝に王様もご機嫌。バッタモンダー登場2回目でお仕置きされそう。このスピード感、プランB…いやCか?
視線を感じたソラが振り返ると扉の隙間からましろとツバサ。ソラは満面の笑みを返します。
辺境の田舎。
野生動物が暴れているとクエストを受注。隊長が直接受けるのか。現場肌なんだろうか。詳細な情報を訊ねているとターゲットが出現。すでにソラが張り付いています。「今のか?」「ええ、今のです」。みんな冷静だな。
すぐに追跡。剣を構えるシャララをソラが制止。怪我をしたせいで気が立っている。悪い動物じゃない。そう叫んでいる間に追突事故発生。
結局ソラがダウンしただけで動物は治療して野生に返して一件落着。お手柄だったとソラを褒めるシャララ。
王都の守備から田舎の依頼まで幅広く任務をこなす護衛隊にソラが感心していると、パトロールも大事だとシャララが答えます。辺境の地には助けを必要としている人が大勢いる。ソラもその恩恵を受けた1人。隊長10年前とほとんど変わんねー。助けられたソラは静かにシャララを見つめながら幸運のお守りを渡します。去っていく彼女の後ろ姿に憧れます。
あの日ヒーローになると決めた。本人に改めてそう話すソラ。するとシャララはペンダントを取り出します。あの日貰ったスカイジュエルで作ったもの。静かにお互いの絆を確かめ合う2人。高速イベント消化。
王宮を訪れる夫婦。
ツバサは役目どおりエルのお守り。これはこれで宮仕えだし良い待遇なのではないだろうか。夫婦が部屋に入ってきます。予想していたとはいえ驚きを隠せない夫婦。彼らの正体はツバサの両親。元の姿に戻ると息子に駆け寄ります。ぬいぐるみのような見た目の親子が目の前でモコモコしてて喜ぶエル。他の鳥族と比べてプニバード族特徴的だよな。
来た理由を訊ねると王様から連絡があったと父は言います。どうやら帰郷したのに本人から連絡していなかったらしい。1年以上直接会っていないはずですがツバサはナイト気取りで独り立ちしたいお年頃。イヤイヤ期なのね、と母。赤ちゃん扱い!? こんなところ誰かに見られたらかっこ悪い。バッチリましろが目撃。
ましろは一目で彼の両親だと気づくと挨拶。ツバサが一緒に暮らしていたと紹介すると結婚したのかと勘違いされます。これにはツッコミ役(最近その仕事してないけど)のましろもリアクションに困る。身内で盛り上がられると入りづらい。あとましろはソラの嫁だからそこを勘違いしてはいけない(百合強行派)。
ましろがツバサを訊ねたのはお別れの挨拶のため。リュックには大量のスカイジュエル。
明日帰る予定。一気に広げて一気に畳んできたな。ソラが護衛隊と一緒に活躍している今、自分が居なくてもスカイランドは大丈夫。冒頭シーンでもプリズムどころかウィングすら登場していない。言い換えれば予備戦力もまだある。淡々と話すましろにツバサは寂しそうな表情を返します。その不安に答えるように
「住むところが変わるだけ。トンネルを通ればいつだって会える。何も変わらないし、何もなくならい。だって私たちは友達だから、でしょ?」
覚悟完了済。流石先週、先々週ソラと別れの儀式をやったヒロイン、面構えが違う。エルにもお別れの挨拶。お腹出して寝ちゃだめ、歯磨きは仕上げまでしてもらう。
「それと…私のこと忘れないでね」
先ほどはいつだって会えると言っていましたが、内心ではそう滅多に会えるものではないとわかっているのでしょう。プリキュアとしての出番が無ければスカイランドを訪れる理由は観光(ソラたちと旧交を温める)くらいしかなく、部外者であるましろがプリンセスと謁見する理由はない。よくて再会は年単位。彼女の言動からはそれが読み取れます。
ソラさんがパトロールから帰ってきたらみんなでごちそうを食べよう。ツバサがお別れ会を提案。しかしそんな暇は与えてくれません。
カモン・アンダーグエナジー。バッタモンダー。そこら中から湧いて出たエナジーをかき集めて巨大ランボーグを召喚。
10連敗は布石。事前に小出しにしてエナジーを蓄積、一気に集約するのが目的。なぜならシャララをはじめ護衛隊はランボーグを浄化できない。なるほど戦闘力的には互角でも浄化能力の有無で差別化したか。弱い人たちの精一杯の頑張りが全部無駄に、この世界はなんて残酷でなんて悲しいんだろう、と演技がかった様子でつぶやくバッタモンダー。他人のランクを下げたからってお前のランク上がるわけじゃねーぞ。
王都の上空に出現するランボーグ。ソラたちは全速力で帰還。
②王都大パニック
護衛隊は住人を避難誘導。偵察に出たウィングは思わぬ反撃を受けてしまいます。
戻ったソラが王様に事情を訊ねると爆弾だと答えが返ってきます。脅迫文には1時間後に爆発するのでプリンセスを差し出せと要求が。やってることマジでテロやん。カバトンは小悪党だったけどバッタモンダーはそれと毛色がだいぶ違う。プランC濃厚か。
固唾をのんでいると傷ついたツバサを連れたましろがやってきます。先ほどの攻撃で戦闘不能に。最近こんな役目ばっかだな。男の子だし、商品訴求力もそんなにないから展開に合わせて柔軟に使っている感がある。元々あげはとのセット感もあるし本格的な活躍は後回しか。役に立てなくてすみません、と謝るツバサ。
護衛隊では浄化できないと気づいたのか、シャララはプリキュアの力で爆弾を浄化できないかとソラに訊ねます。アップドラフト・シャイニング。もう残された手はそれしかない。普通に技名口にしてるの面白い。シリアスな展開だから当然なんだけど、プリキュアで対テロを真面目にやるとこうなるという珍しいシーン。山でリスと特訓とか、次回予告もそうだけど温度差激しすぎない? このアニメ。
上空に佇む巨大爆弾。みんなが見守る中、必殺技を展開。
少しずつランボーグが持ち上がり……そこで意外な行動。手が生えると円盤を破壊しにかかります。あ、それ物理的に壊せるものなんだ。円盤にかかった負荷はプリキュアにフィードバック。苦悶の声を上げながらも抵抗するスカイとプリズム。
静かに踵を返したシャララは覚悟を決めると部屋へ。そして巨大なグリフォン型の鳥に跨ると飛翔。なにその隊長専用機みたいなの。
「相手がどんなに強くても正しいことを最後までやり抜く。それがヒーロー!」
これは師匠の貫禄。作画もここがハイライト。このアニメな~に~? 一閃。ランボーグの手を切断。剣が折れてるの細かい。力を使い果たしたシャララにアンダーグエナジーが迫り呑み込まれる直前、ソラにあとを託します。
「ソラ、ヒーローの出番だ」
力を振り絞ってランボーグを浄化。
これで一安心……なんてことはなく、王宮に堂々と忍び込むバッタモンダー。警備ザルぅ。護衛隊護衛しろ。計画が失敗して地団駄。ターゲットを前にしてこの情緒不安定さ。状況的には計画が失敗しても圧倒的有利。キレ芸が終わった瞬間にツバサにビンタを食らわせて行動不能に。これはこれで動き(思考)が読めないので厄介。機嫌が直ると勝手に話しを進めます。
従わない国王夫妻にもエナジー注入。独りになったエルが助けを求めるようにプリキュア(の映像)を見ますがこちらも力を使い果たして行動不能。エルはプリキュアの変身にかかわる程度でそれ以外はほとんど超能力を使っていません。空飛ぶスリングもお婆ちゃんの発明。一応1話で落下速度を緩めたりとかはしてたけど戦闘を有利にするような役目は与えられていない。だから彼女にできることは、
「ソラ~~!」
自分を助けてくれたヒーローの名を呼ぶこと。
天井の窓を破って城内に戻るスカイ。もはや戦う力はなく立ち上がることもままならない。それに気づいたバッタモンダーが余裕を見せるも
「動くな!」
と一喝。気迫で立ち上がると圧をかけます。怯んだバッタモンダーは逃走。エルはソラを呼びながら彼女のもとへ。
シャララを捜索する隊員たち。ベリィベリーが休めとソラを気遣います。部屋に戻るとペンダントと置き手紙が。
③スカイランド編終了のお知らせ
バッタモンダーが放った呪いによって国王夫妻は眠りについたまま。これからどうすれば。
「帰りましょう。ソラシド市に」
ソラの思わぬ言葉にキョトンとするましろとツバサ。治す方法をヨヨさんに調べてもらう。エルちゃんがバッタモンダーに狙われている以上1人置いていくわけにもいかない。自分たちがバラバラになるのもいい考えじゃない。つまり3人でソラシド市に戻るのが最善。名前を呼ぶエルにプリキュアは無敵だと請け負うソラ。無理しちゃダメだとましろが声をかけると隊長が残した手紙ことを教えます。なんて書いてあったの?
「〈立ち止まるなヒーローガール。また会おう〉」
ペンダントを見せながらそう話すソラ。このペンダントには「絶対にまた会える」魔法がかかっている。
「負けるな、ソラ」
みんなに見送られながらソラシド市へ。
「〈シャララ隊長。私、前に進みます〉」
「(そうすればきっと……きっと隊長に…また会えるはずだから〉」
④次回予告
シリアスをリセットする魔法。あげはさんはそろそろアップを始め……ないのか?
目からビーム出す奴。この感想的にハピネスチャージはシリーズの分水嶺。
○トピック
仮面つけて敵として現れそう。
プランBでした。プランCは王国滅亡で命からがらエルとともに脱出プラン。それに比べれば幾分マイルド。
要するにスカイランドの重鎮(国王夫妻とシャララ隊長)を一気に消してエルちゃんを連れて戻る力技。あげはがプリキュアになるまでにどう決着をつけるのかと思っていましたが、予想以上にスピーディ。カード全部切ってゲーム終わらせるとか潔すぎだろ。私の読みが甘かったのもありますが展開が思った以上に早い。
今回描写があるようにソラが護衛隊に入ってしまうとプリキュアが軍事力として組み込まれてしまい、ヒーローアニメ的にはややこしくなります。ヒーロー=戦闘組織は他作品でも見られる形態ですが、本質的にヒーローは異端です。組織とは秩序を持った集団であり巨大化すればするほど内外のルールや力学に縛られていきます。パトレイバーの特車二課がわかりやすい例で、正義の味方をやろうとすると警察の在り方に反してしまい一歩間違えれば犯罪者になるというジレンマですね。逆にヒーロー組織を絶対化すればそれはただの独裁・利権組織でしかなくなる。だからヒーローは恒常的に、組織的に存在できません。それ自体が異端でグレーでアウトサイダー。居たら居たで周囲に担ぎ上げられて権力争いのネタにされる。
そんな面倒な話をプリキュアでやらないだろうとは思っていましたが、ヒーローとしてどうソラを独り立ちさせるかが問題となります。護衛隊(シャララ)とヒーロー道の食い違いから独立させる…というのも話が重いし面倒。でも護衛隊の一員としてではなく、ソラとして自立しなければならないことは物語として必然。それを担うのが今回のエピソード。
前置きが長くなりましたがいい落とし所だと思います。
ソラの将来として護衛隊に復員(シャララと再会)する道を残しつつ、プリキュアが話を進める展開になっているので見通しが良い。これまでは受動的にエルを守っていただけでしたが、憧れのヒーローから託された今、ソラの責任感や使命感は1段階ギアが上がっています。あとさりげにエルが「ソラ」と呼んでいたことも重要で、シャララ→ソラ→エルの流れが出来ているのも綺麗ですね。今のソラはヒーローとして戦わなければならない。自分のヒーローを失ってうなだれている暇なんてない。赤ちゃんの名前呼びをここで使ってきたのはお見事。ソラとましろのお別れを前回・前々回と分割しながらやっていたのもこの展開ならばなおのこと納得。絆を深めつつ、ソラの主人公性も深められて一石二鳥。そしてしれっとあげはと合流して次のステップに入る。無駄がない。
スカイランド回りのエピソードは異端というか、かなり珍しいやり方をしていると思います。あるいは2クール目の山場でやるような展開ですね。プリキュア的にはご町内で敵を撃退して、新プリキュアの準備をしていくのが定例行事。
ですがこのエピソードを挟んだことでソラのヒーロー観が深まり、物語にもスパイスを効かせています。ヒーローはただ悪党を倒せばいいってもんではない。責任・使命を負い、そして決断していくことも求められる。それに耐えうる精神を持ち合わせてこそのヒーロー。なお、次回の予定は桃太郎。ほんとどうなってんだよ、この温度差。
第14話「スカイランドへ!憧れのあの人との再会」
○今週のヒーロー
①新章 スカイランド編
今か今かと娘の帰りを待つ国王。そんな彼を嗜める王妃も気がそぞろ。ようやくトンネルが出現すると上から降ってきます。どっちから開いても上から落ちてくる不思議。
OPが新幹部に差し替わり。
しばらく見ないうちに成長したエルに国王夫妻は感激。
前回苦労して手に入れたファーストシューズに目を向けながらソラ達の愛情と気遣いに礼を言います。そなた達が守ってくれたのはこの子の安全だけではなく笑顔。あなた達はスカイランドのヒーロー。
謙遜するましろの横で「ヒーロー」のワードに感激するソラとツバサ。2人にとってはこっちがホーム。国王直々にヒーロー認定されるのはデカい。
浮かれている場合ではないと首を振ったソラは早速本題に入ろうとします。が、今はそれより大事なことがある。
プリンセス・エルが国に無事戻ったことを国民に披露。群衆から喜びの声が上がります。
そんなスカイランドに戻る1人の女性騎士。
改めてアンダーグ帝国について報告。
その話を聞いても何故プリンセスが狙われるのか見当がついていない様子。超能力使うからじゃないの? エルちゃんのあの能力って異端ではないのか? まあ、アンダーグ帝国が使っている魔法の方が今のところ凄そうに見えるけど。
物思いにふけっている国王をこれまた嗜める王妃。こうしている間もソラ達は直立不動。娘の恩人に対して非礼と気づくとこの件は自分が預かるので安心して帰ってくれと告げます。普通ならプリキュアに改めて協力要請をする流れですが思いのほかまともというか、線引きがしっかりしている。逆に拍子抜けした3人は自ら志願。エルのためにもここで潔く身を引くわけにはいかない。危険な戦いになる。その警告に対して「相手がどんなに強くても正しいことを最後までやり抜く」とヒーロー訓を口にするソラ。
そこに騎士が帰還。その姿に射抜かれたようにハッとするソラ。騎士が国王の前に進み出ると道を開けます。騎士の方もソラを一瞥。あ、そこは知っている間柄なのね。
跪くとエルに挨拶。ボーっとしているソラに代わってツバサがましろに説明。目の前の騎士はシャララ隊長。ヒーローチーム青の護衛隊。そのリーダーで世界で一番強い剣士。辺境の大火災対応のため不在だったところをカバトンに襲撃されたという流れ。握手してもらえないかな~と憧れるツバサ。アイドルかよ。
出し抜けにソラが動くとシャララの背中に抱きつきます。しかし彼女はそれを嫌がることもなく「大きくなったな、ソラ」と声をかけます。どうやらソラが助けられてハイそれまで、というわけではなく記憶に残る程度には親交があった模様。嬉しそうに「はい!」と答えるソラ。国王の前でめっちゃ無礼な態度ですが、それよりも沸き起こる喜びを優先するソラは私達が知るハレワタール嬢。
彼女たちのやり取りを聞いたましろはシャララが例のヒーローだと気づきます。
②入隊テスト
翌日。
食堂で気持ち悪い笑いを浮かべるツバサ。興奮冷めやらぬ様子でエルちゃんのそばにナイトとして居ていいと国王から認められたと誇らしげに言います。子守役としてでしょう?とツッコミを入れるましろ。真面目な話、ナイトだったら叙勲とか称号の問題になるからそんなにポンポン出せるものじゃないだろうね。
話題を変えてましろに水を向けます。どうやら彼女はご褒美を辞退したらしい。エルちゃんがお家に帰れたならそれで十分と話すましろ。彼女らしい。ましろからすればスカイランドは完全によその世界、褒美をやると言われてじゃあ金塊くださいとはならない。放って置いてもお婆ちゃん(ハイパースゴスギレジェンド名誉博学者)の株が上がるので十分。店の外からベルの音が聞こえてきます。お婆ちゃんからスカイジュエル頼まれていたからそれをもらっておけばよかった。10トンくらい貰えそう。てか褒美関係なしに直談判すれば普通に融通してくれそう。
無欲なましろにツバサは自分が図々しいみたいだと気が引けます。一方、ここに居ないソラはというと……。
門をくぐった先は青の護衛隊。
そこの見習い隊員として紹介されるソラ。ご褒美特権で入隊させてもらったと自分から言います。コネ入社を自ら暴露していくストロングスタイル。それはそれとして思った以上にガチで来たな。物見遊山くらいのノリかと思ったら完全に帰郷モード。ガッツリ根を下ろす気満々。スカイランド編やりますよ!ってくらいのノリじゃん。これましろどうすんの? ゴールデンウィークってことで連泊?
当然隊員の中に異を唱える者が。赤毛のベリィベリー。異世界あるある展開。副隊長のアリリが窘めます。ソラを下手に否定するとそれを許可した国王の顔に泥を塗ることになったりしないだろうか。異世界に行ってプリンセスを救ってきた話は嘘ではないかと難癖をつけます。それはライン越え。弱い奴を仲間に入れるのは邪魔だから反対と辛辣。なら自分をテストしてくださいと申し出るソラ。異世界あるある。YouTubeの異世界漫画レビューで100回くらい見た(誇張抜きで異世界系はパターンが決まっている)。
仲裁に入る副隊長。ところがシャララの鶴の一声で許可。アリリさん苦労してそうだなぁ。
屋外の訓練場のようなところで対峙。
ベリィベリーの右手のグローブにはスカイジュエルがくっついていて、電撃らしきものが発生。なるほど武器としても使用できるのね。光る剣も演出ではなく魔力を帯びている(もしくは刃を生成している)ってところか。武器は好きなものを使っていい。しかしソラは徒手空拳で構えます。それを見たベリィベリーは舐められたもんだとばかりに闘志を剥き出し。実際問題としてソラは武器の扱い知らないと思う。スカイランド神拳オンリー。
大量の差し入れを買い込むましろ。こんなにいる?
「いるいる。うちのソラちゃんをよろしくお願いしますってこと」
完全に嫁ですやん。
ベリィベリーが先制。近接格闘だけでなく飛び道具も出せる。ぱっと見はソラの上位互換。ソラは動きに対応すると肉薄して攻撃。対するベリィベリーはヒット・アンド・アウェイで近接と射撃を交互に繰り返す堅実な立ち回り。後述するように努力家らしいので戦術論を組み込んでいる雰囲気。ソラも手近にあった剣を防御に使うなど素人とは思えない動き。副隊長の目から見ても互角。
その現場にやってきたましろは何してるのこれ?と困惑。困惑するのは副隊長の方。どこから入った!? たぶんフリーパス券みたいなの貰ってる。差し入れ受け取ってる副隊長さん良い人。
その間も対戦は続き、ベリィベリーがリード。ましろの声に気を取られたソラにさらに追撃。ヒット。小さな悲鳴を上げるましろ。相変わらずヒロインしてるなー。痺れて動きが鈍るソラ。ベリィベリーは青の護衛隊は最強のチーム、弱い奴に居場所はない!とトドメモーション。しかし山の主のもとで特訓を受けたソラの反応速度は伊達じゃない。紙一重でかわすと背後に回り勝負あり。
「弱いとか強いとか、大事なのは正しいことをしたいって気持ち……。そうですよね?」
「あなたは間違っています!」
負けても負けん気はまだ残っているベリィベリー。
副隊長を押しのけてソラのもとに駆け寄るましろ。
怪我はないかと心配。副隊長さんのことも心配してあげてください。そんな彼女に一拍間を置いて反応するソラ。ここ気持ちの切り替えが入っていますね。先ほどの勝負はテストとはいえ、強さを根拠とするベリィベリーの主張は正しさを根拠とする彼女と相容れない。自ずと思想戦のような様相を呈しておりヒーロー道にも関わるので真剣勝負感があります。このアニメ、ベースのノリは軽いんだけど、要所要所で線引きはしっかりしている(し始めている)節がありますね。
気が逸れたのは自分が未熟だったから。その未熟者に負けたベリィベリーは涙をこぼしながら訓練場を後にします。終始冷静に観察するシャララ。
③さよならとは言わない
ましろの差し入れを食べる隊員たち。あーこれ次回からましろ顔パスだわ。隊員服に身を包んだソラが改めて挨拶。こうして無事入隊。隊員たちは業務に戻ります。
「良かった…」と涙ぐむましろ。我が事のように、いやそれ以上に思ってくれる彼女を静かに見つめたソラは振り返るように話し始めます。青の護衛隊に入れてほしくて田舎から出てきた。でもどうすれば入れてもらえるかなんてわからなかった。そしたら拐われたエルちゃんを偶然見つけて、ソラシド市に偶然落っこちて、ましろさんと偶然出会った。偶然ばっかりだね。
「ヨヨさんはそうは言いませんでした」
「〈出会いに偶然はない。人と人が巡り会うこと。それはいつだって必然、運命。物語の始まり〉」
「運命」
その言葉に頷くましろ。
「出会いから物語は無限に広がっていく。ましろさん、出会ってくれてありがとう」
「これからもずっと友達でいてくれますか?」
ソラの真摯な眼差しと言葉。さらっと言っていますがこれは餞別です。この言葉は当然別離を前提に置いています。自分が旅立った理由。その途中で起きた出来事。それが今に繋がっている。彼女はこれまでをそう総括している。青の護衛隊に入隊した今、もうソラシド市に戻って学校に行くことはない。別の世界で別の人生を歩み出した。それを承知した上で友達でいて欲しいと申し出ています。今の彼女に照れくさいと言っていた頃や初めてできた友達が傷ついて欲しくないと怖がっていた頃の面影はない。その意図に当然ましろも気づきます。ここの表情の切り替わりほんと好き。
「もちろんだよ、ソラちゃん!」
差し出されたソラの手を握り返すましろ。静かに泣き合って、静かに笑い合って別れを告げる。メタ的にはこの後もずっと居るのはわかっているので、さらっと挿入されたシーンになっていますがふたりの友情の在り方が丁寧に描かれたシーンです。わがままを言ったりメソメソしない。ソラには明確な目的がある。エルちゃんを送り届ける。護衛隊に入る。ヒーローになる。そこにブレはない。だからこそ真摯にましろとの出会いを喜び、彼女との生活が終わることを悲しむ。そのことをましろも真正面から受け止める。子どもの頃にあげはと別れたときも彼女はそうやって見送ることができた。彼女たちは子どものようでいてちゃんと自律した精神を持っている。だからわがままを言ったりメソメソしない。彼女たちは正しく、そして強い。友情の在り方がそれを物語っています。プリキュアのこういう静かな演出私は大好きです。
エルが王国に戻ったことは平穏の始まりか、それとも新たな騒乱の幕開けか。
④正しさの上に胡座をかいてはならない
シャララの執務室に挨拶に訪れるソラ。
出ていこうとしたところでベリィベリーの件を持ち出します。小さい頃腕に大怪我を負い3年間入隊試験に落ち続けた。だが誰よりも努力して強くなった。だから強さと弱さにこだわると説明するシャララ。強さはベリィベリーにとって己の証明。それ否定したことに気づいたソラは酷いことをしたと反省。
今の彼女には必要な言葉だったと答えるシャララ。彼女の言動からは増長が見られたので良いお灸になったということでしょう。彼女には明日改めて自分から話しをする。ただ覚えておいて欲しい。
「正しいことを最後までやり抜くそれがヒーロー。ソラ、君の言うとおりだ」
「でもだからこそ正しいとは何のか(は)ヒーローは考え続けなければいけない」
「ベリィベリーにはベリィベリーの正しさがある。みんなそうだ」
そこで相好を崩すと昔を思い返すように続けます。
「難しいな、ヒーローというものは」
字幕には「(は)」が無かったのでセリフで補完しました。それはそれとして2クール目に入ってギアを上げてきました。友達を作り世界が広がった先で今度は自分の言葉と行動に責任が生じる。ベリィベリーは強さにこわだるからこそそれが自身の壁にもなる。コンプレックスもそうですがこわだりって自分に跳ね返ってくるからね。成長の糧になっているうちは良いけど、行き詰まってしまうと自分を否定する毒になる。尺度(ものさし)が1つしかないのはこの際良いとして、目盛りが0か1しかないのはよく見られることです。思考の柔軟性を欠くと実行動においても柔軟性を欠く。強さにこだわるベリィベリーと正しさにこだわるソラは同質の危うさがある。それを一目で見抜いて助言するシャララさんマジ師匠。
言い終わらぬうちにソラは謝ってくる!と執務室を出ていきます。思い立ったが吉日。行動あるのみ。そんなソラをいい子が来てくれたと微笑むシャララ。
外で待っていたましろにも振り向くことなく全力疾走。何事?と追いかけるましろ(とツバサ)。
独りで泣くベリィベリーに話しかける不審者。
君を傷つけるこんな世界僕が壊してあげる。テロリストかカルト宗教か。どっちにしろ碌でもなさそう。アンダーグエナジーをグローブに注ぎ込みます。
悲鳴が聞こえた現場に向かうとランボーグが。ベリィベリーがすぐ近くで気を失っています。弱い者には手を出さないと話しかける不審者。僕って優しいからわかっちゃうんだよね、弱い者の悲しみ? 怒り? なんかそういうの。これまた癖が強い奴出てきたな。ただ確実にカバトンより話のステップが上がっていることだけはわかる。悪い意味で捻れている。彼の名はバッタモンダー。つまり新しい刺客。変身。
プリンセスがいる都での狼藉は許さない、とナイトっぽく決めるウィング。
元の仕様どおり雷撃を射出するランボーグ。それを蹴り飛ばすとスカイは臨戦態勢。動きがダイナミック。今回テストも含めアクション要素強め。ウィングがスピードで撹乱しようとするも(新キャラ補正が切れているので)パワーで押し切られます。プリズムは光弾を時計の文字盤のように浮かべると同時射撃。いつの間にかスキルレベル上げてる。有効打は与えられないものの動きを封じることには成功。
時間を稼いでいる間にシャララが指揮を取って街の人を避難。子どもが抱きついているのを見ると人望や人気が本当にあるんでしょうね。
スカイが追撃を入れるも頑丈でしぶとい。意識を取り戻したベリィベリーが自分のグローブを悪用されていることに気づき制止の声を上げると狙われます。大きな拳でドスン。あ~あ、やっちまった~な顔を浮かべたバッタモンダーは「悲しいね、弱いって」と切り捨てます。
それに反論するスカイ。ランボーグの拳を受け止めながらベリィベリーに謝罪。押し返すとそのまま合体技で浄化。ウィング最近出番ねーな。
バッタモンダーさん情緒不安定。
シャララたちと合流したベリィベリーはしかし泣いています。無力であるばかりか敵に利用されたとあっては立つ瀬がない。駆け寄ろうとしたソラをましろが止めます。帰ろうしたところを逆に呼び止められます。ありがとう。ごめん。ソラは感激すると抱擁。グローブを返して和解。
その夜、倒れるようにベッドに寝転ぶソラ。ヒーロー手帳には新たな言葉が。
「正しいとは何なのか。ヒーローはずっと考え続けなければいけない」
⑤次回予告
ましろの滞在期間。
プリンセス(和菓子屋の娘)。この子はヒーローというより求道者。
○トピック
スペシャルなんとかストーン持ってそうと思ってたら次回予告で石持ってた。
プリキュアに馴染んでいる人ほど面食らう展開。まさにスカイランド編の始まり。
異世界に行くことはあってもせいぜい日帰り。今作のように主人公の所属先が丸々変わる展開は初。なのでこの話一体どこまで踏み込むのかと私も予想が付きません。正直見くびっていたというのが本音。ソラの異世界人設定も1クールまでなら子ども視点の置き換えにすぎず、平常運転と言っていい既視感のある流れでした。
しかしここにきて帰国→入隊→お別れの挨拶(仮)→和解と1話の中でエピソードを畳み掛け、ソラの軸足がスカイランドにシフトしたことを明示。国に帰った途端に新生活を始めるスピーディさ。さらに憧れのヒーローも登場して出せるカードは全部切ってきた感があり、見ていて「あ、これ完全にギア上げてきたな」と思わせる作り。
憧れのヒーローのもとで世界が広がるソラと、文字通り新たな世界にやってきたましろ。これまではましろの生活にソラが入っていく流れでしたが、これからは逆にソラの生活にましろが入っていくことになるので世界や人の見え方にまた変化が起こってくるでしょう。ましろは一体何日滞在するのか(できるのか)謎だけど。いざとなったらお婆ちゃんが権力でなんとかしてくれる。
シャララはプリキュア的には非常にきな臭い人物に見えてしまいますが、一応中の人はアンダーグの人とは別人。替え玉の可能性も残っていますが去年と同じような展開をするのかというメタ読みもあるので微妙なところ。魔法つかいであった校長とクシィのような関係かもしれませんが。今のところソラのメンター役といった立ち位置でしょうか。
①新章 スカイランド編
今か今かと娘の帰りを待つ国王。そんな彼を嗜める王妃も気がそぞろ。ようやくトンネルが出現すると上から降ってきます。どっちから開いても上から落ちてくる不思議。
OPが新幹部に差し替わり。
しばらく見ないうちに成長したエルに国王夫妻は感激。
前回苦労して手に入れたファーストシューズに目を向けながらソラ達の愛情と気遣いに礼を言います。そなた達が守ってくれたのはこの子の安全だけではなく笑顔。あなた達はスカイランドのヒーロー。
謙遜するましろの横で「ヒーロー」のワードに感激するソラとツバサ。2人にとってはこっちがホーム。国王直々にヒーロー認定されるのはデカい。
浮かれている場合ではないと首を振ったソラは早速本題に入ろうとします。が、今はそれより大事なことがある。
プリンセス・エルが国に無事戻ったことを国民に披露。群衆から喜びの声が上がります。
そんなスカイランドに戻る1人の女性騎士。
改めてアンダーグ帝国について報告。
その話を聞いても何故プリンセスが狙われるのか見当がついていない様子。超能力使うからじゃないの? エルちゃんのあの能力って異端ではないのか? まあ、アンダーグ帝国が使っている魔法の方が今のところ凄そうに見えるけど。
物思いにふけっている国王をこれまた嗜める王妃。こうしている間もソラ達は直立不動。娘の恩人に対して非礼と気づくとこの件は自分が預かるので安心して帰ってくれと告げます。普通ならプリキュアに改めて協力要請をする流れですが思いのほかまともというか、線引きがしっかりしている。逆に拍子抜けした3人は自ら志願。エルのためにもここで潔く身を引くわけにはいかない。危険な戦いになる。その警告に対して「相手がどんなに強くても正しいことを最後までやり抜く」とヒーロー訓を口にするソラ。
そこに騎士が帰還。その姿に射抜かれたようにハッとするソラ。騎士が国王の前に進み出ると道を開けます。騎士の方もソラを一瞥。あ、そこは知っている間柄なのね。
跪くとエルに挨拶。ボーっとしているソラに代わってツバサがましろに説明。目の前の騎士はシャララ隊長。ヒーローチーム青の護衛隊。そのリーダーで世界で一番強い剣士。辺境の大火災対応のため不在だったところをカバトンに襲撃されたという流れ。握手してもらえないかな~と憧れるツバサ。アイドルかよ。
出し抜けにソラが動くとシャララの背中に抱きつきます。しかし彼女はそれを嫌がることもなく「大きくなったな、ソラ」と声をかけます。どうやらソラが助けられてハイそれまで、というわけではなく記憶に残る程度には親交があった模様。嬉しそうに「はい!」と答えるソラ。国王の前でめっちゃ無礼な態度ですが、それよりも沸き起こる喜びを優先するソラは私達が知るハレワタール嬢。
彼女たちのやり取りを聞いたましろはシャララが例のヒーローだと気づきます。
②入隊テスト
翌日。
食堂で気持ち悪い笑いを浮かべるツバサ。興奮冷めやらぬ様子でエルちゃんのそばにナイトとして居ていいと国王から認められたと誇らしげに言います。子守役としてでしょう?とツッコミを入れるましろ。真面目な話、ナイトだったら叙勲とか称号の問題になるからそんなにポンポン出せるものじゃないだろうね。
話題を変えてましろに水を向けます。どうやら彼女はご褒美を辞退したらしい。エルちゃんがお家に帰れたならそれで十分と話すましろ。彼女らしい。ましろからすればスカイランドは完全によその世界、褒美をやると言われてじゃあ金塊くださいとはならない。放って置いてもお婆ちゃん(ハイパースゴスギレジェンド名誉博学者)の株が上がるので十分。店の外からベルの音が聞こえてきます。お婆ちゃんからスカイジュエル頼まれていたからそれをもらっておけばよかった。10トンくらい貰えそう。てか褒美関係なしに直談判すれば普通に融通してくれそう。
無欲なましろにツバサは自分が図々しいみたいだと気が引けます。一方、ここに居ないソラはというと……。
門をくぐった先は青の護衛隊。
そこの見習い隊員として紹介されるソラ。ご褒美特権で入隊させてもらったと自分から言います。コネ入社を自ら暴露していくストロングスタイル。それはそれとして思った以上にガチで来たな。物見遊山くらいのノリかと思ったら完全に帰郷モード。ガッツリ根を下ろす気満々。スカイランド編やりますよ!ってくらいのノリじゃん。これましろどうすんの? ゴールデンウィークってことで連泊?
当然隊員の中に異を唱える者が。赤毛のベリィベリー。異世界あるある展開。副隊長のアリリが窘めます。ソラを下手に否定するとそれを許可した国王の顔に泥を塗ることになったりしないだろうか。異世界に行ってプリンセスを救ってきた話は嘘ではないかと難癖をつけます。それはライン越え。弱い奴を仲間に入れるのは邪魔だから反対と辛辣。なら自分をテストしてくださいと申し出るソラ。異世界あるある。YouTubeの異世界漫画レビューで100回くらい見た(誇張抜きで異世界系はパターンが決まっている)。
仲裁に入る副隊長。ところがシャララの鶴の一声で許可。アリリさん苦労してそうだなぁ。
屋外の訓練場のようなところで対峙。
ベリィベリーの右手のグローブにはスカイジュエルがくっついていて、電撃らしきものが発生。なるほど武器としても使用できるのね。光る剣も演出ではなく魔力を帯びている(もしくは刃を生成している)ってところか。武器は好きなものを使っていい。しかしソラは徒手空拳で構えます。それを見たベリィベリーは舐められたもんだとばかりに闘志を剥き出し。実際問題としてソラは武器の扱い知らないと思う。スカイランド神拳オンリー。
大量の差し入れを買い込むましろ。こんなにいる?
「いるいる。うちのソラちゃんをよろしくお願いしますってこと」
完全に嫁ですやん。
ベリィベリーが先制。近接格闘だけでなく飛び道具も出せる。ぱっと見はソラの上位互換。ソラは動きに対応すると肉薄して攻撃。対するベリィベリーはヒット・アンド・アウェイで近接と射撃を交互に繰り返す堅実な立ち回り。後述するように努力家らしいので戦術論を組み込んでいる雰囲気。ソラも手近にあった剣を防御に使うなど素人とは思えない動き。副隊長の目から見ても互角。
その現場にやってきたましろは何してるのこれ?と困惑。困惑するのは副隊長の方。どこから入った!? たぶんフリーパス券みたいなの貰ってる。差し入れ受け取ってる副隊長さん良い人。
その間も対戦は続き、ベリィベリーがリード。ましろの声に気を取られたソラにさらに追撃。ヒット。小さな悲鳴を上げるましろ。相変わらずヒロインしてるなー。痺れて動きが鈍るソラ。ベリィベリーは青の護衛隊は最強のチーム、弱い奴に居場所はない!とトドメモーション。しかし山の主のもとで特訓を受けたソラの反応速度は伊達じゃない。紙一重でかわすと背後に回り勝負あり。
「弱いとか強いとか、大事なのは正しいことをしたいって気持ち……。そうですよね?」
「あなたは間違っています!」
負けても負けん気はまだ残っているベリィベリー。
副隊長を押しのけてソラのもとに駆け寄るましろ。
怪我はないかと心配。副隊長さんのことも心配してあげてください。そんな彼女に一拍間を置いて反応するソラ。ここ気持ちの切り替えが入っていますね。先ほどの勝負はテストとはいえ、強さを根拠とするベリィベリーの主張は正しさを根拠とする彼女と相容れない。自ずと思想戦のような様相を呈しておりヒーロー道にも関わるので真剣勝負感があります。このアニメ、ベースのノリは軽いんだけど、要所要所で線引きはしっかりしている(し始めている)節がありますね。
気が逸れたのは自分が未熟だったから。その未熟者に負けたベリィベリーは涙をこぼしながら訓練場を後にします。終始冷静に観察するシャララ。
③さよならとは言わない
ましろの差し入れを食べる隊員たち。あーこれ次回からましろ顔パスだわ。隊員服に身を包んだソラが改めて挨拶。こうして無事入隊。隊員たちは業務に戻ります。
「良かった…」と涙ぐむましろ。我が事のように、いやそれ以上に思ってくれる彼女を静かに見つめたソラは振り返るように話し始めます。青の護衛隊に入れてほしくて田舎から出てきた。でもどうすれば入れてもらえるかなんてわからなかった。そしたら拐われたエルちゃんを偶然見つけて、ソラシド市に偶然落っこちて、ましろさんと偶然出会った。偶然ばっかりだね。
「ヨヨさんはそうは言いませんでした」
「〈出会いに偶然はない。人と人が巡り会うこと。それはいつだって必然、運命。物語の始まり〉」
「運命」
その言葉に頷くましろ。
「出会いから物語は無限に広がっていく。ましろさん、出会ってくれてありがとう」
「これからもずっと友達でいてくれますか?」
ソラの真摯な眼差しと言葉。さらっと言っていますがこれは餞別です。この言葉は当然別離を前提に置いています。自分が旅立った理由。その途中で起きた出来事。それが今に繋がっている。彼女はこれまでをそう総括している。青の護衛隊に入隊した今、もうソラシド市に戻って学校に行くことはない。別の世界で別の人生を歩み出した。それを承知した上で友達でいて欲しいと申し出ています。今の彼女に照れくさいと言っていた頃や初めてできた友達が傷ついて欲しくないと怖がっていた頃の面影はない。その意図に当然ましろも気づきます。ここの表情の切り替わりほんと好き。
「もちろんだよ、ソラちゃん!」
差し出されたソラの手を握り返すましろ。静かに泣き合って、静かに笑い合って別れを告げる。メタ的にはこの後もずっと居るのはわかっているので、さらっと挿入されたシーンになっていますがふたりの友情の在り方が丁寧に描かれたシーンです。わがままを言ったりメソメソしない。ソラには明確な目的がある。エルちゃんを送り届ける。護衛隊に入る。ヒーローになる。そこにブレはない。だからこそ真摯にましろとの出会いを喜び、彼女との生活が終わることを悲しむ。そのことをましろも真正面から受け止める。子どもの頃にあげはと別れたときも彼女はそうやって見送ることができた。彼女たちは子どものようでいてちゃんと自律した精神を持っている。だからわがままを言ったりメソメソしない。彼女たちは正しく、そして強い。友情の在り方がそれを物語っています。プリキュアのこういう静かな演出私は大好きです。
エルが王国に戻ったことは平穏の始まりか、それとも新たな騒乱の幕開けか。
④正しさの上に胡座をかいてはならない
シャララの執務室に挨拶に訪れるソラ。
出ていこうとしたところでベリィベリーの件を持ち出します。小さい頃腕に大怪我を負い3年間入隊試験に落ち続けた。だが誰よりも努力して強くなった。だから強さと弱さにこだわると説明するシャララ。強さはベリィベリーにとって己の証明。それ否定したことに気づいたソラは酷いことをしたと反省。
今の彼女には必要な言葉だったと答えるシャララ。彼女の言動からは増長が見られたので良いお灸になったということでしょう。彼女には明日改めて自分から話しをする。ただ覚えておいて欲しい。
「正しいことを最後までやり抜くそれがヒーロー。ソラ、君の言うとおりだ」
「でもだからこそ正しいとは何のか(は)ヒーローは考え続けなければいけない」
「ベリィベリーにはベリィベリーの正しさがある。みんなそうだ」
そこで相好を崩すと昔を思い返すように続けます。
「難しいな、ヒーローというものは」
字幕には「(は)」が無かったのでセリフで補完しました。それはそれとして2クール目に入ってギアを上げてきました。友達を作り世界が広がった先で今度は自分の言葉と行動に責任が生じる。ベリィベリーは強さにこわだるからこそそれが自身の壁にもなる。コンプレックスもそうですがこわだりって自分に跳ね返ってくるからね。成長の糧になっているうちは良いけど、行き詰まってしまうと自分を否定する毒になる。尺度(ものさし)が1つしかないのはこの際良いとして、目盛りが0か1しかないのはよく見られることです。思考の柔軟性を欠くと実行動においても柔軟性を欠く。強さにこだわるベリィベリーと正しさにこだわるソラは同質の危うさがある。それを一目で見抜いて助言するシャララさんマジ師匠。
言い終わらぬうちにソラは謝ってくる!と執務室を出ていきます。思い立ったが吉日。行動あるのみ。そんなソラをいい子が来てくれたと微笑むシャララ。
外で待っていたましろにも振り向くことなく全力疾走。何事?と追いかけるましろ(とツバサ)。
独りで泣くベリィベリーに話しかける不審者。
君を傷つけるこんな世界僕が壊してあげる。テロリストかカルト宗教か。どっちにしろ碌でもなさそう。アンダーグエナジーをグローブに注ぎ込みます。
悲鳴が聞こえた現場に向かうとランボーグが。ベリィベリーがすぐ近くで気を失っています。弱い者には手を出さないと話しかける不審者。僕って優しいからわかっちゃうんだよね、弱い者の悲しみ? 怒り? なんかそういうの。これまた癖が強い奴出てきたな。ただ確実にカバトンより話のステップが上がっていることだけはわかる。悪い意味で捻れている。彼の名はバッタモンダー。つまり新しい刺客。変身。
プリンセスがいる都での狼藉は許さない、とナイトっぽく決めるウィング。
元の仕様どおり雷撃を射出するランボーグ。それを蹴り飛ばすとスカイは臨戦態勢。動きがダイナミック。今回テストも含めアクション要素強め。ウィングがスピードで撹乱しようとするも(新キャラ補正が切れているので)パワーで押し切られます。プリズムは光弾を時計の文字盤のように浮かべると同時射撃。いつの間にかスキルレベル上げてる。有効打は与えられないものの動きを封じることには成功。
時間を稼いでいる間にシャララが指揮を取って街の人を避難。子どもが抱きついているのを見ると人望や人気が本当にあるんでしょうね。
スカイが追撃を入れるも頑丈でしぶとい。意識を取り戻したベリィベリーが自分のグローブを悪用されていることに気づき制止の声を上げると狙われます。大きな拳でドスン。あ~あ、やっちまった~な顔を浮かべたバッタモンダーは「悲しいね、弱いって」と切り捨てます。
それに反論するスカイ。ランボーグの拳を受け止めながらベリィベリーに謝罪。押し返すとそのまま合体技で浄化。ウィング最近出番ねーな。
バッタモンダーさん情緒不安定。
シャララたちと合流したベリィベリーはしかし泣いています。無力であるばかりか敵に利用されたとあっては立つ瀬がない。駆け寄ろうとしたソラをましろが止めます。帰ろうしたところを逆に呼び止められます。ありがとう。ごめん。ソラは感激すると抱擁。グローブを返して和解。
その夜、倒れるようにベッドに寝転ぶソラ。ヒーロー手帳には新たな言葉が。
「正しいとは何なのか。ヒーローはずっと考え続けなければいけない」
⑤次回予告
ましろの滞在期間。
プリンセス(和菓子屋の娘)。この子はヒーローというより求道者。
○トピック
スペシャルなんとかストーン持ってそうと思ってたら次回予告で石持ってた。
プリキュアに馴染んでいる人ほど面食らう展開。まさにスカイランド編の始まり。
異世界に行くことはあってもせいぜい日帰り。今作のように主人公の所属先が丸々変わる展開は初。なのでこの話一体どこまで踏み込むのかと私も予想が付きません。正直見くびっていたというのが本音。ソラの異世界人設定も1クールまでなら子ども視点の置き換えにすぎず、平常運転と言っていい既視感のある流れでした。
しかしここにきて帰国→入隊→お別れの挨拶(仮)→和解と1話の中でエピソードを畳み掛け、ソラの軸足がスカイランドにシフトしたことを明示。国に帰った途端に新生活を始めるスピーディさ。さらに憧れのヒーローも登場して出せるカードは全部切ってきた感があり、見ていて「あ、これ完全にギア上げてきたな」と思わせる作り。
憧れのヒーローのもとで世界が広がるソラと、文字通り新たな世界にやってきたましろ。これまではましろの生活にソラが入っていく流れでしたが、これからは逆にソラの生活にましろが入っていくことになるので世界や人の見え方にまた変化が起こってくるでしょう。ましろは一体何日滞在するのか(できるのか)謎だけど。いざとなったらお婆ちゃんが権力でなんとかしてくれる。
シャララはプリキュア的には非常にきな臭い人物に見えてしまいますが、一応中の人はアンダーグの人とは別人。替え玉の可能性も残っていますが去年と同じような展開をするのかというメタ読みもあるので微妙なところ。魔法つかいであった校長とクシィのような関係かもしれませんが。今のところソラのメンター役といった立ち位置でしょうか。
第13話「届けて!はじめてのおくりもの」
○今週のヒーロー
①人は歩き出す
ソラ達が固唾を飲んで見守るのはエルのよちよち歩き。そこにお婆ちゃんが話があるとやってきますが今はそれどころじゃないと断ります。その声で立ち止まったエルは尻もち。
また一段と成長したエルのためにファーストシューズを買おうと提案するお婆ちゃん。なにそれ? ファーストシューズとはこの世界の素敵な習わし。よちよち歩きの記念に靴をプレゼントする……とのこと。初めて聞いた。どーせそうやってプレミアム感だして金を余計に取ろうって寸法だろ? 検索しても上手く調べられなかったのでChatGPTに聞いたら1970年以降と回答が来ました。ChatGPTの言うことなので信用度低いけどそんなもんでしょう。いずれにしても金のある人から金を搾り取るのが商売の基本。
話を戻して、靴屋にお買い物。
数ある中からまずはソラがセレクト。頑丈そうで防御力も高そう。理由がRPG。しかしエルからそっぽ向かれます。お気に召さないらしい。次にましろがセレクトしたのはピカピカ光る靴。これもダメ。その後もお互いにプレゼンを続けるも全滅。
堪りかねたソラが好き嫌いはダメと言うと、プリンセスは悪くないとツバサが擁護。2人のセンスが悪い。エルちゃんはプリンセス、キラキラ輝く一番星、国民のアイドル。高貴な者には高貴なものが相応しい。彼がセレクトしたのはそんな靴。長い前振りでしたが当然これもダメ。この前のソラ吾郎もそうだけどエルちゃん選り好み強ぇ。結局店にあるもの全てアウト。
他の店を当たろう。お気に入りの靴が見つかるまで世界中の靴屋を回ろう!と話すソラ。見つける頃には大人になってる。無論そんなことに尺を割くわけもなく、案外すぐに見つかります。他のお客さんが買おうとしていた靴がドンピシャ。
そのお客さんの好意により譲ってもらうことに。感激したソラはヒーローだ!とメモ。靴の気持ちってなんだよ。最近ツッコミがツバサに一部移譲されました。
去っていくおばちゃんに本当に良いんですか?と声をかけるましろ。買う気でいた以上相手がいるはず。その子ががっかりするのでは? すると「これでよかったんや……」と意味深な言葉を残して店を出ていきます。その後をソラが追うも見失ってしまいます。
家に戻りエルちゃんノートに今日のことを記すと、出し抜けに「断るべきでした」とつぶやくソラ。
きっと何か事情があったはず。なのに目先の利益を優先した自分を未熟と反省。ましろが人の気持ちを慮って、それにソラが素直に反応するのはこのコンビのパターンなところがある。今度会えたときにお礼を言おう。しかしソラは今すぐあの人を探して靴を返すと言います。プリンセスはこんなに靴を気に入っているのに、と難色を示すツバサ。と、そこで異変。
発生源であるお婆ちゃんの部屋に行くと鏡からゲートが発生。例のトンネルが開通したらしい。朝言おうとしていたのはこのこと。この感想的にはすでに完成してたけど黙っていたと解釈しています。あの薬草みたいなのどこに使ったんだよ。1クール経ったしちょうどいいだろ。そんな判断が透けて見える。
ゲートのあちら側に引かれるように手を伸ばすエル。初志貫徹、ソラも目的を達成できると喜びます。
②物語も歩き出す
早速スカイランド側にも連絡。
一刻も早く、と急く国王と王妃に安全のために”少し”ばかりミラーパッドを調整する必要があると答えるお婆ちゃん。どれくらい? ソラ達に視線を向けると躊躇いがちに明日の夕方と返答。調整名目で心の準備時間を設けているのは明々白々。リアリティーショーはドラマがあってこそ。話を盛り上げるために自分が持つ権力と財力、信用をフル活用するお婆ちゃんはデキる老人。舞台は整える。しかしそこでどう踊るかは演者の仕事。そんなプロ(道楽)意識をお婆ちゃんから感じます。そんなことはつゆ知らず、エルとの再会を待ち望む国王と王妃。
通信を終えたお婆ちゃんは神妙な雰囲気でソラ達に伝えます。アンダーグ帝国は今後もエルちゃんを狙ってくる。戦いの場所はソラシド市からスカイランドに移る。そこで言葉を切り、視線を逸しながら核心部分に切り込みます。
「でもましろさんはスカイランドでは暮らせない」
その言葉にハッとするましろ。これまで同様学校に通わなくちゃいけない。勉強もしなくちゃいけない。それに…。敢えて並べ立てるお婆ちゃん。役者だな。ここは神妙に、染み込ませるように事実を伝える場面。そしたらトンネルを潜ってすぐに助けに行く。すかさずそう答えるましろに満足そうに頷くと、
「でも一つ屋根の下、みんなで暮らすのは明日でおしまい」
その事実は変わらない。あげはさんも呼んで夜はごちそうにしましょう。話はここで終わり。お膳立てはした。
みんなで食卓を囲んで夕食。
事情を聞いたあげははちょっと寂しそう。しかし当事者であるソラはエルを帰せることを喜んでいます。ましろに話を振るとぼーっとしています。スカイランドに行ったら観光してから帰る。「(これはテコ入れが必要だな)」そんなことを考えてそうな表情をするあげは。
就寝。大きないびきをかくあげはを怪獣のようだとソラ。忙しいのにも関わらず顔を出してくれてありがとうだよ、と感謝するましろ。彼女のこういうところ地味に美点だよね。今日が最後の夜。もうひと押しとばかりにさらに大きないびきをかくあげは。バレるだろ。ふたりで外に出ます。
夜景を見下ろしながら初めて来たときのことを振り返るソラ。
でも今はここがもう一つの故郷のように思える。そう話すソラの横顔を見つめるましろ。感傷から我に返るとまたすぐに遊びに来ると言い直すソラ。ましろもそれに頷くと話題を変えてしまいます。告白に失敗した恋人かよお前ら。その様子を見たあげはは泣いたっていいのに……と彼女たちの気丈さに感心。でも泣くべきときに泣けないと後でしこりが残ったりするんだよね。初めての親友を持った彼女たちはその別れ方を知らない。
翌朝。
靴を探すエル。そんな彼女の気を引こうとアレコレ話しかけるツバサ。靴が無いと訴える彼女に愛想笑いをしながら自分にこんな役を押し付けたふたりを恨みます。
その頃、ソラとましろは例のおばちゃんを見つけるために聞き込み。
手がかりは靴だけ。同じ靴を探しているのではないかと当たりをつけて街中の靴屋を尋ねるも空振り。残るはショッピングモールのテナントだけ。正解。電話をかけているおばちゃんを発見。
腹を割って話します。正直靴を手放すのは惜しい。でもおばちゃんの言葉も気がかり。この靴はおばちゃんにとっても孫のファーストシューズ。ところが息子夫婦は海外赴任。空港に見送りに行って渡そうと思ったが絶対に泣いてしまう。そしたら息子もみんなしんどい気持ちになる。日本人あるあるの先読み思考。ちなみに日本人はウチとソトに分けて、ソトには厳しいと指摘する外国人も多くいますがこれは「下手に縁を作るとお互いに面倒になるので不干渉」という不文律があったりなかったりするのも一因だと思われます。身内に甘いようで変に気を使うのも距離が近く精神的負担度合いが高いためですね。まあ、ソトに対して礼儀がなってないのは昔に書かれた本や新聞を読めばそのとおりなんですが。ペロペロ事案なんて今に始まったことでもない。人間なぞ1万年経とうが類人猿の一系統でしかないからね。
誰も得しない。別れは涙で汚さん方がええ。ニコニコ笑って明るくお別れした方がええ。自分に言い訳するためか矢継ぎ早に言葉を並べるおばちゃん。聞いているましろの方が耐えられなくなり「そんなのダメ!」とソラと同時に叫びます。ようやくそこでお互いの気持ちに気づくふたり。
「ほんとの気持ちを言わないとダメです!」
「嫌だって、寂しいって、じっと一緒に暮らしたいって!」
「泣いたっていい」
「だだをこねたって…」
「そしたらきっと……」
「きっとそのあとは本当に笑ってお別れできる。そう思います」
おばちゃんを介して自分の想いを伝え合うふたり。
ふたりの言葉に頷くも、時間切れとおばちゃん。再度靴を辞退するとモールの外へ。彼女が席を立った後すぐに地図を確認。ふたりも席を立ちます。
屋上に行くと変身。敵なしでプリキュア変身は去年もあった展開ですがずいぶん柔軟になったなと思います。しかもこの流れだとツバサは変身しない。新キャラ補正が切れたところですかさずこの展開を挟む。やるな東堂いづみ。言うまでもなくプリキュアは玩具宣伝アニメ。スポンサーにこびへつらうのが仕事。クソみたいなオーダーも「わかりました」と答えるしかない。しかしその隙間に自分のやりたいことを通してこそのプロ。金は貰う(出させる)。依頼も受ける。ついでに自分のやりたいこともやる。っていうかやっちゃいました(事後報告)。そんな裏事情を感じますね。いや実際どうなのか知らんけど。でもそんなもんだろ。ちなみにウィングが登場したのは4月2日なのでほぼ1ヶ月。やはりその辺がラインなんでしょうね。
トボトボと独り歩くおばちゃん。目には涙。そこにプリキュアが急降下。
「通りすがりのヒーローガールです!」
行きましょう。どこに!? 空港に。靴を差し出されふたりが何者か理解したおばちゃんは一言。
「おねがい」
スカイがおぶって急行。それだけでは足りないのでプリズムの手を借りて跳躍。それを繰り返して距離を稼ぐ。おばちゃん後悔してそう。
空港に到着。変身を解いてふたりも同伴。
息子夫婦を見つけたおばちゃんは、しかし尻込み。退路を塞ぐソラとましろ。意を決すると別れの場へ向かいます。
息子を呼び止めると靴をプレゼント。我慢できず涙を溢すおばちゃんに息子は寄り添い別れの時間を過ごします。
ましろの脳裏に蘇るこれまでのこと。それはソラも同じ。
同時にふたりで涙を溢すと無言で手を繋ぎます。
③次なる舞台
空港からの帰り道で同じ靴をゲット。これでエルちゃんにバレずに済む。
改めて旅立ちの挨拶。ナイトを自称しているだけあってかツバサも帰る気満々。ソラがボタンを押すとトンネルが出現。お土産よろしく♪とあげは。
ソラの故郷、スカイランドへ。
○トピック
東堂いづみ「やってやったぜ☆」
女子中学生をいたぶることに定評のある東堂いづみですが、同じくらい女子中学生に優しい。DVするやつってそうだよな(素直に褒めろよ)
2クール目の新章に入ったことを予感させるエピソード。
人間は慣れる生き物なので当然ではないことも当然と思ってしまうもの。ましろにとってのソラがそれ。異世界から女の子が落ちてきたのも今は昔。ソラもまた異世界のはずがいつの間にか故郷のように思える。別離(帰郷)はそんなふたりの気持ちを擦り合わせるのにこれ以上ないイベント。十分に好感度を稼がせてからこれを突きつけるお婆ちゃん(の仮面を被った東堂いづみ)は鬼畜。
エルちゃんをお父さんお母さんの元に帰す。その気持ちに嘘偽りはない。ましろもそれはわかっている。そしてまだ本当にお別れするわけじゃない(お見送りの猶予が与えられている)。おばちゃんには「だだをこねてもいい」と言いながらもそれをやらない(やれない)ふたりの距離感が絶妙。面と向かって口にしてしまえばそれが現実なのだとより悲壮感が増してしまいかねない。戦闘中に本音トークを展開する手もありますが、敢えてそれをせず静かにお互いの気持ちを重ね合う描写はふたりの強さと信頼を感じさせます。
今回ましろ視点寄りの描写になっていると思いますが、こういう腹の中で消化(昇華)していくのは彼女らしいなと思います。普段ヒーローと口に出して言うのはソラですが、ましろの在り方もまた強さを感じさせる描写でかっこいい。
この後なんだかんで一緒に居続けることになるでしょうが、物語が次のステップに進んだことを示すように舞台はスカイランドへ。例のヒーロー登場は意外。これはアレかな、国の要人で終盤クーデターを起こすのかな? 最近そんな話を見た気がするけど。
①人は歩き出す
ソラ達が固唾を飲んで見守るのはエルのよちよち歩き。そこにお婆ちゃんが話があるとやってきますが今はそれどころじゃないと断ります。その声で立ち止まったエルは尻もち。
また一段と成長したエルのためにファーストシューズを買おうと提案するお婆ちゃん。なにそれ? ファーストシューズとはこの世界の素敵な習わし。よちよち歩きの記念に靴をプレゼントする……とのこと。初めて聞いた。どーせそうやってプレミアム感だして金を余計に取ろうって寸法だろ? 検索しても上手く調べられなかったのでChatGPTに聞いたら1970年以降と回答が来ました。ChatGPTの言うことなので信用度低いけどそんなもんでしょう。いずれにしても金のある人から金を搾り取るのが商売の基本。
話を戻して、靴屋にお買い物。
数ある中からまずはソラがセレクト。頑丈そうで防御力も高そう。理由がRPG。しかしエルからそっぽ向かれます。お気に召さないらしい。次にましろがセレクトしたのはピカピカ光る靴。これもダメ。その後もお互いにプレゼンを続けるも全滅。
堪りかねたソラが好き嫌いはダメと言うと、プリンセスは悪くないとツバサが擁護。2人のセンスが悪い。エルちゃんはプリンセス、キラキラ輝く一番星、国民のアイドル。高貴な者には高貴なものが相応しい。彼がセレクトしたのはそんな靴。長い前振りでしたが当然これもダメ。この前のソラ吾郎もそうだけどエルちゃん選り好み強ぇ。結局店にあるもの全てアウト。
他の店を当たろう。お気に入りの靴が見つかるまで世界中の靴屋を回ろう!と話すソラ。見つける頃には大人になってる。無論そんなことに尺を割くわけもなく、案外すぐに見つかります。他のお客さんが買おうとしていた靴がドンピシャ。
そのお客さんの好意により譲ってもらうことに。感激したソラはヒーローだ!とメモ。靴の気持ちってなんだよ。最近ツッコミがツバサに一部移譲されました。
去っていくおばちゃんに本当に良いんですか?と声をかけるましろ。買う気でいた以上相手がいるはず。その子ががっかりするのでは? すると「これでよかったんや……」と意味深な言葉を残して店を出ていきます。その後をソラが追うも見失ってしまいます。
家に戻りエルちゃんノートに今日のことを記すと、出し抜けに「断るべきでした」とつぶやくソラ。
きっと何か事情があったはず。なのに目先の利益を優先した自分を未熟と反省。ましろが人の気持ちを慮って、それにソラが素直に反応するのはこのコンビのパターンなところがある。今度会えたときにお礼を言おう。しかしソラは今すぐあの人を探して靴を返すと言います。プリンセスはこんなに靴を気に入っているのに、と難色を示すツバサ。と、そこで異変。
発生源であるお婆ちゃんの部屋に行くと鏡からゲートが発生。例のトンネルが開通したらしい。朝言おうとしていたのはこのこと。この感想的にはすでに完成してたけど黙っていたと解釈しています。あの薬草みたいなのどこに使ったんだよ。1クール経ったしちょうどいいだろ。そんな判断が透けて見える。
ゲートのあちら側に引かれるように手を伸ばすエル。初志貫徹、ソラも目的を達成できると喜びます。
②物語も歩き出す
早速スカイランド側にも連絡。
一刻も早く、と急く国王と王妃に安全のために”少し”ばかりミラーパッドを調整する必要があると答えるお婆ちゃん。どれくらい? ソラ達に視線を向けると躊躇いがちに明日の夕方と返答。調整名目で心の準備時間を設けているのは明々白々。リアリティーショーはドラマがあってこそ。話を盛り上げるために自分が持つ権力と財力、信用をフル活用するお婆ちゃんはデキる老人。舞台は整える。しかしそこでどう踊るかは演者の仕事。そんなプロ(道楽)意識をお婆ちゃんから感じます。そんなことはつゆ知らず、エルとの再会を待ち望む国王と王妃。
通信を終えたお婆ちゃんは神妙な雰囲気でソラ達に伝えます。アンダーグ帝国は今後もエルちゃんを狙ってくる。戦いの場所はソラシド市からスカイランドに移る。そこで言葉を切り、視線を逸しながら核心部分に切り込みます。
「でもましろさんはスカイランドでは暮らせない」
その言葉にハッとするましろ。これまで同様学校に通わなくちゃいけない。勉強もしなくちゃいけない。それに…。敢えて並べ立てるお婆ちゃん。役者だな。ここは神妙に、染み込ませるように事実を伝える場面。そしたらトンネルを潜ってすぐに助けに行く。すかさずそう答えるましろに満足そうに頷くと、
「でも一つ屋根の下、みんなで暮らすのは明日でおしまい」
その事実は変わらない。あげはさんも呼んで夜はごちそうにしましょう。話はここで終わり。お膳立てはした。
みんなで食卓を囲んで夕食。
事情を聞いたあげははちょっと寂しそう。しかし当事者であるソラはエルを帰せることを喜んでいます。ましろに話を振るとぼーっとしています。スカイランドに行ったら観光してから帰る。「(これはテコ入れが必要だな)」そんなことを考えてそうな表情をするあげは。
就寝。大きないびきをかくあげはを怪獣のようだとソラ。忙しいのにも関わらず顔を出してくれてありがとうだよ、と感謝するましろ。彼女のこういうところ地味に美点だよね。今日が最後の夜。もうひと押しとばかりにさらに大きないびきをかくあげは。バレるだろ。ふたりで外に出ます。
夜景を見下ろしながら初めて来たときのことを振り返るソラ。
でも今はここがもう一つの故郷のように思える。そう話すソラの横顔を見つめるましろ。感傷から我に返るとまたすぐに遊びに来ると言い直すソラ。ましろもそれに頷くと話題を変えてしまいます。告白に失敗した恋人かよお前ら。その様子を見たあげはは泣いたっていいのに……と彼女たちの気丈さに感心。でも泣くべきときに泣けないと後でしこりが残ったりするんだよね。初めての親友を持った彼女たちはその別れ方を知らない。
翌朝。
靴を探すエル。そんな彼女の気を引こうとアレコレ話しかけるツバサ。靴が無いと訴える彼女に愛想笑いをしながら自分にこんな役を押し付けたふたりを恨みます。
その頃、ソラとましろは例のおばちゃんを見つけるために聞き込み。
手がかりは靴だけ。同じ靴を探しているのではないかと当たりをつけて街中の靴屋を尋ねるも空振り。残るはショッピングモールのテナントだけ。正解。電話をかけているおばちゃんを発見。
腹を割って話します。正直靴を手放すのは惜しい。でもおばちゃんの言葉も気がかり。この靴はおばちゃんにとっても孫のファーストシューズ。ところが息子夫婦は海外赴任。空港に見送りに行って渡そうと思ったが絶対に泣いてしまう。そしたら息子もみんなしんどい気持ちになる。日本人あるあるの先読み思考。ちなみに日本人はウチとソトに分けて、ソトには厳しいと指摘する外国人も多くいますがこれは「下手に縁を作るとお互いに面倒になるので不干渉」という不文律があったりなかったりするのも一因だと思われます。身内に甘いようで変に気を使うのも距離が近く精神的負担度合いが高いためですね。まあ、ソトに対して礼儀がなってないのは昔に書かれた本や新聞を読めばそのとおりなんですが。ペロペロ事案なんて今に始まったことでもない。人間なぞ1万年経とうが類人猿の一系統でしかないからね。
誰も得しない。別れは涙で汚さん方がええ。ニコニコ笑って明るくお別れした方がええ。自分に言い訳するためか矢継ぎ早に言葉を並べるおばちゃん。聞いているましろの方が耐えられなくなり「そんなのダメ!」とソラと同時に叫びます。ようやくそこでお互いの気持ちに気づくふたり。
「ほんとの気持ちを言わないとダメです!」
「嫌だって、寂しいって、じっと一緒に暮らしたいって!」
「泣いたっていい」
「だだをこねたって…」
「そしたらきっと……」
「きっとそのあとは本当に笑ってお別れできる。そう思います」
おばちゃんを介して自分の想いを伝え合うふたり。
ふたりの言葉に頷くも、時間切れとおばちゃん。再度靴を辞退するとモールの外へ。彼女が席を立った後すぐに地図を確認。ふたりも席を立ちます。
屋上に行くと変身。敵なしでプリキュア変身は去年もあった展開ですがずいぶん柔軟になったなと思います。しかもこの流れだとツバサは変身しない。新キャラ補正が切れたところですかさずこの展開を挟む。やるな東堂いづみ。言うまでもなくプリキュアは玩具宣伝アニメ。スポンサーにこびへつらうのが仕事。クソみたいなオーダーも「わかりました」と答えるしかない。しかしその隙間に自分のやりたいことを通してこそのプロ。金は貰う(出させる)。依頼も受ける。ついでに自分のやりたいこともやる。っていうかやっちゃいました(事後報告)。そんな裏事情を感じますね。いや実際どうなのか知らんけど。でもそんなもんだろ。ちなみにウィングが登場したのは4月2日なのでほぼ1ヶ月。やはりその辺がラインなんでしょうね。
トボトボと独り歩くおばちゃん。目には涙。そこにプリキュアが急降下。
「通りすがりのヒーローガールです!」
行きましょう。どこに!? 空港に。靴を差し出されふたりが何者か理解したおばちゃんは一言。
「おねがい」
スカイがおぶって急行。それだけでは足りないのでプリズムの手を借りて跳躍。それを繰り返して距離を稼ぐ。おばちゃん後悔してそう。
空港に到着。変身を解いてふたりも同伴。
息子夫婦を見つけたおばちゃんは、しかし尻込み。退路を塞ぐソラとましろ。意を決すると別れの場へ向かいます。
息子を呼び止めると靴をプレゼント。我慢できず涙を溢すおばちゃんに息子は寄り添い別れの時間を過ごします。
ましろの脳裏に蘇るこれまでのこと。それはソラも同じ。
同時にふたりで涙を溢すと無言で手を繋ぎます。
③次なる舞台
空港からの帰り道で同じ靴をゲット。これでエルちゃんにバレずに済む。
改めて旅立ちの挨拶。ナイトを自称しているだけあってかツバサも帰る気満々。ソラがボタンを押すとトンネルが出現。お土産よろしく♪とあげは。
ソラの故郷、スカイランドへ。
○トピック
東堂いづみ「やってやったぜ☆」
女子中学生をいたぶることに定評のある東堂いづみですが、同じくらい女子中学生に優しい。DVするやつってそうだよな(素直に褒めろよ)
2クール目の新章に入ったことを予感させるエピソード。
人間は慣れる生き物なので当然ではないことも当然と思ってしまうもの。ましろにとってのソラがそれ。異世界から女の子が落ちてきたのも今は昔。ソラもまた異世界のはずがいつの間にか故郷のように思える。別離(帰郷)はそんなふたりの気持ちを擦り合わせるのにこれ以上ないイベント。十分に好感度を稼がせてからこれを突きつけるお婆ちゃん(の仮面を被った東堂いづみ)は鬼畜。
エルちゃんをお父さんお母さんの元に帰す。その気持ちに嘘偽りはない。ましろもそれはわかっている。そしてまだ本当にお別れするわけじゃない(お見送りの猶予が与えられている)。おばちゃんには「だだをこねてもいい」と言いながらもそれをやらない(やれない)ふたりの距離感が絶妙。面と向かって口にしてしまえばそれが現実なのだとより悲壮感が増してしまいかねない。戦闘中に本音トークを展開する手もありますが、敢えてそれをせず静かにお互いの気持ちを重ね合う描写はふたりの強さと信頼を感じさせます。
今回ましろ視点寄りの描写になっていると思いますが、こういう腹の中で消化(昇華)していくのは彼女らしいなと思います。普段ヒーローと口に出して言うのはソラですが、ましろの在り方もまた強さを感じさせる描写でかっこいい。
この後なんだかんで一緒に居続けることになるでしょうが、物語が次のステップに進んだことを示すように舞台はスカイランドへ。例のヒーロー登場は意外。これはアレかな、国の要人で終盤クーデターを起こすのかな? 最近そんな話を見た気がするけど。
第12話「ツエェェェ!キュアスカイ対カバトン!!」
○今週のヒーロー
①特訓にかこつけたリア充イベント
例のおでん屋台で大きなため息をつくカバトン。おでん美味しそう。ランボーグでは勝てない。となれば奥の手しかない。悲壮感を漂わせていますがシチュエーションが完全にギャグなので死なないことは保証されています。ギャグキャラは死なない。あと大食い系キャラ(食べ物と関係したキャラ)も死ぬイメージがない。
通りの向かいから楽しげな声。お使いが終わったらプリホリのカフェでお茶していこうと誘うましろ。そんなキラキラなリア充女子中学生を見たカバトンは居ても立ってもいられず突撃。底辺のおっさんが女子中学生に喧嘩を売る事案が発生。
やばいことになっていると言われても話が見えない。しかしカバトンは全部お前が悪い!とソラを名指し。1話からの因縁の相手。1対1のタイマンを希望すると勝負は3日後と勝手に日取りまで決めてしまいます。逆恨みも良いところ。受ける必要はない。すると負けたらプリンセスには手を出さないと条件をつけます。どのみち彼にはもう後がない。
「これが最終決戦だ! 首を洗って待ってろ」
まだ3クールあるので勝手に終わらせないでください。
家に帰るとお婆ちゃんを交えて話し合い。
決闘の意思は変わらない。この先エルちゃんを国に送り届けたとしてもカバトンに狙われている限り安心はできない。憂いを断つ意味でも決着をつけたい。そう話すソラにカバトンの言葉は信用できるのか?と問うツバサ。あの目は真剣だった。なら奥の手というのもハッタリではないことになる。相手の手の内がわからないのは大きな不安。しかしそれでも勝つのが…ヒーローだよね。ソラの言葉をましろが引き取ります。ソラを信じるましろは彼女の意思を尊重すると良い考えがあると言います。
そんなわけであげはにコンタクト。
お婆ちゃんはトンネルの準備で忙しいので助っ人。急な話でごめん、学校のレポートだってあるのにと謝るましろ。しかしあげはは超優秀だから余裕とどこ吹く風。少年に会いたかったし。その彼は荷物に場所を追いやられて鳥の姿。ムッツリ顔で不機嫌そう。やっぱ可愛いな~と相変わらずツバサの意見ガン無視。
で、特訓って? 滝に打たれたり山の主と戦ったり? 必殺技の修行? 発想が昭和。漫画の読みすぎ、と呆れるツバサ。今日日そんなことやってる漫画もないと思うが。
「そう! まさにそういう特訓なの!」
ツッコミ役ぅ。
「はい! それです!」
「よっしゃ! とりあえずいい滝あるよ~」
あげは推薦のアゲアゲパワースポット。
ここなら良い特訓ができそうと声をかけるましろ。ほんとにやる気かよ。では早速……先客が居ました。見るからに仙人風。只者じゃないとオーラを感じるソラ。無の境地。何も雑念がない自然体。爆速でフラグ積むな。何だこのテンポ感。
肩こり解消!とスッキリした様子で滝を後にする老人。気持ちよくて寝ていたらしい。よくよく調べてみると肩こり解消のパワースポット。健康ランドかよ。それはそれとして2週続けて山とか、山カード多すぎだろ。夏までに全部吐き出してくださいよ、マジで。
超優秀とか言ってたけど本当は学校が忙しくて余裕がないのでは?とジト目で指摘するツバサ。どうやら図星だったらしい。現実逃避というよりは面白そうな話を逃したくないからキャパオーバーでも決行したって感じがする。ツバサも彼女の能力を疑っているわけではないけど、ミスをするくらいにテンパっていると判断したか。おねショタはわかりみが大事。
彼女に代わってツバサが周囲の鳥に聞き込みをすることに。毎回鳥形態になるのは妖精>男子のイメージをキープしたいという意思を感じますね。聞き込みの間ましろはキャンプの準備を担当、ソラは滝、と話を進めます。えっと、私は……。学校のレポート!と釘を刺されるあげは。デキるお姉さんから降格。これも親密になった証ということで。
ソラが滝に打たれている間、ましろは昼食の準備。あげはもタブレットを使ってレポート作成。
聞き込みの結果、山の主を発見。リス。なんでだ。そこはウサギにしとけよ、キュアホイップ的な意味で。山の主と特訓というのかアスレチックというのか。普通にキャンプをする一同。リスと鷲の存在感。
次の日も特訓。鷲さん、俺と場所代わって。こうして2日目も時間が過ぎていきます。いよいよ明日。遠足に行くようなテンションで眠れそうにないと話すソラとましろ。ツバサは結構真剣に考えている様子。それはそれとして百合の間に挟まるな。百合過激派がシュバってくるぞ。
自分たちにはこれくらいしかできないけどだから全力で応援するとソラに全幅の信頼を置くましろ。ツバサが最終決戦前っぽく締めます。あげはが車の中でレポート書いているのはまだプリキュアグループの中に入っていないニュアンスがありますね。
②最終決戦(残り3クール)
河川敷で対峙。ましろ達はこっそり隠れて様子を伺います。
決闘の条件を再確認。カバトンが負けたらプリンセスは諦める。ここで奥の手を披露。3日間充電したアンダーグエナジーを自分に注入。巨大化。その姿に息を呑むソラ。観客にも不安が広がります。
「ソラちゃん、頑張って」
中の人がラビリンのときは流してたけど、女子中学生だとヒロイン力がヤバい。二次元キャラみたいな声しやがって(二次元です)
キュアスカイに変身。両者、向顔。フィックス・リリース。
見た目どおりのパワーを発揮するカバトン。
1発でも受ければ危険。巨大なボス。一撃死。フロムゲーかよ。とりあえずローリングしとけばいいってお婆ちゃんが言ってた。こちらも特訓の成果を見せるとき。精神を集中させるとジャストなタイミングで回避。STR(ストレングス)とAGI(アジリティ)の勝負。先に一撃を入れたのはスカイ。これには観客も特訓の甲斐があったと喜色満面。
するとカバトンは両手で挟み込むようにスカイを攻撃。食い止めるも身動きが取れなくなったスカイはジリジリと追い詰められていきます。思わず立ち上がってソラを応援する一同。エルの声を聞いたスカイはひときわ反応。
超能力でパワーアップはしないけど応援でパワーは出る。ということで殴り合いでも制するとスカイパンチで勝負あり。
負けると同時にお仕置き雲が発生。ちゃっかりこっちも観戦していたらしい。
死にたくないカバトンは前言を撤回すると魔の手をエルに伸ばします。しかし当然ましろとツバサが黙って見ていない。変身するとプリズムショットで相殺。ウィングはエルとあげはを保護。
決闘の約束を破ったカバトンはこちらでお仕置き。キャトルミューティレーションで浄化。連れ去られていくとこシュール。
エナジーが消えたカバトンは元の大きさに。入れ替わりにお仕置き雲が巨大化。
突然の異変に困惑するプリキュア。アンダーグ帝国では弱い奴に価値はねぇ、と慄くカバトン。初めて聞く単語にさらに困惑していると百聞は一見にしかずとばかりに目の前でカバトンが浮遊。雷の勢いが増していきます。完全に処刑モード。必死にもがくカバトンを見たスカイは即決即断。助けます!とカバトンに向かって跳躍。
敵なのになぜ?
「わかりません!」
その言葉に目を丸くするカバトン。
「でもこうすることが正しいと思ったからです!」
迷いなく自分に向かって来るスカイを見た彼は生死のギリギリで悟ります。
「〈これが本当の強さ…〉」
落雷を回避。
「〈ふん……俺の負けだ。お前はTUEEE。俺なんかよりずっとな。あばよ……〉」
降りてくるスカイさんマジイケメン。綺麗に着地する横で川にドボンするカバトン。アフターケアまではしてくれないらしい。諦めたのかお仕置き雲は消えてしまいます。
アンダーグ帝国についてはお婆ちゃんも知らない。カバトンに聞くのが一番だけどきっともう会うこともない。
って思うじゃん?
例のおでん屋台に居ました。リストラされた上に川に落ちるなんて災難でしたね、と同情するおやじ。ある意味お前のメンタルが一番すげーよ。目の前のブタについて一言もないのか。この街で再出発すると新たな決意を固めるカバトン。
新たな敵の存在を感じつつもやることは変わらない。エルちゃんを守り抜く。気持ちを引き締める一同。
③次回予告
新幹部の影も形もねぇ。
見た目はファンシーでも、ラスボスとの約束を果たすために世界を巡る旅をするいちかはハードな主人公。
○トピック
アンダーグの皇帝が例のヒーローでソラが絶望する展開オネシャス。師匠筋がラスボスってお約束だよね。
意外と久しぶりな幹部戦。
最近は初期幹部でも最終決戦まで残っていることが珍しくなく、マンネリ感もあったので幹部交代は歓迎したい流れ。
主人公がヒーロー(志望)なのとギャグ路線なのもありカバトンが生存するのは予想どおり。こういうキャラはしぶとく生き残るのが仕事みたいなところがあるのでたまに顔出しするくらいのポジションがちょうどいい。去年の幹部は普通に懲役食らってましたが、ノリが軽い本作では再スタートするくらいが合っているでしょう。最終回で元幹部がバイトしてるようなノリって結構好きなんだよね。HUGもそういうノリがありましたが、ラスボス含めた上級幹部がシリアスなのと出産で吹っ飛んでる感はある。
1クールで総括するなら長めのチュートリアル。今作は異世界人、鳥人間男子、新成人と要素が多いですがその分じっくり関係性を形成しているので安定感のあるチームに仕上がっています。このまま行くとあげはが変身するのは2クールの目玉かな。帝国の目的など物語も少しずつ開示されていくでしょう。さしあたって新幹部はどんなノリなのか。
①特訓にかこつけたリア充イベント
例のおでん屋台で大きなため息をつくカバトン。おでん美味しそう。ランボーグでは勝てない。となれば奥の手しかない。悲壮感を漂わせていますがシチュエーションが完全にギャグなので死なないことは保証されています。ギャグキャラは死なない。あと大食い系キャラ(食べ物と関係したキャラ)も死ぬイメージがない。
通りの向かいから楽しげな声。お使いが終わったらプリホリのカフェでお茶していこうと誘うましろ。そんなキラキラなリア充女子中学生を見たカバトンは居ても立ってもいられず突撃。底辺のおっさんが女子中学生に喧嘩を売る事案が発生。
やばいことになっていると言われても話が見えない。しかしカバトンは全部お前が悪い!とソラを名指し。1話からの因縁の相手。1対1のタイマンを希望すると勝負は3日後と勝手に日取りまで決めてしまいます。逆恨みも良いところ。受ける必要はない。すると負けたらプリンセスには手を出さないと条件をつけます。どのみち彼にはもう後がない。
「これが最終決戦だ! 首を洗って待ってろ」
まだ3クールあるので勝手に終わらせないでください。
家に帰るとお婆ちゃんを交えて話し合い。
決闘の意思は変わらない。この先エルちゃんを国に送り届けたとしてもカバトンに狙われている限り安心はできない。憂いを断つ意味でも決着をつけたい。そう話すソラにカバトンの言葉は信用できるのか?と問うツバサ。あの目は真剣だった。なら奥の手というのもハッタリではないことになる。相手の手の内がわからないのは大きな不安。しかしそれでも勝つのが…ヒーローだよね。ソラの言葉をましろが引き取ります。ソラを信じるましろは彼女の意思を尊重すると良い考えがあると言います。
そんなわけであげはにコンタクト。
お婆ちゃんはトンネルの準備で忙しいので助っ人。急な話でごめん、学校のレポートだってあるのにと謝るましろ。しかしあげはは超優秀だから余裕とどこ吹く風。少年に会いたかったし。その彼は荷物に場所を追いやられて鳥の姿。ムッツリ顔で不機嫌そう。やっぱ可愛いな~と相変わらずツバサの意見ガン無視。
で、特訓って? 滝に打たれたり山の主と戦ったり? 必殺技の修行? 発想が昭和。漫画の読みすぎ、と呆れるツバサ。今日日そんなことやってる漫画もないと思うが。
「そう! まさにそういう特訓なの!」
ツッコミ役ぅ。
「はい! それです!」
「よっしゃ! とりあえずいい滝あるよ~」
あげは推薦のアゲアゲパワースポット。
ここなら良い特訓ができそうと声をかけるましろ。ほんとにやる気かよ。では早速……先客が居ました。見るからに仙人風。只者じゃないとオーラを感じるソラ。無の境地。何も雑念がない自然体。爆速でフラグ積むな。何だこのテンポ感。
肩こり解消!とスッキリした様子で滝を後にする老人。気持ちよくて寝ていたらしい。よくよく調べてみると肩こり解消のパワースポット。健康ランドかよ。それはそれとして2週続けて山とか、山カード多すぎだろ。夏までに全部吐き出してくださいよ、マジで。
超優秀とか言ってたけど本当は学校が忙しくて余裕がないのでは?とジト目で指摘するツバサ。どうやら図星だったらしい。現実逃避というよりは面白そうな話を逃したくないからキャパオーバーでも決行したって感じがする。ツバサも彼女の能力を疑っているわけではないけど、ミスをするくらいにテンパっていると判断したか。おねショタはわかりみが大事。
彼女に代わってツバサが周囲の鳥に聞き込みをすることに。毎回鳥形態になるのは妖精>男子のイメージをキープしたいという意思を感じますね。聞き込みの間ましろはキャンプの準備を担当、ソラは滝、と話を進めます。えっと、私は……。学校のレポート!と釘を刺されるあげは。デキるお姉さんから降格。これも親密になった証ということで。
ソラが滝に打たれている間、ましろは昼食の準備。あげはもタブレットを使ってレポート作成。
聞き込みの結果、山の主を発見。リス。なんでだ。そこはウサギにしとけよ、キュアホイップ的な意味で。山の主と特訓というのかアスレチックというのか。普通にキャンプをする一同。リスと鷲の存在感。
次の日も特訓。鷲さん、俺と場所代わって。こうして2日目も時間が過ぎていきます。いよいよ明日。遠足に行くようなテンションで眠れそうにないと話すソラとましろ。ツバサは結構真剣に考えている様子。それはそれとして百合の間に挟まるな。百合過激派がシュバってくるぞ。
自分たちにはこれくらいしかできないけどだから全力で応援するとソラに全幅の信頼を置くましろ。ツバサが最終決戦前っぽく締めます。あげはが車の中でレポート書いているのはまだプリキュアグループの中に入っていないニュアンスがありますね。
②最終決戦(残り3クール)
河川敷で対峙。ましろ達はこっそり隠れて様子を伺います。
決闘の条件を再確認。カバトンが負けたらプリンセスは諦める。ここで奥の手を披露。3日間充電したアンダーグエナジーを自分に注入。巨大化。その姿に息を呑むソラ。観客にも不安が広がります。
「ソラちゃん、頑張って」
中の人がラビリンのときは流してたけど、女子中学生だとヒロイン力がヤバい。二次元キャラみたいな声しやがって(二次元です)
キュアスカイに変身。両者、向顔。フィックス・リリース。
見た目どおりのパワーを発揮するカバトン。
1発でも受ければ危険。巨大なボス。一撃死。フロムゲーかよ。とりあえずローリングしとけばいいってお婆ちゃんが言ってた。こちらも特訓の成果を見せるとき。精神を集中させるとジャストなタイミングで回避。STR(ストレングス)とAGI(アジリティ)の勝負。先に一撃を入れたのはスカイ。これには観客も特訓の甲斐があったと喜色満面。
するとカバトンは両手で挟み込むようにスカイを攻撃。食い止めるも身動きが取れなくなったスカイはジリジリと追い詰められていきます。思わず立ち上がってソラを応援する一同。エルの声を聞いたスカイはひときわ反応。
超能力でパワーアップはしないけど応援でパワーは出る。ということで殴り合いでも制するとスカイパンチで勝負あり。
負けると同時にお仕置き雲が発生。ちゃっかりこっちも観戦していたらしい。
死にたくないカバトンは前言を撤回すると魔の手をエルに伸ばします。しかし当然ましろとツバサが黙って見ていない。変身するとプリズムショットで相殺。ウィングはエルとあげはを保護。
決闘の約束を破ったカバトンはこちらでお仕置き。キャトルミューティレーションで浄化。連れ去られていくとこシュール。
エナジーが消えたカバトンは元の大きさに。入れ替わりにお仕置き雲が巨大化。
突然の異変に困惑するプリキュア。アンダーグ帝国では弱い奴に価値はねぇ、と慄くカバトン。初めて聞く単語にさらに困惑していると百聞は一見にしかずとばかりに目の前でカバトンが浮遊。雷の勢いが増していきます。完全に処刑モード。必死にもがくカバトンを見たスカイは即決即断。助けます!とカバトンに向かって跳躍。
敵なのになぜ?
「わかりません!」
その言葉に目を丸くするカバトン。
「でもこうすることが正しいと思ったからです!」
迷いなく自分に向かって来るスカイを見た彼は生死のギリギリで悟ります。
「〈これが本当の強さ…〉」
落雷を回避。
「〈ふん……俺の負けだ。お前はTUEEE。俺なんかよりずっとな。あばよ……〉」
降りてくるスカイさんマジイケメン。綺麗に着地する横で川にドボンするカバトン。アフターケアまではしてくれないらしい。諦めたのかお仕置き雲は消えてしまいます。
アンダーグ帝国についてはお婆ちゃんも知らない。カバトンに聞くのが一番だけどきっともう会うこともない。
って思うじゃん?
例のおでん屋台に居ました。リストラされた上に川に落ちるなんて災難でしたね、と同情するおやじ。ある意味お前のメンタルが一番すげーよ。目の前のブタについて一言もないのか。この街で再出発すると新たな決意を固めるカバトン。
新たな敵の存在を感じつつもやることは変わらない。エルちゃんを守り抜く。気持ちを引き締める一同。
③次回予告
新幹部の影も形もねぇ。
見た目はファンシーでも、ラスボスとの約束を果たすために世界を巡る旅をするいちかはハードな主人公。
○トピック
アンダーグの皇帝が例のヒーローでソラが絶望する展開オネシャス。師匠筋がラスボスってお約束だよね。
意外と久しぶりな幹部戦。
最近は初期幹部でも最終決戦まで残っていることが珍しくなく、マンネリ感もあったので幹部交代は歓迎したい流れ。
主人公がヒーロー(志望)なのとギャグ路線なのもありカバトンが生存するのは予想どおり。こういうキャラはしぶとく生き残るのが仕事みたいなところがあるのでたまに顔出しするくらいのポジションがちょうどいい。去年の幹部は普通に懲役食らってましたが、ノリが軽い本作では再スタートするくらいが合っているでしょう。最終回で元幹部がバイトしてるようなノリって結構好きなんだよね。HUGもそういうノリがありましたが、ラスボス含めた上級幹部がシリアスなのと出産で吹っ飛んでる感はある。
1クールで総括するなら長めのチュートリアル。今作は異世界人、鳥人間男子、新成人と要素が多いですがその分じっくり関係性を形成しているので安定感のあるチームに仕上がっています。このまま行くとあげはが変身するのは2クールの目玉かな。帝国の目的など物語も少しずつ開示されていくでしょう。さしあたって新幹部はどんなノリなのか。
第11話「気まずい二人!?ツバサとあげは」
○今週のヒーロー
①嵐のようなお姉さん
ましろ宅。車庫に車。
巣箱で寝起きするツバサ。お前そこが定位置なのか? そんなツバサを可愛い!と持ち上げて頬ずりするあげはさん。完全にマスコット扱い。驚いたツバサは人間態に。するとさらにあげはは食いついていきます。どっきりカメラばりの寝起き襲撃。よろしく少年、と手を出され思わず握り返してから少年呼びに気づきます。
そんなやりとりをしているとソラとましろが降りてきます。あげはの登場は予期していなかったらしい。今日は山にお出かけと宣言するあげは。彼女の意味不明な行動に困惑しっぱなしのツバサ。なお視聴者は開幕おねショタでテンションアゲアゲ。それはそれとしてここで山カードを切ったということは……勝ったな。今から海岸清掃行ってくる。
ノリノリで歌いながら運転。助手席のツバサは不機嫌そう。法定速度守るのはいいんだけど個人的にはこの車でカバトン轢いてほしい。初めて車に乗ったソラは外の景色が流れていく光景に大興奮。あちらでは基本的な交通手段は鳥。私のピヨちゃんもビュンビュンできゃわわ~でしょ?とあげは。この車(モデルはハマー)にその愛称つけるセンス。
ようやく口を開いたツバサはどうして山に?ともっともな疑問を浮かべます。たまには遠出したいじゃん? あと君のことも知りたい。彼女なりの懇親会ってところ。少年呼びに抗議するも聞く耳持たず。目的地のらそ山が見えてきます。
車を降りてすぐ何かを見つけたエルが興奮。
らそ山クエスト。謎解き型アスレチック。クリアできれば限定グッズが貰える。どうやらエルはソラ吾郎がいたく気に入った様子。エルツバとおねショタ、選べる2タイプ。少年に似ているとあげはが指摘するとツバサは全力で否定。エルのために謎解きに挑戦。
まずはルート選択。1つは歩きやすいのんびりコース。遠くにロープウェイも見えます。もう1つは登山コース。見るからに疲れそう。しかし目を輝かせるソラ。それならとエルのお世話をかって出るあげは。エルを預けたソラは当然のようにましろの手を握ると有無を言わさず連行。こうして自然な流れで百合コースとおねショタコースに分かれます。
荷物のことで気遣うあげはを少し見直しつつもそっぽを向くツバサ。
最初の設問が見えてきます。典型的なた抜き言葉。しかしエルがぐずりだしたので中断。周囲を見回すと休憩所を発見。ツバサの荷物からおむつを出すとあげはが一旦離脱。
残されたはツバサは謎解きに挑みます。なんてことはない問題もタヌキを知らないツバサには難問。といってもあからさまに「た」が多い上にわざわざ赤字表記しているので流石に気づく。
休憩所に向かったツバサが答えを言おうとすると2人同時に「アスレチック」。スタンダードな解法を披露するあげは。「ほら私もちゃんと謎解きしてるでしょ?」。ここのにんまりした表情好き。彼女の機転、判断力が高いのは視聴者にはおなじみの光景。年長者は伊達じゃない。しかしツバサにとっては常に先回りされているようで面白くない。気を取り直して次の課題に。
アスレチックコース。
結構本格的。これ山道歩くよりキツくね? ソラは喜びそう。コース選択間違ったかもしれない。必死の思いでゴール。普通に迂回路があるのでやる意味なかったけど。必死になっている少年を見て楽しむコースにあげはさんもニッコリ。
さらに次♪と先頭を歩くあげは。不満が溜まっていくツバサ。設問発見。隠れいている綺麗なものは? 周囲は綺麗なラベンダー畑。すぐそこにはロープウェイ。集中して考えるあげは。先程までとは打って変わって静かに佇む彼女の横顔に見入るツバサ。ここは視聴者にとっても新鮮なシーン。彼女はメリハリが強いイメージ。閃くと「あれ! 乗ろう!」とロープウェイを指さしそのまま歩き出します。見当はつく。が、ツバサにとっては寝耳に水。コースから外れると注意しても暖簾に腕押し。これアレだな、あげはについていくのそれなりのスペック要求されるな。ましろは慣れているし、ソラはアクティブさでカバーできるだろうけど。
溜まっていた不満が爆発したツバサはこっちを探すと別行動。これにはあげはもちょっと反省。
ロープウェイの制御室に現れるカバトン。日常に侵入してくるタイプの敵って意外と珍しい。本人がガバガバなおかげで恐怖感はないけど。
②翼を持った少年
あげはの身勝手さをひとり愚痴るツバサ。ソラとましろ組と合流。
ああいう強引な人ってちょっと苦手…と話します。強引というか直情的という意味ではソラもどっこいだけど、常に先回りしている感のあるあげははソラと違った意味で独特のテンポ。
するとましろがフォロー。ツバサくんのこと信じていたからわかってくれると思っていたんじゃないか。エルのために奮闘したツバサを見ていたので親近感や好感度は高かった様子。言葉にしなくても気づいてくれると思ったのかもしれないとソラも説明。それにしたって距離感の詰め方雑だけど。この辺は比較的詰め方がゆっくりなツバサとは対照的。あげはは息が合うと当意即妙で阿吽の呼吸レベルだけど、ズレるとガタガタ。こうして比較するとましろの柔軟性が光る。
先程のあげはの様子を思い返したツバサは山の頂上に何かあるのではないかと気づきます。荷物を背負い山頂へ。
急な坂を手を使って登っていると……
「頑張れ! 少年」
あげはが先に居ました。改めて見るとツバサは腕輪しててあげはは指輪してるのね。
どうして…? その疑問に答える前にまずは謎解きの答え。眼下に広がる虹。「本当に綺麗」。黙っていれば良いとこの令嬢でとおりそう。最初の問いに戻ります。どうして山頂を目指してくるとわかったのか。期待を込めた視線を向けるツバサ。ソラとましろの会話から期待値が上がっています。
「ロープウェイから走ってるの見えたよ」
「えっ」
現実はそんな甘ったるくない。それでもそんな彼の姿を彼女は快く思ったでしょう。
「走るの速いんだね~」
言わねーけど。
異変。今回はランボーグが突然出現。
あげはとエルを誘拐。ツバサ単独変身。新キャラ補正はまだ継続。
攻撃をしようにも人質を盾にされては身動きができない。手をこまねいている間にランボーグはロープを伝ってカバトンのもとへ。こんな状況でも考えるのをやめないのがあげは嬢。閃くとじゃんけんを持ちかけます。ねぇ、君って言うときの表情好き。不安を抱えていても仕掛けるときにはおくびにも出さない。勝負師だな。自分はグーを出すと宣言。あからさま。おバカさんと笑ったカバトンはパーを出せとランボーグに指示。大バカさんがいらっしゃいます。
グーを出す寸前、ウィングに合図。案の定ランボーグが手を離すと落下。ウィングが急いでキャッチ。流石に肝を冷やしたあげははお礼を言います。いくらなんでも無茶しすぎ。
「でもツバサくんなら作戦に気づいてくれると思ってた。ニャハハ」
名前呼びに気づくも色んな感情がごちゃまぜになったツバサはとりあえず避難させます。
一騎打ち。ロープの上だというのに自由自在に動き回るランボーグ。パワーもあり正面から挑むには力不足。
麓に降りたソラとましろが変身。援護に駆けつけます。ロープを揺らされて足元が不安定に。跳躍して一転攻勢。そのまま地上に引きずり落とせばこっちのもの。今回はウィングの必殺技でケリ。
無事を確認。
少年が助けてくれたからね、とあげはにんまりとした笑顔をツバサに向けます。その視線から逃げるようにツバサは顔を背けてラベンダー畑を見下ろします。「ほんと、いい景色」とお姉さんスマイル。
帰りの車中。ソラ吾郎グッズに満足して眠るエル。ソラとましろも一分の隙もなく密着してお休み。最後まで粘っていたツバサも陥落寸前。そんな彼に助けてくれてありがとう。ちゃんとかっこよかったよ、とお礼を言うあげは。その言葉が聞こえたのかどうか、ツバサは鳥の姿になると眠りこけます。
ところ変わってビルの屋上。藁にくるまって寒さに耐えるカバトン。それ手に入れる方が難しくね? ここでこのシーンが入るということは最後通牒。そろそろ1クール。
③次回予告
真・流星スカイランド拳とか出しそう。東映アニメ的にはスカイランド・エクスキューションか。
今週はキュアエール。「エール・フォー・ユー」は神BGM。
○トピック
百合コースとおねショタコース。あなたはどっち?
こういうのでいいんだよおじさんもニッコリ。
変身のへの字も出てこないあげは嬢ですが、主役陣のポジションはほぼ確定。ムードメーカーでなんでも知っている(ように見える)彼女は大人とお姉さんの中間的なポジションで居るだけで場が明るくなる存在感は貫禄があります。
ソラの相談を受けたときは本人に伝えるべきだと言っていたのに、自分はそれをやらないのはあるある。頭の回転も速く度胸もある。面倒見もいい。その反面、自己完結的でひとり納得したら先に進めちゃうのが彼女の癖。本来ならツバサとは初対面も同然のはずですが、UFO事件に関わっていたのでその先入観が拍車をかけています。年上キャラが年下をからかうのは定番ですがツバサからするとなんだよオメー、知ってるならそう言えよ!なわけでちょっとウザいのも頷ける話。
ソラはもちろん、ましろも正直者で本心を真っ直ぐに伝えられるタイプですが、一見して一番陽キャに見えるあげはがそれをあまり表に出さないのは先回りできる器用さの弊害ですね。できる、そうなる、って思うとそこで情報が完結(先回りして完了)してその先に目を向けちゃうから今この瞬間や終わったことを流しちゃう。そうすると本人的にはワンテンポ遅れた反応を返すことになるからタイミングが微妙に合わない。なまじ器用だったり要領が良いと行動で解決してしまうので、案外言葉が後回しになりがち。照れくささを隠す言い訳にも使えますが。ましろやソラが説明したように「わかってくれるだろう」というのはこの手の人の甘えですね。
そういった詰めの甘さも含めて器用にこなす人柄がわかるエピソード。
①嵐のようなお姉さん
ましろ宅。車庫に車。
巣箱で寝起きするツバサ。お前そこが定位置なのか? そんなツバサを可愛い!と持ち上げて頬ずりするあげはさん。完全にマスコット扱い。驚いたツバサは人間態に。するとさらにあげはは食いついていきます。どっきりカメラばりの寝起き襲撃。よろしく少年、と手を出され思わず握り返してから少年呼びに気づきます。
そんなやりとりをしているとソラとましろが降りてきます。あげはの登場は予期していなかったらしい。今日は山にお出かけと宣言するあげは。彼女の意味不明な行動に困惑しっぱなしのツバサ。なお視聴者は開幕おねショタでテンションアゲアゲ。それはそれとしてここで山カードを切ったということは……勝ったな。今から海岸清掃行ってくる。
ノリノリで歌いながら運転。助手席のツバサは不機嫌そう。法定速度守るのはいいんだけど個人的にはこの車でカバトン轢いてほしい。初めて車に乗ったソラは外の景色が流れていく光景に大興奮。あちらでは基本的な交通手段は鳥。私のピヨちゃんもビュンビュンできゃわわ~でしょ?とあげは。この車(モデルはハマー)にその愛称つけるセンス。
ようやく口を開いたツバサはどうして山に?ともっともな疑問を浮かべます。たまには遠出したいじゃん? あと君のことも知りたい。彼女なりの懇親会ってところ。少年呼びに抗議するも聞く耳持たず。目的地のらそ山が見えてきます。
車を降りてすぐ何かを見つけたエルが興奮。
らそ山クエスト。謎解き型アスレチック。クリアできれば限定グッズが貰える。どうやらエルはソラ吾郎がいたく気に入った様子。エルツバとおねショタ、選べる2タイプ。少年に似ているとあげはが指摘するとツバサは全力で否定。エルのために謎解きに挑戦。
まずはルート選択。1つは歩きやすいのんびりコース。遠くにロープウェイも見えます。もう1つは登山コース。見るからに疲れそう。しかし目を輝かせるソラ。それならとエルのお世話をかって出るあげは。エルを預けたソラは当然のようにましろの手を握ると有無を言わさず連行。こうして自然な流れで百合コースとおねショタコースに分かれます。
荷物のことで気遣うあげはを少し見直しつつもそっぽを向くツバサ。
最初の設問が見えてきます。典型的なた抜き言葉。しかしエルがぐずりだしたので中断。周囲を見回すと休憩所を発見。ツバサの荷物からおむつを出すとあげはが一旦離脱。
残されたはツバサは謎解きに挑みます。なんてことはない問題もタヌキを知らないツバサには難問。といってもあからさまに「た」が多い上にわざわざ赤字表記しているので流石に気づく。
休憩所に向かったツバサが答えを言おうとすると2人同時に「アスレチック」。スタンダードな解法を披露するあげは。「ほら私もちゃんと謎解きしてるでしょ?」。ここのにんまりした表情好き。彼女の機転、判断力が高いのは視聴者にはおなじみの光景。年長者は伊達じゃない。しかしツバサにとっては常に先回りされているようで面白くない。気を取り直して次の課題に。
アスレチックコース。
結構本格的。これ山道歩くよりキツくね? ソラは喜びそう。コース選択間違ったかもしれない。必死の思いでゴール。普通に迂回路があるのでやる意味なかったけど。必死になっている少年を見て楽しむコースにあげはさんもニッコリ。
さらに次♪と先頭を歩くあげは。不満が溜まっていくツバサ。設問発見。隠れいている綺麗なものは? 周囲は綺麗なラベンダー畑。すぐそこにはロープウェイ。集中して考えるあげは。先程までとは打って変わって静かに佇む彼女の横顔に見入るツバサ。ここは視聴者にとっても新鮮なシーン。彼女はメリハリが強いイメージ。閃くと「あれ! 乗ろう!」とロープウェイを指さしそのまま歩き出します。見当はつく。が、ツバサにとっては寝耳に水。コースから外れると注意しても暖簾に腕押し。これアレだな、あげはについていくのそれなりのスペック要求されるな。ましろは慣れているし、ソラはアクティブさでカバーできるだろうけど。
溜まっていた不満が爆発したツバサはこっちを探すと別行動。これにはあげはもちょっと反省。
ロープウェイの制御室に現れるカバトン。日常に侵入してくるタイプの敵って意外と珍しい。本人がガバガバなおかげで恐怖感はないけど。
②翼を持った少年
あげはの身勝手さをひとり愚痴るツバサ。ソラとましろ組と合流。
ああいう強引な人ってちょっと苦手…と話します。強引というか直情的という意味ではソラもどっこいだけど、常に先回りしている感のあるあげははソラと違った意味で独特のテンポ。
するとましろがフォロー。ツバサくんのこと信じていたからわかってくれると思っていたんじゃないか。エルのために奮闘したツバサを見ていたので親近感や好感度は高かった様子。言葉にしなくても気づいてくれると思ったのかもしれないとソラも説明。それにしたって距離感の詰め方雑だけど。この辺は比較的詰め方がゆっくりなツバサとは対照的。あげはは息が合うと当意即妙で阿吽の呼吸レベルだけど、ズレるとガタガタ。こうして比較するとましろの柔軟性が光る。
先程のあげはの様子を思い返したツバサは山の頂上に何かあるのではないかと気づきます。荷物を背負い山頂へ。
急な坂を手を使って登っていると……
「頑張れ! 少年」
あげはが先に居ました。改めて見るとツバサは腕輪しててあげはは指輪してるのね。
どうして…? その疑問に答える前にまずは謎解きの答え。眼下に広がる虹。「本当に綺麗」。黙っていれば良いとこの令嬢でとおりそう。最初の問いに戻ります。どうして山頂を目指してくるとわかったのか。期待を込めた視線を向けるツバサ。ソラとましろの会話から期待値が上がっています。
「ロープウェイから走ってるの見えたよ」
「えっ」
現実はそんな甘ったるくない。それでもそんな彼の姿を彼女は快く思ったでしょう。
「走るの速いんだね~」
言わねーけど。
異変。今回はランボーグが突然出現。
あげはとエルを誘拐。ツバサ単独変身。新キャラ補正はまだ継続。
攻撃をしようにも人質を盾にされては身動きができない。手をこまねいている間にランボーグはロープを伝ってカバトンのもとへ。こんな状況でも考えるのをやめないのがあげは嬢。閃くとじゃんけんを持ちかけます。ねぇ、君って言うときの表情好き。不安を抱えていても仕掛けるときにはおくびにも出さない。勝負師だな。自分はグーを出すと宣言。あからさま。おバカさんと笑ったカバトンはパーを出せとランボーグに指示。大バカさんがいらっしゃいます。
グーを出す寸前、ウィングに合図。案の定ランボーグが手を離すと落下。ウィングが急いでキャッチ。流石に肝を冷やしたあげははお礼を言います。いくらなんでも無茶しすぎ。
「でもツバサくんなら作戦に気づいてくれると思ってた。ニャハハ」
名前呼びに気づくも色んな感情がごちゃまぜになったツバサはとりあえず避難させます。
一騎打ち。ロープの上だというのに自由自在に動き回るランボーグ。パワーもあり正面から挑むには力不足。
麓に降りたソラとましろが変身。援護に駆けつけます。ロープを揺らされて足元が不安定に。跳躍して一転攻勢。そのまま地上に引きずり落とせばこっちのもの。今回はウィングの必殺技でケリ。
無事を確認。
少年が助けてくれたからね、とあげはにんまりとした笑顔をツバサに向けます。その視線から逃げるようにツバサは顔を背けてラベンダー畑を見下ろします。「ほんと、いい景色」とお姉さんスマイル。
帰りの車中。ソラ吾郎グッズに満足して眠るエル。ソラとましろも一分の隙もなく密着してお休み。最後まで粘っていたツバサも陥落寸前。そんな彼に助けてくれてありがとう。ちゃんとかっこよかったよ、とお礼を言うあげは。その言葉が聞こえたのかどうか、ツバサは鳥の姿になると眠りこけます。
ところ変わってビルの屋上。藁にくるまって寒さに耐えるカバトン。それ手に入れる方が難しくね? ここでこのシーンが入るということは最後通牒。そろそろ1クール。
③次回予告
真・流星スカイランド拳とか出しそう。東映アニメ的にはスカイランド・エクスキューションか。
今週はキュアエール。「エール・フォー・ユー」は神BGM。
○トピック
百合コースとおねショタコース。あなたはどっち?
こういうのでいいんだよおじさんもニッコリ。
変身のへの字も出てこないあげは嬢ですが、主役陣のポジションはほぼ確定。ムードメーカーでなんでも知っている(ように見える)彼女は大人とお姉さんの中間的なポジションで居るだけで場が明るくなる存在感は貫禄があります。
ソラの相談を受けたときは本人に伝えるべきだと言っていたのに、自分はそれをやらないのはあるある。頭の回転も速く度胸もある。面倒見もいい。その反面、自己完結的でひとり納得したら先に進めちゃうのが彼女の癖。本来ならツバサとは初対面も同然のはずですが、UFO事件に関わっていたのでその先入観が拍車をかけています。年上キャラが年下をからかうのは定番ですがツバサからするとなんだよオメー、知ってるならそう言えよ!なわけでちょっとウザいのも頷ける話。
ソラはもちろん、ましろも正直者で本心を真っ直ぐに伝えられるタイプですが、一見して一番陽キャに見えるあげはがそれをあまり表に出さないのは先回りできる器用さの弊害ですね。できる、そうなる、って思うとそこで情報が完結(先回りして完了)してその先に目を向けちゃうから今この瞬間や終わったことを流しちゃう。そうすると本人的にはワンテンポ遅れた反応を返すことになるからタイミングが微妙に合わない。なまじ器用だったり要領が良いと行動で解決してしまうので、案外言葉が後回しになりがち。照れくささを隠す言い訳にも使えますが。ましろやソラが説明したように「わかってくれるだろう」というのはこの手の人の甘えですね。
そういった詰めの甘さも含めて器用にこなす人柄がわかるエピソード。
第10話「むむむ!思い出の料理ってどんな味!?」
○今週のヒーロー
①歓迎会の前のお料理教室
両親宛てに近況報告を書くましろ。変身して飛べるようになっても生身での特訓を欠かさないツバサ。飛べるようになったんで実家に帰りま~す言われても困るからね。ソラの早朝ジョギングも継続中。それらに比べて自分は……。
ツバサ加入に合わせてOPも一部修正。ソラとましろのシーン同様、一緒に車乗ってるシーンは印象付けが強い。ヒーローガールスカ~イ♪のところのお立ち台、4人入るだろうか。提供にちゃっかり入り込んでいるあげはさん流石です。
ということで歓迎パーティを企画するましろ。こういうのってセンター主人公が言い出しっぺになることが多いけど、ましろが担当するところがましろらしさなんだろうと思う。
横で話を聞いていたツバサもびっくり。……お前、自室あるのに鳥小屋にいるのかよ。隠さなくなった途端堂々としすぎだろ。ましろもまだちょっと慣れないと驚き。気を使わなくても…と気を使うツバサにやりたい!とソラ。エルも賛成。話が決まれば善は急げ。ツバサも混ざると言うと、ましろが仕切り話を纏めます。みんなで準備開始。
意外とガチ目にやるのか部屋の飾り付け案をスケッチするツバサ。絵うめぇ。
食べ物は何がいい? ヤーキターイ。そっかヤーキターイか~。ちゃんと話に乗ってくれるましろは良いツッコミ役。プニバード族のお祝い料理とソラが解説。しかし実物は見たことがありません。外はふわふわ、中はしっとり甘い。最後に食べたときのことを思い出すツバサ。絵のコンクールで入選したときに祝ってもらったらしい。絵そっちのけで飛ぶ練習をしていたのかと思いきややることはやっていたらしい。思い出に浸るツバサ。ホームシックというわけではなく、お婆ちゃんの鏡で両親とは連絡を取っていると話します。そりゃそうか。1年以上行方不明ってわけにもいかない。細かいことはお婆ちゃんに全部投げればどうにかしてくれる説。
それならヤーキターイを作ってみようと発案するましろ。作り方はツバサも知りませんがソラの後押しもあり前に進むことに。お婆ちゃんに聞いてみよう。
鏡で検索すると作り方が載ってました。この鏡スカイランドで一般流通しているものなんだろうか。自作なら特許とって売れば一財産になりそうだけど。でもこの人のことだから自分の楽しみのために独占してそう。
画像を見たソラは初めて見た!と興味津々。ツバサも誇らしげに語ります。ところがましろにはたい焼きにしか見えない。お婆ちゃんも頷きながら両者の比較画像を見せます。とはいえ材料が異なるので味も違う。とりあえずたい焼きを作ることに。
たい焼き器を使って自作。
食べるところをふたりにじっと見つめられてギョッとするツバサ。たい焼きだけに(今週これが言いたかった)。一口。間をおいて美味しいです!と感嘆の声を上げます。でもヤーキターイと同じ味かと言えば違う。ちょっとがっかりするふたり。しかしここからがスタート。これをベースに調整していけばヤーキターイが作れるとましろは言います。こういう仕事なら拓海を呼びたくなる。あいつならキッチリ再現してくれそう。それはそれとしてパーティ始まる前にお腹が膨れそう。
味の違いは中のあん。
様々な材料であん作り。歓迎パーティというよりお料理教室。
今度は一気に10種類。これ絶対本番前に飽きる。どれも美味しいけどどれもハズレ。さらなる追求のために買い出し。
果物もいいのでは?と歩きながら案を出すましろ。するとソラはシャケ!と提案。おにぎりかな? もうそれ自分が好きなやつだろ。口には出さないけど内心ではそう思ってそうなましろ。残り時間を考えれば結構カツカツ。不安になりながらも自分に喝を入れます。
そんなましろにお礼を言うツバサ。元々は歓迎会だったわけで故郷の味まで再現しようとするのはかなりの労力。思い起こせばこちらに来たときもくもパンを作ってもらったと話すソラ。そういやそんなのあった。ましろって意外と凝り性というか、妥協しないところがある。ましろの料理を褒めるソラとツバサ。彼女が料理を初めてしたのは両親のためにおにぎりを作ろうとしたとき。前作のキーアイテム出てくるのいいよね。両親と一緒に作ったことが良い思い出になったようです。ましろ=料理のイメージが強くなってきました。
その話を聞いたツバサはハッとします。気づきました。僕はヤーキターイを食べたかったんじゃなくて……。
そこに焼き芋の屋台を引いたカバトンが登場。その器用さを別なところで発揮できればもう少しマシな人生になるんじゃない?
新アイキャッチ。スカイイケメン。
②「今大事なお話し中」が場に出ている間、いかなる攻撃も受けない
スピーカーで呼びかけるカバトンを無視して話を進めるソラとましろ。この流れで無視できる精神力すごい。
今大事なところなので後にしてください、と迷惑そうに返すソラ。プリキュアにおいて「今大事なお話し中」は最強カード。戦闘中だろうが最終決戦だろうが強制割り込み可能。それでも食い下がろうとするカバトンにましろからも注意。慣れって怖いよね。痺れを切らせたカバトンがランボーグ召喚。
しょうがないので今週のノルマ。今回はましろが音頭を取ります。これいいね。自然にその回の中心人物をメインにできる。スカイのニーソ着用→ウィングのスカートの流れがおそろしいほど自然。ウィングを加えて3人で名乗りを上げます。
ランボーグが先制。ひらりと躱すと、ウィングが引き付け隙をついてスカイが攻撃。良い連携。プリズムも光弾で対抗。しかし徐々にパワー負け。そこにウィングが横槍。新キャラ補正があるのでイケイケ。スカイもそこに続き、ランボーグとカバトンを包囲。
追い詰められたカバトンは焼き芋を食べるとおならで撹乱。またベタな手を。でもわりと敵としては面倒なタイプ。反撃に出たランボーグの攻撃を回避するスカイとウィング。プリズムも光弾で相殺するも煙幕が仇となり接近を許してしまいます。至近距離からの打撃。
まだ終わってない。まだ戦えると闘志をみなぎらせるプリズム。2人が合流するとここからだよ!と声をかけます。そこに「空も飛べねぇ、身軽でもねぇ、な~んにもできねぇYOEEE雑魚が何言ってやがる」と割り込むカバトン。スカイの悪口やめろ。
凹むプリズムに代わってスカイとウィングが弁護。例によって優しさアピール。この子の優しさは粘り強さ、諦めの悪さ的な印象。実は積極性に関してもソラと遜色がない。プリズムが立ち直ると形勢逆転。ウィングが足止めしてコンビ技でトドメ。
屋台を引きながら「この屁~んで許してやる!」と尻尾巻いて逃げるカバトン。字幕ないと気づかないネタだな、おい。
「じゃあ、買い物に行こうか」
この日常感。
夕日を見つめながら話の続きをするツバサ。ヤーキターイを食べたかったんじゃなくて、家族で食べたあの楽しい時間をすごしたかった。昼間の体験を思い出と重ねると、ましろさんのおかげでそのことに気づけたと感謝を伝えます。これが僕らのヤーキターイ。
家に帰ると歓迎パーティ。様々にアレンジしたたい焼きがズラリ。絶対人数分以上あるぞ。2日くらい同じメニュー食べそう。
「〈パパ、ママ。今日は私の中の輝きを一つ信じられる日になりました〉」
③次回予告
ふーん、おねショタじゃん。
スターは相変わらず変な声(褒め言葉)。あの声の変身歌がくせになるんだよな。
○トピック
ツバサ回に見せかけてましろ回に見せかけておねショタに全部持ってかれた回。
蚊帳の外だったましろとツバサを繋ぐエピソード。
とても上手いと思うのは両親宛ての手紙という体でましろの内心を吐露させていること。明確な夢や目標がない彼女の内面を描くのにうってつけ。またこれは次々と異世界人と出会うましろの視点にもなっています。日常の中でギャップに驚くソラと対照的な描写でもあり、ふたりの生活感の違いを描く点でも上手く差別化できています。自分の時間(内省する時間)を持っている描写は登場人物の内面に奥行きと自律性を持たせられるので好きな描写ですね。
ましろの中にある空白は彼女自身が折り合いをつけていくべきもので、それを日常の中から少しずつ満たしていく展開は控えめながらも爽やかな味わい。作中では優しさが強調されていますが、彼女のこうした内面的な落ち着き、強さ、安定感はソラとは異なる頼りがいを印象付けています。凹むことはあっても音を上げない。
あと思いのほかツバサが自然で、全く異物感がないのは良くも悪くもプリキュア。男の子が加わろうが女の子のためのアニメであることに変わりはない。この辺はあげはが絡めばもう少し色がついてくると思いますが現状は違和感なく溶け込んでいますね。
①歓迎会の前のお料理教室
両親宛てに近況報告を書くましろ。変身して飛べるようになっても生身での特訓を欠かさないツバサ。飛べるようになったんで実家に帰りま~す言われても困るからね。ソラの早朝ジョギングも継続中。それらに比べて自分は……。
ツバサ加入に合わせてOPも一部修正。ソラとましろのシーン同様、一緒に車乗ってるシーンは印象付けが強い。ヒーローガールスカ~イ♪のところのお立ち台、4人入るだろうか。提供にちゃっかり入り込んでいるあげはさん流石です。
ということで歓迎パーティを企画するましろ。こういうのってセンター主人公が言い出しっぺになることが多いけど、ましろが担当するところがましろらしさなんだろうと思う。
横で話を聞いていたツバサもびっくり。……お前、自室あるのに鳥小屋にいるのかよ。隠さなくなった途端堂々としすぎだろ。ましろもまだちょっと慣れないと驚き。気を使わなくても…と気を使うツバサにやりたい!とソラ。エルも賛成。話が決まれば善は急げ。ツバサも混ざると言うと、ましろが仕切り話を纏めます。みんなで準備開始。
意外とガチ目にやるのか部屋の飾り付け案をスケッチするツバサ。絵うめぇ。
食べ物は何がいい? ヤーキターイ。そっかヤーキターイか~。ちゃんと話に乗ってくれるましろは良いツッコミ役。プニバード族のお祝い料理とソラが解説。しかし実物は見たことがありません。外はふわふわ、中はしっとり甘い。最後に食べたときのことを思い出すツバサ。絵のコンクールで入選したときに祝ってもらったらしい。絵そっちのけで飛ぶ練習をしていたのかと思いきややることはやっていたらしい。思い出に浸るツバサ。ホームシックというわけではなく、お婆ちゃんの鏡で両親とは連絡を取っていると話します。そりゃそうか。1年以上行方不明ってわけにもいかない。細かいことはお婆ちゃんに全部投げればどうにかしてくれる説。
それならヤーキターイを作ってみようと発案するましろ。作り方はツバサも知りませんがソラの後押しもあり前に進むことに。お婆ちゃんに聞いてみよう。
鏡で検索すると作り方が載ってました。この鏡スカイランドで一般流通しているものなんだろうか。自作なら特許とって売れば一財産になりそうだけど。でもこの人のことだから自分の楽しみのために独占してそう。
画像を見たソラは初めて見た!と興味津々。ツバサも誇らしげに語ります。ところがましろにはたい焼きにしか見えない。お婆ちゃんも頷きながら両者の比較画像を見せます。とはいえ材料が異なるので味も違う。とりあえずたい焼きを作ることに。
たい焼き器を使って自作。
食べるところをふたりにじっと見つめられてギョッとするツバサ。たい焼きだけに(今週これが言いたかった)。一口。間をおいて美味しいです!と感嘆の声を上げます。でもヤーキターイと同じ味かと言えば違う。ちょっとがっかりするふたり。しかしここからがスタート。これをベースに調整していけばヤーキターイが作れるとましろは言います。こういう仕事なら拓海を呼びたくなる。あいつならキッチリ再現してくれそう。それはそれとしてパーティ始まる前にお腹が膨れそう。
味の違いは中のあん。
様々な材料であん作り。歓迎パーティというよりお料理教室。
今度は一気に10種類。これ絶対本番前に飽きる。どれも美味しいけどどれもハズレ。さらなる追求のために買い出し。
果物もいいのでは?と歩きながら案を出すましろ。するとソラはシャケ!と提案。おにぎりかな? もうそれ自分が好きなやつだろ。口には出さないけど内心ではそう思ってそうなましろ。残り時間を考えれば結構カツカツ。不安になりながらも自分に喝を入れます。
そんなましろにお礼を言うツバサ。元々は歓迎会だったわけで故郷の味まで再現しようとするのはかなりの労力。思い起こせばこちらに来たときもくもパンを作ってもらったと話すソラ。そういやそんなのあった。ましろって意外と凝り性というか、妥協しないところがある。ましろの料理を褒めるソラとツバサ。彼女が料理を初めてしたのは両親のためにおにぎりを作ろうとしたとき。前作のキーアイテム出てくるのいいよね。両親と一緒に作ったことが良い思い出になったようです。ましろ=料理のイメージが強くなってきました。
その話を聞いたツバサはハッとします。気づきました。僕はヤーキターイを食べたかったんじゃなくて……。
そこに焼き芋の屋台を引いたカバトンが登場。その器用さを別なところで発揮できればもう少しマシな人生になるんじゃない?
新アイキャッチ。スカイイケメン。
②「今大事なお話し中」が場に出ている間、いかなる攻撃も受けない
スピーカーで呼びかけるカバトンを無視して話を進めるソラとましろ。この流れで無視できる精神力すごい。
今大事なところなので後にしてください、と迷惑そうに返すソラ。プリキュアにおいて「今大事なお話し中」は最強カード。戦闘中だろうが最終決戦だろうが強制割り込み可能。それでも食い下がろうとするカバトンにましろからも注意。慣れって怖いよね。痺れを切らせたカバトンがランボーグ召喚。
しょうがないので今週のノルマ。今回はましろが音頭を取ります。これいいね。自然にその回の中心人物をメインにできる。スカイのニーソ着用→ウィングのスカートの流れがおそろしいほど自然。ウィングを加えて3人で名乗りを上げます。
ランボーグが先制。ひらりと躱すと、ウィングが引き付け隙をついてスカイが攻撃。良い連携。プリズムも光弾で対抗。しかし徐々にパワー負け。そこにウィングが横槍。新キャラ補正があるのでイケイケ。スカイもそこに続き、ランボーグとカバトンを包囲。
追い詰められたカバトンは焼き芋を食べるとおならで撹乱。またベタな手を。でもわりと敵としては面倒なタイプ。反撃に出たランボーグの攻撃を回避するスカイとウィング。プリズムも光弾で相殺するも煙幕が仇となり接近を許してしまいます。至近距離からの打撃。
まだ終わってない。まだ戦えると闘志をみなぎらせるプリズム。2人が合流するとここからだよ!と声をかけます。そこに「空も飛べねぇ、身軽でもねぇ、な~んにもできねぇYOEEE雑魚が何言ってやがる」と割り込むカバトン。スカイの悪口やめろ。
凹むプリズムに代わってスカイとウィングが弁護。例によって優しさアピール。この子の優しさは粘り強さ、諦めの悪さ的な印象。実は積極性に関してもソラと遜色がない。プリズムが立ち直ると形勢逆転。ウィングが足止めしてコンビ技でトドメ。
屋台を引きながら「この屁~んで許してやる!」と尻尾巻いて逃げるカバトン。字幕ないと気づかないネタだな、おい。
「じゃあ、買い物に行こうか」
この日常感。
夕日を見つめながら話の続きをするツバサ。ヤーキターイを食べたかったんじゃなくて、家族で食べたあの楽しい時間をすごしたかった。昼間の体験を思い出と重ねると、ましろさんのおかげでそのことに気づけたと感謝を伝えます。これが僕らのヤーキターイ。
家に帰ると歓迎パーティ。様々にアレンジしたたい焼きがズラリ。絶対人数分以上あるぞ。2日くらい同じメニュー食べそう。
「〈パパ、ママ。今日は私の中の輝きを一つ信じられる日になりました〉」
③次回予告
ふーん、おねショタじゃん。
スターは相変わらず変な声(褒め言葉)。あの声の変身歌がくせになるんだよな。
○トピック
ツバサ回に見せかけてましろ回に見せかけておねショタに全部持ってかれた回。
蚊帳の外だったましろとツバサを繋ぐエピソード。
とても上手いと思うのは両親宛ての手紙という体でましろの内心を吐露させていること。明確な夢や目標がない彼女の内面を描くのにうってつけ。またこれは次々と異世界人と出会うましろの視点にもなっています。日常の中でギャップに驚くソラと対照的な描写でもあり、ふたりの生活感の違いを描く点でも上手く差別化できています。自分の時間(内省する時間)を持っている描写は登場人物の内面に奥行きと自律性を持たせられるので好きな描写ですね。
ましろの中にある空白は彼女自身が折り合いをつけていくべきもので、それを日常の中から少しずつ満たしていく展開は控えめながらも爽やかな味わい。作中では優しさが強調されていますが、彼女のこうした内面的な落ち着き、強さ、安定感はソラとは異なる頼りがいを印象付けています。凹むことはあっても音を上げない。
あと思いのほかツバサが自然で、全く異物感がないのは良くも悪くもプリキュア。男の子が加わろうが女の子のためのアニメであることに変わりはない。この辺はあげはが絡めばもう少し色がついてくると思いますが現状は違和感なく溶け込んでいますね。
第9話「勇気の翼、飛べキュアウィング!!」
○今週のヒーロー
①空が飛べないヒーロー
意を決して飛び立つツバサ。が、あえなく落下。ここで飛べたら話が終わっちゃうからね。
ちょっと落ち込んだものの、今はそんな場合じゃないと立ち上がるツバサ。急がねば。しかし道は長く歩いて行っては遅い。ポクポクポクチーン。丸まって転がれば速い。鳥であること捨てた方が色々捗りそう。プニバード族ってたぶん器用さにステータス振ってると思うんだよなぁ。
UFOランボーグと交戦中のプリキュア。
同時に跳躍するとプリズムを足場にして二段ジャンプ。しかしUFOはそれ以上の高度に上がって回避。こちらもあえなく落下。スカイパンチは落下速度を上乗せするタイプだしなぁ。500キロカロリーパンチみたいにそれ自体が推進力持っていればパンチ連打で空中移動も可能なんだが(アクションゲームで特殊攻撃が移動手段になるアレ)。
落下するスカイにカバトンが容赦なく攻撃。すべてを回避しきれずかすって体勢を崩してしまいます。地上からプリズムが光弾を打ち出して援護。それを足場にすると無事着地。今作は盾役不在ですが実質プリズムが万能ポジション。光弾(物理属性)=足場はプリキュアの共通認識。
こちらの攻撃が終わるのと同時にUFOが充電。危険を感じ取ったふたりは急いで離脱。案の定さきほどまで居たところに着弾。大爆発。爆風を受けたプリキュアはダウン。街中でも関係なく平然と大規模破壊してるの割り切ってて面白い。トドメのチャンス。警報音。現場にやってきたエルを感知。ターゲットをそちらに切り替えるカバトン。すると再び警報。
(半分薄汚れた)ツバサが意気揚々と勝負を挑みます。どうやって? 自分で自分にツッコミを入れるツバサ。しかしヘイトをかうことに成功。逆にエルが助けに入ります。赤ちゃんが登場する作品(HUGやフレッシュ)はお守役が必要だったけど、今は自立運転する時代に。
逃げろと呼びかけるツバサ。それはエルも同じ意見。今回のエピソードはエルとツバサの関係に軸足を置いているのでエルの主張性が強い。今まで守られるポジションでしたがだいぶ印象が上書きされています。スリングに飛び乗ると急激に減速。悪ぃ、これ1人乗り用なんだ。流石に2人乗ることを想定して作られてない。2人纏めてカバトンが回収。
プリキュアが目を覚ますとあげはが必死に呼びかける姿が映ります。
簡単に事情を説明。今まさにエルとツバサがUFOに回収されるところ。なぜツバサまで? その疑問に質問は無しと現実に起きていることを優先するあげは。この人マジで切り替え速ぇ。
ビルの屋上に移動。あげは立案の作戦を実行。ふたりで同時に跳躍。ここまではさきほどと同じ。さらに追加で光弾を発射。しかしその反動でプリズムは受け身を取ることも出来ないまま床に激突。こうなることは予測していたのでしょう。その様子を心苦しそうに見るあげは。その間も光弾の勢いを借りて上昇したスカイは最後に跳躍。それでも届かずスカイもまた床に激突。
この結果に「中止!」と自分の作戦の無茶さを悔やむあげは。しかし彼女たちにはこれしかない。スカイとプリズムはめげずに再挑戦。彼女たちの気力に圧倒されるあげは。去年のマリーみたいなポジションになってていいですね。変身しなくてもちゃんと関係の下積みと実戦の空気を感じ取っている。この人変身したら絶対強そう感あるもんなぁ。
②姫と騎士
泣くエルに寄り添うツバサ。内心では忸怩たる思い。助けに来たはずが足手まとい。そこにバナナを食べながら現れるカバトン。ツバサがプニバード族だと気づくと空を飛べないダッサダサな鳥と笑います。今はそんな話してねぇ、エルちゃんは渡さない!と庇うツバサ。が、秒でボコられます。残念ながら当然。
無力なくせになぜそんなに頑張るのか。あれか? プリンセスに恩を売って王様からご褒美もらうつもりか? 小さな子が知らない世界に放り出されて助けたいって思うのは当然じゃないか!と言い返すツバサ。そんな彼にカバトンは冷や水を浴びせるようにバナナの皮を被せ、冷めた声で「わからん」とだけ答えてエルを連れて去っていきます。
「お前、なんか嫌い」
追いかけようとしたツバサの足元が開くと落下。完全に興が削がれたカバトンは泣きじゃくるエルをシャボン玉に閉じ込めます。ただのやられ役って扱いでもなさそう。エルを手に入れればこちらのもの。アンダーグ帝国へ。
スリングに乗って危機を脱するツバサ。
しかしもう自分にできることはない。あとはプリキュアに……その瞬間連れ去られるエルの姿がフラッシュバック。
カバトンは通信を開いて報告。早速ご褒美の打診を始めます。用済みになったら捨てられそう。
その隙にツバサが侵入。索敵警報はあるのに侵入警報がないザルセキュリティ。シャボン玉が割れる音に気づかれ逃走劇の開始。さきほど自分で捨てたバナナの皮で滑って転ぶカバトン。たぶんこいつの人生こんな感じ。
窓の穴を通って外に。その穴どうやって開けたんだ。エルを逃がそうとするも当然拒否されます。カバトンがすぐそこまで迫ってくるとツバサはスリングに掴まって一緒に脱出を図ります。落下はしないもののスピードが出ない。一旦引き返したカバトンがUFOを操って追いかけてきます。
追い詰められたツバサは覚悟を決めると自ら手を離します。
「結局飛べなかったな……」
走馬灯のように蘇る苦い記憶。それを受け入れるように足掻くこともせず落下するツバサ。諦めんなよ、とばかりに空中停止させるエル。今週のエルちゃん凛々しい。しかし足が止まってしまったためUFOが追いついてしまいます。脇役なんぞ放っておいて逃げればよかったのに、と笑うカバトン。涙をこぼすエル。ツバサの堪忍袋の緖が切れます。
出現するミラージュペン。
「もし僕に最期が訪れたとして……そのときに思い出すのは僕を笑った人たちの顔じゃない」
「プリンセス。僕を守ろうとしてくれたあなたの顔です!」
「でもそれは今じゃない」
「だってこれからは僕があなたを守るんだから!」
これは意外な展開。プリキュア(ソラ)との絡みじゃなくてエルとの絡みで来たか。でもこれはメタ的に言えば最も効果的なアピール。ツバサが人間じゃないのはおそらく商業的に男の子として売るより妖精である方が女児に受け入れやすいからだと思われます。そりゃ女の子がごっこ遊びするなら女の子のプリキュアの真似をするに決まってる。しかしカッコいい男の子としても印象づけたい。リカちゃん人形でいうボーイフレンド役みたいな。そうエルちゃんとセットで遊べるような。
ボタンを連打して回収を急ぐカバトン。そこに3段ロケット式パンチを食らわせるスカイ。今度は成功。衝撃で回収装置が停止。UFOの底に張り付いたままエルに呼びかけるスカイ。
「ぷいきゅあ~~!」
「プリンセス・エル。あなたのナイトが参ります!」
③天翔けるプリキュア
「スカイミラージュ!」
「トーンコネクト!」「ひろがるチェンジ!」「WING!」
ここで両目を見せる演出。一気に中性的な印象に。初の男子プリキュア変身。
「きらめきHOP!」
「さわやかSTEP!」
衣装が一番アイドルっぽい。フリルがついた短パンがスカートにも見えるデザイン。
「はればれJUMP!」
変身でも飛翔を演出。少年アイドルっぽいけどスカイの方が男前に見える不思議。
「天高くひろがる勇気! キュアウィング!」
変身してしまえばこっちのもの。自由自在に空を駆けるとプリンセスを救出。
「空を飛ぶプリキュア……」
その姿にスカイは思わず感極まります。
「ツバサくん…頑張ったね!」
これ(変身)が自分の力で成したことかと言えば微妙なところですが、変身ものにおいて変身は将来(理想)の先取り。今は不思議パワーが上回っていてもいずれは自分自身が変身を上回るのがお約束。変身しているから飛べる、変身できるからヒーロー、そうじゃないことを証明するのがプリキュアのお仕事。
めり込んでいた拳が抜けると落下。スカイもウィングがキャッチ。
地上に降り立つとそこで自分が飛べたことを実感したのか呆けるツバサ。地上で待機していたプリズムとあげはが駆け寄ってきます。必死だったという父の言葉を思い出すウィング。これは良い上書き。前回のやり取りだと半ば突き放すような印象の言葉でしたが、当事者になることでその言葉の意味を実感する流れになっていますね。飛びたくて飛んだのではなく、守りたい人を守りたくてそうなった。それはツバサも同じ。
認めねぇ!と絶叫するカバトン。
充電。しかしこちらにはウィングがいる。エルの声援を受けたウィングが飛び立つと「一度やると心に決めたことは絶対に諦めない。それがヒーロー」。その心得を唱えると新たな誓いを立てます。
「プリンセスを守るのはキュアウィングだー!」
「ひろがる! ウィングアターック!」
体当たりでUFOを貫通。カバトンが脱出すると抜け殻になった本体をスカイとプリズムが処理。そういやこれランボーグだった。円盤が円盤を飲み込むシュールな絵面。
プリンセスエルちゃんノートと題した成長日記に記録を書き込むましろ。
その後ろではソラとツバサに見守られながらエルが掴まり立ち。失敗してもツバサがいるから大丈夫。すっかり信頼しているエル。流石はナイト!と瞳をキラキラさせながら見るソラ。こちらも好感度が一気に上がっている様子。そんな彼女にお礼を言うツバサ。戸惑う彼女にもう一度お礼を言うと手を差し出します。
「はい!」
今度は彼の手をソラが握り返します。
○トピック
ましろ「(私だけ絡みが)特に無い!?」
後編・キュアウィング登場回。
つまりエルとあげはによるツバサくん争奪戦が今後控えていると。百合と姫騎士とおねショタ三角関係を同時展開とか欲張りセットかよ。
空を飛ぶだけに留まらず、姫を守るナイトの誓いを立てることで一気にキャラを飛躍させることに成功。これによってエルの保護をソラとツバサで分担できるので負担が減った分ソラはましろとの関係も強められる。一石二鳥の妙手。やるな東堂いづみ。
前回のソラの励ましに続きエルも加えて夢を実現。人間関係の広がり的にも良いさじ加減。特にエルは赤ちゃんなので本来コミュニケーションとしては受け手側ですが、鳥形態のツバサとは違和感なくそれができる。この展開なら人間の少年よりも不思議系生物の方が流れ的に自然ですね。誰だよ無難とか日和ったとか言った奴、センスねえ(何敗目だよ)。
主人公に依存した人間関係ではなく、多層的かつそれぞれに作用点が異なる人間関係になっているのは本作の大きな特徴。エルがこの関係の中に加わったことで一気に視野が広がった印象があります。番組当初の第一印象はソラとましろ、ツバサとあげはでツーペアな組み合わせかと思いましたが多視点的に交流していきそうな雰囲気。カバトンも別な顔を見せ始め、物語が広がってきました。
①空が飛べないヒーロー
意を決して飛び立つツバサ。が、あえなく落下。ここで飛べたら話が終わっちゃうからね。
ちょっと落ち込んだものの、今はそんな場合じゃないと立ち上がるツバサ。急がねば。しかし道は長く歩いて行っては遅い。ポクポクポクチーン。丸まって転がれば速い。鳥であること捨てた方が色々捗りそう。プニバード族ってたぶん器用さにステータス振ってると思うんだよなぁ。
UFOランボーグと交戦中のプリキュア。
同時に跳躍するとプリズムを足場にして二段ジャンプ。しかしUFOはそれ以上の高度に上がって回避。こちらもあえなく落下。スカイパンチは落下速度を上乗せするタイプだしなぁ。500キロカロリーパンチみたいにそれ自体が推進力持っていればパンチ連打で空中移動も可能なんだが(アクションゲームで特殊攻撃が移動手段になるアレ)。
落下するスカイにカバトンが容赦なく攻撃。すべてを回避しきれずかすって体勢を崩してしまいます。地上からプリズムが光弾を打ち出して援護。それを足場にすると無事着地。今作は盾役不在ですが実質プリズムが万能ポジション。光弾(物理属性)=足場はプリキュアの共通認識。
こちらの攻撃が終わるのと同時にUFOが充電。危険を感じ取ったふたりは急いで離脱。案の定さきほどまで居たところに着弾。大爆発。爆風を受けたプリキュアはダウン。街中でも関係なく平然と大規模破壊してるの割り切ってて面白い。トドメのチャンス。警報音。現場にやってきたエルを感知。ターゲットをそちらに切り替えるカバトン。すると再び警報。
(半分薄汚れた)ツバサが意気揚々と勝負を挑みます。どうやって? 自分で自分にツッコミを入れるツバサ。しかしヘイトをかうことに成功。逆にエルが助けに入ります。赤ちゃんが登場する作品(HUGやフレッシュ)はお守役が必要だったけど、今は自立運転する時代に。
逃げろと呼びかけるツバサ。それはエルも同じ意見。今回のエピソードはエルとツバサの関係に軸足を置いているのでエルの主張性が強い。今まで守られるポジションでしたがだいぶ印象が上書きされています。スリングに飛び乗ると急激に減速。悪ぃ、これ1人乗り用なんだ。流石に2人乗ることを想定して作られてない。2人纏めてカバトンが回収。
プリキュアが目を覚ますとあげはが必死に呼びかける姿が映ります。
簡単に事情を説明。今まさにエルとツバサがUFOに回収されるところ。なぜツバサまで? その疑問に質問は無しと現実に起きていることを優先するあげは。この人マジで切り替え速ぇ。
ビルの屋上に移動。あげは立案の作戦を実行。ふたりで同時に跳躍。ここまではさきほどと同じ。さらに追加で光弾を発射。しかしその反動でプリズムは受け身を取ることも出来ないまま床に激突。こうなることは予測していたのでしょう。その様子を心苦しそうに見るあげは。その間も光弾の勢いを借りて上昇したスカイは最後に跳躍。それでも届かずスカイもまた床に激突。
この結果に「中止!」と自分の作戦の無茶さを悔やむあげは。しかし彼女たちにはこれしかない。スカイとプリズムはめげずに再挑戦。彼女たちの気力に圧倒されるあげは。去年のマリーみたいなポジションになってていいですね。変身しなくてもちゃんと関係の下積みと実戦の空気を感じ取っている。この人変身したら絶対強そう感あるもんなぁ。
②姫と騎士
泣くエルに寄り添うツバサ。内心では忸怩たる思い。助けに来たはずが足手まとい。そこにバナナを食べながら現れるカバトン。ツバサがプニバード族だと気づくと空を飛べないダッサダサな鳥と笑います。今はそんな話してねぇ、エルちゃんは渡さない!と庇うツバサ。が、秒でボコられます。残念ながら当然。
無力なくせになぜそんなに頑張るのか。あれか? プリンセスに恩を売って王様からご褒美もらうつもりか? 小さな子が知らない世界に放り出されて助けたいって思うのは当然じゃないか!と言い返すツバサ。そんな彼にカバトンは冷や水を浴びせるようにバナナの皮を被せ、冷めた声で「わからん」とだけ答えてエルを連れて去っていきます。
「お前、なんか嫌い」
追いかけようとしたツバサの足元が開くと落下。完全に興が削がれたカバトンは泣きじゃくるエルをシャボン玉に閉じ込めます。ただのやられ役って扱いでもなさそう。エルを手に入れればこちらのもの。アンダーグ帝国へ。
スリングに乗って危機を脱するツバサ。
しかしもう自分にできることはない。あとはプリキュアに……その瞬間連れ去られるエルの姿がフラッシュバック。
カバトンは通信を開いて報告。早速ご褒美の打診を始めます。用済みになったら捨てられそう。
その隙にツバサが侵入。索敵警報はあるのに侵入警報がないザルセキュリティ。シャボン玉が割れる音に気づかれ逃走劇の開始。さきほど自分で捨てたバナナの皮で滑って転ぶカバトン。たぶんこいつの人生こんな感じ。
窓の穴を通って外に。その穴どうやって開けたんだ。エルを逃がそうとするも当然拒否されます。カバトンがすぐそこまで迫ってくるとツバサはスリングに掴まって一緒に脱出を図ります。落下はしないもののスピードが出ない。一旦引き返したカバトンがUFOを操って追いかけてきます。
追い詰められたツバサは覚悟を決めると自ら手を離します。
「結局飛べなかったな……」
走馬灯のように蘇る苦い記憶。それを受け入れるように足掻くこともせず落下するツバサ。諦めんなよ、とばかりに空中停止させるエル。今週のエルちゃん凛々しい。しかし足が止まってしまったためUFOが追いついてしまいます。脇役なんぞ放っておいて逃げればよかったのに、と笑うカバトン。涙をこぼすエル。ツバサの堪忍袋の緖が切れます。
出現するミラージュペン。
「もし僕に最期が訪れたとして……そのときに思い出すのは僕を笑った人たちの顔じゃない」
「プリンセス。僕を守ろうとしてくれたあなたの顔です!」
「でもそれは今じゃない」
「だってこれからは僕があなたを守るんだから!」
これは意外な展開。プリキュア(ソラ)との絡みじゃなくてエルとの絡みで来たか。でもこれはメタ的に言えば最も効果的なアピール。ツバサが人間じゃないのはおそらく商業的に男の子として売るより妖精である方が女児に受け入れやすいからだと思われます。そりゃ女の子がごっこ遊びするなら女の子のプリキュアの真似をするに決まってる。しかしカッコいい男の子としても印象づけたい。リカちゃん人形でいうボーイフレンド役みたいな。そうエルちゃんとセットで遊べるような。
ボタンを連打して回収を急ぐカバトン。そこに3段ロケット式パンチを食らわせるスカイ。今度は成功。衝撃で回収装置が停止。UFOの底に張り付いたままエルに呼びかけるスカイ。
「ぷいきゅあ~~!」
「プリンセス・エル。あなたのナイトが参ります!」
③天翔けるプリキュア
「スカイミラージュ!」
「トーンコネクト!」「ひろがるチェンジ!」「WING!」
ここで両目を見せる演出。一気に中性的な印象に。初の男子プリキュア変身。
「きらめきHOP!」
「さわやかSTEP!」
衣装が一番アイドルっぽい。フリルがついた短パンがスカートにも見えるデザイン。
「はればれJUMP!」
変身でも飛翔を演出。少年アイドルっぽいけどスカイの方が男前に見える不思議。
「天高くひろがる勇気! キュアウィング!」
変身してしまえばこっちのもの。自由自在に空を駆けるとプリンセスを救出。
「空を飛ぶプリキュア……」
その姿にスカイは思わず感極まります。
「ツバサくん…頑張ったね!」
これ(変身)が自分の力で成したことかと言えば微妙なところですが、変身ものにおいて変身は将来(理想)の先取り。今は不思議パワーが上回っていてもいずれは自分自身が変身を上回るのがお約束。変身しているから飛べる、変身できるからヒーロー、そうじゃないことを証明するのがプリキュアのお仕事。
めり込んでいた拳が抜けると落下。スカイもウィングがキャッチ。
地上に降り立つとそこで自分が飛べたことを実感したのか呆けるツバサ。地上で待機していたプリズムとあげはが駆け寄ってきます。必死だったという父の言葉を思い出すウィング。これは良い上書き。前回のやり取りだと半ば突き放すような印象の言葉でしたが、当事者になることでその言葉の意味を実感する流れになっていますね。飛びたくて飛んだのではなく、守りたい人を守りたくてそうなった。それはツバサも同じ。
認めねぇ!と絶叫するカバトン。
充電。しかしこちらにはウィングがいる。エルの声援を受けたウィングが飛び立つと「一度やると心に決めたことは絶対に諦めない。それがヒーロー」。その心得を唱えると新たな誓いを立てます。
「プリンセスを守るのはキュアウィングだー!」
「ひろがる! ウィングアターック!」
体当たりでUFOを貫通。カバトンが脱出すると抜け殻になった本体をスカイとプリズムが処理。そういやこれランボーグだった。円盤が円盤を飲み込むシュールな絵面。
プリンセスエルちゃんノートと題した成長日記に記録を書き込むましろ。
その後ろではソラとツバサに見守られながらエルが掴まり立ち。失敗してもツバサがいるから大丈夫。すっかり信頼しているエル。流石はナイト!と瞳をキラキラさせながら見るソラ。こちらも好感度が一気に上がっている様子。そんな彼女にお礼を言うツバサ。戸惑う彼女にもう一度お礼を言うと手を差し出します。
「はい!」
今度は彼の手をソラが握り返します。
○トピック
ましろ「(私だけ絡みが)特に無い!?」
後編・キュアウィング登場回。
つまりエルとあげはによるツバサくん争奪戦が今後控えていると。百合と姫騎士とおねショタ三角関係を同時展開とか欲張りセットかよ。
空を飛ぶだけに留まらず、姫を守るナイトの誓いを立てることで一気にキャラを飛躍させることに成功。これによってエルの保護をソラとツバサで分担できるので負担が減った分ソラはましろとの関係も強められる。一石二鳥の妙手。やるな東堂いづみ。
前回のソラの励ましに続きエルも加えて夢を実現。人間関係の広がり的にも良いさじ加減。特にエルは赤ちゃんなので本来コミュニケーションとしては受け手側ですが、鳥形態のツバサとは違和感なくそれができる。この展開なら人間の少年よりも不思議系生物の方が流れ的に自然ですね。誰だよ無難とか日和ったとか言った奴、センスねえ(何敗目だよ)。
主人公に依存した人間関係ではなく、多層的かつそれぞれに作用点が異なる人間関係になっているのは本作の大きな特徴。エルがこの関係の中に加わったことで一気に視野が広がった印象があります。番組当初の第一印象はソラとましろ、ツバサとあげはでツーペアな組み合わせかと思いましたが多視点的に交流していきそうな雰囲気。カバトンも別な顔を見せ始め、物語が広がってきました。
第8話「飛べない鳥と、ふしぎな少年」
○今週のヒーロー
①しゃべる鳥
空を見上げる異世界鳥。
家の中ではエルがベッドの上にあるガラガラを取ろうとチャレンジするも失敗して体勢を崩してしまいます。間一髪助けたのは見知らぬ少年。お前……目隠れ属性だったんか。
ソラが階段を駆け上がってミルクを持ってくると少年はどこかに消えています。人の気配を感じたソラは違和感。窓の外に居た鳥に呼びかけても当然返事は返ってきません。
夕食。
昼間のことを話すソラ。掴まり立ちして自分で取ったのだろうとましろは解釈。これも成長の証。できることが増えているからこれまで以上に目を離さないようにしようと楽しそうに答えます。しかしソラは腑に落ちない様子。そんな彼女をましろは気の所為と笑って流すと、鳥に話しかけたことが可愛いとそちらに興味を持ちます。
ところがどっこい、スカイランドの鳥にはしゃべる者もいる。1話で見たように荷運びの仕事やモデル、宮仕えなど様々。それを聞いたましろは鳩が豆鉄砲を食ったようにソラがファンタジー世界の住人なのだと実感。それを言うならチンひとつで美味しい料理が食べられるこの世界の方がファンタジーとカレーを食べるソラ。どうやら辛いからカレーと勘違いしている模様。子どもの勘違いあるある。ちなみにカレイという魚もいる。辛い? 淡白の中に上品な甘みがある。そんなとりとめのない会話をしながら夜が過ぎていきます。
就寝前にましろに挨拶しようと部屋を出るソラ。
窓の外から少年が再び現れます。しかし今度は見逃さない。ドアの隙間から睨みつけるソラ。戻ってくるのが速い。おそらく罠にかけたな。現場を押さえればこっちのもの。追い詰められた少年は窓から逃走を図り……そのまま地面に落下。地面に激突しても逃げようとする少年。ソラが2階から飛び降りると捕らえます。異世界人頑丈すぎる。
物音に驚いたましろが窓を開けるとソラが不審者を捕らえたと報告。しかし彼女が捕まえたのは少年ではなく鳥。現場にやってきたお婆ちゃんが放してやってと心配そうに言います。実は知り合い。ツバサと名乗る鳥。人語を話し人間に変身できる。その特徴に心当たり。スカイランドのプニバード族。
こちらに来たのは1年とちょっと前。経緯を話す少年。
気づくと怪我をして見知らぬ家。彼を保護したお婆ちゃんが外の嵐を見つめながら状況を説明。大きな嵐が来ると世界の繋ぎ目にひび割れが生じてあちらとこちらの世界が一瞬だけトンネルで繋がる。するとスカイランドのあれこれが何故かこの街へと流れ着く。一種の特異点みたいな場所か。ご町内が舞台の中心になる理由付け。
それ以来ここで暮らしていると話すツバサ。でもそれなら私が越してきた頃と一致するとましろ。ん?そうなのか。となると彼女も一旦ここを離れて、親の海外赴任に合わせてまた戻ってきた流れか。前回中学に入学してアウェーだったのは一旦離れてしまって人的交流が途切れたからか。確かにずっと住んでいれば親しい友人もいるはずだしね。
話しても信じてもらえないと思ったと答えるツバサ。いや話せばわかるよ。話せるし。お婆ちゃんもいるし。ターイム!とソラ。驚いた拍子に人間になるツバサ。びっくりするとそうなるらしい。ソラやカバトンで免疫がついてきたましろは「ファンタジーだね」の一言で済ませます。
しかしソラはそれで納得しない。自分が来たあとならいくらでも話す機会はあったはず。なぜ隠していたのか。気が立っているソラががなり立てます。一理ある。トンネルを作ってもらえば今頃帰れたのではないか。っていうか作っとけよお婆ちゃん。さては手札が揃うまで動く気なかったな。
エルちゃんの傍に信用できない人を置いておくわけにはいかない!とお婆ちゃんに説明を求めるソラ。彼女がこんな風に腹を立てているときは内心相当焦っていることの裏返し。お婆ちゃんがツバサの顔色を伺うと首を横に振ります。黙秘したいらしい。それにまた苛立ったソラが大声をあげるとエルが泣いてしまいます。ソラはちょっと感情の制御が甘い。八つ当たりのきらいがある。今日はここまで。
②飛べない鳥
翌朝。ましろがソラの姿を探すと、お婆ちゃんが学校を休むと伝えます。寝ずの番をしていたらしい。そんな悪い子には見えないけど。それはソラさんもわかっている。「怖くなったのね」。お婆ちゃん代弁者として便利。
部屋で1人悔いるソラ。ツバサが善意の人だったからこそ良かったものの、もしカバトン一味ならどうなっていたか。エルが最優先保護対象。ここはほんと徹底している。学校にかこつけて疎かにするわけにはいかない。ヒーローを目指すからにはやらねばならないことがある。例年と比べて特別ガチっているわけではないですが、こっちの世界でエンジョイ生活するノリとも違うのは本作の特徴。
うっかり寝入ってしまった隙にエルがどこかへ。慌てて部屋を飛び出したところでツバサが制止。エルが掴まり立ちの練習。ものすごいどうでもいい話ですが、人間って放っておいても立って歩けるようにならないと本で読んだことがあります。いわゆる野生児や児童虐待の事例から見るに人間が立って歩けるのはそれを観察してフィードバックしているため。本能的に二足歩行するわけではない。あるいは周囲にそれをする者がいないとしないっぽいですね。
ソラとツバサが見守る中、バランスを取ると見事直立に成功。同時に喜ぶ2人。それも束の間、バランスを崩したエルをこれまた2人同時に支えます。感極まって涙を零して喜ぶソラ。怒ったり泣いたり情緒の起伏が激しすぎる……と思っているかは別として彼女のそんな姿を黙ったまま見るツバサ。一応初期から登場しているキャラですが顔合わせは必要。頃合いを見計らったようにお婆ちゃんがやってきてアイコンタクト。彼女ならわかってくれるかもしれない。一緒に来てほしいとソラに声をかけます。
今まで鍵が鍵がかかっていた部屋に案内。彼の研究室。沢山の本と飛行機の模型。
彼が研究しているのは航空力学。ソラにはチンプンカンプン。勉強するために敢えて帰らなかったと話すツバサ。どうして? 笑わないって約束してくださいと真剣な表情を向けます。ソラが頷き返すと窓の外を見上げながら空を飛びたいと打ち明けます。
回想。遊覧鳥で王国へ移動するツバサ親子。父は絵描き。他の種族からするとプニバード族は変身できて絵も描ける器用な種族。その代わり飛べない。突然突風が起こるとツバサが落下。だからシートベルトを付けろと。いくら羽ばたいても落下は止まらない。遊覧鳥が救出しようとするも風が強く思うように飛べない。意を決した父が空に身を投げだしツバサをキャッチ。一気に急上昇。
「あの日、飛ぶという夢が僕の中に開きました。でも……」
誰に話しても信じてもらえない。父に聞いても無我夢中で覚えていない。飛ぶことにも未練がない。1人で飛ぶ練習を続けてみるも成果は上がらず。嵐の晩に風に乗ってみようとやった結果が今。カーテンに煽られて倒れる写真立て。普通に考えればどうしようもない展開。ところがそこに勝機を見出すツバサ。
「でも無駄じゃなかった。落っこちたおかげで僕はこの世界で空を飛ぶ学問に出会った。それを学んで風の流れを正しく読めば僕も空が飛べるかも…!」
転んでもただでは起きないというか、意外とガッツがある少年。
「か~っこいい!」
その心意気にソラが共感しないはずがない。ヒーローになりたい。ツバサくんは空を飛びたい。道は違っても志しを同じくする者同士。あげはは最強の保育士を目指しているし目標設定が明確。1人夢も希望もなくツッコミしかできない娘がいる模様。これはこれで必要なポジションではある。
誤解しちゃってごめんなさい!と大きく頭を下げると「お友達になってください!」と手を差し出すソラ。動きに躊躇いがないのほんと強い。ツバサはその手を握り返します。
③不思議な力があれば航空力学はいらない
学校が終わり走って家に戻るましろ。学校を休んだソラを心配。すでにクラスメイトはソラを最強の健康優良児と認識しているらしい。学園はちょっとしたパニック。どんだけだよ。すべての運動記録を塗り替えたからそれも当然か。
ドローンを飛ばして遊んでいた子どもをカバトンが襲撃。ジャイアンか。
エルに赤ちゃん用ケーキをご馳走。すっかり仲良くなっているソラとツバサを見てキョトンとするましろ。今回蚊帳の外。ここで異変発生。
ドローンをランボーグに変えたカバトンがプリキュアをおびき出そうと街を攻撃。今回はランボーグに搭乗。
その様子を遠目に見たツバサは航空力学的にありえない!と困惑。航空力学で飛んでないからしょうがない。ツッコミを奪われたけどツッコミにツッコミを入れることで存在意義を死守。ソラはエルをツバサに頼むとましろと変身。
ふたりは現場に急行。置いていかれてぐずり出すエル。珍しい反応。ふたりでは攻略が難しいと察しているのか。スリングを呼び出すとこちらも航空力学を無視して現場へ。
お婆ちゃんの携帯に着信。あげはから現場の情報が上がってきます。こちらからもエルが向かったことを伝えると「私に任せてください!」と心強い返事。てかすぐ近くで爆発してるんだけど。この人マジで胆力ありすぎだろ。元ヤンか? 冷静に指示を出すお婆ちゃん。その隣でツバサは意を決します。
プリキュアが現場に到着。
「風を読むんだ……」
ツバサもまた現場へと飛び立ちます。
④次回予告
徒手空拳→光弾→飛翔能力。着実にインフレが進行。
久しぶりに先輩プリキュア登場。ペースゆったりだなぁ。
○トピック
変身して飛べば航空力学はいらない。
ツバサ登場・前編。今回は顔見せ程度かと思いきや一気に加入の流れ。
シリーズ的に男子プリキュアは真似事やネタも含めるといくつか前例がありますが、正式加入するのは今回が初。事前情報で12歳と出ていたので男子小学生プリキュアかと思っていましたが不思議生物系。急に男の子を入れるよりは緩衝材があった方がいいという判断なのか、無難と言えば無難、日和ったと言えば日和った感もある設定。去年の拓海と差別化を図ったと言えるかもしれませんが。女子グループと常に一緒にいる男子を作ろうとするとちょっと話が窮屈になるかもしれないので融通が効きやすいメリットはありますね。このまま行くとあげはもあの家に住みそうなんだよなぁ。
これは予め明言しますが、私はプリキュアは女の子がやるべきだ派です。理由は単純。女の子の特権で良いと思っているから。だから男子は差別して構わない。その方がプレミアム感あるじゃん。これはHUGでキュアアンフィニが登場したときから変わりません。女の子が活躍する番組で男子優遇してもしょうがない。男子はライダーでも見てろ。まあ、ライダーも最近は女性も変身するので差がなくなってきているんですが。そんな程度の理由ですね。
とはいえプリキュアも商売。少子化で先細りしていく中で女子校が共学になるように間口を広げることもまた生き残り戦略として大事。特権意識持ったまま廃れるより、色々実験していく方がプリキュアらしいことも事実。今でこそ20年続く定番シリーズですが、プリキュアは都度実験作であるというイメージも消えずに残っています。宇宙人がやってきたり、人魚がやってきたり、敵幹部が命乞いしても助けなかったり、そんな無茶を道理になるよう筋を通してこそのプリキュア。むしろ個人的には男子プリキュアよりも続編やる方がびっくりだよ。何するんだよ、何売るんだよ、変身すんのかよ。
これが迷走の始まりなのか、さらなる飛躍になるのか。シリーズ20年目にして新たな挑戦が始まる。
①しゃべる鳥
空を見上げる異世界鳥。
家の中ではエルがベッドの上にあるガラガラを取ろうとチャレンジするも失敗して体勢を崩してしまいます。間一髪助けたのは見知らぬ少年。お前……目隠れ属性だったんか。
ソラが階段を駆け上がってミルクを持ってくると少年はどこかに消えています。人の気配を感じたソラは違和感。窓の外に居た鳥に呼びかけても当然返事は返ってきません。
夕食。
昼間のことを話すソラ。掴まり立ちして自分で取ったのだろうとましろは解釈。これも成長の証。できることが増えているからこれまで以上に目を離さないようにしようと楽しそうに答えます。しかしソラは腑に落ちない様子。そんな彼女をましろは気の所為と笑って流すと、鳥に話しかけたことが可愛いとそちらに興味を持ちます。
ところがどっこい、スカイランドの鳥にはしゃべる者もいる。1話で見たように荷運びの仕事やモデル、宮仕えなど様々。それを聞いたましろは鳩が豆鉄砲を食ったようにソラがファンタジー世界の住人なのだと実感。それを言うならチンひとつで美味しい料理が食べられるこの世界の方がファンタジーとカレーを食べるソラ。どうやら辛いからカレーと勘違いしている模様。子どもの勘違いあるある。ちなみにカレイという魚もいる。辛い? 淡白の中に上品な甘みがある。そんなとりとめのない会話をしながら夜が過ぎていきます。
就寝前にましろに挨拶しようと部屋を出るソラ。
窓の外から少年が再び現れます。しかし今度は見逃さない。ドアの隙間から睨みつけるソラ。戻ってくるのが速い。おそらく罠にかけたな。現場を押さえればこっちのもの。追い詰められた少年は窓から逃走を図り……そのまま地面に落下。地面に激突しても逃げようとする少年。ソラが2階から飛び降りると捕らえます。異世界人頑丈すぎる。
物音に驚いたましろが窓を開けるとソラが不審者を捕らえたと報告。しかし彼女が捕まえたのは少年ではなく鳥。現場にやってきたお婆ちゃんが放してやってと心配そうに言います。実は知り合い。ツバサと名乗る鳥。人語を話し人間に変身できる。その特徴に心当たり。スカイランドのプニバード族。
こちらに来たのは1年とちょっと前。経緯を話す少年。
気づくと怪我をして見知らぬ家。彼を保護したお婆ちゃんが外の嵐を見つめながら状況を説明。大きな嵐が来ると世界の繋ぎ目にひび割れが生じてあちらとこちらの世界が一瞬だけトンネルで繋がる。するとスカイランドのあれこれが何故かこの街へと流れ着く。一種の特異点みたいな場所か。ご町内が舞台の中心になる理由付け。
それ以来ここで暮らしていると話すツバサ。でもそれなら私が越してきた頃と一致するとましろ。ん?そうなのか。となると彼女も一旦ここを離れて、親の海外赴任に合わせてまた戻ってきた流れか。前回中学に入学してアウェーだったのは一旦離れてしまって人的交流が途切れたからか。確かにずっと住んでいれば親しい友人もいるはずだしね。
話しても信じてもらえないと思ったと答えるツバサ。いや話せばわかるよ。話せるし。お婆ちゃんもいるし。ターイム!とソラ。驚いた拍子に人間になるツバサ。びっくりするとそうなるらしい。ソラやカバトンで免疫がついてきたましろは「ファンタジーだね」の一言で済ませます。
しかしソラはそれで納得しない。自分が来たあとならいくらでも話す機会はあったはず。なぜ隠していたのか。気が立っているソラががなり立てます。一理ある。トンネルを作ってもらえば今頃帰れたのではないか。っていうか作っとけよお婆ちゃん。さては手札が揃うまで動く気なかったな。
エルちゃんの傍に信用できない人を置いておくわけにはいかない!とお婆ちゃんに説明を求めるソラ。彼女がこんな風に腹を立てているときは内心相当焦っていることの裏返し。お婆ちゃんがツバサの顔色を伺うと首を横に振ります。黙秘したいらしい。それにまた苛立ったソラが大声をあげるとエルが泣いてしまいます。ソラはちょっと感情の制御が甘い。八つ当たりのきらいがある。今日はここまで。
②飛べない鳥
翌朝。ましろがソラの姿を探すと、お婆ちゃんが学校を休むと伝えます。寝ずの番をしていたらしい。そんな悪い子には見えないけど。それはソラさんもわかっている。「怖くなったのね」。お婆ちゃん代弁者として便利。
部屋で1人悔いるソラ。ツバサが善意の人だったからこそ良かったものの、もしカバトン一味ならどうなっていたか。エルが最優先保護対象。ここはほんと徹底している。学校にかこつけて疎かにするわけにはいかない。ヒーローを目指すからにはやらねばならないことがある。例年と比べて特別ガチっているわけではないですが、こっちの世界でエンジョイ生活するノリとも違うのは本作の特徴。
うっかり寝入ってしまった隙にエルがどこかへ。慌てて部屋を飛び出したところでツバサが制止。エルが掴まり立ちの練習。ものすごいどうでもいい話ですが、人間って放っておいても立って歩けるようにならないと本で読んだことがあります。いわゆる野生児や児童虐待の事例から見るに人間が立って歩けるのはそれを観察してフィードバックしているため。本能的に二足歩行するわけではない。あるいは周囲にそれをする者がいないとしないっぽいですね。
ソラとツバサが見守る中、バランスを取ると見事直立に成功。同時に喜ぶ2人。それも束の間、バランスを崩したエルをこれまた2人同時に支えます。感極まって涙を零して喜ぶソラ。怒ったり泣いたり情緒の起伏が激しすぎる……と思っているかは別として彼女のそんな姿を黙ったまま見るツバサ。一応初期から登場しているキャラですが顔合わせは必要。頃合いを見計らったようにお婆ちゃんがやってきてアイコンタクト。彼女ならわかってくれるかもしれない。一緒に来てほしいとソラに声をかけます。
今まで鍵が鍵がかかっていた部屋に案内。彼の研究室。沢山の本と飛行機の模型。
彼が研究しているのは航空力学。ソラにはチンプンカンプン。勉強するために敢えて帰らなかったと話すツバサ。どうして? 笑わないって約束してくださいと真剣な表情を向けます。ソラが頷き返すと窓の外を見上げながら空を飛びたいと打ち明けます。
回想。遊覧鳥で王国へ移動するツバサ親子。父は絵描き。他の種族からするとプニバード族は変身できて絵も描ける器用な種族。その代わり飛べない。突然突風が起こるとツバサが落下。だからシートベルトを付けろと。いくら羽ばたいても落下は止まらない。遊覧鳥が救出しようとするも風が強く思うように飛べない。意を決した父が空に身を投げだしツバサをキャッチ。一気に急上昇。
「あの日、飛ぶという夢が僕の中に開きました。でも……」
誰に話しても信じてもらえない。父に聞いても無我夢中で覚えていない。飛ぶことにも未練がない。1人で飛ぶ練習を続けてみるも成果は上がらず。嵐の晩に風に乗ってみようとやった結果が今。カーテンに煽られて倒れる写真立て。普通に考えればどうしようもない展開。ところがそこに勝機を見出すツバサ。
「でも無駄じゃなかった。落っこちたおかげで僕はこの世界で空を飛ぶ学問に出会った。それを学んで風の流れを正しく読めば僕も空が飛べるかも…!」
転んでもただでは起きないというか、意外とガッツがある少年。
「か~っこいい!」
その心意気にソラが共感しないはずがない。ヒーローになりたい。ツバサくんは空を飛びたい。道は違っても志しを同じくする者同士。あげはは最強の保育士を目指しているし目標設定が明確。1人夢も希望もなくツッコミしかできない娘がいる模様。これはこれで必要なポジションではある。
誤解しちゃってごめんなさい!と大きく頭を下げると「お友達になってください!」と手を差し出すソラ。動きに躊躇いがないのほんと強い。ツバサはその手を握り返します。
③不思議な力があれば航空力学はいらない
学校が終わり走って家に戻るましろ。学校を休んだソラを心配。すでにクラスメイトはソラを最強の健康優良児と認識しているらしい。学園はちょっとしたパニック。どんだけだよ。すべての運動記録を塗り替えたからそれも当然か。
ドローンを飛ばして遊んでいた子どもをカバトンが襲撃。ジャイアンか。
エルに赤ちゃん用ケーキをご馳走。すっかり仲良くなっているソラとツバサを見てキョトンとするましろ。今回蚊帳の外。ここで異変発生。
ドローンをランボーグに変えたカバトンがプリキュアをおびき出そうと街を攻撃。今回はランボーグに搭乗。
その様子を遠目に見たツバサは航空力学的にありえない!と困惑。航空力学で飛んでないからしょうがない。ツッコミを奪われたけどツッコミにツッコミを入れることで存在意義を死守。ソラはエルをツバサに頼むとましろと変身。
ふたりは現場に急行。置いていかれてぐずり出すエル。珍しい反応。ふたりでは攻略が難しいと察しているのか。スリングを呼び出すとこちらも航空力学を無視して現場へ。
お婆ちゃんの携帯に着信。あげはから現場の情報が上がってきます。こちらからもエルが向かったことを伝えると「私に任せてください!」と心強い返事。てかすぐ近くで爆発してるんだけど。この人マジで胆力ありすぎだろ。元ヤンか? 冷静に指示を出すお婆ちゃん。その隣でツバサは意を決します。
プリキュアが現場に到着。
「風を読むんだ……」
ツバサもまた現場へと飛び立ちます。
④次回予告
徒手空拳→光弾→飛翔能力。着実にインフレが進行。
久しぶりに先輩プリキュア登場。ペースゆったりだなぁ。
○トピック
変身して飛べば航空力学はいらない。
ツバサ登場・前編。今回は顔見せ程度かと思いきや一気に加入の流れ。
シリーズ的に男子プリキュアは真似事やネタも含めるといくつか前例がありますが、正式加入するのは今回が初。事前情報で12歳と出ていたので男子小学生プリキュアかと思っていましたが不思議生物系。急に男の子を入れるよりは緩衝材があった方がいいという判断なのか、無難と言えば無難、日和ったと言えば日和った感もある設定。去年の拓海と差別化を図ったと言えるかもしれませんが。女子グループと常に一緒にいる男子を作ろうとするとちょっと話が窮屈になるかもしれないので融通が効きやすいメリットはありますね。このまま行くとあげはもあの家に住みそうなんだよなぁ。
これは予め明言しますが、私はプリキュアは女の子がやるべきだ派です。理由は単純。女の子の特権で良いと思っているから。だから男子は差別して構わない。その方がプレミアム感あるじゃん。これはHUGでキュアアンフィニが登場したときから変わりません。女の子が活躍する番組で男子優遇してもしょうがない。男子はライダーでも見てろ。まあ、ライダーも最近は女性も変身するので差がなくなってきているんですが。そんな程度の理由ですね。
とはいえプリキュアも商売。少子化で先細りしていく中で女子校が共学になるように間口を広げることもまた生き残り戦略として大事。特権意識持ったまま廃れるより、色々実験していく方がプリキュアらしいことも事実。今でこそ20年続く定番シリーズですが、プリキュアは都度実験作であるというイメージも消えずに残っています。宇宙人がやってきたり、人魚がやってきたり、敵幹部が命乞いしても助けなかったり、そんな無茶を道理になるよう筋を通してこそのプリキュア。むしろ個人的には男子プリキュアよりも続編やる方がびっくりだよ。何するんだよ、何売るんだよ、変身すんのかよ。
これが迷走の始まりなのか、さらなる飛躍になるのか。シリーズ20年目にして新たな挑戦が始まる。
第7話「ドキドキ!転校生はヒーローガール!!」
○今週のヒーロー
①ソラシド学園の劣等生
制服に着替えるソラ。まるで彼女のためにデザインしたかのようにバッチリ。喜色満面になりながら鏡の前で色んなポーズ。そこにましろ。似合っていると褒められて照れます。今日は転入初日。期待が膨らむふたり。
エルちゃんはハイハイを習得。ソラと歩調を合わせるように成長。お婆ちゃんがお守りをかって出ます。好きあらば宣伝。一代(?)で財を築いた彼女ならお手のもの。
至れり尽くせりな待遇にソラはかしこまるともしバレたら…と不安を口にます。それに「案ずるより産むが易し」とお婆ちゃん。これは(工作を)やってますわ。やはり権力、権力はすべてを解決する。ましろもそばにいるのでソラも安心。楽しんできてね、と見送るお婆ちゃんとエル。あんたどうせ鏡で生配信見るんだろ。
ソラの新たな一歩が踏み出されます。
OPはまだあげはが解禁されてないけど、男の子は影も形も……バッチリいました。
海外からの転校生と紹介。席は当然のようにましろの隣。言うまでもなく根回し済。
みんなと友達になれると言われたソラはますます期待。近くにいたクラスメイトからどこから来たの?と訊ねられると「スカイランド」と即答。「うん!?」。ましろんのツッコミを超える即答。それってどこ? 「別の世界です!」。あーあれだ、ちょっと日本語が不自由なことにしよう。めっちゃ流暢にしゃべってるけどたまに盛大に間違う設定で。
慌てて訂正するソラ。突然のことにリアクションできなかったとましろも侘びます。自爆。さらには設定が甘い。プリキュア転入あるある。助け舟を出すように先生がスカンディナビア半島の方、とすっごく曖昧に説明。渡りに船。ぎこちなく発音すると本物っぽいと都合よく解釈されます。しかしソラは日本語(スカイランド語)以外しゃべれない。するとまた先生が助け舟。工作ばっちりだな。隠し事があるのを恥ずかしがり屋だと解釈されます。これ幸いとばかりにめちゃくちゃ恥ずかしがり屋です!と大声で断言。恥ずかしがり屋はそんなハキハキしゃべらないだろ。設定めちゃくちゃじゃねーか。話し合わせるましろの身にもなってやれ。
休み時間。
反省会。とんでもないことに気づいたと真剣な顔で打ち明けるソラ。なんでも正直に話してしまうところがあるようです。知ってた。むしろ君から正直をとったら何も残らない。だけど本人は初めて自覚した様子。これにはましろも苦笑い。とはいえ視聴者の認識とすり合わせていくのはわかりやすい。特にソラは視聴者の写身なので思ったそばから話す癖も含めて見本になります。というわけで、早くクラスに馴染んでみんなと友達になるには目立たない方が良さそうと結論づけるソラ。異世界もの学園あるある。
国語の授業。
黒板の字をノートに書き写すソラ。もう漢字書けてる。字うめぇ。真剣に授業を受ける様子をましろは見守るように見つめます。知っている言葉が出て思わず手を上げそうになりますがはっと気づいて押し留めるソラ。そんな彼女の様子にましろは違和感を持ちます。これは去年のデリシャスのときにも書きましたが、子どもの同調圧力(悪目立ちしたくない)は年々強まっているようで、小学校中学年から手を上げる子が減るという指摘があります。定量的に観測されたデータは無いでしょうが自己主張しないみたいな空気感は子どもの頃から定着しているという話ですね。
スポーツテスト。異世界学園的に言うとマウント試験。
目立たないように真ん中ぐらいが目標。しかし始まってみれば学園新記録の連発。私の記録がおかしいって低すぎるって意味だよな?ばりの活躍にお婆ちゃんもニッコリ(しているはず)。なおカバトンが流れ弾の犠牲者になった模様。
結局すべての種目で新記録を出してしまったと肩を落とすソラ。異世界マウンティングありがとうございます。これに加えて変身チート能力持ちなので言うことなし。普通のテストやったら赤点レベルになりそうですが、ほら異世界って頭悪いから(一部の業界の慣例)。
彼女をよく知るましろは喜びますが、みんなは変だと思うに違いないと怯えるソラ。もしこれで別の世界から来たことがバレてしまったら…! そういうところな。みんなと友達になりたいから目立たない。理由を知ってこれまでの違和感が解けるましろ。「はい…実は」と頬を染めるソラ。そういうところな(くっそ可愛い)。
今週の諺「案ずるより産むが易し」。彼女の運動能力を目の当たりにしたクラスメイトが食い気味に興味を持ってくれます。内心の喜びと戸惑いを隣にいるましろも肯定してくれます。クラスメイトの期待に応えたところでましろがお気に入りの場所に案内。
屋上。
眼下に大きな桜の木。この学園ができた頃からある。もっと自分のことを出していいんじゃないかな、と持ちかけるましろ。友達を作れるか不安になった覚えはましろにもある。そんなときにこの桜から元気をもらった。
「ソラちゃんは今のままの私で良いって言ってくれたよね」
それはあなたも同じ。
「いつものソラちゃんで良いと思うな」
近くで自分をよく見ている人が自分のことを一番わかっているという信頼。
②学校デビュー
お食事中すみません。
転校のあいさつをもう一度やらせてほしい。どういうこと?と不思議がる一同。その間にも黒板にデカデカとフルネームを板書。ルの鏡文字難しそう。言葉どおり自己紹介を始めます。
「でも私は恥ずかしがり屋ではありません!」
早く馴染めるならそれでもいいと思っていた。言葉を落とし横に立つましろを見ます。頷いた彼女は再び口を開きます。でも気づいた。自分のことを知ってもらわなきゃダメだって。
「私は! ヒーローを目指しています!」
意表を突く一言にクラスの空気が変わります。
だから身体を鍛えていて運動にも自信がある。言葉と動きが連動していて常にわかりやすい。
「だから、もしよかったら……皆さんと友達になりたいです!」
「よろしくおねがいします!!」
拍手。
「遠くの国からようこそヒーローガール!」
あだ名決定。ララのときもそうだけど馴染ませたもの勝ち。私たちはもうとっくに友達だよ。その言葉にソラの不安は完全に取り除かれます。こういうのはアレです、アメリカ人的発想が好き。つまりチャレンジした者が何かを掴み取るのは当たり前のこと。リスクを取って行動するのはとても勇気がいる。それは褒められること。何もしねーやつが後ろ指指すな。っていう論理が私はシンプルで好きですね。偉くなるにしても、高給を得るにしても、権力者になるにしても、それらはやって得られるものだからね。
一件落着したので今週のノルマ。もう1人転校生っぽいのがいるぞ!と駆け込んできます。
購買のパンを買い占めたり、学食のカレーを飲み干したりやりたい放題。それは不審者。もしくは迷惑系キュアチューバー。心当たりがあるので向かいます。
メロンパンの食リポをするカバトン。黄色は何かヘンなモノを置き土産にしたな。
「そのパンは形がメロンっぽいだけでメロンは入ってないよ!」
丁寧なツッコミありがとうございます。今日の俺はツイている。寝ていたら永遠の眠りにつくような衝撃が全身に走った。その衝撃に導かれてきてみれば旨いもん盛りだくさん。なんだろ、ポジティブ思考? ランボーグ召喚。こちらも変身。
序盤は優勢に攻めるも本気を出したランボーグに苦戦。しかしこちらもここからが本番。徒手空拳オンリーのスカイと比べるとプリズムの光弾は使い方もあって強そうに見える。二手に分かれると校舎の壁を走って挟み撃ち。電車ランボーグのときも建物の壁を蹴って移動するシーンが印象に残っていますが、場所を使って戦うのは場所を使って遊ぶのに通じているので見てて気持ちいい。
どーせ後で直るから問題ないとばかりに校舎にビームが当たっても気にしないプリキュア。手を使ってよじ登るスカイは1話以来のパルクール設定。プリズムはプリズムで体幹がいい。バレエとかやってた経験ありそう。
ランボーグの周囲をクルクル回って撹乱に成功。ダメ押しとばかりに光弾とパンチで態勢を崩してトドメ。
転校初日なのにイベント盛りだくさん。そしてあっという間に放課後。
「ヒーローガール」。そう呼ぶクラスメイト。一緒に帰ろうと誘われます。
こうして踏み出された一歩は道となっていきます。
③次回予告
シロップ(5GoGoに登場)の親戚の方ですか。
○トピック
もうあげはも住んでプリキュア館にしようぜ。
学校チュートリアル後編。
正直者のソラらしい葛藤。でも偽り続けるのは大変だし、こちらのことを知らなきゃ相手もどう接していいのかわからない。なら正直に誠意を持って自己紹介しよう、とこれまたソラらしい堂々とした振る舞い。やはりこの子は見ていて気持ちがいい。
4話の「そのままでいい」が今回はましろから出ていますが、こうやってお互いにキャッチボールしていく様子はとても丁寧ですね。これはお互いが言ったことをお互いに心に留めている合図にもなっているし、自分が発した何気ない言葉が相手に届いて、また返ってくることで自分自身を見つめ直すキッカケにもなっている。前回のソラとお婆ちゃんのやり取りのようにその場限りではなく、関係の連続性を軸とした話運びはソラの人格面を深掘りするとともに、活動の場がひろがっている様子をわかりやすく見せています。
ソラとましろはよく顔を見合わせていますが、こうした見る、見られる視線が多いのも映像的な補助線になっています。まあ、だから日本人は対人恐怖症が顕著だったり同調圧力云々って言われたりするんですが。良くも悪くも人格は他者と共有する中で形作られるもの。極端に言えば人格とは自己と他者の中間に存在する。自分で恥ずかしがり屋と言っても「なわけねーだろ」と言われたら成立しない。眼差し、視線、言葉のキャッチボール。そのやり取りが人の心を育んでいく。
①ソラシド学園の劣等生
制服に着替えるソラ。まるで彼女のためにデザインしたかのようにバッチリ。喜色満面になりながら鏡の前で色んなポーズ。そこにましろ。似合っていると褒められて照れます。今日は転入初日。期待が膨らむふたり。
エルちゃんはハイハイを習得。ソラと歩調を合わせるように成長。お婆ちゃんがお守りをかって出ます。好きあらば宣伝。一代(?)で財を築いた彼女ならお手のもの。
至れり尽くせりな待遇にソラはかしこまるともしバレたら…と不安を口にます。それに「案ずるより産むが易し」とお婆ちゃん。これは(工作を)やってますわ。やはり権力、権力はすべてを解決する。ましろもそばにいるのでソラも安心。楽しんできてね、と見送るお婆ちゃんとエル。あんたどうせ鏡で生配信見るんだろ。
ソラの新たな一歩が踏み出されます。
OPはまだあげはが解禁されてないけど、男の子は影も形も……バッチリいました。
海外からの転校生と紹介。席は当然のようにましろの隣。言うまでもなく根回し済。
みんなと友達になれると言われたソラはますます期待。近くにいたクラスメイトからどこから来たの?と訊ねられると「スカイランド」と即答。「うん!?」。ましろんのツッコミを超える即答。それってどこ? 「別の世界です!」。あーあれだ、ちょっと日本語が不自由なことにしよう。めっちゃ流暢にしゃべってるけどたまに盛大に間違う設定で。
慌てて訂正するソラ。突然のことにリアクションできなかったとましろも侘びます。自爆。さらには設定が甘い。プリキュア転入あるある。助け舟を出すように先生がスカンディナビア半島の方、とすっごく曖昧に説明。渡りに船。ぎこちなく発音すると本物っぽいと都合よく解釈されます。しかしソラは日本語(スカイランド語)以外しゃべれない。するとまた先生が助け舟。工作ばっちりだな。隠し事があるのを恥ずかしがり屋だと解釈されます。これ幸いとばかりにめちゃくちゃ恥ずかしがり屋です!と大声で断言。恥ずかしがり屋はそんなハキハキしゃべらないだろ。設定めちゃくちゃじゃねーか。話し合わせるましろの身にもなってやれ。
休み時間。
反省会。とんでもないことに気づいたと真剣な顔で打ち明けるソラ。なんでも正直に話してしまうところがあるようです。知ってた。むしろ君から正直をとったら何も残らない。だけど本人は初めて自覚した様子。これにはましろも苦笑い。とはいえ視聴者の認識とすり合わせていくのはわかりやすい。特にソラは視聴者の写身なので思ったそばから話す癖も含めて見本になります。というわけで、早くクラスに馴染んでみんなと友達になるには目立たない方が良さそうと結論づけるソラ。異世界もの学園あるある。
国語の授業。
黒板の字をノートに書き写すソラ。もう漢字書けてる。字うめぇ。真剣に授業を受ける様子をましろは見守るように見つめます。知っている言葉が出て思わず手を上げそうになりますがはっと気づいて押し留めるソラ。そんな彼女の様子にましろは違和感を持ちます。これは去年のデリシャスのときにも書きましたが、子どもの同調圧力(悪目立ちしたくない)は年々強まっているようで、小学校中学年から手を上げる子が減るという指摘があります。定量的に観測されたデータは無いでしょうが自己主張しないみたいな空気感は子どもの頃から定着しているという話ですね。
スポーツテスト。異世界学園的に言うとマウント試験。
目立たないように真ん中ぐらいが目標。しかし始まってみれば学園新記録の連発。私の記録がおかしいって低すぎるって意味だよな?ばりの活躍にお婆ちゃんもニッコリ(しているはず)。なおカバトンが流れ弾の犠牲者になった模様。
結局すべての種目で新記録を出してしまったと肩を落とすソラ。異世界マウンティングありがとうございます。これに加えて変身チート能力持ちなので言うことなし。普通のテストやったら赤点レベルになりそうですが、ほら異世界って頭悪いから(一部の業界の慣例)。
彼女をよく知るましろは喜びますが、みんなは変だと思うに違いないと怯えるソラ。もしこれで別の世界から来たことがバレてしまったら…! そういうところな。みんなと友達になりたいから目立たない。理由を知ってこれまでの違和感が解けるましろ。「はい…実は」と頬を染めるソラ。そういうところな(くっそ可愛い)。
今週の諺「案ずるより産むが易し」。彼女の運動能力を目の当たりにしたクラスメイトが食い気味に興味を持ってくれます。内心の喜びと戸惑いを隣にいるましろも肯定してくれます。クラスメイトの期待に応えたところでましろがお気に入りの場所に案内。
屋上。
眼下に大きな桜の木。この学園ができた頃からある。もっと自分のことを出していいんじゃないかな、と持ちかけるましろ。友達を作れるか不安になった覚えはましろにもある。そんなときにこの桜から元気をもらった。
「ソラちゃんは今のままの私で良いって言ってくれたよね」
それはあなたも同じ。
「いつものソラちゃんで良いと思うな」
近くで自分をよく見ている人が自分のことを一番わかっているという信頼。
②学校デビュー
お食事中すみません。
転校のあいさつをもう一度やらせてほしい。どういうこと?と不思議がる一同。その間にも黒板にデカデカとフルネームを板書。ルの鏡文字難しそう。言葉どおり自己紹介を始めます。
「でも私は恥ずかしがり屋ではありません!」
早く馴染めるならそれでもいいと思っていた。言葉を落とし横に立つましろを見ます。頷いた彼女は再び口を開きます。でも気づいた。自分のことを知ってもらわなきゃダメだって。
「私は! ヒーローを目指しています!」
意表を突く一言にクラスの空気が変わります。
だから身体を鍛えていて運動にも自信がある。言葉と動きが連動していて常にわかりやすい。
「だから、もしよかったら……皆さんと友達になりたいです!」
「よろしくおねがいします!!」
拍手。
「遠くの国からようこそヒーローガール!」
あだ名決定。ララのときもそうだけど馴染ませたもの勝ち。私たちはもうとっくに友達だよ。その言葉にソラの不安は完全に取り除かれます。こういうのはアレです、アメリカ人的発想が好き。つまりチャレンジした者が何かを掴み取るのは当たり前のこと。リスクを取って行動するのはとても勇気がいる。それは褒められること。何もしねーやつが後ろ指指すな。っていう論理が私はシンプルで好きですね。偉くなるにしても、高給を得るにしても、権力者になるにしても、それらはやって得られるものだからね。
一件落着したので今週のノルマ。もう1人転校生っぽいのがいるぞ!と駆け込んできます。
購買のパンを買い占めたり、学食のカレーを飲み干したりやりたい放題。それは不審者。もしくは迷惑系キュアチューバー。心当たりがあるので向かいます。
メロンパンの食リポをするカバトン。黄色は何かヘンなモノを置き土産にしたな。
「そのパンは形がメロンっぽいだけでメロンは入ってないよ!」
丁寧なツッコミありがとうございます。今日の俺はツイている。寝ていたら永遠の眠りにつくような衝撃が全身に走った。その衝撃に導かれてきてみれば旨いもん盛りだくさん。なんだろ、ポジティブ思考? ランボーグ召喚。こちらも変身。
序盤は優勢に攻めるも本気を出したランボーグに苦戦。しかしこちらもここからが本番。徒手空拳オンリーのスカイと比べるとプリズムの光弾は使い方もあって強そうに見える。二手に分かれると校舎の壁を走って挟み撃ち。電車ランボーグのときも建物の壁を蹴って移動するシーンが印象に残っていますが、場所を使って戦うのは場所を使って遊ぶのに通じているので見てて気持ちいい。
どーせ後で直るから問題ないとばかりに校舎にビームが当たっても気にしないプリキュア。手を使ってよじ登るスカイは1話以来のパルクール設定。プリズムはプリズムで体幹がいい。バレエとかやってた経験ありそう。
ランボーグの周囲をクルクル回って撹乱に成功。ダメ押しとばかりに光弾とパンチで態勢を崩してトドメ。
転校初日なのにイベント盛りだくさん。そしてあっという間に放課後。
「ヒーローガール」。そう呼ぶクラスメイト。一緒に帰ろうと誘われます。
こうして踏み出された一歩は道となっていきます。
③次回予告
シロップ(5GoGoに登場)の親戚の方ですか。
○トピック
もうあげはも住んでプリキュア館にしようぜ。
学校チュートリアル後編。
正直者のソラらしい葛藤。でも偽り続けるのは大変だし、こちらのことを知らなきゃ相手もどう接していいのかわからない。なら正直に誠意を持って自己紹介しよう、とこれまたソラらしい堂々とした振る舞い。やはりこの子は見ていて気持ちがいい。
4話の「そのままでいい」が今回はましろから出ていますが、こうやってお互いにキャッチボールしていく様子はとても丁寧ですね。これはお互いが言ったことをお互いに心に留めている合図にもなっているし、自分が発した何気ない言葉が相手に届いて、また返ってくることで自分自身を見つめ直すキッカケにもなっている。前回のソラとお婆ちゃんのやり取りのようにその場限りではなく、関係の連続性を軸とした話運びはソラの人格面を深掘りするとともに、活動の場がひろがっている様子をわかりやすく見せています。
ソラとましろはよく顔を見合わせていますが、こうした見る、見られる視線が多いのも映像的な補助線になっています。まあ、だから日本人は対人恐怖症が顕著だったり同調圧力云々って言われたりするんですが。良くも悪くも人格は他者と共有する中で形作られるもの。極端に言えば人格とは自己と他者の中間に存在する。自分で恥ずかしがり屋と言っても「なわけねーだろ」と言われたら成立しない。眼差し、視線、言葉のキャッチボール。そのやり取りが人の心を育んでいく。