カテゴリー [ スター☆トゥインクルプリキュア ]
- ・最終回「宇宙に描こう!ワタシだけのイマジネーション☆」
- ・第48話「想いを重ねて!闇を照らす希望の星☆」
- ・第47話「フワを救え!消えゆく宇宙と大いなる闇!」
- ・第46話「ダークネスト降臨!スターパレスの攻防」
- ・第45話「輝くキラキラ星☆ひかるのイマジネーション!」
- ・第44話「サプラ~イズ☆サンタさんは宇宙人!?」
- ・第43話「笑顔への想い☆テンジョウvsえれな!」
- ・第42話「笑顔の迷い、えれなの迷い。」
- ・第41話「月よ輝け☆まどかの一歩!」
- ・第40話「バレちゃった!?2年3組の宇宙人☆」
- ・第39話「えれな大ピンチ!テンジョウ先生のワナ!」
- ・第38話「輝け!ユニのトゥインクルイマジネーション☆」
- ・映画「スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」
- ・第37話「UMAで優勝!ハロウィン仮装コンテスト☆」
- ・第36話「ブルーキャット再び!虹色のココロ☆」
- ・第35話「ひかるが生徒会長!?キラやば選挙バトル☆」
- ・第34話「つながるキモチ☆えれなとサボテン星人!」
- ・第33話「フワの決意!お手伝い大作戦☆」
- ・第32話「重なる想い☆新たなイマジネーションの力」
- ・第31話「守り抜け!最後のプリンセスのペン☆」
- ・第30話「ララの想いとAIのキモチ☆」
- ・第29話「ただいまルン☆惑星サマーンのユウウツ」
- ・第28話「燃やせハート!職人フレアとロケット修理☆」
- ・第27話「海の星!人魚になってスーイスイ☆」
- ・第26話「ナゾの侵入者!?恐怖のパジャマパーティ☆」
- ・第25話「満天の星まつり☆ユニの思い出」
- ・第24話「ココロ溶かす!アイスノー星の演奏会☆」
- ・第23話「フワがいっぱい?フワ☆パニック!」
- ・第22話「おかえり、お父さん!星奈家の七夕☆」
- ・第21話「虹色のスペクトル☆キュアコスモの力!」
最終回「宇宙に描こう!ワタシだけのイマジネーション☆」
○キラやば~な出会いをもう一度
①それぞれの故郷
スターパレスの衛星。
ヤンヤンがプルンスに差し入れを持ってきます。プルンスは出来る男。ところがプルンスはフワのお世話でてんてこ舞い。両親らしき人達と一緒に追いかけています。元気なフワ。でも力は戻っていません。あるいはもう戻らないかもしれない。深刻に語るプリンセス達。呑気にお茶会やってますが、こいつらはちょっとお仕置きされた方が良いと思いますね。宇宙秩序のためにも。
オリーフィオの石化を解除。
ようやく再会を果たすユニ。感動もそこそこに物陰に隠れている人物に声をかけます。出てきたアイワーンにみんな警戒。開口一番謝罪するアイワーン。補足するようにユニが石化解除薬を見せます。オリーフィオは彼女を招きます。
食事もそこそこに仕事に行くララ。
ノソノソ後をついてくるロロに呆れた声でいいかげんホバーボードを使えと忠告。どうやらサマーンではララスタイル(徒歩)が流行っているらしい。そのわりにみんな苦しそうだけど。ララのおかげで変わったと話すロロ。ランク分けがなくなり人々も外に出て直接会話しています。
「キラやば~!」
その声に振り向くと、小さい子どもがララをプリキュアだと見上げます。何故「キラやば」を。マザーがよく言うらしい。AIさんが説明。そのうち宇宙公用語の辞書に載りそう。
遠い星の友達。でも彼女が残したモノは消えることなく存在し続けます。
②夢オチなんてサイテー!
テレビでは日本初の有人ロケットの打ち上げが始まるとホワイトハウスから中継。通訳の声はえれなっぽい。時間進んだ? 声優足りなかった?と思ったのも束の間、いつもの光景とばかりにひかるの祖父母と母の姿。ひかるは?
空を見上げるひかる。
みんな元気かな、と宇宙に帰った友達に思いを馳せるえれなとまどか。ノートにみんなの絵を描くひかる。でも寂しさは消えません。すると…
「フ~ワ~!」
ロケットが着陸するとその中から元に戻ったフワが飛び出してきます。冒頭の話は何だったのか。あっさり再会。何この余韻をぶちこわす展開。あ~あ、やっちゃいましたね。どうやら東堂いづみも大人の事情には勝てなかったようです。
久しぶり、といつものメンツ。先週会ったばっかりだけどね。でもペンダントが無いので言葉が通じません。そこはフワが気を利かせてペンダントを復元。フワの力が戻ったとプルンス。なんというご都合。しかし仕方ありません。ノルマを果たさなければならない。
ただいまルン。おかえり。
結局まどかの留学は取りやめ。家から通える高校に進学することに。えれなは父の国に留学。近況を報告し合います。みんなと会いに行こう、話が盛り上がるとAIさんが調査をお忘れで?と釘を刺します。実は前回地球にワープしたときに、うっかりノットレイのマスクも地球に送ってしまいました。ガルオウガのうっかり屋さん。流石ドジっ子属性。しかもそのマスクは試作改良型で被るだけで歪みを増幅して巨大化するヤバい代物。あ~はいはい。もうこれノルマ回収する気満々ですね。近年恒例のアレも含めて。
みんなで探すことに。
森を探しているとそこでバッタリ来週の人。知ってた。この流れ。完全にAパートで処理する気満々。とすると本番はBパート。
お互いに挨拶。女の子が抱えている犬はラテ。うっかりフワがしゃべってしまいますが、ララに呼ばれてこれ幸いとその場を離れます。
探すも見つからない。もしかしたらすでに拾われてしまったのでは? だとしても流石に被らないでしょ。得体の知れないマスクなんて。
マスクを拾うメガネの怪しい人物。お前かよ。相談相手にひかるの父を呼びます。マスクを手に持った父は躊躇なく被ります。バカがここにいました。フラグ回収完了。流れるような処理。残り時間は約5分。Aパートで決める。
爆発音。
最終回でもノットレイ。まどかの父は現場を放棄。入れ替わりにひかる達が駆けつけます。ノットレイの様子からマスクがズレてイライラして心が歪んだと名推理するプルンス。もう理由付けすらテキトー。脚本仕事しろ。このノリ完全に魔法つかいと一緒だな。
頭を抱えるひかる。でも大丈夫。また変身できます。ということで最終回でもプリキュアに変身。先程からノルマノルマ言ってますがこのアニメは「プリキュア」です。プリキュアが登場しないプリキュアなど存在する意味がありません。ご都合だろうが、なんだろうが変身してこそのプリキュア。ちなみにこれまでのプリキュアで一番変身状態が短いのはスイートの最終回です。最後の最後に変身して終了。あれは相当に攻めましたね。次期プリキュアを登場させるのが恒例となった今ではああいう終わり方はもうできないでしょう。
ひかる達が歌う主題歌をBGMにラストバトル。最終回なのでボーナスゲーム。スター達の連携もバッチリ。果敢に攻めていきますが、フワとプルンスが瓦礫の下敷きに。はい颯爽と登場の新プリキュア。キュアグレースさん。
必殺技とか変身とかは来週のお楽しみ。とりあえず戦闘を終わらせます。ノルマ達成。
ノットレイを浄化するとブローチに。どうやらこれが新商品の形式らしい。ラテに付けてあげます。……あれ、もしかしてこのマスコットしゃべらない?
意識を取り戻すひかるの父。いつの間にかキュアグレースの姿は消えています。着信音が響くと……
暗い部屋で着信音。
再びホワイトハウスの中継。答え合わせ。
日本初の有人ロケット。長生きするもんだわ。ひかるは?
「ああ、ひかるなら今頃発射の準備でしょ」
父親の電話にようやく出るひかる。部屋には中学のクラスメイト、高校のUMA研究会からの寄せ書き、大学からのお祝いが置かれています。トゥインクルはガチ勢。過程にご都合など許さない。窓を開けるとロケットの光景が広がります。成長したひかるの姿。
③遊星から愛をこめて
通訳は一旦終了。ロケットの打ち上げまで待機。えれなさん超美人。家族が差し入れを持ってきます。変わんねーなこの親父。弟イケメン。妹可愛い。この家レベル高ぇ。
ロケットの傍に立つまどか。母が近くで見たかったとやってきます。今のまどかは宇宙開発特別捜査局有人ロケット開発プロジェクトリーダー。進捗を尋ねる父に「お任せください」と自信たっぷりに答えます。娘の答えに満足すると持ち場に戻ります。今の彼は総理。中央に返り咲いたっていうか官僚から閣僚になってるがな。
やっと夢が叶うのですね。控室でまどかはひかるに話しかけます。宇宙にまた行くという夢。やっぱりそうなるよね。そうしてこそのトィンクルであり、ひかる。久しぶりにみんなの夢を見たと話すひかる。夢オチでした。なるほどその手があったか。上述したようにプリキュアは変身ノルマがあるのでみんな集合しないといけない。でも集合したら「宇宙に行く」約束が破綻する。大人になって再会してフワに時間戻してもらうのは無理がある。魔法つかいでやったし。だから最終回どうするんだろうと思っていたんですが、古典的な手があったことを忘れていました。それをやってでも物語の王道を行くトゥインクルは素晴らしい。
惑星レインボー。
ララは見下ろしながら畑がたくさん増えたと感嘆。ドローンが作業を手伝っています。隣に立つユニがアイワーンの発明のおかげで土が豊かになったと説明。さらに隣に居たアイワーンが自慢げに応えます。随分背が伸びたな。あのまま居残ったらしい。ユニは衣装を見るに神官でしょうか。
調査員として星を巡るララ。この前はノットレイダー達の星にも行ったらしい。見た目がお花畑。地上も桜が舞い水も豊かな絶景。自然と調和した社会が築き上げられています。トッパーも絶賛。カッパードとテンジョウも変わらず指揮を執っているようです。お前ら見た目変わんねーな。後ろで部下達がノット・ノットレイ!と合唱。notあるいはknotとかけているのか。ちなみにポーズも✕から○に変わっています。改めて謝辞を述べるガルオウガ。星を与えられ自治権も認められているようです。
みんな元気そうだった。その言葉にユニとアイワーンは笑います。しかしロケットがもうボロボロでは? フレアに修理してもらっているから大丈夫。このロケットはみんなの思い出。愛着がある。AIさんも気に入っています。
ひかるはララの髪型に寄せて、ララはひかるの髪型に寄せてるの良いですね。っていうかララちゃん可愛すぎ大問題。大人になっても可愛さが増すララちゃんマジ完全生物。宇宙が生んだ奇跡。なんだよあのベレー帽超似合ってて可愛いよ。東堂いづみはこの子のスピンオフ作品作ろ?
アイワーンが子ども達に呼ばれます。ため息を溢しながら下に降りていきます。見送るユニの表情が絶妙。内心まんざらでもないことを分かっているのでしょう。
「調査でたくさんの星を回ったルン」
瞳が揺れます。
「でも…地球には遠すぎて行けないルン」
「会えるわ。ひかる言ったニャン」
「(私も会って話してみたい。この星の人たちと)」
かつてユニに語った言葉。彼女はそれを憶えていました。まだ約束果たせてない。
流れ星。ララは手を合わせて星に願います。ユニも倣います。
「もう一度会いたいルン」
「会いたいな…」
「会いたいルン…」
まどかから送られた絵を見るえれな。
「みんなに…」
着々と準備が進むロケットを見上げるまどか。
「会いたい…みんなに…」
「みんなに…会いたい(ルン)!」
みんなの想いが再び重なります。
スターパレスから通信。プルンスの声。フワが……。
ロケットの発射。みんなでカウントダウン。
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1!
「ひかる、行っといで」
地上から遼爺が見送ります。
宇宙。眼下に広がる地球。感慨深く呟くひかる。
流れ星。懐かしい声と光。ひかるはそれが何であるかすぐに気づきます。その先にあるものを。
「キラやば~っ」
○トピック
長い年月をかけて約束を守った子たちにご褒美を。
けれどもこれは別の物語。いつかまた、別の時に話すことにしよう。
シリーズ16年目、14代目スター☆トゥインクルプリキュア 宇宙に立つ。
時を超え、星を超え、宇宙を超えて出会うべくして出会う。ガール・ミーツ・ガール。
まさにこの最終回が見たかった。最後までキラやばたっぷりな最終回でした。
プリキュアシリーズで見ても一つの完成された物語だったと思います。子ども達が成長していく姿、世界が広がっていくこと、世界を広げていくこと、そして出会うこと。一歩一歩積み重ねて人の手でそれを成す。最後にちょっとしたサプライズがあるのはご愛嬌。
私、この路線すっごく好きなんですよね。
プリキュアは改めて言うまでもなく本作を含め16年の歴史があります。友達との友情を培ったり、地球を守ったり、困っている人を助けたり、夢を叶えたりと色んなことをしてきました。そして14代目であるトゥインクルは何をしたか。何もしてない。何のためにも戦わない。知って、学んで、自分で考えて、答えて、輪を広げる。当たり前のことを当たり前にやる。
地球のために戦わなくても、誰かを救わなくても、夢を持たなくても、女の子はプリキュアなんです。友達と喧嘩してつい絶交口走りそうになったり、親に見つからないかと震え上がったり、かと思えば大好きなものに夢中になったりするそういう普通の女の子です。そんな子たちでもプリキュアになれる。それは彼女たちが真摯に一生懸命だからです。苦しくても前を向ける、独りで立ち上がれなくても支え合って踏み出せる。頑張れる女の子はプリキュアなんです。……そう言えることの大切さってあると思うんです。
「プリキュアとは何か」「どんな女の子がプリキュアに相応しいのか」という問いは作品そのものに対する自己言及であると同時に、子ども達へのメッセージにもなります。ボッチオタクもプリキュアになれる。夢見がちだった女の子が夢を叶える。それって素敵なことだと思うんですよね。
最近のプリキュアは大人になることがトレンドなんですが、本作を見て改めて思い出しました。
子どもにとって大人っていうのは飛躍を感じるものです。私が子どもだった頃、自分が大人になることが想像できませんでした。別な言い方をするなら大人がかつては子どもだったことを想像できませんでした。それは自分が見るものが全てだと思っていたからです。子どもから大人になる。その過程が全然想像できなかった。
トゥインクルはそれが地続きであることを教えてくれます。今やっていることが大人になっても続いていること。大人になっても友達であること。大人になっても思い出が消えないこと。子どもの頃に見上げていたものを同じ高さで見ることができること。大人になることは決して遠い未来のことじゃない。ララなんてやってることは変わってないですからね。でも大人になった彼女が語る姿は時の流れを感じさせる良いシーンだったと思います。使い古されたロケットもリアリティがありました(お気に入りのペンを使い続けるような感じ)。
そうは言ってもやっぱり子どもには想像するのが難しいのかもしれませんが、子ども目線で語り続けてきたトゥインクルが最後まで自分達の目線で世界を見て語る姿からはしっかりと大人を感じます。大人になって夢を叶える。夢を叶えるために大人になる。これまでのプリキュアはそういった側面があったことは否定できないし、本作のひかるもそうです。でも彼女達は過去を引きずっているわけじゃない。大人としての今を前向きに生きてる。それでいて色褪せることなく思い出が生きている。そんな彼女達の姿は美しい。夢を叶えようとするひかると、大人として務めを果たすララのコントラストが物語の余韻を深いものにしています。本作の大きな魅力ですね。
総じて言えばトゥインクルは自然体の子どもを描写する落ち着いた雰囲気の物語でした。
でもそこはプリキュア、我を通すところはしっかり通す。トゥインクルは成長の描き方がとても特徴的だったとこれまで感想で述べてきましたが、それに伴って受容の在り方も特徴的でした。去年のHUGと大きく違います。
たとえばHUGでわかりやすいのはアンリでしょう。中性的な振る舞いをする彼に噛み付いた正人は結局は考えを180度転換しています。それに対してトゥインクルは無理に相手の意見を変えません。蛇遣い座なんてわかりやすいですよね。あれだけのことをした彼女をあっさり許した上に、本人は考えを変えていない。でもそういう人が世界に居てもいい。勿論物語的には蛇遣い座が支配することはないし支配を是とはしないでしょう。でも蛇遣い座の考えそのものを否定はしない。
トゥインクルは「多様性を否定する者を否定しない」ことが大きな約束事だったと思います。白か黒かではなく、白も黒もある。その折り合いをつけていくことの大変さと良さ。それは子ども達が成長していくとともに他者を受容し、複雑な関係を結んでいけることの証明でもありました。
ここがプリキュアの面白いところなんですが、シリーズでも意見が食い違うことが多いんですね。なんなら前作を全否定するくらいの勢いのときもある(コラム2・3を参照)。それがプリキュアの多様性であり発展性だと思っています。
一つの物語は一つのスタンスしか持てません。プリキュアはそれぞれに個性と意見があって、ときに反対のことやる。そうやってプリキュアそのものが多様で強度が高い物語になっていく。私にとってプリキュアシリーズは足し算です。引き出しが増えていく。そのように思えるのはプリキュアが人の正しさや誤り、幸せや苦悩を常に描き続けているからです。そこに様々なアプローチがある。それはプリキュアの伝統が生き続けていることの証です。
色んなプリキュアがあることは女の子達に色んな在り方、生き方があることを提示します。みんなそれぞれにプリキュアの資質を持っている。15作あるプリキュアに、さらにもう一つ燦然と輝く物語を生み出してくれたことに感謝の言葉を贈りたい。この1年もまた素晴らしい体験でした。物語から学ぶことができるのは読み手にとって最高の幸せです。
願わくば次の1年も素晴らしい出会いでありますように。
①それぞれの故郷
スターパレスの衛星。
ヤンヤンがプルンスに差し入れを持ってきます。プルンスは出来る男。ところがプルンスはフワのお世話でてんてこ舞い。両親らしき人達と一緒に追いかけています。元気なフワ。でも力は戻っていません。あるいはもう戻らないかもしれない。深刻に語るプリンセス達。呑気にお茶会やってますが、こいつらはちょっとお仕置きされた方が良いと思いますね。宇宙秩序のためにも。
オリーフィオの石化を解除。
ようやく再会を果たすユニ。感動もそこそこに物陰に隠れている人物に声をかけます。出てきたアイワーンにみんな警戒。開口一番謝罪するアイワーン。補足するようにユニが石化解除薬を見せます。オリーフィオは彼女を招きます。
食事もそこそこに仕事に行くララ。
ノソノソ後をついてくるロロに呆れた声でいいかげんホバーボードを使えと忠告。どうやらサマーンではララスタイル(徒歩)が流行っているらしい。そのわりにみんな苦しそうだけど。ララのおかげで変わったと話すロロ。ランク分けがなくなり人々も外に出て直接会話しています。
「キラやば~!」
その声に振り向くと、小さい子どもがララをプリキュアだと見上げます。何故「キラやば」を。マザーがよく言うらしい。AIさんが説明。そのうち宇宙公用語の辞書に載りそう。
遠い星の友達。でも彼女が残したモノは消えることなく存在し続けます。
②夢オチなんてサイテー!
テレビでは日本初の有人ロケットの打ち上げが始まるとホワイトハウスから中継。通訳の声はえれなっぽい。時間進んだ? 声優足りなかった?と思ったのも束の間、いつもの光景とばかりにひかるの祖父母と母の姿。ひかるは?
空を見上げるひかる。
みんな元気かな、と宇宙に帰った友達に思いを馳せるえれなとまどか。ノートにみんなの絵を描くひかる。でも寂しさは消えません。すると…
「フ~ワ~!」
ロケットが着陸するとその中から元に戻ったフワが飛び出してきます。冒頭の話は何だったのか。あっさり再会。何この余韻をぶちこわす展開。あ~あ、やっちゃいましたね。どうやら東堂いづみも大人の事情には勝てなかったようです。
久しぶり、といつものメンツ。先週会ったばっかりだけどね。でもペンダントが無いので言葉が通じません。そこはフワが気を利かせてペンダントを復元。フワの力が戻ったとプルンス。なんというご都合。しかし仕方ありません。ノルマを果たさなければならない。
ただいまルン。おかえり。
結局まどかの留学は取りやめ。家から通える高校に進学することに。えれなは父の国に留学。近況を報告し合います。みんなと会いに行こう、話が盛り上がるとAIさんが調査をお忘れで?と釘を刺します。実は前回地球にワープしたときに、うっかりノットレイのマスクも地球に送ってしまいました。ガルオウガのうっかり屋さん。流石ドジっ子属性。しかもそのマスクは試作改良型で被るだけで歪みを増幅して巨大化するヤバい代物。あ~はいはい。もうこれノルマ回収する気満々ですね。近年恒例のアレも含めて。
みんなで探すことに。
森を探しているとそこでバッタリ来週の人。知ってた。この流れ。完全にAパートで処理する気満々。とすると本番はBパート。
お互いに挨拶。女の子が抱えている犬はラテ。うっかりフワがしゃべってしまいますが、ララに呼ばれてこれ幸いとその場を離れます。
探すも見つからない。もしかしたらすでに拾われてしまったのでは? だとしても流石に被らないでしょ。得体の知れないマスクなんて。
マスクを拾うメガネの怪しい人物。お前かよ。相談相手にひかるの父を呼びます。マスクを手に持った父は躊躇なく被ります。バカがここにいました。フラグ回収完了。流れるような処理。残り時間は約5分。Aパートで決める。
爆発音。
最終回でもノットレイ。まどかの父は現場を放棄。入れ替わりにひかる達が駆けつけます。ノットレイの様子からマスクがズレてイライラして心が歪んだと名推理するプルンス。もう理由付けすらテキトー。脚本仕事しろ。このノリ完全に魔法つかいと一緒だな。
頭を抱えるひかる。でも大丈夫。また変身できます。ということで最終回でもプリキュアに変身。先程からノルマノルマ言ってますがこのアニメは「プリキュア」です。プリキュアが登場しないプリキュアなど存在する意味がありません。ご都合だろうが、なんだろうが変身してこそのプリキュア。ちなみにこれまでのプリキュアで一番変身状態が短いのはスイートの最終回です。最後の最後に変身して終了。あれは相当に攻めましたね。次期プリキュアを登場させるのが恒例となった今ではああいう終わり方はもうできないでしょう。
ひかる達が歌う主題歌をBGMにラストバトル。最終回なのでボーナスゲーム。スター達の連携もバッチリ。果敢に攻めていきますが、フワとプルンスが瓦礫の下敷きに。はい颯爽と登場の新プリキュア。キュアグレースさん。
必殺技とか変身とかは来週のお楽しみ。とりあえず戦闘を終わらせます。ノルマ達成。
ノットレイを浄化するとブローチに。どうやらこれが新商品の形式らしい。ラテに付けてあげます。……あれ、もしかしてこのマスコットしゃべらない?
意識を取り戻すひかるの父。いつの間にかキュアグレースの姿は消えています。着信音が響くと……
暗い部屋で着信音。
再びホワイトハウスの中継。答え合わせ。
日本初の有人ロケット。長生きするもんだわ。ひかるは?
「ああ、ひかるなら今頃発射の準備でしょ」
父親の電話にようやく出るひかる。部屋には中学のクラスメイト、高校のUMA研究会からの寄せ書き、大学からのお祝いが置かれています。トゥインクルはガチ勢。過程にご都合など許さない。窓を開けるとロケットの光景が広がります。成長したひかるの姿。
③遊星から愛をこめて
通訳は一旦終了。ロケットの打ち上げまで待機。えれなさん超美人。家族が差し入れを持ってきます。変わんねーなこの親父。弟イケメン。妹可愛い。この家レベル高ぇ。
ロケットの傍に立つまどか。母が近くで見たかったとやってきます。今のまどかは宇宙開発特別捜査局有人ロケット開発プロジェクトリーダー。進捗を尋ねる父に「お任せください」と自信たっぷりに答えます。娘の答えに満足すると持ち場に戻ります。今の彼は総理。中央に返り咲いたっていうか官僚から閣僚になってるがな。
やっと夢が叶うのですね。控室でまどかはひかるに話しかけます。宇宙にまた行くという夢。やっぱりそうなるよね。そうしてこそのトィンクルであり、ひかる。久しぶりにみんなの夢を見たと話すひかる。夢オチでした。なるほどその手があったか。上述したようにプリキュアは変身ノルマがあるのでみんな集合しないといけない。でも集合したら「宇宙に行く」約束が破綻する。大人になって再会してフワに時間戻してもらうのは無理がある。魔法つかいでやったし。だから最終回どうするんだろうと思っていたんですが、古典的な手があったことを忘れていました。それをやってでも物語の王道を行くトゥインクルは素晴らしい。
惑星レインボー。
ララは見下ろしながら畑がたくさん増えたと感嘆。ドローンが作業を手伝っています。隣に立つユニがアイワーンの発明のおかげで土が豊かになったと説明。さらに隣に居たアイワーンが自慢げに応えます。随分背が伸びたな。あのまま居残ったらしい。ユニは衣装を見るに神官でしょうか。
調査員として星を巡るララ。この前はノットレイダー達の星にも行ったらしい。見た目がお花畑。地上も桜が舞い水も豊かな絶景。自然と調和した社会が築き上げられています。トッパーも絶賛。カッパードとテンジョウも変わらず指揮を執っているようです。お前ら見た目変わんねーな。後ろで部下達がノット・ノットレイ!と合唱。notあるいはknotとかけているのか。ちなみにポーズも✕から○に変わっています。改めて謝辞を述べるガルオウガ。星を与えられ自治権も認められているようです。
みんな元気そうだった。その言葉にユニとアイワーンは笑います。しかしロケットがもうボロボロでは? フレアに修理してもらっているから大丈夫。このロケットはみんなの思い出。愛着がある。AIさんも気に入っています。
ひかるはララの髪型に寄せて、ララはひかるの髪型に寄せてるの良いですね。っていうかララちゃん可愛すぎ大問題。大人になっても可愛さが増すララちゃんマジ完全生物。宇宙が生んだ奇跡。なんだよあのベレー帽超似合ってて可愛いよ。東堂いづみはこの子のスピンオフ作品作ろ?
アイワーンが子ども達に呼ばれます。ため息を溢しながら下に降りていきます。見送るユニの表情が絶妙。内心まんざらでもないことを分かっているのでしょう。
「調査でたくさんの星を回ったルン」
瞳が揺れます。
「でも…地球には遠すぎて行けないルン」
「会えるわ。ひかる言ったニャン」
「(私も会って話してみたい。この星の人たちと)」
かつてユニに語った言葉。彼女はそれを憶えていました。まだ約束果たせてない。
流れ星。ララは手を合わせて星に願います。ユニも倣います。
「もう一度会いたいルン」
「会いたいな…」
「会いたいルン…」
まどかから送られた絵を見るえれな。
「みんなに…」
着々と準備が進むロケットを見上げるまどか。
「会いたい…みんなに…」
「みんなに…会いたい(ルン)!」
みんなの想いが再び重なります。
スターパレスから通信。プルンスの声。フワが……。
ロケットの発射。みんなでカウントダウン。
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1!
「ひかる、行っといで」
地上から遼爺が見送ります。
宇宙。眼下に広がる地球。感慨深く呟くひかる。
流れ星。懐かしい声と光。ひかるはそれが何であるかすぐに気づきます。その先にあるものを。
「キラやば~っ」
○トピック
長い年月をかけて約束を守った子たちにご褒美を。
けれどもこれは別の物語。いつかまた、別の時に話すことにしよう。
シリーズ16年目、14代目スター☆トゥインクルプリキュア 宇宙に立つ。
時を超え、星を超え、宇宙を超えて出会うべくして出会う。ガール・ミーツ・ガール。
まさにこの最終回が見たかった。最後までキラやばたっぷりな最終回でした。
プリキュアシリーズで見ても一つの完成された物語だったと思います。子ども達が成長していく姿、世界が広がっていくこと、世界を広げていくこと、そして出会うこと。一歩一歩積み重ねて人の手でそれを成す。最後にちょっとしたサプライズがあるのはご愛嬌。
私、この路線すっごく好きなんですよね。
プリキュアは改めて言うまでもなく本作を含め16年の歴史があります。友達との友情を培ったり、地球を守ったり、困っている人を助けたり、夢を叶えたりと色んなことをしてきました。そして14代目であるトゥインクルは何をしたか。何もしてない。何のためにも戦わない。知って、学んで、自分で考えて、答えて、輪を広げる。当たり前のことを当たり前にやる。
地球のために戦わなくても、誰かを救わなくても、夢を持たなくても、女の子はプリキュアなんです。友達と喧嘩してつい絶交口走りそうになったり、親に見つからないかと震え上がったり、かと思えば大好きなものに夢中になったりするそういう普通の女の子です。そんな子たちでもプリキュアになれる。それは彼女たちが真摯に一生懸命だからです。苦しくても前を向ける、独りで立ち上がれなくても支え合って踏み出せる。頑張れる女の子はプリキュアなんです。……そう言えることの大切さってあると思うんです。
「プリキュアとは何か」「どんな女の子がプリキュアに相応しいのか」という問いは作品そのものに対する自己言及であると同時に、子ども達へのメッセージにもなります。ボッチオタクもプリキュアになれる。夢見がちだった女の子が夢を叶える。それって素敵なことだと思うんですよね。
最近のプリキュアは大人になることがトレンドなんですが、本作を見て改めて思い出しました。
子どもにとって大人っていうのは飛躍を感じるものです。私が子どもだった頃、自分が大人になることが想像できませんでした。別な言い方をするなら大人がかつては子どもだったことを想像できませんでした。それは自分が見るものが全てだと思っていたからです。子どもから大人になる。その過程が全然想像できなかった。
トゥインクルはそれが地続きであることを教えてくれます。今やっていることが大人になっても続いていること。大人になっても友達であること。大人になっても思い出が消えないこと。子どもの頃に見上げていたものを同じ高さで見ることができること。大人になることは決して遠い未来のことじゃない。ララなんてやってることは変わってないですからね。でも大人になった彼女が語る姿は時の流れを感じさせる良いシーンだったと思います。使い古されたロケットもリアリティがありました(お気に入りのペンを使い続けるような感じ)。
そうは言ってもやっぱり子どもには想像するのが難しいのかもしれませんが、子ども目線で語り続けてきたトゥインクルが最後まで自分達の目線で世界を見て語る姿からはしっかりと大人を感じます。大人になって夢を叶える。夢を叶えるために大人になる。これまでのプリキュアはそういった側面があったことは否定できないし、本作のひかるもそうです。でも彼女達は過去を引きずっているわけじゃない。大人としての今を前向きに生きてる。それでいて色褪せることなく思い出が生きている。そんな彼女達の姿は美しい。夢を叶えようとするひかると、大人として務めを果たすララのコントラストが物語の余韻を深いものにしています。本作の大きな魅力ですね。
総じて言えばトゥインクルは自然体の子どもを描写する落ち着いた雰囲気の物語でした。
でもそこはプリキュア、我を通すところはしっかり通す。トゥインクルは成長の描き方がとても特徴的だったとこれまで感想で述べてきましたが、それに伴って受容の在り方も特徴的でした。去年のHUGと大きく違います。
たとえばHUGでわかりやすいのはアンリでしょう。中性的な振る舞いをする彼に噛み付いた正人は結局は考えを180度転換しています。それに対してトゥインクルは無理に相手の意見を変えません。蛇遣い座なんてわかりやすいですよね。あれだけのことをした彼女をあっさり許した上に、本人は考えを変えていない。でもそういう人が世界に居てもいい。勿論物語的には蛇遣い座が支配することはないし支配を是とはしないでしょう。でも蛇遣い座の考えそのものを否定はしない。
トゥインクルは「多様性を否定する者を否定しない」ことが大きな約束事だったと思います。白か黒かではなく、白も黒もある。その折り合いをつけていくことの大変さと良さ。それは子ども達が成長していくとともに他者を受容し、複雑な関係を結んでいけることの証明でもありました。
ここがプリキュアの面白いところなんですが、シリーズでも意見が食い違うことが多いんですね。なんなら前作を全否定するくらいの勢いのときもある(コラム2・3を参照)。それがプリキュアの多様性であり発展性だと思っています。
一つの物語は一つのスタンスしか持てません。プリキュアはそれぞれに個性と意見があって、ときに反対のことやる。そうやってプリキュアそのものが多様で強度が高い物語になっていく。私にとってプリキュアシリーズは足し算です。引き出しが増えていく。そのように思えるのはプリキュアが人の正しさや誤り、幸せや苦悩を常に描き続けているからです。そこに様々なアプローチがある。それはプリキュアの伝統が生き続けていることの証です。
色んなプリキュアがあることは女の子達に色んな在り方、生き方があることを提示します。みんなそれぞれにプリキュアの資質を持っている。15作あるプリキュアに、さらにもう一つ燦然と輝く物語を生み出してくれたことに感謝の言葉を贈りたい。この1年もまた素晴らしい体験でした。物語から学ぶことができるのは読み手にとって最高の幸せです。
願わくば次の1年も素晴らしい出会いでありますように。
第48話「想いを重ねて!闇を照らす希望の星☆」
○今週の出来事
①データをリセットしますか? →はい
まさかのOP無し導入。
それまでと一転して宇宙が静寂に。勝った…? 事の真偽を計りかねるノットレイダー達。
敵は消えた。けどフワも消えた。言葉を失うひかる。儀式を終えパレスに戻ったとプリンセス。お前らも消えればよかったのにな(視聴者の総意)。フワは使命を果たしました。感謝します。(元同僚を抹殺して)宇宙は救われました。と淡々と事象を語るプリンセス。
「救われただと?」
空気読んでノーテンキな主題歌流さないどころか背景真っ暗なタイトルまで用意する東堂いづみのこだわり。ついでにサブタイトルもカットする徹底ぶり。
何故無事なのか。お前達のイマジネーションが仇となった。器を消したくない。その想いが大いなる力の完成を邪魔した。想いを重ねきれなかった。つまりフワは無駄死に。追い打ちをかけます。東堂いづみは畜生です(断言)。
蛇遣い座は杭をパレスに突き刺そうと落下させます。呆然とするひかるを正気に戻して変身しようとしますが無反応。儀式で使ってしまったので残量ゼロ。そのまま杭はパレスを貫通。12のプリンセスの力を強制発動させて儀式を執り行います。
ミニブラックホールが宇宙のあちこちにできると周囲を吸い込んでいきます。これまでひかる達が行った星はもちろん地球も。最終決戦恒例の宇宙崩壊。迫りくる崩壊に再び敗北するガルオウガとトッパー。AIさんとの通信も切れます。
勝ち誇る蛇遣い座。元同僚のクーデターに成すすべもなく諦めるプリンセス。ひかる達もまた最後の言葉を発する間もなく闇に包まれていきます。
②スター☆トゥインクルプリキュア
小さな光。
闇の中で漂うひかる。敗北感。無力感。喪失感。フワを失って泣くひかる。宇宙消えてそれどころではないのですが、話が大きすぎるため目線を女児に合わせます。飼っていたペットが死んじゃって部屋に引きこもったという風に捉えても差し支えありません。そう考えるとやっぱりひかるだな、と思うのはこういうときの彼女は非常に脆いことです。ほぼ引きこもる。
やっぱりララだな、と思うのはこういうときに彼女が寄り添うから。触覚をひかるの手に当てます。良くも悪くもひかるは自分を見るし、良くも悪くもララは人を見る。ララが気遣うと、ひかるは安心すると同時に再び嗚咽を漏らします。ララは静かに見守るとみんなも居ると振り返ります。えれな、まどか、ユニ。みんなの無事を知ったひかるは涙を拭います。
5人の他は誰もいない。どうやらペンダントが守ってくれたようです。しかしそれも時間の問題。諦めかけた刹那、ひかるは脳裏に流れ星を見ます。視線の先にトゥインクルブック。元はひかるのノートだったもの。そこに書き込まれたフワ座。大事そうにブックを抱きしめると、
「いるよ、ここに」
「いたね、フワ」
失ったものとその記憶・記録。
「宇宙は消えてない」
まだ残ってる。
「私の……私たちの心の宇宙」
初代やS☆Sなんかもそうですが、宇宙喪失系の展開は最後に残された自分を拠り所にするパターンが典型です。トゥインクルがちょっと違うのはここでフワの死を受け入れていることです。後述するように生き返るんですが、この時点で彼女達はフワを生き返らせるとか、その方法や希望があるとは思っていません。このシーンは喪に服している場面です。展開早いのでうっかり見逃すとこですが、これはとても重要です。死による喪失感と無力感から受容に至り、それを踏まえてひかるはフワの思い出を確かなものにしています。思い出は消えない。確かにフワが居たという確証。死んだら、消せば、無かったことになるわけじゃない。わざわざフワを殺したのはこのためです。彼女もまた世界の理不尽に傷つけられ世界を憎んでもいい。あるいはこのままなげうって自分自身も消えてしまってもいい。けど彼女はそれをしない。彼女は世界を、星を、星の記憶を内包していく。彼女の脆さと強さはコインの裏表です。死別もまた子どもの頃に体験し得るものでしょう。その記憶もまた人間を創り育てていく。
「私は守りたい。宇宙を……みんなを守ろうとしてくれた、フワの想いを!」
記憶の美化とか、都合の良い解釈ともいえるんですが、そうしてでも生き抜こうとする、前に進もうとする人間のバイタリティは逞しい。さっきまで泣いていたのに、今は良い思い出にしてしまう。それは残酷であると同時に生きる人間の強さなのだと思います。本作はこの現実的な折り合いの付け方が健全さに繋がっています。
ひかるはペンを握ると歌いはじめます。
当然BGMはありません。アカペラ。それに倣ってララ達も歌いはじめます。プリキュアは変身ヒーロー(ヒロイン)なので「変身」の意味について作中で定義しているものがいくつかあります。変身とは未来の先取りであり、可能性の先取りであり、自己実現、といったように。45話のキュアスター変身シーンもその一つです。演出によってはキュアフローラみたいにバンクを使わずに変身するものもあります。それまで成り行きで変身して与えられていたものを今度は選び直す。これによって再契約とか再定義的な意味合いが乗ります。
翻ってトゥインクルでは上述したようにすでにひかるがやっちゃってるんですが、アカペラで歌い出すのは変身シーンに歌を用いた本作らしい演出。まだこの手があったのかと唸りました。プリキュアはプリンセスのイマジネーションでできている。あのBGMもプリンセスが用意したもの。振り付けも自分がやっているように見えてやらされているかもしれない。だったら、何も使わず歌ったら自分の変身だよね理論。好きに歌っていいし振り付けも自由、それがあなたの変身だよ、って意味になるので子どもにもわかりやすい良い演出だと思います。
「スター☆トゥインクル~♪ スター☆トゥインクルプリキュア~~~アァァ~♪」
間。諦めた瞬間光ります。充電完了。
「イマジネーションの輝き! なりたい自分に!」
一気にパワーアップフォームに。というかこれが彼女達本来のコスチューム。見ててガッツポーズでした。パワーアップフォームで直接戦闘やって欲しいって希望があったし、それがちゃんと意味がある形で舞台が用意されているのは見事です。プリキュア=プリンセスの借り物という構図をどうやって脱却するか。歌。変身。コスチューム。全ての要素を使って自分のものにしています。
③宇宙に煌めく星
余裕ぶっこいて玉座で頬杖をつく蛇遣い座。その頭上に颯爽と登場。
ラスボス戦第2ラウンド。
蛇遣い座は一気に距離を詰めると先制攻撃を仕掛けます。反撃に出るスターを一蹴。パワーアップしたからといって圧倒できるわけではないらしい。残ったプリキュアに蛇の触手を伸ばします。BGMが変身BGMってあるようであまり無いパターン。最終決戦なので作画班も頑張ります。てか蛇遣い座めっちゃノリノリなんですけど。接近戦でも強い。なんでこの人こんなに武闘派なの。プリンセスの中で最優秀だったけどそれ故に異端だったんだろうなぁ。
所詮借り物の力と下に見る蛇遣い座。借り物でないことを証明せんとするプリキュア。
「元はプリンセスの力かもしれないルン!」
「でも今はあたし達のイマジネーションなんだ!」
「たわけ」。年の功は伊達じゃない。ソレイユが格闘戦で押し負けると、次は射撃戦。……なんかすげーチャージしてるー!? ちょっとセレーネさんやりすぎじゃないですか? てかなんで君もそんなに武闘派なの? 一撃の威力高めるために補助アーム付けてるし。機動力を完全に捨てての火力特化。射撃タイプのプリキュアは他にも色々いるけど純粋に弓一本でここまで戦えるセレーネはオンリーワン。機動的な戦いと火力にガン振りした戦いができる万能職。蛇遣い座を挟み込むようにコスモと挟撃。
「私達は! 自分達で考え! 想いを巡らせ!」
「イマジネーションを育てていったニャン!」
本作のスタンスは一貫しています。人の想像力(創造力)や個性は決してそれ自体オリジナルではない。趣味も言動も借り物から入る。それを自分のものにしていくことでオリジナルになっていく。人は創造されていく。最終決戦に至るここまでほんとよく徹底させたと思います。経験に勝るオリジナルはない。トゥインクル1年分をキッチリここでぶつけます。
「だから! 私だけのイマジネーションなんだ!」
腕輪にヒビが入るも有効打は入らず。蛇遣い座は本気を出すと力でも舌戦でも反撃。
そのイマジネーションの独りよがりがノットレイダーを生んだ。不完全なイマジネーションなど不要。そんなものがあるから宇宙が歪む。我の宇宙こそが美しい。ラスボスとして見たときに蛇遣い座は結構好きなキャラです。というのもこの人はこの人なりの美学というか完璧主義というか、そういうスタンスに立っていてそこがブレないからです。私怨をキッカケとするボスは数多いですがこの人は完全に志向でやってる。そもそも神様なのでそういう世界を創りたいってだけですからね。シムシティで整然とした街作りたい。渋滞とかあり得ない。汚水・ゴミ処理完璧!みたいな。だから救済の対象ではないし悪でもない。人間から見るとはた迷惑ではあるけど。
そんなのつまんないじゃん。スターが一言で反論。
「みんな違うイマジネーションを持ってる! だから…だから宇宙は…楽しいルン!」
だから目を光らせるのやめろ。なんか違うアニメになってるぞ。フリーの3人で一斉射撃。セレーネのモビルアーマー感。矢打ったときの光の破片とか手間かけすぎ。作画の人ぜってーセレーネ好きだろ。
蛇遣い座にも疲れが見えはじめます。
「私は知りたい。あなたの、イマジネーションも」
対等な立場で、対等な目線で語りかけます。本作に敵は存在しません。敵がいなくても子どもは成長できるから。
最後の力で大技を出すと、プリキュアもまた最後の技を放ちます。
「イマジネーションはさ、消すよりも星みたくたっくさん輝いていた方がキラやば~っだよ」
ここのスターめっちゃ可愛くて好き。最後の必殺技ってその作品の色が強く出るものなんだけど、このスターの表情、話し方がトゥインクルの色ですね。
蛇遣い座はそこで気づきます。周囲に広がる幾つもの星。人々の放つ光。フワの声。全てのイマジネーションを重ねて戦いに終止符を打ちます。
④居るべき場所へ
世界は消滅から免れると、大量の流れ星が降り注ぎます。
プルンスが気づくと目の前にはララ達。
「何故だ」
何故闇だけを消して私を消さなかった。消すわけないじゃん。簡潔に答えるスター。纏めるようにプリンセスが答えます。彼女達のイマジネーションは我々の想像を遥かに超えて育った。彼女達を見守らないかと休戦を申し出ます。すると蛇遣い座は今更戻れないと復職を断ると挑戦的な視線をスターに向けます。「では見せてみろ、キラやば…な世界とやらを」。ノットレイダーにも神様にも「キラやば」を認めさせるキラやべーヤツ。
もしその世界が誤っていれば再び現れよう、と身を引きます。無難なところです。ここでプリキュアに媚びるのもカッコがつかないし折り合いの付け方として丁度いいでしょう。「待て」。呼び止める声。ガルオウガ。そういえばこっちの問題が残っていました。蛇遣い座は彼に壊れかけた腕輪を渡します。好きに使え。自分を追って恨みを晴らすもよかろう。まだ戦えそうですが、彼女なりのケジメの付け方なのでしょう。こういうところも彼女の格調の高さ(ブレなさ)を示しています。他のプリンセスは別な意味でブレない人達ですが。
蛇遣い座はどこかへと去っていきます。
再びプリンセス達がプリキュアにお礼。
もうこれで最後にしてよとばかりにユニが故郷について訊ねます。あなたのイマジネーションは我々を超える力、全ては望むがまま。あ、それ実質今この世界の神はプリキュアってことか。
それならフワは? これに関してはパレスに戻ってしまったのでどうしようもない。フワがプリンセスのイマジネーションで生まれたのなら、この力で戻せないか。理屈では可能そうです。その方法を認めながらも完全な復活は難しいとプリンセス。記憶もワープの力も。それをすればプリキュアも力を失う。そうなれば宇宙に気軽に行くこともできなくなります。
ひかるが持ったブックに手を重ねながらララが答えます。それでもフワに会いたい。ひかるならそう言う。えれな、まどかも手を重ねます。最後にユニも。星のことならアイワーンが元に戻す方法を研究してくれる。バツが悪そうなアイワーン。この期に及んでも不思議パワーでなんとかしようとしないプリキュアの徹底ぶり。不思議パワーでなんとかしようとするのはプリンセスだけ。
みんなの想いを重ねてフワを再び生みます。
変身が解け目の前に現れるフワ。最初の頃より幼い顔立ち。
抱きしめるひかるを不思議そうな目で見つめます。やはり記憶を失っています。そこに反論する声。
「忘れるはずがありません」
経験者は語る。埋もれるような記憶じゃない。「ひ…かる…」「うん…そうだよ」
ペンダントの力が失われていきます。終わりの時。ガルオウガが腕輪に残った最後の力でワープホールを開きます。彼もまた前に進むことを選んだようです。
フワは私達が、とプリンセス。……どの面さげて? 流石だよプリンセス。もうほんとブレないわあんたら。自重って言葉知ってる? フワにはパレスが必要。それまで黙っていたプルンスが口を開きます。プルンスがついている。プリンセスは信用ゼロだけどプルンスの信用はMAX。ひかるは最後の温もりを感じるように抱きしめるとフワをプルンスへ託します。
フワだけではありません。ユニもここに残ります。キラやばだったニャン。
そしてララも。毅然とした様子で別れの言葉を告げます。手をぐっと堪えるとひかるは頷きます。またきっと行く。自分の力で。すると雪崩を打ったようにララの瞳から涙が溢れていきます。ルン!ルルルン! ペンダントの力は失われ言葉も通じなくなります。でも一生懸命ララは言葉を紡ぎます。
「ひ…かる…あり…がと」
「うん! ありがとう」
こうして少女達は友達と別れを告げ、地球へと戻ります。
⑤次回予告
最終回まるまるエピローグ。
○トピック
トゥインクルらしい決着。綺麗に収まりすぎて来週何やんの?感が半端ない。
このアニメは徹頭徹尾子どもに試練を与え、そして子どもを信じます。
子ども達に課された使命はただ一つ。すべてを受け入れること。たとえそれが死であっても。最後まで鬼畜な東堂いづみのシゴキに耐えた彼女達は「プリキュア」になります。家のこと、好きなこと、やりたいこと、プリンセスが作った「プリ・キュア」。それらを経験しながら彼女達は自分のやりたいこと、成すべきことを見つけます。それこそがあなたのイマジネーションなのだと本作トゥインクルは提示しています。
ここに辿り着くまでに1年必要だったのだと納得。この世界が実はプリンセスが作った実験場だと知ったときはどういうつもりなんだ、造物主と被造物の対決をやるつもりか、と思ったものですが蓋を開けてみればすべてがスッキリする流れ。人は生まれたときからある意味すべてがお膳立てされている。親が居て、家があって、学校があって、会社があって。家には玩具があって、本棚には本が並んでいる。ごっこ遊びのようにそれを真似する。子どもが置かれた環境はある種箱庭的です。そこで何を見てきたか、考えてきたか、やってきたか。その経験こそが「私」を作り上げる。個性とは。才能とは。私とは。そういった人格に関わるものを個(固)として扱うのではなく流動的で経験的で関係的なものとして、それを体験する子ども達の在り様をとおして見せたのが本作です。
「私(のイマジネーション)」を証明する方法は人の数だけある。それぞれ全く違うことをやっているから。去年は一般人が全員プリキュアになりましたが、今作では一般人が星として煌めきます。ひかる達同様に彼らもまたそれぞれにイマジネーションを持つ。造物主と被造物の対決というような安易な対決ではなく、人の在り様にキッチリ焦点を当てたこの1年を締めくくるに相応しい最終決戦でした。ほんとに強い、信念を持った物語だったと思います。
プリキュアを見るときに私はいくつかのポイントに分けて見ます。そのポイントが作品に対するアプローチでもあります。
たとえば去年は「なりたい私」「私がなりたい野乃はな」のように最初から目標を持った物語でした。このように何かになろうとする物語は志向性が強く、ざっくり言えばマッチョになりやすい傾向があります。プリンセスプリキュアがわかりやすいですね。スポ根みたいに上を目指そうとする。夢を追いかける。そういう物語は好きです。基本的に私は「人間は人間になろうとするから人間なのである(誇りを持て)」と考えるタイプなので。
けど、同時にそんなにマッチョにならなくてもいいんじゃない?という気持ちもあります。だって現実の私はそこまでマッチョじゃないもの。明確な夢や目標が無い人だって大勢いるし、そもそも夢や目標がそんなに大事か?って。極論幸せになれればいんじゃない?って。そうも思います。魔法つかいや本作トゥインクルのように日々をあるがままに生きる物語もまた意味がある、というアプローチです。
感想で魔法つかいを話題にすることが多いんですが、あの作品結構好きなんですよ。ぶっちゃけ最終回直前まで話的にはほとんど意味が無いんですが、離別する段になったときに出会いと別れが強烈に意味を持つようになるんですね。それはみらいとリコにとってそれが1回性の大きな出来事だからです。まさに人生を左右する出会いと別れ。そういう偶発的なものもまた人生・人格を作り上げる重要な要素で志向性(計画性)とは別の、しかし人生になくてはならない要素です。
トゥインクルがやったことは子どもなら誰しもが思い当たり、突き当たることです。特別なことではありません。しかしそれを経験していくうちにいつしか大人になっていく。その一つ一つが大人になるためのイニシエーション。
声高々に大人になろう、成長しようと口に出さなくてもいい。子ども達は日々の中で自然に成長していく。あるときは素直に、あるときはナイフで刺されたような痛みを伴いながら。でも彼女達は自分で成長した!なんて口にしない。それが当たり前のことだから。子どもの目線で、子どもの当たり前を、いくつもの関係の中で、様々な密度で色鮮やかに描いた1年でした。
ってまだ終わってないんですけどね。最後のデザートを楽しませてもらいましょう。
①データをリセットしますか? →はい
まさかのOP無し導入。
それまでと一転して宇宙が静寂に。勝った…? 事の真偽を計りかねるノットレイダー達。
敵は消えた。けどフワも消えた。言葉を失うひかる。儀式を終えパレスに戻ったとプリンセス。お前らも消えればよかったのにな(視聴者の総意)。フワは使命を果たしました。感謝します。(元同僚を抹殺して)宇宙は救われました。と淡々と事象を語るプリンセス。
「救われただと?」
空気読んでノーテンキな主題歌流さないどころか背景真っ暗なタイトルまで用意する東堂いづみのこだわり。ついでにサブタイトルもカットする徹底ぶり。
何故無事なのか。お前達のイマジネーションが仇となった。器を消したくない。その想いが大いなる力の完成を邪魔した。想いを重ねきれなかった。つまりフワは無駄死に。追い打ちをかけます。東堂いづみは畜生です(断言)。
蛇遣い座は杭をパレスに突き刺そうと落下させます。呆然とするひかるを正気に戻して変身しようとしますが無反応。儀式で使ってしまったので残量ゼロ。そのまま杭はパレスを貫通。12のプリンセスの力を強制発動させて儀式を執り行います。
ミニブラックホールが宇宙のあちこちにできると周囲を吸い込んでいきます。これまでひかる達が行った星はもちろん地球も。最終決戦恒例の宇宙崩壊。迫りくる崩壊に再び敗北するガルオウガとトッパー。AIさんとの通信も切れます。
勝ち誇る蛇遣い座。元同僚のクーデターに成すすべもなく諦めるプリンセス。ひかる達もまた最後の言葉を発する間もなく闇に包まれていきます。
②スター☆トゥインクルプリキュア
小さな光。
闇の中で漂うひかる。敗北感。無力感。喪失感。フワを失って泣くひかる。宇宙消えてそれどころではないのですが、話が大きすぎるため目線を女児に合わせます。飼っていたペットが死んじゃって部屋に引きこもったという風に捉えても差し支えありません。そう考えるとやっぱりひかるだな、と思うのはこういうときの彼女は非常に脆いことです。ほぼ引きこもる。
やっぱりララだな、と思うのはこういうときに彼女が寄り添うから。触覚をひかるの手に当てます。良くも悪くもひかるは自分を見るし、良くも悪くもララは人を見る。ララが気遣うと、ひかるは安心すると同時に再び嗚咽を漏らします。ララは静かに見守るとみんなも居ると振り返ります。えれな、まどか、ユニ。みんなの無事を知ったひかるは涙を拭います。
5人の他は誰もいない。どうやらペンダントが守ってくれたようです。しかしそれも時間の問題。諦めかけた刹那、ひかるは脳裏に流れ星を見ます。視線の先にトゥインクルブック。元はひかるのノートだったもの。そこに書き込まれたフワ座。大事そうにブックを抱きしめると、
「いるよ、ここに」
「いたね、フワ」
失ったものとその記憶・記録。
「宇宙は消えてない」
まだ残ってる。
「私の……私たちの心の宇宙」
初代やS☆Sなんかもそうですが、宇宙喪失系の展開は最後に残された自分を拠り所にするパターンが典型です。トゥインクルがちょっと違うのはここでフワの死を受け入れていることです。後述するように生き返るんですが、この時点で彼女達はフワを生き返らせるとか、その方法や希望があるとは思っていません。このシーンは喪に服している場面です。展開早いのでうっかり見逃すとこですが、これはとても重要です。死による喪失感と無力感から受容に至り、それを踏まえてひかるはフワの思い出を確かなものにしています。思い出は消えない。確かにフワが居たという確証。死んだら、消せば、無かったことになるわけじゃない。わざわざフワを殺したのはこのためです。彼女もまた世界の理不尽に傷つけられ世界を憎んでもいい。あるいはこのままなげうって自分自身も消えてしまってもいい。けど彼女はそれをしない。彼女は世界を、星を、星の記憶を内包していく。彼女の脆さと強さはコインの裏表です。死別もまた子どもの頃に体験し得るものでしょう。その記憶もまた人間を創り育てていく。
「私は守りたい。宇宙を……みんなを守ろうとしてくれた、フワの想いを!」
記憶の美化とか、都合の良い解釈ともいえるんですが、そうしてでも生き抜こうとする、前に進もうとする人間のバイタリティは逞しい。さっきまで泣いていたのに、今は良い思い出にしてしまう。それは残酷であると同時に生きる人間の強さなのだと思います。本作はこの現実的な折り合いの付け方が健全さに繋がっています。
ひかるはペンを握ると歌いはじめます。
当然BGMはありません。アカペラ。それに倣ってララ達も歌いはじめます。プリキュアは変身ヒーロー(ヒロイン)なので「変身」の意味について作中で定義しているものがいくつかあります。変身とは未来の先取りであり、可能性の先取りであり、自己実現、といったように。45話のキュアスター変身シーンもその一つです。演出によってはキュアフローラみたいにバンクを使わずに変身するものもあります。それまで成り行きで変身して与えられていたものを今度は選び直す。これによって再契約とか再定義的な意味合いが乗ります。
翻ってトゥインクルでは上述したようにすでにひかるがやっちゃってるんですが、アカペラで歌い出すのは変身シーンに歌を用いた本作らしい演出。まだこの手があったのかと唸りました。プリキュアはプリンセスのイマジネーションでできている。あのBGMもプリンセスが用意したもの。振り付けも自分がやっているように見えてやらされているかもしれない。だったら、何も使わず歌ったら自分の変身だよね理論。好きに歌っていいし振り付けも自由、それがあなたの変身だよ、って意味になるので子どもにもわかりやすい良い演出だと思います。
「スター☆トゥインクル~♪ スター☆トゥインクルプリキュア~~~アァァ~♪」
間。諦めた瞬間光ります。充電完了。
「イマジネーションの輝き! なりたい自分に!」
一気にパワーアップフォームに。というかこれが彼女達本来のコスチューム。見ててガッツポーズでした。パワーアップフォームで直接戦闘やって欲しいって希望があったし、それがちゃんと意味がある形で舞台が用意されているのは見事です。プリキュア=プリンセスの借り物という構図をどうやって脱却するか。歌。変身。コスチューム。全ての要素を使って自分のものにしています。
③宇宙に煌めく星
余裕ぶっこいて玉座で頬杖をつく蛇遣い座。その頭上に颯爽と登場。
ラスボス戦第2ラウンド。
蛇遣い座は一気に距離を詰めると先制攻撃を仕掛けます。反撃に出るスターを一蹴。パワーアップしたからといって圧倒できるわけではないらしい。残ったプリキュアに蛇の触手を伸ばします。BGMが変身BGMってあるようであまり無いパターン。最終決戦なので作画班も頑張ります。てか蛇遣い座めっちゃノリノリなんですけど。接近戦でも強い。なんでこの人こんなに武闘派なの。プリンセスの中で最優秀だったけどそれ故に異端だったんだろうなぁ。
所詮借り物の力と下に見る蛇遣い座。借り物でないことを証明せんとするプリキュア。
「元はプリンセスの力かもしれないルン!」
「でも今はあたし達のイマジネーションなんだ!」
「たわけ」。年の功は伊達じゃない。ソレイユが格闘戦で押し負けると、次は射撃戦。……なんかすげーチャージしてるー!? ちょっとセレーネさんやりすぎじゃないですか? てかなんで君もそんなに武闘派なの? 一撃の威力高めるために補助アーム付けてるし。機動力を完全に捨てての火力特化。射撃タイプのプリキュアは他にも色々いるけど純粋に弓一本でここまで戦えるセレーネはオンリーワン。機動的な戦いと火力にガン振りした戦いができる万能職。蛇遣い座を挟み込むようにコスモと挟撃。
「私達は! 自分達で考え! 想いを巡らせ!」
「イマジネーションを育てていったニャン!」
本作のスタンスは一貫しています。人の想像力(創造力)や個性は決してそれ自体オリジナルではない。趣味も言動も借り物から入る。それを自分のものにしていくことでオリジナルになっていく。人は創造されていく。最終決戦に至るここまでほんとよく徹底させたと思います。経験に勝るオリジナルはない。トゥインクル1年分をキッチリここでぶつけます。
「だから! 私だけのイマジネーションなんだ!」
腕輪にヒビが入るも有効打は入らず。蛇遣い座は本気を出すと力でも舌戦でも反撃。
そのイマジネーションの独りよがりがノットレイダーを生んだ。不完全なイマジネーションなど不要。そんなものがあるから宇宙が歪む。我の宇宙こそが美しい。ラスボスとして見たときに蛇遣い座は結構好きなキャラです。というのもこの人はこの人なりの美学というか完璧主義というか、そういうスタンスに立っていてそこがブレないからです。私怨をキッカケとするボスは数多いですがこの人は完全に志向でやってる。そもそも神様なのでそういう世界を創りたいってだけですからね。シムシティで整然とした街作りたい。渋滞とかあり得ない。汚水・ゴミ処理完璧!みたいな。だから救済の対象ではないし悪でもない。人間から見るとはた迷惑ではあるけど。
そんなのつまんないじゃん。スターが一言で反論。
「みんな違うイマジネーションを持ってる! だから…だから宇宙は…楽しいルン!」
だから目を光らせるのやめろ。なんか違うアニメになってるぞ。フリーの3人で一斉射撃。セレーネのモビルアーマー感。矢打ったときの光の破片とか手間かけすぎ。作画の人ぜってーセレーネ好きだろ。
蛇遣い座にも疲れが見えはじめます。
「私は知りたい。あなたの、イマジネーションも」
対等な立場で、対等な目線で語りかけます。本作に敵は存在しません。敵がいなくても子どもは成長できるから。
最後の力で大技を出すと、プリキュアもまた最後の技を放ちます。
「イマジネーションはさ、消すよりも星みたくたっくさん輝いていた方がキラやば~っだよ」
ここのスターめっちゃ可愛くて好き。最後の必殺技ってその作品の色が強く出るものなんだけど、このスターの表情、話し方がトゥインクルの色ですね。
蛇遣い座はそこで気づきます。周囲に広がる幾つもの星。人々の放つ光。フワの声。全てのイマジネーションを重ねて戦いに終止符を打ちます。
④居るべき場所へ
世界は消滅から免れると、大量の流れ星が降り注ぎます。
プルンスが気づくと目の前にはララ達。
「何故だ」
何故闇だけを消して私を消さなかった。消すわけないじゃん。簡潔に答えるスター。纏めるようにプリンセスが答えます。彼女達のイマジネーションは我々の想像を遥かに超えて育った。彼女達を見守らないかと休戦を申し出ます。すると蛇遣い座は今更戻れないと復職を断ると挑戦的な視線をスターに向けます。「では見せてみろ、キラやば…な世界とやらを」。ノットレイダーにも神様にも「キラやば」を認めさせるキラやべーヤツ。
もしその世界が誤っていれば再び現れよう、と身を引きます。無難なところです。ここでプリキュアに媚びるのもカッコがつかないし折り合いの付け方として丁度いいでしょう。「待て」。呼び止める声。ガルオウガ。そういえばこっちの問題が残っていました。蛇遣い座は彼に壊れかけた腕輪を渡します。好きに使え。自分を追って恨みを晴らすもよかろう。まだ戦えそうですが、彼女なりのケジメの付け方なのでしょう。こういうところも彼女の格調の高さ(ブレなさ)を示しています。他のプリンセスは別な意味でブレない人達ですが。
蛇遣い座はどこかへと去っていきます。
再びプリンセス達がプリキュアにお礼。
もうこれで最後にしてよとばかりにユニが故郷について訊ねます。あなたのイマジネーションは我々を超える力、全ては望むがまま。あ、それ実質今この世界の神はプリキュアってことか。
それならフワは? これに関してはパレスに戻ってしまったのでどうしようもない。フワがプリンセスのイマジネーションで生まれたのなら、この力で戻せないか。理屈では可能そうです。その方法を認めながらも完全な復活は難しいとプリンセス。記憶もワープの力も。それをすればプリキュアも力を失う。そうなれば宇宙に気軽に行くこともできなくなります。
ひかるが持ったブックに手を重ねながらララが答えます。それでもフワに会いたい。ひかるならそう言う。えれな、まどかも手を重ねます。最後にユニも。星のことならアイワーンが元に戻す方法を研究してくれる。バツが悪そうなアイワーン。この期に及んでも不思議パワーでなんとかしようとしないプリキュアの徹底ぶり。不思議パワーでなんとかしようとするのはプリンセスだけ。
みんなの想いを重ねてフワを再び生みます。
変身が解け目の前に現れるフワ。最初の頃より幼い顔立ち。
抱きしめるひかるを不思議そうな目で見つめます。やはり記憶を失っています。そこに反論する声。
「忘れるはずがありません」
経験者は語る。埋もれるような記憶じゃない。「ひ…かる…」「うん…そうだよ」
ペンダントの力が失われていきます。終わりの時。ガルオウガが腕輪に残った最後の力でワープホールを開きます。彼もまた前に進むことを選んだようです。
フワは私達が、とプリンセス。……どの面さげて? 流石だよプリンセス。もうほんとブレないわあんたら。自重って言葉知ってる? フワにはパレスが必要。それまで黙っていたプルンスが口を開きます。プルンスがついている。プリンセスは信用ゼロだけどプルンスの信用はMAX。ひかるは最後の温もりを感じるように抱きしめるとフワをプルンスへ託します。
フワだけではありません。ユニもここに残ります。キラやばだったニャン。
そしてララも。毅然とした様子で別れの言葉を告げます。手をぐっと堪えるとひかるは頷きます。またきっと行く。自分の力で。すると雪崩を打ったようにララの瞳から涙が溢れていきます。ルン!ルルルン! ペンダントの力は失われ言葉も通じなくなります。でも一生懸命ララは言葉を紡ぎます。
「ひ…かる…あり…がと」
「うん! ありがとう」
こうして少女達は友達と別れを告げ、地球へと戻ります。
⑤次回予告
最終回まるまるエピローグ。
○トピック
トゥインクルらしい決着。綺麗に収まりすぎて来週何やんの?感が半端ない。
このアニメは徹頭徹尾子どもに試練を与え、そして子どもを信じます。
子ども達に課された使命はただ一つ。すべてを受け入れること。たとえそれが死であっても。最後まで鬼畜な東堂いづみのシゴキに耐えた彼女達は「プリキュア」になります。家のこと、好きなこと、やりたいこと、プリンセスが作った「プリ・キュア」。それらを経験しながら彼女達は自分のやりたいこと、成すべきことを見つけます。それこそがあなたのイマジネーションなのだと本作トゥインクルは提示しています。
ここに辿り着くまでに1年必要だったのだと納得。この世界が実はプリンセスが作った実験場だと知ったときはどういうつもりなんだ、造物主と被造物の対決をやるつもりか、と思ったものですが蓋を開けてみればすべてがスッキリする流れ。人は生まれたときからある意味すべてがお膳立てされている。親が居て、家があって、学校があって、会社があって。家には玩具があって、本棚には本が並んでいる。ごっこ遊びのようにそれを真似する。子どもが置かれた環境はある種箱庭的です。そこで何を見てきたか、考えてきたか、やってきたか。その経験こそが「私」を作り上げる。個性とは。才能とは。私とは。そういった人格に関わるものを個(固)として扱うのではなく流動的で経験的で関係的なものとして、それを体験する子ども達の在り様をとおして見せたのが本作です。
「私(のイマジネーション)」を証明する方法は人の数だけある。それぞれ全く違うことをやっているから。去年は一般人が全員プリキュアになりましたが、今作では一般人が星として煌めきます。ひかる達同様に彼らもまたそれぞれにイマジネーションを持つ。造物主と被造物の対決というような安易な対決ではなく、人の在り様にキッチリ焦点を当てたこの1年を締めくくるに相応しい最終決戦でした。ほんとに強い、信念を持った物語だったと思います。
プリキュアを見るときに私はいくつかのポイントに分けて見ます。そのポイントが作品に対するアプローチでもあります。
たとえば去年は「なりたい私」「私がなりたい野乃はな」のように最初から目標を持った物語でした。このように何かになろうとする物語は志向性が強く、ざっくり言えばマッチョになりやすい傾向があります。プリンセスプリキュアがわかりやすいですね。スポ根みたいに上を目指そうとする。夢を追いかける。そういう物語は好きです。基本的に私は「人間は人間になろうとするから人間なのである(誇りを持て)」と考えるタイプなので。
けど、同時にそんなにマッチョにならなくてもいいんじゃない?という気持ちもあります。だって現実の私はそこまでマッチョじゃないもの。明確な夢や目標が無い人だって大勢いるし、そもそも夢や目標がそんなに大事か?って。極論幸せになれればいんじゃない?って。そうも思います。魔法つかいや本作トゥインクルのように日々をあるがままに生きる物語もまた意味がある、というアプローチです。
感想で魔法つかいを話題にすることが多いんですが、あの作品結構好きなんですよ。ぶっちゃけ最終回直前まで話的にはほとんど意味が無いんですが、離別する段になったときに出会いと別れが強烈に意味を持つようになるんですね。それはみらいとリコにとってそれが1回性の大きな出来事だからです。まさに人生を左右する出会いと別れ。そういう偶発的なものもまた人生・人格を作り上げる重要な要素で志向性(計画性)とは別の、しかし人生になくてはならない要素です。
トゥインクルがやったことは子どもなら誰しもが思い当たり、突き当たることです。特別なことではありません。しかしそれを経験していくうちにいつしか大人になっていく。その一つ一つが大人になるためのイニシエーション。
声高々に大人になろう、成長しようと口に出さなくてもいい。子ども達は日々の中で自然に成長していく。あるときは素直に、あるときはナイフで刺されたような痛みを伴いながら。でも彼女達は自分で成長した!なんて口にしない。それが当たり前のことだから。子どもの目線で、子どもの当たり前を、いくつもの関係の中で、様々な密度で色鮮やかに描いた1年でした。
ってまだ終わってないんですけどね。最後のデザートを楽しませてもらいましょう。
第47話「フワを救え!消えゆく宇宙と大いなる闇!」
○今週の出来事
①宇宙人同盟
蛇遣い座が去った後、星空連合艦隊は壊滅状態。唯一無事なのはトッパーが指揮する旗艦のみ。
負傷者を収容して治療。冒頭から重苦しい雰囲気。目を覚ましたガルオウガにアイワーンが助けたと伝えるとお礼が返ってきます。照れるアイワーン。完全にツンデレポジションっていうか、ユニの妹分になってるな。
他の幹部も無事と知って安心するガルオウガに、プルンスがフワ達はどこにいる!?と詰めかけます。早速捕虜に尋問。ダークネストへの忠誠心は無くなっているので素直に教えます。行き先は知っている。でもそこに行く方法がない。
蛇遣い座はノットレイダーのアジトへと転移。アジトの中心から杭のようなものを引き抜きます。この杭に蛇遣い座の力が蓄えられている様子。儀式にはプリンセスの力と器が不可欠。今更だけど幹部たちが毎回居た場所って杭の上だったのね。どっかの室内だと思ってた。
計画を自白するガルオウガ。杭が必要ならアジトの近くにいるはず。しかしアジトへの行き来はワープを行っていたので詳しい座標がわからない。……ってのが今までの見解。グーテン星で分析した結果、目星がついている。そう話すトッパー。
私達も行く、と立ち上がるカッパードとテンジョウ。ひかるはその申し出を快く受け入れます。
「行こう、一緒に!」
「守ろう、みんなの宇宙を!」
ノットレイの中の人達から歓声がわきます。
先程まで敵であった者達に不安を覚える星空連合幹部。するとトッパーはプリキュアを信じると答えます。実際問題として星空連合艦隊は壊滅していて補給する時間もない。残った戦力をフル活用する以外に手はありません。……あれ、これガンダムとかそういう系のアニメですか?みたいな最終決戦のノリ。最終決戦で敵が寝返るのはよくあることですが、トゥインクルの場合はひかる達は別として無条件で受け入れるわけではなく、こうして実利的な問題を加味しているのが特徴的ですね。過去の経緯を無かったことにはできないけど実績を作れれば宥和が進む。ノットレイダーの個別的な虐げられ問題を直接理解・緩和するより協力実績を作った方が手っ取り早くて効果的。
単艦でノットレイダー本拠地へと向かいます。
ワープの間、物資の準備を手伝うひかる達。すっげー地味なシーンだけど、この間が大事。黙って荷物を運ぶプルンスにユニが声をかけます。「何も知らなかったわけ?」。こういうやり取りね。
宇宙を創ったのはプリンセス。プルンスは長らくお仕えしていたが初耳だったと肩を落とします。内容が内容なので他言する類のものではないでしょうが、自分達が仕えていたのが神だったこと、その神が神であると隠していたこと。プリンセスはまだ何かを隠しているのかもしれない。
儀式の準備は着々と進行。もがくプリンセス。蛇遣い座は余裕の体。というのも今のプリンセス達に力はあまり残されていません。以前の襲撃でプリンセスは宇宙に力を放った。スターカラーペン。プリキュアがペンを集めてその力をフワに集約させた。つまりプリンセスの力は器であるフワに宿っている(宿っているから器と呼んでいるんだろうけど)。プリンセスが無能な理由とフワが必要な理由を説明。プリンセスが無能なのは怠慢だからのような気もしますが。元々プリンセスの力だったものを全て集めたって話ですね。宇宙創ったのがプリンセスなのだから、創り直すにもプリンセスの力が必要。
杭がスターパレスに刺されば儀式が完了。大いなる闇が広がり宇宙を飲み込んでリセット。蛇遣い座が新世界の神になる。宇宙に放った力はそれだけではない、とプリンセスが反論。無論忘れるはずがない。蛇遣い座もそれは先刻承知。
武器の手入れをするカッパードのもとにひかるとララが差し入れを持ってきます。おにぎり。艦内食を配っているようです。見慣れない食べ物を見たカッパードは水でいいと断ります。それで引くひかるじゃない。久しぶりのいつものアレ。一口食べてみると意外と美味しい。
「ね、キラやば~でしょ?」
いつもの彼女のセリフ。その言葉に彼は頷きます。彼の中にあるわだかまりも少しずつ腹の中で消化されていきます。
宇宙船を整備するノットレイ達。監督していたテンジョウにえれなが話しかけます。事情を聞いたテンジョウは素直に礼を言います。仮面越しではない目でえれなを見ながら「ありがとう」と一言。笑顔を浮かべるえれな。
アイワーンも宇宙船を整備。なにやら手こずっている様子。ところでパーカー着ているアイワーンは本作のグッドデザイン賞だと思います。可愛い。そんな彼女に(宇宙船の)センスが無いとユニ。めちゃくちゃ癖がある!と苦情を言うアイワーンに手を貸します。叩けば解決。昭和か。呆れる彼女に「コツがいる」とウィンクするユニ。はい、デレた。君たちギャルゲーやってるの?
ガルオウガとまどかのセット。「何故受け入れる?」。今までの仕打ちをそう簡単に忘れられるわけがない。みんなが心の底から受け入れているのか自分にはわからない。視線の先ではプルンスがドーナツを配っています。でも私はただ前を向いて歩いていきたい。自分で踏み出していくことを覚えたまどか。そんな彼女の態度をガウオウガは黙って見つめます。
……という感じで各幹部とプリキュア側の確執は氷解。ここでのポイントは「漂白」されているわけではないこと。幹部の寝返りと言えば驚きの白さで漂白されることですが、本作はそういうことはしません。色が変わるとか大きく方向転換するというより「それもアリなんだな」と受け入れるのが本作のスタイルです。だから幹部達がそれぞれ持っているコアな憤りや怒りが無くなったかと言えばそうではないんだろうけど、少なくともそれですぐ突っかかることもなくなった、という感じですね。何らかの妥協点はある。これは本作がずっと貫いているスタンスです。
艦内放送で到着のアナウンスが流れます。決戦の準備。
掛け声とともに覆面を被るノットレイ達。ポジション的に描写を濃くできないモブですが、一般兵の気概が見えるシーン。プリキュアも変身。
②神々の実験
蛇遣い座も気配を感知。足止めのため無数の蛇を放出。回避運動でそれを避けるAIさん。幹部達も迎撃に出ます。
でも蛇が無限湧きするため近づけません。そこでお約束「ここは俺達に任せて先に行け」イベント。今回はノットレイダー軍が力強い味方となってプリキュアの背中を守ります。
蛇遣い座に肉薄するプリキュア。トゥインクルイマジネーションの力でゴリ押し。バタっ。倒れる蛇遣い座。あれ、弱い?
フワを救出。思わず顔が綻ぶスター。でも油断は禁物。浮遊するように元の体勢に戻る蛇遣い座。…もしかしてこれ本体ではなく、あの杭が本体だったりする? トゥインクルイマジネーションが自分達のものだと? 意味深な言葉。そして一斉に押し黙るプリンセス達。てめぇら、まだ何か隠してやがるな。そういうとこだぞ。
「教えてやろう。この宇宙の命、全てに宿るイマジネーション。その力はプリンセスから分け与えられたのだよ」
どういうこと? 言いよどむプリンセスに代わって超楽しそうに蛇遣い座が答えます。
宇宙を創るときに12のプリンセス達はその初期条件としてイマジネーションの力を付与することを提案します。宇宙に生きる者達が想像力を巡らして創る世界を見てみたい。与えたイマジネーションが歪めばどうなる? 異議を唱える蛇遣い座。宇宙の秩序がなくなる。不安定化の原因にもなる。その歪みは人々のイマジネーションが正してくれると反論するプリンセス達。歪んだイマジネーションを正す「前へと戻すべく浄化する」「プリ・キュアの力が」。東堂いづみ頑張ったな。プリキュアを再定義。魔法つかいもそうだけど、これは宇宙創生の神話です。そしてプリキュアとは宇宙創生とともに存在する概念となっています。対立する蛇遣い座は武力によって覆そうとしますが多勢に無勢。逃げた彼女は闇の中で力の回復を待った。その間、プリンセスは自分達のイマジネーションの力の半分を命に与えた。
自分達のモノだと思っていたイマジネーションは元々プリンセスのモノ。それを知って愕然とするプリキュア。自分の心から生まれたと思っていたものが実は借り物。これ自体は神が自分に似せて人間を創ったとも言えるわけで、考え方によっては神の恩寵の証明であると言えなくもない。が、蛇遣い座が言っているのはそういうことではなく、言ってしまえばこの宇宙、命はプリンセス達の「実験」によって作られたものであるという事実でしょう。思いのほかSFじみた話になってきました。あと2話しかないのに風呂敷広げる攻めの姿勢。しかも問題はそれだけではありません。イマジネーションによって不安定になるので、それを制御するための装置としてプリ・キュアがある。
そんなデタラメが…。どの星にも12星座の記憶がある。その記憶こそがプリンセスのイマジネーションの名残。そして蛇遣い座が危惧したとおり、イマジネーションは歪みを生み始めたので宇宙を消すと決めた。その後の行動は知っての通り。リセットするにも13のプリンセスの力が必要。そこには器も含まれる。
だから器って言うな! 器だよ、なぁプリンセス達よ? フワもまたスターパレスの一部。何を言っている? 話についていけないプルンス。話がどんどん飛躍しているので視聴者も頑張りましょう。プルンスが真偽を問うと、
「フワとトゥインクルイマジネーションで儀式を行うのです」の一点張り。完全に黒。こいつらは嘘を吐かないかもしれないけど本当のことも言わない。言ってること自体は蛇遣い座と変わらない。彼女達が言う「平和」「前へと戻すべく浄化する」の意味。ここから導き出される答えは…? 実験の初期化(アンインストールしてプリインストール状態に戻す)じゃないのか? 歪みとはいえ元はイマジネーションから出たもの。それを浄化したら、何が残るのか。それは今いるひかる達、ガルオウガ達と同じものなのか。
穿って見すぎじゃないかという気も勿論しますが、しかし実際問題としてこの世界にリセット装置が存在していることは覆しようのない事実です。神によって世界が創られた。それは構わない。与えられた世界や命がどうなるかはその命が決めることならそれでいい。ところがこの世界がいつでもリセットできるように作られているのだとしたら話は全く違うものになる。蛇遣い座がやろうとしていることも、プリンセスがやろうとしていることも本質的に変わらない。全てを神の手が握っているのだとしたら、命に与えられたイマジネーションに何の意味があるのか。神が気に入らなくなったらリセットされるイマジネーションに何の意味があるのか。
全ての星には光が宿っている。キラめいてる。そう信じているひかるを完全に否定する現実が暴露されています。
蛇遣い座を止めなければ宇宙が消える! と口々にプリキュアを急かすプリンセス達。説明を省略して結論だけ急かすこのやり口。
止めるって言ったって?? 困惑するスター。プリンセスの力はフワとトゥインクルイマジネーションが持っている。プリキュアとフワで儀式は可能。その言葉に蛇遣い座は合点がいったように笑います。
「ヤツらがお前達を動かしていたのは我を消すため」
まあ、そうなるよね。13のプリンセスはいわゆる「信頼できない語り手」です。12星座は真実を隠したままプリキュアを動かしていたし、蛇遣い座は正直かもしれないけど自分視点で言っている。トゥインクルはガチです。ガチで視聴者に提示しています。この物語における真実とはそれを語る人の物語。見る視点によって解釈は異なる。プリキュアの味方であるはずのプリンセスが真実を語り、人間にとって本当に良いことをしようとしている、その保証はありません。プリンセス達が言う「宇宙を守る」「平和」が文字通りの意味なのか、蛇遣い座が言うように邪魔者を消すためなのか、もはやプリキュアには判断不能です。
「えっ? 消すって…」
両者の言い分にますます混乱するスター。しかしそんな彼女にお構いなくプリンセスは急かしてきます。「すべては宇宙を守るため」。賢明な女児(視聴者)なら覚えているでしょうが、このセリフを吐いたヤツは土下座しています。いかなる大義名分であっても一方の都合で一方を蔑ろにしていいという法をトゥインクルは認めません。
12のプリンセスと違って蛇遣い座は駆け引き上手。もし儀式を行えば器はこのパレスに戻り、存在は確実に消える。どうしてそれをプリンセスは言わなかったんでしょうねぇ?
プリキュア達の後方ではノットレイダー軍と星空連合が押されはじめます。一刻の猶予もありません。プリンセスと蛇遣い座の板挟みになるプリキュア。
「そんな…私……」
東堂いづみは鬼畜なので容赦しません。普通なら前回の宇宙人宣言で終わらせてめでたしめでたし、この1年頑張りましたねコールにするところですが、東堂いづみは真性のサドなので女子中学生をいじめぬきます。神の声に翻弄されるひかる。その思考の隙が敵にチャンスを与える。
「大丈夫フワ」
フワが前に出ると、プリキュアからトゥインクルイマジネーションを回収。1人その身に力を宿すと単騎特攻。
「思いを重ねるフワ~! スタートゥインクルイマジネーション!」
蛇遣い座の力とぶつかると対消滅。
「1年間の応援にありがとうをこめて☆」
先週からありましたが、このタイミングでライブの告知入ると番組終わったかのように見えるんでちょっと間を置いて欲しいんですけど。
③次回予告
星を継ぐ者。
○トピック
赤青兄弟とどっちがクソか本気で協議が必要になってきましたが、確実に言えることははーちゃんに神の鉄槌を下してもらいたい。もちろんどっちにも。
プリキュアらしい最終盤の飛躍でテンション上がります。去年は亡き妻を求めて妻の少女時代にタイムスリップした男の話でしたが、今年は神々の宇宙創生(実験)に巻き込まれた話でミクロとマクロの振れ幅が凄まじくデカい。これもまたプリキュアの楽しみの一つ。
宇宙創生の神話、宇宙存亡を賭けた戦い、その裏に隠された神々の戯れと対立。
魔法つかいでは混沌とそれから守る地球の神(とプリキュア)という構図でしたが、本作ではプリンセス間の対立。しかもタチが悪いことにどっちの陣営もリセットボタンを持っている。それを知らされぬままプリキュアは戦わされていた、という衝撃展開。おそらく明言はされないでしょうがプリンセスは初期化する腹積もりだったんじゃないでしょうか。初期化までいかなくてもプリキュアの知らないところで元同僚の抹殺を企んでいたわけでかなり黒い。蛇遣い座から追求されて視線合わせないシーンとかもうほんと酷いよね。リセット装置としての「プリ・キュア」はかなり衝撃的です。一応プリンセスの言葉を額面通り好意的に捉えるなら「プリ・キュア」は人々の自浄作用としての力と考えられますが、プリキュアがトゥインクルイマジネーションを持てること、その力が儀式に必要であることを鑑みればプリンセスから見て非常停止ボタンと同義です。
この作品、本当に意地が悪い。土壇場でそんな真実を告げられても困る。事実ひかるは何もすることができません。本当に徹底しています。この物語は主人公のイデオロギーによって物語を方向付けていくのではなく、世界の、人の在り方に常に翻弄されながら、知らされながら、答えを迫られる。その答えに模範解答はありません。常に一発勝負。1回きりの答えで自分の人生や人の人生、世界が変わってしまうかもしれない状況に立たされています。まどかが父親に異論を唱えたこと然り、宇宙人だとバレたこと然り、進路のこと、仇敵を許すこと、宇宙人宣言のこと、小さなことから大きなことまでそこに一貫するのは自分で考えて答えを出すということです。だから今回のエピソードでもプリンセス側、蛇遣い座側それぞれの思惑や食い違いが見え隠れする。その全てを彼女達は知ることができません。常に断片的。それでも答えを迫られる。あげく時間切れでフワが消える。本当に意地悪で理不尽だと思います。
そんな意地悪でふざけた世界だからこそ、私達は考え、決断し、答えていかなければならない。理不尽に立ち向かうために。真実に向き合うために。過酷さを乗り越えるために。他の人が成し得なかった考えもしなかったことを実現するために。その存在を証明するために。そこに輝く星があるのだと。
最高にプリキュアしてますよね。この瀬戸際のダイナミズム。神の実験など人間の知ったことじゃありません。人間には人間のやるべき仕事がある。その領域に神であっても手出しさせるわけにはいきません。神は前の状態に戻せばいいと言う。けど人間たる我らは常に(その後に)進み続けなければならない。前ではなく後に進む。そのためには子ども達の創造力が試される。物語の全部がここに集約。これぞプリキュア。毎年この瞬間が最高にたまらない。
①宇宙人同盟
蛇遣い座が去った後、星空連合艦隊は壊滅状態。唯一無事なのはトッパーが指揮する旗艦のみ。
負傷者を収容して治療。冒頭から重苦しい雰囲気。目を覚ましたガルオウガにアイワーンが助けたと伝えるとお礼が返ってきます。照れるアイワーン。完全にツンデレポジションっていうか、ユニの妹分になってるな。
他の幹部も無事と知って安心するガルオウガに、プルンスがフワ達はどこにいる!?と詰めかけます。早速捕虜に尋問。ダークネストへの忠誠心は無くなっているので素直に教えます。行き先は知っている。でもそこに行く方法がない。
蛇遣い座はノットレイダーのアジトへと転移。アジトの中心から杭のようなものを引き抜きます。この杭に蛇遣い座の力が蓄えられている様子。儀式にはプリンセスの力と器が不可欠。今更だけど幹部たちが毎回居た場所って杭の上だったのね。どっかの室内だと思ってた。
計画を自白するガルオウガ。杭が必要ならアジトの近くにいるはず。しかしアジトへの行き来はワープを行っていたので詳しい座標がわからない。……ってのが今までの見解。グーテン星で分析した結果、目星がついている。そう話すトッパー。
私達も行く、と立ち上がるカッパードとテンジョウ。ひかるはその申し出を快く受け入れます。
「行こう、一緒に!」
「守ろう、みんなの宇宙を!」
ノットレイの中の人達から歓声がわきます。
先程まで敵であった者達に不安を覚える星空連合幹部。するとトッパーはプリキュアを信じると答えます。実際問題として星空連合艦隊は壊滅していて補給する時間もない。残った戦力をフル活用する以外に手はありません。……あれ、これガンダムとかそういう系のアニメですか?みたいな最終決戦のノリ。最終決戦で敵が寝返るのはよくあることですが、トゥインクルの場合はひかる達は別として無条件で受け入れるわけではなく、こうして実利的な問題を加味しているのが特徴的ですね。過去の経緯を無かったことにはできないけど実績を作れれば宥和が進む。ノットレイダーの個別的な虐げられ問題を直接理解・緩和するより協力実績を作った方が手っ取り早くて効果的。
単艦でノットレイダー本拠地へと向かいます。
ワープの間、物資の準備を手伝うひかる達。すっげー地味なシーンだけど、この間が大事。黙って荷物を運ぶプルンスにユニが声をかけます。「何も知らなかったわけ?」。こういうやり取りね。
宇宙を創ったのはプリンセス。プルンスは長らくお仕えしていたが初耳だったと肩を落とします。内容が内容なので他言する類のものではないでしょうが、自分達が仕えていたのが神だったこと、その神が神であると隠していたこと。プリンセスはまだ何かを隠しているのかもしれない。
儀式の準備は着々と進行。もがくプリンセス。蛇遣い座は余裕の体。というのも今のプリンセス達に力はあまり残されていません。以前の襲撃でプリンセスは宇宙に力を放った。スターカラーペン。プリキュアがペンを集めてその力をフワに集約させた。つまりプリンセスの力は器であるフワに宿っている(宿っているから器と呼んでいるんだろうけど)。プリンセスが無能な理由とフワが必要な理由を説明。プリンセスが無能なのは怠慢だからのような気もしますが。元々プリンセスの力だったものを全て集めたって話ですね。宇宙創ったのがプリンセスなのだから、創り直すにもプリンセスの力が必要。
杭がスターパレスに刺されば儀式が完了。大いなる闇が広がり宇宙を飲み込んでリセット。蛇遣い座が新世界の神になる。宇宙に放った力はそれだけではない、とプリンセスが反論。無論忘れるはずがない。蛇遣い座もそれは先刻承知。
武器の手入れをするカッパードのもとにひかるとララが差し入れを持ってきます。おにぎり。艦内食を配っているようです。見慣れない食べ物を見たカッパードは水でいいと断ります。それで引くひかるじゃない。久しぶりのいつものアレ。一口食べてみると意外と美味しい。
「ね、キラやば~でしょ?」
いつもの彼女のセリフ。その言葉に彼は頷きます。彼の中にあるわだかまりも少しずつ腹の中で消化されていきます。
宇宙船を整備するノットレイ達。監督していたテンジョウにえれなが話しかけます。事情を聞いたテンジョウは素直に礼を言います。仮面越しではない目でえれなを見ながら「ありがとう」と一言。笑顔を浮かべるえれな。
アイワーンも宇宙船を整備。なにやら手こずっている様子。ところでパーカー着ているアイワーンは本作のグッドデザイン賞だと思います。可愛い。そんな彼女に(宇宙船の)センスが無いとユニ。めちゃくちゃ癖がある!と苦情を言うアイワーンに手を貸します。叩けば解決。昭和か。呆れる彼女に「コツがいる」とウィンクするユニ。はい、デレた。君たちギャルゲーやってるの?
ガルオウガとまどかのセット。「何故受け入れる?」。今までの仕打ちをそう簡単に忘れられるわけがない。みんなが心の底から受け入れているのか自分にはわからない。視線の先ではプルンスがドーナツを配っています。でも私はただ前を向いて歩いていきたい。自分で踏み出していくことを覚えたまどか。そんな彼女の態度をガウオウガは黙って見つめます。
……という感じで各幹部とプリキュア側の確執は氷解。ここでのポイントは「漂白」されているわけではないこと。幹部の寝返りと言えば驚きの白さで漂白されることですが、本作はそういうことはしません。色が変わるとか大きく方向転換するというより「それもアリなんだな」と受け入れるのが本作のスタイルです。だから幹部達がそれぞれ持っているコアな憤りや怒りが無くなったかと言えばそうではないんだろうけど、少なくともそれですぐ突っかかることもなくなった、という感じですね。何らかの妥協点はある。これは本作がずっと貫いているスタンスです。
艦内放送で到着のアナウンスが流れます。決戦の準備。
掛け声とともに覆面を被るノットレイ達。ポジション的に描写を濃くできないモブですが、一般兵の気概が見えるシーン。プリキュアも変身。
②神々の実験
蛇遣い座も気配を感知。足止めのため無数の蛇を放出。回避運動でそれを避けるAIさん。幹部達も迎撃に出ます。
でも蛇が無限湧きするため近づけません。そこでお約束「ここは俺達に任せて先に行け」イベント。今回はノットレイダー軍が力強い味方となってプリキュアの背中を守ります。
蛇遣い座に肉薄するプリキュア。トゥインクルイマジネーションの力でゴリ押し。バタっ。倒れる蛇遣い座。あれ、弱い?
フワを救出。思わず顔が綻ぶスター。でも油断は禁物。浮遊するように元の体勢に戻る蛇遣い座。…もしかしてこれ本体ではなく、あの杭が本体だったりする? トゥインクルイマジネーションが自分達のものだと? 意味深な言葉。そして一斉に押し黙るプリンセス達。てめぇら、まだ何か隠してやがるな。そういうとこだぞ。
「教えてやろう。この宇宙の命、全てに宿るイマジネーション。その力はプリンセスから分け与えられたのだよ」
どういうこと? 言いよどむプリンセスに代わって超楽しそうに蛇遣い座が答えます。
宇宙を創るときに12のプリンセス達はその初期条件としてイマジネーションの力を付与することを提案します。宇宙に生きる者達が想像力を巡らして創る世界を見てみたい。与えたイマジネーションが歪めばどうなる? 異議を唱える蛇遣い座。宇宙の秩序がなくなる。不安定化の原因にもなる。その歪みは人々のイマジネーションが正してくれると反論するプリンセス達。歪んだイマジネーションを正す「前へと戻すべく浄化する」「プリ・キュアの力が」。東堂いづみ頑張ったな。プリキュアを再定義。魔法つかいもそうだけど、これは宇宙創生の神話です。そしてプリキュアとは宇宙創生とともに存在する概念となっています。対立する蛇遣い座は武力によって覆そうとしますが多勢に無勢。逃げた彼女は闇の中で力の回復を待った。その間、プリンセスは自分達のイマジネーションの力の半分を命に与えた。
自分達のモノだと思っていたイマジネーションは元々プリンセスのモノ。それを知って愕然とするプリキュア。自分の心から生まれたと思っていたものが実は借り物。これ自体は神が自分に似せて人間を創ったとも言えるわけで、考え方によっては神の恩寵の証明であると言えなくもない。が、蛇遣い座が言っているのはそういうことではなく、言ってしまえばこの宇宙、命はプリンセス達の「実験」によって作られたものであるという事実でしょう。思いのほかSFじみた話になってきました。あと2話しかないのに風呂敷広げる攻めの姿勢。しかも問題はそれだけではありません。イマジネーションによって不安定になるので、それを制御するための装置としてプリ・キュアがある。
そんなデタラメが…。どの星にも12星座の記憶がある。その記憶こそがプリンセスのイマジネーションの名残。そして蛇遣い座が危惧したとおり、イマジネーションは歪みを生み始めたので宇宙を消すと決めた。その後の行動は知っての通り。リセットするにも13のプリンセスの力が必要。そこには器も含まれる。
だから器って言うな! 器だよ、なぁプリンセス達よ? フワもまたスターパレスの一部。何を言っている? 話についていけないプルンス。話がどんどん飛躍しているので視聴者も頑張りましょう。プルンスが真偽を問うと、
「フワとトゥインクルイマジネーションで儀式を行うのです」の一点張り。完全に黒。こいつらは嘘を吐かないかもしれないけど本当のことも言わない。言ってること自体は蛇遣い座と変わらない。彼女達が言う「平和」「前へと戻すべく浄化する」の意味。ここから導き出される答えは…? 実験の初期化(アンインストールしてプリインストール状態に戻す)じゃないのか? 歪みとはいえ元はイマジネーションから出たもの。それを浄化したら、何が残るのか。それは今いるひかる達、ガルオウガ達と同じものなのか。
穿って見すぎじゃないかという気も勿論しますが、しかし実際問題としてこの世界にリセット装置が存在していることは覆しようのない事実です。神によって世界が創られた。それは構わない。与えられた世界や命がどうなるかはその命が決めることならそれでいい。ところがこの世界がいつでもリセットできるように作られているのだとしたら話は全く違うものになる。蛇遣い座がやろうとしていることも、プリンセスがやろうとしていることも本質的に変わらない。全てを神の手が握っているのだとしたら、命に与えられたイマジネーションに何の意味があるのか。神が気に入らなくなったらリセットされるイマジネーションに何の意味があるのか。
全ての星には光が宿っている。キラめいてる。そう信じているひかるを完全に否定する現実が暴露されています。
蛇遣い座を止めなければ宇宙が消える! と口々にプリキュアを急かすプリンセス達。説明を省略して結論だけ急かすこのやり口。
止めるって言ったって?? 困惑するスター。プリンセスの力はフワとトゥインクルイマジネーションが持っている。プリキュアとフワで儀式は可能。その言葉に蛇遣い座は合点がいったように笑います。
「ヤツらがお前達を動かしていたのは我を消すため」
まあ、そうなるよね。13のプリンセスはいわゆる「信頼できない語り手」です。12星座は真実を隠したままプリキュアを動かしていたし、蛇遣い座は正直かもしれないけど自分視点で言っている。トゥインクルはガチです。ガチで視聴者に提示しています。この物語における真実とはそれを語る人の物語。見る視点によって解釈は異なる。プリキュアの味方であるはずのプリンセスが真実を語り、人間にとって本当に良いことをしようとしている、その保証はありません。プリンセス達が言う「宇宙を守る」「平和」が文字通りの意味なのか、蛇遣い座が言うように邪魔者を消すためなのか、もはやプリキュアには判断不能です。
「えっ? 消すって…」
両者の言い分にますます混乱するスター。しかしそんな彼女にお構いなくプリンセスは急かしてきます。「すべては宇宙を守るため」。賢明な女児(視聴者)なら覚えているでしょうが、このセリフを吐いたヤツは土下座しています。いかなる大義名分であっても一方の都合で一方を蔑ろにしていいという法をトゥインクルは認めません。
12のプリンセスと違って蛇遣い座は駆け引き上手。もし儀式を行えば器はこのパレスに戻り、存在は確実に消える。どうしてそれをプリンセスは言わなかったんでしょうねぇ?
プリキュア達の後方ではノットレイダー軍と星空連合が押されはじめます。一刻の猶予もありません。プリンセスと蛇遣い座の板挟みになるプリキュア。
「そんな…私……」
東堂いづみは鬼畜なので容赦しません。普通なら前回の宇宙人宣言で終わらせてめでたしめでたし、この1年頑張りましたねコールにするところですが、東堂いづみは真性のサドなので女子中学生をいじめぬきます。神の声に翻弄されるひかる。その思考の隙が敵にチャンスを与える。
「大丈夫フワ」
フワが前に出ると、プリキュアからトゥインクルイマジネーションを回収。1人その身に力を宿すと単騎特攻。
「思いを重ねるフワ~! スタートゥインクルイマジネーション!」
蛇遣い座の力とぶつかると対消滅。
「1年間の応援にありがとうをこめて☆」
先週からありましたが、このタイミングでライブの告知入ると番組終わったかのように見えるんでちょっと間を置いて欲しいんですけど。
③次回予告
星を継ぐ者。
○トピック
赤青兄弟とどっちがクソか本気で協議が必要になってきましたが、確実に言えることははーちゃんに神の鉄槌を下してもらいたい。もちろんどっちにも。
プリキュアらしい最終盤の飛躍でテンション上がります。去年は亡き妻を求めて妻の少女時代にタイムスリップした男の話でしたが、今年は神々の宇宙創生(実験)に巻き込まれた話でミクロとマクロの振れ幅が凄まじくデカい。これもまたプリキュアの楽しみの一つ。
宇宙創生の神話、宇宙存亡を賭けた戦い、その裏に隠された神々の戯れと対立。
魔法つかいでは混沌とそれから守る地球の神(とプリキュア)という構図でしたが、本作ではプリンセス間の対立。しかもタチが悪いことにどっちの陣営もリセットボタンを持っている。それを知らされぬままプリキュアは戦わされていた、という衝撃展開。おそらく明言はされないでしょうがプリンセスは初期化する腹積もりだったんじゃないでしょうか。初期化までいかなくてもプリキュアの知らないところで元同僚の抹殺を企んでいたわけでかなり黒い。蛇遣い座から追求されて視線合わせないシーンとかもうほんと酷いよね。リセット装置としての「プリ・キュア」はかなり衝撃的です。一応プリンセスの言葉を額面通り好意的に捉えるなら「プリ・キュア」は人々の自浄作用としての力と考えられますが、プリキュアがトゥインクルイマジネーションを持てること、その力が儀式に必要であることを鑑みればプリンセスから見て非常停止ボタンと同義です。
この作品、本当に意地が悪い。土壇場でそんな真実を告げられても困る。事実ひかるは何もすることができません。本当に徹底しています。この物語は主人公のイデオロギーによって物語を方向付けていくのではなく、世界の、人の在り方に常に翻弄されながら、知らされながら、答えを迫られる。その答えに模範解答はありません。常に一発勝負。1回きりの答えで自分の人生や人の人生、世界が変わってしまうかもしれない状況に立たされています。まどかが父親に異論を唱えたこと然り、宇宙人だとバレたこと然り、進路のこと、仇敵を許すこと、宇宙人宣言のこと、小さなことから大きなことまでそこに一貫するのは自分で考えて答えを出すということです。だから今回のエピソードでもプリンセス側、蛇遣い座側それぞれの思惑や食い違いが見え隠れする。その全てを彼女達は知ることができません。常に断片的。それでも答えを迫られる。あげく時間切れでフワが消える。本当に意地悪で理不尽だと思います。
そんな意地悪でふざけた世界だからこそ、私達は考え、決断し、答えていかなければならない。理不尽に立ち向かうために。真実に向き合うために。過酷さを乗り越えるために。他の人が成し得なかった考えもしなかったことを実現するために。その存在を証明するために。そこに輝く星があるのだと。
最高にプリキュアしてますよね。この瀬戸際のダイナミズム。神の実験など人間の知ったことじゃありません。人間には人間のやるべき仕事がある。その領域に神であっても手出しさせるわけにはいきません。神は前の状態に戻せばいいと言う。けど人間たる我らは常に(その後に)進み続けなければならない。前ではなく後に進む。そのためには子ども達の創造力が試される。物語の全部がここに集約。これぞプリキュア。毎年この瞬間が最高にたまらない。
第46話「ダークネスト降臨!スターパレスの攻防」
○今週の出来事
①宇宙戦争
新年明け……と挨拶する暇もなくプリンセスからお呼びがかかります。相変わらず普段仕事しないくせに呼び出すのは早い。
トゥインクルイマジネーションが揃ったことで故郷が蘇ると喜ぶユニ。何度も裏切られてるのにほんと健気。でも残念なことに新年1発目なんです、これ。
今回は珍しくAIさんも付いていきたいと申し出ます。全員でスターパレスに。
パレスに着くとプリンセス全員でお出迎え。感慨深げに振り返るプルンス。フワと一番付き合いが長いのはこいつだったりする。ちなみに彼の一族は代々プリンセスに仕えているのでノットレイダー襲撃時にもパレスにいました。プルンス以外が避難してしんがりを務めた彼にフワが託された、という流れ。
儀式しまーす。儀式? フワとトゥインクルイマジネーションを持って儀式をすると宇宙に平和が訪れる。……何かすごく胡散臭く聞こえるんですけど、大丈夫なのそれ? お前らの定義する平和って何? 無駄に多幸感分泌されてたりしないだろうな。実は言ってること自体はダークネストさんとあまり変わらなかったりする。
させねーよ。ワープホールが開いてノットレイダー襲撃。お約束である。鎧を纏った幹部を筆頭にノットレイダー全軍でスターパレスを攻撃。おっとこのシルエットは…。
一応バリアがあるのですぐ突破されることはありませんが後手に回っているのは事実。しかもプリンセスは一度負けているのであまり信用できません。ひかるが出ようとすると止められます。儀式にはフワとトゥインクルイマジネーションが必要。プリキュアが出てしまうと儀式ができない。この状況で儀式ができるとでも? すぐ戻るから。全員一致でプリンセスを無視。新年一発目の変身。
まるでこのために呼んだかのようにロケットに乗ってノットレイダー軍を迎え撃ちます。年が明けたら総力戦。これプリキュアのお約束。
獲物を換えたカッパードが先陣を切ってきます。眼帯してるせいかハーロック感ある。テンジョウとガルオウガも鎧によって強化。半ば理性を失っているためこちらの声は届きません。最終決戦の舞台が宇宙になるのは本作的に必然。が、プリキュアの宇宙適性は低い。なのでハンデを是正。トゥインクルイマジネーション効果でアップデート。これで対等に戦えます。
しかしいつものプリキュアと違うのは今回は組織戦。幹部と戦っている間も軍勢の手が止まることはありません。バリアにも限界が見え始めます。1年かけて準備してきたダークネストと1年遊んできたプリンセスとの差。ほんと何してたんだプリンセス。星空連合艦隊が援軍として駆けつけます。
星空連合とノットレイダーの正面衝突。さながら宇宙戦争の様相。
プリキュアがイマジネーションの力によって強くなるように、ノットレイダーもまた(歪んだ)イマジネーションによって強くなる。ノットレイ達も鎧でパワーアップ。棄民たるノットレイダーによる復讐とも言える状況。ルサンチマンの復讐という構図はプリキュアでも珍しいわけではありませんが、今作はそれが大規模な組織戦に発展しているのがユニークです。これは予想できた状況でもあるし、こうなってくるとプリキュアとの個別的な解決よりは政治的な問題になります。トゥインクルは個人を救済することに意味がありません。そんな規模の話ではなくなっています。
暴徒化しているノットレイダーに、コスモはこのままではまた失うと警告。敵側にスパイしていただけあってよく理解している。ノットレイダーはガルオウガをリーダーとして纏まった集団。それが戦争によって崩壊しかねません。この状況に忸怩たる思いを抱く1人の少女。ノットレイダーは彼女の故郷。
鎧はダークネストの端末にもなっているので、合図一つで手足のように力を引き出すことが可能。
ノットレイダーの攻撃に耐えながら星空連合軍も反撃。当然ノットレイダー軍にも被害が出ます。傍らでそれを目撃するスター。新年と同時に最終決戦はプリキュア恒例行事ですが、この構図は非常に珍しい。大抵はラスボス出現と同時に世界が闇に染まってプリキュア軍団で決闘ってパターンですが、むしろ今作では宇宙戦争の方が規模が大きいのでプリキュアは単一ユニットでしかありません。つまり、この戦闘やりすぎじゃね? この構図自体が歪んでいるのだ、というインパクトをプリキュアに与えています。流石トゥインクル、最終決戦でも徹底した流れ。この物語は子ども達の視点で語られています。彼女達は世界を見聞きする。その歪みも。
②宇宙人宣言
戦闘は加熱。シールドのエネルギーすらも攻撃に回して反撃に転じようとする星空連合。完全に殺るか殺られるかの姿勢。このままではどちらかが全滅するか両者共倒れ。
「この宇宙は渡さないでアル!」
「みんな……もう…やめてーー!」
宇宙に響く待ったの声。飛び出したスターを前に両軍は停止。
「みんな、宇宙を渡さないとか、乗っ取るとか、そんなのおかしいよ!」
「この宇宙は誰かのものじゃない。みんなの宇宙でしょ!?」
「星空連合もノットレイダーも私も…みんなみんな…同じ宇宙に住む……宇宙人でしょ!」
ここでスターが星空連合(プリキュア、スターパレス)に対面しているのは暗にノットレイダー側を守ろうとしていると受け取れます。敵に背中見せないですからね。体制側に対して頭冷やせよって言ってるニュアンスがやや強く出る。逆にこれがノットレイダー側に対面しているとやっぱりこいつらが悪いというイメージが強くなるのでこの対面の仕方でバランスを取っている感がありますね。ひかるのスタンスは極めて明確です。彼女は宇宙人の味方(友達)。全ての人が輝きを持つと信じる。
戦闘が停止し、歪みを持っていたはずのノットレイ達も動きが止まります。停戦……となるにはまだ早い。ダークネスト。ノットレイ達を囚えると強制的にイマジネーションの力を解放。星空連合の艦隊が沈んでいきます。彼らの鎧はもとよりダークネストが操作するために作ったもの。
苦しむ同志を見た幹部達はようやく正気に戻ると何故!?と疑問を投じます。
「茶番は終いだ」
兜を脱ぎ正体を現すダークネスト。
③13番目の星座
蛇。そして星を宿す瞳。
「我は蛇遣い座のプリンセス。かつてはそう呼ばれていた」
知ってた定期。
彼女の言葉を裏付けるように(元)同僚が証言。彼女はかつてパレスを去った蛇遣い座。13番目のプリンセス。あー、ちょっとスター・プリンセスさん集合してもらえません? 君ら察しがついてたよね? 心当たりあったよね? どうして言わなかったのかなぁ? 言えなかったのかなぁ? 怒らないから正直に話して欲しいんですけど。
プリンセスなのに何故? その疑問に蛇遣い座自ら答えます。元は13人のプリンセスでこの宇宙を創った。
「だが、忌々しき想像力がはびこるこの宇宙は完全なる失敗作」
「よって、すべて消し去る!」
プリキュアの神様ロクなのいねーー!!(はーちゃん除く)
もうこんなだよ、プリキュアの神様。しかし真面目な話これは予想外の展開。無難なとこで蛇遣い座が虐げられポジションなのかと思っていましたが、最終決戦でまでダメ押しするのは避けたか。代わって神様発言からのリセットという超展開。どうすんだよこいつ。ノットレイダーと違って完全にポッと出。先のひかるの宇宙人宣言は敵味方ともにこれまでの経緯があったからこそ説得力がありましたが、自称神様相手では全く勝手が違います。やべーやつぶっ込んできたな。
宇宙を乗っ取るどころか消去では話が違う。1番の信者だったガルオウガは困惑を隠せません。
「本当に宇宙を乗っ取れるとでも? 見捨てられし日陰者達が。おこがましい」
にべもない。信者を切り捨てる神様の鑑。
宇宙を消すなど大それたことを…! 彼らはルサンチマンではありますが、現実主義者なので世界の破滅は望んでいません。捨て鉢になっているわけじゃない。
儀式により大いなる闇を広げる。と言う蛇遣い座。また儀式か。話が見えないガルオウガに「あの闇」は我の力だと説明。やっぱこいつの仕業。彼の怒りはしかし彼女の力として取り込まれていきます。どうでもいいっちゃいいことなんですが、この蛇遣い座、元プリンセスということもあって比較的デザインが可愛いですね。あまり倒されるためのボスって感じもしませんが、さて。
パレスを守る結界を侵食していきます。元同僚1人に12人(双子座を含めると13人)雁首揃えて対抗できない現プリンセスの不甲斐なさ。君らのパワーバランスどうなってるの?
結界が完全に砕けると、パレスへ侵入。それを防ごうにも暴走した幹部が割り込んできてプリキュアの足が止まります。
そこに駆けつけたのはもはやツンデレと化したアイワーン。ツンデレ語も完全マスター。これにはコスモもほっこり。ひとまずアイワーンが幹部を受け持ちます。小声で謝罪。完全にノットレイダー関連は今回のエピソードで片付ける気満々ですね。
パレスに降り立つとプリンセス達を捕縛。「雁首揃えて…」ほんとだよ。
プリキュアの総攻撃もミニブラックホールに吸い込んで終了。え、この人強すぎません?
スターを見た蛇遣い座は「お前のせいだ」と一言。しゃしゃり出てこなければ、ああして歪みに飲まれ苦しむ必要はなかった、と責任をなすりつけてきます。幹部を抑えていたアイワーンも限界。幹部達は獣のように人格を失っています。歪んだイマジネーションに飲まれた奴らだ、倒せはせぬ。
「倒すんじゃない」
みんなを守る。宇宙人はみな同胞。「守る」ワードがここで浮上してきます。ということでお年玉で店頭に残った在庫買ってねビームの出番。
ノットレイ達も含めて歪みから解放。見ての通り彼らはそれぞれ異星人です。
手駒が浄化されてしまいましたが同時にプリキュアのトゥインクルイマジネーションもガス欠。パレスを破壊するとフワを確保。プルンスにミニブラックホールぶつけるのやめて下さい。いくら有能兼ギャグ要員でもそれは痛い。
ガルオウガに預けていた腕輪を回収すると巨大なワープホールを開きます。この人色んな力持ってるな。ブラックホール使ってるから空間に干渉できる能力が主体なんだと思うけど。ワープホールから全速離脱。
傷ついたプルンスもプリキュアを回収してロケットに乗り込みます。マジ有能。こいついなかったらトゥインクルは何回全滅したことか。幹部達はアイワーンが回収。結果してフワとプリンセス達が囚われの身に。
フワを守れなかったと嘆くプルンス。今回意外と彼にスポットが当たってるから最終決戦でワンチャンありそう。
状況は絶望的。しかしそこで諦めるプリキュアじゃない。
「大丈夫だよ、プルンス。フワは、必ず…助けるから!」
④次回予告
かつてない規模の最終決戦に。
○トピック
新番組はめっちゃオーソドックスな魔法少女ものに回帰した印象。
毎年のことですが、この時期は最終決戦と、新番組への期待(変身バンクどんなだろ)で楽しみが一気に増えますね。
話を戻して、最終決戦の開幕と同時に停戦交渉をやっちゃうひかるは主人公の鑑。
次回予告からもわかるように実質的に星空連合とノットレイダーの戦争は終結。ひかるは敵か味方かではなく、宇宙人として包括的に見る。前回彼女が確立した世界観(宇宙観)が炸裂しています。トゥインクルは話の流れ的に宥和路線しかないのでこの結論は当然の帰結です。しかし重要なのはひかるがその答えにたどり着いた過程にあります。
星が好きだった女の子。その子が自分の内的世界を広げるにしたがって他者をもっと知りたい、自分を他者にもっと知ってもらいたいと本気で考えるようになる。「好き」は「もっと知りたい」を含んでいます。好きなことから価値観を広げ、懐を深めて人間的に成長していく。それを1年かけて丁寧に見せたのが本作です。戦って守ろうとするよりも、好きになって(知って)守ろうとする彼女の姿はプリキュアの中でも異彩を放つ主人公だと思います。まさにこの物語の主人公に相応しい。星空連合とノットレイダーの全面戦争という舞台を活かした見事な「宇宙人」宣言でした。
「宇宙人でしょ!」と言った傍から「じゃ、この宇宙ぶっ潰しましょ」とひかるの世界観全否定するのがラスボス。安定のプリキュアロジック。包括した瞬間に上位概念で潰しにかかる。これを1話の中に詰め込む情報密度の高さ。とはいえ物語全体で見るといがみ合っていた者同士が共通の敵を前にして手を取り合う、という使い古されたベタな展開になっているのでこのままラスボス倒して終了ではちと捻りがない。それこそみんな予想していた「蛇遣い座を除け者にした」展開になってしまう。やはりここはひかるに期待したいところ。
蛇遣い座vs宇宙人の戦いはどのような決着をつけるのか。まどかの留学先は決まるのか。スター☆トゥインクルプリキュア最終章の開幕です。
①宇宙戦争
新年明け……と挨拶する暇もなくプリンセスからお呼びがかかります。相変わらず普段仕事しないくせに呼び出すのは早い。
トゥインクルイマジネーションが揃ったことで故郷が蘇ると喜ぶユニ。何度も裏切られてるのにほんと健気。でも残念なことに新年1発目なんです、これ。
今回は珍しくAIさんも付いていきたいと申し出ます。全員でスターパレスに。
パレスに着くとプリンセス全員でお出迎え。感慨深げに振り返るプルンス。フワと一番付き合いが長いのはこいつだったりする。ちなみに彼の一族は代々プリンセスに仕えているのでノットレイダー襲撃時にもパレスにいました。プルンス以外が避難してしんがりを務めた彼にフワが託された、という流れ。
儀式しまーす。儀式? フワとトゥインクルイマジネーションを持って儀式をすると宇宙に平和が訪れる。……何かすごく胡散臭く聞こえるんですけど、大丈夫なのそれ? お前らの定義する平和って何? 無駄に多幸感分泌されてたりしないだろうな。実は言ってること自体はダークネストさんとあまり変わらなかったりする。
させねーよ。ワープホールが開いてノットレイダー襲撃。お約束である。鎧を纏った幹部を筆頭にノットレイダー全軍でスターパレスを攻撃。おっとこのシルエットは…。
一応バリアがあるのですぐ突破されることはありませんが後手に回っているのは事実。しかもプリンセスは一度負けているのであまり信用できません。ひかるが出ようとすると止められます。儀式にはフワとトゥインクルイマジネーションが必要。プリキュアが出てしまうと儀式ができない。この状況で儀式ができるとでも? すぐ戻るから。全員一致でプリンセスを無視。新年一発目の変身。
まるでこのために呼んだかのようにロケットに乗ってノットレイダー軍を迎え撃ちます。年が明けたら総力戦。これプリキュアのお約束。
獲物を換えたカッパードが先陣を切ってきます。眼帯してるせいかハーロック感ある。テンジョウとガルオウガも鎧によって強化。半ば理性を失っているためこちらの声は届きません。最終決戦の舞台が宇宙になるのは本作的に必然。が、プリキュアの宇宙適性は低い。なのでハンデを是正。トゥインクルイマジネーション効果でアップデート。これで対等に戦えます。
しかしいつものプリキュアと違うのは今回は組織戦。幹部と戦っている間も軍勢の手が止まることはありません。バリアにも限界が見え始めます。1年かけて準備してきたダークネストと1年遊んできたプリンセスとの差。ほんと何してたんだプリンセス。星空連合艦隊が援軍として駆けつけます。
星空連合とノットレイダーの正面衝突。さながら宇宙戦争の様相。
プリキュアがイマジネーションの力によって強くなるように、ノットレイダーもまた(歪んだ)イマジネーションによって強くなる。ノットレイ達も鎧でパワーアップ。棄民たるノットレイダーによる復讐とも言える状況。ルサンチマンの復讐という構図はプリキュアでも珍しいわけではありませんが、今作はそれが大規模な組織戦に発展しているのがユニークです。これは予想できた状況でもあるし、こうなってくるとプリキュアとの個別的な解決よりは政治的な問題になります。トゥインクルは個人を救済することに意味がありません。そんな規模の話ではなくなっています。
暴徒化しているノットレイダーに、コスモはこのままではまた失うと警告。敵側にスパイしていただけあってよく理解している。ノットレイダーはガルオウガをリーダーとして纏まった集団。それが戦争によって崩壊しかねません。この状況に忸怩たる思いを抱く1人の少女。ノットレイダーは彼女の故郷。
鎧はダークネストの端末にもなっているので、合図一つで手足のように力を引き出すことが可能。
ノットレイダーの攻撃に耐えながら星空連合軍も反撃。当然ノットレイダー軍にも被害が出ます。傍らでそれを目撃するスター。新年と同時に最終決戦はプリキュア恒例行事ですが、この構図は非常に珍しい。大抵はラスボス出現と同時に世界が闇に染まってプリキュア軍団で決闘ってパターンですが、むしろ今作では宇宙戦争の方が規模が大きいのでプリキュアは単一ユニットでしかありません。つまり、この戦闘やりすぎじゃね? この構図自体が歪んでいるのだ、というインパクトをプリキュアに与えています。流石トゥインクル、最終決戦でも徹底した流れ。この物語は子ども達の視点で語られています。彼女達は世界を見聞きする。その歪みも。
②宇宙人宣言
戦闘は加熱。シールドのエネルギーすらも攻撃に回して反撃に転じようとする星空連合。完全に殺るか殺られるかの姿勢。このままではどちらかが全滅するか両者共倒れ。
「この宇宙は渡さないでアル!」
「みんな……もう…やめてーー!」
宇宙に響く待ったの声。飛び出したスターを前に両軍は停止。
「みんな、宇宙を渡さないとか、乗っ取るとか、そんなのおかしいよ!」
「この宇宙は誰かのものじゃない。みんなの宇宙でしょ!?」
「星空連合もノットレイダーも私も…みんなみんな…同じ宇宙に住む……宇宙人でしょ!」
ここでスターが星空連合(プリキュア、スターパレス)に対面しているのは暗にノットレイダー側を守ろうとしていると受け取れます。敵に背中見せないですからね。体制側に対して頭冷やせよって言ってるニュアンスがやや強く出る。逆にこれがノットレイダー側に対面しているとやっぱりこいつらが悪いというイメージが強くなるのでこの対面の仕方でバランスを取っている感がありますね。ひかるのスタンスは極めて明確です。彼女は宇宙人の味方(友達)。全ての人が輝きを持つと信じる。
戦闘が停止し、歪みを持っていたはずのノットレイ達も動きが止まります。停戦……となるにはまだ早い。ダークネスト。ノットレイ達を囚えると強制的にイマジネーションの力を解放。星空連合の艦隊が沈んでいきます。彼らの鎧はもとよりダークネストが操作するために作ったもの。
苦しむ同志を見た幹部達はようやく正気に戻ると何故!?と疑問を投じます。
「茶番は終いだ」
兜を脱ぎ正体を現すダークネスト。
③13番目の星座
蛇。そして星を宿す瞳。
「我は蛇遣い座のプリンセス。かつてはそう呼ばれていた」
知ってた定期。
彼女の言葉を裏付けるように(元)同僚が証言。彼女はかつてパレスを去った蛇遣い座。13番目のプリンセス。あー、ちょっとスター・プリンセスさん集合してもらえません? 君ら察しがついてたよね? 心当たりあったよね? どうして言わなかったのかなぁ? 言えなかったのかなぁ? 怒らないから正直に話して欲しいんですけど。
プリンセスなのに何故? その疑問に蛇遣い座自ら答えます。元は13人のプリンセスでこの宇宙を創った。
「だが、忌々しき想像力がはびこるこの宇宙は完全なる失敗作」
「よって、すべて消し去る!」
プリキュアの神様ロクなのいねーー!!(はーちゃん除く)
もうこんなだよ、プリキュアの神様。しかし真面目な話これは予想外の展開。無難なとこで蛇遣い座が虐げられポジションなのかと思っていましたが、最終決戦でまでダメ押しするのは避けたか。代わって神様発言からのリセットという超展開。どうすんだよこいつ。ノットレイダーと違って完全にポッと出。先のひかるの宇宙人宣言は敵味方ともにこれまでの経緯があったからこそ説得力がありましたが、自称神様相手では全く勝手が違います。やべーやつぶっ込んできたな。
宇宙を乗っ取るどころか消去では話が違う。1番の信者だったガルオウガは困惑を隠せません。
「本当に宇宙を乗っ取れるとでも? 見捨てられし日陰者達が。おこがましい」
にべもない。信者を切り捨てる神様の鑑。
宇宙を消すなど大それたことを…! 彼らはルサンチマンではありますが、現実主義者なので世界の破滅は望んでいません。捨て鉢になっているわけじゃない。
儀式により大いなる闇を広げる。と言う蛇遣い座。また儀式か。話が見えないガルオウガに「あの闇」は我の力だと説明。やっぱこいつの仕業。彼の怒りはしかし彼女の力として取り込まれていきます。どうでもいいっちゃいいことなんですが、この蛇遣い座、元プリンセスということもあって比較的デザインが可愛いですね。あまり倒されるためのボスって感じもしませんが、さて。
パレスを守る結界を侵食していきます。元同僚1人に12人(双子座を含めると13人)雁首揃えて対抗できない現プリンセスの不甲斐なさ。君らのパワーバランスどうなってるの?
結界が完全に砕けると、パレスへ侵入。それを防ごうにも暴走した幹部が割り込んできてプリキュアの足が止まります。
そこに駆けつけたのはもはやツンデレと化したアイワーン。ツンデレ語も完全マスター。これにはコスモもほっこり。ひとまずアイワーンが幹部を受け持ちます。小声で謝罪。完全にノットレイダー関連は今回のエピソードで片付ける気満々ですね。
パレスに降り立つとプリンセス達を捕縛。「雁首揃えて…」ほんとだよ。
プリキュアの総攻撃もミニブラックホールに吸い込んで終了。え、この人強すぎません?
スターを見た蛇遣い座は「お前のせいだ」と一言。しゃしゃり出てこなければ、ああして歪みに飲まれ苦しむ必要はなかった、と責任をなすりつけてきます。幹部を抑えていたアイワーンも限界。幹部達は獣のように人格を失っています。歪んだイマジネーションに飲まれた奴らだ、倒せはせぬ。
「倒すんじゃない」
みんなを守る。宇宙人はみな同胞。「守る」ワードがここで浮上してきます。ということでお年玉で店頭に残った在庫買ってねビームの出番。
ノットレイ達も含めて歪みから解放。見ての通り彼らはそれぞれ異星人です。
手駒が浄化されてしまいましたが同時にプリキュアのトゥインクルイマジネーションもガス欠。パレスを破壊するとフワを確保。プルンスにミニブラックホールぶつけるのやめて下さい。いくら有能兼ギャグ要員でもそれは痛い。
ガルオウガに預けていた腕輪を回収すると巨大なワープホールを開きます。この人色んな力持ってるな。ブラックホール使ってるから空間に干渉できる能力が主体なんだと思うけど。ワープホールから全速離脱。
傷ついたプルンスもプリキュアを回収してロケットに乗り込みます。マジ有能。こいついなかったらトゥインクルは何回全滅したことか。幹部達はアイワーンが回収。結果してフワとプリンセス達が囚われの身に。
フワを守れなかったと嘆くプルンス。今回意外と彼にスポットが当たってるから最終決戦でワンチャンありそう。
状況は絶望的。しかしそこで諦めるプリキュアじゃない。
「大丈夫だよ、プルンス。フワは、必ず…助けるから!」
④次回予告
かつてない規模の最終決戦に。
○トピック
新番組はめっちゃオーソドックスな魔法少女ものに回帰した印象。
毎年のことですが、この時期は最終決戦と、新番組への期待(変身バンクどんなだろ)で楽しみが一気に増えますね。
話を戻して、最終決戦の開幕と同時に停戦交渉をやっちゃうひかるは主人公の鑑。
次回予告からもわかるように実質的に星空連合とノットレイダーの戦争は終結。ひかるは敵か味方かではなく、宇宙人として包括的に見る。前回彼女が確立した世界観(宇宙観)が炸裂しています。トゥインクルは話の流れ的に宥和路線しかないのでこの結論は当然の帰結です。しかし重要なのはひかるがその答えにたどり着いた過程にあります。
星が好きだった女の子。その子が自分の内的世界を広げるにしたがって他者をもっと知りたい、自分を他者にもっと知ってもらいたいと本気で考えるようになる。「好き」は「もっと知りたい」を含んでいます。好きなことから価値観を広げ、懐を深めて人間的に成長していく。それを1年かけて丁寧に見せたのが本作です。戦って守ろうとするよりも、好きになって(知って)守ろうとする彼女の姿はプリキュアの中でも異彩を放つ主人公だと思います。まさにこの物語の主人公に相応しい。星空連合とノットレイダーの全面戦争という舞台を活かした見事な「宇宙人」宣言でした。
「宇宙人でしょ!」と言った傍から「じゃ、この宇宙ぶっ潰しましょ」とひかるの世界観全否定するのがラスボス。安定のプリキュアロジック。包括した瞬間に上位概念で潰しにかかる。これを1話の中に詰め込む情報密度の高さ。とはいえ物語全体で見るといがみ合っていた者同士が共通の敵を前にして手を取り合う、という使い古されたベタな展開になっているのでこのままラスボス倒して終了ではちと捻りがない。それこそみんな予想していた「蛇遣い座を除け者にした」展開になってしまう。やはりここはひかるに期待したいところ。
蛇遣い座vs宇宙人の戦いはどのような決着をつけるのか。まどかの留学先は決まるのか。スター☆トゥインクルプリキュア最終章の開幕です。
第45話「輝くキラキラ星☆ひかるのイマジネーション!」
○今週の出来事
①独りの時間
雨。あっ…(察し
独りベッドに横になりながら物思いにふけるひかる。トゥインクルイマジネーション。1人取り残されるひかる。それはそれとして、その格好なんかコケティッシュだな。ワイシャツだけ着ているのに通じるものがある。
階下から母の呼ぶ声。ララが訪ねてきました。
ロケットでお掃除。留学の準備を進めているえれなに対してまどかは保留中。何やら難しそうな本を読んでいますが、いっそのことサマーン星に留学しては? ユニはレインボー星復活までロケットに住むらしい。そろそろ真冬だしな。てか今までこの子どこに住んでたの? この子の生態謎すぎるんだけど。ひかるはユニのためにプレートを作っていました。みんなに褒められます。……みんな掃除なりお手伝いなりしているのに仕事せずに本読んでるまどかさんは上級国民。
そんな今年最後のスター☆トゥインクルプリキュア。
アジト。
ガルオウガから指示が下るカッパード。しかし納得がいっていないのか「テンジョウは?」と聞き返すとすでに計画に移行していると答えが返ってきます。もはや計画は止められない。しかしそのまま従いたいくもない。ラストチャンス。そう願い出るカッパードに許可がでます。実はこの組織、失敗しても怒られない珍しい悪の組織だったりします。元々メンバーが難民なので極端な上下関係や支配体制ではなかったりする。
雨の中ララと一緒に歩いていると、クラスメイトと遭遇。お久しぶりさんま。いや、それ無理あるから。
みんなでアイススケートに行くらしい。桜子は素直に自分も行きたいって言えばいいのに。何だかんだで付き合いは良い。一言多いけど必ず居るみたいな。癖が強いだけで結構フレンドリーな人なんだよね。
クラスメイトにはバレているのでフワが表に出てきます。すると女子が可愛い~♪と頬ずり。すっかり溶け込んでいるようです。ひかるとララをスケートに誘うカルノリ。「ロケット」のワードが出た瞬間に男子が食いついてきます。たちまちララは取り囲まれて話題の中心に。ひかるは輪からはみ出してしまいます。みんなからせっつかれたララは内心満更でもない様子。ララちゃんがちょっと本気を出せばこんなもの。モテないわけがない。陰キャさんは家に帰ってどうぞ。笑顔からふと真顔に戻るひかる。
ロケットに戻るとユニ達はおやつタイム。クラスメイトから質問責めにあって辛いわー(辛そうに聞こえない)。隠し事なしで話すの楽しー!と喜ぶララ。公然の秘密と化したことでララの独占権は崩れました。ひかるは? 用があるとのこと。
雨の中ひかるが訪れた先は天文台。何かあるとこの子はここに来る。
扉の前に貼られた星座教室の案内ポスター。扉を開けた遼爺とバッタリ。「冬の星座教室の時季だね」。その表情はどこか遠くを見るようで儚げでもあります。この子はこういう表情もするのだと改めて思います。それに気づかない遼爺ではない。
「ちょっと手伝ってくれんかね」
②きらめく星の力
星座の絵を描くお手伝い。
ひかるが星座を好きになったキッカケが星座教室。回想。幼いひかるが天文台にやってくると祖父母が迎えにやってきます。孫のやんちゃぶりに手を焼いている様子。そこで遼爺は彼女を星座教室に誘います。プラネタリウムを使って解説。天の川を挟んで位置する織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)。それにデネブを加えると夏の大三角の完成。見方によって形は変わる。見る人の自由。その言葉に感銘を受けたひかるは星座にハマりオリジナル星座を作るようになった。1話冒頭に繋がります。
大三角を自分の家族に見立てて親近感を覚えたりもしたようです。遼爺が戻ってくると早速絵を褒めます。冬なのに何故白鳥座を?と疑問を口にするひかる。白鳥座が夏によく見えるのは確かだけど、デネブの輝きは冬でもよく見える。それをみんなに教えたいと話す遼爺。
ふたりでプラネタリウムを見上げながら遼爺は本題に入ります。いつもはララちゃん達と一緒なのに珍しい。
「私さ、いつも自分が楽しければ1人だって平気だった」
「そうだね。ひかるは小さい頃から人は人、自分は自分って感じだったもんね」
「うん。でもね、今は……ララ達が、みんなが、とっても気になるの」
「自分だけ進んでない…取り残されているって思ったり……焦ったり……」
「なんか、私、おかしいんだよ……」
独り違和感を覚えるひかる。
「友達ができるというのはそういうことさ」
「おかしなことなんてないよ」
遼爺の記憶。ああ、そうか。今まで思い至らなかった。幼なじみの3人。彼が成長すると念願かなって天文台で働くことに。イケメンやん。彼を祝う幼なじみ。陽子はすぐに春吉の腕に掴まります。それを見て悟る遼太郎。終盤のエピソードにこれをぶっこむ東堂いづみはガチ勢。彼女の薬指には指輪が輝いています。仲良く帰っていく友人達を見送ります。
「友達と時には比較してしまうよ」
「時の移ろいとともに周りは変わる。焦りや戸惑いだってあるさ」
「デネブはおよそ8000年後には北極の近くで輝く」
「たしか北極星になるんだよね」
「ああ、そのとおり。環境や状況が変わってもデネブは変わらず輝き続けるんだろうね」
ひかるは立ち上がるとララ達のもとへ行くと言います。彼女を安心して送り出します。
振り続ける雨の中再び歩くひかる。誰何の声。
前方からカッパード。自分のイマジネーションを武器に宿して臨戦態勢。変身して応戦。今回ノットレイはお休み。サシでのバトル。先制攻撃するとカッパードは自分の力に酔ったよう見せつけます。勢いに乗ったカッパードの攻撃に翻弄されるスター。防御もままならない。
ダークネストが計画している得体の知れない策。それを使う前に決着をつける。背水の陣。湖に飛び込むカッパード。彼と入れ違いに湖から這い出るスター。彼女が息を切らせている間にカッパードは水を吸ってさらに力を増します。特大のカッパード・ストライク。テンションMAX&バフ増し増しの攻撃の前にスターパンチでは太刀打ちできず呑み込まれてしまいます。
地球の水を浴びて故郷の記憶が掘り起こされるカッパード。かつては旅人に分け与えるほど豊かな資源があった星。しかしその星も今では見る影もない。善意は悪意を増長させた。怒りが力に。如何にもそれっぽいこと言ってますが要するに八つ当たりです。幹部みんなそう。
そこにフワが駆けつけるとワープで脱出。幹部戦からは逃げられない。地面に叩きつけられます。バリアで衝撃は和らげたものの変身は解けて戦闘継続は不能。
近づきながら悪態をつくカッパード。人は変わる。イマジネーションなどすぐ歪む。なのに口を開けば「大好き」「キラやば」ばかり。ひかるを否定するカッパード。人は変わると言いながら1話と態度を変えていない彼は変わらないことで自分を保っているとも言えます。この後指摘されるように、彼が言う真実とは違う真実を目にしているにも関わらず彼は変わらない。変われない。
背後から攻撃。援軍到着。
控えていたノットレイを出します。応戦。振り返ったカッパードはひかるが怯えるのを見て満足。時間帯が違うとヤバい展開になりそうですが日曜朝8時半のアニメなので安心。一周回って32時半説ありますが。ひかるが怯えているのは大事な点です。これは彼女があまり強い主張をしないことにもかかってきます。
ミルキーがひかるを庇うように前に出ます。が、一撃でノックアウト。
倒れたミルキーを見てひかるは自責の念にかられます。自分がトゥインクルイマジネーション見つけられなかったから……。いや、それはですね、見つけるのに3話も使った人がいまして。それでちょっとスケジュールが後ろになっただけで、ひかるが悪いわけじゃないと思うんですよね。
みんな、ごめん。暗闇に閉ざされるひかるに、カッパードは追い打ちをかけます。現実を知った上で腐ってるだけのお前が上から目線で言ってんじゃねぇってユニあたりなら突っ込めそうですが生憎ノットレイで忙しい。ミルキーが立ち上がると綺麗事じゃないと否定。ちゃんと仲良くなれた。あなたも見ただろう。2年3組のみんなを。現実を振りかざすくせに現実を見ないカッパード。
その現実を教えてくれたのはひかる。ララにとってひかるは常に可能性を教えてくれる存在です。プリキュアになれることを教えてくれたのもひかる。そしてひかるが真っ暗になったときにその存在を信じるのがララです。この構図は11話と同じです。11話と45話。その間に変わった部分もあれば変わらない部分もある。人間関係の変化は自己の在り方も変えます。自分の位置も価値も変わっていく。それにひかるは翻弄される。でも彼女達の関係の本質は変わらない。ララはひかるが発する光を見る。
「ひかるは、ひかるルン!」
その言葉が別な言葉と繋がります。
「そっか…」
周りが変わってもデネブは変わらず輝く。
「私知りたい。宇宙のこと、みんなのこと、もっと知りたい!」
踏み出した彼女の顔に迷いはありません。
「それにカッパード、あなたのことも!」
その言葉に激昂するカッパード。ひかるは「わからない」と静かに頷きます。
だからあなたの輝きももっともっと知りたい。溢れた涙がペンダントを光らせます。
「みんな星みたくさ、キラキラ輝いてる。その輝きが教えてくれるの。輝きはそれぞれ違うんだって…」
ここの言い方最高にひかるしてる。何度も言ってますが、トゥインクルは溢れ出てくるようなセリフ回しが印象的です。彼女の中で繋がったんだってことがよくわかります。自分をどう見るか、他者をどう見るか、自分と他者をどう繋げるか。その道が開けるということ。視点が上がるその瞬間。そういうわけで数年ぶりにまた引用。
それはおそらく誰もがめぐりあうにちがいないが、しかし一生にせいぜい一、二度しか訪れないような、そうした瞬間のひとつであった。このような瞬間に人間は自分の運命を決定し、世界観を確立し、きっぱりと自分に対して、『ここに真理があるのだ。そしてそれに到達するためには、この道を進まなければならんのだ』と言明するのである。そう、たしかにこの一瞬は、私の魂の光明であった。 (ドストエフスキー『未成年』)
猶予の時間は終わり。キュアスターフルバンク変身。1話からここにきて文字通りひかるは変身する。
正面からカッパードの拳を受け止めるスター。
「怖くない。あなたのことが少しわかったから」
覚醒補正と言ってしまえばそれまでですが、このセリフはとても明示的ですね。ひかるの主張の弱さはスタンスを決めていないことに起因しています。敵に対して倒すのか、助けるのか、それとも別の何かか。彼女はそのどれもやっていません。状況的にわけがわからなかったというのもあったでしょうが、一番は彼女が彼ら(ノットレイダー)に興味を持っていなかったからです。怖がることはあってもそれ以上に関わろうとはしませんでした。でも今は違う。彼女はハッキリと態度を決めます。
「私のことやみんなのこともわかって欲しい! 知って欲しいの!」
「怖がらないで」
彼らの中に根源的に恐怖心があることを喝破します。アイワーンが恐れるもの、テンジョウが恐れるもの、そしてカッパードが恐れるもの。それは承認(拒絶)だったり、評価(劣等)だったり、他者だったり自分自身が変わることだったり。
上空に飛び上がったカッパードは渾身の一撃を振りかざします。不安そうに見上げる仲間たちを制するスター。もう怯えや恐れはありません。
渾身の一撃に対してこちらも渾身のスターパンチ。
怒り狂う彼を止めるためにみんなの力を借ります。
空を覆っていた雲が張れていきます。
跪くカッパードに手を差し伸べるスター。カッパードは毒気が抜かれたように手を上げると……突如消えます。
歪みが足りない。触手の刑。このアニメは32時半です。
ついにすべてのトゥインクルイマジネーションが揃い歓喜に湧く一同。
しかしひかるは星を見上げると不安な表情を浮かべます。
③次回予告
宇宙戦争勃発。
○トピック
これはアイワーンきますわ。
(スタッフ曰く)当初想定していた地点に45話にして到達したひかる回。
前回の感想でも触れましたが、ひかるは主人公としては珍しいタイプです。経験を積むごとにしゃべらなくなるからです。普通の主人公は経験に比例して主張も強くなりますが、ひかるはその逆に控えめになっていきます(35話の選挙回ではそれが顕著)。おそらくスタッフは意図的にそれがわかっていてやっています。作品としてはややもすると勢いがなくなりかねない中でよくぞ終盤まで耐えたと称賛したい。本作が成長をテーマとするならこのアプローチもまた避けて通れない問題で、それに真正面から向き合うトゥインクルはまさにプリキュアです。
一応弁護すると、ひかるはこれまでにも定期的に主張しています。しかしそれは現状維持、あるいは今ある気持ちを失いたくないという主張でしかありませんでした。要するに「こうする」という話ではない。積極的なアプローチや指針があるわけではないので戦いに方向性が生まれないのです。だから「フワを守る」というように消極的な理由が表に出ていたわけですね。
ひかるの話もまたよくある話だと思います。最初は怖いもの知らずでイケイケでやってたけど、経験を積んだり周囲との摩擦の中でだんだんと考えることが多くなって最初の勢いがなくなっていく。その後に磨きがかかって再び頭角を表す人もいればそのまま埋没していく人がいる。自分の世界が見えていた頃と、その外のさらに広い世界を知った自分とで考えが纏まらず見失ってしまうことがあります。自分の中で折り合いがつかず方向性を見失う。何かスッキリしない、曖昧さ、明解さ(明快さ)を欠いたような、常に小骨が喉に引っかかっているような感じ。
1人遊びが好きだったひかるが友達を作って世界が広がった!と喜んだのが26話。そこから一転していますが今ならわかります。26話のときの彼女はまだまだ自分の世界の中で暮らしていたのだと。彼女はさらに外の世界を知り、人間関係も複雑になりました。そこから芽生える不安や焦り。自分のこれまでが否定されたような気持ち。自分は間違っていたのか。色んなものがゴチャゴチャになってパズルのピースみたいに頭の中に散乱する。彼女は賢明です。決して取り乱さないし、八つ当たりもしない。静かに遼爺に打ち明ける姿はだからこそ痛々しい。こんなに賢い子でも迷う。
でも、あるとき全てのピースが繋がって一つの絵になる。自分をどう見るか、人をどう見るか、自分と人とをどう結ぶか。その瞬間に世界観が確定する。その絵(世界観)は自分が次に何をすべきなのかを指し示してくれる。私はそれを「根拠のない確信」と呼んでいます。回路が繋がる。道が開ける。神に出会ったとか色々言い方はあるかもしれないけど、私はそう呼んでいます。それは特殊な経験と言えなくもないですが(経験の無い人にはオカルトに聞こえる)、人の成長なんだと思っています。「次」に行けるようになる。行きたいと思える。そういう成長(成熟)です。
この辺はプリンセスのはるかと似た構図ですが、はるかは夢を持っていて常にその真偽(と結果)が試されるある種のスポ根だったのに対して、ひかるは子どもの成長過程としてより一般化できる描写になっていると思います。
「私らしく生きる」「私らしさ」はその人の世界観と深く結びついています。世界観とはその人の生き方、モノの見方、志向性などの総称です。そこには誰かの言葉や受け売りもたくさん含まれています。もちろんその人自身のオリジナルも含まれている。それらが組み合わさって新たな世界ができあがる。世界は1人だけで作られていない。それをひかるは描いて見せます。
①独りの時間
雨。あっ…(察し
独りベッドに横になりながら物思いにふけるひかる。トゥインクルイマジネーション。1人取り残されるひかる。それはそれとして、その格好なんかコケティッシュだな。ワイシャツだけ着ているのに通じるものがある。
階下から母の呼ぶ声。ララが訪ねてきました。
ロケットでお掃除。留学の準備を進めているえれなに対してまどかは保留中。何やら難しそうな本を読んでいますが、いっそのことサマーン星に留学しては? ユニはレインボー星復活までロケットに住むらしい。そろそろ真冬だしな。てか今までこの子どこに住んでたの? この子の生態謎すぎるんだけど。ひかるはユニのためにプレートを作っていました。みんなに褒められます。……みんな掃除なりお手伝いなりしているのに仕事せずに本読んでるまどかさんは上級国民。
そんな今年最後のスター☆トゥインクルプリキュア。
アジト。
ガルオウガから指示が下るカッパード。しかし納得がいっていないのか「テンジョウは?」と聞き返すとすでに計画に移行していると答えが返ってきます。もはや計画は止められない。しかしそのまま従いたいくもない。ラストチャンス。そう願い出るカッパードに許可がでます。実はこの組織、失敗しても怒られない珍しい悪の組織だったりします。元々メンバーが難民なので極端な上下関係や支配体制ではなかったりする。
雨の中ララと一緒に歩いていると、クラスメイトと遭遇。お久しぶりさんま。いや、それ無理あるから。
みんなでアイススケートに行くらしい。桜子は素直に自分も行きたいって言えばいいのに。何だかんだで付き合いは良い。一言多いけど必ず居るみたいな。癖が強いだけで結構フレンドリーな人なんだよね。
クラスメイトにはバレているのでフワが表に出てきます。すると女子が可愛い~♪と頬ずり。すっかり溶け込んでいるようです。ひかるとララをスケートに誘うカルノリ。「ロケット」のワードが出た瞬間に男子が食いついてきます。たちまちララは取り囲まれて話題の中心に。ひかるは輪からはみ出してしまいます。みんなからせっつかれたララは内心満更でもない様子。ララちゃんがちょっと本気を出せばこんなもの。モテないわけがない。陰キャさんは家に帰ってどうぞ。笑顔からふと真顔に戻るひかる。
ロケットに戻るとユニ達はおやつタイム。クラスメイトから質問責めにあって辛いわー(辛そうに聞こえない)。隠し事なしで話すの楽しー!と喜ぶララ。公然の秘密と化したことでララの独占権は崩れました。ひかるは? 用があるとのこと。
雨の中ひかるが訪れた先は天文台。何かあるとこの子はここに来る。
扉の前に貼られた星座教室の案内ポスター。扉を開けた遼爺とバッタリ。「冬の星座教室の時季だね」。その表情はどこか遠くを見るようで儚げでもあります。この子はこういう表情もするのだと改めて思います。それに気づかない遼爺ではない。
「ちょっと手伝ってくれんかね」
②きらめく星の力
星座の絵を描くお手伝い。
ひかるが星座を好きになったキッカケが星座教室。回想。幼いひかるが天文台にやってくると祖父母が迎えにやってきます。孫のやんちゃぶりに手を焼いている様子。そこで遼爺は彼女を星座教室に誘います。プラネタリウムを使って解説。天の川を挟んで位置する織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)。それにデネブを加えると夏の大三角の完成。見方によって形は変わる。見る人の自由。その言葉に感銘を受けたひかるは星座にハマりオリジナル星座を作るようになった。1話冒頭に繋がります。
大三角を自分の家族に見立てて親近感を覚えたりもしたようです。遼爺が戻ってくると早速絵を褒めます。冬なのに何故白鳥座を?と疑問を口にするひかる。白鳥座が夏によく見えるのは確かだけど、デネブの輝きは冬でもよく見える。それをみんなに教えたいと話す遼爺。
ふたりでプラネタリウムを見上げながら遼爺は本題に入ります。いつもはララちゃん達と一緒なのに珍しい。
「私さ、いつも自分が楽しければ1人だって平気だった」
「そうだね。ひかるは小さい頃から人は人、自分は自分って感じだったもんね」
「うん。でもね、今は……ララ達が、みんなが、とっても気になるの」
「自分だけ進んでない…取り残されているって思ったり……焦ったり……」
「なんか、私、おかしいんだよ……」
独り違和感を覚えるひかる。
「友達ができるというのはそういうことさ」
「おかしなことなんてないよ」
遼爺の記憶。ああ、そうか。今まで思い至らなかった。幼なじみの3人。彼が成長すると念願かなって天文台で働くことに。イケメンやん。彼を祝う幼なじみ。陽子はすぐに春吉の腕に掴まります。それを見て悟る遼太郎。終盤のエピソードにこれをぶっこむ東堂いづみはガチ勢。彼女の薬指には指輪が輝いています。仲良く帰っていく友人達を見送ります。
「友達と時には比較してしまうよ」
「時の移ろいとともに周りは変わる。焦りや戸惑いだってあるさ」
「デネブはおよそ8000年後には北極の近くで輝く」
「たしか北極星になるんだよね」
「ああ、そのとおり。環境や状況が変わってもデネブは変わらず輝き続けるんだろうね」
ひかるは立ち上がるとララ達のもとへ行くと言います。彼女を安心して送り出します。
振り続ける雨の中再び歩くひかる。誰何の声。
前方からカッパード。自分のイマジネーションを武器に宿して臨戦態勢。変身して応戦。今回ノットレイはお休み。サシでのバトル。先制攻撃するとカッパードは自分の力に酔ったよう見せつけます。勢いに乗ったカッパードの攻撃に翻弄されるスター。防御もままならない。
ダークネストが計画している得体の知れない策。それを使う前に決着をつける。背水の陣。湖に飛び込むカッパード。彼と入れ違いに湖から這い出るスター。彼女が息を切らせている間にカッパードは水を吸ってさらに力を増します。特大のカッパード・ストライク。テンションMAX&バフ増し増しの攻撃の前にスターパンチでは太刀打ちできず呑み込まれてしまいます。
地球の水を浴びて故郷の記憶が掘り起こされるカッパード。かつては旅人に分け与えるほど豊かな資源があった星。しかしその星も今では見る影もない。善意は悪意を増長させた。怒りが力に。如何にもそれっぽいこと言ってますが要するに八つ当たりです。幹部みんなそう。
そこにフワが駆けつけるとワープで脱出。幹部戦からは逃げられない。地面に叩きつけられます。バリアで衝撃は和らげたものの変身は解けて戦闘継続は不能。
近づきながら悪態をつくカッパード。人は変わる。イマジネーションなどすぐ歪む。なのに口を開けば「大好き」「キラやば」ばかり。ひかるを否定するカッパード。人は変わると言いながら1話と態度を変えていない彼は変わらないことで自分を保っているとも言えます。この後指摘されるように、彼が言う真実とは違う真実を目にしているにも関わらず彼は変わらない。変われない。
背後から攻撃。援軍到着。
控えていたノットレイを出します。応戦。振り返ったカッパードはひかるが怯えるのを見て満足。時間帯が違うとヤバい展開になりそうですが日曜朝8時半のアニメなので安心。一周回って32時半説ありますが。ひかるが怯えているのは大事な点です。これは彼女があまり強い主張をしないことにもかかってきます。
ミルキーがひかるを庇うように前に出ます。が、一撃でノックアウト。
倒れたミルキーを見てひかるは自責の念にかられます。自分がトゥインクルイマジネーション見つけられなかったから……。いや、それはですね、見つけるのに3話も使った人がいまして。それでちょっとスケジュールが後ろになっただけで、ひかるが悪いわけじゃないと思うんですよね。
みんな、ごめん。暗闇に閉ざされるひかるに、カッパードは追い打ちをかけます。現実を知った上で腐ってるだけのお前が上から目線で言ってんじゃねぇってユニあたりなら突っ込めそうですが生憎ノットレイで忙しい。ミルキーが立ち上がると綺麗事じゃないと否定。ちゃんと仲良くなれた。あなたも見ただろう。2年3組のみんなを。現実を振りかざすくせに現実を見ないカッパード。
その現実を教えてくれたのはひかる。ララにとってひかるは常に可能性を教えてくれる存在です。プリキュアになれることを教えてくれたのもひかる。そしてひかるが真っ暗になったときにその存在を信じるのがララです。この構図は11話と同じです。11話と45話。その間に変わった部分もあれば変わらない部分もある。人間関係の変化は自己の在り方も変えます。自分の位置も価値も変わっていく。それにひかるは翻弄される。でも彼女達の関係の本質は変わらない。ララはひかるが発する光を見る。
「ひかるは、ひかるルン!」
その言葉が別な言葉と繋がります。
「そっか…」
周りが変わってもデネブは変わらず輝く。
「私知りたい。宇宙のこと、みんなのこと、もっと知りたい!」
踏み出した彼女の顔に迷いはありません。
「それにカッパード、あなたのことも!」
その言葉に激昂するカッパード。ひかるは「わからない」と静かに頷きます。
だからあなたの輝きももっともっと知りたい。溢れた涙がペンダントを光らせます。
「みんな星みたくさ、キラキラ輝いてる。その輝きが教えてくれるの。輝きはそれぞれ違うんだって…」
ここの言い方最高にひかるしてる。何度も言ってますが、トゥインクルは溢れ出てくるようなセリフ回しが印象的です。彼女の中で繋がったんだってことがよくわかります。自分をどう見るか、他者をどう見るか、自分と他者をどう繋げるか。その道が開けるということ。視点が上がるその瞬間。そういうわけで数年ぶりにまた引用。
それはおそらく誰もがめぐりあうにちがいないが、しかし一生にせいぜい一、二度しか訪れないような、そうした瞬間のひとつであった。このような瞬間に人間は自分の運命を決定し、世界観を確立し、きっぱりと自分に対して、『ここに真理があるのだ。そしてそれに到達するためには、この道を進まなければならんのだ』と言明するのである。そう、たしかにこの一瞬は、私の魂の光明であった。 (ドストエフスキー『未成年』)
猶予の時間は終わり。キュアスターフルバンク変身。1話からここにきて文字通りひかるは変身する。
正面からカッパードの拳を受け止めるスター。
「怖くない。あなたのことが少しわかったから」
覚醒補正と言ってしまえばそれまでですが、このセリフはとても明示的ですね。ひかるの主張の弱さはスタンスを決めていないことに起因しています。敵に対して倒すのか、助けるのか、それとも別の何かか。彼女はそのどれもやっていません。状況的にわけがわからなかったというのもあったでしょうが、一番は彼女が彼ら(ノットレイダー)に興味を持っていなかったからです。怖がることはあってもそれ以上に関わろうとはしませんでした。でも今は違う。彼女はハッキリと態度を決めます。
「私のことやみんなのこともわかって欲しい! 知って欲しいの!」
「怖がらないで」
彼らの中に根源的に恐怖心があることを喝破します。アイワーンが恐れるもの、テンジョウが恐れるもの、そしてカッパードが恐れるもの。それは承認(拒絶)だったり、評価(劣等)だったり、他者だったり自分自身が変わることだったり。
上空に飛び上がったカッパードは渾身の一撃を振りかざします。不安そうに見上げる仲間たちを制するスター。もう怯えや恐れはありません。
渾身の一撃に対してこちらも渾身のスターパンチ。
怒り狂う彼を止めるためにみんなの力を借ります。
空を覆っていた雲が張れていきます。
跪くカッパードに手を差し伸べるスター。カッパードは毒気が抜かれたように手を上げると……突如消えます。
歪みが足りない。触手の刑。このアニメは32時半です。
ついにすべてのトゥインクルイマジネーションが揃い歓喜に湧く一同。
しかしひかるは星を見上げると不安な表情を浮かべます。
③次回予告
宇宙戦争勃発。
○トピック
これはアイワーンきますわ。
(スタッフ曰く)当初想定していた地点に45話にして到達したひかる回。
前回の感想でも触れましたが、ひかるは主人公としては珍しいタイプです。経験を積むごとにしゃべらなくなるからです。普通の主人公は経験に比例して主張も強くなりますが、ひかるはその逆に控えめになっていきます(35話の選挙回ではそれが顕著)。おそらくスタッフは意図的にそれがわかっていてやっています。作品としてはややもすると勢いがなくなりかねない中でよくぞ終盤まで耐えたと称賛したい。本作が成長をテーマとするならこのアプローチもまた避けて通れない問題で、それに真正面から向き合うトゥインクルはまさにプリキュアです。
一応弁護すると、ひかるはこれまでにも定期的に主張しています。しかしそれは現状維持、あるいは今ある気持ちを失いたくないという主張でしかありませんでした。要するに「こうする」という話ではない。積極的なアプローチや指針があるわけではないので戦いに方向性が生まれないのです。だから「フワを守る」というように消極的な理由が表に出ていたわけですね。
ひかるの話もまたよくある話だと思います。最初は怖いもの知らずでイケイケでやってたけど、経験を積んだり周囲との摩擦の中でだんだんと考えることが多くなって最初の勢いがなくなっていく。その後に磨きがかかって再び頭角を表す人もいればそのまま埋没していく人がいる。自分の世界が見えていた頃と、その外のさらに広い世界を知った自分とで考えが纏まらず見失ってしまうことがあります。自分の中で折り合いがつかず方向性を見失う。何かスッキリしない、曖昧さ、明解さ(明快さ)を欠いたような、常に小骨が喉に引っかかっているような感じ。
1人遊びが好きだったひかるが友達を作って世界が広がった!と喜んだのが26話。そこから一転していますが今ならわかります。26話のときの彼女はまだまだ自分の世界の中で暮らしていたのだと。彼女はさらに外の世界を知り、人間関係も複雑になりました。そこから芽生える不安や焦り。自分のこれまでが否定されたような気持ち。自分は間違っていたのか。色んなものがゴチャゴチャになってパズルのピースみたいに頭の中に散乱する。彼女は賢明です。決して取り乱さないし、八つ当たりもしない。静かに遼爺に打ち明ける姿はだからこそ痛々しい。こんなに賢い子でも迷う。
でも、あるとき全てのピースが繋がって一つの絵になる。自分をどう見るか、人をどう見るか、自分と人とをどう結ぶか。その瞬間に世界観が確定する。その絵(世界観)は自分が次に何をすべきなのかを指し示してくれる。私はそれを「根拠のない確信」と呼んでいます。回路が繋がる。道が開ける。神に出会ったとか色々言い方はあるかもしれないけど、私はそう呼んでいます。それは特殊な経験と言えなくもないですが(経験の無い人にはオカルトに聞こえる)、人の成長なんだと思っています。「次」に行けるようになる。行きたいと思える。そういう成長(成熟)です。
この辺はプリンセスのはるかと似た構図ですが、はるかは夢を持っていて常にその真偽(と結果)が試されるある種のスポ根だったのに対して、ひかるは子どもの成長過程としてより一般化できる描写になっていると思います。
「私らしく生きる」「私らしさ」はその人の世界観と深く結びついています。世界観とはその人の生き方、モノの見方、志向性などの総称です。そこには誰かの言葉や受け売りもたくさん含まれています。もちろんその人自身のオリジナルも含まれている。それらが組み合わさって新たな世界ができあがる。世界は1人だけで作られていない。それをひかるは描いて見せます。
第44話「サプラ~イズ☆サンタさんは宇宙人!?」
○今週の出来事
①クリスマス・ナイト・フィーバー
本日は晴天なり。絶好の墜落びより。
みんなでクリスマスパーティ。えれながケーキを持ってきてテンション上がります。彼女の様子に安心するひかる。と、そこにアブラハムから通信。宇宙船が墜落したので救助して欲しい。この街よく落ちてくるよな。
墜落現場に行くとモクモクと煙が立っています。如何にもそれっぽいシルエット。サンタかと期待。
ところがどっこい、出てきたのはサンター星人。何か既視感のあるポーズ。土曜日の夜にフィーバーしそう。
いよいよダークネストさん出撃。
墜落の原因は宇宙船の故障。
サンター星人について簡単にユニが説明。サプライズ好きの人々で怪盗やってた頃に世話になったらしい。レインボー星の宝を回収するついでに盗んだ宝を貧しい星に配っていたようですが、それサンター星人も共犯になってない?
この世界ではサンタの正体はサンター星人。何故かお爺さんとトナカイに勘違いされちゃったよ、ハハっと本人は軽く流します。先程から気になるのはサンタ部分のロボット。動き出したもののこちらも故障してしまいシステムダウン。
ロケットで診断すると案外修理は早く終わる見込み。しかし肝心のクリスマス(今日)の夜に間に合わない。
サプライズできない! サンター星人失格じゃん!と悲観に暮れる……サン…ん?……こいつの名前わかんねーな。面倒なのでサンターと呼称します。毎年恒例のサンタのお手伝い。ワープ使えばひとっ飛び。
夜に再び集合。
当然のようにサンタのコスプレ。誰が用意したんだこれ。アブラハムの小道具か?
宇宙船の方は応急処置で飛べることは飛べる。でも速度が出ない。フワのワープで時間短縮。これいいじゃん!とたちまちフワと仲良しになるサンター。あとはレーダーの座標に従ってプレゼントを配布していくだけですが、肝心のプレゼントが見当たりません。まさかこの小さな袋だけ? そこは宇宙人テクノロジー。マイクロ化でたくさん収納していました。
プルンスをロープ代わりにして家に侵入。次々にプレゼントを渡していきます。途中寝ずの番で待っていた子どもと遭遇してしまいますが、そこは堂々としていればバレない理論で突破。
そんな感じで番組開始10分程度でノルマ達成。子ども番組としての義理は果たした。ここからが本題。
来年もまたみんなでサンタやろう。そんな何気ない会話。おもむろにえれなが口を開きます。通訳になりたい。だから留学して勉強しようと思う。進む道がハッキリした彼女の声に迷いはありません。隣に立つまどかはいい笑顔だと喜びます。
えれなの留学を受け止めるひかる。慌てず騒がず。こういうところが本作のスタンスですね。まどかはまだ考え中。留学すれば今のように気軽に会えなくなってしまう。ちょっとしんみりした雰囲気。和らげるようにまどかがクリスマス休暇には帰ってくるよね?とフォロー。頷くえれな。レインボー星が戻ったらどうするの? 訊かれたユニはもちろん帰る、そのために頑張ってきたんだからと視線を外しながら答えます。ひかるはその言葉に頷くとそうなるといいね、と笑顔を向けます。なおララには訊かない模様。意識してか、無意識か、訊くのがちょっと怖いのかもしれません。
雪が強くなってきたので雲の上へ。
満月が綺麗! みんなで見上げているとフワが自分がいるから大丈夫、ワープでいつでも会えると言います。フワが居れば距離問題は解決。そもそもフワが今のまま現存するのかって問題がありますが。
突然の爆音。エンジンが片方撃ち落とされます。落雷? しかしここは雲の上。満月を背にダークネスト襲来。こうして見るとシルエットがスッとしてるな。
②傀儡
フワの方に手を伸ばしながら器と呼ぶダークネスト。
ビームを避けて変身。サンターにはすまないけど乗りかかった船。付き合ってもらいます。フワをプルンスに任せて戦闘態勢。スター以外は滞空できないので足場が限られているこの状況はかなり不利。
先鋒ソレイユ。真正面からキック。が、ビームで迎撃。プルンスがクッションになってフォロー。この汎用性の高さ。プルンスが抜けたためスターがフワの直掩につきます。他のメンバーで攻撃を加えますがこちらも撃ち落とされます。場外に押し出されるとそのまま戦闘不能&離脱は分が悪すぎる。とっさにフワがワープを使ってミルキーとセレーネを救出。
一安心したのも束の間、宇宙船が限界。フワも空腹で限界。ダークネストが執拗に追いかけてきます。ラスボスの割に圧を感じない。行動も機械的だし。パワーはあっても戦闘力はそこまでではない印象。とはいえ今のプリキュアでは防衛もままならず宇宙船は落下。サンターさん今日は厄日。
落ちるフワをスターが回収。迫るダークネスト。他のメンバーはプルンスが救出するも落下を食い止めるので精一杯。スターの援護にまわる余裕がありません。
ラスボスとタイマン。フワを庇いながら攻撃を加えるもダメージはゼロ。しかし相手も動きが緩慢で一進一退。それも長くは続きません。上を取られてピンチに。そこに駆けつけたのはロケット。ララちゃんナイス。プルンスといい宇宙人組の有能さ。
体勢を整えた4人で同時攻撃。プリンセス・スター・カラーペン、レインボーパフュームによる怒涛の販促ラッシュ。在庫を一掃して来年に繋げたい。そんな大人の事情になぶられるダークネストさん。もちろん締めはパワーアップ変身!DXおしゃべりフワ。ダークネストよりも親の財布が心配。
仮面にヒビ。お、ついにご尊顔披露……と思ったらノットレイ。そのまま撤退。
アジトに回収されるノットレイ。死んだようにくたびれてるけど、その人大丈夫?
イマジネーションの歪みが足りない。しかし鎧の試験は上々。倒れたノットレイを見ながら満足げに呟くダークネスト。その様子にカッパードは渋い顔。隣に立つガルオウガは顔色一つ変えません。この人はダークネストを崇拝してますからね。
翌朝。プレゼントが届いていることを知って喜ぶ子ども達。サプライズ大成功。
ひかる達にお礼を述べるサンター。お手伝いロボも修理完了。なんかちょっと外装が変わっています。プリキュアからのサプライズ。
また来年会う約束をしてサンターは帰っていきます。
③次回予告
久々のひかる回なのにカッパードでしゃばり過ぎ。
○トピック
楽屋で何があったかはわかりませんが、留学するそうです(意味深)
終盤の雰囲気が漂ってきました。
最近のプリキュアは大人になった後の姿を描くことが多くなったので「私たちずっと一緒だよ!」にこだわる必要はなくなっています。特にトゥインクルは繋がりが緩やかなので別離に対する葛藤はそこまで大きくはならないだろうと思います。
逆に言えばそこがトゥインクルの読めないところで、ぶっちゃけ本作は何も問題を抱えていません。たとえば去年のHUGは、子どものままでいられない、現状のままでいられない、失恋や別離、そういった肉体的・精神的な痛みが敵味方双方の背景にありました。その痛みへの恐怖や不安、痛みを与えた者への怒りが時間に対する静止の声となったわけですね。
本作でも何らかの危機に直面し不安になることはありますが、絶望するほどのものではなくマイルドに抑えられています。プリキュア側に問題はない。敵にしてもノットレイダー自体がある種の避難所として、コミュニティとして形成されているので組織を壊滅させるのは無理筋でしょう(難民が離散するだけ)。難民の集まりである以上個々の救済を描くのは不毛です。ざっくり言ってしまえば幹部を個々に救済する必要性は薄く、腹に抱えるものはあってもそれぞれが消化していけばいいもので、ラスボスを別にすれば融和路線で解決できる流れです。トゥインクル完。
プリキュアがそんな無難な終わり方するわけないよねー。痛みに耐えて未来に進むって言ったHUGは出産までしてるんですから。
だから本作に対する期待って大きいんですよね。それは本作が何をやってもいいからです。敵を倒さなくていい。敵を救済しなくていい。夢を叶えなくていい。何者かにならなくていい。ノルマや義務は無い。打ちたい手を打てる。その可能性に期待しています。プリキュアは常に「プリキュアとは何か?」「プリキュアに何ができるのか?」を問い続けてきた作品で、本作はその中でも比較的フラットな、ニュートラルな作品です。子ども達が知り、学んだ先で何を選ぶのか。それが純粋に試されている。星が好きだった女の子はこの1年で多くを学びました。彼女はどう変わり、また変わらないのか。
友人「トゥインクルって何か地味だよな」
私 「すっごい丁寧だけど地味だね」
友人「特にピンクがキャラ立つようで立ってないっていうか」
私 「他のピンクと比べると大人しいよね。自己主張意外と少ないし」
友人「そうそう」
私 「でも、俺、その無個性が逆に個性だと思ってるんだよね。何するかわかんねーじゃん」
友人「あー」
みたいな会話を友人としているんですが、ひかるは何かを学んでいくたびにむしろ大人しくなっていると思います。それは考えることが多くなったからですね。映画がわかりやすいでしょう。以前の彼女ならララと同じようなリアクションをしたかもしれない。けど、今の彼女は「その先」を考える。本編でも沈黙する場面が増えていると思います。
ひかるは本質的な部分を見ることができる子で、宇宙人であるララをすぐに受け入れたように、カッパードに対しても初対面では悪印象は持っていませんでした。ユーマに対してもそう。でも、ただ受け入れるだけでは必ずしも相手と仲良くなれるわけではない。誰もが無垢のままではいられないし、無垢であれば良いというものではない。様々に考えなければならないことがありつつも、何かをするには決断をしなければならない。その決断に人柄が出る。
学んだ上でひかるが何をやるのか。やれるのか。子どもの成長をどれだけアシストできるか。それがプリキュアの可能性でもあります。私はそれに期待しています。
①クリスマス・ナイト・フィーバー
本日は晴天なり。絶好の墜落びより。
みんなでクリスマスパーティ。えれながケーキを持ってきてテンション上がります。彼女の様子に安心するひかる。と、そこにアブラハムから通信。宇宙船が墜落したので救助して欲しい。この街よく落ちてくるよな。
墜落現場に行くとモクモクと煙が立っています。如何にもそれっぽいシルエット。サンタかと期待。
ところがどっこい、出てきたのはサンター星人。何か既視感のあるポーズ。土曜日の夜にフィーバーしそう。
いよいよダークネストさん出撃。
墜落の原因は宇宙船の故障。
サンター星人について簡単にユニが説明。サプライズ好きの人々で怪盗やってた頃に世話になったらしい。レインボー星の宝を回収するついでに盗んだ宝を貧しい星に配っていたようですが、それサンター星人も共犯になってない?
この世界ではサンタの正体はサンター星人。何故かお爺さんとトナカイに勘違いされちゃったよ、ハハっと本人は軽く流します。先程から気になるのはサンタ部分のロボット。動き出したもののこちらも故障してしまいシステムダウン。
ロケットで診断すると案外修理は早く終わる見込み。しかし肝心のクリスマス(今日)の夜に間に合わない。
サプライズできない! サンター星人失格じゃん!と悲観に暮れる……サン…ん?……こいつの名前わかんねーな。面倒なのでサンターと呼称します。毎年恒例のサンタのお手伝い。ワープ使えばひとっ飛び。
夜に再び集合。
当然のようにサンタのコスプレ。誰が用意したんだこれ。アブラハムの小道具か?
宇宙船の方は応急処置で飛べることは飛べる。でも速度が出ない。フワのワープで時間短縮。これいいじゃん!とたちまちフワと仲良しになるサンター。あとはレーダーの座標に従ってプレゼントを配布していくだけですが、肝心のプレゼントが見当たりません。まさかこの小さな袋だけ? そこは宇宙人テクノロジー。マイクロ化でたくさん収納していました。
プルンスをロープ代わりにして家に侵入。次々にプレゼントを渡していきます。途中寝ずの番で待っていた子どもと遭遇してしまいますが、そこは堂々としていればバレない理論で突破。
そんな感じで番組開始10分程度でノルマ達成。子ども番組としての義理は果たした。ここからが本題。
来年もまたみんなでサンタやろう。そんな何気ない会話。おもむろにえれなが口を開きます。通訳になりたい。だから留学して勉強しようと思う。進む道がハッキリした彼女の声に迷いはありません。隣に立つまどかはいい笑顔だと喜びます。
えれなの留学を受け止めるひかる。慌てず騒がず。こういうところが本作のスタンスですね。まどかはまだ考え中。留学すれば今のように気軽に会えなくなってしまう。ちょっとしんみりした雰囲気。和らげるようにまどかがクリスマス休暇には帰ってくるよね?とフォロー。頷くえれな。レインボー星が戻ったらどうするの? 訊かれたユニはもちろん帰る、そのために頑張ってきたんだからと視線を外しながら答えます。ひかるはその言葉に頷くとそうなるといいね、と笑顔を向けます。なおララには訊かない模様。意識してか、無意識か、訊くのがちょっと怖いのかもしれません。
雪が強くなってきたので雲の上へ。
満月が綺麗! みんなで見上げているとフワが自分がいるから大丈夫、ワープでいつでも会えると言います。フワが居れば距離問題は解決。そもそもフワが今のまま現存するのかって問題がありますが。
突然の爆音。エンジンが片方撃ち落とされます。落雷? しかしここは雲の上。満月を背にダークネスト襲来。こうして見るとシルエットがスッとしてるな。
②傀儡
フワの方に手を伸ばしながら器と呼ぶダークネスト。
ビームを避けて変身。サンターにはすまないけど乗りかかった船。付き合ってもらいます。フワをプルンスに任せて戦闘態勢。スター以外は滞空できないので足場が限られているこの状況はかなり不利。
先鋒ソレイユ。真正面からキック。が、ビームで迎撃。プルンスがクッションになってフォロー。この汎用性の高さ。プルンスが抜けたためスターがフワの直掩につきます。他のメンバーで攻撃を加えますがこちらも撃ち落とされます。場外に押し出されるとそのまま戦闘不能&離脱は分が悪すぎる。とっさにフワがワープを使ってミルキーとセレーネを救出。
一安心したのも束の間、宇宙船が限界。フワも空腹で限界。ダークネストが執拗に追いかけてきます。ラスボスの割に圧を感じない。行動も機械的だし。パワーはあっても戦闘力はそこまでではない印象。とはいえ今のプリキュアでは防衛もままならず宇宙船は落下。サンターさん今日は厄日。
落ちるフワをスターが回収。迫るダークネスト。他のメンバーはプルンスが救出するも落下を食い止めるので精一杯。スターの援護にまわる余裕がありません。
ラスボスとタイマン。フワを庇いながら攻撃を加えるもダメージはゼロ。しかし相手も動きが緩慢で一進一退。それも長くは続きません。上を取られてピンチに。そこに駆けつけたのはロケット。ララちゃんナイス。プルンスといい宇宙人組の有能さ。
体勢を整えた4人で同時攻撃。プリンセス・スター・カラーペン、レインボーパフュームによる怒涛の販促ラッシュ。在庫を一掃して来年に繋げたい。そんな大人の事情になぶられるダークネストさん。もちろん締めはパワーアップ変身!DXおしゃべりフワ。ダークネストよりも親の財布が心配。
仮面にヒビ。お、ついにご尊顔披露……と思ったらノットレイ。そのまま撤退。
アジトに回収されるノットレイ。死んだようにくたびれてるけど、その人大丈夫?
イマジネーションの歪みが足りない。しかし鎧の試験は上々。倒れたノットレイを見ながら満足げに呟くダークネスト。その様子にカッパードは渋い顔。隣に立つガルオウガは顔色一つ変えません。この人はダークネストを崇拝してますからね。
翌朝。プレゼントが届いていることを知って喜ぶ子ども達。サプライズ大成功。
ひかる達にお礼を述べるサンター。お手伝いロボも修理完了。なんかちょっと外装が変わっています。プリキュアからのサプライズ。
また来年会う約束をしてサンターは帰っていきます。
③次回予告
久々のひかる回なのにカッパードでしゃばり過ぎ。
○トピック
楽屋で何があったかはわかりませんが、留学するそうです(意味深)
終盤の雰囲気が漂ってきました。
最近のプリキュアは大人になった後の姿を描くことが多くなったので「私たちずっと一緒だよ!」にこだわる必要はなくなっています。特にトゥインクルは繋がりが緩やかなので別離に対する葛藤はそこまで大きくはならないだろうと思います。
逆に言えばそこがトゥインクルの読めないところで、ぶっちゃけ本作は何も問題を抱えていません。たとえば去年のHUGは、子どものままでいられない、現状のままでいられない、失恋や別離、そういった肉体的・精神的な痛みが敵味方双方の背景にありました。その痛みへの恐怖や不安、痛みを与えた者への怒りが時間に対する静止の声となったわけですね。
本作でも何らかの危機に直面し不安になることはありますが、絶望するほどのものではなくマイルドに抑えられています。プリキュア側に問題はない。敵にしてもノットレイダー自体がある種の避難所として、コミュニティとして形成されているので組織を壊滅させるのは無理筋でしょう(難民が離散するだけ)。難民の集まりである以上個々の救済を描くのは不毛です。ざっくり言ってしまえば幹部を個々に救済する必要性は薄く、腹に抱えるものはあってもそれぞれが消化していけばいいもので、ラスボスを別にすれば融和路線で解決できる流れです。トゥインクル完。
プリキュアがそんな無難な終わり方するわけないよねー。痛みに耐えて未来に進むって言ったHUGは出産までしてるんですから。
だから本作に対する期待って大きいんですよね。それは本作が何をやってもいいからです。敵を倒さなくていい。敵を救済しなくていい。夢を叶えなくていい。何者かにならなくていい。ノルマや義務は無い。打ちたい手を打てる。その可能性に期待しています。プリキュアは常に「プリキュアとは何か?」「プリキュアに何ができるのか?」を問い続けてきた作品で、本作はその中でも比較的フラットな、ニュートラルな作品です。子ども達が知り、学んだ先で何を選ぶのか。それが純粋に試されている。星が好きだった女の子はこの1年で多くを学びました。彼女はどう変わり、また変わらないのか。
友人「トゥインクルって何か地味だよな」
私 「すっごい丁寧だけど地味だね」
友人「特にピンクがキャラ立つようで立ってないっていうか」
私 「他のピンクと比べると大人しいよね。自己主張意外と少ないし」
友人「そうそう」
私 「でも、俺、その無個性が逆に個性だと思ってるんだよね。何するかわかんねーじゃん」
友人「あー」
みたいな会話を友人としているんですが、ひかるは何かを学んでいくたびにむしろ大人しくなっていると思います。それは考えることが多くなったからですね。映画がわかりやすいでしょう。以前の彼女ならララと同じようなリアクションをしたかもしれない。けど、今の彼女は「その先」を考える。本編でも沈黙する場面が増えていると思います。
ひかるは本質的な部分を見ることができる子で、宇宙人であるララをすぐに受け入れたように、カッパードに対しても初対面では悪印象は持っていませんでした。ユーマに対してもそう。でも、ただ受け入れるだけでは必ずしも相手と仲良くなれるわけではない。誰もが無垢のままではいられないし、無垢であれば良いというものではない。様々に考えなければならないことがありつつも、何かをするには決断をしなければならない。その決断に人柄が出る。
学んだ上でひかるが何をやるのか。やれるのか。子どもの成長をどれだけアシストできるか。それがプリキュアの可能性でもあります。私はそれに期待しています。
第43話「笑顔への想い☆テンジョウvsえれな!」
○今週の出来事
①テンジョウの故郷
星空連合の宇宙艦に随伴。
トッパーからノットレイダーのアジトがわかるかもしれないと通信が入ります。いつも使っているワープの磁場から割り出せるかも。まさに終盤な展開にワクワクする一同。しかしえれなだけは暗い顔を浮かべています。そりゃ2回も赤点取ったらそうなります。
訪れたのはグーテン星。空飛ぶ車もある未来都市。
それ以上に気になるのは、この星の人達とテンジョウが似ている件。その疑問にユニが肯定して答えます。なるほど、とよそ見をしていたプルンスが人とぶつかってしまいます。プルンスをひと目見た人は鼻がない!と驚くとともに不憫だと憐れみだします。この星では鼻の高さがステータス。平たい顔族の日本人に居場所ねーな。
一方、前回に引き続き出番のテンジョウはプリキュアの居場所を探知。しかしそこは因縁の場所。神輿から降りると単騎で出撃。
研究所に到着。ゲームセンターみたいな内装。
学者っぽい人達が迎えます。マイクロ化の技術もここで発明された。マイクロ化技術はプルンスの個人浮遊ポットに代表される、要するにポイポイカプセル。トッパーも星空界の科学技術はグーテン星人抜きでは語れないと説明。ただ、問題なのは……プライドがめちゃめちゃ高くてなかなかの上から目線。テキトーにおだてて機嫌取っておくのが無難か。
依頼は済んだのでひかる達は観光に出かけます。
通りがかったカップルが光学迷彩のマントを着ています。流行りのモードだと自慢。ハウスマヌカンって何?造語?と思ったらブティックの女性店員のことなのね。鼻が高いと天狗になります。鼻にまつわる諺や慣用句多そう。
レーダーの反応を追うテンジョウは緊張した表情を浮かべています。すげー居心地悪そう。心拍数上がってそう。今となってはその理由もわかります。彼女にはグーテン星人に特徴的な鼻がありません。以前の回想ではシルエットだったのと本人も仮面を付けていたので何かそういう(仮面舞踏会的な、あるいはアウトロー的な)ファッションなのかと思っていましたが、鼻の低さを隠すためだったのね。テンジョウ本人はああ言っていましたが、地元では超ダセー奴扱い。そりゃ部下を連れてこれませんわ。
気づけばみんなとはぐれてしまうえれな。周囲はみんな良い笑顔。マウント取り忙しそう。無料10連できちゃったわー。俺単発できちゃったわー。SNSとかヤバそうだな。
個人回2回もやって光らなかったわー。敢えて逆張りでいくえれな嬢のスタイル。母親の言葉が脳裏をよぎります。お仲間発見。テンジョウ。マウント取れそうなので早速取っていきます。お前もやっぱこの星の血族だよ。ここは笑顔で溢れている。腹の底では人を見下している連中ばかり。笑顔は仮面、笑顔の裏にこそ真実がある。母親が本音を隠している事実。自分もまた笑顔が仮面になっている事実。何も言い返せないえれなに勝機を見出すテンジョウ。
でも残念。ステルススキルならお手の物。ユニが妨害。みんなと合流。ノットレイがいないなんて珍しいと核心を突くユニ。この子のツッコミ力は本作でも随一。今回もえれなメインで変身。
②二つの真実
団扇で突風を作りプリキュアの動きを止めるテンジョウ。しかし遠距離攻撃ならセレーネにお任せ。この紫ほんと優秀。体勢が崩れた隙を見逃さす切り込むソレイユ。肉弾戦に持ち込みますがテンジョウは慌てず騒がず心理戦を仕掛けます。何のために戦う? 笑顔が偽りだとわかっているだろ? メンタル弱っているソレイユでは敵いません。
ソレイユが後退するのに合わせてセレーネ以外が前進、セレーネはソレイユをキャッチ。セレーネは後方からの支援がメインなのでこの動きは合理的。
3対1。中距離ならミルキーの射程内。素早くかわすテンジョウ。こいつの直接戦闘珍しいな。いつも神輿に座ってるだけだし。意外と戦闘力高い。流石幹部。とはいえ肉弾戦ならスターの方がパワーは上。本作的にスターに肉弾戦勝てる奴の方が少数だと思います。それくらいスターのピンポイントバリアは強い。
形勢は一気にプリキュア側に。ソレイユが停戦交渉をもちかけます。
「憐れみをかけるつもり?」
思いも寄らない言葉が返ってきます。
見たでしょ? この星では鼻の長い者が良しとされる。鼻の短い者は見向きもされない。
「(たった)それだけの差が運命を分ける!」
東堂いづみはガチ勢。トゥンクルの世界は暗い影がつきまといます。さらにこの世界がキツイのはルサンチマンに一発逆転の目が無いことです。去年の被害者の会なら時間停止という逆転技がありましたが、今の所本作にはそういった手段はありません。もちろんラスボスの切り札はあるんでしょうが、一手で逆転、自分を見下した、捨てた連中を纏めて落とすような仕掛けを幹部が持っているわけではないし、地道に帝国の版図を広げるしかない。世界がどれだけ酷くても世界は滅びない。滅ぼせない。告発しても呑み込まれ、不平等は不平等として在り続ける。そんな世界です。
仮面が取れたテンジョウの素顔。幼少の頃、泣いていた彼女を周囲は鼻の長さは関係ないと慰めますが、しかし腹の中では憐れみ、見下していた。その現実に打ちのめされる少女。それは誰にも知られてはならない過去。捨てたはずの過去。
「でもあなた達は知ってしまった」
「消えてもらうわ。私の過去と一緒にね!」
だがノットレイ無しで何ができると? テンジョウは自身をノットレイに変えると巨大化。自分自身の怨嗟を力に変えて暴走するのは本作に限らず幹部に見られるパターンですが、彼女のそれは感情が抑制されている分底しれぬ恨み辛みが表現されていて良いですね。
街を襲撃。逃げ遅れるカップルを見捨てる同胞たち。
踏み潰そうと伸ばした足に矢。セレーネほんと仕事するな。なお他の3人はダメな模様。えれな回なので今回もテキトーに団子になってもらいます。ノットレイの中で苦しみながら恨み言を口にするテンジョウの姿に母親の姿が重なります。動きが鈍った彼女を蹴り上げるテンジョウ。セレーネも団子に。
弱気になったソレイユは倒れたセレーネにすがります。このままでは追試に落ちてしまう。一言目には笑顔、二言目にも笑顔、笑顔笑顔言ってきたらそれが重石になってしまいました。彼女の手を握るセレーネ。あ、その団子から手出せるんだ。かなりシュールな絵面になりながらもセレーネは親友を励まします。笑顔を浮かべる親友の顔に家族の笑顔が重なります。
ソレイユは立ち上がるとテンジョウの言葉に頷きます。
「あたしも作ったんだ、笑顔を」
人の笑顔ばかり気になって自分が本当の笑顔になっていたかを考えていなかった。
「本心を仮面で隠すって言ってたけど、でも聞けたよ! あなたの本心!」
うるさい!と叩かれます。
目の前にいる彼女は自分と同じ。自分もまた同じ境遇だった。
「あたしもみんなと違うって……みんな、あたしのこと本当はどう思っているのかってずっと気にしてた」
「でもそれを救ってくれたのが家族の笑顔」
「本物の笑顔だった」
「だから救われたんだ!」
笑顔で救われた少女と、笑顔で傷つけられた少女。トゥインクルはこの構図自体は変えません。手を取り合う者、突き放す者、寛容と不寛容は厳然としてある。だからこの世界には真実が二つある。プリキュアとノットレイダーがいることはそれを示しています。3度目の正直で光ります。母親の本心、テンジョウの本心を聞いたえれなの本心は、
「あなたを笑顔にしたい」
何故?なんでそんなことを言うの!? ソレイユを地面に叩きつけますが、彼女に灯った光は消えません。もうこれ3回目なんだよ。わかる? このプレッシャー。もう年末だよ? 来週はクリスマス回だよ? みんな大丈夫だよっていうけど目が笑ってないの。そんな本心を笑顔で隠すソレイユは笑顔職人。負けられない戦いがここにある。ソレイユのパワーアップフォームが一番ゴージャス感ある。年末商戦ビームで片をつけます。
テンジョウに手を差し出すソレイユ。
「私を笑顔にできて?」
言葉を残して消えます。
5分の4埋まってリーチ。
例の計画を実行。ノットレイダーも動き出す。
グーテン星を後にする一行。解析はトッパーに一任
ロケットの中で小さくなっていくグーテン星を見つめるえれな。
③少女の笑顔と、家族の笑顔
家に帰ると母親と一緒に夕食の準備。ここまでが前座。ここからが本番。
えれなは突然泣き出します。相手に自分の気持ちを伝えるのって笑顔にするのって難しいね。でもみんなの笑顔を見たい。一緒に笑いたい。そんな娘の姿を母親は静かに見守ります。
「えれな、人を笑顔にできるって凄いことよ。でも……」
「人のために泣けるのはもっと凄い」
泣きたいときは泣いていい。抱きしめられたえれなは母親の腕の中で大声で泣きだします。ここはえれなを代理母親としてではなく、子どもとして受け止めているシーンですね。えれなは本音をさらけ出して良いのだと安心することができます。
父親が配達から返ってくると現場を目撃。察した父は下の兄弟達を厨房に入れないよう誘導。
母と父。親の前でえれなは話し始めます。人と人がわかり合えるような手助けをしたい。ママに憧れていた。
「通訳って素敵だなぁって!」
その告白に素敵だと答える両親。それで…それで…と意気込む娘の手を取ると、その要望に応えます。
感動中に申し訳ないんですけど「ご飯まだ?」。弟のとうまが手伝うと申し出ます。
「家のことさ、俺にも任せてよ」
家族みんなで食事の準備。
「大きくなったね」
「ええ」
食卓が笑顔で包まれます。
④次回予告
クリスマスプレゼント(ラスボス)
○トピック
クリスマス回にラスボスはズルいわ。
人は染まりやすく、そして染めてもいく。子どもは特にそれが顕著です。
まず最初に家の色に染まる。外に出て友達を作りはじめるとまた変わっていく。その子どもが家の形をも変えていく。それは自然なことであり、必然なことでもあります。成長とは本人だけでなく関わる人、その関係性も変わっていくことだと本作は提示しています。
トゥインクルは後述するように子ども達の成長を祝福し期待しています。でもだからといって子ども達の歩みが必ずしも順風満帆で希望に満ちているとは限らないことを熟知してもいます。本音を言いたくても言い出せない。家族を前に不安や緊張で尻込みしてしまう。そんな子ども達に勇気を出して欲しい、その一歩があなたも親も家族も変わるキッカケなのだとエールを送っています。
ユニも、ララも、まどかも、えれなも告白をしています。何故それがトゥインクルイマジネーションになるのか。それはとても真剣で、とても勇気のいることだからです。その告白は、1人の人間として生きていくことの証だからです。現代社会において「大人になる」というイニシエーション(通過儀礼)はほぼ消滅しています。年齢、社会人(仕事をする)など区切りはありますがそれらは所属するレイヤーが変わるにすぎないとも言える。そうした中で何を以て成長と言えるのか。自立と言っても色々ある。本作は各人の環境を踏まえ、それぞれが自らの決断で環境を変えていくことを以て証明しています。
繰り返し述べてきたように本作は子どもの成長をテーマとした物語です。何者かになる、何かをする、何かを可能とするための物語ではありません。子どもが置かれている状況、取り巻く人々、体験を通じて子どもが変わっていくことそのものをこの物語は描いています。
これまでにも成長をテーマにした物語、夢を追求する物語はありましたが本作の大きなポイントはその成長が親子関係、友達関係に偏るこなく様々な要素から成り立っていること、また香久矢家や天宮家に代表されるようなある種の緊張や役割が課されている中で、その価値観からの成長を描いている点です。単純に良い悪いの問題ではなく、その複雑さの中で子ども達は日々学び変わっていく。
私はこのスタンスがとても好きです。こうすることが良いことなのだというイデオロギーに引っ張られることなく子ども達がそれぞれに選び取っていく。彼女達は決して答えを焦りません。じっくり考えて自分が納得できたときに答えを出す。とても理性的で毅然としていると思います。
依然としてこの物語がどこに行くのか、ダークネストの目的、ノットレイダー達の今後、そしてひかるのイマジネーション。全然わかりません。でもだからこそ彼女達はキチンと自分で考えて答えを出せるだろうと期待しています。彼女達への期待はそのまま子ども達への期待です。それを信じられると思えること。それこそが本作トゥインクルのメッセージです。
①テンジョウの故郷
星空連合の宇宙艦に随伴。
トッパーからノットレイダーのアジトがわかるかもしれないと通信が入ります。いつも使っているワープの磁場から割り出せるかも。まさに終盤な展開にワクワクする一同。しかしえれなだけは暗い顔を浮かべています。そりゃ2回も赤点取ったらそうなります。
訪れたのはグーテン星。空飛ぶ車もある未来都市。
それ以上に気になるのは、この星の人達とテンジョウが似ている件。その疑問にユニが肯定して答えます。なるほど、とよそ見をしていたプルンスが人とぶつかってしまいます。プルンスをひと目見た人は鼻がない!と驚くとともに不憫だと憐れみだします。この星では鼻の高さがステータス。平たい顔族の日本人に居場所ねーな。
一方、前回に引き続き出番のテンジョウはプリキュアの居場所を探知。しかしそこは因縁の場所。神輿から降りると単騎で出撃。
研究所に到着。ゲームセンターみたいな内装。
学者っぽい人達が迎えます。マイクロ化の技術もここで発明された。マイクロ化技術はプルンスの個人浮遊ポットに代表される、要するにポイポイカプセル。トッパーも星空界の科学技術はグーテン星人抜きでは語れないと説明。ただ、問題なのは……プライドがめちゃめちゃ高くてなかなかの上から目線。テキトーにおだてて機嫌取っておくのが無難か。
依頼は済んだのでひかる達は観光に出かけます。
通りがかったカップルが光学迷彩のマントを着ています。流行りのモードだと自慢。ハウスマヌカンって何?造語?と思ったらブティックの女性店員のことなのね。鼻が高いと天狗になります。鼻にまつわる諺や慣用句多そう。
レーダーの反応を追うテンジョウは緊張した表情を浮かべています。すげー居心地悪そう。心拍数上がってそう。今となってはその理由もわかります。彼女にはグーテン星人に特徴的な鼻がありません。以前の回想ではシルエットだったのと本人も仮面を付けていたので何かそういう(仮面舞踏会的な、あるいはアウトロー的な)ファッションなのかと思っていましたが、鼻の低さを隠すためだったのね。テンジョウ本人はああ言っていましたが、地元では超ダセー奴扱い。そりゃ部下を連れてこれませんわ。
気づけばみんなとはぐれてしまうえれな。周囲はみんな良い笑顔。マウント取り忙しそう。無料10連できちゃったわー。俺単発できちゃったわー。SNSとかヤバそうだな。
個人回2回もやって光らなかったわー。敢えて逆張りでいくえれな嬢のスタイル。母親の言葉が脳裏をよぎります。お仲間発見。テンジョウ。マウント取れそうなので早速取っていきます。お前もやっぱこの星の血族だよ。ここは笑顔で溢れている。腹の底では人を見下している連中ばかり。笑顔は仮面、笑顔の裏にこそ真実がある。母親が本音を隠している事実。自分もまた笑顔が仮面になっている事実。何も言い返せないえれなに勝機を見出すテンジョウ。
でも残念。ステルススキルならお手の物。ユニが妨害。みんなと合流。ノットレイがいないなんて珍しいと核心を突くユニ。この子のツッコミ力は本作でも随一。今回もえれなメインで変身。
②二つの真実
団扇で突風を作りプリキュアの動きを止めるテンジョウ。しかし遠距離攻撃ならセレーネにお任せ。この紫ほんと優秀。体勢が崩れた隙を見逃さす切り込むソレイユ。肉弾戦に持ち込みますがテンジョウは慌てず騒がず心理戦を仕掛けます。何のために戦う? 笑顔が偽りだとわかっているだろ? メンタル弱っているソレイユでは敵いません。
ソレイユが後退するのに合わせてセレーネ以外が前進、セレーネはソレイユをキャッチ。セレーネは後方からの支援がメインなのでこの動きは合理的。
3対1。中距離ならミルキーの射程内。素早くかわすテンジョウ。こいつの直接戦闘珍しいな。いつも神輿に座ってるだけだし。意外と戦闘力高い。流石幹部。とはいえ肉弾戦ならスターの方がパワーは上。本作的にスターに肉弾戦勝てる奴の方が少数だと思います。それくらいスターのピンポイントバリアは強い。
形勢は一気にプリキュア側に。ソレイユが停戦交渉をもちかけます。
「憐れみをかけるつもり?」
思いも寄らない言葉が返ってきます。
見たでしょ? この星では鼻の長い者が良しとされる。鼻の短い者は見向きもされない。
「(たった)それだけの差が運命を分ける!」
東堂いづみはガチ勢。トゥンクルの世界は暗い影がつきまといます。さらにこの世界がキツイのはルサンチマンに一発逆転の目が無いことです。去年の被害者の会なら時間停止という逆転技がありましたが、今の所本作にはそういった手段はありません。もちろんラスボスの切り札はあるんでしょうが、一手で逆転、自分を見下した、捨てた連中を纏めて落とすような仕掛けを幹部が持っているわけではないし、地道に帝国の版図を広げるしかない。世界がどれだけ酷くても世界は滅びない。滅ぼせない。告発しても呑み込まれ、不平等は不平等として在り続ける。そんな世界です。
仮面が取れたテンジョウの素顔。幼少の頃、泣いていた彼女を周囲は鼻の長さは関係ないと慰めますが、しかし腹の中では憐れみ、見下していた。その現実に打ちのめされる少女。それは誰にも知られてはならない過去。捨てたはずの過去。
「でもあなた達は知ってしまった」
「消えてもらうわ。私の過去と一緒にね!」
だがノットレイ無しで何ができると? テンジョウは自身をノットレイに変えると巨大化。自分自身の怨嗟を力に変えて暴走するのは本作に限らず幹部に見られるパターンですが、彼女のそれは感情が抑制されている分底しれぬ恨み辛みが表現されていて良いですね。
街を襲撃。逃げ遅れるカップルを見捨てる同胞たち。
踏み潰そうと伸ばした足に矢。セレーネほんと仕事するな。なお他の3人はダメな模様。えれな回なので今回もテキトーに団子になってもらいます。ノットレイの中で苦しみながら恨み言を口にするテンジョウの姿に母親の姿が重なります。動きが鈍った彼女を蹴り上げるテンジョウ。セレーネも団子に。
弱気になったソレイユは倒れたセレーネにすがります。このままでは追試に落ちてしまう。一言目には笑顔、二言目にも笑顔、笑顔笑顔言ってきたらそれが重石になってしまいました。彼女の手を握るセレーネ。あ、その団子から手出せるんだ。かなりシュールな絵面になりながらもセレーネは親友を励まします。笑顔を浮かべる親友の顔に家族の笑顔が重なります。
ソレイユは立ち上がるとテンジョウの言葉に頷きます。
「あたしも作ったんだ、笑顔を」
人の笑顔ばかり気になって自分が本当の笑顔になっていたかを考えていなかった。
「本心を仮面で隠すって言ってたけど、でも聞けたよ! あなたの本心!」
うるさい!と叩かれます。
目の前にいる彼女は自分と同じ。自分もまた同じ境遇だった。
「あたしもみんなと違うって……みんな、あたしのこと本当はどう思っているのかってずっと気にしてた」
「でもそれを救ってくれたのが家族の笑顔」
「本物の笑顔だった」
「だから救われたんだ!」
笑顔で救われた少女と、笑顔で傷つけられた少女。トゥインクルはこの構図自体は変えません。手を取り合う者、突き放す者、寛容と不寛容は厳然としてある。だからこの世界には真実が二つある。プリキュアとノットレイダーがいることはそれを示しています。3度目の正直で光ります。母親の本心、テンジョウの本心を聞いたえれなの本心は、
「あなたを笑顔にしたい」
何故?なんでそんなことを言うの!? ソレイユを地面に叩きつけますが、彼女に灯った光は消えません。もうこれ3回目なんだよ。わかる? このプレッシャー。もう年末だよ? 来週はクリスマス回だよ? みんな大丈夫だよっていうけど目が笑ってないの。そんな本心を笑顔で隠すソレイユは笑顔職人。負けられない戦いがここにある。ソレイユのパワーアップフォームが一番ゴージャス感ある。年末商戦ビームで片をつけます。
テンジョウに手を差し出すソレイユ。
「私を笑顔にできて?」
言葉を残して消えます。
5分の4埋まってリーチ。
例の計画を実行。ノットレイダーも動き出す。
グーテン星を後にする一行。解析はトッパーに一任
ロケットの中で小さくなっていくグーテン星を見つめるえれな。
③少女の笑顔と、家族の笑顔
家に帰ると母親と一緒に夕食の準備。ここまでが前座。ここからが本番。
えれなは突然泣き出します。相手に自分の気持ちを伝えるのって笑顔にするのって難しいね。でもみんなの笑顔を見たい。一緒に笑いたい。そんな娘の姿を母親は静かに見守ります。
「えれな、人を笑顔にできるって凄いことよ。でも……」
「人のために泣けるのはもっと凄い」
泣きたいときは泣いていい。抱きしめられたえれなは母親の腕の中で大声で泣きだします。ここはえれなを代理母親としてではなく、子どもとして受け止めているシーンですね。えれなは本音をさらけ出して良いのだと安心することができます。
父親が配達から返ってくると現場を目撃。察した父は下の兄弟達を厨房に入れないよう誘導。
母と父。親の前でえれなは話し始めます。人と人がわかり合えるような手助けをしたい。ママに憧れていた。
「通訳って素敵だなぁって!」
その告白に素敵だと答える両親。それで…それで…と意気込む娘の手を取ると、その要望に応えます。
感動中に申し訳ないんですけど「ご飯まだ?」。弟のとうまが手伝うと申し出ます。
「家のことさ、俺にも任せてよ」
家族みんなで食事の準備。
「大きくなったね」
「ええ」
食卓が笑顔で包まれます。
④次回予告
クリスマスプレゼント(ラスボス)
○トピック
クリスマス回にラスボスはズルいわ。
人は染まりやすく、そして染めてもいく。子どもは特にそれが顕著です。
まず最初に家の色に染まる。外に出て友達を作りはじめるとまた変わっていく。その子どもが家の形をも変えていく。それは自然なことであり、必然なことでもあります。成長とは本人だけでなく関わる人、その関係性も変わっていくことだと本作は提示しています。
トゥインクルは後述するように子ども達の成長を祝福し期待しています。でもだからといって子ども達の歩みが必ずしも順風満帆で希望に満ちているとは限らないことを熟知してもいます。本音を言いたくても言い出せない。家族を前に不安や緊張で尻込みしてしまう。そんな子ども達に勇気を出して欲しい、その一歩があなたも親も家族も変わるキッカケなのだとエールを送っています。
ユニも、ララも、まどかも、えれなも告白をしています。何故それがトゥインクルイマジネーションになるのか。それはとても真剣で、とても勇気のいることだからです。その告白は、1人の人間として生きていくことの証だからです。現代社会において「大人になる」というイニシエーション(通過儀礼)はほぼ消滅しています。年齢、社会人(仕事をする)など区切りはありますがそれらは所属するレイヤーが変わるにすぎないとも言える。そうした中で何を以て成長と言えるのか。自立と言っても色々ある。本作は各人の環境を踏まえ、それぞれが自らの決断で環境を変えていくことを以て証明しています。
繰り返し述べてきたように本作は子どもの成長をテーマとした物語です。何者かになる、何かをする、何かを可能とするための物語ではありません。子どもが置かれている状況、取り巻く人々、体験を通じて子どもが変わっていくことそのものをこの物語は描いています。
これまでにも成長をテーマにした物語、夢を追求する物語はありましたが本作の大きなポイントはその成長が親子関係、友達関係に偏るこなく様々な要素から成り立っていること、また香久矢家や天宮家に代表されるようなある種の緊張や役割が課されている中で、その価値観からの成長を描いている点です。単純に良い悪いの問題ではなく、その複雑さの中で子ども達は日々学び変わっていく。
私はこのスタンスがとても好きです。こうすることが良いことなのだというイデオロギーに引っ張られることなく子ども達がそれぞれに選び取っていく。彼女達は決して答えを焦りません。じっくり考えて自分が納得できたときに答えを出す。とても理性的で毅然としていると思います。
依然としてこの物語がどこに行くのか、ダークネストの目的、ノットレイダー達の今後、そしてひかるのイマジネーション。全然わかりません。でもだからこそ彼女達はキチンと自分で考えて答えを出せるだろうと期待しています。彼女達への期待はそのまま子ども達への期待です。それを信じられると思えること。それこそが本作トゥインクルのメッセージです。
第42話「笑顔の迷い、えれなの迷い。」
○今週の出来事
①長女力高すぎ問題
わたくしはお父様の着せかえ人形じゃありません。
前回を踏まえて留学を一旦保留。何かが吹っ切れたような爽やかな表情でまどかは自分の気持ちと向き合いたいとみんなに伝えます。その言葉が刺さるえれな嬢。トゥインクルイマジネーション集めが始まって本日2回目の個人回です。
帰り道。
隣を歩くまどかの横顔を見ると「いい笑顔をしてるね」と伝えます。だとしたらえれなが自分の背中を押してくれたおかげとまどかは感謝を返します。進路を訊ねられたえれなはちょっと困った顔を浮かべると地元高校と答えます。兄弟の面倒もあるし高校卒業後は実家を手伝うのもいい。それを聞いたまどかは素直に感心。この2人は共通点が多いですが、より深刻なのはえれなの方であることが今回のエピソードで鮮明になっていきます。
「うん、まぁ、ねっ!」
家に帰ると予定より母親が早く帰宅していました。
母親の夕食を楽しみにする妹たち。おうおう私の料理に不満があるのかい?とえれなが言うと口を揃えて「ありませ~ん」と笑います。いつものやりとり。
宅配便を持って父親が部屋に入ってきます。中身はお菓子で先週母親が仕事で関わった人からの贈り物。改めてえれなは母親の仕事に憧れます。するとその仕事からお呼びがかかり、人が足りないので助っ人を頼まれます。母親の料理が食べられなくなって悲しむ妹たち。察したえれなが後は自分に任せて♪と長女力を発揮。そんな彼女を抱きしめながら母親は感謝。これは深刻ですね。この家では子どもが子どもであることを許しません。
明日の三者面談の時間を確認して家を後にします。
えれなは成績優秀なので先生からも上のランクをオススメされます。
やりたいことを訊ねられたえれなは口を開こうとして続きが出ず、特にないとしか答えられません。この年代ではよくあることなので先生もそれ以上は言わず、進路は両親と話し合って欲しいと話しを纏めます。順当に行けば成績に応じた学校に行きますからね。しかし母親は娘の態度に何やら感じ取ります。
学校を出た直後、迷っていることがあるのではないのか?と娘に率直に訊ねる母。一瞬間を置いてえれなは首を横に振ります。
校門を出て階段を降りたところで家の車と遭遇。さらにそこに荷物を抱えたひかるとララが通りがかります。またドーナツを買ってるよ。こいつらドーナツ食いすぎだろ。いつもの半額の半額だったので買い込んだと話すふたり。みんなにおすそ分け。
そういうわけでおやつ会にえれなを誘うひかる。まどかも来ている。ところがえれなは誘いに乗りません。母親が折角だからと気を利かせます。早くあがれるから家のことは大丈夫と念押し。あなたはあなたの好きなようにすればいいのよ。と付け加えます。
そのまま母は父の運転する車に乗って仕事に向かいます。その様子をポカンと口を開けたまま見送るえれなさん。ほんと深刻だな、この家。あなたの好きなようにすればいいって言われても好きにできた試しないよね? 代理母の任を解かれたとして、彼女に何が残るというのか。
ロケットではひかる達が持ち帰ったドーナツに舌鼓をうつプルンス。星空界にもっと広めたい。1個10億の価値。プルンス帝国作れそう。
ドーナツを食べない星の人もいるんじゃない?とユニが水を差すと、カチンときたプルンスがムキになります。プルンセスに食べさせて、プルンセス御用達ってすれば箔が付くんじゃない?
そういえばプルンスって色んな星の言葉話せるんだよね?とえれな。プリキュアはペンダントで自動翻訳されていましたが、プルンスは自己翻訳。その能力を買われて星空連合評議会に通訳として出ていたこともあると自慢げに話すプルンス。こいつの場合ガチで優秀なので自慢しても許される。隣でまどかがクスクスと笑います。オークション回のときとかそうですが、このふたりの組み合わせ好きですね。
プルンスに憧れるえれな。……をよそにひかるはどのドーナツを食べようか迷います。その隣でフワも何のおやつにするか迷っています。下らない悩みを見て幸せな悩みだとララが呆れます。
決めた。その答えや如何に? 全部食べる! さすひか。フワも両手におやつ。幸せそうに微笑むふたり。
帰り道。
また2人並んで歩きます。隣に居るえれなに視線を向けるとまどかは切り込みます。何かあったのか。進路のことか? 彼女の態度からいつもと違う雰囲気を感じ取ったまどか。
「別に何も」。まどかは立ち止まると、前回の言葉に自分は救われた。
「今度はわたくしの番です」
②笑顔の呪縛
「わからないっていうのが正直な気持ち」
素直に打ち明けます。自分がどうしたいのか。家のこと、プリキュア、どれも大好き。えれなはみんなそつなくできている。それはまどかも同じじゃないと苦笑いしながら答えるえれな。私たちはよく似ていると思う。色々できるようで何か引っかかると前に進めなくなる。本当はとても不器用なのかもしれない。前回のこともあってまどかは見えるものが増えています。器用貧乏といった言葉がありますが、特化型(裏返せば不器用)のメリットはそれしかできないので生き方に迷わないことです。そういう生き方しかできないから自然とそうなる。それが時代や環境にマッチしていれば相応に成功する。失敗すると落伍者か社会不適合者。人生は賭け。いやーたまらんね。
彼女の言葉に頷くえれな。何か迷っている? プリキュアになってさ。思わぬ単語が返ってきて聞き返すとえれなはそのまま続けます。これまでの経験が素敵で、無駄にしたくない。裏読みすればこのまま家に留まればそうした経験は埋没してしまうと言っているようにも聞こえます。でも、どうしたらいいのか。彼女自身先が見えません。
ちゃんとヒントはある。正面を見据えてまどかは言います。
「自分の経験してきたことを無駄にしたくない。それはひょっとしたらえれながもっともっと新しい経験を求めているんじゃないでしょうか」
「そう…なのかな」
「笑顔」
えれなが選んだ道で輝いてる笑顔を見たい。
悩むことはきっと回り道ではない。ひかるだって散々悩んだ末に素晴らしい笑顔を見せていた。
仕事の帰り道。
予定よりも遅れてしまい帰路を急いでいると、親子連れの光景が目に入ります。自分の家の光景。ため息。それを見逃さない。神輿に担がれた仮面を被った不審者。
悲鳴。近くにいたえれなが現場に駆けつけます。
深刻すぎて自覚症状がないえれなのために内心を暴露。毎日家族のために頑張っている。でもあの笑顔は娘の本当の笑顔じゃない。心からの笑顔を見せてくれない。その言葉に衝撃を受けるえれな。弁解するようにみんなのためにあたしも笑顔で……。お前の笑顔は義理か。トゥインクルは怪人を使って暴露や問題の本質に探りを入れるといったことはほとんどやらないのですが、天宮家は事情が深刻なため例外処置。笑顔には裏があると思っているテンジョウの思惑とも合致。
物分りの悪い当事者にテンジョウがわかりやすく解説。
「だ~か~ら~、お前のその笑顔、笑顔ってところが母親を苦しめていたんじゃないの?」
歪みがなければ膨らますこともできない。これが本心。
仲間と合流。敵を前に構える一同。左下。これは斬新(ドキドキのときも虫歯だった奴が逃げましたが)。
呆然と立ち尽くすえれな。今年のメンタル弱い枠。まどか達に促されて変身。
例によって雑魚はソレイユ以外が担当。ソレイユは母親ノットレイに尻込み。笑顔なんて所詮上辺だけの仮面と自説をより強固にするテンジョウ。精神的にも物理的にもソレイユはやられっぱなし。
セレーネがフォローを入れます。それが上辺だって言ってんの。現にお前の笑顔は母親を苦しめていたじゃないか。言い返せません。代わってセレーネが口を開きます。
「わたくし達は信じています(意訳:言い返せない)」
その言葉に自信を取り戻すソレイユ。まずい。この流れ非常にまずい。このなんとなくいい雰囲気出してこの場を乗り切ろう感。まさか……
てんびん座ソレイユシュート! あ~あやっちまった。
「今だよ!」もうほら~。【悲報】2回も個人回やって光らない。
そもそもこれ、母親を苦しめていたことが問題なのではなく、笑顔教の如く笑顔でありさえすればいいと言わんばかりに笑顔であることだけに執着(盲信)していたえれな側の問題ですからね。そりゃ光りませんよ。心の底から笑える自分を見失っています。
意識を取り戻した母親は急いで家に帰ります。
心配するひかる達に大丈夫と答えるえれな。それは光らなかったことについて?
チャオ。今までで一番気のない言葉を残して帰ります。
家の中から楽しそうな声が漏れてきます。自分の帰りを待つ家族。
今日も笑顔を顔に貼り付けてえれなは家の扉を開けます。
③次回予告
ひかる「私の出番まだ~?」
もうちょっとお待ち下さい。追試がありまして。ほんとすんません。
○トピック
これにはダークネスト様もニッコリ。
えれなの便利さにかまけて伏線を張ってこなかったツケを今頃になって払ってることがよくわかるエピソード。……というわけではなく、問題なさそうに見えた子が一番問題抱えてたパターンのエピソード。
父権的な家で育ったまどかはしかしだからこそ父親を尊敬し良いお手本にしていました。「父親に従わなければならない」のではなく「何も知らない自分を父親が導いてくれる」期待と安心感があったからです。家の制約はむしろ彼女にとって保護的に作用し、自我の土台固めをする役割を果たしていました。だから彼女は意識的、理性的に父親と距離を取ることができたし、またそれによって自己の独立性を得ることもしています。本人が言うようにえれなのアドバイスがあったとはいえ、周囲が思うよりも安定した関係だったことがわかります。
それを踏まえて天宮家を見ると、こちらの方が深刻であることがわかります。何が深刻なのかというとえれなが代理母親になっているからです。母親が不在になりがちなので自然長女のえれながその役を代理する。するとえれなは子どもとしてではなく家を支える母親としての意識が染み付く。これは父権的ではあっても常に「子ども」であることを意識させられていた香久矢家と決定的に異なる点です。まどかもえれなも家に縛り付けられていると言うこともできますが、子どもが子どもであった香久矢家と、子どもが代理母親にならざるを得なかった天宮家では性質が異なります。えれながもう少し不器用で「私だって友達と遊びたい!」とダダをこねるくらいならちょうど良かったのかもしれませんが、家に適応した結果もはやそれが自分の意思なのか役割なのかの判別すらつかないレベルになっています。母親もそんな娘に甘えていたことも要因でしょう。この点はまどかがああいう娘だったから父親もそれに乗っかって関係性が強化されていたことと共通しています。親子関係は親が絶対的支配者ではありますが、人間関係でもあるので相互作用が働きます(親も親で子どもに飼いならされる)。
天宮家が悪いのかと言うと一概にそうとも言えません。えれななら普通に実家を継いで結婚とか、通訳の仕事を目指すとかいくらでもやりようはあります。まどかと同様、えれなもあの家だからこそ習得したものがある。ただ、お前の笑顔は家族を取り繕うための笑顔ではないのか?という指摘は核心を突いています。それが悪いかと言えば悪くもないですが。人間関係を円滑にしてますからね。それに子どもが子どもできるのは現代ならではのことで、子どもが家事の手伝いや親代わりに兄弟の面倒を見るのは50年、100年前なら普通のことだったので天宮家がイレギュラーというわけではありません。ただ現代は個人主義、すなわち個人の幸福、個人の将来、個人の自由を尊重・優先するようになったのでそれとマッチしづらくなり、えれなのような家はそのすり合わせが難しい時代と言えます。
だから強いて問題をあげるなら、えれながその指摘に答えられないことです。もしかしたら自分は嘘の笑顔だったんじゃないか。却って家族を苦しめていたんじゃないか。自分にはもっと良い人生があったのではないか。そんな疑念が残ってしまうこと、それに答えられないことは人生のクオリティを下げます。幸せポイント減点ですよ。
これまでの天宮家はえれなを介して絶妙なバランスが取られていましたが、広い目で見ればその状態も過渡的で、えれなが進路を選ぶ段階に入ったことでその歪みが顕在化しています。それは言い換えれば人生の節目であり自分を見返すチャンスでもあります。自分をより高い位置から見たときに(あるいは客観的に見たときに)違って見えてくるものがある。それは誰にもあり得る契機です。
香久矢家、天宮家がそうであるように家の形は様々にありどれが正解というものはありません(親がクズなのは不正解ですが)。それぞれの形でよりよい人生の道を模索していかなくてはならない。自分で悩んで得た答えだからこそ自分に誇れる。それが人生のクオリティを上げるコツです。ま、これを書いている私はそんなに悩んだこと無いんですけどね。だって特化型だもん。そのメリットは十二分に使わなきゃ。そういうのも含めて人間は面白い。
①長女力高すぎ問題
わたくしはお父様の着せかえ人形じゃありません。
前回を踏まえて留学を一旦保留。何かが吹っ切れたような爽やかな表情でまどかは自分の気持ちと向き合いたいとみんなに伝えます。その言葉が刺さるえれな嬢。トゥインクルイマジネーション集めが始まって本日2回目の個人回です。
帰り道。
隣を歩くまどかの横顔を見ると「いい笑顔をしてるね」と伝えます。だとしたらえれなが自分の背中を押してくれたおかげとまどかは感謝を返します。進路を訊ねられたえれなはちょっと困った顔を浮かべると地元高校と答えます。兄弟の面倒もあるし高校卒業後は実家を手伝うのもいい。それを聞いたまどかは素直に感心。この2人は共通点が多いですが、より深刻なのはえれなの方であることが今回のエピソードで鮮明になっていきます。
「うん、まぁ、ねっ!」
家に帰ると予定より母親が早く帰宅していました。
母親の夕食を楽しみにする妹たち。おうおう私の料理に不満があるのかい?とえれなが言うと口を揃えて「ありませ~ん」と笑います。いつものやりとり。
宅配便を持って父親が部屋に入ってきます。中身はお菓子で先週母親が仕事で関わった人からの贈り物。改めてえれなは母親の仕事に憧れます。するとその仕事からお呼びがかかり、人が足りないので助っ人を頼まれます。母親の料理が食べられなくなって悲しむ妹たち。察したえれなが後は自分に任せて♪と長女力を発揮。そんな彼女を抱きしめながら母親は感謝。これは深刻ですね。この家では子どもが子どもであることを許しません。
明日の三者面談の時間を確認して家を後にします。
えれなは成績優秀なので先生からも上のランクをオススメされます。
やりたいことを訊ねられたえれなは口を開こうとして続きが出ず、特にないとしか答えられません。この年代ではよくあることなので先生もそれ以上は言わず、進路は両親と話し合って欲しいと話しを纏めます。順当に行けば成績に応じた学校に行きますからね。しかし母親は娘の態度に何やら感じ取ります。
学校を出た直後、迷っていることがあるのではないのか?と娘に率直に訊ねる母。一瞬間を置いてえれなは首を横に振ります。
校門を出て階段を降りたところで家の車と遭遇。さらにそこに荷物を抱えたひかるとララが通りがかります。またドーナツを買ってるよ。こいつらドーナツ食いすぎだろ。いつもの半額の半額だったので買い込んだと話すふたり。みんなにおすそ分け。
そういうわけでおやつ会にえれなを誘うひかる。まどかも来ている。ところがえれなは誘いに乗りません。母親が折角だからと気を利かせます。早くあがれるから家のことは大丈夫と念押し。あなたはあなたの好きなようにすればいいのよ。と付け加えます。
そのまま母は父の運転する車に乗って仕事に向かいます。その様子をポカンと口を開けたまま見送るえれなさん。ほんと深刻だな、この家。あなたの好きなようにすればいいって言われても好きにできた試しないよね? 代理母の任を解かれたとして、彼女に何が残るというのか。
ロケットではひかる達が持ち帰ったドーナツに舌鼓をうつプルンス。星空界にもっと広めたい。1個10億の価値。プルンス帝国作れそう。
ドーナツを食べない星の人もいるんじゃない?とユニが水を差すと、カチンときたプルンスがムキになります。プルンセスに食べさせて、プルンセス御用達ってすれば箔が付くんじゃない?
そういえばプルンスって色んな星の言葉話せるんだよね?とえれな。プリキュアはペンダントで自動翻訳されていましたが、プルンスは自己翻訳。その能力を買われて星空連合評議会に通訳として出ていたこともあると自慢げに話すプルンス。こいつの場合ガチで優秀なので自慢しても許される。隣でまどかがクスクスと笑います。オークション回のときとかそうですが、このふたりの組み合わせ好きですね。
プルンスに憧れるえれな。……をよそにひかるはどのドーナツを食べようか迷います。その隣でフワも何のおやつにするか迷っています。下らない悩みを見て幸せな悩みだとララが呆れます。
決めた。その答えや如何に? 全部食べる! さすひか。フワも両手におやつ。幸せそうに微笑むふたり。
帰り道。
また2人並んで歩きます。隣に居るえれなに視線を向けるとまどかは切り込みます。何かあったのか。進路のことか? 彼女の態度からいつもと違う雰囲気を感じ取ったまどか。
「別に何も」。まどかは立ち止まると、前回の言葉に自分は救われた。
「今度はわたくしの番です」
②笑顔の呪縛
「わからないっていうのが正直な気持ち」
素直に打ち明けます。自分がどうしたいのか。家のこと、プリキュア、どれも大好き。えれなはみんなそつなくできている。それはまどかも同じじゃないと苦笑いしながら答えるえれな。私たちはよく似ていると思う。色々できるようで何か引っかかると前に進めなくなる。本当はとても不器用なのかもしれない。前回のこともあってまどかは見えるものが増えています。器用貧乏といった言葉がありますが、特化型(裏返せば不器用)のメリットはそれしかできないので生き方に迷わないことです。そういう生き方しかできないから自然とそうなる。それが時代や環境にマッチしていれば相応に成功する。失敗すると落伍者か社会不適合者。人生は賭け。いやーたまらんね。
彼女の言葉に頷くえれな。何か迷っている? プリキュアになってさ。思わぬ単語が返ってきて聞き返すとえれなはそのまま続けます。これまでの経験が素敵で、無駄にしたくない。裏読みすればこのまま家に留まればそうした経験は埋没してしまうと言っているようにも聞こえます。でも、どうしたらいいのか。彼女自身先が見えません。
ちゃんとヒントはある。正面を見据えてまどかは言います。
「自分の経験してきたことを無駄にしたくない。それはひょっとしたらえれながもっともっと新しい経験を求めているんじゃないでしょうか」
「そう…なのかな」
「笑顔」
えれなが選んだ道で輝いてる笑顔を見たい。
悩むことはきっと回り道ではない。ひかるだって散々悩んだ末に素晴らしい笑顔を見せていた。
仕事の帰り道。
予定よりも遅れてしまい帰路を急いでいると、親子連れの光景が目に入ります。自分の家の光景。ため息。それを見逃さない。神輿に担がれた仮面を被った不審者。
悲鳴。近くにいたえれなが現場に駆けつけます。
深刻すぎて自覚症状がないえれなのために内心を暴露。毎日家族のために頑張っている。でもあの笑顔は娘の本当の笑顔じゃない。心からの笑顔を見せてくれない。その言葉に衝撃を受けるえれな。弁解するようにみんなのためにあたしも笑顔で……。お前の笑顔は義理か。トゥインクルは怪人を使って暴露や問題の本質に探りを入れるといったことはほとんどやらないのですが、天宮家は事情が深刻なため例外処置。笑顔には裏があると思っているテンジョウの思惑とも合致。
物分りの悪い当事者にテンジョウがわかりやすく解説。
「だ~か~ら~、お前のその笑顔、笑顔ってところが母親を苦しめていたんじゃないの?」
歪みがなければ膨らますこともできない。これが本心。
仲間と合流。敵を前に構える一同。左下。これは斬新(ドキドキのときも虫歯だった奴が逃げましたが)。
呆然と立ち尽くすえれな。今年のメンタル弱い枠。まどか達に促されて変身。
例によって雑魚はソレイユ以外が担当。ソレイユは母親ノットレイに尻込み。笑顔なんて所詮上辺だけの仮面と自説をより強固にするテンジョウ。精神的にも物理的にもソレイユはやられっぱなし。
セレーネがフォローを入れます。それが上辺だって言ってんの。現にお前の笑顔は母親を苦しめていたじゃないか。言い返せません。代わってセレーネが口を開きます。
「わたくし達は信じています(意訳:言い返せない)」
その言葉に自信を取り戻すソレイユ。まずい。この流れ非常にまずい。このなんとなくいい雰囲気出してこの場を乗り切ろう感。まさか……
てんびん座ソレイユシュート! あ~あやっちまった。
「今だよ!」もうほら~。【悲報】2回も個人回やって光らない。
そもそもこれ、母親を苦しめていたことが問題なのではなく、笑顔教の如く笑顔でありさえすればいいと言わんばかりに笑顔であることだけに執着(盲信)していたえれな側の問題ですからね。そりゃ光りませんよ。心の底から笑える自分を見失っています。
意識を取り戻した母親は急いで家に帰ります。
心配するひかる達に大丈夫と答えるえれな。それは光らなかったことについて?
チャオ。今までで一番気のない言葉を残して帰ります。
家の中から楽しそうな声が漏れてきます。自分の帰りを待つ家族。
今日も笑顔を顔に貼り付けてえれなは家の扉を開けます。
③次回予告
ひかる「私の出番まだ~?」
もうちょっとお待ち下さい。追試がありまして。ほんとすんません。
○トピック
これにはダークネスト様もニッコリ。
えれなの便利さにかまけて伏線を張ってこなかったツケを今頃になって払ってることがよくわかるエピソード。……というわけではなく、問題なさそうに見えた子が一番問題抱えてたパターンのエピソード。
父権的な家で育ったまどかはしかしだからこそ父親を尊敬し良いお手本にしていました。「父親に従わなければならない」のではなく「何も知らない自分を父親が導いてくれる」期待と安心感があったからです。家の制約はむしろ彼女にとって保護的に作用し、自我の土台固めをする役割を果たしていました。だから彼女は意識的、理性的に父親と距離を取ることができたし、またそれによって自己の独立性を得ることもしています。本人が言うようにえれなのアドバイスがあったとはいえ、周囲が思うよりも安定した関係だったことがわかります。
それを踏まえて天宮家を見ると、こちらの方が深刻であることがわかります。何が深刻なのかというとえれなが代理母親になっているからです。母親が不在になりがちなので自然長女のえれながその役を代理する。するとえれなは子どもとしてではなく家を支える母親としての意識が染み付く。これは父権的ではあっても常に「子ども」であることを意識させられていた香久矢家と決定的に異なる点です。まどかもえれなも家に縛り付けられていると言うこともできますが、子どもが子どもであった香久矢家と、子どもが代理母親にならざるを得なかった天宮家では性質が異なります。えれながもう少し不器用で「私だって友達と遊びたい!」とダダをこねるくらいならちょうど良かったのかもしれませんが、家に適応した結果もはやそれが自分の意思なのか役割なのかの判別すらつかないレベルになっています。母親もそんな娘に甘えていたことも要因でしょう。この点はまどかがああいう娘だったから父親もそれに乗っかって関係性が強化されていたことと共通しています。親子関係は親が絶対的支配者ではありますが、人間関係でもあるので相互作用が働きます(親も親で子どもに飼いならされる)。
天宮家が悪いのかと言うと一概にそうとも言えません。えれななら普通に実家を継いで結婚とか、通訳の仕事を目指すとかいくらでもやりようはあります。まどかと同様、えれなもあの家だからこそ習得したものがある。ただ、お前の笑顔は家族を取り繕うための笑顔ではないのか?という指摘は核心を突いています。それが悪いかと言えば悪くもないですが。人間関係を円滑にしてますからね。それに子どもが子どもできるのは現代ならではのことで、子どもが家事の手伝いや親代わりに兄弟の面倒を見るのは50年、100年前なら普通のことだったので天宮家がイレギュラーというわけではありません。ただ現代は個人主義、すなわち個人の幸福、個人の将来、個人の自由を尊重・優先するようになったのでそれとマッチしづらくなり、えれなのような家はそのすり合わせが難しい時代と言えます。
だから強いて問題をあげるなら、えれながその指摘に答えられないことです。もしかしたら自分は嘘の笑顔だったんじゃないか。却って家族を苦しめていたんじゃないか。自分にはもっと良い人生があったのではないか。そんな疑念が残ってしまうこと、それに答えられないことは人生のクオリティを下げます。幸せポイント減点ですよ。
これまでの天宮家はえれなを介して絶妙なバランスが取られていましたが、広い目で見ればその状態も過渡的で、えれなが進路を選ぶ段階に入ったことでその歪みが顕在化しています。それは言い換えれば人生の節目であり自分を見返すチャンスでもあります。自分をより高い位置から見たときに(あるいは客観的に見たときに)違って見えてくるものがある。それは誰にもあり得る契機です。
香久矢家、天宮家がそうであるように家の形は様々にありどれが正解というものはありません(親がクズなのは不正解ですが)。それぞれの形でよりよい人生の道を模索していかなくてはならない。自分で悩んで得た答えだからこそ自分に誇れる。それが人生のクオリティを上げるコツです。ま、これを書いている私はそんなに悩んだこと無いんですけどね。だって特化型だもん。そのメリットは十二分に使わなきゃ。そういうのも含めて人間は面白い。
第41話「月よ輝け☆まどかの一歩!」
○今週の出来事
①父と子
父親へ強く言い放ったのが前回の話。
部屋を降りるとそこでバッタリと父と出会います。相変わらずこの家のエンカウント凄いよな。秒単位で娘の行動チェックしてそう。何も言わず再び歩き出す父。
OPは通常営業へ。
5分の2埋まっちゃったぞ、とちょっと焦るダークネスト様。
自分行きます、と今回はガルオウガさんの出番。
生徒会の新旧入れ替え。桜子から花束が贈られます。小声でプリキュアにはなれないけど学校は自分が守る!と相変わらず。しかし一礼した後の彼女の顔には溢れんばかりの感激が表れています。ハッとする間もなく会場からまどかへ万雷の拍手が贈られます。
その日の夕食、まどかは感動したようにそのことを両親に報告。労う母親とは対照的に、父は次のステップである留学の件を話題にします。一気にテンションだだ下がりになる娘の様子を無言で見つめる母。あ、これ今週仕事しますね。
娘の思い出コーナー。幼い頃から指導してきた様子を振り返る父。
「なぜですか」
今回はいつもと違って娘の方から奇襲をかけます。何故何もおっしゃらない。ララのことだとピンときた父はしかし「もういい」と投げやり。調査の結果異星人である確証は得られなかった。宇宙開発特別捜査局で成果を上げ中央に返り咲こうとしたが裏目に出た。ポツリと話す父。さらっと大人の事情出てきたな。よくわかんねー部署だなと思ってたけど、実際閑職ポストだったのかもしれない。このアニメ無駄が無いというか、それぞれにちゃんと意味づけされてるの丁寧だよね。
調査の権限も失った。もはや異星人のことはいい。もう自分に出来ることがなくなったのね。そんな投げやりな態度の父に驚きを隠せないまどか。父は言葉を続けます。上から調査しろと言われていたからしたまで、異星人を排除しろと言われればそうするし、友好関係を築けと言われれば友となろう、言われたとおり動く、私は香久矢のためにずっとそうしてきた。この開示は上手いタイミング。子どもにとって絶対的神とも言える親が神などではなく、あくまで一介の人間でしかなかったこと、上には上がいて自分の親も上意下達の一つの歯車だったことが見えています。これはまどかが父親に対して疑念(反抗的姿勢)を見せたことと同期していて、彼女の視野が広がっていることを補強しています。つまりまどかにとって天を覆うほどに大きかった父親のサイズが縮小しているわけですね。
そんな父にとって娘は最後の切り札であり希望。これまで導いてきた判断に誤りはなかった。留学は目の前。
「彼女達ともそれで終いだ」
「すべて私に任せればいい」
険しい表情で父を見つめ返すまどか。友達関係について直接どうこう言ってこなかった父が口を出してきたことで一気に関係は変わっていきます。
②for(a)man
英語の授業。
That's one small step for man, one giant leap for mankind.
アームストロングの有名なセリフ。意味は「1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」。さらりと答えるまどか。すると先生は文章の誤りを指摘します。for manでは人類になってしまうので1人を意味するaを入れなければならない、と黒板の隙間に書き足します。脚本ずいぶん気合入れてるな。
どこか気が抜けているまどかの様子にえれなは気づきます。
まどかが無職になったのでドーナツも一緒に買えたと喜ぶひかる達。これからは一緒に居られる時間が増える。ワンテンポ遅れて返事をするまどか。
そこに突然現れるユニ。お前唐突すぎるぞ。前回はあんなにバタバタしていたのに、と呆れるもお腹の方は正直。緊張感ないね、とプルンスからツッコミが入ります。みんなでおやつタイム。
どっかで見た構図。前にも言ったよね、と前置きしてえれなは相談に乗ろうとします。
どうして自分が月と呼ばれているのか知ってる? 意外な方向から始まったので答えに窮します。えれなの笑顔。そこからの対比で呼ばれるようになったそうです。ずっごいどうでもいい話ですが、先程の例でいうとmanは「男」という意味と「人間」という意味があって、man(男)が人間を代表する語になっていますが、これは別に男性優位だとか女性劣位の問題ではないそうです。言語的には比較基準となる概念と比較される概念とがあって、その両者は互いに比較可能である不可分な対になっているので優劣の問題ではないのだそうです。単語を一つ取り上げてどうこう言うのは意味がないという話ですね。
えれなが素直に感心していると、まどかは立ち上がってまさにそのとおりだというように湖を覗き込みます。これまで父の言うとおりに観星中に通い生徒会長にもなった。素晴らしい経験だった。すべて父のおかげ。だけど、それは自分の意志では輝けないということ。
「そうかな、眩しいけどね」
さすえれ。確かにあの時の表情可愛かったですね。ひかると出会う前はそんな表情も知らなかった。例によって本人はドーナツでキラやば中。しかしそれでもまどかは自分に確信が持てません。自分の笑顔はみんなと居るときのもの。「なるほどね」一旦まどかの言葉を引き取ったえれなは、じゃあ生徒会長のまどか、パパやママの前でのまどか、ひかるやあたし達と居るときのまどか、どの自分が一番の笑顔になれるかで進む道を決めればいいんじゃないかな、と答えます。長女力高い。
かく言う自分も進路は決めてないと自嘲気味に笑います。これ次回に続きます。
ワープアウト。ガルオウガ。ドジっ子属性のくせにやたらかっこいい登場。
だから「守る」はNGワードだって言ってんだろうがよぉ!!と勝手に闘争心が上がります。こっちも一斉に構えます。ペンダント組とペン組で分かれてるのちょっと面白い。まどかさんはペンダント派。
マントを脱ぐと同時に姿を消すガルオウガ。かっこいい演出。瞬間移動能力ほんと便利。とっさにミルキーがバリアを張って防御。ビームで破壊。プリキュアを薙ぎ払うとフワを捕獲しようと近づいていきます。
側面から奇襲するも矢はどこかに消えます。当然矢を打った本人の後ろから出るよなぁ。回避。だけど今度はガルオウガの攻撃がヒット。瞬間移動系は能力がわかっていても対処しずらい。なお今週はまどか回なので他4人はテキトーに戦闘不能になってもらいます。
思わず飛び出してしまうフワ。お前自分が狙われてるって自覚ないだろ。飛んで火にいる夏の虫。カモネギ。再び矢。今度はワープを使うまでもなくガード。
まどか回と言えば戦闘を頑張るイメージがあるセレーネさん。今回も何の義務感からなのか張り切りだします。
背後に回ったガルオウガの攻撃を避けると一閃。回避。想定内。避けた先に向けて一閃。迎撃のためにビームを貯めると、矢が拡散して包囲するように降り注ぎます。でもダメージなし。しかし今のもブラフ。ガルオウガの背後を取るセレーネ。作画班頑張りすぎてて吹きそうになる。突然本気出すの何なんだ。
ヒット。しかしセレーネも満身創痍。
でもガウオウガはピンピンしています。これがダークネスト様のお力。布教活動にも熱心。私はダークネスト様にすべてを捧げた!と殴りかかります。話しがそこで繋がってくるみたいです。彼の言葉に父の言葉が重なります。保護者。神の如き絶対者。
自分自身を捨てこの力を手に入れたと、異世界転生してチート能力を神様から貰ってイキってる主人公みたいな感じのガルオウガ。チート能力なければ宇宙空間でハカハカしてたくせに。
宇宙を乗っ取るためなら自分など必要ない。根が真面目なのでモーレツ社員。24時間戦ってくれそう。幹部は基本的に生存戦略のために動いていると思っていいです。アイワーンは自分の存在を証明するために、テンジョウは軽薄さに背を向けるために、カッパードは異邦人を嫌い、ガルオウガは力を欲する。自分が排斥された、自分が叶わなかったものを手に入れるために動いています。本来、力及ばず傷つくプリキュアはガルオウガにとって過去の自分と同じはずですが、その無力さが腹立たしいのかもしれません。同族嫌悪的なやつ。自分の弱さを見せつけられるようで嫌だっていう。これはカッパードにも似た印象を持ちます。ララの姿を見ているとどうしてもかつての自分も思い出すんでしょう。そして今の自分が正しいとの思いが強くなる。
立ち上がろうとするセレーネに問います。
「何ができるかわかりませんでした」
「みんなと出会う前は……」
「でも…! 今は! わかります!」
光ります。
「(また先越された……)」みたいな顔してるソレイユ好き。光らないネタでしばらく稼げると思うんだよね。
セレーネは矢に自分の意志を込めて放ちます。エネルギー弾を貫通すると天高く飛び雲を突き抜けます。決着がついたので来月はクリスマスですよビームで締め。
③父とまどか
満月の夜。
娘の思い出コーナーで再び対峙する父と子。
「わたくしはひかる達と交流を続けます」
ハッキリと自分の意志を伝えるまどか。「わかっていないようだな」にべもない父。
「はい。わかっていないからお父様に従ってきました」
「ですが、わからないからこそ自分で見つけたいのです」
観星中に行ってみんなを知ることでそれに気づくことができた。一歩踏み出すと、
「これもお父様のおかげです」
このアニメの子ども達はとても利発でとても真摯です。香久矢家なら娘をもっと良い学校に通わせることができたはずです。敢えて地元に通わせたのは庶民のことを学ばせるためでした。だからその次のステップとして留学が準備されていた。その父の采配に感謝の言葉を贈るのは紛れもない本心からです。彼女の父への敬慕は変わっていません。
「そんな勝手が通るとでも? 留学はどうする!?」
変わったのは父への想いではなく自分。
「それも、どうするべきなのか。自分で、考えます」
娘が去った後、ガラスに映った自分の姿と、その奥にあるかつて一緒に撮った親子の写真を見つめます。
母。この家の大人は気配を消すのが上手いのか?
自分が甘かったのだろうか。そう漏らす夫に誤りではないと妻は答えます。
「これは、成長っていうのよ」
自分の部屋でまどかは「a」を書き足すと、飛躍のための一歩を踏み出します。
④次回予告
えれなワンチャン。
○トピック
アームストロングさんは上述のとおり言い間違えたらしいのですが、こうフォローしたそうです。
「もし仮に間違っていたとしても、歴史が私の言い間違いを許す寛容さを持ち、人類が一つになる方向に向かって進むことを希望します」
まどかもそうなると良いよね、な今回のエピソード。
当初は父権的な家庭の下でいずれ対決するのではないか?と思われた香久矢家エピソードですが、蓋を開けて見れば逆に一般性の高いエピソードに仕上がっていたと思います。
大人である親がどう思うかは別として、子どもにとって親は絶対的神です。生殺与奪の権を持っていて、何でも知っていて、何でもできると思うほどに。しかしこれは同時に子どもにとって大きな励みや自信にもなります。久しぶりにこの感想でお馴染みの精神科医コフートさんに登場してもらいましょう。彼の理論が正しいかは知りませんが頷ける部分があると私は思っています。以下、少し長く小難しいですが専門家の説明を引用。
自己愛に関するコフート理論のひとつの特徴は、自己愛(二種類の自尊心)が常にこれを支える他者を必要としているとする点である。二種類の自尊心に対応して、これを支える他者も2タイプに分けられる。これをコフートは「自己対象」と呼んでいる。道徳的自尊心を支える自己対象は「理想化対象」、能力的自尊心を支える自己対象は「鏡対象」と呼ばれている。
これらの自己対象は、もともとは親や家族など、子どもにとって身近な人々であった。親のしつけとともに幼児的万能感は打ち壊され、子どもは「万能なのは自分ではなく、親だ」と思うようになる。発達心理学者のピアジェも述べているが、幼児期は親や身近な大人の力を過大視する時期で、子どもは親を何でもできるスーパーマンのように思うことすらある。
幼児期は、このように、自己万能視から親万能視へと移行するが、それによって子どもの自己愛が消滅するのではなく、子どもは「自分は万能な親の子どもである」と思うことによって、自己愛を維持しようとする。コフートの有名な言葉に「あなたは完全であるが、しかし私はあなたの重要な一部である」というものがある。これは親との親密な関係を通して、子どもが脅かされた自尊心を回復しようとしていることを表している。
二種類の自尊心と二種類の自己対象はどのような関係にあるのだろうか。また、自己対象はどのようにして人々の自尊心を支えるのであろうか。
多くの子どもにとって、母親が鏡対象の役割を果たすことが多い。子どもが何かすると、そばにいる母親が「すごい、すごい」とか「えらいねー」と称賛してくれる。言葉にしないまでも、注目したり、微笑みかけて子どもがやろうとしていることを承認したり、それを促そうとする。鏡対象とは、子どもがすることに対してポジティブに反応してくれる人物という意味である。(略)こうしたポジティブな反応を受けると、子どもは自分に自信を持つことができる。自尊心が満たされ、「もっと頑張ろう」とか、「次は、これをしてみようか」と積極的な意欲が湧いてくる。このようにして鏡対象は子どもの能力的自尊心を支え、これを育むのである。
鏡対象のこうしたはたらきを心理学者は「社会的強化」と呼んでいる。子どもの言動に肯定的に反応することによって、子どもを力づけ、自信を持たせることである。鏡対象は、もちろん母親に限定されるものではない。父親もそうだし、祖父母がそうした役割を果たすこともある。子どもが学校に入るようになると、教師がその役割を期待されるようになる。
もう一方の自己対象である理想化対象とは何であろうか。これは、子どもが尊敬し、生き方の手本となるような人物である。(略)「お父さんのように勇気のある男性になりたい」「お母さんのように、優しく思いやりのある女性になりたい」など、子どもは尊敬する親のようになりたいと思うことで、その道徳規範や価値観を内面化すると考えられている。
コフートの理想化対象はそうした同一化の対象でもあるが、子どもの自尊心を支える対象であるということはそれ以上の意味を含んでいる。子どもは、「自分は、そうした立派な親の子どもなんだ」と思うことによって自尊心が満たされるし、また、「そうした立派な親の子どもに相応しくならないといけない」と思うことによって努力する。尊敬する人物に受け入れられていると思うこと、そうした人物と深く関わっていると思うことが子どもの自尊心欲求を満たし、また、それを強めるのである。(大渕憲一『満たされない自己愛』)
という風に他者との関わりが自己の成長に大きく影響している、というわけです。
ガルオウガがダークネストを信奉しているのはこの意味で幼児的誇大妄想と言えるかもしれません。自分を導いてくれそうだと思えるものを絶対視してしまうのは妄信的な信者にも見られる傾向です。
ではこのように人は常に親や何かの影響を受け続けそれ無しでは自分の考えを持てないかと言えば、そんなことはない。ほとんどの人がそうであるように、自身の経験、知識、技能から自分の考えを持って決定していくようになります。
後年コフートは自己対象に第三の機能、双子自己対象機能、つまりは自己対象が自己に似ていることからくる支持的、信頼を与える安心機能を認めた。この第三の機能から自己の第三の極、「自己支持的」技能・才能が発展する。
幼児はこの失望を介して親への過剰の理想化が縮小され、自己対象としての親が果たしていた、先程述べた心理機能や自己評価能力を獲得していく。(影山任佐『自己を失った少年たち』)
ここでいう双子自己対象とは友達みたいなものと思って差し支えありません。人は理想となる人物、自分を支持、励まして(褒めて)くれる人物、そして親近感が持てる人物を欲する。そうした人々との交流が血肉になっていく。
それを繰り返しながら誇大的な理想や万能感といった衣を剥ぎ取ってありのままの自分を認識し、自分の中に現実的な自分、理想的な自分を内包していけるようになる、というのがコフートの説明です。
まあ、要するに最初はよくわかんないから親とか先輩の言うことを真に受けていたけど、自分もそれなりに活動してきて世の中が見えてくると自分なりの考えを持ってやりはじめるじゃん。そういうこと。大事なのはバランス。親や先輩がクソだとどうしようもないし、かといって自分が聞く耳持たないのでは意固地になってしまう。尊敬はする。けど私とあなたは違う人間なのだ、という感覚。
今回まどかの父は神的ポジションから大きく後退しました。だからといって彼が今までやってきたことが間違っていたわけではないし、今でも父親としての権威と権力を持っている。その上でまどかは子として、1人の人間としてその言葉に従うのか従わないのか、その選択肢を得ています。ここですぐに結論を出さないのも丁寧です。自分で決められること。娘が子どもから大人になりつつあること。その新しい変化を本人も親も受け入れるための時間が必要です。
まどかのエピソードは単に父と子の対決ではありません。子どもが親をどう見、どう感じるのか。親から何を学ぶのか。その上で子ども自身が経験し何を選んでいくのか。そのことを子どもにも親にも見せています。時に愛し、時に従い、時に反抗し、時に感謝する、そんな親と子の関係をしっかり丁寧に描いたエピソードです。
そんなわけで自分の道を進んでいく同級生の姿に感化される子が。今度は光るよね。
①父と子
父親へ強く言い放ったのが前回の話。
部屋を降りるとそこでバッタリと父と出会います。相変わらずこの家のエンカウント凄いよな。秒単位で娘の行動チェックしてそう。何も言わず再び歩き出す父。
OPは通常営業へ。
5分の2埋まっちゃったぞ、とちょっと焦るダークネスト様。
自分行きます、と今回はガルオウガさんの出番。
生徒会の新旧入れ替え。桜子から花束が贈られます。小声でプリキュアにはなれないけど学校は自分が守る!と相変わらず。しかし一礼した後の彼女の顔には溢れんばかりの感激が表れています。ハッとする間もなく会場からまどかへ万雷の拍手が贈られます。
その日の夕食、まどかは感動したようにそのことを両親に報告。労う母親とは対照的に、父は次のステップである留学の件を話題にします。一気にテンションだだ下がりになる娘の様子を無言で見つめる母。あ、これ今週仕事しますね。
娘の思い出コーナー。幼い頃から指導してきた様子を振り返る父。
「なぜですか」
今回はいつもと違って娘の方から奇襲をかけます。何故何もおっしゃらない。ララのことだとピンときた父はしかし「もういい」と投げやり。調査の結果異星人である確証は得られなかった。宇宙開発特別捜査局で成果を上げ中央に返り咲こうとしたが裏目に出た。ポツリと話す父。さらっと大人の事情出てきたな。よくわかんねー部署だなと思ってたけど、実際閑職ポストだったのかもしれない。このアニメ無駄が無いというか、それぞれにちゃんと意味づけされてるの丁寧だよね。
調査の権限も失った。もはや異星人のことはいい。もう自分に出来ることがなくなったのね。そんな投げやりな態度の父に驚きを隠せないまどか。父は言葉を続けます。上から調査しろと言われていたからしたまで、異星人を排除しろと言われればそうするし、友好関係を築けと言われれば友となろう、言われたとおり動く、私は香久矢のためにずっとそうしてきた。この開示は上手いタイミング。子どもにとって絶対的神とも言える親が神などではなく、あくまで一介の人間でしかなかったこと、上には上がいて自分の親も上意下達の一つの歯車だったことが見えています。これはまどかが父親に対して疑念(反抗的姿勢)を見せたことと同期していて、彼女の視野が広がっていることを補強しています。つまりまどかにとって天を覆うほどに大きかった父親のサイズが縮小しているわけですね。
そんな父にとって娘は最後の切り札であり希望。これまで導いてきた判断に誤りはなかった。留学は目の前。
「彼女達ともそれで終いだ」
「すべて私に任せればいい」
険しい表情で父を見つめ返すまどか。友達関係について直接どうこう言ってこなかった父が口を出してきたことで一気に関係は変わっていきます。
②for(a)man
英語の授業。
That's one small step for man, one giant leap for mankind.
アームストロングの有名なセリフ。意味は「1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」。さらりと答えるまどか。すると先生は文章の誤りを指摘します。for manでは人類になってしまうので1人を意味するaを入れなければならない、と黒板の隙間に書き足します。脚本ずいぶん気合入れてるな。
どこか気が抜けているまどかの様子にえれなは気づきます。
まどかが無職になったのでドーナツも一緒に買えたと喜ぶひかる達。これからは一緒に居られる時間が増える。ワンテンポ遅れて返事をするまどか。
そこに突然現れるユニ。お前唐突すぎるぞ。前回はあんなにバタバタしていたのに、と呆れるもお腹の方は正直。緊張感ないね、とプルンスからツッコミが入ります。みんなでおやつタイム。
どっかで見た構図。前にも言ったよね、と前置きしてえれなは相談に乗ろうとします。
どうして自分が月と呼ばれているのか知ってる? 意外な方向から始まったので答えに窮します。えれなの笑顔。そこからの対比で呼ばれるようになったそうです。ずっごいどうでもいい話ですが、先程の例でいうとmanは「男」という意味と「人間」という意味があって、man(男)が人間を代表する語になっていますが、これは別に男性優位だとか女性劣位の問題ではないそうです。言語的には比較基準となる概念と比較される概念とがあって、その両者は互いに比較可能である不可分な対になっているので優劣の問題ではないのだそうです。単語を一つ取り上げてどうこう言うのは意味がないという話ですね。
えれなが素直に感心していると、まどかは立ち上がってまさにそのとおりだというように湖を覗き込みます。これまで父の言うとおりに観星中に通い生徒会長にもなった。素晴らしい経験だった。すべて父のおかげ。だけど、それは自分の意志では輝けないということ。
「そうかな、眩しいけどね」
さすえれ。確かにあの時の表情可愛かったですね。ひかると出会う前はそんな表情も知らなかった。例によって本人はドーナツでキラやば中。しかしそれでもまどかは自分に確信が持てません。自分の笑顔はみんなと居るときのもの。「なるほどね」一旦まどかの言葉を引き取ったえれなは、じゃあ生徒会長のまどか、パパやママの前でのまどか、ひかるやあたし達と居るときのまどか、どの自分が一番の笑顔になれるかで進む道を決めればいいんじゃないかな、と答えます。長女力高い。
かく言う自分も進路は決めてないと自嘲気味に笑います。これ次回に続きます。
ワープアウト。ガルオウガ。ドジっ子属性のくせにやたらかっこいい登場。
だから「守る」はNGワードだって言ってんだろうがよぉ!!と勝手に闘争心が上がります。こっちも一斉に構えます。ペンダント組とペン組で分かれてるのちょっと面白い。まどかさんはペンダント派。
マントを脱ぐと同時に姿を消すガルオウガ。かっこいい演出。瞬間移動能力ほんと便利。とっさにミルキーがバリアを張って防御。ビームで破壊。プリキュアを薙ぎ払うとフワを捕獲しようと近づいていきます。
側面から奇襲するも矢はどこかに消えます。当然矢を打った本人の後ろから出るよなぁ。回避。だけど今度はガルオウガの攻撃がヒット。瞬間移動系は能力がわかっていても対処しずらい。なお今週はまどか回なので他4人はテキトーに戦闘不能になってもらいます。
思わず飛び出してしまうフワ。お前自分が狙われてるって自覚ないだろ。飛んで火にいる夏の虫。カモネギ。再び矢。今度はワープを使うまでもなくガード。
まどか回と言えば戦闘を頑張るイメージがあるセレーネさん。今回も何の義務感からなのか張り切りだします。
背後に回ったガルオウガの攻撃を避けると一閃。回避。想定内。避けた先に向けて一閃。迎撃のためにビームを貯めると、矢が拡散して包囲するように降り注ぎます。でもダメージなし。しかし今のもブラフ。ガルオウガの背後を取るセレーネ。作画班頑張りすぎてて吹きそうになる。突然本気出すの何なんだ。
ヒット。しかしセレーネも満身創痍。
でもガウオウガはピンピンしています。これがダークネスト様のお力。布教活動にも熱心。私はダークネスト様にすべてを捧げた!と殴りかかります。話しがそこで繋がってくるみたいです。彼の言葉に父の言葉が重なります。保護者。神の如き絶対者。
自分自身を捨てこの力を手に入れたと、異世界転生してチート能力を神様から貰ってイキってる主人公みたいな感じのガルオウガ。チート能力なければ宇宙空間でハカハカしてたくせに。
宇宙を乗っ取るためなら自分など必要ない。根が真面目なのでモーレツ社員。24時間戦ってくれそう。幹部は基本的に生存戦略のために動いていると思っていいです。アイワーンは自分の存在を証明するために、テンジョウは軽薄さに背を向けるために、カッパードは異邦人を嫌い、ガルオウガは力を欲する。自分が排斥された、自分が叶わなかったものを手に入れるために動いています。本来、力及ばず傷つくプリキュアはガルオウガにとって過去の自分と同じはずですが、その無力さが腹立たしいのかもしれません。同族嫌悪的なやつ。自分の弱さを見せつけられるようで嫌だっていう。これはカッパードにも似た印象を持ちます。ララの姿を見ているとどうしてもかつての自分も思い出すんでしょう。そして今の自分が正しいとの思いが強くなる。
立ち上がろうとするセレーネに問います。
「何ができるかわかりませんでした」
「みんなと出会う前は……」
「でも…! 今は! わかります!」
光ります。
「(また先越された……)」みたいな顔してるソレイユ好き。光らないネタでしばらく稼げると思うんだよね。
セレーネは矢に自分の意志を込めて放ちます。エネルギー弾を貫通すると天高く飛び雲を突き抜けます。決着がついたので来月はクリスマスですよビームで締め。
③父とまどか
満月の夜。
娘の思い出コーナーで再び対峙する父と子。
「わたくしはひかる達と交流を続けます」
ハッキリと自分の意志を伝えるまどか。「わかっていないようだな」にべもない父。
「はい。わかっていないからお父様に従ってきました」
「ですが、わからないからこそ自分で見つけたいのです」
観星中に行ってみんなを知ることでそれに気づくことができた。一歩踏み出すと、
「これもお父様のおかげです」
このアニメの子ども達はとても利発でとても真摯です。香久矢家なら娘をもっと良い学校に通わせることができたはずです。敢えて地元に通わせたのは庶民のことを学ばせるためでした。だからその次のステップとして留学が準備されていた。その父の采配に感謝の言葉を贈るのは紛れもない本心からです。彼女の父への敬慕は変わっていません。
「そんな勝手が通るとでも? 留学はどうする!?」
変わったのは父への想いではなく自分。
「それも、どうするべきなのか。自分で、考えます」
娘が去った後、ガラスに映った自分の姿と、その奥にあるかつて一緒に撮った親子の写真を見つめます。
母。この家の大人は気配を消すのが上手いのか?
自分が甘かったのだろうか。そう漏らす夫に誤りではないと妻は答えます。
「これは、成長っていうのよ」
自分の部屋でまどかは「a」を書き足すと、飛躍のための一歩を踏み出します。
④次回予告
えれなワンチャン。
○トピック
アームストロングさんは上述のとおり言い間違えたらしいのですが、こうフォローしたそうです。
「もし仮に間違っていたとしても、歴史が私の言い間違いを許す寛容さを持ち、人類が一つになる方向に向かって進むことを希望します」
まどかもそうなると良いよね、な今回のエピソード。
当初は父権的な家庭の下でいずれ対決するのではないか?と思われた香久矢家エピソードですが、蓋を開けて見れば逆に一般性の高いエピソードに仕上がっていたと思います。
大人である親がどう思うかは別として、子どもにとって親は絶対的神です。生殺与奪の権を持っていて、何でも知っていて、何でもできると思うほどに。しかしこれは同時に子どもにとって大きな励みや自信にもなります。久しぶりにこの感想でお馴染みの精神科医コフートさんに登場してもらいましょう。彼の理論が正しいかは知りませんが頷ける部分があると私は思っています。以下、少し長く小難しいですが専門家の説明を引用。
自己愛に関するコフート理論のひとつの特徴は、自己愛(二種類の自尊心)が常にこれを支える他者を必要としているとする点である。二種類の自尊心に対応して、これを支える他者も2タイプに分けられる。これをコフートは「自己対象」と呼んでいる。道徳的自尊心を支える自己対象は「理想化対象」、能力的自尊心を支える自己対象は「鏡対象」と呼ばれている。
これらの自己対象は、もともとは親や家族など、子どもにとって身近な人々であった。親のしつけとともに幼児的万能感は打ち壊され、子どもは「万能なのは自分ではなく、親だ」と思うようになる。発達心理学者のピアジェも述べているが、幼児期は親や身近な大人の力を過大視する時期で、子どもは親を何でもできるスーパーマンのように思うことすらある。
幼児期は、このように、自己万能視から親万能視へと移行するが、それによって子どもの自己愛が消滅するのではなく、子どもは「自分は万能な親の子どもである」と思うことによって、自己愛を維持しようとする。コフートの有名な言葉に「あなたは完全であるが、しかし私はあなたの重要な一部である」というものがある。これは親との親密な関係を通して、子どもが脅かされた自尊心を回復しようとしていることを表している。
二種類の自尊心と二種類の自己対象はどのような関係にあるのだろうか。また、自己対象はどのようにして人々の自尊心を支えるのであろうか。
多くの子どもにとって、母親が鏡対象の役割を果たすことが多い。子どもが何かすると、そばにいる母親が「すごい、すごい」とか「えらいねー」と称賛してくれる。言葉にしないまでも、注目したり、微笑みかけて子どもがやろうとしていることを承認したり、それを促そうとする。鏡対象とは、子どもがすることに対してポジティブに反応してくれる人物という意味である。(略)こうしたポジティブな反応を受けると、子どもは自分に自信を持つことができる。自尊心が満たされ、「もっと頑張ろう」とか、「次は、これをしてみようか」と積極的な意欲が湧いてくる。このようにして鏡対象は子どもの能力的自尊心を支え、これを育むのである。
鏡対象のこうしたはたらきを心理学者は「社会的強化」と呼んでいる。子どもの言動に肯定的に反応することによって、子どもを力づけ、自信を持たせることである。鏡対象は、もちろん母親に限定されるものではない。父親もそうだし、祖父母がそうした役割を果たすこともある。子どもが学校に入るようになると、教師がその役割を期待されるようになる。
もう一方の自己対象である理想化対象とは何であろうか。これは、子どもが尊敬し、生き方の手本となるような人物である。(略)「お父さんのように勇気のある男性になりたい」「お母さんのように、優しく思いやりのある女性になりたい」など、子どもは尊敬する親のようになりたいと思うことで、その道徳規範や価値観を内面化すると考えられている。
コフートの理想化対象はそうした同一化の対象でもあるが、子どもの自尊心を支える対象であるということはそれ以上の意味を含んでいる。子どもは、「自分は、そうした立派な親の子どもなんだ」と思うことによって自尊心が満たされるし、また、「そうした立派な親の子どもに相応しくならないといけない」と思うことによって努力する。尊敬する人物に受け入れられていると思うこと、そうした人物と深く関わっていると思うことが子どもの自尊心欲求を満たし、また、それを強めるのである。(大渕憲一『満たされない自己愛』)
という風に他者との関わりが自己の成長に大きく影響している、というわけです。
ガルオウガがダークネストを信奉しているのはこの意味で幼児的誇大妄想と言えるかもしれません。自分を導いてくれそうだと思えるものを絶対視してしまうのは妄信的な信者にも見られる傾向です。
ではこのように人は常に親や何かの影響を受け続けそれ無しでは自分の考えを持てないかと言えば、そんなことはない。ほとんどの人がそうであるように、自身の経験、知識、技能から自分の考えを持って決定していくようになります。
後年コフートは自己対象に第三の機能、双子自己対象機能、つまりは自己対象が自己に似ていることからくる支持的、信頼を与える安心機能を認めた。この第三の機能から自己の第三の極、「自己支持的」技能・才能が発展する。
幼児はこの失望を介して親への過剰の理想化が縮小され、自己対象としての親が果たしていた、先程述べた心理機能や自己評価能力を獲得していく。(影山任佐『自己を失った少年たち』)
ここでいう双子自己対象とは友達みたいなものと思って差し支えありません。人は理想となる人物、自分を支持、励まして(褒めて)くれる人物、そして親近感が持てる人物を欲する。そうした人々との交流が血肉になっていく。
それを繰り返しながら誇大的な理想や万能感といった衣を剥ぎ取ってありのままの自分を認識し、自分の中に現実的な自分、理想的な自分を内包していけるようになる、というのがコフートの説明です。
まあ、要するに最初はよくわかんないから親とか先輩の言うことを真に受けていたけど、自分もそれなりに活動してきて世の中が見えてくると自分なりの考えを持ってやりはじめるじゃん。そういうこと。大事なのはバランス。親や先輩がクソだとどうしようもないし、かといって自分が聞く耳持たないのでは意固地になってしまう。尊敬はする。けど私とあなたは違う人間なのだ、という感覚。
今回まどかの父は神的ポジションから大きく後退しました。だからといって彼が今までやってきたことが間違っていたわけではないし、今でも父親としての権威と権力を持っている。その上でまどかは子として、1人の人間としてその言葉に従うのか従わないのか、その選択肢を得ています。ここですぐに結論を出さないのも丁寧です。自分で決められること。娘が子どもから大人になりつつあること。その新しい変化を本人も親も受け入れるための時間が必要です。
まどかのエピソードは単に父と子の対決ではありません。子どもが親をどう見、どう感じるのか。親から何を学ぶのか。その上で子ども自身が経験し何を選んでいくのか。そのことを子どもにも親にも見せています。時に愛し、時に従い、時に反抗し、時に感謝する、そんな親と子の関係をしっかり丁寧に描いたエピソードです。
そんなわけで自分の道を進んでいく同級生の姿に感化される子が。今度は光るよね。
第40話「バレちゃった!?2年3組の宇宙人☆」
○今週の出来事
①黒服の男
登校前の身支度。念入りに身だしなみをチェック。
ひかると一緒に教室に入るとクラスメイト達が迎えます。いつもの距離。いつもの空気。この穏やかさ……これは来ますねぇ。
黒塗りの車。早速来ました。お仕事お早いですね。
映画宣伝仕様OPその4。ララ特集。愛され力高すぎてスタッフからも優遇されてます。その100分の1でいいから(略
ロケットの外装を雑巾がけするプルンス。一家に一台欲しいレベル。先に来ていたえれなも手伝っています。まどかは生徒会の引き継ぎ。だいぶ時間かけてるな。あんなのメモ渡して「はい、よろしく」じゃないのか。おそらくまどかと父を直接会わせないための言い訳なんだろうけど。
人の気配に気づいたプルンスが隠れます。やってきたのはまどかの父。これ以上無いほどに目立つロケット。ひかるが誤魔化せていない誤魔化しをしていると思わぬ助っ人が。アブラハム監督。例によって映画ですよ作戦。
しかし局長はその言葉に取り合わず実物に触れながら最近森で騒ぎがあったことを話題にします。ガルオウガの件を思い浮かべる一同。あ、そこまで遡るの? 割としょっちゅう騒ぎ起こしてるけど。
カマをかけるつもりかレーダーによる捕捉をかけていると話す局長。息を呑むララ。「でも、レーダーに反応は無かった」ユニが代わりに答えます。初対面の彼女を警戒するように見上げると、この子にも撮影を手伝ってもらっているとフォローを入れるアブラハム監督。もう一度彼女の顔を見つめても感情は読めません。
「ああ、レーダーに反応はない」
やはりブラフ。政府も撮影だと認識している。だが自分は納得していない。尻尾を掴んでみせる。挑戦的な言葉を残して去っていきます。
ここでちょっとした仕掛けを披露。レインボー鉱石の指輪。これでレーダーを誤魔化していたというわけ。流石ユニ、自衛力高い。プルンスとは別方向で便利なキャラ。
ところで当然のようにアブラハム監督が居るけどなんで? ララからトゥインクルイマジネーションの報告を受けたんで。まさか君達から生まれるものだったとは…と驚きとともに感心。しかし油断はできません。局長の件もある。プリキュアだとバレてはいけないと念を押します。それ、フラグっすよ。
引き継ぎが終わったドリ子嬢を狙う局長。これは不審者。
「どちら様…ですの?」「君は、羽衣ララ君と同じクラスだね?」質問というより確認を投げかけながら近寄ってきます。これは事案。
そんなことは露知らず、地球の本を夜遅くまで読むララ。
②いつも、の終わり
翌日もいつもと同じように教室へ入ると……いつもと違う反応が返ってきます。緊張した目で見返してくるクラスメイト。こちらから視線を向けても目を合わせてくれません。ドリ子がみんなに着席を促します。てめーゲロったな。
違和はその後も続きます。
体育の授業ではララがスルーされ、放課後の掃除でもまとも顔を合わせてくれません。ララちゃんのお尻に当たるとかラッキーイベントだろうがよぉ!! ここに至りみんな自分と距離を置いていることに気づきます。ひかるが傍に寄ってくるも堪りかけたララはゴミ箱を持って教室を飛び出していきます。
みんなどうしちゃったの? ララが何かしたの!? 涙目になりながらクラスメイトに問うひかる。こうして見るとこの子、普通だよね。オカルトや宇宙が絡まないとほんと普通の子です。このシーンでひかるが教室と廊下の境目(敷居)に立っているのは良い演出です。ゴミ出しで外へ出るララ。内と外の境界。
「最近起きた……」重い口を開くように桜子が静かに話しはじめます。特別講師のジョー先生が突然消えたり、学校に巨人が出たって噂に羽衣さんが関係なさっているかもって……。まどかの父からその示唆を受けたと明かします。やってくれますねぇ。やり方が汚ねぇぞ、この大人。トゥインクルのアクセルの踏み方容赦なくて好き。極端な事件や出来事が起こるわけではなく、現実的にありえそうな形で日常の崩壊を描いているところがリアリティあります。
なにか変わったことがないか。そう聞かれた桜子はそこでこの話しが全くのデタラメだとは思えなくなります。
「以前、意識を失って! 目が覚めると羽衣さんと星奈さん達がいらしたわ!」
なん…だと…!? いや、ほら、それはお約束ってやつで。気にしないのが普通で。タブーというか。
タツノリも言葉を引き取ります。自分も気を失ったことがあって、その時もやっぱりララルンと星奈達が…。一見落着のシーンが一転してホラーシーンに。これはアカン、証言者が2人以上いると信憑性が増してしまう。そうきたか。巧く繋げてきやがる。ミステリものなら「面白くなってきた!」ってなる展開。
何か答えようとしたひかるを遮って桜子は言います。まどかの父はこうも言っていた。世界中で宇宙人によって連れ去られた人々が記憶を奪われている。
「アブダクションっていうのでしょう!?」
どうした東堂いづみ。めっちゃキてるじゃん。本来なら関係無い、そもそも取り留めない話が疑心暗鬼によって結びつき疑惑へと変わる。ララも不安だけど桜子達も不安。だから有りもしないことが容易に結びつく。オカルト大好きなひかるがそれを言われている構図も素晴らしい。ララとの関係を度外視すれば、むしろここはひかるが食いつくところ。でもそんなバカなことがあるかと否定しなければならない。普段ならしょーもないオカルト話が真実味を持ってしまっている。
ちなみにアブダクションは、アメリカで報告例が多いんだけど車での長距離運転時に多くて、たぶん居眠り運転してる。これが流行った当時オカルトブームだったりして。それ以前はサキュバスの報告例が多かったらしい(入眠時幻覚に性的興奮を伴うことがあるので性行為と関係する報告がある)。…という話を仮にしたとしても彼女達は信じないでしょう。実際に不審な体験をしているのだから。
異変が起こり始めたのは羽衣さんが現れてから。半ば真実なので困る。宇宙人なのではないか。その声はゴミ捨てから戻ってきたララの耳にも聞こえます。星奈さんにも心当たりない?
「な、ないよ!」
「あなた、羽衣さんに操られているのではなくって!?」
疑心暗鬼がさらにエスカレート。その言葉を廊下の影で聞いていたララの目に涙が浮かびます。ララがそんなことするわけない。しかしララは堪らず走り去っていきます。
③子どもが大人になる瞬間
図書館で独りうなだれているとひかるがやってきます。
ララは話し始めます。本は色んなところに行けるとひかるが教えてくれた。想像の力で。本を読みたくて頑張って字を勉強した。本は楽しい。地球人の考え方もわかった。でも…。カッパードの言葉。みんなのことわかったつもりだった。やっぱり自分はサマーン星人で、地球人からしたら異星人。
その言葉を必死に否定するひかる。ララを抱きしめならララはララなのだと呼びかけます。このシーン自体はよくある展開ですが、ひかるがボッチであったことを考慮するとまた違った味わいがあります。ひかるにとってララが異星人かどうかは本当に関係がない。自分が知り、自分を知る唯一無二の友達です。一旦身体を離すと、触覚でひかるの手に触れながらお礼を言うララ。こういうところでちゃんとしっかりしています。違いを受け入れることと、違いを無いこととすることは別なことです。
一方、教室に残ったクラスメイト達は本当に宇宙人なのかと疑惑と疑惑に対する疑念が渦巻いています。そもそも宇宙人なんて本当にいるのか。タツノリ、後ろ!後ろ! 宇宙人いました。もう色んな意味で隠しません。
学校から出ようとした生徒達の退路を塞ぐノットレイダー。学校の外で待機していた局長も目撃。
追い詰められる桜子達。そこにララとひかるが駆けつけます。カッパードはララに向かって自分の言葉が正しかったと証明して見せます。
「このような愚かな種族にサマーン星人のお前のことなど理解できるはずがない」
見ようによってはララの肩を持っています。ま、地球人を蛮族か何かだと思っているんでしょうが。その会話で疑惑が確信に変わるクラスメイト。そんな彼らから醜いイマジネーションを感じ取るカッパード。ほら、見たことか、といったところ。ここで大事なことはこの一件にカッパードが噛んでいないことです。まどか父が尻尾を掴もうと生徒に揺さぶりをかけて、生徒達がそれを真に受けた。全て地球人の中で行われている。この物語における敵(ノットレイダー)は露悪的かもしれませんが、人の心を直接どうこうしない。白からグレーに、グレーから黒に変わるのは人の行いです。だからノットレイダーが存在する。カッパードがララに同情的な態度を取るのはその醜さを知っているからです。ノットレイダーはプリキュアとは別な意味で純粋で、だからこそその穢れを許せない。
「異星人同士が、分かり合えるはずなどない!」
自身の経験を世の真理であるかのように確信を深めていくカッパード。
「そんなことないルン! みんな良い子ルン!」
しかしその確信は違う確信によって塗り替えられます。ララの愛され力の見せ所。
学校に慣れない私をひかると日直にしてくれたり、一緒に仮装したり、みんな自分に優しくしてくれた。そんな些末なことで本当に分かり合えたとでも?
「わかってもらえなくてもいいルン!」
「私のことは……わかってもらえなくても!」
「私にとっては大事な友達ルン!」
そう言い切るとペンダントを構えます。隣に立つひかるも構えます。一蓮托生。友達がどういうものか見せてあげましょう。
まどかがやってくると話に乗っかります。フワのワープでえれなとユニが転送されてきます。事情が飲み込めないものの、まどかとアイコンタクト。
「なるほど、やるしかないってわけね!」
さすえれ。
ララの掛け声で変身。ミホッシースターズ改めスター☆トゥインクルプリキュア。
雑魚戦で負けるわけもなく次々と倒していきます。生徒達からイマジネーションを奪おうとするカッパードを遮ったミルキーはクラスメイトとの間に立ちます。
何故地球人を守る? 理解し難いカッパードが訊ねます。
ミルキーは自分でサマーン人と明言すると、2年3組羽衣ララだと所属を名乗ります。しかしカッパードに響くわけもなく彼女の後ろに立つ生徒達からイマジネーションを吸収しようとして、できません。ララを応援する生徒達。熱い掌返し。これが地球人。無知で身勝手で熱くて冷めやすくてコロコロ態度を変える。オセロの駒。人の身勝手さに絶望してはいけません。身勝手だからこそそこに希望がある。私は人間のクズさを信じます。
生徒達から歪んだイマジネーションが消えてしまいましたが、全ての人から消えたわけではありません。すぐ近くまで来ていた局長に目をつけます。吸収。得た弓矢で敵味方問わず乱射。お前そのうち部下から刺されるぞ。
勝ち誇るのも一瞬のこと。ミルキーは巨大なバリアを作るとクラスメイト達を守ります。何故異星人を守る!?
「私は大人ルン!」
「自分にそう言い聞かせてきたルン! 家族やサマーンのみんなに認められたくて……」
「でも! 認めてくれたルン! みんなは…ありのままの私を……サマーン星人の私、プリキュアの私、地球人の私、私は私のままでいていいんだって!」
「みんなが認めてくれたルン!」
人にどう見られるかで悩んでいた子どもはもうここにはいません。認められたいと望んだ子は自ら他者を認めることでそれを成します。正直に悩み、正直に答えた子はまっすぐに大人になる。当然光ります。光らないわけない。え、先週? 嫌な事件だったね。
突然意識を失って、目が冷めたら目の前に羽衣ララ。
疑いの目を向けるまどか父に、羽衣さんは異星人などではない!と断言する桜子。タツノリ達も続きます。アブダクションなんてなかった。
言い返そうとした父を「みなさんの言うとおりです」と厳しい口調で諌めるまどか。ララはわたくし達の友人です。娘の言葉に衝撃を受ける父。あー、これ次回に引くわ。そう繋いでくるか。
帰ろうとするララをクラスメイトが呼び止めます。
バツが悪そうな顔で言いよどむタツノリ。するとララは触覚を向けます。サマーン式挨拶。
「また、明日ルン!」
「ほら、ほら、タッチだよ、タッチ!」
意味がわかるとみんなで触覚に触れます。
④次回予告
ガルオウガさんも幹部回やりたいそうです。
○トピック
星に愛されるララが人の子に愛されないわけないんだよなぁ。
なんでララが愛されるか。それは彼女がめちゃくちゃ良い子だからです。
常に自分に正直。正直に悩んで、正直に前を向く。差し伸べられた手をちゃんと掴むことができる。……と言いたいところですが、物語初期を見ればわかるように面倒臭いところもあります(結構イライラしている)。特にひかりと出会ったばかりの頃や、学校に初めて行ったエピソードではその面倒臭さが遺憾なく発揮されています。むしろそこではひかるやクラスメイトの気遣いの方が先手を打っている。ララがみんな自分を認めてくれたのだと話すのはそのとおりで、彼女が単純に愛されやすいからだけではないし、彼女の物腰や態度が相手に響いている面もあります。トータル的には持ちつ持たれつで、ララ自身が白黒裏返っていることも忘れてはなりません。番組が始まって約9ヶ月、その時間をかけて変わったのが今のララです。
つまりクラスメイトの掌返しを不誠実だと言ってもいいけど、それはみんなそうなのです。ほんのちょっとしたことで臆病になるし、ほんのちょっとしたことで背中を押される。それが本当にごく日常的にあり得ることを本作は色んな角度で描いています。
嘘つきしかいない村で自分だけが正直者だったらバカを見る。
正直者しかいない村で自分だけが嘘つきだったら追い出される。
プリキュアとノットレイダーはどちらも正しいことを言っています。では、正直者と嘘つきが半々なら? 時々裏返したり裏返されたりが起こる。それを身勝手で不誠実だと罵ったり失望することもある(去年の社長はそうでした)けど、自分もそんな駒の一つで、その経験の中で大人になっていくのがララという子です。彼女が傷つきながらも誠実さを失わないのは人に愛され人を愛するからです。そんな彼女だからこそ私達は彼女を好きになれるし敬意も抱く。ほんの少し前まで子どもだったとしても。異質さの中に同質さ、とりわけ高潔さを見ればなおさら。熱い掌返しもそんな発見があればこそです。
余談ですが、この「身の証を立てる」ことはとても重要で、現実で言えば日系アメリカ人部隊の第442連隊戦闘団が有名です。逆に言えばアウェーな中で身の証を立てることは非常に過酷で文字通り命を賭けて証明しなければならないほど重いものです。それくらいしないと人は人を認めない。平等や権利は結局紙切れが保証のするのではなく、人の命(行動)によって担保され得るものです。権利をくれと騒ぐだけの人と、自ら率先垂範する人とどちらを認めるかは言うまでもない。それくらい人は頑迷で疑い深くいい加減。いい加減だからこそ人のやることは不変ではない。
さてそんな風に友達デビューから始まったララの物語は彼女を子どもから大人へと成長させます。それは自分自身への見方、他者への見方、世界への見方の変化を意味する。では、同じく友達デビューの片翼を担うまどかは? 友達と父親。その関係もまた変わっていきます。
①黒服の男
登校前の身支度。念入りに身だしなみをチェック。
ひかると一緒に教室に入るとクラスメイト達が迎えます。いつもの距離。いつもの空気。この穏やかさ……これは来ますねぇ。
黒塗りの車。早速来ました。お仕事お早いですね。
映画宣伝仕様OPその4。ララ特集。愛され力高すぎてスタッフからも優遇されてます。その100分の1でいいから(略
ロケットの外装を雑巾がけするプルンス。一家に一台欲しいレベル。先に来ていたえれなも手伝っています。まどかは生徒会の引き継ぎ。だいぶ時間かけてるな。あんなのメモ渡して「はい、よろしく」じゃないのか。おそらくまどかと父を直接会わせないための言い訳なんだろうけど。
人の気配に気づいたプルンスが隠れます。やってきたのはまどかの父。これ以上無いほどに目立つロケット。ひかるが誤魔化せていない誤魔化しをしていると思わぬ助っ人が。アブラハム監督。例によって映画ですよ作戦。
しかし局長はその言葉に取り合わず実物に触れながら最近森で騒ぎがあったことを話題にします。ガルオウガの件を思い浮かべる一同。あ、そこまで遡るの? 割としょっちゅう騒ぎ起こしてるけど。
カマをかけるつもりかレーダーによる捕捉をかけていると話す局長。息を呑むララ。「でも、レーダーに反応は無かった」ユニが代わりに答えます。初対面の彼女を警戒するように見上げると、この子にも撮影を手伝ってもらっているとフォローを入れるアブラハム監督。もう一度彼女の顔を見つめても感情は読めません。
「ああ、レーダーに反応はない」
やはりブラフ。政府も撮影だと認識している。だが自分は納得していない。尻尾を掴んでみせる。挑戦的な言葉を残して去っていきます。
ここでちょっとした仕掛けを披露。レインボー鉱石の指輪。これでレーダーを誤魔化していたというわけ。流石ユニ、自衛力高い。プルンスとは別方向で便利なキャラ。
ところで当然のようにアブラハム監督が居るけどなんで? ララからトゥインクルイマジネーションの報告を受けたんで。まさか君達から生まれるものだったとは…と驚きとともに感心。しかし油断はできません。局長の件もある。プリキュアだとバレてはいけないと念を押します。それ、フラグっすよ。
引き継ぎが終わったドリ子嬢を狙う局長。これは不審者。
「どちら様…ですの?」「君は、羽衣ララ君と同じクラスだね?」質問というより確認を投げかけながら近寄ってきます。これは事案。
そんなことは露知らず、地球の本を夜遅くまで読むララ。
②いつも、の終わり
翌日もいつもと同じように教室へ入ると……いつもと違う反応が返ってきます。緊張した目で見返してくるクラスメイト。こちらから視線を向けても目を合わせてくれません。ドリ子がみんなに着席を促します。てめーゲロったな。
違和はその後も続きます。
体育の授業ではララがスルーされ、放課後の掃除でもまとも顔を合わせてくれません。ララちゃんのお尻に当たるとかラッキーイベントだろうがよぉ!! ここに至りみんな自分と距離を置いていることに気づきます。ひかるが傍に寄ってくるも堪りかけたララはゴミ箱を持って教室を飛び出していきます。
みんなどうしちゃったの? ララが何かしたの!? 涙目になりながらクラスメイトに問うひかる。こうして見るとこの子、普通だよね。オカルトや宇宙が絡まないとほんと普通の子です。このシーンでひかるが教室と廊下の境目(敷居)に立っているのは良い演出です。ゴミ出しで外へ出るララ。内と外の境界。
「最近起きた……」重い口を開くように桜子が静かに話しはじめます。特別講師のジョー先生が突然消えたり、学校に巨人が出たって噂に羽衣さんが関係なさっているかもって……。まどかの父からその示唆を受けたと明かします。やってくれますねぇ。やり方が汚ねぇぞ、この大人。トゥインクルのアクセルの踏み方容赦なくて好き。極端な事件や出来事が起こるわけではなく、現実的にありえそうな形で日常の崩壊を描いているところがリアリティあります。
なにか変わったことがないか。そう聞かれた桜子はそこでこの話しが全くのデタラメだとは思えなくなります。
「以前、意識を失って! 目が覚めると羽衣さんと星奈さん達がいらしたわ!」
なん…だと…!? いや、ほら、それはお約束ってやつで。気にしないのが普通で。タブーというか。
タツノリも言葉を引き取ります。自分も気を失ったことがあって、その時もやっぱりララルンと星奈達が…。一見落着のシーンが一転してホラーシーンに。これはアカン、証言者が2人以上いると信憑性が増してしまう。そうきたか。巧く繋げてきやがる。ミステリものなら「面白くなってきた!」ってなる展開。
何か答えようとしたひかるを遮って桜子は言います。まどかの父はこうも言っていた。世界中で宇宙人によって連れ去られた人々が記憶を奪われている。
「アブダクションっていうのでしょう!?」
どうした東堂いづみ。めっちゃキてるじゃん。本来なら関係無い、そもそも取り留めない話が疑心暗鬼によって結びつき疑惑へと変わる。ララも不安だけど桜子達も不安。だから有りもしないことが容易に結びつく。オカルト大好きなひかるがそれを言われている構図も素晴らしい。ララとの関係を度外視すれば、むしろここはひかるが食いつくところ。でもそんなバカなことがあるかと否定しなければならない。普段ならしょーもないオカルト話が真実味を持ってしまっている。
ちなみにアブダクションは、アメリカで報告例が多いんだけど車での長距離運転時に多くて、たぶん居眠り運転してる。これが流行った当時オカルトブームだったりして。それ以前はサキュバスの報告例が多かったらしい(入眠時幻覚に性的興奮を伴うことがあるので性行為と関係する報告がある)。…という話を仮にしたとしても彼女達は信じないでしょう。実際に不審な体験をしているのだから。
異変が起こり始めたのは羽衣さんが現れてから。半ば真実なので困る。宇宙人なのではないか。その声はゴミ捨てから戻ってきたララの耳にも聞こえます。星奈さんにも心当たりない?
「な、ないよ!」
「あなた、羽衣さんに操られているのではなくって!?」
疑心暗鬼がさらにエスカレート。その言葉を廊下の影で聞いていたララの目に涙が浮かびます。ララがそんなことするわけない。しかしララは堪らず走り去っていきます。
③子どもが大人になる瞬間
図書館で独りうなだれているとひかるがやってきます。
ララは話し始めます。本は色んなところに行けるとひかるが教えてくれた。想像の力で。本を読みたくて頑張って字を勉強した。本は楽しい。地球人の考え方もわかった。でも…。カッパードの言葉。みんなのことわかったつもりだった。やっぱり自分はサマーン星人で、地球人からしたら異星人。
その言葉を必死に否定するひかる。ララを抱きしめならララはララなのだと呼びかけます。このシーン自体はよくある展開ですが、ひかるがボッチであったことを考慮するとまた違った味わいがあります。ひかるにとってララが異星人かどうかは本当に関係がない。自分が知り、自分を知る唯一無二の友達です。一旦身体を離すと、触覚でひかるの手に触れながらお礼を言うララ。こういうところでちゃんとしっかりしています。違いを受け入れることと、違いを無いこととすることは別なことです。
一方、教室に残ったクラスメイト達は本当に宇宙人なのかと疑惑と疑惑に対する疑念が渦巻いています。そもそも宇宙人なんて本当にいるのか。タツノリ、後ろ!後ろ! 宇宙人いました。もう色んな意味で隠しません。
学校から出ようとした生徒達の退路を塞ぐノットレイダー。学校の外で待機していた局長も目撃。
追い詰められる桜子達。そこにララとひかるが駆けつけます。カッパードはララに向かって自分の言葉が正しかったと証明して見せます。
「このような愚かな種族にサマーン星人のお前のことなど理解できるはずがない」
見ようによってはララの肩を持っています。ま、地球人を蛮族か何かだと思っているんでしょうが。その会話で疑惑が確信に変わるクラスメイト。そんな彼らから醜いイマジネーションを感じ取るカッパード。ほら、見たことか、といったところ。ここで大事なことはこの一件にカッパードが噛んでいないことです。まどか父が尻尾を掴もうと生徒に揺さぶりをかけて、生徒達がそれを真に受けた。全て地球人の中で行われている。この物語における敵(ノットレイダー)は露悪的かもしれませんが、人の心を直接どうこうしない。白からグレーに、グレーから黒に変わるのは人の行いです。だからノットレイダーが存在する。カッパードがララに同情的な態度を取るのはその醜さを知っているからです。ノットレイダーはプリキュアとは別な意味で純粋で、だからこそその穢れを許せない。
「異星人同士が、分かり合えるはずなどない!」
自身の経験を世の真理であるかのように確信を深めていくカッパード。
「そんなことないルン! みんな良い子ルン!」
しかしその確信は違う確信によって塗り替えられます。ララの愛され力の見せ所。
学校に慣れない私をひかると日直にしてくれたり、一緒に仮装したり、みんな自分に優しくしてくれた。そんな些末なことで本当に分かり合えたとでも?
「わかってもらえなくてもいいルン!」
「私のことは……わかってもらえなくても!」
「私にとっては大事な友達ルン!」
そう言い切るとペンダントを構えます。隣に立つひかるも構えます。一蓮托生。友達がどういうものか見せてあげましょう。
まどかがやってくると話に乗っかります。フワのワープでえれなとユニが転送されてきます。事情が飲み込めないものの、まどかとアイコンタクト。
「なるほど、やるしかないってわけね!」
さすえれ。
ララの掛け声で変身。ミホッシースターズ改めスター☆トゥインクルプリキュア。
雑魚戦で負けるわけもなく次々と倒していきます。生徒達からイマジネーションを奪おうとするカッパードを遮ったミルキーはクラスメイトとの間に立ちます。
何故地球人を守る? 理解し難いカッパードが訊ねます。
ミルキーは自分でサマーン人と明言すると、2年3組羽衣ララだと所属を名乗ります。しかしカッパードに響くわけもなく彼女の後ろに立つ生徒達からイマジネーションを吸収しようとして、できません。ララを応援する生徒達。熱い掌返し。これが地球人。無知で身勝手で熱くて冷めやすくてコロコロ態度を変える。オセロの駒。人の身勝手さに絶望してはいけません。身勝手だからこそそこに希望がある。私は人間のクズさを信じます。
生徒達から歪んだイマジネーションが消えてしまいましたが、全ての人から消えたわけではありません。すぐ近くまで来ていた局長に目をつけます。吸収。得た弓矢で敵味方問わず乱射。お前そのうち部下から刺されるぞ。
勝ち誇るのも一瞬のこと。ミルキーは巨大なバリアを作るとクラスメイト達を守ります。何故異星人を守る!?
「私は大人ルン!」
「自分にそう言い聞かせてきたルン! 家族やサマーンのみんなに認められたくて……」
「でも! 認めてくれたルン! みんなは…ありのままの私を……サマーン星人の私、プリキュアの私、地球人の私、私は私のままでいていいんだって!」
「みんなが認めてくれたルン!」
人にどう見られるかで悩んでいた子どもはもうここにはいません。認められたいと望んだ子は自ら他者を認めることでそれを成します。正直に悩み、正直に答えた子はまっすぐに大人になる。当然光ります。光らないわけない。え、先週? 嫌な事件だったね。
突然意識を失って、目が冷めたら目の前に羽衣ララ。
疑いの目を向けるまどか父に、羽衣さんは異星人などではない!と断言する桜子。タツノリ達も続きます。アブダクションなんてなかった。
言い返そうとした父を「みなさんの言うとおりです」と厳しい口調で諌めるまどか。ララはわたくし達の友人です。娘の言葉に衝撃を受ける父。あー、これ次回に引くわ。そう繋いでくるか。
帰ろうとするララをクラスメイトが呼び止めます。
バツが悪そうな顔で言いよどむタツノリ。するとララは触覚を向けます。サマーン式挨拶。
「また、明日ルン!」
「ほら、ほら、タッチだよ、タッチ!」
意味がわかるとみんなで触覚に触れます。
④次回予告
ガルオウガさんも幹部回やりたいそうです。
○トピック
星に愛されるララが人の子に愛されないわけないんだよなぁ。
なんでララが愛されるか。それは彼女がめちゃくちゃ良い子だからです。
常に自分に正直。正直に悩んで、正直に前を向く。差し伸べられた手をちゃんと掴むことができる。……と言いたいところですが、物語初期を見ればわかるように面倒臭いところもあります(結構イライラしている)。特にひかりと出会ったばかりの頃や、学校に初めて行ったエピソードではその面倒臭さが遺憾なく発揮されています。むしろそこではひかるやクラスメイトの気遣いの方が先手を打っている。ララがみんな自分を認めてくれたのだと話すのはそのとおりで、彼女が単純に愛されやすいからだけではないし、彼女の物腰や態度が相手に響いている面もあります。トータル的には持ちつ持たれつで、ララ自身が白黒裏返っていることも忘れてはなりません。番組が始まって約9ヶ月、その時間をかけて変わったのが今のララです。
つまりクラスメイトの掌返しを不誠実だと言ってもいいけど、それはみんなそうなのです。ほんのちょっとしたことで臆病になるし、ほんのちょっとしたことで背中を押される。それが本当にごく日常的にあり得ることを本作は色んな角度で描いています。
嘘つきしかいない村で自分だけが正直者だったらバカを見る。
正直者しかいない村で自分だけが嘘つきだったら追い出される。
プリキュアとノットレイダーはどちらも正しいことを言っています。では、正直者と嘘つきが半々なら? 時々裏返したり裏返されたりが起こる。それを身勝手で不誠実だと罵ったり失望することもある(去年の社長はそうでした)けど、自分もそんな駒の一つで、その経験の中で大人になっていくのがララという子です。彼女が傷つきながらも誠実さを失わないのは人に愛され人を愛するからです。そんな彼女だからこそ私達は彼女を好きになれるし敬意も抱く。ほんの少し前まで子どもだったとしても。異質さの中に同質さ、とりわけ高潔さを見ればなおさら。熱い掌返しもそんな発見があればこそです。
余談ですが、この「身の証を立てる」ことはとても重要で、現実で言えば日系アメリカ人部隊の第442連隊戦闘団が有名です。逆に言えばアウェーな中で身の証を立てることは非常に過酷で文字通り命を賭けて証明しなければならないほど重いものです。それくらいしないと人は人を認めない。平等や権利は結局紙切れが保証のするのではなく、人の命(行動)によって担保され得るものです。権利をくれと騒ぐだけの人と、自ら率先垂範する人とどちらを認めるかは言うまでもない。それくらい人は頑迷で疑い深くいい加減。いい加減だからこそ人のやることは不変ではない。
さてそんな風に友達デビューから始まったララの物語は彼女を子どもから大人へと成長させます。それは自分自身への見方、他者への見方、世界への見方の変化を意味する。では、同じく友達デビューの片翼を担うまどかは? 友達と父親。その関係もまた変わっていきます。
第39話「えれな大ピンチ!テンジョウ先生のワナ!」
○今週の出来事
①えれな回だと思った? ざ~んねん! テンジョウ回でした!
お目当てのトゥインクル・イマジネーションを見つけてテンションアゲアゲな一同。目標達成。これで星も元通り。案の定招集がかかります。
プリンセスからもお墨付きをいただきます。ところがどっこい! トゥインクル・イマジネーションは一つじゃありません! 5個集めてくださーい! いい加減こいつら罷免できないの? 詐欺罪で逮捕できないんですか? 特権階級なの? 重要なことは何も教えてくれないくせに後から付帯事項増やすのなんなの。個人回で回収するの知ってたけどさ。
それぞれのトゥインクル・イマジネーションを探そう!と瞳を輝かせるひかる。君のそれが見つかるのたぶん早くて年末だろうね。
映画宣伝仕様OPその3。ちなみにユーマは第一形態コンペイトウ、第二形態しっぽ付き、第三形態しっぽ無し……と細かく形を変えていきます。蟹座の髪型可愛い。
学校対抗英語スピーチコンテストの代表としてえれなが選ばれます。校長暇そう。クラスからの信頼も篤くえれなも張り切ります。
プリキュアに先を越されましたがイマジネーションは5個なのでまだ余裕のノットレイダー。ところでダークネストさんは蛇つかい座疑惑がありますが、正直に話してくれていいんですよ。既得権益を守りたいプリンセス達にハブられたって。あいつらはマジで汚い奴らなんだと。プリキュアに面倒な仕事やらせてる間、自分達はボードゲームやりながらピザ食ってるような連中ですからね。プリンセス土下座謝罪会見期待してます。
今回はテンジョウが出撃。毎回のんびりしているノットレイダーですが、こちらも時間制限はあるらしい。
地球に降り立つテンジョウ。後を追ったカッパードが作戦を訊ねます。彼なりにちょっと気になるらしい。以前の経験から変身前のプリキュアに近づけばいいと判断したテンジョウはへんしんじゅを使います。そーいやそんな便利アイテムあったな。
今年こそ優勝!とスピーチコンテストに燃える校長。えれなを選んだのも彼の肝入りでしょうか。
部屋に入ってくる見慣れぬ女性。ツカツカと歩み寄ってくるとコンテスト優勝を請け負います。
全校集会で集まったもののなかなか始まらず生徒達がザワつき始めます。校長が行方不明。すると先程の女性が演壇に立ちます。特別講師のジョー・テング。よろしくね、可愛い駒ちゃん達。サービス問題かよってくらい自分からヒント出してくれます。
その呼び方に聞き覚えがあるひかる達。母国語で生徒を「コマチャン」と呼ぶ。ララといい外国って言っとけば何でも許されると思ってないか? そのままの勢いで生徒達に「コマチャン」と復唱させます。堂々としてればバレない理論。えっと、ご出身は? 宇宙に目を向けろと話を逸します。
全てが奇抜なジョー先生に生徒達は何かすげぇ!と取り込まれていきます。「キラやば~!」「オヨ~!」とこれまで38話分の経験をドブに捨てるプリキュアさん達。まどかは引っかかりを覚えますが役に立ちません。こういう時にユニが居ると心強い。ツッコミ役の大事さがわかります。
英語の授業も難なくこなすジョー先生。どうやら首につけたチョーカーが翻訳機になっているっぽい。ここの英文は有名なキング牧師の一節のようです。
計画は順調。1ミリもこちらを疑わないプリキュアにテンジョウはほくそ笑みます。と油断していると突然えれなから声をかけられてびっくり。先程のスピーチに感銘を受けたらしく自己紹介とともに握手を求められます。プリキュアから近づいてくれるなら好都合。しかし握手には応じません。ちなみに握手やお辞儀などの挨拶は文化圏によって大きく分けられるようで、日本や東南アジアでは非接触型の挨拶が歴史的には主流のようです。これは同質性や同文化のためです。言わなくてもわかるよねってやつ。逆に欧米などではそれが薄いので接触型の挨拶によって相手の信頼度を確認しているという話です。なお、握手は通常男性から女性には行わないそうです。逆ならOK。
学校を案内して欲しいと話題を変えます。
案内されながらジョー先生は校長からの特命で指導することになったと説明。するとえれなは少し悩んでいたと打ち明けます。上手く考えが纏まらない。家族のことを書こうと思っている。関心なさそうに聞き流していると生い立ちを訊ねられてハッとします。幹部では唯一過去が不明な彼女。綺羅びやかな街と軽薄そうな人々。それを疎ましそうに見つめる少女の姿。
立ち止まっていると心配されますが何でも無いと記憶を振り払います。ちょうど昼食の時間。ひかる達がやってきて誘います。チャンス。
フワが木陰で昼食をとっている隙を狙っていると、大量の女子生徒達がえれなを取り囲みます。コンテスト出場を聞いて集まってきたらしい。声援に答えるえれな。その笑顔が癪にさわるジョー先生。注意が逸れてしまいフワ確保は失敗。へんしんじゅの残り時間もわずか。一旦出直し。
姿を隠しながらえれなに敵愾心を募らせるテンジョウ。……あれ、これテンジョウ回になってね?
②ジョー先生の教え
放課後、スピーチの原稿をジョー先生に見せます。
笑顔でいればどんな人とも繋がることができる。それをテーマに書いた。それを聞いたジョー先生は高笑い。あなたはお子ちゃま。凄いヒント。でもえれなはそれどころではありません。ジョー先生は続けます。あなたは周りの人が嫌いになったり笑顔を信じられなくなったりしたことがない?
条件反射的に否定しようとしてふと思い出します。小学校の頃に悩んだことがある。このアニメは突然アクセル踏むので注意。男の子達にからかわれて孤立した記憶。なんで自分だけが他のみんなと違うんだろうって。そう、それこそが真実! その時の辛い気持ちを書くのだ。心に嘘をついてはダメ。苦しい思いを、怒りを、悲しみを。そうすれば人の心を打つスピーチができる。あながち間違ってないから困る。その言葉に衝撃を受けたえれなは沈黙。内心勝ち誇るテンジョウ。おべんちゃらなんて使ってんじゃね―ぞ、一皮剥けばみんな同じだ的な感じですね。ところで当初の目的(フワ確保)を忘れてません?
スピーチコンテスト当日。
いよいよえれなの番。珍しく緊張しています。お題は「Smile connects people with each other」。笑顔は人をつなぐ(グーグル訳)。
えれなに応援をおくるひかる。期待が膨らみます。別な意味で期待するジョー先生。
深呼吸して、話し始めるえれな。そのまま英語で話しても幼女どころかほとんどの視聴者がわからないので日本語訳でスピーチ。小学生の頃に触れて聴衆の関心を惹きます。ジョー先生大満足。テンションアゲアゲです。「でも」
そこで家族が気づかせてくれた。こんなに楽しくユニークな家族はどこにもいない。だからこそ世界に1つだけの宝物。それから一転して違うのは自分だけではないことに気づき始めます。それぞれ素敵な個性があってその人を輝かせている。どんな人とも笑顔で接することができるようになった。その笑顔はみんなにも広がっていった。私はこれからもたくさんの人と出会い、交流を深めていきたい。スピーチを終え会場からは拍手が贈られます。冒頭に悲劇性を入れることで関心と説得力を持たせる良いスピーチ。ジョー先生のアドバイスは的確でした。
ちっげーよ!!!
お前は何もわかってない。笑顔が人と人を繋げる? ふざけないで! 机を叩いて激情を顕にするジョー先生。この人絶対仕事忘れてるわー。
えれなも客席も呆然。でもそんなのテンジョウには関係ねぇ。ここでノットレイ達を召喚するわけではないのでここで騒ぐ必要性は薄いと思いますが次回への布石といった感じですね。えれなのスピーチで感銘を受けたように見える人々ですが、ではいざ異邦人を見たときにどう対処するのか。幹部側の内情が吐露されるのと平行して主人公側の立場もまた変わっていくのは終盤感あっていいですね。今作は珍しく幹部の増員や交代がないので物語に絡む主要人物として配置されている印象を受けます。
テンジョウの記憶。笑い顔を浮かべる人々を冷ややかに見つめる少女。どうやらこの星ではおべんちゃらを使うのが常識のようです。当然裏では人を小馬鹿にしているであろうことは明白。そんな嘘と偽りの世界からドロップアウトした……といったところでしょうか。カッパードやアイワーンと比べるとちょっとわかりにくい描写かもしれません。
人は結局うわべだけ。この宇宙には上か下かしかない。彼女にとって笑顔は何も語っていないに等しい。言うだけ言うと会場を飛び出していきます。余計な被害を出さない配慮ができる幹部の鏡。まっ、本来の仕事忘れてるんですけどね。
えれなが後を追うと丁度へんしんじゅの効果も切れてネタばらし。
ひかる達とユニが合流。ユニはたぶん気配遮断と情報収集スキル持ち。
ショックを受ける間もなく戦闘開始。姿を消していた校長はノットレイになっていました。そんなことよりユニの絶対領域が気になりますが、残念ながら変身のお時間。
大量のノットレイは仲間が引き受け、ソレイユは校長とタイマン。力負けするとコスモが助太刀に入ります。笑顔笑顔って何そんなにムキになってるの? 流石コスモさん良いツッコミです。状況的にはテンジョウが過剰反応している。図星を刺されて苛立つテンジョウ。
しかしそんな彼女にソレイユは感謝していると答えます。あのスピーチができたのはアドバイスのおかげ。テンジョウにとって笑顔は嘘の仮面ですが、えれなにとってはそうではない。いくらテンジョウが唆そうとしてもえれなの世界観的に闇落ちはしません。というか、この人も何だかんだ言って正直ベースで生きたいって思ってるんじゃないかと思うので一周回ってプリキュアと話しが合う気がするんですが、どうなんでしょう。
これまで見てきた印象からすると敵幹部はみんな真面目だったり頑張り屋だったり不正や悪徳を嫌ってて、オメーらが俺達から奪うなら俺達もオメーらから奪ってやるわ理論で動いているだけですからね。難民だし。ノットレイダーは敵は敵なんだけど、利害を一致させられないこともないポジション。この意味でトゥインクルの敵対関係はゆるいです。ひかるもそうだし、アイワーンのときもそうですが、敵から学ぶことが多いのもそれを強調しています。そもそも作中でノットレイダーは絶対悪で、宇宙の人々を支配し、悪政を強いている、これを倒さなければならない、みたいな話してないですからね。ひかる達からすると何かよくわかんないけどフワを狙う人達、程度にしか思われてないんじゃないでしょうか。だからアイワーンみたいに折り合いをつけられるし、本人達の意思で関係を変えられる。このゆるさが主人公達がコントロールできる余地にもなっています。初代やS☆Sで敵幹部を懐柔しようとして失敗しているのは物語の構造上この余地がないからです。敵にも理由があるんです系はバトル面でカタルシスを減じてしまうデメリットがありますが、敵味方含めて大きく構造を変化させられるのでマクロ的に語るのに適しています。
笑顔には凄い力があると笑顔じゃない顔でノットレイを投げとばすソレイユ。それはそれ、これはこれ。
みんな今でプルンス! みんなの想い!重ねるフワ~! 今週も販促タイム。……じゃ、ねーよ! あれ、なんか忘れてない? ソレイユ光ってませんよ? 進めちゃって良いんですか!? 今回一番の衝撃。まさかのトゥインクル・イマジネーション不発。
なお校長はスルーの模様。誰かフォローしてやってください。
人望が無さそうな校長に代わって教頭がコンテスト結果を発表。優勝は天宮えれな。
えれなは指導してくれたジョー先生にも触れてお礼を言います。敵対者ではありますが、彼女が語った言葉には真実があります。もちろんそれをそのまま使う必要はなく、えれなはえれななりの世界観と解釈でもって使えばいい。アイワーン-ユニルート以外にもえれな-テンジョウルートが開拓されてきました。
なお校長は蚊帳の外。
一方その頃、……………内閣府宇宙開発特別捜査局。
職員が局長を呼びます。映像に映し出されたのはノットレイを見上げるララ、そしてプルンスとフワの姿。
③次回予告
ララが宇宙人!→騙したな!→合法→ララちゃん最高! までがセット。
○トピック
やっぱララちゃんが主役だってはっきりわかんだね。
他のキャラに美味しいところ持ってかれることに定評があるえれなさん。ついにトゥインクル・イマジネーションにも見放される。スタッフはララへの愛情の100分の1でもいいからえれなにも分けてあげてください。
とはいえ、如何にもな展開でありながら覚醒イベントがこなかったのでここからさらにどう盛るのか、期待値も上がります。最近は個人回を兼ねた幹部回の色合いも強く、ここでララの正体バレを持ってくるのは良い流れ。ララの愛され力が試されます。負ける気がしませんが。
物語としては、主人公達の世界観と敵の世界観が混ざり合う展開。主人公達の世界観は概ね性善説に近い世界観です。人は分かり合える。違いを認め合える。力があるならそれを弱き者のために。成長とともにその世界観も広がっています。もちろんここにはユニも加わりますが、ここまで何とか折り合いがつく形になっています。これに対して敵側はその逆で、アイワーンも着地点が見えてきています。
世界観という言い方をしているのは、これはモノの見方であってどっちが正しいとかの次元ではなく、その人がこれまで生きてきた過程、現実解釈、これから生きていく指針のことだからです。ぶっちゃけどっちでもいいし、ひかる達もカッパード達も互いに正しいこと(現実)を言っています。それが現実である以上、どっちも起きるし、そこでの反応はそれぞれの世界観に基づいて解釈される。いくらテンジョウがえれなに人の冷酷さ、それに対する怒りを訴えても、それを克服した経験を持つ彼女が共感すれど前向きな発想に辿り着くのはそういうことです。これは内的な指向性なので意識しないとほぼオートでそうなります。
今回の敵は前作と同様被害者の会ですが、前作と違うのは今作の敵はそれで現実を投げているわけではないことです。大切な人を失ったからこんな世界止めてしまえ!って言ってるわけではなく、お前らがクソならこっちにも考えがある!って言っているだけです。そういう意味では実は前向きです。だから彼らの言葉は真実を語っていて時折ひかる達に刺さるわけです。彼女達の知らない世界や見過ごしている側面を彼らは知っているから。
このアニメの世界は割とダーティで、だからこそカッパード達の主張は真実味を持ちます。ここに本作のフェアな姿勢があります。ひかる達とは異なる生まれ、生き方をしてきた人がいるという事実です。
前作HUGは自分にも不幸が訪れるかもしれない、いつなんどき躓くかもしれないという不安や恐れがありました。それに耐える強さ、前向きに進むことが求められました。本作はこれと異なります。自分は幸福でも相手が不幸かもしれないのです。その結果、似ても似つかない世界観を持つ。どちらも同じ宇宙に生きているのに。この「違い」や「差」を書く必要が本作にはあります。そしてその違いや差を(ひかる達の世界観に基づくなら)善悪の物差しで測ってはいけません。
だからこの物語はなにより知らなければならないのです。人の善意も悪意も。世界の優しさも過酷さも。自分と違う人、自分が知らないものを。でも相手は自分の生い立ちをペラペラとしゃべってくれるとは限りません。異なる世界観をいきなり見せつけられる。そこから手繰り寄せなければいけない。
人の世界観は現実から取捨選択された抽象画です。つまり歪です。楽観的であっても悲観的であっても。しかしその世界観が現実に作用するのもまた現実です。子ども達がどのように成長するかが世界を規定する。実に子ども向け番組らしいダイナミズム。これぞプリキュアの醍醐味です。
①えれな回だと思った? ざ~んねん! テンジョウ回でした!
お目当てのトゥインクル・イマジネーションを見つけてテンションアゲアゲな一同。目標達成。これで星も元通り。案の定招集がかかります。
プリンセスからもお墨付きをいただきます。ところがどっこい! トゥインクル・イマジネーションは一つじゃありません! 5個集めてくださーい! いい加減こいつら罷免できないの? 詐欺罪で逮捕できないんですか? 特権階級なの? 重要なことは何も教えてくれないくせに後から付帯事項増やすのなんなの。個人回で回収するの知ってたけどさ。
それぞれのトゥインクル・イマジネーションを探そう!と瞳を輝かせるひかる。君のそれが見つかるのたぶん早くて年末だろうね。
映画宣伝仕様OPその3。ちなみにユーマは第一形態コンペイトウ、第二形態しっぽ付き、第三形態しっぽ無し……と細かく形を変えていきます。蟹座の髪型可愛い。
学校対抗英語スピーチコンテストの代表としてえれなが選ばれます。校長暇そう。クラスからの信頼も篤くえれなも張り切ります。
プリキュアに先を越されましたがイマジネーションは5個なのでまだ余裕のノットレイダー。ところでダークネストさんは蛇つかい座疑惑がありますが、正直に話してくれていいんですよ。既得権益を守りたいプリンセス達にハブられたって。あいつらはマジで汚い奴らなんだと。プリキュアに面倒な仕事やらせてる間、自分達はボードゲームやりながらピザ食ってるような連中ですからね。プリンセス土下座謝罪会見期待してます。
今回はテンジョウが出撃。毎回のんびりしているノットレイダーですが、こちらも時間制限はあるらしい。
地球に降り立つテンジョウ。後を追ったカッパードが作戦を訊ねます。彼なりにちょっと気になるらしい。以前の経験から変身前のプリキュアに近づけばいいと判断したテンジョウはへんしんじゅを使います。そーいやそんな便利アイテムあったな。
今年こそ優勝!とスピーチコンテストに燃える校長。えれなを選んだのも彼の肝入りでしょうか。
部屋に入ってくる見慣れぬ女性。ツカツカと歩み寄ってくるとコンテスト優勝を請け負います。
全校集会で集まったもののなかなか始まらず生徒達がザワつき始めます。校長が行方不明。すると先程の女性が演壇に立ちます。特別講師のジョー・テング。よろしくね、可愛い駒ちゃん達。サービス問題かよってくらい自分からヒント出してくれます。
その呼び方に聞き覚えがあるひかる達。母国語で生徒を「コマチャン」と呼ぶ。ララといい外国って言っとけば何でも許されると思ってないか? そのままの勢いで生徒達に「コマチャン」と復唱させます。堂々としてればバレない理論。えっと、ご出身は? 宇宙に目を向けろと話を逸します。
全てが奇抜なジョー先生に生徒達は何かすげぇ!と取り込まれていきます。「キラやば~!」「オヨ~!」とこれまで38話分の経験をドブに捨てるプリキュアさん達。まどかは引っかかりを覚えますが役に立ちません。こういう時にユニが居ると心強い。ツッコミ役の大事さがわかります。
英語の授業も難なくこなすジョー先生。どうやら首につけたチョーカーが翻訳機になっているっぽい。ここの英文は有名なキング牧師の一節のようです。
計画は順調。1ミリもこちらを疑わないプリキュアにテンジョウはほくそ笑みます。と油断していると突然えれなから声をかけられてびっくり。先程のスピーチに感銘を受けたらしく自己紹介とともに握手を求められます。プリキュアから近づいてくれるなら好都合。しかし握手には応じません。ちなみに握手やお辞儀などの挨拶は文化圏によって大きく分けられるようで、日本や東南アジアでは非接触型の挨拶が歴史的には主流のようです。これは同質性や同文化のためです。言わなくてもわかるよねってやつ。逆に欧米などではそれが薄いので接触型の挨拶によって相手の信頼度を確認しているという話です。なお、握手は通常男性から女性には行わないそうです。逆ならOK。
学校を案内して欲しいと話題を変えます。
案内されながらジョー先生は校長からの特命で指導することになったと説明。するとえれなは少し悩んでいたと打ち明けます。上手く考えが纏まらない。家族のことを書こうと思っている。関心なさそうに聞き流していると生い立ちを訊ねられてハッとします。幹部では唯一過去が不明な彼女。綺羅びやかな街と軽薄そうな人々。それを疎ましそうに見つめる少女の姿。
立ち止まっていると心配されますが何でも無いと記憶を振り払います。ちょうど昼食の時間。ひかる達がやってきて誘います。チャンス。
フワが木陰で昼食をとっている隙を狙っていると、大量の女子生徒達がえれなを取り囲みます。コンテスト出場を聞いて集まってきたらしい。声援に答えるえれな。その笑顔が癪にさわるジョー先生。注意が逸れてしまいフワ確保は失敗。へんしんじゅの残り時間もわずか。一旦出直し。
姿を隠しながらえれなに敵愾心を募らせるテンジョウ。……あれ、これテンジョウ回になってね?
②ジョー先生の教え
放課後、スピーチの原稿をジョー先生に見せます。
笑顔でいればどんな人とも繋がることができる。それをテーマに書いた。それを聞いたジョー先生は高笑い。あなたはお子ちゃま。凄いヒント。でもえれなはそれどころではありません。ジョー先生は続けます。あなたは周りの人が嫌いになったり笑顔を信じられなくなったりしたことがない?
条件反射的に否定しようとしてふと思い出します。小学校の頃に悩んだことがある。このアニメは突然アクセル踏むので注意。男の子達にからかわれて孤立した記憶。なんで自分だけが他のみんなと違うんだろうって。そう、それこそが真実! その時の辛い気持ちを書くのだ。心に嘘をついてはダメ。苦しい思いを、怒りを、悲しみを。そうすれば人の心を打つスピーチができる。あながち間違ってないから困る。その言葉に衝撃を受けたえれなは沈黙。内心勝ち誇るテンジョウ。おべんちゃらなんて使ってんじゃね―ぞ、一皮剥けばみんな同じだ的な感じですね。ところで当初の目的(フワ確保)を忘れてません?
スピーチコンテスト当日。
いよいよえれなの番。珍しく緊張しています。お題は「Smile connects people with each other」。笑顔は人をつなぐ(グーグル訳)。
えれなに応援をおくるひかる。期待が膨らみます。別な意味で期待するジョー先生。
深呼吸して、話し始めるえれな。そのまま英語で話しても幼女どころかほとんどの視聴者がわからないので日本語訳でスピーチ。小学生の頃に触れて聴衆の関心を惹きます。ジョー先生大満足。テンションアゲアゲです。「でも」
そこで家族が気づかせてくれた。こんなに楽しくユニークな家族はどこにもいない。だからこそ世界に1つだけの宝物。それから一転して違うのは自分だけではないことに気づき始めます。それぞれ素敵な個性があってその人を輝かせている。どんな人とも笑顔で接することができるようになった。その笑顔はみんなにも広がっていった。私はこれからもたくさんの人と出会い、交流を深めていきたい。スピーチを終え会場からは拍手が贈られます。冒頭に悲劇性を入れることで関心と説得力を持たせる良いスピーチ。ジョー先生のアドバイスは的確でした。
ちっげーよ!!!
お前は何もわかってない。笑顔が人と人を繋げる? ふざけないで! 机を叩いて激情を顕にするジョー先生。この人絶対仕事忘れてるわー。
えれなも客席も呆然。でもそんなのテンジョウには関係ねぇ。ここでノットレイ達を召喚するわけではないのでここで騒ぐ必要性は薄いと思いますが次回への布石といった感じですね。えれなのスピーチで感銘を受けたように見える人々ですが、ではいざ異邦人を見たときにどう対処するのか。幹部側の内情が吐露されるのと平行して主人公側の立場もまた変わっていくのは終盤感あっていいですね。今作は珍しく幹部の増員や交代がないので物語に絡む主要人物として配置されている印象を受けます。
テンジョウの記憶。笑い顔を浮かべる人々を冷ややかに見つめる少女。どうやらこの星ではおべんちゃらを使うのが常識のようです。当然裏では人を小馬鹿にしているであろうことは明白。そんな嘘と偽りの世界からドロップアウトした……といったところでしょうか。カッパードやアイワーンと比べるとちょっとわかりにくい描写かもしれません。
人は結局うわべだけ。この宇宙には上か下かしかない。彼女にとって笑顔は何も語っていないに等しい。言うだけ言うと会場を飛び出していきます。余計な被害を出さない配慮ができる幹部の鏡。まっ、本来の仕事忘れてるんですけどね。
えれなが後を追うと丁度へんしんじゅの効果も切れてネタばらし。
ひかる達とユニが合流。ユニはたぶん気配遮断と情報収集スキル持ち。
ショックを受ける間もなく戦闘開始。姿を消していた校長はノットレイになっていました。そんなことよりユニの絶対領域が気になりますが、残念ながら変身のお時間。
大量のノットレイは仲間が引き受け、ソレイユは校長とタイマン。力負けするとコスモが助太刀に入ります。笑顔笑顔って何そんなにムキになってるの? 流石コスモさん良いツッコミです。状況的にはテンジョウが過剰反応している。図星を刺されて苛立つテンジョウ。
しかしそんな彼女にソレイユは感謝していると答えます。あのスピーチができたのはアドバイスのおかげ。テンジョウにとって笑顔は嘘の仮面ですが、えれなにとってはそうではない。いくらテンジョウが唆そうとしてもえれなの世界観的に闇落ちはしません。というか、この人も何だかんだ言って正直ベースで生きたいって思ってるんじゃないかと思うので一周回ってプリキュアと話しが合う気がするんですが、どうなんでしょう。
これまで見てきた印象からすると敵幹部はみんな真面目だったり頑張り屋だったり不正や悪徳を嫌ってて、オメーらが俺達から奪うなら俺達もオメーらから奪ってやるわ理論で動いているだけですからね。難民だし。ノットレイダーは敵は敵なんだけど、利害を一致させられないこともないポジション。この意味でトゥインクルの敵対関係はゆるいです。ひかるもそうだし、アイワーンのときもそうですが、敵から学ぶことが多いのもそれを強調しています。そもそも作中でノットレイダーは絶対悪で、宇宙の人々を支配し、悪政を強いている、これを倒さなければならない、みたいな話してないですからね。ひかる達からすると何かよくわかんないけどフワを狙う人達、程度にしか思われてないんじゃないでしょうか。だからアイワーンみたいに折り合いをつけられるし、本人達の意思で関係を変えられる。このゆるさが主人公達がコントロールできる余地にもなっています。初代やS☆Sで敵幹部を懐柔しようとして失敗しているのは物語の構造上この余地がないからです。敵にも理由があるんです系はバトル面でカタルシスを減じてしまうデメリットがありますが、敵味方含めて大きく構造を変化させられるのでマクロ的に語るのに適しています。
笑顔には凄い力があると笑顔じゃない顔でノットレイを投げとばすソレイユ。それはそれ、これはこれ。
みんな今でプルンス! みんなの想い!重ねるフワ~! 今週も販促タイム。……じゃ、ねーよ! あれ、なんか忘れてない? ソレイユ光ってませんよ? 進めちゃって良いんですか!? 今回一番の衝撃。まさかのトゥインクル・イマジネーション不発。
なお校長はスルーの模様。誰かフォローしてやってください。
人望が無さそうな校長に代わって教頭がコンテスト結果を発表。優勝は天宮えれな。
えれなは指導してくれたジョー先生にも触れてお礼を言います。敵対者ではありますが、彼女が語った言葉には真実があります。もちろんそれをそのまま使う必要はなく、えれなはえれななりの世界観と解釈でもって使えばいい。アイワーン-ユニルート以外にもえれな-テンジョウルートが開拓されてきました。
なお校長は蚊帳の外。
一方その頃、……………内閣府宇宙開発特別捜査局。
職員が局長を呼びます。映像に映し出されたのはノットレイを見上げるララ、そしてプルンスとフワの姿。
③次回予告
ララが宇宙人!→騙したな!→合法→ララちゃん最高! までがセット。
○トピック
やっぱララちゃんが主役だってはっきりわかんだね。
他のキャラに美味しいところ持ってかれることに定評があるえれなさん。ついにトゥインクル・イマジネーションにも見放される。スタッフはララへの愛情の100分の1でもいいからえれなにも分けてあげてください。
とはいえ、如何にもな展開でありながら覚醒イベントがこなかったのでここからさらにどう盛るのか、期待値も上がります。最近は個人回を兼ねた幹部回の色合いも強く、ここでララの正体バレを持ってくるのは良い流れ。ララの愛され力が試されます。負ける気がしませんが。
物語としては、主人公達の世界観と敵の世界観が混ざり合う展開。主人公達の世界観は概ね性善説に近い世界観です。人は分かり合える。違いを認め合える。力があるならそれを弱き者のために。成長とともにその世界観も広がっています。もちろんここにはユニも加わりますが、ここまで何とか折り合いがつく形になっています。これに対して敵側はその逆で、アイワーンも着地点が見えてきています。
世界観という言い方をしているのは、これはモノの見方であってどっちが正しいとかの次元ではなく、その人がこれまで生きてきた過程、現実解釈、これから生きていく指針のことだからです。ぶっちゃけどっちでもいいし、ひかる達もカッパード達も互いに正しいこと(現実)を言っています。それが現実である以上、どっちも起きるし、そこでの反応はそれぞれの世界観に基づいて解釈される。いくらテンジョウがえれなに人の冷酷さ、それに対する怒りを訴えても、それを克服した経験を持つ彼女が共感すれど前向きな発想に辿り着くのはそういうことです。これは内的な指向性なので意識しないとほぼオートでそうなります。
今回の敵は前作と同様被害者の会ですが、前作と違うのは今作の敵はそれで現実を投げているわけではないことです。大切な人を失ったからこんな世界止めてしまえ!って言ってるわけではなく、お前らがクソならこっちにも考えがある!って言っているだけです。そういう意味では実は前向きです。だから彼らの言葉は真実を語っていて時折ひかる達に刺さるわけです。彼女達の知らない世界や見過ごしている側面を彼らは知っているから。
このアニメの世界は割とダーティで、だからこそカッパード達の主張は真実味を持ちます。ここに本作のフェアな姿勢があります。ひかる達とは異なる生まれ、生き方をしてきた人がいるという事実です。
前作HUGは自分にも不幸が訪れるかもしれない、いつなんどき躓くかもしれないという不安や恐れがありました。それに耐える強さ、前向きに進むことが求められました。本作はこれと異なります。自分は幸福でも相手が不幸かもしれないのです。その結果、似ても似つかない世界観を持つ。どちらも同じ宇宙に生きているのに。この「違い」や「差」を書く必要が本作にはあります。そしてその違いや差を(ひかる達の世界観に基づくなら)善悪の物差しで測ってはいけません。
だからこの物語はなにより知らなければならないのです。人の善意も悪意も。世界の優しさも過酷さも。自分と違う人、自分が知らないものを。でも相手は自分の生い立ちをペラペラとしゃべってくれるとは限りません。異なる世界観をいきなり見せつけられる。そこから手繰り寄せなければいけない。
人の世界観は現実から取捨選択された抽象画です。つまり歪です。楽観的であっても悲観的であっても。しかしその世界観が現実に作用するのもまた現実です。子ども達がどのように成長するかが世界を規定する。実に子ども向け番組らしいダイナミズム。これぞプリキュアの醍醐味です。
第38話「輝け!ユニのトゥインクルイマジネーション☆」
○今週の出来事
①星読みのハッケニャーン
トゥインクルイマジネーションの分析が完了したと告げるAIさん。
新しい情報が入るのかと期待。結論から申し上げますと……なんの成果も得られませんでした―!!
知ってた。こうなれば奥の手。星読みしかないと話すユニ。占星術。
映画宣伝仕様OPその2。世界観光編。セレーネが弓を横に構えてるシーン好き。
暗闇の中でうずくまる少女。光。
重い扉が開かれるとガルオウガが歩み寄ってきます。あ、やっぱりお前いいヤツじゃん。
反応音で目が覚めるアイワーン。プリンセスの力の点滅。狙いはあくまでコスモ。彼女の復讐は燃え続けます。
ウラナイン星に到着。
ここは占いが盛ん。ユニが案内。あ、ちなみに今週から冬服です。彼女達が訪れたのは町外れにある小さなテント。宇宙一の占い師という割にこじんまりとしていると感想を漏らすプルンス。私の中では宇宙一。お前の中での話しかよ。つっこまれるとうっせーと返されます。大丈夫か。
物音に気づいて中から人が。見覚えのある顔。ひと目で盲目とわかります。ハッケニャーンと名乗った人物は目は見えないが心の目ですべてお見通しなのだ!と啖呵を切ります。……明後日の方向に。ユニ完全敗北。まどかさんの生温かい目が刺さる。
テイク2。大事なことなので何回も言いました。そこはかとない不安感を覚える。みんなの気持ちを代弁するプルンス。バケニャーンの元ネタ愉快な人だった。当たるも八卦、当たらぬも八卦。とにかく占ってもらおうとえれな。なんかもう信じてない感。
探しものはトゥインクルイマジネーション。聞き覚えがあるのか反応するハッケニャーン。見つかれば故郷が元に戻る。プリキュアでは割と珍しいことなんですがユニの目的はあくまで故郷の復興です。故郷が滅ぼされるのはよくある設定だけど大抵はボスを倒すことに置き換わります。でも本作は敵を倒すことは眼中にありません。目標設定はあくまで自分中心です。
準備の間、星を見上げるユニ。彼女の隣に座ったまどかとえれなが話しかけます。星読みが奥の手ってことはあまり気が進まない? 心の中を見透かされるようで苦手と正直に答えるユニ。非科学的とかそういうことではないらしい。
そこにオリジナルの星座を描いたひかるが見せにやってきます。久しぶりなネタだな。初心に戻るのは終盤感あります。それぞれの原点、原体験があぶり出されるからですね。フワはハッケニャーンにクッキーをもらったと喜びます。それマタ―クッキー。また分裂するのではないかと慌てて追いかけるララとプルンス。出処は彼だったらしい。大きくなったし平気でしょ。ダメ。全員から止められます。まどかさんのアホ面好きです。この子が一番アホに見える。それと私はララちゃんをペロっとしたいです。
楽しげなユニを見て憎らしさアップのアイワーン。
ハッケニャーンの姿を見て動揺。こいつどんだけバケニャーン好きだったんだ。
テントから出てきたハッケニャーンに準備が終わったのかと訊ねると「読む必要はない」と意外な言葉が返ってきます。
近くの山で野草を採りはじめるハッケニャーン。
付いてきたユニはどういうことかと非難がましく訊ねます。トゥインクルイマジネーションは運命の星かもしれないのに。
出会いの回想。そもそもユニが彼に会いに行ったのは生き残りの同胞の噂を聞いたから。ひと目見てアテが外れたことに気づくユニ。彼女の心を見透かしたように言葉を返すハッケニャーン。彼の星読みは彼に代わって依頼者が星を見る。占いに来たわけではない。そう答えるユニを無視して何が見える?と話しを進めます。先程の登場シーンと違って貫禄がある。頭上で輝く星。しかしユニは何も見えないと語ります。それを聞いたハッケニャーンは彼女が全てを失ったと悟ります。占いって洞察力が重要とかよく聞きますね。大抵依頼者自身が重要なヒントやシグナルを発している。故郷を滅ぼされた記憶が溢れてくると怒りもまた溢れるユニ。彼女の心中をほぼ正確に読むハッケニャーン。あまり会いたくないというのもわかる。彼は鏡のように自分を見せつける。
みなを戻す方法はある。運命の星を見つけろ。星空界よりもずっと遠くの空に輝く星。長い旅になりそう。彼女の背中を押すように彼は自分も若い頃は旅をしたと当時の姿を見せます。これがバケニャーンの元ネタ。これで星読みは終了。お代は…。お金持ってない。なら自分の代わりに宇宙を見て来てほしいと頼まれます。よくよくユニは指導者っぽい人と縁がある。
旅をしてきたユニにすでに運命の星を見つけていると伝えるハッケニャーン。お前の探し物は運命の星がいざなう。その先を問おうとして、会話は打ち切られます。
②星を失った人々
問答無用で発泡。
ユニ達を追い詰めながら、しかし追い詰められていくアイワーン。お前だけ何故…!
こっちも回想。幼いアイワーンが流れ着いたのはガルオウガ達が住む街。そこには様々な宇宙人達の姿。難民キャンプもだいぶ発展したようです。当然カッパードとテンジョウもすでに居ます。居場所がない彼女に居場所を与えるガルオウガ。見捨てた者達への怒り、憎しみを力に変えろ。ダークネスト教ですかね。ていうかアイワーンがストリートチルドレンとか設定重くないですか? 日曜朝8時半のアニメですよね? 土曜32時半と間違えてませんか? 先週に引き続き情報開示が加速してきました。
その後、メキメキと頭角を表したアイワーンは一般人向けのスーツを発明。これを着れば誰でも強くなれる。体型に違いがあったのは中の人の都合。人種が違いますからね。ハッケニャーンの件といい話しが一本に繋がってきました。さしずめアイワーンは科学班主任といった感じで明確な居場所を手に入れます。自分が捨てられた怒りと、自分は有能であるという誇り。
「お前が居場所を奪ったっつーの!」
彼女がただの弱者ならこれほどまでの葛藤や怒りは覚えなかったでしょう。誇りを傷つけられたこと、信頼を傷つけられたこと。カッパードもそうですが故郷を奪われるのは誇りを奪われることなのだ、という提起があります。最近の女児向けアニメレベル高ぇな。
一方ユニの視点。アイワーンを見つけた彼女は依然としてアイワーンがダークペンを使用し改良を重ねていることを知ります。危機感を持った彼女は若いハッケニャーンの姿になるとアイワーンに取り入ります。助手ができアイワーンの研究は加速。ユニにとっても探し物がしやすくなります。
お前だけは! 復讐に燃えるアイワーン。居場所を失ったこともありますが、バケニャーンは彼女にとって身内以外で自分を認めた人物だったことが大きいでしょう。親友だと思っていたらスパイだった。そりゃブチギレです。
アイワーンロボ23号。だいぶ改良進んだな。
居場所を奪われた者と故郷を奪われた者。奪い、奪い合う戦いの火蓋が切って落とされます。コスモ単独変身。
両者の力は拮抗。しかしもはや執念とも言えるアイワーンは鬼気迫るもの。全てを失った彼女に退路はありません。捨て身でかかってきます。この点、コスモは仲間や希望があるぶんだけそれがストッパーになります。蟹座、水瓶座、乙女座、魚座のコンボでアイワーンロボを迎撃。映画でも星座がいっぱいでるので予習復習しておきましょう。
プリンセスの力なんぞ超天才科学者の誇りの前でナンボのもの。新開発。石化光線。その攻撃にトラウマが蘇り膝をつくコスモ。みんなみんな石にしてやる! 何もかも奪われたアイワーンは何もかも奪う。こいつのガチっぷり幹部の中でも群を抜いてるよね。ここまでくるとスタッフのお気に入りなんじゃないかとも思えますが、アイワーンはひかる達よりも若い(幼い)設定のようなのでメタ的には視聴者寄りです。本来はレジーナと同じポジション。そう考えると半端なことをするのはかえって彼女達の気持ちを軽んじることになります。やるならキッチリやる。東堂いづみ節。
残ったコスモにトドメを刺そうとするとハッケニャーンが立ちはだかります。その姿に腰が引けるアイワーン。ハッケニャーンはコスモに示唆を与えます。遠い星を見上げているばかりでは足元の花の美しさに気づかない。その言葉にコスモは記憶が呼び起こされます。スターとの会話。知らないからこそ知ろうとするスター。足元を敢えて見る視野の広さ。
わけがわからないと引き金を引くアイワーン。コスモが砲身を蹴って弾道を逸します。
「許せない……!」
涙を浮かべてコスモを憎むアイワ―ン。一つ目妖怪だけどちゃんと感情表現できてるのいいよね。基本的に彼女は自分勝手で怒りを一方的にこちらに向けてくるだけで本人から説明は一切されません。捨て子だったのを難民キャンプに拾われて頑張って地位と信頼を手に入れたけどそれが全部おじゃんになって捨て鉢で復讐してます。なんて悠長な自伝は語りません。大事なことは語りません。それはユニも同じ。ひかる達にギリギリまで彼女も語りませんでした。語れないのです。それを開示すればより深く傷つきかねないから。話せばわかるというのは一面では真実です。ですが話せないことも強力な心理規制としてあります。相手の同情をひいて有利に話しを進める人がいる一方で、そんなことは絶対にできないという人もいる。
「あたいの居場所を失くしたお前だけは……! 絶対許さないっつーの!」
ここの鬼気迫ってる感凄い出てて素晴らしい。これまでのヘイトを帳消しにできるくらい追い詰められた感情が出てると思います。力の入れどころがわかってます。感情が強いからこそそこに同質性を見る。
アイワーンのむき出しの憎悪が自分と同じものであることに気づくコスモ。彼女の中に自分を見る。彼女達は合わせ鏡。人は大事なことを語りませんが、それが大事であればあるほど別な形で表出する。コスモはアイワーンを傷つけていたのだと悟ります。謎の発光現象が起きてビームを防御。
「ごめんニャン」
突然のセリフに目をむくアイワーン。なに謝ってる。今ならあなたの気持ちがわかる。何がわかる!? 苦しかったんでしょ?
「私……私、決めたニャン。あなたを……赦す!」
語尾にニャン付けするの失敗だったんじゃないかなーってスタッフも思ってたりしない? ララと違って浮いてる感あると思うんだけど。決めのシーンなのに微妙にギャグっぽくなってるよね、これ。本人真面目なんだけどさ。
ますますわけがわからないアイワーン。
「過去だけを見るんじゃなくて前に進んでいきたい」
「あなたと一緒に!」
自分だけじゃなくてみんなと一緒に未来に行きたい。
光がビームを覆い尽くすとアイワーンへと流れ込みます。その光の中でアイワーンもまたユニの心を見ます。プリンセスそろそろ仕事してください。この光こそがトゥインクルイマジネーション。でも商品じゃないので売れるものを宣伝します。
毒気を抜かれたように座り込むアイワーンにユニは手を差し出します。
行くところがないなら…地球に来ればいい。ユニの言葉を引き取るひかる。ロケットの部屋足りるのだろうか。
余計なお世話!と宇宙船に乗り込むとアイワーンはどこかへ行ってしまいます。彼女らしい反応にユニは笑います。
帰りのロケットの中でノートに絵を描くひかる。ひかるとユニの距離もさらに近づきました。
③次回予告
意外と似合ってる。
○トピック
個人回っていうか幹部回。
ヘイト特盛のアイワーンをどうするのかと思ったら追い詰める東堂いづみはブレない。
人は自分が見たいものを見る。古代ローマのカエサルも残している言葉ですがそれ故に人は他が見えなくなってしまうものです。これは種々の実験からも実証されています。
ユニとアイワーンの類似性がピックアップされていますが文脈的にはひかる達にも共通するものです。25話の「心の中の宇宙」が端的にそれを表しているように自身の心の変化・経験から他者理解を深めていく。これは大事なことですが本作は弱者救済の物語ではありません。ノットレイダーは難民の集まりで星を奪われ捨てられた人々の集まりです。だからといって彼らを救う理由はありません。別に興味もない(主人公達が関心を持たない)。
では何故ユニがアイワーンを赦すかと言えばアイワーンの中に自分を見たからです。自分のことで頭がいっぱいだった自分が彼女の中に居たからです。
本作の他者理解は自己の拡張、想像力を広げていくのがベースです。自分を理解してくれた、自分が理解できた、自分が変わってきたから人も変われると信じられる。突然異質なものを見て「それ良いね!」と容認するわけではありません。パッと見ひかるはそうしているように見えますが彼女も例外ではありません(最近の例だと桜子に理解がなかった)。多くの場合異質さの中に同質さを発見することで理解が深まります。この物語は弱者を救いません。同情しません。自分が見たいものを見る。その先に自分と同じものが他人にもあると知る。そのとき人は人を対等に見る。自分と同じ人間だから。とても身勝手ですよね。でも人間ってそういうものだと思います。それに面白いとも思います。よく幼児は自己と他者の境界が曖昧で区別がついていないと言われます。成長して他人が自分と違うと知る。でも人の中に自分を見るとより深い理解と敬意を持つ。本作は徹底しています。好きだから、知りたいから、私と一緒だから、私のワガママであなたを断じない。映画でも同じ。
トゥインクルはある意味ものすごく身勝手です。徹頭徹尾自分の気持ちで動いているからです。その気持ちが想像豊かで絶え間ない思考と真摯さがあるならそれで良いと本作は肯定します。つまり子どもの真剣さ、真摯さ、好奇心と向上心を信じています。だから説教しない。答えを自ら出すことができるから。善悪の判断もしない。アイワーンとの関係も彼女達が折り合いをつけていけばいい。このガチっぷりがプリキュアですよね。このぶっこみ方。最高にイカしてると思います。
視野を広く持て、人の気持ちになって考えろ、と人は言う。けどそんなのすぐにできるわけないんです。人は身勝手だから。一朝一夕にはできないし様々な葛藤も伴う。ひかるやユニがそうであるように。身体が少しずつ成長していくように、心もまた時間をかけて成長していくものです。1年という時間は物語の人物達はもちろんのこと、それを見る視聴者(子ども)にも必要な時間です。
①星読みのハッケニャーン
トゥインクルイマジネーションの分析が完了したと告げるAIさん。
新しい情報が入るのかと期待。結論から申し上げますと……なんの成果も得られませんでした―!!
知ってた。こうなれば奥の手。星読みしかないと話すユニ。占星術。
映画宣伝仕様OPその2。世界観光編。セレーネが弓を横に構えてるシーン好き。
暗闇の中でうずくまる少女。光。
重い扉が開かれるとガルオウガが歩み寄ってきます。あ、やっぱりお前いいヤツじゃん。
反応音で目が覚めるアイワーン。プリンセスの力の点滅。狙いはあくまでコスモ。彼女の復讐は燃え続けます。
ウラナイン星に到着。
ここは占いが盛ん。ユニが案内。あ、ちなみに今週から冬服です。彼女達が訪れたのは町外れにある小さなテント。宇宙一の占い師という割にこじんまりとしていると感想を漏らすプルンス。私の中では宇宙一。お前の中での話しかよ。つっこまれるとうっせーと返されます。大丈夫か。
物音に気づいて中から人が。見覚えのある顔。ひと目で盲目とわかります。ハッケニャーンと名乗った人物は目は見えないが心の目ですべてお見通しなのだ!と啖呵を切ります。……明後日の方向に。ユニ完全敗北。まどかさんの生温かい目が刺さる。
テイク2。大事なことなので何回も言いました。そこはかとない不安感を覚える。みんなの気持ちを代弁するプルンス。バケニャーンの元ネタ愉快な人だった。当たるも八卦、当たらぬも八卦。とにかく占ってもらおうとえれな。なんかもう信じてない感。
探しものはトゥインクルイマジネーション。聞き覚えがあるのか反応するハッケニャーン。見つかれば故郷が元に戻る。プリキュアでは割と珍しいことなんですがユニの目的はあくまで故郷の復興です。故郷が滅ぼされるのはよくある設定だけど大抵はボスを倒すことに置き換わります。でも本作は敵を倒すことは眼中にありません。目標設定はあくまで自分中心です。
準備の間、星を見上げるユニ。彼女の隣に座ったまどかとえれなが話しかけます。星読みが奥の手ってことはあまり気が進まない? 心の中を見透かされるようで苦手と正直に答えるユニ。非科学的とかそういうことではないらしい。
そこにオリジナルの星座を描いたひかるが見せにやってきます。久しぶりなネタだな。初心に戻るのは終盤感あります。それぞれの原点、原体験があぶり出されるからですね。フワはハッケニャーンにクッキーをもらったと喜びます。それマタ―クッキー。また分裂するのではないかと慌てて追いかけるララとプルンス。出処は彼だったらしい。大きくなったし平気でしょ。ダメ。全員から止められます。まどかさんのアホ面好きです。この子が一番アホに見える。それと私はララちゃんをペロっとしたいです。
楽しげなユニを見て憎らしさアップのアイワーン。
ハッケニャーンの姿を見て動揺。こいつどんだけバケニャーン好きだったんだ。
テントから出てきたハッケニャーンに準備が終わったのかと訊ねると「読む必要はない」と意外な言葉が返ってきます。
近くの山で野草を採りはじめるハッケニャーン。
付いてきたユニはどういうことかと非難がましく訊ねます。トゥインクルイマジネーションは運命の星かもしれないのに。
出会いの回想。そもそもユニが彼に会いに行ったのは生き残りの同胞の噂を聞いたから。ひと目見てアテが外れたことに気づくユニ。彼女の心を見透かしたように言葉を返すハッケニャーン。彼の星読みは彼に代わって依頼者が星を見る。占いに来たわけではない。そう答えるユニを無視して何が見える?と話しを進めます。先程の登場シーンと違って貫禄がある。頭上で輝く星。しかしユニは何も見えないと語ります。それを聞いたハッケニャーンは彼女が全てを失ったと悟ります。占いって洞察力が重要とかよく聞きますね。大抵依頼者自身が重要なヒントやシグナルを発している。故郷を滅ぼされた記憶が溢れてくると怒りもまた溢れるユニ。彼女の心中をほぼ正確に読むハッケニャーン。あまり会いたくないというのもわかる。彼は鏡のように自分を見せつける。
みなを戻す方法はある。運命の星を見つけろ。星空界よりもずっと遠くの空に輝く星。長い旅になりそう。彼女の背中を押すように彼は自分も若い頃は旅をしたと当時の姿を見せます。これがバケニャーンの元ネタ。これで星読みは終了。お代は…。お金持ってない。なら自分の代わりに宇宙を見て来てほしいと頼まれます。よくよくユニは指導者っぽい人と縁がある。
旅をしてきたユニにすでに運命の星を見つけていると伝えるハッケニャーン。お前の探し物は運命の星がいざなう。その先を問おうとして、会話は打ち切られます。
②星を失った人々
問答無用で発泡。
ユニ達を追い詰めながら、しかし追い詰められていくアイワーン。お前だけ何故…!
こっちも回想。幼いアイワーンが流れ着いたのはガルオウガ達が住む街。そこには様々な宇宙人達の姿。難民キャンプもだいぶ発展したようです。当然カッパードとテンジョウもすでに居ます。居場所がない彼女に居場所を与えるガルオウガ。見捨てた者達への怒り、憎しみを力に変えろ。ダークネスト教ですかね。ていうかアイワーンがストリートチルドレンとか設定重くないですか? 日曜朝8時半のアニメですよね? 土曜32時半と間違えてませんか? 先週に引き続き情報開示が加速してきました。
その後、メキメキと頭角を表したアイワーンは一般人向けのスーツを発明。これを着れば誰でも強くなれる。体型に違いがあったのは中の人の都合。人種が違いますからね。ハッケニャーンの件といい話しが一本に繋がってきました。さしずめアイワーンは科学班主任といった感じで明確な居場所を手に入れます。自分が捨てられた怒りと、自分は有能であるという誇り。
「お前が居場所を奪ったっつーの!」
彼女がただの弱者ならこれほどまでの葛藤や怒りは覚えなかったでしょう。誇りを傷つけられたこと、信頼を傷つけられたこと。カッパードもそうですが故郷を奪われるのは誇りを奪われることなのだ、という提起があります。最近の女児向けアニメレベル高ぇな。
一方ユニの視点。アイワーンを見つけた彼女は依然としてアイワーンがダークペンを使用し改良を重ねていることを知ります。危機感を持った彼女は若いハッケニャーンの姿になるとアイワーンに取り入ります。助手ができアイワーンの研究は加速。ユニにとっても探し物がしやすくなります。
お前だけは! 復讐に燃えるアイワーン。居場所を失ったこともありますが、バケニャーンは彼女にとって身内以外で自分を認めた人物だったことが大きいでしょう。親友だと思っていたらスパイだった。そりゃブチギレです。
アイワーンロボ23号。だいぶ改良進んだな。
居場所を奪われた者と故郷を奪われた者。奪い、奪い合う戦いの火蓋が切って落とされます。コスモ単独変身。
両者の力は拮抗。しかしもはや執念とも言えるアイワーンは鬼気迫るもの。全てを失った彼女に退路はありません。捨て身でかかってきます。この点、コスモは仲間や希望があるぶんだけそれがストッパーになります。蟹座、水瓶座、乙女座、魚座のコンボでアイワーンロボを迎撃。映画でも星座がいっぱいでるので予習復習しておきましょう。
プリンセスの力なんぞ超天才科学者の誇りの前でナンボのもの。新開発。石化光線。その攻撃にトラウマが蘇り膝をつくコスモ。みんなみんな石にしてやる! 何もかも奪われたアイワーンは何もかも奪う。こいつのガチっぷり幹部の中でも群を抜いてるよね。ここまでくるとスタッフのお気に入りなんじゃないかとも思えますが、アイワーンはひかる達よりも若い(幼い)設定のようなのでメタ的には視聴者寄りです。本来はレジーナと同じポジション。そう考えると半端なことをするのはかえって彼女達の気持ちを軽んじることになります。やるならキッチリやる。東堂いづみ節。
残ったコスモにトドメを刺そうとするとハッケニャーンが立ちはだかります。その姿に腰が引けるアイワーン。ハッケニャーンはコスモに示唆を与えます。遠い星を見上げているばかりでは足元の花の美しさに気づかない。その言葉にコスモは記憶が呼び起こされます。スターとの会話。知らないからこそ知ろうとするスター。足元を敢えて見る視野の広さ。
わけがわからないと引き金を引くアイワーン。コスモが砲身を蹴って弾道を逸します。
「許せない……!」
涙を浮かべてコスモを憎むアイワ―ン。一つ目妖怪だけどちゃんと感情表現できてるのいいよね。基本的に彼女は自分勝手で怒りを一方的にこちらに向けてくるだけで本人から説明は一切されません。捨て子だったのを難民キャンプに拾われて頑張って地位と信頼を手に入れたけどそれが全部おじゃんになって捨て鉢で復讐してます。なんて悠長な自伝は語りません。大事なことは語りません。それはユニも同じ。ひかる達にギリギリまで彼女も語りませんでした。語れないのです。それを開示すればより深く傷つきかねないから。話せばわかるというのは一面では真実です。ですが話せないことも強力な心理規制としてあります。相手の同情をひいて有利に話しを進める人がいる一方で、そんなことは絶対にできないという人もいる。
「あたいの居場所を失くしたお前だけは……! 絶対許さないっつーの!」
ここの鬼気迫ってる感凄い出てて素晴らしい。これまでのヘイトを帳消しにできるくらい追い詰められた感情が出てると思います。力の入れどころがわかってます。感情が強いからこそそこに同質性を見る。
アイワーンのむき出しの憎悪が自分と同じものであることに気づくコスモ。彼女の中に自分を見る。彼女達は合わせ鏡。人は大事なことを語りませんが、それが大事であればあるほど別な形で表出する。コスモはアイワーンを傷つけていたのだと悟ります。謎の発光現象が起きてビームを防御。
「ごめんニャン」
突然のセリフに目をむくアイワーン。なに謝ってる。今ならあなたの気持ちがわかる。何がわかる!? 苦しかったんでしょ?
「私……私、決めたニャン。あなたを……赦す!」
語尾にニャン付けするの失敗だったんじゃないかなーってスタッフも思ってたりしない? ララと違って浮いてる感あると思うんだけど。決めのシーンなのに微妙にギャグっぽくなってるよね、これ。本人真面目なんだけどさ。
ますますわけがわからないアイワーン。
「過去だけを見るんじゃなくて前に進んでいきたい」
「あなたと一緒に!」
自分だけじゃなくてみんなと一緒に未来に行きたい。
光がビームを覆い尽くすとアイワーンへと流れ込みます。その光の中でアイワーンもまたユニの心を見ます。プリンセスそろそろ仕事してください。この光こそがトゥインクルイマジネーション。でも商品じゃないので売れるものを宣伝します。
毒気を抜かれたように座り込むアイワーンにユニは手を差し出します。
行くところがないなら…地球に来ればいい。ユニの言葉を引き取るひかる。ロケットの部屋足りるのだろうか。
余計なお世話!と宇宙船に乗り込むとアイワーンはどこかへ行ってしまいます。彼女らしい反応にユニは笑います。
帰りのロケットの中でノートに絵を描くひかる。ひかるとユニの距離もさらに近づきました。
③次回予告
意外と似合ってる。
○トピック
個人回っていうか幹部回。
ヘイト特盛のアイワーンをどうするのかと思ったら追い詰める東堂いづみはブレない。
人は自分が見たいものを見る。古代ローマのカエサルも残している言葉ですがそれ故に人は他が見えなくなってしまうものです。これは種々の実験からも実証されています。
ユニとアイワーンの類似性がピックアップされていますが文脈的にはひかる達にも共通するものです。25話の「心の中の宇宙」が端的にそれを表しているように自身の心の変化・経験から他者理解を深めていく。これは大事なことですが本作は弱者救済の物語ではありません。ノットレイダーは難民の集まりで星を奪われ捨てられた人々の集まりです。だからといって彼らを救う理由はありません。別に興味もない(主人公達が関心を持たない)。
では何故ユニがアイワーンを赦すかと言えばアイワーンの中に自分を見たからです。自分のことで頭がいっぱいだった自分が彼女の中に居たからです。
本作の他者理解は自己の拡張、想像力を広げていくのがベースです。自分を理解してくれた、自分が理解できた、自分が変わってきたから人も変われると信じられる。突然異質なものを見て「それ良いね!」と容認するわけではありません。パッと見ひかるはそうしているように見えますが彼女も例外ではありません(最近の例だと桜子に理解がなかった)。多くの場合異質さの中に同質さを発見することで理解が深まります。この物語は弱者を救いません。同情しません。自分が見たいものを見る。その先に自分と同じものが他人にもあると知る。そのとき人は人を対等に見る。自分と同じ人間だから。とても身勝手ですよね。でも人間ってそういうものだと思います。それに面白いとも思います。よく幼児は自己と他者の境界が曖昧で区別がついていないと言われます。成長して他人が自分と違うと知る。でも人の中に自分を見るとより深い理解と敬意を持つ。本作は徹底しています。好きだから、知りたいから、私と一緒だから、私のワガママであなたを断じない。映画でも同じ。
トゥインクルはある意味ものすごく身勝手です。徹頭徹尾自分の気持ちで動いているからです。その気持ちが想像豊かで絶え間ない思考と真摯さがあるならそれで良いと本作は肯定します。つまり子どもの真剣さ、真摯さ、好奇心と向上心を信じています。だから説教しない。答えを自ら出すことができるから。善悪の判断もしない。アイワーンとの関係も彼女達が折り合いをつけていけばいい。このガチっぷりがプリキュアですよね。このぶっこみ方。最高にイカしてると思います。
視野を広く持て、人の気持ちになって考えろ、と人は言う。けどそんなのすぐにできるわけないんです。人は身勝手だから。一朝一夕にはできないし様々な葛藤も伴う。ひかるやユニがそうであるように。身体が少しずつ成長していくように、心もまた時間をかけて成長していくものです。1年という時間は物語の人物達はもちろんのこと、それを見る視聴者(子ども)にも必要な時間です。
映画「スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」
①星の欠片
今年の説明兼被害者はプルンス。お前の便利さほんと便利だよな。
宇宙のどこかで星が爆発すると小さな星の欠片がたくさん飛んでいきます。
OP主題歌と同時に戦闘開始。キャラ紹介のためだけに登場したテンジョウさんお疲れさまです。途中流星群に遭遇。本編でも登場したアン警部補も加わり戦闘はワンサイドゲーム。消化試合のごとくフワビームで処理。
戦闘が終わって挨拶もそこそこにアンはユニを逮捕しようと追いかけます。何気に宇宙服を着なくてもマスクして空気吸えれば活動できるアンは汎用性が高い種族。ユニはロケットに乗って逃亡。彼女を追ってアンもどこかに。ミラクルライトを落としていくのはご愛嬌。残されるプリキュア。……どうやって地球に戻るんだろう。フワのワープか、直で落ちるのか。そしてララは家なき子に。
朝。目覚ましのベルが鳴ってもなかなか起きないひかるとララ。部屋の様子を見ると地図やら何やらが広げられていてだいぶ遅くまで起きていたらしい。後述する有名スポット巡りはこれを参考にしたのだろうと思われます。起きない2人に代わってコロコロと部屋を転がるコンペイトウのような星の欠片。スタードロップ。何やら怪しい人達も狙う貴重なお宝らしい。
ようやく目を覚まして時計を見てビックリ。遅刻してしまう。
走りながらまどかやれいなの家の方が良かったとボヤくララ。残念なことに上級生組は修学旅行で沖縄。必然的にひかるの家しかありませんでした。まどかの家だったら父親が娘と仲良くしてくれと過剰な粗品渡しそう。
時間が無かったので朝食も取れずお腹が減ってしまい座り込む2人。ここで久々のグミの出番。さっそく食べようとしたところでひかるが持っているのはグミでないことに気づきます。謎の音とともにワープ。
学校に不時着すると遅刻しなくてラッキー♪ じゃねぇよ!!と素早い動きでスタードロップを捕まえるララ。
一体これは何なのか。UMAではないかと興味津々のひかる。UMAとは「Unidentified Mysterious Animal」の略。初めて知った。ちなみに和製英語らしい。きっとオカルトブームのときに作られたんだろうなぁ。
流星群に紛れ込んでいたようなので宇宙生命体ではないか。さらに興味津々のひかる。この子に正体不明要素は燃料でしかない。対照的にララは警戒を強めます。初見では冒険派なひかると慎重派なララは物語初期を思い出しますね。ひかるの手付きいやらしい。是非私で試してほしい(懇願)。
たまたま通りがかった猫が実験台に。口の中に入るとトゲトゲを伸ばして自衛。威嚇するように佇むスタードロップに、ひかるは怖がっているだけだと慎重に近づいていきます。なだめると大人しく従ってくれます。
家に帰るととりあえず何か食べさせようとお菓子を広げます。が、食べる様子はありません。ララよりも友好的なひかるに懐きます。独特で不思議な鳴き声。ひかるがミラクルライトを振りながら沖縄に行きたいな~とつぶやくとそれに反応してワープ。窓枠が外れたけど家族は何事かと思ったんじゃないだろうか。
②沖縄観光
一気に沖縄に到着。学校のときもそうだったけど、何度も叩きつけられても平気なひかる達は流石プリキュア。
何故沖縄に? フワ? 違うフワ。ならあの子が? それなら実験してみようと言い出したひかるは視界の先にある灯台を目的地に定めるとミラクルライトを持って念じます。
ドンピシャ。見晴らしもよく最高。足元が不安定なことを除けば。すぐさま移動。
実験の結果、ライトとスタードロップのセットでワープ移動が可能。フワ用済みのお知らせ。8,100円の消費期限早かったな。それならとララも試してみますがどうやら嫌われてしまっているのか無反応。面白くなさそうにむくれるララちゃん可愛い。まあ、まあ、とひかるがとりなすと折角沖縄に来たのだからえれなさんとまどかさんに会いに行こうと話題を変えます。
上級生組はスキューバダイビング中。海の中を楽しんでいると突然ひかる達が転送されてきてビックリ仰天。ワープ先はちゃんと考えよう。
危うく溺れかけたとスタードロップを非難するララ。自分の言うこと聞いてくれない件といい面白くありません。これはララの初動が悪かったのも影響しているんですが。ひかると違いララは場合によっては初対面がスムーズにいかない場合があります。それは彼女が感じやすく防衛反応が出やすいからですね。ひかるのお祖父ちゃんのときのように物怖じしないときはしない反面、不安や自信が無いときは受身的な態度を取りやすい。
ララの感情に反応して攻撃的な態度になったのを見たひかるはすぐさまララを庇いながら「ダメ」と毅然とした態度で注意。ひかるが直感的と言えるほど良い反応するのはおそらく洞察力が高いせいです。処理のレスポンスが早い。ただこれも手放しに優れているかというと彼女の興味や意識に左右されることが多く、言ってしまえば当たり外れがある。ひかるにしてもララにしても優れた面を持つ一方で、幼さ未熟さ視野の狭さに引きづられることも多い。本編でもそうですが割と状況に左右されやすい。キャラが安定していないんじゃないの?という見方もできますが、私は成熟さと未熟さが混在していると捉えます。
怒られてしょんぼりしたスノードロップはどこかへ行ってしまいます。それを追いかけるひかる。何も逃げなくてもいいのに…。ララはやりきれなさそうに佇むと落ちていたライトを拾って後を追います。多少イラついても本気で相手を憎めないララは正真正銘の良い子。はい、この時点でこの映画はララ主体であることがハッキリとわかります。
捜索という名の沖縄観光。ガイドブックに載っていそうな場所をグルグル。沖縄行ったことがあるけどここで映ってる場所には全然行ってなかったなー。
途中でひかるは上級生組と合流。今回の映画はひかるとララ以外は脇役と言って過言ではありません。ユニに至っては宇宙逃亡させている。なかなか割り切った構成。
ライトが探知機のような働きをすることに気づいたララはそれに従って捜索。ほどなくして雑貨屋の前でオルゴールを聴くスノードロップを発見。思わず顔が綻びますがそれに気づくとしかめっ面を浮かべます。わかりやすい。ようやく見つけたと引っ張っていこうとするとこれまた彼女を無視するように言うことをきいてくれません。
とりあえず人気のない花畑まで移動。逃げ出そうとしたスタードロップと押し問答の末、尻もちをつくララ。悪態をつきながら地球人に異星人であるとバレてはいけないと説明します。それに知らない人に連れて行かれたらどうする? みんなひかるのような人ばかりではない。ここのセリフは若干飛躍感がありますが、どうやらスタードロップを小さな子どもに見立てているようです。歩くときに音が鳴るのも小さい子が履いている靴を彷彿とさせます。このポジションで珍しいのは言語を解さない点。普通幼児語でもいいんでしゃべるんですが一切しゃべりません。この辺結構チャレンジングだなと思います。後々お別れシーンが出てくるように色々重ねられる対象になっています。言語によるコミュニケーションがほぼ介在しないので心理描写はもっぱらララ側になり、やはりその点でもこの映画は彼女を主役に据えています。ちっちゃい子を預かったとき、動物を拾ったとき、の子どもですね。
言いながらララは自分が涙を流していることに気づきます。溜め込んだ感情が表に出た時に初めてそれを意識する。自分のこと。相手のこと。ごちゃ混ぜになった感情のまま彼女は踵を返すとスタードロップを置いて歩きだします。するとスタードロップは後をついていきます。振り払おうとすると泣き出してしまい、困ったララは先程オルゴールを聴いていたことを思い出しその曲を真似て歌います。子守唄のように奏でられる歌。泣き止むとララも冷静になり一緒に帰ります。落ちたな。これがララちゃんの人心掌握術。ただ不器用なだけなんだけどね。でもそこが逆に彼女の良いところでもあって、ある意味隙が無いひかると違ってララは感情の表出が多く伝わりやすい。言葉よりも表情見てる方が伝わりやすいくらい。たびたび言っていますが、ひかるよりもララの方が友達作りが上手いと思うのはそういうところです。ひかるは感情が読めないときやクレバーに見えることがある。ララは人一倍感じやすく人懐っこいところがあって、それが親近感になりやすい。「ルンちゃん」というあだ名も決して語尾だけが原因ではなく彼女のそうした柔らかさ、親しみやすさが背景にあるからだろうと思います。天性の愛されキャラですね。
夕方。
ひかる達はまだ見つからないララ達を心配。そこにララが帰ってきます。
ララとスタードロップがすっかり仲良しになって安心するひかる。ここまで「あの子」呼びしていましたが名前が無いと不便。UMAから取ってユーマと名付けます。お近づきの印にと例のオルゴールをプレゼント。シーサーの前で記念写真を撮って解散。
浜辺で夜空を見上げます。プラネタリウムのように綺麗な星々。宇宙に行っててプラネタリウムもないだろうに、とも思いますが実際にプラネタリウムに連れて行ってもらった子も少なくないようで想起しやすいシーンのようです。本編でもそうですが子どもにわかる表現を使っていますね。
ゆっくりした時間が過ぎていきます。この映画情緒的なシーンが多い。一緒に過ごしている時間を丁寧に描くのはいいけど、子どもからすれば退屈なんじゃないかと思いましたが劇場の反応はそれほどでもなかったようです。どのみち30分過ぎてくると集中力なくなるし。
オルゴールの曲に聞き覚えがあるひかるは流れ星の曲だと話すと歌います。映画のサブタイトルにもあるように歌がポイントになっていて、終盤に歌っているのもその流れのようです。最初見た時なんぞ!?と思いましたが。ユーマも星を見上げながら歌います。宇宙に帰りたいのでは?
時間も時間なので一旦帰宅することに。しかしまだまだ遊びは終わっていません。
③プリキュアvs宇宙ハンター
今度は窓枠を外さずにワープ。ナスカの地上絵を皮切りに世界中の名所、不思議な土地を巡っていきます。ネットで見た。マラカイボの灯台が音を発しないのは不明らしい。
ようやく追跡劇が終了。アン警部補の粘り勝ち。追い詰めたところでしかしアンはミラクルライトを失くしたことに気づいて焦ります。同じタイミングで不審な宇宙船を多数目撃。照合するとハンター達の船であることが判明。危機感を募らせるアン。話しについていけないユニは首を捻るばかり。
修学旅行も終わるので今度はみんなで遊びに行こうと張り切るひかる達。
突如巨大な宇宙船が現れ喜ぶひかる。そんな場合じゃない。事実宇宙船の中にいるのは敵対的な宇宙人達。観星町をスキャンして目的のモノをサーチ。一般人は眠ってしまいます。戦闘のための下準備。変身アイテムの謎防御機能。が、それも宇宙人からすれば目立つ結果に。遭遇。
ユーマを狙う炎使い。その他にもぞろぞろ。不意を突かれピンチに。当然みんなスタンバっているのでナイスタイミングで合流。ユニかっけぇ。映画館で観る変身バンクは格別。歌がついていると華があって見栄えが良い。
ちょうど敵は5人。コスモにペンを渡すと、それぞれ分散して戦うことに。
実質的な主役だけあって戦闘の作画も良いミルキー。相手は変幻自在に姿を変えるハイドロ。電撃も効きません。
デカブツの相手をするコスモ。敢えて相手の宇宙船で戦うことで攻撃の手を緩めさせる狙い。狡猾なコスモらしい作戦。が、そんなこと気にせずガシガシ攻撃してきて予定が狂います。やはりこいつも必殺技が通じません。プリンセスの力しょぼいっすよね。
メカ型の宇宙人と対戦するセレーネ。遠距離射撃で勝負を挑むも火力負け。ソレイユは影に潜む敵を相手に苦戦。
スターは炎使いのバーンと一騎打ち。火力が高く防戦一方のスター。必殺技同士の対決でも後塵を拝してしまいます。
プリキュア全滅。
ユーマの正体はスタードロップ。星が消滅するときに生まれる星の種。宇宙最高のお宝。ハンター達がこぞって狙うように莫大な利益が得られる。お金が目的なら1人ドーナツ10個くらいで帰ってもらえないでしょうか。
ここでライト振れ振れタイム。子ども達も慣れたもので「お、ようやくきたか」な感じて腰を入れだすのほんと面白い。訓練されています。ただこの映画はあまりライト活用に積極的ではないので実質ここくらいしか振る機会がありません。これは作品によっても違うんですが、最初からどんどん振っていくものとそうでないものとで差があります。どっちが良いのかはわかりません。
プリンセスの力を憑依させて各々フォームチェンジ。ソレイユの髪型で遊んでる感。セレーネの山羊座フォームは結構似合ってると思う。戦闘は一転して逆転。ドレスアップした女の子は強いんです理論。プリンセスの力=必殺技のイメージですがバリア張れたり、捕縛したりと意外と小回りが利く。コスモはギャグ担当。倒した敵はアンが拘束。あれ、これアンの功績爆上げじゃね?
④好きだから、
宇宙ハンターも捕らえ万事解決……で話しは終わりません。
アンはユーマも連れて行くと言います。事情を知っているユニはちょっと同情的。スタードロップは成長すると本物の星になる。それを聞いてそんなに大きくなるの!?と驚くひかるとララ。また、スタードロップは周囲の影響を受けやすいので悪い影響を受けると危険な星になりかねない。そのためもあって星空警察で保護する。そもそも個人でどうにかできる代物ではありません。
しかしララは一緒に居る、大きくなったらユーマの星で暮らすと食い下がります。現実的ではないとプルンス。その間もえれなとまどかは両者のやり取りを目で追います。ララの気持ちもわかるので肯定も説得もしにくい。ノリ的には野生に帰そう、然るべき施設に預けよう的な感じ。突然そんなことを言われたララは困惑するばかり。ダダをこねるように反対する彼女にプルンスは呆れた声をあげます。
ひかるはどうなんだ。味方になってくれそうな彼女に期待の目を向けるララ。ところがひかるは先程から口を開きません。えれなもまどかも沈黙。自分との温度差、距離に愕然とするララ。ほんとララちゃん可愛い。愛らしさの塊っすわ。5人の中でこんなにも素直に、テンプレみたいな反応できるのはララだけ。だからこそみんなララを好きになる。彼女は正しい。だから間違う。
帰り支度を始めるアンを止めようとしたそのとき、捕らえられていたはずのバーンが拘束から抜け出すとユーマを捕獲。守るも奪うもそいつには関係ない。人のやること。だったら好きにすればいい。ここの彼のセリフもメタ的ですね。ここからもトゥインクルは善悪を問うていないことがわかります。悪意や恐怖を与えるのが悪で、その反対が善みたいなことは言いません。コレが模範的で正しいからこうしようなんてことも言わない。ダダをこねるララに対して上段から説き伏せないのも彼女の気持ちを汲んでいるからです。この物語はその都度その都度、彼女達が体験する中で学び・知り・考え・行っていくだけです。答え合わせはしない。こうなるためにこうする物語ではなく、こうしてきたからこうなる物語。彼の言葉は正しい。彼女達もまた同じことをしている。
止めようとしたララが攻撃を受けて吹き飛びます。たっぷりと悪意と恐怖を吸ったユーマは暴走&巨大化。宇宙へ飛ぶと巨大な惑星へと姿を変えます。その衝撃でバーンは行動不能に。細かい事後処理はアンに任せ、ララ達はユーマを追ってロケットで宇宙へ。
眼前の巨大な惑星を見て息を呑む一同。ララは先程のショックから完全に立ち直れていない様子。招かざる客。多数のハンター達。彼らの目的もやはりスタードロップ。
ユーマの暴走を止めるためにもハンターを排除しつつ進まなければなりません。変身して宇宙へ。幸いパワーアップ効果は残っているのでフォームチェンジして一気に攻めます。ペンを4つ所持するコスモは大活躍。双子座のデザインかっこいい。
スターとミルキーは攻撃を避けて小惑星へ。自分のワガママでこうなってしまったと反省するミルキー。すぐさま彼女の言葉を否定するスター。直接的な原因はハンターにある。映画でも安定の勝ち確BGM「遊星から愛をこめて」。
ひかるは落ち着いた声で話します。私もララもユーマが好き。好きだから「それだけ」でいいのか。ひかるの感情が読めないことがあるのは彼女が聡明だからでもあります。ひかるとララの違いは、ララが本心を表に出すことが多いのに対して、ひかるは表に出さないことです。11話もそうだし26話で1人で遊ぶ方が好きだったと告白したときもそうなんですが、彼女は大事なことを1人で抱える傾向がある。悪く言えば意固地で頑なだし、良く言えば内省的で考える力がある。実は2人は本質的に、確率やデータを持ち出すララは情緒的(感情や人の言葉から学ぶ)で、感覚で動いているように見えるひかるは理性(合目的)的です。生まれた環境がその本質を覆っていると見ることもできるでしょう。この一見すると矛盾するかのような行動原理が彼女達を動かし刺激を与え続ける。
スターの言葉を受けてミルキーはあの時のひかるの態度を理解します。大人びた表情と考えをするスター。本編の進捗とピッタリ合う人物像。スタッフ別だけどこういうとこ毎回上手いんだよね。好きだから。好きだからその先を考え始める。誰に言われるでもなく自分がそう望み始める。見た目は変わらなくてもちょっとずつ大人になっていく子どもの姿。ミルキーも彼女に感化されます。
ユーマへと会いに行く2人を仲間達が全力サポート。お羊座コスモの防御面白い。やっぱりソレイユは髪型で遊んでる感。水瓶座の水で道を作ると魚座と蟹座でウォータースライダー。観客の子ども達が頑張れ頑張れ応援してるのやっぱ良いですよね。映画館で観る醍醐味です。星の中は先日見た場所が断片的に再現されています。
⑤星を継ぐもの
雷に打たれて変身が解ける2人。
海に沈みながらララとひかるは歌います。その歌に共鳴するユーマ。
そしてここからコンサート。なんで!?と初見で戸惑うところ。流れ的にビーム撃って解決できないので代わりに歌をぶっこんだんだろうと理解(企画的には歌ありきだろうと思うけど)。この辺、変身ヒーローでこれアリなのか?とか、締めとしてどうなんだ? ライト気持ちよく振れるか?みたいなところもありますが、ひかるとララが手を繋ぎながら変身するシーンが最高に可愛くてかっこいいので全然OKです。変身なりかけが一番可愛い。ただこのタイミングでライト振ってねアピールされても子ども達が最初キョトンとしていたのは見逃さない。そりゃそーだよね。歌始まれば楽しみ始めるんだけど。
他メンバーも加わり、ユーマの暴走が静まると今度は一転して生命が芽吹いていきます。歌って踊っている後ろで野生動物達が躍動。星の記憶が統合され、新たな星へと生まれ変わっていくイメージ。ずいぶん思い切ったな。シュールではあるけど嫌いじゃない。
ひかる達が立っているのは静かに花が咲く星。
きっとこれは夢。そう言うララ。彼女達に近づく人影。気づいて振り返るとそこに立っていたのはユーマ。姿のほとんどはララを模していてツインテールにスターの要素があるくらい。
この星の姿はユーマの未来のイメージなんだね、と呼びかけるララ。ユーマは頷くと触覚のように髪をララに差し出します。ララも触覚で応えるとカラーペンが贈られます。これは映画オリジナルのアイテムってことなのかな。単品販売されているようです。
ユーマはこちらが贈ったオルゴールを持って旅立ちます。
新たな銀河が生まれたと報道するニュース。
そのどこかにユーマの星があるのかも。このペンは道標。いつかあの姿になったとき、みんなで会いに行こう。
春映画は3世代方式。
○トピック
ララちゃんの愛され力がフルパワーになると星にすら愛される。
これで実家に帰ったら最低ランク扱い。最低ランクだけどプリキュア。最低ランクだけど星の育て親。チート級の愛されキャラ、それがララ。
またずいぶんとしっとりした映画を作ったもんだな、ってのが第一印象。
プリキュアの映画と言えばたいてい敵にごめんなさいさせるか自分がごめんなさいするかが定番。ところがそのどちらでもない道を選んだところにトゥインクルらしさがあると思います。本編スタッフと映画スタッフは別なんですが、基本的にこの感想ではごっちゃにします。というかプリキュアシリーズ自体全部ごっちゃにします。これの大事なところはリアルタイム感です。
本編の方ではちょうどひかる達が「好き」「知りたい」の意味を深堀りしているタイミングで、これに重ね合わせるように映画でもひかるがそれに言及しています。「好き」だから。だから自分の気持ちだけで全てを決めてはいけない。それを自分から導き出すひかるはまさに本編で常に考え続ける彼女そのものです。人一倍人懐っこくて、人一倍感じやすいララがユーマを手放したくないとダダをこねるのも彼女らしい姿です。ひかるは意外とクレバーなところがあるし、ララは感情的な部分から学ぶことが多い。その違いもまた彼女達の成長手段、機会、過程として描かれるのも本作の美点です。トゥインクルの本質はまさにこの「子どもの成長」にあります。そしてその成長の鍵は日々の中にあります。
とすれば、悪い奴がいてそいつをぶっ倒してハッピーエンド、というのは本作にはあまり似合いません。内心その疑問を持っていたところに映画が答えてくれるのは流石のプリキュアロジックです。映画は本編のロジックを先鋭化していることが多く、翻って本編の今後を占う導線にもなります。映画で敵をやっつけなかったから、本編でもダークネストをやっつけないというわけではないんですが、トゥインクルは本質的に敵を必要としません。
上述したようにプリキュアの映画は敵がごめんなさいするか自分がごめんなさいすることが多いのは、そこに問題提起が含まれているからです。変身ヒーローである以上悪を悪として討つ。これは正しい。一方で自分達の過失を敵が告発することもまたプリキュアという存在、ひいては人の正しさを問うものになります。去年、カメラの残留思念を救済したように弱者に寄り添うこともプリキュアの大事な仕事です。……と見ていくと結局犯人(被害者)探しをしているだけってことに気づきます。
敵とか、味方とか、善とか、悪とか、弱者とか、救済とか、そんなのとは関係なしにプリキュアを描けないの? 子ども達に犯人探しをさせ続けるの? 正義の味方をやらなくても、誰かを救わなくても、夢を叶えなくても、子どもは成長していけるんじゃないの? その疑問に答えたのが魔法つかいであり、トゥインクルもまたこの思想性を持った物語です。
出会って、友達になって、一緒に遊んで、それがその子の大切な思い出になって、別れてもその子の中で生き続けて、新たな世界を作り広げていく。ララ達の体験はこの縮図です。そこに善悪や救済がなくても子ども達は自然にそこから学びちょっとだけ大人になっていく。一期一会の切なさ、尊さを知ることもまた人生をより豊かなものにする貴重な経験です。それは誰に教わらなくても子ども達自身が自ら学んでいく。
プリキュアのリアルタイム感というのはここにあります。これまで様々なシリーズで様々な物語が描かれてきました。それを重ねる中で新たな疑問が湧き起こる。その疑問に答えながら新しい解を提示し続ける。何故か突然ミュージカルやったり、この映画でもやることない(敵にビーム撃てない)から突然歌ってみたり謎なことをやったりもしますが、それでも同じところに留まることなく新しい世界を提示し続けられる活力を持っている。それを見るのが私は何よりも好きですね。
今年の説明兼被害者はプルンス。お前の便利さほんと便利だよな。
宇宙のどこかで星が爆発すると小さな星の欠片がたくさん飛んでいきます。
OP主題歌と同時に戦闘開始。キャラ紹介のためだけに登場したテンジョウさんお疲れさまです。途中流星群に遭遇。本編でも登場したアン警部補も加わり戦闘はワンサイドゲーム。消化試合のごとくフワビームで処理。
戦闘が終わって挨拶もそこそこにアンはユニを逮捕しようと追いかけます。何気に宇宙服を着なくてもマスクして空気吸えれば活動できるアンは汎用性が高い種族。ユニはロケットに乗って逃亡。彼女を追ってアンもどこかに。ミラクルライトを落としていくのはご愛嬌。残されるプリキュア。……どうやって地球に戻るんだろう。フワのワープか、直で落ちるのか。そしてララは家なき子に。
朝。目覚ましのベルが鳴ってもなかなか起きないひかるとララ。部屋の様子を見ると地図やら何やらが広げられていてだいぶ遅くまで起きていたらしい。後述する有名スポット巡りはこれを参考にしたのだろうと思われます。起きない2人に代わってコロコロと部屋を転がるコンペイトウのような星の欠片。スタードロップ。何やら怪しい人達も狙う貴重なお宝らしい。
ようやく目を覚まして時計を見てビックリ。遅刻してしまう。
走りながらまどかやれいなの家の方が良かったとボヤくララ。残念なことに上級生組は修学旅行で沖縄。必然的にひかるの家しかありませんでした。まどかの家だったら父親が娘と仲良くしてくれと過剰な粗品渡しそう。
時間が無かったので朝食も取れずお腹が減ってしまい座り込む2人。ここで久々のグミの出番。さっそく食べようとしたところでひかるが持っているのはグミでないことに気づきます。謎の音とともにワープ。
学校に不時着すると遅刻しなくてラッキー♪ じゃねぇよ!!と素早い動きでスタードロップを捕まえるララ。
一体これは何なのか。UMAではないかと興味津々のひかる。UMAとは「Unidentified Mysterious Animal」の略。初めて知った。ちなみに和製英語らしい。きっとオカルトブームのときに作られたんだろうなぁ。
流星群に紛れ込んでいたようなので宇宙生命体ではないか。さらに興味津々のひかる。この子に正体不明要素は燃料でしかない。対照的にララは警戒を強めます。初見では冒険派なひかると慎重派なララは物語初期を思い出しますね。ひかるの手付きいやらしい。是非私で試してほしい(懇願)。
たまたま通りがかった猫が実験台に。口の中に入るとトゲトゲを伸ばして自衛。威嚇するように佇むスタードロップに、ひかるは怖がっているだけだと慎重に近づいていきます。なだめると大人しく従ってくれます。
家に帰るととりあえず何か食べさせようとお菓子を広げます。が、食べる様子はありません。ララよりも友好的なひかるに懐きます。独特で不思議な鳴き声。ひかるがミラクルライトを振りながら沖縄に行きたいな~とつぶやくとそれに反応してワープ。窓枠が外れたけど家族は何事かと思ったんじゃないだろうか。
②沖縄観光
一気に沖縄に到着。学校のときもそうだったけど、何度も叩きつけられても平気なひかる達は流石プリキュア。
何故沖縄に? フワ? 違うフワ。ならあの子が? それなら実験してみようと言い出したひかるは視界の先にある灯台を目的地に定めるとミラクルライトを持って念じます。
ドンピシャ。見晴らしもよく最高。足元が不安定なことを除けば。すぐさま移動。
実験の結果、ライトとスタードロップのセットでワープ移動が可能。フワ用済みのお知らせ。8,100円の消費期限早かったな。それならとララも試してみますがどうやら嫌われてしまっているのか無反応。面白くなさそうにむくれるララちゃん可愛い。まあ、まあ、とひかるがとりなすと折角沖縄に来たのだからえれなさんとまどかさんに会いに行こうと話題を変えます。
上級生組はスキューバダイビング中。海の中を楽しんでいると突然ひかる達が転送されてきてビックリ仰天。ワープ先はちゃんと考えよう。
危うく溺れかけたとスタードロップを非難するララ。自分の言うこと聞いてくれない件といい面白くありません。これはララの初動が悪かったのも影響しているんですが。ひかると違いララは場合によっては初対面がスムーズにいかない場合があります。それは彼女が感じやすく防衛反応が出やすいからですね。ひかるのお祖父ちゃんのときのように物怖じしないときはしない反面、不安や自信が無いときは受身的な態度を取りやすい。
ララの感情に反応して攻撃的な態度になったのを見たひかるはすぐさまララを庇いながら「ダメ」と毅然とした態度で注意。ひかるが直感的と言えるほど良い反応するのはおそらく洞察力が高いせいです。処理のレスポンスが早い。ただこれも手放しに優れているかというと彼女の興味や意識に左右されることが多く、言ってしまえば当たり外れがある。ひかるにしてもララにしても優れた面を持つ一方で、幼さ未熟さ視野の狭さに引きづられることも多い。本編でもそうですが割と状況に左右されやすい。キャラが安定していないんじゃないの?という見方もできますが、私は成熟さと未熟さが混在していると捉えます。
怒られてしょんぼりしたスノードロップはどこかへ行ってしまいます。それを追いかけるひかる。何も逃げなくてもいいのに…。ララはやりきれなさそうに佇むと落ちていたライトを拾って後を追います。多少イラついても本気で相手を憎めないララは正真正銘の良い子。はい、この時点でこの映画はララ主体であることがハッキリとわかります。
捜索という名の沖縄観光。ガイドブックに載っていそうな場所をグルグル。沖縄行ったことがあるけどここで映ってる場所には全然行ってなかったなー。
途中でひかるは上級生組と合流。今回の映画はひかるとララ以外は脇役と言って過言ではありません。ユニに至っては宇宙逃亡させている。なかなか割り切った構成。
ライトが探知機のような働きをすることに気づいたララはそれに従って捜索。ほどなくして雑貨屋の前でオルゴールを聴くスノードロップを発見。思わず顔が綻びますがそれに気づくとしかめっ面を浮かべます。わかりやすい。ようやく見つけたと引っ張っていこうとするとこれまた彼女を無視するように言うことをきいてくれません。
とりあえず人気のない花畑まで移動。逃げ出そうとしたスタードロップと押し問答の末、尻もちをつくララ。悪態をつきながら地球人に異星人であるとバレてはいけないと説明します。それに知らない人に連れて行かれたらどうする? みんなひかるのような人ばかりではない。ここのセリフは若干飛躍感がありますが、どうやらスタードロップを小さな子どもに見立てているようです。歩くときに音が鳴るのも小さい子が履いている靴を彷彿とさせます。このポジションで珍しいのは言語を解さない点。普通幼児語でもいいんでしゃべるんですが一切しゃべりません。この辺結構チャレンジングだなと思います。後々お別れシーンが出てくるように色々重ねられる対象になっています。言語によるコミュニケーションがほぼ介在しないので心理描写はもっぱらララ側になり、やはりその点でもこの映画は彼女を主役に据えています。ちっちゃい子を預かったとき、動物を拾ったとき、の子どもですね。
言いながらララは自分が涙を流していることに気づきます。溜め込んだ感情が表に出た時に初めてそれを意識する。自分のこと。相手のこと。ごちゃ混ぜになった感情のまま彼女は踵を返すとスタードロップを置いて歩きだします。するとスタードロップは後をついていきます。振り払おうとすると泣き出してしまい、困ったララは先程オルゴールを聴いていたことを思い出しその曲を真似て歌います。子守唄のように奏でられる歌。泣き止むとララも冷静になり一緒に帰ります。落ちたな。これがララちゃんの人心掌握術。ただ不器用なだけなんだけどね。でもそこが逆に彼女の良いところでもあって、ある意味隙が無いひかると違ってララは感情の表出が多く伝わりやすい。言葉よりも表情見てる方が伝わりやすいくらい。たびたび言っていますが、ひかるよりもララの方が友達作りが上手いと思うのはそういうところです。ひかるは感情が読めないときやクレバーに見えることがある。ララは人一倍感じやすく人懐っこいところがあって、それが親近感になりやすい。「ルンちゃん」というあだ名も決して語尾だけが原因ではなく彼女のそうした柔らかさ、親しみやすさが背景にあるからだろうと思います。天性の愛されキャラですね。
夕方。
ひかる達はまだ見つからないララ達を心配。そこにララが帰ってきます。
ララとスタードロップがすっかり仲良しになって安心するひかる。ここまで「あの子」呼びしていましたが名前が無いと不便。UMAから取ってユーマと名付けます。お近づきの印にと例のオルゴールをプレゼント。シーサーの前で記念写真を撮って解散。
浜辺で夜空を見上げます。プラネタリウムのように綺麗な星々。宇宙に行っててプラネタリウムもないだろうに、とも思いますが実際にプラネタリウムに連れて行ってもらった子も少なくないようで想起しやすいシーンのようです。本編でもそうですが子どもにわかる表現を使っていますね。
ゆっくりした時間が過ぎていきます。この映画情緒的なシーンが多い。一緒に過ごしている時間を丁寧に描くのはいいけど、子どもからすれば退屈なんじゃないかと思いましたが劇場の反応はそれほどでもなかったようです。どのみち30分過ぎてくると集中力なくなるし。
オルゴールの曲に聞き覚えがあるひかるは流れ星の曲だと話すと歌います。映画のサブタイトルにもあるように歌がポイントになっていて、終盤に歌っているのもその流れのようです。最初見た時なんぞ!?と思いましたが。ユーマも星を見上げながら歌います。宇宙に帰りたいのでは?
時間も時間なので一旦帰宅することに。しかしまだまだ遊びは終わっていません。
③プリキュアvs宇宙ハンター
今度は窓枠を外さずにワープ。ナスカの地上絵を皮切りに世界中の名所、不思議な土地を巡っていきます。ネットで見た。マラカイボの灯台が音を発しないのは不明らしい。
ようやく追跡劇が終了。アン警部補の粘り勝ち。追い詰めたところでしかしアンはミラクルライトを失くしたことに気づいて焦ります。同じタイミングで不審な宇宙船を多数目撃。照合するとハンター達の船であることが判明。危機感を募らせるアン。話しについていけないユニは首を捻るばかり。
修学旅行も終わるので今度はみんなで遊びに行こうと張り切るひかる達。
突如巨大な宇宙船が現れ喜ぶひかる。そんな場合じゃない。事実宇宙船の中にいるのは敵対的な宇宙人達。観星町をスキャンして目的のモノをサーチ。一般人は眠ってしまいます。戦闘のための下準備。変身アイテムの謎防御機能。が、それも宇宙人からすれば目立つ結果に。遭遇。
ユーマを狙う炎使い。その他にもぞろぞろ。不意を突かれピンチに。当然みんなスタンバっているのでナイスタイミングで合流。ユニかっけぇ。映画館で観る変身バンクは格別。歌がついていると華があって見栄えが良い。
ちょうど敵は5人。コスモにペンを渡すと、それぞれ分散して戦うことに。
実質的な主役だけあって戦闘の作画も良いミルキー。相手は変幻自在に姿を変えるハイドロ。電撃も効きません。
デカブツの相手をするコスモ。敢えて相手の宇宙船で戦うことで攻撃の手を緩めさせる狙い。狡猾なコスモらしい作戦。が、そんなこと気にせずガシガシ攻撃してきて予定が狂います。やはりこいつも必殺技が通じません。プリンセスの力しょぼいっすよね。
メカ型の宇宙人と対戦するセレーネ。遠距離射撃で勝負を挑むも火力負け。ソレイユは影に潜む敵を相手に苦戦。
スターは炎使いのバーンと一騎打ち。火力が高く防戦一方のスター。必殺技同士の対決でも後塵を拝してしまいます。
プリキュア全滅。
ユーマの正体はスタードロップ。星が消滅するときに生まれる星の種。宇宙最高のお宝。ハンター達がこぞって狙うように莫大な利益が得られる。お金が目的なら1人ドーナツ10個くらいで帰ってもらえないでしょうか。
ここでライト振れ振れタイム。子ども達も慣れたもので「お、ようやくきたか」な感じて腰を入れだすのほんと面白い。訓練されています。ただこの映画はあまりライト活用に積極的ではないので実質ここくらいしか振る機会がありません。これは作品によっても違うんですが、最初からどんどん振っていくものとそうでないものとで差があります。どっちが良いのかはわかりません。
プリンセスの力を憑依させて各々フォームチェンジ。ソレイユの髪型で遊んでる感。セレーネの山羊座フォームは結構似合ってると思う。戦闘は一転して逆転。ドレスアップした女の子は強いんです理論。プリンセスの力=必殺技のイメージですがバリア張れたり、捕縛したりと意外と小回りが利く。コスモはギャグ担当。倒した敵はアンが拘束。あれ、これアンの功績爆上げじゃね?
④好きだから、
宇宙ハンターも捕らえ万事解決……で話しは終わりません。
アンはユーマも連れて行くと言います。事情を知っているユニはちょっと同情的。スタードロップは成長すると本物の星になる。それを聞いてそんなに大きくなるの!?と驚くひかるとララ。また、スタードロップは周囲の影響を受けやすいので悪い影響を受けると危険な星になりかねない。そのためもあって星空警察で保護する。そもそも個人でどうにかできる代物ではありません。
しかしララは一緒に居る、大きくなったらユーマの星で暮らすと食い下がります。現実的ではないとプルンス。その間もえれなとまどかは両者のやり取りを目で追います。ララの気持ちもわかるので肯定も説得もしにくい。ノリ的には野生に帰そう、然るべき施設に預けよう的な感じ。突然そんなことを言われたララは困惑するばかり。ダダをこねるように反対する彼女にプルンスは呆れた声をあげます。
ひかるはどうなんだ。味方になってくれそうな彼女に期待の目を向けるララ。ところがひかるは先程から口を開きません。えれなもまどかも沈黙。自分との温度差、距離に愕然とするララ。ほんとララちゃん可愛い。愛らしさの塊っすわ。5人の中でこんなにも素直に、テンプレみたいな反応できるのはララだけ。だからこそみんなララを好きになる。彼女は正しい。だから間違う。
帰り支度を始めるアンを止めようとしたそのとき、捕らえられていたはずのバーンが拘束から抜け出すとユーマを捕獲。守るも奪うもそいつには関係ない。人のやること。だったら好きにすればいい。ここの彼のセリフもメタ的ですね。ここからもトゥインクルは善悪を問うていないことがわかります。悪意や恐怖を与えるのが悪で、その反対が善みたいなことは言いません。コレが模範的で正しいからこうしようなんてことも言わない。ダダをこねるララに対して上段から説き伏せないのも彼女の気持ちを汲んでいるからです。この物語はその都度その都度、彼女達が体験する中で学び・知り・考え・行っていくだけです。答え合わせはしない。こうなるためにこうする物語ではなく、こうしてきたからこうなる物語。彼の言葉は正しい。彼女達もまた同じことをしている。
止めようとしたララが攻撃を受けて吹き飛びます。たっぷりと悪意と恐怖を吸ったユーマは暴走&巨大化。宇宙へ飛ぶと巨大な惑星へと姿を変えます。その衝撃でバーンは行動不能に。細かい事後処理はアンに任せ、ララ達はユーマを追ってロケットで宇宙へ。
眼前の巨大な惑星を見て息を呑む一同。ララは先程のショックから完全に立ち直れていない様子。招かざる客。多数のハンター達。彼らの目的もやはりスタードロップ。
ユーマの暴走を止めるためにもハンターを排除しつつ進まなければなりません。変身して宇宙へ。幸いパワーアップ効果は残っているのでフォームチェンジして一気に攻めます。ペンを4つ所持するコスモは大活躍。双子座のデザインかっこいい。
スターとミルキーは攻撃を避けて小惑星へ。自分のワガママでこうなってしまったと反省するミルキー。すぐさま彼女の言葉を否定するスター。直接的な原因はハンターにある。映画でも安定の勝ち確BGM「遊星から愛をこめて」。
ひかるは落ち着いた声で話します。私もララもユーマが好き。好きだから「それだけ」でいいのか。ひかるの感情が読めないことがあるのは彼女が聡明だからでもあります。ひかるとララの違いは、ララが本心を表に出すことが多いのに対して、ひかるは表に出さないことです。11話もそうだし26話で1人で遊ぶ方が好きだったと告白したときもそうなんですが、彼女は大事なことを1人で抱える傾向がある。悪く言えば意固地で頑なだし、良く言えば内省的で考える力がある。実は2人は本質的に、確率やデータを持ち出すララは情緒的(感情や人の言葉から学ぶ)で、感覚で動いているように見えるひかるは理性(合目的)的です。生まれた環境がその本質を覆っていると見ることもできるでしょう。この一見すると矛盾するかのような行動原理が彼女達を動かし刺激を与え続ける。
スターの言葉を受けてミルキーはあの時のひかるの態度を理解します。大人びた表情と考えをするスター。本編の進捗とピッタリ合う人物像。スタッフ別だけどこういうとこ毎回上手いんだよね。好きだから。好きだからその先を考え始める。誰に言われるでもなく自分がそう望み始める。見た目は変わらなくてもちょっとずつ大人になっていく子どもの姿。ミルキーも彼女に感化されます。
ユーマへと会いに行く2人を仲間達が全力サポート。お羊座コスモの防御面白い。やっぱりソレイユは髪型で遊んでる感。水瓶座の水で道を作ると魚座と蟹座でウォータースライダー。観客の子ども達が頑張れ頑張れ応援してるのやっぱ良いですよね。映画館で観る醍醐味です。星の中は先日見た場所が断片的に再現されています。
⑤星を継ぐもの
雷に打たれて変身が解ける2人。
海に沈みながらララとひかるは歌います。その歌に共鳴するユーマ。
そしてここからコンサート。なんで!?と初見で戸惑うところ。流れ的にビーム撃って解決できないので代わりに歌をぶっこんだんだろうと理解(企画的には歌ありきだろうと思うけど)。この辺、変身ヒーローでこれアリなのか?とか、締めとしてどうなんだ? ライト気持ちよく振れるか?みたいなところもありますが、ひかるとララが手を繋ぎながら変身するシーンが最高に可愛くてかっこいいので全然OKです。変身なりかけが一番可愛い。ただこのタイミングでライト振ってねアピールされても子ども達が最初キョトンとしていたのは見逃さない。そりゃそーだよね。歌始まれば楽しみ始めるんだけど。
他メンバーも加わり、ユーマの暴走が静まると今度は一転して生命が芽吹いていきます。歌って踊っている後ろで野生動物達が躍動。星の記憶が統合され、新たな星へと生まれ変わっていくイメージ。ずいぶん思い切ったな。シュールではあるけど嫌いじゃない。
ひかる達が立っているのは静かに花が咲く星。
きっとこれは夢。そう言うララ。彼女達に近づく人影。気づいて振り返るとそこに立っていたのはユーマ。姿のほとんどはララを模していてツインテールにスターの要素があるくらい。
この星の姿はユーマの未来のイメージなんだね、と呼びかけるララ。ユーマは頷くと触覚のように髪をララに差し出します。ララも触覚で応えるとカラーペンが贈られます。これは映画オリジナルのアイテムってことなのかな。単品販売されているようです。
ユーマはこちらが贈ったオルゴールを持って旅立ちます。
新たな銀河が生まれたと報道するニュース。
そのどこかにユーマの星があるのかも。このペンは道標。いつかあの姿になったとき、みんなで会いに行こう。
春映画は3世代方式。
○トピック
ララちゃんの愛され力がフルパワーになると星にすら愛される。
これで実家に帰ったら最低ランク扱い。最低ランクだけどプリキュア。最低ランクだけど星の育て親。チート級の愛されキャラ、それがララ。
またずいぶんとしっとりした映画を作ったもんだな、ってのが第一印象。
プリキュアの映画と言えばたいてい敵にごめんなさいさせるか自分がごめんなさいするかが定番。ところがそのどちらでもない道を選んだところにトゥインクルらしさがあると思います。本編スタッフと映画スタッフは別なんですが、基本的にこの感想ではごっちゃにします。というかプリキュアシリーズ自体全部ごっちゃにします。これの大事なところはリアルタイム感です。
本編の方ではちょうどひかる達が「好き」「知りたい」の意味を深堀りしているタイミングで、これに重ね合わせるように映画でもひかるがそれに言及しています。「好き」だから。だから自分の気持ちだけで全てを決めてはいけない。それを自分から導き出すひかるはまさに本編で常に考え続ける彼女そのものです。人一倍人懐っこくて、人一倍感じやすいララがユーマを手放したくないとダダをこねるのも彼女らしい姿です。ひかるは意外とクレバーなところがあるし、ララは感情的な部分から学ぶことが多い。その違いもまた彼女達の成長手段、機会、過程として描かれるのも本作の美点です。トゥインクルの本質はまさにこの「子どもの成長」にあります。そしてその成長の鍵は日々の中にあります。
とすれば、悪い奴がいてそいつをぶっ倒してハッピーエンド、というのは本作にはあまり似合いません。内心その疑問を持っていたところに映画が答えてくれるのは流石のプリキュアロジックです。映画は本編のロジックを先鋭化していることが多く、翻って本編の今後を占う導線にもなります。映画で敵をやっつけなかったから、本編でもダークネストをやっつけないというわけではないんですが、トゥインクルは本質的に敵を必要としません。
上述したようにプリキュアの映画は敵がごめんなさいするか自分がごめんなさいすることが多いのは、そこに問題提起が含まれているからです。変身ヒーローである以上悪を悪として討つ。これは正しい。一方で自分達の過失を敵が告発することもまたプリキュアという存在、ひいては人の正しさを問うものになります。去年、カメラの残留思念を救済したように弱者に寄り添うこともプリキュアの大事な仕事です。……と見ていくと結局犯人(被害者)探しをしているだけってことに気づきます。
敵とか、味方とか、善とか、悪とか、弱者とか、救済とか、そんなのとは関係なしにプリキュアを描けないの? 子ども達に犯人探しをさせ続けるの? 正義の味方をやらなくても、誰かを救わなくても、夢を叶えなくても、子どもは成長していけるんじゃないの? その疑問に答えたのが魔法つかいであり、トゥインクルもまたこの思想性を持った物語です。
出会って、友達になって、一緒に遊んで、それがその子の大切な思い出になって、別れてもその子の中で生き続けて、新たな世界を作り広げていく。ララ達の体験はこの縮図です。そこに善悪や救済がなくても子ども達は自然にそこから学びちょっとだけ大人になっていく。一期一会の切なさ、尊さを知ることもまた人生をより豊かなものにする貴重な経験です。それは誰に教わらなくても子ども達自身が自ら学んでいく。
プリキュアのリアルタイム感というのはここにあります。これまで様々なシリーズで様々な物語が描かれてきました。それを重ねる中で新たな疑問が湧き起こる。その疑問に答えながら新しい解を提示し続ける。何故か突然ミュージカルやったり、この映画でもやることない(敵にビーム撃てない)から突然歌ってみたり謎なことをやったりもしますが、それでも同じところに留まることなく新しい世界を提示し続けられる活力を持っている。それを見るのが私は何よりも好きですね。
第37話「UMAで優勝!ハロウィン仮装コンテスト☆」
○今週の出来事
①仮装しない人にはどうしたらいいのかわからないイベント
商店街イベントの告知。仮装コンテスト。
そもそも仮装を知らないララにレクチャー。優勝者にはスタードーナツ1年分。ドーナツ屋と商店街癒着してますね。ノリが良いのはカルノリだけではないらしくクラスみんなで出ることに。(次期)生徒会長のドリ子さんも気合が入ります。
映画宣伝OPその2。このフォームチェンジ面白いから本編にも輸入されて欲しい。双子座コスモが可愛い。
話が進まず苛立つダークネスト様。12月末くらいまで待っててください。スケジュール決まってるんで。
商店街はハロウィンムード一色。このイベントがイマイチ定着しにくいのは何していいのかわからんところだと思う。いや仮装はわかる。仮装しない人にはどうでもいい感が凄いというか。クリスマスは(自分用でもいいから)玩具買う言い訳が立つ。ケーキも買える。バレンタインもチョコ買う言い訳が立つ。ハロウィン何買えばええねん。商業主義もうちょっと頑張れよ。ジャブジャブ課金したくなるように射幸心煽ってよ。
前言どおり仮装に身を包むひかる達。チームUMA。間違いなく発案はひかる。色々種類があるのでクラス単位でやるには都合がいい。ルンちゃん似合ってると褒められるララ。ツチノコモチーフ。モスマンはマイナーなイメージあるな。ひかるのイエティはイエティ感ない。
そして登場する青い奴。お前何やってるんだよ。思考と体が硬直するひかる。誰?といぶかるドリ子嬢にプルンスと名乗る青い物体。声色変えて笑わせにくるのやめろ。お前はなんか色々ズルい。あと設定的に宇宙規模でやべー奴扱いされてるフワに首輪つけるのどうなんだ。プリンセスが見たら卒倒しないか? あいつら素でイベントに参加してそうだけどさ。
プルンスの目当てはドーナツ。普段はあまり表に出れないのでここぞとばかりに来たらしい。
えれなは一家で参加。プルンスはちょっとひっこんでような? キャラ濃いから。
商店街イベントだけあって多くのキャラが再登場。久々の再会。クラスメイトにルンちゃん呼びされたり、えれなの弟と仲がいいララの人脈の広さが伺えます。初めての仮装コンテストを楽しみます。
予定時間になったのでえれなはさらなる仮装を披露。猫。そこに合流するのがまどかとユニ。ユニの仮装がマジで本物にしか見えねぇレベル。実際本物なんですけど。みんな参加するならとえれなが誘ったらしい。素の姿で居られるので伸び伸びできるとユニもまんざらではない様子。
ふと気づけば商店街の片隅で魔法使いの格好をした人達がメモ片手に何やら書き込んでいます。彼らは審査員。優勝狙いのひかるとプルンスは燃えます。
派遣されたカッパードは水分補給。
前回戦った時に見た謎の力に警戒しながら街へ行くと……故郷の光景が重なります。お、敵方の情報開示を進めていくのか。頭を振り払って現実に戻ると、そこに居るのは仮装した人々。やや憔悴した彼に声をかける女性。
商店街サービスなのかお菓子を貰うひかる達。ああ、お菓子か。でもこれも何かイメージ無いんだよね。バレンタインみたいに折角だから新商品のチョコ買ってみるかーみたいの無いんだよな―。まだまだ洗脳足りないと思いますね。羽を伸ばせる上にお菓子を食べられるので毎日仮装コンテストでも良いとほっこりする宇宙人組。
カッパードは女性からも親子連れからも大人気。なんやねん!と思いつつも暴れないあたり忍耐強い。
一旦人目につかない場所へ避難。ふと聞こえてくる争う声。どちらの仮装が良いか揉めています。その光景にかつての記憶が蘇ります。先程とは違うタイプの宇宙人と先住民が対立。忌々しい記憶。ちょうどその時ひかる達と遭遇。
②オヨっと参上!
いつもの調子に戻ったカッパードは背後で未だ揉める人々からイマジネ―ションを吸収。
武器を構えノットレイも集結。このままでは街の被害が……異星人の存在がバレてしまうと戦々恐々のプルンス。そっちかよ。毎週やってるから気にしてなかったけど、そーいえばあまり大々的に暴れてなかった気もする。白昼変身して戦うのマズイ。そこで一計を案じるひかる。こういうときのアレ。
変身すると屋根の上に並び立つプリキュア。サングラスをかけた怪しい集団。仕込んだサクラ(プルンス)が指差して人々の注目を集めさせます。名乗りを上げるスター。続くミルキー。オヨっと参上ってなんだよ。でも可愛い。何を言っても可愛くなるララちゃんマジララちゃん。観星町のご当地ヒーロー、ミホッシースターズ。微妙に語呂悪いのは即席だからかなのかひかるのセンスだからなのか。安直な名前とプルンスも頭を抱えます。ここはもう勢いで行くしかない。
ミホッシーピンク!と名乗ると後ろでピンク色の爆発。それ誰が仕掛けたの? 実はプリンセスが裏方手伝ってる? あいつら暇そうだからノリノリでやりそう。それはそれとして2回名乗るのなんなの。しかもポーズ違うし。決めポーズは統一した方がいいと思うぞ。2度とやらねーと思うけど。商店街のイベントと思わせることに成功。人々から不安が消えます。ドリ子さんに常識的なツッコミされると何か悔しい。
テキトーに捌いてノットレイダーを商店街の外におびき出します。
仕切り直し。
抗議の声をあげるミルキーを嗤うカッパード。地球人にでもなったつもりか? 異なる星の者が理解し合うことなどできない。当然反論するミルキー。地球をもっと知りたいと思ったから仮装コンテストにも出たいと思ったと話します。お、こういう繋げ方するのか。テキトーなお茶濁し回かと思いきやシリアスさを含んでいます。わざわざひかるから本を借りて勉強するララ。AIに聞けば一発だろうに、と関心と呆れを浮かべるプルンス。自分で調べてみたかったとララは楽しそうにページをめくっていきます。このアニメ、ララのポジション超重要よね。映画でもこの子が鍵になっていましたが彼女の無知無垢さ、異邦人としてのポジションは多くの示唆と可能性を含んでいます。ひかると同じかそれ以上に主人公的。ツチノコを見て自分でその仮装をすると決めます。
みんなと一緒にいるのが楽しい。その言葉を苦々しく感じるカッパードは不快感を顕にします。そんなものは今のうちだけ。
「いずれ違いが諍いを呼び、破滅をもたらす」
否定しようと口を開いたスターの言葉を「甘い!」と大声で打ち消すカッパード。事実彼の星は全て奪われた。星の水を吸い上げていく異星人達。先住民達は止めることができません。そして豊富にあったはずの水は枯れてしまいます。ガルオウガの星はダークネストがやった説でいけますが、これは流石にダークネストを絡ませにくい。そもそも黒幕がいてそいつが全部悪いんだ的世界観でもない。ふつーに盗品のオークションやってるし、マフィアいるし。ダーティさをいよいよ隠さなくなってきました。
違う星の者が共に暮らすなど不可能。実体験でそれを知るカッパード。しかし彼はもう一つの現実を知らなければなりません。それは課金アイテムは強いこと。配布アイテムじゃ勝てねーから。
今に裏切られる。そう言い残して去るカッパード。
コンテストの審査結果発表。
素敵なファミリー賞は天宮家が受賞。クールな三人組賞はユニ達。見てよかったやつを○○賞って名付けてるのね。ところでその3人組の1人仮装してないっすよ(告発)。アイデア賞はチームUMA。頑張った甲斐があったでプルンス。いやお前関係ねぇから。
優勝はカッパと愉快な仲間たち。【悲報】ミホッシースターズ選外。あれだけプリンセスが裏方で頑張ったのに。
しかし当人達は会場にいません。彼らを惜しむ声があがります。
お祭りが終わり撤収ムード。名残惜しむララに集合写真の声がかかります。
本物の宇宙人とUMA達ではいチーズ。
③次回予告
バケニャーンっぽい人。そしてアイワーンは。
○トピック
映画でも名前が出てくるUMAと大活躍のララちゃんをピックアップ。
最終クールも見えはじめる37話。物語もシリアスな気配が漂ってきました。相変わらずアクセル突然踏むの好きだな、このアニメ。
路線として宥和や共存に行くと思いますが、その前に色々波乱があるのがお約束。幹部達の背景が語られたとき、ひかる達は何を答え得るのか。そしてダークネストの目的は……というのは最終決戦でのお楽しみ。
去年に引き続き今作の敵幹部も被害者の会です。これが意味するのは可能性ではなく現実に悲劇が起きていることです。ララが地球人と仲良くしている体験が事実である一方で、カッパードが裏切られた体験もまた事実として対置されます。となるとこれは思想戦というより実際にやれるかどうかってところが大きい話になります。HUGの例で言えば社長の世界でははなに不幸がありましたが、はなの世界で彼女がその不幸を生み出さない、あるいははね退けられる強さが必要で、事実HUGはその強さを持たせた物語でした(余談ですが、主人公が実際に乗り越えられるだろうと思える成長過程、物語的な積み重ねなどを加味して”強度が高い”という言い方を私はします)。
トゥインクルも同様に「好き」「知りたい」からどんどん深堀りしていくひかる達の姿が描かれているので、そこからどこまでやれるのか。物語の強度が試されていますね。映画の感想と重複すると思いますが、トゥインクルは作品思想的に魔法つかいと同じ部類で、その直系だと思っています。魔法つかいは悪を倒したり誰かを救う物語ではなく少女達の出会いとその日々を綴った物語で、少女時代の終わりを以て成長の区切りとしました。要するに自然と大人になっていく、そういう物語です。魔法つかい自体は課題が与えられていないので特に何をする話ではないのですが、例えばナシマホウ界と魔法界の交流の可能性があったように、トゥインクルでは地球人と宇宙人の交流、引いては宇宙に開かれていく可能性があるのでこの辺をどこまで持っていくのか興味あるところです。直系と言ったのも魔法つかいで「これから」「可能性」で終わった部分に実際に手を入れていくんじゃないか、そんな期待があるからです。
ぶっちゃけ主人公がちゃちゃっとやって難民を受け入れて仲良く暮らしましたとさ、めでたしめでたし。でもいいんですが、私は成長や大人になるっていうことがどれだけの可能性を見せられるのか、そこをポイントにして見ています。上でとりあげた魔法つかいで言えば主人公達が別れてしまうんですが、まさにそこが子どもの限界でした。そして大人になって再会する。子どもだったら会いに行くのも難しいけど大人だったらそれができる。勿論現実にかつての親友に会いに行くことは極めて稀でしょう。でも大人になれば少なくとも行動力としてそれくらいのことはできるようになる。大人になれば自分が望むことがもっとできるようになる、もっと好きに、もっと知ることができる、そういう希望を持たせられるか。それが成長や大人をテーマとする物語の一番大事なところだと思っています。まあ、トゥインクルがどの程度まで射程を広げるかはわからないんですが、プリキュアは結構飛ばすので広く視野を持っておきたいですね。
①仮装しない人にはどうしたらいいのかわからないイベント
商店街イベントの告知。仮装コンテスト。
そもそも仮装を知らないララにレクチャー。優勝者にはスタードーナツ1年分。ドーナツ屋と商店街癒着してますね。ノリが良いのはカルノリだけではないらしくクラスみんなで出ることに。(次期)生徒会長のドリ子さんも気合が入ります。
映画宣伝OPその2。このフォームチェンジ面白いから本編にも輸入されて欲しい。双子座コスモが可愛い。
話が進まず苛立つダークネスト様。12月末くらいまで待っててください。スケジュール決まってるんで。
商店街はハロウィンムード一色。このイベントがイマイチ定着しにくいのは何していいのかわからんところだと思う。いや仮装はわかる。仮装しない人にはどうでもいい感が凄いというか。クリスマスは(自分用でもいいから)玩具買う言い訳が立つ。ケーキも買える。バレンタインもチョコ買う言い訳が立つ。ハロウィン何買えばええねん。商業主義もうちょっと頑張れよ。ジャブジャブ課金したくなるように射幸心煽ってよ。
前言どおり仮装に身を包むひかる達。チームUMA。間違いなく発案はひかる。色々種類があるのでクラス単位でやるには都合がいい。ルンちゃん似合ってると褒められるララ。ツチノコモチーフ。モスマンはマイナーなイメージあるな。ひかるのイエティはイエティ感ない。
そして登場する青い奴。お前何やってるんだよ。思考と体が硬直するひかる。誰?といぶかるドリ子嬢にプルンスと名乗る青い物体。声色変えて笑わせにくるのやめろ。お前はなんか色々ズルい。あと設定的に宇宙規模でやべー奴扱いされてるフワに首輪つけるのどうなんだ。プリンセスが見たら卒倒しないか? あいつら素でイベントに参加してそうだけどさ。
プルンスの目当てはドーナツ。普段はあまり表に出れないのでここぞとばかりに来たらしい。
えれなは一家で参加。プルンスはちょっとひっこんでような? キャラ濃いから。
商店街イベントだけあって多くのキャラが再登場。久々の再会。クラスメイトにルンちゃん呼びされたり、えれなの弟と仲がいいララの人脈の広さが伺えます。初めての仮装コンテストを楽しみます。
予定時間になったのでえれなはさらなる仮装を披露。猫。そこに合流するのがまどかとユニ。ユニの仮装がマジで本物にしか見えねぇレベル。実際本物なんですけど。みんな参加するならとえれなが誘ったらしい。素の姿で居られるので伸び伸びできるとユニもまんざらではない様子。
ふと気づけば商店街の片隅で魔法使いの格好をした人達がメモ片手に何やら書き込んでいます。彼らは審査員。優勝狙いのひかるとプルンスは燃えます。
派遣されたカッパードは水分補給。
前回戦った時に見た謎の力に警戒しながら街へ行くと……故郷の光景が重なります。お、敵方の情報開示を進めていくのか。頭を振り払って現実に戻ると、そこに居るのは仮装した人々。やや憔悴した彼に声をかける女性。
商店街サービスなのかお菓子を貰うひかる達。ああ、お菓子か。でもこれも何かイメージ無いんだよね。バレンタインみたいに折角だから新商品のチョコ買ってみるかーみたいの無いんだよな―。まだまだ洗脳足りないと思いますね。羽を伸ばせる上にお菓子を食べられるので毎日仮装コンテストでも良いとほっこりする宇宙人組。
カッパードは女性からも親子連れからも大人気。なんやねん!と思いつつも暴れないあたり忍耐強い。
一旦人目につかない場所へ避難。ふと聞こえてくる争う声。どちらの仮装が良いか揉めています。その光景にかつての記憶が蘇ります。先程とは違うタイプの宇宙人と先住民が対立。忌々しい記憶。ちょうどその時ひかる達と遭遇。
②オヨっと参上!
いつもの調子に戻ったカッパードは背後で未だ揉める人々からイマジネ―ションを吸収。
武器を構えノットレイも集結。このままでは街の被害が……異星人の存在がバレてしまうと戦々恐々のプルンス。そっちかよ。毎週やってるから気にしてなかったけど、そーいえばあまり大々的に暴れてなかった気もする。白昼変身して戦うのマズイ。そこで一計を案じるひかる。こういうときのアレ。
変身すると屋根の上に並び立つプリキュア。サングラスをかけた怪しい集団。仕込んだサクラ(プルンス)が指差して人々の注目を集めさせます。名乗りを上げるスター。続くミルキー。オヨっと参上ってなんだよ。でも可愛い。何を言っても可愛くなるララちゃんマジララちゃん。観星町のご当地ヒーロー、ミホッシースターズ。微妙に語呂悪いのは即席だからかなのかひかるのセンスだからなのか。安直な名前とプルンスも頭を抱えます。ここはもう勢いで行くしかない。
ミホッシーピンク!と名乗ると後ろでピンク色の爆発。それ誰が仕掛けたの? 実はプリンセスが裏方手伝ってる? あいつら暇そうだからノリノリでやりそう。それはそれとして2回名乗るのなんなの。しかもポーズ違うし。決めポーズは統一した方がいいと思うぞ。2度とやらねーと思うけど。商店街のイベントと思わせることに成功。人々から不安が消えます。ドリ子さんに常識的なツッコミされると何か悔しい。
テキトーに捌いてノットレイダーを商店街の外におびき出します。
仕切り直し。
抗議の声をあげるミルキーを嗤うカッパード。地球人にでもなったつもりか? 異なる星の者が理解し合うことなどできない。当然反論するミルキー。地球をもっと知りたいと思ったから仮装コンテストにも出たいと思ったと話します。お、こういう繋げ方するのか。テキトーなお茶濁し回かと思いきやシリアスさを含んでいます。わざわざひかるから本を借りて勉強するララ。AIに聞けば一発だろうに、と関心と呆れを浮かべるプルンス。自分で調べてみたかったとララは楽しそうにページをめくっていきます。このアニメ、ララのポジション超重要よね。映画でもこの子が鍵になっていましたが彼女の無知無垢さ、異邦人としてのポジションは多くの示唆と可能性を含んでいます。ひかると同じかそれ以上に主人公的。ツチノコを見て自分でその仮装をすると決めます。
みんなと一緒にいるのが楽しい。その言葉を苦々しく感じるカッパードは不快感を顕にします。そんなものは今のうちだけ。
「いずれ違いが諍いを呼び、破滅をもたらす」
否定しようと口を開いたスターの言葉を「甘い!」と大声で打ち消すカッパード。事実彼の星は全て奪われた。星の水を吸い上げていく異星人達。先住民達は止めることができません。そして豊富にあったはずの水は枯れてしまいます。ガルオウガの星はダークネストがやった説でいけますが、これは流石にダークネストを絡ませにくい。そもそも黒幕がいてそいつが全部悪いんだ的世界観でもない。ふつーに盗品のオークションやってるし、マフィアいるし。ダーティさをいよいよ隠さなくなってきました。
違う星の者が共に暮らすなど不可能。実体験でそれを知るカッパード。しかし彼はもう一つの現実を知らなければなりません。それは課金アイテムは強いこと。配布アイテムじゃ勝てねーから。
今に裏切られる。そう言い残して去るカッパード。
コンテストの審査結果発表。
素敵なファミリー賞は天宮家が受賞。クールな三人組賞はユニ達。見てよかったやつを○○賞って名付けてるのね。ところでその3人組の1人仮装してないっすよ(告発)。アイデア賞はチームUMA。頑張った甲斐があったでプルンス。いやお前関係ねぇから。
優勝はカッパと愉快な仲間たち。【悲報】ミホッシースターズ選外。あれだけプリンセスが裏方で頑張ったのに。
しかし当人達は会場にいません。彼らを惜しむ声があがります。
お祭りが終わり撤収ムード。名残惜しむララに集合写真の声がかかります。
本物の宇宙人とUMA達ではいチーズ。
③次回予告
バケニャーンっぽい人。そしてアイワーンは。
○トピック
映画でも名前が出てくるUMAと大活躍のララちゃんをピックアップ。
最終クールも見えはじめる37話。物語もシリアスな気配が漂ってきました。相変わらずアクセル突然踏むの好きだな、このアニメ。
路線として宥和や共存に行くと思いますが、その前に色々波乱があるのがお約束。幹部達の背景が語られたとき、ひかる達は何を答え得るのか。そしてダークネストの目的は……というのは最終決戦でのお楽しみ。
去年に引き続き今作の敵幹部も被害者の会です。これが意味するのは可能性ではなく現実に悲劇が起きていることです。ララが地球人と仲良くしている体験が事実である一方で、カッパードが裏切られた体験もまた事実として対置されます。となるとこれは思想戦というより実際にやれるかどうかってところが大きい話になります。HUGの例で言えば社長の世界でははなに不幸がありましたが、はなの世界で彼女がその不幸を生み出さない、あるいははね退けられる強さが必要で、事実HUGはその強さを持たせた物語でした(余談ですが、主人公が実際に乗り越えられるだろうと思える成長過程、物語的な積み重ねなどを加味して”強度が高い”という言い方を私はします)。
トゥインクルも同様に「好き」「知りたい」からどんどん深堀りしていくひかる達の姿が描かれているので、そこからどこまでやれるのか。物語の強度が試されていますね。映画の感想と重複すると思いますが、トゥインクルは作品思想的に魔法つかいと同じ部類で、その直系だと思っています。魔法つかいは悪を倒したり誰かを救う物語ではなく少女達の出会いとその日々を綴った物語で、少女時代の終わりを以て成長の区切りとしました。要するに自然と大人になっていく、そういう物語です。魔法つかい自体は課題が与えられていないので特に何をする話ではないのですが、例えばナシマホウ界と魔法界の交流の可能性があったように、トゥインクルでは地球人と宇宙人の交流、引いては宇宙に開かれていく可能性があるのでこの辺をどこまで持っていくのか興味あるところです。直系と言ったのも魔法つかいで「これから」「可能性」で終わった部分に実際に手を入れていくんじゃないか、そんな期待があるからです。
ぶっちゃけ主人公がちゃちゃっとやって難民を受け入れて仲良く暮らしましたとさ、めでたしめでたし。でもいいんですが、私は成長や大人になるっていうことがどれだけの可能性を見せられるのか、そこをポイントにして見ています。上でとりあげた魔法つかいで言えば主人公達が別れてしまうんですが、まさにそこが子どもの限界でした。そして大人になって再会する。子どもだったら会いに行くのも難しいけど大人だったらそれができる。勿論現実にかつての親友に会いに行くことは極めて稀でしょう。でも大人になれば少なくとも行動力としてそれくらいのことはできるようになる。大人になれば自分が望むことがもっとできるようになる、もっと好きに、もっと知ることができる、そういう希望を持たせられるか。それが成長や大人をテーマとする物語の一番大事なところだと思っています。まあ、トゥインクルがどの程度まで射程を広げるかはわからないんですが、プリキュアは結構飛ばすので広く視野を持っておきたいですね。
第36話「ブルーキャット再び!虹色のココロ☆」
○今週の出来事
①久しぶりの泥棒稼業
先週光った件については進展せず。プリンセスさんやっぱり仕事してくれません。
その代わり、AIさんの調査で惑星レインボーの指輪をマフィアのオクトーが持っていることが判明。当然ユニが黙っているわけもなく行く気満々。相手が素直に返してくれないなら盗むまで。でも盗むのはご法度!とひかる。
同じ頃、星空警察で新たな刑事が誕生します。
映画宣伝仕様OP。ちゃんとフワは進化形態になってました。テンジョウが出てくるところを見ると本編と地続きらしい。
オクトーの巨大宇宙船。
大量に行き来する輸送船の貨物室に紛れ込む一同。緊張と不安を浮かべるララ達と違ってブルーキャットは手慣れたもの。
これよりちょっと前。フワのワープで一旦アジト近くまで移動すると、ユニは手頃な輸送船に忍び込む計画を立てます。アジトでパーティが開催されることもあって人の行き来が多い。忍び込むにはもってこい。完全に盗む気のユニにひかるは不満顔。以前は第三勢力として現地でバッタリ遭遇していましたが、仲間として一緒にいる今堂々と盗みに入ることには抵抗がある。宝物は元々レインボーのもの、素直に申し出て返して貰えるわけがないと主張するユニにやってみなきゃわからないと反論。ひかるが難色を示すのも前回のことが影響しているでしょう。ユニの態度はもはや説明放棄であり人に理解してもらう気ゼロ。
ひかる以外のメンバーも反対の意。孤立無援のユニは1人でやると出ていこうとします。それはそれで危険と止めるひかる。どっち!?と思わず聞き返す彼女にひかるはたじろぎながらも反対するのも心配するのもほんとの気持ちだと答えます。盗みに関してはユニ自身最良の手段とは思っていませんが背に腹は変えられません。故郷の宝物を取り戻すのは使命。
新米刑事はアジトに清掃夫として潜入。マフィアの情報収集が任務。本人的にはもっと華のある大捕物がしたいらしい。
噂のブルーキャットも会場に到着。お前らその変装で行けるってよく思えたな。安定のザル警備のおかげで楽々とパーティ会場の中へ。この宇宙全体的にセキュリティ甘いよな。
②譲れないもの
指輪を身につけるオクトー。レインボーの宝の中でもとびきりの一品と自慢。
ただの指輪ではなく身につけた者の感情で色が変化する特別な指輪、とユニが彼の代わりに答えます。あっさり盗みに成功。そしてあっさりバラす。自分でリスク上げてくスタイル。冷静な口調の裏で怒り心頭なユニ。強行突破で脱出を試みます。置いてきぼりをくらうひかる達。彼女達はノーマークだろうから逃げやすいんだろうけど。
警備も変装を使えば簡単。ところが思わぬ障害が発生。潜入していたアン警部補が立ちはだかります。
星空警察と聞いてすかさず挑発していくユニ。お前ほんと良い性格してるよな。新米と思いきや手錠をブーメランのように巧みに扱うアン。刑事道具は他にもあるとポケットからミラクルライトを取り出します。おっとフライング。映画の事前情報ほとんど入れていなかったので改めて調べたら、このキャラは映画にも登場するゲストキャラで今回のエピソードは映画の前振りみたいなもののようです。素人臭い喋りだったのもそういうわけ。
駆けつけたマフィアの部下達にとっ捕まってしまうアン。??? 警察とマフィアなんだから当たり前。お前もアジトに忍び込んでたのは一緒やろが!とツッコミが入ります。その隙に逃走を図るユニ。捕まったアンはグヘヘっ展開待ったなし。結局捨て置けずアンを助けて逃げるユニ。逃走失敗。グヘヘっ展開待ったなし。視聴率の稼ぎ時。
とりあえず縛り付けに。
泣き言を言うアンの横で「正義」のフレーズに反応するユニ。気になるもののアンは助けてもらったお礼を言います。どうにも緊張感が無いというか、お人好しすぎる感じ。律儀に盗みはよくない、相手の気持ちを考えろと説教。「それはあなたも一緒でしょ」と思わぬ言葉が返ってきてたじろぐアン。
ここでスパイしていたんでしょ? 正義のためなら騙してもいいの? 理由があれば何をしてもいいんならそんなの誰にでもあるんじゃない? アイワーン論法強い。そう切り返されて言葉に詰まるアン。勿論これはユニも詭弁だとわかっている。言ってから忘れてと取り消します。悪いことをする理由があるのか? 答えをはぐらかすユニ。
トークタイムは終了。扉が開くとひかる達が助けにやってきます。思わぬ援軍に「遅い」と照れ隠し。どっちにしろ縄抜けはお手の物。仮にマフィアがやってきたとしても何とかできた可能性大。新米とは場数もスキルも違う。
再びオクトーと遭遇。
オクトーは指輪は金と力でぶんどったものだと所有権の正当性?を主張。そこに割って入るテンジョウ。とりあえず警備会社雇おうな?
プリキュアの情報はアンにも伝わっています。まさかブルーキャットがプリキュアだったと知って驚くアン。そこ星空連合的には都合悪そうだよね。お得意の隠蔽ですかね。星空連合(軍)と警察仲悪そう。
タコだけあって手数の多さがウリ。辟易した様子のミルキーちゃん可愛い。でも油断しすぎ。そう言って助けたコスモも足を掬われます。そんな彼女を甘いと揶揄するテンジョウ。バケニャーンのときは食わせ者だったがプリキュアといるうちに弱くなったのではないか。味方になると弱体化あるある。
こんなときはブロックに定評があるスター。やさしくて何がいけないのか。動きが止まった敵に電撃を叩き込むとミルキーはあなた達が気づいてないだけ。誰よりも他人を思いやる心を持っている、本音を言うのが人より少し苦手なだけ、とソレイユとセレーネが言葉を続けます。ちょっとそういうのやめてよなコスモ。だが続ける。さらに「ユニはいい子」アピールするスター。敵からも味方からも容赦なく精神攻撃がヒットして顔面茹でダコ。
隙を狙って銃をテンジョウに向けるアン。テンジョウは悪びれることなく警察が怪盗の味方をしていいのかと問います。よくはない。でも彼女は自分を助けてくれた。だから今だけは助ける。そうする理由がある。迷うことなく引き金を引くとオクトーに直撃。プリキュアに合図するアンに、複雑な視線を向けるコスモ。そんな彼女の背中を仲間達が押します。よくあんな恥ずかしいことが言える。
「ありがと」
小声で言うと締めに入ります。
③譲れるもの
ユニはオクトーの前に立つと、自分の正体を明かします。
指輪の本来の所有者はオリーフィオであること、お金が必要なら用意すると伝えます。信じられるとでも? 言い返され言葉に詰まるユニ。オクトーは試すように指輪をつけてみろと言います。蒼く光る指輪。悲しみの色。すると納得したようにオクトーは持っていけとユニに譲ります。ありがとう。素直にお礼を言うユニ。
後は帰るだけ。ところが待ったの声。アン曰くこれまでの反省の形が必要なのでとりあえず10年ほどボランティアをしよう。
「……」
この顔である。
笑顔を浮かべながら肩を叩くと一瞬で手錠をはめてしまいます。この顔である。超たのしそー。そんなやりとりに呆れるひかるの手を掴むとバイバイと逃げていくユニ。手錠をはめられたままアンも追いかけます。
ワープゾーンにまで入ってくるアン。ところが勢い余ってロケットを追い抜くとそのままワープアウト。結果的に巻くことに成功。
ララが確認するように怪盗は続けるのかとユニに訊ねます。もし続けるのであればまた今回のような押し問答が生じかねません。そしてそのたびにユニは心を傷つけていく。それを心配するひかる達。
惑星レインボーの宝を取り戻すまでやめるわけにはいかない。その使命は変わらない。でも。イエローに光る指輪。
「みんなを悲しませるようなことはしないわ」
優しそうな顔を浮かべると約束します。
④次回予告
変装解いただけなのに仮装になってしまうのがユニクオリティ。
○トピック
アン「ブルーキャットを見つけたであります!」
上司「見逃せ」
アン「えっ」
上司「お前は何も見なかった。いいね?」
星空連合のトップを味方につけたプリキュアに隙はない。
お利口ちゃんのようでお利口ちゃんではないけどお利口ちゃんなトゥインクル節。
何度でも言いますが本作は頭が良いと思います。それは自問と反問をさせるからです。物語の流れ的にはひかるのエピソードが本流になるので、人に対して真摯になることが解になります。好きという気持ち。知りたいという好奇心。知るためには自分に対しても他人に対しても真摯でなければならない。素朴な気持ちから人格的成長へと広がっていくのが本作のスタンスです。では答えがわかっているならみんなそうすればいいのか? そうはならないし、安易にそうしてはならないのも本作のスタンスです。だってユニにはユニなりの理由があるもの。その理由や気持ちを真摯の一言で蔑ろにすることは真摯的ではありません。
ここに本作が抱える(敢えて抱え込んだ)矛盾があります。ユニの泥棒は正当化され得るのか否か。これはどっちにも理由付けできます。不当に奪われた品を取り戻す。それ自体は良い。しかし奪われた品を例えば盗品と知らずに手に入れた場合、オクトーのようにそれなりの理由で手にいれた場合そこから盗むのは少々怪しくなってきます。また別の案件で見たときにアンの潜入捜査は良いのか。本作が問うているのは様々なモノ、様々な人に理由があること、だからといってその理由すべてを許容するなら何でもアリになってしまう、という世の複雑さです。だからひかるはユニを毅然な態度で止めることができないし、ユニも自分の行動に迷いが生じていく。故郷を滅ぼされて、宝物まで盗まれて、たった1人で奮闘する彼女にこの仕打ちをかける東堂いづみはマジ鬼畜です。その上で警察官のアンに同じ問いを行うところに東堂いづみの真摯さがあります。こういうところで手を抜かないのはほんと良いですよね。これはプリキュアだけの問いに留まらないみんながそれぞれに抱える問いです。
じゃあどうするのか。そんなもん当人同士で折り合いをつけろ。自分の頭で考えてその場その場で解を見つけろってことです。だからアンは怪盗に肩入れするとわかっていても今回だけと力を貸し、ユニは自らの出自を明かし、オクトーは真偽を指輪に委ねる。
真摯さというのはある種の妥協です。相手のことをわかってしまえばある程度譲歩するのが筋であるし人情でしょう。自分のことを理解してくれるひかる達に内心で悪い気はしないし、彼女らに報いたいとも思う。ナアナアと言えばナアナアです。でもそれが真摯さというものであり、自分をわかってもらおうとした、相手をわかろうとした結果でもあります。
相手の気持ちを考えろ、優しくあれ、と人は気軽に簡単に言う。けどそれは容易なことではありません。ユニのように譲れないものがあればなおさらです。病気になるとみんな大なり小なりワガママになる。辛い自分をわかって欲しい、理解するのは当然のことだと。自分を棚に上げて人に優しさを求めるのが人間というものです。だからこそ困っている人に優しくするのではなく、困っている自分が人に優しくするユニの心情を描く本作は真摯なのです。
何が正しいのか。それを知るためには自分自身もまたその問いの前では解体され相対化されてしまう不快さ、不安さを抱えながらそれでもこの問いをやめてはならない。大変なことです。なのに相手の気持ちを考えろ、優しくあれ。みんな同じようなお説教をする。じゃあお前ら俺の気持ち考えたことあるのかよ。このモヤモヤした気持ちを少しでもわかってくれたのかよ。子ども向けアニメとしてプリキュアは子ども(ユニ)目線でそんな疑問に答えます。トゥインクルは矛盾する気持ちを持つことを否定しません。それは当然のこととして受け入れる。譲れないものを抱えながら、それでも人にできること。それがプリキュアの使命です。
①久しぶりの泥棒稼業
先週光った件については進展せず。プリンセスさんやっぱり仕事してくれません。
その代わり、AIさんの調査で惑星レインボーの指輪をマフィアのオクトーが持っていることが判明。当然ユニが黙っているわけもなく行く気満々。相手が素直に返してくれないなら盗むまで。でも盗むのはご法度!とひかる。
同じ頃、星空警察で新たな刑事が誕生します。
映画宣伝仕様OP。ちゃんとフワは進化形態になってました。テンジョウが出てくるところを見ると本編と地続きらしい。
オクトーの巨大宇宙船。
大量に行き来する輸送船の貨物室に紛れ込む一同。緊張と不安を浮かべるララ達と違ってブルーキャットは手慣れたもの。
これよりちょっと前。フワのワープで一旦アジト近くまで移動すると、ユニは手頃な輸送船に忍び込む計画を立てます。アジトでパーティが開催されることもあって人の行き来が多い。忍び込むにはもってこい。完全に盗む気のユニにひかるは不満顔。以前は第三勢力として現地でバッタリ遭遇していましたが、仲間として一緒にいる今堂々と盗みに入ることには抵抗がある。宝物は元々レインボーのもの、素直に申し出て返して貰えるわけがないと主張するユニにやってみなきゃわからないと反論。ひかるが難色を示すのも前回のことが影響しているでしょう。ユニの態度はもはや説明放棄であり人に理解してもらう気ゼロ。
ひかる以外のメンバーも反対の意。孤立無援のユニは1人でやると出ていこうとします。それはそれで危険と止めるひかる。どっち!?と思わず聞き返す彼女にひかるはたじろぎながらも反対するのも心配するのもほんとの気持ちだと答えます。盗みに関してはユニ自身最良の手段とは思っていませんが背に腹は変えられません。故郷の宝物を取り戻すのは使命。
新米刑事はアジトに清掃夫として潜入。マフィアの情報収集が任務。本人的にはもっと華のある大捕物がしたいらしい。
噂のブルーキャットも会場に到着。お前らその変装で行けるってよく思えたな。安定のザル警備のおかげで楽々とパーティ会場の中へ。この宇宙全体的にセキュリティ甘いよな。
②譲れないもの
指輪を身につけるオクトー。レインボーの宝の中でもとびきりの一品と自慢。
ただの指輪ではなく身につけた者の感情で色が変化する特別な指輪、とユニが彼の代わりに答えます。あっさり盗みに成功。そしてあっさりバラす。自分でリスク上げてくスタイル。冷静な口調の裏で怒り心頭なユニ。強行突破で脱出を試みます。置いてきぼりをくらうひかる達。彼女達はノーマークだろうから逃げやすいんだろうけど。
警備も変装を使えば簡単。ところが思わぬ障害が発生。潜入していたアン警部補が立ちはだかります。
星空警察と聞いてすかさず挑発していくユニ。お前ほんと良い性格してるよな。新米と思いきや手錠をブーメランのように巧みに扱うアン。刑事道具は他にもあるとポケットからミラクルライトを取り出します。おっとフライング。映画の事前情報ほとんど入れていなかったので改めて調べたら、このキャラは映画にも登場するゲストキャラで今回のエピソードは映画の前振りみたいなもののようです。素人臭い喋りだったのもそういうわけ。
駆けつけたマフィアの部下達にとっ捕まってしまうアン。??? 警察とマフィアなんだから当たり前。お前もアジトに忍び込んでたのは一緒やろが!とツッコミが入ります。その隙に逃走を図るユニ。捕まったアンはグヘヘっ展開待ったなし。結局捨て置けずアンを助けて逃げるユニ。逃走失敗。グヘヘっ展開待ったなし。視聴率の稼ぎ時。
とりあえず縛り付けに。
泣き言を言うアンの横で「正義」のフレーズに反応するユニ。気になるもののアンは助けてもらったお礼を言います。どうにも緊張感が無いというか、お人好しすぎる感じ。律儀に盗みはよくない、相手の気持ちを考えろと説教。「それはあなたも一緒でしょ」と思わぬ言葉が返ってきてたじろぐアン。
ここでスパイしていたんでしょ? 正義のためなら騙してもいいの? 理由があれば何をしてもいいんならそんなの誰にでもあるんじゃない? アイワーン論法強い。そう切り返されて言葉に詰まるアン。勿論これはユニも詭弁だとわかっている。言ってから忘れてと取り消します。悪いことをする理由があるのか? 答えをはぐらかすユニ。
トークタイムは終了。扉が開くとひかる達が助けにやってきます。思わぬ援軍に「遅い」と照れ隠し。どっちにしろ縄抜けはお手の物。仮にマフィアがやってきたとしても何とかできた可能性大。新米とは場数もスキルも違う。
再びオクトーと遭遇。
オクトーは指輪は金と力でぶんどったものだと所有権の正当性?を主張。そこに割って入るテンジョウ。とりあえず警備会社雇おうな?
プリキュアの情報はアンにも伝わっています。まさかブルーキャットがプリキュアだったと知って驚くアン。そこ星空連合的には都合悪そうだよね。お得意の隠蔽ですかね。星空連合(軍)と警察仲悪そう。
タコだけあって手数の多さがウリ。辟易した様子のミルキーちゃん可愛い。でも油断しすぎ。そう言って助けたコスモも足を掬われます。そんな彼女を甘いと揶揄するテンジョウ。バケニャーンのときは食わせ者だったがプリキュアといるうちに弱くなったのではないか。味方になると弱体化あるある。
こんなときはブロックに定評があるスター。やさしくて何がいけないのか。動きが止まった敵に電撃を叩き込むとミルキーはあなた達が気づいてないだけ。誰よりも他人を思いやる心を持っている、本音を言うのが人より少し苦手なだけ、とソレイユとセレーネが言葉を続けます。ちょっとそういうのやめてよなコスモ。だが続ける。さらに「ユニはいい子」アピールするスター。敵からも味方からも容赦なく精神攻撃がヒットして顔面茹でダコ。
隙を狙って銃をテンジョウに向けるアン。テンジョウは悪びれることなく警察が怪盗の味方をしていいのかと問います。よくはない。でも彼女は自分を助けてくれた。だから今だけは助ける。そうする理由がある。迷うことなく引き金を引くとオクトーに直撃。プリキュアに合図するアンに、複雑な視線を向けるコスモ。そんな彼女の背中を仲間達が押します。よくあんな恥ずかしいことが言える。
「ありがと」
小声で言うと締めに入ります。
③譲れるもの
ユニはオクトーの前に立つと、自分の正体を明かします。
指輪の本来の所有者はオリーフィオであること、お金が必要なら用意すると伝えます。信じられるとでも? 言い返され言葉に詰まるユニ。オクトーは試すように指輪をつけてみろと言います。蒼く光る指輪。悲しみの色。すると納得したようにオクトーは持っていけとユニに譲ります。ありがとう。素直にお礼を言うユニ。
後は帰るだけ。ところが待ったの声。アン曰くこれまでの反省の形が必要なのでとりあえず10年ほどボランティアをしよう。
「……」
この顔である。
笑顔を浮かべながら肩を叩くと一瞬で手錠をはめてしまいます。この顔である。超たのしそー。そんなやりとりに呆れるひかるの手を掴むとバイバイと逃げていくユニ。手錠をはめられたままアンも追いかけます。
ワープゾーンにまで入ってくるアン。ところが勢い余ってロケットを追い抜くとそのままワープアウト。結果的に巻くことに成功。
ララが確認するように怪盗は続けるのかとユニに訊ねます。もし続けるのであればまた今回のような押し問答が生じかねません。そしてそのたびにユニは心を傷つけていく。それを心配するひかる達。
惑星レインボーの宝を取り戻すまでやめるわけにはいかない。その使命は変わらない。でも。イエローに光る指輪。
「みんなを悲しませるようなことはしないわ」
優しそうな顔を浮かべると約束します。
④次回予告
変装解いただけなのに仮装になってしまうのがユニクオリティ。
○トピック
アン「ブルーキャットを見つけたであります!」
上司「見逃せ」
アン「えっ」
上司「お前は何も見なかった。いいね?」
星空連合のトップを味方につけたプリキュアに隙はない。
お利口ちゃんのようでお利口ちゃんではないけどお利口ちゃんなトゥインクル節。
何度でも言いますが本作は頭が良いと思います。それは自問と反問をさせるからです。物語の流れ的にはひかるのエピソードが本流になるので、人に対して真摯になることが解になります。好きという気持ち。知りたいという好奇心。知るためには自分に対しても他人に対しても真摯でなければならない。素朴な気持ちから人格的成長へと広がっていくのが本作のスタンスです。では答えがわかっているならみんなそうすればいいのか? そうはならないし、安易にそうしてはならないのも本作のスタンスです。だってユニにはユニなりの理由があるもの。その理由や気持ちを真摯の一言で蔑ろにすることは真摯的ではありません。
ここに本作が抱える(敢えて抱え込んだ)矛盾があります。ユニの泥棒は正当化され得るのか否か。これはどっちにも理由付けできます。不当に奪われた品を取り戻す。それ自体は良い。しかし奪われた品を例えば盗品と知らずに手に入れた場合、オクトーのようにそれなりの理由で手にいれた場合そこから盗むのは少々怪しくなってきます。また別の案件で見たときにアンの潜入捜査は良いのか。本作が問うているのは様々なモノ、様々な人に理由があること、だからといってその理由すべてを許容するなら何でもアリになってしまう、という世の複雑さです。だからひかるはユニを毅然な態度で止めることができないし、ユニも自分の行動に迷いが生じていく。故郷を滅ぼされて、宝物まで盗まれて、たった1人で奮闘する彼女にこの仕打ちをかける東堂いづみはマジ鬼畜です。その上で警察官のアンに同じ問いを行うところに東堂いづみの真摯さがあります。こういうところで手を抜かないのはほんと良いですよね。これはプリキュアだけの問いに留まらないみんながそれぞれに抱える問いです。
じゃあどうするのか。そんなもん当人同士で折り合いをつけろ。自分の頭で考えてその場その場で解を見つけろってことです。だからアンは怪盗に肩入れするとわかっていても今回だけと力を貸し、ユニは自らの出自を明かし、オクトーは真偽を指輪に委ねる。
真摯さというのはある種の妥協です。相手のことをわかってしまえばある程度譲歩するのが筋であるし人情でしょう。自分のことを理解してくれるひかる達に内心で悪い気はしないし、彼女らに報いたいとも思う。ナアナアと言えばナアナアです。でもそれが真摯さというものであり、自分をわかってもらおうとした、相手をわかろうとした結果でもあります。
相手の気持ちを考えろ、優しくあれ、と人は気軽に簡単に言う。けどそれは容易なことではありません。ユニのように譲れないものがあればなおさらです。病気になるとみんな大なり小なりワガママになる。辛い自分をわかって欲しい、理解するのは当然のことだと。自分を棚に上げて人に優しさを求めるのが人間というものです。だからこそ困っている人に優しくするのではなく、困っている自分が人に優しくするユニの心情を描く本作は真摯なのです。
何が正しいのか。それを知るためには自分自身もまたその問いの前では解体され相対化されてしまう不快さ、不安さを抱えながらそれでもこの問いをやめてはならない。大変なことです。なのに相手の気持ちを考えろ、優しくあれ。みんな同じようなお説教をする。じゃあお前ら俺の気持ち考えたことあるのかよ。このモヤモヤした気持ちを少しでもわかってくれたのかよ。子ども向けアニメとしてプリキュアは子ども(ユニ)目線でそんな疑問に答えます。トゥインクルは矛盾する気持ちを持つことを否定しません。それは当然のこととして受け入れる。譲れないものを抱えながら、それでも人にできること。それがプリキュアの使命です。
第35話「ひかるが生徒会長!?キラやば選挙バトル☆」
○今週の出来事
①観星中選挙
次期会長の話題に待ってました!とばかりに拳に力が入るドリ子さん。
まずは立候補を募ります。今までの慣例では現会長が次期会長を指名していましたがまどかの意向で自薦を優先。一斉に目を逸らす生徒会の人達。もうこれ決まりじゃん。…と思いきやドリ子は敢えて手を挙げせん。焦りは禁物、みんなから推される形で…と思惑を巡らせます。
ロケットでは、ひかるがある提案をします。
他の星から修学旅行で地球に来てもらって観星中の生徒で街を案内できたら楽しくない? 宇宙人と合同生徒会開くとか。その前に星空連合に加盟しないといけないと思いますが、加盟条件って何かあるんだろうか。宇宙航行技術とか?
そういう風にオープンになればララが宇宙人であることを隠す必要もなくなる。フワも学校に行ける。魔法つかいでなりそうでならなかった本格的な交流路線の可能性。星を見上げていた女の子が星を繋ぐ展開は王道ですね。難民もまどか父に頑張ってもらうってことで。
それを聞いたまどかは素晴らしいです!と一も二もなく彼女を生徒会長に誘います。
寝耳に水な話に呆然とするひかるを前に、まどかは新しい発想を持った人にやってもらいたいと指名理由を挙げます。立候補者がいなかったので渡りに船。それにひかるはプリキュアのまとめ役にもなっているので適正もある。えれなとララも納得。さらにはプルンスまで向いてそうと賛同。外堀埋めていくスタイル。
真剣に依頼するまどかに推されてタジタジのひかる。この子わりとこういうところで普通の反応をするよね。主人公って基本的にぶっとんだところがあって、それに引きずられる形で性格付けや行動理由が決まっていくんだけどその意味ではひかるはそこまでアクが強くない。わかりやすく言うと普通の主人公はイエス・ノーがハッキリしやすいんだけど、ひかるはハッキリしたり曖昧だったりする。普段はそれなりに普通だけどUMAの話になると早口になるよねって子。だから軽率さと慎重さが場面によって出たり引っ込んだりする。
周囲に促される形で生徒会長に立候補することに。
異議あり!と声大きく反論するドリ子。
まどかが生徒会にひかるを連れて紹介した途端この態度。ご存知でないことご存知ですわよね!? 噛まずに言えました。ドリ子嬢の剣幕についていけず生返事しか返せないひかる。このタイミングとばかりに生徒会長に立候補。どうしよ? 訊ねられたまどかも予想外の事態に困惑。生徒会委員が選挙をしたらどうでしょう?と助け舟を出します。
ひかる的には他に自薦がいるならいいんじゃないか、な心境ですが思いもよらぬドリ子のライバル心にこれまた圧される形で選挙を戦うことに。自分の土俵でないと押しに弱い。
告知も始まり選挙は一週間後。大事になってしまった…と及び腰のひかるをララが応援。
その夜に家族に話すとやはり珍しがられます。
お祖父ちゃんとの仲もそれなりに進んだのか、新聞を読みながらではあるものの応援されます。お母さんは早速選挙ポスターを作成。これは強い味方。
翌朝、正門に立ってアピール。その看板デカすぎね? やりすぎだろ。
この観星中をキラやば~っな学校にしたいと演説するひかる。まるでわからん。ララちゃん力持ち。宇宙規模でキラやばになって宇宙からの転校生を…みんな頭痛が痛そうな顔。宇宙人を見るような目で見てると宇宙人のララにツッコミを入れられる始末。まどかには賛同を得られた案ですが、一般人には時代が早すぎた。これでは電波な子にしか思われません。
いきなりしくじった、と反省。
みんなはどんな生徒会長を望んでいるのか。現会長のまどかの評判は最高。それならと生徒達にまどかがどんな生徒会長だったかを尋ねて回ります。最高=正しいの図式によりひかるはまどかの後任路線に転換。この案は安心感もあったのか多くの支持を集めます。
対するドリ子陣営はというと、校内風紀の徹底、罰則規定の制定、そして桜子とのお茶会。ん? 桜子の部屋開設。桜子の目安箱を各階10個設置。姫ノ城桜子のための生徒会長!とお前どんだけ自分好きやねん。あとその小道具誰に作ってもらったの? お手製? 友達いないから全部自分でやりましたと言われても納得できるぞおい。
どんだけ姫ノ城桜子連呼するんだよ。電波が1人いなくなったと思ったら違う電波が出た。案の定周囲の反応は芳しくありません。序盤からひかる優勢の展開に。
その後もひかるは至るところに顔を出してまどかドクトリンを実践。ララちゃん補佐役として有能。
そんな活動は噂にもなり、生徒達からも好意的に見られます。しかしその評判を聞いたまどかは不安になります。
慣れない仕事に疲れたのか家に帰った途端グッタリ。お婆ちゃんが心配して声をかけると「夢中になってるかい?」と訊ねてきます。小さい頃のひかるは何でも自分の好きなことに夢中になってた。周りのことなんかおかまいなし。でも好きなことを話してる時はとっても楽しそうで、聞いてるこっちまで幸せな気分になった。その言葉で祖母が何を言わんとしているのかひかるも気づきます。ここ何日か出てくる言葉は「大変」「頑張る」「もっと」ばかり。
「(私、夢中……なのかな?)」
天井を見上げながら自問。
②姫ノ城桜子
今日も選挙活動。ララと一緒に巡回。仕事を優先しすぎたためかフワから全然遊んでくれない!と苦情が入ります。身内にはすこぶる評判が悪い。
タツノリと会うと意外なことに彼はドリ子を支持。あいつ意外と面白いっしょ。まどかさんは面白い面白くないでやってないと思わず反論。するとこれまた意外なことにタツノリは冷静な視点で疑問をなげかけます。
「でもさぁ、どうして桜子の部屋やりたいとか、お茶会やりたいとか、知りたくならねぇ?」
見返すと分かりますが彼はひかるの初演説のときも否定的な態度は取っていません(画面に出てこないけど)。発言者の意図や真意を汲み取ろうとする有権者の鑑。カルノリのあだ名返上した方がいいんじゃね。毎日遅くまで学校に残っている。あれ、こいつ有能?
ドリ子が気になるので急いで学校へ。
プルンス曰く「まどかさんのようにまどかさんのように」と毎日呪文みたいに繰り返している。それを聞いたまどかは思わぬ事態に困惑と責任を感じます。ひかるらしくやってほしかったのに思わぬ展開に。ユニも加わるとひかるが学校へ行ったことを伝えます。
学校ではドリ子嬢が設備の状態を細かくチェックしています。それ職員の仕事じゃないですかね?
既存の設備だけでなく今後必要なものもピックアップ。たまたま近くに居た女子生徒の会話が耳に入ってきます。姫ノ城さんって自分が目立ちたいだけに見えちゃったりするんだよね。まどか先輩みたいに周りを見てる感じはしないよね。全視聴者のイメージを代弁。
彼女はそのまま静かに校舎の中へ入っていきます。メモ帳を落とすとそれをひかるが拾います。そこには彼女がチェックした様々なこと、お茶会の目的が書かれています。
廊下に貼られた選挙ポスター。
剥がれかかったひかるのポスターの端を持ったまま指を止める桜子。指に力が入ります。長い逡巡。答えを出す前にお呼びがかかります。カッパードの武器に。今回は杖。ひかる達も学校に集合して変身。
桜吹雪で身動きが取れなくなるプリキュア。吹雪に混ざって桜子のポスターが飛んできます。お前の絵を破ろうとしていたと告げ口。証拠を示すように吹雪の威力を強めます。ひかるに対する歪んだイマジネーションにカッパードも満足。珍しくちゃんと設定が活かされています。今までの人選がテキトーすぎただけなんですけど。
違う!と反論するスター。
「私、何も知ろうとしてなかった……姫ノ城さんのこと」
「でも、今は少しだけわかる」
「私……もっと知りたい! 彼女のこと!」
「同感だ。敵を知れば弱点もわかる。倒すのに好都合というもの!」
「違う! 私は……」
ここのスターの表情すごく好きです。自分の思い至らなさを痛感している顔。
「私のことも知ってほしい!」
なんのため? わかり合うため。そこからきっとキラやばなものが生まれる。その確信が彼女に力を与えます。プリンセスもその波動を感じ取ります。これがトゥインクルイマジネーションじゃないの? でもまだその時ではないので新商品ゴリ押しタイム。
夕方。廊下で目を覚ます桜子。
剥がれかかったポスターの端を摘むと綺麗に貼り直します。
タイミングを読んでいたのかはさておき、ひかるとララが声をかけるとメモ帳を返します。中は少しだけ見た。そう答えるひかるに礼を言うこともなく桜子は去っていきます。わかり合うために必要なこと。
③観星中の銀河
投票前最終演説。
先手ひかる。マイクを持つと彼女は高らかに桜子の応援を宣言。思いもしなかった言葉に桜子からも会場からも疑問の声が上がります。1人状況を楽しむタツノリ。こいつある意味余裕あるよな。
ひかるはそのまま桜子がどんな人なのかを話し始めます。これはメモにも画面にも登場していないのでひかるが見た彼女の姿なのでしょう。口調は砕けていますが、それだけに彼女がどう話すか入念に考えていたであろうことが感じ取れます。そんなひかるの姿にえれなとまどかはこれこそひかるらしいと納得。
生徒会室で引き継ぎ。流石の桜子も緊張の色は隠せません。拍手とともに桜子は新しい生徒会長に。思わず涙を流す彼女をまどかは静かに労ります。
校舎を出る桜子を祝福するひかる。
色々複雑な感情もあってひかるを直視できず目を逸します。ひかるは素直に自分がまどかの後追いをしていただけだったことを認め、そして桜子が夢中になっていたことを指摘します。姫ノ城さんに投票しちゃった。照れたのか観星中の金星である自分に勝負など100年早いと返す桜子。観星中の金星なら自分は何かな。
「あなたはそうねぇ、観星中の……銀河におなりなさい!」
こうしてふたりはちょっとだけわかり合えたのでした。
④次回予告
映画ダンスを先行披露。
廃業してなかったんかい。
○トピック
アイワーンと並ぶコイツどうするつもりやねん?なキャラだったドリ子嬢の落とし所。
それはそれとして「羽衣ララ」って書いた人はあとで職員室に来なさない。絶対票入れた奴いるだろ。
ひかるの曖昧さ(普通さ)を上手く使った良エピソード。
冒頭でも述べたようにひかるはオタクではあっても、それが彼女の全行動を支配しているわけではなく常識的な部分、興味の無いところではテキトーにしている(特に意見がない)部分があって、一般生徒から見ればあまり周囲に興味を持たない子として認識されています。学校内での描写が少ないこともありますが、ひかるは主人公としてはかなり地味です。基本属性がオタクですからね。たぶんララの方が学校の友達多いんじゃないでしょうか。
そういった次第で選挙に対しても生徒会長に対しても明確なビジョンがないのでとりあえず指標となるまどかを踏襲する戦略を取るわけですが、まさにここに周囲とのギャップが生まれます。まどかが期待したひかるらしさは癖が強くてひかる本人からすると決して汎用性の高い行動ではありません。だから無難な方へ行く。これは程度の差はあれどどんな人も経験することでしょう。ララが初めて学校に行ったときに周囲に溶け込みすぎるくらい溶け込もうとしたのと同じことです。
この点で「夢中になる」は良い対比です。自分が夢中になっていればわざわざ相手に合わせる必要を感じない。そんなこと思いもしない。自分の描きたい漫画に夢中になっている母が良い例でしょう(無論彼女も売れる漫画を意識しないではいられませんでしたが)。夢中になっていると誰しも我が出るものです。自分はこうしたいと意思がハッキリと現れる。そうして振り返ってみると桜子が事あるごとにまどかに対抗心を燃やしたのも彼女の熱中ぶりを表しているし、転校間もないララの相談にも乗ろうとしたのも細かい気配りを証明しています。まあ、元々の性格が癖強すぎるのは隠しようもないんですが。
逆に夢中じゃないこと、どうでもいいことは「なんだっていいんじゃない」「とりあえずそれで」的に流されやすくなるわけで、性格や個性による色付けは薄まりやすい傾向があるでしょう。
本作は個性が絶対ではないとのスタンスに立っています。人の人格、行動、思考は必ずしも一つの決定的な要因(個性とか)によって動かされているわけではなく、その場の状況や周囲の人々の反応によって変わる。見えているものがその人の全てではないし、確実な予測も立てられない。だからひかるはヒヨってしまうし、そんな彼女にまどかは困惑と責任を感じてしまうし、桜子は誰よりも真摯に(そして自画自賛的に)生徒会長をやろうとする。
ほんのちょっと普段と違う状況を作るだけで人は様々な姿と動きを見せる。トゥインクルの特徴的な描き方だと思います。本作はひかる達の成長をメインに描いていますが、その成長とは変容性、つまり曖昧さ、吸収力(自己主張の不徹底さ)などの変わりやすさと引換えなのです。もちろん合う合わないはある。ひかるは生徒会長に夢中になれないし、お婆ちゃんが言ったように好きなことをやっている方が本人にとっても周囲にとっても好ましい。そういったフィードバックを繰り返しながら自己を積み重ねていく。
前にも同じ趣旨のことは言いましたが本作はそれが徹底しています。家、親、友達、その他環境に振り回されながら成長していく。成長というものが単にレベル1が10になるわけではないこと、時間と経験の中で育まれていくことを実践しています。だからこそ本作はひかるやララのように「遊び」が多いキャラクターが主役になり得る。個性は個性として尊重されるべきものでしょう。しかしそれに縛られることなく拡張することもできるのが人間の柔軟さです。
1話を見たとき、ひかるは大物になるかもしれないと思いました。半年を過ぎて改めて見ると案外普通の子だと思います。けどそれは失望や落胆ではなく、それが彼女の多面性であり普通の中に夢中になれるものがあることを改めて気づかせてくれます。フィクションの主人公はとかく極端に描かれがちです。すべてを自分の物差しで測り塗り替えていくほどに。でも現実は癖がある人でも他人の物差しで測られ、それに従ってしまうことも多い。好きなモノがある一方で、好きじゃないモノがある。自分が夢中になれないことに夢中になれる人がいる。そのことに気づけるひかるは普通の人の様々な面、在り様を映してくれる主人公でもあります。映画でまた違った一面を見せてくれることを期待しています。
①観星中選挙
次期会長の話題に待ってました!とばかりに拳に力が入るドリ子さん。
まずは立候補を募ります。今までの慣例では現会長が次期会長を指名していましたがまどかの意向で自薦を優先。一斉に目を逸らす生徒会の人達。もうこれ決まりじゃん。…と思いきやドリ子は敢えて手を挙げせん。焦りは禁物、みんなから推される形で…と思惑を巡らせます。
ロケットでは、ひかるがある提案をします。
他の星から修学旅行で地球に来てもらって観星中の生徒で街を案内できたら楽しくない? 宇宙人と合同生徒会開くとか。その前に星空連合に加盟しないといけないと思いますが、加盟条件って何かあるんだろうか。宇宙航行技術とか?
そういう風にオープンになればララが宇宙人であることを隠す必要もなくなる。フワも学校に行ける。魔法つかいでなりそうでならなかった本格的な交流路線の可能性。星を見上げていた女の子が星を繋ぐ展開は王道ですね。難民もまどか父に頑張ってもらうってことで。
それを聞いたまどかは素晴らしいです!と一も二もなく彼女を生徒会長に誘います。
寝耳に水な話に呆然とするひかるを前に、まどかは新しい発想を持った人にやってもらいたいと指名理由を挙げます。立候補者がいなかったので渡りに船。それにひかるはプリキュアのまとめ役にもなっているので適正もある。えれなとララも納得。さらにはプルンスまで向いてそうと賛同。外堀埋めていくスタイル。
真剣に依頼するまどかに推されてタジタジのひかる。この子わりとこういうところで普通の反応をするよね。主人公って基本的にぶっとんだところがあって、それに引きずられる形で性格付けや行動理由が決まっていくんだけどその意味ではひかるはそこまでアクが強くない。わかりやすく言うと普通の主人公はイエス・ノーがハッキリしやすいんだけど、ひかるはハッキリしたり曖昧だったりする。普段はそれなりに普通だけどUMAの話になると早口になるよねって子。だから軽率さと慎重さが場面によって出たり引っ込んだりする。
周囲に促される形で生徒会長に立候補することに。
異議あり!と声大きく反論するドリ子。
まどかが生徒会にひかるを連れて紹介した途端この態度。ご存知でないことご存知ですわよね!? 噛まずに言えました。ドリ子嬢の剣幕についていけず生返事しか返せないひかる。このタイミングとばかりに生徒会長に立候補。どうしよ? 訊ねられたまどかも予想外の事態に困惑。生徒会委員が選挙をしたらどうでしょう?と助け舟を出します。
ひかる的には他に自薦がいるならいいんじゃないか、な心境ですが思いもよらぬドリ子のライバル心にこれまた圧される形で選挙を戦うことに。自分の土俵でないと押しに弱い。
告知も始まり選挙は一週間後。大事になってしまった…と及び腰のひかるをララが応援。
その夜に家族に話すとやはり珍しがられます。
お祖父ちゃんとの仲もそれなりに進んだのか、新聞を読みながらではあるものの応援されます。お母さんは早速選挙ポスターを作成。これは強い味方。
翌朝、正門に立ってアピール。その看板デカすぎね? やりすぎだろ。
この観星中をキラやば~っな学校にしたいと演説するひかる。まるでわからん。ララちゃん力持ち。宇宙規模でキラやばになって宇宙からの転校生を…みんな頭痛が痛そうな顔。宇宙人を見るような目で見てると宇宙人のララにツッコミを入れられる始末。まどかには賛同を得られた案ですが、一般人には時代が早すぎた。これでは電波な子にしか思われません。
いきなりしくじった、と反省。
みんなはどんな生徒会長を望んでいるのか。現会長のまどかの評判は最高。それならと生徒達にまどかがどんな生徒会長だったかを尋ねて回ります。最高=正しいの図式によりひかるはまどかの後任路線に転換。この案は安心感もあったのか多くの支持を集めます。
対するドリ子陣営はというと、校内風紀の徹底、罰則規定の制定、そして桜子とのお茶会。ん? 桜子の部屋開設。桜子の目安箱を各階10個設置。姫ノ城桜子のための生徒会長!とお前どんだけ自分好きやねん。あとその小道具誰に作ってもらったの? お手製? 友達いないから全部自分でやりましたと言われても納得できるぞおい。
どんだけ姫ノ城桜子連呼するんだよ。電波が1人いなくなったと思ったら違う電波が出た。案の定周囲の反応は芳しくありません。序盤からひかる優勢の展開に。
その後もひかるは至るところに顔を出してまどかドクトリンを実践。ララちゃん補佐役として有能。
そんな活動は噂にもなり、生徒達からも好意的に見られます。しかしその評判を聞いたまどかは不安になります。
慣れない仕事に疲れたのか家に帰った途端グッタリ。お婆ちゃんが心配して声をかけると「夢中になってるかい?」と訊ねてきます。小さい頃のひかるは何でも自分の好きなことに夢中になってた。周りのことなんかおかまいなし。でも好きなことを話してる時はとっても楽しそうで、聞いてるこっちまで幸せな気分になった。その言葉で祖母が何を言わんとしているのかひかるも気づきます。ここ何日か出てくる言葉は「大変」「頑張る」「もっと」ばかり。
「(私、夢中……なのかな?)」
天井を見上げながら自問。
②姫ノ城桜子
今日も選挙活動。ララと一緒に巡回。仕事を優先しすぎたためかフワから全然遊んでくれない!と苦情が入ります。身内にはすこぶる評判が悪い。
タツノリと会うと意外なことに彼はドリ子を支持。あいつ意外と面白いっしょ。まどかさんは面白い面白くないでやってないと思わず反論。するとこれまた意外なことにタツノリは冷静な視点で疑問をなげかけます。
「でもさぁ、どうして桜子の部屋やりたいとか、お茶会やりたいとか、知りたくならねぇ?」
見返すと分かりますが彼はひかるの初演説のときも否定的な態度は取っていません(画面に出てこないけど)。発言者の意図や真意を汲み取ろうとする有権者の鑑。カルノリのあだ名返上した方がいいんじゃね。毎日遅くまで学校に残っている。あれ、こいつ有能?
ドリ子が気になるので急いで学校へ。
プルンス曰く「まどかさんのようにまどかさんのように」と毎日呪文みたいに繰り返している。それを聞いたまどかは思わぬ事態に困惑と責任を感じます。ひかるらしくやってほしかったのに思わぬ展開に。ユニも加わるとひかるが学校へ行ったことを伝えます。
学校ではドリ子嬢が設備の状態を細かくチェックしています。それ職員の仕事じゃないですかね?
既存の設備だけでなく今後必要なものもピックアップ。たまたま近くに居た女子生徒の会話が耳に入ってきます。姫ノ城さんって自分が目立ちたいだけに見えちゃったりするんだよね。まどか先輩みたいに周りを見てる感じはしないよね。全視聴者のイメージを代弁。
彼女はそのまま静かに校舎の中へ入っていきます。メモ帳を落とすとそれをひかるが拾います。そこには彼女がチェックした様々なこと、お茶会の目的が書かれています。
廊下に貼られた選挙ポスター。
剥がれかかったひかるのポスターの端を持ったまま指を止める桜子。指に力が入ります。長い逡巡。答えを出す前にお呼びがかかります。カッパードの武器に。今回は杖。ひかる達も学校に集合して変身。
桜吹雪で身動きが取れなくなるプリキュア。吹雪に混ざって桜子のポスターが飛んできます。お前の絵を破ろうとしていたと告げ口。証拠を示すように吹雪の威力を強めます。ひかるに対する歪んだイマジネーションにカッパードも満足。珍しくちゃんと設定が活かされています。今までの人選がテキトーすぎただけなんですけど。
違う!と反論するスター。
「私、何も知ろうとしてなかった……姫ノ城さんのこと」
「でも、今は少しだけわかる」
「私……もっと知りたい! 彼女のこと!」
「同感だ。敵を知れば弱点もわかる。倒すのに好都合というもの!」
「違う! 私は……」
ここのスターの表情すごく好きです。自分の思い至らなさを痛感している顔。
「私のことも知ってほしい!」
なんのため? わかり合うため。そこからきっとキラやばなものが生まれる。その確信が彼女に力を与えます。プリンセスもその波動を感じ取ります。これがトゥインクルイマジネーションじゃないの? でもまだその時ではないので新商品ゴリ押しタイム。
夕方。廊下で目を覚ます桜子。
剥がれかかったポスターの端を摘むと綺麗に貼り直します。
タイミングを読んでいたのかはさておき、ひかるとララが声をかけるとメモ帳を返します。中は少しだけ見た。そう答えるひかるに礼を言うこともなく桜子は去っていきます。わかり合うために必要なこと。
③観星中の銀河
投票前最終演説。
先手ひかる。マイクを持つと彼女は高らかに桜子の応援を宣言。思いもしなかった言葉に桜子からも会場からも疑問の声が上がります。1人状況を楽しむタツノリ。こいつある意味余裕あるよな。
ひかるはそのまま桜子がどんな人なのかを話し始めます。これはメモにも画面にも登場していないのでひかるが見た彼女の姿なのでしょう。口調は砕けていますが、それだけに彼女がどう話すか入念に考えていたであろうことが感じ取れます。そんなひかるの姿にえれなとまどかはこれこそひかるらしいと納得。
生徒会室で引き継ぎ。流石の桜子も緊張の色は隠せません。拍手とともに桜子は新しい生徒会長に。思わず涙を流す彼女をまどかは静かに労ります。
校舎を出る桜子を祝福するひかる。
色々複雑な感情もあってひかるを直視できず目を逸します。ひかるは素直に自分がまどかの後追いをしていただけだったことを認め、そして桜子が夢中になっていたことを指摘します。姫ノ城さんに投票しちゃった。照れたのか観星中の金星である自分に勝負など100年早いと返す桜子。観星中の金星なら自分は何かな。
「あなたはそうねぇ、観星中の……銀河におなりなさい!」
こうしてふたりはちょっとだけわかり合えたのでした。
④次回予告
映画ダンスを先行披露。
廃業してなかったんかい。
○トピック
アイワーンと並ぶコイツどうするつもりやねん?なキャラだったドリ子嬢の落とし所。
それはそれとして「羽衣ララ」って書いた人はあとで職員室に来なさない。絶対票入れた奴いるだろ。
ひかるの曖昧さ(普通さ)を上手く使った良エピソード。
冒頭でも述べたようにひかるはオタクではあっても、それが彼女の全行動を支配しているわけではなく常識的な部分、興味の無いところではテキトーにしている(特に意見がない)部分があって、一般生徒から見ればあまり周囲に興味を持たない子として認識されています。学校内での描写が少ないこともありますが、ひかるは主人公としてはかなり地味です。基本属性がオタクですからね。たぶんララの方が学校の友達多いんじゃないでしょうか。
そういった次第で選挙に対しても生徒会長に対しても明確なビジョンがないのでとりあえず指標となるまどかを踏襲する戦略を取るわけですが、まさにここに周囲とのギャップが生まれます。まどかが期待したひかるらしさは癖が強くてひかる本人からすると決して汎用性の高い行動ではありません。だから無難な方へ行く。これは程度の差はあれどどんな人も経験することでしょう。ララが初めて学校に行ったときに周囲に溶け込みすぎるくらい溶け込もうとしたのと同じことです。
この点で「夢中になる」は良い対比です。自分が夢中になっていればわざわざ相手に合わせる必要を感じない。そんなこと思いもしない。自分の描きたい漫画に夢中になっている母が良い例でしょう(無論彼女も売れる漫画を意識しないではいられませんでしたが)。夢中になっていると誰しも我が出るものです。自分はこうしたいと意思がハッキリと現れる。そうして振り返ってみると桜子が事あるごとにまどかに対抗心を燃やしたのも彼女の熱中ぶりを表しているし、転校間もないララの相談にも乗ろうとしたのも細かい気配りを証明しています。まあ、元々の性格が癖強すぎるのは隠しようもないんですが。
逆に夢中じゃないこと、どうでもいいことは「なんだっていいんじゃない」「とりあえずそれで」的に流されやすくなるわけで、性格や個性による色付けは薄まりやすい傾向があるでしょう。
本作は個性が絶対ではないとのスタンスに立っています。人の人格、行動、思考は必ずしも一つの決定的な要因(個性とか)によって動かされているわけではなく、その場の状況や周囲の人々の反応によって変わる。見えているものがその人の全てではないし、確実な予測も立てられない。だからひかるはヒヨってしまうし、そんな彼女にまどかは困惑と責任を感じてしまうし、桜子は誰よりも真摯に(そして自画自賛的に)生徒会長をやろうとする。
ほんのちょっと普段と違う状況を作るだけで人は様々な姿と動きを見せる。トゥインクルの特徴的な描き方だと思います。本作はひかる達の成長をメインに描いていますが、その成長とは変容性、つまり曖昧さ、吸収力(自己主張の不徹底さ)などの変わりやすさと引換えなのです。もちろん合う合わないはある。ひかるは生徒会長に夢中になれないし、お婆ちゃんが言ったように好きなことをやっている方が本人にとっても周囲にとっても好ましい。そういったフィードバックを繰り返しながら自己を積み重ねていく。
前にも同じ趣旨のことは言いましたが本作はそれが徹底しています。家、親、友達、その他環境に振り回されながら成長していく。成長というものが単にレベル1が10になるわけではないこと、時間と経験の中で育まれていくことを実践しています。だからこそ本作はひかるやララのように「遊び」が多いキャラクターが主役になり得る。個性は個性として尊重されるべきものでしょう。しかしそれに縛られることなく拡張することもできるのが人間の柔軟さです。
1話を見たとき、ひかるは大物になるかもしれないと思いました。半年を過ぎて改めて見ると案外普通の子だと思います。けどそれは失望や落胆ではなく、それが彼女の多面性であり普通の中に夢中になれるものがあることを改めて気づかせてくれます。フィクションの主人公はとかく極端に描かれがちです。すべてを自分の物差しで測り塗り替えていくほどに。でも現実は癖がある人でも他人の物差しで測られ、それに従ってしまうことも多い。好きなモノがある一方で、好きじゃないモノがある。自分が夢中になれないことに夢中になれる人がいる。そのことに気づけるひかるは普通の人の様々な面、在り様を映してくれる主人公でもあります。映画でまた違った一面を見せてくれることを期待しています。
第34話「つながるキモチ☆えれなとサボテン星人!」
○今週の出来事
①宇宙からのお客さん
アブラハム監督から連絡が入ると、近く視察員が来るとのこと。視察ならアブラハムの仕事の一部じゃないかと思うんだけど、きっと信用されてないんだろうなぁ。視察員の名前はサボロー。さぼりそう。
余計な仕事が増えるためか、ユニはトゥインクルイマジネーション探しで忙しいと抗議。忙しい?……うん、忙しいよね。辺境扱いの地球の株を上げるチャンスでもあると上手く話を持って行きます。それなら任せてと胸を張って答えるララ。お前異星人だろ。意外とプルンスもやる気。れいなは母親の影響からかいつも色んな国の人を案内していると頼れそうな感じ。ということで話は決まり。
ユニちゃんはそのままのユニちゃんで居てほしい。
「歓迎」のプラカードを持ってスタンバイするひかる。
通じねーだろ、とツッコミが入ると落ち込みます。まあ、たぶん意図は伝わるからいいんじゃない? 視察員がどんな人かは教えられていないので出たとこ勝負。その分ワクワク感も高まります。
……が、待てども来ない。AIから通信が入るとようやくお出まし。宇宙船が上空を素通りしていきます。
落下地点へ行くと思ったよりも小型の宇宙船。芽が出るように開くと中から人影。めっちゃメキシコ感。テキーラ飲みそう(偏見)。ギター弾きそう(偏見)。ドンタコス好きそう(日本生まれ)。
早速自己紹介しながら手を差し出すひかる。すると何や不思議な動きをし始めるサボロー氏。外套が脱げると中からサボテンのような姿が表れます。植物から進化したのではないかと推測するララ。かなり珍しいのかララもプルンスも知らないようです。……。雪だるま星人って何から進化したんだ?
言葉ならペンダントが自動翻訳してくれるはずなのに意思疎通できない。ここは宇宙のあらゆる言葉を知り尽くす俺に任せろとプルンスがかって出ます。お前何気に凄い設定付いてるな。宇宙食栄養士でもあったと思うけど、ほんと何なんだよ、お前。どういう経歴なんだ。
相手の言葉を聞き出すために声をかけてみても返答なし。触ろうとして棘に刺さってしまいます。ボディタッチ不可。言葉によるコミュニケーションも不可。星空連合はなんでそんな奴送ってきた。嫌がらせか。
まだボディランゲージが残されている。何かを伝えようとするサボロー氏。……まるでわからない。フラメンコダンスでは? ひかるが踊りますが違うようです。もしかして「水」では?とえれな。君の理解力半端ねーな。あの動きのどこにその要素あった?
実際に水場に案内すると駆け出して水を補給。正解だったようです。
えれなは彼の隣に座ると自分も足を水につけて話しかけます。人間心理的には相手と同じ動きをすると親近感が湧くそうです。えれなの呼びかけに応えるサボロー氏。もう案内人えれな1人でいいんじゃないかな。植物に必要なのは水分と日。ああ、その辺から推測したのか。
その後は順調に周辺を案内。ある程度ボディランゲージの意味が掴めてきます。遼爺の天文台にも案内。宇宙人にプラネタリム見せる意味。
商店街を案内。
流石えれなと感心しているひかる達の横で、ユニは彼が本当に星空連合の視察員なのかと疑います。鋭い。遊んでいるばかりで視察しているようには見えない。映画ばかり撮ってる人もいるのでそこは何とも。これこそが地球人と異星人の友好の架け橋だと言うプルンス。コミュ力や友好度を測っているのかもしれない。情報が少ないと自分に都合の良い解釈するよね。
自分の店にも案内。綺麗なお花がいっぱいある。あ。
②親愛の印
お店ではパパさんが店番。娘達を認めると、以前と同じ調子で抱きしめてきます。こっちも慣れているので「オラ」と返答。ユニは初めてなので戸惑います。大丈夫?これ痴漢にならない? 異文化のリスクってあると思う。
サボロー(?)氏を紹介。棘があるのでハグ禁止。
店に来たお客さんに花束を渡すパパさん。これ大丈夫? 植物星人から見たらこれ人身売買にならない? 店先にあった花を見つめるサボロー(?)氏にえれなが一本抜き出して渡そうとします。たちまち機嫌を悪くするとその場を離れていきます。ほら。
乗ってきた宇宙船に閉じこもってしまいます。
わけがわからない一同。えれなが思い当たるとユニが代弁。植物型の異星人だから地球人が花を売っているのを見てショックだったのかも。めっちゃ人身売買です。女児向けアニメの闇。攻めの姿勢を崩さないのほんと好き。
このままでは地球と星空連合の関係も決裂してしまう。
夜。1人ため息をつく娘に声をかけるママさん。
えれなが何か悩んでいるとわかりつつも本人から言い出すまで待つママさんは慣れてますね。えれなは分かり合うのは難しいと口を開きます。その点ママは凄い。通訳でどんな国の人とでも分かり合える。そう話す娘にママさんは静かな口調でいくら言葉を話せても分かり合えないこともあると答えます。万能なツールなど無い。だからこそ相手のことをもっとよく知らないとね。
「笑顔も大事だけど、もっと大事なのは理解しようとすること」
物語中盤の個人回だけあって各人のブラッシュアップを図っていく感じでしょうか。
翌日。
ララに呼び出されてロケットに集まると重大なことが判明。彼はサボロー氏ではない。本物のサボロー氏は視察をサボってバカンス中。星空連合の派遣員こんなんばっかだな。質に問題あるんじゃないのか。組織的腐敗が懸念されます。視察は中止。
サボテン人はたまたま地球に立ち寄った異星人だったとAIさんが答えます。たぶん星空連合に加盟してないんだろうなぁ。宇宙法が適用されると渡航禁止になるし。それを聞いた一同は腰砕け。しかしまだ何も解決していないと苦渋の表情を浮かべるえれな。なら、なおのことサボロー(仮)は自分たちと友達になりたかっただけなのでは? それを台無しにしてしまった。このままでは分かり合えないまま出ていってしまう。彼に謝りたい。ひかる達は彼女の背中を押します。
離陸前の最終チェックをするサボロー(仮)氏。
これまでのことを振り返ると散々な目に遭ってきた記憶が蘇ります。このアニメの世界観暗いよな。元々プリキュアって「できる」世界観よりも「できない」世界観の方が多いイメージではありますが。
そんな彼の前に現れるテンジョウ一味。
一足遅かったえれな達。変身は当番の人がメイン。
戦闘でも棘が痛い。射撃戦はあっちが有利。サボロー(仮)に呼びかけるソレイユ。そんな彼女をテンジョウは嗤います。違う星の者同士が分かり合えるわけない。難民で組織化した君がそれ言う?
分からないからって何もしないなんて私は嫌。そう答えるソレイユに向けられた攻撃を仲間達が撃ち落とします。まだおもてなしは終わっていない。繰り出される攻撃に対して、友好のボディランゲージで応えるソレイユ。動きが止まったところで税込み8,100円を叩き込みます。
えれなは誤解を解くため、大切な人に心をこめて花を贈るのだと丁寧に伝えます。
涙を浮かべながら自分の非を認める彼女を見たサボロー(仮)は外套を脱ぐと自分の体に花を咲かせます。その花を一輪取るとえれなに贈ります。お礼を言う彼女に笑顔を浮かべると、また宇宙に旅立つと伝えます。
「友達いっぱい出会えるといいね」
宇宙へ飛び立つ友人をみんなで見送ります。
「チャオ」
③次回予告
これひかる回に見せかけたドリ子回だろ。
○トピック
???「サボローって何?」
トゥインクルはシリアス成分の7割をララとまどかが、残り3割をひかるとユニで担当しているんですが、ようやくえれなにも出番がまわってきた回。
人間関係に問題があるわけでもなく、家庭環境にも順応して、将来の夢には言及しないえれなはその意味では話が展開しにくいキャラクターです。パッと思いつくものとしては、相手を笑顔にさせるつもりが誤って怒らせて(悲しませて)しまった展開。つまり今回。宇宙人設定を上手く使って言葉を話さない相手を登場させたのは良いぶっこみ方だと思います。
いつも言っていることですがトゥインクは割とガチでエグい世界観してるので上手くオブラートに包まないと悲惨さの方が目立ってしまいます。ひかるはオタクで、ララは落ちこぼれで、まどかは父親の言いなりで、ユニは難民ですからね。でもそれが少しも後ろめたさを感じさせないのは、ちゃんの彼女らの生き方、感じ方、やり方を描いているからです。サボロー(仮)にしても旅の目的はわからないものの、えれなとの出会いのような喜びがあるからこそ平易とは言えない宇宙の旅を続けられる活力にもなり得るでしょう。
上述したようにプリキュアの世界観は案外悲惨だったり、現実を知らしめるエピソードが多いのですが、それが暗くならないのは主人公達の前向きな姿勢にあります。スイートの最終回のセリフとか、魔法つかいの子ども時代の終わりとか好きなんですけど、思うようにならないなら、ならないなりにやってやるよ、と。子ども番組はある意味で残酷です。万能感を煽りつつもそれを否定する。去年のHUGなんてボロクソにそれをやりましたからね。その矛盾がしかし人の活力になり得る。そのバイタリティがプリキュアの一番大事なところで一番好きなところですね。
さあ、次は誰が泣きを見るのか楽しみですね(ゲス顔)
①宇宙からのお客さん
アブラハム監督から連絡が入ると、近く視察員が来るとのこと。視察ならアブラハムの仕事の一部じゃないかと思うんだけど、きっと信用されてないんだろうなぁ。視察員の名前はサボロー。さぼりそう。
余計な仕事が増えるためか、ユニはトゥインクルイマジネーション探しで忙しいと抗議。忙しい?……うん、忙しいよね。辺境扱いの地球の株を上げるチャンスでもあると上手く話を持って行きます。それなら任せてと胸を張って答えるララ。お前異星人だろ。意外とプルンスもやる気。れいなは母親の影響からかいつも色んな国の人を案内していると頼れそうな感じ。ということで話は決まり。
ユニちゃんはそのままのユニちゃんで居てほしい。
「歓迎」のプラカードを持ってスタンバイするひかる。
通じねーだろ、とツッコミが入ると落ち込みます。まあ、たぶん意図は伝わるからいいんじゃない? 視察員がどんな人かは教えられていないので出たとこ勝負。その分ワクワク感も高まります。
……が、待てども来ない。AIから通信が入るとようやくお出まし。宇宙船が上空を素通りしていきます。
落下地点へ行くと思ったよりも小型の宇宙船。芽が出るように開くと中から人影。めっちゃメキシコ感。テキーラ飲みそう(偏見)。ギター弾きそう(偏見)。ドンタコス好きそう(日本生まれ)。
早速自己紹介しながら手を差し出すひかる。すると何や不思議な動きをし始めるサボロー氏。外套が脱げると中からサボテンのような姿が表れます。植物から進化したのではないかと推測するララ。かなり珍しいのかララもプルンスも知らないようです。……。雪だるま星人って何から進化したんだ?
言葉ならペンダントが自動翻訳してくれるはずなのに意思疎通できない。ここは宇宙のあらゆる言葉を知り尽くす俺に任せろとプルンスがかって出ます。お前何気に凄い設定付いてるな。宇宙食栄養士でもあったと思うけど、ほんと何なんだよ、お前。どういう経歴なんだ。
相手の言葉を聞き出すために声をかけてみても返答なし。触ろうとして棘に刺さってしまいます。ボディタッチ不可。言葉によるコミュニケーションも不可。星空連合はなんでそんな奴送ってきた。嫌がらせか。
まだボディランゲージが残されている。何かを伝えようとするサボロー氏。……まるでわからない。フラメンコダンスでは? ひかるが踊りますが違うようです。もしかして「水」では?とえれな。君の理解力半端ねーな。あの動きのどこにその要素あった?
実際に水場に案内すると駆け出して水を補給。正解だったようです。
えれなは彼の隣に座ると自分も足を水につけて話しかけます。人間心理的には相手と同じ動きをすると親近感が湧くそうです。えれなの呼びかけに応えるサボロー氏。もう案内人えれな1人でいいんじゃないかな。植物に必要なのは水分と日。ああ、その辺から推測したのか。
その後は順調に周辺を案内。ある程度ボディランゲージの意味が掴めてきます。遼爺の天文台にも案内。宇宙人にプラネタリム見せる意味。
商店街を案内。
流石えれなと感心しているひかる達の横で、ユニは彼が本当に星空連合の視察員なのかと疑います。鋭い。遊んでいるばかりで視察しているようには見えない。映画ばかり撮ってる人もいるのでそこは何とも。これこそが地球人と異星人の友好の架け橋だと言うプルンス。コミュ力や友好度を測っているのかもしれない。情報が少ないと自分に都合の良い解釈するよね。
自分の店にも案内。綺麗なお花がいっぱいある。あ。
②親愛の印
お店ではパパさんが店番。娘達を認めると、以前と同じ調子で抱きしめてきます。こっちも慣れているので「オラ」と返答。ユニは初めてなので戸惑います。大丈夫?これ痴漢にならない? 異文化のリスクってあると思う。
サボロー(?)氏を紹介。棘があるのでハグ禁止。
店に来たお客さんに花束を渡すパパさん。これ大丈夫? 植物星人から見たらこれ人身売買にならない? 店先にあった花を見つめるサボロー(?)氏にえれなが一本抜き出して渡そうとします。たちまち機嫌を悪くするとその場を離れていきます。ほら。
乗ってきた宇宙船に閉じこもってしまいます。
わけがわからない一同。えれなが思い当たるとユニが代弁。植物型の異星人だから地球人が花を売っているのを見てショックだったのかも。めっちゃ人身売買です。女児向けアニメの闇。攻めの姿勢を崩さないのほんと好き。
このままでは地球と星空連合の関係も決裂してしまう。
夜。1人ため息をつく娘に声をかけるママさん。
えれなが何か悩んでいるとわかりつつも本人から言い出すまで待つママさんは慣れてますね。えれなは分かり合うのは難しいと口を開きます。その点ママは凄い。通訳でどんな国の人とでも分かり合える。そう話す娘にママさんは静かな口調でいくら言葉を話せても分かり合えないこともあると答えます。万能なツールなど無い。だからこそ相手のことをもっとよく知らないとね。
「笑顔も大事だけど、もっと大事なのは理解しようとすること」
物語中盤の個人回だけあって各人のブラッシュアップを図っていく感じでしょうか。
翌日。
ララに呼び出されてロケットに集まると重大なことが判明。彼はサボロー氏ではない。本物のサボロー氏は視察をサボってバカンス中。星空連合の派遣員こんなんばっかだな。質に問題あるんじゃないのか。組織的腐敗が懸念されます。視察は中止。
サボテン人はたまたま地球に立ち寄った異星人だったとAIさんが答えます。たぶん星空連合に加盟してないんだろうなぁ。宇宙法が適用されると渡航禁止になるし。それを聞いた一同は腰砕け。しかしまだ何も解決していないと苦渋の表情を浮かべるえれな。なら、なおのことサボロー(仮)は自分たちと友達になりたかっただけなのでは? それを台無しにしてしまった。このままでは分かり合えないまま出ていってしまう。彼に謝りたい。ひかる達は彼女の背中を押します。
離陸前の最終チェックをするサボロー(仮)氏。
これまでのことを振り返ると散々な目に遭ってきた記憶が蘇ります。このアニメの世界観暗いよな。元々プリキュアって「できる」世界観よりも「できない」世界観の方が多いイメージではありますが。
そんな彼の前に現れるテンジョウ一味。
一足遅かったえれな達。変身は当番の人がメイン。
戦闘でも棘が痛い。射撃戦はあっちが有利。サボロー(仮)に呼びかけるソレイユ。そんな彼女をテンジョウは嗤います。違う星の者同士が分かり合えるわけない。難民で組織化した君がそれ言う?
分からないからって何もしないなんて私は嫌。そう答えるソレイユに向けられた攻撃を仲間達が撃ち落とします。まだおもてなしは終わっていない。繰り出される攻撃に対して、友好のボディランゲージで応えるソレイユ。動きが止まったところで税込み8,100円を叩き込みます。
えれなは誤解を解くため、大切な人に心をこめて花を贈るのだと丁寧に伝えます。
涙を浮かべながら自分の非を認める彼女を見たサボロー(仮)は外套を脱ぐと自分の体に花を咲かせます。その花を一輪取るとえれなに贈ります。お礼を言う彼女に笑顔を浮かべると、また宇宙に旅立つと伝えます。
「友達いっぱい出会えるといいね」
宇宙へ飛び立つ友人をみんなで見送ります。
「チャオ」
③次回予告
これひかる回に見せかけたドリ子回だろ。
○トピック
???「サボローって何?」
トゥインクルはシリアス成分の7割をララとまどかが、残り3割をひかるとユニで担当しているんですが、ようやくえれなにも出番がまわってきた回。
人間関係に問題があるわけでもなく、家庭環境にも順応して、将来の夢には言及しないえれなはその意味では話が展開しにくいキャラクターです。パッと思いつくものとしては、相手を笑顔にさせるつもりが誤って怒らせて(悲しませて)しまった展開。つまり今回。宇宙人設定を上手く使って言葉を話さない相手を登場させたのは良いぶっこみ方だと思います。
いつも言っていることですがトゥインクは割とガチでエグい世界観してるので上手くオブラートに包まないと悲惨さの方が目立ってしまいます。ひかるはオタクで、ララは落ちこぼれで、まどかは父親の言いなりで、ユニは難民ですからね。でもそれが少しも後ろめたさを感じさせないのは、ちゃんの彼女らの生き方、感じ方、やり方を描いているからです。サボロー(仮)にしても旅の目的はわからないものの、えれなとの出会いのような喜びがあるからこそ平易とは言えない宇宙の旅を続けられる活力にもなり得るでしょう。
上述したようにプリキュアの世界観は案外悲惨だったり、現実を知らしめるエピソードが多いのですが、それが暗くならないのは主人公達の前向きな姿勢にあります。スイートの最終回のセリフとか、魔法つかいの子ども時代の終わりとか好きなんですけど、思うようにならないなら、ならないなりにやってやるよ、と。子ども番組はある意味で残酷です。万能感を煽りつつもそれを否定する。去年のHUGなんてボロクソにそれをやりましたからね。その矛盾がしかし人の活力になり得る。そのバイタリティがプリキュアの一番大事なところで一番好きなところですね。
さあ、次は誰が泣きを見るのか楽しみですね(ゲス顔)
第33話「フワの決意!お手伝い大作戦☆」
○今週の出来事
①8,100円!どうか8,100円をよろしくおねがいします!!
雁首揃えて役に立たないスタープリンセスに代わってトゥインクルイマジネーションを探すことに。
OPも新フワに対応。コスモのときとは大違いのスピード感。流石8,100円(税込み)。
妙に高いテンションのフワに起こされるひかる。昨夜やった宿題を慌てて整理していると、フワは簡単にワープができるようになったと実演。ワープした先はイエテイの前。不時着。今ひとつ制御が安定しない。フワがワープできるのは元からだけど、自身がワープするのは初めてか。
ひかるが駆けつけるとお腹空いたと訴えます。エネルギーを食うらしい。ペンを取り出すと違うと指摘。新しいフワには新しいペンが対応。お古は不要。集めきったら別な商品を買わせる。これが拝金主義の玩具宣伝アニメの本性。でもやることは同じ。ちょっとガラを変えて中身はほぼ一緒の手抜きでも客が金を払えばいいのです。
自分でできると器用にスプーンを掴んでパフェを食べるフワ。これはアレですね、妹ちゃんも成長しました回。
トゥインクルイマジネーションを探そう!と胸躍るフワに対して、遊びは放課後にね、と答える姉(ひかる)。プルンスとAIが調査中。そっちに行こうとするフワを押し止めます。ちょっと大人しくしてて。仕方なく従います。
夏休みの自由研究を生徒に返却。
ひかるの自由研究の内容にやや呆れ気味の先生。それもそのはず「新発見宇宙人大図鑑」は彼女の力作。間違ってないけど間違ってるやつ。横からララが手にとって中身を開くと案の定これまで会った宇宙人がリスト化されています。これには生徒達も凄い想像力!(妄想力)と感心。オリジナルの図鑑を作成したってことで納得されます。
夏休みが明けたもののまだ数学の課題を残しているララ。え、数学だけ?なひかる。ということでこの2名は居残り。
今週はカッパードさんが出勤。
AIにスケジュール管理してもらって毎日こつこつ頑張ったと話すララに、ひかるは鉛筆を走らせながら尊敬する、偉いよララと相づちを打ちます。数学は難しいけどあと少し。二桁の計算すらできなかったことを考えると驚異的な学習能力。マジでこの子は尊敬できる偉い子。ひかるも問題に悩んでいる風ではないので勉強が不得意なわけではないようです。おそらくスケジュール管理が雑なだけ。ドリルとかそういうのは敬遠してそう。量が多い彼女の宿題にララの方が心配になりますがひかるは全力で消化していきます。通信簿にやればできる子って書かれてそう。
もう放課後だぞ、とトゥインクルブックから飛び出すフワ。放課後に探すと言ったな、アレは嘘だ。上司が酷いと部下も酷くなるプリキュア業界。これはちょっとブラック感がでてきました。世界平和より宿題の方が大事。フワが手伝おうとすると逆に余計な手間が増えてしまいます。妹(弟)あるある。待機を命じられてしょんぼり。
まどかも生徒会で忙しそう。猫の手が借りたいならこの謎生物の手を貸そう。
倉庫で荷物整理しているとフワがやってきます。
まどかが戸惑っているとドリ子さんが目ざとくやってきたのでフワを連れていきます。
忙しいのでトゥインクルイマジネーション探しは却下。優先度低いなぁ、おい。回り回ってユニの星復活を後回しにしているようなものですが……ってユニを誘えばいいじゃん。あいつ暇だろ。年齢的に同じなはずだけど学校行かないのは珍しい。転校生ネタはすでにララがやっていることもあってユニの自由度は高い。
ひかる達がやってくると邪魔しちゃダメと注意。お姉さんの言うことはちゃんと聞きなさい的なパターン。見かねたまどかがとりなしたところでえれなと合流。こっちも用事があってダメ。プリキュア業は学業や家事手伝いと両立が難しい。笑顔で去っていく上級生組。このアニメの辞書にプリキュアの使命という言葉は無い。
トゥインクルイマジネーションを探しに行きたい!とフワが再三言っても「ワガママ」で片付けられてしまう始末。一番正しいこと言ってるのフワなんだけどな。どーせ個人回で出てくるんだから探しに行くだけ無駄。あと何話かしたら勝手に出てくるから、と思ってても言えないのがプリキュアの辛いところ。
これでは埒が明かないとフワはユニのところへワープ。
またイエテイのところに不時着。座標そこで固定されてるの?
これじゃ飛んだ方が早いとため息。ちっちゃい子が自転車使おうとして失敗してる的なやつですかね。トゥインクルイマジネーションを求めて飛び立つフワをイエテイが追いかけます。
CM「可愛いフワをお世話しよう♪」
誰もトゥインクルイマジネーションなんて求めてないんです(諦め)
②上司が使えないプリキュア。部下が使えないダークネスト
AIの分析でも該当なし。この結果にユニも落胆。
フワがやってくるとひかる達が忙しくて付き合ってくれないからユニを誘いに来たと説明。以前よりも大分会話が成立するようになりました。
手がかりゼロでお手上げ、とユニ。探したいのは山々だけど打つ手なし。どこかに宇宙のことなら何でも知ってる魔法使いみたいな人いない? 本来魔法使いみたいなプリンセスがあのザマだからなぁ。心当たりがあるフワは飛び出していきます。
魔法使い目指して飛んでいった先は、遼爺。あー、確かに魔法使いっぽい。
姿が変わったフワを見てもあまり驚きません。立派に育ってと感心。冷静だな。完全に原型を留めていないんだけど。宇宙のことなんでも知ってる遼爺教えて、とお願いするフワ。宇宙人より宇宙に詳しいかは自信がないと真っ当な返し。こちとら地球から出たことない。それでも内容を訊ねると……ひかる達がユニを連れてやってきます。
遼爺を見て微妙な反応のユニ。そういえば初対面だったか。遼爺が結構久しぶりの登場。夏休み長かったしドリ子さん含め再登場を図っていますね。そんなやりとりをしている間、ひかるはフワにご立腹。宿題はまだ終わってない、フワを迎えに来たと苛立ちを隠せません。みんな忙しいのにどうして勝手なことするの? お姉ちゃんセリフあるある。
堪らず飛び出していくフワ。展開がわからない遼爺は仲良くな、と見送ります。メンターポジションの彼ですが、今後大きな仕事が回ってくるのか気になるところです。
ひかるから逃げるフワは再度ワープ。イエテイを巻き込んでどこかへ消えてしまいます。ガルオウガの悪影響だな、と冷静に分析するプルンス。ああ、そこで繋がってくるのか。傍目には便利だもんな、アレ。
フワとプリキュアを探すカッパードのもとにワイプアウト。今週はカッパードがツイてる。
ガルオウガは形態変化を知らなかったので失敗してしまいましたが、今回はそのミスはない。さらに武器の材料(イエテイ)もあって一石二鳥。これは行ける。剣と盾。デザインは好みでないらしい。
フワがイエテイを返せ!と突っ込んできます。カモネギもいいところ。このまま捕まえてしまえば任務完了。来週ダークネスト復活で番組終了。ところが何故かカッパードは盾からビームを出すとフワを弾き飛ばしてしまいます。……。頭痛が痛い。あの、えっと、あなた目的が何か忘れてません? ダークネストは求人出した方がいいと思いますね。
相手のミスはこっちのチャンス。イエテイが犠牲になったことに責任を感じるフワ。そんな姿にひかるとララも同情。ユニに呼ばれたのかまどかとえれなも駆けつけます。みんなの役に立ちたかった。そう訴えるフワにみんなは弁解。前は一緒に遊んでいたのに学校行ってから付き合い悪くなった姉(兄)あるある。
みんなが反省している間に包囲網完成。ちゃんと待ってはくれるけど位置取りまで手は抜いてくれない模様。
変身して包囲網を突破するとそのままカッパードに突撃。雑魚はセレーネが上手く処理してくれます。遠距離射撃に特化してるセレーネさんほんと優秀。地上に残ったノットレイ達を残りのメンバーで処理。
UFOの上で戦っていたスターは一転してピンチに。フォローしようにも距離が離れすぎて駆けつけられません。そういえば空飛べるのスターくらいだった。突出しすぎて単独行動になってしまうリスク。この場合、一旦手を離して足場作って仕切り直せばいいんじゃね?って気もしますが、うっかり防御に夢中になって忘れてる説。
剣はバリアで防げても盾の攻撃は片手が塞がっていて防げない。万事休す。ワープを使うなら今。フワが駆けつけてアシスト。これで足手まといの汚名も返上。あとは販促タイム。
イエテイも無事で一安心。
フワがひかると似ていると笑う一同。これで解……宿題終わってねぇ。急いで学校に戻ればワンチャン。ワープ使えばええやん!
無事不時着。フワが毎回刺さってるのジワジワくる。
ワープは禁止になりました。
③次回予告
翻訳機能あったんじゃねーのかよ。
映画のCMではフワはまだ旧形態だったりする。
○トピック
最終決戦で作画がカクカクしていたらフワが売れなかったんだと思いましょう。
製作費って歩合制なのかしらんけど。
姉妹(兄弟)あるある。
新フワ販売強化週間&トゥインクルイマジネーション探し有耶無耶回。
トゥインクルイマジネーションが単品なのかポイント制なのかわからないけど、どーせ規定話数消化されるまでは本格化しないので忙しさにかまけてボイコット。そもそも上司が仕事しないんだから仕方ない。
フワはポジション的にそんなにガッツリやるキャラではないと思うので来週から順当に個人回を回していくといったところでしょうか。3年生は進学の話も出ていましたしその辺も絡んで来そうな印象。
①8,100円!どうか8,100円をよろしくおねがいします!!
雁首揃えて役に立たないスタープリンセスに代わってトゥインクルイマジネーションを探すことに。
OPも新フワに対応。コスモのときとは大違いのスピード感。流石8,100円(税込み)。
妙に高いテンションのフワに起こされるひかる。昨夜やった宿題を慌てて整理していると、フワは簡単にワープができるようになったと実演。ワープした先はイエテイの前。不時着。今ひとつ制御が安定しない。フワがワープできるのは元からだけど、自身がワープするのは初めてか。
ひかるが駆けつけるとお腹空いたと訴えます。エネルギーを食うらしい。ペンを取り出すと違うと指摘。新しいフワには新しいペンが対応。お古は不要。集めきったら別な商品を買わせる。これが拝金主義の玩具宣伝アニメの本性。でもやることは同じ。ちょっとガラを変えて中身はほぼ一緒の手抜きでも客が金を払えばいいのです。
自分でできると器用にスプーンを掴んでパフェを食べるフワ。これはアレですね、妹ちゃんも成長しました回。
トゥインクルイマジネーションを探そう!と胸躍るフワに対して、遊びは放課後にね、と答える姉(ひかる)。プルンスとAIが調査中。そっちに行こうとするフワを押し止めます。ちょっと大人しくしてて。仕方なく従います。
夏休みの自由研究を生徒に返却。
ひかるの自由研究の内容にやや呆れ気味の先生。それもそのはず「新発見宇宙人大図鑑」は彼女の力作。間違ってないけど間違ってるやつ。横からララが手にとって中身を開くと案の定これまで会った宇宙人がリスト化されています。これには生徒達も凄い想像力!(妄想力)と感心。オリジナルの図鑑を作成したってことで納得されます。
夏休みが明けたもののまだ数学の課題を残しているララ。え、数学だけ?なひかる。ということでこの2名は居残り。
今週はカッパードさんが出勤。
AIにスケジュール管理してもらって毎日こつこつ頑張ったと話すララに、ひかるは鉛筆を走らせながら尊敬する、偉いよララと相づちを打ちます。数学は難しいけどあと少し。二桁の計算すらできなかったことを考えると驚異的な学習能力。マジでこの子は尊敬できる偉い子。ひかるも問題に悩んでいる風ではないので勉強が不得意なわけではないようです。おそらくスケジュール管理が雑なだけ。ドリルとかそういうのは敬遠してそう。量が多い彼女の宿題にララの方が心配になりますがひかるは全力で消化していきます。通信簿にやればできる子って書かれてそう。
もう放課後だぞ、とトゥインクルブックから飛び出すフワ。放課後に探すと言ったな、アレは嘘だ。上司が酷いと部下も酷くなるプリキュア業界。これはちょっとブラック感がでてきました。世界平和より宿題の方が大事。フワが手伝おうとすると逆に余計な手間が増えてしまいます。妹(弟)あるある。待機を命じられてしょんぼり。
まどかも生徒会で忙しそう。猫の手が借りたいならこの謎生物の手を貸そう。
倉庫で荷物整理しているとフワがやってきます。
まどかが戸惑っているとドリ子さんが目ざとくやってきたのでフワを連れていきます。
忙しいのでトゥインクルイマジネーション探しは却下。優先度低いなぁ、おい。回り回ってユニの星復活を後回しにしているようなものですが……ってユニを誘えばいいじゃん。あいつ暇だろ。年齢的に同じなはずだけど学校行かないのは珍しい。転校生ネタはすでにララがやっていることもあってユニの自由度は高い。
ひかる達がやってくると邪魔しちゃダメと注意。お姉さんの言うことはちゃんと聞きなさい的なパターン。見かねたまどかがとりなしたところでえれなと合流。こっちも用事があってダメ。プリキュア業は学業や家事手伝いと両立が難しい。笑顔で去っていく上級生組。このアニメの辞書にプリキュアの使命という言葉は無い。
トゥインクルイマジネーションを探しに行きたい!とフワが再三言っても「ワガママ」で片付けられてしまう始末。一番正しいこと言ってるのフワなんだけどな。どーせ個人回で出てくるんだから探しに行くだけ無駄。あと何話かしたら勝手に出てくるから、と思ってても言えないのがプリキュアの辛いところ。
これでは埒が明かないとフワはユニのところへワープ。
またイエテイのところに不時着。座標そこで固定されてるの?
これじゃ飛んだ方が早いとため息。ちっちゃい子が自転車使おうとして失敗してる的なやつですかね。トゥインクルイマジネーションを求めて飛び立つフワをイエテイが追いかけます。
CM「可愛いフワをお世話しよう♪」
誰もトゥインクルイマジネーションなんて求めてないんです(諦め)
②上司が使えないプリキュア。部下が使えないダークネスト
AIの分析でも該当なし。この結果にユニも落胆。
フワがやってくるとひかる達が忙しくて付き合ってくれないからユニを誘いに来たと説明。以前よりも大分会話が成立するようになりました。
手がかりゼロでお手上げ、とユニ。探したいのは山々だけど打つ手なし。どこかに宇宙のことなら何でも知ってる魔法使いみたいな人いない? 本来魔法使いみたいなプリンセスがあのザマだからなぁ。心当たりがあるフワは飛び出していきます。
魔法使い目指して飛んでいった先は、遼爺。あー、確かに魔法使いっぽい。
姿が変わったフワを見てもあまり驚きません。立派に育ってと感心。冷静だな。完全に原型を留めていないんだけど。宇宙のことなんでも知ってる遼爺教えて、とお願いするフワ。宇宙人より宇宙に詳しいかは自信がないと真っ当な返し。こちとら地球から出たことない。それでも内容を訊ねると……ひかる達がユニを連れてやってきます。
遼爺を見て微妙な反応のユニ。そういえば初対面だったか。遼爺が結構久しぶりの登場。夏休み長かったしドリ子さん含め再登場を図っていますね。そんなやりとりをしている間、ひかるはフワにご立腹。宿題はまだ終わってない、フワを迎えに来たと苛立ちを隠せません。みんな忙しいのにどうして勝手なことするの? お姉ちゃんセリフあるある。
堪らず飛び出していくフワ。展開がわからない遼爺は仲良くな、と見送ります。メンターポジションの彼ですが、今後大きな仕事が回ってくるのか気になるところです。
ひかるから逃げるフワは再度ワープ。イエテイを巻き込んでどこかへ消えてしまいます。ガルオウガの悪影響だな、と冷静に分析するプルンス。ああ、そこで繋がってくるのか。傍目には便利だもんな、アレ。
フワとプリキュアを探すカッパードのもとにワイプアウト。今週はカッパードがツイてる。
ガルオウガは形態変化を知らなかったので失敗してしまいましたが、今回はそのミスはない。さらに武器の材料(イエテイ)もあって一石二鳥。これは行ける。剣と盾。デザインは好みでないらしい。
フワがイエテイを返せ!と突っ込んできます。カモネギもいいところ。このまま捕まえてしまえば任務完了。来週ダークネスト復活で番組終了。ところが何故かカッパードは盾からビームを出すとフワを弾き飛ばしてしまいます。……。頭痛が痛い。あの、えっと、あなた目的が何か忘れてません? ダークネストは求人出した方がいいと思いますね。
相手のミスはこっちのチャンス。イエテイが犠牲になったことに責任を感じるフワ。そんな姿にひかるとララも同情。ユニに呼ばれたのかまどかとえれなも駆けつけます。みんなの役に立ちたかった。そう訴えるフワにみんなは弁解。前は一緒に遊んでいたのに学校行ってから付き合い悪くなった姉(兄)あるある。
みんなが反省している間に包囲網完成。ちゃんと待ってはくれるけど位置取りまで手は抜いてくれない模様。
変身して包囲網を突破するとそのままカッパードに突撃。雑魚はセレーネが上手く処理してくれます。遠距離射撃に特化してるセレーネさんほんと優秀。地上に残ったノットレイ達を残りのメンバーで処理。
UFOの上で戦っていたスターは一転してピンチに。フォローしようにも距離が離れすぎて駆けつけられません。そういえば空飛べるのスターくらいだった。突出しすぎて単独行動になってしまうリスク。この場合、一旦手を離して足場作って仕切り直せばいいんじゃね?って気もしますが、うっかり防御に夢中になって忘れてる説。
剣はバリアで防げても盾の攻撃は片手が塞がっていて防げない。万事休す。ワープを使うなら今。フワが駆けつけてアシスト。これで足手まといの汚名も返上。あとは販促タイム。
イエテイも無事で一安心。
フワがひかると似ていると笑う一同。これで解……宿題終わってねぇ。急いで学校に戻ればワンチャン。ワープ使えばええやん!
無事不時着。フワが毎回刺さってるのジワジワくる。
ワープは禁止になりました。
③次回予告
翻訳機能あったんじゃねーのかよ。
映画のCMではフワはまだ旧形態だったりする。
○トピック
最終決戦で作画がカクカクしていたらフワが売れなかったんだと思いましょう。
製作費って歩合制なのかしらんけど。
姉妹(兄弟)あるある。
新フワ販売強化週間&トゥインクルイマジネーション探し有耶無耶回。
トゥインクルイマジネーションが単品なのかポイント制なのかわからないけど、どーせ規定話数消化されるまでは本格化しないので忙しさにかまけてボイコット。そもそも上司が仕事しないんだから仕方ない。
フワはポジション的にそんなにガッツリやるキャラではないと思うので来週から順当に個人回を回していくといったところでしょうか。3年生は進学の話も出ていましたしその辺も絡んで来そうな印象。
第32話「重なる想い☆新たなイマジネーションの力」
○今週の出来事
①戻る…! 戻るが…今回まだその時と場所の指定まではしていない
プリンセスがすべて元に戻って安堵するトッパー。でもそんなことよりフワ。
色々展開が激しいとツッコミ。これもスポンサーの事情がありまして…とは言えないので曖昧にぼかしておきます。
話は宮殿に戻り、ペガサスなんだかユニコーンなんだかパタタなんだかわかんない謎生物を見上げながら育てるってこういうことだったのかと驚くスター達。プリンセスによるとまだ完全ではないらしい。それを聞いたスターは元の姿と似ても似つかない姿に頭を抱えます。
スターカラーペンを12本集めれば元に戻ると言ったな、あれは嘘だ。フワを成長させないとダメなんだ。詐欺にあったコスモはショックを隠しきれません。これどこに訴えればいいの?
例によって役に立たない助言を貰って宮殿を後にした一同。何すればええねん。
トッパーはいっそこっちからノットレイダーに攻め込めれば、と思案。ユニによるとそれはできない。行く方法はガルオウガのワープのみ。アジトがどこにあるのかすらわからない。
敵のアジトでは反省会。
自分の失敗を認め平身低頭のガルオウガ。ペンは回収されてしまいましたがゲームはまだ終わっていない。腕輪を再充電するとダークネストは指示を出します。狙いはフワ。ガルオウガは汚名返上とばかりに再出撃。
休憩。
ひかる達はフワを成長させようと食料を大量投入。ユニはペンを持っていないので話に加わらず様子見。案の定ただ詰め込めばいいわけではない。お腹いっぱいになったフワは今度は遊ぼうとどこかへ飛んでいきます。姿は変わっても中身は変わらず。
森の中で飛んでいるとエンカウント。
②湧き出る気持ちを言葉に
地球に降りた瞬間にフワをゲット。前回の失敗を帳消しにできる幸運。今日の彼はキテる。
ところがひかる達の姿を認めると、フワをよこせ!と持っていたフワを投げ返してしまいます。おっちょこちょいさん。投げ返したのがフワだと知って驚愕。
「全く姿形が違う…!」
シリアスに言ってますがドジっ子属性追加でカオス。この番組は敵幹部リーダーをどうしたいのか。酸欠ハカハカといいこの人良い人じゃん。きっとみんなのまとめ役やってたらそのまま悪の組織のリーダーやることになって、根が真面目だからそのまま頑張ってるってパターン。
「ぐっ、謀ったな!」
根が真面目なドジっ子ガルオウガさんは常に真剣。勝手に勘違いしている相手に困惑を隠せない一同。詐欺を働くプリンセスといいこの世界の人はちょっと癖が強い。プリキュアを倒して奪い取ればいいと構える相手に、こちらも変身して迎え撃ちます。
充電した腕輪を使って奇襲を仕掛けるガルオウガ。能力がわかっていても厄介。
NGワード「守る」に抵触。守るものが多ければ強くなる? 力がなければ何も救えない。回想入りまーす。目の前で星が砕けていく光景をただうなだれて見るしかないガルオウガさん。お供連れた何とか太郎に滅ぼされてしまったのか。これは被害者の会確定。
すべてを失ったと話す彼にコスモは共感。動きが止まったのを見逃さず拳を浴びせます。八つ当たりよくない。
彼はそのまま母星付近にとどまると(空気あったの?)同じように星を追われた人たちが集まってきたそうです。さしずめ難民キャンプ。そこにダークネストが出現。……星壊れた理由ってダークネストじゃないすか?
なるほどノットレイダーはどうやって組織化したのかというと元難民の集まりで、カッパードやテンジョウがガルオウガに従うのもその頃からの付き合いなのね。きっと難民キャンプのリーダー的存在だったのでしょう。難民をそのまま取り込んで組織化。ダークネストの異質感が強調されます。なおアイワーンは個人でヘイトポイントを盛々稼いでいる模様。
絶望の淵で救いの神を得たガルオウガは声高にプリキュアの言葉を否定。守る力? たまたま拾ったそいつのために力が? この人も言うねぇ。ただの可愛がり。子ども扱いしているだけ。自分が上だと思っているが故の発想。思い上がるな!と鉄拳制裁。苦労した人が必ずしも人に優しくなれるわけではないわかりやすい例。
CMでバラしていくスタイル。アイキャッチは新規。
CMが明けても説教モードのガルオウガ。伝説の力を得て何でも守れると思ったのか。その左腕にはめてるのなんすか? 言ってることはわかるけどお前もな感。ここはちゃんと言い返さないと後々もグチグチ言われます。
「自分が星を守れなかったからって、ダークネストの力に頼って、奪っていいわけない!」
自分が何かされたら人を騙したりしていいんだ! すっげぇなぁ! アイワーンは正しかった。敵味方で理屈を共有。敵から学ぶプリキュアの学習意欲は高い。この後のスターのセリフもそうですが、考えを改めながらちょっとずつ前進していく姿勢を貫いています。
奪い取られるのは……失うのはもうたくさん。怪盗のくせに、とよくツッコミが入るユニですが盗品を取り戻していることもあって謝罪会見はしていません。その意味では禊ぎをしていない。逆にそれが常に付きまとう問題提起として彼女の中にあります。星を奪われた彼女がプリキュアとなって奪った相手と戦うのは復讐のソレで、やっていることはガルオウガ達とそれほど変わらない。その矛盾を抱えながら自分本来の目的や理想からズレないことが求められます。コスモに関してはこの時点で被害者の会VS被害者の会となっているので相手を糾弾し合うのは不毛です。
ミルキーが援護射撃。自分が上だと思ったことはない。ランク8の出涸らしより下なんてないです。ぬいぐるみだと思ったらプリンセスの希望だったってだけだよ!とソレイユも続きます。与えられた力に頼っているのはガルオウガの方。位置取りに定評のあるセレーネが後ろに回り込むと奢りなんてないと反撃を加えます。家訓はノブレス・オブリージュ。彼女は寄り添うことでそれを実行しています。それぞれ実績で反論できるのはこれまでの積み重ねの賜物。
スターはガルオウガの言葉を認めます。何も知らなかったから…。
「だからなんだ! 宇宙を知って強くなったとでもいうか!」
「違う! わかったんだ…」
「宇宙って広いんだなぁって……色んな人たちがいて、色んな考えがあって……まだ、よくわからないし」
「あなたのこともめちゃくちゃ怖い。でも…」
震える手で胸のペンダントに触れながら”フワを守りたい”
「あの気持ちだけは変わらない!」
「ってか変えられない!」
今回の脚本も村山さんだよねって納得するところ。トゥインクルの何が好きってセリフが好きです。11話のスターのセリフとか、ユニの「でも、その前に……倒れているんだ! 目の前で! この子たちが!」もそうなんですが、主義主張も何もないただ自分の中に浮かんだ言葉をそのまま言う感じのセリフがとても印象的でとても好きですね。この飾らない素朴さが本作の根幹にあると思います。本当に当事者目線で語るっていう。だから一貫してひかるが何を考えているのかもわかります。この子は知りたいんですね。宇宙やUMAとかが。好きで知りたくて想像する。まさに子どもの視点です。想像していたものを知って、また想像して、それを繰り返しながら着実に吸収していく。11話でボロッカスに言われて、だいぶマシになったけどそれでも知らないことが多い。そのことにちゃんと向き合える。そういう子です。好きなものを、知らないからといって、自分が未熟だからといって、歩みを止める理由にはならない。そんな素直さとひたむきさを象徴する子です。
直撃打を受けたガルオウガは御託はもういい!と自分で振っておいて力技に出ます。言葉に詰まったら話し変える奴いるよな。プリキュア側の主張は終わったので後は課金アイテムの番。
③DXおしゃべりフワ 8,100円(税込み)
思ったより高ぇ。
「シャイニートゥインクルペン!」
新商品に付属。ぬいぐるみと会話するのがコンセプトっぽい。呪文のように唱えると
「イマジネーションの輝き!」
「なりたい自分に!」
ゴージャスなティアラとともに衣装もバージョンアップ。今年も必殺技用のフォームチェンジ方式。去年はウェディングドレスでしたが今回はお姫様的なドレスに。
「思いを重ねて!」
「プリキュア! スタートゥインクルイマジネーション!」
最近はマスコット参加型の必殺技が増えました。ごっこ遊びするときに一緒に遊びやすいとかあるのかもしれません。
攻撃を受けて腕輪が壊れてしまいます。無課金の限界。所詮配布アイテムなんてこんなもん。
腕輪からダークネストの映像。フワを器と呼びます。いわゆる無限のメモリーポジションか。今までの経験だとこのポジション何かあるようでよくわからないまま終わるのが多いんだよね。去年のマザーさんとか。はーちゃんみたいに神話まで遡って神になるキャラもいるので極端なんですけど。
意味深な言葉を残しつつガルオウガを回収して消えます。
戦闘が終わるとまた宮殿に強制召喚。
突然のお礼の言葉。新商品の件。お、ってことは惑星レインボーは!と期待に胸膨らむユニ。
「……」
「何その沈黙!」
「まだ何かあるわけ!?」
相手がプリンセスでも臆しないユニちゃん強メンタル。プリンセスって偉いんですよね? 勢いに気圧されながらもまだ完成ではないと言います。最後の希望を真の形にするためには集めなくてはならない。またかよ。これ絶対詐欺だよ。
「トゥインクルイマジネーション」
必殺技名と被っていて紛らわしい。大いなる力。また抽象的なこと言って。ユニが知りたいのは星が戻るかどうか。もういっそアイワーンに頼んで石化解いてもらう薬作ってもらった方が早くね? それどこにあるの?
「それはあなた方自身が探し当てるしかありません」
この当事者意識の無さ。己の無知さを恥じぬ面の皮の厚さ。どーせ個人回で出てくるんだろ? 知ってる知ってる。
手がかりゼロ。でもひかるは快諾。よし釣れたみたいな顔のプリンセス。何もしないプリンセスよりも苦労人っぽいガルオウガさんの方が良い人なんじゃないかとすら思えるこの構図。
プリンセスでは話が進まないのでプリキュアが話を進めることに。
反省会その2。
腕輪は新品を配布。トゥインクルイマジネーションで満たされる前に器を手に入れろ。
事情をトッパーに話すと調査しようと引き受けてくれます。
星空連合加盟の話は立ち消えに。物分りよく身を引いてくれました。だいぶロングスパンで経過観察するようです。ぶっちゃけ加盟してもしなくてもどっちでもシナリオ的には変わらないのでしょうが、まだ子ども達には大きな動きはさせないといったところでしょうか。ひかるのセリフからもわかるように引き続き社会学習の時間を与えます。
彼らは支部である天の川ステーションを中心に活動することに。あっちに帰るとフワいない限りすぐに出てこれないしね。
次回からトゥインクルイマジネーション探し。
④次回予告
やるぞ!って言った直後にこのザマである。
○トピック
NHKのプリキュア投票企画でキャラクター部門1位はモフルンだったそうです。
クマのぬいぐるみはやっぱ強ぇーわ。
パワーアップついでに謎なマスコットがさらに謎になっただけで、やることはいつものとおり。
強いて言えば被害者の会判明が例年より早く、これをずっと引っ張るのか、それとも時期も時期なので幹部を刷新(追加)するのかが気になるところ。敵が動けばプリキュア側もそれに伴って動きが出てきますからね。現時点でひかるとララの家族問題はほぼ消化しているし、イベントになるようなものはまどかの留学くらいしか思いつきませんが30話を過ぎて脂が乗ってきたところでどんな話をぶっこんでくるのか楽しみなところです。
①戻る…! 戻るが…今回まだその時と場所の指定まではしていない
プリンセスがすべて元に戻って安堵するトッパー。でもそんなことよりフワ。
色々展開が激しいとツッコミ。これもスポンサーの事情がありまして…とは言えないので曖昧にぼかしておきます。
話は宮殿に戻り、ペガサスなんだかユニコーンなんだかパタタなんだかわかんない謎生物を見上げながら育てるってこういうことだったのかと驚くスター達。プリンセスによるとまだ完全ではないらしい。それを聞いたスターは元の姿と似ても似つかない姿に頭を抱えます。
スターカラーペンを12本集めれば元に戻ると言ったな、あれは嘘だ。フワを成長させないとダメなんだ。詐欺にあったコスモはショックを隠しきれません。これどこに訴えればいいの?
例によって役に立たない助言を貰って宮殿を後にした一同。何すればええねん。
トッパーはいっそこっちからノットレイダーに攻め込めれば、と思案。ユニによるとそれはできない。行く方法はガルオウガのワープのみ。アジトがどこにあるのかすらわからない。
敵のアジトでは反省会。
自分の失敗を認め平身低頭のガルオウガ。ペンは回収されてしまいましたがゲームはまだ終わっていない。腕輪を再充電するとダークネストは指示を出します。狙いはフワ。ガルオウガは汚名返上とばかりに再出撃。
休憩。
ひかる達はフワを成長させようと食料を大量投入。ユニはペンを持っていないので話に加わらず様子見。案の定ただ詰め込めばいいわけではない。お腹いっぱいになったフワは今度は遊ぼうとどこかへ飛んでいきます。姿は変わっても中身は変わらず。
森の中で飛んでいるとエンカウント。
②湧き出る気持ちを言葉に
地球に降りた瞬間にフワをゲット。前回の失敗を帳消しにできる幸運。今日の彼はキテる。
ところがひかる達の姿を認めると、フワをよこせ!と持っていたフワを投げ返してしまいます。おっちょこちょいさん。投げ返したのがフワだと知って驚愕。
「全く姿形が違う…!」
シリアスに言ってますがドジっ子属性追加でカオス。この番組は敵幹部リーダーをどうしたいのか。酸欠ハカハカといいこの人良い人じゃん。きっとみんなのまとめ役やってたらそのまま悪の組織のリーダーやることになって、根が真面目だからそのまま頑張ってるってパターン。
「ぐっ、謀ったな!」
根が真面目なドジっ子ガルオウガさんは常に真剣。勝手に勘違いしている相手に困惑を隠せない一同。詐欺を働くプリンセスといいこの世界の人はちょっと癖が強い。プリキュアを倒して奪い取ればいいと構える相手に、こちらも変身して迎え撃ちます。
充電した腕輪を使って奇襲を仕掛けるガルオウガ。能力がわかっていても厄介。
NGワード「守る」に抵触。守るものが多ければ強くなる? 力がなければ何も救えない。回想入りまーす。目の前で星が砕けていく光景をただうなだれて見るしかないガルオウガさん。お供連れた何とか太郎に滅ぼされてしまったのか。これは被害者の会確定。
すべてを失ったと話す彼にコスモは共感。動きが止まったのを見逃さず拳を浴びせます。八つ当たりよくない。
彼はそのまま母星付近にとどまると(空気あったの?)同じように星を追われた人たちが集まってきたそうです。さしずめ難民キャンプ。そこにダークネストが出現。……星壊れた理由ってダークネストじゃないすか?
なるほどノットレイダーはどうやって組織化したのかというと元難民の集まりで、カッパードやテンジョウがガルオウガに従うのもその頃からの付き合いなのね。きっと難民キャンプのリーダー的存在だったのでしょう。難民をそのまま取り込んで組織化。ダークネストの異質感が強調されます。なおアイワーンは個人でヘイトポイントを盛々稼いでいる模様。
絶望の淵で救いの神を得たガルオウガは声高にプリキュアの言葉を否定。守る力? たまたま拾ったそいつのために力が? この人も言うねぇ。ただの可愛がり。子ども扱いしているだけ。自分が上だと思っているが故の発想。思い上がるな!と鉄拳制裁。苦労した人が必ずしも人に優しくなれるわけではないわかりやすい例。
CMでバラしていくスタイル。アイキャッチは新規。
CMが明けても説教モードのガルオウガ。伝説の力を得て何でも守れると思ったのか。その左腕にはめてるのなんすか? 言ってることはわかるけどお前もな感。ここはちゃんと言い返さないと後々もグチグチ言われます。
「自分が星を守れなかったからって、ダークネストの力に頼って、奪っていいわけない!」
自分が何かされたら人を騙したりしていいんだ! すっげぇなぁ! アイワーンは正しかった。敵味方で理屈を共有。敵から学ぶプリキュアの学習意欲は高い。この後のスターのセリフもそうですが、考えを改めながらちょっとずつ前進していく姿勢を貫いています。
奪い取られるのは……失うのはもうたくさん。怪盗のくせに、とよくツッコミが入るユニですが盗品を取り戻していることもあって謝罪会見はしていません。その意味では禊ぎをしていない。逆にそれが常に付きまとう問題提起として彼女の中にあります。星を奪われた彼女がプリキュアとなって奪った相手と戦うのは復讐のソレで、やっていることはガルオウガ達とそれほど変わらない。その矛盾を抱えながら自分本来の目的や理想からズレないことが求められます。コスモに関してはこの時点で被害者の会VS被害者の会となっているので相手を糾弾し合うのは不毛です。
ミルキーが援護射撃。自分が上だと思ったことはない。ランク8の出涸らしより下なんてないです。ぬいぐるみだと思ったらプリンセスの希望だったってだけだよ!とソレイユも続きます。与えられた力に頼っているのはガルオウガの方。位置取りに定評のあるセレーネが後ろに回り込むと奢りなんてないと反撃を加えます。家訓はノブレス・オブリージュ。彼女は寄り添うことでそれを実行しています。それぞれ実績で反論できるのはこれまでの積み重ねの賜物。
スターはガルオウガの言葉を認めます。何も知らなかったから…。
「だからなんだ! 宇宙を知って強くなったとでもいうか!」
「違う! わかったんだ…」
「宇宙って広いんだなぁって……色んな人たちがいて、色んな考えがあって……まだ、よくわからないし」
「あなたのこともめちゃくちゃ怖い。でも…」
震える手で胸のペンダントに触れながら”フワを守りたい”
「あの気持ちだけは変わらない!」
「ってか変えられない!」
今回の脚本も村山さんだよねって納得するところ。トゥインクルの何が好きってセリフが好きです。11話のスターのセリフとか、ユニの「でも、その前に……倒れているんだ! 目の前で! この子たちが!」もそうなんですが、主義主張も何もないただ自分の中に浮かんだ言葉をそのまま言う感じのセリフがとても印象的でとても好きですね。この飾らない素朴さが本作の根幹にあると思います。本当に当事者目線で語るっていう。だから一貫してひかるが何を考えているのかもわかります。この子は知りたいんですね。宇宙やUMAとかが。好きで知りたくて想像する。まさに子どもの視点です。想像していたものを知って、また想像して、それを繰り返しながら着実に吸収していく。11話でボロッカスに言われて、だいぶマシになったけどそれでも知らないことが多い。そのことにちゃんと向き合える。そういう子です。好きなものを、知らないからといって、自分が未熟だからといって、歩みを止める理由にはならない。そんな素直さとひたむきさを象徴する子です。
直撃打を受けたガルオウガは御託はもういい!と自分で振っておいて力技に出ます。言葉に詰まったら話し変える奴いるよな。プリキュア側の主張は終わったので後は課金アイテムの番。
③DXおしゃべりフワ 8,100円(税込み)
思ったより高ぇ。
「シャイニートゥインクルペン!」
新商品に付属。ぬいぐるみと会話するのがコンセプトっぽい。呪文のように唱えると
「イマジネーションの輝き!」
「なりたい自分に!」
ゴージャスなティアラとともに衣装もバージョンアップ。今年も必殺技用のフォームチェンジ方式。去年はウェディングドレスでしたが今回はお姫様的なドレスに。
「思いを重ねて!」
「プリキュア! スタートゥインクルイマジネーション!」
最近はマスコット参加型の必殺技が増えました。ごっこ遊びするときに一緒に遊びやすいとかあるのかもしれません。
攻撃を受けて腕輪が壊れてしまいます。無課金の限界。所詮配布アイテムなんてこんなもん。
腕輪からダークネストの映像。フワを器と呼びます。いわゆる無限のメモリーポジションか。今までの経験だとこのポジション何かあるようでよくわからないまま終わるのが多いんだよね。去年のマザーさんとか。はーちゃんみたいに神話まで遡って神になるキャラもいるので極端なんですけど。
意味深な言葉を残しつつガルオウガを回収して消えます。
戦闘が終わるとまた宮殿に強制召喚。
突然のお礼の言葉。新商品の件。お、ってことは惑星レインボーは!と期待に胸膨らむユニ。
「……」
「何その沈黙!」
「まだ何かあるわけ!?」
相手がプリンセスでも臆しないユニちゃん強メンタル。プリンセスって偉いんですよね? 勢いに気圧されながらもまだ完成ではないと言います。最後の希望を真の形にするためには集めなくてはならない。またかよ。これ絶対詐欺だよ。
「トゥインクルイマジネーション」
必殺技名と被っていて紛らわしい。大いなる力。また抽象的なこと言って。ユニが知りたいのは星が戻るかどうか。もういっそアイワーンに頼んで石化解いてもらう薬作ってもらった方が早くね? それどこにあるの?
「それはあなた方自身が探し当てるしかありません」
この当事者意識の無さ。己の無知さを恥じぬ面の皮の厚さ。どーせ個人回で出てくるんだろ? 知ってる知ってる。
手がかりゼロ。でもひかるは快諾。よし釣れたみたいな顔のプリンセス。何もしないプリンセスよりも苦労人っぽいガルオウガさんの方が良い人なんじゃないかとすら思えるこの構図。
プリンセスでは話が進まないのでプリキュアが話を進めることに。
反省会その2。
腕輪は新品を配布。トゥインクルイマジネーションで満たされる前に器を手に入れろ。
事情をトッパーに話すと調査しようと引き受けてくれます。
星空連合加盟の話は立ち消えに。物分りよく身を引いてくれました。だいぶロングスパンで経過観察するようです。ぶっちゃけ加盟してもしなくてもどっちでもシナリオ的には変わらないのでしょうが、まだ子ども達には大きな動きはさせないといったところでしょうか。ひかるのセリフからもわかるように引き続き社会学習の時間を与えます。
彼らは支部である天の川ステーションを中心に活動することに。あっちに帰るとフワいない限りすぐに出てこれないしね。
次回からトゥインクルイマジネーション探し。
④次回予告
やるぞ!って言った直後にこのザマである。
○トピック
NHKのプリキュア投票企画でキャラクター部門1位はモフルンだったそうです。
クマのぬいぐるみはやっぱ強ぇーわ。
パワーアップついでに謎なマスコットがさらに謎になっただけで、やることはいつものとおり。
強いて言えば被害者の会判明が例年より早く、これをずっと引っ張るのか、それとも時期も時期なので幹部を刷新(追加)するのかが気になるところ。敵が動けばプリキュア側もそれに伴って動きが出てきますからね。現時点でひかるとララの家族問題はほぼ消化しているし、イベントになるようなものはまどかの留学くらいしか思いつきませんが30話を過ぎて脂が乗ってきたところでどんな話をぶっこんでくるのか楽しみなところです。
第31話「守り抜け!最後のプリンセスのペン☆」
○今週の出来事
①帰省
ワープアウトして地球へ帰還。夏休みまるまる宇宙旅行でした(作中では数日)。
でもまだ話は終わりません。ロケットを追って現れたのは星空連合の宇宙船。
地上に降りて顔合わせ。
トッパーは早速ララとプルンスの宇宙法違反を指摘。100年間旅の禁止。寿命が地球人と同じだと実質渡航禁止令。でもアブラハムさんはOKを出してくれたと抗弁するひかる。あー、たぶんそれね……
映像の向こうで本人はタジタジ。それもそのはず。見逃しの話はアブラハム本人の正体バレの隠蔽でもあったので上に報告していません。プリキュアの報告しろよ!と叱責するトッパーは左遷を言い渡します。映画の撮影もあるし勘弁して!と平謝りのアブラハム。ひかるとララは気まずそう。余計なこと言っちゃった感。ユニは安定のスルー。たぶんアブラハムは左遷されてこっち来たんだろうな。どこ行っても本業忘れてそう。
あまり見苦しい姿を見せるわけにはいかないと思ったのか通信はここまで。管理責任もあるのでララ達の処分については免除すると融通を利かせます。星空連合が隠蔽体質で助かりました。
ありがとうトッパーさん! さよならルン!
それで話終わんねーよ!
本題はここから。星空連合に是非加盟して。
口火を切ったのはユニ。団体行動苦手。え?
店の手伝いがあるし弟たちの面倒見ないといけない。学校と習い事あるし。え? え?
「そんなプライベートな理由で断るでアルか?」
思わぬ反対理由に宇宙連合のトップも困惑。今の時代、プライベートも大事ですからね。というわけで時間も時間なのでえれなとまどかはあっさり帰っていきます。女子中学生に権力関係なかった。っていうかまどかは前々回ララに言ったこと忘れてるだろ。宇宙の話?ちょっとわかんないっすね。みたいなスルー力。この子、お父さん以外ほんとに興味ないよな。
じゃあね~と当然のように見送るひかるとララ。たぶんこの時点でユニはどっか行ってる。あまりの軽さに呆然とするトッパー氏。郷に入れば郷に従えってことで。
残りのペンは1本と危機感を抱くダークネストさん。夏休みの宿題じゃないんだからもっと早くから危機感持とうな? もうここまで来たら回収させて横取りした方が早くないか。
最後のペンは捕捉済。カッパードが回収に向かっています。今回は中間管理職のガルオウガも出撃。狙いはプリキュアが持つ11本のペン。そしてプリンセスが残した希望。もしかしてそれって割とどうでもいい扱いを受けているフワのことですか?
ひかるも家に帰って家族に旅行の報告。
エピソードをそのまま話すと相変わらずぶっとんだ映画と呆れ顔の母。案の定ひかるは映画の撮影という設定を忘れていました。自分の漫画も映画化して欲しいと本音が漏れます。制作会社ガチャに震えろ。
えれなは店の手伝い。まどかは父へ電話で報告。こちらは撮影旅行の設定を忘れていません。この子のお父さん大好き感は見ててほっこりします。まあ、しょっちゅうガチってるんですけど。
②大いなる力には、大いなる責任が伴う
山積みのおにぎりを前にして緊張が走るトッパー。
石を食べるの? おにぎりです。見本のように食べる一同。ハムスターかお前ら。
買収されないぞと釘を刺すトッパーにひかるは、そんなんじゃない、お腹空いてないかと作ってきたとグイグイ押していきます。初見殺しのスキルは腐っていません。疑いながらも食べてみるとこれが美味い。部下達も美味しいとかじりつきます。おにぎりだけでは満足できなかったフワに食事を与えます。それを見たトッパーは真顔に。プリキュアの伝承。
日もくれて帰ろうとしたひかるを真剣な口調で止めるトッパー。サシで話しがしたい。
小型艇で宇宙に出ると月までワープ。本艦は月に待機させていたらしい。地球の近くにあったら観測されるしね。ワープ技術は保有していますが地球から星空界までは10年かかる。一瞬でワープできるフワは別格。マスコットキャラに重みを持たせてきました。
宇宙船に戻ると展望デッキに。一面に広がる宇宙を感嘆の声とともに眺めるひかる。ロケットの窓から見るのとはまた違う。本来の星の輝きはこんなものではないと応じるトッパー。ずいぶんと輝きが失われてしまった。真面目トークモード。
プリンセスが力を失ったから? 流石。視聴者的には忘れそうになる設定。今頃あいつらピザ食ってる。ひかるをここに連れてきたのはリーダー同士腹を割って話をしたいから。関係者から話を聞いてひかるがそうだと思ったらしい。満更でもない様子のひかる。でも真面目トークモードは終わっていません。
「私は……守れなかったでアル…」
目尻に涙を浮かべながら呟くトッパー。トゥインクルの世界観殺伐ってるよね。子どもの世界の外ではシビアな世界が広がっていることの反映なんでしょうが。もちろん、子どもの世界もまた夢の国でないことはこれまで見て来たとおりです。
スタープリンセスを、宇宙を守れなかった。自分の弱さを知った。ただの権力機構かと思いきやちゃんとノットレイダー事件に関係させてきました。シリアスな空気にさしものひかるも口を挟めません。トッパーは続けます。だが自分はリーダーを退かなかった。何故だか分かるか? やっぱ利権とかですかね。ひかるが答えられないでいると、
「責任でアル」
失った星の輝きを取り戻す責任がある。だが自分には力がなくプリキュアに頼るしかない。だから連合に入ってくれと頭を下げるトッパー。頭ごなしに上段から命令してくるのかと思いきやめっちゃ対等な目線で来ました。このアニメこういうところ真面目だよなー。なるほど確かにタイミング的にはいい感じです。物語的にはノットレイダーが倒すべき相手なのは当初からわかっていますが、主人公達の意識的にはアイテム収集が当座の目的で、収集が完了した後のビジョンはありませんでした。また、放送開始(入学)から半年近くが経ちレベルも上がってきたところですからここで責任を持たせていくのも悪くありません。まどかの留学の件もあるので自分に何ができるのか、何をしなければならないのか、そういったことを考えていくのは自然な流れです。
躊躇うひかるに、トッパーは無力な自分にも責任はあると自らの至らなさを認めます。だが力がある者にも責任があると射抜くように見つめます。個人的には権利を有する者が義務を果たすべきで力(能力)云々は関係ないと思う派。要するに金貰ってるやつがその分だけ働け。できることとやりたいことは別口って思いますね。俺が力を持っているからと言ってお前がその使い道を決める道理はない。まあ、プリキュアは違法揉み消しとかやってるんで無責任ってわけにも行きませんが。
守る責任。重い言葉に困惑の表情を浮かべるひかる。一息に答えは出せません。やっぱこの子の可愛いよね(男子並感)
タイムオーバー。知らない人が出てきました。
③リーダー対決
プリキュアの姿を認めるとガルオウガは瞬間移動してバリア内に侵入。狙いはペンとフワ。
久々のスター単独変身。スター派のワイ歓喜。でもやっぱちょっとエコー入ってますね。1話みたいにそのままの方が好きなんですよね。「プリキュアぁ~~あぁ~~~」のところの声のとおり具合が特に。え?わかんない? まあ……お前らじゃわからないか、この領域の話は。
幹部のリーダー、ガルオウガの戦闘スタイルは物理。ストレートに殴る。一周回って普通になった。自前で盾や足場を作れるスターの方が変則的な戦い方ができる分有利ですが、ガルオウガに与えられた力で瞬間移動が可能。逃げたスターを捕捉。ワープホールを作り出すと投げ入れます。ここでトッパーが通信している先は後述するようにララのロケット。
出た先は月の表面。
宇宙空間でも平気な様子のプリキュアを見て自分もだと腕輪を示すガルオウガ。普通に窒息させようとするとかエゲツい。
マントを脱ぎ捨ててガチのタイマン戦に。単純な殴り合いならトリッキーな動きができるスターが有利。が、瞬間移動ができるガルオウガはさらにイニシアチブを取れるため戦闘は終始彼のペース。星空連合の船が援護射撃を加えるも例の力で反射され戦線離脱。スターの孤軍奮闘は続きます。
フワもペンも守る。その言葉に反応するガルオウガ。どうやらNGワードだったらしく手痛い反撃に遭います。軽々しく口にするな。トッパーの言葉が重なります。責任の重み。プルンス達と出会ったばかりの頃、宇宙の伝説と聞いてただ単に舞い上がっていた自分。その後に会った人々。ここで初めて彼女は自分が口にした言葉と経験とが実体を持ってイメージされます。これまで何度となく何気なく発していた言葉の意味。
「守るって……私には……」
安定の脚本力。ここで敵方のリーダーであるガルオウガが登場するのも意味あってのこと。ノットレイダーのリーダー、星空連合のリーダーそれぞれに想うものと重みを持つ中で、プリキュアのリーダーは何も考えてませんでしたという対比。イマジネーションを体現するはずの主人公が「実は想像力ないっつーの!」を露呈(2度目)。さらに敗北のダブルパンチ。
カッパードから通信が入ると最後のペンを目視。ワープホールを開いてペンをキャッチするガルオウガ。プリキュアに見せつけるようにペンを掲げます。これちょっと私怨入ってますね。よほどさっきのセリフにカチンと来たのでしょう。カッパードに待機を命じるとスターのペンを回収すべく近寄っていきます。深夜番組だと危険な雰囲気ですが生憎本作は日朝番組。
フワがロケットをワープさせると助っ人登場。
体勢を整えて仕切り直し。まずは肉弾戦で畳み掛けて逃げ場を塞ぎ、死角である頭上からアロー。さりげなくガチで殺しに行くプリキュアチーム。でも瞬間移動で回避。目標をハズレた矢が地面にぶつかって拡散。たぶんこれにも当たり判定がある。多少ズレても拡散して追撃するセレーネさんの殺意度。
さらにやばいのは瞬間移動したガルオウガに横合いから殴られつつも着地で受け身をとってすかさず移動する反応力。流石セレーネ、戦闘になるとプロの業を見せてくれます。コマ送りで見るとちゃんと冷や汗流しながら回避してますね。アーチャー系はバトルものだとどうしても弱くなりがちか極端な芸(超遠距離射撃とか殲滅力)に頼らざるを得ないところがあるんですが、立ち回りで存在感アピールしているのは好印象。スマイルのビューティも弓使っていましたが剣も使ってましたからね。弓専門は貴重。すかさずリカバリーに入ったソレイユが目潰ししてるとか女児向けアニメってこと忘れてますね。いくら瞬間移動できても反応できなければ意味がない。
隙を突いてコスモのターン。だけどBGMが処刑用じゃない。ブレスレットパワーで相殺。なら次は南十字星ビーム。こっちはもうBGMがダメ。最高課金攻撃が効かないボス。あー、これはアレですね、アレの時期。
宇宙を乗っ取ると宣言する敵リーダー。お前などにこの宇宙が守れるというのか! 今作も被害者の会方式でしょうか。この方式の場合、被害者→ラスボス→被害者を被害者たらしめた原因という感じで開示されていくものなんですが、2年連続それやるのかっていうことと、話が宇宙規模になっているので纏まんのかというところもあり話の奥行きが気になるところです。まあ、最終回にならないと完全に開示されないんでまったり見ていくんですけどね。
単身挑むスター。迎え撃とうと構えたガルオウガの腕輪が無反応。どうやらバッテリー切れ。連戦でパワーを使い切ってしまったようです。久しぶりに現場に出たせいでペース配分を誤ったか。その隙に魚座ゲット。最後のペンだからといって別に補正があるわけでもなく普通にブーストスターパンチ。そのまま詰め寄ると拳と拳で語り合います。
「これしき! か弱き小さな拳で!」
ハリウッド映画でよくいる軍人的なイメージですかね、ガルオウガさん。
自分独りでは手に余ってもみんながいれば。
今度こそ本当にバッテリー切れ。呼吸ができなくなります。酸欠でハカハカしはじめるガルオウガ。ええ!? 初戦闘の敵幹部リーダーが酸欠で退場とか前代未聞だろ。いや確かにそう言ってたけどさ、敵って普通万能型だったりするだろ。これは被害者の会認定せざるを得ない。きっとこの人苦労してきたんだよ。比較してよくわかるアイワーンの外道さ。
カッパードも一緒に撤退していきます。最後のペンも取られて大失態。
緊張の糸が切れたスターはその場にへたり込みます。勝ちは勝ちですがギリギリの戦いでした。
12のペンが揃いスターパレスへ。
スタープリンセス揃い踏み。人生ゲームのコマ足りるでしょうか。自分のターン回ってくるまで時間かかりそう。
涙をこぼして感謝するプルンス。謙虚だなぁ。プルンスの貢献度もかなり高いのに。5人と同時に握手してるのシュール。
「では、フワに食事を」
え、お前何いってんの?
「別にお腹空いてないフワ」
さっき食ったもんな。
でもプリンセスは一様に首を横に振ります。ここ最高に土田。
しょうがないのでテキトーにデザートを。すると12本のペンから13本目のペンが出現。トゥインクルブックに刺さるとフワが進化。え、そっち? 売れなかったんでしょうか。作中の扱いがテキトーだったツケがこんなところで。
キャラがまるで変わってしまったフワを前にプリキュアは困惑。視聴者も困惑。
④次回予告
EDで早速対応。
○トピック
新たな(玩具会社の)イマジネーションの力。
大いなる力には、大いなる責任が伴う(ベンおじさん並感)
やっぱトゥインクルは頭が良いと思います。今回は夏休み明け以降の物語の分岐点、収集物も揃ったし次のステージへ進むための移行期になるわけですが、それに伴って主人公達に何を意識させるか。ここに主眼が置かれています。頼まれた役をそのまま引き受けるにしろ、しないにしろ、自分にできること、やらねばならないことを意識する。そんな時期。
ここですぐに答えを出さず、手持ちのカードを整理させるのもポイント高い。ひかるは自分の無力さと同時に仲間の大切さも再認識しています。元々本作は主人公側に明確な使命感や目的意識はありません。流れでやってきただけです。スマイルでも中盤、プリキュアごっこは終わりとばかりにそうした転換が入りましたが、本作はすぐに答えを出さず問いに留まる。何も命を賭けろとは言わない。自分が何も考えずに言っていた言葉の意味をここでもう一度考えさせることで、自分にできることとできないことを明確していく。その結果ひかるは1人では敗北し、みんなと力を合わせて引き分けに持ち込む。
スマイルでは一人一人に決断を委ねた(場合によっては1人で戦地に赴く可能性もあった)のとは対照的に本作では共有化しています。これは責任の分散というよりは手持ちの確認と、何よりも過剰な責任までを負う必要はないという配慮だと思われます。意識しすぎるのもまた正常な判断力を奪います。前回ララをフォローしたのはそういう意味もありますね。だから本作は判断を問いつつもそれがフェアな重さになるよう配慮されている。そういったバランス感覚にも優れていますね。
総じて言えば、主人公(視聴者)に考える時間を与えています。連合入りの是非を含めて次回答えを出すのかはわかりませんが時間はかかってもいいからきっちり自分で消化しなさい、というスタイル。
考える力があること。考えるキッカケを与えること。考える時間を与えること。過程にキチンと尺をとって試す。本作は明確な主張がありません。言い換えれば敵を断罪しません。つまり問われているのは善か悪かといったことではなく、私は何を考えて(思って)それを行うのか。私はそこで何を見るのか。その想像力なのです。子どもにチャンスを与え、考えさせ、受け止めさせる。頭が良い(頭を使わせる)物語だと思います。
①帰省
ワープアウトして地球へ帰還。夏休みまるまる宇宙旅行でした(作中では数日)。
でもまだ話は終わりません。ロケットを追って現れたのは星空連合の宇宙船。
地上に降りて顔合わせ。
トッパーは早速ララとプルンスの宇宙法違反を指摘。100年間旅の禁止。寿命が地球人と同じだと実質渡航禁止令。でもアブラハムさんはOKを出してくれたと抗弁するひかる。あー、たぶんそれね……
映像の向こうで本人はタジタジ。それもそのはず。見逃しの話はアブラハム本人の正体バレの隠蔽でもあったので上に報告していません。プリキュアの報告しろよ!と叱責するトッパーは左遷を言い渡します。映画の撮影もあるし勘弁して!と平謝りのアブラハム。ひかるとララは気まずそう。余計なこと言っちゃった感。ユニは安定のスルー。たぶんアブラハムは左遷されてこっち来たんだろうな。どこ行っても本業忘れてそう。
あまり見苦しい姿を見せるわけにはいかないと思ったのか通信はここまで。管理責任もあるのでララ達の処分については免除すると融通を利かせます。星空連合が隠蔽体質で助かりました。
ありがとうトッパーさん! さよならルン!
それで話終わんねーよ!
本題はここから。星空連合に是非加盟して。
口火を切ったのはユニ。団体行動苦手。え?
店の手伝いがあるし弟たちの面倒見ないといけない。学校と習い事あるし。え? え?
「そんなプライベートな理由で断るでアルか?」
思わぬ反対理由に宇宙連合のトップも困惑。今の時代、プライベートも大事ですからね。というわけで時間も時間なのでえれなとまどかはあっさり帰っていきます。女子中学生に権力関係なかった。っていうかまどかは前々回ララに言ったこと忘れてるだろ。宇宙の話?ちょっとわかんないっすね。みたいなスルー力。この子、お父さん以外ほんとに興味ないよな。
じゃあね~と当然のように見送るひかるとララ。たぶんこの時点でユニはどっか行ってる。あまりの軽さに呆然とするトッパー氏。郷に入れば郷に従えってことで。
残りのペンは1本と危機感を抱くダークネストさん。夏休みの宿題じゃないんだからもっと早くから危機感持とうな? もうここまで来たら回収させて横取りした方が早くないか。
最後のペンは捕捉済。カッパードが回収に向かっています。今回は中間管理職のガルオウガも出撃。狙いはプリキュアが持つ11本のペン。そしてプリンセスが残した希望。もしかしてそれって割とどうでもいい扱いを受けているフワのことですか?
ひかるも家に帰って家族に旅行の報告。
エピソードをそのまま話すと相変わらずぶっとんだ映画と呆れ顔の母。案の定ひかるは映画の撮影という設定を忘れていました。自分の漫画も映画化して欲しいと本音が漏れます。制作会社ガチャに震えろ。
えれなは店の手伝い。まどかは父へ電話で報告。こちらは撮影旅行の設定を忘れていません。この子のお父さん大好き感は見ててほっこりします。まあ、しょっちゅうガチってるんですけど。
②大いなる力には、大いなる責任が伴う
山積みのおにぎりを前にして緊張が走るトッパー。
石を食べるの? おにぎりです。見本のように食べる一同。ハムスターかお前ら。
買収されないぞと釘を刺すトッパーにひかるは、そんなんじゃない、お腹空いてないかと作ってきたとグイグイ押していきます。初見殺しのスキルは腐っていません。疑いながらも食べてみるとこれが美味い。部下達も美味しいとかじりつきます。おにぎりだけでは満足できなかったフワに食事を与えます。それを見たトッパーは真顔に。プリキュアの伝承。
日もくれて帰ろうとしたひかるを真剣な口調で止めるトッパー。サシで話しがしたい。
小型艇で宇宙に出ると月までワープ。本艦は月に待機させていたらしい。地球の近くにあったら観測されるしね。ワープ技術は保有していますが地球から星空界までは10年かかる。一瞬でワープできるフワは別格。マスコットキャラに重みを持たせてきました。
宇宙船に戻ると展望デッキに。一面に広がる宇宙を感嘆の声とともに眺めるひかる。ロケットの窓から見るのとはまた違う。本来の星の輝きはこんなものではないと応じるトッパー。ずいぶんと輝きが失われてしまった。真面目トークモード。
プリンセスが力を失ったから? 流石。視聴者的には忘れそうになる設定。今頃あいつらピザ食ってる。ひかるをここに連れてきたのはリーダー同士腹を割って話をしたいから。関係者から話を聞いてひかるがそうだと思ったらしい。満更でもない様子のひかる。でも真面目トークモードは終わっていません。
「私は……守れなかったでアル…」
目尻に涙を浮かべながら呟くトッパー。トゥインクルの世界観殺伐ってるよね。子どもの世界の外ではシビアな世界が広がっていることの反映なんでしょうが。もちろん、子どもの世界もまた夢の国でないことはこれまで見て来たとおりです。
スタープリンセスを、宇宙を守れなかった。自分の弱さを知った。ただの権力機構かと思いきやちゃんとノットレイダー事件に関係させてきました。シリアスな空気にさしものひかるも口を挟めません。トッパーは続けます。だが自分はリーダーを退かなかった。何故だか分かるか? やっぱ利権とかですかね。ひかるが答えられないでいると、
「責任でアル」
失った星の輝きを取り戻す責任がある。だが自分には力がなくプリキュアに頼るしかない。だから連合に入ってくれと頭を下げるトッパー。頭ごなしに上段から命令してくるのかと思いきやめっちゃ対等な目線で来ました。このアニメこういうところ真面目だよなー。なるほど確かにタイミング的にはいい感じです。物語的にはノットレイダーが倒すべき相手なのは当初からわかっていますが、主人公達の意識的にはアイテム収集が当座の目的で、収集が完了した後のビジョンはありませんでした。また、放送開始(入学)から半年近くが経ちレベルも上がってきたところですからここで責任を持たせていくのも悪くありません。まどかの留学の件もあるので自分に何ができるのか、何をしなければならないのか、そういったことを考えていくのは自然な流れです。
躊躇うひかるに、トッパーは無力な自分にも責任はあると自らの至らなさを認めます。だが力がある者にも責任があると射抜くように見つめます。個人的には権利を有する者が義務を果たすべきで力(能力)云々は関係ないと思う派。要するに金貰ってるやつがその分だけ働け。できることとやりたいことは別口って思いますね。俺が力を持っているからと言ってお前がその使い道を決める道理はない。まあ、プリキュアは違法揉み消しとかやってるんで無責任ってわけにも行きませんが。
守る責任。重い言葉に困惑の表情を浮かべるひかる。一息に答えは出せません。やっぱこの子の可愛いよね(男子並感)
タイムオーバー。知らない人が出てきました。
③リーダー対決
プリキュアの姿を認めるとガルオウガは瞬間移動してバリア内に侵入。狙いはペンとフワ。
久々のスター単独変身。スター派のワイ歓喜。でもやっぱちょっとエコー入ってますね。1話みたいにそのままの方が好きなんですよね。「プリキュアぁ~~あぁ~~~」のところの声のとおり具合が特に。え?わかんない? まあ……お前らじゃわからないか、この領域の話は。
幹部のリーダー、ガルオウガの戦闘スタイルは物理。ストレートに殴る。一周回って普通になった。自前で盾や足場を作れるスターの方が変則的な戦い方ができる分有利ですが、ガルオウガに与えられた力で瞬間移動が可能。逃げたスターを捕捉。ワープホールを作り出すと投げ入れます。ここでトッパーが通信している先は後述するようにララのロケット。
出た先は月の表面。
宇宙空間でも平気な様子のプリキュアを見て自分もだと腕輪を示すガルオウガ。普通に窒息させようとするとかエゲツい。
マントを脱ぎ捨ててガチのタイマン戦に。単純な殴り合いならトリッキーな動きができるスターが有利。が、瞬間移動ができるガルオウガはさらにイニシアチブを取れるため戦闘は終始彼のペース。星空連合の船が援護射撃を加えるも例の力で反射され戦線離脱。スターの孤軍奮闘は続きます。
フワもペンも守る。その言葉に反応するガルオウガ。どうやらNGワードだったらしく手痛い反撃に遭います。軽々しく口にするな。トッパーの言葉が重なります。責任の重み。プルンス達と出会ったばかりの頃、宇宙の伝説と聞いてただ単に舞い上がっていた自分。その後に会った人々。ここで初めて彼女は自分が口にした言葉と経験とが実体を持ってイメージされます。これまで何度となく何気なく発していた言葉の意味。
「守るって……私には……」
安定の脚本力。ここで敵方のリーダーであるガルオウガが登場するのも意味あってのこと。ノットレイダーのリーダー、星空連合のリーダーそれぞれに想うものと重みを持つ中で、プリキュアのリーダーは何も考えてませんでしたという対比。イマジネーションを体現するはずの主人公が「実は想像力ないっつーの!」を露呈(2度目)。さらに敗北のダブルパンチ。
カッパードから通信が入ると最後のペンを目視。ワープホールを開いてペンをキャッチするガルオウガ。プリキュアに見せつけるようにペンを掲げます。これちょっと私怨入ってますね。よほどさっきのセリフにカチンと来たのでしょう。カッパードに待機を命じるとスターのペンを回収すべく近寄っていきます。深夜番組だと危険な雰囲気ですが生憎本作は日朝番組。
フワがロケットをワープさせると助っ人登場。
体勢を整えて仕切り直し。まずは肉弾戦で畳み掛けて逃げ場を塞ぎ、死角である頭上からアロー。さりげなくガチで殺しに行くプリキュアチーム。でも瞬間移動で回避。目標をハズレた矢が地面にぶつかって拡散。たぶんこれにも当たり判定がある。多少ズレても拡散して追撃するセレーネさんの殺意度。
さらにやばいのは瞬間移動したガルオウガに横合いから殴られつつも着地で受け身をとってすかさず移動する反応力。流石セレーネ、戦闘になるとプロの業を見せてくれます。コマ送りで見るとちゃんと冷や汗流しながら回避してますね。アーチャー系はバトルものだとどうしても弱くなりがちか極端な芸(超遠距離射撃とか殲滅力)に頼らざるを得ないところがあるんですが、立ち回りで存在感アピールしているのは好印象。スマイルのビューティも弓使っていましたが剣も使ってましたからね。弓専門は貴重。すかさずリカバリーに入ったソレイユが目潰ししてるとか女児向けアニメってこと忘れてますね。いくら瞬間移動できても反応できなければ意味がない。
隙を突いてコスモのターン。だけどBGMが処刑用じゃない。ブレスレットパワーで相殺。なら次は南十字星ビーム。こっちはもうBGMがダメ。最高課金攻撃が効かないボス。あー、これはアレですね、アレの時期。
宇宙を乗っ取ると宣言する敵リーダー。お前などにこの宇宙が守れるというのか! 今作も被害者の会方式でしょうか。この方式の場合、被害者→ラスボス→被害者を被害者たらしめた原因という感じで開示されていくものなんですが、2年連続それやるのかっていうことと、話が宇宙規模になっているので纏まんのかというところもあり話の奥行きが気になるところです。まあ、最終回にならないと完全に開示されないんでまったり見ていくんですけどね。
単身挑むスター。迎え撃とうと構えたガルオウガの腕輪が無反応。どうやらバッテリー切れ。連戦でパワーを使い切ってしまったようです。久しぶりに現場に出たせいでペース配分を誤ったか。その隙に魚座ゲット。最後のペンだからといって別に補正があるわけでもなく普通にブーストスターパンチ。そのまま詰め寄ると拳と拳で語り合います。
「これしき! か弱き小さな拳で!」
ハリウッド映画でよくいる軍人的なイメージですかね、ガルオウガさん。
自分独りでは手に余ってもみんながいれば。
今度こそ本当にバッテリー切れ。呼吸ができなくなります。酸欠でハカハカしはじめるガルオウガ。ええ!? 初戦闘の敵幹部リーダーが酸欠で退場とか前代未聞だろ。いや確かにそう言ってたけどさ、敵って普通万能型だったりするだろ。これは被害者の会認定せざるを得ない。きっとこの人苦労してきたんだよ。比較してよくわかるアイワーンの外道さ。
カッパードも一緒に撤退していきます。最後のペンも取られて大失態。
緊張の糸が切れたスターはその場にへたり込みます。勝ちは勝ちですがギリギリの戦いでした。
12のペンが揃いスターパレスへ。
スタープリンセス揃い踏み。人生ゲームのコマ足りるでしょうか。自分のターン回ってくるまで時間かかりそう。
涙をこぼして感謝するプルンス。謙虚だなぁ。プルンスの貢献度もかなり高いのに。5人と同時に握手してるのシュール。
「では、フワに食事を」
え、お前何いってんの?
「別にお腹空いてないフワ」
さっき食ったもんな。
でもプリンセスは一様に首を横に振ります。ここ最高に土田。
しょうがないのでテキトーにデザートを。すると12本のペンから13本目のペンが出現。トゥインクルブックに刺さるとフワが進化。え、そっち? 売れなかったんでしょうか。作中の扱いがテキトーだったツケがこんなところで。
キャラがまるで変わってしまったフワを前にプリキュアは困惑。視聴者も困惑。
④次回予告
EDで早速対応。
○トピック
新たな(玩具会社の)イマジネーションの力。
大いなる力には、大いなる責任が伴う(ベンおじさん並感)
やっぱトゥインクルは頭が良いと思います。今回は夏休み明け以降の物語の分岐点、収集物も揃ったし次のステージへ進むための移行期になるわけですが、それに伴って主人公達に何を意識させるか。ここに主眼が置かれています。頼まれた役をそのまま引き受けるにしろ、しないにしろ、自分にできること、やらねばならないことを意識する。そんな時期。
ここですぐに答えを出さず、手持ちのカードを整理させるのもポイント高い。ひかるは自分の無力さと同時に仲間の大切さも再認識しています。元々本作は主人公側に明確な使命感や目的意識はありません。流れでやってきただけです。スマイルでも中盤、プリキュアごっこは終わりとばかりにそうした転換が入りましたが、本作はすぐに答えを出さず問いに留まる。何も命を賭けろとは言わない。自分が何も考えずに言っていた言葉の意味をここでもう一度考えさせることで、自分にできることとできないことを明確していく。その結果ひかるは1人では敗北し、みんなと力を合わせて引き分けに持ち込む。
スマイルでは一人一人に決断を委ねた(場合によっては1人で戦地に赴く可能性もあった)のとは対照的に本作では共有化しています。これは責任の分散というよりは手持ちの確認と、何よりも過剰な責任までを負う必要はないという配慮だと思われます。意識しすぎるのもまた正常な判断力を奪います。前回ララをフォローしたのはそういう意味もありますね。だから本作は判断を問いつつもそれがフェアな重さになるよう配慮されている。そういったバランス感覚にも優れていますね。
総じて言えば、主人公(視聴者)に考える時間を与えています。連合入りの是非を含めて次回答えを出すのかはわかりませんが時間はかかってもいいからきっちり自分で消化しなさい、というスタイル。
考える力があること。考えるキッカケを与えること。考える時間を与えること。過程にキチンと尺をとって試す。本作は明確な主張がありません。言い換えれば敵を断罪しません。つまり問われているのは善か悪かといったことではなく、私は何を考えて(思って)それを行うのか。私はそこで何を見るのか。その想像力なのです。子どもにチャンスを与え、考えさせ、受け止めさせる。頭が良い(頭を使わせる)物語だと思います。
第30話「ララの想いとAIのキモチ☆」
○今週の出来事
①ララの通信簿
まだ現場を離れていなかったテンジョウにアイワーンが接近。あくまで狙いはコスモ。プリンセスの力など必要ない彼女はそれを条件にテンジョウの協力を取り付けます。
ユニを船頭にして森へと逃げ込む一同。
しかしカメラドローンは熱感知機能も搭載されているので見つかるのは時間の問題。ところが思わぬ救援。AIさんがジャミングをかけてカメラを妨害。こういう事態を想定していないのか割とザルなセキュリティ。たぶんこの星の技術はAIが全部担当してるでしょうから慢心しきっているのでしょう。自分が作ったものの欠陥って気づきにくいよね。
本部にロロ達が行くと積極的に協力を申し出ます。街中に出頭するよう呼びかけ。一緒に謝ってあげる。そういう問題か? 心配しなくていい。僕達がなんとかしてあげる。その言葉を聞いてやっぱり自分を半人前扱いしていると俯くララ。ポイントはそこですね。だったらプリキュアだって言いに行けば?とユニ。みんな認めてくれる。図らずも前回の課題がここで周知されます。
逃げろって言ったの自分だろ!?とツッコミを入れるプルンス。状況が違う。信じてくれる家族がいるなら、とララに呼びかけるロロ達の姿を見つめるユニ。この子は立ち位置が独特なこともあって毎回良い味出しますね。家族が自分を認めてくれないのはララにとって悩みの種ですが、頼れる人がいなかったユニにとってはそれでも寄る辺になってくれる存在。えれなもいくつになっても妹のことが心配なんだとララの気持ちを和らげます。さす姉。家族とは対立するものではないし不信を持つものでもないとララ(女児)視点で状況整理。
でもプリキュアだと知られれば面倒なことになる。星空連合が取り込もうとしている。ララの触覚を大事そうに握るとひかるは自分達のことは気にしなくていいと彼女の気持ちを支持します。当たり前のことですがこの話をそのままやるとプリキュアとか地球とか色々面倒なことになるんですが、あくまで本作は女児視点での物語なので一番に優先されるのはそこです。これはララを中心とした課題なので選択権は彼女に委ねられます。
今度は警備隊が登場。
彼らが使っているホバーボードもマザーAIがサポートしているのでジャミングが可能。AIさんが判断を仰いできます。答えに迷っている間に新たな展開。突如コントロールを失って墜落する警備隊。さらにはロケットや星全体がコントロールを失っていきます。セキュリティ甘いなぁ。サマーンを実質的に支配するアイワーン。高笑い顔が狂気入ってていい感じ。ビジュアル的に一番えげついよな。こいつどうやって改心させるんだろ。
本部に居ても危ないだけなので逃げ出したものの普段からホバーボード頼りなので体力ゼロ。すぐにへばってしまいます。追っ手を振り切れない。颯爽とララが現れると4人纏めて引っ張り上げます。体力あるってレベルじゃねぇ。
AIが無いと何もできないと泣き言を吐くロロ。こっからララのターン。しっかりしろと喝を入れるララ。AIが無くても大丈夫、学校で経験済。バケツびしゃびしゃ事件とかね。あれは悲しい事件だったね。なにそれ?な顔をする家族に説明を続けます。
「考えて、想像して、自分の力で! なんとでもなるルン!」
本当になんとでもした子が言うと説得力が違う。手っ取り早くプリキュアの姿を見せないのがこだわり。彼女が何をしてきたのか、何を学んだのか、本人はそれをどのように思っているかが重要。彼女の言葉や表情から自信が伝わってきます。兄よりAIが使いこなせないとか、兄より足が丈夫とかそういう比較に依拠することなく自分を信頼できる。そういう強さを彼女は学んでいます。入学(入園)から夏休みを挟み視聴者にあなた達はちゃんと頑張っている、出来るようになっている、自信を持っていいとストレートに勇気付ける子ども向け番組の鑑。本音はあと1ヶ月くらいで新商品出るんで親の印象を良くしておきたい事情がありますが、それをおくびにも出さないのがプロの仕事。印象操作は大事。
②AIさんはララの夢を見る
テンジョウとアイワーン登場。
親切に自供してくれます。テンジョウを指差すクク。やっとわかってくれました? 真犯人が登場するもひかる達も捕縛されて身動きが取れません。万事休す。やっぱりララはララ、所詮はランク8の調査員と失望の色を隠さないクク。お前が一番使えないってのが視聴者全員の見解だからな?
ククの言い様に抗議するようにララは出来る子、助けてくれたとひかる達が言うと拍手を送るテンジョウ。感動的だな、だが無意味だ。事前の取引き通りテンジョウはペンを、アイワーンはコスモを標的に。アイワーンさん復讐心強すぎてヤンデレになりそう。面倒な奴に目を付けられてしまいました。
ユニに向けて群がる多数のホバーボード。ちょっとそこ通りますよ~。今度はララのロケットがダイレクトアタック。地面に墜落すると傷を付けてしまったと律儀に謝ります。お前いっつも壊れてんな。マザーとのアクセスを拒否しているなら直接乗っ取ればいい。ララ達同様に触手に絡め取られてしまいます。お役に立てず申し訳ない、旅のお供ができて光栄でした、とまるで別れの挨拶のようなことを告げると走馬灯が流れていきます。ロボットものだとよくあるやつ。プリキュアでこれやるのはなかなかに斬新。モフルンなんかはぬいぐるみだしイマジナリーフレンド的な扱いもできるんですが、AIさん移動拠点ですからね。考えてみると特殊枠だよなぁ。ララの発達段階に合わせて初期は親代わりとして、今はパートナーとして自由度が上がっています。
悲しみにくれる一同。非道なアイワーンを責めると、あたいが失ったものに比べれば大したことない!とさらに憎悪を強めます。徹底してるよね、この人。AIを再起動させて襲わせます。まさに外道。
ところがララの可愛さと変顔がアイワーンを上回り、逆にマザーAIを乗っ取ってしまいます。可愛いは正義。セキュリティがザルなのが有利に働きました。
「あら、失敗?」
暇そうに待機していたテンジョウが訊ねます。何やってるのかと思ったら何もやってなかった。じゃあ出番か、という感じで駒ちゃん達を巨大化。XLサイズにボリュームアップ。
AIが頑張ってくれたなら自分もそれに応えなくては。有能(ララ)と無能(クク)の決定的な差を見せるとき。プリキュアに変身。今回はほぼミルキーの単独変身。たまにこんな感じでその回の主役でバンク仕切って欲しいですね。
これには関係者一同ビックリ。
一斉射撃でノットレイを足止め。未だにララがプリキュアだったことを飲み込めていない両親とは違い、ロロは素直にララが成長していることを受け入れます。さすがランク1。飲み込みも早い。かに座の力でダメ押しするとサザンクロスショットでトドメ。幹部と元幹部はお互いに責任を擦り付けあって撤退。アイワーンの毒舌に期待したのですがユニにご執心のあまりそれどころではなかったようでちょっと残念。まあ、ララが責められる要素って今回あまり無いんですが。
隠しててごめんと家族に謝るララ。
持っていたペンが光るとトゥインクルブックでプリンセスをスターパレスに戻すと専門用語を並べて説明。みんなチンプンカンプン。兄のロロはもう何があっても驚かないと妹を見送ります。さりげなく優越感を演出する上手い見せ方です。前回溜め込んだ分を一気に吐き出してますね。
カニ型フワが思いのほかキモい。これで11のプリンセスが揃い残りは……えー……魚座。あ、ありがとうございます。わざわざ調べずに済みました。この手のやつで魚座が最後っていうのも珍しい気がする。別に戦っているわけじゃないから何がラストでも構わないんですけど。
ロケット博士の母が修理して元通り。AIを手順に従って再起動すると
「IDとは堅苦しいですね、ララ様」
とフレンドリーな答えが返ってきます。それを聞いて喜ぶララとひかる。AIは均一化するはずなのにありえないと困惑する父。マザーAIとは共有したけどララを始めとするみんなのデータが際立っていたので埋もれることはなかったと説明するAIさん。そんな理屈でいいのか。ある程度固有データが残るのか?というような細かい話はどうでもよく、この辺もトゥインクル節ですね。つまりその人の人格や性格は体験や記憶がベースにある。一卵性双生児でも差異が出るのでAIさんも差異が出る。そんな感じ。
AIにも心の宇宙があると納得するララに父は困惑。兄は慣れたものでそんな妹を期待の目で見ます。与太話はここまで。ララの件は解決したもののプリキュアの星空連合問題はまだ未解決。見つかる前に出発しなければなりません。
ララがプリキュアであることを誇りに思うと話すロロ。こいつ最初から最後までランク1だな。辺境の星は少し心配と親らしく不安に思う母。実際辺境なんだけど地元民的にはリアクションに困ります。
「大丈夫ルン。私は大人ルン!」
期待と不安を持っていたのは昔のこと。虚勢でも見栄でもなく言葉通りの自覚を持つララ。
母星を離れロケットは旅立ちます。
後を追う星空連合。
家に帰るまでが合宿。
③次回予告
こいついっつもボコボコにされてんな。
○トピック
今回のサマーン襲撃事件後の対応について以下のとおりとする。
ララを5ランク格上げ。
ククを5ランク格下げ。
以上。
女子3日会わざれば刮目して見よ、な回。
この半年の成長を堂々と見せつけて認めさせる王道展開。星空連合と分離して話を進めたのは意外でしたが確かにこっちの方がスッキリしますね。星空連合はひかるが担当するようですが果たしてどう絡むのやら。
AIが乗っ取られて何もできない展開は想定内ですが、本作らしいのはそれで安易にマウントを取らないこと。
要するに土俵が違う。AIの使いこなしに関してララはほとんど進歩がないものの、プリキュアとして一人前の仕事をしている。ロロ達からするとプリキュアの仕事は門外漢。そんな全く知らないララの姿にこそ成長を感じられるわけです。これが兄の後追いだと「ここまで出来るようになったのね」な上から目線になってしまいますが畑違いであるからこそ変化が強調されます。
これは前々回ロケットを修理したフレアさんのエピソードも下地になっています。フレアさんはあのまま地元に残っても普通に職人としてやっていけたと思いますが、ララは地元では落ちこぼれ。でも外に出て学んだことで地元の人達には想像もできないようなことをやってのけるまでになっている。ここのポイントはサマーン側を必要以上に下げないこと。セキュリティがザルだとか体力無いとかは傍目には問題ですが、どこの国や文化にも欠陥がある(ように見える)ものです。その欠陥を取り除けば理想的な社会になるかと言えばそうでもない。サマーンならサマーンの、地球なら地球での暮らしがあって、それぞれの評価や価値があって、それが強みになったり弱みになったりする。その差異を素直に認めるのが本作の特徴でもあります。家の違い、住む場所の違いを優劣に貶めることなくその人の生き方や価値観として描く。
サマーン人でありながら地球を知りプリキュアとしても活躍するララは単一の物差しでは計れない稀有な存在です。番組初期のララは典型的なサマーン人でした。でも今は違う。はじめはみんな同じでもAIさん同様経験を積むにつれて唯一の人格、人物を作り上げていく。質実剛健。トゥインクルの一貫した提示です。
①ララの通信簿
まだ現場を離れていなかったテンジョウにアイワーンが接近。あくまで狙いはコスモ。プリンセスの力など必要ない彼女はそれを条件にテンジョウの協力を取り付けます。
ユニを船頭にして森へと逃げ込む一同。
しかしカメラドローンは熱感知機能も搭載されているので見つかるのは時間の問題。ところが思わぬ救援。AIさんがジャミングをかけてカメラを妨害。こういう事態を想定していないのか割とザルなセキュリティ。たぶんこの星の技術はAIが全部担当してるでしょうから慢心しきっているのでしょう。自分が作ったものの欠陥って気づきにくいよね。
本部にロロ達が行くと積極的に協力を申し出ます。街中に出頭するよう呼びかけ。一緒に謝ってあげる。そういう問題か? 心配しなくていい。僕達がなんとかしてあげる。その言葉を聞いてやっぱり自分を半人前扱いしていると俯くララ。ポイントはそこですね。だったらプリキュアだって言いに行けば?とユニ。みんな認めてくれる。図らずも前回の課題がここで周知されます。
逃げろって言ったの自分だろ!?とツッコミを入れるプルンス。状況が違う。信じてくれる家族がいるなら、とララに呼びかけるロロ達の姿を見つめるユニ。この子は立ち位置が独特なこともあって毎回良い味出しますね。家族が自分を認めてくれないのはララにとって悩みの種ですが、頼れる人がいなかったユニにとってはそれでも寄る辺になってくれる存在。えれなもいくつになっても妹のことが心配なんだとララの気持ちを和らげます。さす姉。家族とは対立するものではないし不信を持つものでもないとララ(女児)視点で状況整理。
でもプリキュアだと知られれば面倒なことになる。星空連合が取り込もうとしている。ララの触覚を大事そうに握るとひかるは自分達のことは気にしなくていいと彼女の気持ちを支持します。当たり前のことですがこの話をそのままやるとプリキュアとか地球とか色々面倒なことになるんですが、あくまで本作は女児視点での物語なので一番に優先されるのはそこです。これはララを中心とした課題なので選択権は彼女に委ねられます。
今度は警備隊が登場。
彼らが使っているホバーボードもマザーAIがサポートしているのでジャミングが可能。AIさんが判断を仰いできます。答えに迷っている間に新たな展開。突如コントロールを失って墜落する警備隊。さらにはロケットや星全体がコントロールを失っていきます。セキュリティ甘いなぁ。サマーンを実質的に支配するアイワーン。高笑い顔が狂気入ってていい感じ。ビジュアル的に一番えげついよな。こいつどうやって改心させるんだろ。
本部に居ても危ないだけなので逃げ出したものの普段からホバーボード頼りなので体力ゼロ。すぐにへばってしまいます。追っ手を振り切れない。颯爽とララが現れると4人纏めて引っ張り上げます。体力あるってレベルじゃねぇ。
AIが無いと何もできないと泣き言を吐くロロ。こっからララのターン。しっかりしろと喝を入れるララ。AIが無くても大丈夫、学校で経験済。バケツびしゃびしゃ事件とかね。あれは悲しい事件だったね。なにそれ?な顔をする家族に説明を続けます。
「考えて、想像して、自分の力で! なんとでもなるルン!」
本当になんとでもした子が言うと説得力が違う。手っ取り早くプリキュアの姿を見せないのがこだわり。彼女が何をしてきたのか、何を学んだのか、本人はそれをどのように思っているかが重要。彼女の言葉や表情から自信が伝わってきます。兄よりAIが使いこなせないとか、兄より足が丈夫とかそういう比較に依拠することなく自分を信頼できる。そういう強さを彼女は学んでいます。入学(入園)から夏休みを挟み視聴者にあなた達はちゃんと頑張っている、出来るようになっている、自信を持っていいとストレートに勇気付ける子ども向け番組の鑑。本音はあと1ヶ月くらいで新商品出るんで親の印象を良くしておきたい事情がありますが、それをおくびにも出さないのがプロの仕事。印象操作は大事。
②AIさんはララの夢を見る
テンジョウとアイワーン登場。
親切に自供してくれます。テンジョウを指差すクク。やっとわかってくれました? 真犯人が登場するもひかる達も捕縛されて身動きが取れません。万事休す。やっぱりララはララ、所詮はランク8の調査員と失望の色を隠さないクク。お前が一番使えないってのが視聴者全員の見解だからな?
ククの言い様に抗議するようにララは出来る子、助けてくれたとひかる達が言うと拍手を送るテンジョウ。感動的だな、だが無意味だ。事前の取引き通りテンジョウはペンを、アイワーンはコスモを標的に。アイワーンさん復讐心強すぎてヤンデレになりそう。面倒な奴に目を付けられてしまいました。
ユニに向けて群がる多数のホバーボード。ちょっとそこ通りますよ~。今度はララのロケットがダイレクトアタック。地面に墜落すると傷を付けてしまったと律儀に謝ります。お前いっつも壊れてんな。マザーとのアクセスを拒否しているなら直接乗っ取ればいい。ララ達同様に触手に絡め取られてしまいます。お役に立てず申し訳ない、旅のお供ができて光栄でした、とまるで別れの挨拶のようなことを告げると走馬灯が流れていきます。ロボットものだとよくあるやつ。プリキュアでこれやるのはなかなかに斬新。モフルンなんかはぬいぐるみだしイマジナリーフレンド的な扱いもできるんですが、AIさん移動拠点ですからね。考えてみると特殊枠だよなぁ。ララの発達段階に合わせて初期は親代わりとして、今はパートナーとして自由度が上がっています。
悲しみにくれる一同。非道なアイワーンを責めると、あたいが失ったものに比べれば大したことない!とさらに憎悪を強めます。徹底してるよね、この人。AIを再起動させて襲わせます。まさに外道。
ところがララの可愛さと変顔がアイワーンを上回り、逆にマザーAIを乗っ取ってしまいます。可愛いは正義。セキュリティがザルなのが有利に働きました。
「あら、失敗?」
暇そうに待機していたテンジョウが訊ねます。何やってるのかと思ったら何もやってなかった。じゃあ出番か、という感じで駒ちゃん達を巨大化。XLサイズにボリュームアップ。
AIが頑張ってくれたなら自分もそれに応えなくては。有能(ララ)と無能(クク)の決定的な差を見せるとき。プリキュアに変身。今回はほぼミルキーの単独変身。たまにこんな感じでその回の主役でバンク仕切って欲しいですね。
これには関係者一同ビックリ。
一斉射撃でノットレイを足止め。未だにララがプリキュアだったことを飲み込めていない両親とは違い、ロロは素直にララが成長していることを受け入れます。さすがランク1。飲み込みも早い。かに座の力でダメ押しするとサザンクロスショットでトドメ。幹部と元幹部はお互いに責任を擦り付けあって撤退。アイワーンの毒舌に期待したのですがユニにご執心のあまりそれどころではなかったようでちょっと残念。まあ、ララが責められる要素って今回あまり無いんですが。
隠しててごめんと家族に謝るララ。
持っていたペンが光るとトゥインクルブックでプリンセスをスターパレスに戻すと専門用語を並べて説明。みんなチンプンカンプン。兄のロロはもう何があっても驚かないと妹を見送ります。さりげなく優越感を演出する上手い見せ方です。前回溜め込んだ分を一気に吐き出してますね。
カニ型フワが思いのほかキモい。これで11のプリンセスが揃い残りは……えー……魚座。あ、ありがとうございます。わざわざ調べずに済みました。この手のやつで魚座が最後っていうのも珍しい気がする。別に戦っているわけじゃないから何がラストでも構わないんですけど。
ロケット博士の母が修理して元通り。AIを手順に従って再起動すると
「IDとは堅苦しいですね、ララ様」
とフレンドリーな答えが返ってきます。それを聞いて喜ぶララとひかる。AIは均一化するはずなのにありえないと困惑する父。マザーAIとは共有したけどララを始めとするみんなのデータが際立っていたので埋もれることはなかったと説明するAIさん。そんな理屈でいいのか。ある程度固有データが残るのか?というような細かい話はどうでもよく、この辺もトゥインクル節ですね。つまりその人の人格や性格は体験や記憶がベースにある。一卵性双生児でも差異が出るのでAIさんも差異が出る。そんな感じ。
AIにも心の宇宙があると納得するララに父は困惑。兄は慣れたものでそんな妹を期待の目で見ます。与太話はここまで。ララの件は解決したもののプリキュアの星空連合問題はまだ未解決。見つかる前に出発しなければなりません。
ララがプリキュアであることを誇りに思うと話すロロ。こいつ最初から最後までランク1だな。辺境の星は少し心配と親らしく不安に思う母。実際辺境なんだけど地元民的にはリアクションに困ります。
「大丈夫ルン。私は大人ルン!」
期待と不安を持っていたのは昔のこと。虚勢でも見栄でもなく言葉通りの自覚を持つララ。
母星を離れロケットは旅立ちます。
後を追う星空連合。
家に帰るまでが合宿。
③次回予告
こいついっつもボコボコにされてんな。
○トピック
今回のサマーン襲撃事件後の対応について以下のとおりとする。
ララを5ランク格上げ。
ククを5ランク格下げ。
以上。
女子3日会わざれば刮目して見よ、な回。
この半年の成長を堂々と見せつけて認めさせる王道展開。星空連合と分離して話を進めたのは意外でしたが確かにこっちの方がスッキリしますね。星空連合はひかるが担当するようですが果たしてどう絡むのやら。
AIが乗っ取られて何もできない展開は想定内ですが、本作らしいのはそれで安易にマウントを取らないこと。
要するに土俵が違う。AIの使いこなしに関してララはほとんど進歩がないものの、プリキュアとして一人前の仕事をしている。ロロ達からするとプリキュアの仕事は門外漢。そんな全く知らないララの姿にこそ成長を感じられるわけです。これが兄の後追いだと「ここまで出来るようになったのね」な上から目線になってしまいますが畑違いであるからこそ変化が強調されます。
これは前々回ロケットを修理したフレアさんのエピソードも下地になっています。フレアさんはあのまま地元に残っても普通に職人としてやっていけたと思いますが、ララは地元では落ちこぼれ。でも外に出て学んだことで地元の人達には想像もできないようなことをやってのけるまでになっている。ここのポイントはサマーン側を必要以上に下げないこと。セキュリティがザルだとか体力無いとかは傍目には問題ですが、どこの国や文化にも欠陥がある(ように見える)ものです。その欠陥を取り除けば理想的な社会になるかと言えばそうでもない。サマーンならサマーンの、地球なら地球での暮らしがあって、それぞれの評価や価値があって、それが強みになったり弱みになったりする。その差異を素直に認めるのが本作の特徴でもあります。家の違い、住む場所の違いを優劣に貶めることなくその人の生き方や価値観として描く。
サマーン人でありながら地球を知りプリキュアとしても活躍するララは単一の物差しでは計れない稀有な存在です。番組初期のララは典型的なサマーン人でした。でも今は違う。はじめはみんな同じでもAIさん同様経験を積むにつれて唯一の人格、人物を作り上げていく。質実剛健。トゥインクルの一貫した提示です。
第29話「ただいまルン☆惑星サマーンのユウウツ」
○今週の出来事
①ララのユウウツ
旅の目的地、惑星サマーンを眼前にして盛り上がる一同(ララを除く)。
居住区が見えてきます。ここにみんな住んでいると説明するララ。全てマンション。効率性を求めた結果一戸建てなどは無いらしい。インフラが整備しやすくて自然を壊さず……見て見てキラやば~。おい話し聞いてやれよ。ララのと同型のロケットが発着しています。
着陸すると出迎えるようにこちらに寄ってくる人が。ククと呼ぶララ。噂のお兄さんかと思って早速自己紹介を始めるひかる。宇宙と星座が大好きな中学…違うルン。さっきの意趣返しではないですが最後まで言わせません。この星の人に中学生と言っても通じなさそう。
ククは上司。見た目からして双子ではありません。サマーン式挨拶をしつつ、嫌そうな声でどうしてここに?と訊ねるララ。識別信号でそれはわかる。報告も無しに今まで何をしていた? あーそっか仕事中だったわけね。少々言い訳に困るところです。
ララの気持ちなど知らずにひかるはククが乗っている乗り物に目を輝かせます。うっかり地球人と言いかけてプルンスに口止めされます。地球は星空連合に所属していないのでバレるとマズイ。よくよく考えれば来ちゃマズかったのでは?
設定を考えていなかったので答えに詰まるララとプルンス。彼女達に代わってAIが漂流中に保護した宇宙人で適法であると説明。ナイスAIさん。融通を利かせてくれました。これは後述するようにララ(AI)の独立性を示すネタの一つですね。
この星の人はAI絶対主義なので簡単に信用してくれます。ロケットの外装については黙認されるらしい。この星にはマザーAIと個人用のパーソナルAIがあると補足説明していると、ククが表彰式が始まってしまうと急かします。兄のロロが表彰されるらしい。
セキュリティを抜けて建物の中へ。ララの友人ということでひかる達も同行を許されます。ザルだな、おい。データの共有を促すマザーAI。
「はい。後ほどいたします」
気が進まなさそうに答えるAIさん。あー、これはガチめに来そうな予感。
共有というのはマザーとパーソナルAIでデータを一緒にすること。旅から帰ると情報を更新すると説明するララ。おそらくそのデータは各パーソナルAIにも反映されるでしょうから全てのAIが同じ情報を使うという設計なのでしょう。効率的です。更新したらどうなっちゃうの?
「データが上書きされ、私であって、私でない新たなAIになります」
AIさん自我持ってるよね? これ。ララはAIのニュアンスに気づいていない様子。サマーン帰省はララだけの話かと思っていたら思わぬ伏兵が潜んでいました。
広間に通されると新たな人物を発見。今度こそと自己紹介を…言わせねーよ。今度はプルンスも慌てて説明。星空連合のトップ、トッパー代表。ずいぶんな大物が来たな。サマーンの大統領とかじゃねーのかよ。
プルンスを見るとトッパーは丁寧な口調で応対。あれ、プルンスも結構重役だったりするの? スタープリンセス付きだからか。プリンセスの扱いがよくわからないからアレなんだけど。説明は後で。なら表彰式を進めよう。表彰式の模様は全国中継されます。
満を持してロロ(と両親)登場。
久しぶりの再会。ですが仕事を放っていたのでいい説明が思い浮かばず返答に困るララ。プリキュアになって学校行ってましたとは言いにくい。しかも今は全国中継中。
そのまま部外者のひかる達もいる中で表彰式が始まります。大丈夫なのか、この星。警備ザルすぎない? どんだけAIの信用度高いんだよ。参列者はこれだけ? 少し寂しいですねと感想を漏らすえれなとまどか。中継されているので当事者だけでいい。流石効率厨のララを生んだ星、効率厨しかいない。
ロロが表彰された理由はプリンセスの力を発見したこと。勲章を授けられます。……後ろの妹さん、10本見つけたんですけど? 誇らしげに勲章を身につける兄。ララの私出涸らしですよね感。半分家出してたんじゃないかというニュアンスすら感じます。ですが後述する彼女のセリフを聞くと非常に複雑な心境であることがわかります。
表彰式が終わってビルの一室へ。
本来ならトッパーと会う必要があるはずのプルンスは後で行くと軽く流します。やっぱこいつ偉いんじゃないの? 偉くても不思議じゃないけど。ヤンヤンいいの引いたんじゃね?
改めてララ一家を紹介。父トト。母カカ。兄ロロ。父ちゃん母ちゃんの頭文字か? 父親はAIの研究員。母親はロケット工学の博士。お仕事かっちょい~と感心するひかる。マザーAIが決めたことと話す父。お仕事をAIが決めたってことですか?とまどかが訊ね返します。あーこれまどかの話に絡んできそうだなぁ。思ったよりサマーンのエピソード広がりそう。
適正をAIが判断して仕事を振っているらしい。ディストピアものでありがちな設定。ロロはランク1の最高級調査員。ララは1番下のランク8の調査員。【悲報】ララちゃんガチの落ちこぼれだった。そりゃ出涸らし感も出ますわ。
「僕はランク1ルン。だから下のララを助けてあげる責任があるルン」
流石ランク1。人格面でもイケメン。出涸らしには染みるでぇ…。借りてきた猫みたいに縮まるララ。兄が人格者過ぎて口答えする隙すら与えてもらえません。
仕事の話はいい、とユニが水を差すと本題であるプリンセスの力について話題を振ります。この子のこういうとこ好き。で、どこにあるの? 盗む気じゃないだろうな。
現在調査中。その辺はプルンスがいるからそのまま引き渡せば早い気もしますが、リアルだと政治的な話が絡みそうな部分ではあります。それはそれとして、レーダーもないのに探し出すなんて凄いとユニもロロを褒めます。原住民がよく拾っていますが狙って探すのは確かに大変。AIを使えば大したことない。AIは万能と実際にその分析力を披露。その分析から最適なグミをAIに指示。グミはこの星では万能食。
ララもロロのようにもう少しAIを使いこなしてくれれば、とおそらくお決まりのセリフを言う両親。ホバーボードも乗れない。乗り物酔いするらしい。それもAIを上手く使えれば克服できるとアドバイスする父。たぶんこの星での適正やランクはAIを便利に使いこなせる能力が最重要視されているのでしょう。視聴者にはわかっていますがララは地頭も良く学習能力も高いので一般的な意味での資質が無いとは思えません。旅に出てから本格的に伸びてきた面もあるでしょうが、場所や環境によって求められるものは違うことの示唆にもなっていますね。トータル的に見て非常にバイタリティがあるけど評価されにくい、あるいは同一環境では発揮しにくい能力ではあります。
足腰が強いからデブリ調査には適任とフォローする兄。いやーそれ地雷ワードじゃないですかね? 友達に知られなくないなーそれ。ララにはララに合った仕事があるルン、と笑顔で話す兄。わかった。君が人格者なのはわかったからこれ以上の死体蹴りは止めてあげて。でも縮こまってるララちゃん可愛いからもっと言葉責めして(ゲス)。
大変な仕事は僕らに任せて、とさわやかな兄。仕事の貴賤をしない。責任感もある。どっかの親父を思い出しますが娘さんちょっとこの件で食いつくかもしれません。
「見つけたルン……私も……」
小声でつぶやくララ。良いですね。非常に良いです。ちゃんとこの番組は視聴者(ララ)に寄り添っていることがわかります。プリンセスの力なら彼女だって見つけている。兄はプリキュアも発見したと勢いづきます。これまでのプリキュアの活動を客観的な情報を元に推測するロロ。確かに優秀な兄です。それ全部妹がやってるんだけどね。星空連合はプリキュアを見つけて連合に入れようとしていると補足する父。なんか雲行きが怪しくなってきました。
②秘密を持ってしまうことの意味
自由行動。
建物の中で広大な景色が広がっています。レクリエーションドーム。なんでも映せる、とケンネル星に景色を変えて見せます。データをもとに再現。仕事によってはこの建物から一生出ない人もいる。外に出なくてもサマーンでは楽しく暮らせる。引きこもりの楽園かよ。移住したい。実際絶景の星を再現するとみんなウキウキ。マオもこの星で野外フェスをやったらしくプレミアムチケットになったとプルンスが相槌を打ちます。ファンやっていただけあって詳しいな。
1人静かに佇むララにまどかが話しかけます。家族に話すかどうか迷っているのですか? その一言でララは彼女が自分の気持ちをわかっていると気づきます。今のトゥインクルは応用学習の段階に入っているので共感と理解力が前提。どんどんアクセル踏んでいきます。
「自分がプリキュアだって言えばきっと認めてくれるルン」
彼女はちゃんとわかっている。
「それに調査員としてすべてを報告するのが大人の責任ルン。でもみんなは……」
プリキュアが星空連合に入ったらみんなの生活がめちゃくちゃになる。地球に帰してもらえるどうかもわからない。何も知らないまま無邪気に遊ぶひかる達とのコントラストがエゲツない。何の前振りもなくガチなトーク始めるのがトゥインクルのやり方。この話を担当できるララが優秀じゃないわけないだろ。これが未就学児童の写し身だった子の成長力。っていうかこの角度からアプローチするとは予想してませんでした。単純な兄との劣等感に落とし込まないところに本作のやる気が感じられます。
同じ悩みを持ったとまどかは打ち明けます。
「父は政府の高官です。話せば国が動きノットレイダーをなんとかしてくれるかもしれない」
「そう考えたこともありました」
完全に話のレベルを上げに来てる。まどかが父に隠したのは言ってみれば友達ができたことによる関係性の複雑化と分化がその初期段階における意義です。まどかは上級生ですがこと友達関係においてはララと大差はありません。それがここに来てふたりに共通する悩みとして、より高次な判断が求められる課題として再定義化されています。率直に言って話の作り方がめちゃくちゃ巧い。何が巧いってこれちゃんと子どもにもわかる悩みだからです。大人に任せた方がいいかもしれない。それで解決できるかもしれない。でもそれによって何か大切なものを壊してしまうかもしれない。その期待と恐れ。プリキュアは内緒だから言ってはいけないと流すことなく、これを子どもが秘密を持つことの緊張感として描いているのは本作の大きな特徴でしょう。
なんで言わなかったルン?
「直感、でしょうか」
自分でも根拠が薄いと自覚しているのか肉付けするように説明を続けます。ここのシーンは遊んでいるひかる達の姿も印象的で、これは知らないところで日常が守られている示唆でもありますね。複雑さを増しているのも物語が拡張していることの表れです。自分の気持ちに初めて従った。その直感はひかるが教えてくれた。ここでひかるを入れてくるのね。本作はそれぞれ頭が良いので自己解決できるだけの素地があります。ですが、同時に他者からの示唆によって自己発見する面も強くキッカケとして他者が内在化しています。それが言葉になったときにそれに答えようとする動機が働く。ララがプリキュアになれたのもひかるの言葉があったからで「今日の奇跡は私の奇跡」と自分で答えるところに意味があります。
自分の気持ちに従うべきです。静かに見つめながら話すまどか。これ絶対留学の件で自分に返ってくるよね?
警報。
研究所に侵入者。カラーペンがある場所。つまり敵襲。
テンジョウに追い詰められるクク。一般人ではどうにもなりません。そのまま召喚の餌になってしまいます。ビルを破壊して外に脱出。変身して食い止めます。
電撃には電撃を。ミルキーが相殺しようとしますが力負け。ペンの力を使って再度反撃。スター達はノットレイに足止めされてタイマン状態に。
諦めるわけにはいかない。兄が見つけたペン。父も母も喜んでいる。私の家族が喜んでいる!と粘るミルキー。はい、強い。家族に対する決定的な不信や不安があるわけではないことがここで見て取れます。人の称賛を妬む子ではありません。だいぶハードルというかポイントを上(先)に持ってきているな、という印象。旅をして見て見てララも成長したよ! 凄いね!で終わらせる気なんてない。そんな低い話しねーぞという強い意思を感じます。
本気を出すミルキーは敵を凌駕。この子とまどかは戦闘中のテンションと戦闘力がめっぽう高くなるよね。ペンの奪還に成功。隙を突かれますがコスモになんとかしてもらいます。
戦闘が終わっても復元されないので研究所は瓦礫の山。死者いそう。
意識を取り戻したククは記憶を失っているらしくテンジョウ達のことを覚えていません。ララがペンを持っていることに気づくと仰天。ペンを何故持っているのか。研究所が何故壊れているのか問われてしどろもどろになっていると、監視カメラの映像が流れます。お、ナイスAI。でも状況把握不能とハッキリしない答え。
ククはララが謀反したと勘違いするとAIに命じて指名手配にかけます。いやいや、テンジョウどこに行った。サマーン人AIに頼りすぎてちょっとバカになってる説。ララもその仲間も容疑者。経験上逃げた方が良いともっともなアドバイスをするユニ。ですよねー。
警報が響き渡る中、これ幸いと笑う影。1番面白くなる奴来た。
③次回予告
ディストピアあるある。
○トピック
優秀な兄は勲章持ち。出涸らしの妹は指名手配。
これでグレないララちゃんマジ天使。
夏休みも終わりだしギア上げていきますか、な導入。
思った以上にガッツリ行くようでテンション上がります。上述したようにララのエピソードを単なるコンプレックス話に持っていかなかったのは好感が持てます。コンプレックスは悪い言い方をすれば自分の問題です。ウジウジと1人で悩む。そんな視野の狭さがある。でもララが告白したように、その気になれば彼女は兄と同じどころかそれ以上の実績を上げることができるのにそれをしません。それをしてしまえば友達を、様々なものを失ってしまいかねないからです。
この展開だけ見ても本作の力点がどこにあるかわかるというものです。ララは兄との関係だけでなくひかる達との関係や置かれた状況を見て、その上で低い評価に甘んじている。この思慮深さを以てララという子の器量、視聴者(女児)に対する目線を上げています。今更コンプレックスなんてちゃちな話しませんよ、あなた達はこんなに広くモノを見て考えることができるんですから、そのレベルに合わせますよ。ってことです。ララの学校転入から始まってここに持っていく流れは素晴らしい。視聴者に寄り添った共感と試練、励ましだと思います。
ララが直面しているのは大人でも答えるのが難しい問題です。でもしばしば子どもの身にも起こり得ることで、女児の見本たるプリキュアがそれに答えようとするのは正しい姿です。まどかのときにもありましたが、このちょっとしたことで日常が壊れてしまうのではないか、秘密がバレて大変なことが起きてしまうのではないか。その不安と恐れ。緊張に耐える子どもの気持ちを代弁しつつ、それに向き合う姿を描くところに本作の真摯さがあります。ただの帰省に留まらない踏み込んだ良いエピソードですね。
ララやまどかのように自分1人では答えるのが難しい、抱え込むのも苦しい問題なのに大人(自分より力を持っている人)に言えないことがある。その重さに耐える強さ、そしてその重さを感じとれる思いやりを持つこと。それはプリキュアという作品が共通して持つ強さです。そのために何度も試練を与えていると言ってもいい。
難しい立場に立たされるララ達。さらに畳み掛けるようにわき起こる大騒動。アイワーンの毒舌に期待しないわけにはいかない。
①ララのユウウツ
旅の目的地、惑星サマーンを眼前にして盛り上がる一同(ララを除く)。
居住区が見えてきます。ここにみんな住んでいると説明するララ。全てマンション。効率性を求めた結果一戸建てなどは無いらしい。インフラが整備しやすくて自然を壊さず……見て見てキラやば~。おい話し聞いてやれよ。ララのと同型のロケットが発着しています。
着陸すると出迎えるようにこちらに寄ってくる人が。ククと呼ぶララ。噂のお兄さんかと思って早速自己紹介を始めるひかる。宇宙と星座が大好きな中学…違うルン。さっきの意趣返しではないですが最後まで言わせません。この星の人に中学生と言っても通じなさそう。
ククは上司。見た目からして双子ではありません。サマーン式挨拶をしつつ、嫌そうな声でどうしてここに?と訊ねるララ。識別信号でそれはわかる。報告も無しに今まで何をしていた? あーそっか仕事中だったわけね。少々言い訳に困るところです。
ララの気持ちなど知らずにひかるはククが乗っている乗り物に目を輝かせます。うっかり地球人と言いかけてプルンスに口止めされます。地球は星空連合に所属していないのでバレるとマズイ。よくよく考えれば来ちゃマズかったのでは?
設定を考えていなかったので答えに詰まるララとプルンス。彼女達に代わってAIが漂流中に保護した宇宙人で適法であると説明。ナイスAIさん。融通を利かせてくれました。これは後述するようにララ(AI)の独立性を示すネタの一つですね。
この星の人はAI絶対主義なので簡単に信用してくれます。ロケットの外装については黙認されるらしい。この星にはマザーAIと個人用のパーソナルAIがあると補足説明していると、ククが表彰式が始まってしまうと急かします。兄のロロが表彰されるらしい。
セキュリティを抜けて建物の中へ。ララの友人ということでひかる達も同行を許されます。ザルだな、おい。データの共有を促すマザーAI。
「はい。後ほどいたします」
気が進まなさそうに答えるAIさん。あー、これはガチめに来そうな予感。
共有というのはマザーとパーソナルAIでデータを一緒にすること。旅から帰ると情報を更新すると説明するララ。おそらくそのデータは各パーソナルAIにも反映されるでしょうから全てのAIが同じ情報を使うという設計なのでしょう。効率的です。更新したらどうなっちゃうの?
「データが上書きされ、私であって、私でない新たなAIになります」
AIさん自我持ってるよね? これ。ララはAIのニュアンスに気づいていない様子。サマーン帰省はララだけの話かと思っていたら思わぬ伏兵が潜んでいました。
広間に通されると新たな人物を発見。今度こそと自己紹介を…言わせねーよ。今度はプルンスも慌てて説明。星空連合のトップ、トッパー代表。ずいぶんな大物が来たな。サマーンの大統領とかじゃねーのかよ。
プルンスを見るとトッパーは丁寧な口調で応対。あれ、プルンスも結構重役だったりするの? スタープリンセス付きだからか。プリンセスの扱いがよくわからないからアレなんだけど。説明は後で。なら表彰式を進めよう。表彰式の模様は全国中継されます。
満を持してロロ(と両親)登場。
久しぶりの再会。ですが仕事を放っていたのでいい説明が思い浮かばず返答に困るララ。プリキュアになって学校行ってましたとは言いにくい。しかも今は全国中継中。
そのまま部外者のひかる達もいる中で表彰式が始まります。大丈夫なのか、この星。警備ザルすぎない? どんだけAIの信用度高いんだよ。参列者はこれだけ? 少し寂しいですねと感想を漏らすえれなとまどか。中継されているので当事者だけでいい。流石効率厨のララを生んだ星、効率厨しかいない。
ロロが表彰された理由はプリンセスの力を発見したこと。勲章を授けられます。……後ろの妹さん、10本見つけたんですけど? 誇らしげに勲章を身につける兄。ララの私出涸らしですよね感。半分家出してたんじゃないかというニュアンスすら感じます。ですが後述する彼女のセリフを聞くと非常に複雑な心境であることがわかります。
表彰式が終わってビルの一室へ。
本来ならトッパーと会う必要があるはずのプルンスは後で行くと軽く流します。やっぱこいつ偉いんじゃないの? 偉くても不思議じゃないけど。ヤンヤンいいの引いたんじゃね?
改めてララ一家を紹介。父トト。母カカ。兄ロロ。父ちゃん母ちゃんの頭文字か? 父親はAIの研究員。母親はロケット工学の博士。お仕事かっちょい~と感心するひかる。マザーAIが決めたことと話す父。お仕事をAIが決めたってことですか?とまどかが訊ね返します。あーこれまどかの話に絡んできそうだなぁ。思ったよりサマーンのエピソード広がりそう。
適正をAIが判断して仕事を振っているらしい。ディストピアものでありがちな設定。ロロはランク1の最高級調査員。ララは1番下のランク8の調査員。【悲報】ララちゃんガチの落ちこぼれだった。そりゃ出涸らし感も出ますわ。
「僕はランク1ルン。だから下のララを助けてあげる責任があるルン」
流石ランク1。人格面でもイケメン。出涸らしには染みるでぇ…。借りてきた猫みたいに縮まるララ。兄が人格者過ぎて口答えする隙すら与えてもらえません。
仕事の話はいい、とユニが水を差すと本題であるプリンセスの力について話題を振ります。この子のこういうとこ好き。で、どこにあるの? 盗む気じゃないだろうな。
現在調査中。その辺はプルンスがいるからそのまま引き渡せば早い気もしますが、リアルだと政治的な話が絡みそうな部分ではあります。それはそれとして、レーダーもないのに探し出すなんて凄いとユニもロロを褒めます。原住民がよく拾っていますが狙って探すのは確かに大変。AIを使えば大したことない。AIは万能と実際にその分析力を披露。その分析から最適なグミをAIに指示。グミはこの星では万能食。
ララもロロのようにもう少しAIを使いこなしてくれれば、とおそらくお決まりのセリフを言う両親。ホバーボードも乗れない。乗り物酔いするらしい。それもAIを上手く使えれば克服できるとアドバイスする父。たぶんこの星での適正やランクはAIを便利に使いこなせる能力が最重要視されているのでしょう。視聴者にはわかっていますがララは地頭も良く学習能力も高いので一般的な意味での資質が無いとは思えません。旅に出てから本格的に伸びてきた面もあるでしょうが、場所や環境によって求められるものは違うことの示唆にもなっていますね。トータル的に見て非常にバイタリティがあるけど評価されにくい、あるいは同一環境では発揮しにくい能力ではあります。
足腰が強いからデブリ調査には適任とフォローする兄。いやーそれ地雷ワードじゃないですかね? 友達に知られなくないなーそれ。ララにはララに合った仕事があるルン、と笑顔で話す兄。わかった。君が人格者なのはわかったからこれ以上の死体蹴りは止めてあげて。でも縮こまってるララちゃん可愛いからもっと言葉責めして(ゲス)。
大変な仕事は僕らに任せて、とさわやかな兄。仕事の貴賤をしない。責任感もある。どっかの親父を思い出しますが娘さんちょっとこの件で食いつくかもしれません。
「見つけたルン……私も……」
小声でつぶやくララ。良いですね。非常に良いです。ちゃんとこの番組は視聴者(ララ)に寄り添っていることがわかります。プリンセスの力なら彼女だって見つけている。兄はプリキュアも発見したと勢いづきます。これまでのプリキュアの活動を客観的な情報を元に推測するロロ。確かに優秀な兄です。それ全部妹がやってるんだけどね。星空連合はプリキュアを見つけて連合に入れようとしていると補足する父。なんか雲行きが怪しくなってきました。
②秘密を持ってしまうことの意味
自由行動。
建物の中で広大な景色が広がっています。レクリエーションドーム。なんでも映せる、とケンネル星に景色を変えて見せます。データをもとに再現。仕事によってはこの建物から一生出ない人もいる。外に出なくてもサマーンでは楽しく暮らせる。引きこもりの楽園かよ。移住したい。実際絶景の星を再現するとみんなウキウキ。マオもこの星で野外フェスをやったらしくプレミアムチケットになったとプルンスが相槌を打ちます。ファンやっていただけあって詳しいな。
1人静かに佇むララにまどかが話しかけます。家族に話すかどうか迷っているのですか? その一言でララは彼女が自分の気持ちをわかっていると気づきます。今のトゥインクルは応用学習の段階に入っているので共感と理解力が前提。どんどんアクセル踏んでいきます。
「自分がプリキュアだって言えばきっと認めてくれるルン」
彼女はちゃんとわかっている。
「それに調査員としてすべてを報告するのが大人の責任ルン。でもみんなは……」
プリキュアが星空連合に入ったらみんなの生活がめちゃくちゃになる。地球に帰してもらえるどうかもわからない。何も知らないまま無邪気に遊ぶひかる達とのコントラストがエゲツない。何の前振りもなくガチなトーク始めるのがトゥインクルのやり方。この話を担当できるララが優秀じゃないわけないだろ。これが未就学児童の写し身だった子の成長力。っていうかこの角度からアプローチするとは予想してませんでした。単純な兄との劣等感に落とし込まないところに本作のやる気が感じられます。
同じ悩みを持ったとまどかは打ち明けます。
「父は政府の高官です。話せば国が動きノットレイダーをなんとかしてくれるかもしれない」
「そう考えたこともありました」
完全に話のレベルを上げに来てる。まどかが父に隠したのは言ってみれば友達ができたことによる関係性の複雑化と分化がその初期段階における意義です。まどかは上級生ですがこと友達関係においてはララと大差はありません。それがここに来てふたりに共通する悩みとして、より高次な判断が求められる課題として再定義化されています。率直に言って話の作り方がめちゃくちゃ巧い。何が巧いってこれちゃんと子どもにもわかる悩みだからです。大人に任せた方がいいかもしれない。それで解決できるかもしれない。でもそれによって何か大切なものを壊してしまうかもしれない。その期待と恐れ。プリキュアは内緒だから言ってはいけないと流すことなく、これを子どもが秘密を持つことの緊張感として描いているのは本作の大きな特徴でしょう。
なんで言わなかったルン?
「直感、でしょうか」
自分でも根拠が薄いと自覚しているのか肉付けするように説明を続けます。ここのシーンは遊んでいるひかる達の姿も印象的で、これは知らないところで日常が守られている示唆でもありますね。複雑さを増しているのも物語が拡張していることの表れです。自分の気持ちに初めて従った。その直感はひかるが教えてくれた。ここでひかるを入れてくるのね。本作はそれぞれ頭が良いので自己解決できるだけの素地があります。ですが、同時に他者からの示唆によって自己発見する面も強くキッカケとして他者が内在化しています。それが言葉になったときにそれに答えようとする動機が働く。ララがプリキュアになれたのもひかるの言葉があったからで「今日の奇跡は私の奇跡」と自分で答えるところに意味があります。
自分の気持ちに従うべきです。静かに見つめながら話すまどか。これ絶対留学の件で自分に返ってくるよね?
警報。
研究所に侵入者。カラーペンがある場所。つまり敵襲。
テンジョウに追い詰められるクク。一般人ではどうにもなりません。そのまま召喚の餌になってしまいます。ビルを破壊して外に脱出。変身して食い止めます。
電撃には電撃を。ミルキーが相殺しようとしますが力負け。ペンの力を使って再度反撃。スター達はノットレイに足止めされてタイマン状態に。
諦めるわけにはいかない。兄が見つけたペン。父も母も喜んでいる。私の家族が喜んでいる!と粘るミルキー。はい、強い。家族に対する決定的な不信や不安があるわけではないことがここで見て取れます。人の称賛を妬む子ではありません。だいぶハードルというかポイントを上(先)に持ってきているな、という印象。旅をして見て見てララも成長したよ! 凄いね!で終わらせる気なんてない。そんな低い話しねーぞという強い意思を感じます。
本気を出すミルキーは敵を凌駕。この子とまどかは戦闘中のテンションと戦闘力がめっぽう高くなるよね。ペンの奪還に成功。隙を突かれますがコスモになんとかしてもらいます。
戦闘が終わっても復元されないので研究所は瓦礫の山。死者いそう。
意識を取り戻したククは記憶を失っているらしくテンジョウ達のことを覚えていません。ララがペンを持っていることに気づくと仰天。ペンを何故持っているのか。研究所が何故壊れているのか問われてしどろもどろになっていると、監視カメラの映像が流れます。お、ナイスAI。でも状況把握不能とハッキリしない答え。
ククはララが謀反したと勘違いするとAIに命じて指名手配にかけます。いやいや、テンジョウどこに行った。サマーン人AIに頼りすぎてちょっとバカになってる説。ララもその仲間も容疑者。経験上逃げた方が良いともっともなアドバイスをするユニ。ですよねー。
警報が響き渡る中、これ幸いと笑う影。1番面白くなる奴来た。
③次回予告
ディストピアあるある。
○トピック
優秀な兄は勲章持ち。出涸らしの妹は指名手配。
これでグレないララちゃんマジ天使。
夏休みも終わりだしギア上げていきますか、な導入。
思った以上にガッツリ行くようでテンション上がります。上述したようにララのエピソードを単なるコンプレックス話に持っていかなかったのは好感が持てます。コンプレックスは悪い言い方をすれば自分の問題です。ウジウジと1人で悩む。そんな視野の狭さがある。でもララが告白したように、その気になれば彼女は兄と同じどころかそれ以上の実績を上げることができるのにそれをしません。それをしてしまえば友達を、様々なものを失ってしまいかねないからです。
この展開だけ見ても本作の力点がどこにあるかわかるというものです。ララは兄との関係だけでなくひかる達との関係や置かれた状況を見て、その上で低い評価に甘んじている。この思慮深さを以てララという子の器量、視聴者(女児)に対する目線を上げています。今更コンプレックスなんてちゃちな話しませんよ、あなた達はこんなに広くモノを見て考えることができるんですから、そのレベルに合わせますよ。ってことです。ララの学校転入から始まってここに持っていく流れは素晴らしい。視聴者に寄り添った共感と試練、励ましだと思います。
ララが直面しているのは大人でも答えるのが難しい問題です。でもしばしば子どもの身にも起こり得ることで、女児の見本たるプリキュアがそれに答えようとするのは正しい姿です。まどかのときにもありましたが、このちょっとしたことで日常が壊れてしまうのではないか、秘密がバレて大変なことが起きてしまうのではないか。その不安と恐れ。緊張に耐える子どもの気持ちを代弁しつつ、それに向き合う姿を描くところに本作の真摯さがあります。ただの帰省に留まらない踏み込んだ良いエピソードですね。
ララやまどかのように自分1人では答えるのが難しい、抱え込むのも苦しい問題なのに大人(自分より力を持っている人)に言えないことがある。その重さに耐える強さ、そしてその重さを感じとれる思いやりを持つこと。それはプリキュアという作品が共通して持つ強さです。そのために何度も試練を与えていると言ってもいい。
難しい立場に立たされるララ達。さらに畳み掛けるようにわき起こる大騒動。アイワーンの毒舌に期待しないわけにはいかない。
第28話「燃やせハート!職人フレアとロケット修理☆」
○今週の出来事
①鍛冶体験
ヤンヤンの住む街に到着。
竜宮城のような景色に見とれている中、ユニは魚型の住人を「美味しそう」と凝視。この世界、現地住人を食料だと思って惨殺してる事件発生しまくってるよな、絶対。
件の鍛冶職人のもとを訪ねます。宇宙船のドッグっていうかまんま工房。フレアさんは元々プラズマ星人と話すヤンヤン。実際会ってみると顔が燃えています。ララの「うっわ」みたいな表情が何とも。
大量のカニがロケットを工房まで移送。格好を見ると工房の職人っぽい。それにも食欲をそそられるユニ。そういうのやめような。殺人事件が起きたら真っ先に疑われるから。
修理の方はヤンヤンの紹介ともあって引き受けてくれます。フレアさんの見立てでは特大の炎が必要とのこと。早速準備に取りかかります。ふいごを使ってフレアさんを燃やせばOK。
フレアさんは修理のための条件を一つ付けます。ハートを見せろ。と、言われましても…なリアクションを浮かべるひかる達。するとフレアさんはひかる・ララ・ユニを燃料担当、まどかとえれなをふいご担当に指名。人件費節約のために働かせようということでしょうか。自分らのロケットは自分らで直せ!とのこと。……面倒臭いからフワに頼んでララの星までワープしてもらった方が早くね? とは言い出せない雰囲気。
イカ!タコ!の合図でふいごを踏みます。えらく原始的だな。そこって機械化できないの? ひかる達はでっかいステーキを焼きます。これに3人も必要? 1人で十分じゃない? 2人をふいご係に回した方が効率良くない? 焼き終わったステーキをバケツリレーの如くフレアさんに持っていきます。カロリー補給。さらに燃やすためにはふいごの風が必要。しかし不慣れな2人では勢いが足りません。疲れて足が止まってしまいます。こっちの負担大きすぎるだろ。だから足が多いイカリンとタコリンが担当していたのかもしれない。ローテーション組んでやった方が良いと思いますねー。
限界、これ以上は無理と弱音を吐く2人を情けないとなじるフレアさん。お前らのハートはそんなもんか! 甲子園でひたすら球投げさせる的なアレでしょうか。途端にブラック工房の疑いが出てきました。
雨が降り出してきたので一旦中断。雨に打たれながらガックリと肩を落とすまどかとえれなは責任を感じます。
②一番諦めないのはプルンス説
フレアさんに案内され工房の中で一休み。
これだけは慣れないと話すフレアさんに、ユニはプラズマ星の話題を振ります。火の星。みんなメラメラ燃えている。なのにどうして水の星に居るのか。どうしてかは自分でもわからないと答えながら、とにかく見てみたかったとフレアさん。
若く威勢のいい職人だった彼はプルルン星のことを知ってそこに行ってみたくなります。当然家族や友達は反対。しかしそれで納得するフレアさんではありません。プラズマ星人が水の星に行けないと誰が決めた。やってみなきゃわからない。
そしてこれこのとおりワシはここで生きとる、と自らを誇ります。あのとき諦めていたらハートの火は消えて一生くすぶっていただろう。そういうわけで上述のようなこだわりがあるらしい。宝くじを買わなければ当たらないに通じる、結果論的なものを感じてしまいますが、そういうのたぶんやって失敗してる人も相当いると思うんだよね。サンプリングバイアスというか。人生は1回切りなので自分ベースで考えてしまうのは誰しも避けられません。ちなみに大抵の人は自分の人生を良かったと思いたがる傾向があるのでどっちに転んでも良いんじゃね―かというツッコミ方もあります。彼の話を黙って聞くまどかとえれな。えれなさん気持ち年齢高めに見える。この人美人だから髪型とか変えると格段に雰囲気変わるよね。
彼の経験に比べて自分達は不甲斐ない。2人で反省会。
えれなが弱音を吐くのを初めて見た。それを言うならまどかも。えれなほど強くないと語気を強めて言うとえれなも負けじと言い返します。このお互いに褒め合うという構図、よく女性に見られると聞きますが大変そうです。一種の競りみたいなものですかね。より高い褒めポイント提示した方が勝ち的な。口が悪い私には踏み込めない世界です。
冷静になると2人して笑い出します。自分のことは自分では見えない。自分を自分で決めつけていたのではないのか。今回はこの2人を合わせ鏡的に配置することで共通点をあぶり出しています。
そこに水も滴るカッパード参上。バフ効果で普段よりもスペックが上がっています。そのためか今回は武器を強化しません。
戦闘が始まるとフレアさんが攻撃されたり工房が壊されたりとちょっと可哀想。請求書はスタープリンセス宛てにお願いします。いつもより攻撃力も反応も上がっているカッパードに苦戦。ヤンヤンを身を挺して庇うプルンス。
雑魚はコスモが一掃。新商品強化月間が終了したので旧技でカッパードを仕留めます。ダークなイマジネーション使わなかったのはそういうことね。
敵が撤退し雨も止むとまどかとえれなは進んで申し出ます。
修理再開。ふいごを踏む足に力が入ります。ここの字幕、
タコ! タコ! タコ! タコ!
イカ! イカ! イカ! イカ!
で交互感を演出しているの面白い。フレアさんも燃え上がって修理は完了。
フレアさんにお礼を言うと熱いハートを忘れるなと餞別の言葉を貰います。
ちょっと離れたところで先ほどのお礼を言うヤンヤン。ご褒美にほっぺにチュー。ついにプルンスが勝ち組に。苦節28回。全妖精中屈指の有能と称されるプルンスも報われるときがやってきました。
ヤンヤンとはここでお別れ。再登場しそう。
次はいよいよララの星。
彼女の両親に会いたいと楽しみにする一同をよそにララは憂鬱な表情。
③次回予告
スイカがビーチボールで浮き輪。すごいサマー感。
○トピック
色んな姿になれるプルンスに限界ない説。
ここ最近の流れを見ると共感や共有を重視していることが見て取れます。
これまでトゥインクルは個々の環境(家)をベースにその人なりの成長を描いてきました。オタクなひかる。未就学児童の写し身のララ。家族想いなえれな。お父さん子なまどか。ちょっと訳ありなユニ。といった形でそれぞれ個別的なケースを扱ってきたのが本作の特徴です。各自で見ている世界、感じている世界があって、成長の種がありました。
夏休みに入ってからのエピソードはそんな彼女達を繋ぐものとなっています。それぞれ成長してきた子たちが「ああ、この子も私と同じなんだ」と思える。ひかるに共感するララ、ユニに共感するひかる、互いに共感するまどかとえれな、というように自分が相手を理解する、あるいは自分が相手に理解されていると感じることで彼女達の世界はより広がっています。みんなで宇宙旅行しているのは一種の合宿みたいなもので、普段とは違う環境の中で新しい発見をしていく意味合いが非常に強いですね。この辺は子どもの成長を肯定的に描いてきた本作らしい展開だと思います。
25話でも触れましたがある程度仲良くなったグループに新しい子が入ることで他者受容が再度見直されています。それこそ最初は子どものケンカみたいなことをひかるとララはやっていましたが、今では寛容性を持ってユニを迎えることが出来ています。そうやって物分りがよくなるだけに留まらず、共感・共有を通じてより深く自分を理解していく姿が描かれるところにプリキュアという物語の奥深さがあります。別々な背景を持った子たちが相手の姿、心の中に自分と共通するものがあると信じられるという体験はまさに世界の拡張です。本作はロケットで自由に宇宙を飛び回れるので物理的な世界はいくらでも拡張が可能です。ここに心の拡張が加わることで彼女達の世界観は過不足なく形作られていきます。子どもの頃、隣町は魔境でした。知らない人、知らない世界が広がっている。でも行き慣れてしまえばそう思わなくなる。1人で行ってもし道に迷っても人に道を尋ねられればなお良い。
そうして旅をしてきたララが久しぶりに家に帰る。はてさて家族は彼女を、彼女は家族をどう見るのでしょうか。
①鍛冶体験
ヤンヤンの住む街に到着。
竜宮城のような景色に見とれている中、ユニは魚型の住人を「美味しそう」と凝視。この世界、現地住人を食料だと思って惨殺してる事件発生しまくってるよな、絶対。
件の鍛冶職人のもとを訪ねます。宇宙船のドッグっていうかまんま工房。フレアさんは元々プラズマ星人と話すヤンヤン。実際会ってみると顔が燃えています。ララの「うっわ」みたいな表情が何とも。
大量のカニがロケットを工房まで移送。格好を見ると工房の職人っぽい。それにも食欲をそそられるユニ。そういうのやめような。殺人事件が起きたら真っ先に疑われるから。
修理の方はヤンヤンの紹介ともあって引き受けてくれます。フレアさんの見立てでは特大の炎が必要とのこと。早速準備に取りかかります。ふいごを使ってフレアさんを燃やせばOK。
フレアさんは修理のための条件を一つ付けます。ハートを見せろ。と、言われましても…なリアクションを浮かべるひかる達。するとフレアさんはひかる・ララ・ユニを燃料担当、まどかとえれなをふいご担当に指名。人件費節約のために働かせようということでしょうか。自分らのロケットは自分らで直せ!とのこと。……面倒臭いからフワに頼んでララの星までワープしてもらった方が早くね? とは言い出せない雰囲気。
イカ!タコ!の合図でふいごを踏みます。えらく原始的だな。そこって機械化できないの? ひかる達はでっかいステーキを焼きます。これに3人も必要? 1人で十分じゃない? 2人をふいご係に回した方が効率良くない? 焼き終わったステーキをバケツリレーの如くフレアさんに持っていきます。カロリー補給。さらに燃やすためにはふいごの風が必要。しかし不慣れな2人では勢いが足りません。疲れて足が止まってしまいます。こっちの負担大きすぎるだろ。だから足が多いイカリンとタコリンが担当していたのかもしれない。ローテーション組んでやった方が良いと思いますねー。
限界、これ以上は無理と弱音を吐く2人を情けないとなじるフレアさん。お前らのハートはそんなもんか! 甲子園でひたすら球投げさせる的なアレでしょうか。途端にブラック工房の疑いが出てきました。
雨が降り出してきたので一旦中断。雨に打たれながらガックリと肩を落とすまどかとえれなは責任を感じます。
②一番諦めないのはプルンス説
フレアさんに案内され工房の中で一休み。
これだけは慣れないと話すフレアさんに、ユニはプラズマ星の話題を振ります。火の星。みんなメラメラ燃えている。なのにどうして水の星に居るのか。どうしてかは自分でもわからないと答えながら、とにかく見てみたかったとフレアさん。
若く威勢のいい職人だった彼はプルルン星のことを知ってそこに行ってみたくなります。当然家族や友達は反対。しかしそれで納得するフレアさんではありません。プラズマ星人が水の星に行けないと誰が決めた。やってみなきゃわからない。
そしてこれこのとおりワシはここで生きとる、と自らを誇ります。あのとき諦めていたらハートの火は消えて一生くすぶっていただろう。そういうわけで上述のようなこだわりがあるらしい。宝くじを買わなければ当たらないに通じる、結果論的なものを感じてしまいますが、そういうのたぶんやって失敗してる人も相当いると思うんだよね。サンプリングバイアスというか。人生は1回切りなので自分ベースで考えてしまうのは誰しも避けられません。ちなみに大抵の人は自分の人生を良かったと思いたがる傾向があるのでどっちに転んでも良いんじゃね―かというツッコミ方もあります。彼の話を黙って聞くまどかとえれな。えれなさん気持ち年齢高めに見える。この人美人だから髪型とか変えると格段に雰囲気変わるよね。
彼の経験に比べて自分達は不甲斐ない。2人で反省会。
えれなが弱音を吐くのを初めて見た。それを言うならまどかも。えれなほど強くないと語気を強めて言うとえれなも負けじと言い返します。このお互いに褒め合うという構図、よく女性に見られると聞きますが大変そうです。一種の競りみたいなものですかね。より高い褒めポイント提示した方が勝ち的な。口が悪い私には踏み込めない世界です。
冷静になると2人して笑い出します。自分のことは自分では見えない。自分を自分で決めつけていたのではないのか。今回はこの2人を合わせ鏡的に配置することで共通点をあぶり出しています。
そこに水も滴るカッパード参上。バフ効果で普段よりもスペックが上がっています。そのためか今回は武器を強化しません。
戦闘が始まるとフレアさんが攻撃されたり工房が壊されたりとちょっと可哀想。請求書はスタープリンセス宛てにお願いします。いつもより攻撃力も反応も上がっているカッパードに苦戦。ヤンヤンを身を挺して庇うプルンス。
雑魚はコスモが一掃。新商品強化月間が終了したので旧技でカッパードを仕留めます。ダークなイマジネーション使わなかったのはそういうことね。
敵が撤退し雨も止むとまどかとえれなは進んで申し出ます。
修理再開。ふいごを踏む足に力が入ります。ここの字幕、
タコ! タコ! タコ! タコ!
イカ! イカ! イカ! イカ!
で交互感を演出しているの面白い。フレアさんも燃え上がって修理は完了。
フレアさんにお礼を言うと熱いハートを忘れるなと餞別の言葉を貰います。
ちょっと離れたところで先ほどのお礼を言うヤンヤン。ご褒美にほっぺにチュー。ついにプルンスが勝ち組に。苦節28回。全妖精中屈指の有能と称されるプルンスも報われるときがやってきました。
ヤンヤンとはここでお別れ。再登場しそう。
次はいよいよララの星。
彼女の両親に会いたいと楽しみにする一同をよそにララは憂鬱な表情。
③次回予告
スイカがビーチボールで浮き輪。すごいサマー感。
○トピック
色んな姿になれるプルンスに限界ない説。
ここ最近の流れを見ると共感や共有を重視していることが見て取れます。
これまでトゥインクルは個々の環境(家)をベースにその人なりの成長を描いてきました。オタクなひかる。未就学児童の写し身のララ。家族想いなえれな。お父さん子なまどか。ちょっと訳ありなユニ。といった形でそれぞれ個別的なケースを扱ってきたのが本作の特徴です。各自で見ている世界、感じている世界があって、成長の種がありました。
夏休みに入ってからのエピソードはそんな彼女達を繋ぐものとなっています。それぞれ成長してきた子たちが「ああ、この子も私と同じなんだ」と思える。ひかるに共感するララ、ユニに共感するひかる、互いに共感するまどかとえれな、というように自分が相手を理解する、あるいは自分が相手に理解されていると感じることで彼女達の世界はより広がっています。みんなで宇宙旅行しているのは一種の合宿みたいなもので、普段とは違う環境の中で新しい発見をしていく意味合いが非常に強いですね。この辺は子どもの成長を肯定的に描いてきた本作らしい展開だと思います。
25話でも触れましたがある程度仲良くなったグループに新しい子が入ることで他者受容が再度見直されています。それこそ最初は子どものケンカみたいなことをひかるとララはやっていましたが、今では寛容性を持ってユニを迎えることが出来ています。そうやって物分りがよくなるだけに留まらず、共感・共有を通じてより深く自分を理解していく姿が描かれるところにプリキュアという物語の奥深さがあります。別々な背景を持った子たちが相手の姿、心の中に自分と共通するものがあると信じられるという体験はまさに世界の拡張です。本作はロケットで自由に宇宙を飛び回れるので物理的な世界はいくらでも拡張が可能です。ここに心の拡張が加わることで彼女達の世界観は過不足なく形作られていきます。子どもの頃、隣町は魔境でした。知らない人、知らない世界が広がっている。でも行き慣れてしまえばそう思わなくなる。1人で行ってもし道に迷っても人に道を尋ねられればなお良い。
そうして旅をしてきたララが久しぶりに家に帰る。はてさて家族は彼女を、彼女は家族をどう見るのでしょうか。
第27話「海の星!人魚になってスーイスイ☆」
○今週の出来事
①水の惑星
ヤンヤンの星に向かう一行。
フワは未だ眠ったまま。ヤンヤンの星が見えてきます。大きな水の塊。
プルルン星。その名前を聞いて運命を感じるプルンス。関係ない。どうでもいいと流されてしまいます。ロケットの軌道がズレているのでこのままだと通り過ぎてしまうと指摘するユニ。しかしロケットが故障しているので方向が変えられません。
困るヤンヤンを見てプルンスがやる気を出します。何だお前、ヤンヤンに気があるのか。確かに可愛いキャラだと思う。BGMの無駄遣い。今回も空気を吐いて進路を変更。ユニのポーズがいちいち可愛い。
萎びた格好でプルンスが戻ってくると彼を労う声。特にヤンヤンの笑顔は効果テキメン。星を見ていたひかるは星の中に泡があることに気づきます。空気があって島になっていると話すヤンヤン。俄然興味が湧く一行。
着水。水の中は海のように海洋生物達が遊泳。ヤンヤンの家は星の中心近く。まだ時間がかかりそう。無重力で正座してるまどかさん律儀。
ヤンヤンの前で良いところを見せたいプルンスはまたやる気を発揮。あ、今回こういうノリなのね。プルンス頑張って!と応援するひかるが邪魔になってヤンヤンが見えません。空気を溜め込んでロケットを押します。ロケットの中の空気足りるんだろうか。星の風景を書き留めるひかる。旅行の風景を絵日記に。夏休みですからね。
ロケット修理について訊ねると近所にどんなロケットでも直せる職人がいると話すヤンヤン。魔改造されそう。
プルンスを酷使して進んでいく一行。女の怖さと男の単純さを幼少期から教えるエリート教育アニメ。
だんだん水族館だけでは満足できなくなってきたひかるは泳ぎたいと言い出します。でも水中。息ができない。潜水服は無い。というか宇宙服も見たことすらないんだけど、大丈夫なのか。設置義務とか無いの?
ユニみたいに変化できればいいのに。何になるルン? 半魚人。ホラー番組をお望みで? ひかるの発想はやっぱり不評。ユニの変化は見た目だけなので機能的には何も変わりません。ガッカリするひかる。ユニ、半漁人知ってるのか。
そこでヤンヤンが取り出したのが真珠のペンダント。へんしんじゅ。1粒で1回変わりたいものになれる。……ヤンヤンがそれを持ってるのって密航手段って意味にしか取れないんだけど。危ないところは直接語らない。このアニメはしたたか。
半魚人になれる!と喜ぶひかる。思わずツッコミが入ります。潜水服を来た姿になればいいのでは?とまどか。ララも賛同。しかし居ても立ってもられないひかるは真珠を使います。お着替えシーンスタート。
人魚になりました。これ使えばプリキュアになれるんじゃね? ひかるに倣ってララ達も変身。ヤンヤンがほぼザリガニな件。
楽しそうに泳ぐ彼女達を見ながらプルンスは魚座のプリンセスを思い出します。羨ましい。え、お前そんな身なりなのに水中適正ないの!?
どんな姿になるのかと思えばデカくなっただけ。全員ズッコケます。それ意味なくね? 魚座のプリンセスに近いお姿など恐れ多くて、と遠慮。変なところで忠誠心高い。アイドルに憧れたりヤンヤンに良いところ見せようとしたり、プルンスは女の子に弱い設定が見えてきますな。これはこれで評価上がる要素なんだけど。超有能で女の子に弱い。アッシー(死語)じゃん。
ようやくフワが目を覚まします。一緒に泳ぎたいところですが真珠切れ。なのでアイテムを使って空気の玉に入れます。
準備も整ったので出発。中心を目指しながら遊泳。ロケットの運搬してるプルンスさんはマジで働き者。聖人なのか奴隷なのか割と紙一重。
ユニを連れて泳ぐひかるは変われるって楽しいとはしゃぎます。これはちょっと前にもあったワードですね。ユニは変身能力もそうですが立場も変わっているので関連性が強くなっています。ひかるの自然な態度にユニも感化されていきます。ひかるとユニの関係は近所で新しい友達見つけた的な感じで殊更何をするでもないのがポイント。
同じ頃、一直線に進む個人用宇宙船。お久しぶりなアイワーン。
②復讐のアイワーン
最初に異変に気づいたのはユニ。
謎の水流が襲ってきます。さらに今度は真珠が光りだします。変身が解ける合図。ピンチは重なるもの。ロケットに戻ろうにも水流のせいで流されてしまいます。カラータイマーもそろそろヤバげ。ところでひかるの肩出しはすごく良いと思います。さっきはしゃいでたときも目線がそっち行っちゃいましたね。
島に飛び込めとヤンヤンが指差します。どうやら膜のようなもので覆われているらしく簡単に入れません。ロケットを抱いて戻ってきたプルンスが体当たりして突破。これ浸水ヤバイんじゃないの?と思うところですが勝手に修復されるようです。それよりも今は水が無くなって落下していること。ララの無駄な抵抗。こんなときでも正座なまどかさん。ところが地面は水。変身が一番遅かったプルンスがクッションになって全員セーフ。プリンスいなかったらこのパーティ何回全滅してるんだろうな。
効果が切れた真珠は真っ黒に。ちょっと残念そうなひかる。
水流も島に侵入。正体を現すアイワーン。
変身して迎え撃ちます。ペンとフワは渡さない。ところが「んなもんにもう興味ないっつーの」と意外な反応。え、じゃあ狙う理由ないじゃん。ある。彼女の狙いはただ一つ。コスモを指差すアイワーン。騙されたおかげでノットレイダーにも居られなくなった。元々一番失点が多かったような。とすると今はフリーなのか。個人的な復讐のためにプリキュア(ユニ)を付け回している。あたいの居場所はなくなったのに自分はちゃっかり居場所を見つけやがって。恨み骨髄。個人的に敵幹部の中ではアイワーンが好きですね。この後にも言われますがコイツやってることが酷くて主張もめちゃくちゃなんだけどそれが如何にも敵っぽいというか。カッパードやテンジョウは良くも悪くも自分の領分を弁えている印象があって、早い話寝返りしやすいじゃないですか。トゥインクルも最終的にそのパターンだと思うんだけど、逆にアイワーンくらい好き勝手やってるキャラはどうするのっていう。同情の余地ないですからね、コイツ。前からちょっと気になってはいたんだけど、ユニ(バケニャーン)との絡みが個別的に持ち上がってこうしてフリーランス化しているのは巧い持って行き方だと思います。
謎の瓶を取り出すアイワーン。ダークペン? 恨みや怒りのイマジネーションをエネルギーにして貯めたもの。最近出てこなかったのはこれを充電していたためでしょうか。宇宙船にセットして魔改造。いいんじゃない、まさかの敵勢力分裂。魔法つかいでも眷属軍とドクロクシー残党軍で分かれていましたがこういうの熱いよね。物理法則を無視してガウォーク形態にチェンジ。そういえばガォークって造語?と思って検索したらGround Effective Reinforcement of Winged Armament with Locomotive Knee-joint(可動膝関節による有翼地面効果支援兵器)ということだそうです。設定的に後付け命名だと思うんだけど、ガウォークの名称よく思いついたなって思いますね。
アイワーンロボ16号。
なんで16号?とちゃんとツッコミを入れるミルキー。15号までテストだったと正直に答えるアイワーンさん。試行は大事。次出てくるときは17号になってるんだろうか。
相手の先制攻撃をミルキーが相殺。ついでに抗議。そもそもコスモの居場所を奪ったのはお前だろ? ノットレイダーとしてパレスを襲いプリンセスを散り散りにしたとプルンスも余罪を追及。だからなんだっつーの。コイツのこういうとこ好き。
「自分が何かされたら人を騙したりしていいんだ!」
と居直ったあげく文句を言ってくる始末。良い根性してんなー。この切り返しはプリキュア的には新鮮。最初の宇宙探検のときもそうでしたが大義名分を許さない姿勢が感じられます。
「すっげぇなぁ!」
さらに煽る。アイワーンの好感度ますます上がっていくわ。こういうことを堂々と指摘するキャラって大事。プリキュアだからといって何でも許されるのか?という問いはプリキュアとは何か?を考える上で重要な投げかけです。もちろん子ども向け的に水掛け論やイタチごっこの不毛さを解くというのもあるんですが、子どもにもわかる形でこの疑問を投げかけているのは好印象。それまでポーカーフェイスだったコスモも顔色を変えます。
流石に15号までテストを繰り返しただけあって性能はプリキュアに引けを取りません。地形を利用して水の弾まで発射できる。しかしスターパンチとの勝負に負け手首を故障。追撃に出るコスモ。アイワーンの顔が怒りで歪みます。ここで怯えたり悔悛の姿勢を見せないのも良いですね。ちゃんと悪役に徹してくれる。先ほどの言葉が刺さり追撃の手を緩めるコスモ。その隙を見逃すアイワーンではない。ここの目の動きガチってて流石です。コイツは絶対良い教材になってくれると思うんですよね―。
バケニャーン、マオ、ブルーキャット、地球人、おまけに今度はプリキュアかっつーの。ころころ変わりやがって。お前はそうやって姿を変えてみんなを騙してんだ。居場所を失って漂流する彼女をピンポイントでボコボコ。この展開もプリキュア的に珍しい。これまで見てきたように改心キャラは謝罪と償いが入るし、そうでないキャラは(宥和を挟みつつ)ブイブイ言わせることが多いんですが、ユニの生い立ちをディスっていくっていう。それもその原因を作った張本人が。
「違う!」
「変わることは悪いことじゃない! 楽しいことだよ!」
黒くなった真珠を見せながらハッキリと断言するスター。変わることで新しい自分を知ることができるから。そう言う彼女の後ろにミルキーが立っているのもポイント。このふたりはそれを自覚・共有しています。これはここ数週のポイントのようで重ね塗りして補強。それにコスモは変わってない。自分の故郷を救いたいっていう気持ち。
「それは一度だって変わったことはない!」
トゥインクルの流れにマジで無駄が無い件。なんだこのアニメ。プリキュアって設定がいい加減で後付けしながら拡張していくもんじゃないのか。なんだこのガチな流れ。これまでユニがみんなと距離を取っていたことを彼女の動機にまで遡って肯定。むしろこれ、ひかる達よりも視聴者の方が理解しやすい見せ方になってます。彼女がいくつ姿を変えても彼女の中にある願いそのものは些かも変わっていない。本質を見て言え。その言葉に力を得たコスモは静かに振り向きます。
「たとえどんな姿に変わろうとも」
「私は私…!」
ずっとオカルトが大好きだったひかるに続いて、亡き故郷を救いたいと願い続けるユニを支持するダイナミックさ。この飛躍がプリキュアって感じです。変わりながらも変わらないもの。それがその人の本質ではないか。ひかるとユニ、生い立ちも動機も全く異なる人間がそのようにして理解し繋がり得ることを以て、この宇宙規模の物語は肌感覚で捉えることが可能になります。故郷を救いたい。そのためにペンを集めている。そのために色んな姿になっている。それらは他者から見れば理屈です。でもこのときひかるは感覚としてユニを感じているはずです。人間が何かに突き動かされていると考えるならば、人間を理解すること知ることはその突き動かしている何かを知ることでもある。そしてそれと形は違えど同じ性質を持ったものが自分にもある。オカルトと故郷への想いが何故か繋がってしまう不思議さが人間の面白さだと思います。ま、BGM『遊星から愛をこめて』を流しとけば雰囲気だけでいけてしまいそうですが。
牡牛座に定評があるスターパンチ。牡羊座要らないんじゃね?感。
必殺技が直撃しても宇宙船そのものは壊れないらしい。
気を取り直して星の中心部へ移動再開。
ヤンヤンの故郷はどんなところなのか。
③次回予告
そもそも修理代払えんの?
○トピック
高橋作画による水着回。ご褒美です。
ビデオ上映しても寝てスルーするユニとどうやって打ち解けるか。別に無理に仲良くなる必要はない。自分のことをベラベラしゃべり合う必要もない。重要なのは彼女達が理解し合えると互いに思えること。その手応えをどこで感じられるか。ユニが自分から距離を詰めていく動機はない。さてどうしたものか、といったところで今回のエピソード。
それに加えてトゥンクル的包括理論をさらに拡張。ボッチだっていいじゃない。みんなと遊んだっていいじゃない。前回に引き続き今回は変わること、変わらないこともそれぞれに意味がある、と両方を肯定。もしかしてこのアニメ、宇宙を超える度量を見せてくれるのかもしれない。
これらの提示は矛盾するわけではありませんが難しいところもあります。それは2つのことを提示されたときにどうしても人は軽重、良し悪しを比較してしまうからでもあります。まして今回は変わることは楽しいことだと言った後すぐに変わっていないと主張するのは(表面的には)混乱を招く主張です。それを本作は物語的論理性と、ひかる達の心情によって両立を図っています。1話1話を個別的なエピソードで描きつつ俯瞰的に見るとより大きな絵になっている。こういうところが1年もののアニメならではの見どころでもありますね。テンション上がります。
ユニとの思い出を重ねながらも自身の成長によって他者理解を深めるひかるの姿はまさに子ども向けのお手本です。相手の気持ちになって考えろ、と人間関係に関してよく言われがちですが人間への理解が浅い人はそもそも他者理解も浅いのではないか?というのが私の持論です。自分は人間です。なら自分という人間をどのように考えるのか、どのような解釈や定義、在り方を想像できるのか。それらを手がかりに他者理解を図っていく側面があるのではないか。もちろん他にも共感や知識での理解もあるでしょう。しかし己の身体感覚もまた重要な他者理解の物差しなのではないか。私はそう思うし、物差しとして使ってもいます。他の人がどうなのかは知らん(他者理解度ゼロ)。
1人遊びが好きなひかるは友達と出会い、自分を信頼してもらい、みんなを信頼して遊びの幅を広げました。1人でいる自分、みんなといる自分も想像できるようになった。自分の中に変わらない自分があることも自覚しました。ならこれはユニにも言えることではないか。「あなたがフワを救いたいように……私もこの星のみんなを救いたいの!」と叫んだ彼女は変わらずに、でも自分と一緒にいる。自分と他者が地続きにいるという感覚。これは前回ひかるを見て頷くララにも言えることです。こうして連鎖が続いていくこと、人と人が数珠繋ぎに共感していけることもまた成長の一つで、自分が変わっていく感覚、されど変わらない感覚という自己感覚に根ざした提示を行っているのは特筆できることだと思います。
自分が成長することで人をより深く理解することができる。本作はこれまで各自の成長を見せてきましたが物語が中盤に入ってその勢いはさらに増しています。
①水の惑星
ヤンヤンの星に向かう一行。
フワは未だ眠ったまま。ヤンヤンの星が見えてきます。大きな水の塊。
プルルン星。その名前を聞いて運命を感じるプルンス。関係ない。どうでもいいと流されてしまいます。ロケットの軌道がズレているのでこのままだと通り過ぎてしまうと指摘するユニ。しかしロケットが故障しているので方向が変えられません。
困るヤンヤンを見てプルンスがやる気を出します。何だお前、ヤンヤンに気があるのか。確かに可愛いキャラだと思う。BGMの無駄遣い。今回も空気を吐いて進路を変更。ユニのポーズがいちいち可愛い。
萎びた格好でプルンスが戻ってくると彼を労う声。特にヤンヤンの笑顔は効果テキメン。星を見ていたひかるは星の中に泡があることに気づきます。空気があって島になっていると話すヤンヤン。俄然興味が湧く一行。
着水。水の中は海のように海洋生物達が遊泳。ヤンヤンの家は星の中心近く。まだ時間がかかりそう。無重力で正座してるまどかさん律儀。
ヤンヤンの前で良いところを見せたいプルンスはまたやる気を発揮。あ、今回こういうノリなのね。プルンス頑張って!と応援するひかるが邪魔になってヤンヤンが見えません。空気を溜め込んでロケットを押します。ロケットの中の空気足りるんだろうか。星の風景を書き留めるひかる。旅行の風景を絵日記に。夏休みですからね。
ロケット修理について訊ねると近所にどんなロケットでも直せる職人がいると話すヤンヤン。魔改造されそう。
プルンスを酷使して進んでいく一行。女の怖さと男の単純さを幼少期から教えるエリート教育アニメ。
だんだん水族館だけでは満足できなくなってきたひかるは泳ぎたいと言い出します。でも水中。息ができない。潜水服は無い。というか宇宙服も見たことすらないんだけど、大丈夫なのか。設置義務とか無いの?
ユニみたいに変化できればいいのに。何になるルン? 半魚人。ホラー番組をお望みで? ひかるの発想はやっぱり不評。ユニの変化は見た目だけなので機能的には何も変わりません。ガッカリするひかる。ユニ、半漁人知ってるのか。
そこでヤンヤンが取り出したのが真珠のペンダント。へんしんじゅ。1粒で1回変わりたいものになれる。……ヤンヤンがそれを持ってるのって密航手段って意味にしか取れないんだけど。危ないところは直接語らない。このアニメはしたたか。
半魚人になれる!と喜ぶひかる。思わずツッコミが入ります。潜水服を来た姿になればいいのでは?とまどか。ララも賛同。しかし居ても立ってもられないひかるは真珠を使います。お着替えシーンスタート。
人魚になりました。これ使えばプリキュアになれるんじゃね? ひかるに倣ってララ達も変身。ヤンヤンがほぼザリガニな件。
楽しそうに泳ぐ彼女達を見ながらプルンスは魚座のプリンセスを思い出します。羨ましい。え、お前そんな身なりなのに水中適正ないの!?
どんな姿になるのかと思えばデカくなっただけ。全員ズッコケます。それ意味なくね? 魚座のプリンセスに近いお姿など恐れ多くて、と遠慮。変なところで忠誠心高い。アイドルに憧れたりヤンヤンに良いところ見せようとしたり、プルンスは女の子に弱い設定が見えてきますな。これはこれで評価上がる要素なんだけど。超有能で女の子に弱い。アッシー(死語)じゃん。
ようやくフワが目を覚まします。一緒に泳ぎたいところですが真珠切れ。なのでアイテムを使って空気の玉に入れます。
準備も整ったので出発。中心を目指しながら遊泳。ロケットの運搬してるプルンスさんはマジで働き者。聖人なのか奴隷なのか割と紙一重。
ユニを連れて泳ぐひかるは変われるって楽しいとはしゃぎます。これはちょっと前にもあったワードですね。ユニは変身能力もそうですが立場も変わっているので関連性が強くなっています。ひかるの自然な態度にユニも感化されていきます。ひかるとユニの関係は近所で新しい友達見つけた的な感じで殊更何をするでもないのがポイント。
同じ頃、一直線に進む個人用宇宙船。お久しぶりなアイワーン。
②復讐のアイワーン
最初に異変に気づいたのはユニ。
謎の水流が襲ってきます。さらに今度は真珠が光りだします。変身が解ける合図。ピンチは重なるもの。ロケットに戻ろうにも水流のせいで流されてしまいます。カラータイマーもそろそろヤバげ。ところでひかるの肩出しはすごく良いと思います。さっきはしゃいでたときも目線がそっち行っちゃいましたね。
島に飛び込めとヤンヤンが指差します。どうやら膜のようなもので覆われているらしく簡単に入れません。ロケットを抱いて戻ってきたプルンスが体当たりして突破。これ浸水ヤバイんじゃないの?と思うところですが勝手に修復されるようです。それよりも今は水が無くなって落下していること。ララの無駄な抵抗。こんなときでも正座なまどかさん。ところが地面は水。変身が一番遅かったプルンスがクッションになって全員セーフ。プリンスいなかったらこのパーティ何回全滅してるんだろうな。
効果が切れた真珠は真っ黒に。ちょっと残念そうなひかる。
水流も島に侵入。正体を現すアイワーン。
変身して迎え撃ちます。ペンとフワは渡さない。ところが「んなもんにもう興味ないっつーの」と意外な反応。え、じゃあ狙う理由ないじゃん。ある。彼女の狙いはただ一つ。コスモを指差すアイワーン。騙されたおかげでノットレイダーにも居られなくなった。元々一番失点が多かったような。とすると今はフリーなのか。個人的な復讐のためにプリキュア(ユニ)を付け回している。あたいの居場所はなくなったのに自分はちゃっかり居場所を見つけやがって。恨み骨髄。個人的に敵幹部の中ではアイワーンが好きですね。この後にも言われますがコイツやってることが酷くて主張もめちゃくちゃなんだけどそれが如何にも敵っぽいというか。カッパードやテンジョウは良くも悪くも自分の領分を弁えている印象があって、早い話寝返りしやすいじゃないですか。トゥインクルも最終的にそのパターンだと思うんだけど、逆にアイワーンくらい好き勝手やってるキャラはどうするのっていう。同情の余地ないですからね、コイツ。前からちょっと気になってはいたんだけど、ユニ(バケニャーン)との絡みが個別的に持ち上がってこうしてフリーランス化しているのは巧い持って行き方だと思います。
謎の瓶を取り出すアイワーン。ダークペン? 恨みや怒りのイマジネーションをエネルギーにして貯めたもの。最近出てこなかったのはこれを充電していたためでしょうか。宇宙船にセットして魔改造。いいんじゃない、まさかの敵勢力分裂。魔法つかいでも眷属軍とドクロクシー残党軍で分かれていましたがこういうの熱いよね。物理法則を無視してガウォーク形態にチェンジ。そういえばガォークって造語?と思って検索したらGround Effective Reinforcement of Winged Armament with Locomotive Knee-joint(可動膝関節による有翼地面効果支援兵器)ということだそうです。設定的に後付け命名だと思うんだけど、ガウォークの名称よく思いついたなって思いますね。
アイワーンロボ16号。
なんで16号?とちゃんとツッコミを入れるミルキー。15号までテストだったと正直に答えるアイワーンさん。試行は大事。次出てくるときは17号になってるんだろうか。
相手の先制攻撃をミルキーが相殺。ついでに抗議。そもそもコスモの居場所を奪ったのはお前だろ? ノットレイダーとしてパレスを襲いプリンセスを散り散りにしたとプルンスも余罪を追及。だからなんだっつーの。コイツのこういうとこ好き。
「自分が何かされたら人を騙したりしていいんだ!」
と居直ったあげく文句を言ってくる始末。良い根性してんなー。この切り返しはプリキュア的には新鮮。最初の宇宙探検のときもそうでしたが大義名分を許さない姿勢が感じられます。
「すっげぇなぁ!」
さらに煽る。アイワーンの好感度ますます上がっていくわ。こういうことを堂々と指摘するキャラって大事。プリキュアだからといって何でも許されるのか?という問いはプリキュアとは何か?を考える上で重要な投げかけです。もちろん子ども向け的に水掛け論やイタチごっこの不毛さを解くというのもあるんですが、子どもにもわかる形でこの疑問を投げかけているのは好印象。それまでポーカーフェイスだったコスモも顔色を変えます。
流石に15号までテストを繰り返しただけあって性能はプリキュアに引けを取りません。地形を利用して水の弾まで発射できる。しかしスターパンチとの勝負に負け手首を故障。追撃に出るコスモ。アイワーンの顔が怒りで歪みます。ここで怯えたり悔悛の姿勢を見せないのも良いですね。ちゃんと悪役に徹してくれる。先ほどの言葉が刺さり追撃の手を緩めるコスモ。その隙を見逃すアイワーンではない。ここの目の動きガチってて流石です。コイツは絶対良い教材になってくれると思うんですよね―。
バケニャーン、マオ、ブルーキャット、地球人、おまけに今度はプリキュアかっつーの。ころころ変わりやがって。お前はそうやって姿を変えてみんなを騙してんだ。居場所を失って漂流する彼女をピンポイントでボコボコ。この展開もプリキュア的に珍しい。これまで見てきたように改心キャラは謝罪と償いが入るし、そうでないキャラは(宥和を挟みつつ)ブイブイ言わせることが多いんですが、ユニの生い立ちをディスっていくっていう。それもその原因を作った張本人が。
「違う!」
「変わることは悪いことじゃない! 楽しいことだよ!」
黒くなった真珠を見せながらハッキリと断言するスター。変わることで新しい自分を知ることができるから。そう言う彼女の後ろにミルキーが立っているのもポイント。このふたりはそれを自覚・共有しています。これはここ数週のポイントのようで重ね塗りして補強。それにコスモは変わってない。自分の故郷を救いたいっていう気持ち。
「それは一度だって変わったことはない!」
トゥインクルの流れにマジで無駄が無い件。なんだこのアニメ。プリキュアって設定がいい加減で後付けしながら拡張していくもんじゃないのか。なんだこのガチな流れ。これまでユニがみんなと距離を取っていたことを彼女の動機にまで遡って肯定。むしろこれ、ひかる達よりも視聴者の方が理解しやすい見せ方になってます。彼女がいくつ姿を変えても彼女の中にある願いそのものは些かも変わっていない。本質を見て言え。その言葉に力を得たコスモは静かに振り向きます。
「たとえどんな姿に変わろうとも」
「私は私…!」
ずっとオカルトが大好きだったひかるに続いて、亡き故郷を救いたいと願い続けるユニを支持するダイナミックさ。この飛躍がプリキュアって感じです。変わりながらも変わらないもの。それがその人の本質ではないか。ひかるとユニ、生い立ちも動機も全く異なる人間がそのようにして理解し繋がり得ることを以て、この宇宙規模の物語は肌感覚で捉えることが可能になります。故郷を救いたい。そのためにペンを集めている。そのために色んな姿になっている。それらは他者から見れば理屈です。でもこのときひかるは感覚としてユニを感じているはずです。人間が何かに突き動かされていると考えるならば、人間を理解すること知ることはその突き動かしている何かを知ることでもある。そしてそれと形は違えど同じ性質を持ったものが自分にもある。オカルトと故郷への想いが何故か繋がってしまう不思議さが人間の面白さだと思います。ま、BGM『遊星から愛をこめて』を流しとけば雰囲気だけでいけてしまいそうですが。
牡牛座に定評があるスターパンチ。牡羊座要らないんじゃね?感。
必殺技が直撃しても宇宙船そのものは壊れないらしい。
気を取り直して星の中心部へ移動再開。
ヤンヤンの故郷はどんなところなのか。
③次回予告
そもそも修理代払えんの?
○トピック
高橋作画による水着回。ご褒美です。
ビデオ上映しても寝てスルーするユニとどうやって打ち解けるか。別に無理に仲良くなる必要はない。自分のことをベラベラしゃべり合う必要もない。重要なのは彼女達が理解し合えると互いに思えること。その手応えをどこで感じられるか。ユニが自分から距離を詰めていく動機はない。さてどうしたものか、といったところで今回のエピソード。
それに加えてトゥンクル的包括理論をさらに拡張。ボッチだっていいじゃない。みんなと遊んだっていいじゃない。前回に引き続き今回は変わること、変わらないこともそれぞれに意味がある、と両方を肯定。もしかしてこのアニメ、宇宙を超える度量を見せてくれるのかもしれない。
これらの提示は矛盾するわけではありませんが難しいところもあります。それは2つのことを提示されたときにどうしても人は軽重、良し悪しを比較してしまうからでもあります。まして今回は変わることは楽しいことだと言った後すぐに変わっていないと主張するのは(表面的には)混乱を招く主張です。それを本作は物語的論理性と、ひかる達の心情によって両立を図っています。1話1話を個別的なエピソードで描きつつ俯瞰的に見るとより大きな絵になっている。こういうところが1年もののアニメならではの見どころでもありますね。テンション上がります。
ユニとの思い出を重ねながらも自身の成長によって他者理解を深めるひかるの姿はまさに子ども向けのお手本です。相手の気持ちになって考えろ、と人間関係に関してよく言われがちですが人間への理解が浅い人はそもそも他者理解も浅いのではないか?というのが私の持論です。自分は人間です。なら自分という人間をどのように考えるのか、どのような解釈や定義、在り方を想像できるのか。それらを手がかりに他者理解を図っていく側面があるのではないか。もちろん他にも共感や知識での理解もあるでしょう。しかし己の身体感覚もまた重要な他者理解の物差しなのではないか。私はそう思うし、物差しとして使ってもいます。他の人がどうなのかは知らん(他者理解度ゼロ)。
1人遊びが好きなひかるは友達と出会い、自分を信頼してもらい、みんなを信頼して遊びの幅を広げました。1人でいる自分、みんなといる自分も想像できるようになった。自分の中に変わらない自分があることも自覚しました。ならこれはユニにも言えることではないか。「あなたがフワを救いたいように……私もこの星のみんなを救いたいの!」と叫んだ彼女は変わらずに、でも自分と一緒にいる。自分と他者が地続きにいるという感覚。これは前回ひかるを見て頷くララにも言えることです。こうして連鎖が続いていくこと、人と人が数珠繋ぎに共感していけることもまた成長の一つで、自分が変わっていく感覚、されど変わらない感覚という自己感覚に根ざした提示を行っているのは特筆できることだと思います。
自分が成長することで人をより深く理解することができる。本作はこれまで各自の成長を見せてきましたが物語が中盤に入ってその勢いはさらに増しています。
第26話「ナゾの侵入者!?恐怖のパジャマパーティ☆」
○今週の出来事
①宇宙旅行
通信を送ってきた相手はララの兄ロロ。他にルルとかリリとかいそう。
帰還命令かと思いきやプリンセスの力を見つけたという情報。一応ララが1人でロケット飛ばしていた理由は星空界に異変が起きてその調査のため、とかだったので当然他のメンツも動いていたということなのでしょう。
OPにようやくユニ入り。それよりもアイワーンがアウトローな感じになっててそっちの方が気になる。
その情報をアブラハム監督に伝えます。
メッセージデータと聞き慣れない単語。どうやらリアルタイム通信だったわけではなく、あらかじめ作られたデータを受信して再生したらしい。訳知り顔で説明するひかる。監督の映画に使われていたネタらしい。宇宙人あるある技術をさも自分のアイデアであるかのように使ったな?とツッコミを入れるプルンス。図星。
ちょくちょく星空界には行っているのでそのときに受信していたのではないかとユニが補足。このアニメ、細かいところで整合取ります。君誰?と見ない顔に不審がる監督。また不法滞在者が増えました。珍しく話について行けないと困惑するえれなとまどか。宇宙ネタだとひかるの方が話が通じるという得手・不得手がちょっと面白いですね。
当然の流れとしてサマーン行こうぜ、という話に。するとララが慌てて自分1人で行くと言います。これは何かあるな。言い訳するように調査の報告とかで1週間は帰れないと付け足し。じゃあ準備して行くよ、夏休みだし、と事情を察してくれません。最後の抵抗とばかりに家には何ていう?と聞くと監督が請け合ってくれます。外堀が完全に埋められてしまいました。張り切る一同をよそにララは1人テンションダダ下がり。
出発当日。
テンション上がりすぎて徹夜状態のひかるとフワ。テンションダダ下がり中のララは力無くボタンを押します。相変わらず重力に逆らうときは大変。この子たちほぼ隔週でこれやってるって考えるとかなりハードだよね。
宇宙に出ると早速ララのペンダントが反応。やっぱりか。となると最後のペンはひかる担当。順当ですね。フワがワープホールを開いてくれますが今回は雑。綿飴みたいな星に不時着。ショウフワックセイ、と冷静に状況を確認するユニ。恒星から現在位置を特定。サマーンからかなり離れている。珍しくワープ失敗。どうやら寝不足が原因。フワは眠り込んでしまいます。再ワープは無理そう。ひかるも眠そう。パジャマに着替えて休んでは?と言われると思い出したように元気になります。
②騒がしくて静かな夜
ロケットはショウフワックセイから飛び立ち巡航。その間にみんなでパジャマに。
パジャマになったのは寝るためではなくパジャマパーティをするためと力説するひかる。ひかる以外全員その単語を知りません。しかしこれも想定済、ひかるはビデオテープを取り出すと再生します。よくデッキあったな。もしかして持ち込み? だからあんな荷物背負ってたのか? アナログ端子に対応してるロケットも相当だけど。プルンスが加工してくれたのかもしれない。
ビデオに録画されていたのはアブラハム監督初期の名作『ジャマシック・パーク(テレビ放送版)』。やべぇ、わざわざテレビ放送版とかつけるあたりがマニアだわ。ちなみに『ガンヘッド』という映画はテレビ放送版が一番わかりやすいです(マニアネタ)。
如何にもホラーテイストな出だし。案の定登場する宇宙モンスター。ここでえれなさんの新属性発動。怖がり。キャラに面白みが無いと思われたのかテコ入れがはいりました。この手のキャラあるある。映像がめちゃくちゃ安っぽいと辛辣なララ。このSFXが手作り感あって良いとマニアな感想のひかる。
「はい! このセンス素晴らしいです!」
ここでさらに新属性発動。お前もう十分だろ!?
怖がるえれなを安心させようと説明するひかるを「ネタバレ禁止です!」と叱るまどかさん。お前食いつきすぎだろ。完全にえれな食われてるじゃねーか。えれなは犠牲になったのだ。古くから続く因縁…その犠牲にな。紫はキャラが強すぎる。
加えて警報音。えれなのライフはゼロよー!(誰も気にしない)
外部ハッチが開いて閉まったとAIが報告。めっちゃ侵入されてますがさっきの不時着で誤作動した?と勘違いするララ。いつの間にかプルンスが作ったドーナツが消えています。どう考えても侵入者。ユニを疑いますが寝ています。この子マイペースだなぁ。その間もえれなは怖がり続けますが誰もフォローしてくれません。結局侵入者を疑うこともなくビデオ上映会は続行。
ユニが起きるとちょうどビデオ上映が終了。やべぇ、この映画パジャマ姿の女子中学生と一緒に観るという条件ついてなきゃ絶対見ないわ。絶対クソ映画だろ。
「ブラボー! 最高でした!」
友達デビューしてからかぐや様の趣味変わりすぎ。ララとは違うベクトルで変わった子ですな。マジレスするとまどかとララは友達デビューの両翼を担うキャラなので一方は学習、一方は趣味の形で広がっていくのは正しい姿と言えます。父親の影響でオカルト系にも手が伸びてさらにひかるがダメ押ししたという感じでこの変化は自然です。伸び代として広がっている感がありますね。
ひかるとまどかとは対照的に疲労困憊の2人。えれなはSAN値が削られましたが、ララはよく耐えたな。退屈だったろうに。「で、何するの?」。ユニは素で興味のないことには付き合わないタイプ。ビデオ上映ひとつでテンション上がる組と下がる組とスルー組とで分かれてるの面白い。トゥインクルも割とイベント尽くしで日常的な部分が少なかったんですが、こういうリアクションの違いを自然な格好で出しているのは好感触。同じものを見てみんなが同じ感想を持つ必要はないですからね。
馬鹿騒ぎも終わり、静寂な雰囲気の中でひかるはポツリと話し始めます。
友達とお泊りするの初めて。えれなも頷きます。まどかも学校行事以外では経験がありません。
「そっか…」
安心したように頷くひかる。あ、これガチなやつだ。思いっきりシフトチェンジしたぞ。トゥインクルこれがあるから油断できない。
こんな静かで穏やかな1日は久しぶりな気がする。まどかはやることがいっぱい。それを聞いてひかるはお父さん大丈夫だったの?と聞きます。厳しそうなあの父親がよく許したものです。監督からの根回しもあって話しはスムーズに伝わりました。習い事は後で挽回するとまどかも約束。香久矢家は武家だったらしく家の歴史を語りながら行きたいのなら行きなさいと娘の背中を押す父。留学のワードが出てきます。久しぶりの留学ネタ。夏休み明けに準備に入るということは間違いなくやる。この夏休みはララの家族エピソードもそうですがインターミッションの意味合いが濃そうです。
凄い…と感心していると当の本人は父も祖父も留学していたので自然なこととして受け入れています。えれなに水を向けると彼女の両親はあっさり承諾したらしい。だろうね、あの家なら。早速母親がスケジュールを調整してくれます。正直、今も気が引けてると話すえれな。両親が働いていて忙しい。必然的に兄弟の面倒は彼女が見る。そんな合間を縫ってきました。この家は子どものワガママを無碍に断ることはないでしょうが、えれなが思慮深いので自制することの方が多いでしょう。おそらく店の手伝いも自分で言い出したのではないかと思います。
家の話を聞いたララは優秀な家族がいると大変と口を開きます。ああ、彼女のこれまでの言動はそう繋がっていくのね。大人を強調したりしているのもそれかな。兄について踏み込まれると少々気後れするララ。家族のことはこれまで話したことがありません。ロロは双子の兄でしっかり者。父も母もサマーンでは人望がある。家族はみんな私と違う。視聴者的には今の彼女は成長性◎のシリーズでも屈指のキャラですがまだセルフイメージが更新されていないのでしょう。まどかの件と比較すればララは留学生キャラで、この意味ではめちゃくちゃ見聞を広めています。彼女と再会したときの家族の反応が気になるところです。
ララもしっかり者だよ、とひかる。ひかるの外泊許可が出たのも実はララのおかげ。お祖父ちゃんが許してくれたのもララを信用しているから。ここで七夕エピソードが前振りになっているのは非常に上手い。お祖父ちゃんからすればララに借りがあるので彼女が一緒なら、と首を縦に振るのも頷けます。ララは自覚がないでしょうが友達作りが上手く、ハッキリ言うところも公正さとして受け取られるので信用を得やすい。ひかる達の評価だけでなくお祖父ちゃんの評価が入ることで彼女の信用度、人望の高さを裏付けているのはうまい持って行き方です。これまでの経験が学習や趣味、そして人望という形で実を結んでいます。
それを聞いたララは「ちょっと嬉しい」と素直な気持ちを口にします。
ユニに気を回したえれなは「ごめん」と謝ります。
何も気にしてない。自分たちのことをベラベラとよく話すなぁって、とそっけない感想。この温度差。相変わらずスパイス効いてるなぁ。ユニの言葉に気を悪くするでもなく、むしろ指摘されてそのことに気づく一同。「信じられない」とこぼすユニに「そうだね」とひかるが頷きます。
「みんなに会う前、ちょっと前の自分からじゃ想像できなかったよ」
「私さ、友達と遊ぶより1人で天文台行ったりする方が楽しかったから」
忘れられがちですがこの子は社交的に見えて自分の世界観を大事にするタイプです。人の話し聞いてないところや自分の殻に閉じこもる気があるのもこれと無関係ではないでしょう。
遼爺、ドーナツ屋の人がひかるが友達を連れていることを珍しがっていたのはそれだけ彼女が1人でいることが多かったから。このアニメの人物設定は周到。1人でいるのも楽しいけどみんなとこうしているのもすっごく楽しい。
「みんなで新しい世界を知ったりとかさ、とってもと~ってもキラやば~っなんだよね!」
心の中の宇宙を広げる彼女の姿にララは共感します。トゥインクルの話運び全く無駄がねぇ。ユニの「あっ、はい」みたいな表情が手前にいるプルンスのほっこりした表情と相まってジワジワくる。
③侵入者
何者かの声。
「青春ヤン! 泣けるヤン!」
部外者に聞かれてました。
名を名乗れ。ヤンヤンヤンか。ヤンヤンヤンさん。ヤンヤンだそうです。語尾がややこしいでプルンス。あなたに言われたくないニャン。語尾に余計なものつけすぎ問題。
なんで乗っているのかと尋ねると、人のロケットに黙って乗り込んで宇宙に出たら途中で放り出されてショウフワックセイでボーっとしてたらこのロケットが来たのでまた黙って乗ったと言います。無賃乗車の常習犯かよ。人の家に入るのが得意と自慢げ。ドーナツを食べた犯人もこいつ。激怒するプルンスですが味を褒められイチコロ。ちょろい。
衝撃と警報。今度は襲撃。プリキュア討伐部隊のカッパード。
急いで小惑星帯に入るも襲撃のダメージで長くは飛べない。一旦酸素がある星に向かいます。
不時着。もっと丁寧に着陸しろとゴネるヤンヤンを武器に憑依。戦闘準備が整ったのでこちらも変身。
酸素はある星ですが重力が弱いのか空中機動して襲いかかってくるカッパード達。1話以来の宇宙戦。プリキュア側は不慣れな無重力状態で動きが鈍い。そこは自前のバリアで足場を作って移動できるスターの出番。宇宙での戦闘ならカッパードにも引けを取りません。他のメンバーでノットレイを始末。
意外なコンビネーションぶりに目論見が外れて困惑するカッパード。これもパジャマパーティのおかげ。ビデオ鑑賞会しただけなんですが。しかも1名爆睡。今週もカッパードさんは武器を捨てて逃げていきます。お前いっつもハズレ引いてんな。
敵を退けたもののロケットはシステムの88%が機能停止状態。それ大破してません?
バーニアが破損して飛ぶこともできない。フワも起きる気配がなくワープもダメ。八方塞がり。するとヤンヤンが自分の家まで送ってくれればロケットを直すと言います。借りはキチンと返すのがポリシー。先払いしてくれれば普段揉めないと思うのですが。
しかしどうやって家まで送ればいいのか。空気はあるし、いるじゃん便利なやつが。
プルンスが空気をたくさん吸い込んでそれを吐き出して推進力に変えるとロケットが離陸。お前ほんと何でもアリだな。
宇宙旅行はまだまだ始まったばかり。
④次回予告
魔改造されとるがな。
○トピック
今年のホラーは好評2、不評2、棄権1とだいぶ分かれました。
緩急つけたインターミッション。
トゥインクルの絶妙なところは「家」という子どもにとって変え(代え)がたい言わば絶対的な環境をベースに、「友達」という相対的で流動的な環境を付け加えることで子どもの変化を描くところにあります。家の事情に大きく左右されるえれなとまどかの言葉からは子どもの無力さを、それを当たり前のこととして受け入れる姿からは無垢さを感じます。ひかる達と出会わなければ旅行に行きたいと打診することもなかったでしょう。友達が自分の家のことを考える契機になっていることがこのエピソードで見えてきます。そしてひかるとララからは友達との出会いによって自分の行動や考えが変わっていることが見えてきます。
ララの成長が目立つので相対的にひかるの影が(主人公の割に)薄くなりがちなんですが、ひかるが元々ボッチ属性なのは重要なポイントです。見ててわかることですが普通の友達作りならララの方がよほど自然で上手い。ひかるはおそらく客観的には人物の好き嫌いが分かれるタイプでしょう。主人公補正があるのでこれまで仲間と一緒にいましたが、彼女の言動の節々から1人で遊ぶのが好きなことが見て取れます(元々1話がそうだったし、性格的にも意固地なところがある)。マニアな設定もそれを補強しています。ですが本作がここでも絶妙なのは、そのマニア設定も時と場所では博識として、彼女の独特な世界観はイマジネーションとして肯定的に受け止められてきたという点です。
どうしてもボッチ設定はネガティブ(もしくは消極的な肯定)として描かれてしまうしそう受け取られてしまいがちです。しかし本作はそれを(全面的にとはいかないまでも)ポジティブに捉え、ひかるのマニアっぷりを活き活きと遠慮することなく描いてきました。それが功を奏して彼女のセリフからは悲壮感は全く感じられません。「友達と遊ぶより1人で天文台行ったりする方が楽しかったから」「星座とか宇宙人、UMAを調べてる方がさ」の言葉からは好きなことをやってきたという印象を強く受けます。この告白はここまで物語を積み上げた中盤だからこそネガティブな意味を持たない率直な言葉として価値を持ちます。この隠し玉をポーカーフェイスで温存していた本作のセンスにただ感心するばかりです。
それはさておき、私も1人遊びが好きな人間なのでこの気持ちはよくわかります。自分の興味や世界観が好きな人というのは一定数いる。その上でひかるは友達といることも楽しいと感じている。私も友達や趣味が合う人と一緒に何かをやったり話したりするのは楽しいと思う。でも1人で居ることの方が圧倒的に多い。それが好きだから。1人で居てもいい。みんなと居てもいい。両方選んでもいい。これも良いし、あれも良い。1人で居ることの方が多いか、みんなと居ることの方が多いかは結果論でしかない。それでいいじゃない。良いもの、好きなものを増やしていくことが心を豊かに、宇宙を広げていくことではないのか、というのが本作のスタンスです。だから本作はこうすべきだ論を展開しません。折り合いがつけられるならつける。ユニの無遠慮な態度もそれはそれで調和する。そういった柔軟さ、度量が本作にはあります。子ども番組的に言うなら子どもの(環境を含む)個性、学び方、成長の仕方の多様さを示すことになるでしょう。
持っているカードは人によって違う。だから切り方も違うし、手札に加わるカードも違う。トゥインクルは見方によっては非常にシビアでエゲツない物語です。前作では有力な主張だった「私らしさ」は本作では「家の環境」で片付けられる。(子どもから見たときの)親や家の存在感が如何に大きかが随所に見られます。プリキュア自体が何かしらシビアなところのある物語なんですが、本作はそれを子どもの視点を通してオブラートに、時にはひかるのボッチ設定のように敢えて直接触れないことでネガティブな印象を上手く脱色していると思います。
何かを肯定するというのは意外と難しいことです。というのも何かを選ぶことは何かを選ばないことであり、「これ良いね」と言うと暗に「あれはダメだね」と言っているように聞こえなくもないからです。私はこれまで全てのプリキュアシリーズに対して「良いね」と言ってきた自負と自信があるんですが(プリキュアの全部を全肯定しているという意味ではない)、何故かダメだと言っていると受け止められることが稀にあるらしくて、たぶんシリーズを比較して論じることが多いのでその影響かと思うんですがそういう意図がなくてもそう受け取られることがある。だから(他を否定することなく)肯定するというのは案外難しいのです。主張が強いとその反作用で言ってない部分まで黒く見えてしまうこともある。トゥインクルのさじ加減が上手いのはそういう明暗を感じにくい、言ってしまえば何かを明確に主張しているわけではないんだけど、色んな家と親、趣味を持つ子ども達がみんな明るく進んでいける姿を描いている点にあります。子ども達が笑って過ごせるならそれでいいじゃない。わざわざ敵を作る必要もない。そういうことですね。
①宇宙旅行
通信を送ってきた相手はララの兄ロロ。他にルルとかリリとかいそう。
帰還命令かと思いきやプリンセスの力を見つけたという情報。一応ララが1人でロケット飛ばしていた理由は星空界に異変が起きてその調査のため、とかだったので当然他のメンツも動いていたということなのでしょう。
OPにようやくユニ入り。それよりもアイワーンがアウトローな感じになっててそっちの方が気になる。
その情報をアブラハム監督に伝えます。
メッセージデータと聞き慣れない単語。どうやらリアルタイム通信だったわけではなく、あらかじめ作られたデータを受信して再生したらしい。訳知り顔で説明するひかる。監督の映画に使われていたネタらしい。宇宙人あるある技術をさも自分のアイデアであるかのように使ったな?とツッコミを入れるプルンス。図星。
ちょくちょく星空界には行っているのでそのときに受信していたのではないかとユニが補足。このアニメ、細かいところで整合取ります。君誰?と見ない顔に不審がる監督。また不法滞在者が増えました。珍しく話について行けないと困惑するえれなとまどか。宇宙ネタだとひかるの方が話が通じるという得手・不得手がちょっと面白いですね。
当然の流れとしてサマーン行こうぜ、という話に。するとララが慌てて自分1人で行くと言います。これは何かあるな。言い訳するように調査の報告とかで1週間は帰れないと付け足し。じゃあ準備して行くよ、夏休みだし、と事情を察してくれません。最後の抵抗とばかりに家には何ていう?と聞くと監督が請け合ってくれます。外堀が完全に埋められてしまいました。張り切る一同をよそにララは1人テンションダダ下がり。
出発当日。
テンション上がりすぎて徹夜状態のひかるとフワ。テンションダダ下がり中のララは力無くボタンを押します。相変わらず重力に逆らうときは大変。この子たちほぼ隔週でこれやってるって考えるとかなりハードだよね。
宇宙に出ると早速ララのペンダントが反応。やっぱりか。となると最後のペンはひかる担当。順当ですね。フワがワープホールを開いてくれますが今回は雑。綿飴みたいな星に不時着。ショウフワックセイ、と冷静に状況を確認するユニ。恒星から現在位置を特定。サマーンからかなり離れている。珍しくワープ失敗。どうやら寝不足が原因。フワは眠り込んでしまいます。再ワープは無理そう。ひかるも眠そう。パジャマに着替えて休んでは?と言われると思い出したように元気になります。
②騒がしくて静かな夜
ロケットはショウフワックセイから飛び立ち巡航。その間にみんなでパジャマに。
パジャマになったのは寝るためではなくパジャマパーティをするためと力説するひかる。ひかる以外全員その単語を知りません。しかしこれも想定済、ひかるはビデオテープを取り出すと再生します。よくデッキあったな。もしかして持ち込み? だからあんな荷物背負ってたのか? アナログ端子に対応してるロケットも相当だけど。プルンスが加工してくれたのかもしれない。
ビデオに録画されていたのはアブラハム監督初期の名作『ジャマシック・パーク(テレビ放送版)』。やべぇ、わざわざテレビ放送版とかつけるあたりがマニアだわ。ちなみに『ガンヘッド』という映画はテレビ放送版が一番わかりやすいです(マニアネタ)。
如何にもホラーテイストな出だし。案の定登場する宇宙モンスター。ここでえれなさんの新属性発動。怖がり。キャラに面白みが無いと思われたのかテコ入れがはいりました。この手のキャラあるある。映像がめちゃくちゃ安っぽいと辛辣なララ。このSFXが手作り感あって良いとマニアな感想のひかる。
「はい! このセンス素晴らしいです!」
ここでさらに新属性発動。お前もう十分だろ!?
怖がるえれなを安心させようと説明するひかるを「ネタバレ禁止です!」と叱るまどかさん。お前食いつきすぎだろ。完全にえれな食われてるじゃねーか。えれなは犠牲になったのだ。古くから続く因縁…その犠牲にな。紫はキャラが強すぎる。
加えて警報音。えれなのライフはゼロよー!(誰も気にしない)
外部ハッチが開いて閉まったとAIが報告。めっちゃ侵入されてますがさっきの不時着で誤作動した?と勘違いするララ。いつの間にかプルンスが作ったドーナツが消えています。どう考えても侵入者。ユニを疑いますが寝ています。この子マイペースだなぁ。その間もえれなは怖がり続けますが誰もフォローしてくれません。結局侵入者を疑うこともなくビデオ上映会は続行。
ユニが起きるとちょうどビデオ上映が終了。やべぇ、この映画パジャマ姿の女子中学生と一緒に観るという条件ついてなきゃ絶対見ないわ。絶対クソ映画だろ。
「ブラボー! 最高でした!」
友達デビューしてからかぐや様の趣味変わりすぎ。ララとは違うベクトルで変わった子ですな。マジレスするとまどかとララは友達デビューの両翼を担うキャラなので一方は学習、一方は趣味の形で広がっていくのは正しい姿と言えます。父親の影響でオカルト系にも手が伸びてさらにひかるがダメ押ししたという感じでこの変化は自然です。伸び代として広がっている感がありますね。
ひかるとまどかとは対照的に疲労困憊の2人。えれなはSAN値が削られましたが、ララはよく耐えたな。退屈だったろうに。「で、何するの?」。ユニは素で興味のないことには付き合わないタイプ。ビデオ上映ひとつでテンション上がる組と下がる組とスルー組とで分かれてるの面白い。トゥインクルも割とイベント尽くしで日常的な部分が少なかったんですが、こういうリアクションの違いを自然な格好で出しているのは好感触。同じものを見てみんなが同じ感想を持つ必要はないですからね。
馬鹿騒ぎも終わり、静寂な雰囲気の中でひかるはポツリと話し始めます。
友達とお泊りするの初めて。えれなも頷きます。まどかも学校行事以外では経験がありません。
「そっか…」
安心したように頷くひかる。あ、これガチなやつだ。思いっきりシフトチェンジしたぞ。トゥインクルこれがあるから油断できない。
こんな静かで穏やかな1日は久しぶりな気がする。まどかはやることがいっぱい。それを聞いてひかるはお父さん大丈夫だったの?と聞きます。厳しそうなあの父親がよく許したものです。監督からの根回しもあって話しはスムーズに伝わりました。習い事は後で挽回するとまどかも約束。香久矢家は武家だったらしく家の歴史を語りながら行きたいのなら行きなさいと娘の背中を押す父。留学のワードが出てきます。久しぶりの留学ネタ。夏休み明けに準備に入るということは間違いなくやる。この夏休みはララの家族エピソードもそうですがインターミッションの意味合いが濃そうです。
凄い…と感心していると当の本人は父も祖父も留学していたので自然なこととして受け入れています。えれなに水を向けると彼女の両親はあっさり承諾したらしい。だろうね、あの家なら。早速母親がスケジュールを調整してくれます。正直、今も気が引けてると話すえれな。両親が働いていて忙しい。必然的に兄弟の面倒は彼女が見る。そんな合間を縫ってきました。この家は子どものワガママを無碍に断ることはないでしょうが、えれなが思慮深いので自制することの方が多いでしょう。おそらく店の手伝いも自分で言い出したのではないかと思います。
家の話を聞いたララは優秀な家族がいると大変と口を開きます。ああ、彼女のこれまでの言動はそう繋がっていくのね。大人を強調したりしているのもそれかな。兄について踏み込まれると少々気後れするララ。家族のことはこれまで話したことがありません。ロロは双子の兄でしっかり者。父も母もサマーンでは人望がある。家族はみんな私と違う。視聴者的には今の彼女は成長性◎のシリーズでも屈指のキャラですがまだセルフイメージが更新されていないのでしょう。まどかの件と比較すればララは留学生キャラで、この意味ではめちゃくちゃ見聞を広めています。彼女と再会したときの家族の反応が気になるところです。
ララもしっかり者だよ、とひかる。ひかるの外泊許可が出たのも実はララのおかげ。お祖父ちゃんが許してくれたのもララを信用しているから。ここで七夕エピソードが前振りになっているのは非常に上手い。お祖父ちゃんからすればララに借りがあるので彼女が一緒なら、と首を縦に振るのも頷けます。ララは自覚がないでしょうが友達作りが上手く、ハッキリ言うところも公正さとして受け取られるので信用を得やすい。ひかる達の評価だけでなくお祖父ちゃんの評価が入ることで彼女の信用度、人望の高さを裏付けているのはうまい持って行き方です。これまでの経験が学習や趣味、そして人望という形で実を結んでいます。
それを聞いたララは「ちょっと嬉しい」と素直な気持ちを口にします。
ユニに気を回したえれなは「ごめん」と謝ります。
何も気にしてない。自分たちのことをベラベラとよく話すなぁって、とそっけない感想。この温度差。相変わらずスパイス効いてるなぁ。ユニの言葉に気を悪くするでもなく、むしろ指摘されてそのことに気づく一同。「信じられない」とこぼすユニに「そうだね」とひかるが頷きます。
「みんなに会う前、ちょっと前の自分からじゃ想像できなかったよ」
「私さ、友達と遊ぶより1人で天文台行ったりする方が楽しかったから」
忘れられがちですがこの子は社交的に見えて自分の世界観を大事にするタイプです。人の話し聞いてないところや自分の殻に閉じこもる気があるのもこれと無関係ではないでしょう。
遼爺、ドーナツ屋の人がひかるが友達を連れていることを珍しがっていたのはそれだけ彼女が1人でいることが多かったから。このアニメの人物設定は周到。1人でいるのも楽しいけどみんなとこうしているのもすっごく楽しい。
「みんなで新しい世界を知ったりとかさ、とってもと~ってもキラやば~っなんだよね!」
心の中の宇宙を広げる彼女の姿にララは共感します。トゥインクルの話運び全く無駄がねぇ。ユニの「あっ、はい」みたいな表情が手前にいるプルンスのほっこりした表情と相まってジワジワくる。
③侵入者
何者かの声。
「青春ヤン! 泣けるヤン!」
部外者に聞かれてました。
名を名乗れ。ヤンヤンヤンか。ヤンヤンヤンさん。ヤンヤンだそうです。語尾がややこしいでプルンス。あなたに言われたくないニャン。語尾に余計なものつけすぎ問題。
なんで乗っているのかと尋ねると、人のロケットに黙って乗り込んで宇宙に出たら途中で放り出されてショウフワックセイでボーっとしてたらこのロケットが来たのでまた黙って乗ったと言います。無賃乗車の常習犯かよ。人の家に入るのが得意と自慢げ。ドーナツを食べた犯人もこいつ。激怒するプルンスですが味を褒められイチコロ。ちょろい。
衝撃と警報。今度は襲撃。プリキュア討伐部隊のカッパード。
急いで小惑星帯に入るも襲撃のダメージで長くは飛べない。一旦酸素がある星に向かいます。
不時着。もっと丁寧に着陸しろとゴネるヤンヤンを武器に憑依。戦闘準備が整ったのでこちらも変身。
酸素はある星ですが重力が弱いのか空中機動して襲いかかってくるカッパード達。1話以来の宇宙戦。プリキュア側は不慣れな無重力状態で動きが鈍い。そこは自前のバリアで足場を作って移動できるスターの出番。宇宙での戦闘ならカッパードにも引けを取りません。他のメンバーでノットレイを始末。
意外なコンビネーションぶりに目論見が外れて困惑するカッパード。これもパジャマパーティのおかげ。ビデオ鑑賞会しただけなんですが。しかも1名爆睡。今週もカッパードさんは武器を捨てて逃げていきます。お前いっつもハズレ引いてんな。
敵を退けたもののロケットはシステムの88%が機能停止状態。それ大破してません?
バーニアが破損して飛ぶこともできない。フワも起きる気配がなくワープもダメ。八方塞がり。するとヤンヤンが自分の家まで送ってくれればロケットを直すと言います。借りはキチンと返すのがポリシー。先払いしてくれれば普段揉めないと思うのですが。
しかしどうやって家まで送ればいいのか。空気はあるし、いるじゃん便利なやつが。
プルンスが空気をたくさん吸い込んでそれを吐き出して推進力に変えるとロケットが離陸。お前ほんと何でもアリだな。
宇宙旅行はまだまだ始まったばかり。
④次回予告
魔改造されとるがな。
○トピック
今年のホラーは好評2、不評2、棄権1とだいぶ分かれました。
緩急つけたインターミッション。
トゥインクルの絶妙なところは「家」という子どもにとって変え(代え)がたい言わば絶対的な環境をベースに、「友達」という相対的で流動的な環境を付け加えることで子どもの変化を描くところにあります。家の事情に大きく左右されるえれなとまどかの言葉からは子どもの無力さを、それを当たり前のこととして受け入れる姿からは無垢さを感じます。ひかる達と出会わなければ旅行に行きたいと打診することもなかったでしょう。友達が自分の家のことを考える契機になっていることがこのエピソードで見えてきます。そしてひかるとララからは友達との出会いによって自分の行動や考えが変わっていることが見えてきます。
ララの成長が目立つので相対的にひかるの影が(主人公の割に)薄くなりがちなんですが、ひかるが元々ボッチ属性なのは重要なポイントです。見ててわかることですが普通の友達作りならララの方がよほど自然で上手い。ひかるはおそらく客観的には人物の好き嫌いが分かれるタイプでしょう。主人公補正があるのでこれまで仲間と一緒にいましたが、彼女の言動の節々から1人で遊ぶのが好きなことが見て取れます(元々1話がそうだったし、性格的にも意固地なところがある)。マニアな設定もそれを補強しています。ですが本作がここでも絶妙なのは、そのマニア設定も時と場所では博識として、彼女の独特な世界観はイマジネーションとして肯定的に受け止められてきたという点です。
どうしてもボッチ設定はネガティブ(もしくは消極的な肯定)として描かれてしまうしそう受け取られてしまいがちです。しかし本作はそれを(全面的にとはいかないまでも)ポジティブに捉え、ひかるのマニアっぷりを活き活きと遠慮することなく描いてきました。それが功を奏して彼女のセリフからは悲壮感は全く感じられません。「友達と遊ぶより1人で天文台行ったりする方が楽しかったから」「星座とか宇宙人、UMAを調べてる方がさ」の言葉からは好きなことをやってきたという印象を強く受けます。この告白はここまで物語を積み上げた中盤だからこそネガティブな意味を持たない率直な言葉として価値を持ちます。この隠し玉をポーカーフェイスで温存していた本作のセンスにただ感心するばかりです。
それはさておき、私も1人遊びが好きな人間なのでこの気持ちはよくわかります。自分の興味や世界観が好きな人というのは一定数いる。その上でひかるは友達といることも楽しいと感じている。私も友達や趣味が合う人と一緒に何かをやったり話したりするのは楽しいと思う。でも1人で居ることの方が圧倒的に多い。それが好きだから。1人で居てもいい。みんなと居てもいい。両方選んでもいい。これも良いし、あれも良い。1人で居ることの方が多いか、みんなと居ることの方が多いかは結果論でしかない。それでいいじゃない。良いもの、好きなものを増やしていくことが心を豊かに、宇宙を広げていくことではないのか、というのが本作のスタンスです。だから本作はこうすべきだ論を展開しません。折り合いがつけられるならつける。ユニの無遠慮な態度もそれはそれで調和する。そういった柔軟さ、度量が本作にはあります。子ども番組的に言うなら子どもの(環境を含む)個性、学び方、成長の仕方の多様さを示すことになるでしょう。
持っているカードは人によって違う。だから切り方も違うし、手札に加わるカードも違う。トゥインクルは見方によっては非常にシビアでエゲツない物語です。前作では有力な主張だった「私らしさ」は本作では「家の環境」で片付けられる。(子どもから見たときの)親や家の存在感が如何に大きかが随所に見られます。プリキュア自体が何かしらシビアなところのある物語なんですが、本作はそれを子どもの視点を通してオブラートに、時にはひかるのボッチ設定のように敢えて直接触れないことでネガティブな印象を上手く脱色していると思います。
何かを肯定するというのは意外と難しいことです。というのも何かを選ぶことは何かを選ばないことであり、「これ良いね」と言うと暗に「あれはダメだね」と言っているように聞こえなくもないからです。私はこれまで全てのプリキュアシリーズに対して「良いね」と言ってきた自負と自信があるんですが(プリキュアの全部を全肯定しているという意味ではない)、何故かダメだと言っていると受け止められることが稀にあるらしくて、たぶんシリーズを比較して論じることが多いのでその影響かと思うんですがそういう意図がなくてもそう受け取られることがある。だから(他を否定することなく)肯定するというのは案外難しいのです。主張が強いとその反作用で言ってない部分まで黒く見えてしまうこともある。トゥインクルのさじ加減が上手いのはそういう明暗を感じにくい、言ってしまえば何かを明確に主張しているわけではないんだけど、色んな家と親、趣味を持つ子ども達がみんな明るく進んでいける姿を描いている点にあります。子ども達が笑って過ごせるならそれでいいじゃない。わざわざ敵を作る必要もない。そういうことですね。
第25話「満天の星まつり☆ユニの思い出」
○今週の出来事
①故郷の思い出
物音で起こされるユニ。お前、そんなところで寝てるのか。野宿適正高そう。音のする方を見るとお祭りをやっています。毎年恒例のお祭り回。何か思い当たる節があるのか目つきが変わります。
ひかる達の呼ぶ声。いつもと違う格好。お祭りに誘われますが即却下。しかしそんなことはひかるには関係ない。手を掴まれて木から引きずり降ろされます。その高さまでどうやって飛んだ?
ロケットでお着替え。意外と似合ってる。耳の主張強いな。
浴衣はひかるのお下がり。まどかも初めてのお祭り参加とあって楽しげ。つい最近まで商店街も行ったことなかったので友達付き合いで活動範囲が広がっています。
会場に着くと期待どおり色んな出店が並んでいてワクワクするララ。プルンスの偽装もここではハマっています。ユニの星ではお祭りはないの?と尋ねるひかる。答える前にえれなとまどかのファンが押し寄せてきます。ふたりの間にいたユニは巻き込まれる形になって所在なさげ。彼女はブルーキャットのときのようなしたたかさや小ズルさのイメージがありますが、不慣れな場所ではそこまで大きく出れないのか今は弱々しい印象。
有名人と一緒にいるユニに注目が集まります。耳に触れないのは優しさか。今更ですが3年生組と並ぶと頭半分ユニの方が身長が低いこともあってやや妹分的な印象も出ていますね。オリーフィオとの回想もそうですが、ユニの幼児性(原体験)が前回今回とアピールされていると思います。
そこに綺羅びやかな浴衣に身を包んだドリ子嬢が登場。お久しぶりです。後ろ髪を結い上げてもドリルは残すところにこの人のアイデンティティがあります。彼女もやっぱりユニが気になる。ただならぬ視線を受けて悪寒が走るユニ。まさか異星人だとバレたのか。
よくわからない対決姿勢になっていますがドリ子が勝手に喧嘩売ってくるのはいつものこと。さらにカルノリが現れてややこしいことになりそうなのでひかるが親戚だと紹介。出会って5秒でニャン子のあだ名がつけられます。ペットか。ユニと名乗ってもユニ子と呼んで去っていきます。観星町の地元民アクが強いなぁ。一度通った道なのでララも珍しがっているから、とフォロー。
今日はあくまでお祭りがメイン。ですがユニの表情は冴えません。
射的屋の前で足を止めるまどか。うなじもう少しアップでお願いします。
店主に誘われると「心して挑みます」とプロの顔に。やっぱ観星町濃いわー。
射的ガチ勢みたいな趣の彼女に周囲も注目。謎の緊張感。コルク飛ばすだけの簡単なお遊びのはずなんだが。発射。すると空気圧ですべての景品が倒れます。これ無効だろ!? 弾どこに飛んだ? 湧き上がる歓声。店主も当たりと認定。でも次回から出禁な。
続いて輪投げはえれな。こちらも案の定というか総なめ。兄弟のお土産ゲット。出禁その2。
水風船。ひかるとララで勝負をしているとそのまま夢中になってプルンスを放り投げてしまいます。釣り上げて救出。それに夢中になっていると今度はフワを見失ってしまいます。
綿飴の一部になっていました。店主はちょっとボケ入ってると思う。無事回収。まどかさんが綿飴食べてるの可愛い。
花火のポスターに視線が釘付けになるユニ。さっきは中断しましたが、彼女の星にもお祭りはありました。声をかけられて振り向くとひかるとララがお面を被って現れます。思いのほかびっくりしたユニはハメたな!?と抗議。今の彼女はちょっと感じやすくなっています。ただのお面と不思議がるララ。完全に日本文化に馴染んでるな、この異星人。ひかるは自分のお面をユニに被せると有無を言わせず連れていきます。
祭りの定番金魚すくい。
「美味しそうニャン」
あー、育てれば大きくなるかも。美味いかは別として。ポイを渡すえれな。初めて見るモノに興味を示すとひかるが競争しようと勝負を持ちかけます。初心者狩りかよ。観星町の人間えげつねぇわ。
楽勝と言ったそばから網が破れるユニ嬢。だよねー。隣のひかるはひょいひょいと金魚を掬っていきます。こいつやり込んでやがる。ユニは再び挑戦。が、ダメ。宇宙怪盗としての矜持が傷つくユニ。ひかるが初心者向けにレクチャー。アドバイスに従うと見事成功。飲み込み早いな。ひかるが喜ぶとこれくらい当然、と態度を変えます。現金だな。なにはともあれ楽しんでいる彼女を見て安心する一同。誘った甲斐があったというもの。
ユニの脳裏に浮かぶ祭りの記憶。空を埋め尽くす花火と指導者オリーフィオの姿。今回も出番がありました。記憶の中ではキラキラと笑顔を浮かべていますが、現実の彼女はひかるも心配するほどに冷めた表情を浮かべています。お面で顔を隠すと「私、帰る」とだけ言ってみんなから離れます。
復活したとはいえ不完全なダークネストさん。テンジョウが出張。
②異邦人
木の上で黄昏るユニ。するとララが1人でやってきます。
りんご飴を持参。要らないと口では言ってみても身体は正直。彼女の隣に座ってりんご飴を渡します。普通に浴衣で木登りしてるのすごくね? 参考に登ってるシーン見せてくれませんかねぇ、グヘヘっ、おっとヨダレが。
ほんとに美味しいの?と疑問を口にするユニ。ちなみに私も食べたことがない。ララも初めて。食べてないのに決めつけはなし。そう言って一舐めすると甘くて美味しいと答えます。本作どころか全シリーズ屈指の成長キャラ。ここで異星人組として並ぶのは偶然ではありません。自分も舐めてみると「まあまあね」と頷きます。ツンデレかっ。
お祭り嫌いだった?と本題を切り出すララ。視線を下げならユニは否定。じゃあどうして楽しまないの?
「今の私は仮の姿だから」
宇宙アイドルも宇宙怪盗も本当の私じゃない。今あなた達とプリキュアをやっているのもペンを集めて故郷のみんなを救うため。
「あなたも私と同じ異星人でしょう?」
ここは本当の居場所じゃない。それはあなたも同じはず。どうして地球人と一緒に遊んでいられるのか。
「最初は私もそう思ってたルン」
ひかる達と出会って楽しい思い出がいっぱい増えた。
「それにみんなといると宇宙が広がるルン」
? 空を見上げるユニ。その宇宙じゃない。ララは自分の胸にそっと手を当てると心の中の宇宙が無限に広がっていくと言います。冒険や出会いを通じて世界を広げていくと同時に内面的な豊かさも広がっていく、というのは子ども向けのオーソドックスな提示ですがこの文脈で語られるところが本作らしいスタイル。ユニに対してひかる達は過剰な宥和政策を取りません。元々ユニは敵幹部だったとか、操られていた系のキャラではなく、第三勢力的な立ち位置でそのこともあってか仲間アピールはそれほど強くありません。彼女達が今一緒にいるのは本人が話したように利害が一致したからにすぎない。知り合いだけど友達かと言われると微妙みたいな距離感とでも言えばいいか。改心系だと良い子ちゃんアピールの必要もあるのでなおさら距離を詰める必要がありますがユニにそれは必要ない。彼女との距離は言ってみればそうした都合とは別個の、ヒョンなことからできた知り合いが友達になっていく過程と言えるかもしれません。彼女がプリキュアになってほぼ1ヶ月が経ちますがそれでもこの距離感ということはそういうことなのでしょう。だからこれはララが言うようにキッカケなのです。理由はともあれ知り合えた。そこから新しい、思いもしなかったことが起こる。ユニが言うようにここは本当の居場所ではない。でもそこに居ることで別の何かが広がっていく。そうした偶然やキッカケ、環境を本作は大切にしています。
私にはわからない。そう言って木を降りるユニ。自分にとって大事なのは全てのペンを手に入れて惑星レインボーを蘇らせること。目的を蔑ろにはできません。馴れ合うつもりはない、とばかりに去っていきます。
「オヨ…」。ララちゃん可愛い。
独りになったところでテンジョウと遭遇。
仲間ごっこはお終い? どうやら1人になるのを待っていたらしい。今回の生贄は……いなかったらノットレイがなればいいじゃない。え、てことはノットレイにもイマジネーションあるってことやん。テンジョウのファンやってるんだからあって当然なんだけど。
コスモの単独変身。ひかる達の単独変身ももう1回くらいは見てみたい。軽い身のこなしでノットレイを翻弄。しかしテンジョウの本領はここから。ノットレイを分身させて3体に。回避力はあっても攻撃手段がない。彼女のパフュームはペンありき。自前のペンがないコスモはそもそも単独では無力。先ほどは力を借りない(キリッ)と言いいましたが毎週借りていた現実。テンジョウが待っていたのもこれを見越してか。なかなかの策士。
攻撃をまともに喰らい捕まってしまいます。裏切り者なんて誰も助けには来てくれないと勝ち誇るテンジョウ。今ちゃんとその辺の木の陰でスタンバってると思いますよ? 恩を売るときは相手が一番困っているタイミングが良いので。
諦めかけたそのとき、プリキュアが現れます。ほらね?
打って出るもコスモを人質に取られ正面から攻撃できず返り討ちにあってしまいます。ミルキーが立ち上がると私達と同じプリキュアだから!とコスモとの仲間意識をアピール。あ、やべ、上で書いたそばから仲間意識打ち出された(この感想は思いつきで順次書いていくので割とこういうことがある。1回通して見るけど素で忘れていることも多い)。とはいえ、ユニ導入教育月間は実質的に今回で終わりで、次回からララの話に移って行くようなので締めのアピールといったところでしょうか。
形勢は不利。しかしコスモはノットレイが元は1体なことに気づき自分を捕まえている本体に狙いを集中すればいいとアドバイスを送ります。ペンを使わない方が強いまであるスターパンチで1体を足止め。その電撃どこまで火力伸びるの?なミルキーでもう1体を足止め。ソレイユとセレーネで本体を攻撃すると分身が消えます。
ペンを借りないと何もできないと言ったな、アレは嘘だ。個人技が撃てる。なんでこのタイミングで出した。たぶん初めて使う技なのに効かない→ペンがなければダメって流れにすると商品アピールとしては弱いからこの順番になったんだろうなぁ。玩具宣伝アニメも大変です。今週は久々のサザンクロス。まだ持ってない子は是非これを機に。
③広がる宇宙
お祭りの締めと言えば花火。でももう天文台まで行く時間がない。
考え込むララ。肩に乗っているプルンスが一休さんのポーズ。それならいい場所がある。あ~ララちゃん可愛い。
ロケットの先端に座って花火鑑賞。だからどうやってそこまで登った。足場ないだろ。しかもその体勢とその角度。絶対滑り落ちると思うんだが。身体能力高ぇ。
口々にキラやば、綺麗、素敵と言い合うひかる達。ユニだけは別な光景が重なって見えます。故郷で見た風景。それは故郷への想いをより強めますが同時に今この瞬間の光景もまた彼女の記憶に刻まれていきます。
「まっ、悪くないわね」
彼女のそんな小さな変化にララは笑みを浮かべます。
惑星サマーンからの通信。
「すぐに帰ってくるルン!」
④次回予告
8人いる!
○トピック
繰り返されるホラー映画マラソンの悲劇。
ララちゃんは可愛くて頭も良い。それを再確認する回。なお、2桁の計算ができるようになったかは不明である。
引き続きユニのエピソードを重ねていますが、やはりポイントは彼女の故郷への拘り。故郷を蘇らせることが彼女の全動機と言ってもよいわけなんですが、それは故郷の思い出、そしてオリーフィオの存在を抜きにして語ることはできません。この点で異星人であっても実質的には視聴者(幼児)の写し身であるララとは対照的に、ユニは彼女独自のバックボーンを持ったキャラとして造形されています。プリキュアになりました、じゃあ今日からプリ友ね、良い子ちゃんアピールしてね、という安易な宥和政策を取ってしまうとこれが崩れてしまうのでむしろ宥和を進めると同時に彼女の内面が語られていくのは正しい手順だと思います。彼女には彼女のお祭りがあってその上で今のお祭りも受け入れていく、という手順を経ることでララが言った「宇宙が広がる」が正しい意味と価値を持っていきます。
ブルーキャットの登場から始まり、とりわけユニ関連のエピソードを纏めてみると本作の中で他者性が強くなっていることに気づきます。トゥインクルはかなり視聴者を意識した作りになっていて、ララの無知さ、まどかの父親との関係に示されるように幼児の世界観をベースにしています。初めての友達、初めての学校、親の言葉や存在感。そうしたものがキャラ造形に反映されています。
対してユニは一個の独立した個人(他者)として対等な、場合によってはアドバイスをすることもあればされることもある関係として描かれています。その締め?として視聴者の写し身であるララが彼女を気遣い、支持する姿は本作の子どもへの期待を如実に表わしています。番組開始から約半年、自分のことしか見ていなかった子が出会いを通して学び、自分で考え、自分の言葉で伝え、人の心を感じ取る。ごく当たり前な子どもの成長を当たり前なこととして、しかしそれを大切なものとして描くところにトゥインクルの真摯さがあります。
そうして一段落ついたところで、ついにサマーンの開示。どんな展開になるのやら。
①故郷の思い出
物音で起こされるユニ。お前、そんなところで寝てるのか。野宿適正高そう。音のする方を見るとお祭りをやっています。毎年恒例のお祭り回。何か思い当たる節があるのか目つきが変わります。
ひかる達の呼ぶ声。いつもと違う格好。お祭りに誘われますが即却下。しかしそんなことはひかるには関係ない。手を掴まれて木から引きずり降ろされます。その高さまでどうやって飛んだ?
ロケットでお着替え。意外と似合ってる。耳の主張強いな。
浴衣はひかるのお下がり。まどかも初めてのお祭り参加とあって楽しげ。つい最近まで商店街も行ったことなかったので友達付き合いで活動範囲が広がっています。
会場に着くと期待どおり色んな出店が並んでいてワクワクするララ。プルンスの偽装もここではハマっています。ユニの星ではお祭りはないの?と尋ねるひかる。答える前にえれなとまどかのファンが押し寄せてきます。ふたりの間にいたユニは巻き込まれる形になって所在なさげ。彼女はブルーキャットのときのようなしたたかさや小ズルさのイメージがありますが、不慣れな場所ではそこまで大きく出れないのか今は弱々しい印象。
有名人と一緒にいるユニに注目が集まります。耳に触れないのは優しさか。今更ですが3年生組と並ぶと頭半分ユニの方が身長が低いこともあってやや妹分的な印象も出ていますね。オリーフィオとの回想もそうですが、ユニの幼児性(原体験)が前回今回とアピールされていると思います。
そこに綺羅びやかな浴衣に身を包んだドリ子嬢が登場。お久しぶりです。後ろ髪を結い上げてもドリルは残すところにこの人のアイデンティティがあります。彼女もやっぱりユニが気になる。ただならぬ視線を受けて悪寒が走るユニ。まさか異星人だとバレたのか。
よくわからない対決姿勢になっていますがドリ子が勝手に喧嘩売ってくるのはいつものこと。さらにカルノリが現れてややこしいことになりそうなのでひかるが親戚だと紹介。出会って5秒でニャン子のあだ名がつけられます。ペットか。ユニと名乗ってもユニ子と呼んで去っていきます。観星町の地元民アクが強いなぁ。一度通った道なのでララも珍しがっているから、とフォロー。
今日はあくまでお祭りがメイン。ですがユニの表情は冴えません。
射的屋の前で足を止めるまどか。うなじもう少しアップでお願いします。
店主に誘われると「心して挑みます」とプロの顔に。やっぱ観星町濃いわー。
射的ガチ勢みたいな趣の彼女に周囲も注目。謎の緊張感。コルク飛ばすだけの簡単なお遊びのはずなんだが。発射。すると空気圧ですべての景品が倒れます。これ無効だろ!? 弾どこに飛んだ? 湧き上がる歓声。店主も当たりと認定。でも次回から出禁な。
続いて輪投げはえれな。こちらも案の定というか総なめ。兄弟のお土産ゲット。出禁その2。
水風船。ひかるとララで勝負をしているとそのまま夢中になってプルンスを放り投げてしまいます。釣り上げて救出。それに夢中になっていると今度はフワを見失ってしまいます。
綿飴の一部になっていました。店主はちょっとボケ入ってると思う。無事回収。まどかさんが綿飴食べてるの可愛い。
花火のポスターに視線が釘付けになるユニ。さっきは中断しましたが、彼女の星にもお祭りはありました。声をかけられて振り向くとひかるとララがお面を被って現れます。思いのほかびっくりしたユニはハメたな!?と抗議。今の彼女はちょっと感じやすくなっています。ただのお面と不思議がるララ。完全に日本文化に馴染んでるな、この異星人。ひかるは自分のお面をユニに被せると有無を言わせず連れていきます。
祭りの定番金魚すくい。
「美味しそうニャン」
あー、育てれば大きくなるかも。美味いかは別として。ポイを渡すえれな。初めて見るモノに興味を示すとひかるが競争しようと勝負を持ちかけます。初心者狩りかよ。観星町の人間えげつねぇわ。
楽勝と言ったそばから網が破れるユニ嬢。だよねー。隣のひかるはひょいひょいと金魚を掬っていきます。こいつやり込んでやがる。ユニは再び挑戦。が、ダメ。宇宙怪盗としての矜持が傷つくユニ。ひかるが初心者向けにレクチャー。アドバイスに従うと見事成功。飲み込み早いな。ひかるが喜ぶとこれくらい当然、と態度を変えます。現金だな。なにはともあれ楽しんでいる彼女を見て安心する一同。誘った甲斐があったというもの。
ユニの脳裏に浮かぶ祭りの記憶。空を埋め尽くす花火と指導者オリーフィオの姿。今回も出番がありました。記憶の中ではキラキラと笑顔を浮かべていますが、現実の彼女はひかるも心配するほどに冷めた表情を浮かべています。お面で顔を隠すと「私、帰る」とだけ言ってみんなから離れます。
復活したとはいえ不完全なダークネストさん。テンジョウが出張。
②異邦人
木の上で黄昏るユニ。するとララが1人でやってきます。
りんご飴を持参。要らないと口では言ってみても身体は正直。彼女の隣に座ってりんご飴を渡します。普通に浴衣で木登りしてるのすごくね? 参考に登ってるシーン見せてくれませんかねぇ、グヘヘっ、おっとヨダレが。
ほんとに美味しいの?と疑問を口にするユニ。ちなみに私も食べたことがない。ララも初めて。食べてないのに決めつけはなし。そう言って一舐めすると甘くて美味しいと答えます。本作どころか全シリーズ屈指の成長キャラ。ここで異星人組として並ぶのは偶然ではありません。自分も舐めてみると「まあまあね」と頷きます。ツンデレかっ。
お祭り嫌いだった?と本題を切り出すララ。視線を下げならユニは否定。じゃあどうして楽しまないの?
「今の私は仮の姿だから」
宇宙アイドルも宇宙怪盗も本当の私じゃない。今あなた達とプリキュアをやっているのもペンを集めて故郷のみんなを救うため。
「あなたも私と同じ異星人でしょう?」
ここは本当の居場所じゃない。それはあなたも同じはず。どうして地球人と一緒に遊んでいられるのか。
「最初は私もそう思ってたルン」
ひかる達と出会って楽しい思い出がいっぱい増えた。
「それにみんなといると宇宙が広がるルン」
? 空を見上げるユニ。その宇宙じゃない。ララは自分の胸にそっと手を当てると心の中の宇宙が無限に広がっていくと言います。冒険や出会いを通じて世界を広げていくと同時に内面的な豊かさも広がっていく、というのは子ども向けのオーソドックスな提示ですがこの文脈で語られるところが本作らしいスタイル。ユニに対してひかる達は過剰な宥和政策を取りません。元々ユニは敵幹部だったとか、操られていた系のキャラではなく、第三勢力的な立ち位置でそのこともあってか仲間アピールはそれほど強くありません。彼女達が今一緒にいるのは本人が話したように利害が一致したからにすぎない。知り合いだけど友達かと言われると微妙みたいな距離感とでも言えばいいか。改心系だと良い子ちゃんアピールの必要もあるのでなおさら距離を詰める必要がありますがユニにそれは必要ない。彼女との距離は言ってみればそうした都合とは別個の、ヒョンなことからできた知り合いが友達になっていく過程と言えるかもしれません。彼女がプリキュアになってほぼ1ヶ月が経ちますがそれでもこの距離感ということはそういうことなのでしょう。だからこれはララが言うようにキッカケなのです。理由はともあれ知り合えた。そこから新しい、思いもしなかったことが起こる。ユニが言うようにここは本当の居場所ではない。でもそこに居ることで別の何かが広がっていく。そうした偶然やキッカケ、環境を本作は大切にしています。
私にはわからない。そう言って木を降りるユニ。自分にとって大事なのは全てのペンを手に入れて惑星レインボーを蘇らせること。目的を蔑ろにはできません。馴れ合うつもりはない、とばかりに去っていきます。
「オヨ…」。ララちゃん可愛い。
独りになったところでテンジョウと遭遇。
仲間ごっこはお終い? どうやら1人になるのを待っていたらしい。今回の生贄は……いなかったらノットレイがなればいいじゃない。え、てことはノットレイにもイマジネーションあるってことやん。テンジョウのファンやってるんだからあって当然なんだけど。
コスモの単独変身。ひかる達の単独変身ももう1回くらいは見てみたい。軽い身のこなしでノットレイを翻弄。しかしテンジョウの本領はここから。ノットレイを分身させて3体に。回避力はあっても攻撃手段がない。彼女のパフュームはペンありき。自前のペンがないコスモはそもそも単独では無力。先ほどは力を借りない(キリッ)と言いいましたが毎週借りていた現実。テンジョウが待っていたのもこれを見越してか。なかなかの策士。
攻撃をまともに喰らい捕まってしまいます。裏切り者なんて誰も助けには来てくれないと勝ち誇るテンジョウ。今ちゃんとその辺の木の陰でスタンバってると思いますよ? 恩を売るときは相手が一番困っているタイミングが良いので。
諦めかけたそのとき、プリキュアが現れます。ほらね?
打って出るもコスモを人質に取られ正面から攻撃できず返り討ちにあってしまいます。ミルキーが立ち上がると私達と同じプリキュアだから!とコスモとの仲間意識をアピール。あ、やべ、上で書いたそばから仲間意識打ち出された(この感想は思いつきで順次書いていくので割とこういうことがある。1回通して見るけど素で忘れていることも多い)。とはいえ、ユニ導入教育月間は実質的に今回で終わりで、次回からララの話に移って行くようなので締めのアピールといったところでしょうか。
形勢は不利。しかしコスモはノットレイが元は1体なことに気づき自分を捕まえている本体に狙いを集中すればいいとアドバイスを送ります。ペンを使わない方が強いまであるスターパンチで1体を足止め。その電撃どこまで火力伸びるの?なミルキーでもう1体を足止め。ソレイユとセレーネで本体を攻撃すると分身が消えます。
ペンを借りないと何もできないと言ったな、アレは嘘だ。個人技が撃てる。なんでこのタイミングで出した。たぶん初めて使う技なのに効かない→ペンがなければダメって流れにすると商品アピールとしては弱いからこの順番になったんだろうなぁ。玩具宣伝アニメも大変です。今週は久々のサザンクロス。まだ持ってない子は是非これを機に。
③広がる宇宙
お祭りの締めと言えば花火。でももう天文台まで行く時間がない。
考え込むララ。肩に乗っているプルンスが一休さんのポーズ。それならいい場所がある。あ~ララちゃん可愛い。
ロケットの先端に座って花火鑑賞。だからどうやってそこまで登った。足場ないだろ。しかもその体勢とその角度。絶対滑り落ちると思うんだが。身体能力高ぇ。
口々にキラやば、綺麗、素敵と言い合うひかる達。ユニだけは別な光景が重なって見えます。故郷で見た風景。それは故郷への想いをより強めますが同時に今この瞬間の光景もまた彼女の記憶に刻まれていきます。
「まっ、悪くないわね」
彼女のそんな小さな変化にララは笑みを浮かべます。
惑星サマーンからの通信。
「すぐに帰ってくるルン!」
④次回予告
8人いる!
○トピック
繰り返されるホラー映画マラソンの悲劇。
ララちゃんは可愛くて頭も良い。それを再確認する回。なお、2桁の計算ができるようになったかは不明である。
引き続きユニのエピソードを重ねていますが、やはりポイントは彼女の故郷への拘り。故郷を蘇らせることが彼女の全動機と言ってもよいわけなんですが、それは故郷の思い出、そしてオリーフィオの存在を抜きにして語ることはできません。この点で異星人であっても実質的には視聴者(幼児)の写し身であるララとは対照的に、ユニは彼女独自のバックボーンを持ったキャラとして造形されています。プリキュアになりました、じゃあ今日からプリ友ね、良い子ちゃんアピールしてね、という安易な宥和政策を取ってしまうとこれが崩れてしまうのでむしろ宥和を進めると同時に彼女の内面が語られていくのは正しい手順だと思います。彼女には彼女のお祭りがあってその上で今のお祭りも受け入れていく、という手順を経ることでララが言った「宇宙が広がる」が正しい意味と価値を持っていきます。
ブルーキャットの登場から始まり、とりわけユニ関連のエピソードを纏めてみると本作の中で他者性が強くなっていることに気づきます。トゥインクルはかなり視聴者を意識した作りになっていて、ララの無知さ、まどかの父親との関係に示されるように幼児の世界観をベースにしています。初めての友達、初めての学校、親の言葉や存在感。そうしたものがキャラ造形に反映されています。
対してユニは一個の独立した個人(他者)として対等な、場合によってはアドバイスをすることもあればされることもある関係として描かれています。その締め?として視聴者の写し身であるララが彼女を気遣い、支持する姿は本作の子どもへの期待を如実に表わしています。番組開始から約半年、自分のことしか見ていなかった子が出会いを通して学び、自分で考え、自分の言葉で伝え、人の心を感じ取る。ごく当たり前な子どもの成長を当たり前なこととして、しかしそれを大切なものとして描くところにトゥインクルの真摯さがあります。
そうして一段落ついたところで、ついにサマーンの開示。どんな展開になるのやら。
第24話「ココロ溶かす!アイスノー星の演奏会☆」
○今週の出来事
①かぐや様のため息
ピアノに触れるまどか嬢。しかしどうも乗り気では無さそう。
提供は変更されました。
今週はロケット日和。これも撮影ってことで誤魔化しているんだろうか。
現実では雨ばっか降ってますがこちらの世界では夏本番。ロケットにかき氷機を持ち込むひかる。ところが暑さのせいか冷蔵庫の調子が悪い。アテが外れてガクッと肩を落とします。え、いや、それって重大な問題じゃないの? 食料の備蓄とか大丈夫? ドーナツとグミだけでしのぐの? 日帰りだからって油断しすぎじゃないですかね?
かき氷の話題で盛り上がる一同。えれなの家では宿題が終わってからのご褒美。当然のようにひかるは宿題を残す派。得意不得意科目で差があるらしい。上の空のまどかに話を振ると宿題は半分終わっていると答えが返ってきます。こっちは当然のように早めに終わらせる派。彼女の気がかりはピアノ。学校でもよく弾いていたよね、とまどかの腕前はえれなも知っています。ところが最近はサボり気味。弓道で忙しい、生徒会もあるとそれぞれ納得する一同。それに答えずまどかは発表会のことを思い出します。無表情で弾く自分とそれを聴く聴衆。それに比べ別な子は活き活きとピアノを弾きます。審査員も聴衆も好印象。ところがトロフィーはまどかの手に。技巧が評価されたようです。先程の子は入賞すらしなかった。発表会あるある。
黙っていたまどかは口を開くとユニに歌うときに気をつけていることはある?と尋ねます。何故あんなに観客を引き付けられるのか。そう尋ねられたユニはオリーフィオの言葉を思い返します。この人意外と出番あるな。今その言葉を聞くことはできないと気づいたのか表情を曇らせます。あ、やべ地雷踏んだ?と察したまどかは慌てて謝ります。
ちょうど話題を変えるようにペンダントが反応。今回はまどか担当の水瓶座。フワのワープで一気に跳躍。
雪だるまみたいな星。
一面雪に埋もれ山も氷。これなら特大のかき氷が作れると喜ぶひかるにえれながツッコミ。かき氷に優先度で負けるプリンセスの力さん。
第一村人発見。歩く雪だるま。ユキオと名乗ります。自称イケメン。初対面からこのリアクション。若干ハズレを引いたかもしれません。それにノーリアクションで応えるひかる達。てか、この星で夏服って割と死ねると思う。
鼻が気に入らない?と曲がったスプーンに交換するユキオ。ファッションアイテムらしい。開いた口が塞がらない一同。気を良くしたユキオは別な鼻を見せます。お世辞にもコミュニケーションが取れているとは言えませんが、ナルシストのおかげで求めなくてもリアクションを返してきてくれます。自慢するようにカラーペンを鼻につけてくれます。……力の使い方がわからなければただの光る棒でしかないんだな、ほんとに。
早速交渉開始。「うん?駄目」。即答。何でもするから!と頭を下げるひかる。ペンさえあれば女子中学生が何でもしてくれる。手に入れるしかない。さしあたってトイレの電球をチェック。
一歩も引かないひかる達に、ユキオは返答に迷います。すると何かを見つけてそっちへ行ってしまいます。
空を飛ぶ氷の像のような女性。イルマ。どうやらユキオは彼女に気があるらしく機嫌を取ろうとします。この星でニンジン育つのか? でも塩対応。これは完全に眼中にありませんわ。めっちゃ落ち込むユキオ。イルマはひかる達にも興味を持たずまた飛んでいってしまいます。
彼女はこのあたりの村一番の美人。プルンスがちょっと冷たい感じと言うとユキオが突っかかってきます。イルマの笑顔は最高!(見たとは言ってない)。一度も笑ったことがない。だから見たいと話すユキオ。「笑顔」が今週のワード。
どうしてなのか。ユキオはこの星が何もないつまらない星だからと言います。そんなことないじゃん。雪と氷だけの星で? そんなわけでキラやば伝道師のひかるが実演。
まずはかき氷。最近は高性能かき氷機もあるようで削り方でも食感がだいぶ変わるようです。
食べた後は運動。スケートにスノボー。ヒールの靴で氷に乗って滑るまどかさんのバランス力。てか、君たち、マフラー巻く前にすることあるんじゃないですかね?
それらを初めて見るユキオ。この星の人たちはどうやって暮らしてたんだ? 空飛んでるし滑る必要はないのか。てか男女で形違いすぎない?
洞窟のつららで音楽会。
感嘆したユキオはイルマも笑ってくれるのではないかと彼女を誘うことに。もし笑ってくれたらペンを譲る。これはチャンス。対照的にユニはため息。じれったい。笑わなかったらどうする?と冷静。先程も一緒に遊んでいなかったしまだ距離を置いています。別な目線で考える人がいるのはメリットとも言えますが。ユニの指摘にひかる達も答えられません。
②かぐや様は疑問に答えたい
イルマを加えての音楽会。
失敗するわけにはいかないと思ったのかスプーンをまどかに渡すひかる。えれなもピアノが上手いし、と人選を支持。
無表情な観客を前にまどかは弾き始めます。堅実な音色。ユキオ達は聞き入りますがイルマだけは無反応。その間も仏頂面で正確に奏でていくまどか。しかし次第に聴衆も気づき始めます。いつまで経ってもイルマが笑わないことに。
ピアノの発表会と重なる光景。自分に何が足りないのか。その疑問に誰も答えてはくれません。流石のひかるも言葉が出ません。すると突然ユニが歌いだします。これにはイルマもちょっと驚き。歌いながらまどかに視線を向けるユニ。気づいたまどかは歌に合わせて奏でていきます。ユニはイルマに顔を向けて歌い続けます。心持ち笑いかけているように見えます。アイドルやっていただけあってアドリブに強い。さらに手拍子が入ります。それを聞いてまどかは自分で答えを知ります。トゥインクルは学習意欲が高いのでこうやって周りからのヒントで答えを得ることが多いですね。自分がそれに疑問を持っていて、必要な材料があるなら自ずと答えが導き出せる。
歌いながらユニはかつてオリーフィオの前で歌っていた光景を思い浮かべると自然と笑みを浮かべます。まどかも楽しそうに演奏。ちゃっかり足でリズムを取るイルマ。ユキオは勢いが付きすぎて転んでしまいます。鼻が取れたので付け直すとイルマが顔を隠して飛び出していきます。
今週はテンジョウ。ペンを探しにやってきたらちょうどユキオが通り過ぎていきます。ついでにプリキュアも。
1人反省会のイルマ。ユキオを傷つけた、嫌われた。そういうことね。そういうわけでイルマキャノンに改造。変身。今週のくるくるシーンは光量が正常になりました。この辺の判断基準よくわかんねーな。
キャノンは伊達ではなく接近は困難。攻撃を受けたユキオはイルマを元に戻すためにプリキュアにペンを託します。水瓶座アロー。さそり座とてんびん座みたいにどんな個性づけしていいのかわからないのに比べこちらは水(氷)属性なので射手座は貫通力があるとか差別化できるかもしれません。なお、山羊座。
今週も美味しいところはコスモに。ペンを渡します。一応個人的な借りもあるしね。
復活の儀。あと2本だからよろしく。そろそろ人生ゲームのコマが足りなくなるんじゃないでしょうか。
イルマを心配するユキオ。ところがイルマは目を覚ました途端笑いだします。どうやら鼻がないユキオがツボらしく笑いが止まりません。止まらないから今まで笑わなかったらしい。もちろんユキオは大喜び。まどかがユニにお礼を言うと静かに頷き返します。前回に引き続き一対一の関係をベースにしていますね。
帰りのロケットで、ピアノの練習を始めると話すまどか。
それを聞いたひかるは宿題を思い出して意気消沈。宿題も自分が楽しむことだとアドバイスされてタジタジ。それができたら苦労しない。
③次回予告
アイワーンは謹慎処分中だったりするんだろうか。
○トピック
プリンセススターカラーペンがあれば女子中学生がなんでもしてくれる。
残り2本を巡って争奪戦が激化する予感。
まどか回かと思いきやユニのエピソードも絡めたナイスなコンボ。
ユニの距離感と独立性が今回は良い方向に作用しているのが本作らしいところ。ね? 柔軟でしょ。さらにまどかとユニの共通点も見えてきます。どちらも尊敬する人がいる。ユニの歌はオリーフィオとの記憶と結びついていて、彼女がアイドルを選んだのは偶然ではないのでしょう。
これは穿った見方になりますが、まどかが弓道ほどピアノに集中できないのは父親の影響が弱いからではないかと思います。父親は自身も弓道経験者で母親はピアニスト。まどかが両方やっているのはその繋がりだと思いますが、彼女はお父さん子なので比較してピアノへのモチベーションが低いのではないか。もちろん弓道は個人競技でピアノは聴衆がいるという違いはありますが、ピアノを母とやっている回想(母との楽しい思い出)もないし、父親が持っていた本は喜んで読んでいるので温度差はあると思うんだよね。逆にもし弓道に身が入らなくなれば父親との関係に影響を与えるはずです。まどかにとって弓道は父親との記憶と関係でもあるからです。この意味でピアノに身が入らないというエピソードは単にそれだけの話というのではなく、彼女の家族関係、記憶、結びつきを暗に表していると思います。まあ、最初に言ったように穿った見方ではあるんですけど。
それを踏まえると本作のスタイルはかなり個性的だと思います。子どもの興味や特技、口癖が親の影響を受けることに加え父親母親どちらにより懐いているかでも差がでてくる。それがその子の個性として表れる。おそらく本人にも自覚はない。自然に選び、自然に受け入れていく。その上で自分の願望や欲求、疑問に答えていく。ピアノをやる意義が持てない。やっていて自分が楽しめない。だからやめるという選択だってある。それをしないところにまどかという子の個性と、そして偶然がある。
本作の人間観は言ってみれば、どの家に生まれたか、環境や偶然が大きく色づけするものになっています。一卵性双生児でも同じ家にいると互いに差別化を図って似なくなっていくそうです(これは研究でもわかっていて、片方几帳面で片方ズボラになったという話を私も双子の親から聞いたことがある)。でも独立すると似てくる。元々の性質がそうだから。トゥインクルは子どもがどんな風に影響を受け、育つのか、それを自然に描いているのがポイント高い。この子どもの自然な成長力、吸収力が本作の強さです。
①かぐや様のため息
ピアノに触れるまどか嬢。しかしどうも乗り気では無さそう。
提供は変更されました。
今週はロケット日和。これも撮影ってことで誤魔化しているんだろうか。
現実では雨ばっか降ってますがこちらの世界では夏本番。ロケットにかき氷機を持ち込むひかる。ところが暑さのせいか冷蔵庫の調子が悪い。アテが外れてガクッと肩を落とします。え、いや、それって重大な問題じゃないの? 食料の備蓄とか大丈夫? ドーナツとグミだけでしのぐの? 日帰りだからって油断しすぎじゃないですかね?
かき氷の話題で盛り上がる一同。えれなの家では宿題が終わってからのご褒美。当然のようにひかるは宿題を残す派。得意不得意科目で差があるらしい。上の空のまどかに話を振ると宿題は半分終わっていると答えが返ってきます。こっちは当然のように早めに終わらせる派。彼女の気がかりはピアノ。学校でもよく弾いていたよね、とまどかの腕前はえれなも知っています。ところが最近はサボり気味。弓道で忙しい、生徒会もあるとそれぞれ納得する一同。それに答えずまどかは発表会のことを思い出します。無表情で弾く自分とそれを聴く聴衆。それに比べ別な子は活き活きとピアノを弾きます。審査員も聴衆も好印象。ところがトロフィーはまどかの手に。技巧が評価されたようです。先程の子は入賞すらしなかった。発表会あるある。
黙っていたまどかは口を開くとユニに歌うときに気をつけていることはある?と尋ねます。何故あんなに観客を引き付けられるのか。そう尋ねられたユニはオリーフィオの言葉を思い返します。この人意外と出番あるな。今その言葉を聞くことはできないと気づいたのか表情を曇らせます。あ、やべ地雷踏んだ?と察したまどかは慌てて謝ります。
ちょうど話題を変えるようにペンダントが反応。今回はまどか担当の水瓶座。フワのワープで一気に跳躍。
雪だるまみたいな星。
一面雪に埋もれ山も氷。これなら特大のかき氷が作れると喜ぶひかるにえれながツッコミ。かき氷に優先度で負けるプリンセスの力さん。
第一村人発見。歩く雪だるま。ユキオと名乗ります。自称イケメン。初対面からこのリアクション。若干ハズレを引いたかもしれません。それにノーリアクションで応えるひかる達。てか、この星で夏服って割と死ねると思う。
鼻が気に入らない?と曲がったスプーンに交換するユキオ。ファッションアイテムらしい。開いた口が塞がらない一同。気を良くしたユキオは別な鼻を見せます。お世辞にもコミュニケーションが取れているとは言えませんが、ナルシストのおかげで求めなくてもリアクションを返してきてくれます。自慢するようにカラーペンを鼻につけてくれます。……力の使い方がわからなければただの光る棒でしかないんだな、ほんとに。
早速交渉開始。「うん?駄目」。即答。何でもするから!と頭を下げるひかる。ペンさえあれば女子中学生が何でもしてくれる。手に入れるしかない。さしあたってトイレの電球をチェック。
一歩も引かないひかる達に、ユキオは返答に迷います。すると何かを見つけてそっちへ行ってしまいます。
空を飛ぶ氷の像のような女性。イルマ。どうやらユキオは彼女に気があるらしく機嫌を取ろうとします。この星でニンジン育つのか? でも塩対応。これは完全に眼中にありませんわ。めっちゃ落ち込むユキオ。イルマはひかる達にも興味を持たずまた飛んでいってしまいます。
彼女はこのあたりの村一番の美人。プルンスがちょっと冷たい感じと言うとユキオが突っかかってきます。イルマの笑顔は最高!(見たとは言ってない)。一度も笑ったことがない。だから見たいと話すユキオ。「笑顔」が今週のワード。
どうしてなのか。ユキオはこの星が何もないつまらない星だからと言います。そんなことないじゃん。雪と氷だけの星で? そんなわけでキラやば伝道師のひかるが実演。
まずはかき氷。最近は高性能かき氷機もあるようで削り方でも食感がだいぶ変わるようです。
食べた後は運動。スケートにスノボー。ヒールの靴で氷に乗って滑るまどかさんのバランス力。てか、君たち、マフラー巻く前にすることあるんじゃないですかね?
それらを初めて見るユキオ。この星の人たちはどうやって暮らしてたんだ? 空飛んでるし滑る必要はないのか。てか男女で形違いすぎない?
洞窟のつららで音楽会。
感嘆したユキオはイルマも笑ってくれるのではないかと彼女を誘うことに。もし笑ってくれたらペンを譲る。これはチャンス。対照的にユニはため息。じれったい。笑わなかったらどうする?と冷静。先程も一緒に遊んでいなかったしまだ距離を置いています。別な目線で考える人がいるのはメリットとも言えますが。ユニの指摘にひかる達も答えられません。
②かぐや様は疑問に答えたい
イルマを加えての音楽会。
失敗するわけにはいかないと思ったのかスプーンをまどかに渡すひかる。えれなもピアノが上手いし、と人選を支持。
無表情な観客を前にまどかは弾き始めます。堅実な音色。ユキオ達は聞き入りますがイルマだけは無反応。その間も仏頂面で正確に奏でていくまどか。しかし次第に聴衆も気づき始めます。いつまで経ってもイルマが笑わないことに。
ピアノの発表会と重なる光景。自分に何が足りないのか。その疑問に誰も答えてはくれません。流石のひかるも言葉が出ません。すると突然ユニが歌いだします。これにはイルマもちょっと驚き。歌いながらまどかに視線を向けるユニ。気づいたまどかは歌に合わせて奏でていきます。ユニはイルマに顔を向けて歌い続けます。心持ち笑いかけているように見えます。アイドルやっていただけあってアドリブに強い。さらに手拍子が入ります。それを聞いてまどかは自分で答えを知ります。トゥインクルは学習意欲が高いのでこうやって周りからのヒントで答えを得ることが多いですね。自分がそれに疑問を持っていて、必要な材料があるなら自ずと答えが導き出せる。
歌いながらユニはかつてオリーフィオの前で歌っていた光景を思い浮かべると自然と笑みを浮かべます。まどかも楽しそうに演奏。ちゃっかり足でリズムを取るイルマ。ユキオは勢いが付きすぎて転んでしまいます。鼻が取れたので付け直すとイルマが顔を隠して飛び出していきます。
今週はテンジョウ。ペンを探しにやってきたらちょうどユキオが通り過ぎていきます。ついでにプリキュアも。
1人反省会のイルマ。ユキオを傷つけた、嫌われた。そういうことね。そういうわけでイルマキャノンに改造。変身。今週のくるくるシーンは光量が正常になりました。この辺の判断基準よくわかんねーな。
キャノンは伊達ではなく接近は困難。攻撃を受けたユキオはイルマを元に戻すためにプリキュアにペンを託します。水瓶座アロー。さそり座とてんびん座みたいにどんな個性づけしていいのかわからないのに比べこちらは水(氷)属性なので射手座は貫通力があるとか差別化できるかもしれません。なお、山羊座。
今週も美味しいところはコスモに。ペンを渡します。一応個人的な借りもあるしね。
復活の儀。あと2本だからよろしく。そろそろ人生ゲームのコマが足りなくなるんじゃないでしょうか。
イルマを心配するユキオ。ところがイルマは目を覚ました途端笑いだします。どうやら鼻がないユキオがツボらしく笑いが止まりません。止まらないから今まで笑わなかったらしい。もちろんユキオは大喜び。まどかがユニにお礼を言うと静かに頷き返します。前回に引き続き一対一の関係をベースにしていますね。
帰りのロケットで、ピアノの練習を始めると話すまどか。
それを聞いたひかるは宿題を思い出して意気消沈。宿題も自分が楽しむことだとアドバイスされてタジタジ。それができたら苦労しない。
③次回予告
アイワーンは謹慎処分中だったりするんだろうか。
○トピック
プリンセススターカラーペンがあれば女子中学生がなんでもしてくれる。
残り2本を巡って争奪戦が激化する予感。
まどか回かと思いきやユニのエピソードも絡めたナイスなコンボ。
ユニの距離感と独立性が今回は良い方向に作用しているのが本作らしいところ。ね? 柔軟でしょ。さらにまどかとユニの共通点も見えてきます。どちらも尊敬する人がいる。ユニの歌はオリーフィオとの記憶と結びついていて、彼女がアイドルを選んだのは偶然ではないのでしょう。
これは穿った見方になりますが、まどかが弓道ほどピアノに集中できないのは父親の影響が弱いからではないかと思います。父親は自身も弓道経験者で母親はピアニスト。まどかが両方やっているのはその繋がりだと思いますが、彼女はお父さん子なので比較してピアノへのモチベーションが低いのではないか。もちろん弓道は個人競技でピアノは聴衆がいるという違いはありますが、ピアノを母とやっている回想(母との楽しい思い出)もないし、父親が持っていた本は喜んで読んでいるので温度差はあると思うんだよね。逆にもし弓道に身が入らなくなれば父親との関係に影響を与えるはずです。まどかにとって弓道は父親との記憶と関係でもあるからです。この意味でピアノに身が入らないというエピソードは単にそれだけの話というのではなく、彼女の家族関係、記憶、結びつきを暗に表していると思います。まあ、最初に言ったように穿った見方ではあるんですけど。
それを踏まえると本作のスタイルはかなり個性的だと思います。子どもの興味や特技、口癖が親の影響を受けることに加え父親母親どちらにより懐いているかでも差がでてくる。それがその子の個性として表れる。おそらく本人にも自覚はない。自然に選び、自然に受け入れていく。その上で自分の願望や欲求、疑問に答えていく。ピアノをやる意義が持てない。やっていて自分が楽しめない。だからやめるという選択だってある。それをしないところにまどかという子の個性と、そして偶然がある。
本作の人間観は言ってみれば、どの家に生まれたか、環境や偶然が大きく色づけするものになっています。一卵性双生児でも同じ家にいると互いに差別化を図って似なくなっていくそうです(これは研究でもわかっていて、片方几帳面で片方ズボラになったという話を私も双子の親から聞いたことがある)。でも独立すると似てくる。元々の性質がそうだから。トゥインクルは子どもがどんな風に影響を受け、育つのか、それを自然に描いているのがポイント高い。この子どもの自然な成長力、吸収力が本作の強さです。
第23話「フワがいっぱい?フワ☆パニック!」
○今週の出来事
①フワ・パンデミック
先週はララの誕生日を優先したので今週こそ歓迎会。
「いまさら?」というツッコミをさらりと流すララちゃんは大人。単独行動しているユニの食糧事情を心配するも本人は携帯食を持っていると自信ありげに答えます。それ切れたらどうするの? Amazon的なやつで発注できるの?
あくまでペンを集めるため、という利害で行動しているユニは歓迎会に興味なし。このままでは去年の二の舞。しかし今年はハプニング。フワがクッキーを食べた途端、酔っ払ったように赤くなると分身。
OPはまだユニ(コスモ)を歓迎していない模様。
UFOキャッチャーの景品のごとく室内に並ぶフワ。
もはや歓迎会どころではありません。しかもこの分身、クッキーを食べた時の感情が反映されているのか食欲旺盛。またたく間にテーブルにあった料理がなくなってしまいます。満腹になると消滅。それならと料理をどんどん出していきます。こいつらイナゴみたいだな。数がとんでもないのでキリがない。そうこうしているうちにも増殖は進み、ついにはロケットの外へ。AIさんそこはロックしてよ。
イナゴの大群がパンデミック状態的なアレ。このままでは街が汚染されてしまいます。
本体を探し出し分身も処理しなければなりません。食料はドーナツを増産して対応。対応が早い。ユニは自分がなんとかすると単身飛び出していきます。彼女のフォローはえれなが担当。
森の中で分身を発見。飛び出してきたので食料もなく手をこまねいていると、えれながやってきてパンの耳を与えます。歓迎会のために作ったサンドイッチの余り物。物珍しそうにパンの耳を見つめるユニ。どうやらユニ対みんなの構図ではなく、ユニ対えれなで宥和化を図っていくようです。
匂いに釣られたのか分身たちが集まってきます。「お腹空いたフワ~」。これ軽くホラーじゃね? 東堂いづみさんこれで売るつもりなの? なんとか分身を一掃しますが手持ちの耳も使い果たしてしまいます。ひかるとプルンスがドーナツを持って合流。
情報を得たユニはここでも単独行動。君、考えるより先に身体動く方? 追いたいところですが別の群れがひかるの家に接近中。そんなわけで引き続きユニのフォローはえれなに任せます。
ロケット内に残っていた分身は処理完了。
本来マタークッキーで生物が増殖することはない。フワ特有の反応。AIはさらに分析を進めます。トントン拍子に行くかと見せかけてドーナツ製造機が故障。すぐさま対応を切り替えたララはAIに分析を指示すると、自分はありったけのドーナツを装備して現地へと向かいます。ララの成長はとどまることを知らない。
その頃、ひかるは自宅へ。案の定分身が発生しています。イエティの餌を狙っている様子。
外に出ようとしたお爺ちゃんをひかるがブロック。しかし遊びに行ったはずなのに戻ってきたことを尋ねられて答えに窮します。大事な話があると口から出まかせを言うと「好きな人でもできたんじゃないの?」とお婆ちゃんが話を面倒臭い方向に。目の色を変えたお爺ちゃんに拉致されてしまいます。ひかる一時戦線離脱。
ユニとえれなは湖へ。
いつの間にか観星町の地理を調べていたユニは迷うことなく進んでいきます。本物は自分が捕まえると意気込むユニに、アレも一人でなんとかできるの?と視線で訴えるえれな。道の先には商店街へと向かおうとする分身の群れ。その先頭を走るフワは今も分身を作り出しています。そしてその分身は食料を求めている。これアカンやつやん。軍事利用できそう。
②ウェルカムパーティ
商店街に辿り着く前に処理したいところですが老人が通りかかっているため目立つことはできません。
そこで堂々と行けば逆にバレない作戦。フワの群れを見たお婆ちゃんたちはキャット?ドッグ?と訝ります。なぜ英語? そしらぬ顔で通り過ぎるユニとえれな。セーフ。ありがとう正常性バイアス(異変が起きても平常だと思いこむ心理)。
そうこうするうちに商店街は目と鼻の先。人の目を避けられれば……そこで閃いたユニは単独先行してマオに変装。商店街の真ん中で歌い始めます。物珍しさと可愛さで視線釘付け。おっさんはスカートの中に釘付け。その隙にフワの群れを誘導することに成功。
分身の処理を終えたものの肝心の本体を見失います。すぐにまたどこかに行こうとするユニをえれなは呼び止めます。
今回のことは自分のミスだと責任を感じるユニ。一人でアイドルも怪盗もスパイもこなしてきた彼女は人を頼りません。頼れる相手がいなかったというのが正確でしょうが。そんな彼女にえれなは責任とか迷惑とか思ってない、フワもあなたのことも心配していると丁寧に説明。みんなで分け合うっていいもんだよ。久しぶりの渉外担当。というよりもえれなとユニはあまり接点がなかったかもしれません。まどかはブルーキャットの時に絡みがあったし、ひかるとララは言わずもがな。
不審な宇宙船を目撃。
ララ・まどか組。服がドーナツでベタベタになりそう。
AIの情報からクッキーを食べたフワがシャックリを繰り返していることに気づきます。「しゃっくり?」と聞き返すララとAI。あれ、君ら知らない? サマーン人はならないのか。というか私も10年以上しゃっくりしてない気がするな。
こちらも不審な宇宙船を目撃。
フワの群れにカッパードもビックリ。うん、まあ、困るよな、普通に。
ユニとえれなも到着すると群れの中に本物を発見。カッパードに捕まってしまいます。
時間なので集合。フワを捕獲したカッパードはそのまま帰ろうします。アイワーンの反省を活かす幹部の鑑。おい、待て。そこはプリキュアと戦えよ。なに潔く帰ろうとしてるの? 変身して追跡。なおみんなでクルクル回るシーンは前回よりもさらに輝度が下げられました。そのままだとチラツキ感があるので配慮されたようです。
気が変わったのかプリキュアを倒してプリンセスの力も手に入れようと戦闘態勢を取るカッパード。番組的にはそれが正しいんだけど、失敗を活かせないダメ社会人の鑑。フワの分身を使って武器を強化。え、いくら分身とはいえそれヤバくね? 謎生物の謎パワーでしょ? 耳かきというか綿アメというか、そんなのが出来ました。あー、大丈夫そう。なかなか面白そうと本人はご満悦。
ここでもコスモが単独先行するとカッパードの攻撃で身動きが取れなくなります。君も学ばないな。お世話係のソレイユがフォロー。落下したコスモをプルンスを使ってキャッチ。こいつほんとに何でもありだな。
助けてくれたみんなを不思議そうに見るコスモに、ソレイユはペンを差し出しながら責任分け合うって言ったでしょ?と答えると「フワを取り戻して」と託します。敢えてチャンスを与えるコーチング。人望の高さも頷けます。他の3人も同じ意見。コスモはペンを受け取ると調子を取り戻します。
カッパードの射撃を3人で抑え込むとソレイユがコスモを蹴り上げて一気に肉薄。狙いはカッパードではなくフワ。詰め寄るカッパードをスルーしてフワをスターにパス。あとは販促タイム。カッパード本体じゃなく武器に向けてビーム撃つシュールな光景。そうしないとフワ(分身)のイマジネーション回収できないからしょうがないんだけどさ。
今日の武器はイマイチだ!といつもの捨て台詞を吐いて撤退。自己奉仕バイアスってこういうことを言います。
流石にフワも反省。カッパードに捕まった時にしゃっくりは止まったので残りの分身を処理して一件落着。
一人で帰ろうとするユニを呼び止めるえれな。借りが出来たと話す彼女の手を取ると、
「なら、これからその借りを返してくれる? ウェルカムパーティで!」
えれな嬢のコミュ力を侮ってはいけない。
料理はなくなってしまいましたがドーナツが一つだけ残っています。これを7等分。手慣れているえれなが切り分けます。
「ウェルカム! ユニ!」
「かんぱーい!」
再びドーナツをくっつけます。遅れてプルンスとフワ。最後の1ピースをちょっと控えめにユニが埋めます。
③次回予告
一足先に避暑地に。
○トピック
うかつに動物に食べ物を与えてはいけない(教訓)
宥和というより妥協と言える本作らしいエピソード。
新キャラ加入直後は謝罪会見をやったり学校行くエピソードがあったりと何かとバタバタするのですが、今回はハプニングを通して距離感が顕になり、またその折り合いをつけています。前回のお爺ちゃんの態度もそうですが本作は大きく意見を変えさせるよりも折り合いをつける(ひとまずの妥協点を探る)ことが多いですね。馴れ合いを嫌っていた弓道少女のゆみかもまどかをライバルとすることで本人にとって受け入れやすい形が取られています。みんなでドーナツを合わせる中でユニだけちょっとズレているのはそうした距離感の表れですね。
これも何度も言っていますが本作から柔軟さを感じるのは急がないからです。長期的に見ればゆみかもお爺ちゃんもユニも馴染んでいくはずなんですが一気にそこまで詰めずにまずはキッカケを作る。そこから徐々に伸ばしていく。これは主人公達も同じで、これまで見てきたように本作を取り巻くマクロ的な世界観に対してもう少し言及することもできるのに敢えて先を急がず一歩一歩進めている印象を受けます。スローテンポと言えばそうなんですが1年アニメのプリキュアではちょうどいいテンポで、子ども達の緩やかな、でも着実な歩みを感じさせます。それでいてたまに刺してくる。緩さと緊張のバランスが本作の面白いところ。
①フワ・パンデミック
先週はララの誕生日を優先したので今週こそ歓迎会。
「いまさら?」というツッコミをさらりと流すララちゃんは大人。単独行動しているユニの食糧事情を心配するも本人は携帯食を持っていると自信ありげに答えます。それ切れたらどうするの? Amazon的なやつで発注できるの?
あくまでペンを集めるため、という利害で行動しているユニは歓迎会に興味なし。このままでは去年の二の舞。しかし今年はハプニング。フワがクッキーを食べた途端、酔っ払ったように赤くなると分身。
OPはまだユニ(コスモ)を歓迎していない模様。
UFOキャッチャーの景品のごとく室内に並ぶフワ。
もはや歓迎会どころではありません。しかもこの分身、クッキーを食べた時の感情が反映されているのか食欲旺盛。またたく間にテーブルにあった料理がなくなってしまいます。満腹になると消滅。それならと料理をどんどん出していきます。こいつらイナゴみたいだな。数がとんでもないのでキリがない。そうこうしているうちにも増殖は進み、ついにはロケットの外へ。AIさんそこはロックしてよ。
イナゴの大群がパンデミック状態的なアレ。このままでは街が汚染されてしまいます。
本体を探し出し分身も処理しなければなりません。食料はドーナツを増産して対応。対応が早い。ユニは自分がなんとかすると単身飛び出していきます。彼女のフォローはえれなが担当。
森の中で分身を発見。飛び出してきたので食料もなく手をこまねいていると、えれながやってきてパンの耳を与えます。歓迎会のために作ったサンドイッチの余り物。物珍しそうにパンの耳を見つめるユニ。どうやらユニ対みんなの構図ではなく、ユニ対えれなで宥和化を図っていくようです。
匂いに釣られたのか分身たちが集まってきます。「お腹空いたフワ~」。これ軽くホラーじゃね? 東堂いづみさんこれで売るつもりなの? なんとか分身を一掃しますが手持ちの耳も使い果たしてしまいます。ひかるとプルンスがドーナツを持って合流。
情報を得たユニはここでも単独行動。君、考えるより先に身体動く方? 追いたいところですが別の群れがひかるの家に接近中。そんなわけで引き続きユニのフォローはえれなに任せます。
ロケット内に残っていた分身は処理完了。
本来マタークッキーで生物が増殖することはない。フワ特有の反応。AIはさらに分析を進めます。トントン拍子に行くかと見せかけてドーナツ製造機が故障。すぐさま対応を切り替えたララはAIに分析を指示すると、自分はありったけのドーナツを装備して現地へと向かいます。ララの成長はとどまることを知らない。
その頃、ひかるは自宅へ。案の定分身が発生しています。イエティの餌を狙っている様子。
外に出ようとしたお爺ちゃんをひかるがブロック。しかし遊びに行ったはずなのに戻ってきたことを尋ねられて答えに窮します。大事な話があると口から出まかせを言うと「好きな人でもできたんじゃないの?」とお婆ちゃんが話を面倒臭い方向に。目の色を変えたお爺ちゃんに拉致されてしまいます。ひかる一時戦線離脱。
ユニとえれなは湖へ。
いつの間にか観星町の地理を調べていたユニは迷うことなく進んでいきます。本物は自分が捕まえると意気込むユニに、アレも一人でなんとかできるの?と視線で訴えるえれな。道の先には商店街へと向かおうとする分身の群れ。その先頭を走るフワは今も分身を作り出しています。そしてその分身は食料を求めている。これアカンやつやん。軍事利用できそう。
②ウェルカムパーティ
商店街に辿り着く前に処理したいところですが老人が通りかかっているため目立つことはできません。
そこで堂々と行けば逆にバレない作戦。フワの群れを見たお婆ちゃんたちはキャット?ドッグ?と訝ります。なぜ英語? そしらぬ顔で通り過ぎるユニとえれな。セーフ。ありがとう正常性バイアス(異変が起きても平常だと思いこむ心理)。
そうこうするうちに商店街は目と鼻の先。人の目を避けられれば……そこで閃いたユニは単独先行してマオに変装。商店街の真ん中で歌い始めます。物珍しさと可愛さで視線釘付け。おっさんはスカートの中に釘付け。その隙にフワの群れを誘導することに成功。
分身の処理を終えたものの肝心の本体を見失います。すぐにまたどこかに行こうとするユニをえれなは呼び止めます。
今回のことは自分のミスだと責任を感じるユニ。一人でアイドルも怪盗もスパイもこなしてきた彼女は人を頼りません。頼れる相手がいなかったというのが正確でしょうが。そんな彼女にえれなは責任とか迷惑とか思ってない、フワもあなたのことも心配していると丁寧に説明。みんなで分け合うっていいもんだよ。久しぶりの渉外担当。というよりもえれなとユニはあまり接点がなかったかもしれません。まどかはブルーキャットの時に絡みがあったし、ひかるとララは言わずもがな。
不審な宇宙船を目撃。
ララ・まどか組。服がドーナツでベタベタになりそう。
AIの情報からクッキーを食べたフワがシャックリを繰り返していることに気づきます。「しゃっくり?」と聞き返すララとAI。あれ、君ら知らない? サマーン人はならないのか。というか私も10年以上しゃっくりしてない気がするな。
こちらも不審な宇宙船を目撃。
フワの群れにカッパードもビックリ。うん、まあ、困るよな、普通に。
ユニとえれなも到着すると群れの中に本物を発見。カッパードに捕まってしまいます。
時間なので集合。フワを捕獲したカッパードはそのまま帰ろうします。アイワーンの反省を活かす幹部の鑑。おい、待て。そこはプリキュアと戦えよ。なに潔く帰ろうとしてるの? 変身して追跡。なおみんなでクルクル回るシーンは前回よりもさらに輝度が下げられました。そのままだとチラツキ感があるので配慮されたようです。
気が変わったのかプリキュアを倒してプリンセスの力も手に入れようと戦闘態勢を取るカッパード。番組的にはそれが正しいんだけど、失敗を活かせないダメ社会人の鑑。フワの分身を使って武器を強化。え、いくら分身とはいえそれヤバくね? 謎生物の謎パワーでしょ? 耳かきというか綿アメというか、そんなのが出来ました。あー、大丈夫そう。なかなか面白そうと本人はご満悦。
ここでもコスモが単独先行するとカッパードの攻撃で身動きが取れなくなります。君も学ばないな。お世話係のソレイユがフォロー。落下したコスモをプルンスを使ってキャッチ。こいつほんとに何でもありだな。
助けてくれたみんなを不思議そうに見るコスモに、ソレイユはペンを差し出しながら責任分け合うって言ったでしょ?と答えると「フワを取り戻して」と託します。敢えてチャンスを与えるコーチング。人望の高さも頷けます。他の3人も同じ意見。コスモはペンを受け取ると調子を取り戻します。
カッパードの射撃を3人で抑え込むとソレイユがコスモを蹴り上げて一気に肉薄。狙いはカッパードではなくフワ。詰め寄るカッパードをスルーしてフワをスターにパス。あとは販促タイム。カッパード本体じゃなく武器に向けてビーム撃つシュールな光景。そうしないとフワ(分身)のイマジネーション回収できないからしょうがないんだけどさ。
今日の武器はイマイチだ!といつもの捨て台詞を吐いて撤退。自己奉仕バイアスってこういうことを言います。
流石にフワも反省。カッパードに捕まった時にしゃっくりは止まったので残りの分身を処理して一件落着。
一人で帰ろうとするユニを呼び止めるえれな。借りが出来たと話す彼女の手を取ると、
「なら、これからその借りを返してくれる? ウェルカムパーティで!」
えれな嬢のコミュ力を侮ってはいけない。
料理はなくなってしまいましたがドーナツが一つだけ残っています。これを7等分。手慣れているえれなが切り分けます。
「ウェルカム! ユニ!」
「かんぱーい!」
再びドーナツをくっつけます。遅れてプルンスとフワ。最後の1ピースをちょっと控えめにユニが埋めます。
③次回予告
一足先に避暑地に。
○トピック
うかつに動物に食べ物を与えてはいけない(教訓)
宥和というより妥協と言える本作らしいエピソード。
新キャラ加入直後は謝罪会見をやったり学校行くエピソードがあったりと何かとバタバタするのですが、今回はハプニングを通して距離感が顕になり、またその折り合いをつけています。前回のお爺ちゃんの態度もそうですが本作は大きく意見を変えさせるよりも折り合いをつける(ひとまずの妥協点を探る)ことが多いですね。馴れ合いを嫌っていた弓道少女のゆみかもまどかをライバルとすることで本人にとって受け入れやすい形が取られています。みんなでドーナツを合わせる中でユニだけちょっとズレているのはそうした距離感の表れですね。
これも何度も言っていますが本作から柔軟さを感じるのは急がないからです。長期的に見ればゆみかもお爺ちゃんもユニも馴染んでいくはずなんですが一気にそこまで詰めずにまずはキッカケを作る。そこから徐々に伸ばしていく。これは主人公達も同じで、これまで見てきたように本作を取り巻くマクロ的な世界観に対してもう少し言及することもできるのに敢えて先を急がず一歩一歩進めている印象を受けます。スローテンポと言えばそうなんですが1年アニメのプリキュアではちょうどいいテンポで、子ども達の緩やかな、でも着実な歩みを感じさせます。それでいてたまに刺してくる。緩さと緊張のバランスが本作の面白いところ。
第22話「おかえり、お父さん!星奈家の七夕☆」
○今週の出来事
①父とランデブー
ロケットのメンテナンスに励む一同。
家でバーベキューをするとみんなを誘うひかる。ところが1名足りません。何故かユニはみんなと距離を置いています。加入の次の週はピックアップされることが多いのですが今回は違うようです。
ひかるが持っていた木(笹)を尋ねるララ。七夕、と言ってもやはり通じません。まどかが合いの手を入れます。すると実はララの誕生日だと判明。あれ、じゃあ今まで13歳だったの? マジかよ、合法すげーな。AIに告げられてもリアクションが薄いララちゃん14歳。本人以上にときめくと顔をくっつけるひかる。この子の距離感ちょっとおかしくない? ひかるのテンションが高いのも当然、なぜなら……
「ケサランパサランか? キラやば~っ!」
明夫でした。確かに意外だったわ。
「お父さん!」
フワが見つかってることちょっとは気にしような?
どうやら家に着く前に合流した様子。フワに興味津々。さらにはララを宇宙人だと見抜きます。そういえばあの触覚ってどんな感触なんだろ。プルンスはクラゲ型宇宙人。あ、タコだと思ってたわ。
ファンタジー好きの母親と不思議生物好きの父のハイブリットがひかる。足し算になるところがひかるのひかるたる所以なのかもしれません。グイグイ来る、デジャブと父から逃げようとするプルンス。
そういうわけで父はUMAや宇宙人を研究しているとのこと。意外とUMAに詳しいまどかさん。父親の資料読んでいたらしい。勝手に盛り上がる父ですが、このままララ達が公になってしまうともみ消すのが面倒になるので口止め。割とあっさり承諾してくれます。たぶんこの人もひかると同じく見た目は軽いけどそれなりに考えてるタイプ。
改めてみんなに星奈陽一と自己紹介。その名前に心当たりがあるまどか。本を出版していたらしい。『UMA伝承と人間心理の相関』。どうやらいたく気に入った本だったらしくベタ褒め。なんかまどかさんに新たな属性が追加されました。この子もお父さん子だから色々影響受けてるなぁ。実際家に置いてある本って子どもも目にするしね。
父親のリュックを背負ったひかるが先を促します。かなり張り切っている様子。
家に帰るとまずはイエティに挨拶。
今までスルーされていたのでまどかが名前の由来を解説。局長、娘が変な方向に行きそうなんだけど大丈夫? 家に置く本はちゃんと厳選した方がいいんじゃない?
玄関では母がお出迎え。軽くお互いの近況を報告し合います。祖母も顔を出しますが祖父は相変わらずそっけない態度。雰囲気を感じ取ってか父の口調も変わります。そこでひかるが「ただいま帰りました」だよとアドバイス。このセリフは子どもらしいですね。そういうことではないとニベもない祖父。どうやら祖父の態度は父に起因しているようです。
色々と察したのか帰ってきたのも束の間、父はイエティを連れて散歩に行ってしまいます。
バーベキューの準備をしながら状況説明。ララの両親は外国に居て彼女だけ来日しているという設定。
どうして1年に1度しか帰ってこないの?と直球で尋ねるララ。流石です。口には出さないもののえれなもまどかも気になっていたはずです。前は一緒に住んでいたと話すひかる。幼い頃からUMAの本を読み聞かせられていました。たぶんひかる的には本の内容もさることながら喜々として話す父の姿が面白かったのでしょう。大好きなことをしているお父さんとお母さんを見るのが大好きだったと語ります。
世界地図を広げながら夢を語る父。しかし現実には難しい。あ、何かリアル路線入った。ああ見えて父は大学の先生。ある夜、母が応募した漫画が佳作になったと報告。妻の夢を応援する父。するとひかるは「お父さんの夢は?」と尋ねると父の背を押します。自分の大好きに正直なひかる。はい、ここで本作の整合性。親の単身赴任エピソードはプリキュアでは珍しくなく、基本的に宥和政策を取ります。現実に単身赴任しているケースは少なくないので子ども向け番組なりの配慮ですね。ちなみに日本では高度経済成長期の雇用対策として新卒一括採用と終身雇用が行われたため、その言わば代償として総合職による人事異動、早い話が人をガンガン動かして社内マッチングを会社都合で行うという人事が慣例化しました。この結果日本では単身赴任が半ば当たり前になったのですが、これって金のためなら家族がバラバラになっても構わない、日本人って結構個人主義だよね、という解釈の仕方があります。この意味ではハートキャッチのつぼみの両親が娘を祖母に預けて仕事しまくってたけど、これ何のための仕事なの?と気づいて転職したのは珍しいケースと言えるかもしれません。そういうわけで私は日本人は金に汚い個人主義の集団だと思っていますが、それはさておき、トゥインクルは「好き」をベースにした物語なので、当然親にも「好き」があるのでそれを否定することはできません。なので好きなことのために家族のもとを離れることもまた致しかたない、という論理がここで成立します。というかこの説明で納得してくれ、という整合の取り方と宥和政策になります。この意味でもやっぱり個人主義だよな、と言えますが現代ってそういうもんだし。
そういうわけで妻と娘の理解は得られましたが祖父は大反対。まあ、普通そうだよな。娘まだ小さくて大学の先生捨ててよくわかんないものを追いかけるとかフリーダムを通り越して無責任に見える。私が勤めていた会社では大学院卒の人が「おれは陶芸家になる!」と言って退職したらしいんですが、世の中色んな人がいるんだなって思います(「遊んで暮らせる金があるから仕事辞めます」って言った私も同類だけど)。
祖父がひかるに厳しい態度を取るのは彼自身の保守性もあるでしょうが、家を出ていった息子(の趣味)に対するわだかまりがあると思っていいでしょう。大学の先生になった。結婚して孫もできた。よしよしと思ってたら謎生物追って家出ていった。何をどこで間違ったのだろうって思うよね。
「会いたくならない?」
素直に尋ねるえれな。いつも家族と一緒にいる彼女からすればそう思うでしょう。
「たまにはね」
ここの言い方すんごくリアル。世界中から手紙を送ってくれるから、と父親との繋がりを感じているひかる。
バーベキューの準備は整いましたが、まだ父が帰ってきていないので待機。しかしお腹はへっている。ドーナツを持ってきたと家の中へ取りに行くララ。
冷蔵庫の中を探す祖父。ララに見つかって挙動不審に。あ、好感度上がるやつだ。冷蔵庫にべったり張り付きながら何もしていないと誤魔化します。大方バーベキューに出ないと意地をはって隠れて食料を漁っていたのでしょう。案の定ララに誘われても断ります。でもお腹は正直。腹ペコキャラに悪い人いない説。カッコがつかずうなだれる祖父。それを見たララは「オヨ…」とちょっと困った顔。これこれ、「ニャン」つければ良いと思ってる誰かさんとは違うまさしく本物が発するリアクションと感情表現。天然物と養殖の違いがここにあります。
ドーナツをお裾分け。孫の友達からお情け貰って恥ずかしくないの?
出し抜けにご両親は心配していないのか?と尋ねる祖父。孫に直接聞けないから代理で聞いているのかもしれません。自分は大人だとララが答えると親はいつまでたっても子どもが心配なのだと答え返します。
「あなたはひかるの父の父ルン?」
「ああ」
「でも心配してないルン。仲悪いルン!」
流石ララちゃん。俺たちにできない事を(以下略
ララちゃん超便利。こういう会話を自然とできるポジション、そしていつの間にか知り合いが増えていく愛され属性。マジでこの子強ぇーわ。ハッキリものを言うララにしかし祖父は悪い印象は持ちません。わかる。これがララちゃんの魅力。
息子が旅立った日も見送りに顔を出さなかった祖父。家族を捨てて出ていく息子を認めるわけにはいきません。ごちそうさん、とララにお礼を言って部屋を出ていきます。
②家族の形
天文台。
春ちゃん、と呼びかける遼爺。あ、やっぱ知り合いなのね。ちなみに祖父は遼ちゃん呼び。同級生かな。
ため息をつくと「私が育て方を間違えたのか…」と切り出します。まあ、そう思うよね。上述した宥和政策は予定調和の既定路線でしたがここでワンポイント入れてくるところに本作のしたたかさを感じます。忙しそうにする遼爺は七夕だからと答えます。そこでようやく今日がそうだと気づく祖父。ユニの数少ない出番。
エンカウント。
テンジョウに操られる祖父。変身のタイミングで現れるユニさんチーッス。販売促進月間ですからね。プルンスさんもっと突っ込んでいいですよ。分割でも連打は外せない。みんなのピースサインで☆を作ります。
裏切り者呼ばわれされても物怖じしないコスモ。メガネからビーム。スターが近づく隙を作るため仲間が援護&囮に。コスモは距離を置いて戦術を様子見。
祖父に肉薄すると彼の心の声が漏れてきます。育て方を間違えてしまったと悔いやむ声。輝美さんやひかるに辛い思いをさせてしまった。ちょくちょくトゥインクルって刺してくるよな。これは祖父母の年金を狙った東堂いづみの狡猾な作戦。罪悪感を呼び起こしてじゃあせめてもの償いにと自社製品を買わせる算段。みなさんわかってもらえたでしょうか、これが金に汚いヤツのやることです。
暴走を始めると見境なくビームを打ち始めます。
「家族は一緒にいなければ……いけないんだ!」
そんな彼にスターはそんなことないと言います。離れていても家族は家族。まあ、自立すると離れて暮らすしね。
攻撃が激しくなると仲間に近づけずサザンクロスショットの態勢がとれません。サザンクロスショットが撃てないならレインボースプラッシュ撃てばいいじゃない。勝手にミルキーからペンを拝借すると単独技で仕留めます。新商品を売るためなら手段を選ばないコスモさん。撃つだけ撃つとそのまま姿を消します。
イエティを連れた父がやってきたのでひかる達は退散。
祖父を発見した父は足元がふらつく祖父に肩を貸します。
父の帰郷とララの誕生日を祝いバーベキューの開始。
星空を見つめながら家族の繋がりを深めるひかる親子。
ララはひかるに視線を向けると嬉しそうと率直な感想を言います。ララは祖父との会話で中立な立場を取っています。どちらにも肩入れせず見たままのことを言う。しょうもない会話を楽しそうにする家族を見た祖父は少しだけ肩の荷が軽くなります。
人知れずユニの姿も。
翌日。父の見送り。
祖父は顔は出してくれたものの無言で家の中に引っ込んでしまいます。態度が軟化したことに気づく両親。
旅立つ父をひかるは見送ります。
③次回予告
次こそユニの融和回かと思ったらフワ回だったでござる。
○トピック
東堂いづみ「要するに玩具を売ればいいんだろ?」
そんな回。
映画はひかるとララにスポットを当てた感じになるんでしょうか。
無知さ故に子どもの心情を語り、無垢さ故に大人に心情を語らせる天然にして本物、それがララ14歳(合法)。合法って入れるとそれだけでこれを書いてる人間の薄汚さがわかるよね。そんな回。
先にも書いたように離れていても繋がってる論はプリキュアでは常套句なのでこれ以上言及する必要もないんですが、祖父の心情が入ることで家族関係が立体的になっています。気難しそうなお爺ちゃんだとは思っていましたが、そこにひかるの父が入ることでピッタリとピースが埋まっています。その落とし所も共感できるものになっていて誰が正しい、誰が悪いという向きにならないように演出されているのも好印象。家族の在り方というと如何にも模範がありそうですが人間関係の一つの形態なので、それは当事者間の問題です。
まどかの新属性付与も援護射撃になっていますが、親子関係、親から子への影響を描きつつそれが繋がりにもなっていることは本作のスタンスをより強固なものにしています。以前にも触れましたが、本作における個性や特技は言ってしまえば親からの受け売りです。ララにしてもサマーン人なら誰もがAI頼りのデータ主義でしょう。たまたま地球に彼女しかいないから語尾も含め個性的に映っているだけで。しかしそうした関係性や在り方がその人の家族観、繋がりを作っていることまで含めて本作は許容しています。つまりひかるの家も、まどかの家も、えれなの家も、ユニのような独特な意識もまた本作においてはそれで良いというスタンスです。第三者からすると「こうでなければならない」と思ってしまいがちですが案外当事者は上手くやっていたりする。そういうところがトゥインクルの柔軟さだと思います。
①父とランデブー
ロケットのメンテナンスに励む一同。
家でバーベキューをするとみんなを誘うひかる。ところが1名足りません。何故かユニはみんなと距離を置いています。加入の次の週はピックアップされることが多いのですが今回は違うようです。
ひかるが持っていた木(笹)を尋ねるララ。七夕、と言ってもやはり通じません。まどかが合いの手を入れます。すると実はララの誕生日だと判明。あれ、じゃあ今まで13歳だったの? マジかよ、合法すげーな。AIに告げられてもリアクションが薄いララちゃん14歳。本人以上にときめくと顔をくっつけるひかる。この子の距離感ちょっとおかしくない? ひかるのテンションが高いのも当然、なぜなら……
「ケサランパサランか? キラやば~っ!」
明夫でした。確かに意外だったわ。
「お父さん!」
フワが見つかってることちょっとは気にしような?
どうやら家に着く前に合流した様子。フワに興味津々。さらにはララを宇宙人だと見抜きます。そういえばあの触覚ってどんな感触なんだろ。プルンスはクラゲ型宇宙人。あ、タコだと思ってたわ。
ファンタジー好きの母親と不思議生物好きの父のハイブリットがひかる。足し算になるところがひかるのひかるたる所以なのかもしれません。グイグイ来る、デジャブと父から逃げようとするプルンス。
そういうわけで父はUMAや宇宙人を研究しているとのこと。意外とUMAに詳しいまどかさん。父親の資料読んでいたらしい。勝手に盛り上がる父ですが、このままララ達が公になってしまうともみ消すのが面倒になるので口止め。割とあっさり承諾してくれます。たぶんこの人もひかると同じく見た目は軽いけどそれなりに考えてるタイプ。
改めてみんなに星奈陽一と自己紹介。その名前に心当たりがあるまどか。本を出版していたらしい。『UMA伝承と人間心理の相関』。どうやらいたく気に入った本だったらしくベタ褒め。なんかまどかさんに新たな属性が追加されました。この子もお父さん子だから色々影響受けてるなぁ。実際家に置いてある本って子どもも目にするしね。
父親のリュックを背負ったひかるが先を促します。かなり張り切っている様子。
家に帰るとまずはイエティに挨拶。
今までスルーされていたのでまどかが名前の由来を解説。局長、娘が変な方向に行きそうなんだけど大丈夫? 家に置く本はちゃんと厳選した方がいいんじゃない?
玄関では母がお出迎え。軽くお互いの近況を報告し合います。祖母も顔を出しますが祖父は相変わらずそっけない態度。雰囲気を感じ取ってか父の口調も変わります。そこでひかるが「ただいま帰りました」だよとアドバイス。このセリフは子どもらしいですね。そういうことではないとニベもない祖父。どうやら祖父の態度は父に起因しているようです。
色々と察したのか帰ってきたのも束の間、父はイエティを連れて散歩に行ってしまいます。
バーベキューの準備をしながら状況説明。ララの両親は外国に居て彼女だけ来日しているという設定。
どうして1年に1度しか帰ってこないの?と直球で尋ねるララ。流石です。口には出さないもののえれなもまどかも気になっていたはずです。前は一緒に住んでいたと話すひかる。幼い頃からUMAの本を読み聞かせられていました。たぶんひかる的には本の内容もさることながら喜々として話す父の姿が面白かったのでしょう。大好きなことをしているお父さんとお母さんを見るのが大好きだったと語ります。
世界地図を広げながら夢を語る父。しかし現実には難しい。あ、何かリアル路線入った。ああ見えて父は大学の先生。ある夜、母が応募した漫画が佳作になったと報告。妻の夢を応援する父。するとひかるは「お父さんの夢は?」と尋ねると父の背を押します。自分の大好きに正直なひかる。はい、ここで本作の整合性。親の単身赴任エピソードはプリキュアでは珍しくなく、基本的に宥和政策を取ります。現実に単身赴任しているケースは少なくないので子ども向け番組なりの配慮ですね。ちなみに日本では高度経済成長期の雇用対策として新卒一括採用と終身雇用が行われたため、その言わば代償として総合職による人事異動、早い話が人をガンガン動かして社内マッチングを会社都合で行うという人事が慣例化しました。この結果日本では単身赴任が半ば当たり前になったのですが、これって金のためなら家族がバラバラになっても構わない、日本人って結構個人主義だよね、という解釈の仕方があります。この意味ではハートキャッチのつぼみの両親が娘を祖母に預けて仕事しまくってたけど、これ何のための仕事なの?と気づいて転職したのは珍しいケースと言えるかもしれません。そういうわけで私は日本人は金に汚い個人主義の集団だと思っていますが、それはさておき、トゥインクルは「好き」をベースにした物語なので、当然親にも「好き」があるのでそれを否定することはできません。なので好きなことのために家族のもとを離れることもまた致しかたない、という論理がここで成立します。というかこの説明で納得してくれ、という整合の取り方と宥和政策になります。この意味でもやっぱり個人主義だよな、と言えますが現代ってそういうもんだし。
そういうわけで妻と娘の理解は得られましたが祖父は大反対。まあ、普通そうだよな。娘まだ小さくて大学の先生捨ててよくわかんないものを追いかけるとかフリーダムを通り越して無責任に見える。私が勤めていた会社では大学院卒の人が「おれは陶芸家になる!」と言って退職したらしいんですが、世の中色んな人がいるんだなって思います(「遊んで暮らせる金があるから仕事辞めます」って言った私も同類だけど)。
祖父がひかるに厳しい態度を取るのは彼自身の保守性もあるでしょうが、家を出ていった息子(の趣味)に対するわだかまりがあると思っていいでしょう。大学の先生になった。結婚して孫もできた。よしよしと思ってたら謎生物追って家出ていった。何をどこで間違ったのだろうって思うよね。
「会いたくならない?」
素直に尋ねるえれな。いつも家族と一緒にいる彼女からすればそう思うでしょう。
「たまにはね」
ここの言い方すんごくリアル。世界中から手紙を送ってくれるから、と父親との繋がりを感じているひかる。
バーベキューの準備は整いましたが、まだ父が帰ってきていないので待機。しかしお腹はへっている。ドーナツを持ってきたと家の中へ取りに行くララ。
冷蔵庫の中を探す祖父。ララに見つかって挙動不審に。あ、好感度上がるやつだ。冷蔵庫にべったり張り付きながら何もしていないと誤魔化します。大方バーベキューに出ないと意地をはって隠れて食料を漁っていたのでしょう。案の定ララに誘われても断ります。でもお腹は正直。腹ペコキャラに悪い人いない説。カッコがつかずうなだれる祖父。それを見たララは「オヨ…」とちょっと困った顔。これこれ、「ニャン」つければ良いと思ってる誰かさんとは違うまさしく本物が発するリアクションと感情表現。天然物と養殖の違いがここにあります。
ドーナツをお裾分け。孫の友達からお情け貰って恥ずかしくないの?
出し抜けにご両親は心配していないのか?と尋ねる祖父。孫に直接聞けないから代理で聞いているのかもしれません。自分は大人だとララが答えると親はいつまでたっても子どもが心配なのだと答え返します。
「あなたはひかるの父の父ルン?」
「ああ」
「でも心配してないルン。仲悪いルン!」
流石ララちゃん。俺たちにできない事を(以下略
ララちゃん超便利。こういう会話を自然とできるポジション、そしていつの間にか知り合いが増えていく愛され属性。マジでこの子強ぇーわ。ハッキリものを言うララにしかし祖父は悪い印象は持ちません。わかる。これがララちゃんの魅力。
息子が旅立った日も見送りに顔を出さなかった祖父。家族を捨てて出ていく息子を認めるわけにはいきません。ごちそうさん、とララにお礼を言って部屋を出ていきます。
②家族の形
天文台。
春ちゃん、と呼びかける遼爺。あ、やっぱ知り合いなのね。ちなみに祖父は遼ちゃん呼び。同級生かな。
ため息をつくと「私が育て方を間違えたのか…」と切り出します。まあ、そう思うよね。上述した宥和政策は予定調和の既定路線でしたがここでワンポイント入れてくるところに本作のしたたかさを感じます。忙しそうにする遼爺は七夕だからと答えます。そこでようやく今日がそうだと気づく祖父。ユニの数少ない出番。
エンカウント。
テンジョウに操られる祖父。変身のタイミングで現れるユニさんチーッス。販売促進月間ですからね。プルンスさんもっと突っ込んでいいですよ。分割でも連打は外せない。みんなのピースサインで☆を作ります。
裏切り者呼ばわれされても物怖じしないコスモ。メガネからビーム。スターが近づく隙を作るため仲間が援護&囮に。コスモは距離を置いて戦術を様子見。
祖父に肉薄すると彼の心の声が漏れてきます。育て方を間違えてしまったと悔いやむ声。輝美さんやひかるに辛い思いをさせてしまった。ちょくちょくトゥインクルって刺してくるよな。これは祖父母の年金を狙った東堂いづみの狡猾な作戦。罪悪感を呼び起こしてじゃあせめてもの償いにと自社製品を買わせる算段。みなさんわかってもらえたでしょうか、これが金に汚いヤツのやることです。
暴走を始めると見境なくビームを打ち始めます。
「家族は一緒にいなければ……いけないんだ!」
そんな彼にスターはそんなことないと言います。離れていても家族は家族。まあ、自立すると離れて暮らすしね。
攻撃が激しくなると仲間に近づけずサザンクロスショットの態勢がとれません。サザンクロスショットが撃てないならレインボースプラッシュ撃てばいいじゃない。勝手にミルキーからペンを拝借すると単独技で仕留めます。新商品を売るためなら手段を選ばないコスモさん。撃つだけ撃つとそのまま姿を消します。
イエティを連れた父がやってきたのでひかる達は退散。
祖父を発見した父は足元がふらつく祖父に肩を貸します。
父の帰郷とララの誕生日を祝いバーベキューの開始。
星空を見つめながら家族の繋がりを深めるひかる親子。
ララはひかるに視線を向けると嬉しそうと率直な感想を言います。ララは祖父との会話で中立な立場を取っています。どちらにも肩入れせず見たままのことを言う。しょうもない会話を楽しそうにする家族を見た祖父は少しだけ肩の荷が軽くなります。
人知れずユニの姿も。
翌日。父の見送り。
祖父は顔は出してくれたものの無言で家の中に引っ込んでしまいます。態度が軟化したことに気づく両親。
旅立つ父をひかるは見送ります。
③次回予告
次こそユニの融和回かと思ったらフワ回だったでござる。
○トピック
東堂いづみ「要するに玩具を売ればいいんだろ?」
そんな回。
映画はひかるとララにスポットを当てた感じになるんでしょうか。
無知さ故に子どもの心情を語り、無垢さ故に大人に心情を語らせる天然にして本物、それがララ14歳(合法)。合法って入れるとそれだけでこれを書いてる人間の薄汚さがわかるよね。そんな回。
先にも書いたように離れていても繋がってる論はプリキュアでは常套句なのでこれ以上言及する必要もないんですが、祖父の心情が入ることで家族関係が立体的になっています。気難しそうなお爺ちゃんだとは思っていましたが、そこにひかるの父が入ることでピッタリとピースが埋まっています。その落とし所も共感できるものになっていて誰が正しい、誰が悪いという向きにならないように演出されているのも好印象。家族の在り方というと如何にも模範がありそうですが人間関係の一つの形態なので、それは当事者間の問題です。
まどかの新属性付与も援護射撃になっていますが、親子関係、親から子への影響を描きつつそれが繋がりにもなっていることは本作のスタンスをより強固なものにしています。以前にも触れましたが、本作における個性や特技は言ってしまえば親からの受け売りです。ララにしてもサマーン人なら誰もがAI頼りのデータ主義でしょう。たまたま地球に彼女しかいないから語尾も含め個性的に映っているだけで。しかしそうした関係性や在り方がその人の家族観、繋がりを作っていることまで含めて本作は許容しています。つまりひかるの家も、まどかの家も、えれなの家も、ユニのような独特な意識もまた本作においてはそれで良いというスタンスです。第三者からすると「こうでなければならない」と思ってしまいがちですが案外当事者は上手くやっていたりする。そういうところがトゥインクルの柔軟さだと思います。
第21話「虹色のスペクトル☆キュアコスモの力!」
○今週の出来事
①アイワーンは考えるのをやめた
開幕何の前振りもなく変身シーンから。展開の都合上、変身シーンを入れられないんだったら頭に入れればいいじゃない。
キュアコスモさんキラやばです。
はいはい、板岡板岡。絵柄わかりやすい。ちなみに演出座古、脚本村山というお前ら映画でも作るのか布陣。新キャラのプロモーションなだけはある。ちなみにトゥインクルの映画はダブル田中だそうです。その布陣前にも見たぞ。
語尾に「ニャン」が付いたりしなかったりするのはお郷の言葉がでちゃう的なやつなのかなとも思うんですが、如何せん「ニャン」自体が色々使われているせいで「可愛い」というより「可愛く見せたい」感の方が強く感じるのは私だけだろうか。子ども的には真似しやすくてわかりやすいんですけどね。ニャンニャン言われてもメイド服着てオムレツにハート描いてるイメージしかねーぞ(偏見)。それに比べて「ルン」の自然さよ。「ルン」だけで感情表現できるララちゃんこそ本物。
掌底というよりは猫パンチをお見舞い。補正値MAXなので軽く一捻り。
両陣営のギャラリーの反応は対照的。
ここで物言いが入ります。ダークネスト様の顔見せ。そういえばひかる達はこの人知りませんでした。首領を中心に整然と並ぶノットレイダー強そう。今回は直接アイワーンを乗取っての参戦。
コスモは以前のやり取りを思い出します。アイワーンはスーツに代わるものとしてダークペンを開発。アイワーンは番組登場からペンを使っているのでスーツがどんなものかわかりませんが、アイアンマン的なやつですかね。ここでヘイト管理。ダークペンは想像力を塗りつぶすけど人格までは奪わない。ある程度プリキュアの声が届くのもそういうこと。けどダークネストは人格まで奪ってしまうのでアイワーンより悪党。これで上位互換成立。
それを見たひかるは「助けてあげないと」とつぶやきます。目の前で頭を抱えて苦しむアイワーン。意思を固めます。つい先程まで敵だった相手すら助けたいと言い出す彼女にコスモは呆れます。しかし一貫している。ひかる達も変身。
プリキュアが揃うとノットレイダーも全力。ノットレイ達も強化を受けて総力戦。
カッパードが火蓋を切ると両者入り乱れての戦闘開始。セレーネとミルキーは範囲攻撃。ソレイユは格闘から入って必殺技の連携で雑魚処理を進めていきます。とはいえ強化を受けたノットレイはほぼゾンビ状態。ということで雑魚処理は当面この3人が担当。コスモは引き続きアイワーンのお相手。
スターはカッパードとタイマン。なんだかんだ言っても直接戦うカッパードは幹部の貫禄がある。ダークペンを取り出すと、クマリン星でのミスが後を引いているとスターを糾弾。挑発によって冷静さを欠いたところをさらに攻める。狡猾です。
ところがスターは冷静さを欠くどころかより明晰に。彼女の瞳はアイワーンに向けられています。スターパンチでカッパードを退けるとペンを回収。膝をつくカッパード。肉体的ダメージより精神的ダメージの方が大きそう。
スターはコスモに加勢。ペンを二度見するのちょっと面白い。敵の狙いもペンにあるので仕掛けてきます。これを避けるとダブルでカカト落とし。助ける(物理)は基本。
アイワーンの反応が遅い、無駄な考えは捨てろと支配力を強めるダークネスト。想像力(イメジネーション)が是としてあるので、その対置として思考停止を持ってきたようです。確かに宇宙支配を目論むノットレイダーとキラやば~な主人公は対照的とは言いがたい。物語中盤で論点整理が図られています。同じ土俵に立てるようにしたという方が適切かもしれませんが。宇宙規模の敵と女子中学生の足並みを揃えないと話が噛み合いません。
支配力が増すとアイワーンに力が漲っていきますが、それに比例して本体はもがき苦しみます。ヘイト管理バッチリ。いたたまれず制止の声をあげるスター。
おひつじ座スターパンチを繰り出すも有効打を与えられません。プリンセスの力(笑) そりゃトイレの電球に使われますわ(未遂)。
そんなあなたに新商品。CMに遠慮のえの字もないの流石だわ。
②考え続ける先に
力を増したアイワーンに圧倒されるスターとコスモ。ミルキー達もふたりに加勢したいところですが雑魚が捌ききれません。こちらも戦闘力が上がっている様子。セレーネの蹴りって珍しい気がする。
ダークネスト本人はまだ完全復活していないので代わりにカッパードが説明。
「見よ、あの姿を! 一切の思考を止め、圧倒的な力を得たヤツを!」
この人も星を追われたクチなので、その力に魅せられたといったところでしょうか。しかしその力を得たアイワーン自身は意識を失っています。そんなの本人が望んでないだろ!とコスモ。
「思考を止めたって…何も考えないってこと?」
「前、言ってたじゃん!」
「私には想像力がないって、言ってたけど!」
「今、目の前にいるあなたが! どんなに苦しんでいるかはわかるよ!」
こういう切り返しができるところにトゥインクルの地頭の良さ、知性が見えてきます。これは非常に良い示唆で、自分達の境遇を訴えた幹部が思考停止に陥るという矛盾を通して幹部は首領よりもプリキュア側との方が実は距離が近いこと、ひかる自身が自分の経験を糧にしていることが見て取れます。本作のイマジネーションはひかるのように想像力豊かで好奇心旺盛なこと、11話で言及されたように予期しなかったことを実現する力もそうだし、キチンと考えられることも含まれます。つまり、感受性があって共感性があって頭がいい。理想的な子どもです。本作が優れているのはこうした理想を自然な形で表出していることです。成長しながら自分のイマジネーションを証明していく。こうした点でも本作の姿勢がよくわかります。子どもの成長そのものがまさに善(全)なのである、というスタンス。彼女達が経験し成長する中に必要なものは全部ある。
単身挑むも返り討ち。
気持ちだけでは勝てん、とカッパード。スターに言ってるのでしょうが、手段は選んでいられないという自身の表明にも聞こえます。
振り下ろされる拳。それを見るスターの表情が一瞬悔しそうな、弱さが感じられるように見えるのが良い意味でこの子のチグハグさが出ていると思います。この子は頑ななところがあって自分から友達作りにいくくせにそれを壊そうとしたり、テンションの浮き沈みも激しいんですが、どこかそういう脆さ、自分一人で完結しない、できない、そうした未熟さを持っているのが特徴ですね。だからこの意味で彼女もまた「点」です。人を繋ぎ合わせる力を持っていても。
というわけで、コスモさんが今週も伝統芸を披露。
アイワーンは許せない。でもアイワーンを乗取って自由を奪うあなたはもっと許せない。ヘイト移管完了。
③レインボーパフューム税込み5,378円+α
勝てないなら課金すればいいじゃない。新商品のお時間です。
この新商品、ペンとも互換性があってむしろペン必須の商品。先程は毛の生えたパンチしかできなかったおひつじ座にワンチャン。出だしのイントロとポーズがかっこいい。コスモの必殺バンク。
「レインボーパフューム! いくニャン!」
「おひつじ座! くるくるチャージ!」
特撮の方もそうだけど回すの好きだよね。プリズムがスポットライト当ててるのちょっと面白い。そのうちファンネル的に使いそう。田中あたりが。構図的にはサザンクロスショットと同じ射撃。
「プリキュア! レインボースプラッシュ!」
やっぱりこの子はおしゃまなイメージを押し出してますね。
④虹の星へ
アイワーンが目を覚ますと目の前にはコスモ。変身を見ていないので語尾で正体に気づきます。あくまでバケニャーンとして怒りを覚えるアイワーン。ペン取られたりスパイ雇ったりとマジで立場なさそう。しれっと宇宙船をパクります。カッパードさんが仕事してないクセにかっこだけはつけるの流石です。
復活の儀式。
本物のスタープリンセスを前にして息を呑むブルーキャット。何しろ何か凄いパワーで願いが叶えられる人達です。その割にダークネストにボコられてましたが。……ほんとに大丈夫なの? この人達。
レインボー星は元に戻るのかと単刀直入に尋ねます。星とフワの力があれば宇宙に平穏が訪れる。……で、戻るの? 聞きたいのはそこなんですけど。この人もしかして話し通じない人? 見かねたのかおうし座の人がやってくるとイマジネーションの力が集まれば奇蹟が起こる。必ず星も戻ると断言。良かった話が通じる人がいて。この人たちぜってー普段は人生ゲームとかで遊んでると思うんだよね。ピザどこ頼む? ピザハット? ピザーラでしょ? あたしドミノ派。みたいな会話してるって、絶対。だって危機感ないもん。
復活の見通しが立って何故か本人以上に喜ぶひかる。ここのまどかさんの表情が可愛いんだけど、なんかジワる。
レインボー星に戻ってくると、オリーフィオの石像の前へ。
私達はみんなオリーフィオの子。オリーフィオは私達の父であり母でもある。意味深なことを言うブルーキャット。そして私自身でもある。私達は一つ。彼女の話はまだまだありそうな予感。なんだか哲学的とまどか。要するに話が見えません。家族ってこと?とひかるが要約。否定はしません。
一緒に地球に行こうと誘います。ペンを集めるのは共通の目的なので利害は一致しています。「お構いなく!」。ララの表情。高性能レーダー手に入れたから一人でも大丈夫。ちゃっかりしています。つまんない、行こうよーと手を引っ張るひかる。宇宙船あるの? アイワーングッジョブ。一緒にいた方が効率的、フワのワープもあると利点を挙げるララ。他に手もなくしぶしぶ納得するブルーキャット。
一方その頃、敵のアジトではいよいよ首領のお披露目。
妖怪軍団を統べるボスはどんな格好なのか気になるところです。じゃじゃーん、コブラ。んー、んー? どういう繋がり?
総統にかしずくノットレイダー軍。その力に感服するテンジョウの隣でカッパードは期待を膨らませます。完全復活はまだ果たされていない。そのためにもプリンセスの力が必要。
帰路の途中、パフュームを見たひかるが使ってみたいと興味を示します。
香水は変化が未熟な者を補助するための道具。これ自体で変化しているわけではない。が、「未熟」とうっかり口を滑らせてしまいます。尻尾と耳が出ているのは未熟な証。
おやつタイム。プルンスがドーナツを振る舞います。呑気におやつを食べる一同を見てため息をつくブルーキャット。離れていく故郷を見つめながら感傷に浸ります。
そんな彼女にドーナツを差し出すプルンス。マオさんに食べてもらいたいってずっと言っていたとまどかが補足。マオ=ブルーキャットに一番私情があったのは彼。一口食べると「美味しい」と言葉を漏らします。そりゃ1個10億ですから。当然、としたり顔のプルンス。彼としてはこれで水に流すということなのでしょう。元々彼個人の話ではあるんですが。
「ブルーキャットじゃなくてユニよ」
「私の名前」
「えっ、ユニちゃんっていうの?」
「ユニの方が効率的ルン」
「効率的だね」
「効率的ですね」
「ユニでいいわ」
この流れ好き。
「うん。じゃあユニ、よろしくね♪」
虹色の星から虹のかかる星へ。新たな仲間を加えて戻ってきます。
⑤次回予告
ED変更。相変わらず時代を感じる。
星奈家自重しろ。
○トピック
パッと見わかりにくいけど来週から半袖。
キュアコスモ回だと思った? ざ~ねん、キュアスター回でした!
イマジネーションを持つこと、すなわち考え続けること(変化していくこと)を是とするプリキュアと、敵首領の登場。ブルーキャット改めユニの加入と戦闘メインかと思いきや盛りだくさんな内容。新キャラはややもすると主人公との絡みが色濃くなる傾向があるんですが、ラストにみんなで迎え入れるシーンが挟まれることで一体感が醸成されています。思いのほかララがひかるの影響を受けているというか、持ち前の人懐っこさでひかるに次ぐ押せ押せキャラになっているのと、脇を固めるえれなとまどか、そしてプルンス、と誰も置いてきぼりになってないのが地味に秀逸。点と点を結んで一つの形になる、こんなところにも本作の姿勢が表れていると思います。
たびたび繰り返しているように本作はリアルタイムで成長していく主人公達の姿、姿勢、考え方、感じ方を軸にしています。イマジネーションそれ自体は実は重要ではありません。それと共に変化していく彼女達に意味がある。敵の言葉からも学び取るひかるはまさに本作の主題を体現しています。この点でトゥインクルは明晰な物語だと思います。主人公側が単に決まった主張を繰り返すのではなくその時々で感じたこと、考えたことを自分の言葉で表現する。これ、実はプリキュア的には珍しいです。どうしても目標設定や標語が出てきてしまうので例えば希望とか未来とか愛とかそういうものを主張しがちなんですが、トゥインクルはこの子頭いいな、頭の良さで勝ってるな、みたいなとこあります。そのように感じるのは本作が一貫して「今この瞬間にも成長する子ども」の姿を描いているからです。
目標があってそれに近づいていくとか、過去を清算していくのとはまた違った流動的で自由な成長、それを支えるのは子ども達のイマジネーションなのだ、という本作のテーマですね。
①アイワーンは考えるのをやめた
開幕何の前振りもなく変身シーンから。展開の都合上、変身シーンを入れられないんだったら頭に入れればいいじゃない。
キュアコスモさんキラやばです。
はいはい、板岡板岡。絵柄わかりやすい。ちなみに演出座古、脚本村山というお前ら映画でも作るのか布陣。新キャラのプロモーションなだけはある。ちなみにトゥインクルの映画はダブル田中だそうです。その布陣前にも見たぞ。
語尾に「ニャン」が付いたりしなかったりするのはお郷の言葉がでちゃう的なやつなのかなとも思うんですが、如何せん「ニャン」自体が色々使われているせいで「可愛い」というより「可愛く見せたい」感の方が強く感じるのは私だけだろうか。子ども的には真似しやすくてわかりやすいんですけどね。ニャンニャン言われてもメイド服着てオムレツにハート描いてるイメージしかねーぞ(偏見)。それに比べて「ルン」の自然さよ。「ルン」だけで感情表現できるララちゃんこそ本物。
掌底というよりは猫パンチをお見舞い。補正値MAXなので軽く一捻り。
両陣営のギャラリーの反応は対照的。
ここで物言いが入ります。ダークネスト様の顔見せ。そういえばひかる達はこの人知りませんでした。首領を中心に整然と並ぶノットレイダー強そう。今回は直接アイワーンを乗取っての参戦。
コスモは以前のやり取りを思い出します。アイワーンはスーツに代わるものとしてダークペンを開発。アイワーンは番組登場からペンを使っているのでスーツがどんなものかわかりませんが、アイアンマン的なやつですかね。ここでヘイト管理。ダークペンは想像力を塗りつぶすけど人格までは奪わない。ある程度プリキュアの声が届くのもそういうこと。けどダークネストは人格まで奪ってしまうのでアイワーンより悪党。これで上位互換成立。
それを見たひかるは「助けてあげないと」とつぶやきます。目の前で頭を抱えて苦しむアイワーン。意思を固めます。つい先程まで敵だった相手すら助けたいと言い出す彼女にコスモは呆れます。しかし一貫している。ひかる達も変身。
プリキュアが揃うとノットレイダーも全力。ノットレイ達も強化を受けて総力戦。
カッパードが火蓋を切ると両者入り乱れての戦闘開始。セレーネとミルキーは範囲攻撃。ソレイユは格闘から入って必殺技の連携で雑魚処理を進めていきます。とはいえ強化を受けたノットレイはほぼゾンビ状態。ということで雑魚処理は当面この3人が担当。コスモは引き続きアイワーンのお相手。
スターはカッパードとタイマン。なんだかんだ言っても直接戦うカッパードは幹部の貫禄がある。ダークペンを取り出すと、クマリン星でのミスが後を引いているとスターを糾弾。挑発によって冷静さを欠いたところをさらに攻める。狡猾です。
ところがスターは冷静さを欠くどころかより明晰に。彼女の瞳はアイワーンに向けられています。スターパンチでカッパードを退けるとペンを回収。膝をつくカッパード。肉体的ダメージより精神的ダメージの方が大きそう。
スターはコスモに加勢。ペンを二度見するのちょっと面白い。敵の狙いもペンにあるので仕掛けてきます。これを避けるとダブルでカカト落とし。助ける(物理)は基本。
アイワーンの反応が遅い、無駄な考えは捨てろと支配力を強めるダークネスト。想像力(イメジネーション)が是としてあるので、その対置として思考停止を持ってきたようです。確かに宇宙支配を目論むノットレイダーとキラやば~な主人公は対照的とは言いがたい。物語中盤で論点整理が図られています。同じ土俵に立てるようにしたという方が適切かもしれませんが。宇宙規模の敵と女子中学生の足並みを揃えないと話が噛み合いません。
支配力が増すとアイワーンに力が漲っていきますが、それに比例して本体はもがき苦しみます。ヘイト管理バッチリ。いたたまれず制止の声をあげるスター。
おひつじ座スターパンチを繰り出すも有効打を与えられません。プリンセスの力(笑) そりゃトイレの電球に使われますわ(未遂)。
そんなあなたに新商品。CMに遠慮のえの字もないの流石だわ。
②考え続ける先に
力を増したアイワーンに圧倒されるスターとコスモ。ミルキー達もふたりに加勢したいところですが雑魚が捌ききれません。こちらも戦闘力が上がっている様子。セレーネの蹴りって珍しい気がする。
ダークネスト本人はまだ完全復活していないので代わりにカッパードが説明。
「見よ、あの姿を! 一切の思考を止め、圧倒的な力を得たヤツを!」
この人も星を追われたクチなので、その力に魅せられたといったところでしょうか。しかしその力を得たアイワーン自身は意識を失っています。そんなの本人が望んでないだろ!とコスモ。
「思考を止めたって…何も考えないってこと?」
「前、言ってたじゃん!」
「私には想像力がないって、言ってたけど!」
「今、目の前にいるあなたが! どんなに苦しんでいるかはわかるよ!」
こういう切り返しができるところにトゥインクルの地頭の良さ、知性が見えてきます。これは非常に良い示唆で、自分達の境遇を訴えた幹部が思考停止に陥るという矛盾を通して幹部は首領よりもプリキュア側との方が実は距離が近いこと、ひかる自身が自分の経験を糧にしていることが見て取れます。本作のイマジネーションはひかるのように想像力豊かで好奇心旺盛なこと、11話で言及されたように予期しなかったことを実現する力もそうだし、キチンと考えられることも含まれます。つまり、感受性があって共感性があって頭がいい。理想的な子どもです。本作が優れているのはこうした理想を自然な形で表出していることです。成長しながら自分のイマジネーションを証明していく。こうした点でも本作の姿勢がよくわかります。子どもの成長そのものがまさに善(全)なのである、というスタンス。彼女達が経験し成長する中に必要なものは全部ある。
単身挑むも返り討ち。
気持ちだけでは勝てん、とカッパード。スターに言ってるのでしょうが、手段は選んでいられないという自身の表明にも聞こえます。
振り下ろされる拳。それを見るスターの表情が一瞬悔しそうな、弱さが感じられるように見えるのが良い意味でこの子のチグハグさが出ていると思います。この子は頑ななところがあって自分から友達作りにいくくせにそれを壊そうとしたり、テンションの浮き沈みも激しいんですが、どこかそういう脆さ、自分一人で完結しない、できない、そうした未熟さを持っているのが特徴ですね。だからこの意味で彼女もまた「点」です。人を繋ぎ合わせる力を持っていても。
というわけで、コスモさんが今週も伝統芸を披露。
アイワーンは許せない。でもアイワーンを乗取って自由を奪うあなたはもっと許せない。ヘイト移管完了。
③レインボーパフューム税込み5,378円+α
勝てないなら課金すればいいじゃない。新商品のお時間です。
この新商品、ペンとも互換性があってむしろペン必須の商品。先程は毛の生えたパンチしかできなかったおひつじ座にワンチャン。出だしのイントロとポーズがかっこいい。コスモの必殺バンク。
「レインボーパフューム! いくニャン!」
「おひつじ座! くるくるチャージ!」
特撮の方もそうだけど回すの好きだよね。プリズムがスポットライト当ててるのちょっと面白い。そのうちファンネル的に使いそう。田中あたりが。構図的にはサザンクロスショットと同じ射撃。
「プリキュア! レインボースプラッシュ!」
やっぱりこの子はおしゃまなイメージを押し出してますね。
④虹の星へ
アイワーンが目を覚ますと目の前にはコスモ。変身を見ていないので語尾で正体に気づきます。あくまでバケニャーンとして怒りを覚えるアイワーン。ペン取られたりスパイ雇ったりとマジで立場なさそう。しれっと宇宙船をパクります。カッパードさんが仕事してないクセにかっこだけはつけるの流石です。
復活の儀式。
本物のスタープリンセスを前にして息を呑むブルーキャット。何しろ何か凄いパワーで願いが叶えられる人達です。その割にダークネストにボコられてましたが。……ほんとに大丈夫なの? この人達。
レインボー星は元に戻るのかと単刀直入に尋ねます。星とフワの力があれば宇宙に平穏が訪れる。……で、戻るの? 聞きたいのはそこなんですけど。この人もしかして話し通じない人? 見かねたのかおうし座の人がやってくるとイマジネーションの力が集まれば奇蹟が起こる。必ず星も戻ると断言。良かった話が通じる人がいて。この人たちぜってー普段は人生ゲームとかで遊んでると思うんだよね。ピザどこ頼む? ピザハット? ピザーラでしょ? あたしドミノ派。みたいな会話してるって、絶対。だって危機感ないもん。
復活の見通しが立って何故か本人以上に喜ぶひかる。ここのまどかさんの表情が可愛いんだけど、なんかジワる。
レインボー星に戻ってくると、オリーフィオの石像の前へ。
私達はみんなオリーフィオの子。オリーフィオは私達の父であり母でもある。意味深なことを言うブルーキャット。そして私自身でもある。私達は一つ。彼女の話はまだまだありそうな予感。なんだか哲学的とまどか。要するに話が見えません。家族ってこと?とひかるが要約。否定はしません。
一緒に地球に行こうと誘います。ペンを集めるのは共通の目的なので利害は一致しています。「お構いなく!」。ララの表情。高性能レーダー手に入れたから一人でも大丈夫。ちゃっかりしています。つまんない、行こうよーと手を引っ張るひかる。宇宙船あるの? アイワーングッジョブ。一緒にいた方が効率的、フワのワープもあると利点を挙げるララ。他に手もなくしぶしぶ納得するブルーキャット。
一方その頃、敵のアジトではいよいよ首領のお披露目。
妖怪軍団を統べるボスはどんな格好なのか気になるところです。じゃじゃーん、コブラ。んー、んー? どういう繋がり?
総統にかしずくノットレイダー軍。その力に感服するテンジョウの隣でカッパードは期待を膨らませます。完全復活はまだ果たされていない。そのためにもプリンセスの力が必要。
帰路の途中、パフュームを見たひかるが使ってみたいと興味を示します。
香水は変化が未熟な者を補助するための道具。これ自体で変化しているわけではない。が、「未熟」とうっかり口を滑らせてしまいます。尻尾と耳が出ているのは未熟な証。
おやつタイム。プルンスがドーナツを振る舞います。呑気におやつを食べる一同を見てため息をつくブルーキャット。離れていく故郷を見つめながら感傷に浸ります。
そんな彼女にドーナツを差し出すプルンス。マオさんに食べてもらいたいってずっと言っていたとまどかが補足。マオ=ブルーキャットに一番私情があったのは彼。一口食べると「美味しい」と言葉を漏らします。そりゃ1個10億ですから。当然、としたり顔のプルンス。彼としてはこれで水に流すということなのでしょう。元々彼個人の話ではあるんですが。
「ブルーキャットじゃなくてユニよ」
「私の名前」
「えっ、ユニちゃんっていうの?」
「ユニの方が効率的ルン」
「効率的だね」
「効率的ですね」
「ユニでいいわ」
この流れ好き。
「うん。じゃあユニ、よろしくね♪」
虹色の星から虹のかかる星へ。新たな仲間を加えて戻ってきます。
⑤次回予告
ED変更。相変わらず時代を感じる。
星奈家自重しろ。
○トピック
パッと見わかりにくいけど来週から半袖。
キュアコスモ回だと思った? ざ~ねん、キュアスター回でした!
イマジネーションを持つこと、すなわち考え続けること(変化していくこと)を是とするプリキュアと、敵首領の登場。ブルーキャット改めユニの加入と戦闘メインかと思いきや盛りだくさんな内容。新キャラはややもすると主人公との絡みが色濃くなる傾向があるんですが、ラストにみんなで迎え入れるシーンが挟まれることで一体感が醸成されています。思いのほかララがひかるの影響を受けているというか、持ち前の人懐っこさでひかるに次ぐ押せ押せキャラになっているのと、脇を固めるえれなとまどか、そしてプルンス、と誰も置いてきぼりになってないのが地味に秀逸。点と点を結んで一つの形になる、こんなところにも本作の姿勢が表れていると思います。
たびたび繰り返しているように本作はリアルタイムで成長していく主人公達の姿、姿勢、考え方、感じ方を軸にしています。イマジネーションそれ自体は実は重要ではありません。それと共に変化していく彼女達に意味がある。敵の言葉からも学び取るひかるはまさに本作の主題を体現しています。この点でトゥインクルは明晰な物語だと思います。主人公側が単に決まった主張を繰り返すのではなくその時々で感じたこと、考えたことを自分の言葉で表現する。これ、実はプリキュア的には珍しいです。どうしても目標設定や標語が出てきてしまうので例えば希望とか未来とか愛とかそういうものを主張しがちなんですが、トゥインクルはこの子頭いいな、頭の良さで勝ってるな、みたいなとこあります。そのように感じるのは本作が一貫して「今この瞬間にも成長する子ども」の姿を描いているからです。
目標があってそれに近づいていくとか、過去を清算していくのとはまた違った流動的で自由な成長、それを支えるのは子ども達のイマジネーションなのだ、という本作のテーマですね。