カテゴリー [ 魔法つかいプリキュア! ]
- ・最終回「キュアップ・ラパパ!未来もいい日になあれ!!」
- ・第49話「さよなら…魔法つかい!奇跡の魔法よ、もう一度!」
- ・第48話「終わりなき混沌!デウスマストの世界!!」
- ・第47話「それぞれの願い!明日はどっちだー?」
- ・第46話「魔法のクリスマス!みらい、サンタになる!?」
- ・第45話「想いは時を超えて…!友情のかたち!」
- ・第44話「モフルン大奮闘!みんな子供になっちゃった!?」
- ・第43話「いざ妖精の里へ!あかされる魔法界のヒミツ!」
- ・第42話「チクルンにとどけ!想いをのせた魔法のプリン!」
- ・第41話「ジュエリーな毎日!魔法学校へ放課後留学!」
- ・第40話「愛情いっぱいのおめでとう!リコの誕生日!」
- ・「映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!」
- ・第39話「今日はハロウィン!み~んな笑顔になぁれ!」
- ・第38話「甘い?甘くない?魔法のかぼちゃ祭り!」
- ・第37話「魔法が決め手?冷凍みかんのレシピ!」
- ・第36話「みらいとモフルン、ときどきチクルン!って誰!?」
- ・第35話「生徒会長総選挙!リコに清き一票を!」
- ・第34話「ドキドキ!初恋の味はイチゴメロンパン!?」
- ・第33話「すれ違う想い!父と娘のビミョ~な1日!」
- ・第32話「ワクワクいっぱい!はーちゃんの学校生活!」
- ・第31話「結晶する想い!虹色のアレキサンドライト!!」
- ・第30話「魔法の自由研究!が、終わらな~い!?」
- ・第29話「新たな魔法の物語!主役はモフデレラ!」
- ・第28話「魔法界の夏祭り!花火よ、たかくあがれ!」
- ・第27話「Let'sエンジョイ!魔法学校の夏休み!」
- ・第26話「想いはみんな一緒!はーちゃんのクッキー」
- ・第25話「夏だ!海だ!大はしゃぎ!かき氷が食べた~いっ!」
- ・第24話「ワクワクリフォーム!はーちゃんのお部屋づくり!」
- ・第23話「これからもよろしく!おかえり、はーちゃん!」
- ・第22話「芽生える新たな伝説!キュアフェリーチェ誕生!」
最終回「キュアップ・ラパパ!未来もいい日になあれ!!」
○物語は今日も明日も続く
①最終回です
久々に再会したみらい達は口を揃えてイチゴメロンパンをリクエスト。
童心にかえったのかあの頃のようにはしゃぐみらい。はーちゃんがそれに続くとリコも後を追います。このワンシーンだけで昔のカンを取り戻してることがわかります。
例の猫は親猫になったようです。4年くらい過ぎてるんで当然ですが。
イチゴメロンパンを大人買い。新しいバリエーションにクリーム乗せもあるとみらい。昨日も聞いたと返すリコ。……もしかしてこの子ら前回から徹夜でしゃべってんの? 「みらいずっとしゃべりっぱなしだからね」。マジかよ。
リコに話を振ると、この春から学校の先生になったと答えます。そう言われると格好も何かそれっぽい。立派に先生してるイメージ映像が流れます。そこは失敗しようぜ。リコの名誉のために。早速「リコ先生魔法を教えて下さ~い!」とおちゃらけるみらい。彼女はまだ学生なので立場的にはリコの方が先行ってる感じですね。みらいから見た時にリコが先を進んでいる(と思える)のは物語当初からそうで、まだモラトリアムがある大学生と、実務に携わっている先生とで差があるのも反復になっています。後述するようにみらいはまだ明確な手段を見つけていませんが、それでも進む方向は見えています。変わっていないようで変わっている。1話からほぼ5年近くの歳月が流れているこの最終回はそうした変化、成長が至る所で垣間見えます。
あることを思いつくはーちゃん。あ、この顔はカオスなこと企んでる。
「キュアップ・ラパパ! イチゴメロンパン!」
最終回特別変身シーン。女子大生みらいさんの成長ぶり。グッジョブはーちゃん! 神と言わざるを得ない。
大人から子どもに逆戻り。魔法学校の制服を着て自己紹介。
OPが始まります。映像的にも地続きな自然な入り。
はーちゃんの魔法で中学生の姿に。マジかよ、この魔法があればありとあらゆる年齢のみらいとリコが見られるとか最強すぎだろ。本人は魔法とか言い張ってるけど、絶対それ神の領域だと思うぞ。ちなみにはーちゃんは今、魔法界とナシマホウ界のはるか向こう側からあまねく生命が笑顔になりますようにってお祈りしているそうです。要するに宇宙規模の箱庭経営でしょうか。ラパーパさんって地球の神だったと思うんですが、ランク上がってますね。
「すごい! そうなんだ」
「きっと、とっても大切なことをしているのね」
絶対わかってない。わかりようがない。
話を戻してイチゴメロンパンを……と思った途端強風。ドクロクシー人形みたいなのが現れてイチゴメロンパンとはーちゃんの杖を飲み込んでしまいます。呆気にとられているとどっかへ行ってしまいます。後を追ってワープゾーンへ。
②本当に最終回なんです
辿りついた場所は魔法界、魔法学校。
学校の食堂で次々と食べ物を吸い込んでいくドクロクシー人形。教頭かわんね―な。アイザック先生退職してねーのかよ。リコの母とリズ先生も健在。相変わらずお美しい。さらりとソルシエールさんが映っていたり。
中学生の格好で食堂に入ってきたリコを見てふたりはびっくり。可愛い!とリリアさん。ホントに変わんねー人だな。人魚のドロシー・ナンシー・シシーがやってきます。飛べるようになって魔法学校に入学したらしい。危ないからと先生口調で注意するリコ。戸惑う三人。その背格好では生徒にしか見えないとツッコミを入れるリズ先生。リコと知った人魚達は可愛い~!と取り囲みます。
「教師としての威厳が…」
このアニメ1年見続けてきましたが、リコの威厳ある姿を見た覚えがない。
遅れてやってくるみらいとはーちゃん。久しぶりと人魚達と再会。彼女達が魔法学校に入ったのはリコがキッカケ。魔法学校に来れば他の動物(種族)とも交流があると説いたようです。プリキュアとして活動したあの1年の経験が役に立ったようで、この後もそうですがリコは顔が広く人望があります。見た目と口調は昔のまんまですが、実際はかなりデキる人になっている模様。まったくそんな風に見えないところがリコなのですが。
事情を説明。
話を聞いた校長は災いが起きたのかと思ったと言います。また占いが出たらしい。世界を大きく変えようとするとてつもない力が目覚めようとしている。あ、それはーちゃんのことだ(確信)。プリキュアも再来。
とりあえず安心した校長は自分も(若返りを)やってもらいたいと暢気に言います。あんた自分の魔法で十分だろ。
変なのに杖を食べられてしまいましたが、あれは何? ドクロクシー様の忘れ形見。天井から声が聞えてきます。
「バッティ君! 校長室の天井にぶら下がってはいけません!」
みらいが驚いている横で、リコに頭を下げて詫びるバッティ。なんだこのシュールな光景。リコは「はい」と頷いてからみらいに紹介。新しい目標を探して悩んでいたから誘ったようです。厳粛な口調で話すバッティ。この人は猛烈社員系というか、目標が見つかればそこに邁進するタイプなようなので今はリコに師事してるっぽい。この後もヤモーに貸しを作るし、何気に闇の魔法一派勢力を取り込んでるリコさんマジすごい。校長交代もありえる。
「すごい! すごいよリコ!」
「それほどでもないわよ(満面)」
超顔に出ててわかりやすい。
校長はバッティに先を促します。
ドクロクシー様は甘い物がとてもお好きでした。何その唐突な設定。クシィもそうじゃったからのう。いや確かにその映像あったけどさ。中ボスの威厳ってものがあるだろ。ところがある日虫歯になってしまったのです。真面目な声で言うな。ヤモーは抜きましたが。これ最終回だよね?
おそらくあの者は虫歯より生まれし者。
その形容嬉しくないなぁ。
そんなわけでスイーツを求めて暴れているのでしょうと解説。では「闇」とは?
×闇
○yummy
ピンとこないリコ。英語で美味しいって意味とみらいが説明。この辺はみらいの分野。
それなら奴の次の狙いは商店街ではないか。当たりをつけます。そのままの成り行きで3人に仕事を頼む校長。まったくもって完全完璧に平常運転。
商店街では案の定ヤミーが暴れ回っています。ちなみに一瞬ですがクマタが映っています。商店街の人&ロレッタ先生。ほんとにオールスターというか同窓会。日常風景として人々の姿を描く。世界の危機はとうに過ぎました。
水晶を使って連絡網を張っていたため現地に着くとすぐにリアンから情報をもらえます。
広場でヤミーと対面。みらい達の後ろからガメッツ(本体)が忍び寄ります。まだやる気らしい。校長室ではスパルダ(本体)がクシィの本を狙います。まだ諦めてないらしい。水晶に映ったヤミーを見たヤモー(本体)はかつての主を思い出して復活。その魔法書危険なんじゃないの? ちゃんと管理してよ校長。リアクションに危機感が見られません。復活したヤモーは脇目もふらずヤミーの元へ。
広場に出現するヤモー。ドクロクシー(ヤミー)との再会を喜びます。デフォルメが過ぎて本来の姿と似ても似つかない気がしますがヤモー的には問題ないらしい。
またどこかへ行ってしまうヤミー。みんなで後を追います。ガメッツさんは留守番。
③来週もプリキュアやるけど魔法つかいプリキュア!は最終回なんです
ナシマホウ界に帰ってきます。
甘い匂いを辿ると、あからさまに目立つお菓子屋を発見。本当にやりやがったこのアニメ。店から勢いよく店員が飛びだすと特製スイーツはいかが?と案内。どうやら被害には遭っていないようです。
特製スイーツと聞いたみらいはヤミーのことは忘れて店に入ります。いや、これは仕事前の腹ごしらえ。別に道草食ってるわけではない。実際お腹も空いています。そういえばイチゴメロンパン食べ損ねてる。店員は何か閃くと調理を始めます。
何か割れる音。
何事も無かったようにスイーツを持ってきます。大丈夫なのそれ? 破片とか入ってない?
出されたのはモフルンをあしらったケーキ。紅茶を淹れると戻る店員。食べるのが勿体ないと躊躇しているリコの横ではーちゃんは躊躇なく口に入れます。みらいもモフルンも食べているのでリコも気後れしながら……店員が紅茶を持ってくる頃には食べ終わります。
「食べるの早っ!」
お礼を言うみらい。イチゴメロンパンと同じくらい美味しかった。それは褒めているのか? イチゴメロンパンのコストパフォーマンス高過ぎじゃないですかね?
思い出のスイーツを語るみらい。見た目は中学生ですが中身は大学生。食べ物にもそれなりの背景や歴史があります。このアニメの代表的な食べ物は?と聞かれたら冷凍みかんと答えちゃいますが。
それを聞いた店員も感化されると自分も食べた人が元気になるスイーツを作りたいと瞳を輝かせながら言います。一目で元気が出て、食べてまた元気が出た、また食べたいと彼女を労います。
彼女の名は宇佐美いちか。
また会いましょう。具体的には3月に。
空を飛んで捜索再開。
大人びた表情でみらいは出会いっていいよねと口を開きます。自分に目標ができたのもみんなのおかげ。ワクワクの出会いがあったから色んな所に行って色んな人に出会いたいと思った。その言葉に頷くリコ。彼女もまた立派な魔法つかいとは何か見つけられたようです。立派な魔法とは人と人を繋ぐもの。彼女達はもはや夢を語る少女ではありません。その夢を現実にする大人としています。本作はシリーズでも最も射程の長い物語になったと思います。大人になること。大人になってできたこと。そしてこれから。ようやくナシマホウ界と魔法界が再び接近できたところですが、これから先互いにちゃんとした交流が行われるかもしれません。みらいとリコが再会を果たしたように、魔法の恩恵がナシマホウ界に降り注いだように、人も世界も変わっていく。それは出会いから始まる。そうこの物語は語ります。
隠れ蓑を使ってイチゴメロンパン屋に張り込み。
イチゴメロンパンを抱えた女の子の鞄からぬいぐるみが落ちてしまいます。それを拾おうとしたみらいはしかし止まります。「落ちたよ」と呼び止める女の子。ぬいぐるみを拾い上げると手渡します。その光景に和んでいるとヤミーとヤモーが出現。
幼女をカツアゲするかつての闇の組織。何という卑劣。なんというスケールの小ささ。平常運転です。
そうはさせないとみらい達が立ちはだかります。
吸引力を上げるとチクルンが吸い込まれていきます。あ、居たの。ギリギリのところでみらいが魔法を使って救出。どさくさに紛れてはーちゃんの杖を回収。チクルン有能。
「スイーツはみんな大好き!」
「それを独り占めするなんて」
「そんなのダメモフ!」
「イチゴメロンパンの恨みは~」
「恐ろしいのよ!」
最終回でも平常運転。これこそが
「魔法つかいプリキュア!」
久しぶりの変身なのでちょっと嬉しいふたり。あ~やっぱミラクルちゃん美少女すぎる。
ノーコメントのヤモー。なんか言えよ。ヤミーもスイーツ以外は興味ないようです。
またどっかに行こうとします。それを捕縛する謎の光。ヤミーが地面に突っ伏したのを見て超慌てるヤモー。お前ほんとにドクロクシーにしか興味ねーな。
謎のプリキュア。うわ、本当にやりやがったよこのアニメ。
そして最終回でも神御用達のピンクトルマリン。
ダイヤモンド・エターナルの必殺技バンク入ります。思い返せば1話が「あっちへ行きなさい!」で2話がダイヤでした。最初に戻りつつもあらゆるものが変わっている。そう実感する最終回です。
ヤミーの虫歯を治療。これでスイーツをちゃんと味わえる。意識を取り戻したヤミーはスイーツを所望。それならとチクルンは蜂蜜をあげます。口にしたヤミーは「ヤミー!(美味しい)」とニッコリ。それを見たヤモーは涙を浮かべて喜びます。
一件落着。するとリコは彼らも魔法学校に誘います。自分の主はドクロクシー様のみと頑ななヤモー。だがまた会うこともあるかもしれない。その日までオボエテーロ。この世界からまた一つ脅威は消え去ります。いちかもまた本来の場所へ。
④人と世界を結ぶ魔法
ようやくイチゴメロンパンにありつけます。
リコとはーちゃんにとっては懐かしい味。騒々しい再会となりましたが、魔法界に行けて楽しかったとみらい。こっちに来るの大変だったとリコ。彼女だってみらいに会いたかったでしょう。
一度縁は離れてしまいましたが、またみんなと一緒に仲良しの繋がりを広げたいと話すみらい。簡単にいいやがる、とチクルン。それが簡単でないことはこの物語が語っています。しかし同時に不可能でないともこの物語は語ります。
前のベンチでは、先ほどの女の子達が一緒にイチゴメロンパンを食べます。偶然と意思が縁を結ぶ。みらいとリコは彼女達に勇気づけられます。はーちゃんの笑顔が女神っぽく見える。これからもみらいとリコの助けになりたいと彼女は願い続けるでしょう。
「私!みんながもっと仲良くできるようにしたい!」
「じゃあ私は魔法界とナシマホウ界が前みたいに近くなるよう頑張る!」
強大な力が生まれつつあると水晶さんが慌てます。
「じゃあ私は魔法界のみんなをもっと纏めるために校長先生になるわ!」
新たな校長が生まれつつあると聞いた校長は大慌て。
ヤモーとヤミーは校長室に来ると冷凍みかんを食べます。魔法学校に来てんじゃねーか。
まだ続きがあると水晶さん。
みんなに伝えに行こう。冷凍みかんが再びキャリッジに。元に戻るの忘れてるだろ、と冷静なツッコミを入れるチクルン。残念ながらこのアニメ、ボケ倒しなんだ。
空駆ける馬車を見上げるお婆ちゃん。楽しそう。娘夫婦に笑いかけます。
学校を通り過ぎると、商店街を歩くまゆみと勝木さんにイチゴメロンパンをプレゼント。魔法の馬車が通り過ぎていきます。ゆうとと壮太にもプレゼント。
エミリーとケイはナシマホウ界のファッションショーを見学。ジュンはニューヨーク(自由の女神像)に降り立ちます。
みんなにプレゼントを配り終えたみらい達は自分達も負けてられないと張り切ります。
私の占いでもこの先どうなるか見えないと諦めたように話す水晶さん。あの子達相手にして先読める奴なんていない。机の上にはイチゴメロンパンと冷凍みかん。二つの世界の二つのスイーツ。
読めないけど、一つだけわかることがある。
「彼女達の未来は光り輝いておる」
彼の後ろに立つのはおそらくクシィ。全ての人に縁と祝福を。
キュアップ・ラパパ! 今日もいい日になぁれ!
○トピック
世界に翻弄されることもあったみらい達ですが、今度は彼女達が世界を翻弄する番。
けれどもこれは別の物語。いつかまた、別の時に話すことにしよう。
シリーズ13年目、11代目魔法つかいプリキュア!はひとまずここまで。
まるで来週もしれっとやってそうな平常運転。これこそが魔法つかいプリキュアなのだと納得の最終回です。画竜点睛とはこのこと。世界を救っても、親友と感動の再会を果たしても日常は続く。物語は続く。これまでも、これからもワクワクは続く。そのことを最後まで描いた物語でした。
感想これで締めてもいいなって思えるスッキリ感なんですが、一応総括はしたいので蛇足とは思いつつももうちょっとだけお付き合い下さい。
本作は終始一貫して子ども視点で描いた物語です。
みらいとリコの関係は仲の良い友達(お互いに一番大好きな友達)というのがしっくりきます。要するにとりたてて特別ではない。この物語のふたりの関係、友情は現実世界のそれに即しています。ふとしたキッカケで友達になる。でもその関係にはタイムリミットがある。夏休みが終わったら実家に帰える、卒業したら別々の学校に行く。偶然の出会い、必然の別れ。それを主題にしたのが本作です。
別れざるをえないことに対して、どう向き合うか。プリキュアで使われるのが「繋がっている」というフレーズです。私達は離れていても繋がっている、片時も忘れないというように。しかし実際にそれがどういうことなのか具体的に描かれたことはほとんどありませんでした。何故ならシリーズをとおしても友達と別れることが少数例であること、別れるとしても最終回のためその後が描かれない(あるいは間を置かず再会する)からです。その後が少しだけ描かれたプリンセスは自立志向だったので旅立つのが物語の帰結であり再会は物語に含まれません。
つまりプリキュアにおける「繋がっている」は有名無実でした。常に一緒にいるか、別れっぱなしか、そのどちらかしかない。
そのように考えた時に本作はとても誠実な態度を取ったと思います。友達と別れた後を正面から描いたからです。本作は魔法が出てくるファンタジーな世界に見えて実はこの部分、友達との関係や距離感はとても現実的です。涙ながらに再会を誓いあっても月日が経てばそれを思い出すことは少なくなり今の生活に慣れる。あれほど声高らかに「繋がっている!」と言い合ったのに。距離が離れ、時間が経ってしまえば心も離れてしまう。忘れてしまうわけではない。ただ今の生活に必要がないし不便もない。そんなありがちな、当たり前のことを描いたのです。まさにこのための魔法界とナシマホウ界の設定だったと思います。
「繋がっている」とは何なのか。連絡を取り合うことなのか、経験や思い出になることなのか、ただの美辞麗句なのか?
この物語を見たときにそれは『縁』なのだと思いました。みらいとリコの出会いは意思と偶然が重なり合ったときに起きている。みらいとリコが最初に出会ったのが偶然でありつつもそこにモフルンの願いがあったように、時を経てふたりが出会ったのもいくつもの偶然や意思があったから。この物語には人の意思が全てを実現するというような情熱や確信はありません。でも全く関係ないとも言わない。物語で描かれるのは意思と偶然とが混ざり合う縁でありそこから生まれる様々なもの。
私は『縁』と言うときにただの偶然だけでなく意思的なものも感じます。最初は偶然でも2度、3度続くならそこには何らかの意図が働いてその偶然をより結びやすくしているのだと。気分の問題と言えばそれまでですが。みらいとリコは互いに出会いを愛しました。その気持ちを何年経っても忘れなかった。会いたいと踏み出す意思がふたりを近づける。ここに人の意思と偶然の妙があります。人の縁は離れるが切れるわけではなく、再びたぐり寄せることもできる。人も世も揺れ動く。その揺らぎが人と人を近づけることもあれば遠ざけることもある。近づいた瞬間に手を伸ばせば届くかもしれない。人と人が結ぶ縁の不思議さ、唐突さ、面白さ、強さ。本作は出会いと縁を通して人と人の繋がりを描いています。
友達と出会い、色んなところへ行き、一緒に遊び、一緒に勉強して、一緒に冒険する。そのごく当たり前のことを通じて成長していく姿をこの物語は1年間ゆっくりと描きました。子どもは子どものままでちゃんと成長していける。見ること、聞くこと、知らない土地に行くこと、友達を作ること、その一つ一つが貴重でワクワクな体験。それを繰りかえしながら少しずつ世界を広げていく。彼女達は自ら成長し、理不尽な戦いには勇敢に立ち向かい、きたるべき時を涙と共に笑顔で受け入れました。そして時を経て再び巡り会う。その先にはまた新たな出会いとワクワクが広がっている。
正義の味方をやらなくても、誰かを救わなくても、夢を叶えなくても、子どもがただ遊んでいるだけでもプリキュアなのです。そこに強さと優しさがあることには変わらない。子どもの世界で何が起きているか。女の子が少女時代を経て大人になること。大人になって変わるもの。大人だからこそ持ち続けたいもの。本作の魔法とは願い。その願いが人と人を結びつけ、人生を変え、世界も変えていく。
彼女達の物語はそれを教えてくれます。視聴者として物語をとおして学び、教えてもらう以上の喜びはありません。この1年もまた素晴らしい出会いと体験でした。
番組が始まった当初は魔法つかいになってどこに行くんだ?と思ったものですが、終わってみればとてもプリキュアらしい、チャレンジングで意欲的な作品となりました。
無論この作風には大きな欠陥も含まれています。単純に言えばヒーローものなのにヒーローしない。戦闘に意味がない。そのためみらい達は戦いを通じて何かを得る事も、何者にもなりません。しかし何度もこの感想で述べてきたようにそれこそがプリキュアの文脈に則った正しいプリキュアの提示だと思います。
使命を取り払って女の子達を自由にする。前に進むためには過去すら否定する。プリキュアとは何か? 女子中学生(視聴者である未就学児童)に何ができるのか? 彼女達の視点でそれを問う。ヒーローものというフォーマットを壊してでも子ども達が子どもらしくあることを肯定し、その成長と未来を見せる。これまでのシリーズで描かれなかった部分を補い、その先を提示することで内在論理を深めていく。それができるのがプリキュアシリーズの強みであり醍醐味です。
改めて初代~プリンセスまでで一つの時代は終わったのだと実感します。敵がいなくても、困っている人がいなくても、夢がなくてもみらい達はちゃんとやってのけました。次のプリキュアはお菓子作るとか言い張っててもうどこに行きたいんだかさっぱりわからない。でもだからこそ、このシリーズは硬直することなく女の子達の前向きな姿を描けるのだと思います。これまでの歩みが魔法つかいを生んだのであり、そしてみらい達の成したことが次の世代へと継がれていく。そのことを強く感じます。
そういうわけで、来週もゴチになります。
①最終回です
久々に再会したみらい達は口を揃えてイチゴメロンパンをリクエスト。
童心にかえったのかあの頃のようにはしゃぐみらい。はーちゃんがそれに続くとリコも後を追います。このワンシーンだけで昔のカンを取り戻してることがわかります。
例の猫は親猫になったようです。4年くらい過ぎてるんで当然ですが。
イチゴメロンパンを大人買い。新しいバリエーションにクリーム乗せもあるとみらい。昨日も聞いたと返すリコ。……もしかしてこの子ら前回から徹夜でしゃべってんの? 「みらいずっとしゃべりっぱなしだからね」。マジかよ。
リコに話を振ると、この春から学校の先生になったと答えます。そう言われると格好も何かそれっぽい。立派に先生してるイメージ映像が流れます。そこは失敗しようぜ。リコの名誉のために。早速「リコ先生魔法を教えて下さ~い!」とおちゃらけるみらい。彼女はまだ学生なので立場的にはリコの方が先行ってる感じですね。みらいから見た時にリコが先を進んでいる(と思える)のは物語当初からそうで、まだモラトリアムがある大学生と、実務に携わっている先生とで差があるのも反復になっています。後述するようにみらいはまだ明確な手段を見つけていませんが、それでも進む方向は見えています。変わっていないようで変わっている。1話からほぼ5年近くの歳月が流れているこの最終回はそうした変化、成長が至る所で垣間見えます。
あることを思いつくはーちゃん。あ、この顔はカオスなこと企んでる。
「キュアップ・ラパパ! イチゴメロンパン!」
最終回特別変身シーン。女子大生みらいさんの成長ぶり。グッジョブはーちゃん! 神と言わざるを得ない。
大人から子どもに逆戻り。魔法学校の制服を着て自己紹介。
OPが始まります。映像的にも地続きな自然な入り。
はーちゃんの魔法で中学生の姿に。マジかよ、この魔法があればありとあらゆる年齢のみらいとリコが見られるとか最強すぎだろ。本人は魔法とか言い張ってるけど、絶対それ神の領域だと思うぞ。ちなみにはーちゃんは今、魔法界とナシマホウ界のはるか向こう側からあまねく生命が笑顔になりますようにってお祈りしているそうです。要するに宇宙規模の箱庭経営でしょうか。ラパーパさんって地球の神だったと思うんですが、ランク上がってますね。
「すごい! そうなんだ」
「きっと、とっても大切なことをしているのね」
絶対わかってない。わかりようがない。
話を戻してイチゴメロンパンを……と思った途端強風。ドクロクシー人形みたいなのが現れてイチゴメロンパンとはーちゃんの杖を飲み込んでしまいます。呆気にとられているとどっかへ行ってしまいます。後を追ってワープゾーンへ。
②本当に最終回なんです
辿りついた場所は魔法界、魔法学校。
学校の食堂で次々と食べ物を吸い込んでいくドクロクシー人形。教頭かわんね―な。アイザック先生退職してねーのかよ。リコの母とリズ先生も健在。相変わらずお美しい。さらりとソルシエールさんが映っていたり。
中学生の格好で食堂に入ってきたリコを見てふたりはびっくり。可愛い!とリリアさん。ホントに変わんねー人だな。人魚のドロシー・ナンシー・シシーがやってきます。飛べるようになって魔法学校に入学したらしい。危ないからと先生口調で注意するリコ。戸惑う三人。その背格好では生徒にしか見えないとツッコミを入れるリズ先生。リコと知った人魚達は可愛い~!と取り囲みます。
「教師としての威厳が…」
このアニメ1年見続けてきましたが、リコの威厳ある姿を見た覚えがない。
遅れてやってくるみらいとはーちゃん。久しぶりと人魚達と再会。彼女達が魔法学校に入ったのはリコがキッカケ。魔法学校に来れば他の動物(種族)とも交流があると説いたようです。プリキュアとして活動したあの1年の経験が役に立ったようで、この後もそうですがリコは顔が広く人望があります。見た目と口調は昔のまんまですが、実際はかなりデキる人になっている模様。まったくそんな風に見えないところがリコなのですが。
事情を説明。
話を聞いた校長は災いが起きたのかと思ったと言います。また占いが出たらしい。世界を大きく変えようとするとてつもない力が目覚めようとしている。あ、それはーちゃんのことだ(確信)。プリキュアも再来。
とりあえず安心した校長は自分も(若返りを)やってもらいたいと暢気に言います。あんた自分の魔法で十分だろ。
変なのに杖を食べられてしまいましたが、あれは何? ドクロクシー様の忘れ形見。天井から声が聞えてきます。
「バッティ君! 校長室の天井にぶら下がってはいけません!」
みらいが驚いている横で、リコに頭を下げて詫びるバッティ。なんだこのシュールな光景。リコは「はい」と頷いてからみらいに紹介。新しい目標を探して悩んでいたから誘ったようです。厳粛な口調で話すバッティ。この人は猛烈社員系というか、目標が見つかればそこに邁進するタイプなようなので今はリコに師事してるっぽい。この後もヤモーに貸しを作るし、何気に闇の魔法一派勢力を取り込んでるリコさんマジすごい。校長交代もありえる。
「すごい! すごいよリコ!」
「それほどでもないわよ(満面)」
超顔に出ててわかりやすい。
校長はバッティに先を促します。
ドクロクシー様は甘い物がとてもお好きでした。何その唐突な設定。クシィもそうじゃったからのう。いや確かにその映像あったけどさ。中ボスの威厳ってものがあるだろ。ところがある日虫歯になってしまったのです。真面目な声で言うな。ヤモーは抜きましたが。これ最終回だよね?
おそらくあの者は虫歯より生まれし者。
その形容嬉しくないなぁ。
そんなわけでスイーツを求めて暴れているのでしょうと解説。では「闇」とは?
×闇
○yummy
ピンとこないリコ。英語で美味しいって意味とみらいが説明。この辺はみらいの分野。
それなら奴の次の狙いは商店街ではないか。当たりをつけます。そのままの成り行きで3人に仕事を頼む校長。まったくもって完全完璧に平常運転。
商店街では案の定ヤミーが暴れ回っています。ちなみに一瞬ですがクマタが映っています。商店街の人&ロレッタ先生。ほんとにオールスターというか同窓会。日常風景として人々の姿を描く。世界の危機はとうに過ぎました。
水晶を使って連絡網を張っていたため現地に着くとすぐにリアンから情報をもらえます。
広場でヤミーと対面。みらい達の後ろからガメッツ(本体)が忍び寄ります。まだやる気らしい。校長室ではスパルダ(本体)がクシィの本を狙います。まだ諦めてないらしい。水晶に映ったヤミーを見たヤモー(本体)はかつての主を思い出して復活。その魔法書危険なんじゃないの? ちゃんと管理してよ校長。リアクションに危機感が見られません。復活したヤモーは脇目もふらずヤミーの元へ。
広場に出現するヤモー。ドクロクシー(ヤミー)との再会を喜びます。デフォルメが過ぎて本来の姿と似ても似つかない気がしますがヤモー的には問題ないらしい。
またどこかへ行ってしまうヤミー。みんなで後を追います。ガメッツさんは留守番。
③来週もプリキュアやるけど魔法つかいプリキュア!は最終回なんです
ナシマホウ界に帰ってきます。
甘い匂いを辿ると、あからさまに目立つお菓子屋を発見。本当にやりやがったこのアニメ。店から勢いよく店員が飛びだすと特製スイーツはいかが?と案内。どうやら被害には遭っていないようです。
特製スイーツと聞いたみらいはヤミーのことは忘れて店に入ります。いや、これは仕事前の腹ごしらえ。別に道草食ってるわけではない。実際お腹も空いています。そういえばイチゴメロンパン食べ損ねてる。店員は何か閃くと調理を始めます。
何か割れる音。
何事も無かったようにスイーツを持ってきます。大丈夫なのそれ? 破片とか入ってない?
出されたのはモフルンをあしらったケーキ。紅茶を淹れると戻る店員。食べるのが勿体ないと躊躇しているリコの横ではーちゃんは躊躇なく口に入れます。みらいもモフルンも食べているのでリコも気後れしながら……店員が紅茶を持ってくる頃には食べ終わります。
「食べるの早っ!」
お礼を言うみらい。イチゴメロンパンと同じくらい美味しかった。それは褒めているのか? イチゴメロンパンのコストパフォーマンス高過ぎじゃないですかね?
思い出のスイーツを語るみらい。見た目は中学生ですが中身は大学生。食べ物にもそれなりの背景や歴史があります。このアニメの代表的な食べ物は?と聞かれたら冷凍みかんと答えちゃいますが。
それを聞いた店員も感化されると自分も食べた人が元気になるスイーツを作りたいと瞳を輝かせながら言います。一目で元気が出て、食べてまた元気が出た、また食べたいと彼女を労います。
彼女の名は宇佐美いちか。
また会いましょう。具体的には3月に。
空を飛んで捜索再開。
大人びた表情でみらいは出会いっていいよねと口を開きます。自分に目標ができたのもみんなのおかげ。ワクワクの出会いがあったから色んな所に行って色んな人に出会いたいと思った。その言葉に頷くリコ。彼女もまた立派な魔法つかいとは何か見つけられたようです。立派な魔法とは人と人を繋ぐもの。彼女達はもはや夢を語る少女ではありません。その夢を現実にする大人としています。本作はシリーズでも最も射程の長い物語になったと思います。大人になること。大人になってできたこと。そしてこれから。ようやくナシマホウ界と魔法界が再び接近できたところですが、これから先互いにちゃんとした交流が行われるかもしれません。みらいとリコが再会を果たしたように、魔法の恩恵がナシマホウ界に降り注いだように、人も世界も変わっていく。それは出会いから始まる。そうこの物語は語ります。
隠れ蓑を使ってイチゴメロンパン屋に張り込み。
イチゴメロンパンを抱えた女の子の鞄からぬいぐるみが落ちてしまいます。それを拾おうとしたみらいはしかし止まります。「落ちたよ」と呼び止める女の子。ぬいぐるみを拾い上げると手渡します。その光景に和んでいるとヤミーとヤモーが出現。
幼女をカツアゲするかつての闇の組織。何という卑劣。なんというスケールの小ささ。平常運転です。
そうはさせないとみらい達が立ちはだかります。
吸引力を上げるとチクルンが吸い込まれていきます。あ、居たの。ギリギリのところでみらいが魔法を使って救出。どさくさに紛れてはーちゃんの杖を回収。チクルン有能。
「スイーツはみんな大好き!」
「それを独り占めするなんて」
「そんなのダメモフ!」
「イチゴメロンパンの恨みは~」
「恐ろしいのよ!」
最終回でも平常運転。これこそが
「魔法つかいプリキュア!」
久しぶりの変身なのでちょっと嬉しいふたり。あ~やっぱミラクルちゃん美少女すぎる。
ノーコメントのヤモー。なんか言えよ。ヤミーもスイーツ以外は興味ないようです。
またどっかに行こうとします。それを捕縛する謎の光。ヤミーが地面に突っ伏したのを見て超慌てるヤモー。お前ほんとにドクロクシーにしか興味ねーな。
謎のプリキュア。うわ、本当にやりやがったよこのアニメ。
そして最終回でも神御用達のピンクトルマリン。
ダイヤモンド・エターナルの必殺技バンク入ります。思い返せば1話が「あっちへ行きなさい!」で2話がダイヤでした。最初に戻りつつもあらゆるものが変わっている。そう実感する最終回です。
ヤミーの虫歯を治療。これでスイーツをちゃんと味わえる。意識を取り戻したヤミーはスイーツを所望。それならとチクルンは蜂蜜をあげます。口にしたヤミーは「ヤミー!(美味しい)」とニッコリ。それを見たヤモーは涙を浮かべて喜びます。
一件落着。するとリコは彼らも魔法学校に誘います。自分の主はドクロクシー様のみと頑ななヤモー。だがまた会うこともあるかもしれない。その日までオボエテーロ。この世界からまた一つ脅威は消え去ります。いちかもまた本来の場所へ。
④人と世界を結ぶ魔法
ようやくイチゴメロンパンにありつけます。
リコとはーちゃんにとっては懐かしい味。騒々しい再会となりましたが、魔法界に行けて楽しかったとみらい。こっちに来るの大変だったとリコ。彼女だってみらいに会いたかったでしょう。
一度縁は離れてしまいましたが、またみんなと一緒に仲良しの繋がりを広げたいと話すみらい。簡単にいいやがる、とチクルン。それが簡単でないことはこの物語が語っています。しかし同時に不可能でないともこの物語は語ります。
前のベンチでは、先ほどの女の子達が一緒にイチゴメロンパンを食べます。偶然と意思が縁を結ぶ。みらいとリコは彼女達に勇気づけられます。はーちゃんの笑顔が女神っぽく見える。これからもみらいとリコの助けになりたいと彼女は願い続けるでしょう。
「私!みんながもっと仲良くできるようにしたい!」
「じゃあ私は魔法界とナシマホウ界が前みたいに近くなるよう頑張る!」
強大な力が生まれつつあると水晶さんが慌てます。
「じゃあ私は魔法界のみんなをもっと纏めるために校長先生になるわ!」
新たな校長が生まれつつあると聞いた校長は大慌て。
ヤモーとヤミーは校長室に来ると冷凍みかんを食べます。魔法学校に来てんじゃねーか。
まだ続きがあると水晶さん。
みんなに伝えに行こう。冷凍みかんが再びキャリッジに。元に戻るの忘れてるだろ、と冷静なツッコミを入れるチクルン。残念ながらこのアニメ、ボケ倒しなんだ。
空駆ける馬車を見上げるお婆ちゃん。楽しそう。娘夫婦に笑いかけます。
学校を通り過ぎると、商店街を歩くまゆみと勝木さんにイチゴメロンパンをプレゼント。魔法の馬車が通り過ぎていきます。ゆうとと壮太にもプレゼント。
エミリーとケイはナシマホウ界のファッションショーを見学。ジュンはニューヨーク(自由の女神像)に降り立ちます。
みんなにプレゼントを配り終えたみらい達は自分達も負けてられないと張り切ります。
私の占いでもこの先どうなるか見えないと諦めたように話す水晶さん。あの子達相手にして先読める奴なんていない。机の上にはイチゴメロンパンと冷凍みかん。二つの世界の二つのスイーツ。
読めないけど、一つだけわかることがある。
「彼女達の未来は光り輝いておる」
彼の後ろに立つのはおそらくクシィ。全ての人に縁と祝福を。
キュアップ・ラパパ! 今日もいい日になぁれ!
○トピック
世界に翻弄されることもあったみらい達ですが、今度は彼女達が世界を翻弄する番。
けれどもこれは別の物語。いつかまた、別の時に話すことにしよう。
シリーズ13年目、11代目魔法つかいプリキュア!はひとまずここまで。
まるで来週もしれっとやってそうな平常運転。これこそが魔法つかいプリキュアなのだと納得の最終回です。画竜点睛とはこのこと。世界を救っても、親友と感動の再会を果たしても日常は続く。物語は続く。これまでも、これからもワクワクは続く。そのことを最後まで描いた物語でした。
感想これで締めてもいいなって思えるスッキリ感なんですが、一応総括はしたいので蛇足とは思いつつももうちょっとだけお付き合い下さい。
本作は終始一貫して子ども視点で描いた物語です。
みらいとリコの関係は仲の良い友達(お互いに一番大好きな友達)というのがしっくりきます。要するにとりたてて特別ではない。この物語のふたりの関係、友情は現実世界のそれに即しています。ふとしたキッカケで友達になる。でもその関係にはタイムリミットがある。夏休みが終わったら実家に帰える、卒業したら別々の学校に行く。偶然の出会い、必然の別れ。それを主題にしたのが本作です。
別れざるをえないことに対して、どう向き合うか。プリキュアで使われるのが「繋がっている」というフレーズです。私達は離れていても繋がっている、片時も忘れないというように。しかし実際にそれがどういうことなのか具体的に描かれたことはほとんどありませんでした。何故ならシリーズをとおしても友達と別れることが少数例であること、別れるとしても最終回のためその後が描かれない(あるいは間を置かず再会する)からです。その後が少しだけ描かれたプリンセスは自立志向だったので旅立つのが物語の帰結であり再会は物語に含まれません。
つまりプリキュアにおける「繋がっている」は有名無実でした。常に一緒にいるか、別れっぱなしか、そのどちらかしかない。
そのように考えた時に本作はとても誠実な態度を取ったと思います。友達と別れた後を正面から描いたからです。本作は魔法が出てくるファンタジーな世界に見えて実はこの部分、友達との関係や距離感はとても現実的です。涙ながらに再会を誓いあっても月日が経てばそれを思い出すことは少なくなり今の生活に慣れる。あれほど声高らかに「繋がっている!」と言い合ったのに。距離が離れ、時間が経ってしまえば心も離れてしまう。忘れてしまうわけではない。ただ今の生活に必要がないし不便もない。そんなありがちな、当たり前のことを描いたのです。まさにこのための魔法界とナシマホウ界の設定だったと思います。
「繋がっている」とは何なのか。連絡を取り合うことなのか、経験や思い出になることなのか、ただの美辞麗句なのか?
この物語を見たときにそれは『縁』なのだと思いました。みらいとリコの出会いは意思と偶然が重なり合ったときに起きている。みらいとリコが最初に出会ったのが偶然でありつつもそこにモフルンの願いがあったように、時を経てふたりが出会ったのもいくつもの偶然や意思があったから。この物語には人の意思が全てを実現するというような情熱や確信はありません。でも全く関係ないとも言わない。物語で描かれるのは意思と偶然とが混ざり合う縁でありそこから生まれる様々なもの。
私は『縁』と言うときにただの偶然だけでなく意思的なものも感じます。最初は偶然でも2度、3度続くならそこには何らかの意図が働いてその偶然をより結びやすくしているのだと。気分の問題と言えばそれまでですが。みらいとリコは互いに出会いを愛しました。その気持ちを何年経っても忘れなかった。会いたいと踏み出す意思がふたりを近づける。ここに人の意思と偶然の妙があります。人の縁は離れるが切れるわけではなく、再びたぐり寄せることもできる。人も世も揺れ動く。その揺らぎが人と人を近づけることもあれば遠ざけることもある。近づいた瞬間に手を伸ばせば届くかもしれない。人と人が結ぶ縁の不思議さ、唐突さ、面白さ、強さ。本作は出会いと縁を通して人と人の繋がりを描いています。
友達と出会い、色んなところへ行き、一緒に遊び、一緒に勉強して、一緒に冒険する。そのごく当たり前のことを通じて成長していく姿をこの物語は1年間ゆっくりと描きました。子どもは子どものままでちゃんと成長していける。見ること、聞くこと、知らない土地に行くこと、友達を作ること、その一つ一つが貴重でワクワクな体験。それを繰りかえしながら少しずつ世界を広げていく。彼女達は自ら成長し、理不尽な戦いには勇敢に立ち向かい、きたるべき時を涙と共に笑顔で受け入れました。そして時を経て再び巡り会う。その先にはまた新たな出会いとワクワクが広がっている。
正義の味方をやらなくても、誰かを救わなくても、夢を叶えなくても、子どもがただ遊んでいるだけでもプリキュアなのです。そこに強さと優しさがあることには変わらない。子どもの世界で何が起きているか。女の子が少女時代を経て大人になること。大人になって変わるもの。大人だからこそ持ち続けたいもの。本作の魔法とは願い。その願いが人と人を結びつけ、人生を変え、世界も変えていく。
彼女達の物語はそれを教えてくれます。視聴者として物語をとおして学び、教えてもらう以上の喜びはありません。この1年もまた素晴らしい出会いと体験でした。
番組が始まった当初は魔法つかいになってどこに行くんだ?と思ったものですが、終わってみればとてもプリキュアらしい、チャレンジングで意欲的な作品となりました。
無論この作風には大きな欠陥も含まれています。単純に言えばヒーローものなのにヒーローしない。戦闘に意味がない。そのためみらい達は戦いを通じて何かを得る事も、何者にもなりません。しかし何度もこの感想で述べてきたようにそれこそがプリキュアの文脈に則った正しいプリキュアの提示だと思います。
使命を取り払って女の子達を自由にする。前に進むためには過去すら否定する。プリキュアとは何か? 女子中学生(視聴者である未就学児童)に何ができるのか? 彼女達の視点でそれを問う。ヒーローものというフォーマットを壊してでも子ども達が子どもらしくあることを肯定し、その成長と未来を見せる。これまでのシリーズで描かれなかった部分を補い、その先を提示することで内在論理を深めていく。それができるのがプリキュアシリーズの強みであり醍醐味です。
改めて初代~プリンセスまでで一つの時代は終わったのだと実感します。敵がいなくても、困っている人がいなくても、夢がなくてもみらい達はちゃんとやってのけました。次のプリキュアはお菓子作るとか言い張っててもうどこに行きたいんだかさっぱりわからない。でもだからこそ、このシリーズは硬直することなく女の子達の前向きな姿を描けるのだと思います。これまでの歩みが魔法つかいを生んだのであり、そしてみらい達の成したことが次の世代へと継がれていく。そのことを強く感じます。
そういうわけで、来週もゴチになります。
第49話「さよなら…魔法つかい!奇跡の魔法よ、もう一度!」
○今週の出来事
①太陽の魔方陣
ラパーパの力を受け継いだみらい達は覚悟を決めます。
いつものエクストリーム・レインボー……と思ったらミラクルとマジカルだけ。太陽の魔方陣の中心から生まれる巨大な拳。そびえ立つ巨大フェリーチェ。え、ちょ、おまっ、お前だけでかくなるのかよ。無限シルエットみたいに合体するんじゃないのか。本当にラパーパの後継なのね。
彼女の腕をカタパルトにしてミラクルとマジカルが飛びだします。ふたりを繋ぐモフルン。ルビースタイルで蹴り。映画でもあったスタイルチェンジ戦闘。
「何が起きた?」
状況が飲み込めないデウスマスト。視聴者も同じ気持ちですが、要するに勝ち確ってやつです。
デウスマストの疑問に答えず再びルビーが拳をぶつけます。本当に殴りやがった。デウスマストが登場したときに流石にこれだけデカイと殴れないだろ、ビームで終了かと思ったんですがそんなことなかった。プリキュアが牽制すると、その後ろからフェリーチェが跳躍して蹴り。なんだこのウルトラマンとライダーの共闘みたいなの。等身大はもちろんのこと巨大化して戦った最終決戦は今までもあったけどスケール混在して戦うのは新鮮。
一旦距離を離してファイティングポーズ。なにこのシュールな絵面。
しかしデウスマストも負けてはいません。太陽を取り込んでさらに強力になっています。安定のピンクトルマリンガード。デウスマストの腕がピンクに。おそらく浸食(浄化)されているのだと思われます。
動きが止まったところでサファイアビームでなぎ払いからのトパーズで巨大モフルン作成。お、夢が叶ったな。デウスマストのマウントを取ります。っていうかデウスマストよりデカイっておかしくね?
浸食が全身にまわりはじめるデウスマスト。もはやプリキュアの力は圧倒的。かつての戦いはラパーパ単独でしたが、今回は彼女が生んだ星の生命であるプリキュアとの連携。戦力的にもアップしています。が、そんな理屈なんてどうでもよくて、終わりなき混沌なんてご大層なもの女子中学生からすればどうだっていいんです。だって彼女達にとって一番の困難と苦しみは別離にあるのだから。この意味で本作のラスボスはデウスマストではありません。別離そのもの。それを承諾した彼女達は何よりも強い。この最終決戦は消化試合にすぎません。戦いが始まってからプリキュア側がほとんどしゃべらないのもそうですね。この戦いについて語ることがない。相手の言葉を聞く必要もない。
閉じ込められて身動きが取れなくなったので空間転移。宇宙を割って出現。迎え撃つプリキュア。最後の締めはダイヤ。ダイヤモンド・エターナルを生み出すと渾身の力を込めて殴って撃ち出します。拮抗する両者。すると地上の人々の力が現れます。魔法界、ナシマホウ界を問わず星に住む人々。校長はかつての親友クシィと手を繋ぎます。その隣にしれっと立っているバッティさんとか猫の方に目が行くんですけどね。このざっくりした巻き巻きな展開。そもそもこのアニメの主人公は世界のために戦っているわけではないので、命がどうとかそういうのはあまり重要じゃありません。っていうかこの最終決戦自体重要じゃない。本当に魔法つかいは戦うことに意味を見出さなかった物語なんだとつくづく思います。毎日友達と遊ぶ。それを邪魔する奴はお邪魔虫でしかない。その認識で十分なのだと。
元の姿(オーバーザレインボー)に戻るとデウスマストを追い払います。
「キュアップ・ラパパ!」
「星々の果てまで!」
「混沌よ!あっちへ行きなさい!」
デウスマストは概念的存在。滅ぼせません。それはフェリーチェも承知。全ては混沌から生まれたのならあなたも生み出す力を…。リンカネーション。デウスマストは宇宙の果てに消えます(映像的に新しい宇宙が生まれているっぽい)。
②少女時代の終わり
みらいとリコが気付くと目の前に虹色に光る地球。
元の形に戻ろうとしているとはーちゃんの声が聞えてきます。よく見るとはーちゃんが地球をその手に抱いています。スケールでけぇ。魔法界とナシマホウ界。今はそれが自然な形。しかし強く混ざっていた反動があるのでそれを調整するために自分が手伝うと言います。
それを聞いたみらいとリコは察するとともに自分達も…と名乗りをあげますがはーちゃんは断ります。みんなのおかげでこんなに大きくなれた。ほんとに。どこからでもみんなのこと見ていられるから。本作の大胆なところは属性そのものは変えていないこと。ラパーパの後継者であるはーちゃんはラパーパに帰属される。クイーンとひかりのように分離するわけではない。でもはーちゃんははーちゃんとしての意思を持つ。実際問題としてみらいとリコが別れるのではーちゃんをどこに置くかという話もあるので本来の位置に戻すのが正しいでしょう。ナシマホウ界人、魔法界人、星の母。属性が違っていても巡り合わせがあることに意味があります。
「あまねく生命 世界に祝福を!」
世界をあるべき姿に変えます。ここで示唆があるのは、前回校長が言っていた世界の分断が不可逆であるという確証はないことです。この星の守護者たるはーちゃんがいる。その星を繋ぐみらいとリコがいる。縁は巡り会う。
この物語は宇宙創造から神話を経て壮大な話が広がっていますが、根本はとても小さい。それは女の子と女の子の出会い。でもその時間は決して永遠ではない。何かのタイミングで人の縁が離れることがある。それが夏休みが終わったからなのか、卒業したからなのか、引越ししたからなのか、自然消滅的なものなのかは別にして。また、子どもにはどうしようもないこともある。親の引越しを子どもの力でどうすることはできないし、海外の友達に気軽に会いに行くこともできない。本作の別離は現実的です。友達とずっと一緒にいられない。不条理に感じようともそれを子どもである彼女達は克服できない。
「魔法界……離れてく」
「みらい……私も」
リコの言葉にみらいは小さく頷きます。
ふとこの先のことに気付いてリコがモフルンに話しかけます。大丈夫と答えるモフルン。みらいと一緒にいられる。それにきっとまた会える。モフルンの言葉に背中を押されたリコは深呼吸すると魔法を唱えます。
「キュアップ・ラパパ! 私達は! 必ず! 絶対! また会える!」
「これでばっちりよね」
リコの魔法だから今ひとつ心許ない。でもリコだからみらいは信じられるでしょう。彼女は絶対にみらいの期待を裏切らない。これまでもこれからも。はーちゃんがかけた魔法。みらいがかけた魔法。そしてそこにリコの魔法がかけられます。
再びみらいはリコの言葉に頷くと、ふたりは杖を響き合わせます。
二つの星と二人の女の子はしばし別の時を歩みます。魔法界へと戻るリコ。
出会う前に戻るように杖も手から離れ、みらいもまたナシマホウ界へと戻ります。
リンクルストーンとキャリッジは宇宙へと。何故そこで冷凍みかん?……………ああ、キャリッジの本体冷凍みかんだったわ! ってそういう問題か!? ここでそのネタ拾う?!
みらいの腕の中で、モフルンは独白します。
「リコありがとうモフ。あの時モフルンを見つけてくれて。モフルンは『魔法つかいがいた』ってみらいに教えてあげたくて一生懸命伝わるように願ったモフ。そしたらリコはモフルンに気付いてくれて、みらいのお友達になってくれて、モフルンもみらいとおしゃべりできて、いっぱい、いっぱいおしゃべりできて、とっても嬉しかったモフ」
「みらい、リコ、はーちゃん、みんな大好きモフ」
この物語がこの4人の物語なのだとよくわかります。モノ言わぬぬいぐるみがふたりを巡り合わせるキッカケになっていたこと。それは偶然ではなくぬいぐるみの意思だったこと。友達が友達を繋いでくれたこと。
「うん、私もだよ、モフルン」
空にかかる虹を見上げながら頷くみらい。モフルンの言葉の最後は聞き取れていないかもしれません(ぬいぐるみに戻っている)。でもみらいならそう聞こえたでしょう。全ては元のままに。友といた時間は過去となり、人の意思にかかわらず過ぎていく。
「ねぇ、リコ。もし世界がはじめから一つのままだったら私達どうなってたかな?」
「そうね、そんな世界でもきっとみらいはみらいね」
「いつも明るくて、危なっかしくて」
「リコは魔法が苦手で?」
「むー、うん…ふふっ、それで無茶して飛びだして、そしてやっぱりみらい、あなたと出会うの」
「モフルンとはーちゃんともね」
「もっと近くにいたかもしれない」
「もっと遠くにいたかもしれない」
「でも必ず出会った。私達の最初の出会い。それだけでも大きな奇跡なんだもの」
「だったらもう一度強い想いを込めて願えば奇跡は起きる」
「また会える! 絶対に会いに行く! 十六夜の夜に箒に乗って」
「だから…またね!」
「うん…またね!」
月日は流れます。
③十六夜の夜に
卒業式の写真を見る夫を今日子は笑います。
いってきまーす、と言いながら家を出て行くみらい。
お婆ちゃんが声をかけると、振り返っていってきますと答えます。
やった! でもそうじゃない!! 俺が見込んだとおり成長したみらいは美人。そんなことは変身バンクで知ってた。魔法つかいが成長したあとの姿を描くだろうことも読んでいた。だから待ってたのに…楽しみにしていたのに…なんでロングストレートじゃないの!?
ここでAパート終了。はい、ここからも本作の力点がどこにあるのかわかります。
改札口を通って電車で学校へ。雰囲気的に大学のようです。ずいぶん飛んだな。アニメ的に時間が飛びすぎると視聴者が混乱するのでせいぜい高校生くらいに留めるのかと思ってたけど。いや、これが正しい。物語の論理的には社会人(ギリギリで大学生)になるのが望ましい。髪型が原形留めているのはその折衷案でしょうか。くっ、でもそこはもう一歩踏み切って欲しかった(未練がましい)。
来ている服は大学生的にちょっとどうなの?って感じですが、そこはスルーして、みらいの雰囲気は成長した女性。講義を受ける姿勢も真剣。
スタジアムに行くとすでにゆうと、勝木さん、まゆみが待っていました。雑談しているといつの間にか壮太がゴールを決めてしまいます。こっちの方を見てくれますが少しバツが悪い。中学の頃と変わらないとゆうと。見た目的には君も変わってない。まゆみが一番それらしい年のとり方してる感じがしますね。勝木さんは一部に人気的な。
帰りがけ、中学以来すっかり魔法つかいを見なくなったとつぶやく勝木さん。まゆみが懐かしいと相の手を入れます。もう一度会いたいな~。それでこそ勝木さん。
家に帰ると夕飯の準備を手伝います。
みらいが置いたバックにモフルンが入っています。それを見たお婆ちゃんが「大きくなったわね」と笑います。先の映像でみらいは中学卒業まではモフルンを連れていますが、高校では鞄に入れていません。そのことから考えると大学に入ってからもそうだと考えるのが自然です。今回はたまたま旧友と会う機会があったから連れていったのかもしれません。普段から連れて歩いている可能性もありますが、物語的には連れていない方が意味的に強くなります。この数年でみらいは大人になったし、変わった部分がある。それ故にお婆ちゃんはこの言葉を発したのだとも考えられます。今回は非常に情報密度が高くて困る(嬉しい)。
みらいとモフルンが初めて出会ったときのことを語り始めます。1話でみらいがリコに話したようにモフルンはお婆ちゃんからのプレゼント。でも生まれたばかりの赤ん坊にはちと早いでは?と母。泣いているみらいの隣にぬいぐるみを置くとみらいはその手を握ると泣き止んで笑います。
モフルンは小さい頃から今もずっとみらいを見守ってくれていると話し終えます。お婆ちゃんのお話が大好きだと答えるみらい。不思議なお話をいっぱいしてくれる。ぬいぐるみを買い与えた。それだけの話ですが確かにお婆ちゃんが言うとどこか物語的です。色んなことに興味を持てて、だから出会えたんだ。遠くを見るようにつぶやくみらい。
「素直な言葉は力になる」出し抜けに言うお婆ちゃん。
「思いが繋がっていれば、それは奇跡を起こすのよ」
変わる中で、変わらぬものがあるのなら。
まるではじめて聞く言葉のように祖母の言葉を受止めるみらい。
ベッドに身体をあずけながら眠るでもなく何か考え事。
ふと物音がして見るとモフルンが机の上から落ちています。抱き上げて元の位置に。どうやら窓が開いていて風が吹き込んだようです。桜の花びら。綺麗に輝く月。よく見れば今夜は十六夜。
誰もいない静かな公園をみらいは歩きながら今日の出来事を話します。話相手は遠くのあの子。色んな国のことを勉強している。店の仕事で海外にも行っている。もっと知りたい。私の世界のワクワクを。そしていつか…。話したいことがいっぱいある。足を止め、月を見上げながらこぼします。
「会いたいなぁ…」
頬を伝わる涙。
静かに歩き出します。ふと目の端に捉えた場所に行ってみると周囲と少し異なった雰囲気の木が。杖の木に似ています。木に触れるとカランと何かが落ちる音。
枝を拾い上げるとみらいは腕に抱いたモフルンに自分をここに連れてきてくれたのかと訊ねます。無論モフルンは何も答えません。半信半疑ながらも枝の感触を確かめると振り上げて呪文を唱えます。もう一度みんなに会いたい。何も起りません。そんなことはわかっていたとばかりに腕を降ろすみらい。バカな妄想と枝も手放してしまいます。
トボトボと引返しているとお婆ちゃんの言葉が甦ります。
駆けだして再び枝を拾うと月がよく見える開けた場所へ。
再び呪文を唱えます。今度は何度も諦めることなく。あの時を思い出しながら。みんなに会いたい。みんなとずっと仲良しでいたい。溢れ出る涙を拭きながら呪文を唱え続けます。みんなとずっと一緒にいたい。何度も何度もそう願います。声が嗚咽になるまで。絞り出すように彼女の名を呼びます。
「キュアップ……ラパパ……リコに、みんなに、会いたい」
風が吹きます。
気づくと空の上。突然カタツムリニアが飛びだしてきます。
空を落ちながら目の前の奇跡をみらいは食い入るように見つめます。手からモフルンが離れてしまいます。その手を掴む別の手。
「ダメじゃない。気をつけなきゃ。モフルンは大切な、友達でしょ?」
よく知っている声。
みらいは再び魔法つかいと出会います。
④時と人は巡り
みらいの腕に飛び込むリコ。空の上、月の下、再会を喜び合うふたり。
カタツムリニアには補習メイトとチクルン。水晶さんも。校長はさすがにこっちまでは出張らなかったようです。
ふたりの胸の中でモフルンは再びしゃべるようになります。さらにははーちゃん……って変わってねーー!!
こうして少女達は再会を果たしたのでした。めでたし、めでたし。
⑤次回予告
新番……あれまだ終わってない?
○トピック
本当に打上げやるつもりだよこのアニメ。
本編中でも触れましたが、本作の本質は少女達の出会いと日常にあります。
この物語は悪を倒しません。誰かを救いません。夢を叶えません。友達と出会い、友達と遊び、そして友達と別れる。その当たり前のことをやります。永遠とも思える日常にも終わりが来る。子どもにはどうにもできないことがある。そのことを彼女達は承諾し、再会を誓い合います。
それで終わってしまう関係の方が多いでしょう。親友と別れても日常は続きます。その生活にも慣れてしまう。ふと昔を思い出してももう終わったことなのだとすぐ忘れてしまう。でももしかしたら少ないながらも本当に再会を果たすことができる子達がいるかもしれない。それをやるのが本作魔法つかいです。
子どもの頃は遠い場所でも、親の都合で会えなくなっても、大人になれば行けるようになるし自分の判断で行えるようになる。勿論ただ大人になればできるものではなく、意思と行動力が必要になる。私は大人になって常々思います。実はそんなに子どもと変わらないのだと。頭は子どものまま身体が大人になるだけなのだと。社会的にいくらかの制限が解除されるだけなのだと。
なら、それをそのままやってしまえばいい。子どもの発想で大人の権力を使う。
世の人達は言うかもしれません。「大人になれ」「大人なんだからわかるだろ」。さも夢を捨てて妥協することが大人の証拠と言わんばかりに。そんなこと知ったことかと。大人だから好きにやるんだろ。そのための力と方法を得る。自分のワガママを自分で叶える。文句は言わせない。それができないなら大人である意味がない。醍醐味がない。私は心の底からそう思います。
子どもの頃が良かった、親友がいた、楽しかった。などと回顧に浸る趣味は私にはありません。今が最高に楽しい。今もこれからも最高の人生を作る。そのためには大人でなければならない。大人であるからできる。私はそう子ども達に言いたい。少年よ、少女よ、大人になることは素晴らしいのだ!
というのは話が飛びすぎるけど、もう会えないなどと誰が決めた?って話です。
会いたいなら会いに行けばいい。幾分かの運が必要になるかもしれないけど、人の意思と行動力でできる。魔法つかいは魔法をテーマにしているから「願う」ことによって達成しているけど、本質的には人の力で可能なことです。
魔法つかいは色んな意味でこれまでのシリーズの枠組や定型を崩してきた物語なんですが、それでもこの物語がプリキュアなのだと確信をもって言えるのは、子ども達の強さを信じる物語だからです。困難を乗り越えてハッピーエンド、誰かを救ってハッピーエンド。それはもう散々やってきた。だから今度は真摯にその後を描く。苦難を乗り越えた先は親友のいない日常が待っている。それでもその先があると信じて前を向いて進む。
つい昨日まで魔法と聞いて喜んで、イタズラして遊んでいた子達がいつの間にかそんな姿を見せる。そこに私はこの物語の、子ども達への肯定とエールがあると思います。子ども達は現実をしっかり受け入れる力がある。今この瞬間を永遠に引き延ばすようにずっと一緒で在り続ける物語は子ども達からその力を奪うばかりか、信じていないことを逆説的に認めることなのかもしれない。
しかし同時に時間の流れは残酷です。親友のいない生活に慣れ、それを望むことも忘れてしまう。みらいが枝を捨ててしまう姿もまた現実です。それを救うのは理解者の声なのかもしれないし、様々な偶然なのかもしれないけど、最後の最後に踏みとどまって声を荒げて願いを唱えるのは自分の仕事。会いたいなら会いたいと言えばいい。言わなければならない。みらいの姿は大人になることの無常さと悪あがきが同居しています。彼女の泣き叫ぶ姿はとてもみっともなく子どもじみている。でも私はその姿に親近感と愛おしさを感じる。彼女の中に決して消えぬ素直な願いがあるから。
その願いをどのような形で実現するか。実現できると信じられるか。それは大人が立ち向かわなければならない問題です。子どもには子どもなりの戦いがあるし、大人には大人なりの戦いがある。戦い方、生き方は変わる。でも変わらないものもある。大人になることは子どもではなくなるのかもしれないけど、子どもの頃から持っていたものを捨てることではない。プリンセスはそれを最初から最後まで貫いた物語でした。魔法つかいは偶然から始まって、その偶然から生まれたものを愛し忘れなかった物語です。プリンセスは自分であること求め、魔法つかいは自分達がいることを求めた。どんな願いを、どのように叶えるか、それは物語の数だけあります。
この物語は子どもが子どもらしくあることを肯定しました。同様に、大人になることも肯定しました。大人になることは自分という人間が続いていくこと。劇的な変化があるとは限らない。でも、強い気持ちを持ち続けていればそれを叶えるチャンスもある。出会いと別れがあるならそこに再会を付け加えてもいい。大人になったときにできることがある。時間が解決することがある。だから別れることを、大人になることを恐れることはない。子どもか大人かを問わず女の子を信じる。それを示したこの物語はシリーズに新たな1ページを書き足したと思います。
そういうわけで最終回はまるまる打上げ・同窓会。これを最後にもってこれるのは魔法つかいだけ!
①太陽の魔方陣
ラパーパの力を受け継いだみらい達は覚悟を決めます。
いつものエクストリーム・レインボー……と思ったらミラクルとマジカルだけ。太陽の魔方陣の中心から生まれる巨大な拳。そびえ立つ巨大フェリーチェ。え、ちょ、おまっ、お前だけでかくなるのかよ。無限シルエットみたいに合体するんじゃないのか。本当にラパーパの後継なのね。
彼女の腕をカタパルトにしてミラクルとマジカルが飛びだします。ふたりを繋ぐモフルン。ルビースタイルで蹴り。映画でもあったスタイルチェンジ戦闘。
「何が起きた?」
状況が飲み込めないデウスマスト。視聴者も同じ気持ちですが、要するに勝ち確ってやつです。
デウスマストの疑問に答えず再びルビーが拳をぶつけます。本当に殴りやがった。デウスマストが登場したときに流石にこれだけデカイと殴れないだろ、ビームで終了かと思ったんですがそんなことなかった。プリキュアが牽制すると、その後ろからフェリーチェが跳躍して蹴り。なんだこのウルトラマンとライダーの共闘みたいなの。等身大はもちろんのこと巨大化して戦った最終決戦は今までもあったけどスケール混在して戦うのは新鮮。
一旦距離を離してファイティングポーズ。なにこのシュールな絵面。
しかしデウスマストも負けてはいません。太陽を取り込んでさらに強力になっています。安定のピンクトルマリンガード。デウスマストの腕がピンクに。おそらく浸食(浄化)されているのだと思われます。
動きが止まったところでサファイアビームでなぎ払いからのトパーズで巨大モフルン作成。お、夢が叶ったな。デウスマストのマウントを取ります。っていうかデウスマストよりデカイっておかしくね?
浸食が全身にまわりはじめるデウスマスト。もはやプリキュアの力は圧倒的。かつての戦いはラパーパ単独でしたが、今回は彼女が生んだ星の生命であるプリキュアとの連携。戦力的にもアップしています。が、そんな理屈なんてどうでもよくて、終わりなき混沌なんてご大層なもの女子中学生からすればどうだっていいんです。だって彼女達にとって一番の困難と苦しみは別離にあるのだから。この意味で本作のラスボスはデウスマストではありません。別離そのもの。それを承諾した彼女達は何よりも強い。この最終決戦は消化試合にすぎません。戦いが始まってからプリキュア側がほとんどしゃべらないのもそうですね。この戦いについて語ることがない。相手の言葉を聞く必要もない。
閉じ込められて身動きが取れなくなったので空間転移。宇宙を割って出現。迎え撃つプリキュア。最後の締めはダイヤ。ダイヤモンド・エターナルを生み出すと渾身の力を込めて殴って撃ち出します。拮抗する両者。すると地上の人々の力が現れます。魔法界、ナシマホウ界を問わず星に住む人々。校長はかつての親友クシィと手を繋ぎます。その隣にしれっと立っているバッティさんとか猫の方に目が行くんですけどね。このざっくりした巻き巻きな展開。そもそもこのアニメの主人公は世界のために戦っているわけではないので、命がどうとかそういうのはあまり重要じゃありません。っていうかこの最終決戦自体重要じゃない。本当に魔法つかいは戦うことに意味を見出さなかった物語なんだとつくづく思います。毎日友達と遊ぶ。それを邪魔する奴はお邪魔虫でしかない。その認識で十分なのだと。
元の姿(オーバーザレインボー)に戻るとデウスマストを追い払います。
「キュアップ・ラパパ!」
「星々の果てまで!」
「混沌よ!あっちへ行きなさい!」
デウスマストは概念的存在。滅ぼせません。それはフェリーチェも承知。全ては混沌から生まれたのならあなたも生み出す力を…。リンカネーション。デウスマストは宇宙の果てに消えます(映像的に新しい宇宙が生まれているっぽい)。
②少女時代の終わり
みらいとリコが気付くと目の前に虹色に光る地球。
元の形に戻ろうとしているとはーちゃんの声が聞えてきます。よく見るとはーちゃんが地球をその手に抱いています。スケールでけぇ。魔法界とナシマホウ界。今はそれが自然な形。しかし強く混ざっていた反動があるのでそれを調整するために自分が手伝うと言います。
それを聞いたみらいとリコは察するとともに自分達も…と名乗りをあげますがはーちゃんは断ります。みんなのおかげでこんなに大きくなれた。ほんとに。どこからでもみんなのこと見ていられるから。本作の大胆なところは属性そのものは変えていないこと。ラパーパの後継者であるはーちゃんはラパーパに帰属される。クイーンとひかりのように分離するわけではない。でもはーちゃんははーちゃんとしての意思を持つ。実際問題としてみらいとリコが別れるのではーちゃんをどこに置くかという話もあるので本来の位置に戻すのが正しいでしょう。ナシマホウ界人、魔法界人、星の母。属性が違っていても巡り合わせがあることに意味があります。
「あまねく生命 世界に祝福を!」
世界をあるべき姿に変えます。ここで示唆があるのは、前回校長が言っていた世界の分断が不可逆であるという確証はないことです。この星の守護者たるはーちゃんがいる。その星を繋ぐみらいとリコがいる。縁は巡り会う。
この物語は宇宙創造から神話を経て壮大な話が広がっていますが、根本はとても小さい。それは女の子と女の子の出会い。でもその時間は決して永遠ではない。何かのタイミングで人の縁が離れることがある。それが夏休みが終わったからなのか、卒業したからなのか、引越ししたからなのか、自然消滅的なものなのかは別にして。また、子どもにはどうしようもないこともある。親の引越しを子どもの力でどうすることはできないし、海外の友達に気軽に会いに行くこともできない。本作の別離は現実的です。友達とずっと一緒にいられない。不条理に感じようともそれを子どもである彼女達は克服できない。
「魔法界……離れてく」
「みらい……私も」
リコの言葉にみらいは小さく頷きます。
ふとこの先のことに気付いてリコがモフルンに話しかけます。大丈夫と答えるモフルン。みらいと一緒にいられる。それにきっとまた会える。モフルンの言葉に背中を押されたリコは深呼吸すると魔法を唱えます。
「キュアップ・ラパパ! 私達は! 必ず! 絶対! また会える!」
「これでばっちりよね」
リコの魔法だから今ひとつ心許ない。でもリコだからみらいは信じられるでしょう。彼女は絶対にみらいの期待を裏切らない。これまでもこれからも。はーちゃんがかけた魔法。みらいがかけた魔法。そしてそこにリコの魔法がかけられます。
再びみらいはリコの言葉に頷くと、ふたりは杖を響き合わせます。
二つの星と二人の女の子はしばし別の時を歩みます。魔法界へと戻るリコ。
出会う前に戻るように杖も手から離れ、みらいもまたナシマホウ界へと戻ります。
リンクルストーンとキャリッジは宇宙へと。何故そこで冷凍みかん?……………ああ、キャリッジの本体冷凍みかんだったわ! ってそういう問題か!? ここでそのネタ拾う?!
みらいの腕の中で、モフルンは独白します。
「リコありがとうモフ。あの時モフルンを見つけてくれて。モフルンは『魔法つかいがいた』ってみらいに教えてあげたくて一生懸命伝わるように願ったモフ。そしたらリコはモフルンに気付いてくれて、みらいのお友達になってくれて、モフルンもみらいとおしゃべりできて、いっぱい、いっぱいおしゃべりできて、とっても嬉しかったモフ」
「みらい、リコ、はーちゃん、みんな大好きモフ」
この物語がこの4人の物語なのだとよくわかります。モノ言わぬぬいぐるみがふたりを巡り合わせるキッカケになっていたこと。それは偶然ではなくぬいぐるみの意思だったこと。友達が友達を繋いでくれたこと。
「うん、私もだよ、モフルン」
空にかかる虹を見上げながら頷くみらい。モフルンの言葉の最後は聞き取れていないかもしれません(ぬいぐるみに戻っている)。でもみらいならそう聞こえたでしょう。全ては元のままに。友といた時間は過去となり、人の意思にかかわらず過ぎていく。
「ねぇ、リコ。もし世界がはじめから一つのままだったら私達どうなってたかな?」
「そうね、そんな世界でもきっとみらいはみらいね」
「いつも明るくて、危なっかしくて」
「リコは魔法が苦手で?」
「むー、うん…ふふっ、それで無茶して飛びだして、そしてやっぱりみらい、あなたと出会うの」
「モフルンとはーちゃんともね」
「もっと近くにいたかもしれない」
「もっと遠くにいたかもしれない」
「でも必ず出会った。私達の最初の出会い。それだけでも大きな奇跡なんだもの」
「だったらもう一度強い想いを込めて願えば奇跡は起きる」
「また会える! 絶対に会いに行く! 十六夜の夜に箒に乗って」
「だから…またね!」
「うん…またね!」
月日は流れます。
③十六夜の夜に
卒業式の写真を見る夫を今日子は笑います。
いってきまーす、と言いながら家を出て行くみらい。
お婆ちゃんが声をかけると、振り返っていってきますと答えます。
やった! でもそうじゃない!! 俺が見込んだとおり成長したみらいは美人。そんなことは変身バンクで知ってた。魔法つかいが成長したあとの姿を描くだろうことも読んでいた。だから待ってたのに…楽しみにしていたのに…なんでロングストレートじゃないの!?
ここでAパート終了。はい、ここからも本作の力点がどこにあるのかわかります。
改札口を通って電車で学校へ。雰囲気的に大学のようです。ずいぶん飛んだな。アニメ的に時間が飛びすぎると視聴者が混乱するのでせいぜい高校生くらいに留めるのかと思ってたけど。いや、これが正しい。物語の論理的には社会人(ギリギリで大学生)になるのが望ましい。髪型が原形留めているのはその折衷案でしょうか。くっ、でもそこはもう一歩踏み切って欲しかった(未練がましい)。
来ている服は大学生的にちょっとどうなの?って感じですが、そこはスルーして、みらいの雰囲気は成長した女性。講義を受ける姿勢も真剣。
スタジアムに行くとすでにゆうと、勝木さん、まゆみが待っていました。雑談しているといつの間にか壮太がゴールを決めてしまいます。こっちの方を見てくれますが少しバツが悪い。中学の頃と変わらないとゆうと。見た目的には君も変わってない。まゆみが一番それらしい年のとり方してる感じがしますね。勝木さんは一部に人気的な。
帰りがけ、中学以来すっかり魔法つかいを見なくなったとつぶやく勝木さん。まゆみが懐かしいと相の手を入れます。もう一度会いたいな~。それでこそ勝木さん。
家に帰ると夕飯の準備を手伝います。
みらいが置いたバックにモフルンが入っています。それを見たお婆ちゃんが「大きくなったわね」と笑います。先の映像でみらいは中学卒業まではモフルンを連れていますが、高校では鞄に入れていません。そのことから考えると大学に入ってからもそうだと考えるのが自然です。今回はたまたま旧友と会う機会があったから連れていったのかもしれません。普段から連れて歩いている可能性もありますが、物語的には連れていない方が意味的に強くなります。この数年でみらいは大人になったし、変わった部分がある。それ故にお婆ちゃんはこの言葉を発したのだとも考えられます。今回は非常に情報密度が高くて困る(嬉しい)。
みらいとモフルンが初めて出会ったときのことを語り始めます。1話でみらいがリコに話したようにモフルンはお婆ちゃんからのプレゼント。でも生まれたばかりの赤ん坊にはちと早いでは?と母。泣いているみらいの隣にぬいぐるみを置くとみらいはその手を握ると泣き止んで笑います。
モフルンは小さい頃から今もずっとみらいを見守ってくれていると話し終えます。お婆ちゃんのお話が大好きだと答えるみらい。不思議なお話をいっぱいしてくれる。ぬいぐるみを買い与えた。それだけの話ですが確かにお婆ちゃんが言うとどこか物語的です。色んなことに興味を持てて、だから出会えたんだ。遠くを見るようにつぶやくみらい。
「素直な言葉は力になる」出し抜けに言うお婆ちゃん。
「思いが繋がっていれば、それは奇跡を起こすのよ」
変わる中で、変わらぬものがあるのなら。
まるではじめて聞く言葉のように祖母の言葉を受止めるみらい。
ベッドに身体をあずけながら眠るでもなく何か考え事。
ふと物音がして見るとモフルンが机の上から落ちています。抱き上げて元の位置に。どうやら窓が開いていて風が吹き込んだようです。桜の花びら。綺麗に輝く月。よく見れば今夜は十六夜。
誰もいない静かな公園をみらいは歩きながら今日の出来事を話します。話相手は遠くのあの子。色んな国のことを勉強している。店の仕事で海外にも行っている。もっと知りたい。私の世界のワクワクを。そしていつか…。話したいことがいっぱいある。足を止め、月を見上げながらこぼします。
「会いたいなぁ…」
頬を伝わる涙。
静かに歩き出します。ふと目の端に捉えた場所に行ってみると周囲と少し異なった雰囲気の木が。杖の木に似ています。木に触れるとカランと何かが落ちる音。
枝を拾い上げるとみらいは腕に抱いたモフルンに自分をここに連れてきてくれたのかと訊ねます。無論モフルンは何も答えません。半信半疑ながらも枝の感触を確かめると振り上げて呪文を唱えます。もう一度みんなに会いたい。何も起りません。そんなことはわかっていたとばかりに腕を降ろすみらい。バカな妄想と枝も手放してしまいます。
トボトボと引返しているとお婆ちゃんの言葉が甦ります。
駆けだして再び枝を拾うと月がよく見える開けた場所へ。
再び呪文を唱えます。今度は何度も諦めることなく。あの時を思い出しながら。みんなに会いたい。みんなとずっと仲良しでいたい。溢れ出る涙を拭きながら呪文を唱え続けます。みんなとずっと一緒にいたい。何度も何度もそう願います。声が嗚咽になるまで。絞り出すように彼女の名を呼びます。
「キュアップ……ラパパ……リコに、みんなに、会いたい」
風が吹きます。
気づくと空の上。突然カタツムリニアが飛びだしてきます。
空を落ちながら目の前の奇跡をみらいは食い入るように見つめます。手からモフルンが離れてしまいます。その手を掴む別の手。
「ダメじゃない。気をつけなきゃ。モフルンは大切な、友達でしょ?」
よく知っている声。
みらいは再び魔法つかいと出会います。
④時と人は巡り
みらいの腕に飛び込むリコ。空の上、月の下、再会を喜び合うふたり。
カタツムリニアには補習メイトとチクルン。水晶さんも。校長はさすがにこっちまでは出張らなかったようです。
ふたりの胸の中でモフルンは再びしゃべるようになります。さらにははーちゃん……って変わってねーー!!
こうして少女達は再会を果たしたのでした。めでたし、めでたし。
⑤次回予告
新番……あれまだ終わってない?
○トピック
本当に打上げやるつもりだよこのアニメ。
本編中でも触れましたが、本作の本質は少女達の出会いと日常にあります。
この物語は悪を倒しません。誰かを救いません。夢を叶えません。友達と出会い、友達と遊び、そして友達と別れる。その当たり前のことをやります。永遠とも思える日常にも終わりが来る。子どもにはどうにもできないことがある。そのことを彼女達は承諾し、再会を誓い合います。
それで終わってしまう関係の方が多いでしょう。親友と別れても日常は続きます。その生活にも慣れてしまう。ふと昔を思い出してももう終わったことなのだとすぐ忘れてしまう。でももしかしたら少ないながらも本当に再会を果たすことができる子達がいるかもしれない。それをやるのが本作魔法つかいです。
子どもの頃は遠い場所でも、親の都合で会えなくなっても、大人になれば行けるようになるし自分の判断で行えるようになる。勿論ただ大人になればできるものではなく、意思と行動力が必要になる。私は大人になって常々思います。実はそんなに子どもと変わらないのだと。頭は子どものまま身体が大人になるだけなのだと。社会的にいくらかの制限が解除されるだけなのだと。
なら、それをそのままやってしまえばいい。子どもの発想で大人の権力を使う。
世の人達は言うかもしれません。「大人になれ」「大人なんだからわかるだろ」。さも夢を捨てて妥協することが大人の証拠と言わんばかりに。そんなこと知ったことかと。大人だから好きにやるんだろ。そのための力と方法を得る。自分のワガママを自分で叶える。文句は言わせない。それができないなら大人である意味がない。醍醐味がない。私は心の底からそう思います。
子どもの頃が良かった、親友がいた、楽しかった。などと回顧に浸る趣味は私にはありません。今が最高に楽しい。今もこれからも最高の人生を作る。そのためには大人でなければならない。大人であるからできる。私はそう子ども達に言いたい。少年よ、少女よ、大人になることは素晴らしいのだ!
というのは話が飛びすぎるけど、もう会えないなどと誰が決めた?って話です。
会いたいなら会いに行けばいい。幾分かの運が必要になるかもしれないけど、人の意思と行動力でできる。魔法つかいは魔法をテーマにしているから「願う」ことによって達成しているけど、本質的には人の力で可能なことです。
魔法つかいは色んな意味でこれまでのシリーズの枠組や定型を崩してきた物語なんですが、それでもこの物語がプリキュアなのだと確信をもって言えるのは、子ども達の強さを信じる物語だからです。困難を乗り越えてハッピーエンド、誰かを救ってハッピーエンド。それはもう散々やってきた。だから今度は真摯にその後を描く。苦難を乗り越えた先は親友のいない日常が待っている。それでもその先があると信じて前を向いて進む。
つい昨日まで魔法と聞いて喜んで、イタズラして遊んでいた子達がいつの間にかそんな姿を見せる。そこに私はこの物語の、子ども達への肯定とエールがあると思います。子ども達は現実をしっかり受け入れる力がある。今この瞬間を永遠に引き延ばすようにずっと一緒で在り続ける物語は子ども達からその力を奪うばかりか、信じていないことを逆説的に認めることなのかもしれない。
しかし同時に時間の流れは残酷です。親友のいない生活に慣れ、それを望むことも忘れてしまう。みらいが枝を捨ててしまう姿もまた現実です。それを救うのは理解者の声なのかもしれないし、様々な偶然なのかもしれないけど、最後の最後に踏みとどまって声を荒げて願いを唱えるのは自分の仕事。会いたいなら会いたいと言えばいい。言わなければならない。みらいの姿は大人になることの無常さと悪あがきが同居しています。彼女の泣き叫ぶ姿はとてもみっともなく子どもじみている。でも私はその姿に親近感と愛おしさを感じる。彼女の中に決して消えぬ素直な願いがあるから。
その願いをどのような形で実現するか。実現できると信じられるか。それは大人が立ち向かわなければならない問題です。子どもには子どもなりの戦いがあるし、大人には大人なりの戦いがある。戦い方、生き方は変わる。でも変わらないものもある。大人になることは子どもではなくなるのかもしれないけど、子どもの頃から持っていたものを捨てることではない。プリンセスはそれを最初から最後まで貫いた物語でした。魔法つかいは偶然から始まって、その偶然から生まれたものを愛し忘れなかった物語です。プリンセスは自分であること求め、魔法つかいは自分達がいることを求めた。どんな願いを、どのように叶えるか、それは物語の数だけあります。
この物語は子どもが子どもらしくあることを肯定しました。同様に、大人になることも肯定しました。大人になることは自分という人間が続いていくこと。劇的な変化があるとは限らない。でも、強い気持ちを持ち続けていればそれを叶えるチャンスもある。出会いと別れがあるならそこに再会を付け加えてもいい。大人になったときにできることがある。時間が解決することがある。だから別れることを、大人になることを恐れることはない。子どもか大人かを問わず女の子を信じる。それを示したこの物語はシリーズに新たな1ページを書き足したと思います。
そういうわけで最終回はまるまる打上げ・同窓会。これを最後にもってこれるのは魔法つかいだけ!
第48話「終わりなき混沌!デウスマストの世界!!」
○今週の出来事
①混沌なる世界
様子を見るためベランダに出るとそこら中魔法つかいだらけ。
これは夢なのか?とはーちゃんのほっぺたをつねるみらい。はーちゃんもお返し。モフルンは自分でつねります。どうやら夢ではないらしい。子どもの頃に一度だけその機会があったので夢の中でやったことがありますが起きませんでした。
さらに通りに出てみるとナシマホウ界人も魔法界人と顔見知りの様子。ジュン達が勝木さん達を連れてやってきます。
春映画CM。腕組んで仁王立ちするのやめてください。格好よすぎます。CGをガシガシ入れてくる感じですかね。
ベニーギョが目を覚ますとそこは地球を見下ろす宇宙。前回魔方陣の一部になりましたが、記憶が曖昧なようです。しかし眼下の地球は黒く染まっていくのを見ると納得がいきます。終わりなき混沌の始まり。が、ふとあることに気付きます。
黒い雲が周囲を囲んでいることに気付かないのか、ジュン達は遊びの話を始めます。自然に話に加わっている勝木さんとまゆみ。話を振られてみらい達の方がリアクションに困ります。すると壮太とゆうとがやってきて話に加わります。ジュン達から見てハロウィン以来の面識のはずですがこちらも完全に顔見知りの様子。口を開けたまま呆然とする三人。話について行けないというか話が見えない。
彼女達を置いて話が盛り上がっていきます。魔法のことも勿論知っている。箒で競争しようとか言い出します。我に返ったみらいが魔法なのに驚かないの!?と切迫した声で聞くと逆に不審がられてしまいます。あ、お久しぶりです猫さん。
それならと杖を取り出したみらいは猫にしゃべる魔法をかけます。ちゃんとペラペラしゃべります。やんややんやの拍手。普通に褒められてしまいました。「朝日奈さんやるわね!」。違う!そうじゃない!俺の知っている勝木さんはそんなこと言わない!!
ヘリが飛んでいるのを見たジュンが競争しようとか言い出します。ヘリの絵を模写していたころが懐かしい。どうやらナシマホウ界人は魔法が使えないのはそのままのようです。そこに先生がやってくるとあぶない遊びはダメと注意。でもルールに従えばOK。
みんなに違和感がないのが違和感。面識がほとんどないはずの人々が友達で魔法まで知られている。まさかこれが「混沌」なのかと思い当たります。そしてよく周囲を見渡してみれば不穏な雲が周囲を取り巻いています。
ラパーパと同調しているのか、はーちゃんがその気配を感じ取ります。この状態は緊急避難というかラパーパによる最終防衛のようです。彼女達が次に行くべき場所は決まっています。箒に乗って移動。普通に見送る一同。
あと一歩のところでそれ以上は進まない。不満そうな顔を浮かべるベニーギョ。オルーバが実体化。しかし様子が変。彼女らの背後に立つデウスマストがオルーバの口を借りて話しているのだと気付きます。この地を混沌に変えるべく力を放った。眷属とはその力が形を持った分身。子機みたいなものか。それ故に眷属が封印されれば本体である自分にも影響を及ぼす。本体の覚醒が遅かったのはそのため。全ての眷属の封印が解けると同時に覚醒。自己紹介ありがとうございます。解説役いないと思ってましたが自分で説明してくれました。
あとは混沌に包み込むだけ……それに抗う者がいる。
怪しい雲は魔法学校を包み込み始めます。色々とおかしな世界になってしまいましたがアイザック先生のボケは相変わらずの様子。お前何歳だよ。学校にみらい達が駆け込んできます。
校長先生とリアンに会います。ここだけ見れば変わった様子はありませんが、やはり彼らの記憶も改竄されているようでみらい達の説明を聞くとそれとなく理解を示してくれます。冷静にリアクションを返すので見ている方が拍子抜けしてしまうのですが異常なのに異常と認識できないのが厄介なところ。こうなってしまえば彼らもほとんど使い物になりません。まあ、最初から戦力として見てないので良いんですけど。
みらい達の記憶が連続しているのはリンクルストーンの加護。同時にこの状況をみんなが自然に受け入れているのもそのため。つまり……
デウスマスト側も気付きます。マザー・ラパーパは今も存在している。しかしもはやかつての残滓といってもいい状態。ギリギリで耐えているにすぎず時間の問題。
スマホンを通してラパーパの声をはーちゃんが伝えます。かつて何もかも秩序なく混ざり合う混沌の世界だけがあった。あるときそれは星々になり宇宙が始まった。そこまで話戻すんだ。でもその片隅で宇宙に生まれ変わらないまま残った混沌、それがデウスマスト。ちゃんと存在概念が説明されました。言ってしまえば彼もまたこの宇宙の別の姿、片割れといったところでしょうか。ここまでくるともはや概念に等しい。
そうしてこの宇宙の星々を飲み込んでいるとあることに彼は気付きます。宇宙の誕生すら超える奇跡、無限の可能性を持つ生命の存在に。その生命、それを生む大地、それらを全て混ぜ合わせてただの巨大なエネルギーの塊にして混沌に返す力とする。それがデウスマストが地球を狙う理由。エントロピーとか色々言い方はあるんでしょうが、あまり重要ではありません。要するにこいつとはわかり合えない。それで十分。
その相手をラパーパは太陽の中に押し込めた。しかしデウスマストはその太陽を飲み込んで戻ってきた。世界の全てを自分のものにするために。じゃあドンドン花やピーカンみらんの発育が悪かったのはこのためかとみらいは気付きます。ここでその話拾うのかよ。しかもそれで実感が湧いたのか絶対に許さない!と憤ります。話のスケールがデカイすぎるのでこっちの方が正しいリアクションと言えるかもしれません。意思を持った天災とでも思えばいい。
力を失いつつも残った心で見守っていた。そう話すはーちゃん。この世界がごちゃ混ぜになっているのはデウスマストとラパーパの力が拮抗してできた間隙。混乱しないように記憶まで調整してくれるサービス付き。結局それ別物だがな。よくも俺の勝木さんをあんなにしてくれた。ラパーパさん、やっぱり守り神といっても神。人間のそういう細かいところにこだわってくれない。やはりこの問題は人間の問題。私達が私達であるために一肌脱がなくてはならない。
ということまで考えてはないでしょうが、みらいがデウスマストを追い払おう!言います。けだし正解。その言葉の意味はこれから知ることになるのですが。
みらいの言葉にはーちゃんは頷くも、陰った表情を浮かべます。
「でも」。はーちゃんの言葉を引き継いで校長が答えます。世界は元には戻らないかもしれない。どういうこと?
わかりやすく図で説明。神話まで遡れば一つだった世界も今ではそれぞれ独立した世界として存在しているのが魔法界とナシマホウ界。それがデウスマストの混沌の力で強引にくっつけられているのが現在の状態。ではもしこの元凶を取り除いたらどうなるか、二つの世界は反動で離ればなれになってしまう。それ自体世界の存続の危機ですが、間違いなく二つの世界はどこまでも引き離されてしまうと校長は断言します。カタツムリニアでも無理。はーちゃんも首肯します。
なるほど、そうきましたか。こちらが予想したよりもさらに直球。理想郷を提示して猶予を与えるなんて生やさしい話ではなく、別離前提で戦わせる。鬼かよ、東堂いづみ。勝木さんは変わってしまいましたが東堂いづみは変わらない。この戦いは負けてはダメだし、勝っても別れる。これ自体はスマイルと似た展開ですがおそらく魔法つかいの射程はこれより長い。詳細は後述します。
みらいとリコ、ふたりは同時に息を飲みます。
②この戦いは何のため
いよいよ最後の猶予も終わりに近づいてきました。
世界を覆い尽くす黒い雲。嵐の前の静けさ。はーちゃんが憶えている?と口を開きます。ジュン達とまゆみ達と一緒に見た夕日。とっても綺麗だったと静かに言います。みらいが言葉を継ぎます。
「夕日が沈んだらみんなお家に帰る時間。でも新しい朝が、明日が来れば…」
「また会える。夕日が綺麗なのはそう信じているから…」
もし世界が終わるならその夕日は破滅の象徴として映るでしょう。血のように赤々と。その美しさは明日が来るという未来の先取り。意識されない確信がその姿を形作る。ここで小さな、しかし大きな転換を行っています。彼女達は世界をそのまま認識しているのではなく、自分の心の在り様で見ているのだと言っています。
みんなの夕日を取り戻すため彼女達は前に進みます。
子ども達が立ち向かっている後ろで大人が指を咥えて待っているわけにはいきません。世界がごちゃ混ぜになったのなら一つ楽がことがある。世界中のみんな校長を知っている! 逆転の発想。
全世界に向けて校長が演説。我々には希望が残されている。伝説より生まれ、そして伝説を超え奇跡の光で世界を照らす者たち。必ず明日は来る。今はしばしの別れ。皆また会えることを信じて。人々は託します。いつか必ず世界は再び結ばれる。そう祈りを込めて与えられた魔法プリキュアに。
世界が混沌に飲み込まれると同時に強く大きな光が発します。光の中心にいるのはみらい、リコ、はーちゃん、モフルン。彼女達の背後で世界は消えます。なんて潔い舞台設定。全ての設定・条件を明示して戦えない人達を完全に離脱させてしまう。残るのはプリキュアとラスボスのみ。彼女達が立っている世界は先ほどまでのごちゃ混ぜ世界でも、かつてのナシマホウ界でもない。真っ白な地図。そこに自由に書き込める権利を有するのは勝者のみ。
「私達という命が残っている限り、全てが混沌に飲まれたことにならない」
S☆S理論を思い出します。懐かしい。概念存在と戦うのは久しぶりですが、この壮大感、卑小な存在である人間が命の代表として神の前に立てる。これがこの戦いの醍醐味でもあります。
「あなたを追い払えばまだ世界は救える!」
本当に本作は徹底しています。「倒す」という言葉を使いません。それは裏返せばそこに含意される「悪」という存在もないということ。彼女達の戦いは殺すか殺されるかの戦いではありません。彼女達の生活を阻むお邪魔虫を払いのける。それ以上の意味はありません。これまでの(映画を含めた)戦いがそうであるように徹頭徹尾自分の目線でしか戦わない。その目線こそが最後の決め手になります。
変身。力強く大地に立ちます。といっても相手は遥か頭上の宇宙。スケールが違いすぎる。デウスマストが手でバーンと地面を叩けばそれで終了しそうな勢いですが、そこは空気を読んで子機を無数に出します。ほとんどラパーパと同調しているのか自分が継いでいることを自覚するフェリーチェ。元々性能がミラクルとマジカルに比べても高いんですがより顕著に。予告から推測するに次回がみらいとリコの見せ場のようなので、今週ははーちゃんが先陣に立っています。つぼみとゆりの関係というか、戦闘適性としてははーちゃん(ラパーパ)が高いんだけど、プリキュア適性としてはみらいとリコが高いというか。最終的な判断はふたりが行う。それを裏付けるようにミラクルは言います。
「本当はちょっぴり嬉しかった。二つの世界のみんながあんな風に仲良く笑顔でいられる世界。でも!」
「それはただ待ってて手に入れられるものじゃないわ」
「そう、自分たちの力でいつか……。そのために明日を必ず守ってみせます!」
③星を継ぐ者
デウスマストの力の奔流が地球と彼女達を包み込みます。
ところがどっこい、飲み込まれて消えるどころか存在感を主張。混ざり合って一つになるなんてごめんこうむる。十把一絡げにすんな、こちとら一人一人違う。わかります。私は変身前はリコ派ですが、変身後はミラクル派。特にルビーミラクルが素晴らしい。トパーズも可愛い。ダイヤの正統派美少女感。映画のサファイアはセクシーでした。違いとか言いながら全部ミラクルの話しかしてないけど、そう理解してます。最終決戦なんだから真面目に書けよと言われそうですが、ごちゃ混ぜ拒否はプリキュアの伝統でもあるので特に補足することはありません。強いて言えば、やはり今回は最終決戦の前哨戦。個々の固有性を主張するところに軸が置かれています。要するにみらいとリコとはーちゃんが別れるという一番大事な問題は次回に持ち越し。これにて本番前の準備運動とルール説明は全て終了。
ダイヤとエメラルドの精霊が口を開きます。リンクルストーンはラパーパが残した力。全ての生命への恵み。彼女達にラパーパの力を全て託します。
④次回予告
自分が在ること。他人が居ること。明日が、明日も続くこと。
○トピック
先週ようやくご登場頂いたデスマストさんですが、残念なお知らせがあります。もう要りません。
話の都合上説明しなければならないことを全部出した途端不要に。とても潔い。いやーまさかここまで魔法つかいが直球でくるなんて、まさに期待したとおりです。この物語に敵なんて要らない。それを証明してくれる最終決戦です。話がちょっと飛躍していると思うので順を追って説明します。
このデウスマストという存在はシリーズでは結構久しぶりのポジションで、初代・MH・S☆Sの頃にいた概念的存在です。絶望、虚無、混沌とかの概念が物理化したもの。従って人間から見ると意思を持っている天災と言えます。簡単に言えば理不尽や不条理です。突然出てきて今までの生活をぶちこわす。そういう災害的な敵です。当然話は通じないので和解できないし、する必要もありません。やるかやられるかしかない(概念なので完全に倒せないんですが)。
例えばスマイルやプリンセスの敵も絶望なんですが、人間の内面的な問題がラスボスの形をとっているもので言わば内部からの敵です。デウスマストは外部からの敵。スマイルはお別れする覚悟が最後に問われたし、プリンセスは絶望を受け入れることが問われました。内部からの敵は感情的な問題なので妥協や克服する形になります。その他の和解している敵に関してはもはや人間かそれに類するもの(人間感情の一部)なのでこれも同じことが言えます。
最近のプリキュアは対話可能なラスボスが多かったので、この辺を切替えて考える必要があります。実は内部からの敵というのはスケール的には小さいんです。気持ちの問題が答えになるので敵と対話して成長する個人的な話に落着く。これに対し概念的存在である外からの敵は世界そのものを作りかえようとする敵であり、対抗してプリキュア側にも世界を作りかえる権利が生じます。今回の舞台設定はまさにそれ。
その権利をどう行使するのか。それが世界観です。
世界観というのは「そういう設定」という意味ではなく、そのように世界を見るという意味です。一つの価値観に基づいて体系化して捉える。よく私が口にする根拠のない確信も広義には世界観のことを指しています。MHは己の魂を、S☆Sは生命観を拠り所としてボスを追い払いました。そのご褒美というか、昇華でMHであれば(元がクイーンでも魂を持った人間として生きた)ひかりは帰ってくるし、満と薫は命を与えられる。魂や生命は絶望や虚無に支配されないという断固とした意志です。
しかし魔法つかいは一筋縄ではいきません。何故なら本作が提示するであろう世界観は分離(別離)を含んだものだからです。一緒がいいというのなら混沌を受け入れればいい。ごちゃ混ぜでみんな一つになるから。でもみらい達はそれを選ばなかった。なら、それなりの結末を彼女達は享受しなければなりません。ここが本作の肝です。デウスマストが要らないというのはこの選択をした時点で未来を先取りしているからです。問題になるのは天災を乗り越えることではなく、乗り越えた後。その後の生き方です。自分達は何を信じて生きるか、自分の見る世界の形はどんなものか。自分が選んだ道、世界(観)を実際に彼女達は歩かなくてはいけません。この意味で本作はMHやS☆Sよりも射程が長い。「世界が変わってしまっても自分が見る世界は変わらない」「世界が変わってしまっても私達は変わらない」そのことを証明する必要があるからです。これは前作プリンセスがその後として成長した姿をチラリと描いていますが、本作はこの部分により切り込んでいくのではないかと思っています。
異なる人々が出会って一つの世界(観)が生まれる。その奇跡は彼女達にどんな恵みを与えるのか。乗り越えた先の姿を是非見たい。それはプリキュアシリーズをとおしてもほとんど描かれることのなかった「その先」の姿であり、女の子が友達と共に作り上げた世界が現実となる証明ともなるでしょう。
ラスボスと戦う前にすでに締めの話やってますが、これで外したら超恥ずかしい。奇跡の魔法で元に戻しちゃえ、えい。で終わったらどう誤魔化そう。いずれにしても彼女達は自分で決断した世界で生きることを了承する。彼女達はもはや子どもではありません。自らの意思と決断で前に進む。その先があると信じて。
①混沌なる世界
様子を見るためベランダに出るとそこら中魔法つかいだらけ。
これは夢なのか?とはーちゃんのほっぺたをつねるみらい。はーちゃんもお返し。モフルンは自分でつねります。どうやら夢ではないらしい。子どもの頃に一度だけその機会があったので夢の中でやったことがありますが起きませんでした。
さらに通りに出てみるとナシマホウ界人も魔法界人と顔見知りの様子。ジュン達が勝木さん達を連れてやってきます。
春映画CM。腕組んで仁王立ちするのやめてください。格好よすぎます。CGをガシガシ入れてくる感じですかね。
ベニーギョが目を覚ますとそこは地球を見下ろす宇宙。前回魔方陣の一部になりましたが、記憶が曖昧なようです。しかし眼下の地球は黒く染まっていくのを見ると納得がいきます。終わりなき混沌の始まり。が、ふとあることに気付きます。
黒い雲が周囲を囲んでいることに気付かないのか、ジュン達は遊びの話を始めます。自然に話に加わっている勝木さんとまゆみ。話を振られてみらい達の方がリアクションに困ります。すると壮太とゆうとがやってきて話に加わります。ジュン達から見てハロウィン以来の面識のはずですがこちらも完全に顔見知りの様子。口を開けたまま呆然とする三人。話について行けないというか話が見えない。
彼女達を置いて話が盛り上がっていきます。魔法のことも勿論知っている。箒で競争しようとか言い出します。我に返ったみらいが魔法なのに驚かないの!?と切迫した声で聞くと逆に不審がられてしまいます。あ、お久しぶりです猫さん。
それならと杖を取り出したみらいは猫にしゃべる魔法をかけます。ちゃんとペラペラしゃべります。やんややんやの拍手。普通に褒められてしまいました。「朝日奈さんやるわね!」。違う!そうじゃない!俺の知っている勝木さんはそんなこと言わない!!
ヘリが飛んでいるのを見たジュンが競争しようとか言い出します。ヘリの絵を模写していたころが懐かしい。どうやらナシマホウ界人は魔法が使えないのはそのままのようです。そこに先生がやってくるとあぶない遊びはダメと注意。でもルールに従えばOK。
みんなに違和感がないのが違和感。面識がほとんどないはずの人々が友達で魔法まで知られている。まさかこれが「混沌」なのかと思い当たります。そしてよく周囲を見渡してみれば不穏な雲が周囲を取り巻いています。
ラパーパと同調しているのか、はーちゃんがその気配を感じ取ります。この状態は緊急避難というかラパーパによる最終防衛のようです。彼女達が次に行くべき場所は決まっています。箒に乗って移動。普通に見送る一同。
あと一歩のところでそれ以上は進まない。不満そうな顔を浮かべるベニーギョ。オルーバが実体化。しかし様子が変。彼女らの背後に立つデウスマストがオルーバの口を借りて話しているのだと気付きます。この地を混沌に変えるべく力を放った。眷属とはその力が形を持った分身。子機みたいなものか。それ故に眷属が封印されれば本体である自分にも影響を及ぼす。本体の覚醒が遅かったのはそのため。全ての眷属の封印が解けると同時に覚醒。自己紹介ありがとうございます。解説役いないと思ってましたが自分で説明してくれました。
あとは混沌に包み込むだけ……それに抗う者がいる。
怪しい雲は魔法学校を包み込み始めます。色々とおかしな世界になってしまいましたがアイザック先生のボケは相変わらずの様子。お前何歳だよ。学校にみらい達が駆け込んできます。
校長先生とリアンに会います。ここだけ見れば変わった様子はありませんが、やはり彼らの記憶も改竄されているようでみらい達の説明を聞くとそれとなく理解を示してくれます。冷静にリアクションを返すので見ている方が拍子抜けしてしまうのですが異常なのに異常と認識できないのが厄介なところ。こうなってしまえば彼らもほとんど使い物になりません。まあ、最初から戦力として見てないので良いんですけど。
みらい達の記憶が連続しているのはリンクルストーンの加護。同時にこの状況をみんなが自然に受け入れているのもそのため。つまり……
デウスマスト側も気付きます。マザー・ラパーパは今も存在している。しかしもはやかつての残滓といってもいい状態。ギリギリで耐えているにすぎず時間の問題。
スマホンを通してラパーパの声をはーちゃんが伝えます。かつて何もかも秩序なく混ざり合う混沌の世界だけがあった。あるときそれは星々になり宇宙が始まった。そこまで話戻すんだ。でもその片隅で宇宙に生まれ変わらないまま残った混沌、それがデウスマスト。ちゃんと存在概念が説明されました。言ってしまえば彼もまたこの宇宙の別の姿、片割れといったところでしょうか。ここまでくるともはや概念に等しい。
そうしてこの宇宙の星々を飲み込んでいるとあることに彼は気付きます。宇宙の誕生すら超える奇跡、無限の可能性を持つ生命の存在に。その生命、それを生む大地、それらを全て混ぜ合わせてただの巨大なエネルギーの塊にして混沌に返す力とする。それがデウスマストが地球を狙う理由。エントロピーとか色々言い方はあるんでしょうが、あまり重要ではありません。要するにこいつとはわかり合えない。それで十分。
その相手をラパーパは太陽の中に押し込めた。しかしデウスマストはその太陽を飲み込んで戻ってきた。世界の全てを自分のものにするために。じゃあドンドン花やピーカンみらんの発育が悪かったのはこのためかとみらいは気付きます。ここでその話拾うのかよ。しかもそれで実感が湧いたのか絶対に許さない!と憤ります。話のスケールがデカイすぎるのでこっちの方が正しいリアクションと言えるかもしれません。意思を持った天災とでも思えばいい。
力を失いつつも残った心で見守っていた。そう話すはーちゃん。この世界がごちゃ混ぜになっているのはデウスマストとラパーパの力が拮抗してできた間隙。混乱しないように記憶まで調整してくれるサービス付き。結局それ別物だがな。よくも俺の勝木さんをあんなにしてくれた。ラパーパさん、やっぱり守り神といっても神。人間のそういう細かいところにこだわってくれない。やはりこの問題は人間の問題。私達が私達であるために一肌脱がなくてはならない。
ということまで考えてはないでしょうが、みらいがデウスマストを追い払おう!言います。けだし正解。その言葉の意味はこれから知ることになるのですが。
みらいの言葉にはーちゃんは頷くも、陰った表情を浮かべます。
「でも」。はーちゃんの言葉を引き継いで校長が答えます。世界は元には戻らないかもしれない。どういうこと?
わかりやすく図で説明。神話まで遡れば一つだった世界も今ではそれぞれ独立した世界として存在しているのが魔法界とナシマホウ界。それがデウスマストの混沌の力で強引にくっつけられているのが現在の状態。ではもしこの元凶を取り除いたらどうなるか、二つの世界は反動で離ればなれになってしまう。それ自体世界の存続の危機ですが、間違いなく二つの世界はどこまでも引き離されてしまうと校長は断言します。カタツムリニアでも無理。はーちゃんも首肯します。
なるほど、そうきましたか。こちらが予想したよりもさらに直球。理想郷を提示して猶予を与えるなんて生やさしい話ではなく、別離前提で戦わせる。鬼かよ、東堂いづみ。勝木さんは変わってしまいましたが東堂いづみは変わらない。この戦いは負けてはダメだし、勝っても別れる。これ自体はスマイルと似た展開ですがおそらく魔法つかいの射程はこれより長い。詳細は後述します。
みらいとリコ、ふたりは同時に息を飲みます。
②この戦いは何のため
いよいよ最後の猶予も終わりに近づいてきました。
世界を覆い尽くす黒い雲。嵐の前の静けさ。はーちゃんが憶えている?と口を開きます。ジュン達とまゆみ達と一緒に見た夕日。とっても綺麗だったと静かに言います。みらいが言葉を継ぎます。
「夕日が沈んだらみんなお家に帰る時間。でも新しい朝が、明日が来れば…」
「また会える。夕日が綺麗なのはそう信じているから…」
もし世界が終わるならその夕日は破滅の象徴として映るでしょう。血のように赤々と。その美しさは明日が来るという未来の先取り。意識されない確信がその姿を形作る。ここで小さな、しかし大きな転換を行っています。彼女達は世界をそのまま認識しているのではなく、自分の心の在り様で見ているのだと言っています。
みんなの夕日を取り戻すため彼女達は前に進みます。
子ども達が立ち向かっている後ろで大人が指を咥えて待っているわけにはいきません。世界がごちゃ混ぜになったのなら一つ楽がことがある。世界中のみんな校長を知っている! 逆転の発想。
全世界に向けて校長が演説。我々には希望が残されている。伝説より生まれ、そして伝説を超え奇跡の光で世界を照らす者たち。必ず明日は来る。今はしばしの別れ。皆また会えることを信じて。人々は託します。いつか必ず世界は再び結ばれる。そう祈りを込めて与えられた魔法プリキュアに。
世界が混沌に飲み込まれると同時に強く大きな光が発します。光の中心にいるのはみらい、リコ、はーちゃん、モフルン。彼女達の背後で世界は消えます。なんて潔い舞台設定。全ての設定・条件を明示して戦えない人達を完全に離脱させてしまう。残るのはプリキュアとラスボスのみ。彼女達が立っている世界は先ほどまでのごちゃ混ぜ世界でも、かつてのナシマホウ界でもない。真っ白な地図。そこに自由に書き込める権利を有するのは勝者のみ。
「私達という命が残っている限り、全てが混沌に飲まれたことにならない」
S☆S理論を思い出します。懐かしい。概念存在と戦うのは久しぶりですが、この壮大感、卑小な存在である人間が命の代表として神の前に立てる。これがこの戦いの醍醐味でもあります。
「あなたを追い払えばまだ世界は救える!」
本当に本作は徹底しています。「倒す」という言葉を使いません。それは裏返せばそこに含意される「悪」という存在もないということ。彼女達の戦いは殺すか殺されるかの戦いではありません。彼女達の生活を阻むお邪魔虫を払いのける。それ以上の意味はありません。これまでの(映画を含めた)戦いがそうであるように徹頭徹尾自分の目線でしか戦わない。その目線こそが最後の決め手になります。
変身。力強く大地に立ちます。といっても相手は遥か頭上の宇宙。スケールが違いすぎる。デウスマストが手でバーンと地面を叩けばそれで終了しそうな勢いですが、そこは空気を読んで子機を無数に出します。ほとんどラパーパと同調しているのか自分が継いでいることを自覚するフェリーチェ。元々性能がミラクルとマジカルに比べても高いんですがより顕著に。予告から推測するに次回がみらいとリコの見せ場のようなので、今週ははーちゃんが先陣に立っています。つぼみとゆりの関係というか、戦闘適性としてははーちゃん(ラパーパ)が高いんだけど、プリキュア適性としてはみらいとリコが高いというか。最終的な判断はふたりが行う。それを裏付けるようにミラクルは言います。
「本当はちょっぴり嬉しかった。二つの世界のみんながあんな風に仲良く笑顔でいられる世界。でも!」
「それはただ待ってて手に入れられるものじゃないわ」
「そう、自分たちの力でいつか……。そのために明日を必ず守ってみせます!」
③星を継ぐ者
デウスマストの力の奔流が地球と彼女達を包み込みます。
ところがどっこい、飲み込まれて消えるどころか存在感を主張。混ざり合って一つになるなんてごめんこうむる。十把一絡げにすんな、こちとら一人一人違う。わかります。私は変身前はリコ派ですが、変身後はミラクル派。特にルビーミラクルが素晴らしい。トパーズも可愛い。ダイヤの正統派美少女感。映画のサファイアはセクシーでした。違いとか言いながら全部ミラクルの話しかしてないけど、そう理解してます。最終決戦なんだから真面目に書けよと言われそうですが、ごちゃ混ぜ拒否はプリキュアの伝統でもあるので特に補足することはありません。強いて言えば、やはり今回は最終決戦の前哨戦。個々の固有性を主張するところに軸が置かれています。要するにみらいとリコとはーちゃんが別れるという一番大事な問題は次回に持ち越し。これにて本番前の準備運動とルール説明は全て終了。
ダイヤとエメラルドの精霊が口を開きます。リンクルストーンはラパーパが残した力。全ての生命への恵み。彼女達にラパーパの力を全て託します。
④次回予告
自分が在ること。他人が居ること。明日が、明日も続くこと。
○トピック
先週ようやくご登場頂いたデスマストさんですが、残念なお知らせがあります。もう要りません。
話の都合上説明しなければならないことを全部出した途端不要に。とても潔い。いやーまさかここまで魔法つかいが直球でくるなんて、まさに期待したとおりです。この物語に敵なんて要らない。それを証明してくれる最終決戦です。話がちょっと飛躍していると思うので順を追って説明します。
このデウスマストという存在はシリーズでは結構久しぶりのポジションで、初代・MH・S☆Sの頃にいた概念的存在です。絶望、虚無、混沌とかの概念が物理化したもの。従って人間から見ると意思を持っている天災と言えます。簡単に言えば理不尽や不条理です。突然出てきて今までの生活をぶちこわす。そういう災害的な敵です。当然話は通じないので和解できないし、する必要もありません。やるかやられるかしかない(概念なので完全に倒せないんですが)。
例えばスマイルやプリンセスの敵も絶望なんですが、人間の内面的な問題がラスボスの形をとっているもので言わば内部からの敵です。デウスマストは外部からの敵。スマイルはお別れする覚悟が最後に問われたし、プリンセスは絶望を受け入れることが問われました。内部からの敵は感情的な問題なので妥協や克服する形になります。その他の和解している敵に関してはもはや人間かそれに類するもの(人間感情の一部)なのでこれも同じことが言えます。
最近のプリキュアは対話可能なラスボスが多かったので、この辺を切替えて考える必要があります。実は内部からの敵というのはスケール的には小さいんです。気持ちの問題が答えになるので敵と対話して成長する個人的な話に落着く。これに対し概念的存在である外からの敵は世界そのものを作りかえようとする敵であり、対抗してプリキュア側にも世界を作りかえる権利が生じます。今回の舞台設定はまさにそれ。
その権利をどう行使するのか。それが世界観です。
世界観というのは「そういう設定」という意味ではなく、そのように世界を見るという意味です。一つの価値観に基づいて体系化して捉える。よく私が口にする根拠のない確信も広義には世界観のことを指しています。MHは己の魂を、S☆Sは生命観を拠り所としてボスを追い払いました。そのご褒美というか、昇華でMHであれば(元がクイーンでも魂を持った人間として生きた)ひかりは帰ってくるし、満と薫は命を与えられる。魂や生命は絶望や虚無に支配されないという断固とした意志です。
しかし魔法つかいは一筋縄ではいきません。何故なら本作が提示するであろう世界観は分離(別離)を含んだものだからです。一緒がいいというのなら混沌を受け入れればいい。ごちゃ混ぜでみんな一つになるから。でもみらい達はそれを選ばなかった。なら、それなりの結末を彼女達は享受しなければなりません。ここが本作の肝です。デウスマストが要らないというのはこの選択をした時点で未来を先取りしているからです。問題になるのは天災を乗り越えることではなく、乗り越えた後。その後の生き方です。自分達は何を信じて生きるか、自分の見る世界の形はどんなものか。自分が選んだ道、世界(観)を実際に彼女達は歩かなくてはいけません。この意味で本作はMHやS☆Sよりも射程が長い。「世界が変わってしまっても自分が見る世界は変わらない」「世界が変わってしまっても私達は変わらない」そのことを証明する必要があるからです。これは前作プリンセスがその後として成長した姿をチラリと描いていますが、本作はこの部分により切り込んでいくのではないかと思っています。
異なる人々が出会って一つの世界(観)が生まれる。その奇跡は彼女達にどんな恵みを与えるのか。乗り越えた先の姿を是非見たい。それはプリキュアシリーズをとおしてもほとんど描かれることのなかった「その先」の姿であり、女の子が友達と共に作り上げた世界が現実となる証明ともなるでしょう。
ラスボスと戦う前にすでに締めの話やってますが、これで外したら超恥ずかしい。奇跡の魔法で元に戻しちゃえ、えい。で終わったらどう誤魔化そう。いずれにしても彼女達は自分で決断した世界で生きることを了承する。彼女達はもはや子どもではありません。自らの意思と決断で前に進む。その先があると信じて。
第47話「それぞれの願い!明日はどっちだー?」
○今週の出来事
①新しい朝
朝。すっきり目を覚ましたみらいは窓を開けます。気持ちよく晴れた空。今日も一日ワクワクもんと新しい一日を迎えます。
リコ、はーちゃんも同じ空を見上げます。最初からクライマックス。これフラグじゃないですか。
魔法界の方では異常気象。常春にもかかわらず雪。災いの始まり。
太陽を背にうごめく黒い影。……ミジンコ?
魔法学校の生徒達はみんな困惑の表情。一人くらいやった!雪だ!とか喜ぶ奴がいても良さそうですが、深刻さが伝わらないのでカット。
クシィの本を開きながら校長は解説。要するに予言されていた災い。執行猶予が終わりました。終わりなき混沌デウスマストの登場。見た目はミジンコですけど。
数学の宿題に向き合うみらい。ちなみに明日から学校なのでギリギリですが、この子の場合好きでないやつは結局手が着かず最後まで残してたパターンでしょうね。
リコとはーちゃんが部屋に入ってきます。はーちゃんの冬服もなかなか奇抜。なお、ふたりは宿題終わっている模様。はーちゃんの学力は不明ですが飲み込み早そう。…と話している内に宿題を終えるみらい。
それでは何をしようか。ナシマホウ界でしかできない事の方がいいとリコ。それなら!と閃くみらい。
人々にとっての脅威も眷属にとっては福音。主人の威光に感嘆するベニーギョ。相変わらずデウスマストさんは顕微鏡の中でちょちょこ動くミジンコみたいな感じですが、一応ラスボスです。
主人が到着してしまえばそれで終わり。しかしこれまで散々辛酸をなめさせられたプリキュアを野放しにするのは癪に障る。自らの手でケリをつけるべくベニーギョは周囲の眷属達を引き連れて出陣。この人もフラグ立ってますね。
外出すると親に断るみらい。今夜は鍋にしようとお婆ちゃん。すると親父さんが自分のところで作った最新IH鍋を持ってきます。「あら~?また黙って買ったの?」。お母さんの笑顔が怖い。ミジンコよりずっと怖い。
鍋を知らないリコとはーちゃん。お婆ちゃんが美味しそうなイメージ映像付きで説明。プリキュア的に言うと今夜は鍋食うんだよ!パンチの前振り。まあ、それどころじゃなくなるんですけど。夕飯を楽しみにしながら出発。
みらい達が出て行ってしまった後で校長から着信。災いが近づいている。しかし同時にみらい達のもとにあるレインボーキャリッジには精霊の力が充填されて残るは2つ。切り札となるのかどうか。一縷の望みを託す校長。
②それぞれのすごし方
駅までやってくると見たことのある顔。魔法界人。里帰りだとリコが説明。そう言うリコは普段から往復しているのでナシマホウ界ですごしたいとのこと。そんなことを話していると「キュアップ・アパパ」の声。リコじゃなくても失敗しそうなかけ声だな。声の主は勝木さん。折角魔法つかいに会ったのだから呪文を覚えておけばよかったとちょっと後悔。「ホイップ?ララップ?」とまゆみ。だいぶ離れた。「キュピップ!」。短縮形?
はーちゃんが正解を言いそうになったのですかさずリコが口止め。この動きは絶対予想してたな。予期しないふたりの登場に勝木さんは慌てて枝を隠します。魔法つかいの真似をしている人達と口止めしている人達。お互いに何でもないと言い訳から始まります。新年早々なにやってんだこいつら。
今度は学校に行ってみると生徒会長のゆうとが花壇を手入れしています。明日からやればいいにのマメな子だな。先生もやってきて手伝います。こっちの冬休みはどう?と訊ねられたリコは楽しいと答えます。はーちゃんも同意見。先生は嬉しそうに頷きながら宿題の方も訊ねますがこちらも「バッチリ」と答えが返ってきて満足。
さらに河川敷に行ってみると壮太がサッカーの練習中。こういう日常風景はプリキュアでは逆に珍しい。年明け早々最終決戦ムードになるのは毎年のことですがどうしても主人公メインになりがちでサブキャラまでは焦点あたりませんからね。本作の場合はナシマホウ界、魔法界の日常とそこに住む人々、そしてこの後の急激な変革が控えているのでどのような日常が正常であるかを明示するのは大切なことです。本作はいわゆる不思議の国というのが存在しません。リコとはーちゃんが留学生というのは事実そうで、ナシマホウ界での暮らしは正規なものです。お国がやばいので緊急的に避難しているとか、お忍びで来ているとかみたいな「仮の生活」ではありません。だからリコのこっちの生活を知りたい、すごしてみたいという希望は本人の自然な意思表示であり生活感があります。本作の肝はこの異国の地で自然に暮すという関係、それが当たり前になっている子どもの視点です。
みらい達に気付いた壮太は足元にあるボールを取ってくれとリコに頼みます。そこははーちゃんじゃないのか。私?と突然の振りに戸惑いながらもボールを蹴ります。リコのことだから失敗して笑いの種になるんじゃないかと期待していたのだとしたらなかなかの策士。しかしボールは見事ゴールへ。「フフッ、狙い通りだし」。新年一発目からありがとうございます。そんないつもどおりな彼女をみらいは嬉しそうに見つめます。
階段を登って神社へ初詣。日が過ぎているので境内は彼女達だけ。
みらいが見本を見せます。はーちゃんがめっちゃ鈴鳴らします。わかる。やるやる。その間もみらいは静かに目を閉じて何かを願っています。それに見習ってはーちゃんも念じます。何をお願いしたの?とリコに聞かれてみんなと一緒に楽しくすごしたいと答えます。モフルンははーちゃんみたいに大きくなりたい。OP的なのを想像。大きくなりすぎ!とすかさずリコがツッコミをいれます。四葉令嬢に頼めば割りと実現可能。
ようやくみらいの願いが終わります。彼女が願ったのは魔法界もナシマホウ界もみんな一緒に笑顔になれたらいい。リコとはーちゃんがそうであるようにみらいにとってもこの1年は大きな変化があった年でした。友達も増えた。出生や目標は違えど彼女達に共通するのはこれです。
リコは立派な魔法つかいになって何をするか見つけると言います。それ順序逆じゃないですかね? この子らしいっちゃらしいんですけど。3年生になるしナシマホウ界でも魔法界で1番の成績をとって卒業したら……したらどうなる? 卒業したら今みたいに一緒にいられるのだろうか? いつの間にか今の生活が当たり前になってしまいました。留学期間が終わったのだから帰れと言われて、はいわかりましたとはいかない。はーちゃんもまた自分の出生に不安を抱きます。アレキサンドライト回もそうなんですがこのふたりはアイデンティティに若干危うさがあります。みらいにそれがないのは環境的に彼女が同一性を保持しているためです。基本的に日本人にアイデンティティの問題がない(実感が薄い)のは同一性が高いためです。生まれも育ちも人種も言語も文化も宗教も差がない。リコやはーちゃんが自分は何者なのか、今後どこに行けばいいのかと考えるのは今住んでいる場所と本来の帰属場所とが異なるから。みらいの視点ではこの世界は楽しくて広くてワクワクもんな世界に映っています。魔法界はナシマホウ界の延長。魔法も彼女に恩恵をもたらした素敵なものという認識。あくまで彼女はナシマホウ界に住むナシマホウ界人。これが主人公特権としてラストまで突き抜けるのか、後述するごちゃ混ぜ世界になったことによって彼女の同一性(世界観の同定)が揺らぐのかは次回以降のお楽しみ。
不安がるはーちゃんの手を握ったみらいは明日も一緒だと呼びかけます。みんな明日は一緒に学校。ぶっちゃけその場しのぎの棚上げではありますが、事実そうであることも確かです。今それを考えても答えが出るはずもない。しかしいずれこの問題は向き合わなければならないでしょう。今平然としているみらいがその時にちゃんと向き合えるか。それまでの猶予はもうわずか。
寒くなってきたので押しくらまんじゅうしようとリコ。
その時がやってきます。躍動するデウスマスト。
皆既日食のように太陽が黒く包まれます。
ベニーギョを中心として出現する眷属。ポーズかっこいい。
③現出する神話の亡霊
ナシマホウ界側でも異常事態を認識。人々の視線が黒い太陽に釘付けになります。
不退転の決意で本気モードになるベニーギョ。眷属を取り込んで巨大化。ラスボスの前座。どうしよう、これ絶対負けフラグだよ。そしたら誰が司会役になってくれるの? あんなミジンコみたいなラスボスが饒舌にしゃべってくれるんでしょうか。
変身。サファイア。空中戦で行きます。
衝突。力負けしたプリキュアは地面に叩きつけられます。ベニーギョが地面を這うように追ってきます。うわ、超怖ぇ。一旦距離を置き連携して対応するもパワーが圧倒的すぎて一撃でダウンしかねない状況。前回のクリスマス回がとてもお気に召さなかったのか恨み節。口からビーム。地面をなぎ払いながらプリキュアのいるビルの屋上へと光線が伸びます。完全に街破壊してるがな。この容赦の無さ。間違いなく最終決戦(前座)。
困ったときのピンクトルマリン。ビームを反射。ギリギリでかわすベニーギョ。やはりラパーパの力は脅威。ビームがダメなら物理。物理が最強なのは某ロボットアニメでも実証されています。殴ってビルごと崩壊。
全ての世界は混沌に飲まれてなくなる。
ダメ押しでビーム。でもプリキュアに効かない。さすがナノラミ(以下略
私達には明日がある!とフェリーチェが先陣を切ります。背景的にこの子が一番重いワード背負ってるんで主人公っぽい。マジカルとミラクルも加勢。このまま好きにはさせません。
オーバーザレインボーに対抗するベニーギョ。前座とはいえボス、それなりに頑張ります。でもプリキュアが押し切ります。敵のビームは効かないけどこちらのビームは効く。それってヒーローの常識でしょ? 纏っていた眷属の力を失いベニーギョも最期のときを……
そのとき巨大な腕が空から振り下ろされます。
腕の根本から何かニョキニョキと生えてきます。きめぇ。恍惚の表情で歓喜するベニーギョ。これこそ彼女ら眷属が待ち望んだ主の顕現。
もう一本の腕が生えます。だからきもい。デウスマストに反応してスマホンが光ります。
飛び上がる3つの目。すると弱体化していた眷属達が一瞬にして復元。倒されたラブー、シャーキンス、オルーバも復活。さすが最終決戦。絶望感を煽ってきます。眷属というだけあって本家がくればいくらでも再生可能。目が本体から離れると本来頭があるべき部分が盛り上がり巨人が立ち上がります。眷属が集まるとデウスマストを中心に魔方陣を描画。外8、内4。この辺は数といいリンクルストーンとの対比になってますね。
腐ってない巨神兵というか、なんかやばい。見た目やばい。強そうっていうより存在自体がやばい。口が開き咆吼。人智を越えた何か。シリーズの数だけラスボスがいましたが、ぶっちぎりでキモイ。
さらには台風の目のように風が吹き上げます。母なる樹。その中心たるマザー・ラパーパ。それに引き寄せられるようにダイヤとエメラルドを持ったプリキュアがその中心へと消えていきます。
④新しい朝
朝。すっきり目を覚ましたみらいは窓を開けます。気持ちよく晴れた空。今日も一日ワクワクもんと新しい一日を迎えます。既視感。
リコとはーちゃんが深刻な声で部屋にやってきます。
窓の外には見慣れているようで見慣れない風景。浮島。空飛ぶ魔法つかいにペガサス。そして母なる樹。
「どうなっているの?」
⑤次回予告
勝木さん大勝利。
キラキラ☆プリキュアアラモード番宣開始。マカロンさんマカロンしか言ってなくね?
○トピック
ミジンコ言ってすいません。
色んな意味で予想外の事態。いや、以前デウスマストが示唆するのはごちゃ混ぜの世界と書いたのでこの事態は当然の帰結なんですがまさかストレートにくるとは思わなんだ。相変わらず一番良いところに球投げてくる。
何が良いって、ナシマホウ界と魔法界が一つになるのは誰にとっても望ましいのだけど、でも何か違わね?って話だからです。
一つになってしまえば魔法つかい放題だし、リコの悩みも軽減されるでしょう。はーちゃんも現人神みたいな感じで居とけばいいし、別に誰も不都合はない。これが本来の世界でもある。にも関わらずこの「でも違うでしょ」感。だいたい主人公なにもしてないし。これがデウスマストの本意なのかラパーパの干渉なのか、ただの幻なのかは置いても最終回前にこれがベストアンサーです。これで行きましょう。主人公含めみんな納得ってなったら別な意味で斬新すぎるわ。プリキュアの文脈的にも安直なごちゃ混ぜは否定されるべきものです。みんな一緒ってそうじゃねぇだろと。でも、魔法つかいの世界的にはこの形が原初であり本来。ざけんなまた神が人の生き方決めんのか……と堂々巡り。予告での平和な日常とは裏腹にかつてないくらいにのっぴきならない状況。
明日もみんな一緒に笑顔でいたい。そう願うみらい達の前に出現するのは理想の世界。最終決戦に伴って世界が破滅することは度々ありましたが、まさかの世界創造。しかも神話の楽園。
この世界に彼女達は何と答えるのか。彼女達が守るのは何か。この物語はどこに行き着くのか。理想郷から始まる最終決戦。ほんとこのアニメはなにやるか読めたもんじゃない。
①新しい朝
朝。すっきり目を覚ましたみらいは窓を開けます。気持ちよく晴れた空。今日も一日ワクワクもんと新しい一日を迎えます。
リコ、はーちゃんも同じ空を見上げます。最初からクライマックス。これフラグじゃないですか。
魔法界の方では異常気象。常春にもかかわらず雪。災いの始まり。
太陽を背にうごめく黒い影。……ミジンコ?
魔法学校の生徒達はみんな困惑の表情。一人くらいやった!雪だ!とか喜ぶ奴がいても良さそうですが、深刻さが伝わらないのでカット。
クシィの本を開きながら校長は解説。要するに予言されていた災い。執行猶予が終わりました。終わりなき混沌デウスマストの登場。見た目はミジンコですけど。
数学の宿題に向き合うみらい。ちなみに明日から学校なのでギリギリですが、この子の場合好きでないやつは結局手が着かず最後まで残してたパターンでしょうね。
リコとはーちゃんが部屋に入ってきます。はーちゃんの冬服もなかなか奇抜。なお、ふたりは宿題終わっている模様。はーちゃんの学力は不明ですが飲み込み早そう。…と話している内に宿題を終えるみらい。
それでは何をしようか。ナシマホウ界でしかできない事の方がいいとリコ。それなら!と閃くみらい。
人々にとっての脅威も眷属にとっては福音。主人の威光に感嘆するベニーギョ。相変わらずデウスマストさんは顕微鏡の中でちょちょこ動くミジンコみたいな感じですが、一応ラスボスです。
主人が到着してしまえばそれで終わり。しかしこれまで散々辛酸をなめさせられたプリキュアを野放しにするのは癪に障る。自らの手でケリをつけるべくベニーギョは周囲の眷属達を引き連れて出陣。この人もフラグ立ってますね。
外出すると親に断るみらい。今夜は鍋にしようとお婆ちゃん。すると親父さんが自分のところで作った最新IH鍋を持ってきます。「あら~?また黙って買ったの?」。お母さんの笑顔が怖い。ミジンコよりずっと怖い。
鍋を知らないリコとはーちゃん。お婆ちゃんが美味しそうなイメージ映像付きで説明。プリキュア的に言うと今夜は鍋食うんだよ!パンチの前振り。まあ、それどころじゃなくなるんですけど。夕飯を楽しみにしながら出発。
みらい達が出て行ってしまった後で校長から着信。災いが近づいている。しかし同時にみらい達のもとにあるレインボーキャリッジには精霊の力が充填されて残るは2つ。切り札となるのかどうか。一縷の望みを託す校長。
②それぞれのすごし方
駅までやってくると見たことのある顔。魔法界人。里帰りだとリコが説明。そう言うリコは普段から往復しているのでナシマホウ界ですごしたいとのこと。そんなことを話していると「キュアップ・アパパ」の声。リコじゃなくても失敗しそうなかけ声だな。声の主は勝木さん。折角魔法つかいに会ったのだから呪文を覚えておけばよかったとちょっと後悔。「ホイップ?ララップ?」とまゆみ。だいぶ離れた。「キュピップ!」。短縮形?
はーちゃんが正解を言いそうになったのですかさずリコが口止め。この動きは絶対予想してたな。予期しないふたりの登場に勝木さんは慌てて枝を隠します。魔法つかいの真似をしている人達と口止めしている人達。お互いに何でもないと言い訳から始まります。新年早々なにやってんだこいつら。
今度は学校に行ってみると生徒会長のゆうとが花壇を手入れしています。明日からやればいいにのマメな子だな。先生もやってきて手伝います。こっちの冬休みはどう?と訊ねられたリコは楽しいと答えます。はーちゃんも同意見。先生は嬉しそうに頷きながら宿題の方も訊ねますがこちらも「バッチリ」と答えが返ってきて満足。
さらに河川敷に行ってみると壮太がサッカーの練習中。こういう日常風景はプリキュアでは逆に珍しい。年明け早々最終決戦ムードになるのは毎年のことですがどうしても主人公メインになりがちでサブキャラまでは焦点あたりませんからね。本作の場合はナシマホウ界、魔法界の日常とそこに住む人々、そしてこの後の急激な変革が控えているのでどのような日常が正常であるかを明示するのは大切なことです。本作はいわゆる不思議の国というのが存在しません。リコとはーちゃんが留学生というのは事実そうで、ナシマホウ界での暮らしは正規なものです。お国がやばいので緊急的に避難しているとか、お忍びで来ているとかみたいな「仮の生活」ではありません。だからリコのこっちの生活を知りたい、すごしてみたいという希望は本人の自然な意思表示であり生活感があります。本作の肝はこの異国の地で自然に暮すという関係、それが当たり前になっている子どもの視点です。
みらい達に気付いた壮太は足元にあるボールを取ってくれとリコに頼みます。そこははーちゃんじゃないのか。私?と突然の振りに戸惑いながらもボールを蹴ります。リコのことだから失敗して笑いの種になるんじゃないかと期待していたのだとしたらなかなかの策士。しかしボールは見事ゴールへ。「フフッ、狙い通りだし」。新年一発目からありがとうございます。そんないつもどおりな彼女をみらいは嬉しそうに見つめます。
階段を登って神社へ初詣。日が過ぎているので境内は彼女達だけ。
みらいが見本を見せます。はーちゃんがめっちゃ鈴鳴らします。わかる。やるやる。その間もみらいは静かに目を閉じて何かを願っています。それに見習ってはーちゃんも念じます。何をお願いしたの?とリコに聞かれてみんなと一緒に楽しくすごしたいと答えます。モフルンははーちゃんみたいに大きくなりたい。OP的なのを想像。大きくなりすぎ!とすかさずリコがツッコミをいれます。四葉令嬢に頼めば割りと実現可能。
ようやくみらいの願いが終わります。彼女が願ったのは魔法界もナシマホウ界もみんな一緒に笑顔になれたらいい。リコとはーちゃんがそうであるようにみらいにとってもこの1年は大きな変化があった年でした。友達も増えた。出生や目標は違えど彼女達に共通するのはこれです。
リコは立派な魔法つかいになって何をするか見つけると言います。それ順序逆じゃないですかね? この子らしいっちゃらしいんですけど。3年生になるしナシマホウ界でも魔法界で1番の成績をとって卒業したら……したらどうなる? 卒業したら今みたいに一緒にいられるのだろうか? いつの間にか今の生活が当たり前になってしまいました。留学期間が終わったのだから帰れと言われて、はいわかりましたとはいかない。はーちゃんもまた自分の出生に不安を抱きます。アレキサンドライト回もそうなんですがこのふたりはアイデンティティに若干危うさがあります。みらいにそれがないのは環境的に彼女が同一性を保持しているためです。基本的に日本人にアイデンティティの問題がない(実感が薄い)のは同一性が高いためです。生まれも育ちも人種も言語も文化も宗教も差がない。リコやはーちゃんが自分は何者なのか、今後どこに行けばいいのかと考えるのは今住んでいる場所と本来の帰属場所とが異なるから。みらいの視点ではこの世界は楽しくて広くてワクワクもんな世界に映っています。魔法界はナシマホウ界の延長。魔法も彼女に恩恵をもたらした素敵なものという認識。あくまで彼女はナシマホウ界に住むナシマホウ界人。これが主人公特権としてラストまで突き抜けるのか、後述するごちゃ混ぜ世界になったことによって彼女の同一性(世界観の同定)が揺らぐのかは次回以降のお楽しみ。
不安がるはーちゃんの手を握ったみらいは明日も一緒だと呼びかけます。みんな明日は一緒に学校。ぶっちゃけその場しのぎの棚上げではありますが、事実そうであることも確かです。今それを考えても答えが出るはずもない。しかしいずれこの問題は向き合わなければならないでしょう。今平然としているみらいがその時にちゃんと向き合えるか。それまでの猶予はもうわずか。
寒くなってきたので押しくらまんじゅうしようとリコ。
その時がやってきます。躍動するデウスマスト。
皆既日食のように太陽が黒く包まれます。
ベニーギョを中心として出現する眷属。ポーズかっこいい。
③現出する神話の亡霊
ナシマホウ界側でも異常事態を認識。人々の視線が黒い太陽に釘付けになります。
不退転の決意で本気モードになるベニーギョ。眷属を取り込んで巨大化。ラスボスの前座。どうしよう、これ絶対負けフラグだよ。そしたら誰が司会役になってくれるの? あんなミジンコみたいなラスボスが饒舌にしゃべってくれるんでしょうか。
変身。サファイア。空中戦で行きます。
衝突。力負けしたプリキュアは地面に叩きつけられます。ベニーギョが地面を這うように追ってきます。うわ、超怖ぇ。一旦距離を置き連携して対応するもパワーが圧倒的すぎて一撃でダウンしかねない状況。前回のクリスマス回がとてもお気に召さなかったのか恨み節。口からビーム。地面をなぎ払いながらプリキュアのいるビルの屋上へと光線が伸びます。完全に街破壊してるがな。この容赦の無さ。間違いなく最終決戦(前座)。
困ったときのピンクトルマリン。ビームを反射。ギリギリでかわすベニーギョ。やはりラパーパの力は脅威。ビームがダメなら物理。物理が最強なのは某ロボットアニメでも実証されています。殴ってビルごと崩壊。
全ての世界は混沌に飲まれてなくなる。
ダメ押しでビーム。でもプリキュアに効かない。さすがナノラミ(以下略
私達には明日がある!とフェリーチェが先陣を切ります。背景的にこの子が一番重いワード背負ってるんで主人公っぽい。マジカルとミラクルも加勢。このまま好きにはさせません。
オーバーザレインボーに対抗するベニーギョ。前座とはいえボス、それなりに頑張ります。でもプリキュアが押し切ります。敵のビームは効かないけどこちらのビームは効く。それってヒーローの常識でしょ? 纏っていた眷属の力を失いベニーギョも最期のときを……
そのとき巨大な腕が空から振り下ろされます。
腕の根本から何かニョキニョキと生えてきます。きめぇ。恍惚の表情で歓喜するベニーギョ。これこそ彼女ら眷属が待ち望んだ主の顕現。
もう一本の腕が生えます。だからきもい。デウスマストに反応してスマホンが光ります。
飛び上がる3つの目。すると弱体化していた眷属達が一瞬にして復元。倒されたラブー、シャーキンス、オルーバも復活。さすが最終決戦。絶望感を煽ってきます。眷属というだけあって本家がくればいくらでも再生可能。目が本体から離れると本来頭があるべき部分が盛り上がり巨人が立ち上がります。眷属が集まるとデウスマストを中心に魔方陣を描画。外8、内4。この辺は数といいリンクルストーンとの対比になってますね。
腐ってない巨神兵というか、なんかやばい。見た目やばい。強そうっていうより存在自体がやばい。口が開き咆吼。人智を越えた何か。シリーズの数だけラスボスがいましたが、ぶっちぎりでキモイ。
さらには台風の目のように風が吹き上げます。母なる樹。その中心たるマザー・ラパーパ。それに引き寄せられるようにダイヤとエメラルドを持ったプリキュアがその中心へと消えていきます。
④新しい朝
朝。すっきり目を覚ましたみらいは窓を開けます。気持ちよく晴れた空。今日も一日ワクワクもんと新しい一日を迎えます。既視感。
リコとはーちゃんが深刻な声で部屋にやってきます。
窓の外には見慣れているようで見慣れない風景。浮島。空飛ぶ魔法つかいにペガサス。そして母なる樹。
「どうなっているの?」
⑤次回予告
勝木さん大勝利。
キラキラ☆プリキュアアラモード番宣開始。マカロンさんマカロンしか言ってなくね?
○トピック
ミジンコ言ってすいません。
色んな意味で予想外の事態。いや、以前デウスマストが示唆するのはごちゃ混ぜの世界と書いたのでこの事態は当然の帰結なんですがまさかストレートにくるとは思わなんだ。相変わらず一番良いところに球投げてくる。
何が良いって、ナシマホウ界と魔法界が一つになるのは誰にとっても望ましいのだけど、でも何か違わね?って話だからです。
一つになってしまえば魔法つかい放題だし、リコの悩みも軽減されるでしょう。はーちゃんも現人神みたいな感じで居とけばいいし、別に誰も不都合はない。これが本来の世界でもある。にも関わらずこの「でも違うでしょ」感。だいたい主人公なにもしてないし。これがデウスマストの本意なのかラパーパの干渉なのか、ただの幻なのかは置いても最終回前にこれがベストアンサーです。これで行きましょう。主人公含めみんな納得ってなったら別な意味で斬新すぎるわ。プリキュアの文脈的にも安直なごちゃ混ぜは否定されるべきものです。みんな一緒ってそうじゃねぇだろと。でも、魔法つかいの世界的にはこの形が原初であり本来。ざけんなまた神が人の生き方決めんのか……と堂々巡り。予告での平和な日常とは裏腹にかつてないくらいにのっぴきならない状況。
明日もみんな一緒に笑顔でいたい。そう願うみらい達の前に出現するのは理想の世界。最終決戦に伴って世界が破滅することは度々ありましたが、まさかの世界創造。しかも神話の楽園。
この世界に彼女達は何と答えるのか。彼女達が守るのは何か。この物語はどこに行き着くのか。理想郷から始まる最終決戦。ほんとこのアニメはなにやるか読めたもんじゃない。
第46話「魔法のクリスマス!みらい、サンタになる!?」
○今週の出来事
①今日はクリスマス
無事クシィの本を回収し安堵する校長。しかしオルーバが最後にとった不穏な行動に新たな脅威を予感。みらい君達も戸惑っているのでは……と心配。が、今回はそういう堅苦しい話ではなく、みらい達も魔法商店街に。今日はクリスマス。水晶さんもデコってます。それ、前見えなくね?
魔法商店街はクリスマスセール中。はーちゃん、みらい、リコは戸惑った表情を浮かべます。一拍置いてイルミネーションに綺麗!と感嘆するはーちゃん。どうやらクリスマスは魔法界と共通らしい。サンタの話を聞いたはーちゃんは興味を示します。なら、会いに行こうとリコ。相変わらずこの子は自分のことじゃなくても得意気。サンタさんも魔法つかい。
サンタ役の大人達が大きな倉庫に集まって配達の準備。箒店のグスタフさんが説明。魔法界だけでなくナシマホウ界にもプレゼントを配るとアイザック先生。一応フィンランドに常駐サンタがいるのですが手が回らないので魔法界から派遣しているらしい。
大変だがプレゼントを待っている子どもの笑顔のために今日は世界中のサンタのソリが鈴の音を響かせるのです!と重い袋を持ち上げると同時に不穏な音を響かせるアイザック先生。動きが止まります。
「何か響いた!」
「鈴の音?」
無知って残酷。
腰が逝った音だと脂汗を流しながら答えるアイザック先生。その場にへたり込みます。これ、労災認定されますか?
空を舞うサンタ達。しかし人員的にギリギリなのでアイザック先生の抜けた穴を埋めないとプレゼントが配り切れません。それなら!と名乗り出るみらい。
そういうわけで定番のサンタ衣装。
ほんとにやんの?と不安そうに確認するリコ。もちろん!と張り切るみらい。自分の幼い頃を思い出しながら喜びます。リコもサンタからもらった口。今度は自分が届ける番なのだと思えばワクワクもん。リコもやる気を出します。はーちゃんはまだもらったことがないですが、普段と違う体験に興味津々のためサンタ役を喜んでいます。その様子にふたりは思わず笑みが溢れます。
所変わってナシマホウ界。まゆみと勝木さん。
勝木さんはサンタにリクエストしたようです。「まだできるんだっけ?」「たしか中学生までOKよ」。え、そういうルールあんの? リクエストはポストに入れればいいようです。妙にシステム化されてんな。
リクエストは「魔法つかいに会わせて下さい」。物じゃなくていいの?と戸惑うまゆみ。勝木さんは一言でいいからちゃんと魔法つかいと話して確かめたいと言います。今まで魔法つかいを見たといっても遠くから。実は宇宙人からもしれない。あるいは作り物かもしれない。その真偽を確認したい。妙に力強く話すに彼女に、何故そこまでこだわるのかとまゆみは訊ねます。逡巡したあとキッパリと勝木さんは答えます。
「自分を信じるため」
昔から幽霊とかUFOをよく目撃していた。それをみんなに話しても誰も信じてくれない。気付けばオオカミ少女状態。この子浮いてる感がありましたがやっぱりそういう子だったようです。本で調べても幽霊やUFOの実在はほとんど否定されている。それでは自分はただの嘘つきなのか? 違う。私は確かにそれを見たはず。
「私は自分の見たものを証明するために前に進むの!」
勝木節。相変わらずこの物語はサブキャラでガッツ見せます。私は勝木さんのこういう態度好きですよ。好きなモノとか興味あるモノを単に好きなのではなく、それを自分と結びつけて意味を見出していく。突き詰めれば人は自身の存在証明を欲している。その方法を見つけられることは一つの幸福であり、一つの不幸でもある。こだわりや執着は過ぎれば自身も周囲も傷つけるからね。その綱渡りを成功させられればその人の世界観、内面的な豊かさはより広がるでしょう。勝木さんはこの物語からすればただのサブキャラに過ぎません。物語の主人公はみらい達で、彼女達は世界を駆け巡る。しかしそれだけが世界を広げる方法ではない。親友との思い出、自分が見たもの、それらに真摯に向き合うことで得られるものもあります。物語終盤にきてこうした小さなエピソードがそれぞれに意味を持っていることを見せるのは面白い。みらいからすれば校長やバッティの話は完全に他人事。大人の会話でしょう。勝木さんに至ってはノータッチ。それでも彼、彼女らは存在しているしそれぞれに熱い気持ちと世界との結びつきを感じている。普段何気なく話している人達にもそうした奥深さがある。みらい達にはまだ少し遠い人達かもしれませんが、確かに存在している。
再び魔法界に戻っていよいよ出発。ところが期待に反してソリを牽引するのはカタツムリ。初心者はこっちにした方がいいとグスタフさん。品種改良のおかげかエスカーゴは乗り物として色々重宝されているのかもしれない。気を取り直して出発。
彼女達の担当は魔法商店街。目的の家を発見。煙突を探しますが見当たりません。そりゃそうだ。そんなところから入ったら大騒ぎになるとリコ。どうやら今はそんな原始的なことはしないらしく、幻獣オトドの毛を編んで作った「お届けソックス」を使って配布するとリコが説明。ドラえもんの道具みたいな感じになってきましたが確かに便利。靴下にプレゼントを投げ込むと枕元に置かれた靴下に転送されます。煙突ねーじゃん、どうやって届けてるんだ、ピッキングしてるのか?という疑問に対する答えのようです。
この調子で各家に配っていきます。ペースも上々。
すると泣いている女の子を発見。雰囲気を出すためか付け髭を着用したみらいが声をかけます。女の子は母親のいいつけを守らず部屋を片付けなかったのでプレゼント無しと言われてしまったようです。ママにごめんなさいは?とみらいが訊ねると嫌い!と突っぱねます。それは変じゃのう「ママとクッキーを焼きたい。だからエプロンを下さい」と手紙に書いてあるぞ?とみらいは女の子をなだめると片付けを促します。コミュ力高ぇ。
女の子が母親に謝ったのを見届けるとプレゼントを配ります。
②イベント担当眷属
暫定トップのベニーギョが眷属達に事情を説明。数は8体。あ、残念。というかこの辺の設定が安定してなさそう。
オルーバが力を放って復活させたものの不完全なようで実体化まではしていないようです。黙って話を聞く眷属達に返事くらいしろ!とイライラするベニーギョ。すいません、声優の問題がありまして。
プレゼント配りは順調すぎるほど順調に進み完了。グスタフさんからも褒められます。余裕がある彼女達に追加の仕事を依頼。今度はナシマホウ界。それも津成木町。彼女達が住む街。
早速カタツムリニアで移動。かなり短時間化しているようです。
再びエスカーゴの出番ですが、何やら疲れた様子。はーちゃんが翻訳するとカタツムリニアだけに肩がこった。「はぁ?」。うん、ちょっと無理あるよね、それ。エスカーゴは殻に閉じこもって働く気無し。叩いてもウンともスンとも言いません。それなら箒を使えばいいとみらい。
まゆみと勝木さん達はパーティを楽しんだようです。みらい達も来ればよかったのに…と噂をしていると魔法つかいらしき人影を目撃。まゆみは勝木さんの手を掴むと追いかけよう!と声をかけます。
ナシマホウ界ではお届けソックスは使えないとリコ。じゃあどうやってプレゼントを配るのか。インターホンを鳴らして直接お届け。宅配業者かよ。親側はそういうシステムなのだと理解しているようです。すげーなこの世界。子どもの枕元にプレゼントを置きます。
しかしこの方法は如何せん時間がかかる。手際よくやりたいところ。とっても嬉しそうとみらいに話すモフルン。プレゼントを待ってワクワクする気持ちは魔法界もナシマホウ界も変わらないと知るみらい。
勝木さん達は魔法つかいを見失って立ち往生。
彼女達の口から出た「魔法つかい」に反応するベニーギョ。場所を知っているなら教えろ。突然現れた空飛ぶ人を目撃して魔法つかい!?と呼びかける勝木さん。あんなのと一緒にするな。違う? いや、まてあの人赤い。ということは……
「サンタさん!?」
無知って残酷(主に17歳的な意味で)。
誰やねん!とツッコミを入れながら威嚇してきます。
光がした方向を見るとベニーギョを発見。まゆみと勝木さんも。すぐに変身。クリスマスといえばこれしかないルビー。だってクリスマスカラーだもん。珍しく箒に乗って移動。
プリキュア登場。今度は何!?とまゆみ。この状況ふたりには辛いよね。ところが勝木さんは箒に乗っているのを見て内心確信を得ます。流石。
ベニーギョとヨクバールにクリスマスの邪魔すんな!と抗議。クリスマス知らんがな。ハロウィンといいイベント事に絡む人です。ヨクバールがゴミを発射。箒でガード。クリスマス商戦だからか小物を戦闘でも使用。でもこういう小物があると戦闘が映えるから面白い。箒に乗ってヨクバールを牽引。とにかく勝木さん達から距離を置かないと。
ヨクバールは性懲りもなくゴミを大量に射出。ピンクトルマリンでガードするもののその辺にバタバタとゴミが落ちます。このゴミ、妙に存在感があるなーと思ったらこの後ちゃんと使われます。
ルビーと言えばワッショイ。ワッショイ率高ぇ。クリスマスを知らないベニーギョにクリスマスの重要性を説きます。プレゼントなんていらねぇよと無関心なベニーギョ。ヨクバールはプレゼントが欲しいらしい。原形がクリスマスツリーだしねぇ。でも残念。プレゼントがもらえるのは良い子だけ。物を散らかしっぱなしにする人は貰えません。あ、そういうこと。それを聞いたヨクバールは泣きます。シュールな絵面。プリキュアが両サイドで必死に耐えてるのがまた。
フェリーチェが良い子の見本を披露。散らかったゴミを集めて1箇所に。教育要素入りました。このアニメは親子で見ることを想定しているので話の種にしやすい。あとさりげに親にプレゼント買えとプレッシャー。纏めたゴミをヨクバールに返却。そのまま虹の彼方に飛んで行ってもらいます。
③クリスマスプレゼント
プリキュアの活躍を物陰から見る勝木さん達。ついでにペリドットが承認。残り2。
助けてもらったお礼をプリキュアにすると勝木さんは単刀直入に魔法つかいかと訊ねます。そう問われて引きつる3人。さすが青山作画、リアクション面白ぇな。詰め寄る勝木さんにしどろもどろのプリキュア。しゃべり続ける勝木さんにまゆみがストップをかけます。「なんか困ってる?」。この子ちょっと天然入ってるよね。
魔法つかいなんだけども、一応決まりで秘密にしていると正直に話します。勝木さんにとってはそれで十分。わかりました、誰にも言いません!と力強く請け合うと3人の手を堅く握ります。この辺みらい達からすると全くわからないノリでしょうね。とはいえ、勝木さんが魔法つかいを追い求めていたのは知っているのでそれでいいのかと逆に訊ね返します。
「私は魔法つかいさんが本当にいたってわかっただけで十分なんです!」
心から満足しているようにハッキリと答える勝木さん。まゆみも他言無用を約束します。
勝木さん達と別れたみらい達はプレゼント配りを再開。
帰り道。勝木さんは最高のクリスマスプレゼントを貰ったと喜びます。それに他にもわかったことがある。
「やっぱり信じてくれる人がいた方がいいなって」
まゆみの手を握りながら小声でつぶやきます。
翌日、サンタからプレゼントを貰った子ども達はプレゼントを見せあいっこ。
サンタをやって良かったとみらい達は満足。そんな彼女達にもプレゼントが。アイザック先生達が計らってくれたようです。
こうしてそれぞれのクリスマスが過ぎていきます。
④次回予告
リコのデレに気付くみらいほんと好き。
○トピック
年が明けたら最終決戦なので年末は楽しいひとときを。
前回今回とサブキャラをメインにした珍しい構成。でもそういうところが魔法つかいらしくもある。
これら(校長、バッティ、勝木さん)のエピソードから見えてくるのは個々の人々の存在感と距離感です。この物語はみらいとリコという離れた所に住んでいる子が出会うところから始まっているんですが、この距離感が重要です。
ざっくり言って魔法つかいは子どもの主観がベースになっています。子どもにとって初めて行く街はどこか異境めいた不思議さ、ドキドキやワクワクがあるものです。ちょっと離れた親戚の家に行くのも旅行気分。初めての友達もそうです。最初は勝手がわからなかったり、あるいは最初は勢いで意気投合するんだけど段々お互いの好みや違いが見えてくる。最初は遠くに感じていた街も行き慣れてしまえば勝手知ったる庭になるし、そこに住んでいる友達ともすぐに話が通じるようになる。そういう風にして行き交うたびに、話をするたびに少しずつ距離が近く世界が広くなっていく体験。そして気付いたら自分で遠くまで行けるようになっている。
まさにそうした子どもの主観、体験をベースに魔法界、ナシマホウ界があって、いよいよそれらが近くなっていると理解できます。世界が一つになるとはそれまでバラバラに理解されていたものが統合される感覚と言い換えてもいいでしょう。ですがいくら近くなるといっても全員と親しくなるわけではないし、認知力や経験的なものもある。例えば校長やバッティはみらい達にとっては大人の会話です。勝木さんが抱いている想いもわからない。でももしかしたら長じたときにあれはこういうことだったんだと気付くかもしれないし、勝木さんともっと親しくなったときにそれを知るかもしれません。知らないままかもしれません。自分(主人公)は全てを知り得ないけど、そうであるからこそ世界は広く未知なるものに対するワクワクがある。そしてそのワクワクは人によって違う。魔法つかいの存在はみらいにとって好奇心をくすぐるものですが、勝木さんにとってはより切実な問題です。バッティにとって闇の魔法が自らの存在意義を示すように。同じものでも意味付けが異なる。
世界にあるものは主観的に意味付けられ、体験される(いわゆる実存的な問題)。モノと人に距離があることは視点を変えた場合に意味が変わってくることでもあるので、終盤における主人公そっちのけエピソードは本作の趣旨に合致しています。だかららしいと感じる。
この物語は客観的に見れば壮大な歴史を持った物語ですが、その本質は子ども達が体験する内面的世界観と変わりません。この点でも本作は子どもに寄り添った作り方をしています。
あくまでミクロな視点でしか語らないみらい達がマクロな世界と敵に果たして立ち向かえるのか。これは最終局面における一つの大きな疑問でしたが、ここにきて氷塊します。この物語は子ども達の主観が強く大きく反映されている。なら、みらい達は何も遠慮することなく、ありのままに、思うままに立ち向かえる。この世界は彼女達が感じるままにその姿を変えるのだから。
①今日はクリスマス
無事クシィの本を回収し安堵する校長。しかしオルーバが最後にとった不穏な行動に新たな脅威を予感。みらい君達も戸惑っているのでは……と心配。が、今回はそういう堅苦しい話ではなく、みらい達も魔法商店街に。今日はクリスマス。水晶さんもデコってます。それ、前見えなくね?
魔法商店街はクリスマスセール中。はーちゃん、みらい、リコは戸惑った表情を浮かべます。一拍置いてイルミネーションに綺麗!と感嘆するはーちゃん。どうやらクリスマスは魔法界と共通らしい。サンタの話を聞いたはーちゃんは興味を示します。なら、会いに行こうとリコ。相変わらずこの子は自分のことじゃなくても得意気。サンタさんも魔法つかい。
サンタ役の大人達が大きな倉庫に集まって配達の準備。箒店のグスタフさんが説明。魔法界だけでなくナシマホウ界にもプレゼントを配るとアイザック先生。一応フィンランドに常駐サンタがいるのですが手が回らないので魔法界から派遣しているらしい。
大変だがプレゼントを待っている子どもの笑顔のために今日は世界中のサンタのソリが鈴の音を響かせるのです!と重い袋を持ち上げると同時に不穏な音を響かせるアイザック先生。動きが止まります。
「何か響いた!」
「鈴の音?」
無知って残酷。
腰が逝った音だと脂汗を流しながら答えるアイザック先生。その場にへたり込みます。これ、労災認定されますか?
空を舞うサンタ達。しかし人員的にギリギリなのでアイザック先生の抜けた穴を埋めないとプレゼントが配り切れません。それなら!と名乗り出るみらい。
そういうわけで定番のサンタ衣装。
ほんとにやんの?と不安そうに確認するリコ。もちろん!と張り切るみらい。自分の幼い頃を思い出しながら喜びます。リコもサンタからもらった口。今度は自分が届ける番なのだと思えばワクワクもん。リコもやる気を出します。はーちゃんはまだもらったことがないですが、普段と違う体験に興味津々のためサンタ役を喜んでいます。その様子にふたりは思わず笑みが溢れます。
所変わってナシマホウ界。まゆみと勝木さん。
勝木さんはサンタにリクエストしたようです。「まだできるんだっけ?」「たしか中学生までOKよ」。え、そういうルールあんの? リクエストはポストに入れればいいようです。妙にシステム化されてんな。
リクエストは「魔法つかいに会わせて下さい」。物じゃなくていいの?と戸惑うまゆみ。勝木さんは一言でいいからちゃんと魔法つかいと話して確かめたいと言います。今まで魔法つかいを見たといっても遠くから。実は宇宙人からもしれない。あるいは作り物かもしれない。その真偽を確認したい。妙に力強く話すに彼女に、何故そこまでこだわるのかとまゆみは訊ねます。逡巡したあとキッパリと勝木さんは答えます。
「自分を信じるため」
昔から幽霊とかUFOをよく目撃していた。それをみんなに話しても誰も信じてくれない。気付けばオオカミ少女状態。この子浮いてる感がありましたがやっぱりそういう子だったようです。本で調べても幽霊やUFOの実在はほとんど否定されている。それでは自分はただの嘘つきなのか? 違う。私は確かにそれを見たはず。
「私は自分の見たものを証明するために前に進むの!」
勝木節。相変わらずこの物語はサブキャラでガッツ見せます。私は勝木さんのこういう態度好きですよ。好きなモノとか興味あるモノを単に好きなのではなく、それを自分と結びつけて意味を見出していく。突き詰めれば人は自身の存在証明を欲している。その方法を見つけられることは一つの幸福であり、一つの不幸でもある。こだわりや執着は過ぎれば自身も周囲も傷つけるからね。その綱渡りを成功させられればその人の世界観、内面的な豊かさはより広がるでしょう。勝木さんはこの物語からすればただのサブキャラに過ぎません。物語の主人公はみらい達で、彼女達は世界を駆け巡る。しかしそれだけが世界を広げる方法ではない。親友との思い出、自分が見たもの、それらに真摯に向き合うことで得られるものもあります。物語終盤にきてこうした小さなエピソードがそれぞれに意味を持っていることを見せるのは面白い。みらいからすれば校長やバッティの話は完全に他人事。大人の会話でしょう。勝木さんに至ってはノータッチ。それでも彼、彼女らは存在しているしそれぞれに熱い気持ちと世界との結びつきを感じている。普段何気なく話している人達にもそうした奥深さがある。みらい達にはまだ少し遠い人達かもしれませんが、確かに存在している。
再び魔法界に戻っていよいよ出発。ところが期待に反してソリを牽引するのはカタツムリ。初心者はこっちにした方がいいとグスタフさん。品種改良のおかげかエスカーゴは乗り物として色々重宝されているのかもしれない。気を取り直して出発。
彼女達の担当は魔法商店街。目的の家を発見。煙突を探しますが見当たりません。そりゃそうだ。そんなところから入ったら大騒ぎになるとリコ。どうやら今はそんな原始的なことはしないらしく、幻獣オトドの毛を編んで作った「お届けソックス」を使って配布するとリコが説明。ドラえもんの道具みたいな感じになってきましたが確かに便利。靴下にプレゼントを投げ込むと枕元に置かれた靴下に転送されます。煙突ねーじゃん、どうやって届けてるんだ、ピッキングしてるのか?という疑問に対する答えのようです。
この調子で各家に配っていきます。ペースも上々。
すると泣いている女の子を発見。雰囲気を出すためか付け髭を着用したみらいが声をかけます。女の子は母親のいいつけを守らず部屋を片付けなかったのでプレゼント無しと言われてしまったようです。ママにごめんなさいは?とみらいが訊ねると嫌い!と突っぱねます。それは変じゃのう「ママとクッキーを焼きたい。だからエプロンを下さい」と手紙に書いてあるぞ?とみらいは女の子をなだめると片付けを促します。コミュ力高ぇ。
女の子が母親に謝ったのを見届けるとプレゼントを配ります。
②イベント担当眷属
暫定トップのベニーギョが眷属達に事情を説明。数は8体。あ、残念。というかこの辺の設定が安定してなさそう。
オルーバが力を放って復活させたものの不完全なようで実体化まではしていないようです。黙って話を聞く眷属達に返事くらいしろ!とイライラするベニーギョ。すいません、声優の問題がありまして。
プレゼント配りは順調すぎるほど順調に進み完了。グスタフさんからも褒められます。余裕がある彼女達に追加の仕事を依頼。今度はナシマホウ界。それも津成木町。彼女達が住む街。
早速カタツムリニアで移動。かなり短時間化しているようです。
再びエスカーゴの出番ですが、何やら疲れた様子。はーちゃんが翻訳するとカタツムリニアだけに肩がこった。「はぁ?」。うん、ちょっと無理あるよね、それ。エスカーゴは殻に閉じこもって働く気無し。叩いてもウンともスンとも言いません。それなら箒を使えばいいとみらい。
まゆみと勝木さん達はパーティを楽しんだようです。みらい達も来ればよかったのに…と噂をしていると魔法つかいらしき人影を目撃。まゆみは勝木さんの手を掴むと追いかけよう!と声をかけます。
ナシマホウ界ではお届けソックスは使えないとリコ。じゃあどうやってプレゼントを配るのか。インターホンを鳴らして直接お届け。宅配業者かよ。親側はそういうシステムなのだと理解しているようです。すげーなこの世界。子どもの枕元にプレゼントを置きます。
しかしこの方法は如何せん時間がかかる。手際よくやりたいところ。とっても嬉しそうとみらいに話すモフルン。プレゼントを待ってワクワクする気持ちは魔法界もナシマホウ界も変わらないと知るみらい。
勝木さん達は魔法つかいを見失って立ち往生。
彼女達の口から出た「魔法つかい」に反応するベニーギョ。場所を知っているなら教えろ。突然現れた空飛ぶ人を目撃して魔法つかい!?と呼びかける勝木さん。あんなのと一緒にするな。違う? いや、まてあの人赤い。ということは……
「サンタさん!?」
無知って残酷(主に17歳的な意味で)。
誰やねん!とツッコミを入れながら威嚇してきます。
光がした方向を見るとベニーギョを発見。まゆみと勝木さんも。すぐに変身。クリスマスといえばこれしかないルビー。だってクリスマスカラーだもん。珍しく箒に乗って移動。
プリキュア登場。今度は何!?とまゆみ。この状況ふたりには辛いよね。ところが勝木さんは箒に乗っているのを見て内心確信を得ます。流石。
ベニーギョとヨクバールにクリスマスの邪魔すんな!と抗議。クリスマス知らんがな。ハロウィンといいイベント事に絡む人です。ヨクバールがゴミを発射。箒でガード。クリスマス商戦だからか小物を戦闘でも使用。でもこういう小物があると戦闘が映えるから面白い。箒に乗ってヨクバールを牽引。とにかく勝木さん達から距離を置かないと。
ヨクバールは性懲りもなくゴミを大量に射出。ピンクトルマリンでガードするもののその辺にバタバタとゴミが落ちます。このゴミ、妙に存在感があるなーと思ったらこの後ちゃんと使われます。
ルビーと言えばワッショイ。ワッショイ率高ぇ。クリスマスを知らないベニーギョにクリスマスの重要性を説きます。プレゼントなんていらねぇよと無関心なベニーギョ。ヨクバールはプレゼントが欲しいらしい。原形がクリスマスツリーだしねぇ。でも残念。プレゼントがもらえるのは良い子だけ。物を散らかしっぱなしにする人は貰えません。あ、そういうこと。それを聞いたヨクバールは泣きます。シュールな絵面。プリキュアが両サイドで必死に耐えてるのがまた。
フェリーチェが良い子の見本を披露。散らかったゴミを集めて1箇所に。教育要素入りました。このアニメは親子で見ることを想定しているので話の種にしやすい。あとさりげに親にプレゼント買えとプレッシャー。纏めたゴミをヨクバールに返却。そのまま虹の彼方に飛んで行ってもらいます。
③クリスマスプレゼント
プリキュアの活躍を物陰から見る勝木さん達。ついでにペリドットが承認。残り2。
助けてもらったお礼をプリキュアにすると勝木さんは単刀直入に魔法つかいかと訊ねます。そう問われて引きつる3人。さすが青山作画、リアクション面白ぇな。詰め寄る勝木さんにしどろもどろのプリキュア。しゃべり続ける勝木さんにまゆみがストップをかけます。「なんか困ってる?」。この子ちょっと天然入ってるよね。
魔法つかいなんだけども、一応決まりで秘密にしていると正直に話します。勝木さんにとってはそれで十分。わかりました、誰にも言いません!と力強く請け合うと3人の手を堅く握ります。この辺みらい達からすると全くわからないノリでしょうね。とはいえ、勝木さんが魔法つかいを追い求めていたのは知っているのでそれでいいのかと逆に訊ね返します。
「私は魔法つかいさんが本当にいたってわかっただけで十分なんです!」
心から満足しているようにハッキリと答える勝木さん。まゆみも他言無用を約束します。
勝木さん達と別れたみらい達はプレゼント配りを再開。
帰り道。勝木さんは最高のクリスマスプレゼントを貰ったと喜びます。それに他にもわかったことがある。
「やっぱり信じてくれる人がいた方がいいなって」
まゆみの手を握りながら小声でつぶやきます。
翌日、サンタからプレゼントを貰った子ども達はプレゼントを見せあいっこ。
サンタをやって良かったとみらい達は満足。そんな彼女達にもプレゼントが。アイザック先生達が計らってくれたようです。
こうしてそれぞれのクリスマスが過ぎていきます。
④次回予告
リコのデレに気付くみらいほんと好き。
○トピック
年が明けたら最終決戦なので年末は楽しいひとときを。
前回今回とサブキャラをメインにした珍しい構成。でもそういうところが魔法つかいらしくもある。
これら(校長、バッティ、勝木さん)のエピソードから見えてくるのは個々の人々の存在感と距離感です。この物語はみらいとリコという離れた所に住んでいる子が出会うところから始まっているんですが、この距離感が重要です。
ざっくり言って魔法つかいは子どもの主観がベースになっています。子どもにとって初めて行く街はどこか異境めいた不思議さ、ドキドキやワクワクがあるものです。ちょっと離れた親戚の家に行くのも旅行気分。初めての友達もそうです。最初は勝手がわからなかったり、あるいは最初は勢いで意気投合するんだけど段々お互いの好みや違いが見えてくる。最初は遠くに感じていた街も行き慣れてしまえば勝手知ったる庭になるし、そこに住んでいる友達ともすぐに話が通じるようになる。そういう風にして行き交うたびに、話をするたびに少しずつ距離が近く世界が広くなっていく体験。そして気付いたら自分で遠くまで行けるようになっている。
まさにそうした子どもの主観、体験をベースに魔法界、ナシマホウ界があって、いよいよそれらが近くなっていると理解できます。世界が一つになるとはそれまでバラバラに理解されていたものが統合される感覚と言い換えてもいいでしょう。ですがいくら近くなるといっても全員と親しくなるわけではないし、認知力や経験的なものもある。例えば校長やバッティはみらい達にとっては大人の会話です。勝木さんが抱いている想いもわからない。でももしかしたら長じたときにあれはこういうことだったんだと気付くかもしれないし、勝木さんともっと親しくなったときにそれを知るかもしれません。知らないままかもしれません。自分(主人公)は全てを知り得ないけど、そうであるからこそ世界は広く未知なるものに対するワクワクがある。そしてそのワクワクは人によって違う。魔法つかいの存在はみらいにとって好奇心をくすぐるものですが、勝木さんにとってはより切実な問題です。バッティにとって闇の魔法が自らの存在意義を示すように。同じものでも意味付けが異なる。
世界にあるものは主観的に意味付けられ、体験される(いわゆる実存的な問題)。モノと人に距離があることは視点を変えた場合に意味が変わってくることでもあるので、終盤における主人公そっちのけエピソードは本作の趣旨に合致しています。だかららしいと感じる。
この物語は客観的に見れば壮大な歴史を持った物語ですが、その本質は子ども達が体験する内面的世界観と変わりません。この点でも本作は子どもに寄り添った作り方をしています。
あくまでミクロな視点でしか語らないみらい達がマクロな世界と敵に果たして立ち向かえるのか。これは最終局面における一つの大きな疑問でしたが、ここにきて氷塊します。この物語は子ども達の主観が強く大きく反映されている。なら、みらい達は何も遠慮することなく、ありのままに、思うままに立ち向かえる。この世界は彼女達が感じるままにその姿を変えるのだから。
第45話「想いは時を超えて…!友情のかたち!」
○今週の出来事
①今も生きる過去の人々
写真を見るお婆ちゃん。この人は年中同じ格好ですが、みらい達は冬衣装。リコ可愛い。このままパーティに行きそう。
お婆ちゃんが見ていたのは先日行われた同窓会の写真。50年ぶりですがすぐに馴染んで昔話に花を咲かせたようです。時が経っていても離れていてもどこかで繋がっていたのかもしれないと話すお婆ちゃん。ふむ、直接的には今回の校長とクシィの件を補助する小エピソードだけど、チクルンの件といい一捻りありそう。物語全体では世界が一つに結ばれる方向へと進んでいる、つまりみらい達が一緒にいられる方向へと進んでいるはずですが、終盤にきて提起されているのはそれでも離れているという事実で、彼女達が最終的にどういったポジションと関係になるのかはまだ予断を許さない。
時計を見て慌てるリコ。待ち合わせの時間が迫っています。
待ち人は校長。(現在進行形で距離が縮んでいるのか)予定よりも早くナシマホウ界に着いて手持ち無沙汰。通行人の女性達の視線が集まります。
「寒し!」
見た目に騙されてはいけません。
オルーバの見解をベニーギョは話半分で聞きつつも対応を訊ねます。話が本当なら早めに手を打った方がいい。するとオルーバは残りの眷属を復活させると動き出します。いきなり話が飛んで意味がわからないベニーギョ。どうやら彼なりに算段があるらしい。ベニーギョは完全に蚊帳の外。まあ、彼女とシャーキンスは肉体労働派だしねぇ。まだラブーの方が飲み込みが早いかもしれない。
校長と合流。寒いのでコタツを召喚するはーちゃん。折角のリコの衣装が外套で見られないのが残念。
コタツに入って暖まる一同。それ電源来てるの? 熱源はどこに? っていうか、屋外でコタツとかレベル高ぇな。
事のキッカケは前回の幼児化騒ぎだったので改めて無事で何よりと安心する校長。次いで神話を思い返します。かつては一つだった世界。この辺は校長とクシィとの関係にも重なる部分。みらいとリコ。校長とお婆ちゃん、校長とクシィ。この物語は現代と過去に出会いと繋がりが複層的に置かれています。今回のエピソードのようにそれが過去のものであっても今に繋がる(今でも生きている)関係として命脈を保っています。出会って終わりというのではなくそれがどのように人の中で生き続けるか。そこに意味があります。
校長がナシマホウ界に来たもう一つの理由、クシィの本の捜索については水晶さんでも感知できず。彼の脳裏には親友との記憶が思い出されます。禁断の魔法に手を出したクシィはそれを制止する校長の手を払いのけます。親友だったと語る校長の印象とは裏腹に冷たくそっけない。校長自身もそこに疑問を抱きます。
黙ってしまった校長に甘いものでもどう?と勧めるモフルン。じゃあイチゴメロンパンを買ってこようとみらい。リコとはーちゃん、水晶さんもついていきます。お前ら…校長を一人にして晒し者にするとかひでぇな。林の中でコタツで一人とか不審者とかってレベルじゃねーぞ。
彼女達の背を見送りながら視線の端にふと見覚えのある姿が映ります。
水晶さんがみらい達についていったのは他でもない、校長とクシィの関係を伝えるため。真面目なクシィとおおらなか校長。性格は違えどとても気が合ったと言います。真面目というわりに回想シーンでのクシィは大盛りパフェを食べていたりと意外な一面もあったようです。真面目なようでいて抜けているリコみたいな感じですね。仲良く手を繋ぐ若き日の校長とクシィ。百合だけでなくショタまでカバーするとか東堂いづみの守備範囲広いな。視聴者の女児が腐らないことを祈ります。
しかしそんな彼らも災いへの対応を巡って別の道を進むことに。その後はみらい達も知ってのとおり。仲の良かった友達同士がそんなことになるなんて…とこぼすリコ。もしかしたらみらいとリコもそうならないとは限りません。校長とクシィの話は翻って彼女達に自分達はどうあるべきかを問うでしょう。時折クシィのことを考えては心を痛めている。アンニュイな表情の校長。彼の中で未だ残る苦い過去。
バッティから事情を聞く校長。彼は未だに落ち込んでいて体育座り。
帰ってきたみらい達が彼の姿を目撃するとすぐに駆け寄り校長の身を案じます。そりゃそうなる。大丈夫じゃと軽く答える校長。まあコタツに入れ。君もどう?とバッティを誘います。情けは受けぬと拒否。
イチゴメロンパンを受け取って頬張った校長は「うまし!」といつも以上にテンション高め。彼の前にいるバッティはテンション下がりすぎてお通夜ムード。みらい達棒立ち。リアクションに困るよね。
バッティの姿にクシィの面影を見る校長。彼も責任感の強いヤツだった。しかし今は本を取り戻さなければならない。これ以上あの本で苦しむ者をだしてはならない。
あの本ってこの本?
②謀られた運命
すぐさま臨戦態勢に入る校長。バッティも立ち上がります。
パーティ会場にご案内。バッティはお呼びでない。渦を巻く雲。お呼びじゃなくても行ってみると雲の中に足場が形成されています。なんなのここは?と訝るリコ。
デウスマストの眷属復活のステージと話すオルーバ。彼のお供のスパルダとガメッツがみらい達の前に立ちはだかります。本から闇の魔法を彼らに充填。本を目の端で捉えるスパルダ。お、これはもしかして。
細かい理屈は知りませんが要するに戦うしかない。トパーズに変身。以前ヨクバールと合体したスパルダも今回は本領発揮モード。ガメッツは相変わらずフェリーチェを狙います。校長は本を取り戻そうとオルーバに詰め寄ります。ひらりとかわしながら、オルーバは闇の魔法の本当の役割を明かします。
思わぬ言葉に動きが止まる校長。
かつての戦いで眷属が次々と封印される中、オルーバは世界中に情報をバラして埋め込んだ。一つ一つは他愛の無い情報でも繋ぎ合わせれば強大な力が手に入る方法が記された情報。そして彼の思惑どおり、その情報を集め復元する人物が現れる。彼が蒔いた情報はその人間の研究の中に組み込まれ形となり『闇の魔法』と名付けられた。
「我らの誕生が仕組まれていたもの…」
衝撃を受けるバッティ。凝った話になってきました。闇の魔法がムホーのデッドコピーというのはスタッフインタビューで語られていたので知ってはいましたが、まさかこういう形で披露されるとは。つまりオルーバは万が一の(デウスマストが敗北した場合の)保険をかけていたわけですね。擬似的なムホーの復元。それを呼び水にした眷属の復活。計画どおり自分達が復活してしまえばあとはデウスマストを呼び込めばいい。この後の展開を見ても彼の行動は非常に一貫しています。というか眷属のストイックさがすごい。バッティやヤモーの主人に対する忠誠心の高さもそうだけど、特に眷属は顕著。あくまで自分達は露払いでしかないという割切り。幹部が謀反を起こすパターンはプリキュアでも珍しくないんですが、本作の幹部は徹底して分を弁えています。
そんな遠大な計画が明かされている隣で暢気に戦闘を楽しむガメッツ。おめーも大概だな。力関係はどうやらフェリーチェの方が上。それを見て取ったオルーバは横槍を入れます。ヨクバール召喚。
勝負の邪魔をするのか!?と憤るガメッツに、諦めろと言ってのけるオルーバ。何を隠そう彼女こそがかつてデウスマストと渡り合ったマザー・ラパーパの力を継ぐ者。デッドコピーの眷属如きでどうにかなる相手じゃない。思いもしない事実を告げられたフェリーチェは困惑。視聴者としては当然予想の範囲内。MHでいうところのルミナスみたいなもので、まあラスボス退治はどうだっていいんですが、ひょっこり元の鞘に収まってめでたしめでたしとなるのかどうか。
いい加減こちら側の勝負もつけたいところ。ミラクルとマジカルの気円斬でスパルダを破壊。しかしそれはダミー。隠れていた本体はこの瞬間を狙ってオルーバが手にした本を奪い取ります。反撃に転じようとした彼の手を糸で封じます。策士策に溺れるとはこのこと。忌々しそうな表情を浮かべるオルーバ。
スパルダの目的は最初から闇の世界。バッティやヤモーほどドクロクシー本人へのこだわりは強くないようですが、目的とする方向性は変わらないようです。ガメッツは戦闘民族すぎ。
ざけんなよ、クソが。みたいな良い表情で怒気を露わにしたオルーバは本気を出すと軽々と捕縛から脱出。光と闇が両方備わり最強に見えるデザイン。本を奪え返すとスパルダを蹴落とします。
闇の世界? 地上を負の力で満たしラパーパの封印を外から打ち消す。眷属復活のための舞台装置。それが闇の世界。「君達がそう呼び必死に目指したものさ」「君らの存在も目的も全てボクらのために生み出されたのさ!」。高みから真実を告げるオルーバ。眷属とは言え人間から見れば人智を越えた存在。下等な生き物達と嘲笑うその姿はまさに悪魔のそれ。
「ふん。だから何だってのさ?」
「あたしはあたしのために闇の世界を作る。それだけさ!」
「我ガメッツ。何があろうと己の拳を、力を信じて生きるのみ!」
あらやだカッコイイ。でも返り討ち。オルーバにとって彼らは出来の悪い手駒。本来なら眷属全てを復活させるところがプリキュアに負けたおかげで中途半端な形に。
目の前で仲間が倒され独り残るバッティ。いや、独りではない。ドクロクシー人形とヤモー(の本体)。
「私は……私は!」
③魂ある者の戦い
あれ、この番組プリキュアだよね?とそろそろ視聴者の疑問が入りそうなので閑話休題。
客人にみっともないところを見せてしまったかな、とプリキュアに語りかけるオルーバ。眷属復活のためには力が必要。闇の魔法がリンクルストーンを必要としたように、この戦いでその力を回収し本を経由して封印を解く。そういう段取り。
「あの虫けら達は退場したから次はこのドンヨクバールを相手に…」
「待ってもらおう!」
バッティ。全ての仲間の力を結集しヨクバールを召喚。何この熱い展開。プリキュアが仕事できない。
ドンヨクバールとヨクバールの大怪獣大決戦。作画の書き方もちょっと変える力の入れよう。何故その労力をプリキュアに使わないのか。東堂いづみの謎の本気。
その様子にますますオルーバは呆れかえります。本当に役立たずばかり。これ(本)を作った人間も。
「闇の魔法の欠点はその中に人間の心があること。人間の弱さや迷いがムホーの力の再現を不完全なものにしてしまった」
「我らのムホーは人間に託すにはあまりに過ぎた力だったということさ」
クシィはそんなもののために…!。オルーバの言葉に歯がみする校長。
しかし今まさに戦っているバッティは己の力をもって反論します。
「我らの生き様、茶番などと言わせておくものか!」
渾身のアッパー。ドンヨクバールは場外ホームランで消滅。シャットといい存外熱いヤツです。
出来損ないの魔法なんかに何故ムホーが……。
「出来損ないなんかじゃない!」
「弱さや迷いだけじゃない。心には強さや一途な想いがあるのです。そこから生まれる魔法。それはあなた達の想像を超えた力になる!」
だからマザー・ラパーパは人に魔法を与えたのかもしれません。
美味しいところはバッティに持って行かれましたが、それでもこのアニメはプリキュア。課金アイテムの紹介をしないとスポンサーに怒られます。オーバーザレインボー。前回の予告ではさもバッティが参加しているようにも見えましたがあくまでイメージ映像だったようです。まあ流石に参加まではしないでもシャウトするのかなと思ったらめっちゃ大暴れで想像のはるか上だったんですけど。
本気モードのオルーバといえどオーバーザレインボーには勝てない。が、最後の力を本に充填するとそこから世界中に眠る眷属達に力を渡します。ちなみにこのシーン、エネルギーの奔流は7本。この後に世界各地から湧き出るのも7。すでに復活しているのは4。合計11。眷属の総数は12。映画のクマタ(ダークマター)は実は眷属(あるいはそれに類する存在)という裏設定があると映画を担当した田中監督は答えていましたが、本編でもそれを採用しているのかな。
自分の命を使って眷属復活の後押しするオルーバ。敵ながら良い仕事します。眷属に勝利するもさらに大きな課題が待ち受けるプリキュア。
戦いが終わりヨクバールを解除するバッティ。残ったのは自分と3匹の同士、ドクロクシー人形。
「私にもお前達のような熱い気持ちがまだあったとはな」
その言葉を聞き届けるようにドクロクシー人形は消えます。その跡に礼を返すバッティ。
「さあ、帰ろうか」
仲間と共に何処ともなく旅立つバッティ。
この展開をプリキュア音頭やっていた頃に想像できた視聴者が果たしていただろうか。いるわけねーよ。彼らが再び登場するかはわかりませんが見事な落としどころだと思います。魔法は願いと定義する物語において闇の魔法とは何だったのか。さらに魔法つかいにとっての敵の意味。本作は勧善懲悪ではありません。そもそも悪と戦っていない。はーちゃん返せで中ボス戦を制したのはそういうことです。悪い奴がいてそいつを倒す話ではない。映画もそう。では闇の魔法とは? 敵とは? 敵にも敵なりのプライドや目的があって、それがプリキュアとかち合ったから戦っていたという形になります。これは善か悪かという問題ではありません。もちろん救済も関係ない。「闇」という名は付いても同じ魔法。その魔法を使う者には想いがある。その想いの在り方、目指した方向が違っていたということ。そしてその戦いは終わった。恨むでも憎むでもなく、異なる想いの形があった。そういうものとしてドクロクシー一派との戦いは決着がつきます。断罪する必要がないのでそのまま帰ってもらってもなんら問題無い。この辺も本作らしい流れです。また、バッティ達幹部はクシィ本人とも目的や意思は異なる。バッティが最後に見せた底力が示すように、ここにはもはや創造主と創造物の関係はありません。生まれでた命は命。そこに宿る魂に貴賤はない。魔法とは魂持つ者の願い。それを証明する戦いであったと言えます(眷属は自分をデウスマストの道具としか思ってない)。闇の魔法の退場によって魔法の意味をより強固なものとした見事な幕引き。
残された本を拾いあげる校長。
中を開くと友に宛てた文が残されています。
「私はこれより禁断の研究に手を染める。来るべき災いを退けうる手段。そして力を見つけるために。君には反対されてしまったがそれでいい。たとえ研究の果てにこの身がどうなろうと覚悟はできている。しかし、君を巻き込むこと、それだけはしたくなかった。災いを乗り越え、また、いつか、共に飛ぶ日を夢見て」
こうなるとドクロクシーを倒してはーちゃんに連れられた時の彼の表情の意味が複雑になってきますね。埋めがたい溝があったとも考えていましたが、自ら起こした災い、これから起る災い、あるいは時の流れに対する思いがあったのかもしれません。しかしいずれにせよもはや知ることは叶わない。
「バカヤロウ…」
涙を溢す校長。人にとっての過去とは単に過ぎ去ったものではなく、現に今この瞬間も存在している時間です。それがどのように解釈され、意識され、人格の一部となり、共有されるかを巡り常に流動している。だからその時々によって人の過去は変わりうる。ぶっちゃけて言えば事実はあまり重要ではない。そのときそう意味付けられた事の方が重みがある。
出発点は同じでも進む道が異なった二人の大人は、長き時を経て再び交わります。
時間を超えて再び繋がる関係。
みらいは二人の間に横たわる空間に何を見るのか。
④次回予告
予告をオチに使うのやめてください。
○トピック
闇の魔法つかいバッティ!
番組変わっとるやないけ!
バッティさんまさかの大金星。
だから何でこの番組は勝木さんといいバッティさんといいサブキャラでガッツ見せるんですかね。世界がどうなっていようが、事実がどうであろうがそんなことは自分の生き方にかんけぇねぇ! 彼らもまたプリンセス道を歩む剛の者。最終回まだ一ヶ月後なんですけど、どんだけハードル上げるの。
物語が味わい深くなってきました。デウスマストとマザー・ラパーパ。一方の神は無慈悲で人の運命を利用する。もう一人の神は人に恵みを与え願いを託す。もっとも、神の下(彼らが作った舞台の上)で生きねばならないという意味ではどちらも実はあまり変わらないのかもしれない。でもそれと私達がどう生きるかは別に関係ない。これ真面目な話ですが、私は信仰的に神を信じていません。どうしてか。神が持つ権限と人が持つ権限が全く異なるからです。神は神の領域で、人は人の領域で存在している。だから人がどんなに願ったって羽が生えて空は飛べないし、人がどんなに嘆いても人は人を殺せる。そういう風に作られている。言い換えれば人は原理は変えられないけど制度は変えられる。生き方を決めるのは人間の仕事です。そこに神が入る余地は無い。人間に配られたカードは何で、それをどう使うか。論じるのはそれだけでいい。
『根拠のない確信』もそうです。人によってはその体験をしたときに、人間の外側に絶対者(超越者)の存在を感じ取りそこに道標を見る人もいるでしょう。まさにこれが天啓なのだと。でも私はそこにこそ人間の面白さ、狂気を見る。人は狂っている。だから絶望を見、希望を見る。私は神を信じない。実在しないからじゃない。生きるための道標は外にではなく人の中にあると信じているから。物証や論理性、実証性はいらない。屁理屈をこねる必要もない。だから根拠のない確信と呼んでいる。
…という話をプリキュアでするのは世界広しといえど私だけだと思うんですが、小難しい本読むよりもなんでかプリキュアを見ている方がこういう思考しやすいんですよね。まあ、話通じる人ほとんどいないと思いますが。わかって欲しいとも思わないけど。この感想はそういう感想なので。
話を戻して、本作はラパーパの祈りの下プリキュアが誕生し分れた世界を再び結びつつありますが、同時にそれは依然として人が世界に動かされているという意味に他なりません。しかし、人にとって世界の形よりも友情の形の方が大事でしょう。神話が今に続くことよりも、過去の出来事が今に続いていること、今の自分にとってどう解釈されうるかの方が大事でしょう。最近のエピソードは物語に奥行きを持たせ壮大さが出てきましたが、忘れてはならないのはプリキュアはあくまで女子中学生を主人公にした『人の物語』であること。神と戦う物語じゃありません。まして世界を救う必要もない。相変わらずここのポイントがハッキリしていてちゃんと話を戻してくるのがプリキュアらしい。人は神の手下じゃない。人の手で生き場所を作る。っていうことをサブキャラでやるってどういうことなの!? サブキャラでやれる話はやり終えたとも考えられるけど、いやもうほんと、どうなるんだか。闇の魔法ですらムホーを超えるガッツを見せた後で、果たしてプリキュアの魔法は何を見せてくれるのか。
でも次回はクリスマス一斉在庫処分。人が生きるには飯のタネが必要です。
①今も生きる過去の人々
写真を見るお婆ちゃん。この人は年中同じ格好ですが、みらい達は冬衣装。リコ可愛い。このままパーティに行きそう。
お婆ちゃんが見ていたのは先日行われた同窓会の写真。50年ぶりですがすぐに馴染んで昔話に花を咲かせたようです。時が経っていても離れていてもどこかで繋がっていたのかもしれないと話すお婆ちゃん。ふむ、直接的には今回の校長とクシィの件を補助する小エピソードだけど、チクルンの件といい一捻りありそう。物語全体では世界が一つに結ばれる方向へと進んでいる、つまりみらい達が一緒にいられる方向へと進んでいるはずですが、終盤にきて提起されているのはそれでも離れているという事実で、彼女達が最終的にどういったポジションと関係になるのかはまだ予断を許さない。
時計を見て慌てるリコ。待ち合わせの時間が迫っています。
待ち人は校長。(現在進行形で距離が縮んでいるのか)予定よりも早くナシマホウ界に着いて手持ち無沙汰。通行人の女性達の視線が集まります。
「寒し!」
見た目に騙されてはいけません。
オルーバの見解をベニーギョは話半分で聞きつつも対応を訊ねます。話が本当なら早めに手を打った方がいい。するとオルーバは残りの眷属を復活させると動き出します。いきなり話が飛んで意味がわからないベニーギョ。どうやら彼なりに算段があるらしい。ベニーギョは完全に蚊帳の外。まあ、彼女とシャーキンスは肉体労働派だしねぇ。まだラブーの方が飲み込みが早いかもしれない。
校長と合流。寒いのでコタツを召喚するはーちゃん。折角のリコの衣装が外套で見られないのが残念。
コタツに入って暖まる一同。それ電源来てるの? 熱源はどこに? っていうか、屋外でコタツとかレベル高ぇな。
事のキッカケは前回の幼児化騒ぎだったので改めて無事で何よりと安心する校長。次いで神話を思い返します。かつては一つだった世界。この辺は校長とクシィとの関係にも重なる部分。みらいとリコ。校長とお婆ちゃん、校長とクシィ。この物語は現代と過去に出会いと繋がりが複層的に置かれています。今回のエピソードのようにそれが過去のものであっても今に繋がる(今でも生きている)関係として命脈を保っています。出会って終わりというのではなくそれがどのように人の中で生き続けるか。そこに意味があります。
校長がナシマホウ界に来たもう一つの理由、クシィの本の捜索については水晶さんでも感知できず。彼の脳裏には親友との記憶が思い出されます。禁断の魔法に手を出したクシィはそれを制止する校長の手を払いのけます。親友だったと語る校長の印象とは裏腹に冷たくそっけない。校長自身もそこに疑問を抱きます。
黙ってしまった校長に甘いものでもどう?と勧めるモフルン。じゃあイチゴメロンパンを買ってこようとみらい。リコとはーちゃん、水晶さんもついていきます。お前ら…校長を一人にして晒し者にするとかひでぇな。林の中でコタツで一人とか不審者とかってレベルじゃねーぞ。
彼女達の背を見送りながら視線の端にふと見覚えのある姿が映ります。
水晶さんがみらい達についていったのは他でもない、校長とクシィの関係を伝えるため。真面目なクシィとおおらなか校長。性格は違えどとても気が合ったと言います。真面目というわりに回想シーンでのクシィは大盛りパフェを食べていたりと意外な一面もあったようです。真面目なようでいて抜けているリコみたいな感じですね。仲良く手を繋ぐ若き日の校長とクシィ。百合だけでなくショタまでカバーするとか東堂いづみの守備範囲広いな。視聴者の女児が腐らないことを祈ります。
しかしそんな彼らも災いへの対応を巡って別の道を進むことに。その後はみらい達も知ってのとおり。仲の良かった友達同士がそんなことになるなんて…とこぼすリコ。もしかしたらみらいとリコもそうならないとは限りません。校長とクシィの話は翻って彼女達に自分達はどうあるべきかを問うでしょう。時折クシィのことを考えては心を痛めている。アンニュイな表情の校長。彼の中で未だ残る苦い過去。
バッティから事情を聞く校長。彼は未だに落ち込んでいて体育座り。
帰ってきたみらい達が彼の姿を目撃するとすぐに駆け寄り校長の身を案じます。そりゃそうなる。大丈夫じゃと軽く答える校長。まあコタツに入れ。君もどう?とバッティを誘います。情けは受けぬと拒否。
イチゴメロンパンを受け取って頬張った校長は「うまし!」といつも以上にテンション高め。彼の前にいるバッティはテンション下がりすぎてお通夜ムード。みらい達棒立ち。リアクションに困るよね。
バッティの姿にクシィの面影を見る校長。彼も責任感の強いヤツだった。しかし今は本を取り戻さなければならない。これ以上あの本で苦しむ者をだしてはならない。
あの本ってこの本?
②謀られた運命
すぐさま臨戦態勢に入る校長。バッティも立ち上がります。
パーティ会場にご案内。バッティはお呼びでない。渦を巻く雲。お呼びじゃなくても行ってみると雲の中に足場が形成されています。なんなのここは?と訝るリコ。
デウスマストの眷属復活のステージと話すオルーバ。彼のお供のスパルダとガメッツがみらい達の前に立ちはだかります。本から闇の魔法を彼らに充填。本を目の端で捉えるスパルダ。お、これはもしかして。
細かい理屈は知りませんが要するに戦うしかない。トパーズに変身。以前ヨクバールと合体したスパルダも今回は本領発揮モード。ガメッツは相変わらずフェリーチェを狙います。校長は本を取り戻そうとオルーバに詰め寄ります。ひらりとかわしながら、オルーバは闇の魔法の本当の役割を明かします。
思わぬ言葉に動きが止まる校長。
かつての戦いで眷属が次々と封印される中、オルーバは世界中に情報をバラして埋め込んだ。一つ一つは他愛の無い情報でも繋ぎ合わせれば強大な力が手に入る方法が記された情報。そして彼の思惑どおり、その情報を集め復元する人物が現れる。彼が蒔いた情報はその人間の研究の中に組み込まれ形となり『闇の魔法』と名付けられた。
「我らの誕生が仕組まれていたもの…」
衝撃を受けるバッティ。凝った話になってきました。闇の魔法がムホーのデッドコピーというのはスタッフインタビューで語られていたので知ってはいましたが、まさかこういう形で披露されるとは。つまりオルーバは万が一の(デウスマストが敗北した場合の)保険をかけていたわけですね。擬似的なムホーの復元。それを呼び水にした眷属の復活。計画どおり自分達が復活してしまえばあとはデウスマストを呼び込めばいい。この後の展開を見ても彼の行動は非常に一貫しています。というか眷属のストイックさがすごい。バッティやヤモーの主人に対する忠誠心の高さもそうだけど、特に眷属は顕著。あくまで自分達は露払いでしかないという割切り。幹部が謀反を起こすパターンはプリキュアでも珍しくないんですが、本作の幹部は徹底して分を弁えています。
そんな遠大な計画が明かされている隣で暢気に戦闘を楽しむガメッツ。おめーも大概だな。力関係はどうやらフェリーチェの方が上。それを見て取ったオルーバは横槍を入れます。ヨクバール召喚。
勝負の邪魔をするのか!?と憤るガメッツに、諦めろと言ってのけるオルーバ。何を隠そう彼女こそがかつてデウスマストと渡り合ったマザー・ラパーパの力を継ぐ者。デッドコピーの眷属如きでどうにかなる相手じゃない。思いもしない事実を告げられたフェリーチェは困惑。視聴者としては当然予想の範囲内。MHでいうところのルミナスみたいなもので、まあラスボス退治はどうだっていいんですが、ひょっこり元の鞘に収まってめでたしめでたしとなるのかどうか。
いい加減こちら側の勝負もつけたいところ。ミラクルとマジカルの気円斬でスパルダを破壊。しかしそれはダミー。隠れていた本体はこの瞬間を狙ってオルーバが手にした本を奪い取ります。反撃に転じようとした彼の手を糸で封じます。策士策に溺れるとはこのこと。忌々しそうな表情を浮かべるオルーバ。
スパルダの目的は最初から闇の世界。バッティやヤモーほどドクロクシー本人へのこだわりは強くないようですが、目的とする方向性は変わらないようです。ガメッツは戦闘民族すぎ。
ざけんなよ、クソが。みたいな良い表情で怒気を露わにしたオルーバは本気を出すと軽々と捕縛から脱出。光と闇が両方備わり最強に見えるデザイン。本を奪え返すとスパルダを蹴落とします。
闇の世界? 地上を負の力で満たしラパーパの封印を外から打ち消す。眷属復活のための舞台装置。それが闇の世界。「君達がそう呼び必死に目指したものさ」「君らの存在も目的も全てボクらのために生み出されたのさ!」。高みから真実を告げるオルーバ。眷属とは言え人間から見れば人智を越えた存在。下等な生き物達と嘲笑うその姿はまさに悪魔のそれ。
「ふん。だから何だってのさ?」
「あたしはあたしのために闇の世界を作る。それだけさ!」
「我ガメッツ。何があろうと己の拳を、力を信じて生きるのみ!」
あらやだカッコイイ。でも返り討ち。オルーバにとって彼らは出来の悪い手駒。本来なら眷属全てを復活させるところがプリキュアに負けたおかげで中途半端な形に。
目の前で仲間が倒され独り残るバッティ。いや、独りではない。ドクロクシー人形とヤモー(の本体)。
「私は……私は!」
③魂ある者の戦い
あれ、この番組プリキュアだよね?とそろそろ視聴者の疑問が入りそうなので閑話休題。
客人にみっともないところを見せてしまったかな、とプリキュアに語りかけるオルーバ。眷属復活のためには力が必要。闇の魔法がリンクルストーンを必要としたように、この戦いでその力を回収し本を経由して封印を解く。そういう段取り。
「あの虫けら達は退場したから次はこのドンヨクバールを相手に…」
「待ってもらおう!」
バッティ。全ての仲間の力を結集しヨクバールを召喚。何この熱い展開。プリキュアが仕事できない。
ドンヨクバールとヨクバールの大怪獣大決戦。作画の書き方もちょっと変える力の入れよう。何故その労力をプリキュアに使わないのか。東堂いづみの謎の本気。
その様子にますますオルーバは呆れかえります。本当に役立たずばかり。これ(本)を作った人間も。
「闇の魔法の欠点はその中に人間の心があること。人間の弱さや迷いがムホーの力の再現を不完全なものにしてしまった」
「我らのムホーは人間に託すにはあまりに過ぎた力だったということさ」
クシィはそんなもののために…!。オルーバの言葉に歯がみする校長。
しかし今まさに戦っているバッティは己の力をもって反論します。
「我らの生き様、茶番などと言わせておくものか!」
渾身のアッパー。ドンヨクバールは場外ホームランで消滅。シャットといい存外熱いヤツです。
出来損ないの魔法なんかに何故ムホーが……。
「出来損ないなんかじゃない!」
「弱さや迷いだけじゃない。心には強さや一途な想いがあるのです。そこから生まれる魔法。それはあなた達の想像を超えた力になる!」
だからマザー・ラパーパは人に魔法を与えたのかもしれません。
美味しいところはバッティに持って行かれましたが、それでもこのアニメはプリキュア。課金アイテムの紹介をしないとスポンサーに怒られます。オーバーザレインボー。前回の予告ではさもバッティが参加しているようにも見えましたがあくまでイメージ映像だったようです。まあ流石に参加まではしないでもシャウトするのかなと思ったらめっちゃ大暴れで想像のはるか上だったんですけど。
本気モードのオルーバといえどオーバーザレインボーには勝てない。が、最後の力を本に充填するとそこから世界中に眠る眷属達に力を渡します。ちなみにこのシーン、エネルギーの奔流は7本。この後に世界各地から湧き出るのも7。すでに復活しているのは4。合計11。眷属の総数は12。映画のクマタ(ダークマター)は実は眷属(あるいはそれに類する存在)という裏設定があると映画を担当した田中監督は答えていましたが、本編でもそれを採用しているのかな。
自分の命を使って眷属復活の後押しするオルーバ。敵ながら良い仕事します。眷属に勝利するもさらに大きな課題が待ち受けるプリキュア。
戦いが終わりヨクバールを解除するバッティ。残ったのは自分と3匹の同士、ドクロクシー人形。
「私にもお前達のような熱い気持ちがまだあったとはな」
その言葉を聞き届けるようにドクロクシー人形は消えます。その跡に礼を返すバッティ。
「さあ、帰ろうか」
仲間と共に何処ともなく旅立つバッティ。
この展開をプリキュア音頭やっていた頃に想像できた視聴者が果たしていただろうか。いるわけねーよ。彼らが再び登場するかはわかりませんが見事な落としどころだと思います。魔法は願いと定義する物語において闇の魔法とは何だったのか。さらに魔法つかいにとっての敵の意味。本作は勧善懲悪ではありません。そもそも悪と戦っていない。はーちゃん返せで中ボス戦を制したのはそういうことです。悪い奴がいてそいつを倒す話ではない。映画もそう。では闇の魔法とは? 敵とは? 敵にも敵なりのプライドや目的があって、それがプリキュアとかち合ったから戦っていたという形になります。これは善か悪かという問題ではありません。もちろん救済も関係ない。「闇」という名は付いても同じ魔法。その魔法を使う者には想いがある。その想いの在り方、目指した方向が違っていたということ。そしてその戦いは終わった。恨むでも憎むでもなく、異なる想いの形があった。そういうものとしてドクロクシー一派との戦いは決着がつきます。断罪する必要がないのでそのまま帰ってもらってもなんら問題無い。この辺も本作らしい流れです。また、バッティ達幹部はクシィ本人とも目的や意思は異なる。バッティが最後に見せた底力が示すように、ここにはもはや創造主と創造物の関係はありません。生まれでた命は命。そこに宿る魂に貴賤はない。魔法とは魂持つ者の願い。それを証明する戦いであったと言えます(眷属は自分をデウスマストの道具としか思ってない)。闇の魔法の退場によって魔法の意味をより強固なものとした見事な幕引き。
残された本を拾いあげる校長。
中を開くと友に宛てた文が残されています。
「私はこれより禁断の研究に手を染める。来るべき災いを退けうる手段。そして力を見つけるために。君には反対されてしまったがそれでいい。たとえ研究の果てにこの身がどうなろうと覚悟はできている。しかし、君を巻き込むこと、それだけはしたくなかった。災いを乗り越え、また、いつか、共に飛ぶ日を夢見て」
こうなるとドクロクシーを倒してはーちゃんに連れられた時の彼の表情の意味が複雑になってきますね。埋めがたい溝があったとも考えていましたが、自ら起こした災い、これから起る災い、あるいは時の流れに対する思いがあったのかもしれません。しかしいずれにせよもはや知ることは叶わない。
「バカヤロウ…」
涙を溢す校長。人にとっての過去とは単に過ぎ去ったものではなく、現に今この瞬間も存在している時間です。それがどのように解釈され、意識され、人格の一部となり、共有されるかを巡り常に流動している。だからその時々によって人の過去は変わりうる。ぶっちゃけて言えば事実はあまり重要ではない。そのときそう意味付けられた事の方が重みがある。
出発点は同じでも進む道が異なった二人の大人は、長き時を経て再び交わります。
時間を超えて再び繋がる関係。
みらいは二人の間に横たわる空間に何を見るのか。
④次回予告
予告をオチに使うのやめてください。
○トピック
闇の魔法つかいバッティ!
番組変わっとるやないけ!
バッティさんまさかの大金星。
だから何でこの番組は勝木さんといいバッティさんといいサブキャラでガッツ見せるんですかね。世界がどうなっていようが、事実がどうであろうがそんなことは自分の生き方にかんけぇねぇ! 彼らもまたプリンセス道を歩む剛の者。最終回まだ一ヶ月後なんですけど、どんだけハードル上げるの。
物語が味わい深くなってきました。デウスマストとマザー・ラパーパ。一方の神は無慈悲で人の運命を利用する。もう一人の神は人に恵みを与え願いを託す。もっとも、神の下(彼らが作った舞台の上)で生きねばならないという意味ではどちらも実はあまり変わらないのかもしれない。でもそれと私達がどう生きるかは別に関係ない。これ真面目な話ですが、私は信仰的に神を信じていません。どうしてか。神が持つ権限と人が持つ権限が全く異なるからです。神は神の領域で、人は人の領域で存在している。だから人がどんなに願ったって羽が生えて空は飛べないし、人がどんなに嘆いても人は人を殺せる。そういう風に作られている。言い換えれば人は原理は変えられないけど制度は変えられる。生き方を決めるのは人間の仕事です。そこに神が入る余地は無い。人間に配られたカードは何で、それをどう使うか。論じるのはそれだけでいい。
『根拠のない確信』もそうです。人によってはその体験をしたときに、人間の外側に絶対者(超越者)の存在を感じ取りそこに道標を見る人もいるでしょう。まさにこれが天啓なのだと。でも私はそこにこそ人間の面白さ、狂気を見る。人は狂っている。だから絶望を見、希望を見る。私は神を信じない。実在しないからじゃない。生きるための道標は外にではなく人の中にあると信じているから。物証や論理性、実証性はいらない。屁理屈をこねる必要もない。だから根拠のない確信と呼んでいる。
…という話をプリキュアでするのは世界広しといえど私だけだと思うんですが、小難しい本読むよりもなんでかプリキュアを見ている方がこういう思考しやすいんですよね。まあ、話通じる人ほとんどいないと思いますが。わかって欲しいとも思わないけど。この感想はそういう感想なので。
話を戻して、本作はラパーパの祈りの下プリキュアが誕生し分れた世界を再び結びつつありますが、同時にそれは依然として人が世界に動かされているという意味に他なりません。しかし、人にとって世界の形よりも友情の形の方が大事でしょう。神話が今に続くことよりも、過去の出来事が今に続いていること、今の自分にとってどう解釈されうるかの方が大事でしょう。最近のエピソードは物語に奥行きを持たせ壮大さが出てきましたが、忘れてはならないのはプリキュアはあくまで女子中学生を主人公にした『人の物語』であること。神と戦う物語じゃありません。まして世界を救う必要もない。相変わらずここのポイントがハッキリしていてちゃんと話を戻してくるのがプリキュアらしい。人は神の手下じゃない。人の手で生き場所を作る。っていうことをサブキャラでやるってどういうことなの!? サブキャラでやれる話はやり終えたとも考えられるけど、いやもうほんと、どうなるんだか。闇の魔法ですらムホーを超えるガッツを見せた後で、果たしてプリキュアの魔法は何を見せてくれるのか。
でも次回はクリスマス一斉在庫処分。人が生きるには飯のタネが必要です。
第44話「モフルン大奮闘!みんな子供になっちゃった!?」
○今週の出来事
①コドモニナ~ル
久しぶりのナシマホウ界。買い物を満喫したみらい達。しかしモフルンはこの間まで一緒だったチクルンがいなくて寂しい様子。気付いたみらいが声をかけると大丈夫とモフルンなりに納得しているようです。この辺の友達との関係、距離は次回(校長とクシィ)にも関わってきそうです。
家の上空に現れたオルーバはクシィの本を使って何かの魔法を使います。その魔法の光を浴びたみらい達は……ちっちゃくなっていました。珍しい表情で驚愕するモフルン。
どういうこと!?と身体を使って疑問を訴えるみらい。どうも身体だけじゃなく思考も若干幼児化。デザイン的には子どもになったというより、ダウンサイズしたって感じですが。言われる前に察したのか自分は何もしていないとはーちゃん。
とりあえず校長に連絡してみようと言うモフルン。もうお分かりのように今回はモフルンが主役。幼児化した彼女らに変わってお世話・指揮をとります。
机の上にある水晶に手を伸ばすも身体が小さくて無理。リコが魔法を使って対処。ポーズ可愛い。箒に乗ってみたもののコントロールがきかず墜落。魔法の技術力も退行しているらしい。というか、飛ぶより水晶引き寄せた方が早かったんじゃないですかね?
その間にみらいは椅子をよじ登って水晶を手に取ります。魔法つか(わな)いプリキュア。
リアンから得た情報と、妖精の女王の情報が一致していることを確かめる校長。信憑性は高い。しかし世界の構造すらも変えてしまうほどの災いの大きさは測りしれません。再び現れたとき果たしてプリキュアはどうなるのか。試練を乗り越えた彼女達は成長していると信じる水晶さん。
そこに通信が入ります。校長先生~と呼ぶ3人。代表してモフルンが前に出て緊急事態を告げます。
報告を聞いたもののすぐには心当たりがない校長。知り合いにマジョリーナいないんですか。窓の外にいる小鳥に気を取られるはーちゃん。
なかなか答えが返ってこないので、痺れを切らせたみらいは手もこんなに小さくなっているとリコに見せます。どっちが大きい?と話に乗るリコ。だめだこいつら、完全に幼児化してやがる。そんな場合じゃないだろとモフルンが諭します。しかしこのふたりはまだマシな方で、はーちゃんは小鳥と一緒に遊ぼうと箒にまたがって今にも飛びそうな気配。お前さっきリコの失敗見てただろ。いや、リコだから失敗したとも考えられるけど。
モフルンの制止を振り切って飛ぶはーちゃん。やはり彼女もコントロールが不安定で危うい飛行。が、Uターンして戻ってくるとベッドに不時着。衝撃で離した箒が水晶に当たると(気絶して)通信が切れてしまいます。
ベッドの上でうずくまるはーちゃん。みらいが駆け寄ると「痛いの痛いの飛んで行けー」とおまじないをかけます。実は笑いを堪えていただけ。はーちゃんにつられてみらいとリコも笑い出します。不思議そうな顔で彼女達を見つめるモフルン。モフルンの精神年齢は通常のみらい達と変わらないので幼児特有の無邪気さ(無鉄砲さ)に疎いようです。
燃料が切れたのか今度は腹の虫が鳴り出します。本当に忙しない。
お腹が空いたならおやつを出せばいいじゃない。お前らだから魔法はやめ…とモフルンが言い終わる前にはーちゃんの魔法発動。ポーズ可愛い。巨大パンケーキが出現。はーちゃんがいれば食料問題解決。しかしあまりに大きいため自分達がパンケーキの下敷きに。
その様子をウォッチするオルーバ。幼女の盗撮が趣味とかやべぇな。速やかにその魔法を私によこせ。そしたら上には黙っておいてやろう。
何をやった?と訊ねるスパルダに、彼女(はーちゃん)が気になって過去の情報を引き出そうと本に載っている魔法を試したと答えるオルーバ。ペラペラとめくったページの中に若き日の自身と校長の姿。彼なりに思うところはあったようです。もちろんそんなことはオルーバには関係ないので、闇の魔法も当てにならないとガッカリしたようにつぶやきます。
その言葉にピクリと反応するスパルダ。反論する代わりにアイディアを出します。どうやら彼女(達)はドクロクシーの代わりにオルーバを主人にしているわけではなく恩人みたいな位置付けで、自我と目的は固有のままのようです。「手駒は多い方がいいだろう?」。スパルダの好きにさせます。
②モフルンお母さん
パンケーキを食べ続けるもついに限界。仕草がおっさん臭いみらいちゃん。彼女達に変わってモフルンが奮闘。…がこっちも限界。このパンケーキ、まだ大きくなっているらしくいよいよ圧死の危機。はーちゃんが「どっか行って」と魔法をかけて消します。
無事解決。お腹も膨れたのでそのままお昼寝し始める三人。その姿に昔を思い出すモフルン。タオルケットをかけてあげます。
みらいの母が帰宅すると娘を呼びます。この状況で見つかってはマズイ。声と語尾そのままにみらいの代りに答えるモフルン。「モフ?」当然疑問を抱く母。余計にマズイ。とっさに風邪気味だと誤魔化します。モフっモフっ。おかしな咳だと納得してはくれたものの部屋の中に入ってこようとするので風邪がうつったら大変だと慌てて応じます。
なんとか危機を乗り越えほっと息をつくモフルン。子どもが知らないうちにこんなやりとりをしているかもしれない、という場面ですね(トイ・ストーリー的な)。
校長の方でも直接みらい達をバックアップしようと旅支度。彼にしては珍しいですがクシィの本のことも気になるようです。
そこに巨大パンケーキ出現。どっかってここでした。とりあえず一口。「パンケーキ」。いや、そこ真顔で言うところじゃねーから。とりあえずこの後校長が美味しく頂きました。
魔法界の海ではサメが亀を狙います。しかし獰猛そうな亀はサメを殴り返すと頭突きで遙か彼方まで飛ばしてしまいます。……この姿の方が強くね? その亀を捕縛。森を飛ぶコウモリもゲット。
首尾良く捕獲したそれらに魔法をかけてガメッツとバッティを再生。混乱する彼らにスパルダがオルーバを紹介。しかし不満げな態度のガメッツ。彼的にはプリキュアと戦い敗れたことに満足しているので余計なお世話。でもそこは元同僚、勝手もわかっている。今はエメラルドの力を持つ3人目のプリキュアがいると新しい餌で釣ります。そうと聞けばガメッツはやる気を出します。ちょろい。
バッティの方はこれより面倒臭く、忠誠心の高い彼にとってドクロクシーがいない今は生ける屍状態。スパルダは無理に彼を引き込もうとはせず、ガメッツを伴ってプリキュアの元に向かいます。なかなか面白くなってきました。彼らは単なる再生雑魚幹部というわけではないようで、ドクロクシー一派を形作る幹部。眷属、ドクロクシー、プリキュアと実質的には3勢力ある状況に。
ヨクバールを召喚し、正々堂々みらいの家を訪ねるスパルダ達。近所やみらい母にバレるだろ。
モフルンが外に出ると静かにしろ!みんなお昼寝してるんだ!と一喝。流石です。近所迷惑だろとルビーで殴った回がありましたが今もそういうノリ。もちろんスパルダ達もバカいってんじゃねー!早くプリキュア出せ!と引っ込みません。
断固拒否の姿勢を見せるモフルン。今は自分が最年長者。けれども絶対的な強さは変わらないのでピンチに。そこにみらい達が駆けつけます。しかしそこでいつものように助けられるモフルンではありません。自力でスパルダの糸を引きちぎると自分がみんなを守るとガッツを見せます。いつになく本気です。本気でクリスマス在庫一斉処分を狙います。
みらい達を見たガメッツはどういうことだ?とスパルダに訊ねます。ちょっといろいろあって、と説明を省くスパルダ。子どもと戦っても意味が無いとガメッツ。彼らが揉めている隙にモフルンはみらい達に避難を呼びかけます。そうは問屋が卸さない。オルーバも現れて特殊空間を形成。退路がふさがれます。
しかしそんなことは元から関係ありません。三人はモフルンのもとに駆け寄ると口々にお礼を言います。もっともーっとモフルンと遊びたい。そのためにも今度は自分達が頑張らねば。身体と心が子どもになってもやることは変わりません。
「キュアップ・ラパパ!」
スマイル同様子ども変身バンク担当の河野班。4年のブランクとはいえ狙っているのかいないのか、よくわからんこのアニメ。小さいプリキュアになるのかと思えば、魔法つかいは成長変身(変身すると年齢が上がる)なので元の姿に。これはナイスアイディア。魔法をもって魔法を制す。小さい子どもでも中学生でもプリキュアになれます。
フェリーチェを見たガメッツは早速彼女を狙います。冷静な声で呼びかけるフェリーチェ。ようやく彼女があの小さな妖精だったと気付きます。二人に隙ができたところでそれぞれに捕縛をかけるオルーバ。フェリーチェだけを止めるとガメッツがうるさそうなので一緒にやったっぽい。彼女の前まで来ると直接何者なのかと訊ねます。彼の脳裏にはラパーパの記憶。それを確かめるためにクシィの本に手を出してみたけれど使いづらくてこの騒ぎと種明かし。
自分を調べるためにみんなを巻き込んだのかと怒りを燃やすフェリーチェ。彼女の気持ちに反応してピンクトルマリンが承認。
捕縛が切れるとじっくりフラワーエコーワンドを見せてピンクトルマリンを使います。クリスマスという名のバンク有効活用。ピンクトルマリンは万能なのでいろいろ使えるんですが、今回は全方位破邪。敵を圧し除けます。その力に確信を強めるオルーバ。自分の力を不思議そうに見るフェリーチェ。
体勢も整ったのでモフルンの椅子にちょうどいい馬車形高額商品で消し飛ばします。
カタツムリニアでナシマホウ界へ向かう校長。優雅にお茶とおやつをとります。危機感ねーな。
残る精霊は3つ。頑なに認めない奴らです。
変身した勢いで元に戻れたと一段落。勢いって大事。今日はモフルンが一番頼もしかったとリコが総括。改めてお礼を言われたモフルンは照れます。
夕食はハンバーグにステーキにエビフライにプリンと子どもの好きなもの全部詰めましたみたいなメニュー。カロリー高ぇ。ところがみらいの食事はシンプルなおかゆ。意味がわからないみらいはキョトンとしてしまいます。風邪なんでしょ?と母。モフルンがぬいぐるいの振りをしているので直接は聞けませんが、ようやく話が見えてきます。
リコが気を利かせて調子が戻ってきたようだから自分のおかずを分けてあげると提案。はーちゃんも話に乗って無事夕食にありつけます。
③次回予告
校長とバッティの組合せで笑いとりにくるのやめてください。
○トピック
気がつけばこの番組も残り一月半。
世界の真実も明かされ最終決戦も間近。そこで今回のエピソードは幼児に退行してドタバタギャグ。
もうほんと、魔法つかい。
この物語の魔法とは何か。願い。プリキュアとは何か。世界が再び繋がって欲しいという祈り。それを体現するのは誰か。みらい達。
つまりこの物語における魔法とは極論すれば「子ども」です。子ども達のためにこの物語はこの世界とプリキュアを産み出したと言っても過言ではありません。この物語は徹頭徹尾子どもに寄り添う、子どもの力を信じる物語。挫折や限界なんて知ったことじゃない。
シリーズが始まって13年になりますがこれほど素直に子どもを認めたのは本作が初めてだと思います。熾烈な生存競争に晒されることもなく、友情や愛情に固執する必要もなく、挫折や絶望、悲しみを背負わされることもなく、自由に出会い、自由に振舞う。そして異なる世界に住む友達、異なる姿の友達と一緒にいたいと自然に思える。そんな彼女達こそがプリキュアであり、神話の時代から託された願いを体現する存在なのだと。そう素直に定義されています。
コラム「シリーズの変遷:愛とその先」でも述べたように、初代~プリンセスで本シリーズは一つの完成に達しています。では、そのシリーズとは何だったのか。無理矢理一言で表わせば「戦い」だったと思います。その相手が抽象的なものか、具体的なものかは別として何かを証明するための戦い。それがプリキュアとしての証明でもありました。変身ヒーローものなのでこの方法論はごく自然なものです。そうやってプリキュアは様々な困難や現実と戦い、人間の可能性を提示してきました。
一通りの戦いを終えたプリキュアでその先があり得るのか? あるいはこれまでと違うプリキュア像があり得るのか? 本作に対する私の見方(期待)はこれだったんですが、本当にそれをやってくれそうです。流石私が見込んだアニメ。そこに惚れる。
魔法つかいプリキュアは使命を持たないが故にその自由意思によって新たな世界観を樹立する。ちりばめられたパズルのピースをどう繋ぐのか。プリキュア、校長、クシィ(と下僕)、眷属。一堂に会するとき何が起るのか。緊張感があるようで無い本作の終盤戦がいよいよ本格化。
①コドモニナ~ル
久しぶりのナシマホウ界。買い物を満喫したみらい達。しかしモフルンはこの間まで一緒だったチクルンがいなくて寂しい様子。気付いたみらいが声をかけると大丈夫とモフルンなりに納得しているようです。この辺の友達との関係、距離は次回(校長とクシィ)にも関わってきそうです。
家の上空に現れたオルーバはクシィの本を使って何かの魔法を使います。その魔法の光を浴びたみらい達は……ちっちゃくなっていました。珍しい表情で驚愕するモフルン。
どういうこと!?と身体を使って疑問を訴えるみらい。どうも身体だけじゃなく思考も若干幼児化。デザイン的には子どもになったというより、ダウンサイズしたって感じですが。言われる前に察したのか自分は何もしていないとはーちゃん。
とりあえず校長に連絡してみようと言うモフルン。もうお分かりのように今回はモフルンが主役。幼児化した彼女らに変わってお世話・指揮をとります。
机の上にある水晶に手を伸ばすも身体が小さくて無理。リコが魔法を使って対処。ポーズ可愛い。箒に乗ってみたもののコントロールがきかず墜落。魔法の技術力も退行しているらしい。というか、飛ぶより水晶引き寄せた方が早かったんじゃないですかね?
その間にみらいは椅子をよじ登って水晶を手に取ります。魔法つか(わな)いプリキュア。
リアンから得た情報と、妖精の女王の情報が一致していることを確かめる校長。信憑性は高い。しかし世界の構造すらも変えてしまうほどの災いの大きさは測りしれません。再び現れたとき果たしてプリキュアはどうなるのか。試練を乗り越えた彼女達は成長していると信じる水晶さん。
そこに通信が入ります。校長先生~と呼ぶ3人。代表してモフルンが前に出て緊急事態を告げます。
報告を聞いたもののすぐには心当たりがない校長。知り合いにマジョリーナいないんですか。窓の外にいる小鳥に気を取られるはーちゃん。
なかなか答えが返ってこないので、痺れを切らせたみらいは手もこんなに小さくなっているとリコに見せます。どっちが大きい?と話に乗るリコ。だめだこいつら、完全に幼児化してやがる。そんな場合じゃないだろとモフルンが諭します。しかしこのふたりはまだマシな方で、はーちゃんは小鳥と一緒に遊ぼうと箒にまたがって今にも飛びそうな気配。お前さっきリコの失敗見てただろ。いや、リコだから失敗したとも考えられるけど。
モフルンの制止を振り切って飛ぶはーちゃん。やはり彼女もコントロールが不安定で危うい飛行。が、Uターンして戻ってくるとベッドに不時着。衝撃で離した箒が水晶に当たると(気絶して)通信が切れてしまいます。
ベッドの上でうずくまるはーちゃん。みらいが駆け寄ると「痛いの痛いの飛んで行けー」とおまじないをかけます。実は笑いを堪えていただけ。はーちゃんにつられてみらいとリコも笑い出します。不思議そうな顔で彼女達を見つめるモフルン。モフルンの精神年齢は通常のみらい達と変わらないので幼児特有の無邪気さ(無鉄砲さ)に疎いようです。
燃料が切れたのか今度は腹の虫が鳴り出します。本当に忙しない。
お腹が空いたならおやつを出せばいいじゃない。お前らだから魔法はやめ…とモフルンが言い終わる前にはーちゃんの魔法発動。ポーズ可愛い。巨大パンケーキが出現。はーちゃんがいれば食料問題解決。しかしあまりに大きいため自分達がパンケーキの下敷きに。
その様子をウォッチするオルーバ。幼女の盗撮が趣味とかやべぇな。速やかにその魔法を私によこせ。そしたら上には黙っておいてやろう。
何をやった?と訊ねるスパルダに、彼女(はーちゃん)が気になって過去の情報を引き出そうと本に載っている魔法を試したと答えるオルーバ。ペラペラとめくったページの中に若き日の自身と校長の姿。彼なりに思うところはあったようです。もちろんそんなことはオルーバには関係ないので、闇の魔法も当てにならないとガッカリしたようにつぶやきます。
その言葉にピクリと反応するスパルダ。反論する代わりにアイディアを出します。どうやら彼女(達)はドクロクシーの代わりにオルーバを主人にしているわけではなく恩人みたいな位置付けで、自我と目的は固有のままのようです。「手駒は多い方がいいだろう?」。スパルダの好きにさせます。
②モフルンお母さん
パンケーキを食べ続けるもついに限界。仕草がおっさん臭いみらいちゃん。彼女達に変わってモフルンが奮闘。…がこっちも限界。このパンケーキ、まだ大きくなっているらしくいよいよ圧死の危機。はーちゃんが「どっか行って」と魔法をかけて消します。
無事解決。お腹も膨れたのでそのままお昼寝し始める三人。その姿に昔を思い出すモフルン。タオルケットをかけてあげます。
みらいの母が帰宅すると娘を呼びます。この状況で見つかってはマズイ。声と語尾そのままにみらいの代りに答えるモフルン。「モフ?」当然疑問を抱く母。余計にマズイ。とっさに風邪気味だと誤魔化します。モフっモフっ。おかしな咳だと納得してはくれたものの部屋の中に入ってこようとするので風邪がうつったら大変だと慌てて応じます。
なんとか危機を乗り越えほっと息をつくモフルン。子どもが知らないうちにこんなやりとりをしているかもしれない、という場面ですね(トイ・ストーリー的な)。
校長の方でも直接みらい達をバックアップしようと旅支度。彼にしては珍しいですがクシィの本のことも気になるようです。
そこに巨大パンケーキ出現。どっかってここでした。とりあえず一口。「パンケーキ」。いや、そこ真顔で言うところじゃねーから。とりあえずこの後校長が美味しく頂きました。
魔法界の海ではサメが亀を狙います。しかし獰猛そうな亀はサメを殴り返すと頭突きで遙か彼方まで飛ばしてしまいます。……この姿の方が強くね? その亀を捕縛。森を飛ぶコウモリもゲット。
首尾良く捕獲したそれらに魔法をかけてガメッツとバッティを再生。混乱する彼らにスパルダがオルーバを紹介。しかし不満げな態度のガメッツ。彼的にはプリキュアと戦い敗れたことに満足しているので余計なお世話。でもそこは元同僚、勝手もわかっている。今はエメラルドの力を持つ3人目のプリキュアがいると新しい餌で釣ります。そうと聞けばガメッツはやる気を出します。ちょろい。
バッティの方はこれより面倒臭く、忠誠心の高い彼にとってドクロクシーがいない今は生ける屍状態。スパルダは無理に彼を引き込もうとはせず、ガメッツを伴ってプリキュアの元に向かいます。なかなか面白くなってきました。彼らは単なる再生雑魚幹部というわけではないようで、ドクロクシー一派を形作る幹部。眷属、ドクロクシー、プリキュアと実質的には3勢力ある状況に。
ヨクバールを召喚し、正々堂々みらいの家を訪ねるスパルダ達。近所やみらい母にバレるだろ。
モフルンが外に出ると静かにしろ!みんなお昼寝してるんだ!と一喝。流石です。近所迷惑だろとルビーで殴った回がありましたが今もそういうノリ。もちろんスパルダ達もバカいってんじゃねー!早くプリキュア出せ!と引っ込みません。
断固拒否の姿勢を見せるモフルン。今は自分が最年長者。けれども絶対的な強さは変わらないのでピンチに。そこにみらい達が駆けつけます。しかしそこでいつものように助けられるモフルンではありません。自力でスパルダの糸を引きちぎると自分がみんなを守るとガッツを見せます。いつになく本気です。本気でクリスマス在庫一斉処分を狙います。
みらい達を見たガメッツはどういうことだ?とスパルダに訊ねます。ちょっといろいろあって、と説明を省くスパルダ。子どもと戦っても意味が無いとガメッツ。彼らが揉めている隙にモフルンはみらい達に避難を呼びかけます。そうは問屋が卸さない。オルーバも現れて特殊空間を形成。退路がふさがれます。
しかしそんなことは元から関係ありません。三人はモフルンのもとに駆け寄ると口々にお礼を言います。もっともーっとモフルンと遊びたい。そのためにも今度は自分達が頑張らねば。身体と心が子どもになってもやることは変わりません。
「キュアップ・ラパパ!」
スマイル同様子ども変身バンク担当の河野班。4年のブランクとはいえ狙っているのかいないのか、よくわからんこのアニメ。小さいプリキュアになるのかと思えば、魔法つかいは成長変身(変身すると年齢が上がる)なので元の姿に。これはナイスアイディア。魔法をもって魔法を制す。小さい子どもでも中学生でもプリキュアになれます。
フェリーチェを見たガメッツは早速彼女を狙います。冷静な声で呼びかけるフェリーチェ。ようやく彼女があの小さな妖精だったと気付きます。二人に隙ができたところでそれぞれに捕縛をかけるオルーバ。フェリーチェだけを止めるとガメッツがうるさそうなので一緒にやったっぽい。彼女の前まで来ると直接何者なのかと訊ねます。彼の脳裏にはラパーパの記憶。それを確かめるためにクシィの本に手を出してみたけれど使いづらくてこの騒ぎと種明かし。
自分を調べるためにみんなを巻き込んだのかと怒りを燃やすフェリーチェ。彼女の気持ちに反応してピンクトルマリンが承認。
捕縛が切れるとじっくりフラワーエコーワンドを見せてピンクトルマリンを使います。クリスマスという名のバンク有効活用。ピンクトルマリンは万能なのでいろいろ使えるんですが、今回は全方位破邪。敵を圧し除けます。その力に確信を強めるオルーバ。自分の力を不思議そうに見るフェリーチェ。
体勢も整ったのでモフルンの椅子にちょうどいい馬車形高額商品で消し飛ばします。
カタツムリニアでナシマホウ界へ向かう校長。優雅にお茶とおやつをとります。危機感ねーな。
残る精霊は3つ。頑なに認めない奴らです。
変身した勢いで元に戻れたと一段落。勢いって大事。今日はモフルンが一番頼もしかったとリコが総括。改めてお礼を言われたモフルンは照れます。
夕食はハンバーグにステーキにエビフライにプリンと子どもの好きなもの全部詰めましたみたいなメニュー。カロリー高ぇ。ところがみらいの食事はシンプルなおかゆ。意味がわからないみらいはキョトンとしてしまいます。風邪なんでしょ?と母。モフルンがぬいぐるいの振りをしているので直接は聞けませんが、ようやく話が見えてきます。
リコが気を利かせて調子が戻ってきたようだから自分のおかずを分けてあげると提案。はーちゃんも話に乗って無事夕食にありつけます。
③次回予告
校長とバッティの組合せで笑いとりにくるのやめてください。
○トピック
気がつけばこの番組も残り一月半。
世界の真実も明かされ最終決戦も間近。そこで今回のエピソードは幼児に退行してドタバタギャグ。
もうほんと、魔法つかい。
この物語の魔法とは何か。願い。プリキュアとは何か。世界が再び繋がって欲しいという祈り。それを体現するのは誰か。みらい達。
つまりこの物語における魔法とは極論すれば「子ども」です。子ども達のためにこの物語はこの世界とプリキュアを産み出したと言っても過言ではありません。この物語は徹頭徹尾子どもに寄り添う、子どもの力を信じる物語。挫折や限界なんて知ったことじゃない。
シリーズが始まって13年になりますがこれほど素直に子どもを認めたのは本作が初めてだと思います。熾烈な生存競争に晒されることもなく、友情や愛情に固執する必要もなく、挫折や絶望、悲しみを背負わされることもなく、自由に出会い、自由に振舞う。そして異なる世界に住む友達、異なる姿の友達と一緒にいたいと自然に思える。そんな彼女達こそがプリキュアであり、神話の時代から託された願いを体現する存在なのだと。そう素直に定義されています。
コラム「シリーズの変遷:愛とその先」でも述べたように、初代~プリンセスで本シリーズは一つの完成に達しています。では、そのシリーズとは何だったのか。無理矢理一言で表わせば「戦い」だったと思います。その相手が抽象的なものか、具体的なものかは別として何かを証明するための戦い。それがプリキュアとしての証明でもありました。変身ヒーローものなのでこの方法論はごく自然なものです。そうやってプリキュアは様々な困難や現実と戦い、人間の可能性を提示してきました。
一通りの戦いを終えたプリキュアでその先があり得るのか? あるいはこれまでと違うプリキュア像があり得るのか? 本作に対する私の見方(期待)はこれだったんですが、本当にそれをやってくれそうです。流石私が見込んだアニメ。そこに惚れる。
魔法つかいプリキュアは使命を持たないが故にその自由意思によって新たな世界観を樹立する。ちりばめられたパズルのピースをどう繋ぐのか。プリキュア、校長、クシィ(と下僕)、眷属。一堂に会するとき何が起るのか。緊張感があるようで無い本作の終盤戦がいよいよ本格化。
第43話「いざ妖精の里へ!あかされる魔法界のヒミツ!」
○今週の出来事
①妖精の里
初めての光景に感嘆とする一同。綺麗ってよりどことなく怪しい雰囲気がするのは気のせいか。濃い霧を幻想的と捉えるか何か怪しいと捉えるかってのもあるんですが。
その光景にとりわけ感じ入るはーちゃん。気づくと何故か妖精の姿に。人間の姿はエメラルドが彼女の願いに力を貸している的な話しだったと思うので、記憶に感化して戻った感じだと思われます。みらい達にとっては懐かしい姿ですが、事情を知らないチクルンにはさっぱり。
そこに女王様登場。原形はハチっぽい。感動の再会……からのおしおき。知ってた。
OPは通常営業に戻りました。この色んなものごちゃまぜにしました感のOPは本作らしいと改めて思いますね。彼女達が最後にいる花の海と樹は今回で明らかになります。
妖精の里は魔法界の外れにある場所。ポジション的にはラピュタみたいな。訪れた人間もあなた達が初めてだと女王は言います。彼女に案内されて大きな樹のお城に。
客人に食事を振舞います。パクパクと食べる彼女達を物珍しそうに見る妖精達。早速チクルンが話を盛りながら紹介します。仲間達から女王が自分を探していたと聞いて神妙な顔になります。女王というか、おっかさんみたいな感じでしょうか。ちょっと怖いけど面倒見いいっていう。
はーちゃんの口の周りについた花粉を拭き取ってあげるモフルン。初期を思い出すやりとり。妖精に戻っても彼女達の関係は変わりません。改めてどうして戻ったのかと疑問を浮かべるリコ。花の海を思い出したから? その単語に思い当たる節がある女王。
かつて世界を覆っていた美しき花園。
古い伝承らしく現女王でもそれ以上は知らないとのこと。3000年では足りないようです。ということで先々代の先々代に聞いてみることに。レジェンド女王。こいつら長寿だな。
だからダメだったじゃん、と今は亡きシャーキンスに語りかけるオルーバ。
ドクロクシーの本は彼の目から見ても悪くないらしい。降って湧いた蜘蛛に見よう見まねで魔法をかけます。
花粉のカステラと薬膳茶で一息つく先々先々代(レジェンド女王って語呂悪いのでこの呼称)。校長も薬膳茶飲んでたけど、この世界の薬膳茶ガチで効果があるんでしょうか。
彼女にとってみらい達は単に珍しい人間の客というのではなく、ナシマホウ界人、魔法界人と感慨深い組合わせのようです。彼女のはーちゃんを見る瞳はどこか遠くを見ているよう。
彼女は古い物語を語り始めます。
同じ頃、校長はリアンから報告を受けます。結論に至ったと話し始めるリアン。災いとこの世界の関わり。魔法界側の歴史に登場するナシマホウ界発見よりも遥か昔にナシマホウ界にも魔法文字が存在した事実。つまり両者が関わる前から同一のものが存在したという事実(アルファベッドは魔法文字が変化したものという設定でしょうか)。魔法文字で刻まれたナシマホウ界の伝説をリアンは語り始めます。
②神話
人、動物、妖精や精霊たちが仲良く暮す楽園があった。その世界は一面の花に覆われた世界。ペガサスも人魚もドラゴンも共生。その世界の中心にはあまねく命の母マザー・ラパーパと母なる樹。ラパーパの恵みと祝福のもとで幸せの時代は長く続きます。魔法の杖の木もその祝福の一つで、ラパーパが人々に与えたもの。その魔法を使って人々は文明を築いていきます。割りと真面目に神話ですね。
先々先々代が生まれたのはその時代の末期。青天の霹靂のように突如現れる災い。デウスマストとその眷属。もちろん人々に戦う力はありません。ラパーパが単身世界を守るために戦います。彼女がかざした手の中にあるのはおそらくエメラルド。世界の始まりよりも古く絶大な力を持ったリンクルストーン・エメラルドという校長の説明は本当でした。ちなみに見えている眷属の数は12。これまで本編で登場しているのは4。その全てをデザインして声当てて、なんてしたら面倒この上ないのでほのめかす程度なんでしょうが、眷属側が数という切り札を持っているのは事実です。回想シーンでもラブー、ベニーギョ、シャーキンスが登場。
神同士の戦いは熾烈を極め、デウスマストを遠い彼方へと追いやった代償に、世界は砕けラパーパもまた母なる樹と共に大地から離れていった。言葉で説明はありませんが、彼女が使っていたダイヤが二つに砕けてその後別々に落下していったのはダイヤのリンクルストーンがナシマホウ界と魔法界に存在した理由だと考えられます。ところでこのBGMやめてください。ドキドキの終盤、王女を巡る話の時も使われた曲なんですが、これクるんですよ。
ラパーパを失った大地はその姿を変え、母なる樹も時空の狭間を漂ううちに一つの世界を形作った。それこそが魔法界。残された大地はナシマホウ界に。なお、妖精の里は先々先々代が居た折れた母なる樹の一部(今は城になっている)だと思われます。人魚が以前空を飛んで他の種族と交流していたというのもこの頃の話か、分離した初期の話なのかは微妙なところですが、他種族の伝承とも合致しています。
歴史からも忘れ去られるほどの遠い記憶。言わば原初の時代、神話なので眷属達がプリキュアを知らないのは当然の話。オルーバが何かとほのめかしていたのもラパーパのことで、ラパパはそれを語源にしているのだと気付いているでしょう。オルーバ達からすれば世界が一つだったはずなのになんでこんな面倒臭い形になっているのか?という疑問、プリキュア(視聴者)側からするとこいつらいつの時代の人だよ?という疑問がここで解消。
では何故そんな古い時代の記憶を自分が持っているのか?と疑問に思うはーちゃん。やべぇ、この子女王なんてレベルの子じゃなかった。一人でハートキャッチ無限シルエットと戦えちゃうレベル。
聞き覚えのある声が彼女達にかけられます。
③再生
この作品はプリキュアが敵の名前を呼ばないので、スパルダと自分で名乗ります。
何故ここに? その疑問にオルーバが答えます。闇の魔法のテスト。彼の姿を一目見て眷属だと気付く先々先々代。歯がみするチクルンにオルーバは気楽に声をかけます。
姿が変わったはーちゃんを苦々しく思うスパルダ。ヨクバールを召喚。幹部が召喚した幹部が怪人を召喚するという珍しい展開。ヨクバールの攻撃で妖精の里は大惨事。燃えている中で木に隠れるのって危険なんじゃないですかね?
チクルンがスパルダに抗議。前回禊ぎを済ませているので、ここらで改心したことをみんなにアピール。でもペチンとデコピンされます。妖精の里を燃やし尽くす力があるのにデコピンで済ませる優しい世界。でもはーちゃんが激怒。エメラルド(スマホン)の力を使って人間の姿に戻ります。プリキュアに変身して制裁。女児向けアニメが敵を殴るのに大した理由は要りません。
エメラルドへの執念を燃やすスパルダ。プリキュアがピンチになりますが、クリスマス商戦を控えたフェリーチェがフラワーエコーワンドでフォロー。久しぶりのエメラルド・リンカネーション。フェリーチェの気迫にオルーバはかつて見た力の片鱗を感じ取ります。
ヨクバールを倒したものの大技で隙ができたフェリーチェにスパルダが襲いかかります。ここはプリキュアがフォローしてオーバーザレインボー。さりげにカットインにモフルン入ってるの面白い。折角復活したのに分解されてしまう再生怪人の悲しい性。
フェリーチェの横顔にかつての面影を見る先々先々代。
オルーバの足元に蜘蛛。その執念に感心すると再び再生。お、再々生怪人とは珍しい。旧式幹部とはいえ再生産が可能なのは脅威。
「さて、こういう時は…」
「オボエテーロ!」
魔法つかいのこういうとこ好き。
④神話から続く願い
先々先々代は話を続けます。
マザー・ラパーパが散り際に残した言葉。「いつか必ず世界は再び結ばれる」「そう魔法をかけた」
魔法は願い。奇跡を願う思いが繋がり、いつか世界に届いてくれるよう祈りを込めて与えた魔法の名前『プリキュア』
先々先々代は全てを語り終えます。と同時にどこでもドアが出現。彼女達が知らなければならないことは以上のようです。
妖精の里を出て行く彼女達をチクルンが見送ります。とりわけ交友の篤かったモフルンと手を握ります。涙をぬぐいながら憎まれ口。再会を約束して別れます。
ラパーパ様はもういない。けど、彼女達プリキュアがきっと世界を結ぶ。女王と先々先々代はそれを確信します。
魔法界に戻ったはーちゃんは自分の記憶の謎が解けつつもさらに謎が増えたと言います。しかし彼女に不安はありません。自分の傍には家族がいるから。
⑤次回予告
赤いキャンディーでも食べたの?
○トピック
8時半だよ!全員集合! みたいなノリになりつつある再生怪人祭り。
でもそんなことよりクリスマス商戦が大事。
今語られる世界創世の秘話。
いつ何時もギャグを忘れない作風のクセして、真面目な神話を持つ魔法つかい。世界とダイヤが二つある由来、魔法の始祖であるマザー・ラパーパの存在が明かされます。リコの誕生日会で朗読された物語も神話の後の昔話に位置づけられるでしょう(みらいとリコが出会う前からナシマホウ界と魔法界は接点がある)。これまで広さがあった物語でしたが、時系列的にも奥行きが出て壮大になってきました。
ここから考えられることは、今再び世界が一つになるという展開ですが、それは神話の時代に戻ることを意味しません。レジーナと亜久里が一つになって王女になるかって言ったらなるわけがない。はーちゃんはラパーパの生まれ変わりなのかもしれないけど、はーちゃんははーちゃん。生まれ出た命は命です。ナシマホウ界も魔法界もそれぞれに生活圏が確立されている。かつての理想郷が今の理想郷とは限らない。神話の時代は終わったのです。だからこそラパーパはもういないと明言されている。むしろそれらを一緒くたにしようというのは敵方の発想です。闇鍋のように混沌と一つに飲み込んでしまうのがデウスマスト。彼は神話の亡霊です。
この世界は神話から続く願いで創られている。しかし今この時代にその願いを、魔法を唱えるのは今を生きるみらい達。プリキュアの名が全世界に届くかは彼女達の手にかかっています。
①妖精の里
初めての光景に感嘆とする一同。綺麗ってよりどことなく怪しい雰囲気がするのは気のせいか。濃い霧を幻想的と捉えるか何か怪しいと捉えるかってのもあるんですが。
その光景にとりわけ感じ入るはーちゃん。気づくと何故か妖精の姿に。人間の姿はエメラルドが彼女の願いに力を貸している的な話しだったと思うので、記憶に感化して戻った感じだと思われます。みらい達にとっては懐かしい姿ですが、事情を知らないチクルンにはさっぱり。
そこに女王様登場。原形はハチっぽい。感動の再会……からのおしおき。知ってた。
OPは通常営業に戻りました。この色んなものごちゃまぜにしました感のOPは本作らしいと改めて思いますね。彼女達が最後にいる花の海と樹は今回で明らかになります。
妖精の里は魔法界の外れにある場所。ポジション的にはラピュタみたいな。訪れた人間もあなた達が初めてだと女王は言います。彼女に案内されて大きな樹のお城に。
客人に食事を振舞います。パクパクと食べる彼女達を物珍しそうに見る妖精達。早速チクルンが話を盛りながら紹介します。仲間達から女王が自分を探していたと聞いて神妙な顔になります。女王というか、おっかさんみたいな感じでしょうか。ちょっと怖いけど面倒見いいっていう。
はーちゃんの口の周りについた花粉を拭き取ってあげるモフルン。初期を思い出すやりとり。妖精に戻っても彼女達の関係は変わりません。改めてどうして戻ったのかと疑問を浮かべるリコ。花の海を思い出したから? その単語に思い当たる節がある女王。
かつて世界を覆っていた美しき花園。
古い伝承らしく現女王でもそれ以上は知らないとのこと。3000年では足りないようです。ということで先々代の先々代に聞いてみることに。レジェンド女王。こいつら長寿だな。
だからダメだったじゃん、と今は亡きシャーキンスに語りかけるオルーバ。
ドクロクシーの本は彼の目から見ても悪くないらしい。降って湧いた蜘蛛に見よう見まねで魔法をかけます。
花粉のカステラと薬膳茶で一息つく先々先々代(レジェンド女王って語呂悪いのでこの呼称)。校長も薬膳茶飲んでたけど、この世界の薬膳茶ガチで効果があるんでしょうか。
彼女にとってみらい達は単に珍しい人間の客というのではなく、ナシマホウ界人、魔法界人と感慨深い組合わせのようです。彼女のはーちゃんを見る瞳はどこか遠くを見ているよう。
彼女は古い物語を語り始めます。
同じ頃、校長はリアンから報告を受けます。結論に至ったと話し始めるリアン。災いとこの世界の関わり。魔法界側の歴史に登場するナシマホウ界発見よりも遥か昔にナシマホウ界にも魔法文字が存在した事実。つまり両者が関わる前から同一のものが存在したという事実(アルファベッドは魔法文字が変化したものという設定でしょうか)。魔法文字で刻まれたナシマホウ界の伝説をリアンは語り始めます。
②神話
人、動物、妖精や精霊たちが仲良く暮す楽園があった。その世界は一面の花に覆われた世界。ペガサスも人魚もドラゴンも共生。その世界の中心にはあまねく命の母マザー・ラパーパと母なる樹。ラパーパの恵みと祝福のもとで幸せの時代は長く続きます。魔法の杖の木もその祝福の一つで、ラパーパが人々に与えたもの。その魔法を使って人々は文明を築いていきます。割りと真面目に神話ですね。
先々先々代が生まれたのはその時代の末期。青天の霹靂のように突如現れる災い。デウスマストとその眷属。もちろん人々に戦う力はありません。ラパーパが単身世界を守るために戦います。彼女がかざした手の中にあるのはおそらくエメラルド。世界の始まりよりも古く絶大な力を持ったリンクルストーン・エメラルドという校長の説明は本当でした。ちなみに見えている眷属の数は12。これまで本編で登場しているのは4。その全てをデザインして声当てて、なんてしたら面倒この上ないのでほのめかす程度なんでしょうが、眷属側が数という切り札を持っているのは事実です。回想シーンでもラブー、ベニーギョ、シャーキンスが登場。
神同士の戦いは熾烈を極め、デウスマストを遠い彼方へと追いやった代償に、世界は砕けラパーパもまた母なる樹と共に大地から離れていった。言葉で説明はありませんが、彼女が使っていたダイヤが二つに砕けてその後別々に落下していったのはダイヤのリンクルストーンがナシマホウ界と魔法界に存在した理由だと考えられます。ところでこのBGMやめてください。ドキドキの終盤、王女を巡る話の時も使われた曲なんですが、これクるんですよ。
ラパーパを失った大地はその姿を変え、母なる樹も時空の狭間を漂ううちに一つの世界を形作った。それこそが魔法界。残された大地はナシマホウ界に。なお、妖精の里は先々先々代が居た折れた母なる樹の一部(今は城になっている)だと思われます。人魚が以前空を飛んで他の種族と交流していたというのもこの頃の話か、分離した初期の話なのかは微妙なところですが、他種族の伝承とも合致しています。
歴史からも忘れ去られるほどの遠い記憶。言わば原初の時代、神話なので眷属達がプリキュアを知らないのは当然の話。オルーバが何かとほのめかしていたのもラパーパのことで、ラパパはそれを語源にしているのだと気付いているでしょう。オルーバ達からすれば世界が一つだったはずなのになんでこんな面倒臭い形になっているのか?という疑問、プリキュア(視聴者)側からするとこいつらいつの時代の人だよ?という疑問がここで解消。
では何故そんな古い時代の記憶を自分が持っているのか?と疑問に思うはーちゃん。やべぇ、この子女王なんてレベルの子じゃなかった。一人でハートキャッチ無限シルエットと戦えちゃうレベル。
聞き覚えのある声が彼女達にかけられます。
③再生
この作品はプリキュアが敵の名前を呼ばないので、スパルダと自分で名乗ります。
何故ここに? その疑問にオルーバが答えます。闇の魔法のテスト。彼の姿を一目見て眷属だと気付く先々先々代。歯がみするチクルンにオルーバは気楽に声をかけます。
姿が変わったはーちゃんを苦々しく思うスパルダ。ヨクバールを召喚。幹部が召喚した幹部が怪人を召喚するという珍しい展開。ヨクバールの攻撃で妖精の里は大惨事。燃えている中で木に隠れるのって危険なんじゃないですかね?
チクルンがスパルダに抗議。前回禊ぎを済ませているので、ここらで改心したことをみんなにアピール。でもペチンとデコピンされます。妖精の里を燃やし尽くす力があるのにデコピンで済ませる優しい世界。でもはーちゃんが激怒。エメラルド(スマホン)の力を使って人間の姿に戻ります。プリキュアに変身して制裁。女児向けアニメが敵を殴るのに大した理由は要りません。
エメラルドへの執念を燃やすスパルダ。プリキュアがピンチになりますが、クリスマス商戦を控えたフェリーチェがフラワーエコーワンドでフォロー。久しぶりのエメラルド・リンカネーション。フェリーチェの気迫にオルーバはかつて見た力の片鱗を感じ取ります。
ヨクバールを倒したものの大技で隙ができたフェリーチェにスパルダが襲いかかります。ここはプリキュアがフォローしてオーバーザレインボー。さりげにカットインにモフルン入ってるの面白い。折角復活したのに分解されてしまう再生怪人の悲しい性。
フェリーチェの横顔にかつての面影を見る先々先々代。
オルーバの足元に蜘蛛。その執念に感心すると再び再生。お、再々生怪人とは珍しい。旧式幹部とはいえ再生産が可能なのは脅威。
「さて、こういう時は…」
「オボエテーロ!」
魔法つかいのこういうとこ好き。
④神話から続く願い
先々先々代は話を続けます。
マザー・ラパーパが散り際に残した言葉。「いつか必ず世界は再び結ばれる」「そう魔法をかけた」
魔法は願い。奇跡を願う思いが繋がり、いつか世界に届いてくれるよう祈りを込めて与えた魔法の名前『プリキュア』
先々先々代は全てを語り終えます。と同時にどこでもドアが出現。彼女達が知らなければならないことは以上のようです。
妖精の里を出て行く彼女達をチクルンが見送ります。とりわけ交友の篤かったモフルンと手を握ります。涙をぬぐいながら憎まれ口。再会を約束して別れます。
ラパーパ様はもういない。けど、彼女達プリキュアがきっと世界を結ぶ。女王と先々先々代はそれを確信します。
魔法界に戻ったはーちゃんは自分の記憶の謎が解けつつもさらに謎が増えたと言います。しかし彼女に不安はありません。自分の傍には家族がいるから。
⑤次回予告
赤いキャンディーでも食べたの?
○トピック
8時半だよ!全員集合! みたいなノリになりつつある再生怪人祭り。
でもそんなことよりクリスマス商戦が大事。
今語られる世界創世の秘話。
いつ何時もギャグを忘れない作風のクセして、真面目な神話を持つ魔法つかい。世界とダイヤが二つある由来、魔法の始祖であるマザー・ラパーパの存在が明かされます。リコの誕生日会で朗読された物語も神話の後の昔話に位置づけられるでしょう(みらいとリコが出会う前からナシマホウ界と魔法界は接点がある)。これまで広さがあった物語でしたが、時系列的にも奥行きが出て壮大になってきました。
ここから考えられることは、今再び世界が一つになるという展開ですが、それは神話の時代に戻ることを意味しません。レジーナと亜久里が一つになって王女になるかって言ったらなるわけがない。はーちゃんはラパーパの生まれ変わりなのかもしれないけど、はーちゃんははーちゃん。生まれ出た命は命です。ナシマホウ界も魔法界もそれぞれに生活圏が確立されている。かつての理想郷が今の理想郷とは限らない。神話の時代は終わったのです。だからこそラパーパはもういないと明言されている。むしろそれらを一緒くたにしようというのは敵方の発想です。闇鍋のように混沌と一つに飲み込んでしまうのがデウスマスト。彼は神話の亡霊です。
この世界は神話から続く願いで創られている。しかし今この時代にその願いを、魔法を唱えるのは今を生きるみらい達。プリキュアの名が全世界に届くかは彼女達の手にかかっています。
第42話「チクルンにとどけ!想いをのせた魔法のプリン!」
○今週の出来事
①チクルンの受難
みんなが働いている中で一人昼寝をするチクルン。そこに誰何の声。
寝ぼけながら質問に答えていると、サボっているのがバレたら女王様に叱られるとうっかり口走ってしまいます。それは好都合とばかりに声の主をほくそ笑みます。じゃあ、バラそうか。見逃して!なんでもするから!
ん、今なんでもするって言ったよね?ということでチクルンはオルーバの使いっ走りになりましたとさ。めでたしめでたし。
夢にうなされているチクルンを起こすモフルン。
話としては前回の続き。みんな同じベッドで寝ています。エミリー眼鏡外した方が可愛いんじゃね?(眼鏡っ娘好きにあるまじきセリフ)
心配するモフルンに何でもないと答えると報告のために部屋を出て行こうとします。しかし蜂蜜集めと言い訳したのが運の尽き、それを聞いたモフルンは自分も行くと言ってききません。懇願されては断り切れず頷くとモフルンはすぐにみらいを起こします。こうなっては蜂蜜集めに行くしかありません。
映画宣伝仕様OP。時期的にもこれがラストでしょうか。
花畑ではしゃぐモフルン。
チクルンが距離を置いてだらけているとオルーバの影が話しかけてきます。彼の力を使って遠距離通信。報告といっても特に何もないのでこれといった進展なし。オルーバも興味がなさそうに聞き流します。回収したクシィの本の方が重要。
もういい加減このパターン飽きたわ、といった感じでシャーキンスが不穏な態度を見せます。それを見たチクルンは思わず制止の声をあげてしまいます。ギョロりと見返されて答えに詰まりながらも、何も正面から戦わなくても搦め手でいけるのではないかと具申。具体的にはリンクルストーンが無ければプリキュアに変身できず無力化したも同然。情がうつったのでは?と疑惑の目を向けるシャーキンス。オルーバも例の弱味を握っていることをほのめかしてきますが、なんとか猶予の時間を貰います。
一息ついたところで蜂蜜集めが終わったみらい達から声がかかります。ふたりを先に帰して独り残ります。大きなため息。
今日の魔法学校は授業がないのでお菓子作りをすることに。
チクルンにお礼がしたいと話すモフルン。それなら彼の分もお菓子を作ってあげようと話が纏まります。
講師役はいつものリズ先生。お題は蜂蜜プリン。母親が有名な料理家だけあってリズの腕もなかなか。ジュン達も気合が入ります。ちなみにプリンはナシマホウ界産。しかし今回は魔法界にある材料を使って作ります。蜂蜜はモフルンが先ほど集めたものを使用。
一通り説明したところで早速調理開始。まずは魔法を使って卵を割ります。手を使った方が早くね?
どうやら半分魔法の練習を兼ねているようで生徒達にも実践させます。実際にやってみると力加減が難しい。強すぎると粉々に割れてしまうし、弱すぎると割れない。はーちゃんが試してみると黄身と白身が分れるように綺麗に割れます。やはり魔法レベルは一つも二つも上のようです。
蜂蜜集めを終わらせて帰ってくるチクルン。気が重い。
彼女達を危険にさらさないためにはリンクルストーンを奪うしかない。でもそれは彼女達に対する背信行為。良心の呵責を振り払うようにあくまでもこれは自分のためなのだと自分を納得させます。
自分の分も蜂蜜プリンを作っていると聞いて驚くチクルン。これから泥棒しようってときに超やりにくいわ!とわかりやすい反応。とりあえず彼女達の様子を伺っていると変身アイテムは全て同じ小袋に収納していることに気づきます。これは好都合。
みらい達の注意がそれている隙に小袋に近づきます。細心の注意を払っているつもりが背後からモフルンに声をかけられてビックリ。すっかり忘れていました。
小袋の上に座りながらチャンスを待つチクルン。ですが隣にいるモフルンが気になって仕方ありません。モフルンもプリキュアも自分に好意的。個人的な恨みは全くありません。だからこそこんな回りくどいことをしているわけで。しかしその一方でオルーバ達の脅威もまた自分の肌身で知っているが故に振り払うこともできません。そのふたつの間で揺れ動いたチクルンは……。
モフルンに持っていた蜂蜜の瓶を渡します。餞別代わりでしょうか。おそらく彼は戻ってくる気がなかったのではないかと思われます。不可抗力とはいえ、彼女達への義理を裏切ってしまうのは事実ですから。
彼の胸の内を知らないモフルンは無邪気にこれで蜂蜜プリンをたくさん作るとはしゃぎます。断腸の思いでモフルンと袂を分かつチクルン。誰の耳にも届かないことを知りながら別れの言葉を残して小袋を持っていきます。
みらい達はオーブンで焼かれたプリンを見てはしゃぎます。すぐに食べようとするはーちゃんをたしなめるジュン。そうそう、この手のお菓子って一手間も二手間もかかるから食べたいと思ってもすぐに食べられないんだよね。忘れた頃に出来上がるっていうか。
②モフルンマジ天使
冷えるのを待ちながら休憩。
みらいはリンクルストーンがなくなっていることに気づいて慌てます。
待ちくたびれたようにチクルンの前に現れるシャーキンス。
チクルンはこれで彼女達から手を引いてくれるんだよな?と確認するように言います。ところが彼女達が現場に到着。早っ。「甘い匂いがしたモフ」。あ、そういえば探知機でした。
みらい達からは、シャーキンスがチクルンを利用してリンクルストーンを盗ませた構図。当然チクルンから離れろ、チクルン逃げろと呼びかけます。動きが固まるチクルン。背後では寄こせと要求するシャーキンス。結局その要求から逃れることができず渡してしまいます。
リンクルストーンを受け取ったところでネタばらし。チクルンはオルーバの手先。今までスパイをしていた。頭を抱えるチクルン。今回は彼の禊ぎ回なのでスパイ活動が本意ではないこと、プリキュア側に対して義理と人情を感じていることを強調。真実を知ってショックを受けるみらい達。チクルンの呵責もまた最高潮。この意味でも非常に素直なキャラです。
これで勝ったも同然、と突風でみらい達を吹き飛ばすシャーキンス。話が違う!と抗議するチクルンも払いのけます。
プリキュアを倒すのは既定路線。チクルンとの約束など最初から守る気なし。デウスマストの眷属はこちらのことを一切考慮しません。もちろんプリキュアもあちらのことを一切考慮しません。基本殲滅戦。
ということでシャーキンス巨大化。あ、それ負けフラグです。この調子だと他の眷属も巨大化するんでしょうか。封印されている他の眷属が一気に目覚めて巨大化して闊歩してるシーンとか出たらなかなかに絶望感ありますね。設定的には彼ら眷属は古代の神々的なイメージらしく、ランプや土偶に封印されていたのもある種祭られていたとも解釈できるので、この威圧感はしっくりきます。まあ、神だろうがなんだろうがプリキュアは殴るんですが。
リンクルストーンの入った小袋を飲み込んで万全の体制。これ絶対チクルンが中に入るパターンじゃないですかー、と思ってる間に実行。全部ではありませんがトパーズとエメラルド(スマホン)の奪取に成功。シャーキンスさん無能。リンクルストーンを大事そうに抱えたチクルンを背後から撃ちます。一応これで禊ぎ完了。
映画でも本編でも安定感に定評があるトパーズに変身。
地面を砕いてバトルフィールドを形成。地面から浮き上がって身動きがとれないモフルンとチクルンを真っ先に狙います。シャーキンスさん小物感出てます。プリキュアがガード。フェリーチェがふたりを安全なところに退避。
久々に無詠唱で岩を飛ばしたりとプリキュアの上位感を出すフェリーチェ。来週この辺触れられたりするんでしょうか。エメラルドが母体になってるんで守護石より強いだろって言えばそれまでなんですが。魔法に対する適性を考えると彼女自身に一捻りありそうですけど。
フェリーチェを返り討ちにすると再びモフルンをターゲットにするシャーキンス。狙いはリンクルストーン。踏みつぶそうとする彼の足をプリキュアとフェリーチェがワッショイ。てっきりルビーの専売特許かと思ってました。
そろそろチクルンの罪悪感が限界なのでプリキュアから許しの言葉が入ります。彼を抱いたモフルンも大好き、これからも友達といつもの調子で呼びかけます。改めてモフルンは良いポジションにつけたな~と感心します。スタッフはモフルンに毒を吐かせないと最初から決めて設定していたようですが、この毒気の無さ、純粋さがキャラ同士を繋ぐハードルの低さにもなっています。本編でも映画でもモフルンの交友範囲は広く、ぬいぐるみだと思われているナシマホウ界以外のキャラとはほぼ面識があります。しかもみらい達のオマケとしてではなく、モフルン個人として認知されている。戦闘要員であるプリキュアはどうしても敵に反発する形で擁護に回る格好になってしまうんですが、この点モフルンは戦意(怒り、激しさ)がない安定した口調で話すので「受け入れられている」感がプリキュアよりも強い。戦わずに和解できる希有なポジションですね。これはあなた(視聴者)が持っているぬいぐるみが心優しく、正しい友達なのだということでもあります。
チクルンの涙がトパーズにかかると光り出してシャーキンスを押し返します。
トパーズはワクワクのリンクルストーン。友達とわかり合えたワクワクがトパーズのパワーをよりワクワクさせたのだとフェリーチェが説明。ファジーな説明だなぁ。ダイヤでもサファイアでもこじつけられそう。
ワクワクと聞いて黙っているはずがないミラクル。シャーキンスに接近するとハンマーを抱えます。増幅されたトパーズの力でハンマーは巨大化。シャーキンスに競り勝つと地面に叩きつけます。オーバーザレインボーでトドメ。
同胞が敗れたことに特に感慨のないベニーギョとオルーバ。オルーバはプリキュアが持つ力の秘密に心当たりがあるようです。
③新たな世界へ
これまでの経緯をみんなに話すチクルン。土下座して謝ります。
モフルンがプリンを差し出しながら、女王様に一緒に謝りに行こうと彼を許します。や、女王様には言わなくていいんじゃないですかね。っていうか、女王って実在しているのか。てっきり空位ではーちゃんがそうなのかと思ってたんだけど。モフルンに促されてみんなと一緒にプリンを食べます。
アメジストが承認。すると久しぶりに例のどこでもドアが出現。回想シーンのセレクト間違えてません?そこは校長とバッティさんが対峙してるシーンじゃないと。
これで妖精の里に帰れると喜ぶみらい。言うが早いか行き先を告げて扉を開けます。
ワクワクしながら扉をくぐるとそこは妖精の里。何かめっちゃ怪しいんですけど、大丈夫なんですかね。
④次回予告
やった! この姿もっと見たいと思ってたんですよ。
○トピック
予告で一瞬懐かしい人が映ってるんですが、もしかして再生怪人として復活でしょうか。
晴れてチクルンも仲間入り。妖精の里への門も開きより一層終盤感が出てきました。
魔法つかいは不思議の国が侵略を受けていない設定で始まっているので、シリーズでもかなり行動範囲が広く、またそれらの世界が根底で繋がっている節があります。子どもの視点に置き換えると隣の町に行く(祖父母の町に行く)みたいな感じなんですが、実はさらにその先にも繋がっているというワクワク感ですね。チクルンと友達になることでさらに未知の世界が開けていくというのはこれに即しています。
プリキュアシリーズはどちらかと言えば、個人に真実が隠されていることが多くマクロ的な展開は希でした。良くも悪くも主人公達が住んでいる場所が基盤であり、その外は余所様の場所。本作はそれを大きく変え、ナシマホウ界も魔法界もパズルのピースの一つとして登場しています。ただの使い捨てかと思われたドクロクシーも実は重要参考人。おそらく登場人物の誰もがこの世界の全貌を知らない。知っている人が出てきても、そのピースを再び繋ぐ力は持っていないでしょう。みんなが持ち寄ったピースを誰がどう繋ぐのか。繋いだ手に奇跡の魔法が宿るのだとしたら、みらい達こそがそれを成し遂げてくれるでしょう。
新しい友達との出会いは新しい世界との出会い。彼女達の手が大きな一つの地図を描く。
①チクルンの受難
みんなが働いている中で一人昼寝をするチクルン。そこに誰何の声。
寝ぼけながら質問に答えていると、サボっているのがバレたら女王様に叱られるとうっかり口走ってしまいます。それは好都合とばかりに声の主をほくそ笑みます。じゃあ、バラそうか。見逃して!なんでもするから!
ん、今なんでもするって言ったよね?ということでチクルンはオルーバの使いっ走りになりましたとさ。めでたしめでたし。
夢にうなされているチクルンを起こすモフルン。
話としては前回の続き。みんな同じベッドで寝ています。エミリー眼鏡外した方が可愛いんじゃね?(眼鏡っ娘好きにあるまじきセリフ)
心配するモフルンに何でもないと答えると報告のために部屋を出て行こうとします。しかし蜂蜜集めと言い訳したのが運の尽き、それを聞いたモフルンは自分も行くと言ってききません。懇願されては断り切れず頷くとモフルンはすぐにみらいを起こします。こうなっては蜂蜜集めに行くしかありません。
映画宣伝仕様OP。時期的にもこれがラストでしょうか。
花畑ではしゃぐモフルン。
チクルンが距離を置いてだらけているとオルーバの影が話しかけてきます。彼の力を使って遠距離通信。報告といっても特に何もないのでこれといった進展なし。オルーバも興味がなさそうに聞き流します。回収したクシィの本の方が重要。
もういい加減このパターン飽きたわ、といった感じでシャーキンスが不穏な態度を見せます。それを見たチクルンは思わず制止の声をあげてしまいます。ギョロりと見返されて答えに詰まりながらも、何も正面から戦わなくても搦め手でいけるのではないかと具申。具体的にはリンクルストーンが無ければプリキュアに変身できず無力化したも同然。情がうつったのでは?と疑惑の目を向けるシャーキンス。オルーバも例の弱味を握っていることをほのめかしてきますが、なんとか猶予の時間を貰います。
一息ついたところで蜂蜜集めが終わったみらい達から声がかかります。ふたりを先に帰して独り残ります。大きなため息。
今日の魔法学校は授業がないのでお菓子作りをすることに。
チクルンにお礼がしたいと話すモフルン。それなら彼の分もお菓子を作ってあげようと話が纏まります。
講師役はいつものリズ先生。お題は蜂蜜プリン。母親が有名な料理家だけあってリズの腕もなかなか。ジュン達も気合が入ります。ちなみにプリンはナシマホウ界産。しかし今回は魔法界にある材料を使って作ります。蜂蜜はモフルンが先ほど集めたものを使用。
一通り説明したところで早速調理開始。まずは魔法を使って卵を割ります。手を使った方が早くね?
どうやら半分魔法の練習を兼ねているようで生徒達にも実践させます。実際にやってみると力加減が難しい。強すぎると粉々に割れてしまうし、弱すぎると割れない。はーちゃんが試してみると黄身と白身が分れるように綺麗に割れます。やはり魔法レベルは一つも二つも上のようです。
蜂蜜集めを終わらせて帰ってくるチクルン。気が重い。
彼女達を危険にさらさないためにはリンクルストーンを奪うしかない。でもそれは彼女達に対する背信行為。良心の呵責を振り払うようにあくまでもこれは自分のためなのだと自分を納得させます。
自分の分も蜂蜜プリンを作っていると聞いて驚くチクルン。これから泥棒しようってときに超やりにくいわ!とわかりやすい反応。とりあえず彼女達の様子を伺っていると変身アイテムは全て同じ小袋に収納していることに気づきます。これは好都合。
みらい達の注意がそれている隙に小袋に近づきます。細心の注意を払っているつもりが背後からモフルンに声をかけられてビックリ。すっかり忘れていました。
小袋の上に座りながらチャンスを待つチクルン。ですが隣にいるモフルンが気になって仕方ありません。モフルンもプリキュアも自分に好意的。個人的な恨みは全くありません。だからこそこんな回りくどいことをしているわけで。しかしその一方でオルーバ達の脅威もまた自分の肌身で知っているが故に振り払うこともできません。そのふたつの間で揺れ動いたチクルンは……。
モフルンに持っていた蜂蜜の瓶を渡します。餞別代わりでしょうか。おそらく彼は戻ってくる気がなかったのではないかと思われます。不可抗力とはいえ、彼女達への義理を裏切ってしまうのは事実ですから。
彼の胸の内を知らないモフルンは無邪気にこれで蜂蜜プリンをたくさん作るとはしゃぎます。断腸の思いでモフルンと袂を分かつチクルン。誰の耳にも届かないことを知りながら別れの言葉を残して小袋を持っていきます。
みらい達はオーブンで焼かれたプリンを見てはしゃぎます。すぐに食べようとするはーちゃんをたしなめるジュン。そうそう、この手のお菓子って一手間も二手間もかかるから食べたいと思ってもすぐに食べられないんだよね。忘れた頃に出来上がるっていうか。
②モフルンマジ天使
冷えるのを待ちながら休憩。
みらいはリンクルストーンがなくなっていることに気づいて慌てます。
待ちくたびれたようにチクルンの前に現れるシャーキンス。
チクルンはこれで彼女達から手を引いてくれるんだよな?と確認するように言います。ところが彼女達が現場に到着。早っ。「甘い匂いがしたモフ」。あ、そういえば探知機でした。
みらい達からは、シャーキンスがチクルンを利用してリンクルストーンを盗ませた構図。当然チクルンから離れろ、チクルン逃げろと呼びかけます。動きが固まるチクルン。背後では寄こせと要求するシャーキンス。結局その要求から逃れることができず渡してしまいます。
リンクルストーンを受け取ったところでネタばらし。チクルンはオルーバの手先。今までスパイをしていた。頭を抱えるチクルン。今回は彼の禊ぎ回なのでスパイ活動が本意ではないこと、プリキュア側に対して義理と人情を感じていることを強調。真実を知ってショックを受けるみらい達。チクルンの呵責もまた最高潮。この意味でも非常に素直なキャラです。
これで勝ったも同然、と突風でみらい達を吹き飛ばすシャーキンス。話が違う!と抗議するチクルンも払いのけます。
プリキュアを倒すのは既定路線。チクルンとの約束など最初から守る気なし。デウスマストの眷属はこちらのことを一切考慮しません。もちろんプリキュアもあちらのことを一切考慮しません。基本殲滅戦。
ということでシャーキンス巨大化。あ、それ負けフラグです。この調子だと他の眷属も巨大化するんでしょうか。封印されている他の眷属が一気に目覚めて巨大化して闊歩してるシーンとか出たらなかなかに絶望感ありますね。設定的には彼ら眷属は古代の神々的なイメージらしく、ランプや土偶に封印されていたのもある種祭られていたとも解釈できるので、この威圧感はしっくりきます。まあ、神だろうがなんだろうがプリキュアは殴るんですが。
リンクルストーンの入った小袋を飲み込んで万全の体制。これ絶対チクルンが中に入るパターンじゃないですかー、と思ってる間に実行。全部ではありませんがトパーズとエメラルド(スマホン)の奪取に成功。シャーキンスさん無能。リンクルストーンを大事そうに抱えたチクルンを背後から撃ちます。一応これで禊ぎ完了。
映画でも本編でも安定感に定評があるトパーズに変身。
地面を砕いてバトルフィールドを形成。地面から浮き上がって身動きがとれないモフルンとチクルンを真っ先に狙います。シャーキンスさん小物感出てます。プリキュアがガード。フェリーチェがふたりを安全なところに退避。
久々に無詠唱で岩を飛ばしたりとプリキュアの上位感を出すフェリーチェ。来週この辺触れられたりするんでしょうか。エメラルドが母体になってるんで守護石より強いだろって言えばそれまでなんですが。魔法に対する適性を考えると彼女自身に一捻りありそうですけど。
フェリーチェを返り討ちにすると再びモフルンをターゲットにするシャーキンス。狙いはリンクルストーン。踏みつぶそうとする彼の足をプリキュアとフェリーチェがワッショイ。てっきりルビーの専売特許かと思ってました。
そろそろチクルンの罪悪感が限界なのでプリキュアから許しの言葉が入ります。彼を抱いたモフルンも大好き、これからも友達といつもの調子で呼びかけます。改めてモフルンは良いポジションにつけたな~と感心します。スタッフはモフルンに毒を吐かせないと最初から決めて設定していたようですが、この毒気の無さ、純粋さがキャラ同士を繋ぐハードルの低さにもなっています。本編でも映画でもモフルンの交友範囲は広く、ぬいぐるみだと思われているナシマホウ界以外のキャラとはほぼ面識があります。しかもみらい達のオマケとしてではなく、モフルン個人として認知されている。戦闘要員であるプリキュアはどうしても敵に反発する形で擁護に回る格好になってしまうんですが、この点モフルンは戦意(怒り、激しさ)がない安定した口調で話すので「受け入れられている」感がプリキュアよりも強い。戦わずに和解できる希有なポジションですね。これはあなた(視聴者)が持っているぬいぐるみが心優しく、正しい友達なのだということでもあります。
チクルンの涙がトパーズにかかると光り出してシャーキンスを押し返します。
トパーズはワクワクのリンクルストーン。友達とわかり合えたワクワクがトパーズのパワーをよりワクワクさせたのだとフェリーチェが説明。ファジーな説明だなぁ。ダイヤでもサファイアでもこじつけられそう。
ワクワクと聞いて黙っているはずがないミラクル。シャーキンスに接近するとハンマーを抱えます。増幅されたトパーズの力でハンマーは巨大化。シャーキンスに競り勝つと地面に叩きつけます。オーバーザレインボーでトドメ。
同胞が敗れたことに特に感慨のないベニーギョとオルーバ。オルーバはプリキュアが持つ力の秘密に心当たりがあるようです。
③新たな世界へ
これまでの経緯をみんなに話すチクルン。土下座して謝ります。
モフルンがプリンを差し出しながら、女王様に一緒に謝りに行こうと彼を許します。や、女王様には言わなくていいんじゃないですかね。っていうか、女王って実在しているのか。てっきり空位ではーちゃんがそうなのかと思ってたんだけど。モフルンに促されてみんなと一緒にプリンを食べます。
アメジストが承認。すると久しぶりに例のどこでもドアが出現。回想シーンのセレクト間違えてません?そこは校長とバッティさんが対峙してるシーンじゃないと。
これで妖精の里に帰れると喜ぶみらい。言うが早いか行き先を告げて扉を開けます。
ワクワクしながら扉をくぐるとそこは妖精の里。何かめっちゃ怪しいんですけど、大丈夫なんですかね。
④次回予告
やった! この姿もっと見たいと思ってたんですよ。
○トピック
予告で一瞬懐かしい人が映ってるんですが、もしかして再生怪人として復活でしょうか。
晴れてチクルンも仲間入り。妖精の里への門も開きより一層終盤感が出てきました。
魔法つかいは不思議の国が侵略を受けていない設定で始まっているので、シリーズでもかなり行動範囲が広く、またそれらの世界が根底で繋がっている節があります。子どもの視点に置き換えると隣の町に行く(祖父母の町に行く)みたいな感じなんですが、実はさらにその先にも繋がっているというワクワク感ですね。チクルンと友達になることでさらに未知の世界が開けていくというのはこれに即しています。
プリキュアシリーズはどちらかと言えば、個人に真実が隠されていることが多くマクロ的な展開は希でした。良くも悪くも主人公達が住んでいる場所が基盤であり、その外は余所様の場所。本作はそれを大きく変え、ナシマホウ界も魔法界もパズルのピースの一つとして登場しています。ただの使い捨てかと思われたドクロクシーも実は重要参考人。おそらく登場人物の誰もがこの世界の全貌を知らない。知っている人が出てきても、そのピースを再び繋ぐ力は持っていないでしょう。みんなが持ち寄ったピースを誰がどう繋ぐのか。繋いだ手に奇跡の魔法が宿るのだとしたら、みらい達こそがそれを成し遂げてくれるでしょう。
新しい友達との出会いは新しい世界との出会い。彼女達の手が大きな一つの地図を描く。
第41話「ジュエリーな毎日!魔法学校へ放課後留学!」
○今週の出来事
①変わる世界、変わる人々
バタバタと学校から帰ってきたと思ったらそのままの勢いで家を出て行く3人。駅の改札を通って魔法界へ。
まだ半信半疑のリコ。本当にそんなにすぐ着くのか。
着きました。
特急必要なくなって、収益減でリストラの危機。
映画宣伝仕様OP。ルビーのアッパー見たくなる度に映画館行ってます。
オルーバへの定例報告。
魔法界とナシマホウ界が近くなっている。それと同期するようにデウスマストの力もまた発現しつつあるようです。
魔法界の成り立ちについて講義する教頭。授業に顔を出しているみらいはワクワクを隠せません。ヒソヒソ話を始めるみらい達にリコが注意すると、彼女が持っているペンを褒めるケイ。すると気をよくしたリコが誕生日に姉から貰ったと嬉しそうに見せます。めっちゃ目立ってしまい教頭から叱責が飛びます。各々勉強してる振り。ジュンさんそれ寝てますよね?
アイザック先生からは移動手段について。カタツムリニアは野生種を品種改良したものらしい。入れ歯芸は相変わらず。
実技指導はリズ先生。日々魔法のレベルは上がっているようです。
瞬く間に時間は過ぎて夕方に帰宅。家族で団らんを過ごすとそのまま爆睡。
翌日学校から戻ってくるとまた飛びだすように外へ。こいつらどんだけ元気あるんだよ。明日は祝日なのでリコの故郷へ遊びに行くということですが、同じ日本人だと思われているんだろうか。家電製品に驚いてたけど、すげード田舎の人だと思われてそう。
泊まりがけなので寮の部屋へ。するとガラクタ…もとい、芸術作品が所狭しと並んでいます。
悪ぃ、悪ぃ、と苦笑しながら謝るジュン。勝手に物置として使っていました。悪びれることなく自分の部屋を使えば良いとポジティブシンキング。枕を取りに行こうとみんなを促します。これはこれで合宿っぽくていい感じと乗り気なみらいとはーちゃん。
その様子を傍から見ていた教頭はいつものようにため息。校長は校長でこれも一興とどっしりと構えます。物語も終盤に入ってきたので段々準備が進んでいます。外の世界、知らない子達との出会いや共有体験は良いことなのだ、というスタンスで固めるようです。
空を見上げながらかつての友クシィのことを思い浮かべる校長。意外にも終盤にきて再びスポットが当たるようです。
「すべて消えてしまった。お前も、お前の生涯をかけたものも、この世界に何も残さずに」
果たして彼と、彼らに救いはあるのか。
ジュンの部屋にケイとエミリーがお邪魔します。おっと、寝間着姿とかスタッフわかってますね。前にも言いましたが、私はネグリジェを着ているのは富裕層の子女である、というよくわかんない思い込みがあります。リコとか良いとこのお嬢さんオーラ出てる(お嬢さんとは言ってない)。
色々持ってきたとお土産持参。大勢の方が楽しいと喜ぶみらい。しかしあくまでここは個室。ベッド一つでは雑魚寝もできない。それなら大きくすればいいととはーちゃんが魔法をかけます。一気にキングサイズに。
みんなでお菓子を持ち寄ります。ナシマホウ界からは恒例のイチゴメロンパンとつなぎ煎餅。修学旅行みたいな感じでワイワイ賑やかに過ごします。
しかしそこに忍び寄る足音。エミリーがハタと気づいてみんなに注意を促します。今日の見回り当番は教頭。騒いでいるのがバレたら雷が落ちるのは必至。角部屋だから大丈夫だろうとタカをくくるジュン。まだ完全に陽が落ち切っていない窓の外を見ながら消灯時間が早すぎると不平を溢します。このアニメは女児準拠なので早いのです。
けったいな規則を追い払うかのように、ジュンはアイザック先生のもの真似を始めます。生徒達の笑いのタネと言えば先生のもの真似が鉄板。ケイも教頭の真似を始めます。これも大ウケ。しかしその時部屋の前についに教頭が。
扉を開けると同時に口を開きますが全員寝静まっているのを見て言葉が止まります。先ほどまで騒いでいたはずなのに……訝りながらも引き返す教頭。ベッドのサイズについては違和感を持たないらしい。はーちゃんいるし大概のことは不思議に思わないのかもしれません。
教頭が出ていくとパジャマパーティ再開。狸寝入りは基礎スキルです。
リコ、カードゲーム弱そう。ドヤ顔とか絶対顔に出そう。
みんながカードゲームに熱中している間、ジュンはリコに箱を渡します。遅ればせながら誕生日プレゼント。促されて早速リボンを解くと、中から毛虫の玩具が飛び出て腰を抜かすリコ。予想どおりのビックリ箱。よくもやったな!とリコはジュン追いかけます。
また教頭がやってきて部屋に入ってきます。
アイキャッチが変わりました。このタイミングで変更になるのは珍しい。
今回も狸寝入りでかわします。お前らさっきと位置が全然違う上に布団どこにやった? リコとジュンはそのまま倒れた格好なんだろうけど、それ無理あるだろ。
教頭が部屋を出ると灯りを付けます。でも見抜かれていました。バレバレの狸寝入りを始める一同を見回しながら教頭はため息をつくと小言も言わず部屋を出て行きます。彼女なりに校長の言葉を尊重したらしい。
予想外の教頭の態度に逆に不安がるケイとエミリー。リコはジュンに厳しい視線を投げかけます。おっかねぇ、ちょっと前まではすました優等生だと思ってたのにと茶化すジュン。そういうあなたも泣くも子黙るジュンと恐れられていたとケイ。忘れがちですがリコはジュン達のことを当初「あなた」と呼んでいたように特別親しい関係ではありませんでした。たぶん落ちこぼれで有名なメンツとしてお互い知ってはいたんでしょうが。今ではすっかり仲良しグループに。そのキッカケを作ってくれたのがみらいだとみんなは彼女を認めます。本作はみらいとリコの出会いから始まった物語ですが、それはふたりだけの特別な関係というのではなく、その出会いから世界が広がっていく、今までの在り方が変わっていくものとして描かれています。リコは魔法界の友達とより親しくなったし、みらいもまゆみは勿論のこと勝木さんとの距離が縮まり、まゆみと勝木さんはみらい達とは関係のないところで仲良くなっています。あるキッカケから緩やかに変わっていく、そのことを好ましいものだと感じられる。そうした捉え方を本作は良しとしています。
姦し娘達もようやく寝静まります。
ふと目を覚ましたリコはみらいが起きていることに気づきます。振り向いた瞬間のみらいの大人びた表情がすげー美人。将来ミラクルスタイルなだけはあります。今回キャラデザの人が担当しているので全体的に可愛い。しかもパジャマ姿。楽園か。ここに住みたい。
寝るのがもったいないと話すみらい。リコもこんなお泊まりも悪くないと相づちを打ちます。転がったビックリ箱を片付けようとしてようやくジュンの真意に気づきます。箱の底にリコを摸した人形が入っていました。サプライズ。寝ている彼女にお礼を言うとちょうど夢を見ているのか「大成功」と寝言を返します。
改めてみらいは言います。このワクワクは自分一人で運んできたんじゃない。みんなと出会って生まれた。出会いが出会いを生み、ワクワクを生む。こんな楽しい毎日がずっと続いてほしい。彼女の目標(夢、願い)が形になってきました。具体的に何になりたいというようなものではなく、この日常を、このキッカケと発見に満ちた世界を守りたいという願い。
窓の外を校長が飛んで行きます。こんな夜分に一体何を。
②友が遺したもの
校長が訪れたのはクシィが光とともに消えた場所。水晶さんも何も感じられないと言います。あるいは海の底か。
静かに頷く校長に語りかける声。オルーバ。勉強の甲斐あってか校長のことは知っているらしい。彼も探し物。
校長を追いかけるみらい達。ネグリジェのヒラヒラいいっすわ~。女の子的にこういう普段着なさそうな服見たら着てみたいと思ったりするんでしょうかね?
物音に気づいて向かってみると、校長がオルーバに攻撃されています。プリキュアに邪魔されては面倒とヨクバール召喚。今週は拳で語ることに定評のあるルビー。
彼も力が復活しているのか、首領が近づいているために強化されているのか、前回のシャーキンス同様恫喝するオルーバ。世界をめちゃくちゃに。デウスマストの規模見るとめちゃくちゃってより宇宙で掃除機かけてるみたいなイメージですが。
もちろんプリキュアは今週も自分の目線モードで対抗。興が醒めたのか、プリキュアの相手をヨクバールに任せると本来の仕事に向かいます。ドクロクシーの魔導書発見。まだあったのか。っていうか、ある意味これ本体じゃない? その間にヨクバールはいつものように分解されてしまいます。
計画は順調。本をプリキュア達に見せるオルーバ。これからの準備に必要らしい。
一体何に使おうというのか。
校長と別れると、入れ替わるようにジュン達がやってきます。部屋に居なかったので心配で出てきたらしい。
散歩していたと誤魔化すと、ジュンはあそこまで行こうと月を指さします。子どもが虹の根本に行ってみようってやるやつみたいなノリ。
そんな彼女達の姿を見つめながら、かつての親友を想う校長。
リコとみらいは手を繋いで天を駆けます。
③次回予告
シャーキンスさんお疲れ様でした。
○トピック
物語の終わりは近い。
フレッシュのプロデューサーだった梅澤氏は、プリキュアを救済の物語にしつつもその本質は幼稚園と同じであると語っています。間違ってしまったら「ごめんなさい」と言おう、相手の身になって考えてみよう、それがわかったなら許してあげようというわけです。これは本作にも同じ事が言えます。
本作は悪い人探しをしませんが、子どもが学校やその他で出会う人、楽しみや日々の中での発見を物語の中心に据えています。魔法つかいと称しても、その実みらいは本気で魔法つかいになるわけではありません。魔法も日常の一要素、言ってしまえば遊び道具の一つに過ぎません。不思議なことも遊びに、新しい友達を作ってその子と一緒に遊びに変えていく。学校(幼稚園)から帰ったらそのままの足で外に飛びだしていく。この意味で本作で描かれていることは視聴者の日常の延長にあります。理想や夢がどこかにあってそれを求めるのではなく、今やっていることこそが素晴らしい。それは私達の人生を豊かにする出会いであり時間。今この瞬間にも揺れ動き変わっていく心。しかしその変化を、新しい出会いとワクワクを本作は尊重します。
再び脚光を浴びるクシィとその遺産、近づく二つの世界とまだ見ぬ妖精の女王。果たして彼女達の世界はどう変わり、彼女達の関係はどうなっていくのか。倒せば良いってもんでもない、許せば良いってもんでもない、何かになれば良いってもんでもない、まだ見ぬ世界に本作は連れていってくれそうです。
①変わる世界、変わる人々
バタバタと学校から帰ってきたと思ったらそのままの勢いで家を出て行く3人。駅の改札を通って魔法界へ。
まだ半信半疑のリコ。本当にそんなにすぐ着くのか。
着きました。
特急必要なくなって、収益減でリストラの危機。
映画宣伝仕様OP。ルビーのアッパー見たくなる度に映画館行ってます。
オルーバへの定例報告。
魔法界とナシマホウ界が近くなっている。それと同期するようにデウスマストの力もまた発現しつつあるようです。
魔法界の成り立ちについて講義する教頭。授業に顔を出しているみらいはワクワクを隠せません。ヒソヒソ話を始めるみらい達にリコが注意すると、彼女が持っているペンを褒めるケイ。すると気をよくしたリコが誕生日に姉から貰ったと嬉しそうに見せます。めっちゃ目立ってしまい教頭から叱責が飛びます。各々勉強してる振り。ジュンさんそれ寝てますよね?
アイザック先生からは移動手段について。カタツムリニアは野生種を品種改良したものらしい。入れ歯芸は相変わらず。
実技指導はリズ先生。日々魔法のレベルは上がっているようです。
瞬く間に時間は過ぎて夕方に帰宅。家族で団らんを過ごすとそのまま爆睡。
翌日学校から戻ってくるとまた飛びだすように外へ。こいつらどんだけ元気あるんだよ。明日は祝日なのでリコの故郷へ遊びに行くということですが、同じ日本人だと思われているんだろうか。家電製品に驚いてたけど、すげード田舎の人だと思われてそう。
泊まりがけなので寮の部屋へ。するとガラクタ…もとい、芸術作品が所狭しと並んでいます。
悪ぃ、悪ぃ、と苦笑しながら謝るジュン。勝手に物置として使っていました。悪びれることなく自分の部屋を使えば良いとポジティブシンキング。枕を取りに行こうとみんなを促します。これはこれで合宿っぽくていい感じと乗り気なみらいとはーちゃん。
その様子を傍から見ていた教頭はいつものようにため息。校長は校長でこれも一興とどっしりと構えます。物語も終盤に入ってきたので段々準備が進んでいます。外の世界、知らない子達との出会いや共有体験は良いことなのだ、というスタンスで固めるようです。
空を見上げながらかつての友クシィのことを思い浮かべる校長。意外にも終盤にきて再びスポットが当たるようです。
「すべて消えてしまった。お前も、お前の生涯をかけたものも、この世界に何も残さずに」
果たして彼と、彼らに救いはあるのか。
ジュンの部屋にケイとエミリーがお邪魔します。おっと、寝間着姿とかスタッフわかってますね。前にも言いましたが、私はネグリジェを着ているのは富裕層の子女である、というよくわかんない思い込みがあります。リコとか良いとこのお嬢さんオーラ出てる(お嬢さんとは言ってない)。
色々持ってきたとお土産持参。大勢の方が楽しいと喜ぶみらい。しかしあくまでここは個室。ベッド一つでは雑魚寝もできない。それなら大きくすればいいととはーちゃんが魔法をかけます。一気にキングサイズに。
みんなでお菓子を持ち寄ります。ナシマホウ界からは恒例のイチゴメロンパンとつなぎ煎餅。修学旅行みたいな感じでワイワイ賑やかに過ごします。
しかしそこに忍び寄る足音。エミリーがハタと気づいてみんなに注意を促します。今日の見回り当番は教頭。騒いでいるのがバレたら雷が落ちるのは必至。角部屋だから大丈夫だろうとタカをくくるジュン。まだ完全に陽が落ち切っていない窓の外を見ながら消灯時間が早すぎると不平を溢します。このアニメは女児準拠なので早いのです。
けったいな規則を追い払うかのように、ジュンはアイザック先生のもの真似を始めます。生徒達の笑いのタネと言えば先生のもの真似が鉄板。ケイも教頭の真似を始めます。これも大ウケ。しかしその時部屋の前についに教頭が。
扉を開けると同時に口を開きますが全員寝静まっているのを見て言葉が止まります。先ほどまで騒いでいたはずなのに……訝りながらも引き返す教頭。ベッドのサイズについては違和感を持たないらしい。はーちゃんいるし大概のことは不思議に思わないのかもしれません。
教頭が出ていくとパジャマパーティ再開。狸寝入りは基礎スキルです。
リコ、カードゲーム弱そう。ドヤ顔とか絶対顔に出そう。
みんながカードゲームに熱中している間、ジュンはリコに箱を渡します。遅ればせながら誕生日プレゼント。促されて早速リボンを解くと、中から毛虫の玩具が飛び出て腰を抜かすリコ。予想どおりのビックリ箱。よくもやったな!とリコはジュン追いかけます。
また教頭がやってきて部屋に入ってきます。
アイキャッチが変わりました。このタイミングで変更になるのは珍しい。
今回も狸寝入りでかわします。お前らさっきと位置が全然違う上に布団どこにやった? リコとジュンはそのまま倒れた格好なんだろうけど、それ無理あるだろ。
教頭が部屋を出ると灯りを付けます。でも見抜かれていました。バレバレの狸寝入りを始める一同を見回しながら教頭はため息をつくと小言も言わず部屋を出て行きます。彼女なりに校長の言葉を尊重したらしい。
予想外の教頭の態度に逆に不安がるケイとエミリー。リコはジュンに厳しい視線を投げかけます。おっかねぇ、ちょっと前まではすました優等生だと思ってたのにと茶化すジュン。そういうあなたも泣くも子黙るジュンと恐れられていたとケイ。忘れがちですがリコはジュン達のことを当初「あなた」と呼んでいたように特別親しい関係ではありませんでした。たぶん落ちこぼれで有名なメンツとしてお互い知ってはいたんでしょうが。今ではすっかり仲良しグループに。そのキッカケを作ってくれたのがみらいだとみんなは彼女を認めます。本作はみらいとリコの出会いから始まった物語ですが、それはふたりだけの特別な関係というのではなく、その出会いから世界が広がっていく、今までの在り方が変わっていくものとして描かれています。リコは魔法界の友達とより親しくなったし、みらいもまゆみは勿論のこと勝木さんとの距離が縮まり、まゆみと勝木さんはみらい達とは関係のないところで仲良くなっています。あるキッカケから緩やかに変わっていく、そのことを好ましいものだと感じられる。そうした捉え方を本作は良しとしています。
姦し娘達もようやく寝静まります。
ふと目を覚ましたリコはみらいが起きていることに気づきます。振り向いた瞬間のみらいの大人びた表情がすげー美人。将来ミラクルスタイルなだけはあります。今回キャラデザの人が担当しているので全体的に可愛い。しかもパジャマ姿。楽園か。ここに住みたい。
寝るのがもったいないと話すみらい。リコもこんなお泊まりも悪くないと相づちを打ちます。転がったビックリ箱を片付けようとしてようやくジュンの真意に気づきます。箱の底にリコを摸した人形が入っていました。サプライズ。寝ている彼女にお礼を言うとちょうど夢を見ているのか「大成功」と寝言を返します。
改めてみらいは言います。このワクワクは自分一人で運んできたんじゃない。みんなと出会って生まれた。出会いが出会いを生み、ワクワクを生む。こんな楽しい毎日がずっと続いてほしい。彼女の目標(夢、願い)が形になってきました。具体的に何になりたいというようなものではなく、この日常を、このキッカケと発見に満ちた世界を守りたいという願い。
窓の外を校長が飛んで行きます。こんな夜分に一体何を。
②友が遺したもの
校長が訪れたのはクシィが光とともに消えた場所。水晶さんも何も感じられないと言います。あるいは海の底か。
静かに頷く校長に語りかける声。オルーバ。勉強の甲斐あってか校長のことは知っているらしい。彼も探し物。
校長を追いかけるみらい達。ネグリジェのヒラヒラいいっすわ~。女の子的にこういう普段着なさそうな服見たら着てみたいと思ったりするんでしょうかね?
物音に気づいて向かってみると、校長がオルーバに攻撃されています。プリキュアに邪魔されては面倒とヨクバール召喚。今週は拳で語ることに定評のあるルビー。
彼も力が復活しているのか、首領が近づいているために強化されているのか、前回のシャーキンス同様恫喝するオルーバ。世界をめちゃくちゃに。デウスマストの規模見るとめちゃくちゃってより宇宙で掃除機かけてるみたいなイメージですが。
もちろんプリキュアは今週も自分の目線モードで対抗。興が醒めたのか、プリキュアの相手をヨクバールに任せると本来の仕事に向かいます。ドクロクシーの魔導書発見。まだあったのか。っていうか、ある意味これ本体じゃない? その間にヨクバールはいつものように分解されてしまいます。
計画は順調。本をプリキュア達に見せるオルーバ。これからの準備に必要らしい。
一体何に使おうというのか。
校長と別れると、入れ替わるようにジュン達がやってきます。部屋に居なかったので心配で出てきたらしい。
散歩していたと誤魔化すと、ジュンはあそこまで行こうと月を指さします。子どもが虹の根本に行ってみようってやるやつみたいなノリ。
そんな彼女達の姿を見つめながら、かつての親友を想う校長。
リコとみらいは手を繋いで天を駆けます。
③次回予告
シャーキンスさんお疲れ様でした。
○トピック
物語の終わりは近い。
フレッシュのプロデューサーだった梅澤氏は、プリキュアを救済の物語にしつつもその本質は幼稚園と同じであると語っています。間違ってしまったら「ごめんなさい」と言おう、相手の身になって考えてみよう、それがわかったなら許してあげようというわけです。これは本作にも同じ事が言えます。
本作は悪い人探しをしませんが、子どもが学校やその他で出会う人、楽しみや日々の中での発見を物語の中心に据えています。魔法つかいと称しても、その実みらいは本気で魔法つかいになるわけではありません。魔法も日常の一要素、言ってしまえば遊び道具の一つに過ぎません。不思議なことも遊びに、新しい友達を作ってその子と一緒に遊びに変えていく。学校(幼稚園)から帰ったらそのままの足で外に飛びだしていく。この意味で本作で描かれていることは視聴者の日常の延長にあります。理想や夢がどこかにあってそれを求めるのではなく、今やっていることこそが素晴らしい。それは私達の人生を豊かにする出会いであり時間。今この瞬間にも揺れ動き変わっていく心。しかしその変化を、新しい出会いとワクワクを本作は尊重します。
再び脚光を浴びるクシィとその遺産、近づく二つの世界とまだ見ぬ妖精の女王。果たして彼女達の世界はどう変わり、彼女達の関係はどうなっていくのか。倒せば良いってもんでもない、許せば良いってもんでもない、何かになれば良いってもんでもない、まだ見ぬ世界に本作は連れていってくれそうです。
第40話「愛情いっぱいのおめでとう!リコの誕生日!」
○今週の出来事
①誕生日だよ!全員集合!
メモ片手に料理番組を見るみらい母と祖母。チョコレートに胡椒を入れるのを早速メモ。
みらい達がやってきたので説明。料理界に彗星の如く現われたカリスマ。このパターンは例のアレ。気乗りしない感じのリコがテレビを見た瞬間固まります。ほら来た。
テレビではチョコレートケーキが完成。娘の大好物だとカリスマ料理人。誕生日だから作っちゃいましたと軽く言ってのけます。お題自由なのか。ちょっと天然入ってそう。
「お…お母様…!」
知ってた。リズ先生といい、このパターンでしか登場しないって逆にすげーな、君んとこの家族。
チャイム音。噂をすれば母。事前に連絡入れる習慣が無いらしい。
映画宣伝仕様OP。内容的にはほぼ変わりなく。CMの方では例の分身を披露。そのオプション一個私に下さい。
突然やってきたかと思えば、キッチンを借りて調理し始めるリコ母ことリリア。今日の収録パパッと終わらせて来ちゃった、とにこやかな顔で言います。言動のせいかリズ先生より幼く見える。
リコの母が料理研究家とは聞いていたけどまさかリリアさんだったなんて、と驚き半分嬉しさ半分といった感じのみらい母。リコはリコで例によって微妙な表情を浮かべています。この子いつも親族と会うとこの顔するよね。彼女も自分の母がナシマホウ界に来ているとは知らなかったようです。
テレビと同じようにチョコレートケーキの完成。完成と同時にテレビでもお馴染みのおまじないをかけます。芸風とかじゃなく素らしい。ちょっと天然入った美人人妻で料理が上手い。これはウケる。
魔法学校の食堂レシピも監修していると小声でみらい達に教えるリコ。姉も父も母も魔法学校とズブズブの関係ですね。
すげーな、と言っている間もリリアはまるで最初から黄身が二つ入っていることを知っているかのような動きで卵を割ってオムレツを作り始めます。魔法なら簡単にわかると面白く無さそうな顔でつぶやくリコ。父親といいマイペースな親のようです。
そういうわけで父と姉登場。だから来るなら来るで連絡入れろよ。人ん家来るんだからさ。どんだけサプライズ好きなの?この家族。事前に示し合わせていたのか、遅いと声をかけるリリアさん。夫婦間ではダーリン・ハニーと呼び合っているようです。ドン引きのリコ。楽しそうだな、この家族。見てる分には。
誕生日なら誕生日だとどうして教えてくれなかったのか?ともっともな疑問を口にするみらい。誕生日を祝ってもらうのが苦手だと話すリコ。なんじゃそりゃ。不思議そうな顔を浮かべるみらいとはーちゃん。
家の外装を盛大に飾り付け。近所の人が通りかかったら二度見必至。
アイドルの握手会かと見まごうド派手な会場の中心にいるのは本日誕生日を迎えたリコ嬢。家族から異口同音に誕生日おめでとうと祝福されます。今日のために買ったカメラで撮影。家族の愛が重すぎて本人の顔は引きつっています。物語序盤の方で家族と微妙に距離があるニュアンスがありましたが、まさかこんなオチとは。そりゃ距離も取りたくなる。お赤飯とか炊かれてそう。「やったねリコ! 大人になったね!」。トラウマになるわ。やっぱ面白いな、この家族。見てる分には。
当然近所の人が集まってきます。テレビのリリアさんだと気づいて別な意味で注目を集めます。気づいたリリアは娘の誕生日なので一緒に祝って欲しいと招き入れます。話し大きくするんかい。
完全にパーティ会場と化す朝日奈家。テーブルには巨大オムレツ、どこの何の肉なのかわからない丸焼き、パスタやデザートが並んでいます。大量のハンバーガーを食べるみらいとはーちゃん。そんなにハンバーガーいらねーだろ。っていうか、みらいはなんで仮装大会みたいな格好してるの? なんなのこの誕生日会、趣旨ズレてません?
チクルンもやってきて輪に加わります。早速リアン氏が写真撮影。去年はリコが学校の寮だったので祝えなかったらしく、その分も祝う気満々の一家。みんなでクラッカーを鳴らします。普段は父も母も仕事で忙しいみたいだし、ここぞとばかりに気合を入れているんでしょうか。近いんだか遠いんだか。
料理にも手を付けず仏頂面で座るリコ。
「やっぱり苦手だわ、このノリ」
普通っていうさじ加減無さそう、この家族。
「お誕生日会っていつもこうなの!?」
「えっ? こっちは違うの!?」
あー、ついに気づいちゃいましたか。家の風習ってそれがローカルだと気づきにくいんだよね。
こんなに賑やかなのは初めてだとみらい。とても大事なことだけど隣のはーちゃんがめっちゃ可愛い。良い誕生日会だな、とリアン氏。悪気がないって時に残酷だよね。精霊達もまるで祝ってくれているかのようだ、と示します。いや、そいつらいつも漂ってるし。「なんか数減ってきてるけどな」。残すところ6つでしょうか。
ついつい仕事の癖が出たのか、変化についてモルフンに訊ねます。不安になったリコがプリキュアについて訊ねると家族にも話してはいないと答えが返ってきます。家の隅で固まっている彼女達に近寄ってくる母と姉。怪しげにブロックし始める一同。リアンさんそれ変態っぽいです。あとはーちゃんはどこをブロックしてるんすかね?
ガバガバブロックだったのであっさりリンクルストーンが見つかってしまいます。そのまま巨大ケーキの飾りに。大丈夫か、これ。バチとか当たらない? 変身ボイコットされない? 伝説の石ですらリコの誕生日を飾る一品でしかないとか、ハンパねぇ。
ロウソクを吹き消すにも位置が高すぎる。うっかり魔法と口を滑らせそうになるリリア。ほんとガバガバだな魔法界人。今までどうやってバレずに暮してきたんだ。
ロウソクは気合で頑張ったそうです。
色々とぶっ飛んでいるというか抜けている母ですが、料理の腕は確か。ケーキの味にみらい達だけでなくリコも絶賛。
姉からプレゼントが贈られます。1万年使ってもインクが切れない「インクでまんねん筆」。……。大丈夫なの? 産業廃棄物的な意味で。
ネタかと思いきやリコ的には当たりだったらしく今日初めてそれらしい顔を浮かべます。父も寄ってきます。どうせまた……石でした。去年とはまた違った趣きがあるだろう?と笑顔で話すリアン氏。たぶんその違いわかるのあんたとみらい母だけだよ。リコの部屋に石が並んでいるの想像するとジワジワくる。友達が来たときに「これは?」「10歳のときのプレゼント」「こっちは?」「11歳のときのプレゼント」「……」「お願い、それ以上言わないで」。そんなやり取りがいっぱいあったのでしょう。
母からのプレゼントは読み聞かせ。同じ話を毎年やっているらしい。リコは聞き飽きていますが、みらいとはーちゃんは初耳なので食いついてきます。なら早速、と読み始めるリリアさん。
昔々あるところに仲良しなお星様が2つ輝いていました。あ、ナシマホウ界と魔法界ですね(黙って聞け)。ある日大風が吹いて2つは離ればなれに。雲も立ちこめてお互いの姿は完全に見えなくなってしまいます。悲しみに暮れているといつの間にか2人の女の子がお星様に住んでいました。みらいとリコですね(だから黙って聞け)。可哀想なお星様に寄り添い出会えることを願うと、その願いは雲を払いのけて2つのお星様は再会することができましたとさ。めでたしめでたし。
「おしまい」
ネタバレしてない? 大丈夫、これ?
みらいとはーちゃんは拍手して喜びます。元々は自分が子どもの頃に好きだった話でもあり、家族のよくわからいノリの誕生日会ということもあってか、頬を染めて二人の反応に頷くリコ。普通の人でもこの状況は遠慮したいところですが、ちょっとかっこ付けなところがあるリコにとってはなおさら複雑な気分でしょう。
魔法界まで足を伸ばしたオルーバにベニーギョが何してるの?と絡みます。探し物をしているとオルーバ。
僕らはデウスマストの眷属。本来ならみんなとっくに目覚めていたはず。無駄な力を使うことなく。シャーキンスのセリフからもわかるように、彼らが先行して出てきたのは個人的な労力を使ったかららしい。謎解きのように、どうして僕らはあの封印から目覚めることができたか、分かるかい?と訊ねるオルーバ。
今週は充電が完了したシャーキンスが出勤。
②根底で流れているもの
パーティも終わり後片付け。
みらい母が美味しい料理のコツをリリアに訊ねます。食べてくれる人を思って心を込めて作れば。と簡単に言うリリア。いや、それできる人の言い回しだから。それを聞いたリコは思い返します。小さい頃からあの調子でケーキを作っていたらしい。料理だけじゃなく好きな物語も読んでくれていた。母の言動に一貫したものがあると気づきます。ちょっと大人になりましたね。良いことです。変な人ではあるもののその人なりの筋を通している人っていうのはそれなりにいます(筋を通しているから変な人なのかもしれないけど)。その筋の通し方がいつでもどこでも良いことなのかっていうのは別の話になるんですが、こういう人達はある種の信頼性があります。この信頼性はその行動の長さに比例していくので、長く続けているだけでも実績になっていきます。親の何気ない自分に対する行動に実は深い愛情が込められている、ということに気づくと人間理解はより一層深まります。所作の大きさ・派手さではなく、その一貫性にこそその人の人間性が如実に表れる。このことを実感すると人に対する見方は大きく変わるでしょう。
みらいとはーちゃんはプレゼントの相談。
リズは父に仕事の調子を訊ねます。世間話のようにリアンも訊ね返すと、思いのほかカタツムリニアが早く着いたと答えるリズ。最近所要時間が短くなっているらしい。
それを聞いたみらいとはーちゃんは瞳を輝かせます。
部屋の中も後片付け。誰も見ていないことを良いことにリリアは魔法を使います。魔法でちゃちゃっと片付けちゃえばみ~んなハッピーでしょ? 軽いなーこの人。しょうがないと言いながらリコも魔法を使ってアシスト。リリアが洗った皿を拭いていきます。吹き終わった食器は元の位置へ手際よく戻っていきます。あっと言う間に終了。なかなかのものです。
すごく上達したと褒めるリリア。娘の努力を労ります。改めて留学の件を口にします。はじめ聞いた時は驚いたし心配した。1人で無理しているんじゃないかと。その辺は親もわかっていたらしい。リコの頑張りは自分の自分に対する評価(自尊心)を求めてのものなので、家族がいくらチヤホヤしても足しにはなりません。人は他者からの承認はもちろん、自分自身への誇りも必要です。リリアは言葉を続けます。魔法や勉強も大事だけど、リコが笑顔ならそれでいい。たぶんそれ一番面倒な要求だと思うけどね。とはいえ、今のリコならすんなりと耳に入ります。
みらいとはーちゃんが部屋に入ってくると、魔法学校に通えるかも!?とリコに呼びかけます。すぐにふたりのもとへ駆け寄るリコ。その様子をリリアは静かに、嬉しそうに見守ります。幼い頃、物語を聞いたリコが言った言葉を思い出します。「私もなりたい。この子達みたいに」。魔法界人であるリコと、ナシマホウ界人であるみらい。二人の出会いはその言葉を叶えるのかもしれません。
最近オルーバからの命令もなく暇そうなチクルン。その間もみらい達は学校の話題。こっちの学校が終わってから魔法学校に行くとワイワイおしゃべり。シャーキンスが指を鳴らすと先ほどまで聞えていた声が聞えなくなります。
気づいたらそこは謎の空間。
③星の祝福
精霊も一緒に転送。こいつら緊張ねーな。
シャーキンスが現われ、太陽の塔みたいなヨクバールを召喚。今週はダイヤ。
戦闘前にプレゼン。デウスマストの映像が流れます。野獣のような姿。通りかかるだけ星が砕け散っていきます。ちょ、それスケールでかすぎない? もうプリキュアがいるいない関係ないレベルだと思うんですが。眷属必要なんですかね?
ビビらせたところでヨクバールで攻撃。首領はスケールでかいが、眷属は小さい。
どーせ滅びるんだから意味ないぞ?とご高説をたれるシャーキンスに、パーティの片付け終わってないし、みんなにお礼まだ言ってないと反論するマジカル。ミニマムなことで定評のある魔法つかい。世界が滅びるとか混沌に消えていく定めとか知ったこっちゃありません。そもそもこちとらご大層な話並べて戦ってねーんだよ。はーちゃん返せ!で中ボス倒した実績なめんなよ。徹頭徹尾、自分の目線で戦います。
「私もちゃんと伝えるの。私の想い、感謝の言葉を!」
タンザナイトの精霊が承認。戦闘中でもOK。リンクルストーンを使うと空間を打ち消して元の世界へ。
再び襲いかかってくるヨクバールの攻撃をガーネットでガード。久しぶりですがこれは地形を変化させる魔法。映画でのアメジストもそうですがミラクルは結構便利な魔法持ってます。ピンクトルマリン一本でゴリ押しするフェリーチェ。汎用性の高さは随一。後はいつもの通り虹の彼方に廃棄処分。
日も暮れて、リコ一家はお暇することに。
リコを快く預かる朝日奈家に両親と姉は頭を下げます。それに気づいたリコは、ここぞとばかりに声を出すとお礼を言います。来年もお祝いしてくれたら嬉しい。ここのリコ超可愛い。社会人になるとわかりますが、忙しい中でも特定の日を設定して必ずその日だけは空けるってのはそれはそれで面倒なことです。能動的にやらないといけない。しかもそれを家族でやるというのは、ある意味それが家族の連帯の証明になるでしょう。リコ以外のメンツの誕生日で同じことをやっているかは知りませんが、もしリコだけそうなら、リコが家族を繋ぐシンボルになっているとも言えます。
リコの言葉に張り切る家族。
「うん! 楽しみにしてる!」
帰り道。娘の成長を実感する両親。例によってリコが生まれたときの回想が流れます。これは家族共通の認識なのでしょう。
両親を箒の上から見送るリコ。父親回のときよりも今回の方が距離感がより近いのは意図してのことでしょう。そんなリコに遅ればせながらみらいとはーちゃんからプレゼントが贈られます。ふたつの星。
改めてみらいはリコの誕生日を祝います。
EDは通常に戻りました。
④次回予告
この変化は吉兆か凶兆か。
○トピック
美人妻、美人長女、可愛い次女。本人はダンディ。リアン氏の勝ち組ぶりがパない。
リコがちょっとだけ大人になる日。
親の愛情に気づく恒例のエピソードですが、プリキュアらしい細かな配慮がされています。ここでのポイントは親が必要以上に弁明せず、子どもの側から気づく点にあります。盛大に祝ってくれたとか、高価なプレゼントをくれたからというのは関係ありません。親の行動の一貫性に気づく。その人の根底に流れているものを感じ取る。ここに意味があります。
愛情の無い環境で育った子ども云々というのはここでは省きますが(ドキドキのレジーナが登場する回の感想を参照されたし)、安定した愛情のある環境で育つことの意義はそれ自体が安全で安心な環境であること、親が良い意味でのモデルになることが上げられますが、さらに細かく、ちょっとかっこつけた言い方をするなら、そこに哲学があるからです。親だから愛してくれる。ということだけでなく、この人は一貫して正しいことを自分のためにしてくれる、それを意識してやっているということを感じ取れるからです。一人の人間として信頼できる。一貫性を感じられる。その人なりの哲学がある。人の根底に流れる意思。人の面白い、複雑で奇妙な奥深さ。それを感じ取ったとき、人はより大きな信頼と深い愛情を抱きます。それは学びであり、成長であり、見方が変わる瞬間でもあります。いつもの盛大な誕生日パーティ、いつもの代わり映えしないプレゼント。しかしその変わらないことがその人の人間性なのだと、変わらないための努力があるのだと。その小さな発見は大きな成長の糧になるものです。
本作は、初期の頃からもそうでしたが「見方が変わる」シーンがいくつかあります。悪が善に変わるような劇的なものはありませんが、日常の些細な変化だったり、普段とは違うその人の姿だったり、ちょっとした認識の切替わりを通じて成長していく姿が描かれています。そろそろ物語は終盤。見方を変えるのは主人公達だけなのか、それともこの世界そのものか。次回予告からもシリアスになって行きそうな……でも、魔法つかいだからわかんねーな。どこまでこのノリを貫くか。別な意味で楽しみ。
①誕生日だよ!全員集合!
メモ片手に料理番組を見るみらい母と祖母。チョコレートに胡椒を入れるのを早速メモ。
みらい達がやってきたので説明。料理界に彗星の如く現われたカリスマ。このパターンは例のアレ。気乗りしない感じのリコがテレビを見た瞬間固まります。ほら来た。
テレビではチョコレートケーキが完成。娘の大好物だとカリスマ料理人。誕生日だから作っちゃいましたと軽く言ってのけます。お題自由なのか。ちょっと天然入ってそう。
「お…お母様…!」
知ってた。リズ先生といい、このパターンでしか登場しないって逆にすげーな、君んとこの家族。
チャイム音。噂をすれば母。事前に連絡入れる習慣が無いらしい。
映画宣伝仕様OP。内容的にはほぼ変わりなく。CMの方では例の分身を披露。そのオプション一個私に下さい。
突然やってきたかと思えば、キッチンを借りて調理し始めるリコ母ことリリア。今日の収録パパッと終わらせて来ちゃった、とにこやかな顔で言います。言動のせいかリズ先生より幼く見える。
リコの母が料理研究家とは聞いていたけどまさかリリアさんだったなんて、と驚き半分嬉しさ半分といった感じのみらい母。リコはリコで例によって微妙な表情を浮かべています。この子いつも親族と会うとこの顔するよね。彼女も自分の母がナシマホウ界に来ているとは知らなかったようです。
テレビと同じようにチョコレートケーキの完成。完成と同時にテレビでもお馴染みのおまじないをかけます。芸風とかじゃなく素らしい。ちょっと天然入った美人人妻で料理が上手い。これはウケる。
魔法学校の食堂レシピも監修していると小声でみらい達に教えるリコ。姉も父も母も魔法学校とズブズブの関係ですね。
すげーな、と言っている間もリリアはまるで最初から黄身が二つ入っていることを知っているかのような動きで卵を割ってオムレツを作り始めます。魔法なら簡単にわかると面白く無さそうな顔でつぶやくリコ。父親といいマイペースな親のようです。
そういうわけで父と姉登場。だから来るなら来るで連絡入れろよ。人ん家来るんだからさ。どんだけサプライズ好きなの?この家族。事前に示し合わせていたのか、遅いと声をかけるリリアさん。夫婦間ではダーリン・ハニーと呼び合っているようです。ドン引きのリコ。楽しそうだな、この家族。見てる分には。
誕生日なら誕生日だとどうして教えてくれなかったのか?ともっともな疑問を口にするみらい。誕生日を祝ってもらうのが苦手だと話すリコ。なんじゃそりゃ。不思議そうな顔を浮かべるみらいとはーちゃん。
家の外装を盛大に飾り付け。近所の人が通りかかったら二度見必至。
アイドルの握手会かと見まごうド派手な会場の中心にいるのは本日誕生日を迎えたリコ嬢。家族から異口同音に誕生日おめでとうと祝福されます。今日のために買ったカメラで撮影。家族の愛が重すぎて本人の顔は引きつっています。物語序盤の方で家族と微妙に距離があるニュアンスがありましたが、まさかこんなオチとは。そりゃ距離も取りたくなる。お赤飯とか炊かれてそう。「やったねリコ! 大人になったね!」。トラウマになるわ。やっぱ面白いな、この家族。見てる分には。
当然近所の人が集まってきます。テレビのリリアさんだと気づいて別な意味で注目を集めます。気づいたリリアは娘の誕生日なので一緒に祝って欲しいと招き入れます。話し大きくするんかい。
完全にパーティ会場と化す朝日奈家。テーブルには巨大オムレツ、どこの何の肉なのかわからない丸焼き、パスタやデザートが並んでいます。大量のハンバーガーを食べるみらいとはーちゃん。そんなにハンバーガーいらねーだろ。っていうか、みらいはなんで仮装大会みたいな格好してるの? なんなのこの誕生日会、趣旨ズレてません?
チクルンもやってきて輪に加わります。早速リアン氏が写真撮影。去年はリコが学校の寮だったので祝えなかったらしく、その分も祝う気満々の一家。みんなでクラッカーを鳴らします。普段は父も母も仕事で忙しいみたいだし、ここぞとばかりに気合を入れているんでしょうか。近いんだか遠いんだか。
料理にも手を付けず仏頂面で座るリコ。
「やっぱり苦手だわ、このノリ」
普通っていうさじ加減無さそう、この家族。
「お誕生日会っていつもこうなの!?」
「えっ? こっちは違うの!?」
あー、ついに気づいちゃいましたか。家の風習ってそれがローカルだと気づきにくいんだよね。
こんなに賑やかなのは初めてだとみらい。とても大事なことだけど隣のはーちゃんがめっちゃ可愛い。良い誕生日会だな、とリアン氏。悪気がないって時に残酷だよね。精霊達もまるで祝ってくれているかのようだ、と示します。いや、そいつらいつも漂ってるし。「なんか数減ってきてるけどな」。残すところ6つでしょうか。
ついつい仕事の癖が出たのか、変化についてモルフンに訊ねます。不安になったリコがプリキュアについて訊ねると家族にも話してはいないと答えが返ってきます。家の隅で固まっている彼女達に近寄ってくる母と姉。怪しげにブロックし始める一同。リアンさんそれ変態っぽいです。あとはーちゃんはどこをブロックしてるんすかね?
ガバガバブロックだったのであっさりリンクルストーンが見つかってしまいます。そのまま巨大ケーキの飾りに。大丈夫か、これ。バチとか当たらない? 変身ボイコットされない? 伝説の石ですらリコの誕生日を飾る一品でしかないとか、ハンパねぇ。
ロウソクを吹き消すにも位置が高すぎる。うっかり魔法と口を滑らせそうになるリリア。ほんとガバガバだな魔法界人。今までどうやってバレずに暮してきたんだ。
ロウソクは気合で頑張ったそうです。
色々とぶっ飛んでいるというか抜けている母ですが、料理の腕は確か。ケーキの味にみらい達だけでなくリコも絶賛。
姉からプレゼントが贈られます。1万年使ってもインクが切れない「インクでまんねん筆」。……。大丈夫なの? 産業廃棄物的な意味で。
ネタかと思いきやリコ的には当たりだったらしく今日初めてそれらしい顔を浮かべます。父も寄ってきます。どうせまた……石でした。去年とはまた違った趣きがあるだろう?と笑顔で話すリアン氏。たぶんその違いわかるのあんたとみらい母だけだよ。リコの部屋に石が並んでいるの想像するとジワジワくる。友達が来たときに「これは?」「10歳のときのプレゼント」「こっちは?」「11歳のときのプレゼント」「……」「お願い、それ以上言わないで」。そんなやり取りがいっぱいあったのでしょう。
母からのプレゼントは読み聞かせ。同じ話を毎年やっているらしい。リコは聞き飽きていますが、みらいとはーちゃんは初耳なので食いついてきます。なら早速、と読み始めるリリアさん。
昔々あるところに仲良しなお星様が2つ輝いていました。あ、ナシマホウ界と魔法界ですね(黙って聞け)。ある日大風が吹いて2つは離ればなれに。雲も立ちこめてお互いの姿は完全に見えなくなってしまいます。悲しみに暮れているといつの間にか2人の女の子がお星様に住んでいました。みらいとリコですね(だから黙って聞け)。可哀想なお星様に寄り添い出会えることを願うと、その願いは雲を払いのけて2つのお星様は再会することができましたとさ。めでたしめでたし。
「おしまい」
ネタバレしてない? 大丈夫、これ?
みらいとはーちゃんは拍手して喜びます。元々は自分が子どもの頃に好きだった話でもあり、家族のよくわからいノリの誕生日会ということもあってか、頬を染めて二人の反応に頷くリコ。普通の人でもこの状況は遠慮したいところですが、ちょっとかっこ付けなところがあるリコにとってはなおさら複雑な気分でしょう。
魔法界まで足を伸ばしたオルーバにベニーギョが何してるの?と絡みます。探し物をしているとオルーバ。
僕らはデウスマストの眷属。本来ならみんなとっくに目覚めていたはず。無駄な力を使うことなく。シャーキンスのセリフからもわかるように、彼らが先行して出てきたのは個人的な労力を使ったかららしい。謎解きのように、どうして僕らはあの封印から目覚めることができたか、分かるかい?と訊ねるオルーバ。
今週は充電が完了したシャーキンスが出勤。
②根底で流れているもの
パーティも終わり後片付け。
みらい母が美味しい料理のコツをリリアに訊ねます。食べてくれる人を思って心を込めて作れば。と簡単に言うリリア。いや、それできる人の言い回しだから。それを聞いたリコは思い返します。小さい頃からあの調子でケーキを作っていたらしい。料理だけじゃなく好きな物語も読んでくれていた。母の言動に一貫したものがあると気づきます。ちょっと大人になりましたね。良いことです。変な人ではあるもののその人なりの筋を通している人っていうのはそれなりにいます(筋を通しているから変な人なのかもしれないけど)。その筋の通し方がいつでもどこでも良いことなのかっていうのは別の話になるんですが、こういう人達はある種の信頼性があります。この信頼性はその行動の長さに比例していくので、長く続けているだけでも実績になっていきます。親の何気ない自分に対する行動に実は深い愛情が込められている、ということに気づくと人間理解はより一層深まります。所作の大きさ・派手さではなく、その一貫性にこそその人の人間性が如実に表れる。このことを実感すると人に対する見方は大きく変わるでしょう。
みらいとはーちゃんはプレゼントの相談。
リズは父に仕事の調子を訊ねます。世間話のようにリアンも訊ね返すと、思いのほかカタツムリニアが早く着いたと答えるリズ。最近所要時間が短くなっているらしい。
それを聞いたみらいとはーちゃんは瞳を輝かせます。
部屋の中も後片付け。誰も見ていないことを良いことにリリアは魔法を使います。魔法でちゃちゃっと片付けちゃえばみ~んなハッピーでしょ? 軽いなーこの人。しょうがないと言いながらリコも魔法を使ってアシスト。リリアが洗った皿を拭いていきます。吹き終わった食器は元の位置へ手際よく戻っていきます。あっと言う間に終了。なかなかのものです。
すごく上達したと褒めるリリア。娘の努力を労ります。改めて留学の件を口にします。はじめ聞いた時は驚いたし心配した。1人で無理しているんじゃないかと。その辺は親もわかっていたらしい。リコの頑張りは自分の自分に対する評価(自尊心)を求めてのものなので、家族がいくらチヤホヤしても足しにはなりません。人は他者からの承認はもちろん、自分自身への誇りも必要です。リリアは言葉を続けます。魔法や勉強も大事だけど、リコが笑顔ならそれでいい。たぶんそれ一番面倒な要求だと思うけどね。とはいえ、今のリコならすんなりと耳に入ります。
みらいとはーちゃんが部屋に入ってくると、魔法学校に通えるかも!?とリコに呼びかけます。すぐにふたりのもとへ駆け寄るリコ。その様子をリリアは静かに、嬉しそうに見守ります。幼い頃、物語を聞いたリコが言った言葉を思い出します。「私もなりたい。この子達みたいに」。魔法界人であるリコと、ナシマホウ界人であるみらい。二人の出会いはその言葉を叶えるのかもしれません。
最近オルーバからの命令もなく暇そうなチクルン。その間もみらい達は学校の話題。こっちの学校が終わってから魔法学校に行くとワイワイおしゃべり。シャーキンスが指を鳴らすと先ほどまで聞えていた声が聞えなくなります。
気づいたらそこは謎の空間。
③星の祝福
精霊も一緒に転送。こいつら緊張ねーな。
シャーキンスが現われ、太陽の塔みたいなヨクバールを召喚。今週はダイヤ。
戦闘前にプレゼン。デウスマストの映像が流れます。野獣のような姿。通りかかるだけ星が砕け散っていきます。ちょ、それスケールでかすぎない? もうプリキュアがいるいない関係ないレベルだと思うんですが。眷属必要なんですかね?
ビビらせたところでヨクバールで攻撃。首領はスケールでかいが、眷属は小さい。
どーせ滅びるんだから意味ないぞ?とご高説をたれるシャーキンスに、パーティの片付け終わってないし、みんなにお礼まだ言ってないと反論するマジカル。ミニマムなことで定評のある魔法つかい。世界が滅びるとか混沌に消えていく定めとか知ったこっちゃありません。そもそもこちとらご大層な話並べて戦ってねーんだよ。はーちゃん返せ!で中ボス倒した実績なめんなよ。徹頭徹尾、自分の目線で戦います。
「私もちゃんと伝えるの。私の想い、感謝の言葉を!」
タンザナイトの精霊が承認。戦闘中でもOK。リンクルストーンを使うと空間を打ち消して元の世界へ。
再び襲いかかってくるヨクバールの攻撃をガーネットでガード。久しぶりですがこれは地形を変化させる魔法。映画でのアメジストもそうですがミラクルは結構便利な魔法持ってます。ピンクトルマリン一本でゴリ押しするフェリーチェ。汎用性の高さは随一。後はいつもの通り虹の彼方に廃棄処分。
日も暮れて、リコ一家はお暇することに。
リコを快く預かる朝日奈家に両親と姉は頭を下げます。それに気づいたリコは、ここぞとばかりに声を出すとお礼を言います。来年もお祝いしてくれたら嬉しい。ここのリコ超可愛い。社会人になるとわかりますが、忙しい中でも特定の日を設定して必ずその日だけは空けるってのはそれはそれで面倒なことです。能動的にやらないといけない。しかもそれを家族でやるというのは、ある意味それが家族の連帯の証明になるでしょう。リコ以外のメンツの誕生日で同じことをやっているかは知りませんが、もしリコだけそうなら、リコが家族を繋ぐシンボルになっているとも言えます。
リコの言葉に張り切る家族。
「うん! 楽しみにしてる!」
帰り道。娘の成長を実感する両親。例によってリコが生まれたときの回想が流れます。これは家族共通の認識なのでしょう。
両親を箒の上から見送るリコ。父親回のときよりも今回の方が距離感がより近いのは意図してのことでしょう。そんなリコに遅ればせながらみらいとはーちゃんからプレゼントが贈られます。ふたつの星。
改めてみらいはリコの誕生日を祝います。
EDは通常に戻りました。
④次回予告
この変化は吉兆か凶兆か。
○トピック
美人妻、美人長女、可愛い次女。本人はダンディ。リアン氏の勝ち組ぶりがパない。
リコがちょっとだけ大人になる日。
親の愛情に気づく恒例のエピソードですが、プリキュアらしい細かな配慮がされています。ここでのポイントは親が必要以上に弁明せず、子どもの側から気づく点にあります。盛大に祝ってくれたとか、高価なプレゼントをくれたからというのは関係ありません。親の行動の一貫性に気づく。その人の根底に流れているものを感じ取る。ここに意味があります。
愛情の無い環境で育った子ども云々というのはここでは省きますが(ドキドキのレジーナが登場する回の感想を参照されたし)、安定した愛情のある環境で育つことの意義はそれ自体が安全で安心な環境であること、親が良い意味でのモデルになることが上げられますが、さらに細かく、ちょっとかっこつけた言い方をするなら、そこに哲学があるからです。親だから愛してくれる。ということだけでなく、この人は一貫して正しいことを自分のためにしてくれる、それを意識してやっているということを感じ取れるからです。一人の人間として信頼できる。一貫性を感じられる。その人なりの哲学がある。人の根底に流れる意思。人の面白い、複雑で奇妙な奥深さ。それを感じ取ったとき、人はより大きな信頼と深い愛情を抱きます。それは学びであり、成長であり、見方が変わる瞬間でもあります。いつもの盛大な誕生日パーティ、いつもの代わり映えしないプレゼント。しかしその変わらないことがその人の人間性なのだと、変わらないための努力があるのだと。その小さな発見は大きな成長の糧になるものです。
本作は、初期の頃からもそうでしたが「見方が変わる」シーンがいくつかあります。悪が善に変わるような劇的なものはありませんが、日常の些細な変化だったり、普段とは違うその人の姿だったり、ちょっとした認識の切替わりを通じて成長していく姿が描かれています。そろそろ物語は終盤。見方を変えるのは主人公達だけなのか、それともこの世界そのものか。次回予告からもシリアスになって行きそうな……でも、魔法つかいだからわかんねーな。どこまでこのノリを貫くか。別な意味で楽しみ。
「映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!」
①キュアミラクルとモフルンの魔法レッスン
恒例の前説。今回はみんなで説明。デフォルメが可愛い。
短編は去年の映画と同様CGのミニキャラ。今回の造形は西洋人形に近いちょっとリアル寄り。髪の質感や服のヒラヒラ、モルフンのフサフサ感がすごい。
サイレント映画だった前回と比べ、こちらはミラクルとモフルンの掛け合いが楽しく、ミラクルライトをバンバン使って視聴者に好きに使って良いんだよアピールしているのはわかりやすい。友情出演でフローラと東映のマスコットが登場。
例によってみんなの応援でモフルンを救出。ここで風船を使うアイディアは長編にも引き継がれています。EDは本編の方でもやっているので視聴者も入りやすい。
ところで、マジカルどこ行った?
②長編オープニング
唐突に変身スタート。この思い切り感。今回長編では変身バンクはここだけなのでド頭に持ってくることで印象付けています。
交戦開始。みらいがみんなを紹介しながら風船型のヨクバールと戦闘。ミラクルはちょっとおっちょこちょい、マジカルがイケメンな感じなのはみらいの主観が入っているかもしれない。今回リコは全体的に肝っ玉が据わっていて頼り甲斐があります。私服もお姉さんっぽい。そんなわけで紹介が終わると戦闘も終了。短編分のロスを取り返していきます。
夕焼けの空を眺めていると流れ星。
流れ星が流れている間に3回願い事を言うと叶うと言われているとふたりに話すみらい。リコは魔法の本が欲しいと答えると、つられてはーちゃんも同じ願い。しかしみらいは願い事が思いつきません。ここは本編にも関係するところですね。彼女は好奇心旺盛で思慮深い面も持ちますが、これといって何かを強く欲しているわけではありません。
再び流れ星が。早速願い事を3回唱えるはーちゃん。手をすりあわせてぶつぶつ言ってるの「なんまんだぶ」みたいだな。しかし何か不自然。流れ星が近づいてる!? そのまま顔面キャッチコース。伝統なので。また何か不思議生物か?と思いきやミラクルライト。今回はクマ(モフルン)型。送りつけてきたのは校長。100年に一度の大魔法フェスティバルが催されることが知らされます。本編といい毎週祭りしてんな。
②大魔法フェスティバル
カタツムリニアに乗って魔法界へ。巨大な風船がいくつも並んでいます。その一つ一つの中に会場が設営されています。かなり大がかりなお祭り。
中に入ってみると案の定大賑わい。ここでもリコが案内役を務めます。水晶をスライド操作。スマホかよ。確かにその方が便利そうだけど。よく見ると一般客もみな同じようにスマ…もとい水晶片手に歩いているのでこれが標準スタイルらしい。なんか重そうなんだけど。魔法界初!最軽量水晶!とか売り出されてたりするんでしょうか。
今回はゆるキャラのクマ達ともコラボしているようで、色んなマスコットがゲスト出演。ちなみに同じ船にダークマターが乗ってたりします。
フランソワさんに誘われていってみると、格好がイケてないと言われてお祭り仕様に。……こっちの方がちょっと。はーちゃんはこの格好も可愛い。っていうかはーちゃん可愛い。
お祭りの趣旨を説明。100年に一度咲く願いの石。どんな願いでも叶えるという。ただしそれは石に選ばれた一人だけ。「願い」という言葉に反応するみらい。
その後もリコに案内されて色んなところを回ります。それただのプッチンプリンやん。子どもらが帰った後に真似しやすいんでしょうが。はーちゃんは当たりを引いて巨大プリンゲット。だから体積おかしいって。図書館ではこれ全部もらえたら願いが叶うとはーちゃん。どんだけ本読みたがってるねん。絵の付いた本ばかり読みそうなイメージあるけど、案外堅い本もいけるのか?
見せ物もあるらしくフレアドラゴンの芸も。ここでも魔性を発揮したはーちゃんはドラゴンとすぐ仲良しに。
そしていよいよ石の公開。やはり引っかかる感じのみらい。
会場には大勢の人達が押しかけ……ているわけではない。作画の労力の問題か、思ったより人いない。会場には補習メイトも。ケイのニーソいいですね~。
校長が進行を務めます。この人、何にでも顔を出すな。校長以外にも肩書きすげー持ってそう。何とか協会会長とか。誰よりも長生きしてそうだし、ある意味魔法界の顔になってるのかも。
改めて説明。石は花のように蕾が閉じています。純粋な願いに反応する。ミラクルライトに願いを。石が花開くとみんな願い事をライトに託します。すると風船が膨れて昇っていきます。リコとはーちゃんも後に続きます。しかしみらいは手持ち無沙汰。これといったものが思いつかない。リコとはーちゃんがリアクションに困っていると、隣に巨大な風船が。デカッ! モフルンが優勝をかっさらいます。
校長がモフルンに願いは何かと訊ねます。何か欲しいものが? 無いモフ。どこかに行きたいところが? 無いモフ。やりたいことが? 無いモフ。じゃあ何を願ったの? するとモフルンはみらいとリコとはーちゃんの願いを叶えて欲しいと言います。願いを三つとはなかなか欲深い。
他人のために願うなんて前代未聞。こんなことは初めてだと校長も会場も騒然。クッキー願えばいいんじゃ?とリコ達が促すと、ふたりがいつでも作ってくれるから特にはと興味を示しません。無欲の勝利。これは困った。モフルンは無邪気にみらい達が楽しいと自分は嬉しいと答えます。そうはいっても選ばれたのはモフルンなんだから、自分の願いを言わないとダメなんじゃない?とみらい。
そこで現われるのが今回の敵。アクマでダークマターな黒いクマ。
実を放り投げるとそこからサイバイマン(以後、影と呼称)がにょきにょきと出現。幸い自爆機能はありません。風船状らしく割れやすい。
会場が騒然としている中でプリキュアに変身。バンクは省略して名乗りのみ。サファイア。ダークマターは一直線に石のもとに向かっていきます。プリキュアはそれを阻止しようと迎撃に出ますが影が邪魔。一般人を狙ってもくるのでそのフォローに人手を割かれて三人は分散。
ダークマター本体はミラクルが担当。彼の願いは魔法つかいの消滅。そんなことはさせないとミラクルが止めようとしますが、一人でどうにかできる相手ではなく圧倒されてダウン。石はダークマターが回収。しかし石に選ばれたのはモフルン。念のためこっちも回収しようとモフルンに近づきます。モフルンは倒れたミラクルに呼びかけるも反応なし。ここのシーン、ミラクルが胸あるように見えてグッジョブです。
マジカルとフェリーチェが遅れて援護に入りますが時にすでに遅し。黒いドラゴンも現われ石とモフルンを手に入れたダークマターは撤退。ミラクルは意識を取り戻したものの、目の前でモフルンを失ってしまいます。変身解除。どうやら距離が空くと解けてしまうらしい。
③モフルン救出作戦
脅威は去ったものの会場はメチャクチャ。モフルンの件も含め、教師陣で何とかするとリズ先生。しかし手をこまねいて見ているわけにはいかない。いつの間にかみらいの姿が消えています。
石を持ち帰ったダークマターは願い事をしてみますが石は無反応。やはり選ばれたモフルンに願ってもらうしかありません。意識を取り戻したモフルンは驚いて逃げ出します。ここからちょっとギャグパート。
逃走劇の末、クマの里っぽいところに到着。彼らと打ち解けるとしばし時を忘れて遊びます。……相方のこと少しは思い出してあげて下さい。夕焼け小焼けでまた明日。何か帰化しそう。
朝になると見慣れない黒いクマが現われます。彼の姿を見ると他のクマ達は隠れてしまいます。植物も隠れるレベル。正体はまんま。気づかないモフルンは彼についていくことにします。
相方が満喫している間も徹夜で探し続けたみらいは憔悴しきって前方不注意で墜落。その手をリコが掴みます。しかし力及ばずふたりとも落下。
第一声からみらいを叱りつけるリコ。彼女の言うとおり今のみらいは正体を無くしています。いつもの冷静さが無い。リコの言葉には直接答えず、立ち上がるとまたモフルンを探そうとします。その折れた箒で? 混乱して取り乱すみらいに、あなたも心配なのだとリコは泣きながら叫びます。ようやく我を取り戻すみらい。はーちゃんもやってきて落着いた声で語りかけます。モフルンを心配しているのはみらいだけじゃない。モフルンと仲良しだった彼女が言うと説得力がある。モフルンは誰にとっても大事な友達。これはみらいだけの問題ではありません。本編で言うと31話のアレキサンドライト回がそうなんですが、あの時は魔法に失望したリコとはーちゃんが落ち込みましたが、同じように心の支えであったモフルンを失ったみらいを支えるのはやはり心通じた友達。仲の良い友達を持つというのは素晴らしいことですが反面連鎖的な負のスパイラルもあって、これを食い止められる関係は強力です。本編の方ではほぼ無敵のみらいですが、唯一の急所であるモフルンを突かれて崩れた体勢を真っ先にリコが支えるのが美しい。彼女達の手は互いを支え合います。
メンツが揃ったところでまずは腹ごしらえ。
モフルンも空腹。黒いクマ(クマタ)からクッキーを貰います。どうやら魔法で出せるらしく食べ放題。モフルンは喜んで口にします。自分を恐れないモフルンの態度に逆にクマタが驚きます。ああ、そういうことね。
みらい達もヤナオニの実をゲット。見た目はあまりよろしくない。
栄養満点の実だと請け合うリコ。しかし一つ注意点が……と言っているそばからはーちゃんが口に入れてかじってしまいます。寝た子も起こす強烈な匂いがはーちゃんの口から広がっていきます。彼女の隣にいたみらいはノックアウト。それを見たはーちゃんはバカ笑い。自分の口から出た匂いを嗅いで自爆。リコも巻き込んで3人で大笑い。
良い気分転換になったみらいはふたりにお礼を言います。すかさずリコに笑いかけるはーちゃん。こういうとこの機微にも聡くなったものです。もしこの場にモフルンがいたら…と内心思わずにはいられないみらい。
クマタとモフルンは虹の泉のようなところを通りがかります。モフルンは取っておいたクッキーを半分にするとクマタに差し出します。結構、自分で出せる。そりゃそうか。
みんな自分を怖がると話すクマタに、怖くない優しいと無邪気に答えるモフルン。そんな態度のモフルンにクマタは気をよくすると自分でも気づいているのかいないのか、欲を募らせ、ずっと自分と一緒に居ろと怪しい目でモフルンを見つめます。
空はすっかり星空に。大量の流れ星が空を埋め尽くします。星空を見たみらいはかつてモフルンと一緒に見た光景を思い出します。。モフルンも星空を見上げながら同じ思い出に浸ります。みらいはようやく自分の願いを抱きます。モフルンと一緒に居た記憶。彼女が言いかけると「ストップ」。それは直接モフルンに言いなさい。ライトを差し出すリコ。三人で風船を膨らまさせます。モフルンの風船を発見。
帰ろうとするモフルンをクマタが引き留めます。意見を変えないモフルンに結局お前もかとクマタは失望し、正体を表わします。
魔法つかいを消せとの命令を拒否するモフルン。みらい達が助けに来てくれる。本当に? 彼我の実力差は歴然。もし再びぶつかれば……。そこでダークマターは取引を持ちかけます。モフルンがここに留まればプリキュアは狙わない。
モフルンを追跡するみらい達の前にダークマターが現われ警告。彼の姿を見た途端スピードをあげるリコ。奴がいるということは近くにモフルンがいるはず。今回の彼女は冴えています。心強い相棒。
黒いドラゴンははーちゃんが担当。しかし変身できないふたりでダークマターを相手にするのは分が悪い。追い詰められると、決心したリコが足止め役を引き受けます。モフルンに伝えたいことあるんでしょ。煮え切らないみらいに箒を押しつけて独り残ります。本編では見えてこないリコの底力。友達のために強くなれる彼女はヒーローです。この映画のリコはほんとにカッコイイ。
みらいの後ろで轟音。リコ終了のお知らせ。信頼はする。でも信用はしない。それがリコ(ひでぇ)。
友達の身を案じながらもみらいは捕らわれた友達を助けるために城へと向かいます。
④爆誕!キュアモフルン
城の内に入るとモフルンを発見。しかし意に反してモフルンは帰らないと言います。例の取引を知らないみらいは戸惑います。ダークマターが現われクリスタルに捕えたリコを見せます。
話しが違う!と抗議するモフルンに警告はしたと無慈悲に応じるダークマター。最後通告を出します。嫌だ。みらいは彼女には珍しい低い声で通告を拒否。打って変わって情感を込めてモフルンに自分の気持ちを語りかけます。モフルンが居てくれたから私は嬉しいし楽しい。その言葉にモフルンも泣き出しそうな声をあげます(ここの芝居超上手ぇ)。二人同時に踏み出すと互いを求めて走り出します。
そうはさせないとダークマターがみらいを捕縛。モフルンはみらいを助ける!と強く願います。ここでダークマターを消して!と願ったら神展開ですが、プリキュアに変身せずに終わったら番組が成り立たないので却下。
そういうわけで満を持しての、予告通りの登場。
「モフモフモフルン! キュアモフルン!」
モフルンしか言ってねぇ!!
みらいを救出。どうやら本人はプリキュアになったことに気づいてなかったらしく、みらいに指摘されて初めて気づきます。夢じゃないよね?とお互いの頬をつねって確認。こういうところでギャグを入れるのが魔法つかいクオリティ。
攻撃を仕掛けてくるダークマターにモフルンが挑みます。……変身アイテムが戦ったら変身できないじゃん!というジレンマ。
とはいえ、真打ち補正は強力。戦闘力はダークマターに引けを取りません。相変わらずプリキュアは小さい子に拳法みたいなの使わせるよね。格好良くて仕方ない。BGMもカッコイイ。みらいも箒を飛ばして援護。リコ救出に向かいます。箒を得たモフルンはそれを足場にして三次元的に戦います。作画本気出し過ぎててヤバい。それに反応できない俺の動体視力が別の意味でヤバい。
戦闘があまりに凄いのでうっかりセリフを聞き逃してしまいそうになりますが、一緒にいることでみらい達の笑顔を隣で見ることができる!と叫んでます。本編36話でみらいと並んで同じ景色を見ていたシーンが思い出されます。
超絶バトルの間にみらいはリコの元へ。何か手は……ポケットをまさぐると例の実が。
意を決すると口に含んで噛み砕きます。その間も箒を分裂させて盾にしたりとモフルンはやりたい放題。寝た子も起こす強烈な匂いでリコを救出。これぞ魔法つかい。シリアスの中でも笑いを忘れません。再会を喜んだのも束の間、みらいの口から出た匂いで悶絶。
さらにはフェリーチェがフレアドラゴンを連れて現われます。黒いドラゴンの正体は実はこれ。滅びのバーストストリーム。もうはーちゃんはモンスターテイマー名乗っていいと思う。続けざまにモフルンは巨大な箒を作りだしてダークマターを押し出します。
⑤合言葉は「キュアップラパパ!」
一段落して、ようやく知らない子の存在に気づくリコ。モフルンと聞いてビックリ。
なんやかんやありましたが、みらいがモフルンに伝えられたのだと知って安心するリコ。みらいは彼女にお礼を言います。照れくさそうに笑うリコが可愛い。彼女の頑張りはちゃんとみらいの胸に刻まれたでしょう。なんたって彼女はみらいのスーパーマンなのですから。
団欒も束の間、ダークマターが身を燃やしながら仕掛けてきます。第2ラウンド開始。
モフルンと一対一。石が消えた今、残るは自分の手で魔法つかいを滅ぼすことのみと敵意を燃やすダークマター。場所も崖っぷち。ということで動機を語り始めます。魔法が使えるクマを人間達は恐れ、彼は常に独りぼっち。何故逃げる? いや、だって怖いし。そんなイエティみたいな出で立ちで出てこられたら食われると思うし。マフラーにズボンだけとか何かホラーだし。もう少しオシャレに気を遣ってくれたら良かったんじゃないでしょうか。クマなんだから可愛い路線でいけばよかったのに。…とマイノリティの主張を台無しにしちゃいましたが、正味な話、この映画はクマタの苦悩をどうこうする気がありません。
ダークマターの主張に思い当たる節があるモフルン。自分も知らず知らずの内に彼を拒絶していました。彼の叫びが乗った拳を受止めようと前に出ると直撃。
みらいが駆けつけるとモフルンは元のぬいぐるみに。
崩れ落ちるみらい。そんな姿になってしまっては元も子もないと笑い出すダークマター。リコが食ってかかろうとして絶句。彼女の言葉を継ぐようにみらいが彼に語りかけます。本当にそう思っているのなら、何故泣いているの?
彼もまたモフルンと一緒に居たかった。それを理解するみらい。否定する彼にフェリーチェはドラゴンにしたように魔法で操れば良かったじゃないかと言います。不意を突かれたように押し黙るダークマター。その発想なかったわー。忘れてたわー。というわけではなく、おそらく無意識にその辺の思考を遮断していたのではないかと思われます。図星を突かれたというより、モフルンと一緒に居たかったという気持ちが先行していたのでしょう。自分の気持ちを悟ったダークマターはクマタへと姿を変えます。
先ほどクマタの苦悩をどうこうする気がないと言ったのはこれ。すでに問題は解決していて自然消滅している。彼がモフルンに気を許した時点で終了。トイマジンのように恨み辛みを引きずったりはしません。この映画ではクマタの問題を深刻に扱っていないし、扱う案件でもありません。答えは出ているのだから。
子どものように泣きじゃくるクマタ。こうなるともはや悪も存在しませんが、それでは映画が終われません。だってまだプリキュアに変身してないし。
ということで、クマタから分離した魔力と憎悪が別の形となって出現。フェスティバル会場を狙い始めます。
無力と化したクマタにはもはやどうすることもできません。
モノ言わぬモフルンを抱きしめたみらいは、独り頷くと立ち上がり前に進み出します。
「キュアップラパパ! 魔法よ止まりなさい!」
そうだね、彼女ならそうする。
この映画のみらいは、彼女の性質が良くも悪くも強調されています。より具体的に言えば彼女の幼さが浮彫りになっている。本編の彼女は見た目に反して冷静で思い切りと思いつきが良く、魔法の飲み込みも早く、たまに注意散漫になることくらいしか欠点が見当たらない。しかしこの映画では自己主張が弱く、モフルンを失うと我も忘れ、魔法も彼女を助ける力にはなってくれません。改めて思うのは、本作の主人公は普通の女の子だということ。強い願いがあるわけではない。ずば抜けた特技があるわけでもない。人並みに明るくて、人並みに要領が良くて、傷つきやすくて迷いやすい。でも彼女が困っていたらちゃんと助けてくれる友達がいる。そして彼女自身も友達のために本気になれる。この物語の主人公はそういう女の子。
無駄だと言うクマタにみらいは反論します。モフルンが諦めるなと言っている。彼女の正気を疑うクマタ。ここに、今も一緒にいる!と叫ぶみらい。本編36話は見事な布石でした。あれがあればこそ、ここでのみらいのセリフが虚しい現実逃避なのではなく、決して途絶えることのないモフルンとの信頼関係なのだとわかります。モフルンは言いました。みらいが自分にずっと語りかけてくれたから自分も伝えたいと思ったのだと。みらいがモフルンを信じ、モフルンの声を聞けると信じる限りモフルンもそれに応えるでしょう。これは魔法ではありません。友達だからです。魂の問題です。
リコがあの時を思い出すとみらいに寄り添います。あの時もモフルンはしゃべれなくて、自分は魔法がヘタで、みらいは前向きだった。それならまた奇跡が起きるかもしれない。今は私もいる、とはーちゃん。三人とモフルンは手を繋いでキュアップラパパと唱え続けます。
諦めかける一般人に、校長がライトを振れと音頭を取ります。
ここで風船の意味が出てきます。短編で視聴者の子ども達がモフルンを助けたように、長編でも視聴者の応援がみらい達を、モフルンを目覚めさせます。クマタも加わってキュアップラパパと唱えます。
⑥魔法つかいオールスターズ!
ダイヤスタイルに変身。モフルンもしゃべれるようになります。モフルンはクマタを赦します。
ということで残る問題は必殺技で決めることのみ。4人で名乗りを上げます。縦に長ぇ。
ドラゴンに乗って接近。ダークマター本体の内部に核があるらしい。内部に侵入。流石は田中演出。これプリンセス最終回と全く同じ構図。特殊空間で好きなだけドンパチやる気満々じゃないですか。
そして始まる第3ラウンド。映画の予算使い切ります。ピンクトルマリンの影に隠れがちな物理防壁のムーンストーン。実は超便利なアメジストで敵の攻撃をガード&スルー。敵も弾幕を増やして対抗。取り付かれますが、こちらもルビーにフォームチェンジして踏みとどまります。初見でサプライズでした。モフルンまでフォームチェンジできると思ってなくて。チェンジするときは手を繋いでやるんですが、本来非戦闘員のモフルンが前線に立つことでシームレスに対応。サファイアは速すぎてどういう格好なのかさっぱりわからん(映画のパンフレット参照)。超高速戦闘からのトパーズでクマタ達をサポート。こうして見ると魔法つかいの対応力やべぇ。
網で捕えた敵を飴にしてラケットで打ったりプリンに閉じ込めたりと好き放題。しかし敵の手が緩むことはありません。踏ん張るプリキュアの耳にクマタの応援が届きます。そして第2のサプライズ、トパーズのオプションを使って全スタイル分身。その発想はなかった。っていうかやっていいのかそれ。流石映画、やりたい放題。ちなみにモフルンのオプションはダイヤミラクルとマジカルを出しています。自前でオールスターズ突撃を敢行。総勢10人によるコンボは圧巻。ルビーのアッパー超かっけぇ。
もうみんなの応援いらないんじゃない?という勢いですが、そこはやっぱ必要なのでそれを受けて最後のダメ押し。オーバーザレインボー(映画豪華版)。完膚無きまでに叩きつぶします。
全てが終わり、石の力も消えてモフルンは元の姿に。
また100年後。次の願い事を考えなくちゃ、と残念がるはーちゃん。はーちゃんなら100年後もピンピンしてそうですが……あ、今まで深く考えてなかったけど、もしかしてはーちゃんって妖精の女王なのか? 成熟と再生を繰り返しているのか?
モフルンはクマタを誘いますが、彼はそれを断ります。彼にもまた居場所ができました。クマ達とともに帰路につきます。
彼の願いは叶いました。
EDはいつものED映像と、あまった尺で似顔絵コンテストの受賞者発表。ここもサプライズなんでしょうが、やっぱり大多数の子ども達的には大画面でダンスした方が真似しやすかったかな。舌っ足らずな感じで歌っている子が可愛かった。
ついにオールスターズ断念。そりゃそうだ。どうなるやら。っていうか、誰!?
○トピック
まさに魔法つかいプリキュアの映画。
緩くて、笑えて、ビシっとキメる。本編に準拠した内容で、サイドストーリーとして位置づけることができるエピソード。
ストーリー的にも素直で複雑な話にはしていません。そこが非常に魔法つかいらしい。この映画はダークマターを倒すわけではないし、クマタを助けるわけではないし、プリキュアは正義のために戦うわけでもありません。モフルンの無邪気さと優しさがみんなを笑顔にして、クマタは友達を作って、プリキュアが何かよくわかんない敵を倒すだけです。もう一度言います。ここが非常に魔法つかいらしい。この物語は困っている人がいるからと助けないし、悪い奴がいるからと倒すわけではない。誰かが幸せになるために誰かが傷つくことはないし、誰かの不幸を誰かが償う必要もない。誰も罪を背負うことなく、誰も糾弾されることなく、そこにいる人達の勇気と優しさでハッピーエンドにする。そういう物語です。
本作は"魔法つかい"プリキュアですが、プリキュアとして大事なことがあります。それは魔法がなくても友達は作れること。友達は魔法ではありません。あなたの心が友達を作り支えるのだということ。もし魔法に出番があるのだとしたら、それは友達と重ねた手の中にある。
友達のためにヒーローになれること。友達の言葉を信じること。友達のために泣き、笑い、喜べること。その気持ちがあなたをプリキュアにし、あなたとあなたの友達に奇跡を起こす魔法を授ける。この創造性こそが本作のスタンス。
恒例の前説。今回はみんなで説明。デフォルメが可愛い。
短編は去年の映画と同様CGのミニキャラ。今回の造形は西洋人形に近いちょっとリアル寄り。髪の質感や服のヒラヒラ、モルフンのフサフサ感がすごい。
サイレント映画だった前回と比べ、こちらはミラクルとモフルンの掛け合いが楽しく、ミラクルライトをバンバン使って視聴者に好きに使って良いんだよアピールしているのはわかりやすい。友情出演でフローラと東映のマスコットが登場。
例によってみんなの応援でモフルンを救出。ここで風船を使うアイディアは長編にも引き継がれています。EDは本編の方でもやっているので視聴者も入りやすい。
ところで、マジカルどこ行った?
②長編オープニング
唐突に変身スタート。この思い切り感。今回長編では変身バンクはここだけなのでド頭に持ってくることで印象付けています。
交戦開始。みらいがみんなを紹介しながら風船型のヨクバールと戦闘。ミラクルはちょっとおっちょこちょい、マジカルがイケメンな感じなのはみらいの主観が入っているかもしれない。今回リコは全体的に肝っ玉が据わっていて頼り甲斐があります。私服もお姉さんっぽい。そんなわけで紹介が終わると戦闘も終了。短編分のロスを取り返していきます。
夕焼けの空を眺めていると流れ星。
流れ星が流れている間に3回願い事を言うと叶うと言われているとふたりに話すみらい。リコは魔法の本が欲しいと答えると、つられてはーちゃんも同じ願い。しかしみらいは願い事が思いつきません。ここは本編にも関係するところですね。彼女は好奇心旺盛で思慮深い面も持ちますが、これといって何かを強く欲しているわけではありません。
再び流れ星が。早速願い事を3回唱えるはーちゃん。手をすりあわせてぶつぶつ言ってるの「なんまんだぶ」みたいだな。しかし何か不自然。流れ星が近づいてる!? そのまま顔面キャッチコース。伝統なので。また何か不思議生物か?と思いきやミラクルライト。今回はクマ(モフルン)型。送りつけてきたのは校長。100年に一度の大魔法フェスティバルが催されることが知らされます。本編といい毎週祭りしてんな。
②大魔法フェスティバル
カタツムリニアに乗って魔法界へ。巨大な風船がいくつも並んでいます。その一つ一つの中に会場が設営されています。かなり大がかりなお祭り。
中に入ってみると案の定大賑わい。ここでもリコが案内役を務めます。水晶をスライド操作。スマホかよ。確かにその方が便利そうだけど。よく見ると一般客もみな同じようにスマ…もとい水晶片手に歩いているのでこれが標準スタイルらしい。なんか重そうなんだけど。魔法界初!最軽量水晶!とか売り出されてたりするんでしょうか。
今回はゆるキャラのクマ達ともコラボしているようで、色んなマスコットがゲスト出演。ちなみに同じ船にダークマターが乗ってたりします。
フランソワさんに誘われていってみると、格好がイケてないと言われてお祭り仕様に。……こっちの方がちょっと。はーちゃんはこの格好も可愛い。っていうかはーちゃん可愛い。
お祭りの趣旨を説明。100年に一度咲く願いの石。どんな願いでも叶えるという。ただしそれは石に選ばれた一人だけ。「願い」という言葉に反応するみらい。
その後もリコに案内されて色んなところを回ります。それただのプッチンプリンやん。子どもらが帰った後に真似しやすいんでしょうが。はーちゃんは当たりを引いて巨大プリンゲット。だから体積おかしいって。図書館ではこれ全部もらえたら願いが叶うとはーちゃん。どんだけ本読みたがってるねん。絵の付いた本ばかり読みそうなイメージあるけど、案外堅い本もいけるのか?
見せ物もあるらしくフレアドラゴンの芸も。ここでも魔性を発揮したはーちゃんはドラゴンとすぐ仲良しに。
そしていよいよ石の公開。やはり引っかかる感じのみらい。
会場には大勢の人達が押しかけ……ているわけではない。作画の労力の問題か、思ったより人いない。会場には補習メイトも。ケイのニーソいいですね~。
校長が進行を務めます。この人、何にでも顔を出すな。校長以外にも肩書きすげー持ってそう。何とか協会会長とか。誰よりも長生きしてそうだし、ある意味魔法界の顔になってるのかも。
改めて説明。石は花のように蕾が閉じています。純粋な願いに反応する。ミラクルライトに願いを。石が花開くとみんな願い事をライトに託します。すると風船が膨れて昇っていきます。リコとはーちゃんも後に続きます。しかしみらいは手持ち無沙汰。これといったものが思いつかない。リコとはーちゃんがリアクションに困っていると、隣に巨大な風船が。デカッ! モフルンが優勝をかっさらいます。
校長がモフルンに願いは何かと訊ねます。何か欲しいものが? 無いモフ。どこかに行きたいところが? 無いモフ。やりたいことが? 無いモフ。じゃあ何を願ったの? するとモフルンはみらいとリコとはーちゃんの願いを叶えて欲しいと言います。願いを三つとはなかなか欲深い。
他人のために願うなんて前代未聞。こんなことは初めてだと校長も会場も騒然。クッキー願えばいいんじゃ?とリコ達が促すと、ふたりがいつでも作ってくれるから特にはと興味を示しません。無欲の勝利。これは困った。モフルンは無邪気にみらい達が楽しいと自分は嬉しいと答えます。そうはいっても選ばれたのはモフルンなんだから、自分の願いを言わないとダメなんじゃない?とみらい。
そこで現われるのが今回の敵。アクマでダークマターな黒いクマ。
実を放り投げるとそこからサイバイマン(以後、影と呼称)がにょきにょきと出現。幸い自爆機能はありません。風船状らしく割れやすい。
会場が騒然としている中でプリキュアに変身。バンクは省略して名乗りのみ。サファイア。ダークマターは一直線に石のもとに向かっていきます。プリキュアはそれを阻止しようと迎撃に出ますが影が邪魔。一般人を狙ってもくるのでそのフォローに人手を割かれて三人は分散。
ダークマター本体はミラクルが担当。彼の願いは魔法つかいの消滅。そんなことはさせないとミラクルが止めようとしますが、一人でどうにかできる相手ではなく圧倒されてダウン。石はダークマターが回収。しかし石に選ばれたのはモフルン。念のためこっちも回収しようとモフルンに近づきます。モフルンは倒れたミラクルに呼びかけるも反応なし。ここのシーン、ミラクルが胸あるように見えてグッジョブです。
マジカルとフェリーチェが遅れて援護に入りますが時にすでに遅し。黒いドラゴンも現われ石とモフルンを手に入れたダークマターは撤退。ミラクルは意識を取り戻したものの、目の前でモフルンを失ってしまいます。変身解除。どうやら距離が空くと解けてしまうらしい。
③モフルン救出作戦
脅威は去ったものの会場はメチャクチャ。モフルンの件も含め、教師陣で何とかするとリズ先生。しかし手をこまねいて見ているわけにはいかない。いつの間にかみらいの姿が消えています。
石を持ち帰ったダークマターは願い事をしてみますが石は無反応。やはり選ばれたモフルンに願ってもらうしかありません。意識を取り戻したモフルンは驚いて逃げ出します。ここからちょっとギャグパート。
逃走劇の末、クマの里っぽいところに到着。彼らと打ち解けるとしばし時を忘れて遊びます。……相方のこと少しは思い出してあげて下さい。夕焼け小焼けでまた明日。何か帰化しそう。
朝になると見慣れない黒いクマが現われます。彼の姿を見ると他のクマ達は隠れてしまいます。植物も隠れるレベル。正体はまんま。気づかないモフルンは彼についていくことにします。
相方が満喫している間も徹夜で探し続けたみらいは憔悴しきって前方不注意で墜落。その手をリコが掴みます。しかし力及ばずふたりとも落下。
第一声からみらいを叱りつけるリコ。彼女の言うとおり今のみらいは正体を無くしています。いつもの冷静さが無い。リコの言葉には直接答えず、立ち上がるとまたモフルンを探そうとします。その折れた箒で? 混乱して取り乱すみらいに、あなたも心配なのだとリコは泣きながら叫びます。ようやく我を取り戻すみらい。はーちゃんもやってきて落着いた声で語りかけます。モフルンを心配しているのはみらいだけじゃない。モフルンと仲良しだった彼女が言うと説得力がある。モフルンは誰にとっても大事な友達。これはみらいだけの問題ではありません。本編で言うと31話のアレキサンドライト回がそうなんですが、あの時は魔法に失望したリコとはーちゃんが落ち込みましたが、同じように心の支えであったモフルンを失ったみらいを支えるのはやはり心通じた友達。仲の良い友達を持つというのは素晴らしいことですが反面連鎖的な負のスパイラルもあって、これを食い止められる関係は強力です。本編の方ではほぼ無敵のみらいですが、唯一の急所であるモフルンを突かれて崩れた体勢を真っ先にリコが支えるのが美しい。彼女達の手は互いを支え合います。
メンツが揃ったところでまずは腹ごしらえ。
モフルンも空腹。黒いクマ(クマタ)からクッキーを貰います。どうやら魔法で出せるらしく食べ放題。モフルンは喜んで口にします。自分を恐れないモフルンの態度に逆にクマタが驚きます。ああ、そういうことね。
みらい達もヤナオニの実をゲット。見た目はあまりよろしくない。
栄養満点の実だと請け合うリコ。しかし一つ注意点が……と言っているそばからはーちゃんが口に入れてかじってしまいます。寝た子も起こす強烈な匂いがはーちゃんの口から広がっていきます。彼女の隣にいたみらいはノックアウト。それを見たはーちゃんはバカ笑い。自分の口から出た匂いを嗅いで自爆。リコも巻き込んで3人で大笑い。
良い気分転換になったみらいはふたりにお礼を言います。すかさずリコに笑いかけるはーちゃん。こういうとこの機微にも聡くなったものです。もしこの場にモフルンがいたら…と内心思わずにはいられないみらい。
クマタとモフルンは虹の泉のようなところを通りがかります。モフルンは取っておいたクッキーを半分にするとクマタに差し出します。結構、自分で出せる。そりゃそうか。
みんな自分を怖がると話すクマタに、怖くない優しいと無邪気に答えるモフルン。そんな態度のモフルンにクマタは気をよくすると自分でも気づいているのかいないのか、欲を募らせ、ずっと自分と一緒に居ろと怪しい目でモフルンを見つめます。
空はすっかり星空に。大量の流れ星が空を埋め尽くします。星空を見たみらいはかつてモフルンと一緒に見た光景を思い出します。。モフルンも星空を見上げながら同じ思い出に浸ります。みらいはようやく自分の願いを抱きます。モフルンと一緒に居た記憶。彼女が言いかけると「ストップ」。それは直接モフルンに言いなさい。ライトを差し出すリコ。三人で風船を膨らまさせます。モフルンの風船を発見。
帰ろうとするモフルンをクマタが引き留めます。意見を変えないモフルンに結局お前もかとクマタは失望し、正体を表わします。
魔法つかいを消せとの命令を拒否するモフルン。みらい達が助けに来てくれる。本当に? 彼我の実力差は歴然。もし再びぶつかれば……。そこでダークマターは取引を持ちかけます。モフルンがここに留まればプリキュアは狙わない。
モフルンを追跡するみらい達の前にダークマターが現われ警告。彼の姿を見た途端スピードをあげるリコ。奴がいるということは近くにモフルンがいるはず。今回の彼女は冴えています。心強い相棒。
黒いドラゴンははーちゃんが担当。しかし変身できないふたりでダークマターを相手にするのは分が悪い。追い詰められると、決心したリコが足止め役を引き受けます。モフルンに伝えたいことあるんでしょ。煮え切らないみらいに箒を押しつけて独り残ります。本編では見えてこないリコの底力。友達のために強くなれる彼女はヒーローです。この映画のリコはほんとにカッコイイ。
みらいの後ろで轟音。リコ終了のお知らせ。信頼はする。でも信用はしない。それがリコ(ひでぇ)。
友達の身を案じながらもみらいは捕らわれた友達を助けるために城へと向かいます。
④爆誕!キュアモフルン
城の内に入るとモフルンを発見。しかし意に反してモフルンは帰らないと言います。例の取引を知らないみらいは戸惑います。ダークマターが現われクリスタルに捕えたリコを見せます。
話しが違う!と抗議するモフルンに警告はしたと無慈悲に応じるダークマター。最後通告を出します。嫌だ。みらいは彼女には珍しい低い声で通告を拒否。打って変わって情感を込めてモフルンに自分の気持ちを語りかけます。モフルンが居てくれたから私は嬉しいし楽しい。その言葉にモフルンも泣き出しそうな声をあげます(ここの芝居超上手ぇ)。二人同時に踏み出すと互いを求めて走り出します。
そうはさせないとダークマターがみらいを捕縛。モフルンはみらいを助ける!と強く願います。ここでダークマターを消して!と願ったら神展開ですが、プリキュアに変身せずに終わったら番組が成り立たないので却下。
そういうわけで満を持しての、予告通りの登場。
「モフモフモフルン! キュアモフルン!」
モフルンしか言ってねぇ!!
みらいを救出。どうやら本人はプリキュアになったことに気づいてなかったらしく、みらいに指摘されて初めて気づきます。夢じゃないよね?とお互いの頬をつねって確認。こういうところでギャグを入れるのが魔法つかいクオリティ。
攻撃を仕掛けてくるダークマターにモフルンが挑みます。……変身アイテムが戦ったら変身できないじゃん!というジレンマ。
とはいえ、真打ち補正は強力。戦闘力はダークマターに引けを取りません。相変わらずプリキュアは小さい子に拳法みたいなの使わせるよね。格好良くて仕方ない。BGMもカッコイイ。みらいも箒を飛ばして援護。リコ救出に向かいます。箒を得たモフルンはそれを足場にして三次元的に戦います。作画本気出し過ぎててヤバい。それに反応できない俺の動体視力が別の意味でヤバい。
戦闘があまりに凄いのでうっかりセリフを聞き逃してしまいそうになりますが、一緒にいることでみらい達の笑顔を隣で見ることができる!と叫んでます。本編36話でみらいと並んで同じ景色を見ていたシーンが思い出されます。
超絶バトルの間にみらいはリコの元へ。何か手は……ポケットをまさぐると例の実が。
意を決すると口に含んで噛み砕きます。その間も箒を分裂させて盾にしたりとモフルンはやりたい放題。寝た子も起こす強烈な匂いでリコを救出。これぞ魔法つかい。シリアスの中でも笑いを忘れません。再会を喜んだのも束の間、みらいの口から出た匂いで悶絶。
さらにはフェリーチェがフレアドラゴンを連れて現われます。黒いドラゴンの正体は実はこれ。滅びのバーストストリーム。もうはーちゃんはモンスターテイマー名乗っていいと思う。続けざまにモフルンは巨大な箒を作りだしてダークマターを押し出します。
⑤合言葉は「キュアップラパパ!」
一段落して、ようやく知らない子の存在に気づくリコ。モフルンと聞いてビックリ。
なんやかんやありましたが、みらいがモフルンに伝えられたのだと知って安心するリコ。みらいは彼女にお礼を言います。照れくさそうに笑うリコが可愛い。彼女の頑張りはちゃんとみらいの胸に刻まれたでしょう。なんたって彼女はみらいのスーパーマンなのですから。
団欒も束の間、ダークマターが身を燃やしながら仕掛けてきます。第2ラウンド開始。
モフルンと一対一。石が消えた今、残るは自分の手で魔法つかいを滅ぼすことのみと敵意を燃やすダークマター。場所も崖っぷち。ということで動機を語り始めます。魔法が使えるクマを人間達は恐れ、彼は常に独りぼっち。何故逃げる? いや、だって怖いし。そんなイエティみたいな出で立ちで出てこられたら食われると思うし。マフラーにズボンだけとか何かホラーだし。もう少しオシャレに気を遣ってくれたら良かったんじゃないでしょうか。クマなんだから可愛い路線でいけばよかったのに。…とマイノリティの主張を台無しにしちゃいましたが、正味な話、この映画はクマタの苦悩をどうこうする気がありません。
ダークマターの主張に思い当たる節があるモフルン。自分も知らず知らずの内に彼を拒絶していました。彼の叫びが乗った拳を受止めようと前に出ると直撃。
みらいが駆けつけるとモフルンは元のぬいぐるみに。
崩れ落ちるみらい。そんな姿になってしまっては元も子もないと笑い出すダークマター。リコが食ってかかろうとして絶句。彼女の言葉を継ぐようにみらいが彼に語りかけます。本当にそう思っているのなら、何故泣いているの?
彼もまたモフルンと一緒に居たかった。それを理解するみらい。否定する彼にフェリーチェはドラゴンにしたように魔法で操れば良かったじゃないかと言います。不意を突かれたように押し黙るダークマター。その発想なかったわー。忘れてたわー。というわけではなく、おそらく無意識にその辺の思考を遮断していたのではないかと思われます。図星を突かれたというより、モフルンと一緒に居たかったという気持ちが先行していたのでしょう。自分の気持ちを悟ったダークマターはクマタへと姿を変えます。
先ほどクマタの苦悩をどうこうする気がないと言ったのはこれ。すでに問題は解決していて自然消滅している。彼がモフルンに気を許した時点で終了。トイマジンのように恨み辛みを引きずったりはしません。この映画ではクマタの問題を深刻に扱っていないし、扱う案件でもありません。答えは出ているのだから。
子どものように泣きじゃくるクマタ。こうなるともはや悪も存在しませんが、それでは映画が終われません。だってまだプリキュアに変身してないし。
ということで、クマタから分離した魔力と憎悪が別の形となって出現。フェスティバル会場を狙い始めます。
無力と化したクマタにはもはやどうすることもできません。
モノ言わぬモフルンを抱きしめたみらいは、独り頷くと立ち上がり前に進み出します。
「キュアップラパパ! 魔法よ止まりなさい!」
そうだね、彼女ならそうする。
この映画のみらいは、彼女の性質が良くも悪くも強調されています。より具体的に言えば彼女の幼さが浮彫りになっている。本編の彼女は見た目に反して冷静で思い切りと思いつきが良く、魔法の飲み込みも早く、たまに注意散漫になることくらいしか欠点が見当たらない。しかしこの映画では自己主張が弱く、モフルンを失うと我も忘れ、魔法も彼女を助ける力にはなってくれません。改めて思うのは、本作の主人公は普通の女の子だということ。強い願いがあるわけではない。ずば抜けた特技があるわけでもない。人並みに明るくて、人並みに要領が良くて、傷つきやすくて迷いやすい。でも彼女が困っていたらちゃんと助けてくれる友達がいる。そして彼女自身も友達のために本気になれる。この物語の主人公はそういう女の子。
無駄だと言うクマタにみらいは反論します。モフルンが諦めるなと言っている。彼女の正気を疑うクマタ。ここに、今も一緒にいる!と叫ぶみらい。本編36話は見事な布石でした。あれがあればこそ、ここでのみらいのセリフが虚しい現実逃避なのではなく、決して途絶えることのないモフルンとの信頼関係なのだとわかります。モフルンは言いました。みらいが自分にずっと語りかけてくれたから自分も伝えたいと思ったのだと。みらいがモフルンを信じ、モフルンの声を聞けると信じる限りモフルンもそれに応えるでしょう。これは魔法ではありません。友達だからです。魂の問題です。
リコがあの時を思い出すとみらいに寄り添います。あの時もモフルンはしゃべれなくて、自分は魔法がヘタで、みらいは前向きだった。それならまた奇跡が起きるかもしれない。今は私もいる、とはーちゃん。三人とモフルンは手を繋いでキュアップラパパと唱え続けます。
諦めかける一般人に、校長がライトを振れと音頭を取ります。
ここで風船の意味が出てきます。短編で視聴者の子ども達がモフルンを助けたように、長編でも視聴者の応援がみらい達を、モフルンを目覚めさせます。クマタも加わってキュアップラパパと唱えます。
⑥魔法つかいオールスターズ!
ダイヤスタイルに変身。モフルンもしゃべれるようになります。モフルンはクマタを赦します。
ということで残る問題は必殺技で決めることのみ。4人で名乗りを上げます。縦に長ぇ。
ドラゴンに乗って接近。ダークマター本体の内部に核があるらしい。内部に侵入。流石は田中演出。これプリンセス最終回と全く同じ構図。特殊空間で好きなだけドンパチやる気満々じゃないですか。
そして始まる第3ラウンド。映画の予算使い切ります。ピンクトルマリンの影に隠れがちな物理防壁のムーンストーン。実は超便利なアメジストで敵の攻撃をガード&スルー。敵も弾幕を増やして対抗。取り付かれますが、こちらもルビーにフォームチェンジして踏みとどまります。初見でサプライズでした。モフルンまでフォームチェンジできると思ってなくて。チェンジするときは手を繋いでやるんですが、本来非戦闘員のモフルンが前線に立つことでシームレスに対応。サファイアは速すぎてどういう格好なのかさっぱりわからん(映画のパンフレット参照)。超高速戦闘からのトパーズでクマタ達をサポート。こうして見ると魔法つかいの対応力やべぇ。
網で捕えた敵を飴にしてラケットで打ったりプリンに閉じ込めたりと好き放題。しかし敵の手が緩むことはありません。踏ん張るプリキュアの耳にクマタの応援が届きます。そして第2のサプライズ、トパーズのオプションを使って全スタイル分身。その発想はなかった。っていうかやっていいのかそれ。流石映画、やりたい放題。ちなみにモフルンのオプションはダイヤミラクルとマジカルを出しています。自前でオールスターズ突撃を敢行。総勢10人によるコンボは圧巻。ルビーのアッパー超かっけぇ。
もうみんなの応援いらないんじゃない?という勢いですが、そこはやっぱ必要なのでそれを受けて最後のダメ押し。オーバーザレインボー(映画豪華版)。完膚無きまでに叩きつぶします。
全てが終わり、石の力も消えてモフルンは元の姿に。
また100年後。次の願い事を考えなくちゃ、と残念がるはーちゃん。はーちゃんなら100年後もピンピンしてそうですが……あ、今まで深く考えてなかったけど、もしかしてはーちゃんって妖精の女王なのか? 成熟と再生を繰り返しているのか?
モフルンはクマタを誘いますが、彼はそれを断ります。彼にもまた居場所ができました。クマ達とともに帰路につきます。
彼の願いは叶いました。
EDはいつものED映像と、あまった尺で似顔絵コンテストの受賞者発表。ここもサプライズなんでしょうが、やっぱり大多数の子ども達的には大画面でダンスした方が真似しやすかったかな。舌っ足らずな感じで歌っている子が可愛かった。
ついにオールスターズ断念。そりゃそうだ。どうなるやら。っていうか、誰!?
○トピック
まさに魔法つかいプリキュアの映画。
緩くて、笑えて、ビシっとキメる。本編に準拠した内容で、サイドストーリーとして位置づけることができるエピソード。
ストーリー的にも素直で複雑な話にはしていません。そこが非常に魔法つかいらしい。この映画はダークマターを倒すわけではないし、クマタを助けるわけではないし、プリキュアは正義のために戦うわけでもありません。モフルンの無邪気さと優しさがみんなを笑顔にして、クマタは友達を作って、プリキュアが何かよくわかんない敵を倒すだけです。もう一度言います。ここが非常に魔法つかいらしい。この物語は困っている人がいるからと助けないし、悪い奴がいるからと倒すわけではない。誰かが幸せになるために誰かが傷つくことはないし、誰かの不幸を誰かが償う必要もない。誰も罪を背負うことなく、誰も糾弾されることなく、そこにいる人達の勇気と優しさでハッピーエンドにする。そういう物語です。
本作は"魔法つかい"プリキュアですが、プリキュアとして大事なことがあります。それは魔法がなくても友達は作れること。友達は魔法ではありません。あなたの心が友達を作り支えるのだということ。もし魔法に出番があるのだとしたら、それは友達と重ねた手の中にある。
友達のためにヒーローになれること。友達の言葉を信じること。友達のために泣き、笑い、喜べること。その気持ちがあなたをプリキュアにし、あなたとあなたの友達に奇跡を起こす魔法を授ける。この創造性こそが本作のスタンス。
第39話「今日はハロウィン!み~んな笑顔になぁれ!」
○今週の出来事
①ハロウィンツアー
補習メイトから。またナシマホウ界に遊びに来るのかと思いきや、今回は他の生徒達まで。修学旅行?
しかし教頭曰く前代未聞。どうやら前回のみらいの言葉を受けて、校長が企画したようです。なるほど、あのセリフは別にハロウィンで魔法使いまくろうって意味ではなく、魔法界人が行っても紛れるという意味ね。
発案者であるみらいはみんなから質問攻め。みらいは魔法界側から見れば補習を受けただけで正式に学校に在学していたわけではないんですが、彼女がナシマホウ界人ってことは周知の事実でしょうから顔や噂は広まっているでしょう。今回のエピソードはナシマホウ界と魔法界の繋がり、ひいてはそれを先導するみらいの繋ぎ役が強調されています。機先を制すようにリコがバレんなよ?と釘を刺します。こっそり楽しく使おうとはーちゃんが抜け道をアドバイス。ですよねー。この番組魔法つかいですもんねー。
今度はイチゴメロンパンの話題に。話のネタは尽きないようです。
ネタバレに容赦ないことで定評のある映画宣伝仕様OP。モフルンもモードチェンジします(入場者特典のCMをよく見るとイラストが描いてあるんだけどね)。ルビーのすごいクリスマス感。
現地に着くとハロウィン真っ盛り。超やる気あるなーこの街。最近は文化祭かハロウィンかみたいな展開になってますね。地元でも話題になっているようで、人がたくさん集まるとみらいが紹介。するとリコが解説し始めます。この自分知ってます感。流石です。元は収穫祭。日本でいうお盆みたいな。49日で輪廻転生するのに戻ってくるってどういうこっちゃ?とかつっこんではいけません。儒教と仏教は別。それを意識してる人はほとんどいませんが。
巨大バルーン登場。仮装するのは悪い霊を驚かせて追い払うためらしい。なるほど。豆用意しようぜ。ガイドブック片手に訳知り顔で話すリコ。もちろんそんなことは(視聴者以外には)おくびにも出しません。…と一通り説明し終えたところで校長。魔法界組も魔法つかいの仮装ということで怪しまれません。
みらいを呼ぶ声。母の方でも出店を開いているようです。補習メイト達が挨拶にいっても案の定仮装だと思ってくれます。それはそれとしてみらい母もバッチリ決まっています。フランソワさんも絶賛。この人、普通に付いてきてるけど、学校関係者枠なのか、単に買付けに来ているだけなのか。自由な人だな。
恒例のトリック・オア・トリート。リコが口を開こうとした途端、ジュンが解説。リコ終了のお知らせ。彼女の天下が3分以上続くことはありません。店を手伝って風船を子ども達に手渡します。
店の裏ではお婆ちゃんが風船の在庫整理。風に煽られて体勢を崩したところで校長が支えます。その顔にハッとしていると校長は颯爽と去っていきます。彼の後ろ姿から視線を外せないお婆ちゃん。
店の前に人だかりができると、それまでぬいぐるみの振りをしていたモフルンは、自分も仮装したいと言います。隣に座っていたチクルンが何になりたいんだ?と応じます。視線の先にいたみらいを見つめながらプリキュアになりたいと話すモフルン。映画と話題を合わせるようです。なれっこないとばかりに大笑いするチクルン。するとはーちゃんが一計を案じます。みらいとリコを呼ぶとモフルンと一緒に仮装。
モフルンみらい、黒猫リコ、キュアモフルン(ミラクルVer)、そしてユニコーンはーちゃん。はーちゃんはこの後も七変化していきます。ついでにチクルンも仮装。
いつものように雲の中でダベるシャーキンスとベニーギョ。今回はオルーバ不在。彼が言っていた例の話について問うベニーギョ。もしアレが存在していれば気配でわかるとシャーキンス。結局プリキュア潰しておけばいいやって結論に。
公園にやってくると出店が商店街のようにたくさん並んでいます。売っているものが違うだけで基本夏祭りと同じなんですけどね。しかし何ていうか、みらいとリコは仮装ってよりコスプレのような気がするんですが。はーちゃんの違和感の無さ(溶け込み具合)がパネぇ。
勝木まゆみコンビと合流。こちらも仲良く魔法つかい仮装。ジュン達とお互いの再会を喜びます。そういえばしばらくぶりになるのか。まゆみの紹介でクレープ屋に。
行ってみると凄い行列。壮太達がやっている出店のようです。並木君の横にそっと立つツタンはーちゃん。蓋が開く度に格好が変わります。手品か。何か言え。
並木君がリアクションに困っていると、人手が足りないと店側から悲鳴が上がります。通りかかった船なのでみらい達が助けることに。みらいとリコは店の前に立っていた方が売り子になっていいんじゃないでしょうか。ジュン達も加わります。
その様子を傍から見ていたチクルンは上手く行くわけがないと懐疑的。冒頭でも書いたように今回は繋ぎを強調する話なので、当然それに対して懐疑的な視線も入っています。彼の言葉に経験談が入っているかは後の展開次第。
店では材料不足が深刻化。なら早速と補習メイト達が魔法を使ってアシスト。戦々恐々とするみらいとリコ。本人達は大丈夫大丈夫とタカをくくりますが、やっぱりダメ。食材が勝手に宙を飛ぶわ、勝手に焼けて巨大オバケが出現するわの大騒ぎに。ここのみらい超可愛い。ちなみに腕の部分は本来布があるんですが、たまにミスで肌が露出しているようなシーンがチラホラとあります。つまり何が言いたいかというと、グッジョブです。円盤発売するときに修正しなくていいです。むしろ肌色でお願いします。
失態に見かねた教頭の雷が落ちます。はーちゃんはマイペース。
引率の先生に謝罪。都合良くマジックと勘違いしてくれます。ほら見ろ!とばかりに笑うチクルン。でもモフルンの信頼は変わりません。
反省した補習メイトはみらいのアドバイスもあって魔法なしで協力することに。はーちゃんは今度は宇宙人に。そのダンボールはわかるんだが、子どもには通じないネタだな。
まともにやればまともな結果に。順調に作業が進みます。これには見直さざるを得ないチクルン。隣のモフルンはみらいを見つめながら、彼女がいるとみんな笑顔になって仲良しになれると答えます。みらいとの友達期間でいえば圧倒的。モフルンの信頼は揺るぎません。
手を繋ぐバルーンの上に精霊。初見で精霊ってこと忘れて、なんかぬいぐるみが乗ってると思ったのはここだけの秘密。
②招かざる客
仮装パレードが始まる合図。
親子がベニーギョの脇を通りかかると、やはり仮装の人だと勘違い。子どもから飴を貰います。貰うのかよ。それを使ってヨクバール召喚。
無事出店の方は一段落。
同級生が褒められて得意げな表情を浮かべるリコ。この子のこういうところ皮肉抜きにほんと可愛い。
みらいはリコに話しかけると、店の中の様子を示しながら魔法界とナシマホウ界の人々が仲良くしている様子に感じ入ります。元はふたりの出会いから。一応社会人になれば身元隠蔽の形でナシマホウ界に来ることもできますが、こうしてお忍びとはいえ校長の許可もあって学生達が大勢来て交流するのはこの世界では初めてのことです。ふたりで手を握りしめながら実感がこもります。
時間なので突風。
調子を取り戻しつつあるベニーギョ。今回は手強いかも。
みらい達が駆けつけます。彼女達の格好を見てふざけた格好と評します。お前も仮装みたいな変な格好だろとはーちゃん。また舐められてる? ツッコミをツッコミで返しているだけです。
オバケヨクバールに対抗してサファイア。距離を詰めて風を封じたいところですが、その風に押し返されます。ふたりが囮になってフェリーチェが一撃。優雅に決めたのも束の間、反撃を受けます。ミラクルとマジカルが片膝ついてる前でフェリーチェが悠然と立っているのは性能差か。三人とも十把一絡げに扱われることも多いですが、基本性能に差があることはたまに描写されますね。
これ以上後退するとハロウィン会場がメチャクチャになってしまう。なんとか踏みとどまりたいところ。ちなみにバルーンが緑だったり黒だったり塗りミスが目立つんですが、先ほども言ったようにみらいのミスは直す必要がありません。ありません。
プリキュアの踏ん張りもあってやや防戦のヨクバール。苦し紛れの飛び道具も簡単にはじき返せます。が、逸れた弾がバルーンに当たりそうになったのでミラクルが自分を盾に。みんなのハロウィンを巻き込まないで! ハロウィンってなんなわけ?と話が通じないベニーギョ。もちろんこれは、節分に恵方巻を食べるという一地方の風習を全国に広めることによって利益を得ようとする企業側の戦略と同じく資本主義の文化浸透(破壊)現象のひとつ、という答えを求めているわけではなく、それが何の意味あんの?という問い。
二つの異なる世界の友達みんなが仲良く笑い合っていた。ハロウィンは両者を繋ぐ大切なお祭り。そうミラクルは定義付けます。
それならこれは受けきれるか?と多数の弾が。安定のピンクトルマリン。ちなみにこの技はよく防御技として使われるので物理障壁と勘違いされますが、元はペガサスを助けるときに使われたもので、どちらかというと破邪、悪しきものを払いのける意味合いの方が強い魔法のようです。映画でもそうでしたね。ということで反射も可能。
十分プロレスしたので試合終了の鐘を鳴らします。調子を取り戻してもやっぱり今週もダメでした。
久しぶりに精霊が仕事します。
仮装パレードが始まります。はーちゃんは雷様に。
チクルンはモフルンの手に手を伸ばしかけてやめます。こっちはこっちで一悶着ありそう。
風で流された風船を探すお婆ちゃん。バルーンの前で再び校長と再会。風船を受け取りながら訊ねようと口を開きかけると突風が。一瞬の隙に校長は目の前から姿を消してしまいます。しかしお婆ちゃんは彼の答えを待つことなく得心します。
「今日は異なる世界の者が遊びに来る日。ハロウィンのおかげでまた会えたのね、魔法つかいさん」
現世と幽世、こっちとあっち、過去と現在。二つを結ぶ瞬間。
しかしこの二つは別のモノなのだろうか。二つの世界がもしかしたら……本を見つめながらリアン氏はある考えを抱きます。
ドタバタしましたが楽しい思い出に。駅でみんなを見送り。
みらいは校長に話しかけると、とりとめもなく話し出します。思いついた言葉を次々とまくし立てる彼女を校長は受止めます。帰りの列車の中でリアン氏と連絡を取ります。ふたりの出会いから始まる奇跡は大きく広がりつつある。その言葉にまた一歩考えを強めるリアン氏。
その夜、みらい達は仲良く一つのベッドの上で眠ります。
③次回予告
あ、リコのお姉さんですか?(ポイント稼ぎ)
○トピック
世の中には間違って良いこともある。それがわかる回。
終盤に向けての準備が始まってきました。やるだろうとは思ってましたが、やっちゃいますね、これ。
映画も含め本作は独特な展開の仕方を見せています。一言でいえば、敵が関係ない。プリンセス道を貫いたプリンセスは別として、敵と戦っていくうちに真実が明らかになっていくのが通常のパターンなんですが、本作は敵がほとんど関係なく、みらい側の話で物語が前進しています。これは物語序盤からそうで、本作のプリキュア(変身後)のベースラインをざっくり上げれば以下のようになります。
・プリキュアに使命や責任は課されていない。
・そのため主義主張がない(これが正しい!という主張がなく思想戦になりにくい)
・実質的に敵と戦っていない(戦う動機も無いし、目的意識もないので障害物を払いのけた程度)
守るものがない。やりたいこともない。戦う理由もない。これだけ見れば、ああ緩いんだな~という話で終わりなんですが、この感想はそこで終わりません。前回の感想と被りますが大事なことなので繰り返します。
これまでプリキュアが何をしてきたかといえば、端的には地球の滅亡を救ってきたんですが、より具体的にいえばまずは自分達の生活を守るためという生存戦略、さらには困っている人を助けるという慈善活動、と結構ハードな仕事でした。きららのように本業とバッティングした場合はプリキュアが生活の負担にもなっていました。これまで50人近くがプリキュアになっていますが嬉々としてプリキュアやりたがるのはマナくらいじゃないでしょうか。やらないで済むならそれが一番良いというのがおそらく標準的な見解でしょう。彼女達がプリキュアになるということはすなわち敵(or苦しんでいる人)がいるということですから。
「主人公たちがプリキュアに選ばれることで、世界を救ったり、誰かを助けなければいけないという気持ちから行動することがわりと多い。その結果、自分を削りながら戦うことが多いように感じていたんです」
「あくまで彼女たちは、普通の日常を送るべき女の子であって、例えば、まるまる1日特訓するとか、貴重な青春をそのために使うのはちょっともったいないと思っていて。言い換えると、プリキュアであることが人生にとってリスクになっちゃいけない、というか」
三塚SDが指摘したとおりです。プリキュアであることがリスクになってしまっている。
もちろんプリキュア体験を通して彼女達が大きく成長してきたことも事実ですが、そもそもの話としてプリキュアって何だ?という問いに立ち返るわけです。ヒーローなのか、便利屋なのか、用心棒なのか、カウンセラーなのか。違うよね。プリキュアは女の子達の強さ、心の強さ、正しさ、清らかさだったはずです。それをストレートに表わした言葉が「絶対に諦めない」でした。不条理や小狡い屁理屈を前にしても正しいことを正しいと言い、それを真っ直ぐに行う。そうした姿勢の現われだったはずです。
本来、プリキュアであることはその人自身の証明です。マナが自分をキュアハートだと、はるかが自分をプリンセスだと明言したように。救済路線は戦うこと以外での可能性を模索した物語でしたが、めぐみの件で見たようにこの方向で突き詰めればやはり過酷な運命を彼女達に背負わすことになります。
これまでのシリーズの歩みから見た時に、本作は犠牲を強いることなしにプリキュアという在り方の再提示をやってのけるのでは?と思っています。大好きな人を守りたい。その真っ直ぐな気持ちではーちゃんもモフルン(映画参照)もプリキュアになりました。みらいとリコがプリキュアになったのだって、敵を倒すためなどではなく、ふたりで別の何かを成すために魔法が与えられたのだと思うのです。プリキュアは女の子達の可能性の先取りであり証明なのだと。悪がいるからプリキュアが必要なのではなく、困っている人がいるからプリキュアが必要なのではなく、私が私であるからプリキュアなのだと。私の、私達の魔法が奇跡を起こすのだと。1話で見たように世界を覆い尽くすほどの魔法が彼女達の重ねた手の中にある。
①ハロウィンツアー
補習メイトから。またナシマホウ界に遊びに来るのかと思いきや、今回は他の生徒達まで。修学旅行?
しかし教頭曰く前代未聞。どうやら前回のみらいの言葉を受けて、校長が企画したようです。なるほど、あのセリフは別にハロウィンで魔法使いまくろうって意味ではなく、魔法界人が行っても紛れるという意味ね。
発案者であるみらいはみんなから質問攻め。みらいは魔法界側から見れば補習を受けただけで正式に学校に在学していたわけではないんですが、彼女がナシマホウ界人ってことは周知の事実でしょうから顔や噂は広まっているでしょう。今回のエピソードはナシマホウ界と魔法界の繋がり、ひいてはそれを先導するみらいの繋ぎ役が強調されています。機先を制すようにリコがバレんなよ?と釘を刺します。こっそり楽しく使おうとはーちゃんが抜け道をアドバイス。ですよねー。この番組魔法つかいですもんねー。
今度はイチゴメロンパンの話題に。話のネタは尽きないようです。
ネタバレに容赦ないことで定評のある映画宣伝仕様OP。モフルンもモードチェンジします(入場者特典のCMをよく見るとイラストが描いてあるんだけどね)。ルビーのすごいクリスマス感。
現地に着くとハロウィン真っ盛り。超やる気あるなーこの街。最近は文化祭かハロウィンかみたいな展開になってますね。地元でも話題になっているようで、人がたくさん集まるとみらいが紹介。するとリコが解説し始めます。この自分知ってます感。流石です。元は収穫祭。日本でいうお盆みたいな。49日で輪廻転生するのに戻ってくるってどういうこっちゃ?とかつっこんではいけません。儒教と仏教は別。それを意識してる人はほとんどいませんが。
巨大バルーン登場。仮装するのは悪い霊を驚かせて追い払うためらしい。なるほど。豆用意しようぜ。ガイドブック片手に訳知り顔で話すリコ。もちろんそんなことは(視聴者以外には)おくびにも出しません。…と一通り説明し終えたところで校長。魔法界組も魔法つかいの仮装ということで怪しまれません。
みらいを呼ぶ声。母の方でも出店を開いているようです。補習メイト達が挨拶にいっても案の定仮装だと思ってくれます。それはそれとしてみらい母もバッチリ決まっています。フランソワさんも絶賛。この人、普通に付いてきてるけど、学校関係者枠なのか、単に買付けに来ているだけなのか。自由な人だな。
恒例のトリック・オア・トリート。リコが口を開こうとした途端、ジュンが解説。リコ終了のお知らせ。彼女の天下が3分以上続くことはありません。店を手伝って風船を子ども達に手渡します。
店の裏ではお婆ちゃんが風船の在庫整理。風に煽られて体勢を崩したところで校長が支えます。その顔にハッとしていると校長は颯爽と去っていきます。彼の後ろ姿から視線を外せないお婆ちゃん。
店の前に人だかりができると、それまでぬいぐるみの振りをしていたモフルンは、自分も仮装したいと言います。隣に座っていたチクルンが何になりたいんだ?と応じます。視線の先にいたみらいを見つめながらプリキュアになりたいと話すモフルン。映画と話題を合わせるようです。なれっこないとばかりに大笑いするチクルン。するとはーちゃんが一計を案じます。みらいとリコを呼ぶとモフルンと一緒に仮装。
モフルンみらい、黒猫リコ、キュアモフルン(ミラクルVer)、そしてユニコーンはーちゃん。はーちゃんはこの後も七変化していきます。ついでにチクルンも仮装。
いつものように雲の中でダベるシャーキンスとベニーギョ。今回はオルーバ不在。彼が言っていた例の話について問うベニーギョ。もしアレが存在していれば気配でわかるとシャーキンス。結局プリキュア潰しておけばいいやって結論に。
公園にやってくると出店が商店街のようにたくさん並んでいます。売っているものが違うだけで基本夏祭りと同じなんですけどね。しかし何ていうか、みらいとリコは仮装ってよりコスプレのような気がするんですが。はーちゃんの違和感の無さ(溶け込み具合)がパネぇ。
勝木まゆみコンビと合流。こちらも仲良く魔法つかい仮装。ジュン達とお互いの再会を喜びます。そういえばしばらくぶりになるのか。まゆみの紹介でクレープ屋に。
行ってみると凄い行列。壮太達がやっている出店のようです。並木君の横にそっと立つツタンはーちゃん。蓋が開く度に格好が変わります。手品か。何か言え。
並木君がリアクションに困っていると、人手が足りないと店側から悲鳴が上がります。通りかかった船なのでみらい達が助けることに。みらいとリコは店の前に立っていた方が売り子になっていいんじゃないでしょうか。ジュン達も加わります。
その様子を傍から見ていたチクルンは上手く行くわけがないと懐疑的。冒頭でも書いたように今回は繋ぎを強調する話なので、当然それに対して懐疑的な視線も入っています。彼の言葉に経験談が入っているかは後の展開次第。
店では材料不足が深刻化。なら早速と補習メイト達が魔法を使ってアシスト。戦々恐々とするみらいとリコ。本人達は大丈夫大丈夫とタカをくくりますが、やっぱりダメ。食材が勝手に宙を飛ぶわ、勝手に焼けて巨大オバケが出現するわの大騒ぎに。ここのみらい超可愛い。ちなみに腕の部分は本来布があるんですが、たまにミスで肌が露出しているようなシーンがチラホラとあります。つまり何が言いたいかというと、グッジョブです。円盤発売するときに修正しなくていいです。むしろ肌色でお願いします。
失態に見かねた教頭の雷が落ちます。はーちゃんはマイペース。
引率の先生に謝罪。都合良くマジックと勘違いしてくれます。ほら見ろ!とばかりに笑うチクルン。でもモフルンの信頼は変わりません。
反省した補習メイトはみらいのアドバイスもあって魔法なしで協力することに。はーちゃんは今度は宇宙人に。そのダンボールはわかるんだが、子どもには通じないネタだな。
まともにやればまともな結果に。順調に作業が進みます。これには見直さざるを得ないチクルン。隣のモフルンはみらいを見つめながら、彼女がいるとみんな笑顔になって仲良しになれると答えます。みらいとの友達期間でいえば圧倒的。モフルンの信頼は揺るぎません。
手を繋ぐバルーンの上に精霊。初見で精霊ってこと忘れて、なんかぬいぐるみが乗ってると思ったのはここだけの秘密。
②招かざる客
仮装パレードが始まる合図。
親子がベニーギョの脇を通りかかると、やはり仮装の人だと勘違い。子どもから飴を貰います。貰うのかよ。それを使ってヨクバール召喚。
無事出店の方は一段落。
同級生が褒められて得意げな表情を浮かべるリコ。この子のこういうところ皮肉抜きにほんと可愛い。
みらいはリコに話しかけると、店の中の様子を示しながら魔法界とナシマホウ界の人々が仲良くしている様子に感じ入ります。元はふたりの出会いから。一応社会人になれば身元隠蔽の形でナシマホウ界に来ることもできますが、こうしてお忍びとはいえ校長の許可もあって学生達が大勢来て交流するのはこの世界では初めてのことです。ふたりで手を握りしめながら実感がこもります。
時間なので突風。
調子を取り戻しつつあるベニーギョ。今回は手強いかも。
みらい達が駆けつけます。彼女達の格好を見てふざけた格好と評します。お前も仮装みたいな変な格好だろとはーちゃん。また舐められてる? ツッコミをツッコミで返しているだけです。
オバケヨクバールに対抗してサファイア。距離を詰めて風を封じたいところですが、その風に押し返されます。ふたりが囮になってフェリーチェが一撃。優雅に決めたのも束の間、反撃を受けます。ミラクルとマジカルが片膝ついてる前でフェリーチェが悠然と立っているのは性能差か。三人とも十把一絡げに扱われることも多いですが、基本性能に差があることはたまに描写されますね。
これ以上後退するとハロウィン会場がメチャクチャになってしまう。なんとか踏みとどまりたいところ。ちなみにバルーンが緑だったり黒だったり塗りミスが目立つんですが、先ほども言ったようにみらいのミスは直す必要がありません。ありません。
プリキュアの踏ん張りもあってやや防戦のヨクバール。苦し紛れの飛び道具も簡単にはじき返せます。が、逸れた弾がバルーンに当たりそうになったのでミラクルが自分を盾に。みんなのハロウィンを巻き込まないで! ハロウィンってなんなわけ?と話が通じないベニーギョ。もちろんこれは、節分に恵方巻を食べるという一地方の風習を全国に広めることによって利益を得ようとする企業側の戦略と同じく資本主義の文化浸透(破壊)現象のひとつ、という答えを求めているわけではなく、それが何の意味あんの?という問い。
二つの異なる世界の友達みんなが仲良く笑い合っていた。ハロウィンは両者を繋ぐ大切なお祭り。そうミラクルは定義付けます。
それならこれは受けきれるか?と多数の弾が。安定のピンクトルマリン。ちなみにこの技はよく防御技として使われるので物理障壁と勘違いされますが、元はペガサスを助けるときに使われたもので、どちらかというと破邪、悪しきものを払いのける意味合いの方が強い魔法のようです。映画でもそうでしたね。ということで反射も可能。
十分プロレスしたので試合終了の鐘を鳴らします。調子を取り戻してもやっぱり今週もダメでした。
久しぶりに精霊が仕事します。
仮装パレードが始まります。はーちゃんは雷様に。
チクルンはモフルンの手に手を伸ばしかけてやめます。こっちはこっちで一悶着ありそう。
風で流された風船を探すお婆ちゃん。バルーンの前で再び校長と再会。風船を受け取りながら訊ねようと口を開きかけると突風が。一瞬の隙に校長は目の前から姿を消してしまいます。しかしお婆ちゃんは彼の答えを待つことなく得心します。
「今日は異なる世界の者が遊びに来る日。ハロウィンのおかげでまた会えたのね、魔法つかいさん」
現世と幽世、こっちとあっち、過去と現在。二つを結ぶ瞬間。
しかしこの二つは別のモノなのだろうか。二つの世界がもしかしたら……本を見つめながらリアン氏はある考えを抱きます。
ドタバタしましたが楽しい思い出に。駅でみんなを見送り。
みらいは校長に話しかけると、とりとめもなく話し出します。思いついた言葉を次々とまくし立てる彼女を校長は受止めます。帰りの列車の中でリアン氏と連絡を取ります。ふたりの出会いから始まる奇跡は大きく広がりつつある。その言葉にまた一歩考えを強めるリアン氏。
その夜、みらい達は仲良く一つのベッドの上で眠ります。
③次回予告
あ、リコのお姉さんですか?(ポイント稼ぎ)
○トピック
世の中には間違って良いこともある。それがわかる回。
終盤に向けての準備が始まってきました。やるだろうとは思ってましたが、やっちゃいますね、これ。
映画も含め本作は独特な展開の仕方を見せています。一言でいえば、敵が関係ない。プリンセス道を貫いたプリンセスは別として、敵と戦っていくうちに真実が明らかになっていくのが通常のパターンなんですが、本作は敵がほとんど関係なく、みらい側の話で物語が前進しています。これは物語序盤からそうで、本作のプリキュア(変身後)のベースラインをざっくり上げれば以下のようになります。
・プリキュアに使命や責任は課されていない。
・そのため主義主張がない(これが正しい!という主張がなく思想戦になりにくい)
・実質的に敵と戦っていない(戦う動機も無いし、目的意識もないので障害物を払いのけた程度)
守るものがない。やりたいこともない。戦う理由もない。これだけ見れば、ああ緩いんだな~という話で終わりなんですが、この感想はそこで終わりません。前回の感想と被りますが大事なことなので繰り返します。
これまでプリキュアが何をしてきたかといえば、端的には地球の滅亡を救ってきたんですが、より具体的にいえばまずは自分達の生活を守るためという生存戦略、さらには困っている人を助けるという慈善活動、と結構ハードな仕事でした。きららのように本業とバッティングした場合はプリキュアが生活の負担にもなっていました。これまで50人近くがプリキュアになっていますが嬉々としてプリキュアやりたがるのはマナくらいじゃないでしょうか。やらないで済むならそれが一番良いというのがおそらく標準的な見解でしょう。彼女達がプリキュアになるということはすなわち敵(or苦しんでいる人)がいるということですから。
「主人公たちがプリキュアに選ばれることで、世界を救ったり、誰かを助けなければいけないという気持ちから行動することがわりと多い。その結果、自分を削りながら戦うことが多いように感じていたんです」
「あくまで彼女たちは、普通の日常を送るべき女の子であって、例えば、まるまる1日特訓するとか、貴重な青春をそのために使うのはちょっともったいないと思っていて。言い換えると、プリキュアであることが人生にとってリスクになっちゃいけない、というか」
三塚SDが指摘したとおりです。プリキュアであることがリスクになってしまっている。
もちろんプリキュア体験を通して彼女達が大きく成長してきたことも事実ですが、そもそもの話としてプリキュアって何だ?という問いに立ち返るわけです。ヒーローなのか、便利屋なのか、用心棒なのか、カウンセラーなのか。違うよね。プリキュアは女の子達の強さ、心の強さ、正しさ、清らかさだったはずです。それをストレートに表わした言葉が「絶対に諦めない」でした。不条理や小狡い屁理屈を前にしても正しいことを正しいと言い、それを真っ直ぐに行う。そうした姿勢の現われだったはずです。
本来、プリキュアであることはその人自身の証明です。マナが自分をキュアハートだと、はるかが自分をプリンセスだと明言したように。救済路線は戦うこと以外での可能性を模索した物語でしたが、めぐみの件で見たようにこの方向で突き詰めればやはり過酷な運命を彼女達に背負わすことになります。
これまでのシリーズの歩みから見た時に、本作は犠牲を強いることなしにプリキュアという在り方の再提示をやってのけるのでは?と思っています。大好きな人を守りたい。その真っ直ぐな気持ちではーちゃんもモフルン(映画参照)もプリキュアになりました。みらいとリコがプリキュアになったのだって、敵を倒すためなどではなく、ふたりで別の何かを成すために魔法が与えられたのだと思うのです。プリキュアは女の子達の可能性の先取りであり証明なのだと。悪がいるからプリキュアが必要なのではなく、困っている人がいるからプリキュアが必要なのではなく、私が私であるからプリキュアなのだと。私の、私達の魔法が奇跡を起こすのだと。1話で見たように世界を覆い尽くすほどの魔法が彼女達の重ねた手の中にある。
第38話「甘い?甘くない?魔法のかぼちゃ祭り!」
○今週の出来事
①カボチャドリ捕獲大作戦
虚ろな瞳のはーちゃん。お腹が空いたあまり精霊を食べ物と勘違いして伸ばした手をみらいとリコに止められます。精霊を食べたら食べたで、何か強くなりそうな気もしますが。妖精(精霊)。箔がついて良いんじゃないでしょうか。
なんでまたそんな空腹なのかというと今日はお祭り。お菓子をたくさん食べようと昼食抜きで来たようです。
チョコもマシュマロもパンケーキもあるんでしょ?と涎を垂らしながら聞くはーちゃん。君、一応ヒロインだよね? モフルンは相変わらずクッキー、みらいはお菓子の家、はーちゃんは城、と願望がエスカレートしていきますが、お祭りを知るリコはそんな甘いものではないと真剣な顔で答えます。
映画宣伝仕様OP。上ケン節ってます。映画の中で全スタイル登場するんでしょうか。
商店街はお祭りムード。早速お菓子を探すはーちゃん。リコが何か言いかけると会場から物音が。司会のお姉さんが進行し始めます。彼女の顔を見て驚くみらいとリコ。何故なら彼女はナシマホウ界でアイドルをやっている渡辺麻友と瓜二つ。っていうか本人。何で? と疑問に思っているとフランソワさんが実は魔法つかいなのだと教えてくれます。個人的にはフランソワさんが声変わりしていることの方が気になるのですが。
以前も話があったように魔法界人がナシマホウ界で活動しているのは希ではないのでその一例。彼女から小声で他言無用とお願いされます。これにはふたりも緊張しながら頷きます。
閑話休題。解説者の校長が登場。プカプカ浮いてるけど酔わないんだろうか。お祭りに解説?ともっともな疑問を浮かべるみらい。そろそろカボチャドリが現われる時間。ますます意味がわからない。リコが固唾を呑んでいるとガタガタと目の前のジャック・オー・ランタンが揺れ始めます。
「これは面妖な」
冷静。この流れだとそれがカボチャドリなんじゃないの?
羽が生えて飛び立ちます。案の定カボチャドリ。するとみんな一斉に箒に乗って追いかけ始めます。司会の方でも花火を打上げてお祭りの開始を宣言。
リコも後に続けとばかりに箒の準備を急かします。だからなんだこれ?と話が見えないみらいとはーちゃん。
補習メイトと合流して内容を確認します。1年に一度カボチャドリが魔法界に現われて騒ぎを起こして去っていく、とメモ片手に説明するケイ。捕獲に成功したのははるか昔に一人だけ。というのも近づいてきた捕獲者達をたちまちお菓子に変えてしまうから。百聞は一見にしかず。目の前で次々と撃墜されていく捕獲者達。カボチャドリも愉快そうに笑います。
しかしチャレンジャーは後を絶たない。何故なら捕獲者には金の卵が贈られるから。至上の喜びが入っている。抽象的だな。やはり中身はわからないらしく、最高のインスピレーションが降ってくる、運命の人と出会える、と人によって意見は様々。「卵の中からこんにちは」。はーちゃんの相の手がジワジワ来る。今回のエピソードも本作らしいというか、狂ってるよね。
リコは何のためにカボチャドリを追うのかというと、
「何のためっていうより、みんなが追いかけてるカボチャドリを捕まえられたら凄いじゃない」
「え、それだけ?」
リコらしい動機。言ってる表情がこれまたリコらしい。乗るしかない。このビッグウェーブに。ある意味ブレない。
するとフランソワさんが自信満々に世界一の美人になれるのだと言います。なるほど、とりあえず自分に都合の良いように解釈しているのはわかった。
吸盤が付いた釣り竿片手に飛び立っていきます。そして返り討ちに。カボチャドリは魔法が効かない上に乱暴も厳禁。かつ狡猾と手強い相手。
昔捕まえた人って校長では?と司会のお姉さんが訊ねると「どうかな?」と答えを濁す校長。本人のようです。
色々バタバタしましたが、要領がわかってみらいもやる気が出ます。毎回ハロウィンネタやっても飽きるからテキトーにこじつけて好きなことやってやるぜ感。シンデレラもモフデレラに改変するのが魔法つかいクオリティ。
迂闊に近づくのも危険。そこではーちゃんが大きな捕獲網を作り出して補習メイトチームにも渡します。ノリ的には補習試験のアレ。2班体勢で挑みます。
みらいとジュンの網を機敏にかわすと反撃してきます。ジュンの箒がお菓子に変わってしまい落下。彼女をフォローしつつカボチャドリを翻弄。一進一退。
…というのをオルーバに報告するチクルン。最近はレギュラー枠に。いつものように痺れを切らせたシャーキンスが出勤。ベニーギョさんは前回食べた冷凍みかんで腹でも壊したんでしょうか、出番なし。
チクルンがみらい達と合流しようと表に出たところではーちゃんが豪快に落ちてきます。カボチャドリ捕獲に苦戦。
とりあえずチクルンを加えて捕獲作戦再開。ケイがメモを取り出すと目を回す作戦が有効であると言います。先に言えよ。忘れてた。どっか抜けているのは相変わらず。それを聞いたエミリーは単身飛びだします。残像を生み出すほどの高速でカボチャドリの周りを旋回。さらには自分自身も回ります。
「秘技! エミリースピン!」
すごいけど、たぶん自分が回る必要は無い。っていうか、空中制御しずらくね?
しかし効果は抜群。攪乱に成功。目を回し始めます。
チャンス! ケイが取り付いた途端カボチャドリは表情を変えると彼女をお菓子に。苦しそうな顔を浮かべながら去っていきます。エミリーも目を回して行動不能。残念ながら補習メイトチームはここまで。
商店街から離れ、箒に乗って探索。
声が聞えないと思ったら、はーちゃんはひどくお腹が空いています。ただでさえ昼食抜き、さらには追いかけっことカロリー消費がマッハ。魔法で食べ物出せないんでしょうか。
難しい顔のモフルン。カボチャドリの様子が変だったと気になります。
目の前で何やら動くもの発見。カボチャドリか。慎重に網を構えるとタイミングを見計らって振り下ろします。
シャーキンスが無言でこちらを見つめてきます。
「すみません。間違えました」
先週に引続きこんな流れ。もうこの子達に関わらない方がいいんじゃないかな。
②だからそのオチ読めねぇって
「あなたは…」。名前が出てこないのか、驚いたあまり固まっているのか判別つきませんが、とりあえず網どけてあげたらいいんじゃないですかね。
シャーキンスは無言のまま指を鳴らして網をどけます。
「そちらから現われるとは都合がいい」
紳士。
「どこなの!?」
突然大声を出すはーちゃん。隣のリコのリアクションが可愛い。
「カボチャドリをどこに隠したの!」
「えっ?」
今回もシャーキンスさんは登場するタイミングが悪い。
隣のリコは彼女を呼び止めるように手を伸ばします。知らないおじさんに失礼でしょ的な。
「お腹ペコペコなの! 早くカボチャドリを捕まえなくちゃいけないの!」
箒に仁王立ちになって訴えます。めっちゃ私情入ってるがな。
言ってるそばからカボチャドリ発見。目の色変えて追うはーちゃん。これはヤバイクスリやってますわ。追い詰められたカボチャドリはお菓子弾で迎撃。頭の上にパフェが出現。むしろご褒美。
苦しそうに鳴くカボチャドリをうるさいと吹き飛ばすシャーキンスさん。少女達の理不尽な物言いには優しくても謎生物には厳しい紳士の鑑。しかしこれにはブーイング。でもお前らだって同じじゃんと反論。ブーメランが返ってきて言葉に詰まる一同。はーちゃんの頭にすげー目線が行くんですが、ここは真面目に見た方がいいシーンなんでしょうか。カボチャドリの態度から本当はお祭りを嫌がっているのでは?と疑問を呈するモフルン。みんなから追い回されるわけだし、いい気しないんじゃないか。そう言われると自信がなくなってきます。先ほども怖い顔していたと経験談を語るはーちゃん。画面ギリギリにパフェが描かれてるの何とかなりませんかね?
ずっと笑っているような顔だったから気づかなかったけど、実は辛かったのか…。ちょっと反省ムード。
「まあ、そんなことはどうでもよい」
実際どうでもよかったりする。ヨクバール召喚。網とパフェを使ったのではーちゃんの頭がスッキリ。ほんと触媒テキトーだな、おい。こちらもハロウィンにちなんで(?)トパーズスタイル。オプション使えば滞空可能。チクルンに輸送されてモフルンはカボチャドリのもとへ。
ヨクバールの攻撃をフェリーチェが防いでいる間に、ミラクルとマジカルはオプションをトランポリンのように使って跳躍。アクションゲームみたいな動き。肉薄するとハンマーを叩きつけ……ようとするもクリームで返り討ち。これが深夜アニメならクリームでベトベト…なんてネタをやっているところですが、女児向けアニメたるプリキュアにそんな暇はありません。この後にネタが詰まっています。
すこぶる調子が悪そうなカボチャドリ。しかし外傷は見当たりません。それならとモフルンが口の中に入ります。すると睨んだとおりのものを発見。
ヨクバールと追いかけっこ。援護に入ったミラクルとマジカルは大きいトランポリンを作ってヨクバールを反射。トパーズはこういうのがあるから面白い。
珍しく大きく肩で息をつくフェリーチェ。お腹が空いて力が出ないんでしょうか。
「ひょっとして…」
「さっき言われたことを気にしてるの?」
「はい」
あ、真面目な話だった。
お菓子や金の卵のばかりでカボチャドリのことなんて考えてなかった。浮かれすぎていたとふたりも反省。仰るとおりです。フェリーチェは大人びた口調になるのでセリフも相まって気落ち感が強い。
「私達は自分のことだけでなくカボチャドリの気持ちも考えてあげるべきだったんです」
おっと、これはプリキュア恒例の相手の身になって考えるキッカケ話でしょうか。やはり終盤に入ってきて…
「グゥウ~」
……。
ポカポカポカッ!
こんなんズルイわ。
「フェリーチェ、自分を責めてはダメよ」
いや、もうシリアスじゃないから。今まで築きあげてきたフェリーチェのイメージを粉砕していくスタイル。
そんなギャグやっている隙をつかれてミラクルとマジカルがヨクバールに捕獲されてしまいます。そのままパフェの中に。フェリーチェも捕まってやはりパフェの中に。粘性が高いのか身動き取れません。
「無駄口を叩いているからそうなる」
今回もシャーキンスさんのツッコミは適切。
その状態でシェイク。ただ上下してるだけなんですけど、これ攻撃の意味あるんですかね。酔う? しかし本人達はカボチャドリへの罪悪感から報いなのだと受け入れます。いやー、罰なのだとしたら割りと軽いっていうか、上下してるだけっていうか。遊園地でこういう乗り物ありそうっていうか。
「ミラクル、マジカル、こんな時になんですけど、私カボチャドリに謝りたいです!」
「わかってる!」
「私達も同じよ! 一緒に謝りましょう!」
髪の毛がワッサワッサいってるの気になってしょうがないんですけど。何これ、シリアスな笑い?っていうかシリアスでもねーよ。
そこでカボチャドリ&モフルンが帰還。
ここで謎解き。お祭りの追いかけっこは全然問題ナッシング。むしろ大好き。原因は虫歯。しかしそれも歯を抜いたので解決。
そういうわけで、カボチャドリがお菓子弾を発射してヨクバールの網をガムに変えます。それを食べて膨らませると…
「プーー」
浮力(なんの?)で浮かび上がるとフェリーチェを連れて脱出。その状態からすかさずオーバーザレインボー。待て、お前らそれでいいのか。このノリ、どっかで見たなーと思ったらやっぱりモフデレラと同じ演出の人だよ。相変わらずカオスってるな。モフデレラのときもトパーズだったけど稲上作画との相性は抜群。演出・作画・トパーズの見事な組合わせ。
どんな流れであれバンクが発動してしまえば結果は同じ。シリアスだろうとギャグだろうと関係ねぇ。虹の彼方に飛んで分解されます。
カボチャドリとモフルンが握手したところで判定。お前らどこに居た。カボチャドリを捕まえたモフルンに金の卵が贈られます。
優勝を飾ったモフルンは王様の格好に。その様子を巨大なお菓子を食べながら見守る三人。胃袋に入らねーだろ、特に団子。まあ、ようやくお菓子にありつけたしめでたしめでたしってところでしょうか。司会の麻友と言葉を交します。
モフルンに祝いの言葉を贈る補習メイト。……ケイかじられてね? それ、大丈夫なの?
記念にジュンがプレゼント。相変わらず絵と実物にギャップがあるな。それはそれとしてこのブローチは映画とは別口でキーアイテムになったりするんでしょうか。
結局のところ卵は何なのか。みんなで見つめると割れて中から芽が出てきます。木に実がなり、実が歯ブラシに。世にも珍しい歯磨きの木だと校長。お菓子を食べたら歯磨き。ここでまさかの歯磨き推奨。至れり尽くせりだな今回。あんまりなオチにガッカリな声も聞えてきますが、みんなで歯を磨いてスッキリ。
振り返ってみれば楽しいお祭りだったと言い合うみらいとはーちゃん。お菓子にカボチャとまるでハロウィン。ふとみらいはハロウィンなら本物の魔法つかいがいてもわからないかも、と何やら企みます。ここのポーズすんごく可愛い。
補習メイトも歯磨き。だからケイは歯より自分の肩心配しろ。
一人ほくそ笑むみらい。次回に続く。
EDも映画宣伝仕様。クオリティ高ぇ。
③次回予告
このみらいはズルイ。
○トピック
その昔、虫歯になったプリキュアが居てだな。
歯磨きは大事。
まさかこの流れで歯磨きになるとはこのリハクの目をもってしても(以下略)。
映画と同時期にシリアスな展開になるここ最近の流れを過去のものにする魔法つかいのマイペースさ。本作の特徴の一つに深刻にならないというのがあるんですが、好き勝手やって思いもしないオチに行き当たるところまでいくと別な意味で期待感が湧いてきます。何度も言うように使命感や責任がないので罪悪感や罪責感も希薄。笑いに転化してしまえる。良い意味でも悪い意味でも主人公達が追い込まれないのが本作の作風です。
さて、2週続けて何も書かないのもなんなので、個人的に期待している点を一つ。
この感想はプリキュア作品を単体のみならず、シリーズの文脈を踏まえた上での位置付けも見ていく趣旨で書いています。具体的にはコラムを参照していただくとして、近年まで主流だったのは救済路線でした。敵も救っちゃいましょう。彼らにも止むに止まれぬ事情があったのだと。その絶頂を極めたのがドキドキプリキュアでした。プリキュアは総理大臣から助っ人を頼まれるほどの英雄になります。その後釜を狙っためぐみはものの見事に玉砕し手痛いしっぺ返しを食らいました。ハピネス自体、愛の有効性に疑問が投げかけられていて正味な話し作品単体としてはあまりスッキリしたものではありません。しかし今思えばとても健全な、常識的な判断だったと思います。
もし救済路線をあのまま続けていれば……ドキドキよりもさらに愛による救済を推し進めていたらどうなったか? 英雄の次は神にならざるを得なくなる。無制限の愛によって世界を救い続ける神。レイアースの柱システムみたいなものです。一人の、あるいは特定の人の愛(犠牲)によって世界を救うっていうのはそういうことになります。それは普通に考えればどこか醜悪さすら抱く非健全さを感じさせるでしょう。なんで一人だけそんな重さを背負わされるんだと。そもそも一人でそんなことできるわけないだろうと。人は神じゃねーんだと。そういう意味でめぐみが振られたことは良かったんです。彼女は救世主の資格を得られなかった代わりに人として真っ当な感情(失恋、挫折感)を味わったのですから。人は神になれないこと、なってはならないこと、傷つき苦しむ卑小な存在であることが確認されました。
ハピネスに続くプリンセスが救済とは真っ向逆の、自分のことは自分でやれ路線だったのはとてもわかりやすい方向転換でした。しかしこれは強さに立脚した物語で、強者たることが強いられているとも言えます。救わねばならない、強くあらねばならない……。
ここ最近のプリキュアは何か大きなこと…大きくて深刻な問題を解決しようともがく傾向にありました。あるいはプリンセスのように何者かになろうとしていました。それはそれで大いに結構。ガッツリ行くのも女の子達の強さであり魅力です。でも本当にそれだけなんだろうか? 気負うことなく子ども達がもっと好きなように進める物語が出てきても良いんじゃないか。はーちゃん返せ!と言い切った魔法つかいは勧善懲悪ですらありません。善を成す、人を救う、強者たる資格を持つ、それらとは違う人の姿、在り様が模索されても良いんじゃないか。その第一歩として魔法つかいが踏み出してくれる……かはわからないんですが、この物語なら何かやってくれそうな気がするんですよね。
①カボチャドリ捕獲大作戦
虚ろな瞳のはーちゃん。お腹が空いたあまり精霊を食べ物と勘違いして伸ばした手をみらいとリコに止められます。精霊を食べたら食べたで、何か強くなりそうな気もしますが。妖精(精霊)。箔がついて良いんじゃないでしょうか。
なんでまたそんな空腹なのかというと今日はお祭り。お菓子をたくさん食べようと昼食抜きで来たようです。
チョコもマシュマロもパンケーキもあるんでしょ?と涎を垂らしながら聞くはーちゃん。君、一応ヒロインだよね? モフルンは相変わらずクッキー、みらいはお菓子の家、はーちゃんは城、と願望がエスカレートしていきますが、お祭りを知るリコはそんな甘いものではないと真剣な顔で答えます。
映画宣伝仕様OP。上ケン節ってます。映画の中で全スタイル登場するんでしょうか。
商店街はお祭りムード。早速お菓子を探すはーちゃん。リコが何か言いかけると会場から物音が。司会のお姉さんが進行し始めます。彼女の顔を見て驚くみらいとリコ。何故なら彼女はナシマホウ界でアイドルをやっている渡辺麻友と瓜二つ。っていうか本人。何で? と疑問に思っているとフランソワさんが実は魔法つかいなのだと教えてくれます。個人的にはフランソワさんが声変わりしていることの方が気になるのですが。
以前も話があったように魔法界人がナシマホウ界で活動しているのは希ではないのでその一例。彼女から小声で他言無用とお願いされます。これにはふたりも緊張しながら頷きます。
閑話休題。解説者の校長が登場。プカプカ浮いてるけど酔わないんだろうか。お祭りに解説?ともっともな疑問を浮かべるみらい。そろそろカボチャドリが現われる時間。ますます意味がわからない。リコが固唾を呑んでいるとガタガタと目の前のジャック・オー・ランタンが揺れ始めます。
「これは面妖な」
冷静。この流れだとそれがカボチャドリなんじゃないの?
羽が生えて飛び立ちます。案の定カボチャドリ。するとみんな一斉に箒に乗って追いかけ始めます。司会の方でも花火を打上げてお祭りの開始を宣言。
リコも後に続けとばかりに箒の準備を急かします。だからなんだこれ?と話が見えないみらいとはーちゃん。
補習メイトと合流して内容を確認します。1年に一度カボチャドリが魔法界に現われて騒ぎを起こして去っていく、とメモ片手に説明するケイ。捕獲に成功したのははるか昔に一人だけ。というのも近づいてきた捕獲者達をたちまちお菓子に変えてしまうから。百聞は一見にしかず。目の前で次々と撃墜されていく捕獲者達。カボチャドリも愉快そうに笑います。
しかしチャレンジャーは後を絶たない。何故なら捕獲者には金の卵が贈られるから。至上の喜びが入っている。抽象的だな。やはり中身はわからないらしく、最高のインスピレーションが降ってくる、運命の人と出会える、と人によって意見は様々。「卵の中からこんにちは」。はーちゃんの相の手がジワジワ来る。今回のエピソードも本作らしいというか、狂ってるよね。
リコは何のためにカボチャドリを追うのかというと、
「何のためっていうより、みんなが追いかけてるカボチャドリを捕まえられたら凄いじゃない」
「え、それだけ?」
リコらしい動機。言ってる表情がこれまたリコらしい。乗るしかない。このビッグウェーブに。ある意味ブレない。
するとフランソワさんが自信満々に世界一の美人になれるのだと言います。なるほど、とりあえず自分に都合の良いように解釈しているのはわかった。
吸盤が付いた釣り竿片手に飛び立っていきます。そして返り討ちに。カボチャドリは魔法が効かない上に乱暴も厳禁。かつ狡猾と手強い相手。
昔捕まえた人って校長では?と司会のお姉さんが訊ねると「どうかな?」と答えを濁す校長。本人のようです。
色々バタバタしましたが、要領がわかってみらいもやる気が出ます。毎回ハロウィンネタやっても飽きるからテキトーにこじつけて好きなことやってやるぜ感。シンデレラもモフデレラに改変するのが魔法つかいクオリティ。
迂闊に近づくのも危険。そこではーちゃんが大きな捕獲網を作り出して補習メイトチームにも渡します。ノリ的には補習試験のアレ。2班体勢で挑みます。
みらいとジュンの網を機敏にかわすと反撃してきます。ジュンの箒がお菓子に変わってしまい落下。彼女をフォローしつつカボチャドリを翻弄。一進一退。
…というのをオルーバに報告するチクルン。最近はレギュラー枠に。いつものように痺れを切らせたシャーキンスが出勤。ベニーギョさんは前回食べた冷凍みかんで腹でも壊したんでしょうか、出番なし。
チクルンがみらい達と合流しようと表に出たところではーちゃんが豪快に落ちてきます。カボチャドリ捕獲に苦戦。
とりあえずチクルンを加えて捕獲作戦再開。ケイがメモを取り出すと目を回す作戦が有効であると言います。先に言えよ。忘れてた。どっか抜けているのは相変わらず。それを聞いたエミリーは単身飛びだします。残像を生み出すほどの高速でカボチャドリの周りを旋回。さらには自分自身も回ります。
「秘技! エミリースピン!」
すごいけど、たぶん自分が回る必要は無い。っていうか、空中制御しずらくね?
しかし効果は抜群。攪乱に成功。目を回し始めます。
チャンス! ケイが取り付いた途端カボチャドリは表情を変えると彼女をお菓子に。苦しそうな顔を浮かべながら去っていきます。エミリーも目を回して行動不能。残念ながら補習メイトチームはここまで。
商店街から離れ、箒に乗って探索。
声が聞えないと思ったら、はーちゃんはひどくお腹が空いています。ただでさえ昼食抜き、さらには追いかけっことカロリー消費がマッハ。魔法で食べ物出せないんでしょうか。
難しい顔のモフルン。カボチャドリの様子が変だったと気になります。
目の前で何やら動くもの発見。カボチャドリか。慎重に網を構えるとタイミングを見計らって振り下ろします。
シャーキンスが無言でこちらを見つめてきます。
「すみません。間違えました」
先週に引続きこんな流れ。もうこの子達に関わらない方がいいんじゃないかな。
②だからそのオチ読めねぇって
「あなたは…」。名前が出てこないのか、驚いたあまり固まっているのか判別つきませんが、とりあえず網どけてあげたらいいんじゃないですかね。
シャーキンスは無言のまま指を鳴らして網をどけます。
「そちらから現われるとは都合がいい」
紳士。
「どこなの!?」
突然大声を出すはーちゃん。隣のリコのリアクションが可愛い。
「カボチャドリをどこに隠したの!」
「えっ?」
今回もシャーキンスさんは登場するタイミングが悪い。
隣のリコは彼女を呼び止めるように手を伸ばします。知らないおじさんに失礼でしょ的な。
「お腹ペコペコなの! 早くカボチャドリを捕まえなくちゃいけないの!」
箒に仁王立ちになって訴えます。めっちゃ私情入ってるがな。
言ってるそばからカボチャドリ発見。目の色変えて追うはーちゃん。これはヤバイクスリやってますわ。追い詰められたカボチャドリはお菓子弾で迎撃。頭の上にパフェが出現。むしろご褒美。
苦しそうに鳴くカボチャドリをうるさいと吹き飛ばすシャーキンスさん。少女達の理不尽な物言いには優しくても謎生物には厳しい紳士の鑑。しかしこれにはブーイング。でもお前らだって同じじゃんと反論。ブーメランが返ってきて言葉に詰まる一同。はーちゃんの頭にすげー目線が行くんですが、ここは真面目に見た方がいいシーンなんでしょうか。カボチャドリの態度から本当はお祭りを嫌がっているのでは?と疑問を呈するモフルン。みんなから追い回されるわけだし、いい気しないんじゃないか。そう言われると自信がなくなってきます。先ほども怖い顔していたと経験談を語るはーちゃん。画面ギリギリにパフェが描かれてるの何とかなりませんかね?
ずっと笑っているような顔だったから気づかなかったけど、実は辛かったのか…。ちょっと反省ムード。
「まあ、そんなことはどうでもよい」
実際どうでもよかったりする。ヨクバール召喚。網とパフェを使ったのではーちゃんの頭がスッキリ。ほんと触媒テキトーだな、おい。こちらもハロウィンにちなんで(?)トパーズスタイル。オプション使えば滞空可能。チクルンに輸送されてモフルンはカボチャドリのもとへ。
ヨクバールの攻撃をフェリーチェが防いでいる間に、ミラクルとマジカルはオプションをトランポリンのように使って跳躍。アクションゲームみたいな動き。肉薄するとハンマーを叩きつけ……ようとするもクリームで返り討ち。これが深夜アニメならクリームでベトベト…なんてネタをやっているところですが、女児向けアニメたるプリキュアにそんな暇はありません。この後にネタが詰まっています。
すこぶる調子が悪そうなカボチャドリ。しかし外傷は見当たりません。それならとモフルンが口の中に入ります。すると睨んだとおりのものを発見。
ヨクバールと追いかけっこ。援護に入ったミラクルとマジカルは大きいトランポリンを作ってヨクバールを反射。トパーズはこういうのがあるから面白い。
珍しく大きく肩で息をつくフェリーチェ。お腹が空いて力が出ないんでしょうか。
「ひょっとして…」
「さっき言われたことを気にしてるの?」
「はい」
あ、真面目な話だった。
お菓子や金の卵のばかりでカボチャドリのことなんて考えてなかった。浮かれすぎていたとふたりも反省。仰るとおりです。フェリーチェは大人びた口調になるのでセリフも相まって気落ち感が強い。
「私達は自分のことだけでなくカボチャドリの気持ちも考えてあげるべきだったんです」
おっと、これはプリキュア恒例の相手の身になって考えるキッカケ話でしょうか。やはり終盤に入ってきて…
「グゥウ~」
……。
ポカポカポカッ!
こんなんズルイわ。
「フェリーチェ、自分を責めてはダメよ」
いや、もうシリアスじゃないから。今まで築きあげてきたフェリーチェのイメージを粉砕していくスタイル。
そんなギャグやっている隙をつかれてミラクルとマジカルがヨクバールに捕獲されてしまいます。そのままパフェの中に。フェリーチェも捕まってやはりパフェの中に。粘性が高いのか身動き取れません。
「無駄口を叩いているからそうなる」
今回もシャーキンスさんのツッコミは適切。
その状態でシェイク。ただ上下してるだけなんですけど、これ攻撃の意味あるんですかね。酔う? しかし本人達はカボチャドリへの罪悪感から報いなのだと受け入れます。いやー、罰なのだとしたら割りと軽いっていうか、上下してるだけっていうか。遊園地でこういう乗り物ありそうっていうか。
「ミラクル、マジカル、こんな時になんですけど、私カボチャドリに謝りたいです!」
「わかってる!」
「私達も同じよ! 一緒に謝りましょう!」
髪の毛がワッサワッサいってるの気になってしょうがないんですけど。何これ、シリアスな笑い?っていうかシリアスでもねーよ。
そこでカボチャドリ&モフルンが帰還。
ここで謎解き。お祭りの追いかけっこは全然問題ナッシング。むしろ大好き。原因は虫歯。しかしそれも歯を抜いたので解決。
そういうわけで、カボチャドリがお菓子弾を発射してヨクバールの網をガムに変えます。それを食べて膨らませると…
「プーー」
浮力(なんの?)で浮かび上がるとフェリーチェを連れて脱出。その状態からすかさずオーバーザレインボー。待て、お前らそれでいいのか。このノリ、どっかで見たなーと思ったらやっぱりモフデレラと同じ演出の人だよ。相変わらずカオスってるな。モフデレラのときもトパーズだったけど稲上作画との相性は抜群。演出・作画・トパーズの見事な組合わせ。
どんな流れであれバンクが発動してしまえば結果は同じ。シリアスだろうとギャグだろうと関係ねぇ。虹の彼方に飛んで分解されます。
カボチャドリとモフルンが握手したところで判定。お前らどこに居た。カボチャドリを捕まえたモフルンに金の卵が贈られます。
優勝を飾ったモフルンは王様の格好に。その様子を巨大なお菓子を食べながら見守る三人。胃袋に入らねーだろ、特に団子。まあ、ようやくお菓子にありつけたしめでたしめでたしってところでしょうか。司会の麻友と言葉を交します。
モフルンに祝いの言葉を贈る補習メイト。……ケイかじられてね? それ、大丈夫なの?
記念にジュンがプレゼント。相変わらず絵と実物にギャップがあるな。それはそれとしてこのブローチは映画とは別口でキーアイテムになったりするんでしょうか。
結局のところ卵は何なのか。みんなで見つめると割れて中から芽が出てきます。木に実がなり、実が歯ブラシに。世にも珍しい歯磨きの木だと校長。お菓子を食べたら歯磨き。ここでまさかの歯磨き推奨。至れり尽くせりだな今回。あんまりなオチにガッカリな声も聞えてきますが、みんなで歯を磨いてスッキリ。
振り返ってみれば楽しいお祭りだったと言い合うみらいとはーちゃん。お菓子にカボチャとまるでハロウィン。ふとみらいはハロウィンなら本物の魔法つかいがいてもわからないかも、と何やら企みます。ここのポーズすんごく可愛い。
補習メイトも歯磨き。だからケイは歯より自分の肩心配しろ。
一人ほくそ笑むみらい。次回に続く。
EDも映画宣伝仕様。クオリティ高ぇ。
③次回予告
このみらいはズルイ。
○トピック
その昔、虫歯になったプリキュアが居てだな。
歯磨きは大事。
まさかこの流れで歯磨きになるとはこのリハクの目をもってしても(以下略)。
映画と同時期にシリアスな展開になるここ最近の流れを過去のものにする魔法つかいのマイペースさ。本作の特徴の一つに深刻にならないというのがあるんですが、好き勝手やって思いもしないオチに行き当たるところまでいくと別な意味で期待感が湧いてきます。何度も言うように使命感や責任がないので罪悪感や罪責感も希薄。笑いに転化してしまえる。良い意味でも悪い意味でも主人公達が追い込まれないのが本作の作風です。
さて、2週続けて何も書かないのもなんなので、個人的に期待している点を一つ。
この感想はプリキュア作品を単体のみならず、シリーズの文脈を踏まえた上での位置付けも見ていく趣旨で書いています。具体的にはコラムを参照していただくとして、近年まで主流だったのは救済路線でした。敵も救っちゃいましょう。彼らにも止むに止まれぬ事情があったのだと。その絶頂を極めたのがドキドキプリキュアでした。プリキュアは総理大臣から助っ人を頼まれるほどの英雄になります。その後釜を狙っためぐみはものの見事に玉砕し手痛いしっぺ返しを食らいました。ハピネス自体、愛の有効性に疑問が投げかけられていて正味な話し作品単体としてはあまりスッキリしたものではありません。しかし今思えばとても健全な、常識的な判断だったと思います。
もし救済路線をあのまま続けていれば……ドキドキよりもさらに愛による救済を推し進めていたらどうなったか? 英雄の次は神にならざるを得なくなる。無制限の愛によって世界を救い続ける神。レイアースの柱システムみたいなものです。一人の、あるいは特定の人の愛(犠牲)によって世界を救うっていうのはそういうことになります。それは普通に考えればどこか醜悪さすら抱く非健全さを感じさせるでしょう。なんで一人だけそんな重さを背負わされるんだと。そもそも一人でそんなことできるわけないだろうと。人は神じゃねーんだと。そういう意味でめぐみが振られたことは良かったんです。彼女は救世主の資格を得られなかった代わりに人として真っ当な感情(失恋、挫折感)を味わったのですから。人は神になれないこと、なってはならないこと、傷つき苦しむ卑小な存在であることが確認されました。
ハピネスに続くプリンセスが救済とは真っ向逆の、自分のことは自分でやれ路線だったのはとてもわかりやすい方向転換でした。しかしこれは強さに立脚した物語で、強者たることが強いられているとも言えます。救わねばならない、強くあらねばならない……。
ここ最近のプリキュアは何か大きなこと…大きくて深刻な問題を解決しようともがく傾向にありました。あるいはプリンセスのように何者かになろうとしていました。それはそれで大いに結構。ガッツリ行くのも女の子達の強さであり魅力です。でも本当にそれだけなんだろうか? 気負うことなく子ども達がもっと好きなように進める物語が出てきても良いんじゃないか。はーちゃん返せ!と言い切った魔法つかいは勧善懲悪ですらありません。善を成す、人を救う、強者たる資格を持つ、それらとは違う人の姿、在り様が模索されても良いんじゃないか。その第一歩として魔法つかいが踏み出してくれる……かはわからないんですが、この物語なら何かやってくれそうな気がするんですよね。
第37話「魔法が決め手?冷凍みかんのレシピ!」
○今週の出来事
①校長を訪ねて三千里
モルフンは前回友達になったチクルンにオススメの絵本を紹介。しかし彼の方は義理だからか、それともオススメの数が多いせいかあまり乗り気ではないようです。
みらいの宿題が終わって明日の休みをどう過ごそうかと話していると突然教頭が水晶越しにわめいてきます。これはこれで酷い絵面だな。校長を捜しているようです。
今週も映画宣伝仕様OP。クマづくし。モフルンが持ってるお菓子、子どもの頃によく食べたな。CGミラクルとモフルンのCMの繋ぎ方がシームレス。
すぐさまカタツムリニアに乗って魔法界へ。道中で水晶に呼びかけても反応無し。以前行方不明になったときもシリアス展開に突入した前科もある。もしかしたら今回も……とリコは心配。みらいも真剣な表情で校長を捜そうと言います。「うまし」とか冷凍みかん丸かじりとか、実はお爺さんとか、夢オチでは王子様になってたとか色々と変なキャラ付けはされていますが、リコ達にとって校長は良き相談相手だったのでしょう。実際問題彼が何かを解決したことは無いのですが、子ども達だけで溜めておくには厄介な問題や不安も校長に話しておけば安らぐといった安心感はある。視聴者的にはまたどっか行ったのかって感じのキャラですが、本人達にとては火急の問題。
車内販売がやってきます。ついに冷凍みかんの在庫切れ。チクルンは冷凍みかんを知らないようです。みらい達の説明を聞いて食べてみたくなります。
水晶さんからの応答が。途切れがちな声で太陽の丘にいると伝えてきます。
行ってみるとメチャクチャ暑い。常夏のぬっくい島。そこで最も日当たりがいいのが太陽の丘。
登ると校長の帽子を発見。拾ってみると水晶さんが涼んでいました。案外元気。日差しを避けるために休んでいたと話す水晶さん。隣で聞いているみらいの表情にジワジワくる。「はぁ?」。はーちゃんも怪訝な顔を浮かべます。
話題の人である校長がトコトコとやってきます。みかんが詰まった篭を背負いながら。知ってた。前回の予告から。
周囲の心配を余所に、校長はピーカンみかんの収穫をしていました。人騒がせな話ですがみらい達の感心はみかんに。生で見る精霊に校長も興味が沸きます。31話以降会ってなかったので軽い情報交換。ピーカンみかんの育ちが悪いので心配で見に来たと校長。それは校務なのか? 私事なのか?
ピーカンみかんの様子を見ながらはーちゃんもちょぴり元気がないと言います。様子見に来てそのまま手伝っていると苦笑いしながら話す校長。水晶さんも夏バテで連絡が付かなかったというオチらしい。見慣れない妖精に目を留める校長。チクルンは妖精の里から来たと自己紹介。女王はどう?と校長が訊ねると何やら隠し事がありそうな雰囲気。ちなみに妖精の里は妖精以外入れないそうで、場所すらわかっていません。大昔こっちに女王が来たのでその時に会ったと校長。この後お爺さんの姿になるのは番組を途中から見始めた人やおさらいのためでしょうか。
女王の話しを避けたがるチクルン。例の封印の話もあるし、色々と繋がってくるんでしょうか。
で、今度はひゃっこい島に。寒いので押しくらまんじゅうで暖を取ります。
用件はアイスドラゴン。実物を見て流石に震え上がるみらいとモフルン。慣れているリコはドラゴンを撫でながら温厚だと説明。冷凍みかんはピーカンみかんをドラゴンのため息で凍らせたもの、と改めて説明。ため息限定なのか。校長がリコの説明を引き取って、寒い島に住む彼らは温かいものに憧れてため息を吐くと補足。案の定ドラゴンが大きな口を開けると…あくびをして飛び立ってしまいます。どうやらみかんの成熟度が足りないようです。テキトーに吹いてもらうとかじゃダメなんですかね? ため息がちょうどいい感じに凍る温度なんだろうか。
ピーカンみかんのみならずドンドン花の件もあるので天候不良は異変の前触れなのかもしれない。訝る校長。
雲の上。チクルンはリンクルストーンについて報告。オルーバは呪文をつぶやきます。「ラパパ」が引っかかるらしい。相変わら痺れを切らすシャーキンス(まゆゆ派)。オルーバが気になっているのは彼らを封印した「アレ」。まだ存在しているならちゃんとお礼をしないとね。お、封印の経緯やるんだ。終盤にかけての準備が始まってきました。
遅くなりましたが一連の事情を教頭に報告。呆れる教頭。ドラゴンじゃなくこっちがため息を付きたいくらい。教頭の口から出た「お祭り」に反応するリコ。明日やると聞いて残念がります。その辺は来週やるとして、今は冷凍みかんの話し。祭りの前に冷凍みかんで英気を養いたかったと校長。やっぱただの趣味だろ。
一旦姿を消していたチクルンを再び見つけて心配したぞ、と声をかけるみらい達。着々とフラグを積み重ねていきます。
面子も揃ったし、冷凍みかんを作ろう!と提案するみらい。ため息を吐くドラゴンもいるっしょ。折角ここまで来たのだからやってみよう。
②クエスト「冷凍みかんを作れ!」
空にはたくさんのアイスドラゴン。このどれか一匹にでもため息を吐かせればクリア。
まずははーちゃんがトライ。ヒゲの生えたドラゴンにみかんの良さをアピール。みかんを差し出し……そのまま自分の口に。自分が食べてしまいました。っていうか皮ごとかよ。ミッション失敗。
次はリコがチャレンジ。氷がはった湖を溶かしてお湯を作ろうとします。それを見た校長は風呂を作ろうとしているのだと気づきます。入浴シーン。お前じゃねーよ! 自分も入りたいのか、湖を一瞬でお風呂に変えます。校長は伊達じゃない。湯気に誘われてドラゴンが入ると……熱くてすぐにお湯から上がってしまいます。身体を冷やしながら口が大きく開きます。チャンス。しかし出たのはクシャミ。モフルンとチクルンが凍って終了。ミッション失敗。なかなか一筋縄ではいきません。
みらいは閃くと箒を取り出してモフルンを伴って空へ。
ドラゴンと追いかけっこ。クシャミでも凍るならため息じゃなくてもいいじゃない的発想。追いかけっこに疲れたドラゴンは息を切らせます。チャンス。この隙にみかんを飛ばして息に当てます。するとコンペイトウのようなトゲトゲの氷に。やはりため息でないと綺麗に凍らないらしい。チクルンが手を伸ばすとトゲに刺さって放り投げてしまいます。
飛んで行ったみかんはそのままベニーギョの口の中に。
「ちょっと!」
リコ達を呼び止めるベニーギョ。
「超苦かったんだけど!」
味も良くないらしい。この強引な繋ぎ方が魔法つかいクオリティ。
ドラゴンと追いかけっこしていたみらいは再チャンレジをしようとしますが手がかじかんで箒を手放してしまい落下。
相方がいないリコに代わってはーちゃんが前に出ます。久々の単独変身。短縮されているため曲が聴けず残念。
離れた場所に落下したみらいは異変を察知するとノロノロと立ち上がります。手が霜焼けていて思うように動きません。……落下ダメージはどうでもいいらしい。ある意味凄い。歩き出すとチクルンが遠すぎると呼びかけますが聞く耳を持ちません。彼女達の上空をアイスドラゴンが通りかかります。
流石のフェリーチェも一人では劣勢。脚が凍らされて身動きが封じられます。校長がフォローに入りますが、一度防御しただけで魔力切れ。お爺さんの姿に。相変わらず水晶さんも連動してお婆ちゃんに。どういう繋がりなんだろうな。
ドラゴンに乗ったみらいがピンチに駆けつけます。ひゃっこい島と言ったらルビー。変身の炎エフェクトでフェリーチェの凍結を解除。手間が省けました。
本格的に戦闘再開。でもヨクバールの弾幕が厄介。するとドラゴンが加勢して発射口を凍らせてくれます。ベニーギョが排除。フェリーチェがドラゴンを助けると、なんか好感度が上がります。え、何そのイベント。
ミラクルとマジカルも冷凍みかんへの熱い想いで立ち上がります。チクルンにも食べて貰いたい。とりあえずみんなで何か食いに行こうぜ。プリキュアのこういう取って付けたような理由嫌いじゃないですよ。美味い飯食べるの大事だし。
「また訳わかんないうちにあっちが優勢って感じ?」
メタい。わかってらっしゃる。そこまでわかってるなら少しは自分の手動かしたらいいんじゃないですかね?
ナシマホウ界から一瞬で転送可能な馬車の理不尽さでヨクバールを撃破。
「プリキュア……やっぱ訳わからなすぎてムカつく」
冷凍みかんに加えて、ご都合主義という名の理不尽さも味わって帰って行きます。
はーちゃんが助けてくれたお礼を言うとドラゴンはため息を吐きます。ピーカンみかんが一瞬で冷凍みかんに。
すっかりはーちゃんに懐くドラゴン。恋のため息。そんなんでもアリらしい。ナシマホウ界でも魔法界でもはーちゃん大人気。
早速冷チクルンに冷凍みかんを渡します。うめぇ! 大好評。思わず目尻に涙が浮かびます。
そんな彼らのやりとりを離れたところで見守る校長。薬膳茶を一杯飲むとすっかり元通りに。
「うまし!」
ようやくフルタのCMとかち合いました。
冷凍みかんのお礼を言うはーちゃんにこれまたドラゴンはメロメロ。ため息でまたチクルンが凍ってしまいます。
③次回予告
フランソワさん久しぶりだからってその出オチやめましょうや。
○トピック
冷凍みかんネタでここまで引っ張れるのは魔法つかいだけ!
それはそれとして、今回認められてなくね?
みんなが魔法を使ってアレコレと試行錯誤している中で、自分を武器にして籠絡させるはーちゃんマジ魔性の女。
女王とかアレとか、終盤に向けて大きな存在がほのめかされ始めました。はーちゃんの記憶の欠片の件もあるし、どこに繋がっていくのやら。
①校長を訪ねて三千里
モルフンは前回友達になったチクルンにオススメの絵本を紹介。しかし彼の方は義理だからか、それともオススメの数が多いせいかあまり乗り気ではないようです。
みらいの宿題が終わって明日の休みをどう過ごそうかと話していると突然教頭が水晶越しにわめいてきます。これはこれで酷い絵面だな。校長を捜しているようです。
今週も映画宣伝仕様OP。クマづくし。モフルンが持ってるお菓子、子どもの頃によく食べたな。CGミラクルとモフルンのCMの繋ぎ方がシームレス。
すぐさまカタツムリニアに乗って魔法界へ。道中で水晶に呼びかけても反応無し。以前行方不明になったときもシリアス展開に突入した前科もある。もしかしたら今回も……とリコは心配。みらいも真剣な表情で校長を捜そうと言います。「うまし」とか冷凍みかん丸かじりとか、実はお爺さんとか、夢オチでは王子様になってたとか色々と変なキャラ付けはされていますが、リコ達にとって校長は良き相談相手だったのでしょう。実際問題彼が何かを解決したことは無いのですが、子ども達だけで溜めておくには厄介な問題や不安も校長に話しておけば安らぐといった安心感はある。視聴者的にはまたどっか行ったのかって感じのキャラですが、本人達にとては火急の問題。
車内販売がやってきます。ついに冷凍みかんの在庫切れ。チクルンは冷凍みかんを知らないようです。みらい達の説明を聞いて食べてみたくなります。
水晶さんからの応答が。途切れがちな声で太陽の丘にいると伝えてきます。
行ってみるとメチャクチャ暑い。常夏のぬっくい島。そこで最も日当たりがいいのが太陽の丘。
登ると校長の帽子を発見。拾ってみると水晶さんが涼んでいました。案外元気。日差しを避けるために休んでいたと話す水晶さん。隣で聞いているみらいの表情にジワジワくる。「はぁ?」。はーちゃんも怪訝な顔を浮かべます。
話題の人である校長がトコトコとやってきます。みかんが詰まった篭を背負いながら。知ってた。前回の予告から。
周囲の心配を余所に、校長はピーカンみかんの収穫をしていました。人騒がせな話ですがみらい達の感心はみかんに。生で見る精霊に校長も興味が沸きます。31話以降会ってなかったので軽い情報交換。ピーカンみかんの育ちが悪いので心配で見に来たと校長。それは校務なのか? 私事なのか?
ピーカンみかんの様子を見ながらはーちゃんもちょぴり元気がないと言います。様子見に来てそのまま手伝っていると苦笑いしながら話す校長。水晶さんも夏バテで連絡が付かなかったというオチらしい。見慣れない妖精に目を留める校長。チクルンは妖精の里から来たと自己紹介。女王はどう?と校長が訊ねると何やら隠し事がありそうな雰囲気。ちなみに妖精の里は妖精以外入れないそうで、場所すらわかっていません。大昔こっちに女王が来たのでその時に会ったと校長。この後お爺さんの姿になるのは番組を途中から見始めた人やおさらいのためでしょうか。
女王の話しを避けたがるチクルン。例の封印の話もあるし、色々と繋がってくるんでしょうか。
で、今度はひゃっこい島に。寒いので押しくらまんじゅうで暖を取ります。
用件はアイスドラゴン。実物を見て流石に震え上がるみらいとモフルン。慣れているリコはドラゴンを撫でながら温厚だと説明。冷凍みかんはピーカンみかんをドラゴンのため息で凍らせたもの、と改めて説明。ため息限定なのか。校長がリコの説明を引き取って、寒い島に住む彼らは温かいものに憧れてため息を吐くと補足。案の定ドラゴンが大きな口を開けると…あくびをして飛び立ってしまいます。どうやらみかんの成熟度が足りないようです。テキトーに吹いてもらうとかじゃダメなんですかね? ため息がちょうどいい感じに凍る温度なんだろうか。
ピーカンみかんのみならずドンドン花の件もあるので天候不良は異変の前触れなのかもしれない。訝る校長。
雲の上。チクルンはリンクルストーンについて報告。オルーバは呪文をつぶやきます。「ラパパ」が引っかかるらしい。相変わら痺れを切らすシャーキンス(まゆゆ派)。オルーバが気になっているのは彼らを封印した「アレ」。まだ存在しているならちゃんとお礼をしないとね。お、封印の経緯やるんだ。終盤にかけての準備が始まってきました。
遅くなりましたが一連の事情を教頭に報告。呆れる教頭。ドラゴンじゃなくこっちがため息を付きたいくらい。教頭の口から出た「お祭り」に反応するリコ。明日やると聞いて残念がります。その辺は来週やるとして、今は冷凍みかんの話し。祭りの前に冷凍みかんで英気を養いたかったと校長。やっぱただの趣味だろ。
一旦姿を消していたチクルンを再び見つけて心配したぞ、と声をかけるみらい達。着々とフラグを積み重ねていきます。
面子も揃ったし、冷凍みかんを作ろう!と提案するみらい。ため息を吐くドラゴンもいるっしょ。折角ここまで来たのだからやってみよう。
②クエスト「冷凍みかんを作れ!」
空にはたくさんのアイスドラゴン。このどれか一匹にでもため息を吐かせればクリア。
まずははーちゃんがトライ。ヒゲの生えたドラゴンにみかんの良さをアピール。みかんを差し出し……そのまま自分の口に。自分が食べてしまいました。っていうか皮ごとかよ。ミッション失敗。
次はリコがチャレンジ。氷がはった湖を溶かしてお湯を作ろうとします。それを見た校長は風呂を作ろうとしているのだと気づきます。入浴シーン。お前じゃねーよ! 自分も入りたいのか、湖を一瞬でお風呂に変えます。校長は伊達じゃない。湯気に誘われてドラゴンが入ると……熱くてすぐにお湯から上がってしまいます。身体を冷やしながら口が大きく開きます。チャンス。しかし出たのはクシャミ。モフルンとチクルンが凍って終了。ミッション失敗。なかなか一筋縄ではいきません。
みらいは閃くと箒を取り出してモフルンを伴って空へ。
ドラゴンと追いかけっこ。クシャミでも凍るならため息じゃなくてもいいじゃない的発想。追いかけっこに疲れたドラゴンは息を切らせます。チャンス。この隙にみかんを飛ばして息に当てます。するとコンペイトウのようなトゲトゲの氷に。やはりため息でないと綺麗に凍らないらしい。チクルンが手を伸ばすとトゲに刺さって放り投げてしまいます。
飛んで行ったみかんはそのままベニーギョの口の中に。
「ちょっと!」
リコ達を呼び止めるベニーギョ。
「超苦かったんだけど!」
味も良くないらしい。この強引な繋ぎ方が魔法つかいクオリティ。
ドラゴンと追いかけっこしていたみらいは再チャンレジをしようとしますが手がかじかんで箒を手放してしまい落下。
相方がいないリコに代わってはーちゃんが前に出ます。久々の単独変身。短縮されているため曲が聴けず残念。
離れた場所に落下したみらいは異変を察知するとノロノロと立ち上がります。手が霜焼けていて思うように動きません。……落下ダメージはどうでもいいらしい。ある意味凄い。歩き出すとチクルンが遠すぎると呼びかけますが聞く耳を持ちません。彼女達の上空をアイスドラゴンが通りかかります。
流石のフェリーチェも一人では劣勢。脚が凍らされて身動きが封じられます。校長がフォローに入りますが、一度防御しただけで魔力切れ。お爺さんの姿に。相変わらず水晶さんも連動してお婆ちゃんに。どういう繋がりなんだろうな。
ドラゴンに乗ったみらいがピンチに駆けつけます。ひゃっこい島と言ったらルビー。変身の炎エフェクトでフェリーチェの凍結を解除。手間が省けました。
本格的に戦闘再開。でもヨクバールの弾幕が厄介。するとドラゴンが加勢して発射口を凍らせてくれます。ベニーギョが排除。フェリーチェがドラゴンを助けると、なんか好感度が上がります。え、何そのイベント。
ミラクルとマジカルも冷凍みかんへの熱い想いで立ち上がります。チクルンにも食べて貰いたい。とりあえずみんなで何か食いに行こうぜ。プリキュアのこういう取って付けたような理由嫌いじゃないですよ。美味い飯食べるの大事だし。
「また訳わかんないうちにあっちが優勢って感じ?」
メタい。わかってらっしゃる。そこまでわかってるなら少しは自分の手動かしたらいいんじゃないですかね?
ナシマホウ界から一瞬で転送可能な馬車の理不尽さでヨクバールを撃破。
「プリキュア……やっぱ訳わからなすぎてムカつく」
冷凍みかんに加えて、ご都合主義という名の理不尽さも味わって帰って行きます。
はーちゃんが助けてくれたお礼を言うとドラゴンはため息を吐きます。ピーカンみかんが一瞬で冷凍みかんに。
すっかりはーちゃんに懐くドラゴン。恋のため息。そんなんでもアリらしい。ナシマホウ界でも魔法界でもはーちゃん大人気。
早速冷チクルンに冷凍みかんを渡します。うめぇ! 大好評。思わず目尻に涙が浮かびます。
そんな彼らのやりとりを離れたところで見守る校長。薬膳茶を一杯飲むとすっかり元通りに。
「うまし!」
ようやくフルタのCMとかち合いました。
冷凍みかんのお礼を言うはーちゃんにこれまたドラゴンはメロメロ。ため息でまたチクルンが凍ってしまいます。
③次回予告
フランソワさん久しぶりだからってその出オチやめましょうや。
○トピック
冷凍みかんネタでここまで引っ張れるのは魔法つかいだけ!
それはそれとして、今回認められてなくね?
みんなが魔法を使ってアレコレと試行錯誤している中で、自分を武器にして籠絡させるはーちゃんマジ魔性の女。
女王とかアレとか、終盤に向けて大きな存在がほのめかされ始めました。はーちゃんの記憶の欠片の件もあるし、どこに繋がっていくのやら。
第36話「みらいとモフルン、ときどきチクルン!って誰!?」
○今週の出来事
①妖精としゃべるぬいぐるみ
チクルンが朝からスパイ。精霊といいみらい達にプライバシーは無いらしい。
家から甘い匂い。4人分の蜂蜜たっぷりのパンケーキ。モフルンの体積上回ってね?
おやつの前に手を洗おう。このパターンはアレですね。みんなが部屋から居なくなるとチクルンは我慢できずホットケーキを一つ平らげてしまいます。だからこいつも体積上回ってね? 足音に気づいてとっさに隠れます。
モフルンが現場に戻ってくると無残に食い荒らされた皿が一つ。自分のパンケーキが!?と叫ぶみらい。どっかの5人組プリキュアならこれだけで1話使える事件の発生。
OPは今週から映画宣伝仕様。クマの国。トイマジンが友情出演してませんかね。モフルンに関してはネタバレでもなんでもないので最初っからPR。
パンケーキ…パンケーキ…!と泣きじゃくる女子中学生みらい。……あ、アレだ、この子飛び級したんだよ、きっと。
モフルンを疑いますが本人は否認。こっそり観察するつもりがどっぷり浸かってしまいやばい状況のチクルン。警察犬のように匂いを辿ったモフルンは真犯人を暴きます。
見慣れない妖精に先ほどまで泣いていたみらいも興味津々。まさか自分達をストーキングしていたなどとは思いもしません。チクルンはこの隙にテキトーに誤魔化してバックレようとしますがそうはモフルンが卸さない。いつになく険しい表情。口元の蜂蜜とクリームを見逃しません。逃げ出したチクルンを捉えるべく魔法で捕縛するみらい。こっちもいつになく真剣かつ気合が入ってます。
「食べ物の恨み怖い!」
食べ物で犯した罪は重罪。
凄まじい形相で睨むふたり。チクルンは土下座しながらホラ話をでっち上げます。人の良いモフルンはそれなら仕方ないと自分の分のパンケーキを折半して食べようとみらいに提案。これ以上責めたところでパンケーキが戻るでもなし、みらいも未練を残しつつも頷くしかありません。
寛大な措置に頭を下げながら、何とかこの場を誤魔化せたことに安堵するチクルン。うっかり虎穴に入ってしまいましたが、むしろ対象との距離をぐっと縮めたことを活かして世間話。魔法界から来た妖精ということで、何しに来たの?ともっともな質問をするリコ。スパイしに、とは言えないので故郷ですっぱい蜂蜜しか取れなくて…とこれまた嘘を吐きます。冷凍ミカンの件もあるので作物の不作はあながち説得力がないわけではない。蜂蜜が好物のモフルンは話しに乗ってきます。チクルンとモフルン。握手をかわしながらお互いを紹介し合います。
はーちゃんがはーさんになった今、妖精枠が空いているので案外悪くない組合わせ。チクルンは当然モフルンも妖精なのだろうと思っていると衝撃の事実が発覚。ぬいぐるみ。それを知るとやはり腰を浮かして驚きます。これが一般的なリアクション。映画でのクマ達はどういう扱いなんでしょうね。なんでしゃべれんの? みらいと話したいと思ってたらそうなった。魔法でもそんなのねーよ。これも魔法の常識。重要参考人であるモフルンに益々疑惑の目を向けるチクルン。
同士達の復活の気配を感じ取るオルーバ達。どうやら残り1人2人とかそんな数ではなく各地に何人も眠っているようです。なにそれ、幹部の数多くね? 割りとガチ目な軍勢なんだけど。これまでになく絶望感あるぞ。どんだけデウスマストに目を付けられてるの? っていうか封印した人頑張ったなぁ。最終決戦ド派手になったりするんでしょうか。
まだ覚醒までには時間がかかる。それまでにプリキュアのことを調べることにするよ、と本に目を落とすオルーバ。「あんた、本読んでるだけじゃね?」。ベニーギョさんの適切すぎるツッコミ。このトリオ、バランスいい。
今はお友達に任せてある、と悪い顔のオルーバ。
もっと知りたいと言うチクルンにみらいはアルバムを取り出します。
そこに映っているのはモフルンを抱いた赤ちゃん。生まれた時からずっと一緒で…と語り始めます。事前に本編の方で馴初めを語っておくことで映画の準備を済ませておく算段でしょうか。ハイハイの時も自分とほとんど同じ体格のモフルンを背負い、初めて歩いたときもモフルンをゴールに、身長の伸びもモフルンと比べっこ。まさにみらいの成長記録はモフルンとともにあり。男の私にはほとんど馴染みが無いんですが、女の子には比較的そういうパートナーとなるぬいぐるみを持っている子がいるようです。円盤のコメンタリーでも中の人がそんなこと言ってましたね。
花畑の写真に目が釘付けになるモフルン。チクルンはチクルンでせっせとにメモを取ります。うっかりはーちゃんに興味を持たれてしまいますが、すでに夕方だったこともあって、そそくさと逃げるように去っていきます。
忙しない、ともらすリコ達。モフルンはやはり写真が気になるようです。
公園でオルーバ(の影)に報告。モフルンに興味を持ったオルーバはモフルンと引合わせろと命じます。黒く、怪しく伸びる影。見た目はイケメンで優男な感じですが、やはりこいつも敵。シャーキンス達と同類。影が消えた途端悪態をつき始めるチクルン。どうやら好きで付き合っているわけではないらしい。弱味を握られてしまいそれで使いっ走りをやっているようです。
②魂の所在
翌日もスパイ活動。宿題に頭を悩ませるみらい。
チクルンはモフルンを呼ぶと蜂蜜取りに誘います。モフルンの脳裏には例の花畑。良い場所があると話しに乗ります。上手いことモフルンを連れ出して外へ。見た目に寄らず重いらしく必死の形相で持ち上げながら空輸。一応女の子なモフルンは重さを否定。モフルンに案内されて花畑に。
ようやくモフルンがいないことに気づくみらい。机の上に置き手紙。
街外れのコスモス畑。よく知ってんなぁと感心するチクルンにモフルンが口を開こうとした刹那、オルーバが強襲。突風に吹き飛ばされ身動きがとれなくなった隙に捕獲。堅実・確実なやり口。あっと言う間にまな板の上の鯉。目の前にいる人物が何者かはわからないものの危機的状況であることは一目瞭然。冷や汗タラタラのモフルン。実物を手に取ってみてより興味を抱くオルーバ。怪しげに光る彼の瞳にゾワゾワ。
そこに駆けつける魔法少女隊。魔法を使って加速。しかし相手が悪い。瞬間移動で逃れると、相手を失ったみらい達は勢い余って地面に不時着。改めて初顔合わせ。あっさりとモフルンを解放。後に彼の人生最大の失策になりましたとさ。変身アイテムと同義なんですけどね、今手放したの。研究するのが目的でなく、プリキュアを排除することが目的だろうに。
モフルンをキャッチして無事を喜ぶみらい。
間髪入れずオルーバはヨクバールを呼び出して直にプリキュアの能力を測ります。
サファイアで制空権を取ります。しかしヨクバールも対空砲で応戦。フェリーチェがうっかり被弾。銃弾と砲弾を使い分けてプリキュアを攻撃し続けます。なら接近戦で、とばかりに殴るプリキュア。相手は砲撃型、こっちに分がある。……といつから錯覚していた? 砲身で殴り返されます。ほらこれだよ。射撃強いヤツは大概肉弾戦も強い罠。シミュレーションゲームとかで嫌われるタイプ。負けじとこっちも殴り返します。フェリーチェは脚の露出が高いので足技が映える。
なかなかの戦いだ、とこの間も冷静に観察するオルーバ。ヨクバールもまだまだ元気。砲撃が花畑を削り取ります。惨状に心痛むモフルン。モフルンに気を取られたミラクルが攻撃を受けてしまいます。砲弾を抱えたまま落下。このままでは地上に居るチクルンに直撃。マジカル達と協力してヨクバールに砲弾を返却。プリキュアが自分を助けてくれたと呆けるチクルン。フラグが一個立ちました。
ヨクバールの砲撃でプリキュアも花畑もモフルンとチクルンも吹き飛びます。花畑は無残な穴だらけに。
真っ先に敢然と立ち上がったのはモフルン。ここは思い出の場所、これ以上の暴挙は許さない。不退転の姿勢を見せます。回想入ります。当然敵は待ってくれます。戦闘に関係なくても聞くのがマナー。みらいは見聞きしたことを自分にたくさん話してくれた。言外にしかし自分は部屋から出たことがなかったと言っています。その日もみらいはワクワクもんなお花畑に行くと話します。彼女の話を聞いていたモフルンはいつしか自分も一緒に行きたいと思うようになったと言います。しかしそれを伝える術はありません。みらいが部屋を出ようとしたところで、モフルンが棚から落ちます。それを見たみらいはモフルンが一緒に行きたがっているのだと”正しく”読み取ります。みらいはモフルンを抱きかかえると嬉しそうにお目当てのお花畑に向かいます。一面に広がる光景を見ながら、モフルンを抱え直して一緒に見ます。
初めてみらいと一緒に来た場所がここだ!と力強く主張するモフルン。おそらくですが、その日を境にみらいは外出する際にモフルンを同伴するようになったのではないかと思います。
モフルンを研究の対象としか見ないオルーバはあのぬいぐるみを捕まえて帰ろうと先ほどの意見を翻します。モフルンに迫るヨクバールをミラクルが食い止めます。その話は憶えている。だからあの手紙ですぐにここだとわかった。みらいにとっても思い出の場所。仲間と力を合わせてヨクバールを投げ飛ばすと最上級魔法で倒します。
元通りになった花畑に安心しながらふたりは目を合わせると記憶を甦らせます。あれからみらいは色んなものを見せてくれて、色んなことを教えてくれた。きっとたくさんおしゃべりしてくれたから自分も何か伝えたいと思うようになったと話すモフルン。この一連の回想から言えばみらいがモフルンを連れているのは幼さや甘え、依存といったものではなく友情、ある種の対等性によるものだと解釈できます。一緒に居たいのではなく、あなたにもこの素晴らしき世界を知って欲しいという思い遣りです。ハピネスのつむぎがそうであったように、お人形遊びは一概に幼さやひきこもりを意味しません。みらいのコミュ力や感受性からもそれは言えます。
精霊が彼女達を承認して馬車に引っ込みます。
話し込むふたりをリコとはーちゃんが静かに見守ります。するとチクルンがお礼にやってきます。プリキュアの件は他言無用で。チクルンがプリキュアを知っているということは、彼自身は魔法界出身なのでしょう。
みらいとモフルンは、夕日に輝く花畑をあの日と同じように同じ目線で見つめます。
この流れでこのCMである。
③次回予告
冷凍ミカンにかける謎の情熱。
○トピック
OPで映画の宣伝どころか、本編を映画の前振りにしてしまう豪快な作り。これズルいわ。
イマジナリーコンパニオン(イマジナリーフレンド)云々。この辺については、テキトーに検索するか、私の感想だとハピネスの映画か、ジュエルペットてぃんくるの感想を参照して下さい。子どもの頃によくあるやつ。ぬいぐるみには自分の人格の一部が、魂が宿るのだという話し。主観的でありながら客観的に認識される点にポイントがあります。
…と言っておきながら、みらいとモフルンにこの話は特に関係ありません。本編で言及されているように魔法とモフルンは無関係。魔法と友達が無関係なように。という観点からいけば厳密にモフルンの謎を説明づける必要がないので、これはトートロジーにならざるをえない。つまり、モフルンってなんなん?といったときに、しゃべるぬいぐるみです。友達です。いや、だからなんで? 友達だからです。魔法? 違います。じゃあ投影的なやつ? 違います。魂を持った友達です。あなたは友達を魔法だとか投影だとか呼ぶのですか? 友達に理由が必要ですか? みたいな感じに言い切れる。
トートロジーはそう思うからそうなのだ、というある種の信仰告白です。だからこれに必要なのは客観的な事実(説明)ではなく、確かさ(感じ方)なのです。モフルンを理屈ではなく、みらいとの関係、記憶と共有で説明するのはモフルンが確かに居て、感じ、伝えたからです。そのことをみらいは絶対に保証します。視聴者の女の子達も(それぞれの体験から)これに同意するでしょう。
という流れからの映画。やっぱズルいわ、これ。
①妖精としゃべるぬいぐるみ
チクルンが朝からスパイ。精霊といいみらい達にプライバシーは無いらしい。
家から甘い匂い。4人分の蜂蜜たっぷりのパンケーキ。モフルンの体積上回ってね?
おやつの前に手を洗おう。このパターンはアレですね。みんなが部屋から居なくなるとチクルンは我慢できずホットケーキを一つ平らげてしまいます。だからこいつも体積上回ってね? 足音に気づいてとっさに隠れます。
モフルンが現場に戻ってくると無残に食い荒らされた皿が一つ。自分のパンケーキが!?と叫ぶみらい。どっかの5人組プリキュアならこれだけで1話使える事件の発生。
OPは今週から映画宣伝仕様。クマの国。トイマジンが友情出演してませんかね。モフルンに関してはネタバレでもなんでもないので最初っからPR。
パンケーキ…パンケーキ…!と泣きじゃくる女子中学生みらい。……あ、アレだ、この子飛び級したんだよ、きっと。
モフルンを疑いますが本人は否認。こっそり観察するつもりがどっぷり浸かってしまいやばい状況のチクルン。警察犬のように匂いを辿ったモフルンは真犯人を暴きます。
見慣れない妖精に先ほどまで泣いていたみらいも興味津々。まさか自分達をストーキングしていたなどとは思いもしません。チクルンはこの隙にテキトーに誤魔化してバックレようとしますがそうはモフルンが卸さない。いつになく険しい表情。口元の蜂蜜とクリームを見逃しません。逃げ出したチクルンを捉えるべく魔法で捕縛するみらい。こっちもいつになく真剣かつ気合が入ってます。
「食べ物の恨み怖い!」
食べ物で犯した罪は重罪。
凄まじい形相で睨むふたり。チクルンは土下座しながらホラ話をでっち上げます。人の良いモフルンはそれなら仕方ないと自分の分のパンケーキを折半して食べようとみらいに提案。これ以上責めたところでパンケーキが戻るでもなし、みらいも未練を残しつつも頷くしかありません。
寛大な措置に頭を下げながら、何とかこの場を誤魔化せたことに安堵するチクルン。うっかり虎穴に入ってしまいましたが、むしろ対象との距離をぐっと縮めたことを活かして世間話。魔法界から来た妖精ということで、何しに来たの?ともっともな質問をするリコ。スパイしに、とは言えないので故郷ですっぱい蜂蜜しか取れなくて…とこれまた嘘を吐きます。冷凍ミカンの件もあるので作物の不作はあながち説得力がないわけではない。蜂蜜が好物のモフルンは話しに乗ってきます。チクルンとモフルン。握手をかわしながらお互いを紹介し合います。
はーちゃんがはーさんになった今、妖精枠が空いているので案外悪くない組合わせ。チクルンは当然モフルンも妖精なのだろうと思っていると衝撃の事実が発覚。ぬいぐるみ。それを知るとやはり腰を浮かして驚きます。これが一般的なリアクション。映画でのクマ達はどういう扱いなんでしょうね。なんでしゃべれんの? みらいと話したいと思ってたらそうなった。魔法でもそんなのねーよ。これも魔法の常識。重要参考人であるモフルンに益々疑惑の目を向けるチクルン。
同士達の復活の気配を感じ取るオルーバ達。どうやら残り1人2人とかそんな数ではなく各地に何人も眠っているようです。なにそれ、幹部の数多くね? 割りとガチ目な軍勢なんだけど。これまでになく絶望感あるぞ。どんだけデウスマストに目を付けられてるの? っていうか封印した人頑張ったなぁ。最終決戦ド派手になったりするんでしょうか。
まだ覚醒までには時間がかかる。それまでにプリキュアのことを調べることにするよ、と本に目を落とすオルーバ。「あんた、本読んでるだけじゃね?」。ベニーギョさんの適切すぎるツッコミ。このトリオ、バランスいい。
今はお友達に任せてある、と悪い顔のオルーバ。
もっと知りたいと言うチクルンにみらいはアルバムを取り出します。
そこに映っているのはモフルンを抱いた赤ちゃん。生まれた時からずっと一緒で…と語り始めます。事前に本編の方で馴初めを語っておくことで映画の準備を済ませておく算段でしょうか。ハイハイの時も自分とほとんど同じ体格のモフルンを背負い、初めて歩いたときもモフルンをゴールに、身長の伸びもモフルンと比べっこ。まさにみらいの成長記録はモフルンとともにあり。男の私にはほとんど馴染みが無いんですが、女の子には比較的そういうパートナーとなるぬいぐるみを持っている子がいるようです。円盤のコメンタリーでも中の人がそんなこと言ってましたね。
花畑の写真に目が釘付けになるモフルン。チクルンはチクルンでせっせとにメモを取ります。うっかりはーちゃんに興味を持たれてしまいますが、すでに夕方だったこともあって、そそくさと逃げるように去っていきます。
忙しない、ともらすリコ達。モフルンはやはり写真が気になるようです。
公園でオルーバ(の影)に報告。モフルンに興味を持ったオルーバはモフルンと引合わせろと命じます。黒く、怪しく伸びる影。見た目はイケメンで優男な感じですが、やはりこいつも敵。シャーキンス達と同類。影が消えた途端悪態をつき始めるチクルン。どうやら好きで付き合っているわけではないらしい。弱味を握られてしまいそれで使いっ走りをやっているようです。
②魂の所在
翌日もスパイ活動。宿題に頭を悩ませるみらい。
チクルンはモフルンを呼ぶと蜂蜜取りに誘います。モフルンの脳裏には例の花畑。良い場所があると話しに乗ります。上手いことモフルンを連れ出して外へ。見た目に寄らず重いらしく必死の形相で持ち上げながら空輸。一応女の子なモフルンは重さを否定。モフルンに案内されて花畑に。
ようやくモフルンがいないことに気づくみらい。机の上に置き手紙。
街外れのコスモス畑。よく知ってんなぁと感心するチクルンにモフルンが口を開こうとした刹那、オルーバが強襲。突風に吹き飛ばされ身動きがとれなくなった隙に捕獲。堅実・確実なやり口。あっと言う間にまな板の上の鯉。目の前にいる人物が何者かはわからないものの危機的状況であることは一目瞭然。冷や汗タラタラのモフルン。実物を手に取ってみてより興味を抱くオルーバ。怪しげに光る彼の瞳にゾワゾワ。
そこに駆けつける魔法少女隊。魔法を使って加速。しかし相手が悪い。瞬間移動で逃れると、相手を失ったみらい達は勢い余って地面に不時着。改めて初顔合わせ。あっさりとモフルンを解放。後に彼の人生最大の失策になりましたとさ。変身アイテムと同義なんですけどね、今手放したの。研究するのが目的でなく、プリキュアを排除することが目的だろうに。
モフルンをキャッチして無事を喜ぶみらい。
間髪入れずオルーバはヨクバールを呼び出して直にプリキュアの能力を測ります。
サファイアで制空権を取ります。しかしヨクバールも対空砲で応戦。フェリーチェがうっかり被弾。銃弾と砲弾を使い分けてプリキュアを攻撃し続けます。なら接近戦で、とばかりに殴るプリキュア。相手は砲撃型、こっちに分がある。……といつから錯覚していた? 砲身で殴り返されます。ほらこれだよ。射撃強いヤツは大概肉弾戦も強い罠。シミュレーションゲームとかで嫌われるタイプ。負けじとこっちも殴り返します。フェリーチェは脚の露出が高いので足技が映える。
なかなかの戦いだ、とこの間も冷静に観察するオルーバ。ヨクバールもまだまだ元気。砲撃が花畑を削り取ります。惨状に心痛むモフルン。モフルンに気を取られたミラクルが攻撃を受けてしまいます。砲弾を抱えたまま落下。このままでは地上に居るチクルンに直撃。マジカル達と協力してヨクバールに砲弾を返却。プリキュアが自分を助けてくれたと呆けるチクルン。フラグが一個立ちました。
ヨクバールの砲撃でプリキュアも花畑もモフルンとチクルンも吹き飛びます。花畑は無残な穴だらけに。
真っ先に敢然と立ち上がったのはモフルン。ここは思い出の場所、これ以上の暴挙は許さない。不退転の姿勢を見せます。回想入ります。当然敵は待ってくれます。戦闘に関係なくても聞くのがマナー。みらいは見聞きしたことを自分にたくさん話してくれた。言外にしかし自分は部屋から出たことがなかったと言っています。その日もみらいはワクワクもんなお花畑に行くと話します。彼女の話を聞いていたモフルンはいつしか自分も一緒に行きたいと思うようになったと言います。しかしそれを伝える術はありません。みらいが部屋を出ようとしたところで、モフルンが棚から落ちます。それを見たみらいはモフルンが一緒に行きたがっているのだと”正しく”読み取ります。みらいはモフルンを抱きかかえると嬉しそうにお目当てのお花畑に向かいます。一面に広がる光景を見ながら、モフルンを抱え直して一緒に見ます。
初めてみらいと一緒に来た場所がここだ!と力強く主張するモフルン。おそらくですが、その日を境にみらいは外出する際にモフルンを同伴するようになったのではないかと思います。
モフルンを研究の対象としか見ないオルーバはあのぬいぐるみを捕まえて帰ろうと先ほどの意見を翻します。モフルンに迫るヨクバールをミラクルが食い止めます。その話は憶えている。だからあの手紙ですぐにここだとわかった。みらいにとっても思い出の場所。仲間と力を合わせてヨクバールを投げ飛ばすと最上級魔法で倒します。
元通りになった花畑に安心しながらふたりは目を合わせると記憶を甦らせます。あれからみらいは色んなものを見せてくれて、色んなことを教えてくれた。きっとたくさんおしゃべりしてくれたから自分も何か伝えたいと思うようになったと話すモフルン。この一連の回想から言えばみらいがモフルンを連れているのは幼さや甘え、依存といったものではなく友情、ある種の対等性によるものだと解釈できます。一緒に居たいのではなく、あなたにもこの素晴らしき世界を知って欲しいという思い遣りです。ハピネスのつむぎがそうであったように、お人形遊びは一概に幼さやひきこもりを意味しません。みらいのコミュ力や感受性からもそれは言えます。
精霊が彼女達を承認して馬車に引っ込みます。
話し込むふたりをリコとはーちゃんが静かに見守ります。するとチクルンがお礼にやってきます。プリキュアの件は他言無用で。チクルンがプリキュアを知っているということは、彼自身は魔法界出身なのでしょう。
みらいとモフルンは、夕日に輝く花畑をあの日と同じように同じ目線で見つめます。
この流れでこのCMである。
③次回予告
冷凍ミカンにかける謎の情熱。
○トピック
OPで映画の宣伝どころか、本編を映画の前振りにしてしまう豪快な作り。これズルいわ。
イマジナリーコンパニオン(イマジナリーフレンド)云々。この辺については、テキトーに検索するか、私の感想だとハピネスの映画か、ジュエルペットてぃんくるの感想を参照して下さい。子どもの頃によくあるやつ。ぬいぐるみには自分の人格の一部が、魂が宿るのだという話し。主観的でありながら客観的に認識される点にポイントがあります。
…と言っておきながら、みらいとモフルンにこの話は特に関係ありません。本編で言及されているように魔法とモフルンは無関係。魔法と友達が無関係なように。という観点からいけば厳密にモフルンの謎を説明づける必要がないので、これはトートロジーにならざるをえない。つまり、モフルンってなんなん?といったときに、しゃべるぬいぐるみです。友達です。いや、だからなんで? 友達だからです。魔法? 違います。じゃあ投影的なやつ? 違います。魂を持った友達です。あなたは友達を魔法だとか投影だとか呼ぶのですか? 友達に理由が必要ですか? みたいな感じに言い切れる。
トートロジーはそう思うからそうなのだ、というある種の信仰告白です。だからこれに必要なのは客観的な事実(説明)ではなく、確かさ(感じ方)なのです。モフルンを理屈ではなく、みらいとの関係、記憶と共有で説明するのはモフルンが確かに居て、感じ、伝えたからです。そのことをみらいは絶対に保証します。視聴者の女の子達も(それぞれの体験から)これに同意するでしょう。
という流れからの映画。やっぱズルいわ、これ。
第35話「生徒会長総選挙!リコに清き一票を!」
○今週の出来事
①生徒会長のお仕事
テストで満点。みらいに褒められたリコはしたり顔で応えます。どんだけわかりやすい子なの、この子。
というのはもちろん前振りで、生徒会長選挙が近々控えています。現在立候補者ゼロ。大半の生徒達がスルーする中、並木君は真剣な表情で前を見つめます。生徒会長?と訊ねるはーちゃんにみらいがレクチャー。生徒の代表。
冒頭の勉強できますアピールからの生徒会長選挙。リコ。完全にオチまで見えた。35話、面白かったです。完。
生徒会長の仕事についてリコにも説明。委員会を纏めたり行事の運営をしたり。それ聞くだけで面倒臭そうって思うな。生徒会選挙とかごっこ遊びの延長にしか思えないのだけど、どうなんだろうな。金と権限があれば話し別だけど。って考えるのは、学校なんて所定の勉強して後は帰ればいいし、大学か会社の斡旋してくれればそれでいいよ、としか思ってないからなんだけど。学校の生活を向上させる必要性を感じない(コミュニティとしての機能を無視)。我ながらやる気ゼロな発想。そもそも学校って本人達の自由意思で行くってより、行かなきゃいけないから行ってるだけだからね。会社組織のように営利目的でないし、自由意思で能動的に所属してるわけでもないし。権限も金もないし。っていう風に考えるとその生徒会をやりたがるなんて物好きだろ、と。
生徒会長の仕事を聞いたはーちゃんはかっこいいと一言。まゆみと勝木さんも集まってきて、リコにやってみれば?と声をかけます。秀才で女子人気も上々。推薦候補としては申し分ない。リコ生徒会長!と素直に喜ぶはーちゃん。いいね~!と歓声をあげるまゆみと勝木さん。
図書室で生徒会長のことを調べたリコはだんだんその気になっていきます。生徒の代表、大切な役目……魅力的なフレーズの数々。リコの脳内では生徒達の応援を一身に浴びる自分の姿が。
「よーし! 生徒会長やってみようじゃない!」
たとえば、こういう物好きとかね。
早速立候補届を持って職員室へ。すると一足先に並木君と壮太が。生徒会長選挙はリコと並木君の一騎打ち。
前回登場したオルーバは人間の本でお勉強。しかし肝心のプリキュアについて有力な情報はないようです。シャーキンスとベニーギョは人間(魔法)を見下しているので興味無し。最終的にオルーバもやることは変わらんのでしょうが、後々精神攻撃という名の試練を与えてきそうな感じ。本で得られない情報は使い魔を使って収集。
使い魔のチクルンは公園に居たみらい達をこっそり監視。
広報担当といった感じでまゆみが段取りを立て始めます。まずは認知してもらわなければならないのでポスター作り。さらには生徒達への声かけ運動。なるほどと聞くリコ達。すっかりまゆみと仲良しの勝木さんはまゆみはこういうのが得意だと補足します。まゆかな推し。
しかしそれだけではアピールが足りないと考えたのか、女子票を得るために応援キャラクターも必要だと言います。ならちょうどそこにいいのあるじゃん。ということで、モフルンが応援キャラクターに選ばれます。映画も近いし最近目立った活躍もなかったので前振りになっているようです。
モフルンに狙いを定めるチクルン。モフルンいないと変身できないし色々な繋ぎになっているキャラではあるので間違ってはいない。
家に帰るとリコとモフルンを一緒に描いたイラストを魔法でちょちょいと作成。はーちゃんも応援団扇を作って万全の体制。それはそれとして、さきほどから無言で佇む精霊が気になります。特に口を出すこともなく、変なクエストを出されることもないのですが、中途半端に存在感があるのでスルーするにスルーしきれない微妙さ。校長曰く、ストーキングして何か満足するとテキトーに馬車に引っ込むそうです。私達の何を見ているのだろう?と疑問を口にするみらい。女子中学生の私生活を覗き見。私も精霊の仕事に就きたい。
翌日から選挙戦開始。
学校に張り出されたポスターはビジュアル的にリコが並木君を圧倒。応援者もみらい、はーちゃん、まゆみ、勝木さんと壮太しかいない並木陣営を大きく離し、案の定男子からも女子からも注目を集めます。
学校の改善を訴える並木君。しかしどうも押しが弱い。見かねた壮太が声を大にしてアピールすると本人と勘違いされる始末。
リコ達は実際に意見を聞いて施策に反映しようと生徒達からアンケートを集めます。
おやつの時間を作って欲しい。幼稚園か。宿題をなくして欲しい。時間外業務に対する苦情か。実現するには難しい意見ばかり。
はーちゃんが校舎を出ると花壇のレンガをいじっている並木君を発見。早速話しかけます。壮太の件もそうですが、結果的にはーちゃんは中立的に立ち回ることが多いですね。以前から花壇が壊れていたのでそれを直せば生徒達の心象もよくなるだろうと話す並木君。はーちゃんは頷くとお花達も喜んでいると答えます。この子の場合ほんとに花の声聞えてそう。魔法を使って花の声を動きで再現。その光景に並木君の心が安らぎます。今回の話しで魔法が表に出るのはこれくらいですが、この後はーちゃんが並木君側に付くことを考えると今回のエピソードが実質的に並木君の魔法との出会いエピソードであると位置づけていいでしょう。相変わらずはーちゃんと仲良くなると良いことがおきます。座敷童子か。
重要参考人であるモフルンをストーキングするチクリン。
リコ達はアンケート結果を分類。数が多くて纏めるのが大変と漏らします。
図書室にリコが資料探しに行くと並木君が本を整理しています。
図書委員ではないのに? 善意でやっているらしい。キチンとすればみんなも来たくなるかも。せっかく同じ場所にいるのだから生徒同士が知り合えたらもっと楽しいだろう。それが生徒会長に立候補した理由? それだけじゃない。窓に寄るとグラウンドを指し示します。野球部と陸上部が何か言い争っています。日常茶飯らしい。スポーツが好きな者同士なのに。クラブやクラス関係なく生徒みんなが仲良くなれるよう自分に何かできないかと思って…。この学校をもっともっと素敵な場所にしたいんだ。口調は柔らかく静かですが確かな意志がある声で言います。じゃあ、雑用係採用で。こういう目端が利いて小回りが利く人って使いやすいんだよね。頼まれなくても勝手に自分の美意識と帰属意識でやってくれるし。集団にいると便利だよね。私もその役やること多いんだけど(集団内で足りてない部分を勝手に補うことが多い)。
それまで答える側に回っていた並木君はリコに質問します。
「十六夜さんが生徒会長になってやりたいことって何?」
クリティカルな質問です。スタッフさんよくわかってらっしゃる。はい、今回のリコさんはこのために当て馬になって頂きました。
映画CMも拡張。CGのクオリティ上がってますな。
②自分には無くて、彼なら持っているもの
自室で質問への答えを考えるリコ。
みらいが選挙スピーチ纏まった?と訊ねてきます。今さらのようになんで立候補したのかと自問するリコ。そりゃ想像膨らんでなった気になったからでしょ。豚もおだてりゃ木に登る。この子は基本的にお調子者。目の前のニンジンから目を離すことはできない。だからエメラルドを追ってナシマホウ界に来た。この子に欠けているのは長期的なビジョン。だからやることが一々目先の利益になる。自分のやりたいことは何か。立派な魔法使いって何? 何をしたい? 結局この問いに戻る。
「いつもそう。自分のやりたいことがわかってない……」
みらいはノートを見つめながら、夏休みをもっと長くして欲しい、放課後のグラウンドを独り占めしたい、みんなの要望を叶えたらほんとに素敵な学校になるのかなぁ?と疑問を口にします。ややこしいことやってんな。なんだ、これ、期待していいのか、やるの? 前回の勝木さんも今回の並木君も実は言っていることは正道で、本来だったら主人公が口にしてもいい意見。自分の信念を貫く。より良い世界にしたい。しかしそれらは一個人でかつ小さな規模を扱っている。魔法使いの実在証明、学校。これらは一個人でもどうにかなる。準レギュラーキャラなら十分やってくれるだろう。じゃあ、主人公は?とくれば世界動かしましょ!って話しになるよね。みんなの意見を全て叶えることはできない。それでもより良いことを願うなら、どこかでそれを裁断しなければならない。本作においてそれを下す鍵は魔法しかない。魔法を使ってどんな絵を描けるか。本作の最重要ポイントです。
チクリンがオルーバに報告しようとしたところでシャーキンスがこいつ?と横槍。少しビビりながらモフルンについて報告します。報告書(似顔絵)を見つめるオルーバ。呆れたベニーギョは出勤。オルーバは成果を労うと調査続行を命じます。
遅れて学校に来たはーちゃんはふたりに並木君応援団扇を見せます。身内に裏切り者発生。花壇を直してくれたお礼がしたいと話すはーちゃんは彼の言葉を繰り返します。図書室で言っていたことと合致。異なる場所、異なる人に対しても一貫した姿勢を見せる並木君。この時点でリコの腹はほぼ決まったのでしょう。ふたりを応援すると言うはーちゃんに、リコはその気持ち少しわかると答えます。
噂をすれば並木君。ついでにベニーギョも現われて校庭に雷撃が落ちます。そのままヨクバール出現。都合よくメガネを落としてくれたので堂々と変身。そういう問題なのか?という気もしますが昔からの伝統的見逃し法なので。
ヨクバールの攻撃に連携してあたりますが、身動きが封じられてしまいます。ヨクバールが突風を作り出すと、強風に煽られて花壇がまた壊れてしまいます。それを見た並木君は突風から花壇を守ろうと身を挺します。そういう問題なのか?というか、それ以前にお前ちょっと前見ろ前。あからさまに変な怪物いるだろ!と思うのですが並木君的には花壇のことで頭いっぱいらしい。情報統制上その方が都合がいいのですが。まさか勝木さんを差し置いて魔法使いバレしても困るし。
並木君の必死で真剣な表情と声。それを見るマジカルの表情はどこか同情的で寂しそう。自分には無いモノを彼の中に見つけたからかもしれません。素敵な学校にするために必要なもの。それがわかったと得心するとヨクバールの封じを振り払います。
アクアマリンでヨクバールを氷漬けにすると、ペリドットで吹き飛ばします。並木君に後は任せてと言葉を残すと、ヨクバールは最近は置物になっている馬車の魔法で処分。
生徒会長スピーチ。
並木君は具体的な施策を取り上げながら学校をこうしたいとビジョンを披露。
壇上に立ったリコは、自分のやりたいことがわかっていなかったと切り出します。みんなの要望を聞いてもどうしたらよくできるのか答えが見つからなかった。でも、ゆうと君は最初から自分の答えを出していた。彼が生徒会長なら素敵な学校になる。思わぬ展開と言葉に騒然とする生徒達。生徒会長スピーチがいつの間にか応援スピーチに。応援してくれた人達に謝りながら、リコはハッキリと彼を推薦します。会場からは満場の拍手。リコは並木君と握手するといつか自分も本当にやりたいことを見つけると言葉を贈ります。ニンジンがガーネットを承認して退場。アクアマリンじゃねーのかよ。
こうして生徒会長選挙は幕を閉じます。
EDCGはまさかのモフルンメイン。
③次回予告
着々と映画への秒読みが始まっています。
○トピック
はーちゃんに応援され、リコに推薦され、もしかして俺のモテ期到来!?と勘違いする並木君に一票。
モブと大差ない準レギュラーの当て馬になるリコちゃんのポンコツ力。
リコが生徒会長にならない(なれない)ことは予告の時点で察しが付いたのと、その理由も予想通り。相変わらずリコのビジョンについては保留になりますが、そのことに彼女が卑下するのではなく良い模範を得ることで地固めする手堅い流れ。彼女の性格だともっとコミカルにも深刻にもできる話しでしたが、中立的な姿勢で並木君の存在感も出たエピソードとなりました。彼の存在感が出たことで上述したとおり、リコに欠けているものを浮彫りにしつつ、今後彼女達が彼らよりも大きなことを成し遂げるのではないかという期待感にもなっています。
ナシマホウ界側の準レギュはこれで一通り終了。ざっくり纏めるなら、31話以降の話はナシマホウ界人と魔法を繋ぐ話。みらいの「魔法がある!」のセリフを皮切りに魔法を持たない人々にとっての魔法の意味が拡張されています。魔法は福音であり、個人の信念にも関わったりと幅広い意味を持ちます。不思議な存在に彼らが慣れる意味もあるかな。その上での並木君のセリフなので、最終的にナシマホウ界と魔法界が正式に交流することになるのではないかと思えるところでもありますね。その場合は勝木さんにも是非出張ってもらいたい。
本作は良くも悪くも前作プリンセスと正反対な作り(前作と反対に作っていくのは毎年そうなんだけど)になっていますが、プリンセスは早い話しが本流の人々の話でした。エリート校生のサクセスストーリー。はるかはプリンセスを目指す異端でしたが、真っ向からこれを目指し獲得した点では実力でモノをいわせたといってもいいでしょう。そうした点で見ると本作の主役達は魔法に興味はあるけど特に何をするでもないみらい、元劣等生のリコ、何者なのかわからないはーちゃん、さらになんでしゃべるのかもわからないモフルンと一般的にはあぶれた人達の集まり。夢も目標もありゃしない。
でも、そういう人々にも生き方や未来があるんじゃねーの?と私は思うのです。本流だけが正しい、良き、幸せな生き方ではない。いや、もしかしたらこうした人々が何かの拍子に時代の寵児になるかもしれない。ナシマホウ界と魔法界ががひっくり返った時にみらい達こそが本流になるかもしれないし、勝木さんは魔法つかい研究の第一人者になるかもしれない。そんな大転換が無かったとしても、彼女達には彼女達なりのやり方と誇りを持って生きることができるはずだ、と思うのです。その可能性を彼女達に感じます。
何者なのか、何をしたいのか。あやふやさを抱えた彼女達が何者になり、何をするのか。魔法と出会った彼女達の物語はまだまだ続きます。
①生徒会長のお仕事
テストで満点。みらいに褒められたリコはしたり顔で応えます。どんだけわかりやすい子なの、この子。
というのはもちろん前振りで、生徒会長選挙が近々控えています。現在立候補者ゼロ。大半の生徒達がスルーする中、並木君は真剣な表情で前を見つめます。生徒会長?と訊ねるはーちゃんにみらいがレクチャー。生徒の代表。
冒頭の勉強できますアピールからの生徒会長選挙。リコ。完全にオチまで見えた。35話、面白かったです。完。
生徒会長の仕事についてリコにも説明。委員会を纏めたり行事の運営をしたり。それ聞くだけで面倒臭そうって思うな。生徒会選挙とかごっこ遊びの延長にしか思えないのだけど、どうなんだろうな。金と権限があれば話し別だけど。って考えるのは、学校なんて所定の勉強して後は帰ればいいし、大学か会社の斡旋してくれればそれでいいよ、としか思ってないからなんだけど。学校の生活を向上させる必要性を感じない(コミュニティとしての機能を無視)。我ながらやる気ゼロな発想。そもそも学校って本人達の自由意思で行くってより、行かなきゃいけないから行ってるだけだからね。会社組織のように営利目的でないし、自由意思で能動的に所属してるわけでもないし。権限も金もないし。っていう風に考えるとその生徒会をやりたがるなんて物好きだろ、と。
生徒会長の仕事を聞いたはーちゃんはかっこいいと一言。まゆみと勝木さんも集まってきて、リコにやってみれば?と声をかけます。秀才で女子人気も上々。推薦候補としては申し分ない。リコ生徒会長!と素直に喜ぶはーちゃん。いいね~!と歓声をあげるまゆみと勝木さん。
図書室で生徒会長のことを調べたリコはだんだんその気になっていきます。生徒の代表、大切な役目……魅力的なフレーズの数々。リコの脳内では生徒達の応援を一身に浴びる自分の姿が。
「よーし! 生徒会長やってみようじゃない!」
たとえば、こういう物好きとかね。
早速立候補届を持って職員室へ。すると一足先に並木君と壮太が。生徒会長選挙はリコと並木君の一騎打ち。
前回登場したオルーバは人間の本でお勉強。しかし肝心のプリキュアについて有力な情報はないようです。シャーキンスとベニーギョは人間(魔法)を見下しているので興味無し。最終的にオルーバもやることは変わらんのでしょうが、後々精神攻撃という名の試練を与えてきそうな感じ。本で得られない情報は使い魔を使って収集。
使い魔のチクルンは公園に居たみらい達をこっそり監視。
広報担当といった感じでまゆみが段取りを立て始めます。まずは認知してもらわなければならないのでポスター作り。さらには生徒達への声かけ運動。なるほどと聞くリコ達。すっかりまゆみと仲良しの勝木さんはまゆみはこういうのが得意だと補足します。まゆかな推し。
しかしそれだけではアピールが足りないと考えたのか、女子票を得るために応援キャラクターも必要だと言います。ならちょうどそこにいいのあるじゃん。ということで、モフルンが応援キャラクターに選ばれます。映画も近いし最近目立った活躍もなかったので前振りになっているようです。
モフルンに狙いを定めるチクルン。モフルンいないと変身できないし色々な繋ぎになっているキャラではあるので間違ってはいない。
家に帰るとリコとモフルンを一緒に描いたイラストを魔法でちょちょいと作成。はーちゃんも応援団扇を作って万全の体制。それはそれとして、さきほどから無言で佇む精霊が気になります。特に口を出すこともなく、変なクエストを出されることもないのですが、中途半端に存在感があるのでスルーするにスルーしきれない微妙さ。校長曰く、ストーキングして何か満足するとテキトーに馬車に引っ込むそうです。私達の何を見ているのだろう?と疑問を口にするみらい。女子中学生の私生活を覗き見。私も精霊の仕事に就きたい。
翌日から選挙戦開始。
学校に張り出されたポスターはビジュアル的にリコが並木君を圧倒。応援者もみらい、はーちゃん、まゆみ、勝木さんと壮太しかいない並木陣営を大きく離し、案の定男子からも女子からも注目を集めます。
学校の改善を訴える並木君。しかしどうも押しが弱い。見かねた壮太が声を大にしてアピールすると本人と勘違いされる始末。
リコ達は実際に意見を聞いて施策に反映しようと生徒達からアンケートを集めます。
おやつの時間を作って欲しい。幼稚園か。宿題をなくして欲しい。時間外業務に対する苦情か。実現するには難しい意見ばかり。
はーちゃんが校舎を出ると花壇のレンガをいじっている並木君を発見。早速話しかけます。壮太の件もそうですが、結果的にはーちゃんは中立的に立ち回ることが多いですね。以前から花壇が壊れていたのでそれを直せば生徒達の心象もよくなるだろうと話す並木君。はーちゃんは頷くとお花達も喜んでいると答えます。この子の場合ほんとに花の声聞えてそう。魔法を使って花の声を動きで再現。その光景に並木君の心が安らぎます。今回の話しで魔法が表に出るのはこれくらいですが、この後はーちゃんが並木君側に付くことを考えると今回のエピソードが実質的に並木君の魔法との出会いエピソードであると位置づけていいでしょう。相変わらずはーちゃんと仲良くなると良いことがおきます。座敷童子か。
重要参考人であるモフルンをストーキングするチクリン。
リコ達はアンケート結果を分類。数が多くて纏めるのが大変と漏らします。
図書室にリコが資料探しに行くと並木君が本を整理しています。
図書委員ではないのに? 善意でやっているらしい。キチンとすればみんなも来たくなるかも。せっかく同じ場所にいるのだから生徒同士が知り合えたらもっと楽しいだろう。それが生徒会長に立候補した理由? それだけじゃない。窓に寄るとグラウンドを指し示します。野球部と陸上部が何か言い争っています。日常茶飯らしい。スポーツが好きな者同士なのに。クラブやクラス関係なく生徒みんなが仲良くなれるよう自分に何かできないかと思って…。この学校をもっともっと素敵な場所にしたいんだ。口調は柔らかく静かですが確かな意志がある声で言います。じゃあ、雑用係採用で。こういう目端が利いて小回りが利く人って使いやすいんだよね。頼まれなくても勝手に自分の美意識と帰属意識でやってくれるし。集団にいると便利だよね。私もその役やること多いんだけど(集団内で足りてない部分を勝手に補うことが多い)。
それまで答える側に回っていた並木君はリコに質問します。
「十六夜さんが生徒会長になってやりたいことって何?」
クリティカルな質問です。スタッフさんよくわかってらっしゃる。はい、今回のリコさんはこのために当て馬になって頂きました。
映画CMも拡張。CGのクオリティ上がってますな。
②自分には無くて、彼なら持っているもの
自室で質問への答えを考えるリコ。
みらいが選挙スピーチ纏まった?と訊ねてきます。今さらのようになんで立候補したのかと自問するリコ。そりゃ想像膨らんでなった気になったからでしょ。豚もおだてりゃ木に登る。この子は基本的にお調子者。目の前のニンジンから目を離すことはできない。だからエメラルドを追ってナシマホウ界に来た。この子に欠けているのは長期的なビジョン。だからやることが一々目先の利益になる。自分のやりたいことは何か。立派な魔法使いって何? 何をしたい? 結局この問いに戻る。
「いつもそう。自分のやりたいことがわかってない……」
みらいはノートを見つめながら、夏休みをもっと長くして欲しい、放課後のグラウンドを独り占めしたい、みんなの要望を叶えたらほんとに素敵な学校になるのかなぁ?と疑問を口にします。ややこしいことやってんな。なんだ、これ、期待していいのか、やるの? 前回の勝木さんも今回の並木君も実は言っていることは正道で、本来だったら主人公が口にしてもいい意見。自分の信念を貫く。より良い世界にしたい。しかしそれらは一個人でかつ小さな規模を扱っている。魔法使いの実在証明、学校。これらは一個人でもどうにかなる。準レギュラーキャラなら十分やってくれるだろう。じゃあ、主人公は?とくれば世界動かしましょ!って話しになるよね。みんなの意見を全て叶えることはできない。それでもより良いことを願うなら、どこかでそれを裁断しなければならない。本作においてそれを下す鍵は魔法しかない。魔法を使ってどんな絵を描けるか。本作の最重要ポイントです。
チクリンがオルーバに報告しようとしたところでシャーキンスがこいつ?と横槍。少しビビりながらモフルンについて報告します。報告書(似顔絵)を見つめるオルーバ。呆れたベニーギョは出勤。オルーバは成果を労うと調査続行を命じます。
遅れて学校に来たはーちゃんはふたりに並木君応援団扇を見せます。身内に裏切り者発生。花壇を直してくれたお礼がしたいと話すはーちゃんは彼の言葉を繰り返します。図書室で言っていたことと合致。異なる場所、異なる人に対しても一貫した姿勢を見せる並木君。この時点でリコの腹はほぼ決まったのでしょう。ふたりを応援すると言うはーちゃんに、リコはその気持ち少しわかると答えます。
噂をすれば並木君。ついでにベニーギョも現われて校庭に雷撃が落ちます。そのままヨクバール出現。都合よくメガネを落としてくれたので堂々と変身。そういう問題なのか?という気もしますが昔からの伝統的見逃し法なので。
ヨクバールの攻撃に連携してあたりますが、身動きが封じられてしまいます。ヨクバールが突風を作り出すと、強風に煽られて花壇がまた壊れてしまいます。それを見た並木君は突風から花壇を守ろうと身を挺します。そういう問題なのか?というか、それ以前にお前ちょっと前見ろ前。あからさまに変な怪物いるだろ!と思うのですが並木君的には花壇のことで頭いっぱいらしい。情報統制上その方が都合がいいのですが。まさか勝木さんを差し置いて魔法使いバレしても困るし。
並木君の必死で真剣な表情と声。それを見るマジカルの表情はどこか同情的で寂しそう。自分には無いモノを彼の中に見つけたからかもしれません。素敵な学校にするために必要なもの。それがわかったと得心するとヨクバールの封じを振り払います。
アクアマリンでヨクバールを氷漬けにすると、ペリドットで吹き飛ばします。並木君に後は任せてと言葉を残すと、ヨクバールは最近は置物になっている馬車の魔法で処分。
生徒会長スピーチ。
並木君は具体的な施策を取り上げながら学校をこうしたいとビジョンを披露。
壇上に立ったリコは、自分のやりたいことがわかっていなかったと切り出します。みんなの要望を聞いてもどうしたらよくできるのか答えが見つからなかった。でも、ゆうと君は最初から自分の答えを出していた。彼が生徒会長なら素敵な学校になる。思わぬ展開と言葉に騒然とする生徒達。生徒会長スピーチがいつの間にか応援スピーチに。応援してくれた人達に謝りながら、リコはハッキリと彼を推薦します。会場からは満場の拍手。リコは並木君と握手するといつか自分も本当にやりたいことを見つけると言葉を贈ります。ニンジンがガーネットを承認して退場。アクアマリンじゃねーのかよ。
こうして生徒会長選挙は幕を閉じます。
EDCGはまさかのモフルンメイン。
③次回予告
着々と映画への秒読みが始まっています。
○トピック
はーちゃんに応援され、リコに推薦され、もしかして俺のモテ期到来!?と勘違いする並木君に一票。
モブと大差ない準レギュラーの当て馬になるリコちゃんのポンコツ力。
リコが生徒会長にならない(なれない)ことは予告の時点で察しが付いたのと、その理由も予想通り。相変わらずリコのビジョンについては保留になりますが、そのことに彼女が卑下するのではなく良い模範を得ることで地固めする手堅い流れ。彼女の性格だともっとコミカルにも深刻にもできる話しでしたが、中立的な姿勢で並木君の存在感も出たエピソードとなりました。彼の存在感が出たことで上述したとおり、リコに欠けているものを浮彫りにしつつ、今後彼女達が彼らよりも大きなことを成し遂げるのではないかという期待感にもなっています。
ナシマホウ界側の準レギュはこれで一通り終了。ざっくり纏めるなら、31話以降の話はナシマホウ界人と魔法を繋ぐ話。みらいの「魔法がある!」のセリフを皮切りに魔法を持たない人々にとっての魔法の意味が拡張されています。魔法は福音であり、個人の信念にも関わったりと幅広い意味を持ちます。不思議な存在に彼らが慣れる意味もあるかな。その上での並木君のセリフなので、最終的にナシマホウ界と魔法界が正式に交流することになるのではないかと思えるところでもありますね。その場合は勝木さんにも是非出張ってもらいたい。
本作は良くも悪くも前作プリンセスと正反対な作り(前作と反対に作っていくのは毎年そうなんだけど)になっていますが、プリンセスは早い話しが本流の人々の話でした。エリート校生のサクセスストーリー。はるかはプリンセスを目指す異端でしたが、真っ向からこれを目指し獲得した点では実力でモノをいわせたといってもいいでしょう。そうした点で見ると本作の主役達は魔法に興味はあるけど特に何をするでもないみらい、元劣等生のリコ、何者なのかわからないはーちゃん、さらになんでしゃべるのかもわからないモフルンと一般的にはあぶれた人達の集まり。夢も目標もありゃしない。
でも、そういう人々にも生き方や未来があるんじゃねーの?と私は思うのです。本流だけが正しい、良き、幸せな生き方ではない。いや、もしかしたらこうした人々が何かの拍子に時代の寵児になるかもしれない。ナシマホウ界と魔法界ががひっくり返った時にみらい達こそが本流になるかもしれないし、勝木さんは魔法つかい研究の第一人者になるかもしれない。そんな大転換が無かったとしても、彼女達には彼女達なりのやり方と誇りを持って生きることができるはずだ、と思うのです。その可能性を彼女達に感じます。
何者なのか、何をしたいのか。あやふやさを抱えた彼女達が何者になり、何をするのか。魔法と出会った彼女達の物語はまだまだ続きます。
第34話「ドキドキ!初恋の味はイチゴメロンパン!?」
○今週の出来事
①恋バナ
登校途中でまゆみ発見。なにやら挙動不審。声をかけると慌てて電柱の影に隠れます。
そこに通りかかるイケメン少年。するとまゆみはピンク色のオーラを醸し出すと、とっさにみらいの後ろに避難。察しが悪い三人。少年が角を曲がったのを確認してから、まゆみは好きな人ができたと言います。今、好きな人って言……わねーのかよ。
そんなわけでキャラ弱いと思われたのか、唐突な恋愛設定でキャラ付けを行うことに。まあ、ナシマホウ界は勝木さん一強だったし、しゃーない。
恋!とはしゃぐみらいとリコ。はーちゃんは鯉?とか思ってそうな表情。一応このアニメも女児向け。恋バナは鉄板。興味津々な顔でまゆみを見る三人。出会いを語り始めるまゆみ。雨の降る朝、走って学校に向かっているとうっかり転んでしまいます。そこに声をかけてくれたのが例の少年。ほぼ一目惚れのようです。狭心症のような訴えも。
どうしたらいいのか。ずっと見てるだけ? 首肯。進展は無いらしい。名前どころか学校もわからない。
「そういうことなら占いよ!」
この子が張り切るとすげー不安感あるんだけど。
「ミトメール」
はるか古に失われし祝福の言葉。と校長が解説。日本語テキトーにつぶやいているだけで呪文や古代語になりそう。
真面目に考察しますが、残念ながら今回誰も話を聞いてくれません。
水晶さんも恋バナを聞いて乗り気。魔法学校の制服に着替えたリコとモフルンが箒に乗って移動。雰囲気もバッチリ。そこを通りがかる勝木さん。流石、いい嗅覚してます。当然のように魔法使いらしき人影を目撃。専用のノートらしきものにメモ。でもカメラは持ってないらしい。
トーテムポール。以前ヤモーが居た公園で占いごっこを始めます。テーブルとか座布団とか用意がいい。ゲストのまゆみも本格的!とテンションが上がります。
早速始めようとしたところで勝木さんが乱入。問い詰められたリコは占いのための雰囲気作りだと誤魔化します。見方を変えれば魔法使いのコスプレ趣味がありますと言っているような気もしますが……ああ、でも前に補習メイトが来たときにも同じ制服を着ていたので、あっちの制服とは言えるか。
ヘタに表に出るとやばそうなので水晶さんは引っ込みます。占い? 話が見えない勝木さん。まゆみの件を話すと今度はこっちの方に興味を持ってグイグイと聞いてきます。食いつきいいなぁ。恋バナの優先度高ぇ。
というわけで、占いを始めます。とはいえ、後ろには勝木さん。リコとみらいは示し合わせると「恋とは自分の力で叶えるもの。占いの力を借りてはいかーん」と腰砕けな結論を出します。金返せ。こんなんだったらウエスターさん呼んだ方がマシだった。ひたすらずっとぬいぐるみの振りしてるモフルンはプロだと思う。
「やっぱり恋は情熱よ! 熱い思いで彼のハートを引き寄せるのよ!」
ここに西さん居た。勝木さん見た目控え目なわりにアクティブでポジティブらしい。なんかいつの間にか話に加わったあげく、制服の特徴を聞き出します。
②勝木かなと魔法使い
あっと言う間に学校を特定。
魔法使い調査のデータが役に立ったようです。勝木ネットワークすげぇ。この子、アピールの仕方変えればクラスで人気者になるんじゃね。
お目当ての人物発見。早速アプローチしようと飛びだすはーちゃんをまゆみが制止。恥ずかしい。
今日は一旦切り上げ。公園で反省会。先週に続いてイチゴメロンパンをみんなで頬張ります。謝るまゆみに、恋ってそういうもんだと漫画で読んだと暢気に返すみらい。この子が恋するところ全く想像できねぇ。でも彼氏作るのリコより早そう。
男女恋愛を前提としないはーちゃんは好きって言わないの?と直球。勝木さんも絶対告白するべきよ!とこれまた直球。自分に素直に生きてんな、こいつら。勝木さんってそういうキャラなの?という視聴者のリアクションを代弁するようにみらいとリコが「あぁ…」みたいなリアクションをとります。結局、今回一番キャラ立てたの勝木さんのような気がする。何故そうなるのか、というのは後述。
勝木さんの勢いにつられるようにみらい達もまゆみの恋を応援する!と激励。まゆみは勇気付けられます。何気に勝木さんはみらいより小さい。
急に立ち止まったまゆみに勝木さんは振り返ります。不安だと話すまゆみ。
「もし嫌われたら…」
「どうなるかはわからないよね!」
「えっ?」
そこ否定しないんかい。諦めたら何も始まらない。私は絶対魔法使いはいるって信じている。
「えっ!?」
そこに話繋げるんかい。まゆみの疑問には答えず、自信に満ちあふれた表情でノートを見せながら言葉を続けます。
「私はどんなにバカにされても信じたい! 絶対、魔法使いを見つけるって」
「私は私を信じてる!」
太陽をバックに勇ましく語る勝木かな。
間違いない、この子なら最終決戦で世界滅亡の危機にあっても「魔法使いキターー!!!」ってテンションMAXで言える。世界中が絶望してもこの子だけは「私は間違ってなかった!」と嬉々として言える。ある意味、この子の世界観はすでに出来上がっています。ちょっと変な方向に。まさかこの子をキッカケに世界観の話をすることになるとは思わなかったのだけど……私は「世界観」というのはすごく大事なものだと思っています。プリンセスの18話とかわかりやすいし、そこで引用したドストエフスキーの文章もそうなんですが、世界観とはその人のモノの捉え方であり価値観であり、自分をどこに位置付けるかということです。はるかがどこにもない自分だけのプリンセスを目指すと公言したように、勝木さんも傍から見ればおかしい人に見えるんだけど、自分を自分で価値づけるというのは非常に強いのです。精神的なブレがなくなる。世界が滅亡寸前になっても勝木さんなら喜んでるだろうと冗談めかして言いましたが、そういうことです。普通の人なら諦めてしまったり、自分には価値がないと思えてしまうことでも、ちょっとモノの見方を変えて本気でそれをやり抜こうと思っている人にはマイナスにはならないのです。ある種の裏技というか、隙間を狙った生存戦略と言えるかもしれませんが。もちろんリスクも負います。まず変人と思われるし、自分なりの成果を獲得していかなければいけないし。でも本来、自分の人生を生きるとはそういうことなんだと思います。
魔法が使えるナシマホウ界人としてみらいは魔法を肯定しました。ここにも一人、魔法(使い)に出会い、魅せられた少女がいます。
夢中でしゃべり終えると我に返ります。しかし上手く伝わってくれたようで、まゆみも自分に自信を持とうとやる気を出します。
家ではーちゃんが好きな人に好きって言うのに何故ドキドキするのか?と訴えます。
みんなに好きと言うはーちゃんに、みらいはその好きとまゆみの好きは違うと答えます。その間も手を止めることなく黙々と勉強してるリコがらしい感じ。漫画を閉じながら恋には楽しい反面大変なこともあると言うと、リコも数学みたいにハッキリと答えがでないと相づちを打ちます。このふたりが恋してるところ想像しようとしても、甘酸っぱいってよりどうしてこうなったみたいなポンコツ感が漂ってくるのはどうしてか。でもみらいの方が結婚早そう。
理解に苦しむはーちゃん。恋を知らない三人。勝木さんもわかってない。こんな応援団でいいのだろうか?
未だに同志の気配は無い。ということで今週はシャーキンスさんが出勤。2交代シフト制らしい。
③魔法使いからのプレゼント
翌日、日直でリコが学校に行くとまゆみがすでに座っています。ラブレターをしたためていたようです。
ふとまゆみは中学に上がったばかりの頃を話し出します。当時友達がいなかったそうです。親の都合で中学からこっちに来たようでアウェー。そんなときいつもしているお気に入りのヘアピンをなくしてしまいます。みらいがかって出ると一緒に学校中を探し回り、その甲斐もあって発見。実はみらいは先生から頼まれ事があったようですがすっかり忘れていたため呆れた先生が呼びに来ます。そのままそっちの仕事へ。
……というのがまゆみとみらいの仲良しの始まりらしい。それを聞いたリコもみらいらしいと納得。まゆみは勢いよく立ち上がるとみらいは自分のことよりも誰かを応援してばかり、難しいことを考える前に行動するよねあの子、と親しみを込めて言います。リコも頷きます。昨日の勝木さんの件もあり悩む前に行動!みたいな感じになりつつあるまゆみ。周囲からのみらい評は追認に過ぎませんが、わざわざこのエピソードをやっているのは、実は勝木さんもみらいと似たところがあって(リコと友達になっていなかったら、みらいが今の勝木さんポジションになってる)、まゆみと親和性があるという傍証になっています。
放課後、例の学校へ。
このラブレターを渡す当事者と、それを見守る応援団っていう構図はよくあると思うんですが、実際こんなんで乗り込んでこられてラブレター渡されるのって男側からしたら結構なプレッシャーだよね。まず数的に不利っていう。あげく応援団のあの子可愛いとかなった日には友情ブレイカーな事態に。
待っているとお目当ての少年(と友人達)が校舎から出てきます。
まゆみは意を決して進……めない。取り巻きが邪魔。そこではーちゃんが一計を案じます。ハトを囮に注目を集め少年を孤立化。これでセッティング完了。
一人になった少年のもとへまゆみは進み出ます。ちょうど風が吹いて何かいい雰囲気に。たぶん少年の目線は太ももに言ってると思います。思うっていうか行く。行かないわけがない(断言)。
少年はまゆみの顔に見覚えが。隠れながらふたりの様子を見る応援団の面々。まゆみよりこっちの方が気になる。大きな一歩を踏み出して好きです!と告白しながらラブレターを差し出します。
少年を呼ぶ少女の声。とっさにラブレターを隠すまゆみ。
雨が降ってくると少年は少女の傘の中に入りながら一緒に歩き出します。隠したラブレターはそのまま手の中で握りつぶされていきます。ごめん、でもありがとう!と爽やかに去っていく少年。
ドキドキも何もかも無駄だった…と失意に沈むまゆみに、そんなことない!とすかさず勝木さんが声を張り上げます。まるで自分が振られたかのように涙ぐんでいます。彼女にとってまゆみはある種の仮託先だったのかもしれません。自分が夢中になっているものへの成就と期待。まゆみの成功は彼女にとっても大きな励ましになったでしょう。ほら、信じて進めば叶うのだと。しかし無残な結果に。大泣きする勝木さん。なんで本人より悲しんでるんだよとまゆみ的にはツッコミたくなりそうですが、これはこれでちょっと救いになったかもしれません。振られて傷つくのもそうですが、友達がいる手前での不首尾はさらに恥ずかしい。勝木さんはその辺和らげています。
みらい達も目尻に涙を浮かべながらまゆみの健闘を称えます。勝木さんの涙をぬぐったまゆみは彼女と一緒に顔を洗うと場を離れます。何か妙にリアルだな。
それを冷静に観察したはーちゃんは恋は涙が出るんだ、と感心。
「イチゴメロンパンだよ!」
突然叫ぶみらい。何か食って落着こうって話しのようです。それいいね、と話しに乗るリコとはーちゃん。
そこにシャーキンスさんが現われます。無視してメロンパンを買いに行きます。
「それどころじゃないの!」
「えっ?」
「友達が失恋して泣いてるの!」
「はっ?」
「邪魔しないで!」
「なっ、ぬう…」
流石使命も責任もない魔法つかい。他のプリキュアにできない事を平然とやってのける!そこに(以下略
ヨクバール召喚。しょうがないので変身。このしかたなしに戦ってやるよ感。
さっさとカタをつけたいところですが、腐っても新幹部。それなりに強い。
「刹那的な感情に振り回されて一喜一憂するとは愚かなことよ」
特に反論する理由がない。
しかしそこはプリキュア。そもそも今回の話しは恋バナ。プリキュアの恋バナって成功率低そうなんですが、それはさておき、叶わなかった恋にも意味はあると合理化を図ります。認知的不協和を解消するためによく使われます。努力して成功しなかったとしても、その努力は云々的な。買わなければ宝くじ当たらない的な。参加することに意義がある的な。次があるさ的な。
さっきの世界観の話の続きになりますが、こんな感じでヤバくなったときに自分を如何に奮い立たせるか、傷を最小限に留め這いつくばってでも何クソと進む力を与えてくれるかどうか、というのがこの世界観の真価が問われるところです。自尊心は虚栄を張るためのものではありません。失敗しても、後ろ盾を失ってもなお自分を赦し、恥を捨てさせ、現実検討能力を速やかに建て直し、次なるビジョンを見せるのが自尊心です。それをやったのがはるかでした。彼女の世界観はそれ自体完成していました。なんでこの話しをするのかというと、魔法つかいはこの世界観を多数の人で共有するのではないかと睨んでいるからです。
マジカルの反論に無言で答えるシャーキンス。恋?って思ってそう。
振られても強くなる。それがプリキュア。日曜の朝にガン泣きした主人公がいたそうです。リコはどちらかというと家族関係の方で刹那的な感情を一喜一憂させていた子なのでその辺の事情もありそう。なので殴ります。
感情をエネルギーに?と冷静に分析するシャーキンス。良いことを教えてあげます。プリキュアに喧嘩売っちゃだめです。特に精神攻撃はよくない。あいつら倍にして殴ってくるから。
今週もペガサスは付属していません、な必殺技で葬ります。
「解せぬ!」
このアニメで一番不条理で理不尽なのはプリキュアなので。
リンゴ型の精霊がルビー・ミトメールと言って魔方陣に還元。
おかえり~と戻ってきたシャーキンスに声をかけるベニーギョ。またダメだったよ、みたいなこの流れ。
そこにハチの妖精っぽいのを連れた新幹部登場。なんだ、このイケメン。オルーバ。実は一足先に目覚めていたようですが気配を消していたようです。プリキュアの力について興味を持つ不気味な新幹部。それにしても、トランプとか武器にして戦いそう。
みらい達を探すまゆみと勝木さん。
まゆみは勝木さんに泣いてくれたの嬉しかった!と喜びます。すると勝木さんもありがとうと頭を下げます。魔法使いの話を真面目に聞いてくれて嬉しかった。一気に距離が近づいたふたりはお互いに名前で呼び合うことに。
お腹の虫が鳴ります。するとふたりの元にイチゴメロンパンが降ってきます。空を見上げると魔法使いの影が。本当にいるのだと信頼するようにまゆみが視線を向けると、かなは頬を綻ばせて応えます。
④次回予告
リコちゃんチョロ可愛い。
○トピック
恋愛回だと思った? ざーんねん! 百合回でした!
やったねかなちゃん同志が増えるよ!
ブレない子は強い(確信)
唐突な恋バナ。そして美形新幹部。あっ…。みたいな感じですが果たしてどうなるやら。私、普通の女の子に戻ります!宣言されたらどうしよう。戻るも何も、最初っからお前ら普通じゃねーだろと。
とりあえずそれはおいて、何でも魔法絡めとけばいい路線継続中。魔法と出会った少女は人知れず(というか、お構いなしに)自信と情熱を抱き、その熱を周囲に感染させていきます。もちろん魔法は一つのキッカケに過ぎません。まゆみにとっては勝木さんが背中を押してくれたこと、自分のために泣いてくれたことの方が大きいでしょう。一緒に魔法使いを目撃するのは勝木さんがホラ吹きではないと証明するためで、魔法それ自体はまゆみと関係ありません。言い換えれば本作は魔法と、人の感情を両立させようとしています。みらいが闇の中で希望を取り戻したのも、壮太とはーちゃんが仲良くなったのも、勝木さんとまゆみが仲良くなったのも、人の感情の中に魔法という芯が通っていたからです。魔法(偶然)から始まる物語。みらいも壮太も勝木さんもそれぞれ違う出会い方をしていますが、そこに価値を見出したり、そこから育まれた関係を大切にしています。
この辺が魔法を通じた世界観として共有されていくのではないかと思えるところですが、もっと単純に言えばムホーとの差別化ですね。ムホー何でもできるすごい! それで?っていう。魔法は道具や手段としてだけではなく、大切な出会いや価値を私達に与えてくれる。何でもできることではなく、何かをしたい、信じたい、叶えたいという思いが魔法に、魔法を本物の魔法にするのだって話しにするのがわかりやすい。もっとも、この物語がムホーを倒す必要があるのかと言えば、無いんですけどね。魔法の良さを証明できればそれでOKなので。
そんな流れの中で生徒会長選挙。これ、本当に流れがあるんだよね?と思わず不安になってしまうこの脈絡の無さが魔法つかいスタイル。ほんと、わかんねぇ、このアニメ。わかってるのはリコがドヤ顔したときは失敗フラグ。
①恋バナ
登校途中でまゆみ発見。なにやら挙動不審。声をかけると慌てて電柱の影に隠れます。
そこに通りかかるイケメン少年。するとまゆみはピンク色のオーラを醸し出すと、とっさにみらいの後ろに避難。察しが悪い三人。少年が角を曲がったのを確認してから、まゆみは好きな人ができたと言います。今、好きな人って言……わねーのかよ。
そんなわけでキャラ弱いと思われたのか、唐突な恋愛設定でキャラ付けを行うことに。まあ、ナシマホウ界は勝木さん一強だったし、しゃーない。
恋!とはしゃぐみらいとリコ。はーちゃんは鯉?とか思ってそうな表情。一応このアニメも女児向け。恋バナは鉄板。興味津々な顔でまゆみを見る三人。出会いを語り始めるまゆみ。雨の降る朝、走って学校に向かっているとうっかり転んでしまいます。そこに声をかけてくれたのが例の少年。ほぼ一目惚れのようです。狭心症のような訴えも。
どうしたらいいのか。ずっと見てるだけ? 首肯。進展は無いらしい。名前どころか学校もわからない。
「そういうことなら占いよ!」
この子が張り切るとすげー不安感あるんだけど。
「ミトメール」
はるか古に失われし祝福の言葉。と校長が解説。日本語テキトーにつぶやいているだけで呪文や古代語になりそう。
真面目に考察しますが、残念ながら今回誰も話を聞いてくれません。
水晶さんも恋バナを聞いて乗り気。魔法学校の制服に着替えたリコとモフルンが箒に乗って移動。雰囲気もバッチリ。そこを通りがかる勝木さん。流石、いい嗅覚してます。当然のように魔法使いらしき人影を目撃。専用のノートらしきものにメモ。でもカメラは持ってないらしい。
トーテムポール。以前ヤモーが居た公園で占いごっこを始めます。テーブルとか座布団とか用意がいい。ゲストのまゆみも本格的!とテンションが上がります。
早速始めようとしたところで勝木さんが乱入。問い詰められたリコは占いのための雰囲気作りだと誤魔化します。見方を変えれば魔法使いのコスプレ趣味がありますと言っているような気もしますが……ああ、でも前に補習メイトが来たときにも同じ制服を着ていたので、あっちの制服とは言えるか。
ヘタに表に出るとやばそうなので水晶さんは引っ込みます。占い? 話が見えない勝木さん。まゆみの件を話すと今度はこっちの方に興味を持ってグイグイと聞いてきます。食いつきいいなぁ。恋バナの優先度高ぇ。
というわけで、占いを始めます。とはいえ、後ろには勝木さん。リコとみらいは示し合わせると「恋とは自分の力で叶えるもの。占いの力を借りてはいかーん」と腰砕けな結論を出します。金返せ。こんなんだったらウエスターさん呼んだ方がマシだった。ひたすらずっとぬいぐるみの振りしてるモフルンはプロだと思う。
「やっぱり恋は情熱よ! 熱い思いで彼のハートを引き寄せるのよ!」
ここに西さん居た。勝木さん見た目控え目なわりにアクティブでポジティブらしい。なんかいつの間にか話に加わったあげく、制服の特徴を聞き出します。
②勝木かなと魔法使い
あっと言う間に学校を特定。
魔法使い調査のデータが役に立ったようです。勝木ネットワークすげぇ。この子、アピールの仕方変えればクラスで人気者になるんじゃね。
お目当ての人物発見。早速アプローチしようと飛びだすはーちゃんをまゆみが制止。恥ずかしい。
今日は一旦切り上げ。公園で反省会。先週に続いてイチゴメロンパンをみんなで頬張ります。謝るまゆみに、恋ってそういうもんだと漫画で読んだと暢気に返すみらい。この子が恋するところ全く想像できねぇ。でも彼氏作るのリコより早そう。
男女恋愛を前提としないはーちゃんは好きって言わないの?と直球。勝木さんも絶対告白するべきよ!とこれまた直球。自分に素直に生きてんな、こいつら。勝木さんってそういうキャラなの?という視聴者のリアクションを代弁するようにみらいとリコが「あぁ…」みたいなリアクションをとります。結局、今回一番キャラ立てたの勝木さんのような気がする。何故そうなるのか、というのは後述。
勝木さんの勢いにつられるようにみらい達もまゆみの恋を応援する!と激励。まゆみは勇気付けられます。何気に勝木さんはみらいより小さい。
急に立ち止まったまゆみに勝木さんは振り返ります。不安だと話すまゆみ。
「もし嫌われたら…」
「どうなるかはわからないよね!」
「えっ?」
そこ否定しないんかい。諦めたら何も始まらない。私は絶対魔法使いはいるって信じている。
「えっ!?」
そこに話繋げるんかい。まゆみの疑問には答えず、自信に満ちあふれた表情でノートを見せながら言葉を続けます。
「私はどんなにバカにされても信じたい! 絶対、魔法使いを見つけるって」
「私は私を信じてる!」
太陽をバックに勇ましく語る勝木かな。
間違いない、この子なら最終決戦で世界滅亡の危機にあっても「魔法使いキターー!!!」ってテンションMAXで言える。世界中が絶望してもこの子だけは「私は間違ってなかった!」と嬉々として言える。ある意味、この子の世界観はすでに出来上がっています。ちょっと変な方向に。まさかこの子をキッカケに世界観の話をすることになるとは思わなかったのだけど……私は「世界観」というのはすごく大事なものだと思っています。プリンセスの18話とかわかりやすいし、そこで引用したドストエフスキーの文章もそうなんですが、世界観とはその人のモノの捉え方であり価値観であり、自分をどこに位置付けるかということです。はるかがどこにもない自分だけのプリンセスを目指すと公言したように、勝木さんも傍から見ればおかしい人に見えるんだけど、自分を自分で価値づけるというのは非常に強いのです。精神的なブレがなくなる。世界が滅亡寸前になっても勝木さんなら喜んでるだろうと冗談めかして言いましたが、そういうことです。普通の人なら諦めてしまったり、自分には価値がないと思えてしまうことでも、ちょっとモノの見方を変えて本気でそれをやり抜こうと思っている人にはマイナスにはならないのです。ある種の裏技というか、隙間を狙った生存戦略と言えるかもしれませんが。もちろんリスクも負います。まず変人と思われるし、自分なりの成果を獲得していかなければいけないし。でも本来、自分の人生を生きるとはそういうことなんだと思います。
魔法が使えるナシマホウ界人としてみらいは魔法を肯定しました。ここにも一人、魔法(使い)に出会い、魅せられた少女がいます。
夢中でしゃべり終えると我に返ります。しかし上手く伝わってくれたようで、まゆみも自分に自信を持とうとやる気を出します。
家ではーちゃんが好きな人に好きって言うのに何故ドキドキするのか?と訴えます。
みんなに好きと言うはーちゃんに、みらいはその好きとまゆみの好きは違うと答えます。その間も手を止めることなく黙々と勉強してるリコがらしい感じ。漫画を閉じながら恋には楽しい反面大変なこともあると言うと、リコも数学みたいにハッキリと答えがでないと相づちを打ちます。このふたりが恋してるところ想像しようとしても、甘酸っぱいってよりどうしてこうなったみたいなポンコツ感が漂ってくるのはどうしてか。でもみらいの方が結婚早そう。
理解に苦しむはーちゃん。恋を知らない三人。勝木さんもわかってない。こんな応援団でいいのだろうか?
未だに同志の気配は無い。ということで今週はシャーキンスさんが出勤。2交代シフト制らしい。
③魔法使いからのプレゼント
翌日、日直でリコが学校に行くとまゆみがすでに座っています。ラブレターをしたためていたようです。
ふとまゆみは中学に上がったばかりの頃を話し出します。当時友達がいなかったそうです。親の都合で中学からこっちに来たようでアウェー。そんなときいつもしているお気に入りのヘアピンをなくしてしまいます。みらいがかって出ると一緒に学校中を探し回り、その甲斐もあって発見。実はみらいは先生から頼まれ事があったようですがすっかり忘れていたため呆れた先生が呼びに来ます。そのままそっちの仕事へ。
……というのがまゆみとみらいの仲良しの始まりらしい。それを聞いたリコもみらいらしいと納得。まゆみは勢いよく立ち上がるとみらいは自分のことよりも誰かを応援してばかり、難しいことを考える前に行動するよねあの子、と親しみを込めて言います。リコも頷きます。昨日の勝木さんの件もあり悩む前に行動!みたいな感じになりつつあるまゆみ。周囲からのみらい評は追認に過ぎませんが、わざわざこのエピソードをやっているのは、実は勝木さんもみらいと似たところがあって(リコと友達になっていなかったら、みらいが今の勝木さんポジションになってる)、まゆみと親和性があるという傍証になっています。
放課後、例の学校へ。
このラブレターを渡す当事者と、それを見守る応援団っていう構図はよくあると思うんですが、実際こんなんで乗り込んでこられてラブレター渡されるのって男側からしたら結構なプレッシャーだよね。まず数的に不利っていう。あげく応援団のあの子可愛いとかなった日には友情ブレイカーな事態に。
待っているとお目当ての少年(と友人達)が校舎から出てきます。
まゆみは意を決して進……めない。取り巻きが邪魔。そこではーちゃんが一計を案じます。ハトを囮に注目を集め少年を孤立化。これでセッティング完了。
一人になった少年のもとへまゆみは進み出ます。ちょうど風が吹いて何かいい雰囲気に。たぶん少年の目線は太ももに言ってると思います。思うっていうか行く。行かないわけがない(断言)。
少年はまゆみの顔に見覚えが。隠れながらふたりの様子を見る応援団の面々。まゆみよりこっちの方が気になる。大きな一歩を踏み出して好きです!と告白しながらラブレターを差し出します。
少年を呼ぶ少女の声。とっさにラブレターを隠すまゆみ。
雨が降ってくると少年は少女の傘の中に入りながら一緒に歩き出します。隠したラブレターはそのまま手の中で握りつぶされていきます。ごめん、でもありがとう!と爽やかに去っていく少年。
ドキドキも何もかも無駄だった…と失意に沈むまゆみに、そんなことない!とすかさず勝木さんが声を張り上げます。まるで自分が振られたかのように涙ぐんでいます。彼女にとってまゆみはある種の仮託先だったのかもしれません。自分が夢中になっているものへの成就と期待。まゆみの成功は彼女にとっても大きな励ましになったでしょう。ほら、信じて進めば叶うのだと。しかし無残な結果に。大泣きする勝木さん。なんで本人より悲しんでるんだよとまゆみ的にはツッコミたくなりそうですが、これはこれでちょっと救いになったかもしれません。振られて傷つくのもそうですが、友達がいる手前での不首尾はさらに恥ずかしい。勝木さんはその辺和らげています。
みらい達も目尻に涙を浮かべながらまゆみの健闘を称えます。勝木さんの涙をぬぐったまゆみは彼女と一緒に顔を洗うと場を離れます。何か妙にリアルだな。
それを冷静に観察したはーちゃんは恋は涙が出るんだ、と感心。
「イチゴメロンパンだよ!」
突然叫ぶみらい。何か食って落着こうって話しのようです。それいいね、と話しに乗るリコとはーちゃん。
そこにシャーキンスさんが現われます。無視してメロンパンを買いに行きます。
「それどころじゃないの!」
「えっ?」
「友達が失恋して泣いてるの!」
「はっ?」
「邪魔しないで!」
「なっ、ぬう…」
流石使命も責任もない魔法つかい。他のプリキュアにできない事を平然とやってのける!そこに(以下略
ヨクバール召喚。しょうがないので変身。このしかたなしに戦ってやるよ感。
さっさとカタをつけたいところですが、腐っても新幹部。それなりに強い。
「刹那的な感情に振り回されて一喜一憂するとは愚かなことよ」
特に反論する理由がない。
しかしそこはプリキュア。そもそも今回の話しは恋バナ。プリキュアの恋バナって成功率低そうなんですが、それはさておき、叶わなかった恋にも意味はあると合理化を図ります。認知的不協和を解消するためによく使われます。努力して成功しなかったとしても、その努力は云々的な。買わなければ宝くじ当たらない的な。参加することに意義がある的な。次があるさ的な。
さっきの世界観の話の続きになりますが、こんな感じでヤバくなったときに自分を如何に奮い立たせるか、傷を最小限に留め這いつくばってでも何クソと進む力を与えてくれるかどうか、というのがこの世界観の真価が問われるところです。自尊心は虚栄を張るためのものではありません。失敗しても、後ろ盾を失ってもなお自分を赦し、恥を捨てさせ、現実検討能力を速やかに建て直し、次なるビジョンを見せるのが自尊心です。それをやったのがはるかでした。彼女の世界観はそれ自体完成していました。なんでこの話しをするのかというと、魔法つかいはこの世界観を多数の人で共有するのではないかと睨んでいるからです。
マジカルの反論に無言で答えるシャーキンス。恋?って思ってそう。
振られても強くなる。それがプリキュア。日曜の朝にガン泣きした主人公がいたそうです。リコはどちらかというと家族関係の方で刹那的な感情を一喜一憂させていた子なのでその辺の事情もありそう。なので殴ります。
感情をエネルギーに?と冷静に分析するシャーキンス。良いことを教えてあげます。プリキュアに喧嘩売っちゃだめです。特に精神攻撃はよくない。あいつら倍にして殴ってくるから。
今週もペガサスは付属していません、な必殺技で葬ります。
「解せぬ!」
このアニメで一番不条理で理不尽なのはプリキュアなので。
リンゴ型の精霊がルビー・ミトメールと言って魔方陣に還元。
おかえり~と戻ってきたシャーキンスに声をかけるベニーギョ。またダメだったよ、みたいなこの流れ。
そこにハチの妖精っぽいのを連れた新幹部登場。なんだ、このイケメン。オルーバ。実は一足先に目覚めていたようですが気配を消していたようです。プリキュアの力について興味を持つ不気味な新幹部。それにしても、トランプとか武器にして戦いそう。
みらい達を探すまゆみと勝木さん。
まゆみは勝木さんに泣いてくれたの嬉しかった!と喜びます。すると勝木さんもありがとうと頭を下げます。魔法使いの話を真面目に聞いてくれて嬉しかった。一気に距離が近づいたふたりはお互いに名前で呼び合うことに。
お腹の虫が鳴ります。するとふたりの元にイチゴメロンパンが降ってきます。空を見上げると魔法使いの影が。本当にいるのだと信頼するようにまゆみが視線を向けると、かなは頬を綻ばせて応えます。
④次回予告
リコちゃんチョロ可愛い。
○トピック
恋愛回だと思った? ざーんねん! 百合回でした!
やったねかなちゃん同志が増えるよ!
ブレない子は強い(確信)
唐突な恋バナ。そして美形新幹部。あっ…。みたいな感じですが果たしてどうなるやら。私、普通の女の子に戻ります!宣言されたらどうしよう。戻るも何も、最初っからお前ら普通じゃねーだろと。
とりあえずそれはおいて、何でも魔法絡めとけばいい路線継続中。魔法と出会った少女は人知れず(というか、お構いなしに)自信と情熱を抱き、その熱を周囲に感染させていきます。もちろん魔法は一つのキッカケに過ぎません。まゆみにとっては勝木さんが背中を押してくれたこと、自分のために泣いてくれたことの方が大きいでしょう。一緒に魔法使いを目撃するのは勝木さんがホラ吹きではないと証明するためで、魔法それ自体はまゆみと関係ありません。言い換えれば本作は魔法と、人の感情を両立させようとしています。みらいが闇の中で希望を取り戻したのも、壮太とはーちゃんが仲良くなったのも、勝木さんとまゆみが仲良くなったのも、人の感情の中に魔法という芯が通っていたからです。魔法(偶然)から始まる物語。みらいも壮太も勝木さんもそれぞれ違う出会い方をしていますが、そこに価値を見出したり、そこから育まれた関係を大切にしています。
この辺が魔法を通じた世界観として共有されていくのではないかと思えるところですが、もっと単純に言えばムホーとの差別化ですね。ムホー何でもできるすごい! それで?っていう。魔法は道具や手段としてだけではなく、大切な出会いや価値を私達に与えてくれる。何でもできることではなく、何かをしたい、信じたい、叶えたいという思いが魔法に、魔法を本物の魔法にするのだって話しにするのがわかりやすい。もっとも、この物語がムホーを倒す必要があるのかと言えば、無いんですけどね。魔法の良さを証明できればそれでOKなので。
そんな流れの中で生徒会長選挙。これ、本当に流れがあるんだよね?と思わず不安になってしまうこの脈絡の無さが魔法つかいスタイル。ほんと、わかんねぇ、このアニメ。わかってるのはリコがドヤ顔したときは失敗フラグ。
第33話「すれ違う想い!父と娘のビミョ~な1日!」
○今週の出来事
①リコはご機嫌ナナメ
申し訳程度のイチゴメロンパン要素。もう全部冷凍ミカンでいいんじゃないかな。
三人がおやつを食べているのを盗み見る怪しい影。早速事案発生の予感。甘い匂いを嗅ぎつけるモフルン。精霊がその辺をうろついています。一人になったモフルンを狙う怪しい影。あ、ケモナーの方でしたか。
モフルンの悲鳴。怪しい影に捕まってあんなことやこんなことをされてしまいます。モフルンを助けるためにみらいとはーちゃんが影にとびかかります。遅れて駆けつけたリコが待ったをかけます。もうすでにボロボロ。これ絶対(パンチが)入ってるよね。
とうとう出番が回ってきたリコ父ことリアン氏。
あと1ヶ月ほどで映画です。
みらいの家族に紹介。微妙に躊躇いがちのリコ。
社交辞令が終わると待ちかねたようにみらいとはーちゃんがさきほどの暴行事件について謝罪します。一部の業界ではご褒美なのですが。私も女子中学生にもみくちゃにされたい。あまり気にした風ではないリアン氏は古めかしい箱を取り出します。お土産のようです。
何が入っているのかとワクワクするみらいとはーちゃん。中に入っていたのは色とりどりの鉱石。
「石だ」
「石だね」
この微妙な反応。これを予期していたのかリコは無言のままブスっとした顔を浮かべています。たぶん内心でもう少しマシなもん持ってこいよって思ってる。一方、リアン氏は得意気。
リアクションはみらい父と祖母も同様。しかしみらい母だけは素敵!と好感触。アクセサリーショップは伊達ではないようで、強い関心を示します。加工すれば売り物になりそう。おさらいですがリアン氏は考古学者。はーちゃん(視聴者)に簡単に説明。なお「考古学 ゴッドハンド」で検索すると業界の闇が。
みらい父が仕事がら世界中を回っているので娘さんと会えなくて寂しいでしょう?と水を向けると、娘の手前で照れ隠しなのか曖昧に頷きます。むしろこの話題はみらい父の方がしたかったようで、春休みに娘と会えなくて辛かったと正直に打ち明けます。どうやら朝日奈家はざっくばらんで親も含めて喜怒哀楽はストレートに出す雰囲気、リコの家庭はそれと比べるとあまり表に出さない雰囲気のようです。そんな様子の父にリコは不満げ。毎回言っていることですが、プリキュアの視聴層は未就学児童なので主人公達の親に対する感情はそれを踏襲しています。普通この時期の娘は父親に懐きません。
みらいの部屋で本題。相変わらず精霊がうろついています。このもう好きにして感。
水晶をとおして校長がリアン氏とコンタクト。どういうことかとリコが訊ねると校長の依頼で父が来たのだと知ります。自分に会いに来たわけではないと知ってまたテンションが下がります。ここまでの時点で(というか今回終盤まで)彼は娘に特別な関心を寄せていません。少し見ないうちに大きくなったな、でも胸は変わらないか?ガハハ、みたいな冗談一つ言わない。リコから見れば父は自分に興味が無いのではないかと映っても仕方ありません。
リアン氏が馬車に目を留めると例の魔方陣が浮き上がります。すぐさまメモを取ります。魔方陣をよく見ると少し模様が変わっていることに気づくみらい。前回のバナナが回収された結果ですが彼女達はそれを知りません。
校長が言っていた調査というのは、つまりプリキュアのこと。娘がプリキュアだと彼は知っています。すまん、と申し訳なさそうに謝る校長。あー、すっかり忘れていたというか、彼らがつるんでたからその辺ツウツウとは思ってたんですが、一応プリキュアの件は校長以外は内緒でしたね。魔法つかいは若干変則的なところがあるんですが、親にはプリキュアがバレてない前提でした。
驚きのあまり声も出ないリコ。それならそれでなんで知ってたと言ってくれないのよ!?と思ってるかもしれません。
プリキュアの力を認めるシャーキンス。そんな彼を珍しがるベニーギョ。ようやく実体化します。本作の敵の中では一番かっこいい。幹部は他にもいるようですが姿はまだ見えません。今回は彼女が出勤。
再びみらいの部屋。
改めてリンクルストーンとスマホンを前にして感嘆するリアン氏。詳しいのかと訊ねるはーちゃん。隣にいるリコめっちゃ不機嫌。気づいてて敢えて話し進めてるなら彼の肝っ玉も中々ですが、たぶん素で気づいてない。不器用というか、鈍いというか、あるいは彼の中で娘に対する感情が変わっていないからなのかもしれません。リズもそうなのですが、リコに対する評価は元々高くて(けどそれを表に出すわけではなくて)いつ会おうが、再会までの期間が開こうが、その評価や感情が変わらないために敢えて大きなリアクションを取らないタイプの人。いわゆる感情表現が苦手なタイプ。本来リコは寂しがり屋(自己評価に基づいて周囲を価値付けて行動するのではなく、周囲からの価値付けに影響を受けるタイプ)なのであまり相性は良くない。しかもリコは意固地になると引っ込むタイプなので今回は彼女の悪い癖が久々に出ています。
リアン氏の考古学者としての評価は高く魔法界随一と校長も太鼓判を押すほど。しかし魔法界に伝わる伝説はすでに校長が調査を行っており、これ以上の成果は期待できない。それならとナシマホウ界で調査していたと娘の顔よりもエメラルドをじっと見つめるリアン氏。
②手の届かないところで
再現VTR。リコと出会ったときのことをリアン氏に語るみらい。相変わらず擬音多い。
「キュアップ・ラパパでピカッ! ババン!」
なるほど、わからん。
「気持ちは十二分に伝わってきたよ、ありがとう」
大人の対応。
話しを聞いて改めて娘のダイヤを見つめます。このダイヤは2つで一つ。それがナシマホウ界に……思いを巡らす父に含むモノがあるリコ。この子ももう少し恥を捨てられるほど素直なら苦労は無いだろうに。人生を楽しくするコツは恥は捨てるべきときは捨てることです。それで誰も損をしないなら捨てればいい。そしてもう一つ、意地を通すべきときは通すことです。それで誰も損をしないなら通せばいい。自分しか得をしないなら、おそらくそれは間違っています。利他主義の話ではなく、経験的に大きな失敗のタネはそうだからです。
娘に背を向けて調査のことに頭がいっぱいなリアン氏。また精霊が周囲をうろうろ。詳しく訊ねてみるとこの前光になって消えたとモフルン。甘い匂いもする。それを聞いて気づいたと校長。あのときに見た印と似ていると言います。ほんとかと思って見返したら4話で確かに出てました。仕事にのめり込んでいく父に堪りかねたリコは背を向けてどこかへ行ってしまいます。
そこにみらい父がやってきます。急いでモフルンと水晶を鞄に隠すみらいとはーちゃん。ふたりの表情面白い。
ようやくリコが居なくなったことに気づきます。
公園に独りで居るリコに話しかけるみらい。第一声から父親を褒めるあたり彼女のコミュ力の高さが伺えます。それがリコの胸中を占めていることだと彼女はわかっている。まずはリコの父へのネガティブなイメージを軽くしようという判断でしょうか。
しかしリコの口は重い。
一方、残りの面子はリコを見つけられず立ち往生。すぐ近くで父娘が自転車を練習しています。
目論見が外れてしまった、とみらい父。彼の狙いでは親子水入らずにするつもりだったようですが少し遅かったですね。
リアン氏とて娘を気にしていなかったわけではなく、慢性的に疎遠な親子関係のためについ仕事の話ばかりしてしまったと反省。あの子は自分をどう思っているのやら。
「そんなの好きに決まってるよ!」
はーちゃんが瞳をキラキラさせながらキッパリと言い切ります。
みらいは春休みに魔法学校から帰ったときのことを話し始めます。心配していたと素直に語る父。子どもを思わない親はいないよ。
「だって!」
とても嬉しそうに言うみらい。その話を聞いてリコはふとみらいの母もまた同じことを話していたのを思い出します。この点でも朝日奈家はオープンな感情表現がデフォで、みらいもまたその影響を十二分に受けていると解釈できます。
胸に溜った熱さを吐き出すように、はーちゃんはリコが自分に愛情を注いでくれたことを必死に語ります。リコの優しさは家族から優しさを貰ったから。リコはおじさまのことが大好きなはずだ。確信を持って彼女は言い切ります。
それをポーカーフェイスで聞き届けるリアン氏。リアクション薄っ。やっぱこの人、こういう人だよね。この意味でこのアニメは嘘を吐かないというか、それまでの態度が一変して人情的になることはありません。
育ててくれた?とみらい父がツッコミを入れますが、ちょうど自転車娘が転んでしまいます。娘は父の手を借りることなく立ち上がります。珍しく表情を変えたリアン氏を制するようにみらい父が肩に手をかけると、子どもは親が思っているほど子どもじゃないと言います。みらいもリコちゃんと友達になってからたくましくなった気がする。ことはちゃんが来て笑顔も増えた。子どもは子どもの世界で大きくなる。いつまでも親の手がかかる子どもではないし、自分で立ち上がる力がある、という話です。本作は子どもが大人の業を背負わされたりはしません。子どもが大人の真似をしなければならない、という状況はそれはそれで不幸なのだと思います。まあ、細かいことを言うなら「大人」と「子ども」の概念自体が近代に生まれたとする説があって、そっから説明するのも面倒なので省きますが、子どもは子どもらしくすればいいし、大人は大人らしくすればいいんです。どっちみちみんな大人になる。その時に、自分を大人だと、誇りある人間だと思えればいい。大人かっこいい。こう思わせたら大人の勝ちです。
親も子どもに成長させてもらっている、と語るみらい父。このアニメは親子向けアニメなので親に媚びを売って財布の紐を緩めさせるのは常套手段です。
話し変わって、みらいの赤ちゃんの時の写真を見せます。とっておきの写真を見せますが、異変に気づいたはーちゃんとリアン氏はすでにその場から消えています。とりあえずその写真私にも下さい。
③星の祝福を授かった子
ベニーギョ参上。
ヨクバールを仕掛けてきます。敵前逃亡。舐められてる?とベニーギョ。モフルンがいなきゃなんともならない。
箒から振り落とされたところではーちゃん達が駆けつけます。ベニーギョに視線を向ける父にリコはこれまた不満。もっと心配したり優しく手を差し出してくれてもいいんじゃない? 私はオマケか。雑念を振り払うように変身の音頭を取ります。今週はサファイア。割りと大事なことですが、フェリーチェの太ももと太ももの間の隙間が好きです。
ヨクバールの攻撃を回避するとフェリーチェはその勢いのまま飛行形態にチェンジ。かっこいい。3人で飛びながら回避運動をとりますが、マジカルが被弾。動きが止まったところで攻撃の的に。
父が盾になると火を起こして水と相殺。こんな回りくどいことをしているのは、魔法界に戦闘用の魔法が存在しないからのようです(三塚SD談)。プリキュアが戦闘で魔法を使わない(リンクルストーンでしか魔法を使わない)のはそういうことらしい。校長が戦ってたのは例外ですね。
子どものお遊び、とばかりに笑うベニーギョ。攻撃を耐えきれなくなった父は直撃を受けて倒れてしまいます。空気を読んで今頃ヨクバールに攻撃するミラクルとフェリーチェさん。相手の攻撃を受けてから言い返すのがマナー。おじさまは強い力で溢れているとフェリーチェ。「おじさま」呼びが好きな私にとってこのアニメは至福の時間を提供してくれます。ミラクルも家族を思う優しい気持ちは力になる、その思いは絶対伝わると言葉を継ぎます。
普段は寡黙な父。身を挺して傷ついた父。その隣でマジカルは正面を見据えます。ヨクバールの前に躍り出ると渾身の一撃。あとは虹の彼方に強制退去。
倒れた父に手を貸しながら助け起こします。娘の表情がほぐれたのを見て安心するリアン氏。
夜。父の出立を知って寂しがったリコはもう少しお話しがしたかったと素直につぶやきます。
リアン氏は無言で立ち上がるとリコがプリキュアだと知った時のことを語ります。娘がプリキュアであることは変えられない。なら、自分にできることは災いを避ける方法の手がかりを探すこと。それが娘達のためでもある。つまりこれは共同戦線です。以前に校長がみらいを対等な相手として認めつつあることを書きましたが、今回の話はそれをさらに一歩進めています。
彼女達の様子をベランダから見つめるみらい達。ちゃっかり校長も。
リンクルストーンが目覚めた経緯を改めて語ります。リコとみらい君が出会い気持ちを通わせたことで現われた。精霊もリンクルストーンに縁がある。お前達の思いに関係しているのかもしれない。リコが訊ね返しますが、それには答えず夜空を見上げます。
綺麗な月(おそらく十六夜)。こんな月の晩にリコは生まれた。
「本当に大きくなった……」
噛みしめるようにつぶやく父に、リコは少し照れます。リズもそうですがリコが生まれた時の話をするのは、生まれた時から彼女は祝福されていたことを保証するためです。星の祝福を受けたのも、彼女が世界に愛されているから。魔法が使えるから、プリキュアだから愛されているのではありません。私達の元に生まれてきてくれたから、です。
近いうちに今度は母さんと来ると言い残して父は飛び立っていきます。魔法界の大人は傘で移動するのが普通なのか。待ってる、ありがとう!と返事をするリコ。短い会話でしたが伝わるべきものは伝わったようです。と、同時に月の精霊が魔方陣へと還ります。
月明かりの下、リコは嬉しそうに父を見送ります。
④次回予告
なんかモフルンが一番知ってそうな雰囲気。
○トピック
姉といいあんましゃべんない一家に生まれたリコ嬢の苦労が忍ばれます。
すれ違ってしまった父娘。朝日奈家とはーちゃんの応援が彼らを近づける。
といっても、父と娘が抱き合って「おお!娘よ!」「ああ!お父様!」と距離を一気に縮めるわけではなく、彼ららしい距離を置きながら心の整理と準備をする話で、おそらくまた出番があると思われます。
基本的にリコの自尊心や家族観はリズとのエピソードで整理は付いています。リアンの登場は今後の前段となる部分、つまり今回語られたリンクルストーン覚醒のキッカケ、新たに現われた精霊が今再びみらいとリコの繋がりによって動き出すことが確認されています。
また、親との共同戦線もポイント。シリーズで親にプリキュアがバレたのはフレッシュやドキドキなどいくつかあるんですがいずれも終盤で、ストーリー上の実際的な変化はありません。世間にプリキュアが周知されることの裏付けみたいなものだったんですが、今作では協力者のポジション。これは親(大人)も成長していくという部分にもかかっていて、プリキュア(子ども)が起こすことがとりもなおさず大人達にも、ひいては世界にも影響していく……予感がします。いや~、前から言ってますが、魔法つかい全く読めなくて「そんな気がする」みたいなレベルでしか言えないんですが。
本作の監督である三塚氏はこのように語っています。
「ここ最近の『プリキュア』シリーズは主人公たちがプリキュアに選ばれることで、世界を救ったり、誰かを助けなければいけないという気持ちから行動することがわりと多い。その結果、自分を削りながら戦うことが多いように感じていたんです。なので、今年はできるだけ、そこから一旦、別の方向に行ってみたいと思っていて」
「戦いはするんだけれども、あまり使命感を強く押し出さないというか。自分たちの貴重な日常を、戦いに費やさない方向で描けないかな、と」
「あくまで彼女たちは、普通の日常を送るべき女の子であって、例えば、まるまる1日特訓するとか、貴重な青春をそのために使うのはちょっともったいないと思っていて。言い換えると、プリキュアであることが人生にとってリスクになっちゃいけない、というか。あと「敵」と呼べる存在を持ってしまうことは、必ずしも幸せではないと思うんですよね」(フェブリ 36号)
先にも書いたように、本作は子ども達に大人の業を背負わせません。大人の欲を押しつけもしません。彼女達はプリキュアとしての使命も責任も無いし、思想戦もしません。子どもの世界で子どもとして学び育っています。そしていつの間にか親の手を借りなくとも自分で考え、自分で立ち上がる力を身に付けています。しかしそれは親(大人)を必要としないという意味ではありません。意思ある人間として、誇りある人間として対等な人間として大人も彼女達を認め、彼女達も彼らを認める。そのような描かれ方をしています。
大人の代わりに世界を救わなければならなかったプリキュアは、もしかしたら今回は大人達とともに世界を救うのかもしれない。この前も書きましたが、本作はこれまでと違う結末を見せてくれそうな気がします。
あ、あと、どうせ最終回とかその辺りでまた書くと思いますが、三塚氏のコメントは本シリーズの核心を突いています。
つまりそれは、「一個人としての幸せを素直に求めたい」という気持ちです。これをテーゼとしてプリキュアは生まれました。その後に「自分の幸せのために他者を犠牲にしてよいのか?(他者の不幸に見て見ぬ振りをするのか?)」というアンチテーゼが生まれてこれが救済路線として最近まで続いていました。自分の都合だけを見るか、相手の都合も見るか、とも言えます。この辺は再三この感想で書いてきたので繰り返しはしませんが、このテーゼとアンチテーゼは繰り返していいと思っています。だって、どっちも大事だもの。
より良い生き方とはどんな生き方か。プリキュアはそれにどこまで、どのように答えることができるのか。正義の味方としてではなく、正しき人としての在り様を求めるのがプリキュアシリーズの本懐だと思っています。この二つのアプローチ、せめぎ合いが本シリーズに彩りと活力を与えています。矛盾を抱えることは決して悪いことではありません。その中で見えてくるものもある。
①リコはご機嫌ナナメ
申し訳程度のイチゴメロンパン要素。もう全部冷凍ミカンでいいんじゃないかな。
三人がおやつを食べているのを盗み見る怪しい影。早速事案発生の予感。甘い匂いを嗅ぎつけるモフルン。精霊がその辺をうろついています。一人になったモフルンを狙う怪しい影。あ、ケモナーの方でしたか。
モフルンの悲鳴。怪しい影に捕まってあんなことやこんなことをされてしまいます。モフルンを助けるためにみらいとはーちゃんが影にとびかかります。遅れて駆けつけたリコが待ったをかけます。もうすでにボロボロ。これ絶対(パンチが)入ってるよね。
とうとう出番が回ってきたリコ父ことリアン氏。
あと1ヶ月ほどで映画です。
みらいの家族に紹介。微妙に躊躇いがちのリコ。
社交辞令が終わると待ちかねたようにみらいとはーちゃんがさきほどの暴行事件について謝罪します。一部の業界ではご褒美なのですが。私も女子中学生にもみくちゃにされたい。あまり気にした風ではないリアン氏は古めかしい箱を取り出します。お土産のようです。
何が入っているのかとワクワクするみらいとはーちゃん。中に入っていたのは色とりどりの鉱石。
「石だ」
「石だね」
この微妙な反応。これを予期していたのかリコは無言のままブスっとした顔を浮かべています。たぶん内心でもう少しマシなもん持ってこいよって思ってる。一方、リアン氏は得意気。
リアクションはみらい父と祖母も同様。しかしみらい母だけは素敵!と好感触。アクセサリーショップは伊達ではないようで、強い関心を示します。加工すれば売り物になりそう。おさらいですがリアン氏は考古学者。はーちゃん(視聴者)に簡単に説明。なお「考古学 ゴッドハンド」で検索すると業界の闇が。
みらい父が仕事がら世界中を回っているので娘さんと会えなくて寂しいでしょう?と水を向けると、娘の手前で照れ隠しなのか曖昧に頷きます。むしろこの話題はみらい父の方がしたかったようで、春休みに娘と会えなくて辛かったと正直に打ち明けます。どうやら朝日奈家はざっくばらんで親も含めて喜怒哀楽はストレートに出す雰囲気、リコの家庭はそれと比べるとあまり表に出さない雰囲気のようです。そんな様子の父にリコは不満げ。毎回言っていることですが、プリキュアの視聴層は未就学児童なので主人公達の親に対する感情はそれを踏襲しています。普通この時期の娘は父親に懐きません。
みらいの部屋で本題。相変わらず精霊がうろついています。このもう好きにして感。
水晶をとおして校長がリアン氏とコンタクト。どういうことかとリコが訊ねると校長の依頼で父が来たのだと知ります。自分に会いに来たわけではないと知ってまたテンションが下がります。ここまでの時点で(というか今回終盤まで)彼は娘に特別な関心を寄せていません。少し見ないうちに大きくなったな、でも胸は変わらないか?ガハハ、みたいな冗談一つ言わない。リコから見れば父は自分に興味が無いのではないかと映っても仕方ありません。
リアン氏が馬車に目を留めると例の魔方陣が浮き上がります。すぐさまメモを取ります。魔方陣をよく見ると少し模様が変わっていることに気づくみらい。前回のバナナが回収された結果ですが彼女達はそれを知りません。
校長が言っていた調査というのは、つまりプリキュアのこと。娘がプリキュアだと彼は知っています。すまん、と申し訳なさそうに謝る校長。あー、すっかり忘れていたというか、彼らがつるんでたからその辺ツウツウとは思ってたんですが、一応プリキュアの件は校長以外は内緒でしたね。魔法つかいは若干変則的なところがあるんですが、親にはプリキュアがバレてない前提でした。
驚きのあまり声も出ないリコ。それならそれでなんで知ってたと言ってくれないのよ!?と思ってるかもしれません。
プリキュアの力を認めるシャーキンス。そんな彼を珍しがるベニーギョ。ようやく実体化します。本作の敵の中では一番かっこいい。幹部は他にもいるようですが姿はまだ見えません。今回は彼女が出勤。
再びみらいの部屋。
改めてリンクルストーンとスマホンを前にして感嘆するリアン氏。詳しいのかと訊ねるはーちゃん。隣にいるリコめっちゃ不機嫌。気づいてて敢えて話し進めてるなら彼の肝っ玉も中々ですが、たぶん素で気づいてない。不器用というか、鈍いというか、あるいは彼の中で娘に対する感情が変わっていないからなのかもしれません。リズもそうなのですが、リコに対する評価は元々高くて(けどそれを表に出すわけではなくて)いつ会おうが、再会までの期間が開こうが、その評価や感情が変わらないために敢えて大きなリアクションを取らないタイプの人。いわゆる感情表現が苦手なタイプ。本来リコは寂しがり屋(自己評価に基づいて周囲を価値付けて行動するのではなく、周囲からの価値付けに影響を受けるタイプ)なのであまり相性は良くない。しかもリコは意固地になると引っ込むタイプなので今回は彼女の悪い癖が久々に出ています。
リアン氏の考古学者としての評価は高く魔法界随一と校長も太鼓判を押すほど。しかし魔法界に伝わる伝説はすでに校長が調査を行っており、これ以上の成果は期待できない。それならとナシマホウ界で調査していたと娘の顔よりもエメラルドをじっと見つめるリアン氏。
②手の届かないところで
再現VTR。リコと出会ったときのことをリアン氏に語るみらい。相変わらず擬音多い。
「キュアップ・ラパパでピカッ! ババン!」
なるほど、わからん。
「気持ちは十二分に伝わってきたよ、ありがとう」
大人の対応。
話しを聞いて改めて娘のダイヤを見つめます。このダイヤは2つで一つ。それがナシマホウ界に……思いを巡らす父に含むモノがあるリコ。この子ももう少し恥を捨てられるほど素直なら苦労は無いだろうに。人生を楽しくするコツは恥は捨てるべきときは捨てることです。それで誰も損をしないなら捨てればいい。そしてもう一つ、意地を通すべきときは通すことです。それで誰も損をしないなら通せばいい。自分しか得をしないなら、おそらくそれは間違っています。利他主義の話ではなく、経験的に大きな失敗のタネはそうだからです。
娘に背を向けて調査のことに頭がいっぱいなリアン氏。また精霊が周囲をうろうろ。詳しく訊ねてみるとこの前光になって消えたとモフルン。甘い匂いもする。それを聞いて気づいたと校長。あのときに見た印と似ていると言います。ほんとかと思って見返したら4話で確かに出てました。仕事にのめり込んでいく父に堪りかねたリコは背を向けてどこかへ行ってしまいます。
そこにみらい父がやってきます。急いでモフルンと水晶を鞄に隠すみらいとはーちゃん。ふたりの表情面白い。
ようやくリコが居なくなったことに気づきます。
公園に独りで居るリコに話しかけるみらい。第一声から父親を褒めるあたり彼女のコミュ力の高さが伺えます。それがリコの胸中を占めていることだと彼女はわかっている。まずはリコの父へのネガティブなイメージを軽くしようという判断でしょうか。
しかしリコの口は重い。
一方、残りの面子はリコを見つけられず立ち往生。すぐ近くで父娘が自転車を練習しています。
目論見が外れてしまった、とみらい父。彼の狙いでは親子水入らずにするつもりだったようですが少し遅かったですね。
リアン氏とて娘を気にしていなかったわけではなく、慢性的に疎遠な親子関係のためについ仕事の話ばかりしてしまったと反省。あの子は自分をどう思っているのやら。
「そんなの好きに決まってるよ!」
はーちゃんが瞳をキラキラさせながらキッパリと言い切ります。
みらいは春休みに魔法学校から帰ったときのことを話し始めます。心配していたと素直に語る父。子どもを思わない親はいないよ。
「だって!」
とても嬉しそうに言うみらい。その話を聞いてリコはふとみらいの母もまた同じことを話していたのを思い出します。この点でも朝日奈家はオープンな感情表現がデフォで、みらいもまたその影響を十二分に受けていると解釈できます。
胸に溜った熱さを吐き出すように、はーちゃんはリコが自分に愛情を注いでくれたことを必死に語ります。リコの優しさは家族から優しさを貰ったから。リコはおじさまのことが大好きなはずだ。確信を持って彼女は言い切ります。
それをポーカーフェイスで聞き届けるリアン氏。リアクション薄っ。やっぱこの人、こういう人だよね。この意味でこのアニメは嘘を吐かないというか、それまでの態度が一変して人情的になることはありません。
育ててくれた?とみらい父がツッコミを入れますが、ちょうど自転車娘が転んでしまいます。娘は父の手を借りることなく立ち上がります。珍しく表情を変えたリアン氏を制するようにみらい父が肩に手をかけると、子どもは親が思っているほど子どもじゃないと言います。みらいもリコちゃんと友達になってからたくましくなった気がする。ことはちゃんが来て笑顔も増えた。子どもは子どもの世界で大きくなる。いつまでも親の手がかかる子どもではないし、自分で立ち上がる力がある、という話です。本作は子どもが大人の業を背負わされたりはしません。子どもが大人の真似をしなければならない、という状況はそれはそれで不幸なのだと思います。まあ、細かいことを言うなら「大人」と「子ども」の概念自体が近代に生まれたとする説があって、そっから説明するのも面倒なので省きますが、子どもは子どもらしくすればいいし、大人は大人らしくすればいいんです。どっちみちみんな大人になる。その時に、自分を大人だと、誇りある人間だと思えればいい。大人かっこいい。こう思わせたら大人の勝ちです。
親も子どもに成長させてもらっている、と語るみらい父。このアニメは親子向けアニメなので親に媚びを売って財布の紐を緩めさせるのは常套手段です。
話し変わって、みらいの赤ちゃんの時の写真を見せます。とっておきの写真を見せますが、異変に気づいたはーちゃんとリアン氏はすでにその場から消えています。とりあえずその写真私にも下さい。
③星の祝福を授かった子
ベニーギョ参上。
ヨクバールを仕掛けてきます。敵前逃亡。舐められてる?とベニーギョ。モフルンがいなきゃなんともならない。
箒から振り落とされたところではーちゃん達が駆けつけます。ベニーギョに視線を向ける父にリコはこれまた不満。もっと心配したり優しく手を差し出してくれてもいいんじゃない? 私はオマケか。雑念を振り払うように変身の音頭を取ります。今週はサファイア。割りと大事なことですが、フェリーチェの太ももと太ももの間の隙間が好きです。
ヨクバールの攻撃を回避するとフェリーチェはその勢いのまま飛行形態にチェンジ。かっこいい。3人で飛びながら回避運動をとりますが、マジカルが被弾。動きが止まったところで攻撃の的に。
父が盾になると火を起こして水と相殺。こんな回りくどいことをしているのは、魔法界に戦闘用の魔法が存在しないからのようです(三塚SD談)。プリキュアが戦闘で魔法を使わない(リンクルストーンでしか魔法を使わない)のはそういうことらしい。校長が戦ってたのは例外ですね。
子どものお遊び、とばかりに笑うベニーギョ。攻撃を耐えきれなくなった父は直撃を受けて倒れてしまいます。空気を読んで今頃ヨクバールに攻撃するミラクルとフェリーチェさん。相手の攻撃を受けてから言い返すのがマナー。おじさまは強い力で溢れているとフェリーチェ。「おじさま」呼びが好きな私にとってこのアニメは至福の時間を提供してくれます。ミラクルも家族を思う優しい気持ちは力になる、その思いは絶対伝わると言葉を継ぎます。
普段は寡黙な父。身を挺して傷ついた父。その隣でマジカルは正面を見据えます。ヨクバールの前に躍り出ると渾身の一撃。あとは虹の彼方に強制退去。
倒れた父に手を貸しながら助け起こします。娘の表情がほぐれたのを見て安心するリアン氏。
夜。父の出立を知って寂しがったリコはもう少しお話しがしたかったと素直につぶやきます。
リアン氏は無言で立ち上がるとリコがプリキュアだと知った時のことを語ります。娘がプリキュアであることは変えられない。なら、自分にできることは災いを避ける方法の手がかりを探すこと。それが娘達のためでもある。つまりこれは共同戦線です。以前に校長がみらいを対等な相手として認めつつあることを書きましたが、今回の話はそれをさらに一歩進めています。
彼女達の様子をベランダから見つめるみらい達。ちゃっかり校長も。
リンクルストーンが目覚めた経緯を改めて語ります。リコとみらい君が出会い気持ちを通わせたことで現われた。精霊もリンクルストーンに縁がある。お前達の思いに関係しているのかもしれない。リコが訊ね返しますが、それには答えず夜空を見上げます。
綺麗な月(おそらく十六夜)。こんな月の晩にリコは生まれた。
「本当に大きくなった……」
噛みしめるようにつぶやく父に、リコは少し照れます。リズもそうですがリコが生まれた時の話をするのは、生まれた時から彼女は祝福されていたことを保証するためです。星の祝福を受けたのも、彼女が世界に愛されているから。魔法が使えるから、プリキュアだから愛されているのではありません。私達の元に生まれてきてくれたから、です。
近いうちに今度は母さんと来ると言い残して父は飛び立っていきます。魔法界の大人は傘で移動するのが普通なのか。待ってる、ありがとう!と返事をするリコ。短い会話でしたが伝わるべきものは伝わったようです。と、同時に月の精霊が魔方陣へと還ります。
月明かりの下、リコは嬉しそうに父を見送ります。
④次回予告
なんかモフルンが一番知ってそうな雰囲気。
○トピック
姉といいあんましゃべんない一家に生まれたリコ嬢の苦労が忍ばれます。
すれ違ってしまった父娘。朝日奈家とはーちゃんの応援が彼らを近づける。
といっても、父と娘が抱き合って「おお!娘よ!」「ああ!お父様!」と距離を一気に縮めるわけではなく、彼ららしい距離を置きながら心の整理と準備をする話で、おそらくまた出番があると思われます。
基本的にリコの自尊心や家族観はリズとのエピソードで整理は付いています。リアンの登場は今後の前段となる部分、つまり今回語られたリンクルストーン覚醒のキッカケ、新たに現われた精霊が今再びみらいとリコの繋がりによって動き出すことが確認されています。
また、親との共同戦線もポイント。シリーズで親にプリキュアがバレたのはフレッシュやドキドキなどいくつかあるんですがいずれも終盤で、ストーリー上の実際的な変化はありません。世間にプリキュアが周知されることの裏付けみたいなものだったんですが、今作では協力者のポジション。これは親(大人)も成長していくという部分にもかかっていて、プリキュア(子ども)が起こすことがとりもなおさず大人達にも、ひいては世界にも影響していく……予感がします。いや~、前から言ってますが、魔法つかい全く読めなくて「そんな気がする」みたいなレベルでしか言えないんですが。
本作の監督である三塚氏はこのように語っています。
「ここ最近の『プリキュア』シリーズは主人公たちがプリキュアに選ばれることで、世界を救ったり、誰かを助けなければいけないという気持ちから行動することがわりと多い。その結果、自分を削りながら戦うことが多いように感じていたんです。なので、今年はできるだけ、そこから一旦、別の方向に行ってみたいと思っていて」
「戦いはするんだけれども、あまり使命感を強く押し出さないというか。自分たちの貴重な日常を、戦いに費やさない方向で描けないかな、と」
「あくまで彼女たちは、普通の日常を送るべき女の子であって、例えば、まるまる1日特訓するとか、貴重な青春をそのために使うのはちょっともったいないと思っていて。言い換えると、プリキュアであることが人生にとってリスクになっちゃいけない、というか。あと「敵」と呼べる存在を持ってしまうことは、必ずしも幸せではないと思うんですよね」(フェブリ 36号)
先にも書いたように、本作は子ども達に大人の業を背負わせません。大人の欲を押しつけもしません。彼女達はプリキュアとしての使命も責任も無いし、思想戦もしません。子どもの世界で子どもとして学び育っています。そしていつの間にか親の手を借りなくとも自分で考え、自分で立ち上がる力を身に付けています。しかしそれは親(大人)を必要としないという意味ではありません。意思ある人間として、誇りある人間として対等な人間として大人も彼女達を認め、彼女達も彼らを認める。そのような描かれ方をしています。
大人の代わりに世界を救わなければならなかったプリキュアは、もしかしたら今回は大人達とともに世界を救うのかもしれない。この前も書きましたが、本作はこれまでと違う結末を見せてくれそうな気がします。
あ、あと、どうせ最終回とかその辺りでまた書くと思いますが、三塚氏のコメントは本シリーズの核心を突いています。
つまりそれは、「一個人としての幸せを素直に求めたい」という気持ちです。これをテーゼとしてプリキュアは生まれました。その後に「自分の幸せのために他者を犠牲にしてよいのか?(他者の不幸に見て見ぬ振りをするのか?)」というアンチテーゼが生まれてこれが救済路線として最近まで続いていました。自分の都合だけを見るか、相手の都合も見るか、とも言えます。この辺は再三この感想で書いてきたので繰り返しはしませんが、このテーゼとアンチテーゼは繰り返していいと思っています。だって、どっちも大事だもの。
より良い生き方とはどんな生き方か。プリキュアはそれにどこまで、どのように答えることができるのか。正義の味方としてではなく、正しき人としての在り様を求めるのがプリキュアシリーズの本懐だと思っています。この二つのアプローチ、せめぎ合いが本シリーズに彩りと活力を与えています。矛盾を抱えることは決して悪いことではありません。その中で見えてくるものもある。
第32話「ワクワクいっぱい!はーちゃんの学校生活!」
○今週の出来事
①はーちゃん学校へ行く
脱衣シーンから。
いつものようにアレキサンドライトについて校長に報告するふたり。当然校長も知りません。で、それ以上に謎なのがプカプカと空中に浮いている何か。精霊の類らしい。バナナや桃が? さらに畳みかけるようにはーちゃんが制服を着て準備万端、明日学校へ行くつもりのようです。細かいことはどんどん棚上げしていくスタイル。
翌日。早朝から張り切ったはーちゃんは始業2時間前には学校に。リコは留学生ってことで朝日奈家に納得されてると思うんだけど、はーちゃんはどういう認識なんだろうな。家出娘にしか見えてないと思うんだけど。ちょっと故郷の方で戦争があって疎開させて下さいみたいな、重い設定にしてるんでしょうか。書類は例によって魔法(偽造)でどうにかなるんだろうけど。まあ、その辺の説明にリソース割いたところでってのはあるんですが。
そんな彼女達よりも先に学校に来ていた人達が。サッカー部。それを見たはーちゃんは自分よりも楽しみにしていた人がいる!と勘違い。ふたりの説明を聞き終える前に朝練に混ざってしまいます。
校庭ではたくさんの部員が練習をしています。久しぶりの壮太君。いつの間にかサッカー部部長に就任。しかし張り切りすぎているのかペナルティがキツイと部員達から不満の声がチラホラ。部内で分裂傾向。
始業式が終わり教室に戻る途中、美術部の絵を見た生徒が妖精を話題にします。以前はーちゃんが出現したときに話題になったやつで、実際に絵になったようです。大騒ぎだったと苦労話のように振り返るみらい達。この「幸せの妖精」は生徒達に好意的に受け入れられていることを念頭に入れると今回の話しはスムーズに繋がります。魔法が直接的に浸透しているわけではなく、不思議なものとの遭遇が幸せを呼ぶとワンクッション置かれています。
壮太がやってくるとはーちゃんを紹介。さらにはナシマホウ界といったらこの人、勝木さん。夏休みが明けても彼女の魔法使いブームは終わらず、妖精もいるし魔法使いもいる!と息巻いています。例によって精霊が後ろに。また妖精? いえ、精霊です。上手く回避。精霊がその辺勝手に飛んでいるのは問題なような気もしますが、みらい達も持て余してるのか放置気味のようです。ちなみに今週はバナナが当番のようです。何の当番なのかはさっぱりですが。
例によってクラスにはーちゃんが転校してきます。留学生扱い。
自分の名前に花マルを付けて自己紹介。勝木さんとまゆみとは顔見知りなのでその辺はスムーズ。うっかり口を滑らして先生のリアクション力が試されます。リコといい、留学生はちょっと変だという認識がこのクラスに根付きそう。談笑ムードの中、壮太だけ深刻な雰囲気。
授業に参加したはーちゃんは相変わらず破天荒で自由。頭の中が花でいっぱい。そんなはーちゃんは実は運動も得意。学校をエンジョイ。その一方で壮太はエラー。珍しいと言うみらいにはーちゃんは今日ずっとどよ~んって顔をしていると答えます。何気にはーちゃんは人の顔色見てたりします。変なところで観察力が高いのは後半の戦闘でも発揮されます。
何かあったのだろうか? みらいにもわからない。肩を落とすはーちゃん。
②はーちゃんとサッカー
今日の授業は終了。楽しかったと充実のはーちゃん。みらいも学校は色んな人がいて、色んな事ができるからワクワクだと頷きます。壮太がみらいに声をかけて教室を出ます。すると今度は勝木さんがやってきて一緒に妖精を探しに行こうと誘ってきます。有無を言わさぬ迫力。この子も自分に素直に生きてんな。変な人ランキングではーちゃんより上にいってそう。この子、微妙に可愛いような気がして、でもやっぱりそんなに可愛いわけでもないなくらいの感じなんですが、何か好きになってきました。たぶん見慣れたせい。セリフは無いですがモフルンが出たり引っ込んだりしてるのが面白い。
部活の話しを聞いたはーちゃんはみらい達とは別行動を取ります。
校庭で準備を進める壮太にはーちゃんが声をかけます。花海と呼ぶ彼にはーちゃんで良いと答えます。「え、それは…」。流石に壮太でも躊躇。まあ、はーちゃんが本名なんですけどね。
部活がやりたいと頼むと承諾。男子サッカー部っぽいのですが、留学生相手だからかその辺は緩く捉えているのかもしれません。それはそれとして、辺りを見回しても他のメンバーの姿が見えません。痛いところを突かれたように凹む壮太。はーちゃんに表情が暗かったと指摘されると、部長になったのに全然チームを纏められないと打ち明けます。なるほど。ならお任せあれ。はーちゃんは一旦場所を移すと、魔法で一つに纏まれ!と唱えます。
結果は怪奇現象が起きてサッカー部が団子状態に。これは酷い。普通に異常事態ですが、怪奇現象に慣れているのでセーフ。毎回怪奇現象が起きるとそれに慣れてしまうのは去年も実証済。ちなみに人間にはこの「希によくある」感覚が実際にあって、希にしか起らないことでも、何回か体験してしまうと意外性が薄れて感覚が緩くなるようです。
気を取り直して。幸せの妖精来ないかな~とため息を吐きながらポールを立てる壮太。そこにはーちゃんがボールを蹴りながらやってきます。彼女を素人と思っていたのか、意外にちゃんとドリブルしていることに感心。しかし壮太とて部長。軽くあしらってボールを奪います。素人相手にドヤ顔。
しかしそこは天然純真娘のはーちゃん、凄い!と素直に感心。壮太からアドバイスを受けるとそれを魔法で実践。回転するボールの上に乗って移動してきます。ああ、これサッカー漫画で見たな。あるある。セーフ。驚いて動きが止まる壮太。冷静に考えればボールを蹴り出せると思うんですが、その場合転んで倒れたらファウル取られるんでしょうか。そう考えると厄介な技です。
そのままゴール。今度ははーちゃんがドヤ顔する番。よくわかんなかったけどすげぇ!と感心する壮太。彼がバカで助かりました。サッカーは色んなことができるからワクワクと話す彼女に相づちを打ちます。これで話しが通じるのすげぇ。でも、はーちゃんが明日の試合を楽しみにしていると壮太の方が疑問を差し挟みます。そんな彼の変化にかまわず、さっきの壮太君みたいなワクワクなプレーがいっぱい見られる、部長さんがみんなをワクワクさせたらみんなもきっとワクワクのプレーをしてくれると無邪気に話すはーちゃん。
するとその気になり始める壮太。彼が単純で助かりました。彼に同意するように朝練で抜けたメンバーが戻ってきます。朝練ではああいったものの、考え直したのかみんなでチーム練習ができることに。はーちゃんも練習に参加して壮太から技を教えて貰います。
シャーキンス出勤。天狗っぽい。
プリキュアと全く関係ないけど、なんでフルタのCMってこんなに攻めてるんだろうな。
③幸せの妖精
一番乗りでサッカー場に到着。あまりに早すぎて誰もいません。
壮太のことを心配するみらいに、それはもう大丈夫と答えるはーちゃん。割りとここ大事な部分です。
勝手にゴールが動きます。新たな刺客シャーキンス。言うほど天狗っぽくもなかった。トパーズで迎え撃ちます。
ヨクバールが飛ばしてきた弾丸を叩き落とすと、弾がネットに変化してミラクルが絡め取られてしまいます。それを見たマジカルはオプションをねずみ取りのような形にして対策。ネットに変化されても切断して無効化。トパーズ対応力高ぇな。ミラクルに絡まったネットもハサミを使えば解決。その隙を突いてヨクバールが突進してきますが、フェリーチェがボールを蹴って妨害。すると律儀にヨクバールは動きを止めてボールをガード。その間にミラクルを解放。
作戦タイム。ヨクバールがゴールされるのを嫌うと読み取ったフェリーチェはふたりに陽動を頼みます。フェリーチェさん落着いた口調で話すので頭良さそうに見えて大人っぽい。恒例?のサッカー勝負。ときどきプリキュアはスポーツものやり出します。以前にもトパーズは盆踊りをやっていたのでこのスタイルは何でもアリみたいな認識になってますね。ふたりのボールを防いで真ん中がガラ空きになったヨクバールに向かってフェリーチェがシュートの体勢。奥の手を出すヨクバール。しかしフェリーチェはさらに一枚上手、フェイントでかわすと本命打を叩き込みます。
上司から下らない球遊びに付き合うなと咎められてちょっと凹むヨクバールさん。下らなくないと反論するフェリーチェ。彼女が言うとなんか妙に説得力があるというか落着く。そういうわけでトドメはオーバーザレインボー。あくまでアレキサンドライトで変身しているのでこの格好ということらしい。部屋で置物になっていた馬車は勝手に転送されるようで、いちいち持ち歩く必要はないようです。
無事試合も始まり(客少ねぇ)、チーム一丸となって励みます。結果は引き分け。客席にやってきた壮太をみらい達は労います。モフルンの迫真の演技がすげぇ。ワクワクの試合だった。
「それははーちゃんのおかげだよ」
「はーちゃん!?」「…って言いました?」
「私も壮太のおかげで勝てたよ!」「壮太!?」
みらいとリコの知らないところで親交を深めていたふたりは、ふたりにわからない会話を交します。
メンバーに促されて戻っていく壮太。ぬいぐるみの振りをしていたモフルンは甘いに匂いに気づいて振り向くと、バナナ精霊が「トパーズ、ミトメール」としゃべって消えるのを目撃します。馬車にバナナがセット。勝手に回収されました。この様子だと全部で12個。1クール分。わかりやすい。
先ほどの話しについてみらいが訊ねると、はーちゃんは部活で一緒に練習した、そしたら私がワクワクになって、壮太もワクワクになってみんなワクワクになったと答えます。それで壮太がどよ~んから元気になったんだと納得するみらい。これで話し通じるのかよ。相変わらずよくわからない……と首を傾げるリコ。
先ほどのフェイントもその時に教えて貰った。魔法みたいだったと話すみらいははーちゃんに対抗心を燃やします。そんな彼女らを見ながら、どうやら壮太君にも幸せの妖精が訪れたようだとリコが話しを纏めます。
それで綺麗に纏まったかと思えば、例のボールに乗る技を披露するはーちゃん。彼女の元気は留まることを知らないようです。
④次回予告
親父よりもベニーギョさんの方がビックリなんですけど。
○トピック
プリキュアで「そうた」って名前の奴は女の子と縁があるらしい。爆発しろ。
相変わらず、はーちゃんは狂言回しというか神がかり行者みたいな立ち回り方するのね。『三十四丁目の奇跡』のように客観的には変な人(この映画では自分がサンタクローズだと思っているお爺さんが登場する)なんだけど、その人がいることによって何故か周囲が良くなっていくというやつ。現代だと痴呆とか妄想癖とかの診断をされて病院行けって話しになってしまうのですが、かつてはこういう人達は持て余されつつも、ある種の役割(場合によっては信仰の対象)を持っていました。ちなみに『三十四丁目の奇跡』は旧作版を強く推奨します。リメイク版は地雷です。
今回も本作のスタンスがよくわかるエピソード。去年は自分の問題は自分で何とかしろのスタンスでしたが、本作では幸せの妖精が訪れます。つまり一般人から見ればそれは魔法との出会いであり、何だかよくわからないものとの出会いがプラスに転じていくというスタンスです。この点で本作が意味を持つのは努力や友情ではなく、出会いや偶然です。そこから道が開けていく。
はーちゃんの転入に伴って、彼女が独立化しているのもこの意味を補強しています。はーちゃんと壮太の話しはみらいとリコとは無関係で、以前学校にはーちゃんが来たときと同じように彼女の振るまいが周囲に影響を与えています。今回は妖精としてではなく、留学生として来ているので、壮太にとってはーちゃんはみらいにとってのリコのようにより具体的で明確な出会いとして意識されたはずです。「魔法」というと本作においてもその定義は難しいし、現実的には見ることも使うことでもできません。しかし「不思議な少女」との出会いであれば理解も体験もできる。みらいとリコは互恵的な体験をしていますが、言い換えればふたりだけの共有体験でしかありません。その点、はーちゃんは一般人に対する魔法の広報担当のような立場にあるので、ふたりともちょっと違った立ち位置にいます。
本作における「魔法」は、はるかにとっての「夢」との出会いに近いかもしれません。はるかはその出会いからプリンセスを目指しましたが、本作はその出会いそのものに価値を置いている。不思議な体験、トキメキやワクワク、それを感じる感受性とそれを求める情熱。それを確信する者に与えられる無限の力。魔法(夢)との出会いは私達に素晴らしい、新しい道を指し示してくれる。
①はーちゃん学校へ行く
脱衣シーンから。
いつものようにアレキサンドライトについて校長に報告するふたり。当然校長も知りません。で、それ以上に謎なのがプカプカと空中に浮いている何か。精霊の類らしい。バナナや桃が? さらに畳みかけるようにはーちゃんが制服を着て準備万端、明日学校へ行くつもりのようです。細かいことはどんどん棚上げしていくスタイル。
翌日。早朝から張り切ったはーちゃんは始業2時間前には学校に。リコは留学生ってことで朝日奈家に納得されてると思うんだけど、はーちゃんはどういう認識なんだろうな。家出娘にしか見えてないと思うんだけど。ちょっと故郷の方で戦争があって疎開させて下さいみたいな、重い設定にしてるんでしょうか。書類は例によって魔法(偽造)でどうにかなるんだろうけど。まあ、その辺の説明にリソース割いたところでってのはあるんですが。
そんな彼女達よりも先に学校に来ていた人達が。サッカー部。それを見たはーちゃんは自分よりも楽しみにしていた人がいる!と勘違い。ふたりの説明を聞き終える前に朝練に混ざってしまいます。
校庭ではたくさんの部員が練習をしています。久しぶりの壮太君。いつの間にかサッカー部部長に就任。しかし張り切りすぎているのかペナルティがキツイと部員達から不満の声がチラホラ。部内で分裂傾向。
始業式が終わり教室に戻る途中、美術部の絵を見た生徒が妖精を話題にします。以前はーちゃんが出現したときに話題になったやつで、実際に絵になったようです。大騒ぎだったと苦労話のように振り返るみらい達。この「幸せの妖精」は生徒達に好意的に受け入れられていることを念頭に入れると今回の話しはスムーズに繋がります。魔法が直接的に浸透しているわけではなく、不思議なものとの遭遇が幸せを呼ぶとワンクッション置かれています。
壮太がやってくるとはーちゃんを紹介。さらにはナシマホウ界といったらこの人、勝木さん。夏休みが明けても彼女の魔法使いブームは終わらず、妖精もいるし魔法使いもいる!と息巻いています。例によって精霊が後ろに。また妖精? いえ、精霊です。上手く回避。精霊がその辺勝手に飛んでいるのは問題なような気もしますが、みらい達も持て余してるのか放置気味のようです。ちなみに今週はバナナが当番のようです。何の当番なのかはさっぱりですが。
例によってクラスにはーちゃんが転校してきます。留学生扱い。
自分の名前に花マルを付けて自己紹介。勝木さんとまゆみとは顔見知りなのでその辺はスムーズ。うっかり口を滑らして先生のリアクション力が試されます。リコといい、留学生はちょっと変だという認識がこのクラスに根付きそう。談笑ムードの中、壮太だけ深刻な雰囲気。
授業に参加したはーちゃんは相変わらず破天荒で自由。頭の中が花でいっぱい。そんなはーちゃんは実は運動も得意。学校をエンジョイ。その一方で壮太はエラー。珍しいと言うみらいにはーちゃんは今日ずっとどよ~んって顔をしていると答えます。何気にはーちゃんは人の顔色見てたりします。変なところで観察力が高いのは後半の戦闘でも発揮されます。
何かあったのだろうか? みらいにもわからない。肩を落とすはーちゃん。
②はーちゃんとサッカー
今日の授業は終了。楽しかったと充実のはーちゃん。みらいも学校は色んな人がいて、色んな事ができるからワクワクだと頷きます。壮太がみらいに声をかけて教室を出ます。すると今度は勝木さんがやってきて一緒に妖精を探しに行こうと誘ってきます。有無を言わさぬ迫力。この子も自分に素直に生きてんな。変な人ランキングではーちゃんより上にいってそう。この子、微妙に可愛いような気がして、でもやっぱりそんなに可愛いわけでもないなくらいの感じなんですが、何か好きになってきました。たぶん見慣れたせい。セリフは無いですがモフルンが出たり引っ込んだりしてるのが面白い。
部活の話しを聞いたはーちゃんはみらい達とは別行動を取ります。
校庭で準備を進める壮太にはーちゃんが声をかけます。花海と呼ぶ彼にはーちゃんで良いと答えます。「え、それは…」。流石に壮太でも躊躇。まあ、はーちゃんが本名なんですけどね。
部活がやりたいと頼むと承諾。男子サッカー部っぽいのですが、留学生相手だからかその辺は緩く捉えているのかもしれません。それはそれとして、辺りを見回しても他のメンバーの姿が見えません。痛いところを突かれたように凹む壮太。はーちゃんに表情が暗かったと指摘されると、部長になったのに全然チームを纏められないと打ち明けます。なるほど。ならお任せあれ。はーちゃんは一旦場所を移すと、魔法で一つに纏まれ!と唱えます。
結果は怪奇現象が起きてサッカー部が団子状態に。これは酷い。普通に異常事態ですが、怪奇現象に慣れているのでセーフ。毎回怪奇現象が起きるとそれに慣れてしまうのは去年も実証済。ちなみに人間にはこの「希によくある」感覚が実際にあって、希にしか起らないことでも、何回か体験してしまうと意外性が薄れて感覚が緩くなるようです。
気を取り直して。幸せの妖精来ないかな~とため息を吐きながらポールを立てる壮太。そこにはーちゃんがボールを蹴りながらやってきます。彼女を素人と思っていたのか、意外にちゃんとドリブルしていることに感心。しかし壮太とて部長。軽くあしらってボールを奪います。素人相手にドヤ顔。
しかしそこは天然純真娘のはーちゃん、凄い!と素直に感心。壮太からアドバイスを受けるとそれを魔法で実践。回転するボールの上に乗って移動してきます。ああ、これサッカー漫画で見たな。あるある。セーフ。驚いて動きが止まる壮太。冷静に考えればボールを蹴り出せると思うんですが、その場合転んで倒れたらファウル取られるんでしょうか。そう考えると厄介な技です。
そのままゴール。今度ははーちゃんがドヤ顔する番。よくわかんなかったけどすげぇ!と感心する壮太。彼がバカで助かりました。サッカーは色んなことができるからワクワクと話す彼女に相づちを打ちます。これで話しが通じるのすげぇ。でも、はーちゃんが明日の試合を楽しみにしていると壮太の方が疑問を差し挟みます。そんな彼の変化にかまわず、さっきの壮太君みたいなワクワクなプレーがいっぱい見られる、部長さんがみんなをワクワクさせたらみんなもきっとワクワクのプレーをしてくれると無邪気に話すはーちゃん。
するとその気になり始める壮太。彼が単純で助かりました。彼に同意するように朝練で抜けたメンバーが戻ってきます。朝練ではああいったものの、考え直したのかみんなでチーム練習ができることに。はーちゃんも練習に参加して壮太から技を教えて貰います。
シャーキンス出勤。天狗っぽい。
プリキュアと全く関係ないけど、なんでフルタのCMってこんなに攻めてるんだろうな。
③幸せの妖精
一番乗りでサッカー場に到着。あまりに早すぎて誰もいません。
壮太のことを心配するみらいに、それはもう大丈夫と答えるはーちゃん。割りとここ大事な部分です。
勝手にゴールが動きます。新たな刺客シャーキンス。言うほど天狗っぽくもなかった。トパーズで迎え撃ちます。
ヨクバールが飛ばしてきた弾丸を叩き落とすと、弾がネットに変化してミラクルが絡め取られてしまいます。それを見たマジカルはオプションをねずみ取りのような形にして対策。ネットに変化されても切断して無効化。トパーズ対応力高ぇな。ミラクルに絡まったネットもハサミを使えば解決。その隙を突いてヨクバールが突進してきますが、フェリーチェがボールを蹴って妨害。すると律儀にヨクバールは動きを止めてボールをガード。その間にミラクルを解放。
作戦タイム。ヨクバールがゴールされるのを嫌うと読み取ったフェリーチェはふたりに陽動を頼みます。フェリーチェさん落着いた口調で話すので頭良さそうに見えて大人っぽい。恒例?のサッカー勝負。ときどきプリキュアはスポーツものやり出します。以前にもトパーズは盆踊りをやっていたのでこのスタイルは何でもアリみたいな認識になってますね。ふたりのボールを防いで真ん中がガラ空きになったヨクバールに向かってフェリーチェがシュートの体勢。奥の手を出すヨクバール。しかしフェリーチェはさらに一枚上手、フェイントでかわすと本命打を叩き込みます。
上司から下らない球遊びに付き合うなと咎められてちょっと凹むヨクバールさん。下らなくないと反論するフェリーチェ。彼女が言うとなんか妙に説得力があるというか落着く。そういうわけでトドメはオーバーザレインボー。あくまでアレキサンドライトで変身しているのでこの格好ということらしい。部屋で置物になっていた馬車は勝手に転送されるようで、いちいち持ち歩く必要はないようです。
無事試合も始まり(客少ねぇ)、チーム一丸となって励みます。結果は引き分け。客席にやってきた壮太をみらい達は労います。モフルンの迫真の演技がすげぇ。ワクワクの試合だった。
「それははーちゃんのおかげだよ」
「はーちゃん!?」「…って言いました?」
「私も壮太のおかげで勝てたよ!」「壮太!?」
みらいとリコの知らないところで親交を深めていたふたりは、ふたりにわからない会話を交します。
メンバーに促されて戻っていく壮太。ぬいぐるみの振りをしていたモフルンは甘いに匂いに気づいて振り向くと、バナナ精霊が「トパーズ、ミトメール」としゃべって消えるのを目撃します。馬車にバナナがセット。勝手に回収されました。この様子だと全部で12個。1クール分。わかりやすい。
先ほどの話しについてみらいが訊ねると、はーちゃんは部活で一緒に練習した、そしたら私がワクワクになって、壮太もワクワクになってみんなワクワクになったと答えます。それで壮太がどよ~んから元気になったんだと納得するみらい。これで話し通じるのかよ。相変わらずよくわからない……と首を傾げるリコ。
先ほどのフェイントもその時に教えて貰った。魔法みたいだったと話すみらいははーちゃんに対抗心を燃やします。そんな彼女らを見ながら、どうやら壮太君にも幸せの妖精が訪れたようだとリコが話しを纏めます。
それで綺麗に纏まったかと思えば、例のボールに乗る技を披露するはーちゃん。彼女の元気は留まることを知らないようです。
④次回予告
親父よりもベニーギョさんの方がビックリなんですけど。
○トピック
プリキュアで「そうた」って名前の奴は女の子と縁があるらしい。爆発しろ。
相変わらず、はーちゃんは狂言回しというか神がかり行者みたいな立ち回り方するのね。『三十四丁目の奇跡』のように客観的には変な人(この映画では自分がサンタクローズだと思っているお爺さんが登場する)なんだけど、その人がいることによって何故か周囲が良くなっていくというやつ。現代だと痴呆とか妄想癖とかの診断をされて病院行けって話しになってしまうのですが、かつてはこういう人達は持て余されつつも、ある種の役割(場合によっては信仰の対象)を持っていました。ちなみに『三十四丁目の奇跡』は旧作版を強く推奨します。リメイク版は地雷です。
今回も本作のスタンスがよくわかるエピソード。去年は自分の問題は自分で何とかしろのスタンスでしたが、本作では幸せの妖精が訪れます。つまり一般人から見ればそれは魔法との出会いであり、何だかよくわからないものとの出会いがプラスに転じていくというスタンスです。この点で本作が意味を持つのは努力や友情ではなく、出会いや偶然です。そこから道が開けていく。
はーちゃんの転入に伴って、彼女が独立化しているのもこの意味を補強しています。はーちゃんと壮太の話しはみらいとリコとは無関係で、以前学校にはーちゃんが来たときと同じように彼女の振るまいが周囲に影響を与えています。今回は妖精としてではなく、留学生として来ているので、壮太にとってはーちゃんはみらいにとってのリコのようにより具体的で明確な出会いとして意識されたはずです。「魔法」というと本作においてもその定義は難しいし、現実的には見ることも使うことでもできません。しかし「不思議な少女」との出会いであれば理解も体験もできる。みらいとリコは互恵的な体験をしていますが、言い換えればふたりだけの共有体験でしかありません。その点、はーちゃんは一般人に対する魔法の広報担当のような立場にあるので、ふたりともちょっと違った立ち位置にいます。
本作における「魔法」は、はるかにとっての「夢」との出会いに近いかもしれません。はるかはその出会いからプリンセスを目指しましたが、本作はその出会いそのものに価値を置いている。不思議な体験、トキメキやワクワク、それを感じる感受性とそれを求める情熱。それを確信する者に与えられる無限の力。魔法(夢)との出会いは私達に素晴らしい、新しい道を指し示してくれる。
第31話「結晶する想い!虹色のアレキサンドライト!!」
○今週の出来事
①帰り道
カタツムリニアの車中、みらいはいつもと変わらぬ態度でふたりに語りかけます。
しかし心ここに在らずといった状態のリコ。はーちゃんも自分自身の謎に直面してやはりみらいの話しが耳に入りません。
同じ頃、水晶さんは新たなお告げが出たと校長に報告。伝説の終わり。
幹部達は作戦会議というか雑談。
とりあえずふたりはまだ実体化できないようです。ふたりの代りに自分がカタを付けるといつになく意気込むラブー。なんだかんだ言ってもプライドが高いようで、ムホーの使い手が魔法使い相手に遅れをとるのは許せないようです。今回の話しは要するに気合でどうにかしちゃう話しなんですがムホー側もこの意味では絶対的な余裕があるわけではありません。
再びカタツムリニア。あ、これ今週家に帰らないな。次回から正式に新学期に移行する感じか。
車内販売が通りかかると歓声があがります。しかもよく見ると冷凍ミカンの在庫有り。貴重品のはずですが穴場的に残っていたようです。もちろんこのチャンスを逃す手はない。そういうわけでリコが支払い。さりげに値段が10倍くらいに高騰してたら面白いんですが。それはそれとして、この子達の借り貸しってどうなってるのかちょっと気になるな。
当然のようにリコが解凍。お前やるのかよ。失敗を恐れぬ図太い精神。今回はいつもより気合を入れて魔法をかけます。すると見栄えは良さそうな感じに。リコの真剣な眼差しがジワジワくる。どんだけ緊張してるんだよ。たかが冷凍ミカン、されど冷凍ミカン。みんなで一緒に食べると、リコは感極まったような表情を浮かべます。冷凍ミカンでここまでリアクションとれるの世界でこの子だけだと思うわ。
今日のが一番美味しいとみらいは絶賛。甘党のモフルンも相づちを打ちます。我に返ったリコは自分の魔法もずいぶん上達したと落ち着き払って言います。……夢見て変なポーズすると魔法って上手くなるのか?
最高のスパイスはみんなで一緒に食べること。
②MAHOガール
和んでいると奇襲を受けます。列車が止まりいつの間にかカタツムリニア本体と切り離されています。危機感を持つリコ。この宇宙みたいな空間を行き来出来るのはカタツムリニアだけ。救助を待つしかないとみんなに説明。
たださまよっているだけでは話しが進まないので犯人が登場。今回は本気モード。つまり殉職モード。大きく息を吸うと巨大化。こうして見ると魔人っちゃ魔人。変身して対抗。今回は時間に余裕があるのでほぼフル変身。フェリーチェの曲好きなんですが、このパターンだとどうしても端折られてしまいますね。
魔人っていうか力士になっちゃってますが、単純にでかくて強いという割りと厄介な相手。魔法で対抗しますが焼け石に水。赤子の手を捻るようにあしらわれてしまいます。パワーでも勝てないのに搦め手も通じないのでは無理ゲー。吹き飛ばされて散り散りに。
みらい達と連絡が取れず焦る校長。いよいよお告げが現実味を帯びてきたのか。伝説の終わり。まあ、始まってもいないというか、その伝説ローカルっぽい感じなんですけどね。ラブー達が何故封印されていたのか、普通に考えればプリキュアのはずなんですが、肝心の彼らはプリキュアを知らない。おそらくこの辺は不明のままって気がします。本作で一貫しているのはプリキュアに使命や責任が無いことです。誰かを救わなきゃいけないとか、何かをしなきゃないけないとか、そういうのが無い。好きにやっていい。もしラブー達を封印したのがプリキュアなら、みらい達もその役目を果たさなければならなくなってしまう。けどそれは本作の意図するところではない。本作のプリキュアはまさしくゼロベース、前例や目的がないところから始まっていて、今回のエピソードはそれを補強しています。昔伝説の魔法使いがいたのかもしれないけど、そんなのとは全く関係なしにみらい達が新しい歴史を刻む。
プリキュアを探すモフルンは馬車を発見。いつの間にか私物化しています。最近はすっかり馬車の上が定位置。
トドメを刺すと言いながら風圧で吹き飛ばすだけのラブーさんは良い人。
対抗手段を失い、戦意まで失うミラクル。しかしこちらはまだマシな方で、立派な魔法使いのビジョンが無い上にムホーに全否定されまくったマジカル、意味不明な凄い力を持っているわりにイザという時に役に立たないフェリーチェは魔法への不信感が自身への不信感へと傾き始めます。ふたりだけ黒い靄がかかっている(イメージ的には沈んでいく)のはそういうことだと思われます。
独り漂うミラクル。非常に悩ましい姿。このままでもいいんじゃないかな、なんて邪な考えはもちろん私にはありません。ありません。彼女の指先に魔法の杖が当たります。魔法との出会い。それは親友との出会いであり、未知なる世界との出会いであり、家族との絆。今、ようやく気づきました。彼女がリコとはーちゃんと違うのはここです。言ってしまえばみらいは魔法が無くても生きていける。元々魔法が無い世界の住人なのだから。彼女のアイデンティティは魔法を背景としていません。だから魔法が起因して落ち込んだり自身の存在に疑念を抱くといったこともありません。リコやはーちゃんと比べればみらいは魔法と無関係と言ってもいい。ではみらいにとって魔法とは何か? それは最高の出会いです。ここに彼女の特異さがあります。彼女にとって魔法は純化された体験。ナシマホウ界人で魔法が使えるのはみらいだけ。そう、この物語で唯一何の疑念も差し挟むことなく魔法を肯定することができるのは彼女だけなのです。たとえ闇の魔法なんていうきな臭いものがあるとしても、魔法がムホーに敵わないとしても、魔法との出会いの意味は変わらない。魔法は彼女に数え切れない宝物を与えた。だからみらいだけは確信を持ってこう言える。
「魔法がある!」
ミラクルの声をマジカルとフェリーチェも感じ取ります。
魔法が大好きだというみらいの言葉は、すなわちリコが大好きということでもある。懐かしがるようにみらいと出会ったときのことを思い出すリコ。立派な魔法つかい、立派な魔法が何であるのか迷いを抱えながらも彼女は魔法への信頼を取り戻し始めます。はーちゃんもまた自身に謎を抱えながらもみんなとの出会い、自分がかけた魔法のことを思い返します。あるモノをみらいのように絶対に肯定することは難しいことです。疑念や不安を抱くこともあるし、いつなんどきその影がチラつくとも限らない。こういう時の私の考え方は決まっています。それでもなお人は生きていける。清濁併せて呑める。それができるなら問題はない。
「もう一度また……みんなと繋がりたい!」
「いつまでもみんなと一緒に笑顔でいたい!」
③王者の石
ラブーに殴られても一歩も怯むことがないミラクル。相変わらずダイヤスタイル堅ぇ。
同じ頃、校長はみらいを信じます。彼女が勢い込んで語った決意。彼女達なら新しい伝説を紡いでいける。はい、ここで大人にも承認されます。今から彼女達が起こすことが正解(正史)。
例によってミラクルが光るとみんなと合流。三人で手を繋ぐと新しいリンクルストーン、アレキサンドライトが出現。出発という意味もあるようです。
そしてまさかのサプライズ。新バンク発動。最近は30話くらいで新商品が実戦投入される傾向なんですが実はすっかり忘れていて、完全に不意打ちでした。2段変身になるわけですが、実質的にこれが3人同時変身になります。新生魔法つかいプリキュア。
「魔法つかいプリキュア! オーバーザレインボー!」
いわゆる上位ジョブ。え、これ4パターン分あるの? でもデザイン的にダイヤをベースに他のスタイルの意匠入ってるから共通なのかな。4パターン作ったらキャラデザの人と作画班が死にそうですが。フェリーチェが神官になっている件。錫杖持たせたら似合いそう。それはそれとしてマントはやっぱかっけぇ。
こけおどしが!と突っ込んでくるラブー。すると馬車が光り出します。モフルンなんかリアクションしてよ。ちょっとシュールなんですけど。こちらも新必殺技発動。完全に馬車がモフルンの乗り物に。
「巡り会う奇跡よ!」
「繋がる魔法よ!」
「育まれし幸せよ!」
「今、私達の手に! プレシャスブレス!」
久々の腕輪系アイテム。みんな指輪していますが、これは玩具には関係ないようで、馬車に宝石と腕輪がパッケージングされているようです。
「プリキュア・エクストリーム・レインボー!」
ラブーさんは虹の彼方に飛んで行って殉職。と同時に新幹部と交代。
戦いが終わって戻ると、先ほどまで気を張っていた反動か、みらいは力が抜けたようにへたり込みます。もうダメかと思ったけどみんなとまた会えて良かった。そう話す彼女にリコとはーちゃんは頷き返します。
先ほどの光に気づいたのかカタツムリニアが戻ってきます。ふと我に返って疑問を抱く一同。13個目のリンクルストーンなんて聞いたことがない。するとアレキサンドライトが3つに分れて彼女達の中に。さらには小さな光が湧き出ると何か謎の物体が出現。え、ここでOPのアレ!? あれってただの意味のないエフェクトっていうか小道具なのかと思ってたら意味あったんだ。
一件落着も束の間、新たな展開に。
EDもマイナーチェンジ。
④次回予告
これ、もうアレだ、勝木さんはいつ気づくかじゃなくて、いつまで気づかないか。
○トピック
プリキュアがマントを着るのは過去にあれど、帽子を被る発想はなかった。しかもかっこいい。
リコの将来とはーちゃんの謎については保留。はーちゃんの出生に触れちゃうとそのまま終わりまで行ってしまいそうなのと、未だに出てこないリコ父は後半の目玉になるでしょうから、この辺は想定内。去年で言うところの実家砲が出てきた回ですね。ひとまずはみんなの気持ちを一致。それぞれの課題は残しつつも、終盤で解決していく流れ。
本作のスタンスは明確かつ曖昧です。プリキュアとしての使命や責任は課されていない。しかしそれに代わるものはまだ形を成してはいません。しかし少しずつ形になってきている部分もあって、それがみらいの言葉に表れています。本作は負債を負わない物語、つまり出会いが人の宝になっていくことを力強く支持しています。
フレッシュ~ハピネスであったような負債を返す(救済する)物語でもないし、プリンセスのように将来を決め打ちして邁進していく(未完成の状態から始める)物語でもない。プラスをひたすらに積み重ねていく物語。今までのどのシリーズにも当てはまらないパターンのような気がします。日常を守るというのとも少し毛色が違う。プリキュア5やスマイルのような友情に帰結する物語とも違う。おそらく彼女達は最終的に何かをしでかすはずです。それが何なのかはわかりません。本作に対する印象は第一印象のままです。どこかその辺にポトンと落ちるかもしれないし、今まで見たこともないところまで飛んで行くかもしれない。本作のキーワードは「魔法」。この魔法の中に出会いや友情が含まれている。みらい達が共有している想いは友情とはまた違った、彼女達特有の世界観を持ったものになるのではないかと期待しています。
①帰り道
カタツムリニアの車中、みらいはいつもと変わらぬ態度でふたりに語りかけます。
しかし心ここに在らずといった状態のリコ。はーちゃんも自分自身の謎に直面してやはりみらいの話しが耳に入りません。
同じ頃、水晶さんは新たなお告げが出たと校長に報告。伝説の終わり。
幹部達は作戦会議というか雑談。
とりあえずふたりはまだ実体化できないようです。ふたりの代りに自分がカタを付けるといつになく意気込むラブー。なんだかんだ言ってもプライドが高いようで、ムホーの使い手が魔法使い相手に遅れをとるのは許せないようです。今回の話しは要するに気合でどうにかしちゃう話しなんですがムホー側もこの意味では絶対的な余裕があるわけではありません。
再びカタツムリニア。あ、これ今週家に帰らないな。次回から正式に新学期に移行する感じか。
車内販売が通りかかると歓声があがります。しかもよく見ると冷凍ミカンの在庫有り。貴重品のはずですが穴場的に残っていたようです。もちろんこのチャンスを逃す手はない。そういうわけでリコが支払い。さりげに値段が10倍くらいに高騰してたら面白いんですが。それはそれとして、この子達の借り貸しってどうなってるのかちょっと気になるな。
当然のようにリコが解凍。お前やるのかよ。失敗を恐れぬ図太い精神。今回はいつもより気合を入れて魔法をかけます。すると見栄えは良さそうな感じに。リコの真剣な眼差しがジワジワくる。どんだけ緊張してるんだよ。たかが冷凍ミカン、されど冷凍ミカン。みんなで一緒に食べると、リコは感極まったような表情を浮かべます。冷凍ミカンでここまでリアクションとれるの世界でこの子だけだと思うわ。
今日のが一番美味しいとみらいは絶賛。甘党のモフルンも相づちを打ちます。我に返ったリコは自分の魔法もずいぶん上達したと落ち着き払って言います。……夢見て変なポーズすると魔法って上手くなるのか?
最高のスパイスはみんなで一緒に食べること。
②MAHOガール
和んでいると奇襲を受けます。列車が止まりいつの間にかカタツムリニア本体と切り離されています。危機感を持つリコ。この宇宙みたいな空間を行き来出来るのはカタツムリニアだけ。救助を待つしかないとみんなに説明。
たださまよっているだけでは話しが進まないので犯人が登場。今回は本気モード。つまり殉職モード。大きく息を吸うと巨大化。こうして見ると魔人っちゃ魔人。変身して対抗。今回は時間に余裕があるのでほぼフル変身。フェリーチェの曲好きなんですが、このパターンだとどうしても端折られてしまいますね。
魔人っていうか力士になっちゃってますが、単純にでかくて強いという割りと厄介な相手。魔法で対抗しますが焼け石に水。赤子の手を捻るようにあしらわれてしまいます。パワーでも勝てないのに搦め手も通じないのでは無理ゲー。吹き飛ばされて散り散りに。
みらい達と連絡が取れず焦る校長。いよいよお告げが現実味を帯びてきたのか。伝説の終わり。まあ、始まってもいないというか、その伝説ローカルっぽい感じなんですけどね。ラブー達が何故封印されていたのか、普通に考えればプリキュアのはずなんですが、肝心の彼らはプリキュアを知らない。おそらくこの辺は不明のままって気がします。本作で一貫しているのはプリキュアに使命や責任が無いことです。誰かを救わなきゃいけないとか、何かをしなきゃないけないとか、そういうのが無い。好きにやっていい。もしラブー達を封印したのがプリキュアなら、みらい達もその役目を果たさなければならなくなってしまう。けどそれは本作の意図するところではない。本作のプリキュアはまさしくゼロベース、前例や目的がないところから始まっていて、今回のエピソードはそれを補強しています。昔伝説の魔法使いがいたのかもしれないけど、そんなのとは全く関係なしにみらい達が新しい歴史を刻む。
プリキュアを探すモフルンは馬車を発見。いつの間にか私物化しています。最近はすっかり馬車の上が定位置。
トドメを刺すと言いながら風圧で吹き飛ばすだけのラブーさんは良い人。
対抗手段を失い、戦意まで失うミラクル。しかしこちらはまだマシな方で、立派な魔法使いのビジョンが無い上にムホーに全否定されまくったマジカル、意味不明な凄い力を持っているわりにイザという時に役に立たないフェリーチェは魔法への不信感が自身への不信感へと傾き始めます。ふたりだけ黒い靄がかかっている(イメージ的には沈んでいく)のはそういうことだと思われます。
独り漂うミラクル。非常に悩ましい姿。このままでもいいんじゃないかな、なんて邪な考えはもちろん私にはありません。ありません。彼女の指先に魔法の杖が当たります。魔法との出会い。それは親友との出会いであり、未知なる世界との出会いであり、家族との絆。今、ようやく気づきました。彼女がリコとはーちゃんと違うのはここです。言ってしまえばみらいは魔法が無くても生きていける。元々魔法が無い世界の住人なのだから。彼女のアイデンティティは魔法を背景としていません。だから魔法が起因して落ち込んだり自身の存在に疑念を抱くといったこともありません。リコやはーちゃんと比べればみらいは魔法と無関係と言ってもいい。ではみらいにとって魔法とは何か? それは最高の出会いです。ここに彼女の特異さがあります。彼女にとって魔法は純化された体験。ナシマホウ界人で魔法が使えるのはみらいだけ。そう、この物語で唯一何の疑念も差し挟むことなく魔法を肯定することができるのは彼女だけなのです。たとえ闇の魔法なんていうきな臭いものがあるとしても、魔法がムホーに敵わないとしても、魔法との出会いの意味は変わらない。魔法は彼女に数え切れない宝物を与えた。だからみらいだけは確信を持ってこう言える。
「魔法がある!」
ミラクルの声をマジカルとフェリーチェも感じ取ります。
魔法が大好きだというみらいの言葉は、すなわちリコが大好きということでもある。懐かしがるようにみらいと出会ったときのことを思い出すリコ。立派な魔法つかい、立派な魔法が何であるのか迷いを抱えながらも彼女は魔法への信頼を取り戻し始めます。はーちゃんもまた自身に謎を抱えながらもみんなとの出会い、自分がかけた魔法のことを思い返します。あるモノをみらいのように絶対に肯定することは難しいことです。疑念や不安を抱くこともあるし、いつなんどきその影がチラつくとも限らない。こういう時の私の考え方は決まっています。それでもなお人は生きていける。清濁併せて呑める。それができるなら問題はない。
「もう一度また……みんなと繋がりたい!」
「いつまでもみんなと一緒に笑顔でいたい!」
③王者の石
ラブーに殴られても一歩も怯むことがないミラクル。相変わらずダイヤスタイル堅ぇ。
同じ頃、校長はみらいを信じます。彼女が勢い込んで語った決意。彼女達なら新しい伝説を紡いでいける。はい、ここで大人にも承認されます。今から彼女達が起こすことが正解(正史)。
例によってミラクルが光るとみんなと合流。三人で手を繋ぐと新しいリンクルストーン、アレキサンドライトが出現。出発という意味もあるようです。
そしてまさかのサプライズ。新バンク発動。最近は30話くらいで新商品が実戦投入される傾向なんですが実はすっかり忘れていて、完全に不意打ちでした。2段変身になるわけですが、実質的にこれが3人同時変身になります。新生魔法つかいプリキュア。
「魔法つかいプリキュア! オーバーザレインボー!」
いわゆる上位ジョブ。え、これ4パターン分あるの? でもデザイン的にダイヤをベースに他のスタイルの意匠入ってるから共通なのかな。4パターン作ったらキャラデザの人と作画班が死にそうですが。フェリーチェが神官になっている件。錫杖持たせたら似合いそう。それはそれとしてマントはやっぱかっけぇ。
こけおどしが!と突っ込んでくるラブー。すると馬車が光り出します。モフルンなんかリアクションしてよ。ちょっとシュールなんですけど。こちらも新必殺技発動。完全に馬車がモフルンの乗り物に。
「巡り会う奇跡よ!」
「繋がる魔法よ!」
「育まれし幸せよ!」
「今、私達の手に! プレシャスブレス!」
久々の腕輪系アイテム。みんな指輪していますが、これは玩具には関係ないようで、馬車に宝石と腕輪がパッケージングされているようです。
「プリキュア・エクストリーム・レインボー!」
ラブーさんは虹の彼方に飛んで行って殉職。と同時に新幹部と交代。
戦いが終わって戻ると、先ほどまで気を張っていた反動か、みらいは力が抜けたようにへたり込みます。もうダメかと思ったけどみんなとまた会えて良かった。そう話す彼女にリコとはーちゃんは頷き返します。
先ほどの光に気づいたのかカタツムリニアが戻ってきます。ふと我に返って疑問を抱く一同。13個目のリンクルストーンなんて聞いたことがない。するとアレキサンドライトが3つに分れて彼女達の中に。さらには小さな光が湧き出ると何か謎の物体が出現。え、ここでOPのアレ!? あれってただの意味のないエフェクトっていうか小道具なのかと思ってたら意味あったんだ。
一件落着も束の間、新たな展開に。
EDもマイナーチェンジ。
④次回予告
これ、もうアレだ、勝木さんはいつ気づくかじゃなくて、いつまで気づかないか。
○トピック
プリキュアがマントを着るのは過去にあれど、帽子を被る発想はなかった。しかもかっこいい。
リコの将来とはーちゃんの謎については保留。はーちゃんの出生に触れちゃうとそのまま終わりまで行ってしまいそうなのと、未だに出てこないリコ父は後半の目玉になるでしょうから、この辺は想定内。去年で言うところの実家砲が出てきた回ですね。ひとまずはみんなの気持ちを一致。それぞれの課題は残しつつも、終盤で解決していく流れ。
本作のスタンスは明確かつ曖昧です。プリキュアとしての使命や責任は課されていない。しかしそれに代わるものはまだ形を成してはいません。しかし少しずつ形になってきている部分もあって、それがみらいの言葉に表れています。本作は負債を負わない物語、つまり出会いが人の宝になっていくことを力強く支持しています。
フレッシュ~ハピネスであったような負債を返す(救済する)物語でもないし、プリンセスのように将来を決め打ちして邁進していく(未完成の状態から始める)物語でもない。プラスをひたすらに積み重ねていく物語。今までのどのシリーズにも当てはまらないパターンのような気がします。日常を守るというのとも少し毛色が違う。プリキュア5やスマイルのような友情に帰結する物語とも違う。おそらく彼女達は最終的に何かをしでかすはずです。それが何なのかはわかりません。本作に対する印象は第一印象のままです。どこかその辺にポトンと落ちるかもしれないし、今まで見たこともないところまで飛んで行くかもしれない。本作のキーワードは「魔法」。この魔法の中に出会いや友情が含まれている。みらい達が共有している想いは友情とはまた違った、彼女達特有の世界観を持ったものになるのではないかと期待しています。
第30話「魔法の自由研究!が、終わらな~い!?」
○今週の出来事
①夢の行方
前回の出来事を校長に報告。校長はあの夢を見なかったようです。残念。いや、幸いだったというべきか。
というわけで、校長が命名したレインボーキャリッジは改めてみらい達が命名することにします。で、その謎の物体は現在モフルンの椅子に。いくら箱物とはいえこの雑な扱われよう。怒ったのか、何かモフルンと共鳴したのかキャリッジから魔方陣が出てきます。でもそれだけ。説明書が欲しいところです。
別に害があるわけでもなし、校長はそのまま様子見にするつもりのようです。今さらだけど、この人に相談しても解決したことないよね。
それはそれ、夏休みも最終日。みらい達は今日で魔法界ともバイバイ。するとエミリー達がこぞってやってくると口々に宿題を手伝ってくれと頼んできます。
お前ら最終日に何言ってんだよ、今まで何してた?と説教を始めるリコ。当然のリアクション。こだわっているうちに時間がかかって…と弁明するエミリー。この子のポーズあざといな。反省も束の間、ジュンはリコとみらいに、エミリーははーちゃんに、ケイはモフルンに宿題の協力を依頼します。一応夕方までは時間があるので引き受けます。特にモフルンとはーちゃんは予想外の抜擢に嬉しそう。
早速みらいとリコはふたり並んで変なポーズをとって被写体に。芸術家肌なのかジュンは絵画を選択。ナシマホウ界のバレエに興味を持ったようで活き活きと筆を走らせます。少しでも体勢が崩れると強い叱責が飛びます。これにはふたりもタジタジ……というか面倒臭そう。思わずはーちゃんとモフルンに視線が伸びます。
隣のスペースでは椅子に腰掛けたはーちゃんをモデルにエミリーがヘアアレンジ。長くて綺麗な髪で試したかったと言います。確かにこの面子だと他にはリコくらいしかいない。完成した髪型にちょっと触れるとアフロというかリーゼントのように爆発。今ひとつ安定性に欠ける模様。これはこれではーちゃん的には楽しそう。
ケイは次々とモフルンに質問をしながらノートに書き取っていきます。生態調査でしょうか。しゃべるぬいぐるみなんて前代未聞。研究価値はありそうです。
そんな彼女達の面白そうで楽な仕事を羨ましがるふたり。するとジュンはしっくりこないとばかりに不満の声を漏らします。散々人にポーズとらせておいて別なポーズを要求。人がいいふたりは言われるままに色んなポーズを試してみます。リコがバランスを崩してそれをみらいが支えたポーズがバッチリ。脅されながらふたりはポーズをとり続けます。
宿題とは縁のないラブーは仕事もせずに昼寝。何者かが彼の名を呼びます。封印が解けると影が抜け出していきます。当然のことですが幹部はラブーだけではないようで、シャーキンス、ベニーギョと彼はふたりの名を呼びます。たぶん名前に法則性があると思うんだけど、ピンとこないな。口ぶりからすると他にもいるらしい。次回予告でラブーさん殉職しそうだし、本作の撃破ペース速ぇ。これまでの最後まで居続けるパターンに完全にメタ張ってますね。
シャーキンスさんは仕事熱心なようでラブーとは対照的。仕事が捗らない理由を話すとやはり彼らもプリキュアを知らない様子。まずい、このままでは「(地方)伝説の魔法つかい」とローカルな感じになってしまう。勿論プリキュアだか何だか知らないが余計なものは排除するのが彼らの仕事。ラブーも本腰を入れ始めます。
絵が完成。ようやく解放されたみらいとリコは地面に腰を下ろします。右に回り込むか左に回り込むか真剣に悩む。
早速はーちゃんが見たいと駆け寄ります。髪型はツインテールに。デフォの髪型これでいいんじゃね?
出来上がった絵は前衛的な抽象画。もうこれポーズ関係なくね? コメントに困るふたり。しかしこれはまだ下準備。この絵に魔法をかけると絵が飛びだして銅像に。え、えーと、絵?
「なんであの絵からこんな形になるのよ!」
ところがどっこい、まだ納得がいかないジュンはすぐに絵(銅像)を捨ててしまいます。彼女が目指しているのはナシマホウ界のファッションや流行を取り入れたアート。ようやく今週の本題に入ります。ジュンは予定が決まっていて、卒業したらナシマホウ界に留学、そこでファッションや文化を勉強してアーティストとしての腕を磨きたいと語ります。
つられるようにケイも話し始めます。いつの間にかメモ魔になった彼女はそれが生かせる仕事に就きたい。エミリーも美容師を目指しています。その話を聞いたリコは焦りを感じます。早速精神ダメージ。流石です。この年代の出遅れている感は耳が痛い話。しかし鈍感なのか余裕があるのかみらいは夢がある彼女達を素敵だと素直に感心。
ジュンは話を戻して、ふたりに白鳥の湖と同じ衣装を着てくれないかと頼みます。衣装はどこから? はーちゃんがものの数秒で出します。フランソワさんの出番が無くなりそう。
衣装を着たみらいとリコは、そのままどこかへと飛び立っていきます。前回といい、エメラルドに振り回されてますな。
急いでフォローしようとしたはーちゃんをジュンが呼び止めます。エミリーとケイも彼女の魔法に興味津々。はーちゃんの魔法を初めて見たリコと同じ反応。魔法の常識を知っていればこそ、彼女の魔法は規格外。
②好きなものを好きだと
学校でリズ先生がふたりを回収。
落着くと、事情を話します。ジュン達のことはリズ先生も知っているようで頷きます。みらいは改めてみんなすごいと感想を話します。自分は魔法が使えたのが楽しくてワクワクだったけど、その魔法で何がやりたいかをちゃんと見つけてる。リコも立派な魔法つかいになるって決めてると感心したように言います。自分も何かやりたいことを見つけたいと暢気につぶやきます。この辺は初期とあまり変化が無く、みらいは目標がなく(魔法は好奇心で取得しただけ)、リコは漠然としたまま。
リコは視線を下げながら自分もみらいと同じだと答えます。一生懸命頑張って立派な魔法つかいになって、それから何をやりたいのか。まだ何も決まっていない。普通の魔法つかいになることすら危うかった彼女は、目標と解離するあまり地に足が付いたイメージが固まっていません。リズ先生がでは立派な魔法つかいとはどんな人なのかしら?と水を向けます。するとお父様、お母様、お姉ちゃんと照れることなくハッキリと答えます。お姉ちゃんはずっと憧れだった。その気持ちは魔法学校の先生を目指している今も変わらない。妹の言葉に応えるようにリズはそれはリコがいたからだと返します。一緒に魔法の練習をして、もっとたくさんの子達に魔法を教えてあげられたら……だから先生になろうと思った。リコもみらいさんも焦らず自分の好きなことを探してみればいいとアドバイス。何か先生っぽい。先生なんだけど。
一方、ふたりの帰りを待つはーちゃんは反省中。
落ち込んだ彼女を元気付けるためか、モフルンはみんながはーちゃんの魔法にビックリしていたと話題を変えます。しかしこれも地雷。というかクリティカルな話題。みんな勉強して魔法を使えるようになっているのに、勉強をしなくても凄い魔法が使えてしまうのは何故なのか。自分はみんなと違うのか?
みらいとリコが戻ってくるとはーちゃんは元気に駆け寄っていきます。それを見て安心するモフルン。
と思ったのも束の間。ラブーさんがお勤め。
結界を張って補習組を閉め出します。今週はフェリーチェ合同変身の最後、ルビー。気合を入れてバク転を決めます。
ラブーが言ったとおりシャーキンスとベニーギョは試合観戦。
戦闘開始早々、ラブーはルビー組を、ヨクバールはフェリーチェを担当して戦力を分断。分が悪い。しかしミラクルはやりたいことのために頑張ってるジュン達の邪魔をしないで!と抗議の声を上げます。やめて下さい、その言葉はリコに効く。この意味ではミラクルは徹底しているというか、自己否定に繋がらないメンタルは非常に安定しています。彼女の言動には妬みや嫌悪といったものが見えません。
魔法の単語を聞いたラブーは嘲笑うようにムホーの力を見せつけます。あらゆる道理を超え、強大なエネルギーを自在に操る力。説明が出てきました。自分達にとってはなんてこともない。できて当然のもの。学習の必要がない。できることも魔法とは雲泥の差。ムホーの前では魔法は無駄な努力。模範解答のように煽ってきます。勉強しなくても理不尽な力が使えるって、それどっかで見たな。ラブーの言葉がこれまた突き刺さるマジカル。
ヨクバールを1人で相手していたフェリーチェはそのまま押し切るとラブーに攻撃。この強さがラブーのセリフを裏付けています。何か違うものを感じる。そう言われたフェリーチェに動揺が生まれます。
纏めて吹き飛ばそうと繰り出されたパンチをミラクルが耐えます。魔法はとってもワクワクもん。お前何勝手に魔法ディスってんだ。こちとら魔法で得たものはたくさんあるんだよ。
「私は……そんな魔法が、大好きなの!」
彼女がどういう子かといったらこういう子なのだと思います。好きなものを好きだと、好きな子に好きだとてらいなく言える子。彼女は引き算をしない。常に足し算で積み上げていく。できないことを想定したりマイナスに組み込むことをせず、したいことをしていく。言い方を変えれば頭空っぽで突っ込んで行くタイプなんだけど、最終的には彼女の「好き」が勝つ。それが彼女最大の動力源であり、証明方法だから。シンプルさはそれ自体が強さを持つ。未知なものに対して恐怖や不安よりも好奇心を抱き、それを自分のものにしていけるバイタリティ。正直な話し、みらいは少し絡みづらいキャラというか、リコと比べると凸凹がないし葛藤を抱えるキャラではないので掴みづらいところがあるんですが、この一点、「好き」を力に変えていく点に関しては私は彼女に同じものを感じます。好きなものを好きな者として、それを守る。必要なのはそれだけ。それで十分。
彼女の意思にキャリッジが反応しますが、まだ静観。怯んだラブー相手に必殺技をぶつけます。しかし直撃を受けてなお余裕があるラブー。ヨクバールをけしかけてきますが、こちらはフェリーチェが処分。
③行きは一緒、帰りはバラバラ
見送り。
みらい達の協力もあり自由研究は完成。礼を言うジュン。モフちゃん大図鑑を見せるケイ。エミリーはまた付き合って欲しいとはーちゃんと約束します。リズ先生はリコに激励の言葉を贈ります。しかし予想に反してリコは浮かない表情。
カタツムリニアの中で、はーちゃんの視線はどこか遠くを見つめ、リコは自分の世界に浸るように外を見つめます。そんな彼女達にみらいは帰ったら学校だと呼びかけます。
④次回予告
殉職ペース速ぇ。
○トピック
前回アレで、次回は最終回みたいなノリとか振れ幅でけぇ。
相変わらずいやらしい。
今回のエピソードはもちろん未来への目標を語る話し。しかしこれまでみらい達が語っていたのは「一緒にいたい」という現状維持の要求。このふたつは矛盾するわけではありませんが少し据わりが悪い。例えばみらいとリコがそれぞれ何か目標を立てたとして「私達の目標は○○!△△!でも暫くはナシマホウ界で一緒に暮します」っていうのではモラトリアムを楽しんでいるようにしか見えなくなってしまう。夏休みの宿題を放置しながらギリギリまで遊び続けるのと同じです。何度も書いているように彼女達は少しずつ大人になっていて、後退することは許されません。立派な魔法つかいを目指しながら、そのビジョンが曖昧でどうしてナシマホウ界に居続けたいと言える? 今一緒に居られるのは暫定的な処置でしかない。彼女達それぞれが自立的でなければ結局かごの中の鳥(大人の目の届く範囲にいる子ども)になってしまう。中学生なので当然と言えば当然ですが成長物語でその結論では1年やる意味が無い。
だからこそ、今回を契機に彼女達は自分が何者であるか、何者であろうとするかに立ち向かっていくことになります。ラストシーンがとてもわかりやすい。彼女達は一緒にいながら違う方向を見ている。3人それぞれに立場も背負うものも違います。本来違う世界の違う人間が、何故一緒にいなければならないのか。一緒にいたいから? 好きだから? それでも構わない。けどそれは自分が何者であるか、何者であろうとするかから目を逸らして良い理由にはなりません。ワガママを言うにはそれ相応の覚悟と筋を通さなければならない。
「友達と一緒にいたい」と「自分の本分を貫きたい」はプリキュアでも一つの大きなテーマです。この選択は善し悪しの問題ではありません。貫き方の問題です。どちらを選んでも良い。前作プリンセスは決然と後者を選び取りました。本作はどちらを選ぶのか、あるいは彼女達が垣根を越えて同じ目標を持つのも一つの選択でしょう。いずれにしても、自分が通る道は自分で作るのがプリキュアの本分です。
①夢の行方
前回の出来事を校長に報告。校長はあの夢を見なかったようです。残念。いや、幸いだったというべきか。
というわけで、校長が命名したレインボーキャリッジは改めてみらい達が命名することにします。で、その謎の物体は現在モフルンの椅子に。いくら箱物とはいえこの雑な扱われよう。怒ったのか、何かモフルンと共鳴したのかキャリッジから魔方陣が出てきます。でもそれだけ。説明書が欲しいところです。
別に害があるわけでもなし、校長はそのまま様子見にするつもりのようです。今さらだけど、この人に相談しても解決したことないよね。
それはそれ、夏休みも最終日。みらい達は今日で魔法界ともバイバイ。するとエミリー達がこぞってやってくると口々に宿題を手伝ってくれと頼んできます。
お前ら最終日に何言ってんだよ、今まで何してた?と説教を始めるリコ。当然のリアクション。こだわっているうちに時間がかかって…と弁明するエミリー。この子のポーズあざといな。反省も束の間、ジュンはリコとみらいに、エミリーははーちゃんに、ケイはモフルンに宿題の協力を依頼します。一応夕方までは時間があるので引き受けます。特にモフルンとはーちゃんは予想外の抜擢に嬉しそう。
早速みらいとリコはふたり並んで変なポーズをとって被写体に。芸術家肌なのかジュンは絵画を選択。ナシマホウ界のバレエに興味を持ったようで活き活きと筆を走らせます。少しでも体勢が崩れると強い叱責が飛びます。これにはふたりもタジタジ……というか面倒臭そう。思わずはーちゃんとモフルンに視線が伸びます。
隣のスペースでは椅子に腰掛けたはーちゃんをモデルにエミリーがヘアアレンジ。長くて綺麗な髪で試したかったと言います。確かにこの面子だと他にはリコくらいしかいない。完成した髪型にちょっと触れるとアフロというかリーゼントのように爆発。今ひとつ安定性に欠ける模様。これはこれではーちゃん的には楽しそう。
ケイは次々とモフルンに質問をしながらノートに書き取っていきます。生態調査でしょうか。しゃべるぬいぐるみなんて前代未聞。研究価値はありそうです。
そんな彼女達の面白そうで楽な仕事を羨ましがるふたり。するとジュンはしっくりこないとばかりに不満の声を漏らします。散々人にポーズとらせておいて別なポーズを要求。人がいいふたりは言われるままに色んなポーズを試してみます。リコがバランスを崩してそれをみらいが支えたポーズがバッチリ。脅されながらふたりはポーズをとり続けます。
宿題とは縁のないラブーは仕事もせずに昼寝。何者かが彼の名を呼びます。封印が解けると影が抜け出していきます。当然のことですが幹部はラブーだけではないようで、シャーキンス、ベニーギョと彼はふたりの名を呼びます。たぶん名前に法則性があると思うんだけど、ピンとこないな。口ぶりからすると他にもいるらしい。次回予告でラブーさん殉職しそうだし、本作の撃破ペース速ぇ。これまでの最後まで居続けるパターンに完全にメタ張ってますね。
シャーキンスさんは仕事熱心なようでラブーとは対照的。仕事が捗らない理由を話すとやはり彼らもプリキュアを知らない様子。まずい、このままでは「(地方)伝説の魔法つかい」とローカルな感じになってしまう。勿論プリキュアだか何だか知らないが余計なものは排除するのが彼らの仕事。ラブーも本腰を入れ始めます。
絵が完成。ようやく解放されたみらいとリコは地面に腰を下ろします。右に回り込むか左に回り込むか真剣に悩む。
早速はーちゃんが見たいと駆け寄ります。髪型はツインテールに。デフォの髪型これでいいんじゃね?
出来上がった絵は前衛的な抽象画。もうこれポーズ関係なくね? コメントに困るふたり。しかしこれはまだ下準備。この絵に魔法をかけると絵が飛びだして銅像に。え、えーと、絵?
「なんであの絵からこんな形になるのよ!」
ところがどっこい、まだ納得がいかないジュンはすぐに絵(銅像)を捨ててしまいます。彼女が目指しているのはナシマホウ界のファッションや流行を取り入れたアート。ようやく今週の本題に入ります。ジュンは予定が決まっていて、卒業したらナシマホウ界に留学、そこでファッションや文化を勉強してアーティストとしての腕を磨きたいと語ります。
つられるようにケイも話し始めます。いつの間にかメモ魔になった彼女はそれが生かせる仕事に就きたい。エミリーも美容師を目指しています。その話を聞いたリコは焦りを感じます。早速精神ダメージ。流石です。この年代の出遅れている感は耳が痛い話。しかし鈍感なのか余裕があるのかみらいは夢がある彼女達を素敵だと素直に感心。
ジュンは話を戻して、ふたりに白鳥の湖と同じ衣装を着てくれないかと頼みます。衣装はどこから? はーちゃんがものの数秒で出します。フランソワさんの出番が無くなりそう。
衣装を着たみらいとリコは、そのままどこかへと飛び立っていきます。前回といい、エメラルドに振り回されてますな。
急いでフォローしようとしたはーちゃんをジュンが呼び止めます。エミリーとケイも彼女の魔法に興味津々。はーちゃんの魔法を初めて見たリコと同じ反応。魔法の常識を知っていればこそ、彼女の魔法は規格外。
②好きなものを好きだと
学校でリズ先生がふたりを回収。
落着くと、事情を話します。ジュン達のことはリズ先生も知っているようで頷きます。みらいは改めてみんなすごいと感想を話します。自分は魔法が使えたのが楽しくてワクワクだったけど、その魔法で何がやりたいかをちゃんと見つけてる。リコも立派な魔法つかいになるって決めてると感心したように言います。自分も何かやりたいことを見つけたいと暢気につぶやきます。この辺は初期とあまり変化が無く、みらいは目標がなく(魔法は好奇心で取得しただけ)、リコは漠然としたまま。
リコは視線を下げながら自分もみらいと同じだと答えます。一生懸命頑張って立派な魔法つかいになって、それから何をやりたいのか。まだ何も決まっていない。普通の魔法つかいになることすら危うかった彼女は、目標と解離するあまり地に足が付いたイメージが固まっていません。リズ先生がでは立派な魔法つかいとはどんな人なのかしら?と水を向けます。するとお父様、お母様、お姉ちゃんと照れることなくハッキリと答えます。お姉ちゃんはずっと憧れだった。その気持ちは魔法学校の先生を目指している今も変わらない。妹の言葉に応えるようにリズはそれはリコがいたからだと返します。一緒に魔法の練習をして、もっとたくさんの子達に魔法を教えてあげられたら……だから先生になろうと思った。リコもみらいさんも焦らず自分の好きなことを探してみればいいとアドバイス。何か先生っぽい。先生なんだけど。
一方、ふたりの帰りを待つはーちゃんは反省中。
落ち込んだ彼女を元気付けるためか、モフルンはみんながはーちゃんの魔法にビックリしていたと話題を変えます。しかしこれも地雷。というかクリティカルな話題。みんな勉強して魔法を使えるようになっているのに、勉強をしなくても凄い魔法が使えてしまうのは何故なのか。自分はみんなと違うのか?
みらいとリコが戻ってくるとはーちゃんは元気に駆け寄っていきます。それを見て安心するモフルン。
と思ったのも束の間。ラブーさんがお勤め。
結界を張って補習組を閉め出します。今週はフェリーチェ合同変身の最後、ルビー。気合を入れてバク転を決めます。
ラブーが言ったとおりシャーキンスとベニーギョは試合観戦。
戦闘開始早々、ラブーはルビー組を、ヨクバールはフェリーチェを担当して戦力を分断。分が悪い。しかしミラクルはやりたいことのために頑張ってるジュン達の邪魔をしないで!と抗議の声を上げます。やめて下さい、その言葉はリコに効く。この意味ではミラクルは徹底しているというか、自己否定に繋がらないメンタルは非常に安定しています。彼女の言動には妬みや嫌悪といったものが見えません。
魔法の単語を聞いたラブーは嘲笑うようにムホーの力を見せつけます。あらゆる道理を超え、強大なエネルギーを自在に操る力。説明が出てきました。自分達にとってはなんてこともない。できて当然のもの。学習の必要がない。できることも魔法とは雲泥の差。ムホーの前では魔法は無駄な努力。模範解答のように煽ってきます。勉強しなくても理不尽な力が使えるって、それどっかで見たな。ラブーの言葉がこれまた突き刺さるマジカル。
ヨクバールを1人で相手していたフェリーチェはそのまま押し切るとラブーに攻撃。この強さがラブーのセリフを裏付けています。何か違うものを感じる。そう言われたフェリーチェに動揺が生まれます。
纏めて吹き飛ばそうと繰り出されたパンチをミラクルが耐えます。魔法はとってもワクワクもん。お前何勝手に魔法ディスってんだ。こちとら魔法で得たものはたくさんあるんだよ。
「私は……そんな魔法が、大好きなの!」
彼女がどういう子かといったらこういう子なのだと思います。好きなものを好きだと、好きな子に好きだとてらいなく言える子。彼女は引き算をしない。常に足し算で積み上げていく。できないことを想定したりマイナスに組み込むことをせず、したいことをしていく。言い方を変えれば頭空っぽで突っ込んで行くタイプなんだけど、最終的には彼女の「好き」が勝つ。それが彼女最大の動力源であり、証明方法だから。シンプルさはそれ自体が強さを持つ。未知なものに対して恐怖や不安よりも好奇心を抱き、それを自分のものにしていけるバイタリティ。正直な話し、みらいは少し絡みづらいキャラというか、リコと比べると凸凹がないし葛藤を抱えるキャラではないので掴みづらいところがあるんですが、この一点、「好き」を力に変えていく点に関しては私は彼女に同じものを感じます。好きなものを好きな者として、それを守る。必要なのはそれだけ。それで十分。
彼女の意思にキャリッジが反応しますが、まだ静観。怯んだラブー相手に必殺技をぶつけます。しかし直撃を受けてなお余裕があるラブー。ヨクバールをけしかけてきますが、こちらはフェリーチェが処分。
③行きは一緒、帰りはバラバラ
見送り。
みらい達の協力もあり自由研究は完成。礼を言うジュン。モフちゃん大図鑑を見せるケイ。エミリーはまた付き合って欲しいとはーちゃんと約束します。リズ先生はリコに激励の言葉を贈ります。しかし予想に反してリコは浮かない表情。
カタツムリニアの中で、はーちゃんの視線はどこか遠くを見つめ、リコは自分の世界に浸るように外を見つめます。そんな彼女達にみらいは帰ったら学校だと呼びかけます。
④次回予告
殉職ペース速ぇ。
○トピック
前回アレで、次回は最終回みたいなノリとか振れ幅でけぇ。
相変わらずいやらしい。
今回のエピソードはもちろん未来への目標を語る話し。しかしこれまでみらい達が語っていたのは「一緒にいたい」という現状維持の要求。このふたつは矛盾するわけではありませんが少し据わりが悪い。例えばみらいとリコがそれぞれ何か目標を立てたとして「私達の目標は○○!△△!でも暫くはナシマホウ界で一緒に暮します」っていうのではモラトリアムを楽しんでいるようにしか見えなくなってしまう。夏休みの宿題を放置しながらギリギリまで遊び続けるのと同じです。何度も書いているように彼女達は少しずつ大人になっていて、後退することは許されません。立派な魔法つかいを目指しながら、そのビジョンが曖昧でどうしてナシマホウ界に居続けたいと言える? 今一緒に居られるのは暫定的な処置でしかない。彼女達それぞれが自立的でなければ結局かごの中の鳥(大人の目の届く範囲にいる子ども)になってしまう。中学生なので当然と言えば当然ですが成長物語でその結論では1年やる意味が無い。
だからこそ、今回を契機に彼女達は自分が何者であるか、何者であろうとするかに立ち向かっていくことになります。ラストシーンがとてもわかりやすい。彼女達は一緒にいながら違う方向を見ている。3人それぞれに立場も背負うものも違います。本来違う世界の違う人間が、何故一緒にいなければならないのか。一緒にいたいから? 好きだから? それでも構わない。けどそれは自分が何者であるか、何者であろうとするかから目を逸らして良い理由にはなりません。ワガママを言うにはそれ相応の覚悟と筋を通さなければならない。
「友達と一緒にいたい」と「自分の本分を貫きたい」はプリキュアでも一つの大きなテーマです。この選択は善し悪しの問題ではありません。貫き方の問題です。どちらを選んでも良い。前作プリンセスは決然と後者を選び取りました。本作はどちらを選ぶのか、あるいは彼女達が垣根を越えて同じ目標を持つのも一つの選択でしょう。いずれにしても、自分が通る道は自分で作るのがプリキュアの本分です。
第29話「新たな魔法の物語!主役はモフデレラ!」
○今週の出来事
①魔法界訳シンデレラ
必勝ハチマキを巻いたはーちゃんは本の前で悪戦苦闘。
図書館にある伝説関係の本らしく、エメラルドに関する記憶の手がかりにならないかと校長が提供したようです。思い出せないことに難儀しているというより、長ったらしい文章に難儀してそうなはーちゃんは本に顔を埋めると沈黙。それを見た水晶さんは大丈夫、まだまだ伝説はあると部屋を埋め尽くすほどの本を取り出します。
「えっ、これ全部?」
「うん!」
「ファイトですわ!」
はーちゃん終了のお知らせ。
図書館ではーちゃんの帰りを待つみらいはあまりに暇なのか退屈過ぎて死にそうな顔を浮かべています。リコがシンデレラの本を見つけます。そのタイトルに驚いたみらいがすぐさま訊ねると、リコもナシマホウ界に同様の本があると知ってビックリ。
OP。そろそろ30話だし高額新商品の季節だなーと何となく思ってたら、まさかあんなことになるとは。
表紙を見たみらいは魔法使いの扱いが大きいことに気づきます。何当たり前なこと言ってるの?という反応のリコ。どうやら魔法界では魔法使いの方が主役になっているようで、ピーターパンではティンカーベルが、花咲かじいさんも魔法使いとして主役になってるようです。同じ物語でも解釈と比重が違うことを知って面白がるみらい。この世界のRPGは魔法使い・魔法使い・魔法使い・僧侶がデフォみたいなことになってそう。
そこにようやく伝説から解放されたはーちゃんが息も絶え絶えに戻ってきます。
結局手がかりは見つからず。でも労働の対価に秘蔵の冷凍みかんを貰った!と元気を取り戻すはーちゃん。冷凍みかんは現在品薄のはずなので貴重品です。このアニメ、イチゴメロンパンのアイデンティティ無いよね。
杖を構えるリコ。解凍されたみかんをさっそく頬張……れませんでした。はーちゃん終了のお知らせ(第2報)。未だにこの魔法はダメらしい。
そんなテンプレお約束コントを無視して、モフルンは自分もシンデレラのように舞踏会に行きたいと本を見つめながら言います。リコも誰かの夢を叶えて笑顔にできる魔法使いは素敵と相づちを打ちます。そっちかよ。全然関係ないんですが、ネグリジェって富裕層の寝間着ってイメージあります。たぶん私の富裕層イメージはハイカラ(な時代)で止まってる。
その夜、みんなが寝静まるとスマホンが光り出します。
②モフデレラ
リコが目を覚ますと屋根の上に。傾斜角やべぇ。そのまま転げ落ちていきます。文字どおりの出落ち。死にゲーでもここまで酷いのそうそう無いだろ。みらいが魔法でフォロー。お礼を言いながらようやく状況が掴めてきたリコはみらいとはーちゃんがネズミなことに驚きます。「気づくの遅いでチュ」。みらいさん冷静。かく言うリコも魔法使いの格好。
家の中から声がするので覗くと、モフルンがビーズメーカーをひたすら回しています。
モフルンをモフデレラと呼ぶ声。部屋にやってきたのはバッティさんとスパルダさん。前回の予告から異彩を放っていただけあって、本放送でもその破壊力は抜群。再生怪人はいいとして、こんな再利用のされ方したのこいつらだけなんじゃないかな。お城の舞踏会で王子様からプロポーズ、と見せた写真に写っているのは校長。深刻な俳優不足。中身爺さんだろうが。もうこれ本筋やる気ねーよ。原作破壊する気満々。
アクセサリーが完成しなければモフルンは留守番。できたとネックレスを見せるモフルンに不満を持ったスパルダは部屋を汚して嫌がらせ。そこでさらに登場するのがガメッツさん。ああ、もうこれほんと酷いな。散らかっている部屋を見たガメッツはお留守番を言い渡します。
武道会に行くつもりのガメッツをバッティが舞踏会ですわと訂正。そんなやりとりをリコ達は何とも言えない顔で見続けます。これがテコ入れというやつでしょうか、このままでは魔法つかいプリキュアの最終回は28話だったと言われかねません。
お留守番のモフルンに大量の冷凍みかんを預けてガメッツ達はお城の舞踏会へ。冷凍みかんの中で凍えるモフルンにリコ達は同情します。いや、そうなんだけど、そうじゃねーだろ。
理由はわからないものの、どうやらシンデレラの世界らしい。魔法使いの使命に燃えるリコはモフデレラを助けなくちゃ!と意気込みます。みらいとはーちゃんも同意。ついでに校長に何か知らないか尋ねよう。
部屋を掃除するモフルンにリコが声をかけると「誰モフ?」と返されます。どうやら完全になりきっているのかモフルンには話が通じません。それならそれで原作どおりに話を進めればいいだけ。
冷凍ミカンに魔法をかけて馬車に変えます。部屋の中に出すな。客車の中冷たそうだな……と思ったら本当にカッチカチ。気にしない、気にしない。気にするわ! 顧客満足度ゼロ。リコちゃんマジ無能。みらいとはーちゃんと力を合わせて解凍に成功。身なりも整えてバッチリ。なるほど、何だかんだでモフルンをデコって遊ぼうって話ね。なお、ネズミのみらいとはーちゃんは別に馬になる気はないようでリコのサポート役のようです。
馬車でお城に向かう一同。実は一番ノリノリなのがリコだったりする。
パーティに参加。他の参加者は普通に人間。ここでようやく登場の補習メイト。彼女達の視線はもちろん王子様。二階から現われると高く跳躍してスタッと着地。
「ワシが王子じゃ」
何?バッティさん達と出オチ競ってるの? 「今なんでジャンプしたのかしら?」。当たり前のツッコミがツッコミとして機能しないレベル。
早速王子のハートを射止めようとバッティとスパルダ、さらにはガメッツがアプローチ。もうキワモノ同士でくっついて下さい。ところが王子はモフルンに一目惚れ。重度のケモナーでしたか。業が深い。
ダンスタイム。憧れていた王子様とのダンスでモフルンも大満足。等身が合わないので宙に浮かんだ状態に。新体操とかサーカスの曲芸でしょうか。っていうか、ここ見せるのかよ。シナリオどおりの進行に影から見守っていたリコ達も一安心。最近美味しいところをみらいが担当していた反動か、今回はリコがメインで引っ張っています。
負け組は負け組で切り札を用意。ヤモーさんも魔法使いとして登場。
落着いたところで、モフルンは王子とリコ達を引合わせます。
そこに再び登場するバッティさん達。この人達なりきり度高けぇな。ヤモーが放った魔法を冷凍ミカンバリアで反射。冷凍みかん便利過ぎ問題。反射された魔法がガメッツに直撃。「ちょっとなにやってんの!」「あっ、だって…」。ヤモーさん可愛い。ガメッツが巨大化していきます。なお、本人はノリノリな模様。
「あぁ! お母さまがバケモノに!?」
この世界に鏡ねーのかよ。
「王子様、ここは魔法使いの私達に任せて下さい!」
原作崩壊しているこの状況で冷静に啖呵切れるリコは大物。みらいもモフルンに協力を依頼します。あまりに酷い流れなので忘れていましたが、このアニメはプリキュア。果たして無事変身できるのでしょうか。
まずは手を……繋げない! 危うく握りつぶされかけるみらい。シンデレラどころかプリキュアまで壊れてるじゃないですかー!? と思ったら元のサイズに。これならいける! 再び手を握ると変身シークエンススタート。はーちゃんも大丈夫そうです。モフルンがシンデレラ仕様。短縮されているけど豪華バンク。
3人並んで、フェリーチェ小さっ! これは上手いオチの付け方。彼女、単独変身だからサイズ感わかんないんだよね。ちなみにフェリーチェが入り込むシーンはスタイル毎に違うのか、改良されているのか、今回は空から降ってくる→プリキュアの前でポーズ、と目立つようになっています。
「変でチュ!? なんで私だけ小さいままでチュか!?」
「もう『チュ』はつけなくていいのよ」
「なんでチュ? あんたらは?」。これ絶対アドリブだろ。
プリキュアが勝てばモフルンへの嫌がらせはやめる。ガメッツが勝ったら王子と結婚。突然のご指名に王子は青ざめます。プリキュアも必ず勝つから!とフォローになってないフォロー。あれ、これプリキュア負けても損しないんじゃね? モフルンの説得もあり、王子の了承が得られます。
ただしここは舞踏会場なんだから踊りで決着を付けろと条件をつけられます。どこからともなく音楽が流れると「みんなー! プリキュア音頭がはじまるよー」とのかけ声が。
ああ、ダメだこれ、今回まったく先が読めない。この脚本書いた奴シラフじゃねーだろ。ちなみにこの曲は去年リリースされたもので、プリンセスでも使われています。東さんが太鼓叩いてたシーン。歌詞はほとんど出てこないので視聴者の多くは記憶に残ってないと思いますが。ガメッツもプリキュアも王子も踊り出します。トパーズスタイルはそれ自体可愛いのでこれはこれでアリじゃねーかと思えてきた私は毒されている。なお、バッティさん達は開いた口がふさがらない模様。
バランスを崩したガメッツが湖に落ちます。勝負あり。元が亀なわりに泳げないらしい。モフルンが助けて欲しいとプリキュアに頼みます。元の姿に戻せば助けられるとフェリーチェ。元ってのはこの場合、亀にまで?
ということでレールガンチャージ。助けるとは何だったのか。地面に頭が突き刺さったガメッツを撃ち出します。地面をバウンドして無事湖から脱出。お、おう。
負けを認めたガメッツは、自分を助けてくれたモフルンに頭を下げます。一件落着。
王子はプリキュアを知っている様子。
事情を説明すると、馬車を使えば次元を超えて世界をわたれるという言い伝えを教えてくれます。
馬車が反応すると月から階段が降りてきます。ここで勘の良い人なら気づいたのかもしれません。しかし飽和攻撃とも言えるツッコミどころ満載なネタの数々にすっかり疲弊しきっていた私にはそこまで考える余裕はありませんでした。
12時の鐘が鳴ると同時にモフルンは元の姿に。申し訳なさそうに話すモフルンを王子は何も無かったように受け入れます。
時間が迫っているので、リコ達も馬車に乗って階段を登ります。しかし馬車の崩壊は進み魔法で修復する暇もなく引きずられる状態に。「ぎょえぇ~」。これが魔法つかいクオリティ。このままでは馬も消えそう。
こんな時に魔法が使えれば……。モフルンの意思にガラスの靴が反応すると、魔法使いにフォームチェンジ。ついに馬も消えてリコ達は落下。と、同時に靴がオプション化してモフルンの魔法に。今回ここの作画が一番気合入ってるのがポイント。決めのシーンでもあるんですが、切り札を最後まで残していた手腕に脱帽。お腹一杯のところにさらに押し込むスタイル。
モフルンの魔法と3人の魔法が合わさると、今年の高額新商品が出現。
「なんと!」
ほんとにな。
リコ達はクリスタルの馬車に乗って月を目指します。
校長が今回を纏めます。モフルンも魔法使い。高額新商品を「レインボーキャリッジ」と名付けます。
みんな同時に目が覚めます。すると傍らには例の高額新商品が。
すっごく楽しい夢だったとモフルンは大満足。みんなで同じを夢を見たあげくに謎の物体。みらいは難しいことはわからないけど……と頭を捻るも結果オーライってことで納得します。
モフデレラはその後、魔法使いとして旅に出ると困っている人を魔法で助け国中を笑顔にしましたとさ。めでたしめでたし。
③次回予告
補習メイトも夢の巻き添えを食った模様。
○トピック
夢オチなんてサイテー! でもリコが可愛かったから俺の満足度100%。
まさかこの流れで新商品が出るとはこのリハクの目をもってしても(以下略)。まあ、大抵この手のアイテム登場はいい加減なんだけどね。スイートのモアイの意味不明さとか。実家が小さくされるのとどっちがマシかと言われると微妙。
カオス回はシリーズでも数あれど、ここまで開き直っているのは本作が一番かもしれない。再登場したバッティ達も本編で絶対悪として断罪されたわけではない(というか主人公達の眼中にない)ので今回のようなお邪魔虫としての起用はむしろ順当な扱いで違和感がない。この意味では本作の世界観はどこか牧歌的でもありますね。
モフルンは映画でプリキュア化することが決まっているのと、本編でも重要なパートナーとして扱われているので夢の世界であっても魔法が使える(モフルンの意思力はみらい達と同等)のは必然的な前振り。この4人で力を合わせると高額新商品も呼び出せるし、本の筋書きも変えちゃう。件のキャリッジは例年で言うと映画と同時期に解放されるのでその頃には今よりもさらに進んだ関係が見られるのかもしれません。
①魔法界訳シンデレラ
必勝ハチマキを巻いたはーちゃんは本の前で悪戦苦闘。
図書館にある伝説関係の本らしく、エメラルドに関する記憶の手がかりにならないかと校長が提供したようです。思い出せないことに難儀しているというより、長ったらしい文章に難儀してそうなはーちゃんは本に顔を埋めると沈黙。それを見た水晶さんは大丈夫、まだまだ伝説はあると部屋を埋め尽くすほどの本を取り出します。
「えっ、これ全部?」
「うん!」
「ファイトですわ!」
はーちゃん終了のお知らせ。
図書館ではーちゃんの帰りを待つみらいはあまりに暇なのか退屈過ぎて死にそうな顔を浮かべています。リコがシンデレラの本を見つけます。そのタイトルに驚いたみらいがすぐさま訊ねると、リコもナシマホウ界に同様の本があると知ってビックリ。
OP。そろそろ30話だし高額新商品の季節だなーと何となく思ってたら、まさかあんなことになるとは。
表紙を見たみらいは魔法使いの扱いが大きいことに気づきます。何当たり前なこと言ってるの?という反応のリコ。どうやら魔法界では魔法使いの方が主役になっているようで、ピーターパンではティンカーベルが、花咲かじいさんも魔法使いとして主役になってるようです。同じ物語でも解釈と比重が違うことを知って面白がるみらい。この世界のRPGは魔法使い・魔法使い・魔法使い・僧侶がデフォみたいなことになってそう。
そこにようやく伝説から解放されたはーちゃんが息も絶え絶えに戻ってきます。
結局手がかりは見つからず。でも労働の対価に秘蔵の冷凍みかんを貰った!と元気を取り戻すはーちゃん。冷凍みかんは現在品薄のはずなので貴重品です。このアニメ、イチゴメロンパンのアイデンティティ無いよね。
杖を構えるリコ。解凍されたみかんをさっそく頬張……れませんでした。はーちゃん終了のお知らせ(第2報)。未だにこの魔法はダメらしい。
そんなテンプレお約束コントを無視して、モフルンは自分もシンデレラのように舞踏会に行きたいと本を見つめながら言います。リコも誰かの夢を叶えて笑顔にできる魔法使いは素敵と相づちを打ちます。そっちかよ。全然関係ないんですが、ネグリジェって富裕層の寝間着ってイメージあります。たぶん私の富裕層イメージはハイカラ(な時代)で止まってる。
その夜、みんなが寝静まるとスマホンが光り出します。
②モフデレラ
リコが目を覚ますと屋根の上に。傾斜角やべぇ。そのまま転げ落ちていきます。文字どおりの出落ち。死にゲーでもここまで酷いのそうそう無いだろ。みらいが魔法でフォロー。お礼を言いながらようやく状況が掴めてきたリコはみらいとはーちゃんがネズミなことに驚きます。「気づくの遅いでチュ」。みらいさん冷静。かく言うリコも魔法使いの格好。
家の中から声がするので覗くと、モフルンがビーズメーカーをひたすら回しています。
モフルンをモフデレラと呼ぶ声。部屋にやってきたのはバッティさんとスパルダさん。前回の予告から異彩を放っていただけあって、本放送でもその破壊力は抜群。再生怪人はいいとして、こんな再利用のされ方したのこいつらだけなんじゃないかな。お城の舞踏会で王子様からプロポーズ、と見せた写真に写っているのは校長。深刻な俳優不足。中身爺さんだろうが。もうこれ本筋やる気ねーよ。原作破壊する気満々。
アクセサリーが完成しなければモフルンは留守番。できたとネックレスを見せるモフルンに不満を持ったスパルダは部屋を汚して嫌がらせ。そこでさらに登場するのがガメッツさん。ああ、もうこれほんと酷いな。散らかっている部屋を見たガメッツはお留守番を言い渡します。
武道会に行くつもりのガメッツをバッティが舞踏会ですわと訂正。そんなやりとりをリコ達は何とも言えない顔で見続けます。これがテコ入れというやつでしょうか、このままでは魔法つかいプリキュアの最終回は28話だったと言われかねません。
お留守番のモフルンに大量の冷凍みかんを預けてガメッツ達はお城の舞踏会へ。冷凍みかんの中で凍えるモフルンにリコ達は同情します。いや、そうなんだけど、そうじゃねーだろ。
理由はわからないものの、どうやらシンデレラの世界らしい。魔法使いの使命に燃えるリコはモフデレラを助けなくちゃ!と意気込みます。みらいとはーちゃんも同意。ついでに校長に何か知らないか尋ねよう。
部屋を掃除するモフルンにリコが声をかけると「誰モフ?」と返されます。どうやら完全になりきっているのかモフルンには話が通じません。それならそれで原作どおりに話を進めればいいだけ。
冷凍ミカンに魔法をかけて馬車に変えます。部屋の中に出すな。客車の中冷たそうだな……と思ったら本当にカッチカチ。気にしない、気にしない。気にするわ! 顧客満足度ゼロ。リコちゃんマジ無能。みらいとはーちゃんと力を合わせて解凍に成功。身なりも整えてバッチリ。なるほど、何だかんだでモフルンをデコって遊ぼうって話ね。なお、ネズミのみらいとはーちゃんは別に馬になる気はないようでリコのサポート役のようです。
馬車でお城に向かう一同。実は一番ノリノリなのがリコだったりする。
パーティに参加。他の参加者は普通に人間。ここでようやく登場の補習メイト。彼女達の視線はもちろん王子様。二階から現われると高く跳躍してスタッと着地。
「ワシが王子じゃ」
何?バッティさん達と出オチ競ってるの? 「今なんでジャンプしたのかしら?」。当たり前のツッコミがツッコミとして機能しないレベル。
早速王子のハートを射止めようとバッティとスパルダ、さらにはガメッツがアプローチ。もうキワモノ同士でくっついて下さい。ところが王子はモフルンに一目惚れ。重度のケモナーでしたか。業が深い。
ダンスタイム。憧れていた王子様とのダンスでモフルンも大満足。等身が合わないので宙に浮かんだ状態に。新体操とかサーカスの曲芸でしょうか。っていうか、ここ見せるのかよ。シナリオどおりの進行に影から見守っていたリコ達も一安心。最近美味しいところをみらいが担当していた反動か、今回はリコがメインで引っ張っています。
負け組は負け組で切り札を用意。ヤモーさんも魔法使いとして登場。
落着いたところで、モフルンは王子とリコ達を引合わせます。
そこに再び登場するバッティさん達。この人達なりきり度高けぇな。ヤモーが放った魔法を冷凍ミカンバリアで反射。冷凍みかん便利過ぎ問題。反射された魔法がガメッツに直撃。「ちょっとなにやってんの!」「あっ、だって…」。ヤモーさん可愛い。ガメッツが巨大化していきます。なお、本人はノリノリな模様。
「あぁ! お母さまがバケモノに!?」
この世界に鏡ねーのかよ。
「王子様、ここは魔法使いの私達に任せて下さい!」
原作崩壊しているこの状況で冷静に啖呵切れるリコは大物。みらいもモフルンに協力を依頼します。あまりに酷い流れなので忘れていましたが、このアニメはプリキュア。果たして無事変身できるのでしょうか。
まずは手を……繋げない! 危うく握りつぶされかけるみらい。シンデレラどころかプリキュアまで壊れてるじゃないですかー!? と思ったら元のサイズに。これならいける! 再び手を握ると変身シークエンススタート。はーちゃんも大丈夫そうです。モフルンがシンデレラ仕様。短縮されているけど豪華バンク。
3人並んで、フェリーチェ小さっ! これは上手いオチの付け方。彼女、単独変身だからサイズ感わかんないんだよね。ちなみにフェリーチェが入り込むシーンはスタイル毎に違うのか、改良されているのか、今回は空から降ってくる→プリキュアの前でポーズ、と目立つようになっています。
「変でチュ!? なんで私だけ小さいままでチュか!?」
「もう『チュ』はつけなくていいのよ」
「なんでチュ? あんたらは?」。これ絶対アドリブだろ。
プリキュアが勝てばモフルンへの嫌がらせはやめる。ガメッツが勝ったら王子と結婚。突然のご指名に王子は青ざめます。プリキュアも必ず勝つから!とフォローになってないフォロー。あれ、これプリキュア負けても損しないんじゃね? モフルンの説得もあり、王子の了承が得られます。
ただしここは舞踏会場なんだから踊りで決着を付けろと条件をつけられます。どこからともなく音楽が流れると「みんなー! プリキュア音頭がはじまるよー」とのかけ声が。
ああ、ダメだこれ、今回まったく先が読めない。この脚本書いた奴シラフじゃねーだろ。ちなみにこの曲は去年リリースされたもので、プリンセスでも使われています。東さんが太鼓叩いてたシーン。歌詞はほとんど出てこないので視聴者の多くは記憶に残ってないと思いますが。ガメッツもプリキュアも王子も踊り出します。トパーズスタイルはそれ自体可愛いのでこれはこれでアリじゃねーかと思えてきた私は毒されている。なお、バッティさん達は開いた口がふさがらない模様。
バランスを崩したガメッツが湖に落ちます。勝負あり。元が亀なわりに泳げないらしい。モフルンが助けて欲しいとプリキュアに頼みます。元の姿に戻せば助けられるとフェリーチェ。元ってのはこの場合、亀にまで?
ということでレールガンチャージ。助けるとは何だったのか。地面に頭が突き刺さったガメッツを撃ち出します。地面をバウンドして無事湖から脱出。お、おう。
負けを認めたガメッツは、自分を助けてくれたモフルンに頭を下げます。一件落着。
王子はプリキュアを知っている様子。
事情を説明すると、馬車を使えば次元を超えて世界をわたれるという言い伝えを教えてくれます。
馬車が反応すると月から階段が降りてきます。ここで勘の良い人なら気づいたのかもしれません。しかし飽和攻撃とも言えるツッコミどころ満載なネタの数々にすっかり疲弊しきっていた私にはそこまで考える余裕はありませんでした。
12時の鐘が鳴ると同時にモフルンは元の姿に。申し訳なさそうに話すモフルンを王子は何も無かったように受け入れます。
時間が迫っているので、リコ達も馬車に乗って階段を登ります。しかし馬車の崩壊は進み魔法で修復する暇もなく引きずられる状態に。「ぎょえぇ~」。これが魔法つかいクオリティ。このままでは馬も消えそう。
こんな時に魔法が使えれば……。モフルンの意思にガラスの靴が反応すると、魔法使いにフォームチェンジ。ついに馬も消えてリコ達は落下。と、同時に靴がオプション化してモフルンの魔法に。今回ここの作画が一番気合入ってるのがポイント。決めのシーンでもあるんですが、切り札を最後まで残していた手腕に脱帽。お腹一杯のところにさらに押し込むスタイル。
モフルンの魔法と3人の魔法が合わさると、今年の高額新商品が出現。
「なんと!」
ほんとにな。
リコ達はクリスタルの馬車に乗って月を目指します。
校長が今回を纏めます。モフルンも魔法使い。高額新商品を「レインボーキャリッジ」と名付けます。
みんな同時に目が覚めます。すると傍らには例の高額新商品が。
すっごく楽しい夢だったとモフルンは大満足。みんなで同じを夢を見たあげくに謎の物体。みらいは難しいことはわからないけど……と頭を捻るも結果オーライってことで納得します。
モフデレラはその後、魔法使いとして旅に出ると困っている人を魔法で助け国中を笑顔にしましたとさ。めでたしめでたし。
③次回予告
補習メイトも夢の巻き添えを食った模様。
○トピック
夢オチなんてサイテー! でもリコが可愛かったから俺の満足度100%。
まさかこの流れで新商品が出るとはこのリハクの目をもってしても(以下略)。まあ、大抵この手のアイテム登場はいい加減なんだけどね。スイートのモアイの意味不明さとか。実家が小さくされるのとどっちがマシかと言われると微妙。
カオス回はシリーズでも数あれど、ここまで開き直っているのは本作が一番かもしれない。再登場したバッティ達も本編で絶対悪として断罪されたわけではない(というか主人公達の眼中にない)ので今回のようなお邪魔虫としての起用はむしろ順当な扱いで違和感がない。この意味では本作の世界観はどこか牧歌的でもありますね。
モフルンは映画でプリキュア化することが決まっているのと、本編でも重要なパートナーとして扱われているので夢の世界であっても魔法が使える(モフルンの意思力はみらい達と同等)のは必然的な前振り。この4人で力を合わせると高額新商品も呼び出せるし、本の筋書きも変えちゃう。件のキャリッジは例年で言うと映画と同時期に解放されるのでその頃には今よりもさらに進んだ関係が見られるのかもしれません。
第28話「魔法界の夏祭り!花火よ、たかくあがれ!」
○今週の出来事
①特攻野郎 補習チーム!
夏祭り当日。魔法界の夏祭りはどんなものかと思えば…めっちゃ既視感。
これ絶対文化侵略されてるよ。どっちがどっちにかは分からないけど。ワクワクしっぱなしのみらいに、補習メイトが来年は一緒に出店をやらないか?と持ちかけます。
たこ焼きに似たポコポコ焼き、輪投げに似たワーム―投げ。本が欲しかったリコは外れてがっかり。でもリボンをみらいに褒められてまんざらでもない様子。ちょろい。あまりにわかりやすいリコにみんな吹き出します。
花火について男子部からからかわれます。どうやら夏祭りの目玉である花火を補習メイトが担当するようで、彼女達も誇らしげにテストに受かったと言います。シシー達も楽しみにしているとのこと。ああ、リコがジュース飲もうとして打上げた話しここで拾うのね。商店街の人達も楽しみにしている。想定よりもわりと早く纏め入ってきました。
ところがどっこい、アクシデント発生。
花火の打上げに使うドンドン花が萎びています。天気が良ければ問題ないはずなのに何故…と不審がる教師陣。生徒達もこれでは花火中止かとため息を漏らします。ドンドン花の予備も無し。そこでクエスト発生。アイザック先生が野生に存在するパチパチ花のことを持ち出します。ただし先生も見たことが無い。リズ先生も知りません。それを聞いたみらいは居ても立ってもいられないとばかりにすぐさま動き出します。手がかりはあるのか? ペガサスのいた森は?ととりあえず見当を付けます。
クエスト期限は日が沈むまで。なら二手に分れて同時進行した方が早いとリコはみらいに森の探索、自分は図書館で情報を収集すると話を進めます。もう勝手知ったるなんとやら。妹の意外な行動力をリズさんは感嘆したように見つめます。
その話乗った!とばかりに補習チームも参戦。みらい、はーちゃん、エミリーが探索班。リコ、ジュン、ケイは調査班。魔法の絨毯に乗って探索へと出かけます。
高所恐怖症を克服したエミリーは勢いに乗って絨毯の運転免許を取ったようです。これ免許制だったんだ。人乗せるからそういう法律があるのかな。こんな感じでたまにしか登場しない補習組ですがちょっとした成長が描かれているのが今回のエピソード。
図書館。花の本をすぐさま見つけるジュン。進級してからよくここで勉強しているので大体の位置関係がわかると言います。意外そうな顔で見つめるリコに、ジュンも照れ笑いを浮かべます。そしてかつては忘れ物女王の名をほしいままにしていたケイも様変わり。数ヶ月で各々成長を遂げています。
ペガサスに直接訊ねてみるはーちゃん。言葉がわかるらしい。相変わらずチートな性能してます。
めぼしい情報は得られませんでしたが、とりあえず奥の洞窟に行ってみることに。
調べても調べても出てこないパチパチ花。さすがに悪態をつき始めるジュンとケイ。しかしリコは凄い集中力と情熱で本に向き合います。
洞窟へと向かいながら、次第に自信をなくしていくエミリー。みらいは調査班からの連絡は必ず来る。自信のある声で大丈夫と答えるみらいに視線を向けるはーちゃん。リコもきっと自分と同じ事を思ってる。言葉少なにしかし確信を持ってみらいは頷きます。あのフワフワした関係から始まったふたりがここまで固い信頼を……と言いたいところですが、個人的には今もふたりの関係はフワフワだと思ってます。ここでいうフワフワというのは明確ではない、という程度の意味ですが。たとばふたりの対比にしても特別得意分野があって明確に違うキャラ、例えばマナと六花のように役割分担がハッキリしているような関係とスペックが持たされているわけではありません。この分野ならあいつに任せられるみたいなバディ感も無い。私はみらいとリコの関係は、そういう明確な特別さ、特異(得意)さ、違いがハッキリしていて惹かれ合う関係ではなく、初期の頃にあったフワフワした関係の延長だと見ています(なんで連んでるんだ?と問われたらふたりとも具体的に答えられない関係。強いて言えば「好きだから」みたいな)。お互いを見やりながらその変化、成長に感動しながら歩いて行く。だから今もまたこんな見たことも無い花を見つけろなんて無理難題が出されているけど、きっとリコ(みらい)なら上手くやる。アバウトな信頼感というのか。そういう期待と信頼を持っているんじゃないかなと。特にみらいにとってはイザってときにリコは応えてくれる子なのです。迷子のときも、ナシマホウ界に帰るときにも自分の手を掴んでくれたんですから。
前回の感想でも触れましたが、ふたりは申し合わせているわけではありません。自分基準で動いている。だから彼女達は相手に対する信頼もそうですが、自分自身に対しても信頼しているのです。私なら上手くやる(やってみせる)と。特に序盤コンプレックスが強かったリコは今では不安感は全くないし、みらいもその行動が彼女なりの体系に基づいたものであることが見えてきています。はーちゃん行方不明のときに示唆されたように彼女達の関係は偶然と成り行きによって結びついています。元々が違う世界の住人。一緒に住む理由が無い。みらいがみんなと一緒にいたいと願うのはその危うさの裏返し。言い換えれば彼女達は何もしなかったらバラける。各自の自由意思が重要になっているのです。みんなが同じように一緒にいたいと思わなければこの関係は維持できない。フワっとしてるんだけど気を抜くと消えかねない。っていう微妙な関係だったりします。
日も傾き始め、残された時間も迫ってきました。しかしついに花の記述を発見。魔法の森の洞窟に咲いている。すぐさまジュンは複写。伝書鳩で飛ばします。
話しを聞いた校長は生徒達を信じよう、と静観する構え。これも前回を踏まえると単なる放任、生徒達の自主性という以上に対等性の表れと見えます。
急いで奥へ行くと案の定洞窟が。しかし本当に花畑なんてあるのか? 丁度鳩がやってきて情報を得ると間違いないようです。
中を進むと実際に花畑が広がっていて似たような花が色違いで群生しています。これらは同じ種類のカラーバリエーションではなく、一つは一日中しゃべりつづけるペラペラ花、もう一つは眠り続けるスヤスヤ花、そして本命と非常に紛らわしい。残念ながら資料は白黒のため判別できず、見分け方の欄も文字が消えて判別できません。
図書館でも同じことに気づきますが、しかしリコは花火の打上げ準備をしようと話を進めます。
「おしまいになんてしない。だって魔法界のみんなで花火を見るなんて、すごく、ワクワクもんじゃないの!」
ここのシーンはリコのセリフよりもむしろ、彼女を見るジュン達の表情の方が説得力があります。リコの表情に浮かんでいるのは悲観でも不安でもなく期待。みらい達が本物を持ち帰ってくることを確信している。信じていると言うとジュン達も頷いて準備に取りかかります。
時間はもうない。決めなければいけないとみらい。もはや勘。するとはーちゃんもみんなの役に立ちたいと言います。みらいがリコを信じるように信じるとエミリーはふたりに託します。
学校で準備をしているとみらい達が帰ってきます。持ち帰ったのはオレンジの花。
と、みらい達の背後からラブーが迫ります。何か空間を作ってみらいとはーちゃんを閉じ込めます。リコが単身乗り込んで合流。あとはいつもの流れで変身。今回は空中戦になるのでサファイア。フェリーチェのポーズはスタイル毎に違う様です。
飛び道具を持っているわりに殴りにくる兎ヨクバール。出鼻を挫かれて戦列が崩れます。フォローに入ったミラクルも今度は吸盤付きの矢で一旦退場。マジカルが反撃で矢をピッチャー返しして武器封じ。接近戦に持ち込みますが、むしろ接近戦の方が強く厄介。
やっとのことで吸盤を引っぺがえしたミラクルは矢をヨクバールに投げつけて意趣返し。そのまま勢いに乗って蹴り飛ばします。吸盤云々はギャグですが戦闘自体はキレと緊張感のあるバトル。
このままプリキュア優勢かと思いきや、お約束の縛りタイム。相変わらず中学生を縛るのが好きなアニメです。時間が無いともがいていると、花を取り出して捨ててみせるラブーさん。流石新幹部、煽り性能も高い。差し向けたヨクバールが可哀想に思えるくらいの勢いでプリキュアに蹴られます。こいつの横顔キモイな。
縛っているはずなのに何故!? 気持ちが通じ合っているからだと即答。ルビースタイルなんて手握りながら蹴ったりワッショイしてたしね。こちとらみんなで花火を打上げるために頑張ってるんだと叫びます。このやりとりはふたりよりもそれを見るはーちゃんの方に意味があります。自分達を縛っていた輪を強引に外すとヨクバールに投げ返して、後はいつものとおり帰って頂きます。
いよいよ打上げ。ジュン達はみらい達も一緒にと誘います。
花を前にして、花の声が聞えた気がすると選んだ理由を話すはーちゃん。この子植物と相性良さそうだし、あながち気のせいではないのかもしれません。みらいのは勘でしょうが。実際に打上げてみないと真偽の程はわかりませんが、ジュン、ケイ、エミリーはこの選択を支持。
一緒に魔法を唱えると、花火が空高く舞い上がります。
生徒達から歓声が上がります。そこの手を繋いでいる男子生徒と女子生徒は花火と一緒に爆発しろ。妹達の成功を知って喜ぶリズ先生。遠くの海から人魚達も空を見上げます。まだ陸上には上がれないようです。色鮮やかな景色は商店街にも森のペガサスにも届きます。一面に広がるに花火に校長も満足。
思い思いの表情を浮かべる6人。彼女達の奮闘は暗い夜空に光明をもたらします。
②次回予告
ツッコミ方を教えて下さい。
○トピック
もうどうしたいんだこのアニメ。
話しの流れ的には加速度的。前回に引続き「みんな」「一緒」が強調されたエピソードで、より具体的な連帯と成果(可能性)を示唆します。
関係性が多重的に波及していく構造。つまり元々の発起人であるみらいとリコの信頼関係が補習メイト、はーちゃんに共有されていきます。特にはーちゃんはそれまで単純にふたりの役に立ちたいという素朴な感情から動いていたのが、双方向性のある信頼を知る体験をしています。隣にリコがいなくてもみらいが普段と変わらない、いやそれ以上にリコを信頼して頼りにしている姿を見るのは新鮮だったでしょう。補習メイトもまたみらいとリコと繋がることでそれぞれの成長ぶりが強調されています。結果としてみらいが言っていた「みんな」は補習メイトを含めた6人(+モフルン)となり、絶望視されていた花火の打上げに成功。それを学校、商店街、海、森の隅々まで届けることで魔法界全体に影響を及ぼしています。みらいとリコ、ふたりの絆が世界にちょっとだけ光をもたらす。それは理不尽(困難、諦め)に反抗したふたりの小さな勝利です。
また、3つの花から正解を当てるのはご都合なんですが、私はこれを選択することに意味があると思っています。何かの局面でどうしても選ばなくてはいけないとき、どうしても賭けに出なければならないときがある。その賭けに乗る覚悟が持てるか、それにBETできる自信はあるか。みらいはあったんだと思います。そしてそれは正しいのです。私は人事を尽くして天命を待つという言葉が好きです。これは自分にできることとできないことを切り分ける意味でもあるし、また自分の決断、運(命)に身を委ねる意味でもある。みらいが理不尽に対して戦いを挑むのであれば、何の保証もない戦いに身を置くことも承知しなければならないのです。
①特攻野郎 補習チーム!
夏祭り当日。魔法界の夏祭りはどんなものかと思えば…めっちゃ既視感。
これ絶対文化侵略されてるよ。どっちがどっちにかは分からないけど。ワクワクしっぱなしのみらいに、補習メイトが来年は一緒に出店をやらないか?と持ちかけます。
たこ焼きに似たポコポコ焼き、輪投げに似たワーム―投げ。本が欲しかったリコは外れてがっかり。でもリボンをみらいに褒められてまんざらでもない様子。ちょろい。あまりにわかりやすいリコにみんな吹き出します。
花火について男子部からからかわれます。どうやら夏祭りの目玉である花火を補習メイトが担当するようで、彼女達も誇らしげにテストに受かったと言います。シシー達も楽しみにしているとのこと。ああ、リコがジュース飲もうとして打上げた話しここで拾うのね。商店街の人達も楽しみにしている。想定よりもわりと早く纏め入ってきました。
ところがどっこい、アクシデント発生。
花火の打上げに使うドンドン花が萎びています。天気が良ければ問題ないはずなのに何故…と不審がる教師陣。生徒達もこれでは花火中止かとため息を漏らします。ドンドン花の予備も無し。そこでクエスト発生。アイザック先生が野生に存在するパチパチ花のことを持ち出します。ただし先生も見たことが無い。リズ先生も知りません。それを聞いたみらいは居ても立ってもいられないとばかりにすぐさま動き出します。手がかりはあるのか? ペガサスのいた森は?ととりあえず見当を付けます。
クエスト期限は日が沈むまで。なら二手に分れて同時進行した方が早いとリコはみらいに森の探索、自分は図書館で情報を収集すると話を進めます。もう勝手知ったるなんとやら。妹の意外な行動力をリズさんは感嘆したように見つめます。
その話乗った!とばかりに補習チームも参戦。みらい、はーちゃん、エミリーが探索班。リコ、ジュン、ケイは調査班。魔法の絨毯に乗って探索へと出かけます。
高所恐怖症を克服したエミリーは勢いに乗って絨毯の運転免許を取ったようです。これ免許制だったんだ。人乗せるからそういう法律があるのかな。こんな感じでたまにしか登場しない補習組ですがちょっとした成長が描かれているのが今回のエピソード。
図書館。花の本をすぐさま見つけるジュン。進級してからよくここで勉強しているので大体の位置関係がわかると言います。意外そうな顔で見つめるリコに、ジュンも照れ笑いを浮かべます。そしてかつては忘れ物女王の名をほしいままにしていたケイも様変わり。数ヶ月で各々成長を遂げています。
ペガサスに直接訊ねてみるはーちゃん。言葉がわかるらしい。相変わらずチートな性能してます。
めぼしい情報は得られませんでしたが、とりあえず奥の洞窟に行ってみることに。
調べても調べても出てこないパチパチ花。さすがに悪態をつき始めるジュンとケイ。しかしリコは凄い集中力と情熱で本に向き合います。
洞窟へと向かいながら、次第に自信をなくしていくエミリー。みらいは調査班からの連絡は必ず来る。自信のある声で大丈夫と答えるみらいに視線を向けるはーちゃん。リコもきっと自分と同じ事を思ってる。言葉少なにしかし確信を持ってみらいは頷きます。あのフワフワした関係から始まったふたりがここまで固い信頼を……と言いたいところですが、個人的には今もふたりの関係はフワフワだと思ってます。ここでいうフワフワというのは明確ではない、という程度の意味ですが。たとばふたりの対比にしても特別得意分野があって明確に違うキャラ、例えばマナと六花のように役割分担がハッキリしているような関係とスペックが持たされているわけではありません。この分野ならあいつに任せられるみたいなバディ感も無い。私はみらいとリコの関係は、そういう明確な特別さ、特異(得意)さ、違いがハッキリしていて惹かれ合う関係ではなく、初期の頃にあったフワフワした関係の延長だと見ています(なんで連んでるんだ?と問われたらふたりとも具体的に答えられない関係。強いて言えば「好きだから」みたいな)。お互いを見やりながらその変化、成長に感動しながら歩いて行く。だから今もまたこんな見たことも無い花を見つけろなんて無理難題が出されているけど、きっとリコ(みらい)なら上手くやる。アバウトな信頼感というのか。そういう期待と信頼を持っているんじゃないかなと。特にみらいにとってはイザってときにリコは応えてくれる子なのです。迷子のときも、ナシマホウ界に帰るときにも自分の手を掴んでくれたんですから。
前回の感想でも触れましたが、ふたりは申し合わせているわけではありません。自分基準で動いている。だから彼女達は相手に対する信頼もそうですが、自分自身に対しても信頼しているのです。私なら上手くやる(やってみせる)と。特に序盤コンプレックスが強かったリコは今では不安感は全くないし、みらいもその行動が彼女なりの体系に基づいたものであることが見えてきています。はーちゃん行方不明のときに示唆されたように彼女達の関係は偶然と成り行きによって結びついています。元々が違う世界の住人。一緒に住む理由が無い。みらいがみんなと一緒にいたいと願うのはその危うさの裏返し。言い換えれば彼女達は何もしなかったらバラける。各自の自由意思が重要になっているのです。みんなが同じように一緒にいたいと思わなければこの関係は維持できない。フワっとしてるんだけど気を抜くと消えかねない。っていう微妙な関係だったりします。
日も傾き始め、残された時間も迫ってきました。しかしついに花の記述を発見。魔法の森の洞窟に咲いている。すぐさまジュンは複写。伝書鳩で飛ばします。
話しを聞いた校長は生徒達を信じよう、と静観する構え。これも前回を踏まえると単なる放任、生徒達の自主性という以上に対等性の表れと見えます。
急いで奥へ行くと案の定洞窟が。しかし本当に花畑なんてあるのか? 丁度鳩がやってきて情報を得ると間違いないようです。
中を進むと実際に花畑が広がっていて似たような花が色違いで群生しています。これらは同じ種類のカラーバリエーションではなく、一つは一日中しゃべりつづけるペラペラ花、もう一つは眠り続けるスヤスヤ花、そして本命と非常に紛らわしい。残念ながら資料は白黒のため判別できず、見分け方の欄も文字が消えて判別できません。
図書館でも同じことに気づきますが、しかしリコは花火の打上げ準備をしようと話を進めます。
「おしまいになんてしない。だって魔法界のみんなで花火を見るなんて、すごく、ワクワクもんじゃないの!」
ここのシーンはリコのセリフよりもむしろ、彼女を見るジュン達の表情の方が説得力があります。リコの表情に浮かんでいるのは悲観でも不安でもなく期待。みらい達が本物を持ち帰ってくることを確信している。信じていると言うとジュン達も頷いて準備に取りかかります。
時間はもうない。決めなければいけないとみらい。もはや勘。するとはーちゃんもみんなの役に立ちたいと言います。みらいがリコを信じるように信じるとエミリーはふたりに託します。
学校で準備をしているとみらい達が帰ってきます。持ち帰ったのはオレンジの花。
と、みらい達の背後からラブーが迫ります。何か空間を作ってみらいとはーちゃんを閉じ込めます。リコが単身乗り込んで合流。あとはいつもの流れで変身。今回は空中戦になるのでサファイア。フェリーチェのポーズはスタイル毎に違う様です。
飛び道具を持っているわりに殴りにくる兎ヨクバール。出鼻を挫かれて戦列が崩れます。フォローに入ったミラクルも今度は吸盤付きの矢で一旦退場。マジカルが反撃で矢をピッチャー返しして武器封じ。接近戦に持ち込みますが、むしろ接近戦の方が強く厄介。
やっとのことで吸盤を引っぺがえしたミラクルは矢をヨクバールに投げつけて意趣返し。そのまま勢いに乗って蹴り飛ばします。吸盤云々はギャグですが戦闘自体はキレと緊張感のあるバトル。
このままプリキュア優勢かと思いきや、お約束の縛りタイム。相変わらず中学生を縛るのが好きなアニメです。時間が無いともがいていると、花を取り出して捨ててみせるラブーさん。流石新幹部、煽り性能も高い。差し向けたヨクバールが可哀想に思えるくらいの勢いでプリキュアに蹴られます。こいつの横顔キモイな。
縛っているはずなのに何故!? 気持ちが通じ合っているからだと即答。ルビースタイルなんて手握りながら蹴ったりワッショイしてたしね。こちとらみんなで花火を打上げるために頑張ってるんだと叫びます。このやりとりはふたりよりもそれを見るはーちゃんの方に意味があります。自分達を縛っていた輪を強引に外すとヨクバールに投げ返して、後はいつものとおり帰って頂きます。
いよいよ打上げ。ジュン達はみらい達も一緒にと誘います。
花を前にして、花の声が聞えた気がすると選んだ理由を話すはーちゃん。この子植物と相性良さそうだし、あながち気のせいではないのかもしれません。みらいのは勘でしょうが。実際に打上げてみないと真偽の程はわかりませんが、ジュン、ケイ、エミリーはこの選択を支持。
一緒に魔法を唱えると、花火が空高く舞い上がります。
生徒達から歓声が上がります。そこの手を繋いでいる男子生徒と女子生徒は花火と一緒に爆発しろ。妹達の成功を知って喜ぶリズ先生。遠くの海から人魚達も空を見上げます。まだ陸上には上がれないようです。色鮮やかな景色は商店街にも森のペガサスにも届きます。一面に広がるに花火に校長も満足。
思い思いの表情を浮かべる6人。彼女達の奮闘は暗い夜空に光明をもたらします。
②次回予告
ツッコミ方を教えて下さい。
○トピック
もうどうしたいんだこのアニメ。
話しの流れ的には加速度的。前回に引続き「みんな」「一緒」が強調されたエピソードで、より具体的な連帯と成果(可能性)を示唆します。
関係性が多重的に波及していく構造。つまり元々の発起人であるみらいとリコの信頼関係が補習メイト、はーちゃんに共有されていきます。特にはーちゃんはそれまで単純にふたりの役に立ちたいという素朴な感情から動いていたのが、双方向性のある信頼を知る体験をしています。隣にリコがいなくてもみらいが普段と変わらない、いやそれ以上にリコを信頼して頼りにしている姿を見るのは新鮮だったでしょう。補習メイトもまたみらいとリコと繋がることでそれぞれの成長ぶりが強調されています。結果としてみらいが言っていた「みんな」は補習メイトを含めた6人(+モフルン)となり、絶望視されていた花火の打上げに成功。それを学校、商店街、海、森の隅々まで届けることで魔法界全体に影響を及ぼしています。みらいとリコ、ふたりの絆が世界にちょっとだけ光をもたらす。それは理不尽(困難、諦め)に反抗したふたりの小さな勝利です。
また、3つの花から正解を当てるのはご都合なんですが、私はこれを選択することに意味があると思っています。何かの局面でどうしても選ばなくてはいけないとき、どうしても賭けに出なければならないときがある。その賭けに乗る覚悟が持てるか、それにBETできる自信はあるか。みらいはあったんだと思います。そしてそれは正しいのです。私は人事を尽くして天命を待つという言葉が好きです。これは自分にできることとできないことを切り分ける意味でもあるし、また自分の決断、運(命)に身を委ねる意味でもある。みらいが理不尽に対して戦いを挑むのであれば、何の保証もない戦いに身を置くことも承知しなければならないのです。
第27話「Let'sエンジョイ!魔法学校の夏休み!」
○今週の出来事
①魔法界バカンス
闇の魔法一派が壊滅したことを校長も知りますが、しかし懸念は残る。リコ父も遺跡に封じられていたものとは別の存在だろうと相づちを打ちます。どうやら本番はこれからのようです。
……という大人の悩みを知らないみらいとリコはバカンスで魔法界にやってきます。
開口一番、したり顔で引率役をアピールするリコですが即行身内から反撃を受けてあえなく撃沈。トランクには遊び道具が満載。この子はカッコつけから撃沈までがワンセット。もはや持ちネタですな。
外泊許可はもらっているとみらい。次回予告からもそうですが数日滞在するようです。
敵勢力変更に伴いOPも若干変更。
実は実物のエメラルドを見るのが初めての校長。水晶さんが改めて解説。災厄と希望。普段はどっしり構えた態度の校長も今回は浮かない顔。
広場に顔を出すといつになく魔法学校の生徒達でごったがえしています。見慣れない雰囲気にみらいもビックリ。リコによると生徒達主催で夏祭りをやるようで、今はその準備に取りかかっているようです。以前話したように魔法学校は常春なので暦上での、と付け加えます。場所によって季節が変わる世界なのに暦って関係あるのか?というツッコミはしちゃいけない。
浮かれるはーちゃんに視線が集まります。生徒達の中で私服のはーちゃんは目立つ。ということで魔法で制服をちゃっちゃと作ってしまいます。相変わらずのインスタント魔法。これではフランソワさんも商売あがったり。
人目に付く場所でやったもんだから逆に衆目を集めてしまいます。モフルンも。普段当たり前のように存在している彼女達ですが、一般的に見れば例外中の例外。人だかりに向かってジュンが声をかけると一目散に逃げていきます。
人払いも済んだので改めて挨拶。モフルンは説明不要なので手間が省けますが、改めてはーちゃんの説明を……しても妖精が人の姿になるなんて聞いたことがないと本気にしてもらえません。しゃべるぬいぐるみがいてもそこは納得されないらしい。エメラルドやスマホンの話はしていないので普通の妖精だと思われているのかもしれない。こっちの世界の人から見るとリコ以外、ナシマホウ界人、ぬいぐるみ、妖精とキテレツなメンツ。
一人で頭を抱える校長。災いは確実に近づいている。しかしその手がかりが掴めません。あの子達に託すしかないのでしょうか?と水晶さん。普通この手の厄介事はプリキュアが担当する(させる)んですが、本作は異なります。災厄に備えて校長が準備していたように、厄介事は大人がやるものだというごく当たり前のことを当たり前にやっています。リコ父もその一人。最初からプリキュアさんお願いしま~すという意識はありません。この辺は子どもに甘いのと表裏一体になっていて、保護者と被保護者の関係があればこそ大人の義務もあると考えて良いでしょう。だから闇の魔法一派にしても、校長から直接倒してくれと指示は出されていません。なりゆきで壊滅させた(酷い字面)だけで下駄を預けたわけではない。あくまで対策本部は校長室にあります。校長が責任感(と無力感)を持つのはそのためです。
……という大人の悩みを知らないみらい達は食堂へ。
交通費とかの支払いも全部リコが出しているんだろうか。テレビの件もあるしこの子の財政どうなってるんだろ。リズ先生のクレジットカードの請求がヤバそう。
食堂の中ではゴースト型の給仕達が働いています。ビュッフェ形式のようで食べ放題。早速山盛りにして食べ始めるみらい。魔法界なのに食べ物がナシマホウ界とあまり変わらないんですが、そこは文化的な浸透(あるいは元々似ている)のためと都合良く解釈した方が話が早そうです。しゃべるぬいぐるみに納得してるんだから、そこも納得しろよ?と言われたらですよねーとしか答えられません。っていうかモフルンの主食ってクッキーなのか? そっちの方が気になるんだけど。
みんなよく食べるわね、と他人事のように言うリコですが、彼女もなかなかの大食らい。本人はお嬢様になりたいんだけど地が出過ぎて絶対にそうはなれないのが彼女のキャラで、それが嫌味無く受け入れられているのが彼女の良いところ。
デザートを注文するとトッドさんが声をかけてきます。冷凍ミカンの人。食材の配達に来たようです。ピーカンみかんの育ちが悪く不足しているらしい。ピーカンって久々に聞いた気がする。感覚的にはカンカン照りみたいなイメージあるけど改めて調べると快晴で良いらしい。方言だと思ってたわ。
262代続いているけどこんなのは初めてだと話すトッドさん。一体何世紀遡るんだよ、そこまで行くと神話の時代にならないか? いやそれ以上にそんだけ長期に安定供給できる作物ってすげーな。どんだけ環境の変化ないんだよ。空を見上げる校長。少しずつ、しかし確実に異変が起り始めている。
勤労意欲はあまりないけど、替えもいないのでラブーさんが出勤。
②みらいの秘められた戦い
宿泊場所は魔法学校の寮。序盤であまり説明されませんでしたが、ベッドの素材もそれっぽい仕様。
杖の木の前でため息をつく校長。そこにみらいが顔を出します。
ずーっと前にここで会いましたよね?とみらい。半年前程度ですが子どもにとっての半年は「ずっと」と形容できる時間感覚なのだろうと思われます。この木が好き。校長先生も? そう聞かれて古(いにしえ)の木の前では心が穏やかになると平静に語ります。すると突然みらいはありがとうございますとお礼を言います。どうやら校長を探してここに来たようです。
「ずっと探していたのに。エメラルドをはーちゃんと私たちに…」
彼女に対する評価を少し見直さないといけません。というより本来のそれに戻すと言う方が彼女の場合適切なのかもしれませんが。みらいははしゃぎ回るイメージとは裏腹にしっかり見てもいる子で、自分達が自由に振る舞えていることが校長の取り計らいであることをキチンと理解しています。自分が置かれている状況が複雑であると気づくのは一つの見識です。
心の内を吐き出すようにみらいは自分の決心を語り始めます。ずーっとみんなと一緒にいる。彼女の脳裏にははーちゃんとリコの姿。悲しいお別れはもうしたくない。ここでいうお別れは理不尽な別れのことを指しています。どうすることもできない、それに抗えない無力な自分。その小さな反抗としてみんなで笑顔でいるために魔法界に遊びに来たと彼女は瞳を輝かせながら言います。子どもが大人になりかけている瞬間、その自覚を持ち始める瞬間に立ち会った校長は呆気にとられます。みらいの言っていることは相変わらずどこかフワフワしているし、やっていることも子どもじみている。しかしそこには確かな意思があります。ずっと前の彼女には無かったもの。現実を受け入れつつもそれに対する反抗の意思。それこそが本当の意味での自我(と自立)の芽生えだと私は思います。そっちがその気なら、こっちにも用意がある。その気概、挑戦に人の意思を見る。そこに大人か子どもかの別は無い。不安を抱える校長に、太鼓判を押すようにみらいは大丈夫だと確言します。
みらいとリコの関係で面白いのは彼女達が同時(一緒)では無いこと。リコはリコの文脈で成長していくし、みらいはみらいの文脈で成長する。リズの言葉を受けたリコが一歩先に進んで、そのリコの姿にみらいが続いたようにここではみらいが自分が置かれている環境を俯瞰して自分なりの方法論を唱え始めています。その変化は後述する校長にも関係するのですが、この抜きつ抜かれつの関係は拡張性を伴うので「閉じた関係」を脱する意味でも重要なファクターです。
③魔法とムホー
ふたりの前にラブーが出現。
マイペースな口調で自己紹介を始めます。口調はまったりしていますが内容は「消えてくんない?」と過激。結界を作りだして閉じ込めてしまいます。
指パッチンでドンヨクバールを召喚。欲張る→貪欲に進化(?)。発音的にはドン・ヨクバールなのでドン(首領)を兼ねたダブルミーニングでしょうか。ムホーの力が生み出す魔物と説明。ああ、魔法に対する無法なのね。闇の魔法はいわばムホーのパチもの。本家本元はこっち。闇の魔法って外法感あるし、なるほど上手く繋げて上位感のある敵になりました。
「ガッテーン!」
駆けつけたリコとはーちゃんは結界の前で足止め。中では戦闘が始まっています。
エメラルドの力を使って体当たりを試みるはーちゃん。彼女が伸ばした手をリコも掴むとふたりで頭突きをかまします。凄い絵面だな。
背中にブドウ生やしたドンヨクバールに追われるみらいと校長。
校長は備蓄切れ、みらいは相方がいないと変身出来ないので打つ手無しの絶体絶命。しかし背後の結界からリコとはーちゃんが頭を出します。結界をすり抜けて内部へ。三人で変身。バンクはツギハギ型で、番組タイトルは三人で名乗ります。フェリーチェの定位置そこかよ。ダイヤとエメラルド自己主張強ぇ。変身タイプが4つもあるから強引さがあるのは致し方ない。
戦闘開始。見た目通り背中からミサイルを撃ってきます。先陣を切るフェリーチェ。流石のパワーでドンヨクバールを一蹴。しかし強化月間は期限切れ。放っていたミサイルが機雷の如くフェリーチェを取り囲んで爆発。プリキュアも同様。
強敵の出現。ということでラブーさんに説明していただきます。デウスマスト。直訳で神柱。まんまだな。これも調べてそういえばそうなだーという話で、日本で神様って「柱」で数えるんだよね。天の彼方から永劫の渇きとともに降り立つ終わりなき混沌…となんか壮大に説明。スケールでけぇな。個人的にエメラルド(はーちゃん)も神的なヤツだと思ってるんで陣営対決としては釣り合いが取れる。あまねく生命に祝福…というのは調和的なイメージなので混沌と殴り合えそうです。
災い判明。おめでとうございます、当選しました!みたいなノリでこの世界はデウスマストの目にとまったと話すラブー。デウスマスト到着までのお膳立てが彼の仕事。
んな勝手な…と言いかけたマジカルの隣でミラクルは「決めたから」と決然と言い切ります。
「あなたが何者だろうと関係ない。みんなで一緒にいるって決めたから。悲しい別れはもうしない」
もの凄い気迫を込めながらイケメンな感じで言ってますが尻餅付きながら言ってます。
なるほど、このノリを貫くのね。「はーちゃん返して!」と同様に日常守りますベースの主張が根幹であることに変わりはない。変わるとすればそれを唱える彼女達の視座がより広く自我を持ったものになること。「はーちゃん」から「みんな」に拡張されている。この時点のみんなは4人が念頭にあると思いますが、拡張性はまだまだあります。
自分にできることをやる!とミサイルに飛び込んで肉盾になるミラクル。いやいや、その情熱は認めるけどそうじゃないっていうか、っていうか固てぇなおい。ダイヤ(征服されざるもの)の面目躍如。神を恐れぬ砕けぬ意思。
突っ走りすぎと仲間に諭されると今度は三人で立ち向かいます。
誘導兵器を使う相手にはそれをそのままぶつけるのが礼儀。
爆風の中から反撃が繰り出されると、それを校長がガード。熱い展開です。彼の魔力は底を打っているんですが意地を見せます。ドクロクシー戦は共闘というよりそれぞれ勝手に戦っていた状況でしたが、この点からも校長がみらいに感化される、つまり子ども達を対等な相手と認め始めています。
フェリーチェも防御して、トドメは久々にプリキュアが担当。ここぞとばかりにモフルンが登場しているのもこの流れ的には自然。モフルンも欠かすことのできないメンバー。
こちらを睨むミラクルに、怖い怖いとばかりに今日はやめとくと辞退するラブー。しかし次で終わりにしてあげるとひょうきんな態度とは裏腹に殺る気満々。
改めて4人にお礼を言う校長。
一仕事終えてお腹が空いたのかはーちゃんとリコのお腹の虫が鳴きます。あれだけ食っておいて小食と言い張るリコ。すかさずみらいとはーちゃんがからかいます。
校長はエメラルドの力に思いを巡らせます。また忙しくなりそう。それならそれでできることをやる。目の前で楽しそうに笑う彼女達を前にそう教えられたと校長はつぶやきます。
EDもマイナーチェンジ。俯瞰的だった映像がキャラ寄りに。マジカル中心っぽいようですがちょくちょく変わったりするんでしょうか。
④次回予告
「またみてね」が脂のってきてる。
○トピック
はーちゃん強化月間終了のお知らせ。
エメラルドパワーだか何だか知らないけど、子ども向けアニメで大事なのは根性なんだよ!とみらい先輩が模範指導。
どこか遠いところにラスボスが現れ始めるのと同時に、身近なところで自我の萌芽が現れ始める。
主人公として見た時にみらいは自己主張が弱い(あまりしない)タイプで、普段は葛藤が多いリコの方が目立っていたんですがここに来て主人公の資質が芽生え始めます。はーちゃん導入教育が始まってから述べきたように、彼女達のポジジョンは大きく変わりつつあります。大人と子ども。この関係が本作のベースでした。みらい達は許された自由を満喫する。だから彼女達は子どもでいることを気にすることがなかったし、ワガママも大人に聞いてもらえました。大人も彼女達に過大な要求をしていません。言い方を変えれば、子どもは大人に甘えていたし、大人は子どもを対等な相手として見ていなかったのです。校長が一人で抱え込んでいるのはそういうことです。プリキュアであるみらい達をパートナーとは思っていない。
その関係が変わってきています。子どもだった彼女達はいつの間にかそうであることから抜け出しつつある。自分達の力が及ばない、いつ壊れるかわからない脆い自由から自分達の手で作り上げる自由へと意識が変わりつつある。前回の感想で本作の魔法は人の意思を含むものだと言いましたが、その根幹がここに繋がってきます。自分の意思で世界を作り上げる。それは自立心を持つ誰もが規模の大小に関わらず願い、実現しようと戦うものです。その一歩をみらい達も歩み始めます。
①魔法界バカンス
闇の魔法一派が壊滅したことを校長も知りますが、しかし懸念は残る。リコ父も遺跡に封じられていたものとは別の存在だろうと相づちを打ちます。どうやら本番はこれからのようです。
……という大人の悩みを知らないみらいとリコはバカンスで魔法界にやってきます。
開口一番、したり顔で引率役をアピールするリコですが即行身内から反撃を受けてあえなく撃沈。トランクには遊び道具が満載。この子はカッコつけから撃沈までがワンセット。もはや持ちネタですな。
外泊許可はもらっているとみらい。次回予告からもそうですが数日滞在するようです。
敵勢力変更に伴いOPも若干変更。
実は実物のエメラルドを見るのが初めての校長。水晶さんが改めて解説。災厄と希望。普段はどっしり構えた態度の校長も今回は浮かない顔。
広場に顔を出すといつになく魔法学校の生徒達でごったがえしています。見慣れない雰囲気にみらいもビックリ。リコによると生徒達主催で夏祭りをやるようで、今はその準備に取りかかっているようです。以前話したように魔法学校は常春なので暦上での、と付け加えます。場所によって季節が変わる世界なのに暦って関係あるのか?というツッコミはしちゃいけない。
浮かれるはーちゃんに視線が集まります。生徒達の中で私服のはーちゃんは目立つ。ということで魔法で制服をちゃっちゃと作ってしまいます。相変わらずのインスタント魔法。これではフランソワさんも商売あがったり。
人目に付く場所でやったもんだから逆に衆目を集めてしまいます。モフルンも。普段当たり前のように存在している彼女達ですが、一般的に見れば例外中の例外。人だかりに向かってジュンが声をかけると一目散に逃げていきます。
人払いも済んだので改めて挨拶。モフルンは説明不要なので手間が省けますが、改めてはーちゃんの説明を……しても妖精が人の姿になるなんて聞いたことがないと本気にしてもらえません。しゃべるぬいぐるみがいてもそこは納得されないらしい。エメラルドやスマホンの話はしていないので普通の妖精だと思われているのかもしれない。こっちの世界の人から見るとリコ以外、ナシマホウ界人、ぬいぐるみ、妖精とキテレツなメンツ。
一人で頭を抱える校長。災いは確実に近づいている。しかしその手がかりが掴めません。あの子達に託すしかないのでしょうか?と水晶さん。普通この手の厄介事はプリキュアが担当する(させる)んですが、本作は異なります。災厄に備えて校長が準備していたように、厄介事は大人がやるものだというごく当たり前のことを当たり前にやっています。リコ父もその一人。最初からプリキュアさんお願いしま~すという意識はありません。この辺は子どもに甘いのと表裏一体になっていて、保護者と被保護者の関係があればこそ大人の義務もあると考えて良いでしょう。だから闇の魔法一派にしても、校長から直接倒してくれと指示は出されていません。なりゆきで壊滅させた(酷い字面)だけで下駄を預けたわけではない。あくまで対策本部は校長室にあります。校長が責任感(と無力感)を持つのはそのためです。
……という大人の悩みを知らないみらい達は食堂へ。
交通費とかの支払いも全部リコが出しているんだろうか。テレビの件もあるしこの子の財政どうなってるんだろ。リズ先生のクレジットカードの請求がヤバそう。
食堂の中ではゴースト型の給仕達が働いています。ビュッフェ形式のようで食べ放題。早速山盛りにして食べ始めるみらい。魔法界なのに食べ物がナシマホウ界とあまり変わらないんですが、そこは文化的な浸透(あるいは元々似ている)のためと都合良く解釈した方が話が早そうです。しゃべるぬいぐるみに納得してるんだから、そこも納得しろよ?と言われたらですよねーとしか答えられません。っていうかモフルンの主食ってクッキーなのか? そっちの方が気になるんだけど。
みんなよく食べるわね、と他人事のように言うリコですが、彼女もなかなかの大食らい。本人はお嬢様になりたいんだけど地が出過ぎて絶対にそうはなれないのが彼女のキャラで、それが嫌味無く受け入れられているのが彼女の良いところ。
デザートを注文するとトッドさんが声をかけてきます。冷凍ミカンの人。食材の配達に来たようです。ピーカンみかんの育ちが悪く不足しているらしい。ピーカンって久々に聞いた気がする。感覚的にはカンカン照りみたいなイメージあるけど改めて調べると快晴で良いらしい。方言だと思ってたわ。
262代続いているけどこんなのは初めてだと話すトッドさん。一体何世紀遡るんだよ、そこまで行くと神話の時代にならないか? いやそれ以上にそんだけ長期に安定供給できる作物ってすげーな。どんだけ環境の変化ないんだよ。空を見上げる校長。少しずつ、しかし確実に異変が起り始めている。
勤労意欲はあまりないけど、替えもいないのでラブーさんが出勤。
②みらいの秘められた戦い
宿泊場所は魔法学校の寮。序盤であまり説明されませんでしたが、ベッドの素材もそれっぽい仕様。
杖の木の前でため息をつく校長。そこにみらいが顔を出します。
ずーっと前にここで会いましたよね?とみらい。半年前程度ですが子どもにとっての半年は「ずっと」と形容できる時間感覚なのだろうと思われます。この木が好き。校長先生も? そう聞かれて古(いにしえ)の木の前では心が穏やかになると平静に語ります。すると突然みらいはありがとうございますとお礼を言います。どうやら校長を探してここに来たようです。
「ずっと探していたのに。エメラルドをはーちゃんと私たちに…」
彼女に対する評価を少し見直さないといけません。というより本来のそれに戻すと言う方が彼女の場合適切なのかもしれませんが。みらいははしゃぎ回るイメージとは裏腹にしっかり見てもいる子で、自分達が自由に振る舞えていることが校長の取り計らいであることをキチンと理解しています。自分が置かれている状況が複雑であると気づくのは一つの見識です。
心の内を吐き出すようにみらいは自分の決心を語り始めます。ずーっとみんなと一緒にいる。彼女の脳裏にははーちゃんとリコの姿。悲しいお別れはもうしたくない。ここでいうお別れは理不尽な別れのことを指しています。どうすることもできない、それに抗えない無力な自分。その小さな反抗としてみんなで笑顔でいるために魔法界に遊びに来たと彼女は瞳を輝かせながら言います。子どもが大人になりかけている瞬間、その自覚を持ち始める瞬間に立ち会った校長は呆気にとられます。みらいの言っていることは相変わらずどこかフワフワしているし、やっていることも子どもじみている。しかしそこには確かな意思があります。ずっと前の彼女には無かったもの。現実を受け入れつつもそれに対する反抗の意思。それこそが本当の意味での自我(と自立)の芽生えだと私は思います。そっちがその気なら、こっちにも用意がある。その気概、挑戦に人の意思を見る。そこに大人か子どもかの別は無い。不安を抱える校長に、太鼓判を押すようにみらいは大丈夫だと確言します。
みらいとリコの関係で面白いのは彼女達が同時(一緒)では無いこと。リコはリコの文脈で成長していくし、みらいはみらいの文脈で成長する。リズの言葉を受けたリコが一歩先に進んで、そのリコの姿にみらいが続いたようにここではみらいが自分が置かれている環境を俯瞰して自分なりの方法論を唱え始めています。その変化は後述する校長にも関係するのですが、この抜きつ抜かれつの関係は拡張性を伴うので「閉じた関係」を脱する意味でも重要なファクターです。
③魔法とムホー
ふたりの前にラブーが出現。
マイペースな口調で自己紹介を始めます。口調はまったりしていますが内容は「消えてくんない?」と過激。結界を作りだして閉じ込めてしまいます。
指パッチンでドンヨクバールを召喚。欲張る→貪欲に進化(?)。発音的にはドン・ヨクバールなのでドン(首領)を兼ねたダブルミーニングでしょうか。ムホーの力が生み出す魔物と説明。ああ、魔法に対する無法なのね。闇の魔法はいわばムホーのパチもの。本家本元はこっち。闇の魔法って外法感あるし、なるほど上手く繋げて上位感のある敵になりました。
「ガッテーン!」
駆けつけたリコとはーちゃんは結界の前で足止め。中では戦闘が始まっています。
エメラルドの力を使って体当たりを試みるはーちゃん。彼女が伸ばした手をリコも掴むとふたりで頭突きをかまします。凄い絵面だな。
背中にブドウ生やしたドンヨクバールに追われるみらいと校長。
校長は備蓄切れ、みらいは相方がいないと変身出来ないので打つ手無しの絶体絶命。しかし背後の結界からリコとはーちゃんが頭を出します。結界をすり抜けて内部へ。三人で変身。バンクはツギハギ型で、番組タイトルは三人で名乗ります。フェリーチェの定位置そこかよ。ダイヤとエメラルド自己主張強ぇ。変身タイプが4つもあるから強引さがあるのは致し方ない。
戦闘開始。見た目通り背中からミサイルを撃ってきます。先陣を切るフェリーチェ。流石のパワーでドンヨクバールを一蹴。しかし強化月間は期限切れ。放っていたミサイルが機雷の如くフェリーチェを取り囲んで爆発。プリキュアも同様。
強敵の出現。ということでラブーさんに説明していただきます。デウスマスト。直訳で神柱。まんまだな。これも調べてそういえばそうなだーという話で、日本で神様って「柱」で数えるんだよね。天の彼方から永劫の渇きとともに降り立つ終わりなき混沌…となんか壮大に説明。スケールでけぇな。個人的にエメラルド(はーちゃん)も神的なヤツだと思ってるんで陣営対決としては釣り合いが取れる。あまねく生命に祝福…というのは調和的なイメージなので混沌と殴り合えそうです。
災い判明。おめでとうございます、当選しました!みたいなノリでこの世界はデウスマストの目にとまったと話すラブー。デウスマスト到着までのお膳立てが彼の仕事。
んな勝手な…と言いかけたマジカルの隣でミラクルは「決めたから」と決然と言い切ります。
「あなたが何者だろうと関係ない。みんなで一緒にいるって決めたから。悲しい別れはもうしない」
もの凄い気迫を込めながらイケメンな感じで言ってますが尻餅付きながら言ってます。
なるほど、このノリを貫くのね。「はーちゃん返して!」と同様に日常守りますベースの主張が根幹であることに変わりはない。変わるとすればそれを唱える彼女達の視座がより広く自我を持ったものになること。「はーちゃん」から「みんな」に拡張されている。この時点のみんなは4人が念頭にあると思いますが、拡張性はまだまだあります。
自分にできることをやる!とミサイルに飛び込んで肉盾になるミラクル。いやいや、その情熱は認めるけどそうじゃないっていうか、っていうか固てぇなおい。ダイヤ(征服されざるもの)の面目躍如。神を恐れぬ砕けぬ意思。
突っ走りすぎと仲間に諭されると今度は三人で立ち向かいます。
誘導兵器を使う相手にはそれをそのままぶつけるのが礼儀。
爆風の中から反撃が繰り出されると、それを校長がガード。熱い展開です。彼の魔力は底を打っているんですが意地を見せます。ドクロクシー戦は共闘というよりそれぞれ勝手に戦っていた状況でしたが、この点からも校長がみらいに感化される、つまり子ども達を対等な相手と認め始めています。
フェリーチェも防御して、トドメは久々にプリキュアが担当。ここぞとばかりにモフルンが登場しているのもこの流れ的には自然。モフルンも欠かすことのできないメンバー。
こちらを睨むミラクルに、怖い怖いとばかりに今日はやめとくと辞退するラブー。しかし次で終わりにしてあげるとひょうきんな態度とは裏腹に殺る気満々。
改めて4人にお礼を言う校長。
一仕事終えてお腹が空いたのかはーちゃんとリコのお腹の虫が鳴きます。あれだけ食っておいて小食と言い張るリコ。すかさずみらいとはーちゃんがからかいます。
校長はエメラルドの力に思いを巡らせます。また忙しくなりそう。それならそれでできることをやる。目の前で楽しそうに笑う彼女達を前にそう教えられたと校長はつぶやきます。
EDもマイナーチェンジ。俯瞰的だった映像がキャラ寄りに。マジカル中心っぽいようですがちょくちょく変わったりするんでしょうか。
④次回予告
「またみてね」が脂のってきてる。
○トピック
はーちゃん強化月間終了のお知らせ。
エメラルドパワーだか何だか知らないけど、子ども向けアニメで大事なのは根性なんだよ!とみらい先輩が模範指導。
どこか遠いところにラスボスが現れ始めるのと同時に、身近なところで自我の萌芽が現れ始める。
主人公として見た時にみらいは自己主張が弱い(あまりしない)タイプで、普段は葛藤が多いリコの方が目立っていたんですがここに来て主人公の資質が芽生え始めます。はーちゃん導入教育が始まってから述べきたように、彼女達のポジジョンは大きく変わりつつあります。大人と子ども。この関係が本作のベースでした。みらい達は許された自由を満喫する。だから彼女達は子どもでいることを気にすることがなかったし、ワガママも大人に聞いてもらえました。大人も彼女達に過大な要求をしていません。言い方を変えれば、子どもは大人に甘えていたし、大人は子どもを対等な相手として見ていなかったのです。校長が一人で抱え込んでいるのはそういうことです。プリキュアであるみらい達をパートナーとは思っていない。
その関係が変わってきています。子どもだった彼女達はいつの間にかそうであることから抜け出しつつある。自分達の力が及ばない、いつ壊れるかわからない脆い自由から自分達の手で作り上げる自由へと意識が変わりつつある。前回の感想で本作の魔法は人の意思を含むものだと言いましたが、その根幹がここに繋がってきます。自分の意思で世界を作り上げる。それは自立心を持つ誰もが規模の大小に関わらず願い、実現しようと戦うものです。その一歩をみらい達も歩み始めます。
第26話「想いはみんな一緒!はーちゃんのクッキー」
○今週の出来事
①はーちゃん導入教育最終試験
ヤモーの執拗な攻撃にミラクルとマジカルが傷つくのを見たはーちゃんは悲鳴をあげます。
夢と知って一安心。しかしエメラルドを持っていることが災いしてふたりが酷い目に遭うのではないかと心配します。何事かを決心すると黙々と何かを綴ります。
はーちゃんを呼ぶみらいの声。
食卓に並ぶ料理の数々。今日はみらいとリコのお手製。味も申し分なし。さすが料理研究家のお母さまゆずりの腕前とみらい母はリコを褒めます。そういえばそういう設定でした。みらいが作った卵焼きに挑む父。幾分か緊張が見られます。信用してねーのか。焦げていてても美味しい。口調と表情から察するに。多分にリップサービスが入ってそう。はーちゃんも舌鼓。
改めてリコが日頃の感謝と趣旨を説明。いつもありがとう。それを聞いたはーちゃんは神妙な顔で口を結びます。彼女の微妙な変化に首を傾げるモフルン。みらい・モフルンよりはーちゃん・モフルンの方がコンビ感あるよね。
一人でお菓子作りに挑戦。案の定苦戦の連続。卵は思うように割れない、小麦粉はぶちまける始末。ところで粉塵爆発って知ってます?
何事かと台所を見に来たふたりの行く手をモフルンが遮ります。一人で頑張るから手を出さないでくれとバリケード。モフルンが説明したようにはーちゃんは一切魔法を使うことなくクッキーを焼き上げます。
早速一口。不安そうに訊ねるはーちゃんにふたりは美味しいと頷きます。後々の展開を見ると彼女らの演技力の高さが伺えます。躊躇いねーな。モフルンもサクサクだと食感を褒めます。でも、ふた口め誰もいかないんだけどね。好評をもらい胸をなで下ろすはーちゃん。改めて三人にありがとうの気持ちだと伝えます。その言葉に違和感を覚えるモフルン。さといな。
最後の骨を握りしめるヤモー。不退転の決意を固めます。
②家出
未明。静かに家を出るはーちゃん。
なかなか降りてこないはーちゃんにふたりが声をかけます。どうやらモフルンの姿も見えない様子。屋根裏に上がってみるとビックリ、部屋は元の姿に。書き置きが残されています。「ありがとう。さようなら。ことは」。なにやらタダ事でない様子。
人で賑わう商店街を歩くはーちゃん。家を出てみたものの行く当てはありません。その気になれば魔法で自活することもできるんだろうけど。お金よ出てこい! まさに錬金術。不安を歌って誤魔化します。
景気付けに街にシャボン玉を生み出します。街の人々から歓声があがり気分も盛り上がります。しかし妙な視線を感じます。早速事案の発生でしょうか。振り返ると何者かの影。ヤモーではないかと疑うはーちゃん。
急いで駆け出すと。人気の無い路地裏に。箒で飛んでまいてしまえばいい。ところがいくら呪文を唱えても箒はピクリとも浮き上がりません。普段なら光るスマホンも沈黙。電池切れでしょうか。どうも電池の消耗激しいらしいですし。
その頃、みらいとリコは上空からはーちゃんの捜索。普段と違った彼女の様子を振り返ります。まるで今生の別れの挨拶のような。
まごついているとついにはーちゃんに影が迫ります。思わず影を掴むと…案の定モフルンでした。
公園のベンチに場所を移して、モフルンは家出するはーちゃんを目撃してそのまま付いていったと話します。どうして黙ってでていったのかと訊ねると、エメラルドを持っているせいでみんなに迷惑をかけてしまうと素直にはーちゃんは答えます。エメラルドが狙われるのは今に始まったことではないのですが、あの当時はエメラルドのついでにはーちゃんが付いてくるみたいなセット感だったのと、はーちゃん自身の精神年齢もそこまで高くなかったのでそうした周囲への影響云々は意識されていなかったのだろうと思います。視聴者的にも庇護対象でしたしね。こうして彼女の成長に合わせて、彼女の立場、考えが表面化していくのは良いことです。
みらいとリコのとこにいちゃダメなんだと静かに語るはーちゃん。では、どこに行くのか? モフルンの問いに彼女は記憶を辿ります。例の花の海。しかし手がかりはゼロ。途方に暮れます。ついでにお腹も音を上げます
魔法でサンドイッチを出そうとしますが無反応。しょんぼりしているからだ、とモフルン。メンタルに左右されるようです。モフルンに反論するものの周囲の家族連れの姿に自分の姿を重ねて見てしまうのも事実。彼女の様子にモフルンはどうしたのか?と訊ねます。ちなみにモフルンは帰ろうとは一言もいいません。
それならと自分で作ったクッキーを広げるはーちゃん。途端にモフルンが何か告げようとしますが構わず口に入れると「しょっぱい!?」
③闇の魔法の最後
うっかり砂糖と塩を入れ間違っていました。しかしならどうしてみんな美味しいと言ったのか。
疑問に答えが出る前にヤモーが現われます。いつもよりゲッソリしてて末期感漂ってます。最後の骨を自らに宿して怪獣化。
変身する隙も与えずはーちゃんを自らの体内(牢屋)に捕獲。闇の魔法を浴びたスマホンは使用不可に。
モフルンがみらいとリコの名を叫ぶと即行駆けつけてくれます。ある種の召喚魔法ですかね。
ヤモーははーちゃんごとエメラルドを取り込むつもりです。もちろん看過できないのでバンクをはしょってダイヤに変身。
怪獣を目の前にしてやや怯むプリキュア。相変わらずこのアニメはジャンルがよくわかりません。腐っても幹部。戦闘力はプリキュアを上回ります。最近割り切ったのかドロワーズが丸見えなんですがそれは良いみたいです。個人的にこの下着は富裕層の子女が履くものみたいなイメージあります。たぶん世界名作劇場とかのせい。…などと女の子の下着を凝視している間も戦闘は続き、はーちゃんは思わずふたりに逃げて!と叫びます。
自罰感情に苛まれるはーちゃん。大人になってもこれが強い(強くなる)人もいれば、大人になるとあっさり忘れる人もいるのかもしれませんが、割と子どもの頃はこの自罰感情は出やすい気がします。自分は悪い子症候群とでもいうのか。経験の無さ、自信の無さ、信頼感の無さ(不確かさ)がその根本にあります。まあ、幼少期であれば自我の発達に際しての過渡的なものだし、大人であれば逆に未熟な自我の証明になるんですが。はーちゃんは当然前者で、つまるところこれは自分の居場所はどこか?ということです。当たり前の話ですが、真っ正面からこれを言う大人(親)はまずいません。安全な場所であれば慣れていく(不安が取れていく、気にしなくなる)ものだからです。ちなみにキングジコチューさんはレジーナにこの駆け引きを持ち出した毒親の見本です。この自罰感情が抜けないと常にどこか不安で、表面的な結びつきに拘泥し、愛情に対する代価を必ず要求する(される)と思うようになる傾向が強くなるようです。なんでわざわざこんな話しをしているのかというと、子どもにとっての自罰感情は結構重いのです。経験的に。そういう感情が強く持ち上がる時期がある。「自分せいで…」パターンは子ども向けに限らずよくあるシチュエーションなんですが、とりわけ子ども向けだと自我発達(自尊心の醸成)を含む意味合いもでてきます。はーちゃん、精神的には幼児ですしね。
はーちゃんの告白に、どうして話してくれなかったのか!?と問うふたり。すると今度ははーちゃんがふたりだって言ってくれなかったと糾弾し始めます。
仕事を思い出したヤモーがそれっぽく暴れます。プリキュアが話しているときは邪魔してはいけない不文律(話しを進めるために批判するのは可)があるので、空気を読みつつ時折いじわるします。
傷つきながらもプリキュアは立ち上がります。自分達のために一生懸命作ってくれたのが嬉しかったとふたりは言います。本当に美味しかったと断言。はーちゃん加入以降やはりみらいとリコはポジション的に繰り上がっています。冒頭で見たように彼女達とその親で模範演技して、今度は彼女達が親役ではーちゃんに指導する。彼女達は子どもであり親でもある。元々本作のふたりはかなり幼いところから始まっているのですが、ここ最近は年齢相応の役と精神的経験値を与えられています。はーちゃんの成長は彼女達の成長であり、その逆も然り。
はーちゃんのことが大好きだから。その言葉に以前自分がかけた魔法を思い出します。
「(ずっと一緒にいられますように)」
自分のことを好きになって欲しい。数ある人の願いの中でもこれはその最上級に位置する願いなのではないかと思います。その割りに直接これを願う人は少ないのですが。この世界の魔法は人の意思を変えることはできないようで、それははーちゃんの魔法とて同じ。でも言葉には力があります。
「一緒だよ、ずっとず~っと一緒だよ!」
はーちゃんの魔法を反芻するように、みらい自身が唱えた魔法を反芻するようにミラクルは言います。マジカルも一人にはしないと誓います。はーちゃんが頷くとピンクトルマリンが反応。石の意味的には……いっぱいあります。上述したことの解消ですね。ここで石が再発動するということはMHでいうところのハーティエル的な位置付けになるんでしょうか。つまりリンクルストーンがはーちゃん(エメラルド)に再統合されるイメージ。今のはーちゃんは上述したように幼児なので、大人(完成)へと至ることが一つの目標になりそうです。みらいとリコとは別系統の文脈を持ったキャラなのはほぼ確定。
トルマリンの力でスマホンが自由に。すると光の奔流が漏れ出ます。はーちゃん脱出&変身。
トルマリンがフェリーチェの手の中に収まります。ヤモーの攻撃を石の力で防御。防御によく使われるムーンストーンと何が違うのかは微妙なところですが、ムーンストーンは物理的に防壁を発生させているのに対して、トルマリンは相殺でしょうか。呪いの解除にも使える的な。じゃあ、タンザナイトは? アレはたぶん反射特性を持っている。リフレクトさせたかったらムーンとタンザのコンボで、みたいな。まあ、どの石もせいぜい数回使って終わりそうですけど。だって殴った方が速いし強いし。
フェリーチェに続けとばかりに、アクアマリンで身動きを止めます。ダメ押しとばかりにガーネットで地面から氷の腕を出して足止め。そういうのもアリなんだ。でも力づくで脱出するヤモーさん。でもやっぱりフェリーチェに瞬殺されます。これにてドクロクシー一派は完全壊滅。
ヤモーの敗北を見たラブーは拍子抜け。どうやら彼の口ぶりからすると黒幕がいるらしい。む~、確かにラブーはラスボスって感じがしなかったけど、全貌がまだまだ見えてきません。
「まぁ、所詮は魔法。この程度か」
なん……だと!?
手を取って家路につく親子を見つめるはーちゃん。
彼女の手をみらいとリコが握ります。彼女にも一緒に帰る人と家があります。喜んだ彼女は先ほどまでとは打って変わってふたりに帰ろうと現金に笑いかけます。
④次回予告
避暑地(常春)でバカンス。
○トピック
ドクロクシーかかしはその後スタッフが田んぼにさしときました。
はーちゃん導入教育編のラスト。
みらいとリコのポジション変化と心情変化(24話)、関係性の再調整(25話)、そしてはーちゃん自身の精神的な安定(安心)感の醸成をもって基礎課程を修了。相変わらずプリキュアのOJTは完璧です。ここまでやればはーちゃんも自律的に動くことができるので、ラブー戦(本格的な新章)に入れます。
ラブーのセリフが示唆的で、おそらく魔法の上位、魔法を否定する(魔法は万能ではない)存在として対峙することになるのだろうと思われます。闇の魔法は結局魔法なのでそんなん使い方(使い手)次第やろ、という論戦にしかならないので本番はこれから。その前振りとして今回再びクローズアップされたはーちゃんの「ずっと一緒にいられますように」は主人公側の主張を補強する点で追い風になります。この願い自体は魔法ではありません。魔法としての効力がない。しかし校長が語ったように「素直な言の葉はときに魔法となって人の心を動かす」ものなので本作の魔法は人の意思を叶えるもの、人の意思の表現、表出として多義的な意味を持ちます。パブリックコミットメントもまた魔法に含まれる。要するに純粋なパワー勝負ではなく、人の意思を持ってこれるので思想戦に持ち込める。そうなればしめたもの。勝ち筋が見える。それはそれとして、言葉は魔法であると同時に人を縛る呪いの力も持つんですが、この辺はさらりと流して都合の良い部分だけ援用しているというのはあまりつっこんじゃいけません。その辺は過去に散々やったし。はーちゃんの教育はそういうネガティブイメージを払拭する意味でもストーリーに適しています。
本作における魔法は魔法としてそれ自体存在すること以上に、それを”唱える”ことにより大きな意味があります。それは願いであり行為であり期待であり対象があるということです。みらいが魔法を使えるのも、はーちゃんの言葉が彼女達の心に届くのもそのためです。例によって他者性がある、ということなんですが、はてさて、次なる敵はどんな相手なのか。彼女達に休む暇は無さそうです。
①はーちゃん導入教育最終試験
ヤモーの執拗な攻撃にミラクルとマジカルが傷つくのを見たはーちゃんは悲鳴をあげます。
夢と知って一安心。しかしエメラルドを持っていることが災いしてふたりが酷い目に遭うのではないかと心配します。何事かを決心すると黙々と何かを綴ります。
はーちゃんを呼ぶみらいの声。
食卓に並ぶ料理の数々。今日はみらいとリコのお手製。味も申し分なし。さすが料理研究家のお母さまゆずりの腕前とみらい母はリコを褒めます。そういえばそういう設定でした。みらいが作った卵焼きに挑む父。幾分か緊張が見られます。信用してねーのか。焦げていてても美味しい。口調と表情から察するに。多分にリップサービスが入ってそう。はーちゃんも舌鼓。
改めてリコが日頃の感謝と趣旨を説明。いつもありがとう。それを聞いたはーちゃんは神妙な顔で口を結びます。彼女の微妙な変化に首を傾げるモフルン。みらい・モフルンよりはーちゃん・モフルンの方がコンビ感あるよね。
一人でお菓子作りに挑戦。案の定苦戦の連続。卵は思うように割れない、小麦粉はぶちまける始末。ところで粉塵爆発って知ってます?
何事かと台所を見に来たふたりの行く手をモフルンが遮ります。一人で頑張るから手を出さないでくれとバリケード。モフルンが説明したようにはーちゃんは一切魔法を使うことなくクッキーを焼き上げます。
早速一口。不安そうに訊ねるはーちゃんにふたりは美味しいと頷きます。後々の展開を見ると彼女らの演技力の高さが伺えます。躊躇いねーな。モフルンもサクサクだと食感を褒めます。でも、ふた口め誰もいかないんだけどね。好評をもらい胸をなで下ろすはーちゃん。改めて三人にありがとうの気持ちだと伝えます。その言葉に違和感を覚えるモフルン。さといな。
最後の骨を握りしめるヤモー。不退転の決意を固めます。
②家出
未明。静かに家を出るはーちゃん。
なかなか降りてこないはーちゃんにふたりが声をかけます。どうやらモフルンの姿も見えない様子。屋根裏に上がってみるとビックリ、部屋は元の姿に。書き置きが残されています。「ありがとう。さようなら。ことは」。なにやらタダ事でない様子。
人で賑わう商店街を歩くはーちゃん。家を出てみたものの行く当てはありません。その気になれば魔法で自活することもできるんだろうけど。お金よ出てこい! まさに錬金術。不安を歌って誤魔化します。
景気付けに街にシャボン玉を生み出します。街の人々から歓声があがり気分も盛り上がります。しかし妙な視線を感じます。早速事案の発生でしょうか。振り返ると何者かの影。ヤモーではないかと疑うはーちゃん。
急いで駆け出すと。人気の無い路地裏に。箒で飛んでまいてしまえばいい。ところがいくら呪文を唱えても箒はピクリとも浮き上がりません。普段なら光るスマホンも沈黙。電池切れでしょうか。どうも電池の消耗激しいらしいですし。
その頃、みらいとリコは上空からはーちゃんの捜索。普段と違った彼女の様子を振り返ります。まるで今生の別れの挨拶のような。
まごついているとついにはーちゃんに影が迫ります。思わず影を掴むと…案の定モフルンでした。
公園のベンチに場所を移して、モフルンは家出するはーちゃんを目撃してそのまま付いていったと話します。どうして黙ってでていったのかと訊ねると、エメラルドを持っているせいでみんなに迷惑をかけてしまうと素直にはーちゃんは答えます。エメラルドが狙われるのは今に始まったことではないのですが、あの当時はエメラルドのついでにはーちゃんが付いてくるみたいなセット感だったのと、はーちゃん自身の精神年齢もそこまで高くなかったのでそうした周囲への影響云々は意識されていなかったのだろうと思います。視聴者的にも庇護対象でしたしね。こうして彼女の成長に合わせて、彼女の立場、考えが表面化していくのは良いことです。
みらいとリコのとこにいちゃダメなんだと静かに語るはーちゃん。では、どこに行くのか? モフルンの問いに彼女は記憶を辿ります。例の花の海。しかし手がかりはゼロ。途方に暮れます。ついでにお腹も音を上げます
魔法でサンドイッチを出そうとしますが無反応。しょんぼりしているからだ、とモフルン。メンタルに左右されるようです。モフルンに反論するものの周囲の家族連れの姿に自分の姿を重ねて見てしまうのも事実。彼女の様子にモフルンはどうしたのか?と訊ねます。ちなみにモフルンは帰ろうとは一言もいいません。
それならと自分で作ったクッキーを広げるはーちゃん。途端にモフルンが何か告げようとしますが構わず口に入れると「しょっぱい!?」
③闇の魔法の最後
うっかり砂糖と塩を入れ間違っていました。しかしならどうしてみんな美味しいと言ったのか。
疑問に答えが出る前にヤモーが現われます。いつもよりゲッソリしてて末期感漂ってます。最後の骨を自らに宿して怪獣化。
変身する隙も与えずはーちゃんを自らの体内(牢屋)に捕獲。闇の魔法を浴びたスマホンは使用不可に。
モフルンがみらいとリコの名を叫ぶと即行駆けつけてくれます。ある種の召喚魔法ですかね。
ヤモーははーちゃんごとエメラルドを取り込むつもりです。もちろん看過できないのでバンクをはしょってダイヤに変身。
怪獣を目の前にしてやや怯むプリキュア。相変わらずこのアニメはジャンルがよくわかりません。腐っても幹部。戦闘力はプリキュアを上回ります。最近割り切ったのかドロワーズが丸見えなんですがそれは良いみたいです。個人的にこの下着は富裕層の子女が履くものみたいなイメージあります。たぶん世界名作劇場とかのせい。…などと女の子の下着を凝視している間も戦闘は続き、はーちゃんは思わずふたりに逃げて!と叫びます。
自罰感情に苛まれるはーちゃん。大人になってもこれが強い(強くなる)人もいれば、大人になるとあっさり忘れる人もいるのかもしれませんが、割と子どもの頃はこの自罰感情は出やすい気がします。自分は悪い子症候群とでもいうのか。経験の無さ、自信の無さ、信頼感の無さ(不確かさ)がその根本にあります。まあ、幼少期であれば自我の発達に際しての過渡的なものだし、大人であれば逆に未熟な自我の証明になるんですが。はーちゃんは当然前者で、つまるところこれは自分の居場所はどこか?ということです。当たり前の話ですが、真っ正面からこれを言う大人(親)はまずいません。安全な場所であれば慣れていく(不安が取れていく、気にしなくなる)ものだからです。ちなみにキングジコチューさんはレジーナにこの駆け引きを持ち出した毒親の見本です。この自罰感情が抜けないと常にどこか不安で、表面的な結びつきに拘泥し、愛情に対する代価を必ず要求する(される)と思うようになる傾向が強くなるようです。なんでわざわざこんな話しをしているのかというと、子どもにとっての自罰感情は結構重いのです。経験的に。そういう感情が強く持ち上がる時期がある。「自分せいで…」パターンは子ども向けに限らずよくあるシチュエーションなんですが、とりわけ子ども向けだと自我発達(自尊心の醸成)を含む意味合いもでてきます。はーちゃん、精神的には幼児ですしね。
はーちゃんの告白に、どうして話してくれなかったのか!?と問うふたり。すると今度ははーちゃんがふたりだって言ってくれなかったと糾弾し始めます。
仕事を思い出したヤモーがそれっぽく暴れます。プリキュアが話しているときは邪魔してはいけない不文律(話しを進めるために批判するのは可)があるので、空気を読みつつ時折いじわるします。
傷つきながらもプリキュアは立ち上がります。自分達のために一生懸命作ってくれたのが嬉しかったとふたりは言います。本当に美味しかったと断言。はーちゃん加入以降やはりみらいとリコはポジション的に繰り上がっています。冒頭で見たように彼女達とその親で模範演技して、今度は彼女達が親役ではーちゃんに指導する。彼女達は子どもであり親でもある。元々本作のふたりはかなり幼いところから始まっているのですが、ここ最近は年齢相応の役と精神的経験値を与えられています。はーちゃんの成長は彼女達の成長であり、その逆も然り。
はーちゃんのことが大好きだから。その言葉に以前自分がかけた魔法を思い出します。
「(ずっと一緒にいられますように)」
自分のことを好きになって欲しい。数ある人の願いの中でもこれはその最上級に位置する願いなのではないかと思います。その割りに直接これを願う人は少ないのですが。この世界の魔法は人の意思を変えることはできないようで、それははーちゃんの魔法とて同じ。でも言葉には力があります。
「一緒だよ、ずっとず~っと一緒だよ!」
はーちゃんの魔法を反芻するように、みらい自身が唱えた魔法を反芻するようにミラクルは言います。マジカルも一人にはしないと誓います。はーちゃんが頷くとピンクトルマリンが反応。石の意味的には……いっぱいあります。上述したことの解消ですね。ここで石が再発動するということはMHでいうところのハーティエル的な位置付けになるんでしょうか。つまりリンクルストーンがはーちゃん(エメラルド)に再統合されるイメージ。今のはーちゃんは上述したように幼児なので、大人(完成)へと至ることが一つの目標になりそうです。みらいとリコとは別系統の文脈を持ったキャラなのはほぼ確定。
トルマリンの力でスマホンが自由に。すると光の奔流が漏れ出ます。はーちゃん脱出&変身。
トルマリンがフェリーチェの手の中に収まります。ヤモーの攻撃を石の力で防御。防御によく使われるムーンストーンと何が違うのかは微妙なところですが、ムーンストーンは物理的に防壁を発生させているのに対して、トルマリンは相殺でしょうか。呪いの解除にも使える的な。じゃあ、タンザナイトは? アレはたぶん反射特性を持っている。リフレクトさせたかったらムーンとタンザのコンボで、みたいな。まあ、どの石もせいぜい数回使って終わりそうですけど。だって殴った方が速いし強いし。
フェリーチェに続けとばかりに、アクアマリンで身動きを止めます。ダメ押しとばかりにガーネットで地面から氷の腕を出して足止め。そういうのもアリなんだ。でも力づくで脱出するヤモーさん。でもやっぱりフェリーチェに瞬殺されます。これにてドクロクシー一派は完全壊滅。
ヤモーの敗北を見たラブーは拍子抜け。どうやら彼の口ぶりからすると黒幕がいるらしい。む~、確かにラブーはラスボスって感じがしなかったけど、全貌がまだまだ見えてきません。
「まぁ、所詮は魔法。この程度か」
なん……だと!?
手を取って家路につく親子を見つめるはーちゃん。
彼女の手をみらいとリコが握ります。彼女にも一緒に帰る人と家があります。喜んだ彼女は先ほどまでとは打って変わってふたりに帰ろうと現金に笑いかけます。
④次回予告
避暑地(常春)でバカンス。
○トピック
ドクロクシーかかしはその後スタッフが田んぼにさしときました。
はーちゃん導入教育編のラスト。
みらいとリコのポジション変化と心情変化(24話)、関係性の再調整(25話)、そしてはーちゃん自身の精神的な安定(安心)感の醸成をもって基礎課程を修了。相変わらずプリキュアのOJTは完璧です。ここまでやればはーちゃんも自律的に動くことができるので、ラブー戦(本格的な新章)に入れます。
ラブーのセリフが示唆的で、おそらく魔法の上位、魔法を否定する(魔法は万能ではない)存在として対峙することになるのだろうと思われます。闇の魔法は結局魔法なのでそんなん使い方(使い手)次第やろ、という論戦にしかならないので本番はこれから。その前振りとして今回再びクローズアップされたはーちゃんの「ずっと一緒にいられますように」は主人公側の主張を補強する点で追い風になります。この願い自体は魔法ではありません。魔法としての効力がない。しかし校長が語ったように「素直な言の葉はときに魔法となって人の心を動かす」ものなので本作の魔法は人の意思を叶えるもの、人の意思の表現、表出として多義的な意味を持ちます。パブリックコミットメントもまた魔法に含まれる。要するに純粋なパワー勝負ではなく、人の意思を持ってこれるので思想戦に持ち込める。そうなればしめたもの。勝ち筋が見える。それはそれとして、言葉は魔法であると同時に人を縛る呪いの力も持つんですが、この辺はさらりと流して都合の良い部分だけ援用しているというのはあまりつっこんじゃいけません。その辺は過去に散々やったし。はーちゃんの教育はそういうネガティブイメージを払拭する意味でもストーリーに適しています。
本作における魔法は魔法としてそれ自体存在すること以上に、それを”唱える”ことにより大きな意味があります。それは願いであり行為であり期待であり対象があるということです。みらいが魔法を使えるのも、はーちゃんの言葉が彼女達の心に届くのもそのためです。例によって他者性がある、ということなんですが、はてさて、次なる敵はどんな相手なのか。彼女達に休む暇は無さそうです。
第25話「夏だ!海だ!大はしゃぎ!かき氷が食べた~いっ!」
○今週の出来事
①はーちゃん導入教育その3
みんなで海にお出かけ。例によってかなとまゆみも一緒。はーちゃんは夏休みの間遊びに来ているという設定らしい。休み明けに学校に行くと思うんですが、学年どうするのかな。
自己紹介も早々に、波の音を聞きつけたはーちゃんは人魚さんかな?と窓の外に視線が移ります。早速NGワード。うっかりみらいもNGワード。勝木嬢を煽っていくスタイル。お婆ちゃんが話題を変えるためか、マイペースなだけなのか、美味しいイチゴメロン味のかき氷があると紹介。双子のように反応するみらいとはーちゃん。精神年齢が6ヶ月児と同じってどうなんだ。
「CLOSE」。製氷機の故障だと主人が話すと早速親父さんが食いつきます。海に来てまで家電とかブレねーな。
かき氷ははーちゃんも妖精時代にも食べていたようで、思い出話しを語り合います。小さい頃に食べさせていた…ってそんな年下には見えないけど?とすかさずツッコミを入れるかなさん。誤魔化そうとかき氷の味の種類を紹介するみらい。アレ、中身一緒で色と匂いだけ違うらしいと聞いてビックリなんだけどさ。っていうか、それ発明した人凄くね?
件の製氷機は親父さんによると昼頃には目処がつく模様。業務用の製氷機は初めてだと張り切ります。おいおい大丈夫かよ。ネジとか余ったりしないだろうな。それはそれとして、リコさん、その位置どうなってんの?
場所も取れたのでそろそろ泳ぎに……と思ったところで帽子を忘れてきたとガッカリするみらい。それならと高々と杖を掲げるはーちゃん。リンクルスマホンキュアフェリーチェセットがなんとたったの税込12,096円。ボーナスも出たし買えよ。かき氷屋は休みでも玩具屋は開いてんだろ、とそんな勢いを感じます。
例の空中描画で帽子をあっと言う間に作成。ウキウキするみらいとは対照的にリコは改めて現実を目の当たりにします。モフルン用の水着も作成。
一つ咳払いすると、リコははーちゃんに念押しするように魔法を使うところを人に見られてはいけないと注意。元気よく手を上げて承諾。待ちきれないとばかりにみらいは海の方へ行ってしまいます。追いかけるようにリコも。残されたはーちゃんは誰にも見られずに魔法で楽しくしちゃえばいいんだ!と閃きます。正解。魔法を使うなとは言われてない。あ、やべぇわこれ…みたいな顔を浮かべるモフルン。
ヤモーさんは人気の無い浜辺にドクロクシーかかしを置いていつもの調子。ラブーが話しかけても聞く耳持たず。自分の世界に入っているようで末期感あります。と思ったら次回予告でお察し。
桟橋から海にダイブ。
海を思いっきりエンジョイするみらいとはーちゃん。リコは泳げないのか浮き輪を持っていても海には入らずヤドカリをツンツンするばかり。心なしか不満げな様子。誘っても来る気なし。それならとはーちゃんが魔法を唱えます。どこにしまってるんだ、それ。浮き輪が突如変形しだすとリコを飲み込んでしまいます。もう完全にいじられ要員だな。よっしゃ!と拳を握って成功を確信するはーちゃんの隣でみらいは戦々恐々。
気づけばリコは巨大な魚浮き輪にまたがってそのまま海に連行。まゆみとかなは何事かと見つめます。ジェットコースターばりの勢いで水上を高速で走り回ります。目を回しながら止めて~!と訴えるリコ。もうこの子、清純派には戻れない。みらいがフォロー。
なんとか浜辺に戻ったリコをみんなが心配そうに見つめます。親指を上げて答えるリコ。なかなかガッツあるな。
お次は定番のスイカ割り。リコもすっかり元気に。まゆみを誘導。勿論ここでもはーちゃんの魔法は炸裂。割れやすくなれ、と唱えるとスイカが巨大化。勝手に動き出してまゆみのもとへ。気配を察知したまゆみが振りかぶるとスイカは綺麗に真っ二つ。完全に注文通りなんだけど、そうじゃねーよ感。リコが元に戻します。割れたスイカを見て喜ぶまゆみ。いや、待て、当たった場所とか綺麗に割れすぎとかそういうこと気にならないかな!?
その後のビーチバレーでは殺人アタックを披露。砂の城が巨大化。魚が空を飛ぶ。水のイルカが出現するなどの怪奇現象が発生し浜辺を賑わします。片方が魔法をキャンセルして、片方がはーちゃんの口塞ぎに行った方が早くね? それと勝木、仕事しろ。ここまでやってバレないなら何やればバレるのかとむしろ期待が膨らむわ。
魔法の使いすぎでガス欠を起こすふたり。この世界の魔法ってMP的なものあるんだろうか。単に声が枯れたら終了とか?
疲れた様子を一切見せないはーちゃん。つえーな。序盤では魔法の才を見せたみらいも、はーちゃんの前では振り回されっぱなし。心配して駆け寄ってくるはーちゃんに一休みしているだけ、と軽く答えるふたり。特に叱ったり注意する気はないようです。まあ、このふたりも毎回のように魔法使ってたしね。前回も書きましたが本作は下位の者に対しては比較的緩いというか、寛容な態度で一貫しています。そもそも魔法でドタバタコメディをやるのが本作の売りなので、真面目にルール守ってたら話し進まないんで。あと、作画的な意味も含めてはーちゃんが可愛く、魅力的に描かれているのもそうですね。去年の海回はトワがぼっち感だしてたり、ゆいちゃんが真面目な話してたりしましたが、本作はそういう重い話し抜きに摩法で遊ぶことに一点賭け。遊び友達が増えた雰囲気になっています。
みらいとリコのためにかき氷を用意しようと彼女なりに考えます。モフルンを伴ってお店へ。彼女を見送りながらへたり込むふたり。
はーちゃんを狙う怪しい影。事案発生の予感。
②大人で妹で赤ちゃんな妖精
おじさまに訊ねるとまだ直っていません。無能。ここで直っていればおじさますごーい!と好感度アップだったのに。まあ、氷間に合わないんですけどね。
ふたりに言った手前、逡巡するはーちゃん。いっそ魔法で製氷機を直す手もありますが前回の件があるし、かき氷を出すのはどうなんだろ、知らない味まで再現できるんだろうか。
そんな彼女に声をかけるお兄さん。洞窟の奥に甘くて美味しい天然の氷がある。それを聞いたはーちゃんは一も二もなく洞窟へ。まんまと罠にかかったとほくそ笑むヤモー。
暗い洞窟を進むとコウモリが。驚いたはーちゃんはモフルンを抱きしめます。あざとくない程度に可愛いなこの子。ふたりにかき氷を届けるべく先へと進みます。
奥に辿りつくとしかし行き止まり。氷など欠片も見つかりません。「ざ~んねん!」と誰何の声。奥で待っていたのはヤモー。相変わらず敵の名前は呼ばれない仕様。これも一貫してるよね。
帽子とつららを融合させて、えっと、なんだ、そのまんまなヨクバールを召喚。襲いかかってきます。
洞窟の前に辿りついたみらいとリコは異変を感じ取ります。モフルンは崖崩れではーちゃんと離ればなれに。これでふたりと合流可能に。
だますなんて酷い!と抗議するも、どんな手を使ってでもエメラルドを手に入れると開き直られます。ヤモーは少し戦術を変えて、今日のことを話し出します。魔法は大したものだが付き合わされたふたりはヘトヘト。図星。おかげで簡単に罠にかけることができた。この状況はあなたが自ら招いた。精神攻撃の搦め手できました。普通のパターンなら聞きつけたふたりがぶち破って入ってきそうですが…
「だったら……だったら! 余計に負けてなんていられない!」
プリキュアの背を見て育った妖精舐めんな。勝負根性花マル。OPでも歌ってるだろ、ヤル時ゃマジ妙に強いって。彼女は守られる妖精じゃありません。戦うプリキュア。
戦闘開始。つららミサイルを手を触れることなく追い払います。ヨクバールとの力比べも余裕。相変わらずの超スペック。しかしそれも計算の内。洞窟全体がいわばテリトリー。文字どおりの搦め手でフェリーチェの身動きを封じます。ヤモーが自慢気に話していると、メキメキと力尽くで束縛を解き始めるフェリーチェ。怖っ。本人真顔だし、ヤモー視点だとマジびびるわ。そりゃ焦って早くトドメさせって命令するわ。性能は段違いなものの経験が浅いせいか今ひとつ性能を出し切れていない感のあるフェリーチェをプリキュアがサポート。
洞窟を破って外に連れ出します。
最近販促の都合もあって噛ませになっていましたが、戦闘経験値はプリキュアが上。一人で無茶すんなと軽い感じで注意します。不思議そうな顔でふたりを見つめるフェリーチェがちょっと面白い。やっぱりこの子は立ち位置が独特。前回のように大人っぽい雰囲気もあるんだけどちょい天然気味というか。強キャラ感がありつつも後輩感もあって妖精時代の面影が残っています。
プリキュアがヨクバールと戦闘。スペック的にはヨクバールの方が高いようで良くて同等といったレベル。地上で見ていたフェリーチェが念じると腰の羽が大型化。前回飛んでましたがおそらく無意識だったと思われます。どうも仕様がわかっていない節があるので、今回自発的に使用可能になったと見るべきでしょうか。
飛ぶと瞬く間にヨクバールを投げ飛ばしてしまいます。このスペックやべぇな。フェリーチェは改めてふたりに助けてくれたお礼を言います。するとふたりはそんなの当然でしょと笑い出します。ふたりの所作や声がお姉さんっぽい。良いバランス。性能的には明らかにフェリーチェの方が上なんだけど、背景的にはふたりの方が年長者で、彼女達の背を見て育った関係がこのやりとりに表れています。何今さらよそよそしくなってるの、甘えていいし頼りなさい。そんな印象。前回子離れの話をやりましたが姉妹関係くらいのポジションに落着くようです。強く叱ったりするような説教が入らないのは徹底しているようで、それが良い意味での緩さ、自然な雰囲気に繋がっています。新キャラの強さとバランスを取るためにややもすると懺悔(精神的な劣等感)が入りがちだった過去シリーズと比べると、この辺は使命感の無さが逆に新しい関係や雰囲気を醸成しています。かといってはーちゃんはただのお友達かと言えばそれも違うわけで、この緩さとミステリアスさを上手く共存させているのが興味深い。後半戦の大きな謎でもあり見所。
今週もプリキュアが露払いしてフェリーチェがトドメ。
遅くなってごめんなさいと三人は母に頭を下げます。理由を尋ねられて窮していると、お婆ちゃんが救いの手を出します。
親からの追究が終わると、今度ははーちゃんがふたりに頭を下げます。ヤモーに言われたことが堪えたのか、迷惑をかけてしまったと謝ります。そこはOPで毎週歌っているように、何のことはないとふたりは彼女を受け止めます。立場が変われば何とやら。つい最近までは大人達の庇護下にあった彼女達もはーちゃんとの関係が変わったことで別な意味で余裕ができてきたようです。小学生が上級生になって下級生の面倒を見るようになってちょっと大人になるみたいな感じかもしれませんね。自分が一番下だとどうしても「見られる(甘える)」形になるんですが下ができると「見る」こともでてきてそれが意識の変わり目だったりするように。ふたりは親ではなくなりましたが、お姉さんとしてより現実的なポジションにシフトしています。
とはいえ、こっそりでも魔法をたくさん使うのは勘弁と釘を刺します。するとはーちゃんは何か言いかけますが、父が製氷機が直ったと報告。
直ったものの氷はまだ時間がかかると一応扉を開けてみるとカチンコチンに冷えた氷が。すでに魔法使ってました。でも結果オーライ。商売も再開し、無事イチゴメロン味のかき氷にありつけました。
赤ちゃんの頃のようにヒゲを生やしたはーちゃんは元気に笑います。
③次回予告
教育の締めはヤモーさん自ら試験官になってくれるようです。
○トピック
リコにつっつかれるか、リコをつっつくか、それが問題だ。
つい数ヶ月前までは魔法を使うことに夢中だったみらいとリコも今ではすっかりお目付役に。みらいとリコ、ふたつの異なった世界の境界を跨いで知り合った彼女達は友達になり悩みや戸惑いを克服します。そのふたりのフラットな関係に今度ははーちゃん(妹)が加わったことで彼女達の視野はより立体的になっています。横に加えて縦にも拡張されるイメージ。
プリキュアは人間関係が成長のベースになっているのでこれ自体は当たり前のことなんですが、逆に当たり前過ぎて新鮮だったりします。思い返すと……ひかり(MH)まで遡るのか? 思えば追加キャラの大半が業背負ってたしなぁ。それはそれで物語的に必要なガジェットとして機能していたんですが、本作の場合はゆったりと主人公達が進んでいくスタイル。ふたりの成長とともにはーちゃんの成長も楽しみな点です。なんかルミナスばりの決断を下しそうな気がしないでもないですが、どうなるやら。余談ですが、ルミナスみたいに成長の結果本来の使命に立ち返る選択をするってシチュエーション好きなんですよね。人の心を持ちながら神の決断を下す系のやつ。これをやると人の生活には戻れなくなるんですよ。神の決断というのは俗人としての享楽や苦悩を断つことでもあるから。愛するということを突き詰めるとその対象を捨てることになるっていう逆説がそこにあります。「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンがまさにそうなんだけど。ま、この辺の話はそういう話になったらで。
はーちゃん導入教育もいよいよ次回で締めの様子。彼女に課される試練は如何なるものか。洗礼を受けてプリキュアになるのは今年も変わらなさそう。
①はーちゃん導入教育その3
みんなで海にお出かけ。例によってかなとまゆみも一緒。はーちゃんは夏休みの間遊びに来ているという設定らしい。休み明けに学校に行くと思うんですが、学年どうするのかな。
自己紹介も早々に、波の音を聞きつけたはーちゃんは人魚さんかな?と窓の外に視線が移ります。早速NGワード。うっかりみらいもNGワード。勝木嬢を煽っていくスタイル。お婆ちゃんが話題を変えるためか、マイペースなだけなのか、美味しいイチゴメロン味のかき氷があると紹介。双子のように反応するみらいとはーちゃん。精神年齢が6ヶ月児と同じってどうなんだ。
「CLOSE」。製氷機の故障だと主人が話すと早速親父さんが食いつきます。海に来てまで家電とかブレねーな。
かき氷ははーちゃんも妖精時代にも食べていたようで、思い出話しを語り合います。小さい頃に食べさせていた…ってそんな年下には見えないけど?とすかさずツッコミを入れるかなさん。誤魔化そうとかき氷の味の種類を紹介するみらい。アレ、中身一緒で色と匂いだけ違うらしいと聞いてビックリなんだけどさ。っていうか、それ発明した人凄くね?
件の製氷機は親父さんによると昼頃には目処がつく模様。業務用の製氷機は初めてだと張り切ります。おいおい大丈夫かよ。ネジとか余ったりしないだろうな。それはそれとして、リコさん、その位置どうなってんの?
場所も取れたのでそろそろ泳ぎに……と思ったところで帽子を忘れてきたとガッカリするみらい。それならと高々と杖を掲げるはーちゃん。リンクルスマホンキュアフェリーチェセットがなんとたったの税込12,096円。ボーナスも出たし買えよ。かき氷屋は休みでも玩具屋は開いてんだろ、とそんな勢いを感じます。
例の空中描画で帽子をあっと言う間に作成。ウキウキするみらいとは対照的にリコは改めて現実を目の当たりにします。モフルン用の水着も作成。
一つ咳払いすると、リコははーちゃんに念押しするように魔法を使うところを人に見られてはいけないと注意。元気よく手を上げて承諾。待ちきれないとばかりにみらいは海の方へ行ってしまいます。追いかけるようにリコも。残されたはーちゃんは誰にも見られずに魔法で楽しくしちゃえばいいんだ!と閃きます。正解。魔法を使うなとは言われてない。あ、やべぇわこれ…みたいな顔を浮かべるモフルン。
ヤモーさんは人気の無い浜辺にドクロクシーかかしを置いていつもの調子。ラブーが話しかけても聞く耳持たず。自分の世界に入っているようで末期感あります。と思ったら次回予告でお察し。
桟橋から海にダイブ。
海を思いっきりエンジョイするみらいとはーちゃん。リコは泳げないのか浮き輪を持っていても海には入らずヤドカリをツンツンするばかり。心なしか不満げな様子。誘っても来る気なし。それならとはーちゃんが魔法を唱えます。どこにしまってるんだ、それ。浮き輪が突如変形しだすとリコを飲み込んでしまいます。もう完全にいじられ要員だな。よっしゃ!と拳を握って成功を確信するはーちゃんの隣でみらいは戦々恐々。
気づけばリコは巨大な魚浮き輪にまたがってそのまま海に連行。まゆみとかなは何事かと見つめます。ジェットコースターばりの勢いで水上を高速で走り回ります。目を回しながら止めて~!と訴えるリコ。もうこの子、清純派には戻れない。みらいがフォロー。
なんとか浜辺に戻ったリコをみんなが心配そうに見つめます。親指を上げて答えるリコ。なかなかガッツあるな。
お次は定番のスイカ割り。リコもすっかり元気に。まゆみを誘導。勿論ここでもはーちゃんの魔法は炸裂。割れやすくなれ、と唱えるとスイカが巨大化。勝手に動き出してまゆみのもとへ。気配を察知したまゆみが振りかぶるとスイカは綺麗に真っ二つ。完全に注文通りなんだけど、そうじゃねーよ感。リコが元に戻します。割れたスイカを見て喜ぶまゆみ。いや、待て、当たった場所とか綺麗に割れすぎとかそういうこと気にならないかな!?
その後のビーチバレーでは殺人アタックを披露。砂の城が巨大化。魚が空を飛ぶ。水のイルカが出現するなどの怪奇現象が発生し浜辺を賑わします。片方が魔法をキャンセルして、片方がはーちゃんの口塞ぎに行った方が早くね? それと勝木、仕事しろ。ここまでやってバレないなら何やればバレるのかとむしろ期待が膨らむわ。
魔法の使いすぎでガス欠を起こすふたり。この世界の魔法ってMP的なものあるんだろうか。単に声が枯れたら終了とか?
疲れた様子を一切見せないはーちゃん。つえーな。序盤では魔法の才を見せたみらいも、はーちゃんの前では振り回されっぱなし。心配して駆け寄ってくるはーちゃんに一休みしているだけ、と軽く答えるふたり。特に叱ったり注意する気はないようです。まあ、このふたりも毎回のように魔法使ってたしね。前回も書きましたが本作は下位の者に対しては比較的緩いというか、寛容な態度で一貫しています。そもそも魔法でドタバタコメディをやるのが本作の売りなので、真面目にルール守ってたら話し進まないんで。あと、作画的な意味も含めてはーちゃんが可愛く、魅力的に描かれているのもそうですね。去年の海回はトワがぼっち感だしてたり、ゆいちゃんが真面目な話してたりしましたが、本作はそういう重い話し抜きに摩法で遊ぶことに一点賭け。遊び友達が増えた雰囲気になっています。
みらいとリコのためにかき氷を用意しようと彼女なりに考えます。モフルンを伴ってお店へ。彼女を見送りながらへたり込むふたり。
はーちゃんを狙う怪しい影。事案発生の予感。
②大人で妹で赤ちゃんな妖精
おじさまに訊ねるとまだ直っていません。無能。ここで直っていればおじさますごーい!と好感度アップだったのに。まあ、氷間に合わないんですけどね。
ふたりに言った手前、逡巡するはーちゃん。いっそ魔法で製氷機を直す手もありますが前回の件があるし、かき氷を出すのはどうなんだろ、知らない味まで再現できるんだろうか。
そんな彼女に声をかけるお兄さん。洞窟の奥に甘くて美味しい天然の氷がある。それを聞いたはーちゃんは一も二もなく洞窟へ。まんまと罠にかかったとほくそ笑むヤモー。
暗い洞窟を進むとコウモリが。驚いたはーちゃんはモフルンを抱きしめます。あざとくない程度に可愛いなこの子。ふたりにかき氷を届けるべく先へと進みます。
奥に辿りつくとしかし行き止まり。氷など欠片も見つかりません。「ざ~んねん!」と誰何の声。奥で待っていたのはヤモー。相変わらず敵の名前は呼ばれない仕様。これも一貫してるよね。
帽子とつららを融合させて、えっと、なんだ、そのまんまなヨクバールを召喚。襲いかかってきます。
洞窟の前に辿りついたみらいとリコは異変を感じ取ります。モフルンは崖崩れではーちゃんと離ればなれに。これでふたりと合流可能に。
だますなんて酷い!と抗議するも、どんな手を使ってでもエメラルドを手に入れると開き直られます。ヤモーは少し戦術を変えて、今日のことを話し出します。魔法は大したものだが付き合わされたふたりはヘトヘト。図星。おかげで簡単に罠にかけることができた。この状況はあなたが自ら招いた。精神攻撃の搦め手できました。普通のパターンなら聞きつけたふたりがぶち破って入ってきそうですが…
「だったら……だったら! 余計に負けてなんていられない!」
プリキュアの背を見て育った妖精舐めんな。勝負根性花マル。OPでも歌ってるだろ、ヤル時ゃマジ妙に強いって。彼女は守られる妖精じゃありません。戦うプリキュア。
戦闘開始。つららミサイルを手を触れることなく追い払います。ヨクバールとの力比べも余裕。相変わらずの超スペック。しかしそれも計算の内。洞窟全体がいわばテリトリー。文字どおりの搦め手でフェリーチェの身動きを封じます。ヤモーが自慢気に話していると、メキメキと力尽くで束縛を解き始めるフェリーチェ。怖っ。本人真顔だし、ヤモー視点だとマジびびるわ。そりゃ焦って早くトドメさせって命令するわ。性能は段違いなものの経験が浅いせいか今ひとつ性能を出し切れていない感のあるフェリーチェをプリキュアがサポート。
洞窟を破って外に連れ出します。
最近販促の都合もあって噛ませになっていましたが、戦闘経験値はプリキュアが上。一人で無茶すんなと軽い感じで注意します。不思議そうな顔でふたりを見つめるフェリーチェがちょっと面白い。やっぱりこの子は立ち位置が独特。前回のように大人っぽい雰囲気もあるんだけどちょい天然気味というか。強キャラ感がありつつも後輩感もあって妖精時代の面影が残っています。
プリキュアがヨクバールと戦闘。スペック的にはヨクバールの方が高いようで良くて同等といったレベル。地上で見ていたフェリーチェが念じると腰の羽が大型化。前回飛んでましたがおそらく無意識だったと思われます。どうも仕様がわかっていない節があるので、今回自発的に使用可能になったと見るべきでしょうか。
飛ぶと瞬く間にヨクバールを投げ飛ばしてしまいます。このスペックやべぇな。フェリーチェは改めてふたりに助けてくれたお礼を言います。するとふたりはそんなの当然でしょと笑い出します。ふたりの所作や声がお姉さんっぽい。良いバランス。性能的には明らかにフェリーチェの方が上なんだけど、背景的にはふたりの方が年長者で、彼女達の背を見て育った関係がこのやりとりに表れています。何今さらよそよそしくなってるの、甘えていいし頼りなさい。そんな印象。前回子離れの話をやりましたが姉妹関係くらいのポジションに落着くようです。強く叱ったりするような説教が入らないのは徹底しているようで、それが良い意味での緩さ、自然な雰囲気に繋がっています。新キャラの強さとバランスを取るためにややもすると懺悔(精神的な劣等感)が入りがちだった過去シリーズと比べると、この辺は使命感の無さが逆に新しい関係や雰囲気を醸成しています。かといってはーちゃんはただのお友達かと言えばそれも違うわけで、この緩さとミステリアスさを上手く共存させているのが興味深い。後半戦の大きな謎でもあり見所。
今週もプリキュアが露払いしてフェリーチェがトドメ。
遅くなってごめんなさいと三人は母に頭を下げます。理由を尋ねられて窮していると、お婆ちゃんが救いの手を出します。
親からの追究が終わると、今度ははーちゃんがふたりに頭を下げます。ヤモーに言われたことが堪えたのか、迷惑をかけてしまったと謝ります。そこはOPで毎週歌っているように、何のことはないとふたりは彼女を受け止めます。立場が変われば何とやら。つい最近までは大人達の庇護下にあった彼女達もはーちゃんとの関係が変わったことで別な意味で余裕ができてきたようです。小学生が上級生になって下級生の面倒を見るようになってちょっと大人になるみたいな感じかもしれませんね。自分が一番下だとどうしても「見られる(甘える)」形になるんですが下ができると「見る」こともでてきてそれが意識の変わり目だったりするように。ふたりは親ではなくなりましたが、お姉さんとしてより現実的なポジションにシフトしています。
とはいえ、こっそりでも魔法をたくさん使うのは勘弁と釘を刺します。するとはーちゃんは何か言いかけますが、父が製氷機が直ったと報告。
直ったものの氷はまだ時間がかかると一応扉を開けてみるとカチンコチンに冷えた氷が。すでに魔法使ってました。でも結果オーライ。商売も再開し、無事イチゴメロン味のかき氷にありつけました。
赤ちゃんの頃のようにヒゲを生やしたはーちゃんは元気に笑います。
③次回予告
教育の締めはヤモーさん自ら試験官になってくれるようです。
○トピック
リコにつっつかれるか、リコをつっつくか、それが問題だ。
つい数ヶ月前までは魔法を使うことに夢中だったみらいとリコも今ではすっかりお目付役に。みらいとリコ、ふたつの異なった世界の境界を跨いで知り合った彼女達は友達になり悩みや戸惑いを克服します。そのふたりのフラットな関係に今度ははーちゃん(妹)が加わったことで彼女達の視野はより立体的になっています。横に加えて縦にも拡張されるイメージ。
プリキュアは人間関係が成長のベースになっているのでこれ自体は当たり前のことなんですが、逆に当たり前過ぎて新鮮だったりします。思い返すと……ひかり(MH)まで遡るのか? 思えば追加キャラの大半が業背負ってたしなぁ。それはそれで物語的に必要なガジェットとして機能していたんですが、本作の場合はゆったりと主人公達が進んでいくスタイル。ふたりの成長とともにはーちゃんの成長も楽しみな点です。なんかルミナスばりの決断を下しそうな気がしないでもないですが、どうなるやら。余談ですが、ルミナスみたいに成長の結果本来の使命に立ち返る選択をするってシチュエーション好きなんですよね。人の心を持ちながら神の決断を下す系のやつ。これをやると人の生活には戻れなくなるんですよ。神の決断というのは俗人としての享楽や苦悩を断つことでもあるから。愛するということを突き詰めるとその対象を捨てることになるっていう逆説がそこにあります。「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンがまさにそうなんだけど。ま、この辺の話はそういう話になったらで。
はーちゃん導入教育もいよいよ次回で締めの様子。彼女に課される試練は如何なるものか。洗礼を受けてプリキュアになるのは今年も変わらなさそう。
第24話「ワクワクリフォーム!はーちゃんのお部屋づくり!」
○今週の出来事
①はーちゃん導入教育その2
ぐっすりと眠るはーちゃんが寝返りを打つと隣に居たみらいが巻き添えに。手をどけようとしてもがくとこれまたふたりの間にいたモフルンが巻き添えに。何そのパラダイス、モフルンさん場所変わって下さい。っていうか、スマホン(はーちゃん)の管理はリコだったと思うんですが。
朝食を元気よく美味しそうに食べるはーちゃん。今までスマホン食だったので新鮮さも手伝って本当に嬉しそう。その姿に両親も好感度アップ。なかなかやりおるなこの娘。しかしその横のみらいはテンション低め。リコが訊ねると最近眠れていないと答えます。さらに理由を訊ねると一緒のベッドで眠るには…と視線をはーちゃんに。大ぴらに言うには抵抗があるのでそれとなくジェスチャー。交代制で寝ているわけではないらしい。リコさんずるいわー、と言いたいところですがたぶんみらいの方から一緒に寝たいと言い出してこのザマってのが真相のような気がします。
冷静に観察するリコ。みらいは深刻そうに睡眠不足を訴えます。それを聞いたはーちゃんは不安がります。では屋根裏部屋を使っては?と提案するお婆ちゃん。ドラマとかアニメでよく出てくるアレですね。秘密基地的な憧れはあるんだけど、これそんなによくあるものなんだろうか。設計の問題とは思うんだけど。
映画CMでキュアモフルン告知。今年はバラしていくスタイル。実は今年の黄色枠は彼女。
ということで、隠し階段を引き出して早速上がってみます。みらいも部屋作りにワクワク。
ところがダンボールだらけの埃だらけ。長年物置にしていたので手つかず状態。山積みのダンボールを片付けるだけでも容易でない。先ほどまでの元気はどこへやら、及び腰になり始めるみらいとリコ。しかし自分の部屋を目の前にしたはーちゃんは意気揚々と張り切ります。それにつられてみらいもやる気を取り戻します。早速みんなで取りかかろうと言うと、はーちゃんは魔法を使えばすぐと杖を取り出します。こんなときの魔法。
するとリコがダンボールをペチペチ叩きながら、重いモノを動かす魔法はそんなに簡単にはできないと訳知り顔で忠告。ほんと良い顔してるわー。ここの画像汎用性高そう。
簡単に持ち上がって、簡単に片付けられました。次に掃除道具に魔法をかけて全自動化。魔法を使えばすぐお片付けができると屈託なく笑うはーちゃん。リコはがっくりと肩を落とします。努力家の彼女とすれば認めたくない現実でしょうが、これが才能の差。現実は非情です。っていうかはーちゃんは(謎の)妖精な上にエメラルド持ちなんで常識の範疇に入れる方が間違いだと思いますが。モフルンは静かにはーちゃんを見上げます。
その後もはーちゃん無双は続きます。
下水道で人知れずドクロクシーかかしにかしずくヤモー。この人も苦労人だなぁ。
前回の判断について問う水晶さん。校長は改めて彼女が望んだことだから良い、これがエメラルドの運命と手短に答えます。基本的に本作は大人が先回りする仕様で、みらい達はストレスなく自由にその行動を保証されています。完全に保護された子どもですね。本人達はワクワクの冒険を楽しんでいますが実はインフラは整っている。そんな中で前回のワガママは彼女達の自発性とも言えるし、また今回後半で敵と対峙した時に発せられた言葉も彼女達の明確な意思表示になります。スマイルのように強制的に現実を見せられる展開とは異なり、本作はゆるやかに自分達の行動や経験が自発性へと固まっていく流れのようです。
話を戻して、闇の魔法の残党問題。こちらは逆に水晶さんが高をくくっていますが、校長の疑念はぬぐいきれません。
あっと言う間にリフォーム完了。思わず目眩を起こすリコ。彼女を支えながらみらいは次は家具が必要だと言います。ピンとこないはーちゃんにベッドやチェスト、テーブルが必要と具体的に助言。買い出しが必要か? それも魔法でできる。それを聞いたリコは途端に元気を取り戻すと
「ふふん、何も無いところから何かを作り出すのは魔法でも無理! ありえないし!」
前振りありがとうございます。
魔法を唱えて杖でお絵かき。この持ち替えるアクションかっこいいね。ベッド。チェスト。テーブル。わずか30秒足らずで完了。魔法やら動作するたびに「はー」っていうのは子どもが真似しやすいかも。子どもってよく感動詞使うし。
「あぁ~……」
「そういえば、箒も出してたよね」
ガックリとうな垂れるリコ。私は大満足です。一仕事終えたはーちゃんはリコのショックなど知るよしもなく喉が渇いたので階段を降りていきます。
深いため息をつくリコに話しかけるみらい。さりげなく手を握っていて私は大満足です。
「目が離せなくて、大変だった小さなはーちゃん。私たちははーちゃんのお母さんだった…」
「でも、はーちゃんはもう一人で何でもできるのよね。はーちゃんの魔法すごいもの」
子離れ感&最近の子凄いわー的な親の気分を味わっているようです。環境の変化に戸惑っている様子。こういう場合みらいはそういうもんかーって感じで受け入れそう。素直と言えばそうだし鈍感とも言えます。今週もはーちゃんの導入教育回になりますが、同時にみらい達のマインドセットも修正が入っています。上述したように彼女達は大人達に大切に保護された子どもで、その子どもがはーちゃんという赤ちゃんを保護していました。子離れと書きましたが、実際には彼女達はママゴトをしていたに過ぎません。彼女達のポジションは全くの子どもだからです。これはドクロクシーと戦った動機や、その後の結果についても同じことが言えます。徹底して子ども扱いされている。
逆説的にはーちゃんの自立化は彼女達がそのポジションから抜け出す契機になっています。この後みらいはモフルンを含めた関係性の複雑さを垣間見るし、リコははーちゃんに伝えることになる。自分達の甘さや浅はかさ、自分の力ではどうにもならないこと、自分の想像を超えたものを目の当たりにしつつも、自分達にできることもまた実感していくようになります。はーちゃんを赤ちゃん、つまり自分達は保護者であり彼女は被保護者であるという見せかけの大人ごっこは終わり、彼女を対等な人間として、同時に自分達もまた自立した個人として立脚し始める。そうした転換と修正が行われています。
すっかり整った部屋を見回しながら、しかしみらいはワクワクが足りないとこぼします。モフルンに話を振ろうとしたらいつの間にか姿がありません。
その頃モフルンは一人でみらいの部屋でテーブルを動かしていました。みらいがやってきて訊ねます。はーちゃんみたいにふたりを助けたい。けど小さいし魔法も使えないしで役に立たないとしょんぼり。
炎天下の中でみらいの父はDIY。その姿を家の中から涼しげに見つめるはーちゃん。やる気を出した彼を手伝おうとスマホンを取り出します。見かねたリコが制止。おじさまの手伝いをしようとしたのにどうして?と不思議な顔を浮かべます。ちなみに私は女の子から「おじさま」と呼ばれるのは男のロマンだと思っています。私がみらい父の立場だったら「きゃー、おじさますごーい!」と言われるシーンを想像しながらノコギリ引いてますね。
魔法は見られちゃダメ。じゃあ見つからなければ? それはいつもやってるけどダメ。魔法を使う以外にもできることはある。そう言ってリコは手伝いを始めます。はーちゃんは彼女の隣に行くと言っていることが難しいと素直に言います。しかし自分も手伝うとペンキを取り出します。
みらいはモフルンを抱き上げるとたくさん助けてもらっていると語り始めます。一緒に居てくれるだけで元気になれる。小さな頃からいつも一緒に遊んでくれた。回想シーン。……今とあんま変わんねー。中学生と小学生の区別がつかないってどんだけ幼いんだよ。これで高校生くらいになるとミラクルスタイルになるんでしょ? この子の成長期劇的すぎんだろ。それはそれとしてようやく登場するビーズメーカーさん。そのまま埃かぶって消えていくのかと思ってました。
ありがとう。やっと言えた。あのとき自分も嬉しかったのだとモフルンは言います。言葉と気持ちが通じて改めて近くなるふたり。はーちゃんのポジション変更に伴いモフルンの感情面もケア。この辺のぬいぐるみとの関係はハピネス映画のつむぎとその人形達の関係がわかりやすいでしょう。人間は一人であってもその内面を豊かに膨らませていける、というのは面白い現象です。みらいとモフルンの物語は映画でも深掘りされそうですね。
再びはーちゃんの部屋について。ワクワクが足りないと話すみらいにモフルンはクローゼットからビーズメーカーを取り出します。
家具は完成。
一息つくふたりに父は飲み物を出します。一気に飲み干したはーちゃんは労働の後の美味を味わいます。リコが解説。みらいの受け売りだとあっさり言います。手間を不便さと感じ魔法で解決しようというのはリコも思ったことでした。みらいは目移りしやすい性格なので内省(身近な所に再び焦点を合わせる)を、リコは視野が狭くなりがちなのでそれを補完する形になっているのは良いバランスです。
魔法に頼りすぎるな、身体を使えというのはいわゆる教育的指導でもあるんですが、手間を不便さと見なし、魔法はそれを解決するためのツールと見なしてしまうと魔法が狭隘なものになってしまうので意味付け的にもそこはルールが必要です。魔法は便利で不思議でありつつもその本質は心の在り様を映すものであるからです。後述するヤモーもまた例外ではありません。
今の出来事を報告しようと屋根裏部屋に上がると、そこではみらいとモフルンはビーズを使って部屋をデコレーション。……。……。多いよ! なんか逆に気持ち悪くならないか? 落ち着かねーぞ。こういうのよくわからんな。よく女性がケータイとかデコってごちゃごちゃにしているの見ると過剰装飾じゃねーかと思うんだけど、美意識の違いなのか。ちなみに真っ先に頭に浮かんだのは田んぼに設置する鳥害防止の銀テープのイメージ。
みらいとはーちゃんは口を揃えてワクワクもんだぁ!と歓喜。男の子でいうところの強化パーツがいっぱい付いた状態みたいなもんなのだろうと変換しておきます。個人的に強化パーツは壊れて取れるためにあると思ってますが。むしろパージするための前振り。
顔を合せて笑い出します。察したリコがモフルンに言い出しっぺかと訊ねると照れます。はーちゃんもお礼を言います。テンションが上がったみらい達はさらなる部屋づくりのため買い出しへ。
②エメラルドの守護者
商店街でチョイス。リボンを二つ使って花っぽくできるとモフルン。センスいいと好評。先生扱いされてまんざらでもない様子。
そんな楽しい時間も番組の時間が迫ってきたので中断。ヤモーが現われると提灯と反物を合体させて一反もめんヨクバール召喚。ヨクバールのデザインって作画の人がやってるって他のシリーズで読んだ憶えがあるんだけど、フィリピンの人知ってるのか。プリンセスのときもシェーしてたけど。
今週はルビー。余裕があるのかフルバンク。ミラクルのスカートに大きなハート付くシーンがとりわけ可愛い。
商店街の中では狭いので、アーケードの屋根を破って外へ。
邪魔な建物は破壊しろと命令するヤモー。建物を真っ先に破壊するのは地球防衛軍的には定石です。ヘタに残しておくと隠れられたり爆風ダメージを受けかねません。いわゆるコラテラルダメージ。だいたいこれ言っとけば許されます。
そこまでしてエメラルドが欲しいのか!?と叫ぶプリキュアに、ヤモーは強力な魔法の力があれば何だってできるとエメラルドを欲します。違う!とそれまで静観していたはーちゃんが叫びます。そのエメラルドの力を使ってプリキュアに。
背中の羽が大きくなって滞空。ヨクバールの攻撃を片腕で止めます。巻き取ったはずがビクともしない。
「魔法は万能ではありません。どれだけ強い力を手に入れたとしても大切なのはそれを使う者の清き心」
「そして熱き想い!」
「それがわらかないあなたにエメラルドは渡しません!」
大人びた声でそう語る彼女はやはり特別な存在であることを感じさせます。個人的に神様かそれに類するものかと思ってるんですが(エメラルドが世界創世の装置みたいな)、大人(上位者)な口調と雰囲気は彼女のミステリアスさを醸し出しています。
彼女の言葉に圧されるようにヨクバールの片腕が吹き飛びます。やはり今回が、はーちゃんの成長がこの物語の大きな転換点になっています。今まで本作は敵と真っ向からの主張合戦をほとんどしていません。せいぜい降りかかる火の粉を振り払った程度。敵がいないも同然でした。プリキュアには思想と呼べるものはなく、感情で動いていただけ。それが急速に変化しつつあります。魔法の意味を、それを使う者の資格を問い始めます。本当に大切なものを大人は、人は教えてくれません。教えてくれたとしてもそれはその人にとっての大切なもので「私」にとってではない。それを見つけること、学ぶこと、形に換えていくこと、そこにその人の哲学があります。物語とはこの哲学のことを指すと私は思っています。
話も終わったので必殺技を叩き込んで終わらせます。
お部屋完成。さらにビーズで盛りつけられてカオスな状態に。ごめん。俺、これの良さがわかんないわ。とりあえずベッドや枕の上のはどけとけ。ソファもそれ腰掛けたら背中に当たって痛いから。っていうか、目が痛い。しかしそれも可愛さの前では無力。仕方がない。たとえ産廃と言われようとルビースタイルをスタメンに置きたいっていうのも同じこと。
そんなわけで今週のまとめ。はーちゃんがモフルンにお礼を言います。みんなでお部屋を作る。なんでも魔法に頼っていたらわからないワクワクがある。そう言うとみんなにリンクルストーンをネックレスにあしらったものをプレゼント。
たくさんのワクワクが待ち受ける毎日にはーちゃんは心躍らせます。
③次回予告
勝木さん出番です!
○トピック
闇の魔法が根絶されるのが早いか、リコが魔法の暗黒面に堕ちるのが早いか。
成長したはーちゃんを加え、みらいとリコの内面に変化が訪れます。それと同時に彼女達のポジションにも変化の兆しが。
上で触れたように、大人-子ども(みらいとリコ)-赤ちゃん(はーちゃん)、という階層があることでみらい達は子どもでありつつも被保護者であるはーちゃんを守るという大義名分を得ていました。赤ちゃんがいることによって彼女達は仮初めの大人でいられたわけです。でももうそれも終わり。では彼女達はただの子どもに戻るのか? ここからが本番。
元々彼女達にルール(目標。レール)はありません。誰も道を示さない。説教もしない。散々子どもだの、誰も救わないだの書いてきましたが彼女達は別に間違ったことをしたわけじゃありません。むしろ現実はこれが普通です。ゴールなんてはじめからないし勇者をやる義理もない。ドクロクシーとの戦いが彼女達に大きな意味を残さなかったのはある意味で正しいのです。だって関係ないんだから。はーちゃんの方がずっと大事。だからこそはーちゃんの変化は彼女達に大きな変化を与える。それは決まっていない道を歩いていた彼女達が大切なものを見つけ、自由の中から不自由さを選び取ることを学び始めるキッカケになっています。
中ボス戦が「はーちゃん返せ!」の一言で決着がつくという超近視眼的な主人公だったわけですが、むしろこれこそが彼女達を大きく変えうるファクターでもあったわけです。赤ちゃんが消え、少女が帰ってきた。彼女達の新たな模索が始まる。魔法つかいプリキュア第2部の始まり。
①はーちゃん導入教育その2
ぐっすりと眠るはーちゃんが寝返りを打つと隣に居たみらいが巻き添えに。手をどけようとしてもがくとこれまたふたりの間にいたモフルンが巻き添えに。何そのパラダイス、モフルンさん場所変わって下さい。っていうか、スマホン(はーちゃん)の管理はリコだったと思うんですが。
朝食を元気よく美味しそうに食べるはーちゃん。今までスマホン食だったので新鮮さも手伝って本当に嬉しそう。その姿に両親も好感度アップ。なかなかやりおるなこの娘。しかしその横のみらいはテンション低め。リコが訊ねると最近眠れていないと答えます。さらに理由を訊ねると一緒のベッドで眠るには…と視線をはーちゃんに。大ぴらに言うには抵抗があるのでそれとなくジェスチャー。交代制で寝ているわけではないらしい。リコさんずるいわー、と言いたいところですがたぶんみらいの方から一緒に寝たいと言い出してこのザマってのが真相のような気がします。
冷静に観察するリコ。みらいは深刻そうに睡眠不足を訴えます。それを聞いたはーちゃんは不安がります。では屋根裏部屋を使っては?と提案するお婆ちゃん。ドラマとかアニメでよく出てくるアレですね。秘密基地的な憧れはあるんだけど、これそんなによくあるものなんだろうか。設計の問題とは思うんだけど。
映画CMでキュアモフルン告知。今年はバラしていくスタイル。実は今年の黄色枠は彼女。
ということで、隠し階段を引き出して早速上がってみます。みらいも部屋作りにワクワク。
ところがダンボールだらけの埃だらけ。長年物置にしていたので手つかず状態。山積みのダンボールを片付けるだけでも容易でない。先ほどまでの元気はどこへやら、及び腰になり始めるみらいとリコ。しかし自分の部屋を目の前にしたはーちゃんは意気揚々と張り切ります。それにつられてみらいもやる気を取り戻します。早速みんなで取りかかろうと言うと、はーちゃんは魔法を使えばすぐと杖を取り出します。こんなときの魔法。
するとリコがダンボールをペチペチ叩きながら、重いモノを動かす魔法はそんなに簡単にはできないと訳知り顔で忠告。ほんと良い顔してるわー。ここの画像汎用性高そう。
簡単に持ち上がって、簡単に片付けられました。次に掃除道具に魔法をかけて全自動化。魔法を使えばすぐお片付けができると屈託なく笑うはーちゃん。リコはがっくりと肩を落とします。努力家の彼女とすれば認めたくない現実でしょうが、これが才能の差。現実は非情です。っていうかはーちゃんは(謎の)妖精な上にエメラルド持ちなんで常識の範疇に入れる方が間違いだと思いますが。モフルンは静かにはーちゃんを見上げます。
その後もはーちゃん無双は続きます。
下水道で人知れずドクロクシーかかしにかしずくヤモー。この人も苦労人だなぁ。
前回の判断について問う水晶さん。校長は改めて彼女が望んだことだから良い、これがエメラルドの運命と手短に答えます。基本的に本作は大人が先回りする仕様で、みらい達はストレスなく自由にその行動を保証されています。完全に保護された子どもですね。本人達はワクワクの冒険を楽しんでいますが実はインフラは整っている。そんな中で前回のワガママは彼女達の自発性とも言えるし、また今回後半で敵と対峙した時に発せられた言葉も彼女達の明確な意思表示になります。スマイルのように強制的に現実を見せられる展開とは異なり、本作はゆるやかに自分達の行動や経験が自発性へと固まっていく流れのようです。
話を戻して、闇の魔法の残党問題。こちらは逆に水晶さんが高をくくっていますが、校長の疑念はぬぐいきれません。
あっと言う間にリフォーム完了。思わず目眩を起こすリコ。彼女を支えながらみらいは次は家具が必要だと言います。ピンとこないはーちゃんにベッドやチェスト、テーブルが必要と具体的に助言。買い出しが必要か? それも魔法でできる。それを聞いたリコは途端に元気を取り戻すと
「ふふん、何も無いところから何かを作り出すのは魔法でも無理! ありえないし!」
前振りありがとうございます。
魔法を唱えて杖でお絵かき。この持ち替えるアクションかっこいいね。ベッド。チェスト。テーブル。わずか30秒足らずで完了。魔法やら動作するたびに「はー」っていうのは子どもが真似しやすいかも。子どもってよく感動詞使うし。
「あぁ~……」
「そういえば、箒も出してたよね」
ガックリとうな垂れるリコ。私は大満足です。一仕事終えたはーちゃんはリコのショックなど知るよしもなく喉が渇いたので階段を降りていきます。
深いため息をつくリコに話しかけるみらい。さりげなく手を握っていて私は大満足です。
「目が離せなくて、大変だった小さなはーちゃん。私たちははーちゃんのお母さんだった…」
「でも、はーちゃんはもう一人で何でもできるのよね。はーちゃんの魔法すごいもの」
子離れ感&最近の子凄いわー的な親の気分を味わっているようです。環境の変化に戸惑っている様子。こういう場合みらいはそういうもんかーって感じで受け入れそう。素直と言えばそうだし鈍感とも言えます。今週もはーちゃんの導入教育回になりますが、同時にみらい達のマインドセットも修正が入っています。上述したように彼女達は大人達に大切に保護された子どもで、その子どもがはーちゃんという赤ちゃんを保護していました。子離れと書きましたが、実際には彼女達はママゴトをしていたに過ぎません。彼女達のポジションは全くの子どもだからです。これはドクロクシーと戦った動機や、その後の結果についても同じことが言えます。徹底して子ども扱いされている。
逆説的にはーちゃんの自立化は彼女達がそのポジションから抜け出す契機になっています。この後みらいはモフルンを含めた関係性の複雑さを垣間見るし、リコははーちゃんに伝えることになる。自分達の甘さや浅はかさ、自分の力ではどうにもならないこと、自分の想像を超えたものを目の当たりにしつつも、自分達にできることもまた実感していくようになります。はーちゃんを赤ちゃん、つまり自分達は保護者であり彼女は被保護者であるという見せかけの大人ごっこは終わり、彼女を対等な人間として、同時に自分達もまた自立した個人として立脚し始める。そうした転換と修正が行われています。
すっかり整った部屋を見回しながら、しかしみらいはワクワクが足りないとこぼします。モフルンに話を振ろうとしたらいつの間にか姿がありません。
その頃モフルンは一人でみらいの部屋でテーブルを動かしていました。みらいがやってきて訊ねます。はーちゃんみたいにふたりを助けたい。けど小さいし魔法も使えないしで役に立たないとしょんぼり。
炎天下の中でみらいの父はDIY。その姿を家の中から涼しげに見つめるはーちゃん。やる気を出した彼を手伝おうとスマホンを取り出します。見かねたリコが制止。おじさまの手伝いをしようとしたのにどうして?と不思議な顔を浮かべます。ちなみに私は女の子から「おじさま」と呼ばれるのは男のロマンだと思っています。私がみらい父の立場だったら「きゃー、おじさますごーい!」と言われるシーンを想像しながらノコギリ引いてますね。
魔法は見られちゃダメ。じゃあ見つからなければ? それはいつもやってるけどダメ。魔法を使う以外にもできることはある。そう言ってリコは手伝いを始めます。はーちゃんは彼女の隣に行くと言っていることが難しいと素直に言います。しかし自分も手伝うとペンキを取り出します。
みらいはモフルンを抱き上げるとたくさん助けてもらっていると語り始めます。一緒に居てくれるだけで元気になれる。小さな頃からいつも一緒に遊んでくれた。回想シーン。……今とあんま変わんねー。中学生と小学生の区別がつかないってどんだけ幼いんだよ。これで高校生くらいになるとミラクルスタイルになるんでしょ? この子の成長期劇的すぎんだろ。それはそれとしてようやく登場するビーズメーカーさん。そのまま埃かぶって消えていくのかと思ってました。
ありがとう。やっと言えた。あのとき自分も嬉しかったのだとモフルンは言います。言葉と気持ちが通じて改めて近くなるふたり。はーちゃんのポジション変更に伴いモフルンの感情面もケア。この辺のぬいぐるみとの関係はハピネス映画のつむぎとその人形達の関係がわかりやすいでしょう。人間は一人であってもその内面を豊かに膨らませていける、というのは面白い現象です。みらいとモフルンの物語は映画でも深掘りされそうですね。
再びはーちゃんの部屋について。ワクワクが足りないと話すみらいにモフルンはクローゼットからビーズメーカーを取り出します。
家具は完成。
一息つくふたりに父は飲み物を出します。一気に飲み干したはーちゃんは労働の後の美味を味わいます。リコが解説。みらいの受け売りだとあっさり言います。手間を不便さと感じ魔法で解決しようというのはリコも思ったことでした。みらいは目移りしやすい性格なので内省(身近な所に再び焦点を合わせる)を、リコは視野が狭くなりがちなのでそれを補完する形になっているのは良いバランスです。
魔法に頼りすぎるな、身体を使えというのはいわゆる教育的指導でもあるんですが、手間を不便さと見なし、魔法はそれを解決するためのツールと見なしてしまうと魔法が狭隘なものになってしまうので意味付け的にもそこはルールが必要です。魔法は便利で不思議でありつつもその本質は心の在り様を映すものであるからです。後述するヤモーもまた例外ではありません。
今の出来事を報告しようと屋根裏部屋に上がると、そこではみらいとモフルンはビーズを使って部屋をデコレーション。……。……。多いよ! なんか逆に気持ち悪くならないか? 落ち着かねーぞ。こういうのよくわからんな。よく女性がケータイとかデコってごちゃごちゃにしているの見ると過剰装飾じゃねーかと思うんだけど、美意識の違いなのか。ちなみに真っ先に頭に浮かんだのは田んぼに設置する鳥害防止の銀テープのイメージ。
みらいとはーちゃんは口を揃えてワクワクもんだぁ!と歓喜。男の子でいうところの強化パーツがいっぱい付いた状態みたいなもんなのだろうと変換しておきます。個人的に強化パーツは壊れて取れるためにあると思ってますが。むしろパージするための前振り。
顔を合せて笑い出します。察したリコがモフルンに言い出しっぺかと訊ねると照れます。はーちゃんもお礼を言います。テンションが上がったみらい達はさらなる部屋づくりのため買い出しへ。
②エメラルドの守護者
商店街でチョイス。リボンを二つ使って花っぽくできるとモフルン。センスいいと好評。先生扱いされてまんざらでもない様子。
そんな楽しい時間も番組の時間が迫ってきたので中断。ヤモーが現われると提灯と反物を合体させて一反もめんヨクバール召喚。ヨクバールのデザインって作画の人がやってるって他のシリーズで読んだ憶えがあるんだけど、フィリピンの人知ってるのか。プリンセスのときもシェーしてたけど。
今週はルビー。余裕があるのかフルバンク。ミラクルのスカートに大きなハート付くシーンがとりわけ可愛い。
商店街の中では狭いので、アーケードの屋根を破って外へ。
邪魔な建物は破壊しろと命令するヤモー。建物を真っ先に破壊するのは地球防衛軍的には定石です。ヘタに残しておくと隠れられたり爆風ダメージを受けかねません。いわゆるコラテラルダメージ。だいたいこれ言っとけば許されます。
そこまでしてエメラルドが欲しいのか!?と叫ぶプリキュアに、ヤモーは強力な魔法の力があれば何だってできるとエメラルドを欲します。違う!とそれまで静観していたはーちゃんが叫びます。そのエメラルドの力を使ってプリキュアに。
背中の羽が大きくなって滞空。ヨクバールの攻撃を片腕で止めます。巻き取ったはずがビクともしない。
「魔法は万能ではありません。どれだけ強い力を手に入れたとしても大切なのはそれを使う者の清き心」
「そして熱き想い!」
「それがわらかないあなたにエメラルドは渡しません!」
大人びた声でそう語る彼女はやはり特別な存在であることを感じさせます。個人的に神様かそれに類するものかと思ってるんですが(エメラルドが世界創世の装置みたいな)、大人(上位者)な口調と雰囲気は彼女のミステリアスさを醸し出しています。
彼女の言葉に圧されるようにヨクバールの片腕が吹き飛びます。やはり今回が、はーちゃんの成長がこの物語の大きな転換点になっています。今まで本作は敵と真っ向からの主張合戦をほとんどしていません。せいぜい降りかかる火の粉を振り払った程度。敵がいないも同然でした。プリキュアには思想と呼べるものはなく、感情で動いていただけ。それが急速に変化しつつあります。魔法の意味を、それを使う者の資格を問い始めます。本当に大切なものを大人は、人は教えてくれません。教えてくれたとしてもそれはその人にとっての大切なもので「私」にとってではない。それを見つけること、学ぶこと、形に換えていくこと、そこにその人の哲学があります。物語とはこの哲学のことを指すと私は思っています。
話も終わったので必殺技を叩き込んで終わらせます。
お部屋完成。さらにビーズで盛りつけられてカオスな状態に。ごめん。俺、これの良さがわかんないわ。とりあえずベッドや枕の上のはどけとけ。ソファもそれ腰掛けたら背中に当たって痛いから。っていうか、目が痛い。しかしそれも可愛さの前では無力。仕方がない。たとえ産廃と言われようとルビースタイルをスタメンに置きたいっていうのも同じこと。
そんなわけで今週のまとめ。はーちゃんがモフルンにお礼を言います。みんなでお部屋を作る。なんでも魔法に頼っていたらわからないワクワクがある。そう言うとみんなにリンクルストーンをネックレスにあしらったものをプレゼント。
たくさんのワクワクが待ち受ける毎日にはーちゃんは心躍らせます。
③次回予告
勝木さん出番です!
○トピック
闇の魔法が根絶されるのが早いか、リコが魔法の暗黒面に堕ちるのが早いか。
成長したはーちゃんを加え、みらいとリコの内面に変化が訪れます。それと同時に彼女達のポジションにも変化の兆しが。
上で触れたように、大人-子ども(みらいとリコ)-赤ちゃん(はーちゃん)、という階層があることでみらい達は子どもでありつつも被保護者であるはーちゃんを守るという大義名分を得ていました。赤ちゃんがいることによって彼女達は仮初めの大人でいられたわけです。でももうそれも終わり。では彼女達はただの子どもに戻るのか? ここからが本番。
元々彼女達にルール(目標。レール)はありません。誰も道を示さない。説教もしない。散々子どもだの、誰も救わないだの書いてきましたが彼女達は別に間違ったことをしたわけじゃありません。むしろ現実はこれが普通です。ゴールなんてはじめからないし勇者をやる義理もない。ドクロクシーとの戦いが彼女達に大きな意味を残さなかったのはある意味で正しいのです。だって関係ないんだから。はーちゃんの方がずっと大事。だからこそはーちゃんの変化は彼女達に大きな変化を与える。それは決まっていない道を歩いていた彼女達が大切なものを見つけ、自由の中から不自由さを選び取ることを学び始めるキッカケになっています。
中ボス戦が「はーちゃん返せ!」の一言で決着がつくという超近視眼的な主人公だったわけですが、むしろこれこそが彼女達を大きく変えうるファクターでもあったわけです。赤ちゃんが消え、少女が帰ってきた。彼女達の新たな模索が始まる。魔法つかいプリキュア第2部の始まり。
第23話「これからもよろしく!おかえり、はーちゃん!」
○今週の出来事
①はーちゃん導入教育その1
少女がはーちゃんだとわかり再会を喜ぶみらい。リコもまた彼女との再会を噛みしめます。
とっても甘い匂いがするとモフルン。そりゃ女の子同士がキャッキャしてたら甘い。それはそれとしてエメラルドを見せるはーちゃん。それを見た途端堰を切ったようにふたりは質問をぶつけます。
大量のイチゴメロンパンを食べるはーちゃんを心配するみらい。ふたり的にはまだ妖精時代の記憶が新しい。
一息ついてあれからどうなったかを語ってくれますが、なるほど、わからん。臨死体験か? みらいさん、それわかってないですよね。誰かに呼ばれたような気がするもそれ以上のことはわからず終い。記憶にあるのは海のような広い花の光景くらい。この子の出生が謎なのは最初からなので変わらず。
そんな話はさっさと切り上げて、はーちゃんはこれでみんなと一緒に生活できる、学校にもいけると期待を膨らませます。学校で騒動起こす未来しか見えない。
それはいい!とばかりに諸手あげて喜ぶみらい達をリコが冷静にツッコミ。住処の問題もありますが校長にも報告を。エメラルドのこともある。思い出したかのようにリコは帰らなければならないかもと口にします。エメラルドもはーちゃんも見つかったとなればこっちに留まる理由がありません。見つかっても、見つからなくてもどっち道帰る状況でした。
先ほどまでの盛り上がりが嘘のように消沈。みらいは校長に頼もうと言います。はーちゃんが赤ちゃんの時から一緒で、自分達はお母さんなのだからそれが離散するのは嫌だと頑として主張。確かにこのままではリコがシングルマザーになってしまいます。ずっと一緒がいい。リコもその話に乗ります。プリキュアが3人いないと始まらないので大枠としてはご都合が入るんですが、彼女達の関係が益々不安定さを抱えることにもなっています。リコは留学生だしはーちゃんは謎の妖精。全てにケリがついたときにどういう選択肢がありえるのか、選択するのか、できるのかは一つの注目点。
現地から調査報告を受ける校長。魔法のランプから解き離れたのは何なのか。災いだとしたら強き命の方は…。エメラルドの重要性はより一層高まります。そういえばこの石、生命の石でしたね。
身体が大きくなったはーちゃんは見るもの全てが小さくなったと感激。猫を追いかけて飛ぼうとして墜落。どうにもまだ妖精時代の感覚が抜けていないようです。OPのように妖精態と使い分けできるわけではないのか。
うっかりスマホンをなくしてしまいます。鉄格子の奥に発見。ここでも自分の大きさを失念。リコが魔法で回収。それならとスマホンからスタイラスを抜くと構えます。これが彼女の杖。これはワンチャン。みらいとリコの魔法の杖を持っていない子でもスマホンを持っていればプリキュア遊びに参加できます。大好きなみんなとずっと一緒にいられますように。一応光ってくれますが、どれだけ効果があるかは不明。苦笑いするリコの隣でみらいも同じ魔法を使います。ノリの良いふたり。モフルンからリコはやらないのか?と言われてたじろぎます。恥ずかしいので早く帰ろうと無理矢理話題を変えます。残念、ノリが悪い。尤も、彼女は必ずやらかしてくれるので時間の問題でしかありませんが。
みらいが箒を取り出すと、これも却下。まだ昼間で人の目が気になります。ところがはーちゃんはスタンバってて話を聞いてくれそうにありません。ちょっと可愛いな、この子。
みらいの箒に乗せて空を飛びます。
普段自分で空を飛んでいましたが、はーちゃんも箒で飛んでみたかったらしい。ここでもいつものノリで鳥に向かって手を伸ばしてバランスを崩してしまいます。みらいが注意。先を行くリコの後ろ姿を見ながら自分も飛んでみたいとつぶやきます。じゃあグスタフさんのところに買いに行けばいいとモフルン。しかし首を横に振ると彼女は杖を取り出して呪文を唱え始めます。自分で箒を作ればいい。
そんなの無理だから、校長だって不可能と知った顔で話すリコの隣で何も無いところから思ったものを作り出す魔法を披露するはーちゃん。「やった~」「できたよ」「えー!?」。こういうのやってくれるからリコちゃん好き。
魔法が上手と素直に感心するみらい。いや絶対そういうレベルじゃないと思うぞ。スマホンと石持ってるから通常の枠で見る対象でもないんだろうけど。目がテンになりながらありえないと絶句するリコ。自前の箒に乗ったはーちゃんは早速加速。勢いが付きすぎて制御不能に。ここの疾走感いいな。あと太もも。肩の露出もあるし可愛らしくて開放感のあるデザイン。ふたりが全力で追っても追いつけません。口癖なのか妖精時代の名残でセリフに「はー」って入れるのが妙なキャラ付けになっててちょっと面白い。
そんな様子を忌々しげに見上げるヤモーさん。普通に公園に居るのどうなの。
誰何の声。直接耳に聞えてきます。自分が復活させたとラブーが告げます。その理由は言いませんが彼の復讐心を利用する気なのは確か。尤も、ヤモーも渡りに船でしょうが。
はーちゃんはようやく無事(?)に墜落。そういうとこリコに似なくていいんですよ。墜落のショックで少し記憶がフラッシュバック。
言われるまでもない、と与えられたチャンスを利用するヤモー。得意気に持参品を広げます。ドクロクシーを摸した案山子にかしずくとエメラルドを取り戻すと宣誓。隣のトーテムポールも相まってシュールさが倍増。几帳面というか忠誠心高いというか、真面目に見るべきか笑うべきか一瞬迷うわ。ビチョ。近くで遊んでいた子どもの水鉄砲がかかってしまいます。ヤモーには水風船が炸裂。彼の姿に驚いた子ども達は水鉄砲を手放して逃げてしまいます。濡れたドクロクシー人形は泣いて……ってほんとに酷いなこのアニメ。切ねぇ。ちょっと前まで世界を闇で覆わんとした魔王軍もこのザマ。はーちゃんも練習中だし、夏休み近いし、辛気くさい話やってられるかというスタッフの意思を感じますな。
水鉄砲とうちわでヨクバール召喚。近くにいたはーちゃんを狙います。変身しようとしても無反応。なんで?と戸惑いながら東屋を発見してその中に隠れようとダイブ。腰がつっかえました。そこにヨクバールの攻撃。
間一髪、みらいとリコが救出。逃げるふたりを攻撃するヨクバール。こいつ命中精度悪いな~。
今週はトパーズ。そういえば名乗りのバンクどうするんでしょうか。3人一緒バージョン作るのかな。
このヨクバールもやはり浸食(吸収)能力有り。オプションを階段にしながら空飛ぶヨクバールに向かって走るミラクル。最初からサファイヤで飛べばいいのでは?といっちゃいけません。トパーズの出番少ないので調整しないと。強化されたヨクバールに攻撃が通用しません。背後から近づいたマジカルに自分のオプションを渡して、ハンマーで奇襲をかけます。こういうテクニカルな戦いできるからトパーズは絵的に楽しい。しかし今はフェリーチェ販促強化月間。ふたりには噛ませになっていただきます。
ふたりのピンチに駆けつけるはーちゃん。かつて妖精だった頃の記憶が甦ります。無力だった頃の自分。ふたりの前に立つと、あの時スマホンが自分に語りかけてくれたと記憶を辿ります。エメラルドの力を使って自分の意思を形に。プリキュアに姿を変えます。彼女の変身は成長段階をフラッシュバックするのでこのために作ったのかと思うほど自然で熱い流れ。
今週もはーさんのターン。もはや能力なのか魔法なのかよくわからない強さを発揮。そもそもメインのリンクルストーンがふたりと別格。ちなみに変身するとちょっと口調も変わるようです。それはそれとして、3人とも腰がふっくらしてるのが可愛い。
ヨクバールはプロペラントタンクをミサイルとして発射。レールガンでピッチャー返し。でもまだまだ元気。ということで6,890円ビームで始末。旧式との格差を見せつけます。ほんと世知辛い世の中。
校長に報告。はーちゃんの姿を見た校長はなるほどと一人納得。
やはり彼女の記憶は曖昧で、花の海についてもみらい達と出会う前かもしれない。それを聞いた校長はエメラルドと一緒に調べれば何かわかるかも知れないと頷きます。その言葉に敏感に反応するみらい。この子のこういう速さはさすが。案の定校長がふたりに帰るように促し始めるとすぐに遮ります。すかさずリコとモフルンも後に続きます。呆気にとられる校長。
「魔法をかけたの。みんなとずっと一緒にいられますようにって」
3人は自分の家族だと言います。隣にいるみらいとリコも引く気がない様子。沈黙。
「素直な言の葉はときに魔法となって人の心を動かす」
彼女達の意思を尊重するとエメラルドを託すと通信を切ります。
入れ替わりにみらいの母が部屋を訪れます。友達?と訊ねる母に、みらいはリコの故郷の子でしばらく泊めて欲しいと頼みます。家族(校長)の了解は得ているので、母も快く引き受けます。喜ぶ娘の顔で悟ったのでしょう母は僅かに口元を綻ばせます。こういう地味な演出好きです。名を訊ねると「ことは」と答えます。即興にしては上手い。名字は花海とリコがフォロー。
これで無事3人一緒。名前について訊ねると校長のセリフを引くはーちゃん。「言葉は言の葉」。みんなの一緒に居たいという言葉、赤ちゃんの頃からの温かい言葉。「言葉は魔法」。自分の胸を示しながらみんなの言葉がここにいっぱい詰まっていると話します。思いのほか理知的な少女。
「花海ことは! 改めてよろしくお願いしまーす!」
そこですかさずフラワーエコーワンドのCM。隙がねぇ。
②次回予告
そしてこの顔である。
○トピック
言葉を魔法に変える少女と、顔で笑いを取る少女の物語。だから予告でもっていくのやめい。ポンポン手が動いているのがまたジワジワくる。
予想どおりはーちゃんの導入教育。今回は変身の動機付けと命名。
最近まで主流だった改心して罪悪感を打ち払う話に比べればドラマ性は薄いですが、そこはそれ、初期からいるキャラとしての存在感と経験を十二分に発揮。声を魔法にする玩具のコンセプトもカバーしながら魔法の意味をより広げています。映画では「歌は魔法」とか色々言われていますが、子ども向けの作品で何を力にするかと言ったら当然子ども達が持っているもの、特に勇気や優しさといった気持ちに加え本作では「言葉」が出てくるのは面白い点です。確かに時に思わぬ力を発揮するものでもあり、子どもにもその力が実感できるものです。一応作内での明確な魔法は存在するんでしょうが、それとは別に人の持っている魔術性みたいなものも出てきつつあります。
また、彼女達の関係が家族と言い表されているのも珍しい。これまで妖精との関係は友達以上のものになったことはないし、赤ちゃん妖精が登場したフレッシュやドキドキでもその域を出ていません。言葉の意味としては当然友達よりも家族の方がより近く共同体としての意味を持つんですが、ナシマホウ界人、魔法界人、妖精、ぬいぐるみと四者四様の生立ちを持つ彼女達にはむしろこの呼び方の方が適切なのかもしれません。現状では子はかすがい的にみらいとリコの関係を含めてくっつける形になっていますが、あるいは彼女達の関係(コミュニティ)が本作が目指す共生の世界になるのかもしれません。今まではナシマホウ界と魔法界の物理的な境界がそのまま彼女達の境界になっていましたがはーちゃんを加えたことでその世界観も変化していくのかも。ここがどう発展していくかも楽しみですね。
①はーちゃん導入教育その1
少女がはーちゃんだとわかり再会を喜ぶみらい。リコもまた彼女との再会を噛みしめます。
とっても甘い匂いがするとモフルン。そりゃ女の子同士がキャッキャしてたら甘い。それはそれとしてエメラルドを見せるはーちゃん。それを見た途端堰を切ったようにふたりは質問をぶつけます。
大量のイチゴメロンパンを食べるはーちゃんを心配するみらい。ふたり的にはまだ妖精時代の記憶が新しい。
一息ついてあれからどうなったかを語ってくれますが、なるほど、わからん。臨死体験か? みらいさん、それわかってないですよね。誰かに呼ばれたような気がするもそれ以上のことはわからず終い。記憶にあるのは海のような広い花の光景くらい。この子の出生が謎なのは最初からなので変わらず。
そんな話はさっさと切り上げて、はーちゃんはこれでみんなと一緒に生活できる、学校にもいけると期待を膨らませます。学校で騒動起こす未来しか見えない。
それはいい!とばかりに諸手あげて喜ぶみらい達をリコが冷静にツッコミ。住処の問題もありますが校長にも報告を。エメラルドのこともある。思い出したかのようにリコは帰らなければならないかもと口にします。エメラルドもはーちゃんも見つかったとなればこっちに留まる理由がありません。見つかっても、見つからなくてもどっち道帰る状況でした。
先ほどまでの盛り上がりが嘘のように消沈。みらいは校長に頼もうと言います。はーちゃんが赤ちゃんの時から一緒で、自分達はお母さんなのだからそれが離散するのは嫌だと頑として主張。確かにこのままではリコがシングルマザーになってしまいます。ずっと一緒がいい。リコもその話に乗ります。プリキュアが3人いないと始まらないので大枠としてはご都合が入るんですが、彼女達の関係が益々不安定さを抱えることにもなっています。リコは留学生だしはーちゃんは謎の妖精。全てにケリがついたときにどういう選択肢がありえるのか、選択するのか、できるのかは一つの注目点。
現地から調査報告を受ける校長。魔法のランプから解き離れたのは何なのか。災いだとしたら強き命の方は…。エメラルドの重要性はより一層高まります。そういえばこの石、生命の石でしたね。
身体が大きくなったはーちゃんは見るもの全てが小さくなったと感激。猫を追いかけて飛ぼうとして墜落。どうにもまだ妖精時代の感覚が抜けていないようです。OPのように妖精態と使い分けできるわけではないのか。
うっかりスマホンをなくしてしまいます。鉄格子の奥に発見。ここでも自分の大きさを失念。リコが魔法で回収。それならとスマホンからスタイラスを抜くと構えます。これが彼女の杖。これはワンチャン。みらいとリコの魔法の杖を持っていない子でもスマホンを持っていればプリキュア遊びに参加できます。大好きなみんなとずっと一緒にいられますように。一応光ってくれますが、どれだけ効果があるかは不明。苦笑いするリコの隣でみらいも同じ魔法を使います。ノリの良いふたり。モフルンからリコはやらないのか?と言われてたじろぎます。恥ずかしいので早く帰ろうと無理矢理話題を変えます。残念、ノリが悪い。尤も、彼女は必ずやらかしてくれるので時間の問題でしかありませんが。
みらいが箒を取り出すと、これも却下。まだ昼間で人の目が気になります。ところがはーちゃんはスタンバってて話を聞いてくれそうにありません。ちょっと可愛いな、この子。
みらいの箒に乗せて空を飛びます。
普段自分で空を飛んでいましたが、はーちゃんも箒で飛んでみたかったらしい。ここでもいつものノリで鳥に向かって手を伸ばしてバランスを崩してしまいます。みらいが注意。先を行くリコの後ろ姿を見ながら自分も飛んでみたいとつぶやきます。じゃあグスタフさんのところに買いに行けばいいとモフルン。しかし首を横に振ると彼女は杖を取り出して呪文を唱え始めます。自分で箒を作ればいい。
そんなの無理だから、校長だって不可能と知った顔で話すリコの隣で何も無いところから思ったものを作り出す魔法を披露するはーちゃん。「やった~」「できたよ」「えー!?」。こういうのやってくれるからリコちゃん好き。
魔法が上手と素直に感心するみらい。いや絶対そういうレベルじゃないと思うぞ。スマホンと石持ってるから通常の枠で見る対象でもないんだろうけど。目がテンになりながらありえないと絶句するリコ。自前の箒に乗ったはーちゃんは早速加速。勢いが付きすぎて制御不能に。ここの疾走感いいな。あと太もも。肩の露出もあるし可愛らしくて開放感のあるデザイン。ふたりが全力で追っても追いつけません。口癖なのか妖精時代の名残でセリフに「はー」って入れるのが妙なキャラ付けになっててちょっと面白い。
そんな様子を忌々しげに見上げるヤモーさん。普通に公園に居るのどうなの。
誰何の声。直接耳に聞えてきます。自分が復活させたとラブーが告げます。その理由は言いませんが彼の復讐心を利用する気なのは確か。尤も、ヤモーも渡りに船でしょうが。
はーちゃんはようやく無事(?)に墜落。そういうとこリコに似なくていいんですよ。墜落のショックで少し記憶がフラッシュバック。
言われるまでもない、と与えられたチャンスを利用するヤモー。得意気に持参品を広げます。ドクロクシーを摸した案山子にかしずくとエメラルドを取り戻すと宣誓。隣のトーテムポールも相まってシュールさが倍増。几帳面というか忠誠心高いというか、真面目に見るべきか笑うべきか一瞬迷うわ。ビチョ。近くで遊んでいた子どもの水鉄砲がかかってしまいます。ヤモーには水風船が炸裂。彼の姿に驚いた子ども達は水鉄砲を手放して逃げてしまいます。濡れたドクロクシー人形は泣いて……ってほんとに酷いなこのアニメ。切ねぇ。ちょっと前まで世界を闇で覆わんとした魔王軍もこのザマ。はーちゃんも練習中だし、夏休み近いし、辛気くさい話やってられるかというスタッフの意思を感じますな。
水鉄砲とうちわでヨクバール召喚。近くにいたはーちゃんを狙います。変身しようとしても無反応。なんで?と戸惑いながら東屋を発見してその中に隠れようとダイブ。腰がつっかえました。そこにヨクバールの攻撃。
間一髪、みらいとリコが救出。逃げるふたりを攻撃するヨクバール。こいつ命中精度悪いな~。
今週はトパーズ。そういえば名乗りのバンクどうするんでしょうか。3人一緒バージョン作るのかな。
このヨクバールもやはり浸食(吸収)能力有り。オプションを階段にしながら空飛ぶヨクバールに向かって走るミラクル。最初からサファイヤで飛べばいいのでは?といっちゃいけません。トパーズの出番少ないので調整しないと。強化されたヨクバールに攻撃が通用しません。背後から近づいたマジカルに自分のオプションを渡して、ハンマーで奇襲をかけます。こういうテクニカルな戦いできるからトパーズは絵的に楽しい。しかし今はフェリーチェ販促強化月間。ふたりには噛ませになっていただきます。
ふたりのピンチに駆けつけるはーちゃん。かつて妖精だった頃の記憶が甦ります。無力だった頃の自分。ふたりの前に立つと、あの時スマホンが自分に語りかけてくれたと記憶を辿ります。エメラルドの力を使って自分の意思を形に。プリキュアに姿を変えます。彼女の変身は成長段階をフラッシュバックするのでこのために作ったのかと思うほど自然で熱い流れ。
今週もはーさんのターン。もはや能力なのか魔法なのかよくわからない強さを発揮。そもそもメインのリンクルストーンがふたりと別格。ちなみに変身するとちょっと口調も変わるようです。それはそれとして、3人とも腰がふっくらしてるのが可愛い。
ヨクバールはプロペラントタンクをミサイルとして発射。レールガンでピッチャー返し。でもまだまだ元気。ということで6,890円ビームで始末。旧式との格差を見せつけます。ほんと世知辛い世の中。
校長に報告。はーちゃんの姿を見た校長はなるほどと一人納得。
やはり彼女の記憶は曖昧で、花の海についてもみらい達と出会う前かもしれない。それを聞いた校長はエメラルドと一緒に調べれば何かわかるかも知れないと頷きます。その言葉に敏感に反応するみらい。この子のこういう速さはさすが。案の定校長がふたりに帰るように促し始めるとすぐに遮ります。すかさずリコとモフルンも後に続きます。呆気にとられる校長。
「魔法をかけたの。みんなとずっと一緒にいられますようにって」
3人は自分の家族だと言います。隣にいるみらいとリコも引く気がない様子。沈黙。
「素直な言の葉はときに魔法となって人の心を動かす」
彼女達の意思を尊重するとエメラルドを託すと通信を切ります。
入れ替わりにみらいの母が部屋を訪れます。友達?と訊ねる母に、みらいはリコの故郷の子でしばらく泊めて欲しいと頼みます。家族(校長)の了解は得ているので、母も快く引き受けます。喜ぶ娘の顔で悟ったのでしょう母は僅かに口元を綻ばせます。こういう地味な演出好きです。名を訊ねると「ことは」と答えます。即興にしては上手い。名字は花海とリコがフォロー。
これで無事3人一緒。名前について訊ねると校長のセリフを引くはーちゃん。「言葉は言の葉」。みんなの一緒に居たいという言葉、赤ちゃんの頃からの温かい言葉。「言葉は魔法」。自分の胸を示しながらみんなの言葉がここにいっぱい詰まっていると話します。思いのほか理知的な少女。
「花海ことは! 改めてよろしくお願いしまーす!」
そこですかさずフラワーエコーワンドのCM。隙がねぇ。
②次回予告
そしてこの顔である。
○トピック
言葉を魔法に変える少女と、顔で笑いを取る少女の物語。だから予告でもっていくのやめい。ポンポン手が動いているのがまたジワジワくる。
予想どおりはーちゃんの導入教育。今回は変身の動機付けと命名。
最近まで主流だった改心して罪悪感を打ち払う話に比べればドラマ性は薄いですが、そこはそれ、初期からいるキャラとしての存在感と経験を十二分に発揮。声を魔法にする玩具のコンセプトもカバーしながら魔法の意味をより広げています。映画では「歌は魔法」とか色々言われていますが、子ども向けの作品で何を力にするかと言ったら当然子ども達が持っているもの、特に勇気や優しさといった気持ちに加え本作では「言葉」が出てくるのは面白い点です。確かに時に思わぬ力を発揮するものでもあり、子どもにもその力が実感できるものです。一応作内での明確な魔法は存在するんでしょうが、それとは別に人の持っている魔術性みたいなものも出てきつつあります。
また、彼女達の関係が家族と言い表されているのも珍しい。これまで妖精との関係は友達以上のものになったことはないし、赤ちゃん妖精が登場したフレッシュやドキドキでもその域を出ていません。言葉の意味としては当然友達よりも家族の方がより近く共同体としての意味を持つんですが、ナシマホウ界人、魔法界人、妖精、ぬいぐるみと四者四様の生立ちを持つ彼女達にはむしろこの呼び方の方が適切なのかもしれません。現状では子はかすがい的にみらいとリコの関係を含めてくっつける形になっていますが、あるいは彼女達の関係(コミュニティ)が本作が目指す共生の世界になるのかもしれません。今まではナシマホウ界と魔法界の物理的な境界がそのまま彼女達の境界になっていましたがはーちゃんを加えたことでその世界観も変化していくのかも。ここがどう発展していくかも楽しみですね。
第22話「芽生える新たな伝説!キュアフェリーチェ誕生!」
○今週の出来事
①心に空いた隙間
季節はすっかり初夏。
気のない顔で外を見つめるみらいを余所に学年テスト発表。今回の学年トップはリコ嬢。1位記録が途絶えたゆうとは次は負けないとライバル視。みらいも喜びます。
しかしそんな話しはちょっとした話題逸らしにしか過ぎません。モフルンは呆けたように空を見つめます。「はーちゃんが居なくなった」ことを一番実感させてくれるのは実はこの子だったります。一番懐いてましたからね。
森の中に佇む一人の少女。出番待ちです。
新OP。これまでにない大幅な刷新。みらいとリコのコンビはもちろんのことプリキュアに昇格したはーちゃんの存在感をアピール。そしてちゃっかりOPに混ざっている勝木かなさん。サプラーイズ。ミラクルさんがイケメン過ぎて困る。俺、ミラクルさんになら抱かれてもいいです。
はーちゃん改めはーさんはサポートポジションかと思ったら殴りポジションでした。主題歌とのシンクロやべぇ。はーちゃんは人間態と妖精態があるようです。モフルンと並んでいるとほのぼのする。ところで、この猫はもしかして超重要キャラだったりするんですかね?
校長はすっかり元通り。前回からそれなりに時間が経っているようですが、学園の人にあの姿見せたんだろうか。お前誰だ、関係者以外立ち入り禁止だぞ、とか言われてそう。通話相手に薬膳茶のおかげと話す校長。ここでそのネタ拾うのかよ。
エメラルドははーちゃんとともに行方知れず。「迷える闇を安らぎの場所へ導くかのように」。言外にクシィのことを含んでいるのでしょうか。ともあれ、エメラルドは校長側で担当。電話の相手は別件を引続き調査。回りくどいのでさっさと言うと実はリコの親父殿。ナシマホウ界に来ていたようです。こういう登場の仕方は予想外だったなぁ。意外なキーキャラになったりするんでしょうか。
東屋でリコに凄いと話すモフルン。予習復習をやっていれば当然の結果と答えながら表情が曇るリコ。その様子を見たみらいはすかさずリズの名を出して空気を変えます。この辺の察しは流石。話題を変えたリコは暑いと話します。どうやら魔法界は四季が場所によって違うらしく学校があるところは春固定らしい。ひゃっこい島はずっと冬。と言ってしまって見事に地雷を踏んでしまいます。はーちゃん連想してアウト。
店の手伝いがあると再び話題を変えるみらい。
店でリコとともにお手伝い。ちなみに今週から夏服。鼻歌を歌って何か妙にテンションが高いみらい。わかりやすい。みらいが奥に引っ込んだところで母がリコに話しかけます。リコちゃんのおかげで成績が良くなった。しかしそれだけじゃない。親に相談できないこともある。そんなときにリコが相談相手になれる。かがんでリコと目線を合わせると改めてみらいと一緒に居てくれてありがとうとお礼を言います。実際にはこの後リコは帰郷する決断をするのですが、ふたりがふたりで居ることの大切さやその理解者がいることの念押しになっています。
整理し終わったと報告する娘に、母は相談に乗れることがあったらいつでも乗るとあけすけに言います。敢えて言うあたりがこの娘にしてこの母って感じでしょうか。相変わらずモフルンは寂しそう。
一方謎の少女はまだ森の中。道に迷ったんでしょうか。そろそろ寝る場所考えなければなりません。ちょっと出番早かったんじゃないでしょうか。勇み足。
夜。部屋でリコは机の上にあったノートやら定規やらスマホンを魔法で浮かせます。ぼーっと眺めながら突然腹を括ったとばかりに何かを決意するリコ。勢いよく立ち上がって部屋の扉を開けるとみらいとばったり。ちょうど訪ねようとしたところだったらしい。改めて何事かと訊ねると外に出ようと誘われます。
箒に乗って移動。魔法つかいはこういう場面転換がしやすいのが良いですね。部屋の中で密談するのと、外に出て話すのとでは印象が違う。夜空と街を眺めるリコの表情はどこか切なげ。
丘の上にある見晴台から湖を眺めます。誘ったわりに話し出さないみらいをリコが促します。静かな、落着いた声でまたはーちゃんを探そうと口を開くみらい。間を置いてからリコはあれからずっと探していたでしょ、と返します。声の調子から大分手を尽くしたことが伺えます。不安でいるよりは身体を動かしていた方がいいのか、何もしないではいられないと言うみらい。ここでようやく口を開いたモフルンははーちゃんに会いたいと涙を溢します。その気持ちはふたりも一緒。
頃合いかと思ったのかリコは魔法界に戻る意思があることを打ち明けます。言いながらバツが悪そうに顔を背けます。ナシマホウ界に来たのはエメラルドを見つけるため。そういえばそうでした。目的は達成というか再び振り出しに戻ってしまいましたが。魔法学校で勉強してもっと魔法を使えるようになればエメラルドもはーちゃんも見つかるかもしれない。そう話すリコ。基本的に考えることはふたり一緒。この場合はリコの方が現実的とも言えるでしょう。
不安そうに見つめるみらいに、魔法学校でも1番になれるくらい頑張るとうそぶくリコ。別れ話はこれで2度目ですが、またしめっぽくなるのは避けたいところ。モフルンの帰ってしまうのか?という問いかけに答える代りに明日3人で遊びに行こうとリコは誘います。要するに思い出作り。みらいは頷くと3人で月を見上げます。この会話でわかるのは彼女達の関係は不変ではなく、状況によっては大きく変わりうるということです。そして少しずつですが、流されることから自分で選び取る選択肢も芽生え始めています。9話に比べると静かな会話ですが、彼女の関係や内面が変わってきていることがわかります。
水晶さんが二つお告げがあると校長に報告。そういうときは良い知らせと悪い知らせ、どっちから知りたい?と訊ねるのがマナー。悪い方から報告。忌まわしき災いが甦る。それを裏打ちするように例の調査場所で割れたランプを発見。あー、これ作業員やっちゃいましたわー。世界を破壊と混沌へと導く災い。良い方の話はその災いと同時に強き命もまた舞い戻る。今さらだけど、はーちゃん、この姿だと瞳の中に花無いんだな。なんか印象違うなーと思ってたらそれか。
映画宣伝。さらっと言ってますがモフルンいないと変身できないので大問題。
②災い再び
アイキャッチも変更。SD可愛い。
肝心の災いはというと、久々に娑婆に出たこともあってかのんびりな雰囲気。ちなみに名前はラブー。見慣れない景色に関心を示していると、何かを聞きつけたのか瞬間移動。出た先は魔法界。例の大木を見てまだ健在か、だがヤツは留守かと独り言。たぶん校長のことではないと思いますが、だとしたら誰だ?相当古い人物だと思うけど。ふとヤモーのしっぽに目を止めます。え、そこに放置されてたの!?
指を鳴らして魔力を与えるとみるみるしっぽは再生し、ヤモーの姿に。ほう、なるほどこのために前回ヤモリでなかったのね。復活と同時にちょいイメチェン。没落貴族風に。
記憶を辿ったヤモーはプリキュアに敗れたことを思い出します。ドクロクシーの名を叫ぶと海の中にあった骨の破片が浮き上がります。うへぇ、しぶといなこいつも。しかし今となっては5本の骨が限度。変わり果てた主の姿に忍び泣くヤモー。復讐心を燃やすと移動魔法でどこかに。それを見ていたラブーは「行っちまった…」とちょっと困った感じに。こういう展開も珍しい。本格的にラブーが稼働する前のインターバル。ラブーはプリキュアを知らないようです。ほんとにいつの人だ?
ショッピングモールに来たふたりは早速お買い物。あれもこれもと目移りしたみらいは片っ端から手に取っていきます。
帰りにベンチで休憩。家のお土産用に買っておいたクッキーに手を付けてしまうモフルン。後の祭り。なら、3人で食べてしまおうとリコが後に続きます。みらいも手にとって3人でおやつタイム。これはこれで楽しいひととき。
仇敵を見つけたヤモーの手にはドクロクシーの骨。それを使ってより強力なヨクバールを召喚。こういう展開熱いよね。昔フラッシュマンだったかな、忘れたけどラスボス倒したのにその破片(仮面だったかな)から復活したときの絶望感は衝撃的でしたね。絶対勝てないよ、こんなやつ。って思ったもん。
突然の事態に困惑するふたり。倒したはずの闇の魔法が何故? ラブーは高みの見物。ふたりの疑問に突撃で答えるヨクバール。衝撃で先ほど買ったブローチを手放してしまいます。折角の思い出作りが台無し。
「もう! いい加減にして!」
吐き捨てるように叫ぶみらい。ダイヤに変身。
ヨクバールになったとはいえドクロクシーの骨を使っているだけあって周囲から生気を吸い取って力に変えていきます。ただの雑魚と思われては困る。勝ち目はないと笑うヤモー。いや、でも前回本体倒してますがな。しかし思いのほか苦戦。苦戦しないと新キャラ出せないのでそこは大人の都合です。
落としたスマホンを見つめながらミラクルは大切なみんなとお別れなんてもう嫌、とつぶやきます。彼女達にとってあの出来事は大切な人との離散を意味しているようです。マジカルもはーちゃんはあなた達(闇の魔法)を止めるためにいなくなった、そのはーちゃんを見つけると決めた矢先に邪魔をするのかと憤ります。やはり彼女達はこの方向からで徹底しています。
そんなふたりを見たモフルンは、スマホンを使って空色のスープを一気に飲むとふたりを敵から庇うように前に出ます。口に泡付けたまま。その姿にふたりはかつてモフルンが言ったことを思い出します。ふたりが笑っているからはーちゃんも笑う。正解だというように、笑ってないとはーちゃんだってニコニコで帰ってこられないと話すモフルン。良い役してます。これはプリキュアの大前提の一つなんですが、プリキュアは復讐や憎しみで戦うのは御法度です。絶対禁止。それやろうとしたゆりさんはつぼみに怒られました。しかし上述したように彼女達がこの戦いを日常を乱す敵との戦いだと位置づけてしまうとその悪感情が出てしまいます。思想戦をやらないとどうしても直接的な感情が前に出てしまう。それをモフルンが抑制するのは上手い一手。
笑顔を取り戻すプリキュア。なんという茶番とヤモー。まあ、そういいなさんな。プリキュアが話している最中に攻撃しない時点であなたもその茶番に加わってるんだから。
持ち直したプリキュアが手を繋ぐとスマホンが光り出します。
③再生の使者
飛び立ったスマホンは少女の手に。彼女の呼びかけに答えるようにスマホンからさらに光が湧き出ると周囲の景色が一変して元に戻ります。エメラルドを構えた少女はそのまま変身。
「キュアップ・ラパパ! エメラルド!」
「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」
魔方陣から芽が生えると変身シークエンススタート。はーちゃんの成長過程が重なっていくカットかっこいい。今作の変身は成長と変身が重なっているからビジュアル的にメリハリがつきますね。ツタが伸びて衣装に。ちょっとセクシー。キュアフローラは花をモチーフにしていましたが、こちらはより植物的なモチーフで印象が大きく違います。前者は華々しさ・可憐さのイメージが強いですが、フェリーチェは初々しさと成熟が伴っていてギャップが面白い。あとやっぱり瞳に花が入っているとはーちゃんだ!っていう。
「あまねく生命に祝福を! キュアフェリーチェ!」
エメラルドのプリキュアならちょうどいい、エメラルドを奪えと指示するヤモー。
突撃してくるヨクバールに臨戦態勢を取るプリキュア。ちょっと真ん中を通りますよ、とフェリーチェさん。昨日から出番を待っていたので優先権はこちらに。ここから彼女のターン。ヨクバールの突進を片手で受止めます。見た目に反してパワーファイターでした。思いも寄らぬ力に本人も驚き。いや、鳴り物入りで出てきてやっぱりダメでしたなんてことになったらそれはそれで面白いんですが。ともあれ、新キャラ補正を十二分に受けたプリキュアに敗北という文字はない。あるのは販促の二文字。文字どおりの販促(反則)的な強さ受けてみなさい!
ヨクバールを宙に放り投げると今度は叩き落とします。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな状態のミラクルとマジカル。
向かってきたヨクバールに必殺技を披露。スマホンのスタイラスがマイクに。フラワーエコーワンド。一応杖です。カラオケモードありますが。税込み6,890円。
「キュアーアップ!」と唱えるとエコーが。このシーンだけ見るとなんのこっちゃ?って感じなんですが、こういう遊びができるようです。自分の声を録音してそれを再生して呪文にするみたいな。声の波動を受けた種から芽が生えると花が咲いてそこからエネルギー充填。こんな感じで自分の声が魔法になるようです。フェリーチェは変身から必殺技まで(本来の意味の)萌えるイメージで纏まっています。
「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」
転生。輪廻。再び肉体を与えること。もろ浄化系って感じですが、これは面白そうな役割が与えられてそうです。
ヨクバールは爆裂四散することなく元の依代に戻ります。
残る骨は4本。復讐心に燃えるヤモー。
様子を伺っていたラブーもフェリーチェの存在は無視できません。一旦退場。
改めて少女と対面するみらいとリコ。彼女の面影を見た瞬間に誰なのか気づきます。
「はーちゃんだよ♪」
EDも刷新。CGのモデリングはやっぱこの系統の方が好きかな。フレッシュもそうだけどスタイルが良いと映える。
④次回予告
はーちゃん修行編。
○トピック
見事OP登場枠をもぎ取った勝木嬢はただもんじゃない。あ、俺、かなができる子だって初登場時から思ってました。
公式の告知どおり新プリキュアとして再登場。OPEDも刷新して新章突入……と行きたいところですがおそらくインターバルとチュートリアルがしばらく続くかな。
一番の見所はOPのみらいの絶妙な太も…じゃなくて、前回はーちゃんがクシィを浄化したことがちゃんとフェリーチェにも継承されていること。転生の名は伊達じゃなかった。
クドイんですが大事なことなので繰り返すと、現状のプリキュアは中心的な役割を一切担っていません。事件の中心にはいても役には立っていないのです。ドクロクシーを倒すことはできてもクシィの魂を救い出すことはできない。一般人から期待や賞賛の声が上がってもそれに応えるわけでもない。この意味ではただの暴力装置でしかありません。破壊はできるが再生はできない。生き残ったヤモーは復讐を誓う。それもそのはず、彼女達の動機はあくまで子ども目線でしかないのですから。
自分達の日常を守りたい。人助けをしたい。この二つの動機と物語を本シリーズは長い時間をかけて綴ってきました。この二つはそれぞれに人の内面を映し出しています。自分達の日常に偏れば他者への目配りは薄れその逆もまた然り。このさじ加減が大きな分岐路であり物語に葛藤を生む。本作は前者に寄っていますが、しかしそれは前回見たように客観視されてもいます。プリキュアは誰も救わない。他人を笑顔にするどころか自分達すら笑顔になれない。そこで颯爽と現われるのがフェリーチェになります。ふたりで閉じるその輪に風穴を開けるのかどうか。2人の限界を3人で超えていくのか。後半の動きによっては、前半が日常系プリキュアとして包括される可能性すらあります。魔法つかいがシリーズの換骨奪胎を成し得るか、プリキュアシリーズがどのように発展、変遷していくかは非常に楽しみなところです。
①心に空いた隙間
季節はすっかり初夏。
気のない顔で外を見つめるみらいを余所に学年テスト発表。今回の学年トップはリコ嬢。1位記録が途絶えたゆうとは次は負けないとライバル視。みらいも喜びます。
しかしそんな話しはちょっとした話題逸らしにしか過ぎません。モフルンは呆けたように空を見つめます。「はーちゃんが居なくなった」ことを一番実感させてくれるのは実はこの子だったります。一番懐いてましたからね。
森の中に佇む一人の少女。出番待ちです。
新OP。これまでにない大幅な刷新。みらいとリコのコンビはもちろんのことプリキュアに昇格したはーちゃんの存在感をアピール。そしてちゃっかりOPに混ざっている勝木かなさん。サプラーイズ。ミラクルさんがイケメン過ぎて困る。俺、ミラクルさんになら抱かれてもいいです。
はーちゃん改めはーさんはサポートポジションかと思ったら殴りポジションでした。主題歌とのシンクロやべぇ。はーちゃんは人間態と妖精態があるようです。モフルンと並んでいるとほのぼのする。ところで、この猫はもしかして超重要キャラだったりするんですかね?
校長はすっかり元通り。前回からそれなりに時間が経っているようですが、学園の人にあの姿見せたんだろうか。お前誰だ、関係者以外立ち入り禁止だぞ、とか言われてそう。通話相手に薬膳茶のおかげと話す校長。ここでそのネタ拾うのかよ。
エメラルドははーちゃんとともに行方知れず。「迷える闇を安らぎの場所へ導くかのように」。言外にクシィのことを含んでいるのでしょうか。ともあれ、エメラルドは校長側で担当。電話の相手は別件を引続き調査。回りくどいのでさっさと言うと実はリコの親父殿。ナシマホウ界に来ていたようです。こういう登場の仕方は予想外だったなぁ。意外なキーキャラになったりするんでしょうか。
東屋でリコに凄いと話すモフルン。予習復習をやっていれば当然の結果と答えながら表情が曇るリコ。その様子を見たみらいはすかさずリズの名を出して空気を変えます。この辺の察しは流石。話題を変えたリコは暑いと話します。どうやら魔法界は四季が場所によって違うらしく学校があるところは春固定らしい。ひゃっこい島はずっと冬。と言ってしまって見事に地雷を踏んでしまいます。はーちゃん連想してアウト。
店の手伝いがあると再び話題を変えるみらい。
店でリコとともにお手伝い。ちなみに今週から夏服。鼻歌を歌って何か妙にテンションが高いみらい。わかりやすい。みらいが奥に引っ込んだところで母がリコに話しかけます。リコちゃんのおかげで成績が良くなった。しかしそれだけじゃない。親に相談できないこともある。そんなときにリコが相談相手になれる。かがんでリコと目線を合わせると改めてみらいと一緒に居てくれてありがとうとお礼を言います。実際にはこの後リコは帰郷する決断をするのですが、ふたりがふたりで居ることの大切さやその理解者がいることの念押しになっています。
整理し終わったと報告する娘に、母は相談に乗れることがあったらいつでも乗るとあけすけに言います。敢えて言うあたりがこの娘にしてこの母って感じでしょうか。相変わらずモフルンは寂しそう。
一方謎の少女はまだ森の中。道に迷ったんでしょうか。そろそろ寝る場所考えなければなりません。ちょっと出番早かったんじゃないでしょうか。勇み足。
夜。部屋でリコは机の上にあったノートやら定規やらスマホンを魔法で浮かせます。ぼーっと眺めながら突然腹を括ったとばかりに何かを決意するリコ。勢いよく立ち上がって部屋の扉を開けるとみらいとばったり。ちょうど訪ねようとしたところだったらしい。改めて何事かと訊ねると外に出ようと誘われます。
箒に乗って移動。魔法つかいはこういう場面転換がしやすいのが良いですね。部屋の中で密談するのと、外に出て話すのとでは印象が違う。夜空と街を眺めるリコの表情はどこか切なげ。
丘の上にある見晴台から湖を眺めます。誘ったわりに話し出さないみらいをリコが促します。静かな、落着いた声でまたはーちゃんを探そうと口を開くみらい。間を置いてからリコはあれからずっと探していたでしょ、と返します。声の調子から大分手を尽くしたことが伺えます。不安でいるよりは身体を動かしていた方がいいのか、何もしないではいられないと言うみらい。ここでようやく口を開いたモフルンははーちゃんに会いたいと涙を溢します。その気持ちはふたりも一緒。
頃合いかと思ったのかリコは魔法界に戻る意思があることを打ち明けます。言いながらバツが悪そうに顔を背けます。ナシマホウ界に来たのはエメラルドを見つけるため。そういえばそうでした。目的は達成というか再び振り出しに戻ってしまいましたが。魔法学校で勉強してもっと魔法を使えるようになればエメラルドもはーちゃんも見つかるかもしれない。そう話すリコ。基本的に考えることはふたり一緒。この場合はリコの方が現実的とも言えるでしょう。
不安そうに見つめるみらいに、魔法学校でも1番になれるくらい頑張るとうそぶくリコ。別れ話はこれで2度目ですが、またしめっぽくなるのは避けたいところ。モフルンの帰ってしまうのか?という問いかけに答える代りに明日3人で遊びに行こうとリコは誘います。要するに思い出作り。みらいは頷くと3人で月を見上げます。この会話でわかるのは彼女達の関係は不変ではなく、状況によっては大きく変わりうるということです。そして少しずつですが、流されることから自分で選び取る選択肢も芽生え始めています。9話に比べると静かな会話ですが、彼女の関係や内面が変わってきていることがわかります。
水晶さんが二つお告げがあると校長に報告。そういうときは良い知らせと悪い知らせ、どっちから知りたい?と訊ねるのがマナー。悪い方から報告。忌まわしき災いが甦る。それを裏打ちするように例の調査場所で割れたランプを発見。あー、これ作業員やっちゃいましたわー。世界を破壊と混沌へと導く災い。良い方の話はその災いと同時に強き命もまた舞い戻る。今さらだけど、はーちゃん、この姿だと瞳の中に花無いんだな。なんか印象違うなーと思ってたらそれか。
映画宣伝。さらっと言ってますがモフルンいないと変身できないので大問題。
②災い再び
アイキャッチも変更。SD可愛い。
肝心の災いはというと、久々に娑婆に出たこともあってかのんびりな雰囲気。ちなみに名前はラブー。見慣れない景色に関心を示していると、何かを聞きつけたのか瞬間移動。出た先は魔法界。例の大木を見てまだ健在か、だがヤツは留守かと独り言。たぶん校長のことではないと思いますが、だとしたら誰だ?相当古い人物だと思うけど。ふとヤモーのしっぽに目を止めます。え、そこに放置されてたの!?
指を鳴らして魔力を与えるとみるみるしっぽは再生し、ヤモーの姿に。ほう、なるほどこのために前回ヤモリでなかったのね。復活と同時にちょいイメチェン。没落貴族風に。
記憶を辿ったヤモーはプリキュアに敗れたことを思い出します。ドクロクシーの名を叫ぶと海の中にあった骨の破片が浮き上がります。うへぇ、しぶといなこいつも。しかし今となっては5本の骨が限度。変わり果てた主の姿に忍び泣くヤモー。復讐心を燃やすと移動魔法でどこかに。それを見ていたラブーは「行っちまった…」とちょっと困った感じに。こういう展開も珍しい。本格的にラブーが稼働する前のインターバル。ラブーはプリキュアを知らないようです。ほんとにいつの人だ?
ショッピングモールに来たふたりは早速お買い物。あれもこれもと目移りしたみらいは片っ端から手に取っていきます。
帰りにベンチで休憩。家のお土産用に買っておいたクッキーに手を付けてしまうモフルン。後の祭り。なら、3人で食べてしまおうとリコが後に続きます。みらいも手にとって3人でおやつタイム。これはこれで楽しいひととき。
仇敵を見つけたヤモーの手にはドクロクシーの骨。それを使ってより強力なヨクバールを召喚。こういう展開熱いよね。昔フラッシュマンだったかな、忘れたけどラスボス倒したのにその破片(仮面だったかな)から復活したときの絶望感は衝撃的でしたね。絶対勝てないよ、こんなやつ。って思ったもん。
突然の事態に困惑するふたり。倒したはずの闇の魔法が何故? ラブーは高みの見物。ふたりの疑問に突撃で答えるヨクバール。衝撃で先ほど買ったブローチを手放してしまいます。折角の思い出作りが台無し。
「もう! いい加減にして!」
吐き捨てるように叫ぶみらい。ダイヤに変身。
ヨクバールになったとはいえドクロクシーの骨を使っているだけあって周囲から生気を吸い取って力に変えていきます。ただの雑魚と思われては困る。勝ち目はないと笑うヤモー。いや、でも前回本体倒してますがな。しかし思いのほか苦戦。苦戦しないと新キャラ出せないのでそこは大人の都合です。
落としたスマホンを見つめながらミラクルは大切なみんなとお別れなんてもう嫌、とつぶやきます。彼女達にとってあの出来事は大切な人との離散を意味しているようです。マジカルもはーちゃんはあなた達(闇の魔法)を止めるためにいなくなった、そのはーちゃんを見つけると決めた矢先に邪魔をするのかと憤ります。やはり彼女達はこの方向からで徹底しています。
そんなふたりを見たモフルンは、スマホンを使って空色のスープを一気に飲むとふたりを敵から庇うように前に出ます。口に泡付けたまま。その姿にふたりはかつてモフルンが言ったことを思い出します。ふたりが笑っているからはーちゃんも笑う。正解だというように、笑ってないとはーちゃんだってニコニコで帰ってこられないと話すモフルン。良い役してます。これはプリキュアの大前提の一つなんですが、プリキュアは復讐や憎しみで戦うのは御法度です。絶対禁止。それやろうとしたゆりさんはつぼみに怒られました。しかし上述したように彼女達がこの戦いを日常を乱す敵との戦いだと位置づけてしまうとその悪感情が出てしまいます。思想戦をやらないとどうしても直接的な感情が前に出てしまう。それをモフルンが抑制するのは上手い一手。
笑顔を取り戻すプリキュア。なんという茶番とヤモー。まあ、そういいなさんな。プリキュアが話している最中に攻撃しない時点であなたもその茶番に加わってるんだから。
持ち直したプリキュアが手を繋ぐとスマホンが光り出します。
③再生の使者
飛び立ったスマホンは少女の手に。彼女の呼びかけに答えるようにスマホンからさらに光が湧き出ると周囲の景色が一変して元に戻ります。エメラルドを構えた少女はそのまま変身。
「キュアップ・ラパパ! エメラルド!」
「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」
魔方陣から芽が生えると変身シークエンススタート。はーちゃんの成長過程が重なっていくカットかっこいい。今作の変身は成長と変身が重なっているからビジュアル的にメリハリがつきますね。ツタが伸びて衣装に。ちょっとセクシー。キュアフローラは花をモチーフにしていましたが、こちらはより植物的なモチーフで印象が大きく違います。前者は華々しさ・可憐さのイメージが強いですが、フェリーチェは初々しさと成熟が伴っていてギャップが面白い。あとやっぱり瞳に花が入っているとはーちゃんだ!っていう。
「あまねく生命に祝福を! キュアフェリーチェ!」
エメラルドのプリキュアならちょうどいい、エメラルドを奪えと指示するヤモー。
突撃してくるヨクバールに臨戦態勢を取るプリキュア。ちょっと真ん中を通りますよ、とフェリーチェさん。昨日から出番を待っていたので優先権はこちらに。ここから彼女のターン。ヨクバールの突進を片手で受止めます。見た目に反してパワーファイターでした。思いも寄らぬ力に本人も驚き。いや、鳴り物入りで出てきてやっぱりダメでしたなんてことになったらそれはそれで面白いんですが。ともあれ、新キャラ補正を十二分に受けたプリキュアに敗北という文字はない。あるのは販促の二文字。文字どおりの販促(反則)的な強さ受けてみなさい!
ヨクバールを宙に放り投げると今度は叩き落とします。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな状態のミラクルとマジカル。
向かってきたヨクバールに必殺技を披露。スマホンのスタイラスがマイクに。フラワーエコーワンド。一応杖です。カラオケモードありますが。税込み6,890円。
「キュアーアップ!」と唱えるとエコーが。このシーンだけ見るとなんのこっちゃ?って感じなんですが、こういう遊びができるようです。自分の声を録音してそれを再生して呪文にするみたいな。声の波動を受けた種から芽が生えると花が咲いてそこからエネルギー充填。こんな感じで自分の声が魔法になるようです。フェリーチェは変身から必殺技まで(本来の意味の)萌えるイメージで纏まっています。
「プリキュア・エメラルド・リンカネーション!」
転生。輪廻。再び肉体を与えること。もろ浄化系って感じですが、これは面白そうな役割が与えられてそうです。
ヨクバールは爆裂四散することなく元の依代に戻ります。
残る骨は4本。復讐心に燃えるヤモー。
様子を伺っていたラブーもフェリーチェの存在は無視できません。一旦退場。
改めて少女と対面するみらいとリコ。彼女の面影を見た瞬間に誰なのか気づきます。
「はーちゃんだよ♪」
EDも刷新。CGのモデリングはやっぱこの系統の方が好きかな。フレッシュもそうだけどスタイルが良いと映える。
④次回予告
はーちゃん修行編。
○トピック
見事OP登場枠をもぎ取った勝木嬢はただもんじゃない。あ、俺、かなができる子だって初登場時から思ってました。
公式の告知どおり新プリキュアとして再登場。OPEDも刷新して新章突入……と行きたいところですがおそらくインターバルとチュートリアルがしばらく続くかな。
一番の見所はOPのみらいの絶妙な太も…じゃなくて、前回はーちゃんがクシィを浄化したことがちゃんとフェリーチェにも継承されていること。転生の名は伊達じゃなかった。
クドイんですが大事なことなので繰り返すと、現状のプリキュアは中心的な役割を一切担っていません。事件の中心にはいても役には立っていないのです。ドクロクシーを倒すことはできてもクシィの魂を救い出すことはできない。一般人から期待や賞賛の声が上がってもそれに応えるわけでもない。この意味ではただの暴力装置でしかありません。破壊はできるが再生はできない。生き残ったヤモーは復讐を誓う。それもそのはず、彼女達の動機はあくまで子ども目線でしかないのですから。
自分達の日常を守りたい。人助けをしたい。この二つの動機と物語を本シリーズは長い時間をかけて綴ってきました。この二つはそれぞれに人の内面を映し出しています。自分達の日常に偏れば他者への目配りは薄れその逆もまた然り。このさじ加減が大きな分岐路であり物語に葛藤を生む。本作は前者に寄っていますが、しかしそれは前回見たように客観視されてもいます。プリキュアは誰も救わない。他人を笑顔にするどころか自分達すら笑顔になれない。そこで颯爽と現われるのがフェリーチェになります。ふたりで閉じるその輪に風穴を開けるのかどうか。2人の限界を3人で超えていくのか。後半の動きによっては、前半が日常系プリキュアとして包括される可能性すらあります。魔法つかいがシリーズの換骨奪胎を成し得るか、プリキュアシリーズがどのように発展、変遷していくかは非常に楽しみなところです。