fc2ブログ

第35話「助っ人ソラ!エースとヒーロー」

[ 2023年10月01日 18:38 ] カテゴリ:ひろがるスカイ!プリキュア | TB(0) | CM(-)

優秀な人はたくさん働いてたくさん貰えばいい(『最後の防衛線 危機と日本銀行』)



 前日銀副総裁の金融危機奮闘記。

 なるほど。全然わからん。
 バブル崩壊とその対応はなんとなくわかるけど、リーマンショック以降は横文字と固有名詞、さらにテクニカルな記述が増えてくるからもうさっぱり。時系列も細かいから情報密度が半端ない。

 奮闘記としてはちょっと恨み節が入ってたのは面白かったですね。
 日本のバブル崩壊の特徴は、そのダメージが長期にわたって続いたことにあります。94年の信用組合の破綻を皮切りに97年には山一證券を含む大手が破綻。いわゆる暗黒の11月が起こる。トータルで大小180の金融機関が破綻しました。
 これは著者も述懐しているようにバブル崩壊の影響をみんな過小評価してたんですね。そのうち景気も回復するでしょ、と。不良債権の悪影響が表面化するまで数年かかったので(ギャンブル依存症の人が限界まで借金するのと同じように)、バレてから「え、こんなに!?」状態になった。

 法整備も資金も不十分なまま見切り発車したから後手に回ざるをえず、海外からはやることが小さい、失望させる才能だけは凄いなどと皮肉られる始末。でも著者が誇りをもって言うように日本発の世界金融恐慌は防いだ。その10年後、アメリカが盛大にお漏らしをしたことは世界中が知っている。そりゃ文句の一つも言いたくなる。
 結果論的に言えばバブル崩壊の不良債権処理に関して日銀が行った対応はベターだったようです。リーマンションショック、ギリシャのデフォルトが起こったときの世界各国中央銀行が行った処置も大体似たようなことをしている。そしてみんな最初は事態を過小評価した。水をぶっかけられて目を覚ます。アメリカに愚痴りつつも対応の速さは見事だったと称賛しているのはプロの意見だなと思わせますね。

 連日泊まり込みでホテル・ニチギン状態だったとか、でも現場の士気は非常に高かったし彼らの頑張りが未曾有の危機を防いだ、といった話は深い共感を覚えます。震災を思い出すよ。大変だったけど現場の士気は高かった。でも一部の少数の人は会社来なかったのは憶えてるけどね。ガッツがある人とない人、そこでわかる。
 そんな苦労話を挟みながら重厚な(レンガ並の厚さの)内容になっているので金融の専門書として、あるいは奮闘記として読めます。ぶっちゃけ後者として読めば半分くらい読み飛ばして差し支えない。


[ 2023年09月29日 20:46 ] カテゴリ:よもやま話し | TB(0) | CM(-)

第34話「もんもん!ましろと帰ってきたアイツ」

[ 2023年09月24日 15:30 ] カテゴリ:ひろがるスカイ!プリキュア | TB(0) | CM(-)

映画「プリキュアオールスターズF」

[ 2023年09月22日 08:52 ] カテゴリ:ひろがるスカイ!プリキュア | TB(0) | CM(-)

専門家と一般人の相違(『絶望を希望に変える経済学』)




 『貧乏人の経済学』もそうだけど何か読んでて眠くなるんだよなぁ、この著者の本。両方とも途中で投げ出した。

 読んだ中で興味深かったのは専門家と一般人の認識(知識)の違いと勘違いの差。
 経済学の理論でよくある勘違いは人間は合理的に行動する前提に立っていること。給料の安い地域と高い地域があったら後者に流れていくと思いがち。現実はそんな単純ではない。
 例えば東北地方に住んでいる私からすると、毎年台風被害に遭っている九州に住み続ける人がいるのが理解できない。毎年同じ場所が水没してるわけじゃないだろうけど、毎年そのリスク抱え込むの?と思ってしまう。
 あるいは過疎地。コミュニティや都市機能が消滅寸前と嘆く人。そんなの何十年も前から過疎化するってわかってたでしょ。何十年もかけてそれに対応しないとか、アホかと。

 でも現実はみんなそんな簡単に住み替えない。住み慣れた場所を離れたくない、新しい土地への不安などの感情面、仕事やお金などの経済面、惰性や横着、先延ばし、なんにも考えてない、能力がない、愚鈍、諸々理由はあるでしょう。それが悪いとかじゃなく、もともと人間はそれほど合理的ではないし、できない人も多いということ。こんな単純で当たり前のことを専門家は忘れがち。最近は行動経済学とか言って修正してるけど。

 また自由貿易=経済の活性化、比較優位によって貧困国でも豊かになれる、というのも専門家なら思い込みがちだけど現実はやっぱりそう単純ではない。
 例えばAmazonを使えば世界中から商品を買うことが可能だけど、名も知らない、品質もわからない格安商品を買うか? もし不良品だったら取り替えはきくのか? 今すぐ使いたいのに交換している時間はあるのか? 仲介業者だってよく知らない国のよく知らない地方のよく知らないメーカーの商品を卸すか? 結局信用や実績の無いメーカーは使わない。グローバルなら安さを武器に新規参入できそう……に思えて実は参入障壁が高い現実がある。
 安さ(高さ)に飛びつく人もいるけど、そうではない人も多く、人間の流動性は専門家が思うほど高くない。
 

 一般人が間違いやすいのは移民問題。
 基本的に移民を入れた方が経済が上向く。賃金も下がらない。理由は移民もお金を使うから経済のパイが増える(母国に収入の大半を送金される場合はその限りではない)。移民は言語能力も不十分だから移民先の底辺労働者と競合しない。底辺労働者ですらやりたがらない仕事を移民がすることになるから移民の安い労働力によって賃金が下がる、というコンセンサスもない。治安に対する不安は別にして経済面では一般に思われるほど不利にならない。
 一方、高度な技能を持った移民ならOKと思う人は多い。これが実は間違いで、高度な技能を持った移民は意欲も旺盛だから相場が安い賃金でも働くため移民先の高度技能者と競合する傾向がある。要するに底辺労働者は頭数で雇うけど、高度技能者はスキルで雇うから同じスキルなら安い方を取る。自国民の賃金と雇用保護を考えるなら高度技能を持った移民は実は厄介な相手。



[ 2023年09月20日 13:04 ] カテゴリ:よもやま話し | TB(0) | CM(-)