第16話「らんらんって変…!?肉じゃがとウソ」
○今週のメニュー
①中学デビュー失敗
一人ベンチでサンドイッチを食するらん。いつものとおり食レポ。
そこを通りがかる男子生徒。足を止めてらんの食レポに聞き入ります。キュアスタを投稿したところで「お前、何サンドイッチとしゃべってんだ?」「あはっ、華満って変なヤツ」と笑いながら去っていきます。らん終了のおしらせ。
……これはあれだ、次は高校デビューだな(現実逃避)
登校したゆいがいつものメンツに話しかけると「ゆいさん、ごきげんよう」。
機械音声のような返事をするらんに戸惑うゆい。先に話していたここねもこんな感じと困惑。それはそれとしてキュアスタの投稿を見たと言うと慌てて口止めされます。
実はキュアスタに投稿していることはヒミツ。まあ、ある意味中二病ノートみたいなところあるからなぁ。なんで?と素直に疑問に思うゆいとここねは心が綺麗。
らんらんってやっぱり変だよね?と訊ねるらん。「へにょ」とか一人称とかどんな萌キャラ路線だよと思わなくもない。今朝高木くんに変だと言われたことを話します。それなら高木くんだって…と彼の普段の言動を振り返るここね。どうやらホラ吹きらしい。全部ウソなの!?と驚くゆい。真に受けていたらしい。スリルある人生送ってるんだな~って。いや、君ほどじゃないよ。変身ヒーローよりスリルある人生ってそうそうないぞ。別な意味で頭を抱えるここね。
らんが自分を変だと感じるのは何もこれが初めてではなく、小学校の頃にも「らんちゃんってなんか変だよね」と言われだんだんと友達が離れてしまったようです。ゆいやここねと違って彼女だけ同級生の話し相手がいないのはガチだった模様。だからそういうこと(食レポ)はやめようと決めた。でもどうしても我慢できなくて、それでSNSに投稿していたらしい。割りとガチ目な設定。それで不登校にもならず店の手伝いしながら食の研究もやっているんだから誇張抜きに大したものだと思うよ。普通は腐したり、自己肯定感下がったりでややこしくなるから。その意味で本作の子たちは根っこの部分で自分に正直でポジティブだと言えます。そりゃ突然「踊りましょう」とか言っちゃう。バカにしているわけではなく良い意味でスレていない。
一通り話し終えたらんは「ごきげんよう」と言って去ってきます。キャラ変の仕方が雑。どっちに転んでも変なヤツにしかなってねーぞ。
華満はサンドイッチの言葉がわかると友達に吹聴する高木くん。元々ホラ吹きだと認識されているせいか真に受けた様子はありません。信用できないことで信用されているパターン。
通りがかったゆいがウソ言わないで、と注意。彼女のこういうところはニュートラルでありつつ公正ですね。正義感が強いわけではない。先に見たように人の話を真に受けるきらいがあって、その素直さからの表出だとわかります。ここ数年のプリキュアは正義感のような価値観に基づく裁定よりも、子どもの素直さ(染まりやすいことも含めて)を軸に展開している傾向があります。
マジにサンドイッチに話しかけていたから、と抗弁する高木くん。それは本当。流石のゆいも嘘は言えない。でも変なふうに言うのはやめて。らんちゃん気にしているよ。でもサンドイッチに話しかけるのは変じゃね?とあくまで常識的に話す高木くん。これはやぶ蛇だったかもしれない。後ろで聞いている同級生に「あ、あの話マジなんだ」って思われる。言葉に詰まったゆいはそれだけ大好きってことなんだよ、としか言い返せなくなります。
ソンビのように下校するらん。青山作画でコミカルになっているけど結構深刻。ゆいの鞄持ってあげてるここねが地味で好き。
ポーズを考え中のナルシストル―に暇ですか?とセクレトルーがツッコミ。
ゴーダッツがブラペの件について問うてきます。身を正したセクレトルーが彼もまたデリシャストーンを持っていると返答。ブンドル団とクッキングダムの関係が描かれていないのでどういう関わりがあるのかは不明。というかクッキングダム自体が謎すぎる。いずれにせよブラペもまた排除すべき敵。
とりあえず代替案がないのでいつものポーズ。
②「変」は才能
唐突に始まるラーメンパーティ。らんを元気づけようとの計らい。
らんを引っ張り出してラーメンの指導役に。しかし乗り気ではない様子。「何からしやしょう!」と図太い声でマリーが音頭を取ります。お前、ほんと便利だよな。マリーがキャラ的に強すぎて拓海がフェードアウトしてる件。
ここねが出汁を取り始めると、らんが待ったをかけます。らんは食うだけにあらず。レシピもバッチリ。いつもの賑やかさが戻り、堰を切ったように食レポが始まります。
食べ終わって、マリーが「変」って素敵なことじゃない?とまとめに入ります。
みんな好きなものが違うだけ。私は黒髪ロング前髪ぱっつんが大好きです。あたしもいつもご飯のこと考えちゃう、と頷くゆい。君はそれ以外も変すぎてご飯云々はむしろ埋もれている件。好きなものを好きっていうのはとても素敵なことだからどんどん言っていけばいい。これで失敗するのがオタク。本当に所構わず言うと話が通じない奴ってなる。好きなものを大事にすることと、好きなものを見せびらかすことは全く違う。
らんの情熱は才能だと評するマリー。割りと真面目にそうで、料理研究家か評論家でやっていけそうな勢いはある。これは大きな賭けでもあるけど一角の人間というのは大体変な人だ。リソースのかけ方が違う。身近な例で言えば動画サイトで人気の配信者はほぼ変人か社会不適合者だ。真っ当な人間なら普通に仕事してる。ビジネスツールの一つで利用している人もいるだろうけど、不登校で、とか仕事が長続きしなくて、みたいな人がゴロゴロいる。でもそういう変な奴らが普通はやらないことをやるから面白い(全部が面白いとは言ってない)。ユニークさを武器にできると非常に強い。
誰に何を言われようが自信を持っていいってこと、と念押しするマリー。それができるようになるには結構な修練が必要だけどね。身の丈を超えた自信は破滅のもとだし、承認欲求だってそれなりに満たしたい。だからこそ自分でそういう世界を作り上げていく地道な努力が必要になる。らんで言えばSNSに投稿して賛同者が増えれば自信になるでしょう。ゆいやここねといった身近な友達も頼りになる。そしてその自分の世界と外の世界のすり合わせも忘れてはいけない(後述)。
高木くんのことは全然気にしない!と元気を取り戻すらん。
そこに母が帰ってきます。高木くんにうちのお弁当を持っていって、とゆいにおつかいを頼みます。
高木くんの実家も自営業。お兄さんがいるが大学進学とともに別居することに。それを聞いたゆいはアメリカじゃないの?と聞き返します。これもウソ。しかしあながち全くのデタラメというわけではなくお兄さんの進路希望から話を盛ったらしい。急に一人になって寂しいのではないか?と察するここね。ホラを吹く人は自分に注目を集めたい動機があるので承認欲求が強いか孤独耐性が低い可能性は高い。どうやら雲行きが変わってきたというか、らんだけの話では終わらない様子。
帰り道、高木くんが食堂に入るところを見かけるらん。
店内はレシピッピやほかほかハートで溢れていますが、高木くんは冴えない顔。期待したほどの味ではないらしい。忘れかけた頃にナレーション。もうこれ脚本が持て余してるだろ。素直に言っていいんだぞ、余計な縛りだったかもしれねぇって。そのナレーション私がしてました、って神視点で登場したりするんだろうか。
ナルシストル―が強奪。集合して変身。
ウバウゾーは拘束性の強いビームを放つとプリキュアを地面に磔に。押し返そうにもプレシャスでも無理。
高木くんには肉じゃがに何か強い思い入れがある。そう見抜いたヤムヤムにとってこの戦いは譲れない。バリカッターを腕に巻きつけて地面に叩きつけます。本人の柔軟性が技の解釈を広げるの良いよね。地面が陥没してビームの射線から脱出。
バリカッターを直撃させて味方の拘束を解くとプレシャスに殴ってもらい単独で仕留めます。ブラペは正式登場から2話で省略されました。
③「変」を才能に
食堂に入ったらんは高木くんの肉じゃがを失敬。食レポを始めます。開き直った変人って止めようがないよね。
強気に攻めるらんはどうして食べたときにガッカリしたの?と訊ねます。関係ねぇよ。そっぽを向く彼に、
「肉じゃがを代表して聞きたい! ちゃんと教えて欲しい!」
こちとらサンドイッチと会話できるんだ、肉じゃがとだって会話できる。
気圧された高木くんはあんまり甘くなかったと正直に話します。お兄さんの肉じゃがはいつも甘い。それが食べたくて来たのに甘さが足りない。もう一口食べるらん。この度胸。原因はタマネギ。お兄さんは飴色になるまでじっくり炒めて入れていたのでは? その言葉に思い当たる節がある高木くん。お兄さん高性能だな。だから弟がこんな出涸らしなのか?
謎は解けた!と一人納得するらん。すげー迷惑な客(無銭飲食)だな。しかしこれで彼女が只者ではないことは伝わったはず。色んな意味で。
「それはらんらんがご飯のことが大好きだから!」
「やっぱお前って変」
でも認めるべき点はある。
翌日。高木くんの机に肉じゃがのお弁当を配達。
レシピはらんが考案。味も見事彼好み。感激のあまり訳の分からないことを口走りながらお弁当をかっこみます。なお高木くんのホラ話はお兄さんに好評だったのが高じてそうなったらしい。
これにて円満解決。
④次回予告
私は黒髪ロング前髪ぱっつんが大好きです(2回目)
○トピック
高木くん「もしかして華満、俺に気があるんじゃ……」
こうしてパシりが増えるのであった。
似たようなエピソードではトゥインクルのララ転入回がこれに近い。今回はこれにプラスして相手も実は……という捻りを加えています。つまり、私も変だが、お前も変。お互いにゲロ吐きながら傷口広げ合おうぜ論。プリキュアのこういう殴り合うスタンス好き。
先に上げた例で言えば、ララはその特徴と愛され属性最強スキルによって「ルンちゃん」とあだ名をもらいクラスに溶け込んでいくエピソードでした。これは対象年齢として小学校の新入生を想定していたと考えられます。それに対して本エピソードは中学年あたりから意識される問題。低学年のうちは面白い子、元気のある子で通っていても落ち着きがないとか、まだそんな話しているの?と煙たがられ始める時期。
つまりこの辺から常識と非常識、普通と変の差別化・意識化が進み、また同時にコミュニティ内での共有ルールが(暗黙で)明文化されていくのだと思われます。別な言い方をするとだんだんと「あ、僕、これできないんだ(点数が低い)」って自覚していく。前回触れたようにこの時期が低年齢化している&その圧力が強まっているのでは?という印象があります。
では何故多様性やらお互い認め合おうね、と散々言われているのに萎縮してしまうのか?
その圧力自体が日常生活全般にわたって行き届いていて、結局それがあらゆるコミュニティ、ローカルでの暗黙ルールに適用されているからだと思います。
海外は知りませんが元々日本ではコミュニティそのものが人間関係に強い影響を与えています。家、学校、会社が代表的ですがその中での序列や運用は非常に柔軟で秩序だっていて、生活する上でのウェイトが非常に大きい。会社以外で友達いなさそうな人ってよくいるでしょ? 今はSNSなどで色んなコミュニティを掛け持ちすることが可能な時代ですが、そういう人だって何らかの現実のコミュニティを足がかりにしている。コミュニティへの帰属感がないと孤独感や疎外感の原因にもなる。
要するにコミュニティ転出リスクが高いのです。コミュニティが強い分だけ恩恵や保証も手厚く、そこから外れるとチェンジがしずらい(転校や転職に置き換えてもいい。無論経済的な理由もある)。新規参入者の序列はいつだって低い。だから抜けられない、抜けたくない、現状維持という消極姿勢になり、さらにそれが内部の保守性、同一性へと転化される。例えば地域のコミュニティとか、なんとかサークルとか市民団体的なものがあるけど、さらっと入るには抵抗があったりする。心理的ハードルが高いと感じてしまうのも、それぞれのコミュニティで独自ルールや雰囲気、傾向があると経験的にわかっているからです。郷に入れば郷に従えっていうだろ(圧力) こんなんばっかじゃん。
話をプリキュアに戻して、じゃあ規格外の人間(変人)はどうすればいいのか。
そのまま特化する、というのが一つの手です。変人として周囲に認めさせる。性格は既得権益。リスクはあるが上手くハマれば確固たる(変人としての)地位を手に入れられる。ただし、重要な点があります。有能であること。無能はダメです。無能だとウザいだけ。部分的に特化している人は何かで使える可能性がありますが、無能は箸にも棒にもかからない。だからやるんだったら地道に努力して、その道の(少なくともそのコミュニティ内では)第一人者になることが望ましい。実際らんも卓越した料理センスによって原因を解明してレシピを考案しています。そんなことやられたら文句のつけようがない。
人に認められることだけを求めても誰もそんな期待に応えてくれない。なんでお前のためにわざわざそんなことしなきゃいけないの?ってなる。だから認めさせる働きかけ、努力は必要になる。その上でちゃんと味方をつくれって話ですね。自分の世界を作ることも大事だけど、同じくらい現実世界での折衝、折り合いの付け方も大事で、このバランスの取り方にその人の人柄、センスが出ます。
この点でプリキュアは容赦しません。黙って周りが気を利かせて何でもかんでもお膳立てしてくれるわけじゃない。自分が欲しいものは自分でチャレンジして手に入れる。その勇気、優しさが何よりも大切だから。「変」は才能のキッカケかもしれないけど、それを本当の才能に磨き上げるのは他でもない、自分なのだ。
大人になると一周回って気づくと思いますが、世の中の人は変人ばかりです。ついでに無能揃い。それでも世の中は回っている。それはとても意味のあることだと私は思います。
らんは変人です。それを変と言う高木くんもまたホラ吹きの変人。そんな人たちでオーケストラは奏でられている。たぶん音程外しまくって雑音みたいになっていると思うけど、世の中ってそんなもんじゃん。
①中学デビュー失敗
一人ベンチでサンドイッチを食するらん。いつものとおり食レポ。
そこを通りがかる男子生徒。足を止めてらんの食レポに聞き入ります。キュアスタを投稿したところで「お前、何サンドイッチとしゃべってんだ?」「あはっ、華満って変なヤツ」と笑いながら去っていきます。らん終了のおしらせ。
……これはあれだ、次は高校デビューだな(現実逃避)
登校したゆいがいつものメンツに話しかけると「ゆいさん、ごきげんよう」。
機械音声のような返事をするらんに戸惑うゆい。先に話していたここねもこんな感じと困惑。それはそれとしてキュアスタの投稿を見たと言うと慌てて口止めされます。
実はキュアスタに投稿していることはヒミツ。まあ、ある意味中二病ノートみたいなところあるからなぁ。なんで?と素直に疑問に思うゆいとここねは心が綺麗。
らんらんってやっぱり変だよね?と訊ねるらん。「へにょ」とか一人称とかどんな萌キャラ路線だよと思わなくもない。今朝高木くんに変だと言われたことを話します。それなら高木くんだって…と彼の普段の言動を振り返るここね。どうやらホラ吹きらしい。全部ウソなの!?と驚くゆい。真に受けていたらしい。スリルある人生送ってるんだな~って。いや、君ほどじゃないよ。変身ヒーローよりスリルある人生ってそうそうないぞ。別な意味で頭を抱えるここね。
らんが自分を変だと感じるのは何もこれが初めてではなく、小学校の頃にも「らんちゃんってなんか変だよね」と言われだんだんと友達が離れてしまったようです。ゆいやここねと違って彼女だけ同級生の話し相手がいないのはガチだった模様。だからそういうこと(食レポ)はやめようと決めた。でもどうしても我慢できなくて、それでSNSに投稿していたらしい。割りとガチ目な設定。それで不登校にもならず店の手伝いしながら食の研究もやっているんだから誇張抜きに大したものだと思うよ。普通は腐したり、自己肯定感下がったりでややこしくなるから。その意味で本作の子たちは根っこの部分で自分に正直でポジティブだと言えます。そりゃ突然「踊りましょう」とか言っちゃう。バカにしているわけではなく良い意味でスレていない。
一通り話し終えたらんは「ごきげんよう」と言って去ってきます。キャラ変の仕方が雑。どっちに転んでも変なヤツにしかなってねーぞ。
華満はサンドイッチの言葉がわかると友達に吹聴する高木くん。元々ホラ吹きだと認識されているせいか真に受けた様子はありません。信用できないことで信用されているパターン。
通りがかったゆいがウソ言わないで、と注意。彼女のこういうところはニュートラルでありつつ公正ですね。正義感が強いわけではない。先に見たように人の話を真に受けるきらいがあって、その素直さからの表出だとわかります。ここ数年のプリキュアは正義感のような価値観に基づく裁定よりも、子どもの素直さ(染まりやすいことも含めて)を軸に展開している傾向があります。
マジにサンドイッチに話しかけていたから、と抗弁する高木くん。それは本当。流石のゆいも嘘は言えない。でも変なふうに言うのはやめて。らんちゃん気にしているよ。でもサンドイッチに話しかけるのは変じゃね?とあくまで常識的に話す高木くん。これはやぶ蛇だったかもしれない。後ろで聞いている同級生に「あ、あの話マジなんだ」って思われる。言葉に詰まったゆいはそれだけ大好きってことなんだよ、としか言い返せなくなります。
ソンビのように下校するらん。青山作画でコミカルになっているけど結構深刻。ゆいの鞄持ってあげてるここねが地味で好き。
ポーズを考え中のナルシストル―に暇ですか?とセクレトルーがツッコミ。
ゴーダッツがブラペの件について問うてきます。身を正したセクレトルーが彼もまたデリシャストーンを持っていると返答。ブンドル団とクッキングダムの関係が描かれていないのでどういう関わりがあるのかは不明。というかクッキングダム自体が謎すぎる。いずれにせよブラペもまた排除すべき敵。
とりあえず代替案がないのでいつものポーズ。
②「変」は才能
唐突に始まるラーメンパーティ。らんを元気づけようとの計らい。
らんを引っ張り出してラーメンの指導役に。しかし乗り気ではない様子。「何からしやしょう!」と図太い声でマリーが音頭を取ります。お前、ほんと便利だよな。マリーがキャラ的に強すぎて拓海がフェードアウトしてる件。
ここねが出汁を取り始めると、らんが待ったをかけます。らんは食うだけにあらず。レシピもバッチリ。いつもの賑やかさが戻り、堰を切ったように食レポが始まります。
食べ終わって、マリーが「変」って素敵なことじゃない?とまとめに入ります。
みんな好きなものが違うだけ。私は黒髪ロング前髪ぱっつんが大好きです。あたしもいつもご飯のこと考えちゃう、と頷くゆい。君はそれ以外も変すぎてご飯云々はむしろ埋もれている件。好きなものを好きっていうのはとても素敵なことだからどんどん言っていけばいい。これで失敗するのがオタク。本当に所構わず言うと話が通じない奴ってなる。好きなものを大事にすることと、好きなものを見せびらかすことは全く違う。
らんの情熱は才能だと評するマリー。割りと真面目にそうで、料理研究家か評論家でやっていけそうな勢いはある。これは大きな賭けでもあるけど一角の人間というのは大体変な人だ。リソースのかけ方が違う。身近な例で言えば動画サイトで人気の配信者はほぼ変人か社会不適合者だ。真っ当な人間なら普通に仕事してる。ビジネスツールの一つで利用している人もいるだろうけど、不登校で、とか仕事が長続きしなくて、みたいな人がゴロゴロいる。でもそういう変な奴らが普通はやらないことをやるから面白い(全部が面白いとは言ってない)。ユニークさを武器にできると非常に強い。
誰に何を言われようが自信を持っていいってこと、と念押しするマリー。それができるようになるには結構な修練が必要だけどね。身の丈を超えた自信は破滅のもとだし、承認欲求だってそれなりに満たしたい。だからこそ自分でそういう世界を作り上げていく地道な努力が必要になる。らんで言えばSNSに投稿して賛同者が増えれば自信になるでしょう。ゆいやここねといった身近な友達も頼りになる。そしてその自分の世界と外の世界のすり合わせも忘れてはいけない(後述)。
高木くんのことは全然気にしない!と元気を取り戻すらん。
そこに母が帰ってきます。高木くんにうちのお弁当を持っていって、とゆいにおつかいを頼みます。
高木くんの実家も自営業。お兄さんがいるが大学進学とともに別居することに。それを聞いたゆいはアメリカじゃないの?と聞き返します。これもウソ。しかしあながち全くのデタラメというわけではなくお兄さんの進路希望から話を盛ったらしい。急に一人になって寂しいのではないか?と察するここね。ホラを吹く人は自分に注目を集めたい動機があるので承認欲求が強いか孤独耐性が低い可能性は高い。どうやら雲行きが変わってきたというか、らんだけの話では終わらない様子。
帰り道、高木くんが食堂に入るところを見かけるらん。
店内はレシピッピやほかほかハートで溢れていますが、高木くんは冴えない顔。期待したほどの味ではないらしい。忘れかけた頃にナレーション。もうこれ脚本が持て余してるだろ。素直に言っていいんだぞ、余計な縛りだったかもしれねぇって。そのナレーション私がしてました、って神視点で登場したりするんだろうか。
ナルシストル―が強奪。集合して変身。
ウバウゾーは拘束性の強いビームを放つとプリキュアを地面に磔に。押し返そうにもプレシャスでも無理。
高木くんには肉じゃがに何か強い思い入れがある。そう見抜いたヤムヤムにとってこの戦いは譲れない。バリカッターを腕に巻きつけて地面に叩きつけます。本人の柔軟性が技の解釈を広げるの良いよね。地面が陥没してビームの射線から脱出。
バリカッターを直撃させて味方の拘束を解くとプレシャスに殴ってもらい単独で仕留めます。ブラペは正式登場から2話で省略されました。
③「変」を才能に
食堂に入ったらんは高木くんの肉じゃがを失敬。食レポを始めます。開き直った変人って止めようがないよね。
強気に攻めるらんはどうして食べたときにガッカリしたの?と訊ねます。関係ねぇよ。そっぽを向く彼に、
「肉じゃがを代表して聞きたい! ちゃんと教えて欲しい!」
こちとらサンドイッチと会話できるんだ、肉じゃがとだって会話できる。
気圧された高木くんはあんまり甘くなかったと正直に話します。お兄さんの肉じゃがはいつも甘い。それが食べたくて来たのに甘さが足りない。もう一口食べるらん。この度胸。原因はタマネギ。お兄さんは飴色になるまでじっくり炒めて入れていたのでは? その言葉に思い当たる節がある高木くん。お兄さん高性能だな。だから弟がこんな出涸らしなのか?
謎は解けた!と一人納得するらん。すげー迷惑な客(無銭飲食)だな。しかしこれで彼女が只者ではないことは伝わったはず。色んな意味で。
「それはらんらんがご飯のことが大好きだから!」
「やっぱお前って変」
でも認めるべき点はある。
翌日。高木くんの机に肉じゃがのお弁当を配達。
レシピはらんが考案。味も見事彼好み。感激のあまり訳の分からないことを口走りながらお弁当をかっこみます。なお高木くんのホラ話はお兄さんに好評だったのが高じてそうなったらしい。
これにて円満解決。
④次回予告
私は黒髪ロング前髪ぱっつんが大好きです(2回目)
○トピック
高木くん「もしかして華満、俺に気があるんじゃ……」
こうしてパシりが増えるのであった。
似たようなエピソードではトゥインクルのララ転入回がこれに近い。今回はこれにプラスして相手も実は……という捻りを加えています。つまり、私も変だが、お前も変。お互いにゲロ吐きながら傷口広げ合おうぜ論。プリキュアのこういう殴り合うスタンス好き。
先に上げた例で言えば、ララはその特徴と愛され属性最強スキルによって「ルンちゃん」とあだ名をもらいクラスに溶け込んでいくエピソードでした。これは対象年齢として小学校の新入生を想定していたと考えられます。それに対して本エピソードは中学年あたりから意識される問題。低学年のうちは面白い子、元気のある子で通っていても落ち着きがないとか、まだそんな話しているの?と煙たがられ始める時期。
つまりこの辺から常識と非常識、普通と変の差別化・意識化が進み、また同時にコミュニティ内での共有ルールが(暗黙で)明文化されていくのだと思われます。別な言い方をするとだんだんと「あ、僕、これできないんだ(点数が低い)」って自覚していく。前回触れたようにこの時期が低年齢化している&その圧力が強まっているのでは?という印象があります。
では何故多様性やらお互い認め合おうね、と散々言われているのに萎縮してしまうのか?
その圧力自体が日常生活全般にわたって行き届いていて、結局それがあらゆるコミュニティ、ローカルでの暗黙ルールに適用されているからだと思います。
海外は知りませんが元々日本ではコミュニティそのものが人間関係に強い影響を与えています。家、学校、会社が代表的ですがその中での序列や運用は非常に柔軟で秩序だっていて、生活する上でのウェイトが非常に大きい。会社以外で友達いなさそうな人ってよくいるでしょ? 今はSNSなどで色んなコミュニティを掛け持ちすることが可能な時代ですが、そういう人だって何らかの現実のコミュニティを足がかりにしている。コミュニティへの帰属感がないと孤独感や疎外感の原因にもなる。
要するにコミュニティ転出リスクが高いのです。コミュニティが強い分だけ恩恵や保証も手厚く、そこから外れるとチェンジがしずらい(転校や転職に置き換えてもいい。無論経済的な理由もある)。新規参入者の序列はいつだって低い。だから抜けられない、抜けたくない、現状維持という消極姿勢になり、さらにそれが内部の保守性、同一性へと転化される。例えば地域のコミュニティとか、なんとかサークルとか市民団体的なものがあるけど、さらっと入るには抵抗があったりする。心理的ハードルが高いと感じてしまうのも、それぞれのコミュニティで独自ルールや雰囲気、傾向があると経験的にわかっているからです。郷に入れば郷に従えっていうだろ(圧力) こんなんばっかじゃん。
話をプリキュアに戻して、じゃあ規格外の人間(変人)はどうすればいいのか。
そのまま特化する、というのが一つの手です。変人として周囲に認めさせる。性格は既得権益。リスクはあるが上手くハマれば確固たる(変人としての)地位を手に入れられる。ただし、重要な点があります。有能であること。無能はダメです。無能だとウザいだけ。部分的に特化している人は何かで使える可能性がありますが、無能は箸にも棒にもかからない。だからやるんだったら地道に努力して、その道の(少なくともそのコミュニティ内では)第一人者になることが望ましい。実際らんも卓越した料理センスによって原因を解明してレシピを考案しています。そんなことやられたら文句のつけようがない。
人に認められることだけを求めても誰もそんな期待に応えてくれない。なんでお前のためにわざわざそんなことしなきゃいけないの?ってなる。だから認めさせる働きかけ、努力は必要になる。その上でちゃんと味方をつくれって話ですね。自分の世界を作ることも大事だけど、同じくらい現実世界での折衝、折り合いの付け方も大事で、このバランスの取り方にその人の人柄、センスが出ます。
この点でプリキュアは容赦しません。黙って周りが気を利かせて何でもかんでもお膳立てしてくれるわけじゃない。自分が欲しいものは自分でチャレンジして手に入れる。その勇気、優しさが何よりも大切だから。「変」は才能のキッカケかもしれないけど、それを本当の才能に磨き上げるのは他でもない、自分なのだ。
大人になると一周回って気づくと思いますが、世の中の人は変人ばかりです。ついでに無能揃い。それでも世の中は回っている。それはとても意味のあることだと私は思います。
らんは変人です。それを変と言う高木くんもまたホラ吹きの変人。そんな人たちでオーケストラは奏でられている。たぶん音程外しまくって雑音みたいになっていると思うけど、世の中ってそんなもんじゃん。
第15話「ドキドキ!ここね、初めてのピクニック!」
○今週のメニュー
①なぜ陰キャは失敗してしまうのか
食堂が点検で使えなくなるので明日はピクニックをしようと提案する先生。一緒にランチを食べてクラス全体が仲良くなれるといいですね。そういうのは大抵すでに仲いい人同士が組んで、そうでない人はソーシャルディスタンス取りながら黙食するだけやぞ。
休憩時間になるといつぞやの3人組がここねにアプローチ。さらにはクラスのみんなからも声がかかります。どうやら心理的ハードルが下がったのか声をかけるチャンスを伺っていたようです。渡りに船。
「私、明日は絶対楽しいランチにしたい!」
そういうところだぞ、陰キャ。
あと最近ナレーションの仕事が減ってる件。いちいち説明するとシーンが間延びするからやりにくいよね。
運転手さん(轟さん)にお礼。
黒い車がすれ違っていくのを見ながら拓海がなごみ亭の裏手に行くと声が聞こえてきます。「かっこいい」「突然目の前に表れて」。もしかして自分のことを噂しているのでは?と期待しながら聞き耳を立てる拓海。やめとけ、自意識過剰君って視聴者から呼ばれるぞ。
案の定撃沈。回覧板をゆいに渡すと逃げるように去っていきます。ちょー恥ずかしいやつ。
今回のレシピはポテサラ。どうでもいいけどポテトサラダに醤油かけて食べるの好き。
通知音。最近らんは「ソロもぐちゃん」をフォローしているらしい。色んなところで一人で食べ歩きしているアカウント。特徴なのは飾り付けをしていること。ぬいぐるみや小物を添えた写真が多い。
それよりみんなと食べるお弁当の方が大事!と作業の手が止まったふたりを注意するここね。失敗フラグありがとうございます。思考が固いのはアウト。ちなみに彼女たちが着ているエプロンは商品化されています。胸のリボンが選択式。簡易的な変身コスチュームとして使えそう。
マリーを交えて実食。
クッキングダムでピクニックしたときのことを思い返すマリー。相変わらずの年齢不詳。とりあえず20年前にもなにかの形で関わっている可能性あり。
彼の言葉を聞いて楽しいピクニックを想像するここね。この子、こういうところが単純っていうか夢見がちだよね。明日への期待がますます高まる。けど、君、陰キャぼっちコミュ障ってこと忘れてるよね?
ポテサラにコショウを振りながら、こないだのブラックペッパーは何者なんだろう?と話題に。
「あ~、ブラペね」
「ブラペ!?」。フランクー。30年前ならブラックペッパー様って呼ばれてたかもしれないけど、時代は変わりました。
当日。サンドイッチを作って準備万端。
ちゃっかり車に忍び込むパムパム。ここねウォッチャーとしては彼女の痴態もといドキドキワクワクイベントを見逃す手はない。
両親がお弁当作りのことを感心していたと話す轟さん。そのうち本編に登場しそうな気配。それを聞いて少し表情がほころぶここね。パムパムは居眠り。
このブンドルブンドル~のポーズダサくない?と言い出すナルシストルー。15話目にしてようやく気づいた。でもここまでくるともう様式美的なやつなんで。続けてどうぞ。
いまさら変えられません。と反論しつつやっぱダサい?と自問するセクレトルー。スパイシーの例のポーズくらいはダサいっすね(とばっちり)。
ここねを送迎したあと、車の点検を頼んだ轟さんはスキップしながらランチ~♪ランチ~♪とでかけていきます。やべ、この人楽しい人だ。こういう大人いいよな、自分のスタイルに忠実で。とりあえずパムパムはついていくことに。
ピクニックというからどっか公園でも行くのかと思ったら校内。
らんのランチは縦長の円筒弁当にぎっしり詰め込んだチャーハン。いつものように解説を始めます。「ホップ・ステップ・ジャンピング~!」「ここいい?」女子生徒がやってきた途端普通に戻るとそのままチャーハンを食べ始めます。チャーハンの続き話さないの? 「いっ、いいの、いいの。えへへ……」。あっ…(察し
ゆいのお弁当はコメコメおにぎり。先ほどからここねの姿が見当たりませんが、それもそのはず。
大行列が出来てました。アイドルの握手会かよ。すごいね。って感心してる場合じゃないぞ。陰キャにあれをいなせとか地獄かよ。
案の定ガチガチに緊張しながら話すここね。なんとか楽しませようと必死になってて安心する。最近こなれてきた感があったけど、陰キャだってことをわからせないとね。食べることも忘れて話し続けます。
好きなテレビを聞かれて答えに詰まります。あんまり見てなさそう。この前見てた子ども向け番組言えばいいんじゃない? 表情筋が固いのか怒ったような顔に。アイドル大変だな。
②孤独のグルメ
一方、轟さんはピザレストランで一人優雅にランチ。懐から小物を取り出して食卓を飾ります。ああ、例のアレはこの人ね。「う~ん、ボーノです!」。イタリア語の「美味しい」
人が代わるたびに話題に四苦八苦するここね。
みんなと食べているのにどうして楽しくできないの?と自問。それ、みんなと食べてるって言わねーから。アイドルの握手会だから。相変わらずズレているというか、正直すぎるせいでこうなっているというか。「上手く」やろうとしすぎて空回りする。ゆいやらんともそう。先に成功イメージを想像しても自分の実像と乖離しすぎてて上手くいかない。それが「できない」負のイメージとして重しになる。そんなに気負うことないぞ、だって君、陰キャだから。陰キャが一発で「は~い、次の人~」「あなた臭いからお風呂入ってきてね~」ってアイドル握手会できたらこっちがびっくりするわ。私はキョドってるここねちゃんと握手したい。
ここで起死回生の名案を思いつきます。
「あの、そろそろみんなで踊りませんか?」
一同困惑。
「(あれ……? やっちゃった?)」
その調子で私なんかやっちゃいました?シリーズ化してほしい。
昼食タイムが終わってため息。
お弁当美味しかった?と訊ねるゆい。その言葉にハッとするここね。楽しもうとすることばかりに気を取られて食べた気がしない。食べる門には福来たる。まずは美味しく食べないと。笑う門では? ごはんは笑顔だから同じ。この理論強ぇ。
ランチは如何でしたか?と轟さんに訊ねられたここねはすごく疲れたと話します。
ほとんど口を付けていないので空腹。すると轟さんは心当たりがあるのか寄り道すると断ります。
海が見えるベンチに座ったここねにホットドッグのセットを差し出す轟さん。
移動販売車の割に見た目も重視。らんがフォローしていたソロもぐちゃんの記事を見せると「それ書いてるのわたくしです」と朗らかに答えます。めっちゃビックリするここね。そりゃーそうだろうね。言っちゃなんだけど、ここねから見たら轟さんはただの運転手。スキップしながら昼飯食べに行く姿なんて想像すらできないでしょう。何なら私生活があるなんて思ったことすらないかもしれない。ここの「ぁ~~」はセンス・オブ・ワンダーの証。こういう気づきって大事。
ここねの隣に座るとキッカケを話し始めます。何年も前、忙しくて食べることを疎かにしていた頃があった。その時にたまたま食べたのがこのホットドッグ。
「そのとき一人で食べたホットドッグの美味しいことと言ったら。おかげでわたくしは食べることの楽しさに気づいたんです」
折角みんなで食べたのにランチを楽しむことが出来なかったと振り返るここね。
大切なのは自分自身が食べることを楽しめているかどうか。
「もし楽しみ方がわからなくなったときはじっくり一人で食べるときっとお料理が教えてくれますよ」
先に食事ありき。これは本作の特徴であると同時に自分と向き合うための作法(マナー)なのでしょう。一人でゆっくり楽しむ食事もまた人を豊かにする。自分で料理を作らなくても飾り付けをする創意工夫もある。そうした気持ちの余裕が揺るぎない自分のスタイルを作り上げる。孤独は自分との対話。前回のエピソードでもあったように食べ物に何をかけるかだって自分スタイル。やり方次第でそこから話を広げることだってできる。その食べ方に自分が納得することから始めよう。そして相手の食べ方に敬意を払おう。それが本作の作法。
散歩してくると言い残して轟さんは席を立ちます。
一人でじっくりとホットドッグを味わうここね。「うん、美味しい」。レシピッピが出現。そこにパムパムが合流。思い出したように轟さんは凄い!と言うと、ここねは静かに「そうね」と頷きます。この間好き。
レーダーに感知。ウバウゾー召喚。
今更だけどフィールドに隔離する必要からマリーが必須になるので流れ的に単独変身がちょっとしずらい。全員合流して変身。
巨体を使ってプレスしてくるウバウゾー。しかし動きは遅いのでこちらが先手を取れば……迎撃ビーム。射撃戦であまり役に立たないバリカッター君。さらには頭頂部の蓋を開けてバキューム。岩を吸い込んでドリップ。吸い込まれたらひとたまりもない。
ここはスパイシーの踏ん張りどころ。轟さんの思い出を取り戻す。
ブラペ参戦。腕を構えると射撃体勢。お、強そう。しかしスパイシーは風を逆に利用するとカウンターを決めます。あとは両サイドからパンチとバリカッターで抑え込めば単独技でも十分。今回はブラペの出番なし。この略称言いやすくていいな。
みんなでホットドッグをパクリ。
大好きなサンドイッチを楽しめないなんて、みんなとのランチにちょっと張り切りすぎていたと反省するここね。一人でもみんなとでも自分が楽しまないと。
ソロもぐちゃんの新しい投稿を見るとパムパムを発見。ソロもぐちゃんと会ったの?とらんが訊ねるとそこに轟さんが居合わせます。イメージに合わないのかなかなか理解してくれないらん。
そんな彼女をよそに、ここねはいつもと同じ姿の、でもいつもと違って見える轟さんに手を振ります。
③次回予告
華満さんってちょっと変わってるよね~(火の玉ストレート)
○トピック
視聴者の期待に応えてくれるここねちゃんはみんなのアイドル(おもちゃ)
「みんなと」にこだわるここねと、一人で食べる豊かさを語る轟さんを対比させる教育的指導回。
最近の給食は黙食になっているので陰キャに追い風な状況かもしれませんが、食にまつわる人間関係のアプローチは自然かつ上手い試みだと思います。ちょっと前に便所飯なんてワードがありましたがどうやらランチメイト症候群と名付けられる程度には市民権があるようです。対人恐怖症が多い日本人らしい問題ですね。顔色伺いが低年齢化している説もあるのでそれが子ども向け番組にまで押し寄せてきているのはある種必然と言えます。
ここねのような陰キャはまだわかりやすい部類でしょう。なんならこの子はぼっち道を極めてもさほど支障はない。むしろ一見すると陽キャに見えて友達との絡みを見かけないらんの方がヤバい匂いがする。語られていない部分に陰が潜んでいるパターン。流石、開示のタイミングがわかってる。
みんなと仲良くできるか、自分がどう思われているか(見られているか)が現代では非常に神経質な問題になっています。以前9話でも触れた「相手の意見は尊重しなければならない」圧が「相手の気分を害してはならない」というように様々な形で日常シーンに入り込んでいる。そのコストを払うだけでもクタクタになってしまうほどに。これの何が面倒くさいって相手が不特定多数なところ。親子、兄弟、特定の友達ならやりようはある。ところがこれは常にどんな相手とも絡んでくるので逃げようがない。私ならバカバカしくなってや~めたって言っちゃうんですが、みんながみんなそうできるわけじゃない。それをやるのにだってスタイルを確立している必要がある。
というわけでノーテンキに見えるらんにも悩みがある。次回はそんなお話。
①なぜ陰キャは失敗してしまうのか
食堂が点検で使えなくなるので明日はピクニックをしようと提案する先生。一緒にランチを食べてクラス全体が仲良くなれるといいですね。そういうのは大抵すでに仲いい人同士が組んで、そうでない人はソーシャルディスタンス取りながら黙食するだけやぞ。
休憩時間になるといつぞやの3人組がここねにアプローチ。さらにはクラスのみんなからも声がかかります。どうやら心理的ハードルが下がったのか声をかけるチャンスを伺っていたようです。渡りに船。
「私、明日は絶対楽しいランチにしたい!」
そういうところだぞ、陰キャ。
あと最近ナレーションの仕事が減ってる件。いちいち説明するとシーンが間延びするからやりにくいよね。
運転手さん(轟さん)にお礼。
黒い車がすれ違っていくのを見ながら拓海がなごみ亭の裏手に行くと声が聞こえてきます。「かっこいい」「突然目の前に表れて」。もしかして自分のことを噂しているのでは?と期待しながら聞き耳を立てる拓海。やめとけ、自意識過剰君って視聴者から呼ばれるぞ。
案の定撃沈。回覧板をゆいに渡すと逃げるように去っていきます。ちょー恥ずかしいやつ。
今回のレシピはポテサラ。どうでもいいけどポテトサラダに醤油かけて食べるの好き。
通知音。最近らんは「ソロもぐちゃん」をフォローしているらしい。色んなところで一人で食べ歩きしているアカウント。特徴なのは飾り付けをしていること。ぬいぐるみや小物を添えた写真が多い。
それよりみんなと食べるお弁当の方が大事!と作業の手が止まったふたりを注意するここね。失敗フラグありがとうございます。思考が固いのはアウト。ちなみに彼女たちが着ているエプロンは商品化されています。胸のリボンが選択式。簡易的な変身コスチュームとして使えそう。
マリーを交えて実食。
クッキングダムでピクニックしたときのことを思い返すマリー。相変わらずの年齢不詳。とりあえず20年前にもなにかの形で関わっている可能性あり。
彼の言葉を聞いて楽しいピクニックを想像するここね。この子、こういうところが単純っていうか夢見がちだよね。明日への期待がますます高まる。けど、君、陰キャぼっちコミュ障ってこと忘れてるよね?
ポテサラにコショウを振りながら、こないだのブラックペッパーは何者なんだろう?と話題に。
「あ~、ブラペね」
「ブラペ!?」。フランクー。30年前ならブラックペッパー様って呼ばれてたかもしれないけど、時代は変わりました。
当日。サンドイッチを作って準備万端。
ちゃっかり車に忍び込むパムパム。ここねウォッチャーとしては彼女の痴態もといドキドキワクワクイベントを見逃す手はない。
両親がお弁当作りのことを感心していたと話す轟さん。そのうち本編に登場しそうな気配。それを聞いて少し表情がほころぶここね。パムパムは居眠り。
このブンドルブンドル~のポーズダサくない?と言い出すナルシストルー。15話目にしてようやく気づいた。でもここまでくるともう様式美的なやつなんで。続けてどうぞ。
いまさら変えられません。と反論しつつやっぱダサい?と自問するセクレトルー。スパイシーの例のポーズくらいはダサいっすね(とばっちり)。
ここねを送迎したあと、車の点検を頼んだ轟さんはスキップしながらランチ~♪ランチ~♪とでかけていきます。やべ、この人楽しい人だ。こういう大人いいよな、自分のスタイルに忠実で。とりあえずパムパムはついていくことに。
ピクニックというからどっか公園でも行くのかと思ったら校内。
らんのランチは縦長の円筒弁当にぎっしり詰め込んだチャーハン。いつものように解説を始めます。「ホップ・ステップ・ジャンピング~!」「ここいい?」女子生徒がやってきた途端普通に戻るとそのままチャーハンを食べ始めます。チャーハンの続き話さないの? 「いっ、いいの、いいの。えへへ……」。あっ…(察し
ゆいのお弁当はコメコメおにぎり。先ほどからここねの姿が見当たりませんが、それもそのはず。
大行列が出来てました。アイドルの握手会かよ。すごいね。って感心してる場合じゃないぞ。陰キャにあれをいなせとか地獄かよ。
案の定ガチガチに緊張しながら話すここね。なんとか楽しませようと必死になってて安心する。最近こなれてきた感があったけど、陰キャだってことをわからせないとね。食べることも忘れて話し続けます。
好きなテレビを聞かれて答えに詰まります。あんまり見てなさそう。この前見てた子ども向け番組言えばいいんじゃない? 表情筋が固いのか怒ったような顔に。アイドル大変だな。
②孤独のグルメ
一方、轟さんはピザレストランで一人優雅にランチ。懐から小物を取り出して食卓を飾ります。ああ、例のアレはこの人ね。「う~ん、ボーノです!」。イタリア語の「美味しい」
人が代わるたびに話題に四苦八苦するここね。
みんなと食べているのにどうして楽しくできないの?と自問。それ、みんなと食べてるって言わねーから。アイドルの握手会だから。相変わらずズレているというか、正直すぎるせいでこうなっているというか。「上手く」やろうとしすぎて空回りする。ゆいやらんともそう。先に成功イメージを想像しても自分の実像と乖離しすぎてて上手くいかない。それが「できない」負のイメージとして重しになる。そんなに気負うことないぞ、だって君、陰キャだから。陰キャが一発で「は~い、次の人~」「あなた臭いからお風呂入ってきてね~」ってアイドル握手会できたらこっちがびっくりするわ。私はキョドってるここねちゃんと握手したい。
ここで起死回生の名案を思いつきます。
「あの、そろそろみんなで踊りませんか?」
一同困惑。
「(あれ……? やっちゃった?)」
その調子で私なんかやっちゃいました?シリーズ化してほしい。
昼食タイムが終わってため息。
お弁当美味しかった?と訊ねるゆい。その言葉にハッとするここね。楽しもうとすることばかりに気を取られて食べた気がしない。食べる門には福来たる。まずは美味しく食べないと。笑う門では? ごはんは笑顔だから同じ。この理論強ぇ。
ランチは如何でしたか?と轟さんに訊ねられたここねはすごく疲れたと話します。
ほとんど口を付けていないので空腹。すると轟さんは心当たりがあるのか寄り道すると断ります。
海が見えるベンチに座ったここねにホットドッグのセットを差し出す轟さん。
移動販売車の割に見た目も重視。らんがフォローしていたソロもぐちゃんの記事を見せると「それ書いてるのわたくしです」と朗らかに答えます。めっちゃビックリするここね。そりゃーそうだろうね。言っちゃなんだけど、ここねから見たら轟さんはただの運転手。スキップしながら昼飯食べに行く姿なんて想像すらできないでしょう。何なら私生活があるなんて思ったことすらないかもしれない。ここの「ぁ~~」はセンス・オブ・ワンダーの証。こういう気づきって大事。
ここねの隣に座るとキッカケを話し始めます。何年も前、忙しくて食べることを疎かにしていた頃があった。その時にたまたま食べたのがこのホットドッグ。
「そのとき一人で食べたホットドッグの美味しいことと言ったら。おかげでわたくしは食べることの楽しさに気づいたんです」
折角みんなで食べたのにランチを楽しむことが出来なかったと振り返るここね。
大切なのは自分自身が食べることを楽しめているかどうか。
「もし楽しみ方がわからなくなったときはじっくり一人で食べるときっとお料理が教えてくれますよ」
先に食事ありき。これは本作の特徴であると同時に自分と向き合うための作法(マナー)なのでしょう。一人でゆっくり楽しむ食事もまた人を豊かにする。自分で料理を作らなくても飾り付けをする創意工夫もある。そうした気持ちの余裕が揺るぎない自分のスタイルを作り上げる。孤独は自分との対話。前回のエピソードでもあったように食べ物に何をかけるかだって自分スタイル。やり方次第でそこから話を広げることだってできる。その食べ方に自分が納得することから始めよう。そして相手の食べ方に敬意を払おう。それが本作の作法。
散歩してくると言い残して轟さんは席を立ちます。
一人でじっくりとホットドッグを味わうここね。「うん、美味しい」。レシピッピが出現。そこにパムパムが合流。思い出したように轟さんは凄い!と言うと、ここねは静かに「そうね」と頷きます。この間好き。
レーダーに感知。ウバウゾー召喚。
今更だけどフィールドに隔離する必要からマリーが必須になるので流れ的に単独変身がちょっとしずらい。全員合流して変身。
巨体を使ってプレスしてくるウバウゾー。しかし動きは遅いのでこちらが先手を取れば……迎撃ビーム。射撃戦であまり役に立たないバリカッター君。さらには頭頂部の蓋を開けてバキューム。岩を吸い込んでドリップ。吸い込まれたらひとたまりもない。
ここはスパイシーの踏ん張りどころ。轟さんの思い出を取り戻す。
ブラペ参戦。腕を構えると射撃体勢。お、強そう。しかしスパイシーは風を逆に利用するとカウンターを決めます。あとは両サイドからパンチとバリカッターで抑え込めば単独技でも十分。今回はブラペの出番なし。この略称言いやすくていいな。
みんなでホットドッグをパクリ。
大好きなサンドイッチを楽しめないなんて、みんなとのランチにちょっと張り切りすぎていたと反省するここね。一人でもみんなとでも自分が楽しまないと。
ソロもぐちゃんの新しい投稿を見るとパムパムを発見。ソロもぐちゃんと会ったの?とらんが訊ねるとそこに轟さんが居合わせます。イメージに合わないのかなかなか理解してくれないらん。
そんな彼女をよそに、ここねはいつもと同じ姿の、でもいつもと違って見える轟さんに手を振ります。
③次回予告
華満さんってちょっと変わってるよね~(火の玉ストレート)
○トピック
視聴者の期待に応えてくれるここねちゃんはみんなのアイドル(おもちゃ)
「みんなと」にこだわるここねと、一人で食べる豊かさを語る轟さんを対比させる教育的指導回。
最近の給食は黙食になっているので陰キャに追い風な状況かもしれませんが、食にまつわる人間関係のアプローチは自然かつ上手い試みだと思います。ちょっと前に便所飯なんてワードがありましたがどうやらランチメイト症候群と名付けられる程度には市民権があるようです。対人恐怖症が多い日本人らしい問題ですね。顔色伺いが低年齢化している説もあるのでそれが子ども向け番組にまで押し寄せてきているのはある種必然と言えます。
ここねのような陰キャはまだわかりやすい部類でしょう。なんならこの子はぼっち道を極めてもさほど支障はない。むしろ一見すると陽キャに見えて友達との絡みを見かけないらんの方がヤバい匂いがする。語られていない部分に陰が潜んでいるパターン。流石、開示のタイミングがわかってる。
みんなと仲良くできるか、自分がどう思われているか(見られているか)が現代では非常に神経質な問題になっています。以前9話でも触れた「相手の意見は尊重しなければならない」圧が「相手の気分を害してはならない」というように様々な形で日常シーンに入り込んでいる。そのコストを払うだけでもクタクタになってしまうほどに。これの何が面倒くさいって相手が不特定多数なところ。親子、兄弟、特定の友達ならやりようはある。ところがこれは常にどんな相手とも絡んでくるので逃げようがない。私ならバカバカしくなってや~めたって言っちゃうんですが、みんながみんなそうできるわけじゃない。それをやるのにだってスタイルを確立している必要がある。
というわけでノーテンキに見えるらんにも悩みがある。次回はそんなお話。
先生、どうか皆の前でほめないで下さい/映画を早送りで観る人たち
○先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち 金間大介 東洋経済新報社
○映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ 稲田豊史 光文社
『映画を~』は元になっているネット記事にもあるとおり、若者のライフスタイルについて書かれた本。情報過多の現代で如何に手早く効率的に情報を収集し仲間内での話題についていけるか。大量のコンテンツを大量に売り捌くサービスが当然となった現代ならではのライフスタイルと若者の意識が取り上げられている。
『先生~』は教育者(研究者)視点で書かれた内容で、若者の処世術とその裏に潜む心理を面白おかしく解説している。
両書に共通して見られるのは若者の同質・右倣え化。
様々な著者や研究者が現代の若者(いわゆるZ世代)について特徴を上げた際にほぼ共通して見られるのは、その保守性とコミュニティの狭さ、そして決定的な自信のなさ。
人の目を気にしながら、適度な距離感と関係性を保つ。とてもナイーブでセンシティブな息苦しい世界。と同時に、安定した世界。その絶妙なバランスに揺らぎをもたらすものを、いい子症候群の若者は「圧」と呼ぶ。(『先生~』)
まさにこの論理が裏に、というか表から見てもバリバリにテカっている。
たとえば若者が出世欲に乏しいことは有名だが、これをワークライフバランス重視の志向から説明するのは間違っていると『先生~』の金間氏は指摘する。
第1の誤解は、若者のプライベートな時間の重要度が上がったがゆえに、仕事に対する意識が低下した、と考えることだ。
これの何が誤解かというと、「今の若者は積極的にワークライフバランスを取りにいっている」と考える点にある。人並み以上に努力する=意識高い系の人たち、ワークライフバランスを重視する=そのほかの人たち、というイメージだろうか。
しかしよく考えてほしい。いい子症候群の視座からは、積極的にワークライフバランスを取る時点で意識高い系なのだ。プライベートの時間を重視したい、私生活を豊かにしたい、といった「○○したい」という表現自体、意識が高い証拠であり、全然、いい子症候群らしくない。「積極的ワークライフバランス派」は大人が作った虚像にすぎない。「自分の時間を大切にしたい」なんて私から言わせればとても前向きだ。
いい子症候群の若者は、むしろ「○○したくない」という思考が中心となる。リスク回避志向とはそういうことだ。
多くの若者がプライベートの時間に何をしているかといえば、ゲーム、ユーチューブ、Amazonプライム・ビデオ、Netflix、そしてSNSだ。これらはコロナ禍のステイホームによってより加速した。
は? そんなこと? と思うかもしれないが、そう、そんなことだ。もう一度言うが、本書で議論しているいい子症候群の若者たちは、特にやりたいことはないのだ。そもそも、人に譲れないほどの趣味を持つ人なら、仕事もそれなりにがんばれる。ある意味で自分の中に1つの軸ができているから、陰キャぽくもメンヘラぽくもなったりしない。(同。強調は著者)
あけすけな意見だが『映画を~』読んだ上でこの文章を読むと驚くほど的を射た指摘だと思う。
『映画を~』で紹介されている若者はまさにこういうメンタル。SNSや仲間内で流行っている情報を聞きつければとにかくそれを漁る。中身を詳しく知る必要はない。話についていければいい。情報収集が目的だから倍速視聴で問題ない。ドラマの1、2話を見た後に最終回に飛んでもいい。彼らの情報は常に誰かの後追いであり、人気作などの勝ち馬に乗ることに重きが置かれている。またオタクにも憧れがある。それはオタクが○○の第一人者、精通した人として認識されているから。しかし実際にオタクになるには相当の時間と適正が必要。でも彼らはその努力を払いたくない。要領よく、手軽に、良いところだけ切り取りたい。つまりこだわりがない。
森永氏によれば、昔と今とでは倍速視聴の性質が違う。新たな”目的”が出現しているという。
「昔の人が早送りしていたのは、自分のためですよね。コンテンツが大好きな人が、限られた時間でたくさん作品を観て、自分を満足させるため。だけど今の若者は、コミュニティで自分が息をしやすくするため、追いつけている自分に安心するために早送りしています。生存戦略としての1.5倍速です」(『映画を~』)
これらの行動や趣向はもはや主体性ではなく、周囲に付いていくため(乗り遅れないため、知らないことで自分が浮かないため)の保険的行動に近い。まさに「○○したい」ではなく「○○したくない(のけ者にされたくない)」の精神。
また、学生の主体性としてよく社会貢献への意欲が取り上げられるがこれも金間氏はこう説明する。
いい子症候群の若者にとっての社会貢献とは何か。
それは、誰かに「貢献する舞台」を整えてもらった上での貢献を意味する。責任を取る誰かがいて、調整してくれて、意思決定もしてくれて、その上で自分らしさを発揮するお膳立てをしてもらってからするのが社会貢献。
さらに事後には「君がいてくれて本当に良かった。いつもありがとう」と言ってもらうのが社会貢献。(同)
別の本で大学教授が学生の社会貢献活動について褒めていたが、よくよく考えればその大学教授が必ず引率する形で同行していたように思う。学生だけだと万一のときに責任問題になるからだ。学生たちは大学教授という後ろ盾と弾除けがあることを前提に活動していたのではないか……そのように捉え直すこともできる。
ではなぜ社会貢献をするのか。それは承認欲求を満たすため。
上述したように常に後追いをする若者が第一人者になることはない。TwitterをはじめとしたSNSではすぐに自分の上位互換が見つかる。博識、情報通、絵が上手い、文章が上手い、フォロワー数、いいねの数など評価が可視化される。チヤホヤされるのは一部の人だけ。知ったかぶりをすれば誰かがシュババッとやってきてダメ出しされる。そこで残された手が社会貢献。イメージ的に良いし、批判されることもない。お金もそんなにかからないし、手を引こうと思えばいつでも引ける。リスクが低い割にポイントが高くコスパが良い。見事『映画を~』の若者像と合致する。
こうした行動の背景には若者の自信のなさが起因していることが見えてくるのだが、しかしこの理由については金間氏も明確な答えを用意していない。
若者が狭い範囲の仲間や友達の輪だけで完結していること、コミュニティ内での同調圧力が強いことは様々な研究者が観察・指摘しています。また、大学教授が口を揃えて言うのは、昔に比べて現代の若者は身内で固まること。まるで独りでいることが恥であるかのように常に誰かとつるむ。今の時代簡単に連絡が取れるのに。
この辺の詳細、根源的な部分についてそれっぽい説明はあっても個人的にスッキリするような説明は見たことがありません。
私見を言うなら、彼らは単純に自信がないわけではないのだろうと思う。
周囲の空気や意見、顔色を過剰なまでに先取りし、それを自身の行動規範にしているがゆえに主体性が後退して、その結果として自分から働きかける経験や手法を見失っているのではないか。あるアンケートによれば「人の気持ちがわかる」「思いやりがある」「よく相談を受ける」という項目について大学生の自己評価は高い。しかしこれらは金間氏が指摘するように「頼まれたらやる(言われたらやる)」という受動的な態度が起点になっている。事実最も自己評価が低いのは「リーダシップ」。
いわゆる指示待ち人間だが、言い換えれば具体的に指示を出して、模範例も与えれば彼らは従順なまでにやるという。SNSの話題にしてもそう。すでに人気な作品、勝ち馬に乗ることに関してはアンテナが高く敏感。これはもはや行動規範が自分の中に無いと言っていい。その先取りが低年齢化しているのだと思われる。
社会が個人の主張を許さない風潮(多様性という名の配慮と圧力)が強まっているのもそれに拍車をかけているように思う。
顕著な例をあげるなら、もはや医学的根拠ではなくみんなが着けているから(着けないと白い目で見られるから)マスクしているであろう現状を鑑みれば、なるべくしてなったと言えなくもない。みんな誰かが外すのを、あるいは偉い人が外せと言うのを待っている。だって自分は責任を取りたくないから。
こう書くとお前だってマスクしてるだろ、と思われるかもしれません。してないです。ずーっとノーマスク。無職のひきこもりが着ける意味がない。外出しても独りだからしゃべらないし。
仕事をしていたらマスクはしていただろう。が、これまで入店を断られたのは3回。マスク警察にも遭遇したことはありません。ということは仕事以外でノーマスクでもほとんどの日本人は気にしないのだ。日本人のメンタル的に知らない人に声をかけるのはハードルが高い。結果ザルになる。つまり身内同士で監視(牽制)し合っている。逆に言えばここまでドロップアウトした人間でないと割り切れないのが日本社会。
そりゃ自分の意見引っ込めて顔色伺うようにもなる。こういう小さな、でも日常生活全般にわたって空気のように染み込んでいるモノが人間の鋳型になってるんじゃないかな。
私が若者論について情報を得ようとするのは人間が社会的動物である以上、社会構造と精神構造は切り離せないと思っているからです。それを現在進行形で観察できる若者は生きた標本なのだ。
第14話「初恋ってどんな味?恋するキモチと拓海のこたえ」
○今週のメニュー
①初恋の味売ります
前回の補足。思い出が奪われるけどレシピッピを救出できればOK
新製品「スイートクリスタル」を取り出すらん。初恋の味が売り文句。何味?とゆい。百聞は一見にしかず。早速実食。
そう思って手近な公園に行くと拓海と見知らぬ少女を発見。何の話だ?と近づこうとしたところをマリーに止められます。お前どこにでも出現するな。このイベントは間違いなくアレ。
突然の告白を受ける拓海。それを見た一同は(一名と一匹を除き)ドキドキ。
拓海が答えに窮していると、女の子は答えを待たずに走り去っていきます。言いたいことだけ言って逃げていきやがった。これアレか、またエンカウントするまでイベント進められないやつ?
女の子が逃げた先には出歯亀軍団。開口一番謝ります。潔い。
自分も誰かに話聞いてほしかった~!と泣き出す女の子。気持ち的にいっぱいいっぱいだったんだろうけど、感情の起伏デケェな。たぶん拓海も今頃誰かに聞いて欲しいけどいやでもこれどうすればいいのかわかんね状態になってる。
そんなわけでテンパってる女の子にハンカチとスイートクリスタル(飴?)を差し出します。ナイスファイトと健闘と讃えるマリー。誰か拓海のケアもしてあげて。女の子は落ち着くと本間ともえと名乗ります。
キッカケは食堂での会話。目玉焼きには何をかける? 塩コショウ、しょうゆ。ともえはケチャップとマヨネーズ。その発想はなかった。どんな味するんだ? というように自分がマイノリティなことを自覚しているともえはやや気後れしながら答えようとしたところで、隣から大声。
同じセレクトをしていたのが拓海。それを聞いた女友達が笑います。愛想笑いを返すともえ。しかし拓海はいささかも気後れすることなく好きに食べれば良いと意に介しません。サラダにはコショウ。何にでもかけるらしい。美味しそうにサラダを食べる拓海。そんな拓海に惹かれたと話すともえ。
ソース、しょうゆ、ケチャップ…どれでもOK。ゆいもらんも恋バナよりも食べ物の話に食いつきます。こういうのは親の食生活にも影響を受ける部分でもあるので、好きにしろやという教育的指導。実際私も子どもの頃、コロッケにしょうゆをかけていたら友達から笑われた経験があるので今も昔も変わらないのでしょう。
勢いで告白した。その言葉に頷くマリー。オネェキャラ便利だよな、メンター役までこなせる。返事を聞くのが怖くて逃げてきたと話すともえ。彼女個人の話で言えば、恋バナ云々というより勇気の話。今の彼女は目玉焼きにはケチャップとマヨネーズ!と叫んだ瞬間に逃げただけ。
自分がどう思われているのかを聞くのて勇気がいるよね、と実感を持って頷く陰キャ。君、来週出番っぽいよ。
そういうわけで目下の課題は拓海の返事を聞くこと。マリー達の協力を得ながらともえは頑張ることに。
ともえと別れた一同は、当初の目的であったスイーツクリスタルを実食。
すっぱい。甘い。炭酸。爽やか。とろけるハーモニー。後味スッキリ。景品表示法的に大丈夫? 恋する気持ちは十人十色なのでセーフ。とりあえずマリーの恋バナは一番どうでもいいです、はい。
アジトではセクレトルーも新商品を入手。
献上する前に毒見をする必要がある。それは建前で自分が食べたいだけでは?とツッコミを入れるナルシストルー。図星。っていうか自分の分は取ってある。だったらなおさら食うなよ。どんだけ食いてーんだよ。甘酸っぱい味にほっこり。やっべ、どんどんどうでもいい情報が積み重なっていくんだけど。
なごみ亭を訪れる拓海。
先に席に着いていたマリーに呼びかけられます。渡りに船。無言で相席すると睨みつけます。相手の意図が読めないマリーはオススメの定食を紹介。あんたに訊きたいことがある。それを聞いた瞬間、ゆいのことだと察するマリー。真剣な口調になると本題を切り出します。
「いつから好きなの? ゆいのこと」。知ってた。ついでに今日のことも話します。こうなると話がそっちにしか行かなくなる。結局マリーのペースに乗せられてしまう拓海。そこにゆいも登場。ふたりが仲良くなったと喜びます。幼馴染ヒロインって逆に攻略するの難しいパターンあるよね。
自室に戻り改めてマリーを評価する拓海。悪い奴ではなさそう。そうなると後は自分がどうするか。とりあえず貰った飴をパクリ。拓海の初恋は苦いようです。
②その名は…!
あまねは今日も面会ならず。やや不穏な空気も流れていますがこっちのイベントはまだフラグが完全に立っていないので保留。
Pretty Holicでお買い物。あまねが元気になったらプレゼント。その後を追う拓海。拓海にできること=ストーキング。まあ、タキシード仮面ってそうだよね。
レストランに行くとともえを発見。
相席してみんなで目玉焼き付きスパゲッティ。ここでも食べ方はそれぞれ。一緒に食べる、別に食べる、今日はタバスコの気分、粉チーズ、そしてともえはケチャップとマヨネーズ。あれから一歩進んでお返事を聞きたいと心の準備もできたようです。拓海先輩のこともっと好きになっちゃったから。その先輩、今幼馴染をストーキングしてます。
レシピッピを探索していたナルシストルーが回収。
思い出を失うともえ。ゆい達の思い出はウォッチでプロテクト。店を出ると目の前にナルシストルー。フィールドで隔離。拓海も「やれるさ!」と飛び込んでいきます。やってみせろよ、幼馴染仮面。
ウバウゾーに正面からパンチを出そうとしたところでマリーが制止。案の定高温の蒸気を吹き出して反撃。まともに行ってたら危なかった。マリーの指揮能力は認めるものの戦闘力がなければどうということはない。そう判断を下すナルシストルー。
隙を突いてヘヴィプレスで動きを止めてバリバリでダメ押し。しかし基礎能力が上がっているウバウゾーを止めるには至らず、マリーが狙われます。
フォローに回ったプレシャスが被弾すると2人もろとも狙われ……ここで薔薇(的なもの)。前回といい破壊力高め。
「気を抜くな」
土煙の中から誰何の声。
「あなた、誰?」
「おっ……」
名前考えてなかったな。
「俺は……私は! ブラックペッパーだ!」
設定甘そう。でもやるしかねぇ。去年の先輩もこのまま行くしかないって言ってた。彼の後ろ姿を見たマリーは「シナモン」を連想。こっちはこっちで関わりがあるのか。この衣装、流石に自作ってことはないだろうから石と一緒に父親から譲り受けたと思うけど、門平=シナモンって感じもしないし、思ったより入り組んでそう。
衣装的にはブラックペッパーっていうかリボンの騎士。帽子に堂々と石を飾っているのでマリーにモロバレ。
「あっ……これは……」
もっと堂々とした方がいいと思うぞ。そんなことはどうでもいい!!って言い切らないと。
自己紹介も終わったので1000キロ叩き込んで決着。いつの間にかブラックペッパーは姿を消しています。
シナモンなわけはない。でもあれはクックファイター? と心の中で呟くマリー。クッキングダム側の戦闘員でもいるのか。
③その恋の行方は
拓海はともえに頭を下げます。すると手を差し出すともえ。
報告。振られちゃった。
でもお友達になってくださいって言えたから勝ち。改めてみんなで飴を実食。
「これが初恋の味!」
④次回予告
大量の高級食材持ち込みそう。
○トピック
ナレーションは絶対に入れる(義務感)
拓海→ゆい→ブラックペッパーの謎の三すくみ発生したら笑う。
色恋よりも食い気。ガチ恋路線で行くと話が重くなるのでともえのエピソードを茶化しつつ、拓海のかっこいい部分と食育をサンドイッチ。さらにクックファイターなる存在も盛り付け。主にクッキングダムの連中が話をややこしくしている感。これがどう主人公たちに結びついていくのか。
恋愛要素に関してはプリキュア的には未知数。
一応おさらいとしてサラッと挙げると、初代やS☆Sでは憧れという形で落ち着きました。5は映画でキスシーンがあったりと攻めていましたが物語としてはそこが主流でもなく、それ移行は男子キャラが出てもそこまで深く絡まず、途中ガチ泣きを挟み、最終的に出産に至っています。最後飛びすぎだろって思うかもしれませんがプリキュアってそういうことするんで。ただやはり恋愛そのものがメインには入ってこないし、入れたこともない、というのがシリーズの流れです。未就学児童相手のアニメでそれやってもお母さんが食いつくか、大きなお友達がお気持ち表明するだけなので本末転倒にしかならないのは目に見えている。
ただの恋愛要素というんじゃなしに男の子との考え方の違いを物語に落とし込んでいくアプローチであればプリキュア的には未開拓。目玉焼きにケチャップとマヨネーズをかけたいように、好きな子を守りたいと思うのだって認められて然るべきでしょう。こういった点でも拓海はジョーカー的に使えます。ゆいのメンタルが変わる気配全くないのと、変わった先が全く想像できないけど。
幼馴染仮面に関しては自己紹介が済んだと思うので一旦区切って、次回から個人回ローテの通常営業かな。ここ最近はジェントルーなどでバタバタしていたので落ち着きたいところですが、陰キャのことだから何かしでかしそう。
①初恋の味売ります
前回の補足。思い出が奪われるけどレシピッピを救出できればOK
新製品「スイートクリスタル」を取り出すらん。初恋の味が売り文句。何味?とゆい。百聞は一見にしかず。早速実食。
そう思って手近な公園に行くと拓海と見知らぬ少女を発見。何の話だ?と近づこうとしたところをマリーに止められます。お前どこにでも出現するな。このイベントは間違いなくアレ。
突然の告白を受ける拓海。それを見た一同は(一名と一匹を除き)ドキドキ。
拓海が答えに窮していると、女の子は答えを待たずに走り去っていきます。言いたいことだけ言って逃げていきやがった。これアレか、またエンカウントするまでイベント進められないやつ?
女の子が逃げた先には出歯亀軍団。開口一番謝ります。潔い。
自分も誰かに話聞いてほしかった~!と泣き出す女の子。気持ち的にいっぱいいっぱいだったんだろうけど、感情の起伏デケェな。たぶん拓海も今頃誰かに聞いて欲しいけどいやでもこれどうすればいいのかわかんね状態になってる。
そんなわけでテンパってる女の子にハンカチとスイートクリスタル(飴?)を差し出します。ナイスファイトと健闘と讃えるマリー。誰か拓海のケアもしてあげて。女の子は落ち着くと本間ともえと名乗ります。
キッカケは食堂での会話。目玉焼きには何をかける? 塩コショウ、しょうゆ。ともえはケチャップとマヨネーズ。その発想はなかった。どんな味するんだ? というように自分がマイノリティなことを自覚しているともえはやや気後れしながら答えようとしたところで、隣から大声。
同じセレクトをしていたのが拓海。それを聞いた女友達が笑います。愛想笑いを返すともえ。しかし拓海はいささかも気後れすることなく好きに食べれば良いと意に介しません。サラダにはコショウ。何にでもかけるらしい。美味しそうにサラダを食べる拓海。そんな拓海に惹かれたと話すともえ。
ソース、しょうゆ、ケチャップ…どれでもOK。ゆいもらんも恋バナよりも食べ物の話に食いつきます。こういうのは親の食生活にも影響を受ける部分でもあるので、好きにしろやという教育的指導。実際私も子どもの頃、コロッケにしょうゆをかけていたら友達から笑われた経験があるので今も昔も変わらないのでしょう。
勢いで告白した。その言葉に頷くマリー。オネェキャラ便利だよな、メンター役までこなせる。返事を聞くのが怖くて逃げてきたと話すともえ。彼女個人の話で言えば、恋バナ云々というより勇気の話。今の彼女は目玉焼きにはケチャップとマヨネーズ!と叫んだ瞬間に逃げただけ。
自分がどう思われているのかを聞くのて勇気がいるよね、と実感を持って頷く陰キャ。君、来週出番っぽいよ。
そういうわけで目下の課題は拓海の返事を聞くこと。マリー達の協力を得ながらともえは頑張ることに。
ともえと別れた一同は、当初の目的であったスイーツクリスタルを実食。
すっぱい。甘い。炭酸。爽やか。とろけるハーモニー。後味スッキリ。景品表示法的に大丈夫? 恋する気持ちは十人十色なのでセーフ。とりあえずマリーの恋バナは一番どうでもいいです、はい。
アジトではセクレトルーも新商品を入手。
献上する前に毒見をする必要がある。それは建前で自分が食べたいだけでは?とツッコミを入れるナルシストルー。図星。っていうか自分の分は取ってある。だったらなおさら食うなよ。どんだけ食いてーんだよ。甘酸っぱい味にほっこり。やっべ、どんどんどうでもいい情報が積み重なっていくんだけど。
なごみ亭を訪れる拓海。
先に席に着いていたマリーに呼びかけられます。渡りに船。無言で相席すると睨みつけます。相手の意図が読めないマリーはオススメの定食を紹介。あんたに訊きたいことがある。それを聞いた瞬間、ゆいのことだと察するマリー。真剣な口調になると本題を切り出します。
「いつから好きなの? ゆいのこと」。知ってた。ついでに今日のことも話します。こうなると話がそっちにしか行かなくなる。結局マリーのペースに乗せられてしまう拓海。そこにゆいも登場。ふたりが仲良くなったと喜びます。幼馴染ヒロインって逆に攻略するの難しいパターンあるよね。
自室に戻り改めてマリーを評価する拓海。悪い奴ではなさそう。そうなると後は自分がどうするか。とりあえず貰った飴をパクリ。拓海の初恋は苦いようです。
②その名は…!
あまねは今日も面会ならず。やや不穏な空気も流れていますがこっちのイベントはまだフラグが完全に立っていないので保留。
Pretty Holicでお買い物。あまねが元気になったらプレゼント。その後を追う拓海。拓海にできること=ストーキング。まあ、タキシード仮面ってそうだよね。
レストランに行くとともえを発見。
相席してみんなで目玉焼き付きスパゲッティ。ここでも食べ方はそれぞれ。一緒に食べる、別に食べる、今日はタバスコの気分、粉チーズ、そしてともえはケチャップとマヨネーズ。あれから一歩進んでお返事を聞きたいと心の準備もできたようです。拓海先輩のこともっと好きになっちゃったから。その先輩、今幼馴染をストーキングしてます。
レシピッピを探索していたナルシストルーが回収。
思い出を失うともえ。ゆい達の思い出はウォッチでプロテクト。店を出ると目の前にナルシストルー。フィールドで隔離。拓海も「やれるさ!」と飛び込んでいきます。やってみせろよ、幼馴染仮面。
ウバウゾーに正面からパンチを出そうとしたところでマリーが制止。案の定高温の蒸気を吹き出して反撃。まともに行ってたら危なかった。マリーの指揮能力は認めるものの戦闘力がなければどうということはない。そう判断を下すナルシストルー。
隙を突いてヘヴィプレスで動きを止めてバリバリでダメ押し。しかし基礎能力が上がっているウバウゾーを止めるには至らず、マリーが狙われます。
フォローに回ったプレシャスが被弾すると2人もろとも狙われ……ここで薔薇(的なもの)。前回といい破壊力高め。
「気を抜くな」
土煙の中から誰何の声。
「あなた、誰?」
「おっ……」
名前考えてなかったな。
「俺は……私は! ブラックペッパーだ!」
設定甘そう。でもやるしかねぇ。去年の先輩もこのまま行くしかないって言ってた。彼の後ろ姿を見たマリーは「シナモン」を連想。こっちはこっちで関わりがあるのか。この衣装、流石に自作ってことはないだろうから石と一緒に父親から譲り受けたと思うけど、門平=シナモンって感じもしないし、思ったより入り組んでそう。
衣装的にはブラックペッパーっていうかリボンの騎士。帽子に堂々と石を飾っているのでマリーにモロバレ。
「あっ……これは……」
もっと堂々とした方がいいと思うぞ。そんなことはどうでもいい!!って言い切らないと。
自己紹介も終わったので1000キロ叩き込んで決着。いつの間にかブラックペッパーは姿を消しています。
シナモンなわけはない。でもあれはクックファイター? と心の中で呟くマリー。クッキングダム側の戦闘員でもいるのか。
③その恋の行方は
拓海はともえに頭を下げます。すると手を差し出すともえ。
報告。振られちゃった。
でもお友達になってくださいって言えたから勝ち。改めてみんなで飴を実食。
「これが初恋の味!」
④次回予告
大量の高級食材持ち込みそう。
○トピック
ナレーションは絶対に入れる(義務感)
拓海→ゆい→ブラックペッパーの謎の三すくみ発生したら笑う。
色恋よりも食い気。ガチ恋路線で行くと話が重くなるのでともえのエピソードを茶化しつつ、拓海のかっこいい部分と食育をサンドイッチ。さらにクックファイターなる存在も盛り付け。主にクッキングダムの連中が話をややこしくしている感。これがどう主人公たちに結びついていくのか。
恋愛要素に関してはプリキュア的には未知数。
一応おさらいとしてサラッと挙げると、初代やS☆Sでは憧れという形で落ち着きました。5は映画でキスシーンがあったりと攻めていましたが物語としてはそこが主流でもなく、それ移行は男子キャラが出てもそこまで深く絡まず、途中ガチ泣きを挟み、最終的に出産に至っています。最後飛びすぎだろって思うかもしれませんがプリキュアってそういうことするんで。ただやはり恋愛そのものがメインには入ってこないし、入れたこともない、というのがシリーズの流れです。未就学児童相手のアニメでそれやってもお母さんが食いつくか、大きなお友達がお気持ち表明するだけなので本末転倒にしかならないのは目に見えている。
ただの恋愛要素というんじゃなしに男の子との考え方の違いを物語に落とし込んでいくアプローチであればプリキュア的には未開拓。目玉焼きにケチャップとマヨネーズをかけたいように、好きな子を守りたいと思うのだって認められて然るべきでしょう。こういった点でも拓海はジョーカー的に使えます。ゆいのメンタルが変わる気配全くないのと、変わった先が全く想像できないけど。
幼馴染仮面に関しては自己紹介が済んだと思うので一旦区切って、次回から個人回ローテの通常営業かな。ここ最近はジェントルーなどでバタバタしていたので落ち着きたいところですが、陰キャのことだから何かしでかしそう。
人口減少時代の土地問題(吉原祥子)
○人口減少時代の土地問題 「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ 吉原祥子 中公新書
人口減少と超高齢社会によって近年表面化しつつあるのが空き家問題。
別の記事でマンション問題を取り上げましたが、本書が焦点を当てているのはズバリ「土地」。
田舎にある実家や土地って要らないよね。
税金や管理のことを考えれば相続しても負債にしからない。そもそも実家の土地が具体的にどこからどこなのかすらわからない。って人は少なくないでしょう。私もそうです。だから去年父親が亡くなったときに相続放棄の手続きをしました。これを母親や弟が亡くなったときにも繰り返せばOK。……そう思っていた時期がありました。実は相続放棄しても管理責任は放棄できません。これ勘違いしている人多いと思います。
ということで身近な相続問題から、国や自治体レベルでの土地問題について書かれているのが本書。
オビに「持ち主がわからない土地が九州の面積を超えている」と書かれていますがこれはちょっと語弊があります。あくまでサンプルとして選らばれた自治体を調査した結果、登記件数の割合的に約2割が所有者不明だったというだけであって、イコール全国、イコール面積ではありません。本書では2014年の国土交通省調査の資料が使われていますが2016年にも同様の資料があって、確かにそこにも九州の面積が引き合いに出されています。が、これは単純に掛け算しているだけです。たぶん数字を大きく見せたいからこんなことしてるんでしょうけど。もとを辿ればお前らの怠慢なんだけどさ。
それはそれとして、国の管理はザル&雑です。
土地の所有者が記載されている登記簿。これ、任意なので変更義務はありません。なので所有者が亡くなっても相続人が変更届けを出さなければずっとそのままです。これが段々と積み重なって所有者不明の土地が無視できなくなってきています。税金もそうだし、災害時や公共利用などで地権者の確認が煩雑あるいはほぼ不可能な状態に陥ってしまう。想像してみてください。所有者は100年前の人。相続人はその子ども、孫、ひ孫。何人いるのか調べて、関係者全員の場所を洗い出して、連絡して現在の地権者を特定する。特定できればいい。これがキッカケで相続人が土地を取り合ったり、押し付け合ったりしたらもう話が進まない。だから自治体も及び腰になる。
土地とその所有者についての管理はいくつか基礎データがありますが、それらは例によって法務省、総務省、国土交通省、農林水産省などに分散されていて一元化されていません。国土に関わるんだから統一的な土地データってあるんじゃないの?と思うじゃん。
あるんですよ。戸籍ならぬ地籍が。ところがこれの調査登録が未だに進んでおらず達成率は50%程度。本書が比較のために挙げているフランス、ドイツ、韓国、台湾は100%。断言しますが人手不足と予算不足で絶対完了しないね。そもそも登記が義務化されてないんだからやったところで所有者不明になるだけ。
え、でも税金は? 固定資産税払うんだから持ち主わかってるんじゃないの?と思うじゃん。
ここも運用上の手続きでナアナアにしているようなのです。登記上の所有者が故人であった場合の対応の一つに死亡者課税があります。
「死亡者課税」とは、死亡者への無効な課税を指す。土地・家屋の所有者が死亡した場合、本来は、次の二つのうちどちらかを行う。
①相続登記を済ませてもらい、相続人に納税義務者を変更する。
②相続登記が行われない場合は税務部局で相続人調査を行い、法定相続人の共有名義に納税義務者を変更する。
だが、②の場合、相続人調査には多大な時間が必要なため、次善の策として「親族の誰か、あるいは相続人の代表者が払っていればよい」としている。
ここに法的には無効だが、やむをえず登記簿名義人が死亡者のままで課税を続けている事例がある。
これは繰り返し述べてきたが、固定資産課税台帳の基礎情報である不動産登記が任意であるため、登記情報と土地課税に関する情報が完全には連動せず、自治体による土地所有者(納税義務者)の把握が困難だからだ。
元々慣習的にも法的にも相続による名義変更がされず、特に田舎ではその傾向が強い。土地を売買するでもなく、親の家や土地をそのまま相続するなら手続き上も生活上も支障がない。税金は払っておけばいい。この結果、税金は払われているけど土地の所有者は故人という傍から見れば謎な現象がまかり通ってしまうわけです。日本人は柔軟だよね(褒めてない)。
では、所有者もわからない。税金も払われていない土地はどうするのか?
課税保留または税金の徴収が不可能として不納欠損処分されます。つまり実質的な棚上げ。
(本書が紹介している自治体のコメント例)
当自治体ではこれまで課税保留は行ってこなかった。しかし近年、どうにも課税できない事案が出てきてどうしてよいかわからず、新たに要綱を制定し課税保留を始めることにした。具体的には、相続人不存在の事案や倒産法人の滞納分が対象になる。相続人不存在というのは、相続人全員が相続放棄している場合と、そもそも相続人の所在がまったく追えない場合とがある。相続財産管理制度を利用して管理人を立て精算するという方法もあるが、多くの場合、費用対効果が見込めない。納税通知書の送達先がないということは、課税客体として成り立たないということ。そうなると、課税保留するしかなくなってしまう。
専門用語がいくつか出てきて理解しずらいと思います。でもここがある意味個人レベルで大きく関わってくる部分なので人によっては大事な箇所です。
冒頭で相続放棄しても管理責任は放棄できないと書きました。おそらくほとんどの人は「相続されなかった資産(土地)は最終的に国庫に帰属される」ことはご存知でしょう。これは民法第239条第2項に書かれています。しかしこれがどのような手続きで帰属されるのか知っている人はわずかでしょう。私も本書を読んで、ネットで調べて初めて知りました。
所有者不明、もしくは相続放棄された資産(土地含む)は相続財産法人として扱われ、相続財産管理人がその整理を行います。
話を簡単にするために一族みんな私以外死んで家と土地が残ったとします。要らないので相続放棄をする。それだけでは家と土地は国に帰属されません。必要書類を揃えて裁判所に行き、相続財産管理人を選任してもらう必要があります。管理人が改めて資産と相続人の有無を調べ売却などを通じて最終的に国庫に帰属という形になります。その間の家や土地の管理責任は私にあります。また、当たり前ですが管理人への報酬も払う必要があります。
土地はいいとして(たぶんそれでも揉める)問題は家。空き家問題と言われるように撤去費用だって馬鹿にならない。そんなものをホイホイ自治体や国が引き取るわけがない。当然撤去しろと言われるか、ゴネられる。寄付も公共利用可能な土地でなければ受け付けない。つまり能動的に土地(と家)の権利放棄はおいそれとできないのです。ここは人によって重要な部分なので覚えておきましょう。この例は「私」として説明しましたが、所有者不明の土地であればこの手続きは自治体が行います。土地に価値があればまだしも二束三文な土地であれば費用対効果がマイナスになるのでやるだけ無駄。なら放置してしまおうとなってしまうわけです。
詳細についてはここや、ここ、ここなんかが参考になるでしょうか。一度相続放棄してしまうと下手に手を付けられなくなるなどの弊害もあり自分が最終相続人になった場合の対応はかなり面倒です。
田舎の家や土地なんて要らない。相続放棄したい。けど相続財産管理人に金も払いたくない。どうするか?
放置すればいいんです。家が老朽化しても周囲に迷惑をかけなければ問題ないし、田舎であれば固定資産税もそう高くないでしょう。30万円以下なら免税もされる。どーせ相続するときにはそれなりの歳になっている。役所から苦情が来るのが先か死ぬのが先かって話です。責任? 義務? そんなもん投げちまえばいいんです。不誠実なように聞こえるでしょうが、みんなそうしてるでしょ。その結果がこのザマ。マンションだって廃墟化が確定している。それが日本という国であり、そうやって後回しにしてきたのが日本人なんです。この手のものを調べれば調べるほど日本人は目先のことと、自分のことしか考えてないことがわかります。だったら私もそうするって話です。
ちなみに日本がこのような法律になったのはフランス法を下敷きにしています。
日本では、「不動産の売買などによる権利の変動は、当事者間の契約によって成立する。ただし、第三者に権利を主張するためには登記を必要とする」という考え方をとっている。こうした登記の性質は「対抗要件」と呼ばれ、フランス法の考え方を取り入れたものである。登記をしないと権利の変動そのものが成立しないとするドイツ法の「成立要件」の考えとは異なる。
不動産の売買の場合、所有権移転登記をしないと、買い主の側は、第三者の名義に登記されてしまうなどのおそれがある一方、売り主側も、固定資産税の納税義務を負わなければらない。そのため、売買当事者は、いずれも登記を申請するインセンティブが働く。
これに対して、相続については、契約ではなく所有者の死亡という事実によって発生するため、所有権移転の登記をしなくても、自己の所有権が失われることはない。そのため、登記申請をしないケースも多い。不動産を処分する、あるは金融機関から借り入れのために土地に抵当権を設定する、といった特段の必要性がなければ、相続人にとってわざわざ登記を行うインセンティブは低い。
なおフランスでも土地所有者不明問題が発生したので公証人制度を強化してこれを改善したそうです。
また、日本は土地所有についての権利が強いことも特徴です。
土地にかかわる法令を見てみると、所有者の自由度が高いことがあらためてわかる。
まず、土地の売買について、農地以外は売買規制はない。農地については、農地法によって売買規制が定められており、所有権の移転にあたっては事前に地元の農業委員会(農業関係者で構成された組織)の承認を得る仕組みになっている。運用面などで甘いとの批判もあるが、少なくとも農地を売買する際、複数の地元の農業委員に事前に情報が周知され、審査を経ることになっている。
しかし、農地以外であれば、売買の制限はない。売り主と買い主の二者が通常の経済行為として売買を行う。購入者は誰でもよく、たとえその土地が地域にとって大切な水源地や、港湾・空港・防衛施設の隣接地、国境離島など、国の安全保障上重要な土地であっても、二者の合意だけで売買取引は成立する。地下水の権利も原則、土地所有者に帰属すると考えられている。
10年ほど前に尖閣諸島を国有化したときや、水源地を外国人が買ったときなど土地や領土について話題になることがありますが、要するにその辺の法律がザルというか、土地は買ったもんの好きにしていいって法律になっています。公共性より個人の権利の方が強いんですね。一応その辺はこれまでも何度かテコ入れがあったようなのですが、高度経済成長期やバブルなどで地価が高騰して土地への執着と金儲けが優先されてきたという経緯があります。
しかし現在は時代の潮目が変わりました。人口減少と超高齢化によって管理維持できない土地や空き家が増え、それにともなって土地への執着も薄れている。けど制度としては従来のものを引きずっている。法的、運用的再整備の声がだんだんと強まっているものの人も予算も足りない。誰も責任を取りたくないから抜本的なテコ入れをすることもできない。
だからじっくりゆっくり腰を落ち着けて慎重に熟考していればいいんです。私が死ぬまで。
重ねて言いますが、不謹慎でもなんでも現行法や運用ではそういうインセンティブが働くんです。実際にみんなそうやってる。そうならないようにするのが国や議員の仕事なんです。そいつらが仕事しないんなら俺も仕事しないよって話。
みなさんも貧乏くじを引かないよう、もしくは引いたとしても誰かに押し付けられるよう法律や運用実態について勉強しておきましょう。
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